[3484]テンポイノベーション
[04月23日更新]

テンポイノベーションは調整一巡、25年3月期も収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスである。成長戦略として旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応するため積極的な人材育成と仕入を継続している。24年3月期は増収増益予想としている。第3四半期累計の進捗率は低水準だったが、不動産売却時期の後ろ倒しという一過性要因によるものであり、ストック収益が順調に積み上がっていることを勘案すれば通期会社予想の達成は可能と考えられる。さらに25年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。株価は反発力が鈍く安値圏だが、調整一巡して出直りを期待したい。なお5月13日に24年3月期決算発表を予定している。
 
■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業
 
 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して事業開始)も展開している。
 
 24年10月1日付(予定)で持株会社体制に移行し、商号をイノベーションホールディングスに変更する。持株会社の傘下に、店舗転貸借事業を展開する子会社テンポイノベーション(テンポイノベーション分割準備会社を商号変更)、不動産売買事業を展開する子会社アセットイノベーション(新設)、店舗家賃保証事業を展開するセーフティーイノベーション(店舗セーフティーを商号変更)の事業会社3社を置く体制とする。また4月1日付で、コーポレートガバナンス・コードに対する取り組みの一環として指名・報酬委員会、および支配株主と少数株主との利益が相反する重要な取引・行為について審議・検討を行う特別委員会を設置した。なお同社はクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。
 
 23年3月期売上高構成比は店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)が93%、不動産売買事が7%、営業利益構成比は店舗転貸借事業が79%、不動産売買事業が21%で、全社売上高に占める店舗転貸借ランニング収入(賃料収入、更新手数料収入など)の比率は86.7%(22年3月期比0.8ポイント上昇)だった。
 
 不動産売買事業は不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。23年3月期は5物件を売却、8物件を取得し、期末時点の保有物件数は6件となった。なお四半期業績は不動産売買事業のイニシャル収入によって変動する可能性があるが、ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に拡大している。
 
■転貸借契約件数は増加基調
 
 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。
 
 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借成約件数の合計は22年3月期比75件増加の482件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は265件増加の2216件となった。コロナ禍などで飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。
 
 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件、第3四半期131件、第4四半期127件と、コロナ禍前を上回る水準となっている。コロナ禍の影響緩和や政府の補助金終了によって新陳代謝が進み、成約数が増加基調である。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。
 
■転貸借物件数29年3月期5500件目標
 
 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期)では、連結業績目標値として最終年度26年3月期の売上高191億11百万円、営業利益16億79百万円、経常利益17億09百万円、親会社株主帰属当期純利益11億66百万円、成約数700件、期末転貸借物件数3275件を掲げている。
 
 また、東証プライム市場上場維持基準への早期適合を視野に、株主への利益還元の姿勢をより明確にするため配当方針を変更し、中期経営計画の各期においては配当性向40%を目途に配当を実施する方針とした。これにより、26年3月期の1株当たり配当は年間28円(配当性向40.9%)の計画としている。さらに中期経営計画終了後も同等の配当性向を目途とした株主還元を目指すとしている。
 
 基本方針には店舗転貸借事業の拡大(転貸借契約件数と賃料差益の最大化)、テーマには専門特化・プロフェッショナル化、重点施策に継続的な営業組織の拡充とWEB(出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」)による集客力向上、営業採用のための組織強化やノウハウの体系化およびIT化による教育強化、不動産売買における仕入先・販売先のさらなる拡大と人員の増強、DX推進による業務系実務や営業マネジメントの効率化を掲げている。
 
 中長期的な経営目標としては、26年3月期までに営業部門100名体制を達成することにより、27年3月期に転貸借物件純増数600件/年、28年3月期に成約数1000件/年、さらに29年3月期に転貸借物件数5500件、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。営業力の増強に向けては、23年3月期営業人員数36名に対して、増員・教育・適性に応じた配置により営業体制の構築を推進する。26年3月期営業人員100名体制を目指すが、営業業務効率化が進んだ場合、80〜90名程度での対応も視野に入れるとしている。
 
 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。またESG活動として、居抜き物件を活用するビジネススキームにより、産業廃棄物(造作物)の廃棄量削減に貢献している。
 
■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書
 
 22年4月の東京証券取引所の市場再編ではプライム市場へ移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示(21年12月15日付)した。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。
 
 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて流通株式比率向上に向けたテクニカルな取組も検討する。継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化を通じてストック型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。
 
 23年6月には23年3月末時点における計画進捗状況をリリースした。流通株式時価総額と1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないが、23年5月策定の中期経営計画において、従来計画に対して配当方針、株主優待、営業体制をアップデートするなど、企業価値向上(時価総額増大)に向けた各種取組を推進しており、流通株式時価総額については28年3月末までに、1日平均売買代金については23年12月末までに上場維持基準を充たすことを目指す方針に変更はないとした。
 
 23年11月20日に発表した自己株式を活用した第三者割当による第3回新株予約権(行使価額修正条項および停止要請条項付、割当先は東海東京証券、下限行使価格は1198円、行使期間は23年12月7日〜26年12月7日)については、予定通り23年12月6日に払込が完了した。発行新株予約権数9000個(1個につき100株)で、行使に際して交付する株式については同社が保有する自己株式90万株を活用するため新株発行を行わない。流通株式数の増加により上場維持基準の適合に資することが期待される。
 
 そして24年3月には23年12月31日時点における計画進捗状況をリリースした。1日平均売買代金が上場維持基準を充たした。流通株式時価総額については、計画のとおり28年3月末までに上場維持基準を充たすため、引き続き各種取組を進めるとしている。
 
■24年3月期増収増益予想、25年3月期も収益拡大基調
 
 24年3月期連結業績予想は売上高が23年3月期比13.6%増の148億44百万円、営業利益が5.3%増の12億76百万円、経常利益が3.2%増の13億06百万円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%増の8億91百万円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の20円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は38.2%となる。中期経営計画において配当方針を変更し、配当性向を引き上げることとした。
 
 重点施策として、営業活動面では継続的に物件仕入を強化し、出店ニーズに合致した物件の確保を推進する。教育面では業界経験の浅い担当者でも早期に戦力化できる教育の仕組みづくりを推進する。採用面では営業活動での経験やノウハウを採用活動にも活かし、精度の高い採用活動を実現する方針だ。集客面では、出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」を強化する。業務効率化面では物件増や社員増に向けて、DXの推進により事務効率化を図り、質が必要な仕事に打ち込める体制を強化する。不動産売買では、安定的に仕入や売却ができる取引先を増やしつつ、組織強化にも着手する方針としている。
 
 第3四半期累計は売上高が前年同期比6.6%増の105億21百万円、営業利益が29.6%減の7億20百万円、経常利益が28.6%減の7億61百万円、親会社株主帰属四半期純利益が28.9%減の5億19百万円だった。
 
 利益面は、個人・小規模飲食事業者の旺盛な出店需要に対応して店舗物件の積極的な仕入を推進したことに伴う売上原価の増加(空家賃、造作・手数料など)、不動産売却時期の後ろ倒し、人材採用やDX化など積極的な先行投資による費用増加などの影響により減益だが、売上面は転貸借物件数が増加して増収と順調だった。営業利益の前年同期比▲3億02百万円の増減要因分析は、売上総利益の減少で▲91百万円、人件費の増加で▲92百万円、その他経費の増加(採用費、システム費、広告宣伝費の増加)で▲1億18百万円としている。
 
 セグメント別に見ると、店舗転貸借事業(店舗セーフティーの店舗家賃保証事業を含む)は売上高が11.6%増の100億43百万円で営業利益が15.6%減の6億39百万円、不動産売買事業は売上高が45.2%減の4億78百万円で営業利益が69.5%減の81百万円だった。
 
 店舗転貸借事業における第3四半期累計の転貸借契約件数(成約件数=新規契約件数+後継付け件数)は前年同期比1.4%減の350件だった。前期第3四半期が過去最高(131件)だった反動や営業組織改編の影響で減少の形となったが、四半期別に見ると第1四半期が119件、第2四半期が115件、第3四半期が116件と高水準を維持している。なお第3四半期は営業組織改編の影響で23年10月が28件と落ち込んだが、その後は11月が36件、12月が52件(単月ベースで過去最高)とV字回復している。第3四半期末時点の転貸借物件数は2382件(前年同期比230件増加、23年3月期末比166件増加)となった。個人・小規模飲食事業者の旺盛な出店需要に対応して店舗物件の積極的な仕入を推進した。不動産売買事業では6物件を売却した一方で8物件を取得し、第3四半期末時点の保有物件数は8件となった。
 
 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が34億10百万円で営業利益が2億44百万円、第2四半期は売上高が36億88百万円で営業利益が2億81百万円、第3四半期は売上高が34億23百万円で営業利益が1億95百万円だった。
 
 通期の連結業績予想は据え置いている。契約件数および転貸借物件数が順調に増加し、先行投資によるコスト増加を吸収して増益予想としている。成約件数は23年3月期比88件増の570件、期末転貸借物件数は311件増加の2527件の計画としている。第3四半期累計の進捗率は売上高が71%、営業利益が56%、経常利益が58%、親会社株主帰属当期純利益が58%と低水準だったが、不動産売却時期の後ろ倒しという一過性要因によるものであり、ストック収益が順調に積み上がっていることを勘案すれば通期会社予想の達成は可能と考えられる。さらに25年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。
 
■株主優待制度は毎年3月末対象、優待条件・内容を一部変更
 
 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施しているが、同社へのロイヤリティの高い株主に対する還元を強化することを目的として、優待条件・内容を一部変更(詳細は会社HP参照)している。
 
 変更後は、24年3月期については24年3月31日時点で500株以上保有し、かつ1年以上継続して100株以上保有している株主にジェフグルメカード1万円分を贈呈する。25年3月期以降(25年3月31日以降)については毎年3月31日時点で500株以上保有し、かつ1年以上継続して500株以上保有している株主にジェフグルメカード1万円分を贈呈する。
 
■株価は調整一巡
 
 株価は反発力が鈍く安値圏だが、調整一巡して出直りを期待したい。4月22日の終値は914円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS52円37銭で算出)は約17倍、前期推定配当利回り(会社予想の20円で算出)は約2.2%、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS187円69銭で算出)は約4.9倍、そして時価総額は約162億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[03月28日更新]

テンポイノベーションは反発の動き、25年3月期も収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスである。成長戦略として旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応するため積極的な人材育成と仕入を継続している。3月14日にはコーポレートガバナンス・コードに対する取り組みの一環として指名・報酬委員会および特別委員会を設置(4月1日付)すると発表した。24年3月期は増収増益予想としている。第3四半期累計の進捗率は低水準だったが、不動産売却時期の後ろ倒しという一過性要因によるものであり、ストック収益が順調に積み上がっていることを勘案すれば通期会社予想の達成は可能と考えられる。さらに25年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。株価は昨年来安値を更新する形で軟調だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。
 
■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業
 
 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して事業開始)も展開している。
 
 24年10月1日付(予定)で持株会社体制に移行し、商号をイノベーションホールディングスに変更する。持株会社の傘下に、店舗転貸借事業を展開する子会社テンポイノベーション(テンポイノベーション分割準備会社を商号変更)、不動産売買事業を展開する子会社アセットイノベーション(新設)、店舗家賃保証事業を展開するセーフティーイノベーション(店舗セーフティーを商号変更)の事業会社3社を置く体制とする。また3月14日には、コーポレートガバナンス・コードに対する取り組みの一環として指名・報酬委員会、および支配株主と少数株主との利益が相反する重要な取引・行為について審議・検討を行う特別委員会を設置(4月1日付)すると発表した。なお同社はクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。
 
 23年3月期売上高構成比は店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)が93%、不動産売買事が7%、営業利益構成比は店舗転貸借事業が79%、不動産売買事業が21%で、全社売上高に占める店舗転貸借ランニング収入(賃料収入、更新手数料収入など)の比率は86.7%(22年3月期比0.8ポイント上昇)だった。
 
 不動産売買事業は不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。23年3月期は5物件を売却、8物件を取得し、期末時点の保有物件数は6件となった。なお四半期業績は不動産売買事業のイニシャル収入によって変動する可能性があるが、ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に拡大している。
 
■転貸借契約件数は増加基調
 
 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。
 
 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借成約件数の合計は22年3月期比75件増加の482件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は265件増加の2216件となった。コロナ禍などで飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。
 
 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件、第3四半期131件、第4四半期127件と、コロナ禍前を上回る水準となっている。コロナ禍の影響緩和や政府の補助金終了によって新陳代謝が進み、成約数が増加基調である。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。
 
■転貸借物件数29年3月期5500件目標
 
 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期)では、連結業績目標値として最終年度26年3月期の売上高191億11百万円、営業利益16億79百万円、経常利益17億09百万円、親会社株主帰属当期純利益11億66百万円、成約数700件、期末転貸借物件数3275件を掲げている。
 
 また、東証プライム市場上場維持基準への早期適合を視野に、株主への利益還元の姿勢をより明確にするため配当方針を変更し、中期経営計画の各期においては配当性向40%を目途に配当を実施する方針とした。これにより、26年3月期の1株当たり配当は年間28円(配当性向40.9%)の計画としている。さらに中期経営計画終了後も同等の配当性向を目途とした株主還元を目指すとしている。
 
 基本方針には店舗転貸借事業の拡大(転貸借契約件数と賃料差益の最大化)、テーマには専門特化・プロフェッショナル化、重点施策に継続的な営業組織の拡充とWEB(出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」)による集客力向上、営業採用のための組織強化やノウハウの体系化およびIT化による教育強化、不動産売買における仕入先・販売先のさらなる拡大と人員の増強、DX推進による業務系実務や営業マネジメントの効率化を掲げている。
 
 中長期的な経営目標としては、26年3月期までに営業部門100名体制を達成することにより、27年3月期に転貸借物件純増数600件/年、28年3月期に成約数1000件/年、さらに29年3月期に転貸借物件数5500件、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。営業力の増強に向けては、23年3月期営業人員数36名に対して、増員・教育・適性に応じた配置により営業体制の構築を推進する。26年3月期営業人員100名体制を目指すが、営業業務効率化が進んだ場合、80〜90名程度での対応も視野に入れるとしている。
 
 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。またESG活動として、居抜き物件を活用するビジネススキームにより、産業廃棄物(造作物)の廃棄量削減に貢献している。
 
■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書
 
 22年4月の東京証券取引所の市場再編ではプライム市場へ移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示(21年12月15日付)した。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。
 
 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて流通株式比率向上に向けたテクニカルな取組も検討する。継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化を通じてストック型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。
 
 23年6月には23年3月末時点における計画進捗状況をリリースした。流通株式時価総額と1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないが、23年5月策定の中期経営計画において、従来計画に対して配当方針、株主優待、営業体制をアップデートするなど、企業価値向上(時価総額増大)に向けた各種取組を推進しており、流通株式時価総額については28年3月末までに、1日平均売買代金については23年12月末までに上場維持基準を充たすことを目指す方針に変更はないとした。
 
 23年11月20日に発表した自己株式を活用した第三者割当による第3回新株予約権(行使価額修正条項および停止要請条項付、割当先は東海東京証券、下限行使価格は1198円、行使期間は23年12月7日〜26年12月7日)については、予定通り23年12月6日に払込が完了した。発行新株予約権数9000個(1個につき100株)で、行使に際して交付する株式については同社が保有する自己株式90万株を活用するため新株発行を行わない。流通株式数の増加により上場維持基準の適合に資することが期待される。
 
 そして3月13日には23年12月31日時点における計画進捗状況をリリースした。1日平均売買代金が上場維持基準を充たした。流通株式時価総額については、計画のとおり28年3月末までに上場維持基準を充たすため、引き続き各種取組を進めるとしている。
 
■24年3月期増収増益予想で収益拡大基調
 
 24年3月期連結業績予想は売上高が23年3月期比13.6%増の148億44百万円、営業利益が5.3%増の12億76百万円、経常利益が3.2%増の13億06百万円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%増の8億91百万円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の20円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は38.2%となる。中期経営計画において配当方針を変更し、配当性向を引き上げることとした。
 
 重点施策として、営業活動面では継続的に物件仕入を強化し、出店ニーズに合致した物件の確保を推進する。教育面では業界経験の浅い担当者でも早期に戦力化できる教育の仕組みづくりを推進する。採用面では営業活動での経験やノウハウを採用活動にも活かし、精度の高い採用活動を実現する方針だ。集客面では、出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」を強化する。業務効率化面では物件増や社員増に向けて、DXの推進により事務効率化を図り、質が必要な仕事に打ち込める体制を強化する。不動産売買では、安定的に仕入や売却ができる取引先を増やしつつ、組織強化にも着手する方針としている。
 
 第3四半期累計は売上高が前年同期比6.6%増の105億21百万円、営業利益が29.6%減の7億20百万円、経常利益が28.6%減の7億61百万円、親会社株主帰属四半期純利益が28.9%減の5億19百万円だった。
 
 利益面は、個人・小規模飲食事業者の旺盛な出店需要に対応して店舗物件の積極的な仕入を推進したことに伴う売上原価の増加(空家賃、造作・手数料など)、不動産売却時期の後ろ倒し、人材採用やDX化など積極的な先行投資による費用増加などの影響により減益だが、売上面は転貸借物件数が増加して増収と順調だった。営業利益の前年同期比▲3億02百万円の増減要因分析は、売上総利益の減少で▲91百万円、人件費の増加で▲92百万円、その他経費の増加(採用費、システム費、広告宣伝費の増加)で▲1億18百万円としている。
 
 セグメント別に見ると、店舗転貸借事業(店舗セーフティーの店舗家賃保証事業を含む)は売上高が11.6%増の100億43百万円で営業利益が15.6%減の6億39百万円、不動産売買事業は売上高が45.2%減の4億78百万円で営業利益が69.5%減の81百万円だった。
 
 店舗転貸借事業における第3四半期累計の転貸借契約件数(成約件数=新規契約件数+後継付け件数)は前年同期比1.4%減の350件だった。前期第3四半期が過去最高(131件)だった反動や営業組織改編の影響で減少の形となったが、四半期別に見ると第1四半期が119件、第2四半期が115件、第3四半期が116件と高水準を維持している。なお第3四半期は営業組織改編の影響で23年10月が28件と落ち込んだが、その後は11月が36件、12月が52件(単月ベースで過去最高)とV字回復している。第3四半期末時点の転貸借物件数は2382件(前年同期比230件増加、23年3月期末比166件増加)となった。個人・小規模飲食事業者の旺盛な出店需要に対応して店舗物件の積極的な仕入を推進した。不動産売買事業では6物件を売却した一方で8物件を取得し、第3四半期末時点の保有物件数は8件となった。
 
 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が34億10百万円で営業利益が2億44百万円、第2四半期は売上高が36億88百万円で営業利益が2億81百万円、第3四半期は売上高が34億23百万円で営業利益が1億95百万円だった。
 
 通期の連結業績予想は据え置いている。契約件数および転貸借物件数が順調に増加し、先行投資によるコスト増加を吸収して増益予想としている。成約件数は23年3月期比88件増の570件、期末転貸借物件数は311件増加の2527件の計画としている。第3四半期累計の進捗率は売上高が71%、営業利益が56%、経常利益が58%、親会社株主帰属当期純利益が58%と低水準だったが、不動産売却時期の後ろ倒しという一過性要因によるものであり、ストック収益が順調に積み上がっていることを勘案すれば通期会社予想の達成は可能と考えられる。さらに25年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。
 
■株主優待制度は毎年3月末対象、優待条件・内容を一部変更
 
 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施しているが、同社へのロイヤリティの高い株主に対する還元を強化することを目的として、優待条件・内容を一部変更(詳細は会社HP参照)している。
 
 変更後は、24年3月期については24年3月31日時点で500株以上保有し、かつ1年以上継続して100株以上保有している株主にジェフグルメカード1万円分を贈呈する。25年3月期以降(25年3月31日以降)については毎年3月31日時点で500株以上保有し、かつ1年以上継続して500株以上保有している株主にジェフグルメカード1万円分を贈呈する。
 
■株価は反発の動き
 
 株価は昨年来安値を更新する形で軟調だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。3月27日の終値は976円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円37銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約2.0%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS187円69銭で算出)は約5.2倍、そして時価総額は約173億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
 
[03月14日更新]

テンポイノベーションは下値固め完了、1日平均売買代金はプライム市場上場維持基準に適合

テンポイノベーションは下値固め完了、1日平均売買代金はプライム市場上場維持基準に適合
 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスである。成長戦略として旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応するため積極的な人材育成と仕入を継続している。なお3月13日にはプライム市場上場維持基準の適合に向けた計画の進捗状況について、23年12月31日時点で1日平均売買代金が上場維持基準を充たしたとリリースした。24年3月期は増収増益予想としている。第3四半期累計の進捗率は低水準だが、不動産売却時期の後ろ倒しという一過性要因によるものであり、ストック収益が順調に積み上がっていることを勘案すれば通期会社予想の達成は可能と考えられる。積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。株価は昨年来安値を更新する形でやや軟調だったが、売り一巡して下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。
 
■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業
 
 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して事業開始)も展開している。
 
 なお24年10月1日付(予定)で持株会社体制に移行し、商号をイノベーションホールディングスに変更する。持株会社の傘下に、店舗転貸借事業を展開する子会社テンポイノベーション(テンポイノベーション分割準備会社を商号変更)、不動産売買事業を展開する子会社アセットイノベーション(新設)、店舗家賃保証事業を展開するセーフティーイノベーション(店舗セーフティーを商号変更)の事業会社3社を置く体制とする。また、クロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。
 
 23年3月期売上高構成比は店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)が93%、不動産売買事が7%、営業利益構成比は店舗転貸借事業が79%、不動産売買事業が21%で、全社売上高に占める店舗転貸借ランニング収入(賃料収入、更新手数料収入など)の比率は86.7%(22年3月期比0.8ポイント上昇)だった。
 
 不動産売買事業は不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。23年3月期は5物件を売却、8物件を取得し、期末時点の保有物件数は6件となった。なお四半期業績は不動産売買事業のイニシャル収入によって変動する可能性があるが、ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に拡大している。
 
■転貸借契約件数は増加基調
 
 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。
 
 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借成約件数の合計は22年3月期比75件増加の482件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は265件増加の2216件となった。コロナ禍などで飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。
 
 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件、第3四半期131件、第4四半期127件と、コロナ禍前を上回る水準となっている。コロナ禍の影響緩和や政府の補助金終了によって新陳代謝が進み、成約数が増加基調である。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。
 
■転貸借物件数29年3月期5500件目標
 
 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期)では、連結業績目標値として最終年度26年3月期の売上高191億11百万円、営業利益16億79百万円、経常利益17億09百万円、親会社株主帰属当期純利益11億66百万円、成約数700件、期末転貸借物件数3275件を掲げている。
 
 また、東証プライム市場上場維持基準への早期適合を視野に、株主への利益還元の姿勢をより明確にするため配当方針を変更し、中期経営計画の各期においては配当性向40%を目途に配当を実施する方針とした。これにより、26年3月期の1株当たり配当は年間28円(配当性向40.9%)の計画としている。さらに中期経営計画終了後も同等の配当性向を目途とした株主還元を目指すとしている。
 
 基本方針には店舗転貸借事業の拡大(転貸借契約件数と賃料差益の最大化)、テーマには専門特化・プロフェッショナル化、重点施策に継続的な営業組織の拡充とWEB(出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」)による集客力向上、営業採用のための組織強化やノウハウの体系化およびIT化による教育強化、不動産売買における仕入先・販売先のさらなる拡大と人員の増強、DX推進による業務系実務や営業マネジメントの効率化を掲げている。
 
 中長期的な経営目標としては、26年3月期までに営業部門100名体制を達成することにより、27年3月期に転貸借物件純増数600件/年、28年3月期に成約数1000件/年、さらに29年3月期に転貸借物件数5500件、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。営業力の増強に向けては、23年3月期営業人員数36名に対して、増員・教育・適性に応じた配置により営業体制の構築を推進する。26年3月期営業人員100名体制を目指すが、営業業務効率化が進んだ場合、80〜90名程度での対応も視野に入れるとしている。
 
 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。またESG活動として、居抜き物件を活用するビジネススキームにより、産業廃棄物(造作物)の廃棄量削減に貢献している。
 
■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書
 
 22年4月の東京証券取引所の市場再編ではプライム市場へ移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示(21年12月15日付)した。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。
 
 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて流通株式比率向上に向けたテクニカルな取組も検討する。継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化を通じてストック型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。
 
 23年6月には23年3月末時点における計画進捗状況をリリースした。流通株式時価総額と1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないが、23年5月策定の中期経営計画において、従来計画に対して配当方針、株主優待、営業体制をアップデートするなど、企業価値向上(時価総額増大)に向けた各種取組を推進しており、流通株式時価総額については28年3月末までに、1日平均売買代金については23年12月末までに上場維持基準を充たすことを目指す方針に変更はないとした。
 
 23年11月20日に発表した自己株式を活用した第三者割当による第3回新株予約権(行使価額修正条項および停止要請条項付、割当先は東海東京証券、下限行使価格は1198円、行使期間は23年12月7日〜26年12月7日)については、予定通り23年12月6日に払込が完了した。発行新株予約権数9000個(1個につき100株)で、行使に際して交付する株式については同社が保有する自己株式90万株を活用するため新株発行を行わない。流通株式数の増加により上場維持基準の適合に資することが期待される。
 
 そして3月13日には23年12月31日時点における計画進捗状況をリリースした。1日平均売買代金が上場維持基準を充たした。流通株式時価総額については、計画のとおり28年3月末までに上場維持基準を充たすため、引き続き各種取組を進めるとしている。
 
■24年3月期増収増益予想で収益拡大基調
 
 24年3月期連結業績予想は売上高が23年3月期比13.6%増の148億44百万円、営業利益が5.3%増の12億76百万円、経常利益が3.2%増の13億06百万円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%増の8億91百万円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の20円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は38.2%となる。中期経営計画において配当方針を変更し、配当性向を引き上げることとした。
 
 重点施策として、営業活動面では継続的に物件仕入を強化し、出店ニーズに合致した物件の確保を推進する。教育面では業界経験の浅い担当者でも早期に戦力化できる教育の仕組みづくりを推進する。採用面では営業活動での経験やノウハウを採用活動にも活かし、精度の高い採用活動を実現する方針だ。集客面では、出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」を強化する。業務効率化面では物件増や社員増に向けて、DXの推進により事務効率化を図り、質が必要な仕事に打ち込める体制を強化する。不動産売買では、安定的に仕入や売却ができる取引先を増やしつつ、組織強化にも着手する方針としている。
 
 第3四半期累計は売上高が前年同期比6.6%増の105億21百万円、営業利益が29.6%減の7億20百万円、経常利益が28.6%減の7億61百万円、親会社株主帰属四半期純利益が28.9%減の5億19百万円だった。
 
 利益面は、個人・小規模飲食事業者の旺盛な出店需要に対応して店舗物件の積極的な仕入を推進したことに伴う売上原価の増加(空家賃、造作・手数料など)、不動産売却時期の後ろ倒し、人材採用やDX化など積極的な先行投資による費用増加などの影響により減益だが、売上面は転貸借物件数が増加して増収と順調だった。営業利益の前年同期比▲3億02百万円の増減要因分析は、売上総利益の減少で▲91百万円、人件費の増加で▲92百万円、その他経費の増加(採用費、システム費、広告宣伝費の増加)で▲1億18百万円としている。
 
 セグメント別に見ると、店舗転貸借事業(店舗セーフティーの店舗家賃保証事業を含む)は売上高が11.6%増の100億43百万円で営業利益が15.6%減の6億39百万円、不動産売買事業は売上高が45.2%減の4億78百万円で営業利益が69.5%減の81百万円だった。
 
 店舗転貸借事業における第3四半期累計の転貸借契約件数(成約件数=新規契約件数+後継付け件数)は前年同期比1.4%減の350件だった。前期第3四半期が過去最高(131件)だった反動や営業組織改編の影響で減少の形となったが、四半期別に見ると第1四半期が119件、第2四半期が115件、第3四半期が116件と高水準を維持している。なお第3四半期は営業組織改編の影響で23年10月が28件と落ち込んだが、その後は11月が36件、12月が52件(単月ベースで過去最高)とV字回復している。第3四半期末時点の転貸借物件数は2382件(前年同期比230件増加、23年3月期末比166件増加)となった。個人・小規模飲食事業者の旺盛な出店需要に対応して店舗物件の積極的な仕入を推進した。不動産売買事業では6物件を売却した一方で8物件を取得し、第3四半期末時点の保有物件数は8件となった。
 
 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が34億10百万円で営業利益が2億44百万円、第2四半期は売上高が36億88百万円で営業利益が2億81百万円、第3四半期は売上高が34億23百万円で営業利益が1億95百万円だった。
 
 通期の連結業績予想は据え置いている。契約件数および転貸借物件数が順調に増加し、先行投資によるコスト増加を吸収して増益予想としている。成約件数は23年3月期比88件増の570件、期末転貸借物件数は311件増加の2527件の計画としている。第3四半期累計の進捗率は売上高が71%、営業利益が56%、経常利益が58%、親会社株主帰属当期純利益が58%と低水準の形だが、不動産売却時期の後ろ倒しという一過性要因によるものであり、ストック収益が順調に積み上がっていることを勘案すれば通期会社予想の達成は可能と考えられる。積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。
 
■株主優待制度は毎年3月末対象、優待条件・内容を一部変更
 
 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施しているが、同社へのロイヤリティの高い株主に対する還元を強化することを目的として、優待条件・内容を一部変更(詳細は会社HP参照)している。
 
 変更後は、24年3月期については24年3月31日時点で500株以上保有し、かつ1年以上継続して100株以上保有している株主にジェフグルメカード1万円分を贈呈する。25年3月期以降(25年3月31日以降)については毎年3月31日時点で500株以上保有し、かつ1年以上継続して500株以上保有している株主にジェフグルメカード1万円分を贈呈する。
 
■株価は下値固め完了
 
 株価は昨年来安値を更新する形でやや軟調だったが、売り一巡して下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。3月13日の終値は911円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円37銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約2.2%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS187円69銭で算出)は約4.9倍、そして時価総額は約161億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
 
[02月20日更新]

テンポイノベーションは売り一巡、24年3月期増益予想で収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスである。成長戦略として、旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応するため、積極的な人材育成と仕入を継続している。なお24年10月1日付(予定)で持株会社体制に移行し、商号をイノベーションホールディングスに変更する。24年3月期第3四半期累計は不動産売却時期の後ろ倒しや先行投資の影響などで減益だが、売上面は転貸借物件数が増加して順調だった。そして通期増益予想を据え置いている。第3四半期累計の進捗率は低水準だが、不動産売却時期の後ろ倒しという一過性要因によるものであり、ストック収益が順調に積み上がっていることを勘案すれば通期会社予想の達成は可能と考えられる。積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。株価は昨年来安値を更新する形で軟調だったが売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して事業開始)も展開している。

 なお24年10月1日付(予定)で持株会社体制に移行し、商号をイノベーションホールディングスに変更する。持株会社の傘下に、店舗転貸借事業を展開する子会社テンポイノベーション(テンポイノベーション分割準備会社を商号変更)、不動産売買事業を展開する子会社アセットイノベーション(新設)、店舗家賃保証事業を展開するセーフティーイノベーション(店舗セーフティーを商号変更)の事業会社3社を置く体制とする。また、クロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 23年3月期売上高構成比は店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)が93%、不動産売買事が7%、営業利益構成比は店舗転貸借事業が79%、不動産売買事業が21%で、全社売上高に占める店舗転貸借ランニング収入(賃料収入、更新手数料収入など)の比率は86.7%(22年3月期比0.8ポイント上昇)だった。

 不動産売買事業は不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。23年3月期は5物件を売却、8物件を取得し、期末時点の保有物件数は6件となった。なお四半期業績は不動産売買事業のイニシャル収入によって変動する可能性があるが、ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に拡大している。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借成約件数の合計は22年3月期比75件増加の482件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は265件増加の2216件となった。コロナ禍などで飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件、第3四半期131件、第4四半期127件と、コロナ禍前を上回る水準となっている。コロナ禍の影響緩和や政府の補助金終了によって新陳代謝が進み、成約数が増加基調である。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期)では、連結業績目標値として最終年度26年3月期の売上高191億11百万円、営業利益16億79百万円、経常利益17億09百万円、親会社株主帰属当期純利益11億66百万円、成約数700件、期末転貸借物件数3275件を掲げている。

 また、東証プライム市場上場維持基準への早期適合を視野に、株主への利益還元の姿勢をより明確にするため配当方針を変更し、中期経営計画の各期においては配当性向40%を目途に配当を実施する方針とした。これにより、26年3月期の1株当たり配当は年間28円(配当性向40.9%)の計画としている。さらに中期経営計画終了後も同等の配当性向を目途とした株主還元を目指すとしている。

 基本方針には店舗転貸借事業の拡大(転貸借契約件数と賃料差益の最大化)、テーマには専門特化・プロフェッショナル化、重点施策に継続的な営業組織の拡充とWEB(出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」)による集客力向上、営業採用のための組織強化やノウハウの体系化およびIT化による教育強化、不動産売買における仕入先・販売先のさらなる拡大と人員の増強、DX推進による業務系実務や営業マネジメントの効率化を掲げている。

 中長期的な経営目標としては、26年3月期までに営業部門100名体制を達成することにより、27年3月期に転貸借物件純増数600件/年、28年3月期に成約数1000件/年、さらに29年3月期に転貸借物件数5500件、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。営業力の増強に向けては、23年3月期営業人員数36名に対して、増員・教育・適性に応じた配置により営業体制の構築を推進する。26年3月期営業人員100名体制を目指すが、営業業務効率化が進んだ場合、80〜90名程度での対応も視野に入れるとしている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。またESG活動として、居抜き物件を活用するビジネススキームにより、産業廃棄物(造作物)の廃棄量削減に貢献している。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月の東京証券取引所の市場再編ではプライム市場へ移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示(21年12月15日付)した。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて流通株式比率向上に向けたテクニカルな取組も検討する。継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化を通じてストック型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

 23年6月には23年3月末時点における計画進捗状況をリリースした。引き続き流通株式時価総額と1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないが、23年5月策定の中期経営計画において、従来計画に対して配当方針、株主優待、営業体制をアップデートするなど、企業価値向上(時価総額増大)に向けた各種取組を推進しており、流通株式時価総額については28年3月末までに、1日平均売買代金については23年12月末までに上場維持基準を充たすことを目指す方針に変更はないとしている。なお時価総額については、21年11月30日時点の146億円から23年3月31日時点で203億円と大幅に上昇した。

 なお、23年11月20日に発表した自己株式を活用した第三者割当による第3回新株予約権(行使価額修正条項および停止要請条項付、割当先は東海東京証券、下限行使価格は1198円、行使期間は23年12月7日〜26年12月7日)については、予定通り23年12月6日に払込が完了した。発行新株予約権数9000個(1個につき100株)で、行使に際して交付する株式については同社が保有する自己株式90万株を活用するため新株発行を行わない。流通株式数の増加により上場維持基準の適合に資することが期待される。

■24年3月期3Q累計は先行投資で減益だが、通期増益予想据え置き

 24年3月期連結業績予想は売上高が23年3月期比13.6%増の148億44百万円、営業利益が5.3%増の12億76百万円、経常利益が3.2%増の13億06百万円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%増の8億91百万円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の20円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は38.2%となる。中期経営計画において配当方針を変更し、配当性向を引き上げることとした。

 重点施策として、営業活動面では継続的に物件仕入を強化し、出店ニーズに合致した物件の確保を推進する。教育面では業界経験の浅い担当者でも早期に戦力化できる教育の仕組みづくりを推進する。採用面では営業活動での経験やノウハウを採用活動にも活かし、精度の高い採用活動を実現する方針だ。集客面では、出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」を強化する。業務効率化面では物件増や社員増に向けて、DXの推進により事務効率化を図り、質が必要な仕事に打ち込める体制を強化する。不動産売買では、安定的に仕入や売却ができる取引先を増やしつつ、組織強化にも着手する方針としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比6.6%増の105億21百万円、営業利益が29.6%減の7億20百万円、経常利益が28.6%減の7億61百万円、親会社株主帰属四半期純利益が28.9%減の5億19百万円だった。

 利益面は、個人・小規模飲食事業者の旺盛な出店需要に対応して店舗物件の積極的な仕入を推進したことに伴う売上原価の増加(空家賃、造作・手数料など)、不動産売却時期の後ろ倒し、人材採用やDX化など積極的な先行投資による費用増加などの影響により減益だが、売上面は転貸借物件数が増加して増収と順調だった。営業利益の前年同期比▲3億02百万円の増減要因分析は、売上総利益の減少で▲91百万円、人件費の増加で▲92百万円、その他経費の増加(採用費、システム費、広告宣伝費の増加)で▲1億18百万円としている。

 セグメント別に見ると、店舗転貸借事業(店舗セーフティーの店舗家賃保証事業を含む)は売上高が11.6%増の100億43百万円で営業利益が15.6%減の6億39百万円、不動産売買事業は売上高が45.2%減の4億78百万円で営業利益が69.5%減の81百万円だった。

 店舗転貸借事業における第3四半期累計の転貸借契約件数(成約件数=新規契約件数+後継付け件数)は前年同期比1.4%減の350件だった。前期第3四半期が過去最高(131件)だった反動や営業組織改編の影響で減少の形となったが、四半期別に見ると第1四半期が119件、第2四半期が115件、第3四半期が116件と高水準を維持している。なお第3四半期は営業組織改編の影響で23年10月が28件と落ち込んだが、その後は11月が36件、12月が52件(単月ベースで過去最高)とV字回復している。第3四半期末時点の転貸借物件数は2382件(前年同期比230件増加、23年3月期末比166件増加)となった。個人・小規模飲食事業者の旺盛な出店需要に対応して店舗物件の積極的な仕入を推進した。不動産売買事業では6物件を売却した一方で8物件を取得し、第3四半期末時点の保有物件数は8件となった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が34億10百万円で営業利益が2億44百万円、第2四半期は売上高が36億88百万円で営業利益が2億81百万円、第3四半期は売上高が34億23百万円で営業利益が1億95百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。契約件数および転貸借物件数が順調に増加し、先行投資によるコスト増加を吸収して増益予想としている。成約件数は23年3月期比88件増の570件、期末転貸借物件数は311件増加の2527件の計画としている。第3四半期累計の進捗率は売上高が71%、営業利益が56%、経常利益が58%、親会社株主帰属当期純利益が58%と低水準の形だが、不動産売却時期の後ろ倒しという一過性要因によるものであり、ストック収益が順調に積み上がっていることを勘案すれば通期会社予想の達成は可能と考えられる。積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象、優待条件・内容を一部変更

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施しているが、同社へのロイヤリティの高い株主に対する還元を強化することを目的として、優待条件・内容を一部変更(詳細は会社HP参照)している。

 変更後は、24年3月期については24年3月31日時点で500株以上保有し、かつ1年以上継続して100株以上保有している株主にジェフグルメカード1万円分を贈呈する。25年3月期以降(25年3月31日以降)については毎年3月31日時点で500株以上保有し、かつ1年以上継続して500株以上保有している株主にジェフグルメカード1万円分を贈呈する。

■株価は売り一巡

 株価は昨年来安値を更新する形で軟調だったが売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。2月19日の終値は949円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円37銭で算出)は約18倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約2.1%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS187円69銭で算出)は約5.1倍、そして時価総額は約168億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月18日更新]

テンポイノベーションは売られ過ぎ感、24年3月期増収増益予想で収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスである。成長戦略として、旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応するため、積極的な人材育成と仕入を継続している。24年3月期は増収増益予想としている。ストック収益が順調に積み上がり、人件費やDX投資などの増加を吸収する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は軟調展開で23年6月の昨年来安値に接近しているが、売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。なお2月2日に24年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して事業開始)も展開している。なお、クロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 23年3月期売上高構成比は店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)が93%、不動産売買事が7%、営業利益構成比は店舗転貸借事業が79%、不動産売買事業が21%で、全社売上高に占める店舗転貸借ランニング収入(賃料収入、更新手数料収入など)の比率は86.7%(22年3月期比0.8ポイント上昇)だった。

