櫻井英明の稼足銘柄
注目される「介護ビジネス」関連銘柄
65歳以上の高齢者人口は、平成25年9月15日現在の推計で3186万人に上り、総人口に占める割合も25.0%に達している。前年と比べても人口が112万人増、割合も0.9%増と、いずれも過去最高の数字である。1947~49年生まれのいわゆる「団塊の世代」が、高齢者の域に突入した結果だ。

4人に1人が高齢者という社会においては、民間の事業者にも対策の一端を担ってもらおうと、様々な助成金制度を用意している地方公共団体が多い。社会保険料を極力抑えたい行政の姿勢を後ろ盾に、「介護」にビジネスチャンス。

また、介護ロボットの普及は喫緊かつ中期的なテーマとなる公算が大きく、「HAL医療用下肢タイプ」が国内で初めて厚生労働省から医療機器としての製造承認を受けたサイバダインは、ここ再び注目度が高まっている。また、在宅介護大手でデイサービス施設の新規開設を進め、福祉・医療分野に特化した就職支援サービスも展開するツクイなども国策の追い風が株価に反映されやすい。

政府は、ロボットを人手不足や高齢化の問題を解決する切り札と位置づけ、介護、農業、インフラ(社会資本)点検・災害、工場を重点4分野として集中的に支援すると伝わっています。国内の市場規模を2012年の約7000億円から、20年には3倍超の約2.4兆円に拡大させる目標だそうです。

「介護ビジネス」関連銘柄をピックアップ。

菊池製作所 (3444) JASDAQスタンダード
■株式データ
株価 1457円(12月29日終値)
単元株数株 100株
時価総額 約168億円

■会社概要
板金・成形・金型開発が主力。携帯や家電など量産前の試作品製作に特化。
金型の設計・製作、板金加工、機械加工、成形加工、プレス加工等の諸技術を駆使し、試作製品及び量産製品の製造、金型製作、精密板金加工等を主な事業とする。 試作・金型事業は、主に精密電子機器、事務機器及び自動車部品等のメーカーを顧客とし、顧客の新製品開発における試作製品、もしくは顧客の新製品開発において使用される金型を受注し、設計・製造を行う。量産事業は、試作・金型事業と同様に、主に精密電子機器及び自動車部品等のメーカーを顧客とし、量産製品の製造を行う。

■業績動向
12月10日に決算を発表。16年4月期第2四半期累計(5-10月)の連結経常損益は3億9600万円の赤字(前年同期は600万円の赤字)に赤字幅が拡大し、従来の1億円の赤字予想からも赤字幅を拡大して着地した。

併せて、通期の同利益を従来予想の2億1900万円→1億0900万円(前期は2300万円)に50.2%下方修正し、増益率が9.5倍→4.7倍に縮小する見通しとなった。ただ、通期の連結最終利益は従来予想の1億3100万円→1億3300万円(前期は2億7400万円)に1.5%上方修正し、減益率が52.2%減→51.5%減に縮小する見通しとなった。

会社側が発表した上期実績と通期計画に基づいて、試算した11-4月期(下期)の連結経常利益は前年同期比17倍の5億0500万円に急拡大する計算になる。

直近3ヵ月の実績である8-10月期(2Q)の連結経常損益は1億9000万円の赤字(前年同期は1億1200万円の黒字)に転落し、売上営業損益率は前年同期の6.3%→-12.0%に急悪化した。

■ポイント
「マッスルスーツ」の製品化に成功。工場、物流、訪問入浴介護などの肉体労働者と共同で、多くの方が痛めている腰に焦点を当て、腰補助用マッスルスーツを実用化。

■チャート
チャート出典:ストックウェザー株式会社


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