[3176]三洋貿易
[12月28日更新]

三洋貿易は下値固め完了、22年9月期の経常利益は連続で過去最高更新予想

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品などを主力とする専門商社である。バイオマス・地熱・海洋など再生エネルギー関連への取り組みも強化している。22年9月期の経常利益は連続で過去最高更新予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は上値を切り下げる形で軟調だったが、売り一巡して下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 21年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が31%、機械資材が56%、海外現地法人が15%、その他が▲2%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

 20年10月には連結子会社のアズロと非連結子会社のNKSコーポレーションを合併(新社名は三洋ライフマテリアル)、20年11月には健康食品原料や化粧品原料を中心とする化学品輸出専門商社のグローバル・トレーディングを子会社化、20年12月には非連結子会社の三洋テクノスが研究機器向け試験片および部品製造のテストマテリアルズを子会社化した。

 21年4月には子会社のグローバル・トレーディングを吸収合併した。また事業の選択・集中の観点から産業用合成ゴム材料製造の非連結子会社の三洋東和(上海)の全持分85.9%を譲渡した。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げて、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。この長期ビジョンの達成が視野に入ってきたため、新たに2ヶ年の新中期経営計画(22年9月期〜23年9月期)を策定し、23年9月期の目標値を売上高1100億円、経常利益を75億円とした。

 長期ビジョンで推進してきた企業体質および収益基盤の強化を目指す7つの基本戦略(企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進)をさらに推進する。

 具体的にはモビリティ(あらゆる移動体)、ファインケミカル(合成ゴム、塗料、インキ、コーティング、電材)、サステナビリティ(バイオマス・地熱・海洋などの再生エネルギー、畜産飼料)、ライフサイエンス(食品添加物、化粧品、在宅医療、科学機器、バイオテクノロジー)の4市場をターゲット分野として、事業領域の追求・深化、新規事業の開拓、グローバル展開、環境配慮型商材の拡充、気候変動への取り組み、および新規投資案件の推進を一層強化する方針だ。

 目標達成に向けて、20年10月には事業部横断で次世代事業を創出する社長直轄の組織として事業開発室を新設した。20年9月期時点で新規プロジェクト44件を選定している。21年10月にはライフサイエンス事業部を新設した。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。20年11月にはタイ・レムチャバンに事務所を開設、21年1月には米国・アラバマに事務所を開設した。

■22年9月期の経常利益は連続で過去最高更新予想

 22年9月期の連結業績予想は売上高が21年9月期比4.7%増の940億円、営業利益が5.3%増の58億円、経常利益が1.8%増の63億円、親会社株主帰属当期純利益が1.3%減の42億円としている。配当予想は21年9月期と同額の39円(第2四半期末19円、期末20円)としている。

 コロナ禍による物流混乱・供給逼迫、原材料価格高騰、半導体・部品不足に伴う自動車メーカー減産の影響など、不透明感を考慮して小幅営業・経常増益にとどまる予想だが、長期経営計画「VISION2023」の達成に向けて中長期的な見地から対応施策を講じ、経常利益は連続最高益更新予想としている。期初時点では保守的な傾向が強いだけに上振れ余地がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。

■株価は下値固め完了

 22年4月4日移行予定の新市場区分については、上場維持基準への適合状況に関する第一次判定結果としてプライム市場適合を確認し、21年7月12日開催の取締役会においてプライム市場選択申請を決議した。

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値を更新する場面があったが、売り一巡して下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。12月27日の終値は1000円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS146円38銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の39円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1195円18銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約293億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月29日更新]

三洋貿易は調整一巡、22年9月期小幅営業・経常増益予想だが上振れ余地

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品などを主力とする専門商社である。バイオマス・地熱・海洋など再生エネルギー関連への取り組みも強化している。21年9月期は木質バイオマス大型案件も寄与して大幅増収増益だった。自動車関連は第4四半期に減産の影響を受けたが、通期ベースでは概ね順調だった。22年9月期は小幅営業・経常増益にとどまる予想としているが、上振れ余地がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。株価は上値を切り下げる形でやや軟調だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 21年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が31%、機械資材が56%、海外現地法人が15%、その他が▲2%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

 20年10月には連結子会社のアズロと非連結子会社のNKSコーポレーションを合併(新社名は三洋ライフマテリアル)、20年11月には健康食品原料や化粧品原料を中心とする化学品輸出専門商社のグローバル・トレーディングを子会社化、20年12月には非連結子会社の三洋テクノスが研究機器向け試験片および部品製造のテストマテリアルズを子会社化した。

 21年4月には子会社のグローバル・トレーディングを吸収合併した。また事業の選択・集中の観点から産業用合成ゴム材料製造の非連結子会社の三洋東和(上海)の全持分85.9%を譲渡した。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げて、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。この長期ビジョンの達成が視野に入ってきたため、新たに2ヶ年の新中期経営計画(22年9月期〜23年9月期)を策定し、23年9月期の目標値を売上高1100億円、経常利益を75億円とした。

 長期ビジョンで推進してきた企業体質および収益基盤の強化を目指す7つの基本戦略(企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進)をさらに推進する。

 具体的にはモビリティ(あらゆる移動体)、ファインケミカル(合成ゴム、塗料、インキ、コーティング、電材)、サステナビリティ(バイオマス・地熱・海洋などの再生エネルギー、畜産飼料)、ライフサイエンス(食品添加物、化粧品、在宅医療、科学機器、バイオテクノロジー)の注力4分野に特化して、事業領域の追求・深化、新規事業の開拓、グローバル展開、環境配慮型商材の拡充、気候変動への取り組み、および新規投資案件の推進を一層強化する方針だ。

目標達成に向けて、20年10月には事業部横断で次世代事業を創出する社長直轄の組織として事業開発室を新設した。20年9月期時点で新規プロジェクト44件を選定している。21年10月にはライフサイエンス事業部を新設した。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。20年11月にはタイ・レムチャバンに事務所を開設、21年1月には米国・アラバマに事務所を開設した。

■22年9月期小幅営業・経常増益予想だが上振れ余地

 21年9月期連結業績は売上高が20年9月期比18.0%増の897億88百万円、営業利益が14.9%増の55億06百万円、経常利益が17.4%増の61億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が41.3%増の42億56百万円だった。配当は20年9月期比1円50銭増配の39円(第2四半期末19円、期末20円)とした。

 木質バイオマスの大型案件も寄与して大幅増収増益となり、経常利益、親会社株主帰属当期純利益は過去最高を更新した。自動車関連は第4四半期に半導体・部品不足に伴う完成車メーカー減産の影響を受けたが、通期ベースでは高価格帯車種向けの好調も寄与して概ね順調だった。

 化成品は売上高が14.5%増の315億34百万円で、営業利益(全社費用等調整前)が56.9%増の20億17百万円だった。ゴム関連商品は自動車関連に加えて、家電・情報機器など非自動車関連の需要が急増し、合成ゴムや副資材が好調だった。仕入価格高騰と物流混乱の中でも在庫を活用して安定供給に対応した。化学品関連商品も主力の塗料・インキ関連をはじめ、幅広いケミカル原材料需要が堅調に推移した。

 機械資材は売上高が10.7%増の334億14百万円で、営業利益が7.7%増の36億65百万円だった。産業資材関連では自動車向けシート周辺部材が期末にかけて減産の影響を受けたが、通期ベースでは概ね順調だった。機械・環境関連は飼料加工機器が好調に推移し、木質バイオマスの大型案件(本体6基)も寄与した。資源開発関連は海洋開発関連機材や地熱開発機材が好調だった。

 海外現地法人は売上高が35.4%増の246億89百万円で営業利益が16.5%増の9億78百万円だった。米国は高吸水性樹脂やフィルム、中国(上海)は自動車関連部品、タイはゴム関連や自動車部品、メキシコは自動車関連部品、ベトナムは塗料・インキ関連、インドネシア(新規連結)はゴム関連が好調だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高216億09百万円で営業利益17億21百万円、第2四半期は売上高239億16百万円で営業利益19億13百万円、第3四半期は売上高229億円で営業利益14億49百万円、第4四半期は売上高213億63百万円で営業利益4億23百万円だった。第4四半期は完成車メーカー減産の影響を受けた。

 22年9月期の連結業績予想は売上高が21年9月期比4.7%増の940億円、営業利益が5.3%増の58億円、経常利益が1.8%増の63億円、親会社株主帰属当期純利益が1.3%減の42億円としている。配当予想は21年9月期と同額の39円(第2四半期末19円、期末20円)としている。

 コロナ禍による物流混乱・供給逼迫、原材料価格高騰、半導体・部品不足に伴う自動車メーカー減産の影響など、不透明感を考慮して小幅営業・経常増益にとどまる予想としているが、中長期的な見地から対応施策を講じて最高益更新予想としている。期初時点では保守的な傾向が強いだけに上振れ余地がありそうだ。なお新・中期経営計画を発表し、目標値に23年9月期売上高1100億円、経常利益75億円を掲げた。収益拡大基調を期待したい。

■株価は調整一巡

 22年4月4日移行予定の新市場区分については、上場維持基準への適合状況に関する第一次判定結果としてプライム市場適合を確認し、21年7月12日開催の取締役会においてプライム市場選択申請を決議した。

 株価は上値を切り下げる形となってやや軟調な展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。11月26日の終値は992円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS146円38銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の39円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1195円18銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約288億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月08日更新]

三洋貿易は21年9月期大幅増収増益、22年9月期小幅営業・経常増益予想だが上振れ余地

 三洋貿易<3176>(東1)は11月5日の取引時間終了後に21年9月期連結業績を発表した。木質バイオマスの大型案件も寄与して大幅増収増益だった。自動車関連は第4四半期に減産の影響を受けたが、通期ベースでは概ね順調だった。22年9月期は不透明感を考慮して小幅な営業・経常増益にとどまる予想としているが、期初時点では保守的な傾向が強いだけに上振れ余地がありそうだ。なお新・中期経営計画も発表している。収益拡大基調を期待したい。株価は上値を切り下げる形となったが、利益確定売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■21年9月期大幅増収増益、22年9月期小幅営業・経常増益予想

 21年9月期連結業績は売上高が20年9月期比18.0%増の897億88百万円、営業利益が14.9%増の55億06百万円、経常利益が17.4%増の61億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が41.3%増の42億56百万円だった。配当は20年9月期比1円50銭増配の39円(第2四半期末19円、期末20円)とした。

 木質バイオマスの大型案件も寄与して大幅増収増益だった。自動車関連は第4四半期に半導体・部品不足に伴う完成車メーカー減産の影響を受けたが、通期ベースでは概ね順調だった。

 化成品は売上高が14.5%増の315億34百万円で営業利益(全社費用等調整前)が56.9%増の20億17百万円だった。ゴム関連商品は供給ひっ迫と仕入価格高騰が顕在化したが、自動車向けや家電・情報機器向けの合成ゴムや副資材が好調だった。化学品関連商品も主力の塗料・インキ向けが好調だった。

 機械資材は売上高が10.7%増の334億14百万円で営業利益が7.7%増の36億65百万円だった。産業資材関連では自動車向けシート周辺部材が期末にかけて減産の影響を受けたが、通期ベースでは概ね順調だった。機械・環境関連商品では木質バイオマスの大型案件も寄与した。資源開発関連商品は海洋開発関連機材や地熱開発機材が好調だった。

 海外現地法人は売上高が35.4%増の246億89百万円で営業利益が16.5%増の9億78百万円だった。米国は高吸水性樹脂やフィルム、中国(上海)は自動車関連商品や電池材料、タイはゴム関連や自動車部品、メキシコは自動車関連部品、ベトナムは塗料・インキ関連、インドネシア(新規連結)はゴム関連が好調だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高216億09百万円で営業利益17億21百万円、第2四半期は売上高239億16百万円で営業利益19億13百万円、第3四半期は売上高229億円で営業利益14億49百万円、第4四半期は売上高213億63百万円で営業利益4億23百万円だった。第4四半期は完成車メーカー減産の影響を受けた。

 22年9月期の連結業績予想は売上高が21年9月期比4.7%増の940億円、営業利益が5.3%増の58億円、経常利益が1.8%増の63億円、親会社株主帰属当期純利益が1.3%減の42億円としている。配当予想は21年9月期と同額の39円(第2四半期末19円、期末20円)としている。

 半導体・部品不足に伴う完成車メーカー減産の影響など、不透明感を考慮して小幅な営業・経常増益にとどまる予想としているが、期初時点では保守的な傾向が強いだけに上振れ余地がありそうだ。なお新・中期経営計画を発表し、目標値に23年9月期売上高1100億円、経常利益75億円を掲げた。収益拡大基調を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は上値を切り下げる形となったが、利益確定売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。11月5日の終値は1131円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS146円38銭で算出)は約8倍、時価総額は約328億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月20日更新]

三洋貿易は調整一巡、22年9月期も収益拡大基調

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品などを主力とする専門商社である。バイオマス・地熱・海洋など再生エネルギー関連への取り組みも強化している。21年9月期は需要回復基調で大幅増益予想としている。当面は部品不足による自動車減産が懸念材料となりそうだが、影響は一時的で22年9月期も収益拡大基調だろう。株価は反発力が鈍く上値を切り下げる形だが、調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。なお11月5日に21年9月期決算発表を予定している。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 20年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が60%、海外現地法人が15%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

 20年10月には連結子会社のアズロと非連結子会社のNKSコーポレーションを合併(新社名は三洋ライフマテリアル)、20年11月には健康食品原料や化粧品原料を中心とする化学品輸出専門商社のグローバル・トレーディングを子会社化、20年12月には非連結子会社の三洋テクノスが研究機器向け試験片および部品製造のテストマテリアルズを子会社化、21年4月には子会社のグローバル・トレーディングを吸収合併した。

 21年4月にはグループの事業の選択・集中の観点から、産業用合成ゴム材料製造の非連結子会社の三洋東和(上海)の全持分85.9%を譲渡した。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 注力市場はモビリティ(あらゆるモビリティ)、ファインケミカル(ゴム、塗料、インキ、コーティング)、サスティナビリティ(バイオマス・地熱・海洋などの再生エネルギー、畜産飼料)、ライフサイエンス(在宅医療、化粧品、食品、科学機器、電材など)としている。今後の成長ドライバーとしては木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 さらに、事業部の垣根を越え、規模が大きく有望なビジネスを優先的に開発する社長直轄の事業開発室を創設し、20年9月期時点で新規プロジェクト44件を選定している。

■21年9月期大幅増益予想、22年9月期も収益拡大基調

 21年9月期連結業績予想(5月11日に売上高、利益を上方修正)は、売上高が20年9月期比15.7%増の880億円、営業利益が25.2%増の60億円、経常利益が19.5%増の63億円、親会社株主帰属当期純利益が39.4%増の42億円としている。配当予想(5月11日に第2四半期末50銭上方修正)は50銭増配の38円(第2四半期末19円、期末19円)である。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比19.3%増の684億25百万円、営業利益が33.0%増の50億83百万円、経常利益が33.8%増の56億28百万円、親会社株主帰属四半期純利益が38.3%増の37億91百万円だった。自動車関連を中心に需要が好調に推移して大幅増収増益だった。

 化成品は8.2%増収で45.7%営業増益だった。ゴム関連商品は供給ひっ迫と価格高騰が深刻化したが、自動車をはじめ全ての産業向けで需要が拡大した。化学品関連商品はUVインキ原材料などが好調だった。利益面では16年に買収したソートののれん償却終了も寄与した。

 機械資材は15.2%増収で29.1%営業増益だった。産業資材関連は主力の自動車向けシート周辺部材が好調だった。機械・環境関連商品は北海道当別町の大型バイオマス案件が実現した。科学機器関連商品は粒子分散および耐候性試験機が堅調だった。

 海外現地法人は45.4%増収で38.0%営業増益だった。米国は中国製自動車部品の追加関税や販管費増加で微増益にとどまったが、中国(上海)で自動車部品が大幅伸長した。タイやベトナムも順調だった。なおインドネシアの子会社を第1四半期から新規連結している。

 四半期別に見ると第1四半期は売上高216億09百万円で営業利益17億21百万円、第2四半期は売上高239億16百万円で営業利益19億13百万円、第3四半期は売上高229億円で営業利益14億49百万円だった。

 新型コロナの影響や半導体不足の影響など不透明感を考慮して通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は売上高が77.8%、営業利益が84.7%、経常利益が89.3%、当期純利益が90.3%と高水準だった。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。当面は部品不足による自動車減産が懸念材料となりそうだが、影響は一時的で22年9月期も収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 22年4月4日移行予定の新市場区分については、上場維持基準への適合状況に関する第一次判定結果としてプライム市場適合を確認し、21年7月12日開催の取締役会においてプライム市場選択申請に係る手続きに入る旨の決議を行っている。

 株価は反発力が鈍く上値を切り下げる形だが、調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。10月19日の終値は1143円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS146円59銭で算出)は約8倍、前期推定配当利回り(会社予想の38円で算出)は約3.3%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS1069円41銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約332億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月28日更新]

三洋貿易は反発の動き、22年9月期も収益拡大基調

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品などを主力とする専門商社である。バイオマス・地熱・海洋など再生エネルギー関連への取り組みも強化している。21年9月期は需要回復基調で大幅増益予想としている。22年9月期も収益拡大基調だろう。なお10月3日法曹のBS12トゥエルビ「賢者の選択FUSION」(全国放送、18時30分〜18時59分)に新谷正伸代表取締役社長が出演する。株価は8月の直近安値圏から反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 20年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が60%、海外現地法人が15%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

 20年10月には連結子会社のアズロと非連結子会社のNKSコーポレーションを合併(新社名は三洋ライフマテリアル)、20年11月には健康食品原料や化粧品原料を中心とする化学品輸出専門商社のグローバル・トレーディングを子会社化、20年12月には非連結子会社の三洋テクノスが研究機器向け試験片および部品製造のテストマテリアルズを子会社化、21年4月には子会社のグローバル・トレーディングを吸収合併した。

 21年4月にはグループの事業の選択・集中の観点から、産業用合成ゴム材料製造の非連結子会社の三洋東和(上海)の全持分85.9%を譲渡した。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 注力市場はモビリティ(あらゆるモビリティ)、ファインケミカル(ゴム、塗料、インキ、コーティング)、サスティナビリティ(バイオマス・地熱・海洋などの再生エネルギー、畜産飼料)、ライフサイエンス(在宅医療、化粧品、食品、科学機器、電材など)としている。今後の成長ドライバーとしては木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 さらに、事業部の垣根を越え、規模が大きく有望なビジネスを優先的に開発する社長直轄の事業開発室を創設し、20年9月期時点で新規プロジェクト44件を選定している。

■21年9月期大幅増益予想、22年9月期も収益拡大基調

 21年9月期連結業績予想(5月11日に売上高、利益を上方修正)は、売上高が20年9月期比15.7%増の880億円、営業利益が25.2%増の60億円、経常利益が19.5%増の63億円、親会社株主帰属当期純利益が39.4%増の42億円としている。配当予想(5月11日に第2四半期末50銭上方修正)は50銭増配の38円(第2四半期末19円、期末19円)である。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比19.3%増の684億25百万円、営業利益が33.0%増の50億83百万円、経常利益が33.8%増の56億28百万円、親会社株主帰属四半期純利益が38.3%増の37億91百万円だった。自動車関連を中心に需要が好調に推移して大幅増収増益だった。

 化成品は8.2%増収で45.7%営業増益だった。ゴム関連商品は供給ひっ迫と価格高騰が深刻化したが、自動車をはじめ全ての産業向けで需要が拡大した。化学品関連商品はUVインキ原材料などが好調だった。利益面では16年に買収したソートののれん償却終了も寄与した。

 機械資材は15.2%増収で29.1%営業増益だった。産業資材関連は主力の自動車向けシート周辺部材が好調だった。機械・環境関連商品は北海道当別町の大型バイオマス案件が実現した。科学機器関連商品は粒子分散および耐候性試験機が堅調だった。

 海外現地法人は45.4%増収で38.0%営業増益だった。米国は中国製自動車部品の追加関税や販管費増加で微増益にとどまったが、中国(上海)で自動車部品が大幅伸長した。タイやベトナムも順調だった。なおインドネシアの子会社を第1四半期から新規連結している。

 四半期別に見ると第1四半期は売上高216億09百万円で営業利益17億21百万円、第2四半期は売上高239億16百万円で営業利益19億13百万円、第3四半期は売上高229億円で営業利益14億49百万円だった。

 新型コロナの影響や半導体不足の影響など不透明感を考慮して通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は売上高が77.8%、営業利益が84.7%、経常利益が89.3%、当期純利益が90.3%と高水準だった。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。さらに22年9月期も収益拡大基調だろう。

■株価は反発の動き

 22年4月移行予定の新市場区分については、上場維持基準への適合状況に関する第一次判定結果としてプライム市場を選択できる旨の通知を受けた。この結果を受けて7月12日開催の取締役会で、プライム市場選択申請に係る手続きに入る旨の決議を行っている。

 株価は8月の直近安値圏から反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。9月27日の終値は1221円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS146円59銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想38円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1069円41銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約354億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月27日更新]

三洋貿易は調整一巡、21年9月期3Q累計大幅増益で通期は再上振れの可能性

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品などを主力とする専門商社である。バイオマス・地熱・海洋など再生エネルギー関連への取り組みも強化している。21年9月期は需要回復基調で大幅増益予想としている。第3四半期累計は自動車関連を中心に需要が好調に推移して大幅増収増益だった。通期予想を据え置いたが再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。株価は6月の年初来高値圏から反落して水準を切り下げたが、調整一巡して出直りを期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 20年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が60%、海外現地法人が15%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

 20年10月には連結子会社のアズロと非連結子会社のNKSコーポレーションを合併(新社名は三洋ライフマテリアル)、20年11月には健康食品原料や化粧品原料を中心とする化学品輸出専門商社のグローバル・トレーディングを子会社化、20年12月には非連結子会社の三洋テクノスが研究機器向け試験片および部品製造のテストマテリアルズを子会社化、21年4月には子会社のグローバル・トレーディングを吸収合併した。

 なお21年4月には、グループの事業の選択・集中の観点から、産業用合成ゴム材料製造の非連結子会社の三洋東和(上海)の全持分85.9%を譲渡した。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 注力市場はモビリティ(あらゆるモビリティ)、ファインケミカル(ゴム、塗料、インキ、コーティング)、サスティナビリティ(バイオマス・地熱・海洋などの再生エネルギー、畜産飼料)、ライフサイエンス(在宅医療、化粧品、食品、科学機器、電材など)としている。今後の成長ドライバーとしては木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお事業部の垣根を越え、規模が大きく有望なビジネスを優先的に開発する社長直轄の事業開発室を創設し、20年9月期時点で新規プロジェクト44件を選定している。

■21年9月期大幅増益予想、3Q累計大幅増益で通期再上振れの可能性

 21年9月期連結業績予想(5月11日に売上高、利益とも上方修正)は、売上高が20年9月期比15.7%増の880億円、営業利益が25.2%増の60億円、経常利益が19.5%増の63億円、そして親会社株主帰属当期純利益が39.4%増の42億円としている。配当予想(5月11日に第2四半期末50銭上方修正)は50銭増配の38円(第2四半期末19円、期末19円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比19.3%増の684億25百万円、営業利益が33.0%増の50億83百万円、経常利益が33.8%増の56億28百万円、親会社株主帰属四半期純利益が38.3%増の37億91百万円だった。自動車関連を中心に需要が好調に推移して大幅増収増益だった。

 化成品は8.2%増収で45.7%営業増益だった。ゴム関連商品は供給ひっ迫と価格高騰が深刻化したが、自動車をはじめ全ての産業向けで需要が拡大した。化学品関連商品はUVインキ原材料などが好調だった。利益面では16年に買収したソートののれん償却終了も寄与した。

 機械資材は15.2%増収で29.1%営業増益だった。産業資材関連は主力の自動車向けシート周辺部材が好調だった。機械・環境関連商品は北海道当別町の大型バイオマス案件が実現した。科学機器関連商品は粒子分散および耐候性試験機が堅調だった。

 海外現地法人は45.4%増収で38.0%営業増益だった。米国は中国製自動車部品の追加関税や販管費増加で微増益にとどまったが、中国(上海)で自動車部品が大幅伸長した。タイやベトナムも順調だった。なおインドネシアの子会社を第1四半期から新規連結している。

 四半期別に見ると第1四半期は売上高216億09百万円で営業利益17億21百万円、第2四半期は売上高239億16百万円で営業利益19億13百万円、第3四半期は売上高229億円で営業利益14億49百万円だった。

 新型コロナの影響や半導体不足の影響など不透明感を考慮して通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は売上高が77.8%、営業利益が84.7%、経常利益が89.3%、当期純利益が90.3%と高水準だった。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。

■株価は調整一巡

 22年4月予定の新市場区分については、上場維持基準への適合状況に関する第一次判定結果としてプライム市場を選択できる旨の通知を受けた。この結果を受けて、7月12日開催の取締役会にてプライム市場選択申請に係る手続きに入る旨の決議を行った。

 株価は6月の年初来高値圏から反落して水準を切り下げたが、調整一巡して出直りを期待したい。8月26日の終値は1139円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS146円59銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の38円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1069円41銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約330億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[07月13日更新]

三洋貿易は上値試す、21年9月期大幅増益予想、さらに再上振れの可能性

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品などを主力とする専門商社である。バイオマス・地熱・海洋など再生エネルギー関連への取り組みも強化している。21年9月期は需要回復基調で大幅増益予想としている。さらに再上振れの可能性が高いだろう。株価は6月の年初来高値圏から利益確定売りで反落したが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。なお東京証券取引所からプライム市場を選択できる旨の通知を受けた。また8月6日に21年9月期第3四半期決算発表を予定している。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 20年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が60%、海外現地法人が15%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

 20年10月には連結子会社のアズロと非連結子会社のNKSコーポレーションを合併(新社名は三洋ライフマテリアル)、20年11月には健康食品原料や化粧品原料を中心とする化学品輸出専門商社のグローバル・トレーディングを子会社化、20年12月には非連結子会社の三洋テクノスが研究機器向け試験片および部品製造のテストマテリアルズを子会社化、21年4月には子会社のグローバル・トレーディングを吸収合併した。

 なお21年4月には、グループの事業の選択・集中の観点から、産業用合成ゴム材料製造の非連結子会社の三洋東和(上海)の全持分85.9%を譲渡した。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 注力市場はモビリティ(あらゆるモビリティ)、ファインケミカル(ゴム、塗料、インキ、コーティング)、サスティナビリティ(バイオマス・地熱・海洋などの再生エネルギー、畜産飼料)、ライフサイエンス(在宅医療、化粧品、食品、科学機器、電材など)としている。今後の成長ドライバーとしては木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお事業部の垣根を越え、規模が大きく有望なビジネスを優先的に開発する社長直轄の事業開発室を創設し、20年9月期時点で新規プロジェクト44件を選定している。

■21年9月期大幅増益予想、さらに再上振れの可能性

 21年9月期連結業績予想(5月11日に売上高、利益とも上方修正)は、売上高が20年9月期比15.7%増の880億円、営業利益が25.2%増の60億円、経常利益が19.5%増の63億円、そして親会社株主帰属当期純利益が39.4%増の42億円としている。配当予想(5月11日に第2四半期末50銭上方修正)は50銭増配の38円(第2四半期末19円、期末19円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比11.1%増の455億25百万円、営業利益が23.3%増の36億34百万円、経常利益が26.2%増の40億18百万円、四半期純利益が26.1%増の26億67百万円だった。自動車関連を中心に需要が回復基調となって大幅増益だった。

 化成品は0.5%増収で26.4%営業増益だった。ゴム関連商品の需要が自動車向け中心に回復基調となった。化学品関連商品はUV用インキ原料が好調だった。機械資材は3.4%増収で15.5%営業増益だった。日系自動車メーカー向けシート周辺部材が伸長した。海外現地法人は45.6%増収で39.6%営業増益だった。中国(上海)の自動車部品が大幅伸長し、タイやベトナムも順調だった。米国ではオムツ用高吸水性樹脂などが増加した。なお非連結だったインドネシアの子会社を第1四半期に新規連結している。

 四半期別に見ると第1四半期は売上高216億09百万円で営業利益17億21百万円、第2四半期は売上高239億16百万円で営業利益19億13百万円だった。

 通期は大幅増益予想とした。日系自動車メーカーの反動増産は一服したが、ゴム・化学品の素材関連の需要は下期も堅調に推移する見込みとしている。さらに下期は木質バイオマス大型案件と子会社コスモス商事のレアアース案件も寄与する見込みだ。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が51.7%、営業利益が60.6%、経常利益が63.8%、当期純利益が63.5%と高水準である。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 東京証券取引所から、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する第一次判定結果としてプライム市場を選択できる旨の通知を受けた。この結果を受けて、7月12日開催の取締役会にてプライム市場選択申請に係る手続きに入る旨の決議を行った。

 株価は6月の年初来高値圏から利益確定売りで反落したが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。7月12日の終値は1264円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS146円59銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の38円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1069円41銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約367億円である。
(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
http://media-ir.com/news/
[06月15日更新]

三洋貿易は年初来高値更新の展開、21年9月期大幅増益予想で再上振れの可能性

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品などを主力とする専門商社である。注力分野としてバイオマス・地熱・海洋などの再生エネルギー関連への取り組みも強化している。21年9月期は上方修正して大幅増益予想としている。さらに再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。株価は水準を切り上げて年初来高値更新の展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 20年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が60%、海外現地法人が15%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

 20年10月には、連結子会社のアズロと非連結子会社のNKSコーポレーションを合併(新社名は三洋ライフマテリアル)した。20年11月には、健康食品原料や化粧品原料を中心とする化学品輸出専門商社のグローバル・トレーディングを子会社化した。20年12月には非連結子会社の三洋テクノスが、研究機器向け試験片および部品製造のテストマテリアルズを子会社化した。21年4月には完全子会社のグローバル・トレーディングを吸収合併した。

 なお21年4月には、グループの事業の選択・集中の観点から、産業用合成ゴム材料製造の非連結子会社の三洋東和(上海)の全持分85.9%を譲渡した。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 注力市場はモビリティ(あらゆるモビリティ)、ファインケミカル(ゴム、塗料、インキ、コーティング)、サスティナビリティ(バイオマス・地熱・海洋などの再生エネルギー、畜産飼料)、ライフサイエンス(在宅医療、化粧品、食品、科学機器、電材など)としている。今後の成長ドライバーとしては木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお事業部の垣根を越え、規模が大きく有望なビジネスを優先的に開発する社長直轄の事業開発室を創設し、20年9月期時点で新規プロジェクト44件を選定している。

■21年9月期大幅増益予想で再上振れの可能性

 21年9月期連結業績予想(5月11日に売上高、利益とも上方修正)は、売上高が20年9月期比15.7%増の880億円、営業利益が25.2%増の60億円、経常利益が19.5%増の63億円、そして親会社株主帰属当期純利益が39.4%増の42億円としている。配当予想(5月11日に第2四半期末50銭上方修正)は50銭増配の38円(第2四半期末19円、期末19円)とした。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比11.1%増の455億25百万円、営業利益が23.3%増の36億34百万円、経常利益が26.2%増の40億18百万円、四半期純利益が26.1%増の26億67百万円だった。自動車関連を中心に需要が回復基調となって大幅増益だった。

 化成品は0.5%増収で26.4%営業増益だった。ゴム関連商品の需要が自動車向け中心に回復基調となった。化学品関連商品はUV用インキ原料が好調だった。機械資材は3.4%増収で15.5%営業増益だった。日系自動車メーカー向けシート周辺部材が伸長した。海外現地法人は45.6%増収で39.6%営業増益だった。中国(上海)の自動車部品が大幅伸長し、タイやベトナムも順調だった。米国ではオムツ用高吸水性樹脂などが増加した。なお非連結だったインドネシアの子会社を第1四半期に新規連結している。

 四半期別に見ると第1四半期は売上高216億09百万円で営業利益17億21百万円、第2四半期は売上高239億16百万円で営業利益19億13百万円だった。

 通期は従来の減益予想から一転して大幅増益予想とした。日系自動車メーカーの反動増産は一服したが、ゴム・化学品の素材関連の需要は下期も堅調に推移する見込みとしている。さらに下期は木質バイオマス大型案件と子会社コスモス商事のレアアース案件も寄与する見込みだ。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が51.7%、営業利益が60.6%、経常利益が63.8%、当期純利益が63.5%と高水準である。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。

■株価は年初来高値更新の展開

 株価は水準を切り上げて年初来高値更新の展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。6月14日の終値は1348円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS146円59銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の38円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1069円41銭で算出)は約1.3倍、時価総額は約391億円である。
(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
 http://media-ir.com/news/
[05月27日更新]

三洋貿易は上値試す、21年9月期大幅増益予想、さらに再上振れの可能性

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品などを主力とする専門商社である。注力分野としてバイオマス・地熱・海洋などの再生エネルギー関連への取り組みも強化している。21年9月期は業績・配当予想を上方修正し、従来の減益予想から一転して大幅増益予想とした。さらに再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。株価は年初来高値を更新している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 20年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が60%、海外現地法人が15%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

 20年10月には、連結子会社のアズロと非連結子会社のNKSコーポレーションを合併(新社名は三洋ライフマテリアル)した。20年11月には、健康食品原料や化粧品原料を中心とする化学品輸出専門商社のグローバル・トレーディングを子会社化した。20年12月には非連結子会社の三洋テクノスが、研究機器向け試験片および部品製造のテストマテリアルズを子会社化した。21年4月には完全子会社のグローバル・トレーディングを吸収合併した。

 なお21年4月には、グループの事業の選択・集中の観点から、産業用合成ゴム材料製造の非連結子会社の三洋東和(上海)の全持分85.9%を譲渡した。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 注力市場はモビリティ(あらゆるモビリティ)、ファインケミカル(ゴム、塗料、インキ、コーティング)、サスティナビリティ(バイオマス・地熱・海洋などの再生エネルギー、畜産飼料)、ライフサイエンス(在宅医療、化粧品、食品、科学機器、電材など)としている。今後の成長ドライバーとしては木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお事業部の垣根を越え、規模が大きく有望なビジネスを優先的に開発する社長直轄の事業開発室を創設し、20年9月期時点で新規プロジェクト44件を選定している。

■21年9月期は上方修正して大幅増益予想、さらに再上振れの可能性

 21年9月期連結業績予想(5月11日に売上高、利益とも上方修正)は、売上高が20年9月期比15.7%増の880億円、営業利益が25.2%増の60億円、経常利益が19.5%増の63億円、そして親会社株主帰属当期純利益が39.4%増の42億円としている。配当予想(5月11日に第2四半期末50銭上方修正)は50銭増配の38円(第2四半期末19円、期末19円)とした。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比11.1%増の455億25百万円、営業利益が23.3%増の36億34百万円、経常利益が26.2%増の40億18百万円、四半期純利益が26.1%増の26億67百万円だった。自動車関連を中心に需要が回復基調となって大幅増益だった。

 化成品は0.5%増収で26.4%営業増益だった。ゴム関連商品の需要が自動車向け中心に回復基調となった。化学品関連商品はUV用インキ原料が好調だった。機械資材は3.4%増収で15.5%営業増益だった。日系自動車メーカー向けシート周辺部材が伸長した。海外現地法人は45.6%増収で39.6%営業増益だった。中国(上海)の自動車部品が大幅伸長し、タイやベトナムも順調だった。米国ではオムツ用高吸水性樹脂などが増加した。なお非連結だったインドネシアの子会社を第1四半期に新規連結している。

 四半期別に見ると第1四半期は売上高216億09百万円で営業利益17億21百万円、第2四半期は売上高239億16百万円で営業利益19億13百万円だった。

 通期は従来の減益予想から一転して大幅増益予想とした。日系自動車メーカーの反動増産は一服したが、ゴム・化学品の素材関連の需要は下期も堅調に推移する見込みとしている。さらに下期は木質バイオマス大型案件と子会社コスモス商事のレアアース案件も寄与する見込みだ。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が51.7%、営業利益が60.6%、経常利益が63.8%、当期純利益が63.5%と高水準である。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は急伸して年初来高値を更新している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。5月26日の終値は1233円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS146円59銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の38円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1069円41銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約358億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月13日更新]

三洋貿易は21年9月期予想を上方修正、さらに再上振れの可能性

 三洋貿易 <3176> は5月11日の取引時間終了後に21年9月期第2四半期累計連結業績を発表した。自動車関連を中心に需要が回復基調となって大幅増益だった。そして通期予想を上方修正し、従来の減益予想から一転して大幅増益予想とした。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。株価は年初来高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。上方修正を評価して上値を試す展開を期待したい。

■21年9月期2Q累計大幅増益、通期予想を上方修正して大幅増益予想

21年9月期第2四半期累計連結業績は売上高が前年同期比11.1%増の455億25百万円、営業利益が23.3%増の36億34百万円、経常利益が26.2%増の40億18百万円、四半期純利益が26.1%増の26億67百万円だった。自動車関連を中心に需要が回復基調となって大幅増益だった。

化成品は0.5%増収で26.4%営業増益だった。ゴム関連商品の需要が自動車向け中心に回復基調となった。化学品関連商品は主力の塗料・インキ原料が好調だった。機械資材は3.4%増収で15.5%営業増益だった。日系自動車メーカー向けシート周辺部材が伸長した。海外現地法人は45.6%増収で39.6%営業増益だった。中国(上海)の自動車部品が大幅伸長し、タイやベトナムも順調だった。なお非連結だったインドネシアの子会社を第1四半期に新規連結している。

四半期別に見ると第1四半期は売上高216億09百万円で営業利益17億21百万円、第2四半期は売上高239億16百万円で営業利益19億13百万円だった。

通期連結業績予想は5月11日に上方修正(売上高を60億円、営業利益を20億円、経常利益を21億円、当期純利益を15億円上方修正)して、売上高が20年9月期比15.7%増の880億円、営業利益が25.2%増の60億円、経常利益が19.5%増の63億円、親会社株主帰属当期純利益が39.4%増の42億円とした。配当予想も第2四半期末を50銭上方修正して20年9月期比50銭増配の38円(第2四半期末19円、期末19円)とした。

第3四半期以降も新型コロナウイルスの影響による不透明感が継続するが、第2四半期累計が想定を上回ったため通期予想を上方修正し、従来の減益予想から一転して大幅増益予想とした。修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が51.7%、営業利益が60.6%、経常利益が63.8%、当期純利益が63.5%と高水準である。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。

■株価は上値試す

株価は年初来高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。上方修正を評価して上値を試す展開を期待したい。5月11日の終値は1109円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS146円59銭で算出)は約8倍、時価総額は約322億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月14日更新]

三洋貿易は調整一巡、21年9月期減益予想だが上振れの可能性

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品などを主力とする専門商社である。注力分野としてバイオマス・地熱・海洋などの再生エネルギー関連への取り組みも強化している。21年9月期は事業環境の不透明感などを考慮して減益予想としているが、自動車関連の需要が回復基調であり、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。株価は上げ一服の形となったが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。上値を試す展開を期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 20年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が60%、海外現地法人が15%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

 20年10月には、連結子会社のアズロと非連結子会社のNKSコーポレーションを合併(新社名は三洋ライフマテリアル)した。20年11月には、健康食品原料や化粧品原料を中心とする化学品輸出専門商社のグローバル・トレーディングを子会社化した。20年12月には非連結子会社の三洋テクノスが、研究機器向け試験片および部品製造のテストマテリアルズを子会社化した。21年4月には完全子会社のグローバル・トレーディングを吸収合併した。

 なお4月9日には、グループの事業の選択・集中の観点から、産業用合成ゴム材料を製造している非連結子会社の三洋東和(上海)の全持分85.9%の譲渡が完了したと発表している。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 注力市場はモビリティ(あらゆるモビリティ)、ファインケミカル(ゴム、塗料、インキ、コーティング)、サスティナビリティ(バイオマス・地熱・海洋などの再生エネルギー、畜産飼料)、ライフサイエンス(在宅医療、化粧品、食品、科学機器、電材など)としている。今後の成長ドライバーとしては木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお事業部の垣根を越え、規模が大きく有望なビジネスを優先的に開発する社長直轄の事業開発室を創設し、20年9月期時点で新規プロジェクト44件を選定している。

■21年9月期減益予想だが上振れの可能性

 21年9月期連結業績予想は売上高が20年9月期比7.8%増の820億円、営業利益が16.5%減の40億円、経常利益が20.3%減の42億円、親会社株主帰属当期純利益が10.4%減の27億円としている。配当予想は20年9月期と同額の37円50銭(第2四半期末18円50銭、期末19円)である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比2.0%増の216億09百万円、営業利益が9.3%増の17億21百万円、経常利益が3.1%増の18億36百万円、四半期純利益が10.1%増の12億26百万円だった。売上が堅調に推移し、利益面では販管費の抑制も寄与した。

 化成品は8.1%減収で12.5%営業増益だった。ゴム関連商品の需要回復が鈍いが、主力の塗料・インキ関連が好調に推移し、新たに発足した三洋ライフマテリアルも寄与した。機械資材は1.0%増収で8.7%営業増益だった。機械・環境関連商品の大型案件がなかったが、産業資材関連商品が日系自動車メーカーの製造挽回に伴って堅調だった。海外現地法人は20.8%増収で35.8%営業増益だった。中国(上海)の自動車部品が自動車市場の急回復で大幅伸長した。米国は高吸水性樹脂や自動車部品、タイは化学品や自動車部品が好調だった。なお非連結だったインドネシアの子会社を新規連結した。

 通期は化学品での子会社再編によるライフサイエンス強化やM&Aの効果、機械・環境での木質バイオマス関連の大型案件、中国市場での需要回復、米国での吸水性樹脂の拡販などで増収だが、新型コロナウイルスによる世界経済収縮や自動車関連の国内外での原価低減圧力など、事業環境の不透明感や販管費の増加などを考慮して減益予想としている。

 ただし第1四半期の進捗率は売上高が26.4%、営業利益が43.0%、経常利益が43.7%、当期純利益が45.4%と順調だった。自動車関連の需要が回復基調であり、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は上げ一服の形となったが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。上値を試す展開を期待したい。4月13日の終値は1150円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS94円27銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の37円50銭で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1069円41銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約334億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月11日更新]

三洋貿易は上値試す、21年9月期減益予想だが上振れの可能性

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品などを主力とする専門商社である。注力分野としてバイオマス・地熱・海洋などの再生エネルギー関連への取り組みも強化している。21年9月期は事業環境の不透明感などを考慮して減益予想としているが、自動車関連の需要が回復基調であり、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。株価はモミ合いからから上放れて戻り高値を更新している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 20年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が60%、海外現地法人が15%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

 20年10月には、連結子会社のアズロと非連結子会社のNKSコーポレーションを合併(新社名は三洋ライフマテリアル)した。20年11月には、健康食品原料や化粧品原料を中心とする化学品輸出専門商社のグローバル・トレーディングを子会社化した。20年12月には非連結子会社の三洋テクノスが、研究機器向け試験片および部品製造のテストマテリアルズを子会社化した。また完全子会社のグローバル・トレーディングを21年4月1日付で吸収合併予定である。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 注力市場はモビリティ(あらゆるモビリティ)、ファインケミカル(ゴム、塗料、インキ、コーティング)、サスティナビリティ(バイオマス・地熱・海洋などの再生エネルギー、畜産飼料)、ライフサイエンス(在宅医療、化粧品、食品、科学機器、電材など)としている。今後の成長ドライバーとしては木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお事業部の垣根を越え、規模が大きく有望なビジネスを優先的に開発する社長直轄の事業開発室を創設し、20年9月期時点で新規プロジェクト44件を選定している。

■21年9月期減益予想だが上振れの可能性

 21年9月期連結業績予想は売上高が20年9月期比7.8%増の820億円、営業利益が16.5%減の40億円、経常利益が20.3%減の42億円、当期純利益が10.4%減の27億円としている。配当予想は20年9月期と同額の37円50銭(第2四半期末18円50銭、期末19円)である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比2.0%増の216億09百万円、営業利益が9.3%増の17億21百万円、経常利益が3.1%増の18億36百万円、四半期純利益が10.1%増の12億26百万円だった。売上が堅調に推移し、利益面では販管費の抑制も寄与した。

 化成品は8.1%減収で12.5%営業増益だった。ゴム関連商品の需要回復が鈍いが、主力の塗料・インキ関連が好調に推移し、新たに発足した三洋ライフマテリアルも寄与した。機械資材は1.0%増収で8.7%営業増益だった。機械・環境関連商品の大型案件がなかったが、産業資材関連商品が日系自動車メーカーの製造挽回に伴って堅調だった。海外現地法人は20.8%増収で35.8%営業増益だった。中国(上海)の自動車部品が自動車市場の急回復で大幅伸長した。米国は高吸水性樹脂や自動車部品、タイは化学品や自動車部品が好調だった。なお非連結だったインドネシアの子会社を新規連結した。

 通期は化学品での子会社再編によるライフサイエンス強化やM&Aの効果、機械・環境での木質バイオマス関連の大型案件、中国市場での需要回復、米国での吸水性樹脂の拡販などで増収だが、新型コロナウイルスによる世界経済収縮や自動車関連の国内外での原価低減圧力など、事業環境の不透明感や販管費の増加などを考慮して減益予想としている。

 ただし第1四半期の進捗率は売上高が26.4%、営業利益が43.0%、経常利益が43.7%、当期純利益が45.4%と順調だった。自動車関連の需要が回復基調であり、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価はモミ合いからから上放れて戻り高値を更新している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。3月10日の終値は1121円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS94円27銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の37円50銭で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1069円41銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約325億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月18日更新]

三洋貿易は戻り試す、21年9月期1Q順調で通期上振れの可能性

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。注力分野としてバイオマス・地熱・海洋などの再生エネルギー関連への取り組みも強化している。21年9月期は事業環境の不透明感などを考慮して減益予想としているが、第1四半期が自動車関連の需要回復で増益と順調だった。通期予想は上振れの可能性が高いだろう。株価はボックスレンジから上放れの動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 20年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が60%、海外現地法人が15%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

 20年10月には、連結子会社のアズロと非連結子会社のNKSコーポレーションを合併(新社名は三洋ライフマテリアル)した。20年11月には、健康食品原料や化粧品原料を中心とする化学品輸出専門商社のグローバル・トレーディングを子会社化した。20年12月には非連結子会社の三洋テクノスが、研究機器向け試験片および部品製造のテストマテリアルズを子会社化した。また完全子会社のグローバル・トレーディングを21年4月1日付で吸収合併予定である。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 注力市場はモビリティ(あらゆるモビリティ)、ファインケミカル(ゴム、塗料、インキ、コーティング)、サスティナビリティ(バイオマス・地熱・海洋などの再生エネルギー、畜産飼料)、ライフサイエンス(在宅医療、化粧品、食品、科学機器、電材など)としている。今後の成長ドライバーとしては木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお事業部の垣根を越え、規模が大きく有望なビジネスを優先的に開発する社長直轄の事業開発室を創設し、20年9月期時点で新規プロジェクト44件を選定している。

■21年9月期1Q増益と順調で通期上振れの可能性

 21年9月期連結業績予想は売上高が20年9月期比7.8%増の820億円、営業利益が16.5%減の40億円、経常利益が20.3%減の42億円、当期純利益が10.4%減の27億円としている。配当予想は20年9月期と同額の37円50銭(第2四半期末18円50銭、期末19円)である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比2.0%増の216億09百万円、営業利益が9.3%増の17億21百万円、経常利益が3.1%増の18億36百万円、四半期純利益が10.1%増の12億26百万円だった。全体として売上が堅調に推移し、利益面では販管費の抑制も寄与した。

