[2191]テラ
[5月29日更新]

テラはほぼ底値圏、樹状細胞ワクチン療法の薬事承認目指す

 テラ<2191>(JQ)は、樹状細胞ワクチン療法を中心とするバイオベンチャーである。樹状細胞ワクチン療法の薬事承認を目指している。株価はほぼ底値圏だろう。反発を期待したい。

■樹状細胞ワクチン療法の薬事承認目指す

東京大学医科学研究所発バイオベンチャーである。独自に開発したがん治療技術「樹状細胞ワクチン療法」を契約医療機関に提供する細胞医療事業を主力として、新規がん抗原および培養法、新規免疫療法など、がん領域において再生・細胞医療に関する研究・開発を行っている。

細胞医療事業は契約医療機関における症例数に応じた収入が収益柱である。17年12月期末の契約医療機関数は全国34ヶ所(内訳は基盤提携7ヶ所、提携6ヶ所、連携21ヶ所)だった。

子会社テラファーマは樹状細胞ワクチンの薬事承認を目指し、17年3月和歌山県立医科大学病院において開始した膵臓がんを対象とする樹状細胞ワクチン(TLP0−001)の医師主導治験に、樹状細胞ワクチンを提供している。

また子会社タイタンは治験支援、子会社オールジーンはゲノム解析を行っている。18年2月には細胞加工の製造受託事業に参入すると発表し、18年3月には新規がん抗原ペプチドの提供開始を決定した。

■18年12月期は赤字拡大予想

18年12月期は、細胞医療事業における症例数の減少、研究開発費の増加で赤字が拡大する見込みだ。第1四半期は症例数の減少などで赤字が拡大した。契約医療機関における累計症例数は18年3月末時点で約1万1770症例となった。通期では新規契約医療機関の開拓などで細胞医療事業の症例数回復を目指すとしている。

■株価はほぼ底値圏

株価は水準を切り下げる展開で、5月28日には510円まで下押した。ただし月足チャートで見ると500円近辺が支持線の形だ。ほぼ底値圏だろう。5月28日の終値は512円、時価総額は約87億円である。反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月20日更新]

テラは樹状細胞ワクチン療法(がん治療)の薬事承認取得を目指す

 テラ<2191>(JQS)は、樹状細胞ワクチン療法(がん治療)の薬事承認を目指す東京大学発バイオベンチャーである。中期成長に向けて先端医療周辺事業にも積極展開している。15年12月期は開発費用増加で赤字拡大だが、樹状細胞ワクチン療法(がん治療)の16年治験届提出を目指している。株価は地合い悪化も影響して安値圏だが売られ過ぎ感を強めて反発のタイミングだろう。なお2月9日に15年12月期の決算発表を予定している。

■独自開発のがん治療技術を医療機関に提供

 東京大学医科学研究所発のバイオベンチャーである。樹状細胞ワクチン「バクセル」を中心とした独自開発のがん治療技術を契約医療機関に提供する細胞医療事業を主力として、医療支援事業(研究機関・医療機関から受託する細胞加工施設の運営・保守管理サービス、細胞培養関連機器の販売、治験支援サービスなど)、および樹状細胞ワクチン療法(がん治療)の薬事承認取得を目指す医薬品事業を展開している。

 主力の細胞医療事業は契約医療機関における症例数に応じた収入が収益柱である。15年9月末時点の契約医療機関数は全国38カ所、契約医療機関における当社設立以降の累計症例数は約9800症例となった。

 15年9月には、樹状細胞ワクチン療法の技術・ノウハウを提供している福島県立医科大学付属病院が「WT1ペプチドを用いた樹状細胞ワクチン療法」を胃がん、食道がん、肺がんを対象に先進医療として治療を開始した。15年12月には、契約医療機関である医療法人社団愛友会上尾中央総合病院において、樹状細胞ワクチン療法の提供が開始された。

■樹状細胞ワクチン療法(がん治療)の薬事承認取得を目指す

 樹状細胞ワクチン療法(がん治療)は、患者自身の免疫細胞を用いることによってがん細胞を狙い撃ちするように進化させた最先端のがん免疫細胞療法として注目されている。10年には米国で前立腺がんに対する樹状細胞ワクチン療法による延命効果が証明され、樹状細胞ワクチンが認可された。

 樹状細胞(体内に侵入した異物を攻撃する役割を持つリンパ球に対して、攻撃指令を与える司令塔のような細胞)を体外で大量に培養し、患者のがん組織や人工的に作製したがんの目印である物質(がん抗原)の特徴を認識させて体内に戻すことで、樹状細胞からリンパ球にがんの特徴を伝達し、そのリンパ球にがん細胞のみを狙って攻撃させようというのが樹状細胞ワクチンである。

 当社は独自技術で改良を重ね、がんの目印にWT1ペプチド(当社が独占実施権を保有)を用いる樹状細胞ワクチン「バクセル」を、がん治療用として最適化した。そして14年1月に子会社テラファーマを設立し、樹状細胞ワクチン療法(がん治療)の薬事承認取得を目指している。

 日本では13年5月に公布された「再生医療推進法」の理念のもと、14年11月に「医薬品医療機器等法(旧薬事法改正)」および「再生医療等安全性確保法」の再生医療関連2法が施行された。そして再生医療・細胞医療の早期実用化の促進が期待されている。

 樹状細胞ワクチン療法(がん治療)は「医薬品医療機器等法」に基づいて、がん治療用再生医療等製品として早期承認制度を活用して薬事承認を取得する方針だ。開発体制整備を強化して16年の治験届提出を目指している。

 15年3月には再生医療・細胞医療の要素技術である免疫細胞用凍結保存液の製造・販売に関する独占的通常実施権を取得した。樹状細胞ワクチン療法(がん治療)の薬事承認取得を目指す子会社テラファーマに再実施権を許諾し、樹状細胞ワクチン「バクセル」を搬送する際に用いる凍結保存液の実用化を図り、薬事承認取得に向けた準備を加速させる。

 15年4月には、11年1月から進行膵臓がんを対象として慶應義塾大学医学部と共同研究を進めてきた、抗がん剤を併用したWTIペプチドを用いた樹状細胞ワクチン療法(がん治療)第1相臨床研究結果を発表した。

 また15年11月には、進行膵臓がんおよび進行胆道がんを対象として東京慈恵会医科大学附属柏病院と共同で進めてきた、抗がん剤を併用した樹状細胞ワクチン療法(がん治療)の安全性ならびに有効性を評価するための第1相臨床研究において、治療前後の測定データを解析し予後予測因子の探索を行った結果が論文発表された。

■中期成長に向けて先端医療周辺事業に積極展開

 中期成長に向けて先端医療周辺事業への展開も積極的に推進している。13年5月がん新薬を中心としたCRO(治験支援)事業に参入するため子会社タイタンを設立、14年2月ゲノム診断支援事業に向けてゲノム解析ソフトウェア開発のジナリスと合弁子会社ジェノサイファー(14年9月オールジーンに商号変更)を設立、14年8月少額短期保険業者のミニンシュラーを子会社化(14年12月テラ少額短期保険に商号変更)して保険事業(免疫保険)に参入した。

 15年3月には、一部契約医療機関において10年後、20年後のがん治療に備えるための「免疫細胞バンク」サービスを15年4月以降に開始すると発表した。アフェレーシス(成分採血)で単球を採取して樹状細胞に成熟させ、樹状細胞ワクチンの状態で凍結保管する。がんに罹患した場合に、健康な時に作成した樹状細胞ワクチンを用いて治療を行うことが可能になる。

 15年10月には、がんをはじめとする疾病の早期診断・早期予防等を実現する独自の技術プラットフォームを開発する新会社karydo TherapeutiX社(15年10月設立)に資本参加した。先端医療周辺事業への展開の一環として早期診断・早期予防関連事業に参入する。なお出資比率は49%で同社は持分法適用関連会社となる。

■アライアンス戦略も積極活用

 アライアンス戦略も積極活用している。13年4月iPS細胞による再生医療実用化を目指すヘリオス<4593>に出資、13年7月アンジェスMG<4563>と子宮頸がんの前がん病変治療ワクチンの共同研究・開発基本契約を締結、13年12月iPS細胞を利用したがん免疫細胞療法の開発に向けてヘリオスと業務提携、14年4月組織培養用培地のパイオニアであるコージンバイオに出資して資本業務提携した。

 15年5月には子会社オールジーンが、ハウステンボス「健康と美の王国」に先制医療のための新サービス「プリエンプティトータルチェック&ケア」の提供を開始した。遺伝子、腸内細菌バランス、免疫細胞活性の検査など5つのサービスがあり、自分の身体の状態を知ることで食生活や生活習慣の改善に活用することが可能となる。

 15年6月には、当社が参画している一般社団法人再生医療イノベーションフォーラムが15年4月設立した再生医療産業化拠点実証タスクフォース(RMIT)に参画して活動を支援すると発表した。

 15年7月には東京慈恵会医科大学悪性腫瘍治療研究部との共同研究契約締結を発表した。医薬品等を汚染するエンドトキシン等の発熱性物質の検出法を開発するための、ヒトiPS細胞由来樹状細胞の樹立に関する研究を開始する。

■15年12月期第3四半期累計は薬事承認取得に向けた費用が増加

 前期(15年12月期)第3四半期累計(1月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.0%増の14億79百万円、営業利益が4億06百万円の赤字(前年同期は1億97百万円の赤字)、経常利益が4億29百万円の赤字(同2億27百万円の赤字)、純利益が4億49百万円の赤字(同2億07百万円の赤字)だった。

