06月4週
今週の相場感
16日(月)
週末のSQ値は14807.72円。安値は寄り付 きの14830円だったし終値は15097円。下に「幻のSQ値」となった 。挙句の果てに松井証券の信用評価損益率は売り方マイナス9,9%、買い方 マイナス4.9%。空売り比率も大幅に低減し24.8%(前日は31.5% )。約5ヶ月半ぶりの水準となった。「空恐ろしさを豊かさに」の豊かさの方 がクローズアップされそうな気配。「骨太の方針」には法人税減税が盛り込ま れ、年金買いも信託経由が増加の気配。トヨタや浸りの外国人持ち株比率は過 去最高にまで上昇。日経平均株価は164円安の14933円と反落。日経J ASDAQ平均、マザーズ指数は4日続伸。第一精工、川田テクが上昇。エチ ーム、エムアップが下落。

17日(火)
日経平均株価は先週来プラスマイナスを繰り返す展 開となっており順番から行くと本来プラスの日。押さえておきたいのは6月月 足陽線基準の14835円。そして6月メジャーSQ値の14807円を下回 らないこと。「法人税は下げるし、年金は株を買い増す、規制緩和で景気刺激 をする」。方向性は出ている。日経平均株価は42円高の14975円と反発 。三井不、ファナック、京セラが上昇、。ミクシイがストップ高。第一精工、 カーリットが下落。

18日(水)
「信用売り残、5週連続増」の見出しが明るく見え るのも気のせいだろうか。6月13日時点の売り残は「12億円」増加し、6 645億円。2012年3月以来2年3ヶ月ぶりの水準となった。面白い解釈 は「主力株の売り残が増えたのは、信用の買いやレバレッジ型投信などで抱え ていた含み損が減り、独自の相場観をもとに資金を動かせる個人が増えてきた 証し」。信用買いの期日を迎えたり、買い残の評価損が減った投資家がいきな り空売りのポジションを取るだろうか?上っ面の数字やデータから類推するの ではなく投資心理をもっと深く読んだ方が良かろう。「相場が予想に反して上 昇基調に転じれば、損失限定の買戻しを迫られ、相場の戻りを後押しする可能 性もある」という逃げも加えてある。。業界で言う「踏み上げ」をこれだけ詳 しく説明するのも難しいはず。もっとも2012年3月の日経平均は1万円。 その後6月に8200円まで下落したから、「売りの勝ち」ではあった。日経 平均株価は139円高の15115円と続伸。ソフトバンク、ファナックが上 昇、JUKI,サニックスが下落。

19日(木)
落レシオは133%と高い。新興中小型は別にして 過熱感はない。もっとも東証の出来高1位はサイバーダイン、2位がソフトバ ンクで3位がミクシー。 重厚長大で伝統的な企業は影を潜めている。新たな 日本への旅立ちとでも言うのだろうか。日経平均の25日移動平均は1472 0円で2.68%のプラスかい離。75日線は14600円で3.53%のプ ラスかい離。200日線は14741円で2.54%のプラスかい離。25日 線の5%プラス乖離が15456円だから、そこか過熱感だろうか。もっとも TOPIXは1249ポイントで3月7日高値1241ポイントを抜けた。し かし日経平均は3月7日高値15312円をまだ抜けていないということは昨 年12月と違ってTOPIX主導での動きということになる。日経平均の16 000円とTOPIXの1300ポイントが次の壁。どちらが早く到達するか と言えばどうもTOPIXに分があるような気がする。QUICK調査の信用 評価損率はマイナス7.97%。松井証券の店内信用評価損率は売り方マイナ ス9.9%、買い方マイナス4.465%。 買い方圧倒的有利の水準となっ てきた。6月第2週の裁定取引の買い残は前週比1415億円の減少で2兆9 119億円。この週の日経平均は15077円→15097円で推移。裁定買 い残が減って株価が下がらないという不思議な週になった。日経平均株価は2 45円高の15361円と3日続伸。東証1部の売買代金は2兆4853億円 と拡大。市場では株の為替離れも言われ始めた。トヨタ、三井住友FGが上昇 。ハピネット、東光が下落。

20日(金)
木・金と2日間は東証1部の売買代金が2兆円を超 えたが、市場では「エコ相場」の声。水曜までで今年の営業は111日を経過 した。東証1部の売買代金は4月18日の1兆1502億円、21日の1兆3 074億円など低水準。因みに1.5兆円〜2兆円が58日と半分以上になっ ている。逆に2兆円を超えたのは50日。そのうち3兆円を超えたのは5日だ け(2月4日の3兆6364億円が最高)。一方で4月以降の53日で2兆円 超えは8日だけ。5月以降の31日では4日しかない。エコでも何でも上がっ ているならそれで良しではある。 日経平均株価は11円安の15349円と4日ぶりの反落。東証1部の騰落レ シオは151%と昨年5月以来の水準まで上昇し警戒感が台頭。大京、レオパ レスが上昇、やまびこ、リブセンスが下落。

