[8075]神鋼商事
[02月29日更新]

神鋼商事は高値更新の展開、24年3月期利益は再上振れの可能性

 神鋼商事<8075>(東証プライム)はKOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などに展開している。成長戦略としては、重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。24年3月期は鋼材取扱量減少、半導体市場の需要低迷、販管費の増加などを考慮して減益予想としている。ただし2月7日付で各利益および配当を上方修正して減益幅が縮小する見込みとした。鋼材価格上昇や円安効果などに加えて、販管費増加が想定を下回ることも寄与する見込みだ。第1四半期がボトムだった可能性などを勘案すれば、通期利益予想に再上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は急伸して高値更新の展開となった。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)などに展開している。成長戦略としては、重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。23年2月には、子会社の神鋼商事メタルズがシンクスコーポレーションと共同で、ベトナムにアルミ厚板切断加工販売会社を設立(神鋼商事メタルズの出資比率60%)した。23年9月には稲垣商店より、同社の非鉄金属卸売事業に関する権利義務を会社分割により承継させた新・稲垣商店の全株式を取得して連結子会社化した。またタイの現地法人TEMSがフィリピンに事務所を開設した。

 23年3月期のセグメント利益(経常利益)は、鉄鋼が22年3月期比24.4%増の51億40百万円、鉄鋼原料が108.5%増の14億98百万円、非鉄金属が11.8%減の26億75百万円、機械・情報が37.1%増の21億70百万円、溶材が148.0%増の8億04百万円、その他(不動産賃貸事業等)が3億78百万円(22年3月期は65百万円の損失)だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属の収益は取扱数量と市況の影響で変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。22年10月にはダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。22年12月には、経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を発表した。

 23年1月には、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(UMI)が設立したUMI3号脱炭素投資事業有限責任組合(UMI脱炭素ファンド)へ出資した。出資を通じて優れた脱炭素分野技術への支援や新規事業創出を推進する。

 23年2月には光変換光合成促進農法社(長野県岡谷市、以下:光変換社)への資本参加と業務提携を発表した。光変換社は、光変換光合成促進農法による農作物栽培用資材および農作物の生産販売を目的として09年に設立された農業法人で、高麗人参を短周期で収穫する短期促成栽培システム(19年に特許登録)を開発している。SDGsを推進している企業であり、本件を開発投資と位置付けて経営支援を行うとともに、新領域となる農業分野への足掛かりとする方針だ。

 23年3月には経済産業省と日本経営会議が選定する健康経営優良法人認定制度において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。

 23年9月には、ちとせグループの統括会社であるCHITOSE BIO EVOLUTION(シンガポール)に出資し、藻類基点の新産業を構築する「MATSURIプロジェクト」に参画した。同グループと協業し、微細藻類によるカーボンリサイクルや微細藻類を使った新規事業開津など、新たな資源循環型ビジネスモデルの構築を目指す。また、東京理科大学創域理工学研究科が23年4月に設置したサステイナブルアーバンシティセンターに対して協賛した。

 23年10月には、ESGや人権に関する問題意識の高まりと企業の社会的責任を踏まえて「神鋼商事グループ人権基本方針」を制定した。また「神鋼商事 統合報告書2023」を発刊した。

 23年12月には、奥村組<1833>、丸紅クリーンパワー、大成建設<1801>とともに、北海道石狩市における早生樹の植樹実証事業の開始を発表した。植樹した早生樹を石狩市内のバイオマス発電所で燃料の一部として使用することを見据えており、地産地消によるエネルギー事業の可能性を検討する。

 24年2月には、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において、咲くエンドに続いて「B」評価を取得した。

■24年3月期は上方修正して減益幅縮小、さらに利益再上振れの可能性

 24年3月期の連結業績予想(2月7日付で売上高を下方、各利益を上方修正)については、売上高が23年3月期比0.7%増の5890億円、営業利益が9.4%減の122億円、経常利益が6.1%減の119億円、親会社株主帰属当期純利益が4.3%減の88億円としている。配当予想(23年11月8日付で第2四半期末5円上方修正、2月7日付で期末50円上方修正)については、23年3月期比15円減配の300円(第2四半期末125円、期末175円)としている。予想配当性向は30.0%となる。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比0.3%減の4335億30百万円、営業利益が5.7%減の92億82百万円、経常利益が11.5%減の85億63百万円、親会社株主帰属四半期純利益が6.9%減の65億29百万円だった。

 自動車や半導体向けの非鉄金属の取扱量減少などで全体として売上高が横ばいにとどまり、各利益は販管費増加なども影響して減益だった。営業外収益では受取配当金が2億35百万円増加、デリバティブ評価益が7億19百万円増加、持分法投資利益が5億27百万円減少、営業外費用では支払利息が6億38百万円増加、為替差損が5億57百万円増加した。特別利益では前期計上の固定資産売却益4億29百万円が剥落、投資有価証券売却益が3億53百万円増加した。

 セグメント利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は10.4%増の45億27百万円だった。米国子会社の金融収支悪化の影響があったが、国内自動車生産台数の緩やかな回復や造船・建築分野の堅調推移により取扱量が横ばいとなり、鋼材価格上昇効果も寄与した。鉄鋼原料は10.4%減の10億60百万円だった。重点分野と位置付けている資源循環型ビジネスにおいてバイオマス燃料などの取扱量が堅調に推移して増収だが、神戸製鋼所の粗鋼生産減産に伴って主原料の取扱量が減少し、原料価格下落も影響した。

 非鉄金属は48.1%減の11億53百万円だった。車載用コネクター関連の銅製品が堅調だったが、空調向け銅製品や自動車向けアルミ製品の取扱量減少などにより減収減益だった。機械・情報は11.4%増の13億50百万円だった。増収増益だった。国内では電池関連材料が減少したものの、メンテナンスビジネスや建機部品関連が好調に推移し、海外では韓国において建機部品輸出が増加した。

 溶材は14.7%減の4億90百万円だった。国内の造船・建築向けが堅調で価格も上昇して増収だが、中国向け輸出の減少により減益だった。その他(不動産賃貸事業等)は17百万円の損失(前年同期は3億86百万円の利益)だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1365億86百万円で経常利益が21億46百万円、第2四半期は売上高が1428億25百万円で経常利益が28億67百万円、第3四半期は売上高が1541億19百万円で経常利益が35億50百万円だった。経常利益の前年比を見ると第1四半期は46.5%減だったが、第2四半期は20.6%増、第3四半期は7.9%増となる。第1四半期がボトムとなった可能性が高いだろう。

 通期は、前回予想に対して売上高を630億円下方修正したが、営業利益を14億円、経常利益を19億円、当期純利益を17億円、それぞれ上方修正した。非鉄金属の取扱量減少などにより売上高は計画を下回るが、利益面は前回予想に比べて減益幅が縮小する見込みとした。鋼材価格の上昇や円安効果などに加えて、販管費の増加が想定を下回ることも寄与する見込みだ。

 修正後のセグメント別経常利益計画は、鉄鋼が16億円上方修正して前期比9億円増益の60億円、鉄鋼原料が前回計画を据え置いて前期比横ばいの15億円、非鉄金属が7億円下方修正して前期比12億円減益の15億円、機械・情報が8億円上方修正して前期比1億円減益の21億円、熔材が1億円上方修正して前期比1億円減益の7億円、その他が1億円上方修正して前期比3億円減益の1億円としている。

 第1四半期がボトムだった可能性などを勘案すれば、通期利益予想に再上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は高値更新の展開

 株価は急伸して高値更新の展開となった。週足チャートで見ると高値圏でのモミ合いから上放れた形だ。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。2月28日の終値は7310円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1000円00銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の300円で算出)は約4.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8235円14銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約648億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR) [02月06日更新]

神鋼商事は上値試す、24年3月期は上振れの可能性

 神鋼商事<8075>(東証プライム)はKOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などに展開している。成長戦略としては、重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。24年3月期は神戸製鋼所の厚板ミル改修に伴う鋼材取扱量減少、半導体市場の需要低迷などにより減益予想としている。ただし四半期別に見ると第2四半期は前年比増収増益に転じている。第1四半期がボトムだった可能性などを勘案すれば、通期会社予想に上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価はやや小動きだが徐々に水準を切り上げて戻り高値圏だ。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価して上値を試す展開を期待したい。なお2月7日に24年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)などに展開している。成長戦略としては、重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。23年2月には、子会社の神鋼商事メタルズがシンクスコーポレーションと共同で、ベトナムにアルミ厚板切断加工販売会社を設立(神鋼商事メタルズの出資比率60%)した。23年9月には稲垣商店より、同社の非鉄金属卸売事業に関する権利義務を会社分割により承継させた新・稲垣商店の全株式を取得して連結子会社化した。またタイの現地法人TEMSがフィリピンに事務所を開設した。

 23年3月期のセグメント利益(経常利益)は、鉄鋼が22年3月期比24.4%増の51億40百万円、鉄鋼原料が108.5%増の14億98百万円、非鉄金属が11.8%減の26億75百万円、機械・情報が37.1%増の21億70百万円、溶材が148.0%増の8億04百万円、その他(不動産賃貸事業等)が3億78百万円(22年3月期は65百万円の損失)だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属の収益は取扱数量と市況の影響で変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光発電を開始した。22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光発電を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月にはダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。22年12月には、経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を発表した。また、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において「B」評価を取得した。

 23年1月には、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(UMI)が設立したUMI3号脱炭素投資事業有限責任組合(UMI脱炭素ファンド)へ出資した。出資を通じて優れた脱炭素分野技術への支援や新規事業創出を推進する。

 23年2月には光変換光合成促進農法社(長野県岡谷市、以下:光変換社)への資本参加と業務提携を発表した。光変換社は、光変換光合成促進農法による農作物栽培用資材および農作物の生産販売を目的として09年に設立された農業法人で、高麗人参を短周期で収穫する短期促成栽培システム(19年に特許登録)を開発している。SDGsを推進している企業であり、本件を開発投資と位置付けて経営支援を行うとともに、新領域となる農業分野への足掛かりとする方針だ。

 23年3月には経済産業省と日本経営会議が選定する健康経営優良法人認定制度において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。

 23年9月には、ちとせグループの統括会社であるCHITOSE BIO EVOLUTION(シンガポール)に出資し、藻類基点の新産業を構築する「MATSURIプロジェクト」に参画した。同グループと協業し、微細藻類によるカーボンリサイクルや微細藻類を使った新規事業開津など、新たな資源循環型ビジネスモデルの構築を目指す。また、東京理科大学創域理工学研究科が23年4月に設置したサステイナブルアーバンシティセンターに対して協賛した。

 23年10月には、ESGや人権に関する問題意識の高まりと企業の社会的責任を踏まえて「神鋼商事グループ人権基本方針」を制定した。また「神鋼商事 統合報告書2023」を発刊した。

 23年12月には、奥村組<1833>、丸紅クリーンパワー、大成建設<1801>とともに、北海道石狩市における早生樹の植樹実証事業の開始を発表した。植樹した早生樹を石狩市内のバイオマス発電所で燃料の一部として使用することを見据えており、地産地消によるエネルギー事業の可能性を検討する。

■24年3月期減益予想だが上振れの可能性

 24年3月期の連結業績予想は売上高が23年3月期比11.5%増の6520億円、営業利益が19.8%減の108億円、経常利益が21.1%減の100億円、親会社株主帰属当期純利益が22.8%減の71億円としている。配当予想(11月8日付で第2四半期末5円上方修正)は23年3月期比65円減配の250円(第2四半期末125円、期末125円)としている。予想配当性向は31.0%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比0.3%増の2794億11百万円、営業利益が6.5%減の60億02百万円、経常利益が21.5%減の50億13百万円、親会社株主帰属四半期純利益が16.2%減の37億13百万円だった。

 自動車・半導体分野の需要低迷などにより売上高が横ばいにとどまり、各利益は販管費増加なども影響して減益だった。営業外収益では持分法投資利益が4億74百万円減少、営業外費用では支払利息が5億02百万円増加した。為替差損益は2億97百万円悪化(前年同期は為替差益2億34百万円、当期は為替差損63百万円)したが、デリバティブ評価損は49百万円減少した。特別利益では前期計上の固定資産売却益4億29百万円が剥落したが、投資有価証券売却益が5億58百万円増加した。

 セグメント利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は2.0%減の27億34百万円だった。売上面は取扱数量横ばい・鋼材価格上昇で9.5%増収だが、米国子会社における金融収支悪化などの影響で減益だった。鉄鋼原料は12.9%減の6億37百万円だった。売上面は重点分野と位置付けている資源循環型ビジネスにおいてバイオマス燃料などが増加したが、神戸製鋼所の粗鋼生産減産に伴って主原料の取扱数量が減少し、原料価格下落も影響した。非鉄金属は65.2%減の5億15百万円だった。自動車・液晶向けアルミ板、自動車端子向け銅板条、空調向け銅製品や自動車向けアルミ製品の取扱量減少などにより大幅減収減益だった。機械・情報は29.2%増の8億29百万円だった。国内では建機部品や電池関連材料、海外では建機部品や半導体ガス製造装置などが増加した。溶材は11.6%減の3億09百万円だった。国内の造船・建築向けが堅調で価格も上昇したが、海外子会社での取扱量が減少した。その他(不動産賃貸事業等)は11百万円の損失(前年同期は3億97百万円の利益)だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が前年同期比3.1%減の1365億86百万円、営業利益が27.1%減の25億07百万円、経常利益が46.5%減の21億46百万円、親会社株主帰属四半期純利益が56.1%減の13億61百万円と減収減益だったが、第2四半期は売上高が3.7%増の1428億25百万円、営業利益が17.2%増の34億95百万円、経常利益が20.6%増の28億67百万円、親会社株主帰属四半期純利益が77.2%増の23億52百万円と増収増益に転じた。第1四半期がボトムとなった可能性が高いだろう。

 通期の連結業績予想は据え置いている。鋼材等の市況は23年3月期下期並みの水準が続くと想定するが、神戸製鋼所の厚板ミル改修に伴う鋼材取扱量減少、半導体市場の需要低迷などを見込み、営業活動の活発化に伴う販管費増加なども影響して減益予想としている。

