[3036]アルコニックス
[03月05日更新]

アルコニックスは上値試す、24年3月期減益予想だが25年3月期回復期待

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。24年4月には金属精密機械加工部品などを生産する坂本電機製作所を子会社化予定である。24年3月期は需要回復遅れの影響を減益予想としているが、積極的な事業展開で25年3月期の収益回復を期待したい。株価は水準を切り上げて戻り高値圏だ。週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いた。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価して上値を試す展開を期待したい。
 
■非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー
 
 商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。
 
 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化した。
 
 21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。22年4月に精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立、22年7月に各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化、22年11月に金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化、DKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得、23年7月に子会社のマークテックが粉体物性測定(微粒子)受託事業に参入するためハイテクノライズを設立した。
 
 23年11月には子会社のソーデナカノと合弁で、米国にSoode Kansas Corporation(仮称)を設立すると発表した。24年1月設立予定でリチウムイオン電池用部材を製造する。また23年12月には中国にメッキ材料製造の新会社を設立(24年3月設立、26年7月事業開始予定)すると発表した。
 
 24年2月には、福岡県福岡市に生産拠点を構え、金属精密機械加工部品などを生産する坂本電機製作所を子会社化(4月19日予定)すると発表した。
 
 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。
 
■製造も収益柱に成長
 
 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。
 
 23年3月期セグメント別経常利益(消去前)は、商社流通の電子機能材がIT関連の電池材料取扱数量減少などで15.7%減の36億01百万円、商社流通のアルミ銅が仕入コストの上昇などで42.4%減の11億71百万円、製造の装置材料が自動車関連材料分野や検査・試験装置分野の出荷減少で19.8%減の9億98百万円、製造の金属加工が自動車関連や半導体実装装置向けの出荷減少などで30.0%減の24億16百万円だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、製造も収益柱に成長している。
 
■26年3月期ROE12%以上目標
 
 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、26年3月期の目標値として売上高2230億円、営業利益122億円以上、経常利益120億円以上、当期純利益79億円以上、EBITDA160億円以上、ROE(株主資本利益率)12.0%以上、ROIC(投下資本利益率)6.3%以上、DOE(株主資本配当率)3.2%以上を掲げた。セグメント別経常利益は商社流通が48億円(電子材料30億円、アルミ銅18億円)で製造が72億円(装置材料24億円、金属加工48億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。
 
 基本戦略として財務体質の強化、人的資本の強化、ガバナンスの強化を推進する。注力する事業領域を自動車、半導体、電子材料・電子部品として、既存事業における営業収益力の強化、投資案件の再構築、インフラ整備および内部統制の充実・強化を推進する。またサステナビリティ経営への取り組みも強化する方針だ。
 
 23年2月には、非鉄リサイクル事業を展開するグループ会社の移転および拡充を目的として土地取得(北九州市若松区)を発表した。本件土地取得を契機にグループを横断した総合リサイクルセンターを建設し、環境配慮型企業グループの実現を目指すとしている。
 
 23年7月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明した。また人的資本投資の一環として、職種統合による新人事制度(キャリア職とプロフェッショナル職の区分を廃止・統合し、名称を総合職とした上で職群を一本化)を導入するとともに、従業員の賃金改定(職種統合による昇給分は含まず、ベースアップ4%、定期昇給2%、合計6%の増加)も実施した。管理職(年俸制)のベースアップも実施した。23年8月には、グループ全体としての内部統制体制の在り方をより明確にするため、内部統制システムの基本方針を改定した。
 
■24年3月期減益予想だが25年3月期回復期待
 
 24年3月期の連結業績予想(23年11月7日付で下方修正)は売上高が23年3月期比0.7%減の1770億円、営業利益が26.1%減の62億円、経常利益が24.2%減の62億円、親会社株主帰属当期純利益が23.2%減の42億16百万円、EBITDA(参考)が13.8%減の110億30百万円としている。配当予想は23年3月期と同額の54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。
 
 第3四半期累計は、売上高が前年同期比3.6%減の1308億46百万円、営業利益が41.2%減の42億63百万円、経常利益が41.5%減の44億76百万円、親会社株主帰属四半期純利益が45.0%減の28億01百万円だった。なおEBITDA(参考)は16.9%減の78億12百万円だった。自動車関連が回復基調となったものの、IT端末機器の需要低迷が続いたため全体として減収・減益だった。
 
 セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通が56.0%減の20億56百万円(電子機能材が50.7%減の16億63百万円、アルミ銅が69.8%減の3億92百万円)で、製造が19.2%減の24億16百万円(装置材料が59.1%減の4億53百万円、金属加工が4.2%増の19億63百万円)だった。
 
 商社流通ではアルミ、銅、ニッケルの市況下落が継続した。需要面では自動車関連のアルミ原料の取扱高が増加したものの、IT端末機器の需要低迷が続いたため電子・電池材料や伸銅品の取扱量減少を補えなかった。利益面は減収影響に加え、販管費の増加も影響した。製造では自動車生産の回復に伴って自動車関連製品の出荷が増加し、新規連結した子会社の収益も加わったため増収だが、利益面は原材料価格高騰に伴う仕入コスト上昇により減益だった。
 
 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が423億70百万円で経常利益が15億30百万円、第2四半期は売上高が413億87百万円で経常利益が15億03百万円、第3四半期は売上高が470億89百万円で経常利益が12億58百万円だった。
 
 通期連結業績予想は据え置いている。セグメント別の利益計画(23年11月7日付修正)は、商社流通が35.0%減の31億円(電子機能材が19.5%減の29億円、アルミ銅が82.9%減の2億円)で、製造が9.2%減の31億円(装置材料が29.9%減の7億円、金属加工が0.7%減の24億円)としている。
 
 第3四半期累計の進捗率は売上高74%、営業利益69%、経常利益72%、親会社株主帰属当期純利益67%、EBITDA71%である。24年3月期は需要回復遅れの影響を減益予想としているが、積極的な事業展開で25年3月期の収益回復を期待したい。
 
■株主優待制度は3月末の株主対象
 
 株主優待制度(詳細は会社HP参照)は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈する。
 
■株価は上値試す
 
 株価は水準を切り上げて戻り高値圏だ。週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いた。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価して上値を試す展開を期待したい。3月4日の終値は1402円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS139円89銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の54円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2075円25銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約435億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
 
[02月17日更新]

アルコニックスは調整一巡、24年3月期3Q累計減益で通期も減益予想だが25年3月期回復期待

アルコニックス<3036>(東証プライム)は商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。24年3月期第3四半期累計は自動車関連が回復基調だが、IT端末機器の需要低迷が続いたため全体として減収・減益だった。そして通期減益予想を据え置いた。24年3月期は需要回復遅れの影響を受けるが、積極的な事業展開で25年3月期の収益回復を期待したい。株価は1月の戻り高値圏から反落して上値の重い形となったが、高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。
 
?非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー
 
 商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。
 
 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化した。
 
 21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。22年4月に精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立、22年7月に各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化、22年11月に金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化、DKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得、23年7月に子会社のマークテックが粉体物性測定(微粒子)受託事業に参入するためハイテクノライズを設立した。
 
 23年11月には子会社のソーデナカノと合弁で、米国にSoode Kansas Corporation(仮称)を設立すると発表した。24年1月設立予定でリチウムイオン電池用部材を製造する。また23年12月には中国にメッキ材料製造の新会社を設立(24年3月設立、26年7月事業開始予定)すると発表した。
 
 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。
 
?製造も収益柱に成長
 
 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。
 
 23年3月期セグメント別経常利益(消去前)は、商社流通の電子機能材がIT関連の電池材料取扱数量減少などで15.7%減の36億01百万円、商社流通のアルミ銅が仕入コストの上昇などで42.4%減の11億71百万円、製造の装置材料が自動車関連材料分野や検査・試験装置分野の出荷減少で19.8%減の9億98百万円、製造の金属加工が自動車関連や半導体実装装置向けの出荷減少などで30.0%減の24億16百万円だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、製造も収益柱に成長している。
 
?26年3月期ROE12%以上目標
 
 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、26年3月期の目標値として売上高2230億円、営業利益122億円以上、経常利益120億円以上、当期純利益79億円以上、EBITDA160億円以上、ROE(株主資本利益率)12.0%以上、ROIC(投下資本利益率)6.3%以上、DOE(株主資本配当率)3.2%以上を掲げた。セグメント別経常利益は商社流通が48億円(電子材料30億円、アルミ銅18億円)で製造が72億円(装置材料24億円、金属加工48億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。
 
 基本戦略として財務体質の強化、人的資本の強化、ガバナンスの強化を推進する。注力する事業領域を自動車、半導体、電子材料・電子部品として、既存事業における営業収益力の強化、投資案件の再構築、インフラ整備および内部統制の充実・強化を推進する。またサステナビリティ経営への取り組みも強化する方針だ。
 
 23年2月には、非鉄リサイクル事業を展開するグループ会社の移転および拡充を目的として土地取得(北九州市若松区)を発表した。本件土地取得を契機にグループを横断した総合リサイクルセンターを建設し、環境配慮型企業グループの実現を目指すとしている。
 
 23年7月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明した。また人的資本投資の一環として、職種統合による新人事制度(キャリア職とプロフェッショナル職の区分を廃止・統合し、名称を総合職とした上で職群を一本化)を導入するとともに、従業員の賃金改定(職種統合による昇給分は含まず、ベースアップ4%、定期昇給2%、合計6%の増加)も実施した。管理職(年俸制)のベースアップも実施した。23年8月には、グループ全体としての内部統制体制の在り方をより明確にするため、内部統制システムの基本方針を改定した。
 
?24年3月期3Q累計減益で通期減益予想据え置き
 
 24年3月期の連結業績予想(23年11月7日付で下方修正)は売上高が23年3月期比0.7%減の1770億円、営業利益が26.1%減の62億円、経常利益が24.2%減の62億円、親会社株主帰属当期純利益が23.2%減の42億16百万円、EBITDA(参考)が13.8%減の110億30百万円としている。配当予想は23年3月期と同額の54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。
 
 第3四半期累計は、売上高が前年同期比3.6%減の1308億46百万円、営業利益が41.2%減の42億63百万円、経常利益が41.5%減の44億76百万円、親会社株主帰属四半期純利益が45.0%減の28億01百万円だった。なおEBITDA(参考)は16.9%減の78億12百万円だった。自動車関連が回復基調となったものの、IT端末機器の需要低迷が続いたため全体として減収・減益だった。
 
 セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通が56.0%減の20億56百万円(電子機能材が50.7%減の16億63百万円、アルミ銅が69.8%減の3億92百万円)で、製造が19.2%減の24億16百万円(装置材料が59.1%減の4億53百万円、金属加工が4.2%増の19億63百万円)だった。
 
 商社流通ではアルミ、銅、ニッケルの市況下落が継続した。需要面では自動車関連のアルミ原料の取扱高が増加したものの、IT端末機器の需要低迷が続いたため電子・電池材料や伸銅品の取扱量減少を補えなかった。利益面は減収影響に加え、販管費の増加も影響した。製造では自動車生産の回復に伴って自動車関連製品の出荷が増加し、新規連結した子会社の収益も加わったため増収だが、利益面は原材料価格高騰に伴う仕入コスト上昇により減益だった。
 
 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が423億70百万円で経常利益が15億30百万円、第2四半期は売上高が413億87百万円で経常利益が15億03百万円、第3四半期は売上高が470億89百万円で経常利益が12億58百万円だった。
 
 通期連結業績予想は据え置いている。セグメント別の利益計画(23年11月7日付修正)は、商社流通が35.0%減の31億円(電子機能材が19.5%減の29億円、アルミ銅が82.9%減の2億円)で、製造が9.2%減の31億円(装置材料が29.9%減の7億円、金属加工が0.7%減の24億円)としている。
 
 第3四半期累計の進捗率は売上高74%、営業利益69%、経常利益72%、親会社株主帰属当期純利益67%、EBITDA71%である。24年3月期は需要回復遅れの影響を受けるが、積極的な事業展開で25年3月期の収益回復を期待したい。
 
?株主優待制度は3月末の株主対象
 
 株主優待制度(詳細は会社HP参照)は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈する。
 
?株価は調整一巡
 
 株価は1月の戻り高値圏から反落して上値の重い形となったが、高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。2月16日の終値は1374円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS139円89銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の54円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2075円25銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約427億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR

[01月22日更新]

アルコニックスは上値試す、24年3月期減益予想だが25年3月期収益回復期待

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。24年3月期はスマホ関連を中心とする需要回復遅れ、コスト増加分の価格転嫁遅れなどにより減益予想としている。ただし四半期別の経常利益を見ると23年3月期第4四半期がボトムとなっている。需要回復時期が後ズレする見込みとなったが、積極的な事業展開で25年3月期の収益回復基調を期待したい。株価はボックスレンジ下限から急反発して戻り歩調だ。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価して上値を試す展開を期待したい。なお2月8日に24年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」

 商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化した。

 21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。22年4月に精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立、22年7月に各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化、22年11月に金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化、DKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得、23年7月に子会社のマークテックが粉体物性測定(微粒子)受託事業に参入するためハイテクノライズを設立した。

 23年11月には子会社のソーデナカノと合弁で、米国にSoode Kansas Corporation(仮称)を設立すると発表した。24年1月設立予定でリチウムイオン電池用部材を製造する。また23年12月には中国にメッキ材料製造の新会社を設立(24年3月設立、26年7月事業開始予定)すると発表した。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 23年3月期セグメント別経常利益(消去前)は、商社流通の電子機能材がIT関連の電池材料取扱数量減少などで15.7%減の36億01百万円、商社流通のアルミ銅が仕入コストの上昇などで42.4%減の11億71百万円、製造の装置材料が自動車関連材料分野や検査・試験装置分野の出荷減少で19.8%減の9億98百万円、製造の金属加工が自動車関連や半導体実装装置向けの出荷減少などで30.0%減の24億16百万円だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、製造も収益柱に成長している。

■26年3月期ROE12%以上目標

 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、26年3月期の目標値として売上高2230億円、営業利益122億円以上、経常利益120億円以上、当期純利益79億円以上、EBITDA160億円以上、ROE(株主資本利益率)12.0%以上、ROIC(投下資本利益率)6.3%以上、DOE(株主資本配当率)3.2%以上を掲げた。セグメント別経常利益は商社流通が48億円(電子材料30億円、アルミ銅18億円)で製造が72億円(装置材料24億円、金属加工48億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 基本戦略として財務体質の強化、人的資本の強化、ガバナンスの強化を推進する。注力する事業領域を自動車、半導体、電子材料・電子部品として、既存事業における営業収益力の強化、投資案件の再構築、インフラ整備および内部統制の充実・強化を推進する。またサステナビリティ経営への取り組みも強化する方針だ。

 23年2月には、非鉄リサイクル事業を展開するグループ会社の移転および拡充を目的として土地取得(北九州市若松区)を発表した。本件土地取得を契機にグループを横断した総合リサイクルセンターを建設し、環境配慮型企業グループの実現を目指すとしている。

 23年7月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明した。また人的資本投資の一環として、職種統合による新人事制度(キャリア職とプロフェッショナル職の区分を廃止・統合し、名称を総合職とした上で職群を一本化)を導入するとともに、従業員の賃金改定(職種統合による昇給分は含まず、ベースアップ4%、定期昇給2%、合計6%の増加)も実施した。管理職(年俸制)のベースアップも実施した。23年8月には、グループ全体としての内部統制体制の在り方をより明確にするため、内部統制システムの基本方針を改定した。

 なお23年12月には、日興アイ・アール「2023年度全上場企業ホームページ充実度ランキング調査」において「総合部門最優秀サイト」を受賞した。

■24年3月期減益予想だが、23年3月期4Qがボトム

 24年3月期の連結業績予想(23年11月7日付で下方修正)は売上高が23年3月期比0.7%減の1770億円、営業利益が26.1%減の62億円、経常利益が24.2%減の62億円、親会社株主帰属当期純利益が23.2%減の42億16百万円、EBITDA(参考)が13.8%減の110億30百万円としている。配当予想は23年3月期と同額の54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比9.2%減の837億57百万円、営業利益が47.1%減の30億05百万円、経常利益が50.3%減の30億33百万円、親会社株主帰属四半期純利益が53.7%減の19億16百万円、EBITDA(参考)が32.0%減の53億24百万円だった。

 自動車関連が回復基調となったものの本格回復に至らず、中国経済停滞によるスマホ関連を中心とする需要回復遅れ、コスト増加分の価格転嫁遅れなどにより減収・大幅減益だった。経常利益▲30.8億円の要因分析は、M&A等による新規連結で+4.0億円、市況・為替要因で▲9.5億円、数量要因で▲8.0億円、製造セグメント要因で▲7.5億円、販管費で▲5.7億円、営業外損益で▲3.9億円だったとしている。

 セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通の電子機能材がニッケル市況下落や二次電池材料取扱数量減少などで54.2%減の11億75百万円、商社流通のアルミ銅が市況下落や伸銅品取扱数量減少などで86.8%減の1億51百万円、製造の装置材料がコスト増加分の価格転嫁遅れなどで74.5%減の2億60百万円、製造の金属加工が新規連結効果で2.9%増の14億42百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が423億70百万円で経常利益が15億30百万円、第2四半期は売上高が413億87百万円で経常利益が15億03百万円だった。

 通期連結業績予想は、期初予想に対して売上高を90億円、営業利益を22億円、経常利益を20億円、親会社株主帰属当期純利益を12億84百万円、EBITDA(参考)を17億70百万円それぞれ下方修正した。経営環境について期初想定の「下期回復」を「来期以降の緩やかな回復」に修正した。

 修正後のセグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)計画は、商社流通の電子機能材(期初予想に対して8億円上方修正)が19.5%減の29億円、商社流通のアルミ銅(同7億円下方修正)が82.9%減の2億円、製造の装置材料(同9億円下方修正)が29.9%減の7億円、製造の金属加工(同12億円下方修正)が0.7%減の24億円としている。

 なお経常利益の四半期別推移を見ると、23年3月期第1四半期が42億51百万円、第2四半期が18億54百万円、第3四半期が15億45百万円、第4四半期が5億26百万円、24年3月期第1四半期が15億95百万円、第2四半期が15億03百万円で、23年3月期第4四半期がボトムとなっている。需要回復時期が後ズレする見込みとなったが、積極的な事業展開で25年3月期の収益回復基調を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度(詳細は会社HP参照)は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈する。

■株価は上値試す

 株価はボックスレンジ下限から急反発して戻り歩調だ。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価して上値を試す展開を期待したい。1月19日の終値は1389円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS139円89銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の54円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2075円25銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約431億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[12月29日更新]

アルコニックスは反発の動き、24年3月期減益予想だが25年3月期収益回復期待

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。12月22日には中国においてメッキ材料製造の新会社(孫会社)設立を発表した。24年3月期はスマホ関連を中心とする需要回復遅れ、コスト増加分の価格転嫁遅れなどにより減益予想としている。ただし四半期別に見ると23年3月期第4四半期がボトムとなっている。需要回復時期が後ズレする見込みとなったが、積極的な事業展開で25年3月期の収益回復基調を期待したい。株価は上値を切り下げる形だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、出直りを期待したい。

■「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」

 商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月には金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。また22年11月にはDKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品部の事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得した。

 23年7月には子会社のマークテックが、新たに粉体物性測定(微粒子)受託事業に参入するため、100%出資の新会社ハイテクノライズを設立した。23年11月には連結子会社のソーデナカノと合弁で、米国にSoode Kansas Corporation(仮称)を設立すると発表した。24年1月設立予定でリチウムイオン電池用部材を製造する。

 12月22日には電子材料分野の事業拡大に向けて、中国においてメッキ材料製造の新会社(孫会社)設立(24年3月設立、26年7月事業開始予定)を発表した。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 23年3月期セグメント別経常利益(消去前)は、商社流通の電子機能材がIT関連の電池材料取扱数量減少などで15.7%減の36億01百万円、商社流通のアルミ銅が仕入コストの上昇などで42.4%減の11億71百万円、製造の装置材料が自動車関連材料分野や検査・試験装置分野の出荷減少で19.8%減の9億98百万円、製造の金属加工が自動車関連や半導体実装装置向けの出荷減少などで30.0%減の24億16百万円だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、製造も収益柱に成長している。

■26年3月期ROE12%以上目標

 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、26年3月期の目標値として売上高2230億円、営業利益122億円以上、経常利益120億円以上、当期純利益79億円以上、EBITDA160億円以上、ROE(株主資本利益率)12.0%以上、ROIC(投下資本利益率)6.3%以上、DOE(株主資本配当率)3.2%以上を掲げた。セグメント別経常利益は商社流通が48億円(電子材料30億円、アルミ銅18億円)で製造が72億円(装置材料24億円、金属加工48億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 基本戦略として財務体質の強化、人的資本の強化、ガバナンスの強化を推進する。注力する事業領域を自動車、半導体、電子材料・電子部品として、既存事業における営業収益力の強化、投資案件の再構築、インフラ整備および内部統制の充実・強化を推進する。またサステナビリティ経営への取り組みも強化する方針だ。

 23年2月には、非鉄リサイクル事業を展開するグループ会社の移転および拡充を目的として土地取得(北九州市若松区)を発表した。本件土地取得を契機にグループを横断した総合リサイクルセンターを建設し、環境配慮型企業グループの実現を目指すとしている。

 23年7月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明した。また人的資本投資の一環として、職種統合による新人事制度(キャリア職とプロフェッショナル職の区分を廃止・統合し、名称を総合職とした上で職群を一本化)を導入するとともに、従業員の賃金改定(職種統合による昇給分は含まず、ベースアップ4%、定期昇給2%、合計6%の増加)も実施した。管理職(年俸制)のベースアップも実施した。23年8月には、グループ全体としての内部統制体制の在り方をより明確にするため、内部統制システムの基本方針を改定した。

 なお12月26日には、日興アイ・アール「2023年度全上場企業ホームページ充実度ランキング調査」において「総合部門最優秀サイト」を受賞したと発表している。

■24年3月期減益予想

 24年3月期の連結業績予想(23年11月7日付で下方修正)は売上高が23年3月期比0.7%減の1770億円、営業利益が26.1%減の62億円、経常利益が24.2%減の62億円、親会社株主帰属当期純利益が23.2%減の42億16百万円、EBITDA(参考)が13.8%減の110億30百万円としている。配当予想は23年3月期と同額の54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比9.2%減の837億57百万円、営業利益が47.1%減の30億05百万円、経常利益が50.3%減の30億33百万円、親会社株主帰属四半期純利益が53.7%減の19億16百万円、EBITDA(参考)が32.0%減の53億24百万円だった。

 自動車関連が回復基調となったものの本格回復に至らず、中国経済停滞によるスマホ関連を中心とする需要回復遅れ、コスト増加分の価格転嫁遅れなどにより減収・大幅減益だった。経常利益▲30.8億円の要因分析は、M&A等による新規連結で+4.0億円、市況・為替要因で▲9.5億円、数量要因で▲8.0億円、製造セグメント要因で▲7.5億円、販管費で▲5.7億円、営業外損益で▲3.9億円だったとしている。

 セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通の電子機能材がニッケル市況下落や二次電池材料取扱数量減少などで54.2%減の11億75百万円、商社流通のアルミ銅が市況下落や伸銅品取扱数量減少などで86.8%減の1億51百万円、製造の装置材料がコスト増加分の価格転嫁遅れなどで74.5%減の2億60百万円、製造の金属加工が新規連結効果で2.9%増の14億42百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が423億70百万円で経常利益が15億30百万円、第2四半期は売上高が413億87百万円で経常利益が15億03百万円だった。

 通期連結業績予想は、期初予想に対して売上高を90億円、営業利益を22億円、経常利益を20億円、親会社株主帰属当期純利益を12億84百万円、EBITDA(参考)を17億70百万円それぞれ下方修正した。経営環境について期初想定の「下期回復」を「来期以降の緩やかな回復」に修正した。

 修正後のセグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)計画は、商社流通の電子機能材(期初予想に対して8億円上方修正)が19.5%減の29億円、商社流通のアルミ銅(同7億円下方修正)が82.9%減の2億円、製造の装置材料(同9億円下方修正)が29.9%減の7億円、製造の金属加工(同12億円下方修正)が0.7%減の24億円としている。

 なお経常利益の四半期別推移を見ると、23年3月期第1四半期が42億51百万円、第2四半期が18億54百万円、第3四半期が15億45百万円、第4四半期が5億26百万円、24年3月期第1四半期が15億95百万円、第2四半期が15億03百万円で、23年3月期第4四半期がボトムとなっている。需要回復時期が後ズレする見込みとなったが、積極的な事業展開で25年3月期の収益回復基調を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は反発の動き

 株価は上値を切り下げる形だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、出直りを期待したい。12月28日の終値は1326円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS139円89銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の54円で算出)は約4.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2075円25銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約412億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月18日更新]

アルコニックスは調整一巡、24年3月期減益予想だが25年3月期収益回復期待

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。24年3月期はスマホ関連を中心とする需要回復遅れ、コスト増加分の価格転嫁遅れなどにより減益予想としている。積極的な事業展開で25年3月期の収益回復基調を期待したい。株価は上値を切り下げる形で軟調だが、高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」

 商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月には金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。また22年11月にはDKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品部の事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得した。

 23年7月には子会社のマークテックが、新たに粉体物性測定(微粒子)受託事業に参入するため、100%出資の新会社ハイテクノライズを設立した。

 23年11月には連結子会社のソーデナカノと合弁で、米国にSoode Kansas Corporation(仮称)を設立すると発表した。24年1月設立予定でリチウムイオン電池用部材を製造する。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 23年3月期セグメント別経常利益(消去前)は、商社流通の電子機能材がIT関連の電池材料取扱数量減少などで15.7%減の36億01百万円、商社流通のアルミ銅が仕入コストの上昇などで42.4%減の11億71百万円、製造の装置材料が自動車関連材料分野や検査・試験装置分野の出荷減少で19.8%減の9億98百万円、製造の金属加工が自動車関連や半導体実装装置向けの出荷減少などで30.0%減の24億16百万円だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、製造も収益柱に成長している。

■26年3月期ROE12%以上目標

 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、26年3月期の目標値として売上高2230億円、営業利益122億円以上、経常利益120億円以上、当期純利益79億円以上、EBITDA160億円以上、ROE(株主資本利益率)12.0%以上、ROIC(投下資本利益率)6.3%以上、DOE(株主資本配当率)3.2%以上を掲げた。セグメント別経常利益は商社流通が48億円(電子材料30億円、アルミ銅18億円)で製造が72億円(装置材料24億円、金属加工48億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 基本戦略として財務体質の強化、人的資本の強化、ガバナンスの強化を推進する。注力する事業領域を自動車、半導体、電子材料・電子部品として、既存事業における営業収益力の強化、投資案件の再構築、インフラ整備および内部統制の充実・強化を推進する。またサステナビリティ経営への取り組みも強化する方針だ。

 23年2月には、非鉄リサイクル事業を展開するグループ会社の移転および拡充を目的として土地取得(北九州市若松区)を発表した。本件土地取得を契機にグループを横断した総合リサイクルセンターを建設し、環境配慮型企業グループの実現を目指すとしている。

 23年7月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明した。また人的資本投資の一環として、職種統合による新人事制度(キャリア職とプロフェッショナル職の区分を廃止・統合し、名称を総合職とした上で職群を一本化)を導入するとともに、従業員の賃金改定(職種統合による昇給分は含まず、ベースアップ4%、定期昇給2%、合計6%の増加)も実施した。管理職(年俸制)のベースアップも実施した。23年8月には、グループ全体としての内部統制体制の在り方をより明確にするため、内部統制システムの基本方針を改定した。

■24年3月期減益予想

 24年3月期の連結業績予想(23年11月7日付で下方修正)は売上高が23年3月期比0.7%減の1770億円、営業利益が26.1%減の62億円、経常利益が24.2%減の62億円、親会社株主帰属当期純利益が23.2%減の42億16百万円、EBITDA(参考)が13.8%減の110億30百万円としている。配当予想は23年3月期と同額の54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比9.2%減の837億57百万円、営業利益が47.1%減の30億05百万円、経常利益が50.3%減の30億33百万円、親会社株主帰属四半期純利益が53.7%減の19億16百万円、EBITDA(参考)が32.0%減の53億24百万円だった。

 自動車関連が回復基調となったものの本格回復に至らず、中国経済停滞によるスマホ関連を中心とする需要回復遅れ、コスト増加分の価格転嫁遅れなどにより減収・大幅減益だった。経常利益▲30.8億円の要因分析は、M&A等による新規連結で+4.0億円、市況・為替要因で▲9.5億円、数量要因で▲8.0億円、製造セグメント要因で▲7.5億円、販管費で▲5.7億円、営業外損益で▲3.9億円だったとしている。

 セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通の電子機能材がニッケル市況下落や二次電池材料取扱数量減少などで54.2%減の11億75百万円、商社流通のアルミ銅が市況下落や伸銅品取扱数量減少などで86.8%減の1億51百万円、製造の装置材料がコスト増加分の価格転嫁遅れなどで74.5%減の2億60百万円、製造の金属加工が新規連結効果で2.9%増の14億42百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が423億70百万円で経常利益が15億30百万円、第2四半期は売上高が413億87百万円で経常利益が15億03百万円だった。

 通期連結業績予想は、期初予想に対して売上高を90億円、営業利益を22億円、経常利益を20億円、親会社株主帰属当期純利益を12億84百万円、EBITDA(参考)を17億70百万円それぞれ下方修正した。経営環境について期初想定の「下期回復」を「来期以降の緩やかな回復」に修正した。

 修正後のセグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)計画は、商社流通の電子機能材(期初予想に対して8億円上方修正)が19.5%減の29億円、商社流通のアルミ銅(同7億円下方修正)が82.9%減の2億円、製造の装置材料(同9億円下方修正)が29.9%減の7億円、製造の金属加工(同12億円下方修正)が0.7%減の24億円としている。

 なお経常利益の四半期別推移を見ると、23年3月期第1四半期が42億51百万円、第2四半期が18億54百万円、第3四半期が15億45百万円、第4四半期が5億26百万円、24年3月期第1四半期が15億95百万円、第2四半期が15億03百万円で、23年3月期第4四半期がボトムとなっている。需要回復時期が後ズレする見込みとなったが、積極的な事業展開で25年3月期の収益回復基調を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は上値を切り下げる形で軟調だが、高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。12月15日の終値は1308円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS139円89銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の54円で算出)は約4.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2075円25銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約406億円である。情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月27日更新]

アルコニックスは調整一巡、24年3月期は下方修正して減益予想だが25年3月期回復期待

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。24年3月期第2四半期累計は自動車関連が回復基調となったものの本格回復に至らず、中国経済停滞によるスマホ関連を中心とする需要回復遅れ、コスト増加分の価格転嫁遅れなどにより減収・大幅減益だった。そして通期予想を下方修正した。経営環境について期初想定の「下期回復」を「来期以降の緩やかな回復」に修正した。需要回復時期が後ズレする見込みとなったが、積極的な事業展開で25年3月期の収益回復基調を期待したい。株価は上値を切り下げる形でやや軟調だが、高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。
 
■「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」
 
 商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。
 
 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。
 
 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。
 
 22年11月には金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。また22年11月にはDKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品部の事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得した。
 
 23年7月には子会社のマークテックが、新たに粉体物性測定(微粒子)受託事業に参入するため、100%出資の新会社ハイテクノライズを設立した。
 
 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。
 
■製造も収益柱に成長
 
 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。
 
 23年3月期セグメント別経常利益(消去前)は、商社流通の電子機能材がIT関連の電池材料取扱数量減少などで15.7%減の36億01百万円、商社流通のアルミ銅が仕入コストの上昇などで42.4%減の11億71百万円、製造の装置材料が自動車関連材料分野や検査・試験装置分野の出荷減少で19.8%減の9億98百万円、製造の金属加工が自動車関連や半導体実装装置向けの出荷減少などで30.0%減の24億16百万円だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、製造も収益柱に成長している。
 
■26年3月期ROE12%以上目標
 
 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、26年3月期の目標値として売上高2230億円、営業利益122億円以上、経常利益120億円以上、当期純利益79億円以上、EBITDA160億円以上、ROE(株主資本利益率)12.0%以上、ROIC(投下資本利益率)6.3%以上、DOE(株主資本配当率)3.2%以上を掲げた。セグメント別経常利益は商社流通が48億円(電子材料30億円、アルミ銅18億円)で製造が72億円(装置材料24億円、金属加工48億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。
 
 基本戦略として財務体質の強化、人的資本の強化、ガバナンスの強化を推進する。注力する事業領域を自動車、半導体、電子材料・電子部品として、既存事業における営業収益力の強化、投資案件の再構築、インフラ整備および内部統制の充実・強化を推進する。またサステナビリティ経営への取り組みも強化する方針だ。
 
 23年2月には、非鉄リサイクル事業を展開するグループ会社の移転および拡充を目的として土地取得(北九州市若松区)を発表した。本件土地取得を契機にグループを横断した総合リサイクルセンターを建設し、環境配慮型企業グループの実現を目指すとしている。
 
 23年7月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明した。また人的資本投資の一環として、職種統合による新人事制度(キャリア職とプロフェッショナル職の区分を廃止・統合し、名称を総合職とした上で職群を一本化)を導入するとともに、従業員の賃金改定(職種統合による昇給分は含まず、ベースアップ4%、定期昇給2%、合計6%の増加)も実施した。管理職(年俸制)のベースアップも実施した。23年8月には、グループ全体としての内部統制体制の在り方をより明確にするため、内部統制システムの基本方針を改定した。
 
■24年3月期2Q累計大幅減益、通期は下方修正して減益予想
 
 24年3月期の連結業績予想(23年11月7日付で下方修正)は売上高が23年3月期比0.7%減の1770億円、営業利益が26.1%減の62億円、経常利益が24.2%減の62億円、親会社株主帰属当期純利益が23.2%減の42億16百万円、EBITDA(参考)が13.8%減の110億30百万円としている。配当予想は23年3月期と同額の54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。
 
 第2四半期累計は売上高が前年同期比9.2%減の837億57百万円、営業利益が47.1%減の30億05百万円、経常利益が50.3%減の30億33百万円、親会社株主帰属四半期純利益が53.7%減の19億16百万円、EBITDA(参考)が32.0%減の53億24百万円だった。
 
 自動車関連が回復基調となったものの本格回復に至らず、中国経済停滞によるスマホ関連を中心とする需要回復遅れ、コスト増加分の価格転嫁遅れなどにより減収・大幅減益だった。経常利益▲30.8億円の要因分析は、M&A等による新規連結で+4.0億円、市況・為替要因で▲9.5億円、数量要因で▲8.0億円、製造セグメント要因で▲7.5億円、販管費で▲5.7億円、営業外損益で▲3.9億円だったとしている。
 
 セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通の電子機能材がニッケル市況下落や二次電池材料取扱数量減少などで54.2%減の11億75百万円、商社流通のアルミ銅が市況下落や伸銅品取扱数量減少などで86.8%減の1億51百万円、製造の装置材料がコスト増加分の価格転嫁遅れなどで74.5%減の2億60百万円、製造の金属加工が新規連結効果で2.9%増の14億42百万円だった。
 
 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が423億70百万円で経常利益が15億30百万円、第2四半期は売上高が413億87百万円で経常利益が15億03百万円だった。
 
 通期連結業績予想は、期初予想に対して売上高を90億円、営業利益を22億円、経常利益を20億円、親会社株主帰属当期純利益を12億84百万円、EBITDA(参考)を17億70百万円それぞれ下方修正した。経営環境について期初想定の「下期回復」を「来期以降の緩やかな回復」に修正した。
 
 修正後のセグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)計画は、商社流通の電子機能材(期初予想に対して8億円上方修正)が19.5%減の29億円、商社流通のアルミ銅(同7億円下方修正)が82.9%減の2億円、製造の装置材料(同9億円下方修正)が29.9%減の7億円、製造の金属加工(同12億円下方修正)が0.7%減の24億円としている。
 
 なお経常利益の四半期別推移を見ると、23年3月期第1四半期が42億51百万円、第2四半期が18億54百万円、第3四半期が15億45百万円、第4四半期が5億26百万円、24年3月期第1四半期が15億95百万円、第2四半期が15億03百万円で、23年3月期第4四半期がボトムとなっている。需要回復時期が後ズレする見込みとなったが、積極的な事業展開で25年3月期の収益回復基調を期待したい。
 
■株主優待制度は3月末の株主対象
 
 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。
 
■株価は調整一巡
 
 株価は上値を切り下げる形で軟調だが、高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。11月24日の終値は1332円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS139円89銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の54円で算出)は約4.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2075円25銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約413億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月08日更新]

アルコニックスは24年3月期予想を下方修正、25年3月期回復期待

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は11月7日の取引時間中に24年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。自動車関連が回復基調となったものの本格回復に至らず、中国経済停滞によるスマホ関連を中心とする需要回復遅れ、コスト増加分の価格転嫁遅れなどにより減収・大幅減益だった。そして通期予想を下方修正した。経営環境について期初想定の「下期回復」を「来期以降の緩やかな回復」に修正した。需要回復時期が後ズレする見込みとなったが、積極的な事業展開で25年3月期の収益回復基調を期待したい。株価はボックス展開の形だがレンジ下限から切り返しの動きを強めている。下方修正に対するネガティブ反応も限定的だった。指標面の割安感も評価材料であり、ボックスレンジから上放れの展開を期待したい。

■24年3月期2Q累計大幅減益で通期予想を下方修正

 24年3月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比9.2%減の837億57百万円、営業利益が47.1%減の30億05百万円、経常利益が50.3%減の30億33百万円、親会社株主帰属四半期純利益が53.7%減の19億16百万円、EBITDA(参考)が32.0%減の53億24百万円だった。

 自動車関連が回復基調となったものの本格回復に至らず、中国経済停滞によるスマホ関連を中心とする需要回復遅れ、コスト増加分の価格転嫁遅れなどにより減収・大幅減益だった。

 セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通の電子機能材がニッケル市況下落や二次電池材料取扱数量減少などで54.2%減の11億75百万円、商社流通のアルミ銅が市況下落や伸銅品取扱数量減少などで86.8%減の1億51百万円、製造の装置材料がコスト増加分の価格転嫁遅れなどで74.5%減の2億60百万円、製造の金属加工が新規連結効果で2.9%増の14億42百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が423億70百万円で経常利益が15億30百万円、第2四半期は売上高が413億87百万円で経常利益が15億03百万円だった。

 通期連結業績予想(11月7日付で下方修正)は売上高が23年3月期比0.7%減の1770億円、営業利益が26.1%減の62億円、経常利益が24.2%減の62億円、親会社株主帰属当期純利益が23.2%減の42億16百万円、EBITDA(参考)が13.8%減の110億30百万円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。

 期初予想に対して売上高を90億円、営業利益を22億円、経常利益を20億円、親会社株主帰属当期純利益を12億84百万円、それぞれ下方修正した。経営環境について期初想定の「下期回復」を「来期以降の緩やかな回復」に修正した。

 修正後のセグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)計画は、商社流通の電子機能材(期初予想に対して8億円上方修正)が19.5%減の29億円、商社流通のアルミ銅(同7億円下方修正)が82.9%減の2億円、製造の装置材料(同9億円下方修正)が29.9%減の7億円、製造の金属加工(同12億円下方修正)が0.7%減の24億円としている。

 なお経常利益の四半期別推移を見ると、23年3月期第1四半期が42億51百万円、第2四半期が18億54百万円、第3四半期が15億45百万円、第4四半期が5億26百万円、24年3月期第1四半期が15億95百万円、第2四半期が15億03百万円で、23年3月期第4四半期がボトムとなっている。需要回復時期が後ズレする見込みとなったが、積極的な事業展開で25年3月期の収益回復基調を期待したい。

■株価は切り返しの動き

 株価はボックス展開の形だがレンジ下限から切り返しの動きを強めている。下方修正に対するネガティブ反応も限定的だった。指標面の割安感も評価材料であり、ボックスレンジから上放れの展開を期待したい。11月7日の終値は1366円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS139円89銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の54円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2075円25銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約424億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月30日更新]

アルコニックスは調整一巡、24年3月期は下期回復基調

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。24年3月期は利益横ばい予想としている。下期にかけて自動車やスマホ関連の生産が持ち直す見込みとしている。経常利益は23年3月期第4四半期をボトムとして回復基調であり、積極的な事業展開で下期の収益回復基調を期待したい。株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、大きく下押すことなくモミ合いレンジ下限から切り返しの動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。なお11月7日に24年3月期第2四半期決算発表を予定している。

■「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」

 商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月には金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。また22年11月にはDKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品部の事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得した。

 23年7月には子会社のマークテックが、新たに粉体物性測定(微粒子)受託事業に参入するため、100%出資の新会社ハイテクノライズを設立した。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 23年3月期セグメント別経常利益(消去前)は、商社流通の電子機能材がIT関連の電池材料取扱数量減少などで15.7%減の36億01百万円、商社流通のアルミ銅が仕入コストの上昇などで42.4%減の11億71百万円、製造の装置材料が自動車関連材料分野や検査・試験装置分野の出荷減少で19.8%減の9億98百万円、製造の金属加工が自動車関連や半導体実装装置向けの出荷減少などで30.0%減の24億16百万円だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、製造も収益柱に成長している。

■26年3月期ROE12%以上目標

 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、26年3月期の目標値として売上高2230億円、営業利益122億円以上、経常利益120億円以上、当期純利益79億円以上、EBITDA160億円以上、ROE(株主資本利益率)12.0%以上、ROIC(投下資本利益率)6.3%以上、DOE(株主資本配当率)3.2%以上を掲げた。セグメント別経常利益は商社流通が48億円(電子材料30億円、アルミ銅18億円)で製造が72億円(装置材料24億円、金属加工48億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 基本戦略として財務体質の強化、人的資本の強化、ガバナンスの強化を推進する。注力する事業領域を自動車、半導体、電子材料・電子部品として、既存事業における営業収益力の強化、投資案件の再構築、インフラ整備および内部統制の充実・強化を推進する。またサステナビリティ経営への取り組みも強化する方針だ。

 23年2月には、非鉄リサイクル事業を展開するグループ会社の移転および拡充を目的として土地取得(北九州市若松区)を発表した。本件土地取得を契機にグループを横断した総合リサイクルセンターを建設し、環境配慮型企業グループの実現を目指すとしている。

 23年7月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明した。また人的資本投資の一環として、職種統合による新人事制度(キャリア職とプロフェッショナル職の区分を廃止・統合し、名称を総合職とした上で職群を一本化)を導入するとともに、従業員の賃金改定(職種統合による昇給分は含まず、ベースアップ4%、定期昇給2%、合計6%の増加)も実施した。管理職(年俸制)のベースアップも実施した。23年8月には、グループ全体としての内部統制体制の在り方をより明確にするため、内部統制システムの基本方針を改定した。

■24年3月期は下期回復基調

 24年3月期の連結業績予想は、売上高が23年3月期比4.3%増の1860億円、営業利益が0.1%増の84億円、経常利益が0.3%増の82億円、親会社株主帰属当期純利益が0.2%増の55億円としている。配当予想は23年3月期と同額の54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。

 セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通の電子機能材が41.7%減の21億円、商社流通のアルミ銅が23.1%減の9億円、製造の装置材料が60.3%増の16億円、製造の金属加工が49.0%増の36億円としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比9.5%減の423億70百万円、営業利益が59.4%減の15億95百万円、経常利益が64.0%減の15億30百万円、親会社株主帰属四半期純利益が68.4%減の8億58百万円だった。

 資源高などにより好調だった前年同期との比較で、非鉄金属市況の下落、スマホ関連の需要減少、コスト増加分の価格転嫁のタイムラグなどにより減収・大幅減益だった。経常利益▲27億円の要因分析は、市況・為替要因(特にニッケルの市況下落)で▲13億円、数量要因で▲2億円、その他要因(レアメタル・レアアース取引や製造セグメントにおける売上総利益変動)で▲2億円、販管費増加(フル連結した製造子会社2社の販管費、および連結全体での人員増加)等で▲5億円、営業外損益で▲3億円としている。なお特別利益では前年同期計上の負ののれん発生益1億84百万円が剥落した。

 セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通の電子機能材がニッケル市況下落やスマホ向け電池材料の取扱数量減少などで76.2%減の4億36百万円、商社流通のアルミ銅が前年の市況高騰の反動や伸銅品の在庫調整局面などの影響で80.9%減の1億83百万円、製造の装置材料がコスト増加分の価格転嫁のタイムラグなどで99百万円の損失(前年同期は4億26百万円の利益)、製造の金属加工が新規連結効果で2桁増収だがコスト増加分の価格転嫁のタイムラグなどで3.0%減の10億06百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。第1四半期は大幅減益だったが、下期にかけて自動車やスマホ関連の生産が持ち直す見込みとしている。経常利益の四半期別推移を見ると23年3月期第1四半期が42億51百万円、第2四半期が18億54百万円、第3四半期が15億45百万円、第4四半期が5億26百万円、24年3月期第1四半期が15億95百万円となる。経常利益は23年3月期第4四半期をボトムとして回復基調であり、積極的な事業展開で下期の収益回復基調を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、大きく下押すことなくモミ合いレンジ下限から反発の動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。10月27日の終値は1361円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS182円68銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の54円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2075円25銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約422億円である。情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月11日更新]

アルコニックスは反発の動き、24年3月期は下期回復基調

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。24年3月期は利益横ばい予想としている。第1四半期は非鉄金属市況下落やスマホ関連需要減少の影響を受けたが、下期にかけて自動車やスマホ関連の生産が持ち直す見込みとしている。経常利益は23年3月期第4四半期をボトムとして回復基調であり、積極的な事業展開で下期の収益回復基調を期待したい。株価は地合い悪化の影響でモミ合いレンジ下限まで水準を切り下げる場面があったが、目先的な売りが一巡して反発の動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、出直りを期待したい。なお11月7日に24年3月期第2四半期決算発表を予定している。

■「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」

 商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月には金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。また22年11月にはDKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品部の事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得した。

 23年7月には子会社のマークテックが、新たに粉体物性測定(微粒子)受託事業に参入するため、100%出資の新会社ハイテクノライズを設立した。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 23年3月期セグメント別経常利益(消去前)は、商社流通の電子機能材がIT関連の電池材料取扱数量減少などで15.7%減の36億01百万円、商社流通のアルミ銅が仕入コストの上昇などで42.4%減の11億71百万円、製造の装置材料が自動車関連材料分野や検査・試験装置分野の出荷減少で19.8%減の9億98百万円、製造の金属加工が自動車関連や半導体実装装置向けの出荷減少などで30.0%減の24億16百万円だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、製造も収益柱に成長している。

■26年3月期ROE12%以上目標

 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、26年3月期の目標値として売上高2230億円、営業利益122億円以上、経常利益120億円以上、当期純利益79億円以上、EBITDA160億円以上、ROE(株主資本利益率)12.0%以上、ROIC(投下資本利益率)6.3%以上、DOE(株主資本配当率)3.2%以上を掲げた。セグメント別経常利益は商社流通が48億円(電子材料30億円、アルミ銅18億円)で製造が72億円(装置材料24億円、金属加工48億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 基本戦略として財務体質の強化、人的資本の強化、ガバナンスの強化を推進する。注力する事業領域を自動車、半導体、電子材料・電子部品として、既存事業における営業収益力の強化、投資案件の再構築、インフラ整備および内部統制の充実・強化を推進する。またサステナビリティ経営への取り組みも強化する方針だ。

 23年2月には、非鉄リサイクル事業を展開するグループ会社の移転および拡充を目的として土地取得(北九州市若松区)を発表した。本件土地取得を契機にグループを横断した総合リサイクルセンターを建設し、環境配慮型企業グループの実現を目指すとしている。

 23年7月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明した。また人的資本投資の一環として、職種統合による新人事制度(キャリア職とプロフェッショナル職の区分を廃止・統合し、名称を総合職とした上で職群を一本化)を導入するとともに、従業員の賃金改定(職種統合による昇給分は含まず、ベースアップ4%、定期昇給2%、合計6%の増加)も実施した。管理職(年俸制)のベースアップも実施した。23年8月には、グループ全体としての内部統制体制の在り方をより明確にするため、内部統制システムの基本方針を改定した。

■24年3月期1Q大幅減益だが下期回復基調

 24年3月期の連結業績予想は、売上高が23年3月期比4.3%増の1860億円、営業利益が0.1%増の84億円、経常利益が0.3%増の82億円、親会社株主帰属当期純利益が0.2%増の55億円としている。配当予想は23年3月期と同額の54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。

 セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通の電子機能材が41.7%減の21億円、商社流通のアルミ銅が23.1%減の9億円、製造の装置材料が60.3%増の16億円、製造の金属加工が49.0%増の36億円としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比9.5%減の423億70百万円、営業利益が59.4%減の15億95百万円、経常利益が64.0%減の15億30百万円、親会社株主帰属四半期純利益が68.4%減の8億58百万円だった。

 資源高などにより好調だった前年同期との比較で、非鉄金属市況の下落、スマホ関連の需要減少、コスト増加分の価格転嫁のタイムラグなどにより減収・大幅減益だった。経常利益▲27億円の要因分析は、市況・為替要因(特にニッケルの市況下落)で▲13億円、数量要因で▲2億円、その他要因(レアメタル・レアアース取引や製造セグメントにおける売上総利益変動)で▲2億円、販管費増加(フル連結した製造子会社2社の販管費、および連結全体での人員増加)等で▲5億円、営業外損益で▲3億円としている。なお特別利益では前年同期計上の負ののれん発生益1億84百万円が剥落した。

 セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通の電子機能材がニッケル市況下落やスマホ向け電池材料の取扱数量減少などで76.2%減の4億36百万円、商社流通のアルミ銅が前年の市況高騰の反動や伸銅品の在庫調整局面などの影響で80.9%減の1億83百万円、製造の装置材料がコスト増加分の価格転嫁のタイムラグなどで99百万円の損失(前年同期は4億26百万円の利益)、製造の金属加工が新規連結効果で2桁増収だがコスト増加分の価格転嫁のタイムラグなどで3.0%減の10億06百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。第1四半期は大幅減益だったが、下期にかけて自動車やスマホ関連の生産が持ち直す見込みとしている。経常利益の四半期別推移を見ると23年3月期第1四半期が42億51百万円、第2四半期が18億54百万円、第3四半期が15億45百万円、第4四半期が5億26百万円、24年3月期第1四半期が15億95百万円となる。経常利益は23年3月期第4四半期をボトムとして回復基調であり、積極的な事業展開で下期の収益回復基調を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪化の影響でモミ合いレンジ下限まで水準を切り下げる場面があったが、目先的な売りが一巡して反発の動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、出直りを期待したい。10月10日の終値は1360円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS182円68銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の54円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2075円25銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約422億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月21日更新]

アルコニックスは調整一巡、24年3月期は下期回復基調

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。24年3月期は利益横ばい予想としている。第1四半期は非鉄金属市況の下落、スマホ関連の需要減少、コスト増加分の価格転嫁のタイムラグなどにより大幅減益だったが、下期にかけて自動車やスマホ関連の生産が持ち直す見込みとしている。経常利益は23年3月期第4四半期をボトムとして回復基調であり、積極的な事業展開で下期の収益回復基調を期待したい。株価は上値が重く小幅レンジでモミ合う形だが、1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡してモミ合い上放れを期待したい。

■「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」

 商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月には金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。また22年11月にはDKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品部の事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得した。

 23年7月には子会社のマークテックが、新たに粉体物性測定(微粒子)受託事業に参入するため、100%出資の新会社ハイテクノライズを設立した。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 23年3月期セグメント別経常利益(消去前)は、商社流通の電子機能材がIT関連の電池材料取扱数量減少などで15.7%減の36億01百万円、商社流通のアルミ銅が仕入コストの上昇などで42.4%減の11億71百万円、製造の装置材料が自動車関連材料分野や検査・試験装置分野の出荷減少で19.8%減の9億98百万円、製造の金属加工が自動車関連や半導体実装装置向けの出荷減少などで30.0%減の24億16百万円だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、製造も収益柱に成長している。

■26年3月期ROE12%以上目標

 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、26年3月期の目標値として売上高2230億円、営業利益122億円以上、経常利益120億円以上、当期純利益79億円以上、EBITDA160億円以上、ROE(株主資本利益率)12.0%以上、ROIC(投下資本利益率)6.3%以上、DOE(株主資本配当率)3.2%以上を掲げた。セグメント別経常利益は商社流通が48億円(電子材料30億円、アルミ銅18億円)で製造が72億円(装置材料24億円、金属加工48億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 基本戦略として財務体質の強化、人的資本の強化、ガバナンスの強化を推進する。注力する事業領域を自動車、半導体、電子材料・電子部品として、既存事業における営業収益力の強化、投資案件の再構築、インフラ整備および内部統制の充実・強化を推進する。またサステナビリティ経営への取り組みも強化する方針だ。

 23年2月には、非鉄リサイクル事業を展開するグループ会社の移転および拡充を目的として土地取得(北九州市若松区)を発表した。本件土地取得を契機にグループを横断した総合リサイクルセンターを建設し、環境配慮型企業グループの実現を目指すとしている。

 23年7月には人的資本投資の一環として、職種統合による新人事制度(キャリア職とプロフェッショナル職の区分を廃止・統合し、名称を総合職とした上で職群を一本化)を導入するとともに、従業員の賃金改定(職種統合による昇給分は含まず、ベースアップ4%、定期昇給2%、合計6%の増加)も実施した。管理職(年俸制)のベースアップも実施した。また23年8月には、グループ全体としての内部統制体制の在り方をより明確にするため、内部統制システムの基本方針を改定した。

■24年3月期1Q大幅減益だが下期回復基調

 24年3月期の連結業績予想は、売上高が23年3月期比4.3%増の1860億円、営業利益が0.1%増の84億円、経常利益が0.3%増の82億円、親会社株主帰属当期純利益が0.2%増の55億円としている。配当予想は23年3月期と同額の54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。

 セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通の電子機能材が41.7%減の21億円、商社流通のアルミ銅が23.1%減の9億円、製造の装置材料が60.3%増の16億円、製造の金属加工が49.0%増の36億円としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比9.5%減の423億70百万円、営業利益が59.4%減の15億95百万円、経常利益が64.0%減の15億30百万円、親会社株主帰属四半期純利益が68.4%減の8億58百万円だった。

 資源高などにより好調だった前年同期との比較で、非鉄金属市況の下落、スマホ関連の需要減少、コスト増加分の価格転嫁のタイムラグなどにより減収・大幅減益だった。経常利益▲27億円の要因分析は、市況・為替要因(特にニッケルの市況下落)で▲13億円、数量要因で▲2億円、その他要因(レアメタル・レアアース取引や製造セグメントにおける売上総利益変動)で▲2億円、販管費増加(フル連結した製造子会社2社の販管費、および連結全体での人員増加)等で▲5億円、営業外損益で▲3億円としている。なお特別利益では前年同期計上の負ののれん発生益1億84百万円が剥落した。

 セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通の電子機能材がニッケル市況下落やスマホ向け電池材料の取扱数量減少などで76.2%減の4億36百万円、商社流通のアルミ銅が前年の市況高騰の反動や伸銅品の在庫調整局面などの影響で80.9%減の1億83百万円、製造の装置材料がコスト増加分の価格転嫁のタイムラグなどで99百万円の損失(前年同期は4億26百万円の利益)、製造の金属加工が新規連結効果で2桁増収だがコスト増加分の価格転嫁のタイムラグなどで3.0%減の10億06百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。第1四半期は大幅減益だったが、下期にかけて自動車やスマホ関連の生産が持ち直す見込みとしている。経常利益の四半期別推移を見ると23年3月期第1四半期が42億51百万円、第2四半期が18億54百万円、第3四半期が15億45百万円、第4四半期が5億26百万円、24年3月期第1四半期が15億95百万円となる。経常利益は23年3月期第4四半期をボトムとして回復基調であり、積極的な事業展開で下期の収益回復基調を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は上値が重く小幅レンジでモミ合う形だが、1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡してモミ合い上放れを期待したい。9月20日の終値は1397円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS182円68銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の54円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2075円25銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約434億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月28日更新]

アルコニックスはモミ合い煮詰まり感、24年3月期は下期からの需要回復で利益横ばい予想

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。24年3月期第1四半期は、資源高などにより好調だった前年同期との比較で非鉄金属市況の下落、スマホ関連の需要減少、コスト増加分の価格転嫁のタイムラグなどにより減収・大幅減益だった。ただし通期の利益横ばい予想を据え置いた。下期に向けて自動車やスマホ関連の生産が持ち直す見込みとしている。経常利益は23年3月期第4四半期をボトムとして回復基調であり、積極的な事業展開で下期の収益回復基調を期待したい。株価は上値が重く小幅レンジでモミ合う形だが、煮詰まり感を強めている。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、モミ合いから上放れの展開を期待したい。

■「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」

 商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月には金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。また22年11月にはDKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品部の事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得した。

 23年7月には子会社のマークテックが、新たに粉体物性測定(微粒子)受託事業に参入するため、100%出資の新会社ハイテクノライズを設立した。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 23年3月期セグメント別経常利益(消去前)は、商社流通の電子機能材がIT関連の電池材料取扱数量減少などで15.7%減の36億01百万円、商社流通のアルミ銅が仕入コストの上昇などで42.4%減の11億71百万円、製造の装置材料が自動車関連材料分野や検査・試験装置分野の出荷減少で19.8%減の9億98百万円、製造の金属加工が自動車関連や半導体実装装置向けの出荷減少などで30.0%減の24億16百万円だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、製造も収益柱に成長している。

■26年3月期ROE12%以上目標

 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、26年3月期の目標値として売上高2230億円、営業利益122億円以上、経常利益120億円以上、当期純利益79億円以上、EBITDA160億円以上、ROE(株主資本利益率)12.0%以上、ROIC(投下資本利益率)6.3%以上、DOE(株主資本配当率)3.2%以上を掲げた。セグメント別経常利益は商社流通が48億円(電子材料30億円、アルミ銅18億円)で製造が72億円(装置材料24億円、金属加工48億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 基本戦略として財務体質の強化、人的資本の強化、ガバナンスの強化を推進する。注力する事業領域を自動車、半導体、電子材料・電子部品として、既存事業における営業収益力の強化、投資案件の再構築、インフラ整備および内部統制の充実・強化を推進する。またサステナビリティ経営への取り組みも強化する方針だ。

 23年2月には、非鉄リサイクル事業を展開するグループ会社の移転および拡充を目的として土地取得(北九州市若松区)を発表した。本件土地取得を契機にグループを横断した総合リサイクルセンターを建設し、環境配慮型企業グループの実現を目指すとしている。

 23年7月1日には、人的資本投資の一環として、職種統合による新人事制度(キャリア職とプロフェッショナル職の区分を廃止・統合し、名称を総合職とした上で職群を一本化)を導入するとともに、従業員の賃金改定(職種統合による昇給分は含まず、ベースアップ4%、定期昇給2%、合計6%の増加)も実施した。管理職(年俸制)のベースアップも実施した。

■24年3月期1Q大幅減益だが下期からの需要回復で通期予想据え置き

 24年3月期の連結業績予想は、売上高が23年3月期比4.3%増の1860億円、営業利益が0.1%増の84億円、経常利益が0.3%増の82億円、親会社株主帰属当期純利益が0.2%増の55億円としている。配当予想は23年3月期と同額の54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。

 セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通の電子機能材が41.7%減の21億円、商社流通のアルミ銅が23.1%減の9億円、製造の装置材料が60.3%増の16億円、製造の金属加工が49.0%増の36億円としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比9.5%減の423億70百万円、営業利益が59.4%減の15億95百万円、経常利益が64.0%減の15億30百万円、親会社株主帰属四半期純利益が68.4%減の8億58百万円だった。

 資源高などにより好調だった前年同期との比較で、非鉄金属市況の下落、スマホ関連の需要減少、コスト増加分の価格転嫁のタイムラグなどにより減収・大幅減益だった。経常利益▲27億円の要因分析は、市況・為替要因(特にニッケルの市況下落)で▲13億円、数量要因で▲2億円、その他要因(レアメタル・レアアース取引や製造セグメントにおける売上総利益変動)で▲2億円、販管費増加(フル連結した製造子会社2社の販管費、および連結全体での人員増加)等で▲5億円、営業外損益で▲3億円としている。なお特別利益では前年同期計上の負ののれん発生益1億84百万円が剥落した。

 セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通の電子機能材がニッケル市況下落やスマホ向け電池材料の取扱数量減少などで76.2%減の4億36百万円、商社流通のアルミ銅が前年の市況高騰の反動や伸銅品の在庫調整局面などの影響で80.9%減の1億83百万円、製造の装置材料がコスト増加分の価格転嫁のタイムラグなどで99百万円の損失(前年同期は4億26百万円の利益)、製造の金属加工が新規連結効果で2桁増収だがコスト増加分の価格転嫁のタイムラグなどで3.0%減の10億06百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いている。第1四半期は大幅減益だったが、下期に向けて自動車やスマホ関連の生産が持ち直す見込み、増収・利益横ばい予想としている。経常利益の四半期別推移を見ると23年3月期第1四半期が42億51百万円、第2四半期が18億54百万円、第3四半期が15億45百万円、第4四半期が5億26百万円、そして24年3月期第1四半期が15億95百万円となる。経常利益は23年3月期第4四半期をボトムとして回復基調であり、積極的な事業展開で下期の収益回復基調を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価はモミ合い煮詰まり感

 株価は上値が重く小幅レンジでモミ合う形だが、煮詰まり感を強めている。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、モミ合いから上放れの展開を期待したい。8月25日の終値は1381円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS182円69銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の54円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2075円25銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約429億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月08日更新]

アルコニックスは24年3月期1Q大幅減益、通期は下期からの需要回復で利益横ばい予想を据え置き

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は8月7日の取引時間中に24年3月期第1四半期連結業績を発表した。資源高などにより好調だった前年同期との比較で非鉄金属市況の下落、スマホ関連の需要減少、コスト増加分の価格転嫁のタイムラグなどにより減収・大幅減益だった。ただし通期の利益横ばい予想を据え置いた。下期に向けて自動車やスマホ関連の生産が持ち直す見込みとしている。経常利益は23年3月期第4四半期をボトムとして回復基調であり、積極的な事業展開で下期の収益回復基調を期待したい。株価は小幅レンジでモミ合う形だ。そして第1四半期業績に対するネガティブ反応は限定的だった。指標面の割安感も評価材料であり、目先的な売りが一巡してモミ合いから上放れの展開を期待したい。

■24年3月期1Q大幅減益、下期からの需要回復で通期予想据え置き

 24年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比9.5%減の423億70百万円、営業利益が59.4%減の15億95百万円、経常利益が64.0%減の15億30百万円、親会社株主帰属四半期純利益が68.4%減の8億58百万円だった。

 資源高などにより好調だった前年同期との比較で、非鉄金属市況の下落、スマホ関連の需要減少、コスト増加分の価格転嫁のタイムラグなどにより減収・大幅減益だった。経常利益▲27億円の要因分析は、市況・為替要因(特にニッケルの市況下落)で▲13億円、数量要因で▲2億円、その他要因(レアメタル・レアアース取引や製造セグメントにおける売上総利益変動)で▲2億円、販管費増加(フル連結した製造子会社2社の販管費、および連結全体での人員増加)等で▲5億円、営業外損益で▲3億円としている。なお特別利益では前年同期計上の負ののれん発生益1億84百万円が剥落した。

 セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通の電子機能材がニッケル市況下落やスマホ向け電池材料の取扱数量減少などで76.2%減の4億36百万円、商社流通のアルミ銅が前年の市況高騰の反動や伸銅品の在庫調整局面などの影響で80.9%減の1億83百万円、製造の装置材料がコスト増加分の価格転嫁のタイムラグなどで99百万円の損失(前年同期は4億26百万円の利益)、製造の金属加工が新規連結効果で2桁増収だがコスト増加分の価格転嫁のタイムラグなどで3.0%減の10億06百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて売上高が23年3月期比4.3%増の1860億円、営業利益が0.1%増の84億円、経常利益が0.3%増の82億円、親会社株主帰属当期純利益が0.2%増の55億円としている。配当予想は23年3月期と同額の54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。

 第1四半期は大幅減益だったが、下期に向けて自動車やスマホ関連の生産が持ち直す見込み、増収・利益横ばい予想としている。セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通の電子機能材が41.7%減の21億円、商社流通のアルミ銅が23.2%減の9億円、製造の装置材料が60.2%増の16億円、製造の金属加工が49.0%増の36億円としている。

 経常利益の四半期別推移を見ると、23年3月期第1四半期が42億51百万円、第2四半期が18億54百万円、第3四半期が15億45百万円、第4四半期が5億26百万円、そして24年3月期第1四半期が15億95百万円となる。経常利益は23年3月期第4四半期をボトムとして回復基調であり、積極的な事業展開で下期の収益回復基調を期待したい。

■株価は目先的な売り一巡

 株価は動意に乏しく小幅レンジでモミ合う形だ。そして第1四半期業績に対するネガティブ反応は限定的だった。指標面の割安感も評価材料であり、目先的な売りが一巡してモミ合いから上放れの展開を期待したい。8月7日の終値は1368円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS182円68銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の54円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2075円25銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約425億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[07月27日更新]

アルコニックスはモミ合い上放れの動き、24年3月期利益横ばい予想だが保守的

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。24年3月期は増収ながら、人件費増加なども考慮して横ばいにとどまる予想としている。ただし保守的だろう。需要が回復に向かう見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は小幅レンジでモミ合う形だが、徐々に水準を切り上げてモミ合いから上放れの動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。なお8月7日に24年3月期第1四半期決算発表を予定している。

■「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」

 商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月には金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。また22年11月にはDKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品部の事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得した。

 23年7月には子会社のマークテックが、新たに粉体物性測定(微粒子)受託事業に参入するため、100%出資の新会社ハイテクノライズを設立した。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 23年3月期セグメント別経常利益(消去前)は、商社流通の電子機能材がIT関連の電池材料取扱数量減少などで15.7%減の36億01百万円、商社流通のアルミ銅が仕入コストの上昇などで42.4%減の11億71百万円、製造の装置材料が自動車関連材料分野や検査・試験装置分野の出荷減少で19.8%減の9億98百万円、製造の金属加工が自動車関連や半導体実装装置向けの出荷減少などで30.0%減の24億16百万円だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、製造も収益柱に成長している。

■26年3月期ROE12%以上目標

 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、26年3月期の目標値として売上高2230億円、営業利益122億円以上、経常利益120億円以上、当期純利益79億円以上、EBITDA160億円以上、ROE(株主資本利益率)12.0%以上、ROIC(投下資本利益率)6.3%以上、DOE(株主資本配当率)3.2%以上を掲げた。セグメント別経常利益は商社流通が48億円(電子材料30億円、アルミ銅18億円)で製造が72億円(装置材料24億円、金属加工48億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 基本戦略として財務体質の強化、人的資本の強化、ガバナンスの強化を推進する。注力する事業領域を自動車、半導体、電子材料・電子部品として、既存事業における営業収益力の強化、投資案件の再構築、インフラ整備および内部統制の充実・強化を推進する。またサステナビリティ経営への取り組みも強化する方針だ。

 23年2月には、非鉄リサイクル事業を展開するグループ会社の移転および拡充を目的として土地取得(北九州市若松区)を発表した。本件土地取得を契機にグループを横断した総合リサイクルセンターを建設し、環境配慮型企業グループの実現を目指すとしている。

 なお23年7月1日付で、人的資本投資の一環として、職種統合による新人事制度(キャリア職とプロフェッショナル職の区分を廃止・統合し、名称を総合職とした上で職群を一本化)を導入するとともに、従業員の賃金改定(職種統合による昇給分は含まず、ベースアップ4%、定期昇給2%、合計6%の増加)も実施した。管理職(年俸制)のベースアップも実施した。

■24年3月期利益横ばい予想だが保守的

 24年3月期の連結業績予想は、売上高が23年3月期比4.3%増の1860億円、営業利益が0.1%増の84億円、経常利益が0.3%増の82億円、親会社株主帰属当期純利益が0.2%増の55億円としている。配当予想は23年3月期と同額の54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。

 セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通の電子機能材が41.7%減の21億円、商社流通のアルミ銅が23.1%減の9億円、製造の装置材料が60.3%増の16億円、製造の金属加工が49.0%増の36億円としている。

 24年3月期は増収ながら、人件費増加なども考慮して横ばいにとどまる予想としている。ただし保守的だろう。需要が回復に向かう見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価はモミ合い上放れの動き

 株価は小幅レンジでモミ合う形だが、徐々に水準を切り上げてモミ合いから上放れの動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。7月26日の終値は1422円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS182円69銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の54円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2075円25銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約441億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[07月05日更新]

アルコニックスはモミ合い煮詰まり感、24年3月期利益横ばい予想だが保守的

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。なお7月1日付で職種統合による新人事制度を導入するとともに、従業員の賃金改定も実施した。24年3月期は増収ながら、人件費増加なども考慮して横ばいにとどまる予想としている。ただし保守的だろう。需要が回復に向かう見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は小幅レンジでモミ合う形だが煮詰まり感を強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、モミ合いから上放れの展開を期待したい。

