03月1週
今週の相場感
24日(月)
土曜の日経1面では「保険外の薬、遣いやすく」として抗がん剤の混合診療拡大の方向を示唆。「バイオ売買は倍々」の支援材料となろうか。東証IRフェスタがあったからだろうが、投資財務面では「個人株主獲得はIR強化」の記事も。IR強化、増配、ROE重視とトップの志向は決まったようである。月曜の日経では「G20、成長目標を明記」の記事。5年で2%の底上げを始めるという。世界もみんなで渡ろうとしている印象。市場関係者のコメント。「週間ベースで日経平均株価とTOPIXは7週間ぶりの反発。週間ベースでの上昇は今年初めて。マザーズ指数、日経ジャスダック平均は続伸。東証2部は5週ぶりの反発。5日間で日経平均株価が300円以上動いた日が3日間。日足チャートでは頭抑えられてる様な絵面」と。日経平均株価は27円安の14837円と小幅反落。メガバンク、不動産セクターが軟調。ミネベアが逆行高。

25日(火)
証券業界というものがもしまだあるとすればこちらも少しは変化の兆し。SMBC日興は約6年ぶりに銀座、梅田、三宮などに新規出店。三菱UFJモルガンスタンレー証券は立川、大和は代々木上原、三軒茶屋、野村は京王新宿店を解説するという。みずほ証券は静岡と兜町。兜町は23年ぶりに開設されるとの話。兜町から証券会社が1社1社去って行き閑古鳥が鳴く状況になって久しいが戻ってきてくれる証券会社も出始めたということ。必ずしも支店の開設が市場の活況には結びつく訳ではない。しかしインターネットという見えない世界に潜り込んだ株式市場にとって現場がたとえラップや投信のオンパレードであっても店が増えるという話は悪くはない。ブローカーが元気なのは、上場企業の元気さと歩みを一にしているのかも知れない。東証IRフェスタのブースなどでも聞こえてきたのは「2ケタ増益」とか「増配・復配」とか「中期経営計画の前倒し」などの明るい話題。あちらもこちらもリーマンショックの傷跡は癒えてさあ漕ぎ出そうという印象。市場との温度差は徐々に縮小して欲しいもの。約1ヶ月ぶりの15000円台。昨年末の16000円台からはまだ下。しかし2月5日の14000円割れからは1000円の上昇。特に好材料という訳ではなかった。しかし、中国のHSBCのPMIへの反応は東京限定の動き。S&P500は一昨日ザラバ高値を更新。にもかかわらず騰落レシオはまだ80%台。売買高も高まらず裁定の買い残は2兆円台半ば。信用買い残も先週は減少。空売り比率はようやく30%まで低下してきた。要は世界の流れに棹差そうとする動きが東京を戦場のカナリアのようにしたこと。そしてカナリアが鳴き続けたこと。これが大きかったのだろう。日経平均株価は213円高の15051円と反発。ソフトバンク、オークマが上昇。三井不動産が下落。

26日(水)
日経朝刊は44ページ。そしてカラー全面広告のオンパレード。間違いなく企業は儲かっていることの証拠でもあろう。最近良く聞く話ではヒト手不足は顕著。特に建築・土木の躯体関連は超がつくほど。人の確保が喫緊の課題。加えれば、東京集中の影響は社宅の確保にもつながっている。そして、大企業の設備投資意欲は相当なもの。特にシステム関連で顕著。利益の10%どころか20%のメドさえ出している自動車メーカーもある。円安で多少潤った輸出関連企業の設備投資意欲は内需関連であるシステムソフトに恩恵となろう。単品分析でなく複合的に企業を見る必要が出てきたような気がする。風が吹いて桶屋が儲かるシナリオが荒唐無稽でなくなってきた印象。実質3月相場入りだが、インパクトは何か薄い印象。木曜の8連敗の可能性の方が気にかかる。毎週木曜が安いのなら水曜に買うというのは指数中心の全体相場では酔狂みたいなもの。初日でも盛り上がらない東京市場。東証1部の売買代金は1兆7869億円で今年最低。昨年11月20以来の低水準となった。日経平均株価は80円安の14970円と反落。下落幅は一時150円を超える場面もあった。トヨタ、富士重工、セブンアイが下落。一方パナソニックが逆行高、