 セグメント別経常利益計画は、鉄鋼が神戸製鋼所の厚板ミル改修による取扱量減少により14.4%減の44億円、鉄鋼原料が0.1%増の15億円、非鉄金属が国内での伸銅品・アルミ製品の取扱量減少や中国のアルミ板材加工会社での取扱量減少などにより17.8%減の22億円、機械・情報が40.1%減の13億円、熔材が溶接材料の取扱量減少などにより25.4%減の6億円、その他が4億円減少の0億円としている。なお足元の状況として、非鉄金属が弱含みだが、鉄鋼が国内自動車関連の回復や鋼材価格の高止まりにより、機械・情報が産業機械や電池関連材料の取扱数量増加により、いずれも上振れの見込みとしている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高43%、営業利益56%、経常利益50%、親会社株主帰属当期純利益52%だった。第1四半期がボトムだった可能性などを勘案すれば、通期会社予想に上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価はやや小動きだが徐々に水準を切り上げて戻り高値圏だ。週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いた。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価して上値を試す展開を期待したい。2月2日の終値は5990円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS806円00銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の250円で算出)は約4.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8235円14銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約531億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月17日更新]

神鋼商事は上値試す、24年3月期は上振れの可能性

 神鋼商事<8075>(東証プライム)はKOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などに展開している。成長戦略としては、重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。24年3月期は神戸製鋼所の厚板ミル改修に伴う鋼材取扱量減少、半導体市場の需要低迷などにより減益予想としている。ただし四半期別に見ると、第1四半期が前年比減収減益だったのに対して、第2四半期は増収増益に転じている。第1四半期がボトムだった可能性などを勘案すれば、通期会社予想に上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は水準を切り上げて戻り高値圏だ。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。なお2月7日に24年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)などに展開している。成長戦略としては、重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。23年2月には、子会社の神鋼商事メタルズがシンクスコーポレーションと共同で、ベトナムにアルミ厚板切断加工販売会社を設立(神鋼商事メタルズの出資比率60%)した。23年9月には稲垣商店より、同社の非鉄金属卸売事業に関する権利義務を会社分割により承継させた新・稲垣商店の全株式を取得して連結子会社化した。またタイの現地法人TEMSがフィリピンに事務所を開設した。

 23年3月期のセグメント利益(経常利益)は、鉄鋼が22年3月期比24.4%増の51億40百万円、鉄鋼原料が108.5%増の14億98百万円、非鉄金属が11.8%減の26億75百万円、機械・情報が37.1%増の21億70百万円、溶材が148.0%増の8億04百万円、その他(不動産賃貸事業等)が3億78百万円(22年3月期は65百万円の損失)だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属の収益は取扱数量と市況の影響で変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光発電を開始した。22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光発電を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月にはダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。22年12月には、経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を発表した。また、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において「B」評価を取得した。

 23年1月には、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(UMI)が設立したUMI3号脱炭素投資事業有限責任組合(UMI脱炭素ファンド)へ出資した。出資を通じて優れた脱炭素分野技術への支援や新規事業創出を推進する。

 23年2月には光変換光合成促進農法社(長野県岡谷市、以下:光変換社)への資本参加と業務提携を発表した。光変換社は、光変換光合成促進農法による農作物栽培用資材および農作物の生産販売を目的として09年に設立された農業法人で、高麗人参を短周期で収穫する短期促成栽培システム(19年に特許登録)を開発している。SDGsを推進している企業であり、本件を開発投資と位置付けて経営支援を行うとともに、新領域となる農業分野への足掛かりとする方針だ。

 23年3月には経済産業省と日本経営会議が選定する健康経営優良法人認定制度において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。

 23年9月には、ちとせグループの統括会社であるCHITOSE BIO EVOLUTION(シンガポール)に出資し、藻類基点の新産業を構築する「MATSURIプロジェクト」に参画した。同グループと協業し、微細藻類によるカーボンリサイクルや微細藻類を使った新規事業開津など、新たな資源循環型ビジネスモデルの構築を目指す。また、東京理科大学創域理工学研究科が23年4月に設置したサステイナブルアーバンシティセンターに対して協賛した。

 23年10月には、ESGや人権に関する問題意識の高まりと企業の社会的責任を踏まえて「神鋼商事グループ人権基本方針」を制定した。また「神鋼商事 統合報告書2023」を発刊した。

 23年12月には、奥村組<1833>、丸紅クリーンパワー、大成建設<1801>とともに、北海道石狩市における早生樹の植樹実証事業の開始を発表した。植樹した早生樹を石狩市内のバイオマス発電所で燃料の一部として使用することを見据えており、地産地消によるエネルギー事業の可能性を検討する。

■24年3月期減益予想だが上振れの可能性

 24年3月期の連結業績予想は売上高が23年3月期比11.5%増の6520億円、営業利益が19.8%減の108億円、経常利益が21.1%減の100億円、親会社株主帰属当期純利益が22.8%減の71億円としている。配当予想(11月8日付で第2四半期末5円上方修正)は23年3月期比65円減配の250円(第2四半期末125円、期末125円)としている。予想配当性向は31.0%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比0.3%増の2794億11百万円、営業利益が6.5%減の60億02百万円、経常利益が21.5%減の50億13百万円、親会社株主帰属四半期純利益が16.2%減の37億13百万円だった。

 自動車・半導体分野の需要低迷などにより売上高が横ばいにとどまり、各利益は販管費増加なども影響して減益だった。営業外収益では持分法投資利益が4億74百万円減少、営業外費用では支払利息が5億02百万円増加した。為替差損益は2億97百万円悪化(前年同期は為替差益2億34百万円、当期は為替差損63百万円)したが、デリバティブ評価損は49百万円減少した。特別利益では前期計上の固定資産売却益4億29百万円が剥落したが、投資有価証券売却益が5億58百万円増加した。

 セグメント利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は2.0%減の27億34百万円だった。売上面は取扱数量横ばい・鋼材価格上昇で9.5%増収だが、米国子会社における金融収支悪化などの影響で減益だった。鉄鋼原料は12.9%減の6億37百万円だった。売上面は重点分野と位置付けている資源循環型ビジネスにおいてバイオマス燃料などが増加したが、神戸製鋼所の粗鋼生産減産に伴って主原料の取扱数量が減少し、原料価格下落も影響した。非鉄金属は65.2%減の5億15百万円だった。自動車・液晶向けアルミ板、自動車端子向け銅板条、空調向け銅製品や自動車向けアルミ製品の取扱量減少などにより大幅減収減益だった。機械・情報は29.2%増の8億29百万円だった。国内では建機部品や電池関連材料、海外では建機部品や半導体ガス製造装置などが増加した。溶材は11.6%減の3億09百万円だった。国内の造船・建築向けが堅調で価格も上昇したが、海外子会社での取扱量が減少した。その他(不動産賃貸事業等)は11百万円の損失(前年同期は3億97百万円の利益)だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が前年同期比3.1%減の1365億86百万円、営業利益が27.1%減の25億07百万円、経常利益が46.5%減の21億46百万円、親会社株主帰属四半期純利益が56.1%減の13億61百万円と減収減益だったが、第2四半期は売上高が3.7%増の1428億25百万円、営業利益が17.2%増の34億95百万円、経常利益が20.6%増の28億67百万円、親会社株主帰属四半期純利益が77.2%増の23億52百万円と増収増益に転じた。第1四半期がボトムとなった可能性が高いだろう。

 通期連結業績予想は据え置いている。鋼材等の市況は23年3月期下期並みの水準が続くと想定するが、神戸製鋼所の厚板ミル改修に伴う鋼材取扱量減少、半導体市場の需要低迷などを見込み、営業活動の活発化に伴う販管費増加なども影響して減益予想としている。

 セグメント別経常利益計画は、鉄鋼が神戸製鋼所の厚板ミル改修による取扱量減少により14.4%減の44億円、鉄鋼原料が0.1%増の15億円、非鉄金属が国内での伸銅品・アルミ製品の取扱量減少や中国のアルミ板材加工会社での取扱量減少などにより17.8%減の22億円、機械・情報が40.1%減の13億円、熔材が溶接材料の取扱量減少などにより25.4%減の6億円、その他が4億円減少の0億円としている。なお足元の状況として、非鉄金属が弱含みだが、鉄鋼が国内自動車関連の回復や鋼材価格の高止まりにより、機械・情報が産業機械や電池関連材料の取扱数量増加により、いずれも上振れの見込みとしている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高43%、営業利益56%、経常利益50%、親会社株主帰属当期純利益52%だった。第1四半期がボトムだった可能性などを勘案すれば、通期会社予想に上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は水準を切り上げて戻り高値圏だ。週足チャートで見ると26週移動平均線を回復している。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。1月16日の終値は5950円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS806円00銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の250円で算出)は約4.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8235円14銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約527億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[12月26日更新]

神鋼商事は調整一巡、24年3月期減益予想だが上振れの可能性

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などに展開している。成長戦略として、重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。12月13日には北海道石狩市における早生樹の植樹実証事業の開始を発表している。24年3月期は自動車・半導体分野の需要低迷などにより減益予想としている。ただし四半期別に見ると第1四半期が減収減益だったのに対して、第2四半期は増収増益に転じている。第1四半期がボトムだった可能性などを勘案すれば、通期会社予想に上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は戻り一服の形だが、高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。成長戦略としては、特に重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。23年2月には、子会社の神鋼商事メタルズがシンクスコーポレーションと共同で、ベトナムにアルミ厚板切断加工販売会社を設立(神鋼商事メタルズの出資比率60%)した。23年9月には稲垣商店より、同社の非鉄金属卸売事業に関する権利義務を会社分割により承継させた新・稲垣商店の全株式を取得して連結子会社化した。またタイの現地法人TEMSがフィリピンに事務所を開設した。

 23年3月期のセグメント利益(経常利益)は、鉄鋼が22年3月期比24.4%増の51億40百万円、鉄鋼原料が108.5%増の14億98百万円、非鉄金属が11.8%減の26億75百万円、機械・情報が37.1%増の21億70百万円、溶材が148.0%増の8億04百万円、その他(不動産賃貸事業等)が3億78百万円(22年3月期は65百万円の損失)だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属の収益は取扱数量と市況の影響で変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光発電を開始した。22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光発電を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月にはダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。22年12月には、経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を発表した。また、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において「B」評価を取得した。

 23年1月には、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(UMI)が設立したUMI3号脱炭素投資事業有限責任組合(UMI脱炭素ファンド)へ出資した。出資を通じて優れた脱炭素分野技術への支援や新規事業創出を推進する。

 23年2月には光変換光合成促進農法社(長野県岡谷市、以下:光変換社)への資本参加と業務提携を発表した。光変換社は、光変換光合成促進農法による農作物栽培用資材および農作物の生産販売を目的として09年に設立された農業法人で、高麗人参を短周期で収穫する短期促成栽培システム(19年に特許登録)を開発している。SDGsを推進している企業であり、本件を開発投資と位置付けて経営支援を行うとともに、新領域となる農業分野への足掛かりとする方針だ。

 23年3月には経済産業省と日本経営会議が選定する健康経営優良法人認定制度において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。

 23年9月には、ちとせグループの統括会社であるCHITOSE BIO EVOLUTION(シンガポール)に出資し、藻類基点の新産業を構築する「MATSURIプロジェクト」に参画した。同グループと協業し、微細藻類によるカーボンリサイクルや微細藻類を使った新規事業開津など、新たな資源循環型ビジネスモデルの構築を目指す。また、東京理科大学創域理工学研究科が23年4月に設置したサステイナブルアーバンシティセンターに対して協賛した。

 23年10月には、ESGや人権に関する問題意識の高まりと企業の社会的責任を踏まえて「神鋼商事グループ人権基本方針」を制定した。また「神鋼商事 統合報告書2023」を発刊した。

 12月13日には、奥村組<1833>、丸紅クリーンパワー、大成建設<1801>とともに、北海道石狩市における早生樹の植樹実証事業の開始を発表した。植樹した早生樹を石狩市内のバイオマス発電所で燃料の一部として使用することを見据えており、地産地消によるエネルギー事業の可能性を検討する。

■24年3月期減益予想だが上振れの可能性

 24年3月期の連結業績予想は売上高が23年3月期比11.5%増の6520億円、営業利益が19.8%減の108億円、経常利益が21.1%減の100億円、親会社株主帰属当期純利益が22.8%減の71億円としている。配当予想(11月8日付で第2四半期末5円上方修正)は23年3月期比65円減配の250円(第2四半期末125円、期末125円)としている。予想配当性向は31.0%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比0.3%増の2794億11百万円、営業利益が6.5%減の60億02百万円、経常利益が21.5%減の50億13百万円、親会社株主帰属四半期純利益が16.2%減の37億13百万円だった。

 自動車・半導体分野の需要低迷などにより売上高が横ばいにとどまり、各利益は販管費増加なども影響して減益だった。営業外収益では持分法投資利益が4億74百万円減少、営業外費用では支払利息が5億02百万円増加した。為替差損益は2億97百万円悪化(前年同期は為替差益2億34百万円、当期は為替差損63百万円)したが、デリバティブ評価損は49百万円減少した。特別利益では前期計上の固定資産売却益4億29百万円が剥落したが、投資有価証券売却益が5億58百万円増加した。

 セグメント利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は2.0%減の27億34百万円だった。売上面は取扱数量横ばい・鋼材価格上昇で9.5%増収だが、米国子会社における金融収支悪化などの影響で減益だった。鉄鋼原料は12.9%減の6億37百万円だった。売上面は重点分野と位置付けている資源循環型ビジネスにおいてバイオマス燃料などが増加したが、神戸製鋼所の粗鋼生産減産に伴って主原料の取扱数量が減少し、原料価格下落も影響した。非鉄金属は65.2%減の5億15百万円だった。自動車・液晶向けアルミ板、自動車端子向け銅板条、空調向け銅製品や自動車向けアルミ製品の取扱量減少などにより大幅減収減益だった。機械・情報は29.2%増の8億29百万円だった。国内では建機部品や電池関連材料、海外では建機部品や半導体ガス製造装置などが増加した。溶材は11.6%減の3億09百万円だった。国内の造船・建築向けが堅調で価格も上昇したが、海外子会社での取扱量が減少した。その他(不動産賃貸事業等)は11百万円の損失(前年同期は3億97百万円の利益)だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が前年同期比3.1%減の1365億86百万円、営業利益が27.1%減の25億07百万円、経常利益が46.5%減の21億46百万円、親会社株主帰属四半期純利益が56.1%減の13億61百万円と減収減益だったが、第2四半期は売上高が3.7%増の1428億25百万円、営業利益が17.2%増の34億95百万円、経常利益が20.6%増の28億67百万円、親会社株主帰属四半期純利益が77.2%増の23億52百万円と増収増益に転じた。第1四半期がボトムとなった可能性が高いだろう。

 通期連結業績予想は据え置いている。鋼材等の市況は23年3月期下期並みの水準が続くと想定するが、神戸製鋼所の厚板ミル改修に伴う鋼材取扱量減少、半導体市場の需要低迷などを見込み、営業活動の活発化に伴う販管費増加なども影響して減益予想としている。

