[4963]星光PMC
[08月28日更新]

星光PMCは調整一巡、23年12月期2Q累計減益だが通期は営業増益予想

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。成長戦略として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化を掲げ、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。なお9月20日〜22日に東京ビックサイトで開催される「INCHEM TOKYO 2023」にバイオフィルムコントロール剤を出展する。23年12月期第2四半期累計は原料価格上昇に対応して製品価格への転嫁を進めたが、国内外の軟調な需要環境に伴う販売数量の減少などで減収減益だった。ただし通期の営業増益予想を据え置いた。第2四半期累計の売上高と営業利益の進捗率は低水準の形だが、積極的な事業展開で下期の挽回を期待したい。株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏だが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 22年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要が拡大基調の粘着剤事業の海外展開を強化する。22年11月には製紙用薬品事業においてベトナム新工場が稼働した。

 23年1月には、キチンナノファイバーの研究開発・製造販売を展開する鳥取大学発ベンチャーであるマリンナノファイバー(鳥取県鳥取市)の株式85.4%取得が完了して子会社化した。ナノファイバー技術をコアとしたさらなる事業ポートフォリオ拡大を推進する。

 22年12月期セグメント別業績は、製紙用薬品事業の売上高が21年12月期比14.1%増の200億33百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が30.6%減の8億28百万円、樹脂事業の売上高が14.8%減の68億88百万円でセグメント利益が56.0%減の3億53百万円、そして化成品事業の売上高が1.9%増の54億97百万円でセグメント利益が20.5%減の10億43百万円だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプラン新中期経営計画「OPEN 2024」(22年2月策定)では、目標数値として最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index(同社の環境戦略製品の売上指標、21年の当該製品売上高を100として指数化)130以上を掲げている。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。23年3月には、TCFD提言に基づく情報開示について「SEIKO PMC REPORT 2022」に追記する形で公開した。23年8月には子会社KJケミカルズがEcoVadis社のサステナビリティ格付において上位5%以内の企業が認定されるゴールドメダルを2年連続で獲得したとリリースしている。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF配合樹脂や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF配合樹脂「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルションなどの拡販も推進している。

 紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤の「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤「BRシリーズ」については、実証試験で有効性が確認され、実用化に向けて製造設備のスケールアップを進めている。化成品事業の低毒性アミド溶剤「Kohshylvent」についてはEV材料、半導体用コート剤、農薬原体合成など幅広い分野での利用を検討中である。

 22年12月には、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/カーボンリサイクル・次世代火力推進事業/カーボンリサイクル技術の共通基盤技術開発」の委託先として採択され、九州大学・東北大学との共同研究を実施すると発表している。九州大学と東北大学が木材や二酸化炭素を原料とした新たなバイオリファイナリーの確立、東北大学と同社がバイオリファイナリーで得られた原料からのバイオポリマー合成と新たな用途開拓に取り組む。事業期間は22年度〜24年度としている。

 23年2月には、医療機器開発ベンチャーであるニューロシューティカルズと共同開発したバイオフィルム除去剤「BAKU」について、ニューロシューティカルズのジョイント・ベンチャーであるSCOPIONから発売した。バイオフィルムとは、微生物が産出する粘性の膜、いわゆる「ぬめり」である。この「ぬめり」は水回りの様々な基材表面に発生し、生理的な不快感のみならず、金属部材の腐食や悪臭、感染症の原因など、経済や衛生面において実害を引き起こしている。医療器具や内視鏡は使用後に院内洗浄して繰り返し使用するが、洗浄で除去できなかったバイオフィルムについて、バイオフィルム除去剤「BAKU」は細胞外マトリクスの形成(凝集)を阻止して、バイオフィルムを脱離(コントロール)する機能がある。

 23年6月には食品添加物(アメリカ食品医薬品局FDAの食品添加物ポジティブリストに収載の物質)で構成されるバイオフィルムコントロール剤「BR−201」および「BR−202」の開発を発表した。バイオフィルムコントロール剤は殺菌効果に依存する従来の薬剤とは異なり、細菌の生理機能に作用することでバイオフィルムの形成を抑制する機能を有する製品である。既存のバイオフィルムコントロール剤「BR−109」「BR−110」は非殺菌性・非酸化性・中性液体であり、安全に取り扱えることを特徴としていたが、食品加工工場や飲料設備など、より高い安全性が求められる場面でも使用できる製品として「BR−201」「BR−202」を開発した。なお同社のバイオフィルムコントロール剤は日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」の6月13日放送分でも取り上げられた。また9月20日〜22日に東京ビックサイトで開催される「INCHEM TOKYO 2023」にバイオフィルムコントロール剤を出展する。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場見直しではプライム市場を選択し、移行基準日(21年6月30日)時点で流通株式時価総額が基準を充たしていなかったため、21年11月に「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化、安定的な配当政策などで企業価値の向上(時価総額の増大)に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

 23年3月には計画の進捗状況をリリースした。22年12月31日時点で流通株式時価総額が基準を充たしていないため、引き続き新中期経営計画の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化など、企業価値の向上に向けた各種施策に取り組むとしている。

■23年12月期2Q累計減収減益だが通期営業増益予想据え置き

 23年12月期の連結業績予想は、売上高が22年12月期比8.8%増の352億80百万円、営業利益が6.7%増の20億10百万円、経常利益が9.8%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.9%減の15億50百万円としている。配当予想は22年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第2四半期累計連結業績は売上高が前年同期比3.8%減の153億28百万円、営業利益が35.3%減の7億24百万円、経常利益が30.1%減の12億19百万円、親会社株主帰属四半期純利益が27.9%減の9億41百万円だった。

 原料価格上昇に対応して製品価格への転嫁を進めたが、国内外の軟調な需要環境に伴う販売数量の減少、ベトナム工場の減価償却費増加などで減収減益だった。営業利益▲3億96百万円の要因分析は販売要因▲3億46百万円(うち販売数量減▲4億11百万円、構成改善・他+65百万円)、製品価格変動+5億97百万円、原料価格変動▲3億66百万円、製造経費▲2億05百万円(うちベトナム償却費▲1億75百万円)、販管費▲77百万円だった。営業外収益では、海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによって為替差益が減少(前年同期は4億90百万円計上、当期は3億59百万円計上)した。

 製紙用薬品事業は売上高が5.8%増の97億67百万円、営業利益(全社費用等調整前)が0.6%減の4億38百万円、EBITDAが12.7%増の8億87百万円だった。売上面は、国内が需要減少の影響を受けたが、中国・東南アジアでの拡販、原料価格上昇に対応した製品価格への転嫁などで増収だったが、利益面はベトナム子会社の償却負担増の影響で減益だった。

 樹脂事業は売上高が15.3%減の29億93百万円、営業利益が92.9%減の12百万円、EBITDAが48.0%減の1億83百万円だった。原料価格上昇に対応した製品価格への転嫁を進めたが、国内の印刷インキ用樹脂の需要減少、中国の景気回復遅れに伴う粘着剤の需要減少などで販売数量が減少した。

 化成品事業は売上高が19.1%減の25億68百万円、営業利益が34.1%減の4億49百万円、EBITDAが25.9%減の5億79百万円だった。欧米の景気減速の影響で主力製品の輸出数量が減少し、原材料価格上昇なども影響した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が74億57百万円で営業利益が3億11百万円、第2四半期は売上高が78億71百万円で営業利益が4億13百万円だった。第2四半期は回復傾向となった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。差別化製品の市場投入を積極推進するとともに、原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁進展や一層の合理化などにより増収・営業増益予想としている。なおEBITDA(営業利益+減価償却費)は18.4%増の39億30百万円の計画で、過去最高だった21年12月期の41億59百万円に近い水準まで回復する見込みとしている。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については為替差益を見込まず減益予想としている。

 営業利益+1億26百万円要因分析(計画)は、販売要因(主にベトナム工場の本格稼働を足掛かりとした製紙用薬品事業の海外での販売数量増)で+5億68百万円、製品価格変動で+9億02百万円(うち価格ギャップで6億47百万円)、原料価格変動で▲2億55百万円、製造経費で▲8億58百万円(うち減価償却費増加で▲4億51百万円)、販管費で▲2億31百万円としている。

 製紙用薬品事業は売上高が9.1%増の218億50百万円、営業利益(全社費用等調整前)が47.3%増の12億20百万円、EBITDAが29.6%増の21億20百万円としている。差別化製品拡販と価格転嫁効果に加えて、前期後半に本格稼働したベトナム子会社が1年を通じて安定稼働することも寄与する見込みだ。

 樹脂事業は売上高が10.5%増の76億10百万円、営業利益が30.1%増の4億60百万円、EBITDAが22.0%増の8億70百万円としている。製品価格への転嫁に加えて、中国を中心とする粘着剤の拡販、水性インキ用樹脂ラインナップ拡充やUV硬化型粘着剤拡販など製品ポートフォリオ転換を推進する。

 化成品事業は売上高が5.9%増の58億20百万円、営業利益が32.0%減の7億10百万円、EBITDAが0.7%増の12億70百万円としている。生産性改善を目的とした大型設備投資に伴う減価償却費の増加が一時的減益要因となるが、機能性モノマーの拡販や製品価格への転嫁を推進する。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が43.4%、営業利益が36.0%、経常利益が56.4%、親会社株主帰属当期純利益60.7%である。売上高と営業利益の進捗率は低水準の形だが、積極的な事業展開で下期の挽回を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏だが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。8月25日の終値は561円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円12銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1015円10銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約170億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月03日更新]

星光PMCは底放れの動き、23年12月期営業増益予想

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。成長戦略として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化を掲げ、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。なお9月20日〜22日に東京ビックサイトで開催される「INCHEM TOKYO 2023」にバイオフィルムコントロール剤を出展する。23年12月期は営業増益予想としている。差別化製品の市場投入を積極推進し、製品価格への転嫁進展や一層の合理化も寄与する見込みだ。第1四半期は減益だったが、積極的な事業展開で第2四半期以降の挽回を期待したい。株価は小動きだが下値を徐々に切り上げて底放れの動きを強めている。1倍割れのPBRなど指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 22年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要が拡大基調の粘着剤事業の海外展開を強化する。22年11月には製紙用薬品事業においてベトナム新工場が稼働した。

 23年1月には、キチンナノファイバーの研究開発・製造販売を展開する鳥取大学発ベンチャーであるマリンナノファイバー(鳥取県鳥取市)の株式85.4%取得が完了して子会社化した。ナノファイバー技術をコアとしたさらなる事業ポートフォリオ拡大を推進する。

 22年12月期セグメント別業績は、製紙用薬品事業の売上高が21年12月期比14.1%増の200億33百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が30.6%減の8億28百万円、樹脂事業の売上高が14.8%減の68億88百万円でセグメント利益が56.0%減の3億53百万円、そして化成品事業の売上高が1.9%増の54億97百万円でセグメント利益が20.5%減の10億43百万円だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプラン新中期経営計画「OPEN 2024」(22年2月策定)では、目標数値として最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index(同社の環境戦略製品の売上指標、21年の当該製品売上高を100として指数化)130以上を掲げている。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。23年3月には、TCFD提言に基づく情報開示について「SEIKO PMC REPORT 2022」に追記する形で公開した。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF配合樹脂や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF配合樹脂「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルションなどの拡販も推進している。

 紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤の「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤「BRシリーズ」については、実証試験で有効性が確認され、実用化に向けて製造設備のスケールアップを進めている。化成品事業の低毒性アミド溶剤「Kohshylvent」についてはEV材料、半導体用コート剤、農薬原体合成など幅広い分野での利用を検討中である。

 22年12月には、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/カーボンリサイクル・次世代火力推進事業/カーボンリサイクル技術の共通基盤技術開発」の委託先として採択され、九州大学・東北大学との共同研究を実施すると発表している。九州大学と東北大学が木材や二酸化炭素を原料とした新たなバイオリファイナリーの確立、東北大学と同社がバイオリファイナリーで得られた原料からのバイオポリマー合成と新たな用途開拓に取り組む。事業期間は22年度〜24年度としている。

 23年2月には、医療機器開発ベンチャーであるニューロシューティカルズと共同開発したバイオフィルム除去剤「BAKU」について、ニューロシューティカルズのジョイント・ベンチャーであるSCOPIONから発売した。バイオフィルムとは、微生物が産出する粘性の膜、いわゆる「ぬめり」である。この「ぬめり」は水回りの様々な基材表面に発生し、生理的な不快感のみならず、金属部材の腐食や悪臭、感染症の原因など、経済や衛生面において実害を引き起こしている。医療器具や内視鏡は使用後に院内洗浄して繰り返し使用するが、洗浄で除去できなかったバイオフィルムについて、バイオフィルム除去剤「BAKU」は細胞外マトリクスの形成(凝集)を阻止して、バイオフィルムを脱離(コントロール)する機能がある。

 23年6月には食品添加物(アメリカ食品医薬品局FDAの食品添加物ポジティブリストに収載の物質)で構成されるバイオフィルムコントロール剤「BR−201」および「BR−202」の開発を発表した。バイオフィルムコントロール剤は殺菌効果に依存する従来の薬剤とは異なり、細菌の生理機能に作用することでバイオフィルムの形成を抑制する機能を有する製品である。既存のバイオフィルムコントロール剤「BR−109」「BR−110」は非殺菌性・非酸化性・中性液体であり、安全に取り扱えることを特徴としていたが、食品加工工場や飲料設備など、より高い安全性が求められる場面でも使用できる製品として「BR−201」「BR−202」を開発した。なお同社のバイオフィルムコントロール剤は日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」の6月13日放送分でも取り上げられた。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場見直しではプライム市場を選択し、移行基準日(21年6月30日)時点で流通株式時価総額が基準を充たしていなかったため、21年11月に「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化、安定的な配当政策などで企業価値の向上(時価総額の増大)に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

 23年3月には計画の進捗状況をリリースした。22年12月31日時点で流通株式時価総額が基準を充たしていないため、引き続き新中期経営計画の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化など、企業価値の向上に向けた各種施策に取り組むとしている。

■23年12月期営業増益予想

 23年12月期の連結業績予想は、売上高が22年12月期比8.8%増の352億80百万円、営業利益が6.7%増の20億10百万円、経常利益が9.8%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.9%減の15億50百万円としている。配当予想は22年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 差別化製品の市場投入を積極推進するとともに、原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁進展や一層の合理化などにより増収・営業増益予想としている。なおEBITDA(営業利益+減価償却費)は18.4%増の39億30百万円の計画で、過去最高だった21年12月期の41億59百万円に近い水準まで回復する見込みとしている。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については為替差益を見込まず減益予想としている。

 営業利益1億26百万円増益分析(計画)については、販売要因(主にベトナム工場の本格稼働を足掛かりとした製紙用薬品事業の海外での販売数量増)で+5億68百万円、製品価格変動で+9億02百万円(うち価格ギャップで6億47百万円)、原料価格変動で▲2億55百万円、製造経費で▲8億58百万円(うち減価償却費増加で▲4億51百万円)、販管費で▲2億31百万円としている。

 製紙用薬品事業の計画は、売上高が9.1%増の218億50百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が47.3%増の12億20百万円、EBITDAが29.6%増の21億20百万円としている。差別化製品拡販と価格転嫁効果に加えて、前期後半に本格稼働したベトナム子会社が1年を通じて安定稼働することも寄与する見込みだ。

 樹脂事業の計画は、売上高が10.5%増の76億10百万円、セグメント利益が30.1%増の4億60百万円、EBITDAが22.0%増の8億70百万円としている。製品価格への転嫁に加えて、中国を中心とする粘着剤の拡販、水性インキ用樹脂ラインナップ拡充やUV硬化型粘着剤拡販など製品ポートフォリオ転換を推進する。

 化成品事業の計画は、売上高が5.9%増の58億20百万円、セグメント利益が32.0%減の7億10百万円、EBITDAが0.7%増の12億70百万円としている。生産性改善を目的とした大型設備投資に伴う減価償却費の増加が一時的な減益要因となるが、機能性モノマーの拡販や製品価格への転嫁を推進する。

 第1四半期(1月〜3月)は売上高が前年同期比1.0%減の74億57百万円、営業利益が46.4%減の3億11百万円、経常利益が54.0%減の3億90百万円、親会社株主帰属四半期純利益が50.9%減の3億05百万円だった。

 原料価格上昇に対応して製品価格への転嫁を進めたが、景気減速による高付加価値製品の販売数量減少、22年10月に稼働したベトナム工場の償却負担増加などで減益だった。なお営業外収益では、海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによって為替差益が減少(前年同期は1億58百万円計上、今期は35百万円計上)した。

 製紙用薬品事業は売上高が14.4%増の48億85百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が6.4%減の1億78百万円だった。国内外における差別化商品の拡販、原料価格上昇に対応した製品価格への転嫁などで増収だが、ベトナム工場の償却負担増の影響で減益だった。

 樹脂事業は売上高が15.3%減の14億40百万円で、利益が30百万円の損失(前年同期は1億09百万円の利益)だった。中国の景気回復遅れに伴う粘着剤の販売数量減少で減収減益だった。

 化成品事業は売上高が27.4%減の11億31百万円で、利益が35.3%減の2億61百万円だった。海外の景気減速の影響で主力製品の輸出数量が減少し、原材料価格上昇に対する価格転嫁の遅れも影響して減収減益だった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。第1四半期が減益となり、通期予想に対する進捗率は売上高が21.1%、営業利益が15.5%、経常利益が18.1%、親会社株主帰属当期純利益が19.7%と低水準だが、積極的な事業展開で第2四半期以降の挽回を期待したい。

■株価は底放れの動き

 株価は小動きだが下値を徐々に切り上げて底放れの動きを強めている。1倍割れのPBRなど指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。8月2日の終値は578円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円12銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1015円10銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約175億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[07月20日更新]

星光PMCは下値切り上げ、23年12月期営業増益予想

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。成長戦略として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化を掲げ、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。23年12月期は営業増益予想としている。差別化製品の市場投入を積極推進し、製品価格への転嫁進展や一層の合理化も寄与する見込みだ。第1四半期は減益だったが、積極的な事業展開で第2四半期以降の挽回を期待したい。株価は戻り一服の形となったが、一方では下値を徐々に切り上げている。1倍割れのPBRなど指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 22年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要が拡大基調の粘着剤事業の海外展開を強化する。22年11月には製紙用薬品事業においてベトナム新工場が稼働した。

 23年1月には、キチンナノファイバーの研究開発・製造販売を展開する鳥取大学発ベンチャーであるマリンナノファイバー(鳥取県鳥取市)の株式85.4%取得が完了して子会社化した。ナノファイバー技術をコアとしたさらなる事業ポートフォリオ拡大を推進する。

 22年12月期セグメント別業績は、製紙用薬品事業の売上高が21年12月期比14.1%増の200億33百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が30.6%減の8億28百万円、樹脂事業の売上高が14.8%減の68億88百万円でセグメント利益が56.0%減の3億53百万円、そして化成品事業の売上高が1.9%増の54億97百万円でセグメント利益が20.5%減の10億43百万円だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプラン新中期経営計画「OPEN 2024」(22年2月策定)では、目標数値として最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index(同社の環境戦略製品の売上指標、21年の当該製品売上高を100として指数化)130以上を掲げている。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。23年3月には、TCFD提言に基づく情報開示について「SEIKO PMC REPORT 2022」に追記する形で公開した。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF配合樹脂や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF配合樹脂「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルションなどの拡販も推進している。

 紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤の「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤「BRシリーズ」については、実証試験で有効性が確認され、実用化に向けて製造設備のスケールアップを進めている。化成品事業の低毒性アミド溶剤「Kohshylvent」についてはEV材料、半導体用コート剤、農薬原体合成など幅広い分野での利用を検討中である。

 22年12月には、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/カーボンリサイクル・次世代火力推進事業/カーボンリサイクル技術の共通基盤技術開発」の委託先として採択され、九州大学・東北大学との共同研究を実施すると発表している。九州大学と東北大学が木材や二酸化炭素を原料とした新たなバイオリファイナリーの確立、東北大学と同社がバイオリファイナリーで得られた原料からのバイオポリマー合成と新たな用途開拓に取り組む。事業期間は22年度〜24年度としている。

 23年2月には、医療機器開発ベンチャーであるニューロシューティカルズと共同開発したバイオフィルム除去剤「BAKU」について、ニューロシューティカルズのジョイント・ベンチャーであるSCOPIONから発売した。バイオフィルムとは、微生物が産出する粘性の膜、いわゆる「ぬめり」である。この「ぬめり」は水回りの様々な基材表面に発生し、生理的な不快感のみならず、金属部材の腐食や悪臭、感染症の原因など、経済や衛生面において実害を引き起こしている。医療器具や内視鏡は使用後に院内洗浄して繰り返し使用するが、洗浄で除去できなかったバイオフィルムについて、バイオフィルム除去剤「BAKU」は細胞外マトリクスの形成(凝集)を阻止して、バイオフィルムを脱離(コントロール)する機能がある。

 23年6月には食品添加物(アメリカ食品医薬品局FDAの食品添加物ポジティブリストに収載の物質)で構成されるバイオフィルムコントロール剤「BR−201」および「BR−202」の開発を発表した。バイオフィルムコントロール剤は殺菌効果に依存する従来の薬剤とは異なり、細菌の生理機能に作用することでバイオフィルムの形成を抑制する機能を有する製品である。既存のバイオフィルムコントロール剤「BR−109」「BR−110」は非殺菌性・非酸化性・中性液体であり、安全に取り扱えることを特徴としていたが、食品加工工場や飲料設備など、より高い安全性が求められる場面でも使用できる製品として「BR−201」「BR−202」を開発した。なお同社のバイオフィルムコントロール剤は日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」の6月13日放送分でも取り上げられた。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場見直しではプライム市場を選択し、移行基準日(21年6月30日)時点で流通株式時価総額が基準を充たしていなかったため、21年11月に「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化、安定的な配当政策などで企業価値の向上(時価総額の増大)に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

 なお23年3月には計画の進捗状況をリリースした。22年12月31日時点で流通株式時価総額が基準を充たしていないため、引き続き新中期経営計画の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化など、企業価値の向上に向けた各種施策に取り組むとしている。

■23年12月期営業増益予想

 23年12月期の連結業績予想は、売上高が22年12月期比8.8%増の352億80百万円、営業利益が6.7%増の20億10百万円、経常利益が9.8%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.9%減の15億50百万円としている。配当予想は22年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 差別化製品の市場投入を積極推進するとともに、原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁進展や一層の合理化などにより増収・営業増益予想としている。なおEBITDA(営業利益+減価償却費)は18.4%増の39億30百万円の計画で、過去最高だった21年12月期の41億59百万円に近い水準まで回復する見込みとしている。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については為替差益を見込まず減益予想としている。

 営業利益1億26百万円増益分析(計画)については、販売要因(主にベトナム工場の本格稼働を足掛かりとした製紙用薬品事業の海外での販売数量増)で+5億68百万円、製品価格変動で+9億02百万円(うち価格ギャップで6億47百万円)、原料価格変動で▲2億55百万円、製造経費で▲8億58百万円(うち減価償却費増加で▲4億51百万円)、販管費で▲2億31百万円としている。

 製紙用薬品事業の計画は、売上高が9.1%増の218億50百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が47.3%増の12億20百万円、EBITDAが29.6%増の21億20百万円としている。差別化製品拡販と価格転嫁効果に加えて、前期後半に本格稼働したベトナム子会社が1年を通じて安定稼働することも寄与する見込みだ。

 樹脂事業の計画は、売上高が10.5%増の76億10百万円、セグメント利益が30.1%増の4億60百万円、EBITDAが22.0%増の8億70百万円としている。製品価格への転嫁に加えて、中国を中心とする粘着剤の拡販、水性インキ用樹脂ラインナップ拡充やUV硬化型粘着剤拡販など製品ポートフォリオ転換を推進する。

 化成品事業の計画は、売上高が5.9%増の58億20百万円、セグメント利益が32.0%減の7億10百万円、EBITDAが0.7%増の12億70百万円としている。生産性改善を目的とした大型設備投資に伴う減価償却費の増加が一時的な減益要因となるが、機能性モノマーの拡販や製品価格への転嫁を推進する。

 第1四半期(1月〜3月)は売上高が前年同期比1.0%減の74億57百万円、営業利益が46.4%減の3億11百万円、経常利益が54.0%減の3億90百万円、親会社株主帰属四半期純利益が50.9%減の3億05百万円だった。

 原料価格上昇に対応して製品価格への転嫁を進めたが、景気減速による高付加価値製品の販売数量減少、22年10月に稼働したベトナム工場の償却負担増加などで減益だった。なお営業外収益では、海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによって為替差益が減少(前年同期は1億58百万円計上、今期は35百万円計上)した。

 製紙用薬品事業は売上高が14.4%増の48億85百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が6.4%減の1億78百万円だった。国内外における差別化商品の拡販、原料価格上昇に対応した製品価格への転嫁などで増収だが、ベトナム工場の償却負担増の影響で減益だった。

 樹脂事業は売上高が15.3%減の14億40百万円で、利益が30百万円の損失(前年同期は1億09百万円の利益)だった。中国の景気回復遅れに伴う粘着剤の販売数量減少で減収減益だった。

 化成品事業は売上高が27.4%減の11億31百万円で、利益が35.3%減の2億61百万円だった。海外の景気減速の影響で主力製品の輸出数量が減少し、原材料価格上昇に対する価格転嫁の遅れも影響して減収減益だった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。第1四半期が減益となり、通期予想に対する進捗率は売上高が21.1%、営業利益が15.5%、経常利益が18.1%、親会社株主帰属当期純利益が19.7%と低水準だが、積極的な事業展開で第2四半期以降の挽回を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は戻り一服の形となったが、一方では下値を徐々に切り上げている。週足チャートで見ると26週移動平均線も上向きに転じており、1倍割れのPBRなど指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。7月19日の終値は573円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円12銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1015円10銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約174億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[06月28日更新]

星光PMCは底放れ、23年12月期営業増益予想

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。成長戦略として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化を掲げ、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。なお6月26日には食品添加物で構成されるバイオフィルムコントロール剤「BR−201」および「BR−202」の開発を発表した。23年12月期は営業増益予想としている。差別化製品の市場投入を積極推進し、製品価格への転嫁進展や一層の合理化も寄与する見込みだ。第1四半期は減益だったが、積極的な事業展開で第2四半期以降の挽回を期待したい。株価は徐々に水準を切り上げて底放れの動きを強めている。1倍割れのPBRなど指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 22年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要が拡大基調の粘着剤事業の海外展開を強化する。22年11月には製紙用薬品事業においてベトナム新工場が稼働した。

 23年1月には、キチンナノファイバーの研究開発・製造販売を展開する鳥取大学発ベンチャーであるマリンナノファイバー(鳥取県鳥取市)の株式85.4%取得が完了して子会社化した。ナノファイバー技術をコアとしたさらなる事業ポートフォリオ拡大を推進する。

 22年12月期セグメント別業績は、製紙用薬品事業の売上高が21年12月期比14.1%増の200億33百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が30.6%減の8億28百万円、樹脂事業の売上高が14.8%減の68億88百万円でセグメント利益が56.0%減の3億53百万円、そして化成品事業の売上高が1.9%増の54億97百万円でセグメント利益が20.5%減の10億43百万円だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプラン新中期経営計画「OPEN 2024」(22年2月策定)では、目標数値として最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index(同社の環境戦略製品の売上指標、21年の当該製品売上高を100として指数化)130以上を掲げている。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。23年3月には、TCFD提言に基づく情報開示について「SEIKO PMC REPORT 2022」に追記する形で公開した。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF配合樹脂や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF配合樹脂「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルションなどの拡販も推進している。

 紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤の「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤「BRシリーズ」については、実証試験で有効性が確認され、実用化に向けて製造設備のスケールアップを進めている。化成品事業の低毒性アミド溶剤「Kohshylvent」についてはEV材料、半導体用コート剤、農薬原体合成など幅広い分野での利用を検討中である。

 22年12月には、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/カーボンリサイクル・次世代火力推進事業/カーボンリサイクル技術の共通基盤技術開発」の委託先として採択され、九州大学・東北大学との共同研究を実施すると発表している。九州大学と東北大学が木材や二酸化炭素を原料とした新たなバイオリファイナリーの確立、東北大学と同社がバイオリファイナリーで得られた原料からのバイオポリマー合成と新たな用途開拓に取り組む。事業期間は22年度〜24年度としている。

 23年2月には、医療機器開発ベンチャーであるニューロシューティカルズと共同開発したバイオフィルム除去剤「BAKU」について、ニューロシューティカルズのジョイント・ベンチャーであるSCOPIONから発売した。バイオフィルムとは、微生物が産出する粘性の膜、いわゆる「ぬめり」である。この「ぬめり」は水回りの様々な基材表面に発生し、生理的な不快感のみならず、金属部材の腐食や悪臭、感染症の原因など、経済や衛生面において実害を引き起こしている。医療器具や内視鏡は使用後に院内洗浄して繰り返し使用するが、洗浄で除去できなかったバイオフィルムについて、バイオフィルム除去剤「BAKU」は細胞外マトリクスの形成(凝集)を阻止して、バイオフィルムを脱離(コントロール)する機能がある。

 6月26日には食品添加物(アメリカ食品医薬品局FDAの食品添加物ポジティブリストに収載の物質)で構成されるバイオフィルムコントロール剤「BR−201」および「BR−202」の開発を発表した。バイオフィルムコントロール剤は殺菌効果に依存する従来の薬剤とは異なり、細菌の生理機能に作用することでバイオフィルムの形成を抑制する機能を有する製品である。既存のバイオフィルムコントロール剤「BR−109」「BR−110」は非殺菌性・非酸化性・中性液体であり、安全に取り扱えることを特徴としていたが、食品加工工場や飲料設備など、より高い安全性が求められる場面でも使用できる製品として「BR−201」「BR−202」を開発した。なお同社のバイオフィルムコントロール剤は日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」の6月13日放送分でも取り上げられた。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場見直しではプライム市場を選択し、移行基準日(21年6月30日)時点で流通株式時価総額が基準を充たしていなかったため、21年11月に「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化、安定的な配当政策などで企業価値の向上(時価総額の増大)に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

 なお23年3月には計画の進捗状況をリリースした。22年12月31日時点で流通株式時価総額が基準を充たしていないため、引き続き新中期経営計画の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化など、企業価値の向上に向けた各種施策に取り組むとしている。

■23年12月期営業増益予想

 23年12月期の連結業績予想は、売上高が22年12月期比8.8%増の352億80百万円、営業利益が6.7%増の20億10百万円、経常利益が9.8%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.9%減の15億50百万円としている。配当予想は22年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 差別化製品の市場投入を積極推進するとともに、原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁進展や一層の合理化などにより増収・営業増益予想としている。なおEBITDA(営業利益+減価償却費)は18.4%増の39億30百万円の計画で、過去最高だった21年12月期の41億59百万円に近い水準まで回復する見込みとしている。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については為替差益を見込まず減益予想としている。

 営業利益1億26百万円増益分析(計画)については、販売要因(主にベトナム工場の本格稼働を足掛かりとした製紙用薬品事業の海外での販売数量増)で+5億68百万円、製品価格変動で+9億02百万円(うち価格ギャップで6億47百万円)、原料価格変動で▲2億55百万円、製造経費で▲8億58百万円(うち減価償却費増加で▲4億51百万円)、販管費で▲2億31百万円としている。

 製紙用薬品事業の計画は、売上高が9.1%増の218億50百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が47.3%増の12億20百万円、EBITDAが29.6%増の21億20百万円としている。差別化製品拡販と価格転嫁効果に加えて、前期後半に本格稼働したベトナム子会社が1年を通じて安定稼働することも寄与する見込みだ。

 樹脂事業の計画は、売上高が10.5%増の76億10百万円、セグメント利益が30.1%増の4億60百万円、EBITDAが22.0%増の8億70百万円としている。製品価格への転嫁に加えて、中国を中心とする粘着剤の拡販、水性インキ用樹脂ラインナップ拡充やUV硬化型粘着剤拡販など製品ポートフォリオ転換を推進する。

 化成品事業の計画は、売上高が5.9%増の58億20百万円、セグメント利益が32.0%減の7億10百万円、EBITDAが0.7%増の12億70百万円としている。生産性改善を目的とした大型設備投資に伴う減価償却費の増加が一時的な減益要因となるが、機能性モノマーの拡販や製品価格への転嫁を推進する。

 第1四半期(1月〜3月)は売上高が前年同期比1.0%減の74億57百万円、営業利益が46.4%減の3億11百万円、経常利益が54.0%減の3億90百万円、親会社株主帰属四半期純利益が50.9%減の3億05百万円だった。

 原料価格上昇に対応して製品価格への転嫁を進めたが、景気減速による高付加価値製品の販売数量減少、22年10月に稼働したベトナム工場の償却負担増加などで減益だった。なお営業外収益では、海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによって為替差益が減少(前年同期は1億58百万円計上、今期は35百万円計上)した。

 製紙用薬品事業は売上高が14.4%増の48億85百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が6.4%減の1億78百万円だった。国内外における差別化商品の拡販、原料価格上昇に対応した製品価格への転嫁などで増収だが、ベトナム工場の償却負担増の影響で減益だった。

 樹脂事業は売上高が15.3%減の14億40百万円で、利益が30百万円の損失(前年同期は1億09百万円の利益)だった。中国の景気回復遅れに伴う粘着剤の販売数量減少で減収減益だった。

 化成品事業は売上高が27.4%減の11億31百万円で、利益が35.3%減の2億61百万円だった。海外の景気減速の影響で主力製品の輸出数量が減少し、原材料価格上昇に対する価格転嫁の遅れも影響して減収減益だった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。第1四半期が減益となり、通期予想に対する進捗率は売上高が21.1%、営業利益が15.5%、経常利益が18.1%、親会社株主帰属当期純利益が19.7%と低水準だが、積極的な事業展開で第2四半期以降の挽回を期待したい。

■株価は底放れ

 株価は徐々に水準を切り上げて底放れの動きを強めている。1倍割れのPBRなど指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。6月27日の終値は590円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円12銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1015円10銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約179億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[05月23日更新]

星光PMCは下値切り上げ、23年12月期1Q減益だが通期営業増益予想

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。成長戦略として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化を掲げ、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。23年12月期第1四半期は原料価格上昇に対応して製品価格への転嫁を進めたが、高付加価値製品の販売数量減少、ベトナム工場の償却負担増加などで減益だった。ただし通期の営業増益予想を据え置いている。差別化製品の市場投入を積極推進し、製品価格への転嫁進展や一層の合理化も寄与する見込みだ。第1四半期の進捗率は低水準だが、積極的な事業展開で第2四半期以降の挽回を期待したい。株価は徐々に下値を切り上げて底放れの動きを強めている。1倍割れのPBRなど指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 22年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要が拡大基調の粘着剤事業の海外展開を強化する。22年11月には製紙用薬品事業においてベトナム新工場が稼働した。

 23年1月には、キチンナノファイバーの研究開発・製造販売を展開する鳥取大学発ベンチャーであるマリンナノファイバー(鳥取県鳥取市)の株式85.4%取得が完了して子会社化した。ナノファイバー技術をコアとしたさらなる事業ポートフォリオ拡大を推進する。

 22年12月期セグメント別業績は、製紙用薬品事業の売上高が21年12月期比14.1%増の200億33百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が30.6%減の8億28百万円、樹脂事業の売上高が14.8%減の68億88百万円でセグメント利益が56.0%減の3億53百万円、そして化成品事業の売上高が1.9%増の54億97百万円でセグメント利益が20.5%減の10億43百万円だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプラン新中期経営計画「OPEN 2024」(22年2月策定)では、目標数値として最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index(同社の環境戦略製品の売上指標、21年の当該製品売上高を100として指数化)130以上を掲げている。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。23年3月には、TCFD提言に基づく情報開示について「SEIKO PMC REPORT 2022」に追記する形で公開した。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF配合樹脂や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF配合樹脂「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルションなどの拡販も推進している。

 紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤の「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤「BRシリーズ」については、実証試験で有効性が確認され、実用化に向けて製造設備のスケールアップを進めている。化成品事業の低毒性アミド溶剤「Kohshylvent」についてはEV材料、半導体用コート剤、農薬原体合成など幅広い分野での利用を検討中である。

 22年12月には、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/カーボンリサイクル・次世代火力推進事業/カーボンリサイクル技術の共通基盤技術開発」の委託先として採択され、九州大学・東北大学との共同研究を実施すると発表している。九州大学と東北大学が木材や二酸化炭素を原料とした新たなバイオリファイナリーの確立、東北大学と同社がバイオリファイナリーで得られた原料からのバイオポリマー合成と新たな用途開拓に取り組む。事業期間は22年度〜24年度としている。

 23年2月には、医療機器開発ベンチャーであるニューロシューティカルズと共同開発したバイオフィルム除去剤「BAKU」について、ニューロシューティカルズのジョイント・ベンチャーであるSCOPIONから発売した。医療器具や内視鏡は使用後に院内洗浄して繰り返し使用するが、洗浄で除去できなかったバイオフィルムについて、バイオフィルム除去剤「BAKU」は細胞外マトリクスの形成(凝集)を阻止して、バイオフィルムを脱離(コントロール)する機能がある。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場見直しではプライム市場を選択し、移行基準日(21年6月30日)時点で流通株式時価総額が基準を充たしていなかったため、21年11月に「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化、安定的な配当政策などで企業価値の向上(時価総額の増大)に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

 なお23年3月には計画の進捗状況をリリースした。22年12月31日時点で流通株式時価総額が基準を充たしていないため、引き続き新中期経営計画の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化など、企業価値の向上に向けた各種施策に取り組むとしている。

■23年12月期1Q減益だが、通期営業増益予想据え置き

 23年12月期の連結業績予想は、売上高が22年12月期比8.8%増の352億80百万円、営業利益が6.7%増の20億10百万円、経常利益が9.8%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.9%減の15億50百万円としている。配当予想は22年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 差別化製品の市場投入を積極推進するとともに、原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁進展や一層の合理化などにより増収・営業増益予想としている。なおEBITDA(営業利益+減価償却費)は18.4%増の39億30百万円の計画で、過去最高だった21年12月期の41億59百万円に近い水準まで回復する見込みとしている。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については為替差益を見込まず減益予想としている。

 営業利益1億26百万円増益分析(計画)については、販売要因(主にベトナム工場の本格稼働を足掛かりとした製紙用薬品事業の海外での販売数量増)で+5億68百万円、製品価格変動で+9億02百万円(うち価格ギャップで6億47百万円)、原料価格変動で▲2億55百万円、製造経費で▲8億58百万円(うち減価償却費増加で▲4億51百万円)、販管費で▲2億31百万円としている。

 製紙用薬品事業の計画は、売上高が9.1%増の218億50百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が47.3%増の12億20百万円、EBITDAが29.6%増の21億20百万円としている。差別化製品拡販と価格転嫁効果に加えて、前期後半に本格稼働したベトナム子会社が1年を通じて安定稼働することも寄与する見込みだ。

 樹脂事業の計画は、売上高が10.5%増の76億10百万円、セグメント利益が30.1%増の4億60百万円、EBITDAが22.0%増の8億70百万円としている。製品価格への転嫁に加えて、中国を中心とする粘着剤の拡販、水性インキ用樹脂ラインナップ拡充やUV硬化型粘着剤拡販など製品ポートフォリオ転換を推進する。

 化成品事業の計画は、売上高が5.9%増の58億20百万円、セグメント利益が32.0%減の7億10百万円、EBITDAが0.7%増の12億70百万円としている。生産性改善を目的とした大型設備投資に伴う減価償却費の増加が一時的な減益要因となるが、機能性モノマーの拡販や製品価格への転嫁を推進する。

 第1四半期(1月〜3月)は売上高が前年同期比1.0%減の74億57百万円、営業利益が46.4%減の3億11百万円、経常利益が54.0%減の3億90百万円、親会社株主帰属四半期純利益が50.9%減の3億05百万円だった。

 原料価格上昇に対応して製品価格への転嫁を進めたが、景気減速による高付加価値製品の販売数量減少、22年10月に稼働したベトナム工場の償却負担増加などで減益だった。なお営業外収益では、海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによって為替差益が減少(前年同期は1億58百万円計上、今期は35百万円計上)した。

 製紙用薬品事業は売上高が14.4%増の48億85百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が6.4%減の1億78百万円だった。国内外における差別化商品の拡販、原料価格上昇に対応した製品価格への転嫁などで増収だが、ベトナム工場の償却負担増の影響で減益だった。

 樹脂事業は売上高が15.3%減の14億40百万円で、利益が30百万円の損失(前年同期は1億09百万円の利益)だった。中国の景気回復遅れに伴う粘着剤の販売数量減少で減収減益だった。

 化成品事業は売上高が27.4%減の11億31百万円で、利益が35.3%減の2億61百万円だった。海外の景気減速の影響で主力製品の輸出数量が減少し、原材料価格上昇に対する価格転嫁の遅れも影響して減収減益だった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。差別化製品の市場投入を積極推進し、製品価格への転嫁進展や一層の合理化も寄与する見込みだ。通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高21.1%、営業利益15.5%、経常利益18.1%、親会社株主帰属当期純利益19.7%と低水準だが、積極的な事業展開で第2四半期以降の挽回を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は徐々に下値を切り上げて底放れの動きを強めている。1倍割れのPBRなど指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。5月22日の終値は567円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円12銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1015円10銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約172億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[04月28日更新]

星光PMCは底放れの動き、23年12月期増収・営業増益予想

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。成長戦略として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化を掲げ、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。23年12月期は差別化製品の市場投入を積極推進するとともに、原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁進展や一層の合理化などにより、増収・営業増益(営業外での為替差益を見込まず経常・最終減益)予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は底放れの動きを強めている。低PBRなど指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 22年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要が拡大基調の粘着剤事業の海外展開を強化する。22年11月には製紙用薬品事業においてベトナム新工場が稼働した。

 23年1月には、キチンナノファイバーの研究開発・製造販売を展開する鳥取大学発ベンチャーであるマリンナノファイバー(鳥取県鳥取市)の株式85.4%取得が完了して子会社化した。ナノファイバー技術をコアとしたさらなる事業ポートフォリオ拡大を推進する。

 22年12月期セグメント別業績は、製紙用薬品事業の売上高が21年12月期比14.1%増の200億33百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が30.6%減の8億28百万円、樹脂事業の売上高が14.8%減の68億88百万円でセグメント利益が56.0%減の3億53百万円、そして化成品事業の売上高が1.9%増の54億97百万円でセグメント利益が20.5%減の10億43百万円だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプラン新中期経営計画「OPEN 2024」(22年2月策定)では、目標数値として最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index(同社の環境戦略製品の売上指標、21年の当該製品売上高を100として指数化)130以上を掲げている。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。23年3月には、TCFD提言に基づく情報開示について「SEIKO PMC REPORT 2022」に追記する形で公開した。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF配合樹脂や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF配合樹脂「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルションなどの拡販も推進している。

 紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤の「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤「BRシリーズ」については、実証試験で有効性が確認され、実用化に向けて製造設備のスケールアップを進めている。化成品事業の低毒性アミド溶剤「Kohshylvent」についてはEV材料、半導体用コート剤、農薬原体合成など幅広い分野での利用を検討中である。

 22年12月には、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/カーボンリサイクル・次世代火力推進事業/カーボンリサイクル技術の共通基盤技術開発」の委託先として採択され、九州大学・東北大学との共同研究を実施すると発表している。九州大学と東北大学が木材や二酸化炭素を原料とした新たなバイオリファイナリーの確立、東北大学と同社がバイオリファイナリーで得られた原料からのバイオポリマー合成と新たな用途開拓に取り組む。事業期間は22年度〜24年度としている。

 23年2月には、医療機器開発ベンチャーであるニューロシューティカルズと共同開発したバイオフィルム除去剤「BAKU」について、ニューロシューティカルズのジョイント・ベンチャーであるSCOPIONから発売した。医療器具や内視鏡は使用後に院内洗浄して繰り返し使用するが、洗浄で除去できなかったバイオフィルムについて、バイオフィルム除去剤「BAKU」は細胞外マトリクスの形成(凝集)を阻止して、バイオフィルムを脱離(コントロール)する機能がある。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場見直しではプライム市場を選択し、移行基準日(21年6月30日)時点で流通株式時価総額が基準を充たしていなかったため、21年11月に「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化、安定的な配当政策などで企業価値の向上(時価総額の増大)に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

 なお23年3月には計画の進捗状況をリリースした。22年12月31日時点で流通株式時価総額が基準を充たしていないため、引き続き新中期経営計画の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化など、企業価値の向上に向けた各種施策に取り組むとしている。

■23年12月期増収・営業増益予想

 23年12月期の連結業績予想は、売上高が22年12月期比8.8%増の352億80百万円、営業利益が6.7%増の20億10百万円、経常利益が9.8%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.9%減の15億50百万円としている。配当予想は22年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 差別化製品の市場投入を積極推進するとともに、原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁進展や一層の合理化などにより増収・営業増益予想としている。なおEBITDA(営業利益+減価償却費)は18.4%増の39億30百万円の計画で、過去最高だった21年12月期の41億59百万円に近い水準まで回復する見込みとしている。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については為替差益を見込まず減益予想としている。

 営業利益1億26百万円増益分析(計画)については、販売要因(主にベトナム工場の本格稼働を足掛かりとした製紙用薬品事業の海外での販売数量増)で+5億68百万円、製品価格変動で+9億02百万円(うち価格ギャップで6億47百万円)、原料価格変動で▲2億55百万円、製造経費で▲8億58百万円(うち減価償却費増加で▲4億51百万円)、販管費で▲2億31百万円としている。

 製紙用薬品事業の計画は、売上高が9.1%増の218億50百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が47.3%増の12億20百万円、EBITDAが29.6%増の21億20百万円としている。差別化製品拡販と価格転嫁効果に加えて、前期後半に本格稼働したベトナム子会社が1年を通じて安定稼働することも寄与する見込みだ。

 樹脂事業の計画は、売上高が10.5%増の76億10百万円、セグメント利益が30.1%増の4億60百万円、EBITDAが22.0%増の8億70百万円としている。製品価格への転嫁に加えて、中国を中心とする粘着剤の拡販、水性インキ用樹脂ラインナップ拡充やUV硬化型粘着剤拡販など製品ポートフォリオ転換を推進する。

 化成品事業の計画は、売上高が5.9%増の58億20百万円、セグメント利益が32.0%減の7億10百万円、EBITDAが0.7%増の12億70百万円としている。生産性改善を目的とした大型設備投資に伴う減価償却費の増加が一時的な減益要因となるが、機能性モノマーの拡販や製品価格への転嫁を推進する。

 23年12月期は増収・営業増益予想としている。原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁を推進する方針だ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は底放れの動き

 株価は底放れの動きを強めている。低PBRなど指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。4月27日の終値は550円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円12銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1015円10銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約167億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[04月12日更新]

星光PMCはモミ合い煮詰まり感、23年12月期増収・営業増益予想

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。成長戦略として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化を掲げ、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。23年12月期は差別化製品の市場投入を積極推進するとともに、原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁進展や一層の合理化などにより、増収・営業増益(営業外での為替差益を見込まず経常・最終減益)予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く小幅レンジでモミ合う形だが、一方では大きく下押す動きも見られず煮詰まり感を強めている。低PBRなど指標面の割安感も評価してモミ合いから上放れの展開を期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 22年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要が拡大基調の粘着剤事業の海外展開を強化する。22年11月には製紙用薬品事業においてベトナム新工場が稼働した。

 23年1月には、キチンナノファイバーの研究開発・製造販売を展開する鳥取大学発ベンチャーであるマリンナノファイバー(鳥取県鳥取市)の株式85.4%取得が完了して子会社化した。ナノファイバー技術をコアとしたさらなる事業ポートフォリオ拡大を推進する。

 22年12月期セグメント別業績は、製紙用薬品事業の売上高が21年12月期比14.1%増の200億33百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が30.6%減の8億28百万円、樹脂事業の売上高が14.8%減の68億88百万円でセグメント利益が56.0%減の3億53百万円、そして化成品事業の売上高が1.9%増の54億97百万円でセグメント利益が20.5%減の10億43百万円だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプラン新中期経営計画「OPEN 2024」(22年2月策定)では、目標数値として最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index(同社の環境戦略製品の売上指標、21年の当該製品売上高を100として指数化)130以上を掲げている。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。23年3月には、TCFD提言に基づく情報開示について「SEIKO PMC REPORT 2022」に追記する形で公開した。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF配合樹脂や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF配合樹脂「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルションなどの拡販も推進している。

 紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤の「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤「BRシリーズ」については、実証試験で有効性が確認され、実用化に向けて製造設備のスケールアップを進めている。化成品事業の低毒性アミド溶剤「Kohshylvent」についてはEV材料、半導体用コート剤、農薬原体合成など幅広い分野での利用を検討中である。

 22年12月には、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/カーボンリサイクル・次世代火力推進事業/カーボンリサイクル技術の共通基盤技術開発」の委託先として採択され、九州大学・東北大学との共同研究を実施すると発表している。九州大学と東北大学が木材や二酸化炭素を原料とした新たなバイオリファイナリーの確立、東北大学と同社がバイオリファイナリーで得られた原料からのバイオポリマー合成と新たな用途開拓に取り組む。事業期間は22年度〜24年度としている。

 23年2月には、医療機器開発ベンチャーであるニューロシューティカルズと共同開発したバイオフィルム除去剤「BAKU」について、ニューロシューティカルズのジョイント・ベンチャーであるSCOPIONから発売した。医療器具や内視鏡は使用後に院内洗浄して繰り返し使用するが、洗浄で除去できなかったバイオフィルムについて、バイオフィルム除去剤「BAKU」は細胞外マトリクスの形成(凝集)を阻止して、バイオフィルムを脱離(コントロール)する機能がある。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、移行基準日(21年6月30日)時点で流通株式時価総額が基準を充たしていなかったため、21年11月に「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化、安定的な配当政策などで企業価値の向上(時価総額の増大)に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

 なお23年3月には計画の進捗状況をリリースした。22年12月31日時点で流通株式時価総額が基準を充たしていないため、引き続き新中期経営計画の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化など、企業価値の向上に向けた各種施策に取り組むとしている。

■23年12月期増収・営業増益予想

 23年12月期の連結業績予想は、売上高が22年12月期比8.8%増の352億80百万円、営業利益が6.7%増の20億10百万円、経常利益が9.8%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.9%減の15億50百万円としている。配当予想は22年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 差別化製品の市場投入を積極推進するとともに、原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁進展や一層の合理化などにより増収・営業増益予想としている。なおEBITDA(営業利益+減価償却費)は18.4%増の39億30百万円の計画で、過去最高だった21年12月期の41億59百万円に近い水準まで回復する見込みとしている。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については為替差益を見込まず減益予想としている。

 営業利益1億26百万円増益分析(計画)については、販売要因(主にベトナム工場の本格稼働を足掛かりとした製紙用薬品事業の海外での販売数量増)で+5億68百万円、製品価格変動で+9億02百万円(うち価格ギャップで6億47百万円)、原料価格変動で▲2億55百万円、製造経費で▲8億58百万円(うち減価償却費増加で▲4億51百万円)、販管費で▲2億31百万円としている。

 製紙用薬品事業の計画は、売上高が9.1%増の218億50百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が47.3%増の12億20百万円、EBITDAが29.6%増の21億20百万円としている。差別化製品拡販と価格転嫁効果に加えて、前期後半に本格稼働したベトナム子会社が1年を通じて安定稼働することも寄与する見込みだ。

 樹脂事業の計画は、売上高が10.5%増の76億10百万円、セグメント利益が30.1%増の4億60百万円、EBITDAが22.0%増の8億70百万円としている。製品価格への転嫁に加えて、中国を中心とする粘着剤の拡販、水性インキ用樹脂ラインナップ拡充やUV硬化型粘着剤拡販など製品ポートフォリオ転換を推進する。

 化成品事業の計画は、売上高が5.9%増の58億20百万円、セグメント利益が32.0%減の7億10百万円、EBITDAが0.7%増の12億70百万円としている。生産性改善を目的とした大型設備投資に伴う減価償却費の増加が一時的な減益要因となるが、機能性モノマーの拡販や製品価格への転嫁を推進する。

 23年12月期は増収・営業増益予想としている。原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁を推進する方針だ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価はモミ合い煮詰まり感

 株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く小幅レンジでモミ合う形だが、一方では大きく下押す動きも見られず煮詰まり感を強めている。低PBRなど指標面の割安感も評価してモミ合いから上放れの展開を期待したい。4月11日の終値は543円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円12銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1015円10銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約165億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[03月24日更新]

星光PMCは下値固め完了、23年12月期増収・営業増益予想

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。成長戦略として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化を掲げ、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。23年12月期は差別化製品の市場投入を積極推進するとともに、原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁進展や一層の合理化などにより増収・営業増益(営業外での為替差益を見込まず経常・最終減益)減益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く昨年来安値圏でもみ合う形だが、大きく下押す動きも見られず下値固め完了感を強めている。指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 22年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要が拡大基調の粘着剤事業の海外展開を強化する。22年11月には製紙用薬品事業においてベトナム新工場が稼働した。

 23年1月には、キチンナノファイバーの研究開発・製造販売を展開する鳥取大学発ベンチャーであるマリンナノファイバー(鳥取県鳥取市)の株式85.4%取得が完了して子会社化した。ナノファイバー技術をコアとしたさらなる事業ポートフォリオ拡大を推進する。

 22年12月期セグメント別業績は、製紙用薬品事業の売上高が21年12月期比14.1%増の200億33百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が30.6%減の8億28百万円、樹脂事業の売上高が14.8%減の68億88百万円でセグメント利益が56.0%減の3億53百万円、そして化成品事業の売上高が1.9%増の54億97百万円でセグメント利益が20.5%減の10億43百万円だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプラン新中期経営計画「OPEN 2024」(22年2月策定)では、目標数値として最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index(同社の環境戦略製品の売上指標、21年の当該製品売上高を100として指数化)130以上を掲げている。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF配合樹脂や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF配合樹脂「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルションなどの拡販も推進している。

 紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤の「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤「BRシリーズ」については、実証試験で有効性が確認され、実用化に向けて製造設備のスケールアップを進めている。化成品事業の低毒性アミド溶剤「Kohshylvent」についてはEV材料、半導体用コート剤、農薬原体合成など幅広い分野での利用を検討中である。

 22年12月には、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/カーボンリサイクル・次世代火力推進事業/カーボンリサイクル技術の共通基盤技術開発」の委託先として採択され、九州大学・東北大学との共同研究を実施すると発表している。九州大学と東北大学が木材や二酸化炭素を原料とした新たなバイオリファイナリーの確立、東北大学と同社がバイオリファイナリーで得られた原料からのバイオポリマー合成と新たな用途開拓に取り組む。事業期間は22年度〜24年度としている。

 23年2月には、医療機器開発ベンチャーであるニューロシューティカルズと共同開発したバイオフィルム除去剤「BAKU」について、ニューロシューティカルズのジョイント・ベンチャーであるSCOPIONから発売した。医療器具や内視鏡は使用後に院内洗浄して繰り返し使用するが、洗浄で除去できなかったバイオフィルムについて、バイオフィルム除去剤「BAKU」は細胞外マトリクスの形成(凝集)を阻止して、バイオフィルムを脱離(コントロール)する機能がある。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化などで企業価値の向上に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■23年12月期増収・営業増益予想

 23年12月期の連結業績予想は、売上高が22年12月期比8.8%増の352億80百万円、営業利益が6.7%増の20億10百万円、経常利益が9.8%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.9%減の15億50百万円としている。配当予想は22年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 差別化製品の市場投入を積極推進するとともに、原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁進展や一層の合理化などにより増収・営業増益予想としている。なおEBITDA(営業利益+減価償却費)は18.4%増の39億30百万円の計画で、過去最高だった21年12月期の41億59百万円に近い水準まで回復する見込みとしている。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については為替差益を見込まず減益予想としている。

 営業利益1億26百万円増益分析(計画)については、販売要因(主にベトナム工場の本格稼働を足掛かりとした製紙用薬品事業の海外での販売数量増)で+5億68百万円、製品価格変動で+9億02百万円(うち価格ギャップで6億47百万円)、原料価格変動で▲2億55百万円、製造経費で▲8億58百万円(うち減価償却費増加で▲4億51百万円)、販管費で▲2億31百万円としている。

 製紙用薬品事業の計画は、売上高が9.1%増の218億50百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が47.3%増の12億20百万円、EBITDAが29.6%増の21億20百万円としている。差別化製品拡販と価格転嫁効果に加えて、前期後半に本格稼働したベトナム子会社が1年を通じて安定稼働することも寄与する見込みだ。

 樹脂事業の計画は、売上高が10.5%増の76億10百万円、セグメント利益が30.1%増の4億60百万円、EBITDAが22.0%増の8億70百万円としている。製品価格への転嫁に加えて、中国を中心とする粘着剤の拡販、水性インキ用樹脂ラインナップ拡充やUV硬化型粘着剤拡販など製品ポートフォリオ転換を推進する。

 化成品事業の計画は、売上高が5.9%増の58億20百万円、セグメント利益が32.0%減の7億10百万円、EBITDAが0.7%増の12億70百万円としている。生産性改善を目的とした大型設備投資に伴う減価償却費の増加が一時的な減益要因となるが、機能性モノマーの拡販や製品価格への転嫁を推進する。

 23年12月期は増収・営業増益予想としている。原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁を推進する方針だ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く昨年来安値圏でもみ合う形だが、大きく下押す動きも見られず下値固め完了感を強めている。指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。3月23日の終値は532円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円12銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1015円10銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約161億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[02月27日更新]

星光PMCは下値固め完了、23年12月期増収・営業増益予想

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。成長戦略として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化を掲げ、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。22年12月期は差別化製品の市場投入などで増収だが、原材料価格高騰や成長投資費用増加などで減益だった。23年12月期は増収・営業増益予想としている。原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁を推進する方針だ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は反発力が鈍く昨年来安値圏だが、大きく下押すことなく推移して下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 22年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要が拡大基調の粘着剤事業の海外展開を強化する。23年1月には、キチンナノファイバーの研究開発・製造販売を展開する鳥取大学発ベンチャーであるマリンナノファイバー(鳥取県鳥取市)の株式85.4%取得が完了して子会社化した。ナノファイバー技術をコアとしたさらなる事業ポートフォリオ拡大を推進する。

 22年12月期セグメント別業績は、製紙用薬品事業の売上高が21年12月期比14.1%増の200億33百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が30.6%減の8億28百万円、樹脂事業の売上高が14.8%減の68億88百万円でセグメント利益が56.0%減の3億53百万円、そして化成品事業の売上高が1.9%増の54億97百万円でセグメント利益が20.5%減の10億43百万円だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 22年2月に、長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプランとして、新中期経営計画「OPEN 2024」を発表した。

 目標数値として、最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index130以上を掲げた。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF配合樹脂や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF配合樹脂「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルションなどの拡販も推進している。

 さらに、紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。また、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤「BRシリーズ」については、実証試験で有効性が確認され、実用化に向けて製造設備のスケールアップを進めている。

 22年12月には、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/カーボンリサイクル・次世代火力推進事業/カーボンリサイクル技術の共通基盤技術開発」の委託先として採択され、九州大学・東北大学との共同研究を実施すると発表している。九州大学と東北大学が木材や二酸化炭素を原料とした新たなバイオリファイナリーの確立、東北大学と同社がバイオリファイナリーで得られた原料からのバイオポリマー合成と新たな用途開拓に取り組む。事業期間は22年度〜24年度としている。

