[5162]朝日ラバー
[02月28日更新]

朝日ラバーは調整一巡、24年3月期減益予想だが25年3月期収益回復基調

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。2030年を見据えた長期ビジョンではSDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。24年2月には独自技術で開発した極薄「ナノシート電極」などをセットにした筋電計測スターターキットを発売した。24年3月期は減収減益予想としている。自動車向けASA COLOR LEDの上期の受注回復遅れが影響する見込みだ。四半期別に見ると第3四半期から自動車向けが回復傾向を強め、営業損益も改善基調となっている。積極的な事業展開によって25年3月期の収益回復を期待したい。株価は動意づく場面があったが、買いが続かず安値圏だ。ただし23年12月の昨年来安値圏まで下押すことなく調整一巡感を強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 23年3月期は工業用ゴム事業の売上高が22年3月期比1.1%減の57億65百万円で全社費用等調整前営業利益が24.4%減の4億円、医療・衛生用ゴム事業の売上高が20.6%増の14億39百万円で営業利益が26.4%増の1億24百万円だった。地域別売上高は国内が1.7%増の54億02百万円、海外が5.4%増の18億02百万円(アジアが6.0%増の16億75百万円、北米が1.5%減の1億16百万円、欧州が2.0%増の10百万円)だった。

 なお20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LED、ASA COLOR LRNS、白色シリコーンインキなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケット、ARチェックバルブ、マイクロ流体デバイスなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、同社独自のペルチェデバイス「F−TEM」、卓球ラケット用ラバー、風力発電関連など)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、やわらか保護カバー、伸縮配線など)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 23年3月期の中期事業分野別の売上高は光学事業が22年3月期比16.0%減の26億07百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.4%増の14億83百万円、機能事業が14.8%増の24億74百万円、通信事業が20.2%増の6億39百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが16.6%減の23億88百万円、医療用ゴム製品が20.6%増の14億23百万円、卓球ラケット用ラバーが48.1%増の6億25百万円、RFIDタグ用ゴム製品が23.9%増の3億86百万円だった。

 前中期経営計画の最終年度23年3月期の目標数値は、コロナ禍の影響による市場環境の急激な変化などで未達成となったが、第2ステージとなる第14次三カ年中期経営計画(23年5月公表)では数値目標に26年3月期売上高85億円以上、営業利益率5%以上を掲げている。基本戦略として、売上構成の転換(ゴム単品からモジュール・完成品へ、OEMからODMへ)によって収益力の向上を図る方針だ。

 光学事業(売上高23年3月期実績26億円、26年3月期計画30億円)では、テーマに「再構築と挑戦」を掲げた。標準製品の付加価値向上と複合モジュールの開発・展開などにより、光の可能性を追求した高付加価値製品による市場への貢献を目指す。

 医療・ライフサイエンス事業(売上高23年3月期実績15億円、26年3月期計画20億円)では、テーマに「第2の柱へ成長させる」を掲げた。ODM設計・複合デバイスやシステム機器への挑戦により、診断・治療機器の製造販売を目指す。なお23年12月には、医療・ライフサイエンス事業における今後の開発製品の受注見通しを踏まえて、第二福島工場を増築して生産能力を増強(26年4月稼働予定)すると発表した。

 機能事業(売上高23年3月期実績25億円、26年3月期計画29億円)では、テーマに「新たな柱を創る」を掲げた。サーモモジュール応用製品の開発・ものづくり体制の確立(23年2月に相互製品販売特約店契約を締結したフェローテックマテリアルテクノロジーズとの販売連携活動強化)や、子会社で研究開発・実証実験を行ってきた風力発電のO&M(Operation and Maintennance)事業化に向けた製品開発を推進する。

 通信事業(売上高23年3月期実績6億円、26年3月期計画6億円)では、テーマに「基礎基盤を固める」を掲げた。モノ・センサ・通信規格・情報処理アプリケーションを駆使して、新たな社会価値への取組に参画するなど、スマート社会の発展に貢献することを目指す。

 成長基盤整備とWell−beingへの取組では、人材育成や社内環境整備など無形資産価値の向上、ものづくり自動化・合理化・省人化などスマートファクトリーの実践、従業員の声を聞き反映させていく環境・体制整備などWell−beingの向上、さらに地域社会貢献を推進する。

■新技術・新製品

 23年3月にはフェローテックマテリアルテクノロジーズとの相互製品販売特約店契約締結(23年2月)を発表した。やわらかいサーモモジュール「F−TEM」を共同開発した両社の協業により、多様な分野の製品開発において新たな可能性を提案する方針としている。

 23年5月には、人に寄り添ったインテリジェントHCL照明システムに関する共同研究成果が、日本設計工学会2022年度武藤栄次賞優秀設計賞を、埼玉大学大学院理工学研究科の綿貫啓一教授と同社が受賞した。

 23年8月には、心臓の冠状動脈モデルの製品化を発表した。医療関係の学生向けの教育ツールとして、国際医療看護福祉大学校(学校法人国際総合学園、福島県郡山市)に採用された。

 23年9月には、独自の表面改質処理によってシリコーンゴム同士を強固に接着させる分子接着接合技術を応用し、シリコーンゴムで覆ったオリジナルのRFIDタグ「やわらか保護カバーRFIDタグ」を2種類開発した。21年から展開している「やわらか保護カバー」のラインナップを拡充した。そして23年10月には、丸紅情報システムズが代理店販売を行うEnOceanデバイスに「やわらか保護カバー」が採用された。

 24年2月には独自技術で開発した極薄「ナノシート電極」などをセットにした筋電計測スターターキットを発売した。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月に「サステナビリティビジョン2030」を策定し、SDGsへの取り組みを強化している。21年12月には、福島県の生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として同社の取り組みが紹介された。23年3月には、未来を拓くパートナーシップ構築推進会議の趣旨に賛同して「パートナーシップ構築宣言」を宣言した。

 23年12月には、白河工場(福島県白河市)の敷地内にV2Hシステム(Vehicle to Home:クルマから家へ)を導入した。電気自動車などに蓄えられた電気を有効活用するためのシステムで、エネルギーの有効活用を推進する。

■24年3月期3Q累計減益だが、3Qの営業損益は改善基調

 24年3月期の連結業績予想(23年8月8日付で当期純利益を上方修正、23年11月9日付で売上高と営業利益を下方修正、営業外収益の増加により経常利益と当期純利益を上方修正)は、売上高が23年3月期比1.3%減の71億09百万円、営業利益が16.3%減の1億55百万円、経常利益が12.7%減の1億70百万円、親会社株主帰属当期純利益が26.1%減の1億50百万円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の20円(期末一括)としている。予想配当性向は60.7%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比4.0%減の52億50百万円、営業利益が46.0%減の1億14百万円、経常利益が38.4%減の1億34百万円、親会社株主帰属四半期純利益が25.5%減の1億27百万円だった。

 主力の自動車向けASA COLOR LEDの需要回復遅れなどにより減益だった。地域別売上高は国内が5.8%減の38億74百万円、海外が1.5%増の13億76百万円(アジアが1.8%増の12億80百万円、北米が6.1%減の83百万円、欧州が48.5%増の12百万円)だった。

 工業用ゴム事業は売上高が6.0%減の41億42百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が36.7%減の2億26百万円だった。卓球ラケット用ラバーは増収だったが、自動車向けASA COLOR LEDの需要回復が遅れた。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が4.3%増の11億08百万円でセグメント利益が20.1%減の83百万円だった。売上面はプレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の好調で増収だが、利益面は販売構成差や試作コスト増加などが影響して減益だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が16億65百万円、営業利益が2百万円の損失、経常利益が11百万円、第2四半期は売上高が16億93百万円、営業利益が14百万円、経常利益が24百万円、第3四半期は売上高が18億91百万円、営業利益が1億02百万円、経常利益が98百万円だった。第3四半期から自動車向けが回復傾向を強め、営業損益も改善基調となっている。

 通期の連結業績予想は据え置いている。セグメント別売上高の計画は、工業用ゴム事業が2.4%減の56億26百万円、医療・衛生用ゴム事業が3.1%増の14億83百万円としている。また、中期事業分野別売上高の計画は、光学事業が3.2%減の25億23百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.9%増の15億26百万円、機能事業が3.7%増の25億66百万円、通信事業が23.0%減の4億92百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが3.4%減の23億06百万円、医療用ゴム製品が3.5%増の14億73百万円、卓球ラケット用ラバーが9.3%増の6億83百万円、RFIDタグ用ゴム製品が10.1%減の3億47百万円としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高74%、営業利益74%、経常利益79%、当期純利益85%と順調である。四半期別に見ると第3四半期から自動車向けが回復傾向を強め、営業損益も改善基調となっている。積極的な事業展開によって25年3月期の収益回復を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は動意づく場面があったが、買いが続かず安値圏だ。ただし23年12月の昨年来安値圏まで下押すことなく調整一巡感を強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。2月27日の終値は545円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円94銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1077円92銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月31日更新]

朝日ラバーは戻り試す、24年3月期は下期回復基調

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。2030年を見据えた長期ビジョンでは、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。24年3月期は減収減益予想としている。自動車向けASA COLOR LEDの上期の受注回復遅れが影響する見込みだ。ただし自動車向けの受注が徐々に回復傾向であり、積極的な事業展開で下期以降の収益回復基調を期待したい。株価は23年12月の直近安値圏から反発して水準を切り上げている。週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線を回復した。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。なお2月13日に24年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 23年3月期は工業用ゴム事業の売上高が22年3月期比1.1%減の57億65百万円で全社費用等調整前営業利益が24.4%減の4億円、医療・衛生用ゴム事業の売上高が20.6%増の14億39百万円で営業利益が26.4%増の1億24百万円だった。地域別売上高は国内が1.7%増の54億02百万円、海外が5.4%増の18億02百万円(アジアが6.0%増の16億75百万円、北米が1.5%減の1億16百万円、欧州が2.0%増の10百万円)だった。

 なお20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LED、ASA COLOR LRNS、白色シリコーンインキなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケット、ARチェックバルブ、マイクロ流体デバイスなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、同社独自のペルチェデバイス「F−TEM」、卓球ラケット用ラバー、風力発電関連など)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、やわらか保護カバー、伸縮配線など)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 23年3月期の中期事業分野別の売上高は光学事業が22年3月期比16.0%減の26億07百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.4%増の14億83百万円、機能事業が14.8%増の24億74百万円、通信事業が20.2%増の6億39百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが16.6%減の23億88百万円、医療用ゴム製品が20.6%増の14億23百万円、卓球ラケット用ラバーが48.1%増の6億25百万円、RFIDタグ用ゴム製品が23.9%増の3億86百万円だった。

 前中期経営計画の最終年度23年3月期の目標数値は、コロナ禍の影響による市場環境の急激な変化などで未達成となったが、第2ステージとなる第14次三カ年中期経営計画(23年5月公表)では数値目標に26年3月期売上高85億円以上、営業利益率5%以上を掲げている。基本戦略として、売上構成の転換(ゴム単品からモジュール・完成品へ、OEMからODMへ)によって収益力の向上を図る方針だ。

 光学事業(売上高23年3月期実績26億円、26年3月期計画30億円)では、テーマに「再構築と挑戦」を掲げた。標準製品の付加価値向上と複合モジュールの開発・展開などにより、光の可能性を追求した高付加価値製品による市場への貢献を目指す。

 医療・ライフサイエンス事業(売上高23年3月期実績15億円、26年3月期計画20億円)では、テーマに「第2の柱へ成長させる」を掲げた。ODM設計・複合デバイスやシステム機器への挑戦により、診断・治療機器の製造販売を目指す。なお23年12月には、医療・ライフサイエンス事業における今後の開発製品の受注見通しを踏まえて、第二福島工場を増築して生産能力を増強(26年4月稼働予定)すると発表した。

 機能事業(売上高23年3月期実績25億円、26年3月期計画29億円)では、テーマに「新たな柱を創る」を掲げた。サーモモジュール応用製品の開発・ものづくり体制の確立(23年2月に相互製品販売特約店契約を締結したフェローテックマテリアルテクノロジーズとの販売連携活動強化)や、子会社で研究開発・実証実験を行ってきた風力発電のO&M(Operation and Maintennance)事業化に向けた製品開発を推進する。

 通信事業(売上高23年3月期実績6億円、26年3月期計画6億円)では、テーマに「基礎基盤を固める」を掲げた。モノ・センサ・通信規格・情報処理アプリケーションを駆使して、新たな社会価値への取組に参画するなど、スマート社会の発展に貢献することを目指す。

 成長基盤整備とWell−beingへの取組では、人材育成や社内環境整備など無形資産価値の向上、ものづくり自動化・合理化・省人化などスマートファクトリーの実践、従業員の声を聞き反映させていく環境・体制整備などWell−beingの向上、さらに地域社会貢献を推進する。

■新技術・新製品

 23年3月にはフェローテックマテリアルテクノロジーズとの相互製品販売特約店契約締結(23年2月)を発表した。やわらかいサーモモジュール「F−TEM」を共同開発した両社の協業により、多様な分野の製品開発において新たな可能性を提案する方針としている。

 23年5月には、人に寄り添ったインテリジェントHCL照明システムに関する共同研究成果が、日本設計工学会2022年度武藤栄次賞優秀設計賞を、埼玉大学大学院理工学研究科の綿貫啓一教授と同社が受賞した。

 23年8月には、心臓の冠状動脈モデルの製品化を発表した。医療関係の学生向けの教育ツールとして、国際医療看護福祉大学校(学校法人国際総合学園、福島県郡山市)に採用された。

 23年9月には、独自の表面改質処理によってシリコーンゴム同士を強固に接着させる分子接着接合技術を応用し、シリコーンゴムで覆ったオリジナルのRFIDタグ「やわらか保護カバーRFIDタグ」を2種類開発した。21年から展開している「やわらか保護カバー」のラインナップを拡充した。そして23年10月には、丸紅情報システムズが代理店販売を行うEnOceanデバイスに「やわらか保護カバー」が採用された。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月に「サステナビリティビジョン2030」を策定し、SDGsへの取り組みを強化している。21年12月には、福島県の生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として同社の取り組みが紹介された。23年3月には、未来を拓くパートナーシップ構築推進会議の趣旨に賛同して「パートナーシップ構築宣言」を宣言した。

 23年12月には、白河工場(福島県白河市)の敷地内にV2Hシステム(Vehicle to Home:クルマから家へ)を導入した。電気自動車などに蓄えられた電気を有効活用するためのシステムで、エネルギーの有効活用を推進する。

■24年3月期減益予想だが下期回復基調

 24年3月期の連結業績予想(23年8月8日付で当期純利益を上方修正、23年11月9日付で売上高と営業利益を下方修正、営業外収益の増加により経常利益と当期純利益を上方修正)は、売上高が23年3月期比1.3%減の71億09百万円、営業利益が16.3%減の1億55百万円、経常利益が12.7%減の1億70百万円、親会社株主帰属当期純利益が26.1%減の1億50百万円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の20円(期末一括)としている。予想配当性向は60.7%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比6.1%減の33億59百万円、営業利益が91.4%減の11百万円、経常利益が75.4%減の35百万円、親会社株主帰属四半期純利益が51.0%減の55百万円だった。

 減収減益だった。工業用ゴム事業で主力の自動車向けASA COLOR LEDの受注回復が遅れ、医療・衛生用ゴム事業における試作コスト増加なども影響した。国内・海外別の売上高は国内が9.6%減の25億04百万円、海外合計が5.6%増の8億54百万円(アジアが4.4%増の4億03百万円、北米が20.0%増の58百万円、欧州が52.6%増の7百万円)だった。

 工業用ゴム事業は売上高が9.1%減の26億22百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が62.3%減の86百万円だった。卓球ラケット用ラバーは増収だったが、自動車向けASA COLOR LEDの受注回復が遅れた。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が6.0%増の7億37百万円、セグメント利益が23.4%減の54百万円だった。売上面はプレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の好調で増収だが、利益面は販売構成差や試作コスト増加などが影響して減益だった。

 中期事業分野別の売上高を見ると、光学事業はASA COLOR LEDの減少などにより13.2%減の11億69百万円、医療・ライフサイエンス事業は診断・解析用各種製品の増加などにより4.2%増の7億56百万円、機能事業は自動車向けスイッチ用ゴム製品が減少だが卓球ラケット用ラバーの増加で3.0%増の12億82百万円、通信事業はRFIDタグ用ゴム製品が回復だがコネクター製品の受注減により32.3%減の2億25百万円だった。主要製品の売上高はASA COLOR LEDが13.9%減の10億66百万円、医療用ゴム製品が6.1%増の7億30百万円、卓球ラケット用ラバーが9.6%増の3億47百万円、RFIDタグ用ゴム製品が8.1%減の1億72百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が16億65百万円、営業利益が2百万円の損失、経常利益が11百万円、第2四半期は売上高が16億94百万円、営業利益が13百万円、経常利益が24百万円だった。

 通期の連結業績予想は前回予想に対して売上高を98百万円、営業利益を37百万円それぞれ下方修正、経常利益を16百万円、当期純利益を14百万円それぞれ上方修正した。

 修正後の通期セグメント別売上高の計画は、工業用ゴム事業が2.4%減の56億26百万円、医療・衛生用ゴム事業が3.1%増の14億83百万円としている。また、中期事業分野別売上高の計画は、光学事業が3.2%減の25億23百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.9%増の15億26百万円、機能事業が3.7%増の25億66百万円、通信事業が23.0%減の4億92百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが3.4%減の23億06百万円、医療用ゴム製品が3.5%増の14億73百万円、卓球ラケット用ラバーが9.3%増の6億83百万円、RFIDタグ用ゴム製品が10.1%減の3億47百万円としている。

 24年3月期は自動車向けASA COLOR LEDの上期の受注回復遅れなどの影響で減収減益予想となったが、自動車向けの受注が徐々に回復傾向であり、積極的な事業展開によって下期以降の収益回復基調を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は23年12月の直近安値圏から反発して水準を切り上げている。週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線を回復した。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。1月30日の終値は552円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円94銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1077円92銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月12日更新]

朝日ラバーは反発の動き、24年3月期減益予想だが下期回復基調

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。そして2030年を見据えた長期ビジョンでは、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。24年3月期は減収減益予想としている。自動車向けASA COLOR LEDの上期の受注回復遅れなどが影響する見込みだ。ただし自動車向けの受注が徐々に回復傾向であり、積極的な事業展開で下期以降の収益回復基調を期待したい。株価は小動きだが12月の直近安値圏から切り返して反発の動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。なお2月13日に24年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 23年3月期は工業用ゴム事業の売上高が22年3月期比1.1%減の57億65百万円で全社費用等調整前営業利益が24.4%減の4億円、医療・衛生用ゴム事業の売上高が20.6%増の14億39百万円で営業利益が26.4%増の1億24百万円だった。地域別売上高は国内が1.7%増の54億02百万円、海外が5.4%増の18億02百万円(アジアが6.0%増の16億75百万円、北米が1.5%減の1億16百万円、欧州が2.0%増の10百万円)だった。

 なお20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LED、ASA COLOR LRNS、白色シリコーンインキなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケット、ARチェックバルブ、マイクロ流体デバイスなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、同社独自のペルチェデバイス「F−TEM」、卓球ラケット用ラバー、風力発電関連など)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、やわらか保護カバー、伸縮配線など)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 23年3月期の中期事業分野別の売上高は光学事業が22年3月期比16.0%減の26億07百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.4%増の14億83百万円、機能事業が14.8%増の24億74百万円、通信事業が20.2%増の6億39百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが16.6%減の23億88百万円、医療用ゴム製品が20.6%増の14億23百万円、卓球ラケット用ラバーが48.1%増の6億25百万円、RFIDタグ用ゴム製品が23.9%増の3億86百万円だった。

 前中期経営計画の最終年度23年3月期の目標数値は、コロナ禍の影響による市場環境の急激な変化などで未達成となったが、第2ステージとなる第14次三カ年中期経営計画(23年5月公表)では数値目標に26年3月期売上高85億円以上、営業利益率5%以上を掲げている。基本戦略として、売上構成の転換(ゴム単品からモジュール・完成品へ、OEMからODMへ)によって収益力の向上を図る方針だ。

 光学事業(売上高23年3月期実績26億円、26年3月期計画30億円)では、テーマに「再構築と挑戦」を掲げた。標準製品の付加価値向上と複合モジュールの開発・展開などにより、光の可能性を追求した高付加価値製品による市場への貢献を目指す。

 医療・ライフサイエンス事業(売上高23年3月期実績15億円、26年3月期計画20億円)では、テーマに「第2の柱へ成長させる」を掲げた。ODM設計・複合デバイスやシステム機器への挑戦により、診断・治療機器の製造販売を目指す。なお23年12月には、医療・ライフサイエンス事業における今後の開発製品の受注見通しを踏まえて、第二福島工場を増築して生産能力を増強(26年4月稼働予定)すると発表した。

 機能事業(売上高23年3月期実績25億円、26年3月期計画29億円)では、テーマに「新たな柱を創る」を掲げた。サーモモジュール応用製品の開発・ものづくり体制の確立(23年2月に相互製品販売特約店契約を締結したフェローテックマテリアルテクノロジーズとの販売連携活動強化)や、子会社で研究開発・実証実験を行ってきた風力発電のO&M(Operation and Maintennance)事業化に向けた製品開発を推進する。

 通信事業(売上高23年3月期実績6億円、26年3月期計画6億円)では、テーマに「基礎基盤を固める」を掲げた。モノ・センサ・通信規格・情報処理アプリケーションを駆使して、新たな社会価値への取組に参画するなど、スマート社会の発展に貢献することを目指す。

 成長基盤整備とWell−beingへの取組では、人材育成や社内環境整備など無形資産価値の向上、ものづくり自動化・合理化・省人化などスマートファクトリーの実践、従業員の声を聞き反映させていく環境・体制整備などWell−beingの向上、さらに地域社会貢献を推進する。

■新技術・新製品

 23年3月にはフェローテックマテリアルテクノロジーズとの相互製品販売特約店契約締結(23年2月)を発表した。やわらかいサーモモジュール「F−TEM」を共同開発した両社の協業により、多様な分野の製品開発において新たな可能性を提案する方針としている。

 23年5月には、人に寄り添ったインテリジェントHCL照明システムに関する共同研究成果が、日本設計工学会2022年度武藤栄次賞優秀設計賞を、埼玉大学大学院理工学研究科の綿貫啓一教授と同社が受賞した。

 23年8月には、心臓の冠状動脈モデルの製品化を発表した。医療関係の学生向けの教育ツールとして、国際医療看護福祉大学校(学校法人国際総合学園、福島県郡山市)に採用された。

 23年9月には、独自の表面改質処理によってシリコーンゴム同士を強固に接着させる分子接着接合技術を応用し、シリコーンゴムで覆ったオリジナルのRFIDタグ「やわらか保護カバーRFIDタグ」を2種類開発した。21年から展開している「やわらか保護カバー」のラインナップを拡充した。そして23年10月には、丸紅情報システムズが代理店販売を行うEnOceanデバイスに「やわらか保護カバー」が採用された。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月に「サステナビリティビジョン2030」を策定し、SDGsへの取り組みを強化している。21年12月には、福島県の生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として同社の取り組みが紹介された。23年3月には、未来を拓くパートナーシップ構築推進会議の趣旨に賛同して「パートナーシップ構築宣言」を宣言した。

 23年12月には、白河工場(福島県白河市)の敷地内にV2Hシステム(Vehicle to Home:クルマから家へ)を導入した。電気自動車などに蓄えられた電気を有効活用するためのシステムで、エネルギーの有効活用を推進する。

■24年3月期減益予想だが下期回復基調

 24年3月期の連結業績予想(8月8日付で純利益予想上方修正、11月9日付で売上高と営業利益を下方修正、営業外収益の増加により経常利益と親会社株主帰属当期純利益を上方修正)は、売上高が23年3月期比1.3%減の71億09百万円、営業利益が16.3%減の1億55百万円、経常利益が12.7%減の1億70百万円、親会社株主帰属当期純利益が26.1%減の1億50百万円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の20円(期末一括)としている。予想配当性向は60.7%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比6.1%減の33億59百万円、営業利益が91.4%減の11百万円、経常利益が75.4%減の35百万円、親会社株主帰属四半期純利益が51.0%減の55百万円だった。

 減収減益だった。工業用ゴム事業で主力の自動車向けASA COLOR LEDの受注回復が遅れ、医療・衛生用ゴム事業における試作コスト増加なども影響した。国内・海外別の売上高は国内が9.6%減の25億04百万円、海外合計が5.6%増の8億54百万円(アジアが4.4%増の4億03百万円、北米が20.0%増の58百万円、欧州が52.6%増の7百万円)だった。

 工業用ゴム事業は売上高が9.1%減の26億22百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が62.3%減の86百万円だった。卓球ラケット用ラバーは増収だったが、自動車向けASA COLOR LEDの受注回復が遅れた。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が6.0%増の7億37百万円、セグメント利益が23.4%減の54百万円だった。売上面はプレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の好調で増収だが、利益面は販売構成差や試作コスト増加などが影響して減益だった。

 中期事業分野別の売上高を見ると、光学事業はASA COLOR LEDの減少などにより13.2%減の11億69百万円、医療・ライフサイエンス事業は診断・解析用各種製品の増加などにより4.2%増の7億56百万円、機能事業は自動車向けスイッチ用ゴム製品が減少だが卓球ラケット用ラバーの増加で3.0%増の12億82百万円、通信事業はRFIDタグ用ゴム製品が回復だがコネクター製品の受注減により32.3%減の2億25百万円だった。主要製品の売上高はASA COLOR LEDが13.9%減の10億66百万円、医療用ゴム製品が6.1%増の7億30百万円、卓球ラケット用ラバーが9.6%増の3億47百万円、RFIDタグ用ゴム製品が8.1%減の1億72百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が16億65百万円、営業利益が2百万円の損失、経常利益が11百万円、第2四半期は売上高が16億94百万円、営業利益が13百万円、経常利益が24百万円だった。

 通期の連結業績予想は前回予想に対して売上高を98百万円、営業利益を37百万円それぞれ下方修正、経常利益を16百万円、親会社株主帰属当期純利益を14百万円それぞれ上方修正した。