 セグメント別経常利益計画は、鉄鋼が神戸製鋼所の厚板ミル改修による取扱量減少により14.4%減の44億円、鉄鋼原料が0.1%増の15億円、非鉄金属が国内での伸銅品・アルミ製品の取扱量減少や中国のアルミ板材加工会社での取扱量減少などにより17.8%減の22億円、機械・情報が40.1%減の13億円、熔材が溶接材料の取扱量減少などにより25.4%減の6億円、その他が4億円減少の0億円としている。なお足元の状況として、非鉄金属が弱含みだが、鉄鋼が国内自動車関連の回復や鋼材価格の高止まりにより、機械・情報が産業機械や電池関連材料の取扱数量増加により、いずれも上振れの見込みとしている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高43%、営業利益56%、経常利益50%、親会社株主帰属当期純利益52%だった。第1四半期がボトムだった可能性などを勘案すれば、通期会社予想に上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は戻り一服の形だが、高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。12月25日の終値は5720円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS806円00銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の250円で算出)は約4.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8235円14銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約507億円である。情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[12月04日更新]

神鋼商事は戻り試す、24年3月期減益予想だが上振れの可能性

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などに展開している。成長戦略としては、重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。24年3月期第2四半期累計は、自動車・半導体分野の需要低迷などにより売上高が横ばいにとどまり、各利益は販管費増加なども影響して減益だった。ただし四半期別に見ると、第1四半期が減収減益だったのに対して、第2四半期は増収増益に転じた。通期減益予想を据え置いているが、第1四半期がボトムだった可能性などを勘案すれば、通期会社予想に上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、調整一巡して直近安値圏から切り返しの動きを強めている。指標面の割安感も評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。成長戦略としては、特に重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。23年2月には、子会社の神鋼商事メタルズがシンクスコーポレーションと共同で、ベトナムにアルミ厚板切断加工販売会社を設立(神鋼商事メタルズの出資比率60%)した。

 23年9月には稲垣商店より、同社の非鉄金属卸売事業に関する権利義務を会社分割により承継させた新・稲垣商店の全株式を取得して連結子会社化した。またタイの現地法人TEMSがフィリピンに事務所を開設した。

 23年3月期のセグメント利益(経常利益)は、鉄鋼が22年3月期比24.4%増の51億40百万円、鉄鋼原料が108.5%増の14億98百万円、非鉄金属が11.8%減の26億75百万円、機械・情報が37.1%増の21億70百万円、溶材が148.0%増の8億04百万円、その他(不動産賃貸事業等)が3億78百万円(22年3月期は65百万円の損失)だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属の収益は取扱数量と市況の影響で変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光発電を開始した。22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光発電を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月にはダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。22年12月には、経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を発表した。また、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において「B」評価を取得した。

 23年1月には、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(UMI)が設立したUMI3号脱炭素投資事業有限責任組合(UMI脱炭素ファンド)へ出資した。出資を通じて優れた脱炭素分野技術への支援や新規事業創出を推進する。

 23年2月には光変換光合成促進農法社(長野県岡谷市、以下:光変換社)への資本参加と業務提携を発表した。光変換社は、光変換光合成促進農法による農作物栽培用資材および農作物の生産販売を目的として09年に設立された農業法人で、高麗人参を短周期で収穫する短期促成栽培システム(19年に特許登録)を開発している。SDGsを推進している企業であり、本件を開発投資と位置付けて経営支援を行うとともに、新領域となる農業分野への足掛かりとする方針だ。

 23年3月には経済産業省と日本経営会議が選定する健康経営優良法人認定制度において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。

 23年9月には、ちとせグループの統括会社であるCHITOSE BIO EVOLUTION(シンガポール)に出資し、藻類基点の新産業を構築する「MATSURIプロジェクト」に参画した。同グループと協業し、微細藻類によるカーボンリサイクルや微細藻類を使った新規事業開津など、新たな資源循環型ビジネスモデルの構築を目指す。また、東京理科大学創域理工学研究科が23年4月に設置したサステイナブルアーバンシティセンターに対して協賛した。

 23年10月には、ESGや人権に関する問題意識の高まりと企業の社会的責任を踏まえて「神鋼商事グループ人権基本方針」を制定した。また「神鋼商事 統合報告書2023」を発刊した。

■24年3月期減益予想だが上振れの可能性

 24年3月期の連結業績予想は売上高が23年3月期比11.5%増の6520億円、営業利益が19.8%減の108億円、経常利益が21.1%減の100億円、親会社株主帰属当期純利益が22.8%減の71億円としている。配当予想は11月8日付で第2四半期末5円上方修正して23年3月期比65円減配の250円(第2四半期末125円、期末125円)としている。予想配当性向は31.0%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比0.3%増の2794億11百万円、営業利益が6.5%減の60億02百万円、経常利益が21.5%減の50億13百万円、親会社株主帰属四半期純利益が16.2%減の37億13百万円だった。

 自動車・半導体分野の需要低迷などにより売上高が横ばいにとどまり、各利益は販管費増加なども影響して減益だった。営業外収益では持分法投資利益が4億74百万円減少、営業外費用では支払利息が5億02百万円増加した。為替差損益は2億97百万円悪化(前年同期は為替差益2億34百万円、当期は為替差損63百万円)したが、デリバティブ評価損は49百万円減少した。特別利益では前期計上の固定資産売却益4億29百万円が剥落したが、投資有価証券売却益が5億58百万円増加した。

 セグメント利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は2.0%減の27億34百万円だった。売上面は取扱数量横ばい・鋼材価格上昇で9.5%増収だが、米国子会社における金融収支悪化などの影響で減益だった。鉄鋼原料は12.9%減の6億37百万円だった。売上面は重点分野と位置付けている資源循環型ビジネスにおいてバイオマス燃料などが増加したが、神戸製鋼所の粗鋼生産減産に伴って主原料の取扱数量が減少し、原料価格下落も影響した。非鉄金属は65.2%減の5億15百万円だった。自動車・液晶向けアルミ板、自動車端子向け銅板条、空調向け銅製品や自動車向けアルミ製品の取扱量減少などにより大幅減収減益だった。機械・情報は29.2%増の8億29百万円だった。国内では建機部品や電池関連材料、海外では建機部品や半導体ガス製造装置などが増加した。溶材は11.6%減の3億09百万円だった。国内の造船・建築向けが堅調で価格も上昇したが、海外子会社での取扱量が減少した。その他(不動産賃貸事業等)は11百万円の損失(前年同期は3億97百万円の利益)だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が前年同期比3.1%減の1365億86百万円、営業利益が27.1%減の25億07百万円、経常利益が46.5%減の21億46百万円、親会社株主帰属四半期純利益が56.1%減の13億61百万円と減収減益だったが、第2四半期は売上高が3.7%増の1428億25百万円、営業利益が17.2%増の34億95百万円、経常利益が20.6%増の28億67百万円、親会社株主帰属四半期純利益が77.2%増の23億52百万円と増収増益に転じた。第1四半期がボトムとなった可能性が高いだろう。

 通期連結業績予想は据え置いている。鋼材等の市況は23年3月期下期並みの水準が続くと想定するが、神戸製鋼所の厚板ミル改修に伴う鋼材取扱量減少、半導体市場の需要低迷などを見込み、営業活動の活発化に伴う販管費増加なども影響して減益予想としている。

 セグメント別経常利益計画は、鉄鋼が神戸製鋼所の厚板ミル改修による取扱量減少により14.4%減の44億円、鉄鋼原料が0.1%増の15億円、非鉄金属が国内での伸銅品・アルミ製品の取扱量減少や中国のアルミ板材加工会社での取扱量減少などにより17.8%減の22億円、機械・情報が40.1%減の13億円、熔材が溶接材料の取扱量減少などにより25.4%減の6億円、その他が4億円減少の0億円としている。なお足元の状況として、非鉄金属が弱含みだが、鉄鋼が国内自動車関連の回復や鋼材価格の高止まりにより、機械・情報が産業機械や電池関連材料の取扱数量増加により、いずれも上振れの見込みとしている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高43%、営業利益56%、経常利益50%、親会社株主帰属当期純利益52%だった。第1四半期がボトムだった可能性などを勘案すれば、通期会社予想に上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、調整一巡して直近安値圏から切り返しの動きを強めている。指標面の割安感も評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。12月1日の終値は5710円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS806円00銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の250円で算出)は約4.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8235円14銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約506億円である。情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月02日更新]

神鋼商事は調整一巡、24年3月期減益予想だが下期回復基調

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などに展開している。成長戦略としては、重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。24年3月期は取扱量の減少や販管費の増加などで減益予想としている。ただし下期は回復基調だろう。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化の影響で戻り高値圏から反落の形となったが調整一巡感を強めている。指標面の割安感も評価材料であり、出直りを期待したい。なお11月8日に24年3月期第2四半期決算発表を予定している。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。成長戦略としては、特に重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。23年2月には、子会社の神鋼商事メタルズがシンクスコーポレーションと共同で、ベトナムにアルミ厚板切断加工販売会社を設立(神鋼商事メタルズの出資比率60%)した。

 23年9月には稲垣商店より、同社の非鉄金属卸売事業に関する権利義務を会社分割により承継させた新・稲垣商店の全株式を取得して連結子会社化した。またタイの現地法人TEMSがフィリピンに事務所を開設した。

 23年3月期のセグメント利益(経常利益)は、鉄鋼が22年3月期比24.4%増の51億40百万円、鉄鋼原料が108.5%増の14億98百万円、非鉄金属が11.8%減の26億75百万円、機械・情報が37.1%増の21億70百万円、溶材が148.0%増の8億04百万円、その他(不動産賃貸事業等)が3億78百万円(22年3月期は65百万円の損失)だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属の収益は取扱数量と市況の影響で変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光発電を開始した。22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光発電を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月にはダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。22年12月には、経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を発表した。また、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において「B」評価を取得した。

 23年1月には、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(UMI)が設立したUMI3号脱炭素投資事業有限責任組合(UMI脱炭素ファンド)へ出資した。出資を通じて優れた脱炭素分野技術への支援や新規事業創出を推進する。

 23年2月には光変換光合成促進農法社(長野県岡谷市、以下:光変換社)への資本参加と業務提携を発表した。光変換社は、光変換光合成促進農法による農作物栽培用資材および農作物の生産販売を目的として09年に設立された農業法人で、高麗人参を短周期で収穫する短期促成栽培システム(19年に特許登録)を開発している。SDGsを推進している企業であり、本件を開発投資と位置付けて経営支援を行うとともに、新領域となる農業分野への足掛かりとする方針だ。

 23年3月には経済産業省と日本経営会議が選定する健康経営優良法人認定制度において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。

 23年9月には、ちとせグループの統括会社であるCHITOSE BIO EVOLUTION(シンガポール)に出資し、藻類基点の新産業を構築する「MATSURIプロジェクト」に参画した。同グループと協業し、微細藻類によるカーボンリサイクルや微細藻類を使った新規事業開津など、新たな資源循環型ビジネスモデルの構築を目指す。また、東京理科大学創域理工学研究科が23年4月に設置したサステイナブルアーバンシティセンターに対して協賛した。

 23年10月には、ESGや人権に関する問題意識の高まりと企業の社会的責任を踏まえて「神鋼商事グループ人権基本方針」を制定した。また「神鋼商事 統合報告書2023」を発刊した。

■24年3月期減益予想だが下期回復基調

 24年3月期の連結業績予想は売上高が23年3月期比11.5%増の6520億円、営業利益が19.8%減の108億円、経常利益が21.1%減の100億円、親会社株主帰属当期純利益が22.8%減の71億円としている。配当予想は23年3月期比70円減配の245円(第2四半期末120円、期末125円)としている。予想配当性向は30.4%となる。

 第1四半期は売上高が前年同期比3.1%減の1365億86百万円、営業利益が27.1%減の25億07百万円、経常利益が46.5%減の21億46百万円、親会社株主帰属四半期純利益が56.1%減の13億61百万円だった。

 鉄鋼セグメントにおける米国での金利上昇に伴う金融収支悪化や、非鉄金属セグメントにおける取扱量減少などにより減益だった。営業外収益では持分法投資利益が5億11百万円減少、営業外費用では支払利息が2億42百万円増加、デリバティブ評価損が3億22百万円増加した。特別利益では前期計上した固定資産売却益4億11百万円が剥落した。

 セグメント利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は41.2%減の9億87百万円だった。鋼材価格上昇効果で増収だが、海外子会社における金融収支悪化などの影響で大幅減益だった。鉄鋼原料は7.3%増の3億51百万円だった。神戸製鋼所向けの主原料や冷鉄源の取扱量が増加し、原料価格も下落して減収だが、金融収支改善効果などで増益だった。非鉄金属は76.4%減の2億70百万円だった。自動車・液晶向けアルミ板、自動車端子向け銅板条、空調向け銅管の取扱量減少に加えて、中国子会社における現地自動車向けアルミ板の販売も減少して大幅減益だった。機械・情報は32.5%増の4億17百万円だった。売上高は横ばいだったが、海外子会社の好調が寄与した。溶材は13.7%減の1億18百万円だった。国内は堅調だが、海外子会社での取扱量が減少した。その他(不動産賃貸事業等)は0百万円(前年同期は4億02百万円)だった。

 通期連結業績予想は据え置いている。鋼材等の市況は23年3月期下期並みの水準が続くと想定するが、神戸製鋼所の厚板ミル改修に伴う鋼材取扱量減少や半導体市場の需要低迷を見込み、営業活動の活発化に伴う販管費増加などで減益・減配予想としている。想定為替レートは1USドル=130円としている。

 セグメント別経常利益計画は、鉄鋼が厚板ミル改修による取扱量減少で14.4%減の44億円、鉄鋼原料が0.1%増の15億円、非鉄金属が国内子会社の減益などで17.8%減の22億円、機械・情報が国内子会社の取扱量減少で40.1%減の13億円、熔材が溶接材料の取扱量減少で25.4%減の6億円、その他が4億円減少の0億円としている。

 24年3月期は取扱量の減少や販管費の増加などで減益予想としているが、下期は回復基調だろう。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化の影響で戻り高値圏から反落の形となったが調整一巡感を強めている。指標面の割安感も評価材料であり、出直りを期待したい。11月1日の終値は5490円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS806円00銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の245円で算出)は約4.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8235円14銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約486億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月17日更新]

神鋼商事は利益確定売り一巡、24年3月期減益予想だが下期回復基調

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などに展開している。成長戦略としては、重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。24年3月期は取扱量の減少や販管費の増加などで減益予想としている。ただし下期は回復基調だろう。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化の影響で戻り高値圏から急反落の形となったが、指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りが一巡して上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。成長戦略としては、特に重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。23年2月には、子会社の神鋼商事メタルズがシンクスコーポレーションと共同で、ベトナムにアルミ厚板切断加工販売会社を設立(神鋼商事メタルズの出資比率60%)した。