 なお2月21日には、医療機器開発ベンチャーであるニューロシューティカルズと共同開発したバイオフィルム除去剤「BAKU」について、ニューロシューティカルズのジョイント・ベンチャーであるSCOPIONから発売すると発表した。医療器具や内視鏡は使用後に院内洗浄して繰り返し使用するが、洗浄で除去できなかったバイオフィルムについて、バイオフィルム除去剤「BAKU」は細胞外マトリクスの形成(凝集)を阻止して、バイオフィルムを脱離(コントロール)する機能がある。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化などで企業価値の向上に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■22年12月期は減益着地、23年12月期は増収・営業増益予想

 22年12月期連結業績(収益認識会計基準適用だが影響軽微)は売上高が21年12月期比4.5%増の324億18百万円、営業利益が34.3%減の18億84百万円、経常利益が23.7%減の23億94百万円、親会社株主帰属当期純利益が20.9%減の16億47百万円だった。配当は22年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)とした。

 差別化製品の市場投入効果などで増収だが、原材料価格高騰や成長投資費用増加などの影響で減益だった。営業外収益では、海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによる為替差益が増加(前期は1億54百万円計上、今期は3億12百万円計上)した。特別利益では補助金収入1億04百万円を計上し、特別損失では固定資産圧縮損1億04百万円を計上した。

 製紙用薬品事業は売上高が14.1%増の200億33百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が30.6%減の8億28百万円だった。国内外における差別化商品の拡販や国内板紙・衛生用紙向けの拡販などで増収だが、原材料価格高騰の影響で減益だった。樹脂事業は売上高が14.8%減の68億88百万円で、セグメント利益が56.0%減の3億53百万円だった。中国の景気減速に伴う粘着剤の販売数量減少で減収減益だった。化成品事業は売上高が1.9%増の54億97百万円で、セグメント利益が20.5%減の10億43百万円だった。主力製品の輸出数量増加などで増収だが、原材料価格高騰の影響で減益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期売上高が75億30百万円、営業利益が5億81百万円、経常利益が8億49百万円、第2四半期は売上高が84億08百万円、営業利益が5億39百万円、経常利益が8億96百万円、第3四半期は売上高が82億24百万円、営業利益が4億70百万円、経常利益が6億44百万円、第4四半期は売上高が82億56百万円、営業利益が2億94百万円、経常利益が5百万円だった。

 23年12月期の連結業績予想は、売上高が22年12月期比8.8%増の352億80百万円、営業利益が6.7%増の20億10百万円、経常利益が9.8%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.9%減の15億50百万円としている。配当予想は22年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 差別化製品の市場投入を積極推進し、原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁が進展して、増収・営業増益通期予想としている。EBITDA(営業利益+減価償却費)については18.4%増の39億30百万円の計画で、過去最高だった21年12月期の41億59百万円に近い水準まで回復する見込みとしている。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については為替差益等を見込まず減益予想としている。

 製紙用薬品事業の計画は、売上高が9.1%増の218億50百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が47.3%増の12億20百万円、EBITDAが29.6%増の21億20百万円としている。差別化製品拡販と価格転嫁効果に加えて、前期後半に本格稼働したベトナム子会社が1年を通じて安定稼働することも寄与する見込みだ。

 樹脂事業の計画は、売上高が10.5%増の76億10百万円、セグメント利益が30.1%増の4億60百万円、EBITDAが22.0%増の8億70百万円としている。製品価格への転嫁に加えて、中国を中心とする粘着剤の拡販、水性インキ用樹脂ラインナップ拡充やUV硬化型粘着剤拡販など製品ポートフォリオ転換を推進する。

 化成品事業の計画は、売上高が5.9%増の58億20百万円、セグメント利益が32.0%減の7億10百万円、EBITDAが0.7%増の12億70百万円としている。生産性改善を目的とした大型設備投資に伴う減価償却費の増加が一時的な減益要因となるが、機能性モノマーの拡販や製品価格への転嫁を推進する。

 23年12月期は増収・営業増益予想としている。原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁を推進する方針だ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は反発力が鈍く昨年来安値圏だが、大きく下押すことなく推移して下値固め完了感を強めている。指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。2月24日の終値は541円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円12銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1015円10銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約164億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月15日更新]

星光PMCは22年12月期減益着地、23年12月期は増収・営業増益予想

 星光PMC<4963>(東証プライム)は2月13日に22年12月期連結業績を発表した。差別化製品の市場投入などで増収だが、原材料価格高騰や成長投資費用増加などで減益だった。計画をやや下回って着地した。23年12月期は、原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁が進展して、増収・営業増益通期予想としている。収益拡大を期待したい。株価は反発力が鈍く昨年来安値圏だが大きく下押すことなく推移して下値固め完了感を強めている。決算発表に対してややネガティブ反応となったが売り一巡して出直りを期待したい。

■22年12月期減益着地、23年12月期は増収・営業増益予想

 22年12月期連結業績(収益認識会計基準適用だが影響軽微)は売上高が21年12月期比4.5%増の324億18百万円、営業利益が34.3%減の18億84百万円、経常利益が23.7%減の23億94百万円、親会社株主帰属当期純利益が20.9%減の16億47百万円だった。

 差別化製品の市場投入効果などで増収だが、原材料価格高騰や成長投資費用増加などの影響で減益だった。営業外収益では、海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによる為替差益が増加(前期は1億54百万円計上、今期は3億12百万円計上)した。特別利益では補助金収入1億04百万円を計上し、特別損失では固定資産圧縮損1億04百万円を計上した。

 製紙用薬品事業は売上高が14.1%増の200億33百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が30.6%減の8億28百万円だった。国内外における差別化商品の拡販や国内板紙・衛生用紙向けの拡販などで増収だが、原材料価格高騰の影響で減益だった。樹脂事業は売上高が14.8%減の68億88百万円で、セグメント利益が56.0%減の3億53百万円だった。中国の景気減速に伴う粘着剤の販売数量減少で減収減益だった。化成品事業は売上高が1.9%増の54億97百万円で、セグメント利益が20.5%減の10億43百万円だった。主力製品の輸出数量増加などで増収だが、原材料価格高騰の影響で減益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期売上高が75億30百万円、営業利益が5億81百万円、経常利益が8億49百万円、第2四半期は売上高が84億08百万円、営業利益が5億39百万円、経常利益が8億96百万円、第3四半期は売上高が82億24百万円、営業利益が4億70百万円、経常利益が6億44百万円、第4四半期は売上高が82億56百万円、営業利益が2億94百万円、経常利益が5百万円だった。

 23年12月期の連結業績予想は、売上高が22年12月期比8.8%増の352億80百万円、営業利益が6.7%増の20億10百万円、経常利益が9.8%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.9%減の15億50百万円としている。配当予想は22年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 差別化製品の市場投入を積極推進し、原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁が進展して、増収・営業増益通期予想としている。EBITDA(営業利益+減価償却費)については18.4%増の39億30百万円の計画で、過去最高だった21年12月期の41億59百万円に近い水準まで回復する見込みとしている。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については為替差益等を見込まず減益予想としている。

 製紙用薬品事業の計画は、売上高が9.1%増の218億50百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が47.3%増の12億20百万円、EBITDAが29.6%増の21億20百万円としている。差別化製品拡販と価格転嫁効果に加えて、前期後半に本格稼働したベトナム子会社が1年を通じて安定稼働することも寄与する見込みだ。

 樹脂事業の計画は、売上高が10.5%増の76億10百万円、セグメント利益が30.1%増の4億60百万円、EBITDAが22.0%増の8億70百万円としている。製品価格への転嫁に加えて、中国を中心とする粘着剤の拡販、水性インキ用樹脂ラインナップ拡充やUV硬化型粘着剤拡販など製品ポートフォリオ転換を推進する。

 化成品事業の計画は、売上高が5.9%増の58億20百万円、セグメント利益が32.0%減の7億10百万円、EBITDAが0.7%増の12億70百万円としている。生産性改善を目的とした大型設備投資に伴う減価償却費の増加が一時的な減益要因となるが、機能性モノマーの拡販や製品価格への転嫁を推進する。

 23年12月期は、原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁が進展して、増収・営業増益通期予想としている。収益拡大を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は発力が鈍く昨年来安値圏だが大きく下押すことなく推移して下値固め完了感を強めている。決算発表に対してややネガティブ反応となったが売り一巡して出直りを期待したい。2月14日の終値は540円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円12銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1015円10銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約164億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月26日更新]

星光PMCは急伸して基調転換、23年12月期収益拡大期待

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。成長戦略として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化を掲げ、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。22年12月期は原材料価格高騰の影響で減益予想だが、23年12月期は製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果など積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して昨年来安値圏でモミ合う展開だったが、調整一巡して急伸の形となっている。そして週足チャートで見ると、抵抗線となっていた26週移動平均線を突破した。指標面の割安感も評価材料であり、基調転換して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 22年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要が拡大基調の粘着剤事業の海外展開を強化する。23年1月には、キチンナノファイバーの研究開発・製造販売を展開する鳥取大学発ベンチャーであるマリンナノファイバー(鳥取県鳥取市)の株式85.4%取得が完了して子会社化した。ナノファイバー技術をコアとしたさらなる事業ポートフォリオ拡大を推進する。

 21年12月期のセグメント別売上高構成比は製紙用薬品事業が57%、樹脂事業が26%、化成品事業が17%で、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)構成比は製紙用薬品事業が36%、樹脂事業が24%、化成品事業が40%だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 22年2月に、長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプランとして、新中期経営計画「OPEN 2024」を発表した。

 目標数値として、最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index130以上を掲げた。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF配合樹脂や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF配合樹脂「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルションなどの拡販も推進している。

 さらに、紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。また、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤「BRシリーズ」については、実証試験で有効性が確認され、実用化に向けて製造設備のスケールアップを進めている。

 22年12月には、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/カーボンリサイクル・次世代火力推進事業/カーボンリサイクル技術の共通基盤技術開発」の委託先として採択され、九州大学・東北大学との共同研究を実施すると発表している。九州大学と東北大学が木材や二酸化炭素を原料とした新たなバイオリファイナリーの確立、東北大学と同社がバイオリファイナリーで得られた原料からのバイオポリマー合成と新たな用途開拓に取り組む。事業期間は22年度〜24年度としている。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化などで企業価値の向上に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■22年12月期減益予想だが23年12月期収益拡大期待

 22年12月期連結業績予想(収益認識会計基準適用だが影響軽微、22年8月9日付で売上高を下方修正、営業利益を据え置き、為替差益計上により経常利益と親会社株主帰属当期純利益を上方修正)は売上高が21年12月期比5.8%増の328億40百万円、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が14.3%減の26億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.4%減の19億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比5.0%増の241億62百万円、営業利益が30.0%減の15億90百万円、経常利益が3.1%減の23億89百万円、親会社株主帰属四半期純利益が7.3%増の17億60百万円だった。

 差別化製品の市場投入効果なども寄与して増収だったが、原材料価格高騰や成長投資費用増加などの影響で営業減益だった。ただし営業外収益で、主に海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによる為替差益が増加(前年同期は93百万円計上、今期は6億48百万円計上)したため、経常利益は営業利益に比べて減益幅が縮小し、親会社株主帰属四半期純利益は増益だった。

 製紙用薬品事業は売上高が13.3%増の146億64百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が25.1%減の7億15百万円だった。国内外における差別化商品の拡販や国内板紙向けの堅調な販売で増収だが、原材料価格高騰の影響で減益だった。樹脂事業は売上高が16.1%減の51億64百万円で、セグメント利益が62.7%減の2億64百万円だった。印刷インキ用樹脂は増収だったが、粘着剤や記録材料用樹脂が低調だった。化成品事業は売上高が10.6%増の43億33百万円で、セグメント利益が11.4%減の8億73百万円だった。主力製品の輸出売上増加などで増収だが、利益面は原材料価格高騰の影響を受けて減益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期売上高が75億30百万円、営業利益が5億81百万円、経常利益が8億49百万円、第2四半期は売上高が84億08百万円、営業利益が5億39百万円、経常利益が8億96百万円、第3四半期は売上高が82億24百万円、営業利益が4億70百万円、経常利益が6億44百万円だった。

 通期予想は据え置いている。ナフサを中心とする原材料価格の一段の上昇が見込まれるが、製品価格への転嫁、差別化製品の拡販、諸経費の減少などで吸収する見込みとしている。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については為替差益計上を考慮している。

 営業利益8億27百万円減益の要因別増減分析見込みは、数量・品目構成で+2億52百万円、製品価格値上げで+22億85百万円、原料価格上昇で▲30億37百万円、製造経費増加で▲3億57百万円、販管費抑制で+30百万円としている。設備投資額は1億90百万円増加の30億75百万円、減価償却費は1億91百万円増加の14億83百万円、研究開発費は86百万円減少の17億52百万円の計画としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品事業の売上高が13.3%増の198億90百万円で営業利益が18.3%減の9億75百万円、樹脂事業の売上高が11.0%減の71億90百万円で営業利益が48.4%減の4億14百万円、化成品事業の売上高が6.8%増の57億60百万円で営業利益が24.2%減の9億95百万円としている。

 製紙用薬品事業は原燃料価格上昇やベトナム新工場立ち上げ(22年9月生産開始予定)に伴う償却費増加で減益だが、下期は増益を見込んでいる。樹脂事業は中国等の経済減速の影響による販売減少を見込んでいる。化成品事業は原燃料価格上昇や設備増強投資に伴う償却費の増加で減益だが、利益率は引き続き高い水準を見込んでいる。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が73.6%、営業利益が77.9%、経常利益が88.8%、親会社株主帰属当期純利益が89.3%と順調だった。通期会社予想の達成は可能だろう。22年12月期は原材料価格高騰の影響で営業利益成長が減速する形だが、23年12月期は製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果など積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は急伸して基調転換

 株価は地合い悪化も影響して昨年来安値圏でモミ合う展開だったが、調整一巡して急伸の形となっている。そして週足チャートで見ると、抵抗線となっていた26週移動平均線を突破した。指標面の割安感も評価材料であり、基調転換して出直りを期待したい。1月25日の終値は567円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS64円97銭で算出)は約9倍、前期推定配当利回り(会社予想16円で算出)は約2.8%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS979円59銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約172億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月11日更新]

星光PMCは下値固め完了、23年12月期収益拡大期待

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。成長戦略として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化を掲げ、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。22年12月期は原材料価格高騰の影響で減益予想だが、23年12月期は製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果など積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して反発力の鈍い展開だが、22年10月の昨年来安値を割り込むことなく推移して下値固め完了感を強めている。指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。22年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要拡大基調の粘着剤事業の海外展開を強化する。

 21年12月期のセグメント別売上高構成比は製紙用薬品事業が57%、樹脂事業が26%、化成品事業が17%で、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)構成比は製紙用薬品事業が36%、樹脂事業が24%、化成品事業が40%だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 22年2月に、長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプランとして、新中期経営計画「OPEN 2024」を発表した。

 目標数値として、最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index130以上を掲げた。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF配合樹脂や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF配合樹脂「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルションなどの拡販も推進している。

 さらに、紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。また、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤「BRシリーズ」については、実証試験で有効性が確認され、実用化に向けて製造設備のスケールアップを進めている。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化などで企業価値の向上に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■22年12月期減益予想だが23年12月期収益拡大期待

 22年12月期連結業績予想(収益認識会計基準適用だが影響軽微、22年8月9日付で売上高を下方修正、営業利益を据え置き、為替差益計上により経常利益と親会社株主帰属当期純利益を上方修正)は売上高が21年12月期比5.8%増の328億40百万円、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が14.3%減の26億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.4%減の19億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比5.0%増の241億62百万円、営業利益が30.0%減の15億90百万円、経常利益が3.1%減の23億89百万円、親会社株主帰属四半期純利益が7.3%増の17億60百万円だった。

 差別化製品の市場投入効果なども寄与して増収だったが、原材料価格高騰や成長投資費用増加などの影響で営業減益だった。ただし営業外収益で、主に海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによる為替差益が増加(前年同期は93百万円計上、今期は6億48百万円計上)したため、経常利益は営業利益に比べて減益幅が縮小し、親会社株主帰属四半期純利益は増益だった。

 製紙用薬品事業は売上高が13.3%増の146億64百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が25.1%減の7億15百万円だった。国内外における差別化商品の拡販や国内板紙向けの堅調な販売で増収だが、原材料価格高騰の影響で減益だった。樹脂事業は売上高が16.1%減の51億64百万円で、セグメント利益が62.7%減の2億64百万円だった。印刷インキ用樹脂は増収だったが、粘着剤や記録材料用樹脂が低調だった。化成品事業は売上高が10.6%増の43億33百万円で、セグメント利益が11.4%減の8億73百万円だった。主力製品の輸出売上増加などで増収だが、利益面は原材料価格高騰の影響を受けて減益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期売上高が75億30百万円、営業利益が5億81百万円、経常利益が8億49百万円、第2四半期は売上高が84億08百万円、営業利益が5億39百万円、経常利益が8億96百万円、第3四半期は売上高が82億24百万円、営業利益が4億70百万円、経常利益が6億44百万円だった。

 通期予想は据え置いている。ナフサを中心とする原材料価格の一段の上昇が見込まれるが、製品価格への転嫁、差別化製品の拡販、諸経費の減少などで吸収する見込みとしている。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については為替差益計上を考慮している。

 営業利益8億27百万円減益の要因別増減分析見込みは、数量・品目構成で+2億52百万円、製品価格値上げで+22億85百万円、原料価格上昇で▲30億37百万円、製造経費増加で▲3億57百万円、販管費抑制で+30百万円としている。設備投資額は1億90百万円増加の30億75百万円、減価償却費は1億91百万円増加の14億83百万円、研究開発費は86百万円減少の17億52百万円の計画としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品事業の売上高が13.3%増の198億90百万円で営業利益が18.3%減の9億75百万円、樹脂事業の売上高が11.0%減の71億90百万円で営業利益が48.4%減の4億14百万円、化成品事業の売上高が6.8%増の57億60百万円で営業利益が24.2%減の9億95百万円としている。

 製紙用薬品事業は原燃料価格上昇やベトナム新工場立ち上げ(22年9月生産開始予定)に伴う償却費増加で減益だが、下期は増益を見込んでいる。樹脂事業は中国等の経済減速の影響による販売減少を見込んでいる。化成品事業は原燃料価格上昇や設備増強投資に伴う償却費の増加で減益だが、利益率は引き続き高い水準を見込んでいる。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が73.6%、営業利益が77.9%、経常利益が88.8%、親会社株主帰属当期純利益が89.3%と順調だった。通期会社予想の達成は可能だろう。22年12月期は原材料価格高騰の影響で営業利益成長が減速する形だが、23年12月期は製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果など積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は地合い悪化も影響して反発力の鈍い展開だが、22年10月の昨年来安値を割り込むことなく推移して下値固め完了感を強めている。指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。1月10日の終値は529円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS64円97銭で算出)は約8倍、前期推定配当利回り(会社予想の16円で算出)は約3.0%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS979円59銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約160億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月20日更新]

星光PMCは下値切り上げ、22年12月期減益予想だが23年12月期収益拡大期待

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。成長戦略として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化を掲げ、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。22年12月期は原材料価格高騰の影響で営業利益成長が減速する形だが、23年12月期は製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果など積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は10月の年初来安値圏から徐々に下値を切り上げて底打ち感を強めている。指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。なお22年1月には台湾・新綜工業の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要拡大基調の粘着剤事業の海外展開を推進し、連結経営の強化を図る。

 21年12月期のセグメント別売上高構成比は製紙用薬品事業が57%、樹脂事業が26%、化成品事業が17%で、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)構成比は製紙用薬品事業が36%、樹脂事業が24%、化成品事業が40%だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 22年2月に、長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプランとして、新中期経営計画「OPEN 2024」を発表した。

 目標数値として、最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index130以上を掲げた。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF配合樹脂や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF配合樹脂「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルションなどの拡販も推進している。

 さらに、紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。また、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤「BRシリーズ」については、実証試験で有効性が確認され、実用化に向けて製造設備のスケールアップを進めている。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化などで企業価値の向上に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■22年12月期減益予想だが23年12月期収益拡大期待

 22年12月期連結業績予想(収益認識会計基準適用だが影響軽微、22年8月9日付で売上高を下方修正、営業利益を据え置き、為替差益計上により経常利益と親会社株主帰属当期純利益を上方修正)は売上高が21年12月期比5.8%増の328億40百万円、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が14.3%減の26億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.4%減の19億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比5.0%増の241億62百万円、営業利益が30.0%減の15億90百万円、経常利益が3.1%減の23億89百万円、親会社株主帰属四半期純利益が7.3%増の17億60百万円だった。

 差別化製品の市場投入効果なども寄与して増収だったが、原材料価格高騰や成長投資費用増加などの影響で営業減益だった。ただし営業外収益で、主に海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによる為替差益が増加(前年同期は93百万円計上、今期は6億48百万円計上)したため、経常利益は営業利益に比べて減益幅が縮小し、親会社株主帰属四半期純利益は増益だった。

 製紙用薬品事業は売上高が13.3%増の146億64百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が25.1%減の7億15百万円だった。国内外における差別化商品の拡販や国内板紙向けの堅調な販売で増収だが、原材料価格高騰の影響で減益だった。樹脂事業は売上高が16.1%減の51億64百万円で、セグメント利益が62.7%減の2億64百万円だった。印刷インキ用樹脂は増収だったが、粘着剤や記録材料用樹脂が低調だった。化成品事業は売上高が10.6%増の43億33百万円で、セグメント利益が11.4%減の8億73百万円だった。主力製品の輸出売上増加などで増収だが、利益面は原材料価格高騰の影響を受けて減益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期売上高が75億30百万円、営業利益が5億81百万円、経常利益が8億49百万円、第2四半期は売上高が84億08百万円、営業利益が5億39百万円、経常利益が8億96百万円、第3四半期は売上高が82億24百万円、営業利益が4億70百万円、経常利益が6億44百万円だった。

 通期予想は据え置いている。ナフサを中心とする原材料価格の一段の上昇が見込まれるが、製品価格への転嫁、差別化製品の拡販、諸経費の減少などで吸収する見込みとしている。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については為替差益計上を考慮している。

 修正後の営業利益8億27百万円減益の増減分析(見込み)は、数量・品目構成で+2億52百万円、製品価格値上げで+22億85百万円、原料価格上昇で▲30億37百万円、製造経費増加で▲3億57百万円、販管費抑制で+30百万円としている。設備投資額は1億90百万円増加の30億75百万円、減価償却費は1億91百万円増加の14億83百万円、研究開発費は86百万円減少の17億52百万円の計画としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品事業の売上高が13.3%増の198億90百万円で営業利益が18.3%減の9億75百万円、樹脂事業の売上高が11.0%減の71億90百万円で営業利益が48.4%減の4億14百万円、化成品事業の売上高が6.8%増の57億60百万円で営業利益が24.2%減の9億95百万円としている。

 製紙用薬品事業は原燃料価格上昇やベトナム新工場立ち上げ(22年9月生産開始予定)に伴う償却費増加で減益だが、下期は増益を見込んでいる。樹脂事業は中国等の経済減速の影響による販売減少を見込んでいる。化成品事業は原燃料価格上昇や設備増強投資に伴う償却費の増加で減益だが、利益率は引き続き高い水準を見込んでいる。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が73.6%、営業利益が77.9%、経常利益が88.8%、親会社株主帰属当期純利益が89.3%と順調だった。通期会社予想の達成は可能だろう。22年12月期は原材料価格高騰の影響で営業利益成長が減速する形だが、23年12月期は製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果など積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は10月の年初来安値圏から徐々に下値を切り上げて底打ち感を強めている。指標面の割安感も評価材して出直りを期待したい。12月19日の終値は537円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS64円97銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS979円59銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約163億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月29日更新]

星光PMCは底打ち、22年12月期減益予想だが23年12月期収益拡大期待

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。22年12月期第3四半期累計は原材料価格高騰の影響などで営業・経常減益だった。通期減益予想は据え置いた。22年12月期は原材料価格高騰の影響で減益予想だが、23年12月期は製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果など積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は年初来安値圏から反発して底打ちの動きを強めている。指標面の割安感も評価材料であり、出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。なお22年1月には台湾・新綜工業の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要拡大基調の粘着剤事業の海外展開を推進し、連結経営の強化を図る。

 21年12月期のセグメント別売上高構成比は製紙用薬品事業が57%、樹脂事業が26%、化成品事業が17%で、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)構成比は製紙用薬品事業が36%、樹脂事業が24%、化成品事業が40%だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 22年2月に、長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプランとして、新中期経営計画「OPEN 2024」を発表した。

 目標数値として、最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index130以上を掲げた。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF配合樹脂や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF配合樹脂「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進している。紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化などで企業価値の向上に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■22年12月期3Q累計営業・経常減益、通期減益予想据え置き

 22年12月期連結業績予想(収益認識会計基準適用だが影響軽微、22年8月9日付で売上高を下方修正、営業利益を据え置き、為替差益計上により経常利益と親会社株主帰属当期純利益を上方修正)は売上高が21年12月期比5.8%増の328億40百万円、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が14.3%減の26億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.4%減の19億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比5.0%増の241億62百万円、営業利益が30.0%減の15億90百万円、経常利益が3.1%減の23億89百万円、親会社株主帰属四半期純利益が7.3%増の17億60百万円だった。

 差別化製品の市場投入効果なども寄与して増収だったが、原材料価格高騰や成長投資費用増加などの影響で営業減益だった。ただし営業外収益で、主に海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによる為替差益が増加(前年同期は93百万円計上、今期は6億48百万円計上)したため、経常利益は営業利益に比べて減益幅が縮小し、親会社株主帰属四半期純利益は増益だった。

 製紙用薬品事業は売上高が13.3%増の146億64百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が25.1%減の7億15百万円だった。国内外における差別化商品の拡販や国内板紙向けの堅調な販売で増収だが、原材料価格高騰の影響で減益だった。樹脂事業は売上高が16.1%減の51億64百万円で、セグメント利益が62.7%減の2億64百万円だった。印刷インキ用樹脂は増収だったが、粘着剤や記録材料用樹脂が低調だった。化成品事業は売上高が10.6%増の43億33百万円で、セグメント利益が11.4%減の8億73百万円だった。主力製品の輸出売上増加などで増収だが、利益面は原材料価格高騰の影響を受けて減益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期売上高が75億30百万円、営業利益が5億81百万円、経常利益が8億49百万円、第2四半期は売上高が84億08百万円、営業利益が5億39百万円、経常利益が8億96百万円、第3四半期は売上高が82億24百万円、営業利益が4億70百万円、経常利益が6億44百万円だった。

 通期予想は据え置いている。ナフサを中心とする原材料価格の一段の上昇が見込まれるが、製品価格への転嫁、差別化製品の拡販、諸経費の減少などで吸収する見込みとしている。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については為替差益計上を考慮している。

 修正後の営業利益8億27百万円減益の増減分析(見込み)は、数量・品目構成で+2億52百万円、製品価格値上げで+22億85百万円、原料価格上昇で▲30億37百万円、製造経費増加で▲3億57百万円、販管費抑制で+30百万円としている。設備投資額は1億90百万円増加の30億75百万円、減価償却費は1億91百万円増加の14億83百万円、研究開発費は86百万円減少の17億52百万円の計画としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品事業の売上高が13.3%増の198億90百万円で営業利益が18.3%減の9億75百万円、樹脂事業の売上高が11.0%減の71億90百万円で営業利益が48.4%減の4億14百万円、化成品事業の売上高が6.8%増の57億60百万円で営業利益が24.2%減の9億95百万円としている。

 製紙用薬品事業は原燃料価格上昇やベトナム新工場立ち上げ(22年9月生産開始予定)に伴う償却費増加で減益だが、下期は増益を見込んでいる。樹脂事業は中国等の経済減速の影響による販売減少を見込んでいる。化成品事業は原燃料価格上昇や設備増強投資に伴う償却費の増加で減益だが、利益率は引き続き高い水準を見込んでいる。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が73.6%、営業利益が77.9%、経常利益が88.8%、親会社株主帰属当期純利益が89.3%と順調だった。通期会社予想の達成は可能だろう。22年12月期は原材料価格高騰の影響で営業利益成長が減速する形だが、23年12月期は製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果など積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は底打ち

 株価は年初来安値圏から反発して底打ちの動きを強めている。指標面の割安感も評価材料であり、出直りを期待したい。11月28日の終値は540円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS64円97銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS979円59銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約162億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月14日更新]

星光PMCは22年12月期3Q累計営業減益、23年12月期収益拡大期待

 星光PMC<4963>(東証プライム)は、11月11日の取引時間中に22年12月期第3四半期累計連結業績を発表した。原材料価格高騰の影響などで営業減益だった。通期予想は据え置いた。22年12月期は原材料価格高騰の影響で減益予想だが、23年12月期は製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果などで収益拡大を期待したい。株価は反発力が鈍く年初来安値圏だが、22年12月期減益予想は織り込み済みであり、調整一巡して出直りを期待したい。

■22年12月期3Q累計営業減益、通期予想据え置き

 22年12月期第3四半期累計の連結業績(収益認識会計基準適用だが影響軽微)は、売上高が前年同期比5.0%増の241億62百万円、営業利益が30.0%減の15億90百万円、経常利益が3.1%減の23億89百万円、親会社株主帰属四半期純利益が7.3%増の17億60百万円だった。

 差別化製品の市場投入効果なども寄与して増収だったが、原材料価格高騰や成長投資費用増加などの影響で営業減益だった。ただし営業外収益で、主に海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによる為替差益が増加(前年同期は93百万円計上、今期は6億48百万円計上)したため、経常利益は営業利益に比べて減益幅が縮小し、親会社株主帰属四半期純利益は増益だった。

 製紙用薬品事業は売上高が13.3%増の146億64百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が25.1%減の7億15百万円だった。国内外における差別化商品の拡販や国内板紙向けの堅調な販売で増収だが、原材料価格高騰の影響で減益だった。樹脂事業は売上高が16.1%減の51億64百万円で、セグメント利益が62.7%減の2億64百万円だった。印刷インキ用樹脂は増収だったが、粘着剤や記録材料用樹脂が低調だった。化成品事業は売上高が10.6%増の43億33百万円で、セグメント利益が11.4%減の8億73百万円だった。主力製品の輸出売上増加などで増収だが、利益面は原材料価格高騰の影響を受けて減益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期売上高が75億30百万円、営業利益が5億81百万円、経常利益が8億49百万円、第2四半期は売上高が84億08百万円、営業利益が5億39百万円、経常利益が8億96百万円、第3四半期は売上高が82億24百万円、営業利益が4億70百万円、経常利益が6億44百万円だった。

 通期の連結業績予想(8月9日付で売上高を6億20百万円下方修正、営業利益を据え置き、経常利益を5億30百万円上方修正、親会社株主帰属当期純利益を5億円上方修正)は据え置いて、売上高が21年12月期比5.8%増の328億40百万円、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が14.3%減の26億90百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が5.4%減の19億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 ナフサを中心とする原材料価格の一段の上昇が見込まれるが、製品価格への転嫁、差別化製品の拡販、諸経費の減少などで吸収する見込みとしている。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については為替差益計上を考慮している。第3四半期累計の進捗率は売上高が73.6%、営業利益が77.9%、経常利益が88.8%、親会社株主帰属当期純利益が89.3%と順調であり、通期会社予想の達成は可能だろう。

 22年12月期は原材料価格高騰の影響で営業利益成長が減速する形だが、製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果などで23年12月期の収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は反発力が鈍く年初来安値圏だが、22年12月期減益予想は織り込み済みであり、調整一巡して出直りを期待したい。11月11日の終値は536円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS64円97銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS979円59銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約163億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月07日更新]

星光PMCは底値圏、22年12月期営業減益予想だが上振れ余地

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。22年12月期は原材料価格高騰や先行投資の影響で営業減益予想(経常利益と親会社株主帰属当期純利益は為替差益計上により8月9日付で上方修正して減益幅縮小予想)だが、製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果などで上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏で軟調だが、指標面の割安感を評価すればほぼ底値圏だろう。調整一巡して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。なお22年1月には台湾・新綜工業の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要拡大基調の粘着剤事業の海外展開を推進し、連結経営の強化を図る。

 21年12月期のセグメント別売上高構成比は製紙用薬品事業が57%、樹脂事業が26%、化成品事業が17%で、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)構成比は製紙用薬品事業が36%、樹脂事業が24%、化成品事業が40%だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 22年2月に、長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプランとして、新中期経営計画「OPEN 2024」を発表した。

 目標数値として、最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index130以上を掲げた。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF配合樹脂や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF配合樹脂「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進している。紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化などで企業価値の向上に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■22年12月期経常・当期純利益予想を上方修正、さらに上振れ余地

 22年12月期連結業績予想(収益認識会計基準適用だが影響軽微、22年8月9日付で売上高を下方修正、営業利益を据え置き、為替差益計上により経常利益と親会社株主帰属当期純利益を上方修正)は売上高が21年12月期比5.8%増の328億40百万円、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が14.3%減の26億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.4%減の19億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比6.4%増の159億38百万円、営業利益が25.5%減の11億20百万円、経常利益が6.9%増の17億45百万円、親会社株主帰属四半期純利益が22.7%増の13億06百万円だった。

 製紙用薬品および化成品事業の拡販、差別化製品の市場投入、製品価格値上げなどで増収だが、原材料価格高騰や成長投資費用増加などの影響で営業減益だった。ただし営業外収益で、主に海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによる為替差益が増加(前年同期は58百万円計上、今期は4億90百万円計上)したため、経常利益と親会社株主帰属四半期純利益は増益だった。

 製紙用薬品事業は売上高が9.6%増の92億29百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が37.1%減の4億41百万円だった。国内板紙向けの堅調な販売で増収だが、原材料価格高騰の影響で大幅減益だった。樹脂事業は売上高が11.3%減の35億32百万円、セグメント利益が58.4%減の1億79百万円だった。粘着剤の売上が減少し、原材料価格上昇も影響した。化成品事業は売上高が22.9%増の31億76百万円、セグメント利益が1.9%増の6億82百万円だった。主力製品の輸出売上増加などで大幅増収だが、利益面は原材料価格高騰の影響を受けて小幅増益にとどまった。

 四半期別に見ると、第1四半期売上高が75億30百万円、営業利益が5億81百万円、経常利益が8億49百万円、第2四半期は売上高が84億08百万円、営業利益が5億39百万円、経常利益が8億96百万円だった。

 通期予想は前回予想に対して、売上高を6億20百万円下方修正、営業利益を据え置き、経常利益を5億30百万円上方修正、親会社株主帰属当期純利益を5億円上方修正した。営業利益については、下期にナフサを中心とする原材料価格の一段の上昇が見込まれるが、製品価格への転嫁、差別化製品の拡販、諸経費の減少などで吸収が可能と見込んでいる。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については第2四半期累計での為替差益4億90百万円計上を考慮した。なお第3四半期以降の為替レートは第2四半期末と同水準を想定し、下期の為替差損益発生を見込んでいない。

 修正後の営業利益8億27百万円減益の増減分析(見込み)は、数量・品目構成で+2億52百万円、製品価格値上げで+22億85百万円、原料価格上昇で▲30億37百万円、製造経費増加で▲3億57百万円、販管費抑制で+30百万円としている。設備投資額は1億90百万円増加の30億75百万円、減価償却費は1億91百万円増加の14億83百万円、研究開発費は86百万円減少の17億52百万円の計画としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品事業の売上高が13.3%増の198億90百万円で営業利益が18.3%減の9億75百万円、樹脂事業の売上高が11.0%減の71億90百万円で営業利益が48.4%減の4億14百万円、化成品事業の売上高が6.8%増の57億60百万円で営業利益が24.2%減の9億95百万円としている。

 製紙用薬品事業は原燃料価格上昇やベトナム新工場立ち上げ(22年9月生産開始予定)に伴う償却費増加で減益だが、下期は増益を見込んでいる。樹脂事業は中国等の経済減速の影響による販売減少を見込んでいる。化成品事業は原燃料価格上昇や設備増強投資に伴う償却費の増加で減益だが、利益率は引き続き高い水準を見込んでいる。

 22年12月期は原材料価格高騰や先行投資の影響で営業減益予想(経常利益と親会社株主帰属当期純利益は為替差益計上により上方修正して減益幅縮小予想)だが、製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果などで上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は底値圏

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏で軟調だが、指標面の割安感を評価すればほぼ底値圏だろう。調整一巡して出直りを期待したい。11月4日の終値は522円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS64円97銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS979円59銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約158億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月18日更新]

星光PMCは調整一巡、22年12月期営業減益予想だが上振れ余地

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。22年12月期は、原材料価格高騰や先行投資の影響で営業減益予想(経常利益と親会社株主帰属当期純利益は為替差益計上により8月9日付で上方修正して減益幅縮小予想)だが、製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果などで上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏で軟調だが調整一巡感を強めている。指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。なお22年1月には台湾・新綜工業の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要拡大基調の粘着剤事業の海外展開を推進し、連結経営の強化を図る。

 21年12月期のセグメント別売上高構成比は製紙用薬品事業が57%、樹脂事業が26%、化成品事業が17%で、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)構成比は製紙用薬品事業が36%、樹脂事業が24%、化成品事業が40%だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 22年2月に、長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプランとして、新中期経営計画「OPEN 2024」を発表した。

 目標数値として、最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index130以上を掲げた。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF配合樹脂や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF配合樹脂「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進している。紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化などで企業価値の向上に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■22年12月期経常・当期純利益予想を上方修正、さらに上振れ余地

 22年12月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用だが影響軽微、22年8月9日付で売上高を下方修正、営業利益を据え置き、為替差益計上により経常利益と親会社株主帰属当期純利益を上方修正)は売上高が21年12月期比5.8%増の328億40百万円、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が14.3%減の26億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.4%減の19億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比6.4%増の159億38百万円、営業利益が25.5%減の11億20百万円、経常利益が6.9%増の17億45百万円、親会社株主帰属四半期純利益が22.7%増の13億06百万円だった。

 製紙用薬品および化成品事業の拡販、差別化製品の市場投入、製品価格値上げなどで増収だが、原材料価格高騰や成長投資費用増加などの影響で営業減益だった。ただし営業外収益で、主に海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによる為替差益が増加(前年同期は58百万円計上、今期は4億90百万円計上)したため、経常利益と親会社株主帰属四半期純利益は増益だった。

 製紙用薬品事業は売上高が9.6%増の92億29百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が37.1%減の4億41百万円だった。国内板紙向けの堅調な販売で増収だが、原材料価格高騰の影響で大幅減益だった。樹脂事業は売上高が11.3%減の35億32百万円、セグメント利益が58.4%減の1億79百万円だった。粘着剤の売上が減少し、原材料価格上昇も影響した。化成品事業は売上高が22.9%増の31億76百万円、セグメント利益が1.9%増の6億82百万円だった。主力製品の輸出売上増加などで大幅増収だが、利益面は原材料価格高騰の影響を受けて小幅増益にとどまった。

 四半期別に見ると、第1四半期売上高が75億30百万円、営業利益が5億81百万円、経常利益が8億49百万円、第2四半期は売上高が84億08百万円、営業利益が5億39百万円、経常利益が8億96百万円だった。

 通期予想は前回予想に対して、売上高を6億20百万円下方修正、営業利益を据え置き、経常利益を5億30百万円上方修正、親会社株主帰属当期純利益を5億円上方修正した。営業利益については、下期にナフサを中心とする原材料価格の一段の上昇が見込まれるが、製品価格への転嫁、差別化製品の拡販、諸経費の減少などで吸収が可能と見込んでいる。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については第2四半期累計での為替差益4億90百万円計上を考慮した。なお第3四半期以降の為替レートは第2四半期末と同水準を想定し、下期の為替差損益発生を見込んでいない。

 修正後の営業利益8億27百万円減益の増減分析(見込み)は、数量・品目構成で+2億52百万円、製品価格値上げで+22億85百万円、原料価格上昇で▲30億37百万円、製造経費増加で▲3億57百万円、販管費抑制で+30百万円としている。設備投資額は1億90百万円増加の30億75百万円、減価償却費は1億91百万円増加の14億83百万円、研究開発費は86百万円減少の17億52百万円の計画としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品事業の売上高が13.3%増の198億90百万円で営業利益が18.3%減の9億75百万円、樹脂事業の売上高が11.0%減の71億90百万円で営業利益が48.4%減の4億14百万円、化成品事業の売上高が6.8%増の57億60百万円で営業利益が24.2%減の9億95百万円としている。

 製紙用薬品事業は原燃料価格上昇やベトナム新工場立ち上げ(22年9月生産開始予定)に伴う償却費増加で減益だが、下期は増益を見込んでいる。樹脂事業は中国等の経済減速の影響による販売減少を見込んでいる。化成品事業は原燃料価格上昇や設備増強投資に伴う償却費の増加で減益だが、利益率は引き続き高い水準を見込んでいる。

 22年12月期は原材料価格高騰や先行投資の影響で営業減益予想(経常利益と親会社株主帰属当期純利益は為替差益計上により上方修正して減益幅縮小予想)だが、製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果などで上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏で軟調だが調整一巡感を強めている。指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。10月17日の終値は521円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS64円97銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS979円59銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約158億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月26日更新]

星光PMCは調整一巡、22年12月期営業減益予想だが上振れ余地

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。22年12月期は、原材料価格高騰や先行投資の影響で営業減益予想(経常利益と親会社株主帰属当期純利益は8月9日付で上方修正して減益幅縮小予想)だが、製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果などで上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して7月の年初来安値に接近しているが、調整一巡して出直りを期待したい。低PBRも評価材料だろう。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。なお22年1月には台湾・新綜工業の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要拡大基調の粘着剤事業の海外展開を推進し、連結経営の強化を図る。

 21年12月期のセグメント別売上高構成比は製紙用薬品事業が57%、樹脂事業が26%、化成品事業が17%で、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)構成比は製紙用薬品事業が36%、樹脂事業が24%、化成品事業が40%だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 22年2月に、長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプランとして、新中期経営計画「OPEN 2024」を発表した。

 目標数値として、最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index130以上を掲げた。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF配合樹脂や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF配合樹脂「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進している。紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化などで企業価値の向上に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■22年12月期経常・当期純利益予想を上方修正、さらに再上振れ余地

 22年12月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用だが影響軽微、22年8月9日付で売上高を下方修正、営業利益を据え置き、経常利益と親会社株主帰属当期純利益を上方修正)は売上高が21年12月期比5.8%増の328億40百万円、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が14.3%減の26億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.4%減の19億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比6.4%増の159億38百万円、営業利益が25.5%減の11億20百万円、経常利益が6.9%増の17億45百万円、親会社株主帰属四半期純利益が22.7%増の13億06百万円だった。

 製紙用薬品および化成品事業の拡販、差別化製品の市場投入、製品価格値上げなどで増収だが、原材料価格高騰や成長投資費用増加などの影響で営業減益だった。ただし営業外収益で、主に海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによる為替差益が増加(前年同期は58百万円計上、今期は4億90百万円計上)したため、経常利益と親会社株主帰属四半期純利益は増益だった。

 製紙用薬品事業は売上高が9.6%増の92億29百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が37.1%減の4億41百万円だった。国内板紙向けの堅調な販売で増収だが、原材料価格高騰の影響で大幅減益だった。樹脂事業は売上高が11.3%減の35億32百万円、セグメント利益が58.4%減の1億79百万円だった。粘着剤の売上が減少し、原材料価格上昇も影響した。化成品事業は売上高が22.9%増の31億76百万円、セグメント利益が1.9%増の6億82百万円だった。主力製品の輸出売上増加などで大幅増収だが、利益面は原材料価格高騰の影響を受けて小幅増益にとどまった。

 四半期別に見ると、第1四半期売上高が75億30百万円、営業利益が5億81百万円、経常利益が8億49百万円、第2四半期は売上高が84億08百万円、営業利益が5億39百万円、経常利益が8億96百万円だった。

 通期予想は前回予想に対して、売上高を6億20百万円下方修正、営業利益を据え置き、経常利益を5億30百万円上方修正、親会社株主帰属当期純利益を5億円上方修正した。営業利益については、下期にナフサを中心とする原材料価格の一段の上昇が見込まれるが、製品価格への転嫁、差別化製品の拡販、諸経費の減少などで吸収が可能と見込んでいる。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については第2四半期累計での為替差益4億90百万円計上を考慮した。なお第3四半期以降の為替レートは第2四半期末と同水準を想定し、下期の為替差損益発生を見込んでいない。

 修正後の営業利益8億27百万円減益の増減分析(見込み)は、数量・品目構成で+2億52百万円、製品価格値上げで+22億85百万円、原料価格上昇で▲30億37百万円、製造経費増加で▲3億57百万円、販管費抑制で+30百万円としている。設備投資額は1億90百万円増加の30億75百万円、減価償却費は1億91百万円増加の14億83百万円、研究開発費は86百万円減少の17億52百万円の計画としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品事業の売上高が13.3%増の198億90百万円で営業利益が18.3%減の9億75百万円、樹脂事業の売上高が11.0%減の71億90百万円で営業利益が48.4%減の4億14百万円、化成品事業の売上高が6.8%増の57億60百万円で営業利益が24.2%減の9億95百万円としている。

 製紙用薬品事業は原燃料価格上昇やベトナム新工場立ち上げ(22年9月生産開始予定)に伴う償却費増加で減益だが、下期は増益を見込んでいる。樹脂事業は中国等の経済減速の影響による販売減少を見込んでいる。化成品事業は原燃料価格上昇や設備増強投資に伴う償却費の増加で減益だが、利益率は引き続き高い水準を見込んでいる。

 22年12月期は原材料価格高騰や先行投資の影響で営業減益予想(経常利益と親会社株主帰属当期純利益は上方修正して減益幅縮小予想)だが、製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果などで上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響して7月の年初来安値に接近しているが、調整一巡して出直りを期待したい。低PBRも評価材料だろう。9月22日の終値は539円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS64円97銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS979円59銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約163億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月31日更新]

星光PMCは反発の動き、22年12月期経常・当期純利益予想を上方修正、さらに再上振れ余地

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。22年12月期第2四半期累計は原材料価格高騰や先行投資の影響で営業減益だが、営業外での為替差益計上で経常・最終増益だった。そして通期の経常利益および当期純利益予想を上方修正した。さらに製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果などで再上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は反発の動きを強めている。7月の年初来安値圏で底打ちを確認した形であり、戻りを試す展開を期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。なお22年1月には台湾・新綜工業の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要拡大基調の粘着剤事業の海外展開を推進し、連結経営の強化を図る。

 21年12月期のセグメント別売上高構成比は製紙用薬品事業が57%、樹脂事業が26%、化成品事業が17%で、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)構成比は製紙用薬品事業が36%、樹脂事業が24%、化成品事業が40%だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 22年2月に、長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプランとして、新中期経営計画「OPEN 2024」を発表した。

 目標数値として、最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index130以上を掲げた。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF配合樹脂や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF配合樹脂「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進している。紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化などで企業価値の向上に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■22年12月期経常・当期純利益予想を上方修正、さらに再上振れ余地

 22年12月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用だが影響軽微、8月9日付で売上高を下方修正、営業利益を据え置き、経常利益と親会社株主帰属当期純利益を上方修正)は売上高が21年12月期比5.8%増の328億40百万円、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が14.3%減の26億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.4%減の19億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比6.4%増の159億38百万円、営業利益が25.5%減の11億20百万円、経常利益が6.9%増の17億45百万円、親会社株主帰属四半期純利益が22.7%増の13億06百万円だった。

 製紙用薬品および化成品事業の拡販、差別化製品の市場投入、製品価格値上げなどで増収だが、原材料価格高騰や成長投資費用増加などの影響で営業減益だった。ただし営業外収益で、主に海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによる為替差益が増加(前年同期は58百万円計上、今期は4億90百万円計上)したため、経常利益と親会社株主帰属四半期純利益は増益だった。

 製紙用薬品事業は売上高が9.6%増の92億29百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が37.1%減の4億41百万円だった。国内板紙向けの堅調な販売で増収だが、原材料価格高騰の影響で大幅減益だった。樹脂事業は売上高が11.3%減の35億32百万円、セグメント利益が58.4%減の1億79百万円だった。粘着剤の売上が減少し、原材料価格上昇も影響した。化成品事業は売上高が22.9%増の31億76百万円、セグメント利益が1.9%増の6億82百万円だった。主力製品の輸出売上増加などで大幅増収だが、利益面は原材料価格高騰の影響を受けて小幅増益にとどまった。

 四半期別に見ると、第1四半期売上高が75億30百万円、営業利益が5億81百万円、経常利益が8億49百万円、第2四半期は売上高が84億08百万円、営業利益が5億39百万円、経常利益が8億96百万円だった。

 通期予想は前回予想に対して、売上高を6億20百万円下方修正、営業利益を据え置き、経常利益を5億30百万円上方修正、親会社株主帰属当期純利益を5億円上方修正した。営業利益については、下期にナフサを中心とする原材料価格の一段の上昇が見込まれるが、製品価格への転嫁、差別化製品の拡販、諸経費の減少などで吸収が可能と見込んでいる。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については第2四半期累計での為替差益4億90百万円計上を考慮した。なお第3四半期以降の為替レートは第2四半期末と同水準を想定し、下期の為替差損益発生を見込んでいない。

 修正後の営業利益8億27百万円減益の増減分析(見込み)は、数量・品目構成で+2億52百万円、製品価格値上げで+22億85百万円、原料価格上昇で▲30億37百万円、製造経費増加で▲3億57百万円、販管費抑制で+30百万円としている。設備投資額は1億90百万円増加の30億75百万円、減価償却費は1億91百万円増加の14億83百万円、研究開発費は86百万円減少の17億52百万円の計画としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品事業の売上高が13.3%増の198億90百万円で営業利益が18.3%減の9億75百万円、樹脂事業の売上高が11.0%減の71億90百万円で営業利益が48.4%減の4億14百万円、化成品事業の売上高が6.8%増の57億60百万円で営業利益が24.2%減の9億95百万円としている。

 製紙用薬品事業は原燃料価格上昇やベトナム新工場立ち上げ(22年9月生産開始予定)に伴う償却費増加で減益だが、下期は増益を見込んでいる。樹脂事業は中国等の経済減速の影響による販売減少を見込んでいる。化成品事業は原燃料価格上昇や設備増強投資に伴う償却費の増加で減益だが、利益率は引き続き高い水準を見込んでいる。

 22年12月期は原材料価格高騰の影響で営業利益成長が減速する形だが、製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果などで再上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は反発の動きを強めている。週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線を一気に突破し、7月の年初来安値圏で底打ちを確認した形であり、戻りを試す展開を期待したい。8月30日の終値は595円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS64円97銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS979円59銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約180億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月10日更新]

星光PMCは戻り試す、22年12月期通期の経常・当期純利益予想を上方修正

 星光PMC<4963>(東証プライム)は8月9日の取引時間中に22年12月期第2四半期累計連結業績を発表した。原材料価格高騰の影響などで営業減益だったが、営業外での為替差益が増加して経常・最終増益だった。そして通期の経常利益および当期純利益予想を上方修正した。22年12月期は原材料価格高騰の影響で営業利益成長が減速する形だが、製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果などで中期的に収益拡大を期待したい。株価は7月の安値圏で底打ちして反発の動きを強めている。上方修正に対してもポジティブ反応となった。戻りを試す展開を期待したい。

■22年12月期通期の経常・当期純利益予想を上方修正

 22年12月期第2四半期累計の連結業績(収益認識会計基準適用だが影響軽微)は、売上高が前年同期比6.4%増の159億38百万円、営業利益が25.5%減の11億20百万円、経常利益が6.9%増の17億45百万円、親会社株主帰属四半期純利益が22.7%増の13億06百万円だった。

 差別化製品の市場投入効果なども寄与して増収だったが、原材料価格高騰や成長投資費用増加などの影響で営業減益だった。ただし営業外収益で、主に海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによる為替差益が増加(前年同期は58百万円計上、今期は4億90百万円計上)したため、経常利益と親会社株主帰属四半期純利益は増益だった。

 製紙用薬品事業は売上高が9.6%増の92億29百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が37.1%減の4億41百万円だった。国内板紙向けの堅調な販売で増収だが、原材料価格高騰の影響で大幅減益だった。樹脂事業は売上高が11.3%減の35億32百万円、セグメント利益が58.4%減の1億79百万円だった。粘着剤の売上が減少した。化成品事業は売上高が22.9%増の31億76百万円、セグメント利益が1.9%増の6億82百万円だった。主力製品の輸出売上増加などで大幅増収だが、利益面は原材料価格高騰の影響を受けて小幅増益にとどまった。

 四半期別に見ると、第1四半期売上高が75億30百万円、営業利益が5億81百万円、経常利益が8億49百万円、第2四半期は売上高が84億08百万円、営業利益が5億39百万円、経常利益が8億96百万円だった。

 通期の連結業績予想は、売上高が21年12月期比5.8%増の328億40百万円、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が14.3%減の26億90百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が5.4%減の19億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 8月9日付で売上高を6億20百万円下方修正、営業利益を据え置き、経常利益を5億30百万円上方修正、親会社株主帰属当期純利益を5億円上方修正した。売上高は前回予想を下回るが、営業利益は据え置いた。下期にナフサを中心とする原材料価格の一段の上昇が見込まれるが、製品価格への転嫁、差別化製品の拡販、諸経費の減少などで吸収が可能と見込んでいる。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については、第2四半期累計での為替差益計上を考慮した。なお第3四半期以降の為替レートは第2四半期末と同水準を想定し、下期の為替差損益発生を見込んでいない。

 22年12月期は原材料価格高騰の影響で営業利益成長が減速する形だが、製品価格への転嫁、高付加価値製品の拡販、成長投資の成果などで中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は7月の安値圏で底打ちして反発の動きを強めている。上方修正に対してもポジティブ反応となった。戻りを試す展開を期待したい。8月9日の終値は563円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS64円97銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS979円59銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約171億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月01日更新]

星光PMCは底打ち、22年12月期減益予想だが上振れ余地

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。22年12月期は需要堅調だが、原燃料価格高騰や成長投資費用増加などで減益予想としている。ただし第1四半期の利益進捗率が高水準だったため、通期利益予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で中期的に収益拡大基調だろう。株価は7月の年初来安値圏から切り返して底打ち感を強めている。売り一巡して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。なお22年1月には台湾・新綜工業の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要拡大基調の粘着剤事業の海外展開を推進し、連結経営の強化を図る。

 21年12月期のセグメント別売上高構成比は製紙用薬品事業が57%、樹脂事業が26%、化成品事業が17%で、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)構成比は製紙用薬品事業が36%、樹脂事業が24%、化成品事業が40%だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 22年2月に、長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプランとして、新中期経営計画「OPEN 2024」を発表した。

 目標数値として、最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index130以上を掲げた。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF配合樹脂や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF配合樹脂「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進している。紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化などで企業価値の向上に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■22年12月期減益予想だが上振れ余地

 22年12月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用だが影響軽微)は、売上高が21年12月期比7.8%増の334億60百万円だが、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が31.2%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が29.4%減の14億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 需要が堅調に推移し、国内外における拡販で増収を見込むが、原燃料価格の高騰や成長投資費用の増加(年央に予定しているベトナム工場稼働など国内外の設備投資に伴う減価償却費の増加)などで減益予想としている。なお営業利益8億27百万円減益の要因別分析見通しは、増益が数量・品目構成で7億22百万円、減益が製品・原料価格差で7億93百万円、製造経費で5億29百万円、販管費で2億26百万円としている。設備投資額は10億35百万円増加の39億20百万円、減価償却費は3億75百万円増加の16億67百万円、研究開発費は75百万円増加の19億13百万円の計画である。

 セグメント別の計画は、製紙用薬品事業の売上高が10.8%増の194億52百万円で営業利益が42.2%減の6億90百万円、樹脂事業の売上高が6.3%増の85億95百万円で営業利益が17.2%増の9億41百万円、化成品事業の売上高が0.4%増の54億13百万円で営業利益が38.2%減の8億11百万円としている。製紙用薬品事業は原燃料価格の高騰やベトナム新工場立ち上げ費用の発生などで一時的に減益、樹脂事業は環境負荷軽減に貢献する高付加価値製品の販売拡大で原燃料価格高騰の影響を吸収して増益、化成品事業は原燃料価格高騰や設備増強投資に伴う償却費の増加で一時的に減益の見込みとしている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比0.2%増の75億30百万円だが、営業利益が39.7%減の5億81百万円、経常利益が19.5%減の8億49百万円、親会社株主帰属四半期純利益が11.2%減の6億21百万円だった。原材料価格高騰や成長投資費用増加などで減益だった。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が45百万円減少、売上原価が44百万円減少、営業利益が1百万円減少しているが、経常利益、税金等調整前四半期純利益への影響はなかった。

 製紙用薬品事業は売上高が5.6%増の42億71百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が53.4%減の1億91百万円だった。需要は堅調だったが、原材料価格高騰の影響を受けた。樹脂事業は売上高が17.3%減の17億円で、利益が65.5%減の1億09百万円だった。粘着剤、印刷インキ用樹脂・記録材料用樹脂の売上が減少した。化成品事業は売上高が10.6%増の15億58百万円で、利益が0.0%減の4億04百万円だった。売上面では主力製品の輸出売上が増加したが、利益面は原材料価格高騰の影響を受けた。

 通期予想は据え置いている。22年12月期は原燃料価格の高騰や成長投資費用の増加などで一時的に利益成長が減速する形だ。ただし第1四半期の進捗率は売上高が22.5%、営業利益が28.5%、経常利益が39.3%、親会社株主帰属当期純利益が42.2%だった。利益進捗率が高水準だったため、通期利益予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は底打ち

 株価は7月の年初来安値圏から切り返して底打ち感を強めている。売り一巡して出直りを期待したい。7月29日の終値は547円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS48円48銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS979円59銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約166億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月12日更新]

星光PMCは売られ過ぎ感、22年12月期減益予想だが上振れ余地

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。22年12月期は需要堅調だが、原燃料価格高騰や成長投資費用増加などで減益予想としている。ただし第1四半期の利益進捗率が高水準だったため、通期利益予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で中期的に収益拡大基調だろう。株価は年初来安値圏で軟調だが売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。なお22年1月には台湾・新綜工業の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要拡大基調の粘着剤事業の海外展開を推進し、連結経営の強化を図る。

 21年12月期のセグメント別売上高構成比は製紙用薬品事業が57%、樹脂事業が26%、化成品事業が17%で、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)構成比は製紙用薬品事業が36%、樹脂事業が24%、化成品事業が40%だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 22年2月に、長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプランとして、新中期経営計画「OPEN 2024」を発表した。

 目標数値として、最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index130以上を掲げた。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF配合樹脂や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF配合樹脂「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進している。紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化などで企業価値の向上に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■22年12月期減益予想だが上振れ余地

 22年12月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用だが影響軽微)は、売上高が21年12月期比7.8%増の334億60百万円だが、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が31.2%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が29.4%減の14億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 需要が堅調に推移し、国内外における拡販で増収を見込むが、原燃料価格の高騰や成長投資費用の増加(年央に予定しているベトナム工場稼働など国内外の設備投資に伴う減価償却費の増加)などで減益予想としている。なお営業利益8億27百万円減益の要因別分析見通しは、増益が数量・品目構成で7億22百万円、減益が製品・原料価格差で7億93百万円、製造経費で5億29百万円、販管費で2億26百万円としている。設備投資額は10億35百万円増加の39億20百万円、減価償却費は3億75百万円増加の16億67百万円、研究開発費は75百万円増加の19億13百万円の計画である。