 不動産売買事業は不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。23年3月期は5物件を売却、8物件を取得し、期末時点の保有物件数は6件となった。なお四半期業績は不動産売買事業のイニシャル収入によって変動する可能性があるが、ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に拡大している。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借成約件数の合計は22年3月期比75件増加の482件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は265件増加の2216件となった。コロナ禍などで飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件、第3四半期131件、第4四半期127件と、コロナ禍前を上回る水準となっている。コロナ禍の影響緩和や政府の補助金終了によって新陳代謝が進み、成約数が増加基調である。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期)では、連結業績目標値として最終年度26年3月期の売上高191億11百万円、営業利益16億79百万円、経常利益17億09百万円、親会社株主帰属当期純利益11億66百万円、成約数700件、期末転貸借物件数3275件を掲げている。

 また、東証プライム市場上場維持基準への早期適合を視野に、株主への利益還元の姿勢をより明確にするため配当方針を変更し、中期経営計画の各期においては配当性向40%を目途に配当を実施する方針とした。これにより、26年3月期の1株当たり配当は年間28円(配当性向40.9%)の計画としている。さらに中期経営計画終了後も同等の配当性向を目途とした株主還元を目指すとしている。

 基本方針には店舗転貸借事業の拡大(転貸借契約件数と賃料差益の最大化)、テーマには専門特化・プロフェッショナル化、重点施策に継続的な営業組織の拡充とWEB(出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」)による集客力向上、営業採用のための組織強化やノウハウの体系化およびIT化による教育強化、不動産売買における仕入先・販売先のさらなる拡大と人員の増強、DX推進による業務系実務や営業マネジメントの効率化を掲げている。

 中長期的な経営目標としては、26年3月期までに営業部門100名体制を達成することにより、27年3月期に転貸借物件純増数600件/年、28年3月期に成約数1000件/年、さらに29年3月期に転貸借物件数5500件、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。営業力の増強に向けては、23年3月期営業人員数36名に対して、増員・教育・適性に応じた配置により営業体制の構築を推進する。26年3月期営業人員100名体制を目指すが、営業業務効率化が進んだ場合、80〜90名程度での対応も視野に入れるとしている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。またESG活動として、居抜き物件を活用するビジネススキームにより、産業廃棄物(造作物)の廃棄量削減に貢献している。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月の東京証券取引所の市場再編ではプライム市場へ移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示(21年12月15日付)した。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて流通株式比率向上に向けたテクニカルな取組も検討する。継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化を通じてストック型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

 23年6月には23年3月末時点における計画進捗状況をリリースした。引き続き流通株式時価総額と1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないが、23年5月策定の中期経営計画において、従来計画に対して配当方針、株主優待、営業体制をアップデートするなど、企業価値向上(時価総額増大)に向けた各種取組を推進しており、流通株式時価総額については28年3月末までに、1日平均売買代金については23年12月末までに上場維持基準を充たすことを目指す方針に変更はないとしている。なお時価総額については、21年11月30日時点の146億円から23年3月31日時点で203億円と大幅に上昇した。

 なお、23年11月20日に発表した自己株式を活用した第三者割当による第3回新株予約権(行使価額修正条項および停止要請条項付、割当先は東海東京証券、下限行使価格は1198円、行使期間は23年12月7日〜26年12月7日)については、予定通り12月6日に払込が完了した。発行新株予約権数9000個(1個につき100株)で、行使に際して交付する株式については同社が保有する自己株式90万株を活用するため新株発行を行わない。流通株式数の増加により上場維持基準の適合に資することが期待される。

■24年3月期増収増益予想で収益拡大基調

 24年3月期連結業績予想は売上高が23年3月期比13.6%増の148億44百万円、営業利益が5.3%増の12億76百万円、経常利益が3.2%増の13億06百万円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%増の8億91百万円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の20円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は38.2%となる。中期経営計画において配当方針を変更し、配当性向を引き上げることとした。

 重点施策として、営業活動面では継続的に物件仕入を強化し、出店ニーズに合致した物件の確保を推進する。教育面では業界経験の浅い担当者でも早期に戦力化できる教育の仕組みづくりを推進する。採用面では営業活動での経験やノウハウを採用活動にも活かし、精度の高い採用活動を実現する方針だ。集客面では、出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」を強化する。業務効率化面では物件増や社員増に向けて、DXの推進により事務効率化を図り、質が必要な仕事に打ち込める体制を強化する。不動産売買では、安定的に仕入や売却ができる取引先を増やしつつ、組織強化にも着手する方針としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比16.3%増の70億98百万円、営業利益が5.3%減の5億25百万円、経常利益が3.9%減の5億58百万円、親会社株主帰属四半期純利益が4.3%減の3億81百万円だった。

 利益面は人件費や採用費の増加、転貸借物件数増加に対応するための営業管理システムのDX化など、先行投資の影響で減益だったが、売上面は個人・小規模飲食事業者の旺盛な出店需要に対応して店舗物件の積極的な仕入を推進し、転貸借物件数が増加して大幅増収と順調だった。

 セグメント別に見ると、店舗転貸借事業(子会社店舗セーフティーの店舗家賃保証事業を含む)は売上高が12.2%増の66億26百万円で営業利益が17.3%減の4億23百万円、不動産売買事業は売上高が139.1%増の4億72百万円で営業利益が135.0%増の1億02百万円だった。

 店舗転貸借事業の転貸借契約件数は4.5%増の234件、第2四半期末の転貸借物件数は2335件(前年同期比255件増加、23年3月期末比119件増加)となった。不動産売買事業では6物件を売却、6物件を取得して第2四半期末の保有物件数は6件となった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が34億10百万円で営業利益が2億44百万円、第2四半期は売上高が36億88百万円で営業利益が2億81百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。転貸借物件数および契約件数が順調に増加して増収増益予想としている。成約数は88件増加の570件、期末転貸借物件数は311件増加の2527件の計画としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高48%、営業利益41%、経常利益43%、親会社株主帰属当期純利益43%だった。第2四半期累計は先行投資の影響で減益だったが、通期ベースではストック収益が順調に積み上がり、人件費やDX投資などの増加を吸収する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象、優待条件・内容を一部変更

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施しているが、同社へのロイヤリティの高い株主に対する還元を強化することを目的として、優待条件・内容を一部変更(詳細は会社HP参照)している。

 変更後は、24年3月期については24年3月31日時点で500株以上保有し、かつ1年以上継続して100株以上保有している株主にジェフグルメカード1万円分を贈呈する。25年3月期以降(25年3月31日以降)については毎年3月31日時点で500株以上保有し、かつ1年以上継続して500株以上保有している株主にジェフグルメカード1万円分を贈呈する。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は軟調展開で23年6月の昨年来安値に接近しているが、売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。1月17日の終値は1020円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円37銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約2.0%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS187円69銭で算出)は約5.4倍、そして時価総額は約180億円である。情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[12月22日更新]

テンポイノベーションは調整一巡、24年3月期増収増益予想で収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスである。成長戦略として、旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応するため、積極的な人材育成と仕入を継続している。24年3月期は増収増益予想としている。第2四半期累計は先行投資の影響で減益だったが、通期ベースではストック収益が順調に積み上がり、人件費やDX投資などの増加を吸収する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。株価は上値を切り下げる形となってやや軟調だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して事業開始)も展開している。なお、クロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 23年3月期売上高構成比は店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)が93%、不動産売買事が7%、営業利益構成比は店舗転貸借事業が79%、不動産売買事業が21%だった。全社売上高に占める店舗転貸借ランニング収入(賃料収入、更新手数料収入など)の比率は86.7%(22年3月期比0.8ポイント上昇)だった。

 不動産売買事業は不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。23年3月期は5物件を売却、8物件を取得し、期末時点の保有物件数は6件となった。なお四半期業績は不動産売買事業のイニシャル収入によって変動する可能性があるが、ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に拡大している。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借成約件数の合計は22年3月期比75件増加の482件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は265件増加の2216件となった。コロナ禍などで飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件、第3四半期131件、第4四半期127件と、コロナ禍前を上回る水準となっている。コロナ禍の影響緩和や政府の補助金終了によって新陳代謝が進み、成約数が増加基調である。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期)では、連結業績目標値として最終年度26年3月期の売上高191億11百万円、営業利益16億79百万円、経常利益17億09百万円、親会社株主帰属当期純利益11億66百万円、成約数700件、期末転貸借物件数3275件を掲げている。

 また、東証プライム市場上場維持基準への早期適合を視野に、株主への利益還元の姿勢をより明確にするため配当方針を変更し、中期経営計画の各期においては配当性向40%を目途に配当を実施する方針とした。これにより、26年3月期の1株当たり配当は年間28円(配当性向40.9%)の計画としている。さらに中期経営計画終了後も同等の配当性向を目途とした株主還元を目指すとしている。

 基本方針に店舗転貸借事業の拡大(転貸借契約件数と賃料差益の最大化)、テーマに専門特化・プロフェッショナル化、重点施策に継続的な営業組織の拡充とWEB(出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」)による集客力向上、営業採用のための組織強化やノウハウの体系化およびIT化による教育強化、不動産売買における仕入先・販売先のさらなる拡大と人員の増強、DX推進による業務系実務や営業マネジメントの効率化を掲げた。

 中長期的な経営目標としては、26年3月期までに営業部門100名体制を達成することにより、27年3月期に転貸借物件純増数600件/年、28年3月期に成約数1000件/年、さらに29年3月期に転貸借物件数5500件、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。営業力の増強に向けては、23年3月期営業人員数36名に対して、増員・教育・適性に応じた配置により営業体制の構築を推進する。26年3月期営業人員100名体制を目指すが、営業業務効率化が進んだ場合、80〜90名程度での対応も視野に入れるとしている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。またESG活動として、居抜き物件を活用するビジネススキームにより、産業廃棄物(造作物)の廃棄量削減に貢献している。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月の東京証券取引所の市場再編ではプライム市場へ移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示(21年12月15日付)した。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて流通株式比率向上に向けたテクニカルな取組も検討する。継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化を通じてストック型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

 23年6月には23年3月末時点における計画進捗状況をリリースした。引き続き流通株式時価総額と1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないが、23年5月策定の中期経営計画において、従来計画に対して配当方針、株主優待、営業体制をアップデートするなど、企業価値向上(時価総額増大)に向けた各種取組を推進しており、流通株式時価総額については28年3月末までに、1日平均売買代金については23年12月末までに上場維持基準を充たすことを目指す方針に変更はないとしている。なお時価総額については、21年11月30日時点の146億円から23年3月31日時点で203億円と大幅に上昇した。

 なお11月20日に発表した自己株式を活用した第三者割当による第3回新株予約権(行使価額修正条項および停止要請条項付、割当先は東海東京証券、下限行使価格1198円、行使期間23年12月7日〜26年12月7日)については、予定通り12月6日に払込が完了した。発行新株予約権数9000個(1個につき100株)で、行使に際して交付する株式については同社が保有する自己株式90万株を活用するため新株発行を行わない。流通株式数の増加により上場維持基準の適合に資することが期待される。

■24年3月期増収増益予想で収益拡大基調

 24年3月期連結業績予想は売上高が23年3月期比13.6%増の148億44百万円、営業利益が5.3%増の12億76百万円、経常利益が3.2%増の13億06百万円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%増の8億91百万円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の20円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は38.2%となる。中期経営計画において配当方針を変更し、配当性向を引き上げることとした。

 重点施策として、営業活動面では継続的に物件仕入を強化し、出店ニーズに合致した物件の確保を推進する。教育面では業界経験の浅い担当者でも早期に戦力化できる教育の仕組みづくりを推進する。採用面では営業活動での経験やノウハウを採用活動にも活かし、精度の高い採用活動を実現する方針だ。集客面では、出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」を強化する。業務効率化面では物件増や社員増に向けて、DXの推進により事務効率化を図り、質が必要な仕事に打ち込める体制を強化する。不動産売買では、安定的に仕入や売却ができる取引先を増やしつつ、組織強化にも着手する方針としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比16.3%増の70億98百万円、営業利益が5.3%減の5億25百万円、経常利益が3.9%減の5億58百万円、親会社株主帰属四半期純利益が4.3%減の3億81百万円だった。

 利益面は人件費や採用費の増加、転貸借物件数増加に対応するための営業管理システムのDX化など、先行投資の影響で減益だったが、売上面は個人・小規模飲食事業者の旺盛な出店需要に対応して店舗物件の積極的な仕入を推進し、転貸借物件数が増加して大幅増収と順調だった。

 セグメント別に見ると、店舗転貸借事業(子会社店舗セーフティーの店舗家賃保証事業を含む)は売上高が12.2%増の66億26百万円で営業利益が17.3%減の4億23百万円、不動産売買事業は売上高が139.1%増の4億72百万円で営業利益が135.0%増の1億02百万円だった。

 店舗転貸借事業の転貸借契約件数は4.5%増の234件、第2四半期末の転貸借物件数は2335件(前年同期比255件増加、23年3月期末比119件増加)となった。不動産売買事業では6物件を売却、6物件を取得して第2四半期末の保有物件数は6件となった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が34億10百万円で営業利益が2億44百万円、第2四半期は売上高が36億88百万円で営業利益が2億81百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。転貸借物件数および契約件数が順調に増加して増収増益予想としている。成約数は88件増加の570件、期末転貸借物件数は311件増加の2527件の計画としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高48%、営業利益41%、経常利益43%、親会社株主帰属当期純利益43%だった。第2四半期累計は先行投資の影響で減益だったが、通期ベースではストック収益が順調に積み上がり、人件費やDX投資などの増加を吸収する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象、優待条件・内容を一部変更

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施しているが、同社へのロイヤリティの高い株主に対する還元を強化することを目的として、優待条件・内容を一部変更(詳細は会社HP参照)している。

 変更後は、24年3月期については24年3月31日時点で500株以上保有し、かつ1年以上継続して100株以上保有している株主にジェフグルメカード1万円分を贈呈する。25年3月期以降(25年3月31日以降)については毎年3月31日時点で500株以上保有し、かつ1年以上継続して500株以上保有している株主にジェフグルメカード1万円分を贈呈する。

■株価は調整一巡

 株価は上値を切り下げる形となってやや軟調だが、調整一巡して出直りを期待したい。12月21日の終値は1039円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円37銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.9%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS187円69銭で算出)は約5.5倍、そして時価総額は約184億円である。情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月30日更新]

テンポイノベーションは調整一巡、24年3月期増収増益予想で収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスである。成長戦略として、旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応するため、積極的な人材育成と仕入を継続している。24年3月期増収増益予想としている。第2四半期累計は人件費や採用費の増加、DX化など先行投資の影響で減益だが、売上面は店舗物件の積極的な仕入を推進し、転貸借物件数が増加して大幅増収と順調だった。第3四半期以降もストック収益が順調に積み上がる見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。株価は9月の戻り高値圏から反落してモミ合う形だが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。なお11月20日に自己株式を活用した第三者割当による第3回新株予約権(行使価額修正条項および停止要請条項付)の発行を発表している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して事業開始)も展開している。なお、クロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 23年3月期売上高構成比は店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)が93%、不動産売買事が7%、営業利益構成比は店舗転貸借事業が79%、不動産売買事業が21%だった。全社売上高に占める店舗転貸借ランニング収入(賃料収入、更新手数料収入など)の比率は86.7%(22年3月期比0.8ポイント上昇)だった。

 不動産売買事業は不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。23年3月期は5物件を売却、8物件を取得し、期末時点の保有物件数は6件となった。なお四半期業績は不動産売買事業のイニシャル収入によって変動する可能性があるが、ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に拡大している。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借成約件数の合計は22年3月期比75件増加の482件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は265件増加の2216件となった。コロナ禍などで飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件、第3四半期131件、第4四半期127件と、コロナ禍前を上回る水準となっている。コロナ禍の影響緩和や政府の補助金終了によって新陳代謝が進み、成約数が増加基調である。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期)では、連結業績目標値として最終年度26年3月期の売上高191億11百万円、営業利益16億79百万円、経常利益17億09百万円、親会社株主帰属当期純利益11億66百万円、成約数700件、期末転貸借物件数3275件を掲げている。

 また、東証プライム市場上場維持基準への早期適合を視野に、株主への利益還元の姿勢をより明確にするため配当方針を変更し、中期経営計画の各期においては配当性向40%を目途に配当を実施する方針とした。これにより、26年3月期の1株当たり配当は年間28円(配当性向40.9%)の計画としている。さらに中期経営計画終了後も同等の配当性向を目途とした株主還元を目指すとしている。

 基本方針に店舗転貸借事業の拡大(転貸借契約件数と賃料差益の最大化)、テーマに専門特化・プロフェッショナル化、重点施策に継続的な営業組織の拡充とWEB(出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」)による集客力向上、営業採用のための組織強化やノウハウの体系化およびIT化による教育強化、不動産売買における仕入先・販売先のさらなる拡大と人員の増強、DX推進による業務系実務や営業マネジメントの効率化を掲げた。

 中長期的な経営目標としては、26年3月期までに営業部門100名体制を達成することにより、27年3月期に転貸借物件純増数600件/年、28年3月期に成約数1000件/年、さらに29年3月期に転貸借物件数5500件、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。営業力の増強に向けては、23年3月期営業人員数36名に対して、増員・教育・適性に応じた配置により営業体制の構築を推進する。26年3月期営業人員100名体制を目指すが、営業業務効率化が進んだ場合、80〜90名程度での対応も視野に入れるとしている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。またESG活動として、居抜き物件を活用するビジネススキームにより、産業廃棄物(造作物)の廃棄量削減に貢献している。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月の東京証券取引所の市場再編ではプライム市場へ移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示(21年12月15日付)した。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて流通株式比率向上に向けたテクニカルな取組も検討する。継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化を通じてストック型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

 23年6月には23年3月末時点における計画進捗状況をリリースした。引き続き流通株式時価総額と1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないが、23年5月策定の中期経営計画において、従来計画に対して配当方針、株主優待、営業体制をアップデートするなど、企業価値向上(時価総額増大)に向けた各種取組を推進しており、流通株式時価総額については28年3月末までに、1日平均売買代金については23年12月末までに上場維持基準を充たすことを目指す方針に変更はないとしている。なお時価総額については、21年11月30日時点の146億円から23年3月31日時点で203億円と大幅に上昇した。

 なお11月20日に自己株式を活用した第三者割当による第3回新株予約権(行使価額修正条項および停止要請条項付)の発行を発表した。割当先は東海東京証券、下限行使価格は1198円、行使期間は23年12月7日〜26年12月7日である。発行新株予約権数は9000個(1個につき100株)で、行使に際して交付する株式については同社が保有する自己株式90万株を活用するため新株発行を行わない。流通株式数の増加により上場維持基準の適合に資することが期待される。

■24年3月期2Q累計は先行投資で減益だが通期増収増益予想据え置き

 24年3月期連結業績予想は売上高が23年3月期比13.6%増の148億44百万円、営業利益が5.3%増の12億76百万円、経常利益が3.2%増の13億06百万円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%増の8億91百万円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の20円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は38.2%となる。中期経営計画において配当方針を変更し、配当性向を引き上げることとした。

 重点施策として、営業活動面では継続的に物件仕入を強化し、出店ニーズに合致した物件の確保を推進する。教育面では業界経験の浅い担当者でも早期に戦力化できる教育の仕組みづくりを推進する。採用面では営業活動での経験やノウハウを採用活動にも活かし、精度の高い採用活動を実現する方針だ。集客面では、出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」を強化する。業務効率化面では物件増や社員増に向けて、DXの推進により事務効率化を図り、質が必要な仕事に打ち込める体制を強化する。不動産売買では、安定的に仕入や売却ができる取引先を増やしつつ、組織強化にも着手する方針としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比16.3%増の70億98百万円、営業利益が5.3%減の5億25百万円、経常利益が3.9%減の5億58百万円、親会社株主帰属四半期純利益が4.3%減の3億81百万円だった。

 利益面は人件費や採用費の増加、転貸借物件数増加に対応するための営業管理システムのDX化など、先行投資の影響で減益だったが、売上面は個人・小規模飲食事業者の旺盛な出店需要に対応して店舗物件の積極的な仕入を推進し、転貸借物件数が増加して大幅増収と順調だった。

 セグメント別に見ると、店舗転貸借事業(子会社店舗セーフティーの店舗家賃保証事業を含む)は売上高が12.2%増の66億26百万円で営業利益が17.3%減の4億23百万円、不動産売買事業は売上高が139.1%増の4億72百万円で営業利益が135.0%増の1億02百万円だった。

 店舗転貸借事業の転貸借契約件数は4.5%増の234件、第2四半期末の転貸借物件数は2335件(前年同期比255件増加、23年3月期末比119件増加)となった。不動産売買事業では6物件を売却、6物件を取得して第2四半期末の保有物件数は6件となった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が34億10百万円で営業利益が2億44百万円、第2四半期は売上高が36億88百万円で営業利益が2億81百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。転貸借物件数および契約件数が順調に増加して増収増益予想としている。成約数は88件増加の570件、期末転貸借物件数は311件増加の2527件の計画としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高48%、営業利益41%、経常利益43%、親会社株主帰属当期純利益43%だった。利益進捗率がやや低水準の形だが、第3四半期以降もストック収益が順調に積み上がる見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象、優待条件・内容を一部変更

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施しているが、同社へのロイヤリティの高い株主に対する還元を強化することを目的として、優待条件・内容を一部変更(詳細は会社HP参照)する。

 変更後は、24年3月31日時点で500株以上を保有・且つ100株以上を1年以上継続保有している株主を対象として、ジェフグルメカード1万円分を贈呈する。また25年3月31日時点より、500株以上を1年以上継続保有している株主を対象として、ジェフグルメカード1万円分を贈呈する。

■株価は調整一巡

 株価は9月の戻り高値圏から反落してモミ合う形だが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。11月29日の終値は1102円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円37銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.8%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS187円69銭で算出)は約5.9倍、そして時価総額は約195億円である。情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月06日更新]

テンポイノベーションは24年3月期2Q累計減益だが売上順調、通期増益予想据え置き

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は11月2日の取引時間終了後に24年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。利益面は人件費や採用費の増加、転貸借物件数増加に対応するためのDX化など先行投資の影響で減益だったが、売上面は個人・小規模飲食事業者の旺盛な出店需要に対応して店舗物件の積極的な仕入を推進し、転貸借物件数が増加して大幅増収と順調だった。そして通期増益予想を据え置いた。第3四半期以降もストック収益が順調に積み上がる見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は9月の戻り高値圏から反落し、さらに地合い悪化も影響して水準を切り下げる形となったが、調整一巡感を強めている。目先的には第2四半期累計減益を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。

■24年3月期2Q累計は先行投資で減益だが、通期増益予想据え置き

 24年3月期第2四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比16.3%増の70億98百万円、営業利益が5.3%減の5億25百万円、経常利益が3.9%減の5億58百万円、親会社株主帰属四半期純利益が4.3%減の3億81百万円だった。

 利益面は人件費や採用費の増加、転貸借物件数増加に対応するための営業管理システムのDX化など、先行投資の影響で減益だったが、売上面は個人・小規模飲食事業者の旺盛な出店需要に対応して店舗物件の積極的な仕入を推進し、転貸借物件数が増加して大幅増収と順調だった。

 セグメント別に見ると、店舗転貸借事業(子会社店舗セーフティーの店舗家賃保証事業を含む)は売上高が12.2%増の66億26百万円で営業利益が17.3%減の4億23百万円、不動産売買事業は売上高が139.1%増の4億72百万円で営業利益が135.0%増の1億02百万円だった。

 店舗転貸借事業の転貸借契約件数は4.5%増の234件、第2四半期末の転貸借物件数は2335件(前年同期比255件増加、23年3月期末比119件増加)となった。不動産売買事業では6物件を売却、6物件を取得して第2四半期末の保有物件数は6件となった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が34億10百万円で営業利益が2億44百万円、第2四半期は売上高が36億88百万円で営業利益が2億81百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年3月期比13.6%増の148億44百万円、営業利益が5.3%増の12億76百万円、経常利益が3.2%増の13億06百万円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%増の8億91百万円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の20円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は38.2%となる。

 契約件数および転貸借物件数が順調に増加し、先行投資によるコスト増加を吸収して増益予想としている。契約件数は23年3月期比88件増の570件、期末転貸借物件数は311件増加の2527件の計画としている。第2四半期累計の進捗率は売上高48%、営業利益41%、経常利益43%、親会社株主帰属当期純利益43%だった。利益進捗率がやや低水準の形だが、第3四半期以降もストック収益が順調に積み上がる見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価は9月の戻り高値圏から反落し、さらに地合い悪化も影響して水準を切り下げる形となったが、調整一巡感を強めている。目先的には第2四半期累計減益を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。11月2日の終値は1094円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円37銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.8%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS187円69銭で算出)は約5.8倍、そして時価総額は約193億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月24日更新]

テンポイノベーションは売られ過ぎ感、24年3月期増収増益予想で収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスである。成長戦略として、旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応するため、積極的な人材育成と仕入を継続している。24年3月期増収増益予想としている。期末に向けてストック収益が順調に積み上がる見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で水準を切り下げる形となったが、売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。なお11月2日に24年3月期第2四半期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して事業開始)も展開している。なお、クロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 23年3月期売上高構成比は店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)が93%、不動産売買事が7%、営業利益構成比は店舗転貸借事業が79%、不動産売買事業が21%だった。全社売上高に占める店舗転貸借ランニング収入(賃料収入、更新手数料収入など)の比率は86.7%(22年3月期比0.8ポイント上昇)だった。

 不動産売買事業は不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。23年3月期は5物件を売却、8物件を取得し、期末時点の保有物件数は6件となった。なお四半期業績は不動産売買事業のイニシャル収入によって変動する可能性があるが、ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に拡大している。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借成約件数の合計は22年3月期比75件増加の482件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は265件増加の2216件となった。コロナ禍などで飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件、第3四半期131件、第4四半期127件と、コロナ禍前を上回る水準となっている。コロナ禍の影響緩和や政府の補助金終了によって新陳代謝が進み、成約数が増加基調である。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期)では、連結業績目標値として最終年度26年3月期の売上高191億11百万円、営業利益16億79百万円、経常利益17億09百万円、親会社株主帰属当期純利益11億66百万円、成約数700件、期末転貸借物件数3275件を掲げている。

 また、東証プライム市場上場維持基準への早期適合を視野に、株主への利益還元の姿勢をより明確にするため配当方針を変更し、中期経営計画の各期においては配当性向40%を目途に配当を実施する方針とした。これにより、26年3月期の1株当たり配当は年間28円(配当性向40.9%)の計画としている。さらに中期経営計画終了後も同等の配当性向を目途とした株主還元を目指すとしている。

 基本方針に店舗転貸借事業の拡大(転貸借契約件数と賃料差益の最大化)、テーマに専門特化・プロフェッショナル化、重点施策に継続的な営業組織の拡充とWEB(出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」)による集客力向上、営業採用のための組織強化やノウハウの体系化およびIT化による教育強化、不動産売買における仕入先・販売先のさらなる拡大と人員の増強、DX推進による業務系実務や営業マネジメントの効率化を掲げた。

 中長期的な経営目標としては、26年3月期までに営業部門100名体制を達成することにより、27年3月期に転貸借物件純増数600件/年、28年3月期に成約数1000件/年、さらに29年3月期に転貸借物件数5500件、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。営業力の増強に向けては、23年3月期営業人員数36名に対して、増員・教育・適性に応じた配置により営業体制の構築を推進する。26年3月期営業人員100名体制を目指すが、営業業務効率化が進んだ場合、80〜90名程度での対応も視野に入れるとしている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。またESG活動として、居抜き物件を活用するビジネススキームにより、産業廃棄物(造作物)の廃棄量削減に貢献している。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月の東京証券取引所の市場再編ではプライム市場へ移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示(21年12月15日付)した。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて流通株式比率向上に向けたテクニカルな取組も検討する。継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化を通じてストック型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

 23年6月には23年3月末時点における計画進捗状況をリリースした。引き続き流通株式時価総額と1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないが、23年5月策定の中期経営計画において、従来計画に対して配当方針、株主優待、営業体制をアップデートするなど、企業価値向上(時価総額増大)に向けた各種取組を推進しており、流通株式時価総額については28年3月末までに、1日平均売買代金については23年12月末までに上場維持基準を充たすことを目指す方針に変更はないとしている。なお時価総額については、21年11月30日時点の146億円から23年3月31日時点で203億円と大幅に上昇した。

■24年3月期増収増益予想で収益拡大基調

 24年3月期連結業績予想は売上高が23年3月期比13.6%増の148億44百万円、営業利益が5.3%増の12億76百万円、経常利益が3.2%増の13億06百万円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%増の8億91百万円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の20円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は38.2%となる。中期経営計画において配当方針を変更し、配当性向を引き上げることとした。

 転貸借物件数および契約件数が順調に増加して増収増益予想としている。成約数は88件増加の570件、期末転貸借物件数は311件増加の2527件の計画としている。

 重点施策として、営業活動面では継続的に物件仕入を強化し、出店ニーズに合致した物件の確保を推進する。教育面では業界経験の浅い担当者でも早期に戦力化できる教育の仕組みづくりを推進する。採用面では営業活動での経験やノウハウを採用活動にも活かし、精度の高い採用活動を実現する方針だ。集客面では、出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」を強化する。業務効率化面では物件増や社員増に向けて、DXの推進により事務効率化を図り、質が必要な仕事に打ち込める体制を強化する。不動産売買では、安定的に仕入や売却ができる取引先を増やしつつ、組織強化にも着手する方針としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比13.5%増の34億10百万円、営業利益が14.6%減の2億44百万円、経常利益が9.4%減の2億77百万円、親会社株主帰属四半期純利益が9.8%減の1億89百万円だった。

 店舗転貸借事業における積極的な転貸物件仕入に伴う空家賃の増加、不動産売買事業における利益率の低下に加えて、人件費、採用費、システム関連費の増加など先行投資の影響で減益だった。ただし売上面は転貸借物件数が増加して2桁増収と順調だった。セグメント別に見ると、店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業を含む)は売上高が12.4%増の32億62百万円で営業利益が14.0%減の2億15百万円、不動産売買事業は売上高が44.3%増の1億48百万円で営業利益が18.4%減の29百万円だった。

 なお売上高のランニング・イニシャル別の内訳は、ランニング収入(店舗転貸借事業のランニング収入)が11.5%増の30億24百万円、イニシャル収入(店舗転貸借事業のイニシャル収入、店舗家賃保証事業、不動産売買事業)が33.1%増の3億86百万円だった。ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に拡大している。

 店舗転貸借事業の第1四半期の成約件数は前年同期比11.2%増の119件(新規契約が63件、後継契約が56件)、解約は7件(前年同期は4件)で、第1四半期末の転貸借物件数は2272件(前年同期比257件増加、23年3月期末比56件増加)となった。解約は主に定借終了や再開発等の建物側事由によるものだった。不動産売買事業では2物件を売却、5物件を取得して第1四半期末時点の保有物件数は9件となった。

 通期の増収増益予想は据え置いている。不透明感や人材投資などを考慮して各利益は小幅増益にとどまる見込みとしているが、転貸借物件数および契約件数が順調に増加して増収増益予想としている。第1四半期は先行投資で減益だったが、売上面は転貸借物件数が増加して2桁増収と順調だった。期末に向けてストック収益が順調に積み上がる見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象、優待条件・内容を一部変更

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施しているが、同社へのロイヤリティの高い株主に対する還元を強化することを目的として、優待条件・内容を一部変更(詳細は会社HP参照)する。

 変更後は、24年3月31日時点で500株以上を保有・且つ100株以上を1年以上継続保有している株主を対象として、ジェフグルメカード1万円分を贈呈する。また25年3月31日時点より、500株以上を1年以上継続保有している株主を対象として、ジェフグルメカード1万円分を贈呈する。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化の影響で水準を切り下げる形となったが、売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。10月23日の終値は1102円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円37銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.8%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS187円69銭で算出)は約5.9倍、そして時価総額は約195億円である。情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月28日更新]

テンポイノベーションは上値試す、24年3月期も収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスであり、旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を継続している。24年3月期は増収増益予想としている。ストック収益が順調に積み上がる見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻り高値圏から反落の形となったが、利益確定売り一巡して上値を試す展開を期待したい。なお11月2日に24年3月期第2四半期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して事業開始)も展開している。なお、クロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 23年3月期売上高構成比は店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)が93%、不動産売買事が7%、営業利益構成比は店舗転貸借事業が79%、不動産売買事業が21%だった。全社売上高に占める店舗転貸借ランニング収入(賃料収入、更新手数料収入など)の比率は86.7%(22年3月期比0.8ポイント上昇)だった。

 不動産売買事業は不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。23年3月期は5物件を売却、8物件を取得し、期末時点の保有物件数は6件となった。なお四半期業績は不動産売買事業のイニシャル収入によって変動する可能性があるが、ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に拡大している。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借成約件数の合計は22年3月期比75件増加の482件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は265件増加の2216件となった。コロナ禍などで飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件、第3四半期131件、第4四半期127件と、コロナ禍前を上回る水準となっている。コロナ禍の影響緩和や政府の補助金終了によって新陳代謝が進み、成約数が増加基調である。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期)では、連結業績目標値として最終年度26年3月期の売上高191億11百万円、営業利益16億79百万円、経常利益17億09百万円、親会社株主帰属当期純利益11億66百万円、成約数700件、期末転貸借物件数3275件を掲げている。

 また、東証プライム市場上場維持基準への早期適合を視野に、株主への利益還元の姿勢をより明確にするため配当方針を変更し、中期経営計画の各期においては配当性向40%を目途に配当を実施する方針とした。これにより、26年3月期の1株当たり配当は年間28円(配当性向40.9%)の計画としている。さらに中期経営計画終了後も同等の配当性向を目途とした株主還元を目指すとしている。

 基本方針に店舗転貸借事業の拡大(転貸借契約件数と賃料差益の最大化)、テーマに専門特化・プロフェッショナル化、重点施策に継続的な営業組織の拡充とWEB(出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」)による集客力向上、営業採用のための組織強化やノウハウの体系化およびIT化による教育強化、不動産売買における仕入先・販売先のさらなる拡大と人員の増強、DX推進による業務系実務や営業マネジメントの効率化を掲げた。

 中長期的な経営目標としては、26年3月期までに営業部門100名体制を達成することにより、27年3月期に転貸借物件純増数600件/年、28年3月期に成約数1000件/年、さらに29年3月期に転貸借物件数5500件、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。営業力の増強に向けては、23年3月期営業人員数36名に対して、増員・教育・適性に応じた配置により営業体制の構築を推進する。26年3月期営業人員100名体制を目指すが、営業業務効率化が進んだ場合、80〜90名程度での対応も視野に入れるとしている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。またESG活動として、居抜き物件を活用するビジネススキームにより、産業廃棄物(造作物)の廃棄量削減に貢献している。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月の東京証券取引所の市場再編ではプライム市場へ移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示(21年12月15日付)した。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて流通株式比率向上に向けたテクニカルな取組も検討する。継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化を通じてストック型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

 23年3月には、22年12月末時点における計画進捗状況をリリースした。移行基準日(21年6月30日)時点で流通株式時価総額がプライム市場上場維持基準を充たしていなかったが、22年12月末時点で新たに1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないことを確認した。このため1日平均売買代金に関して23年12月31日までに上場維持基準を充たすための各種取組を進めるとした。

 上場維持基準に関する経過措置の終了時期が定められたことを踏まえ、計画期間終了時期に変更はないものの、新たな中期経営計画で掲げた各種施策への取組や業績目標の達成により、早期の基準適合を視野に入れて時価総額の上昇を実現すべく、企業価値の向上および株主価値の向上を図る方針としている。なお、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT−3)によって23年2月13日付で自己株式65万株、23年5月19日付で自己株式25万株を取得している

 23年6月には23年3月末時点における計画進捗状況をリリースした。引き続き流通株式時価総額と1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないが、23年5月策定の中期経営計画において、従来計画に対して配当方針、株主優待、営業体制をアップデートするなど、企業価値向上(時価総額増大)に向けた各種取組を推進しており、流通株式時価総額については28年3月末までに、1日平均売買代金については23年12月末までに上場維持基準を充たすことを目指す方針に変更はないとしている。なお時価総額については、21年11月30日時点の146億円から23年3月31日時点で203億円と大幅に上昇した。

■24年3月期増収増益予想

 24年3月期連結業績予想は売上高が23年3月期比13.6%増の148億44百万円、営業利益が5.3%増の12億76百万円、経常利益が3.2%増の13億06百万円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%増の8億91百万円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の20円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は38.2%となる。中期経営計画において配当方針を変更し、配当性向を引き上げることとした。

 転貸借物件数および契約件数が順調に増加して増収増益予想としている。成約数は88件増加の570件、期末転貸借物件数は311件増加の2527件の計画としている。

 重点施策として、営業活動面では継続的に物件仕入を強化し、出店ニーズに合致した物件の確保を推進する。教育面では業界経験の浅い担当者でも早期に戦力化できる教育の仕組みづくりを推進する。採用面では営業活動での経験やノウハウを採用活動にも活かし、精度の高い採用活動を実現する方針だ。集客面では、出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」を強化する。業務効率化面では物件増や社員増に向けて、DXの推進により事務効率化を図り、質が必要な仕事に打ち込める体制を強化する。不動産売買では、安定的に仕入や売却ができる取引先を増やしつつ、組織強化にも着手する方針としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比13.5%増の34億10百万円、営業利益が14.6%減の2億44百万円、経常利益が9.4%減の2億77百万円、親会社株主帰属四半期純利益が9.8%減の1億89百万円だった。

 店舗転貸借事業における積極的な転貸物件仕入に伴う空家賃の増加、不動産売買事業における利益率の低下に加えて、人件費、採用費、システム関連費の増加など先行投資の影響で減益だった。ただし売上面は転貸借物件数が増加して2桁増収と順調だった。セグメント別に見ると、店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業を含む)は売上高が12.4%増の32億62百万円で営業利益が14.0%減の2億15百万円、不動産売買事業は売上高が44.3%増の1億48百万円で営業利益が18.4%減の29百万円だった。

 なお売上高のランニング・イニシャル別の内訳は、ランニング収入(店舗転貸借事業のランニング収入)が11.5%増の30億24百万円、イニシャル収入(店舗転貸借事業のイニシャル収入、店舗家賃保証事業、不動産売買事業)が33.1%増の3億86百万円だった。ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に拡大している。

 店舗転貸借事業の第1四半期の成約件数は前年同期比11.2%増の119件(新規契約が63件、後継契約が56件)、解約は7件(前年同期は4件)で、第1四半期末の転貸借物件数は2272件(前年同期比257件増加、23年3月期末比56件増加)となった。解約は主に定借終了や再開発等の建物側事由によるものだった。不動産売買事業では2物件を売却、5物件を取得して第1四半期末時点の保有物件数は9件となった。

 通期の増収増益予想は据え置いている。不透明感や人材投資などを考慮して各利益は小幅増益にとどまる見込みとしているが、転貸借物件数および契約件数が順調に増加して増収増益予想としている。第1四半期は先行投資で減益だったが、売上面は転貸借物件数が増加して2桁増収と順調だった。第2四半期以降もストック収益が順調に積み上がる見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象、優待条件・内容を一部変更

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施しているが、同社へのロイヤリティの高い株主に対する還元を強化することを目的として、優待条件・内容を一部変更(詳細は会社HP参照)する。

 変更後は、24年3月31日時点で500株以上を保有・且つ100株以上を1年以上継続保有している株主を対象として、ジェフグルメカード1万円分を贈呈する。また25年3月31日時点より、500株以上を1年以上継続保有している株主を対象として、ジェフグルメカード1万円分を贈呈する。

■株価は上値試す

 株価は戻り高値圏から反落の形となったが、利益確定売り一巡して上値を試す展開を期待したい。9月27日の終値は1175円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円37銭で算出)は約22倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.7%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS187円69銭で算出)は約6.3倍、そして時価総額は約208億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月04日更新]

テンポイノベーションは3月の高値に接近、24年3月期増収増益予想で収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスであり、旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を継続している。24年3月期は増収増益予想としている。第1四半期は先行投資で減益だったが、売上面は転貸借物件数が増加して2桁増収と順調だった。第2四半期以降もストック収益が順調に積み上がる見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。株価は水準を切り上げて3月の上場来高値に接近している。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して事業開始)も展開している。なお、クロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 23年3月期売上高構成比は店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)が93%、不動産売買事が7%、営業利益構成比は店舗転貸借事業が79%、不動産売買事業が21%だった。全社売上高に占める店舗転貸借ランニング収入(賃料収入、更新手数料収入など)の比率は86.7%(22年3月期比0.8ポイント上昇)だった。

