櫻井英明の稼足銘柄
今年の注目セクターは、
金融とITの融合を意味する「Fintech(フィンテック)」だろう。
株式市場でもFinTech(フィンテック)という言葉を随所で耳にするようになってきた、フィンテック関連銘柄の成長が、社会の変化に与える影響はとても大きい物があるだろう。

欧米でも、フィンテック関連のベンチャーへの投資が急増し、連動して市場規模が拡大している。普及の遅れていた日本でも、競争力強化の観点から金融機関が導入を進めつつあり、近い将来に大きな流れとなる可能性が高い。 今や金融業界の新しいトレンドとなっておりその関連企業を注目したい。

フィンテックとは
「Finance(金融)」と「Technology(科学技術)」の合成語で、近年は特に金融テクノロジー領域のベンチャー企業やそのイノベーションを指して使われることが多くなっている。

電子的な金融ツールはすべてこれに含まれるため、例えばATM(現金自動預払機)や電子サインもフィンテックではある。

インターネットバンキングやインターネットによる株や外国為替取引など、ITを活用したサービスはすでに広く普及しているが、フィンテックはベンチャー主導で、従来の金融が提供してこなかった多種多様なサービスを提供している点が大きく異なるという。

■フィンテック関連銘柄は、今後大きな成長が強く望めるテーマ株だ。
その根拠や理由として、フィンテック産業を担う企業のリードだけではない、金融庁はフィンテックの広がりを視野に、新たな法整備の必要性を議論している。

経済産業省によるフィンテック研究会の開催、フィンテック関連企業の協力によるフィンテック協会の発足など、これから日本国内でフィンテック業界を活況させるための地固めとも言える下準備が着々と進められていることが確認できる。

より新鮮な銘柄を求めるのであれば、ベンチャー・新興系企業に目を移すべきだろう。

新興市場ではフィンテック関連銘柄への物色が活発となっており、システム開発会社インフォテリア <3853>、決済サービスを手掛けるASJ<2351>、収納代行サービスのビリングシス<3623>、アプリ収益化プラットフォーム「metaps」を展開するメタップス<6172>、スマホ向け広告サイトを運営セレス <3696>などに注目したい。

インフォテリア (3853) 東証マザーズ
■株式データ
株価 1170円(1月5日終値)
単元株数株 100株
時価総額 約156億円

■会社概要
システム開発会社。XML専門のソフト開発は日本初。企業のシステム連携ソフトが主力。
インフォテリアは、「ソフトウェアで世界をつなぐ」をスローガンに、拡張可能マークアップ言語(XML)技術を中核としさまざまな「つなぐ」ニーズに応えるソフトウェアの開発と販売を行う。

ソフトウェアの開発・販売とそれに付帯するサービスの提供という単一事業であり、ライセンスについては、企業等のニーズに対応する汎用のソフトウェア製品を企画・設計・開発し、その使用許諾権(ライセンス)を、同社と販売契約を締結するシステムインテグレータ等に販売。

システムインテグレータは、主として同社が提供するシステム構築の中にソフトウェア製品を組み込む形でエンドユーザーに提供。

■業績動向
11月12日に決算を発表。16年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比3.5倍の9200万円に急拡大した。

直近3ヵ月の実績である7-9月期(2Q)の連結経常利益は前年同期比2.4倍の9300万円に急拡大し、売上営業利益率は前年同期の10.4%→25.2%に急上昇した。

■ポイント
12月4日にプライベート・ブロックチェーン技術を有するフィンテック企業「テックビューロ」との事業提携を発表してから人気化している。

異なるコンピューターシステムのデータを連携できるインフォテリアのミドルウエアとテックビューロのソフトウエアを組み合わせる専用接続アダプターを開発し、金融システム構築・運用コストを10分の1以下にするプラットフォームを実現することなどを計画しているという。

