[7942]JSP
[04月04日更新]

JSPは19年以来の高値圏、25年3月期も収益拡大基調

JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。なおエネルギー使用量削減に関して、鹿沼第2工場の電気使用合理化の取り組みが評価され、令和5年度関東地区電気使用合理化委員会表彰の最優秀賞を受賞したと4月2日にリリースしている。24年3月期は製品価格改定、北米における収益性の高い製品の好調、コスト削減などにより大幅増益予想(1月31日付で3回目の上方修正)としている。通期会社予想にはさらなる上振れの可能性があり、積極的な事業展開で25年3月期も収益拡大基調だろう。株価は年初来高値更新の展開だ。そして19年以来の高値圏だ。好業績に加えて、1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。
 
■発泡プラスチック製品の大手
 
 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレイ材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。
                
 22年1月には、欧州における射出事業紳士湯を目的としてイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。23年9月には、射出事業のさらなる拡大を目的としてドイツのHAPP社に出資(株式70%取得)した。また24年1月には、リサイクル発泡ポリプロピレン(ARPRO RE)の供給体制強化を目的として、独GID社に30%出資した。
 
 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。23年3月期のセグメント別業績は押出事業の売上高(外部顧客への売上高)が22年3月期比8.6%増の424億43百万円で営業利益(全社費用等調整前)が36.5%減の17億67百万円、ビーズ事業の売上高が20.8%増の827億61百万円で営業利益が22.2%減の20億38百万円、その他の売上高が0.4%減の65億08百万円で営業利益が21.5%減の1億66百万円だった。
 
 なお、三菱瓦斯化学<4182>が所有していた同社株式の一部を自己株式として取得し、23年12月22日をもって三菱瓦斯化学が親会社に該当しないこととなった。今後は三菱瓦斯化学の持分法適用会社となって良好な取引関係を継続するとともに、グループ企業価値の向上を図るとしている。
 
■長期ビジョン
 
 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。
 
 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では、変革戦略を基本方針として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。
 
■自動車部品用ピーブロックなど環境に貢献する新製品を拡販
 
 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材や自動車バンパー芯材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにピーブロックの高付加価値グレード版として、GHG排出削減を実現するピーブロックLC(LCはローカーボンの略)も開発し、国内自動車メーカーのバンパー芯材に採用された。さらに北米では競技用グランド基礎緩衝材、欧州ではHVAC(空調システム)へのARPRO採用が広がっており、中国では蓄電池用包装材としての出荷を開始した。従来の自動車シートコア材や自動車バンパー芯材にとどまらず、EV用部材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっており、中期成長ドライバーとして期待される。
 
 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。
 
 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。植物由来のバイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。
 
 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シートのPパールFや、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用されたARGILIX、老朽化した橋梁の補強・改修に適したフォームサポート工法など、新製品の開発・拡販を推進している。
 
■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化
 
 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。
 
 21年4月にサステナビリティ推進室を新設、21年12月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明、22年4月にガバナンス特別委員会を設置した。22年12月には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。23年12月には、グループ会社が製造・販売するマスバランス方式のバイオマス割当発泡ポリスチレン容器がファミリーマートの一部パスタ容器本体として採用された。今後も環境に配慮した素材の使用を促進するとしている、
 
■24年3月期大幅増益予想、25年3月期も収益拡大基調
 
 24年3月期連結業績予想(1月31日付で利益を上方修正、利益予想は23年7月31日付、23年10月31日付に続いて3回目の上方修正)は売上高が23年3月期比3.3%増の1360億円、営業利益が153.7%増の75億円、経常利益が137.9%増の80億円、親会社株主帰属当期純利益が141.0%増の61億円としている。配当予想は23年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は23.6%となる。
 
 第3四半期累計は売上高が前年同期比3.4%増の1024億37百万円、営業利益が177.5%増の64億26百万円、経常利益が148.1%増の68億55百万円、親会社株主帰属四半期純利益が155.3%増の53億86百万円だった。大幅増益だった。製品価格改定、北米における収益性の高い製品の好調、コスト削減などが寄与した。
 
 押出事業は売上高が0.7%増の322億19百万円、営業利益(全社費用等調整前)が21.9%増の19億47百万円だった。販売数量が減少し、ユーティリティコスト高騰の影響もあったが、製品価格改定、高付加価値製品販売増加、コスト削減などにより大幅増益だった。分野別の売上状況としては、生活資材製品は食品容器用「スチレンペーパー」や広告宣伝用ディスプレイ材「ミラボード」が減少して減収、フラットパネルディスプレイ用「ミラマット」を中心とする産業資材製品は需要回復が鈍く減収、押出ボード「ミラフォーム」を中心とする建築土木資材製品は製品価格改定や高付加価値製品の増加により増収だった。
 
 ビーズ事業は売上高が6.1%増の658億73百万円で営業利益が297.7%増の52億75百万円だった。販売数量が減少し、ユーティリティコスト高騰の影響もあったが、高機能材製品の販売増加、製品価格改定、コスト削減などにより大幅増益だった。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」を中心とした高機能材製品は非自動車分野が好調だった。
 
 その他は売上高が12.8%減の43億45百万円で、営業利益が65.7%減の52百万円だった。一般包材が、国内では自動車部品輸送関連の需要の影響により減少、中国では各種部品関連の需要の影響により減少した。
 
 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高320億49百万円で営業利益12億71百万円、第2四半期は売上高343億83百万円で営業利益19億76百万円、第3四半期は売上高360億05百万円で営業利益31億79百万円だった。四半期ベースでも大幅増益基調である。
 
 通期は前回予想に対して売上高を据え置いたが、営業利益を12億円、経常利益を12億円、親会社株主帰属当期純利益を11億円それぞれ上方修正した。なお特別利益には、韓国の連結子会社における火災による損失に対する保険金収入を計上する見込みだ。また1月15日には、押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー」製品全般の販売価格を、2月1日出荷分より値上げすると発表した。
 
 修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75%、営業利益が86%、経常利益が86%、親会社株主帰属当期純利益が88%と高水準であることを勘案すれば、修正後の通期会社予想にはさらなる上振れの可能性があり、積極的な事業展開で25年3月期も収益拡大基調だろう。
 
■株主優待制度は毎年3月末対象
 
 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。
 
■株価は19年以来の高値圏
 
 株価は年初来高値更新の展開だ。そして19年以来の高値圏だ。好業績に加えて、1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。4月3日の終値は2323円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS211円70銭で算出)は約11倍、前期推定配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.2%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS3076円73銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約730億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
 
[03月13日更新]

JSPは上値試す、24年3月期大幅増益予想、25年3月期も収益拡大基調

 
 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。24年3月期は製品価格改定、北米における収益性の高い製品の好調、コスト削減などにより大幅増益予想(1月31日付で3回目の上方修正)としている。通期会社予想にはさらなる上振れの可能性があり、積極的な事業展開で25年3月期も収益拡大基調だろう。株価は19年以来の高値圏で堅調に推移している。好業績に加えて1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。
 
■発泡プラスチック製品の大手
 
 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレイ材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。
 
 22年1月には、欧州における射出事業紳士湯を目的としてイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。23年9月には、射出事業のさらなる拡大を目的としてドイツのHAPP社に出資(株式70%取得)した。また24年1月には、リサイクル発泡ポリプロピレン(ARPRO RE)の供給体制強化を目的として、独GID社に30%出資した。
 
 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。23年3月期のセグメント別業績は押出事業の売上高(外部顧客への売上高)が8.6%増の424億43百万円で営業利益(全社費用等調整前)が36.5%減の17億67百万円、ビーズ事業の売上高が20.8%増の827億61百万円で営業利益が22.2%減の20億38百万円、その他の売上高が0.4%減の65億08百万円で営業利益が21.5%減の1億66百万円だった。
 
 なお、三菱瓦斯化学<4182>が所有していた同社株式の一部を自己株式として取得し、23年12月22日をもって三菱瓦斯化学が親会社に該当しないこととなった。今後は三菱瓦斯化学の持分法適用会社となって良好な取引関係を継続するとともに、グループ企業価値の向上を図るとしている。
 
■長期ビジョン
 
 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。
 
 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では、変革戦略を基本方針として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。
 
■自動車部品用ピーブロックなど環境に貢献する新製品を拡販
 
 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材や自動車バンパー芯材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにピーブロックの高付加価値グレード版として、GHG排出削減を実現するピーブロックLC(LCはローカーボンの略)も開発し、国内自動車メーカーのバンパー芯材に採用された。さらに北米では競技用グランド基礎緩衝材、欧州ではHVAC(空調システム)へのARPRO採用が広がっており、中国では蓄電池用包装材としての出荷を開始した。従来の自動車シートコア材や自動車バンパー芯材にとどまらず、EV用部材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっており、中期成長ドライバーとして期待される。
 
 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。
 
 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。植物由来のバイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。
 
 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シートのPパールFや、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用されたARGILIX、老朽化した橋梁の補強・改修に適したフォームサポート工法など、新製品の開発・拡販を推進している。
 
■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化
 
 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。
 
 21年4月にサステナビリティ推進室を新設、21年12月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明、22年4月にガバナンス特別委員会を設置した。22年12月には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。
 
 23年12月には、グループ会社が製造・販売するマスバランス方式のバイオマス割当発泡ポリスチレン容器がファミリーマートの一部パスタ容器本体として採用されたとリリースしている。今後も環境に配慮した素材の使用を促進するとしている、
 
■24年3月期大幅増益予想、25年3月期も収益拡大基調
 
 24年3月期連結業績予想(1月31日付で利益を上方修正、利益予想は23年7月31日付、23年10月31日付に続いて3回目の上方修正)は売上高が23年3月期比3.3%増の1360億円、営業利益が153.7%増の75億円、経常利益が137.9%増の80億円、親会社株主帰属当期純利益が141.0%増の61億円としている。配当予想は23年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は23.6%となる。
 
 第3四半期累計は売上高が前年同期比3.4%増の1024億37百万円、営業利益が177.5%増の64億26百万円、経常利益が148.1%増の68億55百万円、親会社株主帰属四半期純利益が155.3%増の53億86百万円だった。大幅増益だった。製品価格改定、北米における収益性の高い製品の好調、コスト削減などが寄与した。
 
 押出事業は売上高が0.7%増の322億19百万円、営業利益(全社費用等調整前)が21.9%増の19億47百万円だった。販売数量が減少し、ユーティリティコスト高騰の影響もあったが、製品価格改定、高付加価値製品販売増加、コスト削減などにより大幅増益だった。分野別の売上状況としては、生活資材製品は食品容器用「スチレンペーパー」や広告宣伝用ディスプレイ材「ミラボード」が減少して減収、フラットパネルディスプレイ用「ミラマット」を中心とする産業資材製品は需要回復が鈍く減収、押出ボード「ミラフォーム」を中心とする建築土木資材製品は製品価格改定や高付加価値製品の増加により増収だった。
 
 ビーズ事業は売上高が6.1%増の658億73百万円で営業利益が297.7%増の52億75百万円だった。販売数量が減少し、ユーティリティコスト高騰の影響もあったが、高機能材製品の販売増加、製品価格改定、コスト削減などにより大幅増益だった。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」を中心とした高機能材製品は非自動車分野が好調だった。
 
 その他は売上高が12.8%減の43億45百万円で、営業利益が65.7%減の52百万円だった。一般包材が、国内では自動車部品輸送関連の需要の影響により減少、中国では各種部品関連の需要の影響により減少した。
 
 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高320億49百万円で営業利益12億71百万円、第2四半期は売上高343億83百万円で営業利益19億76百万円、第3四半期は売上高360億05百万円で営業利益31億79百万円だった。四半期ベースでも大幅増益基調である。
 
 通期は前回予想に対して売上高を据え置いたが、営業利益を12億円、経常利益を12億円、親会社株主帰属当期純利益を11億円それぞれ上方修正した。なお特別利益には、韓国の連結子会社における火災による損失に対する保険金収入を計上する見込みだ。また1月15日には、押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー」製品全般の販売価格を、2月1日出荷分より値上げすると発表した。
 
 修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75%、営業利益が86%、経常利益が86%、親会社株主帰属当期純利益が88%と高水準であることを勘案すれば、修正後の通期会社予想にはさらなる上振れの可能性があり、積極的な事業展開で25年3月期も収益拡大基調だろう。
 
■株主優待制度は毎年3月末対象
 
 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。
 
■株価は上値試す
 
 株価は19年以来の高値圏で堅調に推移している。好業績に加えて1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。3月12日の終値は2172円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS211円70銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3076円73銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約682億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
 
[02月21日更新]

JSPは上値試す、24年3月期は3回目の上方修正で大幅増益予想

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。24年3月期第3四半期累計は大幅増益だった。製品価格改定、北米における収益性の高い製品の好調、コスト削減などが寄与した。そして通期利益予想を上方修正(23年7月31日付、23年10月31日付に続いて3回目)した。修正後の通期会社予想にはさらなる上振れの可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は急伸して19年以来の高値圏だ。好業績に加えて1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレイ材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年1月には、欧州における射出事業紳士湯を目的としてイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。23年9月には、射出事業のさらなる拡大を目的としてドイツのHAPP社に出資(株式70%取得)した。また24年1月には、リサイクル発泡ポリプロピレン(ARPRO RE)の供給体制強化を目的として、独GID社に30%出資した。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。23年3月期のセグメント別業績は押出事業の売上高(外部顧客への売上高)が8.6%増の424億43百万円で営業利益(全社費用等調整前)が36.5%減の17億67百万円、ビーズ事業の売上高が20.8%増の827億61百万円で営業利益が22.2%減の20億38百万円、その他の売上高が0.4%減の65億08百万円で営業利益が21.5%減の1億66百万円だった。

 なお、三菱瓦斯化学<4182>が所有していた同社株式の一部を自己株式として取得し、23年12月22日をもって三菱瓦斯化学が親会社に該当しないこととなった。今後は三菱瓦斯化学の持分法適用会社となって良好な取引関係を継続するとともに、グループ企業価値の向上を図るとしている。

■長期ビジョン

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では、変革戦略を基本方針として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

■自動車部品用ピーブロックなど環境に貢献する新製品を拡販

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材や自動車バンパー芯材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにピーブロックの高付加価値グレード版として、GHG排出削減を実現するピーブロックLC(LCはローカーボンの略)も開発し、国内自動車メーカーのバンパー芯材に採用された。さらに北米では競技用グランド基礎緩衝材、欧州ではHVAC(空調システム)へのARPRO採用が広がっており、中国では蓄電池用包装材としての出荷を開始した。従来の自動車シートコア材や自動車バンパー芯材にとどまらず、EV用部材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっており、中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。植物由来のバイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シートのPパールFや、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用されたARGILIX、老朽化した橋梁の補強・改修に適したフォームサポート工法など、新製品の開発・拡販を推進している。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にサステナビリティ推進室を新設、21年12月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明、22年4月にガバナンス特別委員会を設置した。22年12月には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。

 23年12月には、グループ会社が製造・販売するマスバランス方式のバイオマス割当発泡ポリスチレン容器がファミリーマートの一部パスタ容器本体として採用されたとリリースしている。今後も環境に配慮した素材の使用を促進するとしている、

■24年3月期3Q累計大幅増益、通期利益予想を3回目の上方修正

 24年3月期連結業績予想(1月31日付で利益を上方修正、利益予想は23年7月31日付、23年10月31日付に続いて3回目の上方修正)は売上高が23年3月期比3.3%増の1360億円、営業利益が153.7%増の75億円、経常利益が137.9%増の80億円、親会社株主帰属当期純利益が141.0%増の61億円としている。配当予想は23年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は23.6%となる。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比3.4%増の1024億37百万円、営業利益が177.5%増の64億26百万円、経常利益が148.1%増の68億55百万円、親会社株主帰属四半期純利益が155.3%増の53億86百万円だった。大幅増益だった。製品価格改定、北米における収益性の高い製品の好調、コスト削減などが寄与した。

 押出事業は売上高が0.7%増の322億19百万円、営業利益(全社費用等調整前)が21.9%増の19億47百万円だった。販売数量が減少し、ユーティリティコスト高騰の影響もあったが、製品価格改定、高付加価値製品販売増加、コスト削減などにより大幅増益だった。分野別の売上状況としては、生活資材製品は食品容器用「スチレンペーパー」や広告宣伝用ディスプレイ材「ミラボード」が減少して減収、フラットパネルディスプレイ用「ミラマット」を中心とする産業資材製品は需要回復が鈍く減収、押出ボード「ミラフォーム」を中心とする建築土木資材製品は製品価格改定や高付加価値製品の増加により増収だった。

 ビーズ事業は売上高が6.1%増の658億73百万円で営業利益が297.7%増の52億75百万円だった。販売数量が減少し、ユーティリティコスト高騰の影響もあったが、高機能材製品の販売増加、製品価格改定、コスト削減などにより大幅増益だった。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」を中心とした高機能材製品は非自動車分野が好調だった。

 その他は売上高が12.8%減の43億45百万円で、営業利益が65.7%減の52百万円だった。一般包材が、国内では自動車部品輸送関連の需要の影響により減少、中国では各種部品関連の需要の影響により減少した。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高320億49百万円で営業利益12億71百万円、第2四半期は売上高343億83百万円で営業利益19億76百万円、第3四半期は売上高360億05百万円で営業利益31億79百万円だった。四半期ベースでも大幅増益基調である。

 通期は前回予想に対して売上高を据え置いたが、営業利益を12億円、経常利益を12億円、親会社株主帰属当期純利益を11億円それぞれ上方修正した。なお特別利益には、韓国の連結子会社における火災による損失に対する保険金収入を計上する見込みだ。また1月15日には、押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー」製品全般の販売価格を、2月1日出荷分より値上げすると発表した。

 修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75%、営業利益が86%、経常利益が86%、親会社株主帰属当期純利益が88%と高水準であることを勘案すれば、修正後の通期会社予想にはさらなる上振れの可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は上値試す

 株価は急伸して19年以来の高値圏だ。好業績に加えて1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。2月20日の終値は2189円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS211円70銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3076円73銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約688億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月25日更新]

JSPは上値試す、24年3月期大幅増益予想、利益は3回目の上振れの可能性

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。24年3月期は大幅増益予想としている。第2四半期累計の進捗率が順調であり、下期の自動車関連の需要回復基調や、さらなる価格改定効果などを勘案すれば、利益は3回目の上振れの可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は急反発して戻り高値圏だ。1倍割れの低PBRも評価して上値を試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレイ材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年1月には、欧州における射出事業紳士湯を目的としてイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。23年9月には、射出事業のさらなる拡大を目的としてドイツのHAPP社に出資(株式70%取得)した。また24年1月には、リサイクル発泡ポリプロピレン(ARPRO RE)の供給体制強化を目的として、独GID社に30%出資した。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。23年3月期のセグメント別業績は押出事業の売上高(外部顧客への売上高)が8.6%増の424億43百万円で営業利益(全社費用等調整前)が36.5%減の17億67百万円、ビーズ事業の売上高が20.8%増の827億61百万円で営業利益が22.2%減の20億38百万円、その他の売上高が0.4%減の65億08百万円で営業利益が21.5%減の1億66百万円だった。

 なお、三菱瓦斯化学<4182>が所有していた同社株式の一部を自己株式として取得し、23年12月22日をもって三菱瓦斯化学が親会社に該当しないこととなった。今後は三菱瓦斯化学の持分法適用会社となって良好な取引関係を継続するとともに、グループ企業価値の向上を図るとしている。

■長期ビジョン

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では、変革戦略を基本方針として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

■自動車部品用ピーブロックなど環境に貢献する新製品を拡販

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材や自動車バンパー芯材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにピーブロックの高付加価値グレード版として、GHG排出削減を実現するピーブロックLC(LCはローカーボンの略)も開発し、国内自動車メーカーのバンパー芯材に採用された。さらに北米では競技用グランド基礎緩衝材、欧州ではHVAC(空調システム)へのARPRO採用が広がっており、中国では蓄電池用包装材としての出荷を開始した。従来の自動車シートコア材や自動車バンパー芯材にとどまらず、EV用部材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっており、中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。植物由来のバイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シートのPパールFや、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用されたARGILIX、老朽化した橋梁の補強・改修に適したフォームサポート工法など、新製品の開発・拡販を推進している。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にサステナビリティ推進室を新設、21年12月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明、22年4月にガバナンス特別委員会を設置した。22年12月には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。

 23年12月には、グループ会社が製造・販売するマスバランス方式のバイオマス割当発泡ポリスチレン容器がファミリーマートの一部パスタ容器本体として採用されたとリリースしている。今後も環境に配慮した素材の使用を促進するとしている、

■24年3月期大幅増益予想、利益は3回目の上振れの可能性

 24年3月期の連結業績予想(23年7月31日付で売上高を据え置き、利益予想を上方修正、23年10月31日付で売上高を上方修正、利益を2回目の上方修正)は、売上高が23年3月期比3.3%増の1360億円、営業利益が113.1%増の63億円、経常利益が102.2%増の68億円、そして親会社株主帰属当期純利益が97.5%増の50億円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は29.8%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比3.4%増の664億32百万円、営業利益が131.3%増の32億47百万円、経常利益が94.4%増の36億17百万円、親会社株主帰属四半期純利益が102.8%増の27億95百万円だった。

 国内販売は減少したが、ビーズ事業の海外での販売増加、製品価格改定、北米における原料価格軟化、為替の円安、コスト削減などにより大幅増益だった。なお前回予想(7月31日付で売上高を据え置き、各利益を上方修正)に対して、売上高は5億68百万円下回ったが、営業利益は2億47百万円、経常利益は4億17百万円、親会社株主帰属四半期純利益3億95百万円それぞれ超過達成して着地した。営業利益の前年同期比+18億43百万円の要因分析は、限界利益(数量減少)で▲8億95百万円、販売単価で+23億87百万円、変動費単価で+13億10百万円、固定費増加で▲11億62百万円、為替要因で+2億03百万円だった。

 押出事業は売上高が0.2%減の208億23百万円、営業利益(全社費用等調整前)が4.7%減の10億12百万円だった。全体として製品価格改定を進めたが、販売数量の減少、高付加価値製品の販売減少、ユーティリティコスト高騰などの影響で減益だった。分野別の売上状況としては、生活資材製品は食品容器用「スチレンペーパー」や広告宣伝用ディスプレイ材「ミラボード」が減少して減収、フラットパネルディスプレイ用「ミラマット」を中心とする産業資材製品は高付加価値製品、汎用製品とも減少して減収だった。押出ボード「ミラフォーム」を中心とする建築土木資材製品は、土木分野が減少、建築・住宅分野が前期並みだったが、製品価格改定や高付加価値製品の増加により増収だった。

 ビーズ事業は売上高が6.3%増の427億38百万円で営業利益が266.6%増の27億79百万円だった。全体としては販売数量が減少したが、高付加価値製品の販売増加や製品価格改定効果などで増収・大幅増益だった。主力の発泡ポリプロピレン「ピーブロック」(英名ARPRO)は非自動車分野が好調だった。

 その他は売上高が9.6%減の28億70百万円で営業利益が68.8%減の26百万円だった。一般包材が、国内では自動車部品輸送関連の需要の影響により減少、中国では各種部品関連の需要の影響により減少した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が320億49百万円で営業利益が12億71百万円、第2四半期は売上高が343億83百万円で営業利益が19億76百万円だった。第2四半期は第1四半期比でも大幅増益だった。

 通期見通しについては前回予想に対して売上高を10億円、営業利益を7億円、経常利益を9億円、親会社株主帰属当期純利益を7億円それぞれ上方修正した。不透明な状況が継続するものの、エネルギー市場価格が現状の価格水準で推移することを想定し、営業利益の前期比+33億44百万円の要因分析は、限界利益(数量減少)で▲6億25百万円、販売単価で+27億55百万円、変動費単価で+32億94百万円、固定費増加で▲24億35百万円、為替要因で+3億54百万円の見込みとしている。

 修正後のセグメント別計画は、押出事業の売上高が0.1%増の425億円で営業利益が3.8%減の17億円、ビーズ事業の売上高が5.7%増の875億円で営業利益が177.2%増の56億50百万円、その他の売上高が7.8%減の60億円で営業利益が40.1%減の1億円としている。押出事業はフラットパネルディスプレイ用「ミラマット」の需要回復遅れなど高付加価値製品の販売減少で減益、ビーズ事業は発泡ポリプロピレン「ピーブロック」(英名ARPRO)の非自動車分野の販売増加、北米での原材料価格軟化や価格改定効果などで大幅増益、その他は国内、中国とも需要減少の影響で減益の見込みとしている。

 なお1月15日には、押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー」製品全般の販売価格を、2月1日出荷分より値上げすると発表した。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49%、営業利益が52%、経常利益が53%、親会社株主帰属当期純利益が56%となる。第2四半期累計の進捗率が順調であり、下期の自動車関連の需要回復基調や、さらなる価格改定効果などを勘案すれば、利益は3回目の上振れの可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は上値試す

 株価は急反発して戻り高値圏だ。1倍割れの低PBRも評価して上値を試す展開を期待したい。1月24日の終値は1923円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS167円74銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3076円73銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約604億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月12日更新]

JSPは急反発、24年3月期大幅増益予想、利益は3回目の上振れ余地

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。24年3月期は大幅増益予想としている。ビーズ事業が好調に推移する見込みだ。さらに利益は3回目の上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は急反発して戻り歩調の形だ。1倍割れの低PBRも評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレイ材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年1月には、欧州における射出事業紳士湯を目的としてイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。23年9月には、射出事業のさらなる拡大を目的としてドイツのHAPP社に出資(株式70%取得)した。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。23年3月期のセグメント別業績は押出事業の売上高(外部顧客への売上高)が8.6%増の424億43百万円で営業利益(全社費用等調整前)が36.5%減の17億67百万円、ビーズ事業の売上高が20.8%増の827億61百万円で営業利益が22.2%減の20億38百万円、その他の売上高が0.4%減の65億08百万円で営業利益が21.5%減の1億66百万円だった。

 なお、三菱瓦斯化学<4182>が所有していた同社株式の一部を自己株式として取得し、23年12月22日をもって三菱瓦斯化学が親会社に該当しないこととなった。今後は三菱瓦斯化学の持分法適用会社となって良好な取引関係を継続するとともに、グループ企業価値の向上を図るとしている。

■長期ビジョン

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では、変革戦略を基本方針として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

■自動車部品用ピーブロックなど環境に貢献する新製品を拡販

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材や自動車バンパー芯材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにピーブロックの高付加価値グレード版として、GHG排出削減を実現するピーブロックLC(LCはローカーボンの略)も開発し、国内自動車メーカーのバンパー芯材に採用された。さらに北米では競技用グランド基礎緩衝材、欧州ではHVAC(空調システム)へのARPRO採用が広がっており、中国では蓄電池用包装材としての出荷を開始した。従来の自動車シートコア材や自動車バンパー芯材にとどまらず、EV用部材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっており、中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。植物由来のバイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シートのPパールFや、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用されたARGILIX、老朽化した橋梁の補強・改修に適したフォームサポート工法など、新製品の開発・拡販を推進している。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にサステナビリティ推進室を新設、21年12月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明、22年4月にガバナンス特別委員会を設置した。22年12月には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。

 23年12月には、グループ会社が製造・販売するマスバランス方式のバイオマス割当発泡ポリスチレン容器がファミリーマートの一部パスタ容器本体として採用されたとリリースしている。今後も環境に配慮した素材の使用を促進するとしている、

■24年3月期大幅増益予想、利益は3回目の上振れ余地

 24年3月期の連結業績予想(7月31日付で売上高を据え置き、利益予想を上方修正、10月31日付で売上高を上方修正、利益を2回目の上方修正)は、売上高が23年3月期比3.3%増の1360億円、営業利益が113.1%増の63億円、経常利益が102.2%増の68億円、親会社株主帰属当期純利益が97.5%増の50億円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は29.8%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比3.4%増の664億32百万円、営業利益が131.3%増の32億47百万円、経常利益が94.4%増の36億17百万円、親会社株主帰属四半期純利益が102.8%増の27億95百万円だった。

 国内販売は減少したが、ビーズ事業の海外での販売増加、製品価格改定、北米における原料価格軟化、為替の円安、コスト削減などにより大幅増益だった。なお前回予想(7月31日付で売上高を据え置き、各利益を上方修正)に対して、売上高は5億68百万円下回ったが、営業利益は2億47百万円、経常利益は4億17百万円、親会社株主帰属四半期純利益3億95百万円それぞれ超過達成して着地した。営業利益の前年同期比+18億43百万円の要因分析は、限界利益(数量減少)で▲8億95百万円、販売単価で+23億87百万円、変動費単価で+13億10百万円、固定費増加で▲11億62百万円、為替要因で+2億03百万円だった。

 押出事業は売上高が0.2%減の208億23百万円、営業利益(全社費用等調整前)が4.7%減の10億12百万円だった。全体として製品価格改定を進めたが、販売数量の減少、高付加価値製品の販売減少、ユーティリティコスト高騰などの影響で減益だった。分野別の売上状況としては、生活資材製品は食品容器用「スチレンペーパー」や広告宣伝用ディスプレイ材「ミラボード」が減少して減収、フラットパネルディスプレイ用「ミラマット」を中心とする産業資材製品は高付加価値製品、汎用製品とも減少して減収だった。押出ボード「ミラフォーム」を中心とする建築土木資材製品は、土木分野が減少、建築・住宅分野が前期並みだったが、製品価格改定や高付加価値製品の増加により増収だった。

 ビーズ事業は売上高が6.3%増の427億38百万円で営業利益が266.6%増の27億79百万円だった。全体としては販売数量が減少したが、高付加価値製品の販売増加や製品価格改定効果などで増収・大幅増益だった。主力の発泡ポリプロピレン「ピーブロック」(英名ARPRO)は非自動車分野が好調だった。

 その他は売上高が9.6%減の28億70百万円で営業利益が68.8%減の26百万円だった。一般包材が、国内では自動車部品輸送関連の需要の影響により減少、中国では各種部品関連の需要の影響により減少した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が320億49百万円で営業利益が12億71百万円、第2四半期は売上高が343億83百万円で営業利益が19億76百万円だった。第2四半期は第1四半期比でも大幅増益だった。

 通期見通しについては前回予想に対して売上高を10億円、営業利益を7億円、経常利益を9億円、親会社株主帰属当期純利益を7億円それぞれ上方修正した。不透明な状況が継続するものの、エネルギー市場価格が現状の価格水準で推移することを想定し、営業利益の前期比+33億44百万円の要因分析は、限界利益(数量減少)で▲6億25百万円、販売単価で+27億55百万円、変動費単価で+32億94百万円、固定費増加で▲24億35百万円、為替要因で+3億54百万円の見込みとしている。

 修正後のセグメント別計画は、押出事業の売上高が0.1%増の425億円で営業利益が3.8%減の17億円、ビーズ事業の売上高が5.7%増の875億円で営業利益が177.2%増の56億50百万円、その他の売上高が7.8%減の60億円で営業利益が40.1%減の1億円としている。押出事業はフラットパネルディスプレイ用「ミラマット」の需要回復遅れなど高付加価値製品の販売減少で減益、ビーズ事業は発泡ポリプロピレン「ピーブロック」(英名ARPRO)の非自動車分野の販売増加、北米での原材料価格軟化や価格改定効果などで大幅増益、その他は国内、中国とも需要減少の影響で減益の見込みとしている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49%、営業利益が52%、経常利益が53%、親会社株主帰属当期純利益が56%となる。下期の自動車関連の需要回復基調などを勘案すれば、利益はさらに3回目の上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は急反発して戻り歩調

 株価は急反発して戻り歩調の形だ。週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線を一気に回復した。1倍割れの低PBRも評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。1月11日の終値は1924円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS167円74銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3076円73銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約604億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[12月22日更新]

JSPは調整一巡、24年3月期大幅増益予想、利益は3回目の上振れ余地

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。12月21日には、グループ会社が製造・販売するマスバランス方式のバイオマス割当発泡ポリスチレン容器がファミリーマートの一部パスタ容器本体として採用されたとリリースしている。24年3月期は大幅増益予想としている。ビーズ事業が好調に推移する見込みだ。さらに利益は3回目の上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は9月の年初来高値圏から急反落したが調整一巡感を強めている。1倍割れの低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレイ材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年1月には、欧州における射出事業紳士湯を目的としてイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。23年9月には、射出事業のさらなる拡大を目的としてドイツのHAPP社に出資(株式70%取得)した。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。23年3月期のセグメント別業績は押出事業の売上高(外部顧客への売上高)が8.6%増の424億43百万円で営業利益(全社費用等調整前)が36.5%減の17億67百万円、ビーズ事業の売上高が20.8%増の827億61百万円で営業利益が22.2%減の20億38百万円、その他の売上高が0.4%減の65億08百万円で営業利益が21.5%減の1億66百万円だった。

 なお11月1日より行っていた自己株式取得(公開買い付け)が11月30日に終了した。三菱瓦斯化学<4182>が所有株式の一部を公開買い付けに応募し、23年12月22日をもって三菱瓦斯化学が親会社に該当しないこととなった。今後は三菱瓦斯化学の持分法適用会社となって良好な取引関係を継続するとともに、グループ企業価値の向上を図るとしている。

■長期ビジョン

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では、変革戦略を基本方針として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

■自動車部品用ピーブロックなど環境に貢献する新製品を拡販

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材や自動車バンパー芯材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにピーブロックの高付加価値グレード版として、GHG排出削減を実現するピーブロックLC(LCはローカーボンの略)も開発し、国内自動車メーカーのバンパー芯材に採用された。さらに北米では競技用グランド基礎緩衝材、欧州ではHVAC(空調システム)へのARPRO採用が広がっており、中国では蓄電池用包装材としての出荷を開始した。従来の自動車シートコア材や自動車バンパー芯材にとどまらず、EV用部材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっており、中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。植物由来のバイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シートのPパールFや、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用されたARGILIX、老朽化した橋梁の補強・改修に適したフォームサポート工法など、新製品の開発・拡販を推進している。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にサステナビリティ推進室を新設、21年12月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明、22年4月にガバナンス特別委員会を設置した。22年12月には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。

 12月21日には、グループ会社が製造・販売するマスバランス方式のバイオマス割当発泡ポリスチレン容器がファミリーマートの一部パスタ容器本体として採用されたとリリースしている。今後も環境に配慮した素材の使用を促進するとしている、

■24年3月期大幅増益予想、利益は3回目の上振れ余地

 24年3月期の連結業績予想(7月31日付で売上高を据え置き、利益予想を上方修正、10月31日付で売上高を上方修正、利益を2回目の上方修正)は、売上高が23年3月期比3.3%増の1360億円、営業利益が113.1%増の63億円、経常利益が102.2%増の68億円、親会社株主帰属当期純利益が97.5%増の50億円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は29.8%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比3.4%増の664億32百万円、営業利益が131.3%増の32億47百万円、経常利益が94.4%増の36億17百万円、親会社株主帰属四半期純利益が102.8%増の27億95百万円だった。

 国内販売は減少したが、ビーズ事業の海外での販売増加、製品価格改定、北米における原料価格軟化、為替の円安、コスト削減などにより大幅増益だった。なお前回予想(7月31日付で売上高を据え置き、各利益を上方修正)に対して、売上高は5億68百万円下回ったが、営業利益は2億47百万円、経常利益は4億17百万円、親会社株主帰属四半期純利益3億95百万円それぞれ超過達成して着地した。営業利益の前年同期比+18億43百万円の要因分析は、限界利益(数量減少)で▲8億95百万円、販売単価で+23億87百万円、変動費単価で+13億10百万円、固定費増加で▲11億62百万円、為替要因で+2億03百万円だった。

 押出事業は売上高が0.2%減の208億23百万円、営業利益(全社費用等調整前)が4.7%減の10億12百万円だった。全体として製品価格改定を進めたが、販売数量の減少、高付加価値製品の販売減少、ユーティリティコスト高騰などの影響で減益だった。分野別の売上状況としては、生活資材製品は食品容器用「スチレンペーパー」や広告宣伝用ディスプレイ材「ミラボード」が減少して減収、フラットパネルディスプレイ用「ミラマット」を中心とする産業資材製品は高付加価値製品、汎用製品とも減少して減収だった。押出ボード「ミラフォーム」を中心とする建築土木資材製品は、土木分野が減少、建築・住宅分野が前期並みだったが、製品価格改定や高付加価値製品の増加により増収だった。

 ビーズ事業は売上高が6.3%増の427億38百万円で営業利益が266.6%増の27億79百万円だった。全体としては販売数量が減少したが、高付加価値製品の販売増加や製品価格改定効果などで増収・大幅増益だった。主力の発泡ポリプロピレン「ピーブロック」(英名ARPRO)は非自動車分野が好調だった。

 その他は売上高が9.6%減の28億70百万円で営業利益が68.8%減の26百万円だった。一般包材が、国内では自動車部品輸送関連の需要の影響により減少、中国では各種部品関連の需要の影響により減少した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が320億49百万円で営業利益が12億71百万円、第2四半期は売上高が343億83百万円で営業利益が19億76百万円だった。第2四半期は第1四半期比でも大幅増益だった。

 通期見通しについては前回予想に対して売上高を10億円、営業利益を7億円、経常利益を9億円、親会社株主帰属当期純利益を7億円それぞれ上方修正した。不透明な状況が継続するものの、エネルギー市場価格が現状の価格水準で推移することを想定し、営業利益の前期比+33億44百万円の要因分析は、限界利益(数量減少)で▲6億25百万円、販売単価で+27億55百万円、変動費単価で+32億94百万円、固定費増加で▲24億35百万円、為替要因で+3億54百万円の見込みとしている。

 修正後のセグメント別計画は、押出事業の売上高が0.1%増の425億円で営業利益が3.8%減の17億円、ビーズ事業の売上高が5.7%増の875億円で営業利益が177.2%増の56億50百万円、その他の売上高が7.8%減の60億円で営業利益が40.1%減の1億円としている。押出事業はフラットパネルディスプレイ用「ミラマット」の需要回復遅れなど高付加価値製品の販売減少で減益、ビーズ事業は発泡ポリプロピレン「ピーブロック」(英名ARPRO)の非自動車分野の販売増加、北米での原材料価格軟化や価格改定効果などで大幅増益、その他は国内、中国とも需要減少の影響で減益の見込みとしている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49%、営業利益が52%、経常利益が53%、親会社株主帰属当期純利益が56%となる。下期の自動車関連の需要回復基調などを勘案すれば、利益はさらに3回目の上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は調整一巡

 株価は9月の年初来高値圏から急反落したが調整一巡感を強めている。1倍割れの低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。12月21日の終値は1751円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS167円74銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3076円73銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約550億円である。情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月20日更新]

JSPは売り一巡、24年3月期は2回目の上方修正で大幅増益予想

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。なお11月1日より自己株式取得(公開買い付け)を行い、現在の親会社である三菱瓦斯化学<4182>が所有株式の一部を公開買い付けに応募する。そして23年12月22日付で三菱瓦斯化学が親会社に該当しないこととなり、15年2月に締結した資本業務提携を解消する。24年3月期第2四半期累計は海外での販売増加、製品価格改定、北米における原料価格軟化、為替の円安、コスト削減などにより大幅増益だった。そして通期予想を上方修正(利益予想は23年7月31日付に続いて2回目)した。ビーズ事業が好調に推移する見込みだ。利益は3回目の上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は9月の年初来高値圏から反落して軟調だが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、売り一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレイ材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年1月には、欧州における射出事業紳士湯を目的としてイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。23年9月には、射出事業のさらなる拡大を目的としてドイツのHAPP社に出資(株式70%取得)した。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。23年3月期のセグメント別業績は押出事業の売上高(外部顧客への売上高)が8.6%増の424億43百万円で営業利益(全社費用等調整前)が36.5%減の17億67百万円、ビーズ事業の売上高が20.8%増の827億61百万円で営業利益が22.2%減の20億38百万円、その他の売上高が0.4%減の65億08百万円で営業利益が21.5%減の1億66百万円だった。

 なお11月1日より自己株式取得(公開買い付け)を行い、現在の親会社である三菱瓦斯化学<4182>が所有株式の一部を公開買い付けに応募する。そして23年12月22日付で三菱瓦斯化学が親会社に該当しないこととなり、15年2月に締結した資本業務提携を解消する。今後は三菱瓦斯化学の持分法適用会社となる。

■長期ビジョン

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では、変革戦略を基本方針として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

■自動車部品用ピーブロックなど環境に貢献する新製品を拡販

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材や自動車バンパー芯材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにピーブロックの高付加価値グレード版として、GHG排出削減を実現するピーブロックLC(LCはローカーボンの略)も開発し、国内自動車メーカーのバンパー芯材に採用された。さらに北米では競技用グランド基礎緩衝材、欧州ではHVAC(空調システム)へのARPRO採用が広がっており、中国では蓄電池用包装材としての出荷を開始した。従来の自動車シートコア材や自動車バンパー芯材にとどまらず、EV用部材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっており、中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。植物由来のバイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シートのPパールFや、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用されたARGILIX、老朽化した橋梁の補強・改修に適したフォームサポート工法など、新製品の開発・拡販を推進している。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明した。22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。22年12月には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。

■24年3月期2Q累計大幅増益、通期利益予想を2回目の上方修正

 24年3月期の連結業績予想(7月31日付で売上高を据え置き、利益予想を上方修正)は、10月31日付で売上高、利益とも上方修正(利益は2回目の上方修正)して、売上高が23年3月期比3.3%増の1360億円、営業利益が113.1%増の63億円、経常利益が102.2%増の68億円、親会社株主帰属当期純利益が97.5%増の50億円としている。配当予想は23年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は29.8%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比3.4%増の664億32百万円、営業利益が131.3%増の32億47百万円、経常利益が94.4%増の36億17百万円、親会社株主帰属四半期純利益が102.8%増の27億95百万円だった。

 国内販売は減少したが、ビーズ事業の海外での販売増加、製品価格改定、北米における原料価格軟化、為替の円安、コスト削減などにより大幅増益だった。なお前回予想(7月31日付で売上高を据え置き、各利益を上方修正)に対して、売上高は5億68百万円下回ったが、営業利益は2億47百万円、経常利益は4億17百万円、親会社株主帰属四半期純利益3億95百万円それぞれ超過達成して着地した。営業利益の前年同期比+18億43百万円の要因分析は、限界利益(数量減少)で▲8億95百万円、販売単価で+23億87百万円、変動費単価で+13億10百万円、固定費増加で▲11億62百万円、為替要因で+2億03百万円だった。

 押出事業は売上高が0.2%減の208億23百万円、営業利益(全社費用等調整前)が4.7%減の10億12百万円だった。全体として製品価格改定を進めたが、販売数量の減少、高付加価値製品の販売減少、ユーティリティコスト高騰などの影響で減益だった。分野別の売上状況としては、生活資材製品は食品容器用「スチレンペーパー」や広告宣伝用ディスプレイ材「ミラボード」が減少して減収、フラットパネルディスプレイ用「ミラマット」を中心とする産業資材製品は高付加価値製品、汎用製品とも減少して減収だった。押出ボード「ミラフォーム」を中心とする建築土木資材製品は、土木分野が減少、建築・住宅分野が前期並みだったが、製品価格改定や高付加価値製品の増加により増収だった。

 ビーズ事業は売上高が6.3%増の427億38百万円で営業利益が266.6%増の27億79百万円だった。全体としては販売数量が減少したが、高付加価値製品の販売増加や製品価格改定効果などで増収・大幅増益だった。主力の発泡ポリプロピレン「ピーブロック」(英名ARPRO)は非自動車分野が好調だった。

 その他は売上高が9.6%減の28億70百万円で営業利益が68.8%減の26百万円だった。一般包材が、国内では自動車部品輸送関連の需要の影響により減少、中国では各種部品関連の需要の影響により減少した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高320億49百万円で営業利益12億71百万円、第2四半期は売上高343億83百万円で営業利益19億76百万円だった。第2四半期は第1四半期比でも大幅増益だった。

 通期見通しについては前回予想に対して売上高を10億円、営業利益を7億円、経常利益を9億円、親会社株主帰属当期純利益を7億円それぞれ上方修正した。不透明な状況が継続するものの、エネルギー市場価格が現状の価格水準で推移することを想定し、営業利益の前期比+33億44百万円の要因分析は、限界利益(数量減少)で▲6億25百万円、販売単価で+27億55百万円、変動費単価で+32億94百万円、固定費増加で▲24億35百万円、為替要因で+3億54百万円の見込みとしている。

 修正後のセグメント別計画は、押出事業の売上高が0.1%増の425億円で営業利益が3.8%減の17億円、ビーズ事業の売上高が5.7%増の875億円で営業利益が177.2%増の56億50百万円、その他の売上高が7.8%減の60億円で営業利益が40.1%減の1億円としている。押出事業はフラットパネルディスプレイ用「ミラマット」の需要回復遅れなど高付加価値製品の販売減少で減益、ビーズ事業は発泡ポリプロピレン「ピーブロック」(英名ARPRO)の非自動車分野の販売増加、北米での原材料価格軟化や価格改定効果などで大幅増益、その他は国内、中国とも需要減少の影響で減益の見込みとしている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49%、営業利益が52%、経常利益が53%、親会社株主帰属当期純利益が56%となる。下期の自動車関連の需要回復基調などを勘案すれば利益は3回目の上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は売り一巡

 株価は9月の年初来高値圏から反落して軟調だが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、売り一巡して出直りを期待したい。11月17日の終値は1764円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS167円74銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3076円73銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約554億円である。情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月01日更新]

JSPは24年3月期通期利益予想を2回目の上方修正、三菱瓦斯化学との資本業務提携解消

 JSP<7942>(東証プライム)は10月31日の取引時間終了後に24年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。海外での販売増加、製品価格改定、北米における原料価格軟化、為替の円安影響、コスト削減などにより大幅増益だった。そして通期予想を上方修正(利益予想は23年7月31日付に続いて2回目)した。押出事業は想定を下回るが、ビーズ事業が好調に推移する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なお公開買い付けによる自己株式取得を発表した。現在の親会社である三菱瓦斯化学<4182>が所有株式の一部を公開買い付けに応募する。そして23年12月22日付で三菱瓦斯化学が親会社に該当しないこととなり、15年2月に締結した資本業務提携を解消する。株価は地合い悪化の影響で9月の年初来高値圏から急反落の形となったが、23年3月期通期利益予想の2回目の上方修正、三菱瓦斯化学との資本業務提携解消、1倍割れの低PBRなどを評価して上値を試す展開を期待したい。

■24年3月期2Q累計大幅増益、通期利益予想を2回目の上方修正

 24年3月期第2四半期累計連結業績は売上高が前年同期比3.4%増の664億32百万円、営業利益が131.3%増の32億47百万円、経常利益が94.4%増の36億17百万円、親会社株主帰属四半期純利益が102.8%増の27億95百万円だった。

 ビーズ事業における海外での販売増加、製品価格改定、北米における原料価格軟化、為替の円安影響、コスト削減などにより大幅増益だった。なお前回予想(7月31日付で売上高を据え置き、各利益を上方修正)に対して、売上高は5億68百万円下回ったが、営業利益は2億47百万円、経常利益は4億17百万円、親会社株主帰属四半期純利益3億95百万円、それぞれ超過達成して着地した。

 押出事業は売上高が0.2%減の208億23百万円、営業利益(全社費用等調整前)が4.7%減の10億12百万円だった。全体として製品価格改定を進めたが、販売数量の減少、高付加価値製品の販売減少、ユーティリティコスト高騰などの影響で減益だった。分野別の売上状況としては、生活資材製品は食品容器用「スチレンペーパー」や広告宣伝用ディスプレイ材「ミラボード」が減少して減収、フラットパネルディスプレイ用「ミラマット」を中心とする産業資材製品は高付加価値製品、汎用製品とも減少して減収だった。押出ボード「ミラフォーム」を中心とする建築土木資材製品は、土木分野が減少、建築・住宅分野が前期並みだったが、製品価格改定や高付加価値製品の増加により増収だった。

 ビーズ事業は売上高が6.3%増の427億38百万円で営業利益が266.6%増の27億79百万円だった。全体としては販売数量が減少したが、高付加価値製品の販売増加や製品価格改定効果などで増収・大幅増益だった。主力の発泡ポリプロピレン「ピーブロック」は非自動車分野が好調だった。

 その他は売上高が9.6%減の28億70百万円で営業利益が68.8%減の26百万円だった。一般包材が、国内では自動車部品輸送関連の需要の影響により減少、中国では各種部品関連の需要の影響により減少した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高320億49百万円で営業利益12億71百万円、第2四半期は売上高343億83百万円で営業利益19億76百万円だった。第2四半期は第1四半期比でも大幅増益だった。

 通期の連結業績予想については10月31日付で上方修正(利益予想は23年7月31日付に続いて2回目)し、売上高が23年3月期比3.3%増の1360億円、営業利益が113.1%増の63億円、経常利益が102.2%増の68億円、親会社株主帰属当期純利益が97.5%増の50億円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は29.8%となる。

 前回予想(7月31日付で売上高を据え置き、各利益を上方修正)に対して、売上高を10億円、営業利益を7億円、経常利益を9億円、親会社株主帰属当期純利益を7億円、それぞれ上方修正した。押出事業は全体として想定を下回るが、ビーズ事業が好調に推移する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は地合い悪化の影響で9月の年初来高値圏から急反落の形となったが、23年3月期通期利益予想の2回目の上方修正、三菱瓦斯化学との資本業務提携解消、1倍割れの低PBRなどを評価して上値を試す展開を期待したい。10月31日の終値は1873円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS167円74銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3076円73銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約588億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月11日更新]

JSPは上値試す、24年3月期大幅増益予想

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。24年3月期は大幅増益予想としている。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の販売が好調に推移する見込みであり、北米市場において原料価格が軟化傾向にあることや、為替の円安も寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で上げ一服の形となったが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、目先的な売り一巡して上値を試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレイ材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年1月には、欧州における射出事業紳士湯を目的としてイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。23年9月には、射出事業のさらなる拡大を目的としてドイツのHAPP社に出資(株式70%取得)した。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。23年3月期のセグメント別業績は押出事業の売上高(外部顧客への売上高)が8.6%増の424億43百万円で営業利益(全社費用等調整前)が36.5%減の17億67百万円、ビーズ事業の売上高が20.8%増の827億61百万円で営業利益が22.2%減の20億38百万円、その他の売上高が0.4%減の65億08百万円で営業利益が21.5%減の1億66百万円だった。

■長期ビジョン

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では、変革戦略を基本方針として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

■自動車部品用ピーブロックなど環境に貢献する新製品を拡販

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材や自動車バンパー芯材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにピーブロックの高付加価値グレード版として、GHG排出削減を実現するピーブロックLC(LCはローカーボンの略)も開発し、国内自動車メーカーのバンパー芯材に採用された。EV用部材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっており、中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。植物由来のバイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シートのPパールFや、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用されたARGILIX、老朽化した橋梁の補強・改修に適したフォームサポート工法など、新製品の開発・拡販を推進している。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明した。22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。22年12月には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。

■24年3月期大幅増益予想

 24年3月期の連結業績予想(7月31日付で第2四半期累計および通期の利益予想を上方修正)は、売上高が23年3月期比2.5%増の1350億円、営業利益が89.4%増の56億円、経常利益が75.4%増の59億円、そして親会社株主帰属当期純利益が69.9%増の43億円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は34.7%となる。

 なお第2四半期累計予想は売上高が前年同期比4.3%増の670億円、営業利益が113.6%増の30億円、経常利益が72.0%増の32億円、親会社株主帰属四半期純利益が74.0%増の24億円としている。

 期初予想に対して、第2四半期累計予想は営業利益を6億円、経常利益を7億円、親会社株主帰属四半期純利益を6億50百万円それぞれ上方修正、通期予想は営業利益を8億円、経常利益を9億円、親会社株主帰属当期純利益を9億円それぞれ上方修正した。

 第1四半期は、売上高が前年同期比3.5%増の320億49百万円、営業利益が66.4%増の12億71百万円、経常利益が37.8%増の14億88百万円、親会社株主帰属四半期純利益が46.6%増の11億19百万円だった。製品価格改定も寄与して大幅増益だった。

 押出事業は売上高が0.5%減の102億16百万円、営業利益(全社費用等調整前)が31.2%減の4億21百万円だった。全体として製品価格改定を進めたが、販売数量の減少、高付加価値製品の販売減少、ユーティリティコスト高騰の影響で減益だった。分野別売上状況として、生活資材製品は食品容器用「スチレンペーパー」や広告宣伝用ディスプレイ材「ミラボード」などが減少、産業資材製品は液晶パネルの生産調整の影響でフラットパネルディスプレイ用「ミラマット」などが減少した。建築土木資材製品は土木分野が減少したが、建築・住宅分野が増加した。

 ビーズ事業は売上高が6.5%増の203億83百万円で営業利益が196.5%増の11億12百万円だった。全体として販売数量が減少したが、製品価格改定効果で大幅増益だった。主力の発泡ポリプロピレン「ピーブロック」を中心とする高機能材製品は、自動車や包装材などの分野で販売数量が減少したが、製品価格改定効果で売上が増加した。

 その他は売上高が7.8%減の14億49百万円で営業利益が35.9%減の24百万円だった。一般包材が、国内では自動車部品輸送関連中心に増加したが、中国では各種部品関連の需要減の影響で減少した。

 24年3月期は、発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の販売が好調に推移する見込みであり、北米市場においてポリプロピレンの需要低下により原料価格が軟化傾向にあることや、為替の円安も寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は上値試す

 株価は地合い悪化の影響で上げ一服の形となったが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、目先的な売り一巡して上値を試す展開を期待したい。10月10日の終値は1967円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS144円26銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3076円73銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約618億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月22日更新]

JSPは年初来高値更新の展開、24年3月期大幅増益予想

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。なお9月27日〜29日開催(ポートメッセなごや)の専門展示会「緑十字展2023」に出展する。24年3月期は上方修正して大幅増益予想としている。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の販売が好調に推移する見込みであり、北米市場において原料価格が軟化傾向にあることや、為替の円安も寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は年初来高値更新の展開だ。1倍割れの低PBRも評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレイ材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。23年3月期のセグメント別業績は押出事業の売上高(外部顧客への売上高)が8.6%増の424億43百万円で営業利益(全社費用等調整前)が36.5%減の17億67百万円、ビーズ事業の売上高が20.8%増の827億61百万円で営業利益が22.2%減の20億38百万円、その他の売上高が0.4%減の65億08百万円で営業利益が21.5%減の1億66百万円だった。

■長期ビジョン

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では、変革戦略を基本方針として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

■自動車部品用ピーブロックなど環境に貢献する新製品を拡販

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材や自動車バンパー芯材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにピーブロックの高付加価値グレード版として、GHG排出削減を実現するピーブロックLC(LCはローカーボンの略)も開発し、国内自動車メーカーのバンパー芯材に採用された。EV用部材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっており、中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。植物由来のバイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シートのPパールFや、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用されたARGILIX、老朽化した橋梁の補強・改修に適したフォームサポート工法など、新製品の開発・拡販を推進している。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明した。22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。22年12月には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。

■24年3月期大幅増益予想

 24年3月期の連結業績予想(7月31日付で第2四半期累計および通期の利益予想を上方修正)は、売上高が23年3月期比2.5%増の1350億円、営業利益が89.4%増の56億円、経常利益が75.4%増の59億円、そして親会社株主帰属当期純利益が69.9%増の43億円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は34.7%となる。

 なお第2四半期累計予想は売上高が前年同期比4.3%増の670億円、営業利益が113.6%増の30億円、経常利益が72.0%増の32億円、親会社株主帰属四半期純利益が74.0%増の24億円としている。

 期初予想に対して、第2四半期累計予想は営業利益を6億円、経常利益を7億円、親会社株主帰属四半期純利益を6億50百万円それぞれ上方修正、通期予想は営業利益を8億円、経常利益を9億円、親会社株主帰属当期純利益を9億円それぞれ上方修正した。

 第1四半期は、売上高が前年同期比3.5%増の320億49百万円、営業利益が66.4%増の12億71百万円、経常利益が37.8%増の14億88百万円、親会社株主帰属四半期純利益が46.6%増の11億19百万円だった。製品価格改定も寄与して大幅増益だった。

 押出事業は売上高が0.5%減の102億16百万円、営業利益(全社費用等調整前)が31.2%減の4億21百万円だった。全体として製品価格改定を進めたが、販売数量の減少、高付加価値製品の販売減少、ユーティリティコスト高騰の影響で減益だった。分野別売上状況として、生活資材製品は食品容器用「スチレンペーパー」や広告宣伝用ディスプレイ材「ミラボード」などが減少、産業資材製品は液晶パネルの生産調整の影響でフラットパネルディスプレイ用「ミラマット」などが減少した。建築土木資材製品は土木分野が減少したが、建築・住宅分野が増加した。

 ビーズ事業は売上高が6.5%増の203億83百万円で営業利益が196.5%増の11億12百万円だった。全体として販売数量が減少したが、製品価格改定効果で大幅増益だった。主力の発泡ポリプロピレン「ピーブロック」を中心とする高機能材製品は、自動車や包装材などの分野で販売数量が減少したが、製品価格改定効果で売上が増加した。

 その他は売上高が7.8%減の14億49百万円で営業利益が35.9%減の24百万円だった。一般包材が、国内では自動車部品輸送関連中心に増加したが、中国では各種部品関連の需要減の影響で減少した。

 24年3月期は、発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の販売が好調に推移する見込みであり、北米市場においてポリプロピレンの需要低下により原料価格が軟化傾向にあることや、為替の円安も寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は年初来高値更新の展開

 株価は年初来高値更新の展開だ。1倍割れの低PBRも評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。9月21日の終値は2016円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS144円26銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3076円73銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約633億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月30日更新]

JSPは上値試す、24年3月期大幅増益予想

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。24年3月期は第2四半期累計および通期の利益予想を上方修正して大幅増益予想としている。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の販売が好調に推移する見込みであり、北米市場において原料価格が軟化傾向にあることや、為替の円安も寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上げ一服の形だが年初来高値圏で堅調だ。1倍割れの低PBRも評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレイ材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。23年3月期のセグメント別業績は押出事業の売上高(外部顧客への売上高)が8.6%増の424億43百万円で営業利益(全社費用等調整前)が36.5%減の17億67百万円、ビーズ事業の売上高が20.8%増の827億61百万円で営業利益が22.2%減の20億38百万円、その他の売上高が0.4%減の65億08百万円で営業利益が21.5%減の1億66百万円だった。

■長期ビジョン

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では、変革戦略を基本方針として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

■自動車部品用ピーブロックなど環境に貢献する新製品を拡販

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材や自動車バンパー芯材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにピーブロックの高付加価値グレード版として、GHG排出削減を実現するピーブロックLC(LCはローカーボンの略)も開発し、国内自動車メーカーのバンパー芯材に採用された。EV用部材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっており、中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。植物由来のバイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シートのPパールFや、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用されたARGILIX、老朽化した橋梁の補強・改修に適したフォームサポート工法など、新製品の開発・拡販を推進している。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明した。22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。22年12月には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。

■24年3月期大幅増益予想

 24年3月期の連結業績予想(7月31日付で第2四半期累計および通期の利益予想を上方修正)は、売上高が23年3月期比2.5%増の1350億円、営業利益が89.4%増の56億円、経常利益が75.4%増の59億円、そして親会社株主帰属当期純利益が69.9%増の43億円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は34.7%となる。

 なお第2四半期累計予想は売上高が前年同期比4.3%増の670億円、営業利益が113.6%増の30億円、経常利益が72.0%増の32億円、親会社株主帰属四半期純利益が74.0%増の24億円としている。

 期初予想に対して、第2四半期累計予想は営業利益を6億円、経常利益を7億円、親会社株主帰属四半期純利益を6億50百万円それぞれ上方修正、通期予想は営業利益を8億円、経常利益を9億円、親会社株主帰属当期純利益を9億円それぞれ上方修正した。

 第1四半期は、売上高が前年同期比3.5%増の320億49百万円、営業利益が66.4%増の12億71百万円、経常利益が37.8%増の14億88百万円、親会社株主帰属四半期純利益が46.6%増の11億19百万円だった。製品価格改定も寄与して大幅増益だった。

 押出事業は売上高が0.5%減の102億16百万円、営業利益(全社費用等調整前)が31.2%減の4億21百万円だった。全体として製品価格改定を進めたが、販売数量の減少、高付加価値製品の販売減少、ユーティリティコスト高騰の影響で減益だった。分野別売上状況として、生活資材製品は食品容器用「スチレンペーパー」や広告宣伝用ディスプレイ材「ミラボード」などが減少、産業資材製品は液晶パネルの生産調整の影響でフラットパネルディスプレイ用「ミラマット」などが減少した。建築土木資材製品は土木分野が減少したが、建築・住宅分野が増加した。

 ビーズ事業は売上高が6.5%増の203億83百万円で営業利益が196.5%増の11億12百万円だった。全体として販売数量が減少したが、製品価格改定効果で大幅増益だった。主力の発泡ポリプロピレン「ピーブロック」を中心とする高機能材製品は、自動車や包装材などの分野で販売数量が減少したが、製品価格改定効果で売上が増加した。