27日(木)
2月27日は95年がベアリングショックで株安。07年は上海発世界同時株安。2012年がエルピーダショック。あまり良い日ではない。東京ビッグサイトでは「スマートエネルギーウィーク(再生エネ国際見本市)が開幕。 突発的にGEの風力発電再参入の記事が出たと思ったら出所はコレなのだろう。同時に太陽光発電システム施工展なども開催されており記者にとっては1粒で2度美味しい。所詮、ニュースなんて機械でなく人が作っているもの。そしてイベントへ行って記事を創造する作業を好む記者は多いもの。経済スケジュールなどではなく、イベントスケジュールで銘柄を選定する方が効率的かも知れない。もっともFX市場にとっては猫に小判にしか過ぎなかろう。木曜日はこれで今年8連敗の勝ちなし。毎回不思議な巡り合わせになるものである。しかもNYも高く、一時プラスに転じる場面もあった。少しは成長したということだろうか。市場の解釈は「毎週火曜日のNYダウが高くなることが多い。米国株高を受けて、水曜日の日経平均も買われ、その反動で木曜日は下落。NYの火曜株高は公開市場操作が月曜日と木曜日に多目で、翌日の火曜日の金曜日が資金余剰になりやすいこと。税還付の小切手の発送が金曜日に多く、土日月に投信などの資金に回りやすいこと。月曜ボケの反動」。ただ1月は月曜安・火曜安・金曜安だったからどうも釈然とはしない。信用取引の評価損率はマイナス9.47%まで6週間ぶりに改善。裁定取引の買い残は7週ぶりに増加し2兆7938億円。空売り比率は30.9%で依然として30%台をキープしている。日経平均株価は47円安の14923円と小幅続落。第一生命やT&Dが下落。ファナックが逆行高。

28日(金)
「国保業務を民間委託」とか「兜町再開発始動」などの活字の日経1面。気に入ったのはぐるなびの全面広告。以下はそのキャッチコピー。「投資家Aは言った。歓送迎会をやらない会社は、投資先としての信頼度に欠ける。組織とは人間だからだ。血が通わないと細胞は動けない。さて、あなたの会社はどうですか」1月の失業率は3.7%で横ばい、有効求人倍率は1.04倍で07年8月の1.05倍以来6年5ヶ月ぶりの高水準。製造業や建設業を中心に求人が増えたという。最も有効求人倍率が高かったのは愛知県の1.49倍、最も低かったのは沖縄県の0,63倍。鉱工業生産も前月比4%上昇とやや上ブレての着地。日経平均株価は82円安の14841円と続落。ファーストリテ、ソフトバンク、トヨタが下落。KDDI、NTTドコモが上昇、ソニーが4日ぶりに反発。

(2) 欧米動向
米投資雑誌バロンズのコラム「今年の米国株式市場は1984円の再現となるか」。

S&P500のうち2014年の見通しを発表したのは166社。そのうちアナリスト予想を超える見通しは全体の25%。第1四半期前には36%だったから低下している。そしてアナリスト利益成長率予想は年初の11.5%→9.5%に低下した。「企業収益が市場を救うというコンセンサスに対し、実際の相場は一筋縄ではいかないことを示している」との指摘。現在の状況は1984年に似ているというのはドイツ銀のストラテジスト氏。