■「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」

 商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月には金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。また22年11月にはDKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品部の事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得した。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 23年3月期セグメント別経常利益(消去前)は、商社流通の電子機能材がIT関連の電池材料取扱数量減少などで15.7%減の36億01百万円、商社流通のアルミ銅が仕入コストの上昇などで42.4%減の11億71百万円、製造の装置材料が自動車関連材料分野や検査・試験装置分野の出荷減少で19.8%減の9億98百万円、製造の金属加工が自動車関連や半導体実装装置向けの出荷減少などで30.0%減の24億16百万円だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、製造も収益柱に成長している。

■26年3月期ROE12%以上目標

 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、26年3月期の目標値として売上高2230億円、営業利益122億円以上、経常利益120億円以上、当期純利益79億円以上、EBITDA160億円以上、ROE(株主資本利益率)12.0%以上、ROIC(投下資本利益率)6.3%以上、DOE(株主資本配当率)3.2%以上を掲げた。セグメント別経常利益は商社流通が48億円(電子材料30億円、アルミ銅18億円)で製造が72億円(装置材料24億円、金属加工48億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 基本戦略として財務体質の強化、人的資本の強化、ガバナンスの強化を推進する。注力する事業領域を自動車、半導体、電子材料・電子部品として、既存事業における営業収益力の強化、投資案件の再構築、インフラ整備および内部統制の充実・強化を推進する。またサステナビリティ経営への取り組みも強化する方針だ。

 23年2月には、非鉄リサイクル事業を展開するグループ会社の移転および拡充を目的として土地取得(北九州市若松区)を発表した。本件土地取得を契機にグループを横断した総合リサイクルセンターを建設し、環境配慮型企業グループの実現を目指すとしている。

 なお7月1日付で人的資本投資の一環として、職種統合による新人事制度(キャリア職とプロフェッショナル職の区分を廃止・統合し、名称を総合職とした上で職群を一本化)を導入するとともに、従業員の賃金改定(職種統合による昇給分は含まず、ベースアップ4%、定期昇給2%、合計6%の増加)も実施した。管理職(年俸制)のベースアップも実施した。

■24年3月期利益横ばい予想だが保守的

 24年3月期の連結業績予想は、売上高が23年3月期比4.3%増の1860億円、営業利益が0.1%増の84億円、経常利益が0.3%増の82億円、親会社株主帰属当期純利益が0.2%増の55億円としている。配当予想は23年3月期と同額の54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。

 セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通の電子機能材が41.7%減の21億円、商社流通のアルミ銅が23.1%減の9億円、製造の装置材料が60.3%増の16億円、製造の金属加工が49.0%増の36億円としている。

 24年3月期は増収ながら、人件費増加なども考慮して横ばいにとどまる予想としている。ただし保守的だろう。需要が回復に向かう見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価はモミ合い煮詰まり感

 株価は小幅レンジでモミ合う形だが煮詰まり感を強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、モミ合いから上放れの展開を期待したい。7月4日の終値は1386円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS182円69銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の54円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2075円25銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約430億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[06月19日更新]

アルコニックスはモミ合いレンジ下限から反発の動き、24年3月期利益横ばい予想だが保守的

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。24年3月期は増収ながら、人件費増加なども考慮して横ばいにとどまる予想としている。ただし保守的だろう。需要が回復に向かう見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価はやや小動きだが、モミ合いレンジ下限から反発の動きを強めている。高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、モミ合いから上放れの展開を期待したい。

■「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」

 商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売まで全てをONE−STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月には金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。また22年11月にはDKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品部の事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得した。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 23年3月期セグメント別経常利益(消去前)は、商社流通の電子機能材がIT関連の電池材料取扱数量減少などで15.7%減の36億01百万円、商社流通のアルミ銅が仕入コストの上昇などで42.4%減の11億71百万円、製造の装置材料が自動車関連材料分野や検査・試験装置分野の出荷減少で19.8%減の9億98百万円、製造の金属加工が自動車関連や半導体実装装置向けの出荷減少などで30.0%減の24億16百万円だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、製造も収益柱に成長している。

■26年3月期ROE12%以上目標

 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、26年3月期の目標値として売上高2230億円、営業利益122億円以上、経常利益120億円以上、当期純利益79億円以上、EBITDA160億円以上、ROE(株主資本利益率)12.0%以上、ROIC(投下資本利益率)6.3%以上、DOE(株主資本配当率)3.2%以上を掲げた。セグメント別経常利益は商社流通が48億円(電子材料30億円、アルミ銅18億円)で製造が72億円(装置材料24億円、金属加工48億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 基本戦略として財務体質の強化、人的資本の強化、ガバナンスの強化を推進する。注力する事業領域を自動車、半導体、電子材料・電子部品として、既存事業における営業収益力の強化、投資案件の再構築、インフラ整備および内部統制の充実・強化を推進する。またサステナビリティ経営への取り組みも強化する方針だ。

 なお23年2月には、非鉄リサイクル事業を展開するグループ会社の移転および拡充を目的として土地取得(北九州市若松区)を発表した。本件土地取得を契機にグループを横断した総合リサイクルセンターを建設し、環境配慮型企業グループの実現を目指すとしている。

■24年3月期利益横ばい予想だが保守的

 24年3月期の連結業績予想は、売上高が23年3月期比4.3%増の1860億円、営業利益が0.1%増の84億円、経常利益が0.3%増の82億円、親会社株主帰属当期純利益が0.2%増の55億円としている。配当予想は23年3月期と同額の54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。

 セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通の電子機能材が41.7%減の21億円、商社流通のアルミ銅が23.1%減の9億円、製造の装置材料が60.3%増の16億円、製造の金属加工が49.0%増の36億円としている。

 24年3月期は増収ながら、人件費増加なども考慮して横ばいにとどまる予想としている。ただし保守的だろう。需要が回復に向かう見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価はモミ合いレンジ下限から反発の動き

 株価はやや小動きだが、モミ合いレンジ下限から反発の動きを強めている。高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、モミ合いから上放れの展開を期待したい。6月16日の終値は1386円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS182円69銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の54円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2075円25銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約430億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[05月09日更新]

アルコニックスはモミ合い上放れの動き、24年3月期収益拡大期待

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。23年3月期は減益予想としている。原材料供給不足による生産・出荷の一時的な落ち込みなど事業環境の不透明感を考慮している。ただし積極的な事業展開で24年3月期の収益拡大を期待したい。株価は小幅レンジでモミ合う形だが、徐々に水準を切り上げてモミ合い上放れの動きを強めている。高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も評価して戻りを試す展開を期待したい。なお5月12日に23年3月期決算発表を、5月26日に中期経営計画(1年ごとに見直すローリング方式)発表を、それぞれ予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。さらに商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月には金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。また22年11月にはDKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品部の事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得した。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は商社流通60%(電子機能材22%、アルミ銅38%)で製造40%(装置材料22%、金属加工17%)だが、経常利益構成比は商社流通57%(電子機能材39%、アルミ銅18%)で製造43%(装置材料11%、金属加工31%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略により、製造(特に金属加工)も収益柱に成長している。

■高水準の投資を継続

 中期経営計画(23年3月期〜25年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、25年3月期の目標値に売上高2100億円、営業利益131億円超、経常利益130億円超、当期純利益100億円超、EBITDA175億円超、ROE(株主資本利益率)15%超、ROIC(投下資本利益率)7%以上、DOE(株主資本配当率)3.0%以上を掲げた。セグメント別経常利益は、商社流通が52億円(電子材料37億円、アルミ銅15億円)で製造が78億円(装置材料24億円、金属加工54億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、財務体質の強化、人的資源の強化、ガバナンスの強化、ESG・SDGsへの取り組み強化を推進し、高水準の投資も継続する方針だ。

 なお23年2月には、非鉄リサイクル事業を展開するグループ会社の移転および拡充を目的として土地取得(北九州市若松区)を発表した。本件土地取得を契機にグループを横断した総合リサイクルセンターを建設し、環境配慮型企業グループの実現を目指すとしている。

■23年3月期減益予想だが24年3月期収益拡大期待

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比8.8%増の1700億円、営業利益が17.4%減の91億円、経常利益が18.3%減の90億円、親会社株主帰属当期純利益が9.4%減の68億円としている。配当予想は22年3月期と同額の52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比18.9%増の1357億12百万円、営業利益が13.9%減の72億55百万円、経常利益が13.1%減の76億50百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が22.1%減の50億92百万円だった。

 売上面は一部商材の取扱数量増加、非鉄市況の上昇、自動車関連の新規案件などで増収だったが、利益面は円安による調達コストの上昇、新規連結した子会社の損益取込に伴う販管費の増加などで減益だった。営業外収益では為替差益が増加(前年同期は65百万円、今期は3億24百万円)した。特別利益では投資有価証券売却益が減少(前年同期は2億74百万円、今期は87百万円)したが、負ののれん発生益3億46百万円を計上した。特別損失ではのれん償却額1億70百万円を計上した。

 セグメント別利益(経常利益)は、商社流通の電子機能材が市況および為替要因による取扱数量増加で6.0%増の33億74百万円、商社流通のアルミ銅が調達コストの上昇で20.2%減の13億01百万円、製造の装置材料が自動車関連材料や検査・試験装置の出荷減少で10.3%減の11億06百万円、製造の金属加工が自動車関連や半導体実装装置向け部品の出荷減少で31.6%減の18億83百万円だった。

 商社流通の電子機能材は、スマホ関連需要減速の影響で二次電池材料の取扱数量が減少したが、電子部品・半導体材料向けのニッケル製品が堅調に推移した。レアメタル・レアアースは、自動車生産調整の影響で取扱数量が伸び悩んだが、市況上昇効果で売上高・利益とも増加した。

 商社流通のアルミ銅は、製品分野においては堅調な国内建設需要を背景にアルミ圧延品や伸銅品の取扱数量が増加したが、IT関連事業の減速で電子部品向け伸銅品の取扱数量が減少した。原料分野においては自動車生産調整の影響で銅・アルミスクラップおよびアルミ再生塊の取扱数量が減少したが、非鉄市況の上昇や円安の影響でアルミ再生塊の取扱数量が増加した。

 製造の装置材料は、米国および中国の両拠点でめっき材料の需要が拡大したが、装置分野において、自動車を中心とする部品調達不足に伴う顧客の操業度低下の影響により、非破壊検査およびマーキング双方の装置需要が落ち込んだ。

 製造の金属加工は、金属精密加工部品が堅調だったが、半導体実装装置向け精密切削加工部品がスマホ需要減速の影響で低調となり、精密金属プレス部品も自動車生産調整の影響で減少した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が468億37百万円、営業利益が39億31百万円、経常利益が42億51百万円、第2四半期は売上高が453億77百万円、営業利益が17億51百万円、経常利益が18億54百万円、第3四半期は売上高が434億98百万円、営業利益が15億73百万円、経常利益が15億45百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いている。コロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料の供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなど、事業環境の不透明感を考慮して期初時点で減益予想としている。セグメント別利益(経常利益)の計画は組み替えて、商社流通の電子機能材が10.1%減の38億40百万円(前回予想は28億円)、商社流通のアルミ銅が29.1%減の14億40百万円(同12億円)、製造の装置材料が6.8%減の11億60百万円(同12億円)、製造の金属加工が25.8%減の25億60百万円(同38億円)としている。前回予想に比べて商社流通分野を上方修正、製造分野を下方修正した形となる。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が79.8%、営業利益が79.7%、経常利益が85.0%、親会社株主に帰属する当期純利益が74.9%と順調だった。積極的な事業展開で24年3月期の収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。なお3月30日には株主優待制度の優待内容をリリースしている。

■株価はモミ合い上放れの動き

 株価は小幅レンジでモミ合う形だが、徐々に水準を切り上げてモミ合い上放れの動きを強めている。高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も評価して戻りを試す展開を期待したい。5月8日の終値は1404円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS225円87銭で算出)は約6倍、前期推定配当利回り(会社予想の52円で算出)は約3.7%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS1889円53銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約435億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[04月18日更新]

アルコニックスは戻り試す、24年3月期収益拡大期待

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。23年3月期は減益予想としている。原材料供給不足による生産・出荷の一時的な落ち込みなど事業環境の不透明感を考慮している。ただし第3四半期累計の進捗率は順調だった。積極的な事業展開で24年3月期の収益拡大を期待したい。株価は小幅レンジでモミ合う形だが、徐々に水準を切り上げてレンジ上限に接近している。高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、モミ合いから上放れて戻りを試す展開を期待したい。なお5月12日に23年3月期決算発表を、5月26日に中期経営計画(1年ごとに見直すローリング方式)発表を、それぞれ予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。さらに商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月には金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。また22年11月にはDKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品部の事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得した。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は商社流通60%(電子機能材22%、アルミ銅38%)で製造40%(装置材料22%、金属加工17%)だが、経常利益構成比は商社流通57%(電子機能材39%、アルミ銅18%)で製造43%(装置材料11%、金属加工31%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略により、製造(特に金属加工)も収益柱に成長している。

■高水準の投資を継続

 中期経営計画(23年3月期〜25年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、25年3月期の目標値に売上高2100億円、営業利益131億円超、経常利益130億円超、当期純利益100億円超、EBITDA175億円超、ROE(株主資本利益率)15%超、ROIC(投下資本利益率)7%以上、DOE(株主資本配当率)3.0%以上を掲げた。セグメント別経常利益は、商社流通が52億円(電子材料37億円、アルミ銅15億円)で製造が78億円(装置材料24億円、金属加工54億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、財務体質の強化、人的資源の強化、ガバナンスの強化、ESG・SDGsへの取り組み強化を推進し、高水準の投資も継続する方針だ。

 なお23年2月には、非鉄リサイクル事業を展開するグループ会社の移転および拡充を目的として土地取得(北九州市若松区)を発表した。本件土地取得を契機にグループを横断した総合リサイクルセンターを建設し、環境配慮型企業グループの実現を目指すとしている。

■23年3月期減益予想だが24年3月期収益拡大期待

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比8.8%増の1700億円、営業利益が17.4%減の91億円、経常利益が18.3%減の90億円、親会社株主帰属当期純利益が9.4%減の68億円としている。配当予想は22年3月期と同額の52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比18.9%増の1357億12百万円、営業利益が13.9%減の72億55百万円、経常利益が13.1%減の76億50百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が22.1%減の50億92百万円だった。

 売上面は一部商材の取扱数量増加、非鉄市況の上昇、自動車関連の新規案件などで増収だったが、利益面は円安による調達コストの上昇、新規連結した子会社の損益取込に伴う販管費の増加などで減益だった。営業外収益では為替差益が増加(前年同期は65百万円、今期は3億24百万円)した。特別利益では投資有価証券売却益が減少(前年同期は2億74百万円、今期は87百万円)したが、負ののれん発生益3億46百万円を計上した。特別損失ではのれん償却額1億70百万円を計上した。

 セグメント別利益(経常利益)は、商社流通の電子機能材が市況および為替要因による取扱数量増加で6.0%増の33億74百万円、商社流通のアルミ銅が調達コストの上昇で20.2%減の13億01百万円、製造の装置材料が自動車関連材料や検査・試験装置の出荷減少で10.3%減の11億06百万円、製造の金属加工が自動車関連や半導体実装装置向け部品の出荷減少で31.6%減の18億83百万円だった。

 商社流通の電子機能材は、スマホ関連需要減速の影響で二次電池材料の取扱数量が減少したが、電子部品・半導体材料向けのニッケル製品が堅調に推移した。レアメタル・レアアースは、自動車生産調整の影響で取扱数量が伸び悩んだが、市況上昇効果で売上高・利益とも増加した。

 商社流通のアルミ銅は、製品分野においては堅調な国内建設需要を背景にアルミ圧延品や伸銅品の取扱数量が増加したが、IT関連事業の減速で電子部品向け伸銅品の取扱数量が減少した。原料分野においては自動車生産調整の影響で銅・アルミスクラップおよびアルミ再生塊の取扱数量が減少したが、非鉄市況の上昇や円安の影響でアルミ再生塊の取扱数量が増加した。

 製造の装置材料は、米国および中国の両拠点でめっき材料の需要が拡大したが、装置分野において、自動車を中心とする部品調達不足に伴う顧客の操業度低下の影響により、非破壊検査およびマーキング双方の装置需要が落ち込んだ。

 製造の金属加工は、金属精密加工部品が堅調だったが、半導体実装装置向け精密切削加工部品がスマホ需要減速の影響で低調となり、精密金属プレス部品も自動車生産調整の影響で減少した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が468億37百万円、営業利益が39億31百万円、経常利益が42億51百万円、第2四半期は売上高が453億77百万円、営業利益が17億51百万円、経常利益が18億54百万円、第3四半期は売上高が434億98百万円、営業利益が15億73百万円、経常利益が15億45百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いている。コロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料の供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなど、事業環境の不透明感を考慮して期初時点で減益予想としている。セグメント別利益(経常利益)の計画は組み替えて、商社流通の電子機能材が10.1%減の38億40百万円(前回予想は28億円)、商社流通のアルミ銅が29.1%減の14億40百万円(同12億円)、製造の装置材料が6.8%減の11億60百万円(同12億円)、製造の金属加工が25.8%減の25億60百万円(同38億円)としている。前回予想に比べて商社流通分野を上方修正、製造分野を下方修正した形となる。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が79.8%、営業利益が79.7%、経常利益が85.0%、親会社株主に帰属する当期純利益が74.9%と順調だった。積極的な事業展開で24年3月期の収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。なお3月30日には株主優待制度の優待内容をリリースしている。

■株価は戻り試す

 株価は小幅レンジでモミ合う形だが、徐々に水準を切り上げてレンジ上限に接近している。高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、モミ合いから上放れて戻りを試す展開を期待したい。4月17日の終値は1376円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS225円87銭で算出)は約6倍、前期推定配当利回り(会社予想の52円で算出)は約3.8%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS1889円53銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約427億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[03月31日更新]

アルコニックスは調整一巡、23年3月期減益予想だが24年3月期収益拡大期待

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。なお3月30日には株主優待制度の優待内容をリリースしている。23年3月期は減益予想としている。原材料供給不足による生産・出荷の一時的な落ち込みなど、事業環境の不透明感を考慮している。ただし第3四半期累計の進捗率は順調だった。積極的な事業展開で24年3月期の収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して小幅レンジでモミ合う形だが、指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡してモミ合い上放れの展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。さらに商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月には金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。また22年11月にはDKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品部の事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得した。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は商社流通60%(電子機能材22%、アルミ銅38%)で製造40%(装置材料22%、金属加工17%)だが、経常利益構成比は商社流通57%(電子機能材39%、アルミ銅18%)で製造43%(装置材料11%、金属加工31%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略により、製造(特に金属加工)も収益柱に成長している。

■高水準の投資を継続

 中期経営計画(23年3月期〜25年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、25年3月期の目標値に売上高2100億円、営業利益131億円超、経常利益130億円超、当期純利益100億円超、EBITDA175億円超、ROE(株主資本利益率)15%超、ROIC(投下資本利益率)7%以上、DOE(株主資本配当率)3.0%以上を掲げた。セグメント別経常利益は、商社流通が52億円(電子材料37億円、アルミ銅15億円)で製造が78億円(装置材料24億円、金属加工54億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、財務体質の強化、人的資源の強化、ガバナンスの強化、ESG・SDGsへの取り組み強化を推進し、高水準の投資も継続する方針だ。

 なお23年2月には、非鉄リサイクル事業を展開するグループ会社の移転および拡充を目的として土地取得(北九州市若松区)を発表した。本件土地取得を契機にグループを横断した総合リサイクルセンターを建設し、環境配慮型企業グループの実現を目指すとしている。

■23年3月期減益予想だが24年3月期収益拡大期待

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比8.8%増の1700億円、営業利益が17.4%減の91億円、経常利益が18.3%減の90億円、親会社株主帰属当期純利益が9.4%減の68億円としている。配当予想は22年3月期と同額の52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比18.9%増の1357億12百万円、営業利益が13.9%減の72億55百万円、経常利益が13.1%減の76億50百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が22.1%減の50億92百万円だった。

 売上面は一部商材の取扱数量増加、非鉄市況の上昇、自動車関連の新規案件などで増収だったが、利益面は円安による調達コストの上昇、新規連結した子会社の損益取込に伴う販管費の増加などで減益だった。営業外収益では為替差益が増加(前年同期は65百万円、今期は3億24百万円)した。特別利益では投資有価証券売却益が減少(前年同期は2億74百万円、今期は87百万円)したが、負ののれん発生益3億46百万円を計上した。特別損失ではのれん償却額1億70百万円を計上した。

 セグメント別利益(経常利益)は、商社流通の電子機能材が市況および為替要因による取扱数量増加で6.0%増の33億74百万円、商社流通のアルミ銅が調達コストの上昇で20.2%減の13億01百万円、製造の装置材料が自動車関連材料や検査・試験装置の出荷減少で10.3%減の11億06百万円、製造の金属加工が自動車関連や半導体実装装置向け部品の出荷減少で31.6%減の18億83百万円だった。

 商社流通の電子機能材は、スマホ関連需要減速の影響で二次電池材料の取扱数量が減少したが、電子部品・半導体材料向けのニッケル製品が堅調に推移した。レアメタル・レアアースは、自動車生産調整の影響で取扱数量が伸び悩んだが、市況上昇効果で売上高・利益とも増加した。

 商社流通のアルミ銅は、製品分野においては堅調な国内建設需要を背景にアルミ圧延品や伸銅品の取扱数量が増加したが、IT関連事業の減速で電子部品向け伸銅品の取扱数量が減少した。原料分野においては自動車生産調整の影響で銅・アルミスクラップおよびアルミ再生塊の取扱数量が減少したが、非鉄市況の上昇や円安の影響でアルミ再生塊の取扱数量が増加した。

 製造の装置材料は、米国および中国の両拠点でめっき材料の需要が拡大したが、装置分野において、自動車を中心とする部品調達不足に伴う顧客の操業度低下の影響により、非破壊検査およびマーキング双方の装置需要が落ち込んだ。

 製造の金属加工は、金属精密加工部品が堅調だったが、半導体実装装置向け精密切削加工部品がスマホ需要減速の影響で低調となり、精密金属プレス部品も自動車生産調整の影響で減少した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が468億37百万円、営業利益が39億31百万円、経常利益が42億51百万円、第2四半期は売上高が453億77百万円、営業利益が17億51百万円、経常利益が18億54百万円、第3四半期は売上高が434億98百万円、営業利益が15億73百万円、経常利益が15億45百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いている。コロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料の供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなど、事業環境の不透明感を考慮して期初時点で減益予想としている。セグメント別利益(経常利益)の計画は組み替えて、商社流通の電子機能材が10.1%減の38億40百万円(前回予想は28億円)、商社流通のアルミ銅が29.1%減の14億40百万円(同12億円)、製造の装置材料が6.8%減の11億60百万円(同12億円)、製造の金属加工が25.8%減の25億60百万円(同38億円)としている。前回予想に比べて商社流通分野を上方修正、製造分野を下方修正した形となる。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が79.8%、営業利益が79.7%、経常利益が85.0%、親会社株主に帰属する当期純利益が74.9%と順調だった。積極的な事業展開で24年3月期の収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。なお3月30日には株主優待制度の優待内容をリリースしている。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響して小幅レンジでモミ合う形だが、指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡してモミ合い上放れの展開を期待したい。3月30日の終値は1375円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS225円87銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の52円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1889円53銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約426億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[03月13日更新]

アルコニックスはモミ合いから上放れ、23年3月期減益予想だが24年3月期収益拡大期待

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。なお3月8日には障がいのある方のアート活動支援の一環として、社会福祉法人アール・ド・ヴィーヴルの協力により、同社東京本社エントランスに2点の絵画作品を展示しているとリリースした。23年3月期は減益予想としている。原材料供給不足による生産・出荷の一時的な落ち込みなど、事業環境の不透明感を考慮している。ただし第3四半期累計の進捗率は順調だった。積極的な事業展開で第4四半期の挽回、さらに24年3月期の収益拡大を期待したい。株価は水準を切り上げて小幅レンジでのモミ合いから上放れの形となった。指標面の割安感も評価して戻りを試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。さらに商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月には金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。また22年11月にはDKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品部の事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得した。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は商社流通60%(電子機能材22%、アルミ銅38%)で製造40%(装置材料22%、金属加工17%)だが、経常利益構成比は商社流通57%(電子機能材39%、アルミ銅18%)で製造43%(装置材料11%、金属加工31%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略により、製造(特に金属加工)も収益柱に成長している。

■高水準の投資を継続

 中期経営計画(23年3月期〜25年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、25年3月期の目標値に売上高2100億円、営業利益131億円超、経常利益130億円超、当期純利益100億円超、EBITDA175億円超、ROE(株主資本利益率)15%超、ROIC(投下資本利益率)7%以上、DOE(株主資本配当率)3.0%以上を掲げた。セグメント別経常利益は、商社流通が52億円(電子材料37億円、アルミ銅15億円)で製造が78億円(装置材料24億円、金属加工54億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、財務体質の強化、人的資源の強化、ガバナンスの強化、ESG・SDGsへの取り組み強化を推進し、高水準の投資も継続する方針だ。

 なお23年2月には、非鉄リサイクル事業を展開するグループ会社の移転および拡充を目的として土地取得(北九州市若松区)を発表した。本件土地取得を契機にグループを横断した総合リサイクルセンターを建設し、環境配慮型企業グループの実現を目指すとしている。

■23年3月期減益予想だが24年3月期収益拡大期待

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比8.8%増の1700億円、営業利益が17.4%減の91億円、経常利益が18.3%減の90億円、親会社株主帰属当期純利益が9.4%減の68億円としている。配当予想は22年3月期と同額の52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比18.9%増の1357億12百万円、営業利益が13.9%減の72億55百万円、経常利益が13.1%減の76億50百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が22.1%減の50億92百万円だった。

 売上面は一部商材の取扱数量増加、非鉄市況の上昇、自動車関連の新規案件などで増収だったが、利益面は円安による調達コストの上昇、新規連結した子会社の損益取込に伴う販管費の増加などで減益だった。営業外収益では為替差益が増加(前年同期は65百万円、今期は3億24百万円)した。特別利益では投資有価証券売却益が減少(前年同期は2億74百万円、今期は87百万円)したが、負ののれん発生益3億46百万円を計上した。特別損失ではのれん償却額1億70百万円を計上した。

 セグメント別利益(経常利益)は、商社流通の電子機能材が市況および為替要因による取扱数量増加で6.0%増の33億74百万円、商社流通のアルミ銅が調達コストの上昇で20.2%減の13億01百万円、製造の装置材料が自動車関連材料や検査・試験装置の出荷減少で10.3%減の11億06百万円、製造の金属加工が自動車関連や半導体実装装置向け部品の出荷減少で31.6%減の18億83百万円だった。

 商社流通の電子機能材は、スマホ関連需要減速の影響で二次電池材料の取扱数量が減少したが、電子部品・半導体材料向けのニッケル製品が堅調に推移した。レアメタル・レアアースは、自動車生産調整の影響で取扱数量が伸び悩んだが、市況上昇効果で売上高・利益とも増加した。

 商社流通のアルミ銅は、製品分野においては堅調な国内建設需要を背景にアルミ圧延品や伸銅品の取扱数量が増加したが、IT関連事業の減速で電子部品向け伸銅品の取扱数量が減少した。原料分野においては自動車生産調整の影響で銅・アルミスクラップおよびアルミ再生塊の取扱数量が減少したが、非鉄市況の上昇や円安の影響でアルミ再生塊の取扱数量が増加した。

 製造の装置材料は、米国および中国の両拠点でめっき材料の需要が拡大したが、装置分野において、自動車を中心とする部品調達不足に伴う顧客の操業度低下の影響により、非破壊検査およびマーキング双方の装置需要が落ち込んだ。

 製造の金属加工は、金属精密加工部品が堅調だったが、半導体実装装置向け精密切削加工部品がスマホ需要減速の影響で低調となり、精密金属プレス部品も自動車生産調整の影響で減少した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が468億37百万円、営業利益が39億31百万円、経常利益が42億51百万円、第2四半期は売上高が453億77百万円、営業利益が17億51百万円、経常利益が18億54百万円、第3四半期は売上高が434億98百万円、営業利益が15億73百万円、経常利益が15億45百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いている。コロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料の供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなど、事業環境の不透明感を考慮して期初時点で減益予想としている。セグメント別利益(経常利益)の計画は組み替えて、商社流通の電子機能材が10.1%減の38億40百万円(前回予想は28億円)、商社流通のアルミ銅が29.1%減の14億40百万円(同12億円)、製造の装置材料が6.8%減の11億60百万円(同12億円)、製造の金属加工が25.8%減の25億60百万円(同38億円)としている。前回予想に比べて商社流通分野を上方修正、製造分野を下方修正した形となる。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が79.8%、営業利益が79.7%、経常利益が85.0%、親会社株主に帰属する当期純利益が74.9%と順調だった。積極的な事業展開で第4四半期の挽回、さらに24年3月期の収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価はモミ合いから上放れ

 株価は水準を切り上げて小幅レンジでのモミ合いから上放れの形となった。指標面の割安感も評価して戻りを試す展開を期待したい。3月10日の終値は1396円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS225円87銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の52円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1889円53銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約433億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[02月22日更新]

アルコニックスは煮詰まり感、23年3月期減益予想だが24年3月期収益拡大期待

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。23年3月期第3四半期累計は、一部商材の取扱数量増加や非鉄市況の上昇などで増収だったが、調達コストの上昇や販管費の増加などで減益だった。そして通期減益予想を据え置いた。ただし第3四半期累計の進捗率は順調だった。積極的な事業展開で第4四半期の挽回、さらに24年3月期の収益拡大を期待したい。株価は小幅レンジでモミ合う形だが煮詰まり感を強めている。指標面の割安感も評価してモミ合いから上放れの展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。さらに商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月には金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。また22年11月にはDKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品部の事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得した。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は商社流通60%(電子機能材22%、アルミ銅38%)で製造40%(装置材料22%、金属加工17%)だが、経常利益構成比は商社流通57%(電子機能材39%、アルミ銅18%)で製造43%(装置材料11%、金属加工31%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略により、製造(特に金属加工)も収益柱に成長している。

■高水準の投資を継続

 中期経営計画(23年3月期〜25年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、25年3月期の目標値に売上高2100億円、営業利益131億円超、経常利益130億円超、当期純利益100億円超、EBITDA175億円超、ROE(株主資本利益率)15%超、ROIC(投下資本利益率)7%以上、DOE(株主資本配当率)3.0%以上を掲げた。セグメント別経常利益は、商社流通が52億円(電子材料37億円、アルミ銅15億円)で製造が78億円(装置材料24億円、金属加工54億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、財務体質の強化、人的資源の強化、ガバナンスの強化、ESG・SDGsへの取り組み強化を推進し、高水準の投資も継続する方針だ。

 なお2月1日には、非鉄リサイクル事業を展開するグループ会社の移転および拡充を目的として土地取得(北九州市若松区)を発表した。本件土地取得を契機にグループを横断した総合リサイクルセンターを建設し、環境配慮型企業グループの実現を目指すとしている。

■23年3月期減益予想だが24年3月期収益拡大期待

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比8.8%増の1700億円、営業利益が17.4%減の91億円、経常利益が18.3%減の90億円、親会社株主帰属当期純利益が9.4%減の68億円としている。配当予想は22年3月期と同額の52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比18.9%増の1357億12百万円、営業利益が13.9%減の72億55百万円、経常利益が13.1%減の76億50百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が22.1%減の50億92百万円だった。

 売上面は一部商材の取扱数量増加、非鉄市況の上昇、自動車関連の新規案件などで増収だったが、利益面は円安による調達コストの上昇、新規連結した子会社の損益取込に伴う販管費の増加などで減益だった。営業外収益では為替差益が増加(前年同期は65百万円、今期は3億24百万円)した。特別利益では投資有価証券売却益が減少(前年同期は2億74百万円、今期は87百万円)したが、負ののれん発生益3億46百万円を計上した。特別損失ではのれん償却額1億70百万円を計上した。

 セグメント別利益(経常利益)は、商社流通の電子機能材が市況および為替要因による取扱数量増加で6.0%増の33億74百万円、商社流通のアルミ銅が調達コストの上昇で20.2%減の13億01百万円、製造の装置材料が自動車関連材料や検査・試験装置の出荷減少で10.3%減の11億06百万円、製造の金属加工が自動車関連や半導体実装装置向け部品の出荷減少で31.6%減の18億83百万円だった。

 商社流通の電子機能材は、スマホ関連需要減速の影響で二次電池材料の取扱数量が減少したが、電子部品・半導体材料向けのニッケル製品が堅調に推移した。レアメタル・レアアースは、自動車生産調整の影響で取扱数量が伸び悩んだが、市況上昇効果で売上高・利益とも増加した。

 商社流通のアルミ銅は、製品分野においては堅調な国内建設需要を背景にアルミ圧延品や伸銅品の取扱数量が増加したが、IT関連事業の減速で電子部品向け伸銅品の取扱数量が減少した。原料分野においては自動車生産調整の影響で銅・アルミスクラップおよびアルミ再生塊の取扱数量が減少したが、非鉄市況の上昇や円安の影響でアルミ再生塊の取扱数量が増加した。

 製造の装置材料は、米国および中国の両拠点でめっき材料の需要が拡大したが、装置分野において、自動車を中心とする部品調達不足に伴う顧客の操業度低下の影響により、非破壊検査およびマーキング双方の装置需要が落ち込んだ。

 製造の金属加工は、金属精密加工部品が堅調だったが、半導体実装装置向け精密切削加工部品がスマホ需要減速の影響で低調となり、精密金属プレス部品も自動車生産調整の影響で減少した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が468億37百万円、営業利益が39億31百万円、経常利益が42億51百万円、第2四半期は売上高が453億77百万円、営業利益が17億51百万円、経常利益が18億54百万円、第3四半期は売上高が434億98百万円、営業利益が15億73百万円、経常利益が15億45百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いている。コロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料の供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなど、事業環境の不透明感を考慮して期初時点で減益予想としている。セグメント別利益(経常利益)の計画は組み替えて、商社流通の電子機能材が10.1%減の38億40百万円(前回予想は28億円)、商社流通のアルミ銅が29.1%減の14億40百万円(同12億円)、製造の装置材料が6.8%減の11億60百万円(同12億円)、製造の金属加工が25.8%減の25億60百万円(同38億円)としている。前回予想に比べて商社流通分野を上方修正、製造分野を下方修正した形となる。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が79.8%、営業利益が79.7%、経常利益が85.0%、親会社株主に帰属する当期純利益が74.9%と順調だった。積極的な事業展開で第4四半期の挽回、さらに24年3月期の収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は煮詰まり感

 株価は小幅レンジでモミ合う形だが煮詰まり感を強めている。指標面の割安感も評価してモミ合いから上放れの展開を期待したい。2月21日の終値は1347円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS225円87銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の52円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1889円53銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約418億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月25日更新]

アルコニックスはモミ合い上放れ、23年3月期減益予想だが上振れ余地

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。23年3月期は生産・出荷の一時的な落ち込みなど事業環境の不透明感を考慮して減益予想としている。ただし第2四半期累計の進捗率が高水準だったことを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して上値が重く小幅レンジでモミ合う形だったが、調整一巡して上放れの動きを強めている。低PER、高配当利回り、低PBRという指標面の割安感も評価して上値を試す展開を期待したい。なお2月8日に23年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。さらに商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月には金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。また22年11月にはDKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品部の事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得した。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は商社流通60%(電子機能材22%、アルミ銅38%)で製造40%(装置材料22%、金属加工17%)だが、経常利益構成比は商社流通57%(電子機能材39%、アルミ銅18%)で製造43%(装置材料11%、金属加工31%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略により、製造(特に金属加工)も収益柱に成長している。

■高水準の投資を継続

 中期経営計画(23年3月期〜25年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、25年3月期の目標値に売上高2100億円、営業利益131億円超、経常利益130億円超、当期純利益100億円超、EBITDA175億円超、ROE(株主資本利益率)15%超、ROIC(投下資本利益率)7%以上、DOE(株主資本配当率)3.0%以上を掲げた。セグメント別経常利益は、商社流通が52億円(電子材料37億円、アルミ銅15億円)で製造が78億円(装置材料24億円、金属加工54億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、財務体質の強化、人的資源の強化、ガバナンスの強化、ESG・SDGsへの取り組み強化を推進し、高水準の投資も継続する方針だ。

■23年3月期減益予想だが上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比8.8%増の1700億円、営業利益が17.4%減の91億円、経常利益が18.3%減の90億円、親会社株主帰属当期純利益が9.4%減の68億円としている。配当予想は22年3月期と同額の52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比23.7%増の922億14百万円、営業利益が1.1%増の56億82百万円、経常利益が0.7%増の61億05百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が8.5%減の41億41百万円だった。

 売上面は取扱数量増加や市況上昇効果で大幅増収だが、利益面はスマートフォン需要減速や自動車減産の影響、円安に伴う仕入・調達コスト上昇、新規連結(ジュピター工業の損益を第2四半期から取り込み)に伴う販管費の増加などで営業・経常利益横ばいだった。営業外収益では為替差益が減少(前年同期は1億17百万円、今期は32百万円)したが、デリバティブ評価益が増加(前年同期は1億11百万円、今期は3億22百万円)した。特別利益では投資有価証券売却益が減少(前年同期は2億68百万円、今期は87百万円)したが、負ののれん発生益1億84百万円を計上した。

 セグメント別利益(経常利益)は、商社流通の電子機能材が32.5%増の25億69百万円、商社流通のアルミ銅が21.7%減の11億47百万円、製造の装置材料が38.3%増の10億21百万円、製造の金属加工が26.3%減の14億01百万円だった。

 商社流通の電子機能材は、二次電池材料が減少したが、電子部品や半導体材料向けを中心にニッケル製品の取扱高が増加し、レアメタル・レアアースの市況上昇も寄与した。商社流通のアルミ銅は、製品分野でアルミ圧延品や伸銅品が増加したが、自動車減産の影響で原料分野の銅・アルミスクラップおよびアルミ再生塊の取扱数量が減少した。製造の装置材料は、材料分野のカーボンブラシや装置分野の非破壊検査などが減少したが、材料分野で米国および中国のめっき材料の出荷が大幅に増加した。製造の金属加工は、金属精密加工部品が堅調だったが、半導体実装装置向け精密切削加工部品がスマートフォン向け需要の冷え込みで低調となり、金属精密プレス部品も自動車減産の影響で低調だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が468億37百万円、営業利益が39億31百万円、経常利益が42億51百万円、第2四半期は売上高が453億77百万円、営業利益が17億51百万円、経常利益が18億54百万円だった。

 通期予想は据え置いている。セグメント別利益(経常利益)計画は商社流通の電子機能材が34.5%減の28億円、商社流通のアルミ銅が41.0%減の12億円、製造の装置材料が3.7%減の12億円、製造の金属加工が10.2%増の38億円としている。電子機能材は半導体不足によるIT機器や自動車の生産調整の影響で減益、アルミ銅は前期の市況価格上昇の影響が剥落して減益、装置材料は原材料高の影響で減益、金属加工は半導体製造装置向けを中心とする出荷増で増益の見込みとしている。

 23年3月期はコロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料の供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなど、事業環境の不透明感を考慮して期初時点で減益予想としている。ただし通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が54.2%、営業利益が62.4%、経常利益が67.8%、親会社株主に帰属する当期純利益が60.9%と高水準だった。この点を勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価はモミ合い上放れ

 株価は地合い悪化も影響して上値が重く小幅レンジでモミ合う形だったが、調整一巡して上放れの動きを強めている。低PER、高配当利回り、低PBRという指標面の割安感も評価して上値を試す展開を期待したい。1月24日の終値は1393円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS226円14銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の52円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1889円53銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約432億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月05日更新]

アルコニックスは下値固め完了、23年3月期減益予想だが上振れ余地

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。23年3月期は生産・出荷の一時的な落ち込みなど事業環境の不透明感を考慮して減益予想としている。ただし第2四半期累計の進捗率が高水準だったことを勘案すれば、通期会社予想は上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して反発力の鈍い形だが、大きく下押す動きも見られず下値固め完了感を強めている。低PER、高配当利回り、低PBRという指標面の割安感も再評価して出直りを期待したい。なお2月8日に23年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。さらに商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月には金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。また22年11月にはDKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品部の事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得した。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は商社流通60%(電子機能材22%、アルミ銅38%)で製造40%(装置材料22%、金属加工17%)だが、経常利益構成比は商社流通57%(電子機能材39%、アルミ銅18%)で製造43%(装置材料11%、金属加工31%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略により、製造(特に金属加工)も収益柱に成長している。

■高水準の投資を継続

 中期経営計画(23年3月期〜25年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、25年3月期の目標値に売上高2100億円、営業利益131億円超、経常利益130億円超、当期純利益100億円超、EBITDA175億円超、ROE(株主資本利益率)15%超、ROIC(投下資本利益率)7%以上、DOE(株主資本配当率)3.0%以上を掲げた。セグメント別経常利益は、商社流通が52億円(電子材料37億円、アルミ銅15億円)で製造が78億円(装置材料24億円、金属加工54億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、財務体質の強化、人的資源の強化、ガバナンスの強化、ESG・SDGsへの取り組み強化を推進し、高水準の投資も継続する方針だ。

■23年3月期減益予想だが上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比8.8%増の1700億円、営業利益が17.4%減の91億円、経常利益が18.3%減の90億円、親会社株主帰属当期純利益が9.4%減の68億円としている。配当予想は22年3月期と同額の52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比23.7%増の922億14百万円、営業利益が1.1%増の56億82百万円、経常利益が0.7%増の61億05百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が8.5%減の41億41百万円だった。

 売上面は取扱数量増加や市況上昇効果で大幅増収だが、利益面はスマートフォン需要減速や自動車減産の影響、円安に伴う仕入・調達コスト上昇、新規連結(ジュピター工業の損益を第2四半期から取り込み)に伴う販管費の増加などで営業・経常利益横ばいだった。営業外収益では為替差益が減少(前年同期は1億17百万円、今期は32百万円)したが、デリバティブ評価益が増加(前年同期は1億11百万円、今期は3億22百万円)した。特別利益では投資有価証券売却益が減少(前年同期は2億68百万円、今期は87百万円)したが、負ののれん発生益1億84百万円を計上した。

 セグメント別利益(経常利益)は、商社流通の電子機能材が32.5%増の25億69百万円、商社流通のアルミ銅が21.7%減の11億47百万円、製造の装置材料が38.3%増の10億21百万円、製造の金属加工が26.3%減の14億01百万円だった。

 商社流通の電子機能材は、二次電池材料が減少したが、電子部品や半導体材料向けを中心にニッケル製品の取扱高が増加し、レアメタル・レアアースの市況上昇も寄与した。商社流通のアルミ銅は、製品分野でアルミ圧延品や伸銅品が増加したが、自動車減産の影響で原料分野の銅・アルミスクラップおよびアルミ再生塊の取扱数量が減少した。製造の装置材料は、材料分野のカーボンブラシや装置分野の非破壊検査などが減少したが、材料分野で米国および中国のめっき材料の出荷が大幅に増加した。製造の金属加工は、金属精密加工部品が堅調だったが、半導体実装装置向け精密切削加工部品がスマートフォン向け需要の冷え込みで低調となり、金属精密プレス部品も自動車減産の影響で低調だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が468億37百万円、営業利益が39億31百万円、経常利益が42億51百万円、第2四半期は売上高が453億77百万円、営業利益が17億51百万円、経常利益が18億54百万円だった。

 通期予想は据え置いている。セグメント別利益(経常利益)計画は商社流通の電子機能材が34.5%減の28億円、商社流通のアルミ銅が41.0%減の12億円、製造の装置材料が3.7%減の12億円、製造の金属加工が10.2%増の38億円としている。電子機能材は半導体不足によるIT機器や自動車の生産調整の影響で減益、アルミ銅は前期の市況価格上昇の影響が剥落して減益、装置材料は原材料高の影響で減益、金属加工は半導体製造装置向けを中心とする出荷増で増益の見込みとしている。

 コロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料の供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなど、事業環境の不透明感を考慮して期初時点で減益予想としている。そして通期予想を据え置いた。ただし通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が54.2%、営業利益が62.4%、経常利益が67.8%、親会社株主に帰属する当期純利益が60.9%と高水準だったことを勘案すれば、通期会社予想は上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は下値固め完了

 株価は地合い悪化も影響して反発力の鈍い形だが、大きく下押す動きも見られず下値固め完了感を強めている。低PER、高配当利回り、低PBRという指標面の割安感も再評価して出直りを期待したい。1月4日の終値は1318円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS226円14銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の52円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1889円53銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約409億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月19日更新]

アルコニックスは下値固め完了、23年3月期減益予想だが上振れ余地

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。23年3月期はコロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料の供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなど、事業環境の不透明感を考慮して期初時点で減益予想としている。ただし第2四半期累計の進捗率が高水準だったことを勘案すれば、通期会社予想は上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は反発力が鈍くモミ合う形だが大きく下押す動きも見られない。低PER、高配当利回り、低PBRという指標面の割安感も評価材料であり、下値固め完了して戻りを試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。さらに商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月には金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。また22年11月にはDKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品部の事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得した。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始している。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は商社流通60%(電子機能材22%、アルミ銅38%)で製造40%(装置材料22%、金属加工17%)だが、経常利益構成比は商社流通57%(電子機能材39%、アルミ銅18%)で製造43%(装置材料11%、金属加工31%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略により、製造(特に金属加工)も収益柱に成長している。

■高水準の投資を継続

 中期経営計画(23年3月期〜25年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、25年3月期の目標値に売上高2100億円、営業利益131億円超、経常利益130億円超、当期純利益100億円超、EBITDA175億円超、ROE(株主資本利益率)15%超、ROIC(投下資本利益率)7%以上、DOE(株主資本配当率)3.0%以上を掲げた。セグメント別経常利益は、商社流通が52億円(電子材料37億円、アルミ銅15億円)で製造が78億円(装置材料24億円、金属加工54億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、財務体質の強化、人的資源の強化、ガバナンスの強化、ESG・SDGsへの取り組み強化を推進し、高水準の投資も継続する方針だ。

■23年3月期減益予想だが上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比8.8%増の1700億円、営業利益が17.4%減の91億円、経常利益が18.3%減の90億円、親会社株主帰属当期純利益が9.4%減の68億円としている。配当予想は22年3月期と同額の52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比23.7%増の922億14百万円、営業利益が1.1%増の56億82百万円、経常利益が0.7%増の61億05百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が8.5%減の41億41百万円だった。

 売上面は取扱数量増加や市況上昇効果で大幅増収だが、利益面はスマートフォン需要減速や自動車減産の影響、円安に伴う仕入・調達コスト上昇、新規連結(ジュピター工業の損益を第2四半期から取り込み)に伴う販管費の増加などで営業・経常利益横ばいだった。営業外収益では為替差益が減少(前年同期は1億17百万円、今期は32百万円)したが、デリバティブ評価益が増加(前年同期は1億11百万円、今期は3億22百万円)した。特別利益では投資有価証券売却益が減少(前年同期は2億68百万円、今期は87百万円)したが、負ののれん発生益1億84百万円を計上した。

 セグメント別利益(経常利益)は、商社流通の電子機能材が32.5%増の25億69百万円、商社流通のアルミ銅が21.7%減の11億47百万円、製造の装置材料が38.3%増の10億21百万円、製造の金属加工が26.3%減の14億01百万円だった。

 商社流通の電子機能材は、二次電池材料が減少したが、電子部品や半導体材料向けを中心にニッケル製品の取扱高が増加し、レアメタル・レアアースの市況上昇も寄与した。商社流通のアルミ銅は、製品分野でアルミ圧延品や伸銅品が増加したが、自動車減産の影響で原料分野の銅・アルミスクラップおよびアルミ再生塊の取扱数量が減少した。製造の装置材料は、材料分野のカーボンブラシや装置分野の非破壊検査などが減少したが、材料分野で米国および中国のめっき材料の出荷が大幅に増加した。製造の金属加工は、金属精密加工部品が堅調だったが、半導体実装装置向け精密切削加工部品がスマートフォン向け需要の冷え込みで低調となり、金属精密プレス部品も自動車減産の影響で低調だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が468億37百万円、営業利益が39億31百万円、経常利益が42億51百万円、第2四半期は売上高が453億77百万円、営業利益が17億51百万円、経常利益が18億54百万円だった。

 通期予想は据え置いている。セグメント別利益(経常利益)計画は商社流通の電子機能材が34.5%減の28億円、商社流通のアルミ銅が41.0%減の12億円、製造の装置材料が3.7%減の12億円、製造の金属加工が10.2%増の38億円としている。電子機能材は半導体不足によるIT機器や自動車の生産調整の影響で減益、アルミ銅は前期の市況価格上昇の影響が剥落して減益、装置材料は原材料高の影響で減益、金属加工は半導体製造装置向けを中心とする出荷増で増益の見込みとしている。

 コロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料の供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなど、事業環境の不透明感を考慮して期初時点で減益予想としている。そして通期予想を据え置いた。ただし通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が54.2%、営業利益が62.4%、経常利益が67.8%、親会社株主に帰属する当期純利益が60.9%と高水準だったことを勘案すれば、通期会社予想は上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は下値固め完了

 株価は反発力が鈍くモミ合う形だが大きく下押す動きも見られない。低PER、高配当利回り、低PBRという指標面の割安感も評価材料であり、下値固め完了して戻りを試す展開を期待したい。12月16日の終値は1321円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS226円14銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の52円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1889円53銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約410億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月29日更新]

アルコニックスは調整一巡、23年3月期減益予想だが上振れ余地

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。23年3月期第2四半期累計は取扱数量増加や市況上昇効果で大幅増収だが、利益面はスマートフォン需要減速や自動車減産の影響、円安に伴う仕入・調達コスト上昇、新規連結に伴う販管費の増加などで営業・経常利益横ばいだった。そして通期減益予想を据え置いた。ただし第2四半期累計の進捗率が高水準だったことを勘案すれば、通期会社予想は上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は反発力が鈍く上値の重い形だが、一方では大きく下押す動きも見られない。指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。さらに商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月(予定)には、金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化する。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。

 22年11月にはDKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンの金属製品部の事業(チタン展伸材の欧州向け輸出など)の全てを取得した。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始している。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は商社流通60%(電子機能材22%、アルミ銅38%)で製造40%(装置材料22%、金属加工17%)だが、経常利益構成比は商社流通57%(電子機能材39%、アルミ銅18%)で製造43%(装置材料11%、金属加工31%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略により、製造(特に金属加工)も収益柱に成長している。

■高水準の投資を継続

 中期経営計画(23年3月期〜25年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、25年3月期の目標値に売上高2100億円、営業利益131億円超、経常利益130億円超、当期純利益100億円超、EBITDA175億円超、ROE(株主資本利益率)15%超、ROIC(投下資本利益率)7%以上、DOE(株主資本配当率)3.0%以上を掲げた。セグメント別経常利益は、商社流通が52億円(電子材料37億円、アルミ銅15億円)で製造が78億円(装置材料24億円、金属加工54億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、財務体質の強化、人的資源の強化、ガバナンスの強化、ESG・SDGsへの取り組み強化を推進し、高水準の投資も継続する方針だ。

■23年3月期2Q累計営業・経常利益横ばい、通期減益予想据え置き

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比8.8%増の1700億円、営業利益が17.4%減の91億円、経常利益が18.3%減の90億円、親会社株主帰属当期純利益が9.4%減の68億円としている。配当予想は22年3月期と同額の52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比23.7%増の922億14百万円、営業利益が1.1%増の56億82百万円、経常利益が0.7%増の61億05百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が8.5%減の41億41百万円だった。

 売上面は取扱数量増加や市況上昇効果で大幅増収だが、利益面はスマートフォン需要減速や自動車減産の影響、円安に伴う仕入・調達コスト上昇、新規連結(ジュピター工業の損益を第2四半期から取り込み)に伴う販管費の増加などで営業・経常利益横ばいだった。営業外収益では為替差益が減少(前年同期は1億17百万円、今期は32百万円)したが、デリバティブ評価益が増加(前年同期は1億11百万円、今期は3億22百万円)した。特別利益では投資有価証券売却益が減少(前年同期は2億68百万円、今期は87百万円)したが、負ののれん発生益1億84百万円を計上した。

 セグメント別利益(経常利益)は、商社流通の電子機能材が32.5%増の25億69百万円、商社流通のアルミ銅が21.7%減の11億47百万円、製造の装置材料が38.3%増の10億21百万円、製造の金属加工が26.3%減の14億01百万円だった。

 商社流通の電子機能材は、二次電池材料が減少したが、電子部品や半導体材料向けを中心にニッケル製品の取扱高が増加し、レアメタル・レアアースの市況上昇も寄与した。商社流通のアルミ銅は、製品分野でアルミ圧延品や伸銅品が増加したが、自動車減産の影響で原料分野の銅・アルミスクラップおよびアルミ再生塊の取扱数量が減少した。製造の装置材料は、材料分野のカーボンブラシや装置分野の非破壊検査などが減少したが、材料分野で米国および中国のめっき材料の出荷が大幅に増加した。製造の金属加工は、金属精密加工部品が堅調だったが、半導体実装装置向け精密切削加工部品がスマートフォン向け需要の冷え込みで低調となり、金属精密プレス部品も自動車減産の影響で低調だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が468億37百万円、営業利益が39億31百万円、経常利益が42億51百万円、第2四半期は売上高が453億77百万円、営業利益が17億51百万円、経常利益が18億54百万円だった。

 通期予想は据え置いている。セグメント別利益(経常利益)計画は商社流通の電子機能材が34.5%減の28億円、商社流通のアルミ銅が41.0%減の12億円、製造の装置材料が3.7%減の12億円、製造の金属加工が10.2%増の38億円としている。電子機能材は半導体不足によるIT機器や自動車の生産調整の影響で減益、アルミ銅は前期の市況価格上昇の影響が剥落して減益、装置材料は原材料高の影響で減益、金属加工は半導体製造装置向けを中心とする出荷増で増益の見込みとしている。

 コロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料の供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなど、事業環境の不透明感を考慮して期初時点で減益予想としている。そして通期予想を据え置いた。ただし通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が54.2%、営業利益が62.4%、経常利益が67.8%、親会社株主に帰属する当期純利益が60.9%と高水準だったことを勘案すれば、通期会社予想は上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は反発力が鈍く上値の重い形だが、一方では大きく下押す動きも見られない。低PER、高配当利回り、低PBRという指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。11月28日の終値は1336円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS226円14銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の52円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1889円53銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約414億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月09日更新]

アルコニックスは23年3月期2Q累計営業・経常利益横ばい、通期減益予想据え置き

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は11月8日の取引時間中に23年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。売上面は取扱数量増加や市況上昇効果で大幅増収だが、利益面はスマートフォン需要減速や自動車減産の影響、円安に伴う仕入・調達コスト上昇、新規連結に伴う販管費の増加などで営業・経常利益横ばいだった。そして通期の減益予想を据え置いた。ただし第2四半期累計の進捗率が高水準だったことを勘案すれば、通期会社予想は上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は第2四半期累計業績を嫌気する動きとなったが、指標面の割安感を評価すれば下値限定的だろう。目先的な売り一巡して出直りを期待したい。

■23年3月期2Q累計営業・経常利益横ばい、通期減益予想据え置き

 23年3月期第2四半期累計連結業績は売上高が前年同期比23.7%増の922億14百万円、営業利益が1.1%増の56億82百万円、経常利益が0.7%増の61億05百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が8.5%減の41億41百万円だった。

 売上面は取扱数量増加や市況上昇効果で大幅増収だが、利益面はスマートフォン需要減速や自動車減産の影響、円安に伴う仕入・調達コスト上昇、新規連結(ジュピター工業の損益を第2四半期から取り込み)に伴う販管費の増加などで営業・経常利益横ばいだった。営業外収益では為替差益が減少(前年同期は1億17百万円、今期は32百万円)したが、デリバティブ評価益が増加(前年同期は1億11百万円、今期は3億22百万円)した。特別利益では投資有価証券売却益が減少(前年同期は2億68百万円、今期は87百万円)したが、負ののれん発生益1億84百万円を計上した。

 セグメント別利益(経常利益)は、商社流通の電子機能材が32.5%増の25億69百万円、商社流通のアルミ銅が21.7%減の11億47百万円、製造の装置材料が38.3%増の10億21百万円、製造の金属加工が26.3%減の14億01百万円だった。

 商社流通の電子機能材は、二次電池材料が減少したが、電子部品や半導体材料向けを中心にニッケル製品の取扱高が増加し、レアメタル・レアアースの市況上昇も寄与した。商社流通のアルミ銅は、製品分野でアルミ圧延品や伸銅品が増加したが、自動車減産の影響で原料分野の銅・アルミスクラップおよびアルミ再生塊の取扱数量が減少した。製造の装置材料は、材料分野のカーボンブラシや装置分野の非破壊検査などが減少したが、材料分野で米国および中国のめっき材料の出荷が大幅に増加した。製造の金属加工は、金属精密加工部品が堅調だったが、半導体実装装置向け精密切削加工部品がスマートフォン向け需要の冷え込みで低調となり、金属精密プレス部品も自動車減産の影響で低調だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が468億37百万円、営業利益が39億31百万円、経常利益が42億51百万円、第2四半期は売上高が453億77百万円、営業利益が17億51百万円、経常利益が18億54百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比8.8%増の1700億円、営業利益が17.4%減の91億円、経常利益が18.3%減の90億円、親会社株主に帰属する当期純利益が9.4%減の68億円としている。配当予想は22年3月期と同額の52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。

 セグメント別利益(経常利益)計画は商社流通の電子機能材が34.5%減の28億円、商社流通のアルミ銅が41.0%減の12億円、製造の装置材料が3.7%減の12億円、製造の金属加工が10.2%増の38億円としている。

 23年3月期は、コロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料の供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなど、事業環境の不透明感を考慮して期初時点で減益予想としている。そして通期予想を据え置いた。ただし通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が54.2%、営業利益が62.4%、経常利益が67.8%、親会社株主に帰属する当期純利益が60.9%と高水準だったことを勘案すれば、通期会社予想は上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は目先的な売り一巡

 株価は第2四半期累計業績を嫌気する動きとなったが、指標面の割安感を評価すれば下値限定的だろう。目先的な売り一巡して出直りを期待したい。11月8日の終値は1300円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS226円14銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の52円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1889円53銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約403億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月31日更新]

アルコニックスは調整一巡、23年3月期は上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。23年3月期はコロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなどを想定して減益予想としている。ただし第1四半期が半導体・電子部品関連の需要好調や市況・為替要因などで大幅増収増益となり、進捗率も高水準だったことを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形だが、一方では大きく下押す動きも見られない。指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。なお11月8日に23年3月期第2四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。さらに商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月(予定)には、金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化する。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始している。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は商社流通60%(電子機能材22%、アルミ銅38%)で製造40%(装置材料22%、金属加工17%)だが、経常利益構成比は商社流通57%(電子機能材39%、アルミ銅18%)で製造43%(装置材料11%、金属加工31%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略により、製造(特に金属加工)も収益柱に成長している。

■高水準の投資を継続

 中期経営計画(23年3月期〜25年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、25年3月期の目標値に売上高2100億円、営業利益131億円超、経常利益130億円超、当期純利益100億円超、EBITDA175億円超、ROE(株主資本利益率)15%超、ROIC(投下資本利益率)7%以上、DOE(株主資本配当率)3.0%以上を掲げた。セグメント別経常利益は、商社流通が52億円(電子材料37億円、アルミ銅15億円)で製造が78億円(装置材料24億円、金属加工54億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、財務体質の強化、人的資源の強化、ガバナンスの強化、ESG・SDGsへの取り組み強化を推進し、高水準の投資も継続する方針だ。

■23年3月期減益予想だが上振れの可能性

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比8.7%増の1700億円、営業利益が17.4%減の91億円、経常利益が18.3%減の90億円、親会社株主帰属当期純利益が9.4%減の68億円としている。配当予想は22年3月期と同額の52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比26.8%増の468億37百万円、営業利益が29.0%増の39億31百万円、経常利益が21.9%増の42億51百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が11.6%増の27億18百万円だった。自動車関連が減産の影響を受けたが、半導体・電子部品関連の需要が高水準に推移し、市況や為替要因も寄与して大幅増収増益だった。

 セグメント別の利益(経常利益)は、商社流通の電子機能材事業が77.4%増の18億30百万円、商社流通のアルミ銅事業が4.6%減の9億62百万円、製造の装置材料事業が20.9%増の4億26百万円、製造の金属加工事業が3.8%減の10億37百万円だった。

 商社流通の電子機能材事業では電子部品や二次電池材料の取扱高が増加し、レアメタル・レアアースの市況上昇も寄与した。商社流通のアルミ銅事業では、半導体・電子部品や建設関連のアルミ圧延品や伸銅品が増加したが、自動車減産の影響で銅・アルミスクラップおよびアルミ再生塊の取扱数量が減少した。製造の装置材料事業では米国および中国の拠点でめっき材料の出荷が増加した。製造の金属加工事業では、半導体製造装置向け精密切削加工部品が堅調に推移し、空調機器向け金属加工部品も増加したが、精密研削加工部品が部品調達難の影響で減少、金属精密プレス部品が自動車減産の影響で減少した。

 通期予想は不透明感を考慮して据え置いている。コロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなどを想定して減益予想としている。

 セグメント別利益(経常利益)の計画は、商社流通の電子機能材事業が34.5%減の28億円、商社流通のアルミ銅事業が41.0%減の12億円、製造の装置材料事業が3.7%減の12億円、製造の金属加工事業が10.2%増の38億円としている。電子機能材は半導体不足によるIT機器や自動車の生産調整の影響で減益、アルミ銅は前期の市況価格上昇の影響が剥落して減益、装置材料は原材料高の影響で減益、金属加工は半導体製造装置向けを中心とする出荷増で増益の見込みとしている。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高27.6%、営業利益43.2%、経常利益47.2%、親会社株主に帰属する当期純利益40.0%と高水準だった。第1四半期が半導体・電子部品関連の需要好調や市況・為替要因などで大幅増収増益となり、進捗率も高水準だったことを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形だが、一方では大きく下押す動きも見られない。低PER、高配当利回り、低PBRという指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。10月28日の終値は1331円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS226円14銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の52円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1889円53銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約413億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月17日更新]

アルコニックスは調整一巡、23年3月期減益予想だが上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。23年3月期はコロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなどを想定して減益予想としている。ただし第1四半期が半導体・電子部品関連の需要好調や市況・為替要因などで大幅増収増益だったことなどを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して反発力の鈍い展開だが、一方では大きく下押す動きは見られない。低PERなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。なお11月8日に23年3月期第2四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。さらに商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月(予定)には、金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化する。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始している。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は商社流通60%(電子機能材22%、アルミ銅38%)で製造40%(装置材料22%、金属加工17%)だが、経常利益構成比は商社流通57%(電子機能材39%、アルミ銅18%)で製造43%(装置材料11%、金属加工31%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略により、製造(特に金属加工)も収益柱に成長している。

■高水準の投資を継続

 中期経営計画(23年3月期〜25年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、25年3月期の目標値に売上高2100億円、営業利益131億円超、経常利益130億円超、当期純利益100億円超、EBITDA175億円超、ROE(株主資本利益率)15%超、ROIC(投下資本利益率)7%以上、DOE(株主資本配当率)3.0%以上を掲げた。セグメント別経常利益は、商社流通が52億円(電子材料37億円、アルミ銅15億円)で製造が78億円(装置材料24億円、金属加工54億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、財務体質の強化、人的資源の強化、ガバナンスの強化、ESG・SDGsへの取り組み強化を推進し、高水準の投資も継続する方針だ。

■23年3月期減益予想だが上振れの可能性

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比8.7%増の1700億円、営業利益が17.4%減の91億円、経常利益が18.3%減の90億円、親会社株主帰属当期純利益が9.4%減の68億円としている。配当予想は22年3月期と同額の52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比26.8%増の468億37百万円、営業利益が29.0%増の39億31百万円、経常利益が21.9%増の42億51百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が11.6%増の27億18百万円だった。自動車関連が減産の影響を受けたが、半導体・電子部品関連の需要が高水準に推移し、市況や為替要因も寄与して大幅増収増益だった。

 セグメント別の利益(経常利益)は、商社流通の電子機能材事業が77.4%増の18億30百万円、商社流通のアルミ銅事業が4.6%減の9億62百万円、製造の装置材料事業が20.9%増の4億26百万円、製造の金属加工事業が3.8%減の10億37百万円だった。

 商社流通の電子機能材事業では電子部品や二次電池材料の取扱高が増加し、レアメタル・レアアースの市況上昇も寄与した。商社流通のアルミ銅事業では、半導体・電子部品や建設関連のアルミ圧延品や伸銅品が増加したが、自動車減産の影響で銅・アルミスクラップおよびアルミ再生塊の取扱数量が減少した。製造の装置材料事業では米国および中国の拠点でめっき材料の出荷が増加した。製造の金属加工事業では、半導体製造装置向け精密切削加工部品が堅調に推移し、空調機器向け金属加工部品も増加したが、精密研削加工部品が部品調達難の影響で減少、金属精密プレス部品が自動車減産の影響で減少した。

 通期予想は不透明感を考慮して据え置いている。コロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなどを想定して減益予想としている。

 セグメント別利益(経常利益)の計画は、商社流通の電子機能材事業が34.5%減の28億円、商社流通のアルミ銅事業が41.0%減の12億円、製造の装置材料事業が3.7%減の12億円、製造の金属加工事業が10.2%増の38億円としている。電子機能材は半導体不足によるIT機器や自動車の生産調整の影響で減益、アルミ銅は前期の市況価格上昇の影響が剥落して減益、装置材料は原材料高の影響で減益、金属加工は半導体製造装置向けを中心とする出荷増で増益の見込みとしている。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高27.6%、営業利益43.2%、経常利益47.2%、親会社株主に帰属する当期純利益40.0%と高水準だった。第1四半期が半導体・電子部品関連の需要好調や市況・為替要因などで大幅増収増益だったことなどを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響して反発力の鈍い展開だが、一方では大きく下押す動きは見られない。低PERなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。10月14日の終値は1340円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS226円14銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の52円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1889円53銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約416億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月28日更新]

アルコニックスは調整一巡、23年3月期減益予想だが上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。23年3月期はコロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなどを想定して減益予想としている。ただし第1四半期が半導体・電子部品関連の需要好調や市況・為替要因などで大幅増収増益だったことを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻り高値圏から反落し、地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、大きく下押す動きは見られない。指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。さらに商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月(予定)には、金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化する。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始している。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は商社流通60%(電子機能材22%、アルミ銅38%)で製造40%(装置材料22%、金属加工17%)だが、経常利益構成比は商社流通57%(電子機能材39%、アルミ銅18%)で製造43%(装置材料11%、金属加工31%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略により、製造(特に金属加工)も収益柱に成長している。

■高水準の投資を継続

 中期経営計画(23年3月期〜25年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、25年3月期の目標値に売上高2100億円、営業利益131億円超、経常利益130億円超、当期純利益100億円超、EBITDA175億円超、ROE(株主資本利益率)15%超、ROIC(投下資本利益率)7%以上、DOE(株主資本配当率)3.0%以上を掲げた。セグメント別経常利益は、商社流通が52億円(電子材料37億円、アルミ銅15億円)で製造が78億円(装置材料24億円、金属加工54億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、財務体質の強化、人的資源の強化、ガバナンスの強化、ESG・SDGsへの取り組み強化を推進し、高水準の投資も継続する方針だ。

■23年3月期減益予想だが上振れの可能性

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比8.7%増の1700億円、営業利益が17.4%減の91億円、経常利益が18.3%減の90億円、親会社株主帰属当期純利益が9.4%減の68億円としている。配当予想は22年3月期と同額の52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比26.8%増の468億37百万円、営業利益が29.0%増の39億31百万円、経常利益が21.9%増の42億51百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が11.6%増の27億18百万円だった。自動車関連が減産の影響を受けたが、半導体・電子部品関連の需要が高水準に推移し、市況や為替要因も寄与して大幅増収増益だった。

 セグメント別の利益(経常利益)は、商社流通の電子機能材事業が77.4%増の18億30百万円、商社流通のアルミ銅事業が4.6%減の9億62百万円、製造の装置材料事業が20.9%増の4億26百万円、製造の金属加工事業が3.8%減の10億37百万円だった。

 商社流通の電子機能材事業では電子部品や二次電池材料の取扱高が増加し、レアメタル・レアアースの市況上昇も寄与した。商社流通のアルミ銅事業では、半導体・電子部品や建設関連のアルミ圧延品や伸銅品が増加したが、自動車減産の影響で銅・アルミスクラップおよびアルミ再生塊の取扱数量が減少した。製造の装置材料事業では米国および中国の拠点でめっき材料の出荷が増加した。製造の金属加工事業では、半導体製造装置向け精密切削加工部品が堅調に推移し、空調機器向け金属加工部品も増加したが、精密研削加工部品が部品調達難の影響で減少、金属精密プレス部品が自動車減産の影響で減少した。

 通期予想は不透明感を考慮して据え置いている。コロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなどを想定して減益予想としている。