 その他は売上高が7.8%減の14億49百万円で営業利益が35.9%減の24百万円だった。一般包材が、国内では自動車部品輸送関連中心に増加したが、中国では各種部品関連の需要減の影響で減少した。

 24年3月期は、発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の販売が好調に推移する見込みであり、北米市場においてポリプロピレンの需要低下により原料価格が軟化傾向にあることや、為替の円安も寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は上値試す

 株価は上げ一服の形だが年初来高値圏で堅調だ。1倍割れの低PBRも評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。8月29日の終値は1942円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS144円26銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3076円73銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約610億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月17日更新]

JSPは上値試す、24年3月期利益予想を上方修正して大幅増益予想

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。24年3月期第1四半期は製品価格改定も寄与して大幅増益だった。そして第2四半期累計および通期の利益予想を上方修正して大幅増益予想としている。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の販売が好調に推移する見込みであり、北米市場において原料価格が軟化傾向にあることや、為替の円安も寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上方修正を好感して年初来高値を更新した。その後は上げ一服の形だが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレイ材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。23年3月期のセグメント別業績は押出事業の売上高(外部顧客への売上高)が8.6%増の424億43百万円で営業利益(全社費用等調整前)が36.5%減の17億67百万円、ビーズ事業の売上高が20.8%増の827億61百万円で営業利益が22.2%減の20億38百万円、その他の売上高が0.4%減の65億08百万円で営業利益が21.5%減の1億66百万円だった。

■長期ビジョン

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では、変革戦略を基本方針として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

■自動車部品用ピーブロックなど環境に貢献する新製品を拡販

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材や自動車バンパー芯材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにピーブロックの高付加価値グレード版として、GHG排出削減を実現するピーブロックLC(LCはローカーボンの略)も開発し、国内自動車メーカーのバンパー芯材に採用された。EV用部材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっており、中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。植物由来のバイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シートのPパールFや、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用されたARGILIX、老朽化した橋梁の補強・改修に適したフォームサポート工法など、新製品の開発・拡販を推進している。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明した。22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。22年12月には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。

■24年3月期は2Q累計および通期の利益予想を上方修正

 24年3月期の連結業績予想については、7月31日付で第2四半期累計および通期の利益予想を上方修正した。期初予想に対して第2四半期累計予想は営業利益を6億円、経常利益を7億円、親会社株主帰属四半期純利益を6億50百万円、通期予想は営業利益を8億円、経常利益を9億円、親会社株主帰属当期純利益を9億円、それぞれ上方修正した。

 修正後の第2四半期累計予想は売上高が前年同期比4.3%増の670億円、営業利益が113.6%増の30億円、経常利益が72.0%増の32億円、親会社株主帰属四半期純利益が74.0%増の24億円、通期連結業績予想は売上高が23年3月期比2.5%増の1350億円、営業利益が89.4%増の56億円、経常利益が75.4%増の59億円、親会社株主帰属当期純利益が69.9%増の43億円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は34.7%となる。

 第1四半期は、売上高が前年同期比3.5%増の320億49百万円、営業利益が66.4%増の12億71百万円、経常利益が37.8%増の14億88百万円、親会社株主帰属四半期純利益が46.6%増の11億19百万円だった。製品価格改定も寄与して大幅増益だった。

 押出事業は売上高が0.5%減の102億16百万円、営業利益(全社費用等調整前)が31.2%減の4億21百万円だった。全体として製品価格改定を進めたが、販売数量の減少、高付加価値製品の販売減少、ユーティリティコスト高騰の影響で減益だった。分野別売上状況として、生活資材製品は食品容器用「スチレンペーパー」や広告宣伝用ディスプレイ材「ミラボード」などが減少、産業資材製品は液晶パネルの生産調整の影響でフラットパネルディスプレイ用「ミラマット」などが減少した。建築土木資材製品は土木分野が減少したが、建築・住宅分野が増加した。

 ビーズ事業は売上高が6.5%増の203億83百万円で営業利益が196.5%増の11億12百万円だった。全体として販売数量が減少したが、製品価格改定効果で大幅増益だった。主力の発泡ポリプロピレン「ピーブロック」を中心とする高機能材製品は、自動車や包装材などの分野で販売数量が減少したが、製品価格改定効果で売上が増加した。

 その他は売上高が7.8%減の14億49百万円で営業利益が35.9%減の24百万円だった。一般包材が、国内では自動車部品輸送関連中心に増加したが、中国では各種部品関連の需要減の影響で減少した。

 24年3月期は、発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の販売が好調に推移する見込みであり、北米市場においてポリプロピレンの需要低下により原料価格が軟化傾向にあることや、為替の円安も寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は上値試す

 株価は上方修正を好感して年初来高値を更新した。その後は上げ一服の形だが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。8月16日の終値は1920円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS144円26銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3076円73銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約603億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月01日更新]

JSPは24年3月期1Q大幅増益、2Q累計および通期の利益予想を上方修正

 JSP<7942>(東証プライム)は7月31日の取引時間終了後に24年3月期第1四半期連結業績を発表した。製品価格改定も寄与して大幅増益だった。そして第2四半期累計および通期の利益予想を上方修正した。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の販売が好調に推移する見込みであり、北米市場において原料価格が軟化傾向にあることや、為替の円安も寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は7月の年初来高値圏から利益確定売りで一旦反落したが、素早く切り返しの動きを強めている。上方修正や1倍割れの低PBRを評価して上値を試す展開を期待したい。

■24年3月期1Q大幅増益、2Q累計および通期の利益予想を上方修正

 24年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比3.5%増の320億49百万円、営業利益が66.4%増の12億71百万円、経常利益が37.8%増の14億88百万円、親会社株主帰属四半期純利益が46.6%増の11億19百万円だった。製品価格改定も寄与して大幅増益だった。

 押出事業は売上高が0.5%減の102億16百万円、営業利益(全社費用等調整前)が31.2%減の4億21百万円だった。全体として製品価格改定を進めたが、販売数量の減少、高付加価値製品の販売減少、ユーティリティコスト高騰の影響で減益だった。分野別売上状況として、生活資材製品は食品容器用「スチレンペーパー」や広告宣伝用ディスプレイ材「ミラボード」などが減少、産業資材製品は液晶パネルの生産調整の影響でフラットパネルディスプレイ用「ミラマット」などが減少した。建築土木資材製品は土木分野が減少したが、建築・住宅分野が増加した。

 ビーズ事業は売上高が6.5%増の203億83百万円で営業利益が196.5%増の11億12百万円だった。全体として販売数量が減少したが、製品価格改定効果で大幅増益だった。主力の発泡ポリプロピレン「ピーブロック」を中心とする高機能材製品は、自動車や包装材などの分野で販売数量が減少したが、製品価格改定効果で売上が増加した。

 その他は売上高が7.8%減の14億49百万円で営業利益が35.9%減の24百万円だった。一般包材が、国内では自動車部品輸送関連中心に増加したが、中国では各種部品関連の需要減の影響で減少した。

 7月31日付で第2四半期累計および通期の利益予想を上方修正した。期初予想に対して第2四半期累計予想は営業利益を6億円、経常利益を7億円、親会社株主帰属四半期純利益を6億50百万円、通期予想は営業利益を8億円、経常利益を9億円、親会社株主帰属当期純利益を9億円、それぞれ上方修正した。

 修正後の通期連結業績予想は売上高が23年3月期比2.5%増の1350億円、営業利益が89.4%増の56億円、経常利益が75.4%増の59億円、親会社株主帰属当期純利益が69.9%増の43億円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は34.7%となる。

 発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の販売が好調に推移する見込みであり、北米市場においてポリプロピレンの需要低下により原料価格が軟化傾向にあることや、為替の円安も寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は7月の年初来高値圏から利益確定売りで一旦反落したが、素早く切り返しの動きを強めている。上方修正や1倍割れの低PBRを評価して上値を試す展開を期待したい。7月31日の終値は1881円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS144円26銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3076円73銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約591億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[07月18日更新]

JSPは上値試す、24年3月期大幅増益予想

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。24年3月期は需要が堅調に推移し、製品価格改定の進展も寄与して大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。株価は上げ一服の形となったが年初来高値圏だ。1倍割れの低PBRも評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。なお7月31日に24年3月期第1四半期決算発表を予定している。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレイ材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。23年3月期のセグメント別業績は押出事業の売上高(外部顧客への売上高)が8.6%増の424億43百万円で営業利益(全社費用等調整前)が36.5%減の17億67百万円、ビーズ事業の売上高が20.8%増の827億61百万円で営業利益が22.2%減の20億38百万円、その他の売上高が0.4%減の65億08百万円で営業利益が21.5%減の1億66百万円だった。

■長期ビジョン

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では、変革戦略を基本方針として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

■自動車部品用ピーブロックなど環境に貢献する新製品を拡販

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材や自動車バンパー芯材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにピーブロックの高付加価値グレード版として、GHG排出削減を実現するピーブロックLC(LCはローカーボンの略)も開発し、国内自動車メーカーのバンパー芯材に採用された。EV用部材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっており、中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。植物由来のバイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シートのPパールFや、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用されたARGILIX、老朽化した橋梁の補強・改修に適したフォームサポート工法など、新製品の開発・拡販を推進している。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にはサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明し、22年7月にはTCFD提言に基づく情報開示(詳細は会社HP参照)を行っている。

 22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。

 22年12月には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。

■24年3月期大幅増益予想で収益改善基調

 24年3月期の連結業績予想は、売上高が23年3月期比2.5%増の1350億円、営業利益が62.4%増の48億円、経常利益が48.7%増の50億円、親会社株主帰属当期純利益が34.3%増の34億円としている。配当予想は23年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は43.8%となる。

 需要の緩やかな回復基調を見込み、原材料価格、ユーティリティコスト、物流コストなどの上昇に対する製品価格改定やコスト削減に取り組む方針だ。セグメント別の想定として、押出事業は販売増加で増収だが固定費増加で営業利益横ばい、ビーズ事業は「ピーブロック」の販売回復や製品価格改定などで増収増益、その他は概ね23年3月期並みとしている。

 営業利益前期比18億44百万円増益の要因分析は、数量増加(EPP、保冷車用断熱材、土木資材などの販売増加)に伴う限界利益増加で+13億02百万円、販売単価改善で+3億43百万円、変動費単価下落(原油価格・原材料価格の下落)で+32億44百万円、固定費増加(主に人件費増加)で▲29億87百万円、為替要因等で▲57百万円としている。

 セグメント別には、押出事業の売上高が3.0%増の437億円で営業利益(全社費用等調整前)が1.9%増の18億円、ビーズ事業の売上高が2.7%増の850億円で営業利益が96.2%増の40億円、その他の売上高が3.2%減の63億円で営業利益が40.1%減の1億円の計画としている。

 押出事業は販売数量増加などで増収だが、固定費の増加で営業利益は前期並みとしている。分野別には、食品容用「スチレンペーパー」を中心とする生活資材製品は環境対応型製品の投入も寄与して堅調見込み、産業資材製品ではフラットパネルディスプレイ用「ミラマット」が後半に回復して堅調見込み、住宅用断熱材・土木資材分野は「ミラフォーム」の住宅用が消費マインド冷え込みの影響を受けるが、保冷車用や土木分野が好調見込みとしている。ビーズ事業は主力の「ピーブロック」の自動車分野が回復し、販売数量増加と製品価格改定による収益性改善を見込んでいる。

 24年3月期は、想定以上の原材料価格高騰のため中期経営計画(21年度〜23年度)で掲げた営業利益目標が未達になる見込みだが、23年3月期比では需要が堅調に推移して増収、製品価格改定の進展も寄与して大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は上値試す

 株価は上げ一服の形となったが年初来高値圏だ。1倍割れの低PBRも評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。7月14日の終値は1835円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS114円06銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3076円73銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約576億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[06月27日更新]

JSPは上値試す、24年3月期大幅増益予想で1倍割れのPBRも評価材料

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。24年3月期は需要が堅調に推移し、製品価格改定の進展も寄与して大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。株価は年初来高値更新の展開だ。1倍割れのPBRも評価材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレイ材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。23年3月期のセグメント別業績は押出事業の売上高(外部顧客への売上高)が8.6%増の424億43百万円で営業利益(全社費用等調整前)が36.5%減の17億67百万円、ビーズ事業の売上高が20.8%増の827億61百万円で営業利益が22.2%減の20億38百万円、その他の売上高が0.4%減の65億08百万円で営業利益が21.5%減の1億66百万円だった。

■長期ビジョン

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では、変革戦略を基本方針として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

■自動車部品用ピーブロックなど環境に貢献する新製品を拡販

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材や自動車バンパー芯材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにピーブロックの高付加価値グレード版として、GHG排出削減を実現するピーブロックLC(LCはローカーボンの略)も開発し、国内自動車メーカーのバンパー芯材に採用された。EV用部材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっており、中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。植物由来のバイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シートのPパールFや、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用されたARGILIX、老朽化した橋梁の補強・改修に適したフォームサポート工法など、新製品の開発・拡販を推進している。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にはサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明し、22年7月にはTCFD提言に基づく情報開示(詳細は会社HP参照)を行っている。

 22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。

 22年12月には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。

■24年3月期大幅増益予想で収益改善基調

 24年3月期の連結業績予想は、売上高が23年3月期比2.5%増の1350億円、営業利益が62.4%増の48億円、経常利益が48.7%増の50億円、親会社株主帰属当期純利益が34.3%増の34億円としている。配当予想は23年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は43.8%となる。

 需要の緩やかな回復基調を見込み、原材料価格、ユーティリティコスト、物流コストなどの上昇に対する製品価格改定やコスト削減に取り組む方針だ。セグメント別の想定として、押出事業は販売増加で増収だが固定費増加で営業利益横ばい、ビーズ事業は「ピーブロック」の販売回復や製品価格改定などで増収増益、その他は概ね23年3月期並みとしている。

 営業利益前期比18億44百万円増益の要因分析は、数量増加(EPP、保冷車用断熱材、土木資材などの販売増加)に伴う限界利益増加で+13億02百万円、販売単価改善で+3億43百万円、変動費単価下落(原油価格・原材料価格の下落)で+32億44百万円、固定費増加(主に人件費増加)で▲29億87百万円、為替要因等で▲57百万円としている。

 セグメント別には、押出事業の売上高が3.0%増の437億円で営業利益(全社費用等調整前)が1.9%増の18億円、ビーズ事業の売上高が2.7%増の850億円で営業利益が96.2%増の40億円、その他の売上高が3.2%減の63億円で営業利益が40.1%減の1億円の計画としている。

 押出事業は販売数量増加などで増収だが、固定費の増加で営業利益は前期並みとしている。分野別には、食品容用「スチレンペーパー」を中心とする生活資材製品は環境対応型製品の投入も寄与して堅調見込み、産業資材製品ではフラットパネルディスプレイ用「ミラマット」が後半に回復して堅調見込み、住宅用断熱材・土木資材分野は「ミラフォーム」の住宅用が消費マインド冷え込みの影響を受けるが、保冷車用や土木分野が好調見込みとしている。ビーズ事業は主力の「ピーブロック」の自動車分野が回復し、販売数量増加と製品価格改定による収益性改善を見込んでいる。

 24年3月期は、想定以上の原材料価格高騰のため中期経営計画(21年度〜23年度)で掲げた営業利益目標が未達になる見込みだが、23年3月期比では需要が堅調に推移して増収、製品価格改定の進展も寄与して大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は上値試す

 株価は年初来高値更新の展開だ。1倍割れのPBRも評価材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。6月26日の終値は1830円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS114円06銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3076円73銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約575億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[06月13日更新]

JSPは年初来高値更新の展開、24年3月期大幅増益予想で1倍割れのPBRも評価材料

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。なお6月20日〜22日開催(米国ミシガン州ノバイ)の米国最大の発泡製品展示会「FOAM EXPO」に出展する。24年3月期は需要が堅調に推移し、製品価格改定の進展も寄与して大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。株価は急伸して年初来高値更新の展開となった。1倍割れのPBRも評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレイ材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。23年3月期のセグメント別業績は押出事業の売上高(外部顧客への売上高)が8.6%増の424億43百万円で営業利益(全社費用等調整前)が36.5%減の17億67百万円、ビーズ事業の売上高が20.8%増の827億61百万円で営業利益が22.2%減の20億38百万円、その他の売上高が0.4%減の65億08百万円で営業利益が21.5%減の1億66百万円だった。

■長期ビジョン

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 なお23年4月28日公表の24年3月期連結業績予想は、売上高1350億円、営業利益48億円、営業利益率3.6%としている。セグメント別予想は、押出事業の売上高が3.0%増の437億円で営業利益(全社費用等調整前)が1.9%増の18億円、ビーズ事業の売上高が2.7%増の850億円で営業利益が96.2%増の40億円、その他の売上高が3.2%減の63億円で営業利益が40.1%減の1億円としている。4つの成長エンジンの予想(19年度比)は、自動車部品の販売数量11%増、建築住宅断熱材の販売数量1%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高6億円の予想としている。

■自動車部品用ピーブロックなど環境に貢献する新製品を拡販

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材や自動車バンパー芯材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにピーブロックの高付加価値グレード版として、GHG排出削減を実現するピーブロックLC(LCはローカーボンの略)も開発し、国内自動車メーカーのバンパー芯材に採用された。EV用部材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっており、中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。植物由来のバイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シートのPパールFや、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用されたARGILIX、老朽化した橋梁の補強・改修に適したフォームサポート工法など、新製品の開発・拡販を推進している。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にはサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明し、22年7月にはTCFD提言に基づく情報開示(詳細は会社HP参照)を行っている。

 22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。

 22年12月には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。

■24年3月期大幅増益予想で収益改善基調

 24年3月期の連結業績予想は、売上高が23年3月期比2.5%増の1350億円、営業利益が62.4%増の48億円、経常利益が48.7%増の50億円、親会社株主帰属当期純利益が34.3%増の34億円としている。配当予想は23年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は43.8%となる。

 需要の緩やかな回復基調を見込み、原材料価格、ユーティリティコスト、物流コストなどの上昇に対する製品価格改定やコスト削減に取り組む方針だ。セグメント別の想定として、押出事業は販売増加で増収だが固定費増加で営業利益横ばい、ビーズ事業は「ピーブロック」の販売回復や製品価格改定などで増収増益、その他は概ね23年3月期並みとしている。

 営業利益前期比18億44百万円増益の要因分析は、数量増加(EPP、保冷車用断熱材、土木資材などの販売増加)に伴う限界利益増加で+13億02百万円、販売単価改善で+3億43百万円、変動費単価下落(原油価格・原材料価格の下落)で+32億44百万円、固定費増加(主に人件費増加)で▲29億87百万円、為替要因等で▲57百万円としている。

 セグメント別には、押出事業の売上高が3.0%増の437億円で営業利益(全社費用等調整前)が1.9%増の18億円、ビーズ事業の売上高が2.7%増の850億円で営業利益が96.2%増の40億円、その他の売上高が3.2%減の63億円で営業利益が40.1%減の1億円としている。

 押出事業は販売数量増加などで増収だが、固定費の増加で営業利益は前期並みとしている。分野別には、食品容用「スチレンペーパー」を中心とする生活資材製品は環境対応型製品の投入も寄与して堅調見込み、産業資材製品ではフラットパネルディスプレイ用「ミラマット」が後半に回復して堅調見込み、住宅用断熱材・土木資材分野は「ミラフォーム」の住宅用が消費マインド冷え込みの影響を受けるが、保冷車用や土木分野が好調見込みとしている。ビーズ事業は主力の「ピーブロック」の自動車分野が回復し、販売数量増加と製品価格改定による収益性改善を見込んでいる。

 24年3月期は、想定以上の原材料価格高騰のため中期経営計画(21年度〜23年度)で掲げた営業利益目標が未達になる見込みだが、23年3月期比では需要が堅調に推移して増収、製品価格改定の進展も寄与して大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は上値試す

 株価は急伸して年初来高値更新の展開となった。1倍割れのPBRも評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。6月12日の終値は1792円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS114円06銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3076円73銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約563億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[05月22日更新]

JSPは上値試す、24年3月期大幅増益予想で1倍割れのPBRも評価材料

JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。23年3月期需要が概ね堅調に推移し、製品価格改定も寄与して2桁増収だったが、期前半に製品価格改定が遅れた影響で原材料価格・ユーティリティコスト高騰の影響をカバーできず減益だった。24年3月期は需要が堅調に推移して増収、製品価格改定の進展も寄与して大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。株価は24年3月期大幅増益予想も好感して3月の年初来高値に接近している。1倍割れのPBRも評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレイ材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。23年3月期のセグメント別業績は押出事業の売上高(外部顧客への売上高)が8.6%増の424億43百万円で営業利益(全社費用等調整前)が36.5%減の17億67百万円、ビーズ事業の売上高が20.8%増の827億61百万円で営業利益が22.2%減の20億38百万円、その他の売上高が0.4%減の65億08百万円で営業利益が21.5%減の1億66百万円だった。

■長期ビジョン

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 なお23年4月28日公表の24年3月期連結業績予想は、売上高1350億円、営業利益48億円、営業利益率3.6%としている。セグメント別予想は、押出事業の売上高が3.0%増の437億円で営業利益(全社費用等調整前)が1.9%増の18億円、ビーズ事業の売上高が2.7%増の850億円で営業利益が96.2%増の40億円、その他の売上高が3.2%減の63億円で営業利益が40.1%減の1億円としている。4つの成長エンジンの予想(19年度比)は、自動車部品の販売数量11%増、建築住宅断熱材の販売数量1%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高6億円の予想としている。

■自動車部品用ピーブロックなど環境に貢献する新製品を拡販

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材や自動車バンパー芯材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにピーブロックの高付加価値グレード版として、GHG排出削減を実現するピーブロックLC(LCはローカーボンの略)も開発し、国内自動車メーカーのバンパー芯材に採用された。EV用部材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっており、中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。植物由来のバイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シートのPパールFや、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用されたARGILIX、老朽化した橋梁の補強・改修に適したフォームサポート工法など、新製品の開発・拡販を推進している。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にはサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明し、22年7月にはTCFD提言に基づく情報開示(詳細は会社HP参照)を行っている。

 22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。

 22年12月には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。

■23年3月期減益着地、24年3月期大幅増益予想

 23年3月期連結業績は売上高が22年3月期比15.4%増の1317億14百万円、営業利益が35.6%減の29億56百万円、経常利益が30.9%減の33億63百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が12.5%減の25億31百万円だった。配当は22年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)とした。配当性向は58.9%となる。

 売上面は需要が概ね堅調に推移し、製品価格改定も寄与して2桁増収だったが、利益面は、期前半に製品価格改定が遅れた影響で原材料価格・ユーティリティコスト高騰の影響をカバーできず減益だった。

 押出事業は売上高が8.6%増の424億43百万円、営業利益(全社費用等調整前)が36.5%減の17億67百万円だった。全体として販売数量は前期並みだったが、製品価格改定効果で増収だった。利益面は製品価格改定遅れ、原材料価格・ユーティリティコスト高騰の影響で減益だった。分野別売上状況として、生活資材製品は食品容器用「スチレンペーパー」や広告宣伝用ディスプレイ材「ミラボード」などが増加、産業資材製品は液晶パネルの生産調整の影響でフラットパネルディスプレイ用「ミラマット」などが減少した。建築土木資材製品は「ミラフォーム」などの販売が前期並みだったが、製品価格改定効果が寄与した。

 ビーズ事業は売上高が20.8%増の827億61百万円で営業利益が22.2%減の20億38百万円だった。全体として発泡ポリプロピレン「ピーブロック」を中心とする高機能材製品の販売増加や製品価格改定効果で大幅増収だった。利益面は原材料価格高騰に対する製品価格改定遅れ、ユーティリティコスト高騰、人件費増加なの影響で減益だった。分野別売上状況として、自動車部品など幅広い分野で使用されている「ピーブロック」は、国内が自動車分野の回復遅れで前期並みだったが、北米は低調だった前期からの回復などで大幅伸長した。ユニットバス天井材等に使用されているハイブリッド成形品「FOAMCORE」は需要回復で増加した。

 その他は売上高が0.4%減の65億08百万円で営業利益が21.5%減の1億66百万円だった。一般包材が、国内では自動車部品輸送関連中心に増加したが、中国では各種部品間の需要減の影響で販売減少した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が309億77百万円で営業利益が7億64百万円、第2四半期は売上高が332億75百万円で営業利益が6億40百万円、第3四半期は売上高が348億28百万円で営業利益が9億11百万円、第4四半期は売上高が326億34百万円で営業利益が6億41百万円だった。

 24年3月期の連結業績予想は、売上高が23年3月期比2.5%増の1350億円、営業利益が62.4%増の48億円、経常利益が48.7%増の50億円、親会社株主帰属当期純利益が34.3%増の34億円としている。配当予想は23年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は43.8%となる。

 需要の緩やかな回復基調を見込み、原材料価格、ユーティリティコスト、物流コストなどの上昇に対する製品価格改定やコスト削減に取り組む方針だ。セグメント別の想定として、押出事業は販売増加で増収だが固定費増加で営業利益横ばい、ビーズ事業は「ピーブロック」の販売回復や製品価格改定などで増収増益、その他は概ね23年3月期並みとしている。

 営業利益前期比18億44百万円増益の要因分析は、数量増加(EPP、保冷車用断熱材、土木資材などの販売増加)に伴う限界利益増加で+13億02百万円、販売単価改善で+3億43百万円、変動費単価下落(原油価格・原材料価格の下落)で+32億44百万円、固定費増加(主に人件費増加)で▲29億87百万円、為替要因等で▲57百万円としている。

 セグメント別には、押出事業の売上高が3.0%増の437億円で営業利益(全社費用等調整前)が1.9%増の18億円、ビーズ事業の売上高が2.7%増の850億円で営業利益が96.2%増の40億円、その他の売上高が3.2%減の63億円で営業利益が40.1%減の1億円としている。

 押出事業は販売数量増加などで増収だが、固定費の増加で営業利益は前期並みとしている。分野別には、食品容用「スチレンペーパー」を中心とする生活資材製品は環境対応型製品の投入も寄与して堅調見込み、産業資材製品ではフラットパネルディスプレイ用「ミラマット」が後半に回復して堅調見込み、住宅用断熱材・土木資材分野は「ミラフォーム」の住宅用が消費マインド冷え込みの影響を受けるが、保冷車用や土木分野が好調見込みとしている。ビーズ事業は主力の「ピーブロック」の自動車分野が回復し、販売数量増加と製品価格改定による収益性改善を見込んでいる。

 24年3月期は、想定以上の原材料価格高騰のため中期経営計画(21年度〜23年度)で掲げた営業利益目標が未達になる見込みだが、23年3月期比では需要が堅調に推移して増収、製品価格改定の進展も寄与して大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は上値試す

 株価は24年3月期大幅増益予想も好感して3月の年初来高値に接近している。1倍割れのPBRも評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。5月19日の終値は1629円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS114円06銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3。1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3076円73銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約512億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[04月19日更新]

JSPは切り返しの動き、24年3月期収益拡大期待

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。23年3月期は自動車生産調整や原材料・エネルギーコスト高騰の影響で減益予想だが、販売価格改定が進展して第3四半期の営業利益は改善基調となっている。さらに4月1日出荷分からスチレンペーパー製品全般の販売価格改定(値上げ)を実施している。積極的な事業展開で24年3月期は収益拡大基調が期待されるだろう。株価は3月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。高配当利回りや低PBRも評価して上値を試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業60%、その他6%、営業利益構成比(調整前)は押出事業50%、ビーズ事業47%、その他4%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■長期ビジョン

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

■自動車部品用ピーブロックなど環境に貢献する新製品を拡販

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材や自動車バンパー芯材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにピーブロックの高付加価値グレード版として、GHG排出削減を実現するピーブロックLC(LCはローカーボンの略)も開発し、国内自動車メーカーのバンパー芯材に採用された。EV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっており、中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。植物由来のバイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シートのPパールFや、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用されたARGILIX、老朽化した橋梁の補強・改修に適したフォームサポート工法など、新製品の開発・拡販を推進している。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にはサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明し、22年7月にはTCFD提言に基づく情報開示(詳細は会社HP参照)を行っている。

 22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。

 22年12月には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。

■23年3月期減益予想だが3Q改善基調、24年3月期収益拡大期待

 23年3月期の連結業績予想(22年10月31日付で売上高予想を上方修正、利益予想を下方修正)は、売上高が22年3月期比14.8%増の1310億円、営業利益が30.3%減の32億円、経常利益が24.0%減の37億円、親会社株主帰属当期純利益が6.7%減の27億円としている。配当予想は22年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比16.4%増の990億80百万円、営業利益が46.1%減の23億15百万円、経常利益が38.6%減の27億63百万円、親会社株主帰属四半期純利益が35.9%減の21億09百万円だった。

 売上面は高機能材製品販売増加や販売価格改定効果などで2桁増収だが、利益面は期前半に販売価格改定が遅れた影響で原材料価格高騰の影響をカバーできず減益だった。

 押出事業は、売上高が8.8%増の320億09百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が33.6%減の15億97百万円だった。全体として、売上面は販売価格改定効果で増収だが、利益面は原材料価格高騰の影響で減益だった。生活資材製品は食品トレー向け分野や広告宣伝用ディスプレー材の販売が増加し、販売価格改定効果も寄与した。産業資材製品や建築土木資材製品の販売は前期並みだったが、販売価格改定効果が寄与した。

 ビーズ事業は、売上高が22.0%増の620億89百万円、利益が46.9%減の13億26百万円だった。全体として、売上面は高機能材製品販売増加や販売価格改定効果で大幅増収だが、利益面は原材料価格高騰の影響で減益だった。自動車部品など幅広い分野で使用されている発泡ポリプロピレンのピーブロックを中心とする高機能材製品は国内、北米、南米、シンガポール、韓国等で販売数量が増加した。ユニットバス天井材等に使用されているハイブリッド成形品のFOAMCOREの販売も増加した。

 その他は売上高が3.8%増の49億82百万円、利益が0.9%増の1億52百万円だった。一般包材の販売が自動車部品輸送関連等の需要回復で増加した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が309億77百万円で営業利益が7億64百万円、第2四半期は売上高が332億75百万円で営業利益が6億40百万円、第3四半期は売上高が348億28百万円で営業利益が9億11百万円だった。第3四半期は遅れていた販売価格改定が進展して営業損益改善基調となった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。製品価格改定も寄与して2桁増収だが、利益面は自動車生産調整や原材料価格高騰の影響で減益予想としている。ただし第3四半期累計の進捗率は売上高75.6%、営業利益72.3%、経常利益74.7%、親会社株主帰属当期純利益78.1%と概ね順調だった。

 23年3月期は自動車生産調整や原材料・エネルギーコスト高騰の影響で減益予想だが、販売価格改定が進展して第3四半期の営業利益は改善基調となっている。さらに4月1日出荷分からスチレンペーパー製品全般の販売価格改定(値上げ)を実施している。積極的な事業展開で24年3月期は収益拡大基調が期待されるだろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は切り返しの動き

 株価は3月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインの形となっている。高配当利回りや低PBRも評価して上値を試す展開を期待したい。4月18日の終値は1555円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS90円58銭で算出)は約17倍、前期推定配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.2%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS2884円93銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約488億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[03月06日更新]

JSPは上値試す、23年3月期減益予想だが3Q改善基調

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。23年3月期は自動車生産調整や原材料価格高騰の影響で減益予想だが、販売価格改定が進展して第3四半期の営業利益が改善基調となっていることを勘案すれば、24年3月期は収益改善基調が期待されるだろう。株価はモミ合いから上放れの形となって戻り歩調だ。そして昨年来高値に接近している。高配当利回りや低PBRも評価して上値を試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業60%、その他6%、営業利益構成比(調整前)は押出事業50%、ビーズ事業47%、その他4%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■長期ビジョン

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

■自動車部品用ピーブロックなど環境に貢献する新製品を拡販

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材や自動車バンパー芯材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにピーブロックの高付加価値グレード版として、GHG排出削減を実現するピーブロックLC(LCはローカーボンの略)も開発し、国内自動車メーカーのバンパー芯材に採用された。EV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっており、中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。植物由来のバイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シートのPパールFや、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用されたARGILIX、老朽化した橋梁の補強・改修に適したフォームサポート工法など、新製品の開発・拡販を推進している。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にはサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明し、22年7月にはTCFD提言に基づく情報開示(詳細は会社HP参照)を行っている。

 22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。

 22年9月には労働施策総合推進法に基づいて、直近3事業年度において採用した正規雇用労働者の中途採用比率を公表した。19年度は54%、20年度は41%、21年度は67%だった。

 22年12月には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。

■23年3月期減益予想だが3Q改善基調

 23年3月期の連結業績予想(22年10月31日付で売上高予想を上方修正、利益予想を下方修正)は、売上高が22年3月期比14.8%増の1310億円、営業利益が30.3%減の32億円、経常利益が24.0%減の37億円、親会社株主帰属当期純利益が6.7%減の27億円としている。配当予想は22年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比16.4%増の990億80百万円、営業利益が46.1%減の23億15百万円、経常利益が38.6%減の27億63百万円、親会社株主帰属四半期純利益が35.9%減の21億09百万円だった。

 売上面は高機能材製品販売増加や販売価格改定効果などで2桁増収だが、利益面は期前半に販売価格改定が遅れた影響で原材料価格高騰の影響をカバーできず減益だった。

 押出事業は、売上高が8.8%増の320億09百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が33.6%減の15億97百万円だった。全体として、売上面は販売価格改定効果で増収だが、利益面は原材料価格高騰の影響で減益だった。生活資材製品は食品トレー向け分野や広告宣伝用ディスプレー材の販売が増加し、販売価格改定効果も寄与した。産業資材製品や建築土木資材製品の販売は前期並みだったが、販売価格改定効果が寄与した。

 ビーズ事業は、売上高が22.0%増の620億89百万円、利益が46.9%減の13億26百万円だった。全体として、売上面は高機能材製品販売増加や販売価格改定効果で大幅増収だが、利益面は原材料価格高騰の影響で減益だった。自動車部品など幅広い分野で使用されている発泡ポリプロピレンのピーブロックを中心とする高機能材製品は国内、北米、南米、シンガポール、韓国等で販売数量が増加した。ユニットバス天井材等に使用されているハイブリッド成形品のFOAMCOREの販売も増加した。

 その他は売上高が3.8%増の49億82百万円、利益が0.9%増の1億52百万円だった。一般包材の販売が自動車部品輸送関連等の需要回復で増加した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が309億77百万円で営業利益が7億64百万円、第2四半期は売上高が332億75百万円で営業利益が6億40百万円、第3四半期は売上高が348億28百万円で営業利益が9億11百万円だった。第3四半期の営業利益は遅れていた販売価格改定が進展して改善基調となった。

 通期の連結業績予想は据え置いている。製品価格改定も寄与して2桁増収だが、利益面は自動車生産調整や原材料価格高騰の影響で減益予想としている。ただし第3四半期累計の進捗率は売上高75.6%、営業利益72.3%、経常利益74.7%、親会社株主帰属当期純利益78.1%と概ね順調だった。販売価格改定が進展して第3四半期の営業利益が改善基調となっていることを勘案すれば、24年3月期は収益改善基調が期待されるだろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は上値試す

 株価はやや小動きだが、ボックスレンジから上放れて昨年来高値に接近している。基調転換を確認した形であり、高配当利回りや低PBRも評価して上値を試す展開を期待したい。3月3日の終値は1608円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS90円58銭で算出)は約18倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2884円93銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約505億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[02月10日更新]

JSPはモミ合いから上放れ、23年3月期は原材料価格高騰で減益予想だが3Q改善基調

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。23年3月期第3四半期累計は、高機能材製品販売増加や販売価格改定などで2桁増収だが、期前半に販売価格改定が遅れた影響で原材料価格高騰の影響をカバーできず減益だった。そして通期の減益予想を据え置いた。ただし第3四半期累計の進捗率は概ね順調だった。販売価格改定が進展して第3四半期の営業利益が改善基調となっていることを勘案すれば、24年3月期は収益改善基調が期待されるだろう。株価は昨年来安値圏でのモミ合いから上放れの形となった。高配当利回りや低PBRも評価して戻りを試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業60%、その他6%、営業利益構成比(調整前)は押出事業50%、ビーズ事業47%、その他4%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■長期ビジョン

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

■自動車部品用ピーブロックなど環境に貢献する新製品を拡販

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材や自動車バンパー芯材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにピーブロックの高付加価値グレード版として、GHG排出削減を実現するピーブロックLC(LCはローカーボンの略)も開発し、国内自動車メーカーのバンパー芯材に採用された。EV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっており、中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。植物由来のバイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シートのPパールFや、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用されたARGILIX、老朽化した橋梁の補強・改修に適したフォームサポート工法など、新製品の開発・拡販を推進している。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にはサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明し、22年7月にはTCFD提言に基づく情報開示(詳細は会社HP参照)を行っている。

 22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。

 22年9月には労働施策総合推進法に基づいて、直近3事業年度において採用した正規雇用労働者の中途採用比率を公表した。19年度は54%、20年度は41%、21年度は67%だった。

 22年12月には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。

■23年3月期3Q累計減益、通期も減益予想だが3Q改善基調

 23年3月期の連結業績予想(22年10月31日付で売上高予想を上方修正、利益予想を下方修正)は、売上高が22年3月期比14.8%増の1310億円、営業利益が30.3%減の32億円、経常利益が24.0%減の37億円、親会社株主帰属当期純利益が6.7%減の27億円としている。配当予想は22年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比16.4%増の990億80百万円、営業利益が46.1%減の23億15百万円、経常利益が38.6%減の27億63百万円、親会社株主帰属四半期純利益が35.9%減の21億09百万円だった。

 売上面は高機能材製品販売増加や販売価格改定効果などで2桁増収だが、利益面は期前半に販売価格改定が遅れた影響で原材料価格高騰の影響をカバーできず減益だった。

 押出事業は、売上高が8.8%増の320億09百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が33.6%減の15億97百万円だった。全体として、売上面は販売価格改定効果で増収だが、利益面は原材料価格高騰の影響で減益だった。生活資材製品は食品トレー向け分野や広告宣伝用ディスプレー材の販売が増加し、販売価格改定効果も寄与した。産業資材製品や建築土木資材製品の販売は前期並みだったが、販売価格改定効果が寄与した。

 ビーズ事業は、売上高が22.0%増の620億89百万円、利益が46.9%減の13億26百万円だった。全体として、売上面は高機能材製品販売増加や販売価格改定効果で大幅増収だが、利益面は原材料価格高騰の影響で減益だった。自動車部品など幅広い分野で使用されている発泡ポリプロピレンのピーブロックを中心とする高機能材製品は国内、北米、南米、シンガポール、韓国等で販売数量が増加した。ユニットバス天井材等に使用されているハイブリッド成形品のFOAMCOREの販売も増加した。

 その他は売上高が3.8%増の49億82百万円、利益が0.9%増の1億52百万円だった。一般包材の販売が自動車部品輸送関連等の需要回復で増加した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が309億77百万円で営業利益が7億64百万円、第2四半期は売上高が332億75百万円で営業利益が6億40百万円、第3四半期は売上高が348億28百万円で営業利益が9億11百万円だった。第3四半期の営業利益は販売価格改定が進展して改善基調となった。

 通期連結業績予想は据え置いている。製品価格改定も寄与して2桁増収だが、利益面は自動車生産調整や原材料価格高騰の影響で減益予想としている。ただし第3四半期累計の進捗率は売上高75.6%、営業利益72.3%、経常利益74.7%、親会社株主帰属当期純利益78.1%と概ね順調だった。販売価格改定が進展して第3四半期の営業利益が改善基調となっていることを勘案すれば、24年3月期は収益改善基調が期待されるだろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価はモミ合いから上放れ

 株価は昨年来安値圏でのモミ合いから上放れの形となった。週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線が上向きに転じてきた。高配当利回りや低PBRも評価して戻りを試す展開を期待したい。2月9日の終値は1590円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS90円58銭で算出)は約18倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2884円93銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約499億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月01日更新]

JSPは原材料価格高騰影響で23年3月期3Q累計減益だが、3Qは改善基調

 JSP<7942>(東証プライム)は1月31日の取引時間終了後に23年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。高機能材製品の販売増加や販売価格改定効果などで2桁増収だが、期前半に販売価格改定が遅れた影響で原材料価格高騰の影響をカバーできず減益だった。そして通期の減益予想を据え置いた。自動車生産調整や原材料価格高騰の影響を見込んでいる。第3四半期累計の進捗率は概ね順調だった。販売価格改定が進展して第3四半期の営業利益が改善基調となっていることを勘案すれば、24年3月期は収益改善基調が期待されるだろう。株価は水準を切り上げて安値圏でのモミ合いから上放れの展開となった。23年3月期減益予想を織り込み済みであり、出直りを期待したい。

■23年3月期3Q累計減益、通期減益予想据え置き

 23年3月期第2四半期累計(4月〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比16.4%増の990億80百万円、営業利益が46.1%減の23億15百万円、経常利益が38.6%減の27億63百万円、そして親会社株主帰属四半期純利益が35.9%減の21億09百万円だった。売上面は高機能材製品の販売増加や販売価格改定効果などで2桁増収だが、利益面は期前半に販売価格改定が遅れた影響で原材料価格高騰の影響をカバーできず減益だった。

 押出事業は、売上高が8.8%増の320億09百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が33.6%減の15億97百万円だった。全体として販売価格改定効果で増収だが、原材料価格高騰の影響で減益だった。生活資材製品は食品トレー向け分野や広告宣伝用ディスプレイ材の販売が増加し、販売価格改定効果も寄与した。産業資材製品や建築土木資材製品の販売は前期並みだったが、販売価格改定効果が寄与した。

 ビーズ事業は、売上高が22.0%増の620億89百万円、利益が46.9%減の13億26百万円だった。全体として高機能材製品の販売増加や販売価格改定効果で大幅増収だが、原材料価格高騰の影響で減益だった。自動車部品など幅広い分野で使用されている発泡ポリプロピレン「ピーブロック」を中心とする高機能材製品は国内、北米、南米、シンガポール、韓国等で販売数量が増加した。ユニットバス天井材等に使用されているハイブリッド成形品「FOAMCORE」の販売も増加した。

 その他は売上高が3.8%増の49億82百万円、利益が0.9%増の1億52百万円だった。一般包材の販売が自動車部品輸送関連等の需要回復で増加した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が309億77百万円で営業利益が7億64百万円、第2四半期は売上高が332億75百万円で営業利益が6億40百万円、第3四半期は売上高が348億28百万円で営業利益が9億11百万円だった。第3四半期の営業利益は販売価格改定が進展して改善基調となった。

 通期連結業績予想(22年10月31日付で売上高予想を上方修正、利益予想を下方修正)は据え置いて、売上高が22年3月期比14.8%増の1310億円、営業利益が30.3%減の32億円、経常利益が24.0%減の37億円、親会社株主帰属当期純利益が6.7%減の27億円としている。配当予想は22年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 製品価格改定も寄与して2桁増収だが、利益面は自動車生産調整や原材料価格高騰の影響で減益予想としている。第3四半期累計の進捗率は売上高が75.6%、営業利益が72.3%、経常利益が74.7%、親会社株主帰属当期純利益が78.1%と概ね順調だった。販売価格改定が進展して第3四半期の営業利益が改善基調となっていることを勘案すれば、24年3月期は収益改善基調が期待されるだろう。

■株価はモミ合いから上放れ

 株価は水準を切り上げて安値圏でのモミ合いから上放れの展開となった。そして週足チャートで見ると、13週移動平均線と26週移動平均線が上向きに転じてきた。23年3月期減益予想を織り込み済みであり、出直りを期待したい。1月31日の終値は1578円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS90円58銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2884円93銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約496億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月20日更新]

JSPは戻り試す、23年3月期減益予想だが下期改善基調

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。1月10日にはバイオマスポリエチレン配合のビーズ法発泡ポリエチレン「ミラブロック−Bio」をリリースしている。23年3月期は自動車生産調整や原材料価格高騰の影響で減益予想としている。ただし原材料価格高騰の落ち着きや販売価格改定の効果などで下期は改善基調が期待できるだろう。株価は小動きだが徐々に下値を切り上げている。高配当利回りや低PBRも評価して戻りを試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業60%、その他6%、営業利益構成比(調整前)は押出事業50%、ビーズ事業47%、その他4%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロック拡販などを推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにEV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。バイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シート「PパールF」や、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用された「ARGILIX」など、新製品の開発・拡販を推進している。

 1月10日にはバイオマスポリエチレン配合のビーズ法発泡ポリエチレン「ミラブロック−Bio」をリリースしている。さらに環境に優しい素材になった。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にはサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明し、22年7月にはTCFD提言に基づく情報開示(詳細は会社HP参照)を行っている。

 22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。

 22年9月には労働施策総合推進法に基づいて、直近3事業年度において採用した正規雇用労働者の中途採用比率を公表した。19年度は54%、20年度は41%、21年度は67%だった。

 22年12月には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。

■23年3月期減益予想だが下期改善基調

 23年3月期の連結業績予想(10月31日付で売上高予想を上方修正、利益予想を下方修正)は、売上高が22年3月期比14.8%増の1310億円、営業利益が30.3%減の32億円、経常利益が24.0%減の37億円、親会社株主帰属当期純利益が6.7%減の27億円としている。配当予想は22年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比15.4%増の642億52百万円、営業利益が53.0%減の14億04百万円、経常利益が39.6%減の18億60百万円、親会社株主帰属四半期純利益が39.5%減の13億78百万円だった。

 高付加価値製品拡販や販売価格改定効果などで2桁増収だが、原材料価格高騰に対する販売価格改定遅れなどで減益だった。営業利益15億81百万円減益の要因別分析は、数量増加・限界利益で+2億04百万円、販売単価で+51億96百万円、変動費単価で▲66億04百万円、固定費増加で▲4億52百万円、為替要因で+76百万円だった。

 押出事業は売上高が10.8%増の208億57百万円、利益(全社費用等調整前営業利益)が27.8%減の10億61百万円だった。食品トレー向け製品、広告宣伝用ディスプレー材、土木分野向け製品など、高付加価値製品拡販や販売価格改定効果などで2桁増収だが、原材料価格高騰の影響で減益だった。

 ビーズ事業は売上高が19.0%増の402億20百万円、利益が61.2%減の7億58百万円だった。主力のピーブロックは自動車分野において自動車生産調整の影響を受けたが、非自動車分野が増加した。製品価格改定効果も寄与して大幅増収だったが、原材料価格高騰の影響で大幅減益だった。

 その他は売上高が4.5%増の31億73百万円、利益が34.8%増の84百万円だった。自動車部品輸送関連など一般包材の需要が好調に推移した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期売上高が309億77百万円で営業利益が7億64百万円、第2四半期は売上高が332億75百万円で営業利益が6億40百万円だった。

 通期予想は、前回予想(売上高1280億円、営業利益43億円、経常利益45億円、親会社株主帰属当期純利益31億円)に対して、売上高を30億円上方修正、営業利益を11億円下方修正、経常利益を8億円下方修正、親会社株主帰属当期純利益を4億円下方修正した。製品価格改定も寄与して売上高は前回予想を上回るが、利益面は自動車生産調整や原材料価格高騰の影響により減益幅が拡大する見込みとした。景気減速の影響なども考慮した。

 通期営業利益の前回予想比11億円下方修正の要因別分析見込みは、数量減少・限界利益で▲16億円、販売単価で+32億90百万円、変動費単価で▲33億60百万円、固定費減少で+4億50百万円、為替要因で+1億20百万円としている。

 また、通期営業利益の前期比13億89百万円減益の要因別分析見込みは、数量増加・限界利益で+5億80百万円、販売単価で+65億20百万円、変動費単価で▲79億50百万円、固定費増加で▲8億30百万円、為替要因で+2億91百万円としている。

 修正後の通期セグメント別計画は、押出事業の売上高が前期比7.5%増の420億円で利益(全社費用等調整前営業利益)が24.5%減の21億円、ビーズ事業の売上高が21.1%増の830億円で利益が23.7%減の20億円、その他の売上高が8.2%減の60億円で利益が29.2%減の1億50百万円としている。

 販売価格改定については、押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」について22年5月1日出荷分から、ポリスチレンフォーム断熱材「ミラフォーム・関連製品」について22年6月21日出荷分から、押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」について22年7月1日出荷分から実施している。

 23年3月期は自動車生産調整や原材料価格高騰の影響で減益予想としている。ただし原材料価格高騰の落ち着きや販売価格改定の効果などで下期は改善基調が期待できるだろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は戻り試す

 株価は小動きだが徐々に下値を切り上げている。そして週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線が上向きに転じている。高配当利回りや低PBRも評価して戻りを試す展開を期待したい。1月19日の終値は1501円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS90円58銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2884円93銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約472億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月30日更新]

JSPは下値切り上げ、23年3月期減益予想だが下期改善基調

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。12月20日には「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。23年3月期は自動車生産調整や原材料価格高騰の影響で減益予想としている。ただし原材料価格高騰の落ち着きや販売価格改定の効果などで下期は改善基調が期待できるだろう。株価は地合い悪化も影響して小動きだが徐々に下値を切り上げている。高配当利回りや低PBRも評価材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業60%、その他6%、営業利益構成比(調整前)は押出事業50%、ビーズ事業47%、その他4%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロック拡販などを推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにEV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。バイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シート「PパールF」や、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用された「ARGILIX」など、新製品の開発・拡販を推進している。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にはサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明し、22年7月にはTCFD提言に基づく情報開示(詳細は会社HP参照)を行っている。

 22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。

 22年9月には労働施策総合推進法に基づいて、直近3事業年度において採用した正規雇用労働者の中途採用比率を公表した。19年度は54%、20年度は41%、21年度は67%だった。

 12月20日には、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進するために「JSPグループ調達基本方針」の策定、および「パートナーシップ構築宣言」「ホワイト物流推進運動の自主行動宣言」をリリースした。

■23年3月期減益予想だが下期改善基調

 23年3月期の連結業績予想(10月31日付で売上高予想を上方修正、利益予想を下方修正)は、売上高が22年3月期比14.8%増の1310億円、営業利益が30.3%減の32億円、経常利益が24.0%減の37億円、親会社株主帰属当期純利益が6.7%減の27億円としている。配当予想は22年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比15.4%増の642億52百万円、営業利益が53.0%減の14億04百万円、経常利益が39.6%減の18億60百万円、親会社株主帰属四半期純利益が39.5%減の13億78百万円だった。

 高付加価値製品拡販や販売価格改定効果などで2桁増収だが、原材料価格高騰に対する販売価格改定遅れなどで減益だった。営業利益15億81百万円減益の要因別分析は、数量増加・限界利益で+2億04百万円、販売単価で+51億96百万円、変動費単価で▲66億04百万円、固定費増加で▲4億52百万円、為替要因で+76百万円だった。

 押出事業は売上高が10.8%増の208億57百万円、利益(全社費用等調整前営業利益)が27.8%減の10億61百万円だった。食品トレー向け製品、広告宣伝用ディスプレー材、土木分野向け製品など、高付加価値製品拡販や販売価格改定効果などで2桁増収だが、原材料価格高騰の影響で減益だった。

 ビーズ事業は売上高が19.0%増の402億20百万円、利益が61.2%減の7億58百万円だった。主力のピーブロックは自動車分野において自動車生産調整の影響を受けたが、非自動車分野が増加した。製品価格改定効果も寄与して大幅増収だったが、原材料価格高騰の影響で大幅減益だった。

 その他は売上高が4.5%増の31億73百万円、利益が34.8%増の84百万円だった。自動車部品輸送関連など一般包材の需要が好調に推移した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期売上高が309億77百万円で営業利益が7億64百万円、第2四半期は売上高が332億75百万円で営業利益が6億40百万円だった。

 通期予想は、前回予想(売上高1280億円、営業利益43億円、経常利益45億円、親会社株主帰属当期純利益31億円)に対して、売上高を30億円上方修正、営業利益を11億円下方修正、経常利益を8億円下方修正、親会社株主帰属当期純利益を4億円下方修正した。製品価格改定も寄与して売上高は前回予想を上回るが、利益面は自動車生産調整や原材料価格高騰の影響により減益幅が拡大する見込みとした。景気減速の影響なども考慮した。

 通期営業利益の前回予想比11億円下方修正の要因別分析見込みは、数量減少・限界利益で▲16億円、販売単価で+32億90百万円、変動費単価で▲33億60百万円、固定費減少で+4億50百万円、為替要因で+1億20百万円としている。

 また、通期営業利益の前期比13億89百万円減益の要因別分析見込みは、数量増加・限界利益で+5億80百万円、販売単価で+65億20百万円、変動費単価で▲79億50百万円、固定費増加で▲8億30百万円、為替要因で+2億91百万円としている。

 修正後の通期セグメント別計画は、押出事業の売上高が前期比7.5%増の420億円で利益(全社費用等調整前営業利益)が24.5%減の21億円、ビーズ事業の売上高が21.1%増の830億円で利益が23.7%減の20億円、その他の売上高が8.2%減の60億円で利益が29.2%減の1億50百万円としている。

 販売価格改定については、押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」について22年5月1日出荷分から、ポリスチレンフォーム断熱材「ミラフォーム・関連製品」について22年6月21日出荷分から、押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」について22年7月1日出荷分から実施している。

 23年3月期は自動車生産調整や原材料価格高騰の影響で減益予想としている。ただし原材料価格高騰の落ち着きや販売価格改定の効果などで下期は改善基調が期待できるだろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は下値切り上げ

 株価は地合い悪化も影響して小動きだが徐々に下値を切り上げている。そして週足チャートで見ると、13週移動平均線と26週移動平均線がいずれも上向きに転じている。高配当利回りや低PBRも評価材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。12月29日の終値は1500円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS90円58銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2884円93銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約471億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月14日更新]

JSPは下値切り上げ、23年3月期減益予想だが下期改善基調

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。23年3月期は自動車生産調整や原材料価格高騰の影響で減益予想としている。ただし原材料価格高騰の落ち着きや販売価格改定の効果などで下期改善基調を期待したい。株価は小動きだが徐々に下値を切り上げている。高配当利回りや低PBRも評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業60%、その他6%、営業利益構成比(調整前)は押出事業50%、ビーズ事業47%、その他4%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロック拡販などを推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにEV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。バイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シート「PパールF」や、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用された「ARGILIX」など、新製品の開発・拡販を推進している。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にはサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明し、22年7月にはTCFD提言に基づく情報開示(詳細は会社HP参照)を行っている。

 22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。

 22年9月には労働施策総合推進法に基づいて、直近3事業年度において採用した正規雇用労働者の中途採用比率を公表した。19年度は54%、20年度は41%、21年度は67%だった。

■23年3月期減益予想だが下期改善基調

 23年3月期の連結業績予想(10月31日付で売上高予想を上方修正、利益予想を下方修正)は、売上高が22年3月期比14.8%増の1310億円、営業利益が30.3%減の32億円、経常利益が24.0%減の37億円、親会社株主帰属当期純利益が6.7%減の27億円としている。配当予想は22年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比15.4%増の642億52百万円、営業利益が53.0%減の14億04百万円、経常利益が39.6%減の18億60百万円、親会社株主帰属四半期純利益が39.5%減の13億78百万円だった。

 高付加価値製品拡販や販売価格改定効果などで2桁増収だが、原材料価格高騰に対する販売価格改定遅れなどで減益だった。営業利益15億81百万円減益の要因別分析は、数量増加・限界利益で+2億04百万円、販売単価で+51億96百万円、変動費単価で▲66億04百万円、固定費増加で▲4億52百万円、為替要因で+76百万円だった。

 押出事業は売上高が10.8%増の208億57百万円、利益(全社費用等調整前営業利益)が27.8%減の10億61百万円だった。食品トレー向け製品、広告宣伝用ディスプレー材、土木分野向け製品など、高付加価値製品拡販や販売価格改定効果などで2桁増収だが、原材料価格高騰の影響で減益だった。

 ビーズ事業は売上高が19.0%増の402億20百万円、利益が61.2%減の7億58百万円だった。主力のピーブロックは自動車分野において自動車生産調整の影響を受けたが、非自動車分野が増加した。製品価格改定効果も寄与して大幅増収だったが、原材料価格高騰の影響で大幅減益だった。

 その他は売上高が4.5%増の31億73百万円、利益が34.8%増の84百万円だった。自動車部品輸送関連など一般包材の需要が好調に推移した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期売上高が309億77百万円で営業利益が7億64百万円、第2四半期は売上高が332億75百万円で営業利益が6億40百万円だった。

 通期予想は、前回予想(売上高1280億円、営業利益43億円、経常利益45億円、親会社株主帰属当期純利益31億円)に対して、売上高を30億円上方修正、営業利益を11億円下方修正、経常利益を8億円下方修正、親会社株主帰属当期純利益を4億円下方修正した。製品価格改定も寄与して売上高は前回予想を上回るが、利益面は自動車生産調整や原材料価格高騰の影響により減益幅が拡大する見込みとした。景気減速の影響なども考慮した。

 通期営業利益の前回予想比11億円下方修正の要因別分析見込みは、数量減少・限界利益で▲16億円、販売単価で+32億90百万円、変動費単価で▲33億60百万円、固定費減少で+4億50百万円、為替要因で+1億20百万円としている。

 また、通期営業利益の前期比13億89百万円減益の要因別分析見込みは、数量増加・限界利益で+5億80百万円、販売単価で+65億20百万円、変動費単価で▲79億50百万円、固定費増加で▲8億30百万円、為替要因で+2億91百万円としている。

 修正後の通期セグメント別計画は、押出事業の売上高が前期比7.5%増の420億円で利益(全社費用等調整前営業利益)が24.5%減の21億円、ビーズ事業の売上高が21.1%増の830億円で利益が23.7%減の20億円、その他の売上高が8.2%減の60億円で利益が29.2%減の1億50百万円としている。

 23年3月期は原材料価格高騰の影響で利益を下方修正の形となったが、原材料価格高騰の落ち着きや販売価格改定の効果などで下期改善基調を期待したい。販売価格改定については、押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」について22年5月1日出荷分から、ポリスチレンフォーム断熱材「ミラフォーム・関連製品」について22年6月21日出荷分から、押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」について22年7月1日出荷分から実施している。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は下値切り上げ

 株価は小動きだが徐々に下値を切り上げている。高配当利回りや低PBRも評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。12月13日の終値は1480円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS90円58銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2884円93銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約465億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月28日更新]

JSPは反発の動き、23年3月期利益予想下方修正だが下期挽回期待

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。23年3月期第2四半期累計は原材料価格高騰の影響で減益だった。通期予想は売上高を上方修正、利益を下方修正した。製品価格改定も寄与して売上高は前回予想を上回るが、利益面は自動車生産調整や原材料価格高騰の影響により減益幅が拡大する見込みとした。原材料価格高騰の落ち着きや販売価格改定の浸透などにより下期の挽回を期待したい。株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。23年3月期利益下方修正の織り込みが完了し、高配当利回りや低PBRも評価して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業60%、その他6%、営業利益構成比(調整前)は押出事業50%、ビーズ事業47%、その他4%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロック拡販などを推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が拡大している。さらにEV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始した。バイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

 さらに、冷凍用途から電子レンジ対応でリサイクル性に優れた高性能食品容器用シート「PパールF」や、アウトドア等に手軽に持ち運べるクッション用途として採用された「ARGILIX」など、新製品の開発・拡販を推進している。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にはサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明し、22年7月にはTCFD提言に基づく情報開示(詳細は会社HP参照)を行っている。

 22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。

 22年9月には労働施策総合推進法に基づいて、直近3事業年度において採用した正規雇用労働者の中途採用比率を公表した。19年度は54%、20年度は41%、21年度は67%だった。

 
■23年3月期2Q累計大幅減益、通期利益予想を下方修正

 23年3月期の連結業績予想(10月31日付で売上高予想を上方修正、利益予想を下方修正)は、売上高が22年3月期比14.8%増の1310億円、営業利益が30.3%減の32億円、経常利益が24.0%減の37億円、親会社株主帰属当期純利益が6.7%減の27億円としている。配当予想は22年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比15.4%増の642億52百万円、営業利益が53.0%減の14億04百万円、経常利益が39.6%減の18億60百万円、親会社株主帰属四半期純利益が39.5%減の13億78百万円だった。

 高付加価値製品拡販や販売価格改定効果などで2桁増収だが、原材料価格高騰に対する販売価格改定遅れなどで減益だった。営業利益15億81百万円減益の要因別分析は、数量増加・限界利益で+2億04百万円、販売単価で+51億96百万円、変動費単価で▲66億04百万円、固定費増加で▲4億52百万円、為替要因で+76百万円だった。

 押出事業は売上高が10.8%増の208億57百万円、利益(全社費用等調整前営業利益)が27.8%減の10億61百万円だった。食品トレー向け製品、広告宣伝用ディスプレー材、土木分野向け製品など、高付加価値製品拡販や販売価格改定効果などで2桁増収だが、原材料価格高騰の影響で減益だった。

 ビーズ事業は売上高が19.0%増の402億20百万円、利益が61.2%減の7億58百万円だった。主力のピーブロックは自動車分野において自動車生産調整の影響を受けたが、非自動車分野が増加した。製品価格改定効果も寄与して大幅増収だったが、原材料価格高騰の影響で大幅減益だった。

