[3902]メディカル・データ・ビジョン
[02月17日更新]

メディカル・データ・ビジョンは急反発、20年12月期増収増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、民間最大級の大規模診療データベースを活用して医療分野ビッグデータ関連ビジネスを展開している。19年12月期は計画超の大幅増収増益だった。20年12月期も増収増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は急反発の動きとなった。出直りを期待したい。

■医療分野ビッグデータ関連ビジネス

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。19年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが38%、データ利活用サービスが62%だった。データ利活用サービスの構成比が上昇基調である。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。20年1月末の大規模診療データベース実患者数は19年12月末比31万人増加の3015万人となった。

 データネットワークサービスは主軸をDPC分析のEVEから、病院向け経営支援のMedical Codeにシフトするとともに、病院向けデジタルソリューションのCADA−BOXの導入を推進している。CADA−BOXは患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービスのカルテコと、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスのCADA決済を、電子カルテと連動させて活用するサービスである。19年12月末時点の導入数はEVEが802病院、Medical Codeが281病院、CADA−BOXが7病院(準備中を含めると計12病院)だった。

 データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービスのアドホックを主力としている。

 収益は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の傾向がある。

■事業領域拡大

 中期成長戦略として、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大を推進している。事業領域拡大に向けて、17年1月医師向けサービスのDoctorbookを子会社化、17年6月SMO業務のコスメックス(現MDVトライアル)を子会社化、19年12月31日(みなし取得日)医療系システム開発のメディカルドメイン(MDI)を子会社化した。

 また18年9月には未病領域データ事業を発表している。DPCデータからリアルタイム診療データ(個人から同意を得てリアルタイムに集積する診療情報、健診・検診情報)に軸足を移行しながら、DPCデータとリアルタイム診療データを相互に集積した「さくらデータバンク」として成長を推進する。新たなデータ取得方法(包括データ利用契約)を開始して、19年12月期末のリアルタイム診療データは80万人規模となった。

■19年12月期は計画超の大幅増収増益、20年12月期も増収増益予想

 19年12月期連結業績は、売上高が18年12月期比12.5%増の40億26百万円、営業利益が2.3倍の8億09百万円、経常利益が2.3倍の8億04百万円、純利益が8.0倍の5億54百万円だった。アドホック調査サービスが牽引し、計画超の大幅増収増益で過去最高を更新した。

 データネットワークサービスの売上高は3.2%増の15億14百万円だった。CADA−BOXの受注苦戦などで小幅増収にとどまった。子会社のDoctorbookは歯科領域サービスが伸長し、Clinical Cloud by MEDIPALサービスを開始した。データ利活用サービスの売上高は19.0%増の25億11百万円だった。アドホック調査サービスが20.5%増収と大幅伸長した。子会社のMDVトライアルはデータ活用の治験事業を開始した。

 コスト面では人件費が増加したが、増収効果に加えて、18年12月期に計上した商品評価損の一巡も寄与して大幅増益だった。なお特別損失に投資有価証券評価損1億27百万円を計上している。

 20年12月期連結業績予想は、売上高が19年12月期比19.2%増の48億円、営業利益が11.2%増の9億円、経常利益が11.9%増の9億円、純利益が8.2%増の6億円としている。

 過去最高予想である。重点施策としてリアルタイム診療データの規模拡大(150万人超)や、グループ各社商品の有機的結合を推進し、両事業とも伸長見込みとしている。子会社の業績拡大(MDVトライアルの治験、DoctorbookのClinical Cloud by MEDIPALサービス、MDIの連結)も寄与する。収益拡大を期待したい。

■株主還元方針を変更

 20年12月期から株主還元方針を変更する。20年12月期末に初配当3円(配当性向20%以上程度目途)を実施するとともに、自社株取得(上限60万株・6億円、取得期間20年2月12日〜20年9月30日)を実施する。一方で株主優待制度は廃止する。

■株価は急反発

 株価は昨年来安値圏から急反発の動きとなった。出直りを期待したい。2月14日の終値は1018円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS14円99銭で算出)は約68倍、今期予想配当利回り(会社予想の3円で算出)は約0.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS99円68銭で算出)は約10倍、時価総額は約407億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月15日更新]

メディカル・データ・ビジョンは売り一巡、19年12月期大幅増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、民間最大級の大規模診療データベースを活用して医療分野ビッグデータ関連ビジネスを展開している。19年12月期大幅増益予想である。CADA−BOXや新規事業の進捗遅れが課題だが、20年12月期も収益拡大を期待したい。株価は軟調展開で安値圏だが、売り一巡感を強めている。反発を期待したい。

■医療分野ビッグデータ関連ビジネス

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。18年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが41%、データ利活用サービスが59%だった。データ利活用サービスの構成比が上昇基調である。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。19年12月末の大規模診療データベース実患者数は18年12月末比391万人増加の2984万人となった。

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析のEVEから、病院向け経営支援のMedical Codeにシフトするとともに、病院向けデジタルソリューションのCADA−BOXの導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービスのカルテコと、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスのCADA決済を、電子カルテと連動させて活用するサービスである。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービスのアドホックを主力としている。

 18年12月末時点の導入数はEVEが801病院、Medical Codeが274病院、CADA−BOXが7病院(稼働5病院、準備中2病院)だった。

 収益は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の傾向がある。

■事業領域拡大

 中期成長戦略として、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進している。

 事業領域拡大に向けて、17年1月医師向けサービスのDoctorbookを子会社化、17年6月SMO業務のコスメックス(現MDVトライアル)を子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携、18年1月国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。

 19年1月にはメディパルホールディングス<7459>と資本業務提携した。医療情報ポータルサイト構築で協業し、メディパルホールディングスがDoctorbookの株式23.0%を取得する。19年10月にはレセプトおよび検査領域に関わる医療系システム開発のメディカルドメイン(MDI)を子会社化した。

 なおMDVコンシューマ・ヘルスケアのOTC医薬品・H&BC製品製造販売事業は、17年7月販売開始したスキンケアシリーズに大幅な販売計画の遅れを生じたため19年4月撤退した。そしてMDVコンシューマ・ヘルスケアを19年12月吸収合併予定である。

■未病領域データ事業

 18年9月には未病領域データ事業を発表している。従来のDPCデータから、次のフェーズであるオプトインリアルタイムデータ(個人から同意を得てリアルタイムに集積する診療情報、健診・検診情報)に軸足を移行しながら、DPCデータとオプトインリアルタイムデータを相互に集積した「さくらデータバンク」として成長を推進する。

 乳がん領域の健診・検診データ集積からスタートする。アジアNO.1の女性医療を目指す相良病院と提携し、健診施設や検診バスで受診する際に個人から二次利用の同意を得て健診・検診データを集積する。なお健診・検診データ利活用は、第1弾として子会社Doctorbookの「SCAPO」から開始する。また子会社MDVチェックアップが健診・検診センター向け「けんしんBOX」導入を促進する。

■19年12月期大幅増益予想

 19年12月期連結業績予想(11月11日に売上高を下方、利益を上方修正)は売上高が18年12月期比7.3%増の38億40百万円、営業利益が84.9%増の6億50百万円、経常利益が84.7%増の6億50百万円、純利益が5.8倍の4億円としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比14.7%増の27億57百万円、営業利益が4億61百万円の黒字(前年同期は18百万円の赤字)、経常利益が4億62百万円の黒字(同18百万円の赤字)、純利益が3億11百万円の黒字(同1億42百万円の赤字)だった。アドホック調査サービスが伸長して黒字化した。

 データネットワークサービスの売上高は1.6%増の11億44百万円だった。メンテナンスが堅調だった。CADA−BOXの累計導入数は8病院(受注ベースでは9病院・1団体)となったが、通期の新規受注・売上目標(受注22病院、売上13病院)の達成は厳しい状況としている。Doctorbookは既存の歯科領域が堅調だが、新たに開始した医科領域の進捗が遅れている。

 データ利活用サービスの売上高は26.3%増の16億12百万円だった。主力のアドホック調査サービスが件数増加で30.5%増収と大幅伸長した。データ活用治験事業のMDVトライアルは売上が進捗遅れだが費用減少で黒字化した。

 通期は、CADA−BOXの目標受注件数の未達、重点子会社(DoctorbookおよびMDVトライアル)の新規事業進捗遅れで、売上高が期初計画を下回る見込みだが、データ利活用サービスのアドホック調査サービスが牽引して増収、生産性向上による販管費の抑制も寄与して大幅増益予想である。CADA−BOXや新規事業の進捗遅れが課題だが、20年12月期も収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。

■株価は売り一巡

 株価は軟調展開で安値圏だが、売り一巡感を強めている。反発を期待したい。1月14日の終値は862円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS9円99銭で算出)は約86倍、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS81円91銭で算出)は約11倍、時価総額は約345億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月10日更新]

メディカル・データ・ビジョンは売られ過ぎ感、19年12月期大幅増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、民間最大級の大規模診療データベースを活用して医療分野ビッグデータ関連ビジネスを展開している。19年12月期大幅増益予想である。CADA−BOXや新規事業の進捗遅れが課題だが、20年12月期も収益拡大を期待したい。株価は水準を切り下げて1月の年初来安値に接近しているが、売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して反発を期待したい。

■医療分野ビッグデータ関連ビジネス

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。18年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが41%、データ利活用サービスが59%だった。データ利活用サービスの構成比が上昇基調である。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。19年11月末の大規模診療データベース実患者数は18年12月末比360万人増加の2953万人となった。

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析のEVEから、病院向け経営支援のMedical Codeにシフトするとともに、病院向けデジタルソリューションのCADA−BOXの導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービスのカルテコと、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスのCADA決済を、電子カルテと連動させて活用するサービスである。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービスのアドホックを主力としている。

 18年12月末時点の導入数はEVEが801病院、Medical Codeが274病院、CADA−BOXが7病院(稼働5病院、準備中2病院)だった。

 収益は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の傾向がある。

■事業領域拡大

 中期成長戦略として、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進している。

 事業領域拡大に向けて、17年1月医師向けサービスのDoctorbookを子会社化、17年6月SMO業務のコスメックス(現MDVトライアル)を子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携、18年1月国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。

 19年1月にはメディパルホールディングス<7459>と資本業務提携した。医療情報ポータルサイト構築で協業し、メディパルホールディングスがDoctorbookの株式23.0%を取得する。19年10月にはレセプトおよび検査領域に関わる医療系システム開発のメディカルドメイン(MDI)を子会社化した。

 なおMDVコンシューマ・ヘルスケアのOTC医薬品・H&BC製品製造販売事業は、17年7月販売開始したスキンケアシリーズに大幅な販売計画の遅れを生じたため19年4月撤退した。そしてMDVコンシューマ・ヘルスケアを19年12月吸収合併予定である。

■未病領域データ事業

 18年9月には未病領域データ事業を発表している。従来のDPCデータから、次のフェーズであるオプトインリアルタイムデータ(個人から同意を得てリアルタイムに集積する診療情報、健診・検診情報)に軸足を移行しながら、DPCデータとオプトインリアルタイムデータを相互に集積した「さくらデータバンク」として成長を推進する。

 乳がん領域の健診・検診データ集積からスタートする。アジアNO.1の女性医療を目指す相良病院と提携し、健診施設や検診バスで受診する際に個人から二次利用の同意を得て健診・検診データを集積する。なお健診・検診データ利活用は、第1弾として子会社Doctorbookの「SCAPO」から開始する。また子会社MDVチェックアップが健診・検診センター向け「けんしんBOX」導入を促進する。

■19年12月期大幅増益予想

 19年12月期連結業績予想(11月11日に売上高を下方、利益を上方修正)は売上高が18年12月期比7.3%増の38億40百万円、営業利益が84.9%増の6億50百万円、経常利益が84.7%増の6億50百万円、純利益が5.8倍の4億円としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比14.7%増の27億57百万円、営業利益が4億61百万円の黒字(前年同期は18百万円の赤字)、経常利益が4億62百万円の黒字(同18百万円の赤字)、純利益が3億11百万円の黒字(同1億42百万円の赤字)だった。アドホック調査サービスが伸長して黒字化した。

 データネットワークサービスの売上高は1.6%増の11億44百万円だった。メンテナンスが堅調だった。CADA−BOXの累計導入数は8病院(受注ベースでは9病院・1団体)となったが、通期の新規受注・売上目標(受注22病院、売上13病院)の達成は厳しい状況としている。Doctorbookは既存の歯科領域が堅調だが、新たに開始した医科領域の進捗が遅れている。

 データ利活用サービスの売上高は26.3%増の16億12百万円だった。主力のアドホック調査サービスが件数増加で30.5%増収と大幅伸長した。データ活用治験事業のMDVトライアルは売上が進捗遅れだが費用減少で黒字化した。

 通期は、CADA−BOXの目標受注件数の未達、重点子会社(DoctorbookおよびMDVトライアル)の新規事業進捗遅れで、売上高が計画を下回る見込みだが、データ利活用サービスのアドホック調査サービスが牽引して増収、生産性向上による販管費の抑制も寄与して大幅増益予想である。CADA−BOXや新規事業の進捗遅れが課題だが、20年12月期も収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は水準を切り下げて1月の年初来安値に接近しているが、売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して反発を期待したい。12月9日の終値は910円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS9円99銭で算出)は約91倍、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS81円91銭で算出)は約11倍、時価総額は約364億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月18日更新]

メディカル・データ・ビジョンは調整一巡、19年12月期大幅増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、民間最大級の大規模診療データベースを活用して医療分野ビッグデータ関連ビジネスを展開している。19年12月期は売上高を下方修正したが、利益を上方修正して大幅増益予想である。CADA−BOXや新規事業の進捗遅れが課題だが、中期的にも収益拡大を期待したい。株価は反発力の鈍い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■医療分野ビッグデータ関連ビジネス

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。18年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが41%、データ利活用サービスが59%だった。データ利活用サービスの構成比が上昇基調である。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。19年10月末の大規模診療データベース実患者数は18年12月末比312万人増加の2905万人となった。

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析のEVEから、病院向け経営支援のMedical Codeにシフトするとともに、病院向けデジタルソリューションのCADA−BOXの導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービスのカルテコと、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスのCADA決済を、電子カルテと連動させて活用するサービスである。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービスのアドホックを主力としている。

 18年12月末時点の導入数はEVEが801病院、Medical Codeが274病院、CADA−BOXが7病院(稼働5病院、準備中2病院)だった。

 収益は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の傾向がある。

■事業領域拡大

 中期成長戦略として、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進している。

 事業領域拡大に向けて、17年1月医師向けサービスのDoctorbookを子会社化、17年6月SMO業務のコスメックス(現MDVトライアル)を子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携、18年1月国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。

 19年1月にはメディパルホールディングス<7459>と資本業務提携した。医療情報ポータルサイト構築で協業し、メディパルホールディングスがDoctorbookの株式23.0%を取得する。19年10月にはレセプトおよび検査領域に関わる医療系システム開発のメディカルドメイン(MDI)を子会社化した。

 なおMDVコンシューマ・ヘルスケアのOTC医薬品・H&BC製品製造販売事業は、17年7月販売開始したスキンケアシリーズに大幅な販売計画の遅れを生じたため撤退(19年4月)した。そしてMDVコンシューマ・ヘルスケアを19年12月吸収合併予定である。

■未病領域データ事業

 18年9月には未病領域データ事業を発表した。従来のDPCデータから、次のフェーズであるオプトインリアルタイムデータ(個人から同意を得てリアルタイムに集積する診療情報、健診・検診情報)に軸足を移行しながら、DPCデータとオプトインリアルタイムデータを相互に集積した「さくらデータバンク」として成長を推進する。

 乳がん領域の健診・検診データ集積からスタートする。アジアNO.1の女性医療を目指す相良病院と提携し、健診施設や検診バスで受診する際に個人から二次利用の同意を得て健診・検診データを集積する。なお健診・検診データ利活用は、第1弾として子会社Doctorbookの「SCAPO」から開始する。また子会社MDVチェックアップが健診・検診センター向け「けんしんBOX」導入を促進する。

■19年12月期利益上方修正して大幅増益予想

 19年12月期連結業績予想(11月11日に売上高を下方、利益を上方修正)は売上高が18年12月期比7.3%増の38億40百万円、営業利益が84.9%増の6億50百万円、経常利益が84.7%増の6億50百万円、純利益が5.8倍の4億円としている。

 CADA−BOXの目標受注件数の未達や、重点子会社(DoctorbookおよびMDVトライアル)の新規事業の進捗遅れで、売上高は計画を下回る見込みだ。ただしデータ利活用サービスのアドホック調査サービスが牽引して増収、生産性向上による販管費の抑制も寄与して大幅増益予想である。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比14.7%増の27億57百万円、営業利益が4億61百万円の黒字(前年同期は18百万円の赤字)、経常利益が4億62百万円の黒字(同18百万円の赤字)、純利益が3億11百万円の黒字(同1億42百万円の赤字)だった。アドホック調査サービスが伸長して黒字化した。

 データネットワークサービスの売上高は1.6%増の11億44百万円だった。メンテナンスが堅調だった。CADA−BOXの累計導入数は8病院(受注ベースでは9病院・1団体)となったが、通期の新規受注・売上目標(受注22病院、売上13病院)の達成は厳しい状況としている。Doctorbookは既存の歯科領域が堅調だが、新たに開始した医科領域の進捗が遅れている。

 データ利活用サービスの売上高は26.3%増の16億12百万円だった。主力のアドホック調査サービスが件数増加で30.5%増収と大幅伸長した。データ活用治験事業のMDVトライアルは売上が進捗遅れだが費用減少で黒字化した。

 CADA−BOXや新規事業の進捗遅れが課題だが、中期的にも収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。

■株価は調整一巡

 株価は反発力の鈍い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。11月15日の終値は1052円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS9円99銭で算出)は約105倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS81円91銭で算出)は約13倍、時価総額は約421億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月17日更新]

メディカル・データ・ビジョンは調整一巡、19年12月期大幅増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、民間最大級の大規模診療データベースを活用して医療分野ビッグデータ関連ビジネスを展開している。19年12月期大幅増益予想である。CADA−BOX受注目標に対する進捗遅れが課題だが、収益拡大を期待したい。株価は上値の重い展開だが、直近安値圏から反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。なお11月11日に第3四半期決算発表を予定している。

■医療分野ビッグデータ関連ビジネス

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。18年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが41%、データ利活用サービスが59%だった。データ利活用サービスの構成比が上昇基調である。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。19年9月末の大規模診療データベース実患者数は18年12月末比284万人増加の2877万人となった。

 収益は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

■事業領域拡大

 事業領域拡大に向けて、17年1月医師向けサービスのDoctorbookを子会社化、17年6月SMO業務のコスメックス(現MDVトライアル)を子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携、18年1月国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。

 19年1月にはメディパルホールディングス<7459>と資本業務提携した。医療情報ポータルサイト構築で協業し、メディパルホールディングスがDoctorbookの株式23.0%を取得する。19年10月にはレセプトおよび検査領域に関わる医療系システム開発のメディカルドメイン(MDI)を子会社化する。

 なおMDVコンシューマ・ヘルスケアのOTC医薬品・H&BC製品製造販売事業は、17年7月販売開始したスキンケアシリーズに大幅な販売計画の遅れを生じたため撤退(19年4月)した。そしてMDVコンシューマ・ヘルスケアを19年12月吸収合併予定である。

■CADA−BOX導入推進

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析のEVEから、病院向け経営支援のMedical Codeにシフトするとともに、病院向けデジタルソリューションのCADA−BOXの導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービスのカルテコと、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスのCADA決済を、電子カルテと連動させて活用するサービスである。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービスのアドホックを主力としている。

 18年12月末時点の導入数はEVEが801病院、Medical Codeが274病院、CADA−BOXが7病院(稼働5病院、準備中2病院)だった。

■成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長戦略で、17年12月期〜19年12月期を成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。19年4月にはキャッシュレスやペーパーレスなど患者サービスの更なる向上を目指し、千葉大学病院とCADA−BOXを利用した実証・研究開発を開始した。

■未病領域データ事業を開始

 18年9月には未病領域データ事業を発表した。従来のDPCデータから、次のフェーズであるオプトインリアルタイムデータ(個人から同意を得てリアルタイムに集積する診療情報、健診・検診情報)に軸足を移行しながら、DPCデータとオプトインリアルタイムデータを相互に集積した「さくらデータバンク」として成長を推進する。

 乳がん領域の健診・検診データ集積からスタートする。アジアNO.1の女性医療を目指す相良病院と提携し、健診施設や検診バスで受診する際に個人から二次利用の同意を得て健診・検診データを集積する。なお健診・検診データ利活用は、第1弾として子会社Doctorbookの「SCAPO」から開始する。また子会社MDVチェックアップが健診・検診センター向け「けんしんBOX」導入を促進する。

■19年12月期大幅増益予想

 19年12月期連結業績予想は、売上高が18年12月期比18.8%増の42億50百万円、営業利益が42.2%増の5億円、経常利益が42.1%増の5億円、純利益が4.0倍の2億79百万円としている。

 事業別売上高の計画は、データネットワークサービスが19.2%増の17億49百万円、データ利活用サービスが18.5%増の25億円としている。主力のアドホック調査サービスが伸長し、CADA−BOXの受注拡大(目標新規受注22病院、売上計上13病院)や、重点子会社であるMDVトライアルとDoctorbookの黒字化を目指すとしている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比21.3%増の17億86百万円、営業利益が2億70百万円の黒字(前年同期は40百万円の赤字)、経常利益が2億70百万円の黒字(同40百万円の赤字)、純利益が1億73百万円の黒字(同87百万円の赤字)だった。データ利活用サービスが牽引し、売上高、利益とも第2四半期累計として過去最高だった。

 売上高は、データネットワークサービスが1.5%増の7億33百万円、データ利活用サービスが40.4%増の10億53百万円だった。データネットワークサービスはメンテナンスが堅調だった。データ利活用サービスはアドホック調査サービスが件数増加で大幅伸長(51.3%増収)した。利益面では増収効果に加えて、MDVコンシューマ・ヘルスケアの事業廃止に伴ってプロモーション費用が減少したことも寄与した。なおデータネットワークサービスでCADA−BOXの累計受注は合計8病院+1団体で、通期の新規受注目標達成は厳しい状況としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高42.1%、営業利益54.0%である。下期偏重の収益特性を考慮すれば高水準である。CADA−BOX受注目標に対する進捗遅れが課題だが、通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。

■株価は調整一巡

 株価は上値の重い展開だが、直近安値圏から反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。10月16日の終値は1168円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS6円98銭で算出)は約167倍、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS81円91銭で算出)は約14倍、時価総額は約468億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月24日更新]

メディカル・データ・ビジョンは反発の動き、19年12月期大幅増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、民間最大級の大規模診療データベースを活用して医療分野ビッグデータ関連ビジネスを展開している。19年12月期大幅増益予想である。CADA−BOX受注目標に対する進捗遅れが課題だが、収益拡大を期待したい。株価は8月の直近安値圏から反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■医療分野ビッグデータ関連ビジネス

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。18年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが41%、データ利活用サービスが59%だった。データ利活用サービスの構成比が上昇基調である。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。19年8月末の大規模診療データベース実患者数は18年12月末比251万人増加の2844万人となった。

 収益は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

■事業領域拡大

 事業領域拡大に向けて、17年1月医師向けサービスのDoctorbookを子会社化、17年6月SMO業務のコスメックス(現MDVトライアル)を子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携、18年1月国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。

 19年1月にはメディパルホールディングス<7459>と資本業務提携した。医療情報ポータルサイト構築で協業し、メディパルホールディングスがDoctorbookの株式23.0%を取得する。19年10月にはレセプトおよび検査領域に関わる医療系システム開発のメディカルドメイン(MDI)を子会社化する。

 なおMDVコンシューマ・ヘルスケアのOTC医薬品・H&BC製品製造販売事業は、17年7月販売開始したスキンケアシリーズに大幅な販売計画の遅れを生じたため撤退(19年4月)した。

■CADA−BOX導入推進

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析のEVEから、病院向け経営支援のMedical Codeにシフトするとともに、病院向けデジタルソリューションのCADA−BOXの導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービスのカルテコと、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスのCADA決済を、電子カルテと連動させて活用するサービスである。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービスのアドホックを主力としている。

 18年12月末時点の導入数はEVEが801病院、Medical Codeが274病院、CADA−BOXが7病院(稼働5病院、準備中2病院)だった。

■成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長戦略で、17年12月期〜19年12月期を成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。19年4月にはキャッシュレスやペーパーレスなど患者サービスの更なる向上を目指し、千葉大学病院とCADA−BOXを利用した実証・研究開発を開始した。

■未病領域データ事業を開始

 18年9月には未病領域データ事業を発表した。従来のDPCデータから、次のフェーズであるオプトインリアルタイムデータ(個人から同意を得てリアルタイムに集積する診療情報、健診・検診情報)に軸足を移行しながら、DPCデータとオプトインリアルタイムデータを相互に集積した「さくらデータバンク」として成長を推進する。

 乳がん領域の健診・検診データ集積からスタートする。アジアNO.1の女性医療を目指す相良病院と提携し、健診施設や検診バスで受診する際に個人から二次利用の同意を得て健診・検診データを集積する。なお健診・検診データ利活用は、第1弾として子会社Doctorbookの「SCAPO」から開始する。また子会社MDVチェックアップが健診・検診センター向け「けんしんBOX」導入を促進する。

■19年12月期大幅増益予想

 19年12月期連結業績予想は、売上高が18年12月期比18.8%増の42億50百万円、営業利益が42.2%増の5億円、経常利益が42.1%増の5億円、純利益が4.0倍の2億79百万円としている。

 事業別売上高の計画は、データネットワークサービスが19.2%増の17億49百万円、データ利活用サービスが18.5%増の25億円としている。主力のアドホック調査サービスが伸長し、CADA−BOXの受注拡大(目標新規受注22病院、売上計上13病院)や、重点子会社であるMDVトライアルとDoctorbookの黒字化を目指すとしている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比21.3%増の17億86百万円、営業利益が2億70百万円の黒字(前年同期は40百万円の赤字)、経常利益が2億70百万円の黒字(同40百万円の赤字)、純利益が1億73百万円の黒字(同87百万円の赤字)だった。データ利活用サービスが牽引し、売上高、利益とも第2四半期累計として過去最高だった。

 売上高は、データネットワークサービスが1.5%増の7億33百万円、データ利活用サービスが40.4%増の10億53百万円だった。データネットワークサービスはメンテナンスが堅調だった。データ利活用サービスはアドホック調査サービスが件数増加で大幅伸長(51.3%増収)した。利益面では増収効果に加えて、MDVコンシューマ・ヘルスケアの事業廃止に伴ってプロモーション費用が減少したことも寄与した。なおデータネットワークサービスでCADA−BOXの累計受注は合計8病院+1団体で、通期の新規受注目標達成は厳しい状況としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高42.1%、営業利益54.0%である。下期偏重の収益特性を考慮すれば高水準である。CADA−BOX受注目標に対する進捗遅れが課題だが、通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。

■株価は反発の動き

 株価は8月の直近安値圏から反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。9月20日の終値は1298円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS6円98銭で算出)は約186倍、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS81円91銭で算出)は約16倍、時価総額は約520億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月26日更新]

メディカル・データ・ビジョンは調整一巡、19年12月期2Q累計黒字化で進捗率高水準

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、民間最大級の大規模診療データベースを活用して医療分野ビッグデータ関連ビジネスを展開している。19年12月期第2四半期累計は黒字化した。進捗率は下期偏重の収益特性を考慮すれば高水準である。CADA−BOX受注目標に対する進捗遅れが課題だが、通期ベースでも収益拡大を期待したい。株価は安値圏に回帰したが、調整一巡して反発を期待したい。

■医療分野ビッグデータ関連ビジネス

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。18年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが41%、データ利活用サービスが59%だった。データ利活用サービスの構成比が上昇基調である。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。19年7月末の大規模診療データベース実患者数は18年12月末比202万人増加の2795万人となった。

 収益は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

■事業領域拡大

 事業領域拡大に向けて、17年1月医師向けサービスのDoctorbookを子会社化、17年6月SMO業務のコスメックス(現MDVトライアル)を子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携、18年1月国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。

 19年1月にはメディパルホールディングス<7459>と資本業務提携した。医療情報ポータルサイト構築で協業し、メディパルホールディングスがDoctorbookの株式23.0%を取得する。

 なおMDVコンシューマ・ヘルスケアのOTC医薬品・H&BC製品製造販売事業は、17年7月販売開始したスキンケアシリーズに大幅な販売計画の遅れを生じたため撤退(19年4月)した。

■CADA−BOX導入推進

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析のEVEから、病院向け経営支援のMedical Codeにシフトするとともに、病院向けデジタルソリューションのCADA−BOXの導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービスのカルテコと、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスのCADA決済を、電子カルテと連動させて活用するサービスである。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービスのアドホックを主力としている。

 18年12月末時点の導入数はEVEが801病院、Medical Codeが274病院、CADA−BOXが7病院(稼働5病院、準備中2病院)だった。

■成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長戦略で、17年12月期〜19年12月期を成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。19年4月にはキャッシュレスやペーパーレスなど患者サービスの更なる向上を目指し、千葉大学病院とCADA−BOXを利用した実証・研究開発を開始した。

■未病領域データ事業を開始

 18年9月には未病領域データ事業を発表した。従来のDPCデータから、次のフェーズであるオプトインリアルタイムデータ(個人から同意を得てリアルタイムに集積する診療情報、健診・検診情報)に軸足を移行しながら、DPCデータとオプトインリアルタイムデータを相互に集積した「さくらデータバンク」として成長を推進する。

 乳がん領域の健診・検診データ集積からスタートする。アジアNO.1の女性医療を目指す相良病院と提携し、健診施設や検診バスで受診する際に個人から二次利用の同意を得て健診・検診データを集積する。なお健診・検診データ利活用は、第1弾として子会社Doctorbookの「SCAPO」から開始する。また子会社MDVチェックアップが健診・検診センター向け「けんしんBOX」導入を促進する。

■19年12月期2Q累計黒字化で進捗率高水準

 19年12月期連結業績予想は、売上高が18年12月期比18.8%増の42億50百万円、営業利益が42.2%増の5億円、経常利益が42.1%増の5億円、純利益が4.0倍の2億79百万円としている。

 事業別売上高の計画は、データネットワークサービスが19.2%増の17億49百万円、データ利活用サービスが18.5%増の25億円としている。主力のアドホック調査サービスが伸長し、CADA−BOXの受注拡大(目標新規受注22病院、売上計上13病院)や、重点子会社であるMDVトライアルとDoctorbookの黒字化を目指すとしている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比21.3%増の17億86百万円、営業利益が2億70百万円の黒字(前年同期は40百万円の赤字)、経常利益が2億70百万円の黒字(同40百万円の赤字)、純利益が1億73百万円の黒字(同87百万円の赤字)だった。データ利活用サービスが牽引し、売上高、利益とも第2四半期累計として過去最高だった。

 売上高は、データネットワークサービスが1.5%増の7億33百万円、データ利活用サービスが40.4%増の10億53百万円だった。データネットワークサービスはメンテナンスが堅調だった。データ利活用サービスはアドホック調査サービスが件数増加で大幅伸長(51.3%増収)した。利益面では増収効果に加えて、MDVコンシューマ・ヘルスケアの事業廃止に伴ってプロモーション費用が減少したことも寄与した。なおデータネットワークサービスでCADA−BOXの累計受注は合計8病院+1団体で、通期の新規受注目標達成は厳しい状況としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高42.1%、営業利益54.0%である。下期偏重の収益特性を考慮すれば高水準である。CADA−BOX受注目標に対する進捗遅れが課題だが、通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。

■株価は調整一巡

 株価は安値圏に回帰したが、調整一巡して反発を期待したい。8月23日の終値は996円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS6円98銭で算出)は約143倍、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS81円91銭で算出)は約12倍、時価総額は約399億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月11日更新]

