06月2週
今週の相場感
2日(月)
土曜日経では「NISA非課税枠拡大」が1面トップ。年200万円を軸にして時間も5年から延長する方向。どうせ、従来の投資 マネーが向かうのなら、無制限にでもしたらどうなのだろうか。社会面では「納税額3年連続増」の見出し。株式などの譲渡所得は前年度比3.3倍の4 兆8357億円。消費増税で増える納税額が8兆円程度。株式の譲渡益課税4.8兆円は大きい。株式市場が上昇すれば消費増税の比ではない。財務相の 手先のようなIMFにアレコレ言われる筋合いもない。株高=プライマリーバランスの改善。経済学者には通じないかも知れないが、この概念が通じるか どうかがアベノミクスの課題でもある。一方で日経の設備投資動向調査では全産業で15%増の見通し。トヨタが国内で5000億円。東芝が国内で32 00億円。パナソニックが全体で2550億円。設備投資が増加しているのに株価が足踏みしているのはいかにも奇妙な構図に映る。因みにトップはNT Tの1兆8500億円、次がソフトバンクの1兆3000億円。以下国際石油帝石の1兆213億円、トヨタ1兆200億円、日立8700億円。ホンダ 6500億円、KDDI5800億円、JR東5550億円、イオン5300億円。因みに今月の「私の履歴書」はアサヒビールの福地相談役。日本ダー ビーはワンアンドオンリーが勝利。今月はワンアンドオンリー銘柄が活躍して欲しいもの。日経平均は一時14800円台。25日線は14353円、7 5日線は14547円。上昇の第1関門は25日線の4%乖離(14927円)。そして5%上方かい離(=15070円)だろうか。日経平均株価は3 03円高の14935円と反発。為替の102円台も支援材料となった。日本トリム、日東紡が上昇、FPG,第一生命が下落。

3日(火)
GPIFの運用委員長は「政府からの要請があれば資産運用の見直しを8月にも発表できる。国内株の比率が20%でも高すぎるハ ードルではない」とのコメント。「政府からの要請」とか「高すぎるハードル」などやけに修飾系の言葉が多い。結論は「安倍さんや麻生さんが株式比率 を20%にしろというなら8月にでも発表する」。 簡単に言えばそういうことなのだろう。なのにこの修飾語は「やりたくないけどやらされる」の裏返し なのだろうか。興味深いのは日本郵政のIPOの幹事に地場証券(地方の中小証券)が入ること。財務相の売り出しとしては初のことになる。「各地域の 個人投資家層を顧客に持つ地場証券にも門戸を開くことで、潜在的な投資需要を掘り起こす」のが狙いだという。「広く国民が所有できるよう努めること 」が郵政民営化法の付帯決議。「より充実した国内販売網をために」が当然必要となってくる。そして「大手や外資系」は大口優遇。しかも現場は投信や 保険などばかりで株式営業に努力している姿など滅多にお目にかからない。そういう営業体制よりも、地場証券のように株に精通した現場を重視した財務 省。これは、今後の業界のありかたに一石を投じたように見える。地場証券にとっては間違いなく「株式市場の専門家」というプライドになる。日経平均 株価は33円高の15067円と3日続伸。ソフトバンク、東エレ、ダイキンなどが浄書う、リョービ、東洋炭素が下落。

