櫻井英明の稼足銘柄
ブイキューブ (3681) 東証マザーズ
■株式データ
株価 1714円(1月30日終値)
単元株数 100株
時価総額 約157億円

■会社概要
主に企業・教育機関・官公庁などに向けて、クラウド型を中心としたビジュアルコミュニケーションサービスの提供を行っている。
同社グループの提供するビジュアルコミュニケーションサービスでは、いつでも・どこでも・だれでも使える、をコンセプトに、ユーザーのPCあるいはスマートフォン、タブレット端末等のモバイル端末から、インターネットを通じて、遠くの相手とお互いの顔や資料を共有しながら遠隔会議を行うWeb会議サービス、あるいはオンラインセミナーなどに代表される、文字や音声だけでなく、映像も含めたコミュニケーションサービスを提供している。
同社の提供するサービスには、V-CUBE ミーティング、V-CUBE セミナー、V-CUBE セールス&サポート、V-CUBE ドキュメント、V-CUBE ボイス、V-CUBE ビデオ、V-CUBE ポータルがある。そのた、ウェブカメラ、ヘッドセット、エコーキャンセラ付きマイク等の販売を行っている。

■業績動向
11月13日に決算を発表。14年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結経常利益は前年同期比2.1倍の2.5億円に急拡大したが、通期計画の5.3億円に対する進捗率は47.6%となり、前年同期の46.8%とほぼ同水準だった。
会社側が発表した第3四半期累計の実績と据え置いた通期計画に基づいて試算した10-12月期(4Q)の連結経常利益は前年同期比2.0倍の2.8億円に急拡大する見通しとなった。
当面の業績は「利益膨張」(四季報)の見込み

決算発表予定日 2015/02/12

■ポイント
1月26日付でチューリッヒ工科大学の認定ベンチャーでロボット開発などを行うRapyuta Robotics(ラピュータ社、東京都新宿区)に出資したと発表。ラピュータ社には、同時にサイバーダイン(CYBERDYNE、7779)やSBIインベストメント(東京都港区)なども出資した。

ブイキューブは水準切り下げたが売られ過ぎ感、中期成長力を評価して反発のタイミング

Web会議システム首位のブイキューブ[3681](東マ)の株価は、水準を切り下げて1月9日に1371円まで調整した。しかし特に個別の悪材料は見当たらず売られ過ぎ感を強めている。今期(15年12月期)の大幅増収増益が期待され、中期成長力を評価して反発のタイミングだろう。

 TV会議・Web会議・オンラインセミナー・営業支援・遠隔教育・遠隔医療・映像配信といったビジュアルコミュニケーションツールおよびソリューションサービスの企画・開発・販売・運用・保守を企業向けに提供している。

 Web会議「V−CUBE」はWebカメラ、ヘッドセット、ネット環境があれば世界中いつでも、どこでも、だれでも、スマートフォンやタブレット端末でも利用可能なビジュアルコミュニケーションサービスである。200社以上の国内販売パートナーと連携して4000社を超える納入実績を持ち、国内Web会議市場で7年連続首位を達成している。

 主力のクラウド型はサービス提供に伴う月額利用料、官公庁や金融機関向けが中心のオンプレミス型はサーバ・ライセンス販売に伴う導入費用や月額保守料が収益柱である。14年9月には、1契約でV−CUBEミーティングやV−CUBEセミナーなどのサービス群から最適なサービスを選択して利用できる「V−CUBE One」と、知名度向上に向けた無料の法人専用テキストチャットサービス「V−CUBE Gate」の提供を開始した。

 ビジュアルコミュニケーション市場は、オンラインミーティングやオンラインセミナーなど国内外で拡大基調が予想され、中期成長戦略として国内シェア拡大と潜在市場開拓、アジアNO.1を目指した海外展開、B2B2C型プラットフォームモデルの展開を推進している。海外は米国、マレーシア、タイ、シンガポール、インドネシア、香港、中国に展開し、14年3月には韓国でもサービスを開始した。

 国内シェア拡大と潜在市場開拓に向けて、14年5月にパイオニア<6773>の子会社でオンプレミス型Web会議システム国内首位のパイオニアソリューションズ(現パイオニアVC)を子会社化し、10月に同社のビジュアルコラボレーションサービス群を「xSync(バイシンク)」ブランドに統一した。

 パイオニアVCが強みを持つ電子黒板システムを中心とする文教分野では、教育のIT化に向けた環境整備4ヵ年計画で市場拡大が予想されている。パイオニアVCの協働学習支援システムは、14年春から佐賀県が全県立高校に導入した「1人1台の学習者用パソコン」8507台に採用され、11月には滋賀県草津市が全小中学校に導入したタブレット端末3200台の授業活用に採用されている。

 B2B2C型プラットフォームモデルでは14年3月、受講者に対して有料オンライン講座や有料オンラインセミナーなどを課金ライブ配信できるマーケットプレイス「V−CUBE MARKET」を開始した。