 不動産売買事業は不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。23年3月期は5物件を売却、8物件を取得し、期末時点の保有物件数は6件となった。なお四半期業績は不動産売買事業のイニシャル収入によって変動する可能性があるが、ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に伸長している。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借成約件数の合計は22年3月期比75件増加の482件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は265件増加の2216件となった。コロナ禍などで飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件、第3四半期131件、第4四半期127件と、コロナ禍前を上回る水準となっている。コロナ禍の影響緩和や政府の補助金終了によって新陳代謝が進み、成約数が増加基調である。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期)では、連結業績目標値として最終年度26年3月期の売上高191億11百万円、営業利益16億79百万円、経常利益17億09百万円、親会社株主帰属当期純利益11億66百万円、成約数700件、期末転貸借物件数3275件を掲げている。

 また、東証プライム市場上場維持基準への早期適合を視野に、株主への利益還元の姿勢をより明確にするため配当方針を変更し、中期経営計画の各期においては配当性向40%を目途に配当を実施する方針とした。これにより、26年3月期の1株当たり配当は年間28円(配当性向40.9%)の計画としている。さらに中期経営計画終了後も同等の配当性向を目途とした株主還元を目指すとしている。

 基本方針に店舗転貸借事業の拡大(転貸借契約件数と賃料差益の最大化)、テーマに専門特化・プロフェッショナル化、重点施策に継続的な営業組織の拡充とWEB(出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」)による集客力向上、営業採用のための組織強化やノウハウの体系化およびIT化による教育強化、不動産売買における仕入先・販売先のさらなる拡大と人員の増強、DX推進による業務系実務や営業マネジメントの効率化を掲げた。

 中長期的な経営目標として、26年3月期までに営業部門100名体制を達成することにより、27年3月期に転貸借物件純増数600件/年、28年3月期に成約数1000件/年、さらに29年3月期に転貸借物件数5500件、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。営業力の増強に向けては、23年3月期営業人員数36名に対して、増員・教育・適性に応じた配置により営業体制の構築を推進する。26年3月期営業人員100名体制を目指すが、営業業務効率化が進んだ場合、80〜90名程度での対応も視野に入れるとしている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。またESG活動として、居抜き物件を活用するビジネススキームにより、産業廃棄物(造作物)の廃棄量削減に貢献している。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月の東京証券取引所の市場再編ではプライム市場へ移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示(21年12月15日付)した。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて流通株式比率向上に向けたテクニカルな取組も検討する。継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化を通じてストック型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

 23年3月には、22年12月末時点における計画進捗状況をリリースした。移行基準日(21年6月30日)時点で流通株式時価総額がプライム市場上場維持基準を充たしていなかったが、22年12月末時点で新たに1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないことを確認した。このため1日平均売買代金に関して23年12月31日までに上場維持基準を充たすための各種取組を進めるとした。

 上場維持基準に関する経過措置の終了時期が定められたことを踏まえ、計画期間終了時期に変更はないものの、新たな中期経営計画で掲げた各種施策への取組や業績目標の達成により、早期の基準適合を視野に入れて時価総額の上昇を実現すべく、企業価値の向上および株主価値の向上を図る方針としている。なお、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT−3)によって23年2月13日付で自己株式65万株、23年5月19日付で自己株式25万株を取得している

 23年6月には23年3月末時点における計画進捗状況をリリースした。引き続き流通株式時価総額と1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないが、23年5月策定の中期経営計画において、従来計画に対して配当方針、株主優待、営業体制をアップデートするなど、企業価値向上(時価総額増大)に向けた各種取組を推進しており、流通株式時価総額については28年3月末までに、1日平均売買代金については23年12月末までに上場維持基準を充たすことを目指す方針に変更はないとしている。なお時価総額については、21年11月30日時点の146億円から23年3月31日時点で203億円と大幅に上昇した。

■24年3月期増収増益予想

 24年3月期連結業績予想は売上高が23年3月期比13.6%増の148億44百万円、営業利益が5.3%増の12億76百万円、経常利益が3.2%増の13億06百万円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%増の8億91百万円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の20円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は38.2%となる。中期経営計画において配当方針を変更し、配当性向を引き上げることとした。

 転貸借物件数および契約件数が順調に増加して増収増益予想としている。成約数は88件増加の570件、期末転貸借物件数は311件増加の2527件の計画としている。

 重点施策として、営業活動面では継続的に物件仕入を強化し、出店ニーズに合致した物件の確保を推進する。教育面では業界経験の浅い担当者でも早期に戦力化できる教育の仕組みづくりを推進する。採用面では営業活動での経験やノウハウを採用活動にも活かし、精度の高い採用活動を実現する方針だ。集客面では、出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」を強化する。業務効率化面では物件増や社員増に向けて、DXの推進により事務効率化を図り、質が必要な仕事に打ち込める体制を強化する。不動産売買では、安定的に仕入や売却ができる取引先を増やしつつ、組織強化にも着手する方針としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比13.5%増の34億10百万円、営業利益が14.6%減の2億44百万円、経常利益が9.4%減の2億77百万円、親会社株主帰属四半期純利益が9.8%減の1億89百万円だった。

 店舗転貸借事業における積極的な転貸物件仕入に伴う空家賃の増加、不動産売買事業における利益率の低下に加えて、人件費、採用費、システム関連費の増加など先行投資の影響で減益だった。ただし売上面は転貸借物件数が増加して2桁増収と順調だった。セグメント別に見ると、店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業を含む)は売上高が12.4%増の32億62百万円で営業利益が14.0%減の2億15百万円、不動産売買事業は売上高が44.3%増の1億48百万円で営業利益が18.4%減の29百万円だった。

 なお売上高のランニング・イニシャル別の内訳は、ランニング収入(店舗転貸借事業のランニング収入)が11.5%増の30億24百万円、イニシャル収入(店舗転貸借事業のイニシャル収入、店舗家賃保証事業、不動産売買事業)が33.1%増の3億86百万円だった。ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に拡大している。

 店舗転貸借事業の第1四半期の成約件数は前年同期比11.2%増の119件(新規契約が63件、後継契約が56件)、解約は7件(前年同期は4件)で、第1四半期末の転貸借物件数は2272件(前年同期比257件増加、23年3月期末比56件増加)となった。解約は主に定借終了や再開発等の建物側事由によるものだった。不動産売買事業では2物件を売却、5物件を取得して第1四半期末時点の保有物件数は9件となった。

 通期の増収増益予想は据え置いている。不透明感や人材投資などを考慮して各利益は小幅増益にとどまる見込みとしているが、転貸借物件数および契約件数が順調に増加して増収増益予想としている。第1四半期は先行投資で減益だったが、売上面は転貸借物件数が増加して2桁増収と順調だった。第2四半期以降もストック収益が順調に積み上がる見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象、優待条件・内容を一部変更

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施しているが、同社へのロイヤリティの高い株主に対する還元を強化することを目的として、優待条件・内容を一部変更(詳細は会社HP参照)する。

 変更後は、24年3月31日時点で500株以上を保有・且つ100株以上を1年以上継続保有している株主を対象として、ジェフグルメカード1万円分を贈呈する。また25年3月31日時点より、500株以上を1年以上継続保有している株主を対象として、ジェフグルメカード1万円分を贈呈する。

■株価は3月の高値に接近

 株価は水準を切り上げて3月の上場来高値に接近している。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。9月1日の終値は1273円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円37銭で算出)は約24倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.6%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS187円69銭で算出)は約6.8倍、そして時価総額は約225億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月21日更新]

テンポイノベーションは上値試す、24年3月期増収増益予想で収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスであり、旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を継続している。24年3月期第1四半期は人件費、採用費、システム費の増加など先行投資の影響で減益だったが、売上面は転貸借物件数が増加して2桁増収と順調だった。そして通期の増収増益予想を据え置いた。第2四半期以降もストック収益が順調に積み上がる見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。株価は反発して戻り高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して事業開始)も展開している。なお、クロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 23年3月期売上高構成比は店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)が93%、不動産売買事が7%、営業利益構成比は店舗転貸借事業が79%、不動産売買事業が21%だった。全社売上高に占める店舗転貸借ランニング収入(賃料収入、更新手数料収入など)の比率は86.7%(22年3月期比0.8ポイント上昇)だった。

 不動産売買事業は不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。23年3月期は5物件を売却、8物件を取得し、期末時点の保有物件数は6件となった。なお四半期業績は不動産売買事業のイニシャル収入によって変動する可能性があるが、ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に伸長している。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借成約件数の合計は22年3月期比75件増加の482件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は265件増加の2216件となった。コロナ禍などで飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件、第3四半期131件、第4四半期127件と、コロナ禍前を上回る水準となっている。コロナ禍の影響緩和や政府の補助金終了によって新陳代謝が進み、成約数が増加基調である。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画(24年3月期〜26年3月期)では、連結業績目標値として最終年度26年3月期の売上高191億11百万円、営業利益16億79百万円、経常利益17億09百万円、親会社株主帰属当期純利益11億66百万円、成約数700件、期末転貸借物件数3275件を掲げている。

 また、東証プライム市場上場維持基準への早期適合を視野に、株主への利益還元の姿勢をより明確にするため配当方針を変更し、中期経営計画の各期においては配当性向40%を目途に配当を実施する方針とした。これにより、26年3月期の1株当たり配当は年間28円(配当性向40.9%)の計画としている。さらに中期経営計画終了後も同等の配当性向を目途とした株主還元を目指すとしている。

 基本方針に店舗転貸借事業の拡大(転貸借契約件数と賃料差益の最大化)、テーマに専門特化・プロフェッショナル化、重点施策に継続的な営業組織の拡充とWEB(出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」)による集客力向上、営業採用のための組織強化やノウハウの体系化およびIT化による教育強化、不動産売買における仕入先・販売先のさらなる拡大と人員の増強、DX推進による業務系実務や営業マネジメントの効率化を掲げた。

 中長期的な経営目標として、26年3月期までに営業部門100名体制を達成することにより、27年3月期に転貸借物件純増数600件/年、28年3月期に成約数1000件/年、さらに29年3月期に転貸借物件数5500件、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。営業力の増強に向けては、23年3月期営業人員数36名に対して、増員・教育・適性に応じた配置により営業体制の構築を推進する。26年3月期営業人員100名体制を目指すが、営業業務効率化が進んだ場合、80〜90名程度での対応も視野に入れるとしている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。またESG活動として、居抜き物件を活用するビジネススキームにより、産業廃棄物(造作物)の廃棄量削減に貢献している。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月の東京証券取引所の市場再編ではプライム市場へ移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示(21年12月15日付)した。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて流通株式比率向上に向けたテクニカルな取組も検討する。継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化を通じてストック型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

 23年3月には、22年12月末時点における計画進捗状況をリリースした。移行基準日(21年6月30日)時点で流通株式時価総額がプライム市場上場維持基準を充たしていなかったが、22年12月末時点で新たに1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないことを確認した。このため1日平均売買代金に関して23年12月31日までに上場維持基準を充たすための各種取組を進めるとした。

 上場維持基準に関する経過措置の終了時期が定められたことを踏まえ、計画期間終了時期に変更はないものの、新たな中期経営計画で掲げた各種施策への取組や業績目標の達成により、早期の基準適合を視野に入れて時価総額の上昇を実現すべく、企業価値の向上および株主価値の向上を図る方針としている。なお、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT−3)によって23年2月13日付で自己株式65万株、23年5月19日付で自己株式25万株を取得している

 23年6月には23年3月末時点における計画進捗状況をリリースした。引き続き流通株式時価総額と1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないが、23年5月策定の中期経営計画において、従来計画に対して配当方針、株主優待、営業体制をアップデートするなど、企業価値向上(時価総額増大)に向けた各種取組を推進しており、流通株式時価総額については28年3月末までに、1日平均売買代金については23年12月末までに上場維持基準を充たすことを目指す方針に変更はないとしている。なお時価総額については、21年11月30日時点の146億円から23年3月31日時点で203億円と大幅に上昇した。

■24年3月期1Qは先行投資で減益だが、通期は増益予想

 24年3月期連結業績予想は売上高が23年3月期比13.6%増の148億44百万円、営業利益が5.3%増の12億76百万円、経常利益が3.2%増の13億06百万円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%増の8億91百万円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の20円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は38.2%となる。中期経営計画において配当方針を変更し、配当性向を引き上げることとした。

 転貸借物件数および契約件数が順調に増加して増収増益予想としている。成約数は88件増加の570件、期末転貸借物件数は311件増加の2527件の計画としている。

 重点施策として、営業活動面では継続的に物件仕入を強化し、出店ニーズに合致した物件の確保を推進する。教育面では業界経験の浅い担当者でも早期に戦力化できる教育の仕組みづくりを推進する。採用面では営業活動での経験やノウハウを採用活動にも活かし、精度の高い採用活動を実現する方針だ。集客面では、出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」を強化する。業務効率化面では物件増や社員増に向けて、DXの推進により事務効率化を図り、質が必要な仕事に打ち込める体制を強化する。不動産売買では、安定的に仕入や売却ができる取引先を増やしつつ、組織強化にも着手する方針としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比13.5%増の34億10百万円、営業利益が14.6%減の2億44百万円、経常利益が9.4%減の2億77百万円、親会社株主帰属四半期純利益が9.8%減の1億89百万円だった。

 店舗転貸借事業における積極的な転貸物件仕入に伴う空家賃の増加、不動産売買事業における利益率の低下に加えて、人件費、採用費、システム関連費の増加など先行投資の影響で減益だった。ただし売上面は転貸借物件数が増加して2桁増収と順調だった。セグメント別に見ると、店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業を含む)は売上高が12.4%増の32億62百万円で営業利益が14.0%減の2億15百万円、不動産売買事業は売上高が44.3%増の1億48百万円で営業利益が18.4%減の29百万円だった。

 なお売上高のランニング・イニシャル別の内訳は、ランニング収入(店舗転貸借事業のランニング収入)が11.5%増の30億24百万円、イニシャル収入(店舗転貸借事業のイニシャル収入、店舗家賃保証事業、不動産売買事業)が33.1%増の3億86百万円だった。ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に拡大している。

 店舗転貸借事業の第1四半期の成約件数は前年同期比11.2%増の119件(新規契約が63件、後継契約が56件)、解約は7件(前年同期は4件)で、第1四半期末の転貸借物件数は2272件(前年同期比257件増加、23年3月期末比56件増加)となった。解約は主に定借終了や再開発等の建物側事由によるものだった。不動産売買事業では2物件を売却、5物件を取得して第1四半期末時点の保有物件数は9件となった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。不透明感や人材投資などを考慮して各利益は小幅増益にとどまる見込みとしているが、転貸借物件数および契約件数が順調に増加して増収増益予想としている。第1四半期は減益だったが、第2四半期以降もストック収益が順調に積み上がる見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象、優待条件・内容を一部変更

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施しているが、同社へのロイヤリティの高い株主に対する還元を強化することを目的として、優待条件・内容を一部変更(詳細は会社HP参照)する。

 変更後は、24年3月31日時点で500株以上を保有・且つ100株以上を1年以上継続保有している株主を対象として、ジェフグルメカード1万円分を贈呈する。また25年3月31日時点より、500株以上を1年以上継続保有している株主を対象として、ジェフグルメカード1万円分を贈呈する。

■株価は上値試す

 株価は反発して戻り高値圏だ。週足チャートで見ると26週移動平均線を回復している。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。8月18日の終値は1184円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円37銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.7%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS187円69銭で算出)は約6.3倍、時価総額は約209億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月04日更新]

テンポイノベーションは24年3月期1Q減益だが売上順調、通期増益予想据え置き

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は8月3日の取引時間終了後に24年3月期第1四半期連結業績を発表した。人件費、採用費、システム費の増加など先行投資の影響で減益だったが、売上面は転貸借物件数が増加して2桁増収と順調だった。そして通期の増収増益予想を据え置いた。第1四半期が減益となり、通期予想に対する進捗率も低水準の形だが、第2四半期以降もストック収益が順調に積み上がる見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。なお株主優待制度の変更も発表した。株価は戻り一服となって上値を切り下げる形だが調整一巡感を強めている。目先的には第1四半期減益を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。

■24年3月期1Qは先行投資で減益だが、通期の増益予想を据え置き

 24年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比13.5%増の34億10百万円、営業利益が14.6%減の2億44百万円、経常利益が9.4%減の2億77百万円、親会社株主帰属四半期純利益が9.8%減の1億89百万円だった。

 店舗転貸借事業における積極的な転貸物件仕入に伴う空家賃の増加、不動産売買事業における利益率の低下に加えて、人件費、採用費、システム関連費の増加など先行投資の影響で減益だった。ただし売上面は転貸借物件数が増加して2桁増収と順調だった。セグメント別に見ると、店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業を含む)は売上高が12.4%増の32億62百万円で営業利益が14.0%減の2億15百万円、不動産売買事業は売上高が44.3%増の1億48百万円で営業利益が18.4%減の29百万円だった。

 なお売上高のランニング・イニシャル別の内訳は、ランニング収入(店舗転貸借事業のランニング収入)が11.5%増の30億24百万円、イニシャル収入(店舗転貸借事業のイニシャル収入、店舗家賃保証事業、不動産売買事業)が33.1%増の3億86百万円だった。ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に拡大している。

 店舗転貸借事業の第1四半期の成約件数は前年同期比11.2%増の119件(新規契約が63件、後継契約が56件)、解約は7件(前年同期は4件)で、第1四半期末の転貸借物件数は2272件(前年同期比257件増加、23年3月期末比56件増加)となった。解約は主に定借終了や再開発等の建物側事由によるものだった。不動産売買事業では2物件を売却、5物件を取得して第1四半期末時点の保有物件数は9件となった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年3月期比13.6%増の148億44百万円、営業利益が5.3%増の12億76百万円、経常利益が3.2%増の13億06百万円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%増の8億91百万円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の20円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は38.2%となる。

 不透明感や人材投資などを考慮して各利益は小幅増益にとどまる見込みとしているが、転貸借物件数および契約件数が順調に増加して増収増益予想としている。成約数は23年3月期比88件増の570件、期末転貸借物件数は311件増加の2527件の計画としている。

 第1四半期が減益となり、通期予想に対する進捗率も低水準の形だが、第2四半期以降もストック収益が順調に積み上がる見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。

■株価は調整一巡

 株価は戻り一服となって上値を切り下げる形だが調整一巡感を強めている。目先的には第1四半期減益を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。8月3日の終値は1110円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円37銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.8%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS187円69銭で算出)は約5.9倍、そして時価総額は約196億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[07月26日更新]

テンポイノベーションは戻り試す、24年3月期収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスであり、旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を継続している。24年3月期は増収増益予想としている。主力の店舗転貸借事業において転貸借物件数および契約件数が順調に増加する見込みだ。不透明感や人材投資などを考慮して小幅増益にとどまる見込みとしているが、保守的な印象が強く上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は6月の直近安値圏から反発して下値を切り上げている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。なお8月3日に24年3月期第1四半期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して事業開始)も展開している。なお、クロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 23年3月期売上高構成比は店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)が93%、不動産売買事が7%、営業利益構成比は店舗転貸借事業が79%、不動産売買事業が21%だった。全社売上高に占める店舗転貸借ランニング収入(賃料収入、更新手数料収入など)の比率は86.7%(22年3月期比0.8ポイント上昇)だった。

 不動産売買事業は不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。23年3月期は5物件を売却、8物件を取得し、期末時点の保有物件数は6件となった。なお四半期業績は不動産売買事業のイニシャル収入によって変動する可能性があるが、ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に伸長している。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借成約件数の合計は22年3月期比75件増加の482件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は265件増加の2216件となった。コロナ禍などで飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件、第3四半期131件、第4四半期127件と、コロナ禍前を上回る水準となっている。コロナ禍の影響緩和や政府の補助金終了によって新陳代謝が進み、成約数が増加基調である。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 23年5月に策定した中期経営計画(24年3月期〜26年3月期)では、連結業績目標値として最終年度26年3月期の売上高191億11百万円、営業利益16億79百万円、経常利益17億09百万円、親会社株主帰属当期純利益11億66百万円、成約数700件、期末転貸借物件数3275件を掲げた。

 また、東証プライム市場上場維持基準への早期適合を視野に、株主への利益還元の姿勢をより明確にするため配当方針を変更し、中期経営計画の各期においては配当性向40%を目途に配当を実施する方針とした。これにより、26年3月期の1株当たり配当は年間28円(配当性向40.9%)の計画としている。さらに中期経営計画終了後も同等の配当性向を目途とした株主還元を目指すとしている。

 基本方針に店舗転貸借事業の拡大(転貸借契約件数と賃料差益の最大化)、テーマに専門特化・プロフェッショナル化、重点施策に継続的な営業組織の拡充とWEB(出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」)による集客力向上、営業採用のための組織強化やノウハウの体系化およびIT化による教育強化、不動産売買における仕入先・販売先のさらなる拡大と人員の増強、DX推進による業務系実務や営業マネジメントの効率化を掲げた。

 中長期的な経営目標として、26年3月期までに営業部門100名体制を達成することにより、27年3月期に転貸借物件純増数600件/年、28年3月期に成約数1000件/年、さらに29年3月期に転貸借物件数5500件、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。営業力の増強に向けては、23年3月期営業人員数36名に対して、増員・教育・適性に応じた配置により営業体制の構築を推進する。26年3月期営業人員100名体制を目指すが、営業業務効率化が進んだ場合、80〜90名程度での対応も視野に入れるとしている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。またESG活動として、居抜き物件を活用するビジネススキームにより、産業廃棄物(造作物)の廃棄量削減に貢献している。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月の東京証券取引所の市場再編ではプライム市場へ移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示(21年12月15日付)した。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて流通株式比率向上に向けたテクニカルな取組も検討する。継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化を通じてストック型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

 23年3月には、22年12月末時点における計画進捗状況をリリースした。移行基準日(21年6月30日)時点で流通株式時価総額がプライム市場上場維持基準を充たしていなかったが、22年12月末時点で新たに1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないことを確認した。このため1日平均売買代金に関して23年12月31日までに上場維持基準を充たすための各種取組を進めるとした。

 上場維持基準に関する経過措置の終了時期が定められたことを踏まえ、計画期間終了時期に変更はないものの、新たな中期経営計画で掲げた各種施策への取組や業績目標の達成により、早期の基準適合を視野に入れて時価総額の上昇を実現すべく、企業価値の向上および株主価値の向上を図る方針としている。なお、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT−3)によって23年2月13日付で自己株式65万株、23年5月19日付で自己株式25万株を取得している

 23年6月には23年3月末時点における計画進捗状況をリリースした。引き続き流通株式時価総額と1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないが、23年5月策定の中期経営計画において、従来計画に対して配当方針、株主優待、営業体制をアップデートするなど、企業価値向上(時価総額増大)に向けた各種取組を推進しており、流通株式時価総額については28年3月末までに、1日平均売買代金については23年12月末までに上場維持基準を充たすことを目指す方針に変更はないとしている。なお時価総額については、21年11月30日時点の146億円から23年3月31日時点で203億円と大幅に上昇した。

■24年3月期も増収増益で連続増配予想、収益拡大基調

 24年3月期連結業績予想は売上高が23年3月期比13.6%増の148億44百万円、営業利益が5.3%増の12億76百万円、経常利益が3.2%増の13億06百万円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%増の8億91百万円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の20円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は38.2%となる。中期経営計画において配当方針を変更し、配当性向を引き上げることとした。

 24年3月期も転貸借物件数および契約件数が順調に増加して増収増益予想としている。成約数は88件増加の570件、期末転貸借物件数は311件増加の2527件の計画としている。

 重点施策として、営業活動面では継続的に物件仕入を強化し、出店ニーズに合致した物件の確保を推進する。教育面では業界経験の浅い担当者でも早期に戦力化できる教育の仕組みづくりを推進する。採用面では営業活動での経験やノウハウを採用活動にも活かし、精度の高い採用活動を実現する方針だ。集客面では、出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」を強化する。業務効率化面では物件増や社員増に向けて、DXの推進により事務効率化を図り、質が必要な仕事に打ち込める体制を強化する。不動産売買では、安定的に仕入や売却ができる取引先を増やしつつ、組織強化にも着手する方針としている。

 24年3月期の会社予想は不透明感や人材投資などを考慮して小幅増益にとどまる見込みとしているが、保守的な印象が強く上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末、23年3月末から優待内容拡充

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施している。そして23年3月末対象から保有株式数に応じた株主優待内容拡充(詳細は会社HP参照)を実施した。

 変更後は、毎年3月31日時点で300株以上500株未満を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード5000円分、毎年3月31日時点で500株以上を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード7000円分を贈呈する。

■株価は戻り試す

 株価は6月の直近安値圏から反発して下値を切り上げている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。7月25日の終値は1140円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円37銭で算出)は約22倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.8%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS187円69銭で算出)は約6.1倍、そして時価総額は約201億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[06月26日更新]

テンポイノベーションは反発の動き、24年3月期増収増益予想で収益拡大基調

 
 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスであり、旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を継続している。さらに中期経営計画を策定して配当性向を引き上げることとした。24年3月期は増収増益予想としている。主力の店舗転貸借事業において転貸借物件数および契約件数が順調に増加する見込みだ。不透明感や人材投資などを考慮して小幅増益にとどまる見込みとしているが、保守的な印象が強く上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は3月の高値圏から反落して水準を切り下げる展開だったが、売り一巡して反発の動きを強めている。好業績や成長力を評価して出直りを期待したい。
 
■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業
 
 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して事業開始)も展開している。なお、クロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。
 
 23年3月期売上高構成比は店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)が93%、不動産売買事が7%、営業利益構成比は店舗転貸借事業が79%、不動産売買事業が21%だった。全社売上高に占める店舗転貸借ランニング収入(賃料収入、更新手数料収入など)の比率は86.7%(22年3月期比0.8ポイント上昇)だった。
 
 不動産売買事業は不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。23年3月期は5物件を売却、8物件を取得し、期末時点の保有物件数は6件となった。なお四半期業績は不動産売買事業のイニシャル収入によって変動する可能性があるが、ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に伸長している。
 
■転貸借契約件数は増加基調
 
 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。
 
 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借成約件数の合計は22年3月期比75件増加の482件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は265件増加の2216件となった。コロナ禍などで飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。
 
 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件、第3四半期131件、第4四半期127件と、コロナ禍前を上回る水準となっている。コロナ禍の影響緩和や政府の補助金終了によって新陳代謝が進み、成約数が増加基調である。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。
 
■転貸借物件数29年3月期5500件目標
 
 23年5月に策定した中期経営計画(24年3月期〜26年3月期)では、連結業績目標値として最終年度26年3月期の売上高191億11百万円、営業利益16億79百万円、経常利益17億09百万円、親会社株主帰属当期純利益11億66百万円、成約数700件、期末転貸借物件数3275件を掲げた。
 
 また、東証プライム市場上場維持基準への早期適合を視野に、株主への利益還元の姿勢をより明確にするため配当方針を変更し、中期経営計画の各期においては配当性向40%を目途に配当を実施する方針とした。これにより、26年3月期の1株当たり配当は年間28円(配当性向40.9%)の計画としている。さらに中期経営計画終了後も同等の配当性向を目途とした株主還元を目指すとしている。
 
 基本方針に店舗転貸借事業の拡大(転貸借契約件数と賃料差益の最大化)、テーマに専門特化・プロフェッショナル化、重点施策に継続的な営業組織の拡充とWEB(出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」)による集客力向上、営業採用のための組織強化やノウハウの体系化およびIT化による教育強化、不動産売買における仕入先・販売先のさらなる拡大と人員の増強、DX推進による業務系実務や営業マネジメントの効率化を掲げた。
 
 中長期的な経営目標として、26年3月期までに営業部門100名体制を達成することにより、27年3月期に転貸借物件純増数600件/年、28年3月期に成約数1000件/年、さらに29年3月期に転貸借物件数5500件、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。営業力の増強に向けては、23年3月期営業人員数36名に対して、増員・教育・適性に応じた配置により営業体制の構築を推進する。26年3月期営業人員100名体制を目指すが、営業業務効率化が進んだ場合、80〜90名程度での対応も視野に入れるとしている。
 
 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。またESG活動として、居抜き物件を活用するビジネススキームにより、産業廃棄物(造作物)の廃棄量削減に貢献している。
 
■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書
 
 22年4月の東京証券取引所の市場再編ではプライム市場へ移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示(21年12月15日付)した。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。
 
 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて流通株式比率向上に向けたテクニカルな取組も検討する。継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化を通じてストック型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。
 
 23年3月には、22年12月末時点における計画進捗状況をリリースした。移行基準日(21年6月30日)時点で流通株式時価総額がプライム市場上場維持基準を充たしていなかったが、22年12月末時点で新たに1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないことを確認した。このため1日平均売買代金に関して23年12月31日までに上場維持基準を充たすための各種取組を進めるとした。また、業績の向上やIR活動の強化など各種取組により、時価総額については21年11月30日時点の146億円から23年2月28日時点で222億円と大幅に上昇した。
 
 上場維持基準に関する経過措置の終了時期が定められたことを踏まえ、計画期間終了時期に変更はないものの、新たな中期経営計画で掲げた各種施策への取組や業績目標の達成により、早期の基準適合を視野に入れて時価総額の上昇を実現すべく、企業価値の向上および株主価値の向上を図る方針としている。なお、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT−3)によって23年2月13日付で自己株式65万株、23年5月19日付で自己株式25万株を取得している
 
 6月20日には23年3月末時点における計画進捗状況をリリースした。引き続き流通株式時価総額と1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないが、23年5月策定の中期経営計画において、従来計画に対して配当方針、株主優待、営業体制をアップデートするなど、企業価値向上(時価総額増大)に向けた各種取組を推進しており、流通株式時価総額については28年3月末までに、1日平均売買代金については23年12月末までに上場維持基準を充たすことを目指す方針に変更はないとしている。なお時価総額については、21年11月30日時点の146億円から23年3月31日時点で203億円と大幅に上昇した。
 
■24年3月期も増収増益で連続増配予想
 
 24年3月期連結業績予想は売上高が23年3月期比13.6%増の148億44百万円、営業利益が5.3%増の12億76百万円、経常利益が3.2%増の13億06百万円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%増の8億91百万円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の20円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は38.2%となる。中期経営計画において配当方針を変更し、配当性向を引き上げることとした。
 
 24年3月期も転貸借物件数および契約件数が順調に増加して増収増益予想としている。成約数は88件増加の570件、期末転貸借物件数は311件増加の2527件の計画としている。
 
 重点施策として、営業活動面では継続的に物件仕入を強化し、出店ニーズに合致した物件の確保を推進する。教育面では業界経験の浅い担当者でも早期に戦力化できる教育の仕組みづくりを推進する。採用面では営業活動での経験やノウハウを採用活動にも活かし、精度の高い採用活動を実現する方針だ。集客面では、出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」を強化する。業務効率化面では物件増や社員増に向けて、DXの推進により事務効率化を図り、質が必要な仕事に打ち込める体制を強化する。不動産売買では、安定的に仕入や売却ができる取引先を増やしつつ、組織強化にも着手する方針としている。
 
 24年3月期の会社予想は不透明感や人材投資などを考慮して小幅増益にとどまる見込みとしているが、保守的な印象が強く上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
 
■株主優待制度は毎年3月末、23年3月末から優待内容拡充
 
 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施している。そして23年3月末対象から保有株式数に応じた株主優待内容拡充(詳細は会社HP参照)を実施した。
 
 変更後は、毎年3月31日時点で300株以上500株未満を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード5000円分、毎年3月31日時点で500株以上を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード7000円分を贈呈する。
 
■株価は反発の動き
 
 株価は3月の高値圏から反落して水準を切り下げる展開だったが、売り一巡して反発の動きを強めている。好業績や成長力を評価して出直りを期待したい。6月23日の終値は1080円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円37銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.9%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS187円69銭で算出)は約5.8倍、そして時価総額は約191億円である。


情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[05月30日更新]

テンポイノベーションは売られ過ぎ感、24年3月期も増収増益で連続増配予想

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスであり、旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を継続している。23年3月期(連結決算に移行のため前期比増減率は非記載)は、22年3月期の非連結業績との単純比較で増収増益だった。店舗転貸借事業において積極的な仕入を実施し、転貸借物件数および契約件数が順調に増加した。子会社の店舗家賃保証事業や不動産売買事業も寄与した。そして24年3月期も増収増益で連続増配予想としている。なお中期経営計画を策定し、配当性向を引き上げる方針とした。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は3月の上場来高値圏から反落し、24年3月期予想に対してもネガティブ反応となって水準を切り下げたが、やや売られ過ぎ感を強めている。好業績や中期成長力を評価して出直りを期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して事業開始)も展開している。なお、クロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 23年3月期売上高構成比は店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)が93%、不動産売買事が7%、営業利益構成比は店舗転貸借事業が79%、不動産売買事業が21%だった。全社売上高に占める店舗転貸借ランニング収入(賃料収入、更新手数料収入など)の比率は86.7%(22年3月期比0.8ポイント上昇)だった。

 不動産売買事業は不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。23年3月期は5物件を売却、8物件を取得し、期末時点の保有物件数は6件となった。なお四半期業績は不動産売買事業のイニシャル収入によって変動する可能性があるが、ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に伸長している。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借成約件数の合計は22年3月期比75件増加の482件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は265件増加の2216件となった。コロナ禍などで飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件、第3四半期131件、第4四半期127件と、コロナ禍前を上回る水準となっている。コロナ禍の影響緩和や政府の補助金終了によって新陳代謝が進み、成約数が増加基調である。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 23年5月に策定した中期経営計画(24年3月期〜26年3月期)では、連結業績目標値として最終年度26年3月期の売上高191億11百万円、営業利益16億79百万円、経常利益17億09百万円、親会社株主帰属当期純利益11億66百万円、成約数700件、期末転貸借物件数3275件を掲げた。

 また、東証プライム市場上場維持基準への早期適合を視野に、株主への利益還元の姿勢をより明確にするため配当方針を変更し、中期経営計画の各期においては配当性向40%を目途に配当を実施する方針とした。これにより、26年3月期の1株当たり配当は年間28円(配当性向40.9%)の計画としている。さらに中期経営計画終了後も同等の配当性向を目途とした株主還元を目指すとしている。

 基本方針に店舗転貸借事業の拡大(転貸借契約件数と賃料差益の最大化)、テーマに専門特化・プロフェッショナル化、重点施策に継続的な営業組織の拡充とWEB(出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」)による集客力向上、営業採用のための組織強化やノウハウの体系化およびIT化による教育強化、不動産売買における仕入先・販売先のさらなる拡大と人員の増強、DX推進による業務系実務や営業マネジメントの効率化を掲げた。

 中長期的な経営目標として、26年3月期までに営業部門100名体制を達成することにより、27年3月期に転貸借物件純増数600件/年、28年3月期に成約数1000件/年、さらに29年3月期に転貸借物件数5500件、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。営業力の増強に向けては、23年3月期営業人員数36名に対して、増員・教育・適性に応じた配置により営業体制の構築を推進する。26年3月期営業人員100名体制を目指すが、営業業務効率化が進んだ場合、80〜90名程度での対応も視野に入れるとしている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。またESG活動として、居抜き物件を活用するビジネススキームにより、産業廃棄物(造作物)の廃棄量削減に貢献している。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月の東京証券取引所の市場再編ではプライム市場に移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示(21年12月15日付)した。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化を通じてストック型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

 23年3月には上場維持基準適合に向けた計画に基づく進捗状況を公表した。移行基準日(21年6月30日)時点で流通株式時価総額がプライム市場上場維持基準を充たしていなかったが、22年12月31日時点で新たに1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないことを確認した。このため1日平均売買代金に関して、23年12月31日までに上場維持基準を充たすための各種取組を進めるとした。また、業績の向上やIR活動の強化など各種取組により、時価総額については21年11月30日時点の146億円から23年2月28日時点で222億円と大幅に上昇した。

 上場維持基準に関する経過措置の終了時期が定められたことを踏まえ、計画期間終了時期に変更はないものの、新たな中期経営計画で掲げた各種施策への取組や業績目標の達成により、早期の基準適合を視野に入れて時価総額の上昇を実現すべく、企業価値の向上および株主価値の向上を図る方針としている。

 なお、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT−3)によって、23年2月13日付で自己株式65万株、23年5月19日付で自己株式25万株を取得している。

■24年3月期も増収増益で連続増配予想

 23年3月期の連結業績(店舗家賃保証事業を行う子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行のため前期比増減率は非記載)は、売上高が130億70百万円、営業利益が12億12百万円、経常利益が12億66百万円、親会社株主帰属当期純利益が8億85百万円だった。配当は22年3月期比4円増配の16円(期末一括)とした。配当性向は31.8%となる。

 22年3月期非連結業績(売上高114億15百万円、営業利益9億09百万円、経常利益9億86百万円、当期純利益6億62百万円)との単純比較で見ると、売上高は14.5%増収、営業利益は33.3%増益、経常利益は28.4%増益、親会社株主帰属当期純利益は33.7%増益だった。

 実質的に大幅増収増益だった。店舗転貸借事業において、ウィズコロナにおいても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施し、転貸借物件数および契約件数が順調に増加した。子会社の店舗家賃保証事業や不動産売買事業も寄与した。

 店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)は、売上高が121億93百万円(22年3月期の104億45百万円との単純比較で16.7%増収)で、セグメント利益(営業利益)が9億61百万円(同7億23百万円との単純比較で32.9%増益)だった。転貸借物件数および契約件数が順調に増加し、増収効果で販管費の増加を吸収した。重点施策として、営業力増強に向けた採用・教育や、転貸借物件数増加に対応するための物件管理の質的・量的強化を推進した。転貸借契約件数(新規契約件数および後継付け件数の合計)は29.6%増加して407件、期末の転貸借物件数は245件増加して1951件となった。

 不動産売買事業は売上高が8億76百万円で、セグメント利益が2億50百万円だった。5物件を売却、8物件を取得して期末保有物件数は6件となった。なお22年3月期(5物件売却、6物件取得して期末保有物件数3件)は、売上高が9億70百万円でセグメント利益が1億86百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が30億04百万円で営業利益が2億86百万円、第2四半期は売上高が30億99百万円で営業利益が2億68百万円、第3四半期は売上高が37億71百万円で営業利益が4億68百万円、第4四半期は売上高が16億55百万円で営業利益が3億03百万円だった。

 24年3月期連結業績予想は売上高が23年3月期比13.6%増の148億44百万円、営業利益が5.3%増の12億76百万円、経常利益が3.2%増の13億06百万円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%増の8億91百万円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の20円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は38.2%となる。中期経営計画を策定するとともに、配当方針も変更して配当性向を引き上げる方針とした。

 24年3月期も転貸借物件数および契約件数が順調に増加して増収増益予想としている。成約数は88件増加の570件、期末転貸借物件数は311件増加の2527件の計画としている。

 重点施策として、営業活動面では継続的に物件仕入を強化し、出店ニーズに合致した物件の確保を推進する。教育面では業界経験の浅い担当者でも早期に戦力化できる教育の仕組みづくりを推進する。採用面では営業活動での経験やノウハウを採用活動にも活かし、精度の高い採用活動を実現する方針だ。集客面では、出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」を強化する。業務効率化面では物件増や社員増に向けて、DXの推進により事務効率化を図り、質が必要な仕事に打ち込める体制を強化する。不動産売買では、安定的に仕入や売却ができる取引先を増やしつつ、組織強化にも着手する方針としている。

 24年3月期は不透明感や人材投資などを考慮して各利益は小幅増益にとどまる見込みとしているが、保守的な印象が強く会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末、23年3月末から優待内容拡充

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施している。そして23年3月末対象から保有株式数に応じた株主優待内容拡充(詳細は会社HP参照)を実施した。

 変更後は、毎年3月31日時点で300株以上500株未満を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード5000円分、毎年3月31日時点で500株以上を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード7000円分を贈呈する。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は3月の上場来高値圏から反落し、24年3月期予想に対してもネガティブ反応となって水準を切り下げたが、やや売られ過ぎ感を強めている。好業績や中期成長力を評価して出直りを期待したい。5月29日の終値は1061円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円37銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.9%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS187円69銭で算出)は約5.7倍、そして時価総額は約188億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[05月02日更新]