メディカル・データ・ビジョンは下値切り上げ、19年12月期大幅増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、民間最大級の大規模診療データベースを活用して医療分野ビッグデータ関連ビジネスを展開している。19年12月期大幅増益予想である。株価は5月の年初来高値から反落したが、下値を切り上げている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■医療分野ビッグデータ関連ビジネス

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。18年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが41%、データ利活用サービスが59%だった。データ利活用サービスの構成比が上昇基調である。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。19年6月末の大規模診療データベース実患者数は18年12月末比188万人増加の2781万人となった。

 収益は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

■事業領域拡大

 事業領域拡大に向けて、17年1月医師向けサービスのDoctorbookを子会社化、17年6月SMO業務のコスメックス(現MDVトライアル)を子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携、18年1月国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。

 19年1月にはメディパルホールディングス<7459>と資本業務提携した。医療情報ポータルサイト構築で協業し、メディパルホールディングスがDoctorbookの株式23.0%を取得する。

 なおMDVコンシューマ・ヘルスケアのOTC医薬品・H&BC製品製造販売事業は、17年7月販売開始したスキンケアシリーズに大幅な販売計画の遅れを生じたため撤退(19年4月)した。

■CADA−BOX導入推進

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析のEVEから、病院向け経営支援のMedical Codeにシフトするとともに、病院向けデジタルソリューションのCADA−BOXの導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービスのカルテコと、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスのCADA決済を、電子カルテと連動させて活用するサービスである。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービスのアドホックを主力としている。

 18年12月末時点の導入数はEVEが801病院、Medical Codeが274病院、CADA−BOXが7病院(稼働5病院、準備中2病院)となった。

■成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長戦略で、17年12月期〜19年12月期を成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。19年4月にはキャッシュレスやペーパーレスなど患者サービスの更なる向上を目指し、千葉大学病院とCADA−BOXを利用した実証・研究開発を開始した。

■未病領域データ事業を開始

 18年9月には未病領域データ事業を発表した。従来のDPCデータから、次のフェーズであるオプトインリアルタイムデータ(個人から同意を得てリアルタイムに集積する診療情報、健診・検診情報)に軸足を移行しながら、DPCデータとオプトインリアルタイムデータを相互に集積した「さくらデータバンク」として成長を推進する。

 そして2025年に8259億円と予想される医療ビッグデータ市場において、先行してシェア獲得を目指す。また医療分野におけるIoT・AI活用事業を推進するための布石とも位置付けている。

 未病領域データ事業は乳がん領域の健診・検診データ集積からスタートする。アジアNO.1の女性医療を目指す相良病院と提携し、健診施設や検診バスで受診する際に個人から二次利用の同意を得て健診・検診データを集積する。なお健診・検診データ利活用は、第1弾として子会社Doctorbookの「SCAPO」から開始する。また子会社MDVチェックアップが健診・検診センター向け「けんしんBOX」導入を促進する。

■19年12月期大幅増益予想

 19年12月期連結業績予想は、売上高が18年12月期比18.8%増の42億50百万円、営業利益が42.2%増の5億円、経常利益が42.1%増の5億円、純利益が4.0倍の2億79百万円としている。

 事業別売上高の計画は、データネットワークサービスが19.2%増の17億49百万円、データ利活用サービスが18.5%増の25億円としている。主力のアドホック調査サービスが伸長し、CADA−BOXの受注拡大(新規受注22病院、売上計上13病院)や、重点子会社であるMDVトライアルとDoctorbookの黒字化を目指すとしている。

 第1四半期は売上高が前年同期比23.5%増の8億69百万円の大幅増収で、営業利益が1億02百万円の黒字(前年同期は31百万円の赤字)、経常利益が1億02百万円の黒字(同31百万円の赤字)、純利益が68百万円の黒字(同51百万円の赤字)だった。

 売上高の内訳は、データネットワークサービスが15.8%増の3億59百万円、データ利活用サービスが29.5%増の5億09百万円だった。データネットワークサービスでCADA−BOXは合計8病院(稼働6病院、準備中2病院)だった。データ利活用サービスではアドホック調査サービスが案件数増加で大幅伸長した。

 第1四半期の進捗率は売上高20.5%、営業利益20.5%である。下期偏重の収益特性を考慮すれば順調である。通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。

■株価は戻り試す

 株価は5月の年初来高値から反落したが、下値を切り上げている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。7月10日の終値は1196円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS6円98銭で算出)は約171倍、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS81円91銭で算出)は約15倍、時価総額は約479億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月21日更新]

メディカル・データ・ビジョンは上値試す、19年12月期大幅増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、民間最大級の大規模診療データベースを活用して医療分野ビッグデータ関連ビジネスを展開している。19年12月期大幅増益予想である。株価は急伸した5月の年初来高値から反落したが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。

■医療分野ビッグデータ関連ビジネス

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。18年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが41%、データ利活用サービスが59%だった。データ利活用サービスの構成比が上昇基調である。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。19年5月末の大規模診療データベース実患者数は18年12月末比164万人増加の2757万人となった。

 収益は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

■事業領域拡大

 事業領域拡大に向けて、17年1月医師向けサービスのDoctorbookを子会社化、17年6月SMO業務のコスメックス(現MDVトライアル)を子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携、18年1月国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。

 19年1月にはメディパルホールディングス<7459>と資本業務提携した。医療情報ポータルサイト構築で協業し、メディパルホールディングスがDoctorbookの株式23.0%を取得する。

 なおOTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマ・ヘルスケアの事業については、17年7月販売開始したスキンケアシリーズに大幅な販売計画の遅れを生じたため撤退(19年4月)した。

■CADA−BOX導入推進

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析のEVEから、病院向け経営支援のMedical Codeにシフトするとともに、病院向けデジタルソリューションのCADA−BOXの導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービスのカルテコと、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスのCADA決済を、電子カルテと連動させて活用するサービスである。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービスのアドホックを主力としている。

 18年12月末時点の導入数はEVEが801病院、Medical Codeが274病院、CADA−BOXが7病院(稼働5病院、準備中2病院)となった。

■成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長戦略で、17年12月期〜19年12月期を成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。19年4月にはキャッシュレスやペーパーレスなど患者サービスの更なる向上を目指し、千葉大学病院とCADA−BOXを利用した実証・研究開発を開始した。

■未病領域データ事業を開始

 18年9月には未病領域データ事業を発表した。従来のDPCデータから、次のフェーズであるオプトインリアルタイムデータ(個人から同意を得てリアルタイムに集積する診療情報、健診・検診情報)に軸足を移行しながら、DPCデータとオプトインリアルタイムデータを相互に集積した「さくらデータバンク」として成長を推進する。

 そして2025年に8259億円と予想される医療ビッグデータ市場において、先行してシェア獲得を目指す。また医療分野におけるIoT・AI活用事業を推進するための布石とも位置付けている。

 未病領域データ事業は乳がん領域の健診・検診データ集積からスタートする。アジアNO.1の女性医療を目指す相良病院と提携し、健診施設や検診バスで受診する際に個人から二次利用の同意を得て健診・検診データを集積する。なお健診・検診データ利活用は、第1弾として子会社Doctorbookの「SCAPO」から開始する。また子会社MDVチェックアップが健診・検診センター向け「けんしんBOX」導入を促進する。

■19年12月期大幅増益予想

 19年12月期連結業績予想は、売上高が18年12月期比18.8%増の42億50百万円、営業利益が42.2%増の5億円、経常利益が42.1%増の5億円、純利益が4.0倍の2億79百万円としている。

 事業別売上高の計画は、データネットワークサービスが19.2%増の17億49百万円、データ利活用サービスが18.5%増の25億円としている。主力のアドホック調査サービスが伸長し、CADA−BOXの受注拡大(新規受注22病院、売上計上13病院)や、重点子会社であるMDVトライアルとDoctorbookの黒字化を目指すとしている。

 第1四半期は売上高が前年同期比23.5%増の8億69百万円の大幅増収で、営業利益が1億02百万円の黒字(前年同期は31百万円の赤字)、経常利益が1億02百万円の黒字(同31百万円の赤字)、純利益が68百万円の黒字(同51百万円の赤字)だった。

 売上高の内訳は、データネットワークサービスが15.8%増の3億59百万円、データ利活用サービスが29.5%増の5億09百万円だった。データネットワークサービスでCADA−BOXは合計8病院(稼働6病院、準備中2病院)だった。データ利活用サービスではアドホック調査サービスが案件数増加で大幅伸長した。

 第1四半期の進捗率は売上高20.5%、営業利益20.5%である。下期偏重の収益特性を考慮すれば順調である。通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。

■株価は上値試す

 株価は急伸した5月の年初来高値1544円から反落したが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。6月20日の終値は1216円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS6円98銭で算出)は約174倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS81円91銭で算出)は約15倍、時価総額は約487億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月27日更新]

メディカル・データ・ビジョンは急反発の動き、19年12月期大幅増益予想で1Q順調

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、民間最大級の大規模診療データベースを活用して医療分野ビッグデータ関連ビジネスを展開している。19年12月期大幅増益予想である。そして第1四半期は順調だった。これを好感して株価は急反発の動きとなった。上値を試す展開を期待したい。

■医療分野ビッグデータ関連ビジネス

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。18年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが41%、データ利活用サービスが59%だった。データ利活用サービスの構成比が上昇基調である。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。19年4月末の大規模診療データベース実患者数は18年12月末比132万人増加の2725万人となった。

 収益は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

■事業領域拡大

 事業領域拡大に向けて、17年1月医師向けサービスのDoctorbookを子会社化、17年6月SMO業務のコスメックス(現MDVトライアル)を子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携、18年1月国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。

 19年1月にはメディパルホールディングス<7459>と資本業務提携した。医療情報ポータルサイト構築で協業し、メディパルホールディングスがDoctorbookの株式23.0%を取得する。

 なおOTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマ・ヘルスケアの事業については、17年7月販売開始したスキンケアシリーズに大幅な販売計画の遅れを生じたため撤退(19年4月30日)した。

■CADA−BOX導入推進

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析のEVEから、病院向け経営支援のMedical Codeにシフトするとともに、病院向けデジタルソリューションのCADA−BOXの導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービスのカルテコと、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスのCADA決済を、電子カルテと連動させて活用するサービスである。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービスのアドホックを主力としている。

 18年12月末時点の導入数はEVEが801病院、Medical Codeが274病院、CADA−BOXが7病院(稼働5病院、準備中2病院)となった。

■成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長戦略で、17年12月期〜19年12月期を成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。19年4月にはキャッシュレスやペーパーレスなど患者サービスの更なる向上を目指し、千葉大学病院とCADA−BOXを利用した実証・研究開発を開始した。

■未病領域データ事業を開始

 18年9月には未病領域データ事業を発表した。従来のDPCデータから、次のフェーズであるオプトインリアルタイムデータ(個人から同意を得てリアルタイムに集積する診療情報、健診・検診情報)に軸足を移行しながら、DPCデータとオプトインリアルタイムデータを相互に集積した「さくらデータバンク」として成長を推進する。

 そして2025年に8259億円と予想される医療ビッグデータ市場において、先行してシェア獲得を目指す。また医療分野におけるIoT・AI活用事業を推進するための布石とも位置付けている。

 未病領域データ事業は乳がん領域の健診・検診データ集積からスタートする。アジアNO.1の女性医療を目指す相良病院と提携し、健診施設や検診バスで受診する際に個人から二次利用の同意を得て健診・検診データを集積する。なお健診・検診データ利活用は、第1弾として子会社Doctorbookの「SCAPO」から開始する。また子会社MDVチェックアップが健診・検診センター向け「けんしんBOX」導入を促進する。

■19年12月期大幅増益予想で1Q順調

 19年12月期連結業績予想は、売上高が18年12月期比18.8%増の42億50百万円、営業利益が42.2%増の5億円、経常利益が42.1%増の5億円、純利益が4.0倍の2億79百万円としている。

 事業別売上高の計画は、データネットワークサービスが19.2%増の17億49百万円、データ利活用サービスが18.5%増の25億円としている。主力のアドホック調査サービスが伸長し、CADA−BOXの受注拡大(新規受注22病院、売上計上13病院)や、重点子会社であるMDVトライアルとDoctorbookの黒字化を目指すとしている。

 第1四半期は売上高が前年同期比23.5%増の8億69百万円の大幅増収で、営業利益が1億02百万円の黒字(前年同期は31百万円の赤字)、経常利益が1億02百万円の黒字(同31百万円の赤字)、純利益が68百万円の黒字(同51百万円の赤字)だった。

 売上高の内訳は、データネットワークサービスが15.8%増の3億59百万円、データ利活用サービスが29.5%増の5億09百万円だった。データネットワークサービスでCADA−BOXは合計8病院(稼働6病院、準備中2病院)だった。データ利活用サービスではアドホック調査サービスが案件数増加で大幅伸長した。

 第1四半期の進捗率は売上高20.5%、営業利益20.5%である。下期偏重の収益特性を考慮すれば順調である。通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。

■株価は急反発の動き

 株価は急反発の動きとなった。5月24日には1531円まで上伸した。上値を試す展開を期待したい。5月24日の終値は1525円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS6円98銭で算出)は約218倍、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS81円91銭で算出)は約19倍、時価総額は約610億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月08日更新]

メディカル・データ・ビジョンは出直り期待、19年12月期大幅増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、民間最大級の大規模診療データベースを活用して医療分野ビッグデータ関連ビジネスを展開している。19年12月期大幅増益予想である。株価は反発力の鈍い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■医療分野ビッグデータ関連ビジネス

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。18年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが41%、データ利活用サービスが59%だった。データ利活用サービスの構成比が上昇基調である。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。19年3月末の大規模診療データベース実患者数は18年12月末比114万人増加の2707万人となった。

 収益は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

■事業領域拡大

 事業領域拡大に向けて、17年1月医師向けサービスのDoctorbookを子会社化、17年6月SMO業務のコスメックス(現MDVトライアル)を子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携、18年1月国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。

 19年1月にはメディパルホールディングス<7459>と資本業務提携した。医療情報ポータルサイト構築で協業し、メディパルホールディングスがDoctorbookの株式23.0%を取得する。

 なおOTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマ・ヘルスケアの事業については、17年7月販売開始したスキンケアシリーズに大幅な販売計画の遅れを生じたため、撤退(19年4月30日予定)する。

■CADA−BOX導入推進

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析のEVEから、病院向け経営支援のMedical Codeにシフトするとともに、病院向けデジタルソリューションのCADA−BOXの導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービスのカルテコと、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスのCADA決済を、電子カルテと連動させて活用するサービスである。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービスのアドホックを主力としている。

 18年12月末時点の導入数はEVEが801病院、Medical Codeが274病院、CADA−BOXが7病院(稼働5病院、準備中2病院)となった。

■成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長戦略で、17年12月期〜19年12月期を成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。

■未病領域データ事業を開始

 18年9月には未病領域データ事業を発表した。従来のDPCデータから、次のフェーズであるオプトインリアルタイムデータ(個人から同意を得てリアルタイムに集積する診療情報、健診・検診情報)に軸足を移行しながら、DPCデータとオプトインリアルタイムデータを相互に集積した「さくらデータバンク」として成長を推進する。

 そして2025年に8259億円と予想される医療ビッグデータ市場において、先行してシェア獲得を目指す。また医療分野におけるIoT・AI活用事業を推進するための布石とも位置付けている。

 未病領域データ事業は乳がん領域の健診・検診データ集積からスタートする。アジアNO.1の女性医療を目指す相良病院と提携し、健診施設や検診バスで受診する際に個人から二次利用の同意を得て健診・検診データを集積する。なお健診・検診データ利活用は、第1弾として子会社Doctorbookの「SCAPO」から開始する。また子会社MDVチェックアップが健診・検診センター向け「けんしんBOX」導入を促進する。

■19年12月期大幅増益予想

 19年12月期連結業績予想は、売上高が18年12月期比18.8%増の42億50百万円、営業利益が42.2%増の5億円、経常利益が42.1%増の5億円、純利益が4.0倍の2億79百万円としている。

 事業別売上高の計画は、データネットワークサービスが19.2%増の17億49百万円、データ利活用サービスが18.5%増の25億円としている。主力のアドホック調査サービスが伸長し、CADA−BOXの受注拡大(新規受注22病院、売上計上13病院)や、重点子会社であるMDVトライアルとDoctorbookの黒字化を目指す。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。

■株価は出直り期待

 株価は反発力の鈍い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。4月5日の終値は1047円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS6円98銭で算出)は約150倍、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS81円91銭で算出)は約13倍、時価総額は約419億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月08日更新]

メディカル・データ・ビジョンは戻り歩調、19年12月期大幅増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、民間最大級の大規模診療データベースを活用して医療分野ビッグデータ関連ビジネスを展開している。未病領域データ事業も展開する。19年12月期大幅増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は下値固め完了して戻り歩調だ。出直りを期待したい。

■医療分野ビッグデータ関連ビジネス

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。18年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが41%、データ利活用サービスが59%だった。データ利活用サービスの構成比が上昇基調である。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。19年2月末の大規模診療データベース実患者数は18年12月末比84万人増加の2677万人となった。

 収益は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

■事業領域拡大

 事業領域拡大に向けて、17年1月医師向けサービスのDoctorbookを子会社化、17年2月OTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマ・ヘルスケアを設立、17年6月SMO業務のコスメックス(現MDVトライアル)を子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携、18年1月国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。

 19年1月にはメディパルホールディングス<7459>と資本業務提携した。医療情報ポータルサイト構築で協業し、メディパルホールディングスがDoctorbookの株式23.0%を取得する。

 なおMDVコンシューマ・ヘルスケアの事業については、17年7月販売開始したスキンケアシリーズに大幅な販売計画の遅れを生じたため、撤退(19年4月30日予定)する。

■CADA−BOX導入推進

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析のEVEから、病院向け経営支援のMedical Codeにシフトするとともに、病院向けデジタルソリューションのCADA−BOXの導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービスのカルテコと、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスのCADA決済を、電子カルテと連動させて活用するサービスである。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービスのアドホックを主力としている。

 18年12月末時点の導入数はEVEが801病院、Medical Codeが274病院、CADA−BOXが7病院(稼働5病院、準備中2病院)となった。

■成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長戦略で、17年12月期〜19年12月期を成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。

■未病領域データ事業を開始

 18年9月には未病領域データ事業を発表した。従来のDPCデータから、次のフェーズであるオプトインリアルタイムデータ(個人から同意を得てリアルタイムに集積する診療情報、健診・検診情報)に軸足を移行しながら、DPCデータとオプトインリアルタイムデータを相互に集積した「さくらデータバンク」として成長を推進する。

 そして2025年に8259億円と予想される医療ビッグデータ市場において、先行してシェア獲得を目指す。また医療分野におけるIoT・AI活用事業を推進するための布石とも位置付けている。

 未病領域データ事業は乳がん領域の健診・検診データ集積からスタートする。アジアNO.1の女性医療を目指す相良病院と提携し、健診施設や検診バスで受診する際に個人から二次利用の同意を得て健診・検診データを集積する。なお健診・検診データ利活用は、第1弾として子会社Doctorbookの「SCAPO」から開始する。また子会社MDVチェックアップが健診・検診センター向け「けんしんBOX」導入を促進する。

■19年12月期大幅増益予想

 19年12月期連結業績予想は、売上高が18年12月期比18.8%増の42億50百万円、営業利益が42.2%増の5億円、経常利益が42.1%増の5億円、純利益が4.0倍の2億79百万円としている。

 事業別売上高の計画は、データネットワークサービスが19.2%増の17億49百万円、データ利活用サービスが18.5%増の25億円としている。主力のアドホック調査サービスが伸長し、拡大CADA−BOXの受注拡大(新規受注22病院、売上計上13病院)や、重点子会社であるMDVトライアルとDoctorbookの黒字化を目指す。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。

■株価は下値固め完了して戻り歩調

 株価は下値固め完了して戻り歩調だ。1月安値839円から反発し、3月7日には1215円まで上伸した。出直りを期待したい。3月7日の終値は1175円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS6円98銭で算出)は約168倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS81円91銭で算出)は約14倍、時価総額は約470億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月19日更新]

メディカル・データ・ビジョンは下値固め完了感、19年12月期大幅増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、民間最大級の大規模診療データベースを活用して医療分野ビッグデータ関連ビジネスを展開している。18年12月期は減益だったが、19年12月期は大幅増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■医療分野ビッグデータ関連ビジネス

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。18年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが41%、データ利活用サービスが59%だった。データ利活用サービスの構成比が上昇基調である。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。19年1月末の大規模診療データベース実患者数は18年12月末比38万人増加の2631万人となった。

 収益は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

■事業領域拡大

 事業領域拡大に向けて、17年1月医師向けサービスのDoctorbookを子会社化、17年2月OTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマ・ヘルスケアを設立、17年6月SMO業務のコスメックス(現MDVトライアル)を子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携、18年1月国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。

 19年1月にはメディパルホールディングス<7459>と資本業務提携した。医療情報ポータルサイト構築で協業し、メディパルホールディングスがDoctorbookの株式23.0%を取得する。

 なお1月15日にMDVコンシューマ・ヘルスケアの事業を全部廃止(19年4月30日予定)すると発表した。民間最大級の大規模診療データベースを活用してOTC医薬品・H&BC製品の製造販売に参入したが、17年7月販売開始したスキンケアシリーズに大幅な販売計画の遅れを生じたため、事業撤退を決定した。

■CADA−BOX導入推進

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析のEVEから、病院向け経営支援のMedical Codeにシフトするとともに、病院向けデジタルソリューションのCADA−BOXの導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービスのカルテコと、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスのCADA決済を、電子カルテと連動させて活用するサービスである。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービスのアドホックを主力としている。

 18年12月末時点の導入数はEVEが801病院、Medical Codeが274病院、CADA−BOXが7病院(稼働5病院、準備中2病院)となった。

■成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長戦略で、17年12月期〜19年12月期を成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。

■未病領域データ事業を開始

 18年9月には未病領域データ事業を発表した。従来のDPCデータから、次のフェーズであるオプトインリアルタイムデータ(個人から同意を得てリアルタイムに集積する診療情報、健診・検診情報)に軸足を移行しながら、DPCデータとオプトインリアルタイムデータを相互に集積した「さくらデータバンク」として成長を推進する。

 そして2025年に8259億円と予想される医療ビッグデータ市場において、先行してシェア獲得を目指す。また医療分野におけるIoT・AI活用事業を推進するための布石とも位置付けている。

 未病領域データ事業は乳がん領域の健診・検診データ集積からスタートする。アジアNO.1の女性医療を目指す相良病院と提携し、健診施設や検診バスで受診する際に個人から二次利用の同意を得て健診・検診データを集積する。なお健診・検診データ利活用は、第1弾として子会社Doctorbookの「SCAPO」から開始する。また子会社MDVチェックアップが健診・検診センター向け「けんしんBOX」導入を促進する。

■18年12月期減益だが19年12月期大幅増益予想

 18年12月期連結業績(11月12日に下方修正、2月8日に上方修正)は、売上高が17年12月期比10.9%増の35億77百万円、営業利益が38.2%減の3億51百万円、経常利益が37.7%減の3億51百万円、純利益が80.4%減の69百万円だった。なお特別損失に減損損失17百万円、事業損失引当金繰入額19百万円を計上した。

 アドホック調査サービスの拡大が牽引して2桁増収だったが、CADA−BOXの新規導入遅れ、子会社MDVコンシューマ・ヘルスケアおよびMDVトライアルの事業進捗遅れなどにより、販管費増加を吸収できず大幅減益だった。なお子会社MDVコンシューマ・ヘルスケアの大幅な販売計画遅れにより、売上原価に商品評価損1億34百万円を計上した。事業別の売上高はデータネットワークサービスが6.6%減の14億67百万円、データ利活用サービスが27.6%増の21億10百万円(うちアドホック調査サービスが35.4%増の17億10百万円)だった。

 19年12月期連結業績予想は、売上高が18年12月期比18.8%増の42億50百万円、営業利益が42.2%増の5億円、経常利益が42.1%増の5億円、純利益が4.0倍の2億79百万円としている。

 事業別売上高の計画は、データネットワークサービスが19.2%増の17億49百万円、データ利活用サービスが18.5%増の25億円としている。主力のアドホック調査サービスが伸長し、拡大CADA−BOXの受注拡大(新規受注22病院、売上計上13病院)や、重点子会社であるMDVトライアルとDoctorbookの黒字化を目指す。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。

■株価は下値固め完了して出直り期待

 株価は1月4日の安値839円を割り込むことなく推移して下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。2月15日の終値は1028円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS6円98銭で算出)は約147倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS81円91銭で算出)は約13倍、時価総額は約411億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月21日更新]

メディカル・データ・ビジョンは下値固め完了感、18年12月期減益予想だが19年12月期収益拡大期待

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、民間最大級の大規模診療データベースを活用して医療分野ビッグデータ関連ビジネスを展開している。18年12月期減益予想だが、19年12月期の収益拡大を期待したい。株価は下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。なお2月12日に18年12月期決算発表を予定している。

■医療分野ビッグデータ関連ビジネス

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。17年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが49%、データ利活用サービスが51%だった。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。18年12月末の大規模診療データベース実患者数は17年12月末比476万人増加の2593万人となった。

 収益は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

■事業領域拡大

 事業領域拡大に向けて、17年1月医師向けサービスのDoctorbookを子会社化、17年2月OTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマ・ヘルスケアを設立、17年6月SMO業務のコスメックス(現MDVトライアル)を子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携、18年1月国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。

 なお1月15日にMDVコンシューマ・ヘルスケアの事業を全部廃止(19年4月30日予定)すると発表した。民間最大級の大規模診療データベースを活用してOTC医薬品・H&BC製品の製造販売に参入したが、17年7月販売開始したスキンケアシリーズに大幅な販売計画の遅れを生じたため、事業撤退を決定した。

■CADA−BOX導入推進

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析のEVEから、病院向け経営支援のMedical Codeにシフトするとともに、病院向けデジタルソリューションのCADA−BOXの導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービスのカルテコと、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスのCADA決済を、電子カルテと連動させて活用するサービスである。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービスのアドホックを主力としている。

 18年12月期第3四半期末時点の導入数は、EVEが802病院、Medical Codeが273病院、CADA−BOXが7病院(稼働5病院、稼働準備中2病院)となった。

■成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長戦略で、17年12月期〜19年12月期を成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。

■未病領域データ事業を開始

 18年9月には未病領域データ事業を発表した。従来のDPCデータから、次のフェーズであるオプトインリアルタイムデータ(個人から同意を得てリアルタイムに集積する診療情報、健診・検診情報)に軸足を移行しながら、DPCデータとオプトインリアルタイムデータを相互に集積した「さくらデータバンク」として成長を推進する。

 そして2025年に8259億円と予想される医療ビッグデータ市場において、先行してシェア獲得を目指す。また医療分野におけるIoT・AI活用事業を推進するための布石とも位置付けている。

 未病領域データ事業は乳がん領域の健診・検診データ集積からスタートする。アジアNO.1の女性医療を目指す相良病院と提携し、健診施設や検診バスで受診する際に個人から二次利用の同意を得て健診・検診データを集積する。なお健診・検診データ利活用は、第1弾として子会社Doctorbookの「SCAPO」から開始する。また子会社MDVチェックアップが健診・検診センター向け「けんしんBOX」導入を促進する。

■18年12月期減益予想、19年12月期の収益拡大期待

 18年12月期連結業績予想(11月12日に下方修正)は、売上高が17年12月期比8.5%増の35億円、営業利益が63.5%減の2億08百万円、経常利益が63.2%減の2億08百万円、純利益が0百万円(17年12月期は3億54百万円)としている。

 データ利活用サービスが順調に伸長するが、子会社のMDVコンシューマ・ヘルスケアおよびMDVトライアルの事業進捗遅れ、CADA−BOXの新規受注遅れ(新規受注目標24病院に対して第3四半期末時点で2病院)、病院向けパッケージ商品の受注遅れ(営業人員の戦力化遅れ)で売上高が計画を下回る。コスト増加を吸収できず大幅減益予想としている。MDVトライアルの治験事業の本格的な事業開始は19年12月期となる見込みだ。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比14.0%増の24億03百万円、営業利益が18百万円の赤字(前年同期は1億71百万円の黒字)、経常利益が18百万円の赤字(同1億68百万円の黒字)、純利益が1億42百万円の赤字(同75百万円の黒字)だった。

 売上高は、データ利活用サービスがアドホックを成長ドライバーとして27.7%増の12億77百万円と大幅伸長したが、データネットワークサービスが1.6%増の11億26百万円と伸び悩んだ。営業利益はコスト増加を吸収できず大幅減益だった。なお子会社MDVコンシューマ・ヘルスケアの高保湿プレミアムスキンケアシリーズ「KISOU」の大幅な販売計画遅れにより、売上原価に商品評価損1億33百万円を計上した。

 18年12月期減益予想だが、大規模診療データベース実患者数は順調に増加している。19年12月期の収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。配当は患者のリアルタイムデータ集積によるデータ利活用サービスの拡大に目途がついた段階で検討していく方針だ。

■株価は下値固め完了感

 株価は下値固め完了感を強めている。地合い悪の影響で1月4日に839円まで下押す場面があったが、概ね900円台で推移している。1月18日にはストップ高の1054円まで急伸した。出直りを期待したい。1月18日の終値は1054円、時価総額は約422億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月17日更新]

メディカル・データ・ビジョンは売り一巡感、18年12月期減益予想だが19年12月期収益拡大期待

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、民間最大級の大規模診療データベースを活用して医療分野ビッグデータ関連ビジネスを展開している。18年12月期は下方修正して減益予想だが、大規模診療データベース実患者数は順調に増加している。19年12月期の収益拡大を期待したい。株価は売り一巡感を強めている。反発を期待したい。

■医療分野のビッグデータ関連ビジネス

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。17年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが49%、データ利活用サービスが51%だった。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして主に製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。収益は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

 17年1月医師向けサービスのDoctorbookを子会社化、17年2月OTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマ・ヘルスケアを設立、17年6月SMO業務のコスメックス(現MDVトライアル)を子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携、18年1月国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。

■CADA−BOXの導入推進

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析のEVEから、病院向け経営支援のMedical Codeにシフトするとともに、病院向けデジタルソリューションのCADA−BOXの導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービスのカルテコと、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスのCADA決済を、電子カルテと連動させて活用するサービスである。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービスのアドホックを主力としている。

 18年12月期第3四半期末時点の導入数は、EVEが802病院、Medical Codeが273病院、CADA−BOXが7病院(稼働5病院、稼働準備中2病院)となった。

 また18年11月末の大規模診療データベース実患者数は17年12月末比440万人増加の2557万人となった。民間最大級の大規模診療データベースを活用してOTC医薬品・H&BC製品の製造販売、SMO事業などの新規分野への事業展開も推進している。

■成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長戦略で、17年12月期〜19年12月期を成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。

■未病領域データ事業を開始

 18年9月には未病領域データ事業を発表した。従来のDPCデータから、次のフェーズであるオプトインリアルタイムデータ(個人から同意を得てリアルタイムに集積する診療情報、健診・検診情報)に軸足を移行しながら、DPCデータとオプトインリアルタイムデータを相互に集積した「さくらデータバンク」として成長を推進する。

 そして2025年に8259億円と予想される医療ビッグデータ市場において、先行してシェア獲得を目指す。また医療分野におけるIoT・AI活用事業を推進するための布石とも位置付けている。

 未病領域データ事業は乳がん領域の健診・検診データ集積からスタートする。アジアNO.1の女性医療を目指す相良病院と提携し、健診施設や検診バスで受診する際に個人から二次利用の同意を得て健診・検診データを集積する。なお健診・検診データ利活用は、第1弾として子会社Doctorbookの「SCAPO」から開始する。また子会社MDVチェックアップが健診・検診センター向け「けんしんBOX」導入を促進する。

