《マーケットストラテジーメモ》01月4週

【推移】

21日(月):
週末のNY株式市場は4日続伸。「中国が貿易不均衡の是正に向け、米国からモノの年間輸入規模を1兆ドル強拡大。貿易黒字を2024年までにゼロにすることを目指している」との報道を好感したとの解釈。「市場は好材料で再びリスクオンの展開になっている」という見方だ。
週間ではNYダウは2.96%高、NASDAQは2.66%高、S&P500は2.87%高。そろって4週連続の上昇。4週間の上昇率としては2011年10月以来の大幅高だ。「NYダウが330ドル上がって4日続伸しても、ドル円が109円台まで戻っても日本株には買い気が起こらない現象」という声も聞こえる。
 
「日経平均が早々に伸び悩む中、マザーズ指数がわかりやすく失速。ただ日経平均がマイナス圏に沈まなかったことは期待感。5日線(20557円)が久々に25日線(20537円)を上回った」という見方もある。
日経平均株価は53円高の20719円と続伸。TOPIXは3日続伸。新高値5銘柄 新安値ゼロ。東エレ、日電産が上昇。任天堂、ファーストリテが下落。
 
22日(火):
週明けのNY市場はキング牧師生誕の日で休場。ロンドンは続伸、DAXは反落。いずれにしても世界の主要株式市場はどの市場も年初来プラス。ロシアRTSが9.84%、ブラジルボベスパ指数が8.39%、米NASDAQが7.87%と高い上昇率(日経平均は△3.52%)だ。
 
日経平均は反落。寄り付き51円高、ザラバ150円以上下落して大引けは96円安。ザラバ安値20558円30銭から60円余り戻したが5日移動平均(20570円)を掠める動き。「そこで踏ん張ったから上昇相場継続」という見方もあった。「結局は米国株次第。それが不安だから、誰も手を出さない。売り方も手をひっこめている」。だから東証1部の売買代金は1兆7310億円と昨年8月20日以来の低水準。再度「陰の極」が訪れた格好だ。
日経平均株価は96円安の20622円と3日ぶりの反落。東証一部の売買代金は1兆7310億円。8月20日以来の低水準だった。セブンアイが上昇。ファナック、東エレが下落。
 
23日(水):
3連休明けのNY株式市場は5日ぶりに反落。主要3指数の下落率は1月3日以来の大きさとなった。IMFが2019年と20年の世界経済成長率見通しを下方修正したことを嫌気したとの解釈。2018年の中国成長率が6.6%と28年ぶりの低水準を記録したことも悪材料視。
 
1月18日時点の信用買残は84億円減の2兆4521億円。2017年6月2日時点以来1年7ヶ月ぶりの低水準。信用売残は97億円増の7457億円。
日経平均は29円安の20593円と続落。日銀金融政策決定会合では大規模な金融緩和策の現状維持が決定。ETFやリートなどの資産買い入れに関しても現行の方針が維持。これを受けて後場はファーストリテやソフトバンクGなど指数寄与度が大きい日経平均採用の値がさ株には買いが入った。ただ上値は重く毛局マイナス展開。
 
東証1部の売買代金は1兆9222億円と3日連続の2兆円割れ。TOPIXは終始マイナス展開だった。新高値ゼロ、新安値15銘柄。テルモ、信越化が上昇。資生堂、トヨタが下落。
 
24日(木):
NY株式市場は小幅反発。上昇を牽引したのは個別企業の決算。IBM、P&G、ユナイテッド・テクノロジーズなどの好決算を背景にNYダウの上昇率が3指数の中で最大だった。「ダボス会議に出席している企業首脳らがトランプ米大統領の政策に対する信頼感を失いつつある」という報道は悪材料視。CEAのケビン・ハセット委員長は「政府閉鎖が第1四半期末まで継続した場合、同四半期の米経済成長率はゼロ%になる可能性がある」とコメントしている。トランプ大統領は「米政府は中国との通商協議を首尾よく進めている」とコメント。3月1日の期限までの通商交渉合意の可能性は高まったと見る向きもある。
 
1月18日時点の裁定買い残は31億円増の7852億円と4週連続増加。同裁定売り残は278億円減の3562億円と4週連続減。
日経平均は19円安の20574円と小幅に3日続落。「日足は2日連続陽線で悪くはない。25日はキープし5日線は上回れず。TOPIXは小幅に反発。日経ジャスダック平均が4日ぶりに反発。東証マザーズ指数は続伸。
東証1部の売買代金は1兆8897億円カブコムがストップ高。東エレ、任天堂が上昇。ファーストリテ、リクルートが下落。
 