(2)欧米動向
今週号のバロンズ誌は通貨に関するコメントが多い、 その一つが「世界の基軸通貨としての立場が脅かされつつある米ドル」。

中国やロシアが自国通貨で貿易決済を行うなど、国際取引における米ドルの役 割は縮小。

短期的には代替・後継通貨は見当たらない。
しかし歴史は基軸通貨の寿命が限定的であることを示している。

1450年から1530年まではポルトガル。
その後1640年まではイベリア半島の隣国スペインが基軸通貨国だった。
1540年から1720年まではオランダの通貨が支配的だった。
1815年まではフランスの通貨がトップに君臨した。
ナポレオン戦争が終わると英国が1920年まで基軸通貨国となった。
そのバトンは米国に引き継がれた。
ところが現在、世界は積極的に米ドルに代わる通貨を探している。
世界の大国は貿易を行うための米ドル取引のコストを支払いたくないのだ。
そうした国々は、自国の金融市場の成熟化に伴い、米ドル中心の金融システム を迂回する。
一方で、海外の国々は米国の一連の政策が作った波に揺さぶれれていると不満 を漏らす。

FRBが量的緩和に乗り出したとき、米ドルの価値低下は他国通貨の上昇を招 いた。
そしてそれらの国々の輸出に打撃を与えた。
昨年、FRBがQE3縮小を示唆すると、これらの国々は自国通貨の金利引き 上げを懸念した。
言い換えると、世界の国々は米国政府の経済政策に振り回されることにウンザ リしている。
各国政府、中銀などが米ドルに代わる価値の保存手段を探すことで米ドルの需 要は低下しよう。

もう一つは「ドルが輝きを取り戻す日」。

過去数年、ドルは金融市場ではニューヨークメッツのような存在だった。
毎年勝利を約束してスタートしながら、期待を寄せるファンを失望させてきた 。
メッツは既に夏の連敗が始まったが、ドルはついに状況が好転しつつあるのか も知れない。
金利についてはFRBが出口戦略をスタートさせると予想されている。
ECBと日銀の金利引上げはまだ先のこと。
FRBの方がこの2社よりも早い。
ドルは対円では上昇したが対ユーロでは昨年1.6%下落した。
背泳は、ユーロからドルへ資産を異動させた投資家のユーロへの還流だ。
2012年7月移行8120億ドルがユーロ圏に流入したという。
経済指標や追加金融緩和などとは関係なくユーロを対ドルで押し上げた。

この2つのコラムは弱いドルと強いドルを取り扱っており、一見離反して見え る。
しかし、ユーロ圏財政危機の前に懸念されていたことは、基軸通貨のドルから ユーロへの変更懸念。
これが結構渦巻いていた。
しかし結果的にこの基軸通貨移転はなかったのでアメリカはホッとしただろう 。
でも、ユーロへの還流を見ると安穏とはしていられないのがアメリカ。
財政危機を演出できないのなら、金利差でドルの優位性を保つ方法があっても 悪くはない。
ということで、表面上のドル高と先行きの基軸通貨脱落懸念の同居。
そう考えると、葉舟のような円などまさに揺れ続けることになるに違いない。


イラク情勢の緊迫化が懸念材料視される気配もある。
地政学リスクの高まりという奴である。
しかし、個人的に思うのは、もう一度アメリカが軍事費の拡大に走るのかどう か。
軍事費拡大→財政赤字→ITバブルや住宅バブルへの移行→バブル崩壊→軍需 産業建て直し。
このサイクルで動いていたのが米国経済の歴史。
イラク出兵はないとオバマ氏は言っている。
しかしあのお節介な国がこのままでいられるのかどうか。
「軍人を除く非農業部門雇用者数」の「軍人を除く」というのが雇用統計のミ ソ。
現状の失業率や雇用者数では軍人を増やす必要はなさそうだが・・・。


(3)アジア・新興国動向
中国HSBCの製造業PMIが50を超えるかどうが課題。ただ以前ほど重要 視されなくなってきている。

【展望】

スケジュールを見てみると・・・。

23日(月)
米中古住宅販売、シカゴ連銀活動指数、中国HSBC製造業PMI
24日(火)
米新築住宅販売、ケースシラー住宅指数、サッカー日本対コロンビア
25日(水)
企業向けサービス指数、米GDP改定値、耐久財受注
26日(木)
米個人所得、EU首脳会議、ブラジル失業率
27日(金)
失業率、全国消費者物価指数、ミシガン大学消費者信頼感、中国興行利益


いよいよ出てきたか、というのがJPXインデックス400の先物。
11月25日からスタートする予定という。
記事は「株式市場が下がった場合など、先物を使うことで運用資産の目減りを 防げる」。
教科書的には間違っていないが、ヘッジだけで先物が使われるなら商いは成立 しない。
投機的に使う向きがあるからこそ先物の魅力もある。
ここに言及しないのは、投機的株式相場に対する遠慮があるのだろうか。
事実と現実は素直に捉えるべきだろう。
市場は綺麗ごとの世界ではなく欲望がぶつかり合う場所。
そこを見えない不利で高級なことばかり繰り返すと市場はもっと見えなくなる 。
それにしても・・・。
新しいものの導入は何らかの変化点。
ヘッジが必要な相場展開と見るならば、売りの世界。
しかし11月25日まではスペックの買いで設けるモードの演出ならば買いの 世界。
後者先行、前者後攻に思えるのだが・・・。

興味深いのは鶏卵価格の高止まり。
昨年6月に比べると3割高い水準、東日本大震災の影響で需要減だった11年 6月比5割高。
本来夏場を迎える6月は安値の時期だが今年は違っている。
因みに価格は5月12日以来下落していないという。
5月12日の日経平均は14149円。
「タマゴの価格が上がれば株高」というのが個人的アノマリー。
株が先がタマゴが先かはわからない。



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