 医薬品事業における樹状細胞ワクチン療法(がん治療)薬事承認取得に向けた費用の増加で赤字が拡大した。セグメント別売上高は、細胞医療事業が同5.1%減の7億76百万円、医療支援事業が同0.6%減の7億03百万円、医薬品事業が0百万円だった。第3四半期(7月〜9月)の契約医療機関における樹状細胞ワクチン療法の症例数は約280症例で、当社設立以降の累計では約9800症例となった。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)6億40百万円、第2四半期(4月〜6月)4億52百万円、第3四半期(7月〜9月)3億87百万円で、営業利益は第1四半期84百万円の赤字、第2四半期1億45百万円の赤字、第3四半期1億77百万円の赤字だった。

■15年12月期通期も薬事承認取得に向けた費用が増加

 前期(15年12月期)通期の連結業績予想(8月7日に減額修正)は、売上高が前々期比4.3%増の19億45百万円で、営業利益が6億81百万円の赤字(前期は2億93百万円の赤字)、経常利益が7億11百万円の赤字(同3億30百万円の赤字)、純利益が7億26百万円の赤字(同4億02百万円の赤字)としている。

 細胞医療事業において契約医療機関における樹状細胞ワクチン療法の症例数がやや伸び悩み、医薬品事業における樹状細胞ワクチン療法(がん治療)薬事承認取得に向けた費用増加で赤字が拡大する。

 当面は赤字が拡大するが、樹状細胞ワクチン療法(がん治療)の16年治験届提出を目指している。薬事承認取得に向けた開発の進展と中期成長に対する期待が高まる。

■継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断

 なお当社は、がん治療技術やノウハウなどの研究開発・医療支援サービスに関わる費用が収益に先行して発生するなどの理由から、継続的に営業損失が発生しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在している。

 ただし第3四半期累計末の資金残高および今後の資金繰りを検討した結果、当面は事業活動の継続性に懸念はなく、今後の運転資金も十分に確保できているため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断している。

 また当該状況の解消を図るべく、グループ経営体制の効率化や営業・技術面の連携促進などの施策を講じながら、収益力の改善に努めるとしている。

■株価は安値圏だが売られ過ぎ感

 株価の動きを見ると、地合い悪化の影響も受けて水準を切り下げた。1月18日には638円まで調整して15年8月安値631円に接近する場面があった。なお1月18日の終値は665円だった。時価総額は約93億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込んで安値圏だが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が15%程度まで拡大して売られ過ぎ感を強めている。樹状細胞ワクチン療法(がん治療)の16年治験届提出で中期成長に対する期待が高まる。反発のタイミングだろう。
[12月02日更新]

テラは安値圏モミ合いから上放れの動き、樹状細胞ワクチンの薬事承認取得目指す

 テラ<2191>(JQS)は、がん治療の樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認を目指すベンチャー企業で、中期成長に向けて先端医療周辺事業に積極展開している。15年12月期は開発費用増加で赤字が拡大するが、樹状細胞ワクチン「バクセル」は16年の治験届提出を目指している。株価は安値圏モミ合いから上放れの動きを強めている。出直りの動きが本格化しそうだ。

■独自開発のがん治療技術を医療機関に提供

 東京大学医科学研究所発のバイオベンチャーである。細胞医療事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」を中心とした独自開発のがん治療技術を契約医療機関に提供)を主力として、医療支援事業(研究機関・医療機関から受託する細胞加工施設の運営・保守管理サービス、細胞培養関連機器の販売、治験支援サービスなど)、および医薬品事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得に向けた開発活動)を展開している。

 主力の細胞医療事業は契約医療機関における症例数に応じた収入が収益柱である。15年9月末時点の契約医療機関数は全国38カ所、契約医療機関における当社設立以降の累計症例数は約9800症例となった。

 15年9月には、樹状細胞ワクチン療法の技術・ノウハウを提供している福島県立医科大学付属病院が「WT1ペプチドを用いた樹状細胞ワクチン療法」を胃がん、食道がん、肺がんを対象に先進医療として治療を開始した。

■樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得を目指す

 樹状細胞ワクチン「バクセル」は、最新のがん免疫療法として注目されている。樹状細胞(体内に侵入した異物を攻撃する役割を持つリンパ球に対して、攻撃指令を与える司令塔のような細胞)を体外で大量に培養し、患者のがん組織や人工的に作製したがんの目印である物質(がん抗原)の特徴を認識させて体内に戻すことで、樹状細胞からリンパ球にがんの特徴を伝達し、そのリンパ球にがん細胞のみを狙って攻撃させる。独自技術で改良を重ね、がん治療用として最適化した。

 そして14年1月に子会社テラファーマを設立して、樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得を目指している。

 日本では13年5月に公布された「再生医療推進法」の理念のもと、14年11月に「医薬品医療機器等法(旧薬事法改正)」および「再生医療等安全性確保法」の再生医療関連2法が施行され、再生医療・細胞医療の早期実用化の促進が期待されている。

 樹状細胞ワクチン「バクセル」に関しては「医薬品医療機器等法」に基づいて、がん治療用再生医療等製品として早期承認制度を活用して薬事承認を取得する方針だ。開発体制整備を強化して16年の治験届提出を目指している。

 15年3月には再生医療・細胞医療の要素技術である免疫細胞用凍結保存液の製造・販売に関する独占的通常実施権を取得した。樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得を目指す子会社テラファーマに再実施権を許諾し、樹状細胞ワクチン「バクセル」を搬送する際に用いる凍結保存液の実用化を図り、薬事承認取得に向けた準備を加速させる。

 15年4月には、11年1月から進行膵臓がんを対象として慶應義塾大学医学部と共同研究を進めてきた、抗がん剤を併用したWTIペプチドを用いた樹状細胞ワクチン「バクセル」第1相臨床研究結果を発表した。

 また11月25日には、10年8月から東京慈恵会医科大学附属柏病院と共同研究契約を締結し、進行膵臓がんおよび進行胆道がんを対象として、抗がん剤を併用した樹状細胞ワクチン療法の安全性ならびに有効性を評価するための第1相臨床研究を進めてきた、治療前後の測定データを解析し予後予測因子の探索を行った結果が論文発表されたと発表している。

■中期成長に向けて先端医療周辺事業に積極展開

 中期成長に向けて先端医療周辺事業への展開も積極的に推進している。13年5月がん新薬を中心としたCRO(治験支援)事業に参入するため子会社タイタンを設立、14年2月ゲノム診断支援事業に向けてゲノム解析ソフトウェア開発のジナリスと合弁子会社ジェノサイファー(14年9月オールジーンに商号変更)を設立、14年8月少額短期保険業者のミニンシュラーを子会社化(14年12月テラ少額短期保険に商号変更)して保険事業(免疫保険)に参入した。

 15年3月には、一部契約医療機関において10年後、20年後のがん治療に備えるための「免疫細胞バンク」サービスを15年4月以降に開始すると発表した。アフェレーシス(成分採血)で単球を採取して樹状細胞に成熟させ、樹状細胞ワクチンの状態で凍結保管する。がんに罹患した場合に、健康な時に作成した樹状細胞ワクチンを用いて治療を行うことが可能になる。

 15年10月には、がんをはじめとする疾病の早期診断・早期予防等を実現する独自の技術プラットフォームを開発する新会社karydo TherapeutiX社(15年10月設立)への資本参加を発表した。先端医療周辺事業への展開の一環として早期診断・早期予防関連事業に参入する。なお出資比率は49%で同社は持分法適用関連会社となる。

■アライアンス戦略も積極活用

 アライアンス戦略も積極活用している。13年4月iPS細胞による再生医療実用化を目指すヘリオス<4593>に出資、13年7月アンジェスMG<4563>と子宮頸がんの前がん病変治療ワクチンの共同研究・開発基本契約を締結、13年12月iPS細胞を利用したがん免疫細胞療法の開発に向けてヘリオスと業務提携、14年4月組織培養用培地のパイオニアであるコージンバイオに出資して資本業務提携した。

 15年5月には子会社オールジーンが、ハウステンボス「健康と美の王国」に先制医療のための新サービス「プリエンプティトータルチェック&ケア」の提供を開始した。遺伝子、腸内細菌バランス、免疫細胞活性の検査など5つのサービスがあり、自分の身体の状態を知ることで食生活や生活習慣の改善に活用することが可能となる。

 15年6月には、当社が参画している一般社団法人再生医療イノベーションフォーラムが15年4月設立した再生医療産業化拠点実証タスクフォース(RMIT)に参画して活動を支援すると発表した。

 15年7月には東京慈恵会医科大学悪性腫瘍治療研究部との共同研究契約締結を発表した。本契約に基づいて、医薬品等を汚染するエンドトキシン等の発熱性物質の検出法を開発するための、ヒトiPS細胞由来樹状細胞の樹立に関する研究を開始する。

■15年12月期は薬事承認取得に向けた費用が増加

 11月10日発表の今期(15年12月期)第3四半期累計(1月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.0%増の14億79百万円、営業利益が4億06百万円の赤字(前年同期は1億97百万円の赤字)、経常利益が4億29百万円の赤字(同2億27百万円の赤字)、純利益が4億49百万円の赤字(同2億07百万円の赤字)だった。