4日(水)
GPIFの運用委員長は「政府からの要請があれば資産運用の見直しを8月にも発表できる。国内株の比率が20%でも高すぎるハ ードルではない」とのコメント。「政府からの要請」とか「高すぎるハードル」などやけに修飾系の言葉が多い。結論は「安倍さんや麻生さんが株式比率 を20%にしろというなら8月にでも発表する」。 簡単に言えばそういうことなのだろう。なのにこの修飾語は「やりたくないけどやらされる」の裏返し なのだろうか。興味深いのは日本郵政のIPOの幹事に地場証券(地方の中小証券)が入ること。財務相の売り出しとしては初のことになる。「各地域の 個人投資家層を顧客に持つ地場証券にも門戸を開くことで、潜在的な投資需要を掘り起こす」のが狙いだという。「広く国民が所有できるよう努めること 」が郵政民営化法の付帯決議。「より充実した国内販売網をために」が当然必要となってくる。そして「大手や外資系」は大口優遇。しかも現場は投信や 保険などばかりで株式営業に努力している姿など滅多にお目にかからない。そういう営業体制よりも、地場証券のように株に精通した現場を重視した財務 省。これは、今後の業界のありかたに一石を投じたように見える。地場証券にとっては間違いなく「株式市場の専門家」というプライドになる。日経平均 株価は33円高の15067円と3日続伸。ソフトバンク、東エレ、ダイキンなどが浄書う、リョービ、東洋炭素が下落。

5日(木)
日経平均株価は15000円台に2日滞在。前回4月の15000円台滞空時間は先物日中べースで3日。3月の時は6日。 2月の時は3日。TOPIXはそれこそ怒涛の10日続伸。09年8月4日までの13日続伸以来の連騰となった。しかも先物は五空を開け4月2日高値 1225ポイントも奪還。3月高値1443ポイント、1月高値1258ポイントが視野に入ってきた。その先は昨年末の1310ポイントだが、少々気 が早い。日経平均先物は4月3日高値15190円を奪還すれば3月7日高値15320円が視野。「取らぬタヌキの皮算用」だけはビシビシと進む。「 新聞を開いたら株価のマーチが聞こえた」なんていう市場関係者。市場心理はあっという間に好転するもの。大変なのは売り方。前日段階の松井証券の店 内信用残の評価損益率速報。売り方はマイナス10.514%、買い方はマイナス6.675%。評価損率が2ケタになると多少はタカを括っていた売り 方も浮き足だってくる。踏み上げが加速する可能性は大きい。ようやく「空恐ろしさを豊かさに、常識超え新しい世界へ」が実現するかも知れない。日経 では「株、短期の過熱感強まる」と小賢しい表現、騰落レシオの4%プラス乖離を持ち出している。「テクニカル指標である25日移動平均線からの上ブ レが5%以上になると、一般的には過熱感から売りサインが点灯するとされる。別のテクニカル指標騰落レシオも過熱警戒の目安まであと一歩の117% 。120%で過熱警戒域に入る」。業界紙ばりの表現は免罪符なのだろうか。ある市場関係者の指摘。「日経平均のサイコロジカルラインは10勝2敗。 マザーズ指数は11日間で30.7上昇。サイコロジカルラインは11勝1敗の91.7%」。どうせなら100%を見てみたいという「怖いものみたさ 」もある。先週末の裁定買い残は2兆8745億円。前週比の増加額は657億円で2週連続の増加。その前週は1500億円の増加だった。つまり裁定 買い残の増加額は縮小。それでも株価が上昇を続けた。ということは先物絡みの裁定取引が主役ではなく現物主導の証拠だろう。スタートはPKO。昨年 10月の消費増税決定時やNYSEでの「バイマイアベノミクス」は14500円水準。 この14500円は上回っておきたいとという意思だったかも知れない。それが「政府からの要請があれば」とGPIFの運用委員長のコメントにつなが るのだろうか。そこから手代わりしての現物主導相場。ニューエッジだドイツだというような先物手口が意味を持たないことに早く気付くべきだろう。日 経平均株価は11円高の15079円と4日続伸。ピクセラ、ナイガイが上昇。サッポロ、西武が下落。