 セグメント別利益(経常利益)の計画は、商社流通の電子機能材事業が34.5%減の28億円、商社流通のアルミ銅事業が41.0%減の12億円、製造の装置材料事業が3.7%減の12億円、製造の金属加工事業が10.2%増の38億円としている。電子機能材は半導体不足によるIT機器や自動車の生産調整の影響で減益、アルミ銅は前期の市況価格上昇の影響が剥落して減益、装置材料は原材料高の影響で減益、金属加工は半導体製造装置向けを中心とする出荷増で増益の見込みとしている。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高27.6%、営業利益43.2%、経常利益47.2%、親会社株主に帰属する当期純利益40.0%と高水準だった。第1四半期が半導体・電子部品関連の需要好調や市況・為替要因などで大幅増収増益だったことを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は戻り高値圏から反落し、地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、大きく下押す動きは見られない。指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。9月27日の終値は1332円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS226円14銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の52円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1889円53銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約413億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月07日更新]

アルコニックスは調整一巡、23年3月期減益予想だが上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。23年3月期はコロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなどを想定して減益予想としているが、第1四半期が半導体・電子部品関連の需要好調や市況・為替要因などで大幅増収増益だったことを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻り一服の形となったが、年初来安値圏に回帰する動きは見られない。指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。さらに商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月(予定)には、金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化する。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始している。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は商社流通60%(電子機能材22%、アルミ銅38%)で製造40%(装置材料22%、金属加工17%)だが、経常利益構成比は商社流通57%(電子機能材39%、アルミ銅18%)で製造43%(装置材料11%、金属加工31%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略により、製造(特に金属加工)も収益柱に成長している。

■高水準の投資を継続

 中期経営計画(23年3月期〜25年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、25年3月期の目標値に売上高2100億円、営業利益131億円超、経常利益130億円超、当期純利益100億円超、EBITDA175億円超、ROE(株主資本利益率)15%超、ROIC(投下資本利益率)7%以上、DOE(株主資本配当率)3.0%以上を掲げた。セグメント別経常利益は、商社流通が52億円(電子材料37億円、アルミ銅15億円)で製造が78億円(装置材料24億円、金属加工54億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、財務体質の強化、人的資源の強化、ガバナンスの強化、ESG・SDGsへの取り組み強化を推進し、高水準の投資も継続する方針だ。

■23年3月期減益予想だが上振れの可能性

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比8.7%増の1700億円、営業利益が17.4%減の91億円、経常利益が18.3%減の90億円、親会社株主帰属当期純利益が9.4%減の68億円としている。配当予想は22年3月期と同額の52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比26.8%増の468億37百万円、営業利益が29.0%増の39億31百万円、経常利益が21.9%増の42億51百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が11.6%増の27億18百万円だった。自動車関連が減産の影響を受けたが、半導体・電子部品関連の需要が高水準に推移し、市況や為替要因も寄与して大幅増収増益だった。

 セグメント別の利益(経常利益)は、商社流通の電子機能材事業が77.4%増の18億30百万円、商社流通のアルミ銅事業が4.6%減の9億62百万円、製造の装置材料事業が20.9%増の4億26百万円、製造の金属加工事業が3.8%減の10億37百万円だった。

 商社流通の電子機能材事業では電子部品や二次電池材料の取扱高が増加し、レアメタル・レアアースの市況上昇も寄与した。商社流通のアルミ銅事業では、半導体・電子部品や建設関連のアルミ圧延品や伸銅品が増加したが、自動車減産の影響で銅・アルミスクラップおよびアルミ再生塊の取扱数量が減少した。製造の装置材料事業では米国および中国の拠点でめっき材料の出荷が増加した。製造の金属加工事業では、半導体製造装置向け精密切削加工部品が堅調に推移し、空調機器向け金属加工部品も増加したが、精密研削加工部品が部品調達難の影響で減少、金属精密プレス部品が自動車減産の影響で減少した。

 通期予想は不透明感を考慮して据え置いている。コロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなどを想定して減益予想としている。

 セグメント別利益(経常利益)の計画は、商社流通の電子機能材事業が34.5%減の28億円、商社流通のアルミ銅事業が41.0%減の12億円、製造の装置材料事業が3.7%減の12億円、製造の金属加工事業が10.2%増の38億円としている。電子機能材は半導体不足によるIT機器や自動車の生産調整の影響で減益、アルミ銅は前期の市況価格上昇の影響が剥落して減益、装置材料は原材料高の影響で減益、金属加工は半導体製造装置向けを中心とする出荷増で増益の見込みとしている。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高27.6%、営業利益43.2%、経常利益47.2%、親会社株主に帰属する当期純利益40.0%と高水準だった。第1四半期が半導体・電子部品関連の需要好調や市況・為替要因などで大幅増収増益だったことを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は戻り一服の形となったが、年初来安値圏に回帰する動きは見られない。指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。9月6日の終値は1375円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS226円14銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の52円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1889円53銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約426億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月19日更新]

アルコニックスは戻り試す、23年3月期1Q大幅増益、通期減益予想だが上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。23年3月期第1四半期の連結業績は自動車関連が減産の影響を受けたが、半導体・電子部品関連の需要が高水準に推移し、市況や為替要因も寄与して大幅増収増益だった。不透明感を考慮して通期減益予想を据え置いたが、会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は調整一巡して切り返しの動きを強めている。指標面の割安感も評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。さらに商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化した。また、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。22年7月には各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 22年11月(予定)には、金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化する。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始している。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は商社流通60%(電子機能材22%、アルミ銅38%)で製造40%(装置材料22%、金属加工17%)だが、経常利益構成比は商社流通57%(電子機能材39%、アルミ銅18%)で製造43%(装置材料11%、金属加工31%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略により、製造(特に金属加工)も収益柱に成長している。

■高水準の投資を継続

 中期経営計画(23年3月期〜25年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、25年3月期の目標値に売上高2100億円、営業利益131億円超、経常利益130億円超、当期純利益100億円超、EBITDA175億円超、ROE(株主資本利益率)15%超、ROIC(投下資本利益率)7%以上、DOE(株主資本配当率)3.0%以上を掲げた。セグメント別経常利益は、商社流通が52億円(電子材料37億円、アルミ銅15億円)で製造が78億円(装置材料24億円、金属加工54億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、財務体質の強化、人的資源の強化、ガバナンスの強化、ESG・SDGsへの取り組み強化を推進し、高水準の投資も継続する方針だ。

■23年3月期1Q大幅増益、通期減益予想据え置きだが上振れの可能性

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比8.7%増の1700億円、営業利益が17.4%減の91億円、経常利益が18.3%減の90億円、親会社株主帰属当期純利益が9.4%減の68億円としている。配当予想は22年3月期と同額の52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比26.8%増の468億37百万円、営業利益が29.0%増の39億31百万円、経常利益が21.9%増の42億51百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が11.6%増の27億18百万円だった。自動車関連が減産の影響を受けたが、半導体・電子部品関連の需要が高水準に推移し、市況や為替要因も寄与して大幅増収増益だった。

 セグメント別の利益(経常利益)は、商社流通の電子機能材事業が77.4%増の18億30百万円、商社流通のアルミ銅事業が4.6%減の9億62百万円、製造の装置材料事業が20.9%増の4億26百万円、製造の金属加工事業が3.8%減の10億37百万円だった。

 商社流通の電子機能材事業では電子部品や二次電池材料の取扱高が増加し、レアメタル・レアアースの市況上昇も寄与した。商社流通のアルミ銅事業では、半導体・電子部品や建設関連のアルミ圧延品や伸銅品が増加したが、自動車減産の影響で銅・アルミスクラップおよびアルミ再生塊の取扱数量が減少した。製造の装置材料事業では米国および中国の拠点でめっき材料の出荷が増加した。製造の金属加工事業では、半導体製造装置向け精密切削加工部品が堅調に推移し、空調機器向け金属加工部品も増加したが、精密研削加工部品が部品調達難の影響で減少、金属精密プレス部品が自動車減産の影響で減少した。

 通期予想は不透明感を考慮して据え置いた。コロナ禍や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料供給不足などによる生産・出荷の一時的な落ち込みなどを想定して減益予想としている。

 セグメント別利益(経常利益)の計画は、商社流通の電子機能材事業が34.5%減の28億円、商社流通のアルミ銅事業が41.0%減の12億円、製造の装置材料事業が3.7%減の12億円、製造の金属加工事業が10.2%増の38億円としている。電子機能材は半導体不足によるIT機器や自動車の生産調整の影響で減益、アルミ銅は前期の市況価格上昇の影響が剥落して減益、装置材料は原材料高の影響で減益、金属加工は半導体製造装置向けを中心とする出荷増で増益の見込みとしている。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高27.6%、営業利益43.2%、経常利益47.2%、親会社株主に帰属する当期純利益40.0%と高水準だった。通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は戻り試す

 株価は調整一巡して切り返しの動きを強めている。指標面の割安感も評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。8月18日の終値は1400円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS226円14銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の52円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1889円53銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約434億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月20日更新]

アルコニックスは下値固め完了、23年3月期減益予想だが保守的

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。23年3月期は原材料の供給不足などにより生産・出荷の一時的な落ち込みを想定して減益予想としている。ただし保守的な印象が強い。会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は反発力が鈍く年初来安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。なお8月5日に23年3月期第1四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。さらに商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には、精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。

 また22年4月には、金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化(22年11月予定)すると発表した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。

 22年7月1日には、各種レーザー機器・装置の製造・販売を手掛ける金門光波を子会社化した。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始している。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は商社流通60%(電子機能材22%、アルミ銅38%)で製造40%(装置材料22%、金属加工17%)だが、経常利益構成比は商社流通57%(電子機能材39%、アルミ銅18%)で製造43%(装置材料11%、金属加工31%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略により、製造(特に金属加工)も収益柱に成長している。

■高水準の投資を継続

 中期経営計画(23年3月期〜25年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、25年3月期の目標値に売上高2100億円、営業利益131億円超、経常利益130億円超、当期純利益100億円超、EBITDA175億円超、ROE(株主資本利益率)15%超、ROIC(投下資本利益率)7%以上、DOE(株主資本配当率)3.0%以上を掲げた。セグメント別経常利益は、商社流通が52億円(電子材料37億円、アルミ銅15億円)で製造が78億円(装置材料24億円、金属加工54億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、財務体質の強化、人的資源の強化、ガバナンスの強化、ESG・SDGsへの取り組み強化を推進し、高水準の投資も継続する方針だ。

■23年3月期減益予想だが保守的、上振れの可能性

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比8.7%増の1700億円、営業利益が17.4%減の91億円、経常利益が18.3%減の90億円、親会社株主帰属当期純利益が9.4%減の68億円としている。配当予想は22年3月期と同額の52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。

 セグメント利益(経常利益)は、商社流通の合計が36.6%減の40億円(電子機能材が34.5%減の28億円、アルミ銅が41.0%減の12億円)、製造の合計が6.5%増の50億円(装置材料が3.7%減の12億円、金属加工が10.2%増の38億円)の計画としている。電子機能材はグローバルな半導体不足によるIT機器や自動車の生産調整の影響で減益、アルミ銅は前期の市況価格上昇の影響が剥落して減益、装置材料は原材料高の影響で減益、金属加工は半導体製造装置向けを中心とする出荷増で増益の見込みとしている。

 23年3月期はコロナ過や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料の供給不足などにより生産・出荷の一時的な落ち込みを想定して減益予想としている。ただし保守的な印象が強い。会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は下値固め完了

 株価は反発力が鈍く年初来安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。7月19日の終値は1294円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS226円14銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の52円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1889円53銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約401億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[06月30日更新]

アルコニックスは下値固め完了、23年3月期減益予想だが保守的

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。23年3月期は原材料の供給不足などにより生産・出荷の一時的な落ち込みを想定して減益予想としている。ただし保守的な印象が強い。会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く安値圏でモミ合う形だが、下値固め完了感を強めている。指標面の割安感も評価材料だ。出直りを期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。さらに商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 18年12月に摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化、19年2月にカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月に香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月に中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月に子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月に子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月に空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月にメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 22年4月には、精密コネクタ金属端子部品プレス加工のジュピター工業を子会社化、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務・経理・総務・労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。

 また22年4月には、金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化(22年11月予定)すると発表した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。

 なお21年12月には、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始している。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す方針だ。

■製造も収益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は商社流通60%(電子機能材22%、アルミ銅38%)で製造40%(装置材料22%、金属加工17%)だが、経常利益構成比は商社流通57%(電子機能材39%、アルミ銅18%)で製造43%(装置材料11%、金属加工31%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略により、製造(特に金属加工)も収益柱に成長している。

■高水準の投資を継続

 中期経営計画(23年3月期〜25年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、25年3月期の目標値に売上高2100億円、営業利益131億円超、経常利益130億円超、当期純利益100億円超、EBITDA175億円超、ROE(株主資本利益率)15%超、ROIC(投下資本利益率)7%以上、DOE(株主資本配当率)3.0%以上を掲げた。セグメント別経常利益は、商社流通が52億円(電子材料37億円、アルミ銅15億円)で製造が78億円(装置材料24億円、金属加工54億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、財務体質の強化、人的資源の強化、ガバナンスの強化、ESG・SDGsへの取り組み強化を推進し、高水準の投資も継続する方針だ。

■23年3月期減益予想だが保守的、上振れの可能性

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比8.7%増の1700億円、営業利益が17.4%減の91億円、経常利益が18.3%減の90億円、親会社株主帰属当期純利益が9.4%減の68億円としている。配当予想は22年3月期と同額の52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。

 なおセグメント別利益(経常利益)の計画は、商社流通合計が36.6%減の40億円(電子機能材が34.5%減の28億円、アルミ銅が41.0%減の12億円)で、製造合計が6.5%増の50億円(装置材料が3.7%減の12億円、金属加工が10.2%増の38億円)としている。電子機能材はグローバルな半導体不足によるIT機器や自動車の生産調整の影響で減益、アルミ銅は前期の市況価格上昇の影響が剥落して減益、装置材料は原材料高の影響で減益、金属加工は半導体製造装置向けを中心とする出荷増で増益の見込みとしている。

 23年3月期はコロナ過や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料の供給不足などにより生産・出荷の一時的な落ち込みを想定して減益予想としている。ただし保守的な印象が強い。会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く安値圏でモミ合う形だが、下値固め完了感を強めている。指標面の割安感も評価材料だ。出直りを期待したい。6月29日の終値は1315円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS226円14銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の52円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1889円53銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約407億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[06月08日更新]

アルコニックスは反発の動き、23年3月期減益予想だが保守的

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。23年3月期は原材料の供給不足などにより生産・出荷の一時的な落ち込みを想定して減益予想としている。ただし保守的な印象が強い。会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は減益予想を嫌気する動きが優勢だったが、その後は目先的な売りが一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱に成長

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は商社流通60%(電子機能材22%、アルミ銅38%)で製造40%(装置材料22%、金属加工17%)だが、経常利益構成比は商社流通57%(電子機能材39%、アルミ銅18%)で製造43%(装置材料11%、金属加工31%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略により、利益面では製造の金属加工が柱に成長している。

■高水準の投資を継続

 中期経営計画(23年3月期〜25年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、25年3月期の目標値に売上高2100億円、営業利益131億円超、経常利益130億円超、当期純利益100億円超、EBITDA175億円超、ROE(株主資本利益率)15%超、ROIC(投下資本利益率)7%以上、DOE(株主資本配当率)3.0%以上を掲げた。セグメント別経常利益は、商社流通が52億円(電子材料37億円、アルミ銅15億円)で製造が78億円(装置材料24億円、金属加工54億円)としている。製造が全体の60%を占める計画だ。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、財務体質の強化、人的資源の強化、ガバナンスの強化、ESG・SDGsへの取り組み強化を推進し、高水準の投資も継続する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 21年12月には、精密コネクタ金属端子部品のプレス加工などを展開する電子部品材料メーカーのジュピター工業(岩手県宮古市)を子会社化すると発表した。株式取得および連結子会社化は22年4月20日予定である。

 また21年12月には投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す。

 22年4月には、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務、経理、総務、労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。

 また22年4月には、金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化(22年11月予定)すると発表した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。

■23年3月期減益予想だが保守的、上振れの可能性

 22年3月期の連結業績(収益認識会計基準適用で前期比増減率は非記載)は、売上高が1562億86百万円、営業利益が110億20百万円、経常利益が110億09百万円、親会社株主帰属当期純利益が75億07百万円だった。配当は21年3月期比10円増配の52円(第2四半期末24円、期末28円)とした。

 収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高と売上原価がそれぞれ1537億33百万円減少しているが、利益への影響はなかった。売上高は21年3月期を新基準に組み替えた数値(1056億87百万円)との比較で47.9%増収、各利益は21年3月期実績値との比較で営業利益が96.0%増益、経常利益が92.5%増益、親会社株主帰属当期純利益が162.4%増益となる。好調な半導体・電子部品および自動車関連需要を取り込んで大幅増収増益だった。

 セグメント別利益(経常利益)は、商社流通合計が184.9%増の63億06百万円(電子機能材が172.6%増の42億73百万円、アルミ銅が214.9%増の20億32百万円)で、製造合計が34.4%増の46億95百万円(装置材料が273.6%増の12億45百万円、金属加工が9.2%増の34億49百万円)だった。

 電子機能材は電子部品および二次電池材料の好調が継続し、レアメタル・レアアースの自動車関連需要が回復基調となった。アルミ銅は自動車のEV化・軽量化需要などでアルミ圧延品・伸銅品が増加し、チタン・新素材の輸出増加なども寄与した。装置材料は米国および中国の拠点でめっき材料の出荷が大幅に増加し、カーボンブラシが自動車関連の需要増加で業績回復した。金属加工は精密研削加工部品がやや低調だったが、半導体製造装置向け精密切削加工部品が好調に推移した。

 四半期別に見ると。第1四半期は売上高369億44百万円、営業利益30億46百万円、経常利益34億87百万円、第2四半期は売上高376億28百万円、営業利益は25億75百万円、経常利益25億73百万円、第3四半期は売上高396億04百万円、営業利益28億09百万円、経常利益27億45百万円、第4四半期は売上高421億10百万円、営業利益25億90百万円、経常利益22億04百万円だった。

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比8.7%増の1700億円、営業利益が17.4%減の91億円、経常利益が18.3%減の90億円、親会社株主帰属当期純利益が9.4%減の68億円としている。配当予想は22年3月期と同額の52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。

 なおセグメント別利益(経常利益)の計画は、商社流通合計が36.6%減の40億円(電子機能材が34.5%減の28億円、アルミ銅が41.0%減の12億円)で、製造合計が6.5%増の50億円(装置材料が3.7%減の12億円、金属加工が10.2%増の38億円)としている。電子機能材はグローバルな半導体不足によるIT機器や自動車の生産調整の影響で減益、アルミ銅は前期の市況価格上昇の影響が剥落して減益、装置材料は原材料高の影響で減益、金属加工は半導体製造装置向けを中心とする出荷増で増益の見込みとしている。

 23年3月期はコロナ過や地政学リスクに起因する物流の混乱、原材料の供給不足などにより生産・出荷の一時的な落ち込みを想定して減益予想としている。ただし保守的な印象が強い。会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は反発の動き

 株価は減益予想を嫌気する動きが優勢だったが、その後は目先的な売りが一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。6月7日の終値は1338円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS226円14銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の52円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1889円53銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約414億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[05月10日更新]

アルコニックスは下値切り上げ、23年3月期も収益拡大基調

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。4月26日には金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品に強みを持つソーデナガノを子会社化(22年11月予定)すると発表した。グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する。22年3月期は半導体・電子部品関連の需要が高水準に推移して大幅増益予想としている。さらに23年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で戻り一服の形となったが、一方では大きく下押す動きは見られず、下値を順調に切り上げている。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。なお5月13日に22年3月期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 21年3月期のセグメント別構成比は、売上高では商社流通が78%(電子機能材28%、アルミ銅50%)で製造が22%(装置材料12%、金属加工10%)だが、経常利益では商社流通が39%(電子機能材30%、アルミ銅9%)で製造が61%(装置材料6%、金属加工55%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

■積極投資で「環境親和型ビジネス」の創出にも挑戦

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、24年3月期の目標値に連結経常利益96億円超、連結純利益67億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0倍程度としている。3年間の投資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する。さらに資源循環型・環境配慮型社会の発展に貢献し、新たな「環境親和型ビジネス」の創出にも挑戦するとしている。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 21年12月には、精密コネクタ金属端子部品のプレス加工などを展開する電子部品材料メーカーのジュピター工業(岩手県宮古市)を子会社化すると発表した。株式取得および連結子会社化は22年4月20日予定である。

 また21年12月には投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す。

 22年4月には、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務、経理、総務、労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。

 また22年4月には、金属加工メーカーでリチウムイオン電池用機構部品の製造に強みを持つソーデナガノを子会社化(22年11月予定)すると発表した。EV用バッテリー向けの需要拡大が期待されるほか、グループ内のプレス専業子会社と「総合プレス加工グループ」を形成して多種多様な顧客ニーズに対応する戦略だ。

■22年3月期大幅増益予想、23年3月期も収益拡大基調

 22年3月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用で前期比増減率非掲載だが利益に影響なし、21年8月6日に上方修正、21年11月5日に2回目の上方修正、22年2月9日に利益を3回目の上方修正)は、売上高が1520億円、営業利益が104億円、経常利益が108億円、親会社株主に帰属する当期純利益が78億円としている。また配当予想(21年9月28日に第2四半期末3円、期末3円、合計6円上方修正、22年2月25日に期末4円上方修正)は、21年3月期比10円増配の52円(第2四半期末24円、期末28円)としている。

 第3四半期累計は売上高が1141億76百万円、営業利益が84億30百万円、経常利益が88億05百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が65億37百万円だった。収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高と売上原価が1118億59百万円減少しているが、利益への影響はない。

 収益認識会計基準適用のため前年同期比増減率は非記載だが、新基準へ組み替え後の前年同期売上高(734億63百万円)との比較で55.4%増収となり、営業利益は2.2倍増益、経常利益は2.1倍増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は3.7倍増益だった。半導体・電子材料関連の取扱量が増加し、自動車関連の需要も好調に推移した。営業外収益では受取配当金が増加(前期は2億64百万円計上、今期は4億10百万円計上)した。特別利益では投資有価証券売却益2億74百万円を計上し、特別損失では前期計上の関係会社株式売却損7億59百万円が剥落した。

 セグメント別の利益(経常利益)は、商社流通が2.7倍の48億14百万円(電子機能材が2.6倍の31億83百万円、アルミ銅が2.9倍の16億31百万円)で、製造が67.3%増の39億87百万円(装置材料が50.9倍の12億33百万円、金属加工が16.7%増の27億54)だった。

 四半期別に見ると。第1四半期は売上高369億44百万円、営業利益30億46百万円、経常利益34億87百万円、第2四半期は売上高376億28百万円、営業利益は25億75百万円、経常利益25億73百万円、第3四半期は売上高396億04百万円、営業利益28億09百万円、経常利益27億45百万円だった。

 通期予想は新基準へ組み替え後の前期売上高(1056億87百万円)との比較で売上高が43.8%増収となり、営業利益は85.0%増益、経常利益は88.8%増益、親会社株主に帰属する当期純利益は2.7倍増益となる。セグメント別の利益(経常利益)計画は、商社流通が2.7倍の61億円(電子機能材が2.4倍の40億円、アルミ銅が4.0倍の21億円)、製造が34.6%増の47億円(装置材料が4.2倍の14億円、金属加工が4.4%増の33億円)としている。

 修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高75.1%、営業利益81.1%、経常利益81.5%、親会社株主に帰属する当期純利益83.8%だった。22年3月期は半導体・電子部品関連の需要が高水準に推移して大幅増益予想としている。さらに23年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は下値切り上げ

 株価は地合い悪化の影響で戻り一服の形となったが、一方では大きく下押す動きは見られず、下値を順調に切り上げている。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。5月9日の終値は1402円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS259円40銭で算出)は約5倍、前期推定配当利回り(会社予想の52円で算出)は約3.7%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS1709円55銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約434億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[04月20日更新]

アルコニックスは反発の動き、23年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。22年3月期は半導体・電子部品関連の需要が高水準に推移して大幅増益予想としている。さらに23年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻り一服の形だったが調整一巡して反発の動きを強めている。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。なお5月13日に22年3月期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 21年3月期のセグメント別構成比は、売上高では商社流通が78%(電子機能材28%、アルミ銅50%)で製造が22%(装置材料12%、金属加工10%)だが、経常利益では商社流通が39%(電子機能材30%、アルミ銅9%)で製造が61%(装置材料6%、金属加工55%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

■積極投資で「環境親和型ビジネス」の創出にも挑戦

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、24年3月期の目標値に連結経常利益96億円超、連結純利益67億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0倍程度としている。3年間の投資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する。さらに資源循環型・環境配慮型社会の発展に貢献し、新たな「環境親和型ビジネス」の創出にも挑戦するとしている。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 21年12月には、精密コネクタ金属端子部品のプレス加工などを展開する電子部品材料メーカーのジュピター工業(岩手県宮古市)を子会社化すると発表した。株式取得および連結子会社化は22年4月20日予定である。

 21年8月に発表したCVCファンド(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合)については、所定の手続が完了したため21年12月に投資事業を開始した。21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用する。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す。

 なお4月1日付で、商社流通セグメントに所属する国内関係子会社(平和金属、林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター)の財務、経理、総務、労務等の管理業務を集約して行うシェアードサービスの子会社ACメタルズを設立した。

■22年3月期大幅増益予想、23年3月期も収益拡大基調

 22年3月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用で前期比増減率非掲載だが利益に影響なし、21年8月6日に上方修正、21年11月5日に2回目の上方修正、22年2月9日に利益を3回目の上方修正)は、売上高が1520億円、営業利益が104億円、経常利益が108億円、親会社株主に帰属する当期純利益が78億円としている。また配当予想(21年9月28日に第2四半期末3円、期末3円、合計6円上方修正、22年2月25日に期末4円上方修正)は、21年3月期比10円増配の52円(第2四半期末24円、期末28円)としている。

 第3四半期累計は売上高が1141億76百万円、営業利益が84億30百万円、経常利益が88億05百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が65億37百万円だった。収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高と売上原価が1118億59百万円減少しているが、利益への影響はない。

 収益認識会計基準適用のため前年同期比増減率は非記載だが、新基準へ組み替え後の前年同期売上高(734億63百万円)との比較で55.4%増収となり、営業利益は2.2倍増益、経常利益は2.1倍増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は3.7倍増益だった。半導体・電子材料関連の取扱量が増加し、自動車関連の需要も好調に推移した。営業外収益では受取配当金が増加(前期は2億64百万円計上、今期は4億10百万円計上)した。特別利益では投資有価証券売却益2億74百万円を計上し、特別損失では前期計上の関係会社株式売却損7億59百万円が剥落した。

 セグメント別の利益(経常利益)は、商社流通が2.7倍の48億14百万円(電子機能材が2.6倍の31億83百万円、アルミ銅が2.9倍の16億31百万円)で、製造が67.3%増の39億87百万円(装置材料が50.9倍の12億33百万円、金属加工が16.7%増の27億54)だった。

 四半期別に見ると。第1四半期は売上高369億44百万円、営業利益30億46百万円、経常利益34億87百万円、第2四半期は売上高376億28百万円、営業利益は25億75百万円、経常利益25億73百万円、第3四半期は売上高396億04百万円、営業利益28億09百万円、経常利益27億45百万円だった。

 通期予想は新基準へ組み替え後の前期売上高(1056億87百万円)との比較で売上高が43.8%増収となり、営業利益は85.0%増益、経常利益は88.8%増益、親会社株主に帰属する当期純利益は2.7倍増益となる。セグメント別の利益(経常利益)計画は、商社流通が2.7倍の61億円(電子機能材が2.4倍の40億円、アルミ銅が4.0倍の21億円)、製造が34.6%増の47億円(装置材料が4.2倍の14億円、金属加工が4.4%増の33億円)としている。

 修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高75.1%、営業利益81.1%、経常利益81.5%、親会社株主に帰属する当期純利益83.8%だった。22年3月期は半導体・電子部品関連の需要が高水準に推移して大幅増益予想としている。さらに23年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は反発の動き

 株価は戻り一服の形だったが調整一巡して反発の動きを強めている。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。4月19日の終値は1457円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS259円40銭で算出)は約6倍、前期推定配当利回り(会社予想の52円で算出)は約3.6%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS1709円55銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約451億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[03月24日更新]

アルコニックスは戻り歩調、22年3月期大幅増益予想、23年3月期も収益拡大基調

 アルコニックス<3036>(東1、新市場区分プライム)は、非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。22年3月期(2月9日に利益を3回目の上方修正)は半導体・電子部品関連の需要が高水準に推移して大幅増益予想としている。23年3月期も収益拡大基調だろう。株価は水準を切り上げて戻り歩調だ。指標面の割安感も見直し材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 21年3月期のセグメント別構成比は、売上高では商社流通が78%(電子機能材28%、アルミ銅50%)で製造が22%(装置材料12%、金属加工10%)だが、経常利益では商社流通が39%(電子機能材30%、アルミ銅9%)で製造が61%(装置材料6%、金属加工55%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

■積極投資で「環境親和型ビジネス」の創出にも挑戦

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、24年3月期の目標値に連結経常利益96億円超、連結純利益67億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0倍程度としている。3年間の投資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する。さらに資源循環型・環境配慮型社会の発展に貢献し、新たな「環境親和型ビジネス」の創出にも挑戦するとしている。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 21年12月には、精密コネクタ金属端子部品のプレス加工などを展開する電子部品材料メーカーのジュピター工業(岩手県宮古市)を子会社化すると発表した。株式取得および連結子会社化は22年4月20日予定である。

 21年8月に発表したCVCファンド(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合)については、所定の手続が完了したため21年12月に投資事業を開始した。21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用する。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す。

■22年3月期大幅増益予想、23年3月期も収益拡大基調

 22年3月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用で前期比増減率非掲載だが利益に影響なし、21年8月6日に上方修正、21年11月5日に2回目の上方修正、22年2月9日に利益を3回目の上方修正)は、売上高が1520億円、営業利益が104億円、経常利益が108億円、親会社株主に帰属する当期純利益が78億円としている。配当予想(9月28日に第2四半期末3円、期末3円、合計6円上方修正)は、21年3月期比6円増配の48円(第2四半期末24円、期末24円)としている。

 第3四半期累計は売上高が1141億76百万円、営業利益が84億30百万円、経常利益が88億05百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が65億37百万円だった。収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高と売上原価が1118億59百万円減少しているが、利益への影響はない。

 収益認識会計基準適用のため前年同期比増減率は非記載だが、新基準へ組み替え後の前年同期売上高(734億63百万円)との比較で55.4%増収となり、営業利益は2.2倍増益、経常利益は2.1倍増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は3.7倍増益だった。半導体・電子材料関連の取扱量が増加し、自動車関連の需要も好調に推移した。営業外収益では受取配当金が増加(前期は2億64百万円計上、今期は4億10百万円計上)した。特別利益では投資有価証券売却益2億74百万円を計上し、特別損失では前期計上の関係会社株式売却損7億59百万円が剥落した。

 セグメント別の利益(経常利益)は、商社流通が2.7倍の48億14百万円(電子機能材が2.6倍の31億83百万円、アルミ銅が2.9倍の16億31百万円)で、製造が67.3%増の39億87百万円(装置材料が50.9倍の12億33百万円、金属加工が16.7%増の27億54)だった。

 四半期別に見ると。第1四半期は売上高369億44百万円、営業利益30億46百万円、経常利益34億87百万円、第2四半期は売上高376億28百万円、営業利益は25億75百万円、経常利益25億73百万円、第3四半期は売上高396億04百万円、営業利益28億09百万円、経常利益27億45百万円だった。

 通期予想は新基準へ組み替え後の前期売上高(1056億87百万円)との比較で売上高が43.8%増収となり、営業利益は85.0%増益、経常利益は88.8%増益、親会社株主に帰属する当期純利益は2.7倍増益となる。セグメント別の利益(経常利益)計画は、商社流通が2.7倍の61億円(電子機能材が2.4倍の40億円、アルミ銅が4.0倍の21億円)、製造が34.6%増の47億円(装置材料が4.2倍の14億円、金属加工が4.4%増の33億円)としている。

 修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高75.1%、営業利益81.1%、経常利益81.5%、親会社株主に帰属する当期純利益83.8%となる。需要が高水準に推移して23年3月期も収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は戻り歩調

 株価は水準を切り上げて戻り歩調だ。指標面の割安感も見直し材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。3月23日の終値は1477円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS259円40銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の48円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1709円55銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約458億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月24日更新]

アルコニックスは戻り試す、22年3月期利益予想を上方修正(3回目)で収益拡大基調

 アルコニックス<3036>(東1、新市場区分プライム)は、非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。22年3月期第3四半期累計は半導体・電子部品関連の需要が高水準に推移して大幅増収増益だった。そして通期利益予想を上方修正(3回目)した。半導体不足や物流混乱に伴う生産調整など不透明な状況だが、第3四半期までの実績と第4四半期の需要・市況見通しを考慮した。収益拡大基調だろう。株価は地合いが悪化する中でも下値を切り上げて反発の動きを強めている。指標面の割安感も見直して戻りを試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 21年3月期のセグメント別構成比は、売上高では商社流通が78%(電子機能材28%、アルミ銅50%)で製造が22%(装置材料12%、金属加工10%)だが、経常利益では商社流通が39%(電子機能材30%、アルミ銅9%)で製造が61%(装置材料6%、金属加工55%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

■積極投資で「環境親和型ビジネス」の創出にも挑戦

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、24年3月期の目標値に連結経常利益96億円超、連結純利益67億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0倍程度としている。3年間の投資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する。さらに資源循環型・環境配慮型社会の発展に貢献し、新たな「環境親和型ビジネス」の創出にも挑戦するとしている。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 21年12月には、精密コネクタ金属端子部品のプレス加工などを展開する電子部品材料メーカーのジュピター工業(岩手県宮古市)を子会社化すると発表した。株式取得および連結子会社化は22年4月20日予定である。

 21年8月に発表したCVCファンド(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合)については、所定の手続が完了したため21年12月に投資事業を開始した。21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用する。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す。

■22年3月期は利益予想を上方修正(3回目)して大幅増益予想

 22年3月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用で前期比増減率非掲載だが利益に影響なし、21年8月6日に上方修正、21年11月5日に2回目の上方修正)は、2月9日に利益を上方修正(3回目)して、売上高が1520億円、営業利益が104億円、経常利益が108億円、親会社株主に帰属する当期純利益が78億円としている。前回予想に対して営業利益を17億円、経常利益を18億円、親会社株主に帰属する当期純利益を16億円、それぞれ上方修正した。

 配当予想(9月28日に第2四半期末3円、期末3円、合計6円上方修正)は据え置いて、21年3月期比6円増配の48円(第2四半期末24円、期末24円)としている。

 第3四半期累計は売上高が1141億76百万円、営業利益が84億30百万円、経常利益が88億05百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が65億37百万円だった。収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高と売上原価が1118億59百万円減少しているが、利益への影響はない。

 収益認識会計基準適用のため前年同期比増減率は非記載だが、新基準へ組み替え後の前年同期売上高(734億63百万円)との比較で55.4%増収となり、営業利益は2.2倍増益、経常利益は2.1倍増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は3.7倍増益だった。半導体・電子材料関連の取扱量が増加し、自動車関連の需要も好調に推移した。営業外収益では受取配当金が増加(前期は2億64百万円計上、今期は4億10百万円計上)した。特別利益では投資有価証券売却益2億74百万円を計上し、特別損失では前期計上の関係会社株式売却損7億59百万円が剥落した。

 セグメント別の利益(経常利益)は、商社流通が2.7倍の48億14百万円(電子機能材が2.6倍の31億83百万円、アルミ銅が2.9倍の16億31百万円)で、製造が67.3%増の39億87百万円(装置材料が50.9倍の12億33百万円、金属加工が16.7%増の27億54)だった。

 四半期別に見ると。第1四半期は売上高369億44百万円、営業利益30億46百万円、経常利益34億87百万円、第2四半期は売上高376億28百万円、営業利益は25億75百万円、経常利益25億73百万円、第3四半期は売上高396億04百万円、営業利益28億09百万円、経常利益27億45百万円だった。

 修正後の通期予想は新基準へ組み替え後の前期売上高(1056億87百万円)との比較で43.8%増収となり、営業利益は85.0%増益、経常利益は88.8%増益、親会社株主に帰属する当期純利益は2.7倍増益となる。半導体不足や物流混乱に伴う生産調整など不透明な状況だが、第3四半期までの実績と第4四半期の需要・市況見通しを考慮した。

 修正後の通期セグメント別利益(経常利益)の計画は、商社流通が2.7倍の61億円(電子機能材が2.4倍の40億円、アルミ銅が4.0倍の21億円)で、製造が34.6%増の47億円(装置材料が4.2倍の14億円、金属加工が4.4%増の33億円)としている。

 修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高75.1%、営業利益81.1%、経常利益81.5%、親会社株主に帰属する当期純利益83.8%となる。需要が高水準に推移して収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は戻り試す

 株価は地合いが悪化する中でも下値を切り上げて反発の動きを強めている。指標面の割安感も見直して戻りを試す展開を期待したい。2月22日の終値は1388円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS259円40銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の48円で算出)は約3.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1709円55銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約430億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月28日更新]

アルコニックスは調整一巡、収益拡大基調

 アルコニックス<3036>(東1、新市場区分プライム)は、非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。22年3月期は需要回復して大幅増益予想としている。自動車等の一時的減産など不透明感があるものの、M&A効果も寄与して収益拡大基調だろう。4月4日移行予定の新市場区分についてはプライム市場に移行する。株価は地合い悪化の影響で戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。なお2月9日に22年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 21年3月期のセグメント別構成比は、売上高では商社流通が78%(電子機能材28%、アルミ銅50%)で製造が22%(装置材料12%、金属加工10%)だが、経常利益では商社流通が39%(電子機能材30%、アルミ銅9%)で製造が61%(装置材料6%、金属加工55%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

■積極投資で「環境親和型ビジネス」の創出にも挑戦

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、24年3月期の目標値に経常利益96億円超、当期純利益67億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0倍程度としている。3年間の投資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する。さらに資源循環型・環境配慮型社会の発展に貢献し、新たな「環境親和型ビジネス」の創出にも挑戦するとしている。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 21年12月には、精密コネクタ金属端子部品のプレス加工などを展開する電子部品材料メーカーのジュピター工業(岩手県宮古市)を子会社化すると発表した。株式取得および連結子会社化は22年4月20日予定である。

 21年8月に発表したCVCファンド(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合)については、所定の手続が完了したため21年12月に投資事業を開始した。21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用する。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す。

 なお21年11月に公募増資を発表した。調達資金(概算約76億円)はグループの設備投資、CVCファンドを通じた投資、過去のM&Aにおける買収資金借入の返済などに充当する。

■22年3月期は3回目の上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(収益認識基準適用で前期比増減率非掲載だが利益に影響なし、8月6日に上方修正、11月5日に2回目の上方修正)は売上高が1520億円、営業利益が87億円、経常利益が90億円、親会社株主に帰属する当期純利益が62億円としている。

 新基準へ組み替え後の21年3月期売上高実績(1056億87百万円)との比較で43.8%増収となり、営業利益は54.8%増益、経常利益は57.4%増益、親会社株主に帰属する当期純利益は2.2倍増益となる。配当予想(9月28日に第2四半期末3円、期末3円、合計6円上方修正)は、21年3月期比6円増配の48円(第2四半期末24円、期末24円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が745億72百万円、営業利益が56億21百万円、経常利益が60億60百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が45億25百万円だった。新基準へ組み替え後の前年同期売上高(461億03百万円)との比較で61.8%増収となり、営業利益は2.3倍増益、経常利益は2.4倍増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は3.7倍増益だった。半導体・IT関連が好調に推移し、自動車関連の需要も急回復した。営業外収益では受取配当金が増加し、特別利益では投資有価証券売却益が増加した。

 セグメント別経常利益は、商社流通が3.0倍の34億04百万円(電子機能材が2.7倍の19億39百万円、アルミ銅が3.5倍の14億64百万円)で、製造が96.8%増の26億39百万円(装置材料が8億57百万円増加して7億38百万円に黒字転換、金属加工が30.2%増の19億円)だった。商社流通は半導体・IT・自動車関連を中心に取り扱いが増加した。製造は精密研削加工部品が顧客側の生産調整の影響で減少したが、全体として自動車関連を中心に需要回復した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高369億44百万円、営業利益30億46百万円、経常利益34億87百万円、第2四半期は売上高376億28百万円、営業利益は25億75百万円、経常利益25億73百万円だった。

 通期セグメント別経常利益の計画は、商社流通が2.2倍の49億80百万円(電子機能材が68.3%増の28億60百万円、アルミ銅が4.0倍の21億20百万円)、製造が15.1%増の40億20百万円(装置材料が3.6倍の12億円、金属加工が10.7%減の28億20百万円)としている。金属加工は精密金属プレス部品が自動車向けに好調だが、半導体不足の影響で半導体実装機向け精密研削加工部品の出荷調整を見込んでいる。

 半導体・部品不足による自動車・家電・産業機械等の各方面における一時的減産の動きが不透明として、2回目の上方修正は小幅にとどめたが、修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.1%、営業利益が64.6%、経常利益が67.3%、親会社株主に帰属する当期純利益が73.0%と高水準である。通期予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は公募増資発表を嫌気した21年12月の昨年来安値圏から切り返している。地合い悪化の影響で戻り一服の形となったが、指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。1月27日の終値は1272円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS247円32銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の48円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1709円55銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約394億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月06日更新]

アルコニックスは戻り試す、収益拡大基調

 アルコニックス<3036>(東1)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。22年3月期は需要回復基調で大幅増益予想としている。自動車等の一時的減産など不透明感があるものの、3回目の上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。株価は公募増資発表を嫌気して急落したが、売り一巡して急反発している。戻りを試す展開を期待したい。なお2月9日に22年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 21年3月期のセグメント別構成比は、売上高では商社流通が78%(電子機能材28%、アルミ銅50%)で製造が22%(装置材料12%、金属加工10%)だが、経常利益では商社流通が39%(電子機能材30%、アルミ銅9%)で製造が61%(装置材料6%、金属加工55%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、24年3月期の目標値に経常利益96億円超、当期純利益67億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0倍程度としている。3年間の投資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する。さらに資源循環型・環境配慮型社会の発展に貢献し、新たな「環境親和型ビジネス」の創出に挑戦するとしている。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 21年12月には、精密コネクタ金属端子部品のプレス加工などを展開する電子部品材料メーカーのジュピター工業(岩手県宮古市)を子会社化すると発表した。株式取得および連結子会社化は22年4月20日予定としている。

 21年8月に発表したCVCファンド(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合)については、所定の手続が完了したため21年12月に投資事業を開始した。21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用する。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す。

 なお21年11月に公募増資を発表した。調達資金(概算約76億円)はグループの設備投資、CVCファンドを通じた投資、過去のM&Aにおける買収資金借入の返済などに充当する。

■22年3月期は3回目の上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(収益認識基準適用で前期比増減率非掲載だが利益に影響なし、8月6日に上方修正、11月5日に2回目の上方修正)は売上高が1520億円、営業利益が87億円、経常利益が90億円、親会社株主に帰属する当期純利益が62億円としている。

 新基準へ組み替え後の21年3月期売上高実績(1056億87百万円)との比較で43.8%増収となり、営業利益は54.8%増益、経常利益は57.4%増益、親会社株主に帰属する当期純利益は2.2倍増益となる。配当予想(9月28日に第2四半期末3円、期末3円、合計6円上方修正)は、21年3月期比6円増配の48円(第2四半期末24円、期末24円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が745億72百万円、営業利益が56億21百万円、経常利益が60億60百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が45億25百万円だった。新基準へ組み替え後の前年同期売上高(461億03百万円)との比較で61.8%増収となり、営業利益は2.3倍増益、経常利益は2.4倍増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は3.7倍増益だった。半導体・IT関連が好調に推移し、自動車関連の需要も急回復した。営業外収益では受取配当金が増加し、特別利益では投資有価証券売却益が増加した。

 セグメント別経常利益は、商社流通が3.0倍の34億04百万円(電子機能材が2.7倍の19億39百万円、アルミ銅が3.5倍の14億64百万円)で、製造が96.8%増の26億39百万円(装置材料が8億57百万円増加して7億38百万円に黒字転換、金属加工が30.2%増の19億円)だった。商社流通は半導体・IT・自動車関連を中心に取り扱いが増加した。製造は精密研削加工部品が顧客側の生産調整の影響で減少したが、全体として自動車関連を中心に需要回復した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高369億44百万円、営業利益30億46百万円、経常利益34億87百万円、第2四半期は売上高376億28百万円、営業利益は25億75百万円、経常利益25億73百万円だった。

 通期セグメント別経常利益の計画は、商社流通が2.2倍の49億80百万円(電子機能材が68.3%増の28億60百万円、アルミ銅が4.0倍の21億20百万円)、製造が15.1%増の40億20百万円(装置材料が3.6倍の12億円、金属加工が10.7%減の28億20百万円)としている。金属加工は精密金属プレス部品が自動車向けに好調だが、半導体不足の影響で半導体実装機向け精密研削加工部品の出荷調整を見込んでいる。

 半導体・部品不足による自動車・家電・産業機械等の各方面における一時的減産の動きが不透明として、2回目の上方修正は小幅にとどめたが、修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.1%、営業利益が64.6%、経常利益が67.3%、親会社株主に帰属する当期純利益が73.0%と高水準である。通期予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は戻り試す

 22年4月4日移行予定の新市場区分について、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果でプライム市場適合を確認し、21年10月26日開催の取締役会においてプライム市場選択申請を決議した。所定のスケジュールに従って手続を進める。

 株価は公募増資発表を嫌気して急落したが、売り一巡して急反発している。戻りを試す展開を期待したい。1月5日の終値は1403円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS247円32銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の48円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1709円55銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約435億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[12月10日更新]

アルコニックスは公募増資を嫌気した売り一巡、22年3月期は3回目の上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。22年3月期(11月5日に2回目の上方修正)は需要回復基調で大幅増益予想としている。自動車等の一時的減産など不透明感があるものの、3回目の上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は11月24日に発表した公募増資を嫌気して急落し、一気に年初来安値を更新した。ただし目先的な売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 21年3月期のセグメント別構成比は、売上高では商社流通が78%(電子機能材28%、アルミ銅50%)で製造が22%(装置材料12%、金属加工10%)だが、経常利益では商社流通が39%(電子機能材30%、アルミ銅9%)で製造が61%(装置材料6%、金属加工55%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、24年3月期の目標値に経常利益96億円超、当期純利益67億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0倍程度としている。3年間の投資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する。さらに資源循環型・環境配慮型社会の発展に貢献し、新たな「環境親和型ビジネス」の創出に挑戦するとしている。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 21年8月に発表したCVCファンド(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合)については、所定の手続が完了したため21年12月に投資事業を開始した。21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用する。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す。

 なお11月24日に公募増資を発表した。調達資金(概算約76億円)はグループの設備投資、CVCファンドを通じた投資、過去のM&Aにおける買収資金借入の返済などに充当する。

■22年3月期は3回目の上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(収益認識基準適用で前期比増減率非掲載だが利益に影響なし、8月6日に上方修正、11月5日に2回目の上方修正)は売上高が1520億円、営業利益が87億円、経常利益が90億円、親会社株主に帰属する当期純利益が62億円としている。

 新基準へ組み替え後の21年3月期売上高実績(1056億87百万円)との比較で43.8%増収となり、営業利益は54.8%増益、経常利益は57.4%増益、親会社株主に帰属する当期純利益は2.2倍増益となる。配当予想(9月28日に第2四半期末3円、期末3円、合計6円上方修正)は、21年3月期比6円増配の48円(第2四半期末24円、期末24円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が745億72百万円、営業利益が56億21百万円、経常利益が60億60百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が45億25百万円だった。新基準へ組み替え後の前年同期売上高(461億03百万円)との比較で61.8%増収となり、営業利益は2.3倍増益、経常利益は2.4倍増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は3.7倍増益だった。半導体・IT関連が好調に推移し、自動車関連の需要も急回復した。営業外収益では受取配当金が増加し、特別利益では投資有価証券売却益が増加した。

 セグメント別経常利益は、商社流通が3.0倍の34億04百万円(電子機能材が2.7倍の19億39百万円、アルミ銅が3.5倍の14億64百万円)で、製造が96.8%増の26億39百万円(装置材料が8億57百万円増加して7億38百万円に黒字転換、金属加工が30.2%増の19億円)だった。商社流通は半導体・IT・自動車関連を中心に取り扱いが増加した。製造は精密研削加工部品が顧客側の生産調整の影響で減少したが、全体として自動車関連を中心に需要回復した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高369億44百万円、営業利益30億46百万円、経常利益34億87百万円、第2四半期は売上高376億28百万円、営業利益は25億75百万円、経常利益25億73百万円だった。

 通期セグメント別経常利益の計画は、商社流通が2.2倍の49億80百万円(電子機能材が68.3%増の28億60百万円、アルミ銅が4.0倍の21億20百万円)、製造が15.1%増の40億20百万円(装置材料が3.6倍の12億円、金属加工が10.7%減の28億20百万円)としている。金属加工では、精密金属プレス部品が自動車向けに好調だが、半導体不足の影響で半導体実装機向け精密研削加工部品の出荷調整を見込んでいる。

 半導体・部品不足による自動車・家電・産業機械等の各方面における一時的減産の動きが不透明として、2回目の上方修正は小幅にとどめたが、修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.1%、営業利益が64.6%、経常利益が67.3%、親会社株主に帰属する当期純利益が73.0%と高水準である。通期予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は公募増資を嫌気した売り一巡

 22年4月4日移行予定の新市場区分について、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果でプライム市場適合を確認し、21年10月26日開催の取締役会においてプライム市場選択申請を決議した。所定のスケジュールに従って手続を進める。

 株価は11月24日に発表した公募増資を嫌気して急落し、一気に年初来安値を更新した。ただし目先的な売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。12月9日の終値は1243円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS247円32銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の48円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1709円55銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約377億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月22日更新]

アルコニックスは上値試す、22年3月期は3回目の上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。22年3月期第2四半期累計は需要回復基調で大幅増収増益だった。そして通期予想を上方修正(2回目)した。自動車等の一時的減産など不透明感があるものの、3回目の上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価はやや上値が重くボックス展開の形だが、指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡してレンジ上放れの展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 21年3月期のセグメント別構成比は、売上高では商社流通が78%(電子機能材28%、アルミ銅50%)で製造が22%(装置材料12%、金属加工10%)だが、経常利益では商社流通が39%(電子機能材30%、アルミ銅9%)で製造が61%(装置材料6%、金属加工55%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、24年3月期の目標値に経常利益96億円超、当期純利益67億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0倍程度としている。3年間の投資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する。さらに資源循環型・環境配慮型社会の発展に貢献し、新たな「環境親和型ビジネス」の創出に挑戦するとしている。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 21年8月には、コーポレートベンチャーキャピタルファンド(仮称アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年11月組成予定、ファンド総額30億円)、および運用子会社アルコニックスベンチャーズ(21年8月設立)の設立を発表した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す。

■22年3月期2Q累計大幅増益で通期上方修正、3回目の上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(収益認識基準適用で前期比増減率非掲載だが利益に影響なし、8月6日に上方修正、11月5日に2回目の上方修正)は売上高が1520億円、営業利益が87億円、経常利益が90億円、親会社株主に帰属する当期純利益が62億円としている。

 新基準へ組み替え後の21年3月期売上高実績(1056億87百万円)との比較で43.8%増収となり、営業利益は54.8%増益、経常利益は57.4%増益、親会社株主に帰属する当期純利益は2.2倍増益となる。配当予想(9月28日に第2四半期末3円、期末3円、合計6円上方修正)は、21年3月期比6円増配の48円(第2四半期末24円、期末24円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が745億72百万円、営業利益が56億21百万円、経常利益が60億60百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が45億25百万円だった。新基準へ組み替え後の前年同期売上高(461億03百万円)との比較で61.8%増収となり、営業利益は2.3倍増益、経常利益は2.4倍増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は3.7倍増益だった。半導体・IT関連が好調に推移し、自動車関連の需要も急回復した。営業外収益では受取配当金が増加し、特別利益では投資有価証券売却益が増加した。

 セグメント別経常利益は、商社流通が3.0倍の34億04百万円(電子機能材が2.7倍の19億39百万円、アルミ銅が3.5倍の14億64百万円)で、製造が96.8%増の26億39百万円(装置材料が8億57百万円増加して7億38百万円に黒字転換、金属加工が30.2%増の19億円)だった。商社流通は半導体・IT・自動車関連を中心に取り扱いが増加した。製造は精密研削加工部品が顧客側の生産調整の影響で減少したが、全体として自動車関連を中心に需要回復した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高369億44百万円、営業利益30億46百万円、経常利益34億87百万円、第2四半期は売上高376億28百万円、営業利益は25億75百万円、経常利益25億73百万円だった。

 修正後の通期セグメント別経常利益の計画は、商社流通が2.2倍の49億80百万円(電子機能材が68.3%増の28億60百万円、アルミ銅が4.0倍の21億20百万円)、製造が15.1%増の40億20百万円(装置材料が3.6倍の12億円、金属加工が10.7%減の28億20百万円)としている。金属加工では、精密金属プレス部品が自動車向けに好調だが、半導体不足の影響で半導体実装機向け精密研削加工部品の出荷調整を見込んでいる。

 半導体・部品不足による自動車・家電・産業機械等の各方面における一時的減産の動きが不透明として、2回目の上方修正は小幅にとどめたが、修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.1%、営業利益が64.6%、経常利益が67.3%、親会社株主に帰属する当期純利益が73.0%と高水準である。通期予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は上値試す

 22年4月4日移行予定の新市場区分について、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果でプライム市場適合を確認し、21年10月26日開催の取締役会においてプライム市場選択申請を決議した。所定のスケジュールに従って手続を進める。

 株価はやや上値が重くボックス展開の形だが、指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡してレンジ上放れの展開を期待したい。11月19日の終値は1614円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS247円32銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の48円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1709円55銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約419億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月08日更新]

アルコニックスは22年3月期通期予想を上方修正、さらに3回目の上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は11月5日の取引時間中に22年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。需要回復基調で大幅増収増益だった。そして通期予想を上方修正(2回目)した。さらに3回目の上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は年初来高値圏だ。決算発表に対して材料出尽くしの形でややネガティブ反応となったが、目先的な売り一巡して上値を試す展開を期待したい。

■22年3月期2Q累計大幅増益、通期上方修正、3回目の上振れの可能性

 22年3月期第2四半期累計の連結業績は売上高が745億72百万円、営業利益が56億21百万円、経常利益が60億60百万円、親会社株主帰属四半期純利益が45億25百万円だった。

 収益認識基準適用のため前年同期比増減率は非記載(利益に影響なし)だが、新基準へ組み替え後の前年同期売上高(461億03百万円)との比較で61.8%増収となり、営業利益は2.3倍増益、経常利益は2.4倍増益、親会社株主帰属四半期純利益は3.7倍増益だった。半導体・IT関連が好調に推移し、自動車関連の需要も急回復した。営業外収益では受取配当金が増加し、特別利益では投資有価証券売却益が増加した。

 セグメント別経常利益は、商社流通が3.0倍増の34億04百万円(電子機能材が2.7倍増の19億39百万円、アルミ銅が3.5倍増の14億64百万円)、製造が96.8%増の26億39百万円(装置材料が8億57百万円増加して7億38百万円、金属加工が30.2%増の19億円)だった。商社流通は半導体・IT・自動車関連を中心に取り扱いが増加した。製造も自動車関連を中心に需要回復した。

 四半期別に見ると。第1四半期は売上高369億44百万円、営業利益30億46百万円、経常利益34億87百万円、第2四半期は売上高376億28百万円、営業利益は25億75百万円、経常利益25億73百万円だった。

 通期予想は小幅に上方修正(8月6日続いて2回目)して売上高が1520億円、営業利益が87億円、経常利益が90億円、親会社株主帰属当期純利益が62億円としている。

 新基準へ組み替え後の前期売上高(1056億87百万円)との比較で43.8%増収となり、営業利益は54.8%増益、経常利益は57.4%増益、そして親会社株主帰属当期純利益は2.2倍増益となる。配当予想(9月28日に第2四半期末3円、期末3円、合計6円上方修正)は、21年3月期比6円増配の48円(第2四半期末24円、期末24円)としている。

 修正後の通期セグメント別経常利益の計画は、商社流通が2.2倍の49億80百万円(電子機能材が68.3%増の28億60百万円、アルミ銅が5.0倍の21億20百万円)、製造が15.1%増の40億20百万円(装置材料が3.6倍の12億円、金属加工が10.7%減の28億20百万円)としている。なお金属加工では、精密金属プレス部品が自動車向けに好調だが、半導体不足の影響で半導体実装機向け精密研削加工部品の出荷調整を見込んでいる。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.1%、営業利益が64.6%、経常利益が67.3%、親会社株主帰属当期純利益が73.0%と高水準である。通期予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は年初来高値圏だ。決算発表に対して材料出尽くしの形でややネガティブ反応となったが、目先的な売り一巡して上値を試す展開を期待したい。11月5日の終値は1663円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS247円32銭で算出)は約7倍、時価総額は約432億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月26日更新]

アルコニックスは上値試す、22年3月期は再上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。22年3月期は上方修正して大幅増益予想としている。さらに再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は水準を切り上げて年初来高値を更新する場面があった。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。なお11月5日に22年3月期第2四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 21年3月期のセグメント別構成比は、売上高では商社流通が78%(電子機能材28%、アルミ銅50%)で製造が22%(装置材料12%、金属加工10%)だが、経常利益では商社流通が39%(電子機能材30%、アルミ銅9%)で製造が61%(装置材料6%、金属加工55%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、24年3月期の目標値に経常利益96億円超、当期純利益67億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0倍程度としている。3年間の投資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する。さらに資源循環型・環境配慮型社会の発展に貢献し、新たな「環境親和型ビジネス」の創出に挑戦するとしている。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 21年8月には、コーポレートベンチャーキャピタルファンド(仮称アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年11月組成予定、ファンド総額30億円)、および運用子会社アルコニックスベンチャーズ(21年8月設立)の設立を発表した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す。

■22年3月期大幅増益予想、さらに再上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(第1四半期から収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため前期比増減率は非掲載だが利益に影響なし、8月6日に上方修正)は売上高が1280億円、営業利益が85億円、経常利益が88億円、親会社株主に帰属する当期純利益が60億円としている。

 新基準へ組み替え後の21年3月期実績との比較で、売上高は21.1%増収、営業利益は51.2%増益、経常利益は53.9%増益、親会社株主に帰属する当期純利益は2.1倍増益となる。配当予想(9月28日に第2四半期末3円および期末3円の合計年間ベースで6円上方修正)は、21年3月期比6円増配の48円(第2四半期末24円、期末24円)としている。

 第1四半期は売上高が369億44百万円、営業利益が30億46百万円、経常利益が34億87百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が24億35百万円だった。新基準へ組み替え後の前年同期実績との比較で、売上高は65.4%増収、営業利益は2.6倍増益、経常利益は2.8倍増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は4.4倍増益だった。

 半導体・IT関連が好調に推移し、自動車関連の需要も急回復した。セグメント別利益(経常利益)は、商社流通が4.2倍の20億40百万円(電子機能材が4.3倍の10億31百万円、アルミ銅が4.1倍の10億08百万円)、製造が92.3%増の14億31百万円(装置材料が3億59百万円増加して3億52百万円の黒字、金属加工が43.6%増の10億78百万円)だった。

 第1四半期の好調を受けて、第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正した。第2四半期累計予想は、売上高が680億円、営業利益が50億円、経常利益が54億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が37億円としている。

 通期セグメント別利益(経常利益)計画は商社流通が2.3倍の51億円(電子機能材が64.8%増の28億円、アルミ銅が4.3倍の23億円)、製造が5.9%増の37億円(装置材料が3.0倍の10億円、金属加工が14.5%減の27億円)としている。

 修正後の通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が28.9%、営業利益が35.8%、経常利益が39.6%、当期純利益が40.6%と高水準である。新型コロナ感染再拡大や半導体供給不足の影響など、不透明感を考慮して下期を保守的に想定しているが、再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は上値試す

 株価は水準を切り上げて年初来高値を更新する場面があった。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。10月25日の終値は1712円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS239円66銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想48円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1709円55銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約446億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月07日更新]

アルコニックスは調整一巡、22年3月期大幅増益予想で再上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。22年3月期は上方修正して大幅増益予想としている。さらに再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化の影響で3月の年初来高値を抜けずに一旦反落したが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。なお11月5日に22年3月期第2四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 21年3月期のセグメント別構成比は、売上高では商社流通が78%(電子機能材28%、アルミ銅50%)で製造が22%(装置材料12%、金属加工10%)だが、経常利益では商社流通が39%(電子機能材30%、アルミ銅9%)で製造が61%(装置材料6%、金属加工55%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、24年3月期の目標値に経常利益96億円超、当期純利益67億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0倍程度としている。3年間の投資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する。さらに資源循環型・環境配慮型社会の発展に貢献し、新たな「環境親和型ビジネス」の創出に挑戦するとしている。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 21年8月には、コーポレートベンチャーキャピタルファンド(仮称アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年11月組成予定、ファンド総額30億円)、および運用子会社アルコニックスベンチャーズ(21年8月設立)の設立を発表した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す。

■22年3月期大幅増益予想、さらに再上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(第1四半期から収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため前期比増減率は非掲載だが利益に影響なし、8月6日に上方修正)は売上高が1280億円、営業利益が85億円、経常利益が88億円、親会社株主に帰属する当期純利益が60億円としている。

 新基準へ組み替え後の21年3月期実績との比較で、売上高は21.1%増収、営業利益は51.2%増益、経常利益は53.9%増益、親会社株主に帰属する当期純利益は2.1倍増益となる。配当予想(9月28日に第2四半期末3円および期末3円の合計年間ベースで6円上方修正)は、21年3月期比6円増配の48円(第2四半期末24円、期末24円)としている。

 第1四半期は売上高が369億44百万円、営業利益が30億46百万円、経常利益が34億87百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が24億35百万円だった。新基準へ組み替え後の前年同期実績との比較で、売上高は65.4%増収、営業利益は2.6倍増益、経常利益は2.8倍増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は4.4倍増益だった。

 半導体・IT関連が好調に推移し、自動車関連の需要も急回復した。セグメント別利益(経常利益)は、商社流通が4.2倍の20億40百万円(電子機能材が4.3倍の10億31百万円、アルミ銅が4.1倍の10億08百万円)、製造が92.3%増の14億31百万円(装置材料が3億59百万円増加して3億52百万円の黒字、金属加工が43.6%増の10億78百万円)だった。

 第1四半期の好調を受けて、第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正した。第2四半期累計予想は、売上高が680億円、営業利益が50億円、経常利益が54億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が37億円としている。

 通期セグメント別利益(経常利益)計画は商社流通が2.3倍の51億円(電子機能材が64.8%増の28億円、アルミ銅が4.3倍の23億円)、製造が5.9%増の37億円(装置材料が3.0倍の10億円、金属加工が14.5%減の27億円)としている。

 修正後の通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が28.9%、営業利益が35.8%、経常利益が39.6%、当期純利益が40.6%と高水準である。新型コロナ感染再拡大や半導体供給不足の影響など、不透明感を考慮して下期を保守的に想定しているが、再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化の影響で3月の年初来高値を抜けずに一旦反落したが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。10月6日の終値は1616円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS239円66銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想48円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1709円55銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約420億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月16日更新]

アルコニックスは上値試す、22年3月期大幅増益予想で再上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。22年3月期は上方修正して大幅増益予想としている。さらに再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は順調に水準を切り上げて3月の年初来高値に接近している。上値を試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 21年3月期のセグメント別構成比は、売上高では商社流通が78%(電子機能材28%、アルミ銅50%)で製造が22%(装置材料12%、金属加工10%)だが、経常利益では商社流通が39%(電子機能材30%、アルミ銅9%)で製造が61%(装置材料6%、金属加工55%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、24年3月期の目標値に経常利益96億円超、当期純利益67億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0倍程度としている。3年間の投資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する。さらに資源循環型・環境配慮型社会の発展に貢献し、新たな「環境親和型ビジネス」の創出に挑戦するとしている。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 21年8月には、コーポレートベンチャーキャピタルファンド(仮称アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年11月組成予定、ファンド総額30億円)、および運用子会社アルコニックスベンチャーズ(21年8月設立)の設立を発表した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す。

■22年3月期大幅増益予想、さらに再上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(第1四半期から収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため前期比増減率は非掲載だが利益に影響なし、8月6日に上方修正)は売上高が1280億円、営業利益が85億円、経常利益が88億円、親会社株主帰属当期純利益が60億円としている。

 新基準へ組み替え後の21年3月期実績との比較で、売上高は21.1%増収、営業利益は51.2%増益、経常利益は53.9%増益、そして親会社株主帰属当期純利益は2.1倍増益となる。配当予想は21年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)としている。

 第1四半期は売上高が369億44百万円、営業利益が30億46百万円、経常利益が34億87百万円、親会社株主帰属四半期純利益が24億35百万円だった。新基準へ組み替え後の前年同期実績との比較で、売上高は65.4%増収、営業利益は2.6倍増益、経常利益は2.8倍増益、親会社株主帰属四半期純利益は4.4倍増益だった。

 半導体・IT関連が好調に推移し、自動車関連の需要も急回復した。セグメント別利益(経常利益)は、商社流通が4.2倍の20億40百万円(電子機能材が4.3倍の10億31百万円、アルミ銅が4.1倍の10億08百万円)、製造が92.3%増の14億31百万円(装置材料が3億59百万円増加して3億52百万円の黒字、金属加工が43.6%増の10億78百万円)だった。

 第1四半期の好調を受けて、第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正した。第2四半期累計予想は、売上高が680億円、営業利益が50億円、経常利益が54億円、親会社株主帰属四半期純利益が37億円としている。

 通期セグメント別利益(経常利益)計画は商社流通が2.3倍の51億円(電子機能材が64.8%増の28億円、アルミ銅が4.3倍の23億円)、製造が5.9%増の37億円(装置材料が3.0倍の10億円、金属加工が14.5%減の27億円)としている。

 そして第1四半期の進捗率は売上高が28.9%、営業利益が35.8%、経常利益が39.6%、当期純利益が40.6%と高水準である。新型コロナ感染再拡大や半導体供給不足の影響など、不透明感を考慮して下期を保守的に想定しているが、再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は上値試す

 株価は順調に水準を切り上げて3月の年初来高値に接近している。上値を試す展開を期待したい。9月15日の終値は1788円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS239円66銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想42円で算出)は約2.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1709円55銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約464億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月25日更新]

アルコニックスは反発の動き、22年3月期業績は再上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。22年3月期は第1四半期が大幅増益となり、第2四半期累計および通期予想を上方修正している。さらに再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。なお8月24日にコーポレートベンチャーキャピタルファンドおよび運用子会社の設立を発表した。株価は下値を切り上げて反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 21年3月期のセグメント別構成比は、売上高では商社流通が78%(電子機能材28%、アルミ銅50%)で製造が22%(装置材料12%、金属加工10%)だが、経常利益では商社流通が39%(電子機能材30%、アルミ銅9%)で製造が61%(装置材料6%、金属加工55%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、24年3月期の目標値に経常利益96億円超、当期純利益67億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0倍程度としている。3年間の投資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する。さらに資源循環型・環境配慮型社会の発展に貢献し、新たな「環境親和型ビジネス」の創出に挑戦するとしている。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

 8月24日には、コーポレートベンチャーキャピタルファンド(仮称アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年11月組成予定、ファンド総額30億円)、および運用子会社アルコニックスベンチャーズ(21年8月設立予定)の設立を発表した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す。

■22年3月期大幅増益予想、さらに再上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(第1四半期から収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため前期比増減率は非掲載だが利益に影響なし)は、8月6日に上方修正して売上高が1280億円、営業利益が85億円、経常利益が88億円、親会社株主帰属当期純利益が60億円としている。

 新基準へ組み替え後の21年3月期実績との比較で、売上高は21.1%増収、営業利益は51.2%増益、経常利益は53.9%増益、親会社株主帰属当期純利益は2.1倍増益となる。配当予想は据え置いて、21年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)としている。

 第1四半期は売上高が369億44百万円、営業利益が30億46百万円、経常利益が34億87百万円、親会社株主帰属四半期純利益が24億35百万円だった。新基準へ組み替え後の前年同期実績との比較で、売上高は65.4%増収、営業利益は2.6倍増益、経常利益は2.8倍増益、親会社株主帰属四半期純利益は4.4倍増益だった。

 半導体・IT関連が好調に推移し、自動車関連の需要も急回復した。セグメント別利益(経常利益)は、商社流通が4.2倍の20億40百万円(電子機能材が4.3倍の10億31百万円、アルミ銅が4.1倍の10億08百万円)、製造が92.3%増の14億31百万円(装置材料が3億59百万円増加して3億52百万円の黒字、金属加工が43.6%増の10億78百万円)だった。

