[6070]キャリアリンク
[6月15日更新]

キャリアリンクは19年2月期減益予想の織り込み完了して出直り期待

 キャリアリンク<6070>(東1)は「チーム派遣」を強みとする総合人材サービス企業である。19年2月期減益予想だが、BPO関連事業が牽引して中期成長を期待したい。株価は19年2月期減益予想の織り込みが完了して徐々に下値を切り上げている。出直りを期待したい。なお7月6日に第1四半期決算の発表を予定している。

■BPO関連事業が主力の総合人材サービス企業

 官公庁・地方公共団体・民間企業向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業を主力として、企業等のコンタクトセンター(コールセンター)向けCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業、製造・物流分野の製造系人材サービス事業、一般事務職分野の一般事務事業など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開している。

 18年2月期(製造系人材サービス事業を新設子会社キャリアリンクファクトリーに事業承継して18年2月期から連結決算に移行)のセグメント別別売上高構成比は事務系人材サービス事業85%、製造系人材サービス事業15%である。

 18年3月、だいこう証券ビジネス(DSB)<8692>と資本業務提携に関する基本合意書を締結し、DBSの子会社ジャパン・ビジネス・サービス(JBS)の全株式を取得して子会社化した。

■顧客企業の業務効率化を実現する「チーム派遣」に強み

 顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負を特徴としている。特にBPO関連事業では、顧客企業の業務効率化や業務処理品質向上を実現するために「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成した「チーム派遣」を強みとしている。顧客にとっては、自社による導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、発注から短期間で大量業務処理の稼働開始が可能になるというメリットもある。

 また1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることも強みだ。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築しており、こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えている。

■19年2月期減益予想だが中期成長期待

 19年2月期の連結業績予想は、売上高が18年2月期比31.0%増の219億68百万円、営業利益が13.6%減の4億76百万円、経常利益が2.7%減の5億91百万円、純利益が12.2%減の3億63百万円としている。配当予想は18年2月期と同額の年間10円(期末一括)で、配当性向は33.6%となる。

 売上面では、既存の民間企業向けBPO大型プロジェクト案件の一つで業務処理量が一段と減少し、臨時給付金関連案件の受注も減少するが、民間BPO案件の新規受注、ジャパン・ビジネス・サービス(JBS)の新規連結、だいこう証券ビジネス(DSB)との資本業務提携効果などで大幅増収予想である。利益面では、新規受注案件の利益率が当面の間、受注高が減少する既存の民間企業向けBPO大型プロジェクト案件の利益率に及ばないため、減益予想としている。

 19年2月期は減益予想だが、BPO関連事業が牽引して中期成長を期待したい。

■BPO関連事業が成長エンジン、M&Aによる領域拡大も推進

 中期経営計画(ローリング方式、18年2月期〜20年2月期)では、BPO関連事業を成長エンジンとした成長戦略を加速させる方針を掲げ、営業戦略の基本を大型BPO案件の獲得による売上規模拡大、企画提案力・運用力の強化とチーム派遣の拡大、M&AによるBPO関連事業の領域拡大としている。

 目標数値には、20年2月期売上高268億円(BPO関連事業186億円、CRM関連事業30億円、一般事務事業6億円、製造系人材サービス事業45億円)、営業利益14億40百万円、経常利益14億30百万円、純利益9億60百万円を掲げている。

 BPO関連事業は高品質なBPOサービスにより顧客満足度No.1のBPOを実現する。CRM関連事業は高付加価値な提案により、BPO化につなげていく。一般事務事業は高利益案件の周辺業務を取り込み、BPO化を推進する。製造系人材サービス事業は、人材が払底する製造マーケットで強力な供給を実現する方針だ。

■株主還元は総合利回りの向上を目指す

 株主還元については、現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を基本方針としている。株主優待制度は毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、保有株式数に応じてオリジナルQUOカードを贈呈している。

■株価は出直り期待

 株価は安値圏500円台でモミ合う形だが、2月安値534円を割り込むことなく徐々に下値を切り上げている。19年2月期減益予想の織り込みは完了しているようだ。

 6月14日の終値563円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS29円79銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS271円99銭で算出)は約2.1倍である。時価総額は約71億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。出直りを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月20日更新]

キャリアリンクは下値固め完了感、19年2月期収益改善期待

 キャリアリンク<6070>(東1)は「チーム派遣」を強みとする総合人材サービス企業である。18年2月期は減益予想だが、BPO関連事業部門が牽引して19年2月期は収益改善、そして中期的に収益拡大が期待される。株価は下値固め完了感を強めている。自己株式取得も評価材料だろう。なお4月13日に18年2月期決算発表を予定している。
 
■BPO関連事業部門が主力の総合人材サービス企業
 
 官公庁・地方公共団体・民間企業向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業部門を主力として、企業等のコンタクトセンター(コールセンター)向けCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業部門、製造・物流分野の製造系人材サービス事業、一般事務職分野の一般事務事業部門など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開している。
 
 17年2月期の事業別売上高構成比はBPO関連事業部門66.1%、CRM関連事業部門15.7%、製造系人材サービス事業11.5%、一般事務事業6.7%だった。なお製造系人材サービス事業を新設子会社キャリアリンクファクトリーに事業承継し、18年2月期から連結決算に移行した。これに伴って報告セグメントは、事務系人材サービス事業および製造系人材サービス事業とした。
 
 18年1月には、だいこう証券ビジネス(DSB)<8692>の完全子会社ジャパン・ビジネス・サービス(JBS)の株式100%取得(3月31日予定)による子会社化、およびDSBとの資本業務提携に関する基本合意書締結を発表した。
 
■顧客企業の業務効率化を実現する「チーム派遣」に強み
 
 顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負を特徴としている。特にBPO関連事業部門では、顧客企業の業務効率化や業務処理品質向上を実現するために「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成した「チーム派遣」を強みとしている。顧客にとっては、自社による導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、発注から短期間で大量業務処理の稼働開始が可能になるというメリットもある。
 
 また1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることも強みだ。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築しており、こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えている。
 
■18年2月期減益予想だが19年2月期収益改善期待
 
 18年2月期連結業績予想(1月12日に減額修正)は、17年2月期非連結業績との比較で、売上高が8.9%減の168億17百万円、営業利益が46.5%減の5億35百万円、経常利益が40.2%減の5億94百万円、純利益が41.9%減の3億73百万円としている。配当予想は17年2月期と同額の年間10円(期末一括)で、予想配当性向は33.5%となる。
 
 第3四半期累計は前年同期の非連結業績との比較で、売上高が8.8%減の127億83百万円、営業利益が38.8%減の4億58百万円、経常利益が33.3%減の4億96百万円、純利益が30.0%減の3億36百万円だった。民間企業向けBPOプロジェクト大型案件の一つで業務処理量が想定以上に縮小した影響で減収減益だった。
 
 事務系人材サービス事業は売上高が108億68百万円(BPO関連事業部門が88億49百万円、CRM関連事業部門が13億85百万円、一般事務事業部門が6億34百万円)で営業利益が4億22百万円、製造系人材サービス事業は売上高が19億14百万円で営業利益が35百万円だった。
 
 18年2月期は通期ベースでもBPOプロジェクト大型案件の一つで業務処理量が想定以上に縮小した影響で減益予想だが、19年2月期は収益改善が期待される。BPO関連事業部門における取引自治体数拡大、アライアンス戦略の強化などで収益改善が期待される。
 
■BPO関連事業部門が成長エンジン、M&Aによる領域拡大も推進
 
 中期経営計画(ローリング方式、18年2月期〜20年2月期)では、BPO関連事業部門を成長エンジンとした成長戦略を加速させる方針を掲げ、営業戦略の基本を大型BPO案件の獲得による売上規模拡大、企画提案力・運用力の強化とチーム派遣の拡大、M&AによるBPO関連事業部門の領域拡大としている。
 
 目標数値には、20年2月期売上高268億円(BPO関連事業部門186億円、CRM関連事業部門30億円、一般事務事業部門6億円、製造系人材サービス事業45億円)、営業利益14億40百万円、経常利益14億30百万円、純利益9億70百万円を掲げている。
 
 BPO関連事業部門は高品質なBPOサービスにより顧客満足度No.1のBPOを実現する。CRM関連事業部門は高付加価値な提案により、BPO化につなげていく。一般事務事業部門は高利益案件の周辺業務を取り込み、BPO化を推進する。製造系人材サービス事業は、人材が払底する製造マーケットで強力な供給を実現する方針だ。
 
 中期的に事業環境は良好である。官公庁・地方公共団体関連では財政健全化に向けた費用抑制の流れ、サービス向上や業務効率化のニーズ増大も背景として、官から民間への業務委託・移管の増加が予想されている。民間企業関連ではコア事業への経営資源集中や固定費の変動費化の流れも背景として、業務のアウトソーシング化が一段と増加すると予想されている。
 
 人件費・採用費・教育研修費の増加への対応、人材の採用・開発および早期収益化が課題となるが、研修課や人材開発部の新体制で研修や人材開発を強化する方針だ。BPO関連事業部門が牽引して中期的に収益拡大が期待される。
 
■株主還元は総合利回りの向上を目指す
 
 株主還元については、現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を基本方針としている。株主優待制度は毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、保有株式数に応じてQUOカードを贈呈している。
 
■株価は下値固め完了感
 
 1月12日発表した自己株式取得(取得株式総数の上限37万7000株、取得価額総額の上限2億36百万円、取得期間18年1月15日〜18年6月29日)は、18年2月28日時点の累計で取得株式総数17万8200株となった。
 
 株価は安値圏550円〜600円近辺でモミ合う形だが、17年4月の昨年来安値510円まで下押すことなく、下値固め完了感を強めている。
 
 3月19日の終値556円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想連結EPS29円85銭で算出)は18〜19倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.8%近辺、前々期実績PBR(前々期実績BPS254円44銭で算出)は2.2倍近辺である。時価総額は約70億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、540円近辺が下値支持線の形だ。下値固め完了して反発が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[1月30日更新]

キャリアリンクは下値固め完了、18年2月期減益予想だが19年2月期は収益改善期待、自己株式取得も評価

 キャリアリンク<6070>(東1)は「チーム派遣」を強みとする総合人材サービス企業である。18年2月期は減益予想だが、19年2月期は収益改善が期待される。BPO関連事業部門が牽引して中期成長シナリオに変化はないだろう。株価は下値固め完了し、自己株式取得も評価して出直りが期待される。
 
■BPO関連事業部門が主力の総合人材サービス企業
 
 官公庁・地方公共団体・民間企業向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業部門を主力として、企業等のコンタクトセンター(コールセンター)向けCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業部門、製造・物流分野の製造系人材サービス事業、一般事務職分野の一般事務事業部門など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開している。
 
 17年2月期の事業別売上高構成比はBPO関連事業部門66.1%、CRM関連事業部門15.7%、製造系人材サービス事業11.5%、一般事務事業部門6.7%だった。
 
 製造系人材サービス事業を新設子会社キャリアリンクファクトリーに事業承継し、18年2月期から連結決算に移行した。これに伴って報告セグメントは、事務系人材サービス事業および製造系人材サービス事業とした。
 
 なお1月12日には、だいこう証券ビジネス(DSB)<8692>の完全子会社ジャパン・ビジネス・サービス(JBS)の株式100%取得による子会社化、およびDSBとの資本業務提携に関する基本合意書締結を発表した。株式取得日は3月31日予定である。
 
■顧客企業の業務効率化を実現する「チーム派遣」に強み
 
 顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負を特徴としている。特にBPO関連事業部門では、顧客企業の業務効率化や業務処理品質向上を実現するために「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成した「チーム派遣」を強みとしている。顧客にとっては、自社による導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、発注から短期間で大量業務処理の稼働開始が可能になるというメリットもある。
 
 また1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることも強みだ。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築しており、こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えている。
 
■18年2月期3Q累計は減収減益
 
 今期(18年2月期)第3四半期累計の連結業績は、前年同期の非連結業績との比較で、売上高が8.8%減の127億83百万円となり、営業利益が38.8%減の4億58百万円、経常利益が33.3%減の4億96百万円、純利益が29.9%減の3億36百万円だった。民間企業向けBPOプロジェクト大型案件の一つで業務処理量が想定以上に縮小した影響で減収減益だった。
 
 事務系人材サービス事業は売上高が108億68百万円(BPO関連事業部門が88億49百万円、CRM関連事業部門が13億85百万円、一般事務事業部門が6億34百万円)で営業利益が4億22百万円、製造系人材サービス事業は売上高が19億14百万円で営業利益が35百万円だった。
 
■18年2月期減益予想だが19年2月期は収益改善期待
 
 今期(18年2月期)通期の連結業績予想は1月12日に減額修正した。売上高は前期(17年2月期の非連結業績)比8.9%減の168億17百万円、営業利益は46.5%減の5億35百万円、経常利益は40.2%減の5億94百万円、純利益は41.9%減の3億73百万円とした。配当予想は据え置いて17年2月期と同額の年間10円(期末一括)としている。予想配当性向は33.5%となる。
 
 BPO関連事業部門における取引自治体数拡大、中央官庁大型案件の受注強化、恒常的公共サービス領域への展開、競争力・利益率向上とナレッジ化推進、金融業界の多様なアウトソーシングニーズの大型案件への昇華、アライアンス戦略の強化、SVやコアOPの戦略的配置による取引拡大加速、ISO9001認証取得による更なる運用力の強化、自社コンタクトセンターの活用などの施策を推進し、19年2月期は収益改善が期待される。
 
■BPO関連事業部門が成長エンジン、M&Aによる領域拡大も推進
 
 中期経営計画(ローリング方式、18年2月期〜20年2月期)では、BPO関連事業部門を成長エンジンとした成長戦略を加速させる方針を掲げ、営業戦略の基本を大型BPO案件の獲得による売上規模拡大、企画提案力・運用力の強化とチーム派遣の拡大、M&AによるBPO関連事業部門の領域拡大としている。
 
 目標数値には、20年2月期売上高268億円(BPO関連事業部門186億円、CRM関連事業部門30億円、一般事務事業部門6億円、製造系人材サービス事業45億円)、営業利益14億40百万円、経常利益14億30百万円、純利益9億70百万円を掲げている。
 
 BPO関連事業部門は高品質なBPOサービスにより顧客満足度No.1のBPOを実現する。CRM関連事業部門は高付加価値な提案により、BPO化につなげていく。一般事務事業部門は高利益案件の周辺業務を取り込み、BPO化を推進する。製造系人材サービス事業は、人材が払底する製造マーケットで強力な供給を実現する方針だ。
 