テンポイノベーションは上値試す、24年3月期も収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスであり、旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を継続している。23年3月期は転貸借物件数と成約件数が順調に増加して大幅増収増益予想としている。会社予想に上振れ余地があり、さらに24年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は3月の上場来高値圏から一旦反落したが、利益確定売りが一巡して切り返しの動きを強めている。好業績や中期成長力を評価して上値を試す展開を期待したい。なお5月11日に23年3月期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して事業開始)も展開している。なお、クロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が店舗転貸借事業92%、不動産売買事8%、営業利益が店舗転貸借事業80%、不動産売買事業20%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は85.9%だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。22年3月期は5物件を売却、6物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借契約件数の合計は21年3月期比29.6%増の407件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は245件増加の1951件となった。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件となり、22年3月期第4四半期以降はコロナ禍前を上回る水準となっている。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中長期的な経営目標として、25年3月期に営業部門100名体制を構築し、26年3月期に転貸借物件純増数600件/年、27年3月期に成約数1000件/年を目指すとしている。さらに29年3月期には、転貸借物件数5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)で、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。具体的には、22年3月期に40名だった営業人員を、年24名を目途にリーシング担当として採用し、その後、営業教育を経て高難度の仕入への異動(年4〜6名)を含めて、25年3月期に営業100名体制(仕入30名、リーシング70名程度)を構築する。そして仕入エリア戦術の実行などにより、29年3月期に転貸借物件数5000件(22年3月期実績1951件)を目指す方針だ。

 出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」については、SEO対策やサーバ強化によって集客力の強化を推進している。22年3月期は、サイト総訪問数が20年3月期比69.5%増加、問い合わせ件数が48.8%増加、新規会員登録数が75.6%増加、内見数が52.2%増加した。

 なお3ヶ年の中期経営計画では、24年3月期売上高144億37百万円、営業利益12億57百万円、営業利益率8.7%、成約数510件、転貸借物件数2527件、25年3月期売上高164億17百万円、営業利益14億71百万円、営業利益率9.0%、成約数580件、転貸借物件数2879件の計画を掲げている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。コロナ禍のため開催を一時的に中断していたが、順次再開している。なお「お店の子ども食堂/みせしょく」の取り組みが22年度のグッドデザイン賞を受賞した。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月の東京証券取引所の市場再編ではプライム市場に移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示(21年12月15日付)している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

 23年3月には上場維持基準適合に向けた計画に基づく進捗状況を公表した。移行基準日(21年6月30日)時点で流通株式時価総額がプライム市場上場維持基準を充たしていなかったが、22年12月31日時点で新たに1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないことを確認した。このため1日平均売買代金に関して、23年12月31日までに上場維持基準を充たすための各種取組を進めるとしている。

 なお、業績の向上やIR活動の強化など各種取組により、時価総額については21年11月30日時点の146億円から23年2月28日時点で222億円と大幅に上昇しており、21年12月15日付で開示した上場維持基準適合に向けた計画書に記載の計画期間(28年3月期)に変更はないとしている。

■23年3月期増収増益予想、24年3月期も収益拡大基調

 23年3月期の連結業績予想(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行したため前期比増減率は非記載、23年2月2日付で上方修正)は、売上高が130億円、営業利益が11億85百万円、経常利益が12億35百万円、親会社株主帰属当期純利益が8億46百万円としている。配当予想(23年2月2日付で公表)は22年3月期比4円増配の16円(期末一括)としている。

 22年3月期の非連結業績(売上高が114億15百万円、営業利益が9億09百万円、経常利益が9億86百万円、当期純利益が6億62百万円)との単純比較で見ると、売上高は13.9%増収、営業利益は30.3%増益、経常利益は25.2%増益、親会社株主帰属当期純利益は27.8%増益となる。実質的に大幅増収増益予想としている。

 期初計画に対して売上高を3億45百万円、営業利益を1億26百万円、親会社株主帰属当期純利益を1億13百万円、それぞれ上方修正した。店舗転貸借事業が転貸借物件数の増加で順調に推移し、不動産売買事業が期初計画に対して上振れる見込みとしている。なお転貸借成約件数460件(22年3月期407件)および期末転貸借物件数は2222件(同1951件)の計画は据え置いた。

 第3四半期累計は、売上高が98億74百万円、営業利益が10億22百万円、経常利益が10億66百万円、親会社株主帰属四半期純利益が7億30百万円だった。前年同期の非連結業績(売上高84億29百万円、営業利益6億41百万円、経常利益6億89百万円、四半期純利益4億67百万円)との単純比較で見ると、売上高は17.1%増収、営業利益は59.5%増益、経常利益は54.7%増益、親会社株主帰属四半期純利益は56.2%増益だった。

 実質大幅増収増益だった。店舗転貸借事業において積極的な仕入を実施し、転貸借物件数と成約件数が順調に増加した。子会社の保証事業や不動産売買事業の高収益物件も寄与した。なお売上総利益率は2.1ポイント上昇して19.7%、販管費比率は0.6ポイント低下して9.4%となった。

 店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)は、売上高が90億02百万円(前年同期の76億45百万円との単純比較で17.8%増収)で、セグメント利益(営業利益)が7億57百万円(同5億35百万円との単純比較で41.4%増益)だった。ウィズコロナにおいても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施した。重点施策として、営業力増強に向けた採用・教育や、転貸借物件数増加に対応するための物件管理の質的・量的強化を推進した。

 転貸借成約件数(新規契約件数および後継付け件数の合計)は355件(前年同期は295件)となり、期末の転貸借物件数は2152件(同1888件)と順調に増加した。四半期別の成約件数は第1四半期が107件、第2四半期が117件、第3四半期が131件と増加基調である。成約件数のうち、転貸借物件数の純増につながる新規契約は月20件以上で推移し、後継付けは月10〜20件で推移している。一方、解約件数は4月〜12月累計13件であり、解約率は低水準で推移している。

 不動産売買事業は売上高が8億72百万円、セグメント利益が2億65百万円(前年同期は売上高が7億84百万円、セグメント利益が1億06百万円)だった。5物件を売却、5物件を取得(前年同期は4物件を売却、5物件を取得)し、期末時点の保有物件数は3件(同3件)となった。高収益物件が寄与して大幅増益だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が30億04百万円(ランニング収入27億13百万円、イニシャル収入2億90百万円)で営業利益が2億86百万円、第2四半期は売上高が30億99百万円(ランニング収入27億93百万円、イニシャル収入3億05百万円)で営業利益が2億68百万円、第3四半期は売上高が37億71百万円(ランニング収入28億69百万円、イニシャル収入9億円)で営業利益が4億68百万円だった。第3四半期は特に不動産売買事業のイニシャル収入が寄与したが、店舗転貸借事業のランニング収入も順調に伸長している。

 修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が76.0%、営業利益が86.3%、経常利益が86.3%、親会社株主帰属当期純利益86.3%だった。第3四半期累計の好調を勘案すれは23年3月期会社予想に上振れ余地があり、さらに24年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末、23年3月末から優待内容拡充

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施している。そして23年3月末対象から保有株式数に応じた株主優待内容拡充(詳細は会社HP参照)を実施した。

 変更後は、毎年3月31日時点で300株以上500株未満を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード5000円分、毎年3月31日時点で500株以上を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード7000円分を贈呈する。

■株価は上値試す

 株価は3月の上場来高値圏から一旦反落したが、利益確定売りが一巡して切り返しの動きを強めている。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインの形だ。好業績や中期成長力を評価して上値を試す展開を期待したい。5月1日の終値は1211円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS47円91銭で算出)は約25倍、前期推定配当利回り(会社予想の16円で算出)は約1.3%、前々期実績PBR(前々期非連結実績のBPS188円29銭で算出)は約6.4倍、そして時価総額は約214億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[04月17日更新]

テンポイノベーションは調整一巡、24年3月期も収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスである。23年3月期は大幅増収増益予想としている。店舗転貸借事業において旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応した積極的な仕入を実施し、転貸借物件数と成約件数が順調に増加する見込みだ。23年3月期会社予想に上振れ余地があり、さらに24年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で3月の上場来高値圏から反落したが、利益確定売りが一巡して切り返しの動きを強めている。好業績や中期成長力を評価して上値を試す展開を期待したい。なお5月11日に23年3月期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に設立した子会社の店舗セーフティー)も展開している。なお、クロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が店舗転貸借事業92%、不動産売買事8%、営業利益が店舗転貸借事業80%、不動産売買事業20%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は85.9%だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。22年3月期は5物件を売却、6物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借契約件数の合計は21年3月期比29.6%増の407件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は245件増加の1951件となった。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件となり、22年3月期第4四半期以降はコロナ禍前を上回る水準となっている。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中長期的な経営目標として、25年3月期に営業部門100名体制を構築し、26年3月期に転貸借物件純増数600件/年、27年3月期に成約数1000件/年を目指すとしている。さらに29年3月期には、転貸借物件数5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)で、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。具体的には、22年3月期に40名だった営業人員を、年24名を目途にリーシング担当として採用し、その後、営業教育を経て高難度の仕入への異動(年4〜6名)を含めて、25年3月期に営業100名体制(仕入30名、リーシング70名程度)を構築する。そして仕入エリア戦術の実行などにより、29年3月期に転貸借物件数5000件(22年3月期実績1951件)を目指す方針だ。

 出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」については、SEO対策やサーバ強化によって集客力の強化を推進している。22年3月期は、サイト総訪問数が20年3月期比69.5%増加、問い合わせ件数が48.8%増加、新規会員登録数が75.6%増加、内見数が52.2%増加した。

 なお3ヶ年の中期経営計画では、24年3月期売上高144億37百万円、営業利益12億57百万円、営業利益率8.7%、成約数510件、転貸借物件数2527件、25年3月期売上高164億17百万円、営業利益14億71百万円、営業利益率9.0%、成約数580件、転貸借物件数2879件の計画を掲げている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。コロナ禍のため開催を一時的に中断していたが、順次再開している。なお「お店の子ども食堂/みせしょく」の取り組みが22年度のグッドデザイン賞を受賞した。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月の東京証券取引所の市場再編ではプライム市場に移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示(21年12月15日付)している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

 23年3月には上場維持基準適合に向けた計画に基づく進捗状況を公表した。移行基準日(21年6月30日)時点で流通株式時価総額がプライム市場上場維持基準を充たしていなかったが、22年12月31日時点で新たに1日平均売買代金が上場維持基準を充たしていないことを確認した。このため1日平均売買代金に関して、23年12月31日までに上場維持基準を充たすための各種取組を進めるとしている。

 なお、業績の向上やIR活動の強化など各種取組により、時価総額については21年11月30日時点の146億円から23年2月28日時点で222億円と大幅に上昇しており、21年12月15日付で開示した上場維持基準適合に向けた計画書に記載の計画期間(28年3月期)に変更はないとしている。

■23年3月期増収増益予想、24年3月期も収益拡大基調

 23年3月期の連結業績予想(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行したため前期比増減率は非記載、2月2日付で上方修正)は、売上高が130億円、営業利益が11億85百万円、経常利益が12億35百万円、親会社株主帰属当期純利益が8億46百万円としている。配当予想(2月2日付で公表)は22年3月期比4円増配の16円(期末一括)としている。

 22年3月期の非連結業績(売上高が114億15百万円、営業利益が9億09百万円、経常利益が9億86百万円、当期純利益が6億62百万円)との単純比較で見ると、売上高は13.9%増収、営業利益は30.3%増益、経常利益は25.2%増益、親会社株主帰属当期純利益は27.8%増益となる。実質的に大幅増収増益予想としている。

 期初計画に対して売上高を3億45百万円、営業利益を1億26百万円、親会社株主帰属当期純利益を1億13百万円、それぞれ上方修正した。店舗転貸借事業が転貸借物件数の増加で順調に推移し、不動産売買事業が期初計画に対して上振れる見込みとしている。なお転貸借成約件数460件(22年3月期407件)および期末転貸借物件数は2222件(同1951件)の計画は据え置いた。

 第3四半期累計は、売上高が98億74百万円、営業利益が10億22百万円、経常利益が10億66百万円、親会社株主帰属四半期純利益が7億30百万円だった。前年同期の非連結業績(売上高84億29百万円、営業利益6億41百万円、経常利益6億89百万円、四半期純利益4億67百万円)との単純比較で見ると、売上高は17.1%増収、営業利益は59.5%増益、経常利益は54.7%増益、親会社株主帰属四半期純利益は56.2%増益だった。

 実質大幅増収増益だった。店舗転貸借事業において積極的な仕入を実施し、転貸借物件数と成約件数が順調に増加した。子会社の保証事業や不動産売買事業の高収益物件も寄与した。なお売上総利益率は2.1ポイント上昇して19.7%、販管費比率は0.6ポイント低下して9.4%となった。

 店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)は、売上高が90億02百万円(前年同期の76億45百万円との単純比較で17.8%増収)で、セグメント利益(営業利益)が7億57百万円(同5億35百万円との単純比較で41.4%増益)だった。ウィズコロナにおいても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施した。重点施策として、営業力増強に向けた採用・教育や、転貸借物件数増加に対応するための物件管理の質的・量的強化を推進した。

 転貸借成約件数(新規契約件数および後継付け件数の合計)は355件(前年同期は295件)となり、期末の転貸借物件数は2152件(同1888件)と順調に増加した。四半期別の成約件数は第1四半期が107件、第2四半期が117件、第3四半期が131件と増加基調である。成約件数のうち、転貸借物件数の純増につながる新規契約は月20件以上で推移し、後継付けは月10〜20件で推移している。一方、解約件数は4月〜12月累計13件であり、解約率は低水準で推移している。

 不動産売買事業は売上高が8億72百万円、セグメント利益が2億65百万円(前年同期は売上高が7億84百万円、セグメント利益が1億06百万円)だった。5物件を売却、5物件を取得(前年同期は4物件を売却、5物件を取得)し、期末時点の保有物件数は3件(同3件)となった。高収益物件が寄与して大幅増益だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が30億04百万円(ランニング収入27億13百万円、イニシャル収入2億90百万円)で営業利益が2億86百万円、第2四半期は売上高が30億99百万円(ランニング収入27億93百万円、イニシャル収入3億05百万円)で営業利益が2億68百万円、第3四半期は売上高が37億71百万円(ランニング収入28億69百万円、イニシャル収入9億円)で営業利益が4億68百万円だった。第3四半期は特に不動産売買事業のイニシャル収入が寄与したが、店舗転貸借事業のランニング収入も順調に伸長している。

 修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が76.0%、営業利益が86.3%、経常利益が86.3%、親会社株主帰属当期純利益86.3%となる。第3四半期累計の好調を勘案すれは23年3月期会社予想に上振れ余地があり、さらに24年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末、23年3月末から優待内容拡充

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施している。そして23年3月末対象から保有株式数に応じた株主優待内容拡充(詳細は会社HP参照)を実施した。

 変更後は、毎年3月31日時点で300株以上500株未満を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード5000円分、毎年3月31日時点で500株以上を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード7000円分を贈呈する。

■株価は上値試す

 株価は地合い悪化の影響で3月の上場来高値圏から反落したが、利益確定売りが一巡して切り返しの動きを強めている。好業績や中期成長力を評価して上値を試す展開を期待したい。4月14日の終値は1170円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS47円91銭で算出)は約24倍、前期推定配当利回り(会社予想の16円で算出)は約1.4%、前々期実績PBR(前々期非連結実績のBPS188円29銭で算出)は約6.2倍、そして時価総額は約207億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[03月23日更新]

テンポイノベーションは上値試す、23年3月期大幅増収増益予想、24年3月期も収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスである。23年3月期(連結決算に移行のため前期比増減率非記載、2月2日付で上方修正)は、前期非連結実績との単純比較で大幅増収増益予想としている。店舗転貸借事業において旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応した積極的な仕入を実施し、転貸借物件数と成約件数が順調に増加する見込みだ。第3四半期累計の好調を勘案すれは23年3月期会社予想に上振れ余地があり、さらに24年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で上場来高値圏(株式分割調整後)から反落したが、目先的な利益確定売りが一巡し、好業績や中期成長力を評価して上値を試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に設立した子会社の店舗セーフティー)も展開している。なお、クロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が店舗転貸借事業92%、不動産売買事8%、営業利益が店舗転貸借事業80%、不動産売買事業20%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は85.9%だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。22年3月期は5物件を売却、6物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借契約件数の合計は21年3月期比29.6%増の407件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は245件増加の1951件となった。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件となり、22年3月期第4四半期以降はコロナ禍前を上回る水準となっている。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中長期的な経営目標として、25年3月期に営業部門100名体制を構築し、26年3月期に転貸借物件純増数600件/年、27年3月期に成約数1000件/年を目指すとしている。さらに29年3月期には、転貸借物件数5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)で、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。具体的には、22年3月期に40名だった営業人員を、年24名を目途にリーシング担当として採用し、その後、営業教育を経て高難度の仕入への異動(年4〜6名)を含めて、25年3月期に営業100名体制(仕入30名、リーシング70名程度)を構築する。そして仕入エリア戦術の実行などにより、29年3月期に転貸借物件数5000件(22年3月期実績1951件)を目指す方針だ。

 出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」については、SEO対策やサーバ強化によって集客力の強化を推進している。22年3月期は、サイト総訪問数が20年3月期比69.5%増加、問い合わせ件数が48.8%増加、新規会員登録数が75.6%増加、内見数が52.2%増加した。

 なお3ヶ年の中期経営計画では、24年3月期売上高144億37百万円、営業利益12億57百万円、営業利益率8.7%、成約数510件、転貸借物件数2527件、25年3月期売上高164億17百万円、営業利益14億71百万円、営業利益率9.0%、成約数580件、転貸借物件数2879件の計画を掲げている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。コロナ禍のため開催を一時的に中断していたが、順次再開している。なお「お店の子ども食堂/みせしょく」の取り組みが22年度のグッドデザイン賞を受賞した。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場に移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

■23年3月期増収増益予想、24年3月期も収益拡大基調

 23年3月期の連結業績予想(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行したため前期比増減率は非記載、2月2日付で上方修正)は、売上高が130億円、営業利益が11億85百万円、経常利益が12億35百万円、親会社株主帰属当期純利益が8億46百万円としている。配当予想(2月2日付で公表)は22年3月期比4円増配の16円(期末一括)としている。

 22年3月期の非連結業績(売上高が114億15百万円、営業利益が9億09百万円、経常利益が9億86百万円、当期純利益が6億62百万円)との単純比較で見ると、売上高は13.9%増収、営業利益は30.3%増益、経常利益は25.2%増益、親会社株主帰属当期純利益は27.8%増益となる。実質的に大幅増収増益予想としている。

 期初計画に対して売上高を3億45百万円、営業利益を1億26百万円、親会社株主帰属当期純利益を1億13百万円、それぞれ上方修正した。店舗転貸借事業が転貸借物件数の増加で順調に推移し、不動産売買事業が期初計画に対して上振れる見込みとしている。なお転貸借成約件数460件(22年3月期407件)および期末転貸借物件数は2222件(同1951件)の計画は据え置いた。

 第3四半期累計は、売上高が98億74百万円、営業利益が10億22百万円、経常利益が10億66百万円、親会社株主帰属四半期純利益が7億30百万円だった。前年同期の非連結業績(売上高84億29百万円、営業利益6億41百万円、経常利益6億89百万円、四半期純利益4億67百万円)との単純比較で見ると、売上高は17.1%増収、営業利益は59.5%増益、経常利益は54.7%増益、親会社株主帰属四半期純利益は56.2%増益だった。

 実質大幅増収増益だった。店舗転貸借事業において積極的な仕入を実施し、転貸借物件数と成約件数が順調に増加した。子会社の保証事業や不動産売買事業の高収益物件も寄与した。なお売上総利益率は2.1ポイント上昇して19.7%、販管費比率は0.6ポイント低下して9.4%となった。

 店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)は、売上高が90億02百万円(前年同期の76億45百万円との単純比較で17.8%増収)で、セグメント利益(営業利益)が7億57百万円(同5億35百万円との単純比較で41.4%増益)だった。ウィズコロナにおいても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施した。重点施策として、営業力増強に向けた採用・教育や、転貸借物件数増加に対応するための物件管理の質的・量的強化を推進した。

 転貸借成約件数(新規契約件数および後継付け件数の合計)は355件(前年同期は295件)となり、期末の転貸借物件数は2152件(同1888件)と順調に増加した。四半期別の成約件数は第1四半期が107件、第2四半期が117件、第3四半期が131件と増加基調である。成約件数のうち、転貸借物件数の純増につながる新規契約は月20件以上で推移し、後継付けは月10〜20件で推移している。一方、解約件数は4月〜12月累計13件であり、解約率は低水準で推移している。

 不動産売買事業は売上高が8億72百万円、セグメント利益が2億65百万円(前年同期は売上高が7億84百万円、セグメント利益が1億06百万円)だった。5物件を売却、5物件を取得(前年同期は4物件を売却、5物件を取得)し、期末時点の保有物件数は3件(同3件)となった。高収益物件が寄与して大幅増益だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が30億04百万円(ランニング収入27億13百万円、イニシャル収入2億90百万円)で営業利益が2億86百万円、第2四半期は売上高が30億99百万円(ランニング収入27億93百万円、イニシャル収入3億05百万円)で営業利益が2億68百万円、第3四半期は売上高が37億71百万円(ランニング収入28億69百万円、イニシャル収入9億円)で営業利益が4億68百万円だった。第3四半期は特に不動産売買事業のイニシャル収入が寄与したが、店舗転貸借事業のランニング収入も順調に伸長している。

 修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が76.0%、営業利益が86.3%、経常利益が86.3%、親会社株主帰属当期純利益86.3%となる。第3四半期累計の好調を勘案すれは23年3月期会社予想に上振れ余地があり、さらに24年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末、23年3月末から優待内容拡充

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施している。そして22年8月には、保有株式数に応じた株主優待内容拡充(詳細は会社HP参照)を発表した。23年3月末対象から実施する。

 現行は毎年3月31日時点で300株以上保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主を対象としてジェフグルメカード5000円分を贈呈している。変更後は、毎年3月31日時点で300株以上500株未満を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード5000円分、毎年3月31日時点で500株以上を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード7000円分を贈呈する。

■株価は上値試す

 株価は地合い悪化の影響で上場来高値圏(株式分割調整後)から反落したが、目先的な利益確定売りが一巡し、好業績や中期成長力を評価して上値を試す展開を期待したい。3月22日の終値は1206円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47円91銭で算出)は約25倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約1.3%、前期実績PBR(前期非連結実績のBPS188円29銭で算出)は約6.4倍、そして時価総額は約213億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[02月22日更新]

テンポイノベーションは高値更新の展開、23年3月期増収増益予想で収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスである。23年3月期第3四半期累計(23年3月期から連結決算に移行のため前期比増減率は非記載)は前年同期の非連結業績との単純比較で実質大幅増収増益だった。店舗転貸借事業において、旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施し、転貸借物件数と成約件数が順調に増加した。そして通期予想を上方修正した。配当予想も公表して大幅増配予想とした。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は水準を切り上げて上場来高値更新(株式分割調整後)の展開だ。指標面に割高感はなく、需給面も良好である。好業績や中期成長力を評価して上値を試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に設立した子会社の店舗セーフティー)も展開している。なお、クロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が店舗転貸借事業92%、不動産売買事8%、営業利益が店舗転貸借事業80%、不動産売買事業20%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は85.9%だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。22年3月期は5物件を売却、6物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借契約件数の合計は21年3月期比29.6%増の407件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は245件増加の1951件となった。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件となり、22年3月期第4四半期以降はコロナ禍前を上回る水準となっている。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中長期的な経営目標として、25年3月期に営業部門100名体制を構築し、26年3月期に転貸借物件純増数600件/年、27年3月期に成約数1000件/年を目指すとしている。さらに29年3月期には、転貸借物件数5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)で、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。具体的には、22年3月期に40名だった営業人員を、年24名を目途にリーシング担当として採用し、その後、営業教育を経て高難度の仕入への異動(年4〜6名)を含めて、25年3月期に営業100名体制(仕入30名、リーシング70名程度)を構築する。そして仕入エリア戦術の実行などにより、29年3月期に転貸借物件数5000件(22年3月期実績1951件)を目指す方針だ。

 出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」については、SEO対策やサーバ強化によって集客力の強化を推進している。22年3月期は、サイト総訪問数が20年3月期比69.5%増加、問い合わせ件数が48.8%増加、新規会員登録数が75.6%増加、内見数が52.2%増加した。

 なお3ヶ年の中期経営計画では、24年3月期売上高144億37百万円、営業利益12億57百万円、営業利益率8.7%、成約数510件、転貸借物件数2527件、25年3月期売上高164億17百万円、営業利益14億71百万円、営業利益率9.0%、成約数580件、転貸借物件数2879件の計画を掲げている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。コロナ禍のため開催を一時的に中断していたが、順次再開している。なお「お店の子ども食堂/みせしょく」の取り組みが22年度のグッドデザイン賞を受賞した。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場に移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

■23年3月期3Q累計実質大幅増収増益、通期予想上方修正

 23年3月期の連結業績予想(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行したため前期比増減率は非記載、2月2日付で上方修正)は、売上高が130億円、営業利益が11億85百万円、経常利益が12億35百万円、親会社株主帰属当期純利益が8億46百万円としている。配当予想(2月2日付で公表)は22年3月期比4円増配の16円(期末一括)としている。

 22年3月期の非連結業績(売上高が114億15百万円、営業利益が9億09百万円、経常利益が9億86百万円、当期純利益が6億62百万円)との単純比較で見ると、売上高は13.9%増収、営業利益は30.3%増益、経常利益は25.2%増益、親会社株主帰属当期純利益は27.8%増益となる。実質的に大幅増収増益予想としている。

 期初計画に対して売上高を3億45百万円、営業利益を1億26百万円、親会社株主帰属当期純利益を1億13百万円、それぞれ上方修正した。店舗転貸借事業が転貸借物件数の増加で順調に推移し、不動産売買事業が期初計画に対して上振れる見込みとしている。なお転貸借成約件数460件(22年3月期407件)および期末転貸借物件数は2222件(同1951件)の計画は据え置いた。

 第3四半期累計は、売上高が98億74百万円、営業利益が10億22百万円、経常利益が10億66百万円、親会社株主帰属四半期純利益が7億30百万円だった。前年同期の非連結業績(売上高84億29百万円、営業利益6億41百万円、経常利益6億89百万円、四半期純利益4億67百万円)との単純比較で見ると、売上高は17.1%増収、営業利益は59.5%増益、経常利益は54.7%増益、親会社株主帰属四半期純利益は56.2%増益だった。

 実質大幅増収増益だった。店舗転貸借事業において積極的な仕入を実施し、転貸借物件数と成約件数が順調に増加した。子会社の保証事業や不動産売買事業の高収益物件も寄与した。なお売上総利益率は2.1ポイント上昇して19.7%、販管費比率は0.6ポイント低下して9.4%となった。

 店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)は、売上高が90億02百万円(前年同期の76億45百万円との単純比較で17.8%増収)で、セグメント利益(営業利益)が7億57百万円(同5億35百万円との単純比較で41.4%増益)だった。ウィズコロナにおいても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施した。重点施策として、営業力増強に向けた採用・教育や、転貸借物件数増加に対応するための物件管理の質的・量的強化を推進した。

 転貸借成約件数(新規契約件数および後継付け件数の合計)は355件(前年同期は295件)となり、期末の転貸借物件数は2152件(同1888件)と順調に増加した。四半期別の成約件数は第1四半期が107件、第2四半期が117件、第3四半期が131件と増加基調である。成約件数のうち、転貸借物件数の純増につながる新規契約は月20件以上で推移し、後継付けは月10〜20件で推移している。一方、解約件数は4月〜12月累計13件であり、解約率は低水準で推移している。

 不動産売買事業は売上高が8億72百万円、セグメント利益が2億65百万円(前年同期は売上高が7億84百万円、セグメント利益が1億06百万円)だった。5物件を売却、5物件を取得(前年同期は4物件を売却、5物件を取得)し、期末時点の保有物件数は3件(同3件)となった。高収益物件が寄与して大幅増益だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が30億04百万円(ランニング収入27億13百万円、イニシャル収入2億90百万円)で営業利益が2億86百万円、第2四半期は売上高が30億99百万円(ランニング収入27億93百万円、イニシャル収入3億05百万円)で営業利益が2億68百万円、第3四半期は売上高が37億71百万円(ランニング収入28億69百万円、イニシャル収入9億円)で営業利益が4億68百万円だった。第3四半期は特に不動産売買事業のイニシャル収入が寄与したが、店舗転貸借事業のランニング収入も順調に伸長している。

 修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が76.0%、営業利益が86.3%、経常利益が86.3%、親会社株主帰属当期純利益86.3%となる。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末、23年3月末から優待内容拡充

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施している。そして22年8月には、保有株式数に応じた株主優待内容拡充(詳細は会社HP参照)を発表した。23年3月末対象から実施する。

 現行は毎年3月31日時点で300株以上保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主を対象としてジェフグルメカード5000円分を贈呈している。変更後は、毎年3月31日時点で300株以上500株未満を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード5000円分、毎年3月31日時点で500株以上を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード7000円分を贈呈する。

■株価は高値更新の展開

 なお2月13日に自己株式立会外買付取引(ToSTNeT−3)によって自己株式65万株(1株につき1240円)を取得した。

 株価は水準を切り上げて上場来高値更新(株式分割調整後)の展開だ。指標面に割高感はなく、需給面も良好である。好業績や中期成長力を評価して上値を試す展開を期待したい。2月21日の終値は1223円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47円91銭で算出)は約26倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約1.3%、前期実績PBR(前期非連結実績のBPS188円29銭で算出)は約6.5倍、そして時価総額は約216億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月31日更新]

テンポイノベーションは上場来高値更新、23年3月期増収増益予想で収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、首都圏(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期(連結決算に移行)は前期の非連結業績との単純比較で増収増益予想としている。転貸借契約件数、転貸借物件数とも増加基調であることを勘案すれば会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は順調に水準を切り上げて上場来高値を更新(株式分割調整後)した。指標面に割高感はなく、需給面も良好である。好業績や中期成長力を評価して上値を試す展開を期待したい。なお2月2日に23年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に設立した子会社の店舗セーフティー)も展開している。なお、クロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が店舗転貸借事業92%、不動産売買事8%、営業利益が店舗転貸借事業80%、不動産売買事業20%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は85.9%だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。22年3月期は5物件を売却、6物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借契約件数の合計は21年3月期比29.6%増の407件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は245件増加の1951件となった。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件となり、22年3月期第4四半期以降はコロナ禍前を上回る水準となっている。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中長期的な経営目標として、25年3月期に営業部門100名体制を構築し、26年3月期に転貸借物件純増数600件/年、27年3月期に成約数1000件/年を目指すとしている。さらに29年3月期には、転貸借物件数5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)で、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。具体的には、22年3月期に40名だった営業人員を、年24名を目途にリーシング担当として採用し、その後、営業教育を経て高難度の仕入への異動(年4〜6名)を含めて、25年3月期に営業100名体制(仕入30名、リーシング70名程度)を構築する。そして仕入エリア戦術の実行などにより、29年3月期に転貸借物件数5000件(22年3月期実績1951件)を目指す方針だ。

 出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」については、SEO対策やサーバ強化によって集客力の強化を推進している。22年3月期は、サイト総訪問数が20年3月期比69.5%増加、問い合わせ件数が48.8%増加、新規会員登録数が75.6%増加、内見数が52.2%増加した。

 なお3ヶ年の中期経営計画では、24年3月期売上高144億37百万円、営業利益12億57百万円、営業利益率8.7%、成約数510件、転貸借物件数2527件、25年3月期売上高164億17百万円、営業利益14億71百万円、営業利益率9.0%、成約数580件、転貸借物件数2879件の計画を掲げている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。コロナ禍のため開催を一時的に中断していたが、順次再開している。なお「お店の子ども食堂/みせしょく」の取り組みが22年度のグッドデザイン賞を受賞した。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場に移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

■23年3月期増収増益予想、さらに上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行したため前期比増減率は非記載)は、売上高が126億55百万円、営業利益が10億59百万円、経常利益が10億74百万円、親会社株主帰属当期純利益が7億33百万円としている。配当予想は未定だが、開示が可能となった段階で速やかに開示するとしている。

 22年3月期非連結業績(売上高114億15百万円、営業利益9億09百万円、経常利益9億86百万円、当期純利益6億62百万円)との単純比較で見ると、売上高は10.9%増収、営業利益は16.4%増益、経常利益は8.9%増益、親会社株主帰属当期純利益は10.7%増益となる。

 第2四半期累計は売上高が61億03百万円、営業利益が5億54百万円、経常利益が5億81百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3億98百万円だった。

 前年同期の非連結業績(売上高56億67百万円、営業利益4億41百万円、経常利益4億68百万円、四半期純利益3億17百万円)との単純比較で見ると、売上高は7.7%増収、営業利益は25.6%増益、経常利益は24.1%増益、親会社株主帰属四半期純利益は25.6%増益となる。前年の非連結業績との単純比較で実質的に増収増益だった。不動産売買が減少したが、主力の店舗転貸借事業において転貸借物件数が順調に増加し、新規連結の店舗セーフティーも寄与した。

 店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)は、売上高が59億06百万円(前年同期の49億96百万円との単純比較で18.2%増収)で、セグメント利益(営業利益)が5億11百万円(同3億39百万円との単純比較で50.7%増益)だった。コロナ禍においても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応し、好立地・小規模・居抜き店舗物件の積極的な仕入を実施した。また営業力増強に向けた採用・教育や、物件管理の質的・量的強化を推進した。この結果、転貸借契約件数(新規契約件数および後継付け件数の合計)は224件(前年同期は191件)となり、期末転貸借物件数は2080件(同1812件)と順調に増加した。

 不動産売買事業は売上高が1億97百万円でセグメント利益が43百万円(前年同期は売上高が6億70百万円でセグメント利益が1億02百万円)だった。2物件を売却、2物件を取得(前年同期は2物件を売却、3物件を取得)し、期末時点の保有物件数は3件となった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が30億04百万円で営業利益が2億86百万円、第2四半期は売上高が30億99百万円で営業利益が2億68百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。通期ベースでも転貸借物件数が順調に増加して実質的に増収増益予想としている。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に合致した店舗物件の仕入を推進する。第2四半期累計の進捗率は、売上高が48.2%、営業利益が52.3%、経常利益が54.1%、親会社株主帰属当期純利益54.3%と順調だった。転貸借契約件数、転貸借物件数とも増加基調であることを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末、23年3月末から優待内容拡充

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施している。そして22年8月には、保有株式数に応じた株主優待内容拡充(詳細は会社HP参照)を発表した。23年3月末対象から実施する。

 現行は毎年3月31日時点で300株以上保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主を対象としてジェフグルメカード5000円分を贈呈している。変更後は、毎年3月31日時点で300株以上500株未満を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード5000円分、毎年3月31日時点で500株以上を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード7000円分を贈呈する。

■株価は上場来高値を更新

 株価は順調に水準を切り上げて上場来高値を更新(株式分割調整後)した。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。指標面に割高感はなく、需給面も良好である。好業績や中期成長力を評価して上値を試す展開を期待したい。1月30日の終値は1097円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円37銭で算出)は約27倍、前期実績PBR(前期非連結実績のBPS188円29銭で算出)は約5.8倍、そして時価総額は約194億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月19日更新]

テンポイノベーションは上値試す、23年3月期増収増益予想で収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、首都圏(特に東京都)において飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、店舗物件専門の家賃保証事業も展開している。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期(連結決算に移行)は前期の非連結業績との単純比較で増収増益予想としている。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を推進し、主力の店舗転貸借事業が順調に伸長する見込みだ。転貸借契約件数、転貸借物件数とも増加基調であることを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の状況でも年初に昨年来高値を更新して19年の上場来高値に接近する場面があった。その後も高値圏で堅調に推移している。好業績を評価して、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。なお2月2日に23年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産業者とのリレーションシップ強化を主目的とする不動産売買事業、および独自の審査ノウハウを活用した店舗物件専門の家賃保証事業(22年4月に設立した子会社の店舗セーフティー)も展開している。なお、クロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が店舗転貸借事業92%、不動産売買事8%、営業利益が店舗転貸借事業80%、不動産売買事業20%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は85.9%だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。22年3月期は5物件を売却、6物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借契約件数の合計は21年3月期比29.6%増の407件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は245件増加の1951件となった。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお四半期別の成約件数の推移を見ると、コロナ禍前の20年3月期は概ね100件前後で推移(第1四半期101件、第2四半期100件、第3四半期91件、第4四半期105件)していた。21年3月期第1四半期にコロナ禍の影響で43件まで落ち込む場面があったが、その後は第2四半期81件、第3四半期92件、第4四半期98件、22年3月期第1四半期95件、第2四半期96件、第3四半期104件と順調に回復した。そして22年3月期第4四半期112件、23年3月期第1四半期107件、第2四半期117件となり、22年3月期第4四半期以降はコロナ禍前を上回る水準となっている。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中長期的な経営目標として、25年3月期に営業部門100名体制を構築し、26年3月期に転貸借物件純増数600件/年、27年3月期に成約数1000件/年を目指すとしている。さらに29年3月期には、転貸借物件数5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)で、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。具体的には、22年3月期に40名だった営業人員を、年24名を目途にリーシング担当として採用し、その後、営業教育を経て高難度の仕入への異動(年4〜6名)を含めて、25年3月期に営業100名体制(仕入30名、リーシング70名程度)を構築する。そして仕入エリア戦術の実行などにより、29年3月期に転貸借物件数5000件(22年3月期実績1951件)を目指す方針だ。

 出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」については、SEO対策やサーバ強化によって集客力の強化を推進している。22年3月期は、サイト総訪問数が20年3月期比69.5%増加、問い合わせ件数が48.8%増加、新規会員登録数が75.6%増加、内見数が52.2%増加した。

 なお3ヶ年の中期経営計画では、24年3月期売上高144億37百万円、営業利益12億57百万円、営業利益率8.7%、成約数510件、転貸借物件数2527件、25年3月期売上高164億17百万円、営業利益14億71百万円、営業利益率9.0%、成約数580件、転貸借物件数2879件の計画を掲げている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。コロナ禍のため開催を一時的に中断していたが、順次再開している。なお「お店の子ども食堂/みせしょく」の取り組みが22年度のグッドデザイン賞を受賞した。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場に移行し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

■23年3月期増収増益予想、さらに上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行したため前期比増減率は非記載)は、売上高が126億55百万円、営業利益が10億59百万円、経常利益が10億74百万円、親会社株主帰属当期純利益が7億33百万円としている。配当予想は未定だが、開示が可能となった段階で速やかに開示するとしている。

 22年3月期非連結業績(売上高114億15百万円、営業利益9億09百万円、経常利益9億86百万円、当期純利益6億62百万円)との単純比較で見ると、売上高は10.9%増収、営業利益は16.4%増益、経常利益は8.9%増益、親会社株主帰属当期純利益は10.7%増益となる。

 第2四半期累計は売上高が61億03百万円、営業利益が5億54百万円、経常利益が5億81百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3億98百万円だった。

 前年同期の非連結業績(売上高56億67百万円、営業利益4億41百万円、経常利益4億68百万円、四半期純利益3億17百万円)との単純比較で見ると、売上高は7.7%増収、営業利益は25.6%増益、経常利益は24.1%増益、親会社株主帰属四半期純利益は25.6%増益となる。前年の非連結業績との単純比較で実質的に増収増益だった。不動産売買が減少したが、主力の店舗転貸借事業において転貸借物件数が順調に増加し、新規連結の店舗セーフティーも寄与した。

 店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)は、売上高が59億06百万円(前年同期の49億96百万円との単純比較で18.2%増収)で、セグメント利益(営業利益)が5億11百万円(同3億39百万円との単純比較で50.7%増益)だった。コロナ禍においても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応し、好立地・小規模・居抜き店舗物件の積極的な仕入を実施した。また営業力増強に向けた採用・教育や、物件管理の質的・量的強化を推進した。この結果、転貸借契約件数(新規契約件数および後継付け件数の合計)は224件(前年同期は191件)となり、期末転貸借物件数は2080件(同1812件)と順調に増加した。