 第1四半期の好調を受けて、第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正した。なお修正後の第2四半期累計予想は、売上高が680億円、営業利益が50億円、経常利益が54億円、親会社株主帰属四半期純利益が37億円としている。

 修正後の通期セグメント別利益(経常利益)の計画は、商社流通が2.3倍の51億円(電子機能材が64.8%増の28億円、アルミ銅が4.3倍の23億円)、製造が5.9%増の37億円(装置材料が3.0倍の10億円、金属加工が14.5%減の27億円)としている。

 修正後の通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が28.9%、営業利益が35.8%、経常利益が39.6%、当期純利益が40.6%と高水準である。新型コロナ感染再拡大や半導体供給不足の影響など、不透明感を考慮して下期を保守的に想定しているが、再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は反発の動き

 株価は徐々に下値を切り上げて反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。8月24日の終値は1539円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS239円66銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想42円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1709円55銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約400億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[07月27日更新]

アルコニックスは反発の動き、22年3月期2桁増益予想、さらに上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。22年3月期は需要が堅調に推移して2桁増益予想としている。会社予想は保守的な印象が強く、上振れの可能性がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。株価は調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。なお8月6日に22年3月期第1四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 21年3月期のセグメント別構成比は、売上高では商社流通が78%(電子機能材28%、アルミ銅50%)で製造が22%(装置材料12%、金属加工10%)だが、経常利益では商社流通が39%(電子機能材30%、アルミ銅9%)で製造が61%(装置材料6%、金属加工55%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、24年3月期の目標値に経常利益96億円超、当期純利益67億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0倍程度としている。3年間の投資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する。さらに資源循環型・環境配慮型社会の発展に貢献し、新たな「環境親和型ビジネス」の創出に挑戦するとしている。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

■22年3月期2桁増益予想、さらに上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため増減率非掲載だが利益に影響なし)は、売上高が1200億円、営業利益が64億円、経常利益が64億円、親会社株主帰属当期純利益が45億円としている。配当予想は21年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 需要が堅調に推移(売上高は企業会計基準第29号適用前ベースで11.6%増の2400億円)して、営業利益が13.8%増益、経常利益が11.9%増益、当期純利益が57.3%増益の見込みとしている。

 セグメント別経常利益の計画は、商社流通が34.5%増の30億円(電子機能材が23.6%増の21億円、アルミ銅が69.7%増9億円)で、製造が2.7%減の34億円(装置材料が20.0%増の4億円、金属加工が5.0%減の30億円)としている。

 商社流通の電子機能材はデジタルシフトの加速を背景に、スマホ・タブレット端末関連部材、半導体電子材料、レアメタル・レアアース関連の増加を見込む。アルミ銅は自動車関連や電子材料向けの増加を見込む。製造の装置材料は自動車関連の需要拡大でめっき材料、カーボンブラシ、カシュー樹脂関連の需要が回復基調であり、検査装置関連の増加も見込む。金属加工は半導体製造装置向け切削加工品、精密金属プレス部品、空調機器向け金属加工部品などが伸長するが、半導体実装機向け精密研削加工部品の出荷調整を見込んでいる。

 需要が堅調に推移し、全体として2桁増益予想としている。会社予想は保守的な印象が強く、上振れの可能性がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は反発の動き

 株価は3月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げたが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。7月26日の終値は1463円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS175円48銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の42円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1709円55銭で算出)は約0.9倍、そして時価総額は約380億円である。
(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
http://media-ir.com/news/
[06月28日更新]

アルコニックスは調整一巡、22年3月期2桁増益予想

 アルコニックス<3036>(東1)は非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社で、商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。22年3月期は需要が堅調に推移して2桁増益予想としている。会社予想は保守的な印象が強く、上振れの可能性がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。株価は3月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 非鉄金属、電子材料、金属加工部品などを取り扱う商社である。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(化合物半導体、電子材料、チタン製品、ニッケル製品、レアメタルなど)、商社流通のアルミ銅事業(アルミニウム製品、伸銅品、非鉄スクラップ、各種配管機材など)、製造の装置材料事業(非破壊検査装置、マーキング装置、カシュー樹脂、カーボンブラシなど)、製造の金属加工事業(精密機構部品、精密研削加工部品、精密金属プレス部品、金属加工部品など)としている。

 21年3月期のセグメント別構成比は、売上高では商社流通が78%(電子機能材28%、アルミ銅50%)で製造が22%(装置材料12%、金属加工10%)だが、経常利益では商社流通が39%(電子機能材30%、アルミ銅9%)で製造が61%(装置材料6%、金属加工55%)だった。レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、24年3月期の目標値に経常利益96億円超、当期純利益67億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0倍程度としている。3年間の投資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する。さらに資源循環型・環境配慮型社会の発展に貢献し、新たな「環境親和型ビジネス」の創出に挑戦するとしている。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化、21年3月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得した。

■22年3月期2桁増益予想、さらに上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため増減率非掲載だが利益に影響なし)は、売上高が1200億円、営業利益が64億円、経常利益が64億円、親会社株主帰属当期純利益が45億円としている。配当予想は21年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 需要が堅調に推移(売上高は企業会計基準第29号適用前ベースで11.6%増の2400億円)して、営業利益が13.8%増益、経常利益が11.9%増益、当期純利益が57.3%増益の見込みとしている。

 セグメント別経常利益の計画は、商社流通が34.5%増の30億円(電子機能材が23.6%増の21億円、アルミ銅が69.7%増9億円)で、製造が2.7%減の34億円(装置材料が20.0%増の4億円、金属加工が5.0%減の30億円)としている。

 商社流通の電子機能材はデジタルシフトの加速を背景に、スマホ・タブレット端末関連部材、半導体電子材料、レアメタル・レアアース関連の増加を見込む。アルミ銅は自動車関連や電子材料向けの増加を見込む。製造の装置材料は自動車関連の需要拡大でめっき材料、カーボンブラシ、カシュー樹脂関連の需要が回復基調であり、検査装置関連の増加も見込む。金属加工は半導体製造装置向け切削加工品、精密金属プレス部品、空調機器向け金属加工部品などが伸長するが、半導体実装機向け精密研削加工部品の出荷調整を見込んでいる。

 需要が堅調に推移し、全体として2桁増益予想としている。会社予想は保守的な印象が強く、上振れの可能性がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は3月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。6月25日の終値は1475円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS175円48銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想42円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1709円55銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約383億円である。
(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
http://media-ir.com/news/
[05月28日更新]

アルコニックスは戻り試す、22年3月期も経常増益予想

 アルコニックス <3036> は5月25日の取引時間中に21年3月期連結業績を発表した。新型コロナ影響を受けたが、需要が回復基調となり、一過性損失の一巡も寄与して経常増益だった。22年3月期(収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため増減率非掲載だが利益に影響なし)も経常増益予想としている。収益拡大を期待したい。株価は決算発表に対してネガティブ反応となったが、目先的な売りが一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■21年3月期は経常増益、22年3月期も経常増益予想

21年3月期の連結業績(4月27日に売上高、利益とも上方修正)は、売上高が20年3月期比7.4%減の2149億87百万円、営業利益が8.6%増の56億21百万円、経常利益が5.6%増の57億18百万円、親会社株主帰属当期純利益が20.9%減の28億60百万円だった。配当は20年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)とした。

期前半は新型コロナウイルスの影響で需要が急減したが、期後半に向けて自動車関連の需要が回復基調となった。一過性損失の一巡も寄与して従来の営業・経常減益予想から一転して営業・経常増益で着地した。経常利益は商社流通が2.9倍増益(電子機能材がレアメタル棚卸資産評価損解消して21.2倍増益、アルミ銅が23.6%減益)、製造が24.5%減益(装置材料が17.3%減益、金属加工が25.1%減益)だった。

四半期別の経常利益は、第1四半期が12億43百万円、第2四半期が12億52百万円、第3四半期が16億47百万円、第4四半期が15億76百万円だった。

22年3月期連結業績予想(収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため増減率非掲載だが利益に影響なし)は、売上高が1200億円、営業利益が64億円、経常利益が64億円、親会社株主帰属当期純利益が45億円としている。配当予想は21年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

需要が回復基調であり、実質的に営業利益が13.8%増益、経常利益が11.9%増益、当期純利益が57.3%増益の見込みとしている。なお経常利益の計画は商社流通が34.5%増益(電子機能材が23.6%増益、アルミ銅が69.7%増益)、製造が2.7%減益(装置材料が20.0%増益、金属加工が5.0%減益)としている。収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

株価は決算発表に対してネガティブ反応となったが、目先的な売りが一巡して戻りを試す展開を期待したい。5月26日の終値は1524円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS175円48銭で算出)は約9倍、時価総額は約395億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月07日更新]

アルコニックスは急反発、21年3月期は上方修正して営業・経常増益見込み

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。21年3月期連結業績予想は上方修正して、従来の減益予想から一転して営業・経常増益見込みとした。新型コロナウイルスの影響を受けていた自動車関連の需要が期後半から急速に回復している。22年3月期も収益拡大を期待したい。株価は上方修正を好感して急反発の動きとなった。3月の年初来高値を目指す展開を期待したい。なお5月25日に21年3月期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 20年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通79%(電子機能材30%、アルミ銅50%)で製造21%(装置材料11%、金属加工10%)だが、経常利益構成比は商社流通14%(電子機能材2%、アルミ銅13%)で製造85%(装置材料7%、金属加工78%)だった。

 レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

 中期経営計画(21年3月期〜23年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を23年3月期の経常利益87億円超、純利益60億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化した。21年3月にはメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得する。

 なお20年12月に発表した連結子会社における不適切な会計処理(棚卸資産の架空計上で利益を積み増す等)に関して、21年2月1日付で特別調査委員会から調査報告書を受領した。再発防止策を早急に策定・実行するとしている。

■21年3月期営業・経常増益見込み、22年3月期も収益拡大期待

 21年3月期の連結業績予想(20年10月27日に売上高を下方修正、営業・経常利益を上方修正、当期純利益を据え置き)は4月27日に上方修正して、売上高が20年3月期比9.6%減の2100億円、営業利益が8.2%増の56億円、経常利益が5.2%増の57億円、親会社株主帰属当期純利益が22.6%減の28億円とした。配当予想は据え置いて20年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)としている。

 なお第3四半期累計は売上高が前年同期比13.2%減の1524億55百万円、営業利益が3.4%減の39億10百万円、経常利益が4.4%減の41億42百万円、四半期純利益が45.2%減の17億81百万円だった。新型コロナウイルスの影響で、リモートワーク関連の半導体・電子材料が増加したが、自動車関連の上期の需要急減速の影響が大きく、累計ベースでは全体として減収減益だった。

 商社流通の経常利益は36.9%増益だった。電子機能材は電子材料を中心とする需要回復や前期計上のレアメタル棚卸資産評価損の解消で9.6倍増益、アルミ銅は自動車関連の上期の需要減少と連結子会社における不適切会計処理に係る損失計上で26.2%減益だった。製造の経常利益は33.3%減益だった。自動車関連の需要が上期に落ち込んだ影響で装置材料が89.6%減益、金属加工が29.4%減益だった。

 第3四半期は半導体関連や自動車関連の需要が急回復し、前期計上のレアメタル棚卸資産評価損の解消も寄与して前年比経常増益に転じた。四半期別の経常利益(前年比)は、第1四半期が19.6%減の12億43百万円、第2四半期が11.9%減の12億52百万円、第3四半期が20.5%増の16億47百万円だった。

 通期ベースでは、リモートワーク関連の半導体・電子材料が好調だったことに加えて、新型コロナウイルスの影響を受けていた自動車関連の需要が期後半から急速に回復し、従来の減益予想から一転して営業・経常増益見込みとした。さらに22年3月期も収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は急反発

 株価は上方修正を好感して急反発の動きとなった。3月の年初来高値を目指す展開を期待したい。5月6日の終値は1612円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS114円84銭で算出)は約14倍、前期推定配当利回り(会社予想の42円で算出)は約2.6%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS1578円62銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約418億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月23日更新]

アルコニックスは調整一巡、22年3月期収益拡大期待

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。21年3月期は新型コロナウイルスの影響で減収減益予想だが、需要回復基調であり、再上振れの可能性がありそうだ。さらに22年3月期の収益拡大を期待したい。株価は3月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。なお5月25日に21年3月期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 20年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通79%(電子機能材30%、アルミ銅50%)で製造21%(装置材料11%、金属加工10%)だが、経常利益構成比は商社流通14%(電子機能材2%、アルミ銅13%)で製造85%(装置材料7%、金属加工78%)だった。

 レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

 中期経営計画(21年3月期〜23年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を23年3月期の経常利益87億円超、純利益60億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化した。21年3月にはメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得する。

 なお20年12月に発表した連結子会社における不適切な会計処理(棚卸資産の架空計上で利益を積み増す等)に関して、21年2月1日付で特別調査委員会から調査報告書を受領した。再発防止策を早急に策定・実行するとしている。

■21年3月期利益予想は再上振れの可能性、22年3月期収益拡大期待

 21年3月期の連結業績予想(20年10月27日に売上高を下方修正、営業・経常利益を上方修正、当期純利益を据え置き)は、売上高が20年3月期比18.2%減の1900億円、営業利益が13.1%減の45億円、経常利益が15.1%減の46億円、当期純利益が33.7%減の24億円としている。配当予想は20年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比13.2%減の1524億55百万円、営業利益が3.4%減の39億10百万円、経常利益が4.4%減の41億42百万円、四半期純利益が45.2%減の17億81百万円だった。新型コロナウイルスの影響で、リモートワーク関連の半導体・電子材料が増加したが、自動車関連の上期の需要急減速の影響が大きく、累計ベースでは全体として減収減益だった。

 商社流通の経常利益は36.9%増益だった。電子機能材は電子材料を中心とする需要回復や前期計上のレアメタル棚卸資産評価損の解消で9.6倍増益、アルミ銅は自動車関連の上期の需要減少と連結子会社における不適切会計処理に係る損失計上で26.2%減益だった。製造の経常利益は33.3%減益だった。自動車関連の需要が上期に落ち込んだ影響で装置材料が89.6%減益、金属加工が29.4%減益だった。

 ただし第3四半期は半導体関連や自動車関連の需要が急回復し、前期計上のレアメタル棚卸資産評価損の解消も寄与して、前年比で経常増益に転じた。四半期別の経常利益(前年比)見ると、第1四半期は19.6%減の12億43百万円、第2四半期は11.9%減の12億52百万円、第3四半期は20.5%増の16億47百万円だった。

 通期予想は据え置いて減収減益予想としている。セグメント別経常利益の計画は、商社流通が96.9%増の23億円(電子機能材が22.3倍の18億円、アルミ銅が28.0%減の5億円)、製造が50.5%減の23億円(装置材料が20年3月期4億03百万円の黒字から2億円の赤字化、金属加工が41.1%減の25億円)としている。

 商社流通の電子機能材は5G本格稼働に伴う電子材料需要増加やレアメタル棚卸資産評価損解消で通期も利益改善、アルミ銅は下期に非鉄市況回復と自動車関連需要回復だが上期の落ち込みをカバーできず通期減益、製造の装置材料は下期に自動車関連需要回復だが上期の落ち込みをカバーできず通期赤字化、金属加工は半導体製造装置向け精密切削加工部品の出荷調整や自動車向け精密金属プレス部品の需要回復遅れ、さらにメキシコ事業立ち上げ費用先行で通期減益見込みとしている。

 ただし第3四半期累計の進捗率は売上高が80.2%、営業利益が86.9%、経常利益が90.0%、純利益が74.2%と高水準だった。需要回復基調であり、第3四半期が経常増益に転じていることも勘案すれば、通期利益予想は再上振れの可能性がありそうだ。さらに22年3月期の収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は3月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。4月22日の終値は1552円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS95円86銭で算出)は約16倍、前期推定配当利回り(会社予想の42円で算出)は約2.7%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS1578円62銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約403億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月26日更新]

アルコニックスは上値試す、21年3月期利益予想は再上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。21年3月期は新型コロナウイルスの影響で減収減益予想としているが、需要回復基調である。第3四半期が経常増益に転じていることも勘案すれば、通期利益予想は再上振れの可能性が高いだろう。株価は上げ一服となったが昨年来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 20年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通79%(電子機能材30%、アルミ銅50%)で製造21%(装置材料11%、金属加工10%)だが、経常利益構成比は商社流通14%(電子機能材2%、アルミ銅13%)で製造85%(装置材料7%、金属加工78%)だった。

 レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

 中期経営計画(21年3月期〜23年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を23年3月期の経常利益87億円超、純利益60億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化した。21年3月にはメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得する。

 なお20年12月に発表した連結子会社における不適切な会計処理(棚卸資産の架空計上で利益を積み増す等)に関して、21年2月1日付で特別調査委員会から調査報告書を受領した。再発防止策を早急に策定・実行するとしている。

■21年3月期利益予想は再上振れの可能性

 21年3月期の連結業績予想(20年10月27日に売上高を下方修正、営業・経常利益を上方修正、当期純利益を据え置き)は、売上高が20年3月期比18.2%減の1900億円、営業利益が13.1%減の45億円、経常利益が15.1%減の46億円、当期純利益が33.7%減の24億円としている。配当予想は20年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比13.2%減の1524億55百万円、営業利益が3.4%減の39億10百万円、経常利益が4.4%減の41億42百万円、四半期純利益が45.2%減の17億81百万円だった。新型コロナウイルスの影響で、リモートワーク関連の半導体・電子材料が増加したが、自動車関連の上期の需要急減速の影響が大きく、累計ベースでは全体として減収減益だった。

 商社流通の経常利益は36.9%増益だった。電子機能材は電子材料を中心とする需要回復や前期計上のレアメタル棚卸資産評価損の解消で9.6倍増益、アルミ銅は自動車関連の上期の需要減少と連結子会社における不適切会計処理に係る損失計上で26.2%減益だった。製造の経常利益は33.3%減益だった。自動車関連の需要が上期に落ち込んだ影響で装置材料が89.6%減益、金属加工が29.4%減益だった。

 ただし第3四半期は半導体関連や自動車関連の需要が急回復し、前期計上のレアメタル棚卸資産評価損の解消も寄与して、前年比で経常増益に転じた。四半期別の経常利益(前年比)見ると、第1四半期は19.6%減の12億43百万円、第2四半期は11.9%減の12億52百万円、第3四半期は20.5%増の16億47百万円だった。

 通期予想は据え置いて減収減益予想としている。セグメント別経常利益の計画は、商社流通が96.9%増の23億円(電子機能材が22.3倍の18億円、アルミ銅が28.0%減の5億円)、製造が50.5%減の23億円(装置材料が20年3月期4億03百万円の黒字から2億円の赤字化、金属加工が41.1%減の25億円)としている。

 商社流通の電子機能材は5G本格稼働に伴う電子材料需要増加やレアメタル棚卸資産評価損解消で通期も利益改善、アルミ銅は下期に非鉄市況回復と自動車関連需要回復だが上期の落ち込みをカバーできず通期減益、製造の装置材料は下期に自動車関連需要回復だが上期の落ち込みをカバーできず通期赤字化、金属加工は半導体製造装置向け精密切削加工部品の出荷調整や自動車向け精密金属プレス部品の需要回復遅れ、さらにメキシコ事業立ち上げ費用先行で通期減益見込みとしている。

 ただし第3四半期累計の進捗率は売上高が80.2%、営業利益が86.9%、経常利益が90.0%、純利益が74.2%と高水準だった。需要回復基調であり、第3四半期が経常増益に転じていることも勘案すれば、通期利益予想は再上振れの可能性が高いだろう。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は上値試す

 株価は上げ一服となったが昨年来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。3月25日の終値は1677円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円58銭で算出)は約18倍、今期予想配当利回り(会社予想の42円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1578円62銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約435億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月08日更新]

アルコニックスは高値更新、21年3月期再上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。21年3月期は新型コロナウイルスの影響で減収減益予想としているが、需要が回復基調であり、第3四半期が経常増益に転じていることも勘案すれば、通期利益予想は再上振れの可能性が高いだろう。株価は昨年来高値更新の展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 20年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通79%(電子機能材30%、アルミ銅50%)で製造21%(装置材料11%、金属加工10%)だが、経常利益構成比は商社流通14%(電子機能材2%、アルミ銅13%)で製造85%(装置材料7%、金属加工78%)だった。

 レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

 中期経営計画(21年3月期〜23年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を23年3月期の経常利益87億円超、純利益60億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクル製造販売の東北化工を子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化、19年7月メキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を譲り受け、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 20年3月子会社の平和金属を完全子会社化、20年8月子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)がタングステン化合物メーカーの台湾・Lianyou Metals社に出資、20年12月空調機器向け配管部品製造販売の富士根産業を子会社化した。21年3月にはメキシコFUJI ALCONIXがメキシコFNA社から工場用地・建物を取得する。

 なお20年12月に発表した連結子会社における不適切な会計処理(棚卸資産の架空計上で利益を積み増す等)に関して、2月1日付で特別調査委員会から調査報告書を受領した。再発防止策を早急に策定・実行するとしている。

■21年3月期3Q累計の利益進捗率高水準、通期利益は再上振れの可能性

 21年3月期の連結業績予想(20年10月27日に売上高を下方修正、営業・経常利益を上方修正、当期純利益を据え置き)は、売上高が20年3月期比18.2%減の1900億円、営業利益が13.1%減の45億円、経常利益が15.1%減の46億円、当期純利益が33.7%減の24億円としている。配当予想は20年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比13.2%減の1524億55百万円、営業利益が3.4%減の39億10百万円、経常利益が4.4%減の41億42百万円、四半期純利益が45.2%減の17億81百万円だった。新型コロナウイルスの影響で、リモートワーク関連の半導体・電子材料が増加したが、自動車関連の上期の需要急減速の影響が大きく、累計ベースでは全体として減収減益だった。

 商社流通の経常利益は36.9%増益だった。電子機能材は電子材料を中心とする需要回復や前期計上のレアメタル棚卸資産評価損の解消で9.6倍増益、アルミ銅は自動車関連の上期の需要減少と連結子会社における不適切会計処理に係る損失計上で26.2%減益だった。製造の経常利益は33.3%減益だった。自動車関連の需要が上期に落ち込んだ影響で装置材料が89.6%減益、金属加工が29.4%減益だった。

 ただし第3四半期は半導体関連や自動車関連の需要が急回復し、前期計上のレアメタル棚卸資産評価損の解消も寄与して、前年比で経常増益に転じた。四半期別の経常利益(前年比)見ると、第1四半期は19.6%減の12億43百万円、第2四半期は11.9%減の12億52百万円、第3四半期は20.5%増の16億47百万円だった。

 通期予想は据え置いて減収減益予想としている。セグメント別経常利益の計画は、商社流通が96.9%増の23億円(電子機能材が22.3倍の18億円、アルミ銅が28.0%減の5億円)、製造が50.5%減の23億円(装置材料が20年3月期4億03百万円の黒字から2億円の赤字化、金属加工が41.1%減の25億円)としている。

 商社流通の電子機能材は5G本格稼働に伴う電子材料需要増加やレアメタル棚卸資産評価損解消で通期も利益改善、アルミ銅は下期に非鉄市況回復と自動車関連需要回復だが上期の落ち込みをカバーできず通期減益、製造の装置材料は下期に自動車関連需要回復だが上期の落ち込みをカバーできず通期赤字化、金属加工は半導体製造装置向け精密切削加工部品の出荷調整や自動車向け精密金属プレス部品の需要回復遅れ、さらにメキシコ事業立ち上げ費用先行で通期減益見込みとしている。

 ただし第3四半期累計の進捗率は売上高が80.2%、営業利益が86.9%、経常利益が90.0%、純利益が74.2%と高水準だった。需要が回復基調であり、第3四半期が経常増益に転じていることも勘案すれば、通期利益予想は再上振れの可能性が高いだろう。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は高値更新の展開

 株価は昨年来高値更新の展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。3月5日の終値は1759円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円58銭で算出)は約18倍、今期予想配当利回り(会社予想の42円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1578円62銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約456億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月19日更新]

アルコニックスは上値試す、21年3月期3Q累計利益進捗率高水準で通期再上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。21年3月期第3四半期累計は新型コロナウイルスの影響で減収減益だった。ただし需要回復基調で第3四半期は前年比経常増益に転じた。通期減収減益予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率が高水準であり、通期利益予想は再上振れの可能性がありそうだ。株価は昨年来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 20年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通79%(電子機能材30%、アルミ銅50%)で製造21%(装置材料11%、金属加工10%)だが、経常利益構成比は商社流通14%(電子機能材2%、アルミ銅13%)で製造85%(装置材料7%、金属加工78%)だった。

 レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

 中期経営計画(21年3月期〜23年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を23年3月期の経常利益87億円超、純利益60億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化、19年7月メキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業をメキシコFUJI−MX社が譲り受けて営業開始、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月連結子会社の平和金属を完全子会社化した。

 20年8月には子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)が、レアメタル製品の製造事業における海外展開の一環として、台湾のタングステン化合物メーカーであるLianyou Metals社に出資した。20年12月には空調機器向け配管部品メーカーの富士根産業(静岡県沼津市)を子会社化した。

 なお20年12月に発表した連結子会社における不適切な会計処理(棚卸資産の架空計上で利益を積み増す等)に関して、2月1日付で特別調査委員会から調査報告書を受領した。再発防止策を早急に策定・実行するとしている。

■21年3月期3Q累計の利益進捗率高水準、通期利益は再上振れの可能性

 21年3月期の連結業績予想(20年10月27日に売上高を下方修正、営業・経常利益を上方修正、当期純利益を据え置き)は、売上高が20年3月期比18.2%減の1900億円、営業利益が13.1%減の45億円、経常利益が15.1%減の46億円、当期純利益が33.7%減の24億円としている。配当予想は20年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比13.2%減の1524億55百万円、営業利益が3.4%減の39億10百万円、経常利益が4.4%減の41億42百万円、四半期純利益が45.2%減の17億81百万円だった。新型コロナウイルスの影響で、リモートワーク関連の半導体・電子材料が増加したが、自動車関連の上期の需要急減速の影響が大きく、累計ベースでは全体として減収減益だった。

 商社流通の経常利益は36.9%増益だった。電子機能材は電子材料を中心とする需要回復や前期計上のレアメタル棚卸資産評価損の解消で9.6倍増益、アルミ銅は自動車関連の上期の需要減少と連結子会社における不適切会計処理に係る損失計上で26.2%減益だった。製造の経常利益は33.3%減益だった。自動車関連の需要が上期に落ち込んだ影響で装置材料が89.6%減益、金属加工が29.4%減益だった。

 ただし第3四半期は半導体関連や自動車関連の需要が急回復し、前期計上のレアメタル棚卸資産評価損の解消も寄与して、前年比で経常増益に転じた。四半期別の経常利益(前年比)見ると、第1四半期は19.6%減の12億43百万円、第2四半期は11.9%減の12億52百万円、第3四半期は20.5%増の16億47百万円だった。

 通期予想は据え置いて減収減益予想としている。セグメント別経常利益の計画は、商社流通が96.9%増の23億円(電子機能材が22.3倍の18億円、アルミ銅が28.0%減の5億円)、製造が50.5%減の23億円(装置材料が20年3月期4億03百万円の黒字から2億円の赤字化、金属加工が41.1%減の25億円)としている。

 商社流通の電子機能材は5G本格稼働に伴う電子材料需要増加やレアメタル棚卸資産評価損解消で通期も利益改善、アルミ銅は下期に非鉄市況回復と自動車関連需要回復だが上期の落ち込みをカバーできず通期減益、製造の装置材料は下期に自動車関連需要回復だが上期の落ち込みをカバーできず通期赤字化、金属加工は半導体製造装置向け精密切削加工部品の出荷調整や自動車向け精密金属プレス部品の需要回復遅れ、さらにメキシコ事業立ち上げ費用先行で通期減益見込みとしている。

 ただし第3四半期累計の進捗率は売上高が80.2%、営業利益が86.9%、経常利益が90.0%、純利益が74.2%と高水準だった。需要が回復基調であり、第3四半期が経常増益に転じたことも勘案すれば、通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は上値試す

 株価は1月中旬に急伸して昨年来高値を更新した。その後も昨年来高値圏で堅調に推移している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。2月18日の終値は1660円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円58銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の42円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1578円62銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約431億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月08日更新]

アルコニックスは調整一巡、21年3月期通期利益予想は再上振れ余地

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。21年3月期は新型コロナウイルスの影響で減益予想としている。当面は感染再拡大の影響も意識されるが、半導体関連を中心に需要が回復傾向であり、非鉄市況の回復も寄与して通期利益予想に再上振れ余地がありそうだ。株価は11月の直近安値圏から切り返しの動きを強めている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。なお2月12日に第3四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 20年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通79%(電子機能材30%、アルミ銅50%)で製造21%(装置材料11%、金属加工10%)だが、経常利益構成比は商社流通14%(電子機能材2%、アルミ銅13%)で製造85%(装置材料7%、金属加工78%)だった。

 レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

 中期経営計画(21年3月期〜23年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を23年3月期の経常利益87億円超、純利益60億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化、19年7月メキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業をメキシコFUJI−MX社が譲り受けて営業開始、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月連結子会社の平和金属を完全子会社化した。

 20年8月には子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)が、レアメタル製品の製造事業における海外展開の一環として、台湾のタングステン化合物メーカーであるLianyou Metals社に出資した。20年12月には空調機器向け配管部品メーカーの富士根産業(静岡県沼津市)を子会社化した。

■21年3月期通期利益は再上振れの可能性

 21年3月期連結業績予想(10月27日に売上高を下方修正、営業・経常利益を上方修正、純利益を据え置き)は、売上高が20年3月期比18.2%減の1900億円、営業利益が13.1%減の45億円、経常利益が15.1%減の46億円、純利益が33.7%減の24億円としている。配当予想は20年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比18.8%減の961億47百万円、営業利益が8.9%減の24億59百万円、経常利益が15.9%減の24億95百万円、純利益が36.6%減の12億12百万円だった。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で、自動車関連を中心に需要が落ち込んで減収減益だったが、デジタルシフトやリモートワークの流れを背景にIT機器や半導体関連の需要が増加して売上高が計画を上回った。さらに前期計上したレアメタルの棚卸資産評価損の解消、人的移動制限に伴う販管費減少なども寄与して、各利益は計画比で減益幅が縮小した。

 セグメント別の経常利益は、商社流通―電子機能材が9.3倍の8億30百万円、商社流通―アルミ銅が25.2%減の3億26百万円、製造―装置材料が1億18百万円の赤字(同69百万円の黒字)、製造―金属加工が38.2%減の14億60百万円だった。

 通期も新型コロナウイルス影響で減収減益予想である。感染再拡大懸念で不透明感が強いとしている。ただし第2四半期累計が計画超だったため、通期の営業・経常利益を上方修正して、従来予想に比べて減益幅が縮小する見込みとした。

 セグメント別経常利益の計画は、商社流通―電子機能材が22.3倍の18億円、商社流通―アルミ銅が28.0%減の5億円、製造―装置材料が2億円の赤字(20年3月期は4億03百万円の黒字)、製造―金属加工が41.1%減の25億円としている。

 商社流通―電子機能材は5G本格稼働に伴う電子材料需要増加やレアメタル棚卸資産評価損一巡で利益改善、商社流通―アルミ銅は上期の落ち込みをカバーできないが下期の非鉄市況回復と自動車関連需要の回復、製造―装置材料は上期の落ち込みをカバーできないが自動車関連需要の底入れ、製造―金属加工は自動車向け精密金属プレス部品の需要回復遅れやメキシコ事業立ち上げ費用先行を見込んでいる。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.6%、営業利益が54.6%、経常利益が54.2%、純利益が50.5%である。当面は感染再拡大の影響も意識されるが、半導体関連を中心に需要が回復傾向であり、非鉄市況の回復も寄与して通期利益予想に再上振れ余地がありそうだ。

 なお12月4日に、子会社における不適切な会計処理(棚卸資産の架空計上で利益を積み増す等)が判明したため、特別調査委員会の設置を発表した。現時点における業績への影響額は約2億50百万円と判明している。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は11月の直近安値圏から切り返しの動きを強めている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。1月7日の終値は1444円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円58銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の42円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1578円62銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約375億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月11日更新]

アルコニックスは上値試す、21年3月期通期利益は再上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。21年3月期は新型コロナウイルスの影響で減収減益予想だが、営業・経常利益を上方修正して、従来予想比で減益幅が縮小する見込みとしている。さらに再上振れの可能性がありそうだ。株価は9月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。上値を試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 20年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通79%(電子機能材30%、アルミ銅50%)で製造21%(装置材料11%、金属加工10%)だが、経常利益構成比は商社流通14%(電子機能材2%、アルミ銅13%)で製造85%(装置材料7%、金属加工78%)だった。

 レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

 中期経営計画(21年3月期〜23年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を23年3月期の経常利益87億円超、純利益60億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化、19年7月メキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業をメキシコFUJI−MX社が譲り受けて営業開始、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月連結子会社の平和金属を完全子会社化した。

 20年8月には子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)が、レアメタル製品の製造事業における海外展開の一環として、台湾のタングステン化合物メーカーであるLianyou Metals社に出資した。20年12月には空調機器向け配管部品メーカーの富士根産業(静岡県沼津市)を子会社化した。

■21年3月期通期利益は再上振れの可能性

 21年3月期連結業績予想(10月27日に売上高を下方修正、営業・経常利益を上方修正、純利益を据え置き)は、売上高が20年3月期比18.2%減の1900億円、営業利益が13.1%減の45億円、経常利益が15.1%減の46億円、純利益が33.7%減の24億円としている。配当予想は20年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比18.8%減の961億47百万円、営業利益が8.9%減の24億59百万円、経常利益が15.9%減の24億95百万円、純利益が36.6%減の12億12百万円だった。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で、自動車関連を中心に需要が落ち込んで減収減益だったが、デジタルシフトやリモートワークの流れを背景にIT機器や半導体関連の需要が増加して売上高が計画を上回った。さらに前期計上したレアメタルの棚卸資産評価損の解消、人的移動制限に伴う販管費減少なども寄与して、各利益は計画比で減益幅が縮小した。

 セグメント別の経常利益は、商社流通―電子機能材が9.3倍の8億30百万円、商社流通―アルミ銅が25.2%減の3億26百万円、製造―装置材料が1億18百万円の赤字(同69百万円の黒字)、製造―金属加工が38.2%減の14億60百万円だった。

 通期も新型コロナウイルス影響で減収減益予想である。感染再拡大懸念で不透明感が強いとしている。ただし第2四半期累計が計画超だったため、通期の営業・経常利益を上方修正して、従来予想に比べて減益幅が縮小する見込みとした。

 セグメント別経常利益の計画は、商社流通―電子機能材が22.3倍の18億円、商社流通―アルミ銅が28.0%減の5億円、製造―装置材料が2億円の赤字(20年3月期は4億03百万円の黒字)、製造―金属加工が41.1%減の25億円としている。

 商社流通―電子機能材は5G本格稼働に伴う電子材料需要増加やレアメタル棚卸資産評価損一巡で利益改善、商社流通―アルミ銅は上期の落ち込みをカバーできないが下期の非鉄市況回復と自動車関連需要の回復、製造―装置材料は上期の落ち込みをカバーできないが自動車関連需要の底入れ、製造―金属加工は自動車向け精密金属プレス部品の需要回復遅れやメキシコ事業立ち上げ費用先行を見込んでいる。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.6%、営業利益が54.6%、経常利益が54.2%、純利益が50.5%である。感染再拡大の影響が当面の懸念材料となるが、通期利益予想に再上振れの可能性がありそうだ。

 なお12月4日に、子会社における不適切な会計処理(棚卸資産の架空計上で利益を積み増す等)が判明したため、特別調査委員会の設置を発表した。現時点における業績への影響額は約250百万円と判明している。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は上値試す

 株価は9月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。上値を試す展開を期待したい。12月10日の終値は1468円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円58銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の42円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1578円62銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約381億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月26日更新]

アルコニックスは調整一巡、21年3月期通期利益は再上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。21年3月期第2四半期累計は新型コロナウイルスの影響で減収減益だったが、期初計画に対して減益幅が縮小した。通期は営業・経常利益を上方修正して、従来予想比で減益幅が縮小する見込みとしている。通期利益は再上振れの可能性がありそうだ。株価は9月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 20年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通79%(電子機能材30%、アルミ銅50%)で製造21%(装置材料11%、金属加工10%)だが、経常利益構成比は商社流通14%(電子機能材2%、アルミ銅13%)で製造85%(装置材料7%、金属加工78%)だった。

 レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

 中期経営計画(21年3月期〜23年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を23年3月期の経常利益87億円超、純利益60億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化、19年7月メキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業をメキシコFUJI−MX社が譲り受けて営業開始、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月連結子会社の平和金属を完全子会社化した。

 20年8月には子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)が、レアメタル製品の製造事業における海外展開の一環として、台湾のタングステン化合物メーカーであるLianyou Metals社に出資すると発表した。

■21年3月期通期利益は再上振れの可能性

 21年3月期連結業績予想(10月27日に売上高を下方修正、営業・経常利益を上方修正、純利益を据え置き)は、売上高が20年3月期比18.2%減の1900億円、営業利益が13.1%減の45億円、経常利益が15.1%減の46億円、純利益が33.7%減の24億円としている。配当予想は20年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比18.8%減の961億47百万円、営業利益が8.9%減の24億59百万円、経常利益が15.9%減の24億95百万円、純利益が36.6%減の12億12百万円だった。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で、自動車関連を中心に需要が落ち込んで減収減益だったが、デジタルシフトやリモートワークの流れを背景にIT機器や半導体関連の需要が増加して売上高が計画を上回った。さらに前期計上したレアメタルの棚卸資産評価損の解消、人的移動制限に伴う販管費減少なども寄与して、各利益は計画比で減益幅が縮小した。

 セグメント別の経常利益は、商社流通―電子機能材が9.3倍の8億30百万円、商社流通―アルミ銅が25.2%減の3億26百万円、製造―装置材料が1億18百万円の赤字(同69百万円の黒字)、製造―金属加工が38.2%減の14億60百万円だった。

 通期も新型コロナウイルス影響で減収減益予想である。感染再拡大懸念で不透明感が強いとしている。ただし第2四半期累計が計画超だったため、通期の営業・経常利益を上方修正して、従来予想に比べて減益幅が縮小する見込みとした。

 セグメント別経常利益の計画は、商社流通―電子機能材が22.3倍の18億円、商社流通―アルミ銅が28.0%減の5億円、製造―装置材料が2億円の赤字(20年3月期は4億03百万円の黒字)、製造―金属加工が41.1%減の25億円としている。

 商社流通―電子機能材は5G本格稼働に伴う電子材料需要増加やレアメタル棚卸資産評価損一巡で利益改善、商社流通―アルミ銅は上期の落ち込みをカバーできないが下期の非鉄市況回復と自動車関連需要の回復、製造―装置材料は上期の落ち込みをカバーできないが自動車関連需要の底入れ、製造―金属加工は自動車向け精密金属プレス部品の需要回復遅れやメキシコ事業立ち上げ費用先行を見込んでいる。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.6%、営業利益が54.6%、経常利益が54.2%、純利益が50.5%である。感染再拡大の影響が当面の懸念材料となるが、通期利益予想に再上振れの可能性がありそうだ。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 なお3月27日発表の自己株式取得(上限80万株・8億円、取得期間20年4月1日〜20年10月31日)については終了した。20年10月31日時点の累計取得株式数は63万5100株だった。

 株価は9月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形だが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。11月25日の終値は1403円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円58銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の42円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1578円62銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約364億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月05日更新]

アルコニックスは上値試す、21年3月期上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。21年3月期は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益予想としているが、上振れの可能性がありそうだ。株価は年初来高値更新の展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。なお11月5日に第2四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 20年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通79%(電子機能材30%、アルミ銅50%)で製造21%(装置材料11%、金属加工10%)だが、経常利益構成比は商社流通14%(電子機能材2%、アルミ銅13%)で製造85%(装置材料7%、金属加工78%)だった。

 レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

 中期経営計画(21年3月期〜23年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を23年3月期の経常利益87億円超、純利益60億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化、19年7月メキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業をメキシコFUJI−MX社が譲り受けて営業開始、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月連結子会社の平和金属を完全子会社化した。

 20年8月には子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)が、レアメタル製品の製造事業における海外展開の一環として、台湾のタングステン化合物メーカーであるLianyou Metals社に出資すると発表した。

■21年3月期減収減益予想だが上振れの可能性

 21年3月期連結業績予想は売上高が20年3月期比9.6%減の2100億円、営業利益が24.7%減の39億円、経常利益が26.2%減の40億円、純利益が33.7%減の24億円としている。配当予想は20年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を考慮して減収減益予想としている。商社流通―電子機能材(経常利益計画11億円)は、5G本格稼働に伴う電子材料需要増加や、レアメタル棚卸資産評価損の一巡で利益改善を見込む。商社流通―アルミ銅(同10億円)は、自動車関連を中心に需要減少だが利益改善を見込む。製造―装置材料(同4億円の赤字)はメッキ材料、非破壊検査、小型モーター用カーボンブラシの需要減少で利益悪化を見込む。製造―金属加工(同23億円)は半導体実装機・半導体製造装置向け精密研削加工部品、自動車向け精密金属プレス部品の需要減少で利益悪化を見込む。

 第1四半期は、売上高が前年同期比20.1%減の480億95百万円、営業利益が6.0%減の11億57百万円、経常利益が19.6%減の12億43百万円、純利益が38.4%減の5億55百万円だった。

 リモートワーク需要などで半導体・電子材料関連は増加したが、自動車関連の需要が急減したため全体として減収減益だった。ただし前期計上したレアメタル棚卸資産評価損が解消したため、商社流通−電子機能材の損益が大幅改善し、全体としても営業利益の減益が小幅にとどまった。

 セグメント別経常利益は、商社流通―電子機能材が3億14百万円の黒字(前年同期は14百万円の赤字)、商社流通―アルミ銅が39.1%減の1億86百万円、製造―装置材料が7百万円の赤字(同25百万円の黒字)、製造―金属加工が38.2%減の7億51百万円だった。

 第1四半期は減益だったが、各利益は第2四半期累計予想(営業利益11億10百万円、経常利益11億90百万円、純利益5億50百万円)を超過達成している。また下期偏重の期初計画だが、通期予想に対する利益進捗率は営業利益29.7%、経常利益31.1%、純利益23.1%と順調である。通期利益予想に上振れの可能性がありそうだ。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は上値試す

 3月27日発表の自己株式取得(上限80万株・8億円、取得期間20年4月1日〜20年10月31日)については、20年9月30日時点で累計取得株式数が56万2300株となっている。

 株価は水準を切り上げて年初来高値更新の展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。10月2日の終値は1543円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS94円80銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の42円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1578円62銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約400億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月09日更新]

アルコニックスは年初来高値更新、21年3月期減収減益予想だが上振れ期待

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。21年3月期は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益予想としているが、第1四半期の利益進捗率が順調であり、通期上振れ期待が高まる。株価は年初来高値更新の展開となった。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 20年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通79%(電子機能材30%、アルミ銅50%)で製造21%(装置材料11%、金属加工10%)だが、経常利益構成比は商社流通14%(電子機能材2%、アルミ銅13%)で製造85%(装置材料7%、金属加工78%)だった。

 レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

 中期経営計画(21年3月期〜23年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を23年3月期の経常利益87億円超、純利益60億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化、19年7月メキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業をメキシコFUJI−MX社が譲り受けて営業開始、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月連結子会社の平和金属を完全子会社化した。

 20年8月には子会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ社)が、レアメタル製品の製造事業における海外展開の一環として、台湾のタングステン化合物メーカーであるLianyou Metals社に出資すると発表した。

■21年3月期減収減益予想だが上振れ期待

 21年3月期連結業績予想は売上高が20年3月期比9.6%減の2100億円、営業利益が24.7%減の39億円、経常利益が26.2%減の40億円、純利益が33.7%減の24億円としている。配当予想は20年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を考慮して減収減益予想としている。商社流通―電子機能材(経常利益計画11億円)は、5G本格稼働に伴う電子材料需要増加や、レアメタル棚卸資産評価損の一巡で利益改善を見込む。商社流通―アルミ銅(同10億円)は、自動車関連を中心に需要減少だが利益改善を見込む。製造―装置材料(同4億円の赤字)はメッキ材料、非破壊検査、小型モーター用カーボンブラシの需要減少で利益悪化を見込む。製造―金属加工(同23億円)は半導体実装機・半導体製造装置向け精密研削加工部品、自動車向け精密金属プレス部品の需要減少で利益悪化を見込む。

 第1四半期は、売上高が前年同期比20.1%減の480億95百万円、営業利益が6.0%減の11億57百万円、経常利益が19.6%減の12億43百万円、純利益が38.4%減の5億55百万円だった。

 リモートワーク需要などで半導体・電子材料関連は増加したが、自動車関連の需要が急減したため全体として減収減益だった。ただし前期計上したレアメタル棚卸資産評価損が解消したため、商社流通−電子機能材の損益が大幅改善し、全体としても営業利益の減益が小幅にとどまった。

 セグメント別経常利益は、商社流通―電子機能材が3億14百万円の黒字(前年同期は14百万円の赤字)、商社流通―アルミ銅が39.1%減の1億86百万円、製造―装置材料が7百万円の赤字(同25百万円の黒字)、製造―金属加工が38.2%減の7億51百万円だった。

 第1四半期は減収減益だが、利益進捗率は通期予想に対して営業利益29.7%、経常利益31.1%、純利益23.1%と順調だった。また第2四半期累計予想(営業利益11億10百万円、経常利益11億90百万円、純利益5億50百万円)を超過達成した。下期偏重の期初計画だが通期上振れ期待が高まる。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は戻り試す

 3月27日発表の自己株式取得(上限80万株・8億円、取得期間20年4月1日〜20年10月31日)については、20年8月31日時点で累計取得株式数が50万8300株となっている。

 株価は年初来高値更新の展開となった。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。9月8日の終値は1496円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS94円80銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想42円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1578円62銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約388億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月20日更新]

アルコニックスは戻り試す、21年3月期減収減益予想だが上振れ期待

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。21年3月期は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益予想としている。ただし第1四半期の利益は第2四半期累計予想を超過達成した。下期偏重の期初計画だが通期上振れ期待が高まる。株価は3月の安値を底にして順調に下値を切り上げている。第1四半期業績に対しても高進捗率を好感する動きだった。戻りを試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 20年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通79%(電子機能材30%、アルミ銅50%)で製造21%(装置材料11%、金属加工10%)だが、経常利益構成比は商社流通14%(電子機能材2%、アルミ銅13%)で製造85%(装置材料7%、金属加工78%)だった。

 レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

 中期経営計画(21年3月期〜23年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を23年3月期の経常利益87億円超、純利益60億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化、19年7月メキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業をメキシコFUJI−MX社が譲り受けて営業開始、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月連結子会社の平和金属を完全子会社化した。

■21年3月期減収減益予想だが上振れ期待

 21年3月期連結業績予想は売上高が20年3月期比9.6%減の2100億円、営業利益が24.7%減の39億円、経常利益が26.2%減の40億円、純利益が33.7%減の24億円としている。配当予想は20年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を考慮して減収減益予想としている。商社流通―電子機能材(経常利益計画11億円)は、5G本格稼働に伴う電子材料需要増加や、レアメタル棚卸資産評価損の一巡で利益改善を見込む。商社流通―アルミ銅(同10億円)は、自動車関連を中心に需要減少だが利益改善を見込む。製造―装置材料(同4億円の赤字)はメッキ材料、非破壊検査、小型モーター用カーボンブラシの需要減少で利益悪化を見込む。製造―金属加工(同23億円)は半導体実装機・半導体製造装置向け精密研削加工部品、自動車向け精密金属プレス部品の需要減少で利益悪化を見込む。

 第1四半期は、売上高が前年同期比20.1%減の480億95百万円、営業利益が6.0%減の11億57百万円、経常利益が19.6%減の12億43百万円、純利益が38.4%減の5億55百万円だった。

 リモートワーク需要などで半導体・電子材料関連は増加したが、自動車関連の需要が急減したため全体として減収減益だった。ただし前期計上したレアメタル棚卸資産評価損が解消したため、商社流通−電子機能材の損益が大幅改善し、全体としても営業利益の減益が小幅にとどまった。

 セグメント別経常利益は、商社流通―電子機能材が3億14百万円の黒字(前年同期は14百万円の赤字)、商社流通―アルミ銅が39.1%減の1億86百万円、製造―装置材料が7百万円の赤字(同25百万円の黒字)、製造―金属加工が38.2%減の7億51百万円だった。

 第1四半期は減収減益だが、利益進捗率は通期予想に対して営業利益29.7%、経常利益31.1%、純利益23.1%と順調だった。また第2四半期累計予想(営業利益11億10百万円、経常利益11億90百万円、純利益5億50百万円)を超過達成した。下期偏重の期初計画だが通期上振れ期待が高まる。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は戻り試す

 3月27日発表の自己株式取得(上限80万株・8億円、取得期間20年4月1日〜20年10月31日)については、20年7月31日時点で累計取得株式数が42万8600株となっている。

 株価は3月の安値を底にして順調に下値を切り上げている。第1四半期業績に対しても高進捗率を好感する動きだった。戻りを試す展開を期待したい。8月19日の終値は1396円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS94円80銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想42円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1578円62銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約362億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月07日更新]

アルコニックスは反発の動き

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。21年3月期減収減益予想である。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は戻り一服の形だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。なお8月6日に第1四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 20年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通79%(電子機能材30%、アルミ銅50%)で製造21%(装置材料11%、金属加工10%)だが、経常利益構成比は商社流通14%(電子機能材2%、アルミ銅13%)で製造85%(装置材料7%、金属加工78%)だった。

 レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

 中期経営計画(21年3月期〜23年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を23年3月期の経常利益87億円超、純利益60億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化、19年7月メキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業をメキシコFUJI−MX社が譲り受けて営業開始、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月連結子会社の平和金属を完全子会社化した。

■21年3月期は新型コロナウイルス影響で減収減益予想

 21年3月期連結業績予想は売上高が20年3月期比9.6%減の2100億円、営業利益が24.7%減の39億円、経常利益が26.2%減の40億円、純利益が33.7%減の24億円としている。新型コロナウイルスの影響を考慮して減収減益予想としている。配当予想は20年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 商社流通―電子機能材(セグメント経常利益計画11億円)は、5G本格稼働に伴う電子材料の需要増加、レアメタル・レアアースたな卸資産評価損計上の一巡で利益改善を見込む。商社流通―アルミ銅(同10億円)は自動車関連を中心に需要減少だが、利益改善を見込む。製造―装置材料(同4億円の赤字)はメッキ材料、非破壊検査、小型モーター用カーボンブラシの需要減少で利益悪化を見込む。製造―金属加工(同23億円)は、半導体実装機・半導体製造装置向け精密研削加工部品、自動車向け精密金属プレス部品の需要減少で利益悪化を見込む。

 当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は反発の動き

 3月27日発表の自己株式取得(上限80万株・8億円、取得期間20年4月1日〜20年10月31日)については、20年5月29日時点で累計取得株式数が24万1600株となっている。

 株価は戻り一服の形だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。7月6日の終値は1227円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS93円59銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想42円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1578円62銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約318億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月17日更新]

アルコニックスは下値切り上げ

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。21年3月期減収減益予想である。当面は新型コロナウイルスの影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は戻り一服の形となったが、3月の安値圏から下値を切り上げている。出直りを期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 20年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通79%(電子機能材30%、アルミ銅50%)で製造21%(装置材料11%、金属加工10%)だが、経常利益構成比は商社流通14%(電子機能材2%、アルミ銅13%)で製造85%(装置材料7%、金属加工78%)だった。

 レアメタル・レアアースの取り扱いが特徴とされているが、M&Aも積極活用して「非鉄金属の総合企業」を目指す成長戦略によって、利益面では製造、特に金属加工が柱に成長している。

 中期経営計画(21年3月期〜23年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を23年3月期の経常利益87億円超、純利益60億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化、19年7月メキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業をメキシコFUJI−MX社が譲り受けて営業開始、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月連結子会社の平和金属を完全子会社化した。

■21年3月期は新型コロナウイルス影響で減収減益予想

 21年3月期の連結業績予想は、売上高が20年3月期比9.6%減の2100億円、営業利益が24.7%減の39億円、経常利益が26.2%減の40億円、純利益が33.7%減の24億円としている。新型コロナウイルスによる世界的な経済収縮の影響を考慮して減収減益予想としている。配当予想は20年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)としている。

 商社流通―電子機能材(セグメント経常利益計画11億円)は、5G本格稼働に伴う電子材料の需要増加、レアメタル・レアアースたな卸資産評価損計上の一巡で利益改善を見込む。商社流通―アルミ銅(同10億円)は自動車関連を中心に需要減少だが、利益改善を見込む。製造―装置材料(同4億円の赤字)はメッキ材料、非破壊検査、小型モーター用カーボンブラシの需要減少で利益悪化を見込む。製造―金属加工(同23億円)は、半導体実装機・半導体製造装置向け精密研削加工部品、自動車向け精密金属プレス部品の需要減少で利益悪化を見込む。

 当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は下値切り上げ

 3月27日発表の自己株式取得(上限80万株・8億円、取得期間20年4月1日〜20年10月31日)については、20年5月29日時点で累計取得株式数が24万1600株となった。

 株価は戻り一服の形となったが、3月の安値圏から下値を切り上げている。出直りを期待したい。6月16日の終値は1213円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS93円59銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の42円で算出)は約3.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1578円62銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約314億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月28日更新]

アルコニックスは戻り試す

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。21年3月期減収減益予想である。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は3月の安値圏から反発して水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 20年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通79%(電子機能材30%、アルミ銅50%)で製造21%(装置材料11%、金属加工10%)だが、経常利益構成比は商社流通14%(電子機能材2%、アルミ銅13%)で製造85%(装置材料7%、金属加工78%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aによって、利益面では製造、特に金属加工が柱となっている。

 中期経営計画(21年3月期〜23年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を23年3月期の経常利益87億円超、純利益60億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円としている。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化、19年7月メキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業をメキシコFUJI−MX社が譲り受けて営業開始、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月連結子会社の平和金属を完全子会社化した。

■21年3月期は新型コロナウイルス影響で減収減益予想

 20年3月期連結業績は、売上高が19年3月期比9.8%減の2322億42百万円、営業利益が17.3%減の51億76百万円、経常利益が13.4%減の54億16百万円、純利益が9.8%減の36億17百万円だった。配当は19年3月期比3円増配の42円(第2四半期末21円、期末21円)とした。

 全体として需要減速の影響を受けた。商社流通―電子機能材(88.8%減益)はレアメタル・レアアースの需要が減少し、たな卸資産評価損計上も影響した。商社流通―アルミ銅(32.3%減益)は自動車や半導体関連の需要が減少し、天候不順で空調機器関連も低調だった。非鉄市況下落も影響した。製造―装置材料(33.7%減益)はメッキ材料が低調に推移し、新規連結の富士カーボン製造所の業績が自動車関連の減少で計画を下回ったことも影響した。製造―金属加工(7.7%増益)は実装機器関連の精密研削加工部品が好調だった。

 21年3月期の連結業績予想は、売上高が20年3月期比9.6%減の2100億円、営業利益が24.7%減の39億円、経常利益が26.2%減の40億円、純利益が33.7%減の24億円としている。また配当予想は20年3月期と同額の42円(第2四半期末21円、期末21円)としている。

 当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は戻り試す

 3月27日発表の自己株式取得(上限80万株・8億円、取得期間20年4月1日〜20年10月31日)については、20年4月30日時点で累計取得株式数が14万7700株となった。

 株価は3月の安値圏から反発して水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。5月27日の終値は1263円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS93円59銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の42円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1578円62銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約327億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月13日更新]

アルコニックスは反発の動き

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。当面は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う世界経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。なお3月27日に自己株式取得を発表している。また5月15日に20年3月期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 19年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材33%、アルミ銅51%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だが、経常利益構成比は商社流通28%(電子機能材12%、アルミ銅16%)で製造72%(装置材料10%、金属加工63%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占める収益柱となっている。

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を22年3月期の経常利益100億円超、純利益70億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。なお20年4月1日から定年延長制度を導入する。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円で、ROIC10%を目標とする。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化、19年7月メキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業をメキシコFUJI−MX社が譲り受けて営業開始、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、20年3月連結子会社の平和金属を完全子会社化した。

■20年3月期経常減益予想

 20年3月期連結業績予想(19年10月29日に下方修正)は売上高が19年3月期比9.9%減の2320億円、営業利益が15.3%減の53億円、経常利益が4.1%減の60億円、純利益が9.7%増の44億円としている。配当予想(19年8月6日に2円上方修正=第2四半期末1円+期末1円)は、19年3月期比3円増配の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比10.3%減の1755億74百万円、営業利益が18.1%減の40億48百万円、経常利益が14.0%減の43億35百万円、純利益が9.9%減の32億53百万円だった。純利益は関係会社株式売却益の計上で増益だが、需要減速で減収となり、販管費の増加やレアメタル関連での評価損計上なども影響して経常減益だった。

 商社流通―電子機能材は78.5%減益だった。レアメタル・レアアースの相場下落・需要停滞および評価損計上が影響した。商社流通―アルミ銅は31.2%減益だった。中国経済減速で自動車関連や半導体関連、天候不順で空調機器関連が低調となり、非鉄相場低迷も影響した。製造―装置材料は54.7%減益だった。メッキ材料が減少し、新規連結の富士カーボン製造所の業績が計画を下回ったことも影響した。製造―金属加工は9.9%増益だった。自動車向け金属精密プレス部品の新規受注や持分法投資利益が寄与した。

 通期も需要減速で減収・経常減益予想としている。製造―金属加工の富士プレスとのメキシコ合弁事業は費用が先行し、収益貢献は21年3月期以降としている。当面は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う世界経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は反発の動き

 3月27日に自己株式取得を発表している。上限は80万株・8億円、取得期間は20年4月1日〜20年10月31日である。

 株価は売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。4月10日の終値は1088円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS174円23銭で算出)は約6倍、前期推定配当利回り(会社予想42円で算出)は約3.9%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS1489円59銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約282億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月12日更新]

アルコニックスは売り一巡、21年3月期収益回復期待

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。20年3月期経常減益予想である。第3四半期累計の経常利益進捗率は順調だったが、第4四半期には新型コロナウイルス感染拡大の影響も懸念される。21年3月期の収益回復を期待したい。株価は地合い悪の影響で昨年来安値圏だが、売り一巡して反発を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 19年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材33%、アルミ銅51%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だが、経常利益構成比は商社流通28%(電子機能材12%、アルミ銅16%)で製造72%(装置材料10%、金属加工63%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占める収益柱となっている。

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を22年3月期の経常利益100億円超、純利益70億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。なお20年4月1日から定年延長制度を導入する。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円で、ROIC10%を目標とする。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化、19年7月メキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業をメキシコFUJI−MX社が譲り受けて営業開始、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。また連結子会社の平和金属を20年3月11日付で完全子会社化した。

■20年3月期経常減益予想だが21年3月期収益回復期待

 20年3月期の連結業績予想(10月29日に下方修正)は、売上高が19年3月期比9.9%減の2320億円で、営業利益が15.3%減の53億円、経常利益が4.1%減の60億円、純利益が9.7%増の44億円としている。配当予想(8月6日に2円上方修正=第2四半期末1円+期末1円)は、19年3月期比3円増配の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比10.3%減の1755億74百万円、営業利益が18.1%減の40億48百万円、経常利益が14.0%減の43億35百万円、純利益が9.9%減の32億53百万円だった。米中貿易摩擦長期化や中国経済減速などによる需要減少で、商社流通における電子材料や自動車関連部材を中心に取り扱いが減少した。純利益は関係会社株式売却益の計上で増益だが、減収、販管費増加、レアメタル関連での評価損計上などで経常減益だった。

 商社流通―電子機能材は78.5%減益だった。レアメタル・レアアースの相場下落・需要停滞および評価損計上が影響した。商社流通―アルミ銅は31.2%減益だった。中国経済減速で自動車関連や半導体関連、天候不順で空調機器関連が低調となり、非鉄相場低迷も影響した。製造―装置材料は54.7%減益だった。メッキ材料が減少し、新規連結の富士カーボン製造所の業績が計画を下回ったことも影響した。製造―金属加工は9.9%増益だった。自動車向け金属精密プレス部品の新規受注や持分法投資利益が寄与した。

 通期も需要減少で減収・経常減益予想としている。経常利益の計画は、商社流通―電子機能材が58.4%減の3億円、商社流通―アルミ銅が26.8%減の7億50百万円、製造―装置材料が1.3%減の6億円、製造―金属加工が11.1%増の43億50百万円である。なお製造―金属加工の富士プレスとのメキシコ合弁事業は費用が先行し、収益貢献は21年3月期以降としている。

 第3四半期累計の経常利益進捗率は72.3%と概ね順調だったが、第4四半期には新型コロナウイルス感染拡大の影響も懸念される。20年3月期は経常減益予想だが、21年3月期の収益回復を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は売り一巡

 株価は地合い悪の影響で昨年来安値圏だが、売り一巡して反発を期待したい。3月11日の終値は984円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS174円23銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想42円で算出)は約4.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1489円59銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約255億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月18日更新]

アルコニックスは調整一巡、21年3月期収益回復期待

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。20年3月期は第3四半期累計が経常減益となり、通期も経常減益予想だが、21年3月期の収益回復を期待したい。株価は上値を切り下げる形だが、調整一巡して反発を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 19年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材33%、アルミ銅51%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だが、経常利益構成比は商社流通28%(電子機能材12%、アルミ銅16%)で製造72%(装置材料10%、金属加工63%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占める収益柱となっている。

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を22年3月期の経常利益100億円超、純利益70億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円で、ROIC10%を目標とする。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化、19年7月メキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業をメキシコFUJI−MX社が譲り受けて営業開始、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。なお連結子会社の平和金属を20年3月11日付で完全子会社化する。

■20年3月期経常減益予想だが21年3月期収益回復期待

 20年3月期の連結業績予想(10月29日に下方修正)は、売上高が19年3月期比9.9%減の2320億円で、営業利益が15.3%減の53億円、経常利益が4.1%減の60億円、純利益が9.7%増の44億円としている。配当予想(8月6日に2円上方修正=第2四半期末1円+期末1円)は、19年3月期比3円増配の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比10.3%減の1755億74百万円、営業利益が18.1%減の40億48百万円、経常利益が14.0%減の43億35百万円、純利益が9.9%減の32億53百万円だった。米中貿易摩擦長期化や中国経済減速などによる需要減少で、商社流通における電子材料や自動車関連部材を中心に取り扱いが減少した。純利益は関係会社株式売却益の計上で増益だが、減収、販管費増加、レアメタル関連での評価損計上などで経常減益だった。

 商社流通―電子機能材は78.5%減益だった。レアメタル・レアアースの相場下落・需要停滞および評価損計上が影響した。商社流通―アルミ銅は31.2%減益だった。中国経済減速で自動車関連や半導体関連、天候不順で空調機器関連が低調となり、非鉄相場低迷も影響した。製造―装置材料は54.7%減益だった。メッキ材料が減少し、新規連結の富士カーボン製造所の業績が計画を下回ったことも影響した。製造―金属加工は9.9%増益だった。自動車向け金属精密プレス部品の新規受注や持分法投資利益が寄与した。

 通期も需要減少で減収・経常減益予想としている。経常利益の計画は、商社流通―電子機能材が58.4%減の3億円、商社流通―アルミ銅が26.8%減の7億50百万円、製造―装置材料が1.3%減の6億円、製造―金属加工が11.1%増の43億50百万円である。なお製造―金属加工の富士プレスとのメキシコ合弁事業は費用が先行し、収益貢献は21年3月期以降としている。

 第3四半期累計の経常利益進捗率は72.3%と概ね順調である。20年3月期は経常減益予想だが、21年3月期の収益回復を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は上値を切り下げる形だが、調整一巡して反発を期待したい。2月17日の終値は1255円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS174円23銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想42円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1489円59銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約325億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月10日更新]

アルコニックスは調整一巡、21年3月期収益回復期待

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「総合企業」を目指している。20年3月期は経常減益予想だが、21年3月期の収益回復を期待したい。株価は戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。なお2月12日に第3四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 19年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材33%、アルミ銅51%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だが、経常利益構成比は商社流通28%(電子機能材12%、アルミ銅16%)で製造72%(装置材料10%、金属加工63%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占める収益柱となっている。

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を22年3月期の経常利益100億円超、純利益70億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円で、ROIC10%を目標とする。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化、19年7月メキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業をメキシコFUJI−MX社が譲り受けて営業開始、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

■20年3月期経常減益予想だが21年3月期収益回復期待

 20年3月期の連結業績予想(10月29日に下方修正)は、売上高が19年3月期比9.9%減の2320億円で、営業利益が15.3%減の53億円、経常利益が4.1%減の60億円、純利益が9.7%増の44億円としている。配当予想(8月6日に2円上方修正=第2四半期末1円+期末1円)は、19年3月期比3円増配の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比8.7%減の1184億32百万円、営業利益が29.6%減の26億99百万円、経常利益が20.8%減の29億68百万円、純利益が30.9%減の19億12百万円だった。米中貿易摩擦長期化や中国経済減速などによる需要減少で、商社流通における電子材料や自動車関連部材を中心に取り扱いが減少し、売上高、利益とも計画を下回り減収減益だった。販管費の増加やレアメタル関連での評価損計上も影響した。

 商社流通―電子機能材は85.6%減益だった。電子・電池材料は堅調だが、レアメタル・レアアースの相場下落・需要停滞および評価損計上が影響した。商社流通―アルミ銅は20.8%減益だった。中国経済減速の影響で自動車関連や半導体関連、天候不順の影響で空調機器関連が低調となり、非鉄市況下落も影響した。製造―装置材料は87.0%減益だった。メッキ材料や非破壊検査・マーキング装置が低調で、新規連結の富士カーボン製造所の業績が計画を下回ったことも影響した。製造―金属加工は14.9%増益だった。精密プレス部品の新規受注や持分法投資利益の増加が寄与した。

 通期も需要減少で減収・経常減益予想としている。経常利益の計画は、商社流通―電子機能材が58.4%減の3億円、商社流通―アルミ銅が26.8%減の7億50百万円、製造―装置材料が1.3%減の6億円、製造―金属加工が11.1%増の43億50百万円としている。なお製造―金属加工の富士プレスとのメキシコ合弁事業は費用が先行し、収益貢献は21年3月期以降としている。

 20年3月期は経常減益予想だが、21年3月期の収益回復を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。1月9日の終値は1454円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS174円23銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想42円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1489円59銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約377億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月06日更新]

アルコニックスは戻り試す、21年3月期収益回復期待

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「総合企業」を目指している。20年3月期は経常減益予想だが、21年3月期の収益回復を期待したい。株価は11月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 19年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材33%、アルミ銅51%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だが、経常利益構成比は商社流通28%(電子機能材12%、アルミ銅16%)で製造72%(装置材料10%、金属加工63%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占める収益柱となっている。

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を22年3月期の経常利益100億円超、純利益70億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円で、ROIC10%を目標とする。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材カシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化、19年7月メキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業をメキシコFUJI−MX社が譲り受けて営業開始、19年10月香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立、19年11月中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

■20年3月期経常減益予想だが21年3月期収益回復期待

 20年3月期の連結業績予想(10月29日に下方修正)は、売上高が19年3月期比9.9%減の2320億円で、営業利益が15.3%減の53億円、経常利益が4.1%減の60億円、純利益が9.7%増の44億円としている。配当予想(8月6日に2円上方修正=第2四半期末1円+期末1円)は、19年3月期比3円増配の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比8.7%減の1184億32百万円、営業利益が29.6%減の26億99百万円、経常利益が20.8%減の29億68百万円、純利益が30.9%減の19億12百万円だった。米中貿易摩擦長期化や中国経済減速などによる需要減少で、商社流通における電子材料や自動車関連部材を中心に取り扱いが減少し、売上高、利益とも計画を下回り減収減益だった。販管費の増加やレアメタル関連での評価損計上も影響した。

 商社流通―電子機能材は85.6%減益だった。電子・電池材料は堅調だが、レアメタル・レアアースの相場下落・需要停滞および評価損計上が影響した。商社流通―アルミ銅は20.8%減益だった。中国経済減速の影響で自動車関連や半導体関連、天候不順の影響で空調機器関連が低調となり、非鉄市況下落も影響した。製造―装置材料は87.0%減益だった。メッキ材料や非破壊検査・マーキング装置が低調で、新規連結の富士カーボン製造所の業績が計画を下回ったことも影響した。製造―金属加工は14.9%増益だった。精密プレス部品の新規受注や持分法投資利益の増加が寄与した。

 通期も需要減少で減収・経常減益予想としている。経常利益の計画は、商社流通―電子機能材が58.4%減の3億円、商社流通―アルミ銅が26.8%減の7億50百万円、製造―装置材料が1.3%減の6億円、製造―金属加工が11.1%増の43億50百万円としている。なお製造―金属加工の富士プレスとのメキシコ合弁事業は費用が先行し、収益貢献は21年3月期以降としている。