 その他は売上高が4.5%増の31億73百万円、利益が34.8%増の84百万円だった。自動車部品輸送関連など一般包材の需要が好調に推移した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期売上高が309億77百万円で営業利益が7億64百万円、第2四半期は売上高が332億75百万円で営業利益が6億40百万円だった。

 通期予想は、前回予想(売上高1280億円、営業利益43億円、経常利益45億円、親会社株主帰属当期純利益31億円)に対して、売上高を30億円上方修正、営業利益を11億円下方修正、経常利益を8億円下方修正、親会社株主帰属当期純利益を4億円下方修正した。製品価格改定も寄与して売上高は前回予想を上回るが、利益面は自動車生産調整や原材料価格高騰の影響により減益幅が拡大する見込みとした。景気減速の影響なども考慮した。

 通期営業利益の前回予想比11億円下方修正の要因別分析見込みは、数量減少・限界利益で▲16億円、販売単価で+32億90百万円、変動費単価で▲33億60百万円、固定費減少で+4億50百万円、為替要因で+1億20百万円としている。

 また、通期営業利益の前期比13億89百万円減益の要因別分析見込みは、数量増加・限界利益で+5億80百万円、販売単価で+65億20百万円、変動費単価で▲79億50百万円、固定費増加で▲8億30百万円、為替要因で+2億91百万円としている。

 修正後の通期セグメント別計画は、押出事業の売上高が前期比7.5%増の420億円で利益(全社費用等調整前営業利益)が24.5%減の21億円、ビーズ事業の売上高が21.1%増の830億円で利益が23.7%減の20億円、その他の売上高が8.2%減の60億円で利益が29.2%減の1億50百万円としている。

 23年3月期は原材料価格高騰の影響で利益を下方修正の形となったが、原材料価格高騰の落ち着きや販売価格改定の浸透などにより下期の挽回を期待したい。なお販売価格改定については、押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」について22年5月1日出荷分から、ポリスチレンフォーム断熱材「ミラフォーム・関連製品」について22年6月21日出荷分から、押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」について22年7月1日出荷分から実施している。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は反発の動き

 株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。週足チャートで見ると抵抗線となっていた26週移動平均線を突破した。23年3月期利益下方修正の織り込みが完了し、高配当利回りや低PBRも評価して出直りを期待したい。11月25日の終値は1514円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS90円58銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2884円93銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約476億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月01日更新]

JSPは原材料価格高騰で23年3月期2Q累計大幅減益、通期は売上高予想を上方修正だが利益予想を下方修正

 JSP<7942>(東証プライム)は10月31日の取引時間終了後に23年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。2桁増収だが原材料価格高騰の影響をカバーできず大幅減益だった。通期予想は売上高を上方修正、利益を下方修正した。製品価格改定も寄与して売上高は前回予想を上回るが、利益面は自動車生産調整や原材料価格高騰の影響により減益幅が拡大する見込みとした。24年3月期の収益回復を期待したい。株価は反発力の鈍い展開だが下値固め完了感を強めている。23年3月期減益予想を織り込み済みであり、利益予想下方修正に対するネガティブ反応は限定的だろう。

■23年3月期2Q累計大幅減益、通期利益予想を下方修正

 10月31日に発表した23年3月期第2四半期累計(4〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比15.4%増の642億52百万円、営業利益が53.0%減の14億04百万円、経常利益が39.6%減の18億60百万円、親会社株主帰属四半期純利益が39.5%減の13億78百万円だった。高付加価値製品の販売増加や販売価格改定効果などで2桁増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず大幅減益だった。

 押出事業は売上高が10.8%増の208億57百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が27.8%減の10億61百万円だった。食品トレー向け製品、産業資材製品、土木分野向け製品など、高付加価値製品の販売増加や販売価格改定効果などで2桁増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず減益だった。

 ビーズ事業は売上高が19.0%増の402億20百万円、利益が61.2%減の7億58百万円だった。主力のピーブロックは自動車分野において自動車生産調整の影響を受けたが、非自動車分野が増加した。製品価格改定効果も寄与して大幅増収だったが、原材料価格高騰の影響をカバーできず大幅減益だった。

 その他は売上高が4.5%増の31億73百万円、利益が34.8%増の84百万円だった。自動車部品輸送関連など一般包材の需要が好調に推移した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期売上高が309億77百万円で営業利益が7億64百万円、第2四半期は売上高が332億75百万円で営業利益が6億40百万円だった。

 通期連結業績予想は10月31日付で売上高予想を上方修正、利益予想を下方修正し、売上高が22年3月期比14.8%増の1310億円、営業利益が30.3%減の32億円、経常利益が24.0%減の37億円、そして親会社株主帰属当期純利益が6.7%減の27億円とした。配当予想は据え置いて22年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 前回予想(売上高1280億円、営業利益43億円、経常利益45億円、親会社株主帰属当期純利益31億円)に対して、売上高を30億円上方修正、営業利益を11億円下方修正、経常利益を8億円下方修正、親会社株主帰属当期純利益を4億円下方修正した。製品価格改定も寄与して売上高は前回予想を上回るが、利益面は自動車生産調整や原材料価格高騰の影響により減益幅が拡大する見込みとした。24年3月期の収益回復を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は反発力の鈍い展開だが下値固め完了感を強めている。23年3月期減益予想を織り込み済みであり、利益予想下方修正に対するネガティブ反応は限定的だろう。10月31日の終値は1453円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS90円58銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2884円93銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約456億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月25日更新]

JSPは調整一巡、23年3月期営業・経常減益予想だが上振れ余地

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始する。23年3月期は原材料価格高騰の影響で営業・経常減益予想としている。ただし需要は堅調であり、高付加価値製品の販売増加や販売価格改定効果などを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して年初来安値に接近する場面があったが、その後は徐々に下値を切り上げて反発の動きを強めている。高配当利回りや低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業60%、その他6%、営業利益構成比(調整前)は押出事業50%、ビーズ事業47%、その他4%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロック拡販などを推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして欧州の自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。さらにEV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にはサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明し、22年7月にはTCFD提言に基づく情報開示(詳細は会社HP参照)を行っている。

 22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。

 22年9月には労働施策総合推進法に基づいて、直近3事業年度において採用した正規雇用労働者の中途採用比率を公表した。19年度は54%、20年度は41%、21年度は67%だった。

 22年11月には、梱包資材用途ミラブロック(発泡ポリエチレンビーズ成形品)シリーズの新製品として、バイオマス原料を配合したミラブロック−Bioの販売を開始する。バイオマスポリエチレンを25.0重量%以上配合するため、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラシンボルマークの認定を受けた。従来品ミラブロック−Eをミラブロック−Bioに切り替えることにより、環境負荷軽減や気候変動緩和に貢献できる製品として、サステナブルな社会づくりに貢献する。

■23年3月期営業・経常減益予想だが上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比12.2%増の1280億円、営業利益が6.3%減の43億円、経常利益が7.6%減の45億円、親会社株主帰属当期純利益が7.1%増の31億円としている。配当予想は22年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 需要が高水準に推移して2桁増収だが、原材料価格高騰の影響を考慮して営業・経常減益予想としている。営業利益2億89百万円減益の要因別増減分析(予想)は、増益要因が数量増加による限界利益増加21億80百万円、販売単価上昇32億30百万円、為替等1億71百万円、減益要因が変動費単価上昇45億90百万円、固定費増加(活動費、製造労務費、減価償却費の増加)12億80百万円としている。

 押出事業は売上高が6.2%増の415億円で、利益(全社費用調整前営業利益)が24.5%減の21億円の計画としている。販売数量の増加と製品価格改定効果で増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず減益見込みとしている。ビーズ事業は売上高が17.5%増の805億円で、利益が22.1%増の32億円の計画としている。ピーブロックや機能性製品を中心に販売が増加し、原材料価格高騰に伴う製品価格改定効果も寄与して増収増益見込みとしている。その他は売上高が8.2%減の60億円で、利益が52.8%減の1億円の計画としている。一般包材や自動車部品関連包材が減少する見込みだ。

 第1四半期は売上高が前年同期比14.8%増の309億77百万円、営業利益が51.3%減の7億64百万円、経常利益が30.7%減の10億80百万円、親会社株主帰属四半期純利益が30.3%減の7億63百万円だった。高付加価値製品の販売増加などで2桁増収だが、原材料価格高騰の影響で大幅減益だった。

 押出事業は売上高が14.1%増の102億65百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が9.0%減の6億13百万円だった。食品トレー向け製品、産業資材製品、土木分野向け製品など、高付加価値製品の販売増加や販売価格改定効果などで2桁増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず減益だった。

 ビーズ事業は売上高が15.7%増の191億38百万円、利益が66.8%減の3億75百万円だった。ピーブロックが非自動車分野を中心に増加し、製品価格改定も寄与して2桁増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず大幅減益だった。

 その他は売上高が9.4%増の15億72百万円、利益が98.0%増の38百万円だった。自動車部品輸送関連など一般包材の需要が好調に推移した。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.2%、営業利益17.8%、経常利益24.0%、親会社株主帰属当期純利益24.6%である。需要は堅調であり、高付加価値製品の販売増加や販売価格改定効果などを勘案すれば通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

 なお22年4月には押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」の販売価格改定(22年5月1日出荷分から現行価格より21円/kg以上値上げ)を発表、22年5月にはポリスチレンフォーム断熱材「ミラフォーム・関連製品」の販売価格改定(22年6月21日出荷分から30%値上げ)を発表、22年6月には押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」の販売価格改定(22年7月1日出荷分から現行価格より48円/kg以上値上げ)を発表している。

■株主優待制度は毎年3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値に接近する場面があったが、その後は徐々に下値を切り上げて反発の動きを強めている。高配当利回りや低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。10月24日の終値は1451円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS104円00銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2884円93銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約456億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月03日更新]

JSPは調整一巡、23年3月期営業・経常減益予想だが上振れ余地

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。なお9月30日には労働施策総合推進法に基づく中途採用比率を公表した。23年3月期は原材料価格高騰の影響で営業・経常減益予想としているが、需要は堅調であり、高付加価値製品の販売増加や販売価格改定効果などを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して5月の年初来安値に接近する展開だが、高配当利回りや低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業60%、その他6%、営業利益構成比(調整前)は押出事業50%、ビーズ事業47%、その他4%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロック拡販などを推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして欧州の自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。さらにEV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

■サステナビリティ経営やコーポレート・ガバナンスを強化

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発などサステナビリティ経営の推進も強化するとともに、コーポレート・ガバナンスも強化している。

 21年4月にはサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明し、22年7月にはTCFD提言に基づく情報開示(詳細は会社HP参照)を行っている。

 22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。

 9月30日には労働施策総合推進法に基づいて、直近3事業年度において採用した正規雇用労働者の中途採用比率を公表した。19年度は54%、20年度は41%、21年度は67%だった。

■23年3月期営業・経常減益予想だが上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比12.2%増の1280億円、営業利益が6.3%減の43億円、経常利益が7.6%減の45億円、親会社株主帰属当期純利益が7.1%増の31億円としている。配当予想は22年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 需要が高水準に推移して2桁増収だが、原材料価格高騰の影響を考慮して営業・経常減益予想としている。営業利益2億89百万円減益の要因別増減分析(予想)は、増益要因が数量増加による限界利益増加21億80百万円、販売単価上昇32億30百万円、為替等1億71百万円、減益要因が変動費単価上昇45億90百万円、固定費増加(活動費、製造労務費、減価償却費の増加)12億80百万円としている。

 押出事業は売上高が6.2%増の415億円で、利益(全社費用調整前営業利益)が24.5%減の21億円の計画としている。販売数量の増加と製品価格改定効果で増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず減益見込みとしている。ビーズ事業は売上高が17.5%増の805億円で、利益が22.1%増の32億円の計画としている。ピーブロックや機能性製品を中心に販売が増加し、原材料価格高騰に伴う製品価格改定効果も寄与して増収増益見込みとしている。その他は売上高が8.2%減の60億円で、利益が52.8%減の1億円の計画としている。一般包材や自動車部品関連包材が減少する見込みだ。

 第1四半期は売上高が前年同期比14.8%増の309億77百万円、営業利益が51.3%減の7億64百万円、経常利益が30.7%減の10億80百万円、親会社株主帰属四半期純利益が30.3%減の7億63百万円だった。高付加価値製品の販売増加などで2桁増収だが、原材料価格高騰の影響で大幅減益だった。

 押出事業は売上高が14.1%増の102億65百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が9.0%減の6億13百万円だった。食品トレー向け製品、産業資材製品、土木分野向け製品など、高付加価値製品の販売増加や販売価格改定効果などで2桁増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず減益だった。

 ビーズ事業は売上高が15.7%増の191億38百万円、利益が66.8%減の3億75百万円だった。ピーブロックが非自動車分野を中心に増加し、製品価格改定も寄与して2桁増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず大幅減益だった。

 その他は売上高が9.4%増の15億72百万円、利益が98.0%増の38百万円だった。自動車部品輸送関連など一般包材の需要が好調に推移した。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.2%、営業利益17.8%、経常利益24.0%、親会社株主帰属当期純利益24.6%である。需要は堅調であり、高付加価値製品の販売増加や販売価格改定効果などを勘案すれば通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

 なお22年4月には押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」の販売価格改定(22年5月1日出荷分から現行価格より21円/kg以上値上げ)を発表、22年5月にはポリスチレンフォーム断熱材「ミラフォーム・関連製品」の販売価格改定(22年6月21日出荷分から30%値上げ)を発表、22年6月には押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」の販売価格改定(22年7月1日出荷分から現行価格より48円/kg以上値上げ)を発表している。

■株主優待は3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響して5月の年初来安値に接近する展開だが、高配当利回りや低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。9月30日の終値は1395円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS104円00銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2884円93銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約438億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月16日更新]

JSPは調整一巡、23年3月期営業・経常減益予想だが上振れ余地

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。23年3月期は原材料価格高騰の影響で営業・経常減益予想としている。ただし需要は堅調であり、高付加価値製品の販売増加や販売価格改定効果などを勘案すれば通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は反発力の鈍い展開だが大きく下押す動きも見られない。高配当利回りや低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業60%、その他6%、営業利益構成比(調整前)は押出事業50%、ビーズ事業47%、その他4%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

 22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。

■成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロック拡販などを推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして欧州の自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。さらにEV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

■サステナビリティ経営を推進

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。

 21年4月にサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明した。そして22年7月にはTCFD提言に基づく情報開示(詳細は会社HP参照)を行っている。

■23年3月期営業・経常減益予想だが上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比12.2%増の1280億円、営業利益が6.3%減の43億円、経常利益が7.6%減の45億円、親会社株主帰属当期純利益が7.1%増の31億円としている。配当予想は22年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 需要が高水準に推移して2桁増収だが、原材料価格高騰の影響を考慮して営業・経常減益予想としている。営業利益2億89百万円減益の要因別増減分析(予想)は、増益要因が数量増加による限界利益増加21億80百万円、販売単価上昇32億30百万円、為替等1億71百万円、減益要因が変動費単価上昇45億90百万円、固定費増加(活動費、製造労務費、減価償却費の増加)12億80百万円としている。

 押出事業は売上高が6.2%増の415億円で、利益(全社費用調整前営業利益)が24.5%減の21億円の計画としている。販売数量の増加と製品価格改定効果で増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず減益見込みとしている。ビーズ事業は売上高が17.5%増の805億円で、利益が22.1%増の32億円の計画としている。ピーブロックや機能性製品を中心に販売が増加し、原材料価格高騰に伴う製品価格改定効果も寄与して増収増益見込みとしている。その他は売上高が8.2%減の60億円で、利益が52.8%減の1億円の計画としている。一般包材や自動車部品関連包材が減少する見込みだ。

 第1四半期は売上高が前年同期比14.8%増の309億77百万円、営業利益が51.3%減の7億64百万円、経常利益が30.7%減の10億80百万円、親会社株主帰属四半期純利益が30.3%減の7億63百万円だった。高付加価値製品の販売増加などで2桁増収だが、原材料価格高騰の影響で大幅減益だった。

 押出事業は売上高が14.1%増の102億65百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が9.0%減の6億13百万円だった。食品トレー向け製品、産業資材製品、土木分野向け製品など、高付加価値製品の販売増加や販売価格改定効果などで2桁増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず減益だった。

 ビーズ事業は売上高が15.7%増の191億38百万円、利益が66.8%減の3億75百万円だった。ピーブロックが非自動車分野を中心に増加し、製品価格改定も寄与して2桁増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず大幅減益だった。

 その他は売上高が9.4%増の15億72百万円、利益が98.0%増の38百万円だった。自動車部品輸送関連など一般包材の需要が好調に推移した。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.2%、営業利益17.8%、経常利益24.0%、親会社株主帰属当期純利益24.6%である。需要は堅調であり、需要は堅調であり、高付加価値製品の販売増加や販売価格改定効果などを勘案すれば通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

 なお22年4月には押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」の販売価格改定(22年5月1日出荷分から現行価格より21円/kg以上値上げ)を発表、22年5月にはポリスチレンフォーム断熱材「ミラフォーム・関連製品」の販売価格改定(22年6月21日出荷分から30%値上げ)を発表、22年6月には押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」の販売価格改定(22年7月1日出荷分から現行価格より48円/kg以上値上げ)を発表している。

■株主優待は3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は調整一巡

 株価は反発力の鈍い展開だが大きく下押す動きも見られない。23年3月期営業・経常減益予想の織り込みは完了しているだろう。高配当利回りや低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。9月15日の終値は1444円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS104円00銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2884円93銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約454億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月19日更新]

JSPは戻り試す、23年3月期営業・経常減益予想だが上振れ余地

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。23年3月期第1四半期は高付加価値製品の販売増加などで2桁増収だが、原材料価格高騰の影響で大幅減益だった。通期も原材料価格高騰の影響を考慮して営業・経常減益予想としている。ただし需要は堅調であり、販売価格改定効果なども勘案すれば通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。高配当利回りや低PBRも評価材料であり、基調転換して戻りを試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業60%、その他6%、営業利益構成比(調整前)は押出事業50%、ビーズ事業47%、その他4%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

 22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。

■成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロック拡販などを推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして欧州の自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。さらにEV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

■サステナビリティ経営を推進

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。

 21年4月にサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明した。そして22年7月にはTCFD提言に基づく情報開示(詳細は会社HP参照)を行っている。

■23年3月期営業・経常減益予想だが上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比12.2%増の1280億円、営業利益が6.3%減の43億円、経常利益が7.6%減の45億円、親会社株主帰属当期純利益が7.1%増の31億円としている。配当予想は22年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 需要が高水準に推移して2桁増収だが、原材料価格高騰の影響を考慮して営業・経常減益予想としている。営業利益2億89百万円減益の要因別増減分析(予想)は、増益要因が数量増加による限界利益増加21億80百万円、販売単価上昇32億30百万円、為替等1億71百万円、減益要因が変動費単価上昇45億90百万円、固定費増加(活動費、製造労務費、減価償却費の増加)12億80百万円としている。

 押出事業は売上高が6.2%増の415億円で、利益(全社費用調整前営業利益)が24.5%減の21億円の計画としている。販売数量の増加と製品価格改定効果で増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず減益見込みとしている。ビーズ事業は売上高が17.5%増の805億円で、利益が22.1%増の32億円の計画としている。ピーブロックや機能性製品を中心に販売が増加し、原材料価格高騰に伴う製品価格改定効果も寄与して増収増益見込みとしている。その他は売上高が8.2%減の60億円で、利益が52.8%減の1億円の計画としている。一般包材や自動車部品関連包材が減少する見込みだ。

 第1四半期は売上高が前年同期比14.8%増の309億77百万円、営業利益が51.3%減の7億64百万円、経常利益が30.7%減の10億80百万円、親会社株主帰属四半期純利益が30.3%減の7億63百万円だった。高付加価値製品の販売増加などで2桁増収だが、原材料価格高騰の影響で大幅減益だった。

 押出事業は売上高が14.1%増の102億65百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が9.0%減の6億13百万円だった。食品トレー向け製品、産業資材製品、土木分野向け製品など、高付加価値製品の販売増加や販売価格改定効果などで2桁増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず減益だった。

 ビーズ事業は売上高が15.7%増の191億38百万円、利益が66.8%減の3億75百万円だった。ピーブロックが非自動車分野を中心に増加し、製品価格改定も寄与して2桁増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず大幅減益だった。

 その他は売上高が9.4%増の15億72百万円、利益が98.0%増の38百万円だった。自動車部品輸送関連など一般包材の需要が好調に推移した。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.2%、営業利益17.8%、経常利益24.0%、親会社株主帰属当期純利益24.6%である。需要は堅調であり、販売価格改定効果なども勘案すれば通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

 なお22年4月には押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」の販売価格改定(22年5月1日出荷分から現行価格より21円/kg以上値上げ)を発表、22年5月にはポリスチレンフォーム断熱材「ミラフォーム・関連製品」の販売価格改定(22年6月21日出荷分から30%値上げ)を発表、22年6月には押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」の販売価格改定(22年7月1日出荷分から現行価格より48円/kg以上値上げ)を発表している。

■株主優待は3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は戻り試す

 株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。週足チャートで見ると安値圏でダブルボトムを形成した。高配当利回りや低PBRも評価材料であり、基調転換して戻りを試す展開を期待したい。8月18日の終値は1471円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS104円00銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2884円93銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約462億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月25日更新]

JSPは戻り試す、23年3月期営業・経常減益予想だが上振れ余地

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。23年3月期は原材料価格高騰の影響などを考慮して営業・経常減益予想としている。ただし需要が好調であり、高付加価値製品拡販や販売価格改定効果などで上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。高配当利回りや低PBRも評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業60%、その他6%、営業利益構成比(調整前)は押出事業50%、ビーズ事業47%、その他4%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

 22年4月にはガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。

■成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロック拡販などを推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして欧州の自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。さらにEV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

■サステナビリティ経営を推進

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。

 21年4月にサステナビリティ推進室を新設し、21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明した。そして7月1日にはTCFD提言に基づく情報開示(詳細は会社HP参照)を行っている。

■23年3月期営業・経常減益予想だが上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比12.2%増の1280億円、営業利益が6.3%減の43億円、経常利益が7.6%減の45億円、親会社株主帰属当期純利益が7.1%増の31億円としている。配当予想は22年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 需要が高水準に推移して2桁増収だが、原材料価格高騰の影響を考慮して営業・経常減益予想としている。営業利益2億89百万円減益の要因別増減分析(予想)は、増益要因が数量増加による限界利益増加21億80百万円、販売単価上昇32億30百万円、為替等1億71百万円、減益要因が変動費単価上昇45億90百万円、固定費増加(活動費、製造労務費、減価償却費の増加)12億80百万円としている。

 押出事業は売上高が6.2%増の415億円で、利益(全社費用調整前営業利益)が24.5%減の21億円の計画としている。販売数量増加と製品価格改定で増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず減益見込みとしている。ビーズ事業は売上高が17.5%増の805億円で利益が22.1%増の32億円の計画としている。ピーブロックや機能性製品を中心に販売が増加し、原材料価格高騰に伴う製品価格改定効果も寄与して増収増益見込みとしている。その他は売上高が8.2%減の60億円で利益が52.8%減の1億円の計画としている。一般包材や自動車部品関連包材が減少する見込みだ。

 23年3月期は原材料価格高騰の影響などを考慮して営業・経常減益予想としている。ただし需要が好調であり、高付加価値製品拡販や販売価格改定効果などで上振れ余地がありそうだ。

 なお22年4月には押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」の販売価格改定(22年5月1日出荷分から現行価格より21円/kg以上値上げ)を発表、22年5月にはポリスチレンフォーム断熱材「ミラフォーム・関連製品」の販売価格改定(22年6月21日出荷分から30%値上げ)を発表、22年6月には押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」の販売価格改定(22年7月1日出荷分から現行価格より48円/kg以上値上げ)を発表している。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株主優待は3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は戻り試す

 株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。週足チャートで見ると13週移動平均線を突破して基調転換を確認した形だ。高配当利回りや低PBRも評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。7月22日の終値は1489円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS104円00銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2884円93銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約468億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月07日更新]

JSPは下値固め完了、23年3月期営業・経常減益予想だが上振れ余地

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。23年3月期は原材料価格高騰の影響を考慮して営業・経常減益予想としている。ただし需要は好調であり、高付加価値製品拡販や販売価格改定効果などで上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は反発力が鈍く年初来安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。高配当利回りや低PBRも評価材料だろう。出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業60%、その他6%、営業利益構成比(調整前)は押出事業50%、ビーズ事業47%、その他4%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

 なお22年4月にガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。

■成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロック拡販などを推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして欧州の自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。さらにEV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

■サステナビリティ経営を推進

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。

 21年4月にサステナビリティ推進室を新設した。21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明した。そして7月1日にはTCFD提言に基づく情報開示(詳細は会社HP参照)を行っている。

■23年3月期営業・経常減益予想だが上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比12.2%増の1280億円、営業利益が6.3%減の43億円、経常利益が7.6%減の45億円、親会社株主帰属当期純利益が7.1%増の31億円としている。配当予想は22年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 需要が高水準に推移して2桁増収だが、原材料価格高騰の影響を考慮して営業・経常減益予想としている。営業利益2億89百万円減益の要因別増減分析(予想)は、増益要因が数量増加による限界利益増加21億80百万円、販売単価上昇32億30百万円、為替等1億71百万円、減益要因が変動費単価上昇45億90百万円、固定費増加(活動費、製造労務費、減価償却費の増加)12億80百万円としている。

 押出事業は売上高が6.2%増の415億円で、利益(全社費用調整前営業利益)が24.5%減の21億円の計画としている。販売数量増加と製品価格改定で増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず減益見込みとしている。ビーズ事業は売上高が17.5%増の805億円で利益が22.1%増の32億円の計画としている。ピーブロックや機能性製品を中心に販売が増加し、原材料価格高騰に伴う製品価格改定効果も寄与して増収増益見込みとしている。その他は売上高が8.2%減の60億円で利益が52.8%減の1億円の計画としている。一般包材や自動車部品関連包材が減少する見込みだ。

 23年3月期は原材料価格高騰の影響を考慮して営業・経常減益予想としたが、需要は好調であり、高付加価値製品拡販や販売価格改定効果などで上振れ余地がありそうだ。

 なお22年4月には押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」の販売価格改定(22年5月1日出荷分から現行価格より21円/kg以上値上げ)を発表、22年5月にはポリスチレンフォーム断熱材「ミラフォーム・関連製品」の販売価格改定(22年6月21日出荷分から30%値上げ)を発表、22年6月には押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」の販売価格改定(22年7月1日出荷分から現行価格より48円/kg以上値上げ)を発表している。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株主優待は3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は下値固め完了

 株価は反発力が鈍く年初来安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。高配当利回りや低PBRも評価材料だろう。出直りを期待したい。7月6日の終値は1409円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS104円00銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2884円93銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約443億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[06月23日更新]

JSPは調整一巡、23年3月期営業・経常減益予想だが上振れ余地

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。23年3月期は原材料価格高騰の影響を考慮して営業・経常減益予想としている。ただし需要は好調であり、高付加価値製品拡販や販売価格改定効果などで上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏で軟調だが売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業60%、その他6%、営業利益構成比(調整前)は押出事業50%、ビーズ事業47%、その他4%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

 なお22年4月にガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。

■成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロック拡販などを推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして欧州の自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。さらにEV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

■サステナビリティ経営を推進

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。

 21年4月にサステナビリティ推進室を新設した。21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。また21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明した。

■23年3月期営業・経常減益予想だが上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比12.2%増の1280億円、営業利益が6.3%減の43億円、経常利益が7.6%減の45億円、親会社株主帰属当期純利益が7.1%増の31億円としている。配当予想は22年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 需要が高水準に推移して2桁増収だが、原材料価格高騰の影響を考慮して営業・経常減益予想としている。営業利益2億89百万円減益の要因別増減分析(予想)は、増益要因が数量増加による限界利益増加21億80百万円、販売単価上昇32億30百万円、為替等1億71百万円、減益要因が変動費単価上昇45億90百万円、固定費増加(活動費、製造労務費、減価償却費の増加)12億80百万円としている。

 押出事業は売上高が6.2%増の415億円で、利益(全社費用調整前営業利益)が24.5%減の21億円の計画としている。販売数量増加と製品価格改定で増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず減益見込みとしている。ビーズ事業は売上高が17.5%増の805億円で利益が22.1%増の32億円の計画としている。ピーブロックや機能性製品を中心に販売が増加し、原材料価格高騰に伴う製品価格改定効果も寄与して増収増益見込みとしている。その他は売上高が8.2%減の60億円で利益が52.8%減の1億円の計画としている。一般包材や自動車部品関連包材が減少する見込みだ。

 23年3月期は原材料価格高騰の影響を考慮して営業・経常減益予想としたが、需要は好調であり、高付加価値製品拡販や販売価格改定効果などで上振れ余地がありそうだ。なお22年4月には、押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」の販売価格改定(22年5月1日出荷分から値上げ)を発表している。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株主優待は3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏で軟調だが売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。6月22日の終値は1367円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS104円00銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2884円93銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約429億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月23日更新]

JSPは売られ過ぎ感、原材料価格高騰で23年3月期営業・経常減益予想だが上振れ余地

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進するとともに、製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。22年3月期は自動車関連を中心に需要が回復して2桁増収だが、原材料価格高騰の影響で減益着地となった。そして23年3月期も原材料価格高騰の影響を考慮して営業・経常減益予想としている。ただし需要は好調であり、高付加価値製品拡販や販売価格改定効果などで上振れ余地がありそうだ。株価は地合い悪化も影響して年初来安値を更新する展開だが売られ過ぎ感を強めている。売り一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 22年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業60%、その他6%、営業利益構成比(調整前)は押出事業50%、ビーズ事業47%、その他4%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

 なお22年4月にガバナンス特別委員会を設置した。親会社である三菱瓦斯化学<4182>およびその子会社との取引において、公正性・透明性・客観性を確保することで少数株主の利益を適切に保護し、コーポレート・ガバナンスの充実を図る。

■成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロック拡販などを推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして欧州の自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。さらにEV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

■サステナビリティ経営を推進

 製品ライフサイクル全体における環境負荷軽減に貢献する製品や製造技術の開発など、サステナビリティ経営の推進も強化している。

 21年4月にサステナビリティ推進室を新設した。21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。また21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明した。

■22年3月期は減益着地、23年3月期も減益予想だが上振れ余地

 22年3月期の連結業績(収益認識会計基準適用だが影響軽微)は、売上高が21年3月期比11.2%増の1141億25百万円、営業利益が11.5%減の45億89百万円、経常利益が11.8%減の48億68百万円、親会社株主帰属当期純利益が4.1%減の28億93百万円だった。配当は21年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)とした。

 なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が17億06百万円減少、売上原価が15億89百万円減少、販管費が79百万円減少、営業利益が37百万円減少、経常利益と税金等調整前当期純利益がそれぞれ9百万円減少している。影響は軽微である。

 自動車分野を中心に需要が回復し、ピーブロックを中心とする高付加価値製品の拡販なども寄与して2桁増収だが、原材料価格高騰や活動費・製造労務費の増加などで減益着地となった。

 押出事業は売上高が3.9%増の390億76百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が8.0%増の27億82百万円だった。原材料価格高騰の影響を受けたが、産業資材製品を中心とする高付加価値製品の販売増加や、製品価格改定効果などで吸収して増益だった。

 ビーズ事業は売上高が14.4%増の685億13百万円で、利益が26.2%減の26億20百万円だった。自動車分野を中心に需要が回復して大幅増収だが、原料価格高騰の影響で大幅減益だった。

 その他は売上高が26.2%増の65億36百万円で、利益が119.9%増の2億12百万円だった。自動車部品輸送関連などの需要が回復した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高269億82百万円で営業利益15億67百万円、第2四半期は売上高286億91百万円で営業利益14億18百万円、第3四半期は売上高294億55百万円で営業利益13億14百万円、第4四半期は売上高289億97百万円で営業利益2億90百万円だった。第4四半期に原材料価格高騰の影響を受けた。

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比12.2%増の1280億円、営業利益が6.3%減の43億円、経常利益が7.6%減の45億円、親会社株主帰属当期純利益が7.1%増の31億円としている。配当予想は22年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 需要が高水準に推移して2桁増収だが、原材料価格高騰の影響を考慮して営業・経常減益予想としている。営業利益2億89百万円減益の要因別増減分析(予想)は、増益要因が数量増加による限界利益増加21億80百万円、販売単価上昇32億30百万円、為替等1億71百万円、減益要因が変動費単価上昇45億90百万円、固定費増加(活動費、製造労務費、減価償却費の増加)12億80百万円としている。

 押出事業は売上高が6.2%増の415億円で、利益(全社費用調整前営業利益)が24.5%減の21億円の計画としている。販売数量増加と製品価格改定で増収だが、原材料価格高騰の影響をカバーできず減益見込みとしている。ビーズ事業は売上高が17.5%増の805億円で利益が22.1%増の32億円の計画としている。ピーブロックや機能性製品を中心に販売が増加し、原材料価格高騰に伴う製品価格改定効果も寄与して増収増益見込みとしている。その他は売上高が8.2%減の60億円で利益が52.8%減の1億円の計画としている。一般包材や自動車部品関連包材が減少する見込みだ。

 23年3月期は原材料価格高騰の影響を考慮して営業・経常減益予想としたが、需要は好調であり、高付加価値製品拡販や販売価格改定効果などで上振れ余地がありそうだ。なお4月4日には、押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」の販売価格改定(5月1日出荷分から値上げ)を発表している。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株主優待は3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値を更新する展開だが売られ過ぎ感を強めている。売り一巡して出直りを期待したい。5月20日の終値は1375円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS104円00銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2884円93銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約432億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月08日更新]

JSPは調整一巡、23年3月期収益拡大期待

 JSP<7942>(東証プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。変革戦略として循環性の高いビジネスモデルへのシフトを目指し、中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進している。22年3月期は原燃料価格高騰で営業・経常減益予想としたが、4月4日には押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」の価格改定(5月1日出荷分から)を発表している。23年3月期は需要の回復、高付加価値製品の拡販、製品価格改定効果などで収益拡大を期待したい。株価は反発力が鈍く、地合い悪化も影響して年初来安値圏だが、低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 21年3月期セグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業58%、その他5%、営業利益構成比(調整前)は押出事業41%、ビーズ事業57%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロック拡販などを推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして欧州の自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。さらにEV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

■サステナビリティ経営を推進

 サステナビリティ経営を推進するため、21年4月にサステナビリティ推進室を新設した。21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 また21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明した。

■22年3月期営業・経常減益予想、23年3月期収益拡大期待

 22年3月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用だが利益への影響軽微、21年7月30日付で上方修正、22年1月31日付で下方修正)は、売上高が21年3月期比10.1%増の1130億円、営業利益が9.4%減の47億円、経常利益が11.2%減の49億円、親会社株主帰属当期純利益が6.1%増の32億円としている。配当予想は21年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比11.8%増の851億28百万円、営業利益が6.4%増の42億99百万円、経常利益が8.3%増の44億97百万円、親会社株主帰属四半期純利益が7.6%増の32億90百万円だった。収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が12億56百万円減少、売上原価が11億73百万円減少、販管費が56百万円減少、営業利益が26百万円減少、経常利益と税金等調整前四半期純利益がそれぞれ6百万円減少している。影響は軽微である。

 自動車分野を中心とする需要回復、ピーブロックを中心とする高付加価値製品の拡販、製品価格改定などで、原料価格高騰の影響を吸収して増収増益だった。特別損失には韓国の連結子会社における火災による損失1億28百万円を計上している。

 押出事業は売上高が2.9%増の294億17百万円で、営業利益が9.7%増の24億06百万円だった。食品トレー向けが巣ごもり特需の反動で減少したが、産業資材製品の高付加価値製品が大幅伸長し、製品価格改定も寄与して原料価格高騰の影響を吸収した。

 ビーズ事業は売上高が16.1%増の509億11百万円で営業利益が2.0%減の24億96百万円だった。売上面は自動車分野を中心に需要が回復し、ピーブロックの自動車分野での新規採用拡大などで高機能材製品の売上が拡大した。利益面では製品価格改定を進めたが、原料価格高騰の影響をカバーできず小幅減益だった。

 その他は売上高が29.7%増の47億99百万円で、営業利益が3.0倍の1億51百万円だった。自動車部品輸送関連などの需要が回復した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高269億82百万円で営業利益15億67百万円、第2四半期は売上高286億91百万円で営業利益14億18百万円、第3四半期は売上高294億55百万円で営業利益13億14百万円だった。

 通期連結業績予想は下方修正して営業・経常減益予想としている。半導体などの部品供給不足による納入遅延や原燃料価格の高騰などが影響する見込みだ。修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高75.3%、営業利益91.5%、経常利益91.8%、親会社株主帰属当期純利益102.8%である。

 22年3月期は原燃料価格高騰で営業・経常減益予想としたが、4月4日には押出発泡ポリスチレン「スチレンペーパー製品全般」の価格改定(5月1日出荷分から)を発表している。23年3月期は需要の回復、高付加価値製品の拡販、製品価格改定効果などで収益拡大を期待したい。

■株主優待は3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は調整一巡

 株価は反発力が鈍く、地合い悪化も影響して年初来安値圏だが、低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。4月7日の終値は1501円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS107円35銭で算出)は約14倍、前期推定配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.3%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS2767円26銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約472億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月14日更新]

JSPは調整一巡、23年3月期収益拡大期待

 JSP<7942>(東1、新市場区分プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。変革戦略として循環性の高いビジネスモデルへのシフトを目指し、中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進している。22年3月期は原燃料価格の高騰などで営業・経常減益予想となったが、需要の回復、高付加価値製品の拡販、製品価格改定効果などで23年3月期の収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化の影響でモミ合いから下放れの形となったが、大きく下押す動きも見られない。調整一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 21年3月期セグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業58%、その他5%、営業利益構成比(調整前)は押出事業41%、ビーズ事業57%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロック拡販などを推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして欧州の自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。さらにEV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

■サステナビリティ経営を推進

 サステナビリティ経営を推進するため、21年4月にサステナビリティ推進室を新設した。21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 また21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明した。

■22年3月期営業・経常減益予想、23年3月期収益拡大期待

 22年3月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用だが利益への影響軽微、21年7月30日付で上方修正、22年1月31日付で下方修正)は、売上高が21年3月期比10.1%増の1130億円、営業利益が9.4%減の47億円、経常利益が11.2%減の49億円、親会社株主帰属当期純利益が6.1%増の32億円としている。配当予想は21年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比11.8%増の851億28百万円、営業利益が6.4%増の42億99百万円、経常利益が8.3%増の44億97百万円、親会社株主帰属四半期純利益が7.6%増の32億90百万円だった。収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が12億56百万円減少、売上原価が11億73百万円減少、販管費が56百万円減少、営業利益が26百万円減少、経常利益と税金等調整前四半期純利益がそれぞれ6百万円減少している。影響は軽微である。

 自動車分野を中心とする需要回復、ピーブロックを中心とする高付加価値製品の拡販、製品価格改定などで、原料価格高騰の影響を吸収して増収増益だった。特別損失には韓国の連結子会社における火災による損失1億28百万円を計上している。

 押出事業は売上高が2.9%増の294億17百万円で、営業利益が9.7%増の24億06百万円だった。食品トレー向けが巣ごもり特需の反動で減少したが、産業資材製品の高付加価値製品が大幅伸長し、製品価格改定も寄与して原料価格高騰の影響を吸収した。

 ビーズ事業は売上高が16.1%増の509億11百万円で営業利益が2.0%減の24億96百万円だった。売上面は自動車分野を中心に需要が回復し、ピーブロックの自動車分野での新規採用拡大などで高機能材製品の売上が拡大した。利益面では製品価格改定を進めたが、原料価格高騰の影響をカバーできず小幅減益だった。

 その他は売上高が29.7%増の47億99百万円で、営業利益が3.0倍の1億51百万円だった。自動車部品輸送関連などの需要が回復した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高269億82百万円で営業利益15億67百万円、第2四半期は売上高286億91百万円で営業利益14億18百万円、第3四半期は売上高294億55百万円で営業利益13億14百万円だった。

 通期連結業績予想は下方修正して営業・経常減益予想としている。半導体などの部品供給不足による納入遅延や原燃料価格の高騰などが影響する見込みだ。なお修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75%、営業利益が91%、経常利益が92%、親会社株主帰属当期純利益が103%である。需要の回復、高付加価値製品の拡販、製品価格改定効果などで23年3月期の収益拡大を期待したい。

■株主優待は3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化の影響でモミ合いから下放れの形となったが、大きく下押す動きも見られない。調整一巡して出直りを期待したい。3月11日の終値は1524円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS107円35銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2767円26銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約479億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[02月18日更新]

JSPは反発の動き、22年3月期下方修正だが23年3月期収益拡大期待

 JSP<7942>(東1、新市場区分プライム)は発泡プラスチック製品の大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進している。22年3月期第3四半期累計は需要回復や高付加価値製品拡販などで増収増益だったが、通期予想を下方修正し、従来の営業増益予想から一転して営業減益予想とした。半導体などの部品供給不足による納入遅延や原燃料価格の高騰などが影響する見込みだ。23年3月期の収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、下値固め完了して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 21年3月期セグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業58%、その他5%、営業利益構成比(調整前)は押出事業41%、ビーズ事業57%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロック拡販などを推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして欧州の自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。さらにEV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 22年1月には、新規事業創出を目的としてフランスの子会社がイタリアのGHEPI社に出資(株式35%取得)した。射出成形市場に参入し、発泡技術と射出技術の複合化で技術優位性を構築して事業拡大を推進する方針だ。

■サステナビリティ経営を推進

 サステナビリティ経営を推進するため、21年4月にサステナビリティ推進室を新設した。21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 また21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明した。

■22年3月期3Q累計増収増益だが、通期は下方修正して営業減益予想

 22年3月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用だが利益への影響軽微、21年7月30日付で上方修正、22年1月31日付で下方修正)は、売上高が21年3月期比10.1%増の1130億円、営業利益が9.4%減の47億円、経常利益が11.2%減の49億円、親会社株主帰属当期純利益が6.1%増の32億円としている。配当予想は据え置いて21年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比11.8%増の851億28百万円、営業利益が6.4%増の42億99百万円、経常利益が8.3%増の44億97百万円、親会社株主帰属四半期純利益が7.6%増の32億90百万円だった。収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が12億56百万円減少、売上原価が11億73百万円減少、販管費が56百万円減少、営業利益が26百万円減少、経常利益と税金等調整前四半期純利益がそれぞれ6百万円減少している。影響は軽微である。

 自動車分野を中心とする需要回復、ピーブロックを中心とする高付加価値製品の拡販、製品価格改定などで、原料価格高騰の影響を吸収して増収増益だった。特別損失には韓国の連結子会社における火災による損失1億28百万円を計上している。

 押出事業は売上高が2.9%増の294億17百万円で、営業利益が9.7%増の24億06百万円だった。食品トレー向けが巣ごもり特需の反動で減少したが、産業資材製品の高付加価値製品が大幅伸長し、製品価格改定も寄与して原料価格高騰の影響を吸収した。

 ビーズ事業は売上高が16.1%増の509億11百万円で営業利益が2.0%減の24億96百万円だった。売上面は自動車分野を中心に需要が回復し、ピーブロックの自動車分野での新規採用拡大などで高機能材製品の売上が拡大した。利益面では製品価格改定を進めたが、原料価格高騰の影響をカバーできず小幅減益だった。

 その他は売上高が29.7%増の47億99百万円で、営業利益が3.0倍の1億51百万円だった。自動車部品輸送関連などの需要が回復した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高269億82百万円で営業利益15億67百万円、第2四半期は売上高286億91百万円で営業利益14億18百万円、第3四半期は売上高294億55百万円で営業利益13億14百万円だった。

 通期連結業績予想は下方修正した。前回予想に対して売上高は10億円、営業利益は5億円、経常利益は5億円、親会社株主帰属当期純利益は4億円、それぞれ下回る見込みで、従来の営業増益予想から一転して営業減益予想とした。半導体などの部品供給不足による納入遅延や原燃料価格の高騰などが影響する見込みだ。

 なお修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75%、営業利益が91%、経常利益が92%、親会社株主帰属当期純利益が103%となる。需要の回復、高付加価値製品の拡販、製品価格改定効果などで23年3月期の収益拡大を期待したい。

■株主優待は3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、下値固め完了して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。2月17日の終値は1608円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS107円35銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2767円26銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約505億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月12日更新]

JSPは戻り試す、22年3月期は再上振れの可能性

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進している。22年3月期は半導体不足や原料価格高騰の影響を考慮して営業・経常利益横ばい予想(7月30日に上方修正)を据え置いているが、高付加価値製品の好調や製品価格改定の効果などを勘案すれば再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は21年12月の直近安値圏から下値を切り上げて反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 21年3月期セグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業58%、その他5%、営業利益構成比(調整前)は押出事業41%、ビーズ事業57%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロック拡販などを推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして欧州の自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。さらにEV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

■サステナビリティ経営を推進

 サステナビリティ経営を推進するため、21年4月にサステナビリティ推進室を新設した。21年12月にはホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

 また21年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明した。

■22年3月期営業・経常利益横ばい予想だが再上振れの可能性

 22年3月期の連結業績予想(収益認識基準適用だが利益への影響軽微、21年7月30日に上方修正)は、売上高が21年3月期比11.0%増の1140億円、営業利益が0.3%増の52億円、経常利益が2.2%減の54億円、親会社株主帰属当期純利益が19.3%増の36億円としている。配当予想は21年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比15.8%増の556億73百万円、営業利益が2.3倍の29億85百万円、経常利益が2.4倍の30億81百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2.5倍の22億80百万円だった。従来予想を上回る大幅増収増益だった。自動車分野を中心とする需要回復や、ピーブロックを中心とする高付加価値製品の拡販などで、原料価格高騰の影響を吸収した。なお特別損失に韓国の連結子会社における火災による損失1億29百万円を計上している。

 押出事業は売上高が2.7%増の188億29百万円で、営業利益が38.7%増の14億70百万円だった。食品トレー向けが巣ごもり特需の反動で減少したが、ミラマットなど産業資材製品の高付加価値製品が大幅伸長し、原料価格高騰の影響を吸収した。

 ビーズ事業は売上高が23.2%増の338億06百万円で、営業利益が2.7倍の19億52百万円だった。自動車分野を中心に需要が回復し、ピーブロックの自動車分野での新規採用拡大などで高機能材製品の売上が拡大した。増収効果で原料価格高騰の影響を吸収した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が269億82百万円で営業利益が15億67百万円、第2四半期は売上高が286億91百万円で営業利益が14億18百万円だった。

 通期予想は据え置いている。需要回復基調だが、半導体不足や原料価格高騰の影響を考慮した。事業別の計画は、押出事業の売上高が4.8%増の394億円で営業利益が12.6%増の29億円、ビーズ事業の売上高が14.5%増の686億円で営業利益が7.0%減の33億円としている。押出事業は販売数量回復と高付加価値製品の好調で増収増益見込み、ビーズ事業は販売数量回復と価格修正で増収だが原料高の影響が大きく減益見込みとしている。

 ただし第2四半期累計の進捗率は売上高48.8%、営業利益57.4%、経常利益57.1%、純利益63.3%と順調だった。需要の回復、高付加価値製品の好調に加えて、製品価格改定の効果などを勘案すれば通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株主優待は3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は反発の動き

 22年4月4日移行予定の新市場区分については、新市場区分の上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果でプライム市場適合を確認し、21年10月29日開催の取締役会においてプライム市場選択申請を決議した。所定のスケジュールに従って手続を進める。

 株価は21年12月の直近安値圏から下値を切り上げて反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。1月11日の終値は1632円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS120円77銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2767円26銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約513億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[12月15日更新]

JSPは反発の動き、22年3月期は再上振れの可能性

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進している。12月13日には「サステナビリティ経営のマテリアリティ」を開示した。22年3月期は半導体不足や原料価格高騰の影響を考慮して営業・経常利益横ばい予想(7月30日に上方修正)を据え置いているが、高付加価値製品の好調や製品価格改定の効果などを勘案すれば再上振れの可能性が高いだろう。株価は地合い悪化の影響を受けて年初来安値を更新する場面があったが、その後は反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 21年3月期セグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業58%、その他5%、営業利益構成比(調整前)は押出事業41%、ビーズ事業57%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロック拡販などを推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材としての採用が拡大している。SDGsへの取り組みとして欧州の自動車メーカーからはリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。さらにEV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

■サステナビリティ経営を推進

 サステナビリティ経営を推進するため、21年4月にサステナビリティ推進室を新設した。

 さらに12月13日には「サステナビリティ経営の重要課題(マテリアリティ)」を開示し、ホームページに「JSPのサステナビリティ経営とマテリアリティ」を掲載した。同社の発泡技術を活用して、経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと、提供価値の拡大を推進する方針だ。

■22年3月期営業・経常利益横ばい予想だが再上振れの可能性

 22年3月期の連結業績予想(収益認識基準適用だが利益への影響軽微、7月30日に上方修正)は、売上高が21年3月期比11.0%増の1140億円、営業利益が0.3%増の52億円、経常利益が2.2%減の54億円、親会社株主帰属当期純利益が19.3%増の36億円としている。配当予想は21年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比15.8%増の556億73百万円、営業利益が2.3倍の29億85百万円、経常利益が2.4倍の30億81百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2.5倍の22億80百万円だった。なお特別損失に韓国の連結子会社における火災による損失1億29百万円を計上している。

 従来予想(7月30日に上方修正、売上高555億円、営業利益28億円、経常利益29億円、親会社株主帰属四半期純利益19億円)を上回る大幅増収増益だった。自動車分野を中心とする需要回復や、ピーブロックを中心とする高付加価値製品の拡販などで、原料価格高騰の影響を吸収した。

 押出事業は売上高が2.7%増の188億29百万円で、営業利益が38.7%増の14億70百万円だった。食品トレー向けが巣ごもり特需の反動で減少したが、ミラマットなど産業資材製品の高付加価値製品が大幅伸長し、原料価格高騰の影響を吸収した。

 ビーズ事業は売上高が23.2%増の338億06百万円で、営業利益が2.7倍の19億52百万円だった。自動車分野を中心に需要が回復し、ピーブロックの自動車分野での新規採用拡大などで高機能材製品の売上が拡大した。増収効果で原料価格高騰の影響を吸収した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が269億82百万円で営業利益が15億67百万円、第2四半期は売上高が286億91百万円で営業利益が14億18百万円だった。

 通期予想は据え置いた。需要回復基調だが、半導体不足や原料価格高騰の影響を考慮した。事業別の計画は、押出事業の売上高が4.8%増の394億円で営業利益が12.6%増の29億円、ビーズ事業の売上高が14.5%増の686億円で営業利益が7.0%減の33億円としている。押出事業は販売数量回復と高付加価値製品の好調で増収増益見込み、ビーズ事業は販売数量回復と価格修正で増収だが原料高の影響が大きく減益見込みとしている。

 ただし第2四半期累計の進捗率は売上高48.8%、営業利益57.4%、経常利益57.1%、純利益63.3%と順調だった。需要の回復、高付加価値製品の好調に加えて、製品価格改定の効果などを勘案すれば通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株主優待は3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は反発の動き

 22年4月4日移行予定の新市場区分については、新市場区分の上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果でプライム市場適合を確認し、21年10月29日開催の取締役会においてプライム市場選択申請を決議した。所定のスケジュールに従って手続を進める。

 株価は地合い悪化の影響を受けて年初来安値を更新する場面があったが、その後は反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。12月14日の終値は1606円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS120円77銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2767円26銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約505億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月24日更新]

JSPは下値固め完了、22年3月期は再上振れの可能性

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手で、成長ドライバーと位置付ける自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進している。22年3月期第2四半期累計は需要回復や高付加価値製品の拡販などで従来予想を上回る大幅増収増益だった。通期予想(7月30日に上方修正)は半導体不足や原料価格高騰の影響を考慮して据え置いたが、製品価格改定効果なども勘案すれば再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は反発力が鈍く年初来安値圏でのモミ合い展開だが下値固め完了感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手で、押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他(一般包材など)を展開している。

 21年3月期セグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業58%、その他5%、営業利益構成比(調整前)は押出事業41%、ビーズ事業57%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 長期ビジョン達成に向けた3ヶ年中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車メーカーの軽量化要求に対応する製品として、自動車シートコア材としての採用が拡大している。さらにEV用バッテリー梱包材、住宅用空気清浄システム構造部材、水力発電所の発電機の発熱を遮断する断熱材などにも採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 サステナビリティ経営では、欧州の自動車メーカーからリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。

 なお21年9月には、労働施策総合推進法に基づいて、直近3事業年度の採用した正規雇用労働者の中途採用比率を公表した。18年度は49%、19年度は54%、20年度は41%だった。

■22年3月期2Q累計大幅増収増益、通期予想は再上振れの可能性

 22年3月期の連結業績予想(収益認識基準適用だが利益への影響軽微、7月30日に上方修正)は、売上高が21年3月期比11.0%増の1140億円、営業利益が0.3%増の52億円、経常利益が2.2%減の54億円、親会社株主帰属当期純利益が19.3%増の36億円としている。配当予想は21年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比15.8%増の556億73百万円、営業利益が2.3倍の29億85百万円、経常利益が2.4倍の30億81百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2.5倍の22億80百万円だった。なお特別損失に韓国の連結子会社における火災による損失1億29百万円を計上している。

 従来予想(7月30日に上方修正、売上高555億円、営業利益28億円、経常利益29億円、親会社株主帰属四半期純利益19億円)を上回る大幅増収増益だった。自動車分野を中心とする需要回復や、ピーブロックを中心とする高付加価値製品の拡販などで、原料価格高騰の影響を吸収した。

 押出事業は売上高が2.7%増の188億29百万円で、営業利益が38.7%増の14億70百万円だった。食品トレー向けが巣ごもり特需の反動で減少したが、ミラマットなど産業資材製品の高付加価値製品が大幅伸長し、原料価格高騰の影響を吸収した。

 ビーズ事業は売上高が23.2%増の338億06百万円で、営業利益が2.7倍の19億52百万円だった。自動車分野を中心に需要が回復し、ピーブロックの自動車分野での新規採用拡大などで高機能材製品の売上が拡大した。増収効果で原料価格高騰の影響を吸収した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が269億82百万円で営業利益が15億67百万円、第2四半期は売上高が286億91百万円で営業利益が14億18百万円だった。

 通期予想は据え置いた。需要回復基調だが、半導体不足や原料価格高騰の影響を考慮した。事業別の計画は、押出事業の売上高が4.8%増の394億円で営業利益が12.6%増の29億円、ビーズ事業の売上高が14.5%増の686億円で営業利益が7.0%減の33億円としている。押出事業は販売数量回復と高付加価値製品の好調で増収増益見込み、ビーズ事業は販売数量回復と価格修正で増収だが原料高の影響が大きく減益見込みとしている。

 ただし第2四半期累計の進捗率は売上高48.8%、営業利益57.4%、経常利益57.1%、純利益63.3%と順調だった。需要の回復や高付加価値製品の好調に加えて、製品価格改定効果なども勘案すれば通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株主優待は3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は下値固め完了

 22年4月4日移行予定の新市場区分については、新市場区分の上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果でプライム市場適合を確認し、21年10月29日開催の取締役会においてプライム市場選択申請を決議した。所定のスケジュールに従って手続を進める。

 株価は反発力が鈍く年初来安値圏でのモミ合い展開だが下値固め完了感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。11月22日の終値は1591円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS120円77銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2767円26銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約500億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月13日更新]

JSPは調整一巡、22年3月期は需要回復で再上振れの可能性

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーと位置付ける自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進している。22年3月期予想は下期をやや保守的に見込んでいるが、需要が回復基調であり、高付加価値製品の販売好調や、原燃料価格高騰に対する販売価格改定なども勘案すれば、再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は反発力の鈍い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 21年3月期セグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業58%、その他5%、営業利益構成比(調整前)は押出事業41%、ビーズ事業57%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

 なお米国子会社JSP International Groupの電子線架橋ポリエチレンシート事業について、需要拡大が見込めず生産効率改善も進展しないため撤退して会社清算(21年6月末)した。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。
 
 また21年4月公表の新中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 サステナビリティ経営では、欧州の自動車メーカーからリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。

 なお21年9月には、労働施策総合推進法に基づいて、直近3事業年度の採用した正規雇用労働者の中途採用比率を公表した。18年度は49%、19年度は54%、20年度は41%だった。

■22年3月期は需要回復で再上振れの可能性

 22年3月期の連結業績予想(収益認識に関する企業会計基準第29号を適用、7月30日に上方修正)は、売上高が21年3月期比11.0%増の1140億円、営業利益が0.3%増の52億円、経常利益が2.2%減の54億円、親会社株主帰属当期純利益が19.3%増の36億円としている。配当予想は21年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比8.7%増の269億82百万円、営業利益が71.1%増の15億67百万円、経常利益が87.1%増の15億58百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2.0倍の10億96百万円だった。なお特別損失に韓国の連結子会社における「火災による損失」1億27百万円を計上した。

 自動車分野を中心とする需要の回復、ピーブロックを中心とする高付加価値製品の販売好調などで増収、原燃料価格高騰の影響を吸収して大幅増益だった。セグメント別に見ると、押出事業は売上高が1.2%減の90億円で営業利益が53.5%増の6億74百万円、ビーズ事業は売上高が13.2%増の165億44百万円で営業利益が52.1%増の11億29百万円、その他は売上高が31.3%増の14億37百万円で営業利益が19百万円(前年同期は16百万円の赤字)だった。

 第1四半期の好調を受けて、第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正した。修正後の第2四半期累計予想は、売上高が前年同期比15.4%増の555億円、営業利益が2.2倍の28億円、経常利益が2.3倍の29億円、親会社株主帰属四半期純利益が2.1倍の19億円としている。

 修正後の通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が23.7%、営業利益が30.1%、経常利益が28.9%である。下期をやや保守的に見込んでいるが、需要が回復基調であり、高付加価値製品の販売好調や、原燃料価格高騰に対する販売価格改定なども勘案すれば、再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株主優待は3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は調整一巡

 株価は反発力の鈍い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。10月12日の終値は1604円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS120円77銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2767円26銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約504億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月15日更新]

JSPは反発の動き、22年3月期は再上振れの可能性

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーと位置付ける自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進している。22年3月期予想(7月30日に上方修正)は下期をやや保守的に見込んでいるが、需要が回復基調であり、高付加価値製品の販売好調や、原燃料価格高騰に対する販売価格改定なども勘案すれば、再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 21年3月期セグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業58%、その他5%、営業利益構成比(調整前)は押出事業41%、ビーズ事業57%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

 なお米国子会社JSP International Groupの電子線架橋ポリエチレンシート事業について、需要拡大が見込めず生産効率改善も進展しないため撤退して会社清算(21年6月末)した。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。
 
 また21年4月公表の新中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 サステナビリティ経営では、欧州の自動車メーカーからリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。

■22年3月期2Q累計と通期予想を上方修正、さらに再上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(収益認識に関する企業会計基準第29号を適用、7月30日に上方修正)は、売上高が21年3月期比11.0%増の1140億円、営業利益が0.3%増の52億円、経常利益が2.2%減の54億円、親会社株主帰属当期純利益が19.3%増の36億円としている。配当予想は据え置いて21年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比8.7%増の269億82百万円、営業利益が71.1%増の15億67百万円、経常利益が87.1%増の15億58百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2.0倍の10億96百万円だった。なお特別損失に韓国の連結子会社における「火災による損失」1億27百万円を計上した。

 自動車分野を中心とする需要の回復、ピーブロックを中心とする高付加価値製品の販売好調などで増収、原燃料価格高騰の影響を吸収して大幅増益だった。セグメント別に見ると、押出事業は売上高が1.2%減の90億円で営業利益が53.5%増の6億74百万円、ビーズ事業は売上高が13.2%増の165億44百万円で営業利益が52.1%増の11億29百万円、その他は売上高が31.3%増の14億37百万円で営業利益が19百万円(前年同期は16百万円の赤字)だった。

 第1四半期の好調を受けて、第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正した。なお修正後の第2四半期累計予想は売上高が前年同期比15.4%増の555億円、営業利益が2.2倍の28億円、経常利益が2.3倍の29億円、親会社株主帰属四半期純利益が2.1倍の19億円としている。

 修正後の通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が23.7%、営業利益が30.1%、経常利益が28.9%である。下期をやや保守的に見込んでいるが、需要が回復基調であり、高付加価値製品の販売好調や、原燃料価格高騰に対する販売価格改定なども勘案すれば、再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株主優待は3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は下値固め完了

 株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。9月14日の終値は1720円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS120円77銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想50円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2767円26銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約540億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月19日更新]

JSPは下値固め完了、22年3月期予想は上方修正、さらに再上振れの可能性

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーの自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進している。22年3月期第1四半期は需要が回復基調となり、高付加価値製品の販売好調で大幅増益だった。そして第2四半期累計および通期予想を上方修正した。原燃料価格高騰に対して製品価格改定に努めていることなども勘案すれば、再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 21年3月期セグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業58%、その他5%、営業利益構成比(調整前)は押出事業41%、ビーズ事業57%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