 修正後の通期セグメント別売上高の計画は、工業用ゴム事業が2.4%減の56億26百万円、医療・衛生用ゴム事業が3.1%増の14億83百万円としている。また、中期事業分野別売上高の計画は、光学事業が3.2%減の25億23百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.9%増の15億26百万円、機能事業が3.7%増の25億66百万円、通信事業が23.0%減の4億92百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが3.4%減の23億06百万円、医療用ゴム製品が3.5%増の14億73百万円、卓球ラケット用ラバーが9.3%増の6億83百万円、RFIDタグ用ゴム製品が10.1%減の3億47百万円としている。

 24年3月期は自動車向けASA COLOR LEDの上期の受注回復遅れなどの影響で減収減益予想となったが、自動車向けの受注が徐々に回復傾向であり、積極的な事業展開によって下期以降の収益回復基調を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は小動きだが12月の直近安値圏から切り返して反発の動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。1月11日の終値は542円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円94銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1077円92銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[12月21日更新]

朝日ラバーは底値圏、24年3月期減益予想だが下期回復基調

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。2030年を見据えた長期ビジョンでは、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。12月19日には、医療・ライフサイエンス事業における今後の開発製品の受注見通しを踏まえて、第二福島工場を増築して生産能力を増強すると発表した。24年3月期は減収減益予想としている。自動車向けASA COLOR LEDの上期の受注回復遅れなどが影響する見込みだ。ただし自動車向けの受注が徐々に回復傾向であり、下期は当初計画通りの見込みとしている。積極的な事業展開で下期以降の収益回復基調を期待したい。株価は水準を切り下げる形で軟調だがほぼ底値圏だろう。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 23年3月期は工業用ゴム事業の売上高が22年3月期比1.1%減の57億65百万円で全社費用等調整前営業利益が24.4%減の4億円、医療・衛生用ゴム事業の売上高が20.6%増の14億39百万円で営業利益が26.4%増の1億24百万円だった。地域別売上高は国内が1.7%増の54億02百万円、海外が5.4%増の18億02百万円(アジアが6.0%増の16億75百万円、北米が1.5%減の1億16百万円、欧州が2.0%増の10百万円)だった。

 なお20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LED、ASA COLOR LRNS、白色シリコーンインキなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケット、ARチェックバルブ、マイクロ流体デバイスなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、同社独自のペルチェデバイス「F−TEM」、卓球ラケット用ラバー、風力発電関連など)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、やわらか保護カバー、伸縮配線など)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 23年3月期の中期事業分野別の売上高は光学事業が22年3月期比16.0%減の26億07百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.4%増の14億83百万円、機能事業が14.8%増の24億74百万円、通信事業が20.2%増の6億39百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが16.6%減の23億88百万円、医療用ゴム製品が20.6%増の14億23百万円、卓球ラケット用ラバーが48.1%増の6億25百万円、RFIDタグ用ゴム製品が23.9%増の3億86百万円だった。

 前中期経営計画の最終年度23年3月期の目標数値は、コロナ禍の影響による市場環境の急激な変化などで未達成となったが、第2ステージとなる第14次三カ年中期経営計画(23年5月公表)では数値目標に26年3月期売上高85億円以上、営業利益率5%以上を掲げている。基本戦略として、売上構成の転換(ゴム単品からモジュール・完成品へ、OEMからODMへ)によって収益力の向上を図る方針だ。

 光学事業(売上高23年3月期実績26億円、26年3月期計画30億円)では、テーマに「再構築と挑戦」を掲げた。標準製品の付加価値向上と複合モジュールの開発・展開などにより、光の可能性を追求した高付加価値製品による市場への貢献を目指す。

 医療・ライフサイエンス事業(売上高23年3月期実績15億円、26年3月期計画20億円)では、テーマに「第2の柱へ成長させる」を掲げた。ODM設計・複合デバイスやシステム機器への挑戦により、診断・治療機器の製造販売を目指す。なお12月19日には、医療・ライフサイエンス事業における今後の開発製品の受注見通しを踏まえて、第二福島工場を増築(26年4月稼働予定)して生産能力を増強すると発表した。

 機能事業(売上高23年3月期実績25億円、26年3月期計画29億円)では、テーマに「新たな柱を創る」を掲げた。サーモモジュール応用製品の開発・ものづくり体制の確立(23年2月に相互製品販売特約店契約を締結したフェローテックマテリアルテクノロジーズとの販売連携活動強化)や、子会社で研究開発・実証実験を行ってきた風力発電のO&M(Operation and Maintennance)事業化に向けた製品開発を推進する。

 通信事業(売上高23年3月期実績6億円、26年3月期計画6億円)では、テーマに「基礎基盤を固める」を掲げた。モノ・センサ・通信規格・情報処理アプリケーションを駆使して、新たな社会価値への取組に参画するなど、スマート社会の発展に貢献することを目指す。

 成長基盤整備とWell−beingへの取組では、人材育成や社内環境整備など無形資産価値の向上、ものづくり自動化・合理化・省人化などスマートファクトリーの実践、従業員の声を聞き反映させていく環境・体制整備などWell−beingの向上、さらに地域社会貢献を推進する。

■新技術・新製品

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 23年3月にはフェローテックマテリアルテクノロジーズとの相互製品販売特約店契約締結(23年2月)を発表した。やわらかいサーモモジュール「F−TEM」を共同開発した両社の協業により、多様な分野の製品開発において新たな可能性を提案する方針としている。

 23年5月には、人に寄り添ったインテリジェントHCL照明システムに関する共同研究成果が、日本設計工学会2022年度武藤栄次賞優秀設計賞を、埼玉大学大学院理工学研究科の綿貫啓一教授と同社が受賞した。

 23年8月には、心臓の冠状動脈モデルの製品化を発表した。医療関係の学生向けの教育ツールとして、国際医療看護福祉大学校(学校法人国際総合学園、福島県郡山市)に採用された。

 23年9月には、独自の表面改質処理によってシリコーンゴム同士を強固に接着させる分子接着接合技術を応用し、シリコーンゴムで覆ったオリジナルのRFIDタグ「やわらか保護カバーRFIDタグ」を2種類開発した。21年から展開している「やわらか保護カバー」のラインナップを拡充した。そして23年10月には、丸紅情報システムズが代理店販売を行うEnOceanデバイスに「やわらか保護カバー」が採用されたとリリースしている。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月に「サステナビリティビジョン2030」を策定し、SDGsへの取り組みを強化している。21年12月には、福島県の生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として同社の取り組みが紹介された。23年3月には、未来を拓くパートナーシップ構築推進会議の趣旨に賛同して「パートナーシップ構築宣言」を宣言した。

 12月12日には、白河工場(福島県白河市)の敷地内にV2Hシステム(Vehicle to Home:クルマから家へ)を導入したと発表している。電気自動車などに蓄えられた電気を有効活用するためのシステムで、エネルギーの有効活用を推進する。

■24年3月期減益予想だが下期回復基調

 24年3月期の連結業績予想(8月8日付で純利益予想上方修正、11月9日付で売上高と営業利益を下方修正、営業外収益の増加により経常利益と親会社株主帰属当期純利益を上方修正)は、売上高が23年3月期比1.3%減の71億09百万円、営業利益が16.3%減の1億55百万円、経常利益が12.7%減の1億70百万円、親会社株主帰属当期純利益が26.1%減の1億50百万円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の20円(期末一括)としている。予想配当性向は60.7%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比6.1%減の33億59百万円、営業利益が91.4%減の11百万円、経常利益が75.4%減の35百万円、親会社株主帰属四半期純利益が51.0%減の55百万円だった。

 減収減益だった。工業用ゴム事業で主力の自動車向けASA COLOR LEDの受注回復が遅れ、医療・衛生用ゴム事業における試作コスト増加なども影響した。国内・海外別の売上高は国内が9.6%減の25億04百万円、海外合計が5.6%増の8億54百万円(アジアが4.4%増の4億03百万円、北米が20.0%増の58百万円、欧州が52.6%増の7百万円)だった。

 工業用ゴム事業は売上高が9.1%減の26億22百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が62.3%減の86百万円だった。卓球ラケット用ラバーは増収だったが、自動車向けASA COLOR LEDの受注回復が遅れた。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が6.0%増の7億37百万円、セグメント利益が23.4%減の54百万円だった。売上面はプレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の好調で増収だが、利益面は販売構成差や試作コスト増加などが影響して減益だった。

 中期事業分野別の売上高を見ると、光学事業はASA COLOR LEDの減少などにより13.2%減の11億69百万円、医療・ライフサイエンス事業は診断・解析用各種製品の増加などにより4.2%増の7億56百万円、機能事業は自動車向けスイッチ用ゴム製品が減少だが卓球ラケット用ラバーの増加で3.0%増の12億82百万円、通信事業はRFIDタグ用ゴム製品が回復だがコネクター製品の受注減により32.3%減の2億25百万円だった。主要製品の売上高はASA COLOR LEDが13.9%減の10億66百万円、医療用ゴム製品が6.1%増の7億30百万円、卓球ラケット用ラバーが9.6%増の3億47百万円、RFIDタグ用ゴム製品が8.1%減の1億72百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が16億65百万円、営業利益が2百万円の損失、経常利益が11百万円、第2四半期は売上高が16億94百万円、営業利益が13百万円、経常利益が24百万円だった。

 通期の連結業績予想は前回予想に対して売上高を98百万円、営業利益を37百万円それぞれ下方修正、経常利益を16百万円、親会社株主帰属当期純利益を14百万円それぞれ上方修正した。

 修正後の通期セグメント別売上高の計画は、工業用ゴム事業が2.4%減の56億26百万円、医療・衛生用ゴム事業が3.1%増の14億83百万円としている。また、中期事業分野別売上高の計画は、光学事業が3.2%減の25億23百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.9%増の15億26百万円、機能事業が3.7%増の25億66百万円、通信事業が23.0%減の4億92百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが3.4%減の23億06百万円、医療用ゴム製品が3.5%増の14億73百万円、卓球ラケット用ラバーが9.3%増の6億83百万円、RFIDタグ用ゴム製品が10.1%減の3億47百万円としている。

 24年3月期は自動車向けASA COLOR LEDの上期の受注回復遅れなどの影響で減収減益予想となったが、自動車向けの受注が徐々に回復傾向であり、下期は当初計画通りの見込みとしている。積極的な事業展開によって下期以降の収益回復基調を期待したい。

■株価は底値圏

 株価は水準を切り下げる形で軟調だがほぼ底値圏だろう。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。12月20日の終値は530円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円94銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1077円92銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約24億円である。情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月30日更新]

朝日ラバーは調整一巡、24年3月期減益予想だが下期回復基調

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。2030年を見据えた長期ビジョンでは、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。24年3月期第2四半期累計は減収減益だった。主力の自動車向けASA COLOR LEDの受注回復が遅れた。通期予想については、売上高と営業利益を下方修正したが、営業外収益の増加により経常利益と当期純利益を上方修正した。自動車向けの受注は回復傾向であり、下期は当初計画通りの見込みとしている。積極的な事業展開によって下期以降の収益回復基調を期待したい。株価は水準を切り下げる形で軟調だが、高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 23年3月期は工業用ゴム事業の売上高が22年3月期比1.1%減の57億65百万円で全社費用等調整前営業利益が24.4%減の4億円、医療・衛生用ゴム事業の売上高が20.6%増の14億39百万円で営業利益が26.4%増の1億24百万円だった。地域別売上高は国内が1.7%増の54億02百万円、海外が5.4%増の18億02百万円(アジアが6.0%増の16億75百万円、北米が1.5%減の1億16百万円、欧州が2.0%増の10百万円)だった。

 なお20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LED、ASA COLOR LRNS、白色シリコーンインキなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケット、ARチェックバルブ、マイクロ流体デバイスなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、同社独自のペルチェデバイス「F−TEM」、卓球ラケット用ラバー、風力発電関連など)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、やわらか保護カバー、伸縮配線など)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 23年3月期の中期事業分野別の売上高は光学事業が22年3月期比16.0%減の26億07百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.4%増の14億83百万円、機能事業が14.8%増の24億74百万円、通信事業が20.2%増の6億39百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが16.6%減の23億88百万円、医療用ゴム製品が20.6%増の14億23百万円、卓球ラケット用ラバーが48.1%増の6億25百万円、RFIDタグ用ゴム製品が23.9%増の3億86百万円だった。

 前中期経営計画の最終年度23年3月期の目標数値は、コロナ禍の影響による市場環境の急激な変化などで未達成となったが、第2ステージとなる第14次三カ年中期経営計画(23年5月公表)では数値目標に26年3月期売上高85億円以上、営業利益率5%以上を掲げている。基本戦略として、売上構成の転換(ゴム単品からモジュール・完成品へ、OEMからODMへ)によって収益力の向上を図る方針だ。

 光学事業(売上高23年3月期実績26億円、26年3月期計画30億円)では、テーマに「再構築と挑戦」を掲げた。標準製品の付加価値向上と複合モジュールの開発・展開などにより、光の可能性を追求した高付加価値製品による市場への貢献を目指す。

 医療・ライフサイエンス事業(売上高23年3月期実績15億円、26年3月期計画20億円)では、テーマに「第2の柱へ成長させる」を掲げた。ODM設計・複合デバイスやシステム機器への挑戦により、診断・治療機器の製造販売を目指す。

 機能事業(売上高23年3月期実績25億円、26年3月期計画29億円)では、テーマに「新たな柱を創る」を掲げた。サーモモジュール応用製品の開発・ものづくり体制の確立(23年2月に相互製品販売特約店契約を締結したフェローテックマテリアルテクノロジーズとの販売連携活動強化)や、子会社で研究開発・実証実験を行ってきた風力発電のO&M(Operation and Maintennance)事業化に向けた製品開発を推進する。

 通信事業(売上高23年3月期実績6億円、26年3月期計画6億円)では、テーマに「基礎基盤を固める」を掲げた。モノ・センサ・通信規格・情報処理アプリケーションを駆使して、新たな社会価値への取組に参画するなど、スマート社会の発展に貢献することを目指す。

 成長基盤整備とWell−beingへの取組では、人材育成や社内環境整備など無形資産価値の向上、ものづくり自動化・合理化・省人化などスマートファクトリーの実践、従業員の声を聞き反映させていく環境・体制整備などWell−beingの向上、さらに地域社会貢献を推進する。

■新技術・新製品

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 23年3月にはフェローテックマテリアルテクノロジーズとの相互製品販売特約店契約締結(23年2月)を発表した。やわらかいサーモモジュール「F−TEM」を共同開発した両社の協業により、多様な分野の製品開発において新たな可能性を提案する方針としている。

 23年5月には、人に寄り添ったインテリジェントHCL照明システムに関する共同研究成果が、日本設計工学会2022年度武藤栄次賞優秀設計賞を、埼玉大学大学院理工学研究科の綿貫啓一教授と同社が受賞した。

 23年8月には、心臓の冠状動脈モデルの製品化を発表した。医療関係の学生向けの教育ツールとして、国際医療看護福祉大学校(学校法人国際総合学園、福島県郡山市)に採用された。

 23年9月には、独自の表面改質処理によってシリコーンゴム同士を強固に接着させる分子接着接合技術を応用し、シリコーンゴムで覆ったオリジナルのRFIDタグ「やわらか保護カバーRFIDタグ」を2種類開発した。21年から展開している「やわらか保護カバー」のラインナップを拡充した。そして23年10月には、丸紅情報システムズが代理店販売を行うEnOceanデバイスに「やわらか保護カバー」が採用されたとリリースしている。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月に「サステナビリティビジョン2030」を策定し、SDGsへの取り組みを強化している。21年12月には、福島県の生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として同社の取り組みが紹介された。23年3月には、未来を拓くパートナーシップ構築推進会議の趣旨に賛同して「パートナーシップ構築宣言」を宣言した。

■24年3月期2Q累計減収減益、通期も減益予想だが下期回復基調

 24年3月期の連結業績予想(8月8日付で純利益予想上方修正、11月9日付で売上高と営業利益を下方修正、営業外収益の増加により経常利益と親会社株主帰属当期純利益を上方修正)は、売上高が23年3月期比1.3%減の71億09百万円、営業利益が16.3%減の1億55百万円、経常利益が12.7%減の1億70百万円、親会社株主帰属当期純利益が26.1%減の1億50百万円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の20円(期末一括)としている。予想配当性向は60.7%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比6.1%減の33億59百万円、営業利益が91.4%減の11百万円、経常利益が75.4%減の35百万円、親会社株主帰属四半期純利益が51.0%減の55百万円だった。

 減収減益だった。工業用ゴム事業で主力の自動車向けASA COLOR LEDの受注回復が遅れ、医療・衛生用ゴム事業における試作コスト増加なども影響した。国内・海外別の売上高は国内が9.6%減の25億04百万円、海外合計が5.6%増の8億54百万円(アジアが4.4%増の4億03百万円、北米が20.0%増の58百万円、欧州が52.6%増の7百万円)だった。

 工業用ゴム事業は売上高が9.1%減の26億22百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が62.3%減の86百万円だった。卓球ラケット用ラバーは増収だったが、自動車向けASA COLOR LEDの受注回復が遅れた。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が6.0%増の7億37百万円、セグメント利益が23.4%減の54百万円だった。売上面はプレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の好調で増収だが、利益面は販売構成差や試作コスト増加などが影響して減益だった。

 中期事業分野別の売上高を見ると、光学事業はASA COLOR LEDの減少などにより13.2%減の11億69百万円、医療・ライフサイエンス事業は診断・解析用各種製品の増加などにより4.2%増の7億56百万円、機能事業は自動車向けスイッチ用ゴム製品が減少だが卓球ラケット用ラバーの増加で3.0%増の12億82百万円、通信事業はRFIDタグ用ゴム製品が回復だがコネクター製品の受注減により32.3%減の2億25百万円だった。主要製品の売上高はASA COLOR LEDが13.9%減の10億66百万円、医療用ゴム製品が6.1%増の7億30百万円、卓球ラケット用ラバーが9.6%増の3億47百万円、RFIDタグ用ゴム製品が8.1%減の1億72百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が16億65百万円、営業利益が2百万円の損失、経常利益が11百万円、第2四半期は売上高が16億94百万円、営業利益が13百万円、経常利益が24百万円だった。

 通期の連結業績予想は前回予想に対して売上高を98百万円、営業利益を37百万円それぞれ下方修正、経常利益を16百万円、親会社株主帰属当期純利益を14百万円それぞれ上方修正した。

 修正後の通期セグメント別売上高の計画は、工業用ゴム事業が2.4%減の56億26百万円、医療・衛生用ゴム事業が3.1%増の14億83百万円としている。また、中期事業分野別売上高の計画は、光学事業が3.2%減の25億23百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.9%増の15億26百万円、機能事業が3.7%増の25億66百万円、通信事業が23.0%減の4億92百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが3.4%減の23億06百万円、医療用ゴム製品が3.5%増の14億73百万円、卓球ラケット用ラバーが9.3%増の6億83百万円、RFIDタグ用ゴム製品が10.1%減の3億47百万円としている。

 自動車向けの受注は回復傾向であり、下期は当初計画通りの見込みとしている。積極的な事業展開によって下期以降の収益回復基調を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は水準を切り下げる形で軟調だが、高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。11月29日の終値は534円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円94銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1077円92銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月10日更新]

朝日ラバーは24年3月期2Q累計減収減益、通期は経常・当期純利益を上方修正

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は、11月9日の取引時間終了後に24年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。減収減益だった。主力の自動車向けASA COLOR LEDの受注回復が遅れた。通期予想については、売上高と営業利益を下方修正したが、営業外収益の増加により経常利益と当期純利益を上方修正した。自動車向けの受注は回復傾向であり、積極的な事業展開によって下期以降の収益回復を期待したい。株価は上値の重い形だが、一方では徐々に下値を切り上げている。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■24年3月期2Q累計減収減益、通期は経常・当期純利益を上方修正

 24年3月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比6.1%減の33億59百万円、営業利益が91.4%減の11百万円、経常利益が75.4%減の35百万円、親会社株主帰属四半期純利益が51.0%減の55百万円だった。

 減収減益だった。工業用ゴム事業で主力の自動車向けASA COLOR LEDの受注回復が遅れ、医療・衛生用ゴム事業における試作コスト増加なども影響した。国内・海外別の売上高は国内が9.6%減の25億04百万円、海外合計が5.6%増の8億54百万円(アジアが4.4%増の4億03百万円、北米が20.0%増の58百万円、欧州が52.6%増の7百万円)だった。

 工業用ゴム事業は売上高が9.1%減の26億22百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が62.3%減の86百万円だった。卓球ラケット用ラバーは増収だったが、自動車向けASA COLOR LEDの受注回復が遅れた。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が6.0%増の7億37百万円、セグメント利益が23.4%減の54百万円だった。売上面はプレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の好調で増収だが、利益面は販売構成差や試作コスト増加などが影響して減益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が16億65百万円、営業利益が2百万円の損失、経常利益が11百万円、第2四半期は売上高が16億94百万円、営業利益が13百万円、経常利益が24百万円だった。

 通期の連結業績予想については、11月9日付で売上高と営業利益を下方修正、営業外収益の増加により経常利益と親会社株主帰属当期純利益を上方修正(親会社株主帰属当期純利益は8月8日付に続いて2回目の上方修正)し、売上高が23年3月期比1.3%減の71億09百万円、営業利益が16.3%減の1億55百万円、経常利益が12.7%減の1億70百万円、親会社株主帰属当期純利益が26.1%減の1億50百万円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の20円(期末一括)としている。予想配当性向は60.7%となる。

 前回予想に対して売上高を98百万円、営業利益を37百万円それぞれ下方修正、経常利益を16百万円、親会社株主帰属当期純利益を14百万円それぞれ上方修正した。自動車向けの受注は回復傾向であり、積極的な事業展開によって下期以降の収益回復を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は上値の重い形だが、一方では徐々に下値を切り上げている。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。11月9日の終値は549円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円94銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1077円92銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月19日更新]

朝日ラバーは調整一巡、24年3月期減益予想だが上振れ余地

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。2030年を見据えた長期ビジョンでは、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。24年3月期は減益予想(8月8日付で当期純利益を上方修正)としている。上期は半導体不足による自動車関連の受注調整の影響が継続するが、下期は回復基調として下期偏重の計画としており、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。株価は9月末に動意づく場面があったが、買いが続かず安値圏に回帰した。ただし高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。なお11月9日に24年3月期第2四半期決算発表を予定している。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 23年3月期は工業用ゴム事業の売上高が22年3月期比1.1%減の57億65百万円で全社費用等調整前営業利益が24.4%減の4億円、医療・衛生用ゴム事業の売上高が20.6%増の14億39百万円で営業利益が26.4%増の1億24百万円だった。地域別売上高は国内が1.7%増の54億02百万円、海外が5.4%増の18億02百万円(アジアが6.0%増の16億75百万円、北米が1.5%減の1億16百万円、欧州が2.0%増の10百万円)だった。

 なお20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LED、ASA COLOR LRNS、白色シリコーンインキなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケット、ARチェックバルブ、マイクロ流体デバイスなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、同社独自のペルチェデバイス「F−TEM」、卓球ラケット用ラバー、風力発電関連など)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、やわらか保護カバー、伸縮配線など)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 23年3月期の中期事業分野別の売上高は光学事業が22年3月期比16.0%減の26億07百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.4%増の14億83百万円、機能事業が14.8%増の24億74百万円、通信事業が20.2%増の6億39百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが16.6%減の23億88百万円、医療用ゴム製品が20.6%増の14億23百万円、卓球ラケット用ラバーが48.1%増の6億25百万円、RFIDタグ用ゴム製品が23.9%増の3億86百万円だった。

 前中期経営計画の最終年度23年3月期の目標数値は、コロナ禍の影響による市場環境の急激な変化などで未達成となったが、第2ステージとなる第14次三カ年中期経営計画(23年5月公表)では数値目標に26年3月期売上高85億円以上、営業利益率5%以上を掲げている。基本戦略として、売上構成の転換(ゴム単品からモジュール・完成品へ、OEMからODMへ)によって収益力の向上を図る方針だ。

 光学事業(売上高23年3月期実績26億円、26年3月期計画30億円)では、テーマに「再構築と挑戦」を掲げた。標準製品の付加価値向上と複合モジュールの開発・展開などにより、光の可能性を追求した高付加価値製品による市場への貢献を目指す。

 医療・ライフサイエンス事業(売上高23年3月期実績15億円、26年3月期計画20億円)では、テーマに「第2の柱へ成長させる」を掲げた。ODM設計・複合デバイスやシステム機器への挑戦により、診断・治療機器の製造販売を目指す。

 機能事業(売上高23年3月期実績25億円、26年3月期計画29億円)では、テーマに「新たな柱を創る」を掲げた。サーモモジュール応用製品の開発・ものづくり体制の確立(23年2月に相互製品販売特約店契約を締結したフェローテックマテリアルテクノロジーズとの販売連携活動強化)や、子会社で研究開発・実証実験を行ってきた風力発電のO&M(Operation and Maintennance)事業化に向けた製品開発を推進する。

 通信事業(売上高23年3月期実績6億円、26年3月期計画6億円)では、テーマに「基礎基盤を固める」を掲げた。モノ・センサ・通信規格・情報処理アプリケーションを駆使して、新たな社会価値への取組に参画するなど、スマート社会の発展に貢献することを目指す。

 成長基盤整備とWell−beingへの取組では、人材育成や社内環境整備など無形資産価値の向上、ものづくり自動化・合理化・省人化などスマートファクトリーの実践、従業員の声を聞き反映させていく環境・体制整備などWell−beingの向上、さらに地域社会貢献を推進する。

■新技術・新製品

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 23年3月にはフェローテックマテリアルテクノロジーズとの相互製品販売特約店契約締結(23年2月)を発表した。やわらかいサーモモジュール「F−TEM」を共同開発した両社の協業により、多様な分野の製品開発において新たな可能性を提案する方針としている。

 23年5月には、人に寄り添ったインテリジェントHCL照明システムに関する共同研究成果が、日本設計工学会2022年度武藤栄次賞優秀設計賞を、埼玉大学大学院理工学研究科の綿貫啓一教授と同社が受賞した。

 23年8月には、心臓の冠状動脈モデルの製品化を発表した。医療関係の学生向けの教育ツールとして、国際医療看護福祉大学校(学校法人国際総合学園、福島県郡山市)に採用された。