■18年12月期減益予想、19年12月期の収益拡大期待

 18年12月期連結業績予想(11月12日に下方修正)は、売上高が17年12月期比8.5%増の35億円、営業利益が63.5%減の2億08百万円、経常利益が63.2%減の2億08百万円、純利益が%増の0百万円(17年12月期は3億54百万円)としている。

 データ利活用サービスが順調に伸長するが、子会社のMDVコンシューマ・ヘルスケアおよびMDVトライアルの事業進捗遅れ、CADA−BOXの新規受注遅れ(新規受注目標24病院に対して第3四半期末時点で2病院)、病院向けパッケージ商品の受注遅れ(営業人員の戦力化遅れ)で売上高が計画を下回る。コスト増加を吸収できず大幅減益予想としている。MDVトライアルの治験事業の本格的な事業開始は19年12月期となる見込みだ。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比14.0%増の24億03百万円、営業利益が18百万円の赤字(前年同期は1億71百万円の黒字)、経常利益が18百万円の赤字(同1億68百万円の黒字)、純利益が1億42百万円の赤字(同75百万円の黒字)だった。

 売上高は、データ利活用サービスがアドホックを成長ドライバーとして27.7%増の12億77百万円と大幅伸長したが、データネットワークサービスが1.6%増の11億26百万円と伸び悩んだ。営業利益はコスト増加を吸収できず大幅減益だった。なお子会社MDVコンシューマ・ヘルスケアの高保湿プレミアムスキンケアシリーズ「KISOU」の大幅な販売計画遅れにより、売上原価に商品評価損1億33百万円を計上した。

 18年12月期減益予想だが、大規模診療データベース実患者数は順調に増加している。19年12月期の収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。配当は患者のリアルタイムデータ集積によるデータ利活用サービスの拡大に目途がついた段階で検討していく方針だ。

■株価は売り一巡感

 株価は11月15日の年初来安値891円まで急落したが、その後は1000円近辺で推移して売り一巡感を強めている。反発を期待したい。12月14日の終値は1020円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS79円08銭で算出)は約13倍、時価総額は約408億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月22日更新]

メディカル・データ・ビジョンは売り一巡して反発の動き、18年12月期下方修正して減益予想だが19年12月期の収益拡大期待

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、民間最大級の大規模診療データベースを活用して医療分野ビッグデータ関連ビジネスを展開している。18年12月期は下方修正して減益予想となったが、19年12月期の収益拡大を期待したい。株価は売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■医療分野のビッグデータ関連ビジネス

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。17年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが49%、データ利活用サービスが51%だった。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして主に製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。収益は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

 17年1月医師向けサービスのDoctorbookを子会社化、17年2月OTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマ・ヘルスケアを設立、17年6月SMO業務のコスメックス(現MDVトライアル)を子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携、18年1月国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。

■CADA−BOXの導入推進

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析のEVEから、病院向け経営支援のMedical Codeにシフトするとともに、病院向けデジタルソリューションのCADA−BOXの導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービスのカルテコと、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスのCADA決済を、電子カルテと連動させて活用するサービスである。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービスのアドホックを主力としている。

 18年12月期第3四半期末時点の導入数は、EVEが802病院、Medical Codeが273病院、CADA−BOXが7病院(稼働5病院、稼働準備中2病院)となった。

 また18年10月末の大規模診療データベース実患者数は17年12月末比383万人増加の2500万人となった。民間最大級の大規模診療データベースを活用してOTC医薬品・H&BC製品の製造販売、SMO事業などの新規分野への事業展開も推進している。

■成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長戦略で、17年12月期〜19年12月期を成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。

■未病領域データ事業を開始

 18年9月には未病領域データ事業を発表した。従来のDPCデータから、次のフェーズであるオプトインリアルタイムデータ(個人から同意を得てリアルタイムに集積する診療情報、健診・検診情報)に軸足を移行しながら、DPCデータとオプトインリアルタイムデータを相互に集積した「さくらデータバンク」として成長を推進する。

 そして2025年に8259億円と予想される医療ビッグデータ市場において、先行してシェア獲得を目指す。また医療分野におけるIoT・AI活用事業を推進するための布石とも位置付けている。

 未病領域データ事業は乳がん領域の健診・検診データ集積からスタートする。アジアNO.1の女性医療を目指す相良病院と提携し、健診施設や検診バスで受診する際に個人から二次利用の同意を得て健診・検診データを集積する。なお健診・検診データ利活用は、第1弾として子会社Doctorbookの「SCAPO」から開始する。また子会社MDVチェックアップが健診・検診センター向け「けんしんBOX」導入を促進する。

■18年12月期下方修正して減益予想、19年12月期の収益拡大期待

 18年12月期連結業績予想は11月12日に下方修正して、売上高が17年12月期比8.5%増の35億円、営業利益が63.5%減の2億08百万円、経常利益が63.2%減の2億08百万円、純利益が%増の0百万円(17年12月期は3億54百万円)としている。

 データ利活用サービスが順調に伸長するが、子会社のMDVコンシューマ・ヘルスケアおよびMDVトライアルの事業進捗遅れ、CADA−BOXの新規受注遅れ(新規受注目標24病院に対して第3四半期時点での新規受注2病院)、および病院向けパッケージ商品の受注遅れ(営業人員の戦力化遅れ)で売上高が計画を下回り、コスト増加を吸収できず大幅減益予想となった。MDVトライアルの治験事業の本格的な事業開始は19年12月期となる見込みだ。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比14.0%増の24億03百万円、営業利益が18百万円の赤字(前年同期は1億71百万円の黒字)、経常利益が18百万円の赤字(同1億68百万円の黒字)、純利益が1億42百万円の赤字(同75百万円の黒字)だった。

 売上高は、データ利活用サービスがアドホックを成長ドライバーとして27.7%増の12億77百万円と大幅伸長したが、データネットワークサービスが1.6%増の11億26百万円と伸び悩んだ。営業利益はコスト増加を吸収できず大幅減益だった。なお子会社MDVコンシューマ・ヘルスケアの高保湿プレミアムスキンケアシリーズ「KISOU」の大幅な販売計画遅れにより、売上原価に商品評価損1億33百万円を計上した。

 18年12月期は減益予想となったが、19年12月期の収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。配当は患者のリアルタイムデータ集積によるデータ利活用サービスの拡大に目途がついた段階で検討していく方針だ。

■株価は売り一巡して反発の動き

 株価は下方修正を嫌気して1700円台から11月15日の年初来安値891円まで急落したが、その後は売りが一巡して反発の動きを強めている。11月21日には1230円まで急伸する場面があった。11月21日の終値は1110円、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS79円08銭で算出)は約14倍、時価総額は約444億円である。出直りを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月22日更新]

メディカル・データ・ビジョンは自律調整交えながら上値試す、18年12月期大幅増収増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、民間最大級の大規模診療データベースを活用して医療分野ビッグデータ関連ビジネスを展開している。18年9月には未病領域データ事業を発表した。18年12月期大幅増収増益予想である。株価は下値を切り上げて戻り歩調だ。自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。なお11月12日に第3四半期決算発表を予定している。

■医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。17年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが49%、データ利活用サービスが51%だった。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして主に製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。

 収益源は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

 17年1月医師向けサービスのDoctorbookを子会社化、17年2月OTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマー・ヘルスケアを設立、17年6月SMO業務のコスメックス(現MDVトライアル)を子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携、18年1月国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。

■「CADA−BOX」の導入推進

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析「EVE」から、病院向け経営支援「Medical Code」にシフトするとともに、病院向けデジタルソリューション「CADA−BOX」の導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービス「カルテコ」と、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスの「CADA決済」を、電子カルテと連動させて活用するサービスだ。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービス「アドホック」を主力としている。

 18年12月期第2四半期末の導入数は17年12月期末比で、EVEが3病院増加の802病院、Medical Codeが4病院増加の269病院となった。CADA−BOXは稼働5病院、新規受注3病院だった。

 また18年9月末の大規模診療データベース実患者数は17年12月末比373万人増加の2490万人となった。民間最大級の大規模診療データベースを活用してOTC医薬品・H&BC製品の製造販売、SMO事業などの新規分野への事業展開も推進している。

■成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長戦略で、17年12月期〜19年12月期を成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。

■未病領域データ事業を開始

 18年9月には未病領域データ事業を発表した。従来のDPCデータから、次のフェーズであるオプトインリアルタイムデータ(個人から同意を得てリアルタイムに集積する診療情報、健診・検診情報)に軸足を移行しながら、DPCデータとオプトインリアルタイムデータを相互に集積した「さくらデータバンク」として成長を推進する。

 そして2025年に8259億円と予想される医療ビッグデータ市場において、先行してシェア獲得を目指す。また医療分野におけるIoT・AI活用事業を推進するための布石とも位置付けている。

 未病領域データ事業は乳がん領域の健診・検診データ集積からスタートする。アジアNO.1の女性医療を目指す相良病院と提携し、健診施設や検診バスで受診する際に個人から二次利用の同意を得て健診・検診データを集積する。なお健診・検診データ利活用は、第1弾として子会社Doctorbookの「SCAPO」から開始する。また子会社MDVチェックアップが健診・検診センターへの「けんしんBOX」導入を促進する。

■18年12月期大幅増収増益予想

 18年12月期連結業績予想は、売上高が17年12月期比45.7%増の47億円、営業利益が40.5%増の7億99百万円、経常利益が41.6%増の8億円、純利益が38.7%増の4億91百万円としている。データネットワークサービス、データ利活用サービスとも伸長して、大幅増収増益予想である。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比10.4%増の14億72百万円、営業利益が40百万円の赤字(前年同期は1億44百万円の黒字)、経常利益が40百万円の赤字(同1億42百万円の黒字)、純利益が87百万円の赤字(同85百万円の黒字)だった。

 売上高はアドホックを成長ドライバーとして、ほぼ計画水準の2桁増収だった。売上高の内訳はデータネットワークサービスが3.1%増の7億22百万円、データ利活用サービスが18.5%増の7億50百万円だった。営業利益と経常利益は、営業強化やM&Aに伴う人件費の増加、本社増床による地代家賃の増加などで赤字だったが、計画に対してはコストコントロールなどで、それぞれ約2億円上回った。

 通期ベースでは、データネットワークサービスはCADA−BOXの24病院への導入、Medical Codeの拡大に取り組む。CADA−BOXの新規受注は計画に対して若干遅れているが、受注見込み67病院に対して下期に受注決定を推進する。データ利活用サービスはデータを活用した治験事業の本格展開、健診・検診データを活用したセカンドオピニオンサービス(Doctorbook社)開始、PMS(製造販売後調査)における医療データベース活用開始、アドホック調査サービスのさらなる拡大に取り組む。

 第2四半期累計は赤字だったが、データ利活用サービスにおいて下期偏重の特性があり、通期ベースで好業績を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。配当は患者のリアルタイムデータ集積によるデータ利活用サービスの拡大に目途がついた段階で検討していく方針だ。

■株価は自律調整交えながら上値試す

 株価は下値を切り上げて戻り歩調だ。地合い悪化の影響は限定的のようだ。10月19日の終値1877円を指標面(1株当たり数値は18年5月1日付株式2分割換算後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS12円29銭で算出)は約153倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS79円08銭で算出)は約24倍、時価総額は約751億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月21日更新]

メディカル・データ・ビジョンは自律調整一巡して上値試す、18年12月期大幅増収増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開し、民間最大級の大規模診療データベースを活用して治験事業などにも進出している。18年12月期大幅増収増益予想である。株価は8月の戻り高値圏から反落したが、自律調整一巡して上値を試す展開を期待したい。なお9月25日に「新事業に関する説明会」をライブ配信する。

■医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。17年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが49%、データ利活用サービスが51%だった。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして主に製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析「EVE」から、病院向け経営支援「Medical Code」にシフトしている。また新規分野として、病院向けデジタルソリューション「CADA−BOX」の導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービス「カルテコ」と、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスの「CADA決済」を、電子カルテと連動させて活用するサービスだ。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービス「アドホック」を主力としている。
 18年12月期第2四半期末の導入数は17年12月期末比で、EVEが3病院増加の802病院、Medical Codeが4病院増加の269病院となった。またCADA−BOXは稼働5病院、新規受注3病院だった。

 また18年8月末の大規模診療データベース実患者数は17年12月末比336万人増加の2453万人となった。民間最大級の大規模診療データベースを活用してOTC医薬品・H&BC製品の製造販売、SMO事業などの新規分野への事業展開も推進している。

 収益源は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

■成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長戦略で、17年12月期〜19年12月期を成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。

 17年1月医師向けサービスのDoctorbookを子会社化、17年2月OTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマー・ヘルスケアを設立、17年6月SMO業務のコスメックス(現MDVトライアル)を子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携、18年1月国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。

■18年12月期大幅増収増益予想

 18年12月期連結業績予想は、売上高が17年12月期比45.7%増の47億円、営業利益が40.5%増の7億99百万円、経常利益が41.6%増の8億円、純利益が38.7%増の4億91百万円としている。データネットワークサービス、データ利活用サービスとも伸長して、大幅増収増益予想である。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比10.4%増の14億72百万円、営業利益が40百万円の赤字(前年同期は1億44百万円の黒字)、経常利益が40百万円の赤字(同1億42百万円の黒字)、純利益が87百万円の赤字(同85百万円の黒字)だった。

 売上高はアドホックを成長ドライバーとして、ほぼ計画水準の2桁増収だった。売上高の内訳はデータネットワークサービスが3.1%増の7億22百万円、データ利活用サービスが18.5%増の7億50百万円だった。営業利益と経常利益は、営業強化やM&Aに伴う人件費の増加、本社増床による地代家賃の増加などで赤字だったが、計画に対してはコストコントロールなどで、それぞれ約2億円上回った。

 通期ベースでは、データネットワークサービスはCADA−BOXの24病院への導入、Medical Codeの拡大に取り組む。CADA−BOXの新規受注は計画に対して若干遅れているが、受注見込み67病院に対して下期に受注決定を推進する。データ利活用サービスはデータを活用した治験事業の本格展開、健診・検診データを活用したセカンドオピニオンサービス(Doctorbook社)開始、PMS(製造販売後調査)における医療データベース活用開始、アドホック調査サービスのさらなる拡大に取り組む。

 第2四半期累計は赤字だったが、データ利活用サービスにおいて下期偏重の特性があり、通期ベースで好業績を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。配当は患者のリアルタイムデータ集積によるデータ利活用サービスの拡大に目途がついた段階で検討していく方針だ。

■株価は自律調整一巡して上値試す

 株価は8月の戻り高値2009円から反落したが、1700円近辺から切り返している。自律調整の範囲だろう。

 9月20日の終値1791円を指標面(1株当たり数値は18年5月1日付株式2分割換算後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS12円29銭で算出)は約146倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS79円08銭で算出)は約23倍、時価総額は約717億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を突破して先高観を強めている。自律調整一巡して上値を試す展開を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月24日更新]

メディカル・データ・ビジョンは調整一巡感、18年12月期2Q累計赤字だが計画超、通期大幅増収増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開し、民間最大級の大規模診療データベースを活用して治験事業などにも進出している。18年12月期第2四半期累計は赤字だったが、計画を上回った。そして通期は大幅増収増益予想である。株価は調整一巡感を強めている。

■医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。17年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが49%、データ利活用サービスが51%だった。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして主に製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析「EVE」から、病院向け経営支援「Medical Code」にシフトしている。また新規分野として、病院向けデジタルソリューション「CADA−BOX」の導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービス「カルテコ」と、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスの「CADA決済」を、電子カルテと連動させて活用するサービスだ。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービス「アドホック」を主力としている。
 17年12月期末の導入病院数は、EVEが16年12月期末比8増加の799病院、Medical Codeが41増加の265病院、CADA−BOXが5病院(稼働済み3病院、導入準備2病院)となった。

 なお18年7月末の大規模診療データベース実患者数は17年12月末比281万人増加の2398万人となった。民間最大級の大規模診療データベースを活用してOTC医薬品・H&BC製品の製造販売、SMO事業などの新規分野への事業展開も推進している。

 収益源は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

■成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長戦略で、17年12月期〜19年12月期を成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。

 17年1月医師向けサービスのDoctorbookを子会社化、17年2月OTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマー・ヘルスケアを設立、17年6月SMO業務のコスメックス(現MDVトライアル)を子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携、18年1月国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。

■18年12月期2Q累計赤字だが計画超、通期大幅増収増益予想

 18年12月期連結業績予想は、売上高が17年12月期比45.7%増の47億円、営業利益が40.5%増の7億99百万円、経常利益が41.6%増の8億円、純利益が38.7%増の4億91百万円としている。データネットワークサービス、データ利活用サービスとも伸長して、大幅増収増益予想である。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比10.4%増の14億72百万円、営業利益が40百万円の赤字(前年同期は1億44百万円の黒字)、経常利益が40百万円の赤字(同1億42百万円の黒字)、純利益が87百万円の赤字(同85百万円の黒字)だった。

 売上高はアドホックを成長ドライバーとして、ほぼ計画水準の2桁増収だった。営業利益と経常利益は営業強化やM&Aに伴う人件費の増加、本社増床による地代家賃の増加などで赤字だったが、計画に対してはコストコントロールなどで、それぞれ約2億円上回った。

 売上高の内訳はデータネットワークサービスが3.1%増の7億22百万円、データ利活用サービスが18.5%増の7億50百万円だった。第2四半期末の導入数はEVEが802病院、Medical Codeが269病院だった。CADA−BOXは稼働5病院、新規受注3病院だった。

 通期ベースでは、データネットワークサービスはCADA−BOXの24病院への導入、Medical Codeの拡大に取り組む。CADA−BOXの新規受注は計画に対して若干遅れているが、受注見込み67病院に対して下期に受注決定を推進する。データ利活用サービスはデータを活用した治験事業の本格展開、健診・検診データを活用したセカンドオピニオンサービス(Doctorbook社)開始、PMS(製造販売後調査)における医療データベース活用開始、アドホック調査サービスのさらなる拡大に取り組む。

 第2四半期累計は赤字だったが、データ利活用サービスにおいて下期偏重の特性があり、通期ベースで好業績を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末の株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。配当は患者のリアルタイムデータ集積によるデータ利活用サービスの拡大に目途がついた段階で検討していく方針だ。

■株価は調整一巡感

 株価はやや戻りの鈍い展開だが、直近安値圏の1400円近辺から反発して調整一巡感を強めている。

 8月23日の終値1683円を指標面(1株当たり数値は18年5月1日付株式2分割換算後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS12円29銭で算出)は約137倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS79円08銭で算出)は約21倍、時価総額は約674億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[7月09日更新]

メディカル・データ・ビジョンは調整一巡感、18年12月期大幅増収増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開し、民間最大級の大規模診療データベースを活用して治験事業などにも進出している。18年12月期大幅増収増益予想である。株価は戻りの鈍い展開だが調整一巡感を強めている。

■医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。17年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービスが49%、データ利活用サービスが51%だった。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして主に製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析「EVE」から、病院向け経営支援「Medical Code」にシフトしている。また新規分野として、病院向けデジタルソリューション「CADA−BOX」の導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービス「カルテコ」と、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスの「CADA決済」を、電子カルテと連動させて活用するサービスだ。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービス「アドホック」を主力としている。

 17年12月期末の導入病院数は、EVEが16年12月期末比8増加の799病院、Medical Codeが41増加の265病院、CADA−BOXが5病院(稼働済み3病院、導入準備2病院)となった。

 なお18年6月末の大規模診療データベース実患者数は17年12月末比260万人増加の2377万人となった。民間最大級の大規模診療データベースを活用してOTC医薬品・H&BC製品の製造販売、SMO事業などの新規分野への事業展開も推進している。

 収益源は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)である。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

■成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長戦略で、17年12月期〜19年12月期を成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。

 17年1月医師向け会員型サービスのDoctorbookを子会社化、17年2月OTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマー・ヘルスケア設立、17年6月SMO業務のコスメックスを子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携、18年1月国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。

■18年12月期大幅増収増益予想

 18年12月期連結業績予想は、売上高が17年12月期比45.7%増の47億円、営業利益が40.5%増の7億99百万円、経常利益が41.6%増の8億円、純利益が38.7%増の4億91百万円としている。データネットワークサービス、データ利活用サービスとも伸長して、大幅増収増益予想である。

 第1四半期は売上高が前年同期比9.1%増の7億03百万円、営業利益が31百万円の赤字(前年同期は64百万円の黒字)、経常利益が31百万円の赤字(同63百万円の黒字)、純利益が51百万円の赤字(同46百万円の黒字)だった。

 売上高の内訳はデータネットワークサービスが横ばいの3億10百万円、データ利活用サービスが17.3%増の3億93百万円だった。アドホックを成長ドライバーとして計画水準の増収だった。第1四半期末の導入数はEVEが795病院、Medical Codeが261病院だった。CADA−BOXは5病院(既稼働4、稼働準備1)で、新規受注は2病院だった。

 利益面では、営業強化やM&Aに伴う人件費の増加、本社増床による地代家賃の増加などが影響したが、計画を上回った。

 通期ベースでは、データネットワークサービスはCADA−BOXの24病院への導入、Medical Codeの拡大に取り組む。データ利活用サービスはデータを活用した治験事業(コスメックス社)の本格的展開開始、健診・検診データを活用したセカンドオピニオンサービス(Doctorbook社)の開始、アドホック調査サービスのさらなる拡大に取り組む。

 第1四半期は赤字だったが、データ利活用サービスにおいて下期偏重の特性があり、通期ベースで好業績を期待したい。

■株主優待制度は12月末に実施

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。配当は患者のリアルタイムデータ集積によるデータ利活用サービスの拡大に目途がついた段階で検討していく方針だ。

■株価は調整一巡感

 株価(18年5月1日付で株式2分割)はやや戻りの鈍い展開だが、5月の安値圏1400円割れ水準まで下押すことなく調整一巡感を強めている。

 7月6日の終値1518円を指標面(1株当たり数値は18年5月1日付株式2分割換算後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS12円29銭で算出)は約124倍、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS79円08銭で算出)は約19倍である。時価総額は約608億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で推移している。調整一巡して出直りを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月11日更新]

メディカル・データ・ビジョンは反発の動き、18年12月期大幅増収増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開し、民間最大級の大規模診療データベースを活用して治験事業などにも進出している。18年12月期大幅増収増益予想である。株価は調整一巡して反発の動きを強めている。

■医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして主に製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析「EVE」から、病院向け経営支援「Medical Code」にシフトしている。また新規分野として、病院向けデジタルソリューション「CADA−BOX」の導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービス「カルテコ」と、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスの「CADA決済」を、電子カルテと連動させて活用するサービスだ。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービス「アドホック」を主力としている。
 17年12月期末の導入病院数は、EVEが16年12月期末比8増加の799病院、Medical Codeが41増加の265病院、CADA−BOXが5病院(稼働済み3病院、導入準備2病院)となった。

 なお18年5月末の大規模診療データベース実患者数は17年12月末比237万人増加の2354万人となった。民間最大級の大規模診療データベースを活用してOTC医薬品・H&BC製品の製造販売、SMO事業などの新規分野への事業展開も推進している。

 収益源は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)で、17年12月期事業別売上構成比はデータネットワークサービス49%、データ利活用サービス51%だった。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

■成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長戦略で、17年12月期〜19年12月期を成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。

 17年1月医師向け会員型サービスのDoctorbookを子会社化、17年2月OTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマー・ヘルスケア設立、17年6月SMO業務のコスメックスを子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携してCADA−BOXに新機能を追加した。

 18年1月には、国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。カルテコとMRSOを連携したサービスを共同開発する。

■18年12月期大幅増収増益予想

 18年12月期連結業績予想は、売上高が17年12月期比45.7%増の47億円、営業利益が40.5%増の7億99百万円、経常利益が41.6%増の8億円、純利益が38.7%増の4億91百万円としている。データネットワークサービス、データ利活用サービスとも伸長して、大幅増収増益予想である。

 第1四半期は売上高が前年同期比9.1%増の7億03百万円、営業利益が31百万円の赤字(前年同期は64百万円の黒字)、経常利益が31百万円の赤字(同63百万円の黒字)、純利益が51百万円の赤字(同46百万円の黒字)だった。

 売上高の内訳はデータネットワークサービスが横ばいの3億10百万円、データ利活用サービスが17.3%増の3億93百万円だった。アドホックを成長ドライバーとして計画水準の増収だった。第1四半期末の導入数はEVEが795病院、Medical Codeが261病院だった。CADA−BOXは5病院(既稼働4、稼働準備1)で、新規受注は2病院だった。

 利益は、営業強化やM&Aに伴う人件費の増加や、本社増床による地代家賃の増加で減益だが、計画を上回った。

 通期ベースでは、データネットワークサービスはCADA−BOXの24病院への導入、Medical Codeの拡大に取り組む。データ利活用サービスはデータを活用した治験事業(コスメックス社)の本格的展開開始、健診・検診データを活用したセカンドオピニオンサービス(Doctorbook社)の開始、アドホック調査サービスのさらなる拡大に取り組む。

 第1四半期は赤字だったが、データ利活用サービスにおいて下期偏重の特性があり、通期ベースで好業績を期待したい。

■株主優待制度は12月末に実施

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。配当は患者のリアルタイムデータ集積によるデータ利活用サービスの拡大に目途がついた段階で検討していく方針だ。

■株価は調整一巡して反発の動き

 株価(18年5月1日付で株式2分割)は、4月の上場来高値2370円から急反落したが、1400円近辺から反発の動きを強めている。6月5日には1713円まで上伸した。調整が一巡したようだ。

 6月8日の終値1600円を指標面(1株当たり数値は18年5月1日付株式2分割換算後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS12円29銭で算出)は約130倍、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS79円08銭で算出)は約20倍である。時価総額は約640億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返す動きだ。調整一巡して出直りを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月09日更新]

メディカル・データ・ビジョンは調整一巡して反発期待、18年12月期大幅増収増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開し、民間最大級の大規模診療データベースを活用して治験事業などにも進出している。18年12月期大幅増収増益予想である。株価は4月高値圏から急反落したが売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して反発を期待したい。

■医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして主に製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析「EVE」から、病院向け経営支援「Medical Code」にシフトしている。また新規分野として、病院向けデジタルソリューション「CADA−BOX」の導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービス「カルテコ」と、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスの「CADA決済」を、電子カルテと連動させて活用するサービスだ。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービス「アドホック」を主力としている。

 17年12月期末の導入病院数は、EVEが16年12月期末比8増加の799病院、Medical Codeが41増加の265病院、CADA−BOXが5病院(稼働済み3病院、導入準備2病院)となった。

 なお18年4月末の大規模診療データベース実患者数は17年12月末比170万人増加の2287万人となった。民間最大級の大規模診療データベースを活用してOTC医薬品・H&BC製品の製造販売、SMO事業などの新規分野への事業展開も推進している。

 収益源は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)で、17年12月期事業別売上構成比はデータネットワークサービス49%、データ利活用サービス51%だった。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

■成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長戦略で、17年12月期〜19年12月期を成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。

 17年1月医師向け会員型サービスのDoctorbookを子会社化、17年2月OTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマー・ヘルスケア設立、17年6月SMO業務のコスメックスを子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携してCADA−BOXに新機能を追加した。

 18年1月には、国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。カルテコとMRSOを連携したサービスを共同開発する。

■18年12月期大幅増収増益予想

 18年12月期連結業績予想は、売上高が17年12月期比45.7%増の47億円、営業利益が40.5%増の7億99百万円、経常利益が41.6%増の8億円、純利益が38.7%増の4億91百万円としている。データネットワークサービス、データ利活用サービスとも伸長して、大幅増収増益予想である。

 データネットワークサービスでは、CADA−BOXの24病院への導入、Medical Codeの拡大に取り組む。データ利活用サービスでは、データを活用した治験事業(コスメックス社)の本格的展開開始、健診・検診データを活用したセカンドオピニオンサービス(Doctorbook社)の開始、アドホック調査サービスのさらなる拡大に取り組む。

■株主優待制度は12月末に実施

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。配当は患者のリアルタイムデータ集積によるデータ利活用サービスの拡大に目途がついた段階で検討していく方針だ。

■株価は調整一巡して反発期待

 株価(効力発生日18年5月1日で株式2分割)は4月の上場来高値2370円から反落して水準を切り下げたが、売られ過ぎ感を強めている。

 5月8日の終値1525円を指標面(1株当たり数値は18年5月1日付株式2分割換算後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS12円29銭で算出)は約124倍、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS79円08銭で算出)は約19倍である。時価総額は約610億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が20%程度まで拡大して売られ過ぎ感を強めている。また週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋る形だ。調整一巡して反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月05日更新]

メディカル・データ・ビジョンは高値更新の展開、18年12月期大幅増収増益予想、4月30日基準日で株式2分割

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。民間最大級の大規模診療データベースを活用して治験事業などにも進出している。18年12月期大幅増収増益予想である。そして基準日18年4月30日で1株を2株に分割する。株価は上場来高値更新の展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。

■医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして主に製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。

 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析「EVE」から、病院向け経営支援「Medical Code」にシフトしている。また新規分野として、病院向けデジタルソリューション「CADA−BOX」の導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービス「カルテコ」と、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスの「CADA決済」を、電子カルテと連動させて活用するサービスだ。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービス「アドホック」を主力としている。

 17年12月期末の導入病院数は、EVEが16年12月期末比8増加の799病院、Medical Codeが41増加の265病院、CADA−BOXが5病院(稼働済み3病院、導入準備2病院)となった。

 なお18年3月末の大規模診療データベース実患者数は17年12月末比133万人増加の2250万人となった。民間最大級の大規模診療データベースを活用してOTC医薬品・H&BC製品の製造販売、SMO事業などの新規分野への事業展開も推進している。

 収益源は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)で、17年12月期事業別売上構成比はデータネットワークサービス49%、データ利活用サービス51%だった。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

■成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長イメージでは、17年12月期〜19年12月期を成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。

 17年1月医師向け会員型サービスのDoctorbookを子会社化、17年2月OTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマー・ヘルスケア設立、17年6月SMO業務のコスメックスを子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携してCADA−BOXに新機能を追加した。

 18年1月には、国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。カルテコとMRSOを連携したサービスを共同開発する。

■18年12月期大幅増収増益予想

 18年12月期連結業績予想は、売上高が17年12月期比45.7%増の47億円、営業利益が40.5%増の7億99百万円、経常利益が41.6%増の8億円、純利益が38.7%増の4億91百万円としている。データネットワークサービス、データ利活用サービスとも伸長して、大幅増収増益予想である。

 データネットワークサービスでは、CADA−BOXの24病院への導入、Medical Codeの拡大に取り組む。データ利活用サービスでは、データを活用した治験事業(コスメックス社)の本格的展開開始、健診・検診データを活用したセカンドオピニオンサービス(Doctorbook社)の開始、アドホック調査サービスのさらなる拡大に取り組む。

■株主優待制度は12月末に実施

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。配当は患者のリアルタイムデータ集積によるデータ利活用サービスの拡大に目途がついた段階で検討していく方針だ。

■株価は上場来高値更新の展開

 3月27日に株式分割を発表した。基準日18年4月30日(効力発生日18年5月1日)で1株を2株に分割する。

 株価は上場来高値更新の展開だ。3月30日には4700円まで上伸した。

 4月4日の終値4350円を指標面(1株当たり数値は18年5月1日付株式2分割前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS24円58銭で算出)は約177倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS158円17銭で算出)は約28倍である。時価総額は約870億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線、26週移動平均線とも上向いて先高観を強めている。自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月19日更新]

メディカル・データ・ビジョンは上場来高値更新の展開、18年12月期大幅増収増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。民間最大級の大規模診療データベースを活用して治験事業などにも進出している。18年12月期大幅増収増益予想である。株価は上場来高値更新の展開だ。目先的な過熱感を冷ますための自律調整を交えながら、上値を試す展開が期待される。
 
■医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開
 
 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。
 
 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして主に製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。
 