 なお米国子会社JSP International Groupの電子線架橋ポリエチレンシート事業について、需要拡大が見込めず生産効率改善も進展しないため撤退して会社清算(21年6月末)した。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。
 
 また21年4月公表の新中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 サステナビリティ経営では、欧州の自動車メーカーからリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。

■22年3月期1Q大幅増益で通期上方修正、さらに再上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(収益認識に関する企業会計基準第29号を適用、7月30日に上方修正)は、売上高が21年3月期比11.0%増の1140億円、営業利益が0.3%増の52億円、経常利益が2.2%減の54億円、親会社株主帰属当期純利益が19.3%増の36億円としている。配当予想は据え置いて21年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比8.7%増の269億82百万円、営業利益が71.1%増の15億67百万円、経常利益が87.1%増の15億58百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2.0倍の10億96百万円だった。なお特別損失に韓国の連結子会社における「火災による損失」1億27百万円を計上した。

 自動車分野を中心とする需要の回復、ピーブロックを中心とする高付加価値製品の販売好調などで増収、原燃料価格高騰の影響を吸収して大幅増益だった。セグメント別に見ると、押出事業は売上高が1.2%減の90億円で営業利益が53.5%増の6億74百万円、ビーズ事業は売上高が13.2%増の165億44百万円で営業利益が52.1%増の11億29百万円、その他は売上高が31.3%増の14億37百万円で営業利益が19百万円(前年同期は16百万円の赤字)だった。

 第1四半期の好調を受けて、第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正した。なお修正後の第2四半期累計予想は売上高が前年同期比15.4%増の555億円、営業利益が2.2倍の28億円、経常利益が2.3倍の29億円、親会社株主帰属四半期純利益が2.1倍の19億円としている。

 修正後の通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が23.7%、営業利益が30.1%、経常利益が28.9%と高水準である。下期の利益をやや慎重な見込みとしているようだが、需要の回復基調や高付加価値製品の販売好調に加えて、原燃料価格高騰に対して製品価格改定に努めていることなども勘案すれば、再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株主優待は3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は下値固め完了

 株価は年初来安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。8月18日の終値は1610円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS120円77銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2767円26銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約506億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[07月20日更新]

JSPは調整一巡、22年3月期横ばい予想だが保守的

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進している。22年3月期は原油価格上昇などを考慮して営業・経常減益予想としているが保守的だろう。原材料価格上昇に対応して製品値上げも実施している。22年3月期会社予想の上振れを期待したい。株価は上値を切り下げる形でやや軟調だったが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 21年3月期セグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業58%、その他5%、営業利益構成比(調整前)は押出事業41%、ビーズ事業57%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

 なお米国子会社JSP International Groupの電子線架橋ポリエチレンシート事業について、需要拡大が見込めず生産効率改善も進展しないため撤退して会社清算(21年6月末)した。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。
 
 また21年4月公表の新中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 サステナビリティ経営では、欧州の自動車メーカーからリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。

■22年3月期営業・経常減益予想だが保守的

 22年3月期の連結業績予想(収益認識に関する企業会計基準第29号を適用するため21年3月期との比較は非掲載)は、売上高が1130億円、営業利益が50億円、経常利益が52億円、親会社株主帰属当期純利益が34億円としている。配当予想は21年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 21年3月期との単純比較で見ると売上高は10.1%増収、営業利益は3.6%減益、経常利益は5.8%減益、当期純利益は特別損失が一巡して12.7%増益の見込みとなる。

 押出事業は販売数量増加で4.3%増収だが原料価格上昇で14.6%減益、ビーズ事業は販売数量回復に原料価格上昇に伴う販売価格見直しも寄与して14.2%増収で7.0%増益、その他4.3%増収で4.2%増益の計画としている。

 下期に向けて経済活動の正常化が進むことを想定して2桁増収だが、原油価格上昇や固定費増加などを考慮して営業・経常減益予想としている。ただし保守的だろう。上振れを期待したい。

 なお韓国のグループ企業で21年3月発生した火災に関して、第1四半期に特別損失1億27百万円を計上する。保険金による特別利益は金額確定段階で計上予定としている。また原油およびナフサ・ベンゼン価格の上昇に対応して、8月1日から発泡ポリスチレンシート(PSP)の値上げを実施する。5月に続いて今期2回目の値上げとなる。

■株主優待は3月末対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、一律3000円相当の社会貢献寄付金附きオリジナルクオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は調整一巡

 株価は上値を切り下げる形でやや軟調だったが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。7月19日の終値は1617円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS114円06銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2767円26銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約508億円である。
(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
http://media-ir.com/news/
[06月24日更新]

JSPは売られ過ぎ感、22年3月期横ばい予想だが保守的

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなどの拡販を推進している。22年3月期は原油価格上昇などを考慮して営業・経常減益予想としているが保守的だろう。上振れを期待したい。なお6月23日に、韓国のグループ企業で21年3月発生した火災に関して、第1四半期に特別損失1億27百万円を計上すると発表した。保険金による特別利益は金額確定段階で計上予定としている。株価は年初来安値を更新する展開だが売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 21年3月期セグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業58%、その他5%、営業利益構成比(調整前)は押出事業41%、ビーズ事業57%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

 なお20年12月には、米国子会社JSP International Groupの電子線架橋ポリエチレンシート事業について、需要拡大が見込めず生産効率改善も進展しないため撤退して会社清算(21年6月末予定)すると発表している。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」では目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。
 
 また21年4月公表の新中期経営計画(21年度〜23年度)では目標値に24年3月期売上高1200億円、営業利益77億円、営業利益率6.4%以上、経常利益79億円、親会社株主帰属当期純利益52億円、ROA5.6%以上を掲げている。セグメント別計画は押出事業が売上高418億円で営業利益28億円、ビーズ事業が売上高724億円で営業利益60億円、その他が売上高58億円で営業利益1億円、営業利益調整額が▲12億円としている。

 基本方針は変革戦略として、循環性の高いビジネスモデルへのシフト、組織の活性化・効率化を推進する。4つの成長エンジンについては23年度に19年度比で、自動車部品の販売数量23%増、建築住宅断熱材の販売数量12%増、FPD関連保護材の販売数量20%増、新たな事業領域の売上高30億円の達成を目指す。3年間の設備投資額は235億円の計画としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 サステナビリティ経営では、欧州の自動車メーカーからリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。

■22年3月期営業・経常減益予想だが保守的

 22年3月期の連結業績予想(収益認識に関する企業会計基準第29号を適用するため21年3月期との比較は非掲載)は、売上高が1130億円、営業利益が50億円、経常利益が52億円、親会社株主帰属当期純利益が34億円としている。配当予想は21年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 21年3月期との単純比較で見ると売上高は10.1%増収、営業利益は3.6%減益、経常利益は5.8%減益、当期純利益は特別損失が一巡して12.7%増益の見込みとなる。

 押出事業は販売数量増加で4.3%増収だが原料価格上昇で14.6%減益、ビーズ事業は販売数量回復に原料価格上昇に伴う販売価格見直しも寄与して14.2%増収で7.0%増益、その他4.3%増収で4.2%増益の計画としている。

 下期に向けて経済活動の正常化が進むことを想定して2桁増収だが、原油価格上昇や固定費増加などを考慮して営業・経常減益予想としている。ただし保守的だろう。上振れを期待したい。なお6月23日に、韓国のグループ企業で21年3月発生した火災に関して、第1四半期に特別損失1億27百万円を計上すると発表した。保険金による特別利益は金額確定段階で計上予定としている。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は年初来安値を更新する展開だが売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。6月23日の終値は1586円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS114円06銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2767円26銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約498億円である。
(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
http://media-ir.com/news/
[04月20日更新]

JSPは調整一巡、需要回復基調で21年3月期営業・経常増益予想、22年3月期も収益拡大期待

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。21年3月期は4月12日に上方修正して営業・経常増益予想としている。自動車部品用ピーブロックを中心に需要が回復基調であり、22年3月期も収益拡大を期待したい。株価は上げ一服の形となり、上方修正に対しても反応薄だったが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 20年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業37%、ビーズ事業61%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

 なお20年11月に、欧州のグループ会社における資金流出事案(発生時期20年10月下旬から11月上旬)を発表している。流出した資金の保全・回収手続に全力を尽くすが、損失見込額は最大約10億円としている。また20年12月には、米国子会社JSP International Groupの電子線架橋ポリエチレンシート事業について、需要拡大が見込めず生産効率改善も進展しないため、撤退して会社清算(21年6月末予定)すると発表した。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」で、目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げ、成長戦略を推進している。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売し、デンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。

 また道路擁壁として多くの実績を積み上げている「J−ウォールブロック」は、NETIS(新技術情報提供システム)に登録された。サステナビリティ経営では、欧州の自動車メーカーからリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。

■21年3月期は上方修正して営業・経常増益予想

 21年3月期連結業績予想は4月12日に売上高・利益とも上方修正して、売上高が20年3月期比9.6%減の1025億円、営業利益が13.0%増の52億円、経常利益が3.6%増の54億円、親会社株主帰属当期純利益が25.8%減の27億円としている。配当予想は20年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比11.0%減の761億45百万円、営業利益が6.3%減の40億38百万円、経常利益が4.9%減の41億52百万円、四半期純利益が7.5%減の30億58百万円だった。

 累計ベースでは全体として減収減益だった。新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響で、ビーズ事業の自動車分野を中心に需要が減少した。押出事業は産業資材の汎用製品などの需要減少で4.4%減収だが、生産合理化による固定費削減効果で21.6%増益だった。ビーズ事業は自動車メーカーにおける工場稼働停止などの影響で14.4%減収、21.0%減益だった。

 ただし四半期別に見ると、第1四半期は売上高248億15百万円で営業利益9億16百万円、第2四半期は売上高232億65百万円で営業利益3億68百万円だったが、第3四半期は売上高280億65百万円で営業利益27億54百万円だった。第3四半期に、欧州や中国の自動車向けピーブロックの需要が想定以上に拡大し、国内でもFPD保護材用途などが好調に推移した。

 通期の営業・経常利益は従来の減益予想から増益予想に転じた。第4四半期に緊急事態宣言再発出や原料価格上昇などの影響を保守的に見込んでいたが、出荷が想定以上に好調だった。なお米国子会社のシートフォーム事業撤退に伴う特別損失額(子会社整理損)は2億43百万円となった。欧州グループ会社における資金流出事案に関する損失額は未確定(最大損失見込額10億円)である。自動車部品用ピーブロックを中心に需要が回復基調であり、22年3月期も収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は上げ一服の形となり、上方修正に対しても反応薄だったが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。4月19日の終値は1874円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS90円58銭で算出)は約21倍、前期推定配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.7%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS2729円87銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約589億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月31日更新]

JSPは上値試す、需要回復基調で22年3月期収益拡大期待

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。21年3月期は新型コロナウイルスの影響で減収減益予想だが、自動車部品用ピーブロックを中心に需要回復基調であり、22年3月期の収益拡大を期待したい。株価は戻り一服の形だが、低PBRも見直し材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 20年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業37%、ビーズ事業61%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

 なお20年11月に、欧州のグループ会社における資金流出事案(発生時期20年10月下旬から11月上旬)を発表した。流出した資金の保全・回収手続に全力を尽くすが、損失見込額は最大約10億円としている。また20年12月には、米国子会社JSP International Groupの電子線架橋ポリエチレンシート事業について、需要拡大が見込めず生産効率改善も進展しないため、撤退して会社清算(21年6月末予定)すると発表した。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」で、目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げ、成長戦略を推進している。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売し、デンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。

 また道路擁壁として多くの実績を積み上げている「J−ウォールブロック」は、NETIS(新技術情報提供システム)に登録された。サステナビリティ経営では、欧州の自動車メーカーからリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。

■21年3月期営業利益は4回目の上振れの可能性

 21年3月期の連結業績予想(7月31日に売上高を下方修正、営業利益を上方修正、12月14日に売上高を据え置き、営業・経常利益を上方修正、純利益を特別損失計上で下方修正、1月29日に売上高・利益とも上方修正)は、売上高が20年3月期比10.7%減の1013億円、営業利益が9.5%減の46億円、経常利益が9.8%減の47億円、当期純利益が67.0%減の12億円としている。配当予想は20年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比11.0%減の761億45百万円、営業利益が6.3%減の40億38百万円、経常利益が4.9%減の41億52百万円、四半期純利益が7.5%減の30億58百万円だった。

 累計ベースでは全体として減収減益だった。新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響で、ビーズ事業の自動車分野を中心に需要が減少した。押出事業は産業資材の汎用製品などの需要減少で4.4%減収だが、生産合理化による固定費削減効果で21.6%増益だった。ビーズ事業は自動車メーカーにおける工場稼働停止などの影響で14.4%減収、21.0%減益だった。

 ただし四半期別に見ると、第1四半期は売上高248億15百万円で営業利益9億16百万円、第2四半期は売上高232億65百万円で営業利益3億68百万円だったが、第3四半期は売上高280億65百万円で営業利益27億54百万円だった。第3四半期に、欧州や中国の自動車向けピーブロックの需要が想定以上に拡大し、国内でもFPD保護材用途などが好調に推移した。

 修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.2%、営業利益が87.8%、経常利益が88.3%、純利益が254.8%である。第4四半期に特別損失(欧州のグループ会社における資金流出事案に関する最大損失見込額10億円、米国子会社の電子線架橋ポリエチレンシート事業撤退・会社清算に伴う子会社整理損の概算見積額13億50百万円)を計上する見込みだが、上振れ余地がありそうだ。さらに自動車部品用ピーブロックを中心に需要回復基調であり、22年3月期の収益拡大を期待したい。

 なお韓国のグループ会社KOSPAの陰城工場において、3月23日に火災が発生したが、人的被害は無かった。業績への影響は調査中としている。

■株価は上値試す

 株価は戻り一服の形となったが、低PBRも見直し材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。3月30日の終値は1921円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS40円26銭で算出)は約48倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2729円87銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約603億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月03日更新]

JSPは上値試す、21年3月期営業利益は4回目の上振れの可能性

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。21年3月期は新型コロナウイルスの影響で減収減益予想としているが、自動車部品用ピーブロックを中心に需要が回復基調であり、営業利益は4回目の上振れの可能性がありそうだ。株価は緩やかだが順調に水準を切り上げて戻り歩調だ。低PBRも見直して上値を試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 20年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業37%、ビーズ事業61%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

 なお20年11月に、欧州のグループ会社における資金流出事案(発生時期20年10月下旬から11月上旬)を発表した。流出した資金の保全・回収手続に全力を尽くすが、損失見込額は最大約10億円としている。また20年12月には、米国子会社JSP International Groupの電子線架橋ポリエチレンシート事業について、需要拡大が見込めず生産効率改善も進展しないため、撤退して会社清算(21年6月末予定)すると発表した。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」で、目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げ、成長戦略を推進している。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売し、デンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。

 また道路擁壁として多くの実績を積み上げている「J−ウォールブロック」は、NETIS(新技術情報提供システム)に登録された。サステナビリティ経営では、欧州の自動車メーカーからリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。

■21年3月期営業利益は4回目の上振れの可能性

 21年3月期の連結業績予想(7月31日に売上高を下方修正、営業利益を上方修正、12月14日に売上高を据え置き、営業・経常利益を上方修正、純利益を特別損失計上で下方修正、1月29日に売上高・利益とも上方修正)は、売上高が20年3月期比10.7%減の1013億円、営業利益が9.5%減の46億円、経常利益が9.8%減の47億円、当期純利益が67.0%減の12億円としている。配当予想は20年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比11.0%減の761億45百万円、営業利益が6.3%減の40億38百万円、経常利益が4.9%減の41億52百万円、四半期純利益が7.5%減の30億58百万円だった。

 累計ベースでは全体として減収減益だった。新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響で、ビーズ事業の自動車分野を中心に需要が減少した。押出事業は産業資材の汎用製品などの需要減少で4.4%減収だが、生産合理化による固定費削減効果で21.6%増益だった。ビーズ事業は自動車メーカーにおける工場稼働停止などの影響で14.4%減収、21.0%減益だった。

 ただし四半期別に見ると、第1四半期は売上高248億15百万円で営業利益9億16百万円、第2四半期は売上高232億65百万円で営業利益3億68百万円だったが、第3四半期は売上高280億65百万円で営業利益27億54百万円だった。第3四半期に、欧州や中国の自動車向けピーブロックの需要が想定以上に拡大し、国内でもFPD保護材用途などが好調に推移した。

 修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.2%、営業利益が87.8%、経常利益が88.3%、純利益が254.8%である。第4四半期に特別損失(欧州のグループ会社における資金流出事案に関する最大損失見込額10億円、米国子会社の電子線架橋ポリエチレンシート事業撤退・会社清算に伴う子会社整理損の概算見積額13億50百万円)を計上する見込みだが、自動車部品用ピーブロックを中心に需要が回復基調であり、通期営業利益予想は4回目の上振れの可能性がありそうだ。

■株価は上値試す

 株価は緩やかだが順調に水準を切り上げて戻り歩調だ。低PBRも見直して上値を試す展開を期待したい。3月2日の終値は1852円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS40円26銭で算出)は約46倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2729円87銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約582億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月12日更新]

JSPは戻り歩調、21年3月期営業・経常利益は4回目の上振れの可能性

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。中期成長ドライバーとして、自動車部品用ピーブロックなど高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。21年3月期第3四半期累計は新型コロナウイルスの影響で減収減益だったが、通期予想を上方修正した。営業・経常利益は3回目の上方修正で、従来予想に対して減益幅が縮小する見込みだ。自動車部品用ピーブロックを中心に需要が回復基調であり、営業・経常利益は4回目の上振れの可能性がありそうだ。株価は順調に水準を切り上げて戻り歩調だ。低PBRも評価して上値を試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 20年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業37%、ビーズ事業61%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

 なお20年11月に、欧州のグループ会社における資金流出事案(発生時期20年10月下旬から11月上旬)を発表した。犯罪に巻き込まれた可能性が高く、捜査に全面協力するとともに、流出した資金の保全・回収手続に全力を尽くすが、損失見込額は最大約10億円としている。また20年12月には、米国子会社JSP International Groupの電子線架橋ポリエチレンシート事業について、需要拡大が見込めず生産効率改善も進展しないため、撤退して会社清算(21年6月末予定)すると発表した。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」で、目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げ、成長戦略を推進している。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売し、デンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。

 また道路擁壁として多くの実績を積み上げている「J−ウォールブロック」は、NETIS(新技術情報提供システム)に登録された。サステナビリティ経営では、欧州の自動車メーカーからリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。

■21年3月期営業・経常利益は4回目の上振れの可能性

 21年3月期の連結業績予想(7月31日に売上高を下方修正、営業利益を上方修正、12月14日に売上高を据え置き、営業・経常利益を上方修正、純利益を特別損失計上で下方修正、1月29日に売上高・利益とも上方修正)は、売上高が20年3月期比10.7%減の1013億円、営業利益が9.5%減の46億円、経常利益が9.8%減の47億円、当期純利益が67.0%減の12億円としている。配当予想は20年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比11.0%減の761億45百万円、営業利益が6.3%減の40億38百万円、経常利益が4.9%減の41億52百万円、純利益が7.5%減の30億58百万円だった。

 累計ベースでは全体として減収減益だった。新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響で、ビーズ事業の自動車分野を中心に需要が減少した。押出事業は産業資材の汎用製品などの需要減少で4.4%減収だが、生産合理化による固定費削減効果で21.6%増益だった。ビーズ事業は自動車メーカーにおける工場稼働停止などの影響で14.4%減収、21.0%減益だった。

 ただし四半期別に見ると、第1四半期は売上高248億15百万円で営業利益9億16百万円、第2四半期は売上高232億65百万円で営業利益3億68百万円だったが、第3四半期は売上高280億65百万円で営業利益27億54百万円だった。第3四半期に、欧州や中国の自動車向けピーブロックの需要が想定以上に拡大し、国内でもFPD保護材用途などが好調に推移した。

 自動車向け需要が急回復しているため通期予想を上方修正した。営業・経常利益は3回目の上方修正である。そして修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が75.2%、営業利益が87.8%、経常利益が88.3%、純利益が254.8%と高水準である。

 第4四半期に特別損失(欧州のグループ会社における資金流出事案に関する最大損失見込額10億円、米国子会社の電子線架橋ポリエチレンシート事業撤退・会社清算に伴う子会社整理損の概算見積額13億50百万円)を計上する見込みだが、自動車部品用ピーブロックを中心に需要が回復基調であり、営業・経常利益は4回目の上振れの可能性がありそうだ。

■株価は戻り歩調

 株価は順調に水準を切り上げて戻り歩調だ。低PBRも評価して上値を試す展開を期待したい。2月10日の終値は1855円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS40円26銭で算出)は約46倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2729円87銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約583億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月14日更新]

JSPは戻り試す、21年3月期減収減益予想だが需要回復基調

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして、自動車部品用ピーブロックなど高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。21年3月期は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益予想だが、自動車部品用ピーブロックを中心に需要が回復基調であり、22年3月期の収益拡大を期待したい。株価は下値を切り上げている。低PBRも見直し材料であり、戻りを試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品大手

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 20年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業37%、ビーズ事業61%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

 なお20年11月に、欧州のグループ会社における資金流出事案(発生時期20年10月下旬から11月上旬)を発表した。犯罪に巻き込まれた可能性が高く、捜査に全面協力するとともに、流出した資金の保全・回収手続に全力を尽くすが、損失見込額は最大約10億円としている。また20年12月に、米国子会社JSP International Groupの電子線架橋ポリエチレンシート事業について、需要拡大が見込めず生産効率改善も進展しないため、撤退して会社清算(21年6月末予定)すると発表した。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」で、目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げ、成長戦略を推進している。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売し、デンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。

 また道路擁壁として多くの実績を積み上げている「J−ウォールブロック」は、NETIS(新技術情報提供システム)に登録された。サステナビリティ経営では、欧州の自動車メーカーからリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。

■21年3月期減収減益予想だが、22年3月期収益拡大期待

 21年3月期の連結業績予想(7月31日に売上高を下方修正、営業利益を上方修正、12月14日に売上高を据え置き、営業・経常利益を上方修正、純利益を特別損失計上で下方修正)は、売上高が20年3月期比11.8%減の1000億円、営業利益が23.3%減の39億円、経常利益が25.1%減の39億円、そして純利益が80.8%減の7億円としている。配当予想は20年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 純利益は特別損失計上で大幅減益予想としている。欧州のグループ会社における資金流出事案に関する最大損失見込額10億円、および米国子会社の電子線架橋ポリエチレンシート事業撤退・会社清算に伴う子会社整理損の概算見積額13億50百万円を計上する。

 ただし営業・経常利益については従来予想に比べて減益幅が縮小する見込みだ。欧州における21年からの自動車排ガス規制強化に伴って、自動車メーカーが年内の駆け込み生産を行っているため、自動車部品用ピーブロックの需要が急拡大している。

 なお第2四半期累計は、売上高が前年同期比14.6%減の480億80百万円、営業利益が48.1%減の12億84百万円、経常利益が48.7%減の12億68百万円、純利益が52.6%減の9億08百万円だった。新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響、ロックダウンに伴う生産活動への制約などで、自動車分野を中心に需要が大幅減少した。特にビーズ事業が19.3%減収で63.1%減益と低調だった。押出事業は5.7%減収だが固定費削減効果で3.7%増益だった。

 21年3月期は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益予想だが、自動車部品用ピーブロックを中心に需要が回復基調であり、22年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は下値を切り上げている。低PBRも見直し材料であり、戻りを試す展開を期待したい。1月13日の終値は1766円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS23円48銭で算出)は約75倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2729円87銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約555億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月15日更新]

JSPは戻り試す、特別損失計上で21年3月期純利益下方修正だが、営業・経常利益を上方修正

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして、自動車部品用ピーブロックなど高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。12月14日に21年3月期連結業績予想の修正を発表した。特別損失計上で純利益を下方修正したが、自動車部品用ピーブロックの需要拡大で営業・経常利益を上方修正した。営業・経常利益は従来予想に比べて減益幅が縮小する見込みとなった。収益回復基調を期待したい。株価は安値圏だが徐々に下値を切り上げている。営業・経常利益の上方修正を好感して戻りを試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品大手

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 20年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業37%、ビーズ事業61%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

 なお11月18日に、欧州のグループ会社における資金流出事案(発生時期20年10月下旬から11月上旬)を発表した。犯罪に巻き込まれた可能性が高く、捜査に全面協力するとともに、流出した資金の保全・回収手続に全力を尽くすが、損失見込額は最大約10億円としている。また12月14日に、米国の子会社JSP International Groupの電子線架橋ポリエチレンシート事業について、需要拡大が見込めず、生産効率改善も進展しないため、撤退して会社清算(21年6月末予定)すると発表した。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」で、目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げ、成長戦略を推進している。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売し、デンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。

 また道路擁壁として多くの実績を積み上げている「J−ウォールブロック」は、NETIS(新技術情報提供システム)に登録された。サステナビリティ経営では、欧州の自動車メーカーからリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。

■21年3月期は純利益下方修正だが、営業・経常利益を上方修正

 21年3月期の連結業績予想(7月31日に売上高を下方修正、営業利益を上方修正)について、12月14日に修正(売上高を据え置き、営業・経常利益を上方、純利益を下方修正)し、売上高が20年3月期比11.8%減の1000億円、営業利益が23.3%減の39億円、経常利益が25.1%減の39億円、そして純利益が80.8%減の7億円とした。配当予想は据え置いて、20年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 純利益は特別損失計上で15億円下方修正(従来予想は22憶円)して大幅減益予想とした。11月8日発表した欧州のグループ会社における資金流出事案に関する最大損失見込額10億円、および米国子会社の電子線架橋ポリエチレンシート事業撤退・会社清算に伴う子会社整理損の概算見積額13億50百万円を計上する。

 ただし営業・経常利益を各7億円上方修正(従来予想は各32億円)した。欧州における21年からの自動車排ガス規制強化に伴って、自動車メーカーが年内の駆け込み生産を行っているため、自動車部品用ピーブロックの需要が急拡大している。

 なお第2四半期累計は、売上高が前年同期比14.6%減の480億80百万円、営業利益が48.1%減の12億84百万円、経常利益が48.7%減の12億68百万円、純利益が52.6%減の9億08百万円だった。新型コロナウイルスの影響による世界経済収縮、ロックダウンに伴う生産活動への制約などで、自動車分野を中心に需要が大幅減少した。特にビーズ事業が19.3%減収で63.1%減益と低調だった。押出事業は5.7%減収だが固定費削減効果で3.7%増益だった。

 21年3月期は新型コロナウイルスの影響で減収減益予想だが、営業・経常利益は従来予想に比べて減益幅が縮小する見込みとなった。収益回復基調を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は安値圏でモミ合う形だが徐々に下値を切り上げている。営業・経常利益の上方修正を好感して戻りを試す展開を期待したい。12月14日の終値は1574円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS23円48銭で算出)は約67倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2729円87銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約494億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月25日更新]

JSPは調整一巡、21年3月期は新型コロナ影響だが後半の需要回復期待

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして、自動車部品用ピーブロックなど高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。21年3月期は新型コロナウイルスの影響で大幅減収減益予想としている。第2四半期累計の利益は計画に対して上振れたが、進捗率がやや低水準のため、後半の需要回復を期待したい。株価は安値圏でモミ合う形だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品大手

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 20年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業37%、ビーズ事業61%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」で、目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げ、成長戦略を推進している。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売し、デンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。

 また道路擁壁として多くの実績を積み上げている「J−ウォールブロック」は、NETIS(新技術情報提供システム)に登録された。サステナビリティ経営では、欧州の自動車メーカーからリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。

■21年3月期は新型コロナ影響だが後半の需要回復期待

 21年3月期の連結業績予想(7月31日に売上高を50億円下方修正、営業利益を2億円上方修正)は、売上高が20年3月期比11.8%減の1000億円、営業利益が37.1%減の32億円、経常利益が38.6%減の32億円、そして純利益が39.5%減の22億円としている。配当予想は20年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比14.6%減の480億80百万円、営業利益が48.1%減の12億84百万円、経常利益が48.7%減の12億68百万円、純利益が52.6%減の9億08百万円だった。

 新型コロナウイルスによる世界経済収縮で、自動車分野を中心に需要が大幅減少した。ロックダウンに伴う生産活動への制約も影響した。特にビーズ事業が19.3%減収で63.1%減益と低調だった。押出事業は5.7%減収だが固定費削減効果で3.7%増益だった。なお計画値(7月31日に上方修正)の比較で見ると、売上高は未達だが、各利益は計画超だった。

 通期のセグメント別計画は、押出事業が6.8%減収で21.5%増益、ビーズ事業が14.6%減収で36.6%減益としている。下期は生活資材が前期を上回り、ピーブロックなど高機能材も回復傾向だが、産業資材や建築土木資材が引き続き低調見込みとしている。

 第2四半期累計の利益は計画に対して上振れたが、通期予想に対する進捗率は売上高が48.1%、営業利益が40.1%とやや低水準である。後半の需要回復を期待したい。

 なお11月18日に、欧州のグループ会社における資金流出事案(発生時期20年10月下旬から11月上旬)を公表している。犯罪に巻き込まれた可能性が高く、捜査に全面協力するとともに、流出した資金の保全・回収手続に全力を尽くすが、21年3月期業績予想の修正が必要となる見込みとしている。11月18日時点での損失見込額は最大約10億円としている。

■株価は調整一巡

 株価は安値圏でモミ合う形だが、調整一巡して出直りを期待したい。11月24日の終値は1547円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS73円80銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2729円87銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約486億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月13日更新]

JSPは戻り歩調、21年3月期営業利益に再上振れ余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして、自動車部品用ピーブロックなど高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。21年3月期は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響で減収減益予想だが、営業利益に再上振れ余地がありそうだ。株価はやや小動きだが、3月の安値をボトムとして戻り歩調だ。上値を試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品大手

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 20年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業37%、ビーズ事業61%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」で、目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げ、成長戦略を推進している。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売し、デンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。さらに新型コロナウイルス感染対策商品として、飛沫防止パーティション「JSPデスクウォール」や、飲食店用に特化したパーティション「ミラボードSP」を販売開始している。

■21年3月期減収減益予想だが営業利益に再上振れ余地

 21年3月期の連結業績予想(7月31日に売上高を50億円下方修正、営業利益を2億円上方修正)は、売上高が20年3月期比11.8%減の1000億円、営業利益が37.1%減の32億円、経常利益が38.6%減の32億円、そして純利益が39.5%減の22億円としている。配当予想は20年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比10.5%減の248億15百万円、営業利益が7.0%減の9億16百万円、経常利益が17.8%減の8億32百万円、純利益が33.4%減の5億42百万円だった。

 新型コロナウイルスに伴う巣ごもり需要で食品分野の一部製品が増加したが、全体としては自動車分野を中心に世界的な経済収縮の影響を受けて減収減益だった。押出事業は5.3%減収で2.7%減益、ビーズ事業は12.5%減収で5.1%減益だった。

 ただし経済活動の再開で、国内では食品容器用などが好調に推移し、海外では自動車用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の需要が想定より早期に回復軌道に乗り始めているため、第2四半期累計予想を上方修正(売上高を15億円、営業利益を13億円、経常利益を12億円、純利益を8億円、それぞれ上方修正)した。

 下期については新型コロナウイルスの影響が従来の想定よりも長期化して緩やかな回復にとどまることを想定した。北米および中国は前年を上回る見込みだが、国内、南米、欧州、東南アジアが前年を下回る見込みで通期売上高を下方修正した。ただし固定費削減効果などで営業利益を上方修正した。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響が意識されるが、期後半の緩やかな需要回復を勘案すれば、通期営業利益に再上振れ余地がありそうだ。

■株価は戻り歩調

 株価はやや小動きだが、3月の安値をボトムとして戻り歩調だ。上値を試す展開を期待したい。低PBRも評価材料だろう。10月12日の終値は1669円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS73円80銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2729円87銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約524億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月14日更新]

JSPは戻り試す、21年3月期減収減益予想だが営業利益に再上振れ余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして、自動車部品用ピーブロックなど高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。21年3月期は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響で減収減益予想だが、営業利益に再上振れ余地がありそうだ。株価はやや小動きだが、3月の安値をボトムとして着実に水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品大手

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 20年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業37%、ビーズ事業61%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」で、目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げ、成長戦略を推進している。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売し、デンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。さらに新型コロナウイルス感染対策商品として、飛沫防止パーティション「JSPデスクウォール」や、飲食店用に特化したパーティション「ミラボードSP」を販売開始している。

■21年3月期減収減益予想だが営業利益に再上振れ余地

 21年3月期の連結業績予想(7月31日に売上高を50億円下方修正、営業利益を2億円上方修正)は、売上高が20年3月期比11.8%減の1000億円、営業利益が37.1%減の32億円、経常利益が38.6%減の32億円、そして純利益が39.5%減の22億円としている。配当予想は20年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比10.5%減の248億15百万円、営業利益が7.0%減の9億16百万円、経常利益が17.8%減の8億32百万円、純利益が33.4%減の5億42百万円だった。

 新型コロナウイルスに伴う巣ごもり需要で食品分野の一部製品が増加したが、全体としては自動車分野を中心に世界的な経済収縮の影響を受けて減収減益だった。押出事業は5.3%減収で2.7%減益、ビーズ事業は12.5%減収で5.1%減益だった。

 ただし経済活動の再開で、国内では食品容器用などが好調に推移し、海外では自動車用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の需要が想定より早期に回復軌道に乗り始めているため、第2四半期累計予想を上方修正(売上高を15億円、営業利益を13億円、経常利益を12億円、純利益を8億円、それぞれ上方修正)した。

 下期については新型コロナウイルスの影響が従来の想定よりも長期化して緩やかな回復にとどまることを想定した。北米および中国は前年を上回る見込みだが、国内、南米、欧州、東南アジアが前年を下回る見込みで通期売上高を下方修正した。ただし固定費削減効果などで営業利益を上方修正した。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響が意識されるが、期後半の緩やかな需要回復を勘案すれば、通期営業利益に再上振れ余地がありそうだ。

■株価は戻り試す

 株価はやや小動きだが、3月の安値をボトムとして着実に水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。9月11日の終値は1610円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS73円80銭で算出)は約22倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2729円87銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約506億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月19日更新]

JSPは下値固め完了、21年3月期減収減益予想だが2Q累計を上方修正、通期も上振れ余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして、自動車部品用ピーブロックなど高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。21年3月期減収減益予想だが、第2四半期累計を上方修正し、通期も営業利益を小幅上方修正している。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響が意識されるが、通期上振れ余地がありそうだ。株価は反発力の鈍い展開だが徐々に水準を切り上げている。下値固め完了して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品大手

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 20年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業37%、ビーズ事業61%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」で、目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げ、成長戦略を推進している。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売している。またデンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。

 なお新型コロナウイルス感染対策商品として、飛沫防止パーティション「JSPデスクウォール」や、飲食店用に特化したパーティション「ミラボードSP」を販売開始している。

■21年3月期減収減益予想だが2Q累計を上方修正、通期も上振れ余地

 21年3月期の連結業績予想(7月31日に売上高を下方、営業利益を上方修正)は、売上高が20年3月期比11.8%減の1000億円、営業利益が37.1%減の32億円、経常利益が38.6%減の32億円、純利益が39.5%減の22億円としている。配当予想は据え置いて20年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比10.5%減の248億15百万円、営業利益が7.0%減の9億16百万円、経常利益が17.8%減の8億32百万円、純利益が33.4%減の5億42百万円だった。

 新型コロナウイルスに伴う巣ごもり需要で食品分野の一部製品が増加したが、全体としては自動車分野を中心に世界的な経済収縮の影響を受けて減収減益だった。押出事業は5.3%減収で2.7%減益、ビーズ事業は12.5%減収で5.1%減益だった。

 ただし経済活動再開で、国内では食品容器用などが比較的好調に推移し、海外では自動車用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の需要が想定より早期に回復軌道に乗り始めているため、第2四半期累計予想を上方修正(売上高を15億円、営業利益を13億円、経常利益を12億円、純利益を8億円、それぞれ上方修正)した。

 下期については新型コロナウイルスの影響が従来の想定よりも長期化して緩やかな回復にとどまることを想定した。国内は前年並みの数量まで回復するには至らず、南米、欧州、東南アジアも前年を下回るが、北米および中国は前年を上回る見込みとした。そして通期予想は売上高を50億円下方修正したが、固定費削減効果などで営業利益を2億円上方修正した。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響が意識されるが、通期上振れ余地がありそうだ。

■株価は下値固め完了

 株価は反発力の鈍い展開だが徐々に水準を切り上げている。下値固め完了して出直りを期待したい。8月18日の終値は1588円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS73円80銭で算出)は約22倍、今期予想配当利回り(会社予想50円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2729円87銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約499億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月14日更新]

JSPは下値固め完了、高機能・高付加価値製品の拡販を推進

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして、自動車部品用ピーブロックなど高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。21年3月期は減収減益予想としている。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けるが、期後半からの需要回復を期待したい。株価は反発力が鈍く安値圏でモミ合う形だが、下値固め完了感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品大手

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 20年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業37%、ビーズ事業61%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」で、目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げ、成長戦略を推進している。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売している。またデンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。

■21年3月期減収減益予想だが期後半からの需要回復期待

 21年3月期の連結業績予想は、売上高が20年3月期比7.4%減の1050億円、営業利益が41.0%減の30億円、経常利益が38.6%減の32億円、純利益が39.5%減の22億円としている。なお配当予想は20年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 上期は新型コロナウイルス感染症の影響で需要低迷が続き、下期は景気刺激策も寄与して回復軌道と想定している。原油価格(ドバイ)の前提は上期30米ドル/バーレル、下期45米ドル/バーレルである。原油安が増益要因となるが、販売価格下落(市況対応や売上構成変化)と数量減少(国内横ばい、海外約6%減、全体で約2%減)が減益要因となる見込みだ。

 押出事業は売上高が5.9%減の383億円、営業利益が30.2%減の16億円の計画である。新型コロナウイルスの影響による数量減少・市況悪化・製品価格改定を見込む。ビーズ事業は売上高が11.1%減の611億円、営業利益が33.1%減の25億30百万円の計画である。自動車用ピーブロックが海外中心に大幅減少する見込みだ。

 当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けるが、期後半からの需要回復を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は反発力が鈍く安値圏でモミ合う形だが、下値固め完了感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。7月13日の終値は1456円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS73円80銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2729円87銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約457億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月17日更新]

JSPは戻り試す

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。21年3月期は減収減益予想としている。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は徐々に下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品大手

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 20年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業37%、ビーズ事業61%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」で、目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げ、成長戦略を推進している。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、19年1月関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成した。これにより東西2大生産拠点体制を構築した。

 新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売した。またデンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。

■21年3月期減収減益予想

 高機能・高付加価値製品は堅調だったが、自動車関連などの市況悪化に伴って全体として需要が減少し、新規需要に向けた生産体制構築に伴う固定費の増加も影響して減益だった。押出事業は3.8%減収で7.1%減益、ビーズ事業は1.0%減収で0.0%増益、その他は7.7%減収で34.2%減益だった。

 21年3月期の連結業績予想は、売上高が20年3月期比7.4%減の1050億円、営業利益が41.0%減の30億円、経常利益が38.6%減の32億円、純利益が39.5%減の22億円としている。なお配当予想は19年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 上期は新型コロナウイルス感染症の影響で需要低迷が続き、下期は景気刺激策も寄与して回復軌道と想定している。原油価格(ドバイ)の前提は上期30米ドル/バーレル、下期45米ドル/バーレルである。原油安が増益要因となるが、販売価格下落(市況対応や売上構成変化)と数量減少(国内横ばい、海外約6%減、全体で約2%減)が減益要因となる見込みだ。

 押出事業は売上高が5.9%減の383億円、営業利益が30.2%減の16億円の計画である。新型コロナウイルスの影響による数量減少・市況悪化・製品価格改定を見込む。ビーズ事業は売上高が11.1%減の611億円、営業利益が33.1%減の25億30百万円の計画である。自動車用ピーブロックが海外中心に大幅減少する見込みだ。

 当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は徐々に下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。6月16日の終値は1511円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS73円80銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想50円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2729円87銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約475億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月12日更新]

JSPは戻り試す

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。21年3月期は減収減益予想としている。当面は新型コロナウイルス感染症による世界経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は3月の安値圏から下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品大手

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 20年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業37%、ビーズ事業61%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」で、目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げ、成長戦略を推進している。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、19年1月関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成した。これにより東西2大生産拠点体制を構築した。

 新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売した。またデンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。

■21年3月期減収減益予想

 20年3月期の連結業績は、売上高が19年3月期比2.4%減の1133億75百万円、営業利益が7.2%減の50億83百万円、経常利益が10.7%減の52億10百万円、純利益が15.6%減の36億38百万円だった。配当は19年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 高機能・高付加価値製品は堅調だったが、自動車関連などの市況悪化に伴って全体として需要が減少し、新規需要に向けた生産体制構築に伴う固定費の増加も影響して減益だった。押出事業は3.8%減収で7.1%減益、ビーズ事業は1.0%減収で0.0%増益、その他は7.7%減収で34.2%減益だった。

 21年3月期の連結業績予想は、売上高が20年3月期比7.4%減の1050億円で、営業利益が41.0%減の30億円、経常利益が38.6%減の32億円、純利益が39.5%減の22億円としている。配当予想は19年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 上期は新型コロナウイルス感染症の影響で需要低迷が続き、下期は景気刺激策も寄与して回復軌道と想定している。原油価格(ドバイ)は上期30米ドル/バーレル、下期45米ドル/バーレルの前提としている。また通期のセグメント別計画は、押出事業の売上高が383億円で営業利益(調整前)が16億円、ビーズ事業の売上高が611億円で営業利益が25億30百万円、その他の売上高が56億円で営業利益が0億円としている。

 当面は新型コロナウイルス感染症による世界経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は3月の安値圏から徐々に下値を切り上げている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。5月11日の終値は1416円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS73円80銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想50円で算出)は約3.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2729円87銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約445億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月16日更新]

JSPは売り一巡

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。当面は新型コロナウイルス感染症拡大による世界経済収縮の影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は安値圏だが売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 19年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業36%、ビーズ事業59%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業39%、ビーズ事業59%、その他2%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」で28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、19年1月関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成した。これにより東西2大生産拠点体制を構築した。

 新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売した。またデンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。

■20年3月期減益予想

 20年3月期連結業績予想(10月29日に下方修正、1月31日に2回目の下方修正)は売上高が19年3月期比3.4%減の1122億円、営業利益が12.4%減の48億円、経常利益が14.3%減の50億円、純利益が11.8%減の38億円としている。純利益は第4四半期に計上予定の特別損失(減損処理)4億円も影響する。配当予想は19年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比2.9%減の855億61百万円、営業利益が11.2%減の43億08百万円、経常利益が14.0%減の43億67百万円、純利益が15.6%減の33億07百万円だった。

 高付加価値製品の販売数量は堅調だったが、全体的な市況悪化、食品トレー向けなど汎用品の需要減少、減価償却費の増加などで減益だった。押出事業は5.4%減収で13.5%減益、ビーズ事業は1.0%減収で2.7%減益だった。

 当面は新型コロナウイルス感染症拡大による世界経済収縮の影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は安値圏だが売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。4月15日の終値は1346円、前期推定連結PER(会社予想連結EPS127円48銭で算出)は約11倍、前期推定配当利回り(会社予想50円で算出)は約3.7%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS2691円76銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約423億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月18日更新]

JSPは売り一巡、21年3月期収益拡大期待

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。20年3月期減益予想で、第4四半期には新型コロナウイルス感染拡大による需要への影響も懸念されるが、一方では原油価格下落がプラス要因となりそうだ。21年3月期の収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化で昨年来安値を更新したが、売り一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 19年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業36%、ビーズ事業59%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業39%、ビーズ事業59%、その他2%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■20年3月期減益予想、21年3月期収益拡大期待

 20年3月期連結業績予想(10月29日に下方修正、1月31日に2回目の下方修正)は売上高が19年3月期比3.4%減の1122億円、営業利益が12.4%減の48億円、経常利益が14.3%減の50億円、純利益が11.8%減の38億円としている。純利益は第4四半期に計上予定の特別損失(減損処理)4億円も影響する。配当予想は19年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比2.9%減の855億61百万円、営業利益が11.2%減の43億08百万円、経常利益が14.0%減の43億67百万円、純利益が15.6%減の33億07百万円だった。

 高付加価値製品の販売数量は堅調だったが、全体的な市況悪化、食品トレー向けなど汎用品の需要減少、減価償却費の増加などで減益だった。押出事業は5.4%減収で13.5%減益、ビーズ事業は1.0%減収で2.7%減益だった。

 第4四半期には新型コロナウイルス感染拡大による需要への影響も懸念されるが、一方では原油価格下落がプラス要因となりそうだ。21年3月期の収益拡大を期待したい。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」で28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、19年1月関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成した。これにより東西2大生産拠点体制を構築した。

 新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売した。またデンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。

■株価は売り一巡

 株価は地合い悪化で昨年来安値を更新したが、売り一巡して出直りを期待したい。3月17日の終値は1361円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS127円48銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2691円76銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約428億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月14日更新]

JSPは下値固め完了、21年3月期収益改善期待

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。20年3月期は下方修正して減益幅が拡大する見込みとなったが、21年3月期の収益改善を期待したい。株価は反発力の鈍い展開だが下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 19年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業36%、ビーズ事業59%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業39%、ビーズ事業59%、その他2%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■20年3月期減益予想だが21年3月期収益改善期待

 20年3月期連結業績予想(10月29日に下方修正、1月31日に2回目の下方修正)は売上高が19年3月期比3.4%減の1122億円、営業利益が12.4%減の48億円、経常利益が14.3%減の50億円、純利益が11.8%減の38億円としている。配当予想は19年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比2.9%減の855億61百万円、営業利益が11.2%減の43億08百万円、経常利益が14.0%減の43億67百万円、純利益が15.6%減の33億07百万円だった。

 高付加価値製品の販売数量は堅調だったが、全体的な市況悪化、食品トレー向けなど汎用品の需要減少、減価償却費の増加などで減益だった。押出事業は5.4%減収で13.5%減益、ビーズ事業は1.0%減収で2.7%減益だった。

 通期予想については、米国における自動車生産台数減少やGMストライキの影響、中国および韓国のフラットパネルディスプレイの生産調整の影響などを考慮し、下方修正して減益幅が拡大する見込みとなった。純利益は第4四半期に計上予定の特別損失(減損処理)4億円も影響する。21年3月期の収益改善を期待したい。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」で28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、19年1月関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成した。これにより東西2大生産拠点体制を構築した。

 新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売した。またデンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。

■株価は下値固め完了

 株価は反発力の鈍い展開だが下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。2月13日の終値は1889円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS127円48銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2691円76銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約593億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月21日更新]

JSPは調整一巡、21年3月期収益改善期待

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。20年3月期は減益予想だが、21年3月期の収益改善を期待したい。株価は反発力の鈍い展開だが徐々に下値を切り上げている。調整一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 19年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業36%、ビーズ事業59%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業39%、ビーズ事業59%、その他2%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■20年3月期減益予想だが21年3月期収益改善期待

 20年3月期連結業績予想(10月29日に下方修正)は売上高が19年3月期比2.1%減の1137億円、営業利益が3.3%減の53億円、経常利益が7.5%減の54億円、純利益が2.5%減の42億円としている。配当予想は19年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比2.0%減の563億08百万円、営業利益が11.7%減の24億74百万円、経常利益が17.5%減の24億74百万円、純利益が18.4%減の19億17百万円だった。高付加価値製品は堅調だったが、食品トレー向けなど汎用品の需要が減少し、高付加価値製品生産対応に伴う減価償却費増加も影響した。押出事業は3.0%減収・11.2%減益、ビーズ事業は0.9%減収・4.1%減益だった。

 通期セグメント別計画は、押出事業が2.6%減収・1.5%減益、ビーズ事業が1.4%減収・1.9%増益としている。高付加価値製品の拡販に注力するが、汎用品の需要減少、北米における自動車生産台数減少やGMストライキの影響などを考慮している。20年3月期は減益予想だが、21年3月期の収益改善を期待したい。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」で28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、19年1月関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成した。これにより東西2大生産拠点体制を構築した。

 新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売した。またデンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。

■株価は調整一巡

 株価は反発力の鈍い展開だが徐々に下値を切り上げている。調整一巡して出直りを期待したい。1月20日の終値は1972円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS140円90銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想50円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2691円76銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約619億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月23日更新]

JSPは下値切り上げ、21年3月期収益改善期待

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。20年3月期は減益予想だが、21年3月期の収益改善を期待したい。株価は反発力の鈍い展開だが徐々に下値を切り上げている。出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 19年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業36%、ビーズ事業59%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業39%、ビーズ事業59%、その他2%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■20年3月期減益予想だが21年3月期収益改善期待

 20年3月期連結業績予想(10月29日に下方修正)は売上高が19年3月期比2.1%減の1137億円、営業利益が3.3%減の53億円、経常利益が7.5%減の54億円、純利益が2.5%減の42億円としている。配当予想は19年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比2.0%減の563億08百万円、営業利益が11.7%減の24億74百万円、経常利益が17.5%減の24億74百万円、純利益が18.4%減の19億17百万円だった。両事業とも高付加価値製品は堅調だったが、食品トレー向けなど汎用品の需要が減少し、高付加価値製品生産対応に伴う減価償却費増加も影響した。押出事業は3.0%減収・11.2%減益、ビーズ事業は0.9%減収・4.1%減益だった。

 修正後の通期のセグメント別計画は、押出事業が2.6%減収・1.5%減益、ビーズ事業が1.4%減収・1.9%増益としている。高付加価値製品の拡販に注力するが、汎用品の需要減少、北米における自動車生産台数減少やGMストライキの影響などを考慮している。20年3月期は減益予想だが、21年3月期の収益改善を期待したい。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」では28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、19年1月関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成した。これにより東西2大生産拠点体制を構築した。

 新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売した。またデンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。

■株価は下値切り上げ

 株価は反発力の鈍い展開だが、一方では徐々に下値を切り上げている。出直りを期待したい。12月20日の終値は1972円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS140円90銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想50円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2691円76銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約619億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月25日更新]

JSPは戻り試す、20年3月期減益予想だが21年3月期収益改善期待

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。20年3月期は下方修正して減益予想となったが、21年3月期の収益改善を期待したい。株価は8月の年初来安値から下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 19年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業36%、ビーズ事業59%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業39%、ビーズ事業59%、その他2%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■20年3月期減益予想だが21年3月期収益改善期待

 20年3月期連結業績予想(10月29日に下方修正)は売上高が19年3月期比2.1%減の1137億円、営業利益が3.3%減の53億円、経常利益が7.5%減の54億円、純利益が2.5%減の42億円としている。配当予想は19年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比2.0%減の563億08百万円、営業利益が11.7%減の24億74百万円、経常利益が17.5%減の24億74百万円、純利益が18.4%減の19億17百万円だった。

 売上高、利益とも計画を下回り、増収増益予想から一転して減収減益で着地した。押出事業は3.0%減収・11.2%減益、ビーズ事業は0.9%減収・4.1%減益だった。両事業とも高付加価値製品は堅調だったが、食品トレー向けなど汎用品の需要が減少し、高付加価値製品生産対応に伴う減価償却費増加も影響した。

 修正後の通期セグメント別計画は、押出事業が2.6%減収・1.5%減益、ビーズ事業が1.4%減収・1.9%増益としている。高付加価値製品の拡販に注力するが、汎用品の需要減少、北米における自動車生産台数減少やGMストライキの影響などを考慮した。20年3月期は減益予想となったが、21年3月期の収益改善を期待したい。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」では28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、19年1月関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成した。これにより東西2大生産拠点体制を構築した。新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売した。またデンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。

■株価は戻り試す

 株価は8月の年初来安値から下値を切り上げている。20年3月期下方修正は織り込み済みの形だ。戻りを試す展開を期待したい。11月22日の終値は1900円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS140円90銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想50円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2691円76銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約597億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月09日更新]

JSPは下値固め完了

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。20年3月期大幅増益予想である。第1四半期が大幅減益だったため通期下振れに注意必要だが、下期の挽回を期待したい。株価は8月の年初来安値圏から切り返している。下値固め完了して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 19年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業36%、ビーズ事業59%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業39%、ビーズ事業59%、その他2%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■20年3月期大幅増益予想

 20年3月期連結業績予想は売上高が19年3月期比2.8%増の1194億円、営業利益が31.4%増の72億円、経常利益が26.8%増の74億円、純利益が26.0%増の54億30百万円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)で、予想配当性向は27.4%となる。

 販売数量の増加、国内におけるスチレンモノマーおよびポリスチレン価格軟化による一部製品の利幅改善、米国におけるポリプロピレン価格下落による収益改善などで大幅増益予想としている。前提条件は為替が1米ドル=110円、1ユーロ=125円、1人民元=16円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=65米ドルとしている。

 営業利益17億21百万円増益分析の見通しは、増益要因が変動費単価(原燃料市況軟化)26億10百万円、数量増加(国内約4%増、海外約7%増)による限界利益増加22億30百万円、為替等20百万円、減益要因が販売単価(平均単価下落)16億10百万円、固定費増加(人件費・減価償却費増加)15億30百万円としている。セグメント別の見通しは押出事業が2.8%増収で12.8%増益、ビーズ事業が3.1%増収で39.3%減益、その他が0.7%減収で27.6%増益としている。収益改善を期待したい。

 第1四半期は、売上高が前年同期比1.2%減の277億31百万円、営業利益が24.1%減の9億85百万円、経常利益が28.1%減の10億12百万円、純利益が26.1%減の8億14百万円だった。押出事業は高付加価値製品の増加や製品価格改定効果で9.0%増益だったが、ビーズ事業が新規需要に向けた生産体制構築に伴う固定費増加などで25.2%減益だった。

 第1四半期が大幅減益だったため通期下振れに注意必要だが、下期の挽回を期待したい。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」では28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのリアシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、19年1月関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成した。これにより東西2大生産拠点体制を構築した。また新製品でミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売した。

■株価は下値固め完了

 株価は8月の年初来安値圏から切り返している。下値固め完了して出直りを期待したい。10月8日の終値は1803円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS182円16銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2691円76銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約566億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月20日更新]

JSPは反発の動き

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。20年3月期は原材料価格軟化による利幅改善などで大幅増益予想である。第1四半期が大幅減益だったため通期下振れに注意が必要だが、下期の挽回を期待したい。株価は8月の年初来安値から反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 19年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業36%、ビーズ事業59%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業39%、ビーズ事業59%、その他2%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■20年3月期大幅増益予想だが1Q大幅減益で通期下振れ注意

 20年3月期連結業績予想は売上高が19年3月期比2.8%増の1194億円、営業利益が31.4%増の72億円、経常利益が26.8%増の74億円、純利益が26.0%増の54億30百万円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)で予想配当性向は27.4%となる。

 販売数量の増加、国内におけるスチレンモノマーおよびポリスチレン価格軟化による一部製品の利幅改善、米国におけるポリプロピレン価格下落による収益改善などで大幅増益予想としている。前提条件は為替が1米ドル=110円、1ユーロ=125円、1人民元=16円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=65米ドルとしている。

 営業利益17億21百万円増益分析の見通しは、増益要因が変動費単価(原燃料市況軟化)26億10百万円、数量増加(国内約4%増、海外約7%増)による限界利益増加22億30百万円、為替等20百万円、減益要因が販売単価(平均単価下落)16億10百万円、固定費増加(人件費・減価償却費増加)15億30百万円としている。セグメント別の見通しは押出事業が2.8%増収で12.8%増益、ビーズ事業が3.1%増収で39.3%減益、その他が0.7%減収で27.6%増益としている。収益改善を期待したい。

 第1四半期は、売上高が前年同期比1.2%減の277億31百万円、営業利益が24.1%減の9億85百万円、経常利益が28.1%減の10億12百万円、純利益が26.1%減の8億14百万円だった。押出事業は高付加価値製品の増加や製品価格改定効果で9.0%増益だったが、ビーズ事業が新規需要に向けた生産体制構築に伴う固定費増加などで25.2%減益だった。

 第1四半期が大幅減益だったため通期下振れに注意が必要だが、下期の挽回を期待したい。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」では28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのリアシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、19年1月関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成した。これにより東西2大生産拠点体制を構築した。また新製品でミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売した。

■株価は反発の動き

 株価は8月の年初来安値から反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。9月19日の終値は1831円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS182円16銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2691円76銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約575億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月08日更新]

JSPは20年3月期1Q減益を嫌気した売り一巡

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。20年3月期は原材料価格軟化による利幅改善などで大幅増益予想だが、第1四半期が大幅減益だったため、通期予想は下振れに注意が必要となりそうだ。これを嫌気して株価は年初来安値を更新する展開だったが、売り一巡感を強めている。反発を期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 19年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業36%、ビーズ事業59%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業39%、ビーズ事業59%、その他2%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■20年3月期大幅増益予想だが1Q大幅減益で通期下振れ注意

 20年3月期連結業績予想は売上高が19年3月期比2.8%増の1194億円、営業利益が31.4%増の72億円、経常利益が26.8%増の74億円、純利益が26.0%増の54億30百万円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)で予想配当性向は27.4%となる。

 販売数量の増加、国内におけるスチレンモノマーおよびポリスチレン価格軟化による一部製品の利幅改善、米国におけるポリプロピレン価格下落による収益改善などで大幅増益予想としている。前提条件は為替が1米ドル=110円、1ユーロ=125円、1人民元=16円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=65米ドルとしている。

 営業利益17億21百万円増益分析の見通しは、増益要因が変動費単価(原燃料市況軟化)26億10百万円、数量増加(国内約4%増、海外約7%増)による限界利益増加22億30百万円、為替等20百万円、減益要因が販売単価(平均単価下落)16億10百万円、固定費増加(人件費・減価償却費増加)15億30百万円としている。セグメント別の見通しは押出事業が2.8%増収で12.8%増益、ビーズ事業が3.1%増収で39.3%減益、その他が0.7%減収で27.6%増益としている。収益改善を期待したい。

 第1四半期は、売上高が前年同期比1.2%減の277億31百万円、営業利益が24.1%減の9億85百万円、経常利益が28.1%減の10億12百万円、純利益が26.1%減の8億14百万円だった。押出事業は高付加価値製品の増加や製品価格改定効果で9.0%増益だったが、ビーズ事業が新規需要に向けた生産体制構築に伴う固定費増加などで25.2%減益だった。

 20年3月期は原材料価格軟化による利幅改善などで大幅増益予想だが、第1四半期が大幅減益だったため、通期予想は下振れに注意が必要となりそうだ。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」では28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのリアシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、19年1月関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成した。これにより東西2大生産拠点体制を構築した。また新製品でミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売した。

■株価は売り一巡

 株価は第1四半期減益を嫌気して年初来安値を更新する展開だったが、売り一巡感を強めている。反発を期待したい。8月7日の終値は1735円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS182円16銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2691円76銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約545億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月22日更新]

JSPは調整一巡、20年3月期大幅増益予想

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。20年3月期は原材料価格軟化による利幅改善などで大幅増益予想である。株価は年初来安値圏だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 19年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業36%、ビーズ事業59%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業39%、ビーズ事業59%、その他2%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

■20年3月期大幅増益予想

 20年3月期連結業績予想は売上高が19年3月期比2.8%増の1194億円、営業利益が31.4%増の72億円、経常利益が26.8%増の74億円、純利益が26.0%増の54億30百万円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)で予想配当性向は27.4%となる。

 販売数量の増加、国内におけるスチレンモノマーおよびポリスチレン価格軟化による一部製品の利幅改善、米国におけるポリプロピレン価格下落による収益改善などで大幅増益予想としている。前提条件は為替が1米ドル=110円、1ユーロ=125円、1人民元=16円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=65米ドルとしている。

 営業利益17億21百万円増益分析の見通しは、増益要因が変動費単価(原燃料市況軟化)26億10百万円、数量増加(国内約4%増、海外約7%増)による限界利益増加22億30百万円、為替等20百万円、減益要因が販売単価(平均単価下落)16億10百万円、固定費増加(人件費・減価償却費増加)15億30百万円としている。セグメント別の見通しは押出事業が2.8%増収で12.8%増益、ビーズ事業が3.1%増収で39.3%減益、その他が0.7%減収で27.6%増益としている。収益改善を期待したい。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」では28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのリアシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、19年1月関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成した。これにより東西2大生産拠点体制を構築した。また新製品でミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売した。

■株価は調整一巡

 株価は年初来安値圏だが、調整一巡して出直りを期待したい。7月19日の終値は1943円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS182円16銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2691円76銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約610億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月21日更新]

JSPは調整一巡して反発期待、20年3月期大幅増益予想

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。20年3月期は原材料価格軟化などで大幅増益予想である。株価は年初来安値を更新する展開だったが、調整一巡感を強めている。反発を期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 19年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業36%、ビーズ事業59%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業39%、ビーズ事業59%、その他2%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。