 セグメント別の計画は、製紙用薬品事業の売上高が10.8%増の194億52百万円で営業利益が42.2%減の6億90百万円、樹脂事業の売上高が6.3%増の85億95百万円で営業利益が17.2%増の9億41百万円、化成品事業の売上高が0.4%増の54億13百万円で営業利益が38.2%減の8億11百万円としている。製紙用薬品事業は原燃料価格の高騰やベトナム新工場立ち上げ費用の発生などで一時的に減益、樹脂事業は環境負荷軽減に貢献する高付加価値製品の販売拡大で原燃料価格高騰の影響を吸収して増益、化成品事業は原燃料価格高騰や設備増強投資に伴う償却費の増加で一時的に減益の見込みとしている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比0.2%増の75億30百万円だが、営業利益が39.7%減の5億81百万円、経常利益が19.5%減の8億49百万円、親会社株主帰属四半期純利益が11.2%減の6億21百万円だった。原材料価格高騰や成長投資費用増加などで減益だった。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が45百万円減少、売上原価が44百万円減少、営業利益が1百万円減少しているが、経常利益、税金等調整前四半期純利益への影響はなかった。

 製紙用薬品事業は売上高が5.6%増の42億71百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が53.4%減の1億91百万円だった。需要は堅調だったが、原材料価格高騰の影響を受けた。樹脂事業は売上高が17.3%減の17億円で、利益が65.5%減の1億09百万円だった。粘着剤、印刷インキ用樹脂・記録材料用樹脂の売上が減少した。化成品事業は売上高が10.6%増の15億58百万円で、利益が0.0%減の4億04百万円だった。売上面では主力製品の輸出売上が増加したが、利益面は原材料価格高騰の影響を受けた。

 通期予想は据え置いている。22年12月期は原燃料価格の高騰や成長投資費用の増加などで一時的に利益成長が減速する形だ。ただし第1四半期の進捗率は売上高が22.5%、営業利益が28.5%、経常利益が39.3%、親会社株主帰属当期純利益が42.2%だった。利益進捗率が高水準だったため、通期利益予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は年初来安値圏で軟調だが売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。7月11日の終値は534円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS48円48銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS979円59銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約162億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月22日更新]

星光PMCは下値固め完了、22年12月期減益予想だが上振れ余地

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。22年12月期は需要堅調だが、原燃料価格高騰や成長投資費用増加などで減益予想としている。ただし第1四半期の利益進捗率が高水準だったため、通期利益予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で中期的に収益拡大基調だろう。株価は反発力が鈍く年初来安値圏だが、下値固め完了感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。なお22年1月には台湾・新綜工業の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要拡大基調の粘着剤事業の海外展開を推進し、連結経営の強化を図る。

 21年12月期のセグメント別売上高構成比は製紙用薬品事業が57%、樹脂事業が26%、化成品事業が17%で、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)構成比は製紙用薬品事業が36%、樹脂事業が24%、化成品事業が40%だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 22年2月に、長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプランとして、新中期経営計画「OPEN 2024」を発表した。

 目標数値として、最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index130以上を掲げた。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 サステナビリティに関する取り組みでは、22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。22年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明するとともに、同提言に賛同する企業・金融機関等で構成されるTCFDコンソーシアムに加入した。

 なお長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■CNF複合材料や脱プラ製品の拡販を推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進している。紙の包装に耐水性、耐油性、バリア性、シール性を持たせる機能性コート剤「SEIKOATシリーズ」については、食品包装材用として生産ライン試験が進んでおり、食品包装材用途やカップ用途などで23年3月期中の実績化を目指している。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月に移行した東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化などで企業価値の向上に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■22年12月期減益予想だが上振れ余地

 22年12月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用だが影響軽微)は、売上高が21年12月期比7.8%増の334億60百万円だが、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が31.2%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が29.4%減の14億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 需要が堅調に推移し、国内外における拡販で増収を見込むが、原燃料価格の高騰や成長投資費用の増加(年央に予定しているベトナム工場稼働など国内外の設備投資に伴う減価償却費の増加)などで減益予想としている。なお営業利益8億27百万円減益の要因別分析見通しは、増益が数量・品目構成で7億22百万円、減益が製品・原料価格差で7億93百万円、製造経費で5億29百万円、販管費で2億26百万円としている。設備投資額は10億35百万円増加の39億20百万円、減価償却費は3億75百万円増加の16億67百万円、研究開発費は75百万円増加の19億13百万円の計画である。

 セグメント別の計画は、製紙用薬品事業の売上高が10.8%増の194億52百万円で営業利益が42.2%減の6億90百万円、樹脂事業の売上高が6.3%増の85億95百万円で営業利益が17.2%増の9億41百万円、化成品事業の売上高が0.4%増の54億13百万円で営業利益が38.2%減の8億11百万円としている。製紙用薬品事業は原燃料価格の高騰やベトナム新工場立ち上げ費用の発生などで一時的に減益、樹脂事業は環境負荷軽減に貢献する高付加価値製品の販売拡大で原燃料価格高騰の影響を吸収して増益、化成品事業は原燃料価格高騰や設備増強投資に伴う償却費の増加で一時的に減益の見込みとしている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比0.2%増の75億30百万円だが、営業利益が39.7%減の5億81百万円、経常利益が19.5%減の8億49百万円、親会社株主帰属四半期純利益が11.2%減の6億21百万円だった。原材料価格高騰や成長投資費用増加などで減益だった。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が45百万円減少、売上原価が44百万円減少、営業利益が1百万円減少しているが、経常利益、税金等調整前四半期純利益への影響はなかった。

 製紙用薬品事業は売上高が5.6%増の42億71百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が53.4%減の1億91百万円だった。需要は堅調だったが、原材料価格高騰の影響を受けた。樹脂事業は売上高が17.3%減の17億円で、利益が65.5%減の1億09百万円だった。粘着剤、印刷インキ用樹脂・記録材料用樹脂の売上が減少した。化成品事業は売上高が10.6%増の15億58百万円で、利益が0.0%減の4億04百万円だった。売上面では主力製品の輸出売上が増加したが、利益面は原材料価格高騰の影響を受けた。

 通期予想は据え置いている。22年12月期は原燃料価格の高騰や成長投資費用の増加などで一時的に利益成長が減速する形だ。ただし第1四半期の進捗率は売上高が22.5%、営業利益が28.5%、経常利益が39.3%、親会社株主帰属当期純利益が42.2%だった。利益進捗率が高水準だったため、通期利益予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は下値固め完了

 株価は反発力が鈍く年初来安値圏だが、下値固め完了感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。6月21日の終値は556円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS48円48銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS979円59銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約169億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月23日更新]

星光PMCは調整一巡、22年12月期1Q減益だが利益進捗率高水準

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。22年12月期は需要堅調だが、原燃料価格高騰や成長投資費用増加などで減益予想としている。そして第1四半期は減益だったが、通期予想に対する利益進捗率が高水準だったため、通期利益予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で中期的に収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く年初来安値圏だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。なお22年1月には台湾・新綜工業の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要拡大基調の粘着剤事業の海外展開を推進し、連結経営の強化を図る。

 21年12月期のセグメント別売上高構成比は製紙用薬品事業が57%、樹脂事業が26%、化成品事業が17%で、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)構成比は製紙用薬品事業が36%、樹脂事業が24%、化成品事業が40%だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 22年2月に、長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプランとして、新中期経営計画「OPEN 2024」を発表した。

 目標数値として、最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index130以上を掲げた。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月4日に移行した東京証券取引所の新市場区分についてはプライム市場を選択し、上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化などで企業価値の向上に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

■22年12月期減益予想で1Q減益だが利益進捗率高水準、通期上振れ余地

 22年12月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用だが影響軽微)は、売上高が21年12月期比7.8%増の334億60百万円だが、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が31.2%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が29.4%減の14億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 需要が堅調に推移し、国内外における拡販で増収を見込むが、原燃料価格の高騰や成長投資費用の増加(年央に予定しているベトナム工場稼働など国内外の設備投資に伴う減価償却費の増加)などで減益予想としている。なお営業利益8億27百万円減益の要因別分析見通しは、増益が数量・品目構成で7億22百万円、減益が製品・原料価格差で7億93百万円、製造経費で5億29百万円、販管費で2億26百万円としている。設備投資額は10億35百万円増加の39億20百万円、減価償却費は3億75百万円増加の16億67百万円、研究開発費は75百万円増加の19億13百万円の計画である。

 セグメント別の計画は、製紙用薬品事業の売上高が10.8%増の194億52百万円で営業利益が42.2%減の6億90百万円、樹脂事業の売上高が6.3%増の85億95百万円で営業利益が17.2%増の9億41百万円、化成品事業の売上高が0.4%増の54億13百万円で営業利益が38.2%減の8億11百万円としている。製紙用薬品事業は原燃料価格の高騰やベトナム新工場立ち上げ費用の発生などで一時的に減益、樹脂事業は環境負荷軽減に貢献する高付加価値製品の販売拡大で原燃料価格高騰の影響を吸収して増益、化成品事業は原燃料価格高騰や設備増強投資に伴う償却費の増加で一時的に減益の見込みとしている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比0.2%増の75億30百万円だが、営業利益が39.7%減の5億81百万円、経常利益が19.5%減の8億49百万円、親会社株主帰属四半期純利益が11.2%減の6億21百万円だった。原材料価格高騰や成長投資費用増加などで減益だった。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が45百万円減少、売上原価が44百万円減少、営業利益が1百万円減少しているが、経常利益、税金等調整前四半期純利益への影響はなかった。

 製紙用薬品事業は売上高が5.6%増の42億71百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が53.4%減の1億91百万円だった。需要は堅調だったが、原材料価格高騰の影響を受けた。樹脂事業は売上高が17.3%減の17億円で、利益が65.5%減の1億09百万円だった。粘着剤、印刷インキ用樹脂・記録材料用樹脂の売上が減少した。化成品事業は売上高が10.6%増の15億58百万円で、利益が0.0%減の4億04百万円だった。売上面では主力製品の輸出売上が増加したが、利益面は原材料価格高騰の影響を受けた。

 通期予想は据え置いている。22年12月期は原燃料価格の高騰や成長投資費用の増加などで一時的に利益成長が減速する形だ。ただし第1四半期の進捗率は売上高が22.5%、営業利益が28.5%、経常利益が39.3%、親会社株主帰属当期純利益が42.2%だった。利益進捗率が高水準だったため、通期利益予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く年初来安値圏だが、調整一巡して出直りを期待したい。5月20日の終値は556円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS48円48銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS979円59銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約169億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[04月22日更新]

星光PMCは売られ過ぎ感、22年12月期は原料価格高騰の影響だが中期成長期待

 星光PMC<4963>(東証プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販も推進している。22年12月期は需要堅調だが、原燃料価格高騰や成長投資費用増加などで減益予想としている。一時的に利益成長が減速する形だが積極的な事業展開で中期成長を期待したい。株価は反発力が鈍く年初来安値圏でモミ合う形だが売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、次世代素材CNF、および台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。なお22年1月には台湾・新綜工業の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要拡大基調の粘着剤事業の海外展開を推進し、連結経営の強化を図る。

 21年12月期のセグメント別売上高構成比は製紙用薬品事業が57%、樹脂事業が26%、化成品事業が17%で、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)構成比は製紙用薬品事業が36%、樹脂事業が24%、化成品事業が40%だった。

■中期経営計画「OPEN 2024」

 22年2月に、長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプランとして、新中期経営計画「OPEN 2024」を発表した。

 目標数値として、最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index130以上を掲げた。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 22年4月4日に移行した東京証券取引所の新市場区分についてはプライム市場を選択し、上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化などで企業価値の向上に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

■22年12月期は原燃料価格高騰や成長投資費用で一時的に減益予想

 22年12月期の連結業績予想は、売上高が21年12月期比7.8%増の334億60百万円、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が31.2%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が29.4%減の14億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 需要が堅調に推移し、国内外における拡販で増収を見込むが、原燃料価格の高騰や成長投資費用の増加(年央に予定しているベトナム工場稼働など国内外の設備投資に伴う減価償却費の増加)などで減益予想としている。なお営業利益8億27百万円減益の要因別分析見通しは、増益が数量・品目構成で7億22百万円、減益が製品・原料価格差で7億93百万円、製造経費で5億29百万円、販管費で2億26百万円としている。設備投資額は10億35百万円増加の39億20百万円、減価償却費は3億75百万円増加の16億67百万円、研究開発費は75百万円増加の19億13百万円の計画である。

 セグメント別の計画は、製紙用薬品事業の売上高が10.8%増の194億52百万円で営業利益が42.2%減の6億90百万円、樹脂事業の売上高が6.3%増の85億95百万円で営業利益が17.2%増の9億41百万円、化成品事業の売上高が0.4%増の54億13百万円で営業利益が38.2%減の8億11百万円としている。製紙用薬品事業は原燃料価格の高騰やベトナム新工場立ち上げ費用の発生などで一時的に減益、樹脂事業は環境負荷軽減に貢献する高付加価値製品の販売拡大で原燃料価格高騰の影響を吸収して増益、化成品事業は原燃料価格高騰や設備増強投資に伴う償却費の増加で一時的に減益の見込みとしている。

 22年12月期は原燃料価格の高騰や成長投資費用の増加などで一時的に利益成長が減速する形だが、積極的な事業展開で中期成長を期待したい。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は反発力が鈍く年初来安値圏でモミ合う形だが売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。4月21日の終値は581円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS48円48銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS979円59銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約176億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[03月28日更新]

星光PMCは反発の動き、22年12月期は原料価格高騰などで減益予想だが中期成長期待

 星光PMC<4963>(東1、新市場区分プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販も推進している。22年12月期は需要堅調で増収だが、原燃料価格高騰や成長投資費用増加などで減益予想としている。一時的に利益成長が減速する形だが積極的な事業展開で中期成長を期待したい。株価は地合い悪化も影響して昨年来安値を更新する展開だったが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月に連結子会社化した台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立(21年末完工予定)した。樹脂事業では台湾・新綜工業において新工場を建設し、台湾2工場体制(平鎮、観音)を構築して生産能力を倍増させている。22年1月には台湾・新綜工業の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要拡大基調の粘着剤事業の海外展開を推進し、連結経営の強化を図る。

 21年12月期のセグメント別売上高構成比は製紙用薬品事業が57%、樹脂事業が26%、化成品事業が17%で、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)構成比は製紙用薬品事業が36%、樹脂事業が24%、化成品事業が40%だった。

■新中期経営計画「OPEN 2024」を策定

 22年2月に、長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプランとして、新中期経営計画「OPEN 2024」を発表した。

 目標数値として、最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index130以上を掲げた。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

 なお22年2月には、サステナビリティ委員会の設置、およびサステナビリティ基本方針の策定を発表している。

■プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書

 4月4日移行予定の新市場区分についてはプライム市場を選択し、上場維持基準の適合に向けた計画書を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化などで企業価値の向上に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

■22年12月期は原燃料価格高騰や成長投資費用で一時的に減益予想

 22年12月期の連結業績予想は、売上高が21年12月期比7.8%増の334億60百万円、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が31.2%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が29.4%減の14億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 需要が堅調に推移し、国内外における拡販で増収だが、原燃料価格の高騰や成長投資費用の増加(年央に予定しているベトナム工場稼働など国内外の設備投資に伴う減価償却費の増加)などで減益予想としている。なお営業利益8億27百万円減益の要因別分析見通しは、増益が数量・品目構成で7億22百万円、減益が製品・原料価格差で7億93百万円、製造経費で5億29百万円、販管費で2億26百万円としている。設備投資額は10億35百万円増加の39億20百万円、減価償却費は3億75百万円増加の16億67百万円、研究開発費は75百万円増加の19億13百万円の計画である。

 セグメント別の計画は、製紙用薬品事業の売上高が10.8%増の194億52百万円で営業利益が42.2%減の6億90百万円、樹脂事業の売上高が6.3%増の85億95百万円で営業利益が17.2%増の9億41百万円、化成品事業の売上高が0.4%増の54億13百万円で営業利益が38.2%減の8億11百万円としている。製紙用薬品事業は原燃料価格の高騰やベトナム新工場立ち上げ費用の発生などで一時的に減益、樹脂事業は環境負荷軽減に貢献する高付加価値製品の販売拡大で原燃料価格高騰の影響を吸収して増益、化成品事業は原燃料価格高騰や設備増強投資に伴う償却費の増加で一時的に減益の見込みとしている。

 22年12月期は原燃料価格の高騰や成長投資費用の増加などで一時的に利益成長が減速する形だが、積極的な事業展開で中期成長を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪化も影響して昨年来安値を更新する展開だったが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。3月25日の終値は598円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS48円48銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS979円59銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約181億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[02月24日更新]

星光PMCは売られ過ぎ感、22年12月期減益予想だが中期成長期待

 星光PMC<4963>(東1、新市場区分プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販も推進している。2月14日には新中期経営計画「OPEN 2024」を発表した。22年12月期は需要堅調で増収だが、原燃料価格高騰や成長投資費用増加などで減益予想としている。一時的に利益成長が減速する形だが積極的な事業展開で中期成長を期待したい。4月4日移行予定の新市場区分についてはプライム市場を選択し、上場維持基準の適合に向けた計画書を開示している。株価は減益予想を嫌気し、地合い悪化も影響して昨年来安値を更新する展開だが、売られ過ぎ感を強めている。売り一巡して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月に連結子会社化した台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立(21年末完工予定)した。樹脂事業では台湾・新綜工業において新工場を建設し、台湾2工場体制(平鎮、観音)を構築して生産能力を倍増させている。22年1月には台湾・新綜工業の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要拡大基調の粘着剤事業の海外展開を推進し、連結経営の強化を図る。

 21年12月期のセグメント別売上高構成比は製紙用薬品事業が57%、樹脂事業が26%、化成品事業が17%で、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)構成比は製紙用薬品事業が36%、樹脂事業が24%、化成品事業が40%だった。

■新中期経営計画「OPEN 2024」を策定

 2月14日に、長期ビジョン「VISION 2030」を達成するためのアクションプランとして、新中期経営計画「OPEN 2024」を発表した。

 目標数値として、最終年度24年12月期売上高390億円、営業利益37.5億円、営業利益率9.6%、EBITDA(営業利益+減価償却費)57.5億円、ROE8.4%、海外売上高比率40%以上、New Green Index130以上を掲げた。

 セグメント別は、製紙用薬品事業の売上高が210億円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15億円、樹脂事業の売上高が110億円で利益が17.5億円、化成品事業の売上高が70億円で利益が9億円としている。

 基本方針として、製品/事業地域/事業領域の全てにおけるポートフォリオ変革推進による稼ぐ力の強化、ESG経営(GHG排出量削減、環境戦略製品の拡販)、人財育成・組織づくり、DXを推進する。22年2月にはサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を策定した。

 製紙用薬品事業では国内シェア拡大、アジア地域での製造・販売拡大、バイオフィルムコントロール剤等の新事業、樹脂事業では製品ポートフォリオ変革、UV硬化型粘着剤拡販、アジア地域での市場拡大、CNFの用途拡大・採用拡大、AgNW(銀ナノワイヤインク)の新規採用、化成品事業では生産キャパ拡充、海外販路・市場開拓パートナーの拡充、機能性溶剤の拡販を推進する。

 長期ビジョン「VISION 2030」における戦略投資枠としては、22年〜30年の9年間合計300億円を設定している。内訳は成長投資枠150億円、協業やM&A等による事業規模拡大を図るための投資枠150億円としている。

 なお4月4日移行予定の新市場区分についてはプライム市場を選択し、上場維持基準の適合に向けた計画書を開示している。新中期経営計画「OPEN 2024」の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化などで企業価値の向上に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

 21年6月には耐環境特性を付与した透明導電膜向けAgNWおよびオーバーコート剤の開発をリリースしている。また21年8月には高バイオマス率で生分解性を有する紙用コート剤の開発をリリースしている。

■22年12月期は原燃料価格高騰や成長投資費用で一時的に減益予想

 21年12月期の連結業績は、売上高が20年12月期比19.1%増の310億32百万円、営業利益が9.8%増の28億67百万円、経常利益が17.7%増の31億39百万円、親会社株主帰属当期純利益が23.6%増の20億82百万円だった。需要回復や差別化商品拡販などで増収増益だった。配当は20年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)とした。

 製紙用薬品事業は、需要の回復や差別化商品の拡販などで売上高が17.0%増の175億56百万円と大幅伸長したが、原料価格高騰などでセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)は17.9%減の11億93百万円だった。

 樹脂事業は、粘着剤、印刷インキ用樹脂・記録材料用樹脂が順調に伸長して、売上高が18.1%増の80億83百万円と大幅伸長したが、原料価格高騰などで利益は0.3%増の8億03百万円にとどまった。

 化成品事業は、売上高が28.4%増の53億92百万円で、利益が83.2%増の13億12百万円だった。主力製品の輸出売上が伸長して大幅増収増益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が75億11百万円で営業利益が9億63百万円、第2四半期は売上高が74億73百万円で営業利益が5億40百万円、第3四半期は売上高が80億32百万円で営業利益が7億69百万円、第4四半期は売上高が80億16百万円で営業利益が5億95百万円だった。

 22年12月期の連結業績予想は、売上高が21年12月期比7.8%増の334億60百万円、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が31.2%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が29.4%減の14億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 需要堅調で増収だが、原燃料価格高騰や成長投資費用増加などで減益予想としている。セグメント別には、製紙用薬品事業が原燃料価格高騰、ベトナム新工場立ち上げ費用の発生などで一時的に減益、樹脂事業が高付加価値製品の販売拡大で原燃料価格高騰の影響を吸収して増益、化成品事業が原燃料価格高騰や設備投資増加に伴う償却費の増加で一時的に大幅減益の見込みとしている。

 22年12月期は成長投資負担も影響して一時的に利益成長が減速する形だが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は22年12月期減益予想を嫌気し、地合い悪化も影響して昨年来安値を更新する展開だが、売られ過ぎ感を強めている。売り一巡して出直りを期待したい。2月22日の終値は584円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS48円48銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想16円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS979円59銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約177億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[02月15日更新]

星光PMCは22年12月期減益予想

 星光PMC<4963>(東1、新市場区分プライム)は2月14日の取引時間中に21年12月期連結業績を発表した。需要の回復や差別化商品の拡販などで増収増益だった。22年12月期は需要堅調で増収だが、原燃料価格高騰や成長投資費用増加などで減益予想としている。一時的に利益成長が減速する形だが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して昨年来安値を更新する展開だが、売り一巡して出直りを期待したい。

■22年12月期は原燃料価格高騰や成長投資費用で一時的に減益予想

 21年12月期連結業績は売上高が20年12月期比19.1%増の310億32百万円、営業利益が9.8%増の28億67百万円、経常利益が17.7%増の31億39百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が23.6%増の20億82百万円だった。需要の回復や差別化商品の拡販などで増収増益だった。配当は20年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)とした。

 製紙用薬品事業は、需要の回復や差別化商品の拡販などで売上高が17.0%増の175億56百万円と大幅伸長したが、原料価格高騰などでセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)は17.9%減の11億93百万円だった。

 樹脂事業は、粘着剤、印刷インキ用樹脂・記録材料用樹脂が順調に伸長して、売上高が18.1%増の80億83百万円と大幅伸長したが、原料価格高騰などで利益は0.3%増の8億03百万円にとどまった。

 化成品事業は、売上高が28.4%増の53億92百万円、利益が83.2%増の13億12百万円だった。主力製品の輸出売上が伸長して大幅増収増益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が75億11百万円で営業利益が9億63百万円、第2四半期は売上高が74億73百万円で営業利益が5億40百万円、第3四半期は売上高が80億32百万円で営業利益が7億69百万円、第4四半期は売上高が80億16百万円で営業利益が5億95百万円だった。

 22年12月期連結業績予想は、売上高が21年12月期比7.8%増の334億60百万円、営業利益が28.9%減の20億40百万円、経常利益が31.2%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が29.4%減の14億70百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 需要堅調で増収だが、原燃料価格高騰や成長投資費用増加などで減益予想としている。セグメント別には、製紙用薬品事業が原燃料価格高騰、ベトナム新工場立ち上げ費用の発生などで一時的に減益、樹脂事業が高付加価値製品の販売拡大で原燃料価格高騰の影響を吸収して増益、化成品事業が原燃料価格高騰や設備投資増加に伴う償却費の増加で一時的に大幅減益の見込みとしている。

 22年12月期は成長投資負担も影響して一時的に利益成長が減速する形だが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は地合い悪化も影響して昨年来安値を更新する展開だが、売り一巡して出直りを期待したい。2月14日の終値は625円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS48円48銭で算出)は約13倍、時価総額は約190億円である。
情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月26日更新]

星光PMCは売られ過ぎ感、22年12月期も収益拡大基調

 星光PMC<4963>(東1、新市場区分プライム)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販も推進している。21年12月期は需要回復して2桁増収増益予想としている。積極的な事業展開で22年12月期も収益拡大基調だろう。4月4日移行予定の新市場区分についてはプライム市場を選択し、上場維持基準の適合に向けた計画書を開示している。株価は地合い悪化も影響して昨年来安値を更新する展開だが売られ過ぎ感を強めている。売り一巡して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月に連結子会社化した台湾・新綜工業の粘着剤)、化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 20年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が58%、樹脂事業が26%、化成品事業が16%、営業利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業が49%、樹脂事業が27%、化成品事業が24%だった。

■海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策を推進

 中期経営計画「New Stage 2021」では、基本方針に国内事業基盤の強化、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の推進、長期的視点に基づいた経営基盤の構築を掲げている。

 国内事業基盤の強化では営業および開発体制の強化、製品ポートフォリオの変革、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施では台湾・新綜工業による粘着剤の事業拡大、ベトナム生産現法設立による製紙用薬品の海外事業拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)事業の拡大、長期的視点に基づいた経営基盤の構築では海外人材の採用・育成、人事・教育制度の整備を推進する。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別の目標は、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、台湾・新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立(21年末完工予定)した。また樹脂事業では台湾・新綜工業において新工場を建設し、台湾2工場体制(平鎮、観音)を構築して生産能力を倍増させている。

 22年1月には台湾・新綜工業の株式を追加取得して出資比率を92.80%に引き上げた。先進精密産業において需要拡大基調の粘着剤事業の海外展開を推進し、連結経営の強化を図る。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

 21年6月には、耐環境特性を付与した透明導電膜向け銀ナノワイヤインクおよびオーバーコート剤の開発をリリースしている。また21年8月には、高バイオマス率で生分解性を有する紙用コート剤の開発をリリースしている。

■21年12月期2桁増収増益予想、22年12月期も収益拡大基調

 21年12月期連結業績予想(8月10日に上方修正)は、売上高が20年12月期比19.1%増の310億20百万円、営業利益が12.5%増の29億40百万円、経常利益が16.2%増の31億円、親会社株主帰属当期純利益が15.7%増の19億50百万円としている。配当予想は20年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比22.0%増の230億16百万円、営業利益が37.0%増の22億72百万円、経常利益が46.4%増の24億64百万円、親会社株主帰属四半期純利益が54.0%増の16億41百万円だった。需要が回復基調となり、数量増、差別化商品の市場投入、製品ミックス改善効果などで大幅増収増益だった。

 製紙用薬品事業は、差別化商品の拡販などで売上高が18.6%増の129億37百万円と大幅伸長したが、原料価格上昇で営業利益は4.3%増の9億56百万円にとどまった。

 樹脂事業は売上高が26.4%増の61億58百万円で、営業利益が29.6%増の7億09百万円だった。粘着剤、印刷インキ用樹脂・記録材料用樹脂の売上が順調に伸長して大幅増収増益だった。

 化成品事業は売上高が27.0%増の39億19百万円で、営業利益が2.1倍の9億86百万円だった。主力製品の輸出売上が伸長して大幅増収増益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が75億11百万円で営業利益が9億63百万円、第2四半期は売上高が74億73百万円で営業利益が5億40百万円、第3四半期は売上高が80億32百万円で営業利益が7億69百万円だった。

 通期予想は据え置いている。営業利益の3億28百万円増益分析(計画)は、増益要因が数量・品目構成で23億42百万円、減益要因が原料価格上昇で8億72百万円、製造経費で3億51百万円、販管費で7億91百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品事業は需要回復で売上高が18.9%増の178億43百万円だが原料価格上昇や先行投資で営業利益が8.0%減の13億37百万円、樹脂事業は高付加価値製品の拡販により売上高が21.9%増の83億44百万円で営業利益が37.0%増の10億96百万円、化成品事業は欧州・アジアへの輸出が牽引して売上高が15.3%増の48億41百万円で営業利益が41.9%増の10億16百万円としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が74.2%、営業利益が77.3%、経常利益が79.5%、親会社株主帰属当期純利益が84.2%と順調だった。原料価格上昇などの不透明感があるが、需要が回復基調であり、通期予想は再上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で22年12月期も収益拡大基調だろう。

■株価は売られ過ぎ感

 22年4月4日移行予定の新市場区分についてはプライム市場を選択し、上場維持基準の適合に向けた計画書を開示している。現中期経営計画および次期中期経営計画(22年2月発表予定)の着実な遂行による業績の向上、IR・ガバナンス機能の強化などで企業価値の向上に取り組むとともに、取引先等の事業会社との株式保有関係解消などを通じて流通株式比率の向上、流通株式時価総額の増大を図り、24年12月期末までにプライム市場の上場維持基準適合を目指すとしている。

 株価は地合い悪化も影響して昨年来安値を更新する展開だが売られ過ぎ感を強めている。売り一巡して出直りを期待したい。1月25日の終値は645円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS64円31銭で算出)は約10倍、前期推定配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.5%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS885円19銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約196億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月05日更新]

星光PMCは切り返しの動き、22年12月期も収益拡大基調

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販も推進している。21年12月期は需要回復して2桁増収増益予想としている。さらに22年12月期も収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して昨年来安値を更新する展開だったが、売り一巡して切り返しの動きを強めている。出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 20年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が58%、樹脂事業が26%、化成品事業が16%、営業利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業が49%、樹脂事業が27%、化成品事業が24%だった。

■海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策を推進

 中期経営計画「New Stage 2021」では、基本方針に国内事業基盤の強化、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の推進、長期的視点に基づいた経営基盤の構築を掲げている。

 国内事業基盤の強化では営業および開発体制の強化、製品ポートフォリオの変革、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施では台湾・新綜工業による粘着剤の事業拡大、ベトナム生産現法設立による製紙用薬品の海外事業拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)事業の拡大、長期的視点に基づいた経営基盤の構築では海外人材の採用・育成、人事・教育制度の整備を推進する。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別の目標は、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、台湾・新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立(21年末完工予定)した。また樹脂事業では台湾・新綜工業において新工場を建設し、台湾2工場体制(平鎮、観音)を構築して生産能力を倍増させている。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

 21年6月には、耐環境特性を付与した透明導電膜向け銀ナノワイヤインクおよびオーバーコート剤の開発をリリースしている。また21年8月には、高バイオマス率で生分解性を有する紙用コート剤の開発をリリースしている。

■21年12月期2桁増収増益予想、22年12月期も収益拡大基調

 21年12月期連結業績予想(8月10日に上方修正)は、売上高が20年12月期比19.1%増の310億20百万円、営業利益が12.5%増の29億40百万円、経常利益が16.2%増の31億円、親会社株主帰属当期純利益が15.7%増の19億50百万円としている。配当予想は20年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比22.0%増の230億16百万円、営業利益が37.0%増の22億72百万円、経常利益が46.4%増の24億64百万円、親会社株主帰属四半期純利益が54.0%増の16億41百万円だった。需要が回復基調となり、数量増、差別化商品の市場投入、製品ミックス改善効果などで大幅増収増益だった。

 製紙用薬品事業は、差別化商品の拡販などで売上高が18.6%増の129億37百万円と大幅伸長したが、原料価格上昇で営業利益は4.3%増の9億56百万円にとどまった。

 樹脂事業は売上高が26.4%増の61億58百万円で、営業利益が29.6%増の7億09百万円だった。粘着剤、印刷インキ用樹脂・記録材料用樹脂の売上が順調に伸長して大幅増収増益だった。

 化成品事業は売上高が27.0%増の39億19百万円で、営業利益が2.1倍の9億86百万円だった。主力製品の輸出売上が伸長して大幅増収増益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が75億11百万円で営業利益が9億63百万円、第2四半期は売上高が74億73百万円で営業利益が5億40百万円、第3四半期は売上高が80億32百万円で営業利益が7億69百万円だった。

 通期予想は据え置いている。営業利益の3億28百万円増益分析(計画)は、増益要因が数量・品目構成で23億42百万円、減益要因が原料価格上昇で8億72百万円、製造経費で3億51百万円、販管費で7億91百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品事業は需要回復で売上高が18.9%増の178億43百万円だが原料価格上昇や先行投資で営業利益が8.0%減の13億37百万円、樹脂事業は高付加価値製品の拡販により売上高が21.9%増の83億44百万円で営業利益が37.0%増の10億96百万円、化成品事業は欧州・アジアへの輸出が牽引して売上高が15.3%増の48億41百万円で営業利益が41.9%増の10億16百万円としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が74.2%、営業利益が77.3%、経常利益が79.5%、親会社株主帰属当期純利益が84.2%と順調だった。原料価格上昇などの不透明感があるが、需要が回復基調であり、通期予想は再上振れの可能性がありそうだ。さらに22年12月期も収益拡大基調だろう。

■株価は売り一巡

 22年4月4日移行予定の新市場区分については、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果で流通株式時価総額がプライム市場不適合となった。上場維持基準の適合に向けた計画書を提出することで当面の間は経過措置が適用されることになっているため、21年7月30日開催の取締役会において経過措置の適用を受けながらプライム市場上場基準への適合を目指すことを決議した。

 株価は地合い悪化も影響して昨年来安値を更新する展開だったが、売り一巡して切り返しの動きを強めている。出直りを期待したい。1月4日の終値は715円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS64円31銭で算出)は約11倍、前期推定配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.2%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS885円19銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約217億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[12月07日更新]

星光PMCは売られ過ぎ感、21年12月期2桁増収増益予想、さらに再上振れの可能性

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販を推進している。21年12月期は需要回復して2桁増収増益予想(8月10日に上方修正)としている。さらに再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して年初来安値を更新したが、売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 20年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が58%、樹脂事業が26%、化成品事業が16%、営業利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業が49%、樹脂事業が27%、化成品事業が24%だった。

■海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策を推進

 中期経営計画「New Stage 2021」では、基本方針に国内事業基盤の強化、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の推進、長期的視点に基づいた経営基盤の構築を掲げている。

 国内事業基盤の強化では営業および開発体制の強化、製品ポートフォリオの変革、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施では台湾・新綜工業による粘着剤の事業拡大、ベトナム生産現法設立による製紙用薬品の海外事業拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)事業の拡大、長期的視点に基づいた経営基盤の構築では海外人材の採用・育成、人事・教育制度の整備を推進する。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別の目標は、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、台湾・新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立(21年末完工予定)した。また樹脂事業では台湾・新綜工業において新工場を建設し、台湾2工場体制(平鎮、観音)を構築して生産能力を倍増させている。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

 21年6月には、耐環境特性を付与した透明導電膜向け銀ナノワイヤインクおよびオーバーコート剤の開発をリリースしている。また21年8月には、高バイオマス率で生分解性を有する紙用コート剤の開発をリリースしている。

■21年12月期2桁増収増益予想、さらに再上振れの可能性

 21年12月期連結業績予想(8月10日に上方修正)は、売上高が20年12月期比19.1%増の310億20百万円、営業利益が12.5%増の29億40百万円、経常利益が16.2%増の31億円、親会社株主帰属当期純利益が15.7%増の19億50百万円としている。配当予想は20年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比22.0%増の230億16百万円、営業利益が37.0%増の22億72百万円、経常利益が46.4%増の24億64百万円、親会社株主帰属四半期純利益が54.0%増の16億41百万円だった。需要が回復基調となり、数量増、差別化商品の市場投入、製品ミックス改善効果などで大幅増収増益だった。

 製紙用薬品事業は、差別化商品の拡販などで売上高が18.6%増の129億37百万円と大幅伸長したが、原料価格上昇で営業利益は4.3%増の9億56百万円にとどまった。

 樹脂事業は売上高が26.4%増の61億58百万円で、営業利益が29.6%増の7億09百万円だった。粘着剤、印刷インキ用樹脂・記録材料用樹脂の売上が順調に伸長して大幅増収増益だった。

 化成品事業は売上高が27.0%増の39億19百万円で、営業利益が2.1倍の9億86百万円だった。主力製品の輸出売上が伸長して大幅増収増益だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が75億11百万円で営業利益が9億63百万円、第2四半期は売上高が74億73百万円で営業利益が5億40百万円、第3四半期は売上高が80億32百万円で営業利益が7億69百万円だった。

 通期予想は据え置いた。営業利益3億28百万円増益分析(計画)は、増益要因が数量・品目構成で23億42百万円、減益要因が原料価格上昇で8億72百万円、製造経費で3億51百万円、販管費で7億91百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品事業は需要回復で売上高が18.9%増の178億43百万円だが原料価格上昇や先行投資で営業利益が8.0%減の13億37百万円、樹脂事業は高付加価値製品の拡販により売上高が21.9%増の83億44百万円で営業利益が37.0%増の10億96百万円、化成品事業は欧州・アジアへの輸出が牽引して売上高が15.3%増の48億41百万円で営業利益が41.9%増の10億16百万円としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が74.2%、営業利益が77.3%、経常利益が79.5%、親会社株主帰属当期純利益が84.2%と順調だった。原料価格上昇などの不透明感があるが、需要が回復基調であり、通期予想は再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は売られ過ぎ感

 22年4月4日移行予定の新市場区分については、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果で流通株式時価総額がプライム市場不適合となった。上場維持基準の適合に向けた計画書を提出することで当面の間は経過措置が適用されることになっているため、21年7月30日開催の取締役会において経過措置の適用を受けながらプライム市場上場基準への適合を目指すことを決議した。

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値を更新した。ただし売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。12月6日の終値は687円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS64円31銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想16円で算出)は約2.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS885円19銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約208億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月22日更新]

星光PMCは調整一巡、21年12月期3Q累計大幅増収増益で通期再上振れの可能性

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)などの拡販を推進している。21年12月期は需要回復して増収増益予想(8月10日に上方修正)としている。第3四半期累計は大幅増収増益と順調だった。原料価格上昇などの不透明感があるが、需要が回復基調であり、通期予想は再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は上値を切り下げる形で軟調だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 20年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が58%、樹脂事業が26%、化成品事業が16%、営業利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業が49%、樹脂事業が27%、化成品事業が24%だった。

■海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策を推進

 中期経営計画「New Stage 2021」では、基本方針に国内事業基盤の強化、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の推進、長期的視点に基づいた経営基盤の構築を掲げている。

 国内事業基盤の強化では営業および開発体制の強化、製品ポートフォリオの変革、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施では台湾・新綜工業による粘着剤の事業拡大、ベトナム生産現法設立による製紙用薬品の海外事業拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)事業の拡大、長期的視点に基づいた経営基盤の構築では海外人材の採用・育成、人事・教育制度の整備を推進する。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別の目標は、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、台湾・新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立(21年末完工予定)した。また樹脂事業では台湾・新綜工業において新工場を建設し、台湾2工場体制(平鎮、観音)を構築して生産能力を倍増させている。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

 21年6月には、耐環境特性を付与した透明導電膜向け銀ナノワイヤインクおよびオーバーコート剤の開発をリリースしている。また21年8月には、高バイオマス率で生分解性を有する紙用コート剤の開発をリリースしている。

■21年12月期3Q累計大幅増収増益、通期は再上振れの可能性

 21年12月期連結業績予想(8月10日に上方修正)は、売上高が20年12月期比19.1%増の310億20百万円、営業利益が12.5%増の29億40百万円、経常利益が16.2%増の31億円、親会社株主帰属当期純利益が15.7%増の19億50百万円としている。配当予想は20年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比22.0%増の230億16百万円、営業利益が37.0%増の22億72百万円、経常利益が46.4%増の24億64百万円、親会社株主帰属四半期純利益が54.0%増の16億41百万円だった。需要が回復基調となり、数量増、差別化商品の市場投入、製品ミックス改善効果などで大幅増収増益だった。

 製紙用薬品事業は、差別化商品の拡販などで売上高が18.6%増の129億37百万円と大幅伸長したが、原料価格上昇で営業利益は4.3%増の9億56百万円にとどまった。

 樹脂事業は売上高が26.4%増の61億58百万円で、営業利益が29.6%増の7億09百万円だった。粘着剤、印刷インキ用樹脂・記録材料用樹脂の売上が順調に伸長して大幅増収増益だった。

 化成品事業は売上高が27.0%増の39億19百万円で、営業利益が2.1倍の9億86百万円だった。主力製品の輸出売上が伸長して大幅増収増益だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が75億11百万円で営業利益が9億63百万円、第2四半期は売上高が74億73百万円で営業利益が5億40百万円、第3四半期は売上高が80億32百万円で営業利益が7億69百万円だった。

 通期予想は据え置いた。営業利益3億28百万円増益分析(計画)は、増益要因が数量・品目構成で23億42百万円、減益要因が原料価格上昇で8億72百万円、製造経費で3億51百万円、販管費で7億91百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品事業は需要回復で売上高が18.9%増の178億43百万円だが原料価格上昇や先行投資で営業利益が8.0%減の13億37百万円、樹脂事業は高付加価値製品の拡販により売上高が21.9%増の83億44百万円で営業利益が37.0%増の10億96百万円、化成品事業は欧州・アジアへの輸出が牽引して売上高が15.3%増の48億41百万円で営業利益が41.9%増の10億16百万円としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が74.2%、営業利益が77.3%、経常利益が79.5%、親会社株主帰属当期純利益が84.2%と順調だった。原料価格上昇などの不透明感があるが、需要が回復基調であり、通期予想は再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 22年4月4日移行予定の新市場区分については、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果で流通株式時価総額がプライム市場不適合となった。上場維持基準の適合に向けた計画書を提出することで当面の間は経過措置が適用されることになっているため、21年7月30日開催の取締役会において経過措置の適用を受けながらプライム市場上場基準への適合を目指すことを決議した。

 株価は上値を切り下げる形で軟調だが、調整一巡して出直りを期待したい。11月19日の終値は766円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS64円31銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想16円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS885円19銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約232億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月21日更新]

星光PMCは調整一巡、21年12月期は再上振れの可能性

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販を推進している。21年12月期は需要回復して増収増益予想(8月10日に上方修正)としている。さらに再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は7月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形となったが、調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 20年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が58%、樹脂事業が26%、化成品事業が16%、営業利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業が49%、樹脂事業が27%、化成品事業が24%だった。

■海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策を推進

 中期経営計画「New Stage 2021」では、基本方針に国内事業基盤の強化、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の推進、長期的視点に基づいた経営基盤の構築を掲げている。

 国内事業基盤の強化では営業および開発体制の強化、製品ポートフォリオの変革、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施では台湾・新綜工業による粘着剤の事業拡大、ベトナム生産現法設立による製紙用薬品の海外事業拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)事業の拡大、長期的視点に基づいた経営基盤の構築では海外人材の採用・育成、人事・教育制度の整備を推進する。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別の目標は、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、台湾・新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立(21年末完工予定)した。また樹脂事業では台湾・新綜工業において新工場を建設し、台湾2工場体制(平鎮、観音)を構築して生産能力を倍増させている。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

 21年6月には、耐環境特性を付与した透明導電膜向け銀ナノワイヤインクおよびオーバーコート剤の開発をリリースしている。また21年8月には、高バイオマス率で生分解性を有する紙用コート剤の開発をリリースしている。

■21年12月期増収増益予想、さらに再上振れの可能性

 21年12月期連結業績予想(8月10日に上方修正)は、売上高が20年12月期比19.1%増の310億20百万円、営業利益が12.5%増の29億40百万円、経常利益が16.2%増の31億円、親会社株主帰属当期純利益が15.7%増の19億50百万円としている。配当予想は据え置いて20年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比19.5%増の149億84百万円、営業利益が54.9%増の15億03百万円、経常利益が66.0%増の16億32百万円、親会社株主帰属四半期純利益が71.6%増の10億63百万円だった。需要が回復基調となり、数量増や製品ミックス改善効果で大幅増収増益だった。

 製紙用薬品事業は15.4%増収で32.3%増益だった。段ボール原紙を中心に需要が堅調だった。樹脂事業は27.0%増収で49.7%増益だった。粘着剤、印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂の売上が順調に増加した。化成品事業は22.3%増収で91.2%増益だった。機能性モノマーの旺盛な需要で欧州・アジア向け輸出が好調だった。

 営業利益5億33百万円増益分析は、増益要因が数量・品目構成で12億67百万円、減益要因が原料価格上昇で1億66百万円、製造経費で1億82百万円、販管費で3億86百万円だったとしている。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高75億11百万円で営業利益9億63百万円、第2四半期は売上高74億73百万円で営業利益5億40百万円だった。

 第3四半期以降は新型コロナ感染再拡大や原料価格上昇などの不透明感があるが、第2四半期累計が想定を上回ったため通期予想を上方修正した。

 製紙用薬品事業は売上高が需要回復で18.9%増の178億43百万円だが営業利益が原料価格上昇や先行投資の影響で8.0%減の13億37百万円、樹脂事業は高付加価値製品の拡販などにより売上高が21.9%増の83億44百万円で営業利益が37.0%増の10億96百万円、化成品事業は欧州・アジアへの輸出が牽引して売上高が15.3%増の48億41百万円で営業利益が41.9%増の10億16百万円の見込みとしている。

 通期の営業利益3億28百万円増益分析(計画)は、増益要因が数量・品目構成で23億42百万円、減益要因が原料価格上昇で8億72百万円、製造経費で3億51百万円、販管費で7億91百万円としている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.3%、営業利益が51.1%、経常利益が52.6%、当期純利益が54.5%である。下期は原料価格上昇の影響を想定しているが、需要が回復基調であることを勘案すれば、通期予想は再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 22年4月4日移行予定の新市場区分については、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果で流通株式時価総額がプライム市場不適合となった。上場維持基準の適合に向けた計画書を提出することで当面の間は経過措置が適用されることになっているため、21年7月30日開催の取締役会において経過措置の適用を受けながらプライム市場上場基準への適合を目指すことを決議した。

 株価は7月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形となったが、調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。10月20日の終値は804円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS64円31銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS885円19銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約244億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月30日更新]

星光PMCは戻り試す、21年12月期は再上振れの可能性

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販を推進している。21年12月期は需要回復して増収増益予想(8月10日に上方修正)としている。さらに再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は7月の年初来高値圏から反落してモミ合う形だが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 20年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が58%、樹脂事業が26%、化成品事業が16%、営業利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業が49%、樹脂事業が27%、化成品事業が24%だった。

■海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策を推進

 中期経営計画「New Stage 2021」では、基本方針に国内事業基盤の強化、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の推進、長期的視点に基づいた経営基盤の構築を掲げている。

 国内事業基盤の強化では営業および開発体制の強化、製品ポートフォリオの変革、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施では台湾・新綜工業による粘着剤の事業拡大、ベトナム生産現法設立による製紙用薬品の海外事業拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)事業の拡大、長期的視点に基づいた経営基盤の構築では海外人材の採用・育成、人事・教育制度の整備を推進する。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別の目標は、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、台湾・新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立(21年末完工予定)した。また樹脂事業では台湾・新綜工業において新工場を建設し、台湾2工場体制(平鎮、観音)を構築して生産能力を倍増させた。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

 21年6月には、耐環境特性を付与した透明導電膜向け銀ナノワイヤインクおよびオーバーコート剤の開発をリリースしている。また21年8月には、高バイオマス率で生分解性を有する紙用コート剤の開発をリリースしている。

■21年12月期増収増益予想、さらに再上振れの可能性

 21年12月期連結業績予想(8月10日に上方修正)は、売上高が20年12月期比19.1%増の310億20百万円、営業利益が12.5%増の29億40百万円、経常利益が16.2%増の31億円、親会社株主帰属当期純利益が15.7%増の19億50百万円としている。配当予想は据え置いて20年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比19.5%増の149億84百万円、営業利益が54.9%増の15億03百万円、経常利益が66.0%増の16億32百万円、親会社株主帰属四半期純利益が71.6%増の10億63百万円だった。需要が回復基調となり、数量増や製品ミックス改善効果で大幅増収増益だった。

 製紙用薬品事業は15.4%増収で32.3%増益だった。段ボール原紙を中心に需要が堅調だった。樹脂事業は27.0%増収で49.7%増益だった。粘着剤、印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂の売上が順調に増加した。化成品事業は22.3%増収で91.2%増益だった。機能性モノマーの旺盛な需要で欧州・アジア向け輸出が好調だった。

 営業利益5億33百万円増益分析は、増益要因が数量・品目構成で12億67百万円、減益要因が原料価格上昇で1億66百万円、製造経費で1億82百万円、販管費で3億86百万円だったとしている。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高75億11百万円で営業利益9億63百万円、第2四半期は売上高74億73百万円で営業利益5億40百万円だった。

 第3四半期以降は新型コロナ感染再拡大や原料価格上昇などの不透明感があるが、第2四半期累計が想定を上回ったため通期予想を上方修正した。

 製紙用薬品事業は売上高が需要回復で18.9%増の178億43百万円だが営業利益が原料価格上昇や先行投資の影響で8.0%減の13億37百万円、樹脂事業は高付加価値製品の拡販などにより売上高が21.9%増の83億44百万円で営業利益が37.0%増の10億96百万円、化成品事業は欧州・アジアへの輸出が牽引して売上高が15.3%増の48億41百万円で営業利益が41.9%増の10億16百万円の見込みとしている。

 通期の営業利益3億28百万円増益分析(計画)は、増益要因が数量・品目構成で23億42百万円、減益要因が原料価格上昇で8億72百万円、製造経費で3億51百万円、販管費で7億91百万円としている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.3%、営業利益が51.1%、経常利益が52.6%、当期純利益が54.5%である。下期は原料価格上昇の影響を想定しているが、需要が回復基調であることを勘案すれば、通期予想は再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 22年4月移行予定の新市場区分については、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果で、流通株式時価総額がプライム市場不適合の通知を受けた。上場維持基準の適合に向けた計画書を提出することで当面の間は経過措置が適用されることになっているため、7月30日開催の取締役会において、経過措置の適用を受けながらプライム市場上場基準への適合を目指すことを決議した。

 株価は7月の年初来高値圏から反落してモミ合う形だが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。9月29日の終値は854円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS64円31銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS885円19銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約259億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月02日更新]

星光PMCは調整一巡、21年12月期は大幅増収増益予想、さらに再上振れの可能性

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販を推進している。21年12月期は第2四半期累計が大幅増収増益となり、通期予想を上方修正して大幅増収増益予想としている。さらに再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は7月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 20年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が58%、樹脂事業が26%、化成品事業が16%、営業利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業が49%、樹脂事業が27%、化成品事業が24%だった。

■海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策を推進

 中期経営計画「New Stage 2021」では、基本方針に国内事業基盤の強化、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の推進、長期的視点に基づいた経営基盤の構築を掲げている。

 国内事業基盤の強化では営業および開発体制の強化、製品ポートフォリオの変革、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施では台湾・新綜工業による粘着剤の事業拡大、ベトナム生産現法設立による製紙用薬品の海外事業拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)事業の拡大、長期的視点に基づいた経営基盤の構築では海外人材の採用・育成、人事・教育制度の整備を推進する。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別の目標は、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、台湾・新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立(21年末完工予定)した。また樹脂事業では台湾・新綜工業において新工場を建設し、台湾2工場体制(平鎮、観音)を構築して生産能力を倍増させた。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

 21年6月には、耐環境特性を付与した透明導電膜向け銀ナノワイヤインクおよびオーバーコート剤の開発をリリースしている。また21年8月には、高バイオマス率で生分解性を有する紙用コート剤の開発をリリースしている。

■21年12月期通期予想を上方修正、さらに再上振れの可能性

 21年12月期連結業績予想は8月10日に上方修正して、売上高が20年12月期比19.1%増の310億20百万円、営業利益が12.5%増の29億40百万円、経常利益が16.2%増の31億円、親会社株主帰属当期純利益が15.7%増の19億50百万円としている。配当予想は据え置いて20年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比19.5%増の149億84百万円、営業利益が54.9%増の15億03百万円、経常利益が66.0%増の16億32百万円、親会社株主帰属四半期純利益が71.6%増の10億63百万円だった。需要が回復基調となり、数量増や製品ミックス改善効果で大幅増収増益だった。

 製紙用薬品事業は15.4%増収で32.3%増益だった。段ボール原紙を中心に需要が堅調だった。樹脂事業は27.0%増収で49.7%増益だった。粘着剤、印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂の売上が順調に増加した。化成品事業は22.3%増収で91.2%増益だった。機能性モノマーの旺盛な需要で欧州・アジア向け輸出が好調だった。

 営業利益5億33百万円増益分析は、増益要因が数量・品目構成で12億67百万円、減益要因が原料価格上昇で1億66百万円、製造経費で1億82百万円、販管費で3億86百万円だったとしている。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高75億11百万円で営業利益9億63百万円、第2四半期は売上高74億73百万円で営業利益5億40百万円だった。

 第3四半期以降は新型コロナ感染再拡大や原料価格上昇などの不透明感があるが、第2四半期累計が想定を上回ったため通期予想を上方修正した。

 製紙用薬品事業は売上高が需要回復で18.9%増の178億43百万円だが営業利益が原料価格上昇や先行投資の影響で8.0%減の13億37百万円、樹脂事業は高付加価値製品の拡販などで売上高が21.9%増の83億44百万円で営業利益が37.0%増の10億96百万円、化成品事業は欧州・アジアへの輸出が牽引して売上高が15.3%増の48億41百万円で営業利益が41.9%増の10億16百万円としている。

 通期の営業利益3億28百万円増益分析(計画)は、増益要因が数量・品目構成で23億42百万円、減益要因が原料価格上昇で8億72百万円、製造経費で3億51百万円、販管費で7億91百万円としている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.3%、営業利益が51.1%、経常利益が52.6%、当期純利益が54.5%である。下期は原料価格上昇の影響を想定しているが、需要が回復基調であることを勘案すれば、通期予想は再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 新市場区分については、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果で、流通株式数、流通株式比率、売買代金はプライム市場適合、流通株式時価総額はプライム市場不適合の通知を受けた。上場維持基準の適合に向けた計画書を提出することで当面の間は経過措置が適用されることになっているため、7月30日開催の取締役会において、経過措置の適用を受けながらプライム市場上場基準への適合を目指すことを決定した。

 株価は7月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。9月1日の終値は852円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS64円31銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS885円19銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約258億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月11日更新]

星光PMCは21年12月期2Q累計大幅増収増益で通期予想を上方修正、さらに再上振れの可能性

 星光PMC<4963>(東1)は8月10日の取引時間中に21年12月期第2四半期累計連結業績を発表した。需要が回復基調となって大幅増収増益だった。そして通期予想を上方修正した。さらに再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は大幅増収増益と上方修正に対して材料出尽くしの反応となったが、目先的な売り一巡して上値を試す展開を期待したい。

■21年12月期通期予想を上方修正、さらに再上振れの可能性

 21年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比19.5%増の149億84百万円となり、営業利益が54.9%増の15億03百万円、経常利益が66.0%増の16億32百万円、親会社株主帰属四半期純利益が71.6%増の10億63百万円だった。需要が回復基調となって大幅増収増益だった。

 製紙用薬品事業は15.4%増収で32.3%増益だった。日本国内、中国とも売上が増加した。樹脂事業は27.0%増収で49.7%増益だった。粘着剤、印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂の売上が順調に増加した。化成品事業は22.3%増収で91.2%増益だった。主力の輸出が好調だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高75億11百万円で営業利益9億63百万円、第2四半期は売上高74億73百万円で営業利益5億40百万円だった。

 通期予想は上方修正して売上高が20年12月期比19.1%増の310億20百万円、営業利益が12.5%増の29億40百万円、経常利益が16.2%増の31億円、親会社株主帰属当期純利益が15.7%増の19億50百万円としている。配当予想は据え置いて20年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)である。

 第3四半期以降は新型コロナウイルス感染再拡大や原料価格上昇などの不透明感があるが、第2四半期累計が想定を上回ったため通期予想を上方修正した。修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高48.3%、営業利益51.1%、経常利益52.6%、当期純利益54.5%である。需要が回復基調であることを勘案すれば、通期予想は再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は大幅増収増益と上方修正に対して材料出尽くしの反応となったが、年初来高値圏だったため決算発表時の短期トレードが優勢になった形だろう。目先的な売り一巡して上値を試す展開を期待したい。8月10日の終値は906円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS64円31銭で算出)は約14倍、時価総額は約279億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月02日更新]

星光PMCは上値試す、21年12月期は上振れの可能性

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販を推進している。21年12月期は需要が回復基調で増収増益予想としている。さらに上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。なお21年8月20日付で自己株式42万2321株を消却する。株価は年初来高値更新の展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 20年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が58%、樹脂事業が26%、化成品事業が16%、営業利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業が49%、樹脂事業が27%、化成品事業が24%だった。

■海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策を推進

 中期経営計画「New Stage 2021」では、基本方針に国内事業基盤の強化、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の推進、長期的視点に基づいた経営基盤の構築を掲げている。

 国内事業基盤の強化では営業および開発体制の強化、製品ポートフォリオの変革、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施では台湾・新綜工業による粘着剤の事業拡大、ベトナム生産現法設立による製紙用薬品の海外事業拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)事業の拡大、長期的視点に基づいた経営基盤の構築では海外人材の採用・育成、人事・教育制度の整備を推進する。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別の目標は、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、台湾・新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立(21年末完工予定)した。また樹脂事業では台湾・新綜工業において新工場を建設し、台湾2工場体制(平鎮、観音)を構築して生産能力を倍増させた。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。21年6月には、耐環境特性を付与した透明導電膜向け銀ナノワイヤインクおよびオーバーコート剤の開発をリリースしている。

■21年12月期増収増益予想、さらに上振れの可能性

 21年12月期連結業績予想は売上高が20年12月期比10.0%増の286億40百万円、営業利益が7.2%増の28億円、経常利益が7.2%増の28億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が6.2%増の17億90百万円としている。配当予想は20年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)である。

 需要が回復基調であり、ロジンなど原料価格の上昇、減価償却費や経費の増加などを増収効果で吸収する見込みだ。セグメント別の計画は、製紙用薬品事業は売上高が13.0%増の169億48百万円で営業利益が3.9%増の15億09百万円、樹脂事業は売上高が10.5%増の75億59百万円で営業利益が高付加価値製品の売上増も寄与して35.3%増の10億82百万円、化成品事業は20年後半の海外需要好調の反動などで売上高が1.4%減の41億40百万円で営業利益が13.3%減の6億21百万円としている。

 製紙用薬品事業では差別化製品・サービスの提供、高機能製品による新規商権獲得などで、国内外での拡販を強化する。樹脂事業では市場の変化に対応した製品ポートフォリオの抜本的見直し、生産体制の効率化、環境対応樹脂の開発・販売などで収益基盤再構築を図るとともに、既存事業と台湾・新綜工業の粘着剤事業のシナジー創出を推進する。化成品事業では、競争優位の機能性創造モノマー・オリゴマーによる事業基盤強化を推進する。

 第1四半期は、売上高が前年同期比13.6%増の75億11百万円、営業利益が62.5%増の9億63百万円、経常利益が77.7%増の10億54百万円、親会社株主帰属四半期純利益が79.3%増の7億円だった。需要が回復基調となって大幅増収増益だった。

 製紙用薬品事業は9.3%増収で38.6%増益だった。国内需要は減少だが、中国・東南アジアで売上が増加した。樹脂事業は25.7%増収で76.8%増益だった。記録材料用樹脂が減収だが、粘着剤や印刷インキ用樹脂が牽引した。化成品事業は10.4%増収で87.0%増益だった。主力の輸出が好調だった。