 データネットワークサービスは営業の主軸をDPC分析「EVE」から、病院向け経営支援「Medical Code」にシフトしている。また新規分野として、病院向けデジタルソリューション「CADA−BOX」の導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービス「カルテコ」と、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスの「CADA決済」を、電子カルテと連動させて活用するサービスだ。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービス「アドホック」を主力としている。
 
 17年12月期末の導入病院数は、EVEが16年12月期末比8増加の799病院、Medical Codeが41増加の265病院、CADA−BOXが5病院(稼働済み3病院、導入準備2病院)となった。
 
 また18年1月末の大規模診療データベース実患者数は17年12月末比20万人増加の2137万人となった。民間最大級の大規模診療データベースを活用してOTC医薬品・H&BC製品の製造販売、SMO事業などの新規分野への事業展開も推進している。
 
 収益源は医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)で、17年12月期事業別売上構成比はデータネットワークサービス49%、データ利活用サービス51%だった。またデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。
 
■成長の第4フェーズで17年12月期から投資回収
 
 中期成長イメージでは17年12月期〜19年12月期を、成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。
 
 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。
 
 17年1月医師向け会員型サービスのDoctorbookを子会社化、17年2月OTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマー・ヘルスケア設立、17年6月SMO業務のコスメックスを子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携してCADA−BOXに新機能を追加した。
 
 18年1月には、国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。カルテコとMRSOを連携したサービスを共同開発する。
 
■18年12月期大幅増収増益予想
 
 18年12月期連結業績予想は、売上高が17年12月期比45.7%増の47億円、営業利益が40.5%増の7億99百万円、経常利益が41.6%増の8億円、純利益が38.7%増の4億91百万円としている。データネットワークサービス、データ利活用サービスとも伸長して、大幅増収増益予想である。
 
 データネットワークサービスでは、CADA−BOXの24病院への導入、Medical Codeの拡大に取り組む。データ利活用サービスでは、データを活用した治験事業(コスメックス社)の本格的展開開始、健診・検診データを活用したセカンドオピニオンサービス(Doctorbook社)の開始、アドホック調査サービスのさらなる拡大に取り組む。
 
■株主優待制度は12月末に実施
 
 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。配当は患者のリアルタイムデータ集積によるデータ利活用サービスの拡大に目途がついた段階で検討していく方針だ。
 
■株価は上場来高値更新の展開
 
 株価は18年12月期大幅増収増益予想を好感する形で急伸した。その後も上場来高値更新の展開となって水準を切り上げている。3月9日には4150円まで上伸した。
 
 3月16日の終値4065円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS24円58銭で算出)は165倍近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS158円17銭で算出)は26倍近辺である。時価総額は約813億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線も上向きに転じて先高観を強めている。目先的な過熱感を冷ますための自律調整を交えながら、上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月01日更新]

メディカル・データ・ビジョンは急伸して高値更新の展開、18年12月期大幅増収増益予想
 
 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。民間最大級の大規模診療データベースを活用して治験事業などにも進出している。17年12月期は大幅増収増益だった。18年12月期も大幅増収増益予想である。株価は急伸して上場来高値更新の展開となった。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。
 
■医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開
 
 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。
 
 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして主に製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。
 
 18年1月末の大規模診療データベース実患者数は17年12月末比20万人増加の2137万人となった。民間最大級の大規模診療データベースを活用してOTC医薬品・H&BC製品の製造販売、SMO事業などの新規分野への事業展開も推進している。
 
 なおデータネットワークサービスでは16年12月期から、営業の主軸をDPC分析「EVE」から、病院向け経営支援「Medical Code」にシフトしている。また新規分野として、病院向けデジタルソリューション「CADA−BOX」の導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービス「カルテコ」と、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスの「CADA決済」を、電子カルテと連動させて活用するサービスだ。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービス「アドホック」を主力としている。
 
 17年12月期末の導入病院数は、EVEが16年12月期末比8増加の799病院、Medical Codeが41増加の265病院、CADA−BOXが5病院(稼働済み3病院、導入準備2病院)となった。
 
 医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)が収益源で、17年12月期事業別売上構成比はデータネットワークサービス49%、データ利活用サービス51%だった。収益面では特にデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。
 
■成長の第4フェーズで17年12月期から投資回収
 
 中期成長イメージでは17年12月期〜19年12月期を、成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。
 
 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。
 
 17年1月医師向け会員型サービスのDoctorbookを子会社化、17年2月OTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマー・ヘルスケア設立、17年6月SMO業務のコスメックスを子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携してCADA−BOXに新機能を追加した。
 
 18年1月には、国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社と資本業務提携した。カルテコとMRSOを連携したサービスを共同開発する。
 
■17年12月期大幅増収増益、各利益は計画超
 
 17年12月期連結業績は、売上高が16年12月期比22.5%増の32億25百万円、営業利益が32.1%増の5億69百万円、経常利益が36.0%増の5億65百万円、純利益が99.0%増の3億54百万円だった。5期連続増収増益だった。
 
 売上高はCADA−BOXの営業スケジュール遅延などで計画をやや下回ったが、各利益は計画超の大幅増益だった。収益性の高いデータ利活用サービスで、特に製薬会社向けアドホック調査サービスの案件数が増加して大型契約も寄与した。売上総利益率は80.8%で1.8ポイント低下、販管費比率は63.1%で3.1ポイント低下した。
 
 なおCADA−BOXは、期中15病院の稼働計画に対して、実績は稼働済み3病院、稼働準備2病院の合計5病院の導入にとどまったが、高い興味を持つ数十病院への営業活動を展開している。
 
 データネットワークサービスの売上高は9.3%増の15億71百万円(パッケージが5億93百万円、メンテナンスが8億72百万円、新規が1億05百万円)だった。データ利活用サービスは38.5%増の16億54百万円(MDV analyzerが2億96百万円、アドホックが12億63百万円、新規が94百万円)だった。アドホックが大幅伸長した。
 
■18年12月期も大幅増収増益予想
 
 18年12月期の連結業績予想(2月13日公表)は、売上高が17年12月期比45.7%増の47億円で、営業利益が40.5%増の7億99百万円、経常利益が41.6%増の8億円、純利益が38.7%増の4億91百万円としている。データネットワークサービス、データ利活用サービスとも伸長して、大幅増収増益予想である。
 
 データネットワークサービスでは、CADA−BOXの24病院への導入、Medical Codeの拡大に取り組む。データ利活用サービスでは、データを活用した治験事業(コスメックス社)の本格的展開開始、健診・検診データを活用したセカンドオピニオンサービス(Doctorbook社)の開始、アドホック調査サービスのさらなる拡大に取り組む。
 
■株主優待制度は12月末に実施
 
 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。配当は患者のリアルタイムデータ集積によるデータ利活用サービスの拡大に目途がついた段階で検討していく方針だ。
 
■株価は急伸して上場来高値更新の展開
 
 株価(17年5月1日付で株式2分割)は18年12月期大幅増収増益予想を好感する形で急伸した。そして17年6月2863円を突破し、2月27日には3330円まで上伸した。上場来高値更新の展開だ。
 
 2月28日の終値3170円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS24円58銭で算出)は129倍近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS158円17銭で算出)は20倍近辺である。時価総額は約634億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線も上向きに転じて先高観を強めている。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
 [1月16日更新]

メディカル・データ・ビジョンは戻り歩調、18年12月期も収益拡大期待
 
 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。民間最大級の大規模診療データベースを活用して治験事業などにも進出している。1月15日にはマーソ社との資本業務提携を発表した。17年12月期大幅増収増益予想で18年12月期も収益拡大が期待される。株価は戻り歩調で17年6月高値を目指す展開が期待される。なお2月13日に17年12月期決算発表を予定している。
 
■医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開
 
 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。
 
 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして主に製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。
 
 17年12月末の大規模診療データベース実患者数は16年12月末比394万人増加の2117万人となった。民間最大級の大規模診療データベースを活用してOTC医薬品・H&BC製品の製造販売、SMO事業などの新規分野への事業展開も推進している。
 
 なおデータネットワークサービスでは16年12月期から、営業の主軸をDPC分析「EVE」から、病院向け経営支援「Medical Code」にシフトしている。また新規分野として、病院向けデジタルソリューション「CADA−BOX」の導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービス「カルテコ」と、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスの「CADA決済」を、電子カルテと連動させて活用するサービスだ。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービス「アドホック」を主力としている。
 
 17年9月時点の導入病院数は、EVEが16年12月末比8増加の799病院、Medical Codeが22増加の246病院、CADA−BOXが3病院となった。なおCADA−BOXは17年12月、九州地区初となる博愛会相良病院、関東地区初となる友愛記念病院への導入が決定した。
 
 医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)が収益源で、16年12月期事業別売上構成比はデータネットワークサービス55%、データ利活用サービス45%だった。収益面では特にデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。
 
■成長の第4フェーズで17年12月期から投資回収
 
 中期成長イメージでは17年12月期〜19年12月期を、成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。
 
 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。
 
 17年1月医師向け会員型サービスのDoctorbookを子会社化、17年2月OTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマー・ヘルスケア設立、17年6月SMO業務のコスメックスを子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携した。
 
 1月15日には、国内最大級の人間ドック・健診予約ポータルサイト「MRSO」を運営するマーソ社との資本業務提携を発表した。「カルテコ」と「MRSO」を連携したサービスを共同開発する。
 
■17年12月期大幅増収増益予想、18年12月期も収益拡大期待
 
 前期(17年12月期)連結業績予想(2月13日公表)は売上高が前々期(16年12月期)比36.8%増の36億円、営業利益が25.9%増の5億42百万円、経常利益が29.9%増の5億40百万円、純利益が74.9%増の3億11百万円としている。
 
 営業人員を積極採用し、投資回収に向けた積極的な営業活動で基盤事業を再成長させるとともに、新規事業の収益化も推進する。採用拡大(約40名)による人件費の増加や、東京オフィス増床に伴う一時的費用などを吸収して5期連続増収増益予想である。
 
 第3四半期累計は売上高が前年同期比21.8%増の21億09百万円、営業利益が38.6%増の1億71百万円、経常利益が37.9%増の1億68百万円、純利益が0.2%減の75百万円だった。
 
 データネットワークサービス、データ利活用サービスとも好調に推移して大幅増収となり、営業利益と経常利益は人件費や広告宣伝費などの増加を吸収して大幅増益だった。売上総利益率は78.8%で0.2ポイント低下、販管費比率は70.7%で4.1ポイント低下した。純利益は減損損失16百万円の計上や税金費用の増加で微減益だった。
 
 データネットワークサービスの売上高は11.0%増の11億08百万円(パッケージが1.3%増の4億05百万円、メンテナンスが8.5%増の6億48百万円、新規が54百万円)だった。データ利活用サービスは36.5%増の10億円(MDV analyzerが14.8%増の2億21百万円、アドホックが41.3%増の7億12百万円、新規が86.4%増の66百万円)だった。
 
 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が58.6%、営業利益が31.5%、経常利益が31.1%、純利益が24.1%である。低水準の形だが、特にデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性があるためネガティブ要因とはならない。通期ベースでも好業績が期待される。そして今期(18年12月期)も収益拡大が期待される。
 
■株主優待制度は12月末に実施
 
 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。配当は患者のリアルタイムデータ集積によるデータ利活用サービスの拡大に目途がついた段階で検討していく方針だ。
 
■株価は戻り歩調で17年6月高値目指す
 
 株価(17年5月1日付で株式2分割)は17年11月の直近安値1820円から切り返して戻り歩調だ。1月12日には2541円まで上伸した。そして17年6月の上場来高値2863円に接近している。
 
 1月15日の終値2430円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS16円34銭で算出)は149倍近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績に株式2分割を考慮した連結BPS140円44銭で算出)は17倍近辺である。時価総額は約486億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線を突破し、13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスも接近している。17年6月高値を目指す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月21日更新]

メディカル・データ・ビジョンは調整一巡感、17年12月期大幅増益予想で18年12月期も収益拡大期待

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は、医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。民間最大級の大規模診療データベースを活用して治験事業などにも進出し、17年12月期大幅増収増益予想である。18年12月期も収益拡大が期待される。株価は調整一巡感を強めている。
 
■医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開
 
 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。
 
 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして主に製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。
 
 17年11月末の大規模診療データベース実患者数は16年12月末比357万人増加の2080万人となった。民間最大級の大規模診療データベースを活用してOTC医薬品・H&BC製品の製造販売、SMO事業などの新規分野への事業展開も推進している。
 
 なおデータネットワークサービスでは16年12月期から、営業の主軸をDPC分析「EVE」から、病院向け経営支援「Medical Code」にシフトしている。また新規分野として、病院向けデジタルソリューション「CADA−BOX」の導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービス「カルテコ」と、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスの「CADA決済」を、電子カルテと連動させて活用するサービスだ。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービス「アドホック」を主力としている。
 
 17年9月時点の導入病院数は、EVEが16年12月末比8増加の799病院、Medical Codeが22増加の246病院、CADA−BOXが3病院となった。なお12月8日には博愛会相良病院へのCADA−BOX導入が決定したと発表している。九州地区初となる。
 
 医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)が収益源で、16年12月期事業別売上構成比はデータネットワークサービス55%、データ利活用サービス45%だった。収益面では特にデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。
 
■成長の第4フェーズで17年12月期から投資回収
 
 中期成長イメージでは17年12月期〜19年12月期を、成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。
 
 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。
 
 17年1月医師向け会員型サービスのDoctorbookを子会社化、17年2月OTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマー・ヘルスケア設立、17年6月SMO業務のコスメックスを子会社化、17年11月テクマトリックス<3762>と業務提携した。
 
■17年12月期大幅増収増益予想、18年12月期も収益拡大期待
 
 今期(17年12月期)連結業績予想(2月13日公表)は売上高が前期(16年12月期)比36.8%増の36億円、営業利益が25.9%増の5億42百万円、経常利益が29.9%増の5億40百万円、純利益が74.9%増の3億11百万円としている。
 
 営業人員を積極採用し、投資回収に向けた積極的な営業活動で基盤事業を再成長させるとともに、新規事業の収益化も推進する。採用拡大(約40名)による人件費の増加や、東京オフィス増床に伴う一時的費用などを吸収して5期連続増収増益予想である。
 
 第3四半期累計は売上高が前年同期比21.8%増の21億09百万円、営業利益が38.6%増の1億71百万円、経常利益が37.9%増の1億68百万円、純利益が0.2%減の75百万円だった。
 
 データネットワークサービス、データ利活用サービスとも好調に推移して大幅増収となり、営業利益と経常利益は人件費や広告宣伝費などの増加を吸収して大幅増益だった。売上総利益率は78.8%で0.2ポイント低下、販管費比率は70.7%で4.1ポイント低下した。純利益は減損損失16百万円の計上や税金費用の増加で微減益だった。
 
 データネットワークサービスの売上高は11.0%増の11億08百万円(パッケージが1.3%増の4億05百万円、メンテナンスが8.5%増の6億48百万円、新規が54百万円)だった。データ利活用サービスは36.5%増の10億円(MDV analyzerが14.8%増の2億21百万円、アドホックが41.3%増の7億12百万円、新規が86.4%増の66百万円)だった。
 
 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が58.6%、営業利益が31.5%、経常利益が31.1%、純利益が24.1%である。低水準の形だが、特にデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性があるためネガティブ要因とはならない。通期ベースでも好業績が期待される。そして来期(18年12月期)も収益拡大が期待される。
 
■株主優待制度は12月末に実施
 
 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。配当は患者のリアルタイムデータ集積によるデータ利活用サービスの拡大に目途がついた段階で検討していく方針だ。
 
■株価は調整一巡感
 
 株価(17年5月1日付で株式2分割)は、6月の上場来高値2863円から反落して水準を切り下げたが、11月14日の直近安値1820円から切り返して調整一巡感を強めている。
 
 12月19日の終値2198円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS16円34銭で算出)は135倍近辺、前期実績連結PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS140円44銭で算出)は16倍近辺である。時価総額は約440億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線を突破し、続いて26週移動平均線突破の動きを強めている。調整一巡して6月高値を目指す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
 [11月27日更新]

メディカル・データ・ビジョンは17年12月期大幅増益予想、18年12月期も収益拡大期待

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。民間最大級の大規模診療データベースを活用して治験事業などにも進出し、17年12月期大幅増収増益予想である。そして18年12月期も収益拡大が期待される。株価は6月高値から水準を切り下げたが調整一巡感を強めている。
 
■医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開
 
 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。
 
 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして主に製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。
 
 17年10月末の大規模診療データベース実患者数は16年12月末比297万人増加の2020万人となった。民間最大級の大規模診療データベースを活用してOTC医薬品・H&BC製品の製造販売、SMO事業などの新規分野への事業展開も推進している。
 
 なおデータネットワークサービスでは16年12月期から、営業の主軸をDPC分析「EVE」から、病院向け経営支援「Medical Code」にシフトしている。また新規分野として、病院向けデジタルソリューション「CADA−BOX」の導入を推進している。患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービス「カルテコ」と、患者が自由に支払条件を設定できる医療費後払いサービスの「CADA決済」を、電子カルテと連動させて活用するサービスだ。データ利活用サービスはオーダーメード調査・分析サービス「アドホック」を主力としている。
 
 医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)が収益源で、16年12月期事業別売上構成比はデータネットワークサービス55%、データ利活用サービス45%だった。収益面では特にデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。
 
■成長の第4フェーズで17年12月期から投資回収
 
 中期成長イメージでは17年12月期〜19年12月期を、成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。
 
 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。
 
 17年1月医師向け会員型サービスのDoctorbookを子会社化、17年2月OTC医薬品・H&BC製品製造販売のMDVコンシューマー・ヘルスケア設立、17年6月SMO業務のコスメックスを子会社化した。
 
 17年9月時点の導入病院数は、EVEが16年12月末比8増加の799病院、Medical Codeが22増加の246病院、CADA−BOXが3病院となった。
 
■17年12月期3Q累計は大幅営業・経常増益で順調
 
 11月13日発表した今期(17年12月期)第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比21.8%増の21億09百万円となり、営業利益が38.6%増の1億71百万円、経常利益が37.9%増の1億68百万円、純利益が0.2%減の75百万円だった。
 
 データネットワークサービス、データ利活用サービスとも好調に推移して大幅増収となり、営業利益と経常利益は人件費や広告宣伝費などの増加を吸収して大幅増益だった。売上総利益率は78.8%で0.2ポイント低下、販管費比率は70.7%で4.1ポイント低下した。純利益は減損損失16百万円の計上や税金費用の増加で微減益だった。
 
 データネットワークサービスの売上高は11.0%増の11億08百万円(パッケージが1.3%増の4億05百万円、メンテナンスが8.5%増の6億48百万円、新規が54百万円)だった。データ利活用サービスは36.5%増の10億円(MDV analyzerが14.8%増の2億21百万円、アドホックが41.3%増の7億12百万円、新規が86.4%増の66百万円)だった。
 
■17年12月期大幅増収増益予想
 
 今期(17年12月期)連結業績予想(2月13日公表)は売上高が前期(16年12月期)比36.8%増の36億円、営業利益が25.9%増の5億42百万円、経常利益が29.9%増の5億40百万円、純利益が74.9%増の3億11百万円としている。
 
 営業人員を積極採用し、投資回収に向けた積極的な営業活動で基盤事業を再成長させるとともに、新規事業の収益化も推進する。採用拡大(約40名)による人件費の増加や、東京オフィス増床に伴う一時的費用などを吸収して5期連続増収増益予想である。
 
 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が58.6%、営業利益が31.5%、経常利益が31.1%、純利益が24.1%である。低水準の形だが、特にデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性があるためネガティブ要因とはならない。通期ベースでも好業績が期待される。そして来期(18年12月期)も収益拡大が期待される。
 
■株主優待制度は12月末に実施
 
 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。配当は患者のリアルタイムデータ集積によるデータ利活用サービスの拡大に目途がついた段階で検討していく方針だ。
 
■株価は調整一巡感
 
 株価(17年5月1日付で株式2分割)は、6月の上場来高値2863円から反落して水準を切り下げたが、第3四半期累計業績を嫌気した形の11月14日の直近安値1820円から切り返して調整一巡感を強めている。
 
 11月24日の終値2099円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS16円34銭で算出)は128倍近辺、前期実績連結PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS140円44銭で算出)は15倍近辺である。時価総額は約420億円である。
 
 週足チャートで見ると52週移動平均線近辺から切り返した。サポートラインを確認した形だろう。調整一巡して反発が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)

[10月04日更新]

メディカル・データ・ビジョンは調整一巡感、17年12月期大幅増収増益予想  
 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。17年9月末現在の大規模診療データベース実患者数は16年12月末比256万人増加の1979万人となった。民間最大級の大規模診療データベースを活用して治験事業などにも進出し、17年12月期大幅増収増益予想である。株価は6月高値から水準を切り下げたが調整一巡感を強めている。
 
■医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開
 
 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。
 
 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして主に製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。さらに民間最大級の大規模診療データベースを活用して、OTC医薬品・H&BC製品の製造販売、SMO事業などの新規分野への事業展開も推進している。
 
 医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)が収益源で、16年12月期事業別売上構成比はデータネットワークサービス55%、データ利活用サービス45%だった。収益面では特にデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。
 
■17年12月期大幅増収増益予想
 
 今期(17年12月期)連結業績予想(2月13日公表)は売上高が前期(16年12月期)比36.8%増の36億円、営業利益が25.9%増の5億42百万円、経常利益が29.9%増の5億40百万円、純利益が74.9%増の3億11百万円としている。
 
 営業人員を積極採用し、投資回収に向けた積極的な営業活動で基盤事業を再成長させるとともに、新規事業の収益化も推進する。採用拡大(約40名採用予定)による人件費増加を吸収して5期連続増収増益予想である。
 
 なお9月4日には、病院向けデジタルソリューション「CADA−BOX」が、石川県七尾市の恵寿総合病院で、北陸で初めて稼働開始した。
 
 第2四半期累計(1〜6月)は売上高が前年同期比28.6%増収で、営業利益、経常利益、純利益とも黒字化した。データネットワークサービス、データ利活用サービスとも好調に推移し、増収効果で人件費などの増加を吸収して大幅増益だった。
 
 通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は低水準の形だが、特にデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性があるためネガティブ要因とはならない。通期ベースでも好業績が期待される。
 
■成長の第4フェーズで17年12月期から投資回収
 
 中期成長イメージでは17年12月期〜19年12月期を、成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。
 
 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。中期的に収益拡大基調、そして一段の高収益化が期待される。
 
■株主優待制度は12月末に実施
 
 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。配当は患者のリアルタイムデータ集積によるデータ利活用サービスの拡大に目途がついた段階で検討していく方針だ。
 
■株価は調整一巡感
 
 株価(17年5月1日付で株式2分割)は、6月の上場来高値2863円から反落して水準を切り下げたが、直近安値圏2000円近辺で下げ渋り、調整一巡感を強めている。
 
 10月3日の終値2086円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS16円34銭で算出)は128倍近辺、前期実績連結PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS140円44銭で算出)は15倍近辺である。時価総額は約417億円である。
 
週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが2000円近辺で下げ渋る形だ。調整一巡して反発展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月04日更新]

メディカル・データ・ビジョンは日柄調整完了して上値試す、17年12月期大幅増収増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。17年8月末現在の大規模診療データベース実患者数は1871万人となった。また民間最大級の大規模診療データベースを活用し、新規事業として治験事業などにも進出している。17年12月期大幅増収増益予想である。株価は日柄調整完了して上値を試す展開が期待される。なお9月1日に株式売出を発表している。
 
■医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開
 
 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。
 
 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして主に製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。さらに民間最大級の大規模診療データベースを活用して、新規分野への事業展開も推進している。
 
 医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)が収益源で、16年12月期事業別売上構成比はデータネットワークサービス55%、データ利活用サービス45%だった。収益面では特にデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。
 
■医療機関向けデータネットワークスサービス
 
 医療機関向けデータネットワークサービスは、DPC制度(急性期病院における入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度)導入対象病院向けDPC分析ベンチマークシステム「EVE」と、病院経営支援システム「Medical Code」を主力としている。
 
 EVEは自院の診療内容や状況を他院と比較しながら分析できるシステムである。16年12月期末の導入病院数は15年12月期末比23病院増加の791病院となり、DPC制度を導入している全国1667病院のうち約45%と圧倒的シェアを獲得している。Medical Codeは病院経営全般に関わる事項を分析できるシステムである。16年12月期末の導入病院数は15年12月期末比48病院増加の224病院となった。
 
 今後の戦略としてEVEは45%の市場シェアを維持しながら純増を目指すが、販売の軸足をMedical Codeに移す方針としている。
 
■病院向けデジタル健康ソリューション「CADA−BOX」拡販
 
 病院向けデジタル健康ソリューション「CADA−BOX」は16年10月提供開始した。患者自身が診療情報の一部を閲覧できるWEBサービス「カルテコ」や医療費後払いサービス「CADA決済」などを融合した。
 
 CADA−BOXを介し、検査結果などを含むリアルタイムなデータを集積することで、データ利活用ビジネスの拡大を目指す考えだ。またCADA−BOXを既存の電子カルテシステムに連携させるため、CEホールディングス<4320>の子会社で電子カルテシステム大手のシーエスアイ(CSI)と16年8月業務提携した。
 
 CADA−BOXは16年12月期に3病院への導入が決定し、17年2月には大同病院(名古屋市)でCADA−BOXが全国で初めて稼働した。19年までに2次医療圏(医療法に基づき厚生労働省が決定している医療の地域圏)344エリアの地域中核病院への導入を推進する計画だ。
 
■製薬会社向けデータ利活用サービス
 
 製薬会社向けのデータ利活用サービスは、医療機関向けのデータネットワークサービスで集積した医療ビッグデータを活用し、処方数、処方診療科、併用薬などの分析ツールおよび分析調査サービスを提供している。
 
 製薬会社の個別ニーズに対応した「アドホック調査サービス」を主力として、医療機関における処方実態が把握可能な診療データ分析ツール「MDV analyzer」も提供している。MDV analyzerは比較的大規模な製薬会社を対象としており、当面はアドホック調査サービスの成長でデータ利活用ビジネスを拡大していく方針だ。
 
■民間最大規模の診療データベース
 
 データ利活用ビジネスを支えるのは大規模診療データベース(病院から2次利用の許諾を得て匿名化処理がなされた入院患者ごとの診断名、治療方法、薬剤処方が分かる実臨床データ)である。17年8月末現在の大規模診療データベース実患者数は、1939万人(16年12月末比216万人増加)となった。全保険種類を網羅した民間最大級のデータベースである。
 
■大規模診療データベースを活用して新規分野にも事業展開
 
 民間最大級の大規模診療データベースを活用して、新規分野への事業展開も推進している。OTC(一般用医薬品)とH&BC(ヘルス&ビューティケア)分野を対象とした各種調査分析サービスでは、診療統計データ分析レポート、インシュアランス(保険)業界向けデータ分析サービス、医療材料に関するメーカー別・製品別シェア分析調査サービスなどを提供している。
 
 17年1月には歯科分野の医師向け会員型サービスを展開するDoctorbookの全株式を取得して子会社化した。17年2月にはOTC医薬品・H&BC製品の製造販売を目的として子会社MDVコンシューマー・ヘルスケアを設立(基礎化粧品「KISOU」シリーズを7月からウェルシアグループ店舗で販売開始)した。17年3月にはメディパルホールディングス<7459>の子会社メディエと協業した。医療材料の市場把握が可能となる日本最大規模の診療データベースを目指す。
 
 17年6月にはSMO(治験施設支援機関)事業のコスメックスを子会社化した。大規模診療データベースを利活用することで治験対象者の事前抽出が可能となり、マンパワーに頼らない迅速的で効率的な治験が可能となる。25年12月期以降売上高500億円規模の事業展開を目指す。
 
■17年12月期2Q累計は大幅増収増益
 
 今期(17年12月期)第2四半期累計(1〜3月)の連結業績は、売上高が前年同期比28.6%増の13億33百万円、営業利益が1億44百万円(前年同期は7百万円の赤字)、経常利益が1億42百万円(同8百万円の赤字)、純利益が85百万円(同9百万円の赤字)だった。
 
 データネットワークサービス、データ利活用サービスとも好調に推移した。増収効果で人件費などの増加を吸収して大幅増益だった。売上総利益は29.4%増加し、売上総利益率は81.3%で0.4ポイント上昇した。販管費は11.2%増加したが、販管費比率は70.5%で11.1ポイント低下した。
 
 データネットワークサービスの売上高は12.9%増の7億円(パッケージが2億59百万円、メンテナンスが4億28百万円、新規が13百万円)だった。データ利活用サービスは52.2%増の6億32百万円(アドホックが4億56百万円、MDV analyzerが1億50百万円、新規が26百万円)だった。アドホックが認知度向上効果で71.7%増と大幅伸長した。
 
 EVE導入病院数は16年12月末比8増加の799病院、Medical Code導入病院数は15増加の239病院、MDV analyzer利用社数は13社となった。
 
 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期6億45百万円、第2四半期6億88百万円、営業利益は64百万円、80百万円だった。
 
■17年12月期通期も大幅増収増益予想
 
 今期(17年12月期)連結業績予想(2月13日公表)は売上高が前期(16年12月期)比36.8%増の36億円、営業利益が25.9%増の5億42百万円、経常利益が29.9%増の5億40百万円、純利益が74.9%増の3億11百万円としている。
 
 営業人員を積極採用し、投資回収に向けた積極的な営業活動で基盤事業を再成長させるとともに、新規事業の収益化も推進する。採用拡大(約40名採用予定)による人件費増加を吸収して5期連続増収増益予想である。
 
 売上高の計画は、データネットワークサービスが34.5%増の19億94百万円(パッケージが7億41百万円、メンテナンスが8億71百万円、新規が3億80百万円)で、データ利活用サービスが38.6%増の16億05百万円(アドホックが10億75百万円、MDV analyzerが2億76百万円、新規が2億54百万円)としている。
 
 通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は低水準の形だが、特にデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性があるためネガティブ要因とはならない。通期ベースでも好業績が期待される。
 
■成長の第4フェーズで17年12月期から投資回収
 
 中期成長イメージでは17年12月期〜19年12月期を、成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。
 
 重点取り組みとして、2次医療圏344病院へのCADA−BOX導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域では治験分野を推進する。中期的に収益拡大基調、そして一段の高収益化が期待される。
 
■株主優待制度は12月末に実施
 
 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。配当については、患者のリアルタイムデータ集積によるデータ利活用サービスの拡大に目途がついた段階で検討していく方針だ。
 
■株価は日柄調整完了して上値試す
 
 なお9月1日に株式売出を発表した。株数はメディパルホールディングス<7459>の売出230万株、およびオーバーアロットメントによる売出34万5000株である。売出によってメディパルホールディングスは主要株主に該当しなくなるが、従来どおり良好な関係を継続する。
 
 株価(17年5月1日付で株式2分割)は6月の上場来高値2863円から反落したが、8月21日の直近安値2260円から切り返しの動きを強めている。9月1日には2562円まで上伸した。日柄調整が完了したようだ。
 
 9月1日の終値2515円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS16円34銭で算出)は154倍近辺、前期実績連結PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS140円44銭で算出)は18倍近辺である。時価総額は約503億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返してサポートラインを確認した形だ。日柄調整完了して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月03日更新]

メディカル・データ・ビジョンは自律調整一巡して上値試す、7月末の診療データベース実患者数1895万人  
メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。17年7月末現在の大規模診療データベース実患者数は1895万人となった。17年12月期大幅増収増益予想である。株価は6月の上場来高値から一旦反落したが、自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。

■医療分野のビッグデータ関連ビジネス

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして主に製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。収益面では特にデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