 不動産売買事業は売上高が1億97百万円でセグメント利益が43百万円(前年同期は売上高が6億70百万円でセグメント利益が1億02百万円)だった。2物件を売却、2物件を取得(前年同期は2物件を売却、3物件を取得)し、期末時点の保有物件数は3件となった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が30億04百万円で営業利益が2億86百万円、第2四半期は売上高が30億99百万円で営業利益が2億68百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。通期ベースでも転貸借物件数が順調に増加して実質的に増収増益予想としている。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に合致した店舗物件の仕入を推進する。第2四半期累計の進捗率は、売上高が48.2%、営業利益が52.3%、経常利益が54.1%、親会社株主帰属当期純利益54.3%と順調だった。転貸借契約件数、転貸借物件数とも増加基調であることを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末、23年3月末から優待内容拡充

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施している。そして22年8月には、保有株式数に応じた株主優待内容拡充(詳細は会社HP参照)を発表した。23年3月末対象から実施する。

 現行は毎年3月31日時点で300株以上保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主を対象としてジェフグルメカード5000円分を贈呈している。変更後は、毎年3月31日時点で300株以上500株未満を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード5000円分、毎年3月31日時点で500株以上を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード7000円分を贈呈する。

■株価は上値試す

 株価は地合い悪化の状況でも年初に昨年来高値を更新して19年の上場来高値に接近する場面があった。その後も高値圏で堅調に推移している。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。好業績を評価して、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。1月18日の終値は1034円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円37銭で算出)は約25倍、前期実績PBR(前期非連結実績のBPS188円29銭で算出)は約5.5倍、そして時価総額は約183億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月28日更新]

テンポイノベーションは19年の上場来高値を試す、23年3月期増収増益予想、さらに上振れ余地

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は首都圏(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。店舗物件専門の家賃保証事業も開始した。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期(連結決算に移行)は前期の非連結業績との単純比較で増収増益予想としている。コロナ禍においても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を推進し、主力の店舗転貸借事業が伸長する見込みだ。転貸借契約件数、転貸借物件数とも増加基調であることを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合いが悪化するなかでも大きく下押すことなく年初来高値圏で堅調だ。そして19年の上場来高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産売買事業も展開している。22年4月には子会社の店舗セーフティーを設立し、独自の審査ノウハウを用いて店舗物件専門の家賃保証事業を開始した。なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が店舗転貸借事業92%、不動産売買事8%、営業利益が店舗転貸借事業80%、不動産売買事業20%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は85.9%だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。22年3月期は5物件を売却、6物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借契約件数の合計は21年3月期比29.6%増の407件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は245件増加の1951件となった。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお22年3月期の成約件数は第1四半期が95件、第2四半期が96件、第3四半期が104件、第4四半期が112件で、第4四半期はコロナ禍を上回る水準となった。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中長期的な経営目標として、25年3月期に営業部門100名体制を構築し、26年3月期に転貸借物件純増数600件/年、27年3月期に成約数1000件/年を目指すとしている。さらに29年3月期には、転貸借物件数5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)で、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。具体的には、22年3月期に40名だった営業人員を、年24名を目途にリーシング担当として採用し、その後、営業教育を経て高難度の仕入への異動(年4〜6名)を含めて、25年3月期に営業100名体制(仕入30名、リーシング70名程度)を構築する。そして仕入エリア戦術の実行などにより、29年3月期に転貸借物件数5000件(22年3月期実績1951件)を目指す方針だ。

 出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」については、SEO対策やサーバ強化によって集客力の強化を推進している。22年3月期は、サイト総訪問数が20年3月期比69.5%増加、問い合わせ件数が48.8%増加、新規会員登録数が75.6%増加、内見数が52.2%増加した。

 なお3ヶ年の中期経営計画では、24年3月期売上高144億37百万円、営業利益12億57百万円、営業利益率8.7%、成約数510件、転貸借物件数2527件、25年3月期売上高164億17百万円、営業利益14億71百万円、営業利益率9.0%、成約数580件、転貸借物件数2879件の計画を掲げている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。コロナ禍のため開催を一時的に中断していたが、順次再開している。なお「お店の子ども食堂/みせしょく」の取り組みが22年度のグッドデザイン賞を受賞した。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

■23年3月期増収増益予想、さらに上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行したため前期比増減率は非記載)は、売上高が126億55百万円、営業利益が10億59百万円、経常利益が10億74百万円、親会社株主帰属当期純利益が7億33百万円としている。配当予想は未定だが、開示が可能となった段階で速やかに開示するとしている。

 22年3月期非連結業績(売上高114億15百万円、営業利益9億09百万円、経常利益9億86百万円、当期純利益6億62百万円)との単純比較で見ると、売上高は10.9%増収、営業利益は16.4%増益、経常利益は8.9%増益、親会社株主帰属当期純利益は10.7%増益となる。

 第2四半期累計は売上高が61億03百万円、営業利益が5億54百万円、経常利益が5億81百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3億98百万円だった。

 前年同期の非連結業績(売上高56億67百万円、営業利益4億41百万円、経常利益4億68百万円、四半期純利益3億17百万円)との単純比較で見ると、売上高は7.7%増収、営業利益は25.6%増益、経常利益は24.1%増益、親会社株主帰属四半期純利益は25.6%増益となる。前年の非連結業績との単純比較で実質的に増収増益だった。不動産売買が減少したが、主力の店舗転貸借事業において転貸借物件数が順調に増加し、新規連結の店舗セーフティーも寄与した。

 店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)は、売上高が59億06百万円(前年同期の49億96百万円との単純比較で18.2%増収)で、セグメント利益(営業利益)が5億11百万円(同3億39百万円との単純比較で50.7%増益)だった。コロナ禍においても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応し、好立地・小規模・居抜き店舗物件の積極的な仕入を実施した。また営業力増強に向けた採用・教育や、物件管理の質的・量的強化を推進した。この結果、転貸借契約件数(新規契約件数および後継付け件数の合計)は224件(前年同期は191件)となり、期末転貸借物件数は2080件(同1812件)と順調に増加した。

 不動産売買事業は売上高が1億97百万円でセグメント利益が43百万円(前年同期は売上高が6億70百万円でセグメント利益が1億02百万円)だった。2物件を売却、2物件を取得(前年同期は2物件を売却、3物件を取得)し、期末時点の保有物件数は3件となった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が30億04百万円で営業利益が2億86百万円、第2四半期は売上高が30億99百万円で営業利益が2億68百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。通期ベースでも転貸借物件数が順調に増加して実質的に増収増益予想としている。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に合致した店舗物件の仕入を推進する。第2四半期累計の進捗率は、売上高が48.2%、営業利益が52.3%、経常利益が54.1%、親会社株主帰属当期純利益54.3%と順調だった。転貸借契約件数、転貸借物件数とも増加基調であることを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末、23年3月末から優待内容拡充

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施している。そして22年8月には、保有株式数に応じた株主優待内容拡充(詳細は会社HP参照)を発表した。23年3月末対象から実施する。

 現行は毎年3月31日時点で300株以上保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主を対象としてジェフグルメカード5000円分を贈呈している。変更後は、毎年3月31日時点で300株以上500株未満を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード5000円分、毎年3月31日時点で500株以上を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード7000円分を贈呈する。

■株価は19年の上場来高値を試す

 株価は地合いが悪化するなかでも大きく下押すことなく年初来高値圏で堅調だ。そして19年の上場来高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。12月27日の終値は999円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円37銭で算出)は約24倍、前期実績PBR(前期非連結実績のBPS188円29銭で算出)は約5.3倍、そして時価総額は約177億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月12日更新]

テンポイノベーションは19年の高値に接近、23年3月期増収増益予想、さらに上振れ余地

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は首都圏(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。店舗物件専門の家賃保証事業も開始した。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期(連結決算に移行)は前期の非連結業績との単純比較で増収増益予想としている。コロナ禍においても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を推進し、主力の店舗転貸借事業が伸長する見込みだ。転貸借契約件数、転貸借物件数とも増加基調であることを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は年初来高値圏で堅調だ。そして19年の上場来高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産売買事業も展開している。22年4月には子会社の店舗セーフティーを設立し、独自の審査ノウハウを用いて店舗物件専門の家賃保証事業を開始した。なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が店舗転貸借事業92%、不動産売買事8%、営業利益が店舗転貸借事業80%、不動産売買事業20%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は85.9%だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。22年3月期は5物件を売却、6物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借契約件数の合計は21年3月期比29.6%増の407件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は245件増加の1951件となった。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお22年3月期の成約件数は第1四半期が95件、第2四半期が96件、第3四半期が104件、第4四半期が112件で、第4四半期はコロナ禍を上回る水準となった。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中長期的な経営目標として、25年3月期に営業部門100名体制を構築し、26年3月期に転貸借物件純増数600件/年、27年3月期に成約数1000件/年を目指すとしている。さらに29年3月期には、転貸借物件数5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)で、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。具体的には、22年3月期に40名だった営業人員を、年24名を目途にリーシング担当として採用し、その後、営業教育を経て高難度の仕入への異動(年4〜6名)を含めて、25年3月期に営業100名体制(仕入30名、リーシング70名程度)を構築する。そして仕入エリア戦術の実行などにより、29年3月期に転貸借物件数5000件(22年3月期実績1951件)を目指す方針だ。

 出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」については、SEO対策やサーバ強化によって集客力の強化を推進している。22年3月期は、サイト総訪問数が20年3月期比69.5%増加、問い合わせ件数が48.8%増加、新規会員登録数が75.6%増加、内見数が52.2%増加した。

 なお3ヶ年の中期経営計画では、24年3月期売上高144億37百万円、営業利益12億57百万円、営業利益率8.7%、成約数510件、転貸借物件数2527件、25年3月期売上高164億17百万円、営業利益14億71百万円、営業利益率9.0%、成約数580件、転貸借物件数2879件の計画を掲げている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。コロナ禍のため開催を一時的に中断していたが、順次再開している。なお「お店の子ども食堂/みせしょく」の取り組みが22年度のグッドデザイン賞を受賞した。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

■23年3月期増収増益予想、さらに上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行したため前期比増減率は非記載)は、売上高が126億55百万円、営業利益が10億59百万円、経常利益が10億74百万円、親会社株主帰属当期純利益が7億33百万円としている。配当予想は未定だが、開示が可能となった段階で速やかに開示するとしている。

 22年3月期非連結業績(売上高114億15百万円、営業利益9億09百万円、経常利益9億86百万円、当期純利益6億62百万円)との単純比較で見ると、売上高は10.9%増収、営業利益は16.4%増益、経常利益は8.9%増益、親会社株主帰属当期純利益は10.7%増益となる。

 第2四半期累計は売上高が61億03百万円、営業利益が5億54百万円、経常利益が5億81百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3億98百万円だった。

 前年同期の非連結業績(売上高56億67百万円、営業利益4億41百万円、経常利益4億68百万円、四半期純利益3億17百万円)との単純比較で見ると、売上高は7.7%増収、営業利益は25.6%増益、経常利益は24.1%増益、親会社株主帰属四半期純利益は25.6%増益となる。前年の非連結業績との単純比較で実質的に増収増益だった。不動産売買が減少したが、主力の店舗転貸借事業において転貸借物件数が順調に増加し、新規連結の店舗セーフティーも寄与した。

 店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)は、売上高が59億06百万円(前年同期の49億96百万円との単純比較で18.2%増収)で、セグメント利益(営業利益)が5億11百万円(同3億39百万円との単純比較で50.7%増益)だった。コロナ禍においても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応し、好立地・小規模・居抜き店舗物件の積極的な仕入を実施した。また営業力増強に向けた採用・教育や、物件管理の質的・量的強化を推進した。この結果、転貸借契約件数(新規契約件数および後継付け件数の合計)は224件(前年同期は191件)となり、期末転貸借物件数は2080件(同1812件)と順調に増加した。

 不動産売買事業は売上高が1億97百万円でセグメント利益が43百万円(前年同期は売上高が6億70百万円でセグメント利益が1億02百万円)だった。2物件を売却、2物件を取得(前年同期は2物件を売却、3物件を取得)し、期末時点の保有物件数は3件となった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が30億04百万円で営業利益が2億86百万円、第2四半期は売上高が30億99百万円で営業利益が2億68百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。通期ベースでも転貸借物件数が順調に増加して実質的に増収増益予想としている。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に合致した店舗物件の仕入を推進する。第2四半期累計の進捗率は、売上高が48.2%、営業利益が52.3%、経常利益が54.1%、親会社株主帰属当期純利益54.3%と順調である。転貸借契約件数、転貸借物件数とも増加基調であることを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末、23年3月末から優待内容拡充

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施している。そして22年8月には、保有株式数に応じた株主優待内容拡充(詳細は会社HP参照)を発表した。23年3月末対象から実施する。

 現行は毎年3月31日時点で300株以上保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主を対象としてジェフグルメカード5000円分を贈呈している。変更後は、毎年3月31日時点で300株以上500株未満を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード5000円分、毎年3月31日時点で500株以上を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード7000円分を贈呈する。

■株価は19年の高値に接近

 株価は年初来高値圏で堅調だ。そして19年の上場来高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。12月9日の終値は984円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円37銭で算出)は約24倍、前期実績PBR(前期非連結実績のBPS188円29銭で算出)は約5.2倍、そして時価総額は約174億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月24日更新]

テンポイノベーションは上値試す、23年3月期2Q累計増収増益で通期上振れ余地

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は首都圏(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。店舗物件専門の家賃保証事業も開始した。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期第2四半期累計(23年3月期から連結決算に移行)は、前年同期の非連結業績との単純比較で実質増収増益だった。コロナ禍においても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施し、主力の店舗転貸借事業が伸長した。そして通期の実質増益予想を据え置いた。転貸借契約件数、転貸借物件数とも増加基調であることを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻り高値圏で堅調だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産売買事業も展開している。22年4月には子会社の店舗セーフティーを設立し、独自の審査ノウハウを用いて店舗物件専門の家賃保証事業を開始した。なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が店舗転貸借事業92%、不動産売買事8%、営業利益が店舗転貸借事業80%、不動産売買事業20%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は85.9%だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。22年3月期は5物件を売却、6物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借契約件数の合計は21年3月期比29.6%増の407件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は245件増加の1951件となった。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお22年3月期の成約件数は第1四半期が95件、第2四半期が96件、第3四半期が104件、第4四半期が112件で、第4四半期はコロナ禍を上回る水準となった。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中長期的な経営目標として、25年3月期に営業部門100名体制を構築し、26年3月期に転貸借物件純増数600件/年、27年3月期に成約数1000件/年を目指すとしている。さらに29年3月期には、転貸借物件数5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)で、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。具体的には、22年3月期に40名だった営業人員を、年24名を目途にリーシング担当として採用し、その後、営業教育を経て高難度の仕入への異動(年4〜6名)を含めて、25年3月期に営業100名体制(仕入30名、リーシング70名程度)を構築する。そして仕入エリア戦術の実行などにより、29年3月期に転貸借物件数5000件(22年3月期実績1951件)を目指す方針だ。

 出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」については、SEO対策やサーバ強化によって集客力の強化を推進している。22年3月期は、サイト総訪問数が20年3月期比69.5%増加、問い合わせ件数が48.8%増加、新規会員登録数が75.6%増加、内見数が52.2%増加した。

 なお3ヶ年の中期経営計画では、24年3月期売上高144億37百万円、営業利益12億57百万円、営業利益率8.7%、成約数510件、転貸借物件数2527件、25年3月期売上高164億17百万円、営業利益14億71百万円、営業利益率9.0%、成約数580件、転貸借物件数2879件の計画を掲げている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した「子ども食堂」を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。コロナ禍のため開催を一時的に中断していたが、順次再開している。なお「お店の子ども食堂/みせしょく」の取り組みが22年度のグッドデザイン賞を受賞した。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

■23年3月期2Q累計増収増益で通期上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行したため前期比増減率は非記載)は、売上高が126億55百万円、営業利益が10億59百万円、経常利益が10億74百万円、親会社株主帰属当期純利益が7億33百万円としている。配当予想は未定だが、開示が可能となった段階で速やかに開示するとしている。

 22年3月期非連結業績(売上高114億15百万円、営業利益9億09百万円、経常利益9億86百万円、当期純利益6億62百万円)との単純比較で見ると、売上高は10.9%増収、営業利益は16.4%増益、経常利益は8.9%増益、親会社株主帰属当期純利益は10.7%増益となる。

 第2四半期累計は売上高が61億03百万円、営業利益が5億54百万円、経常利益が5億81百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3億98百万円だった。

 前年同期の非連結業績(売上高56億67百万円、営業利益4億41百万円、経常利益4億68百万円、四半期純利益3億17百万円)との単純比較で見ると、売上高は7.7%増収、営業利益は25.6%増益、経常利益は24.1%増益、親会社株主帰属四半期純利益は25.6%増益となる。不動産売買が減少したが、主力の店舗転貸借事業において転貸借物件数が順調に増加し、前年の非連結業績との単純比較で実質的に増収増益だった。

 店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)は、売上高が59億06百万円(前年同期の49億96百万円との単純比較で18.2%増収)で、セグメント利益(営業利益)が5億11百万円(同3億39百万円との単純比較で50.7%増益)だった。コロナ禍においても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応し、好立地・小規模・居抜き店舗物件の積極的な仕入を実施した。また営業力増強に向けた採用・教育や、物件管理の質的・量的強化を推進した。この結果、転貸借契約件数(新規契約件数および後継付け件数の合計)は224件(前年同期は191件)となり、期末転貸借物件数は2080件(同1812件)と順調に増加した。

 不動産売買事業は売上高が1億97百万円でセグメント利益が43百万円(前年同期は売上高が6億70百万円でセグメント利益が1億02百万円)だった。2物件を売却、2物件を取得(前年同期は2物件を売却、3物件を取得)し、期末時点の保有物件数は3件となった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が30億04百万円で営業利益が2億86百万円、第2四半期は売上高が30億99百万円で営業利益が2億68百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。通期ベースでも転貸借物件数が順調に増加して実質的に増収増益予想としている。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に合致した店舗物件の仕入を推進する。第2四半期累計の進捗率は、売上高が48.2%、営業利益が52.3%、経常利益が54.1%、親会社株主帰属当期純利益54.3%と順調である。転貸借契約件数、転貸借物件数とも増加基調であることを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末、23年3月末から優待内容拡充

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施している。そして22年8月には、保有株式数に応じた株主優待内容拡充(詳細は会社HP参照)を発表した。23年3月末対象から実施する。

 現行は毎年3月31日時点で300株以上保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主を対象としてジェフグルメカード5000円分を贈呈している。変更後は、毎年3月31日時点で300株以上500株未満を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード5000円分、毎年3月31日時点で500株以上を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード7000円分を贈呈する。

■株価は上値試す

 株価は戻り高値圏で堅調だ。週足チャートで見ると、26週移動平均線が支持線の形となっている。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。11月22日の終値は947円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円37銭で算出)は約23倍、前期実績PBR(前期非連結実績のBPS188円29銭で算出)は約5.0倍、そして時価総額は約167億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月04日更新]

テンポイノベーションは23年3月期2Q累計実質増収増益、通期上振れ余地

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は11月2日の取引時間終了後に23年3月期第2四半期累計連結業績(23年3月期から連結決算に移行)を発表した。前年同期の非連結業績との単純比較で実質増収増益だった。コロナ禍においても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施し、主力の店舗転貸借事業が伸長した。そして通期の実質増益予想を据え置いた。転貸借契約件数、転貸借物件数とも増加基調であることを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は反発の動きを強めて戻り高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年3月期2Q累計実質増収増益、通期予想据え置きだが上振れ余地

 23年3月期第2四半期累計の連結業績(店舗家賃保証事業を行う子会社の店舗セーフティーを設立して23年3月期第1四半期から連結決算に移行のため前期比増減率は非記載)は、売上高が61億03百万円、営業利益が5億54百万円、経常利益が5億81百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3億98百万円だった。

 前年同期の非連結業績(売上高56億67百万円、営業利益4億41百万円、経常利益4億68百万円、四半期純利益3億17百万円)との単純比較で見ると、売上高は7.7%増収、営業利益は25.6%増益、経常利益は24.1%増益、親会社株主帰属四半期純利益は25.6%増益となる。不動産売買が減少したが、主力の店舗転貸借事業において転貸借物件数が順調に増加し、前年の非連結業績との単純比較で実質的に増収増益だった。

 店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)は、売上高が59億06百万円(前年同期の49億96百万円との単純比較で18.2%増収)で、セグメント利益(営業利益)が5億11百万円(同3億39百万円との単純比較で50.7%増益)だった。コロナ禍においても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応し、好立地・小規模・居抜き店舗物件の積極的な仕入を実施した。また営業力増強に向けた採用・教育や、物件管理の質的・量的強化を推進した。この結果、転貸借契約件数(新規契約件数および後継付け件数の合計)は224件(前年同期は191件)となり、期末転貸借物件数は2080件(同1812件)と順調に増加した。

 不動産売買事業は売上高が1億97百万円でセグメント利益が43百万円(前年同期は売上高が6億70百万円でセグメント利益が1億02百万円)だった。2物件を売却、2物件を取得(前年同期は2物件を売却、3物件を取得)し、期末時点の保有物件数は3件となった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が30億04百万円で営業利益が2億86百万円、第2四半期は売上高が30億99百万円で営業利益が2億68百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が126億55百万円、営業利益が10億59百万円、経常利益が10億74百万円、親会社株主帰属当期純利益が7億33百万円としている。配当予想は現時点では未定としている。

 22年3月期の非連結業績(売上高が114億15百万円、営業利益が9億09百万円、経常利益が9億86百万円、当期純利益が6億62百万円)との単純比較で見ると、売上高は10.9%増収、営業利益は16.5%増益、経常利益は8.9%増益、親会社株主帰属当期純利益は10.7%増益となる。転貸借物件数が順調に増加して実質的に増収増益予想としている。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に合致した店舗物件の仕入を推進する。

 第2四半期累計の進捗率は、売上高が48.2%、営業利益が52.3%、経常利益が54.1%、親会社株主帰属当期純利益54.3%と順調である。転貸借契約件数、転貸借物件数とも増加基調であることを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は反発の動きを強めて戻り高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。11月2日の終値は952円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円37銭で算出)は約23倍、前期実績PBR(前期実績のBPS188円29銭で算出)は約5.1倍、時価総額は約168億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月24日更新]

テンポイノベーションは戻り試す、23年3月期は上振れの可能性

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は首都圏(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。店舗物件専門の家賃保証事業も開始した。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。23年3月期は転貸借契約物件数が増加基調で増収増益予想(連結決算に移行のため前年の非連結業績と比較)としている。第1四半期の好調を勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形となったが調整一巡感を強めている。戻りを試す展開を期待したい。なお11月2日に23年3月期第2四半期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産売買事業も展開している。22年4月には子会社の店舗セーフティーを設立し、独自の審査ノウハウを用いて店舗物件専門の家賃保証事業を開始した。なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が店舗転貸借事業92%、不動産売買事8%、営業利益が店舗転貸借事業80%、不動産売買事業20%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は85.9%だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。22年3月期は5物件を売却、6物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借契約件数の合計は21年3月期比29.6%増の407件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は245件増加の1951件となった。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお22年3月期の成約件数は第1四半期が95件、第2四半期が96件、第3四半期が104件、第4四半期が112件で、第4四半期はコロナ禍を上回る水準となった。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中長期的な経営目標として、25年3月期に営業部門100名体制を構築し、26年3月期に転貸借物件純増数600件/年、27年3月期に成約数1000件/年を目指すとしている。さらに29年3月期には、転貸借物件数5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)で、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。具体的には、22年3月期に40名だった営業人員を、年24名を目途にリーシング担当として採用し、その後、営業教育を経て高難度の仕入への異動(年4〜6名)を含めて、25年3月期に営業100名体制(仕入30名、リーシング70名程度)を構築する。そして仕入エリア戦術の実行により、29年3月期に転貸借物件数5000件(22年3月期実績1951件)を目指す方針だ。

 出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」は、サイトのリニューアルや、コロナ協力金等の飲食店向け情報提供の効果によって、コロナ禍による市況の変化を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉え、コロナ禍前よりも集客力のあるサイトへと進化している。22年3月期は、サイト総訪問数が20年3月期比69.5%増加、問い合わせ件数が48.8%増加、新規会員登録数が75.6%増加、内見数が52.2%増加した。

 なお3ヶ年の中期経営計画では、24年3月期売上高144億37百万円、営業利益12億57百万円、営業利益率8.7%、成約数510件、転貸借物件数2527件、25年3月期売上高164億17百万円、営業利益14億71百万円、営業利益率9.0%、成約数580件、転貸借物件数2879件の計画を掲げている。

 CSR活動としては、飲食店舗を活用した子ども食堂を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。コロナ禍のため開催を一時的に中断しているが、順次再開する方針だ。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

■23年3月期増収増益予想、さらに上振れの可能性

 23年3月期の連結業績予想(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行のため前期比増減率は非記載)は、売上高が126億55百万円、営業利益が10億59百万円、経常利益が10億74百万円、親会社株主帰属当期純利益が7億33百万円としている。配当予想は未定だが、開示が可能となった段階で速やかに開示するとしている。

 22年3月期非連結業績(売上高114億15百万円、営業利益9億09百万円、経常利益9億86百万円、当期純利益6億62百万円)との単純比較で見ると、売上高は10.9%増収、営業利益は16.4%増益、経常利益は8.9%増益、親会社株主帰属当期純利益は10.7%増益となる。

 第1四半期は売上高が30億04百万円、営業利益が2億86百万円、経常利益が3億05百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2億09百万円だった。前年同期の非連結業績との単純比較で売上高は9.5%増収、営業利益は27.9%増益、経常利益は30.4%増益、親会社株主帰属四半期純利益は31.6%増益だった。

 コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施し、転貸借物件数が順調に増加した。利益面では売上総利益率が1.4ポイント上昇した。ランニング収入の増加に加えて、店舗家賃保証事業や不動産売買事業も寄与した。

 セグメント別に見ると、店舗転貸借事業(店舗家賃保証を含む)は売上高が29億01百万円でセグメント利益(営業利益)が2億50百万円、不動産売買事業は売上高が1億02百万円で利益が35百万円だった。なおストック型収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は17.1%増の27億13百万円だった。

 店舗転貸借事業では成約数(新規契約と後継契約の合計)が12件増加の107件(4月37件、5月30件、6月40件)と順調に推移した。期末時点の転貸借物件数は259件増加の2015件となり、初めて2000件を突破した。1000件到達に143ヶ月を要したが、そこから2000件までは63ヶ月での達成となり、転貸借物件数の積み上げが加速している。不動産売買事業は1物件を売却、1物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

 通期予想は据え置いている。コロナ禍で飲食業界にとって厳しい状況が継続することを想定するが、コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店ニーズに合致した「好立地」「小規模」「居抜き」店舗物件の積極仕入を推進する。そして成約数と転貸借契約物件数が順調に増加して増収増益予想としている。新規契約と後継契約の合計成約数は22年3月期比43件増加の450件、期末転貸借物件数は22年3月期末比270件増加の2221件の計画としている。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高23.7%、営業利益27.0%、経常利益28.5%、親会社株主帰属当期純利益28.6%と順調だった。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルであり、第1四半期の好調を勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末、23年3月末から優待内容拡充

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施している。そして22年8月には、保有株式数に応じた株主優待内容拡充(詳細は会社HP参照)を発表した。23年3月末対象から実施する。

 現行は毎年3月31日時点で300株以上保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主を対象としてジェフグルメカード5000円分を贈呈している。変更後は、毎年3月31日時点で300株以上500株未満を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード5000円分、毎年3月31日時点で500株以上を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード7000円分を贈呈する。

■株価は戻り試す

 株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形となったが調整一巡感を強めている。戻りを試す展開を期待したい。10月21日の終値は904円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円37銭で算出)は約22倍、前期実績PBR(前期非連結実績のBPS188円29銭で算出)は約4.8倍、時価総額は約163億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月26日更新]

テンポイノベーションは上値試す、23年3月期は上振れの可能性

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。さらに店舗物件専門の家賃保証事業も開始した。23年3月期は転貸借契約物件数が増加基調で増収増益予想(連結決算に移行のため前年の非連結業績と比較)としている。第1四半期の好調を勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は8月の年初来高値に接近している。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。19年12月の上場来高値も視野に入りそうだ。なお11月2日に23年3月期第2四半期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産売買事業も展開している。22年4月には子会社の店舗セーフティーを設立し、独自の審査ノウハウを用いて店舗物件専門の家賃保証事業を開始した。なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が店舗転貸借事業92%、不動産売買事8%、営業利益が店舗転貸借事業80%、不動産売買事業20%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は85.9%だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。22年3月期は5物件を売却、6物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借契約件数の合計は21年3月期比29.6%増の407件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は245件増加の1951件となった。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお22年3月期の成約件数は第1四半期が95件、第2四半期が96件、第3四半期が104件、第4四半期が112件で、第4四半期はコロナ禍を上回る水準となった。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中長期的な経営目標として、25年3月期に営業部門100名体制を構築し、26年3月期に転貸借物件純増数600件/年、27年3月期に成約数1000件/年を目指すとしている。さらに29年3月期には、転貸借物件数5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)で、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。具体的には、22年3月期に40名だった営業人員を、年24名を目途にリーシング担当として採用し、その後、営業教育を経て高難度の仕入への異動(年4〜6名)を含めて、25年3月期に営業100名体制(仕入30名、リーシング70名程度)を構築する。そして仕入エリア戦術の実行により、29年3月期に転貸借物件数5000件(22年3月期実績1951件)を目指す方針だ。

 出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」は、サイトのリニューアルや、コロナ協力金等の飲食店向け情報提供の効果によって、コロナ禍による市況の変化を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉え、コロナ禍前よりも集客力のあるサイトへと進化している。22年3月期は、サイト総訪問数が20年3月期比69.5%増加、問い合わせ件数が48.8%増加、新規会員登録数が75.6%増加、内見数が52.2%増加した。

 なお3ヶ年の中期経営計画では、24年3月期売上高144億37百万円、営業利益12億57百万円、営業利益率8.7%、成約数510件、転貸借物件数2527件、25年3月期売上高164億17百万円、営業利益14億71百万円、営業利益率9.0%、成約数580件、転貸借物件数2879件の計画を掲げている。

 またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。コロナ禍のため開催を一時的に中断しているが、順次再開する方針だ。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

■23年3月期増収増益予想、さらに上振れの可能性

 23年3月期の連結業績予想(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行のため前期比増減率は非記載)は、売上高が126億55百万円、営業利益が10億59百万円、経常利益が10億74百万円、親会社株主帰属当期純利益が7億33百万円としている。配当予想は未定だが、開示が可能となった段階で速やかに開示するとしている。

 22年3月期非連結業績(売上高114億15百万円、営業利益9億09百万円、経常利益9億86百万円、当期純利益6億62百万円)との単純比較で見ると、売上高は10.9%増収、営業利益は16.4%増益、経常利益は8.9%増益、親会社株主帰属当期純利益は10.7%増益となる。

 第1四半期は売上高が30億04百万円、営業利益が2億86百万円、経常利益が3億05百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2億09百万円だった。前年同期の非連結業績との単純比較で売上高は9.5%増収、営業利益は27.9%増益、経常利益は30.4%増益、親会社株主帰属四半期純利益は31.6%増益だった。

 コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施し、転貸借物件数が順調に増加した。利益面では売上総利益率が1.4ポイント上昇した。ランニング収入の増加に加えて、店舗家賃保証事業や不動産売買事業も寄与した。

 セグメント別に見ると、店舗転貸借事業(店舗家賃保証を含む)は売上高が29億01百万円でセグメント利益(営業利益)が2億50百万円、不動産売買事業は売上高が1億02百万円で利益が35百万円だった。なおストック型収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は17.1%増の27億13百万円だった。

 店舗転貸借事業では成約数(新規契約と後継契約の合計)が12件増加の107件(4月37件、5月30件、6月40件)と順調に推移した。期末時点の転貸借物件数は259件増加の2015件となり、初めて2000件を突破した。1000件到達に143ヶ月を要したが、そこから2000件までは63ヶ月での達成となり、転貸借物件数の積み上げが加速している。不動産売買事業は1物件を売却、1物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

 通期予想は据え置いている。コロナ禍で飲食業界にとって厳しい状況が継続することを想定するが、コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店ニーズに合致した「好立地」「小規模」「居抜き」店舗物件の積極仕入を推進する。そして成約数と転貸借契約物件数が順調に増加して増収増益予想としている。新規契約と後継契約の合計成約数は22年3月期比43件増加の450件、期末転貸借物件数は22年3月期末比270件増加の2221件の計画としている。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高23.7%、営業利益27.0%、経常利益28.5%、親会社株主帰属当期純利益28.6%と順調だった。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルであり、第1四半期の好調を勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末、23年3月末から優待内容拡充

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施している。そして8月4日には、保有株式数に応じた株主優待内容拡充(詳細は会社HP参照)を発表した。23年3月末対象から実施する。

 現行は毎年3月31日時点で300株以上保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主を対象としてジェフグルメカード5000円分を贈呈している。変更後は、毎年3月31日時点で300株以上500株未満を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード5000円分、毎年3月31日時点で500株以上を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード7000円分を贈呈する。

■株価は上値試す

 株価は調整一巡して8月の年初来高値に接近している。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。19年12月の上場来高値も視野に入りそうだ。9月22日の終値は941円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円37銭で算出)は約23倍、前期実績PBR(前期非連結実績のBPS188円29銭で算出)は約5.0倍、そして時価総額は約163億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月29日更新]

テンポイノベーションは上値試す、23年3月期増収増益予想、さらに上振れの可能性

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。さらに店舗物件専門の家賃保証事業も開始した。23年3月期も転貸借契約物件数が増加基調で増収増益予想(連結決算に移行のため前年の非連結業績と比較)としている。第1四半期は大幅増益だった。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施し、転貸借物件数が順調に増加した。第1四半期の好調を勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は年初来高値圏だ。好業績を評価し、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産売買事業も展開している。22年4月には子会社の店舗セーフティーを設立し、独自の審査ノウハウを用いて店舗物件専門の家賃保証事業を開始した。なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が店舗転貸借事業92%、不動産売買事8%、営業利益が店舗転貸借事業80%、不動産売買事業20%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は85.9%だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。22年3月期は5物件を売却、6物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借契約件数の合計は21年3月期比29.6%増の407件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は245件増加の1951件となった。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお22年3月期の成約件数は第1四半期が95件、第2四半期が96件、第3四半期が104件、第4四半期が112件で、第4四半期はコロナ禍を上回る水準となった。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中長期的な経営目標として、25年3月期に営業部門100名体制を構築し、26年3月期に転貸借物件純増数600件/年、27年3月期に成約数1000件/年を目指すとしている。さらに29年3月期には、転貸借物件数5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)で、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。具体的には、22年3月期に40名だった営業人員を、年24名を目途にリーシング担当として採用し、その後、営業教育を経て高難度の仕入への異動(年4〜6名)を含めて、25年3月期に営業100名体制(仕入30名、リーシング70名程度)を構築する。そして仕入エリア戦術の実行により、29年3月期に転貸借物件数5000件(22年3月期実績1951件)を目指す方針だ。

 出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」は、サイトのリニューアルや、コロナ協力金等の飲食店向け情報提供の効果によって、コロナ禍による市況の変化を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉え、コロナ禍前よりも集客力のあるサイトへと進化している。22年3月期は、サイト総訪問数が20年3月期比69.5%増加、問い合わせ件数が48.8%増加、新規会員登録数が75.6%増加、内見数が52.2%増加した。

 なお3ヶ年の中期経営計画では、24年3月期売上高144億37百万円、営業利益12億57百万円、営業利益率8.7%、成約数510件、転貸借物件数2527件、25年3月期売上高164億17百万円、営業利益14億71百万円、営業利益率9.0%、成約数580件、転貸借物件数2879件の計画を掲げている。

 またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。コロナ禍のため開催を一時的に中断しているが、順次再開する方針だ。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

■23年3月期1Q大幅増益、通期増収増益予想、さらに上振れの可能性

 23年3月期の連結業績予想(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行のため前期比増減率は非記載)は、売上高が126億55百万円、営業利益が10億59百万円、経常利益が10億74百万円、親会社株主帰属当期純利益が7億33百万円としている。配当予想は未定だが、開示が可能となった段階で速やかに開示するとしている。

 22年3月期非連結業績(売上高114億15百万円、営業利益9億09百万円、経常利益9億86百万円、当期純利益6億62百万円)との単純比較で見ると、売上高は10.9%増収、営業利益は16.4%増益、経常利益は8.9%増益、親会社株主帰属当期純利益は10.7%増益となる。

 第1四半期は売上高が30億04百万円、営業利益が2億86百万円、経常利益が3億05百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2億09百万円だった。前年の非連結業績との比較で、売上高は9.5%増収、営業利益は27.9%増益、経常利益は30.4%増益、親会社株主帰属四半期純利益は31.6%増益だった。

 コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施し、転貸借物件数が順調に増加した。利益面では売上総利益率が1.4ポイント上昇した。ランニング収入の増加に加えて、店舗家賃保証事業や不動産売買事業も寄与した。

 セグメント別に見ると、店舗転貸借事業(店舗家賃保証を含む)は売上高が29億01百万円でセグメント利益(営業利益)が2億50百万円、不動産売買事業は売上高が1億02百万円で利益が35百万円だった。なおストック型収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は17.1%増の27億13百万円だった。

 店舗転貸借事業では成約数(新規契約と後継契約の合計)が12件増加の107件(4月37件、5月30件、6月40件)と順調に推移した。期末時点の転貸借物件数は259件増加の2015件となり、初めて2000件を突破した。1000件到達に143ヶ月を要したが、そこから2000件までは63ヶ月での達成となり、転貸借物件数の積み上げが加速している。不動産売買事業は1物件を売却、1物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

 通期予想は据え置いている。コロナ禍で飲食業界にとって厳しい状況が継続することを想定するが、コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店ニーズに合致した「好立地」「小規模」「居抜き」店舗物件の積極仕入を推進する。そして成約数と転貸借契約物件数が順調に増加して増収増益予想としている。新規契約と後継契約の合計成約数は22年3月期比43件増加の450件、期末転貸借物件数は22年3月期末比270件増加の2221件の計画としている。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高23.7%、営業利益27.0%、経常利益28.5%、親会社株主帰属当期純利益28.6%と順調である。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルであり、第1四半期の好調を勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末、23年3月末から優待内容拡充

 株主優待制度については毎年3月31日時点の株主を対象として実施している。そして8月4日に、保有株式数に応じた株主優待内容拡充(詳細は会社HP参照)を発表した。23年3月末対象から実施する。

 現行は毎年3月31日時点で300株以上保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主を対象としてジェフグルメカード5000円分を贈呈している。変更後は、毎年3月31日時点で300株以上500株未満を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード5000円分、毎年3月31日時点で500株以上を保有し、且つ100株以上保有を1年以上継続している株主に対してジェフグルメカード7000円分を贈呈する。

■株価は上値試す

 株価はボックスレンジから上放れて年初来高値圏だ。好業績を評価し、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。8月26日の終値は925円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円37銭で算出)は約22倍、前期実績PBR(前期非連結実績のBPS188円29銭で算出)は約4.9倍、そして時価総額は約163億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月05日更新]

テンポイノベーションは23年3月期1Q大幅増益、通期上振れの可能性

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は8月4日の取引時間終了後に23年3月期第1四半期連結業績を発表した。連結決算に移行したため、前年の非連結業績との比較で増収・大幅増益だった。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施し、転貸借物件数が順調に増加した。新たに開始した家賃保証事業も寄与した。通期も増収増益予想としている。第1四半期の好調を勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なお株主優待制度の拡充も発表した。株価は水準を切り上げて年初来高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年3月期1Q大幅増益、通期増収増益予想、さらに上振れの可能性

 23年3月期第1四半期の連結業績(店舗家賃保証事業を行う子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行、前期比増減率は非記載)は、売上高が30億04百万円、営業利益が2億86百万円、経常利益が3億05百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2億09百万円だった。

 前年の非連結業績との比較で売上高は9.5%増収、営業利益は27.9%増益、経常利益は30.4%増益、親会社株主帰属四半期純利益は31.6%増益だった。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施し、転貸借物件数が順調に増加した。利益面では売上総利益率が1.4ポイント上昇した。ランニング収入の増加に加えて、店舗家賃保証事業や不動産売買事業も寄与した。