 化成品は8.1%減収で12.5%営業増益だった。ゴム関連商品の需要回復が鈍いが、主力の塗料・インキ関連が好調に推移し、新たに発足した三洋ライフマテリアルも寄与した。機械資材は1.0%増収で8.7%営業増益だった。機械・環境関連商品の大型案件がなかったが、産業資材関連商品が日系自動車メーカーの製造挽回に伴って堅調だった。海外現地法人は20.8%増収で35.8%営業増益だった。中国(上海)の自動車部品が自動車市場の急回復で大幅伸長した。米国は高吸水性樹脂や自動車部品、タイは化学品や自動車部品が好調だった。なお非連結だったインドネシアの子会社を新規連結した。

 通期予想は据え置いた。化学品での子会社再編によるライフサイエンス強化やM&Aの効果、機械・環境での木質バイオマス関連の大型案件、中国市場の需要回復、米国での吸水性樹脂の拡販などで増収だが、新型コロナウイルスによる世界経済収縮や自動車関連の国内外での原価低減圧力など、事業環境の不透明感や販管費の増加などを考慮して減益予想としている。

 ただし第1四半期の進捗率は売上高が26.4%、営業利益が43.0%、経常利益が43.7%、当期純利益が45.4%と順調だった。通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は第1四半期業績を好感してボックスレンジから上放れの動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。2月17日の終値は1107円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS94円27銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の37円50銭で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1069円41銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約321億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月19日更新]

三洋貿易は調整一巡感、21年9月期減益予想だが上振れ余地

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。注力分野としてバイオマス・地熱・海洋などの再生エネルギー関連への取り組みも強化している。21年9月期は事業環境の不透明感や販管費の増加などを考慮して減益予想としている。ただし保守的だろう。上振れ余地がありそうだ。株価は上値が重くモミ合い展開だが、調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 20年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が60%、海外現地法人が15%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

 20年10月には、連結子会社で医薬品原料など輸入化学品を取り扱うアズロと非連結子会社のNKSコーポレーションを合併(新社名は三洋ライフマテリアルと)した。20年11月には、健康食品原料や化粧品原料を中心とする化学品輸出専門商社のグローバル・トレーディングを子会社化した。20年12月には非連結子会社の三洋テクノスが、研究機器向け試験片および部品製造のテストマテリアルズを子会社化した。

 なお自動車内装部材の事業拡大に伴って米国子会社が1月15日にアラバマ事務所を開設した。また完全子会社のグローバル・トレーディングを21年4月1日付で吸収合併予定である。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 注力市場はモビリティ(あらゆるモビリティ)、ファインケミカル(ゴム、塗料、インキ、コーティング)、サスティナビリティ(バイオマス・地熱・海洋などの再生エネルギー、畜産飼料)、ライフサイエンス(在宅医療、化粧品、食品、科学機器、電材など)としている。今後の成長ドライバーとしては木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお事業部の垣根を越え、規模が大きく有望なビジネスを優先的に開発する社長直轄の事業開発室を創設し、20年9月期時点で新規プロジェクト44件を選定している。

■21年9月期は事業環境の不透明感で減益予想だが上振れ余地

 21年9月期連結業績予想は、売上高が20年9月期比7.8%増の820億円、営業利益が16.5%減の40億円、経常利益が20.3%減の42億円、純利益が10.4%減の27億円としている。配当予想は20年9月期と同額の37円50銭(第2四半期末18円50銭、期末19円)としている。

 化学品での子会社再編によるライフサイエンス強化やM&Aの効果、機械・環境での木質バイオマス関連の大型案件、中国市場の需要回復、米国での吸水性樹脂の拡販などで増収だが、新型コロナウイルスによる世界経済収縮や自動車関連の国内外での原価低減圧力など、事業環境の不透明感や販管費の増加などを考慮して減益予想としている。ただし保守的だろう。上振れ余地がありそうだ。

■株価は調整一巡感

 株価(20年2月1日付で株式2分割)は上値が重くモミ合い展開だが、調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。1月18日の終値は976円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS94円27銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の37円50銭で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1069円41銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約283億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月21日更新]

三洋貿易は調整一巡、21年9月期減益予想だが上振れ余地

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。21年9月期は事業環境の不透明感や販管費の増加を考慮して減益予想としている。ただしやや保守的だろう。上振れ余地がありそうだ。株価は上値が重くボックス展開だ。ただし下値を徐々に切り上げている。調整一巡して上放れを期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 20年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が60%、海外現地法人が15%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

 20年10月には、連結子会社で医薬品原料など輸入化学品を取り扱うアズロと非連結子会社のNKSコーポレーションを合併(新社名は三洋ライフマテリアルと)した。20年11月には、健康食品原料や化粧品原料を中心とする化学品輸出専門商社のグローバル・トレーディングを子会社化した。また12月18日には非連結子会社の三洋テクノスが、研究機器向け試験片および部品製造のテストマテリアルズを子会社化した。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 注力市場はモビリティ(あらゆるモビリティ)、ファインケミカル(ゴム、塗料、インキ、コーティング)、サスティナビリティ(バイオマス・地熱・海洋などの再生エネルギー、畜産飼料)、ライフサイエンス(在宅医療、化粧品、食品、科学機器、電材など)としている。今後の成長ドライバーとしては木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお事業部の垣根を越え、規模が大きく有望なビジネスを優先的に開発する社長直轄の事業開発室を創設し、20年9月期時点で新規プロジェクト44件を選定している。

■21年9月期は事業環境の不透明感で減益予想だが上振れ余地

 21年9月期連結業績予想は、売上高が20年9月期比7.8%増の820億円、営業利益が16.5%減の40億円、経常利益が20.3%減の42億円、純利益が10.4%減の27億円としている。配当予想は20年9月期と同額の37円50銭(第2四半期末18円50銭、期末19円)としている。

 化学品での子会社再編によるライフサイエンス強化やM&Aの効果、機械・環境での木質バイオマス関連の大型案件、中国市場の需要回復、米国での吸水性樹脂の拡販などで増収だが、新型コロナウイルスによる世界経済収縮や自動車関連の国内外での原価低減圧力など、事業環境の不透明感や販管費の増加を考慮して減益予想としている。ただしやや保守的だろう。上振れを余地がありそうだ。

■株価は調整一巡

 株価(20年2月1日付で株式2分割)は上値が重くボックス展開の形だ。ただし下値を徐々に切り上げている。調整一巡して上放れを期待したい。12月18日の終値は976円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS94円27銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の37円50銭で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1069円41銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約283億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月30日更新]

三洋貿易はボックス上放れ期待、21年9月期減益予想だが上振れ余地

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。21年9月期は事業環境の不透明感や販管費の増加を考慮して減益予想としている。ただしやや保守的だろう。上振れ余地がありそうだ。株価は減益予想に対するネガティブ反応が限定的だった。そして徐々に下値を切り上げている。ボックスレンジから上放れの展開を期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 20年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が60%、海外現地法人が15%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

 20年10月には、連結子会社で医薬品原料など輸入化学品を取り扱うアズロと非連結子会社のNKSコーポレーションを合併(新社名は三洋ライフマテリアルと)した。また20年11月には、健康食品原料や化粧品原料を中心とする化学品輸出専門商社のグローバル・トレーディングを子会社化した。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)としている。今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

■21年9月期は事業環境の不透明感で減益予想だが上振れ余地

 20年9月期の連結業績は、売上高が19年9月期比8.6%減の760億87百万円、営業利益が18.4%減の47億91百万円、経常利益が13.2%減の52億71百万円、純利益が25.0%減の30億13百万円だった。配当は20年2月1日付株式2分割遡及換算後で50銭増配の37円50銭(第2四半期末18円50銭、期末19円)とした。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益だった。化成品は1.9%減収で14.2%減益だった。自動車向けゴム関連商品などが低調だった。利益面ではワイピーテック買収関連費用も影響した。機械資材は17.5%減収で17.1%減益だった。自動車内装用部品が自動車生産減少の影響を受けた。木質バイオマス関連で新規大型案件がなかったことも影響した。海外現地法人は3.8%減収で4.7%減益だった。中国(上海)は経済活動が早期に回復し、米国は高機能樹脂が好調だったが、タイ、ベトナム、メキシコは自動車関連が低調だった。

 21年9月期連結業績予想は、売上高が20年9月期比7.8%増の820億円、営業利益が16.5%減の40億円、経常利益が20.3%減の42億円、純利益が10.4%減の27億円としている。配当予想は20年9月期と同額の37円50銭(第2四半期末18円50銭、期末19円)としている。

 機械・環境での木質バイオマス関連の大型案件、中国市場の回復、米国での吸水性樹脂の拡販などで増収だが、新型コロナウイルスによる世界経済収縮や自動車関連の国内外での原価低減圧力など、事業環境の不透明感や販管費の増加を考慮して減益予想としている。ただしやや保守的だろう。上振れを余地がありそうだ。

■株価はボックス上放れ期待

 株価(20年2月1日付で株式2分割)は、21年9月期減益予想に対するネガティブ反応が限定的だった。そして徐々に下値を切り上げている。ボックスレンジから上放れの展開を期待したい。11月27日の終値は1050円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS94円27銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の37円50銭で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1069円41銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約305億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月21日更新]

三洋貿易はモミ合い煮詰まり感、21年9月期収益拡大期待

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。20年9月期は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けて減収減益予想だが、21年9月期の収益拡大を期待したい。株価は上値が重くモミ合い展開だが煮詰まり感を強めてきた。上放れを期待したい。なお11月6日に20年9月期決算発表を予定している。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 19年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が62%、海外現地法人が13%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

 なお連結子会社で医薬品原料など輸入化学品を取り扱うアズロと、非連結子会社のNKSコーポレーションを合併(20年10月1日付)し、社名を三洋ライフマテリアルとする。ライフサイエンス分野の一層の事業拡大を目指す。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)としている。今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお19年11月策定の中期経営計画では、21年9月期目標値を売上高1020億円、営業利益65億円、経常利益67億円、純利益45億円としている。長期経営計画「VISION2023」で掲げた企業体質の強化、収益基盤の強化を重点戦略とする。20年9月には全社的な新規事業の開発体制を構築することを目的として、社長直轄の事業開発室を新設した。

■20年9月期は新型コロナ影響、21年9月期収益拡大期待

 20年9月期の連結業績予想(5月12日に売上高、利益とも下方修正)は、売上高が19年9月期比9.3%減の755億円、営業利益が20.0%減の47億円、経常利益が21.0%減の48億円、純利益が17.9%減の33億円としている。配当予想は20年2月1日付株式2分割遡及換算後で50銭増配の37円50銭(第2四半期末18円50銭、期末19円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年比10.5%減の573億72百万円、営業利益が22.0%減の38億21百万円、経常利益が17.5%減の42億05百万円、純利益が20.3%減の27億41百万円だった。新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益だった。特に自動車関連が国内外で顧客の生産急減の影響を受けた。木質バイオマス関連の前年の大型案件の反動も影響した。

 化成品は1.6%増収だが14.5%減益だった。塗料・インキ関連の高付加価値商材が堅調に推移し、ワイピーテックの新規連結も寄与したが、自動車向け合成ゴムが低調だった。機械資材は20.3%減収で23.9%減益だった。シート用部品など自動車内装用部品が自動車生産台数急減の影響を受け、木質バイオマス関連の前年の大型案件の反動も影響した。海外現地法人は12.8%減収で12.2%減益だった。米国とメキシコが販管費減少で増益だが、全体としては新型コロナウイルスで自動車関連が低迷した。

 通期については、塗料・インキ関連の高付加価値商材、畜産関連やライフサイエンス関連の商材が堅調だが、自動車メーカーの稼働率回復が見通せない状況のため、減収減益予想としている。ただし第3四半期累計の進捗率は売上高76.0%、営業利益81.3%、経常利益87.6%、純利益83.1%と順調だった。通期上振れ余地がありそうだ。また21年9月期の収益拡大を期待したい。

■株価はモミ合い煮詰まり感

 株価(20年2月1日付で株式2分割)は上値が重くモミ合い展開だが煮詰まり感を強めてきた。上放れを期待したい。10月20日の終値は1006円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS115円24銭で算出)は約9倍、前期推定配当利回り(会社予想の37円50銭で算出)は約3.7%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS1011円32銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約292億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月25日更新]

三洋貿易は下値切り上げ、21年9月期収益拡大期待

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。20年9月期は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けて減収減益予想だが、21年9月期の収益拡大を期待したい。株価は7〜8月の直近安値圏から反発して下値を切り上げている。出直りを期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 19年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が62%、海外現地法人が13%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

 なお連結子会社で医薬品原料など輸入化学品を取り扱うアズロと、非連結子会社のNKSコーポレーションを合併(20年10月1日付)し、社名を三洋ライフマテリアルとする。ライフサイエンス分野の一層の事業拡大を目指す。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)としている。今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお19年11月策定の中期経営計画では、21年9月期目標値を売上高1020億円、営業利益65億円、経常利益67億円、純利益45億円としている。長期経営計画「VISION2023」で掲げた企業体質の強化、収益基盤の強化を重点戦略とする。

■20年9月期は新型コロナ影響だが上振れ余地、21年9月期収益拡大期待

 20年9月期の連結業績予想(5月12日に売上高、利益とも下方修正)は、売上高が19年9月期比9.3%減の755億円、営業利益が20.0%減の47億円、経常利益が21.0%減の48億円、純利益が17.9%減の33億円としている。配当予想は20年2月1日付株式2分割遡及換算後で50銭増配の37円50銭(第2四半期末18円50銭、期末19円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年比10.5%減の573億72百万円、営業利益が22.0%減の38億21百万円、経常利益が17.5%減の42億05百万円、純利益が20.3%減の27億41百万円だった。新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益だった。特に自動車関連が国内外で顧客の生産急減の影響を受けた。木質バイオマス関連の前年の大型案件の反動も影響した。

 化成品は1.6%増収だが14.5%減益だった。塗料・インキ関連の高付加価値商材が堅調に推移し、ワイピーテックの新規連結も寄与したが、自動車向け合成ゴムが低調だった。機械資材は20.3%減収で23.9%減益だった。シート用部品など自動車内装用部品が自動車生産台数急減の影響を受け、木質バイオマス関連の前年の大型案件の反動も影響した。海外現地法人は12.8%減収で12.2%減益だった。米国とメキシコが販管費減少で増益だが、全体としては新型コロナウイルスで自動車関連が低迷した。

 通期については、塗料・インキ関連の高付加価値商材、畜産関連やライフサイエンス関連の商材が堅調だが、自動車メーカーの稼働率回復が見通せない状況のため、減収減益予想としている。ただし第3四半期累計の進捗率は売上高76.0%、営業利益81.3%、経常利益87.6%、純利益83.1%と順調だった。通期上振れ余地がありそうだ。また21年9月期の収益拡大を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価(20年2月1日付で株式2分割)は7〜8月の直近安値圏から反発して下値を切り上げている。出直りを期待したい。9月24日の終値は1006円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS115円24銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の37円50銭で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1011円32銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約292億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月28日更新]

三洋貿易は反発の動き、20年9月期は新型コロナ影響で減収減益予想だが上振れ余地

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。20年9月期は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けて減収減益予想だが、第3四半期累計の進捗率は順調だった。通期上振れ余地がありそうだ。株価は戻り一服となって上値を切り下げる形だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 19年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が62%、海外現地法人が13%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

 なお連結子会社で医薬品原料など輸入化学品を取り扱うアズロと、非連結子会社のNKSコーポレーションを合併(20年10月1日付)し、社名を三洋ライフマテリアルとする。ライフサイエンス分野の一層の事業拡大を目指す。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)としている。今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお19年11月策定の中期経営計画では、21年9月期目標値を売上高1020億円、営業利益65億円、経常利益67億円、純利益45億円としている。長期経営計画「VISION2023」で掲げた企業体質の強化、収益基盤の強化を重点戦略とする。

■20年9月期は新型コロナ影響で減収減益予想だが上振れ余地

 20年9月期の連結業績予想(5月12日に売上高、利益とも下方修正)は、売上高が19年9月期比9.3%減の755億円、営業利益が20.0%減の47億円、経常利益が21.0%減の48億円、純利益が17.9%減の33億円としている。配当予想は20年2月1日付株式2分割遡及換算後で50銭増配の37円50銭(第2四半期末18円50銭、期末19円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年比10.5%減の573億72百万円、営業利益が22.0%減の38億21百万円、経常利益が17.5%減の42億05百万円、純利益が20.3%減の27億41百万円だった。新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益だった。特に自動車関連が国内外で顧客の生産急減の影響を受けた。木質バイオマス関連の前年の大型案件の反動も影響した。

 化成品は1.6%増収だが14.5%減益だった。塗料・インキ関連の高付加価値商材が堅調に推移し、ワイピーテックの新規連結も寄与したが、自動車向け合成ゴムが低調だった。機械資材は20.3%減収で23.9%減益だった。シート用部品など自動車内装用部品が自動車生産台数急減の影響を受け、木質バイオマス関連の前年の大型案件の反動も影響した。海外現地法人は12.8%減収で12.2%減益だった。米国とメキシコが販管費減少で増益だが、全体としては新型コロナウイルスで自動車関連が低迷した。

 通期について、塗料・インキ関連の高付加価値商材、畜産関連やライフサイエンス関連の商材が堅調だが、自動車メーカーの稼働率回復が見通せない状況のため、減収減益予想としている。ただし第3四半期累計の進捗率は売上高76.0%、営業利益81.3%、経常利益87.6%、純利益83.1%と順調だった。通期上振れ余地がありそうだ。

■株価は調整一巡

 株価(20年2月1日付で株式2分割)は、戻り一服となって上値を切り下げる形だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。8月27日の終値は1019円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS115円24銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想37円50銭で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1011円32銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約296億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月02日更新]

三洋貿易は調整一巡

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。20年9月期は自動車減産など新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 19年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が62%、海外現地法人が13%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

 なお連結子会社で医薬品原料など輸入化学品を取り扱うアズロと、非連結子会社のNKSコーポレーションを合併(20年10月1日付)し、社名を三洋ライフマテリアルとする。ライフサイエンス分野の一層の事業拡大を目指す。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)としている。今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお19年11月策定の中期経営計画では、21年9月期目標値を売上高1020億円、営業利益65億円、経常利益67億円、純利益45億円としている。長期経営計画「VISION2023」で掲げた企業体質の強化、収益基盤の強化を重点戦略とする。

■20年9月期は新型コロナウイルスの影響で減収減益予想

 20年9月期の連結業績予想(5月12日に売上高、利益とも下方修正)は、売上高が19年9月期比9.3%減の755億円、営業利益が20.0%減の47億円、経常利益が21.0%減の48億円、純利益が17.9%減の33億円としている。配当予想は20年2月1日付株式2分割遡及換算後で50銭増配の37円50銭(第2四半期末18円50銭、期末19円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比5.4%減の409億77百万円、営業利益が14.6%減の29億47百万円、経常利益が12.2%減の31億84百万円、純利益が13.7%減の21億14百万円だった。木質バイオマス関連の大型案件の反動に加えて、第2四半期に中国などにおいて新型コロナウイルスの影響で自動車関連が落ち込んだ。

 化成品は塗料・インキ関連の高付加価値商材の堅調推移や新規連結のワイピーテックの寄与などで5.7%増収だが、買収関連費用の一括計上などで14.6%減益だった。機械資材は木質バイオマス関連の大型案件の反動で7.0%減収、12.6%減益だった。海外現地法人は新型コロナウイルスで主要顧客が稼働停止となった三洋物産貿易(上海)の落ち込みなどで、全体として19.2%減収、10.6%減益だった。

 通期については、塗料・インキ関連の高付加価値商材、畜産関連やライフサイエンス関連の商材が堅調だが、自動車メーカーの稼働率回復が見通せない状況のため、減収減益予想としている。自動車減産など新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価(20年2月1日付で株式2分割)は戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。7月1日の終値は981円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS115円24銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の37円50銭で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1011円32銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約285億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月05日更新]

三洋貿易は戻り試す

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。20年9月期は減収減益予想である。当面は自動車減産など新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は3月の安値圏から着実に水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 19年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が62%、海外現地法人が13%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)としている。今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお19年11月策定の中期経営計画では、21年9月期目標値を売上高1020億円、営業利益65億円、経常利益67億円、純利益45億円としている。長期経営計画「VISION2023」で掲げた企業体質の強化、収益基盤の強化を重点戦略とする。

■20年9月期は新型コロナウイルスの影響で減収減益予想

 20年9月期の連結業績予想(5月12日に売上高、利益とも下方修正)は、売上高が19年9月期比9.3%減の755億円、営業利益が20.0%減の47億円、経常利益が21.0%減の48億円、純利益が17.9%減の33億円としている。配当予想は20年2月1日付株式2分割遡及換算後で50銭増配の37円50銭(第2四半期末18円50銭、期末19円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比5.4%減の409億77百万円、営業利益が14.6%減の29億47百万円、経常利益が12.2%減の31億84百万円、純利益が13.7%減の21億14百万円だった。木質バイオマス関連の大型案件の反動に加えて、第2四半期に中国などにおいて新型コロナウイルスの影響で自動車関連が落ち込んだ。

 化成品は塗料・インキ関連の高付加価値商材の堅調推移や新規連結のワイピーテックの寄与などで5.7%増収だが、買収関連費用の一括計上などで14.6%減益だった。機械資材は木質バイオマス関連の大型案件の反動で7.0%減収、12.6%減益だった。海外現地法人は新型コロナウイルスで主要顧客が稼働停止となった三洋物産貿易(上海)の落ち込みなどで、全体として19.2%減収、10.6%減益だった。

 通期については、塗料・インキ関連の高付加価値商材、畜産関連やライフサイエンス関連の商材が堅調だが、自動車メーカーの稼働率回復が見通せない状況のため、減収減益予想としている。自動車減産など新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価(20年2月1日付で株式2分割)は3月の安値圏から着実に水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。6月4日の終値は1002円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS115円24銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の37円50銭で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1011円32銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約291億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月19日更新]

三洋貿易は下値切り上げ

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。20年9月期は下方修正して減益予想としている。当面は新型コロナウイルスによる世界的な経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は下値を切り上げている。下方修正に対するネガティブ反応は限定的だ。出直りを期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 19年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が62%、海外現地法人が13%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)としている。今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお19年11月策定の中期経営計画では、21年9月期目標値を売上高1020億円、営業利益65億円、経常利益67億円、純利益45億円としている。長期経営計画「VISION2023」で掲げた企業体質の強化、収益基盤の強化を重点戦略とする。

■20年9月期減益予想

 20年9月期の連結業績予想(5月12日に売上高、利益とも下方修正)は、売上高が19年9月期比9.3%減の755億円、営業利益が20.0%減の47億円、経常利益が21.0%減の48億円、純利益が17.9%減の33億円としている。配当予想は20年2月1日付株式2分割遡及換算後で50銭増配の37円50銭(第2四半期末18円50銭、期末19円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比5.4%減の409億77百万円、営業利益が14.6%減の29億47百万円、経常利益が12.2%減の31億84百万円、純利益が13.7%減の21億14百万円だった。第2四半期に新型コロナウイルスの影響で自動車関連が落ち込んだ。

 化成品は塗料・インキ関連の高付加価値商材の堅調推移や新規連結のワイピーテックの寄与などで5.7%増収だが、買収関連費用の一括計上などで14.6%減益だった。機械資材は木質バイオマス関連の大型案件の反動で7.0%減収、12.6%減益だった。海外現地法人は新型コロナウイルスで主要顧客が稼働停止となった三洋物産貿易(上海)の落ち込みなどで、全体として19.2%減収、10.6%減益だった。

 通期については、塗料・インキ関連の高付加価値商材、畜産関連やライフサイエンス関連の商材が堅調だが、自動車メーカーの稼働率の回復が見通せない状況として、売上高、利益とも下方修正した。当面は新型コロナウイルスによる世界的な経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価(20年2月1日付で株式2分割)は下値を切り上げている。下方修正に対するネガティブ反応は限定的だ。出直りを期待したい。5月18日の終値は877円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS115円24銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の37円50銭で算出)は約4.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1011円32銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約254億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月21日更新]

三洋貿易は反発の動き

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。当面は新型コロナウイルス感染症拡大による世界的な経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 19年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が62%、海外現地法人が13%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。


 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携、20年3月食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化した。なお20年4月1日付で子会社の三洋古江サイエンスの商号を三洋テクノスに変更した。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)としている。今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお19年11月策定の中期経営計画では、21年9月期目標値を売上高1020億円、営業利益65億円、経常利益67億円、純利益45億円としている。長期経営計画「VISION2023」で掲げた企業体質の強化、収益基盤の強化を重点戦略とする。

■20年9月期増益予想

 20年9月期の連結業績予想は、売上高が19年9月期比13.5%増の945億円、営業利益が2.2%増の60億円、経常利益が2.0%増の62億円、純利益が4.5%増の42億円としている。配当予想は20年2月1日付株式2分割遡及換算後で50銭増配の37円50銭(第2四半期末18円50銭、期末19円)としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比5.9%減の211億77百万円、営業利益が12.2%減の15億75百万円、経常利益が2.2%減の17億81百万円、純利益が7.1%減の11億13百万円だった。

 化成品は3.8%増収だが、自動車向け合成ゴムや副資材の採算性低下、ワイピーテック買収関連費用の一括計上などで19.7%減益だった。機械資材は自動車内装部品が堅調だが、木質バイオマス関連や海洋開発分野の大型案件が一巡し、9.5%減収で10.1%減益だった。海外現地法人は需要減速の影響で全体的に伸び悩み、14.2%減収で8.3%減益だった。

 当面は新型コロナウイルス感染症拡大による世界的な経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価(20年2月1日付で株式2分割)は売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。4月20日の終値は849円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS146円69銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の37円50銭で算出)は約4.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1011円32銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約246億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月19日更新]

三洋貿易は売られ過ぎ感

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。20年9月期増益予想である。新型コロナウイルス感染拡大の影響で下振れに注意必要だが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は地合い悪で昨年来安値を更新する展開だが、売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 19年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が62%、海外現地法人が13%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携した。

 3月10日には、食品添加物を中心とする化学品輸入販売商社のNKSコーポレーションを子会社化すると発表した。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)としている。今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお19年11月策定の中期経営計画では、21年9月期目標値を売上高1020億円、営業利益65億円、経常利益67億円、純利益45億円としている。長期経営計画「VISION2023」で掲げた企業体質の強化、収益基盤の強化を重点戦略とする。

■20年9月期増益予想

 20年9月期の連結業績予想は、売上高が19年9月期比13.5%増の945億円、営業利益が2.2%増の60億円、経常利益が2.0%増の62億円、純利益が4.5%増の42億円としている。配当予想は20年2月1日付株式2分割遡及換算後で50銭増配の37円50銭(第2四半期末18円50銭、期末19円)としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比5.9%減の211億77百万円、営業利益が12.2%減の15億75百万円、経常利益が2.2%減の17億81百万円、純利益が7.1%減の11億13百万円だった。

 化成品は3.8%増収だが、自動車向け合成ゴムや副資材の採算性低下、ワイピーテック買収関連費用の一括計上などで19.7%減益だった。機械資材は自動車内装部品が堅調だが、木質バイオマス関連や海洋開発分野の大型案件が一巡し、9.5%減収で10.1%減益だった。海外現地法人は需要減速の影響で全体的に伸び悩み、14.2%減収で8.3%減益だった。

 第2四半期以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響が懸念され、通期下振れに注意必要だが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は売られ過ぎ感

 株価(20年2月1日付で株式2分割)は地合い悪で昨年来安値を更新する展開だが、売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。3月18日の終値は722円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS146円69銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の37円50銭で算出)は約5.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1011円32銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約209億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月19日更新]

三洋貿易は調整一巡、20年9月期1Q減益だが進捗率概ね順調

 三洋貿易<3176>(東1)は、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。20年9月期増益予想である。第1四半期は減益だったが、進捗率は概ね順調だった。通期ベースで収益拡大を期待したい。株価は1月の昨年来高値圏から反落して水準を切り下げたが、調整一巡して出直りを期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 19年9月期のセグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が62%、海外現地法人が13%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い特性がある。


 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化、19年10月畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化、19年11月英国OXIS社と業務提携した。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)としている。今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。また海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお19年11月策定の中期経営計画では、21年9月期目標値を売上高1020億円、営業利益65億円、経常利益67億円、純利益45億円としている。長期経営計画「VISION2023」で掲げた企業体質の強化、収益基盤の強化を重点戦略とする。

■20年9月期増益予想

 20年9月期の連結業績予想は、売上高が19年9月期比13.5%増の945億円、営業利益が2.2%増の60億円、経常利益が2.0%増の62億円、純利益が4.5%増の42億円としている。配当予想は20年2月1日付株式2分割遡及換算後で50銭増配の37円50銭(第2四半期末18円50銭、期末19円)としている。

 自動車関連が堅調に推移し、化成品の収益改善、M&A効果、海外現地法人の事業拡大なども見込み、原料高や継続的に実施する成長投資を吸収して小幅ながら増益予想である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比5.9%増の211億77百万円、営業利益が12.2%減の15億75百万円、経常利益が2.2%減の17億81百万円、純利益が7.1%減の11億13百万円だった。

 化成品は3.8%増収だが、自動車向け合成ゴムや副資材の採算性低下、ワイピーテック買収関連費用の一括計上などで19.7%減益だった。機械資材は自動車内装部品が堅調だが、木質バイオマス関連や海洋開発分野の大型案件が一巡し、9.5%減収で10.1%減益だった。海外現地法人は需要減速の影響で全体的に伸び悩み、14.2%減収で8.3%減益だった。

 第1四半期は減収減益だが、進捗率は売上高22.4%、営業利益26.3%と概ね順調である。通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価(20年2月1日付で株式2分割)は1月の昨年来高値圏から反落して水準を切り下げたが、調整一巡して出直りを期待したい。2月18日の終値は1205円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS146円69銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想37円50銭で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1011円32銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約350億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月16日更新]

三洋貿易は上値試す、20年9月期増益・増配予想

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。20年9月期増益・増配予想である。収益拡大を期待したい。株価は17年11月の上場来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 19年9月期セグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が62%、海外現地法人が13%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。

■業容拡大・グローバル戦略を推進

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。17年6月精密鋳造用副資材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年10月化学品専門商社のアズロを子会社化、18年4月工業化学薬品輸入販売の子会社ソートを吸収合併、18年8月大日本コンサルタント<9797>と合弁で静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立、19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化した。

 19年10月日本ルフト(16年7月子会社化)の科学機器事業を譲り受けた。日本フルトは医療機器事業に経営資源を集中する。また畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化した。19年11月には英国OXIS社と、同社のリチウム硫黄電池セルとバッテリーシステムの日本市場での拡販に関して業務提携した。

 海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域の深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)としている。

 また今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお19年11月策定の中期経営計画では、21年9月期目標値を売上高1020億円、営業利益65億円、経常利益67億円、純利益45億円としている。長期経営計画「VISION2023」で掲げた企業体質の強化、収益基盤の強化を重点戦略とする。

■20年9月期増益・増配予想

 20年9月期の連結業績予想は、売上高が19年9月期比13.5%増の945億円、営業利益が2.2%増の60億円、経常利益が2.0%増の62億円、純利益が4.5%増の42億円としている。配当予想は1円増配の75円(第2四半期末37円、期末38円)である。

 自動車関連が堅調に推移する。さらに中国の環境規制の影響を受けた化成品の収益改善、M&A効果、海外現地法人の事業拡大なども見込み、原料高や継続的に実施する成長投資を吸収して小幅ながら増益・増配予想である。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は17年11月の上場来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。1月15日終値は2547円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS293円39銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想75円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2022円63銭で算出)は約1.3倍、時価総額は約369億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月16日更新]

三洋貿易は上値試す、20年9月期増益・増配予想

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。20年9月期増益・増配予想である。収益拡大を期待したい。株価は水準を切り上げて7月の年初来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 19年9月期セグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が62%、海外現地法人が13%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。

■業容拡大・グローバル戦略を推進

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。17年6月精密鋳造用副資材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年10月化学品専門商社のアズロを子会社化、18年4月工業化学薬品輸入販売の子会社ソートを吸収合併、18年8月大日本コンサルタント<9797>と合弁で静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立、19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化した。

 19年10月日本ルフト(16年7月子会社化)の科学機器事業を譲り受けた。日本フルトは医療機器事業に経営資源を集中する。また畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化した。19年11月には英国OXIS社と、同社のリチウム硫黄電池セルとバッテリーシステムの日本市場での拡販に関して業務提携した。

 海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域の深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)とした。

 また今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 また19年11月策定の中期経営計画では、21年9月期目標値を売上高1020億円、営業利益65億円、経常利益67億円、純利益45億円とした。長期経営計画「VISION2023」で掲げた企業体質の強化、収益基盤の強化を重点戦略とする。

■20年9月期増益・増配予想

 20年9月期の連結業績予想は、売上高が19年9月期比13.5%増の945億円、営業利益が2.2%増の60億円、経常利益が2.0%増の62億円、純利益が4.5%増の42億円としている。配当予想は1円増配の75円(第2四半期末37円、期末38円)である。

 自動車関連が堅調に推移する。さらに中国の環境規制の影響を受けた化成品の収益改善、M&A効果、海外現地法人の事業拡大なども見込み、原料高や継続的に実施する成長投資を吸収して小幅ながら増益・増配予想である。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は水準を切り上げて7月の年初来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。12月13日終値は2380円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS293円39銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の75円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2022円63銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約345億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月28日更新]

三洋貿易は上値試す、20年9月期増益・増配予想

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。19年9月期は増益・大幅増配だった。20年9月期も小幅ながら増益・増配予想である。収益拡大を期待したい。株価は7月の年初来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開し、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。メーカー並みの技術サポート力が特徴だ。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 19年9月期セグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品が24%、機械資材が62%、海外現地法人が13%、その他が1%だった。収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。

■業容拡大・グローバル戦略を推進

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。17年6月精密鋳造用副資材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年10月化学品専門商社のアズロを子会社化、18年4月工業化学薬品輸入販売の子会社ソートを吸収合併、18年8月大日本コンサルタント<9797>と合弁で静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立、19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化した。

 19年10月日本ルフト(16年7月子会社化)の科学機器事業を譲り受けた。日本フルトは医療機器事業に経営資源を集中する。また畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化した。19年11月には英国OXIS社と、同社のリチウム硫黄電池セルとバッテリーシステムの日本市場での拡販に関して業務提携した。

 海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、目標値を23年9月期経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域の深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)とした。

 また今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 また19年11月策定の中期経営計画では、21年9月期目標値を売上高1020億円、営業利益65億円、経常利益67億円、純利益45億円とした。長期経営計画「VISION2023」で掲げた企業体質の強化、収益基盤の強化を重点戦略とする。

■20年9月期増益・増配予想

 19年9月期の連結業績は、売上高が18年9月期比6.1%増の832億30百万円、営業利益が11.6%増の58億71百万円、経常利益が9.0%増の60億75百万円、純利益が10.5%増の40億18百万円だった。配当は10円増配の74円(第2四半期末37円、期末37円)とした。

 計画を若干下回ったが、機械資材の自動車関連が牽引して増収増益、10期連続経常増益だった。化成品は1.3%増収だが20.2%減益だった。ゴム関連製品の仕入価格上昇、中国・アジアの景気減速、中国の環境規制などが影響した。機械資材は18.0%増収で29.2%増益だった。自動車シート部品が好調に推移し、木質バイオマス大型熱電併給施設が5月に北海道で本格稼働した。海外現地法人は3.4%減収で0.1%増益だった。上海、タイ、メキシコで自動車内装用部品が堅調だが、米国でフィルム関連が低調、ベトナムで建材関連が伸び悩んだ。

 20年9月期の連結業績予想は、売上高が19年9月期比13.5%増の945億円、営業利益が2.2%増の60億円、経常利益が2.0%増の62億円、純利益が4.5%増の42億円としている。配当予想は1円増配の75円(第2四半期末37円、期末38円)である・

 自動車関連が堅調に推移する。さらに中国の環境規制の影響を受けた化成品の収益改善、M&A効果、海外現地法人の事業拡大なども見込み、原料高や継続的に実施する成長投資を吸収して小幅ながら増益・増配予想である。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は7月の年初来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。11月27日終値は2362円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS293円39銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の74円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2022円63銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約343億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月23日更新]

三洋貿易は戻り試す、19年9月期2桁増益予想で20年9月期も収益拡大期待

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。19年9月期2桁増益・大幅増配予想である。20年9月期も収益拡大を期待したい。株価は下値を切り上げる動きだ。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。なお11月6日に19年9月期決算発表を予定している。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。

 18年9月期セグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品29%、機械資材49%、海外現地法人15%、国内子会社8%、その他0%だった。業種別売上構成比(単体ベース)は自動車向けが5割強を占め、その他化学、OA・家電、塗料・インキなどが続いている。なお19年9月期から国内子会社セグメントを廃止し、ケムインターを化成品へ、コスモス商事を機械資材に振り分けている。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。なお収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。

■業容拡大・グローバル戦略を推進

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。17年6月精密鋳造用副資材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年10月化学品専門商社のアズロを子会社化、18年4月工業化学薬品輸入販売の子会社ソートを吸収合併、18年8月大日本コンサルタント<9797>と合弁で静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立、19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化した。

 19年10月には、日本ルフト(16年7月子会社化)の科学機器事業を譲り受けた。日本フルトは医療機器事業に経営資源を集中する。また畜産機能性原料の輸入専門商社ワイピーテックを子会社化(10月31日予定)する。

 海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、数値目標を23年9月期の経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域の深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)とした。

 また今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

■19年9月期2桁増益予想、20年9月期も収益拡大期待

 19年9月期の連結業績予想(5月13日に売上高、利益とも上方修正)は、売上高が18年9月期比9.6%増の860億円、営業利益が12.1%増の59億円、経常利益が11.2%増の62億円、純利益が15.5%増の42億円としている。配当予想(5月13日に第2四半期末3円上方修正、期末2円上方修正)は、10円増配の年間74円(第2四半期末37円、期末37円)としている。予想配当性向は25.2%となる。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比8.1%増の641億05百万円、営業利益が14.8%増の49億02百万円、経常利益が14.8%増の50億97百万円、純利益が16.1%増の34億40百万円だった。自動車関連が牽引して2桁増益だった。

 化成品は1.7%増収で18.4%減益だった。仕入値上昇や中国景気減速の影響で自動車・家電・情報機器関連向け合成ゴムや副資材の採算が低調だった。また中国での環境規制に起因して塗料・インク関連の高付加価値商材やフィルム関連が低調だった。機械資材は18.8%増収で31.8%増益だった。産業用資材関連で自動車シート部品が好調に推移した。機械・環境関連では木質バイオマス熱電併給施設が本格稼働した。海外現地法人は2.6%増収で7.6%増益だった。米国が米中貿易摩擦の影響で減収減益となり、ベトナムも塗料用中心に化学品が伸び悩んだが、タイと上海の自動車関連が好調に推移し、新規連結のメキシコも寄与した。

 通期も自動車関連ビジネスやバイオマス関連ビジネスが伸長し、原料高や継続的に実施する成長投資を吸収して2桁増益・大幅増配予想である。第3四半期累計の進捗率は売上高が74.5%、営業利益が83.1%、経常利益が82.2%、純利益が81.9%だった。第2四半期の構成比が高い収益特性を考慮しても順調である。さらに20年9月期も収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は下値を切り上げる動きだ。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。10月21日の終値は2173円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS293円38銭で算出)は約7倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間74円で算出)は約3.4%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS1845円34銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約315億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月11日更新]

三洋貿易は反発の動き、19年9月期2桁増益・大幅増配予想

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。19年9月期2桁増益・大幅増配予想である。収益拡大を期待したい。株価は8月の直近安値圏から反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。

 18年9月期セグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品29%、機械資材49%、海外現地法人15%、国内子会社8%、その他0%だった。業種別売上構成比(単体ベース)は自動車向けが5割強を占め、その他化学、OA・家電、塗料・インキなどが続いている。なお19年9月期から国内子会社セグメントを廃止し、ケムインターを化成品へ、コスモス商事を機械資材に振り分けている。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。なお収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。

■業容拡大・グローバル戦略を推進

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。17年6月精密鋳造用副資材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年10月化学品専門商社のアズロを子会社化、18年4月工業化学薬品輸入販売の子会社ソートを吸収合併、18年8月大日本コンサルタント<9797>と合弁で静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立、19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化した。

 なお16年7月子会社化した日本ルフトの科学機器事業を19年10月1日付で譲り受ける。日本フルトは医療機器事業に経営資源を集中する。

 海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、数値目標を23年9月期の経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域の深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)とした。

 また今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

■19年9月期2桁増益・大幅増配予想

 19年9月期の連結業績予想(5月13日に売上高、利益とも上方修正)は、売上高が18年9月期比9.6%増の860億円、営業利益が12.1%増の59億円、経常利益が11.2%増の62億円、純利益が15.5%増の42億円としている。配当予想(5月13日に第2四半期末3円上方修正、期末2円上方修正)は、10円増配の年間74円(第2四半期末37円、期末37円)としている。予想配当性向は25.2%となる。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比8.1%増の641億05百万円、営業利益が14.8%増の49億02百万円、経常利益が14.8%増の50億97百万円、純利益が16.1%増の34億40百万円だった。自動車関連が牽引して2桁増益だった。

 化成品は1.7%増収で18.4%減益だった。仕入値上昇や中国景気減速の影響で自動車・家電・情報機器関連向け合成ゴムや副資材の採算が低調だった。また中国での環境規制に起因して塗料・インク関連の高付加価値商材やフィルム関連が低調だった。機械資材は18.8%増収で31.8%増益だった。産業用資材関連で自動車シート部品が好調に推移した。機械・環境関連では木質バイオマス熱電併給施設が本格稼働した。海外現地法人は2.6%増収で7.6%増益だった。米国が米中貿易摩擦の影響で減収減益となり、ベトナムも塗料用中心に化学品が伸び悩んだが、タイと上海の自動車関連が好調に推移し、新規連結のメキシコも寄与した。

 通期も自動車関連ビジネスやバイオマス関連ビジネスが伸長し、原料高や継続的に実施する成長投資を吸収して2桁増益・大幅増配予想である。第3四半期累計の進捗率は売上高が74.5%、営業利益が83.1%、経常利益が82.2%、純利益が81.9%だった。第2四半期の構成比が高い収益特性を考慮しても順調である。通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は8月の直近安値圏から反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。9月10日の終値は2198円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS293円38銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間74円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1845円34銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約319億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月19日更新]

三洋貿易は調整一巡、19年9月期2桁増益・大幅増配予想で3Q累計順調

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。19年9月期2桁増益・大幅増配予想である。第3四半期累計は2桁増益と順調だった。通期ベースでも収益拡大を期待したい。株価は年初来高値圏から反落したが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。

 18年9月期セグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品29%、機械資材49%、海外現地法人15%、国内子会社8%、その他0%だった。業種別売上構成比(単体ベース)は自動車向けが5割強を占め、その他化学、OA・家電、塗料・インキなどが続いている。なお19年9月期から国内子会社セグメントを廃止し、ケムインターを化成品へ、コスモス商事を機械資材に振り分けている。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。なお収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。

■業容拡大・グローバル戦略を推進

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。17年6月精密鋳造用副資材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年10月化学品専門商社のアズロを子会社化、18年4月工業化学薬品輸入販売の子会社ソートを吸収合併、18年8月大日本コンサルタント<9797>と合弁で静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立、19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化した。

 海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、数値目標を23年9月期の経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域の深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)とした。

 また今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

■19年9月期2桁増益・大幅増配予想で3Q累計順調

 19年9月期の連結業績予想(5月13日に売上高、利益とも上方修正)は、売上高が18年9月期比9.6%増の860億円、営業利益が12.1%増の59億円、経常利益が11.2%増の62億円、純利益が15.5%増の42億円としている。配当予想(5月13日に第2四半期末3円上方修正、期末2円上方修正)は、10円増配の年間74円(第2四半期末37円、期末37円)としている。予想配当性向は25.2%となる。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比8.1%増の641億05百万円、営業利益が14.8%増の49億02百万円、経常利益が14.8%増の50億97百万円、純利益が16.1%増の34億40百万円だった。自動車関連が牽引して2桁増益だった。

 化成品は1.7%増収で18.4%減益だった。仕入値上昇や中国景気減速の影響で自動車・家電・情報機器関連向け合成ゴムや副資材の採算が低調だった。また中国での環境規制に起因して塗料・インク関連の高付加価値商材やフィルム関連が低調だった。機械資材は18.8%増収で31.8%増益だった。産業用資材関連で自動車シート部品が好調に推移した。機械・環境関連では木質バイオマス熱電併給施設が本格稼働した。海外現地法人は2.6%増収で7.6%増益だった。米国が米中貿易摩擦の影響で減収減益となり、ベトナムも塗料用中心に化学品が伸び悩んだが、タイと上海の自動車関連が好調に推移し、新規連結のメキシコも寄与した。

 通期も自動車関連ビジネスやバイオマス関連ビジネスが伸長し、原料高や継続的に実施する成長投資を吸収して2桁増益・大幅増配予想である。第3四半期累計の進捗率は売上高が74.5%、営業利益が83.1%、経常利益が82.2%、純利益が81.9%だった。第2四半期の構成比が高い収益特性を考慮しても順調である。通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は7月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。8月16日の終値は2219円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS293円38銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間74円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1845円34銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約322億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月23日更新]

三洋貿易は年初来高値圏、19年9月期2桁増益・大幅増配予想

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。19年9月期2桁増益・大幅増配予想である。長期経営計画では経営スローガンを「最適解への挑戦」として、目標値に23年9月期経常利益75億円を掲げている。株価は年初来高値圏だ。自律調整を交えながら17年11月高値を目指す展開を期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。

 18年9月期セグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品29%、機械資材49%、海外現地法人15%、国内子会社8%、その他0%だった。業種別売上構成比(単体ベース)は自動車向けが5割強を占め、その他化学、OA・家電、塗料・インキなどが続いている。なお19年9月期から国内子会社セグメントを廃止し、ケムインターを化成品へ、コスモス商事を機械資材に振り分けている。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。なお収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。

■業容拡大・グローバル戦略を推進

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。17年6月精密鋳造用副資材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年10月化学品専門商社のアズロを子会社化、18年4月工業化学薬品輸入販売の子会社ソートを吸収合併、18年8月大日本コンサルタント<9797>と合弁で静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立、19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化した。

 海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、数値目標を23年9月期の経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域の深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)とした。

 また今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

■19年9月期2桁増益・大幅増配予想

 19年9月期の連結業績予想(5月13日に売上高、利益とも上方修正)は、売上高が18年9月期比9.6%増の860億円、営業利益が12.1%増の59億円、経常利益が11.2%増の62億円、純利益が15.5%増の42億円としている。配当予想(5月13日に第2四半期末3円上方修正、期末2円上方修正)は、10円増配の年間74円(第2四半期末37円、期末37円)としている。予想配当性向は25.2%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比9.0%増の432億98百万円、営業利益が15.1%増の34億51百万円、経常利益が18.5%増の36億28百万円、純利益が23.5%増の24億49百万円だった。自動車関連が牽引して2桁増益だった。

 化成品は3.9%増収で17.2%減益だった。仕入れ値の上昇で自動車・家電・情報機器関連向け合成ゴムや副資材の採算が低調だった。また中国での環境規制に起因して塗料・インク関連の高付加価値商材が低調した。機械資材は10.6%増収で20.9%増益だった。産業用資材関連で自動車シート用・内装用部品の好調が続いている。機械・環境関連では大型案件が翌四半期に先送りとなった。海外現地法人は15.2%増収で52.9%増益だった。ベトナムが事務所移転による費用増で減益だが、米国、上海、タイが自動車関連の好調や販管費の減少などで増益となり、新規連結のメキシコも寄与した。