■20年3月期大幅増益予想

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比2.8%増の1194億円、営業利益が31.4%増の72億円、経常利益が26.8%増の74億円、純利益が26.0%増の54億30百万円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)で予想配当性向は27.4%となる。

 販売数量の増加、国内におけるスチレンモノマーおよびポリスチレン価格軟化による一部製品の利幅改善、米国におけるポリプロピレン価格下落による収益改善などで大幅増益予想としている。前提条件は為替が1米ドル=110円、1ユーロ=125円、1人民元=16円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=65米ドルとしている。

 営業利益17億21百万円増益分析の見通しは、増益要因が変動費単価(原燃料市況軟化)26億10百万円、数量増加(国内約4%増、海外約7%増)による限界利益増加22億30百万円、為替等20百万円、減益要因が販売単価(平均単価下落)16億10百万円、固定費増加(人件費・減価償却費増加)15億30百万円としている。セグメント別の見通しは押出事業が2.8%増収で12.8%増益、ビーズ事業が3.1%増収で39.3%減益、その他が0.7%減収で27.6%増益としている。収益改善を期待したい。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」では28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのリアシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、19年1月関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成した。これにより東西2大生産拠点体制を構築した。また新製品でミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売した。

■株価は調整一巡して反発期待

 株価は年初来安値を更新する展開だったが、調整一巡感を強めている。反発を期待したい。6月20日の終値は2067円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS182円16銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2691円76銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約649億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月27日更新]

JSPは売り一巡して反発期待、20年3月期大幅増益予想

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。19年3月期は大幅減益だったが、20年3月期は原材料価格軟化などで大幅増益予想である。株価は決算発表を機に急反落したが、目先的な売り一巡して反発を期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 19年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業36%、ビーズ事業59%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業39%、ビーズ事業59%、その他2%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。

■20年3月期大幅増益予想

 19年3月期連結業績は、売上高が18年3月期比1.6%増の1161億33百万円、営業利益が39.8%減の54億79百万円、経常利益が36.7%減の58億35百万円、純利益が37.1%減の43億09百万円だった。配当は18年3月期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)で配当性向は34.6%となる。

 売上面では、自動車部品用「ピーブロック」など高付加価値製品が増加したが、ビーズ事業での韓国における販売減少などで全体として微増収にとどまった。利益面では、原燃料単価・輸送コスト上昇に伴う製品価格改定が遅れ、海外事業の収益構造改善の遅れなども影響して計画を下回り、大幅減益だった。

 営業利益36億26百万円減益分析は、増益要因が販売単価(平均単価上昇)17億91百万円、数量増加による限界利益増加25百万円、減益要因が変動費単価(原燃料価格・輸送コスト上昇)35億52百万円、固定費増加(主に欧米での人件費増加、減価償却費増加)18億90百万円としている。なおセグメント別には押出事業が2.8%増収で8.3%減益、ビーズ事業が0.3%増収で47.1%減益、その他が9.0%増収で13.0%増益だった。

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比2.8%増の1194億円、営業利益が31.4%増の72億円、経常利益が26.8%増の74億円、純利益が26.0%増の54億30百万円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)で予想配当性向は27.4%となる。

 販売数量の増加、国内におけるスチレンモノマーおよびポリスチレン価格軟化による一部製品の利幅改善、米国におけるポリプロピレン価格下落による収益改善などで大幅増益予想としている。前提条件は為替が1米ドル=110円、1ユーロ=125円、1人民元=16円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=65米ドルとしている。

 営業利益17億21百万円増益分析の見通しは、増益要因が変動費単価(原燃料市況軟化)26億10百万円、数量増加(国内約4%増、海外約7%増)による限界利益増加22億30百万円、為替等20百万円、減益要因が販売単価(平均単価下落)16億10百万円、固定費増加(人件費・減価償却費増加)15億30百万円としている。セグメント別の見通しは押出事業が2.8%増収で12.8%増益、ビーズ事業が3.1%増収で39.3%減益、その他が0.7%減収で27.6%増益としている。収益改善を期待したい。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」では28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのリアシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、19年1月関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成した。これにより東西2大生産拠点体制を構築した。また新製品でミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売した。

■株価は売り一巡して反発期待

 株価は決算発表を機に急反落したが、目先的な売り一巡して反発を期待したい。5月24日の終値は2012円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS182円16銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2691円76銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約632億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月04日更新]

JSPは出直り期待、19年3月期減益予想だが20年3月期収益改善期待

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。19年3月期減益予想だが、製品価格是正効果で20年3月期の収益改善が期待される。株価は戻り一服の形だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 18年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業61%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業26%、ビーズ事業72%、その他1%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。

■19年3月期減益予想だが、価格是正効果で20年3月期収益改善期待

 19年3月期の連結業績予想(7月27日に減額修正)は、売上高が18年3月期比3.3%増の1181億円だが、営業利益が17.6%減の75億円、経常利益が16.5%減の77億円、純利益が19.8%減の55億円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)で、予想配当性向は27.1%となる。

 通期ベースでは減益予想だが、遅れていた製品価格是正が概ね第2四半期末までに完了し、下期は価格是正効果で収益改善見込みとしている。下期の前提条件は、為替が1米ドル=111.9円、1ユーロ=130.3円、原油価格(ドバイ)1バーレル=75.0米ドルとしている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比2.0%増の881億57百万円、営業利益が38.4%減の48億49百万円、経常利益が36.3%減の50億78百万円、純利益が32.5%減の39億20百万円だった。自動車部品用「ピーブロック」など高機能・高付加価値製品が堅調だが、ビーズ事業での韓国における販売減少などで全体として微増収にとどまった。利益面では原油価格上昇に対する製品価格是正遅れで減益だった。セグメント別には押出事業が3.0%増収で9.7%減益、ビーズ事業が0.5%増収で45.9%減益、その他が12.7%増収で42.9%増益だった。

 第2四半期累計までの製品価格是正遅れの影響で、第3四半期累計としては大幅減益だったが、営業利益を四半期別に見ると、第1四半期(4〜6月)12億97百万円、第2四半期(7〜9月)15億04百万円、第3四半期(10〜12月)20億48百万円となる。第3四半期は製品価格是正効果で収益が大幅改善した。なお18年11月頃からの原油価格低下による原材料価格への影響は概ね第4四半期(1〜3月)以降の見込みとしている。

 製品価格是正効果で20年3月期の収益改善が期待される。

■21年3月期営業利益110億円目標

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」では28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのリアシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

 なお省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、19年1月関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成した。これにより東西2大生産拠点体制を構築した。

■株価は出直り期待

 株価は戻り一服でモミ合いだが、調整一巡して出直りを期待したい。4月3日の終値は2539円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS184円50銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約2.0%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS2667円72銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約798億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月11日更新]

JSPは戻り歩調、19年3月期減益予想だが20年3月期収益改善期待

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。19年3月期減益予想だが、製品価格是正効果で20年3月期の収益改善が期待される。株価は戻り歩調だ。出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 18年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業61%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業26%、ビーズ事業72%、その他1%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。

■19年3月期減益予想だが、価格是正効果で20年3月期収益改善期待

 19年3月期の連結業績予想(7月27日に減額修正)は、売上高が18年3月期比3.3%増の1181億円だが、営業利益が17.6%減の75億円、経常利益が16.5%減の77億円、純利益が19.8%減の55億円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)で、予想配当性向は27.1%となる。

 通期ベースでは減益予想だが、遅れていた製品価格是正が概ね第2四半期末までに完了し、下期は価格是正効果で収益改善見込みとしている。下期の前提条件は、為替が1米ドル=111.9円、1ユーロ=130.3円、原油価格(ドバイ)1バーレル=75.0米ドルとしている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比2.0%増の881億57百万円、営業利益が38.4%減の48億49百万円、経常利益が36.3%減の50億78百万円、純利益が32.5%減の39億20百万円だった。自動車部品用「ピーブロック」など高機能・高付加価値製品が堅調だが、ビーズ事業での韓国における販売減少などで全体として微増収にとどまった。利益面では原油価格上昇に対する製品価格是正遅れで減益だった。セグメント別には押出事業が3.0%増収で9.7%減益、ビーズ事業が0.5%増収で45.9%減益、その他が12.7%増収で42.9%増益だった。

 第2四半期累計までの製品価格是正遅れの影響で、第3四半期累計としては大幅減益だったが、営業利益を四半期別に見ると、第1四半期(4〜6月)12億97百万円、第2四半期(7〜9月)15億04百万円、第3四半期(10〜12月)20億48百万円となる。第3四半期は製品価格是正効果で収益が大幅改善した。なお18年11月頃からの原油価格低下による原材料価格への影響は概ね第4四半期(1〜3月)以降の見込みとしている。

 製品価格是正効果で20年3月期の収益改善が期待される。

■21年3月期営業利益110億円目標

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」では28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのリアシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

 なお省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、19年1月関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成した。これにより東西2大生産拠点体制を構築した。

■株価は戻り歩調

 株価は12月安値1949円から切り返して戻り歩調だ。3月5日には2639円まで上伸した。その後は戻り一服の形だが、出直りを期待したい。3月8日の終値は2384円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS184円50銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2667円72銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約749億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月04日更新]

JSPは急伸して戻り歩調、19年3月期減益予想だが3Q収益が大幅改善

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。19年3月期減益予想だが、下期に製品価格是正効果で収益改善を見込んでいる。そして第3四半期(10〜12月)の収益は大幅改善した。これを好感する形で株価は急伸して戻り歩調だ。出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 18年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業61%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業26%、ビーズ事業72%、その他1%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。

■19年3月期減益予想だが、3Qは価格是正効果で収益大幅改善

 19年3月期の連結業績予想(7月27日に減額修正)は、売上高が18年3月期比3.3%増の1181億円だが、営業利益が17.6%減の75億円、経常利益が16.5%減の77億円、純利益が19.8%減の55億円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)で、予想配当性向は27.1%となる。

 通期ベースでは減益予想だが、遅れていた製品価格是正が概ね第2四半期末までに完了し、下期は価格是正効果で収益改善見込みとしている。下期の前提条件は、為替が1米ドル=111.9円、1ユーロ=130.3円、原油価格(ドバイ)1バーレル=75.0米ドルとしている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比2.0%増の881億57百万円、営業利益が38.4%減の48億49百万円、経常利益が36.3%減の50億78百万円、純利益が32.5%減の39億20百万円だった。自動車部品用「ピーブロック」など高機能・高付加価値製品が堅調だが、ビーズ事業での韓国における販売減少などで全体として微増収にとどまった。利益面では原油価格上昇に対する製品価格是正遅れで減益だった。セグメント別には押出事業が3.0%増収で9.7%減益、ビーズ事業が0.5%増収で45.9%減益、その他が12.7%増収で42.9%増益だった。

 第2四半期累計までの製品価格是正遅れの影響で、第3四半期累計としては大幅減益だったが、営業利益を四半期別に見ると、第1四半期(4〜6月)12億97百万円、第2四半期(7〜9月)15億04百万円、第3四半期(10〜12月)20億48百万円となる。第3四半期は製品価格是正効果で収益が大幅改善した。なお18年11月頃からの原油価格低下による原材料価格への影響は概ね第4四半期(1〜3月)以降の見込みとしている。

■21年3月期営業利益110億円目標

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」では28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのリアシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

 なお省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、19年1月関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成した。これにより東西2大生産拠点体制を構築した。

■株価は急伸して戻り歩調

 株価は地合い悪が影響した12月安値1949円から切り返し、さらに第3四半期の収益大幅改善を好感する形で2月1日には2489円まで急伸した。そして戻り歩調だ。出直りを期待したい。2月1日の終値は2485円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS184円50銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2667円72銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約781億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月18日更新]

JSPは調整一巡して出直り期待、19年3月期減益予想だが下期は収益改善見込み

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。19年3月期減益予想だが、下期は製品価格是正効果で収益改善を見込んでいる。株価は地合い悪も影響して16年来の安値圏だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 18年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業61%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業26%、ビーズ事業72%、その他1%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。

■19年3月期減益予想だが、下期は価格是正効果で収益改善見込み

 19年3月期の連結業績予想(7月27日に減額修正)は、売上高が18年3月期比3.3%増の1181億円だが、営業利益が17.6%減の75億円、経常利益が16.5%減の77億円、純利益が19.8%減の55億円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)で、予想配当性向は27.1%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比1.1%増の574億50百万円、営業利益が43.7%減の28億01百万円、経常利益が39.5%減の29億99百万円、純利益が34.6%減の23億50百万円だった。

 売上面では、自動車部品用「ピーブロック」など高機能・高付加価値製品が堅調だったが、押出事業での食品包材の数量減少、ビーズ事業での韓国における経済停滞に伴う販売減少などにより、全体として微増収にとどまった。利益面では原油価格上昇に対する製品価格是正遅れで減益だった。押出事業は1.6%増収だが10.3%減益、ビーズ事業は0.2%減収で50.1%減益だった。

 第2四半期累計の進捗率は低水準の形だが、遅れていた製品価格是正が概ね第2四半期末までに完了しているため、下期は価格是正効果で収益改善見込みとしている。なお下期の前提条件は、為替が1米ドル=111.9円、1ユーロ=130.3円、原油価格(ドバイ)1バーレル=75.0米ドルとしている。

■21年3月期営業利益110億円目標

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」では28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのリアシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

■株価は調整一巡して出直り期待

 株価は地合い悪も影響して16年来の安値圏だが、12月25日の1949円から切り返しの動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。1月17日の終値は2151円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS184円50銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約2.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2667円72銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約676億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月14日更新]

JSPは調整一巡して出直り期待、19年3月期減益予想だが下期は収益改善

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。19年3月期減益予想だが、下期は製品価格是正効果で収益改善が期待される。株価は戻り一服の形だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 18年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業61%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業26%、ビーズ事業72%、その他1%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。

■19年3月期減益予想だが、下期は価格是正効果で収益改善

 19年3月期の連結業績予想(7月27日に減額修正)は、売上高が18年3月期比3.3%増の1181億円だが、営業利益が17.6%減の75億円、経常利益が16.5%減の77億円、純利益が19.8%減の55億円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)で、予想配当性向は27.1%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比1.1%増の574億50百万円、営業利益が43.7%減の28億01百万円、経常利益が39.5%減の29億99百万円、純利益が34.6%減の23億50百万円だった。

 売上面では、自動車部品用「ピーブロック」など高機能・高付加価値製品が堅調だったが、押出事業での食品包材の数量減少、ビーズ事業での韓国における経済停滞に伴う販売減少などにより、全体として微増収にとどまった。利益面では原油価格上昇に対する製品価格是正遅れで減益だった。押出事業は1.6%増収だが10.3%減益、ビーズ事業は0.2%減収で50.1%減益だった。

 第2四半期累計の進捗率は低水準の形だが、遅れていた製品価格是正が概ね第2四半期末までに完了しているため、下期は価格是正効果が期待できるとしている。なお下期の前提条件は、為替が1米ドル=111.9円、1ユーロ=130.3円、原油価格(ドバイ)1バーレル=75.0米ドルとしている。下期の収益改善を期待したい。

■21年3月期営業利益110億円目標

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」では28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのリアシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

■株価は調整一巡して出直り期待

 株価は10月30日の年初来安値2060円から反発して12月3日の2623円まで上伸した。その後は戻り一服の形だが、調整一巡して出直りを期待したい。12月13日の終値は2307円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS184円50銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2667円72銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約725億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月19日更新]

JSPは売り一巡して出直りの動き、19年3月期減益予想だが下期は価格是正効果で収益改善

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手で、自動車部品用ピーブロックなど高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。19年3月期第2四半期累計が原油価格上昇などで大幅減益となり、通期も減益予想だが、下期は製品価格是正効果で収益改善が期待される。株価は売り一巡して出直りの動きを強めている。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 18年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業61%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業26%、ビーズ事業72%、その他1%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。

■19年3月期2Q累計減益で通期も減益予想だが、下期は価格是正効果

 19年3月期連結業績予想(7月27日に第2四半期累計と通期予想を減額修正)は、売上高が18年3月期比3.3%増の1181億円、営業利益が17.6%減の75億円、経常利益が16.5%減の77億円、純利益が19.8%減の55億円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は27.1%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比1.1%増の574億50百万円、営業利益が43.7%減の28億01百万円、経常利益が39.5%減の29億99百万円、純利益が34.6%減の23億50百万円だった。

 売上面では、自動車部品用「ピーブロック」など高機能・高付加価値製品が堅調だったが、押出事業での食品包材の数量減少、ビーズ事業での韓国における経済停滞に伴う販売減少などにより、全体として微増収にとどまった。利益面では原油価格上昇に対する製品価格是正遅れで減益だった。押出事業は1.6%増収だが10.3%減益、ビーズ事業は0.2%減収で50.1%減益だった。

 第2四半期累計の進捗率は低水準の形だが、遅れていた製品価格是正が概ね第2四半期末までに完了しているため、下期は価格是正効果が期待できるとしている。なお下期の前提条件は、為替が1米ドル=111.9円、1ユーロ=130.3円、原油価格(ドバイ)1バーレル=75.0米ドルとしている。下期の収益改善を期待したい。

■21年3月期営業利益110億円目標

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」では28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 新中期経営計画の21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのリアシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

■株価は売り一巡して出直りの動き

 株価は地合い悪化も影響して10月30日に年初来安値2060円まで下押す場面があったが、その後は売り一巡して出直りの動きを強めている。11月16日の終値は2399円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS184円50銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2667円72銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約754億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月17日更新]

JSPは売られ過ぎ感、19年3月期減益予想だが価格是正進展期待

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手で、自動車部品用ピーブロックなど高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。19年3月期減益予想だが、原油価格上昇に対する製品価格是正の進展を期待したい。株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏だが売られ過ぎ感を強めている。売り一巡して反発を期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 18年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業61%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業26%、ビーズ事業72%、その他1%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。

■19年3月期減益予想だが価格是正進展期待

 19年3月期連結業績予想(7月27日に第2四半期累計と通期予想を減額修正)は、売上高が18年3月期比3.3%増の1181億円、営業利益が17.6%減の75億円、経常利益が16.5%減の77億円、純利益が19.8%減の55億円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は27.1%となる。

 第1四半期は、売上高が前年同期比1.8%増の280億81百万円、営業利益が41.7%減の12億97百万円、経常利益が38.1%減の14億08百万円、純利益が35.4%減の11億02百万円だった。

 高機能・高付加価値製品は堅調に推移したが、食品・水産・農業分野における需要低迷、原油価格や運送費の上昇に対する製品価格是正遅れなどで減益だった。押出事業は0.5%増収だが31.2%減益、ビーズ事業は1.2%増収だが42.7%減益だった。

 通期ベースでは、高付加価値製品の拡販などで増収を確保するが、韓国における経済停滞の影響やスチレンペーパーの需要減少などで全体として販売数量が想定を下回り、原油価格の上昇に対する製品価格是正遅れが影響する。前提条件は原油価格(ドバイ)が1バーレル=70米ドルで、為替は1米ドル=109円、1ユーロ=129円、1人民元=17.0円としている。

 19年3月期減益予想だが、下期の製品価格是正進展を期待したい。

■21年3月期営業利益110億円目標

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」では28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 新中期経営計画の21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのリアシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化の影響で10月16日に年初来安値2532円まで下押したが、売られ過ぎ感を強めている。売り一巡して反発を期待したい。10月16日の終値は2540円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS184円50銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2667円72銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約798億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月07日更新]

JSPは売り一巡して出直り期待

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手で、自動車部品用ピーブロックなど高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。19年3月期は原油価格上昇に対する製品価格是正遅れなどで減益予想としている。株価は売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 18年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業61%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業26%、ビーズ事業72%、その他1%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。

■19年3月期減益予想

 19年3月期連結業績予想(7月27日に第2四半期累計と通期予想を減額修正)は、売上高が18年3月期比3.3%増の1181億円、営業利益が17.6%減の75億円、経常利益が16.5%減の77億円、純利益が19.8%減の55億円としている。
 
 第1四半期は、売上高が前年同期比1.8%増の280億81百万円、営業利益が41.7%減の12億97百万円、経常利益が38.1%減の14億08百万円、純利益が35.4%減の11億02百万円だった。

 高機能・高付加価値製品は堅調に推移したが、食品・水産・農業分野における需要低迷、原油価格や運送費の上昇に対する製品価格是正遅れなどで減益だった。押出事業は0.5%増収だが31.2%減益、ビーズ事業は1.2%増収だが42.7%減益だった。

 通期ベースでは、高付加価値製品の拡販などで増収を確保するが、韓国における経済停滞の影響やスチレンペーパーの需要減少などで全体として販売数量が想定を下回り、原油価格の上昇に対する製品価格是正遅れが影響する。前提条件は原油価格(ドバイ)が1バーレル=70米ドルで、為替は1米ドル=109円、1ユーロ=129円、1人民元=17.0円としている。

 配当予想は据え置いて18年3月期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は27.1%となる。

■21年3月期営業利益110億円目標

 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」では28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 新中期経営計画の21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのリアシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

■株価は売り一巡して出直り期待

 株価は19年3月期予想の減額修正を嫌気して急落したが、8月22日の年初来安値2628円から反発して売り一巡感を強めている。

 9月6日の終値は2749円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS184円50銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2667円72銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約864億円である。

 週足チャートで見ると安値圏の下ヒゲで底打ち感を強めている。売り一巡して出直りを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月06日更新]

JSPは19年3月期1Q減益で2Q累計・通期予想を減額だが売り一巡感

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手で、自動車部品用ピーブロックなど高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。19年3月期第1四半期が販売数量未達や原油価格上昇に対する製品価格是正遅れなどで減益となり、第2四半期累計および通期予想を減額修正した。これを嫌気して株価は急落したが、売り一巡感を強めている。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 18年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業61%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業26%、ビーズ事業72%、その他1%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。
 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。

■19年3月期1Q減益で2Q累計・通期予想を減額修正

 19年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比1.8%増の280億81百万円、営業利益が41.7%減の12億97百万円、経常利益が38.1%減の14億08百万円、純利益が35.4%減の11億02百万円だった。

 高機能・高付加価値製品は堅調に推移したが、食品・水産・農業分野における需要低迷、原油価格や運送費の上昇に対する製品価格是正遅れなどで減益だった。押出事業は0.5%増収だが31.2%減益、ビーズ事業は1.2%増収だが42.7%減益だった。

 7月27日に第2四半期累計および通期の連結業績予想を減額修正した。通期連結業績予想は、売上高を19億円減額して18年3月期比3.3%増の1181億円、営業利益を20億円減額して17.6%減の75億円、経常利益を21億円減額して16.5%減の77億円、そして純利益を15億円減額して19.8%減の55億円とした。

 高付加価値製品の拡販などで増収を確保するが、韓国における経済停滞の影響やスチレンペーパーの需要減少などで全体として販売数量が想定を下回り、原油価格の上昇に対する製品価格是正遅れが影響する。修正後の前提条件は、原油価格(ドバイ)が1バーレル=70米ドル、為替が1米ドル=109円、1ユーロ=129円、1人民元=17.0円とした。

 配当予想は据え置いて18年3月期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は27.1%となる。

■21年3月期営業利益110億円目標

 長期ビジョン「VISION2027」および新中期経営計画「Deeper&Higher2020」を策定した。

 目標数値は、新中期経営計画で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、そして長期ビジョンでは28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 新中期経営計画の21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。7月27日には中国での生産能力増強を発表した。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのリアシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

■株価は売り一巡

 株価は19年3月期予想の減額修正を嫌気して急落した。ただし7月31日の年初来安値2768円から反発して売り一巡感を強めている。

 8月3日の終値は2911円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS184円50銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2667円72銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約914億円である。

 週足チャートで見ると窓を開けて急落する形となったが、安値圏の下ヒゲで底打ち感を強めている。売り一巡して反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月11日更新]

JSPは売り一巡して出直り期待、19年3月期増収増益予想

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。自動車部品用ピーブロックなど高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。19年3月期は販売数量の増加、高付加価値製品の拡販、製品価格の改定などで増収増益予想である。株価は地合い悪化の影響で反落したが、売り一巡して出直りを期待したい。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 18年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業61%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業26%、ビーズ事業72%、その他1%である。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。

■19年3月期増収増益予想

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比5.0%増の1200億円、営業利益が4.3%増の95億円、経常利益が6.3%増の98億円、純利益が2.1%増の70億円としている。販売数量の増加、高付加価値製品の拡販、製品価格の改定などで増収増益予想である。前提条件は為替が1米ドル=105円、1ユーロ=132円、1人民元=16.7円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=65米ドルである。

 セグメント別計画は、押出事業の売上高が8.0%増の421億61百万円で営業利益が11.2%増の29億35百万円、ビーズ事業の売上高が3.5%増の719億34百万円で営業利益が1.9%増の73億59百万円である。高付加価値製品の拡販を推進する。自動車部品用ピーブロックは欧米での採用が拡大する。その他事業は売上高が2.2%増の59億05百万円で営業利益が4.4%減の1億32百万円である。

 配当予想は18年3月期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)で、予想配当性向は21.3%となる。

■21年3月期営業利益110億円目標

 長期ビジョン「VISION2027」および新中期経営計画「Deeper&Higher2020」を策定した。

 目標数値は、新中期経営計画で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、そして長期ビジョンでは28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 新中期経営計画の21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのリアシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

■株価は売り一巡して出直り期待

 株価は地合い悪化の影響で反落したが、7月6日の直近安値3030円から切り返して売り一巡感を強めている。

 7月10日の終値3170円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS234円82銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2667円72銭で算出)は約1.2倍である。時価総額は約996億円である。

 週足チャートで見ると3000円近辺が下値支持線の形だ。売り一巡して出直りを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[6月13日更新]

JSPは戻り歩調で1月高値に接近、19年3月期増収増益予想

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。自動車部品用ピーブロックなど高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。19年3月期は販売数量の増加、高付加価値製品の拡販、製品価格の改定などで増収増益予想である。株価は戻り歩調で1月高値に接近している。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 18年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業61%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業26%、ビーズ事業72%、その他1%である。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。

 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。

■19年3月期増収増益予想

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比5.0%増の1200億円、営業利益が4.3%増の95億円、経常利益が6.3%増の98億円、純利益が2.1%増の70億円としている。販売数量の増加、高付加価値製品の拡販、製品価格の改定などで増収増益予想である。前提条件は為替が1米ドル=105円、1ユーロ=132円、1人民元=16.7円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=65米ドルである。

 セグメント別計画は、押出事業の売上高が8.0%増の421億61百万円で営業利益が11.2%増の29億35百万円、ビーズ事業の売上高が3.5%増の719億34百万円で営業利益が1.9%増の73億59百万円である。高付加価値製品の拡販を推進する。自動車部品用ピーブロックは欧米での採用が拡大する。その他事業は売上高が2.2%増の59億05百万円で営業利益が4.4%減の1億32百万円である。

 配当予想は18年3月期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)で、予想配当性向は21.3%となる。

■21年3月期営業利益110億円目標

 長期ビジョン「VISION2027」および新中期経営計画「Deeper&Higher2020」を策定した。

 目標数値は、新中期経営計画で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、そして長期ビジョンでは28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。

 新中期経営計画の21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。

 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのリアシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。

■株価は戻り歩調で1月高値に接近

 株価は下値を切り上げて戻り歩調だ。そして1月高値3980円に接近している。

 6月12日の終値3560円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS234円82銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約1.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2667円72銭で算出)は約1.3倍である。時価総額は約1118億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を突破した。また13週移動平均線は上向きに転じている。上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月06日更新]

JSPは戻り歩調、18年3月期営業微減益予想だが19年3月期は価格改定効果も寄与して収益拡大期待

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。18年3月期は原料高で営業微減益予想だが、19年3月期は高付加価値製品拡販に価格改定効果も寄与して収益拡大が期待される。4月1日には発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」製品の販売価格改定(20%値上げ)を発表している。株価は1月高値圏から急反落したが、調整一巡して戻り歩調だ。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 17年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。

■高機能・高付加価値製品の拡販推進、自動車用「ピーブロック」が拡大

 中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、目標数値に18年3月期の売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販で、高付加価値製品へのポートフォリオ改善などを推進し、生産能力の増強も進めている。

 自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。特に日系自動車メーカーのリアシートコア材への採用が広がり、搭載車種生産台数は16年度の約130万台から20年度には約520万台に拡大する見込みだ。

 北米におけるシートコア部品の受注が日系車種に広がり、競技用グラウンド基礎緩衝材の需要も拡大しているため、北米における「ピーブロック」の生産能力を3年間で25%増強する。

■18年3月期営業微減益予想だが19年3月期は収益拡大期待

 18年3月期の連結業績予想は、売上高が17年3月期比6.8%増の1165億円、営業利益が1.2%減の95億円、経常利益が3.3%減の97億円、純利益が8.2%減の67億円としている。配当予想は前期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は22.2%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比5.5%増の864億34百万円、営業利益が0.1%増の78億67百万円、経常利益が2.2%減の79億68百万円、純利益が7.0%減の58億11百万円だった。

 販売数量の増加、高付加価値製品比率の上昇、原材料価格上昇に対する製品価格改定などで増収となり、原材料価格上昇や運送費値上がりなどのコストアップ要因を吸収した。売上総利益率は30.2%で1.5ポイント低下、販管費比率は21.1%で1.0ポイント低下した。営業外では為替差損益が悪化した。

 押出事業は売上高が3.1%増の296億80百万円で営業利益が10.1%減の22億63百万円だった。高付加価値製品の好調などで増収だが、上期における原材料価格上昇の影響で減益だった。ビーズ事業は売上高が7.5%増の525億02百万円で営業利益が4.2%増の61億76百万円だった。自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販も寄与して販売数量が順調に増加した。その他事業は売上高が1.3%減の42億51百万円で営業利益が20.0%減の99百万円だった。

 通期ベースでは、販売数量が順調に増加して増収だが、国内外における原料価格の上昇などで営業微減益予想としている。またビーズ事業においては、北米自動車市場の減速、中国における第3四半期(10〜12月)の一時的需要減少などを想定しているようだ。

 ただし保守的な印象が強い。通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高74.2%、営業利益82.8%、経常利益82.1%、純利益86.7%と高水準である。自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販が進展し、押出事業で製品価格改定が第3四半期に進展したことなども考慮すると、通期予想に上振れ余地がありそうだ。

 また4月1日には発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」製品の、5月1日出荷分からの販売価格改定(20%値上げ)を発表している。19年3月期は高付加価値製品拡販に価格改定効果も寄与して収益拡大が期待される。

■株価は調整一巡して戻り歩調

 株価は1月高値3980円から急反落したが、3200円近辺で調整一巡して戻り歩調だ。4月5日には3450円まで上伸した。

 4月5日の終値3405円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS224円75銭で算出)は約15倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約1.5%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS2433円10銭で算出)は約1.4倍である。時価総額は約1070億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。調整一巡して出直りが期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月12日更新]

JSPは調整一巡して出直り期待、18年3月期営業微減益予想だが上振れ余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。18年3月期は営業微減益予想だが、価格改定や高付加価値製品拡販で上振れ余地がありそうだ。株価は高値圏から反落したが、調整一巡して出直りが期待される。
 
■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販
 
 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。
 
 17年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。
 
■高機能・高付加価値製品の拡販推進、自動車用「ピーブロック」が拡大
 
 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。
 
 自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。特に日系自動車メーカーのリアシートコア材への採用が広がり、搭載車種生産台数は16年度の約130万台から20年度には約520万台に拡大する見込みだ。
 
 北米におけるシートコア部品の受注が日系車種に広がり、競技用グラウンド基礎緩衝材の需要も拡大しているため、北米における「ピーブロック」の生産能力を今後3年間で25%増強する。
 
■18年3月期営業微減益予想だが上振れ余地
 
 18年3月期の連結業績予想は、売上高が17年3月期比6.8%増の1165億円、営業利益が1.2%減の95億円、経常利益が3.3%減の97億円、純利益が8.2%減の67億円としている。配当予想は前期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は22.2%となる。
 
 第3四半期累計は、売上高が前年同期比5.5%増の864億34百万円、営業利益が0.1%増の78億67百万円、経常利益が2.2%減の79億68百万円、純利益が7.0%減の58億11百万円だった。
 
 販売数量の増加、高付加価値製品比率の上昇、原材料価格上昇に対する製品価格改定などで増収となり、原材料価格上昇や運送費値上がりなどのコストアップ要因を吸収した。売上総利益率は30.2%で1.5ポイント低下、販管費比率は21.1%で1.0ポイント低下した。営業外では為替差損益が悪化した。
 
 押出事業は売上高が3.1%増の296億80百万円で営業利益が10.1%減の22億63百万円だった。高付加価値製品の好調などで増収だが、上期における原材料価格上昇の影響で減益だった。ビーズ事業は売上高が7.5%増の525億02百万円で営業利益が4.2%増の61億76百万円だった。自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販も寄与して販売数量が順調に増加した。その他事業は売上高が1.3%減の42億51百万円で営業利益が20.0%減の99百万円だった。
 
 通期ベースでは、販売数量が順調に増加して増収だが、国内外における原料価格の上昇などで営業微減益予想としている。またビーズ事業においては、北米自動車市場の減速、中国における第3四半期(10〜12月)の一時的需要減少などを想定しているようだ。
 
 ただし保守的な印象が強い。通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高74.2%、営業利益82.8%、経常利益82.1%、純利益86.7%と高水準である。自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販が進展し、押出事業で製品価格改定が第3四半期に進展したことなども考慮すると、通期予想に上振れ余地がありそうだ。
 
 中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、目標数値に18年3月期の売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げている。高付加価値製品へのポートフォリオ改善や原油価格安定によるスプレッド回復などで18年3月期の利益は計画を超過達成する見込みだ。中期的にも収益拡大が期待される。
 
■株価は調整一巡して出直り期待
 
 株価は1月高値3980円から反落し、地合い悪化も影響して2月6日3020円まで水準を切り下げた。その後は切り返して調整一巡感を強めている。
 
 3月9日の終値3230円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS224円75銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は1.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2433円10銭で算出)は1.3倍近辺である。時価総額は約1015億円である。
 
 週足チャートで見ると52週移動平均線近辺で下げ渋る形だ。調整一巡して出直りが期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[2月19日更新]

JSPは売り一巡感、18年3月期3Q累計が高進捗で通期予想に上振れ余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。18年3月期は営業微減益予想だが、第3四半期累計の進捗率は高水準だった。価格改定や高付加価値製品拡販が進展し、通期予想に上振れ余地がありそうだ。株価は高値圏から急反落したが売り一巡感を強めている。戻りを試す展開が期待される。
 
■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販
 
 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。
 
 17年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。
 
■高機能・高付加価値製品の拡販推進、自動車用「ピーブロック」が拡大
 
 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。
 
 自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。特に日系自動車メーカーのリアシートコア材への採用が広がり、搭載車種生産台数は16年度の約130万台から20年度には約520万台に拡大する見込みだ。
 
 北米におけるシートコア部品の受注が日系車種に広がり、競技用グラウンド基礎緩衝材の需要も拡大しているため、北米における「ピーブロック」の生産能力を今後3年間で25%増強する。
 
■18年3月期3Q累計高進捗で通期予想に上振れ余地
 
 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比6.8%増の1165億円、営業利益が1.2%減の95億円、経常利益が3.3%減の97億円、純利益が8.2%減の67億円としている。配当予想は前期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は22.2%となる。
 
 第3四半期累計は、売上高が前年同期比5.5%増の864億34百万円、営業利益が0.1%増の78億67百万円、経常利益が2.2%減の79億68百万円、純利益が7.0%減の58億11百万円だった。
 
 販売数量の増加、高付加価値製品比率の上昇、原材料価格上昇に対する製品価格改定などで増収となり、原材料価格上昇や運送費値上がりなどのコストアップ要因を吸収した。売上総利益率は30.2%で1.5ポイント低下、販管費比率は21.1%で1.0ポイント低下した。営業外では為替差損益が悪化した。
 
 押出事業は売上高が3.1%増の296億80百万円で営業利益が10.1%減の22億63百万円だった。高付加価値製品の好調などで増収だが、上期における原材料価格上昇の影響で減益だった。ビーズ事業は売上高が7.5%増の525億02百万円で営業利益が4.2%増の61億76百万円だった。自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販も寄与して販売数量が順調に増加した。その他事業は売上高が1.3%減の42億51百万円で営業利益が20.0%減の99百万円だった。
 
 通期ベースでは、販売数量が順調に増加して増収だが、国内外における原料価格の上昇などで営業微減益予想としている。またビーズ事業においては、北米自動車市場の減速、中国における第3四半期(10〜12月)の一時的需要減少などを想定しているようだ。
 
 ただし保守的な印象が強い。通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高74.2%、営業利益82.8%、経常利益82.1%、純利益86.7%と高水準である。自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販が進展し、押出事業で製品価格改定が第3四半期に進展したことなども考慮すると、通期予想に上振れ余地がありそうだ。
 
 中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、目標数値に18年3月期の売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げている。今期(18年3月期)連結業績予想は、原油価格下落の影響などで売上高が計画未達となるが、高付加価値製品へのポートフォリオ改善や原油価格安定によるスプレッド回復などで各利益は計画を超過達成する見込みだ。中期的にも収益拡大基調が期待される。
 
■株価は売り一巡感
 
 株価は1月高値3980円から急反落し、地合い悪化も影響して2月6日3020円まで水準を切り下げた。その後は切り返して売り一巡感を強めている。
 
 2月16日の終値3225円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS224円75銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は1.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2433円10銭で算出)は1.3倍近辺である。時価総額は約1013億円である。
 
 週足チャートで見ると52週移動平均線近辺で下げ渋る形だ。売り一巡して戻りを試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月18日更新]

JSPは高値圏で堅調、高付加価値製品拡販して18年3月期予想に上振れ余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。18年3月期は営業微減益予想だが、価格改定や高付加価値製品拡販が進展して上振れ余地がありそうだ。株価は高値圏で堅調に推移している。上値を試す展開が期待される。
 
■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販
 
 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。
 
 17年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。
 
■高機能・高付加価値製品の拡販推進、自動車用「ピーブロック」が拡大
 
 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。
 
 自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。特に日系自動車メーカーのリアシートコア材への採用が広がり、搭載車種生産台数は16年度の約130万台から20年度には約520万台に拡大する見込みだ。
 
 北米におけるシートコア部品の受注が日系車種に広がり、競技用グラウンド基礎緩衝材の需要も拡大しているため、北米における「ピーブロック」の生産能力を今後3年間で25%増強する。
 
■18年3月期営業微減益予想だが、高付加価値製品拡販で上振れ余地
 
 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比6.8%増の1165億円、営業利益が1.2%減の95億円、経常利益が3.3%減の97億円、純利益が8.2%減の67億円としている。配当予想は前期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は22.2%となる。
 
 第2四半期累計は、売上高が前年同期比4.1%増の568億15百万円、営業利益が0.5%減の49億73百万円、経常利益が1.4%減の49億59百万円、純利益が5.9%減の35億95百万円だった。
 
 販売数量が順調に増加し、高付加価値製品比率も上昇して増収だが、国内における原材料価格上昇に対する製品価格改定時期のずれや、運送費値上がりなどの影響で営業微減益だった。ただし計画を上回った。売上総利益率は30.2%で1.2ポイント低下し、販管費比率は21.4%で0.8ポイント低下した。営業外では為替差損が増加した。
 
 押出事業は売上高が1.7%増の191億06百万円で営業利益が16.4%減の12億66百万円だった。高付加価値製品拡販で増収だが、原材料価格上昇に対する製品価格改定時期のずれで減益だった。ビーズ事業は売上高が5.9%増の349億69百万円で営業利益が5.0%増の40億89百万円だった。自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販も寄与して販売数量が順調に増加した。その他事業は売上高が1.6%減の27億39百万円で営業利益が13.4%減の59百万円だった。
 
 通期ベースでは、販売数量が順調に増加して増収だが、国内外における原料価格の上昇などで営業微減益予想としている。またビーズ事業においては、北米自動車市場の減速、中国における第3四半期(10〜12月)の一時的需要減少などを想定しているようだ。
 
 ただし保守的な印象が強い。自動車関連「ピーブロック」の採用が拡大し、台湾で液晶TV基板輸送緩衝材の需要が回復する。また通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.8%、営業利益が52.3%、経常利益が51.1%、純利益が53.7%と順調である。価格改定や自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販が進展し、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。
 
 中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、目標数値に18年3月期の売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げている。今期(18年3月期)連結業績予想は、原油価格下落の影響などで売上高が計画未達となるが、高付加価値製品へのポートフォリオ改善や原油価格安定によるスプレッド回復などで各利益は計画を超過達成する見込みだ。中期的にも収益拡大基調が期待される。
 
■株価は高値圏で堅調
 
 株価は高値圏3800円〜3900円近辺で堅調に推移している。1月16日には3980円まで上伸して高値を更新した。
 
 1月17日の終値3935円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS224円75銭で算出)は17〜18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2433円10銭で算出)は1.6倍近辺である。時価総額は約1236億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
 

[12月18日更新]

JSPは高値圏で堅調、18年3月期営業微減益予想だが高付加価値製品拡販で上振れ余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。18年3月期は営業微減益予想だが、価格改定や高付加価値製品拡販が進展して上振れ余地がありそうだ。株価は高値圏で堅調だ。自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。
 
■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販
 
 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。
 
 17年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。
 
■高機能・高付加価値製品の拡販推進、自動車用「ピーブロック」が拡大
 
 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。
 
 自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。特に日系自動車メーカーのリアシートコア材への採用が広がり、搭載車種生産台数は16年度の約130万台から20年度には約520万台に拡大する見込みだ。
 
 なお北米におけるシートコア部品の受注が日系車種に広がり、競技用グラウンド基礎緩衝材の需要も拡大しているため、北米における「ピーブロック」の生産能力を今後3年間で25%増強する。
 
■18年3月期営業微減益予想だが、高付加価値製品拡販で上振れ余地
 
 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比6.8%増の1165億円、営業利益が1.2%減の95億円、経常利益が3.3%減の97億円、純利益が8.2%減の67億円としている。配当予想は前期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は22.2%となる。
 
 第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比4.1%増の568億15百万円、営業利益が0.5%減の49億73百万円、経常利益が1.4%減の49億59百万円、純利益が5.9%減の35億95百万円だった。
 
 販売数量が順調に増加し、高付加価値製品比率も上昇して増収だが、国内における原材料価格上昇に対する製品価格改定時期のずれや、運送費値上がりなどの影響で営業微減益だった。ただし計画を上回った。売上総利益率は30.2%で1.2ポイント低下し、販管費比率は21.4%で0.8ポイント低下した。営業外では為替差損が増加した。
 
 押出事業は売上高が1.7%増の191億06百万円で営業利益が16.4%減の12億66百万円だった。高付加価値製品拡販で増収だが、原材料価格上昇に対する製品価格改定時期のずれで減益だった。ビーズ事業は売上高が5.9%増の349億69百万円で営業利益が5.0%増の40億89百万円だった。自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販も寄与して販売数量が順調に増加した。その他事業は売上高が1.6%減の27億39百万円で営業利益が13.4%減の59百万円だった。
 
 通期ベースでは、販売数量が順調に増加して増収だが、国内外における原料価格の上昇などで営業微減益予想としている。またビーズ事業においては、北米自動車市場の減速、中国における第3四半期(10〜12月)の一時的需要減少などを想定しているようだ。
 
 ただし保守的な印象が強い。自動車関連「ピーブロック」の採用が拡大し、台湾で液晶TV基板輸送緩衝材の需要が回復する。また通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.8%、営業利益が52.3%、経常利益が51.1%、純利益が53.7%と順調である。価格改定や自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販が進展し、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。
 
 中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、目標数値に18年3月期の売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げている。今期(18年3月期)連結業績予想は、原油価格下落の影響などで売上高が計画未達となるが、高付加価値製品へのポートフォリオ改善や原油価格安定によるスプレッド回復などで各利益は計画を超過達成する見込みだ。中期的にも収益拡大基調が期待される。
 
■株価は高値圏で堅調、自律調整一巡して上値試す
 
 株価は高値圏3400円〜3800円近辺で堅調に推移している。12月11日には3915円まで上伸して高値を更新する場面があった。
 
 12月15日の終値3720円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS224円75銭で算出)は16〜17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2433円10銭で算出)は1.5倍近辺である。時価総額は約1169億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。自律調整一巡して上値を試す展開が期待される(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
 [11月22日更新]

JSPは自律調整一巡、18年3月期2Q累計営業微減益だが計画超、通期も営業微減益予想だが高付加価値製品拡販で上振れ余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。18年3月期第2四半期累計は原材料価格上昇に対する製品価格改定時期のずれで営業微減益だったが、計画を上回った。通期も営業微減益予想だが、価格改定や高付加価値製品拡販が進展して上振れ余地がありそうだ。株価は10月高値から反落したが、自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。
 
■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販
 
 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。
 
 17年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。
 
■高機能・高付加価値製品の拡販推進、自動車用「ピーブロック」が拡大
 
 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。
 
 自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。特に日系自動車メーカーのリアシートコア材への採用が広がり、搭載車種生産台数は16年度の約130万台から20年度には約520万台に拡大する見込みだ。
 
 なお北米におけるシートコア部品の受注が日系車種に広がり、競技用グラウンド基礎緩衝材の需要も拡大しているため、北米における「ピーブロック」の生産能力を今後3年間で25%増強する。
 
■18年3月期2Q累計は価格改定ずれで営業微減益だが計画超
 
 今期(18年3月期)第2四半期累計(4〜9月)連結業績は、売上高が前年同期比4.1%増の568億15百万円、営業利益が0.5%減の49億73百万円、経常利益が1.4%減の49億59百万円、純利益が5.9%減の35億95百万円だった。
 
 販売数量が順調に増加し、高付加価値製品比率も上昇して増収だが、国内における原材料価格上昇に対する製品価格改定時期のずれや、運送費値上がりなどの影響で営業微減益だった。ただし計画を上回った。売上総利益率は30.2%で1.2ポイント低下し、販管費比率は21.4%で0.8ポイント低下した。営業外では為替差損が増加した。
 
 押出事業は売上高が1.7%増の191億06百万円で営業利益が16.4%減の12億66百万円だった。高付加価値製品拡販で増収だが、原材料価格上昇に対する製品価格改定時期のずれで減益だった。ビーズ事業は売上高が5.9%増の349億69百万円で営業利益が5.0%増の40億89百万円だった。自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販も寄与して販売数量が順調に増加した。その他事業は売上高が1.6%減の27億39百万円で営業利益が13.4%減の59百万円だった。
 
■18年3月期通期も営業微減益予想だが、高付加価値製品拡販で上振れ余地
 
 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比6.8%増の1165億円、営業利益が1.2%減の95億円、経常利益が3.3%減の97億円、純利益が8.2%減の67億円としている。配当予想は前期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は22.2%となる。
 
 販売数量が順調に増加して増収だが、国内外における原料価格の上昇などで営業微減益予想としている。またビーズ事業においては、北米自動車市場の減速、中国における第3四半期(10〜12月)の一時的需要減少などを想定しているようだ。
 
 ただし保守的な印象が強い。自動車関連「ピーブロック」の採用が拡大し、台湾で液晶TV基板輸送緩衝材の需要が回復する。また通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.8%、営業利益が52.3%、経常利益が51.1%、純利益が53.7%と順調である。価格改定や自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販が進展し、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。
 
 中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、目標数値に18年3月期の売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げている。今期(18年3月期)連結業績予想は、原油価格下落の影響などで売上高が計画未達となるが、高付加価値製品へのポートフォリオ改善や原油価格安定によるスプレッド回復などで各利益は計画を超過達成する見込みだ。中期的にも収益拡大基調が期待される。
 
■株価は自律調整一巡して上値試す
 
 株価は10月高値3870円から利益確定売りで一旦反落したが、3400円近辺で下げ渋る形だ。自律調整の範囲だろう。
 
 11月20日の終値3490円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS224円75銭で算出)は15〜16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は1.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2433円10銭で算出)は1.4倍近辺である。時価総額は約1096億円である。
 
 週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線近辺で下げ渋る形だ。自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月12日更新]

JSPは高値更新の展開、18年3月期減益予想だが高付加価値製品拡販で上振れ余地  
 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。18年3月期営業微減益予想だが、自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販が進展して上振れ余地がありそうだ。株価は中段保ち合いから上放れて高値更新の展開だ。
 
■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販
 
 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。
 
 17年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。
 
■高機能・高付加価値製品の拡販推進、自動車用「ピーブロック」が拡大
 
 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。
 
 自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。特に日系自動車メーカーのリアシートコア材への採用が広がり、搭載車種生産台数は16年度の約130万台から20年度には約520万台に拡大する見込みだ。
 
■18年3月期微減益予想だが、高付加価値製品拡販で上振れ余地
 
 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比6.8%増の1165億円、営業利益が1.2%減の95億円、経常利益が3.3%減の97億円、純利益が8.2%減の67億円としている。
 
 第1四半期(4〜6月)は売上高が前年同期比2.8増収、営業利益が2.1%減益、経常利益が3.3%増益、純利益が0.4%増益だった。販売数量増加、原材料価格上昇に伴う製品価格改定で増収だったが、原燃料価格の上昇や海外事業の外貨円換算額減少の影響で営業微減益だった。経常利益と純利益は営業外での為替差損の減少で微増益だった。
 
 通期も販売数量増加や製品価格改定の効果で増収だが、国内外における原料価格の上昇などで減益予想としている。ただし欧米・中国で自動車関連「ピーブロック」の採用が拡大し、台湾で液晶TV基板輸送緩衝材の需要が回復する。自動車部品用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販に加えて円安もプラス要因となり、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。
 
 中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、目標数値に18年3月期の売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げている。今期(18年3月期)連結業績予想は、原油価格下落の影響などで売上高が計画未達となるが、高付加価値製品へのポートフォリオ改善や原油価格安定によるスプレッド回復などで各利益は計画を超過達成する見込みだ。中期的にも収益拡大基調が期待される。
 
■株価は中段保ち合い上放れて高値更新の展開
 
 株価は3200円〜3400円近辺でのモミ合いから上放れて高値更新の展開だ。10月11日には3870円まで上伸した。
 
 10月11日の終値3770円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS224円75銭で算出)は16〜17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2433円10銭で算出)は1.5倍近辺である。時価総額は約1184億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって中段保ち合いから上放れた形だ。上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月21日更新]

JSPは高値圏モミ合いから上放れ期待、18年3月期減益予想だが高付加価値製品拡販で上振れ余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。18年3月期営業微減益予想だが、自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販が進展して上振れ余地がありそうだ。株価は高値圏でモミ合う形だが、日柄調整完了して上放れの展開が期待される。
 
■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販
 
 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。
 
 17年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。
 
■高機能・高付加価値製品の拡販推進、自動車用「ピーブロック」が拡大
 
 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。
 
 自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。特に日系自動車メーカーのリアシートコア材への採用が広がり、搭載車種生産台数は16年度の約130万台から20年度には約520万台に拡大する見込みだ。
 
■18年3月期微減益予想だが、高付加価値製品拡販で上振れ余地
 
 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比6.8%増の1165億円、営業利益が1.2%減の95億円、経常利益が3.3%減の97億円、純利益が8.2%減の67億円としている。
 
 第1四半期(4〜6月)連結業績は、売上高が前年同期比2.8増収、営業利益が2.1%減益、経常利益が3.3%増益、純利益が0.4%増益だった。販売数量増加、原材料価格上昇に伴う製品価格改定で増収だったが、原燃料価格の上昇や海外事業の外貨円換算額減少の影響で営業微減益だった。経常利益と純利益は営業外での為替差損の減少で微増益だった。
 
 通期も販売数量増加や製品価格改定の効果で増収だが、国内外における原料価格の上昇などで減益予想としている。ただし欧米・中国で自動車関連「ピーブロック」の採用が拡大し、台湾で液晶TV基板輸送緩衝材の需要が回復する。自動車部品用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販に加えて円安もプラス要因となり、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。
 
 新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げている。今期(18年3月期)連結業績予想は、原油価格下落の影響などで売上高が計画未達となるが、高付加価値製品へのポートフォリオ改善や原油価格安定によるスプレッド回復などで各利益は計画を超過達成する見込みだ。中期的にも収益拡大基調が期待される。
 
■株価は高値圏モミ合い、日柄調整完了して上放れ期待
 
 株価は高値圏3200円〜3400円近辺でモミ合う形だが、日柄調整完了感を強めている。
 
 9月20日の終値3335円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS224円75銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は1.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2433円10銭で算出)は1.4倍近辺である。時価総額は約1048億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線が接近している。日柄調整完了して上放れの展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月17日更新]

JSPは高値圏で堅調、18年3月期減益予想だが高付加価値製品拡販で上振れ余地  
 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。18年3月期第1四半期は営業微減益だった。通期も営業微減益予想だが、自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販が進展して上振れ余地がありそうだ。株価は高値圏で堅調だ。指標面に割高感はなく、日柄調整一巡して上値を試す展開が期待される。
 
■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販
 
 発泡プラスチック製品の大手である。15年3月、TOBによって三菱瓦斯化学<4182>の連結子会社となった。
 
 押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。
 
 17年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。
 
 16年3月期から有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更した。利益配分については安定した配当を重視するとともに、各事業年度の連結業績と将来の事業展開に必要な内部留保の充実などを勘案しながら総合的に決定する方針としている。
 
■高機能・高付加価値製品の拡販推進、自動車用「ピーブロック」が拡大
 
 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。
 
 自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。特に日系自動車メーカーのリアシートコア材への採用が広がり、搭載車種生産台数は16年度の約130万台から20年度には約520万台に拡大する見込みだ。
 
 国内生産は14年4月北九州工場が生産開始し、栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。また18年12月完工予定で三重県四日市市の「ピーブロック」成型工場を増設する。
 
 海外は中国での新工場建設や欧州での設備増強などで「ピーブロック」生産能力を増強している。中国・長春は16年12月、中国・武漢は17年4月稼働した。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造の4拠点目となる。
 
 戸建住宅・マンション断熱材用発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場を建設し、18年12月生産開始予定である。20年省エネルギー基準への適合義務化に向けて需要増加が見込まれるため、中部・西日本地区における生産体制を強化する。
 
■高機能新製品の開発も推進
 
 高機能新製品の開発では、多層化技術を用いた高性能発泡ポリエチレンシート「xealogic」、植物由来のポリ乳酸発泡ビーズ・発泡体「LACTIF」、各種樹脂・金属・無機機材と発泡体との複合体「ACTech(ACテック)」、高い光反射率の超微細発泡シート、防蟻剤なしでシロアリに浸食されない唯一の発泡プラスチック断熱材「ミラポリカフォーム」、ポリエチレン/ポリスチレン共重合ビーズ「エレンポールNEO」などの開発・用途拡大を推進している。
 
 シューズメーカーの要求性能に対応した柔軟性発泡体「ARGILIX」は、17年春夏モデルのシポーツシューズのインナーソールとして販売開始した。
 
■18年3月期1Qは営業微減益
 
 今期(18年3月期)第1四半期(4月〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比2.8%増の275億84百万円、営業利益が2.1%減の22億26百万円、経常利益が3.3%増の22億77百万円、純利益が0.4%増の17億07百万円だった。
 
 販売数量増加、原材料価格上昇に伴う製品価格改定で増収だったが、原燃料価格の上昇や海外事業の外貨円換算額減少の影響で営業微減益だった。経常利益と純利益は営業外での為替差損の減少で微増益だった。
 
 売上総利益は0.2%増加にとどまり、売上総利益率は29.9%で0.8ポイント低下した。販管費は1.0%増加にとどまり、販管費比率は21.8%で0.4ポイント低下した。営業外費用では為替差損が減少した。
 
 押出事業は売上高が2.2%増の93億02百万円で、営業利益(連結調整前)が12.8%減の5億98百万円だった。高付加価値製品の好調や製品価格の改定で増収だが、原材料価格上昇に対する製品価格改定時期のずれ等で減益だった。製品別では液晶TV基板・家電の輸送緩衝材「ミラマット」や、建築・土木関連の高断熱製品「ミラフォーム」などが好調だった。
 
 ビーズ事業は売上高が4.0%増の169億79百万円で、営業利益が2.9%増の18億29百万円だった。販売数量増加や製品価格改定の効果で増収増益だった。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」が、バンパーコア材・内装材・シートコア材等の自動車部品、住宅設備向け保温緩衝材、IT製品輸送用通い函、家電製品用緩衝材、競技用グラウンド基礎緩衝材に使用され、特に自動車向けで新規採用が拡大した。
 
 その他は売上高が7.2%減の13億02百万円で営業利益が51.8%減の19百万円だった。国内で梱包材の需要が減少し、中国では新規需要の立ち上がりが遅れた。
 
■18年3月期通期も微減益予想だが、高付加価値製品拡販で上振れ余地
 
 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比6.8%増の1165億円、営業利益が1.2%減の95億円、経常利益が3.3%減の97億円、純利益が8.2%減の67億円としている。前提は為替レートが1米ドル=110円、1ユーロ=120円、1人民元=16円で、原油価格(ドバイ)が1バーレル=52米ドルとしている。販売数量増加や製品価格改定の効果で増収だが、国内外における原料価格の上昇などで減益予想としている。
 
 セグメント別には、押出事業の売上高が6.6%増の404億21百万円で営業利益(連結調整前)が2.2%減の29億77百万円、ビーズ事業の売上高が7.1%増の700億14百万円で営業利益が0.1%減の73億67百万円、その他の売上高が5.2%増の60億65百万円で営業利益が17.6%減の1億22百万円としている。
 
 国内では高断熱製品や液晶TV基板輸送緩衝材などが好調に推移する。海外の販売数量は同9%増加を見込んでいる。欧米・中国で自動車関連「ピーブロック」の採用が拡大し、台湾で液晶TV基板輸送緩衝材の需要が回復する。自動車部品用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販に加えて円安もプラス要因となり、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。
 
 配当予想は前期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は22.2%となる。
 
■中期経営計画の利益目標超過達成の見込み
 
 新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げている。
 
 今期(18年3月期)連結業績予想は、原油価格下落の影響などで売上高計画未達となるが、高付加価値製品へのポートフォリオ改善や原油価格安定によるスプレッド回復などで各利益は計画を超過達成する見込みだ。中期的にも収益拡大基調が期待される。
 
■株価は高値圏で堅調、日柄調整一巡して上値試す
 
 株価は高値圏3200円〜3400円近辺で堅調に推移している。7月31日には3595円まで上伸する場面があった。
 
 8月16日の終値3330円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS224円75銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は1.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2433円10銭で算出)は1.4倍近辺である。時価総額は約1046億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線が接近して日柄調整一巡感を強めている。指標面に割高感はなく、上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月14日更新]

JSPは高値圏で堅調、18年3月期は高付加価値製品拡販で上振れ余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。18年3月期は減益予想だが、自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販が進展して上振れ余地がありそうだ。株価は高値圏で堅調だ。指標面に割高感はなく上値を試す展開が期待される。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品大手で、三菱瓦斯化学<4182>の連結子会社である。

 押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。

 自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。日系自動車メーカーのリアシートコア材への採用が広がり、搭載車種生産台数は16年度の約130万台から20年度には約520万台に拡大する見込みだ。

■18年3月期減益予想だが、高付加価値製品拡販で上振れ余地

 今期(18年3月期)の連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比6.8%増の1165億円、営業利益が同1.2%減の95億円、経常利益が同3.3%減の97億円、純利益が同8.2%減の67億円としている。

 国内外における原料価格の上昇などで減益予想としているが、自動車部品用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販に加えて、円安もプラス要因となる。会社予想には上振れ余地がありそうだ。

■株価は高値圏で堅調、割高感なく上値試す

 株価の動きを見ると高値圏で堅調だ。7月3日には3430円まで上伸した。その後は上げ一服の形だが、自律調整の範囲だろう。

 7月13日の終値3255円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS224円75銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は1.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2433円10銭で算出)は1.3倍近辺である。時価総額は約1023億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線も上向きに転じた。先高期待を強める形だ。指標面に割高感はなく上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月25日更新]

JSPは自律調整一巡して16年12月高値目指す、18年3月期減益予想だが高付加価値製品拡販で上振れ余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。18年3月期減益予想だが、自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販で上振れ余地がありそうだ。株価は戻り高値圏から一旦反落したが、自律調整一巡して16年12月高値を目指す展開が期待される。

■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品の大手である。15年3月、TOBによって三菱瓦斯化学<4182>の連結子会社となった。

 押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 17年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。なお16年3月期から有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更した。
■高機能・高付加価値製品の拡販推進、自動車用「ピーブロック」が拡大

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。

 自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。特に日系自動車メーカーのリアシートコア材への採用が広がり、搭載車種生産台数は16年度の約130万台から20年度には約520万台に拡大する見込みだ。

 国内生産は14年4月に新工場として北九州工場が生産を開始し、栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。また16年11月には、三重県四日市市「ピーブロック」成型工場を増設(18年12月完工予定)すると発表している。

 海外は中国での新工場建設や欧州での設備増強などで「ピーブロック」生産能力を増強している。中国・長春は16年12月、中国・武漢は17年4月稼働した。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造の4拠点目となる。

 戸建住宅・マンション断熱材用発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場を建設している。18年12月生産開始予定である。20年省エネルギー基準への適合義務化に向けて需要増加が見込まれるため、中部・西日本地区における生産体制を強化する。