 23年9月には稲垣商店より、同社の非鉄金属卸売事業に関する権利義務を会社分割により承継させた新・稲垣商店の全株式を取得して連結子会社化した。またタイの現地法人TEMSがフィリピンに事務所を開設した。

 23年3月期のセグメント利益(経常利益)は、鉄鋼が22年3月期比24.4%増の51億40百万円、鉄鋼原料が108.5%増の14億98百万円、非鉄金属が11.8%減の26億75百万円、機械・情報が37.1%増の21億70百万円、溶材が148.0%増の8億04百万円、その他(不動産賃貸事業等)が3億78百万円(22年3月期は65百万円の損失)だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属の収益は取扱数量と市況の影響で変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光発電を開始した。22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光発電を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月にはダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。22年12月には、経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を発表した。また、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において「B」評価を取得した。

 23年1月には、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(UMI)が設立したUMI3号脱炭素投資事業有限責任組合(UMI脱炭素ファンド)へ出資した。出資を通じて優れた脱炭素分野技術への支援や新規事業創出を推進する。

 23年2月には光変換光合成促進農法社(長野県岡谷市、以下:光変換社)への資本参加と業務提携を発表した。光変換社は、光変換光合成促進農法による農作物栽培用資材および農作物の生産販売を目的として09年に設立された農業法人で、高麗人参を短周期で収穫する短期促成栽培システム(19年に特許登録)を開発している。SDGsを推進している企業であり、本件を開発投資と位置付けて経営支援を行うとともに、新領域となる農業分野への足掛かりとする方針だ。

 23年3月には経済産業省と日本経営会議が選定する健康経営優良法人認定制度において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。

 23年9月には、ちとせグループの統括会社であるCHITOSE BIO EVOLUTION(シンガポール)に出資し、藻類基点の新産業を構築する「MATSURIプロジェクト」に参画した。同グループと協業し、微細藻類によるカーボンリサイクルや微細藻類を使った新規事業開津など、新たな資源循環型ビジネスモデルの構築を目指す。また、東京理科大学創域理工学研究科が23年4月に設置したサステイナブルアーバンシティセンターに対して協賛した。

 23年10月には、ESGや人権に関する問題意識の高まりと企業の社会的責任を踏まえて「神鋼商事グループ人権基本方針」を制定した。また「神鋼商事 統合報告書2023」を発刊した。

■24年3月期減益予想だが下期回復基調

 24年3月期の連結業績予想は売上高が23年3月期比11.5%増の6520億円、営業利益が19.8%減の108億円、経常利益が21.1%減の100億円、親会社株主帰属当期純利益が22.8%減の71億円としている。配当予想は23年3月期比70円減配の245円(第2四半期末120円、期末125円)としている。予想配当性向は30.4%となる。

 第1四半期は売上高が前年同期比3.1%減の1365億86百万円、営業利益が27.1%減の25億07百万円、経常利益が46.5%減の21億46百万円、親会社株主帰属四半期純利益が56.1%減の13億61百万円だった。

 鉄鋼セグメントにおける米国での金利上昇に伴う金融収支悪化や、非鉄金属セグメントにおける取扱量減少などにより減益だった。営業外収益では持分法投資利益が5億11百万円減少、営業外費用では支払利息が2億42百万円増加、デリバティブ評価損が3億22百万円増加した。特別利益では前期計上した固定資産売却益4億11百万円が剥落した。

 セグメント利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は41.2%減の9億87百万円だった。鋼材価格上昇効果で増収だが、海外子会社における金融収支悪化などの影響で大幅減益だった。鉄鋼原料は7.3%増の3億51百万円だった。神戸製鋼所向けの主原料や冷鉄源の取扱量が増加し、原料価格も下落して減収だが、金融収支改善効果などで増益だった。非鉄金属は76.4%減の2億70百万円だった。自動車・液晶向けアルミ板、自動車端子向け銅板条、空調向け銅管の取扱量減少に加えて、中国子会社における現地自動車向けアルミ板の販売も減少して大幅減益だった。機械・情報は32.5%増の4億17百万円だった。売上高は横ばいだったが、海外子会社の好調が寄与した。溶材は13.7%減の1億18百万円だった。国内は堅調だが、海外子会社での取扱量が減少した。その他(不動産賃貸事業等)は0百万円(前年同期は4億02百万円)だった。

 通期連結業績予想は据え置いている。鋼材等の市況は23年3月期下期並みの水準が続くと想定するが、神戸製鋼所の厚板ミル改修に伴う鋼材取扱量減少や半導体市場の需要低迷を見込み、営業活動の活発化に伴う販管費増加などで減益・減配予想としている。想定為替レートは1USドル=130円としている。

 セグメント別経常利益計画は、鉄鋼が厚板ミル改修による取扱量減少で14.4%減の44億円、鉄鋼原料が0.1%増の15億円、非鉄金属が国内子会社の減益などで17.8%減の22億円、機械・情報が国内子会社の取扱量減少で40.1%減の13億円、熔材が溶接材料の取扱量減少で25.4%減の6億円、その他が4億円減少の0億円としている。

 24年3月期は取扱量の減少や販管費の増加などで減益予想としているが、下期は回復基調だろう。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は利益確定売り一巡

 株価は地合い悪化の影響で戻り高値圏から急反落となったが、指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売り一巡して上値を試す展開を期待したい。10月16日の終値は5450円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS806円00銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の245円で算出)は約4.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8235円14銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約483億円である。情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月22日更新]

神鋼商事は高値に接近、24年3月期減益予想だが下期回復基調

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などに展開している。成長戦略としては、重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。23年9月には、ちとせグループの統括会社であるCHITOSE BIO EVOLUTION(シンガポール)に出資し、藻類基点の新産業を構築する「MATSURIプロジェクト」に参画した。24年3月期は取扱量の減少や販管費の増加などで減益予想としているが、下期は回復基調だろう。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は水準を切り上げて3月の高値に接近している。指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。成長戦略としては、特に重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。23年2月には、子会社の神鋼商事メタルズがシンクスコーポレーションと共同で、ベトナムにアルミ厚板切断加工販売会社を設立(神鋼商事メタルズの出資比率60%)した。

 23年9月には稲垣商店より、同社の非鉄金属卸売事業に関する権利義務を会社分割により承継させた新・稲垣商店の全株式を取得して連結子会社化した。またタイの現地法人TEMSがフィリピンに事務所を開設した。

 23年3月期のセグメント利益(経常利益)は、鉄鋼が22年3月期比24.4%増の51億40百万円、鉄鋼原料が108.5%増の14億98百万円、非鉄金属が11.8%減の26億75百万円、機械・情報が37.1%増の21億70百万円、溶材が148.0%増の8億04百万円、その他(不動産賃貸事業等)が3億78百万円(22年3月期は65百万円の損失)だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属の収益は取扱数量と市況の影響で変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光発電を開始した。22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光発電を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月にはダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。22年12月には、経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を発表した。また、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において「B」評価を取得した。

 23年1月には、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(UMI)が設立したUMI3号脱炭素投資事業有限責任組合(UMI脱炭素ファンド)へ出資した。出資を通じて優れた脱炭素分野技術への支援や新規事業創出を推進する。

 23年2月には光変換光合成促進農法社(長野県岡谷市、以下:光変換社)への資本参加と業務提携を発表した。光変換社は、光変換光合成促進農法による農作物栽培用資材および農作物の生産販売を目的として09年に設立された農業法人で、高麗人参を短周期で収穫する短期促成栽培システム(19年に特許登録)を開発している。SDGsを推進している企業であり、本件を開発投資と位置付けて経営支援を行うとともに、新領域となる農業分野への足掛かりとする方針だ。

 23年3月には経済産業省と日本経営会議が選定する健康経営優良法人認定制度において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。

 23年9月には、ちとせグループの統括会社であるCHITOSE BIO EVOLUTION(シンガポール)に出資し、藻類基点の新産業を構築する「MATSURIプロジェクト」に参画した。同グループと協業し、微細藻類によるカーボンリサイクルや微細藻類を使った新規事業開津など、新たな資源循環型ビジネスモデルの構築を目指す。また、東京理科大学創域理工学研究科が23年4月に設置したサステイナブルアーバンシティセンターに対して協賛した。

■24年3月期減益予想だが下期回復基調

 24年3月期の連結業績予想は売上高が23年3月期比11.5%増の6520億円、営業利益が19.8%減の108億円、経常利益が21.1%減の100億円、親会社株主帰属当期純利益が22.8%減の71億円としている。配当予想は23年3月期比70円減配の245円(第2四半期末120円、期末125円)としている。予想配当性向は30.4%となる。

 第1四半期は売上高が前年同期比3.1%減の1365億86百万円、営業利益が27.1%減の25億07百万円、経常利益が46.5%減の21億46百万円、親会社株主帰属四半期純利益が56.1%減の13億61百万円だった。

 鉄鋼セグメントにおける米国での金利上昇に伴う金融収支悪化や、非鉄金属セグメントにおける取扱量減少などにより減益だった。営業外収益では持分法投資利益が5億11百万円減少、営業外費用では支払利息が2億42百万円増加、デリバティブ評価損が3億22百万円増加した。特別利益では前期計上した固定資産売却益4億11百万円が剥落した。

 セグメント利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は41.2%減の9億87百万円だった。鋼材価格上昇効果で増収だが、海外子会社における金融収支悪化などの影響で大幅減益だった。鉄鋼原料は7.3%増の3億51百万円だった。神戸製鋼所向けの主原料や冷鉄源の取扱量が増加し、原料価格も下落して減収だが、金融収支改善効果などで増益だった。非鉄金属は76.4%減の2億70百万円だった。自動車・液晶向けアルミ板、自動車端子向け銅板条、空調向け銅管の取扱量減少に加えて、中国子会社における現地自動車向けアルミ板の販売も減少して大幅減益だった。機械・情報は32.5%増の4億17百万円だった。売上高は横ばいだったが、海外子会社の好調が寄与した。溶材は13.7%減の1億18百万円だった。国内は堅調だが、海外子会社での取扱量が減少した。その他(不動産賃貸事業等)は0百万円(前年同期は4億02百万円)だった。

 通期連結業績予想は据え置いている。鋼材等の市況は23年3月期下期並みの水準が続くと想定するが、神戸製鋼所の厚板ミル改修に伴う鋼材取扱量減少や半導体市場の需要低迷を見込み、営業活動の活発化に伴う販管費増加などで減益・減配予想としている。想定為替レートは1USドル=130円としている。

 セグメント別経常利益計画は、鉄鋼が厚板ミル改修による取扱量減少で14.4%減の44億円、鉄鋼原料が0.1%増の15億円、非鉄金属が国内子会社の減益などで17.8%減の22億円、機械・情報が国内子会社の取扱量減少で40.1%減の13億円、熔材が溶接材料の取扱量減少で25.4%減の6億円、その他が4億円減少の0億円としている。

 24年3月期は取扱量の減少や販管費の増加などで減益予想としているが、下期は回復基調だろう。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は高値に接近

 株価は水準を切り上げて3月の高値に接近している。指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。9月21日の終値は6130円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS806円00銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の245円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8235円14銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約543億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月31日更新]

神鋼商事は調整一巡、指標面に割安感、24年3月期減益予想だが2Q以降の挽回期待

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などに展開している。成長戦略としては、重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。24年3月期は取扱量の減少や販管費の増加などで減益予想としている。第1四半期の経常利益の進捗率は21%にとどまったが、積極的な事業展開で第2四半期以降の挽回を期待したい。株価は戻り高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。指標面の割安感も評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。成長戦略としては、特に重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。23年2月には、子会社の神鋼商事メタルズがシンクスコーポレーションと共同で、ベトナムにアルミ厚板切断加工販売会社を設立(神鋼商事メタルズの出資比率60%)した。

 23年6月には稲垣商店と、同社の非鉄金属卸売事業に関する権利義務を会社分割により承継させた新・稲垣商店の全株式を取得する株式譲渡契約を締結した。23年9月1日付で株式譲渡を実行して連結子会社化する。

 23年3月期のセグメント利益(経常利益)は、鉄鋼が22年3月期比24.4%増の51億40百万円、鉄鋼原料が108.5%増の14億98百万円、非鉄金属が11.8%減の26億75百万円、機械・情報が37.1%増の21億70百万円、溶材が148.0%増の8億04百万円、その他(不動産賃貸事業等)が3億78百万円(22年3月期は65百万円の損失)だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属の収益は取扱数量と市況の影響で変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光発電を開始した。22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光発電を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月にはダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。22年12月には、経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を発表した。また、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において「B」評価を取得した。

 23年1月には、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(UMI)が設立したUMI3号脱炭素投資事業有限責任組合(UMI脱炭素ファンド)へ出資した。出資を通じて優れた脱炭素分野技術への支援や新規事業創出を推進する。

 23年2月には光変換光合成促進農法社(長野県岡谷市、以下:光変換社)への資本参加と業務提携を発表した。光変換社は、光変換光合成促進農法による農作物栽培用資材および農作物の生産販売を目的として09年に設立された農業法人で、高麗人参を短周期で収穫する短期促成栽培システム(19年に特許登録)を開発している。SDGsを推進している企業であり、本件を開発投資と位置付けて経営支援を行うとともに、新領域となる農業分野への足掛かりとする方針だ。

 23年3月には経済産業省と日本経営会議が選定する健康経営優良法人認定制度において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。

■24年3月期減益予想だが2Q以降の挽回期待

 24年3月期の連結業績予想は売上高が23年3月期比11.5%増の6520億円、営業利益が19.8%減の108億円、経常利益が21.1%減の100億円、親会社株主帰属当期純利益が22.8%減の71億円としている。配当予想は23年3月期比70円減配の245円(第2四半期末120円、期末125円)としている。予想配当性向は30.4%となる。

 第1四半期は売上高が前年同期比3.1%減の1365億86百万円、営業利益が27.1%減の25億07百万円、経常利益が46.5%減の21億46百万円、親会社株主帰属四半期純利益が56.1%減の13億61百万円だった。

 鉄鋼セグメントにおける米国での金利上昇に伴う金融収支悪化や、非鉄金属セグメントにおける取扱量減少などにより減益だった。営業外収益では持分法投資利益が5億11百万円減少、営業外費用では支払利息が2億42百万円増加、デリバティブ評価損が3億22百万円増加した。特別利益では前期計上した固定資産売却益4億11百万円が剥落した。