 通期予想を据え置いたが、第1四半期の進捗率は売上高が26.2%、営業利益が34.4%、経常利益が36.9%、当期純利益が39.1%と高水準である。需要が回復基調で通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 なお7月9日付で東京証券取引所から、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果について、流通株式数、流通株式比率、売買代金はプライム市場適合、流通株式時価総額はプライム市場不適合の通知を受けた。上場維持基準の適合に向けた計画書を提出することで、当面の間は経過措置が適用されることになっているため、7月30日開催の取締役会において、経過措置の適用を受けながらプライム市場上場基準への適合を目指すことを決定した。

 また21年8月20日付で自己株式42万2321株を消却する。

 株価は年初来高値更新の展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。7月30日の終値は927円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円03銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS885円19銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約285億円である。
(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
http://media-ir.com/news/
[07月01日更新]

星光PMCは年初来高値更新の展開、21年12月期増収増益予想、さらに上振れの可能性

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販を推進している。21年12月期は需要が回復基調で増収増益予想としている。さらに上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価はモミ合いから上放れて急伸し、年初来高値更新の展開となった。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 20年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が58%、樹脂事業が26%、化成品事業が16%、営業利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業が49%、樹脂事業が27%、化成品事業が24%だった。

■海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策を推進

 中期経営計画「New Stage 2021」では、基本方針に国内事業基盤の強化、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の推進、長期的視点に基づいた経営基盤の構築を掲げている。

 国内事業基盤の強化では営業および開発体制の強化、製品ポートフォリオの変革、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施では台湾・新綜工業による粘着剤の事業拡大、ベトナム生産現法設立による製紙用薬品の海外事業拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)事業の拡大、長期的視点に基づいた経営基盤の構築では海外人材の採用・育成、人事・教育制度の整備を推進する。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別の目標は、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、台湾・新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立(21年末完工予定)した。また樹脂事業では台湾・新綜工業において新工場を建設し、台湾2工場体制(平鎮、観音)を構築して生産能力を倍増させた。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択された。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

 なお21年6月には、耐環境特性を付与した透明導電膜向け銀ナノワイヤインクおよびオーバーコート剤の開発をリリースしている。

■21年12月期増収増益予想、さらに上振れの可能性

 21年12月期連結業績予想は売上高が20年12月期比10.0%増の286億40百万円、営業利益が7.2%増の28億円、経常利益が7.2%増の28億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が6.2%増の17億90百万円としている。配当予想は20年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)である。

 需要が回復基調であり、ロジンなど原料価格の上昇、減価償却費や経費の増加などを増収効果で吸収する見込みだ。セグメント別の計画は、製紙用薬品事業は売上高が13.0%増の169億48百万円で営業利益が3.9%増の15億09百万円、樹脂事業は売上高が10.5%増の75億59百万円で営業利益が高付加価値製品の売上増も寄与して35.3%増の10億82百万円、化成品事業は20年後半の海外需要好調の反動などで売上高が1.4%減の41億40百万円で営業利益が13.3%減の6億21百万円としている。

 製紙用薬品事業では差別化製品・サービスの提供、高機能製品による新規商権獲得などで、国内外での拡販を強化する。樹脂事業では市場の変化に対応した製品ポートフォリオの抜本的見直し、生産体制の効率化、環境対応樹脂の開発・販売などで収益基盤再構築を図るとともに、既存事業と台湾・新綜工業の粘着剤事業のシナジー創出を推進する。化成品事業では、競争優位の機能性創造モノマー・オリゴマーによる事業基盤強化を推進する。

 第1四半期は、売上高が前年同期比13.6%増の75億11百万円、営業利益が62.5%増の9億63百万円、経常利益が77.7%増の10億54百万円、四半期純利益が79.3%増の7億円だった。需要が回復基調となって大幅増収増益だった。

 製紙用薬品事業は9.3%増収で38.6%増益だった。国内需要は減少だが、中国・東南アジアで売上が増加した。樹脂事業は25.7%増収で76.8%増益だった。記録材料用樹脂が減収だが、粘着剤や印刷インキ用樹脂が牽引した。化成品事業は10.4%増収で87.0%増益だった。主力の輸出が好調だった。

 通期予想を据え置いたが、第1四半期の進捗率は売上高が26.2%、営業利益が34.4%、経常利益が36.9%、当期純利益が39.1%と高水準である。需要が回復基調で通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は年初来高値更新の展開

 株価はモミ合いから上放れて急伸し、年初来高値更新の展開となった。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。6月30日の終値は914円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円03銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS885円19銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約281億円である。
(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
http://media-ir.com/news/
[06月04日更新]

星光PMCはモミ合い煮詰まり感、21年12月期増収増益予想、さらに上振れの可能性

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販を推進している。21年12月期増収増益予想である。第1四半期が大幅増収増益と順調であり、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は戻り高値圏でモミ合う形だが煮詰まり感を強めている。上放れを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 20年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が58%、樹脂事業が26%、化成品事業が16%、営業利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業が49%、樹脂事業が27%、化成品事業が24%だった。

■海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策を推進

 中期経営計画「New Stage 2021」では、基本方針に国内事業基盤の強化、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の推進、長期的視点に基づいた経営基盤の構築を掲げている。

 国内事業基盤の強化では営業および開発体制の強化、製品ポートフォリオの変革、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施では台湾・新綜工業による粘着剤の事業拡大、ベトナム生産現法設立による製紙用薬品の海外事業拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)事業の拡大、長期的視点に基づいた経営基盤の構築では海外人材の採用・育成、人事・教育制度の整備を推進する。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別の目標は、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、台湾・新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立(21年末完工予定)した。また樹脂事業では台湾・新綜工業において新工場を建設し、台湾2工場体制(平鎮、観音)を構築して生産能力を倍増させた。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択されたと発表している。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 なお21年4月には「セルロースナノファイバー複合樹脂製造プロセスの開発」について、京都大学、京都市産業技術研究所と共に、令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)を受賞した。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

■21年12月期1Q大幅増収増益、通期上振れの可能性

 21年12月期連結業績予想は売上高が20年12月期比10.0%増の286億40百万円、営業利益が7.2%増の28億円、経常利益が7.2%増の28億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が6.2%増の17億90百万円としている。配当予想は20年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)である。

 需要が回復基調であり、ロジンなど原料価格の上昇、減価償却費や経費の増加などを増収効果で吸収する見込みだ。セグメント別の計画は、製紙用薬品事業は売上高が13.0%増の169億48百万円で営業利益が3.9%増の15億09百万円、樹脂事業は売上高が10.5%増の75億59百万円で営業利益が高付加価値製品の売上増も寄与して35.3%増の10億82百万円、化成品事業は20年後半の海外需要好調の反動などで売上高が1.4%減の41億40百万円で営業利益が13.3%減の6億21百万円としている。

 製紙用薬品事業では差別化製品・サービスの提供、高機能製品による新規商権獲得などで、国内外での拡販を強化する。樹脂事業では市場の変化に対応した製品ポートフォリオの抜本的見直し、生産体制の効率化、環境対応樹脂の開発・販売などで収益基盤再構築を図るとともに、既存事業と台湾・新綜工業の粘着剤事業のシナジー創出を推進する。化成品事業では、競争優位の機能性創造モノマー・オリゴマーによる事業基盤強化を推進する。

 第1四半期は、売上高が前年同期比13.6%増の75億11百万円、営業利益が62.5%増の9億63百万円、経常利益が77.7%増の10億54百万円、四半期純利益が79.3%増の7億円だった。需要が回復基調となって大幅増収増益だった。

 製紙用薬品事業は9.3%増収で38.6%増益だった。国内需要は減少だが、中国・東南アジアで売上が増加した。樹脂事業は25.7%増収で76.8%増益だった。記録材料用樹脂が減収だが、粘着剤や印刷インキ用樹脂が牽引した。化成品事業は10.4%増収で87.0%増益だった。主力の輸出が好調だった。

 通期予想を据え置いたが、第1四半期の進捗率は売上高が26.2%、営業利益が34.4%、経常利益が36.9%、当期純利益が39.1%と順調である。需要が回復基調であり、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価はモミ合い煮詰まり感

 株価は戻り高値圏でモミ合う形だが、下値を切り上げて煮詰まり感を強めている。上放れを期待したい。6月3日の終値は789円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円03銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS885円19銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約243億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月10日更新]

星光PMCは三角保ち合い上放れ期待、21年12月期増収増益予想

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販を推進している。21年12月期増収増益予想である。需要が回復基調であり、増収効果で原料価格上昇や減価償却費増加などを吸収する見込みだ。収益拡大を期待したい。株価は徐々に下値を切り上げている。三角保ち合いから上放れを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 20年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が58%、樹脂事業が26%、化成品事業が16%、営業利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業が49%、樹脂事業が27%、化成品事業が24%だった。

■海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策を推進

 中期経営計画「New Stage 2021」では、基本方針に国内事業基盤の強化、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の推進、長期的視点に基づいた経営基盤の構築を掲げている。

 国内事業基盤の強化では営業および開発体制の強化、製品ポートフォリオの変革、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施では台湾・新綜工業による粘着剤の事業拡大、ベトナム生産現法設立による製紙用薬品の海外事業拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)事業の拡大、長期的視点に基づいた経営基盤の構築では海外人材の採用・育成、人事・教育制度の整備を推進する。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別の目標は、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、台湾・新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立(21年末完工予定)した。また樹脂事業では台湾・新綜工業において新工場を建設し、台湾2工場体制(平鎮、観音)を構築して生産能力を倍増させた。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択されたと発表している。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 なお21年4月には「セルロースナノファイバー複合樹脂製造プロセスの開発」について、京都大学、京都市産業技術研究所と共に、令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)を受賞した。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

■21年12月期増収増益予想

 21年12月期連結業績予想は売上高が20年12月期比10.0%増の286億40百万円、営業利益が7.2%増の28億円、経常利益が7.2%増の28億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が6.2%増の17億90百万円としている。配当予想は20年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)である。

 需要が回復基調であり、ロジンなど原料価格の上昇、減価償却費や経費の増加などを増収効果で吸収する見込みだ。セグメント別の計画は、製紙用薬品事業は売上高が13.0%増の169億48百万円で営業利益が3.9%増の15億09百万円、樹脂事業は売上高が10.5%増の75億59百万円で営業利益が高付加価値製品の売上増も寄与して35.3%増の10億82百万円、化成品事業は20年後半の海外需要好調の反動などで売上高が1.4%減の41億40百万円で営業利益が13.3%減の6億21百万円としている。

 製紙用薬品事業では差別化製品・サービスの提供、高機能製品による新規商権獲得などで、国内外での拡販を強化する。樹脂事業では市場の変化に対応した製品ポートフォリオの抜本的見直し、生産体制の効率化、環境対応樹脂の開発・販売などで収益基盤再構築を図るとともに、既存事業と台湾・新綜工業の粘着剤事業のシナジー創出を推進する。化成品事業では、競争優位の機能性創造モノマー・オリゴマーによる事業基盤強化を推進する。収益拡大を期待したい。

■株価は三角保ち合い上放れ期待

 株価は徐々に下値を切り上げている。三角保ち合いから上放れを期待したい。5月7日の終値は797円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円03銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS885円19銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約245億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月02日更新]

星光PMCは上値試す、21年12月期増収増益予想

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販を推進している。21年12月期増収増益予想である。需要が回復基調であり、増収効果で原料価格上昇や減価償却費増加などを吸収する見込みだ。収益拡大を期待したい。株価は水準を切り上げて戻り高値圏だ。上値を試す展開を期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 20年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が58%、樹脂事業が26%、化成品事業が16%、営業利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業が49%、樹脂事業が27%、化成品事業が24%だった。

■海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策を推進

 中期経営計画「New Stage 2021」では、基本方針に国内事業基盤の強化、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の推進、長期的視点に基づいた経営基盤の構築を掲げている。

 国内事業基盤の強化では営業および開発体制の強化、製品ポートフォリオの変革、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施では台湾・新綜工業による粘着剤の事業拡大、ベトナム生産現法設立による製紙用薬品の海外事業拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)事業の拡大、長期的視点に基づいた経営基盤の構築では海外人材の採用・育成、人事・教育制度の整備を推進する。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別の目標は、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、台湾・新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立(21年末完工予定)した。また樹脂事業では台湾・新綜工業において新工場を建設し、台湾2工場体制(平鎮、観音)を構築して生産能力を倍増させた。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択されたと発表している。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

■21年12月期増収増益予想

 21年12月期連結業績予想は売上高が20年12月期比10.0%増の286億40百万円、営業利益が7.2%増の28億円、経常利益が7.2%増の28億60百万円、当期純利益が6.2%増の17億90百万円としている。配当予想は20年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)である。

 需要が回復基調であり、ロジンなど原料価格の上昇、減価償却費や経費の増加などを増収効果で吸収する見込みとしている。製紙用薬品事業は売上高が13.0%増の169億48百万円で営業利益が3.9%増の15億09百万円、樹脂事業は売上高が10.5%増の75億59百万円で営業利益が高付加価値製品の売上増も寄与して35.3%増の10億82百万円、化成品事業は20年後半の海外需要好調の反動などで売上高が1.4%減の41億40百万円で営業利益が13.3%減の6億21百万円の計画としている。

 製紙用薬品事業では差別化製品・サービスの提供、高機能製品による新規商権獲得などで、国内外での拡販を強化する。樹脂事業では市場の変化に対応した製品ポートフォリオの抜本的見直し、生産体制の効率化、環境対応樹脂の開発・販売などで収益基盤再構築を図るとともに、既存事業と台湾・新綜工業の粘着剤事業のシナジー創出を推進する。化成品事業では、競争優位の機能性創造モノマー・オリゴマーによる事業基盤強化を推進する。

 新型コロナウイルスの影響で中期経営計画の21年12月期目標値は未達の見込みだが、海外事業拡大・新事業構築に向けた施策を推進する方針だ。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は水準を切り上げて戻り高値圏だ。上値を試す展開を期待したい。4月1日の終値は799円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円03銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS885円19銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約246億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月16日更新]

星光PMCは調整一巡、21年12月期増収増益予想

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販を推進している。21年12月期は増収増益予想としている。需要が回復基調であり、増収効果で原料価格上昇や減価償却費増加などを吸収する見込みだ。収益拡大を期待したい。株価は上値が重くモミ合い展開だが、一方では下値を切り上げている。調整一巡してモミ合い上放れの展開を期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 20年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が58%、樹脂事業が26%、化成品事業が16%、営業利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業が49%、樹脂事業が27%、化成品事業が24%だった。

■海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策を推進

 中期経営計画「New Stage 2021」では、基本方針に国内事業基盤の強化、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の推進、長期的視点に基づいた経営基盤の構築を掲げている。

 国内事業基盤の強化では営業および開発体制の強化、製品ポートフォリオの変革、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施では台湾・新綜工業による粘着剤の事業拡大、ベトナム生産現法設立による製紙用薬品の海外事業拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)事業の拡大、長期的視点に基づいた経営基盤の構築では海外人材の採用・育成、人事・教育制度の整備を推進する。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別の目標は、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、台湾・新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立(21年末完工予定)した。また樹脂事業では台湾・新綜工業において新工場を建設し、台湾2工場体制(平鎮、観音)を構築して生産能力を倍増させた。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択されたと発表している。事業期間は20年度〜24年度である。さらに自動車用部材への採用を目指して検討を継続している。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

■21年12月期増収増益予想

 21年12月期連結業績予想は売上高が20年12月期比10.0%増の286億40百万円、営業利益が7.2%増の28億円、経常利益が7.2%増の28億60百万円、当期純利益が6.2%増の17億90百万円としている。配当予想は20年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)である。

 需要が回復基調であり、ロジンなど原料価格の上昇、減価償却費や経費の増加などを増収効果で吸収する見込みとしている。製紙用薬品事業は売上高が13.0%増の169億48百万円で営業利益が3.9%増の15億09百万円、樹脂事業は売上高が10.5%増の75億59百万円で営業利益が高付加価値製品の売上増も寄与して35.3%増の10億82百万円、化成品事業は20年後半の海外需要好調の反動などで売上高が1.4%減の41億40百万円で営業利益が13.3%減の6億21百万円の計画としている。

 製紙用薬品事業では差別化製品・サービスの提供、高機能製品による新規商権獲得などで、国内外での拡販を強化する。樹脂事業では市場の変化に対応した製品ポートフォリオの抜本的見直し、生産体制の効率化、環境対応樹脂の開発・販売などで収益基盤再構築を図るとともに、既存事業と台湾・新綜工業の粘着剤事業のシナジー創出を推進する。化成品事業では、競争優位の機能性創造モノマー・オリゴマーによる事業基盤強化を推進する。

 新型コロナウイルスの影響で中期経営計画の21年12月期目標値は未達の見込みだが、海外事業拡大・新事業構築に向けた施策を推進する方針だ。収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は上値が重くモミ合い展開だが、一方では下値を切り上げている。調整一巡してモミ合い上放れの展開を期待したい。3月15日の終値は784円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円03銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS885円19銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約241億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月22日更新]

星光PMCは下値切り上げ、21年12月期増収増益予想

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販を推進している。20年12月期は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益だったが、計画に対して減収減益幅が縮小した。21年12月期は増収増益予想としている。需要が回復基調であり、収益拡大を期待したい。株価は戻り一服の形だが下値を着実に切り上げている。調整一巡して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業(台湾)の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 20年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が58%、樹脂事業が26%、化成品事業が16%、営業利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業が49%、樹脂事業が27%、化成品事業が24%だった。

■21年12月期営業利益30億円目標

 中期経営計画「New Stage 2021」では、基本方針に国内事業基盤の強化、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施、長期的視点に基づいた経営基盤の構築を掲げている。

 国内事業基盤の強化では営業および開発体制の強化、製品ポートフォリオの変革、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施では台湾・新綜工業による粘着剤の事業拡大、ベトナム生産現法設立による製紙用薬品の海外事業拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)事業の拡大、長期的視点に基づいた経営基盤の構築では海外人材の採用・育成、人事・教育制度の整備を推進する。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立した。21年末に生産開始予定である。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択されたと発表している。事業期間は20年度〜24年度である。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

■21年12月期増収増益予想

 20年12月期連結業績は、売上高が19年12月期比6.9%減の260億46百万円、営業利益が6.4%減の26億12百万円、経常利益が6.1%減の26億67百万円、当期純利益が14.1%減の16億85百万円だった。なお配当は19年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)とした。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益だった。ただし需要が緩やかに回復基調となり、計画に対して減収減益幅が縮小した。製紙用薬品事業は国内・中国とも需要が減少し、11.8%減収で19.3%減益だった。樹脂事業は粘着剤が増加したが、印刷インキ用樹脂・記録材料用樹脂が減少し、3.0%減収で0.5%減益だった。化成品事業は主力製品の輸出が増加し、7.6%増収で31.8%増益だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高66億13百万円で営業利益5億93百万円、第2四半期は売上高59億31百万円で営業利益3億77百万円、第3四半期は売上高63億25百万円で営業利益6億88百万円、第4四半期は売上高71億77百万円で営業利益9億54百万円となった。第2四半期をボトムとして回復傾向である。

 21年12月期連結業績予想は売上高が20年12月期比10.0%増の286億40百万円、営業利益が7.2%増の28億円、経常利益が7.2%増の28億60百万円、当期純利益が6.2%増の17億90百万円としている。配当予想は20年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)である。

 製紙用薬品事業では差別化製品・サービスの提供、高機能製品による新規商権獲得などで、国内外での拡販を強化する。樹脂事業では市場の変化に対応した製品ポートフォリオの抜本的見直し、生産体制の効率化、環境対応樹脂の開発・販売などで収益基盤再構築を図るとともに、既存事業と台湾・新綜工業(台湾)の粘着剤事業のシナジー創出を推進する。化成品事業では、競争優位の機能性創造モノマー・オリゴマーによる事業基盤強化を推進する。需要が回復基調であり、収益拡大を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は戻り一服の形だが下値を着実に切り上げている。調整一巡して出直りを期待したい。2月19日の終値は765円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円03銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS885円19銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約235億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月08日更新]

星光PMCは調整一巡、21年12月期収益拡大期待

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販を推進している。20年12月期は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益予想だが、21年12月期は需要回復して収益拡大を期待したい。株価は反発力の鈍い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業(台湾)の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 19年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業61%、樹脂事業25%、化成品事業14%、利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業57%、樹脂事業26%、化成品事業17%だった。

■21年12月期営業利益30億円目標

 中期経営計画「New Stage 2021」では、基本方針に国内事業基盤の強化、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施、長期的視点に基づいた経営基盤の構築を掲げている。

 国内事業基盤の強化では営業および開発体制の強化、製品ポートフォリオの変革、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施では台湾・新綜工業による粘着剤の事業拡大、ベトナム生産現法設立による製紙用薬品の海外事業拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)事業の拡大、長期的視点に基づいた経営基盤の構築では海外人材の採用・育成、人事・教育制度の整備を推進する。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立した。21年末に生産開始予定である。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択されたと発表している。事業期間は20年度〜24年度である。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

■20年12月期は上方修正して減益幅縮小、21年12月期収益拡大期待

 20年12月期の連結業績予想(8月7日に下方修正、11月12日に上方修正)は、売上高が20年12月期比8.1%減の257億円、営業利益が17.6%減の23億円、経常利益が18.0%減の23億30百万円、そして純利益が25.6%減の14億60百万円としている。配当予想は19年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第3四半期累計は、新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けて、売上高が前年同期比9.0%減の188億69百万円、営業利益が14.9%減の16億58百万円、経常利益が14.2%減の16億83百万円、純利益が23.7%減の10億66百万円だった。

 化成品事業は輸出の好調で6.7%増収・34.6%増益、樹脂事業は5.6%減収だが原価低減効果で3.0%増益だったが、主力の製紙用薬品事業が日本および中国市場の落ち込みで14.0%減収・31.4%減益だった。

 通期ベースでも新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けるが、第3四半期累計が想定を上回ったため通期予想を上方修正し、従来予想に比べて減収減益幅が縮小する見込みとしている。さらに21年12月期は需要回復して収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は反発力の鈍い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。1月7日の終値は715円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS48円15銭で算出)は約15倍、前期推定配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.2%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS850円11銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約220億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月09日更新]

星光PMCはモミ合い上放れ、21年12月期収益拡大期待

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販を推進している。20年12月期は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益予想だが、上方修正して減益幅が縮小する見込みだ。さらに需要回復で21年12月期の収益拡大を期待したい。株価は急伸して安値圏でのモミ合いから上放れの形となった。次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)のテーマ性もあり、戻りを試す展開を期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業(台湾)の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 19年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業61%、樹脂事業25%、化成品事業14%、利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業57%、樹脂事業26%、化成品事業17%だった。

■21年12月期営業利益30億円目標

 中期経営計画「New Stage 2021」では、基本方針に国内事業基盤の強化、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施、長期的視点に基づいた経営基盤の構築を掲げている。

 国内事業基盤の強化では営業および開発体制の強化、製品ポートフォリオの変革、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施では台湾・新綜工業による粘着剤の事業拡大、ベトナム生産現法設立による製紙用薬品の海外事業拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)事業の拡大、長期的視点に基づいた経営基盤の構築では海外人材の採用・育成、人事・教育制度の整備を推進する。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立した。21年末に生産開始予定である。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択されたと発表している。事業期間は20年度〜24年度である。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

■20年12月期は上方修正して減益幅縮小

 20年12月期の連結業績予想(8月7日に下方修正、11月12日に上方修正)は、売上高が20年12月期比8.1%減の257億円、営業利益が17.6%減の23億円、経常利益が18.0%減の23億30百万円、そして純利益が25.6%減の14億60百万円としている。配当予想は19年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 3四半期累計は、新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けて、売上高が前年同期比9.0%減の188億69百万円、営業利益が14.9%減の16億58百万円、経常利益が14.2%減の16億83百万円、純利益が23.7%減の10億66百万円だった。

 化成品事業は輸出の好調で6.7%増収・34.6%増益、樹脂事業は5.6%減収だが原価低減効果で3.0%増益だったが、主力の製紙用薬品事業が日本および中国市場の落ち込みで14.0%減収・31.4%減益だった。

 通期ベースでも新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けるが、第3四半期累計が想定を上回ったため通期予想を上方修正した。従来予想に比べて減収減益幅が縮小する見込みとしている。さらに需要回復で21年12月期の収益拡大を期待したい。

■株価はモミ合い上放れ

 株価は急伸して安値圏でのモミ合いから上放れの形となった。CNFのテーマ性もあり、戻りを試す展開を期待したい。12月8日の終値は753円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS48円15銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS850円11銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約231億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月20日更新]

星光PMCは下値固め完了、20年12月期は上方修正して減益幅縮小

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販を推進している。20年12月期は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益予想だが、上方修正して減益幅が縮小する見込みとしている。さらに需要回復で21年12月期の収益拡大を期待したい。株価は安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業(台湾)の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 19年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業61%、樹脂事業25%、化成品事業14%、利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業57%、樹脂事業26%、化成品事業17%だった。

■21年12月期営業利益30億円目標

 中期経営計画「New Stage 2021」では、基本方針に国内事業基盤の強化、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施、長期的視点に基づいた経営基盤の構築を掲げている。

 国内事業基盤の強化では営業および開発体制の強化、製品ポートフォリオの変革、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施では台湾・新綜工業による粘着剤の事業拡大、ベトナム生産現法設立による製紙用薬品の海外事業拡大、次世代素材ルロースナノファイバー(CNF)事業の拡大、長期的視点に基づいた経営基盤の構築では海外人材の採用・育成、人事・教育制度の整備を推進する。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立した。21年末に生産開始予定である。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択されたと発表している。事業期間は20年度〜24年度である。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

■20年12月期は上方修正して減益幅縮小

 20年12月期の連結業績予想(8月7日に下方修正、11月12日に上方修正)は、売上高が20年12月期比8.1%減の257億円、営業利益が17.6%減の23億円、経常利益が18.0%減の23億30百万円、そして純利益が25.6%減の14億60百万円としている。配当予想は19年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 3四半期累計は、新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けて、売上高が前年同期比9.0%減の188億69百万円、営業利益が14.9%減の16億58百万円、経常利益が14.2%減の16億83百万円、純利益が23.7%減の10億66百万円だった。

 化成品事業は輸出の好調で6.7%増収・34.6%増益、樹脂事業は5.6%減収だが原価低減効果で3.0%増益だったが、主力の製紙用薬品事業が日本および中国市場の落ち込みで14.0%減収・31.4%減益だった。

 通期ベースでも新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けるが、第3四半期累計が想定を上回ったため通期予想を上方修正した。従来予想に比べて減収減益幅が縮小する見込みとしている。さらに需要回復で21年12月期の収益拡大を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。11月19日の終値は653円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS48円15銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS850円11銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約201億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月12日更新]

星光PMCは調整一巡、20年12月期は後半回復期待

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販を推進している。20年12月期は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で大幅減収減益予想としている。後半の需要回復を期待したい。株価は安値圏でモミ合う形だが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業(台湾)の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 19年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業61%、樹脂事業25%、化成品事業14%、利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業57%、樹脂事業26%、化成品事業17%だった。

■21年12月期営業利益30億円目標

 中期経営計画「New Stage 2021」では、基本方針に国内事業基盤の強化、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施、長期的視点に基づいた経営基盤の構築を掲げている。

 国内事業基盤の強化では営業および開発体制の強化、製品ポートフォリオの変革、海外事業拡大・新規事業構築に向けた施策の実施では台湾・新綜工業による粘着剤の事業拡大、ベトナム生産現法設立による製紙用薬品の海外事業拡大、次世代素材ルロースナノファイバー(CNF)事業の拡大、長期的視点に基づいた経営基盤の構築では海外人材の採用・育成、人事・教育制度の整備を推進する。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立した。21年末に生産開始予定である。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択されたと発表している。事業期間は20年度〜24年度である。

 この他の新製品・注目製品として、脱プラスチック・包装材料の紙化を推進する紙塗工用耐水・耐油オールアクリルエマルション、造水膜などに発生するバイオフィルムの形成を抑えるバイオフィルムコントロール剤などの拡販も推進する。

■20年12月期は後半の需要回復期待

 20年12月期の連結業績予想(8月7日に下方修正)は、売上高が19年12月期比10.6%減の250億10百万円で、営業利益が34.8%減の18億20百万円、経常利益が34.9%減の18億50百万円、純利益が39.8%減の11億80百万円としている。配当予想は19年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比7.3%減の125億44百万円、営業利益が21.0%減の9億70百万円、経常利益が22.2%減の9億83百万円、純利益が31.2%減の6億19百万円だった。

 新型コロナウイルスの影響で5月以降に需要環境が急速に悪化し、製紙業界や印刷インキ業界の需要が大幅に落ち込んだ。製紙用薬品事業は国内市場、中国市場とも落ち込んで11.2%減収、37.1%減益だった。樹脂事業は印刷インキ用樹脂・記録材料用樹脂が落ち込んで7.3%減収、8.3%減益だった。化成品事業は輸出拡大で9.1%増収、37.6%増益だった。

 厳しい需要環境が継続すると想定し、通期は大幅減収減益予想としている。通期のセグメント別計画は、製紙用薬品事業が13.4%減収で33.4%営業減益、樹脂事業が8.9%減収で28.3%営業減益、化成品事業が1.3%減収で16.4%営業減益である。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けるが、後半の需要回復を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は安値圏でモミ合う形だが調整一巡感を強めている。20年12月期大幅減収減益予想の織り込みは完了しているだろう。出直りを期待したい。10月9日の終値は670円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS38円92銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS850円11銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約206億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月11日更新]

星光PMCは反発の動き、20年12月期は後半の需要回復期待

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販を推進している。20年12月期は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で大幅減収減益予想としている。期後半の緩やかな需要回復を期待したい。株価は上値を切り下げて軟調だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業(台湾)の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 19年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業61%、樹脂事業25%、化成品事業14%、利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業57%、樹脂事業26%、化成品事業17%だった。

■21年12月期営業利益30億円目標

 中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立した。21年末に生産開始予定である。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。拡販を期待したい。

 20年8月にはNEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択されたと発表している。事業期間は20年度〜24年度である。

■20年12月期は後半の需要回復期待

 20年12月期の連結業績予想(8月7日に下方修正)は、売上高が19年12月期比10.6%減の250億10百万円で、営業利益が34.8%減の18億20百万円、経常利益が34.9%減の18億50百万円、純利益が39.8%減の11億80百万円としている。配当予想は19年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比7.3%減の125億44百万円、営業利益が21.0%減の9億70百万円、経常利益が22.2%減の9億83百万円、純利益が31.2%減の6億19百万円だった。

 新型コロナウイルスの影響で、製紙業界や印刷インキ業界の需要が大幅に落ち込んだ。製紙用薬品事業は国内市場、中国市場とも落ち込んで11.2%減収、37.1%減益だった。樹脂事業は印刷インキ用樹脂・記録材料用樹脂が落ち込んで7.3%減収、8.3%減益だった。化成品事業は輸出拡大で9.1%増収、37.6%増益だった。

 第2四半期累計が厳しい結果だったことを受けて通期予想を下方修正した。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けるが、期後半の緩やかな需要回復を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は上値を切り下げて軟調だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。9月10日の終値は672円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS38円92銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS850円11銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約207億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月20日更新]

星光PMCは20年12月期大幅減収減益予想の織り込み完了

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販を推進している。20年12月期は下方修正して大幅減収減益予想としている。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けるが、期後半からの緩やかな需要回復を期待したい。株価は上値を切り下げる形でやや軟調だが、大幅減収減益予想の織り込み完了して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業(台湾)の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 19年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業61%、樹脂事業25%、化成品事業14%、利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業57%、樹脂事業26%、化成品事業17%だった。

■21年12月期営業利益30億円目標

 中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。

 セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立した。21年末に生産開始予定である。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。拡販を期待したい。

 なお8月3日には、NEDO助成事業の「革新的CNF製造プロセス技術の開発」の助成先に採択されたと発表している。事業期間は20年度〜24年度である。

■20年12月期は下方修正して大幅減収減益予想

 20年12月期の連結業績予想(8月7日に下方修正)は、売上高が19年12月期比10.6%減の250億10百万円で、営業利益が34.8%減の18億20百万円、経常利益が34.9%減の18億50百万円、純利益が39.8%減の11億80百万円としている。配当予想は据え置いて19年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比7.3%減の125億44百万円、営業利益が21.0%減の9億70百万円、経常利益が22.2%減の9億83百万円、純利益が31.2%減の6億19百万円だった。

 新型コロナウイルスの影響で、製紙業界や印刷インキ業界の需要が大幅に落ち込んだ。製紙用薬品事業は国内市場、中国市場とも落ち込んで11.2%減収、37.1%減益だった。樹脂事業は印刷インキ用樹脂・記録材料用樹脂が落ち込んで7.3%減収、8.3%減益だった。化成品事業は輸出拡大で9.1%増収、37.6%増益だった。

 第2四半期累計が厳しい結果だったことを受けて通期予想を下方修正した。下期については経済活動の再開で需要が徐々に回復すると想定している。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けるが、期後半からの緩やかな需要回復を期待したい。

■株価は20年12月期大幅減収減益予想の織り込み完了

 株価は上値を切り下げる形でやや軟調だが、大幅減収減益予想の織り込み完了して出直りを期待したい。8月19日の終値は659円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS38円92銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想16円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS850円11銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約203億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月03日更新]

星光PMCは調整一巡

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、および化成品事業を展開している。20年12月期は微減益予想である。当面は新型コロナウイルスの影響が意識されるが、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販などで中期的に収益拡大を期待したい。株価は戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業(台湾)の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 19年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業61%、樹脂事業25%、化成品事業14%、利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業57%、樹脂事業26%、化成品事業17%だった。

■21年12月期営業利益30億円目標

 中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立した。21年末に生産開始予定である。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。拡販を期待したい。

■20年12月期微減益予想

 20年12月期連結業績予想は、売上高が19年12月期比2.4%増の286億50百万円、営業利益が3.2%減の27億円、経常利益が2.8%減の27億60百万円、純利益が5.2%減の18億60百万円としている。配当予想は19年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)である。

 セグメント別計画は、製紙用薬品が拡販によって2.2%増収で6.1%増益、樹脂が拡販で2.2%増収だが人件費や償却費の増加で6.0%減益、化成品が拡販で3.7%増収だが人件費や償却費の増加で16.2%減益としている。

 第1四半期は売上高が前年同期比1.6%減の66億13百万円となり、営業利益が4.8%減の5億93百万円、経常利益が10.6%減の5億93百万円、純利益が21.9%減の3億90百万円だった。主力の製紙用薬品事業の需要が低調で、全体として減収減益だった。

 製紙用薬品事業は9.2%減収で31.8%減益、樹脂事業は3.0%減収だが原価低減効果で31.9%増益、化成品事業は輸出拡大で33.3%増収、48.9%増益だった。

 当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響が意識されるが、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販などで中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。7月2日の終値は681円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS61円34銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS850円11銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約209億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月09日更新]

星光PMCは戻り試す

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。20年12月期は微減益予想である。当面は新型コロナウイルスの影響が意識されるが、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販などで中期的に収益拡大を期待したい。株価は水準を切り上げて反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業(台湾)の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 19年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業61%、樹脂事業25%、化成品事業14%、利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業57%、樹脂事業26%、化成品事業17%だった。

■21年12月期営業利益30億円目標

 中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立した。21年末に生産開始予定である。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。拡販を期待したい。

■20年12月期微減益予想

 20年12月期連結業績予想は、売上高が19年12月期比2.4%増の286億50百万円、営業利益が3.2%減の27億円、経常利益が2.8%減の27億60百万円、純利益が5.2%減の18億60百万円としている。配当予想は19年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)である。

 セグメント別計画は、製紙用薬品が拡販によって2.2%増収で6.1%増益、樹脂が拡販で2.2%増収だが人件費や償却費の増加で6.0%減益、化成品が拡販で3.7%増収だが人件費や償却費の増加で16.2%減益としている。

 第1四半期は売上高が前年同期比1.6%減の66億13百万円となり、営業利益が4.8%減の5億93百万円、経常利益が10.6%減の5億93百万円、純利益が21.9%減の3億90百万円だった。主力の製紙用薬品事業の需要減少で、全体として減収減益だった。

 製紙用薬品事業は9.2%減収で31.8%減益、樹脂事業は3.0%減収だが原価低減効果で31.9%増益、化成品事業は輸出拡大で33.3%増収、48.9%増益だった。

 当面は新型コロナウイルスの影響が意識されるが、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販などで中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は水準を切り上げて反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。6月8日の終値は750円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS61円34銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想16円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS850円11銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約231億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月21日更新]

星光PMCは下値切り上げ

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。20年12月期第1四半期は減収減益だった。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響が懸念材料となるが、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販などで中期的に収益拡大を期待したい。株価は下値を切り上げて反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業(台湾)の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 19年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業61%、樹脂事業25%、化成品事業14%、利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業57%、樹脂事業26%、化成品事業17%だった。

■21年12月期営業利益30億円目標

 中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立した。21年末に生産開始予定である。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。拡販を期待したい。

■20年12月期減益予想

 20年12月期連結業績予想は、売上高が19年12月期比2.4%増の286億50百万円、営業利益が3.2%減の27億円、経常利益が2.8%減の27億60百万円、純利益が5.2%減の18億60百万円としている。配当予想は19年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)である。

 セグメント別計画は、製紙用薬品が拡販によって2.2%増収で6.1%増益、樹脂が拡販で2.2%増収だが人件費や償却費の増加で6.0%減益、化成品が拡販で3.7%増収だが人件費や償却費の増加で16.2%減益としている。

 第1四半期は売上高が前年同期比1.6%減の66億13百万円となり、営業利益が4.8%減の5億93百万円、経常利益が10.6%減の5億93百万円、純利益が21.9%減の3億90百万円だった。主力の製紙用薬品事業の需要減少で、全体として減収減益だった。

 製紙用薬品事業は9.2%減収で31.8%減益、樹脂事業は3.0%減収だが原価低減効果で31.9%増益、化成品事業は輸出拡大で33.3%増収、48.9%増益だった。

 当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響が懸念材料となるが、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販などで中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は下値を切り上げて反発の動きを強めている。出直りを期待したい。5月20日の終値は684円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS61円34銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS850円11銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約210億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月16日更新]

星光PMCは売り一巡

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。当面は新型コロナウイルス感染症拡大による経済収縮の影響が懸念材料となるが、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販などで中期的に収益拡大を期待したい。株価は安値圏だが売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業(台湾)の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 19年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業61%、樹脂事業25%、化成品事業14%、利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業57%、樹脂事業26%、化成品事業17%だった。

■21年12月期営業利益30億円目標

 中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立した。21年末に生産開始予定である。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。拡販を期待したい。

■20年12月期減益予想

 20年12月期連結業績予想は、売上高が19年12月期比2.4%増の286億50百万円、営業利益が3.2%減の27億円、経常利益が2.8%減の27億60百万円、純利益が5.2%減の18億60百万円としている。配当予想は19年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)である。

 セグメント別計画は、製紙用薬品が拡販によって2.2%増収で6.1%増益、樹脂が拡販で2.2%増収だが人件費や償却費の増加で6.0%減益、化成品が拡販で3.7%増収だが人件費や償却費の増加で16.2%減益としている。

 当面は新型コロナウイルス感染症拡大による経済収縮の影響が懸念材料となるが、次世代素材CNFの拡販などで中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は安値圏だが売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。4月15日の終値は620円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS61円34銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS850円11銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約191億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月23日更新]

星光PMCは売られ過ぎ感、次世代素材CNF拡販期待

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。20年12月期は人件費や償却費の増加で減益予想である。新型コロナウイルス感染拡大による経済収縮の影響も警戒されるが、一方で次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販を期待したい。株価は地合い悪化で昨年来安値を更新する展開だが、売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業(台湾)の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 19年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業61%、樹脂事業25%、化成品事業14%、利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業57%、樹脂事業26%、化成品事業17%だった。

■21年12月期営業利益30億円目標

 中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立した。21年末に生産開始予定である。

■CNF複合材料の採用拡大

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。拡販を期待したい。

■20年12月期減益予想

 20年12月期連結業績予想は、売上高が19年12月期比2.4%増の286億50百万円、営業利益が3.2%減の27億円、経常利益が2.8%減の27億60百万円、純利益が5.2%減の18億60百万円としている。配当予想は19年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)である。

 セグメント別計画は、製紙用薬品が拡販によって2.2%増収で6.1%増益、樹脂が拡販で2.2%増収だが人件費や償却費の増加で6.0%減益、化成品が拡販で3.7%増収だが人件費や償却費の増加で16.2%減益としている。新型コロナウイルス感染拡大による経済収縮の影響も警戒されるが、一方で次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販を期待したい。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化で昨年来安値を更新する展開だが、売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。3月19日の終値は572円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS61円34銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS850円11銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約176億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月25日更新]

星光PMCは調整一巡、20年12月期減益予想だが保守的

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販も推進している。19年12月期は計画超の大幅増益だった。20年12月期は人件費や償却費の増加で減益予想だが保守的だろう。収益拡大を期待したい。株価は軟調展開で上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、樹脂事業(印刷インキ用樹脂、記録材料用樹脂、CNF、19年1月株式追加取得して連結子会社化した台湾・新綜工業(台湾)の粘着剤)、および化成品事業(子会社KJケミカルズの機能性モノマー)を展開している。

 19年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業61%、樹脂事業25%、化成品事業14%、利益構成比(調整前)は製紙用薬品事業57%、樹脂事業26%、化成品事業17%だった。

■21年12月期営業利益30億円目標

 中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年12月には東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立した。21年末に生産開始予定である。

■CNF複合材料の拡販推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年10月には環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

■20年12月期減益予想だが保守的

 19年12月期連結業績は、売上高が18年12月期比8.0%増の279億70百万円で、営業利益が41.7%増の27億90百万円、経常利益が36.5%増の28億39百万円、純利益が25.6%増の19億61百万円だった。配当は18年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)である。

 化成品事業の好調推移や新綜工業(台湾)の新規連結で増収となり、原料調達多様化や原料価格低下なども寄与して計画超の大幅増益だった。製紙用薬品は需要減速で1.5%減収だが、原価低減で12.1%増益だった。樹脂は印刷用インキ樹脂・記録材料用樹脂が減少したが、新綜工業(台湾)の新規連結で37.8%増収、3.3倍増益だった。化成品は輸出売上増加で11.6%増収、29.4%増益だった。

 20年12月期連結業績予想は、売上高が19年12月期比2.4%増の286億50百万円、営業利益が3.2%減の27億円、経常利益が2.8%減の27億60百万円、純利益が5.2%減の18億60百万円としている。配当予想は19年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)である。

 セグメント別計画は、製紙用薬品が拡販によって2.2%増収で6.1%増益、樹脂が拡販で2.2%増収だが人件費や償却費の増加で6.0%減益、化成品が拡販で3.7%増収だが人件費や償却費の増加で16.2%減益としている。全体として人件費や償却費の増加で減益予想だが保守的だろう。収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は軟調展開で上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。2月21日の終値は876円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS61円34銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想16円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS850円11銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約269億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月10日更新]

星光PMCは調整一巡、19年12月期大幅増益予想

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販も推進している。19年12月期大幅増益予想である。20年12月期も収益拡大を期待したい。株価は12月の昨年来高値圏から反落したが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。18年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業67%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業20%、化成品事業14%だった。

■21年12月期営業利益30億円目標

 新中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年1月新綜工業(台湾)の株式を追加取得して連結子会社化した。また19年12月には、東南アジアにおける製紙用薬品の生産拠点として、ベトナムにSEIKO PMC VIETNAMを設立した。21年末に生産開始予定である。

■CNF複合材料の拡販推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。

 また19年10月には「STARCEL」が、環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■19年12月期大幅増益予想

 19年12月期連結業績予想(8月7日に売上高を下方、各利益を上方修正)は、売上高が18年12月期比5.4%増の272億80百万円、営業利益が24.4%増の24億50百万円、経常利益が21.2%増の25億20百万円、そして純利益が15.9%増の18億10百万円としている。配当は18年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比8.6%増の207億40百万円、営業利益が38.4%増の19億49百万円、経常利益が31.1%増の19億62百万円、純利益が21.3%増の13億97百万円だった。19年1月連結子会社化した新綜工業(台湾)も寄与して増収となり、増収効果と原価低減効果で大幅増益だった。

 製紙用薬品は中国における売上減少で1.1%減収だが、原価低減で13.6%増益だった。樹脂は新綜工業(台湾)の新規連結で36.7%増収となり、製品販売構成の高付加価値化進展も寄与して2.9倍増益だった。化成品は主力製品の輸出売上増加で16.0%増収、21.7%増益だった。

 第3四半期累計の進捗率は売上高76.0%、営業利益79.6%と順調である。好業績を期待したい。そして20年12月期も収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は12月の昨年来高値圏から反落したが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。1月9日の終値は970円、前期推定連結PER(会社予想連結EPS59円69銭で算出)は約16倍、前期推定配当利回り(会社予想の16円で算出)は約1.6%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS795円23銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約298億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月09日更新]

星光PMCは上値試す、19年12月期大幅増益予想

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販も推進している。19年12月期大幅増益予想である。20年12月期も収益拡大を期待したい。株価は急伸して年初来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。18年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業67%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業20%、化成品事業14%だった。

■21年12月期営業利益30億円目標

 新中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して連結子会社化した。19年7月にはベトナムに製紙用薬品製造・販売の現地法人を設立(21年中の工場竣工・稼働目標)すると発表した。

■CNF複合材料の拡販推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。

 18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年9月には「STARCEL」が、京都大学、京都市産業技術研究所とともに、第2回エコプロアワード奨励賞を受賞した。19年10月には「STARCEL」が、環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■19年12月期大幅増益予想

 19年12月期連結業績予想(8月7日に売上高を下方、各利益を上方修正)は、売上高が18年12月期比5.4%増の272億80百万円、営業利益が24.4%増の24億50百万円、経常利益が21.2%増の25億20百万円、そして純利益が15.9%増の18億10百万円としている。配当予想は18年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比8.6%増の207億40百万円、営業利益が38.4%増の19億49百万円、経常利益が31.1%増の19億62百万円、純利益が21.3%増の13億97百万円だった。19年1月連結子会社化した新綜工業(台湾)も寄与して増収となり、増収効果と原価低減効果で大幅増益だった。

 製紙用薬品は中国における売上減少で1.1%減収だが、原価低減で13.6%増益だった。樹脂は新綜工業(台湾)の新規連結で36.7%増収となり、製品販売構成の高付加価値化進展も寄与して2.9倍増益だった。化成品は主力製品の輸出売上増加で16.0%増収、21.7%増益だった。

 第3四半期累計の進捗率は売上高76.0%、営業利益79.6%と順調である。好業績を期待したい。そして20年12月期も収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は急伸して年初来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。12月6日の終値は1058円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS59円69銭で算出)は約18倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約1.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS795円23銭で算出)は約1.3倍、時価総額は約325億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月15日更新]

星光PMCは戻り試す、19年12月期大幅増益予想で3Q累計順調

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販も推進している。19年12月期大幅増益予想である。第3四半期累計は大幅増益と順調だった。通期ベースでも収益拡大を期待したい。株価は安値圏モミ合いから上放れの動きとなった。戻りを試す展開を期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。18年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業67%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業20%、化成品事業14%だった。

■21年12月期営業利益30億円目標

 新中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して連結子会社化した。19年7月にはベトナムに製紙用薬品製造・販売の現地法人を設立(21年中の工場竣工・稼働目標)すると発表した。

■CNF複合材料の拡販推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。

 18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。19年9月には「STARCEL」が、京都大学、京都市産業技術研究所とともに、第2回エコプロアワード奨励賞を受賞した。19年10月には「STARCEL」が、環境省NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト製作のコンセプトカーに採用された。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■19年12月期大幅増益予想で3Q累計順調

 19年12月期連結業績予想(8月7日に売上高を下方、各利益を上方修正)は、売上高が18年12月期比5.4%増の272億80百万円、営業利益が24.4%増の24億50百万円、経常利益が21.2%増の25億20百万円、そして純利益が15.9%増の18億10百万円としている。配当予想は18年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比8.6%増の207億40百万円、営業利益が38.4%増の19億49百万円、経常利益が31.1%増の19億62百万円、純利益が21.3%増の13億97百万円だった。19年1月連結子会社化した新綜工業(台湾)も寄与して増収となり、増収効果と原価低減効果で大幅増益だった。

 製紙用薬品は中国における売上減少で1.1%減収だが、原価低減で13.6%増益だった。樹脂は新綜工業(台湾)の新規連結で36.7%増収となり、製品販売構成の高付加価値化進展も寄与して2.9倍増益だった。化成品は主力製品の輸出売上増加で16.0%増収、21.7%増益だった。

 第3四半期累計の進捗率は売上高76.0%、営業利益79.6%と順調である。通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は安値圏モミ合いから上放れの動きとなった。基調転換して戻りを試す展開を期待したい。11月14日の終値は890円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円69銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS795円23銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約274億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月02日更新]

星光PMCは反発の動き、19年12月期大幅増益予想

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販も推進している。19年12月期大幅増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は8月の直近安値圏から反発の動きを強めている。下値固め完了して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。18年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業67%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業20%、化成品事業14%だった。

■21年12月期営業利益30億円目標

 新中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して連結子会社化した。19年7月にはベトナムに製紙用薬品製造・販売の現地法人を設立(21年中の工場竣工・稼働目標)すると発表した。

■CNF複合材料の拡販推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。

 18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料に「STARCEL」が採用され、全世界で累計500万足以上販売されている。また19年9月には「STARCEL」が、京都大学、京都市産業技術研究所とともに、第2回エコプロアワード奨励賞を受賞した。アシックス社製品への実用化に繋げた点が評価された。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■19年12月期大幅増益予想

 19年12月期連結業績予想(8月7日に売上高を下方、各利益を上方修正)は、売上高が18年12月期比5.4%増の272億80百万円、営業利益が24.4%増の24億50百万円、経常利益が21.2%増の25億20百万円、そして純利益が15.9%増の18億10百万円としている。配当予想は18年12月期と同額の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)で、予想配当性向は26.8%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比7.7%増の135億32百万円、営業利益が28.9%増の12億28百万円、経常利益が25.4%増の12億64百万円、純利益が16.2%増の9億円だった。

 売上高は計画を下回ったが、売上原価・販管費の低減、製品販売構成の高付加価値化進展などで計画超の大幅増益だった。純利益は新綜工業(台湾)の連結子会社化に伴う特別利益(負ののれん発生益)計上も寄与した。

 製紙用薬品は中国における売上減少で1.3%減収だが、原価低減で8.4%増益だった。樹脂は新綜工業(台湾)の新規連結で31.1%増収となり、製品販売構成の高付加価値化進展も寄与して2.6倍増益だった。化成品は主力製品の輸出売上増加で16.2%増収、21.2%増益だった。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高49.6%、営業利益50.1%である。通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は8月の直近安値圏から反発の動きを強めている。下値固め完了して出直りを期待したい。10月1日の終値は793円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円69銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS795円23銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約244億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月06日更新]

星光PMCは下値固め完了、19年12月期大幅増益予想

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。19年12月期大幅増益予想である。収益拡大を期待したい。また次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販本格化も期待したい。株価は反発力の鈍い展開だが、下値固め完了して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。18年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業67%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業20%、化成品事業14%だった。

■21年12月期営業利益30億円目標

 新中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して連結子会社化した。19年7月にはベトナムに製紙用薬品製造・販売の現地法人を設立(21年中の工場竣工・稼働目標)すると発表した。

■CNF複合材料の拡販本格化期待

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料の一部に採用された。拡販本格化を期待したい。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■19年12月期大幅増益予想

 19年12月期連結業績予想(8月7日に売上高を下方、各利益を上方修正)は、売上高が18年12月期比5.4%増の272億80百万円、営業利益が24.4%増の24億50百万円、経常利益が21.2%増の25億20百万円、そして純利益が15.9%増の18億10百万円としている。配当予想は18年12月期と同額の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)で、予想配当性向は26.8%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比7.7%増の135億32百万円、営業利益が28.9%増の12億28百万円、経常利益が25.4%増の12億64百万円、純利益が16.2%増の9億円だった。

 売上高は計画を下回ったが、売上原価・販管費の低減、製品販売構成の高付加価値化進展などで計画超の大幅増益だった。純利益は新綜工業(台湾)の連結子会社化に伴う特別利益(負ののれん発生益)計上も寄与した。

 製紙用薬品は中国における売上減少で1.3%減収だが、原価低減で8.4%増益だった。樹脂は新綜工業(台湾)の新規連結で31.1%増収となり、製品販売構成の高付加価値化進展も寄与して2.6倍増益だった。化成品は主力製品の輸出売上増加で16.2%増収、21.2%増益だった。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高49.6%、営業利益50.1%である。通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は反発力の鈍い展開だが、下値固め完了して出直りを期待したい。9月5日の終値は752円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS59円69銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS795円23銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約231億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月09日更新]

星光PMCは反発の動き、19年12月期2Q累計が計画超の大幅増益で通期利益予想も上方修正

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。19年12月期は第2四半期累計が計画超の大幅増益となり、通期利益予想も上方修正した。収益拡大を期待したい。また次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販本格化も期待したい。株価は反発の動きを強めている。下値固め完了して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。18年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業67%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業20%、化成品事業14%だった。

■21年12月期営業利益30億円目標

 新中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

 19年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して連結子会社化した。19年7月にはベトナムに製紙用薬品製造・販売の現地法人を設立(21年中の工場竣工・稼働目標)すると発表した。

■CNF複合材料の拡販本格化期待

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料の一部に採用された。拡販本格化を期待したい。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■19年12月期2Q累計が計画超の大幅増益で通期利益予想も上方修正

 19年12月期連結業績予想(8月7日に売上高を下方、各利益を上方修正)は、売上高が18年12月期比5.4%増の272億80百万円、営業利益が24.4%増の24億50百万円、経常利益が21.2%増の25億20百万円、そして純利益が15.9%増の18億10百万円としている。配当予想は18年12月期と同額の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)で、予想配当性向は26.8%となる。

 第2四半期累計(7月31日に売上高を下方、各利益を上方修正)は、売上高が前年同期比7.7%増の135億32百万円、営業利益が28.9%増の12億28百万円、経常利益が25.4%増の12億64百万円、純利益が16.2%増の9億円だった。

 売上高は計画を下回ったが、売上原価・販管費の低減、製品販売構成の高付加価値化進展などで計画超の大幅増益だった。純利益は新綜工業(台湾)の連結子会社化に伴う特別利益(負ののれん発生益)計上も寄与した。

 製紙用薬品は中国における売上減少で1.3%減収だが、原価低減で8.4%増益だった。樹脂は新綜工業(台湾)の新規連結で31.1%増収となり、製品販売構成の高付加価値化進展も寄与して2.6倍増益だった。化成品は主力製品の輸出売上増加で16.2%増収、21.2%増益だった。

 通期予想は売上高を下方修正したが、各利益を上方修正して大幅増益予想である。半期ベースで見ると、上期の売上高下方・利益上方修正に対して、下期は売上高・利益とも下方修正した形だが、やや保守的だろう。収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は反発の動きを強めている。下値固め完了して出直りを期待したい。8月8日の終値は778円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS59円69銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS795円23銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約239億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月09日更新]

星光PMCは反発の動き、19年12月期2桁営業増益予想

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。19年12月期はM&Aも寄与して2桁営業増益予想である。次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販本格化も期待したい。株価は反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。
■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。18年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業67%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業20%、化成品事業14%だった。なお19年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して連結子会社化した。

■21年12月期営業利益30億円目標

 新中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

■CNF複合材料の拡販本格化期待

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月には、竜ヶ崎工場にあるCNF実証生産設備(パイロットプラント)の生産能力増強工事が完了し、CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料の一部に採用された。18年8月には2例目となるランニングシューズへの採用を発表した。拡販本格化を期待したい。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■19年12月期2桁営業増益予想

 19年12月期連結業績予想は、売上高が18年12月期比9.7%増の284億円、営業利益が17.8%増の23億20百万円、経常利益が15.4%増の24億円、純利益が8.8%増の17億円としている。配当予想は18年12月期と同額の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。予想配当性向は28.6%となる。

 製紙用薬品事業における高機能製品の拡販、海外における稼働率の向上、樹脂事業における製品ポートフォリオの抜本的見直し、新綜工業の新規連結、化成品事業における機能性創造モノマー・オリゴマーの拡販などにより、2桁営業増益予想である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比9.0%増の67億22百万円で、営業利益が7.1%増の6億22百万円、経常利益が12.7%増の6億64百万円、純利益が7.0%増の5億円だった。

 製紙用薬品事業は売上高が1.2%増の40億77百万円で営業利益が4.8%増の4億33百万円だった。国内市場・中国市場で差別化商品を拡販した。樹脂事業は売上高が31.5%増の16億87百万円で営業利益が36.9%増の1億35百万円だった。新綜工業の新規連結が寄与した。化成品事業は売上高が12.0%増の9億57百万円で営業利益が1.4%増の1億45百万円だった。主力製品の輸出が増加した。

 第1四半期の進捗率は売上高23.7%、営業利益26.8%と概ね順調である。通期も好業績を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は6月の直近安値702円から反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。7月8日の終値は800円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS56円07銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS795円23銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約246億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月14日更新]

星光PMCは調整一巡して反発期待、19年12月期2桁営業増益予想

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。19年12月期はM&Aも寄与して2桁営業増益予想である。好業績を期待したい。そして次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販本格化も期待したい。株価は安値圏に回帰した形だが、調整一巡して反発を期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。18年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業67%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業20%、化成品事業14%だった。なお19年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して連結子会社化した。

■21年12月期営業利益30億円目標

 新中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

■CNF複合材料の拡販本格化期待

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月には、竜ヶ崎工場にあるCNF実証生産設備(パイロットプラント)の生産能力増強工事が完了し、CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料の一部に採用された。18年8月には2例目となるランニングシューズへの採用を発表した。拡販本格化を期待したい。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■19年12月期2桁営業増益予想

 19年12月期連結業績予想は、売上高が18年12月期比9.7%増の284億円、営業利益が17.8%増の23億20百万円、経常利益が15.4%増の24億円、純利益が8.8%増の17億円としている。配当予想は18年12月期と同額の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。予想配当性向は28.6%となる。

 製紙用薬品事業における高機能製品の拡販、海外における稼働率の向上、樹脂事業における製品ポートフォリオの抜本的見直し、新綜工業の新規連結、化成品事業における機能性創造モノマー・オリゴマーの拡販などにより、2桁営業増益予想である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比9.0%増の67億22百万円で、営業利益が7.1%増の6億22百万円、経常利益が12.7%増の6億64百万円、純利益が7.0%増の5億円だった。

 製紙用薬品事業は売上高が1.2%増の40億77百万円で営業利益が4.8%増の4億33百万円だった。国内市場・中国市場で差別化商品を拡販した。樹脂事業は売上高が31.5%増の16億87百万円で営業利益が36.9%増の1億35百万円だった。新綜工業の新規連結が寄与した。化成品事業は売上高が12.0%増の9億57百万円で営業利益が1.4%増の1億45百万円だった。主力製品の輸出が増加した。

 第1四半期の進捗率は売上高23.7%、営業利益26.8%と概ね順調である。通期も好業績を期待したい。

■株価は調整一巡して反発期待

 株価は安値圏に回帰した形だが、調整一巡して反発を期待したい。6月13日の終値は757円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS56円07銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS795円23銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約233億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月16日更新]

星光PMCは調整一巡、19年12月期2桁営業増益予想で1Q順調

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。19年12月期はM&Aも寄与して2桁営業増益予想である。第1四半期は概ね順調だった。通期も好業績を期待したい。そして次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の拡販本格化も期待したい。株価は安値圏だが調整一巡して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。18年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業67%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業20%、化成品事業14%だった。なお19年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して連結子会社化した。