■中期成長シナリオに変化なし
 
 中期的に事業環境は良好である。官公庁・地方公共団体関連では財政健全化に向けた費用抑制の流れ、サービス向上や業務効率化のニーズ増大も背景として、官から民間への業務委託・移管の増加が予想されている。民間企業関連ではコア事業への経営資源集中や固定費の変動費化の流れも背景として、業務のアウトソーシング化が一段と増加すると予想されている。
 
 人件費・採用費・教育研修費の増加への対応、人材の採用・開発および早期収益化が課題となるが、研修課や人材開発部の新体制で研修や人材開発を強化する方針だ。BPO関連事業部門が牽引して中期成長シナリオに変化はないだろう。
 
■株主還元は総合利回りの向上を目指す
 
 株主還元については基本方針として、現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を目指している。
 
 株主優待制度は毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。優待内容は100株以上〜200株未満保有株主に対してQUOカード500円分、200株以上〜500株未満保有株主に対してQUOカード1000円分、500株以上保有株主に対してQUOカード2000円分を贈呈する。
 
■株価は下値固め完了して出直り期待
 
 1月12日に自己株式取得を発表した。取得株式総数の上限37万7000株、取得価額総額の上限2億36百万円、取得期間18年1月15日〜18年6月29日としている。
 
 株価は安値圏550円〜600円近辺でモミ合う形だが、1月26日には612円まで上伸して下値固め完了感を強めている。
 
 1月29日の終値599円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS29円85銭で算出)は20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.7%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS254円44銭で算出)は2.4倍近辺である。時価総額は約75億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線を突破し、さらに13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いて先高観を強めている。出直りが期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)

[07月27日更新]

キャリアリンクは18年2月期減益予想だが中期成長シナリオに変化なし

 キャリアリンク<6070>(東1)は「チーム派遣」を強みとする総合人材サービス企業である。18年2月期(連結決算に移行)第1四半期は実質減収減益で、通期も新たな大型案件に取り組むため利益率が低下して実質減益予想だが、BPO関連事業が牽引して中期成長シナリオに変化はないだろう。株価は調整一巡して出直り展開が期待される。

■BPO関連事業が主力の総合人材サービス企業

 官公庁・地方公共団体・民間企業向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業を主力として、企業等のコンタクトセンター(コールセンター)向けCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業、製造・物流分野の製造系人材サービス事業、一般事務職分野の一般事務事業など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開している。

 17年2月期の事業別売上高構成比はBPO関連事業66.1%、CRM関連事業15.7%、製造系人材サービス事業11.5%、一般事務事業6.7%だった。

 なお17年6月1日付で製造系人材サービス事業を新設の子会社キャリアリンクファクトリーに事業承継した。BPO関連事業とは異なる事業構造のため分社化して競争力を強化する。これに伴って18年2月期から連結決算に移行し、報告セグメントを事務系人材サービス事業、および製造系人材サービス事業とする。

■顧客企業の業務効率化を実現する「チーム派遣」に強み

 顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負を特徴としている。特にBPO関連事業では、顧客企業の業務効率化や業務処理品質向上を実現するために「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成した「チーム派遣」を強みとしている。顧客にとっては、自社による導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、発注から短期間で大量業務処理の稼働開始が可能になるというメリットもある。

 また1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることも強みだ。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築しており、こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えている。

 中期成長戦略として、BPO関連事業では官公庁・地方公共団体関連の大型特需案件や成長市場である民間BPO案件の受注拡大、高品質で顧客満足度の高いBPOサービス提供の強化、M&Aも活用したBPO関連事業の領域拡大、CRM関連事業や製造技術系事業では高利益案件をメインターゲットとした受注活動の強化、そして業容拡大に向けた人材採用・育成の強化を推進している。

■18年2月期(連結決算へ移行)第1四半期は実質減収減益

 今期(18年2月期、連結決算へ移行)第1四半期(3月〜5月)の連結業績は売上高が44億49百万円、営業利益が2億円、経常利益が1億98百万円、純利益が1億32百万円だった。

 前年同期の非連結業績との比較で売上高が8.0%減収、営業利益が38.6%減益、経常利益が38.5%減益、純利益が36.2%減益だった。民間企業向けBPOプロジェクト大型案件の一つで業務処理量が縮小した影響で実質減収減益だった。売上総利益は同14.9%減少し、売上総利益率は19.0%で同1.5ポイント低下した。販管費は同3.3%減少したが、販管費比率は14.5%で同0.7ポイント上昇した。

 セグメント別に見ると、事務系人材サービス事業は売上高が38億77百万円(BPO関連事業が32億34百万円、CRM関連事業が4億30百万円、一般事務事業が2億12百万円)で営業利益が1億87百万円、製造系人材サービス事業は売上高が5億72百万円で営業利益が13百万円だった。

 BPO関連事業では大手BPO事業者、官公庁、金融機関向け案件を新規受注したが、民間企業向けBPOプロジェクト大型案件の一つで業務処理量が縮小した。CRM関連事業ではテレマーケティング事業者向け新規受注が低調だった。製造系人材サービス事業では食品加工業者および大手家電メーカーなどからの受注が好調だった。

■18年2月期通期も実質減益予想

 今期(18年2月期、連結決算へ移行)の連結業績予想(4月14日公表)は、売上高が前期(17年2月期の非連結業績)比3.2%増の190億56百万円、営業利益が同29.1%減の7億09百万円、経常利益が同29.5%減の7億円、純利益が同27.2%減の4億67百万円としている。

 BPO関連事業では取引自治体数拡大、中央官庁大型案件の受注強化、恒常的公共サービス領域への展開、競争力・利益率向上とナレッジ化推進、金融業界の多様なアウトソーシングニーズの大型案件への昇華、アライアンス戦略の強化、SVやコアOPの戦略的配置による取引拡大加速、ISO9001認証取得による更なる運用力の強化、自社コンタクトセンターの活用といった施策を推進する。

 新たな大型案件に取り組むため利益率が低下して実質減益予想だが、保守的な印象も強い。配当予想は17年2月期と同額の年間10円(期末一括)としている。予想配当性向は26.8%となる。

■BPO関連事業が成長エンジン、M&Aによる領域拡大も推進

 中期経営計画(ローリング方式、18年2月期〜20年2月期)では、BPO関連事業を成長エンジンとした成長戦略を加速させる方針を掲げ、営業戦略の基本を大型BPO案件の獲得による売上規模拡大、企画提案力・運用力の強化とチーム派遣の拡大、M&AによるBPO関連事業の領域拡大としている。

 目標数値には、20年2月期売上高268億円(BPO関連事業186億円、CRM関連事業30億円、製造系人材サービス事業45億円、一般事務事業6億円)、営業利益14億40百万円、経常利益14億30百万円、純利益9億70百万円を掲げている。

 BPO関連事業は高品質なBPOサービスにより顧客満足度No.1のBPOを実現する。CRM関連事業は高付加価値な提案により、BPO化につなげていく。一般事務事業は高利益案件の周辺業務を取り込み、BPO化を推進する。製造系人材サービス事業は、人材が払底する製造マーケットで強力な供給を実現する方針だ。

■中期成長シナリオに変化なし

 中期的に事業環境は良好である。官公庁・地方公共団体関連では財政健全化に向けた費用抑制の流れ、サービス向上や業務効率化のニーズ増大も背景として、官から民間への業務委託・移管の増加が予想されている。民間企業関連ではコア事業への経営資源集中や固定費の変動費化の流れも背景として、業務のアウトソーシング化が一段と増加すると予想されている。

 人件費・採用費・教育研修費の増加への対応、人材の採用・開発および早期収益化が課題となるが、研修センターや人材開発部の新体制で研修や人材開発を強化する方針だ。改正労働者派遣法も追い風であり、BPO関連事業が牽引して中期成長シナリオに変化はないだろう。

■株主還元は総合利回りの向上を目指す

 株主還元については基本方針として、現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を目指している。

 株主優待制度は毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。優待内容(16年6月1日付株式2分割後)は100株以上〜200株未満保有株主に対してオリジナルQUOカード500円分、200株以上〜500株未満保有株主に対してオリジナルQUOカード1000円分、500株以上保有株主に対してオリジナルQUOカード2000円分を贈呈する。

■株価は調整一巡して出直り期待

 株価は戻り高値圏660円近辺から反落したが、大きく下押す動きは見られない。第1四半期業績に対する反応は限定的のようだ。

 7月26日の終値618円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS37円32銭で算出)は16〜17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.6%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS254円44銭で算出)は2.4倍近辺である。時価総額は約78億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形となったが、一方では上向きに転じた13週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。調整一巡して出直り展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月21日更新]

キャリアリンクは調整一巡して戻り試す、18年2月期減益予想だが保守的

 キャリアリンク<6070>(東1)は「チーム派遣」を強みとする総合人材サービス企業である。18年2月期は新たな大型案件に取り組むため利益率が低下して減益予想だが、保守的な印象が強く増額余地がありそうだ。BPO関連事業が牽引して中期成長シナリオに変化はないだろう。株価は調整一巡して戻りを試す展開が期待される。なお7月6日に第1四半期決算発表を予定している。

■BPO関連事業が主力の総合人材サービス企業

 官公庁・地方公共団体・民間企業向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業を主力として、企業等のコンタクトセンター(コールセンター)向けCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業、製造・物流分野の製造系人材サービス事業、一般事務職分野の一般事務事業など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開している。

 17年2月期の事業別売上高構成比はBPO関連事業66.1%、CRM関連事業15.7%、製造系人材サービス事業11.5%、一般事務事業6.7%である。

 17年6月1日付で製造系人材サービス事業を子会社キャリアリンクファクトリーに事業承継した。BPO関連事業とは異なる事業構造のため分社化して競争力を強化する。

■顧客企業の業務効率化を実現する「チーム派遣」に強み

 顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負を特徴としている。特にBPO関連事業では、顧客企業の業務効率化や業務処理品質向上を実現するために「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成した「チーム派遣」を強みとしている。顧客にとっては、自社による導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、発注から短期間で大量業務処理の稼働開始が可能になるというメリットもある。

 また1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることも強みだ。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築しており、こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えている。

 中期成長戦略として、BPO関連事業では官公庁・地方公共団体関連の大型特需案件や成長市場である民間BPO案件の受注拡大、高品質で顧客満足度の高いBPOサービス提供の強化、M&Aも活用したBPO関連事業の領域拡大、CRM関連事業や製造技術系事業では高利益案件をメインターゲットとした受注活動の強化、そして業容拡大に向けた人材採用・育成の強化を推進している。

■17年2月期は増収増益で過去最高

 前期(17年2月期)の非連結業績は前々期(16年2月期)比11.2%増収、4.3%営業増益、5.2%経常増益、8.6%最終増益だった。

 民間企業向けBPO大型プロジェクト案件の一つで業務処理量の縮小が想定より早く進んだ影響などで計画をやや下回ったが、BPO関連事業全体の好調が牽引して増収増益を確保し、過去最高を更新した。売上総利益は同7.7%増加したが、売上総利益率は19.6%で同0.7ポイント低下した。販管費は同9.1%増加したが、販管費比率は14.2%で同0.3ポイント低下した。

 事業別売上高はBPO関連事業が同12.3%増の121億93百万円、CRM関連事業が同1.0%減の29億03百万円、製造系人材サービス事業が同29.9%増の21億20百万円、一般事務事業が同4.5%増の12億42百万円だった。

 なおROEは22.0%で同2.4ポイント低下した。自己資本比率は54.6%で同7.3ポイント上昇した。配当は年間10円(期末一括)で、16年6月1日付株式2分割を考慮して16年2月期の年間18円を9円に換算すると、実質的に1円増配だった。配当性向は19.5%だった。

■18年2月期(連結決算へ移行)減益予想だが保守的

 今期(18年2月期、キャリアリンクファクトリーを設立して連結決算へ移行)の連結業績予想(4月14日公表)は、売上高が前期(17年2月期の非連結業績)比3.2%増の190億56百万円、営業利益が同29.1%減の7億09百万円、経常利益が同29.5%減の7億円、純利益が同27.2%減の4億67百万円としている。

 BPO関連事業では取引自治体数拡大、中央官庁大型案件の受注強化、恒常的公共サービス領域への展開、競争力・利益率向上とナレッジ化推進、金融業界の多様なアウトソーシングニーズの大型案件への昇華、アライアンス戦略の強化、SVやコアOPの戦略的配置による取引拡大加速、ISO9001認証取得による更なる運用力の強化、自社コンタクトセンターの活用といった施策を推進する。

 新たな大型案件に取り組むため利益率が低下して減益予想としたが、保守的な印象が強い。増額余地がありそうだ。配当予想は17年2月期と同額の年間10円(期末一括)としている。予想配当性向は26.8%となる。

■BPO関連事業が成長エンジン、M&Aによる領域拡大も推進

 中期経営計画(ローリング方式、18年2月期〜20年2月期)では、BPO関連事業を成長エンジンとした成長戦略を加速させる方針を掲げ、営業戦略の基本を大型BPO案件の獲得による売上規模拡大、企画提案力・運用力の強化とチーム派遣の拡大、M&AによるBPO関連事業の領域拡大としている。

 目標数値には、20年2月期売上高268億円(BPO関連事業186億円、CRM関連事業30億円、製造系人材サービス事業45億円、一般事務事業6億円)、営業利益14億40百万円、経常利益14億30百万円、純利益9億70百万円を掲げている。

 BPO関連事業は高品質なBPOサービスにより顧客満足度No.1のBPOを実現する。CRM関連事業は高付加価値な提案により、BPO化につなげていく。一般事務事業は高利益案件の周辺業務を取り込み、BPO化を推進する。製造系人材サービス事業は、人材が払底する製造マーケットで強力な供給を実現する方針だ。

■中期成長シナリオに変化なし

 中期的に事業環境は良好である。官公庁・地方公共団体関連では財政健全化に向けた費用抑制の流れ、サービス向上や業務効率化のニーズ増大も背景として、官から民間への業務委託・移管の増加が予想されている。民間企業関連ではコア事業への経営資源集中や固定費の変動費化の流れも背景として、業務のアウトソーシング化が一段と増加すると予想されている。

 人件費・採用費・教育研修費の増加への対応、人材の採用・開発および早期収益化が課題となるが、研修センターや人材開発部の新体制で研修や人材開発を強化する方針だ。業務効率化に向けた企画提案力、1000名以上の大型案件でも稼働開始まで短期間で対応できるノウハウ、官公庁向け大型BPO案件の受注実績などから、マイナンバー関連でも大型BPO案件を受注することが期待され、さらに改正労働者派遣法も追い風となる。BPO関連が牽引して中期的な成長期待も高まる。