 病院向けデジタル健康ソリューション「CADA−BOX」は16年10月提供開始した。患者自身が診療情報の一部を閲覧できるWEBサービス「カルテコ」や医療費後払いサービス「CADA決済」などを融合した。この「CADA−BOX」を介し、検査結果などを含むよりリアルタイムなデータを集積することで、データ利活用ビジネスの拡大を目指す考えだ。

■民間最大規模の診療データベースを活用して新規分野にも事業展開

 データ利活用ビジネスを支えるのは大規模診療データベース(病院から2次利用の許諾を得て匿名化処理がなされた入院患者ごとの診断名、治療方法、薬剤処方が分かる実臨床データ)である。8月1日発表した17年7月末現在の大規模診療データベース実患者数は1895万人(16年12月末比172万人増加)となった。全保険種類を網羅した民間最大級のデータベースである。

 大規模診療データベースを活用して新規分野への事業展開も推進している。17年2月設立した子会社MDVコンシューマー・ヘルスケアは乾燥性敏感肌用スキンケア「KISOU」を発売した。また17年6月にはSMO(治験施設支援機関)事業を展開するコスメックスを子会社化した。

■17年12月期通期大幅増収増益予想

 今期(17年12月期)連結業績予想(2月13日公表)は、売上高が前期(16年12月期)比36.8%増の36億円、営業利益が同25.9%増の5億42百万円、経常利益が同29.9%増の5億40百万円、そして純利益が同74.9%増の3億11百万円としている。

 営業強化で基盤事業を再成長させるとともに、新規事業の収益化も推進し、人件費の増加を吸収して5期連続増収増益予想である。通期予想に対する第1四半期の進捗率は低水準の形だが、下期偏重の収益特性のためネガティブ要因とはならない。通期ベースで好業績が期待される。

■株価は自律調整一巡して上値試す

 株価(17年5月1日付で株式2分割)は6月の上場来高値2863円から利益確定売りで一旦反落したが、2200円台から切り返しの動きを強めている。週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線近辺から切り返す形だ。好業績や中期成長力を評価する流れに変化はなく、自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
????[07月06日更新]

メディカル・データ・ビジョンは上場来高値更新の展開、6月末の診療データベース実患者数1871万人

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。7月3日発表した17年6月末現在の大規模診療データベース実患者数1871万人となった。17年12月期大幅増収増益予想で、6月には治験事業への進出も発表している。株価は上場来高値更新の展開だ。好業績や中期成長力を評価する流れに変化はなく、上値を試す展開が期待される。

■医療分野のビッグデータ関連ビジネス

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして主に製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。
 医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)が収益源で、16年12月期事業別売上構成比はデータネットワークサービス55%、データ利活用サービス45%である。収益面では特にデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

■医療機関向けデータネットワークスサービス

 医療機関向けデータネットワークサービスは、DPC制度(急性期病院における入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度)導入対象病院向けDPC分析ベンチマークシステム「EVE」と、病院経営支援システム「Medical Code」を主力としている。

 DPCベンチマークシステム「EVE」は自院の診療内容や状況を他院と比較しながら分析できるシステムである。16年12月期末の導入病院数は15年12月期末比23病院増加の791病院となり、DPC制度を導入している全国1667病院のうち約45%と圧倒的シェアを獲得している。

 病院向け経営支援システム「Medical Code」は病院経営全般に関わる事項を分析できるシステムである。16年12月期末の導入病院数は15年12月期末比48病院増加の224病院である。

 今後の戦略として、DPC分析ベンチマークシステム「EVE」は45%の市場シェアを維持しながら純増を目指すが、販売の軸足を病院経営支援システム「Medical Code」に移す方針としている。

■病院向けデジタル健康ソリューション「CADA−BOX」拡販

 病院向けデジタル健康ソリューション「CADA−BOX」は16年10月提供開始した。患者自身が診療情報の一部を閲覧できるWEBサービス「カルテコ」や医療費後払いサービス「CADA決済」などを融合した。

 この「CADA−BOX」を介し、検査結果などを含むよりリアルタイムなデータを集積することで、データ利活用ビジネスの拡大を目指す考えだ。当初は電子カルテ機能を含むシステム提供での実現を考えていたが、よりスピーディなデータ集積を目的に戦略転換した。

 また「CADA−BOX」を既存の電子カルテシステムに連携させるため、CEホールディングス<4320>の子会社で電子カルテシステム大手のシーエスアイ(CSI)と16年8月業務提携した。

 16年12月期に3病院への導入が決定し、17年2月には大同病院(名古屋市)で「CADA−BOX」が全国で初めて稼働した。19年までに2次医療圏(医療法に基づき厚生労働省が決定している医療の地域圏)344エリアの地域中核病院への導入を推進していく計画としている。

■製薬会社向けデータ利活用サービス

 製薬会社向けのデータ利活用サービスは、医療機関向けのデータネットワークサービスで集積した医療ビッグデータを活用し、処方数、処方診療科、併用薬などの分析ツールおよび分析調査サービスを提供している。

 製薬会社の個別ニーズに対するアドホック調査サービスを主力として、医療機関における処方実態が把握可能な診療データ分析ツール「MDV analyzer」も提供している。診療データ分析ツール「MDV analyzer」は比較的大規模な製薬会社を対象としており、アドホック調査サービスの成長で当面はデータ利活用ビジネスを拡大していく方針だ。

■民間最大規模の診療データベース

 データ利活用ビジネスを支えるのは大規模診療データベース(病院から2次利用の許諾を得て匿名化処理がなされた入院患者ごとの診断名、治療方法、薬剤処方が分かる実臨床データ)である。

 7月3日発表した17年6月末現在の大規模診療データベース実患者数は1871万人(16年12月末比158万人増加)となった。全保険種類を網羅した民間最大級のデータベースで、規模と質において高い評価を受けている。

■大規模診療データベースを活用して新規分野にも事業展開

 民間最大級の大規模診療データベースを活用して、新規分野への事業展開も推進している。OTC(一般用医薬品)とH&BC(ヘルス&ビューティケア)分野を対象とした各種調査分析サービスでは、診療統計データ分析レポート、診療統計データ分析レポート、インシュアランス(保険)業界向けデータ分析サービス、実臨床現場における医療材料に関するメーカー別・製品別シェア分析調査サービスなどを提供している。

 17年1月には歯科分野の医師向け会員型サービスを展開するDoctorbookの全株式を取得して子会社化した。

 17年2月設立した子会社MDVコンシューマー・ヘルスケアは、17年3月日本国内における医薬品販売業許可を取得、17年4月第二種医薬品製造販売業許可、医薬部外品製造販売業許可、化粧品製造販売業許可を取得した。そして乾燥性敏感肌用スキンケア「KISOU」を7月から発売する。独自に保有する大規模診療データベースを活用して開発した。

 17年3月はメディパルホールディングス<7459>の子会社メディエと協業した。医療材料の市場把握が可能となる日本最大規模の診療データベースを目指す。

■治験事業に進出

 17年6月にはSMO(治験施設支援機関)事業を展開するコスメックスを子会社化した。大規模診療データベースを利活用して治験事業に進出する。

 DPCデータを活用した被験者スクリーニングからスタートし、その後「CADA−BOX」を経由して患者個人から同意を取ったカルテデータを活用した治験事業を進めていく方針だ。医療ビッグデータを利活用することで対象者の事前抽出が可能となり、マンパワーに頼らない迅速的で効率的な治験が可能となる。25年12月期以降売上高500億円規模の事業展開を目指すとしている。

■17年12月期第1四半期は実質大幅増益

 今期(17年12月期)第1四半期(1月〜3月)連結業績は売上高が6億45百万円、営業利益が64百万円、経常利益が63百万円、純利益が46百万円だった。前年同期の非連結業績との比較で24.3%増収、5.4倍営業増益、5.6倍経常増益、8.6倍最終増益だった。データ利活用サービスの大幅伸長が牽引した。

 売上総利益は23.7%増加したが、売上総利益率は81.5%で0.4ポイント低下した。販管費は11.7%増加したが、販管費比率は71.6%で8.0ポイント低下した。
  
 事業別売上高は、データネットワークサービスが同2.4%減の3億09百万円、データ利活用サービスが同66.2%増の3億35百万円だった。

 データネットワークサービスはパッケージが減収だったが、経年ユーザー数の増加でメンテナンスは増収基調である。DPC分析ベンチマークシステム「EVE」導入病院数は790病院、病院経営支援システム「Medical Code」導入病院数は227病院となった。

 データ利活用サービスの売上高の内訳は「MDV analyzer」が75百万円、アドホック調査サービスが2億48百万円、新規が11百万円だった。特にアドホック調査サービスが認知度向上効果で大幅伸長した。診療データ分析ツール「MDV analyzer」利用社数は13社となった。

■17年12月期通期も大幅増収増益予想

 今期(17年12月期)連結業績予想(2月13日公表)は、売上高が前期(16年12月期)比36.8%増の36億円、営業利益が同25.9%増の5億42百万円、経常利益が同29.9%増の5億40百万円、そして純利益が同74.9%増の3億11百万円としている。

 第2四半期(4月〜6月)以降に営業人員を積極採用し、データネットワークサービスで病院経営支援システム「Medical Code」の販売を強化する。投資回収に向けた積極的な営業活動で基盤事業を再成長させるとともに、新規事業の収益化も推進し、採用拡大(約40名採用予定)による人件費増加を吸収して5期連続増収増益予想である。

 データネットワークサービスの売上高は34.5%増の19億94百万円(内訳はパッケージが21.3%増の7億41百万円、メンテナンスが8.2%増の8億71百万円、病院向けデジタル健康ソリューション「CADA−BOX」等の新規が18倍の3億80百万円)としている。病院向けデジタル健康ソリューション「CADA−BOX」は期末15病院への導入を目標とする。
  
 データ利活用サービスは38.6%増の16億05百万円(内訳はアドホック調査サービスが24.9%増の10億75百万円、診療データ分析ツール「MDV analyzer」が4.9%増の2億76百万円、子会社・OTC・インシュアランス等の新規が3.7倍の2億54百万円としている。アドホック調査サービスの大型契約拡大、既存データによる新領域(医療材料メーカー、インシュアランス等)への本格展開、子会社・新規事業(MDVコンシューマー・ヘルスケア、Doctorbook等)の早期売上化を推進する。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は低水準の形だが、特にデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性があるためネガティブ要因とはならない。通期ベースでも好業績が期待される。

■成長の第4フェーズで17年12月期から投資回収

 中期成長イメージでは17年12月期〜19年12月期を、成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院への「CADA−BOX」導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域としては、治験分野でのデータ活用を予定している。中期的に収益拡大基調、そして一段の高収益化が期待される。

■株主優待制度は12月末に実施

 株主優待制度は16年12月期から導入し、毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。配当については、患者のリアルタイムデータ集積によるデータ利活用サービスの拡大に目途がついた段階で検討していく方針だ。

■株価は上場来高値更新の展開

 株価の動き(17年5月1日付で株式2分割)を見ると、上場来高値更新の展開で6月28日には2863円まで上伸した。

 7月3日の終値2752円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS16円34銭で算出)は168倍近辺、前期実績連結PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS140円44銭で算出)は20倍近辺である。時価総額は約551億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドである。好業績や中期成長力を評価する流れに変化はなく、目先的な過熱感を冷ますための自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月07日更新]

メディカル・データ・ビジョンは上場来高値更新の展開、17年12月期大幅増益予想

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。大規模診療データベースは17年5月末現在で実患者数1863万人と日本国民7人に1人に相当する規模に達した。17年12月期大幅増収増益予想である。株価は好業績を評価して上場来高値更新の展開だ。

■医療分野のビッグデータ関連ビジネス

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスとして、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツール・サービスを販売するデータ利活用サービスを展開している。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報を分析し、データ利活用サービスとして主に製薬会社向けに提供するビジネスモデルだ。
 医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)が収益源で、16年12月期事業別売上構成比はデータネットワークサービス55%、データ利活用サービス45%である。収益面では特にデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性がある。

■医療機関向けデータネットワークスサービス

 医療機関向けのデータネットワークサービスは、DPC制度導入対象病院向けのDPC分析ベンチマークシステム「EVE」と、病院経営支援システム「Medical Code」を主力としている。DPC制度は急性期病院における入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度である。厚生労働省が03年導入した。

 DPCベンチマークシステム「EVE」は自院の診療内容や状況を他院と比較しながら分析できるシステムである。16年12月期末の導入病院数は15年12月期末比23病院増加の791病院となり、DPC制度を導入している全国1667病院のうち約45%と圧倒的シェアを獲得している。

 病院向け経営支援システム「Medical Code」は病院経営全般に関わる事項を分析できるシステムである。16年12月期末の導入病院数は15年12月期末比48病院増加の224病院である。

 今後の戦略として、DPC分析ベンチマークシステム「EVE」は45%の市場シェアを維持しながら純増を目指すが、販売の軸足を病院経営支援システム「Medical Code」に移す方針としている。

■病院向けデジタル健康ソリューション「CADA−BOX」拡販

 病院向けデジタル健康ソリューション「CADA−BOX」は16年10月提供開始した。患者自身が診療情報の一部を閲覧できるWEBサービス「カルテコ」や医療費後払いサービス「CADA決済」などを融合した。

 この「CADA−BOX」を介し、検査結果などを含むよりリアルタイムなデータを集積することで、データ利活用ビジネスの拡大を目指す考えだ。当初は電子カルテ機能を含むシステム提供での実現を考えていたが、よりスピーディなデータ集積を目的に戦略転換した。

 また「CADA−BOX」を既存の電子カルテシステムに連携させるため、CEホールディングス<4320>の子会社で電子カルテシステム大手のシーエスアイ(CSI)と16年8月業務提携した。

 16年12月期に3病院への導入が決定し、17年2月には大同病院(名古屋市)で「CADA−BOX」が全国で初めて稼働した。19年までに2次医療圏(医療法に基づき厚生労働省が決定している医療の地域圏)344エリアの地域中核病院への導入を推進していく計画としている。

■製薬会社向けデータ利活用サービス

 製薬会社向けのデータ利活用サービスは、医療機関向けのデータネットワークサービスで集積した医療ビッグデータを活用し、処方数、処方診療科、併用薬などの分析ツールおよび分析調査サービスを提供している。

 製薬会社の個別ニーズに対するアドホック調査サービスを主力として、医療機関における処方実態が把握可能な診療データ分析ツール「MDV analyzer」も提供している。「MDV analyzer」は比較的大規模な製薬会社を対象としており、アドホック調査サービスの成長で当面はデータ利活用ビジネスを拡大していく方針だ。

■大規模診療データベースを活用して新規分野にも事業展開

 民間最大級の大規模診療データベースを活用して、新規分野への事業展開も推進している。OTC(一般用医薬品)とH&BC(ヘルス&ビューティケア)分野を対象とした各種調査分析サービスでは、診療統計データ分析レポート、診療統計データ分析レポート、インシュアランス(保険)業界向けデータ分析サービス、実臨床現場における医療材料に関するメーカー別・製品別シェア分析調査サービスなどを提供している。

 17年1月には歯科分野の医師向け会員型サービスを展開するDoctorbookの全株式を取得して子会社化した。

 17年2月設立した子会社MDVコンシューマー・ヘルスケアは、17年3月日本国内における医薬品販売業許可を取得、17年4月第二種医薬品製造販売業許可、医薬部外品製造販売業許可、化粧品製造販売業許可を取得した。そして5月30日には乾燥性敏感肌用スキンケア「KISOU」を7月から発売すると発表した。独自に保有する大規模診療データベースを活用して開発した。

 17年3月はメディパルホールディングス<7459>の子会社メディエと協業した。医療材料の市場把握が可能となる日本最大規模の診療データベースを目指す。

 また5月23日にはヒップの子会社コスメックスの全株式を取得して子会社化(株式取得日6月7日予定)する基本合意書締結を発表した。コスメックスのSMO(治験施設支援機関)事業の成長を支援し、大規模診療データベースを利活用した治験事業の展開も視野に入れる。

■日本国民7人に1人という民間最大規模の診療データベース

 データ利活用ビジネスを支えるのは大規模診療データベース(病院から2次利用の許諾を得て匿名化処理がなされた入院患者ごとの診断名、治療方法、薬剤処方が分かる実臨床データ)である。

 17年5月末現在の実患者数は1863万人(16年12月末比140万人増加)となり、日本国民7人に1人に相当する規模に達している。全保険種類を網羅した民間最大級のデータベースで、規模と質において高い評価を受けている。

■17年12月期第1四半期は実質大幅増益

 今期(17年12月期)第1四半期(1月〜3月)連結業績は売上高が6億45百万円、営業利益が64百万円、経常利益が63百万円、純利益が46百万円だった。前期(16年12月期)第2四半期から連結決算に移行しているため、前年同期の非連結業績との比較で見ると24.3%増収、5.4倍営業増益、5.6倍経常増益、8.6倍最終増益だった。

 データ利活用サービスが大幅伸長して牽引し、人件費、のれん償却、広告宣伝費の増加を吸収して実質大幅増収増益だった。売上総利益は23.7%増加したが、売上総利益率は81.5%で0.4ポイント低下した。販管費は11.7%増加したが、販管費比率は71.6%で8.0ポイント低下した。
  
 事業別売上高は、データネットワークサービスが同2.4%減の3億09百万円、データ利活用サービスが同66.2%増の3億35百万円だった。

 データネットワークサービスはパッケージが減収だったが、経年ユーザー数の増加でメンテナンスは増収基調である。DPC分析ベンチマークシステム「EVE」導入病院数は790病院、病院経営支援システム「Medical Code」導入病院数は227病院となった。

 データ利活用サービスの売上高の内訳は「MDV analyzer」が75百万円、アドホック調査サービスが2億48百万円、新規が11百万円だった。いずれも大幅増収で、特にアドホック調査サービスが認知度向上効果で大幅伸長した。診療データ分析ツール「MDV analyzer」利用社数は13社となった。

■17年12月期通期も大幅増収増益予想

 今期(17年12月期)連結業績予想(2月13日公表)は、売上高が前期(16年12月期)比36.8%増の36億円、営業利益が同25.9%増の5億42百万円、経常利益が同29.9%増の5億40百万円、そして純利益が同74.9%増の3億11百万円としている。

 第2四半期(4月〜6月)以降に営業人員を積極採用し、データネットワークサービスで病院経営支援システム「Medical Code」の販売を強化する。投資回収に向けた積極的な営業活動で基盤事業を再成長させるとともに、新規事業の収益化も推進し、採用拡大(約40名採用予定)による人件費増加を吸収して5期連続増収増益予想である。

 データネットワークサービスの売上高は34.5%増の19億94百万円(内訳はパッケージが21.3%増の7億41百万円、メンテナンスが8.2%増の8億71百万円、病院向けデジタル健康ソリューション「CADA−BOX」等の新規が18倍の3億80百万円)としている。病院向けデジタル健康ソリューション「CADA−BOX」は期末15病院への導入を目標とする。
  
 データ利活用サービスは38.6%増の16億05百万円(内訳はアドホック調査サービスが24.9%増の10億75百万円、診療データ分析ツール「MDV analyzer」が4.9%増の2億76百万円、子会社・OTC・インシュアランス等の新規が3.7倍の2億54百万円としている。アドホック調査サービスの大型契約拡大、既存データによる新領域(医療材料メーカー、インシュアランス等)への本格展開、子会社・新規事業(MDVコンシューマー・ヘルスケア、Doctorbook等)の早期売上化を推進する。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は低水準の形だが、特にデータ利活用サービスにおいて下期偏重の特性があるためネガティブ要因とはならない。

■成長の第4フェーズで17年12月期から投資回収

 中期成長イメージでは17年12月期〜19年12月期を、成長の第4フェーズとして投資回収期に位置付けている。患者のリアルタイムデータ、地域医療の診療データ・画像データなども統合してデータ利活用ビジネスの急拡大を図り、売上高の増加とともに投資回収を開始する方針だ。

 重点取り組みとして、2次医療圏344病院への「CADA−BOX」導入、データ基盤のさらなる拡大、データ利活用ビジネスの拡大、M&Aを含めた他社との協業を推進する。データ利活用の新領域としては、治験分野でのデータ活用を予定している。中期的に収益拡大基調、そして一段の高収益化が期待される。

■株主優待制度を16年12月期末から導入

 株主優待制度は毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。16年12月期から導入した。配当は、患者のリアルタイムデータ集積によるデータ利活用サービスの拡大に目途がついた段階で検討していく方針だ。

■株価は上場来高値更新の展開

 株価の動き(17年5月1日付で株式2分割)を見ると、上場来高値更新の展開で5月30日には2661円まで上伸した。4月高値2140円を突破して上げ足を速めた。

 6月2日の終値2476円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS16円34銭で算出)は152倍近辺、前期実績連結PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS140円44銭で算出)は18倍近辺である。時価総額は約495億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。目先的な過熱感を冷ますための自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月31日更新]

メディカル・データ・ビジョンは調整一巡して16年9月高値目指す、ビッグデータ関連で中期成長期待

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)に注目したい。16年12月期増収増益予想で、17年12月期も収益拡大基調が予想される。ビッグデータ関連で中期成長期待も高い。株価は調整一巡して16年9月の昨年来高値を目指す展開だろう。なお2月13日に16年12月期決算発表を予定している。

 医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報をビッグデータとして活用するためのデータ分析ツール・サービスを、データ利活用サービスとして製薬会社向けに販売するビジネスモデルだ。

 保有する大規模診療データベースは16年11月末現在、実患者数1687万人(15年12月末比332422万人増加)で、日本国民8人に1人に相当する規模に達している。

 16年12月期連結業績予想(連結決算へ移行)は売上高30億01百万円、営業利益3億03百万円、経常利益3億円、純利益1億74百万円としている。15年12月期非連結業績との比較で24.4%増収、7.3%営業増益、7.3%経常増益、6.5%最終増益となる。主力製品・サービスが好調に推移し、先行投資負担を吸収して増収増益予想である。

 そして17年12月期も収益拡大基調が予想される。成長の第4フェーズで投資回収期と位置付けており、蓄積データを活用して利活用サービスのビジネス領域が拡大し、売上高の拡大とともに投資回収を開始する方針だ。

 株価は16年9月の上場来高値3300円円から利益確定売りで反落したが、直近安値圏2000円近辺から切り返して戻り歩調だ。日足チャートで見ると25日移動平均線が上向きに転じた。また週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線を突破した。調整一巡して16年9月の上場来高値を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月30日更新]

メディカル・データ・ビジョンは16年12月期増収増益予想、ビッグデータ関連で中期成長も期待

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。16年12月期増収増益予想である。大規模診療データベースが16年11末現在患者数1687万人と日本国民8人に1人に相当する規模に達しており、ビッグデータ関連で中期成長期待も高まる。株価は9月の上場来高値から反落したが、調整一巡して戻りを試す展開が期待される。

■医療情報のネットワーク化を推進

 医療情報のネットワーク化を推進する企業である。医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツールを販売するデータ利活用サービスを展開している。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報をビッグデータとして活用するためのデータ分析ツール・サービスを、データ利活用サービスとして製薬会社向けに販売するビジネスモデルだ。

 医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)が収益源である。15年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービス60.1%、データ利活用サービス39.9%だった。

 なお医療関連企業との資本業務提携により、富士フイルムが第1位株主、メディパルホールディングスが第2位株主、シミックホールディングスが第4位株主となっている。

■医療機関向けデータネットワークスサービス

 医療機関向けのデータネットワークサービスでは、DPC制度導入対象病院向けのDPC分析ベンチマークシステム「EVE」「EVE−ASP」および病院経営支援システム「Medical Code」を主力としている。DPC制度は急性期病院における入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度である。医療費の適正化、診療データ(DPCデータ)開示による透明性の向上、医療の質向上などを目的として厚生労働省が03年に導入した。

 DPC分析システム「EVE」は自院の診療内容や状況を他院と比較しながら分析できるベンチマークシステムである。15年12月期末の導入病院数は768病院で、DPC病院(1578病院)における「EVE」導入病院の割合45%超という圧倒的シェアを獲得している。DPC詳細分析ベンチマークシステム「EVE−ASP」は実名を公開した自院と他院を比較できるシステムだ。病院向け経営支援システム「Medical Code」は原価管理など病院経営全般に関わる事項を分析できるシステムで、15年12月期末導入病院数は176病院となった。

■医療機関向け新サービスで「エースビジョン」が本格化

 医療機関向け新サービスでは、14年5月に診療所向け電子カルテソリューション「カルテビジョン」をリリースした。2次利用の許諾を得た個人データをさらに集積するため、治験会社などとのアライアンスも積極活用して拡販を強化する。

 15年5月には、患者が自分自身の診療情報の一部を保管・閲覧することを目的とした、病院向けデジタル健康ソリューション「エースビジョン」の本格導入を開始した。診察記録モジュール、医療情報統合IDカード「CADA」および診療情報保管・閲覧サービス「カルテコ」を付帯したトータルソリューションで、25年を目途に2次医療圏(医療法に基づき厚生労働省が決定している医療の地域圏)344医療圏に各1病院の導入を目指している。

■製薬会社向けデータ利活用サービス

 製薬会社向けデータ利活用サービスは、データネットワークサービスで集積した医療情報などの各種データをビッグデータとして活用し、処方数分析、処方診療科分析、併用薬分析、副作用発生リスク分析などの分析ツール・サービスを提供する。

 医療機関における処方実態が把握可能な診療データ分析ツール「MDV analyzer」を主力として、製薬会社個別ニーズに対するサービス「アドホック調査サービス」も提供している。15年3月には薬剤安全性分析をはじめとした疫学調査支援を目的とした分析システム「MDV analyzer for Academia」を、15年4月には薬剤処方実態に関する基礎分析が簡便に行えるWEB分析ツール「MDV analyzer Light」をリリースした。

 先発薬向けが主力だが、15年2月にはOTC(一般用医薬品)およびH&BC(ヘルス&ビューティケア)分野を対象とした調査分析サービスも開始した。15年4月にはクロス・マーケティンググループ<3675>と共同で、OTC・H&BCメーカー向けに診療統計データと定性データをリンクさせたワンストップ分析サービス「ヘルスオプティマイザー」の提供を開始した。

 15年6月には診療統計データ分析レポート「Medical Trend Report for 食品・機能性食品」の提供を開始した。15年4月から機能性表示食品制度がスタートしたことに対応して、機能性表示食品群において未整備のカテゴリー体系を当社が独自に26カテゴリー・83セグメントに定義構築し、食品・機能性食品向けの疾病市場分析などを提供する。

 15年9月には診療統計データ分析レポート「Medical Trend Report for シニアマーケット」の提供を開始した。60〜80歳における疾病マーケットをEBM(根拠に基づいた医療)の観点で捉え、シニアマーケットの動向を現状分析のみならず、高齢化による人口動態や疾病構造の変動も考慮し、10年後の将来予測も踏まえてレポートしている。

 16年11月には業界初となる実臨床現場における医療材料に関するメーカー別・製品別シェア分析調査サービスの提供を開始した。

■日本国民8人に1人、民間最大規模の診療データベースに成長

 12月2日発表の診療データベース概況によると、当社が保有する大規模診療データベース(病院から2次利用の許諾を得て、匿名化処理がなされた入院患者ごとの診断名、治療方法、薬剤処方が分かる実臨床データ)について、16年11月末現在の実患者数は1687万人(15年12月末比332422万人増加)で、日本国民8人に1人に相当する規模に達している。

 全保険種類を網羅した民間では最大規模を誇るデータベースで、規模と質において製薬会社・研究機関から高い評価を受けている。副作用の発生リスクや薬剤の効果検証などに活用されているほか、16年からはインシュアランス(保険)分野での活用も広がっている。

■中期成長に向けて事業領域拡大推進

 中期成長に向けてDPCデータを含めた個人データをさらに集積し、カルテ情報を永続的に取得できるように、電子カルテ・オーダリングシステム・レセプトコンピュータなど基幹システム分野への進出も計画している。病院・診療所への事業展開加速、永続的に取得するインフラおよびデータベース作りを通じて、事業基盤安定化とともに中期成長を目指す方針だ。

 15年6月には医師専門転職サイト「メディリア」をオープンした。厚生労働省が04年に「新臨床研修医制度」を導入して以来、大学医局へ入局するのではなく、自ら情報を集めて勤務先病院を選択する医師が増加していることに対応し、勤務地・病床数・報酬といった基本情報だけでなく、当社が独自に保有している大規模診療データベースなどを活用して患者特性や診療実績などの情報も提供する。医療情報統合IDカード「CADA」の発行・管理・運用受託などを行うことを目的に15年4月設立した子会社CADAは、病院での決済事業を実験的にスタートした。

 16年8月にはCEホールディングス<4320>で電子カルテシステム開発・販売を行うシーエスアイ(CSI)と業務提携した。15年6月サービス開始した患者向けWEBサービス「カルテコ」と、患者が支払日を決められる医療費後払いサービス「CADA決済」などを融合した病院向けデジタル健康ソリューション「CADA−BOX」を、既存の電子カルテシステムと連携させるスキームの第一弾として、CSIの電子カルテシステム「MI・RA・Isシリーズ」に「CADA−BOX」を連携させる。

 16年10月、医療費専門決済事業に進出して医療費後払いサービス「CADA決済」の提供を開始、診療情報の共有機能と医療費後払いサービスなどを融合した病院向けデジタル健康ソリューション「CADA−BOX」の提供を開始した。

■第4四半期の構成比が高い収益構造

 四半期別の業績推移を見ると、15年12月期(非連結)は売上高が第1四半期4億77百万円、第2四半期4億76百万円、第3四半期7億32百万円、第4四半期7億26百万円で、事業別にはデータネットワークサービスが2億97百万円、2億89百万円、4億74百万円、3億88百万円、データ利活用サービスが1億80百万円、1億86百万円、2億57百万円、3億38百万円だった。営業利益は21百万円、50百万円の赤字、1億29百万円、1億82百万円だった。データ利活用サービスに占める外資系製薬会社の割合が高いため、外資系製薬会社の決算期に当たる第4四半期の構成比が高い収益構造である。

 15年12月期(非連結)は14年12月期比増収増益だった。新規事業立ち上げ、積極的な人材採用、営業活動強化などで売上原価と販管費が増加したが、増収効果で吸収した。売上総利益は21.2%増加し、売上総利益率は78.6%で1.7ポイント低下した。販管費は23.7%増加し、販管費比率は66.9%で横ばいだった。ROEは6.9%で1.1ポイント低下、自己資本比率は85.3%で0.1ポイント低下した。

 事業別売上高はデータネットワークサービスが19.5%増の14億49百万円(初期導入費のパッケージが31.1%増の7億30百万円、月額保守費のメンテナンスが9.6%増の7億19百万円)、データ利活用サービスが30.8%増の9億63百万円(アドホック調査サービスが31.6%増の6億86百万円、「MDV analyzer」が11.7%増の2億40百万円、新規が36百万円)だった。

 なお15年12月期末の「EVE」導入病院数は63病院増加の768病院、DPC病院(1578病院)における「EVE」導入病院の割合は45%超、「Medical Code」導入病院数は45病院増加の176病院、診察データの実患者数は400万人増加の1265万人だった。

■16年12月期第3四半期累計は計画水準で実質増収増益

 今期(16年12月期)第3四半期累計(1〜9月)の連結業績(子会社CADAの重要性が増したため連結決算に移行)は売上高が17億32百万円、営業利益が1億23百万円、経常利益が1億22百万円、純利益が75百万円だった。売上高、利益ともほぼ計画どおり順調に進捗した。

 前年同期の非連結業績(売上高が16億86百万円、営業利益が1億円、経常利益が98百万円、純利益が56百万円)との比較で2.7%増収、23.0%営業増益、24.5%経常増益、33.9%最終増益だった。高単価・低収益の電子カルテシステムの積極的な販売を見合わせ、16年10月提供開始の病院向けデジタル健康ソリューション「CADA−BOX」の営業に注力した。売上総利益率は82.0%で4.7ポイント上昇、販管費比率は74.8%で3.4ポイント上昇した。