 セグメント別に見ると、店舗転貸借事業(店舗家賃保証を含む)は売上高が29億01百万円でセグメント利益(営業利益)が2億50百万円、不動産売買事業は売上高が1億02百万円で利益が35百万円だった。店舗転貸借事業の成約数(新規契約と後継契約の合計)は12件増加の107件と順調に推移した。期末時点の転貸借物件数は259件増加の2015件となり、初めて2000件を突破した。不動産売買事業は1物件を売却、1物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

 通期の連結業績予想は据え置いて売上高が126億55百万円、営業利益が10億59百万円、経常利益が10億74百万円、親会社株主帰属当期純利益が7億33百万円としている。配当予想は現時点では未定としている。

 前期の非連結業績との比較で、売上高は10.9%増収、営業利益は16.4%増益、経常利益は8.9%増益、親会社株主帰属四半期純利益は10.7%増益予想となる。転貸借物件数が順調に増加して実質増収増益予想としている。コロナ禍で飲食業界にとって厳しい状況が継続するが、コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に合致した店舗物件の仕入を推進する。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高23.7%、営業利益27.0%、経常利益28.5%、親会社株主帰属当期純利益28.6%と順調である。第1四半期の好調を勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

 なお株主優待制度の拡充(詳細は会社HP参照)も発表した。100株以上を1年以上継続保有している株主を対象として実施しており、新たに「基準日時点で500株以上保有株主に対してジェフグルメカード7000円分贈呈」を追加した。

■株価は上値試す

 株価は水準を切り上げて年初来高値圏だ。週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線も上向きに転じた。そしてボックスレンジ上限から上放れる動きだ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。8月4日の終値は911円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円37銭で算出)は約22倍、前期実績PBR(前期実績のBPS188円29銭で算出)は約4.8倍、時価総額は約161億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[07月19日更新]

テンポイノベーションは上値試す、23年3月期も収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。さらに店舗物件専門の家賃保証事業も開始した。23年3月期(連結決算に移行)も成約数と転貸借契約物件数が順調に増加して増収増益予想としている。コロナ禍でも個人・小規模飲食事業者の出店意欲は旺盛であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は徐々に水準を切り上げてボックスレンジ上限に接近してきた。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。なお8月4日に23年3月期第1四半期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産売買事業も展開している。22年4月には子会社の店舗セーフティーを設立し、独自の審査ノウハウを用いて店舗物件専門の家賃保証事業を開始した。なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が店舗転貸借事業92%、不動産売買事8%、営業利益が店舗転貸借事業80%、不動産売買事業20%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は85.9%だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。22年3月期は5物件を売却、6物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借契約件数の合計は21年3月期比29.6%増の407件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は245件増加の1951件となった。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお22年3月期の成約件数は第1四半期が95件、第2四半期が96件、第3四半期が104件、第4四半期が112件で、第4四半期はコロナ禍を上回る水準となった。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移した。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中長期的な経営目標として、25年3月期に営業部門100名体制を構築し、26年3月期に転貸借物件純増数600件/年、27年3月期に成約数1000件/年を目指すとしている。さらに29年3月期には、転貸借物件数5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)で、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。具体的には、22年3月期に40名だった営業人員を、年24名を目途にリーシング担当として採用し、その後、営業教育を経て高難度の仕入への異動(年4〜6名)を含めて、25年3月期に営業100名体制(仕入30名、リーシング70名程度)を構築する。そして仕入エリア戦術の実行により、29年3月期に転貸借物件数5000件(22年3月期実績1951件)を目指す方針だ。

 出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」は、サイトのリニューアルや、コロナ協力金等の飲食店向け情報提供の効果によって、コロナ禍による市況の変化を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉え、コロナ禍前よりも集客力のあるサイトへと進化している。22年3月期は、サイト総訪問数が20年3月期比69.5%増加、問い合わせ件数が48.8%増加、新規会員登録数が75.6%増加、内見数が52.2%増加した。

 なお3ヶ年の中期経営計画では、24年3月期売上高144億37百万円、営業利益12億57百万円、営業利益率8.7%、成約数510件、転貸借物件数2527件、25年3月期売上高164億17百万円、営業利益14億71百万円、営業利益率9.0%、成約数580件、転貸借物件数2879件の計画を掲げている。

 またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。コロナ禍のため開催を一時的に中断しているが、順次再開する方針だ。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

■23年3月期(連結決算に移行)も収益拡大基調

 23年3月期の連結業績予想(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行のため前期比増減率は非記載)は、売上高が126億55百万円、営業利益が10億59百万円、経常利益が10億74百万円、親会社株主帰属当期純利益が7億33百万円としている。配当予想は未定だが、開示が可能となった段階で速やかに開示するとしている。

 22年3月期非連結業績(売上高114億15百万円、営業利益9億09百万円、経常利益9億86百万円、当期純利益6億62百万円)との単純比較で見ると、売上高は10.9%増収、営業利益は16.4%増益、経常利益は8.9%増益、親会社株主帰属当期純利益は10.7%増益となる。

 コロナ禍で飲食業界の厳しい状況が継続することを想定するが、個人・小規模飲食事業者の出店ニーズ変化に合致した「好立地」「小規模」「居抜き」店舗物件を中心に積極仕入を推進し、成約数と転貸借契約物件数が順調に増加して実質増収増益予想としている。なお新規契約と後継契約の合計成約数は450件(22年3月期は407件)で、期末転貸借物件数は2221件(22年3月期末は1951件)の計画としている。コロナ禍でも個人・小規模飲食事業者の出店意欲は旺盛であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末

 株主優待制度(22年3月末対象分から変更)については、毎年3月31日時点で300株以上を保有し、且つ100株以上の保有を1年以上継続している株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は上値試す

 株価は徐々に水準を切り上げてボックスレンジ上限に接近してきた。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。7月15日の終値は875円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円37銭で算出)は約21倍、前期実績PBR(前期非連結実績のBPS188円29銭で算出)は約4.5倍、時価総額は約155億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[06月27日更新]

テンポイノベーションは下値固め完了、23年3月期も収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも転貸借契約物件数は着実に増加している。23年3月期(連結決算に移行)も増収増益予想としている。コロナ禍でも個人・小規模飲食事業者の出店意欲は旺盛であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して反発力の鈍い展開だが、一方では下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産売買事業も展開している。22年4月には子会社の店舗セーフティーを設立し、独自の審査ノウハウを用いて店舗不動産の賃貸借における家賃保証事業を開始した。なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が店舗転貸借事業92%、不動産売買事8%、営業利益が店舗転貸借事業80%、不動産売買事業20%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は85.9%だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。22年3月期は5物件を売却、6物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

■転貸借契約件数は増加基調

 店舗転貸借事業は、仲介ではなくサブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期の新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借契約件数の合計は21年3月期比29.6%増の407件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は245件増加の1951件となった。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも、転貸借契約物件数は着実に増加している。

 なお22年3月期の成約件数は第1四半期が95件、第2四半期が96件、第3四半期が104件、第4四半期が112件で、第4四半期はコロナ禍を上回る水準となった。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移した。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中長期的な経営目標として、25年3月期に営業部門100名体制を構築し、26年3月期に転貸借物件純増数600件/年、27年3月期に成約数1000件/年を目指すとしている。さらに29年3月期には、転貸借物件数5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)で、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。具体的には、22年3月期に40名だった営業人員を、年24名を目途にリーシング担当として採用し、その後、営業教育を経て高難度の仕入への異動(年4〜6名)を含めて、25年3月期に営業100名体制(仕入30名、リーシング70名程度)を構築する。そして仕入エリア戦術の実行により、29年3月期に転貸借物件数5000件(22年3月期実績1951件)を目指す方針だ。

 出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」は、サイトのリニューアルや、コロナ協力金等の飲食店向け情報提供の効果によって、コロナ禍による市況の変化を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉え、コロナ禍前よりも集客力のあるサイトへと進化している。22年3月期は、サイト総訪問数が20年3月期比69.5%増加、問い合わせ件数が48.8%増加、新規会員登録数が75.6%増加、内見数が52.2%増加した。

 なお3ヶ年の中期経営計画では、24年3月期売上高144億37百万円、営業利益12億57百万円、営業利益率8.7%、成約数510件、転貸借物件数2527件、25年3月期売上高164億17百万円、営業利益14億71百万円、営業利益率9.0%、成約数580件、転貸借物件数2879件の計画を掲げている。

 またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。コロナ禍のため開催を一時的に中断しているが、順次再開する方針だ。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

■23年3月期(連結決算に移行)も収益拡大基調

 23年3月期の連結業績予想(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行のため前期比増減率は非記載)は、売上高が126億55百万円、営業利益が10億59百万円、経常利益が10億74百万円、親会社株主帰属当期純利益が7億33百万円としている。配当予想は未定だが、開示が可能となった段階で速やかに開示するとしている。

 22年3月期非連結業績(売上高114億15百万円、営業利益9億09百万円、経常利益9億86百万円、当期純利益6億62百万円)との単純比較で見ると、売上高は10.9%増収、営業利益は16.4%増益、経常利益は8.9%増益、親会社株主帰属当期純利益は10.7%増益となる。

 コロナ禍で飲食業界の厳しい状況が継続することを想定するが、個人・小規模飲食事業者の出店ニーズ変化に合致した「好立地」「小規模」「居抜き」店舗物件を中心に積極仕入を推進し、成約数と転貸借契約物件数が順調に増加して実質増収増益予想としている。なお新規契約と後継契約の合計成約数は450件(22年3月期は407件)で、期末転貸借物件数は2221件(22年3月期末は1951件)の計画としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末

 株主優待制度(22年3月末対象分から変更)については、毎年3月31日時点で300株以上を保有し、且つ100株以上の保有を1年以上継続している株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は下値固め完了

 株価は地合い悪化も影響して反発力の鈍い展開だが、一方では下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。6月24日の終値は850円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円37銭で算出)は約21倍、前期実績PBR(前期非連結実績のBPS188円29銭で算出)は約4.5倍、時価総額は約150億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月30日更新]

テンポイノベーションは戻り試す、23年3月期も実質増収増益予想で収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期(非連結)は、コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも転貸借契約物件数が増加して、前回予想を上回る大幅増収増益だった。そして23年3月期(子会社を設立して連結決算に移行)も実質増収増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産売買事業も展開している。22年4月には子会社の店舗セーフティーを設立し、独自の審査ノウハウを用いて店舗不動産の賃貸借における家賃保証事業を開始した。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が店舗転貸借事業92%、不動産売買事8%、営業利益が店舗転貸借事業80%、不動産売買事業20%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は85.9%だった。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。

 また、飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 店舗転貸借事業は保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期末時点の転貸借物件数は21年3月期末比245件増加の1951件だった。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも転貸借契約物件数は着実に増加している。

 不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。

 またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。コロナ禍のため開催を一時的に中断しているが、順次再開する方針だ。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中長期的な経営目標として、25年3月期に営業部門100名体制を構築し、26年3月期に転貸借物件純増数600件/年、27年3月期に成約数1000件/年を目指し、さらに29年3月期には転貸借物件数5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)、売上高300億円規模、営業利益30億円規模を目指すとしている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。具体的には、22年3月期に40名だった営業人員を、年24名を目途にリーシング担当として採用し、その後、営業教育を経て高難度の仕入への異動(年4〜6名)を含めて、25年3月期に営業100名体制(仕入30名、リーシング70名程度)を構築する。そして仕入エリア戦術の実行により、29年3月期に転貸借物件数5000件(22年3月期実績1951件)を目指す方針だ。

 出店希望者の募集を行う自社サイト「居抜き店舗.com」は、サイトのリニューアルや、コロナ協力金等の飲食店向け情報提供の効果によって、コロナ禍による市況の変化を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉え、コロナ禍前よりも集客力のあるサイトへと進化している。22年3月期は、サイト総訪問数が20年3月期比69.5%増加、問い合わせ件数が48.8%増加、新規会員登録数が75.6%増加、内見数が52.2%増加した。

 なお3ヶ年の中期経営計画では、24年3月期売上高144億37百万円、営業利益12億57百万円、営業利益率8.7%、成約数510件、転貸借物件数2527件、25年3月期売上高164億17百万円、営業利益14億71百万円、営業利益率9.0%、成約数580件、転貸借物件数2879件の計画を掲げている。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に移行した東京証券取引所の新市場区分についてはプライム市場を選択し、上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

■22年3月期は大幅増収増益、23年3月期も実質増収増益予想

 22年3月期の業績(非連結、収益認識会計基準適用だが損益への影響なし)は、売上高が21年3月期比10.4%増の114億15百万円、営業利益が24.3%増の9億09百万円、経常利益が17.2%増の9億86百万円、そして当期純利益が15.1%増の6億62百万円だった。配当は、21年3月期比3円増配の12円(期末一括)とした。

 コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも成約件数・転貸借物件数が増加して、前回予想を上回る大幅増収増益だった。なお営業外費用で受取補償金が増加(前期は91百万円、当期は1億39百万円)し、営業外費用では支払補償費が増加(前期は55百万円、当期は1億08百万円)した。

 店舗転貸借事業は売上高が9.2%増の104億45百万円でセグメント利益(営業利益)が46.1%増の7億23百万円だった。新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借契約件数の合計は21年3月期比29.6%増の407件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は245件増加の1951件となった。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店ニーズに対応して積極的な仕入を実行した。

 なお成約件数は、第1四半期が95件、第2四半期が96件、第3四半期が104件、第4四半期が112件で、第4四半期はコロナ禍を上回る水準となった。転貸借物件数の純増につながる新規契約が高水準な一方で、解約数は低水準で推移した。

 不動産売買事業は売上高が25.3%増の9億70百万円で利益が21.3%減の1億86百万円だった。前期の高収益物件売却の反動で減益だが、店舗転貸借事業の推進に向けた不動産業者とのリレーションシップ強化を目的とする事業である。当期は5物件を売却、6物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が27億43百万円で業利益が2億23百万円、第2四半期は売上高が29億24百万円で営業利益が2億18百万円、第3四半期は売上高が27億62百万円で営業利益が2億円、第4四半期は売上高が29億86百万円で営業利益が2億68百万円だった。

 23年3月期の連結業績予想(22年4月に子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行のため、前期比増減率は非記載)は、売上高が126億55百万円、営業利益が10億59百万円、経常利益が10億74百万円、親会社株主帰属当期純利益が7億33百万円としている。配当予想は未定だが、開示が可能となった段階で速やかに開示するとしている。

 22年3月期の非連結業績との単純比較で見ると売上高は10.9%増収、営業利益は16.4%増益、経常利益は8.9%増益、そして親会社株主帰属当期純利益は10.7%増益となる。

 コロナ禍で飲食業界の厳しい状況が継続するが、個人・小規模飲食事業者の出店ニーズの変化に合致した「好立地」「小規模」「居抜き」店舗物件を中心に積極仕入を推進し、成約数と転貸借契約物件数が順調に増加して実質増収増益予想としている。なお、新規契約と後継契約の合計成約数は450件(22年3月期は407件)で、期末転貸借物件数は2221件(22年3月期末は1951件)の計画としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末

 株主優待制度(21年5月に変更)については、毎年3月31日時点で300株以上を保有し、且つ100株以上の保有を1年以上継続している株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。22年3月末対象から運用開始した。

■株価は戻り試す

 株価は地合い悪化の影響で上値を切り下げる形だったが、下値固め完了して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。5月27日の終値は863円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円37銭で算出)は約21倍、前期実績PBR(前期非連結実績のBPS188円29銭で算出)は約4.6倍、時価総額は約153億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月12日更新]

テンポイノベーションは23年3月期も実質増収増益予想

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は5月11日の取引時間終了後に22年3月期業績(非連結)を発表した。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも転貸借契約物件数が増加して、前回予想を上回る大幅増収増益だった。そして23年3月期(連結決算に移行)も実質増収増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く上値を切り下げる形だが、一方では下値固め完了感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■22年3月期は大幅増収増益、23年3月期も実質増収増益予想

 22年3月期の業績(非連結、収益認識会計基準適用だが損益への影響なし)は、売上高が21年3月期比10.4%増の114億15百万円、営業利益が24.3%増の9億09百万円、経常利益が17.2%増の9億86百万円、そして当期純利益が15.1%増の6億62百万円だった。としている。配当は21年3月期比3円増配の12円(期末一括)とした。

 コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも成約件数・転貸借物件数が増加して、前回予想を上回る大幅増収増益だった。なお営業外費用で受取補償金が増加(前期は91百万円、当期は1億39百万円)し、営業外費用では支払補償費が増加(前期は55百万円、当期は1億08百万円)した。

 店舗転貸借事業は売上高が9.2%増の104億45百万円でセグメント利益(営業利益)が46.1%増の7億23百万円だった。新規契約件数および後継付け件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の転貸借契約件数の合計は21年3月期比29.6%増の407件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は245件件増加の1951件となった。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店ニーズに対応して積極的な仕入を実行した。

 不動産売買事業は売上高が25.3%増の9億70百万円で利益が21.3%減の1億86百万円だった。前期の高収益物件売却の反動で減益だが、店舗転貸借事業の推進に向けた不動産業者とのリレーションシップ強化を目的とする事業である。当期は5物件を売却、6物件を取得し、期末時点の保有物件数は3件となった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が27億43百万円で業利益が2億23百万円、第2四半期は売上高が29億24百万円で営業利益が2億18百万円、第3四半期は売上高が27億62百万円で営業利益が2億円、第4四半期は売上高が29億86百万円で営業利益が2億68百万円だった。

 22年3月期の連結業績予想(連結決算に移行のため前期比増減率は非記載)は、売上高が126億55百万円、営業利益が10億59百万円、経常利益が10億74百万円、親会社株主帰属当期純利益が7億33百万円としている。配当予想は未定としている。

 コロナ禍で飲食業界の厳しい状況が継続するが、個人・小規模飲食事業者の出店ニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進し、転貸借契約物件数が順調に増加して実質増収増益予想としている。なお22年4月1日付で子会社の店舗セーフティーを設立し、店舗不動産の賃貸借における家賃保証事業を開始する。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は下値固め完了

 株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く上値を切り下げる形だが、一方では下値固め完了感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。5月11日の終値は807円、今期予想PER(会社予想のEPS41円37銭で算出)は約20倍、時価総額は約143億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[04月26日更新]

テンポイノベーションは調整一巡、23年3月期も収益拡大基調

 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を主力としている。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期はコロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも成約件数・転貸借物件数が順調に増加して増収増益・増配予想としている。23年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で反発力の鈍い展開だが、一方では大きく下押す動きも見られない。調整一巡して出直りを期待したい。なお5月11日に22年3月期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を主力として、不動産売買事業も展開している。また22年4月1日付で子会社の店舗セーフティーを設立し、独自の審査ノウハウを用いて店舗物件専門の家賃保証事業を開始した。

 21年3月期の構成比は、売上高が店舗転貸借事業93%、不動産売買事業7%、営業利益が店舗転貸借事業68%、不動産売買事業32%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は88.6%だった。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。

 また、飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 店舗転貸借事業は保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。21年3月期末時点の転貸借物件数は20年3月期末比22件増加の1706件だった。

 不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。

 またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。コロナ禍のため開催を一時的に中断しているが、順次再開する方針だ。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画の目標値は24年3月期売上高141億74百万円、営業利益10億77百万円、成約数520件、転貸借物件数2451件としている。転貸借物件数の長期的な目標は29年3月期5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)としている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。主要施策として営業採用の積極化、居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」における物件紹介強化、従業員ロイヤリティの向上を推進する。

 営業強化については、新規営業の経験のある人材を年24名程度採用し、営業ノウハウの体系化なども推進して、25年3月期にプロフェッショナル営業100名体制の実現を目指す。

 居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」はリニューアルによって、コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉えるWEBサイトに進化し、新規会員数が大幅に増加(21年3月期は20年3月期比70.4%増)している。さらに21年7月には動画を活用した物件紹介も開始した。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月4日に移行した東京証券取引所の新市場区分についてはプライム市場を選択し、上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

■22年3月期増収増益・増配予想、23年3月期も収益拡大基調

 22年3月期の業績予想(非連結、収益認識会計基準適用だが損益への影響なし)は売上高が21年3月期比9.6%増の113億34百万円、営業利益が11.3%増の8億14百万円、経常利益が3.4%増の8億70百万円、そして当期純利益が3.4%増の5億95百万円としている。営業外収益では助成金収入の減少などを見込んでいる。配当予想(2月3日公表)は3月24日に期末1円上方修正して、21年3月期比3円増配の12円(期末一括)としている。予想配当性向は35.9%となる。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比6.2%増の84億29百万円、営業利益が6.1%増の6億41百万円、経常利益が0.6%減の6億89百万円、四半期純利益が1.2%減の4億67百万円だった。

 コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも成約件数・転貸借物件数が増加して増収・営業増益と順調だった。なお営業外収益で受取補償金が増加(前期は64百万円、今期は88百万円)したが、営業外費用で支払補償費が増加(前期は35百万円、今期は75百万円)したため、経常利益と四半期純利益は微減益だった。

 店舗転貸借事業は売上高が6.7%増の76億45百万円、営業利益が51.3%増の5億35百万円だった。新規契約件数および後継契約件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の合計成約件数は前年同期比79件増加の295件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は前年同期比211件増加の1888件となった。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店ニーズに対応して積極的な仕入を実行した。なお四半期別の成約件数は第1四半期が95件、第2四半期が96件、第3四半期が104件で、第3四半期はコロナ禍前の20年3月期第4四半期(105件)以来の100件超に回復した。

 不動産売買事業は売上高が1.5%増の7億84百万円、営業利益が57.7%減の1億06百万円だった。前期の高収益物件売却の反動で減益だが、店舗転貸借事業の推進に向けた不動産業者とのリレーションシップ強化を目的とする事業である。当期は4物件を売却、5物件を取得して、期末時点の保有物件数は3件となった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が27億43百万円で業利益が2億23百万円、第2四半期は売上高が29億24百万円で営業利益が2億18百万円、第3四半期は売上高が27億62百万円で営業利益が2億円だった。

 通期予想は据え置いている。店舗転貸借事業の合計成約件数は前期比106件増加の420件、期末の転貸借契約締結物件数は前期末比210件増加の1916件の計画としている。コロナ禍で飲食業界の厳しい状況が継続するが、個人・小規模飲食事業者の出店ニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進する。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が74.4%、営業利益が78.8%、経常利益が79.2%、当期純利益が78.6%と順調である。通期予想を据え置いたが、コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも転貸借物件数・成約件数が増加基調であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。さらに23年3月期(子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行予定)も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末

 株主優待制度(21年5月に変更)については、毎年3月31日時点で300株以上を保有し、且つ100株以上の保有を1年以上継続している株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。22年3月末対象から運用開始した。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化の影響で反発力の鈍い展開だが、一方では大きく下押す動きも見られない。調整一巡して出直りを期待したい。4月25日の終値は806円、前期推定PER(会社予想のEPS33円39銭で算出)は約24倍、前期推定配当利回り(会社予想の12円で算出)は約1.5%、前々期実績PBR(前々期実績のBPS166円14銭で算出)は約4.9倍、時価総額は約142億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月25日更新]

テンポイノベーションは戻り試す、配当予想の上方修正と店舗家賃保証事業の開始を発表

 テンポイノベーション<3484>(東1、新市場区分プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期はコロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも成約件数・転貸借物件数が順調に増加して増収増益・増配予想としている。さらに3月24日には配当予想の上方修正と、新規事業としての店舗家賃保証事業の開始を発表した。積極的な事業展開で23年3月期も収益拡大基調だろう。株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに、居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。

 また、飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 21年3月期の構成比は、売上高が店舗転貸借事業93%、不動産売買事業7%、営業利益が店舗転貸借事業68%、不動産売買事業32%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は88.6%だった。

 店舗転貸借事業は保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。21年3月期末時点の転貸借物件数は20年3月期末比22件増加の1706件だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。

 3月24日に新規事業開始を発表した。4月1日付で子会社の店舗セーフティーを設立し、独自の審査ノウハウを用いて店舗物件専門の家賃保証事業を開始する。

 またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。コロナ禍のため開催を一時的に中断しているが、順次再開する方針だ。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画の目標値は24年3月期売上高141億74百万円、営業利益10億77百万円、成約数520件、転貸借物件数2451件としている。転貸借物件数の長期的な目標は29年3月期5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)としている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。主要施策として営業採用の積極化、居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」における物件紹介強化、従業員ロイヤリティの向上を推進する。

 営業強化については、新規営業の経験のある人材を年24名程度採用し、営業ノウハウの体系化なども推進して、25年3月期にプロフェッショナル営業100名体制の実現を目指す。

 居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」はリニューアルによって、コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉えるWEBサイトに進化し、新規会員数が大幅に増加(21年3月期は20年3月期比70.4%増)している。さらに21年7月には動画を活用した物件紹介も開始した。

■プライム市場上場維持基準の適合に向けた計画書

 22年4月4日移行予定の新市場区分についてはプライム市場を選択し、上場維持基準の適合に向けた計画書を開示している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

■22年3月期増収増益・増配予想、さらに上振れ余地

 22年3月期の業績予想(非連結、収益認識会計基準適用だが損益への影響なし)は売上高が21年3月期比9.6%増の113億34百万円、営業利益が11.3%増の8億14百万円、経常利益が3.4%増の8億70百万円、そして当期純利益が3.4%増の5億95百万円としている。営業外収益では助成金収入の減少などを見込んでいる。配当予想(2月3日公表)は3月24日に期末1円上方修正して、21年3月期比3円増配の12円(期末一括)としている。予想配当性向は35.9%となる。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比6.2%増の84億29百万円、営業利益が6.1%増の6億41百万円、経常利益が0.6%減の6億89百万円、四半期純利益が1.2%減の4億67百万円だった。

 コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも成約件数・転貸借物件数が増加して増収・営業増益と順調だった。なお営業外収益で受取補償金が増加(前期は64百万円、今期は88百万円)したが、営業外費用で支払補償費が増加(前期は35百万円、今期は75百万円)したため、経常利益と四半期純利益は微減益だった。

 店舗転貸借事業は売上高が6.7%増の76億45百万円、営業利益が51.3%増の5億35百万円だった。新規契約件数および後継契約件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の合計成約件数は前年同期比79件増加の295件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は前年同期比211件増加の1888件となった。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店ニーズに対応して積極的な仕入を実行した。なお四半期別の成約件数は第1四半期が95件、第2四半期が96件、第3四半期が104件で、第3四半期はコロナ禍前の20年3月期第4四半期(105件)以来の100件超に回復した。

 不動産売買事業は売上高が1.5%増の7億84百万円、営業利益が57.7%減の1億06百万円だった。前期の高収益物件売却の反動で減益だが、店舗転貸借事業の推進に向けた不動産業者とのリレーションシップ強化を目的とする事業である。当期は4物件を売却、5物件を取得して、期末時点の保有物件数は3件となった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が27億43百万円で業利益が2億23百万円、第2四半期は売上高が29億24百万円で営業利益が2億18百万円、第3四半期は売上高が27億62百万円で営業利益が2億円だった。

 通期予想は据え置いている。店舗転貸借事業の合計成約件数は前期比106件増加の420件、期末の転貸借契約締結物件数は前期末比210件増加の1916件の計画としている。コロナ禍で飲食業界の厳しい状況が継続するが、個人・小規模飲食事業者の出店ニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進する。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が74.4%、営業利益が78.8%、経常利益が79.2%、当期純利益が78.6%と順調である。通期予想を据え置いたが、コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも転貸借物件数・成約件数が増加基調であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。さらに23年3月期(子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行予定)も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末

 株主優待制度(21年5月に変更)については、毎年3月31日時点で300株以上を保有し、且つ100株以上の保有を1年以上継続している株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。22年3月末対象から運用開始する。

■株価は戻り試す

 株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。3月24日の終値は846円、今期予想PER(会社予想のEPS33円39銭で算出)は約25倍、今期予想配当利回り(会社予想の12円で算出)は約1.4%、前期実績PBR(前期実績のBPS166円14銭で算出)は約5.1倍、そして時価総額は約150億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月18日更新]

テンポイノベーションは下値固め完了、22年3月期増収増益・増配予想

 テンポイノベーション<3484>(東1、新市場区分プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期はコロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも成約件数・転貸借物件数が順調に増加して増収増益・増配予想としている。さらに23年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で上値を切り下げたが、一方では大きく下押す動きも見られず下値固め完了感を強めている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに、居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。

 また、飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 21年3月期の構成比は、売上高が店舗転貸借事業93%、不動産売買事業7%、営業利益が店舗転貸借事業68%、不動産売買事業32%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は88.6%だった。

 店舗転貸借事業は保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。21年3月期末時点の転貸借物件数は20年3月期末比22件増加の1706件だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。

 またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。コロナ禍のため開催を一時的に中断しているが、順次再開する方針だ。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画の目標値は24年3月期売上高141億74百万円、営業利益10億77百万円、成約数520件、転貸借物件数2451件としている。転貸借物件数の長期的な目標は29年3月期5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)としている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。主要施策として営業採用の積極化、居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」における物件紹介強化、従業員ロイヤリティの向上を推進する。

 営業強化については、新規営業の経験のある人材を年24名程度採用し、営業ノウハウの体系化なども推進して、25年3月期にプロフェッショナル営業100名体制の実現を目指す。

 居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」はリニューアルによって、コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉えるWEBサイトに進化し、新規会員数が大幅に増加(21年3月期は20年3月期比70.4%増)している。さらに21年7月には動画を活用した物件紹介も開始した。

■プライム市場上場維持基準の適合に向けた計画書

 22年4月4日移行予定の新市場区分についてはプライム市場を選択し、上場維持基準の適合に向けた計画書を開示している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

■22年3月期増収増益・増配予想、さらに上振れ余地

 22年3月期の業績予想(非連結、収益認識会計基準適用だが損益への影響なし)は売上高が21年3月期比9.6%増の113億34百万円、営業利益が11.3%増の8億14百万円、経常利益が3.4%増の8億70百万円、そして当期純利益が3.4%増の5億95百万円としている。営業外収益では助成金収入の減少などを見込んでいる。配当予想(2月3日公表)は21年3月期比2円増配の11円(期末一括)としている。予想配当性向は32.9%となる。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比6.2%増の84億29百万円、営業利益が6.1%増の6億41百万円、経常利益が0.6%減の6億89百万円、四半期純利益が1.2%減の4億67百万円だった。

 コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも成約件数・転貸借物件数が増加して増収・営業増益と順調だった。なお営業外収益で受取補償金が増加(前期は64百万円、今期は88百万円)したが、営業外費用で支払補償費が増加(前期は35百万円、今期は75百万円)したため、経常利益と四半期純利益は微減益だった。

 店舗転貸借事業は売上高が6.7%増の76億45百万円、営業利益が51.3%増の5億35百万円だった。新規契約件数および後継契約件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の合計成約件数は前年同期比79件増加の295件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は前年同期比211件増加の1888件となった。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店ニーズに対応して積極的な仕入を実行した。なお四半期別の成約件数は第1四半期が95件、第2四半期が96件、第3四半期が104件で、第3四半期はコロナ禍前の20年3月期第4四半期(105件)以来の100件超に回復した。

 不動産売買事業は売上高が1.5%増の7億84百万円、営業利益が57.7%減の1億06百万円だった。前期の高収益物件売却の反動で減益だが、店舗転貸借事業の推進に向けた不動産業者とのリレーションシップ強化を目的とする事業である。当期は4物件を売却、5物件を取得して、期末時点の保有物件数は3件となった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が27億43百万円で業利益が2億23百万円、第2四半期は売上高が29億24百万円で営業利益が2億18百万円、第3四半期は売上高が27億62百万円で営業利益が2億円だった。

 通期予想は据え置いている。店舗転貸借事業の合計成約件数は前期比106件増加の420件、期末の転貸借契約締結物件数は前期末比210件増加の1916件の計画としている。コロナ禍で飲食業界の厳しい状況が継続するが、個人・小規模飲食事業者の出店ニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進する。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が74.4%、営業利益が78.8%、経常利益が79.2%、当期純利益が78.6%と順調である。通期予想を据え置いたが、コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも転貸借物件数・成約件数が増加基調であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。さらに23年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末

 株主優待制度(21年5月に変更)については、毎年3月31日時点で300株以上を保有し、且つ100株以上の保有を1年以上継続している株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。22年3月末対象から運用開始する。

■株価は下値固め完了

 株価は地合い悪化の影響で上値を切り下げたが、一方では大きく下押す動きも見られず下値固め完了感を強めている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。3月17日の終値は827円、今期予想PER(会社予想のEPS33円39銭で算出)は約25倍、今期予想配当利回り(会社予想の11円で算出)は約1.3%、前期実績PBR(前期実績のBPS166円14銭で算出)は約5.0倍、そして時価総額は約146億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[02月21日更新]

テンポイノベーションは戻り試す、コロナ禍でも22年3月期増収増益・増配予想

 テンポイノベーション<3484>(東1、新市場区分プライム)は、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期は増収増益・増配予想としている。第3四半期累計はコロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも成約件数・転貸借物件数が増加して増収・営業増益と順調だった。通期予想を据え置いたが上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で上値を切り下げたが、調整一巡して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに、居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。

 また、飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 21年3月期の構成比は、売上高が店舗転貸借事業93%、不動産売買事業7%、営業利益が店舗転貸借事業68%、不動産売買事業32%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は88.6%だった。

 店舗転貸借事業は保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。21年3月期末時点の転貸借物件数は20年3月期末比22件増加の1706件だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。

 またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。20年4月〜21年3月の開催実績は参加店舗が20店舗、総開催数が68回、総来店数が326人だった。コロナ禍のため開催を一時的に中断しているが、順次再開する方針だ。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画の目標値は24年3月期売上高141億74百万円、営業利益10億77百万円、成約数520件、転貸借物件数2451件としている。転貸借物件数の長期的な目標は29年3月期5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)としている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。主要施策として営業採用の積極化、居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」における物件紹介強化、従業員ロイヤリティの向上を推進する。

 営業強化については、新規営業の経験のある人材を年24名程度採用し、営業ノウハウの体系化なども推進して、25年3月期にプロフェッショナル営業100名体制の実現を目指す。

 居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」はリニューアルによって、コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉えるWEBサイトに進化し、新規会員数が大幅に増加(21年3月期は20年3月期比70.4%増)している。さらに21年7月には動画を活用した物件紹介も開始した。

■22年3月期はコロナ禍でも増収増益・増配予想、さらに上振れ余地

 22年3月期の業績予想(非連結、収益認識会計基準適用だが損益への影響なし)は売上高が21年3月期比9.6%増の113億34百万円、営業利益が11.3%増の8億14百万円、経常利益が3.4%増の8億70百万円、そして当期純利益が3.4%増の5億95百万円としている。営業外収益では助成金収入の減少などを見込んでいる。未定としていた配当予想は2月3日に公表し、21年3月期比2円増配の11円(期末一括)としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比6.2%増の84億29百万円、営業利益が6.1%増の6億41百万円、経常利益が0.6%減の6億89百万円、四半期純利益が1.2%減の4億67百万円だった。

 コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも成約件数・転貸借物件数が増加して増収・営業増益と順調だった。なお営業外収益で受取補償金が増加(前期は64百万円、今期は88百万円)したが、営業外費用で支払補償費が増加(前期は35百万円、今期は75百万円)したため、経常利益と四半期純利益は微減益だった。

 店舗転貸借事業は売上高が6.7%増の76億45百万円、営業利益が51.3%増の5億35百万円だった。新規契約件数および後継契約件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の合計成約件数は前年同期比79件増加の295件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は前年同期比211件増加の1888件となった。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店ニーズに対応して積極的な仕入を実行した。なお四半期別の成約件数は第1四半期が95件、第2四半期が96件、第3四半期が104件で、第3四半期はコロナ禍前の20年3月期第4四半期(105件)以来の100件超に回復した。

 不動産売買事業は売上高が1.5%増の7億84百万円、営業利益が57.7%減の1億06百万円だった。前期の高収益物件売却の反動で減益だが、店舗転貸借事業の推進に向けた不動産業者とのリレーションシップ強化を目的とする事業である。当期は4物件を売却、5物件を取得して、期末時点の保有物件数は3件となった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が27億43百万円で業利益が2億23百万円、第2四半期は売上高が29億24百万円で営業利益が2億18百万円、第3四半期は売上高が27億62百万円で営業利益が2億円だった。

 通期予想は据え置いている。店舗転貸借事業の合計成約件数は前期比106件増加の420件、期末の転貸借契約締結物件数は前期末比210件増加の1916件の計画としている。コロナ禍で飲食業界の厳しい状況が継続するが、個人・小規模飲食事業者の出店ニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進する。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が74.4%、営業利益が78.8%、経常利益が79.2%、当期純利益が78.6%と順調である。通期予想を据え置いたが、コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも転貸借物件数・成約件数が増加基調であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末

 株主優待制度(21年5月に変更)については、毎年3月31日時点で300株以上を保有し、且つ100株以上の保有を1年以上継続している株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。22年3月末対象から運用開始する。

■プライム市場上場維持基準の適合に向けた計画書

 22年4月4日移行予定の新市場区分についてはプライム市場を選択し、上場維持基準の適合に向けた計画書を開示している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

■株価は戻り試す

 株価は地合い悪化の影響で上値を切り下げたが、調整一巡して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。2月18日の終値は838円、今期予想PER(会社予想のEPS33円39銭で算出)は約25倍、今期予想配当利回り(会社予想の11円で算出)は約1.3%、前期実績PBR(前期実績のBPS166円14銭で算出)は約5.0倍、時価総額は約148億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[02月04日更新]

テンポイノベーションは22年3月期3Q累計増収・営業増益と順調、配当は増配予想

 テンポイノベーション<3484>(東1、新市場区分プライム)は2月3日の取引時間終了後に22年3月期第3四半期累計業績(非連結)を発表した。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも成約件数・転貸借物件数が増加して増収・営業増益と順調だった。通期予想を据え置いたが上振れ余地がありそうだ。未定としていた配当予想は21年3月期比2円増配の11円とした。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、売り一巡して反発の動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■22年3月期3Q累計は増収・営業増益と順調、通期予想は上振れ余地

 22年3月期第3四半期累計の業績(非連結、収益認識会計基準を適用だが損益への影響なし)は、売上高が前年同期比6.2%増の84億29百万円で、営業利益が6.1%増の6億41百万円、経常利益が0.6%減の6億89百万円、四半期純利益が1.2%減の4億67百万円だった。

 コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも成約件数・転貸借物件数が増加して増収・営業増益と順調だった。なお営業外費用で支払補償費が増加(前期は35百万円、今期は75百万円)したため、経常利益と四半期純利益は微減益だった。

 店舗転貸借事業は売上高が6.7%増の76億45百万円、営業利益が51.3%増の5億35百万円だった。新規契約件数および後継契約件数(転貸借契約を解約後に次の転借人と転貸借契約を締結した物件)の合計成約件数は前年同期比79件増加の295件となり、期末時点で転貸借契約が締結されている転貸借物件数は前年同期比211件増加の1888件となった。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店ニーズに対応して積極的な仕入を実行した。なお四半期別の成約件数は第1四半期が95件、第2四半期が96件、第3四半期が104件で、第3四半期はコロナ禍前の20年3月期第4四半期(105件)以来の100件超に回復した。

 不動産売買事業は売上高が1.5%増の7億84百万円、営業利益が57.7%減の1億06百万円だった。前期の高収益物件売却の反動で減益だが、店舗転貸借事業の推進に向けた不動産業者とのリレーションシップ強化を目的とする事業である。当期は4物件を売却、5物件を取得して、期末時点の保有物件数は3件となった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が27億43百万円で業利益が2億23百万円、第2四半期は売上高が29億24百万円で営業利益が2億18百万円、第3四半期は売上高が27億62百万円で営業利益が2億円だった。

 通期業績(非連結)予想は据え置いて売上高が21年3月期比9.6%増の113億34百万円、営業利益が11.3%増の8億14百万円、経常利益が3.4%増の8億70百万円、当期純利益が3.4%増の5億95百万円としている。未定としていた配当予想は21年3月期比2円増配の11円(期末一括)とした。