 セグメント利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は41.2%減の9億87百万円だった。鋼材価格上昇効果で増収だが、海外子会社における金融収支悪化などの影響で大幅減益だった。鉄鋼原料は7.3%増の3億51百万円だった。神戸製鋼所向けの主原料や冷鉄源の取扱量が増加し、原料価格も下落して減収だが、金融収支改善効果などで増益だった。非鉄金属は76.4%減の2億70百万円だった。自動車・液晶向けアルミ板、自動車端子向け銅板条、空調向け銅管の取扱量減少に加えて、中国子会社における現地自動車向けアルミ板の販売も減少して大幅減益だった。機械・情報は32.5%増の4億17百万円だった。売上高は横ばいだったが、海外子会社の好調が寄与した。溶材は13.7%減の1億18百万円だった。国内は堅調だが、海外子会社での取扱量が減少した。その他(不動産賃貸事業等)は0百万円(前年同期は4億02百万円)だった。

 通期連結業績予想は据え置いている。鋼材等の市況は23年3月期下期並みの水準が続くと想定するが、神戸製鋼所の厚板ミル改修に伴う鋼材取扱量減少や半導体市場の需要低迷を見込み、営業活動の活発化に伴う販管費増加などで減益・減配予想としている。想定為替レートは1USドル=130円としている。

 セグメント別経常利益計画は、鉄鋼が厚板ミル改修による取扱量減少で14.4%減の44億円、鉄鋼原料が0.1%増の15億円、非鉄金属が国内子会社の減益などで17.8%減の22億円、機械・情報が国内子会社の取扱量減少で40.1%減の13億円、熔材が溶接材料の取扱量減少で25.4%減の6億円、その他が4億円減少の0億円としている。第1四半期の経常利益の進捗率は21%にとどまったが、積極的な事業展開で第2四半期以降の挽回を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は戻り高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。指標面の割安感も評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。8月30日の終値は5620円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS806円00銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の245円で算出)は約4.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8235円14銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約498億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月18日更新]

神鋼商事は売り一巡、24年3月期1Q減益で通期減益予想据え置き

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などに展開している。成長戦略としては、重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。24年3月期第1四半期は、鉄鋼セグメントの海外子会社における金融収支悪化、非鉄金属セグメントにおける取扱量減少などで大幅減益だった。そして通期減益予想を据え置いた。取扱量の減少や販管費の増加などで減益予想としている。第1四半期の経常利益の進捗率は21%にとどまったが、積極的な事業展開で第2四半期以降の挽回を期待したい。株価は第1四半期業績を嫌気する形で戻り高値圏から反落したが、売り一巡感を強めている。指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。成長戦略としては、特に重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。23年2月には、子会社の神鋼商事メタルズがシンクスコーポレーションと共同で、ベトナムにアルミ厚板切断加工販売会社を設立(神鋼商事メタルズの出資比率60%)した。

 23年6月には稲垣商店と、同社の非鉄金属卸売事業に関する権利義務を会社分割により承継させた新・稲垣商店の全株式を取得する株式譲渡契約を締結した。23年9月1日付で株式譲渡を実行して連結子会社化する。

 23年3月期のセグメント利益(経常利益)は、鉄鋼が22年3月期比24.4%増の51億40百万円、鉄鋼原料が108.5%増の14億98百万円、非鉄金属が11.8%減の26億75百万円、機械・情報が37.1%増の21億70百万円、溶材が148.0%増の8億04百万円、その他(不動産賃貸事業等)が3億78百万円(22年3月期は65百万円の損失)だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属の収益は取扱数量と市況の影響で変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光発電を開始した。22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光発電を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月には初刊となる統合報告書2022を発行した。またダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。

 22年12月には、経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を発表した。また、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において「B」評価を取得した。

 23年1月には、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(UMI)が設立したUMI3号脱炭素投資事業有限責任組合(UMI脱炭素ファンド)へ出資した。出資を通じて優れた脱炭素分野技術への支援や新規事業創出を推進する。

 23年2月には光変換光合成促進農法社(長野県岡谷市、以下:光変換社)への資本参加と業務提携を発表した。光変換社は、光変換光合成促進農法による農作物栽培用資材および農作物の生産販売を目的として09年に設立された農業法人で、高麗人参を短周期で収穫する短期促成栽培システム(19年に特許登録)を開発している。SDGsを推進している企業であり、本件を開発投資と位置付けて経営支援を行うとともに、新領域となる農業分野への足掛かりとする方針だ。

 23年3月には経済産業省と日本経営会議が選定する健康経営優良法人認定制度において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。

■24年3月期1Q減益、通期減益予想据え置き

 24年3月期の連結業績予想は売上高が23年3月期比11.5%増の6520億円、営業利益が19.8%減の108億円、経常利益が21.1%減の100億円、親会社株主帰属当期純利益が22.8%減の71億円としている。配当予想は23年3月期比70円減配の245円(第2四半期末120円、期末125円)としている。予想配当性向は30.4%となる。

 第1四半期は売上高が前年同期比3.1%減の1365億86百万円、営業利益が27.1%減の25億07百万円、経常利益が46.5%減の21億46百万円、親会社株主帰属四半期純利益が56.1%減の13億61百万円だった。

 鉄鋼セグメントにおける米国での金利上昇に伴う金融収支悪化や、非鉄金属セグメントにおける取扱量減少などにより減益だった。営業外収益では持分法投資利益が5億11百万円減少、営業外費用では支払利息が2億42百万円増加、デリバティブ評価損が3億22百万円増加した。特別利益では前期計上した固定資産売却益4億11百万円が剥落した。

 セグメント利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は41.2%減の9億87百万円だった。鋼材価格上昇効果で増収だが、海外子会社における金融収支悪化などの影響で大幅減益だった。鉄鋼原料は7.3%増の3億51百万円だった。神戸製鋼所向けの主原料や冷鉄源の取扱量が増加し、原料価格も下落して減収だが、金融収支改善効果などで増益だった。非鉄金属は76.4%減の2億70百万円だった。自動車・液晶向けアルミ板、自動車端子向け銅板条、空調向け銅管の取扱量減少に加えて、中国子会社における現地自動車向けアルミ板の販売も減少して大幅減益だった。機械・情報は32.5%増の4億17百万円だった。売上高は横ばいだったが、海外子会社の好調が寄与した。溶材は13.7%減の1億18百万円だった。国内は堅調だが、海外子会社での取扱量が減少した。その他(不動産賃貸事業等)は0百万円(前年同期は4億02百万円)だった。

 通期連結業績予想は据え置いている。鋼材等の市況は23年3月期下期並みの水準が続くと想定するが、神戸製鋼所の厚板ミル改修に伴う鋼材取扱量減少や半導体市場の需要低迷を見込み、営業活動の活発化に伴う販管費増加などで減益・減配予想としている。想定為替レートは1USドル=130円としている。

 セグメント別経常利益計画は、鉄鋼が厚板ミル改修による取扱量減少で14.4%減の44億円、鉄鋼原料が0.1%増の15億円、非鉄金属が国内子会社の減益などで17.8%減の22億円、機械・情報が国内子会社の取扱量減少で40.1%減の13億円、熔材が溶接材料の取扱量減少で25.4%減の6億円、その他が4億円減少の0億円としている。

 第1四半期の経常利益の進捗率は21%にとどまったが、積極的な事業展開で第2四半期以降の挽回を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は第1四半期業績を嫌気する形で戻り高値圏から反落したが、売り一巡感を強めている。1桁台の低PER、4%台の高配当利回り、1倍割れの低PBRという指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。8月17日の終値は5660円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS806円00銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の245円で算出)は約4.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8235円14銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約502億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月04日更新]

神鋼商事は24年3月期1Q大幅減益、通期減益予想据え置き

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は8月3日の取引時間中に24年3月期第1四半期連結業績を発表した。鉄鋼セグメントの海外子会社における金融収支悪化、非鉄金属セグメントにおける取扱量減少などで大幅減益だった。そして通期予想を据え置いた。取扱量の減少や販管費の増加などで減益予想としている。第1四半期の経常利益の進捗率は21%にとどまったが、積極的な事業展開で第2四半期以降の挽回を期待したい。株価は第1四半期業績を嫌気する形で戻り高値圏から急反落の形となったが、指標面の割安感も評価材料であり、目先的な売りが一巡して出直りを期待したい。

■24年3月期1Q大幅減益、通期減益予想据え置き

 24年3月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比3.1%減の1365億86百万円、営業利益が27.1%減の25億07百万円、経常利益が46.5%減の21億46百万円、親会社株主帰属四半期純利益が56.1%減の13億61百万円だった。

 鉄鋼セグメントにおける米国での金利上昇に伴う金融収支悪化や、非鉄金属セグメントにおける取扱量減少などで大幅減益だった。営業外収益では持分法投資利益が5億11百万円減少、営業外費用では支払利息が2億42百万円増加、デリバティブ評価損が3億22百万円増加した。特別利益では前期計上した固定資産売却益4億11百万円が剥落した。

 セグメント利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は41.2%減の9億87百万円だった。鋼材価格上昇効果で増収だが、海外子会社における金融収支悪化などの影響で大幅減益だった。鉄鋼原料は7.3%増の3億51百万円だった。神戸製鋼所向けの主原料や冷鉄源の取扱量が増加し、原料価格も下落して減収だが、金融収支改善効果などで増益だった。非鉄金属は76.4%減の2億70百万円だった。自動車・液晶向けアルミ板、自動車端子向け銅板条、空調向け銅管の取扱量減少に加えて、中国子会社における現地自動車向けアルミ板の販売も減少して大幅減益だった。機械・情報は32.5%増の4億17百万円だった。売上高は横ばいだったが、海外子会社の好調が寄与した。溶材は13.7%減の1億18百万円だった。国内は堅調だが、海外子会社での取扱量が減少した。その他(不動産賃貸事業等)は0百万円(前年同期は4億02百万円)だった。

 通期連結業績予想は据え置いて売上高が23年3月期比11.5%増の6520億円、営業利益が19.8%減の108億円、経常利益が21.1%減の100億円、親会社株主帰属当期純利益が22.8%減の71億円としている。配当予想は23年3月期比70円減配の245円(第2四半期末120円、期末125円)としている。予想配当性向は30.4%となる。

 鋼材等の市況は23年3月期下期並みの水準が続くと想定するが、神戸製鋼所の厚板ミル改修に伴う鋼材取扱量減少や半導体市場の需要低迷を見込み、営業活動の活発化に伴う販管費増加などで減益・減配予想としている。

 セグメント別経常利益計画は、鉄鋼が厚板ミル改修による取扱量減少で14.4%減の44億円、鉄鋼原料が0.1%増の15億円、非鉄金属が国内子会社の減益などで17.8%減の22億円、機械・情報が国内子会社の取扱量減少で40.1%減の13億円、熔材が溶接材料の取扱量減少で25.4%減の6億円、その他が4億円減少の0億円としている。

 第1四半期の経常利益の進捗率は21%にとどまったが、積極的な事業展開で第2四半期以降の挽回を期待したい。

■株価は目先的な売り一巡

 株価は第1四半期業績を嫌気する形で戻り高値圏から急反落となったが、指標面の割安感も評価材料であり、目先的な売りが一巡して出直りを期待したい。8月3日の終値は5650円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS806円00銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の245円で算出)は約4.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8235円14銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約501億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[07月25日更新]

神鋼商事は上値試す、24年3月期減益予想だが上振れ余地

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などに展開している。成長戦略としては、重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。24年3月期は鋼材取扱量減少や販管費増加などで減益予想としている。ただし保守的な印象が強く会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻り歩調の形で3月の高値に接近している。1桁台の低PER、4%台の高配当利回り、1倍割れの低PBRという指標面の割安感も評価して上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。成長戦略としては、特に重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。23年2月には、子会社の神鋼商事メタルズがシンクスコーポレーションと共同で、ベトナムにアルミ厚板切断加工販売会社を設立(神鋼商事メタルズの出資比率60%)した。

 23年3月期のセグメント利益(経常利益)は、鉄鋼が22年3月期比24.4%増の51億40百万円、鉄鋼原料が108.5%増の14億98百万円、非鉄金属が11.8%減の26億75百万円、機械・情報が37.1%増の21億70百万円、溶材が148.0%増の8億04百万円、その他(不動産賃貸事業等)が3億78百万円(22年3月期は65百万円の損失)だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属の収益は取扱数量と市況の影響で変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光発電を開始した。22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光発電を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月には初刊となる統合報告書2022を発行した。またダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。

 22年12月には、経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を発表した。また、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において「B」評価を取得した。

 23年1月には、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(UMI)が設立したUMI3号脱炭素投資事業有限責任組合(UMI脱炭素ファンド)へ出資した。出資を通じて優れた脱炭素分野技術への支援や新規事業創出を推進する。

 23年2月には光変換光合成促進農法社(長野県岡谷市、以下:光変換社)への資本参加と業務提携を発表した。光変換社は、光変換光合成促進農法による農作物栽培用資材および農作物の生産販売を目的として09年に設立された農業法人で、高麗人参を短周期で収穫する短期促成栽培システム(19年に特許登録)を開発している。SDGsを推進している企業であり、本件を開発投資と位置付けて経営支援を行うとともに、新領域となる農業分野への足掛かりとする方針だ。

 23年3月には経済産業省と日本経営会議が選定する健康経営優良法人認定制度において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。

■24年3月期減益予想だが保守的

 24年3月期の連結業績予想は売上高が23年3月期比11.5%増の6520億円、営業利益が19.8%減の108億円、経常利益が21.1%減の100億円、親会社株主帰属当期純利益が22.8%減の71億円としている。配当予想は23年3月期比70円減配の245円(第2四半期末120円、期末125円)としている。予想配当性向は30.4%となる。

 鋼材等の市況は23年3月期下期並みの水準が続くと想定するが、神戸製鋼所の厚板ミル改修に伴う鋼材取扱量減少や半導体市場の需要低迷を見込み、営業活動の活発化に伴う販管費増加などで減益・減配予想としている。想定為替レートは1USドル=130円としている。

 セグメント別経常利益計画は、鉄鋼が厚板ミル改修による取扱量減少で14.4%減の44億円、鉄鋼原料が0.1%増の15億円、非鉄金属が国内子会社の減益などで17.8%減の22億円、機械・情報が国内子会社の取扱量減少で40.1%減の13億円、熔材が溶接材料の取扱量減少で25.4%減の6億円、その他が4億円減少の0億円としている。

 24年3月期は鋼材取扱量減少や販管費増加などで減益・減配予想としているが、保守的な印象が強く会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は戻り歩調の形で3月の高値に接近している。1桁台の低PER、4%台の高配当利回り、1倍割れの低PBRという指標面の割安感も評価して上値を試す展開を期待したい。7月24日の終値は5860円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS806円00銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の245円で算出)は約4.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8235円14銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約519億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[06月29日更新]

