日本の中古住宅流通の起爆剤は?!
建物状況調査(ホームインスペクション)をご存知だろうか?

ホームインスペクションの説明を義務化する「改正宅建業法」が2018年4月に施行されたが初めて聞く方も多いかもしれない。

ホームインスペクションとは、国土交通省の定める講習を修了した建築士が、中古住宅の基礎、 外壁などの劣化状況等を基準に従い調査する事で、これを活用することで、売主・買主がより安心して建物取引が出来る。

建物状況調査を実施するメリット
■売主側のメリット
(1)中古住宅の現況を客観的に判断でき、調査未実施物件との差別化ができる。
(2)物件引渡後のトラブルの要因が軽減できる。

■買主側のメリット
(1)購入に際しての判断材料にすることができる。
(2)調査項目について建物の状況を客観的に把握できる。

国土交通省によると、
中古住宅は、新築時の品質や性能の違いに加えて、その後の維持管理や経年劣化の状況により物件ごとの品質等に差があることから、消費者は、その品質や性能に不安を感じている。 その為、中古住宅の売買時点の物件の状態を把握できるインスペクションサービスへのニーズが高まっているようだ。
また、日本の中古住宅の流通は、約14.7%程度(2013年)にとどまっているおり、アメリカやフランスでは60%以上、イギリスに至っては88%以上の諸外国と比べると、圧倒的に低い数値となっている。

画像出典:国土交通省 宅地建物取引業法の改正についてより

国土交通省の資料によると、既存住宅流通の市場規模4兆円(2013年)を2025年には8兆円まで拡大する成果指標が出ている。

ホームインスペクションによって、市場活性化が実現すれば、関連する銘柄のビジネスチャンスも拡大しそうだ。関連銘柄を紹介しよう。

ERIホールディングス(6083)
建築確認検査業務で全国展開しシェアトップ。専門の研修を受けた建築士が調査し報告書を作成する住宅性能評価を展開し、確認審査事業も急拡大している。
エスクロー・エージェント・ジャパン(6093)
不動産・金融業務における取引に関係する業務をワンパッケージサービスで提供している。 建設事業者向けの設計サポート機能、中古住宅の診断機能を獲得し、エスクローサービスのメニューを拡充する。 不動産業者・金融機関・建設業者・専門家向けに情報システム提供などの各種支援サービス、不動産事務代行を手がける。
ハウスドゥ(3457)
不動産売買仲介のフランチャイズチェーンや直営店を運営。 不動産買取用の「家・不動産買取専門店WEBシステム」がIT導入補助金対象サービスに認定された。 耐震診断の資格を持つ社員が、中古住宅の耐震性を調べる「インスペクション」を行っている。
インテリックス(8940)
中古マンション再生流通事業が軸。中古マンションのリノベーションを取り扱う。設備保証付きに特色があり、アフターサービスなどに強みを持つ。 仕入・設計・施工・販売・保証を一貫して提供する「リノベーション総合企業」
内閣府の「住生活に関する世論調査」によると、住宅を購入するなら、新築住宅を選ぶ人は73%、中古住宅と答えた人は9.9%となっており、日本人は、圧倒的に新築好きである。

一方で、2000年の住宅品確法施行以降は、住宅の耐震強度をはじめとした建物の性能上重要な事項に関しての10年保証(瑕疵担保責任)が義務付けられ欠陥住宅は減りつつある。 また、中古住宅購入時に改修費補助(最大50万円)など、政府が空室・空き家対策に本腰上げてきている。

法整備が進み環境が揃ってくると、今後は日本でも中古住宅という選択肢が、一般化してくるかもしれない。

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