■21年12月期営業利益30億円目標

 新中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

■CNF複合材料の拡販本格化期待

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月には、竜ヶ崎工場にあるCNF実証生産設備(パイロットプラント)の生産能力増強工事が完了し、CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料の一部に採用された。18年8月には2例目となるランニングシューズへの採用を発表した。拡販本格化を期待したい。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■19年12月期2桁営業増益予想で1Q順調

 19年12月期連結業績予想は、売上高が18年12月期比9.7%増の284億円、営業利益が17.8%増の23億20百万円、経常利益が15.4%増の24億円、純利益が8.8%増の17億円としている。配当予想は18年12月期と同額の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。予想配当性向は28.6%となる。

 製紙用薬品事業における高機能製品の拡販、海外における稼働率の向上、樹脂事業における製品ポートフォリオの抜本的見直し、新綜工業の新規連結、化成品事業における機能性創造モノマー・オリゴマーの拡販などにより、2桁営業増益予想である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比9.0%増の67億22百万円で、営業利益が7.1%増の6億22百万円、経常利益が12.7%増の6億64百万円、純利益が7.0%増の5億円だった。

 製紙用薬品事業は売上高が1.2%増の40億77百万円で営業利益が4.8%増の4億33百万円だった。国内市場・中国市場で差別化商品を拡販した。樹脂事業は売上高が31.5%増の16億87百万円で営業利益が36.9%増の1億35百万円だった。新綜工業の新規連結が寄与した。化成品事業は売上高が12.0%増の9億57百万円で営業利益が1.4%増の1億45百万円だった。主力製品の輸出が増加した。

 第1四半期の進捗率は売上高23.7%、営業利益26.8%と概ね順調である。通期も好業績を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は安値圏だが、調整一巡して出直りを期待したい。5月15日の終値は765円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS56円07銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS795円23銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約235億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月05日更新]

星光PMCは出直り期待、19年12月期2桁営業増益予想

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。19年12月期は2桁営業増益予想である。次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の商業生産本格化も期待したい。株価は戻り一服の形だが、下値を切り上げている。調整一巡して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。18年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業67%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業20%、化成品事業14%だった。なお19年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して連結子会社化した。

■21年12月期営業利益30億円目標

 新中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

■CNF複合材料の商業生産本格化期待

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月には、竜ヶ崎工場にあるCNF実証生産設備(パイロットプラント)の生産能力増強工事が完了し、CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料の一部に採用された。18年8月には2例目となるランニングシューズへの採用を発表した。商業生産の本格化を期待したい。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■19年12月期2桁営業増益予想

 19年12月期連結業績予想は、売上高が18年12月期比9.7%増の284億円、営業利益が17.8%増の23億20百万円、経常利益が15.4%増の24億円、純利益が8.8%増の17億円としている。配当予想は18年12月期と同額の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。予想配当性向は28.6%となる。

 製紙用薬品事業における高機能製品の拡販、海外における稼働率の向上、樹脂事業における製品ポートフォリオの抜本的見直し、新綜工業の新規連結、化成品事業における機能性創造モノマー・オリゴマーの拡販などにより、2桁営業増益予想である。好業績を期待したい。

■株価は出直り期待

 株価は戻り一服の形だが、下値を切り上げている。調整一巡して出直りを期待したい。4月4日の終値は807円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS56円07銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS795円23銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約248億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月14日更新]

星光PMCは出直り期待、19年12月期2桁営業増益予想

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。19年12月期は2桁営業増益予想である。次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の商業生産本格化も期待したい。株価は戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。18年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業67%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業20%、化成品事業14%だった。なお19年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して連結子会社化した。

■21年12月期営業利益30億円目標

 新中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

■CNF複合材料の商業生産本格化期待

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月には、竜ヶ崎工場にあるCNF実証生産設備(パイロットプラント)の生産能力増強工事が完了し、CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料の一部に採用された。18年8月には2例目となるランニングシューズへの採用を発表した。商業生産の本格化を期待したい。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■19年12月期2桁営業増益予想

 19年12月期連結業績予想は、売上高が18年12月期比9.7%増の284億円、営業利益が17.8%増の23億20百万円、経常利益が15.4%増の24億円、純利益が8.8%増の17億円としている。配当予想は18年12月期と同額の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。予想配当性向は28.6%となる。

 製紙用薬品事業における高機能製品の拡販、海外における稼働率の向上、樹脂事業における製品ポートフォリオの抜本的見直し、新綜工業の新規連結、化成品事業における機能性創造モノマー・オリゴマーの拡販などにより、2桁営業増益予想である。好業績を期待したい。

■株価は調整一巡して出直り期待

 株価は戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。3月13日の終値は815円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS56円07銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS795円23銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約251億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月22日更新]

星光PMCは戻り歩調、19年12月期増収増益予想

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開している。18年12月期は減益だったが、19年12月期は増収増益予想である。新中期経営計画では営業利益30億円(18年12月期実績19億69百万円)を目指している。次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の商業生産本格化も期待したい。株価は12月安値から切り返して戻り歩調だ。出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。18年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業67%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業20%、化成品事業14%だった。なお19年1月には新綜工業(台湾)の株式を追加取得して連結子会社化した。

■21年12月期営業利益30億円目標

 新中期経営計画「New Stage 2021」では主要戦略として、環境経営の実践、収益性向上のための製品ポートフォリオ変革、海外事業の拡大、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤー(AgNW)の事業化推進に向けた技術革新・用途開発の加速、新綜工業の業容拡大とグループ内でのシナジー創出などを掲げている。

 目標数値には21年12月期の売上高320億円、営業利益30億円、営業利益率9.4%、海外売上高比率30%以上、Green Index(独自に定義した環境戦略製品売上高の18年12月実績を100とした指数)126を掲げている。セグメント別には、製紙用薬品事業の売上高185億円で営業利益(連結調整前)19億87百万円、樹脂事業(CNF、AgNW、新綜工業を含む)の売上高92億円で営業利益9億41百万円、化成品事業の売上高43億円で営業利益4億64百万円としている。

■CNF複合材料の商業生産本格化期待

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月には、竜ヶ崎工場にあるCNF実証生産設備(パイロットプラント)の生産能力増強工事が完了し、CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化として、アシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料の一部に採用された。18年8月には2例目となるランニングシューズへの採用を発表した。商業生産の本格化を期待したい。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■19年12月期増収増益予想

 18年12月期連結業績は売上高が17年12月期比3.2%増の258億89百万円、営業利益が11.3%減の19億69百万円、経常利益が15.6%減の20億80百万円、純利益が21.9%減の15億61百万円だった。配当は設立50周年記念配当2円を加えて、3円増配の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)とした。配当性向は31.1%となる。

 差別化商品拡販などで増収だったが、原材料価格上昇などで減益だった。製紙用薬品は売上高が8.5%増の172億70百万円で営業利益が3.2%減の16億06百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が4.8%減の51億21百万円で営業利益が38.4%減の2億43百万円、化成品は主力製品の輸出減少により売上高が7.8%減の34億97百万円で営業利益が15.7%減の4億20百万円だった。

 19年12月期連結業績予想は、売上高が18年12月期比9.7%増の284億円、営業利益が17.8%増の23億20百万円、経常利益が15.4%増の24億円、純利益が8.8%増の17億円としている。配当予想は18年12月期と同額の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。予想配当性向は28.6%となる。

 製紙用薬品事業における高機能製品の拡販、海外における稼働率の向上、樹脂事業における製品ポートフォリオの抜本的見直し、新綜工業の新規連結、化成品事業における機能性創造モノマー・オリゴマーの拡販などにより、増収増益予想である。好業績を期待したい。

■株価は戻り歩調

 株価は12月安値652円から切り返して戻り歩調だ。2月18日には855円まで上伸した。出直りを期待したい。2月21日の終値は816円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS56円07銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS795円23銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約251億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月16日更新]

星光PMCは調整一巡感、18年12月期減益予想だが19年12月期収益改善期待

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。18年12月期は原材料価格上昇で減益予想だが、19年12月期はCNF複合材料の商業生産本格化も寄与して収益改善を期待したい。株価は地合い悪も影響して水準を切り下げたが、調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。17年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業63%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、植物由来の軽量・高強度の次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、水性インキ用コア・シェル・エマルション、アミドエーテル系溶剤、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野における新規開発品戦略を推進している。

 新中期経営計画「CS VISION−2」では目標数値に、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上を掲げている。

■CNF複合材料の商業生産本格化期待

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月には、竜ヶ崎工場にあるCNF実証生産設備(パイロットプラント)の生産能力増強工事が完了し、CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。

 18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化を発表した。CNF複合材料「STARCEL」がアシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料の一部に採用された。また18年8月には2例目となるランニングシューズへの採用を発表した。商業生産の本格化を期待したい。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■18年12月期減益予想だが19年12月期収益改善期待

 18年12月期の連結業績予想は、売上高が17年12月期比3.3%増の259億20百万円、営業利益が9.9%減の20億円、経常利益が13.6%減の21億30百万円、純利益が19.5%減の16億10百万円としている。原材料価格の上昇、人件費や償却費の増加などで減益予想としている。配当予想は設立50周年記念配当2円を加えて、3円増配の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。予想配当性向は30.1%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比4.8%増の190億93百万円、営業利益が8.5%減の14億08百万円、経常利益が13.1%減の14億96百万円、純利益が16.9%減の11億52百万円だった。製紙用薬品事業における差別化商品拡販などで増収だったが、原材料価格上昇などで減益だった。

 製紙用薬品は売上高が11.2%増の128億24百万円で営業利益が0.9%減の11億76百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が0.9%減の37億76百万円で営業利益が15.1%減の1億81百万円、化成品は主力製品の輸出減少により売上高が13.4%減の24億92百万円で営業利益が29.9%減の2億92百万円だった。

 通期のセグメント別計画は、製紙用薬品の売上高が4.8%増の166億75百万円で営業利益が3.9%減の15億94百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が1.6%減の52億92百万円で営業利益が21.2%減の3億12百万円、化成品の売上高が4.2%増の39億53百万円で営業利益が7.0%減の4億63百万円としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高73.7%、営業利益70.4%である。第4四半期の挽回を期待したい。また19年12月期はCNF複合材料の商業生産本格化も寄与して収益改善を期待したい。

■株価は調整一巡感

 株価は地合い悪も影響して水準を切り下げたが、12月25日の昨年来安値652円から反発して調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。1月15日の終値は764円、前期推定連結PER(会社予想連結EPS53円10銭で算出)は約14倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約2.1%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS776円56銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約235億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月18日更新]

星光PMCは売られ過ぎ感、18年12月期減益予想だが19年12月期収益改善期待

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。18年12月期は原材料価格上昇で減益予想だが、19年12月期はCNF複合材料の商業生産本格化も寄与して収益改善を期待したい。株価は年初来安値を更新して軟調展開だが、売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。17年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業63%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、植物由来の軽量・高強度の次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、水性インキ用コア・シェル・エマルション、アミドエーテル系溶剤、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野における新規開発品戦略を推進している。

 新中期経営計画「CS VISION−2」では目標数値に、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上を掲げている。

■CNF複合材料の商業生産本格化期待

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月には、竜ヶ崎工場にあるCNF実証生産設備(パイロットプラント)の生産能力増強工事が完了し、CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。

 18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化を発表した。CNF複合材料「STARCEL」がアシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料の一部に採用された。また18年8月には2例目となるランニングシューズへの採用を発表した。商業生産の本格化を期待したい。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■18年12月期減益予想だが19年12月期収益改善期待

 18年12月期の連結業績予想は、売上高が17年12月期比3.3%増の259億20百万円、営業利益が9.9%減の20億円、経常利益が13.6%減の21億30百万円、純利益が19.5%減の16億10百万円としている。原材料価格の上昇、人件費や償却費の増加などで減益予想としている。配当予想は設立50周年記念配当2円を加えて、3円増配の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。予想配当性向は30.1%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比4.8%増の190億93百万円、営業利益が8.5%減の14億08百万円、経常利益が13.1%減の14億96百万円、純利益が16.9%減の11億52百万円だった。製紙用薬品事業における差別化商品拡販などで増収だったが、原材料価格上昇などで減益だった。

 製紙用薬品は売上高が11.2%増の128億24百万円で営業利益が0.9%減の11億76百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が0.9%減の37億76百万円で営業利益が15.1%減の1億81百万円、化成品は主力製品の輸出減少により売上高が13.4%減の24億92百万円で営業利益が29.9%減の2億92百万円だった。

 通期のセグメント別計画は、製紙用薬品の売上高が4.8%増の166億75百万円で営業利益が3.9%減の15億94百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が1.6%減の52億92百万円で営業利益が21.2%減の3億12百万円、化成品の売上高が4.2%増の39億53百万円で営業利益が7.0%減の4億63百万円としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高73.7%、営業利益70.4%である。第4四半期の挽回を期待したい。また19年12月期はCNF複合材料の商業生産本格化も寄与して収益改善を期待したい。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は12月17日に年初来安値789円まで下押して軟調展開だ。ただし売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。12月17日の終値は791円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS53円10銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS776円56銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約243億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月15日更新]

星光PMCは調整一巡感、CNF複合材料の商業生産本格化期待

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。18年12月期第3四半期累計は減益だった。通期も原材料価格上昇で減益予想だが、CNF複合材料の商業生産本格化を期待したい。株価は調整一巡感を強めている。反発を期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。17年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業63%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、植物由来の軽量・高強度の次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、水性インキ用コア・シェル・エマルション、アミドエーテル系溶剤、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野における新規開発品戦略を推進している。

 新中期経営計画「CS VISION−2」では目標数値に、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上を掲げている。

■CNF複合材料の商業生産本格化期待

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月には、竜ヶ崎工場にあるCNF実証生産設備(パイロットプラント)の生産能力増強工事が完了し、CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。

 18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化を発表した。CNF複合材料「STARCEL」がアシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料の一部に採用された。また18年8月には2例目となるランニングシューズへの採用を発表した。商業生産の本格化を期待したい。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■18年12月期減益予想

 18年12月期の連結業績予想は、売上高が17年12月期比3.3%増の259億20百万円、営業利益が9.9%減の20億円、経常利益が13.6%減の21億30百万円、純利益が19.5%減の16億10百万円としている。

 拡販を推進して増収だが、原材料価格上昇、人件費や償却費の増加で減益予想としている。配当予想は設立50周年記念配当2円を加えて、3円増配の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。予想配当性向は30.1%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比4.8%増の190億93百万円、営業利益が8.5%減の14億08百万円、経常利益が13.1%減の14億96百万円、純利益が16.9%減の11億52百万円だった。製紙用薬品事業における差別化商品拡販などで増収だったが、原材料価格上昇などで減益だった。

 製紙用薬品は売上高が11.2%増の128億24百万円で営業利益が0.9%減の11億76百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が0.9%減の37億76百万円で営業利益が15.1%減の1億81百万円、化成品は主力製品の輸出減少により売上高が13.4%減の24億92百万円で営業利益が29.9%減の2億92百万円だった。

 通期のセグメント別計画は、製紙用薬品の売上高が4.8%増の166億75百万円で営業利益が3.9%減の15億94百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が1.6%減の52億92百万円で営業利益が21.2%減の3億12百万円、化成品の売上高が4.2%増の39億53百万円で営業利益が7.0%減の4億63百万円としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高73.7%、営業利益70.4%である。第4四半期の挽回を期待したい。また中期的にCNF複合材料の商業生産本格化を期待したい。

■株価は調整一巡感

 株価は10月30日に874円まで下押した。地合い悪化も影響して年初来安値圏だ。ただし第3四半期累計減益に対するネガティブ反応は限定的で、調整一巡感を強めている。反発を期待したい。

 11月14日の終値は914円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS53円10銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS776円56銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約281億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月10日更新]

星光PMCは下値固め完了感、CNF複合材料の商業生産本格化期待

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。18年12月期は原材料価格上昇で減益予想だが、CNF複合材料の商業生産本格化を期待したい。株価は下値固め完了感を強めている。反発を期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。17年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業63%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、植物由来の軽量・高強度の次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、水性インキ用コア・シェル・エマルション、アミドエーテル系溶剤、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野における新規開発品戦略を推進している。
 新中期経営計画「CS VISION−2」では目標数値に、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上を掲げている。

■CNF複合材料の商業生産本格化期待

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月には、竜ヶ崎工場にあるCNF実証生産設備(パイロットプラント)の生産能力増強工事が完了し、CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。

 18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化を発表した。CNF複合材料「STARCEL」がアシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料の一部に採用された。また18年8月には2例目となるランニングシューズへの採用を発表した。商業生産の本格化を期待したい。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■18年12月期減益予想

 18年12月期の連結業績予想は、売上高が17年12月期比3.3%増の259億20百万円、営業利益が9.9%減の20億円、経常利益が13.6%減の21億30百万円、純利益が19.5%減の16億10百万円としている。

 拡販を推進して増収だが、原材料価格上昇、人件費や償却費の増加で減益予想としている。配当予想は設立50周年記念配当2円を加えて、3円増配の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。予想配当性向は30.1%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比6.6%増の125億64百万円、営業利益が3.4%減の9億52百万円、経常利益が9.3%減の10億08百万円、純利益が14.2%減の7億75百万円だった。製紙用薬品事業における差別化商品拡販などで増収だったが、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業における原材料価格上昇などで減益だった。

 製紙用薬品は売上高が13.4%増の83億16百万円で営業利益が5.3%増の7億77百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が2.5%増の25億79百万円で営業利益が9.1%減の1億22百万円、化成品は主力製品の輸出減少により売上高が13.8%減の16億67百万円で営業利益が30.5%減の2億10百万円だった。

 通期のセグメント別計画は、製紙用薬品の売上高が4.8%増の166億75百万円で営業利益が3.9%減の15億94百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が1.6%減の52億92百万円で営業利益が21.2%減の3億12百万円、化成品の売上高が4.2%増の39億53百万円で営業利益が7.0%減の4億63百万円としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高48.5%、営業利益47.6%と概ね順調である。通期上振れを期待したい。またCNF複合材料の商業生産本格化を期待したい。

■株価は下値固め完了感

 株価は安値圏1000円台でモミ合う形だが、7月の年初来安値978円を割り込むことなく推移して下値固め完了感を強めている。

 10月9日の終値は1053円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS53円10銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約1.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS776円56銭で算出)は約1.4倍、時価総額は約324億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月21日更新]

星光PMCは調整一巡感、CNF複合材料の商業生産本格化期待

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。18年12月期第2四半期累計は原材料価格上昇で減益だった。通期も減益予想だが、CNF複合材料の商業生産本格化を期待したい。株価は反発力の鈍い展開だが、7月の年初来安値を割り込むことなく調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。17年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業63%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、植物由来の軽量・高強度の次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、水性インキ用コア・シェル・エマルション、アミドエーテル系溶剤、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野における新規開発品戦略を推進している。
 新中期経営計画「CS VISION−2」では目標数値に、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上を掲げている。

■CNF複合材料の商業生産本格化期待

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月には、竜ヶ崎工場にあるCNF実証生産設備(パイロットプラント)の生産能力増強工事が完了し、CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。

 18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化を発表した。CNF複合材料「STARCEL」がアシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料の一部に採用された。また8月17日には2例目となるランニングシューズへの採用を発表している。商業生産の本格化を期待したい。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■18年12月期2Q累計減益で通期も減益予想

 18年12月期の連結業績予想は、売上高が17年12月期比3.3%増の259億20百万円、営業利益が9.9%減の20億円、経常利益が13.6%減の21億30百万円、純利益が19.5%減の16億10百万円としている。

 拡販を推進して増収だが、原材料価格上昇、人件費や償却費等の増加で減益予想としている。配当予想は設立50周年記念配当2円を加えて年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。17年12月期比3円増配で予想配当性向は30.1%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比6.6%増の125億64百万円、営業利益が3.4%減の9億52百万円、経常利益が9.3%減の10億08百万円、純利益が14.2%減の7億75百万円だった。製紙用薬品事業における差別化商品拡販などで増収だったが、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業における原材料価格上昇などで減益だった。

 製紙用薬品は売上高が13.4%増の83億16百万円で営業利益が5.3%増の7億77百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が2.5%増の25億79百万円で営業利益が9.1%減の1億22百万円、化成品は主力製品の輸出減少により売上高が13.8%減の16億67百万円で営業利益が30.5%減の2億10百万円だった。

 通期のセグメント別計画は、製紙用薬品の売上高が4.8%増の166億75百万円で営業利益が3.9%減の15億94百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が1.6%減の52億92百万円で営業利益が21.2%減の3億12百万円、化成品の売上高が4.2%増の39億53百万円で営業利益が7.0%減の4億63百万円としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高48.5%、営業利益47.6%と概ね順調である。通期上振れを期待したい。またCNF複合材料の商業生産本格化を期待したい。

■株価は調整一巡感

 株価は反発力の鈍い展開だが、7月の年初来安値978円を割り込むことなく調整一巡感を強めている。

 8月20日の終値は1029円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS53円10銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS776円56銭で算出)は約1.3倍、時価総額は約316億円である。

 週足チャートで見ると1000円近辺が下値支持線の形だ。調整一巡して出直りを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[7月05日更新]

星光PMCは売られ過ぎ感、18年12月期減益予想だがCNF複合材料の商業生産本格化期待

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。18年12月期減益予想だがCNF複合材料の商業生産本格化を期待したい。株価は地合い悪化の影響で年初来安値圏だが売られ過ぎ感を強めている。売り一巡して反発を期待したい。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。17年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業63%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、植物由来の軽量・高強度の次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、水性インキ用コア・シェル・エマルション、アミドエーテル系溶剤、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野における新規開発品戦略を推進している。17年3月には台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーである新綜工業を持分法適用関連会社化した。

 新中期経営計画「CS VISION−2」では目標数値に、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上を掲げている。

■CNF複合材料の商業生産本格化期待

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月には、竜ヶ崎工場にあるCNF実証生産設備(パイロットプラント)の生産能力増強工事が完了し、CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。

 18年6月には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化を発表した。CNF複合材料「STARCEL」がアシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料の一部に採用された。商業生産の本格化を期待したい。

 また銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■18年12月期減益予想だがCNF複合材料の商業生産本格化期待

 18年12月期の連結業績予想は、売上高が17年12月期比3.3%増の259億20百万円、営業利益が9.9%減の20億円、経常利益が13.6%減の21億30百万円、純利益が19.5%減の16億10百万円としている。国内・海外で拡販を推進して増収予想だが、原材料価格上昇、人件費や償却費等の増加で減益予想としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比5.2%増の61億65百万円で、営業利益が4.9%減の5億81百万円、経常利益が14.5%減の5億89百万円、純利益が14.2%減の4億67百万円だった。原材料価格上昇などで減益だった。売上総利益率は27.2%で2.0ポイント低下、販管費比率は17.8%で1.0ポイント低下した。営業外では持分用投資利益が減少した。

 製紙用薬品は売上高が9.6%増の40億27百万円で営業利益が4.6%減の4億13百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が3.8%増の12億83百万円で営業利益が8.9%減の99百万円、化成品は主力製品の輸出減少で売上高が9.8%減の8億54百万円で営業利益が13.3%減の1億43百万円だった。

 通期のセグメント別計画は、製紙用薬品の売上高が4.8%増の166億75百万円で営業利益が3.9%減の15億94百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が1.6%減の52億92百万円で営業利益が21.2%減の3億12百万円、化成品の売上高が4.2%増の39億53百万円で営業利益が7.0%減の4億63百万円としている。
 
 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高23.8%、営業利益29.1%、経常利益27.7%、純利益29.0%と順調である。通期上振れを期待したい。またCNF複合材料の商業生産本格化を期待したい。配当予想は設立50周年記念配当2円を加えて年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。17年12月期比3円増配で予想配当性向は30.1%となる。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化の影響で水準を切り下げている。7月4日には年初来安値となる980円まで下押した。ただし売られ過ぎ感を強めている。

 7月4日の終値997円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS53円10銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS776円56銭で算出)は約1.3倍である。時価総額は約307億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が拡大して売られ過ぎ感を強めている。売り一巡して反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月11日更新]

星光PMCは調整一巡感、18年12月期減益予想だがCNF複合材料の商業生産本格化期待

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。6月1日には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化を発表している。18年12月期減益予想だが、CNF複合材料の商業生産本格化を期待したい。株価は戻り高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。17年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業63%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、植物由来の軽量・高強度の次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、水性インキ用コア・シェル・エマルション、アミドエーテル系溶剤、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野における新規開発品戦略を推進している。17年3月には台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーである新綜工業を持分法適用関連会社化した。

 新中期経営計画「CS VISION−2」では目標数値に、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上を掲げている。

■CNF複合材料の商業生産本格化期待

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月には、竜ヶ崎工場にあるCNF実証生産設備(パイロットプラント)の生産能力増強工事が完了し、CNF複合材料「STARCEL」ブランドでの商業生産・製品出荷を開始した。商業生産の本格化を期待したい。

 6月1日には世界初のCNF強化樹脂応用製品の商品化を発表した。CNF複合材料「STARCEL」がアシックス<7936>の高機能ランニングシューズ製品のミッドソール部材の原材料の一部に採用された。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■18年12月期減益予想だがCNF複合材料の商業生産本格化期待

 18年12月期の連結業績予想は、売上高が17年12月期比3.3%増の259億20百万円、営業利益が9.9%減の20億円、経常利益が13.6%減の21億30百万円、純利益が19.5%減の16億10百万円としている。国内・海外で拡販を推進して増収予想だが、原材料価格上昇、人件費や償却費等の増加で減益予想としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比5.2%増の61億65百万円で、営業利益が4.9%減の5億81百万円、経常利益が14.5%減の5億89百万円、純利益が14.2%減の4億67百万円だった。原材料価格上昇などで減益だった。売上総利益率は27.2%で2.0ポイント低下、販管費比率は17.8%で1.0ポイント低下した。営業外では持分用投資利益が減少した。

 製紙用薬品は売上高が9.6%増の40億27百万円で営業利益が4.6%減の4億13百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が3.8%増の12億83百万円で営業利益が8.9%減の99百万円、化成品は主力製品の輸出減少で売上高が9.8%減の8億54百万円で営業利益が13.3%減の1億43百万円だった。

 通期のセグメント別計画は、製紙用薬品の売上高が4.8%増の166億75百万円で営業利益が3.9%減の15億94百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が1.6%減の52億92百万円で営業利益が21.2%減の3億12百万円、化成品の売上高が4.2%増の39億53百万円で営業利益が7.0%減の4億63百万円としている。
 
 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高23.8%、営業利益29.1%、経常利益27.7%、純利益29.0%と順調である。通期上振れを期待したい。またCNF複合材料の商業生産本格化を期待したい。配当予想は設立50周年記念配当2円を加えて年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。17年12月期比3円増配で予想配当性向は30.1%となる。

■株価は調整一巡感

 株価は戻り高値圏1200円台から反落したが、大きく下押すことなく調整一巡感を強めている。

 6月8日の終値1140円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS53円10銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約1.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS776円56銭で算出)は約1.5倍である。時価総額は約350億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、調整一巡して反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月10日更新]

星光PMCは戻り高値圏、CNF複合材料の商業生産本格化期待

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。18年12月期減益予想だが、CNF複合材料の商業生産本格化を期待したい。株価は戻り高値圏だ。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。17年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業63%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、植物由来の軽量・高強度の次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、水性インキ用コア・シェル・エマルション、アミドエーテル系溶剤、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野における新規開発品戦略を推進している。17年3月には台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーである新綜工業を持分法適用関連会社化した。

 新中期経営計画「CS VISION−2」では目標数値に、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上を掲げている。

■CNF複合材料の商業生産本格化期待

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月には、竜ヶ崎工場にあるCNF実証生産設備(パイロットプラント)の生産能力増強工事が完了し、「STARCEL」ブランドでCNF複合材料の商業生産・製品出荷を開始した。商業生産の本格化を期待したい。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■18年12月期減益予想だがCNF複合材料の商業生産本格化期待

 18年12月期の連結業績予想は、売上高が17年12月期比3.3%増の259億20百万円、営業利益が9.9%減の20億円、経常利益が13.6%減の21億30百万円、純利益が19.5%減の16億10百万円としている。国内・海外で拡販を推進して増収予想だが、原材料価格上昇、人件費や償却費等の増加で減益予想としている。CNF複合材料の商業生産本格化を期待したい。

 セグメント別の計画は、製紙用薬品は売上高が4.8%増の166億75百万円で営業利益が3.9%減の15億94百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が1.6%減の52億92百万円で営業利益が21.2%減の3億12百万円、化成品は売上高が4.2%増の39億53百万円で営業利益が7.0%減の4億63百万円としている。

 配当予想は設立50周年記念配当2円を加えて年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。17年12月期比3円増配で、予想配当性向は30.1%となる。

■株価は戻り高値圏

 株価は3月の直近安値1004円から切り返し、4月26日に1265円まで上伸した。水準を切り上げて戻り高値圏だ。

 5月9日の終値1232円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS53円10銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約1.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS776円56銭で算出)は約1.6倍である。時価総額は約379億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を突破した。急伸した1月高値1443円を目指す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月10日更新]

星光PMCは戻り歩調、18年12月期減益予想だがCNF複合材料の商業生産本格化期待

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。18年1月にはCNF複合材料の商業生産・製品出荷を開始した。18年12月期は減益予想だが、CNF複合材料の商業生産本格化を期待したい。株価は調整一巡して戻り歩調だ。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。17年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業63%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、植物由来の軽量・高強度の次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、水性インキ用コア・シェル・エマルション、アミドエーテル系溶剤、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野における新規開発品戦略を推進している。17年3月には台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーである新綜工業を持分法適用関連会社化した。

 新中期経営計画「CS VISION−2」では目標数値に、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上を掲げている。

■CNF複合材料の商業生産本格化期待

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 18年1月には、竜ヶ崎工場にあるCNF実証生産設備(パイロットプラント)の生産能力増強工事が完了し、「STARCEL」ブランドでCNF複合材料の商業生産・製品出荷を開始した。商業生産の本格化を期待したい。

 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■18年12月期減益予想だがCNF複合材料の商業生産本格化期待

 18年12月期の連結業績予想は、売上高が17年12月期比3.3%増の259億20百万円、営業利益が9.9%減の20億円、経常利益が13.6%減の21億30百万円、純利益が19.5%減の16億10百万円としている。国内・海外で拡販を推進して増収予想だが、原材料価格上昇、人件費や償却費等の増加で減益予想としている。CNF複合材料の商業生産本格化を期待したい。

 セグメント別の計画は、製紙用薬品は売上高が4.8%増の166億75百万円で営業利益が3.9%減の15億94百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が1.6%減の52億92百万円で営業利益が21.2%減の3億12百万円、化成品は売上高が4.2%増の39億53百万円で営業利益が7.0%減の4億63百万円としている。

 配当予想は設立50周年記念配当2円を加えて年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。17年12月期比3円増配で、予想配当性向は30.1%となる。

■株価は調整一巡して戻り歩調

 株価は3月26日の直近安値1004円から切り返し、4月9日には1179円まで上伸した。調整一巡して戻り歩調だ。

 4月9日の終値1173円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS53円10銭で算出)は約22倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約1.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS776円56銭で算出)は約1.5倍である。時価総額は約361億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。戻りを試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月20日更新]

星光PMCは調整一巡感、CNF複合材料の商業生産本格化期待

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。18年1月にはCNF複合材料の商業生産・製品出荷を開始した。18年12月期は減益予想だが、CNF複合材料の商業生産本格化を期待したい。株価は戻りの鈍い展開だが、調整一巡感を強めている。
 
■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開
 
 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。17年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業63%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%だった。
 
 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、植物由来の軽量・高強度の次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、水性インキ用コア・シェル・エマルション、アミドエーテル系溶剤、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野における新規開発品戦略を推進している。17年3月には台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーである新綜工業を持分法適用関連会社化した。
 
 新中期経営計画「CS VISION−2」では目標数値に、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上を掲げている。
 
■CNF複合材料の商業生産本格化期待
 
 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。
 
 18年1月には、竜ヶ崎工場にあるCNF実証生産設備(パイロットプラント)の生産能力増強工事が完了し、「STARCEL」ブランドでCNF複合材料の商業生産・製品出荷を開始した。商業生産の本格化を期待したい。
 
 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。
 
■18年12月期減益予想だがCNF複合材料の商業生産本格化期待
 
 18年12月期の連結業績予想は、売上高が17年12月期比3.3%増の259億20百万円、営業利益が9.9%減の20億円、経常利益が13.6%減の21億30百万円、純利益が19.5%減の16億10百万円としている。国内・海外で拡販を推進して増収予想だが、原材料価格上昇、人件費や償却費等の増加で減益予想としている。CNF複合材料の商業生産本格化を期待したい。
 
 セグメント別の計画は、製紙用薬品は売上高が4.8%増の166億75百万円で営業利益が3.9%減の15億94百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が1.6%減の52億92百万円で営業利益が21.2%減の3億12百万円、化成品は売上高が4.2%増の39億53百万円で営業利益が7.0%減の4億63百万円としている。
 
 配当予想は設立50周年記念配当2円を加えて年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。17年12月期比3円増配で、予想配当性向は30.1%となる。
 
■株価は調整一巡感
 
 株価は戻りの鈍い展開で安値圏だが、2月の直近安値1014円を割り込むことなく調整一巡感を強めている。
 
 3月19日の終値1095円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS53円10銭で算出)は20〜21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は1.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS776円56銭で算出)は1.4倍近辺である。時価総額は約337億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、2月安値水準まで下押す動きは見られない。調整一巡して反発が期待される。( 情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)

[3月02日更新]

星光PMCは調整一巡感、18年12月期減益予想だがCNF複合材料の商業生産本格化期待
 
 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。18年12月期は減益予想だが、CNF複合材料の商業生産本格化を期待したい。株価は調整一巡感を強めている。
 
■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開
 
 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。17年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業63%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%だった。
 
 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、植物由来の軽量・高強度の次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、水性インキ用コア・シェル・エマルション、アミドエーテル系溶剤、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野における新規開発品戦略を推進している。また17年3月には、台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーである新綜工業を持分法適用関連会社化した。
 
 新中期経営計画「CS VISION−2」では目標数値に、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上を掲げている。
 
■CNF複合材料の商業生産開始
 
 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。
 
 18年1月1には、竜ヶ崎工場にあるCNF実証生産設備(パイロットプラント)の生産能力増強工事が完了し、「STARCEL」ブランドでCNF複合材料の商業生産・製品出荷を開始した。
 
 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。
 
■18年12月期減益予想だがCNF複合材料の商業生産本格化期待
 
 17年12月期連結業績は、売上高が16年12月期比3.0%増の250億86百万円、営業利益が3.5%減の22億20百万円、経常利益が6.5%増の24億64百万円、純利益が11.4%増の19億99百万円だった。配当は1円増配の年間13円(第2四半期末6円、期末7円)とした。配当性向は19.7%である。
 
 国内・海外とも製紙用薬品が堅調に推移して増収だったが、原料価格上昇の影響で営業減益だった。ただし計画に対して営業利益は減益幅が縮小した。売上総利益率は26.8%で0.9ポイント低下、販管費比率は17.9%で0.4ポイント低下した。経常利益と純利益は、持分法投資利益の計上や為替差損益の改善で、減益予想から一転して増益での着地となった。
 
 製紙用薬品は売上高が2.8%増の159億12百万円で営業利益が12.4%減の16億59百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が4.1%増の53億79百万円で営業利益が27.7%増の3億96百万円、化成品は売上高が2.7%増の37億94百万円で営業利益が0.2%増の4億98百万円だった。
 
 18年12月期の連結業績予想は、売上高が17年12月期比3.3%増の259億20百万円、営業利益が9.9%減の20億円、経常利益が13.6%減の21億30百万円、純利益が19.5%減の16億10百万円としている。国内・海外で拡販を推進して増収予想だが、原材料価格上昇、人件費や償却費等の増加で減益予想としている。CNF複合材料の商業生産本格化を期待したい。
 
 セグメント別の計画は、製紙用薬品は売上高が4.8%増の166億75百万円で営業利益が3.9%減の15億94百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が1.6%減の52億92百万円で営業利益が21.2%減の3億12百万円、化成品は売上高が4.2%増の39億53百万円で営業利益が7.0%減の4億63百万円としている。
 
 配当は設立50周年記念配当2円を加えて年間16円(第2四半期末8円、期末8円)とした。17年12月期比3円増配で、予想配当性向は30.1%となる。
 
■株価は調整一巡感
 
 株価はCNF複合材料商業生産開始を材料視した1月16日高値1443円から急反落したが、2月14日の直近安値1014円から切り返して調整一巡感を強めている。
 
 3月1日の終値1136円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS53円10銭で算出)は21〜22倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は1.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS776円56銭で算出)は1.5倍近辺である。時価総額は約349億円である。
 
 週足チャートで見ると安値圏の下ヒゲで調整一巡感を強めている。出直りが期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR) [1月19日更新]

星光PMCは急動意、CNF商業生産開始も寄与して18年12月期収益改善期待
 
 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。17年12月期減益予想だが、18年12月期はCNF複合材料の商業生産開始も寄与して収益改善が期待される。株価はCNF商業生産開始を好感して急動意の形となった。ボックス上放れを期待したい。
 
■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開
 
 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。16年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%だった。
 
 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。17年3月には台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーである新綜工業を持分法適用関連会社化した。
 
 新中期経営計画「CS VISION−2」では目標数値に、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上を掲げている。
 
■CNF複合材料の商業生産開始
 
 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。
 
 そして1月16日には、竜ヶ崎工場にあるCNF実証生産設備(パイロットプラント)の生産能力増強工事が完了し、「STARCEL」ブランドでCNF複合材料の商業生産・製品出荷を開始したと発表している。
 
 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。
 
■17年12月期減益予想だが増額余地、18年12月期の収益改善期待
 
 前期(17年12月期)の連結業績予想(8月8日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が前々期(16年12月期)比0.5%減の242億30百万円、営業利益が13.1%減の20億円、経常利益が5.8%減の21億80百万円、純利益が3.0%減の17億40百万円、配当予想は前々期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。
 
 第3四半期累計は売上高が前年同期比0.3%増の182億24百万円、営業利益が12.8%減の15億39百万円、経常利益が3.3%増の17億22百万円、純利益が1.5%増の13億86百万円だった。
 
 売上の伸び悩みや原料価格上昇などで営業減益だった。売上総利益率は27.0%で0.7ポイント低下、販管費比率は18.5%で0.5ポイント上昇した。ただし営業外での為替差損益の改善や台湾新綜工業の株式取得に伴う持分法投資利益計上が寄与して、経常利益と純利益は増益だった。
 
 製紙用薬品は売上高が0.1%減の115億35百万円で営業利益が18.5%減の11億86百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が1.4%減の38億11百万円で営業利益が12.8%減の2億13百万円、化成品は売上高が4.1%増の28億78百万円で営業利益が13.7%増の4億17百万円だった。
 
 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.2%、営業利益が77.0%、経常利益が79.0%、純利益が79.7%である。通期会社予想に増額余地がありそうだ。そして今期(18年12月期)はCNF複合材料の商業生産開始も寄与して収益改善が期待される。
 
■株価は急動意、ボックスレンジ上放れ期待
 
 株価は1100円〜1300円近辺でのボックス展開だったが、CNF複合材料商業生産開始を好感して急動意の形となった。レンジ下限の1100円台から1月16日には昨年来高値となる1443円まで急伸した。
 
 1月18日の終値1321円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS57円38銭で算出)は23倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は0.9%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS713円14銭で算出)は1.9倍近辺である。時価総額は約406億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線を突破した。乱高下で上ヒゲをつけたが、ボックスレンジ上放れを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月22日更新]

星光PMCは17年12月期減益予想だが18年12月期収益改善期待

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。17年12月期減益予想だが増額余地がありそうだ。そして18年12月期は収益改善を期待したい。株価はボックス展開だがレンジ下限から反発を期待したい。
 
■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開
 
 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。16年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%だった。
 
 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。17年3月には台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーである新綜工業を持分法適用関連会社化した。
 
 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。
 
 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。
 
 新中期経営計画「CS VISION−2」では目標数値に、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上を掲げている。
 
■17年12月期減益予想だが増額余地、18年12月期の収益改善期待
 
 今期(17年12月期)の連結業績予想(8月8日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が前期(16年12月期)比0.5%減の242億30百万円、営業利益が13.1%減の20億円、経常利益が5.8%減の21億80百万円、純利益が3.0%減の17億40百万円、配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。
 
 第3四半期累計は売上高が前年同期比0.3%増の182億24百万円、営業利益が12.8%減の15億39百万円、経常利益が3.3%増の17億22百万円、純利益が1.5%増の13億86百万円だった。
 
 売上の伸び悩みや原料価格上昇などで営業減益だった。売上総利益率は27.0%で0.7ポイント低下、販管費比率は18.5%で0.5ポイント上昇した。ただし営業外での為替差損益の改善や台湾新綜工業の株式取得に伴う持分法投資利益計上が寄与して、経常利益と純利益は増益だった。
 
 製紙用薬品は売上高が0.1%減の115億35百万円で営業利益が18.5%減の11億86百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が1.4%減の38億11百万円で営業利益が12.8%減の2億13百万円、化成品は売上高が4.1%増の28億78百万円で営業利益が13.7%増の4億17百万円だった。
 
 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.2%、営業利益が77.0%、経常利益が79.0%、純利益が79.7%である。通期会社予想に増額余地がありそうだ。そして来期(18年12月期)の収益改善を期待したい。
 
■株価はボックスレンジ下限から反発期待
 
 株価は1100円〜1300円円近辺でボックス展開だ。12月21日は1120円まで調整してレンジ下限に接近した。
 
 12月21日の終値1127円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS57円38銭で算出)は19〜20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS713円14銭で算出)は1.6倍近辺である。時価総額は約346億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、1100円近辺のレンジ下限から反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月28日更新]

星光PMCは調整一巡感、17年12月期減益予想だが増額余地、18年12月期は収益改善期待
 
 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。17年12月期減益予想だが増額余地がありそうだ。そして18年12月期は収益改善が期待される。株価は戻りの鈍い展開だが調整一巡感を強めている。
 
■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開
 
 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。16年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%だった。
 
 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。17年3月には台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーである新綜工業を持分法適用関連会社化した。
 
 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。
 
 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。
 
 新中期経営計画「CS VISION−2」では目標数値に、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上を掲げている。
 
■17年12月期3Q累計は営業減益、経常・最終増益
 
 今期(17年12月期)第3四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比0.3%増の182億24百万円、営業利益が12.8%減の15億39百万円、経常利益が3.3%増の17億22百万円、純利益が1.5%増の13億86百万円だった。
 
 製紙用薬品事業と印刷インキ用・記録材料用樹脂事業の伸び悩みで微増収にとどまり、原料価格上昇も影響して営業減益だった。売上総利益率は27.0%で0.7ポイント低下、販管費比率は18.5%で0.5ポイント上昇した。ただし営業外での為替差損益の改善や台湾新綜工業の株式取得に伴う持分法投資利益計上が寄与して、経常利益と純利益は増益だった。
 
 製紙用薬品は売上高が0.1%減の115億35百万円で営業利益が18.5%減の11億86百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が1.4%減の38億11百万円で営業利益が12.8%減の2億13百万円、化成品は売上高が4.1%増の28億78百万円で営業利益が13.7%増の4億17百万円だった。
 
■17年12月期減益予想だが増額余地、18年12月期は収益改善期待
 
 今期(17年12月期)の連結業績予想(8月8日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が前期(16年12月期)比0.5%減の242億30百万円、営業利益が13.1%減の20億円、経常利益が5.8%減の21億80百万円、純利益が3.0%減の17億40百万円、配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。
 
 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.2%、営業利益が77.0%、経常利益が79.0%、純利益が79.7%である。通期会社予想に増額余地がありそうだ。そして来期(18年12月期)は収益改善が期待される。
 
■株価は調整一巡感
 
 株価は戻りが鈍く1200円近辺でモミ合う展開だ。ただし大きく下押すことなく調整一巡感を強めている。
 
 11月27日の終値1201円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS57円38銭で算出)は20〜21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS713円14銭で算出)は1.7倍近辺である。時価総額は約369億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、1100円近辺が下値支持線の形だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
 [10月16日更新]

星光PMCは調整一巡感、17年12月期減益予想だが18年12月期収益改善期待      
 星光PMC <4963> は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。17年12月期減益予想だが利益を増額している。そして18年12月期は収益改善が期待される。株価は調整一巡感を強めている。
 
■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開
 
 DIC <4631> の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。16年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%だった。
 
 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。17年3月には台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーである新綜工業を持分法適用関連会社化した。
 
 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。
 
 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。
 
 新中期経営計画「CS VISION−2」では目標数値に、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上を掲げている。
 
■17年12月期減益予想だが18年12月期は収益改善期待
 
 今期(17年12月期)の連結業績予想(8月8日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が前期(16年12月期)比0.5%減の242億30百万円、営業利益が13.1%減の20億円、経常利益が5.8%減の21億80百万円、純利益が3.0%減の17億40百万円、配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。
 
 第2四半期累計(1〜6月)は、売上高が前年同期比1.9%減収で、営業利益が8.3%減益、経常利益が13.0%増益、純利益が10.1%増益だった。国内外の販売苦戦で売上数量が減少して売上高が計画を下回り、人件費などの増加で営業減益だった。ただし化成品事業が堅調に推移し、製品販売構成の高付加価値化進展、台湾新綜工業の株式取得に伴う持分法投資利益計上、投資有価証券売却益計上などで、期初計画に対して各利益は上振れて着地した。
 
 今期(17年12月期)は減益予想だが、来期(18年12月期)は収益改善が期待される。
 
■株価は調整一巡感
 
 株価は8月の直近安値1118円から徐々に下値を切り上げて調整一巡感を強めている。
 
 10月13日の終値1194円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS57円38銭で算出)は20〜21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS713円14銭で算出)は1.7倍近辺である。時価総額は約367億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。調整一巡して反発が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月24日更新]

星光PMCは調整一巡感、17年12月期減益予想だが18年12月期は収益改善期待

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。17年12月期減益予想だが利益を増額している。そして18年12月期は収益改善が期待される。株価は調整一巡感を強めている。
 
■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開
 
 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(子会社KJケミカルズ)を展開している。また17年3月には台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーである新綜工業を持分法適用関連会社化した。16年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%だった。
 
 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。
 
 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。
 
 銀ナノワイヤーは、直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。
 
 新中期経営計画「CS VISION−2」では目標数値に、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上を掲げている。
 
■17年12月期減益予想だが18年12月期は収益改善期待
 
 今期(17年12月期)の連結業績予想(8月8日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が前期(16年12月期)比0.5%減の242億30百万円、営業利益が13.1%減の20億円、経常利益が5.8%減の21億80百万円、純利益が3.0%減の17億40百万円、配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。
 
 第2四半期累計(1〜6月)の連結業績は売上高が前年同期比1.9%減収、営業利益が8.3%減益、経常利益が13.0%増益、純利益が10.1%増益だった。国内外の販売苦戦で売上数量が減少して売上高が計画を下回り、人件費などの増加で営業減益だった。ただし化成品事業が堅調に推移し、製品販売構成の高付加価値化進展、台湾新綜工業の株式取得に伴う持分法投資利益計上、投資有価証券売却益計上などで、期初計画に対して各利益は上振れて着地した。
 
 今期(17年12月期)は減益予想だが、来期(18年12月期)は収益改善が期待される。
 
■株価は調整一巡感
 
 株価は戻り高値圏1300円台から反落して水準を切り下げたが、安値圏1100円台で調整一巡感を強めている。
 
 9月21日の終値1200円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS57円38銭で算出)は20〜21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS713円14銭で算出)は1.7倍近辺である。時価総額は約369億円である。
 
 週足チャートで見ると1100円〜1400円近辺でボックス展開の形だ。調整一巡して反発が期待される(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月24日更新]

星光PMCは調整一巡して戻り試す、17年12月期2Q累計営業減益だが計画超、通期利益予想も増額修正  
 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。17年12月期第2四半期累計は営業減益だが計画超だった。そして通期利益予想も増額修正した。株価は調整一巡して戻りを試す展開が期待される。
 
■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開
 
 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。17年3月台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーである新綜工業の株式を取得して持分法適用関連会社化した。
 
 中期成長に向けて高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。
 
 16年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%だった。利益配分については経営環境、業績、将来の事業展開および配当性向・配当利回り等を総合的に勘案し、適切な配当水準を維持しつつ、利益還元を行うことを基本方針としている。
 
■次世代素材CNFの事業化推進
 
 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。
 
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)CNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。
 
 銀ナノワイヤーについては14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。
 
■17年12月期2Q累計は営業減益だが計画超
 
 今期(17年12月期)第2四半期累計(1月〜6月)の連結業績(7月31日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が前年同期比1.9%減の117億87百万円、営業利益が8.3%減の9億86百万円、経常利益が13.0%増の11億11百万円、純利益が10.1%増の9億03百万円だった。
 
 国内外の販売苦戦で売上数量が2.3%減少して売上高が計画を下回る1.9%減収となり、人件費を中心とした製造経費や販管費の増加で営業減益だった。ただし化成品事業が堅調に推移し、製品販売構成の高付加価値化進展、台湾新綜工業の株式取得に伴う持分法投資利益計上、投資有価証券売却益計上などで、期初計画に対して営業利益は1億67百万円、経常利益は2億61百万円、純利益は2億47百万円、それぞれ上回った。
 
 売上総利益は1.5%減少したが、売上総利益率は27.3%で0.1ポイント上昇した。販管費は1.8%増加し、販管費比率は18.9%で0.7ポイント上昇した。為替レートは1ドル=113円、ナフサ価格は4万400円(前年同期は為替1ドル=113円、ナフサ価格3万3000円)だった。また営業外収益では持分法投資利益1億円を計上し、営業外費用では為替差損が減少(前期1億72百万円、今期24百万円)した。特別利益では投資有価証券売却益77百万円を計上した。
 
 製紙用薬品は売上高が2.8%減の73億36百万円で営業利益(連結調整前)が17.0%減の7億38百万円だった。競争激化や販売価格下落で減収減益だった。印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が3.6%減の25億16百万円で営業利益が2.2%増の1億34百万円だった。需要減少で減収だが、製品販売構成の高付加価値化進展で増益だった。化成品事業は売上高が4.2%増の19億34百万円で営業利益が19.0%増の3億02百万円だった。主力製品の輸出が順調だった。
 
 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期58億58百万円、第2四半期59億29百万円、営業利益は6億11百万円、3億75百万円だった。
 
■17年12月期は原料価格上昇で減益予想だが増額の可能性
 
 今期(17年12月期)通期の連結業績予想は、8月8日に売上高を減額、利益を増額修正した。前回予想(2月13日公表)に対して、売上高は4億40百万円減額して前期(16年12月期)比0.5%減の242億30百万円、営業利益は1億円増額して13.1%減の20億円、経常利益は2億20百万円増額して5.8%減の21億80百万円、純利益は2億10百万円増額して3.0%減の17億40百万円とした。配当予想は据え置いて前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は20.9%となる。
 
 売上数量が減少して売上高が計画を下回り、人件費を中心とした製造経費や販管費の増加で営業減益だが、化成品事業が堅調に推移し、製品販売構成の高付加価値化進展、台湾新綜工業の株式取得に伴う持分法投資利益計上、投資有価証券売却益計上も寄与して各利益が期初計画を上回る見込みだ。
 
 なお下期の為替レートは1ドル=114円、ナフサ価格は3万6000円(16年12月期通期実績は為替1ドル=109円、ナフサ価格3万2800円)を想定している。また営業利益3億01百万円減益分析は、増益要因が売上数量差+構成差64百万円、減益要因が製品原料価格差+コスト差1億80百万円、製造経費増加92百万円、販管費増加93百万円としている。
 
 セグメント別には、製紙用薬品の売上高が1.3%減の152億85百万円で営業利益(連結調整前)が12.5%減の16億58百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が1.0%減の51億20百万円で営業利益が25.2%減の2億32百万円、化成品事業の売上高が3.6%増の38億25百万円で営業利益が2.4%増の5億08百万円としている。
 
 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.6%、営業利益が49.3%、経常利益が51.0%、純利益が51.9%と概ね順調な水準である。
 
■中期経営計画で18年12月期営業利益率8%以上を目指す
 
 新中期経営計画「CS VISION−2」では具体的戦略として、国内事業基盤の強化(製紙用薬品事業における高性能新規製品投入、樹脂事業における製品ポートフォリオ見直し、化成品事業における機能性モノマー・オリゴマー提供)、海外事業展開の加速(製紙用薬品事業における製品ポートフォリオ拡充、樹脂事業における印刷インキ水性化ニーズ捕捉、海外人材の育成・採用強化)、新規開発事業テーマの事業化(セルロースナノファイバーや銀ナノワイヤーなどの事業化)、事業領域拡大のための新規事業の探索・事業化(グループの強みを活かした新規事業参入機会の探索)、外部資源の活用(他社との業務・資本提携やM&Aの積極活用)、自ら変化・挑戦・成長する企業風土の醸成(チャレンジ精神に溢れる企業集団)を推進している。
 
 経営目標数値には、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上、参考指標として海外売上高57億73百万円、海外売上高比率21.2%、ROE7.7%を掲げている。M&Aを実行して事業規模の拡大を図るため、適切な財務戦略に基づく資金枠を設定し、積極的に案件を探索する。
 
 事業別(連結調整前)目標値は、製紙用薬品事業の売上高が173億34百万円で営業利益が17億円、樹脂事業の売上高が58億66百万円で営業利益が4億78百万円、化成品事業の売上高が40億円で営業利益が4億48百万円としている。樹脂事業には新規開発事業を含んでいる。
 
■株価は調整一巡して戻り試す
 
 株価は戻り高値圏1300円台から反落して水準を切り下げたが、1100円近辺から切り返して調整一巡感を強めている。
 
 8月23日の終値1185円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS57円38銭で算出)は20〜21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS713円14銭で算出)は1.7倍近辺である。時価総額は約364億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、1100円近辺が下値支持線の形だ。調整一巡して戻りを試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月28日更新]

星光PMCは戻り歩調で3月の年初来高値試す、17年12月期予想は増額の可能性

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。17年12月期は原料価格上昇で減益予想だが、増額の可能性がありそうだ。株価は徐々に水準を切り上げて戻り歩調だ。3月の年初来高値を試す展開が期待される。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。17年3月には台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーである新綜工業社の株式32%を取得して持分法適用関連会社化した。

 中期成長に向けて高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。

 16年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%である。利益配分については経営環境、業績、将来の事業展開および配当性向・配当利回り等を総合的に勘案し、適切な配当水準を維持しつつ、利益還元を行うことを基本方針としている。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)CNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーについては14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■17年12月期第1四半期は大幅増益

 今期(17年12月期)第1四半期(1月〜3月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.5%減の58億58百万円、営業利益が同22.9%増の6億11百万円、経常利益が同38.4%増の6億88百万円、純利益が同17.1%増の5億45百万円だった。

 販売価格下落で減収だが、国内外におけるコスト削減・合理化効果、プロダクトミックス改善効果などで大幅増益だった。売上総利益は同8.4%増加し、売上総利益率は29.2%で同2.7ポイント上昇した。販管費は同1.7%増加し、販管費比率は18.8%で同0.6ポイント上昇した。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品は売上高が同0.5%減の36億74百万円で営業利益(連結調整前)が同5.8%増の4億33百万円だった。需要伸び悩みや販売価格下落で減収だが、国内外におけるコスト削減・合理化効果で増益だった。

 印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が同4.9%減の12億36百万円で営業利益が同2.8倍の1億09百万円だった。記録材料用樹脂は増収だが、印刷インキ用樹脂が減収だった。利益面では、国内販売のプロダクトミックス改善効果やコスト削減・合理化効果が寄与して、大幅増益だった。

 化成品事業は売上高が同1.0%減の9億47百万円で営業利益が同11.4%増の1億65百万円だった。輸出売上が減少したが、コスト削減・合理化効果で増益だった。

■17年12月期は原料価格上昇で減益予想だが増額の可能性

 今期(17年12月期)連結業績予想(2月13日公表)は売上高が前期(16年12月期)比1.3%増の246億70百万円、営業利益が同17.4%減の19億円、経常利益が同15.3%減の19億60百万円、純利益が同14.7%減の15億30百万円としている。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は23.8%となる。

 販売数量増加で増収だが、原料価格上昇や経費増加などで減益予想としている。為替レートは1ドル=115円、ナフサ価格は4万2000円(16年12月期実績は為替1ドル=109円、ナフサ価格3万2800円)を前提としている。営業利益増減分析は、増益要因が拡販による売上増加4億20百万円、減益要因がコストアップ3億45百万円、製造経費増加1億33百万円、研究開発費など販管費増加3億43百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品の売上高が同2.7%増の159億01百万円で営業利益(連結調整前)が同4.3%減の18億13百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が同1.7%減の50億82百万円で営業利益が同54.5%減の1億41百万円、化成品事業の売上高が同0.1%減の36億87百万円で営業利益が同18.0%減の4億07百万円としている。

 第1四半期の進捗率は、第2四半期累予想に対して売上高が49.0%、営業利益が74.5%、経常利益が80.9%、純利益が82.6%、通期予想に対して売上高が23.7%、営業利益が32.2%、経常利益が35.1%、純利益が35.6%と高水準である。下期偏重の期初計画であることも考慮すれば、第2四半期累計・通期予想とも増額の可能性がありそうだ。

■中期経営計画で18年12月期営業利益率8%以上を目指す

 新中期経営計画「CS VISION−2」では具体的戦略として、国内事業基盤の強化(製紙用薬品事業における高性能新規製品投入、樹脂事業における製品ポートフォリオ見直し、化成品事業における機能性モノマー・オリゴマー提供)、海外事業展開の加速(製紙用薬品事業における製品ポートフォリオ拡充、樹脂事業における印刷インキ水性化ニーズ捕捉、海外人材の育成・採用強化)、新規開発事業テーマの事業化(セルロースナノファイバーや銀ナノワイヤーなどの事業化)、事業領域拡大のための新規事業の探索・事業化(グループの強みを活かした新規事業参入機会の探索)、外部資源の活用(他社との業務・資本提携やM&Aの積極活用)、自ら変化・挑戦・成長する企業風土の醸成(チャレンジ精神に溢れる企業集団)を推進している。

 経営目標数値には、会社設立50周年の18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上、参考指標として海外売上高57億73百万円、海外売上高比率21.2%、ROE7.7%を掲げている。M&Aを実行して事業規模の拡大を図るため、適切な財務戦略に基づく資金枠を設定し、積極的に案件を探索する。

 事業別(連結調整前)目標値は、製紙用薬品事業の売上高が173億34百万円で営業利益が17億円、樹脂事業の売上高が58億66百万円で営業利益が4億78百万円、化成品事業の売上高が40億円で営業利益が4億48百万円としている。樹脂事業には新規開発事業を含んでいる。

■株価は戻り歩調で3月の年初来高値を試す

 株価の動きを見ると4月の直近安値1129円から徐々に水準を切り上げている。戻り歩調だ。

 6月26日の終値1269円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS50円46銭で算出)は25〜26倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は0.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS713円14銭で算出)は1.8倍近辺である。時価総額は約390億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって水準を切り上げている。3月の年初来高値1415円を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月26日更新]

星光PMCは調整一巡して戻り試す、17年12月期第1四半期増益で通期予想は増額の可能性

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。17年12月期第1四半期は大幅増益だった。通期は原料価格上昇で減益予想だが、増額の可能性が高いだろう。株価は3月の年初来高値から急反落したが、調整一巡して戻りを試す展開が期待される。