6日(金)
ECB(欧州中央銀行)は政策金利を0.1%引き下げて過去最低の0.15%に。昨年11月以来7ヶ月ぶりの引き下げとなった 。もっと凄いのは民間銀行がECBに資金を預ける際は手数料の支払いを求めること。マイナス金利の実現である。低インフレ、低成長、通貨高の三重苦 に悩む欧州。銀行が資金を貸し出さないなら手数料を取るはそれこそ禁断の果実でもあった。それでも実行する。少し前の日本でも論じられたことはあっ たが、実現はしなかった。壮大な実験の場は、珍しく日本ではなく欧州に移ったようである。そして次に控えているのは米雇用統計。事前予想は20万人 程度の増加という。いつも通過することだけに意義のある雇用統計。またどうせ夕方から騒ぐのだろう。もういい加減に雇用統計祭りなど意味のないこと に気がつくべきであろう。経済指標の発表を待ち望んでいるのは、どうも投資家サイドでなく業者だと思えてならない。「新聞を開けば今朝も好材料」な のだろうか。市場の声は「外国人が好みそうなヘッドラインニュースの連発」。昨今は法人税減税のぼんやりとした未来やGPIFの運用改革などなど。 日経の見出しは「株比率上げ前倒し指示」。サブは「首相、公的年金9〜10月に」となっている。2日は米沢運用委員長の引き上げ前倒し可能インタビ ュー。そして今日は田村厚生労働大臣への指示。ここをうまく切り抜ければ閣僚の首がつながると思えば厚労大臣だって官僚に強く指示する。ということ は、ほぼ規定路線ということだろう。因みにGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の総資産は昨年末で128.5兆円。そして各地の宿舎で有名 なKKR(国家公務員共済年金)の総資産は7.75兆円。(2013年3月)。PAL(地方公務員共済)が19.06兆円(2013年12月)加え てPMAC(日本私学校振興)が3.64兆円(2013年3月)。あわせて159兆円。この1%が株式市場に入ってくればそれだけで1.6兆円とな る計算。先週はかんぽ生命の新規資金配分観測があったが5月の信託銀行は6873億円の買い越し。これは09年3月の7807億円以来5年2ヶ月ぶ りの高水準。「歴史的な米国株高を受けた」とか「自社株買いの影響」もあるとの解釈。しかし09年3月はリーマンショック後の安値での買い支え。今 回は、「バイアベノミクス」の14500円の買い支えなのかも知れない。日経平均株価は2円安の15077円と反落。イーブック、エイチームが上昇 、ビットアイル、クミアイが下落。日経ジャスダック平均は12日続伸。 (2)欧米動向
米投資雑誌バロンズ最新号のコラムは「ワールドカップ、勝てば相場も弾む」。

ゴールドマンサックスによると・・・。 1974年以降、優勝国ではワールドカップ翌月の株価パフォーマンスが良い。世界の株式市場を平均で3.5%上回っているという。一つの例外は20 02年に深刻な不況に見舞われていたブラジルだけ。そのブラジルは、5回という世界最多の優勝回数を誇っている。さらなる優勝は望まないという熱烈 なファンからの途方もないプレッシャーに直面している。ワールドカップでの優勝の可能性の高揚感は、過去にブラジル、ドイツ、イタリア、 その他の勝利国の株式市場に少なくとも短期的には波及した。しかしワールドカップ相場は長続きしないことも多い。ワールドカップ終了からその年末ま での期間での優勝国の株価パフォーマンス。世界平均を約4%下回っている。
・・・やはり「騒がない」なのだろう。


(3)アジア・新興国動向
課題は中国の景気減速のレベル。シャドーバンキング問題や不良債権問題は依然燻る。最も全体堅調相場ではさほど材料視はされないだろうが・・・。

【展望】

スケジュールを見てみると・・・。

9日(月)
1〜3月GDP改定値、景気ウォッチャー調査
10日(火)
マネーストック、エルニーニョ監視速報、米卸売在庫、3年国債入札
ゲーム見本市E3(ロス)、中国生産者消費者物価

11日(水)