 医薬品事業における薬事承認取得に向けた費用増加で赤字が拡大した。セグメント別の売上高は、細胞医療事業が同5.1%減の7億76百万円、医療支援事業が同0.6%減の7億03百万円、医薬品事業が0百万円だった。第3四半期(7月〜9月)の契約医療機関における樹状細胞ワクチン療法の症例数は約280症例で、当社設立以降の累計では約9800症例となった。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)6億40百万円、第2四半期(4月〜6月)4億52百万円、第3四半期(7月〜9月)3億87百万円で、営業利益は第1四半期84百万円の赤字、第2四半期1億45百万円の赤字、第3四半期1億77百万円の赤字だった。

 通期の連結業績予想は前回予想(8月7日に減額修正)を据え置いて、売上高が前期比4.3%増の19億45百万円で、営業利益が6億81百万円の赤字(前期は2億93百万円の赤字)、経常利益が7億11百万円の赤字(同3億30百万円の赤字)、そして純利益が7億26百万円の赤字(同4億02百万円の赤字)としている。

 細胞医療事業において契約医療機関における樹状細胞ワクチン療法の症例数がやや伸び悩み、医薬品事業における薬事承認取得に向けた費用増加で赤字が拡大する。当面は赤字が拡大するが、樹状細胞ワクチン「バクセル」に関しては16年の治験届提出を目指すとしており、薬事承認取得に向けた開発の進展と中期成長に対する期待が高まる。

■継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断

 なお当社は、がん治療技術やノウハウなどの研究開発・医療支援サービスに関わる費用が収益に先行して発生するなどの理由から、継続的に営業損失が発生しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在している。

 ただし、第3四半期累計末の資金残高の状況および今後の資金繰りを検討した結果、当面は事業活動の継続性に懸念はなく、今後の運転資金も十分に確保できているため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断している。

 また当該状況の解消を図るべく、グループ経営体制の効率化や営業・技術面の連携促進などの施策を講じながら、収益力の改善に努めるとしている。

■株価は安値圏モミ合いから上放れの動き

 株価の動きを見ると、安値圏800円〜900円近辺でモミ合う展開だったが、11月26日には1040円まで上伸する場面があり、モミ合い上放れの動きを強めている。なお11月30日の終値は925円だった。時価総額は約129億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。安値圏でのモミ合いから上放れて強基調に転換する動きだ。樹状細胞ワクチン「バクセル」は16年の治験届提出を目指すとしており、薬事承認取得に向けた開発の進展と中期成長に対する期待が高まる。26週移動平均線を突破すれば出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月24日更新]

テラは樹状細胞ワクチンの薬事承認取得目指す

 テラ[2191](JQS)は、がん治療の樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認を目指すベンチャー企業である。株価は売り一巡して切り返しの動きを強めている。8月の年初来安値で底打ちした可能性がありそうだ。樹状細胞ワクチン「バクセル」に関しては16年の治験届提出を目指すとしており、薬事承認取得に向けた開発の進展と中期成長に対する期待が高まる。

■独自開発のがん治療技術を医療機関に提供

 東京大学医科学研究所発のバイオベンチャーで、細胞医療事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」を中心とした独自開発のがん治療技術を契約医療機関に提供)を主力として、医療支援事業(研究機関・医療機関から受託する細胞加工施設の運営・保守管理サービス、細胞培養関連機器の販売、治験支援サービスなど)、および医薬品事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得に向けた開発活動)を展開している。

 樹状細胞ワクチン「バクセル」は、最新のがん免疫療法として注目されている。樹状細胞(体内に侵入した異物を攻撃する役割を持つリンパ球に対して、攻撃指令を与える司令塔のような細胞)を体外で大量に培養し、患者のがん組織や人工的に作製したがんの目印である物質(がん抗原)の特徴を認識させて体内に戻すことで、樹状細胞からリンパ球にがんの特徴を伝達し、そのリンパ球にがん細胞のみを狙って攻撃させる。独自技術で改良を重ね、がん治療用として最適化した。

 主力の細胞医療事業は契約医療機関における症例数に応じた収入が収益柱である。15年6月末時点の契約医療機関数は全国37カ所、契約医療機関における会社設立以降の累計症例数は約9500症例となった。

 なお9月7日に、樹状細胞ワクチン療法の技術・ノウハウを提供している福島県立医科大学付属病院が「WT1ペプチドを用いた樹状細胞ワクチン療法」を胃がん、食道がん、肺がんを対象に先進医療として治療を開始したと発表している。

 また9月16日に医療法人社団愛友会上尾中央総合病院(埼玉県上尾市)と連携契約を締結した。契約医療機関は合計38ヶ所(うち連携医療機関19ヶ所)となった。

■M&A・アライアンス戦略を推進

 中期成長に向けてM&A・アライアンス戦略も積極推進している。13年4月iPS細胞による再生医療実用化を目指すヘリオス<4593、15年6月新規上場>に出資、13年5月がん新薬を中心としたCRO(治験支援)事業に参入するため子会社タイタンを設立、13年7月アンジェスMG<4563>と子宮頸がんの前がん病変治療ワクチンの共同研究・開発基本契約を締結、13年12月iPS細胞を利用したがん免疫細胞療法の開発に向けてヘリオスと業務提携した。

 14年1月樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得を目指して子会社テラファーマを設立、14年2月ゲノム診断支援事業に向けてゲノム解析ソフトウェア開発のジナリスと合弁子会社ジェノサイファー(14年9月オールジーンに商号変更)を設立、14年4月組織培養用培地のパイオニアであるコージンバイオに出資して資本業務提携、14年8月少額短期保険業者のミニンシュラーを子会社化(14年12月テラ少額短期保険に商号変更)して保険事業(免疫保険)に参入した。

 15年5月には、子会社オールジーンがハウステンボス「健康と美の王国」に先制医療のための新サービス「プリエンプティトータルチェック&ケア」の提供を開始した。遺伝子、腸内細菌バランス、免疫細胞活性の検査など5つのサービスがあり、自分の身体の状態を知ることで食生活や生活習慣の改善に活用することが可能となる。

 15年6月には、当社が参画している一般社団法人再生医療イノベーションフォーラムが15年4月設立した再生医療産業化拠点実証タスクフォース(RMIT)に参画して活動を支援すると発表した。

■樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得目指す

 日本では13年5月に公布された「再生医療推進法」の理念のもと、14年11月に「医薬品医療機器等法(旧薬事法改正)」および「再生医療等安全性確保法」の再生医療関連2法が施行され、再生医療・細胞医療の早期実用化の促進が期待されている。

 樹状細胞ワクチン「バクセル」に関しては「医薬品医療機器等法」に基づいて、がん治療用再生医療等製品として早期承認制度を活用した薬事承認取得に向けて開発体制整備を強化し、16年の治験届提出を目指している。

 15年3月には再生医療・細胞医療の要素技術である免疫細胞用凍結保存液の製造・販売に関する独占的通常実施権を取得した。樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得を目指す子会社テラファーマに再実施権を許諾し、樹状細胞ワクチン「バクセル」を搬送する際に用いる凍結保存液の実用化を図り、薬事承認取得に向けた準備を加速させる。

 また15年3月には、一部契約医療機関において10年後、20年後のがん治療に備えるための「免疫細胞バンク」サービスを15年4月以降に開始すると発表した。アフェレーシス(成分採血)で単球を採取して樹状細胞に成熟させ、樹状細胞ワクチンの状態で凍結保管する。がんに罹患した場合に、健康な時に作成した樹状細胞ワクチンを用いて治療を行うことが可能になる。

 15年4月には、11年1月から進行膵臓がんを対象として慶應義塾大学医学部と共同研究を進めてきた、抗がん剤を併用したWTIペプチドを用いた樹状細胞ワクチン「バクセル」第1相臨床研究結果を発表した。

 15年7月には東京慈恵会医科大学悪性腫瘍治療研究部との共同研究契約締結を発表した。本契約に基づいて、医薬品等を汚染するエンドトキシン等の発熱性物質の検出法を開発するための、ヒトiPS細胞由来樹状細胞の樹立に関する研究を開始する。

■15年12月期減益幅拡大だが、薬事承認取得に向けて期待高まる

 今期(15年12月期)の連結業績予想(8月7日に減額修正)は、売上高が前期比4.3%増の19億45百万円、営業利益が6億81百万円の赤字(前期は2億93百万円の赤字)、経常利益が7億11百万円の赤字(同3億30百万円の赤字)、純利益が7億26百万円の赤字(同4億02百万円の赤字)としている。

 第2四半期累計(1月〜6月)は、売上高が前年同期比5.9%増の10億92百万円、営業利益が2億29百万円の赤字(前年同期は1億05百万円の赤字)、経常利益が2億44百万円の赤字(同1億25百万円の赤字)、純利益が2億67百万円の赤字(同1億29百万円の赤字)だった。

 細胞医療事業において症例数が伸び悩み、医療支援事業において細胞培養関連装置販売の新規受注が一部来期(16年12月期)にズレ込んで計画を下回り、薬事承認取得に向けた費用増加も影響して赤字が拡大した。

 細胞医療事業は、売上高が同0.3%増の5億26百万円、営業利益(全社費用等調整前)が90百万円の赤字(同95百万円の赤字)だった。症例数は599症例、契約医療機関における会社設立以降の累計症例数は約9500症例となった。