 20年3月期は経常減益予想だが、21年3月期の収益回復を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は戻り試す

 株価は11月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。12月5日の終値は1425円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS174円23銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想42円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1489円59銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約369億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月14日更新]

アルコニックスは戻り試す、20年3月期経常減益予想だが21年3月期回復期待

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「総合企業」を目指している。20年3月期は下方修正して減収・経常減益予想となったが、21年3月期の収益回復を期待したい。株価は年初来高値を更新して、安値圏ボックスレンジから上放れの動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 19年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材33%、アルミ銅51%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だが、経常利益構成比は商社流通28%(電子機能材12%、アルミ銅16%)で製造72%(装置材料10%、金属加工63%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占める収益柱となっている。

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を22年3月期の経常利益100億円超、純利益70億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円で、ROIC10%を目標とする。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月には摩擦調整材のカシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月にはカーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化、19年6月には中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立、19年10月には香港でリチウムイオン電池材料事業の合弁会社を設立した。

 19年7月には、メキシコFNA社(富士プレスが日邦産業と共同設立)の自動車部品用精密金属プレス部品事業を、メキシコFUJI−MX社(18年12月設立)が譲り受けて営業開始した。FNA社の事業運営に係る日邦産業との合弁契約は解消した。

■20年3月期経常減益予想だが21年3月期回復期待

 20年3月期の連結業績予想(10月29日に下方修正)は、売上高が19年3月期比9.9%減の2320億円で、営業利益が15.3%減の53億円、経常利益が4.1%減の60億円、純利益が9.7%増の44億円としている。配当予想(8月6日に2円上方修正=第2四半期末1円+期末1円)は、19年3月期比3円増配の42円(第2四半期末21円、期末21円)である。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比8.7%減の1184億32百万円、営業利益が29.6%減の26億99百万円、経常利益が20.8%減の29億68百万円、純利益が30.9%減の19億12百万円だった。米中貿易摩擦長期化や中国経済減速などによる需要減少で、商社流通における電子材料や自動車関連部材を中心に取り扱いが減少し、売上高、利益とも計画を下回り減収減益だった。販管費の増加やレアメタル関連での評価損計上も影響した。

 商社流通―電子機能材は85.6%減益だった。電子・電池材料は堅調だが、レアメタル・レアアースの相場下落・需要停滞および評価損計上が影響した。商社流通―アルミ銅は20.8%減益だった。中国経済減速の影響で自動車関連や半導体関連、天候不順の影響で空調機器関連が低調となり、非鉄市況下落も影響した。製造―装置材料は87.0%減益だった。メッキ材料や非破壊検査・マーキング装置が低調で、新規連結の富士カーボン製造所の業績が計画を下回ったことも影響した。製造―金属加工は14.9%増益だった。精密プレス部品の新規受注や持分法投資利益の増加が寄与した。

 通期も需要減少で減収・経常減益予想とした。経常利益の計画は、商社流通―電子機能材が58.4%減の3億円、商社流通―アルミ銅が26.8%減の7億50百万円、製造―装置材料が1.3%減の6億円、製造―金属加工が11.1%増の43億50百万円としている。なお製造―金属加工の富士プレスとのメキシコ合弁事業は費用が先行し、収益貢献は21年3月期以降としている。

 20年3月期は下方修正して減収・経常減益予想となったが、21年3月期の収益回復を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は戻り試す

 株価は年初来高値を更新して、安値圏ボックスレンジから上放れの動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。11月13日の終値は1512円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS174円23銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想42円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1489円59銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約392億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月03日更新]

アルコニックスは下値固め完了、20年3月期増益・増配予想

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。20年3月期増益・増配予想である。収益拡大を期待したい。株価は8月の直近安値圏から反発の動きを強めている。下値固め完了して出直りを期待したい。なお11月8日に第2四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 19年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材33%、アルミ銅51%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だが、経常利益構成比は商社流通28%(電子機能材12%、アルミ銅16%)で製造72%(装置材料10%、金属加工63%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占める収益柱となっている。

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を22年3月期の経常利益100億円超、純利益70億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円で、ROIC10%を目標とする。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月には摩擦調整材のカシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月にはカーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化した。19年6月には、香港でリチウムイオン電池用材料関連事業の合弁会社を設立、中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 19年7月には、メキシコFNA社(富士プレスが日邦産業と共同設立)の自動車部品用精密金属プレス部品事業を、メキシコFUJI−MX社(18年12月設立)が譲り受けて営業開始した。FNA社の事業運営に係る日邦産業との合弁契約は解消した。

■20年3月期増益・増配予想

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比3.3%増の2660億円、営業利益が8.7%増の68億円、経常利益が11.9%増の70億円、純利益が17.2%増の47億円としている。配当予想(8月6日に年間2円上方修正=第2四半期末1円+期末1円)は、19年3月期比3円増配の年間42円(第2四半期末21円、期末21円)としている。連続増配で予想配当性向は22.5%となる。

 第1四半期は、売上高が前年同期比9.7%減の601億81百万円、営業利益が38.9%減の12億32百万円、経常利益が25.3%減の15億47百万円、純利益が44.9%減の9億01百万円だった。

 製造―金属加工(16.9%増益)は持分法投資利益の計上で増益を確保したが、中国経済の減速による需要減少、市況下落、レアメタル在庫の一部の評価損計上などで、商社流通―電子機能材(赤字化)および商社流通―アルミ銅(23.8%減益)の損益が悪化した。製造―装置材料(92.2%減益)は新規連結の富士カーボン製造所の業績が計画を下回ったことも影響した。

 通期は製造―金属加工が富士プレスとのメキシコ合弁事業立ち上げ(19年7月営業開始予定)関連費用で減益見込みだが、19年3月期のM&Aも通期寄与して増収増益予想である。

 セグメント別経常利益の計画は、商社流通が28.9%増の22億50百万円(電子機能材が59.4%増の11億50百万円、アルミ銅が7.3%増の11億円)、製造が5.0%増の47億50百万円(装置材料が2.1倍の12億50百万円、金属加工が10.6%減の35億円)としている。

 第1四半期の進捗率は、売上高が22.6%、営業利益が18.1%、経常利益が22.1%、純利益が19.2%である。やや低水準だが、通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は下値固め完了

 株価は8月の直近安値圏から反発の動きを強めている。下値固め完了して出直りを期待したい。10月2日の終値は1278円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS186円36銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間42円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1489円59銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約331億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月10日更新]

アルコニックスは反発の動き、20年3月期増益・増配予想

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。20年3月期第1四半期は減益だったが、通期は増益予想、そして増配予想である。通期ベースで収益拡大を期待したい。株価は8月の直近安値から反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 19年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材33%、アルミ銅51%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だが、経常利益構成比は商社流通28%(電子機能材12%、アルミ銅16%)で製造72%(装置材料10%、金属加工63%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占める収益柱となっている。

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を22年3月期の経常利益100億円超、純利益70億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円で、ROIC10%を目標とする。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月には摩擦調整材のカシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月にはカーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化した。19年6月には、香港でリチウムイオン電池用材料関連事業の合弁会社を設立、中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 19年7月には、メキシコFNA社(富士プレスが日邦産業と共同設立)の自動車部品用精密金属プレス部品事業を、メキシコFUJI−MX社(18年12月設立)が譲り受けて営業開始した。FNA社の事業運営に係る日邦産業との合弁契約は解消した。

■20年3月期増益・増配予想

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比3.3%増の2660億円、営業利益が8.7%増の68億円、経常利益が11.9%増の70億円、純利益が17.2%増の47億円としている。配当予想(8月6日に年間2円上方修正=第2四半期末1円+期末1円)は、19年3月期比3円増配の年間42円(第2四半期末21円、期末21円)としている。連続増配で予想配当性向は22.5%となる。

 第1四半期は、売上高が前年同期比9.7%減の601億81百万円、営業利益が38.9%減の12億32百万円、経常利益が25.3%減の15億47百万円、純利益が44.9%減の9億01百万円だった。

 製造―金属加工(16.9%増益)が持分法投資利益の計上で増益を確保したが、中国経済の減速による需要減少、市況下落、レアメタル在庫の一部の評価損計上などで商社流通―電子機能材(赤字化)および商社流通―アルミ銅(23.8%減益)の損益が悪化した。製造―装置材料(92.2%減益)は新規連結の富士カーボン製造所の業績が計画を下回ったことも影響した。

 通期は製造―金属加工が富士プレスとのメキシコ合弁事業立ち上げ(19年7月営業開始予定)関連費用で減益見込みだが、19年3月期のM&Aも通期寄与して増収増益予想である。

 セグメント別経常利益の計画は、商社流通が28.9%増の22億50百万円(電子機能材が59.4%増の11億50百万円、アルミ銅が7.3%増の11億円)、製造が5.0%増の47億50百万円(装置材料が2.1倍の12億50百万円、金属加工が10.6%減の35億円)としている。

 第1四半期の進捗率は、売上高が22.6%、営業利益が18.1%、経常利益が22.1%、純利益が19.2%である。やや低水準だが、通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は反発の動き

 株価は8月の直近安値圏から反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。9月9日の終値は1182円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS186円36銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間42円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1489円59銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約306億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月19日更新]

アルコニックスは調整一巡、20年3月期1Q減益だが配当を上方修正

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。20年3月期第1四半期は減益だったが、通期は増益予想である。通期ベースで収益拡大を期待したい。なお配当予想を上方修正した。株価は安値圏に回帰したが、調整一巡して反発を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 19年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材33%、アルミ銅51%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だが、経常利益構成比は商社流通28%(電子機能材12%、アルミ銅16%)で製造72%(装置材料10%、金属加工63%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占める収益柱となっている。

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を22年3月期の経常利益100億円超、純利益70億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円で、ROIC10%を目標とする。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月には摩擦調整材のカシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月にはカーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化した。19年6月には、香港でリチウムイオン電池用材料関連事業の合弁会社を設立、中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 19年7月には、メキシコFNA社(富士プレスが日邦産業と共同設立)の自動車部品用精密金属プレス部品事業を、メキシコFUJI−MX社(18年12月設立)が譲り受けて営業開始した。FNA社の事業運営に係る日邦産業との合弁契約は解消した。

■20年3月期1Q減益だが通期増益予想、配当予想を上方修正

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比3.3%増の2660億円、営業利益が8.7%増の68億円、経常利益が11.9%増の70億円、純利益が17.2%増の47億円としている。配当予想は8月6日に年間2円(第2四半期末1円、期末1円)上方修正し、19年3月期比3円増配の年間42円(第2四半期末21円、期末21円)とした。連続増配で予想配当性向は22.5%となる。

 第1四半期は、売上高が前年同期比9.7%減の601億81百万円、営業利益が38.9%減の12億32百万円、経常利益が25.3%減の15億47百万円、純利益が44.9%減の9億01百万円だった。

 製造―金属加工(16.9%増益)が持分法投資利益の計上で増益を確保したが、中国経済の減速による需要減少、市況下落、レアメタル在庫の一部の評価損計上などで商社流通―電子機能材(赤字化)および商社流通―アルミ銅(23.8%減益)の損益が悪化した。製造―装置材料(92.2%減益)は新規連結の富士カーボン製造所の業績が計画を下回ったことも影響した。

 通期は製造―金属加工が富士プレスとのメキシコ合弁事業立ち上げ(19年7月営業開始予定)関連費用で減益見込みだが、19年3月期にM&Aした子会社も通期寄与して増収増益予想である。

 セグメント別経常利益の計画は、商社流通が28.9%増の22億50百万円(電子機能材が59.4%増の11億50百万円、アルミ銅が7.3%増の11億円)、製造が5.0%増の47億50百万円(装置材料が2.1倍の12億50百万円、金属加工が10.6%減の35億円)としている。

 第1四半期の進捗率は、売上高が22.6%、営業利益が18.1%、経常利益が22.1%、純利益が19.2%である。やや低水準だが、通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象、19年3月末から導入

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。19年3月末から導入した。

■株価は調整一巡

 株価は安値圏に回帰したが、調整一巡して反発を期待したい。8月16日の終値は1133円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS186円36銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間42円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1489円59銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約294億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月17日更新]

アルコニックスは戻り歩調、20年3月期増収増益・連続増配予想

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。20年3月期増収増益・連続増配予想である。収益拡大を期待したい。株価は小動きだが下値を切り上げて戻り歩調だ。上値を試す展開を期待したい。なお8月6日に第1四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 19年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材33%、アルミ銅51%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だが、経常利益構成比は商社流通28%(電子機能材12%、アルミ銅16%)で製造72%(装置材料10%、金属加工63%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占める収益柱となっている。

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を22年3月期の経常利益100億円超、純利益70億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円で、ROIC10%を目標とする。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月には摩擦調整材のカシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月にはカーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化した。

 19年6月には、香港でリチウムイオン電池用材料関連事業の合弁会社を設立、中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 19年7月には、メキシコFNA社(富士プレスが日邦産業と共同設立)の自動車部品用精密金属プレス部品事業を、メキシコFUJI−MX社(18年12月設立)が譲り受けて営業開始した。FNA社の事業運営に係る日邦産業との合弁契約は解消した。

■20年3月期増収増益・連続増配予想

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比3.3%増の2660億円、営業利益が8.7%増の68億円、経常利益が11.9%増の70億円、そして純利益が17.2%増の47億円としている。配当予想は1円増配の年間40円(第2四半期末20円、期末20円)としている。連続増配で予想配当性向は21.7%となる。

 製造の金属加工が富士プレスとのメキシコ合弁事業立ち上げ(19年7月営業開始予定)関連費用で減益見込みだが、商社流通の電子材料関連の牽引を見込み、19年3月期のM&A子会社も通期寄与して増収増益予想である。

 セグメント別経常利益の計画は、商社流通が28.9%増の22億50百万円(電子機能材が59.4%増の11億50百万円、アルミ銅が7.3%増の11億円)、製造が5.0%増の47億50百万円(装置材料が2.1倍の12億50百万円、金属加工が10.6%減の35億円)としている。M&A効果も寄与して収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象、19年3月末から導入

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。19年3月末から導入した。

■株価は戻り歩調

 株価は小動きだが下値を切り上げて戻り歩調だ。上値を試す展開を期待したい。7月16日の終値は1360円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS184円72銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1489円59銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約352億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月25日更新]

アルコニックスは戻り試す、20年3月期増収増益・連続増配予想

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。20年3月期増収増益・連続増配予想である。収益拡大を期待したい。株価は18年12月安値から下値を徐々に切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 19年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材33%、アルミ銅51%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だが、経常利益構成比は商社流通28%(電子機能材12%、アルミ銅16%)で製造72%(装置材料10%、金属加工63%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占める収益柱となっている。

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を22年3月期の経常利益100億円超、純利益70億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円で、ROIC10%を目標とする。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月には摩擦調整材のカシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月にはカーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化した。

 19年6月(予定)には、香港で合弁会社を設立してリチウムイオン電池用材料関連事業を展開する。また中国で合弁会社を設立して建設用仮設資材の輸入・製造・販売に展開する。

 19年7月(予定)には、連結子会社の富士プレスが日邦産業<9913>と共同で設立したメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を分割し、メキシコに18年12月設立したFUJI−MX社が譲り受ける。FNA社の事業運営に係る日邦産業との合弁契約は解消する。

■20年3月期増収増益・連続増配予想

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比3.3%増の2660億円、営業利益が8.7%増の68億円、経常利益が11.9%増の70億円、そして純利益が17.2%増の47億円としている。配当予想は1円増配の年間40円(第2四半期末20円、期末20円)としている。連続増配で予想配当性向は21.7%となる。

 製造の金属加工が富士プレスとのメキシコ合弁事業立ち上げ(19年7月営業開始予定)関連費用で減益見込みだが、商社流通の電子材料関連の牽引を見込み、19年3月期のM&A子会社も通期寄与して増収増益予想である。

 セグメント別経常利益の計画は、商社流通が28.9%増の22億50百万円(電子機能材が59.4%増の11億50百万円、アルミ銅が7.3%増の11億円)、製造が5.0%増の47億50百万円(装置材料が2.1倍の12億50百万円、金属加工が10.6%減の35億円)としている。M&A効果も寄与して収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象、19年3月末から導入

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。19年3月末から導入した。

■株価は戻り試す
 
 株価は18年12月安値923円から下値を徐々に切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。6月24日の終値は1404円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS184円72銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1489円59銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約363億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月05日更新]

アルコニックスは下値切り上げ、20年3月期増収増益・連続増配予想

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。19年3月期は減益だったが大幅増配とした。20年3月期は増収増益・連続増配予想である。収益拡大を期待したい。株価は下値を徐々に切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 19年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材33%、アルミ銅51%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だが、経常利益構成比は商社流通28%(電子機能材12%、アルミ銅16%)で製造72%(装置材料10%、金属加工63%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占める収益柱となっている。

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を22年3月期の経常利益100億円超、純利益70億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円で、ROIC10%を目標とする。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月には摩擦調整材のカシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月にはカーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化した。

 19年6月(予定)には香港で大日本印刷および現地パートナー企業との合弁会社を設立してリチウムイオン電池用材料関連事業を展開する。また19年6月(予定)には中国で信和<3447>および現地パートナー企業との合弁会社を設立して建設用仮設資材の輸入・製造・販売に展開する。

 19年7月(予定)には、連結子会社の富士プレスが日邦産業<9913>と共同で設立したメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を分割し、メキシコに18年12月設立したFUJI−MX社が譲り受ける。FNA社の事業運営に係る日邦産業との合弁契約は解消する。

■20年3月期増収増益・連続増配予想

 19年3月期連結業績は売上高が18年3月期比3.8%増の2574億37百万円、営業利益が14.6%減の62億57百万円、経常利益が21.2%減の62億54百万円、純利益が24.9%減の40億09百万円だった。配当は17年9月1日付株式2分割換算後で7円増配の年間39円(第2四半期末19円、期末20円)とした。配当性向は25.1%となる。

 増収によって売上総利益段階では増益だったが、第3四半期のレアメタル等取引で発生した滞留債権に対する貸倒処理、第3四半期および第4四半期における製造子会社2社の株式取得関連費用の計上、持分法適用関連会社株式売却に伴う持分法投資利益の減少、為替差損の計上などで営業・経常・最終減益だった。

 セグメント別経常利益は、商社流通が38.9%減の17億46百万円(電子機能材が60.4%減の7億21百万円、アルミ銅が0.9%減の10億24百万円)、製造が10.9%減の45億24百万円(装置材料が27.3%減の6億07百万円、金属加工が7.7%減の39億16百万円)だった。

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比3.3%増の2660億円、営業利益が8.7%増の68億円、経常利益が11.9%増の70億円、純利益が17.2%増の47億円としている。配当予想は1円増配の年間40円(第2四半期末20円、期末20円)としている。連続増配で予想配当性向は21.7%となる。

 製造の金属加工が富士プレスとのメキシコ合弁事業立ち上げ(19年7月営業開始予定)関連費用で減益見込みだが、商社流通の電子材料関連の牽引を見込み、19年3月期のM&A子会社も通期寄与して増収増益予想である。

 セグメント別経常利益の計画は、商社流通が28.9%増の22億50百万円(電子機能材が59.4%増の11億50百万円、アルミ銅が7.3%増の11億円)、製造が5.0%増の47億50百万円(装置材料が2.1倍の12億50百万円、金属加工が10.6%減の35億円)としている。M&A効果も寄与して収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象、19年3月末から導入

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。19年3月末から導入した。

■株価は下値切り上げ
 
 株価は下値を徐々に切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。6月4日の終値は1307円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS184円72銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1489円59銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約338億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月17日更新]

アルコニックスは戻り歩調、19年3月減益予想だが20年3月期収益拡大期待

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。19年3月期減益予想だが、M&A効果も寄与して20年3月期の収益拡大を期待したい。株価は19年3月期予想下方修正に対する影響が限定的で戻り歩調だ。出直りを期待したい。なお5月17日に19年3月期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 18年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材30%、アルミ銅54%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だが、経常利益構成比は商社流通36%(電子機能材23%、アルミ銅13%)で製造64%(装置材料11%、金属加工54%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占める収益柱となっている。

 中期経営計画(19年3月期〜21年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を21年3月期の経常利益95億円超、純利益72億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月摩擦調整材のカシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月カーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化した。

 19年6月(予定)には香港で大日本印刷および現地パートナー企業との合弁会社を設立してリチウムイオン電池用材料関連事業を展開する。また19年6月(予定)には中国で信和<3447>および現地パートナー企業との合弁会社を設立して建設用仮設資材の輸入・製造・販売に展開する。

 19年7月(予定)には、連結子会社の富士プレスが日邦産業<9913>と共同で設立したメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を分割し、メキシコに18年12月設立したFUJI−MX社が譲り受ける。FNA社の事業運営に係る日邦産業との合弁契約は解消する。

■19年3月期減益予想だが20年3月期収益拡大期待

 19年3月期の連結業績予想(3月26日に売上高、利益とも下方修正)は、売上高が18年3月期比1.6%減の2440億円、営業利益が18.1%減の60億円、経常利益が21.9%減の62億円、純利益が19.4%減の43億円としている。配当予想(2月19日に期末1円増額修正)は年間39円(第2四半期末19円、期末20円)としている。18年3月期比では7円増配で、予想配当性向は18.4%となる。

 銅やアルミなど非鉄金属商品相場の下落、米中貿易摩擦の影響などによる中国市場関連の取引減少で売上高が計画を下回り、第3四半期のレアメタル等取引で発生した滞留債権に対する貸倒引当金計上、第3四半期および第4四半期における製造子会社2社の株式取得関連費用の計上も影響して減益予想としている。

 19年3月期減益予想だが、M&A効果も寄与して20年3月期の収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象、19年3月末から導入

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。19年3月末から導入した。

■株価は戻り歩調

 2月19日発表の自己株式取得(上限74万株・8億円、取得期間19年2月20日〜19年5月31日)について、3月31日時点の取得株式数は43万6600株となっている。
 
 株価は19年3月期予想下方修正に対する影響が限定的で戻り歩調だ。出直りを期待したい。4月16日の終値は1360円、前期推定連結PER(会社予想連結EPS168円99銭で算出)は約8倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間39円で算出)は約2.9%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS1423円87銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約352億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月20日更新]

アルコニックスは基調転換の動き、19年3月経常微減益予想だが20年3月期収益拡大期待

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。19年3月期は貸倒引当金計上などで経常微減益予想だが、M&A効果も寄与して20年3月期の収益拡大が期待される。株価は基調転換の動きを強めている。出直りを期待したい。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 18年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材30%、アルミ銅54%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だが、経常利益構成比は商社流通36%(電子機能材23%、アルミ銅13%)で製造64%(装置材料11%、金属加工54%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占める収益柱となっている。

 中期経営計画(19年3月期〜21年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を21年3月期の経常利益95億円超、純利益72億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月には、摩擦調整材のカシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化し、ブレーキ関連市場に参入した。19年2月には、カーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化した。

 19年6月(予定)には香港で、大日本印刷および現地パートナー企業との合弁会社を設立する。リチウムイオン電池用材料関連事業を展開する。

 19年7月(予定)には、連結子会社の富士プレスが日邦産業<9913>と共同で設立したメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を分割し、メキシコに18年12月設立したFUJI−MX社が譲り受ける。FNA社の事業運営に係る日邦産業との合弁契約は解消する。

■19年3月期経常微減益予想だが20年3月期収益拡大期待

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比8.9%増の2700億円、営業利益が4.4%減の70億円、経常利益が3.0%減の77億円、純利益が3.1%増の55億円としている。配当予想(2月19日に期末1円増額修正)は年間39円(第2四半期末19円、期末20円)としている。18年3月期比では7円増配で、予想配当性向は18.4%となる。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比6.6%増の1957億81百万円、営業利益が9.8%減の49億46百万円、経常利益が14.8%減の50億39百万円、純利益が15.0%減の36億12百万円だった。

 商社流通・電子機能材、製造・装置材料が牽引して増収だが、商社流通・電子機能材のレアメタル取引で発生した滞留債権の貸倒引当金計上、製造・装置材料における東北化工および富士カーボン製造所の株式取得関連費用の計上、持分法投資利益の減少、為替差損の計上などが影響して経常利益は2桁減益だった。

 セグメント経常利益は、商社流通・電子機能材が46.3%減の6億34百万円、商社流通・アルミ銅が1.4%減の8億83百万円、製造・装置材料が18.9%減の5億15百万円、製造・金属加工が5.1%減の30億40百万円だった。

 第3四半期累計の進捗率は営業利益が70.7%、経常利益が65.4%、純利益が65.7%である。19年3月期は貸倒引当金計上などで経常微減益予想だが、M&A効果も寄与して20年3月期の収益拡大が期待される。

■株主優待制度は3月末の株主対象、19年3月末から導入

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈する。19年3月末から導入する。

■株価は戻り歩調

 2月19日発表の自己株式取得(上限74万株・8億円、取得期間19年2月20日〜19年5月31日)について、2月28日時点の取得株式数は29万4300株となっている。
 
 株価は12月安値923円から下値を切り上げて基調転換の動きを強めている。出直りを期待したい。3月19日の終値は1313円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS212円51銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間39円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1423円87銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約340億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月19日更新]

アルコニックスは下値固め完了感、19年3月経常減益予想だが20年3月期収益拡大期待

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。19年3月期経常減益予想で、第3四半期累計は経常減益だったが、20年3月期の収益拡大を期待したい。株価は安値圏だが下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 18年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材30%、アルミ銅54%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だったが、経常利益構成比は商社流通36%(電子機能材23%、アルミ銅13%)で製造64%(装置材料11%、金属加工54%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占める柱となった。

 中期経営計画(19年3月期〜21年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を21年3月期の経常利益95億円超、純利益72億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月には摩擦調整材のカシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化した。ブレーキ関連市場に参入する。19年2月にはカーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化した。

 19年1月には、連結子会社の富士プレスが日邦産業<9913>と共同で14年4月設立したメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を分割し、メキシコに18年12月設立したFUJI−MX社(出資比率富士プレス80%、アルコニックス20%)が譲り受ける(19年7月1日予定)と発表している。FNA社の事業運営に係る日邦産業との合弁契約は解消する。

■19年3月期経常微減益予想だが20年3月期収益拡大期待

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比8.9%増の2700億円、営業利益が4.4%減の70億円、経常利益が3.0%減の77億円、純利益が3.1%増の55億円としている。配当予想は6円増配(17年9月1日付株式2分割換算後)の年間38円(第2四半期末19円、期末19円)としている。予想配当性向は17.9%となる。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比6.6%増の1957億81百万円、営業利益が9.8%減の49億46百万円、経常利益が14.8%減の50億39百万円、純利益が14.8%減の36億12百万円だった。

 商社流通・電子機能材、製造・装置材料が牽引して増収だが、商社流通・電子機能材のレアメタル取引で発生した滞留債権の貸倒引当金計上、製造・装置材料における東北化工および富士カーボン製造所の株式取得関連費用の計上、持分法投資利益の減少、為替差損の計上などが影響して経常利益は2桁減益だった。

 セグメント経常利益は、商社流通・電子機能材が46.3%減の6億34百万円、商社流通・アルミ銅が1.4%減の8億83百万円、製造・装置材料が18.9%減の5億15百万円、製造・金属加工が5.1%減の30億40百万円だった。

 第3四半期累計の進捗率は営業利益が70.7%、経常利益が65.4%、純利益が65.7%である。20年3月期の収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象、19年3月末から導入

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈する。19年3月末から導入する。

■株価は下値固め完了感

 株価は昨年来安値圏だが、12月安値923円を割り込むことなく1100円近辺で推移して下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。2月18日の終値は1113円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS212円51銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間38円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1423円87銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約288億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月17日更新]

アルコニックスは調整一巡して出直り期待、19年3月経常減益予想だが20年3月期収益拡大期待

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。19年3月期は経常減益予想だが、20年3月期の収益拡大を期待したい。株価は地合い悪の影響で昨年来安値圏だが、調整一巡して出直りを期待したい。なお2月12日に第3四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 18年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材30%、アルミ銅54%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だったが、経常利益構成比は商社流通36%(電子機能材23%、アルミ銅13%)で製造64%(装置材料11%、金属加工54%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占める柱となった。

 中期経営計画(19年3月期〜21年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を21年3月期の経常利益95億円超、純利益72億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年8月には、カーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化(新設する中間持株会社が19年2月上旬株式取得予定)すると発表した。18年11月には、摩擦調整材のカシューパーティクルを製造販売する東北化工の株式をエフ・シー・シー<7296>から取得して、連結子会社化(新設する中間持株会社が18年12月下旬株式取得予定)すると発表した。ブレーキ関連市場に参入する。

 なお1月7日には、連結子会社の富士プレスが日邦産業<9913>と共同で14年4月設立したメキシコFNA社の自動車部品用精密金属プレス部品事業を分割し、メキシコに18年12月設立したFUJI−MX社(出資比率富士プレス80%、アルコニックス20%)が譲り受ける(19年7月1日予定)と発表した。FNA社の事業運営に係る日邦産業との合弁契約は解消する。

■19年3月期経常微減益予想だが20年3月期収益拡大期待

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比8.9%増の2700億円、営業利益が4.4%減の70億円、経常利益が3.0%減の77億円、純利益が3.1%増の55億円としている。配当予想は6円増配(17年9月1日付株式2分割換算後)の年間38円(第2四半期末19円、期末19円)としている。予想配当性向は17.9%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比8.4%増の1297億37百万円、営業利益が10.5%増の38億33百万円、経常利益が1.1%減の37億47百万円、純利益が0.5%減の27億67百万円だった。

 商社流通におけるアルミ原料や電子材料などの数量増加、製造における半導体製造・実装装置関連や自動車関連の増加で増収だった。利益は増収効果で販管費増加を吸収して2桁営業増益だったが、為替差損計上で経常・最終微減益だった。

 セグメント経常利益は、商社流通・電子機能材が13.2%減の6億15百万円、商社流通・アルミ銅が9.9%減の5億50百万円、製造・装置材料が71.7%増の5億36百万円、製造・金属加工が4.5%減の20億57百万円だった。

 通期のセグメント経常利益の計画は、商社流通・電子機能材が12.7%減の15億90百万円、商社流通・アルミ銅が10.0%減の9億30百万円、製造・装置材料が43.6%増の12億円、製造・金属加工が6.2%減の39億80百万円としている。製造・装置材料は米Univerticalの増益が寄与する。製造・金属加工は持分法投資利益の減少を見込んでいる。

 通期ベースでは、商社流通において非鉄市況の反動や利益率の低下を見込み、全体の営業利益と経常利益を微減益予想としている。ただし第2四半期累計の進捗率は営業利益54.8%、経常利益48.7%、純利益50.3%と順調である。また20年3月期の収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象、19年3月末から導入

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈する。19年3月末から導入する。

■株価は調整一巡して出直り期待

 株価は地合い悪の影響で昨年来安値圏だが、12月25日の923円から切り返している。調整一巡して出直りを期待したい。1月16日の終値は1105円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS212円51銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間38円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1423円87銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約286億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月19日更新]

アルコニックスは調整一巡して出直り期待、19年3月経常微減益予想織り込み済み

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。19年3月期は経常微減益予想だが、第2四半期累計は順調だった。株価は地合い悪も影響して年初来安値圏だが、経常微減益予想は織り込み済みだろう。調整一巡して出直りを期待したい。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 18年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材30%、アルミ銅54%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だったが、経常利益構成比は商社流通36%(電子機能材23%、アルミ銅13%)で製造64%(装置材料11%、金属加工54%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占める柱となった。

 中期経営計画(19年3月期〜21年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を21年3月期の経常利益95億円超、純利益72億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年8月にはカーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化(新設する中間持株会社が19年2月上旬株式取得予定)すると発表した。また18年11月には、摩擦調整材のカシューパーティクルを製造販売する東北化工の株式をエフ・シー・シー<7296>から取得して、連結子会社化(新設する中間持株会社が18年12月下旬株式取得予定)すると発表した。ブレーキ関連市場に参入する。

■19年3月期経常微減益予想だが2Q累計順調

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比8.9%増の2700億円、営業利益が4.4%減の70億円、経常利益が3.0%減の77億円、純利益が3.1%増の55億円としている。配当予想は6円増配(17年9月1日付株式2分割換算後)の年間38円(第2四半期末19円、期末19円)としている。予想配当性向は17.9%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比8.4%増の1297億37百万円、営業利益が10.5%増の38億33百万円、経常利益が1.1%減の37億47百万円、純利益が0.5%減の27億67百万円だった。

 商社流通におけるアルミ原料や電子材料などの数量増加、製造における半導体製造・実装装置関連や自動車関連の増加で増収だった。利益は増収効果で販管費増加を吸収して2桁営業増益だったが、為替差損計上で経常・最終微減益だった。

 セグメント経常利益は、商社流通・電子機能材が13.2%減の6億15百万円、商社流通・アルミ銅が9.9%減の5億50百万円、製造・装置材料が71.7%増の5億36百万円、製造・金属加工が4.5%減の20億57百万円だった。

 通期のセグメント経常利益の計画は、商社流通・電子機能材が12.7%減の15億90百万円、商社流通・アルミ銅が10.0%減の9億30百万円、製造・装置材料が43.6%増の12億円、製造・金属加工が6.2%減の39億80百万円としている。製造・装置材料は米Univerticalの増益が寄与する。製造・金属加工は持分法投資利益の減少を見込んでいる。

 通期ベースでは、商社流通において非鉄市況の反動や利益率の低下を見込み、全体の営業利益と経常利益を微減益予想としている。ただし第2四半期累計の進捗率は営業利益54.8%、経常利益48.7%、純利益50.3%と順調である。

■株主優待制度は3月末の株主対象、19年3月末から導入

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈する。19年3月末から導入する。

■株価は調整一巡して出直り期待

 株価は12月18日に1145円まで下押した。地合い悪も影響して年初来安値圏だが経常微減益予想は織り込み済みだろう。調整一巡して出直りを期待したい。12月18日の終値は1148円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS212円51銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間38円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1423円87銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約297億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月27日更新]

アルコニックスは売られ過ぎ感、19年3月営業・経常微減益予想だが2Q累計順調

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。19年3月期は営業・経常微減益予想だが、第2四半期累計は順調だった。株価は年初来安値圏で軟調展開だが売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して反発を期待したい。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 18年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材30%、アルミ銅54%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だったが、経常利益構成比は商社流通36%(電子機能材23%、アルミ銅13%)で製造64%(装置材料11%、金属加工54%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占める柱となった。

 中期経営計画(19年3月期〜21年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を21年3月期の経常利益95億円超、純利益72億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。18年8月には、中間持株会社を設立してカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化(株式取得19年2月上旬予定)すると発表した。

■19年3月期営業・経常微減益予想だが2Q累計順調

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比8.9%増の2700億円、営業利益が4.4%減の70億円、経常利益が3.0%減の77億円、純利益が3.1%増の55億円としている。配当予想は6円増配(17年9月1日付株式2分割換算後)の年間38円(第2四半期末19円、期末19円)としている。予想配当性向は17.9%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比8.4%増の1297億37百万円、営業利益が10.5%増の38億33百万円、経常利益が1.1%減の37億47百万円、純利益が0.5%減の27億67百万円だった。

 商社流通におけるアルミ原料や電子材料などの数量増加、製造における半導体製造・実装装置関連や自動車関連の増加で増収だった。利益は増収効果で販管費増加を吸収して2桁営業増益だったが、為替差損計上で経常・最終微減益だった。

 セグメント経常利益は、商社流通・電子機能材が13.2%減の6億15百万円、商社流通・アルミ銅が9.9%減の5億50百万円、製造・装置材料が71.7%増の5億36百万円、製造・金属加工が4.5%減の20億57百万円だった。

 通期のセグメント経常利益の計画は、商社流通・電子機能材が12.7%減の15億90百万円、商社流通・アルミ銅が10.0%減の9億30百万円、製造・装置材料が43.6%増の12億円、製造・金属加工が6.2%減の39億80百万円としている。製造・装置材料は米Univerticalの増益が寄与する。製造・金属加工は持分法投資利益の減少を見込んでいる。

 通期ベースでは、商社流通において非鉄市況の反動や利益率低下を見込み、全体の営業利益と経常利益を微減益予想としている。ただし第2四半期累計の進捗率は営業利益54.8%、経常利益48.7%、純利益50.3%と順調である。

■株主優待制度は3月末の株主対象、19年3月末から導入

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈する。19年3月末から導入する。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は11月21日に年初来安値1188円まで下押して軟調展開だが、売られ過ぎ感を強めている。11月26日の終値は1244円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS212円51銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間38円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1423円87銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約322億円である。調整一巡して反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月18日更新]

アルコニックス調整一巡して反発期待、19年3月経常微減益予想だが上振れ余地

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。19年3月期の経常利益は微減益予想だが、上振れ余地がありそうだ。株価は地合い悪化の影響で年初来安値圏だが、調整一巡して反発を期待したい。なお11月6日に第2四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益の過半を占め、さらに上昇傾向

 18年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材30%、アルミ銅54%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だった、経常利益構成比は商社流通36%(電子機能材23%、アルミ銅13%)で製造64%(装置材料11%、金属加工54%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占め、さらに上昇傾向を強めている。

 中期経営計画(19年3月期〜21年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を21年3月期の経常利益95億円超、純利益72億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。18年8月には、中間持株会社を設立してカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化(株式取得19年2月上旬予定)すると発表した。

■19年3月期経常微減益予想だが上振れ余地

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比8.9%増の2700億円、営業利益が4.4%減の70億円、経常利益が3.0%減の77億円、純利益が3.1%増の55億円としている。配当予想は6円増配(17年9月1日付株式2分割換算後)の年間38円(第2四半期末19円、期末19円)としている。予想配当性向は17.9%となる。

 セグメント経常利益の計画は、商社流通が11.8%減の25億20百万円(電子機能材が12.7%減の15億90百万円、アルミ銅が10.0%減の9億30百万円)、製造が2.0%増の51億80百万円(装置材料が43.6%増の12億円、金属加工が6.2%減の39億80百万円)としている。大幅増益計画の装置材料は、米Univerticalの増益が寄与する見込みだ。金属加工は持分法投資利益の減少を見込んでいる。

 第1四半期は、売上高が前年同期比13.8%増の666億71百万円、営業利益が18.9%増の20億18百万円、経常利益が6.3%増の20億71百万円、純利益が13.9%増の16億35百万円だった。自動車、半導体関連の需要が好調に推移した。

 セグメントの経常利益は、商社流通が2.0%増の7億03百万円(電子機能材が6.5%増の3億02百万円、アルミ銅が1.2%減の4億01百万円)で、製造が9.3%増の13億71百万円(装置材料が2.2倍の3億32百万円、金属加工が5.6%減の10億38百万円)だった。

 通期ベースでは、スマホ関連の減速懸念、米国の通商政策の影響、為替動向など不透明感が強いとして、商社流通において非鉄市況の反動や利益率低下を見込み、全体の営業利益と経常利益を微減益予想としている。ただし第1四半期の進捗率は売上高24.7%、営業利益28.8%、経常利益26.9%、純利益29.7%と順調である。通期の経常利益は微減益予想だが、上振れ余地がありそうだ。

■株主優待制度は3月末の株主対象、19年3月末から導入

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈する。19年3月末から導入する。

■株価は調整一巡して反発期待

 株価は地合い悪化の影響で10月11日に年初来安値1386円まで下押したが、その後は下げ渋る動きだ。10月17日の終値は1462円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS212円60銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間38円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1423円87銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約378億円である。調整一巡して反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月21日更新]

アルコニックス調整一巡して出直り期待、19年3月経常微減益予想だが上振れ余地

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。19年3月期の経常利益は微減益予想だが、上振れ余地がありそうだ。株価は年初来安値圏だが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益の過半を占め、さらに上昇傾向

 18年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材30%、アルミ銅54%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だった、経常利益構成比は商社流通36%(電子機能材23%、アルミ銅13%)で製造64%(装置材料11%、金属加工54%)だった。
 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占め、さらに上昇傾向を強めている。

 中期経営計画(19年3月期〜21年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を21年3月期の経常利益95億円超、純利益72億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。18年8月には、中間持株会社を設立してカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所を子会社化(株式取得19年2月上旬予定)すると発表した。

■19年3月期経常微減益予想だが上振れ余地

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比8.9%増の2700億円、営業利益が4.4%減の70億円、経常利益が3.0%減の77億円、純利益が3.1%増の55億円としている。

 セグメント経常利益の計画は、商社流通が11.8%減の25億20百万円(電子機能材が12.7%減の15億90百万円、アルミ銅が10.0%減の9億30百万円)、製造が2.0%増の51億80百万円(装置材料が43.6%増の12億円、金属加工が6.2%減の39億80百万円)としている。大幅増益計画の装置材料は、米Univerticalの増益が寄与する見込みだ。金属加工は持分法投資利益の減少を見込んでいる。

 売上面では商社流通、製造とも好調に推移するが、スマホ関連の減速懸念、米国の通商政策の影響、為替動向など不透明感が強いとして、商社流通において非鉄市況の反動や利益率低下を見込み、全体の営業利益と経常利益を微減益予想としている。ただし全体として保守的だろう。

 第1四半期は、売上高が前年同期比13.8%増の666億71百万円、営業利益が18.9%増の20億18百万円、経常利益が6.3%増の20億71百万円、純利益が13.9%増の16億35百万円だった。自動車、半導体関連の需要が好調に推移した。

 セグメントの経常利益は、商社流通が2.0%増の7億03百万円(電子機能材が6.5%増の3億02百万円、アルミ銅が1.2%減の4億01百万円)で、製造が9.3%増の13億71百万円(装置材料が2.2倍の3億32百万円、金属加工が5.6%減の10億38百万円)だった。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.7%、営業利益28.8%、経常利益26.9%、純利益29.7%と順調である。通期の経常利益は微減益予想だが、上振れ余地がありそうだ。

 なお配当予想は年間38円(第2四半期末19円、期末19円)としている。18年3月期の年間32円(17年9月1日付株式2分割換算後)との比較で6円増配となる。予想配当性向は17.9%となる。

■株主優待制度は3月末の株主対象、19年3月末から導入

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈する。19年3月末から導入する。

■株価は調整一巡して出直り期待

 株価は年初来安値圏だが調整一巡感を強めている。8月22日に1403円まで下押したが、その後は徐々に水準を切り上げている。

 9月20日の終値は1591円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS212円65銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間38円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1423円87銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約412億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月20日更新]

アルコニックスは売り一巡して反発期待、19年3月期1Q増益で通期上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。19年3月期第1四半期は増収増益だった。通期は経常微減益予想だが、上振れの可能性がありそうだ。また株主優待制度の導入も発表している。株価は年初来安値圏だが、売り一巡して反発を期待したい。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益の過半を占め、さらに上昇傾向

 18年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材30%、アルミ銅54%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だった、経常利益構成比は商社流通36%(電子機能材23%、アルミ銅13%)で製造64%(装置材料11%、金属加工54%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占め、さらに上昇傾向を強めている。

 中期経営計画(19年3月期〜21年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を21年3月期の経常利益95億円超、純利益72億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。8月7日には、中間持株会社を設立してカーボンブラシ製造販売の富士カーボン製造所(愛知県)を子会社化(株式取得19年2月上旬予定)すると発表した。

■19年3月期経常微減益予想だが保守的、配当は増配予想

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比8.9%増の2700億円、営業利益が4.4%減の70億円、経常利益が3.0%減の77億円、純利益が3.1%増の55億円としている。

 セグメント経常利益の計画は、商社流通が11.8%減の25億20百万円(電子機能材が12.7%減の15億90百万円、アルミ銅が10.0%減の9億30百万円)、製造が2.0%増の51億80百万円(装置材料が43.6%増の12億円、金属加工が6.2%減の39億80百万円)としている。大幅増益計画の装置材料は、米Univerticalの増益が寄与する見込みだ。金属加工は持分法投資利益の減少を見込んでいる。

 売上面では商社流通、製造とも好調に推移するが、スマホ関連の減速懸念、米国の通商政策の影響、為替動向など不透明感が強いとして、商社流通において非鉄市況の反動や利益率低下を見込み、全体の営業利益と経常利益を微減益予想としている。売上総利益率は7.2%で0.5ポイント低下、販管費比率は4.6%で0.1ポイント低下の計画である。ただし全体として保守的だろう。

 第1四半期は、売上高が前年同期比13.8%増の666億71百万円、営業利益が18.9%増の20億18百万円、経常利益が6.3%増の20億71百万円、純利益が13.9%増の16億35百万円だった。自動車、半導体関連の需要が好調に推移した。

 セグメントの経常利益は、商社流通が2.0%増の7億03百万円(電子機能材が6.5%増の3億02百万円、アルミ銅が1.2%減の4億01百万円)で、製造が9.3%増の13億71百万円(装置材料が2.2倍の3億32百万円、金属加工が5.6%減の10億38百万円)だった。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.7%、営業利益28.8%、経常利益26.9%、純利益29.7%と順調である。通期は経常微減益予想だが、上振れの可能性がありそうだ。

 なお配当予想は年間38円(第2四半期末19円、期末19円)としている。18年3月期の年間32円(17年9月1日付株式2分割換算後)との比較で6円増配となる。予想配当性向は17.9%となる。

■株主優待制度を導入

 8月7日に株主優待制度の導入を発表した。毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈する。優待内容は優待カタログギフトコースから選択する。19年3月末から導入する。

■株価は売り一巡して反発期待

 株価は反発力の鈍い展開で年初来安値圏だ。第1四半期業績に対してもネガティブ反応となり、8月16日には1452円まで下押した。ただし日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えて売られ過ぎ感を強めている。

 8月17日の終値は1478円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS212円65銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間38円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1423円87銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約383億円である。売り一巡して反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月10日更新]

アルコニックスは売り一巡、19年3月期経常微減益予想だが保守的

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。19年3月期は経常微減益予想だが保守的だろう。株価は水準を切り下げたが、売り一巡して反発を期待したい。なお8月7日に第1四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益の過半を占め、さらに上昇傾向

 18年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材30%、アルミ銅54%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だった、経常利益構成比は商社流通36%(電子機能材23%、アルミ銅13%)で製造64%(装置材料11%、金属加工54%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占め、さらに上昇傾向を強めている。

 中期経営計画(19年3月期〜21年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を21年3月期の経常利益95億円超、純利益72億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調が期待される。

■19年3月期経常微減益予想だが保守的、配当は増配予想

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比8.9%増の2700億円、営業利益が4.4%減の70億円、経常利益が3.0%減の77億円、純利益が3.1%増の55億円としている。

 セグメント経常利益の計画は、商社流通が11,8%減の25億20百万円(電子機能材が12.7%減の15億90百万円、アルミ銅が10.0%減の9億30百万円)、製造が2.0%増の51億80百万円(装置材料が43.6%増の12億円、金属加工が6.2%減の39億80百万円)としている。大幅増益計画の装置材料は、米Univerticalの増益が寄与する見込みだ。金属加工は持分法投資利益の減少を見込んでいる。

 売上面では商社流通、製造とも好調に推移するが、スマホ関連の減速懸念、米国の通商政策の影響、為替動向など不透明感が強いとして、商社流通において非鉄市況の反動や利益率低下を見込み、全体の営業利益と経常利益を微減益予想としている。売上総利益率は7.2%で0.5ポイント低下、販管費比率は4.6%で0.1ポイント低下の計画である。ただし全体として保守的だろう。上振れを期待したい。

 なお配当予想は年間38円(第2四半期末19円、期末19円)としている。18年3月期の年間32円(17年9月1日付株式2分割換算後)との比較で6円増配となる。予想配当性向は17.9%となる。

■株価は売り一巡して反発期待

 株価は2月高値の2690円から反落し、ほぼ一本調子に水準を切り下げた。7月5日には1525円まで下押した。ただし売られ過ぎ感を強めている。

 7月9日の終値1624円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS212円65銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間38円で算出)は約2.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1423円87銭で算出)は約1.1倍である。時価総額は約420億円である。

 売り一巡して反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月11日更新]

アルコニックスは売り一巡して反発期待、19年3月期経常微減益予想だが保守的、配当は増配予想

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。19年3月期は経常微減益予想だが保守的だろう。なお配当は増配予想である。株価は2月高値から反落して水準を切り下げたが、売り一巡して反発を期待したい。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益の過半を占め、さらに上昇傾向

 18年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材30%、アルミ銅54%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だった、経常利益構成比は商社流通36%(電子機能材23%、アルミ銅13%)で製造64%(装置材料11%、金属加工54%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占め、さらに上昇傾向を強めている。

 中期経営計画(19年3月期〜21年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を21年3月期の経常利益95億円超、純利益72億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調が期待される。

■19年3月期経常微減益予想だが保守的、配当は増配予想

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比8.9%増の2700億円、営業利益が4.4%減の70億円、経常利益が3.0%減の77億円、純利益が3.1%増の55億円としている。

 セグメント経常利益の計画は、商社流通が11,8%減の25億20百万円(電子機能材が12.7%減の15億90百万円、アルミ銅が10.0%減の9億30百万円)、製造が2.0%増の51億80百万円(装置材料が43.6%増の12億円、金属加工が6.2%減の39億80百万円)としている。大幅増益計画の装置材料は、米Univerticalの増益が寄与する見込みだ。金属加工は持分法投資利益の減少を見込んでいる。

 売上面では商社流通、製造とも好調に推移するが、スマホ関連の減速懸念、米国の通商政策の影響、為替動向など不透明感が強いとして、商社流通において非鉄市況の反動や利益率低下を見込み、全体の営業利益と経常利益を微減益予想としている。売上総利益率は7.2%で0.5ポイント低下、販管費比率は4.6%で0.1ポイント低下の計画である。ただし全体として保守的だろう。上振れを期待したい。

 なお配当予想は年間38円(第2四半期末19円、期末19円)としている。18年3月期の年間32円(17年9月1日付株式2分割換算後)との比較で6円増配となる。予想配当性向は17.9%となる。

■株価は売り一巡して反発期待

 株価は2月高値の2690円から反落し、ほぼ一本調子に水準を切り下げた。5月30日には1724円まで下押した。ただし売られ過ぎ感を強めている。

 6月8日の終値1808円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS212円65銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間38円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1423円87銭で算出)は約1.3倍である。時価総額は約468億円である。

 週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んだが、売り一巡して反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月08日更新]

アルコニックスは調整一巡、19年3月期も収益拡大期待

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。18年3月期大幅増益・増配予想で、19年3月期も収益拡大が期待される。株価は2月高値から反落したが、調整一巡して出直りが期待される。なお5月15日に18年3月期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。18年4月現在のグループ海外拠点は12法人16拠点である。

■製造が利益の過半

 17年3月期のセグメント別売上高構成比は、商社流通87%(電子機能材事業が28%、アルミ銅事業が59%)、製造13%(装置材料事業が8%、金属加工事業が5%)だった、経常利益の構成比は商社流通47%(電子機能材事業が27%、アルミ銅事業が20%)、製造53%(装置材料事業が5%、金属加工事業が48%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造の利益が連結業績の過半を占めるようになった。

 中期経営計画(18年3月期〜20年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を20年3月期の経常利益65億円超、純利益47億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調が期待される。

■18年3月期大幅増益予想、19年3月期も収益拡大期待

 18年3月期の連結業績予想は、売上高が17年3月期比20.3%増の2430億円、営業利益が67.9%増の70億円、経常利益が70.0%増の74億円、純利益が71.9%増の53億円としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比25.6%増の1837億06百万円、営業利益が86.2%増の54億82百万円、経常利益99.7%増の59億15百万円、そして純利益が79.4%増の42億50百万円だった。

 非鉄市況の上昇や主要取引先の需要回復など、事業環境の改善で商社流通の取り扱いが拡大し、国内外の製造子会社の好調で製造も大幅伸長した。17年4月連結子会社化した富士プレスなどM&A効果も寄与した。売上総利益率は7.6%で2.3ポイント上昇、販管費比率は4.7%で0.6ポイント低下した。

 セグメント経常利益は、商社流通−電子機能材料が73.0%増の11億80百万円、商社流通−アルミ銅事業が53.9%増の8億96百万円、製造−装置材料事業が6.0倍の6億35百万円、製造−金属加工事業が2.0倍の32億03百万円だった。経常利益に占める製造の割合は6割強に上昇した。

 通期も事業環境の改善や自動車・半導体関連の需要拡大で、特に製造が大幅伸長する見込みだ。セグメント別経常利益は商社流通−電子機能材料が25.4%増の16億30百万円、商社流通−アルミ銅事業が10.4%増の10億60百万円、製造−装置材料事業が18.2%増の7億80百万円、製造−金属加工事業が1.3%増の39億30百万円としている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.6%、営業利益が78.3%、経常利益が79.9%、純利益が80.2%と順調だった。19年3月期も収益拡大が期待される。

 配当予想(2月9日に期末6円増額修正)は、年間32円(第2四半期末13円、期末19円)としている。17年9月1日付の株式2分割を考慮して17年3月期の年間44円を22円に換算すると10円増配となる。予想配当性向は15.6%となる。

■株価は調整一巡して出直り期待

 株価は2月高値2690円から反落し、1900円〜2100円近辺でモミ合う展開だが、調整一巡感を強めている。

 5月7日の終値1987円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS205円00銭で算出)は約10倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間32円で算出)は約1.6%、そして前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS1255円61銭で算出)は約1.6倍である。時価総額は約514億円である。

 週足チャートで見ると52週移動平均線が接近して支持線となりそうだ。調整一巡して出直りが期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月05日更新]

アルコニックスは調整一巡感、18年3月期大幅増益予想で19年3月期も収益拡大期待

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。18年3月期大幅増益・増配予想で3回目の増額余地がありそうだ。そして19年3月期も収益拡大が期待される。株価は2月高値から反落して水準を切り下げたが、調整一巡感を強めている。出直りが期待される。なお5月15日に18年3月期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 4月1日には韓国に100%子会社を設立し、グループの海外拠点は12法人16拠点となった。

■製造が利益の過半

 17年3月期のセグメント別売上高構成比は、商社流通87%(電子機能材事業が28%、アルミ銅事業が59%)、製造13%(装置材料事業が8%、金属加工事業が5%)だった、経常利益の構成比は商社流通47%(電子機能材事業が27%、アルミ銅事業が20%)、製造53%(装置材料事業が5%、金属加工事業が48%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造の利益が連結業績の過半を占めるようになった。

 中期経営計画(18年3月期〜20年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を20年3月期の経常利益65億円超、純利益47億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調が期待される。

■18年3月期大幅増益予想で3回目増額余地、19年3月期も収益拡大期待

 18年3月期連結業績予想(2月9日に2回目の増額修正)は、売上高が17年3月期比20.3%増の2430億円、営業利益が67.9%増の70億円、経常利益が70.0%増の74億円、純利益が71.9%増の53億円としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比25.6%増の1837億06百万円、営業利益が86.2%増の54億82百万円、経常利益99.7%増の59億15百万円、そして純利益が79.4%増の42億50百万円だった。

 非鉄市況の上昇や主要取引先の需要回復など、事業環境の改善で商社流通の取り扱いが拡大し、国内外の製造子会社の好調で製造も大幅伸長した。17年4月連結子会社化した富士プレスなどM&A効果も寄与した。売上総利益率は7.6%で2.3ポイント上昇、販管費比率は4.7%で0.6ポイント低下した。

 セグメント経常利益は、商社流通−電子機能材料が73.0%増の11億80百万円、商社流通−アルミ銅事業が53.9%増の8億96百万円、製造−装置材料事業が6.0倍の6億35百万円、製造−金属加工事業が2.0倍の32億03百万円だった。経常利益に占める製造の割合は6割強に上昇した。

 通期も事業環境の改善や自動車・半導体関連の需要拡大で、特に製造が大幅伸長する見込みだ。セグメント別経常利益は商社流通−電子機能材料が25.4%増の16億30百万円、商社流通−アルミ銅事業が10.4%増の10億60百万円、製造−装置材料事業が18.2%増の7億80百万円、製造−金属加工事業が1.3%増の39億30百万円としている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.6%、営業利益が78.3%、経常利益が79.9%、純利益が80.2%である。通期予想に3回目の増額余地がありそうだ。そして19年3月期も収益拡大が期待される。

 配当予想(2月9日に期末6円増額修正)は、年間32円(第2四半期末13円、期末19円)としている。17年9月1日付の株式2分割を考慮して17年3月期の年間44円を22円に換算すると10円増配となる。予想配当性向は15.6%となる。

■株価は調整一巡感

 株価(17年9月1日付で株式2分割)は、2月の上場来高値2690円から反落して水準を切り下げたが、2000円近辺から切り返して調整一巡感を強めている。

 4月4日の終値2107円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS205円00銭で算出)は約10倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間32円で算出)は約1.5%、そして前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS1255円61銭で算出)は約1.7倍である。時価総額は約545億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、大きく下押す動きは見られない。出直りが期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月15日更新]

アルコニックスは調整一巡、18年3月期大幅増益予想で3回目の増額余地

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。18年3月期は増額して大幅増益・増配予想である。そして通期業績予想には3回目の増額余地がありそうだ。積極的な事業展開で中期的にも収益拡大が期待される。株価は調整一巡して上値を試す展開が期待される。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 18年2月には韓国に100%子会社を設立(18年4月1日予定)すると発表した。これによりグループの海外拠点は12法人16拠点となる。

■製造が利益の過半

 17年3月期のセグメント別売上高構成比は、商社流通87%(電子機能材事業が28%、アルミ銅事業が59%)、製造13%(装置材料事業が8%、金属加工事業が5%)だった、経常利益の構成比は商社流通47%(電子機能材事業が27%、アルミ銅事業が20%)、製造53%(装置材料事業が5%、金属加工事業が48%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造の利益が連結業績の過半を占めるようになった。

 中期経営計画(18年3月期〜20年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を20年3月期の経常利益65億円超、純利益47億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調が期待される。

■18年3月期大幅増益予想、3回目の増額余地

 18年3月期連結業績予想(2月9日に2回目の増額修正)は、売上高が17年3月期比20.3%増の2430億円、営業利益が67.9%増の70億円、経常利益が70.0%増の74億円、純利益が71.9%増の53億円としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比25.6%増の1837億06百万円、営業利益が86.2%増の54億82百万円、経常利益99.7%増の59億15百万円、そして純利益が79.4%増の42億50百万円だった。

 非鉄市況の上昇や主要取引先の需要回復など、事業環境の改善で商社流通の取り扱いが拡大し、国内外の製造子会社の好調で製造も大幅伸長した。17年4月連結子会社化した富士プレスなどM&A効果も寄与した。売上総利益率は7.6%で2.3ポイント上昇、販管費比率は4.7%で0.6ポイント低下した。

 セグメント経常利益は、商社流通−電子機能材料が73.0%増の11億80百万円、商社流通−アルミ銅事業が53.9%増の8億96百万円、製造−装置材料事業が6.0倍の6億35百万円、製造−金属加工事業が2.0倍の32億03百万円だった。経常利益に占める製造の割合は6割強に上昇した。

 通期も事業環境の改善や自動車・半導体関連の需要拡大で、特に製造が大幅伸長する見込みだ。セグメント別経常利益は商社流通−電子機能材料が25.4%増の16億30百万円、商社流通−アルミ銅事業が10.4%増の10億60百万円、製造−装置材料事業が18.2%増の7億80百万円、製造−金属加工事業が1.3%増の39億30百万円としている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.6%、営業利益が78.3%、経常利益が79.9%、純利益が80.2%である。通期予想に3回目の増額余地がありそうだ。

 配当予想(2月9日に期末6円増額修正)は、年間32円(第2四半期末13円、期末19円)としている。17年9月1日付の株式2分割を考慮して17年3月期の年間44円を22円に換算すると10円増配となる。予想配当性向は15.6%となる。

■株価は調整一巡して上値試す

 株価(17年9月1日付で株式2分割)は、2月の上場来高値2690円から一旦反落したが、2100円台から切り返して調整一巡感を強めている。

 3月15日の終値2356円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS205円00銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間32円で算出)は1.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1255円61銭で算出)は1.9倍近辺である。時価総額は約609億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返している。調整一巡して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[2月26日更新]

アルコニックスは地合い悪化の売り一巡、18年3月期増額して大幅増益・増配予想

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。18年3月期は増額して大幅増益・増配予想である。積極的な事業展開で中期的にも収益拡大が期待される。株価は地合い悪化の売りが一巡して上値を試す展開が期待される。
 
■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す
 
 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。
 
 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。
 
■製造が利益の過半
 
 17年3月期のセグメント別売上高構成比は、商社流通87%(電子機能材事業が28%、アルミ銅事業が59%)、製造13%(装置材料事業が8%、金属加工事業が5%)だった、経常利益の構成比は商社流通47%(電子機能材事業が27%、アルミ銅事業が20%)、製造53%(装置材料事業が5%、金属加工事業が48%)だった。
 
 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造の利益が連結業績の過半を占めるようになった。
 
 中期経営計画(18年3月期〜20年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を20年3月期の経常利益65億円超、純利益47億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。
 
 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調が期待される。
 
■18年3月期3Q累計大幅増収増益
 
 今期(18年3月期)第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比25.6%増の1837億06百万円、営業利益が86.2%増の54億82百万円、経常利益99.7%増の59億15百万円、そして純利益が79.4%増の42億50百万円だった。
 
 非鉄市況の上昇や主要取引先の需要回復など、事業環境の改善で商社流通の取り扱いが拡大し、国内外の製造子会社の好調で製造も大幅伸長した。17年4月連結子会社化した富士プレスなどM&A効果も寄与した。売上総利益率は7.6%で2.3ポイント上昇、販管費比率は4.7%で0.6ポイント低下した。
 
 セグメント経常利益は、商社流通−電子機能材料が73.0%増の11億80百万円、商社流通−アルミ銅事業が53.9%増の8億96百万円、製造−装置材料事業が6.0倍の6億35百万円、製造−金属加工事業が2.0倍の32億03百万円だった。経常利益に占める製造の割合は6割強に上昇した。
 
■18年3月期業績予想は2回目の増額修正、配当も増額修正
 
 18年3月期予想については、2月9日に連結業績予想を増額修正(17年11月に続いて2回目)し、配当予想も増額修正した。
 
 修正後の連結業績予想は、売上高が17年3月期比20.3%増の2430億円、営業利益が67.9%増の70億円、経常利益が70.0%増の74億円、純利益が71.9%増の53億円としている。
 
 事業環境の改善、円安効果、自動車・半導体関連の需要拡大で、特に製造が大幅伸長する見込みだ。セグメント別経常利益は商社流通−電子機能材料が25.4%増の16億30百万円、商社流通−アルミ銅事業が10.4%増の10億60百万円、製造−装置材料事業が18.2%増の7億80百万円、製造−金属加工事業が1.3%増の39億30百万円としている。なお主要取引先である神戸製鋼所グループの品質問題の影響は限定的としている。
 
 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.6%、営業利益が78.3%、経常利益が79.9%、純利益が80.2%である。
 
 配当予想は2月9日に、期末6円増額して年間32円(第2四半期末13円、期末19円)とした。17年9月1日付の株式2分割を考慮して前期実績の年間44円を22円に換算すると10円増配となる。予想配当性向は15.6%となる。
 
■株価は地合い悪化の売り一巡して上値試す
 
 株価(17年9月1日付で株式2分割)は、2月2日に上場来高値2690円まで上伸した。その後一旦反落したが、2月9日の2187円から切り返している。
 
 2月23日の終値2442円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS205円00銭で算出)は12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間32円で算出)は1.3%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1255円61銭で算出)は1.9倍近辺である。時価総額は約631億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。地合い悪化の売りが一巡して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[1月12日更新]

アルコニックスは11月高値に接近、18年3月期大幅増収増益予想で再増額の可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。18年3月期大幅増収増益予想で再増額の可能性が高いだろう。積極的な事業展開で中期的にも収益拡大基調が期待される。株価は自律調整一巡して11月高値に接近している。上値を試す展開が期待される。なお2月9日に第3四半期決算発表を予定している。
 
■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す
 
 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。
 
 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。
 
■製造が利益の過半
 
 17年3月期のセグメント別売上高構成比は、商社流通87%(電子機能材事業が28%、アルミ銅事業が59%)、製造13%(装置材料事業が8%、金属加工事業が5%)だった、経常利益の構成比は商社流通47%(電子機能材事業が27%、アルミ銅事業が20%)、製造53%(装置材料事業が5%、金属加工事業が48%)だった。
 
 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造の利益が連結業績の過半を占めるようになった。
 
 中期経営計画(18年3月期〜20年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を20年3月期の経常利益65億円超、純利益47億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調が期待される。
 
■18年3月期大幅増収増益予想で再増額の可能性
 
 18年3月期の連結業績予想(11月8日に増額修正)は、売上高が17年3月期比17.9%増の2380億円、営業利益が49.5%増の62億30百万円、経常利益が56.2%増の68億円、純利益が58.9%増の49億円としている。
 
 事業環境の改善、円安効果、自動車・半導体関連の需要拡大で、特に製造が大幅伸長する見込みだ。セグメント別経常利益は、商社流通が10.3%増の22億60百万円、製造が96.3%増の45億40百万円の計画としている。なお主要取引先である神戸製鋼所グループの品質問題の影響は、現時点では限定的としている。
 
 第2四半期累計は、売上高が前年同期比26.8%増の1196億35百万円、営業利益が93.0%増の34億69百万円、経常利益83.1%増の37億88百万円、純利益が66.9%増の27億81百万円だった。
 
 計画超の大幅増収増益だった。非鉄市況の上昇や主要取引先の需要回復など、事業環境の改善で商社流通の取り扱いが拡大し、国内外の製造子会社の好調で製造も大幅伸長した。14年4月子会社化した富士プレスの新規連結も寄与した。
 
 商社流通は売上高が23.4%増の1004億46百万円で経常利益が60.6%増の13億20百万円、製造は売上高が48.4%増の191億89百万円で経常利益が97.2%増の24億66百万円だった。経常利益に占める製造の割合は6割超に上昇した。
 
 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.3%、営業利益が55.7%、経常利益が55.7%、純利益が56.8%と高水準である。通期会社予想は再増額の可能性が高いだろう。
 
 配当予想は年間26円(第2四半期末13円、期末13円)としている。17年9月1日付の株式2分割を考慮して前期実績の年間44円を22円に換算すると4円増配となる。
 
■株価は17年11月高値に接近
 
 株価(17年9月1日付で株式2分割)は自律調整一巡して戻り歩調だ。1月9日には2495円まで上伸し、17年11月の上場来高値2547円に接近している。
 
 1月11日の終値2426円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS189円56銭で算出)は12〜13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は1.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1255円61銭で算出)は1.9倍近辺である。時価総額は約627億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月15日更新]

アルコニックスは自律調整一巡して上値試す、18年3月期大幅増収増益予想で再増額の可能性

アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。18年3月期大幅増収増益予想である。さらに再増額の可能性が高いだろう。積極的な事業展開で中期的にも収益拡大基調が期待される。株価は上場来高値圏から反落したが、自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造業が利益の過半

 17年3月期のセグメント別売上高構成比は、商社流通87%(電子機能材事業が28%、アルミ銅事業が59%)、製造13%(装置材料事業が8%、金属加工事業が5%)だった、経常利益の構成比は商社流通47%(電子機能材事業が27%、アルミ銅事業が20%)、製造53%(装置材料事業が5%、金属加工事業が48%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造の利益が連結業績の過半を占めるようになった。

 中期経営計画(18年3月期〜20年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を20年3月期の経常利益65億円超、純利益47億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調が期待される。

■18年3月期大幅増収増益予想で再増額の可能性

 今期(18年3月期)の連結業績予想(11月8日に増額修正)は、売上高が前期(17年3月期)比17.9%増の2380億円、営業利益が49.5%増の62億30百万円、経常利益が56.2%増の68億円、純利益が58.9%増の49億円としている。

 事業環境の改善、円安効果、自動車・半導体関連の需要拡大で、特に製造が大幅伸長する見込みだ。セグメント別経常利益は商社流通が10.3%増の22億60百万円、製造が96.3%増の45億40百万円の計画としている。なお主要取引先である神戸製鋼所グループの品質問題の影響は、現時点では限定的としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比26.8%増の1196億35百万円、営業利益が93.0%増の34億69百万円、経常利益83.1%増の37億88百万円、純利益が66.9%増の27億81百万円だった。

 計画超の大幅増収増益だった。非鉄市況の上昇や主要取引先の需要回復など、事業環境の改善で商社流通の取り扱いが拡大し、国内外の製造子会社の好調で製造も大幅伸長した。14年4月子会社化した富士プレスの新規連結も寄与した。経常利益に占める製造の割合は6割超に上昇した。

 商社流通は売上高が23.4%増の1004億46百万円で経常利益が60.6%増の13億20百万円、製造は売上高が48.4%増の191億89百万円で経常利益が97.2%増の24億66百万円だった。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.3%、営業利益が55.7%、経常利益が55.7%、純利益が56.8%と高水準である。通期会社予想は再増額の可能性が高いだろう。

 配当予想は年間26円(第2四半期末13円、期末13円)としている。17年9月1日付の株式2分割を考慮して前期実績の年間44円を22円に換算すると4円増配となる。

■株価は自律調整一巡して上値試す

 株価(17年9月1日付で株式2分割)は11月14日の上場来高値2547円から利益確定売りで一旦反落したが、12月6日の直近安値2001円から切り返している。自律調整が一巡したようだ。