■チャート
チャート出典:ストックウェザー株式会社

セレス (3696) 東証マザーズ
■株式データ
株価 1380円(1月5日終値)
単元株数株 100株
時価総額 約130億円

■会社概要
ポイントサイト「モッピー」「モバトク」などスマホ向け広告サイトを運営。アルバイト求人サイト
スマートフォン端末をメインデバイスとするインターネットメディアを企画・開発し、運営することを主業とし、利用者に対して電子マネー等に交換可能なポイントをインセンティブにインターネット上の様々なアクションを促し収益を得る。

登録会員による広告閲覧等を主な収益源とする「ポイントメディア事業」と検索エンジン等から流入するユーザーが求人広告に応募・採用されることで発生する採用課金型の掲載料を収益源とする「HRメディア事業」である。

■業績動向
11月13日に決算を発表。15年12月期第3四半期累計(1-9月)の経常利益(非連結)は前年同期比60.4%増の3億8500万円に拡大し、通期計画の4億2300万円に対する進捗率は91.0%に達し、さらに前年同期の77.9%も上回った。

会社側が発表した第3四半期累計の実績と据え置いた通期計画に基づいて試算した10-12月期(4Q)の経常利益は前年同期比44.1%減の3800万円に落ち込む見通しとなった。

直近3ヵ月の実績である7-9月期(3Q)の経常利益は前年同期比2.5倍の1億5800万円に急拡大し、売上営業利益率は前年同期の11.9%→18.8%に急上昇した。

■ポイント
一般社団法人FinTech協会に入会したと発表。同協会は、国内においてFinTech業界をリードするベンチャー企業を中心に、FinTech市場の活性化及び世界の金融業界における日本のプレゼンス向上に貢献することを目的として10月1日に発足したという。

同社はブロックチェーンを利用した独自認証技術の提供を行うOrbや、ビットコインサービス「coincheck」を提供するレジュプレスと資本業務提携を行っている。ビットコインサービス「ビットバンクウォレット」等を提供するビットバンクへ追加出資し、業務提携すると発表している。

ビットバンクが第三者割当増資により新株式を発行し、同社がその一部を引き受ける。業務提携では、同社が運営するスマートフォン向けポイントサイト「モッピー」が発行するモッピーポイントとビットバンクが提供するビットコインの交換を可能にする。

■チャート
チャート出典:ストックウェザー株式会社

ASJ (2351) 東証マザーズ
■株式データ
株価 613円(1月5日終値)
単元株数株 100株
時価総額 約38億円

■会社概要
サーバーホスティング中堅。安定運用に定評。決済代行やオンライン野球ゲームに進出。
ネットサービス事業及びその付随するサービス、並びに不動産賃貸事業を展開する。ネットサービス事業には、インターネットサーバサービスについて、同社がアプリケーションの開発、サーバ運用及びサービスの提供を行うほか、ASUSA Corporation において、主にインターネットに関連する技術の研究開発活動を行う。

デジタルコンテンツには、同社がアプリケーションの開発、サーバ運用を行い、同社、イー・フュージョン、ASJコマースにおいて、サービスの提供を行う。その他事業には、同社において不動産賃貸事業を行う。

■業績動向
10月22日に決算を発表。16年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常損益は2200万円の赤字(前年同期は1700万円の赤字)に赤字幅が拡大した。

会社側が発表した上期実績と据え置いた通期計画に基づいて、試算した10-3月期(下期)の連結経常損益は4700万円(前年同期はトントン)になった。

直近3ヵ月の実績である7-9月期(2Q)の連結経常損益は1100万円の赤字(前年同期は600万円の赤字)に赤字幅が拡大し、売上営業損益率は前年同期の-2.4%→-3.1%に悪化した。

■ポイント
「商工会議所向け検定試験管理システム」が採用されたと発表。

「商工会議所向け検定試験管理システム」は、簿記検定試験やリテールマーケティング検定試験など各種検定試験のインターネット申し込みの受付・受験料の決済代行から、受験票・合格証書などの帳票印刷まで、一連の検定関連業務に対応したシステムとして、全国の商工会議所の要望に応じて提供しているシステム。

会社側によると、きょう現在で124カ所の商工会議所で採用されているが、16年3月期中には180カ所を超えるとみている。

■チャート
チャート出典:ストックウェザー株式会社


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