 医療支援事業は、売上高が同4.1%減の5億66百万円、営業利益が82百万円の赤字(同48百万円の利益)だった。細胞培養関連装置の販売が減少し、一部連結子会社が立ち上げフェーズであることも影響して赤字だった。医薬品事業は、薬事承認取得に向けた開発費用が増加して営業利益が71百万円の赤字(同54百万円の赤字)だった。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)6億40百万円、第2四半期(4月〜6月)4億52百万円、営業利益は第1四半期84百万円の赤字、第2四半期1億45百万円の赤字だった。

 第2四半期累計が計画を下回ったため通期会社予想も減額修正した。また第3四半期(7月〜9月)および第4四半期(10月〜12月)においても症例数が伸び悩み、医薬品事業において樹状細胞ワクチン「バクセル」薬事承認取得に向けた開発コストが増加するようだ。

 当面は赤字が拡大するが、樹状細胞ワクチン「バクセル」に関しては16年の治験届提出を目指すとしており、薬事承認取得に向けた開発の進展と中期成長に対する期待が高まる。

■株価は売り一巡して切り返し、8月安値で底打ちの可能性

 株価の動きを見ると、15年12月期業績予想の減額修正に悪地合いも影響して、8月25日の年初来安値631円まで水準を切り下げた。ただしその後は売り一巡して切り返す動きだ。9月9日には988円まで上伸する場面があった。なお9月18日の終値は861円で、時価総額は約120億円である。

 週足チャートで見るとモミ合い下放れて調整局面だが、日足チャートで見ると25日移動平均線突破の動きを強めている。8月安値で底打ちした可能性があり、反発展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[8月18日更新]

テラは樹状細胞ワクチンの薬事承認取得に向けて開発費先行だが売られ過ぎ感

 テラ[2191](JQS)は、がん治療の樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認を目指すベンチャー企業である。株価は15年12月期業績予想の減額修正も嫌気されて、8月17日に年初来安値997円まで調整する場面があった。ただし14年5月安値978円に接近して調整の最終局面のようだ。売られ過ぎ感を強めて反発のタイミングだろう。

■独自開発のがん治療技術を医療機関に提供

 東京大学医科学研究所発のバイオベンチャーで、細胞医療事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」を中心とした独自開発のがん治療技術を契約医療機関に提供)を主力として、医療支援事業(研究機関・医療機関から受託する細胞加工施設の運営・保守管理サービス、細胞培養関連機器の販売、治験支援サービスなど)、および医薬品事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得に向けた開発活動)を展開している。

 樹状細胞ワクチン「バクセル」は、最新のがん免疫療法として注目されている。樹状細胞(体内に侵入した異物を攻撃する役割を持つリンパ球に対して、攻撃指令を与える司令塔のような細胞)を体外で大量に培養し、患者のがん組織や人工的に作製したがんの目印である物質(がん抗原)の特徴を認識させて体内に戻すことで、樹状細胞からリンパ球にがんの特徴を伝達し、そのリンパ球にがん細胞のみを狙って攻撃させる。独自技術で改良を重ね、がん治療用として最適化した。

 主力の細胞医療事業は契約医療機関における症例数に応じた収入が収益柱である。15年6月末時点の契約医療機関数は全国37カ所、契約医療機関における会社設立以降の累計症例数は約9500症例となった。

■M&A・アライアンス戦略を推進

 中期成長に向けてM&A・アライアンス戦略も積極推進している。13年4月iPS細胞による再生医療実用化を目指すヘリオス<4593、15年6月新規上場>に出資、13年5月がん新薬を中心としたCRO(治験支援)事業に参入するため子会社タイタンを設立、13年7月アンジェスMG<4563>と子宮頸がんの前がん病変治療ワクチンの共同研究・開発基本契約を締結、13年12月iPS細胞を利用したがん免疫細胞療法の開発に向けてヘリオスと業務提携した。

 14年1月樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得を目指して子会社テラファーマを設立、14年2月ゲノム診断支援事業に向けてゲノム解析ソフトウェア開発のジナリスと合弁子会社ジェノサイファー(14年9月オールジーンに商号変更)を設立、14年4月組織培養用培地のパイオニアであるコージンバイオに出資して資本業務提携、14年8月少額短期保険業者のミニンシュラーを子会社化(14年12月テラ少額短期保険に商号変更)して保険事業(免疫保険)に参入した。

 15年5月には、子会社オールジーンがハウステンボス「健康と美の王国」に先制医療のための新サービス「プリエンプティトータルチェック&ケア」の提供を開始した。遺伝子、腸内細菌バランス、免疫細胞活性の検査など5つのサービスがあり、自分の身体の状態を知ることで食生活や生活習慣の改善に活用することが可能となる。

 15年6月には、当社が参画している一般社団法人再生医療イノベーションフォーラムが15年4月設立した再生医療産業化拠点実証タスクフォース(RMIT)に参画して活動を支援すると発表した。

■樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得目指す

 日本では13年5月に公布された「再生医療推進法」の理念のもと、14年11月に「医薬品医療機器等法(旧薬事法改正)」および「再生医療等安全性確保法」の再生医療関連2法が施行され、再生医療・細胞医療の早期実用化の促進が期待されている。

 樹状細胞ワクチン「バクセル」に関しては「医薬品医療機器等法」に基づいて、がん治療用再生医療等製品として早期承認制度を活用した薬事承認取得に向けて開発体制整備を強化し、16年の治験届提出を目指している。

 15年3月には再生医療・細胞医療の要素技術である免疫細胞用凍結保存液の製造・販売に関する独占的通常実施権を取得した。樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得を目指す子会社テラファーマに再実施権を許諾し、樹状細胞ワクチン「バクセル」を搬送する際に用いる凍結保存液の実用化を図り、薬事承認取得に向けた準備を加速させる。

 また15年3月には、一部契約医療機関において10年後、20年後のがん治療に備えるための「免疫細胞バンク」サービスを15年4月以降に開始すると発表した。アフェレーシス(成分採血)で単球を採取して樹状細胞に成熟させ、樹状細胞ワクチンの状態で凍結保管する。がんに罹患した場合に、健康な時に作成した樹状細胞ワクチンを用いて治療を行うことが可能になる。

 15年4月には、11年1月から進行膵臓がんを対象として慶應義塾大学医学部と共同研究を進めてきた、抗がん剤を併用したWTIペプチドを用いた樹状細胞ワクチン「バクセル」第1相臨床研究結果を発表した。

 7月16日には東京慈恵会医科大学悪性腫瘍治療研究部との共同研究契約締結を発表した。本契約に基づいて、医薬品等を汚染するエンドトキシン等の発熱性物質の検出法を開発するための、ヒトiPS細胞由来樹状細胞の樹立に関する研究を開始する。

■15年12月期業績予想を減額修正、薬事承認取得に向けた費用増加

 8月7日に発表した今期(15年12月期)第2四半期累計(1月〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比5.9%増の10億92百万円、営業利益が2億29百万円の赤字(前年同期は1億05百万円の赤字)、経常利益が2億44百万円の赤字(同1億25百万円の赤字)、純利益が2億67百万円の赤字(同1億29百万円の赤字)だった。

 細胞医療事業において症例数が伸び悩み、医療支援事業において細胞培養関連装置販売の新規受注が一部来期(16年12月期)にズレ込んだため、売上高、利益とも計画を下回った。増収だったが、薬事承認取得に向けた費用が増加して赤字が拡大した。

 セグメント別の動向を見ると、細胞医療事業は売上高が同0.3%増の5億26百万円、営業利益(全社費用等調整前)が90百万円の赤字(同95百万円の赤字)だった。症例数が減少したが新規がん抗原の使用が開始されたことで増収となり、広告宣伝費や研究開発費が減少して赤字が縮小した。症例数は599症例で、契約医療機関における会社設立以降の累計症例数は約9500症例となった。

 医療支援事業は売上高が同4.1%減の5億66百万円、営業利益が82百万円の赤字(同48百万円の利益)だった。テラ少額短期保険が加わったが細胞培養関連装置の販売が減少し、一部連結子会社が立ち上げフェーズであることも影響して営業赤字だった。医薬品事業は薬事承認取得に向けた開発費用が増加して営業利益が71百万円の赤字(同54百万円の赤字)だった。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)6億40百万円、第2四半期(4月〜6月)4億52百万円、営業利益は第1四半期84百万円の赤字、第2四半期1億45百万円の赤字だった。

 通期の連結業績予想は8月7日に減額修正した。前回予想(2月6日公表)に対して、売上高は2億75百万円減額して前期比4.3%増の19億45百万円、営業利益は3億15百万円減額して6億81百万円の赤字(前期は2億93百万円の赤字)、経常利益は3億58百万円減額して7億11百万円の赤字(同3億30百万円の赤字)、純利益は3億45百万円減額して7億26百万円の赤字(同4億02百万円の赤字)とした。

 第2四半期累計が計画を下回ったことに加えて、第3四半期(7月〜9月)および第4四半期(10月〜12月)においても症例数が伸び悩むようだ。また医薬品事業において樹状細胞ワクチン「バクセル」薬事承認取得に向けた開発コストが増加するようだ。

 ただし、当面は赤字が拡大する形だが、樹状細胞ワクチン「バクセル」に関しては16年の治験届提出を目指すとしており、薬事承認取得に向けた開発の進展と中期成長に対する期待が高まる。

■株価は売られ過ぎ感

 株価の動きを見ると1500円近辺でのモミ合いから下放れて水準を切り下げた。8月17日には年初来安値となる997円まで調整する場面があった。15年12月期業績予想の減額修正も嫌気されたようだ。