 12月14日の終値2241円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS189円56銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は1.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1255円61銭で算出)は1.8倍近辺である。時価総額は約579億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月27日更新]

アルコニックスは上場来高値圏、18年3月期増額して大幅増収増益予想、さらに再増額の可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。18年3月期第2四半期累計が大幅増収増益となり、通期予想を増額修正した。さらに再増額の可能性が高いだろう。積極的な事業展開で中期的にも収益拡大基調が期待される。株価は上場来高値圏だ。目先的な過熱感を冷ましながら上値を試す展開が期待される。
 
■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す
 
 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。
 
 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。
 
■製造業が利益の過半
 
 17年3月期のセグメント別売上高構成比は、商社流通87%(電子機能材事業が28%、アルミ銅事業が59%)、製造13%(装置材料事業が8%、金属加工事業が5%)だった、経常利益の構成比は商社流通47%(電子機能材事業が27%、アルミ銅事業が20%)、製造53%(装置材料事業が5%、金属加工事業が48%)だった。
 
 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造の利益が連結業績の過半を占めるようになった。
 
 中期経営計画(18年3月期〜20年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を20年3月期の経常利益65億円超、純利益47億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調が期待される。
 
■18年3月期2Q累計大幅増収増益
 
 11月8日発表した今期(18年3月期)第2四半期累計の連結業績(9月27日に増額修正)は、売上高が前年同期比26.8%増の1196億35百万円、営業利益が93.0%増の34億69百万円、経常利益83.1%増の37億88百万円、純利益が66.9%増の27億81百万円だった。
 
 計画超の大幅増収増益だった。非鉄市況の上昇や主要取引先の需要回復など、事業環境の改善で商社流通の取り扱いが拡大し、国内外の製造子会社の好調で製造も大幅伸長した。14年4月子会社化した富士プレスの新規連結も寄与した。経常利益に占める製造の割合は6割超に上昇した。
 
 商社流通は売上高が23.4%増の1004億46百万円で経常利益が60.6%増の13億20百万円、製造は売上高が48.4%増の191億89百万円で経常利益が97.2%増の24億66百万円だった。
 
■18年3月期通期予想を増額修正、さらに再増額の可能性
 
 今期(18年3月期)連結業績予想は11月8日に増額修正した。売上高は180億円増額して前期(17年3月期)比17.9%増の2380億円、営業利益は16億30百万円増額して49.5%増の62億30百万円、経常利益は19億円増額して56.2%増の68億円、純利益は14億50百万円増額して58.9%増の49億円とした。
 
 事業環境の改善、円安効果、自動車・半導体関連の需要拡大で、特に製造が大幅伸長する見込みだ。セグメント別経常利益は商社流通が10.3%増の22億60百万円、製造が96.3%増の45億40百万円の計画としている。なお主要取引先である神戸製鋼所グループの品質問題の影響は、現時点では限定的としている。
 
 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.3%、営業利益が55.7%、経常利益が55.7%、純利益が56.8%と高水準である。通期会社予想は再増額の可能性が高いだろう。
 
 なお配当予想は据え置いて年間26円(第2四半期末13円、期末13円)としている。17年9月1日付の株式2分割を考慮して前期実績の年間44円を22円に換算すると4円増配となる。
 
■株価は上場来高値圏、目先的な過熱感冷ましながら上値試す
 
 株価(17年9月1日付で株式2分割)は急伸して上場来高値圏だ。11月14日には2547円まで上伸した。
 
 11月24日の終値2277円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS189円56銭で算出)は12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は1.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1255円61銭で算出)は1.8倍近辺である。時価総額は約589億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。目先的な過熱感を冷ましながら上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月12日更新]

アルコニックスは上場来高値圏、18年3月期通期予想も増額の可能性  
 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。18年3月期連結業績予想は第2四半期累計を増額修正している。通期も増額の可能性が高いだろう。積極的な事業展開で中期的にも収益拡大基調が期待される。株価は上場来高値圏だ。目先的な過熱感が解消し、好業績を評価して上値を試す展開が期待される。なお11月8日に第2四半期決算発表を予定している。
 
■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す
 
 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。
 
 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。
 
■製造業が利益の過半
 
 17年3月期のセグメント別売上高構成比は、商社流通87%(電子機能材事業が28%、アルミ銅事業が59%)、製造13%(装置材料事業が8%、金属加工事業が5%)だった、経常利益の構成比は商社流通47%(電子機能材事業が27%、アルミ銅事業が20%)、製造53%(装置材料事業が5%、金属加工事業が48%)だった。
 
 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造の利益が連結業績の過半を占めるようになった。
 
 中期経営計画(18年3月期〜20年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を20年3月期の経常利益65億円超、純利益47億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調が期待される。
 
■18年3月期通期予想も増額の可能性
 
 今期(18年3月期)の連結業績予想は9月27日に第2四半期累計(4〜9月)予想を増額修正した。売上高は80億円増額して前年同期比24.0%増の1170億円、営業利益は11億90百万円増額して88.6%増の33億90百万円、経常利益は13億50百万円増額して81.2%増の37億50百万円、純利益は10億50百万円増額して65.1%増の27億50百万円とした。M&A等によって連結子会社化した製造業を中心に、グループ全体が好調に推移している。
 
 通期予想は前回予想(5月15日公表)を据え置いて、売上高が前期(17年3月期)比8.9%増の2200億円、営業利益が10.4%増の46億円、経常利益が12.6%増の49億円、純利益が11.9%増の34億50百万円としている。円安、銅を中心とした非鉄市況の回復、レアメタル・レアアースの市況底打ち、17年4月子会社化した富士プレスの新規連結などで増収・2桁増益予想である。製造子会社の好調で通期予想も増額の可能性が高いだろう。
 
 配当予想は年間26円(第2四半期末13円、期末13円)としている。17年9月1日付の株式2分割を考慮して前期実績の年間44円を22円に換算すると4円増配となる。
 
■株価は上場来高値圏、目先的な過熱感解消して上値試す
 
 株価(17年9月1日付で株式2分割)は急伸して上場来高値更新の展開となり、10月2日には2089円まで上伸した。その後は利益確定売りで上げ一服の形だが自律調整の範囲だろう。
 
 10月11日の終値1866円を指標面(17年9月1日付株式2分割後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS133円78銭で算出)は13〜14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は1.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1255円61銭で算出)は1.5倍近辺である。時価総額は約482億円である。
 
 日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消した。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月21日更新]

アルコニックスは上場来高値圏、18年3月期連結業績予想は増額の可能性  
 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。18年3月期増収・2桁増益予想である。そして増額の可能性が高いだろう。積極的な事業展開で中期的にも収益拡大基調が期待される。株価は上場来高値圏だ。目先的な過熱感が解消し、好業績を評価して上値を試す展開が期待される。
 
■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す
 
 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。
 
 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。
 
■製造業が利益の過半
 
 17年3月期のセグメント別売上高構成比は、商社流通87%(電子機能材事業が28%、アルミ銅事業が59%)、製造13%(装置材料事業が8%、金属加工事業が5%)だった、経常利益の構成比は商社流通47%(電子機能材事業が27%、アルミ銅事業が20%)、製造53%(装置材料事業が5%、金属加工事業が48%)だった。
 
 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造の利益が連結業績の過半を占めるようになった。
 
 中期経営計画(18年3月期〜20年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を20年3月期の経常利益65億円超、純利益47億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調が期待される。
 
■18年3月期増収・2桁増益予想で増額の可能性
 
 今期(18年3月期)の連結業績予想(5月15日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比8.9%増の2200億円、営業利益が10.4%増の46億円、経常利益が12.6%増の49億円、純利益が11.9%増の34億50百万円としている。円安、銅を中心とした非鉄市況の回復、レアメタル・レアアースの市況底打ち、富士プレスの新規連結などで増収・2桁増益予想である。
 
 第1四半期(4〜6月)連結業績は、売上高が前年同期比22.6%増収、営業利益が90.0%増益、経常利益が79.8%増益、純利益が72.8%増益だった。需要や非鉄市況など事業環境の回復、M&A効果(17年4月子会社化した富士プレスの新規連結)などで大幅増収増益だった。製造子会社の好調で売上総利益率が上昇基調である。営業外では受取配当金、持分法投資利益が増加した。
 
 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高26.6%、営業利益36.9%、経常利益39.8%、純利益41.6%と高水準である。通期予想は増額の可能性が高いだろう。
 
 なお8月31日を基準日(効力発生日9月1日)として1株を2株に分割し、配当予想は年間26円(第2四半期末13円、期末13円)としている。9月1日付の株式2分割を考慮して前期実績の年間44円を22円に換算すると4円増配となる。
 
■株価は目先的な過熱感解消して上値試す
 
 株価(17年9月1日付で株式2分割)は上場来高値更新の展開で、9月13日には1941円まで上伸した。
 
 9月20日の終値1818円を指標面(9月1日付株式2分割後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS133円78銭で算出)は13〜14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は1.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1255円61銭で算出)は1.4倍近辺である。時価総額は約470億円である。
 
 日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消した。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月29日更新]

アルコニックスは18年3月期1Q大幅増収増益で配当予想を増額修正、通期業績予想は増額の可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。18年3月期第1四半期は需要や非鉄市況の回復で大幅増収増益となり、配当予想を増額修正した。通期も増収・2桁増益予想である。そして通期業績予想は増額の可能性が高いだろう。積極的な事業展開で中期的にも収益拡大基調が期待される。なお9月1日付で1株を2株に分割する。株価は急伸して上場来高値圏だ。目先的な過熱感を冷ましながら上値を試す展開が期待される。
 
■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す
 
 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。
 
 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。
 
 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化、14年11月アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が稲田商会の銅リサイクル事業(稲田銅センター)を譲り受けた。
 
 15年7月溶接材料製造・溶射加工事業の東海溶業を子会社化、15年10月非鉄金属専門商社の平和金属を子会社化、16年2月金属製品非破壊検査および金属マーキングのマークテックを子会社化、17年4月自動車向け精密プレス金型およびプレス部品製造の富士プレスを子会社化した。
 
■製造業が利益の過半
 
 17年3月期のセグメント別売上高構成比は、商社流通87%(電子機能材事業が28%、アルミ銅事業が59%)、製造13%(装置材料事業が8%、金属加工事業が5%)だが、経常利益構成比は商社流通47%(電子機能材事業が27%、アルミ銅事業が20%)、製造53%(装置材料事業が5%、金属加工事業が48%)で、製造業が利益の過半を占めるようになった。
 
 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造の利益が連結業績の過半を占めるようになり、収益拡大基調である。利益配分については、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としている。
 
■18年3月期1Qは需要・非鉄市況回復で大幅増収増益
 
 今期(18年3月期)第1四半期(4月〜6月)連結業績は、売上高が前年同期比22.6%増の586億01百万円、営業利益が90.0%増の16億97百万円、経常利益が79.8%増の19億48百万円、純利益が72.8%増の14億36百万円だった。
 
 需要や非鉄市況など事業環境の回復、M&A効果(17年4月子会社化した富士プレスの新規連結)などで大幅増収増益だった。売上総利益は28.3%増加し、売上総利益率は7.7%で0.3ポイント上昇した。製造子会社の好調で売上総利益率が上昇基調である。販管費は7.4%増加したが、販管費比率は4.8%で0.7ポイント低下した。M&Aによる新規連結で販管費は増加しているが、増収効果で販管費比率は低下した。営業外では受取配当金、持分法投資利益が増加した。
 
 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、商社流通の電子機能材料は売上高が35.4%増の168億14百万円で経常利益が4.3%減の2億83百万円だった。スマホ・タブレット端末向け部材、チタン、ニッケル製品などが堅調だったが、二次電池、太陽光発電関連部材、環境関連部材の需要が減速し、レアメタル・レアアースの市況が低水準で推移した。
 
 商社流通のアルミ銅事業は売上高が10.9%増の330億05百万円で経常利益が2.3倍の4億06百万円だった。自動車向け伸銅品やアルミ圧延品が増加し、非鉄市況の回復も寄与した。
 
 製造の装置材料事業は売上高が17.5%増の46億41百万円で経常利益が1億55百万円の黒字(前年同期は36百万円の赤字)だった。めっき材料が好調に推移し、非破壊検査装置・マーキング装置の黒字化(のれん償却後)も寄与した。
 
 製造の金属加工事業は売上高が2.1倍の50億39百万円で経常利益が68.2%増の10億99百万円だった。チップマウンター向け研削加工部品、自動車向け試作品、半導体・有機EL製造装置向け精密切削加工部品などが好調に推移し、新規連結の富士プレスの自動車向け精密プレス部品も好調だった。
 
■18年3月期増収・2桁増益予想
 
 今期(18年3月期)の連結業績予想(5月15日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比8.9%増の2200億円、営業利益が同10.4%増の46億円、経常利益が同12.6%増の49億円、純利益が同11.9%増の34億50百万円としている。
 
 円安、銅を中心とした非鉄市況の回復、レアメタル・レアアースの市況底打ち、富士プレスの新規連結などで増収・2桁増益予想である。売上総利益率は0.1ポイント上昇の7.3%、販管費比率は0.1ポイント上昇の5.2%を想定している。
 
 商社流通の電子機能材は売上高が11.5%増の630億円で経常利益が0.8%増の11億70百万円、商社流通のアルミ銅は売上高が1.9%増の1220億円で経常利益が9.9%減の8億円、製造の装置材料は売上高が14.1%増の190億円で経常利益が2.3倍の5億円、製造の金属加工は売上高が76.2%増の160億円で経常利益が15.9%増の24億30百万円の計画としている。
 
 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高26.6%、営業利益36.9%、経常利益39.8%、純利益41.6%と高水準である。通期予想は増額の可能性が高いだろう。
 
 なお8月8日に株式2分割、および配当予想の増額修正を発表した。株式分割は8月31日を基準日(効力発生日9月1日)として1株を2株に分割する。配当予想は年間26円(第2四半期末13円、期末13円)とした。9月1日付の株式2分割を考慮して前回予想の年間44円を22円に換算すると4円増額となる。また前期実績の年間44円を22円に換算すると4円増配となる。予想配当性向は19.5%となる。
 
■中期経営計画で20年3月期ROE13〜15%程度目標
 
 中期経営計画(18年3月期〜20年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を20年3月期の経常利益65億円超、純利益47億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。
 
 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調が期待される。
 
■株価は目先的な過熱感を冷ましながら上値試す
 
 株価は第1四半期業績、さらに株式2分割と配当増額も好感して急伸し、8月23日には上場来高値3250円まで上伸した。
 
 8月25日の終値3060円を指標面(EPS、1株配当、BPSは9月1日付株式2分割前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS267円57銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間52円で算出)は1.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2511円23銭で算出)は1.2倍近辺である。時価総額は約395億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。目先的な過熱感を冷ましながら上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月11日更新]

アルコニックスは年初来高値圏、18年3月期2桁増益予想、フシ突破すれば割安感も見直して上げ足速める可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。18年3月期は円安や非鉄市況回復も寄与して2桁増益予想である。株価は年初来高値圏で堅調だ。フシを突破すれば指標面の割安感も見直して上げ足を速める可能性がありそうだ。なお8月8日に第1四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■18年3月期増収・2桁増益予想

 今期(18年3月期)の連結業績予想(5月15日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比8.9%増の2200億円、営業利益が同10.4%増の46億円、経常利益が同12.6%増の49億円、純利益が同11.9%増の34億50百万円としている。円安、銅を中心とした非鉄市況の回復、レアメタル・レアアースの市況底打ち、製造子会社の収益改善、富士プレスの新規連結などで増2桁増益予想である。

 中期経営計画(18年3月期〜20年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を20年3月期の経常利益65億円超、純利益47億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度とした。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は年初来高値圏で堅調、フシ突破すれば上げ足速める可能性

 株価の動きを見ると、年初来高値圏2000円近辺で堅調に推移している。そしてモミ合い煮詰まり感も強めている。

 7月7日の終値1985円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS267円57銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.2%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2511円23銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約256億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインの形だ。上値を試す展開が期待される。2000円台のフシを突破すれば指標面の割安感も見直して上げ足を速める可能性がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月23日更新]

アルコニックスは年初来高値圏で堅調、18年3月期増収・2桁増益予想、割安感も見直して15年高値試す

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。18年3月期は円安や非鉄市況回復も寄与して増収・2桁増益予想である。積極的な事業展開で中期的にも収益拡大基調が期待される。株価は年初来高値圏で堅調に推移している。指標面の割安感も見直して15年高値を試す展開が期待される。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。
■M&Aを積極活用して業容拡大

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化、14年11月アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が稲田商会の銅リサイクル事業(稲田銅センター)を譲り受けた。

 15年7月溶接材料製造・溶射加工事業の東海溶業を子会社化、15年10月非鉄金属専門商社の平和金属を子会社化、16年2月金属製品非破壊検査および金属マーキングのマークテックを子会社化、17年4月自動車向け精密プレス金型およびプレス部品製造の富士プレスを子会社化した。

■製造業が利益の過半

 17年3月期のセグメント別売上高構成比は、商社流通が87%(電子機能材事業が28%、アルミ銅事業が59%)、製造が13%(装置材料事業が8%、金属加工事業が5%)である。また経常利益の構成比は、商社流通が47%(電子機能材事業が27%、アルミ銅事業が20%)、製造が53%(装置材料事業が5%、金属加工事業が48%)である。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aが寄与して収益拡大基調である。M&Aも寄与して製造の利益が連結業績の過半を占めるようになった。利益配分については、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としている。

■17年3月期は最終減益だが営業利益と経常利益は増益

 前期(17年3月期)連結業績は、売上高が前々期(16年3月期)比0.1%増の2019億48百万円、営業利益が同9.9%増の41億68百万円、経常利益が同1.7%増の43億52百万円、純利益が同38.1%減の30億83百万円だった。期後半の円安や非鉄市況上昇などで商社流通の事業環境が改善し、営業利益と経常利益は増益だった。純利益は前々期計上した平和金属株式取得による負ののれん発生益の反動で減益だったが、この要因を除くと増益だった。

 全社の売上総利益は同18.8%増加し、売上総利益率は7.2%で同1.2ポイント上昇した。販管費は同22.9%増加し、販管費比率は5.1%で同0.9ポイント上昇した。M&Aによる新規連結で販管費が増加しているが、製造子会社の好調で売上総利益率も上昇している。

 営業外では持分法投資利益が増加(前々期3億44百万円、前期3億77百万円)したが、為替差損益が悪化(前々期は差益81百万円、前期は差損1億94百万円)した。特別利益では投資有価証券売却益1億18百万円を計上したが、前々期計上の負ののれん発生益19億75百万円が一巡した。

 ROEは9.9%で同7.9ポイント低下、自己資本比率は28.5%で同1.8ポイント上昇した。NET/DERは0.7倍で同0.1ポイント上昇したが、1倍以下を維持している。配当は前々期と同額の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)とした。配当性向は18.4%である。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、商社流通の電子機能材料は売上高が同1.3%減の565億10百万円で経常利益が同29.5%減の11億61百万円だった。スマホ・タブレット関連は高機能機種向け電子部品が堅調だったが、レアメタル・レアアースは価格・需要とも低迷が続いている。

 商社流通のアルミ銅事業は売上高が同2.5%減の1196億99百万円で経常利益が同45.7%増の8億88百万円だった。自動車向け非鉄素材が増加し、下期の市況回復で非鉄原料も増益となった。

 製造の装置材料事業は売上高が同27.6%増の166億55百万円で経常利益が2億16百万円(前々期は1億01百万円の赤字)だった。米ユニバーティカル社が増益で、新規連結の東海溶業も貢献した。マークテックは低迷していた海外事業が期後半に回復した。

 製造の金属加工事業は売上高が同3.8%増の90億82百万円で、経常利益が同1.5%増の20億96百万円だった。大羽精研は主力のチップマウンターヘッド部品が高水準に推移し。大川電機製作所は半導体・有機EL製造装置向けが高水準だったが、小ロット・短納期対応が利益を圧迫した。持分法投資利益は増加した。

 四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期477億93百万円、第2四半期465億52百万円、第3四半期519億07百万円、第4四半期556億96百万円、営業利益は8億93百万円、9億04百万円、11億47百万円、12億24百万円、経常利益は10億83百万円、9億86百万円、8億92百万円、13億91百万円だった。

■18年3月期増収・2桁増益予想

 今期(18年3月期)の連結業績予想(5月15日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比8.9%増の2200億円、営業利益が同10.4%増の46億円、経常利益が同12.6%増の49億円、純利益が同11.9%増の34億50百万円としている。

 円安、銅を中心とした非鉄市況の回復、レアメタル・レアアースの市況底打ち、製造子会社の収益改善、富士プレスの新規連結などで増収・2桁増益予想である。売上総利益率は同0.1ポイント上昇の7.3%、販管費比率は同0.1ポイント上昇の5.2%を想定している。配当予想は前期と同額の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で、予想配当性向は16.4%となる。

 セグメント別計画は、商社流通の電子機能材の売上高が同11.5%増の630億円で経常利益が同0.8%増の11億70百万円、商社流通のアルミ銅の売上高が同1.9%増の1220億円で経常利益が同9.9%減の8億円、製造の装置材料の売上高が同14.1%増の190億円で経常利益が同2.3倍の5億円、製造の金属加工の売上高が同76.2%増の160億円で経常利益が同15.9%増の24億30百万円としている。

■中期経営計画で20年3月期ROE13〜15%程度目標

 中期経営計画(18年3月期〜20年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を20年3月期の経常利益65億円超、純利益47億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度とした。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は年初来高値圏で堅調、割安感も見直して15年高値試す

 株価の動きを見ると、年初来高値圏1900円〜2000円近辺で堅調に推移している。

 6月21日の終値1977円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS267円57銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2511円23銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約255億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインの形だ。指標面の割安感も見直して15年6月高値2198円を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月26日更新]

アルコニックスは15年高値目指す、18年3月期増収・2桁増益予想

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。18年3月期は円安や非鉄市況回復も寄与して増収・2桁増益予想である。積極的な事業展開で中期的にも収益拡大基調が期待される。株価は年初来高値圏だ。指標面の割安感も見直し材料であり、15年6月高値を目指す展開が期待される。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。
■M&Aを積極活用して業容拡大

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化、14年11月アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が稲田商会の銅リサイクル事業(稲田銅センター)を譲り受けた。

 15年7月溶接材料製造・溶射加工事業の東海溶業を子会社化、15年10月非鉄金属専門商社の平和金属を子会社化、16年2月金属製品非破壊検査および金属マーキングのマークテックを子会社化、17年4月自動車向け精密プレス金型およびプレス部品製造の富士プレスを子会社化した。

■製造業が利益の過半

 17年3月期のセグメント別売上高構成比は、商社流通が87%(電子機能材事業が28%、アルミ銅事業が59%)、製造が13%(装置材料事業が8%、金属加工事業が5%)である。また経常利益の構成比は、商社流通が47%(電子機能材事業が27%、アルミ銅事業が20%)、製造が53%(装置材料事業が5%、金属加工事業が48%)である。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aが寄与して収益拡大基調である。M&Aも寄与して製造の利益が連結業績の過半を占めるようになった。利益配分については、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としている。

■17年3月期は最終減益だが営業利益と経常利益は増益

 5月15日発表の前期(17年3月期)連結業績は、売上高が前々期(16年3月期)比0.1%増の2019億48百万円、営業利益が同9.9%増の41億68百万円、経常利益が同1.7%増の43億52百万円、純利益が同38.1%減の30億83百万円だった。

 期後半の円安傾向や非鉄市況上昇などで商社流通の事業環境がやや改善し、営業利益と経常利益は増益だった。純利益は前々期計上した平和金属株式取得による負ののれん発生益の反動で減益だったが、この要因を除くと増益だった。

 全社の売上総利益は同18.8%増加し、売上総利益率は7.2%で同1.2ポイント上昇した。販管費は同22.9%増加し、販管費比率は5.1%で同0.9ポイント上昇した。M&Aによる新規連結で販管費が増加しているが、製造子会社の好調で売上総利益率も上昇している。

 営業外では持分法投資利益が増加(前々期3億44百万円、前期3億77百万円)したが、為替差損益が悪化(前々期は差益81百万円、前期は差損1億94百万円)した。特別利益では投資有価証券売却益1億18百万円を計上したが、前々期計上の負ののれん発生益19億75百万円が一巡した。

 ROEは9.9%で同7.9ポイント低下、自己資本比率は28.5%で同1.8ポイント上昇した。NET/DERは0.7倍で同0.1ポイント上昇したが、1倍以下を維持している。配当は前々期と同額の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)とした。配当性向は18.4%である。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、商社流通の電子機能材料は売上高が同1.3%減の565億10百万円で経常利益が同29.5%減の11億61百万円だった。スマホ・タブレット関連は高機能機種向け電子部品が堅調だったが、レアメタル・レアアースは価格・需要とも低迷が続いている。

 商社流通のアルミ銅事業は売上高が同2.5%減の1196億99百万円で経常利益が同45.7%増の8億88百万円だった。自動車向け非鉄素材が増加し、下期の市況回復で非鉄原料も増益となった。

 製造の装置材料事業は売上高が同27.6%増の166億55百万円で経常利益が2億16百万円(前々期は1億01百万円の赤字)だった。米ユニバーティカル社が増益で、新規連結の東海溶業も貢献した。またマークテックは低迷していた海外事業が期後半に回復した。

 製造の金属加工事業は売上高が同3.8%増の90億82百万円で、経常利益が同1.5%増の20億96百万円だった。大羽精研は主力のチップマウンターヘッド部品が高水準に推移し。大川電機製作所は半導体・有機EL製造装置向けが高水準だったが、小ロット・短納期対応が利益を圧迫した。持分法投資利益は増加した。

 四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期477億93百万円、第2四半期465億52百万円、第3四半期519億07百万円、第4四半期556億96百万円、営業利益は8億93百万円、9億04百万円、11億47百万円、12億24百万円、経常利益は10億83百万円、9億86百万円、8億92百万円、13億91百万円だった。

■18年3月期増収・2桁増益予想

 今期(18年3月期)の連結業績予想(5月15日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比8.9%増の2200億円、営業利益が同10.4%増の46億円、経常利益が同12.6%増の49億円、純利益が同11.9%増の34億50百万円としている。

 円安、銅を中心とした非鉄市況の回復、レアメタル・レアアースの市況底打ち、製造子会社の収益改善、富士プレスの新規連結などで増収・2桁増益予想である。売上総利益率は同0.1ポイント上昇の7.3%、販管費比率は同0.1ポイント上昇の5.2%を想定している。配当予想は前期と同額の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で、予想配当性向は16.4%となる。

 セグメント別計画は、商社流通の電子機能材の売上高が同11.5%増の630億円で経常利益が同0.8%増の11億70百万円、商社流通のアルミ銅の売上高が同1.9%増の1220億円で経常利益が同9.9%減の8億円、製造の装置材料の売上高が同14.1%増の190億円で経常利益が同2.3倍の5億円、製造の金属加工の売上高が同76.2%増の160億円で経常利益が同15.9%増の24億30百万円としている。

■中期経営計画で20年3月期ROE13〜15%程度目標

 中期経営計画(18年3月期〜20年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を20年3月期の経常利益65億円超、純利益47億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度とした。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は15年高値目指す

 株価の動きを見ると、5月15日に年初来高値となる2041円まで上伸する場面があった。その後は上げ一服の形だが、年初来高値圏で推移している。

 5月25日の終値1905円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS267円57銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2511円23銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約246億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドの形だ。指標面の割安感も見直し材料であり、15年6月高値2198円を目指す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月11日更新]

アルコニックスは円安や市況回復で18年3月期収益拡大期待

 アルコニックス<3036>(東1)はM&Aも積極活用して、商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。17年3月期減益予想だが、18年3月期は円安や非鉄市況回復傾向で収益拡大が期待される。積極的な事業展開で中期的にも収益拡大基調だろう。株価は3月の年初来高値圏から一旦反落したが、自律調整が一巡し、指標面の割安感も見直して上値を試す展開が期待される。なお5月15日に17年3月期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィン材など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 16年3月期のセグメント別売上高構成比は軽金属・銅製品43%、電子・機能材35%、非鉄原料16%、建設・産業資材6%、経常利益構成比(連結調整前)は軽金属・銅製品60%、電子・機能材35%、非鉄原料1%、建設・産業資材4%だった。

 17年3月期からセグメント区分を変更し、新セグメントは商社流通(電子機能材事業、アルミ銅事業)および製造(装置材料事業、金属加工事業)とした。製造業の利益が連結業績の過半を占めるようになったため、流通を手掛ける連結子会社は商社流通、製造を手掛ける連結子会社は製造に再編する。

■M&Aを積極活用して業容拡大

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化、14年11月アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が稲田商会の銅リサイクル事業(稲田銅センター)を譲り受けた。

 15年7月中間持株会社アルコニックス・トーカイが溶接材料製造ならびに溶射加工事業の東海溶業を子会社化、15年10月非鉄金属専門商社の平和金属を子会社化、16年2月中間持株会社アルコニックス・エムティが金属製品非破壊検査(表面探傷検査)および金属マーキングの国内トップ企業であるマークテックを子会社化した。

 16年12月には自動車向け精密プレス金型およびプレス部品製造の富士プレス(愛知県大府市)の株式100%を取得して子会社化(17年4月予定)すると発表した。100%出資の中間持株会社アルコニックス・フジを設立して富士プレスの株式を取得する。優良な取引先を持つ富士プレスをグループ化し、製造業へのさらなる展開を推進する。

 なお4月5日に、中間持株会社アルコニックス・フジ設立(2月24日付)と、富士プレスの子会社化(4月5日付)が完了したと発表している。

■非鉄金属市況などが影響するが、M&A効果で収益拡大基調

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期484億04百万円、第2四半期485億96百万円、第3四半期546億06百万円、第4四半期499億37百万円、経常利益が17億13百万円、13億95百万円、13億02百万円、7億95百万円で、16年3月期は売上高が529億30百万円、482億55百万円、524億29百万円、481億41百万円、経常利益が12億71百万円、10億43百万円、10億34百万円、6億85百万円だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aが寄与して収益拡大基調である。16年3月期は15年3月期比増収、営業減益、経常減益、最終増益だった。スマホ・タブレット端末の高機能機種向け電子材料や、船舶・発電設備向け熱交換器用チタン展伸材の輸出などが伸長し、第3四半期から新規連結した平和金属も貢献して増収だが、非鉄原料やレアメタル・レアアースの市況低迷、販管費の増加などで営業減益、ケイ・マックの負ののれん発生益一巡で経常減益だった。純利益は平和金属の負ののれん発生益が寄与して大幅増益だった。

 16年3月期の売上総利益は同0.8%増加し、売上総利益率は6.0%で同横ばいだった。販管費は同11.8%増加し、販管費比率は4.2%で同0.5ポイント上昇した。営業外では受取配当金が増加し、為替差損益が改善したが、持分法投資利益が減少し、ケイ・マックを持分法適用関連会社化したことに伴う負ののれん発生益が一巡した。

 特別利益には平和金属の株式取得に伴う負ののれん発生益を計上した。ROEは17.8%で同2.9ポイント上昇、自己資本比率は26.8%で同2.5ポイント低下した。NET/DERは0.6倍(15年3月期は0.7倍)だった。配当は同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で配当性向は11.4%だった。利益配分については将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としている。

 セグメント別経常利益を見ると、軽金属・銅製品はケイ・マックの負ののれん発生益一巡で同14.3%減の25億73百万円、電子・機能材はレアメタル・レアアースの減収やめっき材料の価格下落で同13.6%減の14億98百万円、非鉄原料はアルミ再生塊の減少やアルミ銅センターの不振で同81.7%減の49百万円、建設・産業資材は国内配管機材の減少で同19.7%減の1億66百万円だった。

■17年3月期第3四半期累計は減収減益

 前期(17年3月期)第3四半期累計(4〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比4.8%減の1462億52百万円、営業利益が同5.3%減の29億44百万円、経常利益が同11.5%減の29億61百万円、純利益が同47.4%減の23億69百万円だった。

 非鉄市況下落、円高影響、新規連結による販管費増加などで減収減益だったが、製造子会社が寄与して売上総利益率は上昇傾向である。売上総利益は同16.2%増加し、売上総利益率は7.3%で同1.3ポイント上昇した。販管費は同27.1%増加し、販管費比率は5.3%で同1.3ポイント上昇した。

 営業外収益では持分法投資利益が増加(前期2億49百万円、今期3億08百万円)した。営業外費用では為替差損が増加(前期30百万円、今期3億24百万円)した。特別利益では前期計上の負ののれん発生益19億75百万円が一巡した。自己資本比率は27.5%で16年3月期末比0.9ポイント改善した。NET/DERは0.8倍で16年3月期末比0.2ポイント上昇したが1.0倍以下を維持した。

 セグメント別(連結調整前)動向を見ると、商社流通の電子機能材料は売上高が同9.4%減の420億87百万円で経常利益が同42.9%減の6億82百万円だった。スマホ・タブレット関連は高機能受動部品向け部材が伸長したが、端末向け部材は市場成長率鈍化の影響で減速した。太陽光発電関連部材や環境関連部材も低調だった。レアメタル・レアアースは価格低迷が続いている。

 商社流通のアルミ銅事業は売上高が同6.5%減の876億58百万円で経常利益が同12.8%増の5億82百万円だった。業務用空調や自動車分野を除いて需要が低調だった。ただし第3四半期(10〜12月)後半からの非鉄市況回復と円安進行で、アルミ再生魂および銅スクラップの取り扱いが回復に転じて増益だった。

 製造の装置材料事業は売上高が同23.2%増の123億21百万円で経常利益が1億06百万円(前年同期は15百万円の赤字)だった。マークテックが低調だったが、米ユニバーティカル社はのれん償却後で黒字転換し、東海溶業も自動車向け中心に順調だった。

 製造の金属加工事業は売上高が同2.7%増の68億22百万円で経常利益が同3.4%減の15億94百万円だった。大羽精研はチップマウンター用研削加工部品が高水準推移し、自動車向け試作部品も順調に伸長した。大川電機製作所は半導体・有機EL製造装置向け精密切削加工部品が高水準だったが、小ロット・短納期対応が利益を圧迫した。なお持分法適用関連会社3社の持分法投資利益も寄与した。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期477億93百万円、第2四半期465億52百万円、第3四半期519億07百万円、営業利益は8億93百万円、9億04百万円、11億47百万円、経常利益は10億83百万円、9億86百万円、8億92百万円だった。

■17年3月期通期減益予想だが18年3月期収益拡大期待

 前期(17年3月期)通期の連結業績予想(10月25日に減額修正)は、売上高が前々期(16年3月期)比5.8%減の1900億円、営業利益が同5.1%減の36億円、経常利益が同8.9%減の39億円、純利益が同39.7%減の30億円としている。

 売上総利益率は同0.5ポイント上昇の7.3%、販管費比率は同0.5ポイント上昇の5.4%を想定している。純利益は平和金属の負ののれん発生益一巡も影響する。配当予想は前々期と同額の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)としている。推定配当性向は18.9%となる。

 セグメント別の計画は、商社流通の電子機能材の売上高が同3.0%減の555億30百万円で経常利益が同33.8%減の10億90百万円、商社流通のアルミ銅の売上高が同11.6%減の1085億30百万円で経常利益が同13.5%減の6億20百万円、製造の装置材料の売上高が同30.2%増の169億90百万円で経常利益が同5.1倍の3億円、製造の金属加工の売上高が同2.3%増の89億50百万円で経常利益が同6.7%減の18億90百万円としている。製造の装置材料ではマークテックの下期回復を見込んでいる。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が77.0%、営業利益が81.8%、経常利益が75.9%、純利益が79.0%である。第3四半期後半からの非鉄市況回復と円安進行も考慮すれば、通期予想に上振れの可能性があるだろう。そして今期(18年3月期)の収益拡大が期待される。

■新中期経営計画で19年3月期ROE13〜15%程度目標

 16年5月策定の新中期経営計画(17年3月期〜19年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値として19年3月期の経常利益65億円超、純利益46億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に200億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、営業収益力の強化と投資案件の推進を掲げている。

 営業収益力の強化では、電子材料分野における原料(レアメタル・レアアース)から製品(電子材料・機能材料)までを網羅したビジネスモデルの展開、環境対応関連分野における省エネ・環境対応素材からリサイクル事業までの幅広い事業展開、そして海外事業展開(地場取引の拡大、三国間ビジネスの拡大、海外ネットワーク充実に向けた拠点拡大)を推進する。

 投資案件の推進では、短期間での業容拡大に有効なM&A、新たな商流を創出するための金属加工・販売事業等への事業投資、およびリサイクルを含む資源確保のための投資を重点施策として推進する。積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は自律調整一巡して上値試す、割安感も見直し

 株価の動きを見ると、3月6日の年初来高値1998円から利益確定売りで一旦反落したが、1700円台で下げ渋る動きだ。そして自律調整一巡感を強めている。

 4月10日の終値1804円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS232円78銭で算出)は7〜8倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.4%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS2311円32銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約233億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。サポートラインを確認した形だろう。自律調整が一巡し、指標面の割安感も見直して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月15日更新]

アルコニックスは15年6月高値に接近、17年3月期減益予想だが上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指してM&A戦略も積極活用している。17年3月期は減益予想だが、円安や非鉄市況回復傾向で上振れの可能性があるだろう。積極的な事業展開で中期的に収益拡大が期待される。株価は昨年来高値更新の展開で15年6月高値に接近している。指標面の割安感も見直して上値を試す展開が期待される。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィン材など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 16年3月期のセグメント別売上高構成比は軽金属・銅製品43%、電子・機能材35%、非鉄原料16%、建設・産業資材6%、経常利益構成比(連結調整前)は軽金属・銅製品60%、電子・機能材35%、非鉄原料1%、建設・産業資材4%だった。

 17年3月期からセグメント区分を変更し、新セグメントは商社流通(電子機能材事業、アルミ銅事業)および製造(装置材料事業、金属加工事業)とした。製造業の利益が連結業績の過半を占めるようになったため、流通を手掛ける連結子会社は商社流通、製造を手掛ける連結子会社は製造に再編する。

■M&Aを積極活用して業容拡大

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化、14年11月アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が稲田商会の銅リサイクル事業(稲田銅センター)を譲り受けた。

 15年7月中間持株会社アルコニックス・トーカイが溶接材料製造ならびに溶射加工事業の東海溶業を子会社化、15年10月非鉄金属専門商社の平和金属を子会社化、16年2月中間持株会社アルコニックス・エムティが金属製品非破壊検査(表面探傷検査)および金属マーキングの国内トップ企業であるマークテックを子会社化した。

 16年12月には自動車向け精密プレス金型およびプレス部品製造の富士プレス(愛知県大府市)の株式100%を取得して子会社化(17年4月予定)すると発表した。100%出資の中間持株会社アルコニックス・フジ(仮称)を設立して富士プレスの株式を取得する。優良な取引先を持つ富士プレスをグループ化し、製造業へのさらなる展開を推進する。

■非鉄金属市況などが影響するが、M&A効果で収益拡大基調

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期484億04百万円、第2四半期485億96百万円、第3四半期546億06百万円、第4四半期499億37百万円、経常利益が17億13百万円、13億95百万円、13億02百万円、7億95百万円で、16年3月期は売上高が529億30百万円、482億55百万円、524億29百万円、481億41百万円、経常利益が12億71百万円、10億43百万円、10億34百万円、6億85百万円だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aが寄与して収益拡大基調である。16年3月期は15年3月期比増収、営業減益、経常減益、最終増益だった。スマホ・タブレット端末の高機能機種向け電子材料や、船舶・発電設備向け熱交換器用チタン展伸材の輸出などが伸長し、第3四半期から新規連結した平和金属も貢献して増収だが、非鉄原料やレアメタル・レアアースの市況低迷、販管費の増加などで営業減益、ケイ・マックの負ののれん発生益一巡で経常減益だった。純利益は平和金属の負ののれん発生益が寄与して大幅増益だった。

 16年3月期の売上総利益は同0.8%増加し、売上総利益率は6.0%で同横ばいだった。販管費は同11.8%増加し、販管費比率は4.2%で同0.5ポイント上昇した。営業外では受取配当金が増加し、為替差損益が改善したが、持分法投資利益が減少し、ケイ・マックを持分法適用関連会社化したことに伴う負ののれん発生益が一巡した。

 特別利益には平和金属の株式取得に伴う負ののれん発生益を計上した。ROEは17.8%で同2.9ポイント上昇、自己資本比率は26.8%で同2.5ポイント低下した。NET/DERは0.6倍(15年3月期は0.7倍)だった。配当は同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で配当性向は11.4%だった。利益配分については将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としている。

 セグメント別経常利益を見ると、軽金属・銅製品はケイ・マックの負ののれん発生益一巡で同14.3%減の25億73百万円、電子・機能材はレアメタル・レアアースの減収やめっき材料の価格下落で同13.6%減の14億98百万円、非鉄原料はアルミ再生塊の減少やアルミ銅センターの不振で同81.7%減の49百万円、建設・産業資材は国内配管機材の減少で同19.7%減の1億66百万円だった。

■17年3月期第3四半期累計は減収減益

 今期(17年3月期)第3四半期累計(4〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比4.8%減の1462億52百万円、営業利益が同5.3%減の29億44百万円、経常利益が同11.5%減の29億61百万円、純利益が同47.4%減の23億69百万円だった。

 非鉄市況下落、円高影響、新規連結による販管費増加などで減収減益だったが、製造子会社が寄与して売上総利益率は上昇傾向である。売上総利益は同16.2%増加し、売上総利益率は7.3%で同1.3ポイント上昇した。販管費は同27.1%増加し、販管費比率は5.3%で同1.3ポイント上昇した。

 営業外収益では持分法投資利益が増加(前期2億49百万円、今期3億08百万円)した。営業外費用では為替差損が増加(前期30百万円、今期3億24百万円)した。特別利益では前期計上の負ののれん発生益19億75百万円が一巡した。自己資本比率は27.5%で16年3月期末比0.9ポイント改善した。NET/DERは0.8倍で16年3月期末比0.2ポイント上昇したが1.0倍以下を維持した。

 セグメント別(連結調整前)動向を見ると、商社流通の電子機能材料は売上高が同9.4%減の420億87百万円で経常利益が同42.9%減の6億82百万円だった。スマホ・タブレット関連は高機能受動部品向け部材が伸長したが、端末向け部材は市場成長率鈍化の影響で減速した。太陽光発電関連部材や環境関連部材も低調だった。レアメタル・レアアースは価格低迷が続いている。

 商社流通のアルミ銅事業は売上高が同6.5%減の876億58百万円で経常利益が同12.8%増の5億82百万円だった。業務用空調や自動車分野を除いて需要が低調だった。ただし第3四半期(10〜12月)後半からの非鉄市況回復と円安進行で、アルミ再生魂および銅スクラップの取り扱いが回復に転じて増益だった。

 製造の装置材料事業は売上高が同23.2%増の123億21百万円で経常利益が1億06百万円(前年同期は15百万円の赤字)だった。マークテックが低調だったが、米ユニバーティカル社はのれん償却後で黒字転換し、東海溶業も自動車向け中心に順調だった。

 製造の金属加工事業は売上高が同2.7%増の68億22百万円で経常利益が同3.4%減の15億94百万円だった。大羽精研はチップマウンター用研削加工部品が高水準推移し、自動車向け試作部品も順調に伸長した。大川電機製作所は半導体・有機EL製造装置向け精密切削加工部品が高水準だったが、小ロット・短納期対応が利益を圧迫した。なお持分法適用関連会社3社の持分法投資利益も寄与した。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期477億93百万円、第2四半期465億52百万円、第3四半期519億07百万円、営業利益は8億93百万円、9億04百万円、11億47百万円、経常利益は10億83百万円、9億86百万円、8億92百万円だった。

■17年3月期通期減収減益予想だが上振れの可能性

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想(10月25日に減額修正)は、売上高が前期(16年3月期)比5.8%減の1900億円、営業利益が同5.1%減の36億円、経常利益が同8.9%減の39億円、純利益が同39.7%減の30億円としている。

 売上総利益率は同0.5ポイント上昇の7.3%、販管費比率は同0.5ポイント上昇の5.4%を想定している。純利益は平和金属の負ののれん発生益一巡も影響する。配当予想は前期と同額の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)としている。予想配当性向は18.9%となる。

 セグメント別の計画は、商社流通の電子機能材の売上高が同3.0%減の555億30百万円で経常利益が同33.8%減の10億90百万円、商社流通のアルミ銅の売上高が同11.6%減の1085億30百万円で経常利益が同13.5%減の6億20百万円、製造の装置材料の売上高が同30.2%増の169億90百万円で経常利益が同5.1倍の3億円、製造の金属加工の売上高が同2.3%増の89億50百万円で経常利益が同6.7%減の18億90百万円としている。製造の装置材料ではマークテックの下期回復を見込んでいる。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が77.0%、営業利益が81.8%、経常利益が75.9%、純利益が79.0%である。第3四半期後半からの非鉄市況回復と円安進行も考慮すれば、通期予想に上振れの可能性があるだろう。

■新中期経営計画で19年3月期ROE13〜15%程度目標

 16年5月策定の新中期経営計画(17年3月期〜19年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値として19年3月期の経常利益65億円超、純利益46億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に200億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、営業収益力の強化と投資案件の推進を掲げている。

 営業収益力の強化では、電子材料分野における原料(レアメタル・レアアース)から製品(電子材料・機能材料)までを網羅したビジネスモデルの展開、環境対応関連分野における省エネ・環境対応素材からリサイクル事業までの幅広い事業展開、そして海外事業展開(地場取引の拡大、三国間ビジネスの拡大、海外ネットワーク充実に向けた拠点拡大)を推進する。

 投資案件の推進では、短期間での業容拡大に有効なM&A、新たな商流を創出するための金属加工・販売事業等への事業投資、およびリサイクルを含む資源確保のための投資を重点施策として推進する。積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は15年6月高値に接近、割安感も見直して上値試す

 株価の動きを見ると、昨年来高値更新の展開で3月6日には1998円まで上伸した。そして15年6月高値2198円に接近している。

 3月14日の終値1933円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS232円78銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2311円32銭で算出)は0.8倍近辺である。なお時価総額は約249億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって中段保ち合いから上放れの形となった。指標面の割安感も見直して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月16日更新]

アルコニックスは17年3月期第3四半期累計減益、通期も減益予想だが上振れの可能性

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指してM&A戦略も積極活用している。2月7日発表した17年3月期第3四半期累計連結業績が減収減益となり、通期も減益予想としている。ただし円安や非鉄市況回復傾向で上振れの可能性がありそうだ。そして積極的な事業展開で中期的に収益拡大が期待される。株価は戻り高値圏だ。指標面の割安感も見直して上値を試す展開が期待される。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィン材など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 16年3月期のセグメント別売上高構成比は軽金属・銅製品43%、電子・機能材35%、非鉄原料16%、建設・産業資材6%、経常利益構成比(連結調整前)は軽金属・銅製品60%、電子・機能材35%、非鉄原料1%、建設・産業資材4%だった。

 17年3月期からセグメント区分を変更し、新セグメントは商社流通(電子機能材事業、アルミ銅事業)および製造(装置材料事業、金属加工事業)とした。製造業の利益が連結業績の過半を占めるようになったため、流通を手掛ける連結子会社は商社流通、製造を手掛ける連結子会社は製造に再編する。

■M&Aを積極活用して業容拡大

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化、14年11月アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が稲田商会の銅リサイクル事業(稲田銅センター)を譲り受けた。

 15年7月中間持株会社アルコニックス・トーカイが溶接材料製造ならびに溶射加工事業の東海溶業を子会社化、15年10月非鉄金属専門商社の平和金属を子会社化、16年2月中間持株会社アルコニックス・エムティが金属製品非破壊検査(表面探傷検査)および金属マーキングの国内トップ企業であるマークテックを子会社化した。

 16年12月には自動車向け精密プレス金型およびプレス部品製造の富士プレス(愛知県大府市)の株式100%を取得して子会社化(17年4月予定)すると発表した。100%出資の中間持株会社アルコニックス・フジ(仮称)を設立して富士プレスの株式を取得する。優良な取引先を持つ富士プレスをグループ化し、製造業へのさらなる展開を推進する。

■非鉄金属市況などが影響するが、M&A効果で収益拡大基調

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期484億04百万円、第2四半期485億96百万円、第3四半期546億06百万円、第4四半期499億37百万円、経常利益が17億13百万円、13億95百万円、13億02百万円、7億95百万円で、16年3月期は売上高が529億30百万円、482億55百万円、524億29百万円、481億41百万円、経常利益が12億71百万円、10億43百万円、10億34百万円、6億85百万円だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aが寄与して収益拡大基調である。16年3月期は15年3月期比増収、営業減益、経常減益、最終増益だった。スマホ・タブレット端末の高機能機種向け電子材料や、船舶・発電設備向け熱交換器用チタン展伸材の輸出などが伸長し、第3四半期から新規連結した平和金属も貢献して増収だが、非鉄原料やレアメタル・レアアースの市況低迷、販管費の増加などで営業減益、ケイ・マックの負ののれん発生益一巡で経常減益だった。純利益は平和金属の負ののれん発生益が寄与して大幅増益だった。

 16年3月期の売上総利益は同0.8%増加し、売上総利益率は6.0%で同横ばいだった。販管費は同11.8%増加し、販管費比率は4.2%で同0.5ポイント上昇した。営業外では受取配当金が増加し、為替差損益が改善したが、持分法投資利益が減少し、ケイ・マックを持分法適用関連会社化したことに伴う負ののれん発生益が一巡した。

 特別利益には平和金属の株式取得に伴う負ののれん発生益を計上した。ROEは17.8%で同2.9ポイント上昇、自己資本比率は26.8%で同2.5ポイント低下した。NET/DERは0.6倍(15年3月期は0.7倍)だった。配当は同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で配当性向は11.4%だった。利益配分については将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としている。

 セグメント別経常利益を見ると、軽金属・銅製品はケイ・マックの負ののれん発生益一巡で同14.3%減の25億73百万円、電子・機能材はレアメタル・レアアースの減収やめっき材料の価格下落で同13.6%減の14億98百万円、非鉄原料はアルミ再生塊の減少やアルミ銅センターの不振で同81.7%減の49百万円、建設・産業資材は国内配管機材の減少で同19.7%減の1億66百万円だった。

■17年3月期第3四半期累計は減収減益

 2月7日発表した今期(17年3月期)第3四半期累計(4〜12月)連結業績は、売上高が前年同期比4.8%減の1462億52百万円、営業利益が同5.3%減の29億44百万円、経常利益が同11.5%減の29億61百万円、純利益が同47.4%減の23億69百万円だった。

 非鉄市況下落、円高影響、新規連結による販管費増加などで減収減益だったが、製造子会社が寄与して売上総利益率は上昇傾向である。売上総利益は同16.2%増加し、売上総利益率は7.3%で同1.3ポイント上昇した。販管費は同27.1%増加し、販管費比率は5.3%で同1.3ポイント上昇した。

 営業外収益では持分法投資利益が増加(前期2億49百万円、今期3億08百万円)した。営業外費用では為替差損が増加(前期30百万円、今期3億24百万円)した。特別利益では前期計上の負ののれん発生益19億75百万円が一巡した。自己資本比率は27.5%で16年3月期末比0.9ポイント改善した。NET/DERは0.8倍で16年3月期末比0.2ポイント上昇したが1.0倍以下を維持した。

 セグメント別(連結調整前)動向を見ると、商社流通の電子機能材料は売上高が同9.4%減の420億87百万円で経常利益が同42.9%減の6億82百万円だった。スマホ・タブレット関連は高機能受動部品向け部材が伸長したが、端末向け部材は市場成長率鈍化の影響で減速した。太陽光発電関連部材や環境関連部材も低調だった。レアメタル・レアアースは価格低迷が続いている。

 商社流通のアルミ銅事業は売上高が同6.5%減の876億58百万円で経常利益が同12.8%増の5億82百万円だった。業務用空調や自動車分野を除いて需要が低調だった。ただし第3四半期(10〜12月)後半からの非鉄市況回復と円安進行で、アルミ再生魂および銅スクラップの取り扱いが回復に転じて増益だった。

 製造の装置材料事業は売上高が同23.2%増の123億21百万円で経常利益が1億06百万円(前年同期は15百万円の赤字)だった。マークテックが低調だったが、米ユニバーティカル社はのれん償却後で黒字転換し、東海溶業も自動車向け中心に順調だった。

 製造の金属加工事業は売上高が同2.7%増の68億22百万円で経常利益が同3.4%減の15億94百万円だった。大羽精研はチップマウンター用研削加工部品が高水準推移し、自動車向け試作部品も順調に伸長した。大川電機製作所は半導体・有機EL製造装置向け精密切削加工部品が高水準だったが、小ロット・短納期対応が利益を圧迫した。なお持分法適用関連会社3社の持分法投資利益も寄与した。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期477億93百万円、第2四半期465億52百万円、第3四半期519億07百万円、営業利益は8億93百万円、9億04百万円、11億47百万円、経常利益は10億83百万円、9億86百万円、8億92百万円だった。

■17年3月期通期減収減益予想だが上振れの可能性

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想は、前回予想(10月25日に減額修正)を据え置いて、売上高が前期(16年3月期)比5.8%減の1900億円、営業利益が同5.1%減の36億円、経常利益が同8.9%減の39億円、純利益が同39.7%減の30億円としている。純利益は平和金属の負ののれん発生益一巡も影響する。配当予想は据え置いて前期と同額の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)としている。予想配当性向は18.9%となる。

 売上総利益率は同0.5ポイント上昇の7.3%、販管費比率は同0.5ポイント上昇の5.4%を想定している。

 セグメント別の計画は、商社流通の電子機能材の売上高が同3.0%減の555億30百万円で経常利益が同33.8%減の10億90百万円、商社流通のアルミ銅の売上高が同11.6%減の1085億30百万円で経常利益が同13.5%減の6億20百万円、製造の装置材料の売上高が同30.2%増の169億90百万円で経常利益が同5.1倍の3億円、製造の金属加工の売上高が同2.3%増の89億50百万円で経常利益が同6.7%減の18億90百万円としている。製造の装置材料ではマークテックの下期回復を見込んでいる。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が77.0%、営業利益が81.8%、経常利益が75.9%、純利益が79.0%である。第3四半期後半からの非鉄市況回復と円安進行も考慮すれば、通期予想に上振れの可能性がありそうだ。

■新中期経営計画で19年3月期ROE13〜15%程度目標

 16年5月策定の新中期経営計画(17年3月期〜19年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値として19年3月期の経常利益65億円超、純利益46億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に200億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、営業収益力の強化と投資案件の推進を掲げている。

 営業収益力の強化では、電子材料分野における原料(レアメタル・レアアース)から製品(電子材料・機能材料)までを網羅したビジネスモデルの展開、環境対応関連分野における省エネ・環境対応素材からリサイクル事業までの幅広い事業展開、そして海外事業展開(地場取引の拡大、三国間ビジネスの拡大、海外ネットワーク充実に向けた拠点拡大)を推進する。

 投資案件の推進では、短期間での業容拡大に有効なM&A、新たな商流を創出するための金属加工・販売事業等への事業投資、およびリサイクルを含む資源確保のための投資を重点施策として推進する。積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は割安感も見直して上値試す

 株価の動きを見ると、戻り高値圏の1700円〜1800円近辺で堅調に推移している。

 2月15日の終値1783円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS232円78銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2311円32銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約230億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。指標面の割安感も見直して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月19日更新]

アルコニックスは商社機能と製造業を融合した「非鉄金属総合企業」目指す

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指してM&A戦略も積極活用している。17年3月期減益予想としているが、円安傾向で上振れの可能性がありそうだ。そして積極的な事業展開で中期的に収益拡大が期待される。株価は16年12月の昨年来高値から一旦反落したが、指標面に割安感があり、自律調整が一巡して上値を試す展開だろう。なお2月7日に第3四半期累計業績発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィン材など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 16年3月期のセグメント別売上高構成比は軽金属・銅製品43%、電子・機能材35%、非鉄原料16%、建設・産業資材6%、経常利益構成比(連結調整前)は軽金属・銅製品60%、電子・機能材35%、非鉄原料1%、建設・産業資材4%だった。

 17年3月期からセグメント区分を変更し、新セグメントは商社流通(電子機能材事業、アルミ銅事業)および製造(装置材料事業、金属加工事業)とした。製造業の利益が連結業績の過半を占めるようになったため、流通を手掛ける連結子会社は商社流通、製造を手掛ける連結子会社は製造に再編する。

 なお1月6日にはプロゴルファー今平周吾氏とのスポンサー契約締結を発表している。今平プロは、ツアー未勝利ながらも「もっとも初優勝に近い若手プロゴルファー」と呼ばれ、今後の大きな飛躍が期待される若手プロゴルファーである。

■M&Aを積極活用して業容拡大

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化、14年11月アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が稲田商会の銅リサイクル事業(稲田銅センター)を譲り受けた。

 15年7月中間持株会社アルコニックス・トーカイが溶接材料製造ならびに溶射加工事業の東海溶業を子会社化、15年10月非鉄金属専門商社の平和金属を子会社化、16年2月中間持株会社アルコニックス・エムティが金属製品非破壊検査(表面探傷検査)および金属マーキングの国内トップ企業であるマークテックを子会社化した。

 16年12月には自動車向け精密プレス金型およびプレス部品製造の富士プレス(愛知県大府市)の株式100%を取得して子会社化(17年4月予定)すると発表した。100%出資の中間持株会社アルコニックス・フジ(仮称)を設立して富士プレスの株式を取得する。優良な取引先を持つ富士プレスをグループ化し、製造業へのさらなる展開を推進する。

■非鉄金属市況などが影響するが、M&A効果で収益拡大基調

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期484億04百万円、第2四半期485億96百万円、第3四半期546億06百万円、第4四半期499億37百万円、経常利益が17億13百万円、13億95百万円、13億02百万円、7億95百万円で、16年3月期は売上高が529億30百万円、482億55百万円、524億29百万円、481億41百万円、経常利益が12億71百万円、10億43百万円、10億34百万円、6億85百万円だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aが寄与して収益拡大基調である。16年3月期は15年3月期比増収、営業減益、経常減益、最終増益だった。スマホ・タブレット端末の高機能機種向け電子材料や、船舶・発電設備向け熱交換器用チタン展伸材の輸出などが伸長し、第3四半期から新規連結した平和金属も貢献して増収だが、非鉄原料やレアメタル・レアアースの市況低迷、販管費の増加などで営業減益、ケイ・マックの負ののれん発生益一巡で経常減益だった。純利益は平和金属の負ののれん発生益が寄与して大幅増益だった。

 16年3月期の売上総利益は同0.8%増加し、売上総利益率は6.0%で同横ばいだった。販管費は同11.8%増加し、販管費比率は4.2%で同0.5ポイント上昇した。営業外では受取配当金が増加し、為替差損益が改善したが、持分法投資利益が減少し、ケイ・マックを持分法適用関連会社化したことに伴う負ののれん発生益が一巡した。

 特別利益には平和金属の株式取得に伴う負ののれん発生益を計上した。ROEは17.8%で同2.9ポイント上昇、自己資本比率は26.8%で同2.5ポイント低下した。NET/DERは0.6倍(15年3月期は0.7倍)だった。配当は同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で配当性向は11.4%だった。利益配分については将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としている。

 セグメント別経常利益を見ると、軽金属・銅製品はケイ・マックの負ののれん発生益一巡で同14.3%減の25億73百万円、電子・機能材はレアメタル・レアアースの減収やめっき材料の価格下落で同13.6%減の14億98百万円、非鉄原料はアルミ再生塊の減少やアルミ銅センターの不振で同81.7%減の49百万円、建設・産業資材は国内配管機材の減少で同19.7%減の1億66百万円だった。

■17年3月期第2四半期累計は減収減益

 今期(17年3月期)第2四半期累計(4〜9月)連結業績は、売上高が前年同期比6.8%減の943億45百万円、営業利益が同17.9%減の17億97百万円、経常利益が同10.6%減の20億69百万円、純利益が同3.1%減の16億66百万円だった。非鉄原料やレアメタル・レアアースが非鉄市況下落や円高影響などで減収となり、マークテックの中国現法の業績低迷も影響して減益だった。

 売上総利益は同14.3%増加し、売上総利益率は7.4%で同1.3ポイント上昇した。製造子会社の伸長が寄与した。販管費は同32.2%増加し、販管費比率は5.5%で同1.6ポイント上昇した。新規連結で大幅増加した。営業外では受取配当金が増加(前期47百万円、今期1億30百万円)、持分法投資利益が増加(前期1億68百万円、今期2億45百万円)した。自己資本比率は28.4%で同1.7ポイント上昇、NET/DERは0.6倍で1.0倍以下を維持した。

 セグメント別(連結調整前)動向を見ると、商社流通の電子機能材料は売上高が同18.3%減の254億74百万円で経常利益が同34.3%減の5億44百万円だった。スマホ・タブレット端末向け部材は需要低迷で全般的に減速した。端末向け二次電池部材、太陽光発電関連部材、環境関連部材も需要減速の影響を受けた。レアメタル・レアアースは需要低迷・価格下落が続いている。商社流通のアルミ銅事業は売上高が同6.3%減の577億65百万円で経常利益が同14.6%減の2億77百万円だった。平和金属が貢献したが、業務用空調や自動車分野など一部を除いて需要が低調で、円高や商品市況回復遅れも影響した。

 製造の装置材料事業は売上高が同27.7%増の83億38百万円で経常利益が31百万円(前年同期は2百万円)だった。米ユニバーティカル社はのれん償却後で増益となり、東海溶業も順調だった。マークテックは中国法人の業績が悪化した。製造の金属加工事業は売上高が同2.0%増の46億52百万円で経常利益が同5.1%増の12億19百万円だった。大羽精研はチップマウンター用研削加工部品が高水準推移し、自動車向け試作部品も伸長した。大川電機製作所は半導体製造装置向けなど受注が高水準だったが、小ロット・短納期対応が収益を圧迫した。なお持分法適用関連会社3社の持分法投資利益も寄与した。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期477億93百万円、第2四半期465億52百万円、営業利益は8億93百万円、9億04百万円、経常利益は10億83百万円、9億86百万円だった。

■17年3月期通期は減収減益予想

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想(10月25日に減額修正)は売上高前期(16年3月期)比5.8%減の1900億円、営業利益が同5.1%減の36億円、経常利益が同8.9%減の39億円、純利益が同39.7%減の30億円としている。純利益は平和金属の負ののれん発生益一巡も影響する。配当予想は据え置いて前期と同額の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)としている。予想配当性向は18.9%となる。

 アルミ・銅、レアメタル・レアアース等の非鉄市況の下落、円高影響などによる第2四半期累計の計画未達分を減額修正した。修正後の売上総利益率は同0.5ポイント上昇の7.3%、販管費比率は同0.5ポイント上昇の5.4%を想定している。

 セグメント別の計画は、商社流通の電子機能材の売上高が同3.0%減の555億30百万円で経常利益が同33.8%減の10億90百万円、商社流通のアルミ銅の売上高が同11.6%減の1085億30百万円で経常利益が同13.5%減の6億20百万円、製造の装置材料の売上高が同30.2%増の169億90百万円で経常利益が同5.1倍の3億円、製造の金属加工の売上高が同2.3%増の89億50百万円で経常利益が同6.7%減の18億90百万円としている。製造の装置材料ではマークテックの下期回復を見込んでいる。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.7%、営業利益が49.9%、経常利益が53.1%、純利益が55.6%である。足元の円安傾向も考慮すれば通期予想に上振れの可能性がありそうだ。

■新中期経営計画で19年3月期ROE13〜15%程度目標

 16年5月策定の新中期経営計画(17年3月期〜19年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値として19年3月期の経常利益65億円超、純利益46億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に200億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、営業収益力の強化と投資案件の推進を掲げている。

 営業収益力の強化では、電子材料分野における原料(レアメタル・レアアース)から製品(電子材料・機能材料)までを網羅したビジネスモデルの展開、環境対応関連分野における省エネ・環境対応素材からリサイクル事業までの幅広い事業展開、そして海外事業展開(地場取引の拡大、三国間ビジネスの拡大、海外ネットワーク充実に向けた拠点拡大)を推進する。

 投資案件の推進では、短期間での業容拡大に有効なM&A、新たな商流を創出するための金属加工・販売事業等への事業投資、およびリサイクルを含む資源確保のための投資を重点施策として推進する。積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は自律調整一巡して上値試す

 株価の動きを見ると、16年12月の昨年来高値1832円から利益確定売りで一旦反落したが、1600円近辺で下げ渋る動きだ。自律調整が一巡したようだ。

 1月18日の終値1666円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS232円80銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2311円32銭で算出)は0.7倍近辺である。時価総額は約215億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が接近して切り返す動きだ。サポートラインを確認した形だろう。指標面に割安感があり、自律調整が一巡して上値を試す展開だろう。となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月01日更新]

アルコニックスは基調転換して戻り歩調、商社機能と製造業を融合した非鉄金属総合企業目指す

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指してM&A戦略も積極活用している。17年3月期は非鉄市況下落や円高影響などで減額修正して減収減益予想だが、足元の円安傾向で一転上振れ余地がありそうだ。また中期的に収益拡大が期待される。株価は17年3月期減益予想の織り込みが完了して急反発している。基調転換して戻り歩調だろう。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィン材など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 16年3月期のセグメント別売上高構成比は軽金属・銅製品43%、電子・機能材35%、非鉄原料16%、建設・産業資材6%、経常利益構成比(連結調整前)は軽金属・銅製品60%、電子・機能材35%、非鉄原料1%、建設・産業資材4%だった。

 なお17年3月期からセグメント区分を変更し、新セグメントは商社流通(電子機能材事業、アルミ銅事業)および製造(装置材料事業、金属加工事業)とした。製造業の利益が連結業績の過半を占めるようになったため、流通を手掛ける連結子会社は商社流通、製造を手掛ける連結子会社は製造に再編する。

■M&Aを積極活用して業容拡大

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化、14年11月アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が稲田商会の銅リサイクル事業(稲田銅センター)を譲り受けた。

 15年7月中間持株会社アルコニックス・トーカイが溶接材料製造ならびに溶射加工事業の東海溶業を子会社化、15年10月非鉄金属専門商社の平和金属を子会社化、16年2月中間持株会社アルコニックス・エムティが金属製品非破壊検査(表面探傷検査)および金属マーキングの国内トップ企業であるマークテックを子会社化した。

■非鉄金属市況などが影響するが、M&A効果で収益拡大基調

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期484億04百万円、第2四半期485億96百万円、第3四半期546億06百万円、第4四半期499億37百万円、経常利益が17億13百万円、13億95百万円、13億02百万円、7億95百万円で、16年3月期は売上高が529億30百万円、482億55百万円、524億29百万円、481億41百万円、経常利益が12億71百万円、10億43百万円、10億34百万円、6億85百万円だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aが寄与して収益拡大基調である。16年3月期は15年3月期比増収、営業減益、経常減益、最終増益だった。スマホ・タブレット端末の高機能機種向け電子材料や、船舶・発電設備向け熱交換器用チタン展伸材の輸出などが伸長し、第3四半期から新規連結した平和金属も貢献して増収だが、非鉄原料やレアメタル・レアアースの市況低迷、販管費の増加などで営業減益、ケイ・マックの負ののれん発生益一巡で経常減益だった。純利益は平和金属の負ののれん発生益が寄与して大幅増益だった。

 16年3月期の売上総利益は同0.8%増加し、売上総利益率は6.0%で同横ばいだった。販管費は同11.8%増加し、販管費比率は4.2%で同0.5ポイント上昇した。営業外では受取配当金が増加し、為替差損益が改善したが、持分法投資利益が減少し、ケイ・マックを持分法適用関連会社化したことに伴う負ののれん発生益が一巡した。

 特別利益には平和金属の株式取得に伴う負ののれん発生益を計上した。ROEは17.8%で同2.9ポイント上昇、自己資本比率は26.8%で同2.5ポイント低下した。NET/DERは0.6倍(15年3月期は0.7倍)だった。配当は同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で配当性向は11.4%だった。利益配分については将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としている。

 セグメント別経常利益を見ると、軽金属・銅製品はケイ・マックの負ののれん発生益一巡で同14.3%減の25億73百万円、電子・機能材はレアメタル・レアアースの減収やめっき材料の価格下落で同13.6%減の14億98百万円、非鉄原料はアルミ再生塊の減少やアルミ銅センターの不振で同81.7%減の49百万円、建設・産業資材は国内配管機材の減少で同19.7%減の1億66百万円だった。

■17年3月期第2四半期累計は減収減益

 今期(17年3月期)第2四半期累計(4〜9月)連結業績は、売上高が前年同期比6.8%減の943億45百万円、営業利益が同17.9%減の17億97百万円、経常利益が同10.6%減の20億69百万円、純利益が同3.1%減の16億66百万円だった。非鉄原料やレアメタル・レアアースが非鉄市況下落や円高影響などで減収となり、マークテックの中国現法の業績低迷も影響して減益だった。