 23年9月には、独自の表面改質処理によってシリコーンゴム同士を強固に接着させる分子接着接合技術を応用し、シリコーンゴムで覆ったオリジナルのRFIDタグ「やわらか保護カバーRFIDタグ」を2種類開発した。21年から展開している「やわらか保護カバー」のラインナップを拡充した。そして10月11日には、丸紅情報システムズが代理店販売を行うEnOceanデバイスに「やわらか保護カバー」が採用されたとリリースしている。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月に「サステナビリティビジョン2030」を策定し、SDGsへの取り組みを強化している。21年12月には、福島県の生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として同社の取り組みが紹介された。23年3月には、未来を拓くパートナーシップ構築推進会議の趣旨に賛同して「パートナーシップ構築宣言」を宣言した。

■24年3月期減益予想だが上振れ余地

 24年3月期の連結業績予想(第2四半期に投資有価証券売却益を計上するため、8月8日付で第2四半期累計および通期の純利益予想を35百万円上方修正)は、売上高が23年3月期比0.1%減の71億95百万円、営業利益が15.2%減の1億57百万円、経常利益が23.0%減の1億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が30.5%減の1億41百万円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の20円(期末一括)としている。予想配当性向は64.4%となる。

 第1四半期は売上高が前年同期比5.1%減の16億65百万円、営業利益が2百万円の損失(前年同期は70百万円の利益)、経常利益が86.3%減の11百万円、親会社株主帰属四半期純利益が90.4%減の6百万円だった。

 減収で営業損益は赤字、経常利益と純利益は大幅減益だった。医療・衛生用ゴム製品は順調だったが、主力の自動車向けゴム製品が半導体不足による採用車種の在庫調整の影響を受けた。なお国内・海外別の売上高は国内が10.9%減の12億27百万円、海外合計が16.3%増の4億38百万円(アジアが14.5%増の4億03百万円、北米が42.7%増の31百万円、欧州が30.9%増の3百万円)だった。

 工業用ゴム事業は売上高が9.2%減の12億90百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が74.1%減の32百万円だった。卓球ラケット用ラバーやRFIDタグ用ゴム製品は増収だったが、主力の自動車向けゴム製品が採用車種の在庫調整の影響を受け、ASA COLOR LEDやスイッチ用ゴム製品の売上が減少した。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が12.3%増の3億75百万円、セグメント利益が18.2%増の33百万円だった。コロナ後の需要回復に加えて、海外リスクを考慮した顧客の在庫積み増しなどにより、プレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の売上が増加した。

 中期事業分野別の売上高を見ると、光学事業はASA COLOR LEDの減少などにより12.7%減の5億78百万円、医療・ライフサイエンス事業は診断・治療用各種製品の増加などにより9.1%増の3億84百万円、機能事業は卓球ラケット用ラバーが回復だが自動車向けスイッチ用ゴム製品の減少により2.1%減の5億82百万円、通信事業はRFIDタグ用ゴム製品が回復だがコネクター製品の減少などにより16.7%減の1億20百万円だった。主要製品の売上高はASA COLOR LEDが12.7%減の5億31百万円、医療用ゴム製品が12.6%増の3億72百万円、卓球ラケット用ラバーが14.3%増の1億71百万円、RFIDタグ用ゴム製品が15.4%増の83百万円だった。

 通期のセグメント別売上高の計画は、工業用ゴム事業が1.5%減の56億79百万円、医療・衛生用ゴム事業が5.4%増の15億百万円としている。中期事業分野別売上高の計画は、光学事業が1.2%減の25億77百万円、医療・ライフサイエンス事業が3.1%増の15億30百万円、機能事業が0.9%増の24億96百万円、通信事業が7.5%減の5億92百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが2.7%減の23億23百万円、医療用ゴム製品が5.1%増の14億95百万円、卓球ラケット用ラバーが6.7%増の6億67百万円、RFIDタグ用ゴム製品が3.9%減の3億71百万円としている。

 不透明感を考慮して通期の営業利益および経常利益予想を据え置いたが、上期と下期に分解すると、上期は売上高が前年同期比4.1%減の34億31百万円、売上総利益が9.5%減の8億02百万円、営業利益が79.3%減の28百万円、経常利益が81.2%減の27百万円、下期は売上高が3.8%増の37億64百万円、売上総利益が7.3%増の9億37百万円、営業利益が158.1%増の1億29百万円、経常利益が141.5%増の1億23百万円の見込みとしている。

 上期は半導体不足による自動車関連の受注調整の影響が継続するが、下期は回復基調として下期偏重の計画としており、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は9月末に動意づく場面があったが、買いが続かず安値圏に回帰した。ただし高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。10月18日の終値は541円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS31円08銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1077円92銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月27日更新]

朝日ラバーは上値試す、24年3月期減益予想だが上振れ余地

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。2030年を見据えた長期ビジョンでは、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。24年3月期は減益予想(8月8日付で当期純利益を上方修正)としている。上期は半導体不足による自動車関連の受注調整の影響が継続するが、下期は回復基調として下期偏重の計画としており、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。株価は8月の直近安値圏から切り返して反発の動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 23年3月期は工業用ゴム事業の売上高が22年3月期比1.1%減の57億65百万円で全社費用等調整前営業利益が24.4%減の4億円、医療・衛生用ゴム事業の売上高が20.6%増の14億39百万円で営業利益が26.4%増の1億24百万円だった。地域別売上高は国内が1.7%増の54億02百万円、海外が5.4%増の18億02百万円(アジアが6.0%増の16億75百万円、北米が1.5%減の1億16百万円、欧州が2.0%増の10百万円)だった。

 なお20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LED、ASA COLOR LRNS、白色シリコーンインキなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケット、ARチェックバルブ、マイクロ流体デバイスなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、同社独自のペルチェデバイス「F−TEM」、卓球ラケット用ラバー、風力発電関連など)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、やわらか保護カバー、伸縮配線など)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 23年3月期の中期事業分野別の売上高は光学事業が22年3月期比16.0%減の26億07百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.4%増の14億83百万円、機能事業が14.8%増の24億74百万円、通信事業が20.2%増の6億39百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが16.6%減の23億88百万円、医療用ゴム製品が20.6%増の14億23百万円、卓球ラケット用ラバーが48.1%増の6億25百万円、RFIDタグ用ゴム製品が23.9%増の3億86百万円だった。

 前中期経営計画の最終年度23年3月期の目標数値は、コロナ禍の影響による市場環境の急激な変化などで未達成となったが、第2ステージとなる第14次三カ年中期経営計画(23年5月公表)では数値目標に26年3月期売上高85億円以上、営業利益率5%以上を掲げている。基本戦略として、売上構成の転換(ゴム単品からモジュール・完成品へ、OEMからODMへ)によって収益力の向上を図る方針だ。

 光学事業(売上高23年3月期実績26億円、26年3月期計画30億円)では、テーマに「再構築と挑戦」を掲げた。標準製品の付加価値向上と複合モジュールの開発・展開などにより、光の可能性を追求した高付加価値製品による市場への貢献を目指す。

 医療・ライフサイエンス事業(売上高23年3月期実績15億円、26年3月期計画20億円)では、テーマに「第2の柱へ成長させる」を掲げた。ODM設計・複合デバイスやシステム機器への挑戦により、診断・治療機器の製造販売を目指す。

 機能事業(売上高23年3月期実績25億円、26年3月期計画29億円)では、テーマに「新たな柱を創る」を掲げた。サーモモジュール応用製品の開発・ものづくり体制の確立(23年2月に相互製品販売特約店契約を締結したフェローテックマテリアルテクノロジーズとの販売連携活動強化)や、子会社で研究開発・実証実験を行ってきた風力発電のO&M(Operation and Maintennance)事業化に向けた製品開発を推進する。

 通信事業(売上高23年3月期実績6億円、26年3月期計画6億円)では、テーマに「基礎基盤を固める」を掲げた。モノ・センサ・通信規格・情報処理アプリケーションを駆使して、新たな社会価値への取組に参画するなど、スマート社会の発展に貢献することを目指す。

 成長基盤整備とWell−beingへの取組では、人材育成や社内環境整備など無形資産価値の向上、ものづくり自動化・合理化・省人化などスマートファクトリーの実践、従業員の声を聞き反映させていく環境・体制整備などWell−beingの向上、さらに地域社会貢献を推進する。

■新技術・新製品

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 23年3月にはフェローテックマテリアルテクノロジーズとの相互製品販売特約店契約締結(23年2月)を発表した。やわらかいサーモモジュール「F−TEM」を共同開発した両社の協業により、多様な分野の製品開発において新たな可能性を提案する方針としている。

 23年5月には、人に寄り添ったインテリジェントHCL照明システムに関する共同研究成果が、日本設計工学会2022年度武藤栄次賞優秀設計賞を、埼玉大学大学院理工学研究科の綿貫啓一教授と同社が受賞した。

 23年8月には、心臓の冠状動脈モデルの製品化を発表した。医療関係の学生向けの教育ツールとして、国際医療看護福祉大学校(学校法人国際総合学園、福島県郡山市)に採用された。

 9月12日には、独自の表面改質処理によってシリコーンゴム同士を強固に接着させる分子接着接合技術を応用し、シリコーンゴムで覆ったオリジナルのRFIDタグ「やわらか保護カバーRFIDタグ」を2種類開発したと発表している。21年から展開している「やわらか保護カバー」のラインナップを拡充した。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月に「サステナビリティビジョン2030」を策定し、SDGsへの取り組みを強化している。21年12月には、福島県の生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として同社の取り組みが紹介された。23年3月には、未来を拓くパートナーシップ構築推進会議の趣旨に賛同して「パートナーシップ構築宣言」を宣言した。

■24年3月期減益予想だが上振れ余地

 24年3月期の連結業績予想(第2四半期に投資有価証券売却益を計上するため、8月8日付で第2四半期累計および通期の純利益予想を35百万円上方修正)は、売上高が23年3月期比0.1%減の71億95百万円、営業利益が15.2%減の1億57百万円、経常利益が23.0%減の1億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が30.5%減の1億41百万円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の20円(期末一括)としている。予想配当性向は64.4%となる。

 第1四半期は売上高が前年同期比5.1%減の16億65百万円、営業利益が2百万円の損失(前年同期は70百万円の利益)、経常利益が86.3%減の11百万円、親会社株主帰属四半期純利益が90.4%減の6百万円だった。

 減収で営業損益は赤字、経常利益と純利益は大幅減益だった。医療・衛生用ゴム製品は順調だったが、主力の自動車向けゴム製品が半導体不足による採用車種の在庫調整の影響を受けた。なお国内・海外別の売上高は国内が10.9%減の12億27百万円、海外合計が16.3%増の4億38百万円(アジアが14.5%増の4億03百万円、北米が42.7%増の31百万円、欧州が30.9%増の3百万円)だった。

 工業用ゴム事業は売上高が9.2%減の12億90百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が74.1%減の32百万円だった。卓球ラケット用ラバーやRFIDタグ用ゴム製品は増収だったが、主力の自動車向けゴム製品が採用車種の在庫調整の影響を受け、ASA COLOR LEDやスイッチ用ゴム製品の売上が減少した。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が12.3%増の3億75百万円、セグメント利益が18.2%増の33百万円だった。コロナ後の需要回復に加えて、海外リスクを考慮した顧客の在庫積み増しなどにより、プレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の売上が増加した。

 中期事業分野別の売上高を見ると、光学事業はASA COLOR LEDの減少などにより12.7%減の5億78百万円、医療・ライフサイエンス事業は診断・治療用各種製品の増加などにより9.1%増の3億84百万円、機能事業は卓球ラケット用ラバーが回復だが自動車向けスイッチ用ゴム製品の減少により2.1%減の5億82百万円、通信事業はRFIDタグ用ゴム製品が回復だがコネクター製品の減少などにより16.7%減の1億20百万円だった。主要製品の売上高はASA COLOR LEDが12.7%減の5億31百万円、医療用ゴム製品が12.6%増の3億72百万円、卓球ラケット用ラバーが14.3%増の1億71百万円、RFIDタグ用ゴム製品が15.4%増の83百万円だった。

 通期のセグメント別売上高の計画は、工業用ゴム事業が1.5%減の56億79百万円、医療・衛生用ゴム事業が5.4%増の15億百万円としている。中期事業分野別売上高の計画は、光学事業が1.2%減の25億77百万円、医療・ライフサイエンス事業が3.1%増の15億30百万円、機能事業が0.9%増の24億96百万円、通信事業が7.5%減の5億92百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが2.7%減の23億23百万円、医療用ゴム製品が5.1%増の14億95百万円、卓球ラケット用ラバーが6.7%増の6億67百万円、RFIDタグ用ゴム製品が3.9%減の3億71百万円としている。

 不透明感を考慮して通期の営業利益および経常利益予想を据え置いたが、上期と下期に分解すると、上期は売上高が前年同期比4.1%減の34億31百万円、売上総利益が9.5%減の8億02百万円、営業利益が79.3%減の28百万円、経常利益が81.2%減の27百万円、下期は売上高が3.8%増の37億64百万円、売上総利益が7.3%増の9億37百万円、営業利益が158.1%増の1億29百万円、経常利益が141.5%増の1億23百万円の見込みとしている。

 上期は半導体不足による自動車関連の受注調整の影響が継続するが、下期は回復基調として下期偏重の計画としており、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は8月の直近安値圏から切り返して反発の動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。9月26日の終値は560円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS31円08銭で算出)は約18倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1077円92銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約26億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月12日更新]

朝日ラバーは切り返しの動き、24年3月期減益予想だが上振れ余地

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。2030年を見据えた長期ビジョンでは、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。24年3月期は減益予想(8月8日付で当期純利益を上方修正)としている。上期は半導体不足による自動車関連の受注調整の影響が継続するが、下期は回復基調として下期偏重の計画としており、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。株価は小動きだが調整一巡して切り返しの動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料して出直りを期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 23年3月期は工業用ゴム事業の売上高が22年3月期比1.1%減の57億65百万円で全社費用等調整前営業利益が24.4%減の4億円、医療・衛生用ゴム事業の売上高が20.6%増の14億39百万円で営業利益が26.4%増の1億24百万円だった。地域別売上高は国内が1.7%増の54億02百万円、海外が5.4%増の18億02百万円(アジアが6.0%増の16億75百万円、北米が1.5%減の1億16百万円、欧州が2.0%増の10百万円)だった。

 なお20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LED、ASA COLOR LRNS、白色シリコーンインキなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケット、ARチェックバルブ、マイクロ流体デバイスなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、同社独自のペルチェデバイス「F−TEM」、卓球ラケット用ラバー、風力発電関連など)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、やわらか保護カバー、伸縮配線など)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 23年3月期の中期事業分野別の売上高は光学事業が22年3月期比16.0%減の26億07百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.4%増の14億83百万円、機能事業が14.8%増の24億74百万円、通信事業が20.2%増の6億39百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが16.6%減の23億88百万円、医療用ゴム製品が20.6%増の14億23百万円、卓球ラケット用ラバーが48.1%増の6億25百万円、RFIDタグ用ゴム製品が23.9%増の3億86百万円だった。

 前中期経営計画の最終年度23年3月期の目標数値は、コロナ禍の影響による市場環境の急激な変化などで未達成となったが、第2ステージとなる第14次三カ年中期経営計画(23年5月公表)では数値目標に26年3月期売上高85億円以上、営業利益率5%以上を掲げている。基本戦略として、売上構成の転換(ゴム単品からモジュール・完成品へ、OEMからODMへ)によって収益力の向上を図る方針だ。

 光学事業(売上高23年3月期実績26億円、26年3月期計画30億円)では、テーマに「再構築と挑戦」を掲げた。標準製品の付加価値向上と複合モジュールの開発・展開などにより、光の可能性を追求した高付加価値製品による市場への貢献を目指す。

 医療・ライフサイエンス事業(売上高23年3月期実績15億円、26年3月期計画20億円)では、テーマに「第2の柱へ成長させる」を掲げた。ODM設計・複合デバイスやシステム機器への挑戦により、診断・治療機器の製造販売を目指す。

 機能事業(売上高23年3月期実績25億円、26年3月期計画29億円)では、テーマに「新たな柱を創る」を掲げた。サーモモジュール応用製品の開発・ものづくり体制の確立(23年2月に相互製品販売特約店契約を締結したフェローテックマテリアルテクノロジーズとの販売連携活動強化)や、子会社で研究開発・実証実験を行ってきた風力発電のO&M(Operation and Maintennance)事業化に向けた製品開発を推進する。

 通信事業(売上高23年3月期実績6億円、26年3月期計画6億円)では、テーマに「基礎基盤を固める」を掲げた。モノ・センサ・通信規格・情報処理アプリケーションを駆使して、新たな社会価値への取組に参画するなど、スマート社会の発展に貢献することを目指す。

 成長基盤整備とWell−beingへの取組では、人材育成や社内環境整備など無形資産価値の向上、ものづくり自動化・合理化・省人化などスマートファクトリーの実践、従業員の声を聞き反映させていく環境・体制整備などWell−beingの向上、さらに地域社会貢献を推進する。

■新技術・新製品

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 23年3月にはフェローテックマテリアルテクノロジーズとの相互製品販売特約店契約締結(23年2月)を発表した。やわらかいサーモモジュール「F−TEM」を共同開発した両社の協業により、多様な分野の製品開発において新たな可能性を提案する方針としている。

 23年5月には、人に寄り添ったインテリジェントHCL照明システムに関する共同研究成果が、日本設計工学会2022年度武藤栄次賞優秀設計賞を、埼玉大学大学院理工学研究科の綿貫啓一教授と同社が受賞した。

 23年8月には、心臓の冠状動脈モデルの製品化を発表した。医療関係の学生向けの教育ツールとして、国際医療看護福祉大学校(学校法人国際総合学園、福島県郡山市)に採用された。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

 23年3月には未来を拓くパートナーシップ構築推進会議の趣旨に賛同して「パートナーシップ構築宣言」を宣言した。

■24年3月期減益予想だが上振れ余地

 24年3月期の連結業績予想(第2四半期に投資有価証券売却益を計上するため、8月8日付で第2四半期累計および通期の純利益予想を35百万円上方修正)は、売上高が23年3月期比0.1%減の71億95百万円、営業利益が15.2%減の1億57百万円、経常利益が23.0%減の1億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が30.5%減の1億41百万円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の20円(期末一括)としている。予想配当性向は64.4%となる。

 第1四半期は売上高が前年同期比5.1%減の16億65百万円、営業利益が2百万円の損失(前年同期は70百万円の利益)、経常利益が86.3%減の11百万円、親会社株主帰属四半期純利益が90.4%減の6百万円だった。

 減収で営業損益は赤字、経常利益と純利益は大幅減益だった。医療・衛生用ゴム製品は順調だったが、主力の自動車向けゴム製品が半導体不足による採用車種の在庫調整の影響を受けた。なお国内・海外別の売上高は国内が10.9%減の12億27百万円、海外合計が16.3%増の4億38百万円(アジアが14.5%増の4億03百万円、北米が42.7%増の31百万円、欧州が30.9%増の3百万円)だった。

 工業用ゴム事業は売上高が9.2%減の12億90百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が74.1%減の32百万円だった。卓球ラケット用ラバーやRFIDタグ用ゴム製品は増収だったが、主力の自動車向けゴム製品が採用車種の在庫調整の影響を受け、ASA COLOR LEDやスイッチ用ゴム製品の売上が減少した。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が12.3%増の3億75百万円、セグメント利益が18.2%増の33百万円だった。コロナ後の需要回復に加えて、海外リスクを考慮した顧客の在庫積み増しなどにより、プレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の売上が増加した。

 中期事業分野別の売上高を見ると、光学事業はASA COLOR LEDの減少などにより12.7%減の5億78百万円、医療・ライフサイエンス事業は診断・治療用各種製品の増加などにより9.1%増の3億84百万円、機能事業は卓球ラケット用ラバーが回復だが自動車向けスイッチ用ゴム製品の減少により2.1%減の5億82百万円、通信事業はRFIDタグ用ゴム製品が回復だがコネクター製品の減少などにより16.7%減の1億20百万円だった。主要製品の売上高はASA COLOR LEDが12.7%減の5億31百万円、医療用ゴム製品が12.6%増の3億72百万円、卓球ラケット用ラバーが14.3%増の1億71百万円、RFIDタグ用ゴム製品が15.4%増の83百万円だった。

 通期のセグメント別売上高の計画は、工業用ゴム事業が1.5%減の56億79百万円、医療・衛生用ゴム事業が5.4%増の15億百万円としている。中期事業分野別売上高の計画は、光学事業が1.2%減の25億77百万円、医療・ライフサイエンス事業が3.1%増の15億30百万円、機能事業が0.9%増の24億96百万円、通信事業が7.5%減の5億92百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが2.7%減の23億23百万円、医療用ゴム製品が5.1%増の14億95百万円、卓球ラケット用ラバーが6.7%増の6億67百万円、RFIDタグ用ゴム製品が3.9%減の3億71百万円としている。

 不透明感を考慮して通期の営業利益および経常利益予想を据え置いたが、上期と下期に分解すると、上期は売上高が前年同期比4.1%減の34億31百万円、売上総利益が9.5%減の8億02百万円、営業利益が79.3%減の28百万円、経常利益が81.2%減の27百万円、下期は売上高が3.8%増の37億64百万円、売上総利益が7.3%増の9億37百万円、営業利益が158.1%増の1億29百万円、経常利益が141.5%増の1億23百万円の見込みとしている。

 上期は半導体不足による自動車関連の受注調整の影響が継続するが、下期は回復基調として下期偏重の計画としており、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。

■株価は切り返しの動き

 株価は小動きだが調整一巡して切り返しの動きを強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料して出直りを期待したい。9月11日の終値は541円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS31円08銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1077円92銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約25億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月22日更新]

朝日ラバーは調整一巡、24年3月期1Q営業赤字だが2Q累計・通期純利益予想を上方修正

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。2030年を見据えた長期ビジョンではSDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。24年3月期第1四半期は営業損益が赤字、経常利益と純利益が大幅減益だった。自動車向けゴム製品が半導体不足による採用車種の在庫調整の影響を受けた。なお第2四半期に投資有価証券売却益を計上するため第2四半期累計および通期の純利益予想を上方修正した。不透明感を考慮して通期の営業利益と経常利益は期初計画を据え置いて減益予想としているが、期初時点で下期は回復基調としている。積極的な事業展開により第2四半期以降の回復を期待したい。株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形となったが、高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 23年3月期は工業用ゴム事業の売上高が22年3月期比1.1%減の57億65百万円で全社費用等調整前営業利益が24.4%減の4億円、医療・衛生用ゴム事業の売上高が20.6%増の14億39百万円で営業利益が26.4%増の1億24百万円だった。地域別売上高は国内が1.7%増の54億02百万円、海外が5.4%増の18億02百万円(アジアが6.0%増の16億75百万円、北米が1.5%減の1億16百万円、欧州が2.0%増の10百万円)だった。

 なお20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LED、ASA COLOR LRNS、白色シリコーンインキなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケット、ARチェックバルブ、マイクロ流体デバイスなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、同社独自のペルチェデバイス「F−TEM」、卓球ラケット用ラバー、風力発電関連など)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、やわらか保護カバー、伸縮配線など)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 23年3月期の中期事業分野別の売上高は光学事業が22年3月期比16.0%減の26億07百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.4%増の14億83百万円、機能事業が14.8%増の24億74百万円、通信事業が20.2%増の6億39百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが16.6%減の23億88百万円、医療用ゴム製品が20.6%増の14億23百万円、卓球ラケット用ラバーが48.1%増の6億25百万円、RFIDタグ用ゴム製品が23.9%増の3億86百万円だった。

 前中期経営計画の最終年度23年3月期の目標数値は、コロナ禍の影響による市場環境の急激な変化などで未達成となったが、第2ステージとなる第14次三カ年中期経営計画(23年5月公表)では数値目標に26年3月期売上高85億円以上、営業利益率5%以上を掲げている。基本戦略として、売上構成の転換(ゴム単品からモジュール・完成品へ、OEMからODMへ)によって収益力の向上を図る方針だ。

 光学事業(売上高23年3月期実績26億円、26年3月期計画30億円)では、テーマに「再構築と挑戦」を掲げた。標準製品の付加価値向上と複合モジュールの開発・展開などにより、光の可能性を追求した高付加価値製品による市場への貢献を目指す。

 医療・ライフサイエンス事業(売上高23年3月期実績15億円、26年3月期計画20億円)では、テーマに「第2の柱へ成長させる」を掲げた。ODM設計・複合デバイスやシステム機器への挑戦により、診断・治療機器の製造販売を目指す。

 機能事業(売上高23年3月期実績25億円、26年3月期計画29億円)では、テーマに「新たな柱を創る」を掲げた。サーモモジュール応用製品の開発・ものづくり体制の確立(23年2月に相互製品販売特約店契約を締結したフェローテックマテリアルテクノロジーズとの販売連携活動強化)や、子会社で研究開発・実証実験を行ってきた風力発電のO&M(Operation and Maintennance)事業化に向けた製品開発を推進する。

 通信事業(売上高23年3月期実績6億円、26年3月期計画6億円)では、テーマに「基礎基盤を固める」を掲げた。モノ・センサ・通信規格・情報処理アプリケーションを駆使して、新たな社会価値への取組に参画するなど、スマート社会の発展に貢献することを目指す。

 成長基盤整備とWell−beingへの取組では、人材育成や社内環境整備など無形資産価値の向上、ものづくり自動化・合理化・省人化などスマートファクトリーの実践、従業員の声を聞き反映させていく環境・体制整備などWell−beingの向上、さらに地域社会貢献を推進する。

■新技術・新製品

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 23年3月にはフェローテックマテリアルテクノロジーズとの相互製品販売特約店契約締結(23年2月)を発表した。やわらかいサーモモジュール「F−TEM」を共同開発した両社の協業により、多様な分野の製品開発において新たな可能性を提案する方針としている。

 23年5月には、人に寄り添ったインテリジェントHCL照明システムに関する共同研究成果が、日本設計工学会2022年度武藤栄次賞優秀設計賞を、埼玉大学大学院理工学研究科の綿貫啓一教授と同社が受賞した。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

 23年3月には未来を拓くパートナーシップ構築推進会議の趣旨に賛同して「パートナーシップ構築宣言」を宣言した。

■24年3月期1Q営業赤字、2Q累計および通期の純利益予想を上方修正

 24年3月期の連結業績予想(第2四半期に投資有価証券売却益を計上するため、8月8日付で第2四半期累計および通期の純利益予想を35百万円上方修正)は、売上高が23年3月期比0.1%減の71億95百万円、営業利益が15.2%減の1億57百万円、経常利益が23.0%減の1億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が30.5%減の1億41百万円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の20円(期末一括)としている。予想配当性向は64.4%となる。