神鋼商事は戻り高値圏、24年3月期減益予想だが上振れ余地

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などに展開している。成長戦略としては、重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。24年3月期は鋼材取扱量減少や販管費増加などで減益予想としている。ただし保守的な印象が強く会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は3月の高値圏から反落したが、利益確定売りが一巡して切り返しの動きを強めている。そして戻り高値圏だ。依然として1桁台の低PER、4%台の高配当利回り、1倍割れの低PBRという指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。成長戦略としては、特に重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 23年3月期のセグメント利益(経常利益)は、鉄鋼が22年3月期比24.4%増の51億40百万円、鉄鋼原料が108.5%増の14億98百万円、非鉄金属が11.8%減の26億75百万円、機械・情報が37.1%増の21億70百万円、溶材が148.0%増の8億04百万円、その他(不動産賃貸事業等)が3億78百万円(22年3月期は65百万円の損失)だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属の収益は取扱数量と市況の影響で変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光発電を開始した。22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光発電を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月には初刊となる統合報告書2022を発行した。またダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。

 22年12月には、経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を発表した。また、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において「B」評価を取得した。

 23年1月には、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(UMI)が設立したUMI3号脱炭素投資事業有限責任組合(UMI脱炭素ファンド)へ出資した。出資を通じて優れた脱炭素分野技術への支援や新規事業創出を推進する。

 23年2月には光変換光合成促進農法社(長野県岡谷市、以下:光変換社)への資本参加と業務提携を発表した。光変換社は、光変換光合成促進農法による農作物栽培用資材および農作物の生産販売を目的として09年に設立された農業法人で、高麗人参を短周期で収穫する短期促成栽培システム(19年に特許登録)を開発している。SDGsを推進している企業であり、本件を開発投資と位置付けて経営支援を行うとともに、新領域となる農業分野への足掛かりとする方針だ。

 23年3月には経済産業省と日本経営会議が選定する健康経営優良法人認定制度において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。

■24年3月期減益予想だが保守的

 24年3月期の連結業績予想は売上高が23年3月期比11.5%増の6520億円、営業利益が19.8%減の108億円、経常利益が21.1%減の100億円、親会社株主帰属当期純利益が22.8%減の71億円としている。配当予想は23年3月期比70円減配の245円(第2四半期末120円、期末125円)としている。予想配当性向は30.4%となる。

 鋼材等の市況は23年3月期下期並みの水準が続くと想定するが、神戸製鋼所の厚板ミル改修に伴う鋼材取扱量減少や半導体市場の需要低迷を見込み、営業活動の活発化に伴う販管費増加などで減益・減配予想としている。想定為替レートは1USドル=130円としている。

 セグメント別経常利益計画は、鉄鋼が厚板ミル改修による取扱量減少で14.4%減の44億円、鉄鋼原料が0.1%増の15億円、非鉄金属が国内子会社の減益などで17.8%減の22億円、機械・情報が国内子会社の取扱量減少で40.1%減の13億円、熔材が溶接材料の取扱量減少で25.4%減の6億円、その他が4億円減少の0億円としている。

 24年3月期は鋼材取扱量減少や販管費増加などで減益・減配予想としているが、保守的な印象が強く会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は戻り高値圏

 株価は3月の高値圏から反落したが、利益確定売りが一巡して切り返しの動きを強めている。そして戻り高値圏だ。依然として1桁台の低PER、4%台の高配当利回り、1倍割れの低PBRという指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。6月28日の終値は5860円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS806円00銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の245円で算出)は約4.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8235円14銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約519億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[06月19日更新]

神鋼商事は上値試す、24年3月期減益予想だが保守的

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などに展開している。成長戦略としては、重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。24年3月期は鋼材取扱量減少や販管費増加などで減益・減配予想としている。ただし保守的な印象が強く会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は3月の高値圏から反落したが、利益確定売り一巡して切り返しの動きを強めている。指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。成長戦略としては、特に重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 23年3月期のセグメント利益(経常利益)は、鉄鋼が22年3月期比24.4%増の51億40百万円、鉄鋼原料が108.5%増の14億98百万円、非鉄金属が11.8%減の26億75百万円、機械・情報が37.1%増の21億70百万円、溶材が148.0%増の8億04百万円、その他(不動産賃貸事業等)が3億78百万円(22年3月期は65百万円の損失)だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属の収益は取扱数量と市況の影響で変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光発電を開始した。22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光発電を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月には初刊となる統合報告書2022を発行した。またダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。

 22年12月には、経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を発表した。また、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において「B」評価を取得した。

 23年1月には、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(UMI)が設立したUMI3号脱炭素投資事業有限責任組合(UMI脱炭素ファンド)へ出資した。出資を通じて優れた脱炭素分野技術への支援や新規事業創出を推進する。

 23年2月には光変換光合成促進農法社(長野県岡谷市、以下:光変換社)への資本参加と業務提携を発表した。光変換社は、光変換光合成促進農法による農作物栽培用資材および農作物の生産販売を目的として09年に設立された農業法人で、高麗人参を短周期で収穫する短期促成栽培システム(19年に特許登録)を開発している。SDGsを推進している企業であり、本件を開発投資と位置付けて経営支援を行うとともに、新領域となる農業分野への足掛かりとする方針だ。

 23年3月には経済産業省と日本経営会議が選定する健康経営優良法人認定制度において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。

■24年3月期減益予想だが保守的

 24年3月期の連結業績予想は売上高が23年3月期比11.5%増の6520億円、営業利益が19.8%減の108億円、経常利益が21.1%減の100億円、親会社株主帰属当期純利益が22.8%減の71億円としている。配当予想は23年3月期比70円減配の245円(第2四半期末120円、期末125円)としている。予想配当性向は30.4%となる。

 鋼材等の市況は23年3月期下期並みの水準が続くと想定するが、神戸製鋼所の厚板ミル改修に伴う鋼材取扱量減少や半導体市場の需要低迷を見込み、営業活動の活発化に伴う販管費増加などで減益・減配予想としている。想定為替レートは1USドル=130円としている。

 セグメント別経常利益計画は、鉄鋼が厚板ミル改修による取扱量減少で14.4%減の44億円、鉄鋼原料が0.1%増の15億円、非鉄金属が国内子会社の減益などで17.8%減の22億円、機械・情報が国内子会社の取扱量減少で40.1%減の13億円、熔材が溶接材料の取扱量減少で25.4%減の6億円、その他が4億円減少の0億円としている。

 24年3月期は鋼材取扱量減少や販管費増加などで減益・減配予想としているが、保守的な印象が強く会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は3月の高値圏から反落したが、利益確定売り一巡して切り返しの動きを強めている。指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。6月16日の終値は5690円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS806円00銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の245円で算出)は約4.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8235円14銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約504億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[05月23日更新]

神鋼商事は調整一巡、24年3月期減益予想だが保守的

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などに展開している。成長戦略としては、特に重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。23年3月期鉄鋼や鉄鋼原料を中心とする市況上昇効果が牽引して大幅増収増益だった。24年3月期は鋼材取扱量減少や販管費増加などで減益・減配予想としている。ただし保守的な印象が強く、会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は3月の高値圏から反落し、さらに24年3月期予想も嫌気する形で上値を切り下げたが、指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。成長戦略としては、特に重点分野と位置付けているEV・自動車軽量化関連および資源循環型ビジネス関連の拡大を推進するとともに、サステナビリティ経営も強化している。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 23年3月期のセグメント利益(経常利益)は、鉄鋼が22年3月期比24.4%増の51億40百万円、鉄鋼原料が108.5%増の14億98百万円、非鉄金属が11.8%減の26億75百万円、機械・情報が37.1%増の21億70百万円、溶材が148.0%増の8億04百万円、その他(不動産賃貸事業等)が3億78百万円(22年3月期は65百万円の損失)だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属の収益は取扱数量と市況の影響で変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光発電を開始した。22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光発電を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月には初刊となる統合報告書2022を発行した。またダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。

 22年12月には経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を発表した。また、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において「B」評価を取得した。

 23年1月には、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(UMI)が設立したUMI3号脱炭素投資事業有限責任組合(UMI脱炭素ファンド)へ出資した。出資を通じて優れた脱炭素分野技術への支援や新規事業創出を推進する。

 23年2月には光変換光合成促進農法社(長野県岡谷市、以下:光変換社)への資本参加と業務提携を発表した。光変換社は、光変換光合成促進農法による農作物栽培用資材および農作物の生産販売を目的として09年に設立された農業法人で、高麗人参を短周期で収穫する短期促成栽培システム(19年に特許登録)を開発している。SDGsを推進している企業であり、本件を開発投資と位置付けて経営支援を行うとともに、新領域となる農業分野への足掛かりとする方針だ。

 23年3月には経済産業省と日本経営会議が選定する健康経営優良法人認定制度において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。

■23年3月期大幅増収増益、24年3月期減益予想だが保守的

 23年3月期の連結業績は売上高が22年3月期比18.3%増の5848億56百万円、営業利益が33.9%増の134億59百万円、経常利益が30.2%増の126億68百万円、親会社株主帰属当期純利益が28.9%増の91億96百万円だった。配当は5月11日付で期末15円上方修正して、22年3月期比70円増配の315円(第2四半期末150円、期末165円)とした。配当性向は30.3%となる。

 鉄鋼や鉄鋼原料を中心とする市況上昇効果が牽引して大幅増収増益だった。そして2期連続で経常利益過去最高を更新した。営業外では為替差損益が悪化(22年3月期は差益2億33百万円、23年3月期は差損7億47百万円)し、売掛債権譲渡損が1億80百万円増加したが、一方で持分法投資利益が2億01百万円増加、受取配当金が2億27百万円増加し、デリバティブ評価損益が改善(22年3月期は評価損2億75百万円、23年3月期は評価益31百万円)した。また貸倒引当金繰入額が7億45百万円減少した。特別利益では22年3月期に計上した負ののれん発生益1億83百万円、および債務免除益7億29百万円が剥落したが、一方で投資有価証券売却益が4億08百万円増加し、固定資産売却益4億24百万円を計上した。

 セグメント利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は24.4%増の51億40百万円だった。半導体不足の影響を受けた自動車向けの取扱量が減少したが、鋼材価格上昇効果で大幅増益だった。鉄鋼原料は108.5%増の14億98百万円だった。神戸製鋼所向けの主原料や冷鉄源の取扱量が増加し、原料価格上昇効果も寄与して大幅増益だった。非鉄金属は11.8%減の26億75百万円だった。自動車・半導体向けアルミ板条や非鉄原料の取扱量増加で増収だが、自動車端子向け銅板条や空調向け銅管の取扱量減少で減益だった。機械・情報は37.1%増の21億70百万円だった。国内外での建設機械部品の好調などで大幅増益だった。溶材は148.0%増の8億04百万円だった。国内の造船・建築向けや海外の造船向けが堅調に推移し、溶接材料価格上昇も寄与して大幅増益だった。その他(不動産賃貸事業等)は3億78百万円(22年3月期は65百万円の損失)だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1409億39百万円で経常利益が40億09百万円、第2四半期は売上高が1376億79百万円で経常利益が23億78百万円、第3四半期は売上高が1562億16百万円で経常利益が32億89百万円、第4四半期は売上高が1500億22百万円で経常利益が29億92百万円だった。

 24年3月期の連結業績予想は売上高が23年3月期比11.5%増の6520億円、営業利益が19.8%減の108億円、経常利益が21.1%減の100億円、親会社株主帰属当期純利益が22.8%減の71億円としている。配当予想は23年3月期比70円減配の245円(第2四半期末120円、期末125円)としている。予想配当性向は30.4%となる。

 鋼材等の市況は23年3月期下期並みの水準が続くと想定するが、神戸製鋼所の厚板ミル改修に伴う鋼材取扱量減少や半導体市場の需要低迷を見込み、営業活動の活発化に伴う販管費増加などで減益・減配予想としている。想定為替レートは1USドル=130円としている。

 セグメント別経常利益計画は、鉄鋼が厚板ミル改修による取扱量減少で14.4%減の44億円、鉄鋼原料が0.1%増の15億円、非鉄金属が国内子会社の減益などで17.8%減の22億円、機械・情報が国内子会社の取扱量減少で40.1%減の13億円、熔材が溶接材料の取扱量減少で25.4%減の6億円、その他が4億円減少の0億円としている。

 24年3月期は鋼材取扱量減少や販管費増加などで減益・減配予想としているが、保守的な印象が強く会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価は3月の高値圏から反落し、さらに24年3月期予想も嫌気する形で上値を切り下げたが、指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。5月22日の終値は5550円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS806円00銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の245円で算出)は約4.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8235円14銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約492億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[05月12日更新]

神鋼商事は23年3月期大幅増収増益、24年3月期減益予想だが保守的

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は5月11日の取引時間中に23年3月期連結業績を発表した。鉄鋼や鉄鋼原料を中心とする市況上昇効果が牽引して大幅増収増益だった。そして配当を増額した。24年3月期は鋼材取扱量減少や販管費増加などで減益・減配予想としている。ただし保守的な印象が強く、会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は24年3月期減益・減配予想を嫌気する動きとなったが、指標面の割安感も評価材料であり、下値限定的だろう。

■23年3月期大幅増収増益、24年3月期減益予想だが保守的

 23年3月期の連結業績は売上高が22年3月期比18.3%増の5848億56百万円、営業利益が33.9%増の134億59百万円、経常利益が30.2%増の126億68百万円、親会社株主帰属当期純利益が28.9%増の91億96百万円だった。配当は5月11日付で期末15円上方修正して、22年3月期比70園増配の315円(第2四半期末150円、期末165円)とした。配当性向は30.3%となる。

 鉄鋼や鉄鋼原料を中心とする市況上昇効果が牽引して大幅増収増益だった。そして2期連続で経常利益過去最高を更新した。営業外では為替差損益が悪化(22年3月期は差益2億33百万円、23年3月期は差損7億47百万円)し、売掛債権譲渡損が1億80百万円増加したが、一方で持分法投資利益が2億01百万円増加、受取配当金が2億27百万円増加し、デリバティブ評価損益が改善(22年3月期は評価損2億75百万円、23年3月期は評価益31百万円)した。また貸倒引当金繰入額が7億45百万円減少した。特別利益では22年3月期に計上した負ののれん発生益1億83百万円、および債務免除益7億29百万円が剥落したが、一方で投資有価証券売却益が4億08百万円増加し、固定資産売却益4億24百万円を計上した。