S&P500指数は1982年8月〜1983年10月までの53%上昇。低迷していたバリュエーションは正常に近い水準に戻った。1984年は利益がそれほど伸びず、株価はレンジ内で推移し上昇率は1.4%だった。 株価は上がりすぎたのではないかとの懸念が高まったが結局は小休止だった。その後2年間の&P500指数は年率20%の上昇となった。今回に当てはめると、2014年後半までのS&P500は1725〜1875までのレンジ。その先の大幅上昇を見越せば押し目買いが奏功するとのコメント。これを日本に当てはめてみれば、1982年を底にして株価は上昇。そして1985年あたりからNTTの民営化などを絡め、市場はバブルに突入した。最初はささやかに資源株、薬品株などの仕手系銘柄からスタート。そして電力・ガス・鉄鋼などが胎動。最後は金融・不動産・ゼネコンなどが乱舞した相場。都合10年近くの蠢動の胎動と考えれば良い筈だが。
(3)アジア・新興国動向
中国では全国人民代表大会が開催予定。神経質な週となろうか。ウクライナを材料に不安視を煽る声も聞かれそうな気配。

【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
週末:中国製造業PMI、春一番株式セミナー(株式コロ朝NEWS)
3日(月)10〜12月法人企業統計、新車販売台数、米ISM製造業
4日(火)2月マネタリーベース、米予算教書(一部翌週発表予定)
5日(水)米ADP雇用レポート、ISM非製造業、中国全国人民代表者会議開幕、ファーストリテ香港上場
6日(木)都心オフィス空室率、ECB理事会、日本証券サミット(NY)
7日(金)景気動向指数、アベノハルカス開業、米雇用統計、貿易収支、パラリンピック開幕、ロングライフHD嵐山見学、日本証券新聞京都セミナー

3月弥生。日経平均は過去24年12勝12敗で6位。月足陽線は過去10年で6勝4敗。
1日(土)新月
3日(月)火星逆行開始
4日(火)土星順行開始&ポイント日
7日(金)木星順行開始、米雇用統計
9日(日)米サマータイム開始
10日(月)〜11日(火)日銀金融政策決定会合
14日(金)メジャーSQ
17日(月)新月
18日(月)〜19日(火)FOMC
19日(火)〜20日(水)ECB理事会
20日(水)ポイント日
21日(金)春分の日、NYメジャーSQ
28日(金)ポイント日
30日(日)欧州サマータイム開始
31日(月)新月

明るい声もある。「昨年12月高値から今年2月安値までの下落幅に対して、S&P500は約98%戻し。NYダウも約69%戻り。しかし日経平均はわずか36%の戻りに過ぎない。S&P500並みに回復すると16282円。NYダウ並みでも15610円と試算される」。数字上は確かに間違ってはいない。経済紙のコメントで訳のわからないもの。「海外投資家が再び買い越しに転じてくるかどうかはまだ不透明」。こんなコメントは専門家でなくても誰でも出来る。敢えて掲載する必要があるのかどうか結構疑問。あるいは「まだ不透明」ということはどこかで「透明になる」のだろうか。後になって結果論的に透明にはなろう。しかし市場が求めているのは結果論ではなく、予測のはず。このズレが、マスコミの市場論調と現実の微妙な差となっている気がしてならない。もっとも、専門家も結果論は滔々と述べることが多いが・・・。
市場では、しばしば過去から現在が語られる。というか過去から時間を追って株価の推移が検証される。つまり矢印は→という右向きのべクトルである。これは、シナリオやストーリーなどでも当然そうなっている。結論から戻る推理小説なんてあまりお目にかからない。時間が過去から未来へ向かうという性質である以上致し方ないのかも知れない。しかし、昨夜ブラボーの「サンダーバードをぶっつぶせ」を見ていて気がついた。メインストーリーは銀行強盗をたくらむ6人組の動向。幕開けは強盗決行シーン。以降はその1月前からさかのぼるいくつかのサブストーリー。これらのストーリーは全て最後は一つの結末に向かうというもの。株にもコレって必ずある。ということは現在から過去へと時間軸を逆にして振り返って検証することも必要だろう。

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