 第1四半期は売上高が前年同期比5.1%減の16億65百万円、営業利益が2百万円の損失(前年同期は70百万円の利益)、経常利益が86.3%減の11百万円、親会社株主帰属四半期純利益が90.4%減の6百万円だった。

 減収で営業損益は赤字、経常利益と純利益は大幅減益だった。医療・衛生用ゴム製品は順調だったが、主力の自動車向けゴム製品が半導体不足による採用車種の在庫調整の影響を受けた。なお国内・海外別の売上高は国内が10.9%減の12億27百万円、海外合計が16.3%増の4億38百万円(アジアが14.5%増の4億03百万円、北米が42.7%増の31百万円、欧州が30.9%増の3百万円)だった。

 工業用ゴム事業は売上高が9.2%減の12億90百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が74.1%減の32百万円だった。卓球ラケット用ラバーやRFIDタグ用ゴム製品は増収だったが、主力の自動車向けゴム製品が採用車種の在庫調整の影響を受け、ASA COLOR LEDやスイッチ用ゴム製品の売上が減少した。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が12.3%増の3億75百万円、セグメント利益が18.2%増の33百万円だった。コロナ後の需要回復に加えて、海外リスクを考慮した顧客の在庫積み増しなどにより、プレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の売上が増加した。

 中期事業分野別の売上高を見ると、光学事業はASA COLOR LEDの減少などにより12.7%減の5億78百万円、医療・ライフサイエンス事業は診断・治療用各種製品の増加などにより9.1%増の3億84百万円、機能事業は卓球ラケット用ラバーが回復だが自動車向けスイッチ用ゴム製品の減少により2.1%減の5億82百万円、通信事業はRFIDタグ用ゴム製品が回復だがコネクター製品の減少などにより16.7%減の1億20百万円だった。主要製品の売上高はASA COLOR LEDが12.7%減の5億31百万円、医療用ゴム製品が12.6%増の3億72百万円、卓球ラケット用ラバーが14.3%増の1億71百万円、RFIDタグ用ゴム製品が15.4%増の83百万円だった。

 通期のセグメント別売上高の計画は、工業用ゴム事業が1.5%減の56億79百万円、医療・衛生用ゴム事業が5.4%増の15億百万円としている。中期事業分野別売上高の計画は、光学事業が1.2%減の25億77百万円、医療・ライフサイエンス事業が3.1%増の15億30百万円、機能事業が0.9%増の24億96百万円、通信事業が7.5%減の5億92百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが2.7%減の23億23百万円、医療用ゴム製品が5.1%増の14億95百万円、卓球ラケット用ラバーが6.7%増の6億67百万円、RFIDタグ用ゴム製品が3.9%減の3億71百万円としている。

 不透明感を考慮して通期の営業利益および経常利益予想を据え置いたが、上期と下期に分解すると、上期は売上高が前年同期比4.1%減の34億31百万円、売上総利益が9.5%減の8億02百万円、営業利益が79.3%減の28百万円、経常利益が81.2%減の27百万円、下期は売上高が3.8%増の37億64百万円、売上総利益が7.3%増の9億37百万円、営業利益が158.1%増の1億29百万円、経常利益が141.5%増の1億23百万円の見込みとしている。

 上期は半導体不足による自動車関連の受注調整の影響が継続することを見込み、下期は回復基調として下期偏重の計画としている。通期ベースで減益予想だが、積極的な事業展開により第2四半期以降の回復を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形となったが、高配当利回りや1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。8月21日の終値は535円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS31円08銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1077円92銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[07月24日更新]

朝日ラバーは戻り試す、24年3月期減益予想だが保守的

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。2030年を見据えた長期ビジョンではSDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。24年3月期は減益予想としている。上期は半導体不足による自動車関連の受注調整の影響継続を見込み、下期は回復基調として下期偏重の計画としている。通期ベースで減益予想だが保守的な印象が強い。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は徐々に下値を切り上げている。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。なお8月8日に24年3月期第1四半期決算発表を予定している。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 23年3月期は工業用ゴム事業の売上高が22年3月期比1.1%減の57億65百万円で全社費用等調整前営業利益が24.4%減の4億円、医療・衛生用ゴム事業の売上高が20.6%増の14億39百万円で営業利益が26.4%増の1億24百万円だった。地域別売上高は国内が1.7%増の54億02百万円、海外が5.4%増の18億02百万円(アジアが6.0%増の16億75百万円、北米が1.5%減の1億16百万円、欧州が2.0%増の10百万円)だった。

 なお20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LED、ASA COLOR LRNS、白色シリコーンインキなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケット、ARチェックバルブ、マイクロ流体デバイスなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、同社独自のペルチェデバイス「F−TEM」、卓球ラケット用ラバー、風力発電関連など)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、やわらか保護カバー、伸縮配線など)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 23年3月期の中期事業分野別の売上高は光学事業が22年3月期比16.0%減の26億07百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.4%増の14億83百万円、機能事業が14.8%増の24億74百万円、通信事業が20.2%増の6億39百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが16.6%減の23億88百万円、医療用用ゴム製品が20.6%増の14億23百万円、卓球ラケット用ラバーが48.1%増の6億25百万円、RFIDタグ用ゴム製品が23.9%増の3億86百万円だった。

 前中期経営計画の最終年度23年3月期の目標数値は、コロナ禍の影響による市場環境の急激な変化などで未達成となったが、第2ステージとなる第14次三カ年中期経営計画(23年5月公表)では数値目標に26年3月期売上高85億円以上、営業利益率5%以上を掲げている。基本戦略として、売上構成の転換(ゴム単品からモジュール・完成品へ、OEMからODMへ)によって収益力の向上を図る方針だ。

 光学事業(売上高23年3月期実績26億円、26年3月期計画30億円)では、テーマに「再構築と挑戦」を掲げた。標準製品の付加価値向上と複合モジュールの開発・展開などにより、光の可能性を追求した高付加価値製品による市場への貢献を目指す。

 医療・ライフサイエンス事業(売上高23年3月期実績15億円、26年3月期計画20億円)では、テーマに「第2の柱へ成長させる」を掲げた。ODM設計・複合デバイスやシステム機器への挑戦により、診断・治療機器の製造販売を目指す。

 機能事業(売上高23年3月期実績25億円、26年3月期計画29億円)では、テーマに「新たな柱を創る」を掲げた。サーモモジュール応用製品の開発・ものづくり体制の確立(23年2月に相互製品販売特約店契約を締結したフェローテックマテリアルテクノロジーズとの販売連携活動強化)や、子会社で研究開発・実証実験を行ってきた風力発電のO&M(Operation and Maintennance)事業化に向けた製品開発を推進する。

 通信事業(売上高23年3月期実績6億円、26年3月期計画6億円)では、テーマに「基礎基盤を固める」を掲げた。モノ・センサ・通信規格・情報処理アプリケーションを駆使して、新たな社会価値への取組に参画するなど、スマート社会の発展に貢献することを目指す。

 成長基盤整備とWell−beingへの取組では、人材育成や社内環境整備など無形資産価値の向上、ものづくり自動化・合理化・省人化などスマートファクトリーの実践、従業員の声を聞き反映させていく環境・体制整備などWell−beingの向上、さらに地域社会貢献を推進する。

■新技術・新製品

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 23年3月にはフェローテックマテリアルテクノロジーズとの相互製品販売特約店契約締結(23年2月)を発表した。やわらかいサーモモジュール「F−TEM」を共同開発した両社の協業により、多様な分野の製品開発において新たな可能性を提案する方針としている。

 23年5月には、人に寄り添ったインテリジェントHCL照明システムに関する共同研究成果が、日本設計工学会2022年度武藤栄次賞優秀設計賞を、埼玉大学大学院理工学研究科の綿貫啓一教授と同社が受賞した。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

 23年3月には未来を拓くパートナーシップ構築推進会議の趣旨に賛同して「パートナーシップ構築宣言」を宣言した。

■24年3月期減益予想だが保守的

 24年3月期の連結業績予想は、売上高が23年3月期比0.1%減の71億95百万円、営業利益が15.2%減の1億57百万円、経常利益が23.0%減の1億50百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が47.8%減の1億06百万円としている。配当予想は23年3月期と同額の20円(期末一括)としている。予想配当性向は85.6%となる。

 セグメント別売上高の計画は、工業用ゴム事業が1.5%減の56億79百万円、医療・衛生用ゴム事業が5.4%増の15億百万円としている。中期事業分野別売上高の計画は、光学事業が1.2%減の25億77百万円、医療・ライフサイエンス事業が3.1%増の15億30百万円、機能事業が0.9%増の24億96百万円、通信事業が7.5%減の5億92百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが2.7%減の23億23百万円、医療用ゴム製品が5.1%増の14億95百万円、卓球ラケット用ラバーが6.7%増の6億67百万円、RFIDタグ用ゴム製品が3.9%減の3億71百万円としている。

 上期と下期に分解すると、上期は売上高が前年同期比4.1%減の34億31百万円、売上総利益が9.5%減の8億02百万円、営業利益が79.3%減の28百万円、経常利益が81.2%減の27百万円、純利益が84.9%減の17百万円、下期は売上高が3.8%増の37億64百万円、売上総利益が7.3%増の9億37百万円、営業利益が158.1%増の1億29百万円、経常利益が141.5%増の1億23百万円、純利益が1.3%減の89百万円の見込みとしている。

 上期は半導体不足による自動車関連の受注調整の影響が継続することを見込み、下期は回復基調として下期偏重の計画としている。通期ベースでは減益予想だが保守的な印象が強い。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は徐々に下値を切り上げている。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。7月21日の終値は554円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS23円37銭で算出)は約24倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1077円92銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約26億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[06月29日更新]

朝日ラバーは下値切り上げ、24年3月期減益予想だが保守的

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。2030年を見据えた長期ビジョンではSDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。6月16日には、人に寄り添ったインテリジェントHCL照明システムに関する共同研究成果が、日本設計工学会2022年度武藤栄次賞優秀設計賞を、埼玉大学大学院理工学研究科の綿貫啓一教授と同社が受賞(5月27日に表彰会開催)したと発表している。24年3月期は減益予想としている。上期は半導体不足による自動車関連の受注調整の影響継続を見込み、下期は回復基調として下期偏重の計画としている。通期ベースで減益予想だが保守的な印象が強い。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は急騰・急落と乱高下する場面があったが、5月の直近安値圏から反発して下値を切り上げている。高配当利回りや1倍割れのPBRなど指標面の割安感も評価して戻りを試す展開を期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 23年3月期は工業用ゴム事業の売上高が22年3月期比1.1%減の57億65百万円で全社費用等調整前営業利益が24.4%減の4億円、医療・衛生用ゴム事業の売上高が20.6%増の14億39百万円で営業利益が26.4%増の1億24百万円だった。地域別売上高は国内が1.7%増の54億02百万円、海外が5.4%増の18億02百万円(アジアが6.0%増の16億75百万円、北米が1.5%減の1億16百万円、欧州が2.0%増の10百万円)だった。

 なお20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。さらに22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LED、ASA COLOR LRNS、白色シリコーンインキなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケット、ARチェックバルブ、マイクロ流体デバイスなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、同社独自のペルチェデバイス「F−TEM」、卓球ラケット用ラバー、風力発電関連など)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、やわらか保護カバー、伸縮配線など)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 23年3月期の中期事業分野別の売上高は光学事業が22年3月期比16.0%減の26億07百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.4%増の14億83百万円、機能事業が14.8%増の24億74百万円、通信事業が20.2%増の6億39百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが16.6%減の23億88百万円、医療用用ゴム製品が20.6%増の14億23百万円、卓球ラケット用ラバーが48.1%増の6億25百万円、RFIDタグ用ゴム製品が23.9%増の3億86百万円だった。

 前中期経営計画の最終年度23年3月期の目標数値は、コロナ禍の影響による市場環境の急激な変化などで未達成となったが、第2ステージとなる第14次三カ年中期経営計画(23年5月公表)では数値目標に26年3月期売上高85億円以上、営業利益率5%以上を掲げている。基本戦略として、売上構成の転換(ゴム単品からモジュール・完成品へ、OEMからODMへ)によって収益力の向上を図る方針だ。

 光学事業(売上高23年3月期実績26億円、26年3月期計画30億円)では、テーマに「再構築と挑戦」を掲げた。標準製品の付加価値向上と複合モジュールの開発・展開などにより、光の可能性を追求した高付加価値製品による市場への貢献を目指す。

 医療・ライフサイエンス事業(売上高23年3月期実績15億円、26年3月期計画20億円)では、テーマに「第2の柱へ成長させる」を掲げた。ODM設計・複合デバイスやシステム機器への挑戦により、診断・治療機器の製造販売を目指す。

 機能事業(売上高23年3月期実績25億円、26年3月期計画29億円)では、テーマに「新たな柱を創る」を掲げた。サーモモジュール応用製品の開発・ものづくり体制の確立(23年2月に相互製品販売特約店契約を締結したフェローテックマテリアルテクノロジーズとの販売連携活動強化)や、子会社で研究開発・実証実験を行ってきた風力発電のO&M(Operation and Maintennance)事業化に向けた製品開発を推進する。

 通信事業(売上高23年3月期実績6億円、26年3月期計画6億円)では、テーマに「基礎基盤を固める」を掲げた。モノ・センサ・通信規格・情報処理アプリケーションを駆使して、新たな社会価値への取組に参画するなど、スマート社会の発展に貢献することを目指す。

 成長基盤整備とWell−beingへの取組では、人材育成や社内環境整備など無形資産価値の向上、ものづくり自動化・合理化・省人化などスマートファクトリーの実践、従業員の声を聞き反映させていく環境・体制整備などWell−beingの向上、さらに地域社会貢献を推進する。

■新技術・新製品

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 23年3月にはフェローテックマテリアルテクノロジーズとの相互製品販売特約店契約締結(23年2月)を発表した。やわらかいサーモモジュール「F−TEM」を共同開発した両社の協業により、多様な分野の製品開発において新たな可能性を提案する方針としている。

 6月16日には、人に寄り添ったインテリジェントHCL照明システムに関する共同研究成果が、日本設計工学会2022年度武藤栄次賞優秀設計賞を、埼玉大学大学院理工学研究科の綿貫啓一教授と同社が受賞(5月27日に表彰会開催)したと発表している。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

 23年3月には未来を拓くパートナーシップ構築推進会議の趣旨に賛同して「パートナーシップ構築宣言」を宣言した。

■24年3月期減益予想だが保守的

 24年3月期の連結業績予想は、売上高が23年3月期比0.1%減の71億95百万円、営業利益が15.2%減の1億57百万円、経常利益が23.0%減の1億50百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が47.8%減の1億06百万円としている。配当予想は23年3月期と同額の20円(期末一括)としている。予想配当性向は85.6%となる。

 セグメント別売上高の計画は、工業用ゴム事業が1.5%減の56億79百万円、医療・衛生用ゴム事業が5.4%増の15億百万円としている。中期事業分野別売上高の計画は、光学事業が1.2%減の25億77百万円、医療・ライフサイエンス事業が3.1%増の15億30百万円、機能事業が0.9%増の24億96百万円、通信事業が7.5%減の5億92百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが2.7%減の23億23百万円、医療用ゴム製品が5.1%増の14億95百万円、卓球ラケット用ラバーが6.7%増の6億67百万円、RFIDタグ用ゴム製品が3.9%減の3億71百万円としている。

 上期と下期に分解すると、上期は売上高が前年同期比4.1%減の34億31百万円、売上総利益が9.5%減の8億02百万円、営業利益が79.3%減の28百万円、経常利益が81.2%減の27百万円、純利益が84.9%減の17百万円、下期は売上高が3.8%増の37億64百万円、売上総利益が7.3%増の9億37百万円、営業利益が158.1%増の1億29百万円、経常利益が141.5%増の1億23百万円、純利益が1.3%減の89百万円の見込みとしている。

 上期は半導体不足による自動車関連の受注調整の影響が継続することを見込み、下期は回復基調として下期偏重の計画としている。通期ベースでは減益予想だが保守的な印象が強い。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は急騰・急落と乱高下する場面があったが、5月の直近安値圏から反発して下値を切り上げている。高配当利回りや1倍割れのPBRなど指標面の割安感も評価して戻りを試す展開を期待したい。6月28日の終値は553円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS23円37銭で算出)は約24倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1077円92銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約26億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[06月15日更新]

朝日ラバーは戻り試す、24年3月期減益予想だが保守的

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。2030年を見据えた長期ビジョンではSDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。24年3月期は減益予想としている。上期は半導体不足による自動車関連の受注調整の影響継続を見込み、下期は回復基調として下期偏重の計画としている。通期ベースで減益予想だがやや保守的だろう。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は急騰・急落と乱高下する場面があったが、5月の直近安値圏から反発して水準を切り上げている。高配当利回りや1倍割れのPBRなど指標面の割安感も評価して戻りを試す展開を期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 23年3月期は工業用ゴム事業の売上高が22年3月期比1.1%減の57億65百万円で全社費用等調整前営業利益が24.4%減の4億円、医療・衛生用ゴム事業の売上高が20.6%増の14億39百万円で営業利益が26.4%増の1億24百万円だった。地域別売上高は国内が1.7%増の54億02百万円、海外が5.4%増の18億02百万円(アジアが6.0%増の16億75百万円、北米が1.5%減の1億16百万円、欧州が2.0%増の10百万円)だった。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LED、ASA COLOR LRNS、白色シリコーンインキなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケット、ARチェックバルブ、マイクロ流体デバイスなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、同社独自のペルチェデバイス「F−TEM」、卓球ラケット用ラバー、風力発電関連など)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、やわらか保護カバー、伸縮配線など)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 23年3月期の中期事業分野別の売上高は光学事業が22年3月期比16.0%減の26億07百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.4%増の14億83百万円、機能事業が14.8%増の24億74百万円、通信事業が20.2%増の6億39百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが16.6%減の23億88百万円、医療用用ゴム製品が20.6%増の14億23百万円、卓球ラケット用ラバーが48.1%増の6億25百万円、RFIDタグ用ゴム製品が23.9%増の3億86百万円だった。

 前中期経営計画の最終年度23年3月期の目標数値は、コロナ禍の影響による市場環境の急激な変化などで未達成となったが、第2ステージとなる第14次三カ年中期経営計画(23年5月公表)では数値目標に26年3月期売上高85億円以上、営業利益率5%以上を掲げている。基本戦略として、売上構成の転換(ゴム単品からモジュール・完成品へ、OEMからODMへ)によって収益力の向上を図る方針だ。

 光学事業(売上高23年3月期実績26億円、26年3月期計画30億円)では、テーマに「再構築と挑戦」を掲げた。標準製品の付加価値向上と複合モジュールの開発・展開などにより、光の可能性を追求した高付加価値製品による市場への貢献を目指す。

 医療・ライフサイエンス事業(売上高23年3月期実績15億円、26年3月期計画20億円)では、テーマに「第2の柱へ成長させる」を掲げた。ODM設計・複合デバイスやシステム機器への挑戦により、診断・治療機器の製造販売を目指す。

 機能事業(売上高23年3月期実績25億円、26年3月期計画29億円)では、テーマに「新たな柱を創る」を掲げた。サーモモジュール応用製品の開発・ものづくり体制の確立(23年2月に相互製品販売特約店契約を締結したフェローテックマテリアルテクノロジーズとの販売連携活動強化)や、子会社で研究開発・実証実験を行ってきた風力発電のO&M(Operation and Maintennance)事業化に向けた製品開発を推進する。

 通信事業(売上高23年3月期実績6億円、26年3月期計画6億円)では、テーマに「基礎基盤を固める」を掲げた。モノ・センサ・通信規格・情報処理アプリケーションを駆使して、新たな社会価値への取組に参画するなど、スマート社会の発展に貢献することを目指す。

 成長基盤整備とWell−beingへの取組では、人材育成や社内環境整備など無形資産価値の向上、ものづくり自動化・合理化・省人化などスマートファクトリーの実践、従業員の声を聞き反映させていく環境・体制整備などWell−beingの向上、さらに地域社会貢献を推進する。

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 また20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。さらに22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

 23年3月にはフェローテックマテリアルテクノロジーズとの相互製品販売特約店契約締結(23年2月)を発表した。やわらかいサーモモジュール「F−TEM」を共同開発した両社の協業により、多様な分野の製品開発において新たな可能性を提案する方針としている。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

 23年3月には未来を拓くパートナーシップ構築推進会議の趣旨に賛同して「パートナーシップ構築宣言」を宣言した。

■24年3月期減益予想だが保守的

 24年3月期の連結業績予想は、売上高が23年3月期比0.1%減の71億95百万円、営業利益が15.2%減の1億57百万円、経常利益が23.0%減の1億50百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が47.8%減の1億06百万円としている。配当予想は23年3月期と同額の20円(期末一括)としている。予想配当性向は85.6%となる。

 セグメント別売上高の計画は、工業用ゴム事業が1.5%減の56億79百万円、医療・衛生用ゴム事業が5.4%増の15億百万円としている。中期事業分野別売上高の計画は、光学事業が1.2%減の25億77百万円、医療・ライフサイエンス事業が3.1%増の15億30百万円、機能事業が0.9%増の24億96百万円、通信事業が7.5%減の5億92百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが2.7%減の23億23百万円、医療用ゴム製品が5.1%増の14億95百万円、卓球ラケット用ラバーが6.7%増の6億67百万円、RFIDタグ用ゴム製品が3.9%減の3億71百万円としている。

 上期と下期に分解すると、上期は売上高が前年同期比4.1%減の34億31百万円、売上総利益が9.5%減の8億02百万円、営業利益が79.3%減の28百万円、経常利益が81.2%減の27百万円、純利益が84.9%減の17百万円、下期は売上高が3.8%増の37億64百万円、売上総利益が7.3%増の9億37百万円、営業利益が158.1%増の1億29百万円、経常利益が141.5%増の1億23百万円、純利益が1.3%減の89百万円の見込みとしている。

 上期は半導体不足による自動車関連の受注調整の影響継続を見込み、下期は回復基調として下期偏重の計画としている。通期ベースで減益予想だがやや保守的だろう。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は急騰・急落と乱高下する場面があったが、5月の直近安値圏から反発して水準を切り上げている。高配当利回りや1倍割れのPBRなど指標面の割安感も評価して戻りを試す展開を期待したい。6月14日の終値は564円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS23円37銭で算出)は約24倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1077円92銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約26億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[05月29日更新]

朝日ラバーは反発の動き、24年3月期減益予想だが保守的

  朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。2030年を見据えた長期ビジョンではSDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。23年3月期は主力の自動車向けゴム製品が自動車生産低迷の影響を受け、原材料・エネルギーコスト上昇や販管費増加なども影響して減益だった。24年3月期は、上期は半導体不足による自動車関連の受注調整の影響が継続するが、下期は回復基調として下期偏重の計画である。通期ベースで減益予想だが保守的だろう。極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は急騰・急落と乱高下したが、目先的な売りが一巡して反発の動きを強めている。高配当利回りや1倍割れのPBRなど指標面の割安感も評価して戻りを試す展開を期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 23年3月期は工業用ゴム事業の売上高が22年3月期比1.1%減の57億65百万円で全社費用等調整前営業利益が24.4%減の4億円、医療・衛生用ゴム事業の売上高が20.6%増の14億39百万円で営業利益が26.4%増の1億24百万円だった。地域別売上高は国内が1.7%増の54億02百万円、海外が5.4%増の18億02百万円(アジアが6.0%増の16億75百万円、北米が1.5%減の1億16百万円、欧州が2.0%増の10百万円)だった。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LED、ASA COLOR LRNS、白色シリコーンインキなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケット、ARチェックバルブ、マイクロ流体デバイスなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、同社独自のペルチェデバイス「F−TEM」、卓球ラケット用ラバー、風力発電関連など)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、やわらか保護カバー、伸縮配線など)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 23年3月期の中期事業分野別の売上高は光学事業が22年3月期比16.0%減の26億07百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.4%増の14億83百万円、機能事業が14.8%増の24億74百万円、通信事業が20.2%増の6億39百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが16.6%減の23億88百万円、医療用用ゴム製品が20.6%増の14億23百万円、卓球ラケット用ラバーが48.1%増の6億25百万円、RFIDタグ用ゴム製品が23.9%増の3億86百万円だった。

 前中期経営計画の最終年度23年3月期の目標数値は、コロナ禍の影響による市場環境の急激な変化などで未達成となったが、第2ステージとなる第14次三カ年中期経営計画(23年5月公表)では数値目標に26年3月期売上高85億円以上、営業利益率5%以上を掲げている。基本戦略として、売上構成の転換(ゴム単品からモジュール・完成品へ、OEMからODMへ)によって収益力の向上を図る方針だ。

 光学事業(売上高23年3月期実績26億円、26年3月期計画30億円)では、テーマに「再構築と挑戦」を掲げた。標準製品の付加価値向上と複合モジュールの開発・展開などにより、光の可能性を追求した高付加価値製品による市場への貢献を目指す。

 医療・ライフサイエンス事業(売上高23年3月期実績15億円、26年3月期計画20億円)では、テーマに「第2の柱へ成長させる」を掲げた。ODM設計・複合デバイスやシステム機器への挑戦により、診断・治療機器の製造販売を目指す。

 機能事業(売上高23年3月期実績25億円、26年3月期計画29億円)では、テーマに「新たな柱を創る」を掲げた。サーモモジュール応用製品の開発・ものづくり体制の確立(23年2月に相互製品販売特約店契約を締結したフェローテックマテリアルテクノロジーズとの販売連携活動強化)や、子会社で研究開発・実証実験を行ってきた風力発電のO&M(Operation and Maintennance)事業化に向けた製品開発を推進する。

 通信事業(売上高23年3月期実績6億円、26年3月期計画6億円)では、テーマに「基礎基盤を固める」を掲げた。モノ・センサ・通信規格・情報処理アプリケーションを駆使して、新たな社会価値への取組に参画するなど、スマート社会の発展に貢献することを目指す。

 成長基盤整備とWell−beingへの取組では、人材育成や社内環境整備など無形資産価値の向上、ものづくり自動化・合理化・省人化などスマートファクトリーの実践、従業員の声を聞き反映させていく環境・体制整備などWell−beingの向上、さらに地域社会貢献を推進する。