 店舗転貸借事業の合計成約件数は前期比106件増加の420件、期末の転貸借契約締結物件数は前期末比210件増加の1916件の計画としている。コロナ禍で飲食業界の厳しい状況が継続するが、個人・小規模飲食事業者の出店ニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進する。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が74.4%、営業利益が78.8%、経常利益が79.2%、当期純利益が78.6%と順調である。通期予想を据え置いたが上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、売り一巡して反発の動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。2月3日の終値は831円、今期予想PER(会社予想のEPS33円39銭で算出)は約25倍、時価総額は約147億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月26日更新]

テンポイノベーションは調整一巡、コロナ禍でも22年3月期増収増益予想

 テンポイノベーション<3484>(東1、新市場区分プライム)は飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期は増収増益予想としている。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも転貸借物件数・成約件数が増加基調である。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。4月4日移行予定の新市場区分についてはプライム市場を選択し、上場維持基準の適合に向けた計画書を開示している。株価は地合い悪化の影響で上値を切り下げたが、首都圏のまん延防止重点措置に対する警戒感は限定的のようだ。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。なお2月3日に22年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに、居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。

 また、飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 21年3月期の構成比は、売上高が店舗転貸借事業93%、不動産売買事業7%、営業利益が店舗転貸借事業68%、不動産売買事業32%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は88.6%だった。

 店舗転貸借事業は保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。21年3月期末時点の転貸借物件数は20年3月期末比22件増加の1706件だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。

 またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。20年4月〜21年3月の開催実績は参加店舗が20店舗、総開催数が68回、総来店数が326人だった。コロナ禍のため開催を一時的に中断しているが、順次再開する方針だ。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画の目標値は24年3月期売上高141億74百万円、営業利益10億77百万円、成約数520件、転貸借物件数2451件としている。転貸借物件数の長期的な目標は29年3月期5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)としている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。主要施策として営業採用の積極化、居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」における物件紹介強化、従業員ロイヤリティの向上を推進する。

 営業強化については、新規営業の経験のある人材を年24名程度採用し、営業ノウハウの体系化なども推進して、25年3月期にプロフェッショナル営業100名体制の実現を目指す。

 居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」はリニューアルによって、コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉えるWEBサイトに進化し、新規会員数が大幅に増加(21年3月期は20年3月期比70.4%増)している。さらに21年7月には動画を活用した物件紹介も開始した。

■22年3月期はコロナ禍でも増収増益予想

 22年3月期業績予想(非連結、収益認識基準を適用だが損益への影響なし)は、売上高が21年3月期比9.6%増の113億34百万円、営業利益が11.3%増の8億14百万円、経常利益が3.4%増の8億70百万円、当期純利益が3.4%増の5億95百万円としている。営業外収益では助成金収入の減少などを見込んでいる。配当予想は未定としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比9.5%増の56億67百万円、営業利益が52.0%増の4億41百万円、経常利益が40.1%増の4億68百万円、四半期純利益が43.7%増の3億17百万円だった。

 従来予想(売上高56億64百万円、営業利益3億91百万円、経常利益4億27百万円、四半期純利益2億92百万円)を上回る大幅増益だった。さらに、コロナ禍前の20年3月期第2四半期累計(売上高46億62百万円、営業利益3億64百万円、経常利益3億81百万円、四半期純利益2億68百万円)も上回った。

 コロナ禍で飲食業界の厳しい状況が継続したが、成約件数が回復基調となった。固定費が膨らむ大型店舗物件などについては出店需要に弱さが見られるものの、コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して、小規模・好立地の居抜き店舗物件の積極的な仕入を推進した。売上総利益率は1.9ポイント上昇した。コロナ起因の仕入物件解約に伴う費用が減少したことも寄与した。

 成約件数は前年同期比67件増加の191件(新規成約が86件増加の124件、後継成約が17件減少の67件)だった。四半期別に見ると第1四半期が52件増加の95件、第2四半期が15件増加の96件だった。前年の第1四半期は1回目の緊急事態宣言の影響で大きく落ち込んだが、第2四半期以降は回復傾向である。解約数は18件で前年同期の65件から大幅に減少した。解約数の減少も収益増につながっている。なお新規仕入物件数は116件増加の120件(第1四半期59件、第2四半期61件)で、期末時点の転貸借物件数は153件増加の1812件となった。

 セグメント別に見ると、店舗転貸借事業は売上高が5.0%増の49億96百万円で営業利益が54.5%増の3億39百万円だった。成約件数の増加でランニング収入が増加基調となった。不動産売買事業は売上高が61.7%増の6億70百万円で営業利益が44.1%増の1億02百万円だった。不動産売買は2物件を売却、3物件を取得して、期末時点の保有物件数は3件となった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が27億43百万円で業利益が2億23百万円、第2四半期は売上高が29億24百万円で営業利益が2億18百万円だった。

 通期予想は据え置いている。通期の成約件数は106件増加の420件、期末転貸借物件数は210件増加の1916件の計画としている。コロナ禍で飲食業界の厳しい状況が継続するが、個人・小規模飲食店事業者のニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進する。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が50.0%、営業利益が54.3%、経常利益が53.8%、当期純利益が53.4%と順調だった。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも転貸借物件数・成約件数が増加基調である。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末

 株主優待制度(21年5月に変更)については、毎年3月31日時点で300株以上を保有し、且つ100株以上の保有を1年以上継続している株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。22年3月末対象から運用開始する。

■プライム市場上場維持基準の適合に向けた計画書

 22年4月4日移行予定の新市場区分についてはプライム市場を選択し、上場維持基準の適合に向けた計画書を開示している。28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(29年3月期5500件目標)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化の影響で上値を切り下げたが、首都圏のまん延防止重点措置に対する警戒感は限定的のようだ。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。1月25日の終値は807円、今期予想PER(会社予想のEPS33円39銭で算出)は約24倍、前期実績PBR(前期実績のBPS166円14銭で算出)は約4.9倍、時価総額は約143億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[12月21日更新]

テンポイノベーションはコロナ禍でも業績好調、22年3月期は上振れの可能性

 テンポイノベーション<3484>(東1)は飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期は増収増益予想としている。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも転貸借物件数・成約件数が増加基調であり、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。なお新市場区分に関して12月15日にプライム市場選択を決議するとともに、上場維持基準の適合に向けた計画書を開示した。28年3月期までに上場維持基準を充たすため各種取組を推進する。株価は地合い悪化の影響で水準を切り下げたが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに、居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。

 また、飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 21年3月期の構成比は、売上高が店舗転貸借事業93%、不動産売買事業7%、営業利益が店舗転貸借事業68%、不動産売買事業32%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は88.6%だった。

 店舗転貸借事業は保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。21年3月期末時点の転貸借物件数は20年3月期末比22件増加の1706件だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。

 またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を19年6月から開催している。店舗の特性を活かして、子供達への食事提供にとどまらず、地域における居場所づくり、親御さんへの支援といった社会的インフラになることを目指している。20年4月〜21年3月の開催実績は参加店舗が20店舗、総開催数が68回、総来店数が326人だった。コロナ禍のため開催を一時的に中断していたが、順次再開する方針だ。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画の目標値は24年3月期売上高141億74百万円、営業利益10億77百万円、成約数520件、転貸借物件数2451件としている。転貸借物件数の長期的な目標は29年3月期5500件(首都圏1都3県の当事業対象店舗数推定約11万件に対するシェア5%相当)としている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。主要施策として営業採用の積極化、居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」における物件紹介強化、従業員ロイヤリティの向上を推進する。

 営業強化については、新規営業の経験のある人材を年24名程度採用し、営業ノウハウの体系化なども推進して、25年3月期にプロフェッショナル営業100名体制の実現を目指す。

 居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」はリニューアルによって、コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉えるWEBサイトに進化し、新規会員数が大幅に増加(21年3月期は20年3月期比70.4%増)している。さらに21年7月には動画を活用した物件紹介も開始した。

■22年3月期増収増益予想、さらに上振れの可能性

 22年3月期業績予想(非連結、収益認識基準を適用だが損益への影響なし)は、売上高が21年3月期比9.6%増の113億34百万円、営業利益が11.3%増の8億14百万円、経常利益が3.4%増の8億70百万円、当期純利益が3.4%増の5億95百万円としている。営業外収益では助成金収入の減少などを見込んでいる。配当予想は未定としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比9.5%増の56億67百万円、営業利益が52.0%増の4億41百万円、経常利益が40.1%増の4億68百万円、四半期純利益が43.7%増の3億17百万円だった。

 従来予想(売上高56億64百万円、営業利益3億91百万円、経常利益4億27百万円、四半期純利益2億92百万円)を上回る大幅増益だった。さらに、コロナ禍前の20年3月期第2四半期累計(売上高46億62百万円、営業利益3億64百万円、経常利益3億81百万円、四半期純利益2億68百万円)も上回った。

 コロナ禍で飲食業界の厳しい状況が継続したが、成約件数が回復基調となった。固定費が膨らむ大型店舗物件などについては出店需要に弱さが見られるものの、コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して、小規模・好立地の居抜き店舗物件の積極的な仕入を推進した。売上総利益率は1.9ポイント上昇した。コロナ起因の仕入物件解約に伴う費用が減少したことも寄与した。

 成約件数は前年同期比67件増加の191件(新規成約が86件増加の124件、後継成約が17件減少の67件)だった。四半期別に見ると第1四半期が52件増加の95件、第2四半期が15件増加の96件だった。前年の第1四半期は1回目の緊急事態宣言の影響で大きく落ち込んだが、第2四半期以降は回復傾向である。解約数は18件で前年同期の65件から大幅に減少した。解約数の減少も収益増につながっている。なお新規仕入物件数は116件増加の120件(第1四半期59件、第2四半期61件)で、期末時点の転貸借物件数は153件増加の1812件となった。

 セグメント別に見ると、店舗転貸借事業は売上高が5.0%増の49億96百万円で営業利益が54.5%増の3億39百万円だった。成約件数の増加でランニング収入が増加基調となった。不動産売買事業は売上高が61.7%増の6億70百万円で営業利益が44.1%増の1億02百万円だった。不動産売買は2物件を売却、3物件を取得して、期末時点の保有物件数は3件となった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が27億43百万円で業利益が2億23百万円、第2四半期は売上高が29億24百万円で営業利益が2億18百万円だった。

 通期予想は据え置いている。成約件数は106件増加の420件、期末転貸借物件数は210件増加の1916件の計画としている。コロナ禍で飲食業界の厳しい状況が継続するが、個人・小規模飲食店事業者のニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進する。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が50.0%、営業利益が54.3%、経常利益が53.8%、当期純利益が53.4%と順調だった。コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも転貸借物件数・成約件数が増加基調であり、下期からの事業環境好転(緊急事態宣言解除・飲食店への営業自粛要請緩和など)も勘案すれば、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末

 株主優待制度(21年5月に変更)については、毎年3月31日時点で300株以上を保有し、且つ100株以上の保有を1年以上継続している株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。22年3月末対象から運用開始する。

■プライム市場上場維持基準の適合に向けた計画書

 22年4月4日移行予定の新市場区分に関しては、21年12月15日開催の取締役会でプライム市場選択申請を決議するとともに、上場維持基準の適合に向けた計画書を作成・開示した。上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果で、移行基準日(21年6月30日)時点の流通株式時価総額がプライム市場の上場維持基準を充たしていなかったため、28年3月期までに流通株式時価総額のプライム市場上場維持基準適合を図るため各種取組を推進する。

 具体的には、継続的な業績向上の実現によって企業価値の向上(時価総額の上昇)を図るとともに、法定開示・適時開示にとどまらない積極的なIRによって市場に情報発信する。また必要に応じて、流通株式比率の向上に向けたテクニカルな取組も検討する。

 継続的な業績向上の実現では、市場開拓余地が大きく競合優位性も高い店舗転貸借事業に専門特化し、転貸借契約件数の最大化(目標:29年3月期に5500件)を通じて、サブスクリプション(ストック)型収益である賃料差益の最大化を推進することで、継続的な業績向上(目途として前期比10%〜20%程度の増収増益継続)の実現を図る方針だ。

■株価は戻り試す

 株価は地合い悪化の影響で水準を切り下げたが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。12月20日の終値は850円、今期予想PER(会社予想のEPS33円39銭で算出)は約25倍、前期実績PBR(前期実績のBPS166円14銭で算出)は約5.1倍、時価総額は約150億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月29日更新]

テンポイノベーションは22年3月期2Q累計大幅増益で通期上振れの可能性

 テンポイノベーション<3484>(東1)は飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期第2四半期累計は、コロナ禍で飲食業界が厳しい状況下でも成約数が増加し、計画を上回る大幅増益だった。通期も増収増益予想としている。下期からの事業環境好転も寄与して通期予想は上振れの可能性が高いだろう。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は10月の年初来高値圏から反落してやや軟調だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに、居抜き店舗(造作物が残っており、すぐに営業できる状態の物件)を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては仲介収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。

 飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため市場機会が豊富という特徴もある。さらに造作物(厨房機器、テーブル、床コンクリート、排気ダクトなど)の廃棄量を削減できるという点で、持続可能な社会の実現に貢献するビジネススキームである。

 21年3月期の構成比は、売上高が店舗転貸借事業93%、不動産売買事業7%、営業利益が店舗転貸借事業68%、不動産売買事業32%だった。全社売上に占めるランニング収入(転貸借物件からの賃料収入、転貸借契約更新時の更新手数料収入など)の比率は88.6%だった。

 店舗転貸借事業は保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。21年3月期末時点の転貸借物件数は20年3月期末比22件増加の1706件だった。不動産売買事業は、不動産業者とのリレーションシップ強化も目的として、長期保有は行わず一定の資金枠内で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。20年4月〜21年3月の開催実績は、参加店舗が20店舗、総開催数が68回、総来店数が326人だった。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画の目標値は24年3月期売上高141億74百万円、営業利益10億77百万円、成約数520件、転貸借物件数2451件としている。転貸借物件数の長期的な目標は29年3月期5500件としている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。主要施策として営業採用の積極化、居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」における物件紹介強化、従業員ロイヤリティの向上を推進する。

 居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」をリニューアルし、コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉えるWEBサイトに進化した。そして新規会員数が大幅増加(21年3月期は20年3月期比70.4%増)している。

■22年3月期増収増益予想、2Q累計大幅増益で通期上振れの可能性

 22年3月期の業績予想(非連結、収益認識基準を適用だが損益への影響なし)は売上高が21年3月期比9.6%増の113億34百万円、営業利益が11.3%増の8億14百万円、経常利益が3.4%増の8億70百万円、当期純利益が3.4%増の5億95百万円としている。営業外収益では助成金収入の減少などを見込んでいる。配当予想は未定としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比9.5%増の56億67百万円、営業利益が52.0%増の4億41百万円、経常利益が40.1%増の4億68百万円、四半期純利益が43.7%増の3億17百万円だった。

 従来予想(売上高56億64百万円、営業利益3億91百万円、経常利益4億27百万円、四半期純利益2億92百万円)を上回る大幅増益だった。さらに、コロナ禍前の20年3月期第2四半期累計(売上高46億62百万円、営業利益3億64百万円、経常利益3億81百万円、四半期純利益2億68百万円)も上回った。

 コロナ禍で飲食業界の厳しい状況が継続したが、成約件数が回復基調となった。固定費が膨らむ大型店舗物件などについては出店需要に弱さが見られるものの、コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して、小規模・好立地の居抜き店舗物件の積極的な仕入を推進した。売上総利益率は1.9ポイント上昇した。コロナ起因の仕入物件解約に伴う費用が減少したことも寄与した。

 成約件数は前年同期比67件増加の191件(新規成約が86件増加の124件、後継成約が17件減少の67件)だった。四半期別に見ると第1四半期が52件増加の95件、第2四半期が15件増加の96件だった。前年の第1四半期は1回目の緊急事態宣言の影響で大きく落ち込んだが、第2四半期以降は回復傾向である。解約数は18件で前年同期の65件から大幅に減少した。解約数の減少も収益増につながっている。なお新規仕入物件数は116件増加の120件(第1四半期59件、第2四半期61件)で、期末時点の転貸借物件数は153件増加の1812件となった。

 セグメント別に見ると、店舗転貸借事業は売上高が5.0%増の49億96百万円で営業利益が54.5%増の3億39百万円だった。成約件数の増加でランニング収入が増加基調となった。不動産売買事業は売上高が61.7%増の6億70百万円で営業利益が44.1%増の1億02百万円だった。不動産売買は2物件を売却、3物件を取得して、期末時点の保有物件数は3件となった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が27億43百万円で業利益が2億23百万円、第2四半期は売上高が29億24百万円で営業利益が2億18百万円だった。

 通期予想は据え置いた。成約件数は106件増加の420件、期末転貸借物件数は210件増加の1916件の計画としている。コロナ禍で飲食業界の厳しい状況が継続するが、個人・小規模飲食店事業者のニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進する。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が50.0%、営業利益が54.3%、経常利益が53.8%、当期純利益が53.4%と順調だった。下期からの事業環境好転(緊急事態宣言解除・飲食店への営業自粛要請緩和など)も寄与して、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末

 株主優待制度(21年5月に変更)については、毎年3月31日時点で300株以上を保有し、且つ100株以上の保有を1年以上継続している株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。22年3月末対象から運用開始する。

■株価は調整一巡

 株価は10月の年初来高値圏から反落してやや軟調だが、調整一巡して出直りを期待したい。11月26日の終値は870円、今期予想PER(会社予想のEPS33円39銭で算出)は約26倍、前期実績PBR(前期実績のBPS166円14銭で算出)は約5.2倍、時価総額は約154億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月25日更新]

テンポイノベーションは上値試す、22年3月期は上振れの可能性

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期は転貸借物件数・成約件数の増加で増収増益予想としている。緊急事態宣言解除・飲食店への営業規制要請緩和なども背景として、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は年初来高値を更新する場面があった。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。なお11月2日に22年3月期第2四半期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。21年3月期末時点の転貸借物件数は20年3月期末比22件増加の1706件だった。不動産売買事業は、不動産業者との関係強化も目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。20年4月〜21年3月の開催実績は、参加店舗が20店舗、総開催数が68回、総来店数が326人だった。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画の目標値は24年3月期売上高141億74百万円、営業利益10億77百万円、成約数520件、転貸借物件数2451件としている。転貸借物件数の長期的な目標は29年3月期5500件としている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。主要施策として営業採用の積極化、居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」における物件紹介強化、従業員ロイヤリティの向上を推進する。

 居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」をリニューアルし、コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉えるWEBサイトに進化した。そして新規会員数が大幅増加(21年3月期は20年3月期比70.4%増)している。

■22年3月期増収増益予想、さらに上振れの可能性

 22年3月期の業績(非連結)予想は売上高が21年3月期比9.6%増の113億34百万円、営業利益が11.3%増の8億14百万円、経常利益が3.4%増の8億70百万円、当期純利益が3.4%増の5億95百万円としている。営業外収益では助成金収入の減少などを見込んでいる。配当予想は未定としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比14.1%増の27億43百万円、営業利益が2.2倍の2億23百万円、経常利益が2.1倍の2億34百万円、四半期純利益が2.2倍の1億59百万円だった。

 大幅増収増益だった。コロナ禍でも転貸借物件数を順調に積み上げ、成約件数が回復した。不動産売買事業における物件売却も寄与した。売上総利益率は2.5ポイント上昇した。

 店舗転貸借事業は2.4%増収で79.7%増益だった。第1四半期末の転貸借物件数は1756件で前年第1四半期末の1689件に対して67件増加した。成約件数は95件(4月35件、5月26件、6月34件)で、内訳は新規契約59件、後継契約36件、解約9件だった。前年同期の成約件数43件から大幅に回復してイニシャル収入が増加し、ランニング収入も増加基調となった。不動産売買事業では1物件を売却、2物件を取得し、第1四半期末時点の保有物件は3件となった。

 通期は飲食店経営者のニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進し、転貸借物件数・成約件数の増加で増収増益予想としている。期末転貸借物件数は210件増加の1916件、成約件数は106件増加の420件の計画としている。コロナ禍で平常時よりも優良店舗物件を仕入れる機会が増加する可能性もあるとしている。

 第1四半期の進捗率は売上高24.2%、営業利益27.5%と順調だった。緊急事態宣言解除・飲食店への営業規制要請緩和なども背景として、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末

 株主優待制度(21年5月に変更)については、毎年3月31日時点で300株以上を保有し、且つ100株以上の保有を1年以上継続している株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。22年3月末対象から運用開始する。

■株価は上値試す

 株価は年初来高値を更新する場面があった。利益確定売りで一旦反落したが下値を順調に切り上げている。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。10月22日の終値は929円、今期予想PER(会社予想のEPS33円39銭で算出)は約28倍、前期実績PBR(前期実績のBPS166円14銭で算出)は約5.6倍、そして時価総額は約164億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月05日更新]

テンポイノベーションは急伸して年初来高値に接近、22年3月期増収増益予想、さらに上振れの可能性

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期は転貸借物件数・成約件数の増加で増収増益予想としている。緊急事態宣言解除・飲食店営業再開の動きなども背景として、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は急伸して2月の年初来高値に接近している。上値を試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。21年3月期末時点の転貸借物件数は20年3月期末比22件増加の1706件だった。不動産売買事業は、不動産業者との関係強化も目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。20年4月〜21年3月の開催実績は、参加店舗が20店舗、総開催数が68回、総来店数が326人だった。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画の目標値は24年3月期売上高141億74百万円、営業利益10億77百万円、成約数520件、転貸借物件数2451件としている。転貸借物件数の長期的な目標は29年3月期5500件としている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。主要施策として営業採用の積極化、居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」における物件紹介強化、従業員ロイヤリティの向上を推進する。

 居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」をリニューアルし、コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉えるWEBサイトに進化した。そして新規会員数が大幅増加(21年3月期は20年3月期比70.4%増)している。

■22年3月期増収増益予想、さらに上振れの可能性

 22年3月期の業績(非連結)予想は売上高が21年3月期比9.6%増の113億34百万円、営業利益が11.3%増の8億14百万円、経常利益が3.4%増の8億70百万円、当期純利益が3.4%増の5億95百万円としている。営業外収益では助成金収入の減少などを見込んでいる。配当予想は未定としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比14.1%増の27億43百万円、営業利益が2.2倍の2億23百万円、経常利益が2.1倍の2億34百万円、四半期純利益が2.2倍の1億59百万円だった。

 大幅増収増益だった。コロナ禍でも転貸借物件数を順調に積み上げ、成約件数が回復した。不動産売買事業における物件売却も寄与した。売上総利益率は2.5ポイント上昇した。

 店舗転貸借事業は2.4%増収で79.7%増益だった。第1四半期末の転貸借物件数は1756件で前年第1四半期末の1689件に対して67件増加した。成約件数は95件(4月35件、5月26件、6月34件)で、内訳は新規契約59件、後継契約36件、解約9件だった。前年同期の成約件数43件から大幅に回復してイニシャル収入が増加し、ランニング収入も増加基調となった。不動産売買事業では1物件を売却、2物件を取得し、第1四半期末時点の保有物件は3件となった。

 通期は、飲食業界が厳しい状況だがコロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者は多いため、飲食店経営者のニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進し、転貸借物件数・成約件数の増加で増収増益予想としている。期末転貸借物件数は210件増加の1916件、成約件数は106件増加の420件の計画としている。コロナ禍で平常時よりも優良店舗物件を仕入れる機会が増加する可能性もあるとしている。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.2%、営業利益27.5%、経常利益26.9%と順調だった。緊急事態宣言解除・飲食店営業再開の動きなども背景として、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末

 株主優待制度(21年5月に変更)については、毎年3月31日時点で300株以上を保有し、且つ100株以上の保有を1年以上継続している株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。22年3月末対象から運用開始する。

■株価は急伸して年初来高値に接近

 株価は急伸して2月の年初来高値に接近している。モミ合いから上放れて上値を試す展開を期待したい。10月4日の終値は1010円、今期予想PER(会社予想のEPS33円39銭で算出)は約30倍、前期実績PBR(前期実績のBPS166円14銭で算出)は約6.0倍、時価総額は約179億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月13日更新]

テンポイノベーションは年初来高値に接近、22年3月期は上振れの可能性

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期は転貸借物件数・成約件数の増加で増収増益予想としている。飲食業界は厳しい状況だが、コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者は多い。経済再開の動きも背景に通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価はモミ合いから上放れて2月の年初来高値に接近している。上値を試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。21年3月期末時点の転貸借物件数は20年3月期末比22件増加の1706件だった。不動産売買事業は、不動産業者との関係強化も目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。20年4月〜21年3月の開催実績は、参加店舗が20店舗、総開催数が68回、総来店数が326人だった。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画の目標値は24年3月期売上高141億74百万円、営業利益10億77百万円、成約数520件、転貸借物件数2451件としている。転貸借物件数の長期的な目標は29年3月期5500件としている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。主要施策として営業採用の積極化、居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」における物件紹介強化、従業員ロイヤリティの向上を推進する。

 居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」をリニューアルし、コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉えるWEBサイトに進化した。そして新規会員数が大幅増加(21年3月期は20年3月期比70.4%増)している。

■22年3月期増収増益予想、1Q大幅増収増益で通期上振れの可能性

 22年3月期の業績(非連結)予想は売上高が21年3月期比9.6%増の113億34百万円、営業利益が11.3%増の8億14百万円、経常利益が3.4%増の8億70百万円、当期純利益が3.4%増の5億95百万円としている。営業外収益では助成金収入の減少などを見込んでいる。配当予想は未定としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比14.1%増の27億43百万円、営業利益が2.2倍の2億23百万円、経常利益が2.1倍の2億34百万円、四半期純利益が2.2倍の1億59百万円だった。

 大幅増収増益だった。コロナ禍でも転貸借物件数を順調に積み上げ、成約件数が回復した。不動産売買事業における物件売却も寄与した。売上総利益率は2.5ポイント上昇した。

 店舗転貸借事業は2.4%増収で79.7%増益だった。第1四半期末の転貸借物件数は1756件で前年第1四半期末の1689件に対して67件増加した。成約件数は95件(4月35件、5月26件、6月34件)で、内訳は新規契約59件、後継契約36件、解約9件だった。前年同期の成約件数43件から大幅に回復してイニシャル収入が増加し、ランニング収入も増加基調となった。不動産売買事業では1物件を売却、2物件を取得し、第1四半期末時点の保有物件は3件となった。

 通期予想は据え置いた。飲食業界は厳しい状況だが、コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者は多いため、飲食店経営者のニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進し、転貸借物件数・成約件数の増加で増収増益予想としている。期末転貸借物件数は210件増加の1916件、成約件数は106件増加の420件の計画としている。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.2%、営業利益27.5%、経常利益26.9%と順調だった。コロナ禍で平常時よりも優良店舗物件を仕入れる機会が増加する可能性もあるとしている。成約件数の回復でランニング収入の増加も予想される。経済再開の動きも背景に通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末300株以上・1年以上継続保有株主が対象

 株主優待制度(20年8月に変更)は、毎年3月末時点で300株以上・1年以上継続保有株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。21年3月末対象から運用開始した。

■株価は年初来高値に接近

 株価はモミ合いから上放れて2月の年初来高値に接近している。上値を試す展開を期待したい。9月10日の終値は966円、今期予想PER(会社予想のEPS33円39銭で算出)は約29倍、前期実績PBR(前期実績のBPS166円14銭で算出)は約5.8倍、時価総額は約171億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月25日更新]

テンポイノベーションは戻り試す、22年3月期1Q大幅増収増益で通期上振れの可能性

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。22年3月期は転貸借物件数・成約件数の増加で増収増益予想としている。第1四半期は成約件数が回復して大幅増収増益だった。通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は調整一巡してモミ合いから上放れの動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。21年3月期末時点の転貸借物件数は20年3月期末比22件増加の1706件だった。不動産売買事業は、不動産業者との関係強化も目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。20年4月〜21年3月の開催実績は、参加店舗が20店舗、総開催数が68回、総来店数が326人だった。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画の目標値は24年3月期売上高141億74百万円、営業利益10億77百万円、成約数520件、転貸借物件数2451件としている。転貸借物件数の長期的な目標は29年3月期5500件としている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。主要施策として営業採用の積極化、居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」における物件紹介強化、従業員ロイヤリティの向上を推進する。

 居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」をリニューアルし、コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉えるWEBサイトに進化した。そして新規会員数が大幅増加(21年3月期は20年3月期比70.4%増)している。

■22年3月期増収増益予想、1Q大幅増収増益で通期上振れの可能性

 22年3月期業績(非連結)予想は、売上高が21年3月期比9.6%増の113億34百万円、営業利益が11.3%増の8億14百万円、経常利益が3.4%増の8億70百万円、当期純利益が3.4%増の5億95百万円としている。営業外収益では助成金収入の減少などを見込んでいる。配当予想は未定としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比14.1%増の27億43百万円、営業利益が2.2倍の2億23百万円、経常利益が2.1倍の2億34百万円、四半期純利益が2.2倍の1億59百万円だった。

 大幅増収増益だった。新型コロナ禍でも転貸借物件数を順調に積み上げ、成約件数が回復した。不動産売買事業における物件売却も寄与した。売上総利益率は2.5ポイント上昇した。

 店舗転貸借事業は2.4%増収で79.7%増益だった。第1四半期末の転貸借物件数は1756件で前年第1四半期末の1689件に対して67件増加した。成約件数は95件(4月35件、5月26件、6月34件)で、内訳は新規契約59件、後継契約36件、解約9件だった。前年同期の成約件数43件から大幅に回復してイニシャル収入が増加し、ランニング収入も増加基調となった。不動産売買事業では1物件を売却、2物件を取得し、第1四半期末時点の保有物件は3件となった。

 通期予想は据え置いた。新型コロナ影響で飲食業界の厳しい状況が継続するが、コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者も多いため、飲食店経営者のニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進し、転貸借物件数・成約件数の増加で増収増益予想としている。期末転貸借物件数は210件増加の1916件、成約件数は106件増加の420件の計画としている。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.2%、営業利益27.5%、経常利益26.9%と順調だった。新型コロナ禍で平常時よりも優良店舗物件を仕入れる機会が増加する可能性もあるとしている。成約件数の回復でランニング収入の増加も予想されることを勘案すれば、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。

■株主優待制度は毎年3月末300株以上・1年以上継続保有株主が対象

 株主優待制度(20年8月に変更)は、毎年3月末時点で300株以上・1年以上継続保有株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。21年3月末対象から運用開始した。

■株価は戻り試す

 なお8月5日に自己株式立会外買付取引(ToSTNeT―3)によって取得した自己株式15万株を、8月17日付で消却した。

 株価は調整一巡してモミ合いから上放れの動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。8月24日の終値は910円、今期予想PER(会社予想のEPS33円39銭で算出)は約27倍、前期実績PBR(前期実績のBPS166円14銭で算出)は約5.5倍、時価総額は約161億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月04日更新]

テンポイノベーションは新型コロナ禍でも22年3月期1Q大幅増収増益

 テンポイノベーション<3484>(東1)は8月3日の取引時間終了後に22年3月期第1四半期業績(非連結)を発表した。新型コロナ禍でも成約件数が回復して大幅増収増益だった。通期予想を据え置いたが上振れの可能性が高いだろう。株価は小幅レンジでモミ合う形だが、好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■22年3月期1Q大幅増収増益、通期上振れの可能性

 22年3月期第1四半期の業績(非連結)は、売上高が前年同期比14.1%増の27億43百万円、営業利益が2.2倍の2億23百万円、経常利益が2.1倍の2億34百万円、四半期純利益が2.2倍の1億59百万円だった。

 大幅増収増益だった。新型コロナ禍でも転貸借物件数を順調に積み上げ、成約件数が回復した。不動産売買事業における物件売却も寄与して売上総利益率は2.5ポイント上昇した。

 店舗転貸借事業は2.4%増収で79.7%増益だった。第1四半期末の転貸借物件数は前年第1四半期末比67件増加の1756件となった。成約件数は95件(4月が35件、5月が26件、6月が34件)だった。前年同期の43件から大幅に回復してイニシャル収入が増加した。不動産売買事業では1物件を売却、2物件を取得した。

 通期業績(非連結)予想は据え置いて売上高が21年3月期比9.6%増の113億34百万円、営業利益が11.3%増の8億14百万円、経常利益が3.4%増の8億70百万円、当期純利益が3.4%増の5億95百万円としている。配当予想は未定としている。

 期末転貸借物件数は210件増加の1916件、成約件数は106件増加の420件の計画としている。新型コロナ影響で飲食業界の厳しい状況が継続するが、飲食店経営者のニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進する。新型コロナ収束への過程でテナント募集が増加し、平常時よりも優良店舗物件を仕入れる機会が増加する可能性もあるとしている。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.2%、営業利益27.5%、経常利益26.9%と順調だった。成約件数の回復でランニング収入の増加も予想されることを勘案すれば、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。

■株価は上値試す

 株価は小幅レンジでモミ合う形だが、好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。8月3日の終値は898円、今期予想PER(会社予想のEPS33円39銭で算出)は約27倍、時価総額は約160億円である。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
http://media-ir.com/news/
[07月26日更新]

テンポイノベーションは戻り試す、22年3月期はコロナ禍でも増収増益予想

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者も多いため、22年3月期は成約件数・転貸借物件数の増加で増収増益予想としている。収益拡大を期待したい。株価は上値がやや重くなりモミ合い展開だが下値固め完了感を強めている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。なお8月3日に22年3月期第1四半期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。21年3月期末時点の転貸借物件数は20年3月期末比22件増加の1706件だった。不動産売買事業は、不動産業者との関係強化も目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。20年4月〜21年3月の開催実績は、参加店舗が20店舗、総開催数が68回、総来店数が326人だった。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画の目標値は24年3月期売上高141億74百万円、営業利益10億77百万円、成約数520件、転貸借物件数2451件としている。転貸借物件数の長期的な目標は29年3月期5500件としている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。主要施策として営業採用の積極化、居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」における物件紹介強化、従業員ロイヤリティの向上を推進する。

 居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」をリニューアルし、コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉えるWEBサイトに進化した。そして新規会員数が大幅増加(21年3月期は20年3月期比70.4%増)している。

■22年3月期増収増益予想

 22年3月期業績(非連結)予想は、売上高が21年3月期比9.6%増の113億34百万円、営業利益が11.3%増の8億14百万円、経常利益が3.4%増の8億70百万円、当期純利益が3.4%増の5億95百万円としている。なお営業外収益で助成金収入の減少などを見込んでいる。配当予想は未定としている。

 新型コロナ影響で飲食業界の厳しい状況が継続するが、コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者も多いため、成約件数・転貸借物件数の増加で増収増益予想としている。飲食店経営者のニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進する。新型コロナ収束への過程でテナント募集が増加し、平常時よりも優良店舗物件を仕入れる機会が増加する可能性もあるとしている。成約件数は106件増加の420件、転貸借物件数は210件増加の1916件の計画である。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末300株以上・1年以上継続保有株主が対象

 株主優待制度(20年8月に変更)は、毎年3月末時点で300株以上・1年以上継続保有株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。21年3月末対象から運用開始した。

■株価は戻り試す

 株価は上値がやや重くなりモミ合い展開だが下値固め完了感を強めている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。7月21日の終値は889円、今期予想PER(会社予想のEPS33円39銭で算出)は約27倍、前期実績PBR(前期実績のBPS166円14銭で算出)は約5.4倍、時価総額は約158億円である。
(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
http://media-ir.com/news/
[06月30日更新]

テンポイノベーションは調整一巡、22年3月期増収増益予想

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者も多いため、22年3月期は成約件数・転貸借物件数の増加で増収増益予想としている。収益拡大を期待したい。株価は上値の重い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。21年3月期末時点の転貸借物件数は20年3月期末比22件増加の1706件だった。不動産売買事業は、不動産業者との関係強化も目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。


 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。

■転貸借物件数29年3月期5500件目標

 中期経営計画の目標値は24年3月期売上高141億74百万円、営業利益10億77百万円、成約数520件、転貸借物件数2451件としている。転貸借物件数の長期的な目標は29年3月期5500件としている。

 成長に向けた基本方針は転貸借契約件数と賃料差益の最大化、テーマは専門特化・プロフェッショナル化としている。主要施策として営業採用の積極化、居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」における物件紹介強化、従業員ロイヤリティの向上を推進する。

 なお居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」をリニューアルし、コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉えるWEBサイトに進化した。そして新規会員数が大幅増加(21年3月期は20年3月期比70.4%増)している。

■22年3月期増収増益予想

 22年3月期業績(非連結)予想は、売上高が21年3月期比9.6%増の113億34百万円、営業利益が11.3%増の8億14百万円、経常利益が3.4%増の8億70百万円、当期純利益が3.4%増の5億95百万円としている。営業外収益では助成金収入の減少などを見込んでいる。配当予想は未定としている。

 新型コロナ影響で飲食業界の厳しい状況が継続するが、コロナ禍を出店チャンスとみる飲食店経営者も多いため、成約件数・転貸借物件数の増加で増収増益予想としている。飲食店経営者のニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進する。新型コロナ収束への過程でテナント募集が増加し、平常時よりも優良店舗物件を仕入れる機会が増加する可能性もあるとしている。成約件数は106件増加の420件、転貸借物件数は210件増加の1916件の計画である。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末300株以上・1年以上継続保有株主が対象

 株主優待制度(20年8月に変更)は、毎年3月末時点で300株以上・1年以上継続保有株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。21年3月末対象から運用開始した。

■株価は調整一巡

 株価は上値の重い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。6月29日の終値は869円、今期予想PER(会社予想のEPS33円39銭で算出)は約26倍、前期実績PBR(前期実績のBPS166円14銭で算出)は約5.2倍、時価総額は約155億円である。
(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
http://media-ir.com/news/
[05月31日更新]

テンポイノベーションは調整一巡、22年3月期増収増益予想

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。21年3月期は新型コロナ影響で営業減益だが、従来予想に対して減益幅が縮小した。経常利益と当期純利益は、従来の減益予想から一転して増益で着地した。22年3月期は増収増益予想としている。収益拡大を期待したい。株価は上値を切り下げる形でやや軟調だが調整一巡して出直りを期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。21年3月期末時点の転貸借物件数は20年3月期末比22件増加の1706件だった。不動産売買事業は、不動産業者との関係強化も目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 中期経営計画の目標値は24年3月期売上高141億74百万円、営業利益10億77百万円、成約数520件、転貸借物件数2451件としている。転貸借物件数の中期的な目標は29年3月期5500件としている。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。

■21年3月期は営業減益だが計画超、22年3月期増収増益予想

 21年3月期の業績(非連結)は、売上高が20年3月期比3.6%増の103億42百万円、営業利益が6.8%減の7億31百万円、経常利益が3.7%増の8億41百万円、当期純利益が2.0%増の5億75百万円だった。配当は20年3月期と同額の9円(期末一括)とした。

 売上高、利益とも従来予想を上回った。第1四半期をボトムとして成約件数が回復基調となり、転貸借物件の積み上げや不動産物件売却も寄与した。店舗転貸借事業は1.9%増収で12.8%減益だった。転貸借契約件数(新規契約件数と後継付け件数の合計)は20.9%減の314件、期末転貸借物件数は22件増加の1706件となった。なお成約件数は第1四半期が43件、第2四半期が81件、第3四半期が92件、第4四半期が98件だった。不動産売買事業は29.1%増収で8.9%増益だった。2物件を売却した。

 営業利益は新型コロナ影響によるイニシャル収入減少で減益だが、販管費抑制も寄与して、従来予想に対して減益幅が縮小した。また経常利益と当期純利益は従来の減益予想から一転して増益で着地した。営業外収益での受取補償金と助成金収入の計上も寄与した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が24億04百万円で営業利益が1億円、第2四半期は売上高が27億69百万円で営業利益が1億90百万円、第3四半期は売上高が27億63百万円で営業利益が3億14百万円、第4四半期は売上高が24億06百万円で営業利益が1億27百万円だった。

 22年3月期業績(非連結)予想は、売上高が21年3月期比9.6%増の113億34百万円、営業利益が11.3%増の8億14百万円、経常利益が3.4%増の8億70百万円、当期純利益が3.4%増の5億95百万円としている。配当予想は未定としている。