 セグメント利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は24.4%増の51億40百万円だった。半導体不足の影響を受けた自動車向けの取扱量が減少したが、鋼材価格上昇効果で大幅増益だった。鉄鋼原料は108.5%増の14億98百万円だった。神戸製鋼所向けの主原料や冷鉄源の取扱量が増加し、原料価格上昇効果も寄与して大幅増益だった。非鉄金属は11.8%減の26億75百万円だった。自動車・半導体向けアルミ板条や非鉄原料の取扱量増加で増収だが、自動車端子向け銅板条や空調向け銅管の取扱量減少で減益だった。機械・情報は37.1%増の21億70百万円だった。国内外での建設機械部品の好調などで大幅増益だった。溶材は148.0%増の8億04百万円だった。国内の造船・建築向けや海外の造船向けが堅調に推移し、溶接材料価格上昇も寄与して大幅増益だった。その他(不動産賃貸事業等)は3億78百万円(22年3月期は65百万円の損失)だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1409億39百万円で経常利益が40億09百万円、第2四半期は売上高が1376億79百万円で経常利益が23億78百万円、第3四半期は売上高が1562億16百万円で経常利益が32億89百万円、第4四半期は売上高が1500億22百万円で経常利益が29億92百万円だった。

 24年3月期の連結業績予想は売上高が23年3月期比11.5%増の6520億円、営業利益が19.8%減の108億円、経常利益が21.1%減の100億円、親会社株主帰属当期純利益が22.8%減の71億円としている。配当予想は23年3月期比70円減配の245円(第2四半期末120円、期末125円)としている。予想配当性向は30.4%となる。

 鋼材等の市況は23年3月期下期並みの水準が続くと想定するが、神戸製鋼所の厚板ミル改修に伴う鋼材取扱量減少や半導体市場の需要低迷を見込み、営業活動の活発化に伴う販管費増加などで減益・減配予想としている。

 セグメント別経常利益計画は、鉄鋼が厚板ミル改修による取扱量減少で14.4%減の44億円、鉄鋼原料が0.1%増の15億円、非鉄金属が国内子会社の減益などで17.8%減の22億円、機械・情報が国内子会社の取扱量減少で40.1%減の13億円、熔材が溶接材料の取扱量減少で25.4%減の6億円、その他が4億円減少の0億円としている。

 24年3月期は鋼材取扱量減少や販管費増加などで減益・減配予想としているが、保守的な印象が強く会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は下値限定的

 株価は24年3月期減益・減配予想を嫌気する動きとなったが、指標面の割安感も評価材料であり、下値限定的だろう。5月11日の終値は5440円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS806円00銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の245円で算出)は約4.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8235円14銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約482億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[04月26日更新]

神鋼商事は上値試す、24年3月期も収益拡大基調

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などに展開している。重点分野にEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げるとともに、サステナビリティ経営を推進している。23年3月期は大幅増収増益予想としている。さらに24年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は3月の高値圏から利益確定売りで反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。好業績や指標面の割安感を評価して上値を試す展開を期待したい。なお5月11日に23年3月期決算発表を予定している。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 22年3月期のセグメント別(その他を除く5セグメント)の経常利益構成比は鉄鋼が42%、鉄鋼原料が7%、非鉄金属が31%、機械・情報が17%、溶材が3%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光発電を開始した。22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光発電を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月には初刊となる統合報告書2022を発行した。またダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。

 22年12月には経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を発表した。また、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において「B」評価を取得した。

 23年1月には、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(UMI)が設立したUMI3号脱炭素投資事業有限責任組合(UMI脱炭素ファンド)へ出資した。出資を通じて優れた脱炭素分野技術への支援や新規事業創出を推進する。

 23年2月には光変換光合成促進農法社(長野県岡谷市、以下:光変換社)への資本参加と業務提携を発表した。光変換社は、光変換光合成促進農法による農作物栽培用資材および農作物の生産販売を目的として09年に設立された農業法人で、高麗人参を短周期で収穫する短期促成栽培システム(19年に特許登録)を開発している。SDGsを推進している企業であり、本件を開発投資と位置付けて経営支援を行うとともに、新領域となる農業分野への足掛かりとする方針だ。

 23年3月には経済産業省と日本経営会議が選定する健康経営優良法人認定制度において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。

■23年3月期大幅増収増益予想、24年3月期も収益拡大基調

 23年3月期連結業績予想(22年11月2日付で上方修正)は、売上高が22年3月期比16.7%増の5770億円、営業利益が18.4%増の119億円、経常利益が23.4%増の120億円、親会社株主帰属当期純利益が23.3%増の88億円としている。配当予想(22年11月2日付で第2四半期末30円上方修正、期末30円上方修正、合計60円上方修正)は、22年3月期比55円増配の300円(第2四半期末150円、期末150円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比23.8%増の4348億34百万円、営業利益が33.9%増の98億46百万円、経常利益が34.0%増の96億76百万円、親会社株主帰属四半期純利益が25.0%増の70億14百万円だった。

 非鉄金属が伸銅品の取扱量減少で減益だが、鉄鋼や鉄鋼原料を中心とする価格上昇効果が牽引し、全体として大幅増収増益だった。経常利益は第3四半期累計として過去最高となった。

 なお、営業外収益ではデリバティブ評価益が増加(前期は88百万円、今期は4億80百万円)し、持分法投資利益が増加(前期は4億69百万円、今期は5億94百万円)した。営業外費用では売掛債権譲渡損が拡大(前期は4億60百万円、今期は6億92百万円)し、為替差損が拡大(前期は差損16百万円、今期は差損8億88百万円)したが、前期計上の貸倒引当金繰入額6億92百万円が剥落した。特別利益では前期計上の負ののれん発生益1億83百万円が剥落したが、固定資産売却益4億29百万円を計上、投資有価証券売却益が増加(前期は77百万円、今期は2億99百万円)した。

 セグメント利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は38.6%増の41億01百万円だった。半導体不足の影響を受けた自動車向けの取扱量が減少したが、鋼材価格上昇効果で大幅増収増益だった。鉄鋼原料は240.7%増の11億83百万円だった。神戸製鋼所向けの主原料や冷鉄源の取扱量が増加し、原料価格上昇効果も寄与して大幅増収増益だった。非鉄金属は20.4%減の22億20百万円だった。自動車・半導体向けアルミ板条や非鉄原料の増加で増収だが、自動車端子向け銅板条や空調向け銅管の減少で減益だった。機械・情報は23.6%増の12億11百万円だった。建設機械部品の好調、大型圧縮機の本体・メンテナンスの増加、国内子会社の好調などで増収増益だった。溶材は191.3%増の5億74百万円だった。造船向けなどの取扱量が堅調に推移し、溶接材料価格上昇も寄与して大幅増収増益だった。その他(不動産賃貸事業等)は3億86百万円(前年同期は51百万円の損失)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1409億39百万円で経常利益が40億09百万円、第2四半期は売上高が1376億79百万円で経常利益が23億78百万円、第3四半期は売上高が1562億16百万円で経常利益が32億89百万円だった。

 通期は、市況価格が高値推移する好条件も背景として、過去最高の取扱高および経常利益を見込んでいる。不透明感を考慮して通期会社予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率が高水準(売上高が75.4%、営業利益が82.7%、経常利益が80.6%、親会社株主帰属当期純利益が79.7%)だったことを勘案すれば、通期会社予想は再上振れの可能性が高く、さらに24年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は3月の高値圏から利益確定売りで反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。好業績や指標面の割安感を評価して上値を試す展開を期待したい。4月25日の終値は5840円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS1000円00銭で算出)は約6倍、前期推定配当利回り(会社予想の300円で算出)は約5.1%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS7107円83銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約517億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[04月06日更新]

神鋼商事は調整一巡、24年3月期も収益拡大基調

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などに展開している。重点分野にEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げるとともに、サステナビリティ経営を推進している。23年3月期は大幅増収増益予想としている。第3四半期累計の進捗率が高水準だったことを勘案すれば、通期会社予想は再上振れの可能性が高く、さらに24年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で3月の高値圏から反落したが、指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 22年3月期のセグメント別(その他を除く5セグメント)の経常利益構成比は鉄鋼が42%、鉄鋼原料が7%、非鉄金属が31%、機械・情報が17%、溶材が3%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光発電を開始した。22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光発電を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月には初刊となる統合報告書2022を発行した。またダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。

 22年12月には経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を発表した。また、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において「B」評価を取得した。

 23年1月には、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(UMI)が設立したUMI3号脱炭素投資事業有限責任組合(UMI脱炭素ファンド)へ出資した。出資を通じて優れた脱炭素分野技術への支援や新規事業創出を推進する。

 23年2月には光変換光合成促進農法社(長野県岡谷市、以下:光変換社)への資本参加と業務提携を発表した。光変換社は、光変換光合成促進農法による農作物栽培用資材および農作物の生産販売を目的として09年に設立された農業法人で、高麗人参を短周期で収穫する短期促成栽培システム(19年に特許登録)を開発している。SDGsを推進している企業であり、本件を開発投資と位置付けて経営支援を行うとともに、新領域となる農業分野への足掛かりとする方針だ。

 23年3月には経済産業省と日本経営会議が選定する健康経営優良法人認定制度において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。

■23年3月期大幅増収増益予想、24年3月期も収益拡大基調

 23年3月期連結業績予想(22年11月2日付で上方修正)は、売上高が22年3月期比16.7%増の5770億円、営業利益が18.4%増の119億円、経常利益が23.4%増の120億円、親会社株主帰属当期純利益が23.3%増の88億円としている。配当予想(22年11月2日付で第2四半期末30円上方修正、期末30円上方修正、合計60円上方修正)は、22年3月期比55円増配の300円(第2四半期末150円、期末150円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比23.8%増の4348億34百万円、営業利益が33.9%増の98億46百万円、経常利益が34.0%増の96億76百万円、親会社株主帰属四半期純利益が25.0%増の70億14百万円だった。

 非鉄金属が伸銅品の取扱量減少で減益だが、鉄鋼や鉄鋼原料を中心とする価格上昇効果が牽引し、全体として大幅増収増益だった。経常利益は第3四半期累計として過去最高となった。

 なお、営業外収益ではデリバティブ評価益が増加(前期は88百万円、今期は4億80百万円)し、持分法投資利益が増加(前期は4億69百万円、今期は5億94百万円)した。営業外費用では売掛債権譲渡損が拡大(前期は4億60百万円、今期は6億92百万円)し、為替差損が拡大(前期は差損16百万円、今期は差損8億88百万円)したが、前期計上の貸倒引当金繰入額6億92百万円が剥落した。特別利益では前期計上の負ののれん発生益1億83百万円が剥落したが、固定資産売却益4億29百万円を計上、投資有価証券売却益が増加(前期は77百万円、今期は2億99百万円)した。

 セグメント利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は38.6%増の41億01百万円だった。半導体不足の影響を受けた自動車向けの取扱量が減少したが、鋼材価格上昇効果で大幅増収増益だった。鉄鋼原料は240.7%増の11億83百万円だった。神戸製鋼所向けの主原料や冷鉄源の取扱量が増加し、原料価格上昇効果も寄与して大幅増収増益だった。非鉄金属は20.4%減の22億20百万円だった。自動車・半導体向けアルミ板条や非鉄原料の増加で増収だが、自動車端子向け銅板条や空調向け銅管の減少で減益だった。機械・情報は23.6%増の12億11百万円だった。建設機械部品の好調、大型圧縮機の本体・メンテナンスの増加、国内子会社の好調などで増収増益だった。溶材は191.3%増の5億74百万円だった。造船向けなどの取扱量が堅調に推移し、溶接材料価格上昇も寄与して大幅増収増益だった。その他(不動産賃貸事業等)は3億86百万円(前年同期は51百万円の損失)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1409億39百万円で経常利益が40億09百万円、第2四半期は売上高が1376億79百万円で経常利益が23億78百万円、第3四半期は売上高が1562億16百万円で経常利益が32億89百万円だった。

 通期は、市況価格が高値推移する好条件も背景として、過去最高の取扱高および経常利益を見込んでいる。不透明感を考慮して通期会社予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率が高水準(売上高が75.4%、営業利益が82.7%、経常利益が80.6%、親会社株主帰属当期純利益が79.7%)だったことを勘案すれば、通期会社予想は再上振れの可能性が高く、さらに24年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化の影響で3月の高値圏から反落したが、指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。4月5日の終値は5550円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS1000円00銭で算出)は約6倍、前期推定配当利回り(会社予想の300円で算出)は約5.4%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS7107円83銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約492億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[03月17日更新]

神鋼商事は上値試す、23年3月期大幅増収増益予想で再上振れの可能性

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などに展開している。重点分野にEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げるとともに、サステナビリティ経営を推進している。3月9日には「健康経営優良法人2023」認定を発表した。23年3月期は大幅増収増益予想としている。第3四半期累計の進捗率が高水準だったことを勘案すれば、通期会社予想は再上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で上げ一服の形となり、高値圏から一旦反落したが、依然として指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 22年3月期のセグメント別(その他を除く5セグメント)の経常利益構成比は鉄鋼が42%、鉄鋼原料が7%、非鉄金属が31%、機械・情報が17%、溶材が3%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光発電を開始した。22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光発電を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月には初刊となる統合報告書2022を発行した。またダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。

 22年12月には経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を発表した。また、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において「B」評価を取得した。

 23年1月には、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(UMI)が設立したUMI3号脱炭素投資事業有限責任組合(UMI脱炭素ファンド)へ出資した。出資を通じて優れた脱炭素分野技術への支援や新規事業創出を推進する。

 23年2月には光変換光合成促進農法社(長野県岡谷市、以下:光変換社)への資本参加と業務提携を発表した。光変換社は、光変換光合成促進農法による農作物栽培用資材および農作物の生産販売を目的として09年に設立された農業法人で、高麗人参を短周期で収穫する短期促成栽培システム(19年に特許登録)を開発している。SDGsを推進している企業であり、本件を開発投資と位置付けて経営支援を行うとともに、新領域となる農業分野への足掛かりとする方針だ。

 3月9日には経済産業省と日本経営会議が選定する健康経営優良法人認定制度において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定されたと発表した。

■23年3月期大幅増収増益予想で再上振れの可能性

 23年3月期連結業績予想(22年11月2日付で上方修正)は、売上高が22年3月期比16.7%増の5770億円、営業利益が18.4%増の119億円、経常利益が23.4%増の120億円、親会社株主帰属当期純利益が23.3%増の88億円としている。配当予想(22年11月2日付で第2四半期末30円上方修正、期末30円上方修正、合計60円上方修正)は、22年3月期比55円増配の300円(第2四半期末150円、期末150円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比23.8%増の4348億34百万円、営業利益が33.9%増の98億46百万円、経常利益が34.0%増の96億76百万円、親会社株主帰属四半期純利益が25.0%増の70億14百万円だった。

 非鉄金属が伸銅品の取扱量減少で減益だが、鉄鋼や鉄鋼原料を中心とする価格上昇効果が牽引し、全体として大幅増収増益だった。経常利益は第3四半期累計として過去最高となった。