 16年9月末時点における「EVE」累計導入病院数は15年12月期末比11病院増加の779病院、「Medical Code」累計導入病院数は同32病院増加の208病院、大規模診察データベース実患者数は同332万人増加の1597万人、データ利活用サービスの診療データ分析ツール「MDV analyzer」利用社数は同2社増加の13社となった。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期5億19百万円、第2四半期5億17百万円、第3四半期6億96百万円、営業利益は11百万円、18百万円の赤字、1億30百万円だった。

■16年12月期通期は増収増益基調

 今期(16年12月期)通期の連結業績予想(連結決算移行に伴って8月8日公表)は、売上高30億01百万円、営業利益3億03百万円、経常利益3億円、純利益1億74百万円としている。前期(15年12月期)の非連結業績(売上高24億13百万円、営業利益2億82百万円、経常利益2億80百万円、純利益1億64百万円)との比較で24.4%増収、7.3%営業増益、7.3%経常増益、6.5%最終増益となる。配当予想は無配継続としている。

 システム開発、データ蓄積セキュリティ強化、電子カルテソリューション拡販、積極採用に伴う人件費の増加などで営業利益は小幅増益だが、主力製品・サービスが好調に推移し、新サービス投入も寄与して大幅増収見通しである。通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が57.7%、営業利益が40.6%、経常利益が40.7%、純利益が43.1%で低水準の形だが、第4四半期の構成比が高い収益構造のためネガティブ要因とはならない。通期ベースでは増収増益基調が期待される。

■17年12月期から成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長イメージでは、15年12月期および16年12月期を成長の第3フェーズの投資継続期として、目標値として売上高は毎年30%前後の増加、売上高経常利益率は10%前後の維持としている。電子カルテソリューションを介して個人から同意を得た診療データを蓄積し、個人が診療情報を管理できる仕組みを構築する。さらに蓄積された多様なデータを活用して、利活用サービス領域の成長を加速させる。

 そして17年12月期からは成長の第4フェーズで投資回収期としている。蓄積データを活用して利活用サービスのビジネス領域が拡大し、売上高の拡大とともに投資回収を開始する方針だ。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株主優待制度を16年12月期末から導入

 株主優待制度は16年12月期から導入した。毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。

■株価は調整一巡して戻り試す

 株価の動き(16年7月1日付で株式2分割、16年11月24日付で東証1部へ市場変更)を見ると、9月の上場来高値3300円円から反落して上値を切り下げる展開となったが、12月9日の直近安値2020円から切り返しの動きを強めている。12月26日には2500円まで上伸した。

 12月29日の終値2417円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円44銭で算出)は131倍近辺、前期実績PBR(前期実績の非連結ベースBPS527円50銭で算出)は4.6倍近辺である。なお時価総額は約230億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。調整一巡して戻りを試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月05日更新]

メディカル・データ・ビジョンは自律調整一巡して上値試す、ビッグデータ関連で中期成長期待

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東1)は医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。11月24日付で東証マザーズから東証1部に市場変更した。大規模診療データベースが16年11末現在患者数1687万人と日本国民8人に1人に相当する規模に達し、16年12月期増収増益予想である。株価は9月の上場来高値から反落したが、ビッグデータ関連で中期成長期待が強く、自律調整一巡して上値を試す展開だろう。16年12月期末から導入する株主優待も注目点だ。

■医療情報のネットワーク化を推進

 医療情報のネットワーク化を推進する企業である。医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツールを販売するデータ利活用サービスを展開している。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報をビッグデータとして活用するためのデータ分析ツール・サービスを、データ利活用サービスとして製薬会社向けに販売するビジネスモデルだ。

 医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)が収益源である。15年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービス60.1%、データ利活用サービス39.9%だった。

 なお医療関連企業との資本業務提携により、富士フイルムが第1位株主、メディパルホールディングスが第2位株主、シミックホールディングスが第4位株主となっている。

■医療機関向けデータネットワークスサービス

 医療機関向けのデータネットワークサービスでは、DPC制度導入対象病院向けのDPC分析ベンチマークシステム「EVE」「EVE−ASP」および病院経営支援システム「Medical Code」を主力としている。DPC制度は急性期病院における入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度である。医療費の適正化、診療データ(DPCデータ)開示による透明性の向上、医療の質向上などを目的として厚生労働省が03年に導入した。

 DPC分析システム「EVE」は自院の診療内容や状況を他院と比較しながら分析できるベンチマークシステムである。15年12月期末の導入病院数は768病院で、DPC病院(1578病院)における「EVE」導入病院の割合45%超という圧倒的シェアを獲得している。DPC詳細分析ベンチマークシステム「EVE−ASP」は実名を公開した自院と他院を比較できるシステムだ。病院向け経営支援システム「Medical Code」は原価管理など病院経営全般に関わる事項を分析できるシステムで、15年12月期末導入病院数は176病院となった。

■医療機関向け新サービスで「エースビジョン」が本格化

 医療機関向け新サービスでは、14年5月に診療所向け電子カルテソリューション「カルテビジョン」をリリースした。2次利用の許諾を得た個人データをさらに集積するため、治験会社などとのアライアンスも積極活用して拡販を強化する。

 15年5月には、患者が自分自身の診療情報の一部を保管・閲覧することを目的とした、病院向けデジタル健康ソリューション「エースビジョン」の本格導入を開始した。診察記録モジュール、医療情報統合IDカード「CADA」および診療情報保管・閲覧サービス「カルテコ」を付帯したトータルソリューションで、25年を目途に2次医療圏(医療法に基づき厚生労働省が決定している医療の地域圏)344医療圏に各1病院の導入を目指している。

■製薬会社向けデータ利活用サービス

 製薬会社向けデータ利活用サービスは、データネットワークサービスで集積した医療情報などの各種データをビッグデータとして活用し、処方数分析、処方診療科分析、併用薬分析、副作用発生リスク分析などの分析ツール・サービスを提供する。

 医療機関における処方実態が把握可能な診療データ分析ツール「MDV analyzer」を主力として、製薬会社個別ニーズに対するサービス「アドホック調査サービス」も提供している。15年3月には薬剤安全性分析をはじめとした疫学調査支援を目的とした分析システム「MDV analyzer for Academia」を、15年4月には薬剤処方実態に関する基礎分析が簡便に行えるWEB分析ツール「MDV analyzer Light」をリリースした。

 先発薬向けが主力だが、15年2月にはOTC(一般用医薬品)およびH&BC(ヘルス&ビューティケア)分野を対象とした調査分析サービスも開始した。15年4月にはクロス・マーケティンググループ<3675>と共同で、OTC・H&BCメーカー向けに診療統計データと定性データをリンクさせたワンストップ分析サービス「ヘルスオプティマイザー」の提供を開始した。

 15年6月には診療統計データ分析レポート「Medical Trend Report for 食品・機能性食品」の提供を開始した。15年4月から機能性表示食品制度がスタートしたことに対応して、機能性表示食品群において未整備のカテゴリー体系を当社が独自に26カテゴリー・83セグメントに定義構築し、食品・機能性食品向けの疾病市場分析などを提供する。

 15年9月には診療統計データ分析レポート「Medical Trend Report for シニアマーケット」の提供を開始した。60〜80歳における疾病マーケットをEBM(根拠に基づいた医療)の観点で捉え、シニアマーケットの動向を現状分析のみならず、高齢化による人口動態や疾病構造の変動も考慮し、10年後の将来予測も踏まえてレポートしている。

 16年11月には業界初となる実臨床現場における医療材料に関するメーカー別・製品別シェア分析調査サービスの提供を開始した。

■日本国民8人に1人、民間最大規模の診療データベースに成長

 12月2日発表の診療データベース概況によると、当社が保有する大規模診療データベース(病院から2次利用の許諾を得て、匿名化処理がなされた入院患者ごとの診断名、治療方法、薬剤処方が分かる実臨床データ)について、16年11月末現在の実患者数は1687万人(15年12月末比332422万人増加)で、日本国民8人に1人に相当する規模に達している。

 全保険種類を網羅した民間では最大規模を誇るデータベースで、規模と質において製薬会社・研究機関から高い評価を受けている。副作用の発生リスクや薬剤の効果検証などに活用されているほか、16年からはインシュアランス(保険)分野での活用も広がっている。

■中期成長に向けて事業領域拡大推進

 中期成長に向けてDPCデータを含めた個人データをさらに集積し、カルテ情報を永続的に取得できるように、電子カルテ・オーダリングシステム・レセプトコンピュータなど基幹システム分野への進出も計画している。病院・診療所への事業展開加速、永続的に取得するインフラおよびデータベース作りを通じて、事業基盤安定化とともに中期成長を目指す方針だ。

 15年6月には医師専門転職サイト「メディリア」をオープンした。厚生労働省が04年に「新臨床研修医制度」を導入して以来、大学医局へ入局するのではなく、自ら情報を集めて勤務先病院を選択する医師が増加していることに対応し、勤務地・病床数・報酬といった基本情報だけでなく、当社が独自に保有している大規模診療データベースなどを活用して患者特性や診療実績などの情報も提供する。医療情報統合IDカード「CADA」の発行・管理・運用受託などを行うことを目的に15年4月設立した子会社CADAは、病院での決済事業を実験的にスタートした。

 16年8月にはCEホールディングス<4320>で電子カルテシステム開発・販売を行うシーエスアイ(CSI)と業務提携した。15年6月サービス開始した患者向けWEBサービス「カルテコ」と、患者が支払日を決められる医療費後払いサービス「CADA決済」などを融合した病院向けデジタル健康ソリューション「CADA−BOX」を、既存の電子カルテシステムと連携させるスキームの第一弾として、CSIの電子カルテシステム「MI・RA・Isシリーズ」に「CADA−BOX」を連携させる。

 16年10月、医療費専門決済事業に進出して医療費後払いサービス「CADA決済」の提供を開始、診療情報の共有機能と医療費後払いサービスなどを融合した病院向けデジタル健康ソリューション「CADA−BOX」の提供を開始した。

■第4四半期の構成比が高い収益構造

 四半期別の業績推移を見ると、15年12月期(非連結)は売上高が第1四半期4億77百万円、第2四半期4億76百万円、第3四半期7億32百万円、第4四半期7億26百万円で、事業別にはデータネットワークサービスが2億97百万円、2億89百万円、4億74百万円、3億88百万円、データ利活用サービスが1億80百万円、1億86百万円、2億57百万円、3億38百万円だった。営業利益は21百万円、50百万円の赤字、1億29百万円、1億82百万円だった。データ利活用サービスに占める外資系製薬会社の割合が高いため、外資系製薬会社の決算期に当たる第4四半期の構成比が高い収益構造である。

 15年12月期(非連結)は14年12月期比増収増益だった。新規事業立ち上げ、積極的な人材採用、営業活動強化などで売上原価と販管費が増加したが、増収効果で吸収した。売上総利益は21.2%増加し、売上総利益率は78.6%で1.7ポイント低下した。販管費は23.7%増加し、販管費比率は66.9%で横ばいだった。ROEは6.9%で1.1ポイント低下、自己資本比率は85.3%で0.1ポイント低下した。

 事業別売上高はデータネットワークサービスが19.5%増の14億49百万円(初期導入費のパッケージが31.1%増の7億30百万円、月額保守費のメンテナンスが9.6%増の7億19百万円)、データ利活用サービスが30.8%増の9億63百万円(アドホック調査サービスが31.6%増の6億86百万円、「MDV analyzer」が11.7%増の2億40百万円、新規が36百万円)だった。

 なお15年12月期末の「EVE」導入病院数は63病院増加の768病院、DPC病院(1578病院)における「EVE」導入病院の割合は45%超、「Medical Code」導入病院数は45病院増加の176病院、診察データの実患者数は400万人増加の1265万人だった。

■16年12月期第3四半期累計は計画水準で実質増収増益

 今期(16年12月期)第3四半期累計(1〜9月)の連結業績(子会社CADAの重要性が増したため連結決算に移行)は売上高が17億32百万円、営業利益が1億23百万円、経常利益が1億22百万円、純利益が75百万円だった。売上高、利益ともほぼ計画どおり順調に進捗した。

 前年同期の非連結業績(売上高が16億86百万円、営業利益が1億円、経常利益が98百万円、純利益が56百万円)との比較で2.7%増収、23.0%営業増益、24.5%経常増益、33.9%最終増益だった。高単価・低収益の電子カルテシステムの積極的な販売を見合わせ、16年10月提供開始の病院向けデジタル健康ソリューション「CADA−BOX」の営業に注力した。売上総利益率は82.0%で4.7ポイント上昇、販管費比率は74.8%で3.4ポイント上昇した。

 16年9月末時点における「EVE」累計導入病院数は15年12月期末比11病院増加の779病院、「Medical Code」累計導入病院数は同32病院増加の208病院、大規模診察データベース実患者数は同332万人増加の1597万人、データ利活用サービスの診療データ分析ツール「MDV analyzer」利用社数は同2社増加の13社となった。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期5億19百万円、第2四半期5億17百万円、第3四半期6億96百万円、営業利益は11百万円、18百万円の赤字、1億30百万円だった。

■16年12月期通期は増収増益基調

 今期(16年12月期)通期の連結業績予想(連結決算移行に伴って8月8日公表)は、売上高30億01百万円、営業利益3億03百万円、経常利益3億円、純利益1億74百万円としている。前期(15年12月期)の非連結業績(売上高24億13百万円、営業利益2億82百万円、経常利益2億80百万円、純利益1億64百万円)との比較で24.4%増収、7.3%営業増益、7.3%経常増益、6.5%最終増益となる。配当予想は無配継続としている。

 システム開発、データ蓄積セキュリティ強化、電子カルテソリューション拡販、積極採用に伴う人件費の増加などで営業利益は小幅増益だが、主力製品・サービスが好調に推移し、新サービス投入も寄与して大幅増収見通しである。通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が57.7%、営業利益が40.6%、経常利益が40.7%、純利益が43.1%で低水準の形だが、第4四半期の構成比が高い収益構造のためネガティブ要因とはならない。通期ベースでは増収増益基調が期待される。

■17年12月期から成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長イメージでは、15年12月期および16年12月期を成長の第3フェーズの投資継続期として、目標値として売上高は毎年30%前後の増加、売上高経常利益率は10%前後の維持としている。電子カルテソリューションを介して個人から同意を得た診療データを蓄積し、個人が診療情報を管理できる仕組みを構築する。さらに蓄積された多様なデータを活用して、利活用サービス領域の成長を加速させる。

 そして17年12月期からは成長の第4フェーズで投資回収期としている。蓄積データを活用して利活用サービスのビジネス領域が拡大し、売上高の拡大とともに投資回収を開始する方針だ。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株主優待制度を16年12月期末から導入

 株主優待制度は16年12月期から導入する。毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。

■株価は自律調整一巡して上値試す

 株価の動き(16年7月1日付で株式2分割、16年11月24日付で東証1部へ市場変更)を見ると、9月の上場来高値3300円円から利益確定売りで反落したが、地合い悪化も影響した11月9日の直近安値2155円から切り返しの動きを強めている。

 12月2日の終値2547円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円44銭で算出)は138倍近辺、前期実績PBR(前期実績の非連結ベースBPS527円50銭で算出)は4.8倍近辺である。なお時価総額は約242億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返してサポートラインを確認した形だ。ビッグデータ関連で中期成長期待が強く、自律調整が一巡して上値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月14日更新]

メディカル・データ・ビジョンは自律調整一巡して上値試す、ビッグデータ関連の中期成長力を評価する流れに変化なし

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東マ)は医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。大規模診療データベースは16年9月末現在の患者数が1597万人で、日本国民8人に1人に相当する規模に達している。16年12月期増収増益予想で中期的にも一段の収益拡大が期待される。株価は9月の上場来高値から一旦反落したが、ビッグデータ関連の中期成長力を評価する流れに変化はなく、自律調整が一巡して上値を試す展開だろう。

■医療情報のネットワーク化を推進

 医療情報のネットワーク化を推進する企業である。医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツールを販売するデータ利活用サービスを展開している。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報をビッグデータとして活用するためのデータ分析ツール・サービスを、データ利活用サービスとして製薬会社向けに販売するビジネスモデルだ。

 医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)が収益源である。15年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービス60.1%、データ利活用サービス39.9%だった。

 なお医療関連企業との資本業務提携により、富士フイルムが第1位株主、メディパルホールディングスが第2位株主、シミックホールディングスが第4位株主となっている。

■医療機関向けデータネットワークスサービス

 医療機関向けのデータネットワークサービスでは、DPC制度導入対象病院向けのDPC分析ベンチマークシステム「EVE」「EVE−ASP」および病院経営支援システム「Medical Code」を主力としている。DPC制度は急性期病院における入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度である。医療費の適正化、診療データ(DPCデータ)開示による透明性の向上、医療の質向上などを目的として厚生労働省が03年に導入した。

 DPC分析システム「EVE」は自院の診療内容や状況を他院と比較しながら分析できるベンチマークシステムである。15年12月期末の導入病院数は768病院で、DPC病院(1578病院)における「EVE」導入病院の割合45%超という圧倒的シェアを獲得している。DPC詳細分析ベンチマークシステム「EVE−ASP」は実名を公開した自院と他院を比較できるシステムだ。病院向け経営支援システム「Medical Code」は原価管理など病院経営全般に関わる事項を分析できるシステムで、15年12月期末導入病院数は176病院となった。

■医療機関向け新サービスで「エースビジョン」が本格化

 医療機関向け新サービスでは、14年5月に診療所向け電子カルテソリューション「カルテビジョン」をリリースした。2次利用の許諾を得た個人データをさらに集積するため、治験会社などとのアライアンスも積極活用して拡販を強化する。

 15年5月には、患者が自分自身の診療情報の一部を保管・閲覧することを目的とした、病院向けデジタル健康ソリューション「エースビジョン」の本格導入を開始した。診察記録モジュール、医療情報統合IDカード「CADA」および診療情報保管・閲覧サービス「カルテコ」を付帯したトータルソリューションで、25年を目途に2次医療圏(医療法に基づき厚生労働省が決定している医療の地域圏)344医療圏に各1病院の導入を目指している。

■製薬会社向けデータ利活用サービス

 製薬会社向けデータ利活用サービスは、データネットワークサービスで集積した医療情報などの各種データをビッグデータとして活用し、処方数分析、処方診療科分析、併用薬分析、副作用発生リスク分析などの分析ツール・サービスを提供する。

 医療機関における処方実態が把握可能な診療データ分析ツール「MDV analyzer」を主力として、製薬会社個別ニーズに対するサービス「アドホック調査サービス」も提供している。15年3月には薬剤安全性分析をはじめとした疫学調査支援を目的とした分析システム「MDV analyzer for Academia」を、15年4月には薬剤処方実態に関する基礎分析が簡便に行えるWEB分析ツール「MDV analyzer Light」をリリースした。

 先発薬向けが主力だが、15年2月にはOTC(一般用医薬品)およびH&BC(ヘルス&ビューティケア)分野を対象とした調査分析サービスも開始した。15年4月にはクロス・マーケティンググループ<3675>と共同で、OTC・H&BCメーカー向けに診療統計データと定性データをリンクさせたワンストップ分析サービス「ヘルスオプティマイザー」の提供を開始した。

 15年6月には診療統計データ分析レポート「Medical Trend Report for 食品・機能性食品」の提供を開始した。15年4月から機能性表示食品制度がスタートしたことに対応して、機能性表示食品群において未整備のカテゴリー体系を当社が独自に26カテゴリー・83セグメントに定義構築し、食品・機能性食品向けの疾病市場分析などを提供する。

 15年9月には診療統計データ分析レポート「Medical Trend Report for シニアマーケット」の提供を開始した。60〜80歳における疾病マーケットをEBM(根拠に基づいた医療)の観点で捉え、シニアマーケットの動向を現状分析のみならず、高齢化による人口動態や疾病構造の変動も考慮し、10年後の将来予測も踏まえてレポートしている。

■日本国民8人に1人、民間最大規模の診療データベースに成長

 10月3日発表の診療データベース概況によると、当社が保有する大規模診療データベース(病院から2次利用の許諾を得て、匿名化処理がなされた入院患者ごとの診断名、治療方法、薬剤処方が分かる実臨床データ)について、16年9月末現在の実患者数は1597万人(15年12月末比332万人増加)で、日本国民8人に1人に相当する規模に達している。

 全保険種類を網羅した民間では最大規模を誇るデータベースで、規模と質において製薬会社・研究機関から高い評価を受けている。副作用の発生リスクや薬剤の効果検証などに活用されているほか、16年からはインシュアランス(保険)分野での活用も広がっている。

■中期成長に向けて事業領域拡大推進

 中期成長に向けてDPCデータを含めた個人データをさらに集積し、カルテ情報を永続的に取得できるように、電子カルテ・オーダリングシステム・レセプトコンピュータなど基幹システム分野への進出も計画している。病院・診療所への事業展開加速、永続的に取得するインフラおよびデータベース作りを通じて、事業基盤安定化とともに中期成長を目指す方針だ。

 15年6月には医師専門転職サイト「メディリア」をオープンした。厚生労働省が04年に「新臨床研修医制度」を導入して以来、大学医局へ入局するのではなく、自ら情報を集めて勤務先病院を選択する医師が増加していることに対応し、勤務地・病床数・報酬といった基本情報だけでなく、当社が独自に保有している大規模診療データベースなどを活用して患者特性や診療実績などの情報も提供する。医療情報統合IDカード「CADA」の発行・管理・運用受託などを行うことを目的に15年4月設立した子会社CADAは、病院での決済事業を実験的にスタートした。

 16年8月にはCEホールディングス<4320>で電子カルテシステム開発・販売を行うシーエスアイ(CSI)と業務提携した。15年6月サービス開始した患者向けWEBサービス「カルテコ」と、患者が支払日を決められる医療費後払いサービス「CADA決済」などを融合した病院向けデジタル健康ソリューション「CADA−BOX」を、既存の電子カルテシステムと連携させるスキームの第一弾として、CSIの電子カルテシステム「MI・RA・Isシリーズ」に「CADA−BOX」を連携させる。

 そして16年10月、医療費専門決済事業に進出して医療費後払いサービス「CADA決済」の提供を開始、診療情報の共有機能と医療費後払いサービスなどを融合した病院向けデジタル健康ソリューション「CADA−BOX」の提供を開始した。

■第4四半期の構成比が高い収益構造

 四半期別の業績推移を見ると、15年12月期(非連結)は売上高が第1四半期4億77百万円、第2四半期4億76百万円、第3四半期7億32百万円、第4四半期7億26百万円で、事業別にはデータネットワークサービスが2億97百万円、2億89百万円、4億74百万円、3億88百万円、データ利活用サービスが1億80百万円、1億86百万円、2億57百万円、3億38百万円だった。営業利益は21百万円、50百万円の赤字、1億29百万円、1億82百万円だった。データ利活用サービスに占める外資系製薬会社の割合が高いため、外資系製薬会社の決算期に当たる第4四半期の構成比が高い収益構造である。

 15年12月期(非連結)は14年12月期比増収増益だった。新規事業立ち上げ、積極的な人材採用、営業活動強化などで売上原価と販管費が増加したが、増収効果で吸収した。売上総利益は21.2%増加し、売上総利益率は78.6%で1.7ポイント低下した。販管費は23.7%増加し、販管費比率は66.9%で横ばいだった。ROEは6.9%で1.1ポイント低下、自己資本比率は85.3%で0.1ポイント低下した。

 事業別売上高はデータネットワークサービスが19.5%増の14億49百万円(初期導入費のパッケージが31.1%増の7億30百万円、月額保守費のメンテナンスが9.6%増の7億19百万円)、データ利活用サービスが30.8%増の9億63百万円(アドホック調査サービスが31.6%増の6億86百万円、「MDV analyzer」が11.7%増の2億40百万円、新規が36百万円)だった。

 なお15年12月期末の「EVE」導入病院数は63病院増加の768病院、DPC病院(1578病院)における「EVE」導入病院の割合は45%超、「Medical Code」導入病院数は45病院増加の176病院、診察データの実患者数は400万人増加の1265万人だった。

■16年12月期第2四半期累計は過去最高の売上高で赤字縮小

 今期(16年12月期)第2四半期累計(1〜6月)の連結業績(子会社CADAの重要性が増したため連結決算に移行)は売上高10億36百万円、営業利益7百万円の赤字、経常利益8百万円の赤字、純利益9百万円の赤字だった。前年同期の非連結業績(売上高9億54百万円、営業利益28百万円の赤字、経常利益30百万円の赤字、純利益24百万円の赤字)比8.6%増収で、各利益の赤字が縮小した。

 第2四半期累計として過去最高の売上高となり、増収効果で各利益の赤字が縮小した。売上総利益は11.5%増加し、売上総利益率は80.9%で2.1ポイント上昇した。販管費は8.3%増加し、販管費比率は81.6%で0.2ポイント低下した。

 事業別売上高はデータネットワークサービスが4.9%増の6億20百万円(パッケージが2.9%減の2億25百万円、メンテナンスが13.7%増の3億94百万円)で、データ利活用サービスが14.8%増の4億15百万円(アドホック調査サービスが19.8%増の2億66百万円、「MDV analyzer」が1.5%増の1億25百万円、新規が46.4%増の24百万円)だった。データネットワークサービスではメンテナンスが堅調に推移した。パッケージは減収だが「Medical Code」導入病院数は増加した。データ利活用サービスではアドホック調査サービスの利用社数・案件が増加した。

 16年6月末時点の「EVE」導入病院数は15年12月期末比横ばいの768病院、「Medical Code」導入病院数は同17病院増加の193病院、16年7月末現在の診察データの実患者数は同230万人増加の1495万人だった。

■16年12月期通期は増収増益基調

 今期(16年12月期)通期の連結業績予想(連結決算移行に伴って8月8日公表)は、売上高30億01百万円、営業利益3億03百万円、経常利益3億円、純利益1億74百万円としている。前期(15年12月期)の非連結業績(売上高24億13百万円、営業利益2億82百万円、経常利益2億80百万円、純利益1億64百万円)との比較で24.4%増収、7.3%営業増益、7.3%経常増益、6.5%最終増益となる。配当予想は無配継続としている。

 システム開発、データ蓄積セキュリティ強化、電子カルテソリューション拡販、積極採用に伴う人件費の増加などで営業利益は小幅増益だが、主力製品・サービスが好調に推移し、新サービス投入も寄与して大幅増収見通しだ。通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は低水準の形だが、第4四半期の構成比が高い収益構造のためネガティブ要因とはならない。通期ベースでは増収増益基調が予想される。

■17年12月期から成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長イメージでは、15年12月期および16年12月期を成長の第3フェーズの投資継続期として、目標値として売上高は毎年30%前後の増加、売上高経常利益率は10%前後の維持としている。電子カルテソリューションを介して個人から同意を得た診療データを蓄積し、個人が診療情報を管理できる仕組みを構築する。さらに蓄積された多様なデータを活用して、利活用サービス領域の成長を加速させる。

 そして17年12月期からは成長の第4フェーズで投資回収期としている。蓄積データを活用して利活用サービスのビジネス領域が拡大し、売上高の拡大とともに投資回収を開始する方針だ。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株主優待制度を16年12月期末から導入

 株主優待制度は16年12月期から導入する。毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。

■株価は自律調整一巡して上値試す、中期成長力を評価する流れに変化なし

 株価の動き(16年7月1日付で株式2分割)を見ると、9月28日の上場来高値3300円円から利益確定売りで一旦反落したが、自律調整の範囲だろう。

 10月13日の終値2775円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円44銭で算出)は150倍近辺、前期実績PBR(前期実績の非連結ベースBPS527円50銭で算出)は5.3倍近辺である。なお時価総額は約263億円である。

 週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消した。ビッグデータ関連の中期成長力を評価する流れに変化はなく、自律調整が一巡して上値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[9月13日更新]

メディカル・データ・ビジョンは上場来高値更新の展開、ビッグデータ関連の中期成長力を評価

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東マ)は医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。大規模診療データベースは16年8月末現在の患者数が1557万人で、国民の約8人に1人に相当する規模となった。16年12月期増収増益予想で中期的にも一段の収益拡大が期待される。株価は上場来高値更新の展開だ。ビッグデータ関連の中期成長力を評価する流れに変化はなく、目先的な過熱感を冷ますための自律調整を交えながら上値を追う展開だろう。

■医療情報のネットワーク化を推進

 医療情報のネットワーク化を推進する企業である。医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツールを販売するデータ利活用サービスを展開している。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報をビッグデータとして活用するためのデータ分析ツール・サービスを、データ利活用サービスとして製薬会社向けに販売するビジネスモデルだ。

 医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)が収益源である。15年12月期の事業別売上構成比はデータネットワークサービス60.1%、データ利活用サービス39.9%だった。

 なお医療関連企業との資本業務提携により、富士フイルムが第1位株主、メディパルホールディングスが第2位株主、シミックホールディングスが第4位株主となっている。

■医療機関向けデータネットワークスサービス

 医療機関向けのデータネットワークサービスでは、DPC制度導入対象病院向けのDPC分析ベンチマークシステム「EVE」「EVE−ASP」および病院経営支援システム「Medical Code」を主力としている。DPC制度は急性期病院における入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度である。医療費の適正化、診療データ(DPCデータ)開示による透明性の向上、医療の質向上などを目的として厚生労働省が03年に導入した。

 DPC分析システム「EVE」は自院の診療内容や状況を他院と比較しながら分析できるベンチマークシステムである。15年12月期末の導入病院数は768病院で、DPC病院(1578病院)における「EVE」導入病院の割合45%超という圧倒的シェアを獲得している。DPC詳細分析ベンチマークシステム「EVE−ASP」は実名を公開した自院と他院を比較できるシステムだ。病院向け経営支援システム「Medical Code」は原価管理など病院経営全般に関わる事項を分析できるシステムで、15年12月期末導入病院数は176病院となった。

■医療機関向け新サービスで「エースビジョン」が本格化

 医療機関向け新サービスでは、14年5月に診療所向け電子カルテソリューション「カルテビジョン」をリリースした。2次利用の許諾を得た個人データをさらに集積するため、治験会社などとのアライアンスも積極活用して拡販を強化する。

 15年5月には、患者が自分自身の診療情報の一部を保管・閲覧することを目的とした、病院向けデジタル健康ソリューション「エースビジョン」の本格導入を開始した。診察記録モジュール、医療情報統合IDカード「CADA」および診療情報保管・閲覧サービス「カルテコ」を付帯したトータルソリューションで、25年を目途に2次医療圏(医療法に基づき厚生労働省が決定している医療の地域圏)344医療圏に各1病院の導入を目指している。

■製薬会社向けデータ利活用サービス

 製薬会社向けデータ利活用サービスは、データネットワークサービスで集積した医療情報などの各種データをビッグデータとして活用し、処方数分析、処方診療科分析、併用薬分析、副作用発生リスク分析などの分析ツール・サービスを提供する。

 医療機関における処方実態が把握可能な診療データ分析ツール「MDV analyzer」を主力として、製薬会社個別ニーズに対するサービス「アドホック調査サービス」も提供している。15年3月には薬剤安全性分析をはじめとした疫学調査支援を目的とした分析システム「MDV analyzer for Academia」を、15年4月には薬剤処方実態に関する基礎分析が簡便に行えるWEB分析ツール「MDV analyzer Light」をリリースした。

 先発薬向けが主力だが、15年2月にはOTC(一般用医薬品)およびH&BC(ヘルス&ビューティケア)分野を対象とした調査分析サービスも開始した。15年4月にはクロス・マーケティンググループ<3675>と共同で、OTC・H&BCメーカー向けに診療統計データと定性データをリンクさせたワンストップ分析サービス「ヘルスオプティマイザー」の提供を開始した。

 15年6月には診療統計データ分析レポート「Medical Trend Report for 食品・機能性食品」の提供を開始した。15年4月から機能性表示食品制度がスタートしたことに対応して、機能性表示食品群において未整備のカテゴリー体系を当社が独自に26カテゴリー・83セグメントに定義構築し、食品・機能性食品向けの疾病市場分析などを提供する。