 通期も自動車関連ビジネスやバイオマス関連ビジネスが伸長し、原料高や継続的に実施する成長投資を吸収して2桁増益・大幅増配予想である。第2四半期累計の進捗率は売上高が50.3%、営業利益が58.5%、経常利益が58.5%、純利益が58.3%だった。第2四半期の構成比が高い収益特性を考慮しても順調である。通期も好業績が期待される。

■株価は年初来高値圏

 株価は年初来高値圏だ。自律調整を交えながら17年11月高値を目指す展開を期待したい。7月22日の終値は2367円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS293円38銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間74円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1845円34銭で算出)は約1.3倍、時価総額は約343億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月18日更新]

三洋貿易は17年高値目指す、19年9月期2桁増益・大幅増配予想

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。19年9月期2桁増益・大幅増配予想である。長期経営計画では経営スローガンを「最適解への挑戦」として、目標値に23年9月期経常利益75億円を掲げている。株価は年初来高値を更新している。17年11月高値を目指す展開を期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。

 18年9月期セグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品29%、機械資材49%、海外現地法人15%、国内子会社8%、その他0%だった。業種別売上構成比(単体ベース)は自動車向けが5割強を占め、その他化学、OA・家電、塗料・インキなどが続いている。なお19年9月期から国内子会社セグメントを廃止し、ケムインターを化成品へ、コスモス商事を機械資材に振り分けている。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。なお収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。

■業容拡大・グローバル戦略を推進

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。17年6月精密鋳造用副資材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年10月化学品専門商社のアズロを子会社化、18年4月工業化学薬品輸入販売の子会社ソートを吸収合併、18年8月大日本コンサルタント<9797>と合弁で静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立、19年5月ゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化した。

 海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、数値目標を23年9月期の経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域の深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)とした。

 また今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

■19年9月期2桁増益・大幅増配予想

 19年9月期の連結業績予想(5月13日に売上高、利益とも上方修正)は、売上高が18年9月期比9.6%増の860億円、営業利益が12.1%増の59億円、経常利益が11.2%増の62億円、純利益が15.5%増の42億円としている。配当予想(5月13日に第2四半期末3円上方修正、期末2円上方修正)は、10円増配の年間74円(第2四半期末37円、期末37円)としている。予想配当性向は25.2%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比9.0%増の432億98百万円、営業利益が15.1%増の34億51百万円、経常利益が18.5%増の36億28百万円、純利益が23.5%増の24億49百万円だった。自動車関連が牽引して2桁増益だった。

 化成品は3.9%増収で17.2%減益だった。仕入れ値の上昇で自動車・家電・情報機器関連向け合成ゴムや副資材の採算が低調だった。また中国での環境規制に起因して塗料・インク関連の高付加価値商材が低調した。機械資材は10.6%増収で20.9%増益だった。産業用資材関連で自動車シート用・内装用部品の好調が続いている。機械・環境関連では大型案件が翌四半期に先送りとなった。海外現地法人は15.2%増収で52.9%増益だった。ベトナムが事務所移転による費用増で減益だが、米国、上海、タイが自動車関連の好調や販管費の減少などで増益となり、新規連結のメキシコも寄与した。

 通期も自動車関連ビジネスやバイオマス関連ビジネスが伸長し、原料高や継続的に実施する成長投資を吸収して2桁増益・大幅増配予想である。第2四半期累計の進捗率は売上高が50.3%、営業利益が58.5%、経常利益が58.5%、純利益が58.3%だった。第2四半期の構成比が高い収益特性を考慮しても順調である。通期も好業績が期待される。

■株価は17年高値目指す

 株価は年初来高値を更新している。17年11月高値3010円を目指す展開を期待したい。6月17日の終値は2385円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS293円38銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間74円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1845円34銭で算出)は約1.3倍、時価総額は約346億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月28日更新]

三洋貿易は年初来高値圏、19年9月期上方修正して2桁増益・大幅増配予想

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。19年9月期は上方修正して2桁増益・大幅増配予想である。長期経営計画では経営スローガンを「最適解への挑戦」として、目標値に23年9月期経常利益75億円を掲げている。株価は年初来高値圏だ。17年11月高値を目指す展開を期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。

 18年9月期セグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品29%、機械資材49%、海外現地法人15%、国内子会社8%、その他0%だった。業種別売上構成比(単体ベース)は自動車向けが5割強を占め、その他化学、OA・家電、塗料・インキなどが続いている。なお19年9月期から国内子会社セグメントを廃止し、ケムインターを化成品へ、コスモス商事を機械資材に振り分ける。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。なお収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。

■業容拡大・グローバル戦略を推進

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。17年6月精密鋳造用副資材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年10月化学品専門商社のアズロを子会社化、18年4月工業化学薬品輸入販売のソート(16年2月子会社化)を吸収合併、18年8月大日本コンサルタント<9797>と合弁で静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 19年5月にはゴムライニング製ポンプで世界首位の新東洋機械工業を子会社化(株式譲渡実行5月31日予定)した。子会社の三洋古江サイエンスで展開するマイクロポンプ事業との相乗効果を見込んでいる。

 海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、数値目標を23年9月期の経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域の深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)とした。

 また今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

■19年9月期は上方修正して2桁増益予想

 19年9月期の連結業績予想(5月13日に売上高、利益とも上方修正)は、売上高が18年9月期比9.6%増の860億円、営業利益が12.1%増の59億円、経常利益が11.2%増の62億円、純利益が15.5%増の42億円としている。配当予想(5月13日に第2四半期末3円上方修正、期末2円上方修正)は、10円増配の年間74円(第2四半期末37円、期末37円)としている。予想配当性向は25.2%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比9.0%増の432億98百万円、営業利益が15.1%増の34億51百万円、経常利益が18.5%増の36億28百万円、純利益が23.5%増の24億49百万円だった。自動車関連が牽引して2桁増益だった。

 化成品は3.9%増収で17.2%減益だった。仕入れ値の上昇で自動車・家電・情報機器関連向け合成ゴムや副資材の採算が低調だった。また中国での環境規制に起因して塗料・インク関連の高付加価値商材が低調した。機械資材は10.6%増収で20.9%増益だった。産業用資材関連で自動車シート用・内装用部品の好調が続いている。機械・環境関連では大型案件が翌四半期に先送りとなった。海外現地法人は15.2%増収で52.9%増益だった。ベトナムが事務所移転による費用増で減益だが、米国、上海、タイが自動車関連の好調や販管費の減少などで増益となり、新規連結のメキシコも寄与した。

 通期も自動車関連ビジネスやバイオマス関連ビジネスが伸長し、原料高や継続的に実施する成長投資を吸収して2桁増益・大幅増配予想である。第2四半期累計の進捗率は売上高が50.3%、営業利益が58.5%、経常利益が58.5%、純利益が58.3%だった。第2四半期の構成比が高い収益特性を考慮しても順調である。通期も好業績が期待される。

■株価は年初来高値圏

 株価は年初来高値圏だ。17年11月高値を目指す展開を期待したい。5月27日の終値は2185円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS293円38銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間74円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1845円34銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約317億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月19日更新]

三洋貿易は戻り歩調、19年9月期増収増益・3期連続増配予想で上振れ余地

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。19年9月期増収増益・3期連続増配予想で上振れ余地がありそうだ。長期経営計画では経営スローガンを「最適解への挑戦」として、目標値に23年9月期経常利益75億円を掲げている。株価は年初来高値を更新して戻り歩調だ。17年11月高値を目指す展開を期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。

 18年9月期セグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品29%、機械資材49%、海外現地法人15%、国内子会社8%、その他0%だった。業種別売上構成比(単体ベース)は自動車向けが5割強を占め、その他化学、OA・家電、塗料・インキなどが続いている。なお19年9月期から国内子会社セグメントを廃止し、ケムインターを化成品へ、コスモス商事を機械資材に振り分ける。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。なお収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。

■業容拡大・グローバル戦略を推進

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。17年6月精密鋳造用副資材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年10月化学品専門商社のアズロを子会社化、18年4月工業化学薬品輸入販売のソート(16年2月子会社化)を吸収合併、18年8月大日本コンサルタント<9797>と合弁で静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、数値目標を23年9月期の経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域の深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)とした。

 また今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

■19年9月期増収増益・3期連続増配予想で上振れ余地

 19年9月期連結業績予想は、売上高が18年9月期比8.3%増の850億円、営業利益が6.4%増の56億円、経常利益が3.1%増の57億50百万円、純利益が7.3%増の39億円としている。配当予想は5円増配の年間69円(第2四半期末34円、期末35円)で、予想配当性向は25.3%となる。自動車関連ビジネスの伸長、バイオマス関連ビジネスの成長を見込み、原料高や継続的に実施する成長投資を吸収して増収増益・3期連続増配予想である。

 第1四半期は売上高が前年同期比18.2%増の224億94百万円、営業利益が35.8%増の17億93百万円、経常利益が29.7%増の18億21百万円、純利益が30.3%増の11億97百万円だった。

 化成品は7.1%増収で6.1%減益だった。自動車・家電・情報機器関連向けの合成ゴムや副資材が好調だが、中国での環境規制に起因して塗料・インク関連や高付加価値添加剤が低迷した。機械資材は29.1%増収で44.1%増益だった。産業用資材関連で自動車シート用・内装用部品の好調が続き、機械・環境関連で木質ペレット製造案件が実現した。海外現地法人は21.5%増収で89.8%増益だった。ベトナムが化学品関連の不振や事務所移転による費用増で減益だが、米国、上海、タイが自動車関連の好調や販管費の減少などで増益となり、新規連結のメキシコも寄与した。

 通期のセグメント別売上高の計画(国内子会社セグメント廃止後の新セグメント)は、化成品が6.2%増の326億円、機械資材が13.9%増の318億60百万円、海外現地法人が4.5%増の201億40百万円、その他が62.1%減の55百万円としている。化成品はゴム関連の数量増、化学品でのソート吸収合併によるシナジー効果、機械資材は自動車関連の伸長、バイオマス関連の複数の大型案件、コスモス商事の復調、海外現地法人は化成品と自動車関連の堅調推移を見込んでいる。

 第1四半期の進捗率は、売上高が26.5%、営業利益が32.0%、経常利益が31.7%、純利益が30.7%と順調である。自動車関連が牽引して通期予想に上振れ余地がありそうだ。好業績が期待される。

■株価は戻り歩調

 株価は4月17日に2227円まで上伸した。年初来高値を更新して戻り歩調だ。17年11月高値を目指す展開を期待したい。4月18日の終値は2170円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS272円43銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間69円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1845円34銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約315億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月27日更新]

三洋貿易は調整一巡期待、19年9月期増収増益・3期連続増配予想で上振れ余地

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。19年9月期増収増益・3期連続増配予想で上振れ余地がありそうだ。長期経営計画では経営スローガンを「最適解への挑戦」として、目標値に23年9月期経常利益75億円を掲げている。株価は戻り高値圏から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。

 18年9月期セグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品29%、機械資材49%、海外現地法人15%、国内子会社8%、その他0%だった。業種別売上構成比(単体ベース)は自動車向けが5割強を占め、その他化学、OA・家電、塗料・インキなどが続いている。なお19年9月期から国内子会社セグメントを廃止し、ケムインターを化成品へ、コスモス商事を機械資材に振り分ける。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。なお収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。

■業容拡大・グローバル戦略を推進

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。17年6月精密鋳造用副資材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年10月化学品専門商社のアズロを子会社化、18年4月工業化学薬品輸入販売のソート(16年2月子会社化)を吸収合併、18年8月大日本コンサルタント<9797>と合弁で静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開している。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 長期経営計画「VISION2023」では、数値目標を23年9月期の経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%としている。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域の深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)とした。

 また今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

■19年9月期増収増益・3期連続増配予想で上振れ余地

 19年9月期連結業績予想は、売上高が18年9月期比8.3%増の850億円、営業利益が6.4%増の56億円、経常利益が3.1%増の57億50百万円、純利益が7.3%増の39億円としている。配当予想は5円増配の年間69円(第2四半期末34円、期末35円)で、予想配当性向は25.3%となる。自動車関連ビジネスの伸長、バイオマス関連ビジネスの成長を見込み、原料高や継続的に実施する成長投資を吸収して増収増益・3期連続増配予想である。

 第1四半期は売上高が前年同期比18.2%増の224億94百万円、営業利益が35.8%増の17億93百万円、経常利益が29.7%増の18億21百万円、純利益が30.3%増の11億97百万円だった。

 化成品は7.1%増収で6.1%減益だった。自動車・家電・情報機器関連向けの合成ゴムや副資材が好調だが、中国での環境規制に起因して塗料・インク関連や高付加価値添加剤が低迷した。機械資材は29.1%増収で44.1%増益だった。産業用資材関連で自動車シート用・内装用部品の好調が続き、機械・環境関連で木質ペレット製造案件が実現した。海外現地法人は21.5%増収で89.8%増益だった。ベトナムが化学品関連の不振や事務所移転による費用増で減益だが、米国、上海、タイが自動車関連の好調や販管費の減少などで増益となり、新規連結のメキシコも寄与した。

 通期のセグメント別売上高の計画(国内子会社セグメント廃止後の新セグメント)は、化成品が6.2%増の326億円、機械資材が13.9%増の318億60百万円、海外現地法人が4.5%増の201億40百万円、その他が62.1%減の55百万円としている。化成品はゴム関連の数量増、化学品でのソート吸収合併によるシナジー効果、機械資材は自動車関連の伸長、バイオマス関連の複数の大型案件、コスモス商事の復調、海外現地法人は化成品と自動車関連の堅調推移を見込んでいる。

 第1四半期の進捗率は、売上高が26.5%、営業利益が32.0%、経常利益が31.7%、純利益が30.7%と順調である。自動車関連が牽引して通期予想に上振れ余地がありそうだ。好業績が期待される。

■株価は調整一巡して出直り期待

 株価は2月の戻り高値2171円から反落して安値圏だが、調整一巡して出直りを期待したい。3月26日の終値は1861円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS272円43銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間69円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1845円34銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約270億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月26日更新]

三洋貿易は戻り歩調、19年9月期増収増益・3期連続増配予想、1Q順調で通期上振れ余地

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けのゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。19年9月期増収増益・3期連続増配予想である。第1四半期は大幅増益と順調だった。通期上振れ余地がありそうだ。長期経営計画では経営スローガンを「最適解への挑戦」として、目標値に23年9月期経常利益75億円を掲げている。株価は調整一巡して戻り歩調だ。出直りを期待したい。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。

 18年9月期セグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品29%、機械資材49%、海外現地法人15%、国内子会社8%、その他0%だった。業種別売上構成比(単体ベース)は自動車向けが5割強を占め、その他化学、OA・家電、塗料・インキなどが続いている。なお19年9月期から国内子会社セグメントを廃止し、ケムインターを化成品へ、コスモス商事を機械資材に振り分ける。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。なお収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。

■業容拡大・グローバル戦略を推進

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。17年6月精密鋳造用副資材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年10月化学品専門商社のアズロを子会社化、18年4月工業化学薬品輸入販売のソート(16年2月子会社化)を吸収合併、18年8月大日本コンサルタント<9797>と合弁で静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開し、18年2月にはタイの連結子会社San−Thap Internationalを完全子会社化(18年7月Sanyo Trading Asiaに商号変更)した。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 15年11月公表の5ヶ年長期ビジョンの20年9月期目標値(経常利益50億円以上)を17年9月期に3期前倒しで達成したため、18年11月に新たな長期経営計画「VISION2023」を策定し、数値目標を23年9月期の経常利益75億円、ROE15%、および海外拠点成長率(売上高、年率)10%とした。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域の深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)とした。

 また今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

■19年9月期増収増益・3期連続増配予想、1Q順調で通期上振れ余地

 19年9月期連結業績予想は、売上高が18年9月期比8.3%増の850億円、営業利益が6.4%増の56億円、経常利益が3.1%増の57億50百万円、純利益が7.3%増の39億円としている。配当予想は5円増配の年間69円(第2四半期末34円、期末35円)で、予想配当性向は25.3%となる。自動車関連ビジネスの伸長、バイオマス関連ビジネスの成長を見込み、原料高や継続的に実施する成長投資を吸収して増収増益・3期連続増配予想である。

 第1四半期は売上高が前年同期比18.2%増の224億94百万円、営業利益が35.8%増の17億93百万円、経常利益が29.7%増の18億21百万円、純利益が30.3%増の11億97百万円だった。大幅増益だった。

 化成品は7.1%増収で6.1%減益だった。自動車・家電・情報機器関連向けの合成ゴムや副資材が好調だったが、中国での環境規制に起因して塗料・インク関連や高付加価値添加剤などが低迷した。機械資材は29.1%増収で44.1%増益だった。産業用資材関連で自動車シート用・内装用部品の好調が続き、機械・環境関連で木質ペレット製造案件が実現した。海外現地法人は21.5%増収で89.8%増益だった。ベトナムが化学品関連の不振や事務所移転による費用増で減益だったが、米国、上海、タイが自動車関連の好調や販管費の減少などで増益となり、新規連結のメキシコも寄与した。

 通期のセグメント別売上高の計画(国内子会社セグメント廃止後の新セグメント)は、化成品が6.2%増の326億円、機械資材が13.9%増の318億60百万円、海外現地法人が4.5%増の201億40百万円、その他が62.1%減の55百万円としている。化成品はゴム関連の数量増、化学品でのソート吸収合併によるシナジー効果、機械資材は自動車関連の伸長、バイオマス関連の複数の大型案件、コスモス商事の復調、海外現地法人は化成品と自動車関連の堅調推移を見込んでいる。

 第1四半期の進捗率は、売上高が26.5%、営業利益が32.0%、経常利益が31.7%、純利益が30.7%と順調である。自動車関連が牽引して通期予想に上振れ余地がありそうだ。好業績が期待される。

■株価は調整一巡して戻り歩調

 株価は12月の安値1650円から切り返して2月25日には2171円まで上伸した。調整一巡して戻り歩調だ。出直りを期待したい。2月25日の終値は2154円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS272円43銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間69円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1845円34銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約312億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月30日更新]

三洋貿易は調整一巡感、19年9月期増収増益・3期連続増配予想

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けのゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。19年9月期増収増益・3期連続増配予想である。また長期経営計画では経営スローガンを「最適解への挑戦」として、目標値に23年9月期経常利益75億円を掲げている。株価は地合い悪の影響で安値圏だが、調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。

 18年9月期セグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品29%、機械資材49%、海外現地法人15%、国内子会社8%、その他0%だった。業種別売上構成比(単体ベース)は自動車向けが5割強を占め、その他化学、OA・家電、塗料・インキなどが続いている。なお19年9月期から国内子会社セグメントを廃止し、ケムインターを化成品へ、コスモス商事を機械資材に振り分ける。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。なお収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。

■業容拡大・グローバル戦略を推進

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。17年6月精密鋳造用副資材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年10月化学品専門商社のアズロを子会社化、18年4月工業化学薬品輸入販売のソート(16年2月子会社化)を吸収合併、18年8月大日本コンサルタント<9797>と合弁で静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開し、18年2月にはタイの連結子会社San−Thap Internationalを完全子会社化(18年7月Sanyo Trading Asiaに商号変更)した。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 15年11月公表の5ヶ年長期ビジョンの20年9月期目標値(経常利益50億円以上)を17年9月期に3期前倒しで達成したため、18年11月に新たな長期経営計画「VISION2023」を策定し、数値目標を23年9月期の経常利益75億円、ROE15%、および海外拠点成長率(売上高、年率)10%とした。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域の深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)とした。

 また今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお新たな経営理念・5ヶ年長期経営計画の策定に伴い、今後の更なる発展に向けて経営体制を一層強化するため18年12月、増本正明氏(旧代表取締役社長兼社長執行役員)が取締役会長に、新谷正伸氏(旧取締役兼執行役員、経営戦略室長)が代表取締役社長兼社長執行役員に就任した。

■19年9月期増収増益・3期連続増配予想

 19年9月期連結業績予想は、売上高が18年9月期比8.3%増の850億円、営業利益が6.4%増の56億円、経常利益が3.1%増の57億50百万円、純利益が7.3%増の39億円としている。配当予想は5円増配の年間69円(第2四半期末34円、期末35円)としている。予想配当性向は25.3%となる。

 自動車関連ビジネスの伸長、バイオマス関連ビジネスの成長を見込み、原料高や継続的に実施する成長投資を吸収して増収増益・3期連続増配予想である。

 セグメント別売上高の計画(国内子会社セグメント廃止後の新セグメント)は、化成品が6.2%増の326億円、機械資材が13.9%増の318億60百万円、海外現地法人が4.5%増の201億40百万円、その他が62.1%減の55百万円としている。

 化成品はゴム関連の数量増、化学品でのソート吸収合併によるシナジー効果、機械資材は自動車関連の伸長、バイオマス関連の複数の大型案件、コスモス商事の復調、海外現地法人は化成品と自動車関連の堅調推移を見込んでいる。自動車関連が牽引して好業績が期待される。

■株価は調整一巡感

 株価は地合い悪の影響で安値圏だが、12月25日の1650円から切り返して調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。1月29日の終値は1816円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS272円43銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間69円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1845円34銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約263億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月25日更新]

三洋貿易は反発の動き、19年9月期増収増益・3期連続増配予想

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けのゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。19年9月期増収増益・3期連続増配予想である。18年11月策定の長期経営計画では経営スローガンを「最適解への挑戦」として、目標値に23年9月期経常利益75億円を掲げた。なおTBS「あさちゃん!」でTVCMを放映(関東エリア、18年10月〜19年3月の毎週火曜日)している。株価は地合い悪の影響で年初来安値を更新する場面があったが、その後は反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。

 18年9月期セグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品29%、機械資材49%、海外現地法人15%、国内子会社8%、その他0%だった。業種別売上構成比(単体ベース)は自動車向けが5割強を占め、その他化学、OA・家電、塗料・インキなどが続いている。なお19年9月期から国内子会社セグメントを廃止し、ケムインターを化成品へ、コスモス商事を機械資材に振り分ける。

 自動車関連は合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーター(Gentherm社製)はカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポート(L&P Group社製)は世界市場6割を占有している。

 メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。なお収益面では設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。

■業容拡大・グローバル戦略を推進

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。17年6月精密鋳造用副資材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年10月化学品専門商社のアズロを子会社化、18年4月工業化学薬品輸入販売のソート(16年2月子会社化)を吸収合併、18年8月大日本コンサルタント<9797>と合弁で静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開し、18年2月にはタイの連結子会社San−Thap Internationalを完全子会社化(18年7月Sanyo Trading Asiaに商号変更)した。

■長期経営計画の経営スローガン「最適解への挑戦」

 15年11月公表の5ヶ年長期ビジョンの20年9月期目標値(経常利益50億円以上)を17年9月期に3期前倒しで達成したため、18年11月に新たな長期経営計画「VISION2023」を策定し、数値目標を23年9月期の経常利益75億円、ROE15%、および海外拠点成長率(売上高、年率)10%とした。

 経営スローガンに「最適解への挑戦」を掲げ、基本戦略として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。

 事業領域の深化では注力ドメインを、自動車部材(内装材、ゴム部材)、ファインケミカル(高機能化学品、ゴム添加剤)、ライフサイエンス(医薬中間体、医療機器、ゴム部材)、サステナブル(木質バイオマス、地熱発電)、畜産関連(ペレットミル機械、畜産部材)、科学分析機器(先端計測・分析機器)とした。

 また今後の成長ドライバーとして木質バイオマス関連、自動車関連、および海外への展開を加速する方針だ。

 木質バイオマス関連は、実績豊富な木質ペレット製造装置(CPM社製)やガス化熱電併給装置(ブルクハルト社製)のプロジェクト受注を積み上げて、将来的には部品更新やメンテナンスを中心とするストック型収益の構築を目指す。自動車関連はEV化や自動運転化に対応し、モビリティ分野での移動環境の快適化・高付加価値化の流れを踏まえた商品開発を推進する。海外はアセアン+インド、中国、北中米の3拠点を主軸としてグローバル展開を加速する。

 なお新たな経営理念・5ヶ年長期経営計画の策定に伴い、今後の更なる発展に向けて経営体制を一層強化するため18年12月、増本正明氏(旧代表取締役社長兼社長執行役員)が取締役会長に、新谷正伸氏(旧取締役兼執行役員、経営戦略室長)が代表取締役社長兼社長執行役員に就任した。

■19年9月期増収増益・3期連続増配予想

 19年9月期連結業績予想は、売上高が18年9月期比8.3%増の850億円、営業利益が6.4%増の56億円、経常利益が3.1%増の57億50百万円、純利益が7.3%増の39億円としている。配当予想は5円増配の年間69円(第2四半期末34円、期末35円)としている。予想配当性向は25.3%となる。

 自動車関連ビジネスの伸長、バイオマス関連ビジネスの成長を見込み、原料高や継続的に実施する成長投資を吸収して増収増益・3期連続増配予想である。

 セグメント別売上高の計画(国内子会社セグメント廃止後の新セグメント)は、化成品が6.2%増の326億円、機械資材が13.9%増の318億60百万円、海外現地法人が4.5%増の201億40百万円、その他が62.1%減の55百万円としている。

 化成品はゴム関連の数量増、化学品でのソート吸収合併によるシナジー効果、機械資材は自動車関連の伸長、バイオマス関連の複数の大型案件、コスモス商事の復調、海外現地法人は化成品と自動車関連の堅調推移を見込んでいる。自動車関連が牽引して好業績が期待される。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪の影響で12月21日に1670円まで下押して年初来安値を更新する場面があったが、終値では前日比プラスに転じて反発の動きを強めている。出直りを期待したい。12月21日の終値は1767円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS272円43銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間69円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1845円34銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約256億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月28日更新]

三洋貿易は調整一巡して出直り期待、19年9月期増収増益・3期連続増配予想

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。18年9月期は計画超の増益・増配で着地した。19年9月期も自動車関連が牽引して増収増益・3期連続増配予想である。長期経営計画では目標値を23年9月期経常利益75億円とした。なおTBS「あさちゃん!」でTVCMを放映(関東エリア、18年10月〜19年3月)している。株価は戻り一服の形だが調整一巡して出直りを期待したい。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 18年9月期セグメント別(連結調整前)営業利益構成比は化成品29%、機械資材49%、海外現地法人15%、国内子会社8%、その他0%だった。業種別売上構成比(単体ベース)は自動車向けが5割強を占め、その他化学、OA・家電、塗料・インキなどが続いている。なお19年9月期から国内子会社セグメントを廃止し、ケムインターを化成品へ、コスモス商事を機械資材に振り分ける。

 自動車関連は、各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 なお収益面では、設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。また配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

■業容拡大・グローバル戦略を推進

 M&Aも活用して業容拡大・グローバル戦略を推進している。17年10月医農薬品中間体や電子材料など精密化学品を主力とする化学品専門商社アズロを子会社化、18年4月ソート(16年2月子会社化)を吸収合併した。18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で、静岡県・湯船原地区の木質バイオマス発電所を管理運営する合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。

 海外は米国、メキシコ、中国、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、ドイツに展開し、18年2月にはタイの連結子会社San−Thap Internationalを完全子会社化(18年7月Sanyo Trading Asiaに商号変更)した。

■18年9月期は増益で着地、19年9月期増収増益・3期連続増配予想

 18年9月期の連結業績は、売上高が17年9月期比15.8%増の784億50百万円、営業利益が6.6%増の52億63百万円、経常利益が5.8%増の55億70百万円、純利益が8.5%増の36億35百万円だった。配当は期末2円増額して、17年9月期比5円増配の年間64円(第2四半期末30円、期末34円)とした。配当性向は25.2%となる。

 自動車関連や海外子会社の好調が牽引して計画超の増益・増配で着地した。純利益は海外子会社における保有株式売却益も寄与した。

 化成品は7.1%増収で5.1%営業増益だった。ゴム関連で自動車、情報機器、建機向けの合成ゴムや添加剤、化学関連製品で塗料・インキ原料、フィルム・電材、香料、畜産・農業資材の輸出が好調だった。機械資材は20.0%増収で15.4%営業増益だった。産業資材でシート周辺部品、機械・環境で木質バイオマスの熱電併給装置の大型案件、科学機器で摩擦摩耗試験機やバイオ関連新規商材が牽引した。

 海外現地法人は29.9%増収で21.0%営業増益だった。SCOA(米国)では高機能性樹脂や自動車用部品・原材料、三洋物産貿易(上海)では自動車内装用部品、Sanyo Trading Asia(タイ)では自動車内装用部品などが好調だった。国内子会社は0.6%増収で14.3%減益だった。ケムインターは米国や韓国向けの半導体関連商材が好調だったが、コスモス商事で地熱分野の機材販売・レンタルが低調だった。

 19年9月期連結業績予想は、売上高が18年9月期比8.3%増の850億円、営業利益が6.4%増の56億円、経常利益が3.1%増の57億50百万円、純利益が7.3%増の39億円としている。配当予想は5円増配の年間69円(第2四半期末34円、期末35円)としている。予想配当性向は25.3%となる。

 自動車関連ビジネスの伸長、バイオマス関連ビジネスの成長を見込み、原料高や継続的に実施する成長投資を吸収して増収増益・3期連続増配予想である。

 セグメント別売上高の計画(国内子会社セグメント廃止後の新セグメント換算後)は、化成品が6.2%増の326億円、機械資材が13.9%増の318億60百万円、海外現地法人が4.5%増の201億40百万円、その他が62.1%減の55百万円としている。

 化成品はゴム関連の数量増、化学品でのソート合併効果、機械資材は自動車関連の伸長、バイオマス関連の複数の大型案件、コスモス商事の復調、海外現地法人は化成品と自動車関連の堅調推移を見込んでいる。自動車関連が牽引して好業績が期待される。

■長期経営計画で23年9月期の経常利益75億円目標

 15年11月公表の5ヶ年長期ビジョンの20年9月期目標値を17年9月期に3期前倒しで達成したため、18年11月に長期経営計画「VISION2023」を策定し、目標値を23年9月期の経常利益75億円、ROE15%、海外拠点成長率(売上高、年率)10%とした。

 新経営理念に「最適解への挑戦」を掲げ、基本方針として企業体質の強化で最適解への挑戦、企業基盤の強化、人材への投資、収益基盤の強化で事業領域の深化、新規ビジネスの開拓、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進に取り組む。また今後の成長ドライバーとして木質バイオマス分野、自動車関連分野、海外への展開を推進する方針だ。中期的にも収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡して出直り期待

 株価は10月の年初来安値1690円から切り返して11月9日の2109円まで上伸した。その後は戻り一服の形だが調整一巡して出直りを期待したい。11月27日の終値は1978円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS272円43銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想年間69円で算出)は約3.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1845円34銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約287億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月17日更新]

三洋貿易は調整一巡して反発期待、18年9月期営業増益・増配予想で19年9月期も収益拡大基調

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。18年9月期は自動車関連が牽引して営業増益・増配予想である。そして19年9月期も収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で年初来安値圏だが売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して反発を期待したい。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 17年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は化成品39%、機械資材32%、海外現地法人22%、国内子会社6%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材45%、海外現地法人13%、国内子会社10%、その他2%だった。

 業界別には、自動車向けが主力で、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

 なお収益面では、設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。また配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

■M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。

 17年7月精密鋳造用副資材・型材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年9月子会社の三洋テクノスがマイクロポンプ専業メーカーの古江サイエンス(17年2月子会社化)を吸収合併、17年10月医農薬品中間体や電子材料など精密化学品を主力とする化学品専門商社アズロを子会社化、18年4月ソート(16年2月子会社化)を吸収合併した。

 18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。静岡県の湯船原地区に設置した木質バイオマス発電所を管理運営する。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。18年2月タイの連結子会社San−Thap Internationalを完全子会社化(18年7月Sanyo Trading Asiaに商号変更)した。

■18年9月期営業増益・増配予想、19年9月期も収益拡大基調

 18年9月期の連結業績予想(8月3日に増額修正)は、売上高が17年9月期比18.1%増の800億円、営業利益が2.7%増の50億70百万円、経常利益が0.0%減の52億70百万円、純利益が4.4%増の35億円としている。配当予想(8月3日に増額修正)は3円増配の年間62円(第2四半期末30円、期末32円)で、予想配当性向は25.4%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比17.4%増の592億94百万円、営業利益が6.3%増の42億70百万円、経常利益が3.2%増の44億40百万円、純利益が7.9%増の29億64百万円だった。自動車内装用部品の好調が牽引し、販管費の増加を吸収した。

 国内子会社は地熱分野の低迷で1.4%減収・16.8%減益だったが、化成品は自動車向けゴム関連が堅調で7.5%増収・1,4%増益、機械資材は自動車内装用部品が好調で23.1%増収・15.7%増益、海外現地法人は自動車関連の好調で33.3%増収・18.2%増益だった。

 通期ベースでも主力の自動車関連商材が牽引し、成長に向けた先行投資費用の増加を吸収する。そして19年9月期も収益拡大基調だろう。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は、盤石な財務基盤、強みを通じた価値創造、自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略には、既存ビジネスの深化、ビジネスポートフォリオの明確化、新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進、国内外の組織の強化を掲げている。

 そして新中期経営計画(18年9月期〜19年9月期)では、目標数値に19年9月期売上高828億円、経常利益54億80百万円を掲げている。新規ビジネスとして重点推進している木質バイオマスプロジェクトについては、独ブルクハルト社製の熱電併給装置を宮崎県串間市の大型案件向けに受注している。

 なお10月1日には新経営理念のスローガンとして「最適解への挑戦」を掲げた。

■株価は調整一巡して反発期待

 株価は地合い悪化の影響で10月12日に年初来安値1907円まで下押したが、売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して反発を期待したい。10月16日の終値は1934円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS244円53銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間62円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1663円75銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約281億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月18日更新]

三洋貿易は下値固め完了して出直り期待、18年9月期営業増益・増配予想

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。18年9月期は自動車関連が牽引して営業増益・増配予想である。株価は下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 17年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は化成品39%、機械資材32%、海外現地法人22%、国内子会社6%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材45%、海外現地法人13%、国内子会社10%、その他2%だった。

 業界別には、自動車向けが主力で、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

 なお収益面では、設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。また配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

■M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。

 17年7月精密鋳造用副資材・型材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年9月子会社の三洋テクノスがマイクロポンプ専業メーカーの古江サイエンス(17年2月子会社化)を吸収合併、17年10月医農薬品中間体や電子材料など精密化学品を主力とする化学品専門商社アズロを子会社化、18年4月ソート(16年2月子会社化)を吸収合併した。

 18年8月には大日本コンサルタント<9797>と合弁で合同会社ふじおやまパワーエナジーを設立した。静岡県の湯船原地区に設置した木質バイオマス発電所を管理運営する。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。18年2月タイの連結子会社San−Thap Internationalを完全子会社化(18年7月Sanyo Trading Asiaに商号変更)した。

■18年9月期営業増益・増配予想

 18年9月期の連結業績予想(8月3日に増額修正)は、売上高が17年9月期比18.1%増の800億円、営業利益が2.7%増の50億70百万円、経常利益が0.0%減の52億70百万円、純利益が4.4%増の35億円としている。配当予想(8月3日に増額修正)は3円増配の年間62円(第2四半期末30円、期末32円)で、予想配当性向は25.4%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比17.4%増の592億94百万円、営業利益が6.3%増の42億70百万円、経常利益が3.2%増の44億40百万円、純利益が7.9%増の29億64百万円だった。自動車内装用部品の好調が牽引し、販管費の増加を吸収した。

 国内子会社は地熱分野の低迷で1.4%減収・16.8%減益だったが、化成品は自動車向けゴム関連が堅調で7.5%増収・1,4%増益、機械資材は自動車内装用部品が好調で23.1%増収・15.7%増益、海外現地法人は自動車関連の好調で33.3%増収・18.2%増益だった。

 通期ベースでも主力の自動車関連商材が牽引し、成長に向けた先行投資費用の増加を吸収する。また19年9月期も収益拡大基調が期待される。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は、盤石な財務基盤、強みを通じた価値創造、自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略には、既存ビジネスの深化、ビジネスポートフォリオの明確化、新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進、国内外の組織の強化を掲げている。

 そして新中期経営計画(18年9月期〜19年9月期)では、目標数値に19年9月期売上高828億円、経常利益54億80百万円を掲げている。新規ビジネスとして重点推進している木質バイオマスプロジェクトについては、独ブルクハルト社製の熱電併給装置を宮崎県串間市の大型案件向けに受注している。

■株価は下値固め完了して出直り期待

 株価は安値圏でモミ合う形だが、3月安値1920円を割り込むことなく下値固め完了感を強めている。

 9月14日の終値は2052円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS244円53銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間62円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1663円75銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約298億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。下値固め完了して出直りを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月16日更新]

三洋貿易は下値固め完了、18年9月期3Q増収増益、通期業績・配当予想を増額

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。18年9月期は第3四半期累計が増収増益となり、通期業績予想と配当予想を増額修正している。株価は下値固め完了して反発を期待したい。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 17年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は化成品39%、機械資材32%、海外現地法人22%、国内子会社6%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材45%、海外現地法人13%、国内子会社10%、その他2%だった。

 業界別には、自動車向けが主力で、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

 なお収益面では、設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。また配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

■M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。

 17年7月精密鋳造用副資材・型材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年9月子会社の三洋テクノスがマイクロポンプ専業メーカーの古江サイエンス(17年2月子会社化)を吸収合併、17年10月医農薬品中間体や電子材料など精密化学品を主力とする化学品専門商社アズロを子会社化、18年4月ソート(16年2月子会社化)を吸収合併した。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。18年2月タイの連結子会社San−Thap Internationalを完全子会社化(18年7月Sanyo Trading Asiaに商号変更)した。

■18年9月期営業増益横ばい予想だが上振れ余地

 18年9月期連結業績予想は、8月3日に増額修正(売上高を57億円、営業利益を1億20百万円、経常利益を1億20百万円、純利益を1億90百万円増額)し、売上高が17年9月期比18.1%増の800億円、営業利益が2.7%増の50億70百万円、経常利益が0.0%減の52億70百万円、純利益が4.4%増の35億円としている。

 主力の自動車関連商材が好調に推移し、成長に向けた先行投資費用の増加を吸収する。配当予想も8月3日に増額修正(期末3円増額)して年間62円(第2四半期末30円、期末32円)とした。17年9月期との比較でも3円増配となり、予想配当性向は25.4%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比17.4%増の592億94百万円、営業利益が6.3%増の42億70百万円、経常利益が3.2%増の44億40百万円、純利益が7.9%増の29億64百万円だった。自動車内装用部品の好調が牽引し、販管費の増加を吸収した。

 国内子会社は地熱分野の低迷で1.4%減収・16.8%減益だったが、化成品は自動車向けゴム関連が堅調で7.5%増収・1,4%増益、機械資材は自動車内装用部品が好調で23.1%増収・15.7%増益、海外現地法人は自動車関連の好調で33.3%増収・18.2%増益だった。

 通期ベースでも好業績が期待され、19年9月期も収益拡大基調だろう。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は、盤石な財務基盤、強みを通じた価値創造、自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略には、既存ビジネスの深化、ビジネスポートフォリオの明確化、新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進、国内外の組織の強化を掲げている。

 そして新中期経営計画(18年9月期〜19年9月期)では、目標数値に19年9月期売上高828億円、経常利益54億80百万円を掲げている。新規ビジネスとして重点推進している木質バイオマスプロジェクトについては、独ブルクハルト社製の熱電併給装置を宮崎県串間市の大型案件向けに受注している。

■株価は下値固め完了して反発期待

 株価は戻りが鈍く安値圏でモミ合う展開だが、3月安値1920円を割り込むことなく下値固め完了感を強めている。

 8月15日の終値は2033円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS244円53銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間62円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1663円75銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約295億円である。

 週足チャートで見ると2000円近辺が下値支持線だ。下値固め完了して反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月10日更新]

三洋貿易は売り一巡、18年9月期営業利益横ばい予想だが上振れ余地

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。18年9月期は意識的な基礎固めの年と位置付けて営業利益横ばい予想だが、上振れ余地があるだろう。株価は戻りの鈍い展開だが、売り一巡して反発を期待したい。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 17年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は化成品39%、機械資材32%、海外現地法人22%、国内子会社6%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材45%、海外現地法人13%、国内子会社10%、その他2%だった。

 業界別売上構成比(単体ベース)は自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

 なお収益面では、設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。また配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

■M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。

 17年7月精密鋳造用副資材・型材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年9月子会社の三洋テクノスがマイクロポンプ専業メーカーの古江サイエンス(17年2月子会社化)を吸収合併、17年10月医農薬品中間体や電子材料など精密化学品を主力とする化学品専門商社アズロを子会社化した。18年4月にはソート(16年2月子会社化)を吸収合併した。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。18年2月タイの連結子会社San−Thap Internationalを完全子会社化(18年7月Sanyo Trading Asiaに商号変更)した。

■18年9月期営業増益横ばい予想だが上振れ余地

 18年9月期連結業績予想は、売上高が17年9月期比9.7%増の743億円、営業利益が0.2%増の49億50百万円、経常利益が2.3%減の51億50百万円、純利益が1.2%減の33億10百万円としている。配当予想は17年9月期と同額の年間59円(第2四半期末30円、期末29円)としている。予想配当性向は25.5%となる。

 売上高計画は化成品が0.4%増の268億円、機械資材が14.8%増の248億円、海外現地法人が24.6%増の188億円、国内子会社が9.6%減の37億円、その他が10.0%減の2億円としている。機械資材は主力の自動車内装部品が好調に推移し、木質バイオマス大型案件も寄与する。海外現地法人はグローバル戦略による大幅伸長を見込んでいる。

 売上総利益率は0.5ポイント低下の17.6%、販管費比率は0.2ポイント上昇の11.0%の想定としている。新中期経営計画において18年9月期を意識的な基礎固めの年と位置付け、中長期成長に向けて組織再編や人材拡充などの先行投資を実行するため、関連費用の増加を見込んでいる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比17.5%増の397億18百万円、営業利益が6.1%増の29億99百万円、経常利益が2.8%増の30億61百万円、純利益が4.7%増の19億84百万円だった。第2四半期累計として5期連続最高益を更新した。売上総利益率は17.5%で0.9ポイント低下し、人的投資などで販管費も増加したが、化成品、機械資材の好調が牽引した。

 化成品は5.5%増収で4.1%営業増益だった。ゴム関連製品の自動車・家電・情報機器向けを中心に堅調だった。機械資材は25.1%増収で23.2%営業増益だった。産業資材でシート用部品などが堅調に推移し、機械・環境関連ではバイオマス大型案件が寄与した。海外現地法人は31.8%増収だが、9.5%営業減益だった。売上面ではゴム関連や自動車部品関連中心に伸長したが、利益面では三洋物産貿易(上海)における販売費の大幅増加で減益だった。国内子会社は6.3%増収だが12.0%営業減益だった。コスモス商事の地熱分野が低迷した。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が53.5%、営業利益が60.6%、経常利益が59.4%、純利益が59.9%である。第2四半期の構成比が高い特性を考慮しても順調だろう。通期営業利益横ばい予想だが上振れ余地があるだろう。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は、盤石な財務基盤、強みを通じた価値創造、自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略には、既存ビジネスの深化、ビジネスポートフォリオの明確化、新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進、国内外の組織の強化を掲げている。

 そして新中期経営計画(18年9月期〜19年9月期)では、目標数値に19年9月期売上高828億円、経常利益54億80百万円を掲げている。新規ビジネスとして重点推進している木質バイオマスプロジェクトについては、独ブルクハルト社製の熱電併給装置を宮崎県串間市の大型案件向けに受注している。

■株価は売り一巡して反発期待

 株価は戻りの鈍い展開だが、3月安値1920円を割り込むことなく、7月5日の直近安値1952円から切り返す動きだ。

 7月9日の終値2037円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS231円25銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間59円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1663円75銭で算出)は約1.2倍である。時価総額は約295億円である。

 週足チャートで見ると2000円近辺が下値支持線となりそうだ。売り一巡して反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月18日更新]

三洋貿易は調整一巡感、18年9月期営業利益横ばい予想だが上振れ余地

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。18年9月期は意識的な基礎固めの年と位置付けて営業利益横ばい予想だが、上振れ余地があるだろう。株価は下値を切り上げて調整一巡感を強めている。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 17年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は化成品39%、機械資材32%、海外現地法人22%、国内子会社6%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材45%、海外現地法人13%、国内子会社10%、その他2%だった。

 業界別売上構成比(単体ベース)は自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

 なお収益面では、設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。また配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

■M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。

 17年7月精密鋳造用副資材・型材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年9月子会社の三洋テクノスがマイクロポンプ専業メーカーの古江サイエンス(17年2月子会社化)を吸収合併、17年10月医農薬品中間体や電子材料など精密化学品を主力とする化学品専門商社アズロを子会社化した。18年4月にはソート(16年2月子会社化)を吸収合併した。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。18年2月にはタイの連結子会社San−Thap International社を完全子会社化した。

■18年9月期営業増益横ばい予想だが上振れ余地

 18年9月期連結業績予想は、売上高が17年9月期比9.7%増の743億円、営業利益が0.2%増の49億50百万円、経常利益が2.3%減の51億50百万円、純利益が1.2%減の33億10百万円としている。配当予想は17年9月期と同額の年間59円(第2四半期末30円、期末29円)としている。予想配当性向は25.5%となる。

 売上高計画は化成品が0.4%増の268億円、機械資材が14.8%増の248億円、海外現地法人が24.6%増の188億円、国内子会社が9.6%減の37億円、その他が10.0%減の2億円としている。機械資材は主力の自動車内装部品が好調に推移し、木質バイオマス大型案件も寄与する。海外現地法人はグローバル戦略による大幅伸長を見込んでいる。

 売上総利益率は0.5ポイント低下の17.6%、販管費比率は0.2ポイント上昇の11.0%の想定としている。新中期経営計画において18年9月期を意識的な基礎固めの年と位置付け、中長期成長に向けて組織再編や人材拡充などの先行投資を実行するため、関連費用の増加を見込んでいる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比17.5%増の397億18百万円、営業利益が6.1%増の29億99百万円、経常利益が2.8%増の30億61百万円、純利益が4.7%増の19億84百万円だった。第2四半期累計として5期連続最高益を更新した。売上総利益率は17.5%で0.9ポイント低下し、人的投資などで販管費も増加したが、化成品、機械資材の好調が牽引した。

 化成品は5.5%増収で4.1%営業増益だった。ゴム関連製品の自動車・家電・情報機器向けを中心に堅調だった。機械資材は25.1%増収で23.2%営業増益だった。産業資材でシート用部品などが堅調に推移し、機械・環境関連ではバイオマス大型案件が寄与した。海外現地法人は31.8%増収だが、9.5%営業減益だった。売上面ではゴム関連や自動車部品関連中心に伸長したが、利益面では三洋物産貿易(上海)における販売費の大幅増加で減益だった。国内子会社は6.3%増収だが12.0%営業減益だった。コスモス商事の地熱分野が低迷した。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が53.5%、営業利益が60.6%、経常利益が59.4%、純利益が59.9%である。第2四半期の構成比が高い特性を考慮しても順調だろう。通期営業利益横ばい予想だが上振れ余地があるだろう。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は、盤石な財務基盤、強みを通じた価値創造、自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略には、既存ビジネスの深化、ビジネスポートフォリオの明確化、新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進、国内外の組織の強化を掲げている。

 そして新中期経営計画(18年9月期〜19年9月期)では、目標数値に19年9月期売上高828億円、経常利益54億80百万円を掲げている。新規ビジネスとして重点推進している木質バイオマスプロジェクトについては、独ブルクハルト社製の熱電併給装置を宮崎県串間市の大型案件向けに受注している。

■株価は下値を切り上げて調整一巡感

 株価はやや反発力の鈍い展開だが、3月安値1920円から下値を着実に切り上げて調整一巡感を強めている。

 6月15日の終値2198円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS231円25銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間59円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1663円75銭で算出)は約1.3倍である。時価総額は約319億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を突破している。出直りを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[5月17日更新]