 売上総利益は同14.3%増加し、売上総利益率は7.4%で同1.3ポイント上昇した。製造子会社の伸長が寄与した。販管費は同32.2%増加し、販管費比率は5.5%で同1.6ポイント上昇した。新規連結で大幅増加した。営業外では受取配当金が増加(前期47百万円、今期1億30百万円)、持分法投資利益が増加(前期1億68百万円、今期2億45百万円)した。自己資本比率は28.4%で同1.7ポイント上昇、NET/DERは0.6倍で1.0倍以下を維持した。

 セグメント別(連結調整前)動向を見ると、商社流通の電子機能材料は売上高が同18.3%減の254億74百万円で経常利益が同34.3%減の5億44百万円だった。スマホ・タブレット端末向け部材は需要低迷で全般的に減速した。端末向け二次電池部材、太陽光発電関連部材、環境関連部材も需要減速の影響を受けた。レアメタル・レアアースは需要低迷・価格下落が続いている。商社流通のアルミ銅事業は売上高が同6.3%減の577億65百万円で経常利益が同14.6%減の2億77百万円だった。平和金属が貢献したが、業務用空調や自動車分野など一部を除いて需要が低調で、円高や商品市況回復遅れも影響した。

 製造の装置材料事業は売上高が同27.7%増の83億38百万円で経常利益が31百万円(前年同期は2百万円)だった。米ユニバーティカル社はのれん償却後で増益となり、東海溶業も順調だった。マークテックは中国法人の業績が悪化した。製造の金属加工事業は売上高が同2.0%増の46億52百万円で経常利益が同5.1%増の12億19百万円だった。大羽精研はチップマウンター用研削加工部品が高水準推移し、自動車向け試作部品も伸長した。大川電機製作所は半導体製造装置向けなど受注が高水準だったが、小ロット・短納期対応が収益を圧迫した。なお持分法適用関連会社3社の持分法投資利益も寄与した。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期477億93百万円、第2四半期465億52百万円、営業利益は8億93百万円、9億04百万円、経常利益は10億83百万円、9億86百万円だった。

■17年3月期通期は減額して減収減益予想

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想(10月25日に減額修正)は売上高前期(16年3月期)比5.8%減の1900億円、営業利益が同5.1%減の36億円、経常利益が同8.9%減の39億円、純利益が同39.7%減の30億円としている。純利益は平和金属の負ののれん発生益一巡も影響する。配当予想は据え置いて前期と同額の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)としている。予想配当性向は18.9%となる。

 アルミ・銅、レアメタル・レアアース等の非鉄市況の下落、円高影響などによる第2四半期累計の計画未達分を減額修正した。修正後の売上総利益率は同0.5ポイント上昇の7.3%、販管費比率は同0.5ポイント上昇の5.4%を想定している。

 セグメント別の計画は、商社流通の電子機能材の売上高が同3.0%減の555億30百万円で経常利益が同33.8%減の10億90百万円、商社流通のアルミ銅の売上高が同11.6%減の1085億30百万円で経常利益が同13.5%減の6億20百万円、製造の装置材料の売上高が同30.2%増の169億90百万円で経常利益が同5.1倍の3億円、製造の金属加工の売上高が同2.3%増の89億50百万円で経常利益が同6.7%減の18億90百万円としている。製造の装置材料ではマークテックの下期回復を見込んでいる。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.7%、営業利益が49.9%、経常利益が53.1%、純利益が55.6%である。足元の円安傾向を考慮すれば通期予想に上振れ余地がありそうだ。

■新中期経営計画で19年3月期ROE13〜15%程度目標

 16年5月策定の新中期経営計画(17年3月期〜19年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値として19年3月期の経常利益65億円超、純利益46億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に200億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、営業収益力の強化と投資案件の推進を掲げている。

 営業収益力の強化では、電子材料分野における原料(レアメタル・レアアース)から製品(電子材料・機能材料)までを網羅したビジネスモデルの展開、環境対応関連分野における省エネ・環境対応素材からリサイクル事業までの幅広い事業展開、そして海外事業展開(地場取引の拡大、三国間ビジネスの拡大、海外ネットワーク充実に向けた拠点拡大)を推進する。

 投資案件の推進では、短期間での業容拡大に有効なM&A、新たな商流を創出するための金属加工・販売事業等への事業投資、およびリサイクルを含む資源確保のための投資を重点施策として推進する。積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は基調転換して戻り歩調

 株価の動きを見ると、地合い悪化も影響した11月9日の直近安値1250円から急反発し、11月28日には1613円まで上伸した。17年3月期減益予想の織り込みが完了して急反発した形だ。

 11月30日の終値1594円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS232円80銭で算出)は6.84倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.76%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2311円32銭で算出)は0.72倍である。時価総額は約205億円である。

 週足チャートで見ると戻りを押さえていた26週移動平均線と52週移動平均線を一気に突破した。基調転換して戻り歩調だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)

(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月01日更新]

アルコニックスは17年3月期減額だが反応限定的、M&Aも活用して非鉄金属総合企業目指す

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指してM&A戦略も積極活用している。非鉄市況下落や円高影響で17年3月期通期業績予想を減額修正したが、積極的なM&A戦略も寄与して中期的に収益拡大が期待される。株価は8月の直近安値から切り返して戻り歩調だ。減額修正に対するネガティブ反応は限定的のようだ。指標面の割安感を見直して反発が期待される。なお11月7日に第2四半期累計業績発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィン材など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 16年3月期のセグメント別売上高構成比は軽金属・銅製品43%、電子・機能材35%、非鉄原料16%、建設・産業資材6%、経常利益構成比(連結調整前)は軽金属・銅製品60%、電子・機能材35%、非鉄原料1%、建設・産業資材4%だった。

 なお17年3月期からセグメント区分を変更し、新セグメントは商社流通(電子機能材事業、アルミ銅事業)および製造(装置材料事業、金属加工事業)とした。製造業の利益が連結業績の過半を占めるようになったため、流通を手掛ける連結子会社は商社流通、製造を手掛ける連結子会社は製造に再編する。

■M&Aを積極活用して業容拡大

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化、14年11月アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が稲田商会の銅リサイクル事業(稲田銅センター)を譲り受けた。

 15年7月中間持株会社アルコニックス・トーカイが溶接材料製造ならびに溶射加工事業の東海溶業を子会社化、15年10月非鉄金属専門商社の平和金属を子会社化、16年2月中間持株会社アルコニックス・エムティが金属製品非破壊検査(表面探傷検査)および金属マーキングの国内トップ企業であるマークテックを子会社化した。

■非鉄金属市況などが影響するが、M&A効果で収益拡大基調

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期484億04百万円、第2四半期485億96百万円、第3四半期546億06百万円、第4四半期499億37百万円、経常利益が17億13百万円、13億95百万円、13億02百万円、7億95百万円で、16年3月期は売上高が529億30百万円、482億55百万円、524億29百万円、481億41百万円、経常利益が12億71百万円、10億43百万円、10億34百万円、6億85百万円だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aが寄与して収益拡大基調である。16年3月期は15年3月期比増収、営業減益、経常減益、最終増益だった。スマホ・タブレット端末の高機能機種向け電子材料や、船舶・発電設備向け熱交換器用チタン展伸材の輸出などが伸長し、第3四半期から新規連結した平和金属も貢献して増収だが、非鉄原料やレアメタル・レアアースの市況低迷、販管費の増加などで営業減益、ケイ・マックの負ののれん発生益一巡で経常減益だった。純利益は平和金属の負ののれん発生益が寄与して大幅増益だった。

 16年3月期の売上総利益は同0.8%増加し、売上総利益率は6.0%で同横ばいだった。販管費は同11.8%増加し、販管費比率は4.2%で同0.5ポイント上昇した。営業外では受取配当金が増加し、為替差損益が改善したが、持分法投資利益が減少し、ケイ・マックを持分法適用関連会社化したことに伴う負ののれん発生益が一巡した。

 特別利益には平和金属の株式取得に伴う負ののれん発生益を計上した。ROEは17.8%で同2.9ポイント上昇、自己資本比率は26.8%で同2.5ポイント低下した。NET/DERは0.6倍(15年3月期は0.7倍)だった。配当は同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で配当性向は11.4%だった。利益配分については将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としている。

 セグメント別経常利益を見ると、軽金属・銅製品はケイ・マックの負ののれん発生益一巡で同14.3%減の25億73百万円、電子・機能材はレアメタル・レアアースの減収やめっき材料の価格下落で同13.6%減の14億98百万円、非鉄原料はアルミ再生塊の減少やアルミ銅センターの不振で同81.7%減の49百万円、建設・産業資材は国内配管機材の減少で同19.7%減の1億66百万円だった。

■17年3月期第1四半期は営業減益

 今期(17年3月期)第1四半期(4〜6月)連結業績は、売上高が前年同期比9.7%減の477億93百万円、営業利益が同27.5%減の8億93百万円、経常利益が同14.8%減の10億83百万円、純利益が同5.1%増の8億30百万円だった。商社流通関連の非鉄原料やレアメタル・レアアースの数量減少および価格下落、さらに円高影響などで減収、営業減益、経常減益だった。前期連結した平和金属や東海溶業は貢献したが、マークテックは主要需要先の鉄鋼業界における設備投資先送りの影響や中国現法の業績低迷で経常赤字だった。純利益は税金費用の減少で増益だった。

 売上総利益は同10.6%増加し、売上総利益率は7.4%で同1.4ポイント上昇した。販管費は同34.6%増加し、販管費比率は5.5%で同1.8ポイント上昇した。営業外では受取配当金が増加(前期46百万円、今期1億20百万円)、為替差損益が改善(前期差損31百万円、今期差益38百万円)、持分法投資利益が増加(前期52百万円、今期90百万円)した。自己資本比率は27.7%で同1.0ポイント上昇した。NET/DERは0.7倍で1.0倍以下を維持した。

 セグメント別(連結調整前)動向を見ると、商社流通の電子機能材料は売上高が同21.1%減の118億57百万円で経常利益が同25.9%減の2億96百万円だった。スマホ・タブレット端末向け部材、太陽光発電部材、チタン・ニッケル製品輸出、レアメタル・レアアースなどが低調だった。商社流通のアルミ銅事業は売上高が同8.9%減の295億84百万円で経常利益が同33.4%減の1億80百万円だった。平和金属が貢献したが、自動車向けアルミ板材など一部を除いて需要が低調だった。

 製造の装置材料事業は売上高が同29.6%増の39億46百万円で経常利益が36百万円の赤字(前年同期は17百万円の赤字)だった。米ユニバーティカル社がのれん償却後で黒字化し、東海溶業も貢献した。マークテックはのれん償却後で経常赤字だった。製造の金属加工事業は売上高が同1.0%増の24億04百万円で経常利益が同5.3%増の6億53百万円だった。大羽精研はチップマウンター用研削加工部品などが好調だった。大川電機製作所は短納期対応が収益を圧迫した。なお持分法適用関連会社3社の持分法投資利益が増益に寄与した。

■17年3月期通期業績予想を減額修正

 10月25日に今期(17年3月期)第2四半期累計(4〜9月)および通期連結業績予想の修正を発表した。M&Aによる新規連結会社が寄与(平和金属、東海溶業、マークテック)するが、アルミ・銅等の非鉄市況下落や円高が影響して減益予想となった。

 第2四半期累計の予想は前回予想(5月13日公表)に対して、売上高を150億円減額して前年同期比6.1%減の950億円、営業利益を3億50百万円減額して同17.8%減の18億円、経常利益を1億50百万円減額して同11.4%減の20億50百万円とした。純利益は1億円増額して同4.0%減の16億50百万円とした。

 通期予想は、売上高を300億円減額して前期(16年3月期)比5.2%減の1900億円、営業利益を6億50百万円減額して同5.1%減の36億円、経常利益を5億円減額して同8.9%減の39億円、純利益を1億円減額して同39.7%減の30億円とした。純利益は平和金属の負ののれん発生益一巡も影響する。配当予想は据え置いて前期と同額の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)としている。予想配当性向は18.9%となる。

■新中期経営計画で19年3月期ROE13〜15%程度目標

 16年5月策定の新中期経営計画(17年3月期〜19年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値として19年3月期の経常利益65億円超、純利益46億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に200億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、営業収益力の強化と投資案件の推進を掲げている。

 営業収益力の強化では、電子材料分野における原料(レアメタル・レアアース)から製品(電子材料・機能材料)までを網羅したビジネスモデルの展開、環境対応関連分野における省エネ・環境対応素材からリサイクル事業までの幅広い事業展開、そして海外事業展開(地場取引の拡大、三国間ビジネスの拡大、海外ネットワーク充実に向けた拠点拡大)を推進する。

 投資案件の推進では、短期間での業容拡大に有効なM&A、新たな商流を創出するための金属加工・販売事業等への事業投資、およびリサイクルを含む資源確保のための投資を重点施策として推進する。積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は指標面の割安感を見直して反発期待

 株価の動きを見ると8月の直近安値1250円から切り返して戻り歩調だ。17年3月期連結業績予想の減額修正に対するネガティブ反応も限定的のようだ。

 10月31日の終値1389円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS232円80銭で算出)は6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は3.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2311円32銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約178億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線突破の動きを強めている。指標面の割安感を見直して反発が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[9月27日更新]

アルコニックスは割安感を見直して戻り歩調、M&Aも活用して非鉄金属の総合企業目指す

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指してM&A戦略も積極活用している。17年3月期は積極的なM&A戦略が奏功して2桁営業増益予想である。株価は調整一巡して出直りの動きを強めている。指標面の割安感を見直して戻り歩調だろう。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィン材など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 16年3月期のセグメント別売上高構成比は軽金属・銅製品43%、電子・機能材35%、非鉄原料16%、建設・産業資材6%、経常利益構成比(連結調整前)は軽金属・銅製品60%、電子・機能材35%、非鉄原料1%、建設・産業資材4%だった。

 なお17年3月期からセグメント区分を変更し、新セグメントは商社流通(電子機能材事業、アルミ銅事業)および製造(装置材料事業、金属加工事業)とした。製造業の利益が連結業績の過半を占めるようになったため、流通を手掛ける連結子会社は商社流通、製造を手掛ける連結子会社は製造に再編する。

■M&Aを積極活用して業容拡大

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化、14年11月アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が稲田商会の銅リサイクル事業(稲田銅センター)を譲り受けた。

 15年7月中間持株会社アルコニックス・トーカイが溶接材料製造ならびに溶射加工事業の東海溶業を子会社化、15年10月非鉄金属専門商社の平和金属を子会社化、16年2月中間持株会社アルコニックス・エムティが金属製品非破壊検査(表面探傷検査)および金属マーキングの国内トップ企業であるマークテックを子会社化した。

■非鉄金属市況などが影響するが、M&A効果で収益拡大基調

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期484億04百万円、第2四半期485億96百万円、第3四半期546億06百万円、第4四半期499億37百万円、経常利益が17億13百万円、13億95百万円、13億02百万円、7億95百万円で、16年3月期は売上高が529億30百万円、482億55百万円、524億29百万円、481億41百万円、経常利益が12億71百万円、10億43百万円、10億34百万円、6億85百万円だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aが寄与して収益拡大基調である。16年3月期は15年3月期比増収、営業減益、経常減益、最終増益だった。スマホ・タブレット端末の高機能機種向け電子材料や、船舶・発電設備向け熱交換器用チタン展伸材の輸出などが伸長し、第3四半期から新規連結した平和金属も貢献して増収だが、非鉄原料やレアメタル・レアアースの市況低迷、販管費の増加などで営業減益、ケイ・マックの負ののれん発生益一巡で経常減益だった。純利益は平和金属の負ののれん発生益が寄与して大幅増益だった。

 16年3月期の売上総利益は同0.8%増加し、売上総利益率は6.0%で同横ばいだった。販管費は同11.8%増加し、販管費比率は4.2%で同0.5ポイント上昇した。営業外では受取配当金が増加し、為替差損益が改善したが、持分法投資利益が減少し、ケイ・マックを持分法適用関連会社化したことに伴う負ののれん発生益が一巡した。

 特別利益には平和金属の株式取得に伴う負ののれん発生益を計上した。ROEは17.8%で同2.9ポイント上昇、自己資本比率は26.8%で同2.5ポイント低下した。NET/DERは0.6倍(15年3月期は0.7倍)だった。配当は同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で配当性向は11.4%だった。利益配分については将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としている。

 セグメント別動向を見ると、軽金属・銅製品は売上高が同14.8%増の870億20百万円、経常利益は同14.3%減の25億73百万円だった。平和金属のCAN材や伸銅品が加わり、大羽精研も貢献したが、ケイ・マックの負ののれん発生益が一巡した。電子・機能材は売上高が同7.3%減の697億77百万円、経常利益は同13.6%減の14億98百万円だった。スマホ・タブレット端末の高機能機種向け電子材料などが伸長したが、レアメタル・レアアースが減収となり、めっき材料の価格下落も影響した。

 非鉄原料は売上高が同10.6%減の325億32百万円となり、経常利益が同81.7%減の49百万円だった。アルミ再生塊などが減少し、アルミ銅センターの不振も影響した。建設・産業資材は売上高が同11.5%減の124億26百万円、経常利益が同19.7%減の1億66百万円だった。東海溶業が貢献したが、国内配管機材が減少した。

■17年3月期第1四半期は営業減益

 今期(17年3月期)第1四半期(4〜6月)連結業績は、売上高が前年同期比9.7%減の477億93百万円、営業利益が同27.5%減の8億93百万円、経常利益が同14.8%減の10億83百万円、純利益が同5.1%増の8億30百万円だった。商社流通関連の非鉄原料やレアメタル・レアアースの数量減少および価格下落、さらに円高影響などで減収、営業減益、経常減益だった。前期連結した平和金属や東海溶業は貢献したが、マークテックは主要需要先の鉄鋼業界における設備投資先送りの影響や中国現法の業績低迷で経常赤字だった。純利益は税金費用の減少で増益だった。

 売上総利益は同10.6%増加し、売上総利益率は7.4%で同1.4ポイント上昇した。販管費は同34.6%増加し、販管費比率は5.5%で同1.8ポイント上昇した。営業外では受取配当金が増加(前期46百万円、今期1億20百万円)、為替差損益が改善(前期差損31百万円、今期差益38百万円)、持分法投資利益が増加(前期52百万円、今期90百万円)した。自己資本比率は27.7%で同1.0ポイント上昇した。NET/DERは0.7倍で1.0倍以下を維持した。

 セグメント別(連結調整前)動向を見ると、商社流通の電子機能材料は売上高が同21.1%減の118億57百万円で経常利益が同25.9%減の2億96百万円だった。スマホ・タブレット端末向け部材、太陽光発電部材、チタン・ニッケル製品輸出、レアメタル・レアアースなどが低調だった。商社流通のアルミ銅事業は売上高が同8.9%減の295億84百万円で経常利益が同33.4%減の1億80百万円だった。平和金属が貢献したが、自動車向けアルミ板材など一部を除いて需要が低調だった。

 製造の装置材料事業は売上高が同29.6%増の39億46百万円で経常利益が36百万円の赤字(前年同期は17百万円の赤字)だった。米ユニバーティカル社がのれん償却後で黒字化し、東海溶業も貢献した。マークテックはのれん償却後で経常赤字だった。製造の金属加工事業は売上高が同1.0%増の24億04百万円で経常利益が同5.3%増の6億53百万円だった。大羽精研はチップマウンター用研削加工部品などが好調だった。大川電機製作所は短納期対応が収益を圧迫した。なお持分法適用関連会社3社の持分法投資利益が増益に寄与した。

■17年3月期通期はM&A効果で2桁営業増益予想

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想(5月13日公表)は、売上高が前期(16年3月期)比9.0%増の2200億円、営業利益が同12.1%増の42億50百万円、経常利益が同2.8%増の44億円、純利益が同37.7%減の31億円としている。純利益は平和金属の負ののれん発生益が一巡して減益予想である。配当予想は前期と同額の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で、予想配当性向は18.3%となる。

 中国の景気減速やスマホ・タブレット端末の成長鈍化などで国内外の生産、輸出が停滞し、レアメタル・レアアースの市況低迷も続くが、M&Aによる新規連結会社の通期寄与(平和金属、東海溶業、マークテック)などで増収、営業増益、経常増益見込みである。純利益は平和金属の株式取得に伴うのれん発生益が一巡して減益見込みである。売上総利益は同23.1%増の150億円、売上総利益率は同0.8ポイント上昇の6.8%、販管費は同28.1%増の107億50百万円、販管費比率は同0.7ポイント上昇の4.9%の計画としている。

 セグメント別の計画を見ると、商社流通の電子機能材料は売上高が同27.5%増の730億円で経常利益が同21.0%減の13億円、商社流通のアルミ銅事業は売上高が同3.0%減の1190億円で経常利益が同4.7%増の7億50百万円、製造の装置材料事業は売上高が同45.6%増の190億円で経常利益が5億円(前期は96百万円の赤字)、製造の金属加工事業は売上高が同2.9%増の90億円で経常利益が同8.7%減の18億50百万円としている。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が21.7%、営業利益が21.0%、経常利益が24.6%、純利益が26.8%と概ね順調な水準である。通期ベースで好業績が期待される。

■新中期経営計画で19年3月期ROE13〜15%程度目標

 16年5月策定の新中期経営計画(17年3月期〜19年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値として19年3月期の経常利益65億円超、純利益46億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に200億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、営業収益力の強化と投資案件の推進を掲げている。

 営業収益力の強化では、電子材料分野における原料(レアメタル・レアアース)から製品(電子材料・機能材料)までを網羅したビジネスモデルの展開、環境対応関連分野における省エネ・環境対応素材からリサイクル事業までの幅広い事業展開、そして海外事業展開(地場取引の拡大、三国間ビジネスの拡大、海外ネットワーク充実に向けた拠点拡大)を推進する。

 投資案件の推進では、短期間での業容拡大に有効なM&A、新たな商流を創出するための金属加工・販売事業等への事業投資、およびリサイクルを含む資源確保のための投資を重点施策として推進する。積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は指標面の割安感を見直して戻り歩調

 株価の動きを見ると、8月4日の直近安値1250円から切り返して出直りの動きを強めている。9月23日には戻り高値となる1420円まで上伸した。調整が一巡したようだ。

 9月23日の終値1415円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS240円67銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は3.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2311円32銭で算出)は0.6倍近辺である。なお時価総額は約182億円である。

 日足チャートで見ると上向きに転じた25日移動平均線がサポートラインの形となった。また週足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。指標面の割安感を見直して戻り歩調だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[8月29日更新]

アルコニックスは指標面の割安感を見直し、17年3月期2桁営業増益予想

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指してM&A戦略も積極活用している。17年3月期第1四半期は営業減益だったが、通期は積極的なM&A戦略が奏功して2桁営業増益予想である。株価は安値圏だが調整一巡感を強めている。指標面の割安感を見直す動きが強まりそうだ。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィン材など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 16年3月期のセグメント別売上高構成比は軽金属・銅製品43%、電子・機能材35%、非鉄原料16%、建設・産業資材6%、経常利益構成比(連結調整前)は軽金属・銅製品60%、電子・機能材35%、非鉄原料1%、建設・産業資材4%だった。

 なお17年3月期からセグメント区分を変更し、新セグメントは商社流通(電子機能材事業、アルミ銅事業)および製造(装置材料事業、金属加工事業)とした。製造業の利益が連結業績の過半を占めるようになったため、流通を手掛ける連結子会社は商社流通、製造を手掛ける連結子会社は製造に再編する。

■M&Aを積極活用して業容拡大

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化、14年11月アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が稲田商会の銅リサイクル事業(稲田銅センター)を譲り受けた。

 15年7月中間持株会社アルコニックス・トーカイが溶接材料製造ならびに溶射加工事業の東海溶業を子会社化、15年10月非鉄金属専門商社の平和金属を子会社化、16年2月中間持株会社アルコニックス・エムティが金属製品非破壊検査(表面探傷検査)および金属マーキングの国内トップ企業であるマークテックを子会社化した。

■非鉄金属市況などが影響するが、M&A効果で収益拡大基調

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期484億04百万円、第2四半期485億96百万円、第3四半期546億06百万円、第4四半期499億37百万円、経常利益が17億13百万円、13億95百万円、13億02百万円、7億95百万円で、16年3月期は売上高が529億30百万円、482億55百万円、524億29百万円、481億41百万円、経常利益が12億71百万円、10億43百万円、10億34百万円、6億85百万円だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aが寄与して収益拡大基調である。16年3月期は15年3月期比増収、営業減益、経常減益、最終増益だった。スマホ・タブレット端末の高機能機種向け電子材料や、船舶・発電設備向け熱交換器用チタン展伸材の輸出などが伸長し、第3四半期から新規連結した平和金属も貢献して増収だが、非鉄原料やレアメタル・レアアースの市況低迷、販管費の増加などで営業減益、ケイ・マックの負ののれん発生益一巡で経常減益だった。純利益は平和金属の負ののれん発生益が寄与して大幅増益だった。

 16年3月期の売上総利益は同0.8%増加し、売上総利益率は6.0%で同横ばいだった。販管費は同11.8%増加し、販管費比率は4.2%で同0.5ポイント上昇した。営業外では受取配当金が増加し、為替差損益が改善したが、持分法投資利益が減少し、ケイ・マックを持分法適用関連会社化したことに伴う負ののれん発生益が一巡した。

 特別利益には平和金属の株式取得に伴う負ののれん発生益を計上した。ROEは17.8%で同2.9ポイント上昇、自己資本比率は26.8%で同2.5ポイント低下した。NET/DERは0.6倍(15年3月期は0.7倍)だった。配当は同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で配当性向は11.4%だった。利益配分については将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としている。

 セグメント別動向を見ると、軽金属・銅製品は売上高が同14.8%増の870億20百万円、経常利益は同14.3%減の25億73百万円だった。平和金属のCAN材や伸銅品が加わり、大羽精研も貢献したが、ケイ・マックの負ののれん発生益が一巡した。電子・機能材は売上高が同7.3%減の697億77百万円、経常利益は同13.6%減の14億98百万円だった。スマホ・タブレット端末の高機能機種向け電子材料などが伸長したが、レアメタル・レアアースが減収となり、めっき材料の価格下落も影響した。

 非鉄原料は売上高が同10.6%減の325億32百万円となり、経常利益が同81.7%減の49百万円だった。アルミ再生塊などが減少し、アルミ銅センターの不振も影響した。建設・産業資材は売上高が同11.5%減の124億26百万円、経常利益が同19.7%減の1億66百万円だった。東海溶業が貢献したが、国内配管機材が減少した。

■17年3月期第1四半期は営業減益

 8月4日発表の今期(17年3月期)第1四半期(4〜6月)連結業績は、売上高が前年同期比9.7%減の477億93百万円、営業利益が同27.5%減の8億93百万円、経常利益が同14.8%減の10億83百万円、純利益が同5.1%増の8億30百万円だった。商社流通関連の非鉄原料やレアメタル・レアアースの数量減少および価格下落、さらに円高影響などで減収、営業減益、経常減益だった。前期連結した平和金属や東海溶業は貢献したが、マークテックは主要需要先の鉄鋼業界における設備投資先送りの影響や中国現法の業績低迷で経常赤字だった。純利益は税金費用の減少で増益だった。

 売上総利益は同10.6%増加し、売上総利益率は7.4%で同1.4ポイント上昇した。販管費は同34.6%増加し、販管費比率は5.5%で同1.8ポイント上昇した。営業外では受取配当金が増加(前期46百万円、今期1億20百万円)、為替差損益が改善(前期差損31百万円、今期差益38百万円)、持分法投資利益が増加(前期52百万円、今期90百万円)した。自己資本比率は27.7%で同1.0ポイント上昇した。NET/DERは0.7倍で1.0倍以下を維持した。

 セグメント別(連結調整前)動向を見ると、商社流通の電子機能材料は売上高が同21.1%減の118億57百万円で経常利益が同25.9%減の2億96百万円だった。スマホ・タブレット端末向け部材、太陽光発電部材、チタン・ニッケル製品輸出、レアメタル・レアアースなどが低調だった。商社流通のアルミ銅事業は売上高が同8.9%減の295億84百万円で経常利益が同33.4%減の1億80百万円だった。平和金属が貢献したが、自動車向けアルミ板材など一部を除いて需要が低調だった。

 製造の装置材料事業は売上高が同29.6%増の39億46百万円で経常利益が36百万円の赤字(前年同期は17百万円の赤字)だった。米ユニバーティカル社がのれん償却後で黒字化し、東海溶業も貢献した。マークテックはのれん償却後で経常赤字だった。製造の金属加工事業は売上高が同1.0%増の24億04百万円で経常利益が同5.3%増の6億53百万円だった。大羽精研はチップマウンター用研削加工部品などが好調だった。大川電機製作所は短納期対応が収益を圧迫した。なお持分法適用関連会社3社の持分法投資利益が増益に寄与した。

■17年3月期通期はM&A効果で2桁営業増益予想

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想(5月13日公表)は、売上高が前期(16年3月期)比9.0%増の2200億円、営業利益が同12.1%増の42億50百万円、経常利益が同2.8%増の44億円、純利益が同37.7%減の31億円としている。純利益は平和金属の負ののれん発生益が一巡して減益予想である。配当予想は前期と同額の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で、予想配当性向は18.3%となる。

 中国の景気減速やスマホ・タブレット端末の成長鈍化などで国内外の生産、輸出が停滞し、レアメタル・レアアースの市況低迷も続くが、M&Aによる新規連結会社の通期寄与(平和金属、東海溶業、マークテック)などで増収、営業増益、経常増益見込みである。純利益は平和金属の株式取得に伴うのれん発生益が一巡して減益見込みである。売上総利益は同23.1%増の150億円、売上総利益率は同0.8ポイント上昇の6.8%、販管費は同28.1%増の107億50百万円、販管費比率は同0.7ポイント上昇の4.9%の計画としている。

 セグメント別の計画を見ると、商社流通の電子機能材料は売上高が同27.5%増の730億円で経常利益が同21.0%減の13億円、商社流通のアルミ銅事業は売上高が同3.0%減の1190億円で経常利益が同4.7%増の7億50百万円、製造の装置材料事業は売上高が同45.6%増の190億円で経常利益が5億円(前期は96百万円の赤字)、製造の金属加工事業は売上高が同2.9%増の90億円で経常利益が同8.7%減の18億50百万円としている。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が21.7%、営業利益が21.0%、経常利益が24.6%、純利益が26.8%と概ね順調な水準である。通期ベースで好業績が期待される。

■新中期経営計画で19年3月期ROE13〜15%程度目標

 16年5月策定の新中期経営計画(17年3月期〜19年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値として19年3月期の経常利益65億円超、純利益46億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に200億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、営業収益力の強化と投資案件の推進を掲げている。

 営業収益力の強化では、電子材料分野における原料(レアメタル・レアアース)から製品(電子材料・機能材料)までを網羅したビジネスモデルの展開、環境対応関連分野における省エネ・環境対応素材からリサイクル事業までの幅広い事業展開、そして海外事業展開(地場取引の拡大、三国間ビジネスの拡大、海外ネットワーク充実に向けた拠点拡大)を推進する。

 投資案件の推進では、短期間での業容拡大に有効なM&A、新たな商流を創出するための金属加工・販売事業等への事業投資、およびリサイクルを含む資源確保のための投資を重点施策として推進する。積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡、指標面の割安感を見直し

 株価の動きを見ると、8月4日に第1四半期の営業減益を嫌気する形で1250円まで調整する場面があったが、2月の年初来安値1050円まで下押すことなく切り返しの動きを強めている。8月26日には1339円まで上伸した。調整が一巡したようだ。

 8月26日の終値1328円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS240円67銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は3.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2311円32銭で算出)は0.6倍近辺である。なお時価総額は約171億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、指標面の割安感を見直す動きが強まりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[7月29日更新]

アルコニックスは調整一巡して出直り期待、17年3月期2桁営業増益予想で指標面に割安感

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指してM&A戦略も積極活用している。17年3月期は負ののれん発生益が一巡して最終減益だが、積極的なM&A戦略が奏功して2桁営業増益予想である。株価は安値圏モミ合い展開だが指標面の割安感は強い。調整一巡して出直り展開が期待される。なお8月4日に第1四半期業績発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィン材など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社である。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 16年3月期のセグメント別売上高構成比は軽金属・銅製品43%、電子・機能材35%、非鉄原料16%、建設・産業資材6%、経常利益構成比(連結調整前)は軽金属・銅製品60%、電子・機能材35%、非鉄原料1%、建設・産業資材4%だった。

 なお17年3月期からセグメント区分を変更し、新セグメントは商社・流通(電子・機能材、アルミ・銅)および製造(金属加工、装置・材料)とする。製造業の利益が連結業績の過半を占めるようになったため、流通を手掛ける連結子会社は商社流通、製造を手掛ける連結子会社は製造に再編する。

■M&Aを積極活用して業容拡大

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化、14年11月アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が稲田商会の銅リサイクル事業(稲田銅センター)を譲り受けた。

 15年7月中間持株会社アルコニックス・トーカイが溶接材料製造ならびに溶射加工事業の東海溶業を子会社化、15年10月非鉄金属専門商社の平和金属を子会社化、16年2月中間持株会社アルコニックス・エムティが金属製品非破壊検査(表面探傷検査)および金属マーキングの国内トップ企業であるマークテックを子会社化した。

■非鉄金属市況などが影響するが、M&A効果で収益拡大基調

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期484億04百万円、第2四半期485億96百万円、第3四半期546億06百万円、第4四半期499億37百万円、経常利益が17億13百万円、13億95百万円、13億02百万円、7億95百万円で、16年3月期は売上高が529億30百万円、482億55百万円、524億29百万円、481億41百万円、経常利益が12億71百万円、10億43百万円、10億34百万円、6億85百万円だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aが寄与して収益拡大基調である。16年3月期は15年3月期比増収、営業減益、経常減益、最終増益だった。スマホ・タブレット端末の高機能機種向け電子材料や、船舶・発電設備向け熱交換器用チタン展伸材の輸出などが伸長し、第3四半期から新規連結した平和金属も貢献して増収だが、非鉄原料やレアメタル・レアアースの市況低迷、販管費の増加などで営業減益、ケイ・マックの負ののれん発生益一巡で経常減益だった。純利益は平和金属の負ののれん発生益が寄与して大幅増益だった。

 16年3月期の売上総利益は同0.8%増加し、売上総利益率は6.0%で同横ばいだった。販管費は同11.8%増加し、販管費比率は4.2%で同0.5ポイント上昇した。営業外では受取配当金が増加し、為替差損益が改善したが、持分法投資利益が減少し、ケイ・マックを持分法適用関連会社化したことに伴う負ののれん発生益が一巡した。

 特別利益には平和金属の株式取得に伴う負ののれん発生益を計上した。ROEは17.8%で同2.9ポイント上昇、自己資本比率は26.8%で同2.5ポイント低下した。NET/DERは0.6倍(15年3月期は0.7倍)だった。配当は同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で配当性向は11.4%だった。利益配分については将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としている。

 セグメント別動向を見ると、軽金属・銅製品は売上高が同14.8%増の870億20百万円、経常利益は同14.3%減の25億73百万円だった。業務用空調向け銅管などが伸長し、平和金属のCAN材や伸銅品が加わり、さらに大羽精研も貢献したが、ケイ・マックの負ののれん発生益が一巡して減益だった。電子・機能材は売上高が同7.3%減の697億77百万円、経常利益は同13.6%減の14億98百万円だった。スマホ・タブレット端末の高機能機種向け電子材料、チタン展伸材の輸出取引が伸長したが、レアメタル・レアアースが減収となり、めっき材料の価格下落も影響した。

 非鉄原料は売上高が同10.6%減の325億32百万円となり、経常利益が同81.7%減の49百万円だった。アルミ再生塊や金属珪素の取り扱いが減少し、アルミ・銅スクラップを取り扱うアルミ銅センターの不振も影響した。建設・産業資材は売上高が同11.5%減の124億26百万円、経常利益が同19.7%減の1億66百万円だった。東海溶業が貢献したが、国内配管機材の取り扱いが減少した。

■17年3月期は負ののれん発生益一巡で最終減益だが、2桁営業増益予想

 今期(17年3月期)の連結業績予想(5月13日公表)については、売上高が前期(16年3月期)比9.0%増の2200億円で、営業利益が同12.1%増の42億50百万円、経常利益が同2.8%増の44億円、純利益が同37.7%減の31億円としている。純利益は平和金属の負ののれん発生益が一巡して減益予想である。配当予想は前期と同額の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で、予想配当性向は18.3%となる。

 非鉄の需要・市況とも急回復は見込めない状況だが、平和金属および東海溶業の通期連結やマークテックの新規連結が貢献し、半導体実装機用部品を手掛ける国内製造子会社の業績が好調に推移して増収、2桁営業増益予想としている。売上総利益は同23.2%増の150億円、売上総利益率は同0.8ポイント上昇の6.8%、販管費は同28.2%増の107億50百万円、販管費比率は同0.7ポイント上昇の4.9%の計画としている。

 なおセグメント別(旧セグメントベース)の計画については、軽金属・銅製品の売上高が同11.5%増の970億円で経常利益が同2.8%減の25億円、電子・機能材料の売上高が同26.1%増の880億円で経常利益が同6.8%増の16億円、非鉄原料の売上高が同29.3%減の230億円で経常利益が同2.0倍の1億円、建設・産業資材の売上高が同3.4%減の120億円で経常利益が同20.4%増の2億円としている。

 軽金属・銅製品は平和金属の通期連結で大幅増収だが、アルミ・銅の市況低迷で減益見込みとしている。電子・機能材は米ユニバーティカル社の業績回復やマークテックの新規連結で増収増益見込みとしている。非鉄原料はアルミ再生塊の頭打ちやアルミ銅センターのスクラップ取り扱い減少で減収だが、市況下落のマイナス要因が一巡して増益見込みとしている。建設・産業資材は国内向け配管機材の取り扱いが減少するが、東海溶業の通期連結や配管機材の海外取引増加で増益見込みとしている。

■新中期経営計画で19年3月期ROE13〜15%程度目標

 16年5月策定の新中期経営計画(17年3月期〜19年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値として19年3月期の経常利益65億円超、純利益46億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に200億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、営業収益力の強化と投資案件の推進を掲げている。

 営業収益力の強化では、電子材料分野における原料(レアメタル・レアアース)から製品(電子材料・機能材料)までを網羅したビジネスモデルの展開、環境対応関連分野における省エネ・環境対応素材からリサイクル事業までの幅広い事業展開、そして海外事業展開(地場取引の拡大、三国間ビジネスの拡大、海外ネットワーク充実に向けた拠点拡大)を推進する。

 投資案件の推進では、短期間での業容拡大に有効なM&A、新たな商流を創出するための金属加工・販売事業等への事業投資、およびリサイクルを含む資源確保のための投資を重点施策として推進する。積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡して出直り期待

 株価の動きを見ると、安値圏1400円〜1600円近辺でモミ合う展開だ。ただし2月の年初来安値1050円まで下押す動きは見られない。

 7月28日の終値1437円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS240円77銭で算出)は6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は3.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2311円32銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約185億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが指標面の割安感は強い。調整一巡して出直り展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[7月12日更新]

アルコニックスは調整一巡して戻り試す、17年3月期2桁営業増益予想で指標面に割安感

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指してM&A戦略も積極活用している。17年3月期は負ののれん発生益が一巡して最終減益だが、積極的なM&A戦略が奏功して2桁営業増益予想である。株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、指標面の割安感は強く、調整一巡して戻りを試す展開だろう。なお8月4日に第1四半期の業績発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィン材など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社である。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 16年3月期のセグメント別売上高構成比は軽金属・銅製品43.1%、電子・機能材34.6%、非鉄原料16.1%、建設・産業資材6.2%で、経常利益構成比(連結調整前)は軽金属・銅製品60.1%、電子・機能材35.0%、非鉄原料1.2%、建設・産業資材3.9%だった。

 なお17年3月期からセグメント区分を変更し、新セグメントは商社・流通(電子・機能材、アルミ・銅)および製造(金属加工、装置・材料)とする。製造業の利益が連結業績の過半を占めるようになったため、流通を手掛ける連結子会社は商社流通、製造を手掛ける連結子会社は製造に再編する。

■M&Aを積極活用して業容拡大

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化、14年11月アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が稲田商会の銅リサイクル事業(稲田銅センター)を譲り受けた。

 15年7月中間持株会社アルコニックス・トーカイが溶接材料製造ならびに溶射加工事業の東海溶業を子会社化、15年10月非鉄金属専門商社の平和金属を子会社化、16年2月中間持株会社アルコニックス・エムティが金属製品非破壊検査(表面探傷検査)および金属マーキングの国内トップ企業であるマークテックを子会社化した。

■収益は非鉄金属の市況が影響するが積極的なM&A効果も寄与

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期484億04百万円、第2四半期485億96百万円、第3四半期546億06百万円、第4四半期499億37百万円、経常利益が17億13百万円、13億95百万円、13億02百万円、7億95百万円で、16年3月期は売上高が529億30百万円、482億55百万円、524億29百万円、481億41百万円、経常利益が12億71百万円、10億43百万円、10億34百万円、6億85百万円だった。


 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aの効果も寄与して収益拡大基調である。

 16年3月期の売上総利益は同0.8%増加し、売上総利益率は6.0%で同横ばいだった。販管費は同11.8%増加し、販管費比率は4.2%で同0.5ポイント上昇した。営業外では受取配当金が増加し、為替差損益が改善したが、持分法投資利益が減少し、ケイ・マックを持分法適用関連会社化したことに伴う負ののれん発生益が一巡した。

 特別利益には平和金属の株式取得に伴う負ののれん発生益を計上した。ROEは17.8%で同2.9ポイント上昇、自己資本比率は26.8%で同2.5ポイント低下した。NET/DERは0.6倍(15年3月期は0.7倍)だった。配当は同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で配当性向は11.4%だった。利益配分については将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としている。

■16年3月期は負ののれん発生益で最終増益

 16年3月期連結業績は15年3月期比0.1%増収、同17.3%営業減益、同17.8%経常減益、同42.0%最終増益だった。スマホ・タブレット端末の高機能機種向け電子材料や、船舶・発電設備向け熱交換器用チタン展伸材の輸出などが伸長し、第3四半期から新規連結した平和金属も貢献して増収だが、非鉄原料やレアメタル・レアアースの市況低迷、販管費の増加で営業減益、ケイ・マックの負ののれん発生益一巡で経常減益だった。純利益は平和金属の負ののれん発生益が寄与して大幅増益だった。

 セグメント別動向を見ると、軽金属・銅製品は売上高が同14.8%増の870億20百万円、経常利益は同14.3%減の25億73百万円だった。業務用空調向け銅管などが伸長し、平和金属のCAN材や伸銅品が加わり、さらに大羽精研も貢献したが、ケイ・マックの負ののれん発生益が一巡して減益だった。電子・機能材は売上高が同7.3%減の697億77百万円、経常利益は同13.6%減の14億98百万円だった。スマホ・タブレット端末の高機能機種向け電子材料、チタン展伸材の輸出取引が伸長したが、レアメタル・レアアースが減収となり、めっき材料の価格下落も影響した。

 非鉄原料は売上高が同10.6%減の325億32百万円となり、経常利益が同81.7%減の49百万円だった。アルミ再生塊や金属珪素の取り扱いが減少し、アルミ・銅スクラップを取り扱うアルミ銅センターの不振も影響した。建設・産業資材は売上高が同11.5%減の124億26百万円、経常利益が同19.7%減の1億66百万円だった。東海溶業が貢献したが、国内配管機材の取り扱いが減少した。

■17年3月期は負ののれん発生益一巡で最終減益だが、2桁営業増益予想

 今期(17年3月期)の連結業績予想(5月13日公表)については、売上高が前期(16年3月期)比9.0%増の2200億円で、営業利益が同12.1%増の42億50百万円、経常利益が同2.8%増の44億円、純利益が同37.7%減の31億円としている。純利益は平和金属の負ののれん発生益が一巡して減益予想である。配当予想は前期と同額の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で、予想配当性向は18.3%となる。

 非鉄の需要・市況とも急回復は見込めない状況だが、平和金属および東海溶業の通期連結やマークテックの新規連結が貢献し、半導体実装機用部品を手掛ける国内製造子会社の業績が好調に推移して増収、2桁営業増益予想としている。売上総利益は同23.2%増の150億円、売上総利益率は同0.8ポイント上昇の6.8%、販管費は同28.2%増の107億50百万円、販管費比率は同0.7ポイント上昇の4.9%の計画としている。

 なおセグメント別(旧セグメントベース)の計画については、軽金属・銅製品の売上高が同11.5%増の970億円で経常利益が同2.8%減の25億円、電子・機能材料の売上高が同26.1%増の880億円で経常利益が同6.8%増の16億円、非鉄原料の売上高が同29.3%減の230億円で経常利益が同2.0倍の1億円、建設・産業資材の売上高が同3.4%減の120億円で経常利益が同20.4%増の2億円としている。

 軽金属・銅製品は平和金属の通期連結で大幅増収だが、アルミ・銅の市況低迷で減益見込みとしている。電子・機能材は米ユニバーティカル社の業績回復やマークテックの新規連結で増収増益見込みとしている。非鉄原料はアルミ再生塊の頭打ちやアルミ銅センターのスクラップ取り扱い減少で減収だが、市況下落のマイナス要因が一巡して増益見込みとしている。建設・産業資材は国内向け配管機材の取り扱いが減少するが、東海溶業の通期連結や配管機材の海外取引増加で増益見込みとしている。

■新中期経営計画で19年3月期ROE13〜15%程度目標

 16年5月策定の新中期経営計画(17年3月期〜19年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値として19年3月期の経常利益65億円超、純利益46億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に200億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、営業収益力の強化と投資案件の推進を掲げている。

 営業収益力の強化では、電子材料分野における原料(レアメタル・レアアース)から製品(電子材料・機能材料)までを網羅したビジネスモデルの展開、環境対応関連分野における省エネ・環境対応素材からリサイクル事業までの幅広い事業展開、そして海外事業展開(地場取引の拡大、三国間ビジネスの拡大、海外ネットワーク充実に向けた拠点拡大)を推進する。

 投資案件の推進では、短期間での業容拡大に有効なM&A、新たな商流を創出するための金属加工・販売事業等への事業投資、およびリサイクルを含む資源確保のための投資を重点施策として推進する。積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡して戻り試す

 株価の動きを見ると、4月の戻り高値圏1600円台から地合い悪化も影響して水準を1400円台に切り下げた。ただし2月の年初来安値1050円まで下押す動きは見られない。

 7月7日の終値1450円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS240円77銭で算出)は6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は3.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2311円32銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約187億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線を割り込んだが、指標面の割安感は強く、調整一巡して戻りを試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[6月14日更新]

アルコニックスは17年3月期増収・2桁営業増益予想で指標面に割安感

 アルコニックス<3036>(東1)は、商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指してM&A戦略も積極活用している。17年3月期は負ののれん発生益が一巡して純利益が減益だが、積極的なM&A戦略が奏功して増収・2桁営業増益予想である。株価は年初来高値圏でモミ合う形だ。指標面の割安感は強く、調整が一巡して上値を試す展開だろう。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィン材など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社である。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 16年3月期の報告セグメント別売上構成比は軽金属・銅製品43.1%、電子・機能材34.6%、非鉄原料16.1%、建設・産業資材6.2%で、経常利益構成比(連結調整前)は軽金属・銅製品60.1%、電子・機能材35.0%、非鉄原料1.2%、建設・産業資材3.9%だった。

 なお17年3月期から報告セグメント区分を変更し、新セグメントは商社・流通(電子・機能材、アルミ・銅)および製造(金属加工、装置・材料)とする。製造業の利益が連結業績の過半を占めるようになったため、流通を手掛ける連結子会社は商社流通、製造を手掛ける連結子会社は製造に再編する。

■M&Aを積極活用して業容拡大

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化、14年11月子会社アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が稲田商会(福岡県北九州市)の銅リサイクル事業(稲田銅センター)を譲り受けた。

 15年7月には、100%出資で設立した中間持株会社アルコニックス・トーカイが、東海溶業(愛知県豊田市)の全株式を取得して子会社化した。東海溶業は溶接材料の製造ならびに溶射加工事業を展開し、金型用肉盛溶材および溶射加工において業界で高い地位を確保している。また国内主要自動車メーカーを筆頭に優良大手企業を取引先として安定した収益基盤を確立している。当社グループの製造・加工分野に溶接・溶射加工という新たな事業基盤が加わった。

 15年10月には非鉄金属専門商社の平和金属(大阪市)の株式を取得して連結子会社化(所有割合78.35%)した。株式取得時期が当初予定より遅れたが16年3月期第3四半期(10月〜12月)から連結対象とした。同社は大手高炉メーカーの指定代理店で、国内の大手空調機器や自動車メーカーなどの優良顧客を持ち、グループに製造子会社も有している。

 16年2月には、100%出資の中間持株会社アルコニックス・エムティが、金属製品の非破壊検査(表面探傷検査)および金属マーキングの国内トップ企業であるマークテック(東京都)の全株式を取得して子会社化した。17年3月期から収益寄与する。

■収益は非鉄金属の市況が影響するが積極的なM&A効果も寄与

 15年3月期四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)484億04百万円、第2四半期(7月〜9月)485億96百万円、第3四半期(10月〜12月)546億06百万円、第4四半期(1月〜3月)499億37百万円で、経常利益は第1四半期17億13百万円、第2四半期13億95百万円、第3四半期13億02百万円、第4四半期7億95百万円だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aの効果も寄与して収益拡大基調である。15年3月期の売上総利益率は6.0%で14年3月期比横ばい、販管費比率は3.7%で同横ばい、ROEは14.9%で同2.5ポイント低下、自己資本比率は29.3%で同5.0ポイント上昇した。配当性向は14.6%だった。利益配分については将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としている。

■16年3月期は負ののれん発生益で最終増益

 前期(16年3月期)連結業績は、売上高が前々期(15年3月期)比0.1%増の2017億55百万円、営業利益が同17.3%減の37億92百万円、経常利益が同17.8%減の42億81百万円、純利益が同42.0%増の49億77百万円だった。

 スマホ・タブレット端末の高機能機種向け電子材料や、船舶・発電設備向け熱交換器用チタン展伸材の輸出などが伸長し、第3四半期から新規連結した平和金属も貢献して増収を確保したが、中国経済減速の影響で需要が弱含み、非鉄原料やレアメタル・レアアースの市況が低迷した。販管費も増加して営業減益だった。さらにケイ・マックの負ののれん発生益が一巡して経常減益だった。純利益は平和金属の負ののれん発生益が寄与して大幅増益だった。

 売上総利益は同0.8%増加し、売上総利益率は6.0%で同横ばいだった。販管費は同11.8%増加し、販管費比率は4.2%で同0.5ポイント上昇した。営業外収益では、持分法投資利益が減少(前々期9億73百万円計上、前期3億44百万円計上)した。ケイ・マックを持分法適用関連会社化したことに伴う負ののれん発生益が一巡した。受取配当金は増加(前々期1億02百万円計上、前期2億13百万円計上)した。また為替差損益が改善(前々期は差損3億70百万円計上、前期は差益81百万円計上)した。

 特別利益には平和金属の株式取得に伴う負ののれん発生益19億75百万円を計上した。ROEは17.8%で同2.9ポイント上昇、自己資本比率は26.8%で同2.5ポイント低下した。またNET/DERは0.6倍(前々期は0.7倍)だった。配当は同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)とした。配当性向は11.4%である。

 セグメント別動向を見ると、軽金属・銅製品は売上高が同14.8%増の870億20百万円、経常利益は同14.3%減の25億73百万円だった。業務用空調向け銅管などが伸長し、平和金属のCAN材や伸銅品が加わり、さらに大羽精研も貢献したが、ケイ・マックの負ののれん発生益が一巡して減益だった。電子・機能材は売上高が同7.3%減の697億77百万円、経常利益は同13.6%減の14億98百万円だった。スマホ・タブレット端末の高機能機種向け電子材料、チタン展伸材の輸出取引が伸長したが、レアメタル・レアアースが減収となり、めっき材料の価格下落も影響した。

 非鉄原料は売上高が同10.6%減の325億32百万円となり、経常利益が同81.7%減の49百万円だった。アルミ再生塊や金属珪素の取り扱いが減少し、アルミ・銅スクラップを取り扱うアルミ銅センターの不振も影響した。建設・産業資材は売上高が同11.5%減の124億26百万円、経常利益が同19.7%減の1億66百万円だった。東海溶業が貢献したが、国内配管機材の取り扱いが減少した。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)529億30百万円、第2四半期(7月〜9月)482億55百万円、第3四半期(10月〜12月)524億29百万円、第4四半期(1月〜3月)481億41百万円で、経常利益は第1四半期12億71百万円、第2四半期10億43百万円、第3四半期10億34百万円、第4四半期6億85百万円だった。

■17年3月期は負ののれん発生益一巡で最終減益だが、2桁営業増益予想

 今期(17年3月期)の連結業績予想(5月13日公表)については、売上高が前期(16年3月期)比9.0%増の2200億円で、営業利益が同12.1%増の42億50百万円、経常利益が同2.8%増の44億円、純利益が同37.7%減の31億円としている。純利益は平和金属の負ののれん発生益が一巡して減益予想である。配当予想は前期と同額の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で、予想配当性向は18.3%となる。

 中国経済減速などの影響で、非鉄需要・市況とも急回復は見込めない状況が続くが、平和金属および東海溶業の通期連結やマークテックの新規連結が貢献し、さらに半導体実装機用部品を手掛ける国内製造子会社の業績が好調に推移して増収、2桁営業増益予想としている。売上総利益は同23.2%増の150億円、売上総利益率は同0.8ポイント上昇の6.8%、販管費は同28.2%増の107億50百万円、販管費比率は同0.7ポイント上昇の4.9%の計画としている。

 なおセグメント別(旧セグメントベース)の計画については、軽金属・銅製品の売上高が同11.5%増の970億円で経常利益が同2.8%減の25億円、電子・機能材料の売上高が同26.1%増の880億円で経常利益が同6.8%増の16億円、非鉄原料の売上高が同29.3%減の230億円で経常利益が同2.0倍の1億円、建設・産業資材の売上高が同3.4%減の120億円で経常利益が同20.4%増の2億円としている。

 軽金属・銅製品は、平和金属の通期連結で大幅増収だが、アルミ・銅関連の市況低迷の影響で減益見込みとしている。電子・機能材は、米ユニバーティカル社の業績回復、およびマークテックの新規連結が寄与して増収増益見込みとしている。非鉄原料は、アルミ再生塊の頭打ち、およびアルミ銅センターのスクラップ取り扱い減少で大幅減収だが、前期の市況下落のマイナス要因が一巡して増益見込みとしている。建設・産業資材は、国内向け配管機材の取り扱い減少で減収だが、増益東海溶業の通期連結、および配管機材の海外取引増加で増益見込みとしている。

■新中期経営計画で19年3月期ROE13〜15%程度目標

 16年5月策定の新中期経営計画(17年3月期〜19年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値として19年3月期の経常利益65億円超、純利益46億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に200億円の計画としている。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、営業収益力の強化と投資案件の推進を掲げている。

 営業収益力の強化では、電子材料分野における原料(レアメタル・レアアース)から製品(電子材料・機能材料)までを網羅したビジネスモデルの展開、環境対応関連分野における省エネ・環境対応素材からリサイクル事業までの幅広い事業展開、そして海外事業展開(地場取引の拡大、三国間ビジネスの拡大、海外ネットワーク充実に向けた拠点拡大)を推進する。

 投資案件の推進では、短期間での業容拡大に有効なM&A、新たな商流を創出するための金属加工・販売事業等への事業投資、およびリサイクルを含む資源確保のための投資を重点施策として推進する。

 積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡して上値試す

 株価の動きを見ると、4月の戻り高値1665円で3月の年初来高値1670円を抜けずに反落したが、大きく下押すことなく年初来高値圏1500円〜1600円近辺でモミ合う形だ。自律調整の範囲だろう。

 6月10日の終値1540円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS240円77銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2311円32銭で算出)は0.7倍近辺である。なお時価総額は約198億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートして下値を切り上げている。指標面の割安感は強く、調整が一巡して上値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月13日更新]

アルコニックスは自律調整一巡して戻り試す、17年3月期増収増益基調期待

 アルコニックス<3036>(東1)は、商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指してM&A戦略も積極活用している。16年3月期の純利益は子会社化した平和金属の負ののれん発生益を計上して大幅増益予想である。そして17年3月期も増収増益基調が期待される。株価は3月下旬の戻り高値圏から一旦反落したが、指標面の割安感は強い。自律調整が一巡して戻りを試す展開だろう。なお5月13日に16年3月期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィン材など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社である。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化、14年11月子会社アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が稲田商会(福岡県北九州市)の銅リサイクル事業(稲田銅センター)を譲り受けた。

 15年7月には、100%出資で設立した中間持株会社アルコニックス・トーカイが、東海溶業(愛知県豊田市)の全株式を取得して子会社化した。東海溶業は溶接材料の製造ならびに溶射加工事業を展開し、金型用肉盛溶材および溶射加工において業界で高い地位を確保している。また国内主要自動車メーカーを筆頭に優良大手企業を取引先として安定した収益基盤を確立している。当社グループの製造・加工分野に溶接・溶射加工という新たな事業基盤が加わった。

 15年10月には非鉄金属専門商社の平和金属(大阪市)の株式を取得して連結子会社化(所有割合78.35%)した。株式取得時期が当初予定より遅れたが16年3月期第3四半期(10月〜12月)から連結対象とした。同社は大手高炉メーカーの指定代理店で、国内の大手空調機器や自動車メーカーなどの優良顧客を持ち、グループに製造子会社も有している。

 16年2月には、100%出資の中間持株会社アルコニックス・エムティが、金属製品の非破壊検査(表面探傷検査)および金属マーキングの国内トップ企業であるマークテック(東京都)の全株式を取得して子会社化した。

■収益は非鉄金属の市況が影響するが積極的なM&A効果も寄与

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)484億04百万円、第2四半期(7月〜9月)485億96百万円、第3四半期(10月〜12月)546億06百万円、第4四半期(1月〜3月)499億37百万円で、経常利益は第1四半期17億13百万円、第2四半期13億95百万円、第3四半期13億02百万円、第4四半期7億95百万円だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aの効果も寄与して収益拡大基調である。15年3月期のROEは14.9%で14年3月期比2.5ポイント低下、自己資本比率は29.3%で同5.0ポイント上昇した。配当性向は14.6%だった。

■16年3月期第3四半期累計は負ののれん発生益で最終増益

 前期(16年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は、売上高が前年同期比1.3%増の1536億14百万円、営業利益が同18.4%減の31億07百万円、経常利益が同24.1%減の33億48百万円、純利益が同39.9%増の45億06百万円だった。

 レアメタル・レアアースの市況低迷などがマイナス要因だったが、自動車、空調機器、飲料缶、航空機、スマホ・タブレット端末関連などが堅調に推移し、第3四半期から新規連結した平和金属も寄与して増収となり、製造子会社の増益などで売上総利益は同2.8%増加した。ただし新規連結による陣容拡大や貸倒引当金戻入の減少などで販管費が増加したため営業減益だった。売上総利益率は6.0%で同0.1ポイント上昇、販管費比率は4.0%で同0.6ポイント上昇した。

 営業外収益では、持分法投資利益が減少(前期は9億28百万円計上、今期は2億49百万円計上)した。ケイ・マックを持分法適用関連会社化したことに伴う負ののれん発生益が一巡した。受取配当金は増加(前期は67百万円計上、今期は2億12百万円計上)した。営業外費用では為替差損が減少(前期は3億90百万円計上、今期は30百万円計上)した。また特別利益に平和金属の株式取得に伴う負ののれん発生益19億75百万円を計上して純利益は大幅増益だった。

 セグメント別(連結調整前)に見ると、軽金属・銅製品は同12.8%増収だったが、ケイ・マックの負ののれん発生益が一巡して経常利益は同24.3%減の20億43百万円だった。電子・機能材はスマホ・タブレット端末関連が伸長したが、太陽光発電関連部材の減少やレアメタル・レアアースの市況低迷などで同5.2%減収となり、経常利益は同10.1%減の11億54百万円だった。非鉄原料は中国経済の低迷の影響で同2.3%減収となり、経常利益は市況下落に伴う在庫評価損などで同84.8%減の43百万円だった。建設・産業資材は国内の配管機材などが低調で同9.9%減収となり、経常利益は同27.9%減の1億15百万円だった。

 なお四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)529億30百万円、第2四半期(7月〜9月)482億55百万円、第3四半期(10月〜12月)524億29百万円、経常利益は第1四半期12億71百万円、第2四半期10億43百万円、第3四半期10億34百万円だった。

■16年3月期通期は最終増益予想

 前期(16年3月期)通期の連結業績予想(11月6日に売上高、営業利益、経常利益を減額、純利益を増額修正)は、売上高が前々期(15年3月期)比2.2%増の2060億円、営業利益が同14.9%減の39億円、経常利益が同21.2%減の41億円、純利益が同36.9%増の48億円としている。純利益は平和金属の負ののれん発生益を計上して大幅増益予想だ。配当予想(5月15日公表)は同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で、予想配当性向は11.8%となる。

 セグメント別経常利益の計画は、軽金属・銅製品が同21.8%減の23億50百万円、電子・機能材料が同11.2%減の15億40百万円、非鉄原料が同88.8%減の30百万円、建設・産業資材が同13.0%減の1億80百万円としている。軽金属・銅製品は新規M&Aが寄与して増収を見込み、利益はケイ・マックの負ののれん発生益一巡の影響を除けば実質的に前期と同水準となる。建設・産業資材では新規連結の東海溶業が下期から本格寄与する。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.6%、営業利益が79.7%、経常利益が81.7%、純利益が93.9%と概ね順調な水準であり、通期増額余地もありそうだ。そして今期(17年3月期)も増収増益基調が期待される。

■新中期経営計画で18年3月期ROE13〜15%程度目標

 15年5月策定の新中期経営計画(16年3月期〜18年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値として18年3月期の経常利益65億円超、純利益43億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&Aを中心に200億円の計画としている。

 セグメント別には、軽金属・銅製品が売上高982億円、経常利益34億50百万円、電子・機能材が売上高1008億円、経常利益23億80百万円、非鉄原料が売上高360億円、経常利益3億10百万円、建設・産業資材が売上高180億円、経常利益3億60百万円としている。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、業容拡大に向けた川上・川中・川下等のM&A推進および新規事業投資案件の発掘推進、成長著しいレアメタルおよび電子・機能材料分野のさらなる強化、アルコニックスグループの商いの基盤をなすアルミ・銅分野の維持・拡大、環境問題に対応したリサイクル分野の強化、海外店ネットワークのさらなる充実による顧客ニーズ対応および地場取引・三国間取引の拡大に向けた商社機能の発揮としている。

 積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は自律調整一巡して戻り試す

 株価の動きを見ると、戻り歩調の展開で3月29日の戻り高値1670円まで上伸した。その後一旦反落したが1400円近辺から切り返す動きだ。自律調整が一巡したようだ。

 4月12日の終値1475円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS372円83銭で算出)は4倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は3.0%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS2053円83銭で算出)は0.7倍近辺である。時価総額は約190億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、13週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。サポートラインを確認した形だろう。指標面の割安感は強く、自律調整が一巡して戻りを試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月22日更新]

アルコニックスは調整一巡して戻り歩調、16年3月期増配予想で指標面に割安感

 アルコニックス<3036>(東1)は、商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指してM&A戦略も積極活用している。16年3月期の純利益は子会社化した平和金属の負ののれん発生益を計上して大幅増益予想である。株価は調整一巡して戻り歩調だ。そして15年6月の昨年来高値から2月の昨年来安値までの下落幅の半値戻しを達成した。16年3月期増配予想や指標面の割安感を見直して昨年来高値を目指す展開だろう。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィン材など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社である。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化、14年11月子会社アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が稲田商会(福岡県北九州市)の銅リサイクル事業(稲田銅センター)を譲り受けた。

 15年7月には当社100%出資の中間持株会社アルコニックス・トーカイを設立し、アルコニックス・トーカイが東海溶業(愛知県豊田市)の全株式を取得して子会社化した。東海溶業は溶接材料の製造ならびに溶射加工事業を展開し、金型用肉盛溶材および溶射加工において業界で高い地位を確保している。また国内主要自動車メーカーを筆頭に優良大手企業を取引先として安定した収益基盤を確立している。当社グループの製造・加工分野に溶接・溶射加工という新たな事業基盤が加わった。

 15年10月には非鉄金属専門商社の平和金属(大阪市)の株式を取得して連結子会社化(所有割合78.35%)した。株式取得時期が当初予定より遅れたが、16年3月期第3四半期(10月〜12月)から連結対象とした。同社は大手高炉メーカーの指定代理店で、国内の大手空調機器や自動車メーカーなどの優良顧客を持ち、グループに製造子会社も有している。

 16年2月には、金属製品の非破壊検査(表面探傷検査)および金属マーキングの国内トップ企業であるマークテック(東京都)の全株式を取得した。株式取得スキームは、当社100%出資の中間持株会社アルコニックス・エムティがマークテック株式を取得して連結子会社化した。

■収益は非鉄金属の市況が影響するが積極的なM&A効果も寄与

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)484億04百万円、第2四半期(7月〜9月)485億96百万円、第3四半期(10月〜12月)546億06百万円、第4四半期(1月〜3月)499億37百万円で、経常利益は第1四半期17億13百万円、第2四半期13億95百万円、第3四半期13億02百万円、第4四半期7億95百万円だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aの効果も寄与して収益拡大基調である。15年3月期のROEは14.9%で14年3月期比2.5ポイント低下、自己資本比率は29.3%で同5.0ポイント上昇した。配当性向は14.6%だった。

■16年3月期第3四半期累計は負ののれん発生益で最終増益

 今期(16年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は、売上高が前年同期比1.3%増の1536億14百万円、営業利益が同18.4%減の31億07百万円、経常利益が同24.1%減の33億48百万円、純利益が同39.9%増の45億06百万円だった。

 レアメタル・レアアースの市況低迷などがマイナス要因だったが、自動車、空調機器、飲料缶、航空機、スマホ・タブレット端末関連などが堅調に推移し、第3四半期から新規連結した平和金属も寄与して増収となり、製造子会社の増益などで売上総利益は同2.8%増加した。ただし新規連結による陣容拡大や貸倒引当金戻入の減少などで販管費が増加したため営業減益だった。売上総利益率は6.0%で同0.1ポイント上昇、販管費比率は4.0%で同0.6ポイント上昇した。

 営業外収益では、持分法投資利益が減少(前期は9億28百万円計上、今期は2億49百万円計上)した。ケイ・マックを持分法適用関連会社化したことに伴う負ののれん発生益が一巡した。受取配当金は増加(前期は67百万円計上、今期は2億12百万円計上)した。営業外費用では為替差損が減少(前期は3億90百万円計上、今期は30百万円計上)した。また特別利益に平和金属の株式取得に伴う負ののれん発生益19億75百万円を計上して純利益は大幅増益だった。

 セグメント別(連結調整前)に見ると、軽金属・銅製品は同12.8%増収だったが、ケイ・マックの負ののれん発生益が一巡して経常利益は同24.3%減の20億43百万円だった。電子・機能材はスマホ・タブレット端末関連が伸長したが、太陽光発電関連部材の減少やレアメタル・レアアースの市況低迷などで同5.2%減収となり、経常利益は同10.1%減の11億54百万円だった。非鉄原料は中国経済の低迷の影響で同2.3%減収となり、経常利益は市況下落に伴う在庫評価損などで同84.8%減の43百万円だった。建設・産業資材は国内の配管機材などが低調で同9.9%減収となり、経常利益は同27.9%減の1億15百万円だった。

 なお四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)529億30百万円、第2四半期(7月〜9月)482億55百万円、第3四半期(10月〜12月)524億29百万円、経常利益は第1四半期12億71百万円、第2四半期10億43百万円、第3四半期10億34百万円だった。

■16年3月期通期は最終増益予想

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想(11月6日に売上高、営業利益、経常利益を減額、純利益を増額修正)は、売上高が前期(15年3月期)比2.2%増の2060億円、営業利益が同14.9%減の39億円、経常利益が同21.2%減の41億円、純利益が同36.9%増の48億円としている。純利益は平和金属の負ののれん発生益を計上して大幅増益予想だ。配当予想(5月15日公表)は同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で、予想配当性向は11.8%となる。

 セグメント別経常利益の計画は、軽金属・銅製品が同21.8%減の23億50百万円、電子・機能材料が同11.2%減の15億40百万円、非鉄原料が同88.8%減の30百万円、建設・産業資材が同13.0%減の1億80百万円としている。軽金属・銅製品は新規M&Aが寄与して増収を見込み、利益はケイ・マックの負ののれん発生益一巡の影響を除けば実質的に前期と同水準となる。建設・産業資材では新規連結の東海溶業が下期から本格寄与する。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.6%、営業利益が79.7%、経常利益が81.7%、純利益が93.9%と概ね順調な水準であり、通期増額余地もありそうだ。

■新中期経営計画で18年3月期ROE13〜15%程度目標

 15年5月策定の新中期経営計画(16年3月期〜18年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値として18年3月期の経常利益65億円超、純利益43億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&Aを中心に200億円の計画としている。