 ただし14年5月安値978円に接近して調整の最終局面のようだ。日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が16%程度まで拡大して売られ過ぎ感を強めている。反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月10日更新]

テラは地合い悪化の影響を受けたが売られ過ぎ感

 テラ<2191>(JQS)は、がん治療の樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認を目指すベンチャー企業である。株価は全般地合い悪化の影響を受けて水準を切り下げたが売られ過ぎ感を強めている。調整の最終局面で反発展開が期待される。

■独自開発のがん治療技術を医療機関に提供

 東京大学医科学研究所発のバイオベンチャーで、細胞医療事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」を中心とした独自開発のがん治療技術を契約医療機関に提供)を主力として、医療支援事業(研究機関・医療機関から受託する細胞加工施設の運営・保守管理サービス、細胞培養関連機器の販売、治験支援サービスなど)、および医薬品事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得に向けた開発活動)を展開している。

 樹状細胞ワクチン「バクセル」は、最新のがん免疫療法として注目されている。樹状細胞(体内に侵入した異物を攻撃する役割を持つリンパ球に対して、攻撃指令を与える司令塔のような細胞)を体外で大量に培養し、患者のがん組織や人工的に作製したがんの目印である物質(がん抗原)の特徴を認識させて体内に戻すことで、樹状細胞からリンパ球にがんの特徴を伝達し、そのリンパ球にがん細胞のみを狙って攻撃させる。独自技術で改良を重ね、がん治療用として最適化した。

 主力の細胞医療事業は契約医療機関における症例数に応じた収入が収益柱である。14年12月末時点の契約医療機関数は全国で合計37カ所、契約医療機関における会社設立以降の累計症例数は約8900症例である。

■M&A・アライアンス戦略を加速

 成長に向けたM&A・アライアンス戦略も積極展開している。13年4月iPS細胞による再生医療実用化を目指すヘリオス<4593、15年6月新規上場>に出資、13年5月がん新薬を中心としたCRO(治験支援)事業に参入するため子会社タイタンを設立、13年7月アンジェスMG<4563>と子宮頸がんの前がん病変治療ワクチンの共同研究・開発基本契約を締結、13年12月iPS細胞を利用したがん免疫細胞療法の開発に向けてヘリオスと業務提携した。

 14年1月樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得を目指して子会社テラファーマを設立、14年2月ゲノム診断支援事業に向けてゲノム解析ソフトウェア開発のジナリスと合弁子会社ジェノサイファー(14年9月オールジーンに商号変更)を設立、14年4月組織培養用培地のパイオニアであるコージンバイオに出資して資本業務提携、14年8月少額短期保険業者のミニンシュラーを子会社化(14年12月テラ少額短期保険に商号変更)して保険事業(免疫保険)に参入した。

 15年5月には、子会社オールジーンがハウステンボス「健康と美の王国」に先制医療のための新サービス「プリエンプティトータルチェック&ケア」の提供を開始した。遺伝子、腸内細菌バランス、免疫細胞活性の検査など5つのサービスがあり、自分の身体の状態を知ることで食生活や生活習慣の改善に活用することが可能となる。

 なお6月24日には、当社が参画している一般社団法人再生医療イノベーションフォーラムが15年4月設立した再生医療産業化拠点実証タスクフォース(RMIT)に参画して活動を支援すると発表した。

■樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得目指す

 日本では13年5月に公布された「再生医療推進法」の理念のもと、14年11月に「医薬品医療機器等法(旧薬事法改正)」および「再生医療等安全性確保法」の再生医療関連2法が施行され、再生医療・細胞医療の早期実用化の促進が期待されている。

 樹状細胞ワクチン「バクセル」に関しては「医薬品医療機器等法」に基づいて、がん治療用再生医療等製品として早期承認制度を活用した薬事承認取得に向けて開発体制整備を強化している。

 15年3月には再生医療・細胞医療の要素技術である免疫細胞用凍結保存液の製造・販売に関する独占的通常実施権を取得した。樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得を目指す子会社テラファーマに再実施権を許諾し、樹状細胞ワクチン「バクセル」を搬送する際に用いる凍結保存液の実用化を図り、薬事承認取得に向けた準備を加速させる。

 また15年3月には、一部契約医療機関において10年後、20年後のがん治療に備えるための「免疫細胞バンク」サービスを15年4月以降に開始すると発表した。アフェレーシス(成分採血)で単球を採取して樹状細胞に成熟させ、樹状細胞ワクチンの状態で凍結保管する。がんに罹患した場合に、健康な時に作成した樹状細胞ワクチンを用いて治療を行うことが可能になる。

 15年4月には、11年1月から進行膵臓がんを対象として慶應義塾大学医学部と共同研究を進めてきた、抗がん剤を併用したWTIペプチドを用いた樹状細胞ワクチン「バクセル」第1相臨床研究結果を発表した。

 樹状細胞ワクチン「バクセル」に関しては15年度中に治験届の提出を目指すとしており、中期成長に対する期待が高まる。

■15年12月期は薬事承認取得に向けた費用先行

 通期の連結業績予想(2月6日公表)は売上高が前期比19.1%増の22億21百万円、営業利益が3億65百万円の赤字(前期は2億93百万円の赤字)、経常利益が3億53百万円の赤字(同3億30百万円の赤字)、純利益が3億81百万円の赤字(同4億02百万円の赤字)としている。

 樹状細胞ワクチン「バクセル」の開発費用増加で営業赤字が拡大する見通しだ。しかし売上面では既存契約医療機関との連携強化、新規契約医療機関の開拓、新規がん抗原の実用化推進などで症例数の増加を図り、細胞培養関連機器の新規受注拡大も寄与して大幅増収の見通しだ。

 第1四半期(1月〜3月)は売上高が前年同期比95.0%増の6億40百万円、営業利益が84百万円の赤字(前年同期は1億06百万円の赤字)、経常利益が93百万円の赤字(同1億23百万円の赤字)、純利益が96百万円の赤字(同84百万円の赤字)だった。

 セグメント別の売上高は、細胞医療事業が同7.9%増の2億71百万円、医療支援事業が同2.3倍の3億69百万円だった。細胞医療事業の症例数は約310症例(前年同期は約300症例)で、当社設立以降の累計症例数は約9250症例となった。

 医薬品事業における薬事承認取得に向けた開発費用の先行などで赤字だが、細胞医療事業における症例数の増加に加えて、医療支援事業における細胞培養関連機器の販売が好調に推移して大幅増収となり、前年同期に比べて営業赤字幅が縮小した。通期ベースでも大幅増収が期待される。

■株価は売られ過ぎ感

 株価の動きを見ると、1500円〜1600円近辺でのモミ合いから下放れて水準を切り下げる展開となった。そして足元では全般地合い悪化の影響を受ける形となり、7月9日に1130円まで調整する場面があった。ただし14年5月安値978円まで下押すことなく、終値では1269円まで戻した。調整のほぼ最終局面だろう。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形となってモミ合い下放れたが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えて売られ過ぎ感を強めている。反発展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[5月20日更新]

テラはヘリオスのIPOも材料視してモミ合い上放れ期待

 テラ[2191](JQS)は、がん治療の樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認を目指すベンチャー企業である。株価は1500円〜1600円近辺でモミ合う展開だが調整の最終局面のようだ。iPS細胞による再生医療実用化を目指すヘリオスのIPO(6月16日予定)接近に伴って関連銘柄を再度物色する流れも予想され、モミ合い上放れの展開が期待される。

 東京大学医科学研究所発のバイオベンチャーで、細胞医療事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」を中心とした独自開発のがん治療技術を契約医療機関に提供)を主力として、医療支援事業(研究機関・医療機関から受託する細胞加工施設の運営・保守管理サービス、細胞培養関連機器の販売、治験支援サービスなど)、および医薬品事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得に向けた開発活動)を展開している。

 樹状細胞ワクチン「バクセル」は、最新のがん免疫療法として注目されている。樹状細胞(体内に侵入した異物を攻撃する役割を持つリンパ球に対して、攻撃指令を与える司令塔のような細胞)を体外で大量に培養し、患者のがん組織や人工的に作製したがんの目印である物質(がん抗原)の特徴を認識させて体内に戻すことで、樹状細胞からリンパ球にがんの特徴を伝達し、そのリンパ球にがん細胞のみを狙って攻撃させる。独自技術で改良を重ね、がん治療用として最適化した。

 主力の細胞医療事業は契約医療機関における症例数に応じた収入が収益柱である。14年12月末時点の契約医療機関数は全国で合計37カ所、契約医療機関における会社設立以降の累計症例数は約8900症例である。

 成長に向けたM&A・アライアンス戦略を加速している。13年4月iPS細胞による再生医療実用化を目指すヘリオスに出資、13年5月がん新薬を中心としたCRO(治験支援)事業に参入するため子会社タイタンを設立、13年7月アンジェスMG<4563>と子宮頸がんの前がん病変治療ワクチンの共同研究・開発基本契約を締結、13年12月iPS細胞を利用したがん免疫細胞療法の開発に向けてヘリオスと業務提携した。

 14年1月樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得を目指して子会社テラファーマを設立、14年2月ゲノム診断支援事業に向けてゲノム解析ソフトウェア開発のジナリスと合弁子会社ジェノサイファー(14年9月オールジーンに商号変更)を設立、14年4月組織培養用培地のパイオニアであるコージンバイオに出資して資本業務提携、14年8月少額短期保険業者のミニンシュラーを子会社化(14年12月テラ少額短期保険に商号変更)して保険事業(免疫保険)に参入した。