三洋貿易は戻り歩調、18年9月期2Q累計営業増益で通期横ばい予想は上振れ余地

 三洋貿易<3176>(東1)は、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。M&Aも積極活用して業容拡大戦略・グローバル展開を加速している。18年9月期第2四半期累計は営業増益だった。通期は意識的な基礎固めの年と位置付けて営業利益横ばい予想だが、上振れ余地があるだろう。株価は戻り歩調だ。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 17年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は化成品39%、機械資材32%、海外現地法人22%、国内子会社6%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材45%、海外現地法人13%、国内子会社10%、その他2%だった。

 業界別売上構成比(単体ベース)は自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

 なお収益面では、設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。また配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

■M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。

 16年6月洸陽電機と小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大で業務提携、16年7月医療機器開発・製造販売や医療機器・理科学機器の輸入販売を手掛ける日本ルフトを子会社化、17年7月精密鋳造用副資材・型材輸入販売の日本フリーマンを子会社化した。

 17年9月子会社の三洋テクノスがマイクロポンプ専業メーカーの古江サイエンス(17年2月子会社化)を吸収合併、17年10月医農薬品中間体や電子材料など精密化学品を主力とする化学品専門商社アズロを子会社化した。18年4月にはソート(16年2月子会社化)を吸収合併した。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。18年2月にはタイの連結子会社San−Thap International社を完全子会社化した。

■18年9月期2Q累計営業増益、通期横ばい予想だが上振れ余地

 18年9月期連結業績予想は、売上高が17年9月期比9.7%増の743億円、営業利益が0.2%増の49億50百万円、経常利益が2.3%減の51億50百万円、純利益が1.2%減の33億10百万円としている。配当予想は17年9月期と同額の年間59円(第2四半期末30円、期末29円)としている。予想配当性向は25.5%となる。

 売上高の計画は化成品が9.0%増の291億円、機械資材が9.7%増の237億円、海外現地法人が11.3%増の168億円、国内子会社が5.1%増の43億円、その他が80.2%増の4億円としている。主力の自動車関連商材が好調に推移し、M&A効果も寄与する。海外現地法人はグローバル戦略による大幅伸長を見込んでいる。

 売上総利益率は0.5ポイント低下の17.6%、販管費比率は0.2ポイント上昇の11.0%の想定としている。新中期経営計画において18年9月期を意識的な基礎固めの年と位置付け、中長期成長に向けて組織再編や人材拡充などの先行投資を実行するため、関連費用の増加を見込んでいる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比17.5%増の397億18百万円、営業利益が6.1%増の29億99百万円、経常利益が2.8%増の30億61百万円、純利益が4.7%増の19億84百万円だった。

 化成品は5.5%増収で4.1%営業増益だった。ゴム関連製品の自動車・家電・情報機器向けを中心に堅調だった。機械資材は25.1%増収で23.2%営業増益だった。産業資材でシート用部品などが堅調に推移し、機械・環境関連ではバイオマス大型案件が寄与した。海外現地法人は31.8%増収だが、9.5%営業減益だった。売上面ではゴム関連や自動車部品関連中心に伸長したが、利益面では三洋物産貿易(上海)における販売費の大幅増加で減益だった。国内子会社は6.3%増収だが12.0%営業減益だった。コスモス商事の地熱分野が低迷した。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が53.5%、営業利益が60.6%、経常利益が59.4%、純利益が59.9%である。第2四半期の構成比が高い特性を考慮しても順調だろう。通期は大型スポット案件の一巡も考慮して営業利益は横ばい、経常利益と純利益は微減益予想としているが、上振れ余地があるだろう。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は、盤石な財務基盤、強みを通じた価値創造、自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略には、既存ビジネスの深化、ビジネスポートフォリオの明確化、新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進、国内外の組織の強化を掲げている。

 そして新中期経営計画(18年9月期〜19年9月期)では、目標数値に19年9月期売上高828億円、経常利益54億80百万円を掲げている。新規ビジネスとして重点推進している木質バイオマスプロジェクトについては、独ブルクハルト社製の熱電併給装置を宮崎県串間市の大型案件向けに受注している。

■株価は戻り歩調

 株価は3月安値1920円から切り返して戻り歩調だ。5月14日には2354円まで上伸した。

 5月16日の終値2331円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS231円25銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間59円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1663円75銭で算出)は約1.4倍である。時価総額は約338億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。続いて26週移動平均線突破の動きを強めている。出直りが期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月12日更新]

三洋貿易は調整一巡して戻り歩調、18年9月期横ばい予想だが上振れの可能性

 三洋貿易<3176>(東1)は、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。M&Aも積極活用して業容拡大戦略・グローバル展開を加速している。18年9月期は意識的な基礎固めの年と位置付けて横ばい予想だが、上振れの可能性が高いだろう。株価は調整一巡して戻り歩調だ。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 17年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は化成品39%、機械資材32%、海外現地法人22%、国内子会社6%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材45%、海外現地法人13%、国内子会社10%、その他2%だった。

 業界別売上構成比(単体ベース)は自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

 なお収益面では、設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい特性がある。また配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

■M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。

 16年6月洸陽電機と小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大で業務提携、16年7月医療機器開発・製造販売や医療機器・理科学機器の輸入販売を手掛ける日本ルフトを子会社化、17年2月子会社の三洋テクノスがマイクロポンプ専業メーカーの古江サイエンスを子会社化(17年9月吸収合併)した。17年7月精密鋳造用副資材・型材輸入販売の日本フリーマンを子会社化した。

 17年10月には16年2月子会社化したソートの吸収合併(18年4月1日付)を発表した。また医農薬品中間体や電子材料など精密化学品を主力とする化学品専門商社アズロを子会社化した。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。18年1月にはタイの連結子会社San−Thap International社の増資および完全子会社化を発表した。

■18年9月期横ばい予想だが保守的、上振れの可能性

 18年9月期連結業績予想は、売上高が17年9月期比9.7%増の743億円、営業利益が0.2%増の49億50百万円、経常利益が2.3%減の51億50百万円、純利益が1.2%減の33億10百万円としている。配当予想は17年9月期と同額の年間59円(第2四半期末30円、期末29円)としている。予想配当性向は25.5%となる。

 売上高の計画は化成品が9.0%増の291億円、機械資材が9.7%増の237億円、海外現地法人が11.3%増の168億円、国内子会社が5.1%増の43億円、その他が80.2%増の4億円としている。主力の自動車関連商材が好調に推移し、M&A効果も寄与する。海外現地法人はグローバル戦略による大幅伸長を見込んでいる。

 売上総利益率は0.5ポイント低下の17.6%、販管費比率は0.2ポイント上昇の11.0%の想定としている。新中期経営計画において18年9月期を意識的な基礎固めの年と位置付け、中長期成長に向けて組織再編や人材拡充などの先行投資を実行するため、関連費用の増加を見込んでいる。また前期の大型スポット案件の一巡も考慮して営業利益は横ばい、経常利益と純利益は微減益予想としている。

 第1四半期は売上高が前年同期比13.4%増の190億38百万円、営業利益が0.2%増の13億21百万円、経常利益が4.8%減の14億03百万円、純利益が2.2%増の9億19百万円だった。

 化成品は5.8%増収、0.5%営業減益だった。売上面ではゴム関連製品中心に堅調だったが、利益面では原材料価格高騰が影響した。機械資材は19.9%増収、26.8%営業増益だった。機械・環境関連でバイオマス大型案件の検収が第2四半期にズレ込んだが、産業資材で自動車内装用部品が好調に推移した。海外現地法人は27.3%増収、29.3%営業減益だった。売上面ではゴム関連や自動車部品関連中心に伸長したが、利益面では三洋物産貿易(上海)における販売費の大幅増加が影響した。国内子会社は16.4%減収、18.0%営業減益だった。コスモス商事の地熱分野が低迷した。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高25.6%、営業利益26.7%、経常利益27.2%、純利益27.8%である。第2四半期の構成比が高い特性を考慮すれば高水準である。通期予想は上振れの可能性が高いだろう。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は、盤石な財務基盤、強みを通じた価値創造、自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略には、既存ビジネスの深化、ビジネスポートフォリオの明確化、新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進、国内外の組織の強化を掲げている。

 そして新中期経営計画(18年9月期〜19年9月期)では、目標数値に19年9月期売上高828億円、経常利益54億80百万円を掲げている。新規プロジェクトとして重点推進している木質バイオマスプロジェクトについては、独ブルクハルト社製の熱電併給装置を宮崎県串間市の大型案件向けに受注している。

■株価は調整一巡して戻り歩調

 株価は3月26日安値1920円から切り返して4月11日には2185円まで上伸した。調整一巡して戻り歩調だ。

 4月11日の終値2127円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS231円32銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間59円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1663円75銭で算出)は約1.3倍である。時価総額は約308億円である。

 週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んだが、調整一巡して出直りが期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月23日更新]

三洋貿易は売られ過ぎ感、18年9月期横ばい予想だが上振れの可能性

 三洋貿易<3176>(東1)は、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。M&Aも積極活用して業容拡大戦略・グローバル展開を加速している。18年9月期は意識的な基礎固めの年と位置付けて横ばい予想だが、上振れの可能性が高いだろう。株価は減益予想を嫌気して水準を切り下げたが、売られ過ぎ感を強めている。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 17年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は化成品39%、機械資材32%、海外現地法人22%、国内子会社6%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材45%、海外現地法人13%、国内子会社10%、その他2%だった。

 業界別売上構成比(単体ベース)は自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

 なお収益面では、設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期(1月〜3月)の構成比が高くなりやすい特性がある。また配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

■M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。

 16年6月洸陽電機と小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大で業務提携、16年7月医療機器開発・製造販売や医療機器・理科学機器の輸入販売を手掛ける日本ルフトを子会社化、17年2月子会社の三洋テクノスがマイクロポンプ専業メーカーの古江サイエンスを子会社化(17年9月吸収合併)した。17年7月精密鋳造用副資材・型材輸入販売の日本フリーマンを子会社化した。

 17年10月には16年2月子会社化したソートの吸収合併(18年4月1日付予定)を発表した。また医農薬品中間体や電子材料など精密化学品を主力とする化学品専門商社アズロを子会社化した。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。18年1月にはタイの連結子会社San−Thap International社の増資および完全子会社化を発表した。

■18年9月期横ばい予想だが保守的、上振れの可能性

 18年9月期連結業績予想は、売上高が17年9月期比9.7%増の743億円、営業利益が0.2%増の49億50百万円、経常利益が2.3%減の51億50百万円、純利益が1.2%減の33億10百万円としている。配当予想は17年9月期と同額の年間59円(第2四半期末30円、期末29円)としている。予想配当性向は25.5%となる。

 売上高の計画は化成品が9.0%増の291億円、機械資材が9.7%増の237億円、海外現地法人が11.3%増の168億円、国内子会社が5.1%増の43億円、その他が80.2%増の4億円としている。主力の自動車関連商材が好調に推移し、M&A効果も寄与する。海外現地法人はグローバル戦略による大幅伸長を見込んでいる。

 売上総利益率は0.5ポイント低下の17.6%、販管費比率は0.2ポイント上昇の11.0%の想定としている。新中期経営計画において18年9月期を意識的な基礎固めの年と位置付け、中長期成長に向けて組織再編や人材拡充などの先行投資を実行するため、関連費用の増加を見込んでいる。また前期の大型スポット案件の一巡も考慮して営業利益は横ばい、経常利益と純利益は微減益予想としている。

 第1四半期は売上高が前年同期比13.4%増の190億38百万円、営業利益が0.2%増の13億21百万円、経常利益が4.8%減の14億03百万円、純利益が2.2%増の9億19百万円だった。

 化成品は5.8%増収、0.5%営業減益だった。売上面ではゴム関連製品中心に堅調だったが、利益面では原材料価格高騰が影響した。機械資材は19.9%増収、26.8%営業増益だった。機械・環境関連でバイオマス大型案件の検収が第2四半期にズレ込んだが、産業資材で自動車内装用部品が好調に推移した。海外現地法人は27.3%増収、29.3%営業減益だった。売上面ではゴム関連や自動車部品関連中心に伸長したが、利益面では三洋物産貿易(上海)における販売費の大幅増加が影響した。国内子会社は16.4%減収、18.0%営業減益だった。コスモス商事の地熱分野が低迷した。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高25.6%、営業利益26.7%、経常利益27.2%、純利益27.8%である。第2四半期の構成比が高い特性を考慮すれば高水準である。通期予想は上振れの可能性が高いだろう。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は、盤石な財務基盤、強みを通じた価値創造、自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略には、既存ビジネスの深化、ビジネスポートフォリオの明確化、新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進、国内外の組織の強化を掲げている。

 そして新中期経営計画(18年9月期〜19年9月期)では、目標数値に19年9月期売上高828億円、経常利益54億80百万円を掲げている。新規プロジェクトとして重点推進している木質バイオマスプロジェクトについては、独ブルクハルト社製の熱電併給装置を宮崎県串間市の大型案件向けに受注している。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は減益予想を嫌気してほぼ一本調子に水準を切り下げたが、売られ過ぎ感を強めている。

 3月22日の終値2074円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS231円32銭で算出)は9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間59円で算出)は2.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1663円75銭で算出)は1.2倍近辺である。時価総額は約301億円である。

 週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んだが、売り一巡して反発が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月05日更新]

三洋貿易は売り一巡感、18年9月期横ばい予想だが上振れの可能性
 
 三洋貿易<3176>(東1)は、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。M&Aも積極活用して業容拡大戦略・グローバル展開を加速している。18年9月期は意識的な基礎固めの年と位置付けて横ばい予想だが、上振れの可能性が高いだろう。株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、売り一巡感を強めている。
 
■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社
 
 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。
 
 17年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は化成品39%、機械資材32%、海外現地法人22%、国内子会社6%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材45%、海外現地法人13%、国内子会社10%、その他2%だった。
 
 業界別売上構成比(単体ベース)は自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。
 
 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。
 
 なお収益面では、設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期(1月〜3月)の構成比が高くなりやすい特性がある。また配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。
 
■M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進
 
 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。
 
 16年6月洸陽電機と小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大で業務提携、16年7月医療機器開発・製造販売や医療機器・理科学機器の輸入販売を手掛ける日本ルフトを子会社化、17年2月子会社の三洋テクノスがマイクロポンプ専業メーカーの古江サイエンスを子会社化(17年9月吸収合併)した。17年7月精密鋳造用副資材・型材輸入販売の日本フリーマンを子会社化した。
 
 17年10月には16年2月子会社化したソートの吸収合併(18年4月1日付予定)を発表した。また医農薬品中間体や電子材料など精密化学品を主力とする化学品専門商社アズロを子会社化した。
 
 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。18年1月にはタイの連結子会社San−Thap International社の増資および完全子会社化を発表した。
 
■18年9月期横ばい予想だが保守的な印象強く上振れの可能性
 
 今期(18年9月期)連結業績予想(11月7日公表)は、売上高が前期(17年9月期)比9.7%増の743億円、営業利益が0.2%増の49億50百万円、経常利益が2.3%減の51億50百万円、純利益が1.2%減の33億10百万円としている。配当予想は前期と同額の年間59円(第2四半期末30円、期末29円)としている。予想配当性向は25.5%となる。
 
 売上高の計画は化成品が9.0%増の291億円、機械資材が9.7%増の237億円、海外現地法人が11.3%増の168億円、国内子会社が5.1%増の43億円、その他が80.2%増の4億円としている。主力の自動車関連商材が好調に推移し、M&A効果も寄与する。海外現地法人はグローバル戦略による大幅伸長を見込んでいる。
 
 売上総利益率は0.5ポイント低下の17.6%、販管費比率は0.2ポイント上昇の11.0%の想定としている。新中期経営計画において18年9月期を意識的な基礎固めの年と位置付け、中長期成長に向けて組織再編や人材拡充などの先行投資を実行するため、関連費用の増加を見込んでいる。また前期の大型スポット案件の一巡も考慮して営業利益は横ばい、経常利益と純利益は微減益予想としている。
 
 第1四半期は売上高が前年同期比13.4%増の190億38百万円、営業利益が0.2%増の13億21百万円、経常利益が4.8%減の14億03百万円、純利益が2.2%増の9億19百万円だった。
 
 化成品は5.8%増収、0.5%営業減益だった。売上面ではゴム関連製品中心に堅調だったが、利益面では原材料価格高騰が影響した。機械資材は19.9%増収、26.8%営業増益だった。機械・環境関連でバイオマス大型案件の検収が第2四半期にズレ込んだが、産業資材で自動車内装用部品が好調に推移した。海外現地法人は27.3%増収、29.3%営業減益だった。売上面ではゴム関連や自動車部品関連中心に伸長したが、利益面では三洋物産貿易(上海)における販売費の大幅増加が影響した。国内子会社は16.4%減収、18.0%営業減益だった。コスモス商事の地熱分野が低迷した。
 
 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高25.6%、営業利益26.7%、経常利益27.2%、純利益27.8%である。第2四半期の構成比が高い特性を考慮すれば高水準である。通期予想は上振れの可能性が高いだろう。
 
■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す
 
 長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。
 
 基本方針は、盤石な財務基盤、強みを通じた価値創造、自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略には、既存ビジネスの深化、ビジネスポートフォリオの明確化、新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進、国内外の組織の強化を掲げている。
 
 そして新中期経営計画(18年9月期〜19年9月期)では、目標数値に19年9月期売上高828億円、経常利益54億80百万円を掲げている。新規プロジェクトとして重点推進している木質バイオマスプロジェクトについては、独ブルクハルト社製の熱電併給装置を宮崎県串間市の大型案件向けに受注している。
 
■株価は売り一巡感
 
 株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、2月14日2197円から切り返して売り一巡感を強めている。
 
 3月2日の終値2269円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS231円32銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間59円で算出)は2.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1663円75銭で算出)は1.4倍近辺である。時価総額は約329億円である。
 
 週足チャートで見ると52週移動平均線近辺で下げ渋る形だ。売り一巡して反発が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[1月29日更新]

三洋貿易は戻り歩調で17年11月高値試す、18年9月期横ばい予想だが上振れの可能性
 
 三洋貿易<3176>(東1)は、自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。M&Aも積極活用して業容拡大戦略・グローバル展開を加速している。18年9月期は意識的な基礎固めの年と位置付けて横ばい予想だが、保守的な印象が強く上振れの可能性が高いだろう。株価は戻り歩調だ。17年11月の上場来高値を試す展開が期待される。
 
■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社
 
 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。
 
 17年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は化成品39%、機械資材32%、海外現地法人22%、国内子会社6%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材45%、海外現地法人13%、国内子会社10%、その他2%だった。
 
 業界別売上構成比(単体ベース)は自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。
 
 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。
 
 なお収益面では、設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期(1月〜3月)の構成比が高くなりやすい特性がある。また配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。
 
■M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進
 
 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。
 
 15年9月連結子会社ケムインターが工業用洗剤輸入販売のコムスタージャパンを子会社化、16年2月工業化学薬品輸入販売のソートを子会社化、16年6月洸陽電機と小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大で業務提携した。
 
 16年7月医療機器開発・製造販売や医療機器・理科学機器の輸入販売を手掛ける日本ルフトを子会社化、17年2月子会社の三洋テクノスがマイクロポンプ専業メーカーの古江サイエンスを子会社化、17年7月精密鋳造用副資材・型材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年9月三洋テクノスが古江サイエンスを吸収合併して商号を三洋古江サイエンスに変更した。
 
 17年10月には16年2月子会社化したソートの吸収合併(18年4月1日付予定)を発表した。また医農薬品中間体や電子材料など精密化学品を主力とする化学品専門商社アズロを子会社化した。
 
 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月シンガポールの工業用フィルム販社BPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)し、15年10月タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立、17年3月独デュッセルドルフに駐在員事務所を設立した。1月16日にはタイの連結子会社San−Thap International社の増資および完全子会社化を発表した。
 
■18年9月期横ばい予想だが保守的な印象強く上振れの可能性
 
 今期(18年9月期)連結業績予想(11月7日公表)は、売上高が前期(17年9月期)比9.7%増の743億円、営業利益が0.2%増の49億50百万円、経常利益が2.3%減の51億50百万円、純利益が1.2%減の33億10百万円としている。配当予想は前期と同額の年間59円(第2四半期末30円、期末29円)としている。予想配当性向は25.5%となる。
 
 売上高の計画は化成品が9.0%増の291億円、機械資材が9.7%増の237億円、海外現地法人が11.3%増の168億円、国内子会社が5.1%増の43億円、その他が80.2%増の4億円としている。主力の自動車関連商材が好調に推移し、M&A効果も寄与する。海外現地法人はグローバル戦略による大幅伸長を見込んでいる。
 
 売上総利益率は0.5ポイント低下の17.6%、販管費比率は0.2ポイント上昇の11.0%の想定としている。新中期経営計画において18年9月期を意識的な基礎固めの年と位置付け、中長期成長に向けて組織再編や人材拡充などの先行投資を実行するため、関連費用の増加を見込んでいる。また前期の大型スポット案件の一巡も考慮して営業利益は横ばい、経常利益と純利益は微減益予想としている。ただし保守的な印象が強い。上振れの可能性が高いだろう。
 
■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す
 
 長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。
 
 基本方針は、盤石な財務基盤、強みを通じた価値創造、自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略には、既存ビジネスの深化、ビジネスポートフォリオの明確化、新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進、国内外の組織の強化を掲げている。
 
 そして新中期経営計画(18年9月期〜19年9月期)では、目標数値に19年9月期売上高828億円、経常利益54億80百万円を掲げている。
 
 新規プロジェクトとして重点推進している木質バイオマスプロジェクトについては、独ブルクハルト社製の熱電併給装置を宮崎県串間市の大型案件向けに受注している。18年2月稼働予定である。
 
■株価は戻り歩調で17年11月の上場来高値試す
 
 株価は17年11月の直近安値2409円から切り返して戻り歩調だ。1月18日には2882円まで上伸した。
 
 1月26日の終値2761円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS231円32銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間59円で算出)は2.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1663円75銭で算出)は1.7倍近辺である。時価総額は約400億円である。
 
 週足チャートで見ると、26週移動平均線を回復して先高観を強めている。17年11月の上場来高値3010円を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月29日更新]

三洋貿易は18年9月期横ばい予想だが上振れの可能性  
 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。M&Aも積極活用して業容拡大戦略・グローバル展開を加速している。17年9月期は長期ビジョンの20年9月期目標経常利益とROEを前倒しで達成した。18年9月期は意識的な基礎固めの年と位置付けて横ばい予想だが保守的な印象が強い。上振れの可能性が高いだろう。株価は上場来高値圏から反落したが、調整一巡して上値を試す展開が期待される。
 
■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社
 
 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。
 
 17年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は化成品39%、機械資材32%、海外現地法人22%、国内子会社6%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材45%、海外現地法人13%、国内子会社10%、その他2%だった。
 
 業界別売上構成比(単体ベース)は自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。
 
 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。
 
 なお収益面では、設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期(1月〜3月)の構成比が高くなりやすい特性がある。また配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。
 
■M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進
 
 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。
 
 15年9月連結子会社ケムインターが工業用洗剤輸入販売のコムスタージャパンを子会社化、16年2月工業化学薬品輸入販売のソートを子会社化、16年6月洸陽電機と小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大で業務提携した。
 
 16年7月医療機器開発・製造販売や医療機器・理科学機器の輸入販売を手掛ける日本ルフトを子会社化、17年2月子会社の三洋テクノスがマイクロポンプ専業メーカーの古江サイエンスを子会社化、17年7月精密鋳造用副資材・型材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年9月三洋テクノスが古江サイエンスを吸収合併して商号を三洋古江サイエンスに変更した。
 
 17年10月には、16年2月子会社化したソートの吸収合併、および医農薬品中間体や電子材料など精密化学品を主力とする化学品専門商社アズロの子会社化を発表している。
 
 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月シンガポールの工業用フィルム販社BPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)し、15年10月タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立、17年3月独デュッセルドルフに駐在員事務所を設立した。
 
■17年9月期大幅増益、長期ビジョンの目標経常利益とROEを前倒し達成
 
 前期(17年9月期)連結業績は、売上高が前々期(16年9月期)比13.1%増の677億38百万円で、営業利益が21.9%増の49億38百万円、経常利益が23.3%増の52億70百万円、純利益が21.5%増の33億51百万円だった。ROEは15.2%で1.1ポイント上昇した。配当は10円増配の年間59円(第2四半期末28円、期末31円)とした。配当性向は25.2%である。
 
 主力の自動車関連商材が好調に推移した。M&A効果も寄与して計画を上回る大幅増収増益だった。8期連続経常増益で過去最高益を更新し、長期ビジョンの20年9月期経常利益目標50億円、ROE15%以上を前倒しで達成した。売上総利益率は18.1%で1.4ポイント上昇、販管費比率は10.8%で0.8ポイント上昇した。営業外では為替差益が増加した。
 
 化成品は売上高が9.1%増の267億03百万円で、営業利益が30.0%増の16億42百万円だった。ゴム関連製品では自動車や家電・情報機器向けの合成ゴムや添加剤など、化学品関連製品では塗料・インキ原料や香料および染料などが好調だった。前期連結化したソートも寄与した。
 
 機械資材は売上高が13.1%増の216億13百万円で、営業利益が14.1%増の25億24百万円だった。産業資材関連ではシート用高機能部品などの自動車内装用部品が大幅伸長した。機械・環境関連では木質バイオマス関連機材の国内2号機を納入した。科学機器関連では耐候性試験機、表面物性測定装置、摩擦摩耗試験機などの分析・試験機器が好調だった。
 
 海外現地法人は売上高が40.4%増の150億93百万円で営業利益が98.2%増の7億27百万円だった。SCOA(米国)はモーター等の自動車内装用部品、三洋物産貿易(上海)は自動車内装用部品や接着剤、San−Thap(タイ)は自動車用部品やゴム関連製品が好調だった。
 
 国内子会社は売上高が22.7%減の40億93百万円で営業利益が7.7%減の5億40百万円だった。コスモス商事は地熱開発関連が好調だったが、海洋・船舶関連の特需が一巡した。ケムインターは韓国・台湾・米国向けの化学品および半導体関連が好調だった。
 
■18年9月期横ばい予想だが上振れの可能性
 
 今期(18年9月期)連結業績予想(11月7日公表)は、売上高が前期(17年9月期)比9.7%増の743億円、営業利益が0.2%増の49億50百万円、経常利益が2.3%減の51億50百万円、純利益が1.2%減の33億10百万円としている。配当予想は前期と同額の年間59円(第2四半期末30円、期末29円)としている。予想配当性向は25.5%となる。
 
 売上高の計画は化成品が9.0%増の291億円、機械資材が9.7%増の237億円、海外現地法人が11.3%増の168億円、国内子会社が5.1%増の43億円、その他が80.2%増の4億円としている。主力の自動車関連商材が好調に推移し、M&A効果も寄与する。海外現地法人はグローバル戦略による大幅伸長を見込んでいる。
 
 売上総利益率は0.5ポイント低下の17.6%、販管費比率は0.2ポイント上昇の11.0%の想定としている。新中期経営計画において18年9月期を意識的な基礎固めの年と位置付け、中長期成長に向けて組織再編や人材拡充などの先行投資を実行するため、関連費用の増加を見込んでいる。また前期の大型スポット案件の一巡も考慮して営業利益は横ばい、経常利益と純利益は微減益予想としている。ただし保守的な印象が強い。上振れの可能性が高いだろう。
 
■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す
 
 長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。
 
 基本方針は、盤石な財務基盤、強みを通じた価値創造、自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略には、既存ビジネスの深化、ビジネスポートフォリオの明確化、新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、グローバル展開の加速、新規投資案件の推進、国内外の組織の強化を掲げている。
 
 そして新中期経営計画(18年9月期〜19年9月期)では、目標数値に19年9月期売上高828億円、経常利益54億80百万円を掲げた。
 
■株価は調整一巡して上値試す
 
 株価は11月2日の上場来高値3010円から反落し、18年9月期横ばい予想を嫌気する形で11月15日の2409円まで調整した。その後は売り一巡感を強めている。
 
 11月28日の終値2456円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS231円32銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間59円で算出)は2.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1663円75銭で算出)は1.5倍近辺である。時価総額は約356億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、調整一巡して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
 [10月17日更新]

三洋貿易は日柄調整完了して上場来高値更新の展開、17年9月期は8期連続最高益更新予想で18年9月期も収益拡大期待
 
 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。M&Aも積極活用して業容拡大戦略・グローバル展開を加速している。17年9月期は8期連続最高益更新予想である。そして18年9月期も収益拡大が期待される。株価は日柄調整完了して上場来高値更新の展開だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。
 
■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社
 
 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。
 
 16年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は化成品41%、機械資材32%、海外現地法人18%、国内子会社9%、その他0%で、営業利益構成比は化成品28%、機械資材49%、海外現地法人8%、国内子会社13%、その他3%だった。
 
 業界別売上構成比(単体ベース)は自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。
 
 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。
 
 なお収益面では、設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期(1月〜3月)の構成比が高くなりやすい特性がある。また配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。
 
■M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進
 
 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。
 
 15年9月連結子会社ケムインターが工業用洗剤輸入販売のコムスタージャパンを子会社化、16年2月工業化学薬品輸入販売のソートを子会社化、16年6月洸陽電機と小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大で業務提携した。
 
 16年7月医療機器開発・製造販売や医療機器・理科学機器の輸入販売を手掛ける日本ルフトを子会社化、17年2月子会社の三洋テクノスがマイクロポンプ専業メーカーの古江サイエンスを子会社化、17年7月精密鋳造用副資材・型材輸入販売の日本フリーマンを子会社化、17年9月三洋テクノスが古江サイエンスを吸収合併して商号を三洋古江サイエンスに変更した。
 
 また10月12日には、16年2月子会社化したソートの吸収合併、および医農薬品中間体や電子材料など精密化学品を主力とする化学品専門商社アズロの子会社化を発表した。
 
 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月シンガポールの工業用フィルム販社BPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)し、15年10月タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立、17年3月独デュッセルドルフに駐在員事務所を設立した。
 
■17年9月期3Q累計は大幅増収増益
 
 前期(17年9月期)第3四半期累計(10〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比12.1%増収、営業利益が32.2%増益、経常利益が35.9%増益、純利益が38.8%増益だった。主力の自動車関連商材が好調に推移した。営業外では為替差益が増加した。
 
 セグメント別(連結調整前)に見ると、化成品は売上高が11.7%増の201億53百万円で営業利益が47.4%増の13億44百万円だった。ゴム関連製品で自動車や家電・情報機器向けの合成ゴムが特に好調だった。化学品関連ではアジア向け輸出が低調だったが、医薬関連が堅調に推移し、前期連結化したソートも寄与した。
 
 機械資材は売上高が12.0%増の162億67百万円で営業利益が22.6%増の20億89百万円だった。産業資材関連でシート用部品などの自動車内装用部品が大幅伸長した。機械・環境関連ではバイオマス関連設備を納入した。科学機器関連では表面物性測定装置や摩擦摩耗試験機などの分析・試験機器が好調だった。
 
 海外現地法人は売上高が31.4%増の108億01百万円で営業利益が2.2倍の6億04百万円だった。SCOA(米国)はモーター等の自動車用部品、三洋物産貿易(上海)は接着剤や自動車内装用部品、San−Thap(タイ)は自動車内装用部品やゴム関連商品が好調だった。
 
 国内子会社は売上高が23.0%減の31億18百万円で営業利益が13.4%減の4億05百万円だった。コスモス商事の海洋・船舶の大型案件一巡で減収減益だったが、地熱開発関連は好調だった。ケムインターは期首に吸収合併したコムスタージャパンの洗浄剤事業が寄与するとともに、米国向け半導体関連機器の輸出が好調だった。
 
■17年9月期は8期連続最高益更新予想、18年9月期も収益拡大期待
 
 前期(17年9月期)通期の連結業績予想(4月25日に利益を増額修正)は、売上高が前々期(16年9月期)比11.8%増の670億円、営業利益が18.4%増の48億円、経常利益が15.8%増の49億50百万円、純利益が16.0%増の32億円としている。8期連続最高益更新予想である。売上総利益率は1.2ポイント上昇の17.9%、販管費比率は0.7ポイント上昇の10.7%の想定としている。
 
 セグメント別売上高の計画は、化成品が10.3%増の270億円、機械資材が同9.9%増の210億円、海外現地法人が30.2%増の140億円、国内子会社が11.2%減の47億円、その他が29.3%増の3億円としている。主力の自動車関連商材が好調に推移し、海外現地法人はグローバル戦略の浸透による大幅伸長を見込んでいる。
 
 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.4%、営業利益が83.7%、経常利益が86.9%、純利益が85.8%だった。3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい収益特性を考慮しても高水準である。通期予想は再増額の可能性が高いだろう。そして今期(18年9月期)も収益拡大が期待される。
 
 配当予想(4月25日に第2四半期末5円増額、期末3円増額、合計8円増額)は年間58円(第2四半期末28円、期末30円)としている。16年9月期との比較では9円増配となり、予想配当性向は25.9%となる。
 
■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す
 
 16年9月期〜17年9月期2カ年中期経営計画では、目標数値に17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げている。
 
 重点戦略として(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成を推進している。
 
 そして5年間長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。
 
 基本方針を(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略には、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げている。
 
 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、化成品セグメントにおける畜産プロジェクト(天敵商材や酪酸菌など)およびフィルムプロジェクト(自動車外装保護フィルムやソフト印刷フィルムなど)、機械資材セグメントにおける木質バイオマスプロジェクト(独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーションシステム)を推進している。
 
 戦略Eの新規投資案件では新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化では、グローバル化に対応すべく約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。中期的にも収益拡大基調が期待される。
 
■株価は日柄調整完了して上場来高値更新
 
 株価は高値圏モミ合いから上放れて10月16日に2911円まで上伸した。日柄調整が完了し、7月高値2736円を突破して上場来高値更新の展開だ。
 
 10月16日の終値2908円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想連結EPS223円64銭で算出)は13倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間58円で算出)は2.0%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS1422円34銭で算出)は2.0倍近辺である。時価総額は約422億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなり、中段保ち合いから上放れた形だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月25日更新]

三洋貿易は自律調整一巡して上値試す、17年9月期再増額の可能性で18年9月期も収益拡大期待
 
 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。M&Aも積極活用して業容拡大戦略・グローバル展開を加速している。17年9月期連結業績予想は再増額の可能性が高いだろう。そして18年9月期も収益拡大が期待される。株価は自律調整が一巡し、好業績を評価して上値を試す展開が期待される。
 
■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社
 
 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。
 
 16年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は化成品41%、機械資材32%、海外現地法人18%、国内子会社9%、その他0%で、営業利益構成比は化成品28%、機械資材49%、海外現地法人8%、国内子会社13%、その他3%だった。
 
 業界別売上構成比(単体ベース)は自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。
 
 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。
 
 なお収益面では、設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期(1月〜3月)の構成比が高くなりやすい特性がある。また配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。
 
■M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進
 
 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。
 
 15年3月エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンをタクミ商事に譲渡、15年9月連結子会社ケムインターが工業用洗剤輸入販売のコムスタージャパンを子会社化、16年2月工業化学薬品輸入販売のソートを子会社化、16年6月洸陽電機と小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大で業務提携した。
 
 16年7月医療機器開発・製造販売や医療機器・理科学機器の輸入販売を手掛ける日本ルフトを子会社化、17年2月子会社の三洋テクノスがマイクロポンプ専業メーカーの古江サイエンスを子会社化、17年7月精密鋳造用副資材・型材輸入販売の日本フリーマンを子会社化した。また17年9月三洋テクノスが古江サイエンスを吸収合併して商号を三洋古江サイエンスに変更した。
 
 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月シンガポールの工業用フィルム販社BPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)し、15年10月タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立、17年3月独デュッセルドルフに駐在員事務所を設立した。
 
■17年9月期3Q累計は大幅増収増益
 
 今期(17年9月期)第3四半期累計(10〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比12.1%増の505億15百万円、営業利益が32.2%増の40億18百万円、経常利益が35.9%増の43億02百万円、純利益が38.8%増の27億46百万円だった。主力の自動車関連商材が好調に推移して大幅増収増益だった。
 
 売上総利益は25.0%増加し、売上総利益率は18.3%で1.9ポイント上昇した。販管費は19.9%増加し、販管費比率は10.3%で0.6ポイント上昇した。営業外では為替差益が増加(前期51百万円、今期2億07百万円)した。
 
 セグメント別(連結調整前)に見ると、化成品は売上高が11.7%増の201億53百万円で営業利益が47.4%増の13億44百万円だった。ゴム関連製品で自動車や家電・情報機器向けの合成ゴムが特に好調だった。化学品関連ではアジア向け輸出が低調だったが、医薬関連が堅調に推移し、前期連結化したソートも寄与した。
 
 機械資材は売上高が12.0%増の162億67百万円で営業利益が22.6%増の20億89百万円だった。産業資材関連でシート用部品などの自動車内装用部品が大幅伸長した。機械・環境関連ではバイオマス関連設備を納入した。科学機器関連では表面物性測定装置や摩擦摩耗試験機などの分析・試験機器が好調だった。
 
 海外現地法人は売上高が31.4%増の108億01百万円で営業利益が2.2倍の6億04百万円だった。SCOA(米国)はモーター等の自動車用部品、三洋物産貿易(上海)は接着剤や自動車内装用部品、San−Thap(タイ)は自動車内装用部品やゴム関連商品が好調だった。
 
 国内子会社は売上高が23.0%減の31億18百万円で営業利益が13.4%減の4億05百万円だった。コスモス商事の海洋・船舶の大型案件一巡で減収減益だったが、地熱開発関連は好調だった。ケムインターは期首に吸収合併したコムスタージャパンの洗浄剤事業が寄与するとともに、米国向け半導体関連機器の輸出が好調だった。
 
 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期167億84百万円、第2四半期170億20百万円、第3四半期167億11百万円で、営業利益は13億18百万円、15億08百万円、11億92百万円、経常利益は14億74百万円、15億03百万円、13億25百万円だった。
 
■17年9月期は再増額の可能性、18年9月期も収益拡大期待
 
 今期(17年9月期)通期の連結業績予想(4月25日に利益を増額修正)は、売上高が前期(16年9月期)比11.8%増の670億円、営業利益が18.4%増の48億円、経常利益が15.8%増の49億50百万円、純利益が16.0%増の32億円としている。8期連続最高益更新予想である。売上総利益率は1.2ポイント上昇の17.9%、販管費比率は0.7ポイント上昇の10.7%の想定としている。
 
 セグメント別売上高の計画は、化成品が10.3%増の270億円、機械資材が同9.9%増の210億円、海外現地法人が30.2%増の140億円、国内子会社が11.2%減の47億円、その他が29.3%増の3億円としている。主力の自動車関連商材が好調に推移し、海外現地法人はグローバル戦略の浸透による大幅伸長を見込んでいる。
 
 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.4%、営業利益が83.7%、経常利益が86.9%、純利益が85.8%だった。3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい収益特性を考慮しても高水準である。通期予想は再増額の可能性が高いだろう。そして来期(18年9月期)も収益拡大が期待される。
 
 配当予想(4月25日に第2四半期末5円増額、期末3円増額、合計8円増額)は年間58円(第2四半期末28円、期末30円)としている。16年9月期との比較では9円増配となり、予想配当性向は25.9%となる。
 
■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す
 
 16年9月期〜17年9月期2カ年中期経営計画では、目標数値に17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げている。
 
 重点戦略として(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成を推進している。
 
 そして5年間長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。
 
 基本方針を(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略には、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げている。
 
 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、化成品セグメントにおける畜産プロジェクト(天敵商材や酪酸菌など)およびフィルムプロジェクト(自動車外装保護フィルムやソフト印刷フィルムなど)、機械資材セグメントにおける木質バイオマスプロジェクト(独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーションシステム)を推進している。
 
 戦略Eの新規投資案件では新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化では、グローバル化に対応すべく約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。中期的にも収益拡大基調が期待される。
 
■株価は自律調整一巡して上値試す
 
 株価は7月の上場来高値2736円から利益確定売りで一旦反落したが、大きく下押すことなく高値圏2400円〜2600円近辺で堅調に推移している。自律調整の範囲だろう。
 
 9月22日の終値2638円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS223円64銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間58円で算出)は2.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1422円34銭で算出)は1.9倍近辺である。時価総額は約383億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。自律調整が一巡し、好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月29日更新]

三洋貿易は自律調整一巡して上値試す、17年9月期3Q累計大幅増収増益で通期予想は再増額の可能性

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。M&Aも積極活用して業容拡大戦略・グローバル展開を加速している。17年9月期第3四半期累計は大幅増収増益だった。通期予想は再増額の可能性が高いだろう。株価は自律調整が一巡し、好業績を評価して上値を試す展開が期待される。
 
■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社
 
 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。
 
 16年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は化成品41%、機械資材32%、海外現地法人18%、国内子会社9%、その他0%で、営業利益構成比は化成品28%、機械資材49%、海外現地法人8%、国内子会社13%、その他3%だった。
 
 業界別売上構成比(単体ベース)は自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。
 
 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。
 
 なお収益面では、設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期(1月〜3月)の構成比が高くなりやすい特性がある。また配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。
 
■M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進
 
 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。
 
 15年3月エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンをタクミ商事に譲渡、15年9月連結子会社ケムインターが工業用洗剤輸入販売のコムスタージャパンを子会社化、16年2月工業化学薬品輸入販売のソートを子会社化、16年6月洸陽電機と小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大で業務提携した。
 
 16年7月医療機器開発・製造販売や医療機器・理科学機器の輸入販売を手掛ける日本ルフトを子会社化、17年2月子会社の三洋テクノスがマイクロポンプ専業メーカーの古江サイエンスを子会社化、17年7月精密鋳造用副資材・型材輸入販売の日本フリーマンを子会社化した。また9月1日付で三洋テクノスが古江サイエンスを吸収合併して商号を三洋古江サイエンスに変更する。
 
 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月シンガポールの工業用フィルム販社BPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)し、15年10月タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立、17年3月独デュッセルドルフに駐在員事務所を設立した。
 
■17年9月期3Q累計は大幅増収増益
 
 今期(17年9月期)第3四半期累計(10〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比12.1%増の505億15百万円、営業利益が32.2%増の40億18百万円、経常利益が35.9%増の43億02百万円、純利益が38.8%増の27億46百万円だった。
 
 主力の自動車関連商材が好調に推移した。売上総利益は25.0%増加し、売上総利益率は18.3%で1.9ポイント上昇した。販管費は19.9%増加し、販管費比率は10.3%で0.6ポイント上昇した。営業外では為替差益が増加(前期51百万円、今期2億07百万円)した。
 
 セグメント別(連結調整前)に見ると、化成品は売上高が11.7%増の201億53百万円で営業利益が47.4%増の13億44百万円だった。ゴム関連製品で自動車や家電・情報機器向けの合成ゴムが特に好調だった。化学品関連ではアジア向け輸出が低調だったが、医薬関連が堅調に推移し、前期連結化したソートも寄与した。
 
 機械資材は売上高が12.0%増の162億67百万円で営業利益が22.6%増の20億89百万円だった。産業資材関連でシート用部品などの自動車内装用部品が大幅伸長した。機械・環境関連ではバイオマス関連設備を納入した。科学機器関連では表面物性測定装置や摩擦摩耗試験機などの分析・試験機器が好調だった。
 
 海外現地法人は売上高が31.4%増の108億01百万円で営業利益が2.2倍の6億04百万円だった。SCOA(米国)はモーター等の自動車用部品、三洋物産貿易(上海)は接着剤や自動車内装用部品、San−Thap(タイ)は自動車内装用部品やゴム関連商品が好調だった。
 
 国内子会社は売上高が23.0%減の31億18百万円で営業利益が13.4%減の4億05百万円だった。コスモス商事の海洋・船舶の大型案件一巡で減収減益だったが、地熱開発関連は好調だった。ケムインターは期首に吸収合併したコムスタージャパンの洗浄剤事業が寄与するとともに、米国向け半導体関連機器の輸出が好調だった。
 
 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期167億84百万円、第2四半期170億20百万円、第3四半期167億11百万円で、営業利益は13億18百万円、15億08百万円、11億92百万円、経常利益は14億74百万円、15億03百万円、13億25百万円だった。
 
■17年9月期通期増収増益・増配予想、さらに再増額の可能性
 
 今期(17年9月期)通期の連結業績予想(4月25日に利益を増額修正)は、売上高が前期(16年9月期)比11.8%増の670億円、営業利益が18.4%増の48億円、経常利益が15.8%増の49億50百万円、純利益が16.0%増の32億円としている。8期連続最高益更新予想である。売上総利益率は1.2ポイント上昇の17.9%、販管費比率は0.7ポイント上昇の10.7%の想定としている。
 
 セグメント別売上高の計画は、化成品が10.3%増の270億円、機械資材が同9.9%増の210億円、海外現地法人が30.2%増の140億円、国内子会社が11.2%減の47億円、その他が29.3%増の3億円としている。主力の自動車関連商材が好調に推移し、海外現地法人はグローバル戦略の浸透による大幅伸長を見込んでいる。
 
 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.4%、営業利益が83.7%、経常利益が86.9%、純利益が85.8%である。3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい収益特性を考慮しても高水準である。通期予想は再増額の可能性が高いだろう。
 
 配当予想(4月25日に第2四半期末5円増額、期末3円増額、合計8円増額)は年間58円(第2四半期末28円、期末30円)としている。16年9月期との比較では9円増配となり、予想配当性向は25.9%となる。
 
■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す
 
 15年11月策定の16年9月期〜17年9月期2カ年中期経営計画では、目標数値に17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げている。
 
 重点戦略として(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成を推進している。
 
 そして15年10月〜20年9月の5年間長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。
 
 基本方針を(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略には、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げている。
 
 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、化成品セグメントにおける畜産プロジェクト(天敵商材や酪酸菌など)およびフィルムプロジェクト(自動車外装保護フィルムやソフト印刷フィルムなど)、機械資材セグメントにおける木質バイオマスプロジェクト(独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーションシステム)を推進している。
 
 戦略Eの新規投資案件では新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化では、グローバル化に対応すべく約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。中期的にも収益拡大基調が期待される。
 
■株価は自律調整一巡して上値試す
 
 株価は7月3日の上場来高値2736円から利益確定売りで一旦反落したが、高値圏2500円近辺で堅調に推移している。自律調整の範囲だろう。
 
 8月28日の終値2474円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS223円64銭で算出)は11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間58円で算出)は2.3%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1422円34銭で算出)は1.7倍近辺である。時価総額は約359億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。自律調整が一巡し、好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月20日更新]

三洋貿易は上場来高値更新の展開、17年9月期2桁増収増益・増配予想で再増額余地

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。M&Aも積極活用して業容拡大戦略・グローバル展開を加速している。17年9月期2桁増収増益予想・増配予想である。そして再増額余地がありそうだ。株価は上場来高値更新の展開だ。好業績を評価する流れに変化はなく、目先的な過熱感を冷ますための自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 16年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は化成品41%、機械資材32%、海外現地法人18%、国内子会社9%、その他0%で、営業利益構成比は化成品28%、機械資材49%、海外現地法人8%、国内子会社13%、その他3%である。

 業界別売上構成比(単体ベース)は自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

 なお収益面では、設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期(1月〜3月)の構成比が高くなりやすい特性がある。また配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

■M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。

 15年3月エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンをタクミ商事に譲渡、15年9月連結子会社ケムインターが工業用洗剤輸入販売のコムスタージャパンを子会社化、16年2月工業化学薬品輸入販売のソートを子会社化した。