■高機能新製品の開発を推進

 15年1月米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート「integxion(インテグション)」事業に参入し、米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。

 さらに多層化技術を用いた高性能発泡ポリエチレンシート「xealogic(シーロジック)」、植物由来のポリ乳酸発泡ビーズ・発泡体「LACTIF」、各種樹脂・金属・無機機材と発泡体との複合体「ACTech(ACテック)」、極めて高い光反射率の超微細発泡シート、防蟻剤なしでシロアリに浸食されない唯一の発泡プラスチック断熱材「ミラポリカフォーム」、ポリエチレン/ポリスチレン共重合ビーズ「エレンポールNEO」などの開発・用途拡大を推進している。

 シューズメーカーの要求性能に対応した柔軟性発泡体「ARGILIX」は、17年春夏モデルのシポーツシューズのインナーソールとして販売開始した。

■17年3月期は減収だがスプレッド回復で増益

 前期(17年3月期)の連結業績は売上高が前々期(16年3月期)比5.1%減の1090億48百万円、営業利益が同3.6%増の96億12百万円、経常利益が同10.2%増の100億33百万円、純利益が同23.5%増の73億01百万円だった。

 製品価格改定の影響、円高による海外事業の円換算額減少などで減収だったが、販売数量の増加、スプレッドの回復、自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の好調で増益だった。

 売上総利益は同横ばいだが、売上総利益率は31.1%で同1.6ポイント上昇した。販管費は同1.4%減少したが、販管費比率は22.2%で同0.8ポイント上昇した。なお営業利益増減分析では、増益要因が変動費単価45億50百万円、数量増加・限界利益が13億円、減益要因が販売単価36億90百万円、固定費増が11億円、為替要因他が7億26百万円としている。

 営業外費用では為替差損益が改善(前々期は差損4億93百万円、前期は差益41百万円)した。特別利益では前々期計上の補助金収入3億01百万円が一巡したが、特別損失では前々期計上の事業構造改革費用5億41百万円が一巡した。またROEは10.4%で同1.5ポイント上昇、自己資本比率は64.1%で同5.1ポイント上昇した。配当は同10円増配の年間50円(第2四半期末20円、期末30円)とした。配当性向は20.4%である。

 押出事業は売上高が同0.9%減の379億29百万円で営業利益(連結調整前)が同10.5%増の30億45百万円だった。製品価格改定の影響で減収だが、スプレッドが回復して増益だった。製品別では液晶TV基板輸送緩衝材「ミラマット」、電子レンジ対応容器や即席麺容器向け「スチレンペーパー」、高断熱製品「ミラフォーム」などが好調だった。

 ビーズ事業は売上高が同7.8%減の653億54百万円で営業利益が同0.8%減の73億76百万円だった。販売数量は増加したが、価格改定や円高影響で減収減益だった。製品別では発泡ポリプロピレン「ピーブロック」が、バンパーコア材・内装材・シートコア材などの自動車部品、住宅設備向け部材、IT製品輸送用通い函、家電製品用緩衝材、競技用グラウンド基礎緩衝材に使用され、特に自動車向けで新規採用が拡大した。

 その他は売上高が同0.3%増の57億64百万円で営業利益が同8.5倍の1億48百万円だった。国内における合理化と中国における新製品拡販で増益だった。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期268億35百万円、第2四半期277億52百万円、第3四半期273億65百万円、第4四半期270億96百万円、営業利益は22億72百万円、27億28百万円、28億57百万円、17億55百万円だった。

■18年3月期減益予想だが、高付加価値製品拡販で上振れ余地

 今期(18年3月期)の連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比6.8%増の1165億円、営業利益が同1.2%減の95億円、経常利益が同3.3%減の97億円、純利益が同8.2%減の67億円としている。前提は為替レートが1米ドル=110円、1ユーロ=120円、1人民元=16円で、原油価格(ドバイ)が1バーレル=52米ドルとしている。販売数量増加や価格改定の効果で増収だが、国内外における原料価格の上昇などで減益予想としている。

 セグメント別の計画は、押出事業の売上高が同6.6%増の404億21百万円で営業利益(連結調整前)が同2.2%減の29億77百万円、ビーズ事業の売上高が同7.1%増の700億14百万円、営業利益が同0.1%減の73億67百万円、その他の売上高が同5.2%増の60億65百万円で営業利益が同17.6%減の1億22百万円としている。

 国内では高断熱製品や液晶TV基板輸送緩衝材などが好調に推移する。海外の販売数量は同9%増加を見込んでいる。欧米・中国で自動車関連「ピーブロック」の採用が拡大し、台湾で液晶TV基板輸送緩衝材の需要が回復する。

 配当予想は前期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は22.2%となる。利益配分については安定した配当を重視するとともに、各事業年度の連結業績と将来の事業展開に必要な内部留保の充実などを勘案しながら総合的に決定する方針としている。

 自動車部品用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販に加えて、円安進行もプラス要因となる。会社予想には上振れ余地がありそうだ。

■中期経営計画の利益目標超過達成の見込み

 新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げている。

 4月28日公表の18年3月期連結業績予想は、原油価格下落の影響などで売上高計画未達となるが、高付加価値製品へのポートフォリオ改善や原油価格安定によるスプレッド回復などで各利益は計画を超過達成する見込みだ。中期的にも収益拡大基調が期待される。

■株価は自律調整一巡して16年12月高値目指す

 株価の動きを見ると、5月上旬の戻り高値圏2800円台から利益確定売りで一旦反落したが、大きく下押す動きは見られない。自律調整の範囲だろう。

 5月24日の終値2743円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS224円75銭で算出)は12〜13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は1.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2433円10銭で算出)は1.1倍近辺である。時価総額は約862億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返す動きだ。自律調整一巡して16年12月高値2908円を目指す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月12日更新]

JSPは高付加価値製品の拡販推進、18年3月期収益拡大期待

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品専業の大手である。自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。17年3月期営業減益予想だが、18年3月期は円高影響の一巡や高付加価値製品の好調で収益拡大が期待される。株価は水準を切り下げたが、調整一巡して戻りを試す展開が期待される。

■発泡プラスチック製品専業大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品専業の大手である。15年3月、TOBによって三菱瓦斯化学<4182>の連結子会社となった。

 押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。16年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業33%、ビーズ事業62%、その他5%だった。

■高機能・高付加価値製品の拡販推進、自動車用「ピーブロック」の生産拡大

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。

 自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。トヨタ自動車<7203>の新型プリウスのスペアタイヤ収納部およびツールボックスに採用(16年秋)され、リアシートコア材への採用も予定されるなど国内外で採用車種が拡がっている。国内生産については14年4月、新工場として北九州工場が生産を開始し、国内は栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 16年11月には三重県四日市市の「ピーブロック」成型工場を増設すると発表した。投資額は約18億円で、18年12月に増設部分の完工を予定している。

 海外でも中国およびタイに新工場を建設して「ピーブロック」の生産能力を増強している。生産開始時期は中国・長春が16年6月、中国・武漢が17年1月予定、タイが16年3月である。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造4拠点目となる。また16年10月、中国・東莞工場内に技術開発センターを設立した。

 インドにおける「ピーブロック」生産は工場建設を17年3月期以降に延期している。また16年7月には欧州における「ピーブロック」需要拡大に対応するため、生産能力を増強すると発表した。約26億円を投じ、欧州における生産能力を年産2万6500トンから年産3万7000トンに増強する。

 戸建住宅・マンション断熱材用発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」については16年5月、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場を建設すると発表した。18年11月完成予定で投資額は約40億円である。20年省エネルギー基準への適合義務化に向けて需要増加が見込まれるため、中部・西日本地区における生産体制を強化する。

■高機能新製品の開発を推進

 15年1月米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート「integxion(インテグション)」事業に参入し、米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。16年10月予定で能力を増強する。

 さらに高機能新製品として、多層化技術を用いた高性能発泡ポリエチレンシート「xealogic(シーロジック)」、植物由来のポリ乳酸発泡ビーズ・発泡体「LACTIF」、各種樹脂・金属・無機機材と発泡体との複合体「ACTech(ACテック)」、極めて高い光反射率の超微細発泡シート、防蟻剤なしでシロアリに浸食されない唯一の発泡プラスチック断熱材「ミラポリカフォーム」、シューズメーカーの要求性能に対応した柔軟性発泡体、ポリエチレン/ポリスチレン共重合ビーズ「エレンポールNEO」などの開発・用途拡大を推進している。

■プロダクトミックス改善も寄与して増益基調

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期283億77百万円、第2四半期298億89百万円、第3四半期299億75百万円、第4四半期286億82百万円、営業利益が9億25百万円、17億48百万円、17億29百万円、12億65百万円で、16年3月期は売上高が278億04百万円、294億07百万円、303億24百万円、273億59百万円、営業利益が16億49百万円、24億71百万円、33億08百万円、18億50百万円だった。

 販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する収益構造である。なお16年3月期から、有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更した。

 16年3月期は高付加価値製品拡販によるプロダクトミックス改善、国内における原料価格と販売価格の差であるスプレッドの適正水準への回復、償却方法変更による減価償却費の減少、海外事業における販売数量増加、ドル高・円安に伴う円換算額増加などで大幅増益だった。営業利益、経常利益、純利益とも過去最高を更新した。

 売上総利益は15年3月期比18.1%増加し、売上総利益率は29.5%で同5.0ポイント上昇した。販管費は同6.9%増加し、販管費比率は21.4%で同1.7ポイント上昇した。なお営業利益増減分析は、増益要因が原料単価下落63億88百万円、原料以外の製造変動費減少16億円、数量増による限界利益増加96百万円、減益要因が販売単価下落22億77百万円、固定費増加(円安による円換算額増加、償却費減少を含む)21億71百万円、その他変動費増加25百万円としている。

 営業外では為替差損益が悪化した。特別利益では新工場建設に伴う補助金収入を計上し、特別損失ではドイツの孫会社などの事業構造改革費用を計上した。ROEは8.9%で同2.4ポイント上昇、自己資本比率は59.0%で同3.0ポイント上昇した。配当は同10円増配の年間40円(第2四半期末15円、期末25円)で配当性向は20.2%だった。利益配分については安定した配当を重視するとともに、各事業年度の連結業績と将来の事業展開に必要な内部留保の充実などを勘案しながら総合的に決定する方針としている。

 セグメント別に見ると、押出事業は売上高が同4.1%減の382億89百万円で営業利益(連結調整前)が同2.0倍の27億55百万円、ビーズ事業は売上高が同0.8%増の708億65百万円で営業利益が同53.2%増の74億36百万円、その他は売上高が同13.8%減の57億49百万円で営業利益が同71.2%減の17百万円だった。

■17年3月期第3四半期累計は減収だが営業増益

 前期(17年3月期)第3四半期累計(4〜12月)連結業績は、売上高が前年同期比6.4%減の819億52百万円だが、営業利益が同5.8%増の78億57百万円、経常利益が同12.3%増の81億44百万円、純利益が同20.0%増の62億51百万円だった。製品価格改定の影響、円高による海外事業の円換算額減少などで減収だったが、販売数量の増加、原材料安の継続、自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の好調で営業増益だった。

 売上総利益は同1.3%増加し、売上総利益率は31.7%で同2.4ポイント上昇した。販管費は同0.6%減少したが、販管費比率は22.1%で同1.3ポイント上昇した。営業外費用では為替差損益が改善(前期は差損4億62百万円、今期は差益15百万円)した。特別利益では前期計上の補助金収入3億01百万円が一巡したが、特別損失では前期計上の事業構造改革費用4億11百万円が一巡した。

 セグメント別に見ると、押出事業は売上高が同1.2%減の287億96百万円だったが、営業利益(連結調整前)が同10.4%増の25億17百万円だった。産業用包材「ミラマット」は高付加価値製品が好調だった。建築・土木関連「ミラフォーム」は建築分野で高断熱製品、土木分野で東北復興需要が好調だった。全体として製品価格が低下して減収だが、販売数量の増加、高付加価値製品の増加、製造コスト低下などで増益だった。

 ビーズ事業は売上高が同9.6%減の488億49百万円だったが、営業利益が同2.0%増の59億29百万円だった。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」がバンパーコア材・内装材・シートコア材などの自動車部品、住宅設備向け部材、IT製品輸送用通い函、家電製品用緩衝材、競技用グラウンド基礎緩衝材に使用され、自動車の新規部品の採用拡大や新規分野への拡販で好調に推移した。全体として製品価格低下や円高による海外事業の円換算額減少で減収だが、販売数量増加や原材料安で増益だった。

 その他は売上高が同0.9%減の43億07百万円で営業利益が同8.3倍の1億24百万円だった。国内梱包材需要減少と円高影響で減収だが、国内における合理化と中国における新製品拡販で増益だった。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期268億35百万円、第2四半期277億52百万円、第3四半期273億65百万円、営業利益は22億72百万円、27億28百万円、28億57百万円だった。

■17年3月期利益予想に増額余地、18年3月期収益拡大

 前期(17年3月期)通期の連結業績予想(10月28日に売上高を減額、利益を据え置き)は、売上高が前々期(16年3月期)比6.0%減の1080億円、営業利益が同3.0%減の90億円、経常利益が同0.0%減の91億円、そして純利益が同4.8%増の62億円としている。配当予想は前々期と同額の年間40円(第2四半期末20円、期末20円)で、推定配当性向は19.2%となる。

 国内は全体として堅調だが、海外は円高・販売数量減少影響で減益見込としている。下期の前提は為替レートが1米ドル=103円50銭、1ユーロ=114円80銭、原油価格(ドバイ)が1バーレル=49米ドルとしている。

 セグメント別の計画は、押出事業の売上高が同1.7%減の376億49百万円で営業利益(連結調整前)が同6.0%増の29億19百万円、ビーズ事業の売上高が同8.9%減の645億37百万円、営業利益が同6.8%減の69億28百万円とした。

 なお12年9月24日に公正取引委員会から、EPS土木工法において使用される発泡スチロールブロックの販売に関して、独占禁止法第3条の規定に違反する行為があったとして排除措置命令および課徴金納付命令を受けた件に関して、2月8日付で当社の審判請求を棄却する旨の審決書の送達を受けた。この公正取引委員会審決への対応として、2月13日開催の取締役会において審決取消訴訟を提起しないことを決議した。本審決を厳粛に受け止め、今後も引き続きコンプライアンス体制の強化に努めるとしている。なお本件に関わる課徴金については、12年度において特別損失として計上しているため、17年3月期業績に与える影響はないとしている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.9%、営業利益が87.3%、経常利益が89.5%、純利益が100.8%と高水準である。自動車部品用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販に加えて、円安進行もプラス要因だ。通期利益予想に増額余地がありそうだ。そして今期(18年3月期)も収益拡大が期待される。

■中期経営計画で18年3月期営業利益率6.5%以上目標

 15年5月策定の新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業では高収益体質へのシフトを加速する。海外事業では「ピーブロック」の拠点拡大・能力増強の推進、および「ピーブロック」に次ぐ第2の柱の育成を目指す。3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は調整一巡して戻り試す

 株価の動きを見ると、3月の戻り高値圏2700円近辺から反落し、4月以降の地合い悪化も影響して4月7日に2462円まで調整した。ただし2400円台で下げ渋り、調整一巡感を強めている。

 4月11日の終値2532円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS207円97銭で算出)は12〜13倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は1.6%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS2277円32銭で算出)は1.1倍近辺である。時価総額は約795億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、調整一巡して戻りを試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月03日更新]

JSPは自律調整一巡して16年12月高値試す、17年3月期利益予想に増額余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品専業の大手である。自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。17年3月期営業減益予想だが、第3四半期累計は営業増益だった。高付加価値製品の好調や円安進行などで通期利益予想に増額余地がありそうだ。株価は自律調整が一巡して切り返す動きだ。16年12月高値を試す展開が期待される。

■発泡プラスチック製品専業大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品専業の大手である。15年3月、TOBによって三菱瓦斯化学<4182>の連結子会社となった。

 押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。16年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業33%、ビーズ事業62%、その他5%だった。

■高機能・高付加価値製品の拡販推進、自動車用「ピーブロック」の生産拡大

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。

 自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。トヨタ自動車<7203>の新型プリウスのスペアタイヤ収納部およびツールボックスに採用(16年秋)され、リアシートコア材への採用も予定されるなど国内外で採用車種が拡がっている。国内生産については14年4月、新工場として北九州工場が生産を開始し、国内は栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 16年11月には三重県四日市市の「ピーブロック」成型工場を増設すると発表した。投資額は約18億円で、18年12月に増設部分の完工を予定している。

 海外でも中国およびタイに新工場を建設して「ピーブロック」の生産能力を増強している。生産開始時期は中国・長春が16年6月、中国・武漢が17年1月予定、タイが16年3月である。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造4拠点目となる。また16年10月、中国・東莞工場内に技術開発センターを設立した。

 インドにおける「ピーブロック」生産は工場建設を17年3月期以降に延期している。また16年7月には欧州における「ピーブロック」需要拡大に対応するため、生産能力を増強すると発表した。約26億円を投じ、欧州における生産能力を年産2万6500トンから年産3万7000トンに増強する。

 戸建住宅・マンション断熱材用発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」については16年5月、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場を建設すると発表した。18年11月完成予定で投資額は約40億円である。20年省エネルギー基準への適合義務化に向けて需要増加が見込まれるため、中部・西日本地区における生産体制を強化する。

■高機能新製品の開発を推進

 15年1月米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート「integxion(インテグション)」事業に参入し、米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。16年10月予定で能力を増強する。

 さらに高機能新製品として、多層化技術を用いた高性能発泡ポリエチレンシート「xealogic(シーロジック)」、植物由来のポリ乳酸発泡ビーズ・発泡体「LACTIF」、各種樹脂・金属・無機機材と発泡体との複合体「ACTech(ACテック)」、極めて高い光反射率の超微細発泡シート、防蟻剤なしでシロアリに浸食されない唯一の発泡プラスチック断熱材「ミラポリカフォーム」、シューズメーカーの要求性能に対応した柔軟性発泡体、ポリエチレン/ポリスチレン共重合ビーズ「エレンポールNEO」などの開発・用途拡大を推進している。

■プロダクトミックス改善も寄与して増益基調

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期283億77百万円、第2四半期298億89百万円、第3四半期299億75百万円、第4四半期286億82百万円、営業利益が9億25百万円、17億48百万円、17億29百万円、12億65百万円で、16年3月期は売上高が278億04百万円、294億07百万円、303億24百万円、273億59百万円、営業利益が16億49百万円、24億71百万円、33億08百万円、18億50百万円だった。

 販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する収益構造である。なお16年3月期から、有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更した。

 16年3月期は高付加価値製品拡販によるプロダクトミックス改善、国内における原料価格と販売価格の差であるスプレッドの適正水準への回復、償却方法変更による減価償却費の減少、海外事業における販売数量増加、ドル高・円安に伴う円換算額増加などで大幅増益だった。営業利益、経常利益、純利益とも過去最高を更新した。

 売上総利益は15年3月期比18.1%増加し、売上総利益率は29.5%で同5.0ポイント上昇した。販管費は同6.9%増加し、販管費比率は21.4%で同1.7ポイント上昇した。なお営業利益増減分析は、増益要因が原料単価下落63億88百万円、原料以外の製造変動費減少16億円、数量増による限界利益増加96百万円、減益要因が販売単価下落22億77百万円、固定費増加(円安による円換算額増加、償却費減少を含む)21億71百万円、その他変動費増加25百万円としている。

 営業外では為替差損益が悪化した。特別利益では新工場建設に伴う補助金収入を計上し、特別損失ではドイツの孫会社などの事業構造改革費用を計上した。ROEは8.9%で同2.4ポイント上昇、自己資本比率は59.0%で同3.0ポイント上昇した。配当は同10円増配の年間40円(第2四半期末15円、期末25円)で配当性向は20.2%だった。利益配分については安定した配当を重視するとともに、各事業年度の連結業績と将来の事業展開に必要な内部留保の充実などを勘案しながら総合的に決定する方針としている。

 セグメント別に見ると、押出事業は売上高が同4.1%減の382億89百万円で営業利益(連結調整前)が同2.0倍の27億55百万円、ビーズ事業は売上高が同0.8%増の708億65百万円で営業利益が同53.2%増の74億36百万円、その他は売上高が同13.8%減の57億49百万円で営業利益が同71.2%減の17百万円だった。

■17年3月期第3四半期累計は減収だが営業増益

 今期(17年3月期)第3四半期累計(4〜12月)連結業績は、売上高が前年同期比6.4%減の819億52百万円だが、営業利益が同5.8%増の78億57百万円、経常利益が同12.3%増の81億44百万円、純利益が同20.0%増の62億51百万円だった。製品価格改定の影響、円高による海外事業の円換算額減少などで減収だったが、販売数量の増加、原材料安の継続、自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の好調で営業増益だった。

 売上総利益は同1.3%増加し、売上総利益率は31.7%で同2.4ポイント上昇した。販管費は同0.6%減少したが、販管費比率は22.1%で同1.3ポイント上昇した。営業外費用では為替差損益が改善(前期は差損4億62百万円、今期は差益15百万円)した。特別利益では前期計上の補助金収入3億01百万円が一巡したが、特別損失では前期計上の事業構造改革費用4億11百万円が一巡した。

 セグメント別に見ると、押出事業は売上高が同1.2%減の287億96百万円だったが、営業利益(連結調整前)が同10.4%増の25億17百万円だった。産業用包材「ミラマット」は高付加価値製品が好調だった。建築・土木関連「ミラフォーム」は建築分野で高断熱製品、土木分野で東北復興需要が好調だった。全体として製品価格が低下して減収だが、販売数量の増加、高付加価値製品の増加、製造コスト低下などで増益だった。

 ビーズ事業は売上高が同9.6%減の488億49百万円だったが、営業利益が同2.0%増の59億29百万円だった。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」がバンパーコア材・内装材・シートコア材などの自動車部品、住宅設備向け部材、IT製品輸送用通い函、家電製品用緩衝材、競技用グラウンド基礎緩衝材に使用され、自動車の新規部品の採用拡大や新規分野への拡販で好調に推移した。全体として製品価格低下や円高による海外事業の円換算額減少で減収だが、販売数量増加や原材料安で増益だった。

 その他は売上高が同0.9%減の43億07百万円で営業利益が同8.3倍の1億24百万円だった。国内梱包材需要減少と円高影響で減収だが、国内における合理化と中国における新製品拡販で増益だった。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期268億35百万円、第2四半期277億52百万円、第3四半期273億65百万円、営業利益は22億72百万円、27億28百万円、28億57百万円だった。

■17年3月期通期は営業減益予想だが、利益予想に増額余地

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想(10月28日に売上高を減額、利益を据え置き)は、売上高が前期(16年3月期)比6.0%減の1080億円、営業利益が同3.0%減の90億円、経常利益が同0.0%減の91億円、そして純利益が同4.8%増の62億円としている。配当予想は前期と同額の年間40円(第2四半期末20円、期末20円)で、予想配当性向は19.2%となる。

 国内は全体として堅調だが、海外は円高・販売数量減少影響で減益見込としている。下期の前提は為替レートが1米ドル=103円50銭、1ユーロ=114円80銭、原油価格(ドバイ)が1バーレル=49米ドルとしている。

 セグメント別の計画は、押出事業の売上高が同1.7%減の376億49百万円で営業利益(連結調整前)が同6.0%増の29億19百万円、ビーズ事業の売上高が同8.9%減の645億37百万円、営業利益が同6.8%減の69億28百万円とした。

 なお12年9月24日に公正取引委員会から、EPS土木工法において使用される発泡スチロールブロックの販売に関して、独占禁止法第3条の規定に違反する行為があったとして排除措置命令および課徴金納付命令を受けた件に関して、2月8日付で当社の審判請求を棄却する旨の審決書の送達を受けた。この公正取引委員会審決への対応として、2月13日開催の取締役会において審決取消訴訟を提起しないことを決議した。本審決を厳粛に受け止め、今後も引き続きコンプライアンス体制の強化に努めるとしている。なお本件に関わる課徴金については、12年度において特別損失として計上しているため、17年3月期業績に与える影響はないとしている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.9%、営業利益が87.3%、経常利益が89.5%、純利益が100.8%と高水準である。自動車部品用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販に加えて、円安進行もプラス要因だ。通期利益予想に増額余地がありそうだ。

■中期経営計画で18年3月期営業利益率6.5%以上目標

 15年5月策定の新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業では高収益体質へのシフトを加速する。海外事業では「ピーブロック」の拠点拡大・能力増強の推進、および「ピーブロック」に次ぐ第2の柱の育成を目指す。3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は自律調整一巡して16年12月高値試す

 株価の動きを見ると、16年12月高値2908円から反落して調整局面だったが、公正取引委員会の審決に対するネガティブ反応は見られず、2月上旬の直近安値圏2500円近辺から切り返す動きだ。自律調整が一巡したようだ。

 3月2日の終値2695円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS207円97銭で算出)は13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は1.5%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2277円32銭で算出)は1.2倍近辺である。時価総額は約847億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を突破した。また週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返してサポートラインを確認した形だ。自律調整が一巡して16年12月高値2908円を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月08更新]

JSPは17年3月期第3四半期累計営業増益、通期利益予想に増額余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品専業の大手である。自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。1月31日発表した17年3月期第3四半期累計連結業績は営業増益だった。通期は営業減益予想だが、高付加価値製品の好調や円安進行などで通期利益予想に増額余地がありそうだ。株価は調整一巡して16年12月高値を試す展開が期待される。

■発泡プラスチック製品専業大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品専業の大手である。15年3月、TOBによって三菱瓦斯化学<4182>の連結子会社となった。

 押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。16年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業33%、ビーズ事業62%、その他5%だった。

■高機能・高付加価値製品の拡販推進、自動車用「ピーブロック」の生産拡大

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。

 自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。トヨタ自動車<7203>の新型プリウスのスペアタイヤ収納部およびツールボックスに採用(16年秋)され、リアシートコア材への採用も予定されるなど国内外で採用車種が拡がっている。国内生産については14年4月、新工場として北九州工場が生産を開始し、国内は栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 16年11月には三重県四日市市の「ピーブロック」成型工場を増設すると発表した。投資額は約18億円で、18年12月に増設部分の完工を予定している。

 海外でも中国およびタイに新工場を建設して「ピーブロック」の生産能力を増強している。生産開始時期は中国・長春が16年6月、中国・武漢が17年1月予定、タイが16年3月である。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造4拠点目となる。また16年10月、中国・東莞工場内に技術開発センターを設立した。

 インドにおける「ピーブロック」生産は工場建設を17年3月期以降に延期している。また16年7月には欧州における「ピーブロック」需要拡大に対応するため、生産能力を増強すると発表した。約26億円を投じ、欧州における生産能力を年産2万6500トンから年産3万7000トンに増強する。

 戸建住宅・マンション断熱材用発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」については16年5月、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場を建設すると発表した。18年11月完成予定で投資額は約40億円である。20年省エネルギー基準への適合義務化に向けて需要増加が見込まれるため、中部・西日本地区における生産体制を強化する。

■高機能新製品の開発を推進

 15年1月米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート「integxion(インテグション)」事業に参入し、米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。16年10月予定で能力を増強する。

 さらに高機能新製品として、多層化技術を用いた高性能発泡ポリエチレンシート「xealogic(シーロジック)」、植物由来のポリ乳酸発泡ビーズ・発泡体「LACTIF」、各種樹脂・金属・無機機材と発泡体との複合体「ACTech(ACテック)」、極めて高い光反射率の超微細発泡シート、防蟻剤なしでシロアリに浸食されない唯一の発泡プラスチック断熱材「ミラポリカフォーム」、シューズメーカーの要求性能に対応した柔軟性発泡体、ポリエチレン/ポリスチレン共重合ビーズ「エレンポールNEO」などの開発・用途拡大を推進している。

■プロダクトミックス改善も寄与して増益基調

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期283億77百万円、第2四半期298億89百万円、第3四半期299億75百万円、第4四半期286億82百万円、営業利益が9億25百万円、17億48百万円、17億29百万円、12億65百万円で、16年3月期は売上高が278億04百万円、294億07百万円、303億24百万円、273億59百万円、営業利益が16億49百万円、24億71百万円、33億08百万円、18億50百万円だった。

 販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する収益構造である。なお16年3月期から、有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更した。

 16年3月期は高付加価値製品拡販によるプロダクトミックス改善、国内における原料価格と販売価格の差であるスプレッドの適正水準への回復、償却方法変更による減価償却費の減少、海外事業における販売数量増加、ドル高・円安に伴う円換算額増加などで大幅増益だった。営業利益、経常利益、純利益とも過去最高を更新した。

 売上総利益は15年3月期比18.1%増加し、売上総利益率は29.5%で同5.0ポイント上昇した。販管費は同6.9%増加し、販管費比率は21.4%で同1.7ポイント上昇した。なお営業利益増減分析は、増益要因が原料単価下落63億88百万円、原料以外の製造変動費減少16億円、数量増による限界利益増加96百万円、減益要因が販売単価下落22億77百万円、固定費増加(円安による円換算額増加、償却費減少を含む)21億71百万円、その他変動費増加25百万円としている。

 営業外では為替差損益が悪化した。特別利益では新工場建設に伴う補助金収入を計上し、特別損失ではドイツの孫会社などの事業構造改革費用を計上した。ROEは8.9%で同2.4ポイント上昇、自己資本比率は59.0%で同3.0ポイント上昇した。配当は同10円増配の年間40円(第2四半期末15円、期末25円)で配当性向は20.2%だった。利益配分については安定した配当を重視するとともに、各事業年度の連結業績と将来の事業展開に必要な内部留保の充実などを勘案しながら総合的に決定する方針としている。

 セグメント別に見ると、押出事業は売上高が同4.1%減の382億89百万円で営業利益(連結調整前)が同2.0倍の27億55百万円、ビーズ事業は売上高が同0.8%増の708億65百万円で営業利益が同53.2%増の74億36百万円、その他は売上高が同13.8%減の57億49百万円で営業利益が同71.2%減の17百万円だった。

■17年3月期第3四半期累計は減収だが営業増益

 1月31日発表した今期(17年3月期)第3四半期累計(4〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比6.4%減の819億52百万円だったが、営業利益が同5.8%増の78億57百万円、経常利益が同12.3%増の81億44百万円、純利益が同20.0%増の62億51百万円だった。製品価格改定の影響、円高による海外事業の円換算額減少などで減収だったが、販売数量の増加、原材料安の継続、自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の好調で営業増益だった。

 売上総利益は同1.3%増加し、売上総利益率は31.7%で同2.4ポイント上昇した。販管費は同0.6%減少したが、販管費比率は22.1%で同1.3ポイント上昇した。営業外費用では為替差損益が改善(前期は差損4億62百万円、今期は差益15百万円)した。特別利益では前期計上の補助金収入3億01百万円が一巡したが、特別損失では前期計上の事業構造改革費用4億11百万円が一巡した。

 セグメント別に見ると、押出事業は売上高が同1.2%減の287億96百万円だったが、営業利益(連結調整前)が同10.4%増の25億17百万円だった。産業用包材「ミラマット」は高付加価値製品が好調だった。建築・土木関連「ミラフォーム」は建築分野で高断熱製品、土木分野で東北復興需要が好調だった。全体として製品価格が低下して減収だが、販売数量の増加、高付加価値製品の増加、製造コスト低下などで増益だった。

 ビーズ事業は売上高が同9.6%減の488億49百万円だったが、営業利益が同2.0%増の59億29百万円だった。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」がバンパーコア材・内装材・シートコア材などの自動車部品、住宅設備向け部材、IT製品輸送用通い函、家電製品用緩衝材、競技用グラウンド基礎緩衝材に使用され、自動車の新規部品の採用拡大や新規分野への拡販で好調に推移した。全体として製品価格低下や円高による海外事業の円換算額減少で減収だが、販売数量増加や原材料安で増益だった。

 その他は売上高が同0.9%減の43億07百万円で営業利益が同8.3倍の1億24百万円だった。国内梱包材需要減少と円高影響で減収だが、国内における合理化と中国における新製品拡販で増益だった。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期268億35百万円、第2四半期277億52百万円、第3四半期273億65百万円、営業利益は22億72百万円、27億28百万円、28億57百万円だった。

■17年3月期通期は営業減益予想だが、利益予想に増額余地

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想は前回予想(10月28日に売上高を減額、利益を据え置き)を据え置き、売上高が前期(16年3月期)比6.0%減の1080億円、営業利益が同3.0%減の90億円、経常利益が同0.0%減の91億円、そして純利益が同4.8%増の62億円としている。配当予想は前期と同額の年間40円(第2四半期末20円、期末20円)で、予想配当性向は19.2%となる。

 国内は全体として堅調だが、海外は円高・販売数量減少影響で減益見込としている。下期の前提は為替レートが1米ドル=103円50銭、1ユーロ=114円80銭、原油価格(ドバイ)が1バーレル=49米ドルとしている。

 セグメント別の計画は、押出事業の売上高が同1.7%減の376億49百万円で営業利益(連結調整前)が同6.0%増の29億19百万円、ビーズ事業の売上高が同8.9%減の645億37百万円、営業利益が同6.8%減の69億28百万円とした。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.9%、営業利益が87.3%、経常利益が89.5%、純利益が100.8%と高水準である。自動車部品用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販に加えて、円安進行もプラス要因だ。通期利益予想に増額余地がありそうだ。

■中期経営計画で18年3月期営業利益率6.5%以上目標

 15年5月策定の新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業では高収益体質へのシフトを加速する。海外事業では「ピーブロック」の拠点拡大・能力増強の推進、および「ピーブロック」に次ぐ第2の柱の育成を目指す。3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は調整一巡して16年12月高値試す

 株価の動きを見ると、16年12月高値2908円から反落して調整局面だ。第3四半期累計業績にもネガティブ反応となり、2月7日には2490円まで調整する場面があった。ただし売られ過ぎ感を強めている。

 2月7日の終値2507円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS207円97銭で算出)は12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は1.6%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2277円32銭で算出)は1.1倍近辺である。時価総額は約788億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込んだが、26週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。指標面に割高感はなく、調整一巡して16年12月高値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月20日更新]

JSPは高付加価値製品好調で17年3月期利益予想に増額余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品専業の大手である。自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。17年3月期は高付加価値製品の好調や円安進行などで通期利益予想に増額余地がありそうだ。株価は自律調整一巡して16年12月高値を試す展開が期待される。

■発泡プラスチック製品専業大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品専業の大手である。15年3月、TOBによって三菱瓦斯化学<4182>の連結子会社となった。

 押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。16年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業33%、ビーズ事業62%、その他5%だった。

■高機能・高付加価値製品の拡販推進、自動車用「ピーブロック」の生産拡大

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。

 自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。トヨタ自動車<7203>の新型プリウスのスペアタイヤ収納部およびツールボックスに採用(16年秋)され、リアシートコア材への採用も予定されるなど国内外で採用車種が拡がっている。国内生産については14年4月、新工場として北九州工場が生産を開始し、国内は栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 16年11月には三重県四日市市の「ピーブロック」成型工場を増設すると発表した。投資額は約18億円で、18年12月に増設部分の完工を予定している。

 海外でも中国およびタイに新工場を建設して「ピーブロック」の生産能力を増強している。生産開始時期は中国・長春が16年6月、中国・武漢が17年1月予定、タイが16年3月である。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造4拠点目となる。また16年10月、中国・東莞工場内に技術開発センターを設立した。

 インドにおける「ピーブロック」生産は工場建設を17年3月期以降に延期している。また16年7月には欧州における「ピーブロック」需要拡大に対応するため、生産能力を増強すると発表した。約26億円を投じ、欧州における生産能力を年産2万6500トンから年産3万7000トンに増強する。

 戸建住宅・マンション断熱材用発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」については16年5月、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場を建設すると発表した。18年11月完成予定で投資額は約40億円である。20年省エネルギー基準への適合義務化に向けて需要増加が見込まれるため、中部・西日本地区における生産体制を強化する。

■高機能新製品の開発を推進

 15年1月米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート「integxion(インテグション)」事業に参入し、米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。16年10月予定で能力を増強する。

 さらに高機能新製品として、多層化技術を用いた高性能発泡ポリエチレンシート「xealogic(シーロジック)」、植物由来のポリ乳酸発泡ビーズ・発泡体「LACTIF」、各種樹脂・金属・無機機材と発泡体との複合体「ACTech(ACテック)」、極めて高い光反射率の超微細発泡シート、防蟻剤なしでシロアリに浸食されない唯一の発泡プラスチック断熱材「ミラポリカフォーム」、シューズメーカーの要求性能に対応した柔軟性発泡体、ポリエチレン/ポリスチレン共重合ビーズ「エレンポールNEO」などの開発・用途拡大を推進している。

■プロダクトミックス改善も寄与して増益基調

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期283億77百万円、第2四半期298億89百万円、第3四半期299億75百万円、第4四半期286億82百万円、営業利益が9億25百万円、17億48百万円、17億29百万円、12億65百万円で、16年3月期は売上高が278億04百万円、294億07百万円、303億24百万円、273億59百万円、営業利益が16億49百万円、24億71百万円、33億08百万円、18億50百万円だった。

 販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する収益構造である。なお16年3月期から、有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更した。

 16年3月期は高付加価値製品拡販によるプロダクトミックス改善、国内における原料価格と販売価格の差であるスプレッドの適正水準への回復、償却方法変更による減価償却費の減少、海外事業における販売数量増加、ドル高・円安に伴う円換算額増加などで大幅増益だった。営業利益、経常利益、純利益とも過去最高を更新した。

 売上総利益は15年3月期比18.1%増加し、売上総利益率は29.5%で同5.0ポイント上昇した。販管費は同6.9%増加し、販管費比率は21.4%で同1.7ポイント上昇した。なお営業利益増減分析は、増益要因が原料単価下落63億88百万円、原料以外の製造変動費減少16億円、数量増による限界利益増加96百万円、減益要因が販売単価下落22億77百万円、固定費増加(円安による円換算額増加、償却費減少を含む)21億71百万円、その他変動費増加25百万円としている。

 営業外では為替差損益が悪化した。特別利益では新工場建設に伴う補助金収入を計上し、特別損失ではドイツの孫会社などの事業構造改革費用を計上した。ROEは8.9%で同2.4ポイント上昇、自己資本比率は59.0%で同3.0ポイント上昇した。配当は同10円増配の年間40円(第2四半期末15円、期末25円)で配当性向は20.2%だった。利益配分については安定した配当を重視するとともに、各事業年度の連結業績と将来の事業展開に必要な内部留保の充実などを勘案しながら総合的に決定する方針としている。

 セグメント別に見ると、押出事業は売上高が同4.1%減の382億89百万円で営業利益(連結調整前)が同2.0倍の27億55百万円、ビーズ事業は売上高が同0.8%増の708億65百万円で営業利益が同53.2%増の74億36百万円、その他は売上高が同13.8%減の57億49百万円で営業利益が同71.2%減の17百万円だった。

■17年3月期第2四半期累計は計画超の大幅増益

 今期(17年3月期)第2四半期累計(4〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比4.6%減の545億87百万円だったが、営業利益が同21.4%増の50億円、経常利益が同22.5%増の50億31百万円、そして純利益が同32.7%増の38億20百万円だった。円高影響などで売上高は計画を下回ったが、販売数量の増加、原料価格の安定、さらに自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の好調で計画超の大幅増益だった。

 売上総利益は同5.6%増加し、売上総利益率は31.4%で同3.1ポイント上昇した。販管費は同0.2%増加し、販管費比率は22.2%で同1.1ポイント上昇した。営業外費用では為替差損が減少(前期1億85百万円、今期74百万円)した。特別利益では前期計上の補助金収入3億01百万円が一巡し、特別損失では前期計上の事業構造改革費用3億88百万円が一巡した。

 なお営業利益増減(8億80百万円増益)分析については、増益要因が原料単価下落28億28百万円、原料以外の製造変動費削減8億07百万円、その他変動費削減4億20百万円、数量増による限界利益増加5億32百万円、固定費削減1億97百万円、減益要因が販売単価下落39億04百万円としている。

 セグメント別に見ると、押出事業は売上高が同1.5%増の187億92百万円で、営業利益(連結調整前)が同27.8%増の15億15百万円だった。産業用包材「ミラマット」は高付加価値製品が好調だった。建築・土木関連「ミラフォーム」は土木分野で東北復興事業物件を受注した。食品用包材「スチレンペーパー」は製品価格低下で減収だが、コンビニ向け容器を中心に数量は増加した。全体として製品価格が低下したが、販売数量の増加、高付加価値製品の増加、製造コスト低下などで大幅増益だった。

 ビーズ事業は売上高が同8.0%減の330億11百万円だったが、営業利益が同14.7%増の38億92百万円だった。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」がバンパー材・内装材・シートコア材などの自動車部品、住宅設備向け部材、IT製品輸送用通い函、家電製品用緩衝材、競技用グラウンド基礎緩衝材に使用され、自動車の新規部品の採用拡大や新規分野への拡販で好調に推移した。製品価格低下や円高による外貨円換算額の減少で売上高は減少したが、販売数量増加や原材料安で大幅増益だった。

 その他は売上高が同2.3%減の27億84百万円、営業利益が68百万円(前年同期は18百万円の赤字)だった。国内梱包材需要減少と円高影響で減収だが、コスト低減と原料価格安定で増益だった。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期268億35百万円、第2四半期277億52百万円、営業利益は22億72百万円、27億28百万円だった。

■17年3月期通期の利益予想に増額余地

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想(10月28日に売上高を減額、利益を据え置き)は、売上高が前期(16年3月期)比6.0%減の1080億円、営業利益が同3.0%減の90億円、経常利益が同0.0%減の91億円、そして純利益が同4.8%増の62億円としている。配当予想は前期と同額の年間40円(第2四半期末20円、期末20円)で予想配当性向は19.2%となる。

 国内は全体として堅調だが、海外は円高・販売数量減少影響で減益見込としている。下期の前提は為替レートが1米ドル=103円50銭、1ユーロ=114円80銭、原油価格(ドバイ)が1バーレル=49米ドルとしている。

 セグメント別の計画は、押出事業の売上高が同1.7%減の376億49百万円で営業利益(連結調整前)が同6.0%増の29億19百万円、ビーズ事業の売上高が同8.9%減の645億37百万円、営業利益が同6.8%減の69億28百万円とした。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.5%、営業利益が55.6%、経常利益が55.3%、純利益が61.6%と高水準である。自動車部品用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販に加えて、足元の円安進行もプラス要因だ。通期利益予想に増額余地がありそうだ。

■中期経営計画で18年3月期営業利益率6.5%以上目標

 15年5月策定の新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業では高収益体質へのシフトを加速する。海外事業では「ピーブロック」の拠点拡大・能力増強の推進、および「ピーブロック」に次ぐ第2の柱の育成を目指す。3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は自律調整一巡して16年12月高値試す

 株価の動きを見ると、16年12月高値2908円から利益確定売りで一旦反落したが、2600円近辺から切り返しの動きを強めている。そして自律調整一巡感を強めている。

 1月19日の終値2703円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS207円97銭で算出)は13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は1.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2277円32銭で算出)は1.2倍近辺である。時価総額は約849億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から切り返す動きだ。サポートラインを確認した形だろう。指標面に割高感はなく、自律調整一巡して16年12月高値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月24日更新]

JSPは15年高値に接近、17年3月期第2四半期累計が計画超の大幅増益で通期利益に増額余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品専業の大手である。自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。17年3月期第2四半期累計は計画超の大幅増益だった。通期予想は売上高を減額して利益を据え置いたが、高付加価値製品の拡販や円安進行などで利益増額余地がありそうだ。株価は年初来高値更新の展開で15年11月高値に接近している。指標面に割高感はなく、好業績を評価して上値を試す展開だろう。

■発泡プラスチック製品専業大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品専業の大手である。三菱瓦斯化学<4182>がTOBを実施し、15年3月に同社の連結子会社となった。

 押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。16年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業33%、ビーズ事業62%、その他5%だった。

■高機能・高付加価値製品の拡販推進、自動車用「ピーブロック」の生産拡大

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。

 自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。トヨタ自動車<7203>の新型プリウスのスペアタイヤ収納部およびツールボックスに採用(16年秋)され、リアシートコア材への採用も予定されるなど国内外で採用車種が拡がっている。国内生産については14年4月、新工場として北九州工場が生産を開始し、国内は栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 11月16日には三重県四日市市の「ピーブロック」成型工場を増設すると発表した。投資額は約18億円で、18年12月に増設部分の完工を予定している。

 海外でも中国およびタイに新工場を建設して「ピーブロック」の生産能力を増強している。生産開始時期は中国・長春が16年6月、中国・武漢が17年1月予定、タイが16年3月である。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造4拠点目となる。また16年10月、中国・東莞工場内に技術開発センターを設立した。

 インドにおける「ピーブロック」生産は工場建設を17年3月期以降に延期している。また16年7月には欧州における「ピーブロック」需要拡大に対応するため、生産能力を増強すると発表した。約26億円を投じ、欧州における生産能力を年産2万6500トンから年産3万7000トンに増強する。

 戸建住宅・マンション断熱材用発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」については16年5月、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場を建設すると発表した。18年11月完成予定で投資額は約40億円である。20年省エネルギー基準への適合義務化に向けて需要増加が見込まれるため、中部・西日本地区における生産体制を強化する。

■高機能新製品の開発を推進

 15年1月米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート「integxion(インテグション)」事業に参入し、米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。16年10月予定で能力を増強する。

 さらに高機能新製品として、多層化技術を用いた高性能発泡ポリエチレンシート「xealogic(シーロジック)」、植物由来のポリ乳酸発泡ビーズ・発泡体「LACTIF」、各種樹脂・金属・無機機材と発泡体との複合体「ACTech(ACテック)」、極めて高い光反射率の超微細発泡シート、防蟻剤なしでシロアリに浸食されない唯一の発泡プラスチック断熱材「ミラポリカフォーム」、シューズメーカーの要求性能に対応した柔軟性発泡体、ポリエチレン/ポリスチレン共重合ビーズ「エレンポールNEO」などの開発・用途拡大を推進している。

■プロダクトミックス改善などで増益基調

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期283億77百万円、第2四半期298億89百万円、第3四半期299億75百万円、第4四半期286億82百万円、営業利益が9億25百万円、17億48百万円、17億29百万円、12億65百万円で、16年3月期は売上高が278億04百万円、294億07百万円、303億24百万円、273億59百万円、営業利益が16億49百万円、24億71百万円、33億08百万円、18億50百万円だった。

 販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する収益構造である。なお16年3月期から、有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更した。

 16年3月期は高付加価値製品拡販によるプロダクトミックス改善、国内における原料価格と販売価格の差であるスプレッドの適正水準への回復、償却方法変更による減価償却費の減少、海外事業における販売数量増加、ドル高・円安に伴う円換算額増加などで大幅増益だった。営業利益、経常利益、純利益とも過去最高を更新した。

 売上総利益は15年3月期比18.1%増加し、売上総利益率は29.5%で同5.0ポイント上昇した。販管費は同6.9%増加し、販管費比率は21.4%で同1.7ポイント上昇した。なお営業利益増減分析は、増益要因が原料単価下落63億88百万円、原料以外の製造変動費減少16億円、数量増による限界利益増加96百万円、減益要因が販売単価下落22億77百万円、固定費増加(円安による円換算額増加、償却費減少を含む)21億71百万円、その他変動費増加25百万円としている。

 営業外では為替差損益が悪化した。特別利益では新工場建設に伴う補助金収入を計上し、特別損失ではドイツの孫会社などの事業構造改革費用を計上した。ROEは8.9%で同2.4ポイント上昇、自己資本比率は59.0%で同3.0ポイント上昇した。配当は同10円増配の年間40円(第2四半期末15円、期末25円)で配当性向は20.2%だった。利益配分については安定した配当を重視するとともに、各事業年度の連結業績と将来の事業展開に必要な内部留保の充実などを勘案しながら総合的に決定する方針としている。

 セグメント別に見ると、押出事業は売上高が同4.1%減の382億89百万円で営業利益(連結調整前)が同2.0倍の27億55百万円、ビーズ事業は売上高が同0.8%増の708億65百万円で営業利益が同53.2%増の74億36百万円、その他は売上高が同13.8%減の57億49百万円で営業利益が同71.2%減の17百万円だった。

■17年3月期第2四半期累計は計画超の大幅増益

 今期(17年3月期)第2四半期累計(4〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比4.6%減の545億87百万円だったが、営業利益が同21.4%増の50億円、経常利益が同22.5%増の50億31百万円、そして純利益が同32.7%増の38億20百万円だった。円高影響などで売上高は計画をやや下回る減収だったが、販売数量の増加、原料価格の安定、さらに自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の好調で計画超の大幅増益だった。

 売上総利益は同5.6%増加し、売上総利益率は31.4%で同3.1ポイント上昇した。販管費は同0.2%増加し、販管費比率は22.2%で同1.1ポイント上昇した。営業外費用では為替差損が減少(前期1億85百万円、今期74百万円)した。特別利益では前期計上の補助金収入3億01百万円が一巡し、特別損失では前期計上の事業構造改革費用3億88百万円が一巡した。

 なお営業利益増減(8億80百万円増益)分析については、増益要因が原料単価下落28億28百万円、原料以外の製造変動費削減8億07百万円、その他変動費削減4億20百万円、数量増による限界利益増加5億32百万円、固定費削減1億97百万円、減益要因が販売単価下落39億04百万円としている。

 セグメント別に見ると、押出事業は売上高が同1.5%増の187億92百万円で、営業利益(連結調整前)が同27.8%増の15億15百万円だった。産業用包材「ミラマット」は高付加価値製品が好調だった。建築・土木関連「ミラフォーム」は土木分野で東北復興事業物件を受注した。食品用包材「スチレンペーパー」は製品価格低下で減収だが、コンビニ向け容器を中心に数量は増加した。全体として製品価格が低下したが、販売数量の増加、高付加価値製品の増加、製造コスト低下などで大幅増益だった。

 ビーズ事業は売上高が同8.0%減の330億11百万円だったが、営業利益が同14.7%増の38億92百万円だった。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」がバンパー材・内装材・シートコア材などの自動車部品、住宅設備向け部材、IT製品輸送用通い函、家電製品用緩衝材、競技用グラウンド基礎緩衝材に使用され、自動車の新規部品の採用拡大や新規分野への拡販で好調に推移した。製品価格低下や円高による外貨円換算額の減少で売上高は減少したが、販売数量増加や原材料安で大幅増益だった。

 その他は売上高が同2.3%減の27億84百万円、営業利益が68百万円(前年同期は18百万円の赤字)だった。国内梱包材需要減少と円高影響で減収だが、コスト低減と原料価格安定で増益だった。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期268億35百万円、第2四半期277億52百万円、営業利益は22億72百万円、27億28百万円だった。

■17年3月期通期予想に増額余地

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想は10月28日、前回予想(4月28日公表)から売上高を50億円減額して売上高が前期(16年3月期)比6.0%減の1080億円とした。利益は据え置いて営業利益が同3.0%減の90億円、経常利益が同0.0%減の91億円、純利益が同4.8%増の62億円としている。配当予想は前期と同額の年間40円(第2四半期末20円、期末20円)で予想配当性向は19.2%となる。

 国内は全体として堅調だが、海外は円高・販売数量減少影響で減益見込としている。下期の前提は為替レートが1米ドル=103円50銭、1ユーロ=114円80銭、原油価格(ドバイ)が1バーレル=49米ドルとしている。セグメント別には組み替えて、押出事業の売上高が同1.7%減の376億49百万円で営業利益(連結調整前)が同6.0%増の29億19百万円、ビーズ事業の売上高が同8.9%減の645億37百万円、営業利益が同6.8%減の69億28百万円とした。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.5%、営業利益が55.6%、経常利益が55.3%、純利益が61.6%と高水準である。自動車部品用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販に加えて、足元の円安進行もプラス要因だ。通期予想に増額余地がありそうだ。

■中期経営計画で18年3月期営業利益率6.5%以上目標

 15年5月策定の新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業では高収益体質へのシフトを加速する。海外事業では「ピーブロック」の拠点拡大・能力増強の推進、および「ピーブロック」に次ぐ第2の柱の育成を目指す。3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は年初来高値更新の展開で15年11月高値に接近

 株価の動きを見ると年初来高値更新の展開だ。そして11月21日には2744円まで上伸して15年11月高値2763円に接近している。

 11月22日の終値2727円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS207円97銭で算出)は13〜14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は1.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2277円32銭で算出)は1.2倍近辺である。時価総額は約857億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドだ。指標面に割高感はなく、好業績を評価して上値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月21日更新]

JSPは戻り歩調に変化なし、17年3月期業績予想に上振れ余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品専業の大手である。自動車用「ピーブロック」や住宅用「ミラフォーム」など高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。17年3月期営業微減益予想だが、高付加価値製品の拡販進展などで上振れ余地がありそうだ。株価は戻り高値圏で上げ一服の形だが、戻り歩調に変化はなく2月の年初来高値を目指す展開だろう。

■発泡プラスチック製品専業大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品専業の大手である。三菱瓦斯化学<4182>がTOBを実施し、15年3月に同社の連結子会社となった。

 押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。16年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業33%、ビーズ事業62%、その他5%だった。

■高機能・高付加価値製品の拡販推進、自動車用「ピーブロック」の生産拡大

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。

 自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。トヨタ自動車<7203>の新型プリウスのスペアタイヤ収納部およびツールボックスに採用(16年秋)され、リアシートへの採用も予定されるなど国内外で採用車種が拡がっている。国内生産については14年4月、新工場として北九州工場が生産を開始し、国内は栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 海外でも中国およびタイに新工場を建設して「ピーブロック」の生産能力を増強している。生産開始時期は中国・長春が16年6月、中国・武漢が17年1月、タイが16年3月である。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造4拠点目となる。インドにおける「ピーブロック」生産は工場建設を17年3月期以降に延期している。16年7月には、欧州における「ピーブロック」需要拡大に対応するため、生産能力を増強すると発表した。約26億円を投じ、欧州における生産能力を年産2万6500トンから年産3万7000トンに増強する。

 戸建住宅・マンション断熱材用発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」については16年5月、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場を建設すると発表した。18年11月完成予定で投資額は約40億円である。20年省エネルギー基準への適合義務化に向けて需要増加が見込まれるため、中部・西日本地区における生産体制を強化する。

■高機能新製品の開発を推進

 15年1月米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート「integxion(インテグション)」事業に参入し、米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。16年10月予定で能力を増強する。

 さらに高機能新製品として、多層化技術を用いた高性能発泡ポリエチレンシート「xealogic(シーロジック)」、植物由来のポリ乳酸発泡ビーズ・発泡体「LACTIF」、各種樹脂・金属・無機機材と発泡体との複合体「ACTech(ACテック)」、極めて高い光反射率の超微細発泡シート、防蟻剤なしでシロアリに浸食されない唯一の発泡プラスチック断熱材「ミラポリカフォーム」、シューズメーカーの要求性能に対応した柔軟性発泡体、ポリエチレン/ポリスチレン共重合ビーズ「エレンポールNEO」などの開発・用途拡大を推進している。

■プロダクトミックス改善などで増益基調

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期283億77百万円、第2四半期298億89百万円、第3四半期299億75百万円、第4四半期286億82百万円、営業利益が9億25百万円、17億48百万円、17億29百万円、12億65百万円で、16年3月期は売上高が278億04百万円、294億07百万円、303億24百万円、273億59百万円、営業利益が16億49百万円、24億71百万円、33億08百万円、18億50百万円だった。

 販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する収益構造である。なお16年3月期から、有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更した。

 16年3月期は高付加価値製品拡販によるプロダクトミックス改善、国内における原料価格と販売価格の差であるスプレッドの適正水準への回復、償却方法変更による減価償却費の減少、海外事業における販売数量増加、ドル高・円安に伴う円換算額増加などで大幅増益だった。営業利益、経常利益、純利益とも過去最高を更新した。

 売上総利益は15年3月期比18.1%増加し、売上総利益率は29.5%で同5.0ポイント上昇した。販管費は同6.9%増加し、販管費比率は21.4%で同1.7ポイント上昇した。なお営業利益増減分析は、増益要因が原料単価下落63億88百万円、原料以外の製造変動費減少16億円、数量増による限界利益増加96百万円、減益要因が販売単価下落22億77百万円、固定費増加(円安による円換算額増加、償却費減少を含む)21億71百万円、その他変動費増加25百万円としている。

 営業外では為替差損益が悪化した。特別利益では新工場建設に伴う補助金収入を計上し、特別損失ではドイツの孫会社などの事業構造改革費用を計上した。ROEは8.9%で同2.4ポイント上昇、自己資本比率は59.0%で同3.0ポイント上昇した。配当は同10円増配の年間40円(第2四半期末15円、期末25円)で配当性向は20.2%だった。利益配分については安定した配当を重視するとともに、各事業年度の連結業績と将来の事業展開に必要な内部留保の充実などを勘案しながら総合的に決定する方針としている。

 セグメント別に見ると、押出事業は売上高が同4.1%減の382億89百万円で営業利益(連結調整前)が同2.0倍の27億55百万円、ビーズ事業は売上高が同0.8%増の708億65百万円で営業利益が同53.2%増の74億36百万円、その他は売上高が同13.8%減の57億49百万円で営業利益が同71.2%減の17百万円だった。

■17年3月期第1四半期は大幅増益

 今期(17年3月期)第1四半期(4〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.5%減の268億35百万円だが、営業利益が同37.8%増の22億72百万円、経常利益が同36.6%増の22億03百万円、そして純利益が同33.8%増の17億円だった。自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の好調で大幅増益だった。

 売上総利益は同8.7%増加し、売上総利益率は30.7%で同3.4ポイント上昇した。販管費は同0.6%増加し、販管費比率は22.2%で同0.9ポイント上昇した。営業外では為替差損が減少(前期は1億44百万円、今期は1億29百万円)した。特別利益では前期計上の補助金収入1億19百万円が一巡した。

 セグメント別の動向を見ると、押出事業は売上高が同0.6%増の91億02百万円、営業利益(連結調整前)が同38.1%増の6億85百万円だった。建築・土木関連「ミラフォーム」の土木分野が減少したが、産業用包材「ミラマット」は高付加価値製品が好調に推移し、ポリエチレン気泡緩衝材「キャプロン」は用途拡大で増収だった。全体として製品価格が低下したが、販売数量の増加、高付加価値製品の増収、製造コスト低下などで大幅増益だった。

 ビーズ事業は売上高が同6.0%減の163億29百万円だったが、営業利益が同28.6%増の17億77百万円だった。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」がバンパー材・内装材・シートコア材などの自動車部品、住宅設備向け保温緩衝材、IT製品輸送用通い函、家電製品用緩衝材、競技用グラウンド基礎緩衝材に使用され、自動車の新規部品の採用拡大や新規分野への拡販で堅調に推移した。製品価格低下や円高による外貨円換算額の減少で売上高は減少したが、販売数量増加や原材料安で大幅増益だった。その他は売上高が同0.7%増の14億03百万円、営業利益が41百万円(前年同期は10百万円の赤字)だった。

■17年3月期通期は営業微減益予想だが上振れ余地

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(16年3月期)比1.7%減の1130億円、営業利益が同3.0%減の90億円、経常利益が同0.0%減の91億円、純利益が同4.8%増の62億円としている。配当予想は前期と同額の年間40円(第2四半期末20円、期末20円)で予想配当性向は19.2%となる。

 高断熱材「ミラフォーム」や自動車部品用「ピーブロック」といった高付加価値製品拡販などで販売数量は同6.2%増の計画だが、原燃料価格下落に伴う製品価格改定や為替の円高影響などで微減収・営業微減益・経常微減益見込みとしている。前提は為替レートが1米ドル=110円、1ユーロ=125円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=40米ドルとしている。

 セグメント別計画は、押出事業の売上高が同1.0%減の379億04百万円、営業利益(連結調整前)が同8.7%減の25億14百万円、ビーズ事業の売上高が同2.6%減の690億16百万円、営業利益が同0.6%減の73億91百万円、その他の売上高が同5.8%増の60億80百万円、営業利益が同4.5倍の76百万円としている。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が23.8%、営業利益が25.3%、経常利益が24.2%、純利益が27.4%と順調な水準である。円高や製品価格改定の影響で営業微減益の計画だが、自動車部品用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販で上振れ余地がありそうだ。

■中期経営計画で18年3月期営業利益率6.5%以上目標

 15年5月策定の新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業では高収益体質へのシフトを加速する。海外事業では「ピーブロック」の拠点拡大・能力増強の推進、および「ピーブロック」に次ぐ第2の柱の育成を目指す。3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は戻り歩調に変化なし、2月の年初来高値目指す

 株価の動きを見ると、7月の戻り高値2388円を突破し、10月6日には戻り高値となる2471円まで上伸した。その後は上げ一服の形だが、自律調整の範囲だろう。

 10月20日の終値2383円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS207円97銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は1.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2277円32銭で算出)は1.0倍近辺である。時価総額は約749億円である。

 週足チャートで見ると、13週移動平均線に続いて26週移動平均線も上向きに転じて先高感を強めている。戻り歩調に変化はなく、2月の年初来高値2598円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[9月09日更新]