 15年3月には再生医療・細胞医療の要素技術である免疫細胞用凍結保存液の製造・販売に関する独占的通常実施権を取得した。子会社テラファーマに再実施権を許諾し、樹状細胞ワクチン「バクセル」を搬送する際に用いる凍結保存液の実用化を図り、薬事承認取得に向けた準備を加速させる。

 また15年3月には、一部契約医療機関において10年後、20年後のがん治療に備えるための「免疫細胞バンク」サービスを15年4月以降に開始すると発表した。アフェレーシス(成分採血)で単球を採取して樹状細胞に成熟させ、樹状細胞ワクチンの状態で凍結保管する。がんに罹患した場合に、健康な時に作成した樹状細胞ワクチンを用いて治療を行うことが可能になる。

 15年4月には、11年1月から進行膵臓がんを対象として慶應義塾大学医学部と共同研究を進めてきた、抗がん剤を併用したWTIペプチドを用いた樹状細胞ワクチン「バクセル」第1相臨床研究結果を発表した。

 5月1日に発表した今期(15年12月期)第1四半期(1月〜3月)の連結業績は売上高が前年同期比95.0%増の6億40百万円、営業利益が84百万円の赤字(前年同期は1億06百万円の赤字)、経常利益が93百万円の赤字(同1億23百万円の赤字)、純利益が96百万円の赤字(同84百万円の赤字)だった。

 医薬品事業における薬事承認取得に向けた開発費用の先行などで赤字だが、細胞医療事業における症例数の増加に加えて、医療支援事業における細胞培養関連機器の販売が好調に推移して大幅増収となり、前年同期に比べて営業赤字幅が縮小した。

 セグメント別の売上高は、細胞医療事業が同7.9%増の2億71百万円、医療支援事業が同2.3倍の3億69百万円だった。細胞医療事業の症例数は約310症例(前年同期は約300症例)で、当社設立以降の累計症例数は約9250症例となった。

 通期の連結業績予想は前回予想(2月6日公表)を据え置いて、売上高が前期比19.1%増の22億21百万円、営業利益が3億65百万円の赤字(前期は2億93百万円の赤字)、経常利益が3億53百万円の赤字(同3億30百万円の赤字)、純利益が3億81百万円の赤字(同4億02百万円の赤字)としている。

 樹状細胞ワクチン「バクセル」の開発費用増加で営業赤字が拡大する見通しだ。しかし売上面では既存契約医療機関との連携強化、新規契約医療機関の開拓、新規がん抗原の実用化推進などで症例数の増加を図り、細胞培養関連機器の新規受注拡大も寄与して大幅増収の見通しだ。

 13年5月公布「再生医療推進法」の理念のもと、14年11月に「医薬品医療機器等法(旧薬事法の改正)」および「再生医療等安全性確保法」の再生医療関連2法が施行され、再生医療・細胞医療の早期実用化の促進が期待されている。

 樹状細胞ワクチン「バクセル」に関しては「医薬品医療機器等法」に基づいて、がん治療用再生医療等製品として早期承認制度を活用した薬事承認取得に向けて開発体制整備を強化する。15年度中に治験届の提出を目指すとしており、中期成長に対する期待感が高まる。

 なお5月12日に、iPS細胞による再生医療実用化を目指すヘリオス<4593>の東証マザーズ市場へのIPO(6月16日予定)が承認された。当社はヘリオスに出資および業務提携している。

 株価の動きを見ると、5月12日のヘリオスのIPO承認を材料視して13日に1615円まで上伸する場面があったが、買いが続かず概ね1500円近辺でモミ合う展開だ。ただし下押す動きも見られず調整一巡感を強めている。

 5月19日の終値は1529円だった。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線突破の動きを強めている。調整の最終局面だろう。ヘリオスのIPO接近に伴って関連銘柄を再物色する流れも予想され、モミ合い上放れの展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月22日更新]

テラは調整の最終局面、中期成長力を評価してモミ合い上放れ期待

 独自開発のがん治療技術を医療機関に提供するテラ[2191](JQS)の株価は、1500円〜1600円近辺でモミ合う展開だが、14年12月安値圏1300円台まで下押す動きは見られない。調整の最終局面だろう。中期成長力を評価してモミ合い上放れの展開が期待される。なお5月1日に第1四半期(1月〜3月)の業績発表を予定している。

 東京大学医科学研究所発のバイオベンチャーで、細胞医療事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」を中心とした独自開発のがん治療技術を契約医療機関に提供)を主力として、医療支援事業(研究機関・医療機関から受託する細胞加工施設の運営・保守管理サービス、細胞培養関連機器の販売、治験支援サービスなど)、および医薬品事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得に向けた開発活動)を展開している。

 樹状細胞ワクチン「バクセル」は、最新のがん免疫療法として注目されている。樹状細胞(体内に侵入した異物を攻撃する役割を持つリンパ球に対して、攻撃指令を与える司令塔のような細胞)を体外で大量に培養し、患者のがん組織や人工的に作製したがんの目印である物質(がん抗原)の特徴を認識させて体内に戻すことで、樹状細胞からリンパ球にがんの特徴を伝達し、そのリンパ球にがん細胞のみを狙って攻撃させる。独自技術で改良を重ね、がん治療用として最適化した。

 主力の細胞医療事業は契約医療機関における症例数に応じた収入が収益柱である。14年12月末時点の契約医療機関数は全国で合計37カ所、契約医療機関における会社設立以降の累計症例数は約8900症例に達している。

 成長に向けたM&A・アライアンス戦略も加速している。13年4月iPS細胞による再生医療実用化を目指すヘリオスに出資、13年5月がん新薬を中心としたCRO(治験支援)事業に参入するため子会社タイタンを設立、13年7月アンジェスMG<4563>と子宮頸がんの前がん病変治療ワクチンの共同研究・開発基本契約を締結、13年12月iPS細胞を利用したがん免疫細胞療法の開発に向けてヘリオスと業務提携した。

 14年1月樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得を目指して子会社テラファーマを設立、14年2月ゲノム診断支援事業に向けてゲノム解析ソフトウェア開発のジナリスと合弁子会社ジェノサイファー(14年9月オールジーンに商号変更)を設立、14年4月組織培養用培地のパイオニアであるコージンバイオに出資して資本業務提携、14年8月少額短期保険業者のミニンシュラーを子会社化(14年12月テラ少額短期保険に商号変更)して保険事業(免疫保険)に参入した。

 15年3月には再生医療・細胞医療の要素技術である免疫細胞用凍結保存液の製造・販売に関する独占的通常実施権を取得した。子会社テラファーマに再実施権を許諾し、樹状細胞ワクチン「バクセル」を搬送する際に用いる凍結保存液の実用化を図り、薬事承認取得に向けた準備を加速させる。

 また15年3月には、一部契約医療機関において10年後、20年後のがん治療に備えるための「免疫細胞バンク」サービスを15年4月以降に開始すると発表した。アフェレーシス(成分採血)で単球を採取して樹状細胞に成熟させ、樹状細胞ワクチンの状態で凍結保管する。がんに罹患した場合に、健康な時に作成した樹状細胞ワクチンを用いて治療を行うことが可能になる。

 4月3日には、11年1月から進行膵臓がんを対象として慶應義塾大学医学部と共同研究を進めてきた、抗がん剤を併用したWTIペプチドを用いた樹状細胞ワクチン「バクセル」第1相臨床研究結果を発表した。

 今期(15年12月期)の連結業績見通し(2月6日公表)は売上高が前期比19.1%増の22億21百万円、営業利益が3億65百万円の赤字(前期は2億93百万円の赤字)、経常利益が3億53百万円の赤字(同3億30百万円の赤字)、純利益が3億81百万円の赤字(同4億02百万円の赤字)としている。

 樹状細胞ワクチン「バクセル」の開発費用増加で営業赤字が拡大する見通しだ。しかし売上面では既存契約医療機関との連携強化、新規契約医療機関の開拓、新規がん抗原の実用化推進などで症例数の増加を図り、細胞培養関連機器の新規受注拡大も寄与して大幅増収の見通しだ。

 13年5月公布「再生医療推進法」の理念のもと、14年11月に「医薬品医療機器等法(旧薬事法の改正)」および「再生医療等安全性確保法」の再生医療関連2法が施行され、再生医療・細胞医療の早期実用化の促進が期待されている。

 樹状細胞ワクチン「バクセル」に関しては「医薬品医療機器等法」に基き、がん治療用再生医療等製品として早期承認制度を活用した薬事承認取得に向けて開発体制整備を強化し、15年度中に治験届の提出を目指すとしている。中期成長に対する期待感が高まる。

 株価の動きを見ると1500円〜1600円近辺でモミ合う展開だが、14年12月安値圏1300円台まで下押す動きは見られず、調整一巡感を強めている。4月20日の終値は1497円だった。

 週足チャートで見ると再び13週移動平均線と26週移動平均線を割り込んだが、1500円割れ水準の下値支持線に接近して調整の最終局面だろう。中期成長力を評価してモミ合い上放れの展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月25日更新]

テラはモミ合い煮詰まり感強めて上放れ接近

 独自開発のがん治療技術を医療機関に提供するテラ[2191](JQS)の株価は、1500円〜1700円近辺でモミ合う展開だが、徐々に下値を切り上げて煮詰まり感も強めている。樹状細胞ワクチン「バクセル」薬事承認取得に向けた開発活動本格化が注目され、中期成長力を評価して上放れのタイミングが接近しているようだ。