 16年6月洸陽電機と業務提携した。小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大で提携し、17年9月期に2社共同事業による合計売上高50億円を見込んでいる。

 16年7月医療機器開発・製造販売や医療機器・理科学機器の輸入販売を手掛ける日本ルフトを子会社化、17年2月子会社の三洋テクノスがマイクロポンプ専業メーカーの古江サイエンスを子会社化、17年7月精密鋳造用副資材・型材輸入販売の日本フリーマンを子会社化した。

 なお8月1日には広島事務所を開設する。また9月1日付で三洋テクノスが古江サイエンスを吸収合併して商号を三洋古江サイエンスに変更する。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月シンガポールの工業用フィルム販社BPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)し、15年10月タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立、17年3月独デュッセルドルフに駐在員事務所を設立した。

■17年9月期第2四半期累計は計画超の増収増益、4期連続過去最高益

 今期(17年9月期)第2四半期累計(10月〜3月)連結業績は売上高が前年同期比7.9%増の338億04百万円、営業利益が同22.6%増の28億26百万円、経常利益が同25.3%増の29億77百万円、純利益が同28.7%増の18億95百万円だった。減収減益予想から一転して増収増益となり、第2四半期累計として4期連続で過去最高益を更新した。

 ゴム関連商材、自動車部品、機械資材関連商材が好調に推移した。M&A効果も寄与した。売上総利益は同19.2%増加し、売上総利益率は18.4%で同1.8ポイント上昇した。販管費は同16.5%増加し、販管費比率は10.0%で同0.7ポイント上昇した。営業外では為替差益が増加(前期27百万円、今期1億13百万円)した。

 セグメント別(連結調整前)に見ると、化成品は売上高が13.3%増の134億77百万円で営業利益が55.0%増の8億99百万円だった。ゴム関連製品で自動車や家電・情報機器向けの合成ゴムや副資材が好調だった。化学品関連では前期子会社化したソートも寄与した。

 機械資材は売上高が9.6%増の111億74百万円で営業利益が12.7%増の14億69百万円だった。産業資材関連でシート用部品などの自動車内装用部品が大幅伸長した。機械・環境関連ではバイオマス関連設備を納入した。科学機器関連では表面物性測定装置などの分析・試験機器が好調だった。

 海外現地法人は売上高が18.5%増の70億22百万円で営業利益が2.2倍の4億13百万円だった。SCOA(米国)は自動車用部品、三洋物産貿易(上海)は接着剤、San−Thap(タイ)は自動車内装用部品が好調だった。

 国内子会社は売上高が36.5%減の20億15百万円で営業利益が32.1%減の2億80百万円だった。コスモス商事の前期の海洋・船舶の大型特需が一巡して減収減益だが、ケムインターの機械輸出、コスモス商事の地熱開発関連機器販売・レンタルは好調だった。コムスタージャパンの洗浄剤事業も寄与した。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期167億84百万円、第2四半期170億20百万円、営業利益は13億18百万円、15億08百万円、経常利益は14億74百万円、15億03百万円だった。

■17年9月期通期増収増益・増配予想、さらに再増額余地

 今期(17年9月期)通期連結業績予想(4月25日に利益を増額修正)は、売上高が前期(16年9月期)比11.8%増の670億円、営業利益が同18.4%増の48億円、経常利益が同15.8%増の49億50百万円、純利益が同16.0%増の32億円としている。8期連続最高益更新予想である。売上総利益率は1.2ポイント上昇の17.9%、販管費比率は0.7ポイント上昇の10.7%の想定としている。

 セグメント別売上高の計画は、化成品が10.3%増の270億円、機械資材が同9.9%増の210億円、海外現地法人が同30.2%増の140億円、国内子会社が11.2%減の47億円、その他が29.3%増の3億円としている。自動車関連が好調に推移し、海外現地法人はグローバル戦略の浸透による大幅伸長を見込んでいる。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.4%、営業利益が58.9%、経常利益が60.1%、純利益が59.2%である。設備投資関連商材を含むため3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい収益特性を考慮しても高水準である。通期予想に再増額余地がありそうだ。

 配当予想(4月25日に第2四半期末5円増額、期末3円増額、合計8円増額)は年間58円(第2四半期末28円、期末30円)としている。16年9月期との比較では9円増配となり、予想配当性向は25.9%となる。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 15年11月策定の16年9月期〜17年9月期2カ年中期経営計画では、目標数値に17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げている。

 重点戦略として(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成を推進している。

 そして15年10月〜20年9月の5年間長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針を(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略には、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げている。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、化成品セグメントにおける畜産プロジェクト(天敵商材や酪酸菌など)およびフィルムプロジェクト(自動車外装保護フィルムやソフト印刷フィルムなど)、機械資材セグメントにおける木質バイオマスプロジェクト(独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーションシステム)を推進している。

 戦略Eの新規投資案件では新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化では、グローバル化に対応すべく約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。中期的にも収益拡大基調が期待される。

■株価は上場来高値更新の展開

 株価は上場来高値更新の展開で7月3日の2736円まで上伸した。その後は上げ一服の形だが、好業績を評価する流れに変化はなく自律調整の範囲だろう。

 7月19日の終値2593円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS223円64銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間58円で算出)は2.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1422円34銭で算出)は1.8倍近辺である。時価総額は約376億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。目先的な過熱感を冷ますための自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月26日更新]

三洋貿易は上場来高値更新の展開、17年9月期2桁増収増益・増配予想で再増額余地

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。M&Aも積極活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。17年9月期2桁増収増益予想、そして増配予想である。株価は好業績を評価して上場来高値更新の展開だ。通期予想に再増額余地があり、上値を試す展開が期待される。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 16年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は化成品41%、機械資材32%、海外現地法人18%、国内子会社9%、その他0%で、営業利益構成比は化成品28%、機械資材49%、海外現地法人8%、国内子会社13%、その他3%である。

 業界別売上構成比(単体ベース)は自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。
 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

 なお収益面では、設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期(1月〜3月)の構成比が高くなりやすい特性がある。また配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

■M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。

 15年3月エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンをタクミ商事に譲渡、15年9月連結子会社ケムインターが工業用洗剤輸入販売のコムスタージャパンを子会社化、16年2月工業化学薬品輸入販売のソートを子会社化した。

 16年6月洸陽電機と業務提携した。小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大で提携し、17年9月期に2社共同事業による合計売上高50億円を見込んでいる。

 16年7月医療機器開発・製造販売や医療機器・理科学機器の輸入販売を手掛ける日本ルフトを子会社化、17年2月子会社の三洋テクノスがマイクロポンプ専業メーカーの古江サイエンスを子会社化した。

 6月9日には三洋テクノスが古江サイエンスを吸収合併して商号を三洋古江サイエンスに変更(9月1日予定)すると発表した。また精密鋳造用副資材・型材輸入販売の日本フリーマンを子会社化(7月10日予定)すると発表した。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月シンガポールの工業用フィルム販社BPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)し、15年10月タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立、17年3月独デュッセルドルフに駐在員事務所を設立した。

■17年9月期第2四半期累計は計画超の増収増益、4期連続過去最高益

 今期(17年9月期)第2四半期累計(10月〜3月)の連結業績(4月25日に増額修正)は、売上高が前年同期比7.9%増の338億04百万円、営業利益が同22.6%増の28億26百万円、経常利益が同25.3%増の29億77百万円、純利益が同28.7%増の18億95百万円だった。減収減益予想から一転して増収増益となり、第2四半期累計として4期連続で過去最高益を更新した。

 ゴム関連商材、自動車部品、機械資材関連商材が好調に推移した。M&A効果も寄与した。売上総利益は同19.2%増加し、売上総利益率は18.4%で同1.8ポイント上昇した。販管費は同16.5%増加し、販管費比率は10.0%で同0.7ポイント上昇した。営業外では為替差益が増加(前期27百万円、今期1億13百万円)した。

 セグメント別(連結調整前)に見ると、化成品は売上高が13.3%増の134億77百万円で営業利益が55.0%増の8億99百万円だった。ゴム関連製品で自動車や家電・情報機器向けの合成ゴムや副資材が好調だった。化学品関連では前期子会社化したソートも寄与した。

 機械資材は売上高が9.6%増の111億74百万円で営業利益が12.7%増の14億69百万円だった。産業資材関連でシート用部品などの自動車内装用部品が大幅伸長した。機械・環境関連ではバイオマス関連設備を納入した。科学機器関連では表面物性測定装置などの分析・試験機器が好調だった。

 海外現地法人は売上高が18.5%増の70億22百万円で営業利益が2.2倍の4億13百万円だった。SCOA(米国)は自動車用部品、三洋物産貿易(上海)は接着剤、San−Thap(タイ)は自動車内装用部品が好調だった。

 国内子会社は売上高が36.5%減の20億15百万円で営業利益が32.1%減の2億80百万円だった。コスモス商事の前期の海洋・船舶の大型特需が一巡して減収減益だが、ケムインターの機械輸出、コスモス商事の地熱開発関連機器販売・レンタルは好調だった。コムスタージャパンの洗浄剤事業も寄与した。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期167億84百万円、第2四半期170億20百万円、営業利益は13億18百万円、15億08百万円、経常利益は14億74百万円、15億03百万円だった。

■17年9月期通期増収増益・増配予想、さらに再増額余地

 今期(17年9月期)通期連結業績予想(4月25日に利益を増額修正)は、売上高が前期(16年9月期)比11.8%増の670億円、営業利益が同18.4%増の48億円、経常利益が同15.8%増の49億50百万円、純利益が同16.0%増の32億円としている。8期連続最高益更新予想である。売上総利益率は1.2ポイント上昇の17.9%、販管費比率は0.7ポイント上昇の10.7%の想定としている。

 セグメント別売上高の計画は、化成品が10.3%増の270億円、機械資材が同9.9%増の210億円、海外現地法人が同30.2%増の140億円、国内子会社が11.2%減の47億円、その他が29.3%増の3億円としている。自動車関連が好調に推移し、海外現地法人はグローバル戦略の浸透による大幅伸長を見込んでいる。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.4%、営業利益が58.9%、経常利益が60.1%、純利益が59.2%である。設備投資関連商材を含むため3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい収益特性を考慮しても高水準である。通期予想に再増額余地がありそうだ。

 配当予想(4月25日に第2四半期末5円増額、期末3円増額、合計8円増額)は年間58円(第2四半期末28円、期末30円)としている。16年9月期との比較では9円増配となり、予想配当性向は25.9%となる。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 15年11月策定の16年9月期〜17年9月期2カ年中期経営計画では、目標数値に17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げている。

 重点戦略として(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成を推進している。

 そして15年10月〜20年9月の5年間長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針を(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略には、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げている。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、化成品セグメントにおける畜産プロジェクト(天敵商材や酪酸菌など)およびフィルムプロジェクト(自動車外装保護フィルムやソフト印刷フィルムなど)、機械資材セグメントにおける木質バイオマスプロジェクト(独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーションシステム)を推進している。

 戦略Eの新規投資案件では新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化では、グローバル化に対応すべく約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。中期的にも収益拡大基調が期待される。

■株価は上場来高値更新の展開

 株価の動きを見ると上場来高値更新の展開で、6月23日には2469円まで上伸した。好業績を評価する流れに変化はないだろう。

 6月23日の終値2460円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS223円64銭で算出)は11倍近辺で、今期予想配当利回り(会社予想の年間58円で算出)は2.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1422円34銭で算出)は1.7倍近辺である。なお時価総額は約357億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。通期予想に再増額余地があり、上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月08日更新]

三洋貿易は17年9月期業績・配当予想の増額修正を好感して上場来高値更新の展開

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。M&Aも積極活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。4月25日発表の17年9月期業績・配当予想の増額修正を好感し、株価は上場来高値更新の展開となった。通期予想には再増額余地があり、上値を試す展開が期待される。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 16年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は、化成品41%、機械資材32%、海外現地法人18%、国内子会社9%、その他0%で、営業利益構成比は化成品28%、機械資材49%、海外現地法人8%、国内子会社13%、その他3%だった。

 業界別売上構成(単体ベース)で見ると、自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。15年3月エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡、15年9月連結子会社ケムインターが工業用洗剤輸入販売のコムスタージャパンを子会社化、16年2月工業化学薬品輸入販売のソートを子会社化した。

 16年6月洸陽電機と業務提携した。小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大で提携し、17年9月期に2社共同事業による合計売上高50億円を見込んでいる。16年7月には医療機器開発・製造販売や医療機器・理科学機器の輸入販売を手掛ける日本ルフトを子会社化した。17年2月には子会社の三洋テクノスが、老舗のマイクロポンプ専業メーカーである古江サイエンスを子会社化した。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月シンガポールの工業用フィルム販社BPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)し、15年10月タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立した。

 17年3月には独デュッセルドルフに駐在員事務所を設立した。欧州諸国の優れた自動車部品メーカーの開拓を進め、高付加価値の新商品開発に注力するとともに、グローバルネットワークの拡充も図る方針だ。

■3月決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い収益構造

 四半期別の業績推移を見ると、15年9月期は売上高が第1四半期153億86百万円、第2四半期156億16百万円、第3四半期156億82百万円、第4四半期139億88百万円、営業利益が9億82百万円、10億54百万円、10億68百万円、5億02百万円、経常利益が11億48百万円、10億47百万円、12億09百万円、7億06百万円、16年9月期は売上高が163億87百万円、149億46百万円、137億18百万円、148億57百万円、営業利益が13億11百万円、9億94百万円、7億35百万円、10億12百万円、経常利益が13億90百万円、9億86百万円、7億90百万円、11億08百万円だった。

 設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい収益構造である。

 16年9月期の連結業績は15年9月期比1.3%減収、12.4%営業増益、4.0%経常増益、1.3%最終減益だった。円高や新興国経済減速の影響で減収だったが、営業利益はほぼ計画水準の増益で着地した。純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果一巡が影響した。

 売上総利益は同6.0%増加し、売上総利益率は16.7%で同1.1ポイント上昇した。販管費は同2.1%増加し、販管費比率は10.0%で同0.4ポイント上昇した。営業外では為替差益が減少(15年9月期3億32百万円、16年9月期98百万円)した。ROEは14.1%で同1.8ポイント低下し、自己資本比率は62.7%で同0.6ポイント上昇した。配当は年間49円(第2四半期末23円、期末26円)で配当性向は25.4%だった。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、化成品は売上高が同3.8%増の244億83百万円で営業利益が同14.4%増の12億63百万円だった。自動車向けを中心に合成ゴムや副資材が堅調で、子会社化したソートも寄与した。機械資材は売上高が同8.0%増の191億04百万円で営業利益が同12.7%増の22億11百万円だった。産業資材関連で自動車内装用部品やシート用高機能性部品・原材料が伸長した。機械・環境関連では飼料・肥料用ペレットミルが堅調に推移した。バイオマス関連では熱電併給設備の大型案件を受注した。

 海外現地法人は円高による為替換算の影響で売上高が同13.0%減の107億51百万円、営業利益が同27.0%減の3億66百万円だった。SCOA(米国)および三洋物産貿易(上海)はゴム・自動車用部品が堅調だったが、San−Thap(タイ)ではタイパーツ安による輸入品の採算悪化が影響した。国内子会社は売上高が同22.0%減の52億94百万円、営業利益が同8.1%減の5億85百万円だった。コスモス商事は地熱関連が堅調だったが、ケムインターは韓国経済低迷や円高の影響で化学品が低調だった。

■17年9月期第1四半期は増収増益

 今期(17年9月期)第1四半期(10〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比2.4%増の167億84百万円、営業利益が同0.5%増の13億18百万円、経常利益が同6.0%増の14億74百万円、純利益が同4.9%増の9億円だった。

 売上総利益は同9.6%増加し、売上総利益率は18.0%で同1.2ポイント上昇した。販管費は同17.8%増加し、販管費比率は10.1%で同1.3ポイント上昇した。営業外では為替差益が増加(前期54百万円、今期1億37百万円)した。

 セグメント別(連結調整前)に見ると、化成品は売上高が同16.3%増の67億80百万円で営業利益が同61.5%増の4億69百万円だった。ゴム関連製品で自動車や家電・情報機器向けの合成ゴムや副資材が特に好調だった。前期連結子会社化したソートも寄与した。機械資材は売上高が同0.9%減の51億98百万円で営業利益が同11.9%減の5億94百万円だった。産業資材関連はシート用部品など自動車内装用部品が引き続き好調だが、前年同期比では減収だった。機械・環境関連ではバイオマス関連設備を納入した。

 海外現地法人は売上高が同10.8%増の36億27百万円となり、営業利益が同2.4倍の2億18百万円だった。SCOA(米国)は自動車用部品、三洋物産貿易(上海)は接着剤、San−Thap(タイ)は自動車内装用部品が好調だった。国内子会社は売上高が同42.6%減の11億33百万円で営業利益が同55.4%減の1億45百万円だった。コスモス商事は前期の海洋・船舶の大型案件が一巡し、ケムインターは韓国経済低迷の影響で低調だった。

■17年9月期業績・配当予想を増額修正、通期は再増額余地

 4月25日に今期(17年9月期)第2四半期累計(10月〜3月)と通期の連結業績予想、および配当予想の増額修正を発表した。

 第2四半期累計の連結業績予想は前回予想(11月8日公表)に対して、売上高を28億円増額して前年同期比7.9%増の338億円、営業利益を10億20百万円増額して同22.3%増の28億20百万円、経常利益を10億20百万円増額して同25.0%増の29億70百万円、純利益を6億40百万円増額して同28.4%増の18億90百万円とした。ゴム関連商材、自動車部品、機械資材関連商材が好調に推移し、第2四半期累計は減収減益予想から一転して増収増益予想となった。

 通期の連結業績予想は、前回予想(11月8日公表)に対して、売上高は据え置いて前期(16年9月期)比11.8%増の670億円だが、営業利益を6億円増額して同18.5%増の48億円、経常利益を6億円増額して同15.8%増の49億50百万円、純利益を4億10百万円増額して同16.1%増の32億円とした。上期の増額幅に比べて下期の期初計画を減額した形となるが、需要が堅調に推移して通期ベースの増益幅が拡大する見込みだ。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.4%、営業利益が58.8%、経常利益が60.0%、純利益が59.1%となる。設備投資関連商材を含むため3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい収益構造を考慮しても、円安もプラス要因となって通期予想には再増額余地がありそうだ。

 配当予想は、第2四半期末に5円増額、期末に3円増額、合計8円増額して年間58円(第2四半期末28円、期末30円)とした。16年9月期の年間49円との比較では9円増配となる。予想配当性向は25.9%となる。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 15年11月策定の16年9月期〜17年9月期2カ年中期経営計画では、目標数値に17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げている。

 重点戦略は(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成とした。

 そして15年10月1日〜20年9月30日の5年間長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略に、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げた。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは、20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、地熱・海底資源開発関連機材、医薬中間体・原体、特殊フィルムの海外展開、木質バイオマス・ガス化発電関連機材を推進する。

 戦略Eの新規投資案件では、新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化では、グローバル化に対応すべく約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。

 4月25日の増額修正で利益目標は大幅超過達成の見込みとなった。中期的にも収益拡大基調が期待される。

■株価は増額修正好感して上場来高値更新の展開

 株価の動きを見ると、3月高値1918円から利益確定売りで反落して調整局面だったが、4月25日発表の17年9月期業績・配当予想の増額修正を好感し、4月27日の2115円まで急伸して上場来高値更新の展開となった。

 5月2日の終値2070円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS223円64銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間58円で算出)は2.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1422円34銭で算出)は1.5倍近辺である。なお時価総額は約300億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が10%を超えて目先的には過熱感もあるが、週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返して強基調に回帰した形だ。通期予想には再増額余地があり、目先的な過熱感を冷ますための自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月03日更新]

三洋貿易は上場来高値圏で堅調、業容拡大戦略推進して17年9月期増益・増配予想

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。M&Aも積極活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。17年9月期増収増益予想・増配予想で増額余地がありそうだ。株価は上場来高値圏で堅調だ。自律調整が一巡し、好業績を評価して上値を試す展開が期待される。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 16年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は、化成品41%、機械資材32%、海外現地法人18%、国内子会社9%、その他0%で、営業利益構成比は化成品28%、機械資材49%、海外現地法人8%、国内子会社13%、その他3%だった。

 業界別売上構成(単体ベース)で見ると、自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。15年3月エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡、15年9月連結子会社ケムインターが工業用洗剤輸入販売のコムスタージャパンを子会社化、16年2月工業化学薬品輸入販売のソートを子会社化した。

 16年6月洸陽電機と業務提携した。小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大で提携し、17年9月期に2社共同事業による合計売上高50億円を見込んでいる。16年7月には医療機器開発・製造販売や医療機器・理科学機器の輸入販売を手掛ける日本ルフトを子会社化した。17年2月には子会社の三洋テクノスが、老舗のマイクロポンプ専業メーカーである古江サイエンスを子会社化した。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月シンガポールの工業用フィルム販社BPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)し、15年10月タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立した。

 16年11月には、ドイツ・デュッセルドルフ市内に駐在員事務所を設立(17年3月予定)すると発表している。欧州諸国の優れた自動車部品メーカーの開拓を進め、高付加価値の新商品開発に注力するとともに、グローバルネットワークの拡充も図る方針だ。

■3月決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い収益構造

 四半期別の業績推移を見ると、15年9月期は売上高が第1四半期153億86百万円、第2四半期156億16百万円、第3四半期156億82百万円、第4四半期139億88百万円、営業利益が9億82百万円、10億54百万円、10億68百万円、5億02百万円、経常利益が11億48百万円、10億47百万円、12億09百万円、7億06百万円、16年9月期は売上高が163億87百万円、149億46百万円、137億18百万円、148億57百万円、営業利益が13億11百万円、9億94百万円、7億35百万円、10億12百万円、経常利益が13億90百万円、9億86百万円、7億90百万円、11億08百万円だった。

 設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい収益構造である。

 16年9月期連結業績は売上高が15年9月期比1.3%減の599億08百万円、営業利益が同12.4%増の40億52百万円、経常利益が同4.0%増の42億74百万円、純利益が同1.3%減の27億57百万円だった。円高や新興国経済減速の影響で減収だったが、営業利益はほぼ計画水準の増益で着地した。純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果一巡が影響した。

 売上総利益は同6.0%増加し、売上総利益率は16.7%で同1.1ポイント上昇した。販管費は同2.1%増加し、販管費比率は10.0%で同0.4ポイント上昇した。営業外では為替差益が減少(前々期3億32百万円、前期98百万円)した。またROEは14.1%で同1.8ポイント低下、自己資本比率は62.7%で同0.6ポイント上昇した。配当は期末3円増額して前々期と同額の年間49円(第2四半期末23円、期末26円)とした。配当性向は25.4%である。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、化成品は売上高が同3.8%増の244億83百万円、営業利益が同14.4%増の12億63百万円だった。ゴム関連製品で情報機器向け輸出が低調だったが、自動車向けを中心に合成ゴムや副資材が堅調だった。第2四半期に連結子会社化したソートも寄与した。機械資材は売上高が同8.0%増の191億04百万円、営業利益が同12.7%増の22億11百万円だった。産業資材関連で自動車内装用部品やシート用高機能性部品・原材料が伸長した。機械・環境関連では飼料・肥料用ペレットミルが堅調に推移した。バイオマス関連では熱電併給設備の大型案件を受注した。科学機器関連では半導体検査装置などが好調だった。

 海外現地法人は円高による為替換算の影響で売上高が同13.0%減の107億51百万円、営業利益が同27.0%減の3億66百万円だった。SCOA(米国)および三洋貿易物産(上海)はゴム・自動車用部品が堅調だった。San−Thap(タイ)はタイパーツ安による輸入品の採算悪化が影響した。国内子会社は売上高が同22.0%減の52億94百万円、営業利益が同8.1%減の5億85百万円だった。コスモス商事は地熱関連が堅調だったが、ケムインターは韓国経済低迷や円高の影響で化学品が低調だった。

■17年9月期第1四半期は増収増益

 今期(17年9月期)第1四半期(10〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比2.4%増の167億84百万円、営業利益が同0.5%増の13億18百万円、経常利益が同6.0%増の14億74百万円、純利益が同4.9%増の9億円だった。

 売上総利益は同9.6%増加し、売上総利益率は18.0%で同1.2ポイント上昇した。販管費は同17.8%増加し、販管費比率は10.1%で同1.3ポイント上昇した。営業外では為替差益が増加(前期54百万円、今期1億37百万円)した。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、化成品は売上高が同16.3%増の67億80百万円で営業利益が同61.5%増の4億69百万円だった。ゴム関連製品で自動車や家電・情報機器向けの合成ゴムや副資材が特に好調だった。前期連結子会社化したソートも寄与した。機械資材は売上高が同0.9%減の51億98百万円で営業利益が同11.9%減の5億94百万円だった。産業資材関連はシート用部品など自動車内装用部品が引き続き好調だが、前年同期比では減収だった。機械・環境関連ではバイオマス関連設備を納入した。

 海外現地法人は売上高が同10.8%増の36億27百万円となり、営業利益が同2.4倍の2億18百万円だった。SCOA(米国)は自動車用部品、三洋貿易物産(上海)は接着剤、San−Thap(タイ)は自動車内装用部品が好調だった。国内子会社は売上高が同42.6%減の11億33百万円で営業利益が同55.4%減の1億45百万円だった。コスモス商事は前期の海洋・船舶の大型案件が一巡し、ケムインターは韓国経済低迷の影響で低調だった。

■17年9月期増収増益・増配予想、さらに増額余地

 今期(17年9月期)通期の連結業績予想(11月8日公表)は、売上高が前期(16年9月期)比11.8%増の670億円、営業利益が同3.6%増の42億円、経常利益が同1.8%増の43億50百万円、純利益が同1.2%増の27億90百万円としている。配当予想は同1円増配の年間50円(第2四半期末23円、期末27円)で、予想配当性向は25.6%となる。

 自動車向けを中心に化成品関連や海外現地法人が堅調に推移する。新規分野では環境関連機材や医療関連機材の伸長を見込んでいる。業容拡大に向けた人件費の増加などで販管費は同19.6%増の見込みだが、増収による売上総利益増加で吸収する計画だ。通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が25.1%、営業利益が31.4%、経常利益が33.9%、純利益が32.3%と高水準である。円安もプラス要因となって通期予想に増額余地がありそうだ。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 15年11月策定の16年9月期〜17年9月期2カ年中期経営計画では、目標数値に17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げた。

 重点戦略は(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成とした。

 そして15年10月1日〜20年9月30日の5年間長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略に、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げた。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは、20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、地熱・海底資源開発関連機材、医薬中間体・原体、特殊フィルムの海外展開、木質バイオマス・ガス化発電関連機材を推進する。

 戦略Eの新規投資案件では、新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化では、グローバル化に対応すべく約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。

■株価は上場来高値圏で堅調、自律調整一巡して上値試す

 株価の動きを見ると、3月3日の上場来高値1918円から利益確定売りで一旦反落したが、大きく下押す動きは見られず上場来高値圏で堅調に推移している。自律調整の範囲だろう。

 3月31日の終値1757円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS195円01銭で算出)は9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は2.8%近辺、前期実績の連結PBR(前期実績の連結BPS1422円34銭で算出)は1.2倍近辺である。時価総額は約255億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。自律調整が一巡し、好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月02日更新]

三洋貿易は上場来高値更新の展開、業容拡大戦略・グローバル展開を推進

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。17年9月期増収増益予想・増配予想で、さらに増額余地がありそうだ。株価は15年8月高値を突破して上場来高値更新の展開となった。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 16年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は、化成品41%、機械資材32%、海外現地法人18%、国内子会社9%、その他0%で、営業利益構成比は化成品28%、機械資材49%、海外現地法人8%、国内子会社13%、その他3%だった。

 業界別売上構成(単体ベース)で見ると、自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■M&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略・グローバル展開を推進している。15年3月エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡、15年9月連結子会社ケムインターが工業用洗剤輸入販売のコムスタージャパンを子会社化、16年2月工業化学薬品輸入販売のソートを子会社化した。

 16年6月洸陽電機(兵庫県)と業務提携した。小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大や導入促進で提携し、17年9月期に2社共同事業による合計売上高50億円を見込んでいる。

 16年7月には日本ルフトを子会社化した。同社は呼吸器系を主軸に医療機器の開発・製造販売、医療機器および理科学機器の輸入販売を手掛けている。同社の子会社化によって当社科学機器事業部が医療機器分野に新規参入する。

 17年2月には子会社の三洋テクノスが、老舗のマイクロポンプ専業メーカーである古江サイエンスの全株式を取得して子会社化すると発表した。製造業への進出を目指す科学機器事業においてシナジー効果が見込まれる。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月シンガポールの工業用フィルム販社BPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)、15年10月タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立した。

 16年11月には、ドイツ・デュッセルドルフ市内に駐在員事務所を設立(17年3月予定)すると発表している。欧州諸国の優れた自動車部品メーカーの開拓を進め、高付加価値の新商品開発に注力するとともに、グローバルネットワークの拡充も図る方針だ。

■3月決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い収益構造

 四半期別の業績推移を見ると、15年9月期は売上高が第1四半期153億86百万円、第2四半期156億16百万円、第3四半期156億82百万円、第4四半期139億88百万円、営業利益が9億82百万円、10億54百万円、10億68百万円、5億02百万円、経常利益が11億48百万円、10億47百万円、12億09百万円、7億06百万円、16年9月期は売上高が163億87百万円、149億46百万円、137億18百万円、148億57百万円、営業利益が13億11百万円、9億94百万円、7億35百万円、10億12百万円、経常利益が13億90百万円、9億86百万円、7億90百万円、11億08百万円だった。

 設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい収益構造である。

 16年9月期連結業績は売上高が15年9月期比1.3%減の599億08百万円、営業利益が同12.4%増の40億52百万円、経常利益が同4.0%増の42億74百万円、純利益が同1.3%減の27億57百万円だった。円高や新興国経済減速の影響で減収だったが、営業利益はほぼ計画水準の増益で着地した。純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果一巡が影響した。

 売上総利益は同6.0%増加し、売上総利益率は16.7%で同1.1ポイント上昇した。販管費は同2.1%増加し、販管費比率は10.0%で同0.4ポイント上昇した。営業外では為替差益が減少(前々期3億32百万円、前期98百万円)した。またROEは14.1%で同1.8ポイント低下、自己資本比率は62.7%で同0.6ポイント上昇した。配当は期末3円増額して前々期と同額の年間49円(第2四半期末23円、期末26円)とした。配当性向は25.4%である。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、化成品は売上高が同3.8%増の244億83百万円、営業利益が同14.4%増の12億63百万円だった。ゴム関連製品で情報機器向け輸出が低調だったが、自動車向けを中心に合成ゴムや副資材が堅調だった。第2四半期に連結子会社化したソートも寄与した。機械資材は売上高が同8.0%増の191億04百万円、営業利益が同12.7%増の22億11百万円だった。産業資材関連で自動車内装用部品やシート用高機能性部品・原材料が伸長した。機械・環境関連では飼料・肥料用ペレットミルが堅調に推移した。バイオマス関連では熱電併給設備の大型案件を受注した。科学機器関連では半導体検査装置などが好調だった。

 海外現地法人は円高による為替換算の影響で売上高が同13.0%減の107億51百万円、営業利益が同27.0%減の3億66百万円だった。SCOA(米国)および三洋貿易物産(上海)はゴム・自動車用部品が堅調だった。San−Thap(タイ)はタイパーツ安による輸入品の採算悪化が影響した。国内子会社は売上高が同22.0%減の52億94百万円、営業利益が同8.1%減の5億85百万円だった。コスモス商事は地熱関連が堅調だったが、ケムインターは韓国経済低迷や円高の影響で化学品が低調だった。

■17年9月期第1四半期は増収増益

 今期(17年9月期)第1四半期(10〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比2.4%増の167億84百万円、営業利益が同0.5%増の13億18百万円、経常利益が同6.0%増の14億74百万円、純利益が同4.9%増の9億円だった。

 売上総利益は同9.6%増加し、売上総利益率は18.0%で同1.2ポイント上昇した。販管費は同17.8%増加し、販管費比率は10.1%で同1.3ポイント上昇した。営業外では為替差益が増加(前期54百万円、今期1億37百万円)した。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、化成品は売上高が同16.3%増の67億80百万円で営業利益が同61.5%増の4億69百万円だった。ゴム関連製品で自動車や家電・情報機器向けの合成ゴムや副資材が特に好調だった。前期連結子会社化したソートも寄与した。機械資材は売上高が同0.9%減の51億98百万円で営業利益が同11.9%減の5億94百万円だった。産業資材関連はシート用部品など自動車内装用部品が引き続き好調だが、前年同期比では減収だった。機械・環境関連ではバイオマス関連設備を納入した。

 海外現地法人は売上高が同10.8%増の36億27百万円となり、営業利益が同2.4倍の2億18百万円だった。SCOA(米国)は自動車用部品、三洋貿易物産(上海)は接着剤、San−Thap(タイ)は自動車内装用部品が好調だった。国内子会社は売上高が同42.6%減の11億33百万円で営業利益が同55.4%減の1億45百万円だった。コスモス商事は前期の海洋・船舶の大型案件が一巡し、ケムインターは韓国経済低迷の影響で低調だった。

■17年9月期増収増益・増配予想、さらに増額余地

 今期(17年9月期)通期の連結業績予想(11月8日公表)は、売上高が前期(16年9月期)比11.8%増の670億円、営業利益が同3.6%増の42億円、経常利益が同1.8%増の43億50百万円、純利益が同1.2%増の27億90百万円としている。配当予想は同1円増配の年間50円(第2四半期末23円、期末27円)で、予想配当性向は25.6%となる。

 自動車向けを中心に化成品関連や海外現地法人が堅調に推移する。新規分野では環境関連機材や医療関連機材の伸長を見込んでいる。業容拡大に向けた人件費の増加などで販管費は同19.6%増の見込みだが、増収による売上総利益増加で吸収する計画だ。通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が25.1%、営業利益が31.4%、経常利益が33.9%、純利益が32.3%と高水準である。円安もプラス要因となって通期予想に増額余地がありそうだ。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 15年11月策定の16年9月期〜17年9月期2カ年中期経営計画では、目標数値に17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げた。

 重点戦略は(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成とした。

 そして15年10月1日〜20年9月30日の5年間長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略に、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げた。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは、20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、地熱・海底資源開発関連機材、医薬中間体・原体、特殊フィルムの海外展開、木質バイオマス・ガス化発電関連機材を推進する。

 戦略Eの新規投資案件では、新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化では、グローバル化に対応すべく約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。

■株価は上場来高値更新の展開

 株価の動きを見ると、2月28日に1856円まで上伸し、15年8月1845円を突破して上場来高値更新の展開となった。そして3月1日には1863円まで上伸した。

 3月1日の終値1858円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS195円01銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は2.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1422円34銭で算出)は1.3倍近辺である。時価総額は約269億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドである。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月09更新]

三洋貿易は17年9月期第1四半期増収増益で通期予想に増額余地

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。業容拡大に向けてM&Aやグローバル戦略も加速している。2月7日発表した17年9月期第1四半期連結業績は増収増益だった。通期も増収増益予想・増配予想である。そして増額余地がありそうだ。なお2月7日には古江サイエンスの子会社化も発表している。株価は昨年来高値更新の展開だ。そして15年8月の上場来高値に接近している。上値を試す展開が期待される。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 16年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は、化成品41%、機械資材32%、海外現地法人18%、国内子会社9%、その他0%で、営業利益構成比は化成品28%、機械資材49%、海外現地法人8%、国内子会社13%、その他3%だった。

 業界別売上構成(単体ベース)で見ると、自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■M&Aも活用した業容拡大戦略を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略を推進している。15年3月エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡、15年9月連結子会社ケムインターが工業用洗剤輸入販売のコムスタージャパンを子会社化、16年2月工業化学薬品輸入販売のソートを子会社化した。

 16年6月洸陽電機(兵庫県)と業務提携した。小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大や導入促進で提携し、17年9月期に2社共同事業による合計売上高50億円を見込んでいる。

 16年7月には日本ルフトを子会社化した。同社は呼吸器系を主軸に医療機器の開発・製造販売、医療機器および理科学機器の輸入販売を手掛けている。同社の子会社化によって当社科学機器事業部が医療機器分野に新規参入する。

 2月7日には、子会社の三洋テクノスが、老舗のマイクロポンプ専業メーカーである古江サイエンスの全株式を取得して子会社化すると発表した。製造業への進出を目指す科学機器事業においてシナジー効果が見込まれる。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月シンガポールの工業用フィルム販社BPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)、15年10月タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立した。

 16年11月には、ドイツ・デュッセルドルフ市内に駐在員事務所を設立(17年3月予定)すると発表している。欧州諸国の優れた自動車部品メーカーの開拓を進め、高付加価値の新商品開発に注力するとともに、グローバルネットワークの拡充も図る方針だ。

■3月決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い収益構造

 四半期別の業績推移を見ると、15年9月期は売上高が第1四半期153億86百万円、第2四半期156億16百万円、第3四半期156億82百万円、第4四半期139億88百万円、営業利益が9億82百万円、10億54百万円、10億68百万円、5億02百万円、経常利益が11億48百万円、10億47百万円、12億09百万円、7億06百万円、16年9月期は売上高が163億87百万円、149億46百万円、137億18百万円、148億57百万円、営業利益が13億11百万円、9億94百万円、7億35百万円、10億12百万円、経常利益が13億90百万円、9億86百万円、7億90百万円、11億08百万円だった。

 設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい収益構造である。

 16年9月期連結業績は売上高が15年9月期比1.3%減の599億08百万円、営業利益が同12.4%増の40億52百万円、経常利益が同4.0%増の42億74百万円、純利益が同1.3%減の27億57百万円だった。円高や新興国経済減速の影響で減収だったが、営業利益はほぼ計画水準の増益で着地した。純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果一巡が影響した。

 売上総利益は同6.0%増加し、売上総利益率は16.7%で同1.1ポイント上昇した。販管費は同2.1%増加し、販管費比率は10.0%で同0.4ポイント上昇した。営業外では為替差益が減少(前々期3億32百万円、前期98百万円)した。またROEは14.1%で同1.8ポイント低下、自己資本比率は62.7%で同0.6ポイント上昇した。配当は期末3円増額して前々期と同額の年間49円(第2四半期末23円、期末26円)とした。配当性向は25.4%である。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、化成品は売上高が同3.8%増の244億83百万円、営業利益が同14.4%増の12億63百万円だった。ゴム関連製品で情報機器向け輸出が低調だったが、自動車向けを中心に合成ゴムや副資材が堅調だった。第2四半期に連結子会社化したソートも寄与した。機械資材は売上高が同8.0%増の191億04百万円、営業利益が同12.7%増の22億11百万円だった。産業資材関連で自動車内装用部品やシート用高機能性部品・原材料が伸長した。機械・環境関連では飼料・肥料用ペレットミルが堅調に推移した。バイオマス関連では熱電併給設備の大型案件を受注した。科学機器関連では半導体検査装置などが好調だった。

 海外現地法人は円高による為替換算の影響で売上高が同13.0%減の107億51百万円、営業利益が同27.0%減の3億66百万円だった。SCOA(米国)および三洋貿易物産(上海)はゴム・自動車用部品が堅調だった。San−Thap(タイ)はタイパーツ安による輸入品の採算悪化が影響した。国内子会社は売上高が同22.0%減の52億94百万円、営業利益が同8.1%減の5億85百万円だった。コスモス商事は地熱関連が堅調だったが、ケムインターは韓国経済低迷や円高の影響で化学品が低調だった。

■17年9月期第1四半期は増収増益

 2月7日発表した今期(17年9月期)第1四半期(10〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比2.4%増の167億84百万円、営業利益が同0.5%増の13億18百万円、経常利益が同6.0%増の14億74百万円、そして純利益が同4.9%増の9億円だった。

 売上総利益は同9.6%増加し、売上総利益率は18.0%で同1.2ポイント上昇した。販管費は同17.8%増加し、販管費比率は10.1%で同1.3ポイント上昇した。営業外では為替差益が増加(前期54百万円、今期1億37百万円)した。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、化成品は売上高が同16.3%増の67億80百万円で営業利益が同61.5%増の4億69百万円だった。ゴム関連製品で自動車や家電・情報機器向けの合成ゴムや副資材が特に好調だった。前期連結子会社化したソートも寄与した。機械資材は売上高が同0.9%減の51億98百万円で営業利益が同11.9%減の5億94百万円だった。産業資材関連はシート用部品など自動車内装用部品が引き続き好調だが、前年同期比では減収だった。機械・環境関連ではバイオマス関連設備を納入した。

 海外現地法人は売上高が同10.8%増の36億27百万円となり、営業利益が同2.4倍の2億18百万円だった。SCOA(米国)は自動車用部品、三洋貿易物産(上海)は接着剤、San−Thap(タイ)は自動車内装用部品が好調だった。国内子会社は売上高が同42.6%減の11億33百万円で営業利益が同55.4%減の1億45百万円だった。コスモス商事は前期の海洋・船舶の大型案件が一巡し、ケムインターは韓国経済低迷の影響で低調だった。

■17年9月期増収増益・増配予想で増額余地

 今期(17年9月期)通期の連結業績予想は前回予想(11月8日公表)を据え置いて、売上高が前期(16年9月期)比11.8%増の670億円、営業利益が同3.6%増の42億円、経常利益が同1.8%増の43億50百万円、そして純利益が同1.2%増の27億90百万円としている。配当予想は同1円増配の年間50円(第2四半期末23円、期末27円)で、予想配当性向は25.6%となる。

 自動車向けを中心に化成品関連や海外現地法人が堅調に推移する。新規分野では環境関連機材や医療関連機材の伸長を見込んでいる。業容拡大に向けた人件費の増加などで販管費は同19.6%増の見込みだが、増収による売上総利益増加で吸収する計画だ。通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が25.1%、営業利益が31.4%、経常利益が33.9%、純利益が32.3%と高水準である。通期予想に増額余地がありそうだ。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 15年11月策定の16年9月期〜17年9月期2カ年中期経営計画では、目標数値に17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げた。

 重点戦略は(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成とした。

 そして15年10月1日〜20年9月30日の5年間長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略に、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げた。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは、20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、地熱・海底資源開発関連機材、医薬中間体・原体、特殊フィルムの海外展開、木質バイオマス・ガス化発電関連機材を推進する。なお16年の成約として独ブルクハルト社製ガス化熱電併給装置、コールバッハ社サーマルオイルボイラー、CPM社ペレットミル、ステラ社ベルト式低温ドライヤー関連機器を見込んでいる。

 戦略Eの新規投資案件では、新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化では、グローバル化に対応すべく約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。

■株価は昨年来高値更新して15年8月の上場来高値に接近

 株価の動きを見ると、昨年来高値更新の展開で、2月3日には1745円まで上伸した。そして15年8月の上場来高値1845円に接近している。

 2月8日の終値1707円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS195円01銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は2.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1422円34銭で算出)は1.2倍近辺である。時価総額は約248億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドだ。15年8月の上場来高値1845円を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月04日更新]

三洋貿易は15年の上場来高値試す、自動車向け主力の専門商社でグローバル戦略加速

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。業容拡大に向けてM&Aやグローバル戦略も加速している。17年9月期は自動車関連が堅調に推移して増収増益・増配予想である。円安進行も追い風となりそうだ。株価は調整一巡して戻り歩調だ。指標面の割安感も見直して15年8月の上場来高値を試す展開が期待される。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 15年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は、化成品(ゴム・化学品を16年9月期から名称変更)41%、機械資材27%、海外現地法人22%、国内子会社10%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材42%、海外現地法人10%、国内子会社14%、その他4%だった。

 業界別売上構成(単体ベース)で見ると、自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■M&Aも活用した業容拡大戦略を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略を推進している。15年3月エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡、15年9月連結子会社ケムインターが工業用洗剤輸入販売のコムスタージャパンを子会社化、16年2月工業化学薬品輸入販売のソートを子会社化した。

 16年6月洸陽電機(兵庫県)と業務提携した。小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大や導入促進で提携し、17年9月期に2社共同事業による合計売上高50億円を見込んでいる。

 16年7月には日本ルフトを子会社化した。同社は呼吸器系を主軸に医療機器の開発・製造販売、医療機器および理科学機器の輸入販売を手掛けている。同社の子会社化によって当社科学機器事業部が医療機器分野に新規参入する。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月シンガポールの工業用フィルム販社BPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)、15年10月タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立した。

 16年11月には、ドイツ・デュッセルドルフ市内に駐在員事務所を設立(17年3月予定)すると発表している。欧州諸国の優れた自動車部品メーカーの開拓を進め、高付加価値の新商品開発に注力するとともに、グローバルネットワークの拡充も図る方針だ。

■3月決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い収益構造

 四半期別の業績推移を見ると、15年9月期は売上高が第1四半期153億86百万円、第2四半期156億16百万円、第3四半期156億82百万円、第4四半期139億88百万円、営業利益が9億82百万円、10億54百万円、10億68百万円、5億02百万円、経常利益が11億48百万円、10億47百万円、12億09百万円、7億06百万円だった。設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい収益構造である。

 15年9月期は6期連続最高益更新だった。売上総利益率は15.6%で14年9月期比0.8ポイント上昇、販管費比率は9.6%で同0.3ポイント上昇した。営業外収益では受取配当金、為替差益、匿名組合投資利益が増加し、純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少も寄与した。ROEは15.9%で同3.2ポイント上昇、自己資本比率は62.1%で同7.4ポイント上昇、D/Eレシオは0.06倍で同0.02ポイント低下した。配当は5期連続増配で、配当性向は25.1%だった。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

■16年9月期は計画水準の営業増益で着地

 前期(16年9月期)の連結業績は売上高が前々期(15年9月期)比1.3%減の599億08百万円、営業利益が同12.4%増の40億52百万円、経常利益が同4.0%増の42億74百万円、純利益が同1.3%減の27億57百万円だった。円高や新興国経済減速の影響で減収だったが、営業利益はほぼ計画水準の増益で着地した。純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果一巡が影響した。

 売上総利益は同6.0%増加し、売上総利益率は16.7%で同1.1ポイント上昇した。販管費は同2.1%増加し、販管費比率は10.0%で同0.4ポイント上昇した。営業外では為替差益が減少(前々期3億32百万円、前期98百万円)した。またROEは14.1%で同1.8ポイント低下、自己資本比率は62.7%で同0.6ポイント上昇した。配当は期末3円増額して前々期と同額の年間49円(第2四半期末23円、期末26円)とした。配当性向は25.4%である。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、化成品は売上高が同3.8%増の244億83百万円、営業利益が同14.4%増の12億63百万円だった。ゴム関連製品で情報機器向け輸出が低調だったが、自動車向けを中心に合成ゴムや副資材が堅調だった。第2四半期に連結子会社化したソートも寄与した。機械資材は売上高が同8.0%増の191億04百万円、営業利益が同12.7%増の22億11百万円だった。産業資材関連で自動車内装用部品やシート用高機能性部品・原材料が伸長した。機械・環境関連では飼料・肥料用ペレットミルが堅調に推移した。バイオマス関連では熱電併給設備の大型案件を受注した。科学機器関連では半導体検査装置などが好調だった。

 海外現地法人は円高による為替換算の影響で売上高が同13.0%減の107億51百万円、営業利益が同27.0%減の3億66百万円だった。SCOA(米国)および三洋貿易物産(上海)はゴム・自動車用部品が堅調だった。San−Thap(タイ)はタイパーツ安による輸入品の採算悪化が影響した。国内子会社は売上高が同22.0%減の52億94百万円、営業利益が同8.1%減の5億85百万円だった。コスモス商事は地熱関連が堅調だったが、ケムインターは韓国経済低迷や円高の影響で化学品が低調だった。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期163億87百万円、第2四半期149億46百万円、第3四半期137億18百万円、第4四半期148億57百万円、営業利益は13億11百万円、9億94百万円、7億35百万円、10億12百万円、そして経常利益は13億90百万円、9億86百万円、7億90百万円、11億08百万円だった。