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 また20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。さらに22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

 23年3月にはフェローテックマテリアルテクノロジーズとの相互製品販売特約店契約締結(23年2月)を発表した。やわらかいサーモモジュール「F−TEM」を共同開発した両社の協業により、多様な分野の製品開発において新たな可能性を提案する方針としている。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

 23年3月には未来を拓くパートナーシップ構築推進会議の趣旨に賛同して「パートナーシップ構築宣言」を宣言した。

■24年3月期減益予想だが保守的

 23年3月期の連結業績は、売上高が22年3月期比2.6%増の72億05百万円、営業利益が36.4%減の1億85百万円、経常利益が37.8%減の1億94百万円、親会社株主帰属当期純利益が14.9%減の2億03百万円だった。なお親会社株主帰属当期純利益は税金費用が想定を下回ったため上振れて着地した。配当は22年3月期と同額の20円(期末一括)とした。配当性向は44.7%となる。

 卓球ラケット用ラバーや医療・衛生用ゴム製品が好調だったが、主力の自動車向けゴム製品が自動車生産低迷の影響を受け、さらに原材料・エネルギーコスト上昇や販管費増加なども影響して減益だった。

 工業用ゴム事業は売上高が1.1%減の57億65百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が24.4%減の4億円だった。売上面は卓球ラケット用ラバーの受注が回復したが、主力のASA COLOR LEDなどの自動車向けゴム製品が自動車生産低迷の影響を受けたため全体として減収だった。利益面は原材料・エネルギーコスト上昇や販管費増加なども影響した。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が20.6%増の14億39百万円、セグメント利益が26.4%増の1億24百万円だった。プレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の売上が回復した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が17億54百万円で営業利益が70百万円、第2四半期は売上高が18億24百万円で営業利益が65百万円、第3四半期は売上高が18億92百万円で営業利益が77百万円、第4四半期は売上高が17億35百万円で営業利益が27百万円の赤字だった。

 24年3月期の連結業績予想は、売上高が23年3月期比0.1%減の71億95百万円、営業利益が15.2%減の1億57百万円、経常利益が23.0%減の1億50百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が47.8%減の1億06百万円としている。配当予想は23年3月期と同額の20円(期末一括)としている。予想配当性向は85.6%となる。

 セグメント別売上高の計画は、工業用ゴム事業が1.5%減の56億79百万円、医療・衛生用ゴム事業が5.4%増の15億百万円としている。中期事業分野別売上高の計画は、光学事業が1.2%減の25億77百万円、医療・ライフサイエンス事業が3.1%増の15億30百万円、機能事業が0.9%増の24億96百万円、通信事業が7.5%減の5億92百万円、主要製品の売上高はASA COLOR LEDが2.7%減の23億23百万円、医療用ゴム製品が5.1%増の14億95百万円、卓球ラケット用ラバーが6.7%増の6億67百万円、RFIDタグ用ゴム製品が3.9%減の3億71百万円としている。

 上期と下期に分解すると、上期は売上高が前年同期比4.1%減の34億31百万円、売上総利益が9.5%減の8億02百万円、営業利益が79.3%減の28百万円、経常利益が81.2%減の27百万円、純利益が84.9%減の17百万円、下期は売上高が3.8%増の37億64百万円、売上総利益が7.3%増の9億37百万円、営業利益が158.1%増の1億29百万円、経常利益が141.5%増の1億23百万円、純利益が1.3%減の89百万円の見込みとしている。

 上期は半導体不足による自動車関連の受注調整の影響が継続するが、下期は回復基調として下期偏重の計画である。通期ベースで減益予想だが保守的だろう。極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は急騰・急落と乱高下したが、目先的な売りが一巡して反発の動きを強めている。高配当利回りや1倍割れのPBRなど指標面の割安感も評価して戻りを試す展開を期待したい。5月26日の終値は545円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS23円37銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1077円92銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[04月18日更新]

朝日ラバーは戻り試す、24年3月期収益回復期待

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。さらに2030年を見据えた長期ビジョンではSDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。23年3月期は自動車生産低迷やエネルギーコスト上昇の影響で減益予想としている。今後は価格転嫁交渉やエネルギーコスト削減を進める方針としている。積極的な事業展開で24年3月期の収益回復を期待したい。株価は地合い悪化も影響して上げ一服の形だが、高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も評価して戻りを試す展開を期待したい。なお5月11日に23年3月期決算発表を予定している。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が工業用ゴム事業83%、医療・衛生用ゴム事業17%、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が工業用ゴム事業84%、医療・衛生用ゴム事業16%だった。

 主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが21年3月期比5.6%増の28億64百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が3.7%増の11億80百万円、卓球ラケット用ラバーが36.2%増の4億21百万円、RFIDタグ用ゴム製品が34.5%減の3億12百万円だった。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LEDなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケットなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、卓球ラケット用ラバーなど)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、ビーコンなど)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 22年3月期の中期事業分野別売上高は、光学事業が21年3月期比7.4%増の31億03百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.1%増の12億32百万円、機能事業が22.5%増の21億55百万円、通信事業が15.7%減の5億32百万円だった。

 最初のステージとなる第13次三カ年中期経営計画では、数値目標に23年3月期売上高80〜90億円、営業利益率8%以上を掲げ、設備投資額は約10億円としている。

 光学事業(23年3月期売上高計画約40億円)では、自動車の内装照明市場から外装照明、アンビエント照明に向けた技術開発を推進する。医療・ライフサイエンス事業(約15億円)では、診断・治療分野、理化学機器分野、介護・予防分野に向けて制御技術と感性技術を磨く。機能事業(約21億円)では、ビークル分野、エネルギー分野、環境発電分野、スポーツ分野において制御技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。通信事業(約12億円)では、自動認識分野、通信機器分野、センシング分野において、センシング技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。

 技術開発では、簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LED、超親水性シリコーンゴム、ウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムなどの開発を推進している。

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 また20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。さらに22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

 23年3月にはフェローテックマテリアルテクノロジーズとの相互製品販売特約店契約締結(23年2月)を発表した。やわらかいサーモモジュール「F−TEM」を共同開発した両社の協業により、多様な分野の製品開発において新たな可能性を提案する方針としている。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

 23年3月には未来を拓くパートナーシップ構築推進会議の趣旨に賛同して「パートナーシップ構築宣言」を宣言した。

■23年3月期減益予想だが24年3月期収益回復期待

 23年3月期連結業績予想(2月10日付で売上高、利益とも下方修正)は、売上高が22年3月期比1.5%増の71億27百万円、営業利益が36.5%減の1億85百万円、経常利益が39.3%減の1億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が38.3%減の1億47百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 前回予想に対して、売上高を3億27百万円、営業利益を70百万円、経常利益を61百万円、親会社株主帰属当期純利益を40百万円、それぞれ下方修正した。医療用ゴム製品が好調に推移するが、自動車用ASA COLOR LEDが第4四半期も自動車生産低迷の影響を受ける見込みだ。

 修正後のセグメント売上高の計画は、工業用ゴム事業が2.1%減の57億10百万円(前回予想の61億80百万円から4億70百万円下方修正)で、医療・衛生用ゴム事業が18.8%増の14億17百万円(同12億74百万円から1億43百万円上方修正)としている。また中期事業分野別には光学事業が17.0%減の25億75百万円、医療・ライフサイエンス事業が17.8%増の14億51百万円、機能事業が14.0%増の24億57百万円、通信事業が21.1%増の6億44百万円としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比3.6%増の54億70百万円、営業利益が18.1%減の2億12百万円、経常利益が17.2%減の2億18百万円、親会社株主帰属四半期純利益が15.2%減の1億71百万円だった。

 医療用ゴム製品や卓球ラケット用ラバーが好調だったが、主力の自動車向けゴム製品が部材調達難に伴う自動車生産低迷の影響を受け、エネルギーコストの上昇や、営業販売力や技術サービス力の向上に向けた人員強化に伴う販管費の増加なども影響して減益だった。売上総利益は5.5%増加し、売上総利益率は25.0%で0.5ポイント上昇した。原価改善効果などが寄与した。販管費は11.4%増加し、販管費比率は21.1%で1.5ポイント上昇した。

 工業用ゴム事業は売上高が0.3%増の44億08百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が19.5%減の3億57百万円だった。売上面では卓球ラケット用ラバーが好調に推移し、RFIDタグ用ゴム製品も受注が回復傾向となったが、主力のASA COLOR LEDなどの自動車向けゴム製品が自動車生産低迷の影響を受けたため、全体として小幅増収にとどまった。利益面はエネルギーコストの上昇や販管費の増加などで減益だった。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が20.2%増の10億62百万円、セグメント利益が61.6%増の1億04百万円だった。通常の医療活動が回復傾向となったため在庫調整が終息し、ディスポーザブル用ゴム製品(プレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓など)の売上が増加した。

 なお中期事業分野別の売上高は、光学事業(ASA COLOR LEDなど)が13.6%減の20億52百万円、医療・ライフサイエンス事業(ディスポーザブル用ゴム製品など)が21.9%増の11億円、機能事業(自動車スイッチ用ラバーや卓球ラケット用ラバーなど)が11.6%増の17億98百万円、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品など)が33.6%増の5億18百万円だった。

 国内・海外別の売上高は国内が2.8%増の41億15百万円、海外が6.2%増の13億55百万円(アジアが6.7%増の12億58百万円、北米が2.6%増の88百万円、ヨーロッパが15.3%減の8百万円)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が17億54百万円で営業利益が70百万円、第2四半期は売上高が18億24百万円で営業利益が65百万円、第3四半期は売上高が18億92百万円で営業利益が77百万円だった。

 23年3月期は下方修正して減益幅が拡大する見込みとなったが、今後はエネルギーコスト上昇に対する価格転嫁交渉と、生産現場でのエネルギーコスト削減を進める方針としている。積極的な事業展開で24年3月期の収益回復を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は地合い悪化も影響して上げ一服の形だが、週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いてゴールデンクロスを示現した。基調転換を確認した形であり、高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も評価して戻りを試す展開を期待したい。4月17日の終値は537円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS32円40銭で算出)は約17倍、前期推定配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[03月29日更新]

朝日ラバーは基調転換して戻り試す、23年3月期減益予想だが24年3月期収益回復期待

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。なお3月14日には「パートナーシップ構築宣言」を発表、3月16日にはフェローテックマテリアルテクノロジーズとの相互製品販売特約店契約締結を発表している。23年3月期は自動車生産低迷やエネルギーコスト上昇の影響で減益予想としている。今後は価格転嫁交渉やエネルギーコスト削減を進める方針としている。積極的な事業展開で24年3月期の収益回復を期待したい。株価は地合いが悪化する状況でも水準を切り上げて底離れの動きとなった。週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスが接近している。高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、基調転換して戻りを試す展開を期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が工業用ゴム事業83%、医療・衛生用ゴム事業17%、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が工業用ゴム事業84%、医療・衛生用ゴム事業16%だった。

 主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが21年3月期比5.6%増の28億64百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が3.7%増の11億80百万円、卓球ラケット用ラバーが36.2%増の4億21百万円、RFIDタグ用ゴム製品が34.5%減の3億12百万円だった。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LEDなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケットなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、卓球ラケット用ラバーなど)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、ビーコンなど)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 22年3月期の中期事業分野別売上高は、光学事業が21年3月期比7.4%増の31億03百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.1%増の12億32百万円、機能事業が22.5%増の21億55百万円、通信事業が15.7%減の5億32百万円だった。

 最初のステージとなる第13次三カ年中期経営計画では、数値目標に23年3月期売上高80〜90億円、営業利益率8%以上を掲げ、設備投資額は約10億円としている。

 光学事業(23年3月期売上高計画約40億円)では、自動車の内装照明市場から外装照明、アンビエント照明に向けた技術開発を推進する。医療・ライフサイエンス事業(約15億円)では、診断・治療分野、理化学機器分野、介護・予防分野に向けて制御技術と感性技術を磨く。機能事業(約21億円)では、ビークル分野、エネルギー分野、環境発電分野、スポーツ分野において制御技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。通信事業(約12億円)では、自動認識分野、通信機器分野、センシング分野において、センシング技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。

 技術開発では、簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LED、超親水性シリコーンゴム、ウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムなどの開発を推進している。

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 また20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。さらに22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

 3月16日にはフェローテックマテリアルテクノロジーズとの相互製品販売特約店契約締結(23年2月)を発表した。やわらかいサーモモジュール「F−TEM」を共同開発した両社の協業により、多様な分野の製品開発において新たな可能性を提案する方針としている。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

 3月14日には、未来を拓くパートナーシップ構築推進会議の趣旨に賛同して「パートナーシップ構築宣言」を宣言した。

■23年3月期減益予想だが24年3月期収益回復期待

 23年3月期連結業績予想(2月10日付で売上高、利益とも下方修正)は、売上高が22年3月期比1.5%増の71億27百万円、営業利益が36.5%減の1億85百万円、経常利益が39.3%減の1億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が38.3%減の1億47百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 前回予想に対して、売上高を3億27百万円、営業利益を70百万円、経常利益を61百万円、親会社株主帰属当期純利益を40百万円、それぞれ下方修正した。医療用ゴム製品が好調に推移するが、自動車用ASA COLOR LEDが第4四半期も自動車生産低迷の影響を受ける見込みだ。

 修正後のセグメント売上高の計画は、工業用ゴム事業が2.1%減の57億10百万円(前回予想の61億80百万円から4億70百万円下方修正)で、医療・衛生用ゴム事業が18.8%増の14億17百万円(同12億74百万円から1億43百万円上方修正)としている。また中期事業分野別には光学事業が17.0%減の25億75百万円、医療・ライフサイエンス事業が17.8%増の14億51百万円、機能事業が14.0%増の24億57百万円、通信事業が21.1%増の6億44百万円としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比3.6%増の54億70百万円、営業利益が18.1%減の2億12百万円、経常利益が17.2%減の2億18百万円、親会社株主帰属四半期純利益が15.2%減の1億71百万円だった。

 医療用ゴム製品や卓球ラケット用ラバーが好調だったが、主力の自動車向けゴム製品が部材調達難に伴う自動車生産低迷の影響を受け、エネルギーコストの上昇や、営業販売力や技術サービス力の向上に向けた人員強化に伴う販管費の増加なども影響して減益だった。売上総利益は5.5%増加し、売上総利益率は25.0%で0.5ポイント上昇した。原価改善効果などが寄与した。販管費は11.4%増加し、販管費比率は21.1%で1.5ポイント上昇した。

 工業用ゴム事業は売上高が0.3%増の44億08百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が19.5%減の3億57百万円だった。売上面では卓球ラケット用ラバーが好調に推移し、RFIDタグ用ゴム製品も受注が回復傾向となったが、主力のASA COLOR LEDなどの自動車向けゴム製品が自動車生産低迷の影響を受けたため、全体として小幅増収にとどまった。利益面はエネルギーコストの上昇や販管費の増加などで減益だった。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が20.2%増の10億62百万円、セグメント利益が61.6%増の1億04百万円だった。通常の医療活動が回復傾向となったため在庫調整が終息し、ディスポーザブル用ゴム製品(プレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓など)の売上が増加した。

 なお中期事業分野別の売上高は、光学事業(ASA COLOR LEDなど)が13.6%減の20億52百万円、医療・ライフサイエンス事業(ディスポーザブル用ゴム製品など)が21.9%増の11億円、機能事業(自動車スイッチ用ラバーや卓球ラケット用ラバーなど)が11.6%増の17億98百万円、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品など)が33.6%増の5億18百万円だった。

 国内・海外別の売上高は国内が2.8%増の41億15百万円、海外が6.2%増の13億55百万円(アジアが6.7%増の12億58百万円、北米が2.6%増の88百万円、ヨーロッパが15.3%減の8百万円)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が17億54百万円で営業利益が70百万円、第2四半期は売上高が18億24百万円で営業利益が65百万円、第3四半期は売上高が18億92百万円で営業利益が77百万円だった。

 23年3月期は下方修正して減益幅が拡大する見込みとなったが、今後はエネルギーコスト上昇に対する価格転嫁交渉と、生産現場でのエネルギーコスト削減を進める方針としている。積極的な事業展開で24年3月期の収益回復を期待したい。

■株価は底離れの動き

 株価は地合いが悪化する状況でも水準を切り上げて底離れの動きとなった。週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスが接近している。高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、基調転換して戻りを試す展開を期待したい。3月28日の終値は545円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円40銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約25億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR

朝日ラバーは底離れの動き、23年3月期減益予想だが24年3月期収益回復期待

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。23年3月期は減益予想としている。自動車向けゴム製品(自動車用ASA COLOR LED)が自動車生産低迷の影響を受け、さらにエネルギーコストの上昇や販管費の増加なども影響する見込みだ。今後はエネルギーコスト上昇に対する価格転嫁交渉と、生産現場でのエネルギーコスト削減を進める方針としている。積極的な事業展開で24年3月期の収益回復を期待したい。株価は急伸して底離れの動きを強めている。週足チャートで見ると、抵抗線となっていた13週移動平均線と26週移動平均線、さらに52週移動平均線を一気に突破した。低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、基調転換して戻りを試す展開を期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が工業用ゴム事業83%、医療・衛生用ゴム事業17%、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が工業用ゴム事業84%、医療・衛生用ゴム事業16%だった。

 主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが21年3月期比5.6%増の28億64百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が3.7%増の11億80百万円、卓球ラケット用ラバーが36.2%増の4億21百万円、RFIDタグ用ゴム製品が34.5%減の3億12百万円だった。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LEDなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケットなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、卓球ラケット用ラバーなど)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、ビーコンなど)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 22年3月期の中期事業分野別売上高は、光学事業が21年3月期比7.4%増の31億03百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.1%増の12億32百万円、機能事業が22.5%増の21億55百万円、通信事業が15.7%減の5億32百万円だった。

 最初のステージとなる第13次三カ年中期経営計画では、数値目標に23年3月期売上高80〜90億円、営業利益率8%以上を掲げ、設備投資額は約10億円としている。

 光学事業(23年3月期売上高計画約40億円)では、自動車の内装照明市場から外装照明、アンビエント照明に向けた技術開発を推進する。医療・ライフサイエンス事業(約15億円)では、診断・治療分野、理化学機器分野、介護・予防分野に向けて制御技術と感性技術を磨く。機能事業(約21億円)では、ビークル分野、エネルギー分野、環境発電分野、スポーツ分野において制御技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。通信事業(約12億円)では、自動認識分野、通信機器分野、センシング分野において、センシング技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。

 技術開発では、簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LED、超親水性シリコーンゴム、ウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムなどの開発を推進している。

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 また20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。さらに22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

■23年3月期減益予想だが24年3月期収益回復期待

 23年3月期連結業績予想(2月10日付で売上高、利益とも下方修正)は、売上高が22年3月期比1.5%増の71億27百万円、営業利益が36.5%減の1億85百万円、経常利益が39.3%減の1億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が38.3%減の1億47百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 前回予想に対して、売上高を3億27百万円、営業利益を70百万円、経常利益を61百万円、親会社株主帰属当期純利益を40百万円、それぞれ下方修正した。医療用ゴム製品が好調に推移するが、自動車用ASA COLOR LEDが第4四半期も自動車生産低迷の影響を受ける見込みだ。

 修正後のセグメント売上高の計画は、工業用ゴム事業が2.1%減の57億10百万円(前回予想の61億80百万円から4億70百万円下方修正)で、医療・衛生用ゴム事業が18.8%増の14億17百万円(同12億74百万円から1億43百万円上方修正)としている。また中期事業分野別には光学事業が17.0%減の25億75百万円、医療・ライフサイエンス事業が17.8%増の14億51百万円、機能事業が14.0%増の24億57百万円、通信事業が21.1%増の6億44百万円としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比3.6%増の54億70百万円、営業利益が18.1%減の2億12百万円、経常利益が17.2%減の2億18百万円、親会社株主帰属四半期純利益が15.2%減の1億71百万円だった。

 医療用ゴム製品や卓球ラケット用ラバーが好調だったが、主力の自動車向けゴム製品が部材調達難に伴う自動車生産低迷の影響を受け、エネルギーコストの上昇や、営業販売力や技術サービス力の向上に向けた人員強化に伴う販管費の増加なども影響して減益だった。売上総利益は5.5%増加し、売上総利益率は25.0%で0.5ポイント上昇した。原価改善効果などが寄与した。販管費は11.4%増加し、販管費比率は21.1%で1.5ポイント上昇した。

 工業用ゴム事業は売上高が0.3%増の44億08百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が19.5%減の3億57百万円だった。売上面では卓球ラケット用ラバーが好調に推移し、RFIDタグ用ゴム製品も受注が回復傾向となったが、主力のASA COLOR LEDなどの自動車向けゴム製品が自動車生産低迷の影響を受けたため、全体として小幅増収にとどまった。利益面はエネルギーコストの上昇や販管費の増加などで減益だった。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が20.2%増の10億62百万円、セグメント利益が61.6%増の1億04百万円だった。通常の医療活動が回復傾向となったため在庫調整が終息し、ディスポーザブル用ゴム製品(プレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓など)の売上が増加した。

 なお中期事業分野別の売上高は、光学事業(ASA COLOR LEDなど)が13.6%減の20億52百万円、医療・ライフサイエンス事業(ディスポーザブル用ゴム製品など)が21.9%増の11億円、機能事業(自動車スイッチ用ラバーや卓球ラケット用ラバーなど)が11.6%増の17億98百万円、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品など)が33.6%増の5億18百万円だった。

 国内・海外別の売上高は国内が2.8%増の41億15百万円、海外が6.2%増の13億55百万円(アジアが6.7%増の12億58百万円、北米が2.6%増の88百万円、ヨーロッパが15.3%減の8百万円)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が17億54百万円で営業利益が70百万円、第2四半期は売上高が18億24百万円で営業利益が65百万円、第3四半期は売上高が18億92百万円で営業利益が77百万円だった。

 23年3月期は下方修正して減益幅が拡大する見込みとなったが、今後はエネルギーコスト上昇に対する価格転嫁交渉と、生産現場でのエネルギーコスト削減を進める方針としている。積極的な事業展開で24年3月期の収益回復を期待したい。

■株価は底離れの動き

 株価は急伸して底離れの動きを強めている。週足チャートで見ると、抵抗線となっていた13週移動平均線と26週移動平均線、さらに52週移動平均線を一気に突破した。低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、基調転換して戻りを試す展開を期待したい。3月13日の終値は548円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円40銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[02月27日更新]

朝日ラバーは下値固め完了、23年3月期予想を下方修正だが24年3月期収益回復期待

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。23年3月期第3四半期累計は医療用ゴム製品や卓球ラケット用ラバーが好調だったが、主力の自動車向けゴム製品が自動車生産低迷の影響を受け、さらにエネルギーコストの上昇や販管費の増加なども影響して減益だった。そして通期予想は下方修正して減益幅が拡大する見込みとした。自動車用ASA COLOR LEDが第4四半期も自動車生産低迷の影響を受ける見込みだ。今後はエネルギーコスト上昇に対する価格転嫁交渉と、生産現場でのエネルギーコスト削減を進める方針としている。積極的な事業展開で24年3月期の収益回復を期待したい。株価は昨年来安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。23年3月期予想を下方修正したが減益予想を織り込み済みであり、高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も再評価して出直りを期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が工業用ゴム事業83%、医療・衛生用ゴム事業17%、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が工業用ゴム事業84%、医療・衛生用ゴム事業16%だった。

 主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが21年3月期比5.6%増の28億64百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が3.7%増の11億80百万円、卓球ラケット用ラバーが36.2%増の4億21百万円、RFIDタグ用ゴム製品が34.5%減の3億12百万円だった。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LEDなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケットなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、卓球ラケット用ラバーなど)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、ビーコンなど)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 22年3月期の中期事業分野別売上高は、光学事業が21年3月期比7.4%増の31億03百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.1%増の12億32百万円、機能事業が22.5%増の21億55百万円、通信事業が15.7%減の5億32百万円だった。

 最初のステージとなる第13次三カ年中期経営計画では、数値目標に23年3月期売上高80〜90億円、営業利益率8%以上を掲げ、設備投資額は約10億円としている。

 光学事業(23年3月期売上高計画約40億円)では、自動車の内装照明市場から外装照明、アンビエント照明に向けた技術開発を推進する。医療・ライフサイエンス事業(約15億円)では、診断・治療分野、理化学機器分野、介護・予防分野に向けて制御技術と感性技術を磨く。機能事業(約21億円)では、ビークル分野、エネルギー分野、環境発電分野、スポーツ分野において制御技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。通信事業(約12億円)では、自動認識分野、通信機器分野、センシング分野において、センシング技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。

 技術開発では、簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LED、超親水性シリコーンゴム、ウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムなどの開発を推進している。

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 また20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。さらに22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

■23年3月期3Q累計減益で通期予想下方修正だが、24年3月期回復期待

 23年3月期連結業績予想(2月10日付で売上高、利益とも下方修正)は、売上高が22年3月期比1.5%増の71億27百万円、営業利益が36.5%減の1億85百万円、経常利益が39.3%減の1億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が38.3%減の1億47百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 前回予想に対して、売上高を3億27百万円、営業利益を70百万円、経常利益を61百万円、親会社株主帰属当期純利益を40百万円、それぞれ下方修正した。医療用ゴム製品が好調に推移するが、自動車用ASA COLOR LEDが第4四半期も自動車生産低迷の影響を受ける見込みだ。

 修正後のセグメント売上高の計画は、工業用ゴム事業が2.1%減の57億10百万円(前回予想の61億80百万円から4億70百万円下方修正)で、医療・衛生用ゴム事業が18.8%増の14億17百万円(同12億74百万円から1億43百万円上方修正)としている。また中期事業分野別には光学事業が17.0%減の25億75百万円、医療・ライフサイエンス事業が17.8%増の14億51百万円、機能事業が14.0%増の24億57百万円、通信事業が21.1%増の6億44百万円としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比3.6%増の54億70百万円、営業利益が18.1%減の2億12百万円、経常利益が17.2%減の2億18百万円、親会社株主帰属四半期純利益が15.2%減の1億71百万円だった。

 医療用ゴム製品や卓球ラケット用ラバーが好調だったが、主力の自動車向けゴム製品が部材調達難に伴う自動車生産低迷の影響を受け、エネルギーコストの上昇や、営業販売力や技術サービス力の向上に向けた人員強化に伴う販管費の増加なども影響して減益だった。売上総利益は5.5%増加し、売上総利益率は25.0%で0.5ポイント上昇した。原価改善効果などが寄与した。販管費は11.4%増加し、販管費比率は21.1%で1.5ポイント上昇した。