 東京大学医科学研究所発のバイオベンチャーで、細胞医療事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」を中心とした独自開発のがん治療技術を契約医療機関に提供)を主力として、医療支援事業(研究機関・医療機関から受託する細胞加工施設の運営・保守管理サービス、細胞培養関連機器の販売、治験支援サービスなど)、および医薬品事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得に向けた開発活動)を展開している。

 樹状細胞ワクチン「バクセル」は、最新のがん免疫療法として注目されている。樹状細胞(体内に侵入した異物を攻撃する役割を持つリンパ球に対して、攻撃指令を与える司令塔のような細胞)を体外で大量に培養し、患者のがん組織や人工的に作製したがんの目印である物質(がん抗原)の特徴を認識させて体内に戻すことで、樹状細胞からリンパ球にがんの特徴を伝達し、そのリンパ球にがん細胞のみを狙って攻撃させる。独自技術で改良を重ね、がん治療用として最適化した。

 主力の細胞医療事業は契約医療機関における症例数に応じた収入が収益柱である。14年12月末時点の契約医療機関数は全国で合計37カ所、契約医療機関における会社設立以降の累計症例数は約8900症例に達している。

 成長に向けたM&A・アライアンス戦略も加速している。13年4月iPS細胞による再生医療実用化を目指すヘリオスに出資、13年5月がん新薬を中心としたCRO(治験支援)事業に参入するため子会社タイタンを設立、13年7月アンジェスMG<4563>と子宮頸がんの前がん病変治療ワクチンの共同研究・開発基本契約を締結、13年12月iPS細胞を利用したがん免疫細胞療法の開発に向けてヘリオスと業務提携した。

 さらに14年1月樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得を目指して子会社テラファーマを設立、14年2月ゲノム診断支援事業に向けてゲノム解析ソフトウェア開発のジナリスと合弁子会社ジェノサイファー(14年9月オールジーンに商号変更)を設立、14年4月組織培養用培地のパイオニアであるコージンバイオに出資して資本業務提携、14年8月少額短期保険業者のミニンシュラーを子会社化(14年12月テラ少額短期保険に商号変更)して保険事業(免疫保険)に参入した。

 3月17日には、再生医療・細胞医療の要素技術である免疫細胞用凍結保存液の製造・販売に関する独占的通常実施権の取得を発表した。子会社テラファーマに再実施権を許諾し、樹状細胞ワクチン「バクセル」を搬送する際に用いる凍結保存液の実用化を図り、薬事承認取得に向けた準備を加速させる。

 また3月24日には、一部契約医療機関において10年後、20年後のがん治療に備えるための「免疫細胞バンク」サービスを15年4月以降に開始すると発表した。アフェレーシス(成分採血)で単球を採取して樹状細胞に成熟させ、樹状細胞ワクチンの状態で凍結保管する。がんに罹患した場合に、健康な時に作成した樹状細胞ワクチンを用いて治療を行うことが可能になる。その他の免疫細胞についてもサービスを拡大していく予定だ。

 今期(15年12月期)の連結業績見通し(2月6日公表)は売上高が前期比19.1%増の22億21百万円、営業利益が3億65百万円の赤字(前期は2億93百万円の赤字)、経常利益が3億53百万円の赤字(同3億30百万円の赤字)、純利益が3億81百万円の赤字(同4億02百万円の赤字)としている。

 樹状細胞ワクチン「バクセル」の開発費用増加で営業赤字が拡大する見通しだ。しかし売上面では既存契約医療機関との連携強化、新規契約医療機関の開拓、新規がん抗原の実用化推進などで症例数の増加を図り、細胞培養関連機器の新規受注拡大も寄与して大幅増収見通しだ。

 13年5月公布「再生医療推進法」の理念のもと、14年11月に「医薬品医療機器等法(旧薬事法の改正)」および「再生医療等安全性確保法」の再生医療関連2法が施行され、再生医療・細胞医療の早期実用化の促進が期待されている。

 樹状細胞ワクチン「バクセル」に関しては「医薬品医療機器等法」に基づき、がん治療用再生医療等製品として早期承認制度を活用した薬事承認取得に向けて開発体制整備を強化し、15年度中に治験届の提出を目指すとしている。中期成長に対する期待感が高まる。

 株価の動きを見ると、1500円〜1700円近辺のレンジでモミ合う展開で3月24日の終値は1563円だった。やや上値の重い展開だが、週足チャートで見ると26週移動平均線を維持して徐々に下値を切り上げている。そしてモミ合い煮詰まり感も強めている。中期成長力を評価して上放れのタイミングが接近しているようだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[2月10日更新]

テラは今期営業赤字幅拡大見通しだが株価はポジティブ反応、中期成長力を評価して出直り展開

 独自開発のがん治療技術を医療機関に提供するテラ[2191](JQS)は2月6日に決算を発表した。そして今期(15年12月期)は営業赤字幅が拡大する見通しだが、9日の株価は前日比57円(3.58%)高とポジティブに反応し、モミ合い上放れの動きを強めている。樹状細胞ワクチン「バクセル」薬事承認取得に向けた開発活動本格化が注目され、中期成長力を評価して出直り展開だろう。

 東京大学医科学研究所発のバイオベンチャーで、細胞医療事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」を中心とした独自開発のがん治療技術を契約医療機関に提供)を主力として、医療支援事業(研究機関・医療機関から受託する細胞加工施設の運営・保守管理サービス、細胞培養関連機器の販売、治験支援サービスなど)、および医薬品事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得に向けた開発活動)を展開している。

 樹状細胞ワクチン「バクセル」は、最新のがん免疫療法として注目されている。樹状細胞(体内に侵入した異物を攻撃する役割を持つリンパ球に対して、攻撃指令を与える司令塔のような細胞)を体外で大量に培養し、患者のがん組織や人工的に作製したがんの目印である物質(がん抗原)の特徴を認識させて体内に戻すことで、樹状細胞からリンパ球にがんの特徴を伝達し、そのリンパ球にがん細胞のみを狙って攻撃させる。そして独自技術で改良を重ね、がん治療用として最適化した。

 主力の細胞医療事業は契約医療機関における症例数に応じた収入が収益柱である。14年12月末時点の契約医療機関数は全国で合計37カ所、契約医療機関における会社設立以降の累計症例数は約8900症例に達している。

 成長に向けたM&A・アライアンス戦略も加速している。13年4月iPS細胞による再生医療実用化を目指すヘリオスに出資、13年5月がん新薬を中心としたCRO(治験支援)事業に参入するため子会社タイタンを設立、13年7月アンジェスMG<4563>と子宮頸がんの前がん病変治療ワクチンの共同研究・開発基本契約を締結、13年12月iPS細胞を利用したがん免疫細胞療法の開発に向けてヘリオスと業務提携した。

 さらに14年1月樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得を目指して子会社テラファーマを設立、14年2月ゲノム診断支援事業に向けてゲノム解析ソフトウェア開発のジナリスと合弁子会社ジェノサイファー(14年9月オールジーンに商号変更)を設立、14年4月組織培養用培地のパイオニアであるコージンバイオに出資して資本業務提携、14年8月に少額短期保険業者のミニンシュラーを子会社化(14年12月テラ少額短期保険に商号変更)して保険事業(免疫保険)に参入した。

 なお1月8日には、樹状細胞ワクチン「バクセル」の局所再発胃がんに対する症例報告が、英国の腫瘍外科専門学術誌「World Journal of Surgical Oncology」に掲載されたと発表した。2月6日には、樹状細胞ワクチン「バクセル」と抗がん剤の併用における膵臓がん患者の予後予測因子について、がん専門誌「ANTICANCER RESEARCH」に掲載されたと発表した。

 2月6日に発表した前期(14年12月期)の連結業績は、売上高が前々期比21.2%増の18億65百万円、営業利益が2億93百万円の赤字(前々期は23百万円の黒字)、経常利益が3億30百万円の赤字(同24百万円の赤字)、純利益が4億02百万円の赤字(同58百万円の赤字)だった。

 医療支援事業で細胞培養関連機器の大型案件が寄与して大幅増収だったが、樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得に向けた開発活動本格化による経費増加、新規事業立ち上げ費用などが影響して各利益は赤字だった。純利益については、繰延税金資産を取り崩して法人税等調整額1億17百万円を計上したことも影響した。

 セグメント別売上高を見ると、細胞医療事業は同0.9%増の11億07百万円だった。契約医療機関における症例数は約1300症例だった。医療支援事業は同79.0%増の8億47百万円だった。大型案件の受注や新規参入のCRO(事業が寄与した。医薬品事業は14年1月設立のテラファーマで、樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得に向けた開発体制を整備した。

 今期(15年12月期)の連結業績見通し(2月6日公表)は売上高が前期比19.1%増の22億21百万円、営業利益が3億65百万円の赤字(前期は2億93百万円の赤字)、経常利益が3億53百万円の赤字(同3億30百万円の赤字)、純利益が3億81百万円の赤字(同4億02百万円の赤字)としている。

 既存契約医療機関との連携強化、新規契約医療機関の開拓、新規がん抗原の実用化推進などで症例数の増加を図り、細胞培養関連機器の新規受注拡大などで増収見通しだが、樹状細胞ワクチン「バクセル」の開発費用増加で営業赤字幅が拡大する見通しだ。