■株主還元は総合利回りの向上を目指す

 株主還元については基本方針として、現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を目指している。

 株主優待制度は毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。優待内容(16年6月1日付株式2分割後)は100株以上〜200株未満保有株主に対してオリジナルQUOカード500円分、200株以上〜500株未満保有株主に対してオリジナルQUOカード1000円分、500株以上保有株主に対してオリジナルQUOカード2000円分を贈呈する。

■株価は調整一巡して戻り試す

 株価の動きを見ると4月の年初来安値510円から切り返しの動きを強めている。6月15日には632円まで上伸した。調整が一巡したようだ。

 6月19日の終値639円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS37円32銭で算出)は16〜17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.6%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS254円44銭で算出)は2.5倍近辺である。時価総額は約80億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。調整一巡して戻りを試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月28日更新]

キャリアリンクはBPO関連が牽引して17年2月期第2四半期累計は計画超の大幅増益

 キャリアリンク<6070>(東1)は「チーム派遣」を強みとする総合人材サービス企業である。17年2月期第2四半期累計はBPO関連の好調が牽引し、計画超の大幅増益だった。通期も2桁増収増益・連続増配予想である。株価はボックス展開の形だが、好業績を見直して上放れの展開が期待される。

■BPO関連事業が主力の総合人材サービス企業

 官公庁・地方公共団体・民間企業向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業を主力として、企業等のコンタクトセンター(コールセンター)向けCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業、製造・物流分野の製造技術系事業、一般事務職分野の一般事務事業など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開している。

 16年2月期の事業別売上高構成比はBPO関連事業65.4%、CRM関連事業17.7%、製造技術系事業9.8%、一般事務事業7.2%だった。

■顧客企業の業務効率化を実現する「チーム派遣」に強み

 顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負を特徴としている。特にBPO関連事業では、顧客企業の業務効率化や業務処理品質向上を実現するために「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成した「チーム派遣」を強みとしている。顧客にとっては、自社による導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、発注から短期間で大量業務処理の稼働開始が可能になるというメリットもある。

 また1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることも強みだ。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築しており、こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えている。

 中期的な経営基盤強化に向けて、BPO関連事業では官公庁・地方公共団体関連の大型特需案件や成長市場である民間BPO案件の受注拡大、高品質で顧客満足度の高いBPOサービス提供の強化、M&Aも活用したBPO関連事業の領域拡大、CRM関連事業や製造技術系事業では高利益案件をメインターゲットとした受注活動の強化、そして業容拡大に向けた人材採用・育成の強化を推進している。

■BPO関連事業が牽引して収益拡大基調

 四半期別の業績推移を見ると、15年2月期は売上高が第1四半期28億78百万円、第2四半期36億08百万円、第3四半期38億40百万円、第4四半期36億20百万円、営業利益が1億15百万円、2億93百万円、2億71百万円、1億51百万円、16年2月期は売上高が38億73百万円、40億40百万円、42億46百万円、44億46百万円、営業利益が1億89百万円、2億03百万円、2億63百万円、3億03百万円だった。収益拡大基調である。

 16年2月期(非連結)は好調なBPO関連事業の好調が牽引して過去最高益を更新した。セグメント別売上高はBPO関連事業が15年2月期比29.1%増の108億53百万円、CRM関連事業が同3.6%減の29億31百万円、製造技術系事業が同5.6%増の16億32百万円、一般事務事業が同25.1%増の11億89百万円だった。

 BPO関連事業では民間・官公庁とも受注が拡大した。またマイナンバー案件に関しては企画提案型入札のプロポーザル案件で約4割のシェアを獲得しているようだ。

 売上総利益は同14.1%増加したが、売上総利益率は20.3%で同0.8ポイント低下した。また販管費は13.7%増加したが、販管費比率は14.5%で同0.7ポイント低下した。BPO関連事業拡大に向けた人員増に伴って人件費、採用費、研修費が増加したが増収効果で吸収した。ROEは24.4%で同0.1ポイント低下、自己資本比率は47.3%で同6.0ポイント上昇した。配当は同2円増配の年間18円(期末一括)で配当性向は19.1%だった。

■17年2月期第2四半期累計は大幅増益

 今期(17年2月期)第2四半期累計(3〜8月)の非連結業績は、売上高が前年同期比19.9%増の94億89百万円、営業利益が同42.3%増の5億58百万円、経常利益が同44.3%増の5億54百万円、純利益が同49.0%増の3億55百万円だった。BPO関連の好調が牽引し、販管費が想定を下回ったため計画超の大幅増益だった。

 セグメント別売上高はBPO関連事業が同29.8%増の64億85百万円、CRM関連事業が同12.2%減の13億93百万円、製造技術系事業が同29.5%増の9億87百万円、一般事務事業が同9.9%増の6億22百万円だった。

 BPO関連事業は金融関連を中心に民間BPO案件の受注が好調に推移し、官公庁BPO案件もマイナンバー関連各種業務や臨時給付金関連業務が計画どおりに受注した。CRM関連事業は前年同期のスポット案件の業務が終了した反動減に加えて、コールセンター業務と一般事務を併せて受注した同一案件をBPO案件としてカウントしたしたことも影響して減収だった。製造技術系事業は家電・医療機器メーカーや食品加工事業者からの受注が好調だった。一般事務事業は事務センターなど既存案件の業務量が順調に伸長した。

 売上総利益は同21.2%増加し、売上総利益率は20.3%で同0.2ポイント上昇した。販管費は同14.3%増加したが、販管費比率は14.4%で同0.7ポイント低下した。既存登録者の稼働率が上がり、新規登録者の募集費が想定を下回ったことも寄与した。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期48億37百万円、第2四半期46億51百万円、営業利益は3億25百万円、2億32百万円だった。

■17年2月期通期も2桁増収増益で連続増配予想

 今期(17年2月期)通期の非連結業績予想(4月14日公表)は、売上高が前期(16年2月期)比20.3%増の199億84百万円、営業利益が同16.8%増の11億19百万円、経常利益が同17.2%増の11億06百万円、純利益が同22.1%増の7億22百万円としている。

 配当予想は年間10円(期末一括)としている。16年6月1日付の株式2分割を考慮して前期の年間18円を9円に換算すると実質的に1円増配となる。予想配当性向は17.3%である。

 事業別売上高伸長率は、BPO関連事業が約20%増、CRM関連事業が約6%増、製造技術系事業が約40%増、一般事務事業が約27%増の計画としている。BPO関連はマイナンバー関連大型案件が本格化、CRM関連事業は金融関連が増加、製造技術系はエリア拡大、一般事務は金融関連が増加する見込みだ。

 売上総利益率は若干の低下を見込み、中期的な業容拡大に向けて開発営業の強化関連費用やチーム派遣のリーダー採用・育成関連費用が増加するが、増収効果で吸収する。売上高・利益とも過去最高更新の見込みだ。

 17年2月期の戦略としては、オンサイトBPO関連市場におけるシェアNO.1を目指し、官公庁関連では取引自治体数の拡大、恒常的公共サービス領域への事業拡大、ナレッジ化推進によるさらなる差別化、競争力と利益率を向上、民間関連ではアライアンス戦略深化、SV(スーパーバイザー=チーム派遣リーダー)の戦略的配置による取引拡大推進、金融業界の多様なアウトソーシングニーズの大型案件への昇華などに取り組む。またCRM関連事業では金融機関との取引拡大、製造技術系事業では既存顧客との継続的拡大基盤の構築、一般事務事業では紹介予定派遣の商品化などに取り組む方針だ。

 なお通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高47.5%、営業利益49.9%、経常利益50.1%、純利益49.2%と概ね順調な水準である。通期も好業績が期待される。

■BPO関連事業が成長エンジン、M&Aによる領域拡大も推進

 中期経営計画(ローリング方式、17年2月期〜19年2月期)では、BPO関連事業を成長エンジンとした成長戦略を加速させる方針を掲げ、営業戦略の基本を大型BPO案件の獲得による売上規模拡大、企画提案力・運用力の強化とチーム派遣の拡大、M&AによるBPO関連事業の領域拡大としている。

 目標数値は19年2月期売上高300億円(BPO関連事業210億円、CRM関連事業39億円、製造技術系事業38億円、一般事務事業13億円)、営業利益18億50百万円、経常利益18億40百万円、純利益12億円としている。

 BPO関連はBPOソリューションサプライヤーとしての地位からレベルアップし、IT分野などの上流工程を含めたTier1を目指す。CRM関連は高利益案件をメインターゲットとして周辺業務を取り込み、BPO関連の受注拡大に繋げる。製造技術系事業は西日本エリアをターゲットエリアとして、高利益案件の受注拡大を推進する。一般事務事業は紹介予定派遣を軸として、派遣ビジネスモデルを高利益体質へ変革する方針だ。

■BPO関連事業の受注拡大が牽引して中期成長シナリオに変化なし

 中期的に事業環境は良好である。官公庁・地方公共団体関連では財政健全化に向けた費用抑制の流れ、サービス向上や業務効率化のニーズ増大も背景として、官から民間への業務委託・移管の増加が予想されている。民間企業関連ではコア事業への経営資源集中や固定費の変動費化の流れも背景として、業務のアウトソーシング化が一段と増加すると予想されている。

 業務効率化に向けた企画提案力、1000名以上の大型案件でも稼働開始まで短期間で対応できるノウハウ、官公庁向け大型BPO案件の受注実績などから、マイナンバー関連や民間大型BPO案件を受注することが期待され、さらに改正労働者派遣法も追い風となる。BPO関連事業の受注拡大が牽引して中期成長シナリオに変化はないだろう。

■株主還元は総合利回りの向上を目指す

 株主還元については基本方針として、現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を目指している。

 株主優待制度については毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。なお優待内容(6月1日付株式2分割後)は、100株以上〜200株未満保有株主に対してオリジナルQUOカード500円分、200株以上〜500株未満保有株主に対してオリジナルQUOカード1000円分、500株以上保有株主に対してオリジナルQUOカード2000円分を贈呈する。

■株価はボックス上放れ期待

 株価の動き(16年6月1日付で株式2分割)を見ると、7月の戻り高値978円から反落し、8月以降はやや上値が重く800円近辺でボックス展開の形だ。ただし大きく下押す動きも見られず、煮詰まり感を強めている。

 10月26日の終値784円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS57円65銭で算出)は13〜14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.3%近辺、前期実績PBR(前期実績BPSに株式2分割を考慮した212円27銭で算出)は3.7倍近辺である。時価総額は約98億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、好業績を見直してボックス上放れの展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[5月12日更新]

キャリアリンクは17年2月期も2桁増収増益・連続増配予想、6月1日付で株式2分割

 キャリアリンク<6070>(東1)は「チーム派遣」を強みとする総合人材サービス企業である。16年2月期はBPO関連事業の受注拡大が牽引し、採用費や研修費などの増加を吸収して2桁増収増益・増配だった。そして17年2月期も2桁増収増益・連続増配予想である。マイナンバー関連BPO大型案件も本格化する。また6月1日付で株式2分割を実施する。株価はモミ合いから上放れて年初来高値を更新した。好業績や株式2分割を評価して15年8月の上場来高値を目指す展開だろう。

■BPO関連事業が主力の総合人材サービス企業

 官公庁・地方公共団体・民間企業向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業を主力として、企業等のコンタクトセンター(コールセンター)向けCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業、製造・物流分野の製造技術系事業、一般事務職分野の一般事務事業など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開している。


 16年2月期の事業別売上高は、BPO関連事業108億53百万円(売上構成比65.4%)、CRM関連事業29億31百万円(同17.7%)、製造技術系事業16億32百万円(同9.8%)、一般事務事業11億89百万円(同7.2%)だった。

 なお3月31日に、優良派遣事業者認定制度にて「優良派遣事業者」として認定されたと発表している。

■顧客企業の業務効率化を実現する「チーム派遣」に強み

 顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負を特徴としている。特にBPO関連事業では、顧客企業の業務効率化や業務処理品質向上を実現するために「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成した「チーム派遣」を強みとしている。顧客にとっては、自社による導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、発注から短期間で大量業務処理の稼働開始が可能になるというメリットもある。

 またBPO事業者からの受注を含めて1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることも強みだ。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築しており、こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えている。

 中期的な経営基盤強化に向けて、BPO関連事業における官公庁・地方公共団体関連の大型特需案件や成長市場である民間BPO案件の受注拡大、高品質で顧客満足度の高いBPOサービス提供の強化、M&Aも活用したBPO関連事業の領域拡大、CRM関連事業や製造技術系事業における高利益案件をメインターゲットとした受注活動の強化、そして業容拡大に向けた人材採用・育成の強化を推進している。

■BPO関連事業が牽引して収益拡大基調

 15年2月期の四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(3月〜5月)28億78百万円、第2四半期(6月〜8月)36億08百万円、第3四半期(9月〜11月)38億41百万円、第4四半期(12月〜2月)36億21百万円、営業利益は第1四半期1億15百万円、第2四半期2億94百万円、第3四半期2億71百万円、第4四半期1億51百万円だった。

 BPO関連事業が牽引して四半期ベースでも増収基調だ。15年2月期の売上総利益率は21.1%で14年2月期比3.0ポイント上昇、販管費比率は15.2%で同0.4ポイント低下、ROEは24.5%で同15.1ポイント上昇、自己資本比率は41.3%で同11.4ポイント低下した。配当性向は20.4%だった。

■16年2月期は計画超の2桁増収増益で増配

 4月14日発表した前期(16年2月期)非連結業績は、売上高が前々期(15年2月期)比19.1%増の166億07百万円、営業利益が同15.2%増の9億58百万円、経常利益が同14.9%増の9億44百万円、純利益が同21.3%増の5億91百万円だった。BPO関連事業の好調が牽引して計画超の2桁増収増益となり、過去最高益を更新した。

 セグメント別売上高はBPO関連事業が同29.1%増の108億53百万円、CRM関連事業が同3.6%減の29億31百万円、製造技術系事業が同5.6%増の16億32百万円、一般事務事業が同25.1%増の11億89百万円だった。

 BPO関連事業では、首都圏におけるBPO大型プロジェクト案件が順調に推移し、民間BPO案件の新規受注も拡大した。マイナンバー関連の各種業務や臨時給付金関連業務など官公庁向けBPO案件も計画以上に受注した。またマイナンバー案件に関しては、企画提案型入札のプロポーザル案件で約40%のシェアを獲得しているようだ。

 CRM関連事業では、通信事業者などからコンタクトセンター向け派遣案件などを新規受注したが、テレマーケティング事業者への派遣が低調だった。製造技術系事業では食品加工業者や製薬メーカーなどからの受注が好調に推移した。一般事務事業では事務センターなど既存案件の受注量が伸長し、金融機関向け新規案件などの受注も寄与した。