JSPは調整一巡して切り返し、17年3月期微減益予想だが上振れ余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品専業の大手である。自動車用や住宅用で高付加価値製品の拡販を推進している。17年3月期は営業微減益予想だが、高付加価値製品の拡販進展などで上振れ余地があるだろう。株価は7月の戻り高値圏から急反落したが、調整一巡して切り返す動きだ。

■発泡プラスチック製品専業大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品専業の大手である。三菱瓦斯化学<4182>がTOBを実施し、15年3月に同社の連結子会社となった。

 押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。16年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業33%、ビーズ事業62%、その他5%だった。

■高機能・高付加価値製品の拡販推進、自動車用「ピーブロック」の生産拡大

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など、高機能・高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強を進めている。

 自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。トヨタ自動車<7203>の新型プリウスのスペアタイヤ収納部およびツールボックスに採用(16年秋)され、リアシートへの採用も予定されるなど国内外で採用車種が拡がっている。国内生産については14年4月、新工場として北九州工場が生産を開始し、国内は栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 海外でも中国およびタイに新工場を建設して「ピーブロック」の生産能力を増強している。生産開始時期は中国・長春が16年6月、中国・武漢が17年1月、タイが16年3月である。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造4拠点目となる。インドにおける「ピーブロック」生産は工場建設を17年3月期以降に延期している。7月28日には、欧州における「ピーブロック」需要拡大に対応するため、生産能力を増強すると発表した。約26億円を投じ、欧州における生産能力を年産2万6500トンから年産3万7000トンに増強する。

 戸建住宅・マンション断熱材用発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」については16年5月、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場を建設すると発表した。18年11月完成予定で投資額は約40億円である。20年省エネルギー基準への適合義務化に向けて需要増加が見込まれるため、中部・西日本地区における生産体制を強化する。

■高機能新製品の開発を推進

 15年1月米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート「integxion(インテグション)」事業に参入し、米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。16年10月予定で能力を増強する。

 さらに高機能新製品として、多層化技術を用いた高性能発泡ポリエチレンシート「xealogic(シーロジック)」、植物由来のポリ乳酸発泡ビーズ・発泡体「LACTIF」、各種樹脂・金属・無機機材と発泡体との複合体「ACTech(ACテック)」、極めて高い光反射率の超微細発泡シート、防蟻剤なしでシロアリに浸食されない唯一の発泡プラスチック断熱材「ミラポリカフォーム」、シューズメーカーの要求性能に対応した柔軟性発泡体、ポリエチレン/ポリスチレン共重合ビーズ「エレンポールNEO」などの開発・用途拡大を推進している。

■16年3月期はプロダクトミックス改善などで最高益更新

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期283億77百万円、第2四半期298億89百万円、第3四半期299億75百万円、第4四半期286億82百万円、営業利益が9億25百万円、17億48百万円、17億29百万円、12億65百万円で、16年3月期は売上高が278億04百万円、294億07百万円、303億24百万円、273億59百万円、営業利益が16億49百万円、24億71百万円、33億08百万円、18億50百万円だった。

 販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する収益構造である。なお16年3月期から、有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更した。

 16年3月期は高付加価値製品拡販によるプロダクトミックス改善、国内における原料価格と販売価格の差であるスプレッドの適正水準への回復、償却方法変更による減価償却費の減少、海外事業における販売数量増加、ドル高・円安に伴う円換算額増加などで大幅増益だった。営業利益、経常利益、純利益とも過去最高を更新した。

 売上総利益は同18.1%増加し、売上総利益率は29.5%で同5.0ポイント上昇した。販管費は同6.9%増加し、販管費比率は21.4%で同1.7ポイント上昇した。営業利益増減分析は、増益要因が原料単価下落63億88百万円、原料以外の製造変動費減少16億円、数量増による限界利益増加96百万円、減益要因が販売単価下落22億77百万円、固定費増加(円安による円換算額増加、償却費減少を含む)21億71百万円、その他変動費増加25百万円としている。

 営業外では為替差損益が悪化した。特別利益では新工場建設に伴う補助金収入を計上し、特別損失ではドイツの孫会社などの事業構造改革費用を計上した。ROEは8.9%で同2.4ポイント上昇、自己資本比率は59.0%で同3.0ポイント上昇した。配当は同10円増配の年間40円(第2四半期末15円、期末25円)で配当性向は20.2%だった。利益配分については安定した配当を重視するとともに、各事業年度の連結業績と将来の事業展開に必要な内部留保の充実などを勘案しながら総合的に決定する方針としている。

 セグメント別の動向を見ると、押出事業は売上高が同4.1%減の382億89百万円、営業利益(連結調整前)が同2.0倍の27億55百万円だった。利益面では原料価格と販売価格のスプレッドの適正化、償却方法変更による減価償却費の減少(4億87百万円減少)も寄与した。

 ビーズ事業は売上高が同0.8%増の708億65百万円となり、営業利益が同53.2%増の74億36百万円だった。利益面では円安に伴う円換算額の増加、償却方法変更による減価償却費の減少(2億92百万円減少)も寄与した。その他は売上高が同13.8%減の57億49百万円、営業利益が同71.2%減の17百万円だった。

■17年3月期第1四半期は大幅増益

 今期(17年3月期)第1四半期(4〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.5%減の268億35百万円だが、営業利益が同37.8%増の22億72百万円、経常利益が同36.6%増の22億03百万円、そして純利益が同33.8%増の17億円だった。自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の好調で大幅増益だった。

 売上総利益は同8.7%増加し、売上総利益率は30.7%で同3.4ポイント上昇した。販管費は同0.6%増加し、販管費比率は22.2%で同0.9ポイント上昇した。営業外では為替差損が減少(前期は1億44百万円、今期は1億29百万円)した。特別利益では前期計上の補助金収入1億19百万円が一巡した。

 セグメント別の動向を見ると、押出事業は売上高が同0.6%増の91億02百万円、営業利益(連結調整前)が同38.1%増の6億85百万円だった。建築・土木関連「ミラフォーム」の土木分野が減少したが、産業用包材「ミラマット」は高付加価値製品が好調に推移し、ポリエチレン気泡緩衝材「キャプロン」は用途拡大で増収だった。全体として製品価格が低下したが、販売数量の増加、高付加価値製品の増収、製造コスト低下などで大幅増益だった。

 ビーズ事業は売上高が同6.0%減の163億29百万円だったが、営業利益が同28.6%増の17億77百万円だった。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」がバンパー材・内装材・シートコア材などの自動車部品、住宅設備向け保温緩衝材、IT製品輸送用通い函、家電製品用緩衝材、競技用グラウンド基礎緩衝材に使用され、自動車の新規部品の採用拡大や新規分野への拡販で堅調に推移した。製品価格低下や円高による外貨円換算額の減少で売上高は減少したが、販売数量増加や原材料安で大幅増益だった。その他は売上高が同0.7%増の14億03百万円、営業利益が41百万円(前年同期は10百万円の赤字)だった。

■17年3月期通期は営業微減益予想だが上振れ余地

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(16年3月期)比1.7%減の1130億円、営業利益が同3.0%減の90億円、経常利益が同0.0%減の91億円、純利益が同4.8%増の62億円としている。配当予想は前期と同額の年間40円(第2四半期末20円、期末20円)で予想配当性向は19.2%となる。

 高断熱材「ミラフォーム」や自動車部品用「ピーブロック」といった高付加価値製品拡販などで販売数量は同6.2%増の計画だが、原燃料価格下落に伴う製品価格改定や為替の円高影響などで微減収・営業微減益・経常微減益見込みとしている。前提は為替レートが1米ドル=110円、1ユーロ=125円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=40米ドルとしている。

 セグメント別計画は、押出事業の売上高が同1.0%減の379億04百万円、営業利益(連結調整前)が同8.7%減の25億14百万円、ビーズ事業の売上高が同2.6%減の690億16百万円、営業利益が同0.6%減の73億91百万円、その他の売上高が同5.8%増の60億80百万円、営業利益が同4.5倍の76百万円としている。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が23.8%、営業利益が25.3%、経常利益が24.2%、純利益が27.4%と順調な水準である。円高や製品価格改定の影響で営業微減益の計画だが、自動車部品用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販で上振れ余地があるだろう。

■中期経営計画で18年3月期営業利益率6.5%以上目標

 15年5月策定の新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業では高収益体質へのシフトを加速する。海外事業では「ピーブロック」の拠点拡大・能力増強の推進、および「ピーブロック」に次ぐ第2の柱の育成を目指す。3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は急反落後の調整が一巡して切り返し

 株価の動きを見ると、第1四半期大幅増益を好感した7月の戻り高値2388円から急反落したが、その後は2000円近辺のモミ合いで調整が一巡して切り返しの動きを強めている。9月7日には2202年まで上伸した。

 9月8日の終値2133円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS207円97銭で算出)は10〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は1.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2277円32銭で算出)は0.9倍近辺である。時価総額は約670億円である。

 週足チャートで見ると一旦割り込んだ13週移動平均線と26週移動平均線を回復した。調整一巡して7月の戻り高値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[8月01日更新]

JSPは出直り本格化して15年11月高値目指す、17年3月期第1四半期大幅増益

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品専業の大手で、自動車用や住宅用など高付加価値製品の拡販を推進している。17年3月期第1四半期連結業績は大幅増益だった。通期は営業微減益予想だが、高付加価値製品の拡販進展などで上振れ余地があるだろう。株価は出直りの動きが本格化している。2月の年初来高値、さらに15年11月高値を目指す展開だろう。

■発泡プラスチック製品専業大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品専業の大手である。三菱瓦斯化学<4182>がTOBを実施し、15年3月に同社の連結子会社となった。

 押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。16年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業33%、ビーズ事業62%、その他5%だった。

■高機能・高付加価値製品の拡販推進、自動車用「ピーブロック」の生産拡大

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など、高機能・高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強を進めている。

 自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。トヨタ自動車<7203>の新型プリウスのスペアタイヤ収納部およびツールボックスに採用(16年秋)され、リアシートへの採用も予定されるなど国内外で採用車種が拡がっている。国内生産については14年4月、新工場として北九州工場が生産を開始し、国内は栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 海外でも中国およびタイに新工場を建設して「ピーブロック」の生産能力を増強している。生産開始時期は中国・長春が16年6月、中国・武漢が17年1月、タイが16年3月である。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造4拠点目となる。インドにおける「ピーブロック」生産は工場建設を17年3月期以降に延期している。7月28日には、欧州における「ピーブロック」需要拡大に対応するため、生産能力を増強すると発表した。約26億円を投じ、欧州における生産能力を年産2万6500トンから年産3万7000トンに増強する。

 戸建住宅・マンション断熱材用発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」については16年5月、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場を建設すると発表した。18年11月完成予定で投資額は約40億円である。20年省エネルギー基準への適合義務化に向けて需要増加が見込まれるため、中部・西日本地区における生産体制を強化する。

■高機能新製品の開発を推進

 15年1月米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート「integxion(インテグション)」事業に参入し、米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。16年10月予定で能力を増強する。

 さらに高機能新製品として、多層化技術を用いた高性能発泡ポリエチレンシート「xealogic(シーロジック)」、植物由来のポリ乳酸発泡ビーズ・発泡体「LACTIF」、各種樹脂・金属・無機機材と発泡体との複合体「ACTech(ACテック)」、極めて高い光反射率の超微細発泡シート、防蟻剤なしでシロアリに浸食されない唯一の発泡プラスチック断熱材「ミラポリカフォーム」、シューズメーカーの要求性能に対応した柔軟性発泡体、ポリエチレン/ポリスチレン共重合ビーズ「エレンポールNEO」などの開発・用途拡大を推進している。

■16年3月期はプロダクトミックス改善などで最高益更新

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期283億77百万円、第2四半期298億89百万円、第3四半期299億75百万円、第4四半期286億82百万円、営業利益が9億25百万円、17億48百万円、17億29百万円、12億65百万円で、16年3月期は売上高が278億04百万円、294億07百万円、303億24百万円、273億59百万円、営業利益が16億49百万円、24億71百万円、33億08百万円、18億50百万円だった。

 販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する収益構造である。なお16年3月期から、有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更した。

 16年3月期は高付加価値製品拡販によるプロダクトミックス改善、国内における原料価格と販売価格の差であるスプレッドの適正水準への回復、償却方法変更による減価償却費の減少、海外事業における販売数量増加、ドル高・円安に伴う円換算額増加などで大幅増益だった。営業利益、経常利益、純利益とも過去最高を更新した。

 売上総利益は同18.1%増加し、売上総利益率は29.5%で同5.0ポイント上昇した。販管費は同6.9%増加し、販管費比率は21.4%で同1.7ポイント上昇した。営業利益増減分析は、増益要因が原料単価下落63億88百万円、原料以外の製造変動費減少16億円、数量増による限界利益増加96百万円、減益要因が販売単価下落22億77百万円、固定費増加(円安による円換算額増加、償却費減少を含む)21億71百万円、その他変動費増加25百万円としている。

 営業外では為替差損益が悪化した。特別利益では新工場建設に伴う補助金収入を計上し、特別損失ではドイツの孫会社などの事業構造改革費用を計上した。ROEは8.9%で同2.4ポイント上昇、自己資本比率は59.0%で同3.0ポイント上昇した。配当は同10円増配の年間40円(第2四半期末15円、期末25円)で配当性向は20.2%だった。利益配分については安定した配当を重視するとともに、各事業年度の連結業績と将来の事業展開に必要な内部留保の充実などを勘案しながら総合的に決定する方針としている。

 セグメント別の動向を見ると、押出事業は売上高が同4.1%減の382億89百万円、営業利益(連結調整前)が同2.0倍の27億55百万円だった。利益面では原料価格と販売価格のスプレッドの適正化、償却方法変更による減価償却費の減少(4億87百万円減少)も寄与した。

 ビーズ事業は売上高が同0.8%増の708億65百万円となり、営業利益が同53.2%増の74億36百万円だった。利益面では円安に伴う円換算額の増加、償却方法変更による減価償却費の減少(2億92百万円減少)も寄与した。その他は売上高が同13.8%減の57億49百万円、営業利益が同71.2%減の17百万円だった。

■17年3月期第1四半期は大幅増益

 7月28日発表した今期(17年3月期)第1四半期(4〜6月)の連結業績は売上高が前年同期比3.5%減の268億35百万円、営業利益が同37.8%増の22億72百万円、経常利益が同36.6%増の22億03百万円、そして純利益が同33.8%増の17億円だった。自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の好調で大幅増益だった。

 売上総利益は同8.7%増加し、売上総利益率は30.7%で同3.4ポイント上昇した。販管費は同0.6%増加し、販管費比率は22.2%で同0.9ポイント上昇した。営業外では為替差損が減少(前期は1億44百万円、今期は1億29百万円)した。特別利益では前期計上の補助金収入1億19百万円が一巡した。

 セグメント別の動向を見ると、押出事業は売上高が同0.6%増の91億02百万円、営業利益(連結調整前)が同38.1%増の6億85百万円だった。建築・土木関連「ミラフォーム」の土木分野が減少したが、産業用包材「ミラマット」は高付加価値製品が好調に推移し、ポリエチレン気泡緩衝材「キャプロン」は用途拡大で増収だった。全体として製品価格が低下したが、販売数量の増加、高付加価値製品の増収、製造コスト低下などで大幅増益だった。

 ビーズ事業は売上高が同6.0%減の163億29百万円だったが、営業利益が同28.6%増の17億77百万円だった。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」がバンパー材・内装材・シートコア材などの自動車部品、住宅設備向け保温緩衝材、IT製品輸送用通い函、家電製品用緩衝材、競技用グラウンド基礎緩衝材に使用され、自動車の新規部品の採用拡大や新規分野への拡販で堅調に推移した。製品価格低下や円高による外貨円換算額の減少で売上高は減少したが、販売数量増加や原材料安で大幅増益だった。その他は売上高が同0.7%増の14億03百万円、営業利益が41百万円(前年同期は10百万円の赤字)だった。

■17年3月期通期は営業微減益予想だが上振れ余地

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想は前回予想(4月28日公表)を据え置いて、売上高が前期(16年3月期)比1.7%減の1130億円、営業利益が同3.0%減の90億円、経常利益が同0.0%減の91億円、純利益が同4.8%増の62億円としている。配当予想は前期と同額の年間40円(第2四半期末20円、期末20円)で予想配当性向は19.2%となる。

 高断熱材「ミラフォーム」や自動車部品用「ピーブロック」といった高付加価値製品拡販などで販売数量は同6.2%増の計画だが、原燃料価格下落に伴う製品価格改定や為替の円高影響などで微減収・営業微減益・経常微減益見込みとしている。前提は為替レートが1米ドル=110円、1ユーロ=125円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=40米ドルとしている。

 セグメント別計画は、押出事業の売上高が同1.0%減の379億04百万円、営業利益(連結調整前)が同8.7%減の25億14百万円、ビーズ事業の売上高が同2.6%減の690億16百万円、営業利益が同0.6%減の73億91百万円、その他の売上高が同5.8%増の60億80百万円、営業利益が同4.5倍の76百万円としている。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が23.8%、営業利益が25.3%、経常利益が24.2%、純利益が27.4%と順調な水準である。円高や製品価格改定の影響で営業微減益の計画だが、自動車部品用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販で上振れ余地があるだろう。

■中期経営計画で18年3月期営業利益率6.5%以上目標

 15年5月策定の新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業では高収益体質へのシフトを加速する。海外事業では「ピーブロック」の拠点拡大・能力増強の推進、および「ピーブロック」に次ぐ第2の柱の育成を目指す。3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は出直り本格化、15年11月高値目指す

 株価の動きを見ると6月の直近安値1819円から切り返して出直りが本格化している。7月29日には第1四半期大幅増益を好感して2388円まで急伸した。

 7月29日の終値2372円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS207円97銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は1.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2277円32銭で算出)は1.0倍近辺である。時価総額は約745億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線を突破した。そして13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスが接近している。2月の年初来高値2598円、さらに15年11月高値2763円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[7月15日更新]

JSPは調整一巡して出直り、17年3月期営業微減益予想だが上振れ余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品専業の大手で、自動車用や住宅用など高付加価値製品の拡販を推進している。17年3月期は営業微減益予想だが、高付加価値製品の拡販進展などで上振れ余地があるだろう。株価は地合い悪化が影響した6月の年初来安値から切り返しの動きを強めている。調整一巡して出直り展開だろう。

■発泡プラスチック製品専業大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品専業の大手である。三菱瓦斯化学<4182>がTOBを実施し、15年3月に同社の連結子会社となった。

 押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。16年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業33%、ビーズ事業62%、その他5%だった。

■高機能・高付加価値製品の開発・拡販を推進

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など、高機能・高付加価値製品の拡販を推進するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。

 自動車部品用「ピーブロック」は、トヨタ自動車<7203>の新型プリウスのスペアタイヤ収納部およびツールボックスに採用(16年秋)され、さらにリアシートへの採用も予定されるなど、国内外で採用車種が拡がっている。

 16年5月には、戸建住宅・マンションの断熱材用発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」について、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場を建設すると発表した。18年11月完成予定で投資額は約40億円である。20年省エネルギー基準への適合義務化に向けて需要増加が見込まれるため、中部・西日本地区における生産体制を強化する。

■高機能新製品の開発を推進

 15年1月米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート「integxion(インテグション)」事業に参入し、米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。16年10月予定で能力を増強する。

 さらに高機能新製品として、多層化技術を用いた高性能発泡ポリエチレンシート「xealogic(シーロジック)」、植物由来のポリ乳酸発泡ビーズ・発泡体「LACTIF」、各種樹脂・金属・無機機材と発泡体との複合体「ACTech(ACテック)」、極めて高い光反射率の超微細発泡シート、防蟻剤なしでシロアリに浸食されない唯一の発泡プラスチック断熱材「ミラポリカフォーム」、シューズメーカーの要求性能に対応した柔軟性発泡体、ポリエチレン/ポリスチレン共重合ビーズ「エレンポールNEO」などの開発・用途拡大を推進している。

■自動車用「ピーブロック」を国内外で生産拡大

 14年4月発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内は栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 また「ピーブロック」の海外生産は、中国およびタイに新工場を建設して安定供給を図る。生産開始時期は中国・長春が16年6月、中国・武漢が17年1月、タイが16年3月である。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造4拠点目となる。欧州ではチェコにおける生産能力を増強している。インドにおける「ピーブロック」生産は工場建設を17年3月期以降に延期している。

■16年3月期はプロダクトミックス改善などで最高益更新

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期283億77百万円、第2四半期298億89百万円、第3四半期299億75百万円、第4四半期286億82百万円、営業利益が9億25百万円、17億48百万円、17億29百万円、12億65百万円で、16年3月期は売上高が278億04百万円、294億07百万円、303億24百万円、273億59百万円、営業利益が16億49百万円、24億71百万円、33億08百万円、18億50百万円だった。

 販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する収益構造である。なお16年3月期から、有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更した。

 16年3月期は高付加価値製品拡販によるプロダクトミックス改善、国内における原料価格と販売価格の差であるスプレッドの適正水準への回復、償却方法変更による減価償却費の減少、海外事業における販売数量増加、ドル高・円安に伴う円換算額増加などで大幅増益だった。営業利益、経常利益、純利益とも過去最高を更新した。

 売上総利益は同18.1%増加し、売上総利益率は29.5%で同5.0ポイント上昇した。販管費は同6.9%増加し、販管費比率は21.4%で同1.7ポイント上昇した。営業利益増減分析は、増益要因が原料単価下落63億88百万円、原料以外の製造変動費減少16億円、数量増による限界利益増加96百万円、減益要因が販売単価下落22億77百万円、固定費増加(円安による円換算額増加、償却費減少を含む)21億71百万円、その他変動費増加25百万円としている。

 営業外では為替差損益が悪化した。特別利益では新工場建設に伴う補助金収入を計上し、特別損失ではドイツの孫会社などの事業構造改革費用を計上した。ROEは8.9%で同2.4ポイント上昇、自己資本比率は59.0%で同3.0ポイント上昇した。配当は同10円増配の年間40円(第2四半期末15円、期末25円)で配当性向は20.2%だった。利益配分については安定した配当を重視するとともに、各事業年度の連結業績と将来の事業展開に必要な内部留保の充実などを勘案しながら総合的に決定する方針としている。

 セグメント別の動向を見ると、押出事業は売上高が同4.1%減の382億89百万円、営業利益(連結調整前)が同2.0倍の27億55百万円だった。産業用包材「Pボード」や建築・土木「ミラフォーム」が減少したが、産業用包材「ミラマット」は高付加価値製品の拡販、産業用包材「キャプロン」は自動車部品包材の新規採用で増加した。利益面では、原料価格と販売価格のスプレッドの適正化、償却方法変更による減価償却費の減少(4億87百万円減少)が寄与した。

 ビーズ事業は売上高が同0.8%増の708億65百万円となり、営業利益が同53.2%増の74億36百万円だった。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」が北米の自動車部品向けや競技用グラウンド基礎緩衝材向けに増加し、ドル高・円安に伴う円換算額の増加、償却方法変更による減価償却費の減少(2億92百万円減少)なども寄与した。その他は売上高が同13.8%減の57億49百万円、営業利益が同71.2%減の17百万円だった。

■17年3月期は営業微減益予想だが上振れ余地

 今期(17年3月期)の連結業績予想(4月28日公表)については、売上高が前期(16年3月期)比1.7%減の1130億円、営業利益が同3.0%減の90億円、経常利益が同0.0%減の91億円、純利益が同4.8%増の62億円としている。配当予想は前期と同額の年間40円(第2四半期末20円、期末20円)で予想配当性向は19.2%となる。

 高断熱材「ミラフォーム」や自動車部品用「ピーブロック」といった高付加価値製品拡販などで販売数量は同6.2%増の計画だが、原燃料価格下落に伴う製品価格改定や為替の円高影響などで微減収・営業微減益・経常微減益見込みとしている。前提は為替レートが1米ドル=110円、1ユーロ=125円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=40米ドルとしている。

 セグメント別計画は、押出事業の売上高が同1.0%減の379億04百万円、営業利益(連結調整前)が同8.7%減の25億14百万円、ビーズ事業の売上高が同2.6%減の690億16百万円、営業利益が同0.6%減の73億91百万円、その他の売上高が同5.8%増の60億80百万円、営業利益が同4.5倍の76百万円としている。

 円高や製品価格改定の影響で営業微減益の計画だが、自動車部品用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販で上振れ余地があるだろう。

■中期経営計画で18年3月期営業利益率6.5%以上目標

 15年5月策定の新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業では高収益体質へのシフトを加速する。海外事業では「ピーブロック」の拠点拡大・能力増強の推進、および「ピーブロック」に次ぐ第2の柱の育成を目指す。3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は調整一巡して出直り

 株価の動きを見ると、地合い悪化の影響で6月24日に年初来安値1819円まで調整したが、その後は切り返しの動きを強めている。

 7月13日の終値2052円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS207円97銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は2.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2277円32銭で算出)は0.9倍近辺である。時価総額は約599億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。調整一巡して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[6月24日更新]

JSPは調整一巡して反発期待、17年3月期業績予想に上振れ余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品専業の大手で、自動車用や住宅用など高付加価値製品の拡販を推進している。17年3月期は円高影響などで営業微減益予想だが、高付加価値製品の拡販進展などで上振れ余地があるだろう。株価は地合い悪化の影響で安値圏だが、調整一巡して反発が期待される。

■発泡プラスチック製品専業大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 発泡プラスチック製品専業の大手である。三菱瓦斯化学<4182>がTOBを実施し、15年3月に同社の連結子会社となった。

 押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。16年3月期のセグメント別売上構成比は押出事業が33%、ビーズ事業が62%、その他が5%だった。

■高機能・高付加価値製品の開発・拡販を推進

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など、高機能・高付加価値製品の拡販を推進するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。

 自動車部品用「ピーブロック」は、トヨタ自動車<7203>の新型プリウスのスペアタイヤ収納部およびツールボックスに採用(16年秋)され、さらにリアシートへの採用も予定されるなど、国内外で採用車種が拡がっている。

 16年5月には、戸建住宅・マンションの断熱材用発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」について、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場を建設すると発表した。18年11月完成予定で投資額は約40億円である。20年省エネルギー基準への適合義務化に向けて需要増加が見込まれるため、中部・西日本地区における生産体制を強化する。

■高機能新製品の開発を推進

 15年1月には米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート「integxion(インテグション)」事業に参入し、米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。16年10月予定で能力を増強する。

 さらに高機能新製品として、多層化技術を用いた高性能発泡ポリエチレンシート「xealogic(シーロジック)」、植物由来のポリ乳酸発泡ビーズ・発泡体「LACTIF」、各種樹脂・金属・無機機材と発泡体との複合体「ACTech(ACテック)」、極めて高い光反射率の超微細発泡シート、防蟻剤なしでシロアリに浸食されない唯一の発泡プラスチック断熱材「ミラポリカフォーム」、シューズメーカーの要求性能に対応した柔軟性発泡体、ポリエチレン/ポリスチレン共重合ビーズ「エレンポールNEO」などの開発・用途拡大を推進している。

■自動車用「ピーブロック」を国内外で生産拡大

 14年4月には発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 また「ピーブロック」の海外生産は、中国およびタイに新工場を建設して安定供給を図る。生産開始時期は中国・長春が16年6月、中国・武漢が17年1月、タイが16年3月である。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造4拠点目となる。欧州ではチェコにおける生産能力を増強している。インドにおける「ピーブロック」生産は工場建設を17年3月期以降に延期している。

■16年3月期から有形固定資産の減価償却方法変更

 15年3月期の四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期283億77百万円、第2四半期298億89百万円、第3四半期299億75百万円、第4四半期286億82百万円、営業利益は第1四半期9億25百万円、第2四半期17億48百万円、第3四半期17億29百万円、第4四半期12億65百万円だった。

 販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する収益構造である。なお16年3月期から、有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更した。

 15年3月期の売上総利益率は24.5%で14年3月期比0.7ポイント低下、販管費比率は19.7%で同0.2ポイント低下した。ROEは6.5%で同1.7ポイント低下、自己資本比率は56.0%で同2.6ポイント上昇した。配当性向は22.1%だった。利益配分については安定した配当を重視するとともに、各事業年度の連結業績と将来の事業展開に必要な内部留保の充実などを勘案しながら総合的に決定する方針としている。

■16年3月期は大幅増益・増配

 前期(16年3月期)連結業績は前々期(15年3月期)比1.7%減収だが、同63.7%営業増益、同50.6%経常増益、同46.4%最終増益だった。営業利益、経常利益、純利益は過去最高を更新した。

 国内は景気回復遅れによる需要減少や製品価格改定などで減収だったが、海外は欧米や中国が好調に推移した。高付加価値製品拡販によるプロダクトミックス改善、国内における原料価格と販売価格の差であるスプレッドの適正水準への回復、償却方法変更による減価償却費の減少、海外事業における販売数量増加、ドル高・円安に伴う円換算額の増加などで大幅増益だった。

 売上総利益は同18.1%増加し、売上総利益率は29.5%で同5.0ポイント上昇した。販管費は同6.9%増加し、販管費比率は21.4%で同1.7ポイント上昇した。営業利益増減分析は、増益要因が原料単価下落63億88百万円、原料以外の製造変動費減少16億円、数量増による限界利益増加96百万円、減益要因が販売単価下落22億77百万円、固定費増加(円安による円換算額増加、償却費減少を含む)21億71百万円、その他変動費増加25百万円としている。

 営業外では為替差損益が悪化(前々期は差益13百万円、前期は差損4億93百万円)した。特別利益では新工場建設に伴う補助金収入3億01百万円を計上し、特別損失ではドイツの孫会社などの事業構造改革費用5億41百万円を計上した。ROEは8.9%で同2.4ポイント上昇、自己資本比率は59.0%で同3.0ポイント上昇した。配当は同10円増配の年間40円(第2四半期末15円、期末25円)で配当性向は20.2%だった。

 セグメント別動向を見ると、押出事業は売上高が同4.1%減の382億89百万円、営業利益(連結調整前)が同2.0倍の27億55百万円だった。産業用包材「Pボード」が家電市場の低迷、食品包材「スチレンペーパー」がトレー減少や製品価格改定の影響、建築・土木「ミラフォーム」が戸建住宅・マンション着工件数減少で減少したが、産業用包材「ミラマット」は高付加価値製品の拡販、産業用包材「キャプロン」は自動車部品包材の新規採用で増加した。利益面では、原料価格と販売価格のスプレッドの適正化、償却方法変更による減価償却費の減少(4億87百万円減少)が寄与した。

 ビーズ事業は売上高が同0.8%増の708億65百万円となり、営業利益が同53.2%増の74億36百万円だった。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」は国内では自動車・IT家電メーカー向け需要減少や製品価格改定、欧州では製品価格改定やユーロ安・円高が影響したが、北米の自動車部品向けや競技用グラウンド基礎緩衝材向け、中国の需要増加などが寄与した。ドル高・円安に伴う円換算額の増加、償却方法変更による減価償却費の減少(2億92百万円減少)も寄与して大幅増益だった。その他は売上高が同13.8%減の57億49百万円、営業利益が同71.2%減の17百万円だった。中国における液晶テレビ向け梱包材の採用中止などが影響した。

 四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期278億04百万円、第2四半期294億07百万円、第3四半期303億24百万円、第4四半期273億59百万円、営業利益は第1四半期16億49百万円、第2四半期24億71百万円、第3四半期33億08百万円、第4四半期18億50百万円だった。

■17年3月期は営業微減益予想だが上振れ余地

 今期(17年3月期)の連結業績予想(4月28日公表)については、売上高が前期(16年3月期)比1.7%減の1130億円、営業利益が同3.0%減の90億円、経常利益が同0.0%減の91億円、純利益が同4.8%増の62億円としている。配当予想は前期と同額の年間40円(第2四半期末20円、期末20円)で予想配当性向は19.2%となる。

 高断熱材「ミラフォーム」や自動車部品用「ピーブロック」といった高付加価値製品拡販などで販売数量は同6.2%増の計画だが、原燃料価格下落に伴う製品価格改定や為替の円高影響などで微減収・営業微減益・経常微減益見込みとしている。前提は為替レートが1米ドル=110円、1ユーロ=125円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=40米ドル(前期実績は1米ドル=121円00銭、1ユーロ=133円70銭、1バーレル=45.6ドル)である。

 セグメント別計画は、押出事業の売上高が同1.0%減の379億04百万円、営業利益(連結調整前)が同8.7%減の25億14百万円、ビーズ事業の売上高が同2.6%減の690億16百万円、営業利益が同0.6%減の73億91百万円、その他の売上高が同5.8%増の60億80百万円、営業利益が同4.5倍の76百万円としている。

 円高や製品価格改定の影響で営業微減益の計画だが、保守的な印象も強い。自動車部品用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販も進展して上振れ余地があるだろう。

■中期経営計画で18年3月期営業利益率6.5%以上目標

 15年5月策定の新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業では高収益体質へのシフトを加速する。海外事業では「ピーブロック」の拠点拡大・能力増強の推進、および「ピーブロック」に次ぐ第2の柱の育成を目指す。3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は地合い悪化の影響で安値圏だが売られ過ぎ感

 株価の動きを見ると、地合い悪化の影響で6月17日に1868円まで調整し、4月の年初来安値1845円に接近した。ただし売られ過ぎ感を強めている。

 6月23日の終値1908円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS207円97銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は2.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2277円32銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約599億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込んだが、1800円台が下値支持線の形だ。調整一巡して反発が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[5月23日更新]

JSPは17年3月期は営業微減益予想だが、高付加価値製品の拡販で上振れ余地

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品専業の大手で、自動車用や住宅用など高付加価値製品の拡販を推進している。16年3月期は高付加価値製品の拡販、原料価格と販売価格の差であるスプレッドの適正水準への回復、減価償却費の減少などが寄与して大幅増益だった。17年3月期は円高影響などで営業微減益予想だが、高付加価値製品の拡販進展などで上振れ余地があるだろう。株価は4月の年初来安値圏から切り返して戻り歩調だ。2月の年初来高値を目指す展開だろう。

■発泡プラスチック製品専業大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 三菱瓦斯化学<4182>がTOBを実施し、15年3月に同社の連結子会社となった。

 発泡プラスチック製品専業の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 前期(16年3月期)のセグメント別売上構成比は押出事業が33.3%、ビーズ事業が61.7%、その他が5.0%だった。

 なお4月28日に代表取締役の異動(社長交代)を発表した。業容拡大に伴って経営体制の一層の強化を図るため、塚本耕三現代表取締役社長が代表取締役会長に、酒井幸男現代表取締役副社長が代表取締役社長に、6月29日付で就任(6月29日開催予定の定時株主総会および取締役会にて正式決定する予定)する。

■高機能・高付加価値製品の開発・拡販を推進

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など、高機能・高付加価値製品の拡販を推進するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。

 自動車部品用「ピーブロック」は、トヨタ自動車<7203>の新型プリウスのスペアタイヤ収納部およびツールボックスに採用(16年秋)され、さらにリアシートへの採用も予定されるなど、国内外で採用車種が拡がっている。

 なお5月12日には、戸建住宅やマンションの断熱材用に使用される発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」について、兵庫県たつの市の当社関西工場の隣接地を購入して新工場を建設すると発表した。18年11月完成予定で投資額は約40億円である。20年省エネルギー基準への適合義務化に向けて需要増加が見込まれるため、中部・西日本地区における生産体制を強化する。

■高機能新製品の開発を推進

 15年1月には米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート「integxion(インテグション)」事業に参入し、米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。16年10月予定で能力を増強する。

 また高機能新製品としては、多層化技術を用いた高性能発泡ポリエチレンシート「xealogic(シーロジック)」、環境にやさしい植物由来のポリ乳酸発泡ビーズ・発泡体「LACTIF」、各種樹脂・金属・無機機材と発泡体との複合体「ACTech(ACテック)」、極めて高い光反射率(100%に近い)の超微細発泡シート、ポリカーボネートを当社技術で発泡させて防蟻剤なしでシロアリに浸食されない唯一の発泡プラスチック断熱材「ミラポリカフォーム」、シューズメーカーの要求性能に対応して柔軟性・衝撃吸収性・反発性・耐久性などの性能を持つ新たな柔軟性発泡体、発泡剤含浸技術によって開発したポリエチレン/ポリスチレン共重合ビーズ「エレンポールNEO」などの開発・用途拡大を推進している。

■自動車用「ピーブロック」を国内外で生産拡大

 14年4月には発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 また「ピーブロック」の海外生産については、需要が拡大している中国およびタイに新工場を建設して安定供給を図る。生産開始時期は中国・長春が16年6月(総投資額約1億円)、中国・武漢が17年1月(総投資額約12億円)、タイが16年3月(総投資額約6億円)である。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造の4拠点目となる。欧州ではチェコにおける生産能力を増強している。

 インドにおける「ピーブロック」生産は工場建設を17年3月期以降に延期している。インドにおける需要は拡大基調だが、成長速度が依然緩やかであり、採算性の確保に時間を擁するためとしている。インド向けには当面、シンガポール子会社から製品供給する。

■16年3月期から有形固定資産の減価償却方法変更

 なお15年3月期の四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)283億77百万円、第2四半期(7月〜9月)298億89百万円、第3四半期(10月〜12月)299億75百万円、第4四半期(1月〜3月)286億82百万円、営業利益は第1四半期9億25百万円、第2四半期17億48百万円、第3四半期17億29百万円、第4四半期12億65百万円だった。

 販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、さらにプロダクトミックスなどが影響する収益構造である。なお15年3月期の売上総利益率は24.5%で14年3月期比0.7ポイント低下、販管費比率は19.7%で同0.2ポイント低下した。ROEは6.5%で同1.7ポイント低下、自己資本比率は56.0%で同2.6ポイント上昇した。配当性向は22.1%だった。利益配分については安定した配当を重視するとともに、各事業年度の連結業績と将来の事業展開に必要な内部留保の充実などを勘案しながら総合的に決定する方針としている。

 なお16年3月期から、有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更した。当社グループの生産設備は技術的陳腐化リスクが少なく安定的な使用が見込まれるため、定額法による期間損益計算がより合理的に使用実態を反映できると判断した。

■16年3月期は大幅増益・増配

 前期(16年3月期)の連結業績は、売上高が前々(15年3月期)比1.7%減の1149億04百万円、営業利益が同63.7%増の92億78百万円、経常利益が同50.6%増の91億01百万円、純利益が同46.4%増の59億14百万円だった。営業利益、経常利益、純利益は過去最高を更新した。

 売上面では、国内は景気回復遅れによる需要減少、製品価格改定などで減収だったが、海外は欧米や中国が好調に推移した。利益面では、高付加価値製品拡販によるプロダクトミックスの改善、国内における原料価格と販売価格の差であるスプレッドの適正水準への回復、償却方法変更による減価償却費の減少、海外事業における販売数量増加、ドル高・円安に伴う円換算額の増加などが寄与して大幅増益だった。なお平均為替レートは1米ドル=121円00銭、1ユーロ=133円70銭、原油価格(ドバイ)は1バーレル=45.6ドルだった。前々期は1米ドル=106円50銭、1ユーロ=140円30銭、1バーレル=83.6ドルだった。

 売上総利益は同18.1%増加し、売上総利益率は29.5%で同5.0ポイント上昇した。販管費は同6.9%増加し、販管費比率は21.4%で同1.7ポイント上昇した。なお営業利益増減要因分析は、増益要因が原料単価下落63億88百万円、原料以外の製造変動費減少16億円、数量増による限界利益増加96百万円、減益要因が販売単価下落22億77百万円、固定費増加(円安による円換算額増加、償却費減少を含む)21億71百万円、その他変動費増加25百万円としている。

 また営業外では為替差損益が悪化(前々期は差益13百万円計上、前期は差損4億93百万円計上)した。特別利益では新工場建設に伴う補助金収入3億01百万円を計上し、特別損失ではドイツの孫会社などにおける事業構造改革費用5億41百万円を計上した。

 配当は同10円増配の年間40円(第2四半期末15円、期末25円)とした。配当性向は20.2%である。ROEは8.9%で同2.4ポイント上昇、自己資本比率は59.0%で同3.0ポイント上昇した。

 セグメント別動向を見ると、押出事業は売上高が同4.1%減の382億89百万円、営業利益(連結調整前)が同2.0倍の27億55百万円だった。売上面では産業用包材「Pボード」が家電市場の低迷で、食品包材「スチレンペーパー」がトレー減少や製品価格改定の影響で、建築・土木「ミラフォーム」が戸建住宅・マンション着工件数減少で、いずれも減少した。産業用包材「ミラマット」は高付加価値製品の拡販で、産業用包材「キャプロン」は自動車部品包材の新規採用で増加した。利益面では、原料価格と販売価格のスプレッドの適正化、償却方法変更による減価償却費の減少(4億87百万円減少)などが寄与して大幅増益だった。

 ビーズ事業は売上高が同0.8%増の708億65百万円となり、営業利益が同53.2%増の74億36百万円だった。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」は、国内では自動車・IT家電メーカー向け需要減少や製品価格改定、欧州では製品価格改定やユーロ安・円高が影響したが、北米の自動車部品向けや競技用グラウンド基礎緩衝材向け、中国の需要増加などが寄与した。ドル高・円安に伴う円換算額の増加、償却方法変更による減価償却費の減少(2億92百万円減少)なども寄与して大幅増益だった。その他事業は売上高が同13.8%減の57億49百万円、営業利益が同71.2%減の17百万円だった。中国における液晶テレビ向け梱包材の採用中止などが影響した。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)278億04百万円、第2四半期(7月〜9月)294億07百万円、第3四半期(10月〜12月)303億24百万円、第4四半期(1月〜3月)273億59百万円、営業利益は第1四半期16億49百万円、第2四半期24億71百万円、第3四半期33億08百万円、第4四半期18億50百万円だった。

■17年3月期は営業微減益予想だが上振れ余地

 今期(17年3月期)の連結業績予想(4月28日公表)については、売上高が前期(16年3月期)比1.7%減の1130億円、営業利益が同3.0%減の90億円、経常利益が同0.0%減の91億円、純利益が同4.8%増の62億円としている。配当予想は前期と同額の年間40円(第2四半期末20円、期末20円)で予想配当性向は19.2%となる。

 高断熱材「ミラフォーム」や自動車部品用「ピーブロック」といった高付加価値製品拡販などで販売数量は同6.2%増の計画だが、原燃料価格下落に伴う製品価格改定や為替の円高影響などで、微減収・営業微減益・経常微減益の見込みとしている。なお前提は為替レートが1米ドル=110円、1ユーロ=125円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=40米ドル(前期実績は1米ドル=121円00銭、1ユーロ=133円70銭、1バーレル=45.6ドル)としている。

 セグメント別計画は、押出事業の売上高が同1.0%減の379億04百万円、営業利益(連結調整前)が同8.7%減の25億14百万円、ビーズ事業の売上高が同2.6%減の690億16百万円、営業利益が同0.6%減の73億91百万円、その他の売上高が同5.8%増の60億80百万円、営業利益が同4.5倍の76百万円としている。

 円高や製品価格改定の影響で営業微減益の計画だが、保守的な印象も強い。自動車部品用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販も進展して上振れ余地があるだろう。

■中期経営計画で18年3月期営業利益率6.5%以上目標

 15年5月策定の新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業では高収益体質へのシフトを加速する。海外事業では「ピーブロック」の拠点拡大・能力増強の推進、および「ピーブロック」に次ぐ第2の柱の育成を目指す。3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は17年3月期営業微減益予想を織り込んで戻り歩調

 株価の動きを見ると、4月の年初来安値圏1800円台から切り返して戻り歩調である。5月13日には2300円まで上伸する場面があった。17年3月期営業微減益予想の織り込みは完了したようだ。

 5月20日の終値2186円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS207円97銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は1.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2277円32銭で算出)は1.0倍近辺である。時価総額は約687億円である。

 週足チャートで見ると、戻りを押さえていた13週移動平均線を突破し、さらに26週移動平均線突破の動きを強めている。指標面に割高感はなく、2月の年初来高値2598円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月14日更新]

JSPは4月上旬に急落したが売り一巡して反発、17年3月期増益基調期待

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品専業の大手で、自動車用や住宅用など高付加価値製品の開発・拡販を推進している。16年3月期は増益・増配予想である。高付加価値製品の拡販、原料価格と販売価格の差であるスプレッドの適正水準への回復などが寄与して、17年3月期も増益基調が期待される。株価は4月上旬に急落する場面があったが、売り一巡して反発展開だろう。

■発泡プラスチック製品専業大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 三菱瓦斯化学<4182>がTOB(買付価格2686円)を実施し、15年3月16日をもって同社の連結子会社となった。

 発泡プラスチック製品専業の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

■高機能・高付加価値製品の開発・拡販を推進

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など、高機能・高付加価値製品の拡販を推進するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。

 15年1月には米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート「integxion事業に参入し、米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。

 さらに高機能新製品としては、多層化技術を用いた高性能発泡ポリエチレンシート「xealogic」、環境にやさしい植物由来のポリ乳酸発泡ビーズ・発泡体「LACTIF」、各種樹脂・金属・無機機材と発泡体との複合体「ACTech」、極めて高い光反射率(100%に近い)「超微細発泡シート」、ポリカーボネートを当社技術で発泡させて防蟻剤なしでシロアリに浸食されない唯一の発泡プラスチック断熱材「ミラポリカフォーム」などの開発や用途拡大を推進している。

■自動車用「ピーブロック」を国内外で生産拡大

 14年4月には、発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 海外生産は14年11月に中国・武漢およびタイで、それぞれ「ピーブロック」を製造販売する子会社の設立と新工場の建設を発表した。需要が拡大している中国およびタイにおいて「ピーブロック」の安定供給を図る。生産開始時期は中国が17年1月、タイが16年3月の予定だ。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造の4拠点目となる。

 なおインドにおける「ピーブロック」生産については、工場建設を17年3月期以降に延期している。インドにおける需要は拡大基調だが、成長速度が依然緩やかであり、採算性の確保に時間を擁するためとしている。インド向けには当面、シンガポール子会社から製品供給する。

■16年3月期から有形固定資産の減価償却方法変更

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)283億77百万円、第2四半期(7月〜9月)298億89百万円、第3四半期(10月〜12月)299億75百万円、第4四半期(1月〜3月)286億82百万円、営業利益は第1四半期9億25百万円、第2四半期17億48百万円、第3四半期17億29百万円、第4四半期12億65百万円だった。

 為替、原油価格、プロダクトミックスなども影響する収益構造である。15年3月期の売上総利益率は24.5%で14年3月期比0.7ポイント低下、販管費比率は19.7%で同0.2ポイント低下、ROEは6.5%で同1.7ポイント低下、自己資本比率は56.0%で同2.6ポイント上昇した。なお配当性向は22.1%だった。

 16年3月期から、有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更した。当社グループの生産設備は技術的陳腐化リスクが少なく安定的な使用が見込まれるため、定額法による期間損益計算がより合理的に使用実態を反映できると判断した。

■16年3月期第3四半期累計は大幅増益

 前期(16年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比0.8%減の875億45百万円、営業利益が同68.7%増の74億28百万円、経常利益が同52.6%増の72億50百万円、純利益が同48.6%増の52億09百万円だった。

 国内景気回復遅れによる需要減少、原燃料価格下落に伴う製品価格改定などで減収だったが、高付加価値製品拡販によるプロダクトミックスの改善、国内における原料価格と販売価格の差であるスプレッドの適正水準への回復、償却方法変更による減価償却費の減少、海外事業における販売数量増加と円安に伴う円換算額の増加などが寄与して大幅増益だった。

 売上総利益率は29.3%で同4.8ポイント上昇、販管費比率は20.8%で同1.3ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化(前期は差益1億15百万円計上、今期は差損4億62百万円計上)したが、持分法投資損益はやや改善(前期は損失2百万円計上、今期は利益12百万円計上)した。特別利益では新工場建設に伴う補助金収入3億01百万円を計上、特別損失では在ドイツ欧州孫会社における事業構造改革(老朽化した成形工場を17年3月閉鎖予定)費用4億11百万円を計上した。

 セグメント別に見ると、押出事業は売上高が同4.9%減の291億54百万円、営業利益(連結調整前)が同86.7%増の22億80百万円だった。国内における需要減少などで減収だったが、原料価格と販売価格のスプレッドの適正化、償却方法変更による減価償却費の減少などが寄与して大幅増益だった。

 ビーズ事業は、売上高が同2.7%増の540億45百万円となり、営業利益が同61.4%増の58億12百万円だった。国内における需要減少の影響があったが、高付加価値の発泡ポリプロピレン「ピーブロック」が、自動車部品への採用拡大や家電包材緩衝剤の需要拡大などで好調に推移した。円安に伴う円換算額の増加や償却方法変更による減価償却費の減少も寄与して大幅増益だった。その他事業は売上高が同12.4%減の43億45百万円、営業利益が同30.2%減の15百万円だった。

 なお四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)278億04百万円、第2四半期(7月〜9月)294億07百万円、第3四半期(10月〜12月)303億24百万円、営業利益は第1四半期16億49百万円、第2四半期24億71百万円、第3四半期33億08百万円だった。営業損益は拡大基調だ。

■16年3月期通期大幅増益・増配予想、17年3月期も増益基調期待

 前期(16年3月期)通期の連結業績予想(10月29日に売上高を減額、利益を増額)は、売上高が前々期(15年3月期)比1.2%減の1155億円、営業利益が同41.2%増の80億円、経常利益が同32.3%増の80億円、そして純利益が同28.7%増の52億円としている。最高益更新予想だ。

 国内における需要低迷、原燃料価格下落に伴う製品価格改定などで減収だが、高付加価値製品拡販によるプロダクトミックス改善、原料価格と販売価格のスプレッドの適正化、償却方法変更による減価償却費減少(約6億60百万円)などで大幅増益予想だ。なお前提は為替レートが1米ドル=120円、1ユーロ=134円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=50米ドルとしている。

 主要セグメント別の計画は、押出事業の売上高が同1.0%減の395億10百万円、営業利益(連結調整前)が同79.4%増の24億18百万円、ビーズ事業の売上高が同微減の703億12百万円、営業利益が同36.1%増の66億07百万円としている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.8%、営業利益が92.8%、経常利益が90.6%、純利益が100.2%と高水準である。通期利益予想は再増額余地があるだろう。さらに今期(17年3月期)も増益基調が期待される。

 配当予想(1月29日に増額修正)は、同10円増配の年間40円(第2四半期末15円、期末25円)で、予想配当性向は22.9%となる。利益配分については、安定した配当を重視するとともに、各事業年度の連結業績と将来の事業展開に必要な内部留保の充実などを勘案しながら、総合的に決定する方針としている。

■新中期経営計画で18年3月期営業利益率6.5%以上目標

 15年5月策定の新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期の売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業は高収益体質へのシフトを加速する。海外事業は「ピーブロック」の拠点拡大と能力増強を推進に加えて「ピーブロック」に次ぐ第2の柱の育成を目指す。そして3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は4月上旬に急落したが、売り一巡して反発

 株価の動きを見ると、4月上旬に2200円近辺でのモミ合いから下放れて急落する場面があったが、4月8日の年初来安値1845円から切り返しの動きを強めている。売り一巡したようだ。

 4月13日の終値1941円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS174円43銭で算出)は11〜12倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は2.1%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS2190円61銭で算出)は0.9倍近辺である。時価総額は約610億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形となったが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が拡大して売られ過ぎ感を強めている。指標面に割高感はなく、売り一巡して反発展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月01日更新]

JSPは16年3月期第3四半期累計大幅増益で配当予想増額、通期利益も再増額の可能性

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品専業の大手で、自動車用や住宅用など高付加価値製品の開発・拡販を推進している。1月29日に発表した16年3月期第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は大幅増益で、配当予想の増額も発表した。16年3月期通期は最高益更新予想である。さらに原油価格下落メリットなどが寄与して通期利益は再増額の可能性が高いだろう。株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、調整が一巡して出直り展開だろう。

■発泡プラスチック製品専業大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 三菱瓦斯化学<4182>がTOB(買付価格2686円)を実施し、15年3月16日をもって同社の連結子会社となった。

 発泡プラスチック製品専業の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

■高機能・高付加価値製品の開発・拡販を推進

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など、高機能・高付加価値製品の拡販を推進するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。

 15年1月には米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート「integxion事業に参入し、米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。

 さらに高機能新製品としては、多層化技術を用いた高性能発泡ポリエチレンシート「xealogic」、環境にやさしい植物由来のポリ乳酸発泡ビーズ・発泡体「LACTIF」、各種樹脂・金属・無機機材と発泡体との複合体「ACTech」、極めて高い光反射率(100%に近い)「超微細発泡シート」、ポリカーボネートを当社技術で発泡させて防蟻剤なしでシロアリに浸食されない唯一の発泡プラスチック断熱材「ミラポリカフォーム」などの開発や用途拡大を推進している。

■自動車用「ピーブロック」を国内外で生産拡大

 14年4月には、発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 海外生産は14年11月に中国・武漢およびタイで、それぞれ「ピーブロック」を製造販売する子会社の設立と新工場の建設を発表した。需要が拡大している中国およびタイにおいて「ピーブロック」の安定供給を図る。生産開始時期は中国が17年1月、タイが16年3月の予定だ。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造の4拠点目となる。

 なおインドにおける「ピーブロック」生産については、工場建設を17年3月期以降に延期している。インドにおける需要は拡大基調だが、成長速度が依然緩やかであり、採算性の確保に時間を擁するためとしている。インド向けには当面、シンガポール子会社から製品供給する。

■16年3月期から有形固定資産の減価償却方法変更

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)283億77百万円、第2四半期(7月〜9月)298億89百万円、第3四半期(10月〜12月)299億75百万円、第4四半期(1月〜3月)286億82百万円、営業利益は第1四半期9億25百万円、第2四半期17億48百万円、第3四半期17億29百万円、第4四半期12億65百万円だった。

 為替、原油価格、プロダクトミックスなども影響する収益構造である。また15年3月期のROEは14年3月期比1.7ポイント低下して6.5%、自己資本比率は同2.6ポイント上昇して56.0%となった。配当性向は22.1%だった。

 また16年3月期から、有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更した。当社グループの生産設備は技術的陳腐化リスクが少なく安定的な使用が見込まれるため、定額法による期間損益計算がより合理的に使用実態を反映できると判断した。

■16年3月期第3四半期累計は大幅増益

 1月29日に発表した今期(16年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比0.8%減の875億45百万円だったが、営業利益が同68.7%増の74億28百万円、経常利益が同52.6%増の72億50百万円、純利益が同48.6%増の52億09百万円と大幅増益だった。

 国内景気回復遅れによる需要減少、原燃料価格下落に伴う製品価格改定などで減収だったが、国内における原料価格と販売価格の差であるスプレッドの適正水準への回復、高付加価値製品拡販によるプロダクトミックスの改善、償却方法変更による減価償却費の減少、海外事業における販売数量増加と円安に伴う円換算額の増加などが寄与して大幅増益だった。

 売上総利益率は29.3%で同4.8ポイント上昇、販管費比率は20.8%で同1.3ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化(前期は差益1億15百万円計上、今期は差損4億62百万円計上)したが、持分法投資損益はやや改善(前期は損失2百万円計上、今期は利益12百万円計上)した。特別利益では新工場建設に伴う補助金収入3億01百万円を計上、特別損失では在ドイツ欧州孫会社における事業構造改革(老朽化した成形工場を17年3月閉鎖予定)費用4億11百万円を計上した。

 セグメント別に見ると、押出事業は売上高が同4.9%減の291億54百万円、営業利益(連結調整前)が同86.7%増の22億80百万円だった。国内における需要減少などで減収だったが、原料価格と販売価格のスプレッドの適正化、償却方法変更による減価償却費の減少などが寄与して大幅増益だった。

 ビーズ事業は、売上高が同2.7%増の540億45百万円となり、営業利益が同61.4%増の58億12百万円だった。国内における需要減少の影響があったが、高付加価値の発泡ポリプロピレン「ピーブロック」が、自動車部品への採用拡大や家電包材緩衝剤の需要拡大などで好調に推移した。円安に伴う円換算額の増加や償却方法変更による減価償却費の減少も寄与して大幅増益だった。その他事業は売上高が同12.4%減の43億45百万円、営業利益が同30.2%減の15百万円だった。

 なお四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)278億04百万円、第2四半期(7月〜9月)294億07百万円、第3四半期(10月〜12月)303億24百万円、営業利益は第1四半期16億49百万円、第2四半期24億71百万円、第3四半期33億08百万円だった。営業損益は拡大基調だ。

■16年3月期通期大幅増益予想、配当予想を増額、通期利益は再増額の可能性

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想については、前回予想(10月29日に売上高を減額、利益を増額)を据え置いて、売上高が前期比1.2%減の1155億円、営業利益が同41.2%増の80億円、経常利益が同32.3%増の80億円、純利益が同28.7%増の52億円としている。最高益更新予想だ。

 国内における需要低迷、原燃料価格下落に伴う製品価格改定などで減収だが、原料価格と販売価格のスプレッドの適正化、高付加価値製品拡販によるプロダクトミックス改善、償却方法変更による減価償却費減少(約6億60百万円)などで大幅増益予想だ。なお前提は為替レートが1米ドル=120円、1ユーロ=134円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=50米ドルとしている。

 主要セグメント別の計画は、押出事業の売上高が同1.0%減の395億10百万円、営業利益(連結調整前)が同79.4%増の24億18百万円、ビーズ事業の売上高が同微減の703億12百万円、営業利益が同36.1%増の66億07百万円としている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.8%、営業利益が92.8%、経常利益が90.6%、純利益が100.2%と高水準である。原油価格下落メリットなどで通期利益予想は再増額の可能性が高いだろう。

 配当予想は1月29日に増額修正を発表した。期末10円増額して年間40円(第2四半期末15円、期末25円)とした。前回予想(4月30日公表)の年間30円に対して10円増額で、前期実績の年間30円との比較でも10円増配となる。予想配当性向は22.9%となる。利益配分については、安定した配当を重視するとともに、各事業年度の連結業績と将来の事業展開に必要な内部留保の充実などを勘案しながら、総合的に決定する方針としている。

■新中期経営計画で18年3月期営業利益率6.5%以上目標

 15年5月発表の新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期の売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業は高収益体質へのシフトを加速する。海外事業は「ピーブロック」の拠点拡大と能力増強を推進に加えて「ピーブロック」に次ぐ第2の柱の育成を目指す。そして3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は調整一巡して出直り

 株価の動きを見ると、地合い悪化の影響を受ける場面があったが、1月21日の直近安値2084円から切り返しの動きを強めている。29日には2344円まで上伸した。調整が一巡したようだ。

 1月29日の終値2322円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS174円43銭で算出)は13〜14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は1.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2190円61銭で算出)は1.1倍近辺である。時価総額は約729億円である。

 週足チャートで見ると直近安値圏の下ヒゲで調整一巡感を強めている。そして26週移動平均線を突破して強基調へ転換の動きも強めている。指標面に割高感はなく出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月14日更新]

JSPは高付加価値製品の開発・拡販を推進、16年3月期は最高益予想

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品専業の大手である。自動車用や住宅用など高付加価値製品の開発・拡販を推進して16年3月期は最高益更新予想だ。株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げたが指標面に割高感はなく、調整が一巡して反発のタイミングだろう。

■発泡プラスチック製品専業大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 三菱瓦斯化学<4182>がTOB(買付価格2686円)を実施し、15年3月16日をもって同社の連結子会社となった。

 発泡プラスチック製品専業の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

■高機能・高付加価値製品の開発・拡販を推進

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など、高機能・高付加価値製品の拡販を推進するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。

 15年1月には米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート「integxion事業に参入し、米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。

 さらに高機能新製品としては、多層化技術を用いた高性能発泡ポリエチレンシート「xealogic」、環境にやさしい植物由来のポリ乳酸発泡ビーズ・発泡体「LACTIF」、各種樹脂・金属・無機機材と発泡体との複合体「ACTech」、極めて高い光反射率(100%に近い)「超微細発泡シート」、ポリカーボネートを当社技術で発泡させて防蟻剤なしでシロアリに浸食されない唯一の発泡プラスチック断熱材「ミラポリカフォーム」などの開発や用途拡大を推進している。

■自動車用「ピーブロック」を国内外で生産拡大

 14年4月には、発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 海外生産では14年11月に、中国・武漢およびタイで、それぞれ「ピーブロック」を製造販売する子会社の設立と新工場の建設を発表した。需要が拡大している中国およびタイにおいて「ピーブロック」の安定供給を図る。生産開始時期は中国が17年1月、タイが16年3月の予定だ。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造の4拠点目となる。

 なおインドにおける「ピーブロック」生産については、工場建設を17年3月期以降に延期している。インドにおける需要は拡大基調だが、成長速度が依然緩やかであり、採算性の確保に時間を擁するためとしている。インド向けには当面、シンガポール子会社から製品供給する。

■16年3月期から有形固定資産の減価償却方法変更

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)283億77百万円、第2四半期(7月〜9月)298億89百万円、第3四半期(10月〜12月)299億75百万円、第4四半期(1月〜3月)286億82百万円、営業利益は第1四半期9億25百万円、第2四半期17億48百万円、第3四半期17億29百万円、第4四半期12億65百万円だった。