 13年5月公布の「再生医療推進法」の理念のもと、14年11月に「医薬品医療機器等法(旧薬事法の改正)」および「再生医療等安全性確保法」の再生医療関連2法が施行され、再生医療・細胞医療の早期実用化の促進が期待されている。樹状細胞ワクチン「バクセル」に関しては「医薬品医療機器等法」に基づき、がん治療用再生医療等製品として早期承認制度を活用した薬事承認取得に向けて開発体制整備を強化し、15年度中に治験届の提出を目指すとしている。中期成長に対する期待感が高まる。

 株価の動きを見ると、12月25日の直近安値1322円から1月13日の1877円まで急伸した後、反落して概ね1500円〜1600円近辺で推移している。そして2月6日発表の今期連結業績見通しは営業赤字幅が拡大する見通しだったが、9日は前日比57円(3.58%)高とポジティブに反応して切り返しの動きを強めている。

 2月9日の終値は1648円だった。日足チャートで見ると25日移動平均線が上向きに転じてサポートラインとなった。また週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線を突破している。強基調に転換してモミ合いから上放れの動きだ。中期成長力を評価して出直り展開だろう
[01月09日更新]

テラは調整一巡感、中期成長力を評価して出直り展開 独自開発のがん治療技術を医療機関に提供するテラ<2191>(JQS)の株価は、11月25日の1686円から12月25日の1322円まで調整したが、1300円近辺が下値支持線の形となり、1400円台に戻して調整一巡感を強めている。樹状細胞ワクチン「バクセル」薬事承認取得に向けた開発活動本格化が注目され、中期成長力を評価して出直り展開だろう。

東京大学医科学研究所発のバイオベンチャーで、細胞医療事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」を中心とした独自開発のがん治療技術を契約医療機関に提供)を主力として、医薬品事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得に向けた開発活動)、および医療支援事業(研究機関・医療機関から受託する細胞加工施設の運営・保守管理サービス、細胞培養関連装置の販売、治験支援サービス)を展開している。

樹状細胞ワクチン「バクセル」は、最新のがん免疫療法として注目されている。樹状細胞(体内に侵入した異物を攻撃する役割を持つリンパ球に対して、攻撃指令を与える司令塔のような細胞)を体外で大量に培養し、患者のがん組織や人工的に作製したがんの目印である物質(がん抗原)の特徴を認識させて体内に戻すことで、樹状細胞からリンパ球にがんの特徴を伝達し、そのリンパ球にがん細胞のみを狙って攻撃させる。そして独自技術で改良を重ね、がん治療用として最適化した。

細胞医療事業は契約医療機関における症例数に応じた収入が収益柱で、契約医療機関における累計症例数は14年6月末時点で約8250症例に達している。なお14年11月に3医療機関と新たに連携契約を締結し、契約医療機関数は全国で合計36カ所となった。

成長に向けたM&A・アライアンス戦略も加速している。13年4月iPS細胞による再生医療実用化を目指すヘリオスに出資、13年5月がん新薬を中心とした治験支援事業に参入するため子会社タイタンを設立、13年7月アンジェスMG<4563>と子宮頸がんの前がん病変治療ワクチンの共同研究・開発基本契約を締結、13年12月iPS細胞を利用したがん免疫細胞療法の開発に向けてヘリオスと業務提携した。

さらに14年1月樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得を目指して子会社テラファーマを設立、14年2月ゲノム診断支援事業に向けてゲノム解析ソフトウェア開発のジナリスと合弁子会社ジェノサイファーを設立、14年4月組織培養用培地のパイオニアであるコージンバイオに出資して資本業務提携した。14年8月には少額短期保険業者のミニンシュラーを子会社化(14年12月に商号をテラ少額短期保険に変更)して保険事業に参入した。15年2月から免疫保険の販売を開始する。

なお1月8日には樹状細胞ワクチン「バクセル」について、局所再発胃がんに対する症例報告が、英国の腫瘍外科専門学術誌「WorldJournalofSurgicalOncology」に掲載されたと発表している。医療法人社団医創会セレンクリニック名古屋(愛知県名古屋市)における胃がん手術後再発症例で、樹状細胞ワクチン「バクセル」の内視鏡を用いた投与が計7回行われ、最終投与から1ヶ月後に腫瘍は縮小し、組織生検の結果ではがん細胞の消失が確認されたとしている。

前期(14年12月期)の連結業績見通し(8月1日に減額修正)は、売上高が前々期比32.5%増の20億40百万円、営業利益が3億16百万円の赤字(前々期は23百万円の黒字)、経常利益が3億51百万円の赤字(同24百万円の赤字)、純利益が3億24百万円の赤字(同58百万円の赤字)としている。

医療支援事業での細胞培養関連装置新規受注などが寄与して大幅増収見通しだが、樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得に向けた開発活動本格化による経費増加、さらに新規事業立ち上げ費用などが影響して各利益は赤字の見通しだ。ただし樹状細胞ワクチン「バクセル」薬事承認取得に向けた開発活動本格化が注目される。

13年5月公布の「再生医療推進法」の理念のもと、14年11月には「医薬品医療機器等法(旧薬事法の改正)」および「再生医療等安全性確保法」の再生医療関連2法が施行され、再生医療・細胞医療の早期実用化の促進が期待されている。樹状細胞ワクチン「バクセル」に関しては「医薬品医療機器等法」に基づき、がん治療用再生医療等製品として早期承認制度を活用した薬事承認取得に向けて開発体制整備を強化し、15年度中に治験届の提出を目指すとしている。中期成長に対する期待感が高まる。

株価の動きを見ると、11月25日の1686円から反落して12月25日の1322円までほぼ一本調子に調整した。ただし足元では1400円台に戻して調整一巡感を強めている。週足チャートで見ると52週移動平均線が戻りを押さえて上値を切り下げる展開だったが、一方では14年8月1305円、10月1332円、12月1322円が下値支持線の形となった。中期成長力を評価して出直り展開だろう。

(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月08日更新]

テラは下値切り上げて調整一巡感、中期成長力を評価して出直り展開

 独自開発のがん治療技術を医療機関に提供するテラ[2191](JQS)の株価は、10月中旬の直近安値圏1330円近辺から反発して下値切り上げの動きを強めている。調整が一巡して強基調に転換したようだ。中期成長力を評価して出直り展開だろう。

 東京大学医科学研究所発のバイオベンチャーで、細胞医療事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」を中心とした独自開発のがん治療技術を契約医療機関に提供)を主力として、医薬品事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得に向けた開発活動)、および医療支援事業(研究機関・医療機関から受託する細胞加工施設の運営・保守管理サービス、細胞培養関連装置の販売、治験支援サービス)を展開している。

 細胞医療事業は契約医療機関における症例数に応じた収入が収益柱で、契約医療機関における累計症例数は14年6月末時点で約8250症例に達している。なお14年11月に3医療機関と新たに連携契約を締結し、契約医療機関数は全国で合計36カ所となった。

 成長に向けたM&A・アライアンス戦略も加速している。13年4月iPS細胞による再生医療実用化を目指すヘリオスに出資、13年5月がん新薬を中心とした治験支援事業に参入するため子会社タイタンを設立、13年7月アンジェスMG<4563>と子宮頸がんの前がん病変治療ワクチンの共同研究・開発基本契約を締結、13年12月iPS細胞を利用したがん免疫細胞療法の開発に向けてヘリオスと業務提携した。

 さらに14年1月樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得を目指して子会社テラファーマを設立、14年2月ゲノム診断支援事業に向けてゲノム解析ソフトウェア開発のジナリスと合弁子会社ジェノサイファーを設立、14年4月組織培養用培地のパイオニアであるコージンバイオに出資して資本業務提携、14年8月少額短期保険業者のミニンシュラーを子会社化(14年12月1日付で商号をテラ少額短期保険に変更予定)して保険事業に参入した。

 今期(14年12月期)の連結業績見通し(8月1日に減額修正)は、売上高が前期比32.5%増の20億40百万円だが、営業利益が3億16百万円の赤字(前期は23百万円の黒字)、経常利益が3億51百万円の赤字(同24百万円の赤字)、純利益が3億24百万円の赤字(同58百万円の赤字)としている。

 第3四半期累計(1月〜9月)は前年同期比16.9%増収となり、通期ベースでも医療支援事業での細胞培養関連装置新規受注などが寄与して大幅増収見通しだが、樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得に向けた開発活動本格化による経費増加、さらに新規事業立ち上げ費用などが影響して各利益は赤字の見通しだ。ただし樹状細胞ワクチン「バクセル」薬事承認取得に向けた動きが注目される。

 13年5月公布の「再生医療推進法」の理念のもと、14年11月には「医薬品医療機器等法(旧薬事法の改正)」および「再生医療等安全性確保法」の再生医療関連2法が施行され、再生医療・細胞医療の早期実用化の促進が期待されている。樹状細胞ワクチン「バクセル」に関しては「医薬品医療機器等法」に基づき、がん治療用再生医療等製品として早期承認制度を活用した薬事承認取得に向けて開発体制整備を強化し、15年度中に治験届の提出を目指すとしている。潜在需要は大きいだけに中期成長に対する期待感が高まる。

 株価の動きを見ると、10月中旬の直近安値圏1330円近辺から反発し、10月31日の1382円、11月17日と18日の1422円、12月5日の1473円と下値切り上げの動きを強めている。調整が一巡して強基調に転換したようだ。日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインの形となり、週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。中期成長力を評価して出直り展開だろう。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)

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