 売上総利益は同14.1%増加したが、売上総利益率は20.3%で同0.8ポイント低下した。また販管費は13.7%増加したが、売上高販管費比率は14.5%で同0.7ポイント低下した。BPO関連事業拡大に向けた人員増に伴って人件費、採用費、研修費などが増加したが増収効果で吸収した。ROEは24.4%で同0.1ポイント低下、自己資本比率は47.3%で同6.0ポイント上昇した。配当予想は同2円増配の年間18円(期末一括)とした。配当性向は19.1%となる。

 なお四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(3月〜5月)38億73百万円、第2四半期(6月〜8月)40億40百万円、第3四半期(9月〜11月)42億46百万円、第4四半期(12月〜2月)44億46百万円、営業利益は第1四半期1億89百万円、第2四半期2億03百万円、第3四半期2億63百万円、第4四半期3億03百万円だった。営業損益は15年2月期第4四半期をボトムとして改善基調だ。

■17年2月期も2桁増収増益・連続増配予想

 今期(17年2月期)通期の非連結業績予想(4月14日公表)は、売上高が前期(16年2月期)比20.3%増の199億84百万円、営業利益が同16.8%増の11億19百万円、経常利益が同17.2%増の11億06百万円、純利益が同22.1%増の7億22百万円としている。

 事業別売上高伸長率は、BPO関連事業が約20%増、CRM関連事業が約6%増、製造技術系事業が約40%増、一般事務事業が約27%増の計画としている。BPO関連事業ではマイナンバー関連の大型案件が本格化し、臨時給付金関連の増加も寄与する。CRM関連事業では金融関連が増加する。製造技術系事業ではエリア拡大で受注が拡大する。一般事務事業では金融関連が増加する。

 17年2月期の営業戦略としては、オンサイトBPO関連市場におけるシェアNO.1を目指し、官公庁関連では取引自治体数の拡大、恒常的公共サービス領域への事業展開、ナレッジ化推進によるさらなる差別化、競争力と利益率を向上、民間関連ではアライアンス戦略強化、金融業界の多様なアウトソーシングニーズの大型案件への昇華などに取り組む方針だ。またCRM関連事業では金融機関における取引拡大、製造技術系事業では既存顧客との継続的拡大基盤の構築などに取り組む。

 利益面では売上総利益率は若干の低下を見込み、人員増加に伴って販管費も増加するが、増収効果で吸収して2桁増収増益予想だ。そして売上高、利益とも過去最高を更新する見込みだ。

 配当予想(4月14日公表)は年間10円(期末一括)としている。16年6月1日付の株式2分割を考慮して年間20円に換算すると、前期の年間18円に対して実質的に2円増配となる。なお予想配当性向は17.3%となる。

■BPO関連事業が成長エンジン、M&Aによる領域拡大も推進

 中期経営計画(ローリング方式、17年2月期〜19年2月期)では、BPO関連事業を成長エンジンとした成長戦略を加速させる方針を掲げ、営業戦略の基本を大型BPO案件の獲得による売上規模拡大、企画提案力・運用力の強化とチーム派遣の拡大、M&AによるBPO関連事業の領域拡大としている。

 目標数値は19年2月期売上高300億円(BPO関連事業210億円、CRM関連事業39億円、製造技術系事業38億円、一般事務事業13億円)、営業利益18億50百万円、経常利益18億40百万円、純利益12億円としている。

 BPO関連事業では、BPOソリューションサプライヤーとしての地位からレベルアップし、IT分野などの上流工程を含めたTier1を目指す。CRM関連事業では高利益案件をメインターゲットとして、その周辺業務を取り込み、BPO関連事業の受注拡大を推進する。製造技術系事業では、西日本エリアをターゲットエリアとして高利益案件の受注拡大を推進する。一般事務事業では紹介予定派遣を軸として、派遣ビジネスモデルを高利益体質へ変革する方針だ。

 なおBPO関連事業の拡大に向けて、BPOベンダー等との関係強化を推進するための営業推進部、人材育成を強化するための研修センター、人材採用・開発力を強化するための人材開発部を設置するなど新たな体制を構築している。またキャリアパス制度による社員登用増、無期雇用社員の採用増、高スキル・高スペック人材の確保などで「チーム派遣」を一段と強化する方針だ。

■BPO関連事業の受注拡大が牽引して中期成長シナリオに変化なし

 中期的に事業環境は良好である。官公庁・地方公共団体関連では財政健全化に向けた費用抑制の流れ、サービス向上や業務効率化のニーズ増大も背景として、官から民間への業務委託・移管の増加が予想されている。民間企業関連ではコア事業への経営資源集中や固定費の変動費化の流れも背景として、業務のアウトソーシング化が一段と増加すると予想されている。

 BPO関連事業の業容拡大に伴って中途採用が必要なため、人材開発部および研修センターを強化している。

 業務効率化に向けた企画提案力、1000名以上の大型案件でも稼働開始まで短期間で対応できるノウハウ、官公庁向け大型BPO案件の受注実績などから、マイナンバー関連でも大型BPO案件を受注することが期待され、さらに改正労働者派遣法も追い風として期待される。BPO関連事業の受注拡大が牽引して中期成長シナリオに変化はないだろう。

■株主還元は総合利回りの向上を目指す

 株主還元については基本方針として、現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を目指している。

 株主優待制度については毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。なお優待内容(6月1日付株式2分割後)は、100株以上〜200株未満保有株主に対してオリジナルQUOカード500円分、200株以上〜500株未満保有株主に対してオリジナルQUOカード1000円分、500株以上保有株主に対してオリジナルQUOカード2000円分を贈呈する。

■株価はモミ合い上放れて年初来高値更新、15年8月高値目指す

 なお4月14日に株式分割を発表した。16年5月31日を基準日(効力発生日16年6月1日)として1株を2株に分割する。投資単位当たりの金額を引き下げることで、当社株式の流動性の向上および投資家層のさらなる拡大を図る。

 また4月14日には監査役設置会社から監査等委員会設置会社への移行を発表した。5月27日開催予定の第20期定時株主総会での承認を前提とする。

 株価の動きを見ると、直近安値圏1500円〜1600円近辺でのモミ合いから上放れて年初来高値を更新した。4月19日には1994円まで上伸した。好業績や株式2分割を好感した形だ。その後は利益確定売りで一旦反落したが、自律調整の範囲だろう。

 5月11日の終値1815円を指標面(1株当たり数値は6月1日付株式2分割前)で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS115円30銭で算出)は16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.1%近辺、前期実績PBR(前期実績BPS424円53銭で算出)は4.3倍近辺である。時価総額は約114億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインの形となった。また週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスの形となった。強基調に転換して先高感を強めている。好業績や株式2分割を評価して15年8月の上場来高値2640円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月24日更新]

キャリアリンクはBPO関連が収益拡大牽引、17年2月期も増収増益基調

 キャリアリンク<6070>(東1)は「チーム派遣」を強みとする総合人材サービス企業である。16年2月期は増収増益・増配予想である。マイナンバー関連のBPO大型案件の本格稼働も寄与する。17年2月期もBPO関連事業の受注拡大が牽引して増収増益基調が期待される。株価は下値固めが完了して出直り展開だろう。なお4月14日に16年2月期決算発表を予定している。

■BPO関連事業が主力の総合人材サービス企業

 官公庁・地方公共団体・民間企業向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業を主力として、企業等のコンタクトセンター(コールセンター)向けCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業、一般事務職分野の一般事務事業、さらに製造・物流分野の製造技術系事業など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開している。

 なお15年2月期の事業別売上高は、BPO関連事業84億10百万円(売上構成比60.3%)、CRM関連事業30億40百万円(同21.8%)、一般事務事業9億50百万円(同6.8%)、製造技術系事業15億46百万円(同11.1%)だった。

■顧客企業の業務効率化を実現する「チーム派遣」に強み

 顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負を特徴としている。特にBPO関連事業では、顧客企業の業務効率化や業務処理品質向上を実現するために「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成した「チーム派遣」を強みとしている。顧客にとっては、自社による導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、発注から短期間で大量業務処理の稼働開始が可能になるというメリットもある。

 またBPO事業者からの受注を含めて1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることも強みだ。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築しており、こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えている。

 中期的な経営基盤強化に向けて、BPO関連事業における官公庁・地方公共団体関連の大型特需案件や成長市場である民間BPO案件の受注拡大、高品質で顧客満足度の高いBPOサービス提供の強化、M&Aも活用したBPO関連事業の領域拡大、CRM関連事業や製造技術系事業における高利益案件をメインターゲットとした受注活動の強化、そして業容拡大に向けた人材採用・育成の強化を推進している。

■BPO関連事業が拡大して増収基調

 15年2月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(3月〜5月)28億78百万円、第2四半期(6月〜8月)36億08百万円、第3四半期(9月〜11月)38億41百万円、第4四半期(12月〜2月)36億21百万円で、営業利益は第1四半期1億15百万円、第2四半期2億94百万円、第3四半期2億71百万円、第4四半期1億51百万円だった。

 BPO関連事業が牽引して四半期ベースでも増収基調だ。15年2月期の売上総利益率は21.1%で14年2月期比3.0ポイント上昇、販管費比率は15.2%で同0.4ポイント低下、ROEは24.5%で同15.1ポイント上昇、自己資本比率は41.3%で同11.4ポイント低下した。配当性向は20.4%だった。

■16年2月期第3四半期累計は微減益だが、BPO関連事業は好調

 前期(16年2月期)第3四半期累計(3月〜11月)の非連結業績は、売上高が前年同期比17.7%増の121億60百万円だが、営業利益が同3.7%減の6億55百万円、経常利益が同4.5%減の6億43百万円、純利益が同0.3%減の4億03百万円だった。

 BPO大型プロジェクト案件における新規受注業務のスタッフ研修費用の増加、第4四半期(12月〜2月)から本格稼働するマイナンバー関連案件に関する先行投資費用の発生が影響して微減益だったが、主力のBPO関連事業の好調が牽引して大幅増収だった。なお売上総利益率は20.2%で同1.3ポイント低下、販管費比率は14.9%で同横ばいだった。

 事業部門別の売上高は、BPO関連事業が同26.8%増の78億19百万円、CRM関連事業が同3.1%減の22億54百万円、製造技術系事業が同6.7%増の11億98百万円、一般事務事業が同24.7%増の8億87百万円だった。

 BPO関連事業では首都圏で稼働中のBPO大型プロジェクト案件が順調である。新たな民間BPO案件やマイナンバー関連案件の新規受注も順調だった。マイナンバー案件に関しては、企画提案型入札のプロポーザル案件で約40%のシェアを獲得しているようだ。

 CRM関連事業ではテレマーケティング事業者からの受注が弱含んだ。製造技術系事業では機械部品メーカーからの受注量が増加した。一般事務事業では金融系事務センターなど既存案件の業務量が順調で、金融関連案件の新規受注も寄与した。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(3月〜5月)38億73百万円、第2四半期(6月〜8月)40億41百万円、第3四半期(9月〜11月)42億46百万円、営業利益は第1四半期1億89百万円、第2四半期2億03百万円、第3四半期2億63百万円だった。営業損益は15年2月期第4四半期をボトムとして改善基調だ。

■16年2月期通期は増収増益・増配予想、17年2月期も増収増益基調

 前期(16年2月期)通期の非連結業績予想(4月14日公表)は、売上高が前々期(15年2月期)比17.4%増の163億68百万円、営業利益が同14.4%増の9億51百万円、経常利益が同14.2%増の9億38百万円、そして純利益が同15.4%増の5億62百万円としている。また配当予想(4月14日公表)は同2円増配の年間18円(期末一括)で予想配当性向は20.1%となる。

 第4四半期(12月〜2月)から本格稼働するマイナンバー関連案件で即戦力の採用を増やしているため人件費が増加するが、主力のBPO関連事業の受注増加、BPO大型案件における業務処理効率化の進展が牽引して増収増益基調だ。

 事業部門別売上高の計画は、BPO関連事業が同約15%増収、CRM関連事業が同20%増収、一般事務事業が同約5%増収、製造技術系事業が同約20%増収としている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が74.3%、営業利益が68.9%、経常利益が68.6%、純利益が71.7%である。やや低水準の形だが、既存案件の業務量拡大や新規案件の受注は好調に推移している。そして第4四半期から本格稼働するマイナンバー関連案件など、新規案件の稼働で期後半に向けて収益が積み上がる。

 さらに17年2月期も、BPO関連の受注拡大が牽引し、業務効率化進展なども寄与して増収増益基調だろう。

■BPO関連事業が成長エンジン、M&Aによる領域拡大も推進

 中期経営計画(16年2月期〜18年2月期)では目標値に18年2月期の売上高250億90百万円、営業利益15億20百万円、経常利益15億10百万円、純利益9億40百万円を掲げている。BPO関連事業を成長エンジンとした成長戦略を加速させる方針で、BPO関連事業の売上規模拡大、企画提案力・運用力の強化、M&Aによる領域拡大を重点戦略としている。

 特にBPO関連事業の拡大に向けて、BPOベンダー等との関係強化を推進するための営業推進部、人材育成を強化するための研修センター、人材採用・開発力を強化するための人材開発部を設置するなど新たな体制を構築した。またキャリアパス制度による社員登用増、無期雇用社員の採用増、高スキル・高スペック人材の確保などで「チーム派遣」を一段と強化する方針だ。

 事業部門別売上高の計画としては、BPO関連事業が高品質運用やIT分野を含めた事業領域拡大などで15年2月期比2.0倍の171億円、CRM関連事業が高利益案件をメインターゲットとして同42.0%増の43億円、製造技術系事業が製造業や流通業の高利益案件への戦略展開などで同64.2%増の25億円、一般事務事業が無期雇用・長期雇用を軸に高利益ビジネスモデルへの変革を目指して同11.2%増の10億円を掲げている。

■BPO関連事業の受注拡大が牽引して中期成長シナリオに変化なし

 中期的に事業環境は良好だ。官公庁・地方公共団体関連では財政健全化に向けた費用抑制の流れ、サービス向上や業務効率化のニーズ増大も背景として、官から民間への業務委託・移管の増加が予想されている。民間企業関連ではコア事業への経営資源集中や固定費の変動費化の流れも背景として、業務のアウトソーシング化が一段と増加すると予想されている。

 BPO関連事業の業容拡大に伴って中途採用が必要なため、人材開発および研修センターを強化している。

 業務効率化に向けた企画提案力、1000名以上の大型案件でも稼働開始まで短期間で対応できるノウハウ、官公庁向け大型BPO案件の受注実績などから、マイナンバー関連でも大型BPO案件を受注することが期待され、さらに改正労働者派遣法も追い風として期待される。BPO関連事業の受注拡大が牽引して中期成長シナリオに変化はないだろう。