 業界特化ソリューションの拡大やアライアンス戦略も強化している。14年3月にはエムスリー<2413>と合弁でエムキューブを設立して、メディカルヘルスケア分野の業界特化ソリューションを強化している。

 14年6月には大日本印刷<7912>とデジタルサイネージやWeb会議システムなどを連携した業務効率化支援サービスで提携し、7月にはビットアイル<3811>とビジュアルコミュニケーションサービス領域において協業した。10月にはパイオニアVC、大日本印刷、日本ユニシス<8056>の3社が災害危機管理ソリューションで協業し、11月にはワイヤレス・ブロードバンドサービスを提供するワイヤレスゲート<9419>と包括的業務提携した。

 前期(14年12月期)の連結業績見通し(パイオニアVCの連結子会社化に伴って3月24日に売上高を増額修正)は、売上高が前々期比86.3%増の47億05百万円、営業利益が同90.6%増の5億27百万円、経常利益が同2.0倍の5億34百万円、純利益が同40.1%増の3億22百万円としている。

 第3四半期累計(1月〜9月)は前年同期比86.3%増収、同52.9%営業増益、同2.1倍経常増益、同1.7%最終増益だった。特別損失に自己新株予約権評価損を計上したため純利益は小幅な伸びだが、クラウド型サービスの伸長やパイオニアVCの新規連結で大幅増収となり、営業外での為替差益も寄与して営業利益と経常利益は大幅増益だった。

 クラウド型、オンプレミス型、アプライアンス型(小中学校向け電子黒板)とも拡大基調であり、今期(15年12月期)はパイオニアVCの通期連結(前期は5月〜12月の8ヵ月分を連結)も寄与して大幅増収増益が期待される。中期経営目標値としては売上高100億円、経常利益30億円の早期達成を掲げている。ビジュアルコミュニケーションサービス市場は拡大基調であり、競争力の高さ、規模の優位性、積極的な事業展開などで中期成長期待が高まる。

 株価の動き(15年1月1日付で株式2分割)を見ると、14年10月以降は概ね1600円〜1900円近辺のレンジで推移していたが、12月中旬以降に水準を切り下げる展開となり1月9日には1371円まで調整した。しかし特に個別の悪材料は見当たらず売られ過ぎ感を強めている。

 1月9日の終値1376円を指標面(株式2分割後)で見ると、前期推定連結PER(会社予想に株式2分割を考慮した連結EPS35円24銭で算出)は39倍近辺、前々期実績PBR(前々期実績に株式2分割を考慮した連結BPS415円46銭で算出)は3.3倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えて売られ過ぎ感を強めている。中期成長力を評価して反発のタイミングだろう。

■チャート
チャート出典:ストックウェザー株式会社

シンバイオ製薬 (4582) JASDAQグロース
■株式データ
株価 334円(1月30日終値)
単元株数 100株
時価総額 約110億円

■会社概要
医薬品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務を行う医薬品企業である。
がん・血液・自己免疫疾患の3治療領域に特化した新薬開発に取り組む。
開発にかかる様々なリスクと費用を軽減するとともに、開発候補品の臨床試験を迅速・確実に進め、開始から承認取得までの期間を短縮するために、主として既にヒトで概念実証(POC)が確立され、前臨床試験データと臨床試験データがある化合物を対象とする。
これらの化合物の探索は同社独自の探索ネットワークと評価ノウハウを活用し、社内の経験を有した専門スタッフによる第1次スクリーニングにより絞り込みを最初に行う。
その後、科学的諮問委員会(SAB)において第一線で関連分野における治療の研究に携わる経験豊かな社外専門家の厳密な評価を受けた上で、同社において最終的な導入候補品を決定。
開発については、基本的な開発戦略の中枢となる臨床試験のデザイン、海外の試験との連携、医学専門家との調整等は同社が主体となって行い、定型的な開発業務は、外部資源である受託臨床試験実施機関(CRO)へ業務委託し、製造についてはライセンス供給元あるいは信頼できる国内外の製薬企業へ業務委託を行う。
販売については、製薬企業との提携により行う。同社はパイプラインとして抗がん剤のSyB L-0501、SyB L-1101とSyB C-1101、及び制吐剤のSyB D-0701の4つの開発品を有する。

■業績動向
11月13日に業績修正を発表。14年12月期の経常損益(非連結)を従来予想の16.5億円の赤字→13億円の赤字(前期は16億円の赤字)に上方修正し、赤字幅が縮小する見通しとなった。
会社側が発表した上方修正後の通期計画に基づいて試算した7-12月期(下期)の経常損益も従来予想の9.3億円の赤字→5.9億円の赤字(前年同期は7.8億円の赤字)に上方修正し、赤字幅が縮小する見通しとなった。

