07月5週
今週の相場感
22日(火)
土曜の日経2面の見出しは「地政学 リスクに身構え。日経平均154円安」。ウクライナ、イス ラエルなどでの事故・事件を背景にした刹那的株安。確かに 木曜のNY株や週末の日経平均は下落した。だからと言って 「身構え」がどうかは疑問。週末のNYダウは123ドル高 の17100ドルと反発。刹那的な視点では、やや望遠が曇 るのかも知れない。もっともみずほや重工の呼び値を10銭 にするくらいだから近視眼的思考は仕方ないのかも知れない 。因みに昨年の3連休明けの株価は7勝3敗と勝ち越し。ア ベノミクス効果はあった。しかし、今年の3連休明けの株価 は3連敗。このジンクスは破れた。不毛と思える呼値の変更 も通過。みずほや鉄の売買は増加したが、全体の売買代金は 1兆7970億円と低調。商い機会の増加を旗印にした割に はその意味がない印象。きっと売買時間の延長だってそんな もの。それでも、言い出しているのだから、何がしたいのか 良くわからない。日経平均株価は127円高の15343円 と4日ぶりの反発。浅沼組、品川リフが上昇、ダイジェト、 カゴメが下落。

23日(水)
何気ない事ながら、日経は36ペー ジ。記事も薄く広告も少ないということはもう夏枯れモード 。記者も営業も直前数ヶ月の努力不足というところだろうか 。新聞にほとばしる情熱とかたゆまぬ努力なんてものを求め ても意味ないが・・・。むしろ興味深かったのは日経ヴェリ タスの記事。「見えない企業価値、意外な診断術。プロの投 資家が参考にしている意外な指標」。例えばホームページに 役員の顔写真が載ってる会社は、長期的な株価のパフォーマ ンスは高い。 社長と役員の顔写真掲載している会社は201 3年1月末で46社。リーマン・ショック後の08年11月 から14年6月の株価上昇率は約2.1倍。一方、社長の写真 は掲載しているが役員は掲載されてない会社、144社。株 価は同期間1.8倍上昇。どちらの写真もない会社は上昇率 1.6倍。加えて、公開されている社長の挨拶文。主語が「 私」「私たち」の会社の株価は08年11月から13年2月 までに6割上昇。主語が「当社・弊社」や主語に社名を使っ ている会社の株価は同じ期間に4割の上昇。 挨拶文そのもの がない会社の株価は上昇率3割。カギは「社長が自分の言葉 で語っているかどうか」。主語が「私」「私たち」の会社は 経営企画や広報担当の部署任せにしていない可能性が高い。 日経平均株価は14円安の15328円と小幅反落。ユーロ の年初来安値が響き株価は上値の重い展開となった。ロボッ ト関連の協栄産業、クラリオンが上昇。日コン、アスクルが 下落。

24日(木)
日経では「訪日客、最高626万人 」の見出し。今年1〜6月の数字で半期としては過去最高。 2000万人を目指す方向は着実に進んでいる。特に東南ア ジア、中国からが急増しているという先週の大和のレポート は「新成長戦略が示す観光立国への道程」。2013年に初 めて1000万人を突破した訪日外国人。2020年までに 2000万人へ拡大させる。ビザ免除・緩和国の拡大(イン ドネシアのビザ免除など)、観光地などにおける多言語対応 の改善・強化、免税店の倍増、などを実行していくことが政 策に盛り込まれた。都市機能強化を目指して、首都圏空港の 発着枠を年間約8万枠増加させるための方策、 実行を進める ことも示されている。関連セクターは航空、旅行、空港工事 関連、鉄道、ランドマーク、宿泊、免税店空港展示など。日 経平均株価は44円安の15284円と続落。アイアスタイ ル、TASAKIが上昇、航空電子、ホーチキが下落。

25日(金)
日経では「世界同時夏枯れ深刻」の 見出し。相場の膠着が世界で同時に起きているという。ただ し、米系トレーダーのコメントは「2週間前まではコール( 買う権利)、プット(売る権利)ともにオプションは売り注 文が多かったが、先週から満期が長いコールを投資家が出て きており、潮目が変わった」。この直感が正しければ、夏枯 れ回避というシナリオもアリだろうが・・・。日経平均株価 は173円高の15457円と3日ぶりに大幅反発。ソフト バンク、ファーストリテがなど指数寄与度の高い銘柄群が上 昇、アドバンテスト、タカラトミーが下落。

(2)欧米動向
雑誌選択7月号の「ソフトバンクのロボット進出裏事情」と いう記事が結構興味深い。
「数字しか信用しない孫社長が数値目標を掲げていないのが 奇妙」という。
制御用OSのシェアNO1だけが目標。
背景は軍事用ロボットの開発という指摘もある。
その背景はスプリントネクステルの買収で米国3位の通信事 業者という立場。
Tモバイルの買収活動も続いている。
このまま膨張策が続いてトップを脅かす立場になった時に立 ちはだかるのが見えない壁。
軍事用ロボットの開発という大義名分は国防総省の歓迎する ところになるだろうという見方。
パウエル元国防長官とのセミナーなどもその一環とすると、 野望の果てが見えるような気がする。
単なる投資会社→携帯キャリア→ロボット産業。
10年単位の変化は見逃せない。
企業も経営者も成長するものではあるが・・・。



(3)アジア・新興国動向
地政学リスクが余り株価に影響しなくなってきた。ネガ材料 の本命は中国の金融バブルの処理なのだろうが、それも表に はあまり出てこない。見えないフリが継続するのだろう。

【展望】

スケジュールを見てみると・・・。

28日(月)
米中古住宅仮契約、2年国債入札、イスラム断食明け、
第一次世界大戦開戦100年

29日(火)
失業率、小売売上高、米FOMC、ケースシラー住宅指数、
CB消費者信頼感、5年国債入札
30日(水)
鉱工業生産、米4〜6月GDP、ADP雇用レポート
31日(木)
勤労統計調査、米シカゴ購買部景気指数
1日(金)
自動車販売台数、黒田日銀総裁講演(内外情勢調査会)、春 秋航空日本就航
米雇用統計、ISM製造業、ミシガン大学消費者信頼感、中 国製造業PMI


ささやかに試算すると・・・。
1月24日高値が15485円。
7月4日高値が15490円。
ここが一つの節。
しかし1月23日と24日の窓は15690円→15485 円。
ここを埋めに行くと読みたいところ。
その先に25日移動平均(15314円)の第一次限界レベ ル5%の上方かい離。
計算すれば16079円。

8月の日経平均株価は過去24年間10勝14敗で9位(7 月と一緒)
7日(木)ECB理事会
8日(木)SQ
11日(月)満月
25日(月)新月、ロンドン休場

市場で言われているのが「手動HFT」。
最近の鉄建のストップ高や大豊建設などの上昇の裏側にある ものという。
売買高や売買代金がソフトバンクやトヨタを凌駕したのはプ ロ並みの腕前の個人だろう。
興味深いことにあるネット証券では一人の投資家の取引が1 日1000回を超えたという。
1時間に200回、20秒に1回のトレード。
休みなく行えば当然指に疲労がくる。
それでもやり遠したというのだから凄い。
かつて証券会社のトレーディングルームにいた頃は声の大き さと指の速さは負けなかった。
しかし、さすがに20秒に1回は脱帽。

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