■株主還元は総合利回りの向上を目指す

 株主還元については基本方針として、現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を目指している。

 そして株主優待制度については毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。100株以上300株未満保有株主に対してオリジナルQUOカード1000円相当、300株以上保有株主に対してオリジナルQUOカード2000円相当を贈呈する。

 なお15年11月に、大和インベスター・リレーションズが選定した「2015年インターネットIR表彰」において、当社が優良賞を受賞したと発表している。

■株価は下値固め完了して出直り

 株価の動きを見ると、1月21日の直近安値1350円から徐々に下値を切り上げて、3月以降は1500円〜1600円近辺でモミ合う展開だ。下値固めが完了したようだ。

 3月22日の終値1599円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想のEPS89円80銭で算出)は17〜18倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は1.1%近辺、前々期実績PBR(前々期実績BPS349円63銭で算出)は4.6倍近辺である。時価総額は約100億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を突破し、25日移動平均線が上向きに転じた。また週足チャートで見ると13週移動平均線を突破し、続いて26週移動平均線突破の動きを強めている。下値固めが完了して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[2月23日更新]

キャリアリンクは16年2月期増収増益・増配予想、BPO関連の受注拡大が牽引

 キャリアリンク<6070>(東1)は「チーム派遣」を強みとする総合人材サービス企業である。16年2月期はマイナンバー関連の本格稼働も寄与して増収増益・増配予想である。BPO関連事業の受注拡大が牽引して中期成長シナリオに変化はない。株価は地合い悪化の影響でやや水準を切り下げたが、下値固め完了感を強めている。好業績を再評価して出直り展開だろう。なお4月14日に16年2月期の決算発表を予定している。

■BPO関連事業が主力の総合人材サービス企業

 官公庁・地方公共団体・民間企業向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業を主力として、企業等のコンタクトセンター(コールセンター)向けCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業、一般事務職分野の一般事務事業、さらに製造・物流分野の製造技術系事業など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開している。

 なお15年2月期の事業別売上高は、BPO関連事業84億10百万円(売上構成比60.3%)、CRM関連事業30億40百万円(同21.8%)、一般事務事業9億50百万円(同6.8%)、製造技術系事業15億46百万円(同11.1%)だった。

■顧客企業の業務効率化を実現する「チーム派遣」に強み

 顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負を特徴としている。特にBPO関連事業では、顧客企業の業務効率化や業務処理品質向上を実現するために「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成した「チーム派遣」を強みとしている。顧客にとっては、自社による導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、発注から短期間で大量業務処理の稼働開始が可能になるというメリットもある。

 またBPO事業者からの受注を含めて1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることも強みだ。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築しており、こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えている。

 中期的な経営基盤強化に向けて、BPO関連事業における官公庁・地方公共団体関連の大型特需案件や成長市場である民間BPO案件の受注拡大、高品質で顧客満足度の高いBPOサービス提供の強化、M&Aも活用したBPO関連事業の領域拡大、CRM関連事業や製造技術系事業における高利益案件をメインターゲットとした受注活動の強化、そして業容拡大に向けた人材採用・育成の強化を推進している。

■BPO関連事業が拡大して増収基調

 15年2月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(3月〜5月)28億78百万円、第2四半期(6月〜8月)36億08百万円、第3四半期(9月〜11月)38億41百万円、第4四半期(12月〜2月)36億21百万円で、営業利益は第1四半期1億15百万円、第2四半期2億94百万円、第3四半期2億71百万円、第4四半期1億51百万円だった。

 BPO関連事業が牽引して四半期ベースでも増収基調だ。15年2月期の売上総利益率は21.1%で14年2月期比3.0ポイント上昇、販管費比率は15.2%で同0.4ポイント低下、ROEは24.5%で同15.1ポイント上昇、自己資本比率は41.3%で同11.4ポイント低下した。配当性向は20.4%だった。

■16年2月期第3四半期累計は微減益だが、BPO関連事業は好調

 今期(16年2月期)第3四半期累計(3月〜11月)非連結業績は、売上高が前年同期比17.7%増の121億60百万円、営業利益が同3.7%減の6億55百万円、経常利益が同4.5%減の6億43百万円、純利益が同0.3%減の4億03百万円だった。

 BPO大型プロジェクト案件における新規受注業務のスタッフ研修費用の増加、第4四半期(12月〜2月)から本格稼働するマイナンバー関連案件に関する先行投資費用の発生が影響して微減益だったが、主力のBPO関連事業の好調が牽引して大幅増収だった。なお売上総利益率は20.2%で同1.3ポイント低下、販管費比率は14.9%で同横ばいだった。

 事業部門別の売上高は、BPO関連事業が同26.8%増の78億19百万円、CRM関連事業が同3.1%減の22億54百万円、製造技術系事業が同6.7%増の11億98百万円、一般事務事業が同24.7%増の8億87百万円だった。

 BPO関連事業では首都圏で稼働中のBPO大型プロジェクト案件が順調である。新たな民間BPO案件やマイナンバー関連案件の新規受注も順調だった。マイナンバー案件に関しては、企画提案型入札のプロポーザル案件で約40%のシェアを獲得しているようだ。

 CRM関連事業ではテレマーケティング事業者からの受注が弱含んだ。製造技術系事業では機械部品メーカーからの受注量が増加した。一般事務事業では金融系事務センターなど既存案件の業務量が順調で、金融関連案件の新規受注も寄与した。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(3月〜5月)38億73百万円、第2四半期(6月〜8月)40億41百万円、第3四半期(9月〜11月)42億46百万円、営業利益は第1四半期1億89百万円、第2四半期2億03百万円、第3四半期2億63百万円だった。営業損益は15年2月期第4四半期をボトムとして改善基調だ。

■16年2月期通期は増収増益・増配予想

 今期(16年2月期)通期非連結業績予想(4月14日公表)は、売上高が前期比17.4%増の163億68百万円、営業利益が同14.4%増の9億51百万円、経常利益が同14.2%増の9億38百万円、純利益が同15.4%増の5億62百万円としている。また配当予想(4月14日公表)は同2円増配の年間18円(期末一括)で予想配当性向は20.1%となる。

 第4四半期(12月〜2月)から本格稼働するマイナンバー関連案件で即戦力の採用を増やしているため人件費が増加するが、主力のBPO関連事業の受注増加、BPO大型案件における業務処理効率化の進展が牽引して増収増益基調だ。

 事業部門別売上高の計画は、BPO関連事業が約15%増収、CRM関連事業が約20%増収、一般事務事業が約5%増収、製造技術系事業が約20%増収としている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が74.3%、営業利益が68.9%、経常利益が68.6%、純利益が71.7%である。やや低水準の形だが、既存案件の業務量拡大や新規案件の受注は好調に推移している。そして第4四半期から本格稼働するマイナンバー関連案件など、新規案件の稼働で期後半に向けて収益が積み上がる。業務効率化進展も寄与して増収増益基調だろう。

■BPO関連事業が成長エンジン、M&Aによる領域拡大も推進

 中期経営計画(16年2月期〜18年2月期)では、目標値に18年2月期の売上高250億90百万円、営業利益15億20百万円、経常利益15億10百万円、純利益9億40百万円を掲げている。BPO関連事業を成長エンジンとした成長戦略を加速させる方針で、BPO関連事業の売上規模拡大、企画提案力・運用力の強化、M&Aによる領域拡大を重点戦略としている。

 特にBPO関連事業の拡大に向けて、BPOベンダー等との関係強化を推進するための営業推進部、人材育成を強化するための研修センター、人材採用・開発力を強化するための人材開発部を設置するなど新たな体制を構築した。またキャリアパス制度による社員登用増、無期雇用社員の採用増、高スキル・高スペック人材の確保などで「チーム派遣」を一段と強化する方針だ。

 事業部門別売上高の計画としては、BPO関連事業が高品質運用やIT分野を含めた事業領域拡大などで15年2月期比2.0倍の171億円、CRM関連事業が高利益案件をメインターゲットとして同42.0%増の43億円、製造技術系事業が製造業や流通業の高利益案件への戦略展開などで同64.2%増の25億円、一般事務事業が無期雇用・長期雇用を軸に高利益ビジネスモデルへの変革を目指して同11.2%増の10億円を掲げている。

■BPO関連事業の受注拡大が牽引して中期成長シナリオに変化なし

 中期的に事業環境は良好だ。官公庁・地方公共団体関連では財政健全化に向けた費用抑制の流れ、サービス向上や業務効率化のニーズ増大も背景として、官から民間への業務委託・移管の増加が予想されている。民間企業関連ではコア事業への経営資源集中や固定費の変動費化の流れも背景として、業務のアウトソーシング化が一段と増加すると予想されている。

 BPO関連事業の業容拡大に伴って中途採用が必要な人材開発部および研修センターを強化している。

 業務効率化に向けた企画提案力、1000名以上の大型案件でも稼働開始まで短期間で対応できるノウハウ、官公庁向け大型BPO案件の受注実績などから、マイナンバー関連でも大型BPO案件を受注することが期待され、さらに改正労働者派遣法も追い風として期待される。BPO関連事業の受注拡大が牽引して中期成長シナリオに変化はないだろう。

■株主還元は総合利回りの向上を目指す

 株主還元については基本方針として、現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を目指している。

 そして株主優待制度については毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。100株以上300株未満保有株主に対してオリジナルQUOカード1000円相当、300株以上保有株主に対してオリジナルQUOカード2000円相当を贈呈する。

 なお15年11月に、大和インベスター・リレーションズが選定した「2015年インターネットIR表彰」において、当社が優良賞を受賞したと発表している。

■株価は下値固め完了して出直り

 株価の動きを見ると、地合い悪化も影響して1600円近辺でのモミ合いからやや水準を切り下げたが、1月21日の1350円、2月12日の1360円から切り返し、1300円台での下値固め完了感を強めている。

 2月22日の終値1528円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS89円80銭で算出)は17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は1.2%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS349円63銭で算出)は4.4倍近辺である。時価総額は約95億円である。

 週足チャートで見ると戻りを押さえていた13週移動平均線突破の動きを強めている。16年2月期増収増益・増配予想であり、BPO関連事業の受注拡大が牽引して中期成長シナリオに変化はない。下値固めが完了して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月22日更新]

キャリアリンクはBPO案件受注拡大が牽引して中期成長シナリオに変化なし

 キャリアリンク<6070>は「チーム派遣」を強みとする総合人材サービス企業である。BPO関連事業の受注拡大が牽引して16年2月期は増収増益・増配予想であり、中期成長シナリオに変化はない。改正労働者派遣法も追い風だ。株価は調整が一巡して出直り展開だろう。なお12月28日に第3四半期累計(3月〜11月)の業績発表を予定している。

■BPO関連事業が主力の総合人材サービス企業

 官公庁・地方公共団体・民間企業向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業を主力として、企業等のコンタクトセンター(コールセンター)向けCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業、一般事務職分野の一般事務事業、さらに製造・物流分野の製造技術系事業など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開している。

 なお15年2月期の事業別売上高は、BPO関連事業84億10百万円(売上構成比60.3%)、CRM関連事業30億40百万円(同21.8%)、一般事務事業9億50百万円(同6.8%)、そして製造技術系事業15億46百万円(同11.1%)だった。

■顧客企業の業務効率化を実現する「チーム派遣」に強み

 顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負を特徴としている。特にBPO関連事業では、顧客企業の業務効率化や業務処理品質向上を実現するために「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成した「チーム派遣」を強みとしている。顧客にとっては、自社による導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、発注から短期間で大量業務処理の稼働開始が可能になるというメリットもある。

 またBPO事業者からの受注を含めて1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることも強みだ。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築しており、こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えている。

 中期的な経営基盤強化に向けて、BPO関連事業における官公庁・地方公共団体関連の大型特需案件や成長市場である民間BPO案件の受注拡大、高品質で顧客満足度の高いBPOサービス提供の強化、M&Aも活用したBPO関連事業の領域拡大、CRM関連事業や製造技術系事業における高利益案件をメインターゲットとした受注活動の強化、そして業容拡大に向けた人材採用・育成の強化を推進している。

■BPO関連事業が拡大して増収基調

 15年2月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(3月〜5月)28億78百万円、第2四半期(6月〜8月)36億08百万円、第3四半期(9月〜11月)38億41百万円、第4四半期(12月〜2月)36億21百万円、営業利益は第1四半期1億15百万円、第2四半期2億94百万円、第3四半期2億71百万円、第4四半期1億51百万円だった。

 BPO関連事業が拡大して四半期ベースでも増収基調だ。また15年2月期のROEは14年2月期比15.1ポイント上昇して24.5%、自己資本比率は同11.4ポイント低下して41.3%となった。配当性向は20.4%だった。

■16年2月期第2四半期累計は減益だが、BPO関連事業は想定以上に好調

 今期(16年2月期)第2四半期累計(3月〜8月)の非連結業績は、売上高が前年同期比22.0%増の79億14百万円だが、営業利益が同4.0%減の3億92百万円、経常利益が同5.3%減の3億84百万円、純利益が同0.7%減の2億38百万円だった。

 主力のBPO関連事業の好調が牽引して計画を上回る大幅増収だったが、BPO関連事業における新規受注業務のスタッフ研修費用の増加、下期運用開始案件に関する一過性の先行投資費用の発生が影響して、各利益は計画を下回り減益だった。売上総利益率は同1.5ポイント低下して20.1%、販管費比率は同0.2ポイント低下して15.1%だった。

 事業部門別の売上高は、BPO関連事業が同30.7%増の49億97百万円、CRM関連事業が同5.4%増の15億87百万円、製造技術系事業が同13.1%増の7億62百万円、一般事務事業が同17.2%増の5億66百万円だった。

 BPO関連事業は計画を大幅に上回った。首都圏で稼働中のBPO大型プロジェクト案件の新規業務が順調に拡大した。また新規受注に関しては、民間BPO案件及び官公庁BPO案件を順調に獲得しているようだ。

 なお官公庁BPOのマイナンバー案件および臨時給付金案件では、10月7日時点で22自治体・23案件を受注済みである。またマイナンバー案件に関しては、企画提案型入札のプロポーザル案件で約40%のシェア、を獲得しているようだ。

 四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(3月〜5月)38億73百万円、第2四半期(6月〜8月)40億41百万円、営業利益は第1四半期1億89百万円、第2四半期2億03百万円だった。

■16年2月期増収増益・増配予想

 今期(16年2月期)通期の非連結業績予想(4月14日公表)は、売上高が前期比17.4%増の163億68百万円で、営業利益が同14.4%増の9億51百万円、経常利益が同14.2%増の9億38百万円、そして純利益が同15.4%増の5億62百万円としている。配当予想(4月14日公表)は同2円増配の年間18円(期末一括)で予想配当性向は20.1%となる。