■17年9月期増収増益・増配予想

 今期(17年9月期)の連結業績予想(11月8日公表)は売上高が前期(16年9月期)比11.8%増の670億円、営業利益が同3.6%増の42億円、経常利益が同1.8%増の43億50百万円、純利益が同1.2%増の27億90百万円としている。配当予想については同1円増配の年間50円(第2四半期末23円、期末27円)とした。予想配当性向は25.6%となる。

 自動車向けを中心に化成品関連や海外現地法人が堅調に推移する。新規分野では環境関連機材や医療関連機材の伸長を見込んでいる。業容拡大に向けた人件費の増加などで販管費は同19.6%増の見込みだが、増収による売上総利益増加で吸収する計画だ。為替が円安方向に傾いていることも追い風であり、好業績が期待される。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 15年11月策定の16年9月期〜17年9月期2カ年中期経営計画では、目標数値に17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げた。

 重点戦略は(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成とした。

 そして15年10月1日〜20年9月30日の5年間長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略に、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げた。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは、20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、地熱・海底資源開発関連機材、医薬中間体・原体、特殊フィルムの海外展開、木質バイオマス・ガス化発電関連機材を推進する。なお16年の成約として独ブルクハルト社製ガス化熱電併給装置、コールバッハ社サーマルオイルボイラー、CPM社ペレットミル、ステラ社ベルト式低温ドライヤー関連機器を見込んでいる。

 戦略Eの新規投資案件では、新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化では、グローバル化に対応すべく約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。

■株価は戻り歩調で15年8月の上場来高値試す

 株価の動きを見ると、戻り歩調の展開で12月28日の昨年来高値1633円まで上伸した。そして15年8月の上場来高値1845円に接近してきた。

 12月30日の終値1599円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS195円01銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は3.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1422円34銭で算出)は1.1倍近辺である。時価総額は約232億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなってほぼ一本調子の上昇トレンドだ。指標面の割安感も見直して15年8月の上場来高値1845円を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月15日更新]

三洋貿易は年初来高値更新して15年の上場来高値視野、17年9月期増収増益・増配予想

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。業容拡大に向けてM&A戦略も加速している。自動車関連が堅調に推移して17年9月期増収増益・増配予想である。円安進行も追い風となりそうだ。株価は年初来高値を更新した。指標面の割安感も見直して15年8月の上場来高値が視野に入りそうだ。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 15年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は、化成品(ゴム・化学品を16年9月期から名称変更)41%、機械資材27%、海外現地法人22%、国内子会社10%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材42%、海外現地法人10%、国内子会社14%、その他4%だった。

 業界別売上構成(単体ベース)で見ると、自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■M&Aも活用した業容拡大戦略を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略を推進している。15年3月エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡、15年9月連結子会社ケムインターが工業用洗剤輸入販売のコムスタージャパンを子会社化、16年2月工業化学薬品輸入販売のソートを子会社化した。

 16年6月洸陽電機(兵庫県)と業務提携した。小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大や導入促進で提携し、17年9月期に2社共同事業による合計売上高50億円を見込んでいる。

 16年7月には日本ルフトを子会社化した。同社は呼吸器系を主軸に医療機器の開発・製造販売、医療機器および理科学機器の輸入販売を手掛けている。同社の子会社化によって当社科学機器事業部が医療機器分野に新規参入する。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月シンガポールの工業用フィルム販社BPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)、15年10月タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立した。

 16年11月には、ドイツ・デュッセルドルフ市内に駐在員事務所を設立(17年3月予定)すると発表している。欧州諸国の優れた自動車部品メーカーの開拓を進め、高付加価値の新商品開発に注力するとともに、グローバルネットワークの拡充も図る方針だ。

■3月決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い収益構造

 四半期別の業績推移を見ると、15年9月期は売上高が第1四半期153億86百万円、第2四半期156億16百万円、第3四半期156億82百万円、第4四半期139億88百万円、営業利益が9億82百万円、10億54百万円、10億68百万円、5億02百万円、経常利益が11億48百万円、10億47百万円、12億09百万円、7億06百万円だった。設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい収益構造である。

 15年9月期は6期連続最高益更新だった。売上総利益率は15.6%で14年9月期比0.8ポイント上昇、販管費比率は9.6%で同0.3ポイント上昇した。営業外収益では受取配当金、為替差益、匿名組合投資利益が増加し、純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少も寄与した。ROEは15.9%で同3.2ポイント上昇、自己資本比率は62.1%で同7.4ポイント上昇、D/Eレシオは0.06倍で同0.02ポイント低下した。配当は5期連続増配で、配当性向は25.1%だった。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

■16年9月期は計画水準の営業増益で着地

 前期(16年9月期)の連結業績は売上高が前々期(15年9月期)比1.3%減の599億08百万円、営業利益が同12.4%増の40億52百万円、経常利益が同4.0%増の42億74百万円、純利益が同1.3%減の27億57百万円だった。売上高は円高や新興国経済減速の影響で計画を下回り減収だったが、営業利益はほぼ計画水準の増益で着地した。純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果一巡が影響した。

 売上総利益は同6.0%増加し、売上総利益率は16.7%で同1.1ポイント上昇した。販管費は同2.1%増加し、販管費比率は10.0%で同0.4ポイント上昇した。営業外では為替差益が減少(前々期3億32百万円、前期98百万円)した。またROEは14.1%で同1.8ポイント低下、自己資本比率は62.7%で同0.6ポイント上昇した。配当は期末3円増額して前々期と同額の年間49円(第2四半期末23円、期末26円)とした。配当性向は25.4%である。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、化成品は売上高が同3.8%増の244億83百万円、営業利益が同14.4%増の12億63百万円だった。ゴム関連製品で情報機器向け輸出が低調だったが、自動車向けを中心に合成ゴムや副資材が堅調だった。第2四半期に連結子会社化したソートも寄与した。機械資材は売上高が同8.0%増の191億04百万円、営業利益が同12.7%増の22億11百万円だった。産業資材関連で自動車内装用部品やシート用高機能性部品・原材料が伸長した。機械・環境関連では飼料・肥料用ペレットミルが堅調に推移した。バイオマス関連では熱電併給設備の大型案件を受注した。科学機器関連では半導体検査装置などが好調だった。

 海外現地法人は円高による為替換算の影響で売上高が同13.0%減の107億51百万円、営業利益が同27.0%減の3億66百万円だった。SCOA(米国)および三洋貿易物産(上海)はゴム・自動車用部品が堅調だった。San−Thap(タイ)はタイパーツ安による輸入品の採算悪化が影響した。国内子会社は売上高が同22.0%減の52億94百万円、営業利益が同8.1%減の5億85百万円だった。コスモス商事は地熱関連が堅調だったが、ケムインターは韓国経済低迷や円高の影響で化学品が低調だった。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期163億87百万円、第2四半期149億46百万円、第3四半期137億18百万円、第4四半期148億57百万円、営業利益は13億11百万円、9億94百万円、7億35百万円、10億12百万円、そして経常利益は13億90百万円、9億86百万円、7億90百万円、11億08百万円だった。

■17年9月期増収増益・増配予想

 今期(17年9月期)の連結業績予想(11月8日公表)は売上高が前期(16年9月期)比11.8%増の670億円、営業利益が同3.6%増の42億円、経常利益が同1.8%増の43億50百万円、純利益が同1.2%増の27億90百万円としている。配当予想については同1円増配の年間50円(第2四半期末23円、期末27円)とした。予想配当性向は25.6%となる。

 自動車向けを中心に化成品関連や海外現地法人が堅調に推移する。新規では環境関連機材や医療関連機材の伸長を見込んでいる。業容拡大に向けた人件費の増加などで販管費は同19.6%増を見込んでいるが、増収による売上総利益増加で吸収する計画だ。為替が円安方向に傾いていることも追い風であり、好業績が期待される。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 15年11月策定の16年9月期〜17年9月期2カ年中期経営計画では、目標数値に17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げた。

 重点戦略は(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成とした。

 そして15年10月1日〜20年9月30日の5年間長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略に、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げた。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは、20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、地熱・海底資源開発関連機材、医薬中間体・原体、特殊フィルムの海外展開、木質バイオマス・ガス化発電関連機材を推進する。なお16年の成約として独ブルクハルト社製ガス化熱電併給装置、コールバッハ社サーマルオイルボイラー、CPM社ペレットミル、ステラ社ベルト式低温ドライヤー関連機器を見込んでいる。

 戦略Eの新規投資案件では、新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化では、グローバル化に対応すべく約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。

■株価は年初来高値更新して15年の上場来高値視野

 株価の動きを見ると、3月高値1520円を突破して年初来高値更新の展開となった。そして12月14日には1595円まで上伸した。

 12月14日の終値1588円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS195円01銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は3.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1422円34銭で算出)は1.1倍近辺である。時価総額は約230億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドだ。指標面の割安感も見直して15年8月の上場来高値1845円が視野に入りそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月22日更新]

三洋貿易は17年9月期増収増益・増配予想で15年の上場来高値も視野

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。業容拡大に向けてM&A戦略も加速している。16年9月期連結業績は計画水準の営業増益で着地し、期末配当を増額した。そして17年9月期は増収増益・増配予想である。株価は基調転換して3月の年初来高値に接近している。指標面の割安感も見直して上値を試す展開だろう。15年8月の上場来高値も視野に入りそうだ。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 15年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は、化成品(ゴム・化学品を16年9月期から名称変更)41%、機械資材27%、海外現地法人22%、国内子会社10%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材42%、海外現地法人10%、国内子会社14%、その他4%だった。

 業界別売上構成(単体ベース)で見ると、自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■M&Aも活用した業容拡大戦略を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略を推進している。15年3月エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡、15年9月連結子会社ケムインターが工業用洗剤輸入販売のコムスタージャパンを子会社化、16年2月工業化学薬品輸入販売のソートを子会社化した。

 16年6月洸陽電機(兵庫県)と業務提携した。小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大や導入促進で提携し、17年9月期に2社共同事業による合計売上高50億円を見込んでいる。

 16年7月には日本ルフトを子会社化した。同社は呼吸器系を主軸に医療機器の開発・製造販売、医療機器および理科学機器の輸入販売を手掛けている。同社の子会社化によって当社科学機器事業部が医療機器分野に新規参入する。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月シンガポールの工業用フィルム販社BPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)、15年10月タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立した。

■3月決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い収益構造

 四半期別の業績推移を見ると、15年9月期は売上高が第1四半期153億86百万円、第2四半期156億16百万円、第3四半期156億82百万円、第4四半期139億88百万円、営業利益が9億82百万円、10億54百万円、10億68百万円、5億02百万円、経常利益が11億48百万円、10億47百万円、12億09百万円、7億06百万円だった。設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい収益構造である。

 15年9月期は6期連続最高益更新だった。売上総利益率は15.6%で14年9月期比0.8ポイント上昇、販管費比率は9.6%で同0.3ポイント上昇した。営業外収益では受取配当金、為替差益、匿名組合投資利益が増加し、純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少も寄与した。ROEは15.9%で同3.2ポイント上昇、自己資本比率は62.1%で同7.4ポイント上昇、D/Eレシオは0.06倍で同0.02ポイント低下した。配当は5期連続増配で、配当性向は25.1%だった。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

■16年9月期は計画水準の営業増益で着地

 11月8日発表した前期(16年9月期)の連結業績は、売上高が前々期(15年9月期)比1.3%減の599億08百万円、営業利益が同12.4%増の40億52百万円、経常利益が同4.0%増の42億74百万円、純利益が同1.3%減の27億57百万円だった。売上高は円高や新興国経済減速の影響で計画を下回り減収だったが、営業利益はほぼ計画水準の増益で着地した。純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果一巡が影響した。

 売上総利益は同6.0%増加し、売上総利益率は16.7%で同1.1ポイント上昇した。販管費は同2.1%増加し、販管費比率は10.0%で同0.4ポイント上昇した。営業外では為替差益が減少(前々期3億32百万円、前期98百万円)した。またROEは14.1%で同1.8ポイント低下、自己資本比率は62.7%で同0.6ポイント上昇した。配当は期末3円増額して前々期と同額の年間49円(第2四半期末23円、期末26円)とした。配当性向は25.4%である。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、化成品は売上高が同3.8%増の244億83百万円、営業利益が同14.4%増の12億63百万円だった。ゴム関連製品で情報機器向け輸出が低調だったが、自動車向けを中心に合成ゴムや副資材が堅調だった。第2四半期に連結子会社化したソートも寄与した。機械資材は売上高が同8.0%増の191億04百万円、営業利益が同12.7%増の22億11百万円だった。産業資材関連で自動車内装用部品やシート用高機能性部品・原材料が伸長した。機械・環境関連では飼料・肥料用ペレットミルが堅調に推移した。バイオマス関連では熱電併給設備の大型案件を受注した。科学機器関連では半導体検査装置などが好調だった。

 海外現地法人は円高による為替換算の影響で売上高が同13.0%減の107億51百万円、営業利益が同27.0%減の3億66百万円だった。SCOA(米国)および三洋貿易物産(上海)はゴム・自動車用部品が堅調だった。San−Thap(タイ)はタイパーツ安による輸入品の採算悪化が影響した。国内子会社は売上高が同22.0%減の52億94百万円、営業利益が同8.1%減の5億85百万円だった。コスモス商事は地熱関連が堅調だったが、ケムインターは韓国経済低迷や円高の影響で化学品が低調だった。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期163億87百万円、第2四半期149億46百万円、第3四半期137億18百万円、第4四半期148億57百万円、営業利益は13億11百万円、9億94百万円、7億35百万円、10億12百万円、そして経常利益は13億90百万円、9億86百万円、7億90百万円、11億08百万円だった。

■17年9月期増収増益・増配予想

 今期(17年9月期)連結業績予想(11月8日公表)は、売上高が前期(16年9月期)比11.8%増の670億円、営業利益が同3.6%増の42億円、経常利益が同1.8%増の43億50百万円、純利益が同1.2%増の27億90百万円としている。配当予想については同1円増配の年間50円(第2四半期末23円、期末27円)とした。予想配当性向は25.6%となる。

 自動車向けを中心に化成品関連や海外現地法人が堅調に推移する。新規では環境関連機材や医療関連機材の伸長を見込んでいる。業容拡大に向けた人件費の増加などで販管費は同19.6%増を見込んでいるが、増収による売上総利益増加で吸収する計画だ。為替が円安方向に傾いていることも追い風であり、好業績が期待される。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 15年11月策定の16年9月期〜17年9月期2カ年中期経営計画では、目標数値に17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げた。

 重点戦略は(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成とした。

 そして15年10月1日〜20年9月30日の5年間長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略に、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げた。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは、20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、地熱・海底資源開発関連機材、医薬中間体・原体、特殊フィルムの海外展開、木質バイオマス・ガス化発電関連機材を推進する。なお16年の成約として独ブルクハルト社製ガス化熱電併給装置、コールバッハ社サーマルオイルボイラー、CPM社ペレットミル、ステラ社ベルト式低温ドライヤー関連機器を見込んでいる。

 戦略Eの新規投資案件では、新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化では、グローバル化に対応すべく約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。

■株価は基調転換して3月の年初来高値に接近、15年の上場来高値も視野

 株価の動きを見ると、8月の直近安値1125円から切り返して戻り歩調の展開だ。そして17年9月期増収増益予想も好感して11月16日と18日には1483円まで上伸し、3月の年初来高値1520円に接近してきた。

 11月18日の終値1482円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS195円01銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は3.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1422円34銭で算出)は1.0倍近辺である。時価総額は約215億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いて基調転換を確認し、13週移動平均線がサポートラインの上昇トレンドの形となった。指標面の割安感も見直して上値を試す展開だろう。15年8月の上場来高値1845円も視野に入りそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月04日更新]

三洋貿易は指標面の割安感も見直して戻り歩調、17年9月期収益拡大期待

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。業容拡大に向けてM&A戦略も加速している。16年9月期営業増益予想で、17年9月期も収益拡大が期待される。株価は8月の直近安値圏から切り返す動きだ。指標面の割安感も見直して戻り歩調だろう。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 15年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は、化成品(ゴム・化学品を16年9月期から名称変更)41%、機械資材27%、海外現地法人22%、国内子会社10%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材42%、海外現地法人10%、国内子会社14%、その他4%だった。

 業界別売上構成(単体ベース)で見ると、自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■M&Aも活用した業容拡大戦略を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略を推進している。15年3月エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡、15年9月連結子会社ケムインターが工業用洗剤輸入販売のコムスタージャパンを子会社化、16年2月工業化学薬品輸入販売のソートを子会社化した。

 16年6月洸陽電機(兵庫県)と業務提携した。小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大や導入促進で提携し、17年9月期に2社共同事業による合計売上高50億円を見込んでいる。

 16年7月には日本フルトを子会社化した。同社は呼吸器系を主軸に医療機器の開発・製造販売、医療機器および理科学機器の輸入販売を手掛けている。同社の子会社化によって当社科学機器事業部が医療機器分野に新規参入する。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月シンガポールの工業用フィルム販社BPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)、15年10月タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立した。

■3月決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い収益構造

 四半期別の業績推移を見ると、15年9月期は売上高が第1四半期153億86百万円、第2四半期156億16百万円、第3四半期156億82百万円、第4四半期139億88百万円、営業利益が9億82百万円、10億54百万円、10億68百万円、5億02百万円、経常利益が11億48百万円、10億47百万円、12億09百万円、7億06百万円だった。設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい収益構造である。

 15年9月期は6期連続最高益更新だった。売上総利益率は15.6%で14年9月期比0.8ポイント上昇、販管費比率は9.6%で同0.3ポイント上昇した。営業外収益では受取配当金、為替差益、匿名組合投資利益が増加し、純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少も寄与した。ROEは15.9%で同3.2ポイント上昇、自己資本比率は62.1%で同7.4ポイント上昇、D/Eレシオは0.06倍で同0.02ポイント低下した。配当は5期連続増配で、配当性向は25.1%だった。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

■16年9月期第3四半期累計は営業減益

 前期(16年9月期)第3四半期累計(10〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.5%減の450億51百万円、営業利益が同2.1%減の30億40百万円、経常利益が同7.0%減の31億66百万円、純利益が同16.9%減の19億78百万円だった。

 化成品や機械資材は堅調だったが、円高や新興国経済減速など事業環境悪化が影響して営業・経常減益だった。純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果一巡も影響した。売上総利益は同0.6%増加し、売上総利益率は16.4%で同0.6ポイント上昇した。販管費は同2.5%増加し、販管費比率は9.7%で同0.6ポイント上昇した。営業外収益では為替差益が減少(前期2億36百万円、今期51百万円)した。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、化成品は売上高が同1.4%増の180億46百万円、営業利益が同2.5%増の9億12百万円だった。ゴム関連製品で自動車・家電・情報機器向け合成ゴムがやや低調だったが、化学品関連で染料や難燃材が好調だった。第2四半期から新規連結したソートも寄与した。機械資材は売上高が同8.4%増の145億27百万円、営業利益が同5.9%増の17億04百万円だった。自動車内装用部品やシート用高機能性部品・原材料が伸長した。科学機器関連は各種分析・試験機器が好調だった。

 海外現地法人は売上高が同15.2%減の82億20百万円となり、営業利益が同32.1%減の2億69百万円だった。SCOA(米国)は吸水性ポリマーが低調だった。三洋貿易物産(上海)は自動車用各種部品が伸長したが、ゴム・化学品が低調だった。San−Thap(タイ)はタイパーツ安に伴い輸入品が採算悪化した。国内子会社は売上高が同28.1%減の40億47百万円、営業利益が同20.3%減の4億68百万円だった。コスモス商事の海洋・船舶および地熱関連が大型案件の反動で伸び悩み、ケムインターは化学品、機械・電子部品とも低調だった。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期163億87百万円、第2四半期149億46百万円、第3四半期137億18百万円、営業利益は13億11百万円、9億94百万円、7億35百万円、経常利益は13億90百万円、9億86百万円、7億90百万円だった。

■16年9月期通期営業・経常増益予想、17年9月期も収益拡大期待

 前期(16年9月期)通期の連結業績予想(11月6日公表)は、売上高が前々期(15年9月期)比5.5%増の640億円、営業利益が同12.3%増の40億50百万円、経常利益が同3.4%増の42億50百万円、純利益が同7.0%減の26億円としている。配当予想は同3円減配の年間46円(第2四半期末23円、期末23円)で予想配当性向は25.3%となる。

 純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果が一巡して減益予想だが、自動車用各種部品など高付加価値の主力商材が堅調に推移して営業増益・経常増益予想である。売上総利益率は同1.0ポイント上昇の10.1%、販管費比率は同1.2ポイント上昇の7.8%の想定である。

 セグメント別(連結調整前)の売上高は、化成品がソートの新規連結も寄与して同5.5%増の249億円、機械資材が北米自動車市場の好調などで同7.4%増の190億円、海外現地法人がゴム関連製品や自動車用部品の堅調推移で同7.7%増の133億円、国内子会社がケムインターの低調で同4.2%減の65億円、その他が同30.4%増の3億円の計画としている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が70.4%、営業利益が75.1%、経常利益が74.5%、純利益が76.1%である。為替の円高傾向が自動車業界に与える影響など不透明要因もあるが、通期会社予想の達成は可能だろう。そして今期(17年9月期)も収益拡大が期待される。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 15年11月策定の16年9月期〜17年9月期2カ年中期経営計画では、目標数値に17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げた。

 重点戦略は(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成とした。

 そして15年10月1日〜20年9月30日の5年間長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略に、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げた。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは、20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、地熱・海底資源開発関連機材、医薬中間体・原体、特殊フィルムの海外展開、木質バイオマス・ガス化発電関連機材を推進する。なお16年の成約として独ブルクハルト社製ガス化熱電併給装置、コールバッハ社サーマルオイルボイラー、CPM社ペレットミル、ステラ社ベルト式低温ドライヤー関連機器を見込んでいる。

 戦略Eの新規投資案件では、新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化では、グローバル化に対応すべく約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。

■株価は指標面の割安感も見直して戻り歩調

 株価の動きを見ると、8月の直近安値圏1100円台から切り返す動きだ。9月29日には1270円まで上伸した。

 9月30日の終値1246円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS181円77銭で算出)は6〜7倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間46円で算出)は3.7%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS1314円11銭で算出)は0.9倍近辺である。時価総額は約181億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を突破し、さらに26週移動平均線突破の動きを強めている。指標面の割安感も見直して戻り歩調だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[9月05日更新]

三洋貿易は4%近辺の予想配当利回りなど割安感を見直し

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。業容拡大に向けてM&A戦略も加速し、バイオマス発電分野や医療機器分野など新規領域を強化している。16年9月期は主力事業の堅調推移にM&A効果も寄与して営業増益予想である。株価は安値圏だが、4%近辺の予想配当利回りなど指標面の割安感を見直して反発のタイミングだろう。なお9月7〜9日開催(幕張メッセ国際展示場)のアジア最大級分析機器・理科学機器展示会「JASIS 2016」に科学機器事業部が出展する。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 15年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は、化成品(ゴム・化学品を16年9月期から名称変更)41%、機械資材27%、海外現地法人22%、国内子会社10%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材42%、海外現地法人10%、国内子会社14%、その他4%だった。

 業界別売上構成(単体ベース)で見ると、自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■M&Aも活用した業容拡大戦略を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略を推進している。15年3月エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡、15年9月連結子会社ケムインターが工業用洗剤輸入販売のコムスタージャパンを子会社化、16年2月工業化学薬品輸入販売のソートを子会社化した。

 16年6月洸陽電機(兵庫県)と業務提携した。小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大や導入促進で提携し、17年9月期に2社共同事業による合計売上高50億円を見込んでいる。

 16年7月には日本フルトを子会社化した。同社は呼吸器系を主軸に医療機器の開発・製造販売、医療機器および理科学機器の輸入販売を手掛けている。同社の子会社化によって当社科学機器事業部が医療機器分野に新規参入する。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月シンガポールの工業用フィルム販社BPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)、15年10月タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立した。

■3月決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い収益構造

 四半期別の業績推移を見ると、15年9月期は売上高が第1四半期153億86百万円、第2四半期156億16百万円、第3四半期156億82百万円、第4四半期139億88百万円、営業利益が9億82百万円、10億54百万円、10億68百万円、5億02百万円、経常利益が11億48百万円、10億47百万円、12億09百万円、7億06百万円だった。設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい収益構造である。

 15年9月期は6期連続最高益更新だった。売上総利益率は15.6%で14年9月期比0.8ポイント上昇、販管費比率は9.6%で同0.3ポイント上昇した。営業外収益では受取配当金、為替差益、匿名組合投資利益が増加し、純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少も寄与した。ROEは15.9%で同3.2ポイント上昇、自己資本比率は62.1%で同7.4ポイント上昇、D/Eレシオは0.06倍で同0.02ポイント低下した。配当は5期連続増配で、配当性向は25.1%だった。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

■16年9月期第3四半期累計は営業減益

 今期(16年9月期)第3四半期累計(10〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.5%減の450億51百万円、営業利益が同2.1%減の30億40百万円、経常利益が同7.0%減の31億66百万円、純利益が同16.9%減の19億78百万円だった。

 化成品や機械資材は堅調だったが、円高や新興国経済減速など事業環境悪化が影響して営業・経常減益だった。純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果一巡も影響した。売上総利益は同0.6%増加し、売上総利益率は16.4%で同0.6ポイント上昇した。販管費は同2.5%増加し、販管費比率は9.7%で同0.6ポイント上昇した。営業外収益では為替差益が減少(前期2億36百万円、今期51百万円)した。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、化成品は売上高が同1.4%増の180億46百万円、営業利益が同2.5%増の9億12百万円だった。ゴム関連製品で自動車・家電・情報機器向け合成ゴムがやや低調だったが、化学品関連で染料や難燃材が好調だった。第2四半期から新規連結したソートも寄与した。機械資材は売上高が同8.4%増の145億27百万円、営業利益が同5.9%増の17億04百万円だった。自動車内装用部品やシート用高機能性部品・原材料が伸長した。科学機器関連は各種分析・試験機器が好調だった。

 海外現地法人は売上高が同15.2%減の82億20百万円となり、営業利益が同32.1%減の2億69百万円だった。SCOA(米国)は吸水性ポリマーが低調だった。三洋貿易物産(上海)は自動車用各種部品が伸長したが、ゴム・化学品が低調だった。San−Thap(タイ)はタイパーツ安に伴い輸入品が採算悪化した。国内子会社は売上高が同28.1%減の40億47百万円、営業利益が同20.3%減の4億68百万円だった。コスモス商事の海洋・船舶および地熱関連が大型案件の反動で伸び悩み、ケムインターは化学品、機械・電子部品とも低調だった。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期163億87百万円、第2四半期149億46百万円、第3四半期137億18百万円、営業利益は13億11百万円、9億94百万円、7億35百万円、経常利益は13億90百万円、9億86百万円、7億90百万円だった。

■16年9月期通期は営業・経常増益予想

 今期(16年9月期)通期の連結業績予想(11月6日公表)は、売上高が前期(15年9月期)比5.5%増の640億円で、営業利益が同12.3%増の40億50百万円、経常利益が同3.4%増の42億50百万円、純利益が同7.0%減の26億円としている。配当予想は同3円減配の年間46円(第2四半期末23円、期末23円)で予想配当性向は25.3%となる。

 純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果が一巡して減益予想だが、自動車用各種部品など高付加価値の主力商材が堅調に推移して営業増益・経常増益予想である。売上総利益率は同1.0ポイント上昇の10.1%、販管費比率は同1.2ポイント上昇の7.8%の想定である。

 セグメント別(連結調整前)の売上高は、化成品がソートの新規連結も寄与して同5.5%増の249億円、機械資材が北米自動車市場の好調などで同7.4%増の190億円、海外現地法人がゴム関連製品や自動車用部品の堅調推移で同7.7%増の133億円、国内子会社がケムインターの低調で同4.2%減の65億円、その他が同30.4%増の3億円の計画としている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が70.4%、営業利益が75.1%、経常利益が74.5%、純利益が76.1%である。為替の円高傾向が自動車業界に与える影響など不透明要因もあるが、通期会社予想の達成は可能だろう。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 15年11月策定の16年9月期〜17年9月期2カ年中期経営計画では、目標数値に17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げた。

 重点戦略は(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成とした。

 そして15年10月1日〜20年9月30日の5年間長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略に、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げた。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは、20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、地熱・海底資源開発関連機材、医薬中間体・原体、特殊フィルムの海外展開、木質バイオマス・ガス化発電関連機材を推進する。なお16年の成約として独ブルクハルト社製ガス化熱電併給装置、コールバッハ社サーマルオイルボイラー、CPM社ペレットミル、ステラ社ベルト式低温ドライヤー関連機器を見込んでいる。

 戦略Eの新規投資案件では、新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化では、グローバル化に対応すべく約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。

■株価は安値圏だが割安感を見直して反発のタイミング

 株価の動きを見ると、6月の年初来安値1041円から7月末の1300円近辺まで一旦切り返したが、8月以降は安値圏1100円〜1200円近辺で推移している。

 9月2日の終値1158円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS181円77銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間46円で算出)は4.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1314円11銭で算出)は0.9倍近辺である。時価総額は約168億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形となったが、4%近辺の予想配当利回りなど指標面の割安感を見直して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[8月08日更新]

三洋貿易は16年9月期第3四半期累計営業減益だが、通期営業増益予想で割安感見直し

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。業容拡大に向けてM&A戦略も加速し、バイオマス発電分野や医療機器分野など新規領域を強化している。16年9月期第3四半期累計は円高や新興国経済減速など事業環境悪化で営業減益だったが、通期は主力事業の堅調推移にM&A効果も寄与して営業増益予想である。株価は地合い悪化も影響して戻り一服の形だが、指標面の割安感を見直して反発展開だろう。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 15年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は、化成品(ゴム・化学品を16年9月期から名称変更)41%、機械資材27%、海外現地法人22%、国内子会社10%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材42%、海外現地法人10%、国内子会社14%、その他4%だった。

 業界別売上構成(単体ベース)で見ると、自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■M&Aも活用した業容拡大戦略を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&Aも活用して業容拡大戦略を推進している。15年3月エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡、15年9月連結子会社ケムインターが工業用洗剤輸入販売のコムスタージャパンを子会社化、16年2月工業化学薬品輸入販売のソートを子会社化した。

 16年6月洸陽電機(兵庫県)と業務提携した。小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大や導入促進で提携し、17年9月期に2社共同事業による合計売上高50億円を見込んでいる。

 16年7月には日本フルトを子会社化した。同社は呼吸器系を主軸に医療機器の開発・製造販売、医療機器および理科学機器の輸入販売を手掛けている。同社の子会社化によって当社科学機器事業部は医療機器分野に新規参入する。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月シンガポールの工業用フィルム販社BPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)、15年10月タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立した。

■3月決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い収益構造

 四半期別の業績推移を見ると、15年9月期は売上高が第1四半期153億86百万円、第2四半期156億16百万円、第3四半期156億82百万円、第4四半期139億88百万円、営業利益が9億82百万円、10億54百万円、10億68百万円、5億02百万円、経常利益が11億48百万円、10億47百万円、12億09百万円、7億06百万円だった。設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい収益構造である。

 15年9月期は6期連続最高益更新だった。売上総利益率は15.6%で14年9月期比0.8ポイント上昇、販管費比率は9.6%で同0.3ポイント上昇した。営業外収益では受取配当金、為替差益、匿名組合投資利益が増加し、純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少も寄与した。ROEは15.9%で同3.2ポイント上昇、自己資本比率は62.1%で同7.4ポイント上昇、D/Eレシオは0.06倍で同0.02ポイント低下した。配当は5期連続増配で、配当性向は25.1%だった。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

■16年9月期第3四半期累計は営業減益

 8月4日発表した今期(16年9月期)第3四半期累計(10〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.5%減の450億51百万円、営業利益が同2.1%減の30億40百万円、経常利益が同7.0%減の31億66百万円、そして純利益が同16.9%減の19億78百万円だった。

 化成品や機械資材は堅調だったが、円高や新興国経済減速など事業環境悪化が影響して営業・経常減益だった。純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果一巡も影響した。売上総利益は同0.6%増加し、売上総利益率は16.4%で同0.6ポイント上昇した。販管費は同2.5%増加し、販管費比率は9.7%で同0.6ポイント上昇した。営業外収益では為替差益が減少(前期2億36百万円、今期51百万円)した。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、化成品は売上高が同1.4%増の180億46百万円、営業利益が同2.5%増の9億12百万円だった。ゴム関連製品で自動車・家電・情報機器向け合成ゴムがやや低調だったが、化学品関連で染料や難燃材が好調だった。第2四半期から新規連結したソートも寄与した。機械資材は売上高が同8.4%増の145億27百万円、営業利益が同5.9%増の17億04百万円だった。自動車内装用部品やシート用高機能性部品・原材料が伸長した。科学機器関連は各種分析・試験機器が好調だった。

 海外現地法人は売上高が同15.2%減の82億20百万円となり、営業利益が同32.1%減の2億69百万円だった。SCOA(米国)は吸水性ポリマーが低調だった。三洋貿易物産(上海)は自動車用各種部品が伸長したが、ゴム・化学品が低調だった。San−Thap(タイ)はタイパーツ安に伴い輸入品が採算悪化した。国内子会社は売上高が同28.1%減の40億47百万円、営業利益が同20.3%減の4億68百万円だった。コスモス商事の海洋・船舶および地熱関連が大型案件の反動で伸び悩み、ケムインターは化学品、機械・電子部品とも低調だった。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期163億87百万円、第2四半期149億46百万円、第3四半期137億18百万円、営業利益は13億11百万円、9億94百万円、7億35百万円、経常利益は13億90百万円、9億86百万円、7億90百万円だった。

■16年9月期通期は営業・経常増益予想

 今期(16年9月期)通期の連結業績予想については、前回予想(11月6日公表)を据え置いて売上高が前期(15年9月期)比5.5%増の640億円、営業利益が同12.3%増の40億50百万円、経常利益が同3.4%増の42億50百万円、純利益が同7.0%減の26億円としている。配当予想は同3円減配の年間46円(第2四半期末23円、期末23円)で予想配当性向は25.3%となる。

 純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果が一巡して減益予想だが、自動車用各種部品など高付加価値の主力商材が堅調に推移して営業増益・経常増益予想である。売上総利益率は同1.0ポイント上昇の10.1%、販管費比率は同1.2ポイント上昇の7.8%の想定である。

 セグメント別(連結調整前)の売上高は、化成品がソートの新規連結も寄与して同5.5%増の249億円、機械資材が北米自動車市場の好調などで同7.4%増の190億円、海外現地法人がゴム関連製品や自動車用部品の堅調推移で同7.7%増の133億円、国内子会社がケムインターの低調で同4.2%減の65億円、その他が同30.4%増の3億円の計画としている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が70.4%、営業利益が75.1%、経常利益が74.5%、純利益が76.1%である。為替の円高傾向が自動車業界に与える影響など不透明要因もあるが、通期会社予想の達成は可能だろう。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 15年11月策定の16年9月期〜17年9月期2カ年中期経営計画では、目標数値に17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げた。

 重点戦略は(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成とした。

 そして15年10月1日〜20年9月30日の5年間長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略に、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げた。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは、20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、地熱・海底資源開発関連機材、医薬中間体・原体、特殊フィルムの海外展開、木質バイオマス・ガス化発電関連機材を推進する。なお16年の成約として独ブルクハルト社製ガス化熱電併給装置、コールバッハ社サーマルオイルボイラー、CPM社ペレットミル、ステラ社ベルト式低温ドライヤー関連機器を見込んでいる。

 戦略Eの新規投資案件では、新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化では、グローバル化に対応すべく約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。

■株価は戻り一服だが、割安感も見直して反発

 株価の動きを見ると、6月の年初来安値1041円から切り返したが、地合い悪化も影響して戻り一服の形だ。

 8月4日の終値1205円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS181円77銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間46円で算出)は3.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1314円11銭で算出)は0.9倍近辺である。時価総額は約175億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形となったが、指標面の割安感を見直して反発展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[7月28日更新]

三洋貿易は戻り試す展開、16年9月期営業増益予想で医療機器分野に新規参入

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社で、業容拡大に向けてバイオマス関連など新規領域を強化している。M&A戦略も加速し、日本フルトを子会社化して医療機器分野に新規参入する。16年9月期は自動車用各種部品が牽引して営業増益予想である。株価は指標面の割安感も見直して戻りを試す展開だろう。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 15年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は、化成品(ゴム・化学品を16年9月期から名称変更)41%、機械資材27%、海外現地法人22%、国内子会社10%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材42%、海外現地法人10%、国内子会社14%、その他4%だった。

 業界別売上構成(単体ベース)で見ると、自動車が過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。自動車関連は各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサー)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■M&A・アライアンスも活用した業容拡大戦略を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&A・アライアンスも活用して業容拡大を図る戦略を推進している。15年3月エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡、15年9月連結子会社ケムインターが工業用洗剤輸入販売のコムスタージャパンを子会社化、16年2月工業化学薬品輸入販売のソートを子会社化した。

 16年6月には洸陽電機(兵庫県)と業務提携した。小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大や導入促進で提携し、17年9月期に2社共同事業による合計売上高50億円を見込んでいる。

 7月12日には日本フルトを子会社化(株式譲渡実行日は7月29日)すると発表した。同社は呼吸器系を主軸に医療機器の開発・製造販売、医療機器および理科学機器の輸入販売を手掛けている。同社の子会社化によって当社科学機器事業部は医療機器分野に新規参入する。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月シンガポールの工業用フィルム販社BPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)、15年10月タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立した。

■3月決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い収益構造

 四半期別の業績推移を見ると、15年9月期は売上高が第1四半期153億86百万円、第2四半期156億16百万円、第3四半期156億82百万円、第4四半期139億88百万円、営業利益が9億82百万円、10億54百万円、10億68百万円、5億02百万円、経常利益が11億48百万円、10億47百万円、12億09百万円、7億06百万円だった。設備投資関連商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい収益構造である。

 15年9月期は6期連続最高益更新だった。売上総利益率は15.6%で14年9月期比0.8ポイント上昇、販管費比率は9.6%で同0.3ポイント上昇した。営業外収益では受取配当金、為替差益、匿名組合投資利益が増加し、純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少も寄与した。ROEは15.9%で同3.2ポイント上昇、自己資本比率は62.1%で同7.4ポイント上昇、D/Eレシオは0.06倍で同0.02ポイント低下した。配当は5期連続増配で、配当性向は25.1%だった。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

■16年9月期第2四半期累計は計画超の2桁営業増益

 今期(16年9月期)第2四半期累計の連結業績は前年同期比1.1%増収、同13.3%営業増益、同8.3%経常増益、同2.8%最終減益だった。純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果が一巡したため微減益だったが、機械資材の好調で売上総利益率が改善して計画超の2桁営業増益だった。

 売上総利益は同6.5%増加し、売上総利益率は16.6%で同0.8ポイント上昇した。販管費は同1.7%増加し、販管費比率は9.3%で同0.1ポイント上昇した。営業外収益では為替差益が減少(前期1億25百万円、今期27百万円)した。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、化成品は売上高が同2.3%減の118億94百万円、営業利益が同8.9%減の5億80百万円だった。ゴム関連製品で自動車・家電・情報機器向け合成ゴムがやや低調だった。機械資材は売上高が同11.7%増の101億48百万円、営業利益が同21.0%増の13億04百万円だった。自動車向けの内装用部品やシート用高機能性部品・原材料が好調だった。

 海外現地法人は売上高が同6.3%減の59億28百万円となり、営業利益が同26.0%減の1億92百万円だった。三洋貿易物産(上海)は自動車用各種部品が好調だった。SCOA(米国)は自動車用各種部品が伸長したが、吸水性樹脂やフィルムが低調だった。San−Thap(タイ)はタイパーツ安による輸入品の採算悪化で低調だった。国内子会社は売上高が同2.5%減の31億76百万円だが、営業利益が45.7%増の4億13百万円だった。コスモス商事の海洋・船舶関連大型案件が寄与した。ケムインターは化学品、機械・電子部品とも低調だった。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期163億87百万円、第2四半期149億46百万円で、営業利益は13億11百万円、9億94百万円、経常利益は13億90百万円、9億86百万円だった。

■16年9月期通期は営業・経常増益予想

 今期(16年9月期)通期の連結業績予想(11月6日公表)は売上高が前期比5.5%増の640億円、営業利益が同12.3%増の40億50百万円、経常利益が同3.4%増の42億50百万円、純利益が同7.0%減の26億円としている。配当予想は同3円減配の年間46円(第2四半期末23円、期末23円)で予想配当性向は25.3%となる。

 純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果が一巡して減益予想だが、自動車用各種部品など高付加価値の主力商材が国内外で好調に推移して営業増益・経常増益予想である。売上総利益率は同1.0ポイント上昇の10.1%、販管費比率は同1.2ポイント上昇の7.8%を計画している。

 セグメント別(連結調整前)の売上高は、化成品がソートの子会社化も寄与して同5.5%増の249億円、機械資材が北米自動車市場の好調などで同7.4%増の190億円、海外現地法人がゴム関連製品や自動車用部品の堅調推移で同7.7%増の133億円、国内子会社がケムインターの低調で同4.2%減の65億円、その他が同30.4%増の3億円の計画としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.0%、営業利益が56.9%、経常利益が55.9%、純利益が56.6%で利益進捗率が高水準である。為替の円高傾向が自動車業界に与える影響など不透明要因もあるが、通期ベースでも好業績が期待される。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 15年11月策定の16年9月期〜17年9月期2カ年中期経営計画では、目標数値に17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げた。

 重点戦略は(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成とした。

 そして15年10月1日〜20年9月30日の5年間長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略に、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げた。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは、20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、地熱・海底資源開発関連機材、医薬中間体・原体、特殊フィルムの海外展開、木質バイオマス・ガス化発電関連機材を推進する。なお16年の成約として独ブルクハルト社製ガス化熱電併給装置、コールバッハ社サーマルオイルボイラー、CPM社ペレットミル、ステラ社ベルト式低温ドライヤー関連機器を見込んでいる。

 戦略Eの新規投資案件では、新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化では、グローバル化に対応すべく約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。

■株価は戻り試す

 株価の動きを見ると、地合い悪化が影響した6月の年初来安値1041円から切り返し、7月27日には1286円まで上伸した。

 7月27日の終値1286円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS181円77銭で算出)は7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間46円で算出)は3.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1314円11銭で算出)は1.0倍近辺である。時価総額は約187億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。指標面の割安感も見直して戻りを試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[7月04日更新]

三洋貿易は16年9月期営業増益予想、指標面に割安感

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。16年9月期は自動車用各種部品が牽引して営業増益予想である。さらに業容拡大に向けてバイオマス関連など新規領域を強化し、M&A戦略も加速している。株価は地合い悪化の影響を受けたが指標面の割安感は強い。調整一巡して出直り展開だろう。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。

 15年9月期セグメント別(連結調整前)売上高構成比は、化成品(ゴム・化学品を16年9月期から名称変更)41%、機械資材27%、海外現地法人22%、国内子会社10%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材42%、海外現地法人10%、国内子会社14%、その他4%だった。

 メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。業界別売上構成(単体ベース)で見ると、自動車業界向けが過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。

 主力の自動車業界向けは、各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様の市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■M&A・アライアンスも活用した業容拡大戦略を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でM&A・アライアンスも活用して業容拡大を図る戦略を推進している。15年3月エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡、15年9月連結子会社ケムインターが工業用洗剤輸入販売のコムスタージャパンを子会社化、16年2月工業化学薬品輸入販売のソートを子会社化した。

 6月14日には洸陽電機(兵庫県)との業務提携を発表した。小型高効率の独ブルクハルト社製木質バイオマスコージェネレーション(熱電併給)システムの販売拡大や導入促進で提携し、17年9月期に2社共同事業による合計売上高50億円を見込んでいる。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。そして15年7月シンガポールの工業用フィルム販社BPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)、15年10月タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立した。

■3月決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い収益構造

 なお15年9月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期153億86百万円、第2四半期156億16百万円、第3四半期156億82百万円、第4四半期139億88百万円、営業利益は同様に9億82百万円、10億54百万円、10億68百万円、5億02百万円で、経常利益は11億48百万円、10億47百万円、12億09百万円、7億06百万円だった。設備投資関連商材を含むため3月期決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高くなりやすい収益構造である。

 15年9月期は6期連続の最高益更新だった。売上総利益率は15.6%で14年9月期比0.8ポイント上昇、販管費比率は9.6%で同0.3ポイント上昇した。営業外収益では受取配当金、為替差益、匿名組合投資利益が増加し、純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少も寄与した。ROEは15.9%で同3.2ポイント上昇、自己資本比率は62.1%で同7.4ポイント上昇、D/Eレシオは0.06倍で同0.02ポイント低下した。配当は5期連続増配で、配当性向は25.1%だった。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

■16年9月期第2四半期累計は計画超の2桁営業増益

 今期(16年9月期)第2四半期累計の連結業績は前年同期比1.1%増収、同13.3%営業増益、同8.3%経常増益、同2.8%最終減益だった。機械資材の好調で売上総利益率が改善して計画超の増益だった。

 売上総利益は同6.5%増加し、売上総利益率は16.6%で同0.8ポイント上昇した。販管費は同1.7%増加し、販管費比率は9.3%で同0.1ポイント上昇した。営業外収益では為替差益が減少(前期1億25百万円、今期27百万円)した。特別損失では前期計上の減損損失25百万円と関係会社株式売却損12百万円が一巡したが、和解金32百万円を計上した。純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果が一巡したため微減益だった。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、化成品は売上高が同2.3%減の118億94百万円、営業利益が同8.9%減の5億80百万円だった。ゴム関連製品で自動車・家電・情報機器向け合成ゴムがやや低調だった。機械資材は売上高が同11.7%増の101億48百万円、営業利益が同21.0%増の13億04百万円だった。自動車向けの内装用部品やシート用高機能性部品・原材料が好調だった。

 海外現地法人は売上高が同6.3%減の59億28百万円となり、営業利益が同26.0%減の1億92百万円だった。三洋貿易物産(上海)は自動車用各種部品が好調だった。SCOA(米国)は自動車用各種部品が伸長したが、吸水性樹脂やフィルムが低調だった。San−Thap(タイ)はタイパーツ安による輸入品の採算悪化で低調だった。国内子会社は売上高が同2.5%減の31億76百万円だが、営業利益が45.7%増の4億13百万円だった。コスモス商事の海洋・船舶関連大型案件が寄与した。ケムインターは化学品、機械・電子部品とも低調だった。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期163億87百万円、第2四半期149億46百万円、営業利益は第1四半期13億11百万円、第2四半期9億94百万円、経常利益は第1四半期13億90百万円、第2四半期9億86百万円だった。

■16年9月期通期は営業・経常増益予想

 今期(16年9月期)通期の連結業績予想(11月6日公表)は売上高が前期比5.5%増の640億円、営業利益が同12.3%増の40億50百万円、経常利益が同3.4%増の42億50百万円、純利益が同7.0%減の26億円としている。配当予想は同3円減配の年間46円(第2四半期末23円、期末23円)で予想配当性向は25.3%となる。

 純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果が一巡して減益予想だが、自動車用各種部品など高付加価値の主力商材が国内外で好調に推移して営業増益・経常増益予想である。売上総利益率は同1.0ポイント上昇の10.1%、販管費比率は同1.2ポイント上昇の7.8%を計画している。