 15年9月には診療統計データ分析レポート「Medical Trend Report for シニアマーケット」の提供を開始した。60〜80歳における疾病マーケットをEBM(根拠に基づいた医療)の観点で捉え、シニアマーケットの動向を現状分析のみならず、高齢化による人口動態や疾病構造の変動も考慮し、10年後の将来予測も踏まえてレポートしている。

■民間最大規模の診療データベースに成長

 9月1日発表の診療データベース概況によると、当社が保有する大規模診療データベース(病院から2次利用の許諾を得て、匿名化処理がなされた入院患者ごとの診断名、治療方法、薬剤処方が分かる実臨床データ)について、16年8月末時点の実患者数は1557万人(15年12月末比292万人増加)で、国民の約8人に1人に相当する規模となった。

 全保険種類を網羅した民間では最大規模を誇るデータベースで、規模と質において製薬会社・研究機関から高い評価を受けている。副作用の発生リスクや薬剤の効果検証などに活用されているほか、16年からはインシュアランス(保険)分野での活用も広がっている。

■中期成長に向けて領域拡大推進

 中期成長に向けてDPCデータを含めた個人データをさらに集積し、カルテ情報を永続的に取得できるように、電子カルテ・オーダリングシステム・レセプトコンピュータなど基幹システム分野への進出も計画している。病院・診療所への事業展開加速、永続的に取得するインフラおよびデータベース作りを通じて、事業基盤安定化とともに中期成長を目指す方針だ。

 15年6月には医師専門転職サイト「メディリア」をオープンした。厚生労働省が04年に「新臨床研修医制度」を導入して以来、大学医局へ入局するのではなく、自ら情報を集めて勤務先病院を選択する医師が増加していることに対応し、勤務地・病床数・報酬といった基本情報だけでなく、当社が独自に保有している大規模診療データベースなどを活用して患者特性や診療実績などの情報も提供する。医療情報統合IDカード「CADA」の発行・管理・運用受託などを行うことを目的に15年4月設立した子会社CADAは、病院での決済事業を実験的にスタートした。

 16年8月にはCEホールディングス<4320>で電子カルテシステム開発・販売を行うシーエスアイ(CSI)と業務提携した。患者向けWEBサービス「カルテコ」などの仕組みを含む「CADA−BOX(仮称)」を既存の電子カルテシステムと連携させるスキームの第一弾として、CSIの電子カルテシステム「MI・RA・Isシリーズ」に「CADA−BOX(仮称)」を連携させる。なお「CADA−BOX(仮称)」の本格提供は16年秋以降を予定している。

■第4四半期の構成比が高い収益構造

 四半期別の業績推移を見ると、15年12月期(非連結)は売上高が第1四半期4億77百万円、第2四半期4億76百万円、第3四半期7億32百万円、第4四半期7億26百万円で、事業別にはデータネットワークサービスが2億97百万円、2億89百万円、4億74百万円、3億88百万円、データ利活用サービスが1億80百万円、1億86百万円、2億57百万円、3億38百万円だった。営業利益は21百万円、50百万円の赤字、1億29百万円、1億82百万円だった。データ利活用サービスに占める外資系製薬会社の割合が高いため、外資系製薬会社の決算期に当たる第4四半期の構成比が高い収益構造である。

 15年12月期(非連結)は14年12月期比23.7%増収、8.4%営業増益、12.7%経常増益、21.1%最終増益だった。デジタル健康ソリューション「エースビジョン」など新規事業立ち上げ、積極的な人材採用、営業活動強化などで売上原価と販管費が増加したが、増収効果で吸収した。売上総利益は21.2%増加し、売上総利益率は78.6%で1.7ポイント低下した。販管費は23.7%増加し、販管費比率は66.9%で横ばいだった。ROEは6.9%で1.1ポイント低下、自己資本比率は85.3%で0.1ポイント低下した。

 事業別売上高はデータネットワークサービスが19.5%増の14億49百万円(初期導入費のパッケージが31.1%増の7億30百万円、月額保守費のメンテナンスが9.6%増の7億19百万円)で、データ利活用サービスが30.8%増の9億63百万円(アドホック調査サービスが31.6%増の6億86百万円、「MDV analyzer」が11.7%増の2億40百万円、新規が36百万円)だった。データネットワークサービスでは「Medical Code」導入病院数が増加し、データ利活用サービスではアドホック調査サービスの利用社数・案件が増加した。

 15年12月期末の「EVE」導入病院数は63病院増加の768病院、DPC病院(1578病院)における「EVE」導入病院の割合45%超となった。「Medical Code」導入病院数は45病院増加の176病院となった。診察データの実患者数は400万人増加の1265万人となった。

■16年12月期第2四半期累計は過去最高の売上高で赤字縮小

 今期(16年12月期)第2四半期累計(1〜6月)の連結業績(子会社CADAの重要性が増したため連結決算に移行)は売上高10億36百万円、営業利益7百万円の赤字、経常利益8百万円の赤字、純利益9百万円の赤字だった。前年同期の非連結業績(売上高9億54百万円、営業利益28百万円の赤字、経常利益30百万円の赤字、純利益24百万円の赤字)比8.6%増収で、各利益の赤字が縮小した。

 第2四半期累計として過去最高の売上高となり、増収効果で各利益の赤字が縮小した。売上総利益は11.5%増加し、売上総利益率は80.9%で2.1ポイント上昇した。販管費は8.3%増加し、販管費比率は81.6%で0.2ポイント低下した。

 事業別売上高はデータネットワークサービスが4.9%増の6億20百万円(パッケージが2.9%減の2億25百万円、メンテナンスが13.7%増の3億94百万円)で、データ利活用サービスが14.8%増の4億15百万円(アドホック調査サービスが19.8%増の2億66百万円、「MDV analyzer」が1.5%増の1億25百万円、新規が46.4%増の24百万円)だった。データネットワークサービスではメンテナンスが堅調に推移した。パッケージは減収だが「Medical Code」導入病院数は増加した。データ利活用サービスではアドホック調査サービスの利用社数・案件が増加した。

 16年6月末時点の「EVE」導入病院数は15年12月期末比横ばいの768病院、「Medical Code」導入病院数は同17病院増加の193病院となった。16年7月末現在の診察データの実患者数は同230万人増加の1495万人となった。

■16年12月期通期は増収増益基調

 今期(16年12月期)通期の連結業績予想(連結決算移行に伴って8月8日公表)については、売上高30億01百万円、営業利益3億03百万円、経常利益3億円、純利益1億74百万円としている。前期(15年12月期)非連結業績(売上高24億13百万円、営業利益2億82百万円、経常利益2億80百万円、純利益1億64百万円)比24.4%増収、7.3%営業増益、7.3%経常増益、6.5%最終増益となる。配当予想は無配継続としている。

 システム開発、データ蓄積セキュリティ強化、電子カルテソリューション拡販、積極採用に伴う人件費の増加などで営業利益は小幅増益だが、主力製品・サービスが好調に推移し、新サービス投入も寄与して大幅増収見通しだ。通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は低水準の形だが、第4四半期の構成比が高い収益構造のためネガティブ要因とはならない。通期ベースでは増収増益基調が予想される。

■17年12月期から成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長イメージでは、15年12月期および16年12月期を成長の第3フェーズの投資継続期として、目標値として売上高は毎年30%前後の増加、売上高経常利益率は10%前後の維持としている。電子カルテソリューションを介して個人から同意を得た診療データを蓄積し、個人が診療情報を管理できる仕組みを構築する。さらに蓄積された多様なデータを活用して、利活用サービス領域の成長を加速させる。

 そして17年12月期からは成長の第4フェーズで投資回収期としている。蓄積データを活用して利活用サービスのビジネス領域が拡大し、売上高の拡大とともに投資回収を開始する方針だ。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株主優待制度を16年12月期末から導入

 株主優待制度は16年12月期から導入する。毎年12月31日現在の100株(1単元)以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。

■株価は上場来高値更新の展開、中期成長力を評価

 株価の動き(16年7月1日付で株式2分割)を見ると上場来高値更新の展開となった。2000円近辺での中段保ち合いから上放れの形となり、9月8日には上場来高値となる3200円まで上伸した。

 9月9日の終値3055円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円44銭で算出)は166倍近辺、前期実績PBR(前期実績の非連結ベースBPS527円50銭で算出)は5.8倍近辺である。時価総額は約289億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が20%を超えて目先的にやや過熱感を強めているが、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドである。ビッグデータ関連の中期成長力を評価する流れに変化はなく、目先的な過熱感を冷ますための自律調整を交えながら上値を追う展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月27日更新]

メディカル・データ・ビジョンはビッグデータ関連の中期成長力を評価する動きが本格化

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東マ)は医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。株価は8月下旬〜10月上旬の上場来安値圏1000円近辺から上放れて戻り歩調の展開だ。ビッグデータ関連のテーマ性や中期成長力を評価する動きが本格化しそうだ。なお11月10日に第3四半期累計(1月〜9月)の業績発表を予定している。

■医療情報のネットワーク化を推進

 医療情報のネットワーク化を推進する企業で、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツールを販売するデータ利活用サービスを展開している。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報をビッグデータとして活用するためのデータ分析ツール・サービスを、製薬会社向けに販売するビジネスモデルだ。

 医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)が収益源である。

■医療機関向けデータネットワークスサービス

 医療機関向けのデータネットワークサービスでは、DPC制度導入対象病院向けのDPC分析ベンチマークシステム「EVE」「EVE−ASP」および病院経営支援システム「Medical Code」を主力としている。

 DPC制度とは、急性期病院における入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度である。医療費の適正化、診療データ(DPCデータ)開示による透明性の向上、医療の質向上などを目的として厚生労働省が03年に導入した。DPC対象病院には厚生労働省への診療データ提出が義務付けられているが、より効果的な診療を実施すれば従来に比べて収入が増えるというメリットがある。

 DPC制度導入対象病院向けのDPC分析システム「EVE」(06年8月リリース)は、自院の診療内容や状況を他院と比較しながら分析できるベンチマークシステムである。14年12月期の販売数は58病院で累計導入病院数は705病院、14年12月末現在のDPC対象病院の42.4%という圧倒的シェアを獲得している。DPC詳細分析ベンチマークシステム「EVE−ASP」(07年11月リリース)は、実名を公開した自院と他院を比較できるシステムだ。

 病院向けの経営支援システム「Medical Code」(09年9月リリース)は、原価管理など病院経営全般に関わる事項を分析できるシステムである。14年12月期の販売数は32病院、累計導入病院数は131病院となった。

 なお15年6月末時点におけるDPC分析システム「EVE」導入病院数は14年12月末比36病院増加の741病院(DPC準備病院等も含む)、DPC対象病院1580病院における「EVE」のシェアは44.3%、病院向け経営支援システム「Medical Code」導入病院数は同12病院増加の143病院となった。

■医療機関向け新サービスも積極リリース

 14年5月には診療所向け電子カルテソリューション「カルテビジョン」をリリースした。2次利用の許諾を得た個人データをさらに集積するため、治験会社などとのアライアンスも積極活用して拡販を強化する。

 15年5月には、患者が自分自身の診療情報の一部を保管・閲覧することを目的とした、病院向けデジタル健康ソリューション「エースビジョン」の本格導入を開始した。診察記録モジュール、医療情報統合IDカード「CADA」および診療情報保管・閲覧サービス「カルテコ」を付帯したトータルソリューションである。

 そして15年5月に浜田病院(福岡県北九州市)、8月に諏訪湖畔病院(長野県岡谷市)へ導入した。15年12月期中に、さらに東北地方で1病院への提供が決定しているようだ。

 なお「エースビジョン」については、25年を目途に2次医療圏(医療法に基づき厚生労働省が決定している医療の地域圏)344医療圏に各1病院の導入を目指している。

 また「エースビジョン」の本格導入開始に伴って、医療情報統合IDカード「CADA」の発行・管理・運用受託などを行うことを目的に15年4月設立した子会社CADAが本格稼働する。今後は「CADA」を活用した新サービス開発や運用代行などを行っていく予定としている。

 なお10月1日に発表した診療データベース概況によると、15年9月末時点で実患者数が1166万人(14年12月末比301万人増加)となり、2次利用の許諾を得たデータ提供病院数が208病院(がん拠点病院87病院を含む)となった。民間企業では最大規模のデータベースであり、規模と質において製薬会社などから高い評価を受けている。実患者数が1000万人を超えて、より多角的で精度の高い分析が可能となる。

■製薬会社向けデータ利活用サービス

 製薬会社向けのデータ利活用サービスは、データネットワークサービスで集積した医療情報などの各種データをビッグデータとして活用し、処方数分析、処方日数分析、処方診療科分析、併用薬分析、副作用発生リスク分析などの分析ツール・サービスを提供する。

 医療機関における処方実態が把握可能な診療データ分析ツール「MDV analyzer」(12年8月リリース)は、利用製薬会社数が14年12月期に10社、15年6月末時点で11社となった。また「MDV analyzer」の分析メニューでは対応できない製薬会社個別ニーズに対するサービスとして「アドホック調査サービス」も提供している。

 さらに15年3月には薬剤安全性分析をはじめとした疫学調査支援を目的とした分析システム「MDV analyzer for Academia」を、15年4月には薬剤処方実態に関する基礎分析が簡便に行えるWEB分析ツール「MDV analyzer Light」をリリースした。

 現在は先発薬メーカー向けが主力だが、15年2月にはOTC(一般用医薬品)およびH&BC(ヘルス&ビューティケア)分野を対象とした調査分析サービスも開始した。

 15年4月にはクロス・マーケティンググループ<3675>と共同で、OTC・H&BCメーカー向けに診療統計データと定性データをリンクさせたワンストップ分析サービス「ヘルスオプティマイザー」の提供を開始した。

 15年6月には、診療統計データ分析レポート「Medical Trend Report for 食品・機能性食品」の提供を開始した。15年4月から機能性表示食品制度がスタートしたことに対応して、機能性表示食品群において未整備のカテゴリー体系を当社が独自に26カテゴリー・83セグメントに定義構築し、食品・機能性食品向けの疾病市場分析などを提供する。

 また15年9月には、診療統計データ分析レポート「Medical Trend Report for シニアマーケット」の提供を開始した。60〜80歳における疾病マーケットをEBM(根拠に基づいた医療)の観点で捉え、シニアマーケットの動向を現状分析のみならず、高齢化による人口動態や疾病構造の変動も考慮し、10年後の将来予測も踏まえてレポートしている。

■中期成長に向けて領域拡大推進

 今後はDPCデータにとどまらず、DPCデータを含めた個人データをさらに集積し、カルテ情報を永続的に取得できるように、電子カルテ・オーダリングシステム・レセプトコンピュータなど基幹システム分野への進出も計画している。病院・診療所への事業展開加速、永続的に取得するインフラおよびデータベース作りを通じて、事業基盤安定化とともに中期成長を目指す方針だ。

 15年6月には医師専門転職サイト「メディリア」をオープンした。厚生労働省が04年に「新臨床研修医制度」を導入して以来、大学医局へ入局するのではなく、自ら情報を集めて勤務先病院を選択する医師が増加していることに対応し、勤務地・病床数・報酬といった基本情報だけでなく、当社が独自に保有している大規模診療データベースなどを活用して患者特性や診療実績などの情報も提供する。

■15年12月期は先行投資負担で営業微増益だが、大幅増収予想

 今期(15年12月期)の非連結業績予想(2月9日公表)は売上高が前期比34.4%増の26億22百万円、営業利益が同0.6%増の2億62百万円、経常利益が同5.5%増の2億62百万円、純利益が同7.8%増の1億46百万円としている。配当予想は無配継続としている。

 システム開発、データ蓄積セキュリティ強化、電子カルテソリューション拡販、新規事業に関する人件費の増加で営業利益は微増益だが、主力製品・サービスが好調に推移し、新サービス投入も寄与して大幅増収見通しだ。事業別売上高の計画はデータネットワークサービスが同43.9%増の17億46百万円、データ利活用サービスが同18.8%増の8億76百万円としている。

 データネットワークサービスでは「EVE」および「Medical Code」の導入病院数が増加し、診療所向け電子カルテソリューション「カルテビジョン」の本格化も寄与する。データ利活用サービスでは「MDV analyzer」「MDV analyzer for Academia」「アドホック調査サービス」の拡販に加えて、OTC・H&BC分野の寄与も期待される。

 第2四半期累計(1月〜6月)は売上高が9億54百万円、営業利益が28百万円の赤字、経常利益が30百万円の赤字、純利益が24百万円の赤字だった。新規事業に係る先行投資負担で赤字だったが、前年同期比22.1%増収となり、概ね計画水準としている。

 事業別売上高はデータネットワークサービスが同6.5%増の5億91百万円、データ利活用サービスが同60.9%増の3億62百万円だった。データネットワークサービスでは大型グループ病院への「EVE」一括導入が寄与した。データ利活用サービスでは「アドホック調査サービス」が大幅伸長した。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)4億77百万円、第2四半期(4月〜6月)4億77百万円、営業利益は第1四半期21百万円、第2四半期49百万円の赤字だった。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は低水準だが、外資系製薬メーカーは12月決算期末に予算を消化する傾向が強いため、利益は第4四半期(10月〜12月)に集中しやすい収益構造だ。現時点ではネガティブ要因とはならないだろう。

■17年12月期から成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長イメージでは、15年12月期および16年12月期を成長の第3フェーズの投資継続期として、目標値として売上高は毎年30%前後の増加、売上高経常利益率は10%前後の維持としている。電子カルテソリューションを介して個人から同意を得た診療データを蓄積し、個人が診療情報を管理できる仕組みを構築する。さらに蓄積された多様なデータを活用して、利活用サービス領域の成長を加速させる。

 そして17年12月期からは成長の第4フェーズで投資回収期としている。蓄積データを活用して利活用サービスのビジネス領域が拡大し、売上高の拡大とともに投資回収を開始する方針だ。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は上場来安値圏から上放れて戻り歩調

 なお医療関連企業との資本業務提携により、富士フイルムが第1位株主、メディパルホールディングスが第2位株主、シミックホールディングスが第4位株主となっている。

 株価の動き(15年7月1日付で株式4分割)を見ると、8月の上場来安値960円で底打ちして戻り歩調の展開だ。8月下旬〜10月上旬の上場来安値圏1000円近辺での底練りから上放れて、10月26日には1419円まで上伸する場面があった。

 10月26日の終値1368円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS31円48銭で算出)は43倍近辺、前期実績PBR(前期実績に株式4分割を考慮したBPS492円63銭で算出)は2.8倍近辺である。なお時価総額は約64億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線が上向きに転じてサポートラインの形となった。また週足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。強基調への転換を確認した形だ。ビッグデータ関連のテーマ性や中期成長力を評価する動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月29日更新]

メディカル・データ・ビジョンは下値固め完了、ビッグデータ関連の中期成長力を評価

 メディカル・データ・ビジョン[3902](東マ)は医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。株価は悪地合いも影響して上場来安値圏で推移しているが1000円近辺で下値固めが完了したようだ。ビッグデータ関連のテーマ性や中期成長力を評価して切り返し展開だろう。なお9月30日〜10月2日開催(東京ビッグサイト)の「デジタルヘルスDAYS2015」に出展する。

■医療情報のネットワーク化を推進

 医療情報のネットワーク化を推進する企業で、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツールを販売するデータ利活用サービスを展開している。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報をビッグデータとして活用するためのデータ分析ツール・サービスを、製薬会社向けに販売するビジネスモデルだ。

 医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)が収益源である。

■医療機関向けデータネットワークスサービス

 医療機関向けのデータネットワークサービスでは、DPC制度導入対象病院向けのDPC分析ベンチマークシステム「EVE」「EVE−ASP」および病院経営支援システム「Medical Code」を主力としている。

 DPC制度とは、急性期病院における入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度である。医療費の適正化、診療データ(DPCデータ)開示による透明性の向上、医療の質向上などを目的として厚生労働省が03年に導入した。DPC対象病院には厚生労働省への診療データ提出が義務付けられているが、より効果的な診療を実施すれば従来に比べて収入が増えるというメリットがある。

 DPC制度導入対象病院向けのDPC分析システム「EVE」(06年8月リリース)は、自院の診療内容や状況を他院と比較しながら分析できるベンチマークシステムである。14年12月期の販売数は58病院で累計導入病院数は705病院、14年12月末現在のDPC対象病院の42.4%という圧倒的シェアを獲得している。DPC詳細分析ベンチマークシステム「EVE−ASP」(07年11月リリース)は、実名を公開した自院と他院を比較できるシステムだ。

 病院向けの経営支援システム「Medical Code」(09年9月リリース)は、原価管理など病院経営全般に関わる事項を分析できるシステムである。14年12月期の販売数は32病院、累計導入病院数は131病院となった。

 なお15年6月末時点におけるDPC分析システム「EVE」導入病院数は14年12月末比36病院増加の741病院(DPC準備病院等も含む)、DPC対象病院1580病院における「EVE」のシェアは44.3%、病院向け経営支援システム「Medical Code」導入病院数は同12病院増加の143病院となった。

■医療機関向け新サービスも積極リリース

 14年5月には診療所向け電子カルテソリューション「カルテビジョン」をリリースした。2次利用の許諾を得た個人データをさらに集積するため、治験会社などとのアライアンスも積極活用して拡販を強化する。

 15年5月には、患者が自分自身の診療情報の一部を保管・閲覧することを目的とした、病院向けデジタル健康ソリューション「エースビジョン」の本格導入を開始した。診察記録モジュール、医療情報統合IDカード「CADA」および診療情報保管・閲覧サービス「カルテコ」を付帯したトータルソリューションである。

 そして15年5月に浜田病院(福岡県北九州市)、8月に諏訪湖畔病院(長野県岡谷市)へ導入した。15年12月期中に、さらに東北地方で1病院への提供が決定しているようだ。

 なお「エースビジョン」については、25年を目途に2次医療圏(医療法に基づき厚生労働省が決定している医療の地域圏)344医療圏に各1病院の導入を目指している。

 またエースビジョン」の本格導入開始に伴い、医療情報統合IDカード「CADA」の発行・管理・運用受託などを行うことを目的に15年4月設立した子会社CADAが本格稼働する。今後は「CADA」を活用した新サービス開発や運用代行などを行っていく予定としている。

 なお診療データベースの規模は15年8月末時点で実患者数が1133万人(14年12月末比268万人増加)となり、2次利用の許諾を得たデータ提供病院数が204病院(がん拠点病院86病院を含む)となった。民間企業では最大規模のデータベースであり、規模と質において製薬会社などから高い評価を受けている。実患者数が1000万人を超えて、より多角的で精度の高い分析が可能となる。

■製薬会社向けデータ利活用サービス

 製薬会社向けのデータ利活用サービスは、データネットワークサービスで集積した医療情報などの各種データをビッグデータとして活用し、処方数分析、処方日数分析、処方診療科分析、併用薬分析、副作用発生リスク分析などの分析ツール・サービスを提供する。

 医療機関における処方実態が把握可能な診療データ分析ツール「MDV analyzer」(12年8月リリース)は、利用製薬会社数が14年12月期に10社、15年6月末時点で11社となった。また「MDV analyzer」の分析メニューでは対応できない製薬会社個別ニーズに対するサービスとして「アドホック調査サービス」も提供している。

 さらに15年3月には薬剤安全性分析をはじめとした疫学調査支援を目的とした分析システム「MDV analyzer for Academia」を、15年4月には薬剤処方実態に関する基礎分析が簡便に行えるWEB分析ツール「MDV analyzer Light」をリリースした。

 現在は先発薬メーカー向けが主力だが、15年2月にはOTC(一般用医薬品)およびH&BC(ヘルス&ビューティケア)分野を対象とした調査分析サービスも開始した。

 15年4月にはクロス・マーケティンググループ<3675>と共同で、OTC・H&BCメーカー向けに診療統計データと定性データをリンクさせたワンストップ分析サービス「ヘルスオプティマイザー」の提供を開始した。

 15年6月には、診療統計データ分析レポート「Medical Trend Report for 食品・機能性食品」の提供を開始した。15年4月から機能性表示食品制度がスタートしたことに対応して、機能性表示食品群において未整備のカテゴリー体系を当社が独自に26カテゴリー・83セグメントに定義構築し、食品・機能性食品向けの疾病市場分析などを提供する。

 また9月28日には、診療統計データ分析レポート「Medical Trend Report for シニアマーケット」の提供を開始すると発表した。60〜80歳における疾病マーケットをEBM(根拠に基づいた医療)の観点で捉え、シニアマーケットの動向を現状分析のみならず、高齢化による人口動態や疾病構造の変動も考慮し、10年後の将来予測も踏まえてレポートしている。

■中期成長に向けて領域拡大推進

 今後はDPCデータにとどまらず、DPCデータを含めた個人データをさらに集積し、カルテ情報を永続的に取得できるように、電子カルテ・オーダリングシステム・レセプトコンピュータなど基幹システム分野への進出も計画している。病院・診療所への事業展開加速、永続的に取得するインフラおよびデータベース作りを通じて、事業基盤安定化とともに中期成長を目指す方針だ。

 15年6月には医師専門転職サイト「メディリア」をオープンした。厚生労働省が04年に「新臨床研修医制度」を導入して以来、大学医局へ入局するのではなく、自ら情報を集めて勤務先病院を選択する医師が増加していることに対応し、勤務地・病床数・報酬といった基本情報だけでなく、当社が独自に保有している大規模診療データベースなどを活用して患者特性や診療実績などの情報も提供する。

■15年12月期は先行投資負担で営業微増益だが、大幅増収予想

 今期(15年12月期)の非連結業績予想(2月9日公表)は売上高が前期比34.4%増の26億22百万円、営業利益が同0.6%増の2億62百万円、経常利益が同5.5%増の2億62百万円、純利益が同7.8%増の1億46百万円としている。配当予想は無配継続としている。

 システム開発、データ蓄積セキュリティ強化、電子カルテソリューション拡販、新規事業に関する人件費の増加で営業利益は微増益だが、主力製品・サービスが好調に推移し、新サービス投入も寄与して大幅増収見通しだ。事業別売上高の計画はデータネットワークサービスが同43.9%増の17億46百万円、データ利活用サービスが同18.8%増の8億76百万円としている。

 データネットワークサービスでは「EVE」および「Medical Code」の導入病院数が増加し、診療所向け電子カルテソリューション「カルテビジョン」の本格化も寄与する。データ利活用サービスでは「MDV analyzer」「MDV analyzer for Academia」「アドホック調査サービス」の拡販に加えて、OTC・H&BC分野の寄与も期待される。

 第2四半期累計(1月〜6月)は売上高が9億54百万円、営業利益が28百万円の赤字、経常利益が30百万円の赤字、純利益が24百万円の赤字だった。新規事業に係る先行投資負担で赤字だったが、前年同期比22.1%増収となり、概ね計画水準としている。

 事業別売上高はデータネットワークサービスが同6.5%増の5億91百万円、データ利活用サービスが同60.9%増の3億62百万円だった。データネットワークサービスでは大型グループ病院への「EVE」一括導入が寄与した。データ利活用サービスでは「アドホック調査サービス」が大幅伸長した。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)4億77百万円、第2四半期(4月〜6月)4億77百万円、営業利益は第1四半期21百万円、第2四半期49百万円の赤字だった。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は低水準だが、外資系製薬メーカーは12月決算期末に予算を消化する傾向が強いため、利益は第4四半期(10月〜12月)に集中しやすい収益構造だ。現時点ではネガティブ要因とはならないだろう。

■17年12月期から成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長イメージでは、15年12月期および16年12月期を成長の第3フェーズの投資継続期として、目標値として売上高は毎年30%前後の増加、売上高経常利益率は10%前後の維持としている。電子カルテソリューションを介して個人から同意を得た診療データを蓄積し、個人が診療情報を管理できる仕組みを構築する。さらに蓄積された多様なデータを活用して、利活用サービス領域の成長を加速させる。

 そして17年12月期からは成長の第4フェーズで投資回収期としている。蓄積データを活用して利活用サービスのビジネス領域が拡大し、売上高の拡大とともに投資回収を開始する方針だ。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は下値固め完了

 なお医療関連企業との資本業務提携により、富士フイルムが第1位株主、メディパルホールディングスが第2位株主、シミックホールディングスが第4位株主となっている。

 株価の動き(15年7月1日付で株式4分割)を見ると、悪地合いも影響して水準を切り下げ、8月25日に上場来安値960円まで下押す場面があったが、その後は概ね1000円台で推移して下値固め完了感を強めている。

 9月28日の終値1063円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS31円48銭で算出)は33〜34倍近辺、前期実績PBR(前期実績に株式4分割を考慮したBPS492円63銭で算出)は2.2倍近辺である。なお時価総額は約50億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで水準を切り下げたが、1000円近辺で下げ渋る動きだ。下値固めが完了したようだ。ビッグデータ関連のテーマ性や中期成長力を評価して切り返し展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月01日更新]

メディカル・データ・ビジョンは売り一巡して底打ちの可能性、ビッグデータ関連の中期成長力を評価

 メディカル・データ・ビジョン[3902](東マ)は医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。株価は第2四半期累計(1月〜6月)の赤字に地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、売り一巡して底打ちした可能性がありそうだ。ビッグデータ関連のテーマ性もあり、中期成長力を評価して切り返し展開だろう。

■医療情報のネットワーク化を推進する企業

 医療情報のネットワーク化を推進する企業で、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツールを販売するデータ利活用サービスを展開している。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報をビッグデータとして活用するためのデータ分析ツール・サービスを、製薬会社向けに販売するビジネスモデルだ。

 医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)が収益源である。

■医療機関向けデータネットワークスサービス

 医療機関向けのデータネットワークサービスでは、DPC制度導入対象病院向けのDPC分析ベンチマークシステム「EVE」「EVE−ASP」および病院経営支援システム「Medical Code」を主力としている。

 DPC制度とは、急性期病院における入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度である。医療費の適正化、診療データ(DPCデータ)開示による透明性の向上、医療の質向上などを目的として厚生労働省が03年に導入した。DPC対象病院には厚生労働省への診療データ提出が義務付けられているが、より効果的な診療を実施すれば従来に比べて収入が増えるというメリットがある。

 DPC制度導入対象病院向けのDPC分析システム「EVE」(06年8月リリース)は、自院の診療内容や状況を他院と比較しながら分析できるベンチマークシステムである。14年12月期の販売数は58病院で累計導入病院数は705病院、14年12月末現在のDPC対象病院の42.4%という圧倒的シェアを獲得している。DPC詳細分析ベンチマークシステム「EVE−ASP」(07年11月リリース)は、実名を公開した自院と他院を比較できるシステムだ。

 病院向けの経営支援システム「Medical Code」(09年9月リリース)は、原価管理など病院経営全般に関わる事項を分析できるシステムである。14年12月期の販売数は32病院、累計導入病院数は131病院となった。

 なお15年6月末時点におけるDPC分析システム「EVE」導入病院数は14年12月末比36病院増加の741病院(DPC準備病院等も含む)、DPC対象病院1580病院における「EVE」のシェアは44.3%、病院向け経営支援システム「Medical Code」導入病院数は同12病院増加の143病院となった。

■医療機関向け新サービスも積極リリース

 14年5月には診療所向け電子カルテソリューション「カルテビジョン」をリリースした。2次利用の許諾を得た個人データをさらに集積するため、治験会社などとのアライアンスも積極活用して拡販を強化する。

 15年5月には、患者が自分自身の診療情報の一部を保管・閲覧することを目的とした、病院向けデジタル健康ソリューション「エースビジョン」の本格導入を開始した。診察記録モジュール、医療情報統合IDカード「CADA」および診療情報保管・閲覧サービス「カルテコ」を付帯したトータルソリューションである。

 そして15年5月に浜田病院(福岡県北九州市)、8月に諏訪湖畔病院(長野県岡谷市)へ導入した。15年12月期中に、さらに東北地方で1病院への提供が決定しているようだ。