 下期運用開始の大型案件に向けて即戦力の採用を増やしているため人件費が増加するが、主力のBPO関連事業の受注増加、BPO大型案件における業務処理効率化の進展が牽引して増収増益基調だ。

 事業部門別売上高の計画は、BPO関連事業が約15%増収、CRM関連事業が約20%増収、一般事務事業が約5%増収、製造技術系事業が約20%増収としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.4%、営業利益が41.2%、経常利益が40.9%、純利益が42.4%である。やや低水準の形だが、既存案件の業務量拡大や新規案件の受注は好調に推移している。そして新規案件の稼働で期後半に向けて収益が積み上がり、また上期には一過性要因として研修費用が発生したが、下期には見込まず投資回収期としている。

 業務効率化に向けた企画提案力、1000名以上の大型案件でも稼働開始まで短期間で対応できるノウハウ、官公庁向け大型BPO案件の受注実績などから、マイナンバー関連でも大型BPO案件を受注することが期待され、さらに改正労働者派遣法も追い風として期待される。16年2月期会社予想の達成は十分に可能だろう。

■BPO関連事業が成長エンジン、M&Aによる領域拡大も推進

 中期経営計画(16年2月期〜18年2月期)では、目標値に18年2月期の売上高250億90百万円、営業利益15億20百万円、経常利益15億10百万円、純利益9億40百万円を掲げている。

 BPO関連事業を成長エンジンとした成長戦略を加速させる方針で、BPO関連事業の売上規模拡大、企画提案力・運用力の強化、M&Aによる領域拡大を重点戦略としている。

 特にBPO関連事業の拡大に向けて、BPOベンダー等との関係強化を推進するための営業推進部、人材育成を強化するための研修センター、人材採用・開発力を強化するための人材開発部を設置するなど新たな体制を構築した。

 またキャリアパス制度による社員登用増、無期雇用社員の採用増、高スキル・高スペック人材の確保などで「チーム派遣」を一段と強化する方針だ。

 事業部門別売上高の計画としては、BPO関連事業が高品質運用やIT分野を含めた事業領域拡大などで15年2月期比2.0倍の171億円、CRM関連事業が高利益案件をメインターゲットとして同42.0%増の43億円、製造技術系事業が製造業や流通業の高利益案件への戦略展開などで同64.2%増の25億円、一般事務事業が無期雇用・長期雇用を軸に高利益ビジネスモデルへの変革を目指して同11.2%増の10億円を掲げている。

■BPO関連事業の受注拡大が牽引して中期成長シナリオに変化なし

 中期的に事業環境は良好だ。官公庁・地方公共団体関連では財政健全化に向けた費用抑制の流れ、サービス向上や業務効率化のニーズ増大も背景として、官から民間への業務委託・移管の増加が予想されている。民間企業関連ではコア事業への経営資源集中や固定費の変動費化の流れも背景として、業務のアウトソーシング化が一段と増加すると予想されている。

 BPO関連事業の業容拡大に伴って中途採用が必要なため、人材開発部及び研修センターで人材開発及び研修を強化しており、BPO関連事業の受注拡大が牽引して中期成長シナリオに変化はないだろう。

■株主還元は総合利回りの向上を目指す

 株主優待制度については毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。100株以上300株未満保有株主に対してオリジナルQUOカード1000円相当、300株以上保有株主に対してオリジナルQUOカード2000円相当を贈呈する。

 株主還元については基本方針として、現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を目指している。

 なお11月12日に、大和インベスター・リレーションズが選定した「2015年インターネットIR表彰」において、当社が優良賞を受賞したと発表している。

■株価は調整一巡して出直り

 株価の動きを見ると、足元では全般地合い悪化も影響して1500円台を割り込む場面があったが、9月下旬以降は概ね直近安値圏1600円〜1800円近辺でモミ合う展開だ。

 12月18日の終値1525円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS89円80銭で算出)は17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は1.2%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS349円63銭で算出)は4.4倍近辺である。なお時価総額は約96億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、一方では大きく下押す動きは見られず、1500円近辺が下値支持線のようだ。BPO関連事業の受注拡大が牽引して16年2月期増収増益・増配予想であり、中期成長シナリオに変化はない。改正労働者派遣法も追い風だ。調整が一巡して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月29日更新]

キャリアリンクは16年2月期増収増益・増配予想で中期成長シナリオに変化なし

 キャリアリンク<6070>(東1)は「チーム派遣」を強みとする総合人材サービス企業である。16年2月期第2四半期累計は先行投資費用の発生で減益だったが、通期ベースでは増収増益・増配予想だ。マイナンバー制度や改正労働者派遣法も追い風で中期成長シナリオに変化はない。株価は調整が一巡して出直り展開だろう。

■BPO関連事業が主力の総合人材サービス企業

 官公庁・地方公共団体・民間企業向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業を主力として、企業等のコンタクトセンター(コールセンター)向けCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業、一般事務職分野の一般事務事業、さらに製造・物流分野の製造技術系事業など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開している。

 なお15年2月期の事業別売上構成比は、BPO関連事業が60.3%、CRM関連事業が21.8%、一般事務事業が6.8%、そして製造技術系事業が11.1%だった。

■顧客企業の業務効率化を実現する「チーム派遣」に強み

 顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負を特徴としている。特にBPO関連事業では、顧客企業の業務効率化や業務処理品質向上を実現するために「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成した「チーム派遣」を強みとしている。顧客にとっては、自社による導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、発注から短期間で大量業務処理の稼働開始が可能になるというメリットもある。

 BPO事業者からの受注を含めて1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることも強みだ。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築しており、こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えている。

 中期的な経営基盤強化に向けて、BPO関連事業における官公庁・地方公共団体関連の大型特需案件や成長市場である民間BPO案件の受注拡大、高品質で顧客満足度の高いBPOサービス提供の強化、M&Aも活用したBPO関連事業の領域拡大、CRM関連事業や製造技術系事業における高利益案件をメインターゲットとした受注活動の強化、そして業容拡大に向けた人材採用・育成の強化を推進している。

■BPO関連事業が拡大して増収基調

 15年2月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(3月〜5月)28億78百万円、第2四半期(6月〜8月)36億08百万円、第3四半期(9月〜11月)38億41百万円、第4四半期(12月〜2月)36億21百万円、営業利益は第1四半期1億15百万円、第2四半期2億94百万円、第3四半期2億71百万円、第4四半期1億51百万円だった。

 BPO関連事業が拡大して四半期ベースでも増収基調だ。また15年2月期のROEは14年2月期比15.1ポイント上昇して24.5%、自己資本比率は同11.4ポイント低下して41.3%、配当性向は20.4%だった。

■16年2月期第2四半期累計は減益だが、BPO関連事業は想定以上に好調

 今期(16年2月期)第2四半期累計(3月〜8月)の非連結業績は、売上高が前年同期比22.0%増の79億14百万円だが、営業利益が同4.0%減の3億92百万円、経常利益が同5.3%減の3億84百万円、純利益が同0.7%減の2億38百万円だった。

 主力のBPO関連事業の好調が牽引して計画を上回る大幅増収だったが、BPO関連事業における新規受注業務のスタッフ研修費用の増加、下期運用開始案件に関する一過性の先行投資費用の発生が影響して、各利益は計画を下回り減益だった。売上総利益率は同1.5ポイント低下して20.1%、販管費比率は同0.2ポイント低下して15.1%だった。

 事業部門別の売上高は、BPO関連事業が同30.7%増の49億97百万円、CRM関連事業が同5.4%増の15億87百万円、製造技術系事業が同13.1%増の7億62百万円、一般事務事業が同17.2%増の5億66百万円だった。

 BPO関連事業は計画を大幅に上回った。首都圏で稼働中のBPO大型プロジェクト案件の新規業務が順調に拡大した。また民間BPO案件及び官公庁BPO案件の新規受注が順調に推移しているようだ。

 四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(3月〜5月)38億73百万円、第2四半期(6月〜8月)40億41百万円、営業利益は第1四半期1億89百万円、第2四半期2億03百万円だった。

■16年2月期通期は増収増益・増配予想

 通期の非連結業績予想は前回予想(4月14日公表)を据え置いて、売上高が前期比17.4%増の163億68百万円、営業利益が同14.4%増の9億51百万円、経常利益が同14.2%増の9億38百万円、そして純利益が同15.4%増の5億62百万円としている。配当予想も前回予想(4月14日公表)を据え置いて同2円増配の年間18円(期末一括)としている。予想配当性向は20.1%となる。

 下期運用開始の大型案件に向けて即戦力の採用を増やしているため人件費が増加するが、主力のBPO関連事業の受注増加、BPO大型案件における業務処理効率化の進展が牽引して増収増益基調だ。

 なお事業部門別売上高の計画は、BPO関連事業が約15%増収、CRM関連事業が約20%増収、一般事務事業が約5%増収、製造技術系事業が約20%増収としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.4%、営業利益が41.2%、経常利益が40.9%、純利益が42.4%である。やや低水準の形だが、既存案件の業務量拡大や新規案件の受注は好調に推移している。そして新規案件の稼働で期後半に向けて収益が積み上がり、また上期には一過性要因として研修費用が発生したが、下期には見込まず投資回収期としている。

 業務効率化に向けた企画提案力、1000名以上の大型案件でも稼働開始まで短期間で対応できるノウハウ、官公庁向け大型BPO案件の受注実績などから、マイナンバー関連の受注が期待され、さらに9月30日施行の改正労働者派遣法も追い風として期待される。16年2月期会社予想の達成は十分に可能だろう。

■BPO関連事業が成長エンジン、M&Aによる領域拡大も推進

 中期経営計画(16年2月期〜18年2月期)では、目標値に18年2月期の売上高250億90百万円、営業利益15億20百万円、経常利益15億10百万円、純利益9億40百万円を掲げた。

 BPO関連事業を成長エンジンとした成長戦略を加速させる方針で、BPO関連事業の売上規模拡大、企画提案力・運用力の強化、M&Aによる領域拡大を重点戦略としている。

 特にBPO関連事業の拡大に向けて、BPOベンダー等との関係強化を推進するための営業推進部、人材育成を強化するための研修センター、人材採用・開発力を強化するための人材開発部を設置するなど新たな体制を構築した。またキャリアパス制度による社員登用増、無期雇用社員の採用増、高スキル・高スペック人材の確保などで「チーム派遣」を一段と強化する方針だ。

 事業部門別売上高の計画としては、BPO関連事業が高品質運用やIT分野を含めた事業領域拡大などで15年2月期比2.0倍の171億円、CRM関連事業が高利益案件をメインターゲットとして同42.0%増の43億円、製造技術系事業が製造業や流通業の高利益案件への戦略展開などで同64.2%増の25億円、一般事務事業が無期雇用・長期雇用を軸に高利益ビジネスモデルへの変革を目指して同11.2%増の10億円を掲げている。

 中期的に事業環境は良好だ。官公庁・地方公共団体関連では財政健全化に向けた費用抑制の流れ、サービス向上や業務効率化のニーズ増大も背景として、官から民間への業務委託・移管の増加が予想されている。民間企業関連ではコア事業への経営資源集中や固定費の変動費化の流れも背景として、業務のアウトソーシング化が一段と増加すると予想されている。BPO関連事業における優位性を発揮して中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡して出直り

 株主優待制度については毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。100株以上300株未満保有株主に対してオリジナルQUOカード1000円相当、300株以上保有株主に対してオリジナルQUOカード2000円相当を贈呈する。株主還元については現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を目指している。

 株価の動きを見ると、8月18日の上場来高値2640円から反落し、悪地合いも影響して調整局面となった。そして第2四半期累計の減益も嫌気する形で10月2日に1474円まで下押す場面があった。ただし足元は1700円近辺に戻して調整一巡感を強めている。

 10月28日の終値1659円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS89円80銭で算出)は18〜19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は1.1%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS349円63銭で算出)は4.8倍近辺である。なお時価総額は約104億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面だが、52週移動平均線近辺で下げ渋り、徐々に下値を切り上げている。サポートラインを確認した形だろう。16年2月期増収増益・増配予想で、マイナンバー制度や改正労働者派遣法も追い風となって中期成長シナリオに変化はない。調整が一巡して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月22日更新]

キャリアリンクは2月の上場来高値を更新、16年2月期業績は増額が濃厚

 キャリアリンク<6070>(東1)は総合人材サービス事業を展開している。株価は第1四半期(3月〜5月)の大幅増収増益を好感して、7月21日、2月の上場来高値2048円を更新し、最高値は2190円となった。16年2月期業績は増額が濃厚であり、マイナンバー制度関連でも大型BPO案件を受注することが期待される。日柄調整が一巡し、中期成長力を評価して上値追いの展開だろう。

■BPO関連事業が主力の総合人材サービス企業

 官公庁・地方公共団体・民間企業向けのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業を主力として、企業等のコンタクトセンター(コールセンター)向けCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業、一般事務職分野の一般事務事業、さらに製造・物流分野の製造技術系事業など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開している。

 なお15年2月期の事業別売上構成比は、BPO関連事業が60.3%、CRM関連事業が21.8%、一般事務事業が6.8%、そして製造技術系事業が11.1%だった。

■顧客企業の業務効率化を実現する「チーム派遣」に強み

 顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負が特徴である。特にBPO関連事業では、企画提案による顧客企業の業務効率化や業務処理の品質向上を強みとして、それらを実現するために「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成したチームを派遣する「チーム派遣」を特徴としている。顧客にとっては、自社による導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、発注から短期間で大量業務処理の稼働開始が可能になるというメリットもある。

 BPO事業者からの受注を含めて1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることも強みだ。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築しており、こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えている。

 中期的な経営基盤強化に向けて、BPO関連事業における官公庁・地方公共団体関連の大型特需案件や成長市場である民間BPO案件の受注拡大、高品質で顧客満足度の高いBPOサービス提供の強化、M&Aも活用したBPO関連事業の領域拡大、CRM関連事業や製造技術系事業における高利益案件をメインターゲットとした受注活動の強化、そして業容拡大に向けた人材採用・育成の強化を推進している。

■第1四半期は大幅増収増益で、16年2月期業績の会社予想は増額が濃厚

 15年2月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(3月〜5月)28億78百万円、第2四半期(6月〜8月)36億08百万円、第3四半期(9月〜11月)38億41百万円、第4四半期(12月〜2月)36億21百万円、営業利益は第1四半期1億15百万円、第2四半期2億94百万円、第3四半期2億71百万円、第4四半期1億51百万円だった。

 また15年2月期の配当性向は20.4%だった。ROEは14年2月期比15.1ポイント上昇して24.5%、自己資本比率は同11.4ポイント低下して41.3%だった。