 セグメント別(連結調整前)の売上高は、化成品がソートの子会社化も寄与して同5.5%増の249億円、機械資材が北米自動車市場の好調などで同7.4%増の190億円、海外現地法人がゴム関連製品や自動車用部品の堅調推移で同7.7%増の133億円、国内子会社がケムインターの低調で同4.2%減の65億円、その他が同30.4%増の3億円の計画としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.0%、営業利益が56.9%、経常利益が55.9%、純利益が56.6%で利益進捗率が高水準である。直近の円高傾向が自動車業界に与える影響など不透明要因もあるが、通期ベースでも好業績が期待される。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 15年11月策定の16年9月期〜17年9月期2カ年中期経営計画では、目標数値に17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げた。

 重点戦略は(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成とした。

 そして15年10月1日〜20年9月30日の5年間長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値に20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略に、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げた。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは、20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、地熱・海底資源開発関連機材、医薬中間体・原体、特殊フィルムの海外展開、木質バイオマス・ガス化発電関連機材を推進する。なお16年の成約として独ブルクハルト社製ガス化熱電併給装置、コールバッハ社サーマルオイルボイラー、CPM社ペレットミル、ステラ社ベルト式低温ドライヤー関連機器を見込んでいる。

 戦略Eの新規投資案件では、新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化では、グローバル化に対応すべく約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。

■株価は調整一巡して出直り

 株価の動きを見ると、地合い悪化の影響を受けて安値圏だが、6月24日の年初来安値1041円から切り返しの動きを強めている。

 7月1日の終値1182円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS181円77銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間46円で算出)は3.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1314円11銭で算出)は0.9倍近辺である。時価総額は約171億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで年初来安値を更新したが、1桁台の予想PERや3%台後半の予想配当利回りと指標面の割安感は強い。調整一巡して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[6月02日更新]

三洋貿易の16年9月期第2四半期累計は計画超の2桁営業増益、通期も増額余地

 三洋貿易<3176>(東1)は、自動車業界向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社で、業容拡大に向けてM&A戦略も加速している。16年9月期第2四半期累計は計画超の2桁営業増益だった。通期も営業増益予想で増額余地がありそうだ。株価は年初来高値圏から反落してモミ合い展開だが、1桁台の予想PERや3%台の予想配当利回りと指標面の割安感は強い。自律調整が一巡して上値を試す展開だろう。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。

 15年9月期セグメント別(連結調整前)売上構成比は、化成品(従来のゴム・化学品を16年9月期から化成品に名称変更)41%、機械資材27%、海外現地法人22%、国内子会社10%、その他0%で、営業利益構成比は化成品30%、機械資材42%、海外現地法人10%、国内子会社14%、その他4%だった。

 メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。業界別売上構成(単体ベース)で見ると、自動車業界向けが過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。

 主力の自動車業界向けは、各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様の市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■重点領域への経営資源集中とM&Aも活用した業容拡大戦略を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でのM&Aも活用して業容拡大を図る戦略を推進している。15年3月にはエレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡した。

 15年9月には連結子会社ケムインターが、工業用洗剤輸入販売を手掛けるコムスタージャパンの全株式を取得して子会社化(当社の孫会社化)した。工業用洗剤市場に参入して当社既存事業とのシナジー効果を目指す。

 16年1月には科学機器事業部において仏FORMULACTION社製品の総代理店販売を開始した。液中分散安定性の評価を行うタービスキャンシリーズ、マイクロレオロジー評価装置、塗膜乾燥工程評価装置などを取り扱う。

 16年2月にはソート(東京都)の全株式を取得して子会社化した。同社は紫外線吸収剤、光重合開始剤、ウレタン硬化剤など工業化学薬品の輸入を手掛け、当社既存のインキ・塗料・コーティング業における販売拡大と相乗効果が期待される。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月にはシンガポールの工業用フィルム販社であるBPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)した。15年10月には、タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立した。

■3月決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い収益構造

 15年9月期は6期連続の最高益更新だった。売上総利益率は15.6%で14年9月期比0.8ポイント上昇、販管費比率は9.6%で同0.3ポイント上昇した。営業外収益では受取配当金、為替差益、匿名組合投資利益が増加し、純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少も寄与した。ROEは15.9%で同3.2ポイント上昇、自己資本比率は62.1%で同7.4ポイント上昇、D/Eレシオは0.06倍で同0.02ポイント低下した。配当は5期連続増配で、配当性向は25.1%だった。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 なお15年9月期の四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(10〜12月)153億86百万円、第2四半期(1〜3月)156億16百万円、第3四半期(4〜6月)156億82百万円、第4四半期(7〜9月)139億88百万円で、営業利益は第1四半期9億82百万円、第2四半期10億54百万円、第3四半期10億68百万円、第4四半期5億02百万円、経常利益は第1四半期11億48百万円、第2四半期10億47百万円、第3四半期12億09百万円、第4四半期7億06百万円だった。

 設備投資関連の商材を含むため、3月期決算企業の期末にあたる第2四半期(1月〜3月)の構成比が高くなりやすい収益構造である。

■16年9月期第2四半期累計は計画超の2桁営業増益

 今期(16年9月期)第2四半期累計(10月〜3月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.1%増の313億33百万円で、営業利益が同13.3%増の23億05百万円、経常利益が同8.3%増の23億76百万円、純利益が同2.8%減の14億72百万円だった。売上高は計画をやや下回ったが、機械資材の好調で売上総利益率が改善し、各利益は計画超となった。営業利益は2桁増益だった。

 売上総利益は同6.5%増加し、売上総利益率は16.6%で同0.8ポイント上昇した。販管費は同1.7%増加し、販管費比率は9.3%で同0.1ポイント上昇した。営業外収益では為替差益が減少(前期1億25百万円計上、今期27百万円計上)した。特別損失では前期計上の減損損失25百万円と関係会社株式売却損12百万円が一巡したが、和解金32百万円を計上した。なお純利益は、アロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果が一巡(法人税等を前期5億91百万円計上、今期8億45百万円計上)したため微減益だった。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、化成品は売上高が同2.3%減の118億94百万円となり、営業利益が同8.9%減の5億80百万円だった。ゴム関連製品で主力の自動車・家電・情報機器向け合成ゴムおよび副資材が低調だった。化学品関連では工業用フィルムの輸出や電材が低調だった。

 機械資材は売上高が同11.7%増の101億48百万円となり、営業利益が同21.0%増の13億04百万円だった。産業資材関連では自動車内装用部品が好調で、シート用高機能性部品・原材料も伸長した。科学機器関連では各種分析・試験機器、機械・環境関連では飼料用ペレットミルが好調だった。木質バイオマス関連は案件実現の端境期だった。

 海外現地法人は売上高が同6.3%減の59億28百万円となり、営業利益が同26.0%減の1億92百万円だった。三洋貿易物産(上海)は自動車用各種部品が好調だった。SCOA(米国)は自動車用各種部品が伸長したが、吸水性樹脂やフィルムが低調だった。San−Thap(タイ)はタイパーツ安による輸入品の採算悪化で低調だった。国内子会社は売上高が同2.5%減の31億76百万円だが、営業利益が45.7%増の4億13百万円だった。コスモス商事の海洋・船舶関連大型案件が寄与した。ケムインターは化学品、機械・電子部品とも低調だった。

 なお地域別の売上高は、日本が同6.5%増の215億82百万円(売上構成比68.9%)となり、中国は同1.8%減の30億04百万円(同)9.6%、米国は同6.9%減の31億91百万円(同10.2%)、その他は同16.5%減の35億56百万円(同11.3%)だった。日本では自動車用各種部品を中心に機材資材が好調だった。その他では欧州や韓国向けが低調だった。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(10月〜12月)163億87百万円、第2四半期(1月〜3月)149億46百万円、営業利益は第1四半期13億11百万円、第2四半期9億94百万円だった。

■16年9月期通期は営業・経常増益予想、増額余地

 今期(16年9月期)通期の連結業績予想は前回予想(11月6日公表)を据え置いて、売上高が前期比5.5%増の640億円、営業利益が同12.3%増の40億50百万円、経常利益が同3.4%増の42億50百万円、純利益が同7.0%減の26億円としている。

 純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果が一巡して減益予想だが、自動車用各種部品など高付加価値の主力商材が国内外で好調に推移して増収、営業増益、経常増益予想である。8期連続経常増益見込みである。売上総利益率は同1.0ポイント上昇の10.1%、販管費比率は同1.2ポイント上昇の7.8%を計画している。

 配当予想は同3円減配の年間46円(第2四半期末23円、期末23円)で予想配当性向は25.3%となる。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 セグメント別(連結調整前)の売上高は、化成品がソートの子会社化も寄与して同5.5%増の249億円、機械資材が北米自動車市場の好調などで同7.4%増の190億円、海外現地法人がゴム関連製品や自動車用部品の堅調推移で同7.7%増の133億円、国内子会社がケムインターの低調で同4.2%減の65億円、その他が同30.4%増の3億円の計画としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は、売上高が49.0%、営業利益が56.9%、経常利益が55.9%、純利益が56.6%で、利益進捗率が高水準である。通期会社予想に増額余地がありそうだ。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 15年11月に16年9月期〜17年9月期の2年間を対象とする中期経営計画を発表し、目標数値には17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げた。

 重点戦略は(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成とした。

 そして15年10月1日から20年9月30日までの5年間を対象期間とする長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値として20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げている。

 基本方針は(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略に、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げた。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは、20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、地熱・海底資源開発関連機材、医薬中間体・原体、特殊フィルムの海外展開、木質バイオマス・ガス化発電関連機材を推進する。なお16年の成約として、ブルクハルト社ガス化熱電併給装置、コールバッハ社サーマルオイルボイラー、CPM社ペレットミル、ステラ社ベルト式低温ドライヤー関連機器を見込んでいる。

 戦略Eの新規投資案件では、新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。そして16年2月に、UVインキ・塗料・光硬化型樹脂などに強みを持つソートを子会社化した。

 戦略Fの国内外の組織の強化では、グローバル化に対応すべく、約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。

■株価は自律調整一巡して上値試す、指標面に割安感

 株価の動きを見ると、3月〜4月の年初来高値圏1500円近辺から反落し、5月以降は1400円近辺でモミ合う展開だが、大きく下押す動きは見られない。自律調整の範囲だろう。

 6月1日の終値1367円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS181円77銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間46円で算出)は3.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1314円11銭で算出)は1.0倍近辺である。時価総額は約198億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺でモミ合う形だ。1桁台の予想PERや3%台の予想配当利回りと指標面の割安感は強い。自律調整が一巡して上値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月19日更新]

三洋貿易は自律調整一巡して上値試す、16年9月期増収営業増益予想で増額余地

 三洋貿易<3176>(東1)は、自動車業界向けゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社で、業容拡大に向けてM&A戦略も加速している。16年9月期は増収営業増益予想で増額余地がありそうだ。株価は3月の年初来高値から地合い悪化も影響して一旦反落したが、1桁台の予想PERや3%台の予想配当利回りと指標面の割安感が強い。好業績を評価する流れに変化はなく、自律調整が一巡して上値を試す展開だろう。

■自動車業界向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。

 メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。業界別売上構成(単体ベース)で見ると自動車業界向けが過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。

 主力の自動車業界向けは、各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様の市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■重点領域への経営資源集中とM&Aも活用した業容拡大戦略を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でのM&Aも活用して業容拡大を図る戦略を推進している。15年3月にはエレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡した。

 15年9月には連結子会社のケムインターが、工業用洗剤輸入販売を手掛けるコムスタージャパンの全株式を取得して子会社化(当社の孫会社化)した。工業用洗剤市場に参入して当社既存事業とのシナジー効果を目指す方針だ。

 16年1月には科学機器事業部において、仏FORMULACTION社製品の総代理店販売を開始した。液中分散安定性の評価を行うタービスキャンシリーズ、マイクロレオロジー評価装置、塗膜乾燥工程評価装置などを取り扱う。

 16年2月にはソート(東京都)の全株式を取得して子会社化した。同社は紫外線吸収剤、光重合開始剤、ウレタン硬化剤など工業化学薬品の輸入を手掛けている。当社既存のインキ・塗料・コーティング業における販売拡大と相乗効果が期待される。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月にはアジア展開強化策の一環として、シンガポールの工業用フィルム販社であるBPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)した。また15年10月には、タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立した。

■3月決算企業の期末にあたる第2四半期の構成比が高い収益構造

 15年9月期は6期連続の最高益更新だった。売上総利益率は15.6%で14年9月期比0.8ポイント上昇、販管費比率は9.6%で同0.3ポイント上昇した。営業外収益では受取配当金、為替差益、匿名組合投資利益が増加し、純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少も寄与した。ROEは15.9%で同3.2ポイント上昇、自己資本比率は62.1%で同7.4ポイント上昇、D/Eレシオは0.06倍で同0.02ポイント低下した。配当は年間49円(第2四半期末24円、期末25円)で5期連続増配だった。配当性向は25.1%だった。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 15年9月期の四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(10〜12月)153億86百万円、第2四半期(1〜3月)156億16百万円、第3四半期(4〜6月)156億82百万円、第4四半期(7〜9月)139億88百万円で、営業利益は第1四半期9億82百万円、第2四半期10億54百万円、第3四半期10億68百万円、第4四半期5億02百万円、経常利益は第1四半期11億48百万円、第2四半期10億47百万円、第3四半期12億09百万円、第4四半期7億06百万円だった。3月期決算企業の期末にあたる第2四半期(1月〜3月)の構成比が高い収益構造だ。

■16年9月期第1四半期は大幅増益

 今期(16年9月期)第1四半期(10月〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比6.5%増の163億87百万円、営業利益が同33.4%増の13億11百万円、経常利益が同21.1%増の13億90百万円、純利益が同36.6%増の8億57百万円だった。自動車用内装部品、シート用高機能性部品、各種分析・試験機器、地熱発電、バイオマス発電関連などが好調だった。

 セグメント別(連結調整前)動向を見ると、化成品は売上高が同3.9%減の58億31百万円、営業利益が同10.8%減の2億90百万円だった。ゴム関連製品で主力の自動車・家電・情報機器向け合成ゴムおよび副資材が低調だった。機械資材は売上高が同17.5%増の52億48百万円、営業利益が同34.8%増の6億75百万円だった。自動車内装用部品が好調で、シート用高機能性部品・原材料も伸長した。科学機器関連では各種分析・試験機器、機械・環境関連では飼料用ペレットミルやバイオマス用ペレットミルが好調だった。

 海外現地法人は売上高が同2.3%増の32億73百万円、営業利益が同13.4%減の89百万円だった。上海は自動車用各種部品が好調だったが、米国は吸水性樹脂や高機能性フィルムが低調だった。タイはゴム関連の売上が堅調だったが利益が低調だった。国内子会社は売上高が同22.9%増の19億73百万円で、営業利益が同2.3倍の3億26百万円だった。ケムインターの化学品、機械・電子部品は低調だったが、コスモス商事の海洋・船舶関連大型案件や地熱発電関連が牽引した。

 なお売上総利益率は16.8%で同1.1ポイント上昇、販管費比率は8.8%で同0.5ポイント低下した。営業外収益では為替差益が減少(前期は億37百万円計上、今期54百万円計上)した。特別損失では前期計上の減損損失25百万円が一巡した。

■16年9月期は営業・経常増益予想で増額余地

 今期(16年9月期)通期の連結業績予想(11月6日公表)は、売上高が前期比5.5%増の640億円、営業利益が同12.3%増の40億50百万円、経常利益が同3.4%増の42億50百万円、純利益が同7.0%減の26億円としている。

 純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果が一巡して減益予想だが、自動車用部品など高付加価値の主力商材が国内外で好調に推移して増収、営業増益、経常増益予想である。売上総利益率は同1.0ポイント上昇の10.1%、販管費比率は同1.2ポイント上昇の7.8%を計画している。

 配当予想は同3円減配の年間46円(第2四半期末23円、期末23円)で予想配当性向は25.3%となる。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 セグメント別(連結調整前)売上高の計画は、化成品が化学品の回復で同6.8%増の252億円、機械資材が同2.8%減の172億円、海外現地法人がゴム関連製品や自動車用部品の好調で同21.4%増の150億円、国内子会社がケムインターの化学品の減速で同7.2%減の63億円、その他が同29.9%増の3億円としている。

 なお通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が25.6%、営業利益が32.4%、経常利益が32.7%、純利益が33.0%と高水準である。期初時点では保守的な計画を公表する傾向が強く、第2四半期の構成比が高い収益構造であることも考慮すれば、通期会社予想には増額余地があるだろう。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 15年11月に16年9月期〜17年9月期の2年間を対象とする中期経営計画を発表した。目標数値には17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げた。

 重点戦略は(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成とした。

 そして15年10月1日から20年9月30日までの5年間を対象期間とする長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値として20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げた。

 基本方針は(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略に、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げた。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは、20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、地熱・海底資源開発関連機材、医薬中間体・原体、特殊フィルムの海外展開、木質バイオマス・ガス化発電関連機材を推進する。戦略Eの新規投資案件では新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化ではグローバル化に対応すべく、約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。

■株価は自律調整一巡して上値試す

 株価の動きを見ると、3月29日の年初来高値1520円から地合い悪化も影響して一旦反落したが、大きく下押すことなく4月8日の直近安値1341円から切り返している。15日には1455円まで上伸した。自律調整が一巡したようだ。

 4月18日の終値1407円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS181円77銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間46円で算出)は3.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1314円11銭で算出)は1.1倍近辺である。時価総額は約204億円である。

 週足チャートで見ると上向きに転じた13週移動平均線がサポートラインの形となり、一旦割り込んだ26週移動平均線回復の動きを強めている。1桁台の予想PERや3%台の予想配当利回りと指標面の割安感も強い。自律調整が一巡して上値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月29日更新]

三洋貿易は下値固め完了して強基調に転換、16年9月期増収増益予想で増額余地

 三洋貿易<3176>(東1)は、自動車関連向けのゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社で、業容拡大に向けてM&A戦略も加速している。16年9月期は増収増益予想で増額余地がありそうだ。株価は下値固めが完了して強基調に転換したようだ。1桁台の予想PERや3%近辺の予想配当利回りと指標面の割安感も強い。15年8月の高値圏を目指す展開だろう。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。

 メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。業界別売上構成(単体ベース)で見ると、自動車向けが過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。

 主力の自動車関連向けは、各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様の市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■重点領域への経営資源集中とM&Aも活用した業容拡大戦略を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でのM&Aも活用して業容拡大を図る戦略を推進している。15年3月にはエレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡した。

 15年9月には連結子会社のケムインターが、工業用洗剤輸入販売を手掛けるコムスタージャパンの全株式を取得して子会社化(当社の孫会社化)した。工業用洗剤市場に参入して当社既存事業とのシナジー効果を目指す方針だ。

 16年1月には科学機器事業部において、仏FORMULACTION社製品の総代理店販売を開始した。液中分散安定性の評価を行うタービスキャンシリーズ、マイクロレオロジー評価装置、塗膜乾燥工程評価装置などを取り扱う。

 16年2月にはソート(東京都)の全株式を取得して子会社化した。同社は紫外線吸収剤、光重合開始剤、ウレタン硬化剤など工業化学薬品の輸入を手掛けている。当社既存のインキ・塗料・コーティング業における販売拡大と相乗効果が期待される。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月にはアジア展開強化策の一環として、シンガポールの工業用フィルム販社であるBPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)した。また15年10月には、タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立した。

■15年9月期2桁増益

 15年9月期の連結業績は14年9月期比3.5%増収、同13.5%営業増益、同16.9%経常増益、同40.9%最終増益で、6期連続の最高益更新だった。米国でゴム関連製品や自動車用部品、タイで自動車用部品が好調に推移した。売上総利益率は15.6%で同0.8ポイント上昇、販管費比率は9.6%で同0.3ポイント上昇した。

 営業外収益では受取配当金、為替差益、匿名組合投資利益が増加し、純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少も寄与した。ROEは15.9%で同3.2ポイント上昇、自己資本比率は62.1%で同7.4ポイント上昇、D/Eレシオは0.06倍で同0.02ポイント低下した。また配当は年間49円(第2四半期末24円、期末25円)で5期連続増配だった。配当性向は25.1%だった。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 15年9月期の四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(10〜12月)153億86百万円、第2四半期(1〜3月)156億16百万円、第3四半期(4〜6月)156億82百万円、第4四半期(7〜9月)139億88百万円で、営業利益は第1四半期9億82百万円、第2四半期10億54百万円、第3四半期10億68百万円、第4四半期5億02百万円、経常利益は第1四半期11億48百万円、第2四半期10億47百万円、第3四半期12億09百万円、第4四半期7億06百万円だった。

 3月期決算企業の年度末にあたる第2四半期(1月〜3月)の構成比が高い収益構造である。

■16年9月期第1四半期は大幅増益

 今期(16年9月期)第1四半期(10月〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比6.5%増の163億87百万円、営業利益が同33.4%増の13億11百万円、経常利益が同21.1%増の13億90百万円、純利益が同36.6%増の8億57百万円だった。自動車用内装部品、シート用高機能性部品、各種分析・試験機器、地熱発電、バイオマス発電関連などが好調だった。

 セグメント別(連結調整前)動向を見ると、化成品は売上高が同3.9%減の58億31百万円、営業利益が同10.8%減の2億90百万円だった。ゴム関連製品で主力の自動車・家電・情報機器向け合成ゴムおよび副資材が低調だった。機械資材は売上高が同17.5%増の52億48百万円、営業利益が同34.8%増の6億75百万円だった。自動車内装用部品が好調で、シート用高機能性部品・原材料も伸長した。科学機器関連では各種分析・試験機器、機械・環境関連では飼料用ペレットミルやバイオマス用ペレットミルが好調だった。

 海外現地法人は売上高が同2.3%増の32億73百万円、営業利益が同13.4%減の89百万円だった。上海は自動車用各種部品が好調だったが、米国は吸水性樹脂や高機能性フィルムが低調だった。タイはゴム関連の売上が堅調だったが利益が低調だった。国内子会社は売上高が同22.9%増の19億73百万円で、営業利益が同2.3倍の3億26百万円だった。ケムインターの化学品、機械・電子部品は低調だったが、コスモス商事の海洋・船舶関連大型案件や地熱発電関連が牽引した。

 なお売上総利益率は16.8%で同1.1ポイント上昇、販管費比率は8.8%で同0.5ポイント低下した。営業外収益では為替差益が減少(前期は億37百万円計上、今期54百万円計上)した。特別損失では前期計上の減損損失25百万円が一巡した。

■16年9月期は営業・経常増益予想で増額余地

 今期(16年9月期)通期の連結業績予想(11月6日公表)は、売上高が前期比5.5%増の640億円、営業利益が同12.3%増の40億50百万円、経常利益が同3.4%増の42億50百万円、純利益が同7.0%減の26億円としている。

 純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果が一巡して減益予想だが、自動車用部品など高付加価値の主力商材が国内外で好調に推移して増収、営業増益、経常増益予想である。売上総利益率は同1.0ポイント上昇の10.1%、販管費比率は同1.2ポイント上昇の7.8%を計画している。

 配当予想は同3円減配の年間46円(第2四半期末23円、期末23円)で予想配当性向は25.3%となる。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 セグメント別(連結調整前)売上高の計画は、化成品が化学品の回復で同6.8%増の252億円、機械資材が同2.8%減の172億円、海外現地法人がゴム関連製品や自動車用部品の好調で同21.4%増の150億円、国内子会社がケムインターの化学品の減速で同7.2%減の63億円、その他が同29.9%増の3億円としている。

 なお通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が25.6%、営業利益が32.4%、経常利益が32.7%、純利益が33.0%と高水準である。期初時点では保守的な計画を公表する傾向が強いため、通期会社予想には増額余地があるだろう。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 15年11月に16年9月期〜17年9月期の2年間を対象とする中期経営計画を発表した。目標数値には17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げた。

 重点戦略は(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成とした。

 そして15年10月1日から20年9月30日までの5年間を対象期間とする長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値として20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げた。

 基本方針は(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略に、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げた。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは、20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、地熱・海底資源開発関連機材、医薬中間体・原体、特殊フィルムの海外展開、木質バイオマス・ガス化発電関連機材を推進する。戦略Eの新規投資案件では新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化ではグローバル化に対応すべく、約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。

■株価は下値固め完了して強基調に転換

 株価の動きを見ると、地合い悪化が影響した1月〜2月の安値圏1200円近辺で下値固めが完了し、切り返しの動きを強めている。3月28日には1509円まで上伸した。

 3月28日の終値1509円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS181円77銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間46円で算出)は3.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1314円11銭で算出)は1.1倍近辺である。時価総額は約219億円である。

 日足チャートで見ると上向きに転じた25日移動平均線がサポートラインの形となった。また週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線を突破した。強基調に転換したようだ。1桁台の予想PERや3%近辺の予想配当利回りと指標面の割安感も強い。15年8月の昨年来高値1845円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月01日更新]

三洋貿易の16年9月期第1四半期は大幅増益、業容拡大に向けてM&A戦略も加速

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車関連向けのゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。業容拡大に向けてM&A戦略も加速している。2月16日には工業化学薬品の輸入を手掛けるソートの全株式取得を発表した。16年9月期第1四半期は大幅増益で、通期業績予想に増額余地がありそうだ。株価は安値圏モミ合いだが1月の昨年来安値を割り込まず調整一巡感を強めている。1桁台の予想PERや3%台の予想配当利回りと指標面の割安感も強い。出直り展開だろう。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。

 メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。業界別売上構成(単体ベース)で見ると、自動車向けが過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。

 主力の自動車関連向けは、各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様の市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■重点領域への経営資源集中とM&Aも活用した業容拡大戦略を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でのM&Aも活用して業容拡大を図る戦略を推進している。15年3月にはエレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡した。

 15年9月には連結子会社のケムインターが、工業用洗剤輸入販売を手掛けるコムスタージャパンの全株式を取得して子会社化(当社の孫会社化)した。工業用洗剤市場に参入して当社既存事業とのシナジー効果を目指す方針だ。

 16年1月には科学機器事業部において、仏FORMULACTION社製品の総代理店販売を開始した。液中分散安定性の評価を行うタービスキャンシリーズ、マイクロレオロジー評価装置、塗膜乾燥工程評価装置などを取り扱う。

 2月16日にはソート(東京都)の全株式を取得(2月29日予定)して子会社化すると発表した。同社は紫外線吸収剤、光重合開始剤、ウレタン硬化剤など工業化学薬品の輸入を手掛けている。当社既存のインキ・塗料・コーティング業における販売拡大と相乗効果が期待される。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月にはアジア展開強化策の一環として、シンガポールの工業用フィルム販社であるBPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)した。また15年10月には、タイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立した。

■15年9月期2桁増益

 15年9月期の連結業績は14年9月期比3.5%増収、同13.5%営業増益、同16.9%経常増益、同40.9%最終増益で、6期連続の最高益更新だった。米国でゴム関連製品や自動車用部品、タイで自動車用部品が好調に推移した。

 なお売上総利益率は15.6%で14年9月期比0.8ポイント上昇、販管費比率は9.6%で同0.3ポイント上昇した。営業外収益では受取配当金、為替差益、匿名組合投資利益が増加し、純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少も寄与した。ROEは15.9%で同3.2ポイント上昇、自己資本比率は62.1%で同7.4ポイント上昇、D/Eレシオは0.06倍で同0.02ポイント低下した。配当は年間49円(第2四半期末24円、期末25円)で5期連続増配、配当性向は25.1%だった。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(10月〜12月)153億86百万円、第2四半期(1月〜3月)156億16百万円、第3四半期(4月〜6月)156億82百万円、第4四半期(7月〜9月)139億88百万円、営業利益は第1四半期9億82百万円、第2四半期10億54百万円、第3四半期10億68百万円、第4四半期5億02百万円だった。

 3月期決算企業の年度末にあたる第2四半期(1月〜3月)の構成比が高い収益構造である。15年9月期は第4四半期にやや減速した形だ。

■16年9月期第1四半期は大幅増益

 2月5日発表した今期(16年9月期)第1四半期(10月〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比6.5%増の163億87百万円、営業利益が同33.4%増の13億11百万円、経常利益が同21.1%増の13億90百万円、純利益が同36.6%増の8億57百万円だった。自動車用内装部品、シート用高機能性部品、各種分析・試験機器、地熱発電、バイオマス発電関連などが好調だった。

 セグメント別(連結調整前)動向を見ると、化成品は売上高が同3.9%減の58億31百万円、営業利益が同10.8%減の2億90百万円だった。ゴム関連製品で主力の自動車・家電・情報機器向け合成ゴムおよび副資材が低調だった。機械資材は売上高が同17.5%増の52億48百万円、営業利益が同34.8%増の6億75百万円だった。自動車内装用部品が好調で、シート用高機能性部品・原材料も伸長した。科学機器関連では各種分析・試験機器、機械・環境関連では飼料用ペレットミルやバイオマス用ペレットミルが好調だった。

 海外現地法人は売上高が同2.3%増の32億73百万円、営業利益が同13.4%減の89百万円だった。上海は自動車用各種部品が好調だったが、米国は吸水性樹脂や高機能性フィルムが低調だった。タイはゴム関連の売上が堅調だったが利益が低調だった。国内子会社は売上高が同22.9%増の19億73百万円で、営業利益が同2.3倍の3億26百万円だった。ケムインターの化学品、機械・電子部品は低調だったが、コスモス商事の海洋・船舶関連大型案件や地熱発電関連が牽引した。

 なお売上総利益率は16.8%で同1.1ポイント上昇、販管費比率は8.8%で同0.5ポイント低下した。営業外収益では為替差益が減少(前期は1億37百万円計上、今期は54百万円計上)した。特別損失では前期計上の減損損失25百万円が一巡した。

■16年9月期は営業・経常増益予想で増額余地

 今期(16年9月期)通期の連結業績予想は前回予想(11月6日公表)を据え置いて、売上高が前期比5.5%増の640億円、営業利益が同12.3%増の40億50百万円、経常利益が同3.4%増の42億50百万円、純利益が同7.0%減の26億円としている。

 純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果が一巡して減益予想だが、自動車用部品など高付加価値の主力商材が国内外で好調に推移して増収、営業増益、経常増益予想である。売上総利益率は同1.0ポイント上昇の10.1%、販管費比率は同1.2ポイント上昇の7.8%を計画している。

 配当予想は同3円減配の年間46円(第2四半期末23円、期末23円)で予想配当性向は25.3%となる。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 セグメント別(連結調整前)売上高の計画は、化成品が化学品の回復で同6.8%増の252億円、機械資材が同2.8%減の172億円、海外現地法人がゴム関連製品や自動車用部品の好調で同21.4%増の150億円、国内子会社がケムインターの化学品の減速で同7.2%減の63億円、その他が同29.9%増の3億円としている。

 なお通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が25.6%、営業利益が32.4%、経常利益が32.7%、純利益が33.0%と高水準である。期初時点では保守的な計画を公表する傾向が強いため、通期会社予想には増額余地があるだろう。

■長期ビジョンで20年9月期までにROE15%以上目指す

 15年11月に16年9月期〜17年9月期の2年間を対象とする中期経営計画を発表した。目標数値には17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げた。

 重点戦略は(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業は地熱・海洋資源開発機材など資源エネルギー分野、木質バイオマス機材など環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどライフサイエンス分野へ展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成とした。

 そして15年10月1日から20年9月30日までの5年間を対象期間とする長期ビジョン「VISION2020」では、目標数値として20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げた。

 基本方針は(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略に、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げた。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは、20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、地熱・海底資源開発関連機材、医薬中間体・原体、特殊フィルムの海外展開、木質バイオマス・ガス化発電関連機材を推進する。戦略Eの新規投資案件では新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化ではグローバル化に対応すべく、約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。

■株価は調整一巡して出直り

 株価の動きを見ると、地合い悪化が影響して安値圏でモミ合う展開だが、1月21日の昨年来安値1171円を割り込むことなく調整一巡感を強めている。

 2月26日の終値1266円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS181円77銭で算出)は7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間46円で算出)は3.6%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1314円11銭で算出)は1.0倍近辺である。なお時価総額は約184億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線突破の動きを強めている。また週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、1月の昨年来安値を割り込まず1200円近辺で下値を固める動きだ。1桁台の予想PERや3%台の予想配当利回りと指標面の割安感も強い。出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月25日更新]

三洋貿易は16年9月期は営業・経常増益予想で増額余地、指標面に割安感

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車関連向けのゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。16年9月期は営業・経常増益予想で増額余地がありそうだ。1桁台の予想PERや3%台の予想配当利回りと指標面の割安感も強い。株価は8月の直近安値に接近して調整の最終局面と考えられる。反発のタイミングだろう。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。

 メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。業界別売上構成(単体ベース)で見ると、自動車向けが過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。

 主力の自動車関連向けは、各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様の市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■重点領域への経営資源集中とM&Aも活用した業容拡大戦略を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でのM&Aも活用して業容拡大を図る戦略を推進している。15年3月にはエレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡した。

 15年9月には連結子会社のケムインターが、工業用洗剤輸入販売を手掛けるコムスタージャパンの全株式を取得して子会社化(当社の孫会社化)した。工業用洗剤市場に参入して当社既存事業とのシナジー効果を目指す方針だ。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月にはアジア展開強化策の一環で、シンガポールの工業用フィルム販社であるBPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)した。15年10月にはタイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立した。

■15年9月期2桁増益

 15年9月期の連結業績は、売上高が14年9月期比3.5%増の606億72百万円で、営業利益が同13.5%増の36億06百万円、経常利益が同16.9%増の41億10百万円、純利益が同40.9%増の27億94百万円だった。6期連続の最高益更新だった。

 国内はほぼ横ばい、中国は自動車用部品が低調だったが、米国でゴム関連製品や自動車用部品、タイで自動車用部品が好調に推移して増収増益だった。売上総利益率は15.6%で同0.8ポイント上昇、販管費比率は9.6%で同0.3ポイント上昇した。営業外収益では受取配当金、為替差益、匿名組合投資利益が増加した。純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少も寄与した。

 ROEは15.9%で同3.2ポイント上昇、自己資本比率は62.1%で同7.4ポイント上昇、D/Eレシオは0.06倍で同0.02ポイント低下した。配当は同15円増配の年間49円(第2四半期末24円、期末25円)である。配当性向は25.1%で5期連続増配となる。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(10月〜12月)153億86百万円、第2四半期(1月〜3月)156億16百万円、第3四半期(4月〜6月)156億82百万円、第4四半期(7月〜9月)139億88百万円、営業利益は第1四半期9億82百万円、第2四半期10億54百万円、第3四半期10億68百万円、第4四半期5億02百万円だった。

 3月期決算企業の年度末にあたる第2四半期(1月〜3月)の構成比が高い収益構造である。15年9月期は第4四半期にやや減速した形だ。

■16年9月期は営業・経常増益予想で増額余地

 今期(16年9月期)の連結業績予想(11月6日公表)は、売上高が前期比5.5%増の640億円、営業利益が同12.3%増の40億50百万円、経常利益が同3.4%増の42億50百万円、純利益が同7.0%減の26億円としている。

 純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果が一巡して減益予想だが、自動車用部品など高付加価値の主力商材が国内外で好調に推移して増収、営業増益、経常増益予想だ。売上総利益率は同1.0ポイント上昇の10.1%、販管費比率は同1.2ポイント上昇の7.8%を計画している。

 配当予想は同3円減配の年間46円(第2四半期末23円、期末23円)で予想配当性向は25.3%となる。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 セグメント別(連結調整前)売上高の計画は、ゴム・化学品が化学品の回復で同6.8%増の252億円、機械資材が同2.8%減の172億円、海外現地法人がゴム関連製品や自動車用部品の好調で同21.4%増の150億円、国内子会社がケムインターの化学品の減速で同7.2%減の63億円、その他が同29.9%増の3億円としている。

 期初時点では保守的な計画を公表する傾向が強く、会社予想には増額余地があるだろう。

■中期経営計画および長期ビジョンを発表

 11月6日に16年9月期〜17年9月期の2年間を対象とする中期経営計画を発表した。目標数値には17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げた。

 重点戦略は(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業として地熱・海洋資源開発機材などの資源エネルギー分野、木質バイオマス機材などの環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどのライフサイエンス分野への展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成とした。

 そして11月26日には15年10月1日から20年9月30日までの5年間を対象期間とする長期ビジョン「VISION2020」を発表した。目標数値には20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げた。

 基本方針は(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略に、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げた。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは、20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、地熱・海底資源開発関連機材、医薬中間体・原体、特殊フィルムの海外展開、木質バイオマス・ガス化発電関連機材を推進する。戦略Eの新規投資案件では、新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化ではグローバル化に対応すべく、約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。

■株価は調整の最終局面

 株価の動きを見ると、全般地合い悪化も影響して水準を切り下げた。ただし足元は1400円近辺で下げ渋る動きだ。急落した8月の直近安値1350円に接近して調整の最終局面と考えられる。

 12月24日の終値1392円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS181円77銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間46円で算出)は3.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1314円11銭で算出)は1.1倍近辺である。時価総額は約202億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形となって52週移動平均線を割り込んだが、1400円近辺が下値支持線のようだ。16年9月期営業・経常増益予想で増額余地があり、1桁台の予想PERや3%台の予想配当利回りと指標面の割安感も強い。反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月30日更新]

三洋貿易の16年9月期は営業・経常増益予想で増額余地、指標面の割安感強い

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車関連向けのゴム・化学関連商品やシート部品を主力とする専門商社である。株価は16年9月期最終減益・減配予想を嫌気する形で調整局面だが、16年9月期は営業・経常増益予想で増額余地があり、1桁台の予想PERや3%台の予想配当利回りと指標面の割安感も強い。出直り展開だろう。

■自動車向けゴム・化学関連製品やシート部品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。

 メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。業界別売上構成(単体ベース)で見ると、自動車向けが過半を占め、OA・家電、塗料・インキ、その他化学などが続いている。

 主力の自動車関連向けは、各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様の市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■重点領域への経営資源集中とM&Aも活用した業容拡大戦略を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でのM&Aも活用して業容拡大を図る戦略を推進している。15年3月にはエレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡した。

 そして15年9月には連結子会社のケムインターが、工業用洗剤輸入販売を手掛けるコムスタージャパンの全株式を取得して子会社化(当社の孫会社化)した。工業用洗剤市場に参入して当社既存事業とのシナジー効果を目指す方針だ。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。15年7月にはアジア展開強化策の一環で、シンガポールの工業用フィルム販社であるBPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)した。15年10月にはタイに子会社Sanyo Trading(Thailand)を設立した。

■15年9月期2桁増益

 11月6日に発表した前期(15年9月期)の連結業績は、売上高が前々期比3.5%増の606億72百万円、営業利益が同13.5%増の36億06百万円、経常利益が同16.9%増の41億10百万円、純利益が同40.9%増の27億94百万円だった。6期連続の最高益更新だった。なお売上高と営業利益は計画値(4月27日に利益を増額修正)をやや下回ったが、経常利益と純利益は計画値を上回った。

 国内はほぼ横ばい、中国は自動車用部品が低調だったが、米国でゴム関連製品や自動車用部品、タイで自動車用部品が好調に推移して増収増益だった。売上総利益率は15.6%で同0.8ポイント上昇、販管費比率は9.6%で同0.3ポイント上昇した。営業外収益では受取配当金、為替差益、匿名組合投資利益が増加した。純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少も寄与した。ROEは15.9%で同3.2ポイント上昇、自己資本比率は62.1%で同7.4ポイント上昇、D/Eレシオは0.06倍で同0.02ポイント低下した。

 配当予想については11月6日に、前回予想(4月27日に増額修正)の年間48円に対して期末1円増額修正して年間49円(第2四半期末24円、期末25円)とした。前々期比15円増配で5期連続の増配となる。配当性向は25.1%となる。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 セグメント別(連結調整前)動向を見ると、ゴム・化学品事業は売上高が同2.1%減の235億98百万円で、営業利益が同4.8%増の11億04百万円だった。ゴム関連製品は、前半は自動車・家電・情報機器向け合成ゴムの国内販売が好調だったが、後半は輸入商品の採算悪化などでやや減速した。化学品関連はフィルム・電材輸出などが好調だったが、特殊ワックス・香料などが低調だった。

 機械資材事業は売上高が同12.5%増の176億97百万円で、営業利益が同29.2%増の19億61百万円だった。産業資材では自動車用部品が好調で、内装用高機能性部品・原材料販売も伸長した。機械・資材関連は環境分野で大型木質バイオマス機器が寄与し、科学機器では各種分析機器や試験機が好調だった。

 海外現地法人は売上高が同2.0%減の123億53百万円で、営業利益が同40.5%増の5億02百万円だった。SCOA(米国)は高吸水性樹脂、高機能フィルム、ゴム関連商品が好調だった。三洋物産貿易(上海)はゴム関連製品や化学品が好調だったが、自動車用部品が低調だった。San−Thap International(タイ)はゴム関連商品や自動車用部品が好調だった。

 国内子会社は売上高が同14.1%増の67億88百万円で、営業利益が同28.7%増の6億36百万円だった。コスモス商事は海洋・船舶、石油・ガス、地熱、CO2地中貯留関連がけん引し、掘削機材も好調だった。ケムインターは化学品、液晶・半導体、機械・電子部品関連が好調だった。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(10月〜12月)153億86百万円、第2四半期(1月〜3月)156億16百万円、第3四半期(4月〜6月)156億82百万円、第4四半期(7月〜9月)139億88百万円、営業利益は第1四半期9億82百万円、第2四半期10億54百万円、第3四半期10億68百万円、第4四半期5億02百万円だった。第4四半期にやや減速した形だ。なお3月期決算企業の年度末にあたる第2四半期の構成比が高い収益構造である。

■16年9月期は最終減益予想だが営業・経常増益基調

 今期(16年9月期)の連結業績予想(11月6日公表)は、売上高が前期比5.5%増の640億円、営業利益が同12.3%増の40億50百万円、経常利益が同3.4%増の42億50百万円、純利益が同7.0%減の26億円としている。

 純利益はアロマン株式譲渡に伴う税負担減少効果が一巡して減益予想だが、自動車用部品など高付加価値の主力商材が国内外で好調に推移して増収、営業増益、経常増益予想だ。売上総利益率は同1.0ポイント上昇の10.1%、販管費比率は同1.2ポイント上昇の7.8%を計画している。

 配当予想は同3円減配の年間46円(第2四半期末23円、期末23円)で予想配当性向は25.3%となる。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 セグメント別(連結調整前)売上高の計画は、ゴム・化学品が化学品の回復で同6.8%増の252億円、機械資材が同2.8%減の172億円、海外現地法人がゴム関連製品や自動車用部品の好調で同21.4%増の150億円、国内子会社がケムインターの化学品の減速で同7.2%減の63億円、その他が同29.9%増の3億円としている。

 期初時点では保守的な計画を公表する傾向が強く、会社予想には増額余地があるだろう。

■中期経営計画および長期ビジョンを発表

 11月6日に16年9月期〜17年9月期の2年間を対象とする中期経営計画を発表した。目標数値には17年9月期売上高670億円、経常利益44億50百万円を掲げた。

 重点戦略は(1)コアビジネスの収益の強化と安定化、(2)新規事業として地熱・海洋資源開発機材などの資源エネルギー分野、木質バイオマス機材などの環境関連分野、医薬中間体・医療用原材料・バイオなどのライフサイエンス分野への展開、(3)グローバル展開(自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米に主軸)、(4)投資案件への積極的取り組み(既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&A含む投資案件)、(5)マンパワーの強化と人材育成とした。

 そして11月26日には15年10月1日から20年9月30日までの5年間を対象期間とする長期ビジョン「VISION2020」を発表した。目標数値には20年9月期までに経常利益50億円、ROE15%以上、自己資本比率50%以上を掲げた。

 基本方針は(1)盤石な財務基盤、(2)強みを通じた価値創造、(3)自由闊達な社風と機会創出の組織として、6つの戦略に、戦略A:既存ビジネスの深化、戦略B:ビジネスポートフォリオの明確化、戦略C:新規ビジネスのプロジェクト立ち上げ、戦略D:グローバル展開の加速、戦略E:新規投資案件の推進、戦略F:国内外の組織の強化を掲げた。

 戦略Cの新規プロジェクト立ち上げでは、20年までに具現化可能な新規ビジネスとして、地熱・海底資源開発関連機材、医薬中間体・原体、特殊フィルムの海外展開、木質バイオマス・ガス化発電関連機材を推進する。戦略Eの新規投資案件では、新規投資目標を5件以上として、会社方針に符合する案件にM&A・商権譲渡・資本参加・JV設立などの形で積極投資を行う。戦略Fの国内外の組織の強化ではグローバル化に対応すべく、約260人のグループ社員を20年には300人以上に増強する方針だ。

 なお10月13日に監査等委員会設置会社への移行を発表している。15年12月17日開催予定の第69期定時株主総会に付議する。

■株価は調整一巡して切り返しの動き

 株価の動きを見ると、8月の上場来高値1845円から反落後の調整局面が続いている。地合い悪化で急反落した8月の直近安値1350円から一旦反発したが、16年9月期最終減益・減配予想を嫌気する形で戻り高値圏1600円近辺から反落した。ただし8月安値を割り込むことなく、11月16日の直近安値1438円から切り返しの動きを強めている。

 11月27日の終値1490円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS181円77銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間46円で算出)は3.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1314円11銭で算出)は1.1倍近辺である。時価総額は約216億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形となったが、8月安値を割り込むことなく切り返す動きだ。調整が一巡した可能性があるだろう。16年9月期営業・経常増益予想で増額余地があり、1桁台の予想PERや3%台の予想配当利回りと指標面の割安感も強い。出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月02日更新]

三洋貿易は8月の直近安値から下値切り上げ、16年9月期も増収増益基調

 三洋貿易[3176](東1)は自動車関連向けのゴム・化学関連商品を主力とする専門商社である。株価は悪地合いの影響を受けた8月の直近安値から下値を切り上げる動きだ。15年9月期業績再増額の可能性、16年9月期増収増益基調、そして指標面の割安感に見直し余地が大きい。調整が一巡して8月の上場来高値圏を目指す展開だろう。

■自動車向けゴム・化学関連製品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 主力の自動車関連向けは、各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様の市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■重点領域への経営資源集中とM&Aも活用した業容拡大戦略を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でのM&Aも活用して業容拡大を図る戦略を推進している。15年3月にはエレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡した。

 そして15年9月には連結子会社のケムインターが、工業用洗剤輸入販売を手掛けるコムスタージャパンの全株式を取得して子会社化(当社の孫会社化)した。工業用洗剤市場に参入して当社既存事業とのシナジー効果を目指す方針だ。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。そして15年7月にはアジア展開強化策の一環で、シンガポールの工業用フィルム販社であるBPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)した。北米、中国に加えて、アセアン市場における当社既存事業とのシナジー効果が期待される。

■15年9月期再増額の可能性、16年9月期も増収増益基調

 前期(15年9月期)の連結業績予想(4月27日に利益を増額修正)は、売上高が前々期比5.8%増の620億円、営業利益が同16.4%増の37億円、経常利益が同10.9%増の39億円、純利益が同38.7%増の27億50百万円としている。

 配当予想(4月27日に増額修正)は同14円増配の年間48円(第2四半期末24円、期末24円)で、予想配当性向は25.0%となる。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 主力のゴム関連商品や自動車用各種部品が好調に推移し、環境関連機械の伸長も期待される。セグメント別売上高の計画はゴム・化学品事業が同4.5%増の252億円、機械資材事業が同7.4%増の169億円、海外現地法人が同8.3%増の136億50百万円、国内子会社が同1.7%増の60億50百万円、その他が同14.5%減の2億円としている。なお売上総利益率は同0.5ポイント上昇の15.3%の計画としている。