法人企業景気予測調査、国内企業物価指数、虎ノ門ヒルズ開業、党首討論 米財政収支、10年国債入札、OPEC定例総会

12日(木)
日銀金融政策決定会合(〜13日)、機械受注、都心オフィス空室率
米小売売上高、輸入物価、企業在庫、ワールドカップ開幕

13日(金)
メジャーSQ、黒田日銀総裁会見、鉱工業生産確報
米生産者物価、ミシガン大学消費者信頼感指数、中国各種経済指標



喧噪なき復活あるいは熱狂なき株高とでもいうのだろうか。
エネルギーは伴わずに、いつの間にか日経平均は15000円水準。TOPIXは1200ポイント水準。「騒がない、うろたえない、あわてない」は下 落相場の標語だが、上昇相場ではどんな標語になるのだろう。やはり「騒がない、あわてない」そして「昂ぶらない、荒ぶらない」だろうか。

日経は「年金、現役収入の半分以下」の記事。
単に試算だが、最悪シナリオでは2055年度に39%まで低下するという。120兆円を超える年金積立金。 4%を上回る高い利回りで運用し続けられれば50.9%。「働く人が増え、高い経済成長を遂げ、運用で高い収益をあげ続ける」。 これが至上命題だが、移民でも拡大しない限り働く人は増えない。人口が増えない以上経済成長は高くならない。 となると、求められるのは「運用」。これを頻繁に問うことが、未来のひと安心につながる筈。

因みに・・・
25日移動平均は人気(心理)線。
75日移動平均は需給線。
200日移動平均は景気線。
「人の噂も75日」なんてことは全くないし、過去の遺物的解釈にしか過ぎない。

SQ値を確認してみると・・・
5月14104円、4月13892円、3月14429円、2月14536円。
そして1月は15784円、昨年12月15303円。
メジャSQだけで追うと・・・。
3月14429円、12月15303円、9月14323円、6月12668円。
昨年6月メジャーSQ値からは約1500円上回っている。
1月の15784円はやや高望みの感。
昨年12月メジャーSQ値15303円が欲しいのかも知れない。

市場のテーマの一つはクールジャパン。
「ホットなアジアとクールな日本」を題材としている。
「三本の矢からキューピッドの矢へ」という表現もある。
キューピッドの矢が海外の人々のハートを手中にして戻ってくるという発想。
その中にあるクールジャパンの流れ。
(1)日本ブームの演出。
(2)現地で稼ぐ。
(3)日本で消費。
そして国富の増大を目指す。
これが経済産業省の方針。

一方で、世界の料理界の潮流は
(1)味覚の簡素化
(2)量の少量化
(3)カロリーの低減化。
これが農林水産省の戦略。
「アベノミクスからアシノミクス」とも言われる。

結局クールジャパンの背景は・・・。
(1)世界的インターネットの普及→日本のことがわかる→海外消費
(2)アジアを中心とした中間所得層の増加→日本のものが買える→海外消費
(3)世界的な健康志向の高まり→日本のものが欲しい→海外消費
(4)航空路線の拡充、円安トレンド→日本に行ける→国内消費

外国人が選ぶ日本のクールベスト10は・・・。
(!)ウォッシュレット、(2)お花見、(3)100円ショップ、(4)花火、
(5)食品サンプル、(6)おにぎり、(7)カプセルホテル、
(8)盆踊り、(9)紅葉狩り、(10)新幹線。
クールジャパンは(1)かわいい(2)おいしい(3)心地よい。
このキーワードが重要となる。
クールジャパンは世界が共感し欲しがる日本の製品やサービス。
「来るジャパン」でもある。

「黒船の時代から日本は主張せずに言い負かされてきた。
そろそろこの構造から脱する時」というのが根本思想。
日本の産業は視覚・聴覚産業から味覚・触覚産業へ移行する可能性大だという。
味覚は結局米と酒という昔からのものに由来。
触覚は生糸、温泉とこれも昔からのもの。
ということは、銘柄選択に温故知新が必要なのだろう。



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