 今期(16年2月期)第1四半期(3月〜5月)の非連結業績は、売上高が前年同期比34.6%増の38億73百万円で、営業利益が同63.6%増の1億89百万円、経常利益が同62.6%増の1億84百万円、そして純利益が同72.9%増の1億16百万円だった。

 各事業とも好調に推移し、特にBPO関連事業の受注好調が牽引して大幅増収増益だった。売上総利益率は20.0%で同0.5ポイント低下したが、販管費比率は15.2%で同1.3ポイント低下した。

 事業部門別売上高は、BPO関連事業が稼働中の大型案件の新規業務拡大や新規案件の受注などで同51.7%増の23億77百万円、CRM関連事業が新規案件の獲得などで同11.4%増の8億30百万円、製造技術系事業が製薬・機械部品・自動二輪メーカーからの業務量増加などで同25.4%増の3億92百万円、一般事務事業が福岡地区における通販系案件などの新規案件獲得で同8.2%増の2億72百万円だった。

 通期の非連結業績予想は前回予想(4月14日公表)を据え置いて、売上高が前期比17.4%増の163億68百万円、営業利益が同14.4%増の9億51百万円、経常利益が同14.2%増の9億38百万円、そして純利益が同15.4%増の5億62百万円としている。

 配当予想も前回予想(4月14日公表)を据え置いて同2円増配の年間18円(期末一括)としている。予想配当性向は20.1%となる。

 主力のBPO関連事業の受注増加と、BPO大型案件における業務処理効率化の進展が牽引して増収増益基調だ。事業部門別売上の計画はBPO関連事業が約15%増収、CRM関連事業が約20%増収、一般事務事業が約5%増収、製造技術系事業が約20%増収としている。マイナンバー(社会保障・税番号)制度関連については、地方自治体・民間企業向けで若干程度の織り込みにとどめているようだ。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が23.7%、営業利益が19.9%、経常利益が19.6%、純利益が20.6%である。やや低水準の形だが、既存案件の業務量拡大や新規案件の受注は好調に推移している。また業務効率化に向けた企画提案力、1000名以上の大型案件でも稼働開始まで短期間で対応できるノウハウ、官公庁向け大型BPO案件の受注実績などから、マイナンバー制度関連の受注が期待される。

■BPO関連事業を成長エンジンとして、M&Aによる領域拡大も推進方針

 中期経営計画(16年2月期〜18年2月期)では、目標値に18年2月期の売上高250億90百万円、営業利益15億20百万円、経常利益15億10百万円、純利益9億40百万円を掲げた。

 BPO関連事業を成長エンジンとした成長戦略を加速させる方針で、BPO関連事業の売上規模拡大、企画提案力・運用力の強化、M&Aによる領域拡大を重点戦略としている。

 特にBPO関連事業の拡大に向けて、BPOベンダー等との関係強化を推進するための営業推進部、人材育成を強化するための研修センター、人材採用・開発力を強化するための人材開発部を設置するなど新たな体制を構築した。またキャリアパス制度による社員登用増、無期雇用社員の採用増、高スキル・高スペック人材の確保などで「チーム派遣」を一段と強化する方針だ。

 事業部門別売上高の計画としては、BPO関連事業が高品質運用やIT分野を含めた事業領域拡大などで15年2月期比2.0倍の171億円、CRM関連事業が高利益案件をメインターゲットとして同42.0%増の43億円、製造技術系事業が製造業や流通業の高利益案件への戦略展開などで同64.2%増の25億円、一般事務事業が無期雇用・長期雇用を軸に高利益ビジネスモデルへの変革を目指して同11.2%増の10億円を掲げた。

 中期的に事業環境は良好だ。官公庁・地方公共団体関連では財政健全化に向けた費用抑制の流れ、サービス向上や業務効率化のニーズ増大も背景として、官から民間への業務委託・移管の増加が予想されている。民間企業関連ではコア事業への経営資源集中や固定費の変動費化の流れも背景として、業務のアウトソーシング化が一段と増加すると予想されている。BPO関連事業における優位性を発揮して中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は日柄調整一巡して2月の上場来高値を更新し、2190円まで上伸

 株主優待制度については毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。100株以上300株未満保有株主に対してオリジナルQUOカード1000円相当、300株以上保有株主に対してオリジナルQUOカード2000円相当を贈呈する。株主還元については現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を目指している。

 株価の動きを見ると、概ね1800円〜1900円近辺でモミ合う展開だったが、7月21日には2190円まで上伸して2月の上場来高値2048円を更新した。日柄調整が一巡し、第1四半期の大幅増収増益を好感する動きのようだ。

 7月21日の終値2180円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS89円80銭で算出)は24〜25倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は0.8%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS349円63銭で算出)は6.2倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって徐々に水準を切り上げている。強基調を確認してモミ合いから上放れる動きのようだ。16年2月期業績の会社予想は増額が濃厚であり、中期成長力を評価して上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月31日更新]

キャリアリンクは調整一巡、中期成長力を評価して2月高値試す

 総合人材サービス事業のキャリアリンク[6070]の株価は、2月高値後の調整局面の形だったが、足元では切り返しの動きを強めている。中期成長力を評価する流れに変化はなく、調整が一巡して2月高値を試す展開だろう。なお4月14日に15年2月期決算発表を予定している。

 官公庁・地方公共団体・民間企業向けのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業を主力として、企業等のコンタクトセンター(コールセンター)向けCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業、一般事務職分野の一般事務事業、さらに製造・物流分野の製造技術系事業など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開している。

 顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負が特徴である。特にBPO関連事業では、企画提案による顧客企業の業務効率化や業務処理の品質向上を強みとして、それらを実現するために「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成したチームを派遣する「チーム派遣」を特徴としている。顧客にとっては、自社による導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、発注から短期間で大量業務処理の稼働開始が可能になるというメリットもある。

 BPO事業者からの受注を含めて1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることも強みだ。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築しており、こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えている。

 中期的な経営基盤強化に向けて、官公庁・地方公共団体関連の大型特需案件ならびに成長市場である民間BPO案件の受注活動を強化している。またCRM関連事業では首都圏で稼動中の大型コンタクトセンターへの派遣拡大、戦略拠点の札幌支店や沖縄支店における新規案件獲得、一般事務事業では既存取引先企業への事務系派遣の拡大、製造技術系事業では製薬メーカー、食肉加工メーカーおよび機械部品メーカー等からの受注拡大を推進している。そして業容拡大に向けて人材採用・育成も強化している。

 前期(15年2月期)の業績(非連結)見通し(9月22日に2回目の増額修正)は、売上高が前々期比17.7%増の136億54百万円、営業利益が同2.5倍の7億29百万円、経常利益が同2.5倍の7億20百万円、当期純利益が同2.6倍の4億26百万円、配当予想(9月30日に増額修正)が同2円増配の年間16円(期末一括=普通配当14円+創業20年記念配当2円)としている。

 第3四半期累計(3月〜11月)は、BPO関連事業の好調が牽引して前年同期比14.0%増収、同2.3倍営業増益、同2.4倍経常増益、同2.5倍最終増益の大幅増収増益だった。BPO関連事業では金融業界などの民間BPO案件を中心に受注が好調に推移している。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(3月〜5月)28億78百万円、第2四半期(6月〜8月)36億08百万円、第3四半期(9月〜11月)38億41百万円、営業利益は第1四半期1億15百万円、第2四半期2億94百万円、第3四半期2億71百万円である。

 通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.6%、営業利益が93.3%、経常利益が93.6%、当期純利益が95.1%と高水準である。通期の会社見通しを据え置いているが、BPO大型案件の業務処理効率化で売上総利益率の改善も進展しており、通期決算が9月22日の業績修正見通しを上回るのは間違いないだろう。

 中期的にも事業環境は良好だ。官公庁・地方公共団体関連では、財政健全化に向けた費用抑制の流れも背景として、官から民間への業務委託および移管の増加が予想されている。また民間企業関連では、コア事業への経営資源集中や固定費の変動費化の流れも背景として、業務のアウトソーシング化が一段と増加すると予想されている。

 マイナンバー(社会保障・税番号)制度も追い風となりそうだ。当社の業務効率化に向けた企画提案力、1000名以上の大型案件でも稼働開始まで短期間で対応できるノウハウ、官公庁向け大型BPO案件の受注実績などから、マイナンバー制度関連でも大型BPO案件を受注することが期待される。

 中期の経営目標値としては17年2月期の売上高200億円、売上高経常利益率6%を掲げている。人材採用・育成など業容拡大に向けた体制作りが着実に進展し、M&Aも活用して広範囲な事業分野へ受注領域を広げる方針を示している。中期的に収益拡大基調だろう。

 なお3月13日に、従業員に対する新たなインセンティブプランとして株式給付信託(J−ESOP)を導入すると発表した。信託の設定時期や金額などについては決定次第あらためて公表するとしている。

 また株主優待制度については毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。14年8月に優待内容の変更を発表し、従来の「100株以上保有株主に対してクオカード1000円相当」を「100株以上300株未満保有株主に対してクオカード1000円相当、300株以上保有株主に対してクオカード2000円相当」に変更した。現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を目指している。

 株価の動きを見ると、2月の上場来高値2048円後は利益確定売りが優勢になり、終値ベースで見ると3月25日の1496円まで水準を切り下げて調整局面の形だ。ただし26日と27日には切り返しの動きを強めている。利益確定売りがほぼ一巡したようだ。

 3月27日の終値1543円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想のEPS68円52銭で算出)は22〜23倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は1.0%近辺、前々期実績PBR(前々期実績のBPS289円26銭で算出)は5.3倍近辺である。

 日足チャートで見ると75日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。中期成長力を評価する流れに変化はなく、調整が一巡して2月高値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[2月27日更新]

キャリアリンクの15年2月期は3回目の増額が濃厚、中期成長力を評価して上値追い

 総合人材サービス事業のキャリアリンク[6070]の株価は強基調の展開です。16日の上場来高値2048円から利益確定売りで1600円台まで反落する場面がありましたが、25日には2月期末配当落ちにもかかわらず終値で前日比113円高の1914円と急伸しました。今期(15年2月期)業績は3回目の増額が濃厚と考えられます。中期成長力を評価する流れに変化はなく上値追いの展開が期待されます。

 官公庁・地方公共団体・民間企業向けのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業を主力として、企業等のコンタクトセンター(コールセンター)向けCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業、一般事務職分野の一般事務事業、製造・物流分野の製造技術系事業など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開しています。

 顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負が特徴です。特にBPO関連事業では、企画提案による顧客企業の業務効率化や業務処理の品質向上を強みとして、それらを実現するために「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成したチームを派遣する「チーム派遣」を特徴としています。顧客にとっては、自社による導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、発注から短期間で大量業務処理の稼働開始が可能になるというメリットもあります。

 BPO事業者からの受注を含めて、1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることも強みです。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築しており、こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えています。

 中期的な経営基盤強化に向けて、官公庁・地方公共団体関連の大型特需案件ならびに成長市場である民間BPO案件の受注活動を強化しています。またCRM関連事業では首都圏で稼動中の大型コンタクトセンターへの派遣拡大、戦略拠点の札幌支店や沖縄支店における新規案件獲得、一般事務事業では既存取引先企業への事務系派遣の拡大、製造技術系事業では製薬メーカー、食肉加工メーカーおよび機械部品メーカー等からの受注拡大を推進しています。そして業容拡大に向けて人材採用・育成も強化しています。

 今期(15年2月期)の業績(非連結)見通しは前回予想(9月22日に2回目の増額修正)を据え置いて、売上高が前期比17.7%増の136億54百万円、営業利益が同2.5倍の7億29百万円、経常利益が同2.5倍の7億20百万円、当期純利益が同2.6倍の4億26百万円としています。配当予想(9月30日に増額修正)は同2円増配の年間16円(期末一括=普通配当14円+創業20周年記念配当2円)としています。

 第3四半期累計(3月〜11月)は、BPO関連事業の好調が牽引して前年同期比14.0%増収、同2.3倍営業増益、同2.4倍経常増益、同2.5倍最終増益の大幅増収増益となりました。そして通期見通しに対する進捗率は売上高が75.6%、営業利益が93.3%、経常利益が93.6%、当期純利益が95.1%と高水準です。

 通期の会社見通しを据え置いていますが、BPO関連事業では金融業界などの民間BPO案件を中心に受注が堅調であり、BPO大型案件の業務処理効率化で売上総利益率の改善も進展しています。通期3回目の増額修正が濃厚と考えられます。

 中期的にも事業環境は良好です。官公庁・地方公共団体関連では、財政健全化に向けた費用抑制の流れも背景として、官から民間への業務委託および移管の増加が予想されています。また民間企業関連では、コア事業への経営資源集中や固定費の変動費化の流れも背景として、業務のアウトソーシング化が一段と増加すると予想されています。

 マイナンバー(社会保障・税番号)制度も追い風となりそうです。当社の業務効率化に向けた企画提案力、1000名以上の大型案件でも稼働開始まで短期間で対応できるノウハウ、官公庁向け大型BPO案件の受注実績などから、マイナンバー制度関連でも当社が大型BPO案件を受注することが有望視されます。

 中期の経営目標値としては17年2月期の売上高200億円、売上高経常利益率6%を掲げ、人材採用・育成など業容拡大に向けた体制作りも着実に進展しています。広範囲な事業分野へ受注領域を広げており、M&Aも活用する方針を示しています。中期的に収益拡大基調が期待されます。

 なお株主優待制度については毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施しています。14年8月に優待内容の変更を発表し、従来の「100株以上保有株主に対してクオカード1000円相当」を「100株以上300株未満保有株主に対してクオカード1000円相当、300株以上保有株主に対してクオカード2000円相当」に変更しました。現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を目指しています。

 株価の動きを見ると強基調の展開です。2月16日の上場来高値2048円から利益確定売りで1600円台まで反落する場面がありましたが、素早く切り返して25日には2月期末配当落ちにもかかわらず、終値で前日比113円(6.27%)高の1914円と急伸しました。

 2月25日の終値1914円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想EPS68円52銭で算出)は28倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は0.8%近辺、前期実績PBR(前期実績BPS289円26銭で算出)は6.6倍近辺です。

 日足チャートで見ると25日移動平均線近辺から切り返して強基調を確認した形です。また週足チャートで見ると13週移動平均線をサポートラインとする上昇トレンドです。今期業績見通しは3回目の増額が濃厚と考えられます。中期成長力を評価する流れに変化はなく上値追いの展開が期待されます。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[1月28日更新]

キャリアリンクが東証1部銘柄に指定される、中期成長力を評価して上値追い
総合人材サービス事業のキャリアリンク<6070>(東1)は26日、東証2部から東証1部銘柄に指定された。株価は21日の高値1696円から利益確定売りで上げ一服となったが、今期(15年2月期)業績見通しは3回目の増額が濃厚であり、東証1部上場でTOPIX連動ファンドへの組み入れなど機関投資家の注目度が一段と高まることも期待される。中期成長力を評価する流れに変化はなく、目先的な過熱感が解消して上値追いの展開だろう。株価2000円は通過点となりそうだ。