 第3四半期累計(10月〜6月)は売上高が前年同期比8.0%増の466億84百万円、営業利益が同24.9%増の31億04百万円、経常利益が同25.8%増の34億04百万円、純利益が同51.6%増の23億80百万円だった。

 主力の自動車用各種部品などが好調に推移して増収増益だった。売上総利益率は15.8%で同1.0ポイント上昇した。経常利益は営業外での為替差益の増加、純利益はアロマンの株式譲渡に伴う法人税負担額の減少も寄与した。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、ゴム・化学品事業は売上高が同2.3%減の177億89百万円だが、営業利益が同5.3%増の8億89百万円だった。主力の自動車向け合成ゴムが堅調だった。機械資材事業は売上高が同15.0%増の134億04百万円、営業利益が同36.4%増の16億09百万円だった。自動車用各種部品が好調だった。

 海外現地法人は売上高が同11.9%増の96億92百万円、営業利益が同52.5%増の3億97百万円だった。米国、上海、タイでゴム関連商品が好調だった。国内子会社は売上高が同24.9%増の56億28百万円、営業利益が同33.9%増の5億88百万円だった。コスモス商事の海洋・船舶関連が回復し、ケムインターの化学品や機械・電子部品も好調だった。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(10月〜12月)153億86百万円、第2四半期(1月〜3月)156億16百万円、第3四半期(4月〜6月)156億82百万円、営業利益は第1四半期9億82百万円、第2四半期10億54百万円、第3四半期10億68百万円だった。順調に推移している。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.3%、営業利益が83.9%、経常利益が87.3%、純利益が86.6%である。当社の第2四半期が3月期決算企業の期末にあたるため、設備投資関連の構成比が高まる傾向があることを考慮しても、進捗率は高水準である。

 自動車関連の合成ゴム商材や自動車シート用部品など、高付加価値の主力商材が国内外で好調に推移して、第3四半期累計の売上総利益率は計画を上回る水準で推移している。また円安による輸入コスト上昇に対応して、国内市場における輸入材料の価格見直しを進める一方で、円安を利用して化学品の輸出も強化している。

 前期(15年9月期)業績の会社予想は再増額の可能性があり、さらに今期(16年9月期)も増収増益基調だろう。

■中期成長に向けて新規ビジネスやM&A戦略も推進

 中期成長に向けた戦略として、新規ビジネスのグリーンイノベーション領域(地熱発電・海洋資源開発・CO2地中貯留、木質バイオマス加工・ガス化熱電併給装置、太陽電池部材などの環境・資源エネルギー関連分野)の強化、ライフイノベーション領域(医薬中間体・原体、食品・バイオ関連向け各種分析機器、医療関連原材料などの生活関連分野)の強化、ASEAN地域や北中米地域などグローバル展開の強化、そしてM&A・アライアンス戦略の推進を強化する方針だ。

 中期目標数値として掲げていた15年9月期の売上高610億円、営業利益30億円のうち、営業利益目標は14年9月期に前倒しで達成している。中期的にも収益は拡大基調だろう。なお15年秋に次期中期経営計画を発表予定としている。

■株価は8月の直近安値から下値切り上げ、調整一巡して8月高値圏目指す

 株価の動きを見ると、8月10日の上場来高値1845円から、悪地合いの影響で8月25日の直近安値1350円まで急反落したが、その後は下値を切り上げる動きだ。

 10月1日の終値1542円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想連結EPS192円26銭で算出)は8倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間48円で算出)は3.1%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS1148円88銭で算出)は1.3倍近辺である。なお時価総額は約224億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線がサポートラインの形となった。また日足チャートで見ると25日移動平均線突破の動きを強めている。15年9月期業績再増額の可能性、16年9月期増収増益基調、そして指標面の割安感に見直し余地が大きい。調整が一巡して8月の上場来高値圏を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月17日更新]

三洋貿易は15年9月期大幅増益予想、指標面の割安感にも評価余地大きい

 三洋貿易[3176](東1)は自動車関連向けのゴム・化学関連商品を主力とする専門商社である。株価は8月10日の上場来高値1845円から悪地合いの影響で1350円まで急反落する場面があったが、その後は切り返しの動きを強めている。15年9月期大幅増益予想、再増額の可能性、そして指標面の割安感に評価余地が大きく、悪地合いの売りが一巡して8月高値圏を目指す展開だろう。

■自動車向けゴム・化学関連製品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 主力の自動車関連向けは、各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様の市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

■重点領域への経営資源集中とM&Aも活用した業容拡大を推進

 グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進めるとともに、国内外でのM&Aも活用して業容拡大を図る方針を打ち出している。15年3月にはエレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡した。

 9月9日には連結子会社のケムインターが、工業用洗剤輸入ノウハウを有するコムスタージャパンの全株式を取得して子会社化(当社の孫会社化)すると発表した。工業用洗剤市場に参入して当社既存事業とのシナジー効果を目指す方針だ。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。

 そして15年7月にはアジア展開強化策の一環で、シンガポールの工業用フィルム販社であるBPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)した。北米、中国に加えて、アセアン市場における当社既存事業とのシナジー効果が期待される。

■15年9月期大幅増益予想、再増額の可能性

 今期(15年9月期)の連結業績予想(4月27日に利益を増額修正)は、売上高が前期比5.8%増の620億円、営業利益が同16.4%増の37億円、経常利益が同10.9%増の39億円、純利益が同38.7%増の27億50百万円としている。配当予想(4月27日に増額修正)は同14円増配の年間48円(第2四半期末24円、期末24円)で予想配当性向は25.0%となる。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 主力のゴム関連商品や自動車用各種部品が好調に推移し、環境関連機械の伸長も期待される。セグメント別売上高の計画はゴム・化学品事業が同4.5%増の252億円、機械資材事業が同7.4%増の169億円、海外現地法人が同8.3%増の136億50百万円、国内子会社が同1.7%増の60億50百万円、その他が同14.5%減の2億円としている。なお売上総利益率は同0.5ポイント上昇の15.3%の計画としている。

 第3四半期累計(10月〜6月)は売上高が前年同期比8.0%増の466億84百万円、営業利益が同24.9%増の31億04百万円、経常利益が同25.8%増の34億04百万円、純利益が同51.6%増の23億80百万円だった。

 主力の自動車用各種部品などが好調に推移して増収増益だった。売上総利益率は15.8%で同1.0ポイント上昇した。経常利益は営業外での為替差益の増加、純利益はアロマンの株式譲渡に伴う法人税負担額の減少も寄与した。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、ゴム・化学品事業は売上高が同2.3%減の177億89百万円だが、営業利益が同5.3%増の8億89百万円だった。主力の自動車向け合成ゴムが堅調だった。機械資材事業は売上高が同15.0%増の134億04百万円、営業利益が同36.4%増の16億09百万円だった。自動車用各種部品が好調だった。

 海外現地法人は売上高が同11.9%増の96億92百万円、営業利益が同52.5%増の3億97百万円だった。米国、上海、タイでゴム関連商品が好調だった。国内子会社は売上高が同24.9%増の56億28百万円、営業利益が同33.9%増の5億88百万円だった。コスモス商事の海洋・船舶関連が回復し、ケムインターの化学品や機械・電子部品も好調だった。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(10月〜12月)153億86百万円、第2四半期(1月〜3月)156億16百万円、第3四半期(4月〜6月)156億82百万円、営業利益は第1四半期9億82百万円、第2四半期10億54百万円、第3四半期10億68百万円だった。順調に推移している。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.3%、営業利益が83.9%、経常利益が87.3%、純利益が86.6%である。当社の第2四半期が3月期決算企業の期末にあたるため、設備投資関連の構成比が高まる傾向があることを考慮しても、利益の進捗率は高水準だ。

 自動車関連の合成ゴム商材や自動車シート用部品など、高付加価値の主力商材が国内外で好調に推移して、第3四半期累計の売上総利益率は計画を上回る水準で推移している。また、円安による輸入コスト上昇に対応した国内市場における輸入材料の価格見直しを進める一方で、円安を利用して化学品の輸出も強化している。通期業績の会社予想は再増額の可能性があるだろう。

■中期成長に向けて新規ビジネスやM&A戦略も推進

 中期成長に向けた戦略として、新規ビジネスのグリーンイノベーション領域(地熱発電・海洋資源開発・CO2地中貯留、木質バイオマス加工・ガス化熱電併給装置、太陽電池部材などの環境・資源エネルギー関連分野)の強化、ライフイノベーション領域(医薬中間体・原体、食品・バイオ関連向け各種分析機器、医療関連原材料などの生活関連分野)の強化、ASEAN地域や北中米地域などグローバル展開の強化、そしてM&A・アライアンス戦略の推進を強化する方針だ。

 中期目標数値として掲げていた15年9月期の売上高610億円、営業利益30億円のうち、営業利益目標は14年9月期に前倒しで達成している。中期的にも収益は拡大基調だろう。なお15年秋に次期中期経営計画を発表予定としている。

■株価は悪地合いの売り一巡、8月高値圏目指す

 株価の動きを見ると、第3四半期累計の大幅増益を好感した8月10日の上場来高値1845円から、悪地合いの影響で8月25日に1350円まで急反落する場面があったが、その後は切り返しの動きを強めている。悪地合いによる売りは一巡したようだ。

 9月16日の終値1583円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS192円26銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間48円で算出)は3.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1148円88銭で算出)は1.4倍近辺である。なお時価総額は約230億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線近辺から切り返しの動きを強めている。サポートラインを確認した形だ。15年9月期大幅増益予想、再増額の可能性、そして指標面の割安感に評価余地が大きく、悪地合いの売りが一巡して8月高値圏を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[8月10日更新]

三洋貿易の第3四半期累計は大幅増益、指標面の割安感強く6月高値試す

 三洋貿易[3176](東1)は自動車関連向けのゴム・化学関連商品を主力とする専門商社である。6日に発表した第3四半期累計(10月〜6月)業績は大幅増益だった。これを好感して株価は6月の上場来高値1830円に接近している。1桁台の予想PER、2%台後半の予想配当利回りなど指標面には依然として割安感が強く、15年9月期連結業績再増額の可能性も評価して6月高値を試す展開だろう。

■自動車向けゴム・化学関連製品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。

 主力の自動車関連向けは、各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様の市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

 なお15年3月には、エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡した。グループとして重点志向する事業領域へ経営資源集中を進める方針だ。

 海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開し、15年7月にはアジア展開強化策の一環として、シンガポールの工業用フィルム販社であるBPS社を子会社化(シンガポール三洋貿易に社名変更)した。北米、中国に加えて、アセアン市場における当社既存事業との相乗効果が期待される。

■15年9月期第3四半期累計は大幅増益、通期は再増額の可能性

 8月6日に発表した今期(15年9月期)第3四半期累計(14年10月〜15年6月)連結業績は、売上高が前年同期比8.0%増の466億84百万円、営業利益が同24.9%増の31億04百万円、経常利益が同25.8%増の34億04百万円、純利益が同51.6%増の23億80百万円だった。

 ゴム・化学品事業における化学品関連商品が第3四半期(4月〜6月)にやや減速したが、機械資材事業における自動車用各種部品が好調に推移して増収増益だった。売上総利益率は15.8%で同1.0ポイント上昇した。経常利益は営業外での為替差益の増加、純利益はアロマンの株式譲渡に伴う法人税負担額の減少も寄与した。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、ゴム・化学品事業は売上高が同2.3%減の177億89百万円、営業利益が同5.3%増の8億89百万円だった。円安も影響して化学関連商品で各種ワックスなどの輸入商材が低調だったが、ゴム関連製品で主力の自動車向け合成ゴムなどが堅調に推移した。

 機械資材事業は売上高が同15.0%増の134億04百万円、営業利益が同36.4%増の16億09百万円だった。産業資材関連商品で自動車用各種部品が好調に推移し、科学機器関連商品で各種分析・試験機器も堅調だった。機械・資材関連商品では大型木質バイオマス関連機器を納入した。

 海外現地法人は売上高が同11.9%増の96億92百万円、営業利益が同52.5%増の3億97百万円だった。米国、上海、タイで、ゴム関連商品が概ね好調に推移した。国内子会社は売上高が同24.9%増の56億28百万円、営業利益が同33.9%増の5億88百万円だった。コスモス商事において海洋・船舶関連事業が回復し、ケムインターの化学品や機械・電子部品も好調だった。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(10月〜12月)153億86百万円、第2四半期(1月〜3月)156億16百万円、第3四半期(4月〜6月)156億82百万円、営業利益は第1四半期9億82百万円、第2四半期10億54百万円、第3四半期10億68百万円だった。順調に推移しているようだ。

 通期の連結業績予想は前回予想(4月27日に利益を増額修正)を据え置いて売上高が前期比5.8%増の620億円、営業利益が同16.4%増の37億円、経常利益が同10.9%増の39億円、純利益が同38.7%増の27億50百万円としている。

 配当予想(4月27日に増額修正)は同14円増配の年間48円(第2四半期末24円、期末24円)で予想配当性向は25.0%となる。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 主力のゴム関連商品や自動車用各種部品が好調に推移し、環境関連機械の伸長も期待される。セグメント別売上高の計画はゴム・化学品事業が同4.5%増の252億円、機械資材事業が同7.4%増の169億円、海外現地法人が同8.3%増の136億50百万円、国内子会社が同1.7%増の60億50百万円、その他が同14.5%減の2億円としている。なお売上総利益率は同0.5ポイント上昇の15.3%の計画としている。

 通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.3%、営業利益が83.9%、経常利益が87.3%、純利益が86.6%である。当社の第2四半期が3月期決算企業の期末にあたるため、設備投資関連の構成比が高まる傾向があることを考慮しても、利益の進捗率は高水準だ。

 自動車関連の合成ゴム商材や自動車シート用部品など、高付加価値の主力商材が国内外で好調に推移して、第3四半期累計の売上総利益率は計画を上回る水準で推移している。また、円安による輸入コスト上昇に対応した国内市場における輸入材料の価格見直しを進める一方で、円安を利用して化学品の輸出も強化している。通期業績の会社予想は再増額の可能性があるだろう。

■中期成長に向けて新規ビジネスやM&A戦略も推進

 中期成長に向けた戦略として、新規ビジネスのグリーンイノベーション領域(地熱発電・海洋資源開発・CO2地中貯留、木質バイオマス加工・ガス化熱電併給装置、太陽電池部材などの環境・資源エネルギー関連分野)の強化、ライフイノベーション領域(医薬中間体・原体、食品・バイオ関連向け各種分析機器、医療関連原材料などの生活関連分野)の強化、ASEAN地域や北中米地域などグローバル展開の強化、そしてM&A・アライアンス戦略の推進を強化する方針だ。

 中期目標数値として掲げていた15年9月期の売上高610億円、営業利益30億円のうち、営業利益目標は14年9月期に前倒しで達成している。中期的にも収益は拡大基調だろう。なお15年秋に次期中期経営計画を発表予定としている。

■株価は第3四半期累計の大幅増益を評価して6月高値に接近

 株価の動きを見ると、6月19日の上場来高値1830円後の上げ一服局面だったが、8月7日は1795円まで上伸して6月高値に接近してきた。短期調整が一巡して、6日発表の第3四半期累計の大幅増益を評価する動きだ。

 8月7日の終値1775円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS192円26銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間48円で算出)は2.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1148円88銭で算出)は1.5倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を回復して上伸した。また週足チャートで見ると13週移動平均線を明確に回復した。強基調に回帰した形だ。1桁台の予想PER、2%台後半の予想配当利回りなど指標面には依然として割安感が強い。15年9月期連結業績再増額の可能性も評価して6月高値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月22日更新]

三洋貿易は指標面の割安感や15年9月期業績再増額の可能性を評価、6月高値試す

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車関連向けのゴム・化学関連商品を主力とする専門商社である。株価は6月高値後の上げ一服局面だが、1桁台の予想PER、2%台後半の予想配当利回りなど指標面には依然として割安感があり、15年9月期連結業績再増額の可能性も評価して6月高値を試す展開だろう。

■自動車向けゴム・化学関連製品が主力の専門商社

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。

 主力の自動車関連向けは、各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様の市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

 なお15年3月には、エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡した。グループとして重点志向する事業領域へ経営資源集中を進める方針だ。

 またアジア展開強化策の一環として、6月17日にシンガポールの工業用フィルム販社であるBPS社の株式85%を取得して子会社化(7月1日付でシンガポール三洋貿易に社名変更)した。北米、中国に加えて、アセアン市場における当社既存事業との相乗効果が期待される。

■15年9月期連結業績予想は再増額の可能性

 今期(15年9月期)の連結業績予想(4月27日に利益を増額修正)は、売上高が前期比5.8%増の620億円、営業利益が同16.4%増の37億円、経常利益が同10.9%増の39億円、純利益が同38.7%増の27億50百万円としている。

 配当予想(4月27日に増額修正)は同14円増配の年間48円(第2四半期末24円、期末24円)で予想配当性向は25.0%となる。配当の基本方針は連結配当性向25%を下限の目途としている。

 ゴム関連や自動車用部品が引き続き好調に推移し、環境関連機械の伸長も期待される。セグメント別売上高の計画はゴム・化学品が同4.5%増の252億円、機械資材が同7.4%増の169億円、海外現地法人が同8.3%増の136億50百万円、国内子会社が同1.7%増の60億50百万円、その他が同14.5%減の2億円である。なお売上総利益率は同0.5ポイント上昇の15.3%の計画としている。

 自動車関連の合成ゴム商材や自動車シート用部品など、高付加価値の主力商材が国内外で好調に推移している。円安による輸入コスト上昇に対応した国内市場における輸入材料の価格見直しを進める一方で、円安を利用して化学品の輸出を促進する。

 第2四半期累計(10月〜3月)は前年同期比3.4%増収、15.6%営業増益、13.9%経常増益、36.6%最終増益だった。ゴム関連商材や自動車用部品が好調に推移して期初計画を上回る増益となった。売上総利益率は15.8%で同1.1ポイント上昇した。純利益についてはアロマンの株式譲渡に伴う法人税負担額の減少も寄与した。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(10月〜12月)153億86百万円、第2四半期(1月〜3月)156億16百万円、営業利益は第1四半期9億82百万円、第2四半期10億54百万円だった。

 また通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.0%、営業利益が55.0%、経常利益が56.3%、純利益が55.1%と高水準である。当社の第2四半期は3月期決算企業の期末にあたるため、設備投資関連の売上構成比が高まる傾向もあるが、通期業績の会社予想は再増額の可能性があるだろう。

■中期成長に向けて新規ビジネスやM&A戦略も推進

 中期成長に向けた戦略として、新規ビジネスのグリーンイノベーション領域(地熱発電・海洋資源開発・CO2地中貯留、木質バイオマス加工・ガス化熱電併給装置、太陽電池部材などの環境・資源エネルギー関連分野)の強化、ライフイノベーション領域(医薬中間体・原体、食品・バイオ関連向け各種分析機器、医療関連原材料などの生活関連分野)の強化、ASEAN地域や北中米地域などグローバル展開の強化、そしてM&A・アライアンス戦略の推進を強化する方針だ。

 中期目標数値として掲げていた15年9月期の売上高610億円、営業利益30億円のうち、営業利益目標は14年9月期に前倒しで達成している。中期的にも収益は拡大基調だろう。なお15年秋に次期中期経営計画を発表予定としている。

■株価は自律調整一巡して6月高値試す

 株価の動きを見ると、6月19日の上場来高値1830円後の上げ一服局面だが、高値圏の1700円近辺で堅調に推移している。全般地合い悪化の影響を受けて7月9日に1480円まで下押す場面があったが、影響は一時的だった。好業績を評価する流れに変化はないだろう。

 7月21日の終値1708円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS192円26銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間48円で算出)は2.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1148円88銭で算出)は1.5倍近辺である。

 日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線を回復する動きだ。また週足チャートで見ると下ヒゲをつけて26週移動平均線近辺から切り返した。サポートラインを確認した形だろう。1桁台の予想PER、2%台後半の予想配当利回りなど指標面には依然として割安感があり、15年9月期連結業績再増額の可能性も評価して6月高値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月08日更新]

三洋貿易は高値更新の展開、依然として指標面に割安感
 三洋貿易<3176>(東1)は自動車関連向けのゴム・化学関連商品などを扱う専門商社である。株価は高値更新の展開だ。2%台後半の予想配当利回りなど指標面に依然として割安感があり、15年9月期業績2回目の増額修正の可能性も評価して上値追いの展開だろう。

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。

 主力の自動車関連向けは、各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を中心に展開している。シートヒーターはカーボンファイバー仕様の市場を独占し、ランバーサポートは世界市場6割を占有している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。なお15年3月エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの株式をタクミ商事に譲渡した。グループとして重点志向する事業領域へ経営資源集中を進める方針だ。

 5月11日発表の第2四半期累計(10月〜3月)連結業績(4月27日に利益を増額修正)は、売上高が前年同期比3.4%増の310億02百万円、営業利益が同15.6%増の20億36百万円、経常利益が同13.9%増の21億95百万円、純利益が同36.6%増の15億14百万円だった。

 ゴム関連商材や自動車用部品が好調に推移して期初計画を上回る増益となった。売上総利益率は15.8%で同1.1ポイント上昇した。純利益についてはアロマンの株式譲渡に伴う法人税負担額の減少も寄与した。

 セグメント別動向を見ると、ゴム・化学品は売上高が同1.2%減の121億72百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同13.1%増の6億37百万円だった。円安影響で輸入商材がやや低調だったが、自動車・家電・情報機器向け合成ゴム、輸出商材が好調だった。機械資材は売上高が同9.7%増の91億30百万円、営業利益が同25.8%増の10億77百万円だった。自動車用各種部品が好調に推移し、大型木質バイオマス関連機器も寄与した。

 海外現地法人は売上高が同5.8%増の63億25百万円で、営業利益が同50.3%増の2億59百万円だった。中国の自動車用各種部品が低調だったが、米国とタイのゴム関連が好調だった。国内子会社は売上高が同0.9%増の32億58百万円、営業利益が同15.6%減の2億83百万円だった。コスモス商事は掘削用機器、ケムインターは化学品が好調だった。なおアロマンの株式を15年3月に譲渡した。その他は売上高が同1.7%減の1億15百万円、営業利益が同2.5%減の77百万円だった。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(10月〜12月)153億86百万円、第2四半期(1月〜3月)156億16百万円、営業利益は第1四半期9億82百万円、第2四半期10億54百万円だった。なお当社の第2四半期は3月期決算企業の期末にあたるため、設備投資関連の売上構成比が高まる傾向がある。

 通期の連結業績予想(4月27日に利益を増額修正)については、売上高が前期比5.8%増の620億円、営業利益が同16.4%増の37億円、経常利益が同10.9%増の39億円、純利益が同38.7%増の27億50百万円、配当予想(4月27日に増額修正)は連結配当性向25%を下限の目途として、同14円増配の年間48円(第2四半期末24円、期末24円)としている。

 ゴム関連や自動車用部品が引き続き好調に推移し、環境関連機械の伸長も期待される。セグメント別売上高の計画はゴム・化学品が同4.5%増の252億円、機械資材が同7.4%増の169億円、海外現地法人が同8.3%増の136億50百万円、国内子会社が同1.7%増の60億50百万円、その他が同14.5%減の2億円である。なお売上総利益率は同0.5ポイント上昇の15.3%の計画としている。

 自動車関連の合成ゴム商材や自動車シート用部品など、高付加価値の主力商材が国内外で好調に推移している。円安による輸入コスト上昇に対応した国内市場における輸入材料の価格見直しを進める一方で、円安を利用して化学品の輸出を促進する方針だ。通期会社予想は再増額の可能性があるだろう。

 中期成長に向けた戦略として、新規ビジネスのグリーンイノベーション領域(地熱発電・海洋資源開発・CO2地中貯留、木質バイオマス加工・ガス化熱電併給装置、太陽電池部材などの環境・資源エネルギー関連分野)の強化、ライフイノベーション領域(医薬中間体・原体、食品・バイオ関連向け各種分析機器、医療関連原材料などの生活関連分野)の強化、ASEAN地域や北中米地域などグローバル展開の強化、そしてM&A・アライアンス戦略の推進を掲げている。

 中期目標数値として掲げていた15年9月期の売上高610億円、営業利益30億円のうち、営業利益目標は14年9月期に前倒しで達成している。中期的にも収益は拡大基調だろう。なお15年秋に次期中期経営計画を発表予定としている。

 株価の動きを見ると高値更新の展開だ。15年9月期の利益および配当予想の増額修正を好感して14年8月高値1579円を突破し、さらに5月28日と6月4日の1785円まで上伸した。

 6月5日の終値1765円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS192円26銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間48円で算出)は2.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1148円88銭で算出)は1.5倍近辺である。

 週足チャートで見ると短期モミ合いから上放れ、13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。2%台後半の予想配当利回りなど指標面には依然として割安感があり、15年9月期業績2回目の増額修正の可能性も評価して上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[5月08日更新]

三洋貿易は15年9月期利益・配当予想の増額を好感、依然として指標面に割安感

 三洋貿易[3176](東1)は自動車関連向けのゴム・化学関連商品などを扱う専門商社である。4月27日に15年9月期第2四半期累計および通期の利益予想の増額修正、そして配当予想の増額修正を発表した。株価は急伸して14年8月高値に接近している。指標面には依然として割安感が強く、好業績を評価して上値を試す展開だろう。なお5月11日に第2四半期累計の業績発表を予定している。

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。

 主力の自動車関連向けは、各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を中心に展開している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

 なお15年3月には、エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの全株式をタクミ商事に譲渡した。グループとして重点志向する事業領域への経営資源集中を進める方針だ。

 4月27日に今期(15年9月期)連結業績の利益予想および配当予想の増額修正を発表した。

 第2四半期累計(10月〜3月)の連結業績については前回予想(11月6日公表)に対して、売上高は据え置いて前年同期比3.4%増の310億円、営業利益は2億円増額して同13.6%増の20億円、経常利益は2億90百万円増額して同13.6%増の21億90百万円、純利益は4億円増額して同35.3%増の15億円とした。

 通期の連結業績見通しについては前回予想(11月6日公表)に対して、売上高は据え置いて前期比5.8%増の620億円、営業利益は4億円増額して同16.4%増の37億円、経常利益は3億円増額して同10.9%増の39億円、純利益は6億50百万円増額して同38.7%増の27億50百万円とした。

 配当予想は連結配当性向25%を下限の目途として、前回予想(11月6日公表)に11円増額して年間48円(第2四半期末24円、期末24円)とした。前期との比較では14円増配となる。

 第2四半期累計はゴム関連商材や自動車用部品が好調に推移し、純利益はアロマンの株式譲渡(15年3月)に伴って法人税負担額が減少することも寄与したようだ。また下半期についても堅調に推移する見込みとして、通期利益予想も増額修正した。

 なお期初時点における通期ベースのセグメント別売上高の計画は、ゴム・化学品が同4.5%増の252億円、機械資材が同7.4%増の169億円、海外現地法人が同8.3%増の136億50百万円、国内子会社が同1.7%増の60億50百万円、その他が同14.5%減の2億円である。

 自動車関連の合成ゴム商材や自動車シート用部品など、高付加価値の主力商材が国内外で好調に推移しているため、通期見通しは再増額の可能性もあるだろう。

 中期成長に向けた戦略として、新規ビジネスのグリーンイノベーション領域(地熱発電・海洋資源開発・CO2地中貯留、木質バイオマス加工・ガス化熱電併給装置、太陽電池部材などの環境・資源エネルギー関連分野)の強化、ライフイノベーション領域(医薬中間体・原体、食品・バイオ関連向け各種分析機器、医療関連原材料などの生活関連分野)の強化、ASEAN地域や北中米地域などグローバル展開の強化、そしてM&A・アライアンス戦略の推進を掲げている。

 中期目標数値として掲げていた15年9月期の売上高610億円、営業利益30億円のうち、営業利益目標は14年9月期に達成している。中期的にも収益は拡大基調だろう。

 株価の動きを見ると、15年9月期の利益および配当予想の増額修正を好感し、4月24日終値1362円から4月30日の1545円まで急伸した。その後も1500円近辺で推移して14年8月高値1579円に接近している。

 5月7日の終値1508円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS192円26銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間48円で算出)は3.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1148円88銭で算出)は1.3倍近辺である。

 日足チャートで見ると窓を空けて急伸したため目先的にはやや過熱感もあるが、週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から切り返して強基調を確認した形だ。指標面には依然として割安感が強く、14年8月高値1579円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月16日更新]

三洋貿易は戻り高値圏で堅調、15年9月期増額の可能性を評価して上値試す

 三洋貿易[3176](東1)は自動車関連向けのゴム・化学関連商品などを扱う専門商社である。株価は戻り高値圏1400円近辺で堅調に推移している。指標面に割安感があり、15年9月期業績増額の可能性を評価して3月の戻り高値1473円、そして14年8月高値1579円を試す展開だろう。

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。

 主力の自動車関連向けは、各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を中心に展開している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

 今期(15年9月期)の連結業績見通し(11月6日公表)は売上高が前期比5.8%増の620億円、営業利益が同3.8%増の33億円、経常利益が同2.4%増の36億円、純利益が同5.9%増の21億円で、配当予想が配当性向下限の目途を25%として同3円増配の年間37円(第2四半期末18円、期末19円)としている。

 セグメント別売上高の計画は、ゴム・化学品が同4.5%増の252億円、機械資材が同7.4%増の169億円、海外現地法人が同8.3%増の136億50百万円、国内子会社が同1.7%増の60億50百万円で、その他が同14.5%減の2億円だ。

 今期は新規案件の基盤固めの時期として小幅増益見通しだが、売上面では自動車関連の合成ゴム商材や自動車シート用部品など、高付加価値の主力商材が国内外で好調に推移する。新規商材の拡販、韓国向け液晶関連の回復、国内子会社の資源関連掘削機械の好調なども寄与する。

 第1四半期(10月〜12月)は前年同期比6.2%増収、同30.4%営業増益、同26.4%経常増益、同26.2%最終増益で、通期見通しに対する進捗率は売上高24.8%、営業利益29.8%、経常利益31.9%、純利益29.9%と高水準だった。

 自動車向けや家電・情報機器関連向けの合成ゴムが好調に推移し、利益面では増収効果に加えて製品構成比変化も寄与したようだ。期初時点では保守的な見通しを公表する傾向が強く、通期見通しは増額の可能性が高いだろう。

 なお15年2月に、エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの全株式をタクミ商事に譲渡すると発表している。グループとして重点志向する事業領域へ経営資源の集中を進める方針だ。15年9月期連結業績に対する影響は軽微としている。

 中期成長に向けた戦略として、新規ビジネスのグリーンイノベーション領域(地熱発電・海洋資源開発・CO2地中貯留、木質バイオマス加工・ガス化熱電併給装置、太陽電池部材などの環境・資源エネルギー関連分野)の強化、ライフイノベーション領域(医薬中間体・原体、食品・バイオ関連向け各種分析機器、医療関連原材料などの生活関連分野)の強化、ASEAN地域や北中米地域などグローバル展開の強化、そしてM&A・アライアンス戦略の推進を掲げている。

 中期目標数値として掲げていた15年9月期の売上高610億円、営業利益30億円のうち、営業利益目標は14年9月期に達成した。そして15年9月期利益見通しは増額の可能性が高く、中期的にも収益拡大基調だろう。

 株価の動きを見ると、戻り高値圏1400円近辺で堅調に推移している。3月中間期末の配当権利落ちなどで1400円を割り込む場面もあったが、素早く切り返している。15年9月期業績増額の可能性を評価する動きだろう。

 4月15日の終値1416円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS146円82銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間37円で算出)は2.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1148円88銭で算出)は1.2倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から切り返す動きだ。サポートラインを確認した形だろう。指標面に割安感があり、15年9月期業績見通し増額の可能性を評価して、3月の戻り高値1473円、そして14年8月高値1579円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月26日更新]

三洋貿易は戻り高値圏で堅調、15年9月期利益増額の可能性を評価

 三洋貿易[3176](東1)は自動車向けのゴム・化学関連商品などを扱う専門商社である。株価は戻り高値圏の1400円台半ばで堅調に推移している。指標面には割安感があり、15年9月期利益見通し増額の可能性を評価して、14年8月高値1579円を試す展開だろう。

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面では実質無借金経営であることも特徴だ。海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。

 主力の自動車関連向けは、各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を中心に展開している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

 今期(15年9月期)の連結業績見通し(11月6日公表)は売上高が前期比5.8%増の620億円、営業利益が同3.8%増の33億円、経常利益が同2.4%増の36億円、純利益が同5.9%増の21億円で、配当予想が配当性向下限の目途を25%として同3円増配の年間37円(第2四半期末18円、期末19円)としている。

 セグメント別売上高の計画は、ゴム・化学品が同4.5%増の252億円、機械資材が同7.4%増の169億円、海外現地法人が同8.3%増の136億50百万円、国内子会社が同1.7%増の60億50百万円で、その他が同14.5%減の2億円としている。

 利益面では新規案件の基盤固めの時期として小幅増益見通しだが、売上面では自動車関連の合成ゴム商材や自動車シート用部品など、主力商材が国内外で好調に推移する見通しだ。新規商材の拡販、韓国向け液晶関連の回復、国内子会社の資源関連掘削機械の好調なども寄与する。

 第1四半期(10月〜12月)は前年同期比6.2%増収、同30.4%営業増益、同26.4%経常増益、同26.2%最終増益だった。売上面では自動車向けや家電・情報機器関連向けの合成ゴムが好調に推移し、利益面では増収効果に加えて製品構成比変化も寄与した。

 そして通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高24.8%、営業利益29.8%、経常利益31.9%、純利益29.9%と高水準である。期初時点では保守的な見通しを公表する傾向が強く、円安進行や原油価格下落なども追い風となって通期利益見通しは増額の可能性が高いだろう。

 なお2月10日に、エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの全株式をタクミ商事に譲渡すると発表した。グループとして重点志向する事業領域へ経営資源の集中を進める方針だ。15年9月期連結業績に対する影響は軽微としている。

 中期成長に向けた戦略として、新規ビジネスのグリーンイノベーション領域(地熱発電・海洋資源開発・CO2地中貯留、木質バイオマス加工・ガス化熱電併給装置、太陽電池部材などの環境・資源エネルギー関連分野)の強化、ライフイノベーション領域(医薬中間体・原体、食品・バイオ関連向け各種分析機器、医療関連原材料などの生活関連分野)の強化、ASEAN地域や北中米地域などグローバル展開の強化、そしてM&A・資本提携を掲げている。

 中期目標数値として掲げていた15年9月期の売上高610億円、営業利益30億円のうち、営業利益目標は14年9月期に達成した。そして15年9月期利益見通しは増額の可能性が高く、中期的にも収益拡大基調が期待される。

 株価の動きを見ると、1300円近辺での短期モミ合いから上放れて、戻り高値圏の1400円台半ばの水準で堅調に推移している。15年9月期利益増額の可能性を評価する動きだろう。

 3月25日の終値1443円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS146円82銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間37円で算出)は2.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1148円88銭で算出)は1.3倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を回復して上伸し、13週移動平均線がサポートラインの強基調に転換した。指標面に割安感があり、15年9月期利益見通し増額の可能性を評価して、14年8月高値1579円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[2月26日更新]

三洋貿易は短期モミ合いから上放れて強基調、14年8月高値を試す

 ゴム・化学関連商品などの専門商社である三洋貿易[3176](東1)の第1四半期(10月〜12月)は大幅増益となりました。株価は1300円近辺での短期モミ合いから上放れて強基調の展開です。18日に12月の戻り高値1394円を突破して25日に1439円まで上伸しました。今期(15年9月期)業績見通し増額の可能性を評価して14年8月高値1579円を試す展開が期待されます。

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社です。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面では実質無借金経営であることも特徴です。海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開しています。

 主力の自動車関連向けは、各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を中心に展開しています。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では、飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアです。また国内子会社のコスモス商事は、地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けています。

 2月10日発表の今期(15年9月期)第1四半期(10月〜12月)の連結業績は売上高が前年同期比6.2%増の153億86百万円、営業利益が同30.4%増の9億82百万円、経常利益が同26.4%増の11億48百万円、純利益が同26.2%増の6億27百万円となりました。利益面では増収効果に加えて製品構成比変化も寄与しました、

 セグメント別動向を見ると、ゴム・化学品は売上高が同2.3%減の60億69百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同20.4%増の3億25百万円となりました。化学品関連の樹脂添加剤がやや低調でしたが、自動車向けや家電・情報機器関連向けの合成ゴムが好調に推移しました。機械資材は売上高が同27.8%増の44億64百万円、営業利益が同38.6%増の5億円となりました。飼料用ペレットミルがやや低調でしたが、自動車用各種部品や各種分析・試験機器が好調に推移しました。

 海外現地法人は売上高が同6.2%減の31億98百万円で、営業利益が同7.3%増の1億02百万円となりました。中国の自動車用各種部品が不調でしたが、米国やタイは堅調のようです。国内子会社は売上高が同21.2%増の16億06百万円、営業利益が同41.0%増の1億40百万円となりました。アロマンが低迷しましたが、コスモス商事、ケムインターが好調に推移しました。

 通期の連結業績見通しは前回予想(11月6日公表)を据え置いて、売上高が前期比5.8%増の620億円、営業利益が同3.8%増の33億円、経常利益が同2.4%増の36億円、純利益が同5.9%増の21億円としています。配当予想は配当性向の下限の目途を25%として、同3円増配の年間37円(第2四半期末18円、期末19円)としています。

 セグメント別売上高の計画は、ゴム・化学品が同4.5%増の252億円、機械資材が同7.4%増の169億円、海外現地法人が同8.3%増の136億50百万円、国内子会社が同1.7%増の60億50百万円で、その他が同14.5%減の2億円としています。

 自動車関連の合成ゴム商材や自動車シート用部品など、主力商材が国内外で好調に推移する見通しです。新規商材の拡販、韓国向け液晶関連の回復、国内子会社の資源関連掘削機械の好調なども寄与します。利益面では、今期は新規案件の基盤固めの時期として小幅増益見通しとしています。

 ただし通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高24.8%、営業利益29.8%、経常利益31.9%、純利益29.9%と高水準です。期初時点では保守的な見通しを公表する傾向が強く、円安進行や原油価格下落なども追い風となって通期業績見通しは増額の可能性が高いでしょう。

 なお2月10日に、エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの全株式をタクミ商事に譲渡すると発表しました。グループとして重点志向する事業領域へ経営資源の集中を進める方針です。今期連結業績に対する影響は軽微としています。

 中期成長に向けた戦略として、新規ビジネスのグリーンイノベーション領域(地熱発電・海洋資源開発・CO2地中貯留、木質バイオマス加工・ガス化熱電併給装置、太陽電池部材などの環境・資源エネルギー関連分野)の強化、ライフイノベーション領域(医薬中間体・原体、食品・バイオ関連向け各種分析機器、医療関連原材料などの生活関連分野)の強化、ASEAN地域や北中米地域などグローバル展開の強化、そしてM&A・資本提携を掲げています。

 中期目標数値として掲げていた15年9月期の売上高610億円、営業利益30億円のうち、営業利益目標は前期に達成しました。今期業績見通しは増額の可能性が高く、中期的にも収益拡大基調が期待されます。

 株価の動きを見ると、1300円近辺での短期モミ合いから上放れて強基調の展開です。2月18日に1405円を付けて12月の戻り高値1394円を突破し、25日には1439円まで上伸する場面がありました。第1四半期の大幅増益を好感して、14年8月高値1579円から反落後の調整が一巡したようです。

 2月25日の終値1427円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS146円82銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間37円で算出)は2.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1148円88銭で算出)は1.2倍近辺です。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を回復して上伸しました。また13週移動平均線が上向きに転じてサポートラインとなりそうです。短期モミ合いから上放れて強基調に転換した形であり、今期業績見通し増額の可能性を評価して14年8月高値1579円を試す展開が期待されます。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[1月26日更新]

三洋貿易はレンジ下限から反発の動き、15年9月期増額余地を評価して14年8月高値を目指す

 ゴム・化学関連商品などの専門商社である三洋貿易[3176](東1)の株価は、1200円〜1400円近辺でボックス展開の形だが、レンジ下限から反発の動きを強めている。今期(15年9月期)業績見通しの増額余地や、2%台後半の高配当利回りを評価して、14年8月高値1579円を目指す展開だろう。

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面では実質無借金経営であることも特徴だ。海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。

 主力の自動車関連向けは、各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を中心に展開している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では、飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。また国内子会社のコスモス商事は、地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

 なお1月20日には、1月28日〜30日開催(東京ビックサイト)の「ASTEC2015 第10回先端表面技術展・会議」に出展すると発表している。

 今期(15年9月期)の連結業績見通し(11月6日公表)は売上高が前期比5.8%増の620億円、営業利益が同3.8%増の33億円、経常利益が同2.4%増の36億円、純利益が同5.9%増の21億円としている。配当予想は配当性向の下限の目途を25%として、同3円増配の年間37円(第2四半期末18円、期末19円)としている。

 自動車関連の合成ゴム商材や自動車シート用部品など、主力商材が国内外で好調に推移する。新規商材の拡販、韓国向け液晶関連の回復、国内子会社の資源関連掘削機械の好調なども寄与する。セグメント別売上高の計画は、ゴム・化学品が同4.5%増の252億円、機械資材が同7.4%増の169億円、海外現地法人が同8.3%増の136億50百万円、国内子会社が同1.7%増の60億50百万円、その他が同14.5%減の2億円としている。

 利益面では、今期は新規案件の基盤固めの時期として小幅増益見通しとしている。ただし期初時点では保守的な見通しを公表する傾向が強く、円安進行や原油価格下落なども追い風となって増額余地があるだろう。

 中期成長に向けた戦略として、新規ビジネスのグリーンイノベーション領域(地熱発電・海洋資源開発・CO2地中貯留、木質バイオマス加工・ガス化熱電併給装置、太陽電池部材などの環境・資源エネルギー関連分野)の強化、ライフイノベーション領域(医薬中間体・原体、食品・バイオ関連向け各種分析機器、医療関連原材料などの生活関連分野)の強化、ASEAN地域や北中米地域などグローバル展開の強化、そしてM&A・資本提携を掲げている。

 中期目標数値として掲げていた15年9月期の売上高610億円、営業利益30億円のうち、営業利益目標は前期に達成している。今期業績見通しに増額余地があり、中期的にも収益拡大基調だろう。

 株価の動きを見ると、14年8月高値1579円から反落後は概ね1200円〜1400円近辺のレンジでボックス展開の形だ。しかし14年10月の直近安値1210円を割り込む動きは見られない。下値固めは完了しているようだ。

 1月23日の終値1276円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS146円82銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間37円で算出)は2.9%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1148円88銭で算出)は1.1倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、ボックスレンジ下限の1200円台で反発の動きを強めている。今期業績見通しの増額余地や2%台後半の高配当利回りを評価して14年8月高値を目指す展開だろう。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月08日更新]

三洋貿易は調整一巡して強基調に回帰、収益拡大基調を評価して8月高値試す

 ゴム・化学関連商品などの専門商社である三洋貿易[3176](東1)の株価は、10月中旬以降は1300円を挟むレンジでモミ合う展開だったが、12月5日には1394円まで上伸する場面があり、モミ合い上放れの動きを強めている。8月高値後の調整が一巡して強基調に回帰する形だ。収益拡大基調を評価して8月高値1579円を試す展開だろう。

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面では実質無借金経営であることも特徴だ。海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。

 主力の自動車関連向けは各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を主力としている。飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

 今期(15年9月期)の連結業績見通し(11月6日公表)は売上高が前期比5.8%増の620億円、営業利益が同3.8%増の33億円、経常利益が同2.4%増の36億円、純利益が同5.9%増の21億円としている。配当予想については配当性向の下限の目途を25%として、同3円増配の年間37円(第2四半期末18円、期末19円)としている。

 国内外で自動車関連の合成ゴム商材や自動車シート用部品を中心に好調に推移する。新規商材の拡販、国内子会社の資源関連掘削機械の好調も寄与する。過去3期間低調だった韓国向け液晶関連は前期で底打ちしたようだ。セグメント別売上高の計画は、ゴム・化学品が同4.5%増の252億円、機械資材が同7.4%増の169億円、海外現地法人が同8.3%増の136億50百万円、国内子会社が同1.7%増の60億50百万円、その他が同14.5%減の2億円としている。

 利益面で見ると、各セグメントで新規案件が同時に立ち上がったため、今期は新規案件の基盤固めの時期として小幅増益見通しとしている。ただし期初時点では保守的な見通しを公表する傾向があり、円安進行や原油価格下落なども追い風となって上ブレ余地があるだろう。なお中期目標数値として掲げていた15年9月期売上高610億円、営業利益30億円のうち、営業利益目標は前期に達成している。

 中期成長に向けた戦略として、新規ビジネスのグリーンイノベーション領域(地熱発電・海洋資源開発・CO2地中貯留、木質バイオマス加工・ガス化熱電併給装置、太陽電池部材などの環境・資源エネルギー関連分野)の強化、ライフイノベーション領域(医薬中間体・原体、食品・バイオ関連向け各種分析機器、医療関連原材料などの生活関連分野)の強化、ASEAN地域や北中米地域などグローバル展開の強化、そしてM&A・資本提携を掲げている。中期的にも収益拡大基調だろう。

 株価の動きを見ると、10月中旬以降は1300円を挟むレンジでモミ合う展開だったが、12月5日には1394円まで上伸する場面があり、モミ合い上放れの動きを強めている。8月高値後の調整が一巡して収益拡大基調を評価する動きだろう。

 12月5日の終値1373円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS146円82銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間37円で算出)は2.7%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1148円88銭で算出)は1.2倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を突破して上伸した。また週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって上昇に転じた。強基調に回帰して8月高値1579円を試す展開だろう。収益拡大基調であり、原油価格下落も追い風だ。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月13日更新]

三洋貿易は業績好調で配当利回り2.9%と魅力的
三洋貿易は業績好調で配当利回り2.9%と魅力的

 三洋貿易<3176>(東1)は、前9月期2ケタ増収増益着地。今9月期も最高益を更新する見通しで割安感があるほか、株主還元の高さや配当利回り妙味が増すことから注目したい。

 同社は、ゴム、化学品、機械・資材、産業資材、科学機器などの輸出入や販売を手掛けている。11月6日に発表した前2014年9月期決算は、売上高が586億1800万円(前の期比14.8%増)、営業利益が31億7800万円(同30.2%増)、経常利益が35億1600万円(同26.9%増)、純利益は19億8200万円(同34.4%増)と2ケタ増収増益着地。主力の自動車向けや家電・情報機器向け合成ゴムと副資材の国内販売が期後半に好調。自動車シート用部品の販売が好調に推移し、センサーなど機能部品とシート部品メーカーへの原材料の販売も伸長したほか、官公庁や企業の研究機関向けに大型分析機器をはじめとして、各種分析機器や試験機の販売が堅調だった。

 今15年9月期売上高は620億円(前期比5.8%増)、営業利益は33億円(同3.8%増)、経常利益は36億円(同2.4%増)、純利益は21億円(同5.9%増)と増収増益を計画。ゴム・化学品関連が堅調に推移するほか海外現地法人が好調に推移すると予想されるうえ、新規では医薬・医療関連商材や環境関連機材などの伸長を見込み連続最高益更新見通し。年間配当は37円(同3円増)を予定している。

 株価は、8月25日につけた上場来の高値1579円から10月14日安値1210円と調整。その後、モミ合いとなっている。同社は資源エネルギー分野、環境関連分野およびライフサイエンス分野の新規事業に必要な経営資源を集中投下して積極的に参画することへの期待感が高まるほか、配当性向25%を下限の目途とする株主還元の高さが魅力となっている。今期予想PER8倍台と割安感があり、配当利回り2.9%と利回り妙味も増す。ここからの押し目は中長期で注目されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)

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