6月1週
今週の相場感
(2) 欧米動向
NY株式市場は1ヶ月以上なかった週間ベースでの下落。 背景はFRBの景気刺激策縮小の考えと中国のHSBCによる製造業の後退観測。 その結果4週連続の上昇は止まった。 米投資雑誌バロンズの指摘は「FRBが株式市場を上昇させていた『流動性供給装置』のブレーキテスト」。 1ヶ月前のFOMC議事録で複数のメンバーが 「景気回復があれば、景気刺激策の縮小を検討することに肯定的だった」というコメントが一方の引き金となった。 とはいえ・・・。 同誌によれば株式市場に弱気ムードが漂っている訳ではないという。 半年以上も続いた強気相場がすぐに終了すると考える投資家は少ないという。 週末金曜は取引終了前にNYダウが反発したために3連続営業日連続で下落していない日が初めて100日を越えたという。 「下げても2日」というリズムは悪くはない。

同誌のもう一つの興味深い指摘は「投資家はドルの復調を気に留めていない」。 一般的にドル高はアンダーパーフォームにつながってきた。 新興国市場が順調だった2001年〜2007年の間、34%のドル安が進行。 MSCIエマージングマーケット指数はドル換算で361%のリターンだった。 しかし、S&P500はわずか42%上昇しただけだった。 1985年12月〜01年12月の間ドル指数は38%上昇し、S&P500は2倍以上になった。 この間、MSCIエマージングインデックスはドル建てで21%下落。 つまり「ドル高は新興国の株式市場にとって逆風」とされる。 ニューエッジの米国市場戦略担当者の指摘。 「これは特に資源産出国に当てはまる。 ほとんどの資源はドル建てで価格設定されるのでドル高局面では資源価格は下落する。 その結果、南アフリカ、ブラジル、ロシアなどの資源産出国が獲得できるドルが目減りする」。 日本は資源産出国でもないし、新興国でもない。 でもどういう訳か、同じような影響を被っているという思考はどこか間違っているのだろうか。

米国市場は2年で50%、4年で140%上昇。 ドイツも2年で70%、4年で140%上昇し、共に史上最高値。 これが「正常か」という問題があります。 欧米の株式市場は1982年から30年上昇し続けていますが、 リーマンショックの後始末や無秩序な金融政策のツケも払っていません。

(3)アジア新興国動向
以前として蚊帳の外の印象の中国関連株。中国物流協会が発表した5月の製造業PMIは8ヶ月連続での50%超を維持。 HSBCとの差が目立つ。経済指標のお化粧があるのかないのかも結構話題に。

【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
3日(月):法人企業統計、米ISM製造業景況感、
4日(火):5月マネタリーベース、サッカーWカップアジサ最終予選対豪州戦、米貿易収支、台湾国際コンピュータ見本市
5日(水):成長戦略第3弾発表予定、米ADP雇用統計、製造業受注、ISM非製造業、世界経済フォーラム東アジア会議(ミャンマー)
6日(木):都心オフィス空室率、オランド仏大統領来日、ECB理事会、スペイン国債入札
7日(金):景気動向指数、米雇用統計、米中首脳会談


6月の3日新甫は荒れる6月の予感。 1日は新月。 9日の海王星逆行。 6月のメジャーSQは14日。 18〜19日とFOMC。 そして19〜20日とECB理事会。 23日が満月。 27日水星が逆行開始。 6月の日経平均は過去23年で12勝11敗。 勝率52.2%は12月のうちで4位。 しかし月足陽線は過去10年で7回。 2月、12月も7回なのでトップ。 直近2年の陽線は2月と一緒。 過去を眺めれば、悪くない筈の6月。 セル・イン・メイの引導は、まだ渡されたくない月というところだろうか。 上がれば強気、下がれば弱気。 免罪符のように述べた弱気論や警戒論が、幅を利かせた世界。 極端に振れる相場観ばかりで良いのかどうかは別にして、強気の負けは負けではあるが・・・。

株式市場というものは、目先は人気投票ですが、中長期的には企業業績に収斂します。

従いまして、長期的に日経平均が上昇波動に乗るには、企業業績の順調な回復が必要です。 米国経済は確実にゆるやかな回復過程にあるとすれば、早晩、FRBは出口戦略に動くはずです。 そうしますと、米国の長期金利は上がります。 円安、ドル高のトレンドは終わらないというより、これから本格化すると見ます。 維新の会共同代表が世界中を敵に回して特に有権者の半分の日本人女性を敵に回しました。 みんなの党は維新の会と連携できず、両党は参院選は戦わずして脱落の可能性。 同じく弁護士が代表を務める社民等などは問題外。 そうしますと自民党は圧勝。 そして、今からどんどんと株価が上がれば肝心の7.21参院選挙に具合が悪い。 経済財政担当相あたりが適当にポイントごとに円高に誘導しながらブレーキをかけて、

参院選に向けて一番円安→株高を演出。 結果的に圧倒的な自民党議席が実現。 憲法96条はいざしらず、よほどひどい政策以外は何でも政権の思うがまま・・・・ かくして、長年の売り方(ドルや株式)は全て締め上げられる・・・・ 円安で燃料が買えないで出漁出来ない漁船団という問題もあるものの、 企業業績は上向く、土地も上がるという事になろうかと思われます。 ひっくり返るとしたら、日本がやはり財政破綻が避けられないという事が表面化した時と思います。 財政破綻しないためには企業が稼いで法人税を納めてくれる事でしょう。

為替・債券との相関。 先物中心の下落。 オプションとの相関。 いずれにしても株の下落の皮相的な解釈はあきれるほどに聞かれる。 愚かな陰謀論に組する気はないが、影を潜めていた売り屋さんの代弁も数多い。 しかし、問題はなぜ東京市場がターゲットなのかということ。 世界マネーは何を予期して、あるいは何を画策して東京市場を売り叩いているのか。 決してアルゴの連鎖が中心ではなかろう。 コンピュータのプログラムがとち狂った訳でもなかろう。 「いいものはいい」で新興・中小型株の一部には逆行高しているものもある。 しかし中核主力銘柄は、好業績見通しにも関わらずの下落。 株価が未来を予測するという甘い過程に立脚すれば、 株価はこの国の未来に何らかの不安を感じているのかどうか。 危機論者ではないが、どうも不自然さが残る。 際立った東京たたきは単なる上げすぎの余波と見れるならば良いが・・・。

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