 工業用ゴム事業は売上高が0.3%増の44億08百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が19.5%減の3億57百万円だった。売上面では卓球ラケット用ラバーが好調に推移し、RFIDタグ用ゴム製品も受注が回復傾向となったが、主力のASA COLOR LEDなどの自動車向けゴム製品が自動車生産低迷の影響を受けたため、全体として小幅増収にとどまった。利益面はエネルギーコストの上昇や販管費の増加などで減益だった。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が20.2%増の10億62百万円、セグメント利益が61.6%増の1億04百万円だった。通常の医療活動が回復傾向となったため在庫調整が終息し、ディスポーザブル用ゴム製品(プレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓など)の売上が増加した。

 なお中期事業分野別の売上高は、光学事業(ASA COLOR LEDなど)が13.6%減の20億52百万円、医療・ライフサイエンス事業(ディスポーザブル用ゴム製品など)が21.9%増の11億円、機能事業(自動車スイッチ用ラバーや卓球ラケット用ラバーなど)が11.6%増の17億98百万円、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品など)が33.6%増の5億18百万円だった。

 国内・海外別の売上高は国内が2.8%増の41億15百万円、海外が6.2%増の13億55百万円(アジアが6.7%増の12億58百万円、北米が2.6%増の88百万円、ヨーロッパが15.3%減の8百万円)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が17億54百万円で営業利益が70百万円、第2四半期は売上高が18億24百万円で営業利益が65百万円、第3四半期は売上高が18億92百万円で営業利益が77百万円だった。

 23年3月期は下方修正して減益幅が拡大する見込みとなったが、今後はエネルギーコスト上昇に対する価格転嫁交渉と、生産現場でのエネルギーコスト削減を進める方針としている。積極的な事業展開で24年3月期の収益回復を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は昨年来安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。23年3月期予想を下方修正したが減益予想を織り込み済みであり、高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も再評価して出直りを期待したい。2月24日の終値は520円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円40銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約24億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月13日更新]

朝日ラバーは23年3月期3Q累計減益、通期予想を下方修正

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は2月10日取引時間終了後に23年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。医療用ゴム製品や卓球ラケット用ラバーが好調だったが、主力の自動車向けゴム製品が自動車生産低迷の影響を受け、さらにエネルギーコストの上昇や販管費の増加なども影響して減益だった。通期予想は下方修正して減益幅が拡大する見込みとした。自動車用ASA COLOR LEDが第4四半期も自動車生産低迷の影響を受ける見込みだ。今後はエネルギーコスト上昇に対する価格転嫁交渉と、生産現場でのエネルギーコスト削減を進める方針としている。積極的な事業展開で24年3月期の収益拡大を期待したい。株価は反発力が鈍く昨年来安値圏でモミ合う形だ。23年3月期減益予想を織り込み済みであり、下方修正に対するネガティブ反応は限定的だろう。調整一巡して出直りを期待したい。

■23年3月期3Q累計減益、通期予想を下方修正

 23年3月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比3.6%増の54億70百万円、営業利益が18.1%減の2億12百万円、経常利益が17.2%減の2億18百万円、親会社株主帰属四半期純利益が15.2%減の1億71百万円だった。

 医療用ゴム製品や卓球ラケット用ラバーが好調だったが、主力の自動車向けゴム製品が部材調達難に伴う自動車生産低迷の影響を受け、エネルギーコストの上昇や、営業販売力や技術サービス力の向上に向けた人員強化に伴う販管費の増加なども影響して減益だった。売上総利益は5.5%増加し、売上総利益率は25.0%で0.5ポイント上昇した。原価改善効果などが寄与した。販管費は11.4%増加し、販管費比率は21.1%で1.5ポイント上昇した。

 工業用ゴム事業は売上高が0.3%増の44億08百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が19.5%減の3億57百万円だった。売上面では卓球ラケット用ラバーが好調に推移し、RFIDタグ用ゴム製品も受注が回復傾向となったが、主力のASA COLOR LEDなどの自動車向けゴム製品が自動車生産低迷の影響を受けたため、全体として小幅増収にとどまった。利益面はエネルギーコストの上昇や販管費の増加などで減益だった。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が20.2%増の10億62百万円、セグメント利益が61.6%増の1億04百万円だった。通常の医療活動が回復傾向となったため在庫調整が終息し、ディスポーザブル用ゴム製品(プレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓など)の売上が増加した。

 なお中期事業分野別の売上高は、光学事業(ASA COLOR LEDなど)が13.6%減の20億52百万円、医療・ライフサイエンス事業(ディスポーザブル用ゴム製品など)が21.9%増の11億円、機能事業(自動車スイッチ用ラバーや卓球ラケット用ラバーなど)が11.6%増の17億98百万円、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品など)が33.6%増の5億18百万円だった。

 国内・海外別の売上高は国内が2.8%増の41億15百万円、海外が6.2%増の13億55百万円(アジアが6.7%増の12億58百万円、北米が2.6%増の88百万円、ヨーロッパが15.3%減の8百万円)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が17億54百万円で営業利益が70百万円、第2四半期は売上高が18億24百万円で営業利益が65百万円、第3四半期は売上高が18億92百万円で営業利益が77百万円だった。

 通期連結業績予想については2月10日付で売上高、利益とも下方修正して、売上高が22年3月期比1.5%増の71億27百万円、営業利益が36.5%減の1億85百万円、経常利益が39.3%減の1億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が38.3%減の1億47百万円としている。配当予想は据え置いて22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 前回予想に対して、売上高を3億27百万円、営業利益を70百万円、経常利益を61百万円、親会社株主帰属当期純利益を40百万円、それぞれ下方修正した。医療用ゴム製品が好調に推移するが、自動車用ASA COLOR LEDが第4四半期も自動車生産低迷の影響を受ける見込みだ。

 修正後のセグメント売上高の計画は、工業用ゴム事業が2.1%減の57億10百万円(前回予想の61億80百万円から4億70百万円下方修正)で、医療・衛生用ゴム事業が18.8%増の14億17百万円(同12億74百万円から1億43百万円上方修正)としている。また中期事業分野別には光学事業が17.0%減の25億75百万円、医療・ライフサイエンス事業が17.8%増の14億51百万円、機能事業が14.0%増の24億57百万円、通信事業が21.1%増の6億44百万円としている。

 23年3月期は下方修正して減益幅が拡大する見込みとなったが、今後はエネルギーコスト上昇に対する価格転嫁交渉と、生産現場でのエネルギーコスト削減を進める方針としている。積極的な事業展開で24年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は反発力が鈍く昨年来安値圏でモミ合う形だ。23年3月期減益予想を織り込み済みであり、下方修正に対するネガティブ反応は限定的だろう。調整一巡して出直りを期待したい。2月10日の終値は520円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円40銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約24億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月27日更新]

朝日ラバーは売り一巡、23年3月期減益予想だが上振れ余地

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。23年3月期は原材料価格や電力料金高騰の影響などを考慮して減益予想としている。ただし第2四半期累計の進捗率が順調だったことに加えて、原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などで上振れ余地がありそうだ。さらに積極的な事業展開で24年3月期の収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して昨年来安値圏だが売り一巡感を強めている。高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も評価材料して出直りを期待したい。なお2月10日に23年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が工業用ゴム事業83%、医療・衛生用ゴム事業17%、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が工業用ゴム事業84%、医療・衛生用ゴム事業16%だった。

 主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが5.6%増の28億64百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が3.7%増の11億80百万円、卓球ラケット用ラバーが36.2%増の4億21百万円、RFIDタグ用ゴム製品が34.5%減の3億12百万円だった。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LEDなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケットなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、卓球ラケット用ラバーなど)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、ビーコンなど)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 22年3月期の中期事業分野別売上高は、光学事業が21年3月期比7.4%増の31億03百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.1%増の12億32百万円、機能事業が22.5%増の21億55百万円、通信事業が15.7%減の5億32百万円だった。

 最初のステージとなる第13次三カ年中期経営計画では、数値目標に23年3月期売上高80〜90億円、営業利益率8%以上を掲げ、設備投資額は約10億円としている。

 光学事業(23年3月期売上高計画約40億円)では、自動車の内装照明市場から外装照明、アンビエント照明に向けた技術開発を推進する。医療・ライフサイエンス事業(約15億円)では、診断・治療分野、理化学機器分野、介護・予防分野に向けて制御技術と感性技術を磨く。機能事業(約21億円)では、ビークル分野、エネルギー分野、環境発電分野、スポーツ分野において制御技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。通信事業(約12億円)では、自動認識分野、通信機器分野、センシング分野において、センシング技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。

 技術開発では、簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LED、超親水性シリコーンゴム、ウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムなどの開発を推進している。

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 また20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。さらに22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

■23年3月期減益予想だが上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比6.1%増の74億54百万円、営業利益が12.5%減の2億55百万円、経常利益が19.8%減の2億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が21.6%減の1億87百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比1.5%減の35億78百万円、営業利益が23.2%減の1億35百万円、経常利益が19.2%減の1億43百万円、親会社株主帰属四半期純利益が16.8%減の1億12百万円だった。

 前年同期比では自動車減産の影響で自動車向けゴム製品が減収となり、販管費の増加なども影響して減益だったが、前回予想(22年8月8日付で売上高を下方修正、各利益を上方修正)を上回って着地した。原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などが寄与した。売上総利益率は24.8%で前年同期比1.0ポイント上昇、販管費比率は21.0%で2.0ポイント上昇した。

 工業用ゴム事業は売上高が5.2%減の28億83百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が19.3%減の2億29百万円だった。卓球ラケット用ラバーの好調(四半期ベースで見ると第2四半期売上高1億66百万円は過去最高)が続き、RFIDタグ用ゴム製品も最終ユーザーの北米市場において第2四半期から回復傾向となったが、主力のASA COLOR LEDやスイッチ製品などの自動車向けゴム製品が中国のロックダウンや自動車減産の影響で減収だった。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が17.5%増の6億95百万円、セグメント利益が27.9%増の71百万円だった。通常の医療活動が回復傾向となり、プレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の売上が増加した。四半期ベースで見ると第2四半期の売上高3億57百万円は過去最高となった。

 国内・海外別売上高は国内が0.3%増の27億69百万円、海外が7.0%減の8億09百万円(アジアが6.0%減の7億55百万円、北米が14.2%減の48百万円、ヨーロッパが47.5%減の4百万円)だった。主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが18.3%減の12億39百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が17.5%増の6億88百万円、卓球ラケット用ラバーが71.8%増の3億16百万円、RFIDタグ用ゴム製品が3.6%減の1億88百万円だった。

 中期事業分野別売上高は光学事業が17.6%減の13億46百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.5%増の7億26百万円、機能事業が7.7%増の11億72百万円、通信事業が8.3%増の3億32百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が17億54百万円で営業利益が70百万円、第2四半期は売上高が18億24百万円で営業利益が65百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いている。売上面ではASA COLOR LEDが減収見込みだが、医療用ゴム製品や卓球ラケット用ラバーが好調に推移し、RFIDタグ用ゴム製品も回復に向かう見込みとしている。

 売上高の計画は、セグメント別には工業用ゴム事業が6.0%増の61億80百万円、医療・衛生用ゴム事業が6.7%増の12億74百万円としている。中期事業分野別には光学事業が11.8%減の27億36百万円、医療・ライフサイエンス事業が17.2%増の14億44百万円、機能事業が25.8%増の27億12百万円、通信事業が5.6%増の5億62百万円としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が48.0%、営業利益が52.9%、経常利益が57.0%、親会社株主帰属当期純利益が59.9%と概ね順調である。下期のさらなる原材料価格や電力料金高騰などを考慮して通期会社予想を据え置いたが、原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などで上振れ余地がありそうだ。さらに積極的な事業展開で24年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は地合い悪化も影響して昨年来安値圏だが売り一巡感を強めている。高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。1月26日の終値は518円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円22銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約24億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月11日更新]

朝日ラバーは売られ過ぎ感、23年3月期減益予想だが上振れ余地

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。23年3月期は原材料価格や電力料金高騰の影響などを考慮して減益予想としている。ただし第2四半期累計の進捗率が順調だったことに加えて、原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などで上振れ余地がありそうだ。さらに積極的な事業展開で24年3月期の収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して昨年来安値圏で軟調展開だが売られ過ぎ感を強めている。高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。なお2月10日に23年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が工業用ゴム事業83%、医療・衛生用ゴム事業17%、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が工業用ゴム事業84%、医療・衛生用ゴム事業16%だった。

 主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが5.6%増の28億64百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が3.7%増の11億80百万円、卓球ラケット用ラバーが36.2%増の4億21百万円、RFIDタグ用ゴム製品が34.5%減の3億12百万円だった。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LEDなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケットなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、卓球ラケット用ラバーなど)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、ビーコンなど)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 22年3月期の中期事業分野別売上高は、光学事業が21年3月期比7.4%増の31億03百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.1%増の12億32百万円、機能事業が22.5%増の21億55百万円、通信事業が15.7%減の5億32百万円だった。

 最初のステージとなる第13次三カ年中期経営計画では、数値目標に23年3月期売上高80〜90億円、営業利益率8%以上を掲げ、設備投資額は約10億円としている。

 光学事業(23年3月期売上高計画約40億円)では、自動車の内装照明市場から外装照明、アンビエント照明に向けた技術開発を推進する。医療・ライフサイエンス事業(約15億円)では、診断・治療分野、理化学機器分野、介護・予防分野に向けて制御技術と感性技術を磨く。機能事業(約21億円)では、ビークル分野、エネルギー分野、環境発電分野、スポーツ分野において制御技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。通信事業(約12億円)では、自動認識分野、通信機器分野、センシング分野において、センシング技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。

 技術開発では、簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LED、超親水性シリコーンゴム、ウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムなどの開発を推進している。

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 また20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。さらに22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

■23年3月期減益予想だが上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比6.1%増の74億54百万円、営業利益が12.5%減の2億55百万円、経常利益が19.8%減の2億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が21.6%減の1億87百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比1.5%減の35億78百万円、営業利益が23.2%減の1億35百万円、経常利益が19.2%減の1億43百万円、親会社株主帰属四半期純利益が16.8%減の1億12百万円だった。

 前年同期比では自動車減産の影響で自動車向けゴム製品が減収となり、販管費の増加なども影響して減益だったが、前回予想(22年8月8日付で売上高を下方修正、各利益を上方修正)を上回って着地した。原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などが寄与した。売上総利益率は24.8%で前年同期比1.0ポイント上昇、販管費比率は21.0%で2.0ポイント上昇した。

 工業用ゴム事業は売上高が5.2%減の28億83百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が19.3%減の2億29百万円だった。卓球ラケット用ラバーの好調(四半期ベースで見ると第2四半期売上高1億66百万円は過去最高)が続き、RFIDタグ用ゴム製品も最終ユーザーの北米市場において第2四半期から回復傾向となったが、主力のASA COLOR LEDやスイッチ製品などの自動車向けゴム製品が中国のロックダウンや自動車減産の影響で減収だった。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が17.5%増の6億95百万円、セグメント利益が27.9%増の71百万円だった。通常の医療活動が回復傾向となり、プレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の売上が増加した。四半期ベースで見ると第2四半期の売上高3億57百万円は過去最高となった。

 国内・海外別売上高は国内が0.3%増の27億69百万円、海外が7.0%減の8億09百万円(アジアが6.0%減の7億55百万円、北米が14.2%減の48百万円、ヨーロッパが47.5%減の4百万円)だった。主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが18.3%減の12億39百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が17.5%増の6億88百万円、卓球ラケット用ラバーが71.8%増の3億16百万円、RFIDタグ用ゴム製品が3.6%減の1億88百万円だった。

 中期事業分野別売上高は光学事業が17.6%減の13億46百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.5%増の7億26百万円、機能事業が7.7%増の11億72百万円、通信事業が8.3%増の3億32百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が17億54百万円で営業利益が70百万円、第2四半期は売上高が18億24百万円で営業利益が65百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いている。売上面ではASA COLOR LEDが減収見込みだが、医療用ゴム製品や卓球ラケット用ラバーが好調に推移し、RFIDタグ用ゴム製品も回復に向かう見込みとしている。

 売上高の計画は、セグメント別には工業用ゴム事業が6.0%増の61億80百万円、医療・衛生用ゴム事業が6.7%増の12億74百万円としている。中期事業分野別には光学事業が11.8%減の27億36百万円、医療・ライフサイエンス事業が17.2%増の14億44百万円、機能事業が25.8%増の27億12百万円、通信事業が5.6%増の5億62百万円としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が48.0%、営業利益が52.9%、経常利益が57.0%、親会社株主帰属当期純利益が59.9%と概ね順調である。下期のさらなる原材料価格や電力料金高騰などを考慮して通期会社予想を据え置いたが、原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などで上振れ余地がありそうだ。さらに積極的な事業展開で24年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化も影響して昨年来安値圏で軟調だが売られ過ぎ感を強めている。高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。1月10日の終値は512円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円22銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約24億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月19日更新]

朝日ラバーは底打ち、23年3月期減益予想だが上振れ余地

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。23年3月期は原材料価格や電力料金高騰の影響などを考慮して減益予想としている。ただし第2四半期累計の進捗率が順調だったことに加えて、原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などで上振れ余地がありそうだ。さらに積極的な事業展開で24年3月期の収益拡大を期待したい。株価は反発力が鈍く軟調だが11月の年初来安値圏で底打ち感を強めている。高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が工業用ゴム事業83%、医療・衛生用ゴム事業17%、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が工業用ゴム事業84%、医療・衛生用ゴム事業16%だった。

 主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが5.6%増の28億64百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が3.7%増の11億80百万円、卓球ラケット用ラバーが36.2%増の4億21百万円、RFIDタグ用ゴム製品が34.5%減の3億12百万円だった。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LEDなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケットなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、卓球ラケット用ラバーなど)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、ビーコンなど)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 22年3月期の中期事業分野別売上高は、光学事業が21年3月期比7.4%増の31億03百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.1%増の12億32百万円、機能事業が22.5%増の21億55百万円、通信事業が15.7%減の5億32百万円だった。

 最初のステージとなる第13次三カ年中期経営計画では、数値目標に23年3月期売上高80〜90億円、営業利益率8%以上を掲げ、設備投資額は約10億円としている。

 光学事業(23年3月期売上高計画約40億円)では、自動車の内装照明市場から外装照明、アンビエント照明に向けた技術開発を推進する。医療・ライフサイエンス事業(約15億円)では、診断・治療分野、理化学機器分野、介護・予防分野に向けて制御技術と感性技術を磨く。機能事業(約21億円)では、ビークル分野、エネルギー分野、環境発電分野、スポーツ分野において制御技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。通信事業(約12億円)では、自動認識分野、通信機器分野、センシング分野において、センシング技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。

 技術開発では、簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LED、超親水性シリコーンゴム、ウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムなどの開発を推進している。

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 また20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。認証取得も武器として、グローバルな新規顧客開拓と継続した品質改善を加速させる。

 さらに22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。医療品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

■23年3月期減益予想だが上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比6.1%増の74億54百万円、営業利益が12.5%減の2億55百万円、経常利益が19.8%減の2億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が21.6%減の1億87百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 第2四半期累計(8月8日付で売上高を下方、利益を上方修正)は売上高が前年同期比1.5%減の35億78百万円、営業利益が23.2%減の1億35百万円、経常利益が19.2%減の1億43百万円、親会社株主帰属四半期純利益が16.8%減の1億12百万円だった。

 国内・海外別売上高は国内が0.3%増の27億69百万円、海外が7.0%減の8億09百万円(アジアが6.0%減の7億55百万円、北米が14.2%減の48百万円、ヨーロッパが47.5%減の4百万円)だった。主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが18.3%減の12億39百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が17.5%増の6億88百万円、卓球ラケット用ラバーが71.8%増の3億16百万円、RFIDタグ用ゴム製品が3.6%減の1億88百万円だった。

 中期事業分野別売上高は光学事業が17.6%減の13億46百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.5%増の7億26百万円、機能事業が7.7%増の11億72百万円、通信事業が8.3%増の3億32百万円だった。

 自動車減産の影響で自動車向けゴム製品が減収となり、販管費の増加なども影響して減益だった。なお売上総利益率は24.8%で1.0ポイント上昇した。原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などが寄与した。販管費比率は21.0%で2.0ポイント上昇した。

 工業用ゴム事業は売上高が5.2%減の28億83百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が19.3%減の2億29百万円だった。卓球ラケット用ラバーの好調(四半期ベースで見ると第2四半期売上高1億66百万円は過去最高)が続き、RFIDタグ用ゴム製品も最終ユーザーの北米市場において第2四半期から回復傾向となったが、主力のASA COLOR LEDやスイッチ製品などの自動車向けゴム製品が中国のロックダウンや自動車減産の影響で減収だった。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が17.5%増の6億95百万円、セグメント利益が27.9%増の71百万円だった。通常の医療活動が回復傾向となり、プレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の売上が増加した。四半期ベースで見ると第2四半期の売上高3億57百万円は過去最高となった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が17億54百万円で営業利益が70百万円、第2四半期は売上高が18億24百万円で営業利益が65百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いている。売上面ではASA COLOR LEDが減収見込みだが、医療用ゴム製品や卓球ラケット用ラバーが好調に推移し、RFIDタグ用ゴム製品も回復に向かう見込みとしている。

 売上高の計画は、セグメント別には工業用ゴム事業が6.0%増の61億80百万円、医療・衛生用ゴム事業が6.7%増の12億74百万円としている。中期事業分野別には光学事業が11.8%減の27億36百万円、医療・ライフサイエンス事業が17.2%増の14億44百万円、機能事業が25.8%増の27億12百万円、通信事業が5.6%増の5億62百万円としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が48.0%、営業利益が52.9%、経常利益が57.0%、親会社株主帰属当期純利益が59.9%と概ね順調である。下期のさらなる原材料価格や電力料金高騰などを考慮して通期会社予想を据え置いたが、原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などで上振れ余地がありそうだ。さらに積極的な事業展開で24年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は底打ち

 株価は反発力が鈍く軟調だが11月の年初来安値圏で底打ち感を強めている。高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。12月16日の終値は533円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円22銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月28日更新]

朝日ラバーは調整一巡、23年3月期2Q累計減益で通期減益予想据え置きだが上振れ余地

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。23年3月期第2四半期累計は、主力の自動車向けゴム製品が自動車減産の影響で減収となり、販管費の増加なども影響して減益だった。そして通期の減益予想を据え置いた。ただし原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などで上振れ余地がありそうだ。さらに積極的な事業展開で24年3月期の収益拡大を期待したい。株価は年初来安値圏で軟調だが、高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が工業用ゴム事業83%、医療・衛生用ゴム事業17%、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が工業用ゴム事業84%、医療・衛生用ゴム事業16%だった。

 主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが5.6%増の28億64百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が3.7%増の11億80百万円、卓球ラケット用ラバーが36.2%増の4億21百万円、RFIDタグ用ゴム製品が34.5%減の3億12百万円だった。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LEDなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケットなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、卓球ラケット用ラバーなど)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、ビーコンなど)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 22年3月期の中期事業分野別売上高は、光学事業が21年3月期比7.4%増の31億03百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.1%増の12億32百万円、機能事業が22.5%増の21億55百万円、通信事業が15.7%減の5億32百万円だった。

 最初のステージとなる第13次三カ年中期経営計画では、数値目標に23年3月期売上高80〜90億円、営業利益率8%以上を掲げ、設備投資額は約10億円としている。

 光学事業(23年3月期売上高計画約40億円)では、自動車の内装照明市場から外装照明、アンビエント照明に向けた技術開発を推進する。医療・ライフサイエンス事業(約15億円)では、診断・治療分野、理化学機器分野、介護・予防分野に向けて制御技術と感性技術を磨く。機能事業(約21億円)では、ビークル分野、エネルギー分野、環境発電分野、スポーツ分野において制御技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。通信事業(約12億円)では、自動認識分野、通信機器分野、センシング分野において、センシング技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。

 技術開発では、簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LED、超親水性シリコーンゴム、ウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムなどの開発を推進している。

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 また20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。認証取得も武器として、グローバルな新規顧客開拓と継続した品質改善を加速させる。

 さらに22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。医療品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

■23年3月期2Q累計減益で通期減益予想据え置きだが上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比6.1%増の74億54百万円、営業利益が12.5%減の2億55百万円、経常利益が19.8%減の2億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が21.6%減の1億87百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 第2四半期累計(8月8日付で売上高を下方、利益を上方修正)は売上高が前年同期比1.5%減の35億78百万円、営業利益が23.2%減の1億35百万円、経常利益が19.2%減の1億43百万円、親会社株主帰属四半期純利益が16.8%減の1億12百万円だった。

 国内・海外別売上高は国内が0.3%増の27億69百万円、海外が7.0%減の8億09百万円(アジアが6.0%減の7億55百万円、北米が14.2%減の48百万円、ヨーロッパが47.5%減の4百万円)だった。主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが18.3%減の12億39百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が17.5%増の6億88百万円、卓球ラケット用ラバーが71.8%増の3億16百万円、RFIDタグ用ゴム製品が3.6%減の1億88百万円だった。

 中期事業分野別売上高は光学事業が17.6%減の13億46百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.5%増の7億26百万円、機能事業が7.7%増の11億72百万円、通信事業が8.3%増の3億32百万円だった。

 自動車減産の影響で自動車向けゴム製品が減収となり、販管費の増加なども影響して減益だった。なお売上総利益率は24.8%で1.0ポイント上昇した。原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などが寄与した。販管費比率は21.0%で2.0ポイント上昇した。

 工業用ゴム事業は売上高が5.2%減の28億83百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が19.3%減の2億29百万円だった。卓球ラケット用ラバーの好調(四半期ベースで見ると第2四半期売上高1億66百万円は過去最高)が続き、RFIDタグ用ゴム製品も最終ユーザーの北米市場において第2四半期から回復傾向となったが、主力のASA COLOR LEDやスイッチ製品などの自動車向けゴム製品が中国のロックダウンや自動車減産の影響で減収だった。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が17.5%増の6億95百万円、セグメント利益が27.9%増の71百万円だった。通常の医療活動が回復傾向となり、プレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の売上が増加した。四半期ベースで見ると第2四半期の売上高3億57百万円は過去最高となった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が17億54百万円で営業利益が70百万円、第2四半期は売上高が18億24百万円で営業利益が65百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いている。売上面ではASA COLOR LEDが減収見込みだが、医療用ゴム製品や卓球ラケット用ラバーが好調に推移し、RFIDタグ用ゴム製品も回復に向かう見込みとしている。