官公庁・地方公共団体・民間企業向けのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業を主力として、企業等のコンタクトセンター(コールセンター)向けCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業、一般事務職分野の一般事務事業、製造・物流分野の製造技術系事業など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開している。

顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負が特徴だ。特にBPO関連事業では、企画提案による顧客企業の業務効率化や業務処理の品質向上を強みとして、それらを実現するために「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成したチームを派遣する「チーム派遣」を特徴としている。顧客にとっては、自社による導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、発注から短期間で大量業務処理の稼動開始が可能になるというメリットもある。

BPO事業者からの受注を含めて、1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることが強みだ。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築しており、こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えている。

中期的な経営基盤強化に向けて、官公庁・地方公共団体関連の大型特需案件並びに成長市場である民間BPO案件の受注活動を強化している。またCRM関連事業では首都圏で稼動中の大型コンタクトセンターへの派遣拡大、戦略拠点の札幌支店や沖縄支店における新規案件獲得、一般事務事業では既存取引先企業への事務系派遣の拡大、製造技術系事業では製薬メーカー、食肉加工メーカーおよび機械部品メーカー等からの受注拡大を推進している。そして業容拡大に向けて人材採用・育成も強化している。

今期(15年2月期)の業績(非連結)見通しは前回予想(9月22日に2回目の増額修正)を据え置いて売上高が前期比17.7%増の136億54百万円、営業利益が同2.5倍の7億29百万円、経常利益が同2.5倍の7億20百万円、当期純利益が同2.6倍の4億26百万円としている。配当予想(9月30日に増額修正)は同2円増配の年間16円(期末一括=普通配当14円+創業20周年記念配当2円)としている。

第3四半期累計(3月〜11月)は前年同期比14.0%増収、同2.3倍営業増益、同2.4倍経常増益、同2.5倍最終増益だった。BPO関連事業の好調が牽引して大幅増収増益だった。そして通期見通しに対する進捗率は売上高が75.6%、営業利益が93.3%、経常利益が93.6%、当期純利益が95.1%と高水準である。

当社は、通期の会社見通しを据え置いているが、BPO関連事業では金融業界などの民間BPO案件を中心に受注が堅調であり、BPO大型案件の業務処理効率化で売上総利益率の改善も進展している。通期3回目の増額修正が濃厚だろう。

中期的にも事業環境は良好だ。官公庁・地方公共団体関連では、財政健全化に向けた費用抑制の流れも背景として、官から民間への業務委託および移管の増加が予想されている。また民間企業関連では、コア事業への経営資源集中や固定費の変動費化の流れも背景として、業務のアウトソーシング化が一段と増加すると予想されている。

マイナンバー(社会保障・税番号)制度も追い風となりそうだ。当社の業務効率化に向けた企画提案力、1,000名以上の大型案件でも稼働開始まで短期間で対応できるノウハウ、官公庁向け大型BPO案件の受注実績などから、マイナンバー制度関連でも当社が大型BPO案件を受注することが有望視される。

中期の経営目標値としては17年2月期の売上高200億円、売上高経常利益率6%を掲げ、人材採用・育成など業容拡大に向けた体制作りも着実に進展している。広範囲な事業分野へ受注領域を広げており、M&Aも活用する方針を示している。中期的に収益拡大基調だろう。

なお株主優待制度については毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。14年8月に優待内容の変更を発表し、従来の「100株以上保有株主に対してクオカード1000円相当」を「100株以上300株未満保有株主に対してクオカード1000円相当、300株以上保有株主に対してクオカード2000円相当」に拡充した。現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を目指している。

株価の動きを見ると、東証1部指定を好感した1月21日の上場来高値1696円から利益確定売りで上げ一服となり、27日は1441円まで調整する場面があった。ただし中期成長力を評価する流れに変化はなく、自律調整の範囲だろう。

1月27日の終値1475円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS68円52銭で算出)は21〜22倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は1.1%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS289円26銭で算出)は5.1倍近辺である。

日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消した。週足チャートで見ると13週移動平均線をサポートラインとする上昇トレンドだ。今期業績見通しは3回目の増額が濃厚であり、東証1部上場でTOPIX連動ファンドへの組み入れなど機関投資家の注目度が一段と高まることも期待される。中期成長力を評価する流れに変化はなく、目先的な過熱感が解消して上値追いの展開だろう。株価2000円は通過点となりそうだ。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月30日更新]
キャリアリンクは上場来高値更新の展開、15年2月期会社見通し据え置きだが3回目の増額が濃厚

■中期成長力を評価して上値追い

 総合人材サービス事業のキャリアリンク[6070](東2)が26日発表した今期(15年2月期)第3四半期累計(3月〜11月)業績は大幅増収増益だった。通期会社見通しを据え置いたが3回目の増額が濃厚だろう。株価は上場来高値更新の展開で25日には1435円まで上値を伸ばした。目先的な過熱感を冷ましながら中期成長力を評価して上値追いの展開だろう。

 官公庁・地方公共団体・民間企業向けのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業を主力として、テレマーケティング事業者や企業コンタクトセンター(コールセンター)向けのCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業、一般事務職分野の一般事務事業、製造・物流分野の製造技術系事業など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開している。

 顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負が特徴だ。特にBPO関連事業では、企画提案による顧客企業の業務効率化や業務処理の品質向上を強みとして、それらを実現するために「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成したチームを派遣する「チーム派遣」を特徴としている。顧客にとっては、自社による導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、発注から短期間で大量業務処理の稼動開始が可能になるというメリットもある。

 BPOベンダーからの受注を含めて、1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることが強みだ。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築しており、こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えている。

 中期的な経営基盤強化に向けて、官公庁・地方公共団体関連の大型特需案件の有無で収益が変動することを避けるため、成長市場である民間BPO案件の受注活動を強化している。またCRM関連事業では首都圏で稼動中の大型コンタクトセンターへの派遣拡大、戦略拠点の札幌支店や沖縄支店における新規案件獲得、一般事務事業では既存取引先企業への事務系派遣の拡大、製造技術系事業では食肉加工メーカーや機械部品メーカーからの受注拡大を推進している。そして業容拡大に向けて人材採用・育成も強化している。

 12月26日に発表した今期(15年2月期)第3四半期累計(3月〜12月)の業績(非連結)は、売上高が前年同期比14.0%増の103億27百万円、利益面では売上高の伸び率を大きく上回り、営業利益が前年同期比2.3倍の6億80百万円、経常利益が同2.4倍の6億74百万円、純利益が同2.5倍の4億05百万円だった。BPO関連事業の好調が牽引して大幅増収増益だった。

 民間を中心にBPO関連事業の受注が好調に推移し、消費増税に伴う臨時給付金案件など官公庁案件の受注も増収に寄与した。また、BPO大型案件の業務処理効率化が想定以上に進展したことが利益拡大に寄与した。

 通期の業績(非連結)見通しについては前回予想(9月22日に2回目の修正)を据え置いて売上高が前期比17.7%増の136億54百万円、営業利益が同2.5倍の7億29百万円、経常利益が同2.5倍の7億20百万円、純利益が同2.6倍の4億26百万円としている。配当予想(9月30日に増額修正)は同2円増配の年間16円(期末一括=普通配当14円+創業20周年記念配当2円)としている。

 ただし通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.6%、営業利益が93.3%、経常利益が93.6%、純利益が95.1%と高水準である。当社は、通期の会社見通しを据え置いているが、民間BPO案件の受注が堅調であり、業務処理効率化による粗利率改善が進展していることも考慮すれば、通期3回目の増額修正が濃厚だろう。

 中期的にも事業環境は良好だ。官公庁・地方公共団体関連では、財政健全化に向けた費用抑制の流れも背景として、官から民間への業務委託および移管の増加が予想される。また民間企業関連では、コア事業への経営資源集中や固定費の変動費化の流れも背景として、業務のアウトソーシング化が一段と増加すると予想される。BPO関連事業では金融業界など民間企業からの受注が増加基調であり、マイナンバー(社会保障・税番号)制度の施行も追い風となりそうだ。

 マイナンバー制度に関しては、国が想定しているロードマップ(案)によると、15年10月からマイナンバーを券面に記載した「通知カード」の郵送を開始し、16年1月から市区町村の窓口でマイナンバーと個人基本4情報(氏名、住所、性別、生年月日)が入った顔写真付きのICカード「個人番号カード」の交付を開始する予定だ。

 そしてマイナンバー制度導入関連業務は、官公庁・地方公共団体関連のBPO案件だけでなく、銀行・証券など金融機関を中心とした民間BPO案件にも広がる見込みだ。当社の業務効率化に向けた企画提案力、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウ、官公庁向け大型BPO案件の受注実績などから、マイナンバー制度関連でも当社が大型BPO案件を受注することが有望視される。16年2月期から受注が本格化しそうだ。

 中期の経営目標値としては17年2月期の売上高200億円、売上高経常利益率6%を掲げ、人材採用・育成など業容拡大に向けた体制作りも着実に進展している。広範囲な事業分野へ受注領域を広げており、M&Aも活用する方針を示している。中期的に収益拡大基調だろう。

 なお株主優待制度については毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。14年8月に優待内容の変更を発表し、従来の「100株以上保有株主に対してクオカード1000円相当」を「100株以上300株未満保有株主に対してクオカード1000円相当、300株以上保有株主に対してクオカード2000円相当」に拡充した。現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を目指している。

 株価の動きを見ると上場来高値更新の展開が続いている。12月25日には1435円まで上値を伸ばした。目先的な過熱感を強めたため26日は利益確定売りで一旦反落したが、中期成長力を評価する流れに変化はないだろう。

 12月26日の終値1355円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS68円52銭で算出)は20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は1.2%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS289円26銭で算出)は4.7倍近辺である。

 急ピッチの上昇で目先的には過熱感もあるが、週足チャートで見ると13週移動平均線をサポートラインとする上昇トレンドだ。中期成長力を評価する流れに変化はなく、過熱感を冷ましながら上値を追う展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月28日更新]

キャリアリンクは上場来高値を更新、中期成長力を評価して上値追い

 総合人材サービス事業のキャリアリンク[6070](東2)の株価は高値更新の展開だ。11月14日に950円を付けて上場来高値を更新し、11月19日には965円まで上伸している。今期(15年2月期)業績3回目の増額が濃厚であり、来期(16年2月期)から本格化するマイナンバー制度関連も追い風だ。急ピッチの上昇で目先的には過熱感もあるが、中期成長力を評価する流れに変化はなく、過熱感を冷やしながら上値を追う展開だろう。

 官公庁・地方公共団体・民間企業向けのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業を主力として、テレマーケティング事業者や企業コンタクトセンター(コールセンター)向けのCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業、一般事務職分野の一般事務事業、製造・物流分野の製造技術系事業など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開している。

 顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負を特徴としており、行動規範には「日本一親身な人材サービスカンパニー」を掲げている。

 特にBPO関連事業では、企画提案による顧客企業の業務効率化や業務処理の品質向上を強みとしており、それらを実現するために、いわゆる「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成したチームを派遣する「チーム派遣」を特徴としている。顧客にとっては、導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、短期間で定型業務の大量処理が可能になるというメリットもある。

 BPOベンダーからの再委託を含めて、官公庁の大型プロジェクトのような1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることも強みだ。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築している。こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えている。

 今期(15年2月期)業績(非連結)見通し(9月22日に2回目の修正)は売上高が前期比17.7%増の136億54百万円、営業利益が同2.5倍の7億29百万円、経常利益が同2.5倍の7億20百万円、そして純利益が同2.6倍の4億26百万円としている。配当予想(9月30日に増額修正)は、前期との比較で2円増配の年間16円(期末一括=普通配当14円+創業20周年記念配当2円)としている。

 第2四半期累計(3月〜8月)は前年同期比2.7%増収、同43.8%営業増益、同46.3%経常増益、同45.7%最終増益と好調だった。そして通期見通しに対する進捗率は売上高が47.5%、営業利益が56.1%、経常利益が56.4%、純利益が56.3%と高水準である。BPO案件の受注が好調であり、BPO大型案件の業務処理効率化による粗利率改善などが下期に本格化することを考慮すれば、通期3回目の増額修正が濃厚だろう。

 今期の重点戦略として来期(16年2月期)以降の業容拡大に向けた体制作りも推進する。BPO関連事業ではマイナンバー(社会保障・税番号)制度関連で、16年2月期から官公庁・地方自治体、さらに民間BPO案件の受注本格化が予想される。CRM関連事業では首都圏で稼動中の大型コンタクトセンターへの派遣拡大、戦略拠点の札幌支店や沖縄支店における新規案件獲得、一般事務事業では既存取引先企業への事務系派遣の拡大、製造技術系事業では自動車関連の受注拡大を推進する方針だ。

 マイナンバー(社会保障・税番号)制度導入に関して国が想定しているロードマップ(案)によると、15年10月からマイナンバーを券面に記載した「通知カード」の郵送を開始し、16年1月から市区町村の窓口でマイナンバーと個人基本4情報(氏名、住所、性別、生年月日)が入った顔写真付きのICカード「個人番号カード」の交付を開始する予定だ。そしてマイナンバー制度導入関連業務は官公庁・地方自治体のBPO案件だけでなく、民間BPO案件にも広がることが予想されている。

 こうした大型BPO案件の分野では競合が少なく、当社の業務効率化に向けた企画提案力、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウ、そして年金関連での大型BPO案件の受注実績などの優位性があり、マイナンバー制度関連でも当社が大型BPO案件を受注することが有望視されている。マイナンバー制度関連は16年2月期から受注が本格化するため収益拡大基調だろう。

 なお株主優待制度については、毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。8月12日に優待内容の変更を発表し、従来の「100株以上保有株主に対してクオカード1000円相当」を「100株以上300株未満保有株主に対してクオカード1000円相当、300株以上保有株主に対してクオカード2000円相当」に変更した。現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を目指している。

 株価の動きを見ると上昇トレンドに転換して水準を切り上げた。そして11月14日には950円を付け、12年11月IPO直後の929円を突破して上場来高値を更新した。その後11月19日には965円まで上伸している。収益拡大基調を評価する動きだろう。

 11月27日の終値931円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS68円63銭で算出)は13〜14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は1.7%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS289円26銭で算出)は3.2倍近辺である。

 急ピッチの上昇で目先的には過熱感もあるが、日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線をサポートラインとする上昇トレンドだ。中期成長力を評価する流れに変化はなく、過熱感を冷やしながら上値を追う展開だろう。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)

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