決算発表予定日 2015/02/10

■チャート
チャート出典:ストックウェザー株式会社

電気化学工業 (4061) 東証1部
■株式データ
株価 467円(1月30日終値)
単元株数 1000株
時価総額 約2148億円

■会社概要
エラストマー・機能樹脂、インフラ・無機材料、電子・先端プロダクツ、生活・環境プロダクツの製造・販売を主たる業務としているほか、これらに附帯するサービス業務等を営む。
エラストマー・機能樹脂事業の主要製品は、スチレンモノマー、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、スチレン系特殊透明(SBC)樹脂、耐熱樹脂、N−フェニルマレイミド樹脂、透明樹脂、酢酸、酢酸ビニル、ポバール、クロロプレンゴム及びアセチレンブラック等である。
同社が製造・販売を行うほか、子会社のアクロス商事およびYKイノアスが同社製品の販売を行う。電子材料事業の主要製品は溶融シリカ、電子回路基板、ファインセラミックス、電子包装材料等である。同社が製造・販売を行うほか、子会社のアクロス商事およびYKイノアスが同社製品の販売を行う。
生活・環境プロダクツ事業の主要製品は食品包装材料、住設・環境資材、産業資材、ワクチン、関節機能改善剤、診断薬等である。同社が製造・販売を行うほか、子会社のアクロス商事およびYKイノアスが同社製品の販売を行う。
子会社のデンカポリマーが合成樹脂加工製品等を、デンカ生研がワクチン、検査試薬等の製造・販売を行う。海外では子会社のデンカアドバンテックP.L.(シンガポール)が合繊かつら用原糸の製造・販売を行う。

■業績動向
11月10日に決算を発表。15年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比11.6%減の94.1億円に減り、通期計画の235億円に対する進捗率は40.1%にとどまり、5年平均の46.8%も下回った。
 会社側が発表した上期実績と据え置いた通期計画に基づいて、試算した10-3月期(下期)の連結経常利益は前年同期比41.6%増の140億円に拡大する見通しとなった。
 直近3ヵ月の実績である7-9月期(2Q)の連結経常利益は前年同期比37.7%増の67.7億円に拡大し、売上営業利益率は前年同期の5.6%→6.5%に改善した。

決算発表予定日 2015/02/06

■ポイント
電気化学<4061>(東1)は、461円と1カ月ぶりに昨年来高値を更新している。ミニゴールデンクロスを示現、チャートもよくなっている。

 エラストマー・機能樹脂(クロロプレンゴム、アセチレンブラック、スチレン系合成樹脂、スチレンモノマ一、アセチル系化成品)、インフラ・無機材料(セメント、コンクリート用特殊混和材、肥料、無機材料)、電子・先端プロダクツ(電子部品用包装材料、機能性セラミックス、電子回路基板、放熱材料、接着剤など)、生活・環境プロダクツ(建築・土木・産業用樹脂成型材料、食品包装材料、医薬品など)を手がけている。

 再スタートを切った「DENKA100」の2年目である今年度も昨年度に続き「生産体制の最適化」と「成長分野への資源集中」「次世代製品開発」の具体的施策を実行している。

 足元の業績は、今2015年3月期第2四半期売上高が1868億7000万円(前年同期比3.0%増)、営業利益が94億1000万円(同10.2%減)、経常利益が94億1200万円(同11.6%減)、純利益が75億2300万円(同0.9%増)に着地。電子・先端プロダクツ製品などの販売増や円安メリットがあったが、原燃料価格高騰分の価格転嫁遅れ、プラント定修、営業費・研究費増等により、前年比増収減益。消費増税後の4−6月期営業利益は28億9000万円(前年同期比44.9%減)だったが、7−9月期営業利益は65億2000万円(前年同期比24.6%増)と回復している。

 電子・先端プロダクツ部門で電子部品・半導体搬送資材用機能フィルムやLED用サイアロン蛍光体「アロンブライト」が好調に推移したほか、電子回路基板も電鉄向けを中心に好調に推移したため、第2四半期累計としては増収を確保、純利益の段階では当初計画を5億円強上回り順調だ。

 通期業績予想は、売上高が4000億円(前期比6.2%増)、営業利益が250億円(同17.8%増)、経常利益が235億円(同14.1%増)、純利益が180億円(同32.6%増)を見込んでいる。

 年間配当は12円(同2円増)を予定している。

 エラストマー・機能樹脂と電子・先端プロダクツの上振れに対して、インフラ・無機材料の下ぶれなどセグメントによって強弱はあるが、全体では期初計画を達成できる見通し。

 株価は、週足一目均衡表転換線がサポートする形で上昇トレンドを継続している。「DENKA100」の最終成果である収益について、株主への配分を定めた「株主還元方針」を策定。総還元性向50%を基準(配当性向最低30%+安定配当)を掲げ、自社株買いも機動的に行う予定で、株主を重視した姿勢は注目される。

 ここへきてインフルエンザの流行で、子会社デンカ生研が検査薬を手がけていることが見直される可能性もあるほか、今期予想PER11倍台と割安感があり、配当利回り2.6%と利回り妙味もソコソコある。2010年高値477円突破から一段と騰勢を強めそうだ。

■チャート
チャート出典:ストックウェザー株式会社


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