 売上高の計画は、セグメント別には工業用ゴム事業が6.0%増の61億80百万円、医療・衛生用ゴム事業が6.7%増の12億74百万円としている。中期事業分野別には光学事業が11.8%減の27億36百万円、医療・ライフサイエンス事業が17.2%増の14億44百万円、機能事業が25.8%増の27億12百万円、通信事業が5.6%増の5億62百万円としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が48.0%、営業利益が52.9%、経常利益が57.0%、親会社株主帰属当期純利益が59.9%と概ね順調である。下期のさらなる原材料価格や電力料金高騰などを考慮して通期会社予想を据え置いたが、原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などで上振れ余地がありそうだ。さらに積極的な事業展開で24年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は年初来安値圏で軟調だが、高配当利回りや低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。11月25日の終値は525円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円22銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約24億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月14日更新]

朝日ラバーは23年3月期2Q累計減益、通期減益予想据え置きだが上振れ余地

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は11月11日の取引時間終了後に23年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。主力の自動車向けゴム製品が自動車減産の影響で減収となり、販管費の増加なども影響して減益だった。そして通期の減益予想を据え置いた。ただし原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などで上振れ余地がありそうだ。さらに24年3月期の収益拡大を期待したい。株価は年初来安値圏でモミ合う形だが、23年3月期減益予想を織り込み済みであり、調整一巡して出直りを期待したい。

■23年3月期2Q累計減益、通期減益予想据え置きだが上振れ余地

 23年3月期第2四半期累計の連結業績(8月8日付で売上高を下方、利益を上方修正)は売上高が前年同期比1.5%減の35億78百万円、営業利益が23.2%減の1億35百万円、経常利益が19.2%減の1億43百万円、親会社株主帰属四半期純利益が16.8%減の1億12百万円だった。

 国内・海外別の売上高は、国内が0.3%増の27億69百万円、海外が7.0%減の8億09百万円(アジアが6.0%減の7億55百万円、北米が14.2%減の48百万円、ヨーロッパが47.5%減の4百万円)だった。

 自動車減産の影響で自動車向けゴム製品が減収となり、販管費の増加なども影響して減益だった。なお売上総利益率は24.8%で1.0ポイント上昇した。原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などが寄与した。販管費比率は21.0%で2.0ポイント上昇した。

 工業用ゴム事業は売上高が5.2%減の28億83百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が19.3%減の2億29百万円だった。卓球ラケット用ラバーの好調が続き、RFIDタグ用ゴム製品も受注が回復傾向となったが、主力のASA COLOR LEDやスイッチ製品などの自動車向けゴム製品が中国のロックダウンや自動車減産の影響で減収だった。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が17.5%増の6億95百万円、セグメント利益が27.9%増の71百万円だった。通常の医療活動が回復傾向となり、プレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の売上が増加した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が17億54百万円で営業利益が70百万円、第2四半期は売上高が18億24百万円で営業利益が65百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比6.1%増の74億54百万円、営業利益が12.5%減の2億55百万円、経常利益が19.8%減の2億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が21.6%減の1億87百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 売上面では自動車用ASA COLOR LEDが減収見込みだが、医療用ゴム製品、卓球ラケット用ラバーが好調に推移し、RFIDタグ用ゴム製品も回復に向かう見込みとしている。売上高の計画はセグメント別には工業用ゴム事業が6.0%増の61億80百万円、医療・衛生用ゴム事業が6.7%増の12億74百万円、中期事業分野別には光学事業が2.2%減の30億36百万円、医療・ライフサイエンス事業が6.6%増の13億14百万円、機能事業が20.4%増の25億94百万円、通信事業が4.2%減の5億10百万円としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が48.0%、営業利益が52.9%、経常利益が57.0%、親会社株主帰属当期純利益が59.9%と順調である。通期会社予想を据え置いたが、原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などで上振れ余地がありそうだ。さらに24年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は年初来安値圏でモミ合う形だが、23年3月期減益予想を織り込み済みであり、調整一巡して出直りを期待したい。11月11日の終値は540円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円22銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月26日更新]

朝日ラバーは反発の動き、23年3月期減益予想だが上振れの可能性

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。23年3月期は原材料価格高騰などで減益予想としているが、生産性改善やコスト削減効果で第2四半期累計利益予想を上方修正している。通期も原材料価格高騰の販売価格への転嫁や原価改善効果などで上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して年初来安値を更新する展開だったが、売り一巡して反発の動きを強めている。指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。なお11月11日に23年3月期第2四半期決算発表を予定している。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が工業用ゴム事業83%、医療・衛生用ゴム事業17%、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が工業用ゴム事業84%、医療・衛生用ゴム事業16%だった。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LEDなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケットなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、卓球ラケット用ラバーなど)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、ビーコンなど)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 そして最初のステージとなる第13次三カ年中期経営計画では、数値目標に23年3月期売上高80〜90億円、営業利益率8%以上を掲げ、設備投資額は約10億円としている。

 光学事業(23年3月期売上高計画約40億円)では、自動車の内装照明市場から外装照明、アンビエント照明に向けた技術開発を推進する。医療・ライフサイエンス事業(約15億円)では、診断・治療分野、理化学機器分野、介護・予防分野に向けて制御技術と感性技術を磨く。機能事業(約21億円)では、ビークル分野、エネルギー分野、環境発電分野、スポーツ分野において制御技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。通信事業(約12億円)では、自動認識分野、通信機器分野、センシング分野において、センシング技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。

 22年3月期の中期事業分野別売上高は、光学事業が21年3月期比7.4%増の31億03百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.1%増の12億32百万円、機能事業が22.5%増の21億55百万円、通信事業が15.7%減の5億32百万円だった。主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが5.6%増の28億64百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が3.7%増の11億80百万円、卓球ラケット用ラバーが36.2%増の4億21百万円、そしてRFIDタグ用ゴム製品が34.5%減の3億12百万円だった。

 技術開発では、簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LED、超親水性シリコーンゴム、ウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムなどの開発を推進している。

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 また20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。認証取得も武器として、グローバルな新規顧客開拓と継続した品質改善を加速させる。

 さらに22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。医療品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

■23年3月期減益予想だが上振れの可能性

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比6.1%増の74億54百万円、営業利益が12.5%減の2億55百万円、経常利益が19.8%減の2億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が21.6%減の1億87百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比2.4%減の17億54百万円で、営業利益が9.8%減の70百万円、経常利益が2.6%減の80百万円、親会社株主帰属四半期純利益が12.7%増の69百万円だった。自動車減産による自動車向けゴム製品の受注回復遅れで営業・経常減益だった。親会社株主帰属四半期純利益は特別利益に受取保険金を計上して増益だった。

 工業用ゴム事業は売上高が6.0%減の14億20百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が7.6%減の1億24百万円だった。卓球ラケット用ラバーの好調が続いたが、ASA COLOR LEDやスイッチ製品などの自動車向けゴム製品が中国のロックダウンや半導体不足などの影響で減少した。RFIDタグ用ゴム製品も最終需要地である米国での需要低迷で減少した。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が16.9%増の3億34百万円、セグメント利益が16.1%増の28百万円だった。経済活動の緩やかな回復に伴ってプレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の売上が増加した。

 なお中期事業分野別売上高は、光学事業が19.5%減の6億62百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.9%増の3億52百万円、機能事業が12.1%増の5億95百万円、通信事業が5.2%減の1億44百万円だった。

 第1四半期は営業・経常減益だったが、生産性改善やコスト削減効果で各利益が計画を上回ったため、第2四半期累計予想については売上高を下方修正し、利益予想を上方修正した。修正後の第2四半期累計予想は売上高が前年同期比3.1%減の35億19百万円、営業利益が37.5%減の1億10百万円、経常利益が32.1%減の1億21百万円、親会社株主帰属四半期純利益が26.3%減の1億00百万円としている。前回予想に対して売上高を91百万円下方修正したが、営業利益を51百万円、経常利益を64百万円、親会社株主帰属四半期純利益を63百万円それぞれ上方修正して減益幅が縮小する見込みとした。

 通期の連結業績予想は据え置いている。ただし売上高の計画は内訳を見直して、セグメント別には工業用ゴム事業が6.0%増の61億80百万円、医療・衛生用ゴム事業が6.7%増の12億74百万円、中期事業分野別には光学事業が2.2%減の30億36百万円、医療・ライフサイエンス事業が6.6%増の13億14百万円、機能事業が20.4%増の25億94百万円、通信事業が4.2%減の5億10百万円とした。ASA COLOR LEDが減収見込みだが、医療用ゴム製品、卓球ラケット用ラバーが好調に推移し、RFIDタグ用ゴム製品も回復に向かう見込みとしている。

 通期は自動車減産、原材料価格高騰、withコロナ環境下で活動を広げるための販管費増加などを考慮して減益予想としている。ただし、原材料価格高騰の販売価格への転嫁や原価改善効果などで、通期も上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値を更新する展開だったが、売り一巡して反発の動きを強めている。指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。10月25日の終値は538円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円22銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月07日更新]

朝日ラバーは調整一巡、23年3月期減益予想だが上振れの可能性

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。23年3月期は原材料価格高騰などで減益予想としているが、生産性改善やコスト削減効果で第2四半期累計利益予想を上方修正している。通期も原材料価格高騰の販売価格への転嫁や原価改善効果などで上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は反発力が鈍く、地合い悪化も影響して年初来安値圏だが、指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。なお11月11日に23年3月期第2四半期決算発表を予定している。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が工業用ゴム事業83%、医療・衛生用ゴム事業17%、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が工業用ゴム事業84%、医療・衛生用ゴム事業16%だった。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LEDなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケットなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、卓球ラケット用ラバーなど)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、ビーコンなど)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 そして最初のステージとなる第13次三カ年中期経営計画では、数値目標に23年3月期売上高80〜90億円、営業利益率8%以上を掲げ、設備投資額は約10億円としている。

 光学事業(23年3月期売上高計画約40億円)では、自動車の内装照明市場から外装照明、アンビエント照明に向けた技術開発を推進する。医療・ライフサイエンス事業(約15億円)では、診断・治療分野、理化学機器分野、介護・予防分野に向けて制御技術と感性技術を磨く。機能事業(約21億円)では、ビークル分野、エネルギー分野、環境発電分野、スポーツ分野において制御技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。通信事業(約12億円)では、自動認識分野、通信機器分野、センシング分野において、センシング技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。

 22年3月期の中期事業分野別売上高は、光学事業が21年3月期比7.4%増の31億03百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.1%増の12億32百万円、機能事業が22.5%増の21億55百万円、通信事業が15.7%減の5億32百万円だった。主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが5.6%増の28億64百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が3.7%増の11億80百万円、卓球ラケット用ラバーが36.2%増の4億21百万円、そしてRFIDタグ用ゴム製品が34.5%減の3億12百万円だった。

 技術開発では、簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LED、超親水性シリコーンゴム、ウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムなどの開発を推進している。

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 また20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。認証取得も武器として、グローバルな新規顧客開拓と継続した品質改善を加速させる。

 さらに22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。医療品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

■23年3月期2Q累計利益予想を上方修正、通期も上振れの可能性

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比6.1%増の74億54百万円、営業利益が12.5%減の2億55百万円、経常利益が19.8%減の2億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が21.6%減の1億87百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比2.4%減の17億54百万円で、営業利益が9.8%減の70百万円、経常利益が2.6%減の80百万円、親会社株主帰属四半期純利益が12.7%増の69百万円だった。自動車減産による自動車向けゴム製品の受注回復遅れで営業・経常減益だった。親会社株主帰属四半期純利益は特別利益に受取保険金を計上して増益だった。

 工業用ゴム事業は売上高が6.0%減の14億20百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が7.6%減の1億24百万円だった。卓球ラケット用ラバーの好調が続いたが、ASA COLOR LEDやスイッチ製品などの自動車向けゴム製品が中国のロックダウンや半導体不足などの影響で減少した。RFIDタグ用ゴム製品も最終需要地である米国での需要低迷で減少した。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が16.9%増の3億34百万円、セグメント利益が16.1%増の28百万円だった。経済活動の緩やかな回復に伴ってプレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の売上が増加した。

 なお中期事業分野別売上高は、光学事業が19.5%減の6億62百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.9%増の3億52百万円、機能事業が12.1%増の5億95百万円、通信事業が5.2%減の1億44百万円だった。

 第1四半期は営業・経常減益だったが、生産性改善やコスト削減効果で各利益が計画を上回ったため、第2四半期累計予想については売上高を下方修正し、利益予想を上方修正した。修正後の第2四半期累計予想は売上高が前年同期比3.1%減の35億19百万円、営業利益が37.5%減の1億10百万円、経常利益が32.1%減の1億21百万円、親会社株主帰属四半期純利益が26.3%減の1億00百万円とした。前回予想に対して売上高を91百万円下方修正したが、営業利益を51百万円、経常利益を64百万円、親会社株主帰属四半期純利益を63百万円それぞれ上方修正して減益幅が縮小する見込みとした。

 通期予想の連結業績予想は据え置いたが、売上高の計画は内訳を見直して、セグメント別には工業用ゴム事業が6.0%増の61億80百万円、医療・衛生用ゴム事業が6.7%増の12億74百万円、中期事業分野別には光学事業が2.2%減の30億36百万円、医療・ライフサイエンス事業が6.6%増の13億14百万円、機能事業が20.4%増の25億94百万円、通信事業が4.2%減の5億10百万円とした。ASA COLOR LEDが減収見込みだが、医療用ゴム製品、卓球ラケット用ラバーが好調に推移し、RFIDタグ用ゴム製品も回復に向かう見込みとしている。

 通期は自動車減産、原材料価格高騰、withコロナ環境下で活動を広げるための販管費増加などを考慮して減益予想としている。ただし、原材料価格高騰の販売価格への転嫁や原価改善効果などで、通期も上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は反発力が鈍く、地合い悪化も影響して年初来安値圏だが、指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。10月6日の終値は534円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円22銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約25億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月20日更新]

朝日ラバーは調整一巡、23年3月期減益予想だが上振れの可能性

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。23年3月期は原材料価格高騰などで減益予想としているが、生産性改善やコスト削減効果で第2四半期累計利益予想を上方修正している。通期も原材料価格高騰の販売価格への転嫁や原価改善効果などで上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は小幅レンジでモミ合う形だが下値を切り上げている。指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が工業用ゴム事業83%、医療・衛生用ゴム事業17%、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が工業用ゴム事業84%、医療・衛生用ゴム事業16%だった。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LEDなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケットなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、卓球ラケット用ラバーなど)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、ビーコンなど)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 そして最初のステージとなる第13次三カ年中期経営計画では、数値目標に23年3月期売上高80〜90億円、営業利益率8%以上を掲げ、設備投資額は約10億円としている。

 光学事業(23年3月期売上高計画約40億円)では、自動車の内装照明市場から外装照明、アンビエント照明に向けた技術開発を推進する。医療・ライフサイエンス事業(約15億円)では、診断・治療分野、理化学機器分野、介護・予防分野に向けて制御技術と感性技術を磨く。機能事業(約21億円)では、ビークル分野、エネルギー分野、環境発電分野、スポーツ分野において制御技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。通信事業(約12億円)では、自動認識分野、通信機器分野、センシング分野において、センシング技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。

 22年3月期の中期事業分野別売上高は、光学事業が21年3月期比7.4%増の31億03百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.1%増の12億32百万円、機能事業が22.5%増の21億55百万円、通信事業が15.7%減の5億32百万円だった。主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが5.6%増の28億64百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が3.7%増の11億80百万円、卓球ラケット用ラバーが36.2%増の4億21百万円、そしてRFIDタグ用ゴム製品が34.5%減の3億12百万円だった。

 技術開発では、簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LED、超親水性シリコーンゴム、ウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムなどの開発を推進している。

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 また20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。認証取得も武器として、グローバルな新規顧客開拓と継続した品質改善を加速させる。

 さらに22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。医療品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

■23年3月期2Q累計利益予想を上方修正、通期も上振れの可能性

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比6.1%増の74億54百万円、営業利益が12.5%減の2億55百万円、経常利益が19.8%減の2億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が21.6%減の1億87百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比2.4%減の17億54百万円で、営業利益が9.8%減の70百万円、経常利益が2.6%減の80百万円、親会社株主帰属四半期純利益が12.7%増の69百万円だった。自動車減産による自動車向けゴム製品の受注回復遅れで営業・経常減益だった。親会社株主帰属四半期純利益は特別利益に受取保険金を計上して増益だった。

 工業用ゴム事業は売上高が6.0%減の14億20百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が7.6%減の1億24百万円だった。卓球ラケット用ラバーの好調が続いたが、ASA COLOR LEDやスイッチ製品などの自動車向けゴム製品が中国のロックダウンや半導体不足などの影響で減少した。RFIDタグ用ゴム製品も最終需要地である米国での需要低迷で減少した。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が16.9%増の3億34百万円、セグメント利益が16.1%増の28百万円だった。経済活動の緩やかな回復に伴ってプレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の売上が増加した。

 なお中期事業分野別売上高は、光学事業が19.5%減の6億62百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.9%増の3億52百万円、機能事業が12.1%増の5億95百万円、通信事業が5.2%減の1億44百万円だった。

 第1四半期は営業・経常減益だったが、生産性改善やコスト削減効果で各利益が計画を上回ったため、第2四半期累計予想については売上高を下方修正し、利益予想を上方修正した。修正後の第2四半期累計予想は売上高が前年同期比3.1%減の35億19百万円、営業利益が37.5%減の1億10百万円、経常利益が32.1%減の1億21百万円、親会社株主帰属四半期純利益が26.3%減の1億00百万円とした。前回予想に対して売上高を91百万円下方修正したが、営業利益を51百万円、経常利益を64百万円、親会社株主帰属四半期純利益を63百万円それぞれ上方修正して減益幅が縮小する見込みとした。

 通期予想の連結業績予想は据え置いたが、売上高の計画は内訳を見直して、セグメント別には工業用ゴム事業が6.0%増の61億80百万円、医療・衛生用ゴム事業が6.7%増の12億74百万円、中期事業分野別には光学事業が2.2%減の30億36百万円、医療・ライフサイエンス事業が6.6%増の13億14百万円、機能事業が20.4%増の25億94百万円、通信事業が4.2%減の5億10百万円とした。ASA COLOR LEDが減収見込みだが、医療用ゴム製品、卓球ラケット用ラバーが好調に推移し、RFIDタグ用ゴム製品も回復に向かう見込みとしている。

 通期は自動車減産、原材料価格高騰、withコロナ環境下で活動を広げるための販管費増加などを考慮して減益予想としている。ただし、原材料価格高騰の販売価格への転嫁や原価改善効果などで、通期も上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は小幅レンジでモミ合う形だが下値を切り上げている。指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。9月16日の終値は548円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円22銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月24日更新]

朝日ラバーは戻り試す、23年3月期減益予想だが上振れの可能性

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。23年3月期第1四半期は、自動車向けゴム製品の受注回復遅れで営業・経常減益だったが、生産性改善やコスト削減効果で各利益が計画を上回った。そして第2四半期累計利益予想を上方修正した。通期の減益予想を据え置いたが、原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などで通期も上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価はやや小動きだが着実に下値を切り上げている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が工業用ゴム事業83%、医療・衛生用ゴム事業17%、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が工業用ゴム事業84%、医療・衛生用ゴム事業16%だった。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LEDなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケットなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、卓球ラケット用ラバーなど)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、ビーコンなど)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 そして最初のステージとなる第13次三カ年中期経営計画では、数値目標に23年3月期売上高80〜90億円、営業利益率8%以上を掲げ、設備投資額は約10億円としている。

 光学事業(23年3月期売上高計画約40億円)では、自動車の内装照明市場から外装照明、アンビエント照明に向けた技術開発を推進する。医療・ライフサイエンス事業(約15億円)では、診断・治療分野、理化学機器分野、介護・予防分野に向けて制御技術と感性技術を磨く。機能事業(約21億円)では、ビークル分野、エネルギー分野、環境発電分野、スポーツ分野において制御技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。通信事業(約12億円)では、自動認識分野、通信機器分野、センシング分野において、センシング技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。

 22年3月期の中期事業分野別売上高は、光学事業が21年3月期比7.4%増の31億03百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.1%増の12億32百万円、機能事業が22.5%増の21億55百万円、通信事業が15.7%減の5億32百万円だった。主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが5.6%増の28億64百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が3.7%増の11億80百万円、卓球ラケット用ラバーが36.2%増の4億21百万円、そしてRFIDタグ用ゴム製品が34.5%減の3億12百万円だった。

 技術開発では、簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LED、超親水性シリコーンゴム、ウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムなどの開発を推進している。

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 また20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。認証取得も武器として、グローバルな新規顧客開拓と継続した品質改善を加速させる。

 さらに22年7月には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得した。医療品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

■23年3月期2Q累計利益予想を上方修正、通期も上振れの可能性

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比6.1%増の74億54百万円、営業利益が12.5%減の2億55百万円、経常利益が19.8%減の2億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が21.6%減の1億87百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比2.4%減の17億54百万円で、営業利益が9.8%減の70百万円、経常利益が2.6%減の80百万円、親会社株主帰属四半期純利益が12.7%増の69百万円だった。自動車減産による自動車向けゴム製品の受注回復遅れで営業・経常減益だった。親会社株主帰属四半期純利益は特別利益に受取保険金を計上して増益だった。

 工業用ゴム事業は売上高が6.0%減の14億20百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が7.6%減の1億24百万円だった。卓球ラケット用ラバーの好調が続いたが、ASA COLOR LEDやスイッチ製品などの自動車向けゴム製品が中国のロックダウンや半導体不足などの影響で減少した。RFIDタグ用ゴム製品も最終需要地である米国での需要低迷で減少した。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が16.9%増の3億34百万円、セグメント利益が16.1%増の28百万円だった。経済活動の緩やかな回復に伴ってプレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の売上が増加した。

 なお中期事業分野別売上高は、光学事業が19.5%減の6億62百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.9%増の3億52百万円、機能事業が12.1%増の5億95百万円、通信事業が5.2%減の1億44百万円だった。

 第1四半期は営業・経常減益だったが、生産性改善やコスト削減効果で各利益が計画を上回ったため、第2四半期累計予想については売上高を下方修正し、利益予想を上方修正した。修正後の第2四半期累計予想は売上高が前年同期比3.1%減の35億19百万円、営業利益が37.5%減の1億10百万円、経常利益が32.1%減の1億21百万円、親会社株主帰属四半期純利益が26.3%減の1億00百万円とした。前回予想に対して売上高を91百万円下方修正したが、営業利益を51百万円、経常利益を64百万円、親会社株主帰属四半期純利益を63百万円それぞれ上方修正して減益幅が縮小する見込みとした。

 通期予想の連結業績予想は据え置いたが、売上高の計画は内訳を見直して、セグメント別には工業用ゴム事業が6.0%増の61億80百万円、医療・衛生用ゴム事業が6.7%増の12億74百万円、中期事業分野別には光学事業が2.2%減の30億36百万円、医療・ライフサイエンス事業が6.6%増の13億14百万円、機能事業が20.4%増の25億94百万円、通信事業が4.2%減の5億10百万円とした。ASA COLOR LEDが減収見込みだが、医療用ゴム製品、卓球ラケット用ラバーが好調に推移し、RFIDタグ用ゴム製品も回復に向かう見込みとしている。

 通期は自動車減産、原材料価格高騰、withコロナ環境下で活動を広げるための販管費増加などを考慮して減益予想としている。ただし、原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などで、通期も上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価はやや小動きだが着実に下値を切り上げている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。8月23日の終値は547円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円22銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月09日更新]

朝日ラバーは23年3月期2Q累計利益予想を上方修正、通期利益も上振れの可能性

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は8月8日の取引時間終了後に23年3月期第1四半期連結業績を発表した。自動車向けゴム製品の受注回復遅れで営業・経常減益だった。ただし生産性改善やコスト削減効果で各利益が計画を上回ったため第2四半期累計利益予想を上方修正した。通期予想は据え置いたが、原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などで通期も上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は年初来安値圏で小動きだが徐々に下値を切り上げている。第2四半期累計利益予想の上方修正を評価して出直りを期待したい。

■23年3月期1Q営業・経常減益だが2Q累計利益予想を上方修正

 23年3月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比2.4%減の17億54百万円、営業利益が9.8%減の70百万円、経常利益が2.6%減の80百万円、親会社株主帰属四半期純利益が12.7%増の69百万円だった。自動車減産による自動車向けゴム製品の受注回復遅れで営業・経常減益だった。親会社株主帰属四半期純利益は特別利益に受取保険金を計上して増益だった。

 工業用ゴム事業は売上高が6.0%減の14億20百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が7.6%減の1億24百万円だった。卓球ラケット用ラバーの好調が続いたが、ASA COLOR LEDやスイッチ製品などの自動車向けゴム製品が中国のロックダウンや半導体不足などの影響で減少した。RFIDタグ用ゴム製品も最終需要地である米国での需要低迷で減少した。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が16.9%増の3億34百万円、セグメント利益が16.1%増の28百万円だった。経済活動の緩やかな回復に伴ってプレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の売上が増加した。

 なお中期事業分野別売上高は、光学事業が19.5%減の6億62百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.9%増の3億52百万円、機能事業が12.1%増の5億95百万円、通信事業が5.2%減の1億44百万円だった。

 第1四半期は営業・経常減益だったが、生産性改善やコスト削減効果で各利益が計画を上回ったため第2四半期累計の利益予想を上方修正(売上高は下方修正)した。修正後の第2四半期累計予想は売上高が前年同期比3.1%減の35億19百万円、営業利益が37.5%減の1億10百万円、経常利益が32.1%減の1億21百万円、親会社株主帰属四半期純利益が26.3%減の1億00百万円とした。