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂、化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。17年3月には台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーである新綜工業社の株式32%を取得して持分法適用関連会社化した。

 中期成長に向けて高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。
 16年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21%、化成品事業15%である。利益配分については経営環境、業績、将来の事業展開および配当性向・配当利回り等を総合的に勘案し、適切な配当水準を維持しつつ、利益還元を行うことを基本方針としている。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)CNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーについては14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■17年12月期第1四半期は大幅増益

 5月12日発表した今期(17年12月期)第1四半期(1月〜3月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.5%減の58億58百万円、営業利益が同22.9%増の6億11百万円、経常利益が同38.4%増の6億88百万円、そして純利益が同17.1%増の5億45百万円だった。

 販売価格下落で減収だったが、国内外におけるコスト削減・合理化効果、プロダクトミックス改善効果などで大幅増益だった。売上総利益は同8.4%増加し、売上総利益率は29.2%で同2.7ポイント上昇した。販管費は同1.7%増加し、販管費比率は18.8%で同0.6ポイント上昇した。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品は売上高が同0.5%減の36億74百万円で営業利益(連結調整前)が同5.8%増の4億33百万円だった。需要伸び悩みや販売価格下落で減収だが、国内外におけるコスト削減・合理化効果で増益だった。

 印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が同4.9%減の12億36百万円で営業利益が同2.8倍の1億09百万円だった。記録材料用樹脂は増収だが、印刷インキ用樹脂が減収だった。利益面では、国内販売のプロダクトミックス改善効果やコスト削減・合理化効果が寄与して、大幅増益だった。

 化成品事業は売上高が同1.0%減の9億47百万円で営業利益が同11.4%増の1億65百万円だった。輸出売上が減少したが、コスト削減・合理化効果で増益だった。

■17年12月期は原料価格上昇で減益予想だが増額の可能性

 今期(17年12月期)連結業績予想(2月13日公表)は売上高が前期(16年12月期)比1.3%増の246億70百万円、営業利益が同17.4%減の19億円、経常利益が同15.3%減の19億60百万円、純利益が同14.7%減の15億30百万円としている。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は23.8%となる。

 販売数量増加で増収だが、原料価格上昇、経費増加などで減益予想としている。為替レートは1ドル=115円、ナフサ価格は4万2000円(16年12月期実績は為替1ドル=109円、ナフサ価格3万2800円)を前提としている。営業利益増減分析は、増益要因が拡販による売上増加4億20百万円、減益要因がコストアップ3億45百万円、製造経費増加1億33百万円、研究開発費など販管費増加3億43百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品の売上高が同2.7%増の159億01百万円で営業利益(連結調整前)が同4.3%減の18億13百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が同1.7%減の50億82百万円で営業利益が同54.5%減の1億41百万円、化成品事業の売上高が同0.1%減の36億87百万円で営業利益が同18.0%減の4億07百万円としている。

 第1四半期の進捗率は、第2四半期累予想に対して売上高が49.0%、営業利益が74.5%、経常利益が80.9%、純利益が82.6%、通期予想に対して売上高が23.7%、営業利益が32.2%、経常利益が35.1%、純利益が35.6%と高水準である。下期偏重の期初計画であることも考慮すれば、第2四半期累計・通期予想とも増額の可能性が高いだろう。

■中期経営計画で18年12月期営業利益率8%以上を目指す

 新中期経営計画「CS VISION−2」では具体的戦略として、国内事業基盤の強化(製紙用薬品事業における高性能新規製品投入、樹脂事業における製品ポートフォリオ見直し、化成品事業における機能性モノマー・オリゴマー提供)、海外事業展開の加速(製紙用薬品事業における製品ポートフォリオ拡充、樹脂事業における印刷インキ水性化ニーズ捕捉、海外人材の育成・採用強化)、新規開発事業テーマの事業化(セルロースナノファイバーや銀ナノワイヤーなどの事業化)、事業領域拡大のための新規事業の探索・事業化(グループの強みを活かした新規事業参入機会の探索)、外部資源の活用(他社との業務・資本提携やM&Aの積極活用)、自ら変化・挑戦・成長する企業風土の醸成(チャレンジ精神に溢れる企業集団)を推進している。

 経営目標数値としては、会社設立50周年にあたる18年12月期売上高272億円、営業利益22億円、営業利益率8%以上、参考指標として海外売上高57億73百万円、海外売上高比率21.2%、ROE7.7%を掲げている。M&Aを実行して事業規模の拡大を図るため、適切な財務戦略に基づく資金枠を設定し、積極的に案件を探索する。

 事業別(連結調整前)目標値は、製紙用薬品事業の売上高が173億34百万円で営業利益が17億円、樹脂事業の売上高が58億66百万円で営業利益が4億78百万円、化成品事業の売上高が40億円で営業利益が4億48百万円としている。樹脂事業には新規開発事業を含んでいる。

■株価は調整一巡して戻り試す

 株価の動きを見ると、3月の年初来高値1415円から急反落したが、1100円台で徐々に下値を切り上げている。調整が一巡したようだ。

 5月25日の終値1232円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS50円46銭で算出)は24〜25倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS713円14銭で算出)は1.7倍近辺である。時価総額は約379億円である。

  週足チャートで見ると26週移動平均線と13週移動平均線を回復した。調整一巡して戻りを試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月18日更新]

星光PMCは3月高値から急反落したが売り一巡、17年12月期減益予想だが保守的

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。17年12月期は原料価格上昇で減益予想だが、保守的な印象が強く増額余地がありそうだ。株価はCNF配合樹脂ペレットの商業生産開始との一部報道を好感した3月の年初来高値から急反落したが、利益確定売りが一巡して反発展開が期待される。

■製紙用薬品、印刷インキ・記録材料用樹脂、および化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。16年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業が21%、化成品事業が15%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。

 17年3月には台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーである新綜工業社の株式32%を取得して持分法適用関連会社化した。各々が保有する強みを融合し、両社の地域・領域両面での事業拡大に向けた相互協力関係を構築していくとしている。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)CNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーについては14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■営業損益改善基調

 四半期別業績推移を見ると、15年12月期は売上高が第1四半期60億25百万円、第2四半期60億75百万円、第3四半期62億51百万円、第4四半期62億18百万円、営業利益が2億45百万円、3億79百万円、2億92百万円、4億02百万円、16年12月期は売上高が59億49百万円、60億63百万円、61億66百万円、61億68百万円、営業利益が4億97百万円、5億79百万円、6億89百万円、5億36百万円だった。営業損益は改善基調である。

 16年12月期連結業績は売上高が15年12月期比0.9%減の243億46百万円、営業利益が同74.5%増の23億01百万円、経常利益が同73.3%増の23億14百万円、純利益が同67.2%増の17億94百万円だった。製紙業界や印刷インキ業界の需要が総じて伸び悩み、販売価格低下も影響して減収だったが、販売数量増加、国内外におけるコスト削減・合理化、化成品事業および中国事業の製紙用薬品が順調に推移して、計画超の大幅増益だった。

 売上総利益は同17.2%増加し、売上総利益率は27.7%で同4.2ポイント上昇した。販管費は同0.2%増加し、販管費比率は18.3%で同0.2ポイント上昇した。営業外費用では為替差損が増加した。営業利益増減分析は、増益要因が拡販による売上増加3億51百万円、コスト削減7億75百万円、減益要因が製造経費増加71百万円、販管費増加が72百万円としている。

 特別利益では前々期計上の国庫補助金2億54百万円および固定資産受贈益97百万円が一巡したが、KJケミカルズの株式追加取得(100%子会社化)に伴う負ののれん発生益77百万円、および投資有価証券売却益29百万円を計上した。特別損失では固定資産圧縮損1億67百万円が一巡した。

 ROEは8.6%で同3.2ポイント上昇した。自己資本比率は71.8%で同2.1ポイント上昇した。配当は15年12月期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)とした。配当性向は20.3%である。利益配分については、経営環境、業績、将来の事業展開および配当性向・配当利回り等を総合的に勘案し、適切な配当水準を維持しつつ、利益還元を行うことを基本方針としている。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品は売上高が同2.1%減の154億84百万円で営業利益(連結調整前)が同46.5%増の18億95百万円だった。需要が伸び悩み、販売価格低下も影響したが、コスト削減・合理化や中国事業の順調推移などで大幅増益だった。

 印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が同3.6%減の51億69百万円で営業利益が同2.1倍の3億10百万円だった。印刷インキ国内生産が同0.3%減少し、オフセットインキ用樹脂および記録材料用樹脂が減収だったが、水性インキ用樹脂が増収となり、コスト削減・合理化で増益だった。

 化成品事業は売上高が同9.1%増の36億92百万円で営業利益が同54.4%増の4億96百万円だった。主力製品の輸出が好調に推移し、コスト削減・合理化効果も寄与した。

■17年12月期は原料価格上昇で減益予想だが保守的な印象

 今期(17年12月期)連結業績予想(2月13日公表)は売上高が前期(16年12月期)比1.3%増の246億70百万円、営業利益が同17.4%減の19億円、経常利益が同15.3%減の19億60百万円、そして純利益が同14.7%減の15億30百万円としている。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は23.8%となる。

 販売数量増加で増収だが、原料価格上昇、経費増加などで減益予想としている。為替レートは1ドル=115円、ナフサ価格は4万2000円(16年12月期実績は為替1ドル=109円、ナフサ価格3万2800円)を前提としている。営業利益増減分析は、増益要因が拡販による売上増加4億20百万円、減益要因がコストアップ3億45百万円、製造経費増加1億33百万円、研究開発費などの販管費増加3億43百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品の売上高が同2.7%増の159億01百万円で営業利益(連結調整前)が同4.3%減の18億13百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が同1.7%減の50億82百万円で営業利益が同54.5%減の1億41百万円、化成品事業の売上高が同0.1%減の36億87百万円で営業利益が同18.0%減の4億07百万円としている。

 原料価格上昇などで減益予想としたが、保守的な印象が強く増額余地がありそうだ。

■新中期経営計画で18年12月期営業利益率8%以上を目指す

 16年2月策定の新中期経営計画「CS VISION−2」では具体的戦略として、国内事業基盤の強化(製紙用薬品事業における高性能新規製品投入、樹脂事業における製品ポートフォリオ見直し、化成品事業における機能性モノマー・オリゴマー提供)、海外事業展開の加速(製紙用薬品事業における製品ポートフォリオ拡充、樹脂事業における印刷インキ水性化ニーズ捕捉、海外人材の育成・採用強化)、新規開発事業テーマの事業化(セルロースナノファイバーや銀ナノワイヤーなどの事業化)、事業領域拡大のための新規事業の探索・事業化(グループの強みを活かした新規事業参入機会の探索)、外部資源の活用(他社との業務・資本提携やM&Aの積極活用)、自ら変化・挑戦・成長する企業風土の醸成(チャレンジ精神に溢れる企業集団)を推進する。

 経営目標数値としては、会社設立50周年にあたる18年12月期売上高272億円(15年12月期比10.7%増)、営業利益22億円(同66.9%増)、営業利益率8%(同2.6ポイント上昇)以上、参考指標として海外売上高57億73百万円、海外売上高比率21.2%、ROE7.7%を掲げている。M&Aを実行して事業規模の拡大を図るため、適切な財務戦略に基づく資金枠を設定し、積極的に案件を探索する。

 なお事業別(連結調整前)目標値は、製紙用薬品事業の売上高が173億34百万円(15年12月期比9.6%増)で営業利益が17億円(同31.5%増)、樹脂事業の売上高が58億66百万円(同9.4%増)で営業利益が4億78百万円(同3.2倍)、化成品事業の売上高が40億円(同18.2%増)で営業利益が4億48百万円(同39.6%増)としている。樹脂事業には新規開発事業を含んでいる。

■株価は利益確定売りが一巡して反発期待

 株価の動きを見ると、CNF配合樹脂ペレットの商業生産開始との一部報道を好感した3月の年初来高値1415円から、地合い悪化も影響して急反落した。ただし1100円台で下げ渋る動きだ。利益確定売りが一巡したようだ。

 4月17日の終値1164円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS50円46銭で算出)は23倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS713円14銭で算出)は1.6倍近辺である。時価総額は約358億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。サポートラインを確認した形だろう。利益確定売りが一巡して反発展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月22日更新]

星光PMCは戻り高値突破してボックス上放れ期待、17年12月期減益予想だが保守的

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。17年12月期は原料価格上昇で減益予想だが、保守的な印象が強く上振れ余地がありそうだ。3月15日には台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーを持分法適用関連会社化した。株価はCNF配合樹脂ペレットの商業生産開始との一部報道を好感して動意づく形となった。戻り高値を突破してボックス上放れの展開が期待される。

■製紙用薬品、印刷インキ・記録材料用樹脂、および化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。16年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業が21%、化成品事業が15%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。

 なお3月15日には、台湾のアクリル系工業用粘接着材メーカーである新綜工業社(16年12月期売上高は日本円で約15億円)の株式32%を取得して、持分法適用関連会社化したと発表している。各々が保有する強みを融合し、両社の地域・領域両面での事業拡大に向けた相互協力関係を構築していくとしている。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)CNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーについては14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■営業損益改善基調

 四半期別の推移を見ると、14年12月期は売上高が第1四半期53億36百万円、第2四半期61億68百万円、第3四半期60億64百万円、第4四半期64億02百万円、営業利益が1億40百万円、17百万円の赤字、77百万円、1億19百万円で、15年12月期は売上高が60億25百万円、60億75百万円、62億51百万円、62億18百万円、営業利益が2億45百万円、3億79百万円、2億92百万円、4億02百万円だった。営業損益は14年12月期第2四半期をボトムとして改善基調である。

 15年12月期の売上総利益率は23.5%で14年12月期比4.2ポイント上昇、販管費比率は18.1%で同0.1ポイント上昇した。なお営業利益増減分析は、増益要因が原材料価格上昇に対する製品価格是正によるギャップ解消4億60百万円、製造経費減少1億20百万円、販管費減少80百万円、中国子会社の収益改善3億42百万円、化成品事業の収益改善4億14百万円、その他14百万円、減益要因が単体ベース売上減少1億72百万円、製品構成差2億39百万円、新規事業開発費の増加21百万円としている。

 またROEは5.4%で同5.5ポイント上昇、自己資本比率は69.7%で同1.8ポイント上昇した。配当性向は33.9%だった。利益配分については、経営環境、業績、将来の事業展開および配当性向・配当利回り等を総合的に勘案し、適切な配当水準を維持しつつ、利益還元を行うことを基本方針としている。

■16年12月期は計画超の大幅増益

 前期(16年12月期)連結業績は売上高が前々期(15年12月期)比0.9%減の243億46百万円、営業利益が同74.5%増の23億01百万円、経常利益が同73.3%増の23億14百万円、純利益が同67.2%増の17億94百万円だった。

 製紙業界や印刷インキ業界の需要が総じて伸び悩み、販売価格低下も影響して減収だったが、販売数量増加、国内外におけるコスト削減・合理化、化成品事業および中国事業の製紙用薬品が順調に推移して、計画超の大幅増益だった。

 売上総利益は同17.2%増加し、売上総利益率は27.7%で同4.2ポイント上昇した。販管費は同0.2%増加し、販管費比率は18.3%で同0.2ポイント上昇した。営業外費用では為替差損が増加した。営業利益増減分析は、増益要因が拡販による売上増加3億51百万円、コスト削減7億75百万円、減益要因が製造経費増加71百万円、販管費増加が72百万円としている。

 特別利益では前々期計上の国庫補助金2億54百万円および固定資産受贈益97百万円が一巡したが、KJケミカルズの株式追加取得(100%子会社化)に伴う負ののれん発生益77百万円、および投資有価証券売却益29百万円を計上した。特別損失では固定資産圧縮損1億67百万円が一巡した。

 ROEは8.6%で同3.2ポイント上昇した。自己資本比率は71.8%で同2.1ポイント上昇した。配当は前々期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)でとした。配当性向は20.3%である。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品は売上高が同2.1%減の154億84百万円で営業利益(連結調整前)が同46.5%増の18億95百万円だった。需要が伸び悩み、販売価格低下も影響したが、コスト削減・合理化や中国事業の順調推移などで大幅増益だった。

 印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が同3.6%減の51億69百万円で営業利益が同2.1倍の3億10百万円だった。印刷インキ国内生産が同0.3%減少し、オフセットインキ用樹脂および記録材料用樹脂が減収だったが、水性インキ用樹脂が増収となり、コスト削減・合理化で増益だった。

 化成品事業は売上高が同9.1%増の36億92百万円で営業利益が同54.4%増の4億96百万円だった。主力製品の輸出が好調に推移し、コスト削減・合理化効果も寄与した。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期59億49百万円、第2四半期60億63百万円、第3四半期61億66百万円、第4四半期61億68百万円、営業利益は4億97百万円、5億79百万円、6億89百万円、5億36百万円だった。

■17年12月期は原料価格上昇で減益予想だが保守的な印象

 今期(17年12月期)連結業績予想(2月13日公表)は売上高が前期(16年12月期)比1.3%増の246億70百万円、営業利益が同17.4%減の19億円、経常利益が同15.3%減の19億60百万円、そして純利益が同14.7%減の15億30百万円としている。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は23.8%となる。

 販売数量増加で増収だが、原料価格上昇、経費増加などで減益予想としている。為替レートは1ドル=115円、ナフサ価格は4万2000円(16年12月期実績は為替1ドル=109円、ナフサ価格3万2800円)を前提としている。営業利益増減分析は、増益要因が拡販による売上増加4億20百万円、減益要因がコストアップ3億45百万円、製造経費増加1億33百万円、研究開発費などの販管費増加3億43百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品の売上高が同2.7%増の159億01百万円で営業利益(連結調整前)が同4.3%減の18億13百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が同1.7%減の50億82百万円で営業利益が同54.5%減の1億41百万円、化成品事業の売上高が同0.1%減の36億87百万円で営業利益が同18.0%減の4億07百万円としている。

 原料価格上昇などで減益予想としたが、保守的な印象が強く上振れ余地がありそうだ。

■新中期経営計画で18年12月期営業利益率8%以上を目指す

 16年2月策定の新中期経営計画「CS VISION−2」では具体的戦略として、国内事業基盤の強化(製紙用薬品事業における高性能新規製品投入、樹脂事業における製品ポートフォリオ見直し、化成品事業における機能性モノマー・オリゴマー提供)、海外事業展開の加速(製紙用薬品事業における製品ポートフォリオ拡充、樹脂事業における印刷インキ水性化ニーズ捕捉、海外人材の育成・採用強化)、新規開発事業テーマの事業化(セルロースナノファイバーや銀ナノワイヤーなどの事業化)、事業領域拡大のための新規事業の探索・事業化(グループの強みを活かした新規事業参入機会の探索)、外部資源の活用(他社との業務・資本提携やM&Aの積極活用)、自ら変化・挑戦・成長する企業風土の醸成(チャレンジ精神に溢れる企業集団)を推進する。

 経営目標数値としては、会社設立50周年にあたる18年12月期売上高272億円(15年12月期比10.7%増)、営業利益22億円(同66.9%増)、営業利益率8%(同2.6ポイント上昇)以上、参考指標として海外売上高57億73百万円、海外売上高比率21.2%、ROE7.7%を掲げている。M&Aを実行して事業規模の拡大を図るため、適切な財務戦略に基づく資金枠を設定し、積極的に案件を探索する。

 なお事業別(連結調整前)目標値は、製紙用薬品事業の売上高が173億34百万円(15年12月期比9.6%増)で営業利益が17億円(同31.5%増)、樹脂事業の売上高が58億66百万円(同9.4%増)で営業利益が4億78百万円(同3.2倍)、化成品事業の売上高が40億円(同18.2%増)で営業利益が4億48百万円(同39.6%増)としている。樹脂事業には新規開発事業を含んでいる。

■株価は戻り高値を突破してボックス上放れ期待

 株価の動きを見ると、大勢として1000円〜1300円近辺でのボックス展開だったが、CNF配合樹脂ペレットの商業生産開始との一部報道を好感して動意づく形となった。そして3月10日に前日比244円(22.12%)高の1347円まで急伸する場面があり、16年4月の戻り高値1315円を突破した。

 3月21日の終値1265円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS50円46銭で算出)は25倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は0.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS713円14銭で算出)は1.8倍近辺である。時価総額は約389億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を回復した。1300円近辺のフシを突破してボックス上放れの展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月28日更新]

星光PMCは17年12月期が原料価格上昇で減益予想だが保守的な印象

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。17年12月期は原料価格上昇などで減益予想としたが、保守的な印象が強く上振れ余地がありそうだ。株価は目先的な売りが一巡して反発展開が期待される。

■製紙用薬品、印刷インキ・記録材料用樹脂、および化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。16年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業が21%、化成品事業が15%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)CNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーについては14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■営業損益改善基調

 四半期別の推移を見ると、14年12月期は売上高が第1四半期53億36百万円、第2四半期61億68百万円、第3四半期60億64百万円、第4四半期64億02百万円、営業利益が1億40百万円、17百万円の赤字、77百万円、1億19百万円で、15年12月期は売上高が60億25百万円、60億75百万円、62億51百万円、62億18百万円、営業利益が2億45百万円、3億79百万円、2億92百万円、4億02百万円だった。営業損益は14年12月期第2四半期をボトムとして改善基調である。

 15年12月期の売上総利益率は23.5%で14年12月期比4.2ポイント上昇、販管費比率は18.1%で同0.1ポイント上昇した。なお営業利益増減分析は、増益要因が原材料価格上昇に対する製品価格是正によるギャップ解消4億60百万円、製造経費減少1億20百万円、販管費減少80百万円、中国子会社の収益改善3億42百万円、化成品事業の収益改善4億14百万円、その他14百万円、減益要因が単体ベース売上減少1億72百万円、製品構成差2億39百万円、新規事業開発費の増加21百万円としている。

 またROEは5.4%で同5.5ポイント上昇、自己資本比率は69.7%で同1.8ポイント上昇した。配当性向は33.9%だった。利益配分については、経営環境、業績、将来の事業展開および配当性向・配当利回り等を総合的に勘案し、適切な配当水準を維持しつつ、利益還元を行うことを基本方針としている。

■16年12月期は計画超の大幅増益

 2月13日発表した前期(16年12月期)連結業績は売上高が前々期(15年12月期)比0.9%減の243億46百万円、営業利益が同74.5%増の23億01百万円、経常利益が同73.3%増の23億14百万円、純利益が同67.2%増の17億94百万円だった。

 製紙業界や印刷インキ業界の需要が総じて伸び悩み、販売価格低下も影響して減収だったが、販売数量増加、国内外におけるコスト削減・合理化、化成品事業および中国事業の製紙用薬品が順調に推移して、計画超の大幅増益だった。

 売上総利益は同17.2%増加し、売上総利益率は27.7%で同4.2ポイント上昇した。販管費は同0.2%増加し、販管費比率は18.3%で同0.2ポイント上昇した。営業外費用では為替差損が増加した。営業利益増減分析は、増益要因が拡販による売上増加3億51百万円、コスト削減7億75百万円、減益要因が製造経費増加71百万円、販管費増加が72百万円としている。

 特別利益では前々期計上の国庫補助金2億54百万円および固定資産受贈益97百万円が一巡したが、KJケミカルズの株式追加取得(100%子会社化)に伴う負ののれん発生益77百万円、および投資有価証券売却益29百万円を計上した。特別損失では固定資産圧縮損1億67百万円が一巡した。

 ROEは8.6%で同3.2ポイント上昇した。自己資本比率は71.8%で同2.1ポイント上昇した。配当は前々期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)でとした。配当性向は20.3%である。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品は売上高が同2.1%減の154億84百万円で営業利益(連結調整前)が同46.5%増の18億95百万円だった。需要が伸び悩み、販売価格低下も影響したが、コスト削減・合理化や中国事業の順調推移などで大幅増益だった。

 印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が同3.6%減の51億69百万円で営業利益が同2.1倍の3億10百万円だった。印刷インキ国内生産が同0.3%減少し、オフセットインキ用樹脂および記録材料用樹脂が減収だったが、水性インキ用樹脂が増収となり、コスト削減・合理化で増益だった。

 化成品事業は売上高が同9.1%増の36億92百万円で営業利益が同54.4%増の4億96百万円だった。主力製品の輸出が好調に推移し、コスト削減・合理化効果も寄与した。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期59億49百万円、第2四半期60億63百万円、第3四半期61億66百万円、第4四半期61億68百万円、営業利益は4億97百万円、5億79百万円、6億89百万円、5億36百万円だった。

■17年12月期は減益予想

 今期(17年12月期)連結業績予想(2月13日公表)は売上高が前期(16年12月期)比1.3%増の246億70百万円、営業利益が同17.4%減の19億円、経常利益が同15.3%減の19億60百万円、純利益が同14.7%減の15億30百万円としている。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は23.8%となる。

 販売数量増加で増収だが、原料価格上昇、経費増加などで減益予想としている。為替レートは1ドル=115円、ナフサ価格は4万2000円(16年12月期実績は為替1ドル=109円、ナフサ価格3万2800円)を前提としている。営業利益増減分析は、増益要因が拡販による売上増加4億20百万円、減益要因がコストアップ3億45百万円、製造経費増加1億33百万円、研究開発費などの販管費増加3億43百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品の売上高が同2.7%増の159億01百万円で営業利益(連結調整前)が同4.3%減の18億13百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が同1.7%減の50億82百万円で営業利益が同54.5%減の1億41百万円、化成品事業の売上高が同0.1%減の36億87百万円で営業利益が同18.0%減の4億07百万円としている。

 原料価格上昇などで減益予想としたが、保守的な印象が強く上振れ余地がありそうだ。

■新中期経営計画で18年12月期営業利益率8%以上を目指す

 16年2月策定の新中期経営計画「CS VISION−2」では具体的戦略として、国内事業基盤の強化(製紙用薬品事業における高性能新規製品投入、樹脂事業における製品ポートフォリオ見直し、化成品事業における機能性モノマー・オリゴマー提供)、海外事業展開の加速(製紙用薬品事業における製品ポートフォリオ拡充、樹脂事業における印刷インキ水性化ニーズ捕捉、海外人材の育成・採用強化)、新規開発事業テーマの事業化(セルロースナノファイバーや銀ナノワイヤーなどの事業化)、事業領域拡大のための新規事業の探索・事業化(グループの強みを活かした新規事業参入機会の探索)、外部資源の活用(他社との業務・資本提携やM&Aの積極活用)、自ら変化・挑戦・成長する企業風土の醸成(チャレンジ精神に溢れる企業集団)を推進する。

 経営目標数値としては、会社設立50周年にあたる18年12月期売上高272億円(15年12月期比10.7%増)、営業利益22億円(同66.9%増)、営業利益率8%(同2.6ポイント上昇)以上、参考指標として海外売上高57億73百万円、海外売上高比率21.2%、ROE7.7%を掲げている。M&Aを実行して事業規模の拡大を図るため、適切な財務戦略に基づく資金枠を設定し、積極的に案件を探索する。

 なお事業別(連結調整前)目標値は、製紙用薬品事業の売上高が173億34百万円(15年12月期比9.6%増)で営業利益が17億円(同31.5%増)、樹脂事業の売上高が58億66百万円(同9.4%増)で営業利益が4億78百万円(同3.2倍)、化成品事業の売上高が40億円(同18.2%増)で営業利益が4億48百万円(同39.6%増)としている。樹脂事業には新規開発事業を含んでいる。

■株価は目先的な売りが一巡して反発期待

 株価の動きを見ると、17年12月期減益予想を嫌気する形で反落した。ただし目先的な売り一巡感を強めている。

 2月24日の終値1114円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS50円46銭で算出)は22倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS713円14銭で算出)は1.6倍近辺である。時価総額は約342億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、目先的な売りが一巡して反発展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月17日更新]

星光PMCは自律調整一巡して上値試す、17年12月期も収益拡大期待

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。16年12月期大幅増益予想で、利益再増額の可能性が高いだろう。そして17年12月期も収益拡大が期待される。株価は自律調整が一巡して上値を試す展開が期待される。

■製紙用薬品、印刷インキ・記録材料用樹脂、および化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。15年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業が22%、化成品事業14%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)CNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーについては14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■営業損益改善基調

 四半期別の推移を見ると、14年12月期は売上高が第1四半期53億36百万円、第2四半期61億68百万円、第3四半期60億64百万円、第4四半期64億02百万円、営業利益が1億40百万円、17百万円の赤字、77百万円、1億19百万円で、15年12月期は売上高が60億25百万円、60億75百万円、62億51百万円、62億18百万円、営業利益が2億45百万円、3億79百万円、2億92百万円、4億02百万円だった。営業損益は14年12月期第2四半期をボトムとして改善基調である。

 15年12月期の売上総利益率は23.5%で14年12月期比4.2ポイント上昇、販管費比率は18.1%で同0.1ポイント上昇した。なお営業利益増減分析は、増益要因が原材料価格上昇に対する製品価格是正によるギャップ解消4億60百万円、製造経費減少1億20百万円、販管費減少80百万円、中国子会社の収益改善3億42百万円、化成品事業の収益改善4億14百万円、その他14百万円、減益要因が単体ベース売上減少1億72百万円、製品構成差2億39百万円、新規事業開発費の増加21百万円としている。

 またROEは5.4%で同5.5ポイント上昇、自己資本比率は69.7%で同1.8ポイント上昇した。配当性向は33.9%だった。利益配分については、経営環境、業績、将来の事業展開および配当性向・配当利回り等を総合的に勘案し、適切な配当水準を維持しつつ、利益還元を行うことを基本方針としている。

■16年12月期第3四半期累計は大幅増益

 前期(16年12月期)第3四半期累計(1〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比0.9%減の181億78百万円だが、営業利益が同92.6%増の17億65百万円、経常利益が同76.7%増の16億67百万円、純利益が同68.3%増の13億65百万円だった。製紙業界や印刷インキ業界の需要が総じて伸び悩み、販売価格低下も影響して減収だったが、国内外におけるコスト削減・合理化、化成品事業および中国事業の製紙用薬品が順調に推移して大幅増益だった。

 売上総利益は同19.6%増加し、売上総利益率は27.7%で同4.8ポイント上昇した。販管費は同0.7%減少したが、販管費比率は18.0%で同0.1ポイント上昇した。また営業外では為替差損が増加(前期24百万円、今期1億89百万円)した。特別利益では前期計上の国庫補助金2億54百万円が一巡したが、KJケミカルズの株式追加取得(100%子会社化)に伴う負ののれん発生益77百万円を計上した。特別損失では固定資産圧縮損1億67百万円が一巡した。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品は売上高が同1.7%減の115億46百万円で営業利益(連結調整前)が同65.2%増の14億55百万円だった。需要が伸び悩み、販売価格低下も影響したが、コスト削減・合理化や中国事業の順調推移などで大幅増益だった。印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が同3.9%減の38億65百万円で営業利益が同64.8%増の2億45百万円だった。水性インキ用樹脂は増収だが、オフセットインキ用樹脂および記録材料用樹脂が減収だったが、コスト削減・合理化で増益だった。化成品事業は売上高が同7.0%増の27億66百万円で営業利益が同62.3%増の3億67百万円だった。主力製品の輸出が好調に推移し、コスト削減・合理化効果も寄与した。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期59億49百万円、第2四半期60億63百万円、第3四半期61億66百万円、営業利益は4億97百万円、5億79百万円、6億89百万円だった。

■16年12月期通期予想は再増額の可能性

 前期(16年12月期)通期連結業績予想(8月8日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が前々期(15年12月期)比2.0%減の240億90百万円だが、営業利益が同48.7%増の19億60百万円、経常利益が同41.5%増の18億90百万円、純利益が同39.8%増の15億円としている。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は24.3%となる。

 原料価格低下に伴って製品価格が低下するため減収だが、国内外におけるコスト削減・合理化、中国事業や化成品事業の順調推移などで大幅増益予想だ。為替レートは1ドル=103円、ナフサ価格は3万5000円を前提としている。営業利益増減(6億42百万円増益)分析は、増益要因が差別化製品投入による売上増加3億60百万円、コスト削減・合理化効果5億円、製造経費減少70百万円、減益要因が製品構成差2億24百万円、販管費増加17百万円、その他47百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品の売上高が同2.2%減の154億70百万円で営業利益(連結調整前)が同38.7%増の17億94百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が同4.3%減の51億30百万円で営業利益が同41.6%増の2億11百万円、化成品事業の売上高が同3.1%増の34億90百万円で営業利益が同19.0%増の3億82百万円としている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.5%、営業利益が90.1%、経常利益が88.2%、純利益が91.0%と高水準である。通期利益予想は再増額の可能性が高いだろう。そして今期(17年12月期)も収益拡大が期待される。

■新中期経営計画で18年12月期営業利益率8%以上を目指す

 16年2月策定の新中期経営計画「CS VISION−2」では具体的戦略として、国内事業基盤の強化(製紙用薬品事業における高性能新規製品投入、樹脂事業における製品ポートフォリオ見直し、化成品事業における機能性モノマー・オリゴマー提供)、海外事業展開の加速(製紙用薬品事業における製品ポートフォリオ拡充、樹脂事業における印刷インキ水性化ニーズ捕捉、海外人材の育成・採用強化)、新規開発事業テーマの事業化(セルロースナノファイバーや銀ナノワイヤーなどの事業化)、事業領域拡大のための新規事業の探索・事業化(グループの強みを活かした新規事業参入機会の探索)、外部資源の活用(他社との業務・資本提携やM&Aの積極活用)、自ら変化・挑戦・成長する企業風土の醸成(チャレンジ精神に溢れる企業集団)を推進する。

 経営目標数値としては、会社設立50周年にあたる18年12月期売上高272億円(15年12月期比10.7%増)、営業利益22億円(同66.9%増)、営業利益率8%(同2.6ポイント上昇)以上、参考指標として海外売上高57億73百万円、海外売上高比率21.2%、ROE7.7%を掲げた。M&Aを実行して事業規模の拡大を図るため、適切な財務戦略に基づく資金枠を設定し、積極的に案件を探索する。

 なお事業別(連結調整前)目標値は、製紙用薬品事業の売上高が173億34百万円(15年12月期比9.6%増)で営業利益が17億円(同31.5%増)、樹脂事業の売上高が58億66百万円(同9.4%増)で営業利益が4億78百万円(同3.2倍)、化成品事業の売上高が40億円(同18.2%増)で営業利益が4億48百万円(同39.6%増)としている。樹脂事業には新規開発事業を含んでいる。

■株価は自律調整一巡して上値試す

 株価の動きを見ると、16年12月の戻り高値1294円から一旦反落したが切り返しの動きを強めている。1月16日には1248円まで上伸した。自律調整が一巡したようだ。

 1月16日の終値1248円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS49円47銭で算出)は25〜26倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS665円09銭で算出)は1.9倍近辺である。時価総額は約384億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって戻り歩調だ。自律調整が一巡して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月29日更新]

星光PMCは16年12月期第3四半期累計大幅増益で通期利益再増額の可能性

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。16年12月期第3四半期累計が大幅増益となり、通期も大幅増益予想である。そして再増額の可能性が高いだろう。株価は調整一巡して戻りを試す展開が期待される。

■製紙用薬品、印刷インキ・記録材料用樹脂、および化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。15年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業が22%、化成品事業14%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)CNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーについては14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■営業損益改善基調

 四半期別の推移を見ると、14年12月期は売上高が第1四半期53億36百万円、第2四半期61億68百万円、第3四半期60億64百万円、第4四半期64億02百万円、営業利益が1億40百万円、17百万円の赤字、77百万円、1億19百万円で、15年12月期は売上高が60億25百万円、60億75百万円、62億51百万円、62億18百万円、営業利益が2億45百万円、3億79百万円、2億92百万円、4億02百万円だった。営業損益は14年12月期第2四半期をボトムとして改善基調である。

 15年12月期の売上総利益率は23.5%で14年12月期比4.2ポイント上昇、販管費比率は18.1%で同0.1ポイント上昇した。なお営業利益増減分析は、増益要因が原材料価格上昇に対する製品価格是正によるギャップ解消4億60百万円、製造経費減少1億20百万円、販管費減少80百万円、中国子会社の収益改善3億42百万円、化成品事業の収益改善4億14百万円、その他14百万円、減益要因が単体ベース売上減少1億72百万円、製品構成差2億39百万円、新規事業開発費の増加21百万円としている。

 またROEは5.4%で同5.5ポイント上昇、自己資本比率は69.7%で同1.8ポイント上昇した。配当性向は33.9%だった。利益配分については、経営環境、業績、将来の事業展開および配当性向・配当利回り等を総合的に勘案し、適切な配当水準を維持しつつ、利益還元を行うことを基本方針としている。

■16年12月期第3四半期累計は大幅増益

 11月11日発表した今期(16年12月期)第3四半期累計(1〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比0.9%減の181億78百万円だが、営業利益が同92.6%増の17億65百万円、経常利益が同76.7%増の16億67百万円、純利益が同68.3%増の13億65百万円だった。製紙業界や印刷インキ業界の需要が総じて伸び悩み、販売価格低下も影響して減収だったが、国内外におけるコスト削減・合理化、化成品事業および中国事業の製紙用薬品が順調に推移して大幅増益だった。

 売上総利益は同19.6%増加し、売上総利益率は27.7%で同4.8ポイント上昇した。販管費は同0.7%減少したが、販管費比率は18.0%で同0.1ポイント上昇した。また営業外では為替差損が増加(前期24百万円、今期1億89百万円)した。特別利益では前期計上の国庫補助金2億54百万円が一巡したが、KJケミカルズの株式追加取得(100%子会社化)に伴う負ののれん発生益77百万円を計上した。特別損失では固定資産圧縮損1億67百万円が一巡した。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品は売上高が同1.7%減の115億46百万円で営業利益(連結調整前)が同65.2%増の14億55百万円だった。需要が伸び悩み、販売価格低下も影響したが、コスト削減・合理化や中国事業の順調推移などで大幅増益だった。印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が同3.9%減の38億65百万円で営業利益が同64.8%増の2億45百万円だった。水性インキ用樹脂は増収だが、オフセットインキ用樹脂および記録材料用樹脂が減収だったが、コスト削減・合理化で増益だった。化成品事業は売上高が同7.0%増の27億66百万円で営業利益が同62.3%増の3億67百万円だった。主力製品の輸出が好調に推移し、コスト削減・合理化効果も寄与した。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期59億49百万円、第2四半期60億63百万円、第3四半期61億66百万円、営業利益は4億97百万円、5億79百万円、6億89百万円だった。

■16年12月期通期予想は再増額の可能性

 今期(16年12月期)通期の連結業績予想(8月8日に売上高を7億40百万円減額、営業利益を5億円増額、経常利益を3億70百万円増額、純利益を3億70百万円増額)は、売上高が前期(15年12月期)比2.0%減の240億90百万円で、営業利益が同48.7%増の19億60百万円、経常利益が同41.5%増の18億90百万円、純利益が同39.8%増の15億円としている。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は24.3%となる。

 原料価格低下に伴って製品価格が低下するため減収だが、国内外におけるコスト削減・合理化、中国事業や化成品事業の順調推移などで大幅増益予想だ。為替レートは1ドル=103円、ナフサ価格は3万5000円を前提としている。営業利益増減(6億42百万円増益)分析は、増益要因が差別化製品投入による売上増加3億60百万円、コスト削減・合理化効果5億円、製造経費減少70百万円、減益要因が製品構成差2億24百万円、販管費増加17百万円、その他47百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品の売上高が同2.2%減の154億70百万円で営業利益(連結調整前)が同38.7%増の17億94百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が同4.3%減の51億30百万円で営業利益が同41.6%増の2億11百万円、化成品事業の売上高が同3.1%増の34億90百万円で営業利益が同19.0%増の3億82百万円としている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.5%、営業利益が90.1%、経常利益が88.2%、純利益が91.0%と高水準である。通期利益予想は再増額の可能性が高いだろう。

■新中期経営計画で18年12月期営業利益率8%以上を目指す

 16年2月策定の新中期経営計画「CS VISION−2」では具体的戦略として、国内事業基盤の強化(製紙用薬品事業における高性能新規製品投入、樹脂事業における製品ポートフォリオ見直し、化成品事業における機能性モノマー・オリゴマー提供)、海外事業展開の加速(製紙用薬品事業における製品ポートフォリオ拡充、樹脂事業における印刷インキ水性化ニーズ捕捉、海外人材の育成・採用強化)、新規開発事業テーマの事業化(セルロースナノファイバーや銀ナノワイヤーなどの事業化)、事業領域拡大のための新規事業の探索・事業化(グループの強みを活かした新規事業参入機会の探索)、外部資源の活用(他社との業務・資本提携やM&Aの積極活用)、自ら変化・挑戦・成長する企業風土の醸成(チャレンジ精神に溢れる企業集団)を推進する。

 経営目標数値としては、会社設立50周年にあたる18年12月期売上高272億円(15年12月期比10.7%増)、営業利益22億円(同66.9%増)、営業利益率8%(同2.6ポイント上昇)以上、参考指標として海外売上高57億73百万円、海外売上高比率21.2%、ROE7.7%を掲げた。M&Aを実行して事業規模の拡大を図るため、適切な財務戦略に基づく資金枠を設定し、積極的に案件を探索する。

 なお事業別(連結調整前)目標値は、製紙用薬品事業の売上高が173億34百万円(15年12月期比9.6%増)で営業利益が17億円(同31.5%増)、樹脂事業の売上高が58億66百万円(同9.4%増)で営業利益が4億78百万円(同3.2倍)、化成品事業の売上高が40億円(同18.2%増)で営業利益が4億48百万円(同39.6%増)としている。樹脂事業には新規開発事業を含んでいる。

■株価は調整一巡して戻り試す

 株価の動きを見ると、急伸した11月1日の戻り高値1250円から一旦反落して、11月9日に1015円まで調整する場面があった。ただし素早く切り返している。11月25日には1204円まで上伸して戻り高値圏だ。

 11月28日の終値1237円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円47銭で算出)は25.0倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は0.97%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS665円09銭で算出)は1.78倍である。時価総額は約363億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込む場面で下ヒゲをつけ、13週移動平均線を素早く回復した。調整一巡して戻りを試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月26日更新]

星光PMCは自律調整一巡して反発期待、16年12月期大幅増益予想

 星光PMC <4963> は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。16年12月期大幅増益予想で、再増額余地もありそうだ。株価は9月の戻り高値圏から一旦反落したが、自律調整一巡して反発が期待される。

■製紙用薬品、印刷インキ・記録材料用樹脂、および化成品を展開

 DIC <4631> の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。15年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業が22%、化成品事業14%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)CNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーについては14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■営業損益改善基調

 四半期別の推移を見ると、14年12月期は売上高が第1四半期53億36百万円、第2四半期61億68百万円、第3四半期60億64百万円、第4四半期64億02百万円、営業利益が1億40百万円、17百万円の赤字、77百万円、1億19百万円で、15年12月期は売上高が60億25百万円、60億75百万円、62億51百万円、62億18百万円、営業利益が2億45百万円、3億79百万円、2億92百万円、4億02百万円だった。営業損益は14年12月期第2四半期をボトムとして改善基調である。

 15年12月期の売上総利益率は23.5%で同4.2ポイント上昇、販管費比率は18.1%で同0.1ポイント上昇した。営業利益増減分析は、増益要因が原材料価格上昇に対する製品価格是正によるギャップ解消4億60百万円、製造経費減少1億20百万円、販管費減少80百万円、中国子会社の収益改善3億42百万円、化成品事業の収益改善4億14百万円、その他14百万円、減益要因が単体ベース売上減少1億72百万円、製品構成差2億39百万円、新規事業開発費の増加21百万円としている。

 なおROEは5.4%で同5.5ポイント上昇、自己資本比率は69.7%で同1.8ポイント上昇した。配当性向は33.9%だった。利益配分については、経営環境、業績、将来の事業展開および配当性向・配当利回り等を総合的に勘案し、適切な配当水準を維持しつつ、利益還元を行うことを基本方針としている。

■16年12月期第2四半期累計は計画超の大幅増益

 今期(16年12月期)第2四半期累計(1〜6月)連結業績(7月29日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が前年同期比0.7%減の120億12百万円、営業利益が同72.2%増の10億76百万円、経常利益が同44.8%増の9億83百万円、純利益が同54.2%増の8億20百万円だった。製紙業界の需要が伸び悩んだため売上高は計画を下回り減収だった。数量は同7%増加したが、製品価格下落が影響した。しかし国内外におけるコスト削減・合理化、中国事業の順調推移、化成品事業の好調などで計画超の大幅増益だった。

 売上総利益は同16.6%増加し、売上総利益率は27.2%で同4.0ポイント上昇した。販管費は同0.7%増加し、販管費比率は18.3%で同0.3ポイント上昇した。営業利益増減(4億52百万円増益)分析は、増益要因が差別化製品投入による売上増加1億91百万円、コスト削減・合理化効果3億85百万円、製造経費減少39百万円、減益要因が製品構成差98百万円、販管費増加17百万円、その他48百万円としている。

 営業外では為替差損益が悪化(前期は差益18百万円、今期は差損1億72百万円)した。特別利益では国庫補助金2億54百万円が一巡したが、KJケミカルズの株式追加取得(100%子会社化)に伴う負ののれん発生益77百万円を計上した。特別損失では固定資産圧縮損1億67百万円が一巡した。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品は売上高が同1.2%減の75億46百万円で営業利益(連結調整前)が同73.3%増の8億90百万円だった。需要が伸び悩んだが、国内外におけるコスト削減・合理化や中国事業の順調推移などで大幅増益だった。印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が同3.1%減の26億09百万円で営業利益が同9.7%増の1億31百万円だった。オフセットインキ用樹脂、水性インキ用樹脂、記録材料用樹脂が減収だったが、コスト削減・合理化で増益だった。化成品事業は売上高が同4.8%増の18億56百万円で営業利益が同16.0%増の2億54百万円だった。主力製品の輸出が好調に推移し、コスト削減・合理化効果も寄与した。

 四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期59億49百万円、第2四半期60億63百万円、営業利益は4億97百万円、5億79百万円だった。

■16年12月期通期の利益予想を増額修正

 今期(16年12月期)通期の連結業績予想(8月8日に売上高を7億40百万円減額、営業利益を5億円増額、経常利益を3億70百万円増額、純利益を3億70百万円増額)は、売上高が前期(15年12月期)比2.0%減の240億90百万円で、営業利益が同48.7%増の19億60百万円、経常利益が同41.5%増の18億90百万円、純利益が同39.8%増の15億円としている。配当予想は据え置いて前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は24.3%となる。

 売上高は同6.4%増だが、原料価格下落に伴って製品価格が下落するため、期初計画を下回る見込みだ。しかし国内外におけるコスト削減・合理化、中国事業の順調推移、化成品事業の好調などで利益が期初計画を上回る見込みだ。為替は1ドル=103円、ナフサ価格は3万5000円を前提としている。営業利益増減(6億42百万円増益)分析は、増益要因が差別化製品投入による売上増加3億60百万円、コスト削減・合理化効果5億円、製造経費減少70百万円、減益要因が製品構成差2億24百万円、販管費増加17百万円、その他47百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品の売上高が同2.2%減の154億70百万円で営業利益(連結調整前)が同38.7%増の17億94百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が同4.3%減の51億30百万円で営業利益が同41.6%増の2億11百万円、化成品事業の売上高が同3.1%増の34億90百万円で営業利益が同19.0%増の3億82百万円としている。

 修正後の通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高49.9%、営業利益54.9%、経常利益52.0%、純利益54.7%と高水準である。通期会社予想に再増額余地もありそうだ。

■新中期経営計画で18年12月期営業利益率8%以上を目指す

 16年2月策定の新中期経営計画「CS VISION−2」では具体的戦略として、国内事業基盤の強化(製紙用薬品事業における高性能新規製品投入、樹脂事業における製品ポートフォリオ見直し、化成品事業における機能性モノマー・オリゴマー提供)、海外事業展開の加速(製紙用薬品事業における製品ポートフォリオ拡充、樹脂事業における印刷インキ水性化ニーズ捕捉、海外人材の育成・採用強化)、新規開発事業テーマの事業化(セルロースナノファイバーや銀ナノワイヤーなどの事業化)、事業領域拡大のための新規事業の探索・事業化(グループの強みを活かした新規事業参入機会の探索)、外部資源の活用(他社との業務・資本提携やM&Aの積極活用)、自ら変化・挑戦・成長する企業風土の醸成(チャレンジ精神に溢れる企業集団)を推進する。

 経営目標数値としては、会社設立50周年にあたる18年12月期売上高272億円(15年12月期比10.7%増)、営業利益22億円(同66.9%増)、営業利益率8%(同2.6ポイント上昇)以上、参考指標として海外売上高57億73百万円、海外売上高比率21.2%、ROE7.7%を掲げた。M&Aを実行して事業規模の拡大を図るため、適切な財務戦略に基づく資金枠を設定し、積極的に案件を探索する。

 なお事業別(連結調整前)目標値は、製紙用薬品事業の売上高が173億34百万円(15年12月期比9.6%増)で営業利益が17億円(同31.5%増)、樹脂事業の売上高が58億66百万円(同9.4%増)で営業利益が4億78百万円(同3.2倍)、化成品事業の売上高が40億円(同18.2%増)で営業利益が4億48百万円(同39.6%増)としている。樹脂事業には新規開発事業を含んでいる。

■株価は自律調整一巡して反発期待

 株価の動きを見ると、9月の戻り高値圏1200円近辺から反落した。ただし大きく下押す動きは見られず1100円台で推移している。自律調整の範囲だろう。

 10月25日の終値1104円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円47銭で算出)は22〜23倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS665円09銭で算出)は1.7倍近辺である。時価総額は約339億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋る形だ。また13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いて先高感を強めている。自律調整一巡して反発が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[9月27日更新]

星光PMCは戻り歩調に変化なく1月の年初来高値目指す、16年12月期大幅増益予想

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。16年12月期大幅増益予想で、再増額余地もありそうだ。株価は戻り歩調に変化なく、1月の年初来高値を目指す展開だろう。

■製紙用薬品、印刷インキ・記録材料用樹脂、および化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。15年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業が22%、化成品事業14%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)CNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーについては14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■営業損益改善基調

 四半期別の推移を見ると、14年12月期は売上高が第1四半期53億36百万円、第2四半期61億68百万円、第3四半期60億64百万円、第4四半期64億02百万円、営業利益が1億40百万円、17百万円の赤字、77百万円、1億19百万円で、15年12月期は売上高が60億25百万円、60億75百万円、62億51百万円、62億18百万円、営業利益が2億45百万円、3億79百万円、2億92百万円、4億02百万円だった。営業損益は14年12月期第2四半期をボトムとして改善基調である。

 15年12月期の売上総利益率は23.5%で同4.2ポイント上昇、販管費比率は18.1%で同0.1ポイント上昇した。営業利益増減分析は、増益要因が原材料価格上昇に対する製品価格是正によるギャップ解消4億60百万円、製造経費減少1億20百万円、販管費減少80百万円、中国子会社の収益改善3億42百万円、化成品事業の収益改善4億14百万円、その他14百万円、減益要因が単体ベース売上減少1億72百万円、製品構成差2億39百万円、新規事業開発費の増加21百万円としている。

 なおROEは5.4%で同5.5ポイント上昇、自己資本比率は69.7%で同1.8ポイント上昇した。配当性向は33.9%だった。利益配分については、経営環境、業績、将来の事業展開および配当性向・配当利回り等を総合的に勘案し、適切な配当水準を維持しつつ、利益還元を行うことを基本方針としている。

■16年12月期第2四半期累計は計画超の大幅増益

 今期(16年12月期)第2四半期累計(1〜6月)連結業績(7月29日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が前年同期比0.7%減の120億12百万円、営業利益が同72.2%増の10億76百万円、経常利益が同44.8%増の9億83百万円、純利益が同54.2%増の8億20百万円だった。製紙業界の需要が伸び悩んだため売上高は計画を下回り減収だった。数量は同7%増加したが、製品価格下落が影響した。しかし国内外におけるコスト削減・合理化、中国事業の順調推移、化成品事業の好調などで計画超の大幅増益だった。

 売上総利益は同16.6%増加し、売上総利益率は27.2%で同4.0ポイント上昇した。販管費は同0.7%増加し、販管費比率は18.3%で同0.3ポイント上昇した。営業利益増減(4億52百万円増益)分析は、増益要因が差別化製品投入による売上増加1億91百万円、コスト削減・合理化効果3億85百万円、製造経費減少39百万円、減益要因が製品構成差98百万円、販管費増加17百万円、その他48百万円としている。営業外では為替差損益が悪化(前期は差益18百万円、今期は差損1億72百万円)した。特別利益では国庫補助金2億54百万円が一巡したが、KJケミカルズの株式追加取得(100%子会社化)に伴う負ののれん発生益77百万円を計上した。特別損失では固定資産圧縮損1億67百万円が一巡した。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品は売上高が同1.2%減の75億46百万円で営業利益(連結調整前)が同73.3%増の8億90百万円だった。需要が伸び悩んだが、国内外におけるコスト削減・合理化や中国事業の順調推移などで大幅増益だった。印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が同3.1%減の26億09百万円で営業利益が同9.7%増の1億31百万円だった。オフセットインキ用樹脂、水性インキ用樹脂、記録材料用樹脂が減収だったが、コスト削減・合理化で増益だった。化成品事業は売上高が同4.8%増の18億56百万円で営業利益が同16.0%増の2億54百万円だった。主力製品の輸出が好調に推移し、コスト削減・合理化効果も寄与した。

 四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期59億49百万円、第2四半期60億63百万円、営業利益は4億97百万円、5億79百万円だった。

■16年12月期通期の利益予想を増額修正

 今期(16年12月期)通期の連結業績予想(8月8日に売上高を7億40百万円減額、営業利益を5億円増額、経常利益を3億70百万円増額、純利益を3億70百万円増額)は、売上高が前期(15年12月期)比2.0%減の240億90百万円で、営業利益が同48.7%増の19億60百万円、経常利益が同41.5%増の18億90百万円、純利益が同39.8%増の15億円としている。配当予想は据え置いて前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は24.3%となる。

 売上高は同6.4%増だが、原料価格下落に伴って製品価格が下落するため、期初計画を下回る見込みだ。しかし国内外におけるコスト削減・合理化、中国事業の順調推移、化成品事業の好調などで利益が期初計画を上回る見込みだ。為替は1ドル=103円、ナフサ価格は3万5000円を前提としている。営業利益増減(6億42百万円増益)分析は、増益要因が差別化製品投入による売上増加3億60百万円、コスト削減・合理化効果5億円、製造経費減少70百万円、減益要因が製品構成差2億24百万円、販管費増加17百万円、その他47百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品の売上高が同2.2%減の154億70百万円で営業利益(連結調整前)が同38.7%増の17億94百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が同4.3%減の51億30百万円で営業利益が同41.6%増の2億11百万円、化成品事業の売上高が同3.1%増の34億90百万円で営業利益が同19.0%増の3億82百万円としている。

 修正後の通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高49.9%、営業利益54.9%、経常利益52.0%、純利益54.7%と高水準である。通期会社予想に再増額余地もありそうだ。

■新中期経営計画で18年12月期営業利益率8%以上を目指す

 16年2月策定の新中期経営計画「CS VISION−2」では具体的戦略として、国内事業基盤の強化(製紙用薬品事業における高性能新規製品投入、樹脂事業における製品ポートフォリオ見直し、化成品事業における機能性モノマー・オリゴマー提供)、海外事業展開の加速(製紙用薬品事業における製品ポートフォリオ拡充、樹脂事業における印刷インキ水性化ニーズ捕捉、海外人材の育成・採用強化)、新規開発事業テーマの事業化(セルロースナノファイバーや銀ナノワイヤーなどの事業化)、事業領域拡大のための新規事業の探索・事業化(グループの強みを活かした新規事業参入機会の探索)、外部資源の活用(他社との業務・資本提携やM&Aの積極活用)、自ら変化・挑戦・成長する企業風土の醸成(チャレンジ精神に溢れる企業集団)を推進する。

 経営目標数値としては、会社設立50周年にあたる18年12月期売上高272億円(15年12月期比10.7%増)、営業利益22億円(同66.9%増)、営業利益率8%(同2.6ポイント上昇)以上、参考指標として海外売上高57億73百万円、海外売上高比率21.2%、ROE7.7%を掲げた。M&Aを実行して事業規模の拡大を図るため、適切な財務戦略に基づく資金枠を設定し、積極的に案件を探索する。

 なお事業別(連結調整前)目標値は、製紙用薬品事業の売上高が173億34百万円(15年12月期比9.6%増)で営業利益が17億円(同31.5%増)、樹脂事業の売上高が58億66百万円(同9.4%増)で営業利益が4億78百万円(同3.2倍)、化成品事業の売上高が40億円(同18.2%増)で営業利益が4億48百万円(同39.6%増)としている。樹脂事業には新規開発事業を含んでいる。

■株価は戻り歩調に変化なく1月の年初来高値目指す

 株価の動きを見ると、9月1日の戻り高値1188円から一旦反落したが、素早く切り返しの動きを強めている。23日には1180円まで上伸して1日の戻り高値に接近した。戻り歩調に変化はないようだ。

 9月23日の終値1177円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円47銭で算出)は23〜24倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS665円09銭で算出)は1.8倍近辺である。なお時価総額は約362億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインの形だ。また週足チャートで見ると上向きに転じた13週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。戻り歩調に変化はなく、1月の年初来高値1577円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[9月01日更新]

星光PMCは戻り歩調で1月の年初来高値目指す、16年12月期利益増額して大幅増益予想

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。16年12月期は第2四半期累計が計画超の大幅増益となり、通期利益も増額修正して大幅増益予想である。そして再増額余地もありそうだ。株価は好業績を評価して戻り歩調だ。1月の年初来高値を目指す展開だろう。

■製紙用薬品、印刷インキ・記録材料用樹脂、および化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。15年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業が22%、化成品事業14%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)CNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーについては14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■営業損益改善基調

 四半期別の推移を見ると、14年12月期は売上高が第1四半期53億36百万円、第2四半期61億68百万円、第3四半期60億64百万円、第4四半期64億02百万円、営業利益が1億40百万円、17百万円の赤字、77百万円、1億19百万円で、15年12月期は売上高が60億25百万円、60億75百万円、62億51百万円、62億18百万円、営業利益が2億45百万円、3億79百万円、2億92百万円、4億02百万円だった。営業損益は14年12月期第2四半期をボトムとして改善基調である。

 15年12月期の売上総利益率は23.5%で同4.2ポイント上昇、販管費比率は18.1%で同0.1ポイント上昇した。営業利益増減分析は、増益要因が原材料価格上昇に対する製品価格是正によるギャップ解消4億60百万円、製造経費減少1億20百万円、販管費減少80百万円、中国子会社の収益改善3億42百万円、化成品事業の収益改善4億14百万円、その他14百万円、減益要因が単体ベース売上減少1億72百万円、製品構成差2億39百万円、新規事業開発費の増加21百万円としている。

 なおROEは5.4%で同5.5ポイント上昇、自己資本比率は69.7%で同1.8ポイント上昇した。配当性向は33.9%だった。利益配分については、経営環境、業績、将来の事業展開および配当性向・配当利回り等を総合的に勘案し、適切な配当水準を維持しつつ、利益還元を行うことを基本方針としている。