25日(金):
NY株式はNYダウが反落。NASDAQとS&P500が続伸とマチマチの展開。ロス商務長官が中国との通商交渉について「合意には依然として大きな隔たりがある」とコメント。
早期決着への期待が後退した。米議会上院での政府機関閉鎖解除に向けた共和党案は否決。民主党のつなぎ予算法案も可決に必要な票数を獲得できず政府機関の一部閉鎖は継続。ただ半導体セクターの堅調からNASDAQはシッカリ。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は5.7%上昇し12月26日以来の大幅な上昇率となった。
引け後に半導体大手インテルが第4四半期決算を発表。景気の失速が目立つ中国の需要減退が響き、売上高が市場予想を下回った。今第1四半期の売上高・利益見通しも市場予想に届かず株価は時間外取引で8%下落。
 
日経平均株価は198円高の20773円と4日ぶりの反発。12月4日以来1ヶ月半ぶりの水準を回復した。海外投資家の先物買いが主役との解釈だ。アジア株の上昇も追い風となった。東証一部の売買代金は2兆2071億円。5日ぶりに2兆円を超えた。TDK、東エレが上昇。中外薬が下落。
 
(2) 欧米動向
 
市場が求めているのは「オリーブの枝」との指摘。
オリーブの枝とは旧約聖書でノアの箱舟から放った鳩がオリーブの枝を持ってきたという故事。
意味するところは「和解」だ。
米中貿易紛争の間に訪れるのかどうか。
3月1日までが枝がやってくる期限だ。
 
米運用大手フィデリティの「マゼランファンド」率いたピーター・リンチ氏の手法。
成長率と配当利回りを足してPERで割った数字も参考に。
成長率12%、配当利回り3%、PER10倍の銘柄だと「(12+3)÷10=1.5」になる。
「2」以上が「望ましい」。
「1.5}は「まずまず」。
「1」以下なら「見込みが薄い」と判断。
結構役に立つかも知れない。
 
(3)アジア・新興国動向
 
先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち20指数が上昇。
 
上位1位トルコ週間騰落率3.40%、2位タイ2.52%、3位韓国2.52%、
4位香港1.77%、5位ブラジル1.64%、15位日本0.52%。
下位25位英国▲2.28%、24位メキシコ▲1.36%、23位スイス▲1.12%、
22位インド▲0.99%、19位米国0.12%。
 
【展望】
 
スケジュールを見てみると・・・
 
28日(月):通常国会招集、米シカゴ連銀全米活動指数
29日(火):米FOMC(〜30日)、米CB消費者信頼感、CS住宅価格指数、トランプ大統領一般教書演説
30日(水):商業販売統計、米ADP雇用レポート、10〜12月期GDP
31日(木):鉱工業生産、米個人所得、シカゴ購買部協会景気指数
1日(金):有効求人倍率、10〜12月のGPIF運用実績、日欧EPA発効、米雇用統計、ISM製造業景況感
 
 
【1月】(6勝8敗で11位。月足陽線確率30%)
 
14日(月)成人の日で休場(本来は上げの特異日)
16日(水)機械受注、米小売売上高
17日(木)米ベージュブック、変化日
21日(月)NY市場休場(キング牧師生誕記念日)トランプ大統領就任から2年、満月、IMF世界経済見通し
22日(火)日銀金融政策決定会合(〜23日)変化日
23日(水)ダボス会議(〜25日)トランプ大統領出席
24日(木)米製造業PMI
25日(金)米耐久財受注
29日(火)変化日
30日(水)米GDP速報値
31日(木)鉱工業生産
 
【2月】(9勝5敗で2位、陽線確率64.3%)
 
1日(金)日・EU経済連携協定(EPA)が発効、米雇用統計、上げの特異日、ドンキがパン・パシフィック・インターナショナルに社名変更、QBハウスが値上げ
4日(月)変化日
5日(火)中国が春節
9日(土)日本維新の会が党大会
10日(日)自民党大会
11日(月)建国記念の日で休場
14日(木)GDP速報値、上げの特異日
15日(金)ミュンヘン、安全保障会議、変化日
21日(木)下げの日、変化日
24日(日)政府主催の天皇在位30周年記念式典
25日(月)「モバイル・ワールド・コングレス」(バルセロナ〜28日)
28日(木)変化日
 
中旬:米商務省、自動車の輸入制限の調査報告書提出期限、米予算教書、FRB議長半期議会勝源
 
「2019年に入りわずか2週間程度で異例の経済・市場見通し変更を行う証券会社が相次ぐ」との報道。
☆JPモルガン証券:世界経済成長率3.0%→2.9%。
 米GDP成長率2.4%→2.3%。
 ユーロ圏GDP成長率1.8%→1.4%。
☆シティグループ証券:利上げタイミング3・6月→6・9月
☆ゴールドマンサックス証券:ドル円相場 1ドル=108円→1ドル=105円
 予想EPS成長率(19年度)4.9%→3.1%。
 日経平均株価(今後12カ月)23000円→22000円。
 
(兜町カタリスト 櫻井英明)


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