 前回予想に対して売上高を91百万円下方修正したが、営業利益を51百万円、経常利益を64百万円、親会社株主帰属四半期純利益を63百万円それぞれ上方修正して減益幅が縮小する見込みとした。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比6.1%増の74億54百万円、営業利益が12.5%減の2億55百万円、経常利益が19.8%減の2億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が21.6%減の1億87百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 通期の売上高計画は内訳を見直して、セグメント別には工業用ゴム事業が6.0%増の61億80百万円、医療・衛生用ゴム事業が6.7%増の12億74百万円、中期事業分野別には光学事業が2.2%減の30億36百万円、医療・ライフサイエンス事業が6.6%増の13億14百万円、機能事業が20.4%増の25億94百万円、通信事業が4.2%減の5億10百万円とした。ASA COLOR LEDが減収見込みだが、医療用ゴム製品、卓球ラケット用ラバーが好調に推移し、RFIDタグ用ゴム製品も回復に向かう見込みとしている。

 通期予想は据え置いたが、原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などで通期も上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は年初来安値圏で小動きだが徐々に下値を切り上げている。第2四半期累計利益予想の上方修正を評価して出直りを期待したい。8月8日の終値は545円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円22銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[07月27日更新]

朝日ラバーは下値固め完了、23年3月期減益予想だが保守的

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。7月26日には白河第2工場で医療機器の品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得したと発表している。医療品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。23年3月期は販管費の増加を見込むため減益予想としている。ただし保守的だろう。原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価低減効果などで上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は年初来安値圏で小動きだが下値固め完了感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が工業用ゴム事業83%、医療・衛生用ゴム事業17%、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が工業用ゴム事業84%、医療・衛生用ゴム事業16%だった。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LEDなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケットなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、卓球ラケット用ラバーなど)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、ビーコンなど)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 そして最初のステージとなる第13次三カ年中期経営計画では、数値目標に23年3月期売上高80〜90億円、営業利益率8%以上を掲げ、設備投資額は約10億円としている。

 光学事業(23年3月期売上高計画約40億円)では、自動車の内装照明市場から外装照明、アンビエント照明に向けた技術開発を推進する。医療・ライフサイエンス事業(約15億円)では、診断・治療分野、理化学機器分野、介護・予防分野に向けて制御技術と感性技術を磨く。機能事業(約21億円)では、ビークル分野、エネルギー分野、環境発電分野、スポーツ分野において制御技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。通信事業(約12億円)では、自動認識分野、通信機器分野、センシング分野において、センシング技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。

 22年3月期の中期事業分野別売上高は、光学事業が21年3月期比7.4%増の31億03百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.1%増の12億32百万円、機能事業が22.5%増の21億55百万円、通信事業が15.7%減の5億32百万円だった。主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが5.6%増の28億64百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が3.7%増の11億80百万円、卓球ラケット用ラバーが36.2%増の4億21百万円、そしてRFIDタグ用ゴム製品が34.5%減の3億12百万円だった。

 技術開発では、簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LED、超親水性シリコーンゴム、ウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムなどの開発を推進している。

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 また20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。認証取得も武器として、グローバルな新規顧客開拓と継続した品質改善を加速させる。

 さらに7月26日には、白河第2工場で医療機器に関する国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO13485の認証を取得したと発表している。医療品質を高めて事業拡大を加速させる方針だ。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

■23年3月期減益予想だが保守的

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比6.1%増の74億54百万円、営業利益が12.5%減の2億55百万円、経常利益が19.8%減の2億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が21.6%減の1億87百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 セグメント別売上高の計画は工業用ゴム事業が6.0%増の61億80百万円、医療・衛生用ゴム事業が6.7%増の12億74百万円としている。中期事業分野別売上高の計画は光学事業が11.1%増の32億12百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.0%減の11億82百万円、機能事業が29.1%増の22億71百万円、通信事業が7.1%減の5億86百万円としている。

 中期事業分野別売上高計画は、光学事業が2.2%減の30億36百万円、医療・ライフサイエンス事業が6.6%増の13億14百万円、機能事業が20.4%増の25億94百万円、通信事業が4.2%減の5億10百万円、主要製品の売上高計画は、ASA COLOR LEDが3.4%減の27億66百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が9.3%増の12億90百万円、卓球ラケット用ラバーが35.4%増の5億70百万円、RFIDタグ用ゴム製品が16.0%増の3億62百万円としている。

 下期に経済活動が広がり、市場回復や新規受注で増収を見込むが、withコロナ環境下で活動を広げるため販管費の増加を見込むため減益予想としている。ただし保守的だろう。原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価低減効果などで上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は年初来安値圏で小動きだが下値固め完了感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。7月26日の終値は546円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円22銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月05日更新]

朝日ラバーは切り返しの動き、23年3月期減益予想だが保守的

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。23年3月期は販管費の増加を見込むため減益予想としている。ただし保守的だろう。原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価低減効果などで上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は下値固め完了して切り返しの動きを強めている。週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線を突破した。基調転換を確認した形だ。出直りを期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が工業用ゴム事業83%、医療・衛生用ゴム事業17%、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が工業用ゴム事業84%、医療・衛生用ゴム事業16%だった。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LEDなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケットなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、卓球ラケット用ラバーなど)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、ビーコンなど)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 そして最初のステージとなる第13次三カ年中期経営計画では、数値目標に23年3月期売上高80〜90億円、営業利益率8%以上を掲げ、設備投資額は約10億円としている。

 光学事業(23年3月期売上高計画約40億円)では、自動車の内装照明市場から外装照明、アンビエント照明に向けた技術開発を推進する。医療・ライフサイエンス事業(約15億円)では、診断・治療分野、理化学機器分野、介護・予防分野に向けて制御技術と感性技術を磨く。機能事業(約21億円)では、ビークル分野、エネルギー分野、環境発電分野、スポーツ分野において制御技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。通信事業(約12億円)では、自動認識分野、通信機器分野、センシング分野において、センシング技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。

 22年3月期の中期事業分野別売上高は、光学事業が21年3月期比7.4%増の31億03百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.1%増の12億32百万円、機能事業が22.5%増の21億55百万円、通信事業が15.7%減の5億32百万円だった。主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが5.6%増の28億64百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が3.7%増の11億80百万円、卓球ラケット用ラバーが36.2%増の4億21百万円、そしてRFIDタグ用ゴム製品が34.5%減の3億12百万円だった。

 技術開発では、簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LED、超親水性シリコーンゴム、ウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムなどの開発を推進している。

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 また20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。認証取得も武器として、グローバルな新規顧客開拓と継続した品質改善を加速させる。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

■23年3月期減益予想だが保守的

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比6.1%増の74億54百万円、営業利益が12.5%減の2億55百万円、経常利益が19.8%減の2億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が21.6%減の1億87百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 セグメント別売上高の計画は工業用ゴム事業が6.0%増の61億80百万円、医療・衛生用ゴム事業が6.7%増の12億74百万円としている。中期事業分野別売上高の計画は光学事業が11.1%増の32億12百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.0%減の11億82百万円、機能事業が29.1%増の22億71百万円、通信事業が7.1%減の5億86百万円としている。

 中期事業分野別売上高計画は、光学事業が2.2%減の30億36百万円、医療・ライフサイエンス事業が6.6%増の13億14百万円、機能事業が20.4%増の25億94百万円、通信事業が4.2%減の5億10百万円、主要製品の売上高計画は、ASA COLOR LEDが3.4%減の27億66百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が9.3%増の12億90百万円、卓球ラケット用ラバーが35.4%増の5億70百万円、RFIDタグ用ゴム製品が16.0%増の3億62百万円としている。

 下期に経済活動が広がり、市場回復や新規受注で増収を見込むが、withコロナ環境下で活動を広げるため販管費の増加を見込むため減益予想としている。ただし保守的だろう。原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価低減効果などで上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は切り返しの動き

 株価は下値固め完了して切り返しの動きを強めている。週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線を突破した。基調転換を確認した形だ。出直りを期待したい。7月4日の終値は569円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円22銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約26億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[06月24日更新]

朝日ラバーは下値固め完了、23年3月期減益予想だが保守的

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。23年3月期は販管費の増加を見込むため減益予想としている。ただし保守的だろう。原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価低減効果などで上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が工業用ゴム事業83%、医療・衛生用ゴム事業17%、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が工業用ゴム事業84%、医療・衛生用ゴム事業16%だった。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LEDなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケットなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、卓球ラケット用ラバーなど)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、ビーコンなど)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 そして最初のステージとなる第13次三カ年中期経営計画では、数値目標に23年3月期売上高80〜90億円、営業利益率8%以上を掲げ、設備投資額は約10億円としている。

 光学事業(23年3月期売上高計画約40億円)では、自動車の内装照明市場から外装照明、アンビエント照明に向けた技術開発を推進する。医療・ライフサイエンス事業(約15億円)では、診断・治療分野、理化学機器分野、介護・予防分野に向けて制御技術と感性技術を磨く。機能事業(約21億円)では、ビークル分野、エネルギー分野、環境発電分野、スポーツ分野において制御技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。通信事業(約12億円)では、自動認識分野、通信機器分野、センシング分野において、センシング技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。

 22年3月期の中期事業分野別売上高は、光学事業が21年3月期比7.4%増の31億03百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.1%増の12億32百万円、機能事業が22.5%増の21億55百万円、通信事業が15.7%減の5億32百万円だった。主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが5.6%増の28億64百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が3.7%増の11億80百万円、卓球ラケット用ラバーが36.2%増の4億21百万円、そしてRFIDタグ用ゴム製品が34.5%減の3億12百万円だった。

 技術開発では、簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LED、超親水性シリコーンゴム、ウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムなどの開発を推進している。

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 また20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。認証取得も武器として、グローバルな新規顧客開拓と継続した品質改善を加速させる。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

■23年3月期減益予想だが保守的

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比6.1%増の74億54百万円、営業利益が12.5%減の2億55百万円、経常利益が19.8%減の2億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が21.6%減の1億87百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 セグメント別売上高の計画は工業用ゴム事業が6.0%増の61億80百万円、医療・衛生用ゴム事業が6.7%増の12億74百万円としている。中期事業分野別売上高の計画は光学事業が11.1%増の32億12百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.0%減の11億82百万円、機能事業が29.1%増の22億71百万円、通信事業が7.1%減の5億86百万円としている。

 中期事業分野別売上高計画は、光学事業が2.2%減の30億36百万円、医療・ライフサイエンス事業が6.6%増の13億14百万円、機能事業が20.4%増の25億94百万円、通信事業が4.2%減の5億10百万円、主要製品の売上高計画は、ASA COLOR LEDが3.4%減の27億66百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が9.3%増の12億90百万円、卓球ラケット用ラバーが35.4%増の5億70百万円、RFIDタグ用ゴム製品が16.0%増の3億62百万円としている。

 下期に経済活動が広がり、市場回復や新規受注で増収を見込むが、withコロナ環境下で活動を広げるため販管費の増加を見込むため減益予想としている。ただし保守的だろう。原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価低減効果などで上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。6月23日の終値は531円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円22銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[06月02日更新]

朝日ラバーは反発の動き、23年3月期減益予想だが保守的

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。22年3月期は自動車向けゴム製品の需要回復や卓球ラケット用ラバーの増加などで営業黒字転換した。23年3月期は販管費の増加を見込むため減益予想としている。ただし保守的だろう。原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価低減効果などで上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は5月の年初来安値圏から切り返して反発の動きを強めている。底打ちして出直りを期待したい。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

 22年3月期のセグメント別構成比は、売上高が工業用ゴム事業83%、医療・衛生用ゴム事業17%、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が工業用ゴム事業84%、医療・衛生用ゴム事業16%だった。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

 2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

 中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LEDなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケットなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、卓球ラケット用ラバーなど)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、ビーコンなど)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

 そして最初のステージとなる第13次三カ年中期経営計画では、数値目標に23年3月期売上高80〜90億円、営業利益率8%以上を掲げ、設備投資額は約10億円としている。

 光学事業(23年3月期売上高計画約40億円)では、自動車の内装照明市場から外装照明、アンビエント照明に向けた技術開発を推進する。医療・ライフサイエンス事業(約15億円)では、診断・治療分野、理化学機器分野、介護・予防分野に向けて制御技術と感性技術を磨く。機能事業(約21億円)では、ビークル分野、エネルギー分野、環境発電分野、スポーツ分野において制御技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。通信事業(約12億円)では、自動認識分野、通信機器分野、センシング分野において、センシング技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。

 22年3月期の中期事業分野別売上高は、光学事業が21年3月期比7.4%増の31億03百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.1%増の12億32百万円、機能事業が22.5%増の21億55百万円、通信事業が15.7%減の5億32百万円だった。主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが5.6%増の28億64百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が3.7%増の11億80百万円、卓球ラケット用ラバーが36.2%増の4億21百万円、そしてRFIDタグ用ゴム製品が34.5%減の3億12百万円だった。

 技術開発では、簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LED、超親水性シリコーンゴム、ウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムなどの開発を推進している。

 20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

 20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

 また20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。認証取得も武器として、グローバルな新規顧客開拓と継続した品質改善を加速させる。

■SDGsへの取り組みを強化

 21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

■22年3月期営業黒字転換、23年3月期減益予想だが保守的

 22年3月期の連結業績(収益認識会計基準適用だが利益への影響なし)は、売上高が21年3月期比8.3%増の70億24百万円、営業利益が2億91百万円の黒字(21年3月期は92百万円の赤字)、経常利益が3億13百万円の黒字(同18百万円の黒字)、親会社株主帰属当期純利益が2.1倍の2億38百万円だった。配当は10円増配の20円(期末一括)とした。収益認識会計基準適用の影響として、従来方法に比べて売上高と売上原価がそれぞれ80百万円減少したが、利益への影響はなかった。

 自動車向けゴム製品は半導体不足・部品調達難に伴う自動車減産の影響で期後半にかけて鈍化傾向となったが、前期比では自動車向けゴム製品の需要回復や卓球ラケット用ラバーの増加などで営業黒字転換した。経常利益と親会社株主帰属当期純利益は大幅増益だった。売上総利益率は4.8ポイント上昇して24.1%となった。

 工業用ゴム事業は売上高が9.3%増の58億30百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が4.4倍の5億29百万円だった。RFIDタグ用ゴム製品は経済環境や生産調整の影響で減収だが、ASA COLOR LEDなどの自動車向けゴム製品や卓球ラケット用ラバーの需要が増加した。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が3.6%増の11億93百万円だが、セグメント利益が12.4%減の98百万円だった。プレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の需要が回復傾向となったが、原材料価格高騰の影響で減益だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が17億97百万円で営業利益が78百万円、第2四半期は売上高が18億35百万円で営業利益が98百万円、第3四半期は売上高が16億47百万円で営業利益が82百万円、第4四半期は売上高が17億45百万円で営業利益が33百万円だった。

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比6.1%増の74億54百万円、営業利益が12.5%減の2億55百万円、経常利益が19.8%減の2億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が21.6%減の1億87百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 セグメント別売上高の計画は工業用ゴム事業が6.0%増の61億80百万円、医療・衛生用ゴム事業が6.7%増の12億74百万円としている。中期事業分野別売上高の計画は光学事業が11.1%増の32億12百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.0%減の11億82百万円、機能事業が29.1%増の22億71百万円、通信事業が7.1%減の5億86百万円としている。

 中期事業分野別売上高計画は、光学事業が2.2%減の30億36百万円、医療・ライフサイエンス事業が6.6%増の13億14百万円、機能事業が20.4%増の25億94百万円、通信事業が4.2%減の5億10百万円、主要製品の売上高計画は、ASA COLOR LEDが3.4%減の27億66百万円、ディスポーザブル用ゴム製品が9.3%増の12億90百万円、卓球ラケット用ラバーが35.4%増の5億70百万円、RFIDタグ用ゴム製品が16.0%増の3億62百万円としている。

 下期に経済活動が広がり、市場回復や新規受注で増収を見込むが、withコロナ環境下で活動を広げるため販管費の増加を見込むため減益予想としている。ただし保守的だろう。原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価低減効果などで上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は5月の年初来安値圏から切り返して反発の動きを強めている。底打ちして出直りを期待したい。6月1日の終値は540円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円22銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[05月13日更新]

朝日ラバーは22年3月期営業黒字転換、23年3月期減益予想だが保守的

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は、5月12日の取引時間終了後に22年3月期連結業績を発表した。自動車向けゴム製品の需要回復や卓球ラケット用ラバーの増加などで営業黒字転換した。23年3月期は半導体不足・部品調達難に伴う自動車減産や原材料価格高騰の影響などを考慮して減益予想としているが、やや保守的だろう。原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁などで上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化の影響で年初来安値圏だ。目先的には23年3月期減益予想を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。

■22年3月期営業黒字転換、23年3月期減益予想だが保守的

 22年3月期の連結業績(収益認識会計基準適用だが利益への影響なし)は、売上高が21年3月期比8.3%増の70億24百万円、営業利益が2億91百万円の黒字(21年3月期は92百万円の赤字)、経常利益が3億13百万円の黒字(同18百万円の黒字)、親会社株主帰属当期純利益が2.1倍の2億38百万円だった。配当は10円増配の20円(期末一括)とした。収益認識会計基準適用の影響として、従来方法に比べて売上高と売上原価がそれぞれ80百万円減少したが、利益への影響はなかった。

 自動車向けゴム製品は半導体不足・部品調達難に伴う自動車減産の影響で期後半にかけて鈍化傾向となったが、前期比では自動車向けゴム製品の需要回復や卓球ラケット用ラバーの増加などで営業黒字転換した。経常利益と親会社株主帰属当期純利益は大幅増益だった。売上総利益率は4.8ポイント上昇して24.1%となった。

 工業用ゴム事業は売上高が9.3%増の58億30百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が4.4倍の5億29百万円だった。RFIDタグ用ゴム製品は経済環境や生産調整の影響で減収だが、ASA COLOR LEDなどの自動車向けゴム製品や卓球ラケット用ラバーの需要が増加した。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が3.6%増の11億93百万円だが、セグメント利益が12.4%減の98百万円だった。プレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の需要が回復傾向となったが、原材料価格高騰の影響で減益だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が17億97百万円で営業利益が78百万円、第2四半期は売上高が18億35百万円で営業利益が98百万円、第3四半期は売上高が16億47百万円で営業利益が82百万円、第4四半期は売上高が17億45百万円で営業利益が33百万円だった。

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比6.1%増の74億54百万円、営業利益が12.5%減の2億55百万円、経常利益が19.8%減の2億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が21.6%減の1億87百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 通期のセグメント別売上高の計画は工業用ゴム事業が14.1%増の60億90百万円、医療・衛生用ゴム事業は0.9%増の11億62百万円、中期事業分野別売上高の計画は光学事業が11.1%増の32億12百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.0%減の11億82百万円、機能事業が29.1%増の22億71百万円、通信事業が7.1%減の5億86百万円としている。

 半導体不足・部品調達難に伴う自動車減産や原材料価格高騰の影響などを考慮して減益予想としているが、やや保守的だろう。原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁などで上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は地合い悪化の影響で年初来安値圏だ。目先的には23年3月期減益予想を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。5月12日の終値は539円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円22銭で算出)は約13倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[04月28日更新]

朝日ラバーは調整一巡、積極的な事業展開で23年3月期収益拡大基調

朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は自動車内装LED照明光源カラーキャップを主力として、医療・ライフサイエンスや通信分野の事業拡大も推進している。22年3月期は自動車向けゴム製品の需要回復や、卓球ラケット用ラバーの増加などで大幅増収増益予想としている。原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁も進展しているもようであり、23年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く安値圏でモミ合う展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。なお5月12日に22年3月期決算発表を予定している。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。車載用LED照明の光源カラーキャップASA COLOR LEDなどを主力としている。

21年3月期のセグメント別売上構成比は工業用ゴム事業が82%、医療・衛生用ゴム事業が18%、営業利益構成比(調整前)は工業用ゴム事業が52%、医療・衛生用ゴム事業が48%だった。また主要製品の売上高は、ASA COLOR LEDが27億12百万円、医療用ゴム製品が11億38百万円、卓球ラケット用ラバーが3億09百万円、RFIDタグ用ゴム製品が4億76百万円だった。

■重点分野は光学、医療・ライフサイエンス、機能、通信

2030年を見据えた長期ビジョンを「AR−2030VISION」として、SDGs・ESG経営を意識して経営基盤強化を目指している。

中期事業分野を、光学事業(ASA COLOR LEDなど)、医療・ライフサイエンス事業(薬液混注用ゴム栓、プレフィルドシリンジ用ガスケットなど)、機能事業(車載スイッチ用ラバー、卓球ラケット用ラバーなど)、通信事業(RFIDタグ用ゴム製品、ビーコンなど)として、それぞれの製品群を成長させるコア技術や工場の役割を整理し、これまで整えてきた生産環境を最大限に生かす取り組みを推進する。

そして最初のステージとなる第13次三カ年中期経営計画では、数値目標に23年3月期売上高80〜90億円、営業利益率8%以上を掲げ、設備投資額は約10億円としている。

光学事業(23年3月期売上高計画約40億円)では、自動車の内装照明市場から外装照明、アンビエント照明に向けた技術開発を推進する。医療・ライフサイエンス事業(約15億円)では、診断・治療分野、理化学機器分野、介護・予防分野に向けて制御技術と感性技術を磨く。機能事業(約21億円)では、ビークル分野、エネルギー分野、環境発電分野、スポーツ分野において制御技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。通信事業(約12億円)では、自動認識分野、通信機器分野、センシング分野において、センシング技術、触覚・熱・振動・光関連技術、感性技術を磨く。

なお21年3月期の中期事業分野別の売上高は、光学事業が28億90百万円、医療・ライフサイエンス事業が12億06百万円、機能事業が17億59百万円、通信事業が6億31百万円だった。

技術開発では、簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LED、超親水性シリコーンゴム、ウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムなどの開発を推進している。

20年1月には、切り紙構造とゴムの複合により低応力で伸長し、耐久性に優れた新しい伸縮配線の開発を発表した。ゴムの復元力と立体的な構造によって生体センシング分野での活用が見込まれ、早稲田大学と北里大学の共同研究で発表されたウェアラブル筋電計測デバイスの一部に採用された。20年10月にはレンズの光学設計受託ビジネス開始を発表した。

20年11月には独自の配合技術と表面改質およびマイクロ加工技術を活かして、シリコーンゴムに親水性に優れた処理を施す技術の開発を発表した。またウイルス不活性化のための深紫外線LEDシステムの研究開発および実証実験が、さいたま市令和2年度イノベーション技術創出支援補助金に採択された。

また20年11月には、白河工場が自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得した。認証取得も武器として、グローバルな新規顧客開拓と継続した品質改善を加速させる。

■SDGsへの取り組みを強化

21年8月には「サステナビリティビジョン2030」を策定した。SDGsへの取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する。

21年12月には、福島県にある生産4拠点の購入電力をCO2フリー電力に転換した。年間約3000tの温室効果ガス排出削減を見込んでいる。また、みずほ銀行のホームページに、SDGs推進サポートローン実行事例として、同社の取り組みが紹介された。

■22年3月期大幅増収増益予想、23年3月期も収益拡大基調

22年3月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用だが利益への影響軽微、21年8月6日に上方修正)は、売上高が21年3月期比11.8%増の72億52百万円、営業利益が3億21百万円の黒字(21年3月期は92百万円の赤字)、経常利益が3億11百万円の黒字(同18百万円の黒字)、親会社株主帰属当期純利益が2.1倍の2億36百万円としている。配当予想は10円増配の20円(期末一括)としている。

通期の売上高の計画は、セグメント別では工業用ゴム事業が14.1%増の60億90百万円、医療・衛生用ゴム事業が0.9%増の11億62百万円、中期事業分野別では光学事業が11.1%増の32億12百万円、医療・ライフサイエンス事業が2.0%減の11億82百万円、機能事業が29.1%増の22億71百万円、通信事業が7.1%減の5億86百万円、また主要製品別ではASA COLOR LEDが10.6%増の29億99百万円、医療用ゴム製品が7.3%減の10億55百万円、卓球ラケット用ラバーが23.3%増の3億81百万円、RFIDタグ用ゴム製品が19.3%減の3億84百万円としている。

第3四半期累は売上高が前年同期比14.9%増の52億79百万円、営業利益が2億58百万円の黒字(前年同期は1億60百万円の赤字)、経常利益が2億63百万円の黒字(同97百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が7.0倍の2億01百万円だった。収益認識会計基準適用の影響として、従来方法に比べて売上高と売上原価がそれぞれ56百万円減少したが、利益への影響はなかった。

自動車向けゴム製品は半導体不足・部品調達難に伴う自動車減産の影響で鈍化傾向だが、累計ベースの前年比では需要回復で増収だった。さらに卓球ラケット用ラバーの増加も寄与して大幅増収となり、増収効果で営業利益と経常利益が黒字転換、親会社株主帰属四半期純利益が大幅増益だった。売上総利益率は6.6ポイント上昇して24.5%、販管費比率は1.8ポイント低下して19.6%となった。

工業用ゴム事業は売上高が18.9%増の43億95百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が4億44百万円(同35百万円の赤字)だった。RFIDタグ用ゴム製品は経済環境や生産調整の影響で減収だが、ASA COLOR LEDなどの自動車向けゴム製品や卓球ラケット用ラバーの需要が増加した。

医療・衛生用ゴム事業は売上高が1.6%減の8億84百万円、利益が44.8%減の64百万円だった。コロナ禍の影響でプレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の清算調整が継続した。

中期事業分野別の売上高実績は、光学事業が19.8%増の23億76百万円、医療・ライフサイエンス事業が1.7%減の9億03百万円、機能事業が33.1%増の16億11百万円、通信事業が19.3%減の3億88百万円だった。

四半期別に見ると、第1四半期は売上高が17億97百万円で営業利益が78百万円、第2四半期は売上高が18億35百万円で営業利益が98百万円、第3四半期は売上高が16億47百万円で営業利益が82百万円だった。

通期ベースでも自動車向けゴム製品の需要回復や、卓球ラケット用ラバーの増加などで大幅増収増益予想としている。半導体・部品供給不足による自動車減産、原材料価格高騰などの不透明感を考慮して通期予想を据え置いているが、第3四半期累計の進捗率は売上高72.8%、営業利益80.4%、経常利益84.6%、親会社株主帰属当期純利益85.2%と順調だった。原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁も進展しているもようであり、23年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く安値圏でモミ合う展開だが、指標面の割安感も評価材料であり調整一巡して出直りを期待したい。4月27日の終値は541円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS52円02銭で算出)は約10倍、前期推定配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS976円73銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR


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