■16年12月期第2四半期累計は計画超の大幅増益

 今期(16年12月期)第2四半期累計(1〜6月)連結業績(7月29日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が前年同期比0.7%減の120億12百万円、営業利益が同72.2%増の10億76百万円、経常利益が同44.8%増の9億83百万円、純利益が同54.2%増の8億20百万円だった。製紙業界の需要が伸び悩んだため売上高は計画を下回り減収だった。数量は同7%増加したが、製品価格下落が影響した。しかし国内外におけるコスト削減・合理化、中国事業の順調推移、化成品事業の好調などで計画超の大幅増益だった。

 売上総利益は同16.6%増加し、売上総利益率は27.2%で同4.0ポイント上昇した。販管費は同0.7%増加し、販管費比率は18.3%で同0.3ポイント上昇した。営業利益増減(4億52百万円増益)分析は、増益要因が差別化製品投入による売上増加1億91百万円、コスト削減・合理化効果3億85百万円、製造経費減少39百万円、減益要因が製品構成差98百万円、販管費増加17百万円、その他48百万円としている。営業外では為替差損益が悪化(前期は差益18百万円、今期は差損1億72百万円)した。特別利益では国庫補助金2億54百万円が一巡したが、KJケミカルズの株式追加取得(100%子会社化)に伴う負ののれん発生益77百万円を計上した。特別損失では固定資産圧縮損1億67百万円が一巡した。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品は売上高が同1.2%減の75億46百万円で営業利益(連結調整前)が同73.3%増の8億90百万円だった。需要が伸び悩んだが、国内外におけるコスト削減・合理化や中国事業の順調推移などで大幅増益だった。印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が同3.1%減の26億09百万円で営業利益が同9.7%増の1億31百万円だった。オフセットインキ用樹脂、水性インキ用樹脂、記録材料用樹脂が減収だったが、コスト削減・合理化で増益だった。化成品事業は売上高が同4.8%増の18億56百万円で営業利益が同16.0%増の2億54百万円だった。主力製品の輸出が好調に推移し、コスト削減・合理化効果も寄与した。

 四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期59億49百万円、第2四半期60億63百万円、営業利益は4億97百万円、5億79百万円だった。

■16年12月期通期の利益予想を増額修正

 今期(16年12月期)通期連結業績予想(8月8日に修正、売上高を7億40百万円減額、営業利益を5億円増額、経常利益を3億70百万円増額、純利益を3億70百万円増額)は、売上高が前期(15年12月期)比2.0%減の240億90百万円、営業利益が同48.7%増の19億60百万円、経常利益が同41.5%増の18億90百万円、純利益が同39.8%増の15億円としている。配当予想は据え置いて前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は24.3%となる。

 売上高は同6.4%増だが原料価格下落に伴って製品価格が下落し、売上高は計画を下回る見込みとなった。しかし国内外におけるコスト削減・合理化、中国事業の順調推移、化成品事業の好調などで利益が期初計画を上回る見込みだ。為替は1ドル=103円、ナフサ価格は3万5000円を前提としている。なお営業利益増減(6億42百万円増益)分析は、増益要因が差別化製品投入による売上増加3億60百万円、コスト削減・合理化効果5億円、製造経費減少70百万円、減益要因が製品構成差2億24百万円、販管費増加17百万円、その他47百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品の売上高が同2.2%減の154億70百万円で営業利益(連結調整前)が同38.7%増の17億94百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂の売上高が同4.3%減の51億30百万円で営業利益が同41.6%増の2億11百万円、化成品事業の売上高が同3.1%増の34億90百万円で営業利益が同19.0%増の3億82百万円としている。

 修正後の通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高49.9%、営業利益54.9%、経常利益52.0%、純利益54.7%と高水準である。通期会社予想に再増額余地もありそうだ。

■新中期経営計画で18年12月期営業利益率8%以上を目指す

 16年2月策定の新中期経営計画「CS VISION−2」では具体的戦略として、国内事業基盤の強化(製紙用薬品事業における高性能新規製品投入、樹脂事業における製品ポートフォリオ見直し、化成品事業における機能性モノマー・オリゴマー提供)、海外事業展開の加速(製紙用薬品事業における製品ポートフォリオ拡充、樹脂事業における印刷インキ水性化ニーズ捕捉、海外人材の育成・採用強化)、新規開発事業テーマの事業化(セルロースナノファイバーや銀ナノワイヤーなどの事業化)、事業領域拡大のための新規事業の探索・事業化(グループの強みを活かした新規事業参入機会の探索)、外部資源の活用(他社との業務・資本提携やM&Aの積極活用)、自ら変化・挑戦・成長する企業風土の醸成(チャレンジ精神に溢れる企業集団)を推進する。

 経営目標数値としては、会社設立50周年にあたる18年12月期売上高272億円(15年12月期比10.7%増)、営業利益22億円(同66.9%増)、営業利益率8%(同2.6ポイント上昇)以上、参考指標として海外売上高57億73百万円、海外売上高比率21.2%、ROE7.7%を掲げた。M&Aを実行して事業規模の拡大を図るため、適切な財務戦略に基づく資金枠を設定し、積極的に案件を探索する。

 なお事業別(連結調整前)目標値は、製紙用薬品事業の売上高が173億34百万円(15年12月期比9.6%増)で営業利益が17億円(同31.5%増)、樹脂事業の売上高が58億66百万円(同9.4%増)で営業利益が4億78百万円(同3.2倍)、化成品事業の売上高が40億円(同18.2%増)で営業利益が4億48百万円(同39.6%増)としている。樹脂事業には新規開発事業を含んでいる。

■株価は戻り歩調で1月の年初来高値目指す

 株価の動きを見ると、6月の直近安値884円から切り返し、好業績を評価して戻り歩調だ。8月29日には1170円まで上伸した。

 8月31日の終値1154円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円47銭で算出)は23〜24倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS665円09銭で算出)は1.7倍近辺である。なお時価総額は約355億円である。

 日足チャートで見ると上向きに転じた25日移動平均線がサポートラインの形となった。また週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線を突破した。強基調への転換を確認した形だ。1月の年初来高値を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[8月10日更新]

星光PMCは16年12月期第2四半期累計は計画超の大幅増益、通期利益予想も増額修正

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。8月8日発表した16年12月期第2四半期累計は計画超の大幅増益となり、通期利益予想も増額修正した。株価は調整が一巡し、増額修正を好感して出直りの動きが本格化しそうだ。

■製紙用薬品、印刷インキ・記録材料用樹脂、および化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。15年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業が22%、化成品事業14%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)CNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーについては14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■営業損益改善基調

 四半期別の推移を見ると、14年12月期は売上高が第1四半期53億36百万円、第2四半期61億68百万円、第3四半期60億64百万円、第4四半期64億02百万円、営業利益が1億40百万円、17百万円の赤字、77百万円、1億19百万円で、15年12月期は売上高が60億25百万円、60億75百万円、62億51百万円、62億18百万円、営業利益が2億45百万円、3億79百万円、2億92百万円、4億02百万円だった。営業損益は14年12月期第2四半期をボトムとして改善基調である。

 15年12月期の売上総利益率は23.5%で同4.2ポイント上昇、販管費比率は18.1%で同0.1ポイント上昇した。営業利益増減分析は、増益要因が原材料価格上昇に対する製品価格是正によるギャップ解消4億60百万円、製造経費減少1億20百万円、販管費減少80百万円、中国子会社の収益改善3億42百万円、化成品事業の収益改善4億14百万円、その他14百万円、減益要因が単体ベース売上減少1億72百万円、製品構成差2億39百万円、新規事業開発費の増加21百万円としている。

 なおROEは5.4%で同5.5ポイント上昇、自己資本比率は69.7%で同1.8ポイント上昇した。配当性向は33.9%だった。利益配分については、経営環境、業績、将来の事業展開および配当性向・配当利回り等を総合的に勘案し、適切な配当水準を維持しつつ、利益還元を行うことを基本方針としている。

■16年12月期第2四半期累計は計画超の大幅増益

 8月8日発表した今期(16年12月期)第2四半期累計(1〜6月)の連結業績(7月29日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が前年同期比0.7%減の120億12百万円、営業利益が同72.2%増の10億76百万円、経常利益が同44.8%増の9億83百万円、純利益が同54.2%増の8億20百万円だった。製紙業界の需要が伸び悩んだため売上高は計画を下回り減収だったが、高付加価値製品の拡販、国内外におけるコスト削減・合理化、中国事業の順調推移、化成品事業の好調などで計画超の大幅増益だった。

 売上総利益は同16.6%増加し、売上総利益率は27.2%で同4.0ポイント上昇した。販管費は同0.7%増加し、販管費比率は18.3%で同0.3ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化(前期は差益18百万円、今期は差損1億72百万円)した。特別利益では国庫補助金2億54百万円が一巡したが、特別損失では固定資産圧縮損1億67百万円が一巡した。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品は売上高が同1.2%減の75億46百万円で営業利益(連結調整前)が同73.3%増の8億90百万円だった。需要が伸び悩んだが、国内外におけるコスト削減・合理化や中国事業の順調推移などで大幅増益だった。印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が同3.1%減の26億09百万円で営業利益が同9.7%増の1億31百万円だった。オフセットインキ用樹脂、水性インキ用樹脂、記録材料用樹脂が減収だったが、コスト削減・合理化で増益だった。化成品事業は売上高が同4.8%増の18億56百万円で営業利益が同16.0%増の2億54百万円だった。主力製品の輸出が好調に推移し、コスト削減・合理化効果も寄与した。

 四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期59億49百万円、第2四半期60億63百万円、営業利益は4億97百万円、5億79百万円だった。

■16年12月期通期の利益予想を増額修正

 今期(16年12月期)通期の連結業績予想は8月8日に修正を発表した。前回予想(2月10日公表)に対して、売上高を7億40百万円減額したが、営業利益を5億円、経常利益を3億70百万円、純利益を3億70百万円増額し、売上高が前期(15年12月期)比2.0%減の240億90百万円、営業利益が同48.7%増の19億60百万円、経常利益が同41.5%増の18億90百万円、そして純利益が同39.8%増の15億円とした。配当予想は据え置いて前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は24.3%となる。

 売上高は計画を下回るが、高付加価値製品の拡販、国内外におけるコスト削減・合理化、中国事業の順調推移、化成品事業の好調などで利益が期初計画を上回る見込みだ。修正後の通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高49.9%、営業利益54.9%、経常利益52.0%、純利益54.7%と高水準である。通期会社予想に再増額余地があるだろう。

■新中期経営計画で18年12月期営業利益率8%以上を目指す

 16年2月策定の新中期経営計画「CS VISION−2」では具体的戦略として、国内事業基盤の強化(製紙用薬品事業における高性能新規製品投入、樹脂事業における製品ポートフォリオ見直し、化成品事業における機能性モノマー・オリゴマー提供)、海外事業展開の加速(製紙用薬品事業における製品ポートフォリオ拡充、樹脂事業における印刷インキ水性化ニーズ捕捉、海外人材の育成・採用強化)、新規開発事業テーマの事業化(セルロースナノファイバーや銀ナノワイヤーなどの事業化)、事業領域拡大のための新規事業の探索・事業化(グループの強みを活かした新規事業参入機会の探索)、外部資源の活用(他社との業務・資本提携やM&Aの積極活用)、自ら変化・挑戦・成長する企業風土の醸成(チャレンジ精神に溢れる企業集団)を推進する。

 経営目標数値としては、会社設立50周年にあたる18年12月期売上高272億円(15年12月期比10.7%増)、営業利益22億円(同66.9%増)、営業利益率8%(同2.6ポイント上昇)以上、参考指標として海外売上高57億73百万円、海外売上高比率21.2%、ROE7.7%を掲げた。M&Aを実行して事業規模の拡大を図るため、適切な財務戦略に基づく資金枠を設定し、積極的に案件を探索する。

 なお事業別(連結調整前)目標値は、製紙用薬品事業の売上高が173億34百万円(15年12月期比9.6%増)で営業利益が17億円(同31.5%増)、樹脂事業の売上高が58億66百万円(同9.4%増)で営業利益が4億78百万円(同3.2倍)、化成品事業の売上高が40億円(同18.2%増)で営業利益が4億48百万円(同39.6%増)としている。樹脂事業には新規開発事業を含んでいる。

■株価は出直りの動き本格化期待

 株価の動きを見ると、6月の直近安値884円から切り返したが、やや反発力が鈍く1000円〜1100円近辺でモミ合う形だ。ただし調整一巡感も強めている。

 8月8日の終値1028円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円47銭で算出)は20〜21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS665円09銭で算出)は1.5倍近辺である。時価総額は約316億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。調整一巡し、増額修正を好感して出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[7月20日更新]

星光PMCは調整一巡して出直り、16年12月期は製品構成改善で増収増益予想

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。16年12月期は製品構成改善が寄与して増収増益予想である。株価は地合い悪化の影響を受けたが、調整一巡して出直り展開だろう。

■製紙用薬品、印刷インキ・記録材料用樹脂、および化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。15年12月期の売上高構成比は製紙用薬品事業が64%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業が22%、化成品事業14%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)CNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーについては14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■営業損益改善基調

 四半期別の推移を見ると、14年12月期は売上高が第1四半期53億36百万円、第2四半期61億68百万円、第3四半期60億64百万円、第4四半期64億02百万円、営業利益が1億40百万円、17百万円の赤字、77百万円、1億19百万円で、15年12月期は売上高が60億25百万円、60億75百万円、62億51百万円、62億18百万円、営業利益が2億45百万円、3億79百万円、2億92百万円、4億02百万円だった。営業損益は14年12月期第2四半期をボトムとして改善基調である。

 15年12月期の売上総利益率は23.5%で同4.2ポイント上昇、販管費比率は18.1%で同0.1ポイント上昇した。営業利益増減分析は、増益要因が原材料価格上昇に対する製品価格是正によるギャップ解消4億60百万円、製造経費減少1億20百万円、販管費減少80百万円、中国子会社の収益改善3億42百万円、化成品事業の収益改善4億14百万円、その他14百万円、減益要因が単体ベース売上減少1億72百万円、製品構成差2億39百万円、新規事業開発費の増加21百万円としている。

 なおROEは5.4%で同5.5ポイント上昇、自己資本比率は69.7%で同1.8ポイント上昇した。配当性向は33.9%だった。利益配分については、経営環境、業績、将来の事業展開および配当性向・配当利回り等を総合的に勘案し、適切な配当水準を維持しつつ、利益還元を行うことを基本方針としている。

■16年12月期第1四半期は大幅増益

 今期(16年12月期)第1四半期の連結業績は前年同期比1.3%減収だが、同2.0倍営業増益、同91.7%経常増益、同78.3%最終増益だった。製紙業界の需要が伸び悩んだため減収だが、高付加価値製品の拡販、国内外におけるコスト削減効果などで大幅増益だった。

 売上総利益は同19.9%増加し、売上総利益率は26.5%で同4.7ポイント上昇した。販管費は同0.9%増加し、販管費比率は18.2%で同0.4ポイント上昇した。特別利益では子会社株式追加取得による負ののれん発生益77百万円を計上したが、国庫補助金2億54百万円が一巡した。特別損失では固定資産圧縮損1億67百万円が一巡した。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品は売上高が同1.3%減の36億92百万円で営業利益(連結調整前)が同81.8%増の4億10百万円だった。需要が伸び悩んだが、国内外におけるコスト削減効果などで大幅増益だった。印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が同7.0%減の12億99百万円で営業利益が同33.4%減の39百万円だった。オフセットインキ用樹脂、水性インキ用樹脂、記録材料用樹脂が減収だった。化成品事業は売上高が同8.0%増の9億57百万円で営業利益が同86.3%増の1億48百万円だった。国内外で主力製品が好調に推移し、コスト削減効果も寄与した。

■16年12月期第2四半期累計の利益予想を増額修正

 今期(16年12月期)第2四半期累計の連結業績予想(5月12日に利益を増額修正)は、売上高が前年同期比0.3%減の120億70百万円だが、営業利益が同29.6%増の8億10百万円、経常利益が同22.2%増の8億30百万円、純利益が同33.4%増の7億10百万円としている。化成品事業が順調に推移し、国内外におけるコスト削減効果、子会社株式追加取得による負ののれん発生益計上も寄与する。

■16年12月期通期も増収増益予想

 今期(16年12月期)通期の連結業績予想は前回予想(2月10日公表)を据え置き、売上高が前期(15年12月期)比1.1%増の248億30百万円、営業利益が同10.7%増の14億60百万円、経常利益が同13.8%増の15億20百万円、純利益が同5.3%増の11億30百万円としている。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は32.2%となる。

 事業環境が厳しく全体として微増収だが、製品構成改善などで2桁営業増益予想としている。想定為替レートは1ドル=123円、ナフサ価格は4万3000円で、減価償却費は同0.1%増の10億05百万円、設備投資は同90.7%増の16億25百万円、研究開発費は同8.6%増の17億80百万円の計画としている。

 営業利益増減分析計画は、増益要因が単体ベース売上数量増加1億80百万円、製品・原料価格バランス79百万円、製品ポートフォリオ改善1億61百万円、コスト削減1億円、中国子会社の収益改善35百万円、減益要因が製造経費増加2億15百万円、販売費増加1億96百万円、その他化成品事業2百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品事業の売上高が同2.3%増の161億80百万円で営業利益(連結調整前)が同18.8%増の15億36百万円、樹脂事業の売上高が同3.4%減の51億79百万円で営業利益が同45.0%減の82百万円、化成品事業の売上高が同2.6%増の34億72百万円で営業利益が同0.6%減の3億19百万円としている。

 なお通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が24.0%、営業利益が34.1%、経常利益が32.7%、純利益が41.2%と高水準である。通期会社予想に増額余地がありそうだ。

■新中期経営計画で18年12月期営業利益率8%以上を目指す

 16年2月策定の新中期経営計画「CS VISION−2」では具体的戦略として、国内事業基盤の強化(製紙用薬品事業における高性能新規製品投入、樹脂事業における製品ポートフォリオ見直し、化成品事業における機能性モノマー・オリゴマー提供)、海外事業展開の加速(製紙用薬品事業における製品ポートフォリオ拡充、樹脂事業における印刷インキ水性化ニーズ捕捉、海外人材の育成・採用強化)、新規開発事業テーマの事業化(セルロースナノファイバーや銀ナノワイヤーなどの事業化)、事業領域拡大のための新規事業の探索・事業化(グループの強みを活かした新規事業参入機会の探索)、外部資源の活用(他社との業務・資本提携やM&Aの積極活用)、自ら変化・挑戦・成長する企業風土の醸成(チャレンジ精神に溢れる企業集団)を推進する。

 経営目標数値としては、会社設立50周年にあたる18年12月期売上高272億円(15年12月期比10.7%増)、営業利益22億円(同66.9%増)、営業利益率8%(同2.6ポイント上昇)以上、参考指標として海外売上高57億73百万円、海外売上高比率21.2%、ROE7.7%を掲げた。M&Aを実行して事業規模の拡大を図るため、適切な財務戦略に基づく資金枠を設定し、積極的に案件を探索する。

 なお事業別(連結調整前)目標値は、製紙用薬品事業の売上高が173億34百万円(15年12月期比9.6%増)で営業利益が17億円(同31.5%増)、樹脂事業の売上高が58億66百万円(同9.4%増)で営業利益が4億78百万円(同3.2倍)、化成品事業の売上高が40億円(同18.2%増)で営業利益が4億48百万円(同39.6%増)としている。樹脂事業には新規開発事業を含んでいる。

■株価は調整一巡して出直り

 株価の動きを見ると、地合い悪化の影響で6月24日に884円まで調整する場面があったが、2月の年初来安値815円を割り込むことなく切り返しの動きを強めている。

 7月15日の終値1010円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS37円27銭で算出)は27倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS665円09銭で算出)は1.5倍近辺である。時価総額は約311億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、直近安値圏の下ヒゲで調整一巡感を強めている。出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[6月27日更新]

星光PMCは地合い悪化で急落だが売られ過ぎ感、16年12月期増収増益予想

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。製品構成改善などで16年12月期増収増益予想である。株価は地合い悪化の影響で急落したが売られ過ぎ感を強めている。市場が落ち着けば戻りを試す展開だろう。

■製紙用薬品、印刷インキ・記録材料用樹脂、および化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、および化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。15年12月期売上高構成比は製紙用薬品事業64.4%、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業21.8%、化成品事業13.8%だった。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 当社は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月に経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーについては14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■営業損益改善基調

 四半期別業績推移を見ると、14年12月期の売上高は第1四半期53億36百万円、第2四半期61億68百万円、第3四半期60億64百万円、第4四半期64億02百万円で、営業利益は第1四半期1億40百万円、第2四半期17百万円の赤字、第3四半期77百万円、第4四半期1億19百万円だった。

 15年12月期の売上高は第1四半期60億25百万円、第2四半期60億75百万円、第3四半期62億51百万円、第4四半期62億18百万円、営業利益は第1四半期2億45百万円、第2四半期3億79百万円、第3四半期2億92百万円、第4四半期4億02百万円だった。営業損益は14年12月期第2四半期をボトムとして改善基調である。

 15年12月期の売上総利益率は23.5%で同4.2ポイント上昇、販管費比率は18.1%で同0.1ポイント上昇した。営業利益増減分析は、増益要因が原材料価格上昇に対する製品価格是正によるギャップ解消4億60百万円、製造経費減少1億20百万円、販管費減少80百万円、中国子会社の収益改善3億42百万円、化成品事業の収益改善4億14百万円、その他14百万円、減益要因が単体ベース売上減少1億72百万円、製品構成差2億39百万円、新規事業開発費の増加21百万円としている。

 なおROEは5.4%で同5.5ポイント上昇、自己資本比率は69.7%で同1.8ポイント上昇した。配当性向は33.9%だった。利益配分については、経営環境、業績、将来の事業展開および配当性向・配当利回り等を総合的に勘案し、適切な配当水準を維持しつつ、利益還元を行うことを基本方針としている。

■16年12月期第1四半期は大幅増益

 今期(16年12月期)第1四半期連結業績は、前年同期比1.3%減収だが、同2.0倍営業増益、同91.7%経常増益、同78.3%最終増益だった。製紙業界の需要が伸び悩んだため減収だが、高付加価値製品の拡販、国内外におけるコスト削減・合理化などの効果で大幅増益だった。

 売上総利益は同19.9%増加し、売上総利益率は26.5%で同4.7ポイント上昇した。販管費は同0.9%増加し、販管費比率は18.2%で同0.4ポイント上昇した。特別利益では子会社株式追加取得による負ののれん発生益77百万円を計上したが、国庫補助金2億54百万円が一巡した。また特別損失では固定資産圧縮損1億67百万円が一巡した。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品は売上高が同1.3%減の36億92百万円で営業利益(連結調整前)が同81.8%増の4億10百万円だった。需要が伸び悩んで減収だったが、国内外におけるコスト削減・合理化などで大幅増益だった。印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が同7.0%減の12億99百万円で営業利益が同33.4%減の39百万円だった。オフセットインキ用樹脂、水性インキ用樹脂、記録材料用樹脂が減収だった。化成品事業は売上高が同8.0%増の9億57百万円で営業利益が同86.3%増の1億48百万円だった。国内外で主力製品が好調に推移し、コスト削減・合理化も寄与して大幅増益だった。

■16年12月期第2四半期累計の利益予想を増額修正

 今期(16年12月期)第2四半期累計の連結業績予想(5月12日に利益を増額修正)については、売上高が前年同期比0.3%減の120億70百万円だが、営業利益が同29.6%増の8億10百万円、経常利益が同22.2%増の8億30百万円、純利益が同33.4%増の7億10百万円としている。化成品事業が順調に推移し、国内外におけるコスト削減・合理化などの効果、子会社株式追加取得による負ののれん発生益計上も寄与する。

■16年12月期通期も増収増益予想

 今期(16年12月期)通期の連結業績予想は前回予想(2月10日公表)を据え置き、売上高が前期(15年12月期)比1.1%増の248億30百万円、営業利益が同10.7%増の14億60百万円、経常利益が同13.8%増の15億20百万円、純利益が同5.3%増の11億30百万円としている。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は32.2%となる。

 事業環境が厳しく全体の売上高は微増収だが、製品構成改善や中国事業の拡販などで2桁営業増益予想としている。想定為替レートは1ドル=123円、ナフサ価格は4万3000円で、減価償却費は同0.1%増の10億05百万円、設備投資は同90.7%増の16億25百万円、研究開発費は同8.6%増の17億80百万円の計画としている。

 営業利益増減分析計画は、増益要因が単体ベース売上数量増加1億80百万円、製品・原料価格バランス79百万円、製品ポートフォリオ改善1億61百万円、コスト削減1億円、中国子会社の収益改善35百万円、減益要因が製造経費増加2億15百万円、販売費増加1億96百万円、その他化成品事業2百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品事業の売上高が同2.3%増の161億80百万円で営業利益(連結調整前)が同18.8%増の15億36百万円、樹脂事業の売上高が同3.4%減の51億79百万円で営業利益が同45.0%減の82百万円、化成品事業の売上高が同2.6%増の34億72百万円で営業利益が同0.6%減の3億19百万円としている。

 なお通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が24.0%、営業利益が34.1%、経常利益が32.7%、純利益が41.2%と高水準である。増額余地がありそうだ。

■新中期経営計画で18年12月期営業利益率8%以上を目指す

 16年2月策定の新中期経営計画「CS VISION−2」(16年12月期〜18年12月期)では、基本方針を「環境変化に左右されない強固な国内事業基盤を構築して成長の礎とし、その基盤の上に、新規事業立ち上げによる事業の多角化と、アジアを中心としたグローバルな事業展開を通じて、持続的な成長を遂げる企業グループを目指す」としている。

 具体的戦略としては、国内事業基盤の強化(製紙用薬品事業における高性能新規製品投入、樹脂事業における製品ポートフォリオ見直し、化成品事業における機能性モノマー・オリゴマー提供)、海外事業展開の加速(製紙用薬品事業における製品ポートフォリオ拡充、樹脂事業における印刷インキ水性化ニーズ捕捉、海外人材の育成・採用強化)、新規開発事業テーマの事業化(セルロースナノファイバーや銀ナノワイヤーなどの事業化)、事業領域拡大のための新規事業の探索・事業化(グループの強みを活かした新規事業参入機会の探索)、外部資源の活用(他社との業務・資本提携やM&Aの積極活用)、自ら変化・挑戦・成長する企業風土の醸成(チャレンジ精神に溢れる企業集団)としている。

 経営目標数値としては、会社設立50周年にあたる18年12月期売上高272億円(15年12月期比10.7%増)、営業利益22億円(同66.9%増)、営業利益率8%(同2.6ポイント上昇)以上、参考指標として海外売上高57億73百万円、海外売上高比率21.2%、ROE7.7%を掲げている。さらにM&Aを実行して事業規模の拡大を図るため、適切な財務戦略に基づく資金枠を設定し、積極的に案件を探索するとしている。

 なお事業別(連結調整前)目標値は、製紙用薬品事業の売上高が173億34百万円(15年12月期比9.6%増)で営業利益が17億円(同31.5%増)、樹脂事業の売上高が58億66百万円(同9.4%増)で営業利益が4億78百万円(同3.2倍)、化成品事業の売上高が40億円(同18.2%増)で営業利益が4億48百万円(同39.6%増)としている。樹脂事業には新規開発事業を含んでいる。

■株価は地合い悪化で急落したが売られ過ぎ感

 株価の動きを見ると、地合い悪化の影響で戻り高値圏1200円近辺から反落した。6月24日には884円まで急落する場面があった。ただし終値では939円まで戻している。

 6月24日の終値939円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS37円27銭で算出)は25〜26倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS665円09銭で算出)は1.4倍近辺である。時価総額は約289億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えて売られ過ぎ感を強めている。市場が落ち着けば戻りを試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[5月25日更新]

星光PMCは16年12月期第2四半期累計の利益を増額、通期も増額余地

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。16年12月期第2四半期累計の利益予想を増額修正した。製品構成の高収益化などで通期も増額余地があるだろう。新中期経営計画では18年12月期の営業利益率8%以上を目標としている。次世代素材CNFの事業化も期待される。株価は戻り高値圏で推移している。16年1月高値を目指す流れに変化はないだろう。

■製紙用薬品、印刷インキ・記録材料用樹脂、および化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、および化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 当社は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月に経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーについては14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■営業損益改善基調

 四半期別の業績推移を見ると、14年12月期の売上高は第1四半期(1月〜3月)53億36百万円、第2四半期(4月〜6月)61億68百万円、第3四半期(7月〜9月)60億64百万円、第4四半期(10月〜12月)64億02百万円、営業利益は第1四半期1億40百万円、第2四半期17百万円の赤字、第3四半期77百万円、第4四半期1億19百万円だった。

 また15年12月期の売上高は第1四半期60億25百万円、第2四半期60億75百万円、第3四半期62億51百万円、第4四半期62億18百万円、営業利益は第1四半期2億45百万円、第2四半期3億79百万円、第3四半期2億92百万円、第4四半期4億02百万円だった。営業損益は14年12月期第2四半期をボトムとして改善基調である。

 15年12月期の売上総利益率は23.5%で同4.2ポイント上昇、販管費比率は18.1%で同0.1ポイント上昇した。減価償却費は同12.3%減の10億60百万円、設備投資は同22.3%減の8億38百万円、研究開発費は同1.0%減の16億39百万円だった。

 営業利益の増減分析によると、増益要因は原材料価格上昇に対する製品価格是正によるギャップ解消4億60百万円、製造経費減少1億20百万円、販管費減少80百万円、中国子会社の収益改善3億42百万円、化成品事業の収益改善4億14百万円、その他14百万円、減益要因は単体ベースの売上減少1億72百万円、製品構成差2億39百万円、新規事業開発費の増加21百万円としている。

 特別利益ではKJケミカルズ子会社化に伴う負ののれん発生益が一巡したが、次世代素材CNF開発で経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択され、パイロットプラント完成に伴う国庫補助金を計上した。特別損失ではパイロットプラントに係る固定資産圧縮損を計上したが、減損損失が一巡した。なおROEは5.4%で同5.5ポイント上昇、自己資本比率は69.7%で同1.8ポイント上昇した。配当性向は33.9%だった。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品は売上高が同2.3%増の158億21百万円で営業利益(連結調整前)が同67.1%増の12億93百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が同9.9%減の53億63百万円で営業利益が同2.4倍の1億49百万円、化成品事業は売上高が33億84百万円(前々期は第2四半期から連結して25億58百万円)で営業利益が3億21百万円(同92百万円の赤字)だった。

■16年12月期第1四半期は大幅増益

 5月12日発表した今期(16年12月期)第1四半期(1月〜3月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.3%減の59億49百万円だが、営業利益が同2.0倍の4億97百万円、経常利益が同91.7%増の4億97百万円、そして純利益が同78.3%増の4億65百万円だった。

 主要販売先である製紙業界の需要が伸び悩んだため微減収だったが、化成品事業が順調に推移し、高付加価値製品の拡販、国内外におけるコスト削減・合理化などの効果で大幅増益だった。売上総利益は同19.9%増加し、売上総利益率は26.5%で同4.7ポイント上昇した。販管費は同0.9%増加し、販管費比率は18.2%で同0.4ポイント上昇した。

 営業外収益では受取保険金38百万円を計上した。営業外費用では為替差損が増加(前期0百万円計上、今期57百万円計上)した。特別利益では子会社株式追加取得による負ののれん発生益77百万円を計上したが、国庫補助金2億54百万円が一巡した。特別損失では固定資産圧縮損1億67百万円が一巡した。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品は売上高が同1.3%減の36億92百万円で営業利益(連結調整前)が同81.8%増の4億10百万円だった。需要が伸び悩んで減収だったが、国内外におけるコスト削減・合理化などで大幅増益だった。印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が同7.0%減の12億99百万円で営業利益が同33.4%減の39百万円だった。オフセットインキ用樹脂、水性インキ用樹脂、記録材料用樹脂が減収だった。化成品事業は売上高が同8.0%増の9億57百万円で営業利益が同86.3%増の1億48百万円だった。国内外で主力製品が好調に推移し、コスト削減・合理化も寄与して大幅増益だった。

■16年12月期第2四半期累計の利益予想を増額修正

 5月12日に今期(16年12月期)第2四半期累計利益予想を増額修正した。化成品事業が順調に推移し、国内外におけるコスト削減・合理化などの効果、子会社株式追加取得による負ののれん発生益計上も寄与する。

 前回予想(2月10日公表)に対して、営業利益を2億10百万円、経常利益を2億円、純利益を2億50百万円増額した。修正後は売上高が前年同期比0.3%減の120億70百万円、営業利益が同29.6%増の8億10百万円、経常利益が同22.2%増の8億30百万円、純利益が同33.4%増の7億10百万円とした。

■16年12月期通期も増収増益予想で増額余地

 今期(16年12月期)通期の連結業績予想は前回予想(2月10日公表)を据え置き、売上高が前期(15年12月期)比1.1%増の248億30百万円、営業利益が同10.7%増の14億60百万円、経常利益が同13.8%増の15億20百万円、純利益が同5.3%増の11億30百万円としている。

 配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は32.2%となる。利益配分については、経営環境、業績、将来の事業展開および配当性向・配当利回り等を総合的に勘案し、適切な配当水準を維持しつつ、利益還元を行うことを基本方針としている。

 事業環境が厳しく全体の売上高は微増収予想だが、製品販売構成の高収益化や中国事業の拡販などで2桁営業増益予想としている。想定為替レートは1ドル=123円、ナフサ価格は4万3000円、減価償却費は同0.1%増の10億05百万円、設備投資は同90.7%増の16億25百万円、研究開発費は同8.6%増の17億80百万円の計画としている。

 営業利益増減分析計画は、増益要因が単体ベース売上数量増加1億80百万円、製品・原料価格バランス79百万円、製品ポートフォリオ改善1億61百万円、コスト削減1億円、中国子会社の収益改善35百万円、減益要因が製造経費増加2億15百万円、販売費増加1億96百万円、その他化成品事業2百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品事業の売上高が同2.3%増の161億80百万円で営業利益(連結調整前)が同18.8%増の15億36百万円、樹脂事業の売上高が同3.4%減の51億79百万円で営業利益が同45.0%減の82百万円、化成品事業の売上高が同2.6%増の34億72百万円で営業利益が同0.6%減の3億19百万円としている。

 製紙用薬品事業では、国内における紙・板紙の需要が伸び悩む中、差別化されたソリューション提供による顧客との関係強化、高機能製品による新規商権獲得などで販売拡大を目指す。海外では製品ポートフォリオの拡充などで既存製造設備の稼働率向上を目指す。

 印刷インキ用・記録材料用樹脂事業では、市場変化に対応した製品ポートフォリオの抜本的見直しと、生産体制効率化によって収益基盤を再構築するとともに、海外における印刷インキ水性化ニーズに応える樹脂の開発・販売を推進する。化成品事業では、競争優位のモノマー・オリゴマーの拡販で事業基盤を強化するとしている。

 なお通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が24.0%、営業利益が34.1%、経常利益が32.7%、純利益が41.2%と高水準である。通期会社予想も増額余地があるだろう。

■新中期経営計画で18年12月期営業利益率8%以上を目指す

 16年2月策定した新中期経営計画「CS VISION−2」(16年12月期〜18年12月期)では、基本方針を「環境変化に左右されない強固な国内事業基盤を構築して成長の礎とし、その基盤の上に、新規事業立ち上げによる事業の多角化と、アジアを中心としたグローバルな事業展開を通じて、持続的な成長を遂げる企業グループを目指す」としている。

 具体的戦略としては、国内事業基盤の強化(製紙用薬品事業における高性能新規製品投入、樹脂事業における製品ポートフォリオ見直し、化成品事業における機能性モノマー・オリゴマー提供)、海外事業展開の加速(製紙用薬品事業における製品ポートフォリオ拡充、樹脂事業における印刷インキ水性化ニーズ捕捉、海外人材の育成・採用強化)、新規開発事業テーマの事業化(セルロースナノファイバーや銀ナノワイヤーなどの事業化)、事業領域拡大のための新規事業の探索・事業化(グループの強みを活かした新規事業参入機会の探索)、外部資源の活用(他社との業務・資本提携やM&Aの積極活用)、自ら変化・挑戦・成長する企業風土の醸成(チャレンジ精神に溢れる企業集団)としている。

 経営目標数値としては、会社設立50周年にあたる18年12月期売上高272億円(15年12月期比10.7%増)、営業利益22億円(同66.9%増)、営業利益率8%(同2.6ポイント上昇)以上、参考指標として海外売上高57億73百万円、海外売上高比率21.2%、ROE7.7%を掲げている。さらにM&Aを実行して事業規模の拡大を図るため、適切な財務戦略に基づく資金枠を設定し、積極的に案件を探索するとしている。

 なお事業別(連結調整前)目標値については、製紙用薬品事業の売上高が173億34百万円(15年12月期比9.6%増)で営業利益が17億円(同31.5%増)、樹脂事業の売上高が58億66百万円(同9.4%増)で営業利益が4億78百万円(同3.2倍)、化成品事業の売上高が40億円(同18.2%増)で営業利益が4億48百万円(同39.6%増)としている。樹脂事業には新規開発事業を含んでいる。

■株価は戻り高値圏

 株価の動きを見ると、3月以降は概ね戻り高値圏1100円〜1300円近辺で推移している。

 5月24日の終値1120円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS37円27銭で算出)は30倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.1%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS665円09銭で算出)は1.7倍近辺である。なお時価総額は約375億円である。

 週足チャートで見ると上向きに転じた13週移動平均線がサポートラインの形となった。次世代素材CNFも注目テーマであり、16年1月高値1577円を目指す流れに変化はないだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月08日更新]

星光PMCは戻り高値圏で堅調、16年12月期増収増益予想

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。16年12月期は製品販売構成の高収益化などで増収増益予想である。そして新中期経営計画では18年12月期の営業利益率8%以上を目標としている。次世代素材CNFの事業化も期待される。株価は戻り高値圏で堅調な動きだ。16年1月高値を目指す流れに変化はないだろう。

■製紙用薬品、印刷インキ・記録材料用樹脂、および化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、および化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースを、ナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 当社は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月に経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。また14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーについては14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■営業損益改善基調

 14年12月期の四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)53億36百万円、第2四半期(4月〜6月)61億68百万円、第3四半期(7月〜9月)60億64百万円、第4四半期(10月〜12月)64億02百万円、営業利益は第1四半期1億40百万円、第2四半期17百万円の赤字、第3四半期77百万円、第4四半期1億19百万円だった。営業損益は第2四半期をボトムとして改善基調となった。

■15年12月期は大幅増益で営業損益改善

 前期(15年12月期)は前々期(14年12月期)比2.5%増収、4.1倍営業増益、2.6倍経常増益で、純利益は10億72百万円の黒字(前々期は18百万円の赤字)だった。

 売上面では製紙用薬品事業が堅調に推移し、化成品事業のKJケミカルズの増収も寄与した。利益面ではロジンなど原材料価格上昇に対する製品価格是正によるギャップ解消、コスト削減の進展、化成品事業および中国事業の収益改善などが寄与した。減価償却費は同12.3%減の10億60百万円、設備投資は同22.3%減の8億38百万円、研究開発費は同1.0%減の16億39百万円だった。

 売上総利益率は23.5%で同4.2ポイント上昇、販管費比率は18.1%で同0.1ポイント上昇した。営業利益増減分析によると、増益要因は原材料価格上昇に対する製品価格是正によるギャップ解消4億60百万円、製造経費減少1億20百万円、販管費減少80百万円、中国子会社の収益改善3億42百万円、化成品事業の収益改善4億14百万円、その他14百万円で、減益要因は単体ベースの売上減少1億72百万円、製品構成差2億39百万円、新規事業開発費の増加21百万円としている。

 営業外では為替差損益が悪化(前々期は差益1億10百万円計上、前期は差損59百万円計上)した。特別利益では前々期計上したKJケミカルズ子会社化に伴う負ののれん発生益3億70百万円が一巡したが、次世代素材CNFの開発で経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択され、パイロットプラント完成に伴って交付された国庫補助金2億54百万円を計上した。また固定資産受贈益97百万円を計上した。特別損失ではパイロットプラントに係る固定資産圧縮損1億67百万円を計上したが、前々期計上した減損損失7億05百万円が一巡した。

 ROEは5.4%で同5.5ポイント上昇、自己資本比率は69.7%で同1.8ポイント上昇した。配当性向は33.9%だった。

 セグメント別の動向を見ると、製紙用薬品は売上高が同2.3%増の158億21百万円、営業利益(連結調整前)が同67.1%増の12億93百万円だった。15年1月〜12月の紙・板紙の国内生産は前年比1.0%減少したが、国内市場および中国市場での差別化商品の拡販、コスト削減・合理化の進展、中国事業の収益改善などで増収増益だった。

 印刷インキ用・記録材料用樹脂は売上高が同9.9%減の53億63百万円、営業利益が同2.4倍の1億49百万円だった。15年1月〜12月の印刷インキの国内生産が同2.3%減少し、オフセットインキ用樹脂、水性インキ用樹脂、記録材料用樹脂の売上も減少したが、コスト削減・合理化の進展で営業損益が大幅に改善した。化成品事業は、売上高が33億84百万円(前々期は第2四半期から連結して25億58百万円)で、営業利益が3億21百万円(同92百万円の赤字)だった。

 なお四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)60億25百万円、第2四半期(4月〜6月)60億75百万円、第3四半期(7月〜9月)62億51百万円、第4四半期(10月〜12月)62億18百万円、営業利益は第1四半期2億45百万円、第2四半期3億79百万円、第3四半期2億92百万円、第4四半期4億02百万円だった。営業損益は改善基調である。

■16年12月期も増収増益予想

 今期(16年12月期)通期の連結業績予想(2月10日公表)は、売上高が前期(15年12月期)比1.1%増の248億30百万円、営業利益が同10.7%増の14億60百万円、経常利益が同13.8%増の15億20百万円、そして純利益が同5.3%増の11億30百万円としている。

 配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は32.2%となる。利益配分については、経営環境、業績、将来の事業展開および配当性向・配当利回り等を総合的に勘案し、適切な配当水準を維持しつつ、利益還元を行うことを基本方針としている。

 国内樹脂の事業環境が厳しく、全体の売上高は微増収予想だが、製品販売構成の高収益化や中国事業の拡販などで2桁営業増益の予想としている。なお想定の為替レートは1ドル=123円、ナフサ価格は4万3000円、減価償却費は同0.1%増の10億05百万円、設備投資は同90.7%増の16億25百万円、研究開発費は同8.6%増の17億80百万円の計画としている。

 営業利益増減分析計画は、増益要因が単体ベース売上数量増加1億80百万円、製品・原料価格バランス79百万円、製品ポートフォリオ改善1億61百万円、コスト削減1億円、中国子会社の収益改善35百万円、減益要因が製造経費増加2億15百万円、販売費増加1億96百万円、その他化成品事業2百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品事業の売上高が同2.3%増の161億80百万円、営業利益(連結調整前)が同18.8%増の15億36百万円、樹脂事業の売上高が同3.4%減の51億79百万円、営業利益が同45.0%減の82百万円、化成品事業の売上高が同2.6%増の34億72百万円、営業利益が同0.6%減の3億19百万円としている。

 製紙用薬品事業では、国内における紙・板紙の需要が伸び悩む中、差別化されたソリューション提供による顧客との関係強化、高機能製品による新規商権獲得などで販売拡大を目指す。海外では製品ポートフォリオの拡充などで既存製造設備の稼働率向上を目指す。

 印刷インキ用・記録材料用樹脂事業では、市場変化に対応した製品ポートフォリオの抜本的見直しと、生産体制効率化によって収益基盤を再構築するとともに、海外における印刷インキ水性化ニーズに応える樹脂の開発・販売を推進する。また化成品事業では、競争優位のモノマー・オリゴマーの拡販で事業基盤を強化するとしている。

■新中期経営計画で18年12月期営業利益率8%以上を目指す

 16年2月策定した新中期経営計画「CS VISION−2」(16年12月期〜18年12月期)では、基本方針を「環境変化に左右されない強固な国内事業基盤を構築して成長の礎とし、その基盤の上に、新規事業立ち上げによる事業の多角化と、アジアを中心としたグローバルな事業展開を通じて、持続的な成長を遂げる企業グループを目指す」としている。

 具体的戦略としては、国内事業基盤の強化(製紙用薬品事業における高性能新規製品投入、樹脂事業における製品ポートフォリオ見直し、化成品事業における機能性モノマー・オリゴマー提供)、海外事業展開の加速(製紙用薬品事業における製品ポートフォリオ拡充、樹脂事業における印刷インキ水性化ニーズ捕捉、海外人材の育成・採用強化)、新規開発事業テーマの事業化(セルロースナノファイバーや銀ナノワイヤーなどの事業化)、事業領域拡大のための新規事業の探索・事業化(グループの強みを活かした新規事業参入機会の探索)、外部資源の活用(他社との業務・資本提携やM&Aの積極活用)、自ら変化・挑戦・成長する企業風土の醸成(チャレンジ精神に溢れる企業集団)としている。

 経営目標数値としては、会社設立50周年にあたる18年12月期の売上高272億円(15年12月期比10.7%増)、営業利益22億円(同66.9%増)、営業利益率8%(同2.6ポイント上昇)以上、参考指標として海外売上高57億73百万円、海外売上高比率21.2%、ROE7.7%を掲げている。さらに、M&Aを実行して事業規模の拡大を図るため、適切な財務戦略に基づく資金枠を設定し、積極的に案件を探索するとしている。

 事業別(連結調整前)の目標値は、製紙用薬品事業の売上高が173億34百万円(15年12月期比9.6%増)、営業利益が17億円(同31.5%増)、樹脂事業の売上高が58億66百万円(同9.4%増)、営業利益が4億78百万円(同3.2倍)、化成品事業の売上高が40億円(同18.2%増)、営業利益が4億48百万円(同39.6%増)としている。なお樹脂事業には新規開発事業を含んでいる。

■株価は戻り高値圏で堅調

 株価の動きを見ると、2月安値815円から切り返し、3月22日に1305円、4月1日には1315円まで上伸した。戻り高値圏で堅調な動きだ。

 4月7日の終値1222円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS37円27銭で算出)は32〜33倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS665円09銭で算出)は1.8倍近辺である。時価総額は約376億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインの形となった。強基調への転換を確認した形だ。次世代素材CNFも注目テーマとなって16年1月高値1577円を目指す流れに変化はないだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月18日更新]

星光PMCは下落幅の半値戻しを達成して1月高値目指す、16年12月期増収増益予想

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。16年12月期増収増益予想で、2月10日に発表した新中期経営計画では18年12月期の営業利益率8%以上を目標としている。次世代素材CNFの事業化も期待される。株価は戻り歩調の展開だ。そして1月高値から急反落したが、2月安値までの下落幅の半値戻しを達成した。1月高値を目指す展開だろう。

■製紙用薬品、印刷インキ・記録材料用樹脂、および化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、および化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースを、ナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 当社は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月に経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。また14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーは14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■営業損益改善基調

 14年12月期の四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)53億36百万円、第2四半期(4月〜6月)61億68百万円、第3四半期(7月〜9月)60億64百万円、第4四半期(10月〜12月)64億02百万円、営業利益は第1四半期1億40百万円、第2四半期17百万円の赤字、第3四半期77百万円、第4四半期1億19百万円だった。営業損益は第2四半期をボトムとして改善基調だ。

■15年12月期は大幅増益で営業損益改善

 前期(15年12月期)の連結業績は、前々期(14年12月期)との比較で売上高が2.5%増の245億69百万円、営業利益が4.1倍の13億18百万円、経常利益が2.6倍の13億35百万円、純利益が10億72百万円(前々期は18百万円の赤字)だった。計画(8月5日に売上高を減額、利益を増額)を上回る大幅増益だった。

 売上面では製紙用薬品事業が堅調に推移し、化成品事業のKJケミカルズの増収も寄与した。利益面ではロジンなど原材料価格上昇に対する製品価格是正によるギャップ解消、コスト削減の進展、化成品事業および中国事業の収益改善などが寄与した。なお減価償却費は同12.3%減の10億60百万円、設備投資は同22.3%減の8億38百万円、研究開発費は同1.0%減の16億39百万円だった。

 売上総利益率は23.5%で同4.2ポイント上昇、販管費比率は18.1%で同0.1ポイント上昇した。なお営業利益増減分析によると、増益要因は原材料価格上昇に対する製品価格是正によるギャップ解消4億60百万円、製造経費減少1億20百万円、販管費減少80百万円、中国子会社の収益改善3億42百万円、化成品事業の収益改善4億14百万円、その他14百万円で、減益要因は単体ベースの売上減少1億72百万円、製品構成差2億39百万円、新規事業開発費の増加21百万円としている。

 営業外では為替差損益が悪化(前々期は差益1億10百万円計上、前期は差損59百万円計上)した。特別利益では前々期計上したKJケミカルズ子会社化に伴う負ののれん発生益3億70百万円が一巡したが、次世代素材CNFの開発で経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択され、パイロットプラント完成に伴って交付された国庫補助金2億54百万円を計上した。また固定資産受贈益97百万円を計上した。特別損失ではパイロットプラントに係る固定資産圧縮損1億67百万円を計上したが、前々期計上した減損損失7億05百万円が一巡した。

 配当予想は前々期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)とした。配当性向は33.9%となる。なおROEは5.4%で同5.5ポイント上昇、自己資本比率は69.7%で同1.8ポイント上昇した。

 セグメント別の動向を見ると、製紙用薬品は売上高が同2.3%増の158億21百万円、営業利益(連結調整前)が同67.1%増の12億93百万円だった。15年1月〜12月の紙・板紙の国内生産は前年比1.0%減少したが、国内市場および中国市場での差別化商品の拡販、コスト削減・合理化の進展、中国事業の収益改善などで増収増益だった。

 印刷インキ用・記録材料用樹脂は、売上高が同9.9%減の53億63百万円、営業利益が同2.4倍の1億49百万円だった。15年1月〜12月の印刷インキの国内生産が同2.3%減少し、オフセットインキ用樹脂、水性インキ用樹脂、記録材料用樹脂の売上も減少した。しかしコスト削減・合理化の進展で営業損益が大幅に改善した。

 化成品事業は、売上高が33億84百万円(前々期は第2四半期から連結して25億58百万円)で、営業利益が3億21百万円(同92百万円の赤字)だった。

 なお四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)60億25百万円、第2四半期(4月〜6月)60億75百万円、第3四半期(7月〜9月)62億51百万円、第4四半期(10月〜12月)62億18百万円、営業利益は第1四半期2億45百万円、第2四半期3億79百万円、第3四半期2億92百万円、第4四半期4億02百万円だった。営業損益は改善基調である。

■16年12月期も増収増益予想

 今期(16年12月期)通期の連結業績予想(2月10日公表)は、売上高が前期(15年12月期)比1.1%増の248億30百万円、営業利益が同10.7%増の14億60百万円、経常利益が同13.8%増の15億20百万円、そして純利益が同5.3%増の11億30百万円としている。

 配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は32.2%となる。利益配分については、経営環境、業績、将来の事業展開および配当性向・配当利回り等を総合的に勘案し、適切な配当水準を維持しつつ、利益還元を行うことを基本方針としている。

 国内樹脂の事業環境が厳しく、全体の売上高は微増収予想だが、製品販売構成の高収益化や中国事業の拡販などで2桁営業増益の予想としている。なお想定の為替レートは1ドル=123円、ナフサ価格は4万3000円、減価償却費は同0.1%増の10億05百万円、設備投資は同90.7%増の16億25百万円、研究開発費は同8.6%増の17億80百万円の計画としている。

 営業利益増減分析計画は、増益要因が単体ベース売上数量増加1億80百万円、製品・原料価格バランス79百万円、製品ポートフォリオ改善1億61百万円、コスト削減1億円、中国子会社の収益改善35百万円、減益要因が製造経費増加2億15百万円、販売費増加1億96百万円、その他化成品事業2百万円としている。

 セグメント別計画は、製紙用薬品事業の売上高が同2.3%増の161億80百万円、営業利益(連結調整前)が同18.8%増の15億36百万円、樹脂事業の売上高が同3.4%減の51億79百万円、営業利益が同45.0%減の82百万円、化成品事業の売上高が同2.6%増の34億72百万円、営業利益が同0.6%減の3億19百万円としている。

 製紙用薬品事業では、国内における紙・板紙の需要が伸び悩む中、差別化されたソリューション提供による顧客との関係強化、高機能製品による新規商権獲得などで販売拡大を目指す。海外では製品ポートフォリオの拡充などで既存製造設備の稼働率向上を目指す。

 印刷インキ用・記録材料用樹脂事業では、市場変化に対応した製品ポートフォリオの抜本的見直しと、生産体制効率化によって収益基盤を再構築するとともに、海外における印刷インキ水性化ニーズに応える樹脂の開発・販売を推進する。また化成品事業では、競争優位のモノマー・オリゴマーの拡販で事業基盤を強化するとしている。

■新中期経営計画で18年12月期営業利益率8%以上を目指す

 2月10日に16年12月期〜18年12月期の新中期経営計画「CS VISION−2」を発表した。基本方針は「環境変化に左右されない強固な国内事業基盤を構築して成長の礎とし、その基盤の上に、新規事業立ち上げによる事業の多角化と、アジアを中心としたグローバルな事業展開を通じて、持続的な成長を遂げる企業グループを目指す」としている。

 具体的戦略としては、国内事業基盤の強化(製紙用薬品事業における高性能新規製品投入、樹脂事業における製品ポートフォリオ見直し、化成品事業における機能性モノマー・オリゴマー提供)、海外事業展開の加速(製紙用薬品事業における製品ポートフォリオ拡充、樹脂事業における印刷インキ水性化ニーズ捕捉、海外人材の育成・採用強化)、新規開発事業テーマの事業化(セルロースナノファイバーや銀ナノワイヤーなどの事業化)、事業領域拡大のための新規事業の探索・事業化(グループの強みを活かした新規事業参入機会の探索)、外部資源の活用(他社との業務・資本提携やM&Aの積極活用)、自ら変化・挑戦・成長する企業風土の醸成(チャレンジ精神に溢れる企業集団)としている。

 経営目標数値としては、会社設立50周年にあたる18年12月期の売上高272億円(15年12月期比10.7%増)、営業利益22億円(同66.9%増)、営業利益率8%(同2.6ポイント上昇)以上、参考指標として海外売上高57億73百万円、海外売上高比率21.2%、ROE7.7%を掲げている。さらに、M&Aを実行して事業規模の拡大を図るため、適切な財務戦略に基づく資金枠を設定し、積極的に案件を探索するとしている。

 事業別(連結調整前)の目標値は、製紙用薬品事業の売上高が173億34百万円(15年12月期比9.6%増)、営業利益が17億円(同31.5%増)、樹脂事業の売上高が58億66百万円(同9.4%増)、営業利益が4億78百万円(同3.2倍)、化成品事業の売上高が40億円(同18.2%増)、営業利益が4億48百万円(同39.6%増)としている。樹脂事業には新規開発事業を含んでいる。

■株価は下落幅の半値戻しを達成

 株価の動きを見ると、1月高値1577円から急反落したが、2月安値815円から切り返して戻り歩調の展開だ。3月16日は1215円まで上伸した。そして1月高値1577円から2月安値815円の下落幅762円に対して半値戻し(1196円)を達成した。

 3月16日の終値1212円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS37円27銭で算出)は32〜33倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS665円09銭で算出)は1.8倍近辺である。なお時価総額は約373億円である。

 週足チャートで見ると、安値圏から急反発して13週移動平均線と26週移動平均線を一気に突破した。下落幅の半値戻しも達成して強基調に転換した形だ。次世代素材CNFも注目テーマとなって1月高値を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[2月12日更新]

星光PMCの15年12月期連結営業利益は前期比4倍超

■製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂ともに大幅増益、加えて化成品が通年で寄与

 10日に発表された製紙用薬品の星光PMC<4963>(東1)の15年12月期連結業績は、増収大幅増益であった。製紙用薬品、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業ともに大幅増益となったことに加え、化成品事業が通年で業績に寄与した。その結果、営業利益は前期比4倍超となる。

 15年12月期連結業績は、売上高245億69百万円(前年同期比2.5%増)、営業利益13億18百万円(同312.1%増)、経常利益13億35百万円(同156.2%増)、純利益10億72百万円(前年同期△18百万円)と増収大幅増益で最終利益は黒字転換となった。

 セグメント別の業績を見ると、主力の製紙用薬品事業は、国内市場、中国市場における差別化商品の売上増加に努めたことで、売上高は、158億21百万円(前年同期比2.3%増)、セグメント利益は12億93百万円(同67.1%増)となった。

 印刷インキ用・記録材料用樹脂事業では、オフセットインキ用樹脂、水性インキ用樹脂及び記録材料用樹脂の売上高がそれぞれ減少した。その結果、売上高は、53億63百万円(同9.9%減)となったが、利益面では、コスト削減・合理化により、セグメント利益は1億49百万円(同138.0%増)と減収ながら大幅増益。

 化成品事業の業績は、売上高33億84百万円、セグメント利益は3億21百万円(前年同期△92百万円)と黒字転換。

 今期16年12月期連結業績予想は、売上高248億30百万円(前期比1.1%増)、営業利益14億60百万円(同10.7%増)、経常利益15億20百万円(同13.8%増)、純利益11億30百万円(同5.3%増)を見込む。

 10日の株価は、株式市場の地合いが悪いこともあって、前日比47円安の963円と4桁を割り込んでいる。しかし、好業績に加え、CNF(セルロースナノファイバー)、銀ナノワイヤー等の材料があることから、投資家の関心は高いものと思われる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月03日更新]

星光PMCは16年12月期も収益改善基調、次世代素材CNFも注目テーマ

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。15年12月期は大幅増益予想であり、16年12月期も収益改善基調が期待される。株価は1月12日の昨年来高値から急反落したが、次世代素材CNFも注目テーマとなって反発展開だろう。

■製紙用薬品、印刷インキ・記録材料用樹脂、および化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、および化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。

 中期経営目標としては18年12月期売上高350億円(既存事業245億円、海外事業70億円、新規事業35億円)、営業利益35億円、売上高営業利益率10%を掲げている。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、そして次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進する方針だ。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースを、ナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 当社は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月に経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。また14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーは14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■営業損益改善基調

 14年12月期の四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)53億36百万円、第2四半期(4月〜6月)61億68百万円、第3四半期(7月〜9月)60億64百万円、第4四半期(10月〜12月)64億02百万円、営業利益は第1四半期1億40百万円、第2四半期17百万円の赤字、第3四半期77百万円、第4四半期1億19百万円だった。営業損益は第2四半期をボトムとして改善基調だ。

■15年12月期第3四半期累計は大幅増益

 前期(15年12月期)第3四半期累計(1月〜9月)連結業績は、売上高が前年同期比4.5%増の183億51百万円、営業利益が同4.6倍の9億16百万円、経常利益が同3.2倍の9億43百万円、純利益が8億11百万円(前年同期は1億46百万円の赤字)だった。

 高付加価値商品の拡販、コスト削減・合理化の進展、中国事業の収支改善などで大幅増益だった。なお売上総利益率は23.0%で同3.6ポイント上昇、販管費比率は17.8%で同0.3ポイント低下した。

 営業外では為替差損24百万円を計上(前年同期は為替差益21百万円を計上)して為替差損益が悪化した。特別利益ではKJケミカルズ子会社化に伴う負ののれん発生益3億70百万円が一巡したが、次世代素材CNFの開発で経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択され、パイロットプラント完成に伴って交付された国庫補助金2億54百万円を計上した。特別損失ではパイロットプラントに係る固定資産圧縮損1億67百万円を計上したが、減損損失6億99百万円が一巡した。

 セグメント別動向を見ると、製紙用薬品は売上高が同3.2%増の117億41百万円、営業利益(連結調整前)が同66.7%増の8億80百万円だった。紙・板紙の国内生産は同2%減少したが、国内市場および中国市場での差別化商品の拡販、コスト削減・合理化の進展、中国事業の収支改善などで増収増益だった。