 なお「エースビジョン」については、25年を目途に2次医療圏(医療法に基づき厚生労働省が決定している医療の地域圏)344医療圏に各1病院の導入を目指している。

 またエースビジョン」の本格導入開始に伴い、医療情報統合IDカード「CADA」の発行・管理・運用受託などを行うことを目的に15年4月設立した子会社CADAが本格稼働する。今後は「CADA」を活用した新サービス開発や運用代行などを行っていく予定としている。

 なお診療データベースの規模は15年7月末時点で実患者数が1095万人(14年12月末比230万人増加)となり、2次利用の許諾を得たデータ提供病院数が200病院(がん拠点病院84病院を含む)となった。民間企業では最大規模のデータベースであり、規模と質において製薬会社などから高い評価を受けている。そして実患者数が1000万人を超えたことで、より多角的で精度の高い分析が可能となる。

■製薬会社向けデータ利活用サービス

 製薬会社向けのデータ利活用サービスは、データネットワークサービスで集積した医療情報などの各種データをビッグデータとして活用し、処方数分析、処方日数分析、処方診療科分析、併用薬分析、副作用発生リスク分析などの分析ツール・サービスを提供する。

 医療機関における処方実態が把握可能な診療データ分析ツール「MDV analyzer」(12年8月リリース)は、利用製薬会社数が14年12月期に10社、15年6月末時点で11社となった。また「MDV analyzer」の分析メニューでは対応できない製薬会社個別ニーズに対するサービスとして「アドホック調査サービス」も提供している。

 さらに15年3月には薬剤安全性分析をはじめとした疫学調査支援を目的とした分析システム「MDV analyzer for Academia」を、15年4月には薬剤処方実態に関する基礎分析が簡便に行えるWEB分析ツール「MDV analyzer Light」をリリースした。

 現在は先発薬メーカー向けが主力だが、15年2月にはOTC(一般用医薬品)およびH&BC(ヘルス&ビューティケア)分野を対象とした調査分析サービスも開始した。

 また15年4月、クロス・マーケティンググループ<3675>と共同で、OTC・H&BCメーカー向けに診療統計データと定性データをリンクさせたワンストップ分析サービス「ヘルスオプティマイザー」の提供を開始した。

 今後はDPCデータにとどまらず、DPCデータを含めた個人データをさらに集積し、カルテ情報を永続的に取得できるように、電子カルテ・オーダリングシステム・レセプトコンピュータなど基幹システム分野への進出も計画している。病院・診療所への事業展開加速、永続的に取得するインフラおよびデータベース作りを通じて、事業基盤安定化とともに中期成長を目指す方針だ。

 15年6月には、診療統計データ分析レポート「Medical Trend Report for 食品・機能性食品」の提供を開始した。15年4月から機能性表示食品制度がスタートしたことに対応して、機能性表示食品群において未整備のカテゴリー体系を当社が独自に26カテゴリー・83セグメントに定義構築し、食品・機能性食品向けの疾病市場分析などを提供する。

 また15年6月には医師専門転職サイト「メディリア」をオープンした。厚生労働省が04年に「新臨床研修医制度」を導入して以来、大学医局へ入局するのではなく、自ら情報を集めて勤務先病院を選択する医師が増加していることに対応し、勤務地・病床数・報酬といった基本情報だけでなく、当社が独自に保有している大規模診療データベースなどを活用して患者特性や診療実績などの情報も提供する。

■15年12月期は先行投資負担で営業微増益だが、大幅増収予想

 今期(15年12月期)の非連結業績予想(2月9日公表)は売上高が前期比34.4%増の26億22百万円、営業利益が同0.6%増の2億62百万円、経常利益が同5.5%増の2億62百万円、純利益が同7.8%増の1億46百万円としている。配当予想は無配継続としている。

 システム開発、データ蓄積セキュリティ強化、電子カルテソリューション拡販、新規事業に関する人件費の増加で営業利益は微増益にとどまるが、主力製品・サービスが好調に推移し、新サービス投入も寄与して大幅増収見通しだ。事業別売上高の計画はデータネットワークサービスが同43.9%増の17億46百万円、データ利活用サービスが同18.8%増の8億76百万円としている。

 データネットワークサービスでは「EVE」および「Medical Code」の導入病院数が増加し、診療所向け電子カルテソリューション「カルテビジョン」の本格化も寄与する。データ利活用サービスでは「MDV analyzer」「MDV analyzer for Academia」「アドホック調査サービス」の拡販に加えて、OTC・H&BC分野の寄与も期待される。

 第2四半期累計(1月〜6月)は売上高が9億54百万円、営業利益が28百万円の赤字、経常利益が30百万円の赤字、純利益が24百万円の赤字だった。新規事業に係る先行投資負担で赤字だったが、前年同期比22.1%増収となり、概ね計画水準としている。

 事業別売上高はデータネットワークサービスが同6.5%増の5億91百万円、データ利活用サービスが同60.9%増の3億62百万円だった。データネットワークサービスでは大型グループ病院への「EVE」一括導入が寄与した。データ利活用サービスでは「アドホック調査サービス」が大幅伸長した。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)4億77百万円、第2四半期(4月〜6月)4億77百万円、営業利益は第1四半期21百万円、第2四半期49百万円の赤字だった。

 通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は低水準だが、外資系製薬メーカーは12月決算期末に予算を消化する傾向が強く、利益は第4四半期(10月〜12月)に集中しやすい収益構造にため、現時点ではネガティブ要因とはならないだろう。

■17年12月期から成長の第4フェーズで投資回収期

 中期成長イメージでは、15年12月期および16年12月期を成長の第3フェーズの投資継続期として、目標値として売上高は毎年30%前後の増加、売上高経常利益率は10%前後の維持としている。電子カルテソリューションを介して個人から同意を得た診療データを蓄積し、個人が診療情報を管理できる仕組みを構築する。さらに蓄積された多様なデータを活用して、利活用サービス領域の成長を加速させる。

 そして17年12月期からは成長の第4フェーズで投資回収期としている。蓄積データを活用して利活用サービスのビジネス領域が拡大し、売上高の拡大とともに投資回収を開始する方針だ。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は売り一巡して底打ちの可能性

 なお医療関連企業との資本業務提携により、富士フイルムが第1位株主、メディパルホールディングスが第2位株主、シミックホールディングスが第4位株主となっている。

 株価の動き(15年7月1日付で株式4分割)を見ると、2000円近辺でのモミ合いから下放れ、第2四半期累計の赤字に地合い悪化も影響して水準を切り下げた。8月25日には上場来安値960円まで下押す場面があった。ただし28日には1268円まで戻す場面があり、売り一巡感を強めている。

 8月31日の終値1172円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS31円48銭で算出)は37倍近辺、前期実績PBR(前期実績に株式4分割を考慮したBPS492円63銭で算出)は2.4倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで水準を切り下げたが、安値圏の十字足で底打ちした可能性がありそうだ。ビッグデータ関連のテーマ性もあり、中期成長力を評価して切り返し展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月13日更新]

メディカル・データ・ビジョンはビッグデータ関連の中期成長力を評価して反発期待

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東マ)は医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。株価は全般地合い悪化の影響を受けて水準を切り下げたが売られ過ぎ感も強めている。中期成長力を評価して反発展開だろう。

■医療情報のネットワーク化を推進する企業

 03年8月設立、14年12月東証マザーズに新規上場した。医療情報のネットワーク化を推進する企業で、医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツールを販売するデータ利活用サービスを展開している。

 データネットワークサービスで医療機関向けに医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報をビッグデータとして活用するためのデータ分析ツール・サービスを、製薬会社向けに販売するビジネスモデルだ。医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)が収益源である。

■医療機関向けデータネットワークスサービス

 医療機関向けのデータネットワークサービスでは、DPC制度導入対象病院向けのDPC分析ベンチマークシステム「EVE」「EVE−ASP」および病院経営支援システム「Medical Code」を主力としている。

 DPC制度とは、急性期病院における入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度である。医療費の適正化、診療データ(DPCデータ)開示による透明性の向上、医療の質向上などを目的として厚生労働省が03年に導入した。DPC対象病院には厚生労働省への診療データ提出が義務付けられているが、より効果的な診療を実施すれば従来に比べて収入が増えるというメリットがある。14年4月1日時点でDPC制度導入病院数は全国で1585病院に達している。

 DPC制度導入対象病院向けのDPC分析システム「EVE」(06年8月リリース)は、自院の診療内容や状況を他院と比較しながら分析できるベンチマークシステムである。14年12月期の販売数は58病院で累計導入病院数は705病院、14年12月末現在のDPC対象病院の42.4%という圧倒的シェアを獲得している。DPC詳細分析ベンチマークシステム「EVE−ASP」(07年11月リリース)は、実名を公開した自院と他院を比較できるシステムだ。

 病院向けの経営支援システム「Medical Code」(09年9月リリース)は、原価管理など病院経営全般に関わる事項を分析できるシステムである。14年12月期の販売数は32病院、累計導入病院数は131病院となった。

 なお15年3月末時点におけるDPC分析システム「EVE」導入病院数は14年12月末比2病院増加の707病院、DPC対象病院1585病院における「EVE」のシェアは42.3%、病院向け経営支援システム「Medical Code」導入病院数は同8病院増加の139病院となった。

 14年5月には診療所向け電子カルテソリューション「カルテビジョン」をリリースした。2次利用の許諾を得た個人データをさらに集積するため、治験会社などとのアライアンスも積極活用して、電子カルテソリューション「カルテビジョン」の拡販を強化する。

 15年5月には、病院向け経営支援システム「Medical Code」の新機能「地域包括ケア病棟収益シミュレーション」の提供を開始した。厚生労働省が14年の薬価改定において新設した「地域包括ケア病棟」制度に対応し、収益差額分析により転棟後の経営予測が可能になる機能などを搭載した。

 15年6月には、患者が自分自身の診療情報の一部を保管・閲覧することを目的とした病院向けデジタル健康ソリューション「エースビジョン」の本格導入を開始した。診察記録モジュール、医療情報統合IDカード「CADA」および診療情報保管・閲覧サービス「カルテコ」を付帯したトータルソリューションである。そして6月22日から全国に先駆けて、医療法人浜田病院(福岡県北九州市)にて「カルテコ」のWEBサービス提供を開始した。

 またエースビジョン」の本格導入開始に伴い、医療情報統合IDカード「CADA」の発行・管理・運用受託などを行うことを目的に15年4月設立した子会社CADAが本格稼働する。今後は「CADA」を活用した新サービス開発や運用代行などを行っていく予定としている。

 なお診療データベースの規模は15年6月末時点で実患者数が1071万人(14年12月末比206万人増加)となり、2次利用の許諾を得たデータ提供病院数が196病院(がん拠点病院84病院を含む)となった。民間企業では最大規模のデータベースであり、規模と質において製薬会社などから高い評価を受けている。そして実患者数が1000万人を超えたことで、より多角的で精度の高い分析が可能となる。

■製薬会社向けデータ利活用サービス

 製薬会社向けのデータ利活用サービスは、データネットワークサービスで集積した医療情報などの各種データをビッグデータとして活用し、処方数分析、処方日数分析、処方診療科分析、併用薬分析、副作用発生リスク分析などの分析ツール・サービスを提供する。

 医療機関における処方実態が把握可能な診療データ分析ツール「MDV analyzer」(12年8月リリース)は、利用製薬会社数が14年12月期に10社、15年3月末時点では11社となった。また「MDV analyzer」の分析メニューでは対応できない製薬会社個別ニーズに対するサービスとして「アドホック調査サービス」も提供している。

 さらに15年3月には薬剤安全性分析をはじめとした疫学調査支援を目的とした分析システム「MDV analyzer for Academia」を、15年4月には薬剤処方実態に関する基礎分析が簡便に行えるWEB分析ツール「MDV analyzer Light」をリリースした。

 現在は先発薬メーカー向けが主力だが、15年2月にはOTC(一般用医薬品)およびH&BC(ヘルス&ビューティケア)分野を対象とした調査分析サービスも開始した。15年4月にはクロス・マーケティンググループ<3675>と共同で、OTC・H&BCメーカー向けに診療統計データと定性データをリンクさせたワンストップ分析サービス「ヘルスオプティマイザー」の提供を開始した。

 今後はDPCデータにとどまらず、DPCデータを含めた個人データをさらに集積し、カルテ情報を永続的に取得できるように、電子カルテ・オーダリングシステム・レセプトコンピュータなど基幹システム分野への進出も計画している。病院・診療所への事業展開加速、永続的に取得するインフラおよびデータベース作りを通じて、事業基盤安定化とともに中期成長を目指す方針だ。

 15年6月には、診療統計データ分析レポート「Medical Trend Report for 食品・機能性食品」の提供を開始した。15年4月から機能性表示食品制度がスタートしたことに対応して、機能性表示食品群において未整備のカテゴリー体系を当社が独自に26カテゴリー・83セグメントに定義構築し、食品・機能性食品向けの疾病市場分析などを提供する。

 また15年6月には医師専門転職サイト「メディリア」をオープンした。厚生労働省が04年に「新臨床研修医制度」を導入して以来、大学医局へ入局するのではなく、自ら情報を集めて勤務先病院を選択する医師が増加していることに対応し、勤務地・病床数・報酬といった基本情報だけでなく、当社が独自に保有している大規模診療データベースなどを活用して患者特性や診療実績などの情報も提供する。

■15年12月期は先行投資費用で営業利益横ばいだが、大幅増収予想

 今期(15年12月期)の非連結業績予想(2月9日公表)は売上高が前期比34.4%増の26億22百万円、営業利益が同0.6%増の2億62百万円、経常利益が同5.5%増の2億62百万円、純利益が同7.8%増の1億46百万円としている。配当予想は無配継続としている。

 システム開発、データ蓄積セキュリティ強化、電子カルテソリューション拡販、さらに新規事業に関する人件費や費用の増加などで、通期の営業利益はほぼ横ばい見通しだ。

 ただし主力製品・サービスの好調が牽引して大幅増収見通しだ。新サービス投入も寄与してシステム導入数が順調に増加する。事業別売上高の計画はデータネットワークサービスが同43.9%増の17億46百万円、データ利活用サービスが同18.8%増の8億76百万円としている。

 データネットワークサービスでは「EVE」および「Medical Code」の導入病院数が増加し、診療所向け電子カルテソリューション「カルテビジョン」の本格化も寄与する。データ利活用サービスでは「MDV analyzer」「MDV analyzer for Academia」「アドホック調査サービス」の拡販に加えて、OTC・H&BC分野の寄与も期待される。

 第1四半期(1月〜3月)は売上高が4億77百万円、営業利益が21百万円、経常利益が21百万円、純利益が10百万円だった。通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高18.2%、営業利益8.0%、経常利益8.0%、純利益6.9%と低水準だが、外資系製薬メーカーは12月の決算期末に予算を消化する傾向が強いため、利益は第4四半期(10月〜12月)に集中しやすい収益構造である。

■17年12月期から成長の第4フェーズ(投資回収期)

 中期成長イメージでは、15年12月期および16年12月期を成長の第3フェーズ(投資フェーズ)として、売上高は毎年30%前後の増加、売上高経常利益率は10%前後の維持としている。電子カルテソリューションを介して個人から同意を得た診療データを蓄積し、個人が診療情報を管理できる仕組みを構築する。さらに蓄積された多様なデータを活用して、利活用サービス領域の成長を加速させる。

 そして17年12月期からは成長の第4フェーズ(投資回収期)としている。蓄積データを活用して利活用サービスのビジネス領域が拡大し、売上高の拡大とともに投資回収を開始する方針だ。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は売られ過ぎ感

 なお医療関連企業との資本業務提携により、富士フイルムが第1位株主、メディパルホールディングスが第2位株主、シミックホールディングスが第4位株主となっている。

 株価の動き(15年7月1日付で株式4分割)を見ると、2000円近辺でのモミ合いから下放れの展開となり、7月9日には1450円まで調整する場面があった。全般地合い悪化の影響を受けた形だが、15年3月の上場来安値1287円まで下押すことなく、10日には1600円台まで戻している。影響は一時的だろう。

 7月10日の終値1613円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想に株式4分割を考慮したEPS31円67銭で算出)は51倍近辺で、前期実績PBR(前期実績に株式4分割を考慮したBPS492円62銭で算出)は3.3倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込んだが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が15%程度まで拡大して売られ過ぎ感を強めている。中期成長力を評価して反発展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月01日更新]

メディカル・データ・ビジョンはビッグデータ関連の中期成長力を評価

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東マ)は医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開している。株価は4月の戻り高値から利益確定売りで一旦反落したが自律調整の範囲だ。中期成長力を評価して水準切り上げの展開だろう。

 03年8月設立、14年12月東証マザーズに新規上場した。医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツールを販売するデータ利活用サービスを展開している。

 データネットワークサービスで医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報をビッグデータとして活用するためのデータ分析ツール・サービスを販売するビジネスモデルだ。医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)が収益源である。

 データネットワークサービスでは、DPC制度導入対象病院向けのDPC分析ベンチマークシステム「EVE」「EVE−ASP」、および病院経営支援システム「Medical Code」を主力としている。

 DPC制度とは、急性期病院における入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度である。医療費の適正化、診療データ(DPCデータ)開示による透明性の向上、医療の質向上などを目的として厚生労働省が03年に導入した。DPC対象病院には厚生労働省への診療データ提出が義務付けられているが、より効果的な診療を実施すれば従来に比べて収入が増えるというメリットがある。14年4月1日時点でDPC制度導入病院数は全国で1585病院に達している。

 DPC制度導入対象病院向けのDPC分析システム「EVE」(06年8月リリース)は、自院の診療内容や状況を他院と比較しながら分析できるベンチマークシステムである。14年12月期の販売数は58病院で累計導入病院数は705病院、14年12月末現在のDPC対象病院の42.4%という圧倒的シェアを獲得している。DPC詳細分析ベンチマークシステム「EVE−ASP」(07年11月リリース)は、実名を公開した自院と他院を比較できるシステムだ。

 病院向けの経営支援システム「Medical Code」(09年9月リリース)は、原価管理など病院経営全般に関わる事項を分析できるシステムである。14年12月期の販売数は32病院、累計導入病院数は131病院となった。

 なお15年3月末時点におけるDPC分析システム「EVE」導入病院数は14年12月末比2病院増加の707病院、DPC対象病院1585病院における「EVE」のシェアは42.3%、病院向け経営支援システム「Medical Code」導入病院数は同8病院増加の139病院となった。

 14年5月には診療所向け電子カルテソリューション「カルテビジョン」をリリースした。2次利用の許諾を得た個人データをさらに集積するため、治験会社などとのアライアンスも積極活用して、電子カルテソリューション「カルテビジョン」の拡販を強化する。

 また5月27日には病院向け経営支援システム「Medical Code」の新機能「地域包括ケア病棟収益シミュレーション」の提供開始を発表した。厚生労働省が14年の薬価改定において新設した「地域包括ケア病棟」制度に対応して、収益差額分析により転棟後の経営予測が可能になる機能などを搭載した。

 なお診療データベースの規模は4月24日時点で実患者数が1002万人(14年末比137万人増加)となり、2次利用の許諾を得たデータ提供病院数が189病院(がん拠点病院80病院を含む)となった。民間企業では最大規模のデータベースであり、規模と質において製薬会社などから高い評価を受けている。そして実患者数が1000万人を超えたことで、より多角的で精度の高い分析が可能となる。

 製薬会社向けのデータ利活用サービスは、データネットワークサービスで集積した医療情報などの各種データをビッグデータとして活用し、処方数分析、処方日数分析、処方診療科分析、併用薬分析、副作用発生リスク分析などの分析ツール・サービスを提供する。

 医療機関における処方実態が把握可能な診療データ分析ツール「MDV analyzer」(12年8月リリース)は、利用する製薬会社数が14年12月期に10社、15年3月末時点では11社となった。また「MDV analyzer」の分析メニューでは対応できない製薬会社個別ニーズに対するサービスとして「アドホック調査サービス」も提供している。

 さらに15年3月には薬剤安全性分析をはじめとした疫学調査支援を目的とした分析システム「MDV analyzer for Academia」を、15年4月には薬剤処方実態に関する基礎分析が簡便に行えるWEB分析ツール「MDV analyzer Light」をリリースした。

 現在は先発薬メーカー向けが主力だが、15年2月にはOTC(一般用医薬品)およびH&BC(ヘルス&ビューティケア)分野を対象とした調査分析サービスも開始した。15年4月にはクロス・マーケティンググループ<3675>と共同で、OTC・H&BCメーカー向けに診療統計データと定性データをリンクさせたワンストップ分析サービス「ヘルスオプティマイザー」の提供を開始した。

 今後はDPCデータにとどまらず、DPCデータを含めた個人データをさらに集積し、カルテ情報を永続的に取得できるように、電子カルテ・オーダリングシステム・レセプトコンピュータなど基幹システム分野への進出も計画している。病院・診療所への事業展開加速、永続的に取得するインフラおよびデータベース作りを通じて、事業基盤の安定化とともに中期成長を目指す方針だ。

 5月25日には、診療統計データ分析レポート「Medical Trend Report for 食品・機能性食品」の提供を6月1日から開始すると発表した。15年4月から機能性表示食品制度がスタートしたことに対応して、機能性表示食品群において未整備のカテゴリー体系を当社が独自に26カテゴリー・83セグメントに定義構築し、食品・機能性食品向けの疾病市場分析などを提供する。

 また15年6月中旬を目途に、医師専門転職サイト「メディリア」をオープンすると発表した。厚生労働省が04年に「新臨床研修医制度」を導入して以来、大学医局へ入局するのではなく、自ら情報を集めて勤務先病院を選択する医師が増加していることに対応し、勤務地・病床数・報酬といった基本情報だけでなく、当社が独自に保有している大規模診療データベースなどを活用して患者特性や診療実績などの情報も提供する。

 今期(15年12月期)の非連結業績予想(2月9日公表)は売上高が前期比34.4%増の26億22百万円、営業利益が同0.6%増の2億62百万円、経常利益が同5.5%増の2億62百万円、純利益が同7.8%増の1億46百万円としている。

 5月14日に発表した第1四半期(1月〜3月)の非連結業績は売上高が477百万円、営業利益が21百万円、経常利益が21百万円、純利益が10百万円だった。新サービス投入も寄与してシステム導入数が順調に増加しているようだ。

 なお通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が18.2%、営業利益が8.0%、経常利益が8.0%、純利益が6.9%と低水準だが、外資系製薬メーカーは12月の決算期末に予算を消化する傾向が強いため、利益は第4四半期(10月〜12月)に集中しやすい収益構造である。

 システム開発、データ蓄積セキュリティ強化、電子カルテソリューション拡販、さらに新規事業に関する人件費や費用の増加などで、通期の営業利益はほぼ横ばい見通しだ。ただし主力製品・サービスの好調が牽引して大幅増収見通しだ。通期の事業別売上高はデータネットワークサービスが同43.9%増の17億46百万円、データ利活用サービスが同18.8%増の8億76百万円としている。

 データネットワークサービスでは「EVE」および「Medical Code」の導入病院数が増加し、診療所向け電子カルテソリューション「カルテビジョン」の本格化も寄与する。データ利活用サービスでは「MDV analyzer」「MDV analyzer for Academia」「アドホック調査サービス」の拡販に加えて、OTC・H&BC分野の寄与も期待される。

 中期成長イメージでは、15年12月期および16年12月期を成長の第3フェーズ(投資フェーズ)として、売上高は毎年30%前後の増加、売上高経常利益率は10%前後の維持としている。電子カルテソリューションを介して個人から同意を得た診療データを蓄積し、個人が診療情報を管理できる仕組みを構築する。さらに蓄積された多様なデータを活用して、利活用サービス領域の成長を加速させる。

 そして17年12月期からは成長の第4フェーズ(投資回収期)としている。蓄積データを活用して利活用サービスのビジネス領域が拡大し、売上高の拡大とともに投資回収を開始する方針だ。中期的に収益拡大基調が期待される。

 なお医療関連企業との資本業務提携により、富士フイルムが第1位株主、メディパルホールディングスが第2位株主、シミックホールディングスが第4位株主となっている。

 株価の動きを見ると、4月の戻り高値9450円から利益確定売りで一旦反落したが、7000円近辺で調整一巡感を強めている。3月安値5150円で底打ちは確認しており、自律調整の範囲だろう。

 5月29日の終値7360円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS126円71銭で算出)は58倍近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS1970円51銭で算出)は3.7倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を一旦割り込んだが、週足チャートで見ると上向きに転じた13週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。サポートラインを確認した形であり、中期成長力を評価して水準切り上げの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月30日更新]

メディカル・データ・ビジョンは3月安値で底打ちして戻り歩調、ビッグデータ関連の中期成長力を評価

 メディカル・データ・ビジョン[3902](東マ)に注目したい。医療分野のビッグデータ関連ビジネスを展開して中期成長が期待される。株価は14年12月IPO人気離散後の調整が一巡し、3月安値で底打ちして戻り歩調の展開だ。中期成長力を評価して水準切り上げの展開だろう。なお5月14日に第1四半期(1月〜3月)の業績発表を予定している。

 03年8月設立、14年12月東証マザーズに新規上場した。医療機関向けに医療情報システムを開発・販売するデータネットワークサービス、および製薬会社向けに各種データ分析ツールを販売するデータ利活用サービスを展開している。

 データネットワークサービスで医療情報システムを販売するとともに、2次利用許諾を得た患者の医療・健康関連情報を集積する。そして集積した各種情報をビッグデータとして活用するためのデータ分析ツール・サービスを販売するビジネスモデルだ。医療機関からのシステム利用料・メンテナンス費用、および製薬会社からのサービス対価(システム利用料含む)が収益源である。

 データネットワークサービスでは、現在はDPC制度導入対象病院向けのDPC分析ベンチマークシステム「EVE」「EVE−ASP」、および病院経営支援システム「Medical Code」を主力として提供している。

 なおDPC制度は急性期病院における入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度である。医療費の適正化、診療データ(DPCデータ)開示による透明性の向上、医療の質向上などを目的として厚生労働省が03年に導入した。DPC対象病院には厚生労働省への診療データ提出が義務付けられているが、より効果的な診療を実施すれば従来に比べて収入が増えるというメリットがある。14年4月1日時点でDPC制度導入病院数は全国で1585病院に達している。

 DPC制度導入対象病院向けのDPC分析システム「EVE」(06年8月リリース)は、自院の診療内容や状況を他院と比較しながら分析できるベンチマークシステムである。14年12月期の販売数は58病院で累計導入病院数は705病院となった。14年12月末現在でDPC対象病院の42.4%という圧倒的シェアを獲得している。DPC詳細分析ベンチマークシステム「EVE−ASP」(07年11月リリース)は、実名を公開した自院と他院を比較できるシステムだ。

 病院向けの経営支援システム「Medical Code」(09年9月リリース)は、原価管理など病院経営全般に関わる事項を分析できるシステムである。14年12月期の販売数は32病院、累計導入病院数は131病院となった。

 14年5月には診療所向け電子カルテソリューション「カルテビジョン」をリリースした。2次利用の許諾を得た個人データをさらに集積するため、治験会社などとのアライアンスも積極活用して、電子カルテソリューション「カルテビジョン」の拡販を強化する。

 なお診療データベースの規模は4月24日時点で実患者数が1002万人(14年末比137万人増加)となり、2次利用の許諾を得たデータ提供病院数が189病院(がん拠点病院80病院を含む)となった。民間企業では最大規模のデータベースであり、規模と質において製薬会社などから高い評価を受けている。そして実患者数が1000万人を超えたことで、より多角的で精度の高い分析が可能となる。

 製薬会社向けのデータ利活用サービスは、データネットワークサービスで集積した医療情報などの各種データをビッグデータとして活用し、処方数分析、処方日数分析、処方診療科分析、併用薬分析、副作用発生リスク分析などの分析ツール・サービスを提供する。

 医療機関における処方実態が把握可能な診療データ分析ツール「MDV analyzer」(12年8月リリース)は、利用する製薬会社数が14年12月期に10社となった。また「MDV analyzer」の分析メニューでは対応できない製薬会社個別ニーズに対するサービスとして「アドホック調査サービス」も提供している。

 さらに15年3月には薬剤安全性分析をはじめとした疫学調査支援を目的とした分析システム「MDV analyzer for Academia」を、15年4月には薬剤処方実態に関する基礎分析が簡便に行えるWEB分析ツール「MDV analyzer Light」をリリースした。

 現在は先発薬メーカー向けが主力だが、15年2月にはOTC(一般用医薬品)およびH&BC(ヘルス&ビューティケア)分野を対象とした調査分析サービスも開始した。15年4月にはクロス・マーケティンググループ<3675>と共同で、OTC・H&BCメーカー向けに診療統計データと定性データをリンクさせたワンストップ分析サービス「ヘルスオプティマイザー」の提供を開始した。

 今後はDPCデータにとどまらず、DPCデータを含めた個人データをさらに集積し、カルテ情報を永続的に取得できるように、電子カルテ・オーダリングシステム・レセプトコンピュータなど基幹システム分野への進出も計画している。病院・診療所への事業展開加速、永続的に取得するインフラおよびデータベース作りを通じて、事業基盤の安定化とともに中期成長を目指す方針だ。

 今期(15年12月期)の業績(非連結)見通し(2月9日公表)は、売上高が前期比34.4%増の26億22百万円、営業利益が同0.6%増の2億62百万円、経常利益が同5.5%増の2億62百万円、純利益が同7.8%増の1億46百万円としている。なお外資系製薬メーカーが12月の決算期末に予算を消化する傾向が強いため、利益は第4四半期(10月〜12月)に集中しやすい収益構造としている。

 システム開発やデータ蓄積セキュリティ強化、電子カルテソリューション拡販や新規事業に関する人件費や費用の増加などで、営業利益はほぼ横ばい見通しだ。ただし主力製品・サービスの好調が牽引して大幅増収見通しだ。事業別売上高はデータネットワークサービスが同43.9%増の17億46百万円、データ利活用サービスが同18.8%増の8億76百万円としている。

 データネットワークサービスでは「EVE」および「Medical Code」のさらなる拡販で導入病院数が増加する。診療所向け電子カルテソリューション「カルテビジョン」の本格化も寄与する。

 データ利活用サービスでは「MDV analyzer」「MDV analyzer for Academia」「アドホック調査サービス」の拡販に加えて、OTC・H&BC分野の寄与も期待される。

 中期成長イメージでは、15年12月期および16年12月期を成長の第3フェーズ(投資フェーズ)として、売上高は毎年30%前後の増加、売上高経常利益率は10%前後の維持としている。電子カルテソリューションを介して個人から同意を得た診療データを蓄積し、個人が診療情報を管理できる仕組みを構築する。さらに蓄積された多様なデータを活用して、利活用サービス領域の成長を加速させる方針だ。

 そして17年12月期からは成長の第4フェーズ(投資回収期)としている。蓄積データを活用して利活用サービスのビジネス領域が拡大し、売上高の拡大とともに投資回収を開始する方針だ。中期的に収益拡大基調が期待される。

 なお医療関連企業との資本業務提携により、富士フイルムが第1位株主、メディパルホールディングスが第2位株主、シミックホールディングスが第4位株主となっている。

 株価の動きを見ると、3月11日の安値5150円から切り返して戻り歩調の展開だ。4月10日はストップ高の7600円まで急伸し、さらに21日には9450円まで上伸する場面があった。その後は目先的な過熱感を強めて上げ一服の形だが、自律調整の範囲だろう。

 4月28日の終値7850円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS126円71銭で算出)は62倍近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS1970円51銭で算出)は4.0倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を突破して上伸した。3月安値での底打ちから強基調への転換を確認した形だ。また日足チャートで見るとサポートラインとなった25日移動平均線が接近している。目先的な過熱感が解消して再動意のタイミングだ。中期成長力を評価して水準切り上げの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)

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