 為替、原油価格、プロダクトミックスなども影響する収益構造である。また15年3月期のROEは14年3月期比1.7ポイント低下して6.5%、自己資本比率は同2.6ポイント上昇して56.0%となった。配当性向は22.1%だった。

 また16年3月期から、有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更した。当社グループの生産設備は技術的陳腐化リスクが少なく安定的な使用が見込まれるため、定額法による期間損益計算がより合理的に使用実態を反映できると判断した。

■16年3月期第2四半期累計は大幅増益

 今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)連結業績は、売上高が前年同期比1.8%減の572億21百万円だったが、営業利益が同54.1%増の41億20百万円、経常利益が同39.9%増の41億07百万円、純利益が同33.5%増の28億79百万円と大幅増益だった。

 原燃料価格下落に伴う製品価格改定も影響して売上高は計画をやや下回ったが、高付加価値製品拡販によるプロダクトミックスの改善、海外事業における販売数量増加と円安に伴う円換算額の増加、国内における原料価格と販売価格のスプレッドの適正化、償却方法変更による減価償却費の減少などが寄与して大幅増益だった。

 売上総利益率は28.3%で同4.2ポイント上昇、販管費比率は21.1%で同1.6ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化(前期は差益1億04百万円計上、今期は差損1億85百万円計上)した。特別利益では補助金収入3億01百万円を計上、特別損失では在ドイツ欧州孫会社における事業構造改革費用3億88百万円を計上した。

 セグメント別に見ると、押出事業は売上高が同7.5%減の185億09百万円だったが、営業利益(連結調整前)が同69.8%増の11億86百万円だった。国内における需要減少などで減収だったが、原料価格と販売価格のスプレッドの適正化、償却方法変更による減価償却費の減少などが寄与して大幅増益だった。

 ビーズ事業は、売上高が同2.6%増の358億62百万円となり、営業利益が同48.3%増の33億94百万円だった。高付加価値の発泡ポリプロピレン「ピーブロック」が自動車の新規部品への採用拡大や、家電包材緩衝剤の需要拡大などで好調に推移し、円安に伴う円換算額の増加も寄与して増収増益だった。その他は売上高が同13.8%減の28億48百万円、営業利益が18百万円の赤字(前年同期は30百万円の赤字)だった。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)278億04百万円、第2四半期(7月〜9月)294億07百万円、営業利益は第1四半期16億49百万円、第2四半期24億71百万円だった。営業損益は拡大基調だ。

■16年3月期通期大幅増益予想

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想(10月29日に売上高を減額、利益を増額)は、売上高が前期比1.2%減の1155億円、営業利益が同41.2%増の80億円、経常利益が同32.3%増の80億円、純利益が同28.7%増の52億円としている。前回予想(4月30日公表)に対して売上高を35億円減額したが、営業利益を10億円増額、経常利益を9億円増額、純利益を4億円増額した。期初計画に対して増益幅が拡大して最高益更新予想だ。

 なお前提は為替レートが1米ドル=120円(前回予想から変更なし)、1ユーロ=134円(前回予想は1ユーロ=130円)、原油価格(ドバイ)が1バーレル=50米ドル(前回予想は1バーレル=60米ドル)としている。

 配当予想は前回予想(4月30日公表)を据え置いて前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。予想配当性向は17.2%となる。

 売上高面では原燃料価格下落に伴う製品価格改定や、アジアおよび南米の景気減速の影響で期初計画を下回り減収予想だが、利益面では高付加価値製品拡販によるプロダクトミックス改善効果に加えて、償却方法変更による減価償却費減少(約6億60百万円)も寄与して大幅増益予想だ。

 北米においては、発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の自動車部品への採用拡大や、競技用グラウンド基礎緩衝剤・敷石用下地材の販売好調が寄与する。国内においては、原料価格と販売価格のスプレッドが適正水準に回復したことに加えて、液晶パネル関連輸送用包材の発泡ポリエチレンシート「ミラマット」や、建築・土木関連発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」など高付加価値製品の好調も寄与する。

 主要セグメント別計画を見ると、押出事業は売上高が同1.0%減の395億10百万円、営業利益(連結調整前)が同79.4%増の24億18百万円、ビーズ事業は売上高が同微減の703億12百万円、営業利益が同36.1%増の66億07百万円としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.6%、営業利益が51.5%、経常利益が51.3%、純利益が55.4%と概ね順調な水準である。通期ベースでも好業績が期待される。

■新中期経営計画で18年3月期営業利益率6.5%以上目標

 15年5月発表の新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期の売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業は高収益体質へのシフトを加速する。海外事業は「ピーブロック」の拠点拡大と能力増強を推進に加えて「ピーブロック」に次ぐ第2の柱の育成を目指す。そして3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は調整一巡して反発のタイミング

 株価の動きを見ると、11月昨年来高値2763円から反落し、地合い悪化も影響して水準を切り下げ、1月12日に2277円まで下押した。ただし売られ過ぎ感を強めている。

 1月13日の終値2330円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS174円43銭で算出)は13〜14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2190円61銭で算出)は1.1倍近辺である。時価総額は約732億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込んだが、26週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。指標面に割高感はなく調整が一巡して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月17日更新]

JSPは自律調整一巡して11月高値目指す、16年3月期最高益更新予想

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品専業の大手で、自動車用や住宅用など高付加価値製品の開発・拡販を強化している。16年3月期は最高益更新予想だ。株価は11月の年初来高値2763円から利益確定売りで一旦反落したが、指標面に割高感はなく、自律調整が一巡して11月の年初来高値圏を目指す展開だろう。

■発泡プラスチック製品専業大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 三菱瓦斯化学<4182>がTOB(買付価格2686円)を実施し、15年3月16日をもって同社の連結子会社となった。

 発泡プラスチック製品専業の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

■高機能・高付加価値製品の開発・拡販を強化

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など、高機能・高付加価値製品の拡販を強化するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。

 15年1月には米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート「integxion事業に参入し、米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。

 さらに高機能新製品としては、多層化技術を用いた高性能発泡ポリエチレンシート「xealogic」、環境にやさしい植物由来のポリ乳酸発泡ビーズ・発泡体「LACTIF」、各種樹脂・金属・無機機材と発泡体との複合体「ACTech」、極めて高い光反射率(100%に近い)「超微細発泡シート」、ポリカーボネートを当社技術で発泡させて防蟻剤なしでシロアリに浸食されない唯一の発泡プラスチック断熱材「ミラポリカフォーム」などの開発や用途拡大を推進している。

■自動車用「ピーブロック」を国内外で生産拡大

 14年4月には、発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 海外生産では14年11月に、中国・武漢およびタイで、それぞれ「ピーブロック」を製造販売する子会社の設立と新工場の建設を発表した。需要が拡大している中国およびタイにおいて「ピーブロック」の安定供給を図る。生産開始時期は中国が17年1月、タイが16年3月の予定だ。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造の4拠点目となる。

 なおインドにおける「ピーブロック」生産については、工場建設を17年3月期以降に延期している。インドにおける需要は拡大基調だが、成長速度が依然緩やかであり、採算性の確保に時間を擁するためとしている。インド向けには当面、シンガポール子会社から製品供給する。

■16年3月期から有形固定資産の減価償却方法変更

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)283億77百万円、第2四半期(7月〜9月)298億89百万円、第3四半期(10月〜12月)299億75百万円、第4四半期(1月〜3月)286億82百万円、営業利益は第1四半期9億25百万円、第2四半期17億48百万円、第3四半期17億29百万円、第4四半期12億65百万円だった。

 為替、原油価格、プロダクトミックスなども影響する収益構造である。また15年3月期のROEは14年3月期比1.7ポイント低下して6.5%、自己資本比率は同2.6ポイント上昇して56.0%、配当性向は22.1%だった。

 また16年3月期から、有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更した。当社グループの生産設備は技術的陳腐化リスクが少なく安定的な使用が見込まれるため、定額法による期間損益計算がより合理的に使用実態を反映できると判断した。

■16年3月期第2四半期累計は大幅増益

 今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.8%減の572億21百万円だが、営業利益が同54.1%増の41億20百万円、経常利益が同39.9%増の41億07百万円、純利益が同33.5%増の28億79百万円と大幅増益だった。

 原燃料価格下落に伴う製品価格改定も影響して売上高は計画をやや下回ったが、高付加価値製品拡販によるプロダクトミックスの改善、海外事業における販売数量増加と円安に伴う円換算額の増加、国内における原料価格と販売価格のスプレッドの適正化、償却方法変更による減価償却費の減少などが寄与して大幅増益だった。

 なお売上総利益率は同4.2ポイント上昇して28.3%、販管費比率は同1.6ポイント上昇して21.1%だった。営業外では為替差損益が悪化(前期は差益1億04百万円、今期は差損1億85百万円)し、特別利益では補助金収入3億01百万円、特別損失では在ドイツ欧州孫会社における事業構造改革費用3億88百万円を計上した。

 セグメント別に見ると、押出事業は売上高が同7.5%減の185億09百万円だったが、営業利益(全社費用等調整前)が同69.8%増の11億86百万円だった。国内における需要減少などで減収だったが、原料価格と販売価格のスプレッドの適正化、償却方法変更による減価償却費の減少などが寄与して大幅増益だった。

 ビーズ事業は、売上高が同2.6%増の358億62百万円で、営業利益が同48.3%増の33億94百万円だった。高付加価値の発泡ポリプロピレン「ピーブロック」が自動車の新規部品への採用拡大や、家電包材緩衝剤の需要拡大などで好調に推移し、円安に伴う円換算額の増加も寄与して増収増益だった。その他は売上高が同13.8%減の28億48百万円、営業利益が18百万円の赤字(前年同期は30百万円の赤字)だった。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)278億04百万円、第2四半期(7月〜9月)294億07百万円、営業利益は第1四半期16億49百万円、第2四半期24億71百万円だった。営業損益は拡大基調だ。

■16年3月期通期利益予想を増額して大幅増益

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想については、10月29日に売上高を減額、利益を増額修正し、売上高が前期比1.2%減の1155億円、営業利益が同41.2%増の80億円、経常利益が同32.3%増の80億円、純利益が同28.7%増の52億円としている。

 前回予想(4月30日公表)に対して、売上高は35億円減額したが、営業利益は10億円増額、経常利益は9億円増額、純利益は4億円増額した。期初計画に対して増益幅が拡大して最高益更新予想だ。

 なお前提は、為替レートが1米ドル=120円(前回予想から変更なし)、1ユーロ=134円(前回予想は1ユーロ=130円)、原油価格(ドバイ)が1バーレル=50米ドル(前回予想は1バーレル=60米ドル)としている。

 配当予想は前回予想(4月30日公表)を据え置いて前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。予想配当性向は17.2%となる。

 売上高面では原燃料価格下落に伴う製品価格改定や、アジアおよび南米の景気減速の影響で期初計画を下回り減収予想だが、利益面では高付加価値製品拡販によるプロダクトミックス改善効果、償却方法変更による減価償却費の減少(約6億60百万円)も寄与して大幅増益予想だ。

 そして北米においては、発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の自動車部品への採用拡大や、競技用グラウンド基礎緩衝剤・敷石用下地材の販売好調が寄与する。国内においては、原料価格と販売価格のスプレッドが適正水準に回復したことに加えて、液晶パネル関連輸送用包材の発泡ポリエチレンシート「ミラマット」や、建築・土木関連発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」など高付加価値製品の好調も寄与する。

 修正後の主要セグメント別の計画を見ると、押出事業は売上高が同1.0%減の395億10百万円で、営業利益(全社費用等調整前)が同79.4%増の24億18百万円、ビーズ事業は売上高が同微減の703億12百万円で、営業利益が同36.1%増の66億07百万円としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は、売上高が49.6%、営業利益が51.5%、経常利益が51.3%、純利益が55.4%と概ね順調な水準である。通期ベースでも好業績が期待される。

■新中期経営計画で18年3月期営業利益率6.5%以上目標

 15年5月に発表した新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業は高収益体質へのシフトを加速する。海外事業は「ピーブロック」の拠点拡大と能力増強を推進するとともに「ピーブロック」に次ぐ第2の柱の育成を目指す。そして3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は自律調整一巡

 株価の動きを見ると、11月4日の年初来高値2763円から利益確定売りで一旦反落したが、直近安値圏2300円〜2400円近辺で下げ渋り、自律調整一巡感を強めている。

 12月16日の終値2418円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS174円43銭で算出)は13〜14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2190円61銭で算出)は1.1倍近辺である。時価総額は約760億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が接近した。自律調整が一巡して切り返しのタイミングのようだ。指標面に割高感はなく、16年3月期最高益更新予想を評価して11月の年初来高値圏を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月25日更新]

JSPは16年3月期利益増額修正も好感して年初来高値更新の展開

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品専業の大手で、自動車用や住宅用など高付加価値製品の開発・拡販を強化している。株価は16年3月期利益増額修正も好感して11月4日の年初来高値2763円まで急伸し、その後も高値圏で堅調に推移している。指標面に割高感はなく、16年3月期最高益更新予想を評価して上値追いの展開だろう。

■発泡プラスチック製品専業大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販

 三菱瓦斯化学<4182>がTOB(買付価格2686円)を実施し、15年3月16日をもって同社の連結子会社となった。

 発泡プラスチック製品専業の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

■高機能・高付加価値製品の開発・拡販を強化

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など、高機能・高付加価値製品の拡販を強化するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。

 15年1月には米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート「integxion事業に参入し、米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。

 さらに高機能新製品としては、多層化技術を用いた高性能発泡ポリエチレンシート「xealogic」、環境にやさしい植物由来のポリ乳酸発泡ビーズ・発泡体「LACTIF」、各種樹脂・金属・無機機材と発泡体との複合体「ACTech」、極めて高い光反射率(100%に近い)「超微細発泡シート」、ポリカーボネートを当社技術で発泡させて防蟻剤なしでシロアリに浸食されない唯一の発泡プラスチック断熱材「ミラポリカフォーム」などの開発や用途拡大を推進している。

■自動車用「ピーブロック」を国内外で生産拡大

 14年4月には、発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 海外生産では14年11月に、中国・武漢およびタイで、それぞれ「ピーブロック」を製造販売する子会社の設立と新工場の建設を発表した。需要が拡大している中国およびタイにおいて「ピーブロック」の安定供給を図る。生産開始時期は中国が17年1月、タイが16年3月の予定だ。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造の4拠点目となる。

 なおインドにおける「ピーブロック」生産については、工場建設を17年3月期以降に延期している。インドにおける需要は拡大基調だが、成長速度が依然緩やかであり、採算性の確保に時間を擁するためとしている。インド向けには当面、シンガポール子会社から製品供給する。

■16年3月期から有形固定資産の減価償却方法変更

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)283億77百万円、第2四半期(7月〜9月)298億89百万円、第3四半期(10月〜12月)299億75百万円、第4四半期(1月〜3月)286億82百万円、営業利益は第1四半期9億25百万円、第2四半期17億48百万円、第3四半期17億29百万円、第4四半期12億65百万円だった。

 為替、原油価格、プロダクトミックスなども影響する収益構造である。また15年3月期のROEは14年3月期比1.7ポイント低下して6.5%、自己資本比率は同2.6ポイント上昇して56.0%、配当性向は22.1%だった。

 また16年3月期から、有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更した。当社グループの生産設備は技術的陳腐化リスクが少なく安定的な使用が見込まれるため、定額法による期間損益計算がより合理的に使用実態を反映できると判断した。

■16年3月期第2四半期累計は大幅増益、通期利益予想を増額

 今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.8%減の572億21百万円だが、営業利益が同54.1%増の41億20百万円、経常利益が同39.9%増の41億07百万円、純利益が同33.5%増の28億79百万円と大幅増益だった。

 原燃料価格下落に伴う製品価格改定も影響して売上高は計画をやや下回ったが、高付加価値製品拡販によるプロダクトミックスの改善、海外事業における販売数量増加と円安に伴う円換算額の増加、国内における原料価格と販売価格のスプレッドの適正化、償却方法変更による減価償却費の減少などが寄与して大幅増益だった。

 なお売上総利益率は同4.2ポイント上昇して28.3%、販管費比率は同1.6ポイント上昇して21.1%だった。営業外では為替差損益が悪化(前期は差益1億04百万円、今期は差損1億85百万円)し、特別利益では補助金収入3億01百万円、特別損失では在ドイツ欧州孫会社における事業構造改革費用3億88百万円を計上した。

 セグメント別に見ると、押出事業は売上高が同7.5%減の185億09百万円だったが、営業利益(全社費用等調整前)が同69.8%増の11億86百万円だった。国内における需要減少などで減収だったが、原料価格と販売価格のスプレッドの適正化、償却方法変更による減価償却費の減少などが寄与して大幅増益だった。

 ビーズ事業は、売上高が同2.6%増の358億62百万円で、営業利益が同48.3%増の33億94百万円だった。高付加価値の発泡ポリプロピレン「ピーブロック」が自動車の新規部品への採用拡大や、家電包材緩衝剤の需要拡大などで好調に推移し、円安に伴う円換算額の増加も寄与して増収増益だった。その他は売上高が同13.8%減の28億48百万円、営業利益が18百万円の赤字(前年同期は30百万円の赤字)だった。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)278億04百万円、第2四半期(7月〜9月)294億07百万円、営業利益は第1四半期16億49百万円、第2四半期24億71百万円だった。営業損益は拡大基調だ。

 通期の連結業績予想については、10月29日に売上高を減額、利益を増額修正した。前回予想(4月30日公表)に対して、売上高は35億円減額して前期比1.2%減の1155億円、営業利益は10億円増額して同41.2%増の80億円、経常利益は9億円増額して同32.3%増の80億円、純利益は4億円増額して同28.7%増の52億円とした。期初計画に対して増益幅が拡大して最高益更新予想だ。

 なお前提は、為替レートが1米ドル=120円(前回予想から変更なし)、1ユーロ=134円(前回予想は1ユーロ=130円)、原油価格(ドバイ)が1バーレル=50米ドル(前回予想は1バーレル=60米ドル)としている。

 配当予想は前回予想(4月30日公表)を据え置いて前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。予想配当性向は17.2%となる。

 売上高面では原燃料価格下落に伴う製品価格改定や、アジアおよび南米の景気減速の影響で期初計画を下回り減収予想だが、利益面では高付加価値製品拡販によるプロダクトミックス改善効果、償却方法変更による減価償却費の減少(約6億60百万円)も寄与して大幅増益予想だ。

 そして北米においては、発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の自動車部品への採用拡大や、競技用グラウンド基礎緩衝剤・敷石用下地材の販売好調が寄与する。国内においては、原料価格と販売価格のスプレッドが適正水準に回復したことに加えて、液晶パネル関連輸送用包材の発泡ポリエチレンシート「ミラマット」や、建築・土木関連発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」など高付加価値製品の好調も寄与する。

 修正後の主要セグメントの計画を見ると、押出事業は売上高が同1.0%減の395億10百万円で、営業利益(全社費用等調整前)が同79.4%増の24億18百万円、ビーズ事業は売上高が同微減の703億12百万円で、営業利益が同36.1%増の66億07百万円としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は、売上高が49.6%、営業利益が51.5%、経常利益が51.3%、純利益が55.4%と概ね順調な水準である。通期ベースでも好業績が期待される。

■新中期経営計画で18年3月期営業利益率6.5%以上目標

 15年5月に発表した新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業は高収益体質へのシフトを加速する。海外事業は「ピーブロック」の拠点拡大と能力増強を推進するとともに「ピーブロック」に次ぐ第2の柱の育成を目指す。そして3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は年初来高値更新の展開

 株価の動きを見ると、8月下旬〜10月上旬の年初来安値圏1800円台で下値固めが完了して切り返し、16年3月期利益増額修正も好感して11月4日の年初来高値2763円まで急伸した。その後も高値圏で堅調に推移している。

 11月20日の終値2707円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS174円43銭で算出)は15〜16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2190円61銭で算出)は1.2倍近辺である。時価総額は約850億円である。

 週足チャートで見ると目先的にはやや過熱感もあるが、13週移動平均線が26週移動平均線に続いて52週移動平均線も上抜いた。ゴールデンクロスの形で先高感を強めている。指標面に割高感はなく、16年3月期最高益更新予想を評価して上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月24日更新]

JSPは16年3月期2桁増益予想や低PBRを見直し

 JSP[7942](東1)は発泡プラスチック製品専業の大手で、自動車用や住宅用など高付加価値製品の拡販を強化している。株価は8月の戻り高値2195円から悪地合いの影響で9月7日の年初来安値1816円まで調整したが、その後は1900円近辺で推移して売り一巡感を強めている。16年3月期2桁増益予想や0.9倍近辺の低PBRを見直して反発展開だろう。

■発泡プラスチック製品専業大手、自動車用「ピーブロック」などを拡販

 三菱瓦斯化学<4182>がTOB(買付価格2686円)を実施し、15年3月16日をもって同社の連結子会社となった。

 押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など、高機能・高付加価値製品の拡販を強化するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。

 14年4月には、発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 14年11月には中国・武漢およびタイで、それぞれ「ピーブロック」を製造販売する子会社の設立と新工場の建設を発表した。需要が拡大している中国およびタイにおいて「ピーブロック」の安定供給を図る。生産開始時期は中国が17年1月、タイが16年1月の予定だ。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造の4拠点目となる。

 15年1月には米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート事業に参入した。米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。

 なおインドにおける「ピーブロック」生産については、工場建設を17年3月期以降に延期した。インドにおける需要は拡大基調だが、成長速度が依然緩やかであり、採算性の確保に時間を擁するためとしている。インド向けには当面、シンガポール子会社から製品供給する。

■16年3月期2桁増益予想

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)283億77百万円、第2四半期(7月〜9月)298億89百万円、第3四半期(10月〜12月)299億75百万円、第4四半期(1月〜3月)286億82百万円、営業利益は第1四半期9億25百万円、第2四半期17億48百万円、第3四半期17億29百万円、第4四半期12億65百万円だった。

 また15年3月期の配当性向は22.1%だった。ROEは14年3月期比1.7ポイント低下して6.5%、自己資本比率は同2.6ポイント上昇して56.0%となった。

 16年3月期から、有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更する。当社グループの生産設備は技術的陳腐化リスクが少なく安定的な使用が見込まれるため、定額法による期間損益計算がより合理的に使用実態を反映できると判断した。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(4月30日公表)は、売上高が前期比1.8%増の1190億円、営業利益が同23.5%増の70億円、経常利益が同17.5%増の71億円、純利益が同18.8%増の48億円としている。配当予想は前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)で予想配当性向は18.6%となる。

 前提として、為替レートは1米ドル=120円、1ユーロ=130円、原油価格(ドバイ)1バーレル=60ドルとしている。売上面では原油価格下落に伴って販売価格が低下するが、販売数量が増加する。国内では消費増税反動影響が一巡して高付加価値の住宅用断熱材「ミラフォーム」の需要が回復に向かい、海外は自動車部品用途や家電製品包装材用途の「ピーブロック」の好調が続く見込みだ。

 利益面では、高付加価値の住宅用断熱材「ミラフォーム」の需要回復などプロダクトミックス改善効果、コストアップに対する製品価格是正効果、そして償却方法変更による減価償却費の減少(約6億60百万円)も寄与して2桁増益見込みだ。

 セグメント別の計画を見ると、押出事業は売上高が同1.3%減の394億02百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同45.9%増の19億67百万円、ビーズ事業は売上高が同4.9%増の737億75百万円、営業利益が同21.0%増の58億71百万円、その他事業は売上高が同12.7%減の58億34百万円、営業利益が同45.8%減の32百万円としている。

 第1四半期(4月〜6月)は売上高が前年同期比2.0%減の278億04百万円と減収だったが、営業利益が同78.3%増の16億49百万円、経常利益が同57.2%増の16億13百万円、純利益が同67.9%増の12億71百万円と大幅増益だった。

 原燃料価格の低下、償却方法変更による減価償却費の減少、高付加価値製品拡販によるプロダクトミックスの改善、海外事業における販売数量増加、円安に伴う円換算額の増加などが寄与した。売上総利益率は27.3%で同4.0ポイント上昇した。

 セグメント別に見ると、押出事業は売上高が同7.6%減の90億46百万円だったが、営業利益(全社費用等調整前)が同2.3倍の4億96百万円だった。高付加価値製品の拡販や製造コスト低下などで営業損益が改善した。

 ビーズ事業は、売上高が同2.1%増の173億64百万円、営業利益が同59.7%増の13億81百万円だった。高付加価値の「ピーブロック」が自動車の新規部品採用拡大や家電包材緩衝剤の需要拡大などで好調に推移し、製造コスト低下も寄与して増収増益だった。その他は売上高が同11.9%減の13億93百万円、営業利益が10百万円の赤字(前年同期は11百万円の赤字)だった。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が23.4%、営業利益が23.6%、経常利益が22.7%、純利益が26.5%である。概ね順調な水準であり、通期ベースでも好業績が期待される。

■新中期経営計画で18年3月期営業利益率6.5%以上目標

 15年5月に発表した新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業は高収益体質へのシフトを加速する。海外事業は「ピーブロック」の拠点拡大と能力増強を推進するとともに「ピーブロック」に次ぐ第2の柱の育成を目指す。そして3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は悪地合いの売り一巡、低PBRも見直し

 株価の動きを見ると、第1四半期の大幅増益を好感した8月18日の戻り高値2195円から悪地合いの影響で反落し、9月7日の年初来安値1816円まで調整した。その後は1900円近辺で推移して売り一巡感を強めている。

 9月18日の終値1915円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS161円01銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2190円61銭で算出)は0.9倍近辺である。なお時価総額は約602億円である。

 週足チャートで見ると再び13週移動平均線を割り込んで調整局面だが、徐々下値を切り上げて売り一巡感を強めている。16年3月期2桁増益予想や0.9倍近辺の低PBRを見直して反発展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[8月10日更新]

JSPは第1四半期の大幅増益を好感して出直り

 JSP[7942](東1)は発泡プラスチック製品専業の大手で、自動車用や住宅用など高付加価値製品の拡販を強化している。株価は第1四半期(4月〜6月)の大幅増益を好感して切り返した。7月の年初来安値で底打ちして強基調に転換する動きだ。16年3月期2桁増益予想を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。

■発泡プラスチック製品専業大手、自動車用「ピーブロック」を拡販

 三菱瓦斯化学[4182]がTOB(買付価格2686円)を実施し、15年3月16日をもって同社の連結子会社となった。

 押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など、高機能・高付加価値製品の拡販を強化するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。

 14年4月には、発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 14年11月には中国・武漢およびタイで、それぞれ「ピーブロック」を製造販売する子会社の設立と新工場の建設を発表した。需要が拡大している中国およびタイにおいて「ピーブロック」の安定供給を図る。生産開始時期は中国が17年1月、タイが16年1月の予定だ。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造の4拠点目となる。

 15年1月には米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート事業に参入した。米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。

 インドにおける「ピーブロック」生産については、工場建設を17年3月期以降に延期した。インドにおける需要は拡大基調だが、成長速度が依然緩やかであり、採算性の確保に時間を擁するためとしている。インド向けには当面、シンガポール子会社から製品供給する。

■16年3月期第1四半期は大幅増益

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)283億77百万円、第2四半期(7月〜9月)298億89百万円、第3四半期(10月〜12月)299億75百万円、第4四半期(1月〜3月)286億82百万円、営業利益は第1四半期9億25百万円、第2四半期17億48百万円、第3四半期17億29百万円、第4四半期12億65百万円だった。

 また15年3月期の配当性向は22.1%だった。ROEは14年3月期比1.7ポイント低下して6.5%、自己資本比率は同2.6ポイント上昇して56.0%となった。

 16年3月期から、有形固定資産の減価償却方法を「主として定率法」から「主として定額法」に変更する。当社グループの生産設備は技術的陳腐化リスクが少なく安定的な使用が見込まれるため、定額法による期間損益計算がより合理的に使用実態を反映できると判断した。

 7月30日に発表した今期(16年3月期)第1四半期(4月〜6月)連結業績は、売上高が前年同期比2.0%減の278億04百万円、営業利益が同78.3%増の16億49百万円、経常利益が同57.2%増の16億13百万円、純利益が同67.9%増の12億71百万円だった。

 国内事業における需要減少や製品価格改定の影響で減収だったが、利益面では原燃料価格の低下、償却方法変更による減価償却費の減少、高付加価値製品拡販によるプロダクトミックスの改善、海外事業における販売数量増加、円安に伴う円換算額の増加などで大幅増益だった。売上総利益率は27.3%で同4.0ポイント上昇した。

 セグメント別に見ると、押出事業は売上高が同7.6%減の90億46百万円だったが、営業利益(全社費用等調整前)が同2.3倍の4億96百万円だった。高付加価値製品の拡販や製造コスト低下などで営業損益が改善した。

 ビーズ事業は、売上高が同2.1%増の173億64百万円、営業利益が同59.7%増の13億81百万円だった。高付加価値の「ピーブロック」が自動車の新規部品採用拡大や家電包材緩衝剤の需要拡大などで好調に推移し、製造コストの低下も寄与して増収増益だった。その他は売上高が同11.9%減の13億93百万円、営業利益が10百万円の赤字(前年同期は11百万円の赤字)だった。

 通期の連結業績予想は前回予想(4月30日公表)を据え置いて、売上高が前期比1.8%増の1190億円、営業利益が同23.5%増の70億円、経常利益が同17.5%増の71億円、純利益が同18.8%増の48億円としている。配当予想は前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)で、予想配当性向は18.6%となる。

 前提として、為替レートは1米ドル=120円、1ユーロ=130円、原油価格(ドバイ)1バーレル=60ドルとしている。売上面では原油価格下落に伴って販売価格が低下するが、販売数量が増加する。国内では消費増税反動影響が一巡して高付加価値の住宅用断熱材「ミラフォーム」の需要が回復に向かい、海外は自動車部品用途や家電製品包装材用途の「ピーブロック」の好調が続く見込みだ。

 利益面では、高付加価値の住宅用断熱材「ミラフォーム」の需要回復などプロダクトミックスの改善効果、コストアップに対する製品価格是正効果、そして償却方法変更による減価償却費の減少(約6億60百万円)も寄与して2桁増益見込みだ。

 セグメント別の計画を見ると、押出事業は売上高が同1.3%減の394億02百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同45.9%増の19億67百万円、ビーズ事業は売上高が同4.9%増の737億75百万円、営業利益が同21.0%増の58億71百万円、その他事業は売上高が同12.7%減の58億34百万円、営業利益が同45.8%減の32百万円としている。

 なお通期予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が23.4%、営業利益が23.6%、経常利益が22.7%、純利益が26.5%である。概ね順調な水準であり、通期ベースでも好業績が期待される。

■新中期経営計画で18年3月期営業利益率6.5%以上目標

 15年5月に発表した新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業は高収益体質へのシフトを加速する。海外事業は「ピーブロック」の拠点拡大と能力増強を推進するとともに「ピーブロック」に次ぐ第2の柱の育成を目指す。そして3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は第1四半期の大幅増益を好感、7月安値で底打ちして強基調に転換

 株価の動きを見ると、7月9日の直近安値1860円から切り返しの動きを強めている。8月3日には2108円まで上伸する場面があった。第1四半期の大幅増益を好感する動きだ。

 8月7日の終値2088円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS161円01銭で算出)は13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2190円61銭で算出)は1.0倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、また週足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。7月安値で底打ちして強基調に転換する動きだ。16年3月期2桁増益予想を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[7月24日更新]

JSPは調整一巡、16年3月期2桁増益予想を評価して反発展開

 JSP[7942](東1)は発泡プラスチック製品専業の大手で、自動車用など高付加価値製品の拡販を強化している。株価は3月高値から反落して調整局面だったが、7月9日の直近安値1860円から切り返しの動きを強めている。調整が一巡したようだ。PBR1倍割れ水準で割安感が強く、16年3月期2桁増益予想を評価して反発展開だろう。

■発泡プラスチック製品専業大手、自動車用「ピーブロック」を拡販

 三菱瓦斯化学<4182>がTOB(買付価格2686円)を実施し、15年3月16日をもって同社の連結子会社となった。

 押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。
 
 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など、高機能・高付加価値製品の拡販を強化するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。

 14年4月には、発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 14年11月には中国・武漢およびタイで、それぞれ「ピーブロック」を製造販売する子会社の設立と新工場の建設を発表した。需要が拡大している中国およびタイにおいて「ピーブロック」の安定供給を図る。生産開始時期は中国が17年1月、タイが16年1月の予定だ。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造の4拠点目となる。

 15年1月には米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート事業に参入した。米ミシガン州ジャクソン工場内の新工場で生産開始した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。

 インドにおける「ピーブロック」生産については、工場建設を17年3月期以降に延期した。インドにおける需要は拡大基調だが、成長速度が依然緩やかであり、採算性の確保に時間を擁するためとしている。インド向けには当面、シンガポール子会社から製品供給する。

■16年3月期は増収増益予想

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)283億77百万円、第2四半期(7月〜9月)298億89百万円、第3四半期(10月〜12月)299億75百万円、第4四半期(1月〜3月)286億82百万円、営業利益は第1四半期9億25百万円、第2四半期17億48百万円、第3四半期17億29百万円、第4四半期12億65百万円だった。

 また15年3月期の配当性向は22.1%だった。ROEは14年3月期比1.7ポイント低下して6.5%、自己資本比率は同2.6ポイント上昇して56.0%となった。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(4月30日公表)は、売上高が前期比1.8%増の1190億円、営業利益が同23.5%増の70億円、経常利益が同17.5%増の71億円、純利益が同18.8%増の48億円としている。配当予想は前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)で予想配当性向は18.6%となる。

 なお有形固定資産の減価償却方法を、16年3月期から「主として定率法」から「主として定額法」に変更する。当社グループの生産設備は技術的陳腐化リスクが少なく安定的な使用が見込まれるため、定額法による期間損益計算がより合理的に使用実態を反映できると判断した。

 想定為替レートは1米ドル=120円、1ユーロ=130円、原油価格(ドバイ)は1バーレル=60ドルとしている。売上面では原油価格下落に伴って販売価格が低下するが、販売数量が増加する。国内は消費増税反動影響が一巡して高価格・高付加価値の住宅用断熱材「ミラフォーム」の需要が回復に向かい、海外は自動車部品用途や家電製品包装材用途の「ピーブロック」の好調が続く見込みだ。

 利益面では、高価格・高付加価値の住宅用断熱材「ミラフォーム」の需要回復などプロダクトミックスの改善効果、コストアップに対する製品価格是正効果、そして償却方法変更による減価償却費の減少(約6億60百万円)も寄与して2桁増益見込みだ。

 セグメント別の計画を見ると、押出事業は売上高が同1.3%減の394億02百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同45.9%増の19億67百万円、ビーズ事業は売上高が同4.9%増の737億75百万円、営業利益が同21.0%増の58億71百万円、その他事業は売上高が同12.7%減の58億34百万円、営業利益が同45.8%減の32百万円としている。

■新中期経営計画で18年3月期営業利益率6.5%以上目標

 15年5月に発表した新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業は高収益体質へのシフトを加速する。海外事業は「ピーブロック」の拠点拡大と能力増強を推進するとともに「ピーブロック」に次ぐ第2の柱の育成を目指す。そして3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

■株価は調整一巡して切り返し

 株価の動きを見ると、3月高値2644円から反落して調整局面だったが、全般地合い悪化の影響も受けた7月9日の直近安値1860円から切り返しの動きを強めて21日には2069円まで戻している。調整が一巡したようだ。

 7月23日の終値2029円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS161円01銭で算出)は12〜13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2190円61銭で算出)は0.9倍近辺である。

 日足チャートで見ると戻りを押さえていた25日移動平均線を、また週足チャートで見ると戻りを押さえていた13週移動平均線を突破する動きを強めている。PBR1倍割れ水準で割安感が強く、16年3月期2桁増益予想を評価して反発展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月19日更新]

JSPは調整の最終局面、16年3月期2桁増益予想を評価して切り返し
 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品専業の大手である。株価は3月高値から反落して調整局面が続いたが、PBR1倍割れ水準であり、16年3月期2桁増益予想を評価して切り返し展開だろう。

 三菱瓦斯化学<4182>がTOB(買付価格2686円)を実施し、15年3月16日をもって同社の連結子会社となった。

 押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など、高機能・高付加価値製品の拡販を強化するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。

 14年4月には、発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 14年6月には、米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート事業に参入すると発表した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。米ミシガン州ジャクソン工場内に新工場を建設して15年1月に生産開始した。

 14年11月には中国・武漢およびタイで、それぞれ「ピーブロック」を製造販売する子会社の設立と新工場の建設を発表した。需要が拡大している中国およびタイにおいて「ピーブロック」の安定供給を図る。生産開始時期は中国が17年1月、タイが16年1月の予定だ。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造の4拠点目となる。

 インドにおける「ピーブロック」生産については、工場建設を17年3月期以降に延期した。インドにおける需要は拡大基調だが、成長速度が依然緩やかであり、採算性の確保に時間を擁するためとしている。インド向けには当面、シンガポール子会社から製品供給する。

 なお有形固定資産の減価償却方法を、16年3月期から「主として定率法」から「主として定額法」に変更する。当社グループの生産設備は技術的陳腐化リスクが少なく安定的な使用が見込まれるため、定額法による期間損益計算がより合理的に使用実態を反映できると判断した。

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)283億77百万円、第2四半期(7月〜9月)298億89百万円、第3四半期(10月〜12月)299億75百万円、第4四半期(1月〜3月)286億82百万円、営業利益は第1四半期9億25百万円、第2四半期17億48百万円、第3四半期17億29百万円、第4四半期12億65百万円だった。

 15年3月期の配当性向は22.1%、ROEは14年3月期比1.7ポイント低下して6.5%、自己資本比率は同2.6ポイント上昇して56.0%となった。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(4月30日公表)は、売上高が前期比1.8%増の1190億円、営業利益が同23.5%増の70億円、経常利益が同17.5%増の71億円、純利益が同18.8%増の48億円としている。配当予想は前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)で、予想配当性向は18.6%となる。

 想定為替レートは1米ドル=120円、1ユーロ=130円、原油価格(ドバイ)は1バーレル=60ドルとしている。売上面では原油価格下落に伴って販売価格が低下するが、販売数量が増加する。国内は消費増税反動影響が一巡して高価格・高付加価値の住宅用断熱材「ミラフォーム」の需要が回復に向かい、海外は自動車部品用途や家電製品包装材用途の「ピーブロック」の好調が続く見込みだ。

 利益面ではプロダクトミックスの改善効果、コストアップに対する製品価格是正効果、そして償却方法変更による減価償却費の減少(約6億60百万円)も寄与して2桁増益見込みだ。

 セグメント別の計画を見ると、押出事業は売上高が同1.3%減の394億02百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同45.9%増の19億67百万円、ビーズ事業は売上高が同4.9%増の737億75百万円、営業利益が同21.0%増の58億71百万円、その他事業は売上高が同12.7%減の58億34百万円、営業利益が同45.8%減の32百万円としている。

 5月11日に発表した新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業は高収益体質へのシフトを加速する。海外事業は「ピーブロック」の拠点拡大と能力増強を推進するとともに、「ピーブロック」に次ぐ第2の柱を育成する。3年間合計の設備投資額は約200億円としている。中期的に収益拡大基調が期待される。

 株価の動きを見ると、3月高値2644円から反落して調整局面が続き、6月15日には年初来安値となる2017円まで調整した。ただし14年の上値フシだった2000円近辺に接近して調整の最終局面だろう。

 6月18日の終値2036円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS161円01銭で算出)は12〜13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2190円61銭で算出)は0.9倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえて26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。サポートラインを確認したようだ。PBR1倍割れ水準であり、16年3月期2桁増益予想を評価して切り返し展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[5月25日更新]

JSPは調整一巡、16年3月期2桁増益予想を評価して切り返し

 JSP[7942](東1)は発泡プラスチック製品専業の大手である。株価は三菱瓦斯化学<4182>によるTOBが終了して調整局面だが、14日の直近安値2058円から切り返しの動きを強めている。調整が一巡したようだ。16年3月期2桁増益予想を評価して切り返し展開だろう。

 三菱瓦斯化学がTOB(買付価格2686円)を実施し、15年3月16日をもって同社の連結子会社となった。

 押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を強化するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。

 14年4月には、発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 14年6月には米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート事業に参入すると発表した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。米ミシガン州ジャクソン工場内に新工場を建設して15年1月に生産開始した。

 14年11月には中国・武漢およびタイで、それぞれ「ピーブロック」を製造販売する子会社の設立と新工場の建設を発表した。需要が拡大している中国およびタイにおいて「ピーブロック」の安定供給を図る。生産開始時期は中国が17年1月、タイが16年1月の予定だ。中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造の4拠点目となる。

 なおインドにおける「ピーブロック」生産工場建設について5月14日、工場建設を来期(17年3月期)以降に延期すると発表した。インドにおける需要は拡大基調だが、成長速度が依然緩やかであり、採算性の確保に時間を擁するためとしている。インドでの需要に関しては当面、シンガポール子会社から製品供給する。

 なお有形固定資産の減価償却方法を、16年3月期から「主として定率法」から「主として定額法」に変更する。当社グループの生産設備は技術的陳腐化リスクが少なく安定的な使用が見込まれるため、定額法による期間損益計算がより合理的に使用実態を反映できると判断した。

 4月30日に発表した前期(15年3月期)の連結業績は、売上高が前々期比4.3%増の1169億23百万円、営業利益が同4.1%減の56億67百万円、経常利益が同7.1%減の60億44百万円、純利益が同8.3%減の40億39百万円だった。

 売上高は円安も寄与して計画値(10月30日に減額修正)をやや上回ったが、利益は計画値をやや下回った。平均為替レートは1米ドル=106円50銭で同8円50銭の円安、1ユーロ140円30銭で同9円70銭の円安だった。

 配当予想は前々期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)とした。配当性向は22.1%となる。なおROEは同1.7ポイント低下して6.5%、自己資本比率は同2.6ポイント上昇して56.0%となった。

 セグメント別に見ると、押出事業は売上高が同0.8%増の399億15百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同30.0%減の13億48百万円だった。国内で消費増税反動減が想定以上となり、高価格・高付加価値の住宅用断熱材「ミラフォーム」などの需要が減少した。プロダクトミックスの悪化、原燃料価格や輸送費の上昇、コストアップに対する製品価格是正の遅れも影響した。

 ビーズ事業は売上高が同4.9%増の703億40百万円で、営業利益が同6.8%増の48億54百万円だった。自動車部品用途や家電製品包装材用途の「ピーブロック」が、中国・アジアでの新規採用拡大などで好調に推移して全体を牽引した。その他事業は売上高が同21.7%増の66億67百万円、営業利益が59百万円(前々期は32百万円の赤字)だった。梱包材が堅調に推移し、中国の液晶テレビ向け新規包材の採用増加なども寄与した。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)283億77百万円に対して、第2四半期(7月〜9月)298億89百万円、第3四半期(10月〜12月)299億75百万円、第4四半期(1月〜3月)286億82百万円、営業利益は第1四半期9億25百万円、第2四半期17億48百万円、第3四半期17億29百万円、第4四半期12億65百万円だった。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(4月30日公表)は、売上高が前期比1.8%増の1190億円、営業利益が同23.5%増の70億円、経常利益が同17.5%増の71億円、純利益が同18.8%増の48億円で、配当予想が前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。

 想定為替レートは1米ドル=120円、1ユーロ=130円、原油価格(ドバイ)は1バーレル=60ドルとしている。売上面では原油価格下落に伴って販売価格が低下するが、数量が増加する。国内は消費増税反動影響が一巡して高断熱材の需要が回復に向かい、海外は自動車や家電関連の「ピーブロック」の需要好調が続く見込みとしている。利益面ではプロダクトミックスの改善、償却方法変更による減価償却費の減少(約6億60百万円)も寄与して2桁増益見込みだ。

 セグメント別の計画を見ると、押出事業は売上高が同1.3%減の394億02百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同45.9%増の19億67百万円、ビーズ事業は売上高が同4.9%増の737億75百万円、営業利益が同21.0%増の58億71百万円、その他事業は売上高が同12.7%減の58億34百万円、営業利益が同45.8%減の32百万円としている。

 5月11日に発表した新中期経営計画「Deepen&Grow2017」では、前提条件を1米ドル=110円、1ユーロ=140円、原油価格(ドバイ)1バーレル=105ドルとして、目標数値に18年3月期売上高1350億円(海外が約530億円)、営業利益88億円(売上高営業利益率6.5%以上)を掲げた。セグメント別売上高は押出事業444億05百万円、ビーズ事業837億76百万円、その他事業68億19百万円としている。

 有望テーマ絞り込みによる新製品の事業化を推進して、新製品売上高100億円を目指す。国内事業は高収益体質へのシフトを加速する。海外事業は「ピーブロック」の拠点拡大と能力増強を推進するとともに、「ピーブロック」に次ぐ第2の柱を育成する。3年間合計の設備投資額は約200億円としている。

 株価の動きを見ると、三菱瓦斯化学のTOBが終了し、3月高値2644円から反落して調整局面となった。ただし5月14日の直近安値2058円から切り返しの動きを強めている。調整が一巡したようだ。

 5月22日の終値2122円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS161円01銭で算出)は13〜14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2190円61銭で算出)は1.0倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえて26週移動平均線も割り込んだが、52週移動平均線が接近してサポートラインとなりそうだ。指標面に割高感はなく、16年3月期2桁増益予想を評価して切り返し展開だろう。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月22日更新]

JSP売り一巡して下げ渋り感、16年3月期増収増益期待で切り返し

 発泡プラスチック製品のJSP[7942](東1)の株価は、三菱瓦斯化学<4182>によるTOB終了後は、3月高値の2644円から急反落して2200円〜2300円近辺でモミ合う展開だ。ただし売り一巡して下げ渋り感も強めている。16年3月期の増収増益期待で切り返し展開だろう。

 三菱瓦斯化学によるTOB(買付価格2686円)が15年3月9日に終了し、3月16日をもって同社の連結子会社となった。

 押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を強化するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。

 14年4月には、発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 14年6月には米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート事業に参入すると発表した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。米ミシガン州ジャクソン工場内に新工場を建設して15年1月に生産開始した。

 14年11月には中国・武漢およびタイで、それぞれ「ピーブロック」を製造販売する子会社の設立と新工場の建設を発表した。需要が拡大している中国およびタイにおいて「ピーブロック」の安定供給を図る。生産開始時期は中国が17年1月、タイが16年1月の予定だ。なお中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造の4拠点目となる。

 前期(15年3月期)の連結業績見通し(10月30日に減額修正)は、売上高が前々期比3.0%増の1155億円、営業利益が同1.5%増の60億円、経常利益が同4.8%減の62億円、純利益が同4.6%減の42億円、配当予想(4月30日公表)が前々期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。

 想定為替レートは1米ドル=104円(上期実績が1米ドル=102円20銭、下期想定が1米ドル=106円40銭)、想定原油価格(ドバイ原油)は1バレル=96ドル(上期実績が1バレル=104ドル、下期想定が1バレル=88ドル)である。

 第3四半期累計(4月〜12月)は前年同期比5.4%増収、同10.5%営業減益、同11.5%経常減益、同11.7%最終減益だった。国内で消費増税反動減が想定以上となり、コストアップに対する製品価格是正の遅れも影響して営業減益だった。

 ただし四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)283億77百万円に対して、第2四半期(7月〜9月)298億89百万円、第3四半期(10月〜12月)299億75百万円である。また営業利益は第1四半期9億25百万円に対して、第2四半期17億48百万円、第3四半期17億29百万円である。営業利益は第1四半期をボトムとして改善基調だ。

 通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が76.4%、営業利益が73.4%、経常利益が76.6%、純利益が83.4%だった。原油価格下落もプラス要因となって第4四半期(1月〜3月)も収益改善が期待される。

 そして今期(16年3月期)は、消費増税反動影響の一巡、自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の採用拡大、製品価格是正の進展、原油価格下落メリットなどで増収増益が期待される。

 なお有形固定資産の減価償却方法を、16年3月期から「主として定率法」から「主として定額法」に変更する。当社グループの生産設備は技術的陳腐化リスクが少なく安定的な使用が見込まれるため、定額法による期間損益計算がより合理的に使用実態を反映できると判断した。

 株価の動きを見ると、三菱瓦斯化学によるTOB終了後は、3月6日の高値2644円から急反落して2200円〜2300円近辺でモミ合う展開だ。ただし売り一巡して下げ渋り感も強めている。

 4月21日の終値2219円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS140円88銭で算出)は15〜16倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.4%近辺、そして前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS1940円48銭で算出)は1.1倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込んだが、26週移動平均線が接近してサポートラインとなりそうだ。指標面に割高感はなく原油価格下落も追い風だ。16年3月期の増収増益期待で切り返し展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月26日更新]

JSPはTOB終了後に急落したが切り返し、原油価格下落も追い風で上値試す

 発泡プラスチック製品のJSP[7942](東1)の株価は、三菱瓦斯化学<4182>によるTOBが終了して一旦急反落したが、目先的な売りが一巡して切り返しの動きを強めている。原油価格下落も追い風であり、16年3月期の収益拡大期待で上値を試す展開だろう。

 三菱瓦斯化学によるTOB(買付価格2686円)が15年3月9日に終了し、3月16日をもって同社の連結子会社となった。

 押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を強化するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。

 14年4月には、発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 14年6月には米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート事業に参入すると発表した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。米ミシガン州ジャクソン工場内に新工場を建設して15年1月に生産開始した。

 14年11月には中国・武漢およびタイで、それぞれ「ピーブロック」を製造販売する子会社の設立と新工場の建設を発表した。需要が拡大している中国およびタイにおいて「ピーブロック」の安定供給を図る。生産開始時期は中国が17年1月、タイが16年1月の予定だ。なお中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造の4拠点目となる。

 今期(15年3月期)の連結業績見通し(10月30日に減額修正)は売上高が前期比3.0%増の1155億円、営業利益が同1.5%増の60億円、経常利益が同4.8%減の62億円、純利益が同4.6%減の42億円で、配当予想(4月30日公表)は前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。

 想定為替レートは1米ドル=104円(上期実績1米ドル=102円20銭、下期想定1米ドル=106円40銭)、想定原油価格(ドバイ原油)は1バレル=96ドル(上期実績1バレル=104ドル、下期想定1バレル=88ドル)としている。

 第3四半期累計(4月〜12月)は前年同期比5.4%増収、同10.5%営業減益、同11.5%経常減益、同11.7%最終減益だった。国内で消費増税反動減が想定以上となり、コストアップに対する製品価格是正の遅れも影響して営業減益だった。

 ただし四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)283億77百万円、第2四半期(7月〜9月)298億89百万円、そして第3四半期(10月〜12月)299億75百万円、営業利益は第1四半期9億25百万円、第2四半期17億48百万円、そして第3四半期17億29百万円である。営業利益は第1四半期をボトムとして改善基調だ。

 そして通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が76.4%、営業利益が73.4%、経常利益が76.6%、純利益が83.4%である。自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の採用拡大、国内での製品価格是正進展に加えて、原油価格下落もプラス要因となって第4四半期(1月〜3月)も収益改善が期待される。15年3月期は一転して増額の可能性があり、16年3月期の収益拡大も期待される。

 なお有形固定資産の減価償却方法を、16年3月期から「主として定率法」から「主として定額法」に変更する。当社グループの生産設備は技術的陳腐化リスクが少なく安定的な使用が見込まれるため、定額法による期間損益計算がより合理的に使用実態を反映できると判断した。

 株価の動きを見ると、三菱瓦斯化学によるTOBが終了して3月6日の昨年来高値2644円から急反落した。ただし19日の直近安値2159円から切り返しの動きを強めている。25日には2274円まで上伸した。目先的な売りが一巡したようだ。

 3月25日の終値2272円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS140円88銭で算出)は16〜17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1940円48銭で算出)は1.2倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線一旦割り込んだが、素早く切り返しの動きを強めている。指標面に割高感はなく、原油価格下落も追い風だ。16年3月期の収益拡大期待で上値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[1月27日更新]

JSPは原油価格下落を好感して高値更新の展開、目先的な過熱感を冷ましながら上値追い

 発泡プラスチック製品のJSP[7942](東1)の株価は、原油価格下落による収益改善を期待して高値更新の展開だ。1月26日は2326円まで上伸した。指標面に割高感はなく、目先的な過熱感を冷ましながら上値追いの展開だろう。

 押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を強化するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。

 14年4月には、発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 14年6月には米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート事業に参入すると発表した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。米ミシガン州ジャクソン工場内に新工場を建設して15年1月に生産開始する。

 14年11月には中国・武漢およびタイで、それぞれ「ピーブロック」を製造販売する子会社の設立と新工場の建設を発表した。需要が拡大している中国およびタイにおいて「ピーブロック」の安定供給を図る。生産開始時期は中国が17年1月、タイが16年1月の予定だ。なお中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造の4拠点目となる。

 今期(15年3月期)の連結業績見通し(10月30日に減額修正)は売上高が前期比3.0%増の1155億円、営業利益が同1.5%増の60億円、経常利益が同4.8%減の62億円、純利益が同4.6%減の42億円としている。配当予想(4月30日公表)は前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。

 なお前提として想定為替レートは1米ドル=104円(上期実績1米ドル=102円20銭、下期想定1米ドル=106円40銭)、想定原油価格(ドバイ原油)は1バレル=96ドル(上期実績1バレル=104ドル、下期想定1バレル=88ドル)としている。

 第2四半期累計(4月〜9月)は、国内において消費増税前駆け込み需要の反動減が想定以上となり、原燃料価格、電力料金、輸送費の上昇に対する製品価格是正の遅れが影響して営業減益だった。通期ベースでも期初計画に対して営業増益幅が縮小する見込みとして減額修正した。

 しかし、自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の採用拡大、国内での製品価格是正進展に加えて、原油価格下落もプラス要因となって下期以降の収益改善が期待される。一転して通期増額の可能性もあるだろう。

 なお有形固定資産の減価償却方法を、来期(16年3月期)から「主として定率法」から「主として定額法」に変更する。当社グループの生産設備は技術的陳腐化リスクが少なく安定的な使用が見込まれるため、定額法による期間損益計算がより合理的に使用実態を反映できると判断した。

 株価の動きを見ると高値更新の展開だ。1月26日は2326円まで上伸した。目先的にはやや過熱感もあるが、原油価格下落による収益改善を期待する動きのようだ。

 1月26日の終値2320円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS140円88銭で算出)は16〜17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1940円48銭で算出)は1.2倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの上昇トレンドだ。指標面に割高感はなく、目先的な過熱感を冷ましながら上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月24日更新]
JSPは原油価格下落を好感して高値更新、割高感なく上値追い

 発泡プラスチック製品のJSP<7942>(東1)の株価は、10月直近安値圏1700円近辺から切り返し、12月18日に1964円を付けて10月高値1949円を突破した。さらに12月22日には2034円まで上値を伸ばしている。原油価格下落による収益改善を期待する動きのようだ。フシを突破して強基調の形であり、指標面に割高感はなく上値追いの展開だろう。

 押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を強化するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。

 14年4月には、発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 14年6月には米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート事業に参入すると発表した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。ミシガン州ジャクソン工場内に新工場を建設して15年1月の生産開始を予定している。

 14年11月には中国・武漢およびタイで、それぞれ「ピーブロック」を製造販売する子会社の設立と新工場の建設を発表した。需要が拡大している中国およびタイにおいて「ピーブロック」の安定供給を図る。生産開始時期は中国が17年1月、タイが16年1月の予定だ。なお中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造の4拠点目となる。

 今期(15年3月期)の連結業績見通しについては10月30日に減額修正を発表し、売上高が前期比3.0%増の1155億円、営業利益が同1.5%増の60億円、経常利益が同4.8%減の62億円、純利益が同4.6%減の42億円としている。配当予想は前回予想(4月30日公表)を据え置いて前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。

 なお前提として、想定為替レートは1米ドル=104円(上期実績1米ドル=102円20銭、下期想定1米ドル=106円40銭)、想定原油価格(ドバイ原油)は1バレル=96ドル(上期実績1バレル=104ドル、下期想定1バレル=88ドル)としている。

 第2四半期累計(4月〜9月)は前年同期比7.0%増収、同4.5%営業減益、同5.1%経常減益、同5.3%最終減益だった。自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の採用拡大などが寄与したが、国内において消費増税前駆け込み需要の反動減が想定以上となり、さらに原燃料価格、電力料金、輸送費の上昇に対する製品価格是正の遅れが影響して、全社ベースでは営業減益となり期初計画を下回った。

 通期ベースでも期初計画に対して営業増益幅が縮小する見込みとなり、経常利益と純利益は減益見込みとなった。通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.5%、営業利益が44.6%、経常利益が47.4%、純利益が51.4%である。ただし「ピーブロック」の需要は好調であり、下期以降は国内での製品価格是正が進展し、原油価格下落もプラス要因となって収益改善が期待される。

 なお11月10日に、有形固定資産の減価償却方法を来期(16年3月期)から主として定率法から主として定額法に変更すると発表した。当社グループの生産設備は技術的陳腐化リスクが少なく安定的な使用が見込まれるため、定額法による期間損益計算がより合理的に使用実態を反映できると判断した。

 株価の動きを見ると、10月の直近安値圏1700円近辺から切り返しの展開となり、12月18日に1964円を付けて10月高値1949円を突破した。さらに12月22日には2034円まで上値を伸ばしている。原油価格下落による収益改善を期待する動きのようだ。

 12月22日の終値2034円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS140円88銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1940円48銭で算出)は1.0倍近辺である。

 週足チャートで見ると1900円台のフシを突破してボックスレンジから上放れの形だ。指標面に割高感はなく、13週移動平均線がサポートして上値追いの展開だろう。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月02日更新]
JSPは調整一巡して10月高値を試す、原油価格下落も追い風

 発泡プラスチック製品のJSP[7942](東1)の株価は、10月の年初来高値1949円から反落し、概ね1700円〜1800円近辺で推移している。ただし今期(15年3月期)業績減額修正に対するネガティブ反応は限定的であり、徐々に下値を切り上げている。短期調整が一巡して10月高値を試す展開だろう。

 押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を強化するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。

 14年4月には、発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。

 14年6月には米国で電子線架橋法による発泡ポリエチレンシート事業に参入すると発表した。一般の発泡ポリエチレンシートに比べて、より均一で微細な気泡構造と表面性能が特徴であり、医療用、自動車部品用など高品質・高機能分野での需要が期待されている。ミシガン州ジャクソン工場内に新工場を建設して15年1月の生産開始を予定している。

 14年11月には中国・武漢およびタイで、それぞれ「ピーブロック」を製造販売する子会社の設立と新工場の建設を発表した。需要が拡大している中国およびタイにおいて、それぞれ「ピーブロック」の安定供給を図る。生産開始時期は中国が17年1月、タイが16年1月の予定だ。なお中国・武漢は中国における「ピーブロック」製造の4拠点目となる。

 今期(15年3月期)の連結業績見通しについては10月30日に減額修正を発表した。前回予想(4月30日公表)に対して売上高は15億円減額して前期比3.0%増の1155億円、営業利益は11億円減額して同1.5%増の60億円、経常利益は10億円減額して同4.8%減の62億円、純利益は7億円減額して同4.6%減の42億円とした。配当予想は前回予想を据え置いて前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。

 なお前提として、想定為替レートは1米ドル=104円(上期実績1米ドル=102円20銭、下期想定1米ドル=106円40銭)、想定原油価格(ドバイ原油)は1バレル=96ドル(上期実績1バレル=104ドル、下期想定1バレル=88ドル)としている。

 第2四半期累計(4月〜9月)は前年同期比7.0%増収で期初計画を上回った。自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の採用拡大などが寄与してビーズ事業は増収営業増益だった。ただし全社ベースでは営業減益となり期初計画を下回った。国内において消費増税前駆け込み需要の反動減が想定以上となり、さらに原燃料価格、電力料金、および輸送費の上昇に対する製品価格是正の遅れが影響した。通期ベースでも期初計画に対して営業増益幅が縮小する見込みとなり、経常利益と純利益は減益見込みとなった。

 ただし「ピーブロック」を中心として海外の需要は好調であり、下期以降は国内での製品価格是正が進展し、原油価格下落もプラス要因となって収益改善が期待される。下期の事業別営業利益については、押出事業が上期比3.2%増、ビーズ事業が同26.0%増の計画としている。さらに来期(16年3月期)は増収増益基調だろう。

 なお11月10日に、有形固定資産の減価償却方法を来期(16年3月期)から主として定率法から主として定額法に変更すると発表した。当社グループの生産設備は技術的陳腐化リスクが少なく安定的な使用が見込まれるため、定額法による期間損益計算がより合理的に使用実態を反映できると判断した。

 株価の動きを見ると、10月1日の年初来高値1949円から反落し、概ね1700円〜1800円近辺で推移している。ただし10月30日の今期業績見通し減額修正に対するネガティブ反応は限定的であり、徐々に下値を切り上げている。短期的な調整が一巡したようだ。

 11月28日の終値1811円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS140円88銭で算出)は12〜13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.7%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1940円48銭で算出)は0.9倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を回復し、週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートする形で下値を切り上げている。短期調整が一巡して10月高値を試す展開だろう。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)

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