 印刷インキ用・記録材料用樹脂は、売上高が同10.6%減の40億23百万円、営業利益が同5.4倍の1億48百万円だった。印刷インキの国内生産が同3%減少し、オフセットインキ用樹脂、水性インキ用樹脂の売上も減少した。しかしコスト削減・合理化の進展で営業損益が大幅に改善した。

 化成品は、売上高が25億85百万円(前年同期は第2四半期から連結して16億88百万円)で、営業利益が2億26百万円(同47百万円の赤字)だった。

 なお四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)60億25百万円、第2四半期(4月〜6月)60億75百万円、第3四半期(7月〜9月)62億51百万円、営業利益は第1四半期2億45百万円、第2四半期3億79百万円、第3四半期2億92百万円だった。

■15年12月期大幅増益予想、16年12月期も収益改善基調

 前期(15年12月期)通期の連結業績予想(8月5日に売上高を減額、利益を増額)は、売上高が前々期比2.8%増の246億30百万円、営業利益が同3.8倍の12億円、経常利益が同2.5倍の12億80百万円、そして純利益が9億80百万円(前期は18百万円の赤字)としている。配当予想(2月12日公表)は前々期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は37.1%となる。

 売上面では国内需要が低調のようだが、高付加価値製品の拡販、プロダクトミックスの改善、ロジンなど原材料価格上昇に対する製品価格是正のタイムラグ解消、コスト削減や合理化の進展、KJケミカルズ(化成品事業)の通期連結、KJケミカルズにおける減価償却費の減少、中国事業の収益改善などで大幅増益予想だ。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.5%、営業利益が76.3%、経常利益が73.7%、純利益が82.8%と概ね順調な水準である。15年12月期大幅増益予想で、16年12月期も収益改善基調が期待される。

■株価は昨年来高値から急反落したが調整一巡

 株価の動きを見ると、1月12日の昨年来高値1577円から地合い悪化も影響して急反落し、1月21日の981円まで調整した。その後は1000円台でモミ合う展開だが、徐々に下値を切り上げている。調整が一巡したようだ。

 2月2日の終値1069円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS32円32銭で算出)は33倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.1%近辺、そして前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS656円90銭で算出)は1.6倍近辺である。なお時価総額は約329億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%程度と売られ過ぎ感の強い水準だ。また週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線を一気に割り込んだが、52週移動平均線近辺で下げ渋る形だ。サポートラインを確認したようだ。15年12月期大幅増益予想であり、16年12月期も収益改善基調が期待される。次世代素材CNFも注目テーマとなって反発展開だろう。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月04日更新]

星光PMCは年初来高値圏で堅調、次世代素材CNFも注目テーマ

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。15年12月期大幅増益予想で、16年12月期も収益改善基調が期待される。次世代素材CNFも注目テーマだ。株価はボックスレンジから上放れて年初来高値圏で堅調に推移している。14年3月の上場来高値1978円を目指す展開だろう。

■製紙用薬品、印刷インキ・記録材料用樹脂、および化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、および化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。

 中期経営目標としては18年12月期売上高350億円(既存事業245億円、海外事業70億円、新規事業35億円)、営業利益35億円、売上高営業利益率10%を掲げている。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、そして次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進する方針だ。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースを、ナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 当社は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月に経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。また14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーは14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

 なお1月27日〜29日開催(東京ビッグサイト)「新機能材料展2016」に、子会社KJケミカルズとともに、アクリル系固定樹脂、アクリル系エマルション、セルロースナノファイバー、機能性モノマー「アクリルアミド誘導体」、UV硬化性ウレタンオリゴマー「Quick Cure」を出展する。

■営業損益改善基調

 なお14年12月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)53億36百万円、第2四半期(4月〜6月)61億68百万円、第3四半期(7月〜9月)60億64百万円、第4四半期(10月〜12月)64億02百万円、営業利益は第1四半期1億40百万円、第2四半期17百万円の赤字、第3四半期77百万円、第4四半期1億19百万円だった。営業損益は第2四半期をボトムとして改善基調だ。

■15年12月期第3四半期累計は大幅増益

 前期(15年12月期)第3四半期累計(1月〜9月)連結業績は、売上高が前年同期比4.5%増の183億51百万円、営業利益が同4.6倍の9億16百万円、経常利益が同3.2倍の9億43百万円、純利益が8億11百万円(前年同期は1億46百万円の赤字)だった。

 高付加価値商品の拡販、コスト削減・合理化の進展、中国事業の収支改善などで大幅増益だった。なお売上総利益率は23.0%で同3.6ポイント上昇、販管費比率は17.8%で同0.3ポイント低下した。

 営業外では為替差損24百万円を計上(前年同期は為替差益21百万円を計上)して為替差損益が悪化した。特別利益ではKJケミカルズ子会社化に伴う負ののれん発生益3億70百万円が一巡したが、次世代素材CNFの開発で経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択され、パイロットプラント完成に伴って交付された国庫補助金2億54百万円を計上した。特別損失ではパイロットプラントに係る固定資産圧縮損1億67百万円を計上したが、減損損失6億99百万円が一巡した。

 セグメント別動向を見ると、製紙用薬品は売上高が同3.2%増の117億41百万円、営業利益(連結調整前)が同66.7%増の8億80百万円だった。紙・板紙の国内生産は同2%減少したが、国内市場および中国市場での差別化商品の拡販、コスト削減・合理化の進展、中国事業の収支改善などで増収増益だった。

 印刷インキ用・記録材料用樹脂は、売上高が同10.6%減の40億23百万円、営業利益が同5.4倍の1億48百万円だった。印刷インキの国内生産が同3%減少し、オフセットインキ用樹脂、水性インキ用樹脂の売上も減少した。しかしコスト削減・合理化の進展で営業損益が大幅に改善した。

 化成品は、売上高が25億85百万円(前年同期は第2四半期から連結して16億88百万円)で、営業利益が2億26百万円(同47百万円の赤字)だった。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)60億25百万円、第2四半期(4月〜6月)60億75百万円、第3四半期(7月〜9月)62億51百万円、営業利益は第1四半期2億45百万円、第2四半期3億79百万円、第3四半期2億92百万円だった。

■15年12月期大幅増益予想、16年12月期も収益改善基調

 前期(15年12月期)通期の連結業績予想(8月5日に売上高を減額、利益を増額)は、売上高が前々期比2.8%増の246億30百万円、営業利益が同3.8倍の12億円、経常利益が同2.5倍の12億80百万円、そして純利益が9億80百万円(前期は18百万円の赤字)としている。配当予想(2月12日公表)は前々期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は37.1%となる。

 売上面では国内需要が低調のようだが、高付加価値製品の拡販、プロダクトミックスの改善、ロジンなど原材料価格上昇に対する製品価格是正のタイムラグ解消、コスト削減や合理化の進展、KJケミカルズ(化成品事業)の通期連結、KJケミカルズにおける減価償却費の減少、中国事業の収益改善などで大幅増益予想だ。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.5%、営業利益が76.3%、経常利益が73.7%、純利益が82.8%と順調な水準である。15年12月期大幅増益予想で、16年12月期も収益改善基調が期待される。

■株価はボックスレンジから上放れて年初来高値圏で推移

 株価の動きを見ると、11月30日の年初来高値1290円まで上伸し、その後も年初来高値圏で堅調に推移している。900円〜1200円近辺のボックスレンジから上放れた形だ。

 12月30日の終値1255円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS32円32銭で算出)は38〜39倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS656円90銭で算出)は1.9倍近辺である。時価総額は約386億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって徐々に水準を切り上げている。そして26週移動平均線も上向きに転じた。ボックスレンジから上放れて強基調への転換を確認した形だ。15年12月期大幅増益予想で、16年12月期も収益改善基調が期待される。次世代素材CNFも注目テーマだ。14年3月の上場来高値1978円を目指す展開だろう。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月09日更新]

星光PMCは年初来高値更新してボックスレンジ上放れ、次世代素材CNFに注目

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。株価は年初来高値を更新してボックスレンジから上放れる動きだ。15年12月期大幅増益予想で次世代素材CNFが注目される。14年3月の上場来高値1978円を目指す展開だろう。

■製紙用薬品、印刷インキ・記録材料用樹脂、および化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、および化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。

 中期経営目標としては18年12月期売上高350億円(既存事業245億円、海外事業70億円、新規事業35億円)、営業利益35億円、売上高営業利益率10%を掲げている。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、そして次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進する方針だ。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースを、ナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 当社は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月に経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。そして14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーは14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■営業損益改善基調

 なお14年12月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)53億36百万円、第2四半期(4月〜6月)61億68百万円、第3四半期(7月〜9月)60億64百万円、第4四半期(10月〜12月)64億02百万円、営業利益は第1四半期1億40百万円、第2四半期17百万円の赤字、第3四半期77百万円、第4四半期1億19百万円だった。営業損益は第2四半期をボトムとして改善基調だ。

■15年12月期第3四半期累計は大幅増益

 今期(15年12月期)第3四半期累計(1月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比4.5%増の183億51百万円、営業利益が同4.6倍の9億16百万円、経常利益が同3.2倍の9億43百万円、純利益が8億11百万円(前年同期は1億46百万円の赤字)だった。

 高付加価値商品の拡販、コスト削減・合理化の進展、中国事業の収支改善などで大幅増益だった。売上総利益率は23.0%で同3.6ポイント上昇、販管費比率は17.8%で同0.3ポイント低下した。

 営業外では為替差損24百万円を計上(前年同期は為替差益21百万円を計上)して為替差損益が悪化した。特別利益ではKJケミカルズ子会社化に伴う負ののれん発生益3億70百万円が一巡したが、次世代素材CNFの開発で経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択され、パイロットプラント完成に伴って交付された国庫補助金2億54百万円を計上した。特別損失ではパイロットプラントに係る固定資産圧縮損1億67百万円を計上したが、減損損失6億99百万円が一巡した。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品は売上高が同3.2%増の117億41百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同66.7%増の8億80百万円だった。紙・板紙の国内生産が同2%減少する中でも、国内市場および中国市場での差別化商品の拡販、コスト削減・合理化の進展、中国事業の収支改善などで増収増益だった。

 印刷インキ用・記録材料用樹脂は、売上高が同10.6%減の40億23百万円、営業利益が同5.4倍の1億48百万円だった。印刷インキの国内生産が同3%減少し、オフセットインキ用樹脂、水性インキ用樹脂の売上も減少したが、コスト削減・合理化の進展で営業損益が大幅に改善した。

 化成品は、売上高が25億85百万円(前年同期は第2四半期から連結して16億88百万円)で、営業利益が2億26百万円(同47百万円の赤字)だった。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)60億25百万円、第2四半期(4月〜6月)60億75百万円、第3四半期(7月〜9月)62億51百万円、営業利益は第1四半期2億45百万円、第2四半期3億79百万円、第3四半期2億92百万円だった。

■15年12月期大幅増益予想で収益改善基調

 今期(15年12月期)通期の連結業績予想は、前回予想(8月5日に売上高を減額、利益を増額)を据え置いて、売上高が前期比2.8%増の246億30百万円、営業利益が同3.8倍の12億円、経常利益が同2.5倍の12億80百万円、純利益が9億80百万円(前期は18百万円の赤字)としている。配当予想(2月12日公表)は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は37.1%となる。

 売上面では国内需要が低調のようだが、高付加価値製品の拡販、プロダクトミックスの改善、ロジンなど原材料価格上昇に対する製品価格是正のタイムラグ解消、コスト削減や合理化の進展、KJケミカルズ(化成品事業)の通期連結、KJケミカルズにおける減価償却費の減少、中国事業の収益改善などで大幅増益予想だ。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.5%、営業利益が76.3%、経常利益が73.7%、純利益が82.8%と順調な水準である。通期ベースでも収益改善基調だろう。

■株価は年初来高値更新してボックスレンジから上放れの動き

 株価の動きを見ると、第3四半期累計業績を好感する形で11月30日の年初来高値1290円まで上伸した。その後は利益確定売りで一旦反落したが、概ね900円〜1200円近辺のボックスレンジから上放れの動きを強めている。

 12月8日の終値1181円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円32銭で算出)は36〜37倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS656円90銭で算出)は1.8倍近辺である。時価総額は約363億円である。

 週足チャートで見ると上向きに転じた13週移動平均線がサポートラインとなって水準を切り上げている。強基調に転換してボックスレンジから上放れる動きだ。15年12月期大幅増益予想で次世代素材CNFが注目される。14年3月の上場来高値1978円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月16日更新]

星光PMCは年初来高値に接近、第3四半期累計は大幅増益

 星光PMC<4963>(東1)は製紙用薬品事業、樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。11月10日に発表した第3四半期累計(1月〜9月)連結業績は大幅増益だった。株価は8月の年初来高値に接近している。次世代素材CNFや15年12月期大幅増益予想を評価して上値を試す展開だろう。

■製紙用薬品、印刷インキ・記録材料用樹脂、および化成品を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、および化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。

 中期経営目標としては18年12月期売上高350億円(既存事業245億円、海外事業70億円、新規事業35億円)、営業利益35億円、売上高営業利益率10%を掲げている。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、そして次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進する方針だ。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースを、ナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 当社は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月に経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。そして14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーは14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■営業損益改善基調15年12月期大幅増益予想

 なお14年12月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)53億36百万円、第2四半期(4月〜6月)61億68百万円、第3四半期(7月〜9月)60億64百万円、第4四半期(10月〜12月)64億02百万円、営業利益は第1四半期1億40百万円、第2四半期17百万円の赤字、第3四半期77百万円、第4四半期1億19百万円だった。営業損益は第2四半期をボトムとして改善基調だ。

■15年12月期第3四半期累計は大幅増益、収益改善基調

 11月10日に発表した今期(15年12月期)第3四半期累計(1月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比4.5%増の183億51百万円、営業利益が同4.6倍の9億16百万円、経常利益が同3.2倍の9億43百万円、純利益が8億11百万円(前年同期は1億46百万円の赤字)だった。

 高付加価値商品の拡販、コスト削減・合理化の進展、中国事業の収支改善などで大幅増益だった。売上総利益率は23.0%で同3.6ポイント上昇、販管費比率は17.8%で同0.3ポイント低下した。

 営業外では為替差損24百万円を計上(前年同期は為替差益21百万円を計上)して為替差損益が悪化した。特別利益ではKJケミカルズ子会社化に伴う負ののれん発生益3億70百万円が一巡したが、次世代素材CNFの開発で経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択され、パイロットプラント完成に伴って交付された国庫補助金2億54百万円を計上した。特別損失ではパイロットプラントに係る固定資産圧縮損1億67百万円を計上したが、減損損失6億99百万円が一巡した。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品は売上高が同3.2%増の117億41百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同66.7%増の8億80百万円だった。紙・板紙の国内生産が同2%減少する中でも、国内市場および中国市場での差別化商品の拡販、コスト削減・合理化の進展、中国事業の収支改善などで増収増益だった。

 印刷インキ用・記録材料用樹脂は、売上高が同10.6%減の40億23百万円、営業利益が同5.4倍の1億48百万円だった。印刷インキの国内生産が同3%減少し、オフセットインキ用樹脂、水性インキ用樹脂の売上も減少したが、コスト削減・合理化の進展で営業損益が大幅に改善した。

 化成品は、売上高が25億85百万円(前年同期は第2四半期から連結して16億88百万円)で、営業利益が2億26百万円(同47百万円の赤字)だった。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)60億25百万円、第2四半期(4月〜6月)60億75百万円、第3四半期(7月〜9月)62億51百万円、営業利益は第1四半期2億45百万円、第2四半期3億79百万円、第3四半期2億92百万円だった。

 通期の連結業績予想は前回予想(8月5日に売上高を減額、利益を増額)を据え置いて、売上高が前期比2.8%増の246億30百万円、営業利益が同3.8倍の12億円、経常利益が同2.5倍の12億80百万円、純利益が9億80百万円(前期は18百万円の赤字)としている。配当予想(2月12日公表)は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は37.1%となる。

 国内需要が低調なため売上高は期初計画を下回る見込みとなったが、高付加価値製品の拡販、プロダクトミックスの改善、ロジンなど原材料価格上昇に対する製品価格是正のタイムラグ解消、コスト削減や合理化の進展、KJケミカルズ(化成品事業)の通期連結、KJケミカルズにおける減価償却費の減少、中国事業の収益改善などで大幅増益予想だ。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.5%、営業利益が76.3%、経常利益が73.7%、純利益が82.8%と順調な水準である。通期ベースでも収益改善基調だろう。

■株価は下値を切り上げて8月の年初来高値に接近

 株価の動きを見ると、やや乱高下する場面もあるが着実に下値を切り上げて8月21日の年初来高値1187円に接近している。11月13日は1135円まで上伸した。

 11月13日の終値1122円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円32銭で算出)は34〜35倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS656円90銭で算出)は1.7倍近辺である。時価総額は約345億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって下値を着実に切り上げている。強基調の形であり、次世代素材CNFや15年12月期大幅増益予想を評価して上値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月24日更新]

星光PMCは悪地合いの影響限定的、次世代素材CNFや15年12月大幅増益を評価

 星光PMC[4963](東1)は製紙用薬品事業、樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。株価は乱高下する場面があったが、下値を切り上げる展開で悪地合いの影響は限定的のようだ。次世代素材CNFや15年12月期大幅増益を評価して8月の年初来高値1187円を試す展開だろう。

■製紙用薬品事業、印刷インキ・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、および化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。

 中期経営目標としては18年12月期売上高350億円(既存事業245億円、海外事業70億円、新規事業35億円)、営業利益35億円、売上高営業利益率10%を掲げている。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、そして次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進する。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースを、ナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月に経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。そして14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーは14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■15年12月期大幅増益予想

 なお14年12月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)53億36百万円、第2四半期(4月〜6月)61億68百万円、第3四半期(7月〜9月)60億64百万円、第4四半期(10月〜12月)64億02百万円、営業利益は第1四半期1億40百万円、第2四半期17百万円の赤字、第3四半期77百万円、第4四半期1億19百万円だった。営業損益は第2四半期をボトムとして改善基調だ。

 今期(15年12月期)の連結業績予想(8月5日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が前期比2.8%増の246億30百万円、営業利益が同3.8倍の12億円、経常利益が同2.5倍の12億80百万円、純利益が9億80百万円(前期は18百万円の赤字)としている。配当予想(2月12日公表)は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は37.1%となる。

 国内需要が低調なため売上高は計画を下回るが、高付加価値製品の拡販、プロダクトミックスの改善、ロジンなど原材料価格上昇に対する製品価格是正のタイムラグ解消、コスト削減・合理化の進展、KJケミカルズ(化成品事業)の通期連結、KJケミカルズにおける減価償却費の減少、中国事業の収益改善などで大幅増益予想だ。

 第2四半期累計(1月〜6月)は、売上高が前年同期比5.2%増の121億円、営業利益が同5.0倍の6億24百万円、経常利益が同5.5倍の6億79百万円、純利益が5億32百万円(前年同期は2億65百万円の赤字)だった。コスト削減・合理化の進展、中国事業の収支改善、化成品事業の収益拡大などで大幅増益だった。売上原価率は76.9%で同3.9ポイント低下した。営業外では為替差損益が改善した。

 特別利益では、KJケミカルズ子会社化に伴う負ののれん発生益3億70百万円が一巡したが、次世代素材CNFの開発で経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択され、パイロットプラント完成に伴って交付された国庫補助金2億54百万円を計上した。特別損失では、パイロットプラントに係る固定資産圧縮損1億67百万円を計上したが、減損損失6億99百万円が一巡した。

 製紙用薬品事業は売上高が同1.4%増の76億36百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同59.1%増の5億13百万円だった。紙・板紙の国内生産が同2%減少する中でも差別化商品の拡販、コスト削減・合理化の進展、中国事業の収支改善で増収増益だった。

 印刷インキ用・記録材料用樹脂事業は売上高が同13.4%減の26億93百万円、営業利益が同8.5倍の1億19百万円だった。印刷インキの国内生産が同3%減少し、オフセットインキ用樹脂、水性インキ用樹脂の売上も減少したが、コスト削減・合理化の進展で営業損益が大幅に改善した。

 化成品事業は、売上高が17億71百万円(前年同期は第2四半期から連結して8億63百万円)、営業利益が2億19百万円(同34百万円の赤字)だった。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)60億25百万円、第2四半期(4月〜6月)60億75百万円、営業利益は第1四半期2億45百万円、第2四半期3億79百万円だった。営業損益は改善基調だ。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.1%、営業利益が52.0%、経常利益が53.1%、純利益が54.3%と順調な水準である。通期ベースでも収益改善基調だろう。

■株価は悪地合いの影響限定的で下値切り上げ

 株価の動きを見ると、次世代素材CNFを材料視して急伸した8月21日の年初来高値1187円から、利益確定売りや悪地合いの影響で乱高下する場面があったが、総じて下値を切り上げる展開だ。そして9月15日には1135円まで急伸して年初来高値に接近する場面もあった。悪地合いの影響は限定的のようだ。

 9月18日の終値1017円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円32銭で算出)は31〜32倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS656円90銭で算出)は1.5倍近辺である。なお時価総額は約313億円である。

 週足チャートで見ると一旦割り込んだ26週移動平均線を素早く回復する動きだ。また7月の年初来安値850円をボトムとして、8月安値880円、9月安値940円と下値を切り上げている。次世代素材CNFや15年12月期大幅増益を評価して8月の年初来高値1187円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[8月24日更新]

星光PMCはCNFを材料視して年初来高値更新、15年12月期利益増額も評価

 星光PMC[4963](東1)は製紙用薬品事業、樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。株価はCNFに関する報道を材料視して急伸し、8月21日には年初来高値1187円まで上伸した。目先的にはやや過熱感もあるが、15年12月期の利益予想増額修正も評価して続伸展開だろう。

■製紙用薬品事業、印刷インキ・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、および化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。

 中期経営目標としては18年12月期売上高350億円(既存事業245億円、海外事業70億円、新規事業35億円)、営業利益35億円、売上高営業利益率10%を掲げている。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、そして次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進する。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースを、ナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月に経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。そして14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーは14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■15年12月期業績予想を増額修正

 なお14年12月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)53億36百万円、第2四半期(4月〜6月)61億68百万円、第3四半期(7月〜9月)60億64百万円、第4四半期(10月〜12月)64億02百万円、営業利益は第1四半期1億40百万円、第2四半期17百万円の赤字、第3四半期77百万円、第4四半期1億19百万円だった。営業損益は第2四半期をボトムとして改善基調だ。

 8月5日に発表した今期(15年12月期)第2四半期累計(1月〜6月)の連結業績(5月11日および7月31日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が前年同期比5.2%増の121億円、営業利益が同5.0倍の6億24百万円、経常利益が同5.5倍の6億79百万円、純利益が5億32百万円(前年同期は2億65百万円の赤字)だった。

 コスト削減・合理化の進展、中国事業の収支改善、化成品事業の収益拡大などで利益は計画を大幅に上回った。売上原価率は76.9%で同3.9ポイント低下した。営業外では為替差損益が改善した。

 特別利益では、KJケミカルズ子会社化に伴う負ののれん発生益3億70百万円が一巡したが、次世代素材CNFの開発で経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択され、パイロットプラント完成に伴って交付された国庫補助金2億54百万円を計上した。特別損失では、パイロットプラントに係る固定資産圧縮損1億67百万円を計上したが、減損損失6億99百万円が一巡した。

 セグメント別動向を見ると、製紙用薬品事業は売上高が同1.4%増の76億36百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同59.1%増の5億13百万円だった。紙・板紙の国内生産が同2%減少する中でも差別化商品の拡販、コスト削減・合理化の進展、中国事業の収支改善で増収増益だった。

 印刷インキ用・記録材料用樹脂事業は売上高が同13.4%減の26億93百万円、営業利益が同8.5倍の1億19百万円だった。印刷インキの国内生産が同3%減少する中で、オフセットインキ用樹脂、水性インキ用樹脂の売上が減少したが、コスト削減・合理化の進展で営業損益が大幅に改善した。

 化成品事業は、売上高が17億71百万円(前年同期は第2四半期から連結して8億63百万円)、営業利益が2億19百万円(同34百万円の赤字)だった。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)60億25百万円、第2四半期(4月〜6月)60億75百万円、営業利益は第1四半期2億45百万円、第2四半期3億79百万円だった。営業損益は改善基調だ。

 通期の連結業績予想については8月5日に売上高を減額、利益を増額修正した。前回予想(2月12日公表)に対して売上高は17億20百万円減額して前期比2.8%増の246億30百万円、営業利益は2億円増額して同3.8倍の12億円、経常利益は2億20百万円増額して同2.5倍の12億80百万円、純利益は1億50百万円増額して9億80百万円(前期は18百万円の赤字)とした。

 配当予想は前回予想(2月12日公表)を据え置いて前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は37.1%となる。

 国内需要が低調なため売上高は計画を下回るが、高付加価値製品の拡販、プロダクトミックスの改善、ロジンなど原材料価格上昇に対する製品価格是正のタイムラグ解消、コスト削減・合理化の進展、KJケミカルズ(化成品事業)の通期連結、KJケミカルズにおける減価償却費の減少、中国事業の収益改善などが寄与して大幅増益見込みだ。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.1%、営業利益が52.0%、経常利益が53.1%、純利益が54.3%と順調な水準である。通期ベースでも収益改善基調だろう。

■株価はCNFを材料視して年初来高値更新

 株価の動きを見ると、7月以降は安値圏900円〜1000円近辺でモミ合う展開だったが、8月中旬にCNFに関する報道が相次いだことを材料視して急伸した。8月21日には5月の1148円を突破して1187円まで上伸した。年初来高値更新の展開だ。

 8月21日の終値1147円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円32銭で算出)は35〜36倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS656円90銭で算出)は1.7倍近辺である。

 週足チャートで見ると大陽線を立てて13週移動平均線と26週移動平均線を一気に突破した。強基調に転換したようだ。25日移動平均線に対するプラス乖離率が18%程度まで拡大して目先的には過熱感もあるが、15年12月期の利益予想増額修正も評価して続伸展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月23日更新]

星光PMCは調整一巡して切り返し、15年12月期の収益改善基調や増額含みを評価

 星光PMC<4963>(東1)は、製紙用薬品事業や樹脂事業を主力として、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。株価は全般地合い悪化も影響した7月9日の年初来安値850円から切り返して950円近辺まで戻している。調整が一巡したようだ。15年12月期の収益改善基調や増額含みを評価して戻り歩調の展開だろう。

■製紙用薬品事業や印刷インキ・記録材料用樹脂事業などを展開

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、および化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。

 中期経営目標としては18年12月期売上高350億円(既存事業245億円、海外事業70億円、新規事業35億円)、営業利益35億円、売上高営業利益率10%を掲げている。

 高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、そして次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進する。

■次世代素材CNFの事業化推進

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースを、ナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月に経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。そして14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーは14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

■15年12月期業績の会社予想は増額含み

 なお14年12月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)53億36百万円、第2四半期(4月〜6月)61億68百万円、第3四半期(7月〜9月)60億64百万円、第4四半期(10月〜12月)64億02百万円、営業利益は第1四半期1億40百万円、第2四半期17百万円の赤字、第3四半期77百万円、第4四半期1億19百万円だった。営業損益は第2四半期をボトムとして改善基調だ。

 今期(15年12月期)の連結業績予想(2月12日公表)は売上高が前期比9.9%増の263億50百万円、営業利益が同3.1倍の10億円、経常利益が同2.0倍の10億60百万円、純利益が8億30百万円(前期は18百万円の赤字)としている。前提として為替は1米ドル=115円、ナフサ価格は6万3000円としている。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は43.9%となる。

 需要回復に伴う数量の増加、高付加価値製品の拡販、プロダクトミックスの改善、ロジンなど原材料価格上昇に対する製品価格是正のタイムラグ解消、KJケミカルズの通期連結、KJケミカルズにおける減価償却費の減少、中国事業の収益改善などが寄与して大幅増益見込みだ。収益は改善基調である。なお前期の特別利益に計上したKJケミカルズ子会社化に伴う負ののれん益が一巡し、特別損失に計上した中国事業に係る固定資産減損損失も一巡する。

 事業別の計画を見ると、製紙用薬品事業は拡販とコスト削減効果などで売上高が同8.1%増の167億10百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同46.9%増の11億37百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業は拡販と製品価格是正のタイムラグ解消などで売上高が同3.6%増の61億64百万円、営業利益が同3.2倍の1億98百万円、化成品事業は売上高が34億76百万円(前期9ヶ月連結は25億58百万円)、減価償却負担減少などで営業利益が1億75百万円(同92百万円の赤字)としている。

 第1四半期(1月〜3月)は前年同期比12.9%増収、同73.9%営業増益、同86.3%経常増益、同5.5倍最終増益で、通期予想に対する進捗率は売上高が22.9%、営業利益が24.5%、経常利益が24.4%、純利益が31.3%と概ね順調な水準だった。

 売上面では、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業の需要が低調だったが、KJケミカルズの連結(化成品事業)も寄与して大幅増収だった。利益面ではコスト削減・合理化の進展、中国事業の収益改善などで営業損益が改善基調だ。

 また次世代素材CNFの開発で経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択され、パイロットプラント完成に伴って交付された国庫補助金2億54百万円を特別利益に、パイロットプラントに係る固定資産圧縮損1億67百万円を特別損失に計上した。

 なお5月11日に第2四半期累計(1月〜6月)連結業績予想の修正(売上高を減額、利益を増額)を発表している。売上高は3億20百万円減額して前年同期比7.2%増の123億30百万円、営業利益は1億60百万円増額して同3.5倍の4億30百万円、経常利益は1億70百万円増額して同3.8倍の4億70百万円、純利益は1億50百万円増額して4億20百万円(前年同期は2億65百万円の赤字)とした。コスト削減などの効果が想定以上のようだ。通期予想も増額含みだろう。

■株価は直近安値から切り返して調整一巡

 株価の動きを見ると、5月の年初来高値1148円から反落して調整局面のようだ。ただし全般地合い悪化も影響した7月9日の年初来安値850円から切り返して950円近辺まで戻している。調整が一巡したようだ。

 7月22日の終値946円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS27円37銭で算出)は34〜35倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS656円90銭で算出)は1.4倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面だが、14年10月安値864円と15年7月安値850円が下値支持線の形となったようだ。15年12月期の収益改善基調や増額含みを評価して戻り歩調の展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[6月03日更新]

星光PMCは年初来高値圏で堅調、15年12月期の収益改善基調や増額含みを評価

 星光PMC[4963](東1)は、製紙用薬品事業や樹脂事業を主力として、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。株価は年初来高値圏で堅調に推移している。15年12月期の収益改善基調や増額含みを評価して水準切り上げの展開だろう。

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、および化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。

 高付加価値製品の拡販に加えて、中国・東南アジア市場への積極展開、そして次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースを、ナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月に経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。そして14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーは14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

 なお前期(14年12月期)の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)53億36百万円、第2四半期(4月〜6月)61億68百万円、第3四半期(7月〜9月)60億64百万円、第4四半期(10月〜12月)64億02百万円だった。営業利益は第1四半期1億40百万円、第2四半期17百万円の赤字、第3四半期77百万円、第4四半期1億19百万円だった。営業損益は第2四半期をボトムとして改善基調だ。

 5月11日に発表した今期(15年12月期)第1四半期(1月〜3月)の連結業績は、売上高が前年同期比12.9%増の60億25百万円、営業利益が同73.9%増の2億45百万円、経常利益が同86.3%増の2億59百万円、純利益が同5.5倍の2億60百万円だった。

 売上面では、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業の需要が低調だったが、KJケミカルズの連結(化成品事業)も寄与して大幅増収だった。利益面ではコスト削減・合理化の進展、中国事業の収益改善などで営業損益が改善基調だ。

 なお次世代素材CNFの開発で経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択され、パイロットプラント完成に伴って交付された国庫補助金2億54百万円を特別利益に、パイロットプラントに係る固定資産圧縮損1億67百万円を特別損失に計上した。

 セグメント別動向を見ると、製紙用薬品事業は売上高が同1.0%増の37億42百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同23.9%増の2億25百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業は売上高が同14.3%減の13億97百万円、営業利益が同63.2%増の58百万円、化成品事業は売上高が8億86百万円、営業利益が79百万円だった。

 なお5月11日に、第2四半期累計(1月〜6月)連結業績予想の修正(売上高を減額、利益を増額)を発表した。売上高は3億20百万円減額して前年同期比7.2%増の123億30百万円、営業利益は1億60百万円増額して同3.5倍の4億30百万円、経常利益は1億70百万円増額して同3.8倍の4億70百万円、純利益は1億50百万円増額して4億20百万円(前年同期は2億65百万円の赤字)とした。コスト削減などの効果が想定以上のようだ。

 通期の連結業績予想については前回予想(2月12日公表)を据え置いて売上高が前期比9.9%増の263億50百万円、営業利益が同3.1倍の10億円、経常利益が同2.0倍の10億60百万円、純利益が8億30百万円(前期は18百万円の赤字)としている。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。前提として為替は1米ドル=115円、ナフサ価格は6万3000円としている。

 需要回復に伴う数量の増加、高付加価値製品の拡販、プロダクトミックスの改善、ロジンなど原材料価格上昇に対する製品価格是正のタイムラグ解消、KJケミカルズの通期連結、KJケミカルズにおける減価償却費の減少、中国事業の収益改善などが寄与して大幅増益見込みだ。収益は改善基調である。なお前期の特別利益に計上したKJケミカルズ子会社化に伴う負ののれん益が一巡し、特別損失に計上した中国事業に係る固定資産減損損失も一巡する。

 事業別の計画を見ると、製紙用薬品事業は拡販とコスト削減効果などで売上高が同8.1%増の167億10百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同46.9%増の11億37百万円、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業は拡販と製品価格是正のタイムラグ解消などで売上高が同3.6%増の61億64百万円、営業利益が同3.2倍の1億98百万円、化成品事業は売上高が34億76百万円(前期9ヶ月連結は25億58百万円)、減価償却負担減少などで営業利益が1億75百万円(同92百万円の赤字)としている。

 なお通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が22.9%、営業利益が24.5%、経常利益が24.4%、純利益が31.3%と概ね順調な水準である。通期会社予想を据え置いたが、コスト削減効果などが想定以上となって第2四半期累計の利益を増額したことを考慮すれば、通期予想も増額含みだろう。

 中期経営目標としては18年12月期売上高350億円(既存事業245億円、海外事業70億円、新規事業35億円)、営業利益35億円、売上高営業利益率10%を掲げている。高付加価値製品の拡販、中国事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、さらに次世代素材CNFや銀ナノワイヤーの事業化も寄与して中期的に収益拡大が期待される。

 株価の動きを見ると、900円〜1000円近辺のモミ合いから上放れて、5月12日の年初来高値1148円まで上伸した。その後も高値圏1100円近辺で堅調に推移している。14年3月高値1978円に向けて戻り歩調の展開だ。

 6月2日の終値1119円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS27円37銭で算出)は41倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS656円90銭で算出)は1.7倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインの形となった。また週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線も上向きに転じた。強基調への転換を確認した形だ。15年12月期の収益改善基調や増額含みを評価して水準切り上げの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[5月08日更新]

星光PMCは下値固め完了して戻り歩調、15年12月期の収益改善を評価

 星光PMC[4963](東1)は、製紙用薬品事業や樹脂事業を主力として、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。株価は下値固めが完了し、強基調に転換して戻り歩調の展開となった。15年12月期の収益改善を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、および化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。

 高付加価値製品の拡販に加えて、中国・東南アジア市場への積極展開、そして次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースを、ナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月に経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。そして14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーは14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

 今期(15年12月期)の連結業績予想(2月12日公表)は売上高が前期比9.9%増の263億50百万円、営業利益が同3.1倍の10億円、経常利益が同2.0倍の10億60百万円、純利益が8億30百万円(前期は18百万円の赤字)で、配当予想が前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。前提として為替は1米ドル=115円、ナフサ価格は6万3000円としている。

 なお4月30日に特別利益と特別損失の発生を発表したが業績予想に織り込み済みとしている。次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の開発で経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択され、パイロットプラント完成に伴って15年3月に交付された補助金2億66百万円を特別利益に計上し、パイロットプラントに係る固定資産圧縮損1億67百万円を特別損失に計上する。

 15年12月期は需要回復に伴う数量の増加、高付加価値製品の拡販とプロダクトミックスの改善、ロジンなど原材料価格上昇に対する製品価格是正のタイムラグ解消、KJケミカルズの通期連結とKJケミカルズにおける減価償却費の減少、海外事業の収益改善などが寄与して、新規事業開発関連のコスト増加などを吸収する見通しだ。なお前期の特別利益に計上したKJケミカルズ子会社化に伴う負ののれん益が一巡し、特別損失に計上した中国事業に係る固定資産減損損失も一巡する。

 事業別の計画を見ると、製紙用薬品事業は拡販とコスト削減効果などで売上高が同8.1%増の167億10百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同46.9%増の11億37百万円、樹脂事業は拡販と製品価格是正のタイムラグ解消などで売上高が同3.6%増の61億64百万円、営業利益が同3.2倍の1億98百万円、化成品事業(KJケミカルズ)は減価償却負担減少などで売上高が34億76百万円(前期9ヶ月連結は25億58百万円)、営業利益が1億75百万円(同92百万円の赤字)としている。

 なお前期(14年12月期)を四半期別に見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)53億36百万円、第2四半期(4月〜6月)61億68百万円、第3四半期(7月〜9月)60億64百万円、第4四半期(10月〜12月)64億02百万円、営業利益は第1四半期1億40百万円、第2四半期17百万円の赤字、第3四半期77百万円、第4四半期1億19百万円である。営業損益は第2四半期をボトムとして改善基調だ。

 中期経営目標としては18年12月期売上高350億円(既存事業245億円、海外事業70億円、新規事業35億円)、営業利益35億円、売上高営業利益率10%を掲げている。高付加価値製品の拡販、中国における製紙用薬品事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、さらに次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤーの事業化も寄与して中期的に収益拡大が期待される。

 株価の動きを見ると、900円〜1000円近辺でのモミ合いから上放れの展開となり、4月30日には1097円まで上伸した。下値固めが完了して戻り歩調の展開だ。

 5月7日の終値1053円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS27円37銭で算出)は38倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS656円90銭で算出)は1.6倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると上向きに転じた13週移動平均線がサポートラインとなって上伸している。強基調への転換を確認した形だ。15年12月期の収益改善を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月03日更新]

星光PMCはモミ合い煮詰まり感、15年12月期の収益改善を評価して上放れ

 製紙用薬品の星光PMC[4963](東1)の株価は、安値圏の900円近辺でモミ合う展開だが、下値固めが完了して煮詰まり感を強めている。15年12月期の収益改善基調を評価してモミ合い上放れの展開だろう。

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、および化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開している。

 高付加価値製品の拡販に加えて、中国・東南アジア市場への積極展開、そして次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースを、ナノサイズまで細かくほぐすことにより得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることにより、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月に経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。そして14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備の建設工事が完了し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーは14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

 3月27日には、4月8日〜10日に東京ビックサイトで開催される「第6回高機能フィルム展」に出展すると発表した。銀ナノワイヤー、UV硬化型光学用粘着剤などを出展する。

 今期(15年12月期)の連結業績見通し(2月12日公表)は、売上高が前期比9.9%増の263億50百万円、営業利益が同3.1倍の10億円、経常利益が同2.0倍の10億60百万円、純利益が8億30百万円(前期は18百万円の赤字)で、配当予想が前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。前提として為替は1米ドル=115円、ナフサ価格は6万3000円としている。

 売上面では需要回復に伴う数量の増加、高付加価値商品の拡販、KJケミカルズの通期連結、利益面ではプロダクトミックスの改善、ロジンなど原材料価格上昇に対する製品価格是正のタイムラグ解消、KJケミカルズにおける減価償却費の減少、海外事業の収益改善などが寄与して、新規事業開発関連のコスト増加などを吸収する見通しだ。なお前期の特別利益に計上したKJケミカルズ子会社化に伴う負ののれん益が一巡し、特別損失に計上した中国事業に係る固定資産減損損失も一巡する。

 事業別の計画を見ると、製紙用薬品事業は拡販とコスト削減効果などで売上高が同8.1%増の167億10百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同46.9%増の11億37百万円、樹脂事業は拡販と製品価格是正のタイムラグ解消などで売上高が同3.6%増の61億64百万円、営業利益が同3.2倍の1億98百万円、化成品事業(KJケミカルズ)は減価償却負担減少などで売上高が34億76百万円(前期9ヶ月連結は25億58百万円)、営業利益が1億75百万円(同92百万円の赤字)としている。

 前期(14年12月期)の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)53億36百万円、第2四半期(4月〜6月)61億68百万円、第3四半期(7月〜9月)60億64百万円、第4四半期(10月〜12月)64億02百万円、営業利益は第1四半期1億40百万円、第2四半期17百万円の赤字、第3四半期77百万円、第4四半期1億19百万円である。営業損益は第2四半期をボトムとして改善基調であり、15年12月期の収益改善が期待される。

 中期経営目標としては18年12月期売上高350億円(既存事業245億円、海外事業70億円、新規事業35億円)、営業利益35億円、売上高営業利益率10%を掲げている。高付加価値製品の拡販、中国における製紙用薬品事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、さらに次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤーの事業化も寄与して中期的な収益拡大が期待される。

 株価の動きを見ると、上値は重いが下値も堅く、900円〜980円近辺の小幅レンジでモミ合う展開が続いている。下値固めは完了しているようだ。そしてモミ合い煮詰まり感も強めている。

 4月2日の終値947円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS27円37銭で算出)は34〜35倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS656円90銭で算出)は1.4倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が下値を支える形となり、26週移動平均線も突破した。900円近辺で下値固めが完了したようだ。15年12月期の収益改善基調を評価してモミ合い上放れの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月03日更新]

星光PMCはモミ合い上放れの動き、15年12月期の収益改善を評価して出直り本格化

 製紙用薬品の星光PMC[4963](東1)の株価は、900円近辺で下値固めが完了してモミ合い上放れの動きを強めています。2月27日と3月2日には980円まで上値を伸ばしました。今期(15年12月期)の収益改善を評価して出直りの動きが本格化しそうです。次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)のテーマ性にも変化はないでしょう。

 DIC<4631>の連結子会社で、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、および化成品事業(14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化)を展開しています。

 高付加価値製品の拡販に加えて、中国・東南アジア市場への積極展開、そして次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など、成長市場・新分野開拓の戦略を推進しています。

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことにより得られる繊維です。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴を持ち、樹脂の補強材として機能させることにより、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されています。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月に経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択されました。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画しました。14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備の建設工事が完了し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始しました。

 銀ナノワイヤーは14年9月からサンプル出荷を本格開始しました。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成します。ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されています。

 2月12日に発表した前期(14年12月期)連結業績は、売上高が239億70百万円、営業利益が3億19百万円、経常利益が5億21百万円、純利益が18百万円の赤字となりました。前々期は13年4月〜12月の9ヶ月決算のため単純比較はできませんが、前年同期間(13年1月〜12月)との比較では11.5%増収、65.3%営業減益、59.4%経常減益で、純利益は赤字転落の形となりました。配当予想は前々期(9カ月決算で9円)と実質的に同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としました。

 KJケミカルズの新規連結が寄与して増収となりましたが、樹脂事業を中心に売上数量が減少して売上高が計画を下回り、原料価格高騰に対する製品価格是正のタイムラグ、減価償却費や研究開発費の増加なども影響して、営業利益が実質的に大幅減益となりました。営業外収益では為替の円安進行に伴う外貨建て資産に係る為替差益、特別利益ではKJケミカルズ子会社化に伴う負ののれん益を計上しましたが、中国事業に係る固定資産減損損失計上も影響して最終赤字となりました。

 ただし四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(1月〜3月)53億36百万円、第2四半期(4月〜6月)61億68百万円、第3四半期(7月〜9月)60億64百万円、第4四半期(10月〜12月)64億02百万円で、営業利益は第1四半期1億40百万円、第2四半期17百万円の赤字、第3四半期77百万円、第4四半期1億19百万円です。営業損益は第2四半期をボトムとして改善基調となりました。

 今期(15年12月期)の連結業績見通し(2月12日公表)は、売上高が前期比9.9%増の263億50百万円、営業利益が同3.1倍の10億円、経常利益が同2.0倍の10億60百万円、純利益が8億30百万円(前期は18百万円の赤字)で、配当予想が前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としています。

 売上面では需要回復に伴う売上数量の増加、高付加価値商品の拡販、KJケミカルズの通期連結、利益面ではプロダクトミックスの改善、ロジンなど原材料価格上昇に対する製品価格是正のタイムラグ解消、KJケミカルズにおける減価償却費の減少、そして海外事業の収益改善などが寄与して、新規事業開発関連のコスト増加などを吸収する見通しです。なお前提として為替は1米ドル=115円、ナフサ価格は6万3000円としています。

 事業別の計画を見ると、製紙用薬品事業は拡販とコスト削減効果などで売上高が同8.1%増の167億10百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同46.9%増の11億37百万円、樹脂事業は拡販と製品価格是正のタイムラグ解消などで売上高が同3.6%増の61億64百万円、営業利益が同3.2倍の1億98百万円、化成品事業(KJケミカルズ)は減価償却負担減少などで売上高が34億76百万円(前期9ヶ月連結は25億58百万円)、営業利益が1億75百万円(同92百万円の赤字)としています。

 中期経営目標としては18年12月期売上高350億円(既存事業245億円、海外事業70億円、新規事業35億円)、営業利益35億円、売上高営業利益率10%を掲げています。中国における製紙用薬品事業の再構築、東南アジア市場への積極展開、さらに次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤーの事業化も寄与して中期的な収益拡大が期待されます。

 株価の動きを見ると、900円近辺で下値固めが完了し、水準を切り上げてモミ合いから上放れの動きを強めています。2月27日と3月2日には980円まで上値を伸ばしました。今期収益改善見通しを評価する動きのようです。

 3月2日の終値975円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS27円37銭で算出)は35〜36倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.2%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS656円90銭で算出)は1.5倍近辺です。

 週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて、戻りを押さえていた26週移動平均線を突破しました。900円近辺で下値固めが完了してトレンドが好転する形です。今期収益改善を評価して出直りの動きが本格化しそうです。次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)のテーマ性にも変化はないでしょう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[2月05日更新]

星光PMCの14年12月期業績修正に対する反応は限定的、今期の収益改善期待で下値支持線から反発のタイミング

 製紙用薬品の星光PMC[4963](東1)は、1月30日に前期(14年12月期)業績の修正を発表し、売上高と営業利益を減額、経常利益と純利益を増額した。修正に対する株価のネガティブ反応は限定的のようだ。調整局面が続いたが、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)のテーマ性に変化はなく、今期(15年12月期)の収益改善期待で下値支持線から反発のタイミングだろう。

 DIC<4631>の子会社で製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業を展開している。高付加価値商品の拡販、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。さらに事業領域拡大に向けて14年4月には、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化した。

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことにより得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴を持ち、樹脂の補強材として機能させることにより、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月に経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月にはナノセルロースの開発・事業化を促進するため、産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。そして14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備の建設工事が完了し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始した。

 銀ナノワイヤーは14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させたもので、透明導電性電極を形成する。ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

 1月30日に前期(14年12月期)連結業績見通しを修正した。前回予想(7月31日に減額修正)に対して、売上高は3億01百万円減額して239億69百万円、営業利益は74百万円減額して3億26百万円としたが、経常利益は85百万円増額して5億25百万円、純利益は41百万円増額して19百万円の赤字とした。

 国内外で製紙用薬品の売上高が計画を下回り、営業利益も減額した。ただし為替の円安進行に伴って外貨建て資産に係る為替差益が発生したため、経常利益と純利益を増額した。配当予想は前回予想(2月12日公表)を据え置いて前々期(9カ月決算で9円)と実質的に同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。

 今期(15年12月期)は、売上面では製紙用薬品の需要回復、高付加価値商品の拡販、KJケミカルズの通期連結、利益面ではプロダクトミックスの改善、ロジンなど原材料価格上昇に対する製品価格是正の浸透、KJケミカルズの減価償却費減少などで収益改善が期待される。原油価格下落も追い風だ。

 中期経営目標としては18年12月期売上高350億円(既存事業245億円、海外事業70億円、新規事業35億円)、営業利益35億円、売上高営業利益率10%を掲げている。次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)や銀ナノワイヤーの事業化も寄与して中期的な収益拡大が期待される。

 株価の動きを見ると上値を切り下げて調整局面が続いている。しかし14年10月安値864円まで下押す動きは見られず、900円近辺が下値支持線の形だ。前期業績の修正に対するネガティブ反応も限定的のようだ。調整の最終局面だろう。

 2月4日の終値915円を指標面で見ると、前期推定配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.3%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS663円98銭で算出)は1.4倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形で上値を切り下げたが、900円近辺が下値支持線となって13週移動平均線突破の動きを強めている。調整局面が続いたが、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)のテーマ性に変化はなく、今期(15年12月期)の収益改善期待で下値支持線から反発のタイミングだろう。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[1月14日更新]

星光PMCは下値固め完了感、次世代素材CNFへの期待感で反発のタイミング

 製紙用薬品の星光PMC[4963](東1)の株価は調整局面が続いているが、10月安値864円まで下押す動きは見られず、900円近辺で下値固め完了感を強めている。調整の最終局面であり、今期(15年12月期)の収益改善や次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)事業化に対する期待感で反発のタイミングだろう。

 DIC<4631>の子会社で製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業を展開している。高付加価値商品の拡販、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。さらに事業領域拡大に向けて14年4月には、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化した。

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことにより得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴を持ち、樹脂の補強材として機能させることにより、自動車用樹脂の強度・寸法安定性向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月には経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月にはナノセルロースの研究開発、事業化、標準化を促進するため、産官学連携型のコンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画している。そして14年11月には、竜ヶ崎工場におけるCNFの実証生産設備(パイロットプラント)建設工事完了と、本格的な変性CNFサンプルの提供開始を発表した。

 また14年11月には、銀ナノワイヤー製造設備建設が7月に完了し、9月から本格的なサンプル出荷を開始したと発表している。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させたもので、透明導電性電極を形成する。ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

 1月7日には、1月14日〜16日に開催される「第16回電子部品・材料EXPO」に次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤー)、光学弾性樹脂(OCA)、ダイシングテープ用UV硬化型光学用粘着剤(剥がせる接着剤)などを出展すると発表した。

 前期(14年12月期)の連結業績見通し(7月31日に減額修正)は売上高が242億70百万円、営業利益が4億円、経常利益が4億40百万円、純利益が60百万円の赤字としている。9カ月決算だった前々期との単純比較はできないが、前年同期間(13年1月〜12月)との比較で見ると12.9%増収、56.7%営業減益、65.7%経常減益で、純利益は9億16百万円悪化となる。配当予想(2月12日公表)は前々期(9カ月決算で9円)と実質的に同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。

 ロジンなど原材料価格上昇と製品価格への転嫁遅れ、プロダクトミックスの悪化、研究開発費の増加、中国事業の収益悪化などで営業減益となり、営業外での為替差損益の悪化、中国事業に係る固定資産減損損失計上も影響して最終赤字の見通しだ。

 ただし今期(15年12月期)については、製紙用薬品の販売数量増加、KJケミカルズの通期連結、原材料価格上昇に対する製品価格是正の浸透、プロダクトミックスの改善、KJケミカルズの減価償却費減少、中国事業の損益改善本格化、営業外損益や特別損益の改善などで収益改善が期待される。原油価格下落も追い風だろう。

 中期経営目標としては18年12月期売上高350億円(既存事業245億円、海外事業70億円、新規事業35億円)、営業利益35億円、売上高営業利益率10%を掲げている。CNFや銀ナノワイヤーの事業化も寄与して収益拡大が期待される。

 株価の動きを見ると、上値を切り下げて調整局面が続いている。しかし10月安値864円まで下押す動きは見られず、900円近辺で下値固め完了感を強めている。調整の最終局面だろう。

 1月9日の終値915円を指標面で見ると、前期推定配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.3%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS663円98銭で算出)は1.4倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を挟んでモミ合う形だが、週足チャートで見ると戻りを押さえていた13週移動平均線突破の動きを強めている。調整のほぼ最終局面であり、下値固めが完了して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月15日更新]

シンプロメンテは下値固め完了して出直り

 飲食店などに店舗設備・機器メンテナンスサービスを提供するシンプロメンテ[6086](東マ)の株価は、10月下旬の直近安値圏1000円割れ水準から反発して11月上旬に1100円台を回復する場面があった。その後は1000円〜1050円近辺でモミ合う展開だが、3月の上場来安値940円まで下押す動きは見られない。下値固めが完了して出直り展開だろう。

 大手飲食・小売チェーンを主要顧客として、店舗における内外装および各種設備・機器(厨房機器、給排水・衛生設備、空調・給排気・ダクト設備、電機設備、照明機器、ガス設備、看板、自動ドア・ガラス・鍵・シャッターなど)の不具合を解決するメンテナンスサービスを提供している。

 事業区分としては、ワンストップメンテナンスサービスとメンテナンスアウトソーシングサービスを展開している。ワンストップメンテナンスサービスでは、各種設備・機器の突発的なトラブル発生時に対応する緊急メンテナンスサービスを主力として、各種設備・機器の点検・整備・洗浄・清掃を定期的に行う予防メンテナンスサービスも提供している。メンテナンスアウトソーシングサービスは、当社のメンテナンス体制を厨房機器メーカーにOEM的に提供することで、メーカーのメンテナンス業務のサポートを行っている。

 全国の店舗から24時間365日、修理・メンテナンスの依頼を受け付け、依頼の種類・地域・内容などに応じて全国の協力業者(メンテキーパー)から適切な業者を選定・手配し、店舗の設備・機器等の不具合を解決するサービスが特徴だ。前期(14年2月期)末時点の顧客店舗数は前々期比8.4%増の2万8507店舗、メンテキーパー数は同5.1%増の4831社となった。

 今期(15年2月期)の業績(非連結)見通しについては、前回予想(4月11日公表)を据え置いて売上高が前期比14.3%増の42億円、営業利益が同19.1%増の2億20百万円、経常利益が同23.3%増の2億20百万円、純利益が同20.3%増の1億24百万円、配当予想が前期から記念配当5円を落として年間10円(期末一括)としている。

 第2四半期累計(3月〜8月)は外注・材料費など原価の高騰、長期的な受注増加を見据えた人員確保に伴う販管費の増加などで前年同期比32.5%営業減益、同32.5%経常減益、同30.8%最終減益だった。しかし緊急メンテナンスサービスでの新規顧客開拓、既存顧客との取引量拡大、夏場のエアコン機器メンテナンス依頼件数の増加などで同18.1%増収と大幅増収だった。

 通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が53.5%、営業利益が32.3%、経常利益が32.3%、純利益が33.9%である。利益進捗率が低水準だが、売上高の進捗率は順調だ。売上面では緊急メンテナンスサービスでのサービスエリア拡大、新規顧客開拓、既存顧客との取引量拡大などで飲食店向けを中心に依頼件数が順調に増加する。増収効果で人件費増加などを吸収し、下期の利益挽回が期待される。

 中期成長に向けた重点戦略として新規顧客開拓によるシェア拡大を目指している。ワンストップメンテナンスサービスでは外食業界以外の小売、理美容、教育、医療・介護、宿泊・娯楽などの業界にも新規顧客開拓を推進する。メンテナンスアウトソーシングサービスでは、サービスをOEM的に提供する企業の増加を目指すとともに、個人経営店舗向けの提供も視野に入れてシェア拡大を図る方針だ。

 外食業界や小売業界などでは、店舗の老朽化や人手不足の深刻化、店舗の衛生環境改善や従業員の労働環境改善に対する意識の高まりも背景として、メンテナンス業務のアウトソーシング化が一段と進展することが予想される。新規サービス開発なども寄与して中期的に収益拡大基調だろう。

 株価の動きを見ると、10月下旬の直近安値圏1000円割れ水準から反発して11月上旬に1100円台を回復する場面があった。その後は1000円〜1050円近辺でモミ合う展開だが、3月の上場来安値940円まで下押す動きは見られず下値固め完了感を強めている。

 12月12日の終値1050円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想EPS71円87銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.0%近辺、前期実績PBR(前期実績BPS454円80銭で算出)は2.3倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形となったが、1000円近辺が下値支持線のようだ。下値固めが完了して出直り展開だろう。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月06日更新]

星光PMCは調整一巡して反発のタイミング、今期収益改善期待星光PMCは調整一巡して反発のタイミング、今期収益改善期待

 製紙用薬品の星光PMC<4963>(東1)の株価は、全般地合い悪化も影響して1000円〜1200円近辺のモミ合いから下放れの形となり、8月安値938円を割り込んで10月17日には864円まで調整した。ただしその後は900円台に戻して下げ渋り感を強めている。調整のほぼ最終局面であり、来期(15年12月期)の収益改善期待で反発のタイミングだろう。

 DIC<4631>の子会社で製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業を展開している。高付加価値・差別化商品の市場投入・拡販、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)、導電性ナノ材料(銀ナノワイヤ)、光学弾性樹脂(OCA)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。さらに事業領域拡大に向けて14年4月、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化した。

 次世代素材CNFは自動車用樹脂の強度・寸法安定性向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待され、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指している。13年2月には経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択され、補助金を活用して竜ヶ崎工場にパイロットプラントを設置した。また14年6月にはナノセルロースの研究開発、事業化、標準化を促進するため、産官学連携型のコンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画している。

 今期(14年12月期)の連結業績見通し(7月31日に減額修正)は売上高が242億70百万円、営業利益が4億円、経常利益が4億40百万円、純利益が60百万円の赤字としている。決算期変更で9カ月決算だった前期との単純比較はできないが、前年同期間(13年1月〜12月)との比較で見ると12.9%増収、56.7%営業減益、65.7%経常減益で、純利益は9億16百万円悪化となる。配当予想については前回予想(2月12日公表)を据え置いて前期(年間9円)と実質的に同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。

 製紙用薬品の販売数量増加やKJケミカルズの新規連結などで増収見通しであり、KJケミカルズ子会社化に伴う負ののれん発生益3億70百万円も寄与するが、ロジンなど原材料価格上昇と製品価格への転嫁遅れ、プロダクトミックスの悪化、新規開発経費の負担増、中国事業の収益悪化などで営業減益となり、営業外での為替差損益の悪化、中国事業に係る固定資産減損損失計上も影響して最終赤字の見通しだ。

 ただし第3四半期(7月〜9月)以降は、原材料価格上昇に対応した製品価格是正、中国事業の収益改善策の効果発現などが寄与する。四半期ベースで見ると今期第2四半期(4月〜6月)をボトムとして収益改善基調となり、来期(15年12月期)はプロダクトミックス改善、KJケミカルズの減価償却費減少、中国事業の収益改善本格化、営業外損益や特別損益の改善も寄与して好業績が期待される。

 中期経営目標としては18年12月期売上高350億円(既存事業245億円、海外事業70億円、新規事業35億円)、営業利益35億円、売上高営業利益率10%を掲げている。

 株価の動きを見ると、全般地合い悪化も影響して1000円〜1200円近辺のモミ合いから下放れの形となり、8月の安値938円を割り込んで10月17日には864円まで調整した。ただしその後は900円台に戻して下げ渋り感を強めている。調整のほぼ最終局面だろう。

 10月29日の終値917円を指標面で見ると、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS663円98銭で算出)は1.4倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、調整のほぼ最終局面であり、来期の収益改善期待で反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)

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