 セグメント別には、軽金属・銅製品が売上高982億円、経常利益34億50百万円、電子・機能材が売上高1008億円、経常利益23億80百万円、非鉄原料が売上高360億円、経常利益3億10百万円、建設・産業資材が売上高180億円、経常利益3億60百万円としている。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、業容拡大に向けた川上・川中・川下等のM&A推進および新規事業投資案件の発掘推進、成長著しいレアメタルおよび電子・機能材料分野のさらなる強化、アルコニックスグループの商いの基盤をなすアルミ・銅分野の維持・拡大、環境問題に対応したリサイクル分野の強化、海外店ネットワークのさらなる充実による顧客ニーズ対応および地場取引・三国間取引の拡大に向けた商社機能の発揮としている。

 積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は戻り歩調、昨年来高値からの下落幅の半値戻しを達成

 株価の動きを見ると、2月12日の昨年来安値1050円から切り返して戻り歩調の展開だ。そして3月18日には1636円まで上伸した。15年6月の昨年来高値2198円から2月12日の昨年来安値1050円までの下落幅1148円の半値戻し(1624円)を達成したことになる。

 3月18日の終値1611円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS372円83銭で算出)は4〜5倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2053円83銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約207億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線を突破した。強基調への転換を確認した形だ。16年3月期増配予想や指標面の割安感を見直して、15年6月の昨年来高値を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月20日更新]

アルコニックスは16年3月期増配予想や指標面の割安感を見直し

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。平和金属の株式取得が完了して負ののれん発生益を計上するため、16年3月期の純利益は大幅増益予想だ。株価はレアアースなどの価格下落の影響を警戒し、地合い悪化も影響して昨年来安値圏だが、16年3月期増配予想や指標面の割安感を見直して反発のタイミングだろう。なお2月5日に第3四半期累計(4月〜12月)の業績発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィン材など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社である。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化した。

 14年11月には子会社アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が、稲田商会(福岡県北九州市)の銅リサイクル事業(稲田銅センター)を譲り受けた。

 15年7月には当社100%出資の中間持株会社アルコニックス・トーカイを設立し、アルコニックス・トーカイが東海溶業(愛知県豊田市)の全株式を取得して子会社化した。

 東海溶業は溶接材料の製造ならびに溶射加工事業を展開し、金型用肉盛溶材および溶射加工において業界で高い地位を確保している。また国内主要自動車メーカーを筆頭に優良大手企業を取引先として、安定した収益基盤を確立している。当社グループの製造・加工分野に溶接・溶射加工という新たな事業基盤が加わることになる。

 15年10月には非鉄金属専門商社の平和金属(大阪市)の株式を取得して連結子会社化(所有割合78.35%)した。株式取得時期が当初予定より遅れたが、16年3月期第3四半期(10月〜12月)から連結対象とした。同社は大手高炉メーカーの指定代理店で、国内の大手空調機器や自動車メーカーなどの優良顧客を持ち、グループに製造子会社も有している。

■収益は非鉄金属の市況が影響するが積極的なM&A効果も寄与

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)484億04百万円、第2四半期(7月〜9月)485億96百万円、第3四半期(10月〜12月)546億06百万円、第4四半期(1月〜3月)499億37百万円で、経常利益は第1四半期17億13百万円、第2四半期13億95百万円、第3四半期13億02百万円、第4四半期7億95百万円だった。

 レアメタル・レアアースの市況、持分法投資損益、そしてM&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aの効果も寄与して収益拡大基調だ。15年3月期のROEは14.9%で14年3月期比2.5ポイント低下、自己資本比率は29.3%で同5.0ポイント上昇した。配当性向は14.6%だった。

■16年3月期第2四半期累計は増収減益

 今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比4.3%増の1011億85百万円、営業利益が同8.9%減の21億90百万円、経常利益が同25.5%減の23億14百万円、そして純利益が同24.9%減の17億19百万円だった。

 スマホ・タブレット端末関連の電子材料、チタン・ニッケル展伸材や銅管・銅スクラップなどが増加し、国内連結子会社である大羽精研や国内販売子会社も増収に貢献し、売上総利益は同5.3%増加した。ただし販管費の増加で営業減益だった。売上総利益率は6.1%で同0.1ポイント上昇、販管費比率は3.9%で同0.4ポイント上昇した。

 経常利益は営業外収益でケイ・マックを持分法適用関連会社化したことに伴う負ののれん発生益が一巡したことも影響して減益だった。純利益は平和金属の株式取得遅れに伴って負ののれん益の特別利益計上が第3四半期(10月〜12月)に変更となったことも影響した。

 セグメント別経常利益(連結調整前)を見ると、軽金属・銅製品は増収だがケイ・マックの負ののれん発生益が一巡して同27.7%減の13億84百万円、電子・機能材はスマートフォン・タブレット端末関連が伸長したがレアメタル・レアアースの数量減少などで同14.1%減の8億39百万円、非鉄原料は市況下落に伴う在庫評価損などで同82.1%減の24百万円、建設・産業資材は国内配管機材の減少で同30.1%減の68百万円だった。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)529億30百万円、第2四半期(7月〜9月)482億55百万円、経常利益は第1四半期12億71百万円、第2四半期10億43百万円だった。

■16年3月期通期は最終増益予想

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想(11月6日に売上高、営業利益、経常利益を減額、純利益を増額)は、売上高が前期比2.2%増の2060億円、営業利益が同14.9%減の39億円、経常利益が同21.2%減の41億円、純利益が同36.9%増の48億円としている。

 レアメタル・レアアースの需要低迷や中国経済減速による国内外の生産に対するマイナス影響を考慮して、売上高、営業利益、経常利益を減額した。純利益については平和金属の負ののれん発生益20億円を計上するため増額修正した。

 配当予想は前回予想(5月15日公表)を据え置いて同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)としている。予想配当性向は11.8%となる。

 セグメント別経常利益の計画は、軽金属・銅製品が同21.8%減の23億50百万円、電子・機能材料が同11.2%減の15億40百万円、非鉄原料が同88.8%減の30百万円、建設・産業資材が同13.0%減の1億80百万円とした。軽金属・銅製品は新規M&Aが寄与して増収を見込み、利益はケイ・マックの負ののれん発生益一巡の影響を除けば実質的に前期と同水準となる。建設・産業資材では新規連結の東海溶業が下期から本格寄与する。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.1%、営業利益が56.2%、経常利益が56.4%、純利益が35.8%である。純利益がやや低水準の形だが、第3四半期(10月〜12月)に平和金属の連結子会社化に伴う負ののれん発生益を特別利益に計上する。

■新中期経営計画で18年3月期ROE13〜15%程度目標

 15年5月発表の新中期経営計画(16年3月期〜18年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値として18年3月期の経常利益65億円超、純利益43億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&Aを中心に200億円の計画としている。

 セグメント別には、軽金属・銅製品が売上高982億円、経常利益34億50百万円、電子・機能材が売上高1008億円、経常利益23億80百万円、非鉄原料が売上高360億円、経常利益3億10百万円、建設・産業資材が売上高180億円、経常利益3億60百万円としている。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、業容拡大に向けた川上・川中・川下等のM&A推進および新規事業投資案件の発掘推進、成長著しいレアメタルおよび電子・機能材料分野のさらなる強化、アルコニックスグループの商いの基盤をなすアルミ・銅分野の維持・拡大、環境問題に対応したリサイクル分野の強化、海外店ネットワークのさらなる充実による顧客ニーズ対応および地場取引・三国間取引の拡大に向けた商社機能の発揮としている。

 積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は調整の最終局面、16年3月期増配予想や割安感を見直し

 株価の動きを見ると、1月18日に昨年来安値となる1393円まで下押す場面があった。レアアースなどの価格下落の影響を警戒し、地合い悪化も影響しているようだ。

 1月19日の終値1431円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS372円83銭で算出)は3〜4倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は3.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2053円83銭で算出)は0.7倍近辺である。時価総額は約184億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込んで水準を切り下げたが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が拡大して売られ過ぎ感を強めている。調整の最終局面のようだ。16年3月期増配予想や指標面の割安感を見直して反発のタイミングだろう。
[11月26日更新]

アルコニックスは16年3月期増配予想や指標面の割安感を見直し

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。平和金属の株式取得が完了して負ののれん発生益を計上するため、16年3月期の純利益予想を増額修正した。株価は調整が一巡して16年3月期増配予想や指標面の割安感を見直す動きを強めそうだ。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィン材など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社である。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化した。

 14年11月には子会社アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が、稲田商会(福岡県北九州市)の銅リサイクル事業(稲田銅センター)を譲り受けた。

 15年7月には当社100%出資の中間持株会社アルコニックス・トーカイを設立し、アルコニックス・トーカイが東海溶業(愛知県豊田市)の全株式を取得して子会社化した。

 東海溶業は溶接材料の製造ならびに溶射加工事業を展開して、特に金型用肉盛溶材および溶射加工において業界で高い地位を確保している。また国内主要自動車メーカーを筆頭に優良大手企業を取引先として、安定した収益基盤を確立している。当社グループの製造・加工分野に溶接・溶射加工という新たな事業基盤が加わることになる。

 15年10月には非鉄金属専門商社の平和金属(大阪市)の株式を取得して連結子会社化(所有割合78.35%)した。株式取得時期が当初予定より遅れたが、16年3月期第3四半期(10月〜12月)から連結対象とした。同社は大手高炉メーカーの指定代理店で、国内の大手空調機器や自動車メーカーなどの優良顧客を持ち、グループに製造子会社も有している。

■収益は非鉄金属の市況が影響するが積極的なM&A効果も寄与

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)484億04百万円、第2四半期(7月〜9月)485億96百万円、第3四半期(10月〜12月)546億06百万円、第4四半期(1月〜3月)499億37百万円で、経常利益は第1四半期17億13百万円、第2四半期13億95百万円、第3四半期13億02百万円、第4四半期7億95百万円だった。

 レアメタル・レアアースの市況、持分法投資損益、そしてM&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aの効果も寄与して収益拡大基調だ。また15年3月期の配当性向は14.6%だった。ROEは14年3月期比2.5ポイント低下して14.9%、自己資本比率は同5.0ポイント上昇して29.3%だった。

■16年3月期第2四半期累計は増収減益

 11月6日に発表した今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比4.3%増の1011億85百万円、営業利益が同8.9%減の21億90百万円、経常利益が同25.5%減の23億14百万円、純利益が同24.9%減の17億19百万円だった。売上高、利益とも計画をやや下回った。

 スマートフォン・タブレット端末関連の電子材料、チタン・ニッケル展伸材や銅管・銅スクラップなどが増加し、国内連結子会社である大羽精研や国内販売子会社も増収に貢献し、売上総利益は同5.3%増加したが、販管費の増加で営業減益だった。なお売上総利益率は6.1%で同0.1ポイント上昇、販管費比率は3.9%で同0.4ポイント上昇した。

 経常利益は営業外収益でケイ・マックを持分法適用関連会社化したことに伴う負ののれん発生益が一巡したことも影響して減益だった。なお純利益については、平和金属の株式取得遅れに伴って負ののれん益の特別利益計上が第3四半期(10月〜12月)に変更となったため9月3日に減額修正している。

 セグメント別経常利益(連結調整前)を見ると、軽金属・銅製品は増収だがケイ・マックの負ののれん発生益が一巡して同27.7%減の13億84百万円、電子・機能材はスマートフォン・タブレット端末関連が伸長したがレアメタル・レアアースの数量減少などで同14.1%減の8億39百万円、非鉄原料は市況下落に伴う在庫評価損などで同82.1%減の24百万円、建設・産業資材は国内配管機材の減少で同30.1%減の68百万円だった。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)529億30百万円、第2四半期(7月〜9月)482億55百万円、経常利益は第1四半期12億71百万円、第2四半期10億43百万円だった。

■16年3月期売上高、営業利益、経常利益を減額、純利益を増額修正

 通期の連結業績予想については11月6日に売上高、営業利益、経常利益を減額修正、純利益を増額修正した。前回予想(5月15日公表)に対して、売上高は100億円減額して前期比2.2%増の2060億円、営業利益は4億50百万円減額して同14.9%減の39億円、経常利益は7億円減額して同21.2%減の41億円、純利益は8億円増額して同36.9%増の48億円とした。

 レアメタル・レアアースの需要低迷や中国経済減速による国内外の生産に対するマイナス影響を考慮して、売上高、営業利益、経常利益を減額した。純利益については平和金属の負ののれん発生益20億円を計上するため増額修正した。

 配当予想は前回予想(5月15日公表)を据え置いて同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)としている。予想配当性向は11.8%となる。

 セグメント別経常利益の計画は、軽金属・銅製品が同21.8%減の23億50百万円、電子・機能材料が同11.2%減の15億40百万円、非鉄原料が同88.8%減の30百万円、建設・産業資材が同13.0%減の1億80百万円とした。軽金属・銅製品は新規M&Aが寄与して増収を見込み、利益はケイ・マックの負ののれん発生益一巡の影響を除けば実質的に前期と同水準となる。建設・産業資材では新規連結の東海溶業が下期から本格寄与する。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.1%、営業利益が56.2%、経常利益が56.4%、純利益が35.8%である。純利益がやや低水準の形だが、第3四半期(10月〜12月)に平和金属の連結子会社化に伴う負ののれん発生益を特別利益に計上する。

■新中期経営計画で18年3月期ROE13〜15%程度目標

 15年5月に新中期経営計画(16年3月期〜18年3月期)を発表した。1年ごとに見直すローリング方式で、経営目標値として18年3月期の経常利益65億円超、純利益43億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&Aを中心に200億円の計画としている。

 セグメント別には軽金属・銅製品が売上高982億円、経常利益34億50百万円、電子・機能材が売上高1008億円、経常利益23億80百万円、非鉄原料が売上高360億円、経常利益3億10百万円、建設・産業資材が売上高180億円、経常利益3億60百万円としている。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、業容拡大に向けた川上・川中・川下等のM&A推進および新規事業投資案件の発掘推進、成長著しいレアメタルおよび電子・機能材料分野のさらなる強化、アルコニックスグループの商いの基盤をなすアルミ・銅分野の維持・拡大、環境問題に対応したリサイクル分野の強化、海外店ネットワークのさらなる充実による顧客ニーズ対応および地場取引・三国間取引の拡大に向けた商社機能の発揮としている。

 積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡、16年3月期増配予想や割安感を見直し

 株価の動きを見ると、8月下旬〜10月上旬の年初来安値圏1500円台で下値固めが完了したようだ。10月中旬以降は概ね1700円近辺に水準を切り上げてモミ合い煮詰まり感も強めている。

 11月25日の終値1727円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS372円83銭で算出)は4〜5倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2053円83銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約222億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を突破し、さらに13週移動平均線が横向きに転じて下値を支える形となった。調整が一巡して16年3月期増配予想や指標面の割安感を見直す動きを強めそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月14日更新]

アルコニックスは調整一巡して切り返し、16年3月期増配予想や指標面の割安感を見直し

 アルコニックス[3036](東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。13日には平和金属の連結子会社化完了を発表した。株価は調整が一巡して切り返す動きだ。16年3月期増配予想や指標面の割安感を見直して6月の高値圏を目指す展開だろう。なお11月6日に第2四半期累計(4月〜9月)の業績発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィン材など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社である。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化した。

 14年11月には子会社アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が、稲田商会(福岡県北九州市)の銅リサイクル事業を譲り受けた。

 15年7月には当社100%出資の中間持株会社アルコニックス・トーカイを設立し、アルコニックス・トーカイが東海溶業(愛知県豊田市)の全株式を取得して子会社化した。

 東海溶業は溶接材料の製造ならびに溶射加工事業を展開して、特に金型用肉盛溶材および溶射加工において業界で高い地位を確保している。また国内主要自動車メーカーを筆頭に優良大手企業を取引先として、安定した収益基盤を確立している。当社グループの製造・加工分野に溶接・溶射加工という新たな事業基盤が加わることになる。

 なお10月13日には、非鉄金属専門商社の平和金属(大阪市)の株式取得(連結子会社化)が10月9日付で完了したと発表している。株式取得時期が当初の予定より遅れたが、所有割合78.35%で、16年3月期第3四半期(10月〜12月)から連結対象となる。

■収益はM&Aも寄与

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)484億04百万円、第2四半期(7月〜9月)485億96百万円、第3四半期(10月〜12月)546億06百万円、第4四半期(1月〜3月)499億37百万円で、経常利益は第1四半期17億13百万円、第2四半期13億95百万円、第3四半期13億02百万円、第4四半期7億95百万円だった。

 レアメタル・レアアースの市況、持分法投資損益、そしてM&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aの効果も寄与して収益拡大基調だ。また15年3月期の配当性向は14.6%だった。ROEは14年3月期比2.5ポイント低下して14.9%、自己資本比率は同5.0ポイント上昇して29.3%だった。

■株式取得遅れで第2四半期累計純利益減額だが、16年3月期予想変更なし

 9月3日に今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の純利益を減額修正した。平和金属の株式取得(連結子会社化)が第3四半期となり、負ののれん益の特別利益計上も第3四半期に変更となったため、純利益は前回予想(5月15日公表)の24億60百万円から7億円減額して17億60百万円とした。

 通期の連結業績予想は前回予想(5月15日公表)に変更はなく、売上高が前期比7.2%増の2160億円、営業利益が同5.1%減の43億50百万円、経常利益が同7.8%減の48億円、純利益が同14.1%増の40億円としている。配当予想は同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で予想配当性向は14.1%となる。

 売上面では自動車関連、スマホ・タブレット関連を中心に好調に推移して増収予想だ。経常利益は前期計上したケイ・マックの持分法適用関連会社化に伴う負ののれん発生益が一巡して減益見込みだが、純利益については平和金属の連結子会社化により、同社の収益と特別利益に計上する負ののれん発生益が寄与して増益予想だ。

 セグメント別利益(経常利益)の計画は、軽金属・銅製品が同17.7%減の24億70百万円、電子・機能材料が同15.3%増の20億円、非鉄原料が同21.6%減の2億10百万円、建設・産業資材が同42.0%減の1億20百万円としている。なお軽金属・銅製品はケイ・マックの負ののれん発生益一巡の影響を除けば実質的に増益となる。

 第1四半期(4月〜6月)は売上高が前年同期比9.3%増の529億30百万円となり、営業利益が同28.2%増の12億32百万円、経常利益が同25.8%減の12億71百万円、純利益が同39.5%減の7億90百万円だった。

 前期の持分法投資利益に計上したケイ・マックの負ののれん発生益が一巡して経常減益、最終減益だったが、銅スクラップ、銅管、アルミ箔、アルミフィン材、プラント・船舶用チタン、半導体製造装置用精密研削加工部品などが好調に推移して増収、大幅営業増益だった。

 セグメント別利益(経常利益)を見ると、軽金属・銅製品は同33.2%減の7億67百万円だったが、売上面は同11.5%増収と好調で、ケイ・マックの負ののれん発生益一巡の影響を除けば増収増益だった。

 電子・機能材は同22.0%減の3億93百万円だった。スマホ・タブレット関連需要は堅調だったが、国内の太陽光発電関連需要が減速し、レアメタル・レアアースの市況低迷も影響した。

 非鉄原料は同2.9倍の76百万円だった。主力のアルミ再生塊はやや低調だったが、14年11月に営業譲り受けた連結子会社の銅スクラップが寄与した。建設・産業資材は同19.2%増の41百万円だった。国内は低調だったが、円安に伴う配管機材の輸出や海外取引が好調だった。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が24.5%、営業利益が28.3%、経常利益が26.5%、純利益が19.8%である。純利益がやや低水準の形だが、第3四半期に平和金属の連結子会社化に伴う負ののれん発生益を特別利益に計上する予定だ。

■新中期経営計画で18年3月期ROE13〜15%程度目標

 15年5月に新中期経営計画(16年3月期〜18年3月期)を発表した。1年ごとに見直すローリング方式で、経営目標値として18年3月期の経常利益65億円超、純利益43億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&Aを中心に200億円の計画としている。

 セグメント別には軽金属・銅製品が売上高982億円、経常利益34億50百万円、電子・機能材が売上高1008億円、経常利益23億80百万円、非鉄原料が売上高360億円、経常利益3億10百万円、建設・産業資材が売上高180億円、経常利益3億60百万円としている。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、業容拡大に向けた川上・川中・川下等のM&A推進および新規事業投資案件の発掘推進、成長著しいレアメタルおよび電子・機能材料分野のさらなる強化、アルコニックスグループの商いの基盤をなすアルミ・銅分野の維持・拡大、環境問題に対応したリサイクル分野の強化、海外店ネットワークのさらなる充実による顧客ニーズ対応および地場取引・三国間取引の拡大に向けた商社機能の発揮としている。

 積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡して切り返し、16年3月期増配予想や割安感を見直し

 株価の動きを見ると、悪地合いの影響を受けた8月25日に年初来安値となる1472円、そして9月末の配当権利落ちも影響した9月29日に1506円まで調整したが、その後は切り返しの動きを強めている。10月9日と13日には1740円まで上伸した。調整が一巡したようだ。10月3日には16年3月期純利益が従来予想を下回ると一部で報道されたが、ネガティブ反応は見られず、逆に上げ足を速めている。

 10月13日の終値1711円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS311円43銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2053円83銭で算出)は0.8倍近辺である。なお時価総額は約220億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を突破した。そして25日移動平均線が上向きに転じてきた。また週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。調整が一巡して強基調に転換する動きのようだ。16年3月期増配予想や指標面の割安感を見直して6月の高値圏を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月28日更新]

アルコニックスは調整一巡して下値切り上げ、割安感や中期成長力を評価

 アルコニックス[3036](東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。9月3日に第2四半期累計(4月〜9月)純利益を減額したが、16年3月期通期業績予想に変更はない。株価は悪地合いの影響で急落する場面があったが、調整一巡して下値を切り上げる動きだ。16年3月期業績の会社予想は増額含みであり、指標面の割安感も強い。中期成長力を評価して出直り展開だろう。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィン材など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社である。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化した。

 14年11月には子会社アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が、稲田商会(福岡県北九州市)の銅リサイクル事業を譲り受けた。

 15年7月には当社100%出資の中間持株会社アルコニックス・トーカイを設立し、アルコニックス・トーカイが東海溶業(愛知県豊田市)の全株式を取得して子会社化した。

 東海溶業は溶接材料の製造ならびに溶射加工事業を展開して、特に金型用肉盛溶材および溶射加工において業界で高い地位を確保している。また国内主要自動車メーカーを筆頭に優良大手企業を取引先として、安定した収益基盤を確立している。当社グループの製造・加工分野に溶接・溶射加工という新たな事業基盤が加わることになる。

 なお15年3月に非鉄金属専門商社の平和金属(大阪市)の株式60.5%を新たに取得(4月30日予定、すでに1%を保有しているため今回の株式取得後の出資比率61.5%)して連結子会社化すると発表したが、15年4月に、株式譲渡契約書における詳細取り決めについて協議継続中のため、株式取得時期が予定より遅れていると発表した。

 そして9月3日、株式譲渡に係る契約内容ならびに条件面で合意に至ったと発表している。なお株式取得実行時期については、独占禁止法に係る公正取引委員会への届出(9月4日)から待機期間(30日)満了後の10月9日予定で、連結子会社化は16年3月期第3四半期(10月〜12月)となる。

■16年3月期第2四半期累計の純利益を減額したが通期予想に変更なし

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)484億04百万円、第2四半期(7月〜9月)485億96百万円、第3四半期(10月〜12月)546億06百万円、第4四半期(1月〜3月)499億37百万円で、経常利益は第1四半期17億13百万円、第2四半期13億95百万円、第3四半期13億02百万円、第4四半期7億95百万円だった。

 また15年3月期の配当性向は14.6%だった。ROEは14年3月期比2.5ポイント低下して14.9%、自己資本比率は同5.0ポイント上昇して29.3%だった。

 9月3日に今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の純利益を減額修正した。平和金属の連結子会社化が第3四半期となり、負ののれん益の特別利益計上も第3四半期に変更となったため、前回予想(5月15日公表)の24億60百万円から7億円減額して17億60百万円とした。

 通期の連結業績予想は前回予想(5月15日公表)に変更はなく、売上高が前期比7.2%増の2160億円、営業利益が同5.1%減の43億50百万円、経常利益が同7.8%減の48億円、純利益が同14.1%増の40億円としている。配当予想は同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で予想配当性向は14.1%となる。

 売上面では自動車関連、スマホ・タブレット関連を中心に好調に推移して増収見込みだ。経常利益は前期計上したケイ・マックの持分法適用関連会社化に伴う負ののれん発生益が一巡して減益見込みだが、純利益については平和金属の連結子会社化により、同社の収益と特別利益に計上する負ののれん発生益が寄与して増益見込みだ。

 セグメント別利益(経常利益)の計画は、軽金属・銅製品が同17.7%減の24億70百万円、電子・機能材料が同15.3%増の20億円、非鉄原料が同21.6%減の2億10百万円、建設・産業資材が同42.0%減の1億20百万円としている。なお軽金属・銅製品はケイ・マックの負ののれん発生益一巡の影響を除けば実質的に増益となる。

 第1四半期(4月〜6月)は売上高が前年同期比9.3%増の529億30百万円となり、営業利益が同28.2%増の12億32百万円、経常利益が同25.8%減の12億71百万円、純利益が同39.5%減の7億90百万円だった。

 前期の持分法投資利益に計上したケイ・マックの負ののれん発生益が一巡して経常減益、最終減益だったが、売上面では銅スクラップ、銅管、アルミ箔、アルミフィン材、プラント・船舶用チタン、半導体製造装置用精密研削加工部品などが好調に推移して増収、そして大幅営業増益だった。

 セグメント別利益(経常利益)を見ると、軽金属・銅製品は同33.2%減の7億67百万円だったが、売上面は同11.5%増収と好調で、ケイ・マックの負ののれん発生益一巡の影響を除けば増収増益だった。

 電子・機能材は同22.0%減の3億93百万円だった。スマホ・タブレット関連需要は堅調だったが、国内の太陽光発電関連需要が減速し、レアメタル・レアアースの市況低迷も影響した。

 非鉄原料は同2.9倍の76百万円だった。主力のアルミ再生塊はやや低調だったが、14年11月に営業譲り受けた連結子会社の銅スクラップが寄与した。建設・産業資材は同19.2%増の41百万円だった。国内は低調だったが、円安に伴う配管機材の輸出や海外取引が好調だった。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が24.5%、営業利益が28.3%、経常利益が26.5%、純利益が19.8%である。純利益については第3四半期に、平和金属の連結子会社化に伴って特別利益に負ののれん発生益を計上する。通期会社予想は保守的な印象が強く増額含みだろう。

■新中期経営計画で18年3月期ROE13〜15%程度目標

 15年5月に新中期経営計画(16年3月期〜18年3月期)を発表した。1年ごとに見直すローリング方式で、経営目標値として18年3月期の経常利益65億円超、純利益43億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&Aを中心に200億円の計画としている。

 セグメント別には軽金属・銅製品が売上高982億円、経常利益34億50百万円、電子・機能材が売上高1008億円、経常利益23億80百万円、非鉄原料が売上高360億円、経常利益3億10百万円、建設・産業資材が売上高180億円、経常利益3億60百万円としている。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、業容拡大に向けた川上・川中・川下等のM&A推進および新規事業投資案件の発掘推進、成長著しいレアメタルおよび電子・機能材料分野のさらなる強化、アルコニックスグループの商いの基盤をなすアルミ・銅分野の維持・拡大、環境問題に対応したリサイクル分野の強化、海外店ネットワークのさらなる充実による顧客ニーズ対応および地場取引・三国間取引の拡大に向けた商社機能の発揮としている。

 積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡して下値切り上げ

 株価の動きを見ると、6月の上場来高値2198円から反落し、悪地合いも影響して水準を切り下げた。しかし8月25日の年初来安値1472円から反発して下値を切り上げている。調整が一巡したようだ。

 9月25日の終値1611円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS311円43銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2053円83銭で算出)は0.8倍近辺である。なお時価総額は約207億円である。

 週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んだが、8月の急落場面で長い下ヒゲをつけ、その後は下値を切り上げて調整一巡感を強めている。また日足チャートで見ると25日移動平均線突破の動きを強めている。16年3月期業績の会社予想は増額含みであり、指標面の割安感も強い。出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[8月28日更新]

アルコニックスは地合い悪化の売り一巡して切り返し、指標面の割安感も見直し

 アルコニックス[3036](東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。株価は地合い悪化の影響で急落する場面があったが、目先的な売りが一巡して切り返す動きだ。そして依然として売られ過ぎ感の強い水準だ。16年3月期業績の会社予想は増額含みであり、指標面の割安感や中期成長力を見直して反発展開だろう。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィン材など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社である。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化した。

 14年11月には子会社アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が、稲田商会(福岡県北九州市)の銅リサイクル事業を譲り受けた。

 15年7月には当社100%出資の中間持株会社アルコニックス・トーカイを設立し、アルコニックス・トーカイが東海溶業(愛知県豊田市)の全株式を取得して子会社化した。

 東海溶業は溶接材料の製造ならびに溶射加工事業を展開しており、特に金型用肉盛溶材および溶射加工において業界で高い地位を確保している。また国内主要自動車メーカーを筆頭に優良大手企業を取引先として、安定した収益基盤を確立している。当社グループの製造・加工分野に溶接・溶射加工という新たな事業基盤が加わることになる。

 なお15年3月に非鉄金属専門商社の平和金属(大阪市)の株式60.5%を新たに取得(4月30日予定、すでに1%を保有しているため今回の株式取得後の出資比率61.5%)して連結子会社化すると発表したが、4月28日に、株式譲渡契約書における詳細取り決めについて協議継続中のため、株式取得時期が予定より遅れていると発表した。今後の株式取得時期等詳細については確定次第公表するとしている。

■16年3月期第1四半期は負ののれん発生益一巡で減益だが、通期増額含み

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)484億04百万円、第2四半期(7月〜9月)485億96百万円、第3四半期(10月〜12月)546億06百万円、第4四半期(1月〜3月)499億37百万円で、経常利益は第1四半期17億13百万円、第2四半期13億95百万円、第3四半期13億02百万円、第4四半期7億95百万円だった。

 また15年3月期の配当性向は14.6%だった。ROEは14年3月期比2.5ポイント低下して14.9%、自己資本比率は同5.0ポイント上昇して29.3%だった。

 8月5日に発表した今期(16年3月期)第1四半期(4月〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比9.3%増の529億30百万円、営業利益が同28.2%増の12億32百万円、経常利益が同25.8%減の12億71百万円、純利益が同39.5%減の7億90百万円だった。

 前期の持分法投資利益に計上したケイ・マックの負ののれん発生益が一巡したため経常減益、最終減益だった。ただし売上面では銅スクラップ、銅管、アルミ箔、アルミフィン材、プラント・船舶用チタン、半導体製造装置用精密研削加工部品などが好調に推移して増収、大幅営業増益だった。

 セグメント別利益(経常利益)を見ると、軽金属・銅製品は同33.2%減の7億67百万円だった。需要が好調で同11.5%増収だったが、前期の持分法投資利益に計上したケイ・マックの負ののれん発生益が一巡したため減益だった。この影響を除けば増収増益だった。

 電子・機能材は同22.0%減の3億93百万円だった。スマホ・タブレット関連需要は堅調だったが、国内の太陽光発電関連需要が減速し、レアメタル・レアアースの市況低迷も影響した。

 非鉄原料は同2.9倍の76百万円だった。主力のアルミ再生塊はやや低調だったが、14年11月に営業譲り受けた連結子会社の銅スクラップが寄与した。建設・産業資材は同19.2%増の41百万円だった。国内は低調だったが、円安に伴う配管機材の輸出や海外取引が好調だった。

 通期の連結業績予想は前回予想(5月15日公表)を据え置いて、売上高が前期比7.2%増の2160億円、営業利益が同5.1%減の43億50百万円、経常利益が同7.8%減の48億円、純利益が同14.1%増の40億円としている。配当予想は同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で予想配当性向は14.1%となる。

 売上面では自動車関連、スマホ・タブレット関連を中心に好調に推移して増収見込みだ。経常利益は前期計上したケイ・マックの持分法適用関連会社化に伴う負ののれん発生益が一巡して減益見込みだが、純利益については平和金属の連結子会社化により、同社の収益と負ののれん発生益が寄与して増益見込みだ。平和金属の株式取得が遅れているが、全般的に会社予想は保守的な印象が強く増額含みだろう。

 セグメント別利益(経常利益)の計画は、軽金属・銅製品が同17.7%減の24億70百万円、電子・機能材料が同15.3%増の20億円、非鉄原料が同21.6%減の2億10百万円、建設・産業資材が同42.0%減の1億20百万円としている。なお軽金属・銅製品はケイ・マックの負ののれん発生益一巡の影響を除けば実質的に増益となる。

■新中期経営計画で18年3月期ROE13〜15%程度目標

 15年5月に新中期経営計画(16年3月期〜18年3月期)を発表した。1年ごとに見直すローリング方式で、経営目標値として18年3月期の経常利益65億円超、純利益43億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&Aを中心に200億円の計画としている。

 セグメント別には軽金属・銅製品が売上高982億円、経常利益34億50百万円、電子・機能材が売上高1008億円、経常利益23億80百万円、非鉄原料が売上高360億円、経常利益3億10百万円、建設・産業資材が売上高180億円、経常利益3億60百万円としている。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、業容拡大に向けた川上・川中・川下等のM&A推進および新規事業投資案件の発掘推進、成長著しいレアメタルおよび電子・機能材料分野のさらなる強化、アルコニックスグループの商いの基盤をなすアルミ・銅分野の維持・拡大、環境問題に対応したリサイクル分野の強化、海外店ネットワークのさらなる充実による顧客ニーズ対応および地場取引・三国間取引の拡大に向けた商社機能の発揮としている。

 積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は地合い悪化の売り一巡して切り返し

 株価の動きを見ると、6月の上場来高値2198円から反落して1800円〜1900円近辺でモミ合う展開だったが、地合い悪化の影響で8月25日に1472円まで急落する場面があった。ただし27日には1676円まで戻している。地合い悪化に伴う目先的な売りが一巡したようだ。

 8月27日の終値1624円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS311円43銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2053円83銭で算出)は0.8倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面の形だが、急落場面で長い下ヒゲをつけて調整一巡感を強めている。また日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えている。依然として売られ過ぎ感の強い水準だ。16年3月期業績の会社予想は増額含みであり、指標面の割安感も見直して反発展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[7月29日更新]

アルコニックスは16年3月期業績増額含みや割安感を評価

 アルコニックス[3036](東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。株価は6月の上場来高値2198円から利益確定売りや全般地合い悪化で反落したが、16年3月期業績は増額含みで指標面の割安感も強い。中期成長力を評価する流れに変化はなく調整は一時的だろう。なお8月5日に第1四半期(4月〜6月)の業績発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィンなど)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社である。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化した。

 14年11月には子会社アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が、稲田商会(福岡県北九州市)の銅リサイクル事業を譲り受けた。

 7月3日には、当社100%出資の中間持株会社アルコニックス・トーカイを設立(7月10日)し、アルコニックス・トーカイが東海溶業(愛知県豊田市)の全株式を取得(7月21日)して子会社化すると発表した。

 東海溶業は溶接材料の製造ならびに溶射加工事業を展開しており、特に金型用肉盛溶材および溶射加工において業界で高い地位を確保している。また国内主要自動車メーカーを筆頭に優良大手企業を取引先として、安定した収益基盤を確立している。当社グループの製造・加工分野に溶接・溶射加工という新たな事業基盤が加わることになる。

 なお15年3月に非鉄金属専門商社の平和金属(大阪市)の株式60.5%を新たに取得(4月30日予定、現時点で1%を保有しているため今回の株式取得後の出資比率61.5%)して連結子会社化すると発表したが、4月28日に、株式譲渡契約書における詳細取り決めについて協議継続中のため、株式取得時期が予定より遅れていると発表した。今後の株式取得時期等詳細については確定次第公表するとしている。

■16年3月期は営業減益予想だが、会社予想は保守的で増額含み

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)484億04百万円、第2四半期(7月〜9月)485億96百万円、第3四半期(10月〜12月)546億06百万円、第4四半期(1月〜3月)499億37百万円で、経常利益は第1四半期17億13百万円、第2四半期13億95百万円、第3四半期13億02百万円、第4四半期7億95百万円だった。

 また15年3月期の配当性向は14.6%だった。ROEは14年3月期比2.5ポイント低下して14.9%、自己資本比率は同5.0ポイント上昇して29.3%だった。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(5月15日公表)は、売上高が前期比7.2%増の2160億円、営業利益が同5.1%減の43億50百万円、経常利益が同7.8%減の48億円、純利益が同14.1%増の40億円としている。配当予想は同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で予想配当性向は14.1%となる。

 売上面では自動車関連、スマホ・タブレット関連を中心に好調に推移して増収見込みだ。経常利益は前期計上したケイ・マックの持分法適用関連会社化に伴う負ののれん発生益6億28百万円が一巡して減益見込みとしている。純利益については平和金属の連結子会社化により、同社の収益と負ののれん発生益が寄与して増益見込みだ。平和金属の株式取得が遅れているが、全般的に会社予想は保守的な印象が強く増額含みだろう。

 セグメント別利益(経常利益)の計画は、軽金属・銅製品が同17.7%減の24億70百万円、電子・機能材料が同15.3%増の20億円、非鉄原料が同21.6%減の2億10百万円、建設・産業資材が同42.0%減の1億20百万円としている。なお軽金属・銅製品事業は、ケイ・マックの負ののれん発生益一巡の影響を除けば実質的に増益の計画だ。

■新中期経営計画で18年3月期ROE13〜15%程度目標

 15年5月に新中期経営計画(16年3月期〜18年3月期)を発表した。1年ごとに見直すローリング方式で、経営目標値として18年3月期の経常利益65億円超、純利益43億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&Aを中心に200億円の計画としている。

 セグメント別には軽金属・銅製品が売上高982億円、経常利益34億50百万円、電子・機能材が売上高1008億円、経常利益23億80百万円、非鉄原料が売上高360億円、経常利益3億10百万円、建設・産業資材が売上高180億円、経常利益3億60百万円としている。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、業容拡大に向けた川上・川中・川下等のM&A推進および新規事業投資案件の発掘推進、成長著しいレアメタルおよび電子・機能材料分野のさらなる強化、アルコニックスグループの商いの基盤をなすアルミ・銅分野の維持・拡大、環境問題に対応したリサイクル分野の強化、海外店ネットワークのさらなる充実による顧客ニーズ対応および地場取引・三国間取引の拡大に向けた商社機能の発揮としている。

 積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は上場来高値から反落したが、調整は一時的

 株価の動きを見ると、6月の上場来高値2198円から利益確定売りで反落し、全般地合い悪化も影響して7月9日に1768円、28日に1852円まで調整する場面があった。銅価格の下落も嫌気された可能性がありそうだ。ただし中期成長力を評価する流れに変化はなく、調整は一時的だろう。

 7月28日の終値1882円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS312円19銭で算出)は6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2053円83銭で算出)は0.9倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込んだが、26週移動平均線近辺で下げ渋り、サポートラインを確認する動きだ。16年3月期業績は増額含みで指標面の割安感も強い。切り返し展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月19日更新]

アルコニックスは上場来高値更新、16年3月期業績増額含みや割安感を評価

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。株価は1800円近辺でのモミ合いから上放れ、6月12日には上場来高値2198円まで上伸した。16年3月期業績は増額含みで依然として指標面の割安感も強い。上値追いの展開だろう。

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィンなど)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社である。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化した。

 14年11月には子会社アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が、稲田商会(福岡県北九州市)の銅リサイクル事業を譲り受けた。

 なお15年3月に非鉄金属専門商社の平和金属(大阪市)の株式60.5%を新たに取得(4月30日予定、現時点で1%を保有しているため今回の株式取得後の出資比率61.5%)して連結子会社化すると発表したが、4月28日に、株式譲渡契約書における詳細取り決めについて協議継続中のため、株式取得時期が予定より遅れていると発表した。今後の株式取得時期等詳細については確定次第公表するとしている。

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)484億04百万円、第2四半期(7月〜9月)485億96百万円、第3四半期(10月〜12月)546億06百万円、第4四半期(1月〜3月)499億37百万円で、経常利益は第1四半期17億13百万円、第2四半期13億95百万円、第3四半期13億02百万円、第4四半期7億95百万円だった。

 15年3月期の配当性向は14.6%、ROEは14年3月期比2.5ポイント低下して14.9%、自己資本比率は同5.0ポイント上昇して29.3%だった。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(5月15日公表)は、売上高が前期比7.2%増の2160億円、営業利益が同5.1%減の43億50百万円、経常利益が同7.8%減の48億円、純利益が同14.1%増の40億円としている。配当予想は同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)で予想配当性向は14.1%となる。

 売上面では自動車関連、スマホ・タブレット関連を中心に好調に推移して増収見込みだ。経常利益は前期計上したケイ・マックの持分法適用関連会社化に伴う負ののれん発生益6億28百万円が一巡して減益見込みとしている。純利益については平和金属の連結子会社化により、同社の収益と負ののれん発生益が寄与して増益見込みだ。会社予想は保守的な印象が強く増額含みだろう。

 セグメント別利益(経常利益)の計画は、軽金属・銅製品が同17.7%減の24億70百万円、電子・機能材料が同15.3%増の20億円、非鉄原料が同21.6%減の2億10百万円、建設・産業資材が同42.0%減の1億20百万円としている。なお軽金属・銅製品事業は、ケイ・マックの負ののれん発生益一巡の影響を除けば実質的に増益の計画だ。

 5月15日に新中期経営計画(16年3月期〜18年3月期)を発表した。1年ごとに見直すローリング方式で、経営目標値として18年3月期の経常利益65億円超、純利益43億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&Aを中心に200億円の計画としている。

 セグメント別には軽金属・銅製品が売上高982億円、経常利益34億50百万円、電子・機能材が売上高1008億円、経常利益23億80百万円、非鉄原料が売上高360億円、経常利益3億10百万円、建設・産業資材が売上高180億円、経常利益3億60百万円としている。

 商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、アクションプランとして、業容拡大に向けた川上・川中・川下等のM&A推進および新規事業投資案件の発掘推進、成長著しいレアメタルおよび電子・機能材料分野のさらなる強化、アルコニックスグループの商いの基盤をなすアルミ・銅分野の維持・拡大、環境問題に対応したリサイクル分野の強化、海外店ネットワークのさらなる充実による顧客ニーズ対応および地場取引・三国間取引の拡大に向けた商社機能の発揮としている。

 積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

 株価の動きを見ると、1800円近辺でのモミ合いから上放れ、14年12月の2107円を突破して高値更新の展開となった。6月12日には上場来高値2198円まで上伸した。

 6月18日の終値2136円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS312円19銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2053円83銭で算出)は1.0倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。16年3月期業績は増額含みで依然として指標面の割安感も強い。上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[5月26日更新]

アルコニックスは日柄調整一巡、16年3月期業績増額含みも評価

 アルコニックス[3036](東1)は「非鉄金属の総合商社」を目指している。株価は日柄調整が一巡して1800円近辺でのモミ合いから上放れた。16年3月期業績の会社予想は増額含みであり、依然として指標面の割安感が強い。14年12月高値2107円を試す展開だろう。

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィンなど)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社である。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けては商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合商社」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化した。

 14年11月には子会社アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が、稲田商会(福岡県北九州市)の銅リサイクル事業を譲り受けた。

 なお15年3月に非鉄金属専門商社の平和金属(大阪市)の株式60.5%を新たに取得(4月30日予定、現時点で1%を保有しているため今回の株式取得後の出資比率は61.5%)して連結子会社化すると発表していたが、4月28日に、株式譲渡契約書における具体的な詳細取り決めについて協議を継続中のため、株式取得時期が予定より遅れていると発表した。今後の株式取得時期等詳細については確定次第公表するとしている。

 5月15日に発表した前期(15年3月期)の連結業績は売上高が前々期比9.7%増の2015億43百万円、営業利益が同31.6%増の45億84百万円、経常利益が同44.6%増の52億05百万円、純利益が同11.5%増の35億05百万円だった。計画を上回る増収増益だった。

 配当予想については5月15日に期末4円を増額修正して年間40円(第2四半期末18円、期末22円)とした。14年8月1日付の株式2分割を考慮して前期の年間65円を年間32円50銭に換算すると、実質的に前期比7円50銭増配となる。配当性向は14.6%である。ROEは同2.5ポイント低下して14.9%、自己資本比率は同5.0ポイント上昇して29.3%となった。

 売上面ではスマホ・タブレット端末向け電子材料関連、海外の自動車関連や半導体関連などが好調に推移し、利益面では貸倒引当金戻入や基幹システムの減価償却終了による販管費の減少、ケイ・マックの持分法適用関連会社化に伴う負ののれんを含む持分法投資利益も寄与して大幅増益だった。

 セグメント別の経常利益は、軽金属・銅製品事業が持分法投資利益も寄与して同81.9%増の30億03百万円、電子・機能材料事業が連結子会社の収益増も寄与して同2.4%増の17億34百万円、非鉄原料事業が同4.6倍の2億68百万円、建設・産業資材事業が同8.1%増の2億07百万円だった。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)484億04百万円、第2四半期(7月〜9月)485億96百万円、第3四半期(10月〜12月)546億06百万円、第4四半期(1月〜3月)499億37百万円、経常利益は第1四半期17億13百万円、第2四半期13億95百万円、第3四半期13億02百万円、第4四半期7億95百万円だった。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(5月15日公表)は、売上高が前期比7.2%増の2160億円、営業利益が同5.1%減の43億50百万円、経常利益が同7.8%減の48億円、純利益が同14.1%増の40億円、配当予想が同4円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)としている。

 売上面では自動車関連、半導体関連、IT関連を中心に好調に推移して増収見込みだが、経常利益に関してはケイ・マックの持分法適用関連会社化に伴う負ののれん発生益6億28百万円の一巡で減益見込みとしている。純利益については新たなM&Aによる収益増加が寄与して増益見込みだ。そして会社予想は保守的な印象が強く増額含みだろう。

 5月15日に新中期経営計画(16年3月期〜18年3月期)を発表した。1年ごとに見直すローリング方式で、経営目標値として18年3月期の経常利益65億円超、純利益43億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&Aを中心に200億円の計画とした。

 なおセグメント別には、軽金属・銅製品が売上高982億円、経常利益34億50百万円、電子・機能材が売上高1008億円、経常利益23億80百万円、非鉄原料が売上高360億円、経常利益3億10百万円、建設・産業資材が売上高180億円、経常利益3億60百万円としている。

 全体戦略としては、業容拡大に向けた川上・川中・川下等のM&A推進および新規事業投資案件の発掘推進、成長著しいレアメタルおよび電子・機能材料分野のさらなる強化、アルコニックスグループの商いの基盤をなすアルミ・銅分野の維持・拡大、環境問題に対応したリサイクル分野の強化、海外店ネットワークのさらなる充実による顧客ニーズ対応および地場取引や三国間取引の拡大に向けた商社機能の発揮としている。

 積極的なM&A戦略も奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調だろう。

 株価の動きを見ると、1800円近辺でのモミ合いから上放れて水準切り上げの展開だ。日柄調整が一巡したようだ。5月18日の年初来高値2031円から一旦反落したが、素早く切り返して25日は1988円まで上伸した。

 5月25日の終値1970円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS312円19銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2053円83銭で算出)は1.0倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって強基調に回帰した。16年3月期業績は増額含みであり、依然として指標面の割安感が強い。14年12月高値2107円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月23日更新]

アルコニックス調整一巡感、16年3月期の増収増益期待でモミ合い上放れ

 「非鉄金属の総合商社」を目指すアルコニックス[3036](東1)の株価はモミ合い展開だが、4月1日の直近安値1733円から切り返して調整一巡感を強めている。16年3月期の増収増益期待でモミ合い上放れの展開だろう。なお5月15日に15年3月期決算発表を予定している。

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィンなど)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社である。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けては「非鉄金属の総合商社」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化した。

 14年11月には子会社アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が、稲田商会(福岡県北九州市)の銅リサイクル事業を譲り受けた。

 15年3月には非鉄金属専門商社の平和金属(大阪市)の株式60.5%を新たに取得(4月30日予定、現時点で1%を保有しているため今回の株式取得後の出資比率は61.5%)して連結子会社化すると発表した。同社グループの優良な営業資産の取り込みに加えて、製造・加工機能を有する同社グループとのシナジー効果が見込めるとしている。

 前期(15年3月期)の連結業績見通し(11月6日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が前々期比9.4%増の2010億円、営業利益が同18.2%増の41億20百万円、経常利益が同37.5%増の49億50百万円、純利益が同11.3%増の35億円としている。

 配当予想(株式分割に伴って7月4日に修正)は年間36円(第2四半期末18円、期末18円)としている。14年8月1日付の株式2分割を考慮して前期の年間65円を年間32円50銭に換算すると、実質的に前期比3円50銭増配となる。

 第3四半期累計(4月〜12月)は前年同期比10.5%増収、31.7%営業増益、64.1%経常増益、31.1%最終増益で、通期見通しに対する進捗率は売上高75.4%、営業利益92.5%、経常利益89.1%、純利益92.0%と高水準だった。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)484億04百万円、第2四半期(7月〜9月)485億96百万円、第3四半期(10月〜12月)546億06百万円、営業利益は第1四半期9億61百万円、第2四半期14億43百万円、第3四半期14億06百万円と好調だ。

 通期ベースでもスマホ・タブレット端末向け電子材料関連、海外の自動車関連や半導体関連などが好調に推移する。貸倒引当金戻入や基幹システムの減価償却終了による販管費の減少、ケイ・マックの持分法適用関連会社化に伴う負ののれんを含む持分法投資利益も寄与する。

 今期(16年3月期)も、自動車関連やスマホ・タブレット端末関連を中心に好調に推移して増収増益基調だろう。平和金属の新規連結の効果も期待される。

 14年5月に発表した新中期経営計画(15年3月期〜17年3月期)では経営目標値として、17年3月期経常利益50億円超、純利益35億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&Aを中心に150億円の計画としている。

 重点戦略としては、電子材料分野では原料(レアメタル・レアアース)から製品(電子材料・機能材料)までを網羅したビジネス展開、環境対応関連分野では省エネ・環境対応素材からリサイクル事業まで国内外での積極展開、海外事業では地場取引や三国間ビジネスの拡大および海外ネットワークの充実、そして新規投融資の積極推進に取り組むとしている。

 17年3月期の経常利益50億円超、純利益35億円超という利益目標値は15年3月期に前倒し達成の可能性が高まっている。積極的なM&A戦略が奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的にも収益拡大基調だろう。

 株価の動きを見ると、1800円〜1900円近辺でモミ合う展開だが、3月期末の配当権利落ちも影響した4月1日の直近安値1733円から切り返して調整一巡感を強めている。

 4月22日の終値1822円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS273円69銭で算出)は6〜7倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間36円で算出)は2.0%近辺、前々期実績PBR(前々期実績に株式2分割を考慮した連結BPS1638円21銭で算出)は1.1倍近辺である。

 日足チャートで見ると戻りを押さえていた25日移動平均線を突破した。また週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋り、13週移動平均線突破の動きを強めている。調整が一巡して再動意のタイミングのようだ。16年3月期の増収増益期待でモミ合い上放れの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月27日更新]

アルコニックスは自律調整一巡、15年3月期は利益再増額の可能性

 「非鉄金属の総合商社」を目指すアルコニックス[3036](東1)の株価は、1800円近辺でモミ合う展開だが調整一巡感を強めている。再動意のタイミングのようだ。15年3月期利益再増額の可能性や中期的な収益拡大基調を評価して、14年12月高値2107円を試す展開だろう。

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィンなど)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社である。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けては「非鉄金属の総合商社」を目指し、M&A戦略も活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化した。14年11月には子会社アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が、稲田商会(福岡県北九州市)の銅リサイクル事業を譲り受けた。

 3月24日には非鉄金属専門商社の平和金属(大阪市)の株式を取得(4月30日予定)して連結子会社化すると発表した。同社グループの優良な営業資産の取り込みに加えて、加工機能を有する同社グループとのシナジー効果が見込めるとしている。

 今期(15年3月期)の連結業績見通し(11月6日に売上高を減額、利益を増額)は売上高が前期比9.4%増の2010億円、営業利益が同18.2%増の41億20百万円、経常利益が同37.5%増の49億50百万円、純利益が同11.3%増の35億円としている。

 配当予想(株式分割に伴って7月4日に修正)は年間36円(第2四半期末18円、期末18円)としている。14年8月1日付の株式2分割を考慮して前期の年間65円を年間32円50銭に換算すると、実質的に前期比3円50銭増配となる。

 第3四半期累計(4月〜12月)は前年同期比10.5%増収、同31.7%営業増益、同64.1%経常増益、同31.1%最終増益だった。自動車関連やスマホ・タブレット端末関連が好調に推移し、ケイ・マックの持分法投資利益も寄与して大幅増収増益だった。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)484億04百万円、第2四半期(7月〜9月)485億96百万円、第3四半期(10月〜12月)546億06百万円で、営業利益は第1四半期9億61百万円、第2四半期14億43百万円、第3四半期14億06百万円と好調な推移だ。

 通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.4%、営業利益が92.5%、経常利益が89.1%、純利益が92.0%と高水準である。通期ベースでもスマホ・タブレット端末向け電子材料関連、海外の自動車関連や半導体関連などが好調に推移し、貸倒引当金戻入や基幹システムの減価償却終了による販管費の減少、ケイ・マックの持分法適用関連会社化に伴う負ののれんを含む持分法投資利益も寄与する。通期利益は再増額が濃厚だろう。

 14年5月に発表した新中期経営計画(15年3月期〜17年3月期)では経営目標値として、17年3月期経常利益50億円超、純利益35億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&Aを中心に150億円の計画としている。

 重点戦略としては、電子材料分野では原料(レアメタル・レアアース)から製品(電子材料・機能材料)までを網羅したビジネス展開、環境対応関連分野では省エネ・環境対応素材からリサイクル事業まで国内外での積極展開、海外事業では地場取引や三国間ビジネスの拡大および海外ネットワークの充実、そして新規投融資の積極推進に取り組むとしている。

 17年3月期経常利益50億円超、純利益35億円超という目標値は15年3月期に前倒し達成の可能性が高まっている。積極的なM&A戦略が奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的にも収益拡大基調だろう。

 株価の動き(14年8月1日付で株式2分割)を見ると、14年12月の上場来高値2107円から反落して日柄整理局面となり、足元は1800円近辺でモミ合う展開だが、自律調整一巡感を強めている。

 3月26日の終値1830円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS273円69銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間36円で算出)は2.0%近辺、前期実績PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS1638円21銭で算出)は1.1倍近辺である。

 日足チャートで見ると戻りを押さえていた25日移動平均線突破の動きを強めている。週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込んだが、26週移動平均線が接近して切り返しの動きを強めている。自律調整が一巡して再動意のタイミングのようだ。15年3月期利益再増額の可能性や中期的な収益拡大基調を評価して、14年12月高値2107円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[2月20日更新]

アルコニックスは自律調整一巡して再動意のタイミング、14年12月高値試す

 「非鉄金属の総合商社」を目指すアルコニックス[3036](東1)の第3四半期累計(4月〜12月)業績は大幅増益だった。株価は1800円近辺で自律調整が一巡して再動意のタイミングのようだ。今期(15年3月期)利益見通し再増額の可能性を評価して14年12月の上場来高値2107円を試す展開だろう。

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィンなど)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社である。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けては「非鉄金属の総合商社」を目指し、M&A戦略も活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化した。14年11月には子会社アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が、稲田商会(福岡県北九州市)が北九州で展開する銅リサイクル事業を譲り受けた。

 2月6日発表の今期(15年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比10.5%増の1516億06百万円、営業利益が同31.7%増の38億10百万円、経常利益が同64.1%増の44億10百万円、純利益が同31.1%増の32億21百万円だった。自動車関連やスマホ・タブレット端末関連の好調、ケイ・マックの持分法投資利益などで大幅増収増益だった。

 セグメント別売上状況(内部売上高調整前)を見ると、軽金属・銅製品事業は半導体製造装置や航空機を主な需要家とする国内製造子会社の好調などで同8.0%増収、電子・機能材事業はレアアースの単価が下落したが、スマホ・タブレット端末関連部材が好調で同11.0%増収、非鉄原料事業は自動車用輸入アルミ合金塊などの好調、アルミ・銅スクラップの取り扱い数量増加などで同17.5%増収、建設・産業資材事業は海外でのバルブ類の取引増加などで同6.7%増収だった。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)484億04百万円、第2四半期(7月〜9月)485億96百万円、第3四半期(10月〜12月)546億06百万円、営業利益は第1四半期9億61百万円、第2四半期14億43百万円、第3四半期14億06百万円と好調な推移だ。

 通期の連結業績見通しは、前回予想(11月6日に売上高を減額、利益を増額)を据え置いて、売上高が前期比9.4%増の2010億円、営業利益が同18.2%増の41億20百万円、経常利益が同37.5%増の49億50百万円、純利益が同11.3%増の35億円としている。

 配当予想は年間36円(第2四半期末18円、期末18円)で、14年8月1日付の株式2分割を考慮して前期の年間65円を年間32円50銭に換算すると、実質的に前期比3円50銭増配となる。

 通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.4%、営業利益が92.5%、経常利益が89.1%、純利益が92.0%と高水準である。スマホ・タブレット端末向け電子材料関連、海外の自動車関連や半導体関連などが好調に推移し、利益面では貸倒引当金戻入や基幹システムの減価償却終了による販管費の減少、ケイ・マックの持分法適用関連会社化に伴う負ののれんを含む持分法投資利益も寄与する。通期利益見通しは再増額が濃厚だろう。

 14年5月に発表した新中期経営計画(15年3月期〜17年3月期)では経営目標値として、17年3月期経常利益50億円超、純利益35億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&Aを中心に150億円の計画としている。

 重点戦略としては、電子材料分野では原料(レアメタル・レアアース)から製品(電子材料・機能材料)までを網羅したビジネス展開、環境対応関連分野では省エネ・環境対応素材からリサイクル事業まで国内外での積極展開、海外事業では地場取引や三国間ビジネスの拡大および海外ネットワークの充実、そして新規投融資の積極推進に取り組む方針としている。

 17年3月期経常利益50億円超、純利益35億円超という目標値は15年3月期に前倒し達成の可能性が高まっている。積極的なM&A戦略が奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的にも収益拡大基調だろう。

 株価の動き(14年8月1日付で株式2分割)を見ると、14年12月の上場来高値2107円から利益確定売りで反落したが、足元では高値圏1800円〜1900円近辺で推移して自律調整一巡感を強めている。

 2月19日の終値1849円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS273円69銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間36円で算出)は2.0%近辺、前期実績PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS1638円21銭で算出)は1.1倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込んだが、1800円を割り込む動きは見られず調整一巡感を強めている。また日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線突破の動きを強めている。自律調整が一巡して再動意のタイミングのようだ。今期利益見通し再増額の可能性を評価して14年12月高値2107円を試す展開だろう。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[2月9日更新]

アルコニックスの第3四半期業績は好調で、株価はPER6.75倍と割安、今後の反発が予想される

 非鉄金属の総合商社を目指すアルコニックス[3036](東1)の今期15年3月期第3四半期累計期間の業績は増収大幅増益と好調であった。株価はPER6.5倍と割安であることから、今後の反発が予想される。

 6日に発表された第3四半期連結累計期間の業績は、売上高1516億06百万円(前年同期比10.5%増)、営業利益38億10百万円(同31.7%増)、経常利益44億10百万円(同64.1%増)、純利益32億21百万円(同31.1%増)と2ケタ増収大幅増益。
 第1四半期連結会計期間にケィ・マックを持分法適用関連会社とし、負ののれん発生益を含む持分法による投資利益を営業外収益に計上したことにより経常利益と純利益は大幅な増益となった。

 同社は軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィンなど)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社。

 事業は、軽金属・銅製品事業、電子・機能材事業、非鉄原料事業、建設・産業資材事業の4事業に分けられている。

 事業別の業績は、軽金属・銅製品事業は、売上高573億12百万円(同8.0%増加)、セグメント利益26億99百万円(同145.3%増加)と増収大幅増益。大幅増益となった要因は、ケィ・マックの負ののれん発生益を含む持分法による投資利益を営業外収益に計上したことによる。
 電子・機能材事業は、売上高591億95百万円(同11.0%増加)、セグメント利益12億84百万円(同6.1%減少)と2ケタ増収ながら減益であった。減益となった要因は、外貨借入金の期末時換算に伴い、為替差損を計上したことによる。
 非鉄原料事業は、売上高は271億99百万円(同17.5%増加)、セグメント利益2億83百万円(同314.6%増加)と2ケタ増収大幅増益となった。好業績の一因は、アルミ及び銅のリサイクル事業への進出が奏功し、アルミ・銅スクラップの取扱いが増加したことが挙げられる。
 建設・産業資材事業は、売上高は108億46百万円(同6.7%増加)、セグメント利益1億59百万円(同8.5%増加)と増収増益。円安メリットによりバルブ類の海外取引が増加し、銅合金管の輸出取引も好調であった。

 通期業績予想に対する進捗率は、売上高75.4%、営業利益92.5%、経常利益89.1%、純利益92.0%と利益面で高い進捗率となっていることから、利益面での上方修正が予想される。

 2月6日の終値1856円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS274円01銭で算出)は6.75倍、今期予想配当利回り(会 社予想の年間36円で算出)は1.94%、前期実績PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS1638円21銭で算出)は1.05倍。1部上場企業の平均PERが約18倍であることから割安といえる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[1月21日更新]

アルコニックスは利益確定売り一巡、今期利益再増額の可能性を評価して上値試す

 「非鉄金属の総合商社」を目指すアルコニックス[3036](東1)の株価は、14年12月高値2107円から一旦反落したが、1月16日の直近安値1790円から切り返し、19日は1873円まで戻す場面があった。利益確定売りが一巡したようだ。今期(15年3月期)利益再増額の可能性を評価して上値を試す展開だろう。なお2月6日に第3四半期(4月〜12月)業績発表を予定している。

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィンなど)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社である。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けては「非鉄金属の総合商社」を目指し、M&A戦略も活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社化した。14年11月には子会社アルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が、稲田商会(福岡県北九州市)が北九州で展開する銅リサイクル事業を譲り受けた。

 今期(15年3月期)の連結業績見通し(11月6日に売上高を減額、利益を増額)は売上高が前期比9.4%増の2010億円、営業利益が同18.2%増の41億20百万円、経常利益が同37.5%増の49億50百万円、純利益が同11.3%増の35億円としている。

 配当予想は年間36円(第2四半期末18円、期末18円)で、14年8月1日付の株式2分割を考慮して前期の年間65円を年間32円50銭に換算すると、実質的に前期比3円50銭増配となる。

 第2四半期累計(4月〜9月)は前年同期比9.1%増収、同28.1%営業増益、同72.8%経常増益、同27.2%最終増益だった。そして通期見通しに対する進捗率は売上高が48.3%、営業利益が58.4%、経常利益が62.8%、純利益が65.4%と高水準である。

 通期の売上高はレアメタルの単価下落などで期初計画をやや下回るが、スマホ・タブレット端末向け電子材料関連、海外の自動車関連や半導体関連などが好調に推移する。利益面では増収効果に加えて、貸倒引当金戻入や基幹システムの減価償却終了による販管費の減少、ケイ・マックの持分法適用関連会社化に伴う負ののれんを含む持分法投資利益が寄与する。通期利益見通しは再増額の可能性が高いだろう。

 14年5月に発表した新中期経営計画(15年3月期〜17年3月期)では経営目標値として、17年3月期経常利益50億円超、純利益35億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&Aを中心に150億円の計画としている。

 重点戦略としては、電子材料分野では原料(レアメタル・レアアース)から製品(電子材料・機能材料)までを網羅したビジネス展開、環境対応関連分野では省エネ・環境対応素材からリサイクル事業まで国内外での積極展開、海外事業では地場取引や三国間ビジネスの拡大および海外ネットワークの充実、そして新規投融資の積極推進に取り組む方針としている。

 17年3月期経常利益50億円超、純利益35億円超という目標値は15年3月期に前倒し達成の可能性が高まっている。積極的なM&A戦略が奏功し、グループのシナジー効果を高めて中期的にも収益拡大基調だろう。

 株価の動き(14年8月1日付で株式2分割)を見ると、14年12月の上場来高値2107円から利益確定売りで一旦反落したが、1月16日の直近安値1790円から切り返しの動きを強めている。19日は1873円まで戻す場面があった。利益確定売りが一巡したようだ。好業績見通しを評価する流れに変化はないだろう。

 1月19日の終値1863円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS274円01銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間36円で算出)は1.9%近辺、前期実績PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS1638円21銭で算出)は1.1倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んだが、週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から切り返す動きだ。サポートラインを確認した形だ。指標面に割高感はなく、今期利益見通し再増額の可能性を評価して12月高値2107円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月18日更新]

アルコニックスは15年3月期利益再増額の可能性を評価して上値追い

 「非鉄金属の総合商社」を目指すアルコニックス[3036](東1)の株価は、12月8日に上場来高値となる2107円まで上伸した。その後利益確定売りや地合い悪化で一旦反落したが、今期(15年3月期)利益見通し再増額の可能性を評価して上値追いの展開だろう。

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管、アルミフィンなど)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属分野の専門商社である。

 レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けては「非鉄金属の総合商社」を目指し、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開で、積極的なM&A戦略を推進している。

 13年1月金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社を子会社化、13年3月アルミ合金スクラップ販売の大阪アルミセンターを子会社化、13年4月産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化、14年4月住宅建設関連資材メーカーのケイ・マックを持分法適用関連会社とした。また14年11月には子会社のアルミ銅センター(大阪アルミセンターが14年9月1日付で商号変更)が、稲田商会(福岡県北九州市)が北九州で展開する銅リサイクル事業を譲り受けた。

 今期(15年3月期)の連結業績見通しについては11月6日に売上高を減額、利益を増額修正して、売上高が前期比9.4%増の2010億円、営業利益が同18.2%増の41億20百万円、経常利益が同37.5%増の49億50百万円、純利益が同11.3%増の35億円としている。

 配当予想については年間36円(第2四半期末18円、期末18円)としている。14年8月1日付の株式2分割を考慮して前期の年間65円を年間32円50銭に換算すると、実質的に前期比3円50銭増配となる。

 通期の売上高はレアメタルの単価下落などで期初計画をやや下回るが、電子材料分野や海外取引などが好調に推移して、利益は期初計画を大幅に上回るようだ。純利益は減益見通しから一転して増益見通しとなった。修正後のセグメント別経常利益の計画は、軽金属・銅製品が同68.5%増の27億50百万円、電子・機能材が同11.8%増の18億50百万円、非鉄原料が同2.1倍の1億90百万円、建設・産業資材が同20.9%減の1億60百万円としている。

 第2四半期累計(4月〜9月)は前年同期比9.1%増収、同28.1%営業増益、同72.8%経常増益、同27.2%最終増益だった。売上高は計画をやや下回ったが、スマホ・タブレット端末向け電子材料関連、海外の自動車関連や半導体関連などが好調に推移した。利益は計画を大幅に上回った。増収効果、貸倒引当金戻入による販管費の減少に加えて、ケイ・マックの持分法適用関連会社化に伴う負ののれんを含む持分法投資利益が寄与した。

 通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.3%、営業利益が58.4%、経常利益が62.8%、純利益が65.4%と高水準である。積極的なM&A戦略が奏功して自動車関連やスマホ関連を中心に増収基調であり、営業外収益でのケイ・マックの持分法投資利益も寄与して通期利益見通しは再増額の可能性が高いだろう。

 14年5月に発表した新中期経営計画(15年3月期〜17年3月期)では目標値として、17年3月期経常利益50億円超、純利益35億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度を掲げ、3年間の投融資総額はM&Aを中心に150億円の計画としている。

 重点戦略としては、電子材料分野では原料(レアメタル・レアアース)から製品(電子材料・機能材料)までを網羅したビジネス展開、環境対応関連分野では省エネ・環境対応素材からリサイクル事業まで国内外での積極展開、海外事業では地場取引や三国間ビジネスの拡大および海外ネットワークの充実、そして新規投融資の積極推進に取り組む方針としている。17年3月期経常利益50億円超、純利益35億円超という目標値は15年3月期に前倒し達成の可能性が高まっている。中期的にも収益拡大基調だろう。

 株価の動き(14年8月1日付で株式2分割)を見ると、10月17日の直近安値1298円から切り返しの展開となり、今期の利益見通し増額修正や再増額の可能性を好感して上伸し、12月8日には上場来高値となる2107円まで上伸した。その後は利益確定売りや地合い悪化で16日の1861円まで一旦反落したが、17日には1900円台まで戻している。好業績見通しを評価する流れに変化はないだろう。

 12月17日の終値1906円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS274円01銭で算出)は7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間36円で算出)は1.9%近辺、前期実績PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS1638円21銭で算出)は1.2倍近辺である。

 日足チャートで見ると、25日移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消した。また週足チャートで見ると、26週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。指標面に割高感はなく、今期利益見通し再増額の可能性を評価して上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
 

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