 新型コロナ影響で飲食業界の厳しい状況が継続するが、飲食店経営者のニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進する。新型コロナ収束への過程でテナント募集が増加し、平常時よりも優良店舗物件を仕入れる機会が増加する可能性もあるとしている。成約件数は106件増加の420件、転貸借物件数は210件増加の1916件の計画である。

 居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」をリニューアルし、コロナ期を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉えるWEBサイトに進化した。そして新規会員数が大幅増加している。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末300株以上・1年以上継続保有株主が対象

 株主優待制度(20年8月に変更)は、毎年3月末時点で300株以上・1年以上継続保有株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。21年3月末対象から運用開始する。

 なお株主優待制度について、単元未満株式の取り扱い変更(詳細は会社HP参照)を発表している。

■株価は調整一巡

 株価は上値を切り下げる形でやや軟調だが調整一巡して出直りを期待したい。5月28日の終値は853円、今期予想PER(会社予想のEPS33円39銭で算出)は約26倍、前期実績PBR(前期実績のBPS166円14銭で算出)は約5.1倍、時価総額は約152億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月28日更新]

テンポイノベーションは反発の動き、22年3月期収益拡大期待

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。21年3月期は新型コロナウイルスの影響で減益予想だが、成約件数が回復基調であり、22年3月期の収益拡大を期待したい。株価は年初来高値圏から反落したが、調整一巡して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。なお5月13日に21年3月期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。20年3月期末時点の転貸借物件数は19年3月期末比225件増加の1684件だった。また20年3月期第2四半期から報告セグメントに不動産売買事業を追加した。不動産業者との関係強化を目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。

■21年3月期減益予想だが上振れ濃厚、22年3月期収益拡大期待

 21年3月期の業績(非連結)予想(期初時点では未定、11月2日に公表)は、売上高が20年3月期比1.0%増の100億84百万円、営業利益が23.5%減の6億円、経常利益が17.3%減の6億71百万円、当期純利益が19.9%減の4億51百万円としている。新型コロナウイルスの影響を考慮して減益予想としている。配当予想(3月24日公表)は20年3月期と同額の9円(期末一括)である。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比6.8%増の79億36百万円、営業利益が9.1%減の6億04百万円、経常利益が0.6%増の6億93百万円、四半期純利益が1.6%減の4億73百万円だった。

 累計ベースでは、転貸借物件の積み上げ(前年比43件増加の1677件)や不動産売買(2物件売却)で増収だったが、第1四半期に新型コロナウイルスの影響を受け、新規成約件数の減少(前年比76件減少の216件)に伴って店舗転貸借事業のイニシャル収入が減少したため営業減益だった。店舗転貸借事業は3.9%増収だが21.6%減益、不動産売買事業は44.2%増収で17.2%増益だった。

 ただし第2四半期以降は成約件数が回復傾向(第1四半期43件、第2四半期81件、第3四半期92件)となり、営業利益も回復傾向となった。四半期別に見ると、第1四半期は売上高が24億04百万円で営業利益が1億円、第2四半期は売上高が27億69百万円で営業利益が1億90百万円、第3四半期は売上高が27億63百万円で営業利益が3億14百万円だった。

 第3四半期累計の各利益は通期利益予想を超過達成したが、緊急事態宣言再発出の影響を考慮して通期予想を据え置いている。ただし第1四半期をボトムとして成約件数が回復傾向であり、通期利益予想は上振れが濃厚だろう。さらに22年3月期の収益拡大を期待したい。

 なお居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」をリニューアルして、コロナ期を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉えるWEBサイトに進化したとしている。積極的な事業展開で中期成長も期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末300株以上・1年以上継続保有株主が対象

 株主優待制度(20年8月に変更)は、毎年3月末時点で300株以上・1年以上継続保有株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。21年3月末対象から運用開始する。

■株価は反発の動き

 株価は年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。4月27日の終値は905円、前期推定PER(会社予想のEPS25円35銭で算出)は約36倍、前期推定配当利回り(会社予想の9円で算出)は約1.0%、前々期実績PBR(前々期実績のBPS142円84銭で算出)は約6.3倍、時価総額は約161億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月30日更新]

テンポイノベーションは中期成長期待で19年12月の上場来高値目指す

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。21年3月期は新型コロナウイルスの影響で減益予想だが、成約件数が回復基調となり、第3四半期累計時点で各利益は通期予想を超過達成した。通期利益予想は上振れが濃厚だろう。さらに中期成長も期待したい。株価は上げ一服の形となったが、調整一巡して19年12月の上場来高値を目指す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。20年3月期末時点の転貸借物件数は19年3月期末比225件増加の1684件だった。また20年3月期第2四半期から報告セグメントに不動産売買事業を追加した。不動産業者との関係強化を目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。

■21年3月期減益予想だが上振れ濃厚、中期成長も期待

 21年3月期の業績(非連結)予想(期初時点では未定、11月2日に公表)は、売上高が20年3月期比1.0%増の100億84百万円、営業利益が23.5%減の6億円、経常利益が17.3%減の6億71百万円、当期純利益が19.9%減の4億51百万円としている。新型コロナウイルスの影響を考慮して減益予想としている。なお未定としていた配当予想は3月24日に公表し、20年3月期と同額の9円(期末一括)とした。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比6.8%増の79億36百万円、営業利益が9.1%減の6億04百万円、経常利益が0.6%増の6億93百万円、四半期純利益が1.6%減の4億73百万円だった。

 累計ベースでは、転貸借物件の積み上げ(前年比43件増加の1677件)や不動産売買(2物件売却)で増収だったが、第1四半期に新型コロナウイルスの影響を受け、新規成約件数の減少(前年比76件減少の216件)に伴って店舗転貸借事業のイニシャル収入が減少したため営業減益だった。店舗転貸借事業は3.9%増収だが21.6%減益、不動産売買事業は44.2%増収で17.2%増益だった。

 ただし第2四半期以降は成約件数が回復傾向(第1四半期43件、第2四半期81件、第3四半期92件)となり、営業利益も回復傾向となった。四半期別に見ると、第1四半期は売上高が24億04百万円で営業利益が1億円、第2四半期は売上高が27億69百万円で営業利益が1億90百万円、第3四半期は売上高が27億63百万円で営業利益が3億14百万円だった。

 通期予想は据え置いた。第3四半期累計の各利益は通期利益予想を超過達成しているが、緊急事態宣言再発出の影響を考慮したとしている。ただし第1四半期をボトムとして成約件数が回復傾向であり、通期利益予想は上振れが濃厚だろう。

 なお居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」をリニューアルして、コロナ期を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉えるWEBサイトに進化したとしている。積極的な事業展開で中期成長も期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末300株以上・1年以上継続保有株主が対象

 株主優待制度(20年8月に変更)は、毎年3月末時点で300株以上・1年以上継続保有株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。21年3月末対象から運用開始する。

■株価は19年12月の上場来高値目指す

 株価は上げ一服の形となったが、調整一巡して19年12月の上場来高値を目指す展開を期待したい。3月29日の終値は924円、今期予想PER(会社予想EPS25円35銭で算出)は約36倍、今期予想配当利回り(会社予想9円で算出)は約1.0%、前期実績PBR(前期実績BPS142円84銭で算出)は約6.5倍、時価総額は約165億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月26日更新]

テンポイノベーションは上値試す、21年3月期減益予想だが上振れ濃厚

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。転貸借物件数の増加に伴って賃料収益を積み上げるストック型ビジネスモデルである。21年3月期第3四半期累計は新型コロナウイルスの影響で営業減益だったが、各利益は通期予想を超過達成した。成約件数が回復傾向であり、通期利益予想は上振れが濃厚だろう。積極的な事業展開で中期成長も期待したい。株価は19年12月の上場来高値に接近している。上値を試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。20年3月期末時点の転貸借物件数は19年3月期末比225件増加の1684件だった。また20年3月期第2四半期から報告セグメントに不動産売買事業を追加した。不動産業者との関係強化を目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。

■21年3月期3Q累計営業減益だが通期予想を超過達成

 21年3月期の業績(非連結)予想(期初時点では未定、11月2日に公表)は、売上高が20年3月期比1.0%増の100億84百万円、営業利益が23.5%減の6億円、経常利益が17.3%減の6億71百万円、当期純利益が19.9%減の4億51百万円としている。新型コロナウイルスの影響を考慮して減益予想としている。配当予想は未定としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比6.8%増の79億36百万円、営業利益が9.1%減の6億04百万円、経常利益が0.6%増の6億93百万円、四半期純利益が1.6%減の4億73百万円だった。

 累計ベースでは、転貸借物件の積み上げ(前年比43件増加の1677件)や不動産売買(2物件売却)で増収だったが、第1四半期に新型コロナウイルスの影響を受け、新規成約件数の減少(前年比76件減少の216件)に伴って店舗転貸借事業のイニシャル収入が減少したため営業減益だった。店舗転貸借事業は3.9%増収だが21.6%減益、不動産売買事業は44.2%増収で17.2%増益だった。

 ただし第2四半期以降は成約件数が回復傾向(第1四半期43件、第2四半期81件、第3四半期92件)となり、営業利益も回復傾向となった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が24億04百万円で営業利益が1億円、第2四半期は売上高が27億69百万円で営業利益が1億90百万円、第3四半期は売上高が27億63百万円で営業利益が3億14百万円だった。

 通期予想は据え置いた。第3四半期累計の各利益は通期利益予想を超過達成しているが、緊急事態宣言再発出の影響を考慮したとしている。ただし第1四半期をボトムとして成約件数が回復傾向であり、通期利益予想は上振れが濃厚だろう。

 なお居抜き物件・店舗情報サイト「居抜き店舗.com」をリニューアルして、コロナ期を出店チャンスとみる飲食店経営者のニーズを捉えるWEBサイトに進化したとしている。積極的な事業展開で中期成長も期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末300株以上・1年以上継続保有株主が対象

 株主優待制度(20年8月に変更)は、毎年3月末時点で300株以上・1年以上継続保有株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。21年3月末対象から運用開始する。

■株価は上値試す

 株価は水準を切り上げて昨年来高値圏だ。そして19年12月の上場来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。2月25日の終値は966円、今期予想PER(会社予想のEPS25円35銭で算出)は約38倍、前期実績PBR(前期実績のBPS142円84銭で算出)は約6.7倍、時価総額は約172億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月21日更新]

テンポイノベーションは上値試す、21年3月期は新型コロナ影響だが中期成長期待

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。21年3月期は新型コロナ影響で飲食業が厳しい状況だが、中期成長を期待したい。株価は調整一巡して切り返しの動きを強めている。上値を試す展開を期待したい。なお2月3日に21年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。20年3月期末時点の転貸借物件数は19年3月期末比225件増加の1684件だった。また20年3月期第2四半期から報告セグメントに不動産売買事業を追加した。不動産業者との関係強化を目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。

■21年3月期は新型コロナ影響だが中期成長期待

 21年3月期の業績(非連結)予想(期初時点では未定、11月2日に公表)は、売上高が20年3月期比1.0%増の100億84百万円、営業利益が23.5%減の6億円、経常利益が17.3%減の6億71百万円、純利益が19.9%減の4億51百万円としている。配当予想は未定としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比11.0%増の51億73百万円、営業利益が20.2%減の2億90百万円、経常利益が12.5%減の3億34百万円、純利益が17.7%減の2億21百万円だった。

 転貸借物件数積み上げ(前年比75件増の1659件)や、不動産売買(1件)収入などで、コロナ禍においても増収を確保したが、新規成約件数の減少によるイニシャル収入の減少、先行仕入物件解約費発生などで売上総利益が7.6%減少した。店舗転貸借事業は5.0%増収だが31.9%減益、不動産売買事業は3.2倍増収で72.5%増益だった。

 なお四半期別の営業利益は、第1四半期の1億円(前年比46%減)に対して、第2四半期は1億90百万円(同8%増)と改善した。緊急事態宣言解除後の6月以降の成約件数が回復傾向(第1四半期43件、第2四半期81件)となった。転貸借物件数は第1四半期末1689件、第2四半期末1659件だった。第1四半期末比では解約増加で微減となった。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が51.3%、営業利益が48.4%である。通期については、今期中にコロナ問題が収束することを想定しないが、下期に飲食店の出店意欲が回復に向かい、転貸借成約件数も回復に向かうことを想定している。

 重点施策として、飲食店の出店ニーズの高まりを受けて下期から積極的な仕入を再開する。ただしコロナ対策で従来水準の収益が見込みにくくなった飲食店ニーズに対応し、高額物件の仕入を控えて、山手線外側に所在する手頃な価格(月額家賃20万円〜30万円程度)の物件を積極的に開拓する。また営業ノウハウの見える化・マニュアル化を加速する。

 21年3月期は新型コロナウイルスの影響で飲食業が厳しい状況であり、当面は感染再拡大の影響も警戒されるが、中期成長を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末300株以上・1年以上継続保有

 株主優待制度(20年8月に変更)は、毎年3月末時点で300株以上・1年以上継続保有株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。21年3月末対象から運用開始する。

■株価は上値試す

 株価は11月の戻り高値圏から反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。上値を試す展開を期待したい。1月20日の終値は900円、今期予想PER(会社予想のEPS25円35銭で算出)は約36倍、前期実績PBR(前期実績のBPS142円84銭で算出)は約6.3倍、時価総額は約160億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月24日更新]

テンポイノベーションは調整一巡、21年3月期は新型コロナ影響だが中期成長期待

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。21年3月期は新型コロナウイルスの影響で飲食業が厳しい状況であり、当面は感染再拡大の影響も警戒されるが、中期成長を期待したい。株価は戻り高値圏から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。20年3月期末時点の転貸借物件数は19年3月期末比225件増加の1684件だった。また20年3月期第2四半期から報告セグメントに不動産売買事業を追加した。不動産業者との関係強化を目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。

■21年3月期は新型コロナ影響で減益予想だが中期成長期待

 21年3月期の業績(非連結)予想(期初時点では未定、11月2日に公表)は、売上高が20年3月期比1.0%増の100億84百万円、営業利益が23.5%減の6億円、経常利益が17.3%減の6億71百万円、純利益が19.9%減の4億51百万円としている。配当予想は未定としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比11.0%増の51億73百万円、営業利益が20.2%減の2億90百万円、経常利益が12.5%減の3億34百万円、純利益が17.7%減の2億21百万円だった。

 転貸借物件数積み上げ(前年比75件増の1659件)や、不動産売買(1件)収入などで、コロナ禍においても増収を確保したが、新規成約件数の減少によるイニシャル収入の減少、先行仕入物件解約費発生などで売上総利益が7.6%減少した。店舗転貸借事業は5.0%増収だが31.9%減益、不動産売買事業は3.2倍増収で72.5%増益だった。

 なお四半期別の営業利益は、第1四半期の1億円(前年比46%減)に対して、第2四半期は1億90百万円(同8%増)と改善した。緊急事態宣言解除後の6月以降の成約件数が回復傾向(第1四半期43件、第2四半期81件)となった。転貸借物件数は第1四半期末1689件、第2四半期末1659件だった。第1四半期末比では解約増加で微減となった。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が51.3%、営業利益が48.4%である。通期については、今期中にコロナ問題が収束することを想定しないが、下期に飲食店の出店意欲が回復に向かい、転貸借成約件数も回復に向かうことを想定している。

 重点施策として、飲食店の出店ニーズの高まりを受けて下期から積極的な仕入を再開する。ただしコロナ対策で従来水準の収益が見込みにくくなった飲食店ニーズに対応し、高額物件の仕入を控えて、山手線外側に所在する手頃な価格(月額家賃20万円〜30万円程度)の物件を積極的に開拓する。また営業ノウハウの見える化・マニュアル化を加速する。

 21年3月期は新型コロナウイルスの影響で飲食業が厳しい状況であり、当面は感染再拡大の影響も警戒されるが、中期成長を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末300株以上・1年以上継続保有

 株主優待制度(20年8月に変更)は、毎年3月末時点で300株以上・1年以上継続保有株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。21年3月末対象から運用開始する。

■株価は調整一巡

 株価は戻り高値圏から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。12月23日の終値は809円、今期予想PER(会社予想のEPS25円35銭で算出)は約32倍、前期実績PBR(前期実績のBPS142円84銭で算出)は約5.7倍、時価総額は約144億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月30日更新]

テンポイノベーションは上値試す、21年3月期は新型コロナ影響で減益予想だが中期成長期待

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。21年3月期は新型コロナウイルスの影響で減益予想としている。飲食業が厳しい状況であり、当面は感染再拡大の影響も警戒されるが、中期成長を期待したい。株価は戻り高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。20年3月期末時点の転貸借物件数は19年3月期末比225件増加の1684件だった。また20年3月期第2四半期から報告セグメントに不動産売買事業を追加した。不動産業者との関係強化を目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。

■21年3月期は新型コロナ影響で減益予想だが中期成長期待

 21年3月期の業績(非連結)予想は11月2日に公表して、売上高が20年3月期比1.0%増の100億84百万円、営業利益が23.5%減の6億円、経常利益が17.3%減の6億71百万円、純利益が19.9%減の4億51百万円としている。配当予想は未定としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比11.0%増の51億73百万円、営業利益が20.2%減の2億90百万円、経常利益が12.5%減の3億34百万円、純利益が17.7%減の2億21百万円だった。

 転貸借物件数積み上げ(前年比75件増の1659件)や、不動産売買(1件)収入などで、コロナ過においても増収を確保したが、新規成約件数の減少によるイニシャル収入の減少、先行仕入物件解約費発生などで売上総利益が7.6%減少した。店舗転貸借事業は5.0%増収だが31.9%減益、不動産売買事業は3.2倍増収で72.5%増益だった。

 なお四半期別の営業利益は、第1四半期の1億円(前年比46%減)に対して、第2四半期は1億90百万円(同8%増)と改善した。緊急事態宣言解除後の6月以降の成約件数が回復傾向(第1四半期43件、第2四半期81件)となった。転貸借物件数は第1四半期末1689件、第2四半期末1659件だった。第1四半期末比では解約増加で微減となった。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が51.3%、営業利益が48.4%である。通期については、今期中にコロナ問題が収束することを想定しないが、下期に飲食店の出店意欲が回復に向かい、転貸借成約件数も回復に向かうことを想定している。

 重点施策として、飲食店の出店ニーズの高まりを受けて下期から積極的な仕入を再開する。ただしコロナ対策で従来水準の収益が見込みにくくなった飲食店ニーズに対応し、高額物件の仕入を控えて、山手線外側に所在する手頃な価格(月額家賃20万円〜30万円程度)の物件を積極的に開拓する方針だ。また営業ノウハウの見える化・マニュアル化を加速する。

 飲食業が厳しい状況であり、当面は感染再拡大の影響も警戒されるが、中期成長を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末300株以上・1年以上継続保有

 株主優待制度(20年8月に変更)は、毎年3月末時点で300株以上・1年以上継続保有株主を対象として、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。21年3月末対象から運用開始する。

■株価は上値試す

 株価は戻り高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。11月27日の終値は864円、今期予想PER(会社予想のEPS25円35銭で算出)は約34倍、前期実績PBR(前期実績のBPS142円84銭で算出)は約6.0倍、時価総額は約154億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月23日更新]

テンポイノベーションは戻り試す、21年3月期は新型コロナ影響だが中期成長期待

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。21年3月期予想は新型コロナウイルスの影響を考慮して未定としている。飲食業が厳しい状況のため当面は影響が意識されるが、政府の「Go To キャンペーン」効果で後半の回復を期待したい。また中期的に成長を期待したい。株価は下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。なお11月2日に第2四半期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。20年3月期末時点の転貸借物件数は19年3月期末比225件増加の1684件である。また20年3月期第2四半期から報告セグメントに不動産売買事業を追加した。不動産業者との関係強化を目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。

■21年3月期予想未定だが中期成長期待

 21年3月期第1四半期業績(非連結)は、売上高が前年同期比5.6%増の24億04百万円だが、営業利益が46.3%減の1億円、経常利益が44.0%減の1億09百万円、純利益が46.5%減の72百万円だった。

 転貸借物件数の積み上げで増収だが、新型コロナウイルスの影響による成約件数減少でイニシャル収入が大幅減少し、売上総利益が減少した。さらに新型コロナウイルス関連の特別手当やオフィス増床家賃など販管費が増加して大幅営業減益だった。

 店舗転貸借事業は7.5%増収で40.9%減益だった。成約件数(新規および後継付けの合計)は前年同期比57.4%減の43件、期末転貸借物件数は163件増加の1689件となった。不動産売買事業は市場不活発化の状況を鑑みて物件取得・売却を行わなかったため、80.4%減収で96.9%減益だった。期末保有物件は3件となった。

 通期予想は未定としているが、緊急事態宣言解除後は新規会員登録数や内見実施数が急増しているようだ。月別成約件数を見ると4月3件、5月7件、6月33件で、6月以降は回復基調となっている。

 飲食業が厳しい状況のため当面は影響が意識されるが、政府の「Go To キャンペーン」効果で後半の回復を期待したい。また中期的に成長を期待したい。

■株主優待制度は3月末対象でジェフグルメカード3000円分

 株主優待制度(20年8月に変更)は1年以上継続保有株主を対象としている。毎年3月末時点で1年以上継続して300株以上保有する株主に対して、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。21年3月末対象から運用開始する。

■株価は戻り試す

 株価(19年12月11日付で株式2分割)は8月の直近安値圏から反発して下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。10月22日の終値は761円、前期実績PBR(前期実績のBPS142円84銭で算出)は約5.3倍、時価総額は約136億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月29日更新]

テンポイノベーションは戻り試す、中期収益拡大期待

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。21年3月期予想は新型コロナウイルスの影響を考慮して未定としている。飲食業が厳しい状況のため当面は影響が意識されるが、政府の「Go To キャンペーン」効果で後半の挽回を期待したい。また中期的に収益拡大を期待したい。株価は8月の直近安値圏から急反発して水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。20年3月期末時点の転貸借物件数は19年3月期末比225件増加の1684件である。また20年3月期第2四半期から報告セグメントに不動産売買事業を追加した。不動産業者との関係強化を目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。

■21年3月期は後半挽回期待

 21年3月期第1四半期業績(非連結)は、売上高が前年同期比5.6%増の24億04百万円だが、営業利益が46.3%減の1億円、経常利益が44.0%減の1億09百万円、純利益が46.5%減の72百万円だった。

 転貸借物件数の積み上げで増収だが、新型コロナウイルスの影響による成約件数減少でイニシャル収入が大幅減少し、売上総利益が減少した。さらに新型コロナウイルス関連の特別手当やオフィス増床家賃など販管費が増加して大幅営業減益だった。

 店舗転貸借事業は7.5%増収で40.9%減益だった。成約件数(新規および後継付けの合計)は前年同期比57.4%減の43件、期末転貸借物件数は163件増加の1689件となった。不動産売買事業は市場不活発化の状況を鑑みて物件取得・売却を行わなかったため、80.4%減収で96.9%減益だった。期末保有物件は3件となった。

 通期予想は引未定としているが、緊急事態宣言解除後の6月には新規会員登録数や内見実施数が急増しているようだ。また第1四半期の成約件数を月別に見ると4月3件、5月7件、6月33件で、6月以降は回復基調となっている。

 飲食業が厳しい状況のため当面は影響が意識されるが、政府の「Go To キャンペーン」効果で後半の挽回を期待したい。また中期的に収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末対象でジェフグルメカード3000円分

 株主優待制度(20年8月に変更)は1年以上継続保有株主を対象としている。毎年3月末時点で1年以上継続して300株以上保有する株主に対して、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。21年3月末対象から運用開始する。

■株価は戻り試す

 株価(19年12月11日付で株式2分割)は8月の直近安値圏から急反発して水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。9月28日の終値は768円、前期実績PBR(前期実績のBPS142円84銭で算出)は約5.4倍、時価総額は約137億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月28日更新]

テンポイノベーションは戻り試す、21年3月期予想は新型コロナ影響で未定だが中期収益拡大期待

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。21年3月期予想は新型コロナウイルスの影響を考慮して未定としている。飲食業が厳しい状況のため当面は影響が懸念されるが、緊急事態宣言解除後の6月には内見実施数が急増しているようだ。期後半の挽回を期待したい。また中期的に収益拡大を期待したい。株価は第1四半期業績の発表を機に急反発の動きとなった。アク抜け感につながり、株主優待制度変更も好感された可能性がありそうだ。戻りを試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに、居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。20年3月期末時点の転貸借物件数は19年3月期末比225件増加の1684件となった。また20年3月期第2四半期から報告セグメントに不動産売買事業を追加した。不動産業者との関係強化を目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。

■21年3月期予想は新型コロナ影響で未定だが中期収益拡大期待

 21年3月期第1四半期業績(非連結)は、売上高が前年同期比5.6%増の24億04百万円だが、営業利益が46.3%減の1億円、経常利益が44.0%減の1億09百万円、純利益が46.5%減の72百万円だった。

 転貸借物件数の積み上げで増収だが、新型コロナウイルスの影響による成約件数減少でイニシャル収入が大幅減少し、売上総利益が減少した。さらにコロナ関連の特別手当やオフィス増床家賃など、販管費が増加して大幅営業減益だった。

 店舗転貸借事業は7.5%増収で40.9%減益だった。成約件数(新規および後継付けの合計)は前年同期比57.4%減の43件、期末転貸借物件数は163件増加の1689件となった。不動産売買事業は市場不活発化の状況を鑑みて物件取得・売却を行わなかったため、80.4%減収で96.9%減益だった。期末保有物件は3件となった。

 通期予想は引き続き未定としている。飲食業が厳しい状況のため当面は影響が懸念されるが、緊急事態宣言解除後の6月には新規会員登録数や内見実施数が急増しているようだ。また第1四半期の成約件数を月別に見ると4月3件、5月7件、6月33件であり、6月以降は回復基調となっている。期後半の挽回を期待したい。また中期的に収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末対象でジェフグルメカード3000円分

 株主優待制度については8月3日に変更を発表し、1年以上継続保有株主を対象とした。変更後は毎年3月末時点で1年以上継続して300株以上保有する株主に対して、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。21年3月末対象から運用開始する。

■株価は戻り試す

 株価(19年12月11日付で株式2分割)は第1四半期業績の発表を機に急反発の動きとなった。アク抜け感につながり、株主優待制度変更も好感された可能性がありそうだ。戻りを試す展開を期待したい。8月27日の終値は736円、前期実績PBR(前期実績のBPS142円84銭で算出)は約5.2倍、時価総額は約131億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月04日更新]

テンポイノベーションは新型コロナウイルス影響で21年3月期1Q大幅減益

 テンポイノベーション<3484>(東1)は8月3日の取引時間終了後に21年3月期第1四半期業績(非連結)を発表した。新型コロナウイルスの影響で大幅減益だった。通期予想は未定としている。緊急事態宣言解除後の6月には内見実施数が急増しているようだ。期後半の挽回を期待したい。なお株主優待制度の対象を継続保有株主に変更する。株価は目先的には売り優勢となりそうだが、ほぼ底値圏だろう。

■21年3月期1Qは新型コロナウイルスで大幅減益、通期予想は未定

 21年3月期第1四半期業績(非連結)は、売上高が前年同期比5.6%増の24億04百万円だが、営業利益が46.3%減の1億円、経常利益が44.0%減の1億09百万円、純利益が46.5%減の72百万円だった。

 転貸借物件数の積み上げで増収だが、新型コロナウイルスの影響による成約件数減少でイニシャル収入が減少し、売上総利益が減少した。さらにコロナ関連の特別手当やオフィス増床家賃など、販管費が増加して大幅営業減益だった。

 通期予想は引き続き未定としている。緊急事態宣言解除後の6月には新規会員登録数や内見実施数が急増しているようだ。期後半の挽回を期待したい。

■株価は底値圏

 株価は4月の安値に接近しているが、業績悪化懸念をある程度織り込んだ水準と考えられる。目先的には売り優勢となりそうだが、ほぼ底値圏だろう。8月3日の終値は533円、時価総額は約95億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月29日更新]

テンポイノベーションは店舗転貸借事業を展開

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。7月17日に放送されたテレビ東京のWBS(ワールドビジネスサテライト)では、新型コロナウイルスの影響をチャンスと捉えて出店する飲食店を支援する企業として紹介された。21年3月期予想は新型コロナウイルスの影響を考慮して未定としているが、収益拡大を期待したい。株価は上値を切り下げる形でやや軟調展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。なお8月3日に第1四半期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに、居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。20年3月期末時点の転貸借物件数は19年3月期末比225件増加の1684件となった。また20年3月期第2四半期から報告セグメントに不動産売買事業を追加した。不動産業者との関係強化を目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。

■21年3月期予想は新型コロナウイルス影響で未定

 21年3月期の業績・配当予想は新型コロナウイルスの影響で未定としている。新型コロナウイルスで飲食業が打撃を受けているため懸念材料として意識されるが、普段は空きが出ない東京一等地の居抜き物件が好条件で出てきており、この状況を逆にチャンスと捉えて出店する飲食店も多い。7月17日に放送されたテレビ東京のWBS(ワールドビジネスサテライト)では、こうした飲食店を支援する企業として紹介された。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末対象でジェフグルメカード3000円分

 株主優待制度は毎年3月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、全国共通お食事券ジェフグルメカード3000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は調整一巡

 株価(19年12月11日付で株式2分割)は上値を切り下げる形でやや軟調展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。7月28日の終値は620円、前期実績PBR(前期実績のBPS142円84銭で算出)は約4.3倍、時価総額は約111億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月24日更新]

テンポイノベーションは調整一巡

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。21年3月期予想は新型コロナウイルスの影響を考慮して未定としている。飲食業が打撃を受けているため当面は懸念材料として意識されるが、徐々に回復に向かうだろう。中期的に収益拡大を期待したい。株価は戻り一服となってモミ合う形だが、調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに、居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。20年3月期末時点の転貸借物件数は19年3月期末比225件増加の1684件となった。また20年3月期第2四半期から報告セグメントに不動産売買事業を追加した。不動産業者との関係強化を目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。

■21年3月期予想は新型コロナウイルス影響で未定

 21年3月期の業績・配当予想は新型コロナウイルスの影響で未定としている。飲食業が打撃を受けているため当面は懸念材料として意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末対象でジェフグルメカード3000円分

 株主優待制度は毎年3月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、全国共通お食事券ジェフグルメカード3000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は調整一巡

 株価(19年12月11日付で株式2分割)は戻り一服となってモミ合う形だが、調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。6月23日の終値は695円、前期実績PBR(前期実績のBPS142円84銭で算出)は約4.9倍、時価総額は約124億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月28日更新]

テンポイノベーションは戻り試す

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。21年3月期業績・配当予想は新型コロナウイルスの影響で未定としている。飲食業が打撃を受けているため当面は懸念材料として意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は4月の上場来安値から反発して水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに、居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。20年3月末時点の転貸借物件数は19年3月期末比225件増加の1684件となった。また20年3月期第2四半期から報告セグメントに不動産売買事業を追加した。不動産業者との関係強化を目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。

■21年3月期予想は新型コロナウイルス影響で未定

 20年3月期の業績(非連結)は、売上高が19年3月期比21.3%増の99億85百万円、営業利益が7.0%増の7億85百万円、経常利益が13.7%増の8億11百万円、純利益が10.7%増の5億64百万円だった。配当は19年12月11日付株式2分割遡及換算後で、19年3月期比2円増配の9円(期末一括)とした。

 成約数が9.7%増の397件、期末転貸借物件数が225件増加の1684件と順調に増加し、不動産売買における高粗利案件成約も寄与して増収増益だった。

 21年3月期業績・配当予想は新型コロナウイルスの影響で未定としている。飲食業が打撃を受けているため当面は懸念材料として意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末対象でジェフグルメカード3000円分

 株主優待制度は毎年3月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、全国共通お食事券ジェフグルメカード3000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は戻り試す

 株価(19年12月11日付で株式2分割)は4月の上場来安値から反発して水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。5月27日の終値は762円、前期実績PBR(前期実績BPS142円84銭で算出)は約5.3倍、時価総額は約136億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月27日更新]

テンポイノベーションは戻り試す

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。新型コロナウイルス感染症拡大と緊急事態宣言によって飲食業が打撃を受けているため、その影響が当面の懸念材料として意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は上場来安値を更新する場面があったが、売り一巡して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。なお5月8日に20年3月期決算発表を予定している。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに、居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。19年12月末時点の転貸借物件数は19年3月期末比175件増加の1634件となった。また20年3月期第2四半期から報告セグメントに不動産売買事業を追加した。不動産業者との関係強化を目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。19年5月24日〜20年1月31日の実績は参加店舗15店舗、総開催数114回、総来店数462人だった。

■20年3月期増収増益予想

 20年3月期業績(非連結)予想は売上高が19年3月期比21.7%増の100億17百万円、営業利益が9.2%増の8億01百万円、経常利益が12.3%増の8億02百万円、純利益が7.0%増の5億45百万円としている。配当予想(2月3日に期末2円増額修正)は、19年12月11日付株式2分割遡及換算後で19年3月期比2円増配の9円(期末一括)としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比22.9%増の74億31百万円、営業利益が20.6%増の6億65百万円、経常利益が30.2%増の6億89百万円、純利益が31.6%増の4億81百万円だった。成約数、転貸借物件数が順調に増加し、不動産売買で第4四半期計上予定の案件が前倒しになった。通期計画では期末の転貸借物件数を19年3月期末比281件増加の1740件としている。

 新型コロナウイルス感染症拡大と緊急事態宣言によって飲食業が打撃を受けているため、その影響が当面の懸念材料として意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末対象でジェフグルメカード3000円分

 株主優待制度は毎年3月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、全国共通お食事券ジェフグルメカード3000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は戻り試す

 株価(19年12月11日付で株式2分割)は上場来安値を更新する場面があったが、その後は売り一巡して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。4月24日の終値は693円、前期推定PER(会社予想のEPS30円60銭で算出)は約23倍、前期推定配当利回り(会社予想の9円で算出)は約1.3%、前々期実績PBR(前々期実績のBPS236円38銭で算出)は約2.9倍、時価総額は約124億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月26日更新]

テンポイノベーションは反発の動き、中期成長基調

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。20年3月期増収増益予想である。飲食業が新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けているため、その一時的影響が目先の懸念材料として意識されるが、中期成長基調に変化はないだろう。株価は急落して上場来安値に接近する場面があったが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに、居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。19年12月末時点の転貸借物件数は19年3月期末比175件増加の1634件となった。

 20年3月期第2四半期から、報告セグメントに不動産売買事業を追加した。不動産業者との関係強化を目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またESGへの積極的な取り組みとして、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。19年5月24日〜20年1月31日の実績は参加店舗15店舗、総開催数114回、総来店数462人だった。

■20年3月期増収増益予想

 20年3月期業績(非連結)予想は売上高が19年3月期比21.7%増の100億17百万円、営業利益が9.2%増の8億01百万円、経常利益が12.3%増の8億02百万円、純利益が7.0%増の5億45百万円としている。配当予想(1月30日に期末2円増額修正)は、19年12月11日付株式2分割遡及換算後で19年3月期比2円増配の9円(期末一括)としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比22.9%増の74億31百万円、営業利益が20.6%増の6億65百万円、経常利益が30.2%増の6億89百万円、純利益が31.6%増の4億81百万円だった。販管費が増加したが、成約数が32件増加の292件、転貸借物件数が239件増の1634件と順調に増加し、不動産売買における高粗利案件も寄与して大幅増収増益だった。なお不動産売買は第4四半期計上予定の案件が第3四半期に前倒しになったとしている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高74.2%、営業利益83.1%と順調である。通期計画では期末の転貸借物件数を、19年3月期末比281件増加の1740件としている。飲食業が新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けているため、その一時的影響が目先の懸念材料として意識されるが、中期成長基調に変化はないだろう。

■株主優待制度は3月末対象でジェフグルメカード3000円分

 株主優待制度は毎年3月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、全国共通お食事券ジェフグルメカード3000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は反発の動き

 株価(19年12月11日付で株式2分割)は急落して上場来安値に接近する場面があったが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。3月25日の終値は718円、今期予想PER(会社予想のEPS30円60銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の9円で算出)は約1.3%、前期実績PBR(前期実績のBPS236円38銭で算出)は約3.0倍、時価総額は約128億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月05日更新]

テンポイノベーションは20年3月期3Q累計大幅増益と順調

 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。20年3月期は増収増益予想である。第3四半期累計は大幅増益と順調だった。通期も収益拡大を期待したい。株価は高値圏から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。なお2月13日〜18日に立会外分売(10万株)を実施予定である。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏(特に東京都)において、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーとして店舗転貸借に特化している。

 不動産オーナーにとっては賃貸料収入安定、不動産会社にとっては収益機会獲得、店舗出店者にとっては出店費用削減、店舗撤退者にとっては閉店コスト削減というメリットがある。転貸借物件数増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。19年12月末時点の転貸借物件数は1634件となった。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。また20年3月期第2四半期から報告セグメントに不動産売買事業を追加した。不動産業者との関係強化を目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

■20年3月期増収増益予想で3Q累計順調

 20年3月期業績(非連結)予想は売上高が19年3月期比21.7%増の100億17百万円、営業利益が9.2%増の8億01百万円、経常利益が12.3%増の8億02百万円、純利益が7.0%増の5億45百万円としている。配当予想(2月3日に期末2円増額修正)は、19年12月11日付株式2分割遡及換算後で19年3月期比2円増配の9円(期末一括)としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比22.9%増の74億31百万円、営業利益が20.6%増の6億65百万円、経常利益が30.2%増の6億89百万円、純利益が31.6%増の4億81百万円だった。販管費が増加したが、転貸借物件数が順調に増加(239件増の1634件)し、不動産売買における高粗利案件も寄与して大幅増収増益だった。なお不動産売買は第4四半期計上予定の案件が第3四半期に前倒しになったとしている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高74.2%、営業利益83.1%と順調である。通期(期末の転貸借物件数は19年3月期末比281件増加の1740件の計画)も収益拡大を期待したい。

■総合利回りが大幅に向上

 前期の配当は、1株当たり7円(株式分割の影響調整後の数値)で、優待は未実施であったため、20年1月末時点の終値をベースにした参考配当利回り及び総合利回りは0.83%となる。

 一方、今期においては、配当は1株当たり9円(株式分割の影響調整後の数値)で、優待は3月31日時点で同社株式100株以上を保有する株主に対して全国共通お食事券ジェフグルメカード3000円を贈呈するため、同じく20年1月末時点の終値をベースにした参考配当利回りは1.07%、優待利回り(100株保有時)は3.55%、総合利回りは4.62%と総合利回りが大幅に向上する見込み。

■ESG活動を活発化

 同社ならではの特徴のあるESGへの積極的な取り組みとして、19年6月より飲食店を活用したこども食堂「お店のこども食堂」を企画・展開。参加店舗数は19年9月時点で4店舗、同年12月時点で9店舗、20年1月時点で15店舗と急速に増加している。

■株価は調整一巡

 株価は高値圏から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。2月4日の終値は917円、今期予想PER(会社予想EPS30円60銭で算出)は約30倍、今期予想配当利回り(会社予想9円で算出)は約1%、時価総額は約163億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[6月28日更新]

テンポイノベーションはほぼ底値圏、19年3月期2桁増収営業増益予想
テンポイノベーション<3484>(東マ)は、飲食店向けを中心に店舗転貸借事業を展開している。19年3月期2桁増収営業増益予想である。株価は反発力の鈍い展開だがほぼ底値圏だろう。

■飲食店向けを中心に店舗転貸借事業を展開

クロップス<9428>の連結子会社で、飲食店向けを中心に店舗転貸借事業を展開している。自社で店舗物件を所有するのではなく、不動産オーナーから賃借し、飲食店に転貸する。東京周辺・飲食店・居抜きの店舗物件に特化して、飲食店向け店舗物件1000件以上を管理し、年間300件以上を新規成約させている。

■19年3月期2桁増収営業増益予想

19年3月期の非連結業績予想は、売上高が18年3月期比19.8%増の80億11百万円、営業利益が16.0%増の4億60百万円、経常利益が8.5%増の4億35百万円、純利益が16.9%増の2億75百万円としている。営業活動を強化し、ランニング収入が順調に増加して2桁増収営業増益予想である。

■株価はほぼ底値圏

株価は戻り高値圏1400円台から反落して安値圏に回帰した。反発力の鈍い展開だが、17年11月の上場来安値1062円に接近してほぼ底値圏だろう。6月27日の終値は1192円で、今期予想PERは約36倍、時価総額は約100億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)

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