 なお、営業外収益ではデリバティブ評価益が増加(前期は88百万円、今期は4億80百万円)し、持分法投資利益が増加(前期は4億69百万円、今期は5億94百万円)した。営業外費用では売掛債権譲渡損が拡大(前期は4億60百万円、今期は6億92百万円)し、為替差損が拡大(前期は差損16百万円、今期は差損8億88百万円)したが、前期計上の貸倒引当金繰入額6億92百万円が剥落した。特別利益では前期計上の負ののれん発生益1億83百万円が剥落したが、固定資産売却益4億29百万円を計上、投資有価証券売却益が増加(前期は77百万円、今期は2億99百万円)した。

 セグメント利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は38.6%増の41億01百万円だった。半導体不足の影響を受けた自動車向けの取扱量が減少したが、鋼材価格上昇効果で大幅増収増益だった。鉄鋼原料は240.7%増の11億83百万円だった。神戸製鋼所向けの主原料や冷鉄源の取扱量が増加し、原料価格上昇効果も寄与して大幅増収増益だった。非鉄金属は20.4%減の22億20百万円だった。自動車・半導体向けアルミ板条や非鉄原料の増加で増収だが、自動車端子向け銅板条や空調向け銅管の減少で減益だった。機械・情報は23.6%増の12億11百万円だった。建設機械部品の好調、大型圧縮機の本体・メンテナンスの増加、国内子会社の好調などで増収増益だった。溶材は191.3%増の5億74百万円だった。造船向けなどの取扱量が堅調に推移し、溶接材料価格上昇も寄与して大幅増収増益だった。その他(不動産賃貸事業等)は3億86百万円(前年同期は51百万円の損失)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1409億39百万円で経常利益が40億09百万円、第2四半期は売上高が1376億79百万円で経常利益が23億78百万円、第3四半期は売上高が1562億16百万円で経常利益が32億89百万円だった。

 通期は、市況価格が高値推移する好条件も背景として、過去最高の取扱高および経常利益を見込んでいる。不透明感を考慮して通期会社予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率が高水準(売上高が75.4%、営業利益が82.7%、経常利益が80.6%、親会社株主帰属当期純利益が79.7%)だったことを勘案すれば、通期会社予想は再上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は地合い悪化の影響で上げ一服となり高値圏から一旦反落したが、依然として指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。3月16日の終値は5750円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1000円00銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の300円で算出)は約5.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7107円83銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約509億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月31日更新]

神鋼商事は高値更新の展開、23年3月期大幅増益予想

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器を扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、EV・自動車軽量化関連や資源循環型ビジネス関連を推進するとともに、サステナビリティ経営も推進している。1月30日にはUMI脱炭素ファンドへの出資を発表した。出資を通じて優れた脱炭素分野技術への支援や新規事業創出を推進する。23年3月期は鉄鋼や鉄鋼原料を中心とする価格上昇効果や為替影響などで大幅増益予想としている。さらに再上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は順調に水準を切り上げて高値更新の展開だ。指標面の割安感は依然として強い。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。なお2月3日に23年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 22年3月期のセグメント別(その他を除く5セグメント)の経常利益構成比は鉄鋼が42%、鉄鋼原料が7%、非鉄金属が31%、機械・情報が17%、溶材が3%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光発電を開始した。22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光発電を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月には初刊となる統合報告書2022を発行した。またダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。

 22年12月には経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を発表した。また、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において「B」評価を取得した。

 1月30日には、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター(UMI)が設立したUMI3号脱炭素投資事業有限責任組合(UMI脱炭素ファンド)への出資を発表した。出資を通じて優れた脱炭素分野技術への支援や新規事業創出を推進する。

■23年3月期大幅増益予想、さらに再上振れ余地

 23年3月期連結業績予想(22年11月2日付で上方修正)は、売上高が22年3月期比16.7%増の5770億円、営業利益が18.4%増の119億円、経常利益が23.4%増の120億円、親会社株主帰属当期純利益が23.3%増の88億円としている。配当予想(22年11月2日付で第2四半期末30円上方修正、期末30円上方修正、合計60円上方修正)は、22年3月期比55円増配の300円(第2四半期末150円、期末150円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比24.3%増の2786億18百万円、営業利益が57.1%増の64億19百万円、経常利益が40.0%増の63億87百万円、親会社株主帰属四半期純利益が14.9%増の44億32百万円だった。

 経常利益は鉄鋼や鉄鋼原料を中心とする価格上昇効果や為替影響などにより、前回予想(8月3日付で上方修正して53億円)を上回る大幅経常増益だった。上期として過去最高だった。

 なお営業外収益では持分法投資利益が1億56百万円増加(前年同期は3億68百万円、今期は5億24百万円)した。営業外費用では売掛債権譲渡損が拡大(前年同期は2億79百万円、今期は5億17百万円)した。また為替差損益が改善(前年同期は差損1億10百万円、今期は差益2億34百万円)したが、デリバティブ評価損益が悪化(前年同期は評価益1億30百万円、今期は評価損6億67百万円)した。

 特別利益では前年同期に計上した負ののれん発生益1億83百万円が剥落したが、固定資産売却益4億29百万円を計上した。また投資有価証券売却益が増加(前年同期は77百万円、今期は1億15百万円)した。なお親会社株主帰属四半期純利益の増益率は、税負担が増加したため、営業利益および経常利益の増益率に比べて小幅だった。

 セグメント別利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は13.0%増の27億88百万円だった。半導体不足の影響を受けた自動車向けを中心に取扱量は減少したが、鋼板製品や特殊鋼製品の価格上昇効果が寄与した。鉄鋼原料は7億30百万円(前年同期は7百万円)だった。神戸製鋼所向けの主原料やチタン原料の取扱量が増加し、原料価格上昇効果も寄与した。非鉄金属は12.7%減の14億78百万円だった。自動車向けアルミ板条の取扱量が増加し、中国の半導体・イオン注入装置ユニット製造会社の受注も好調だったが、伸銅品や非鉄スクラップの取扱量が減少した。機械・情報は98.1%増の6億41百万円だった。国内外で建設機械部品が好調に推移し、大型圧縮機・汎用コンプレッサのメンテナンスも増加した。溶材は226.4%増の3億50百万円だった。溶接材料価格上昇に加えて、溶接ロボットの増加も寄与した。その他(不動産賃貸事業等)が3億97百万円(同34百万円の損失)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1409億39百万円で経常利益が40億09百万円、第2四半期は売上高が1376億79百万円で経常利益が23億78百万円だった。

 第2四半期累計が計画以上に好調に推移したため、通期の連結業績予想を上方修正した。過去最高の取扱高で過去最高の経常利益となる見込みだ。なお通期の経常利益増減計画(前回予想時)は、鉄鋼が鋼材価格上昇などで11億円増加の52億円、鉄鋼原料が主原料価格上昇などで4億円増加の11億円、非鉄金属が運賃等の販管費増加などで5億円減少の25億円、機械・情報が連結範囲変更の影響などで3億円減少の13億円、溶材が事業譲受による溶接材料取扱数量増加などで2億円増加の5億円としている。そして今回は上振れ要因として、為替影響・他で合計14億円を上乗せした。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が48.3%、営業利益が53.9%、経常利益が53.2%、親会社株主帰属当期純利益が50.4%と概ね順調である。通期会社予想に再上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は高値更新の展開

 株価は順調に水準を切り上げて高値更新の展開だ。指標面の割安感は依然として強い。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。1月30日の終値は5640円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1000円00銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の300円で算出)は約5.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7107円83銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約458億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月16日更新]

神鋼商事は上値試す、23年3月期大幅増益予想で指標面に依然として割安感

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器を扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、EV・自動車軽量化関連や資源循環型ビジネス関連を推進するとともに、サステナビリティ経営も推進している。23年3月期は鉄鋼や鉄鋼原料を中心とする価格上昇効果や為替影響などで大幅増益予想としている。さらに再上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合いが悪化する中でも高値を更新して堅調に推移している。指標面の割安感は依然として強い。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。なお2月3日に23年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 22年3月期のセグメント別(その他を除く5セグメント)の経常利益構成比は鉄鋼が42%、鉄鋼原料が7%、非鉄金属が31%、機械・情報が17%、溶材が3%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。

 22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光パネルによる発電を開始すると発表した。

 22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光パネルによる発言を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月には初刊となる統合報告書2022を発行した。またダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。

 22年12月には経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を発表した。また、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において「B」評価を取得した。

■23年3月期大幅増益予想、さらに再上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想(11月2日付で上方修正)は、売上高が22年3月期比16.7%増の5770億円、営業利益が18.4%増の119億円、経常利益が23.4%増の120億円、親会社株主帰属当期純利益が23.3%増の88億円としている。配当予想(11月2日付で第2四半期末30円上方修正、期末30円上方修正、合計60円上方修正)は、22年3月期比55円増配の300円(第2四半期末150円、期末150円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比24.3%増の2786億18百万円、営業利益が57.1%増の64億19百万円、経常利益が40.0%増の63億87百万円、親会社株主帰属四半期純利益が14.9%増の44億32百万円だった。

 経常利益は鉄鋼や鉄鋼原料を中心とする価格上昇効果や為替影響などにより、前回予想(8月3日付で上方修正して53億円)を上回る大幅経常増益だった。上期として過去最高だった。

 なお営業外収益では持分法投資利益が1億56百万円増加(前年同期は3億68百万円、今期は5億24百万円)した。営業外費用では売掛債権譲渡損が拡大(前年同期は2億79百万円、今期は5億17百万円)した。また為替差損益が改善(前年同期は差損1億10百万円、今期は差益2億34百万円)したが、デリバティブ評価損益が悪化(前年同期は評価益1億30百万円、今期は評価損6億67百万円)した。

 特別利益では前年同期に計上した負ののれん発生益1億83百万円が剥落したが、固定資産売却益4億29百万円を計上した。また投資有価証券売却益が増加(前年同期は77百万円、今期は1億15百万円)した。なお親会社株主帰属四半期純利益の増益率は、税負担が増加したため、営業利益および経常利益の増益率に比べて小幅だった。

 セグメント別利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は13.0%増の27億88百万円だった。半導体不足の影響を受けた自動車向けを中心に取扱量は減少したが、鋼板製品や特殊鋼製品の価格上昇効果が寄与した。鉄鋼原料は7億30百万円(前年同期は7百万円)だった。神戸製鋼所向けの主原料やチタン原料の取扱量が増加し、原料価格上昇効果も寄与した。非鉄金属は12.7%減の14億78百万円だった。自動車向けアルミ板条の取扱量が増加し、中国の半導体・イオン注入装置ユニット製造会社の受注も好調だったが、伸銅品や非鉄スクラップの取扱量が減少した。機械・情報は98.1%増の6億41百万円だった。国内外で建設機械部品が好調に推移し、大型圧縮機・汎用コンプレッサのメンテナンスも増加した。溶材は226.4%増の3億50百万円だった。溶接材料価格上昇に加えて、溶接ロボットの増加も寄与した。その他(不動産賃貸事業等)が3億97百万円(同34百万円の損失)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1409億39百万円で経常利益が40億09百万円、第2四半期は売上高が1376億79百万円で経常利益が23億78百万円だった。

 第2四半期累計が計画以上に好調に推移したため、通期の連結業績予想を上方修正した。過去最高の取扱高で過去最高の経常利益となる見込みだ。なお通期の経常利益増減計画(前回予想時)は、鉄鋼が鋼材価格上昇などで11億円増加の52億円、鉄鋼原料が主原料価格上昇などで4億円増加の11億円、非鉄金属が運賃等の販管費増加などで5億円減少の25億円、機械・情報が連結範囲変更の影響などで3億円減少の13億円、溶材が事業譲受による溶接材料取扱数量増加などで2億円増加の5億円としている。そして今回は上振れ要因として、為替影響・他で合計14億円を上乗せした。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が48.3%、営業利益が53.9%、経常利益が53.2%、親会社株主帰属当期純利益が50.4%である。通期会社予想に再上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は地合いが悪化する中でも高値を更新して堅調に推移している。指標面の割安感は依然として強い。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。1月13日の終値は5170円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1000円00銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の300円で算出)は約5.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7107円83銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約458億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月27日更新]

神鋼商事は上値試す、23年3月期大幅増益予想で指標面に依然として割安感

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器を扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、EV・自動車軽量化関連や資源循環型ビジネス関連を推進するとともに、サステナビリティ経営も推進している。23年3月期は鉄鋼や鉄鋼原料を中心とする価格上昇効果や為替影響などで大幅増益予想としている。さらに再上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合いが悪化するなかでも年初来高値更新の展開と堅調だ。そして07年の高値に接近している。依然として指標面の割安感は強い。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 22年3月期のセグメント別(その他を除く5セグメント)の経常利益構成比は鉄鋼が42%、鉄鋼原料が7%、非鉄金属が31%、機械・情報が17%、溶材が3%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。

 22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光パネルによる発電を開始すると発表した。

 22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光パネルによる発言を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月には初刊となる統合報告書2022を発行した。またダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。

 12月14日には、経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」に賛同したと発表している。また12月16日には、環境情報開示システムを提供する国際環境非営利団体であるCDPによる「気候変動」に対する取り組みや情報開示の評価において「B」評価を取得したと発表している。

■23年3月期大幅増益予想、さらに再上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想(11月2日付で上方修正)は、売上高が22年3月期比16.7%増の5770億円、営業利益が18.4%増の119億円、経常利益が23.4%増の120億円、親会社株主帰属当期純利益が23.3%増の88億円としている。配当予想(11月2日付で第2四半期末30円上方修正、期末30円上方修正、合計60円上方修正)は、22年3月期比55円増配の300円(第2四半期末150円、期末150円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比24.3%増の2786億18百万円、営業利益が57.1%増の64億19百万円、経常利益が40.0%増の63億87百万円、親会社株主帰属四半期純利益が14.9%増の44億32百万円だった。

 経常利益は鉄鋼や鉄鋼原料を中心とする価格上昇効果や為替影響などにより、前回予想(8月3日付で上方修正して53億円)を上回る大幅経常増益だった。上期として過去最高だった。

 なお営業外収益では持分法投資利益が1億56百万円増加(前年同期は3億68百万円、今期は5億24百万円)した。営業外費用では売掛債権譲渡損が拡大(前年同期は2億79百万円、今期は5億17百万円)した。また為替差損益が改善(前年同期は差損1億10百万円、今期は差益2億34百万円)したが、デリバティブ評価損益が悪化(前年同期は評価益1億30百万円、今期は評価損6億67百万円)した。

 特別利益では前年同期に計上した負ののれん発生益1億83百万円が剥落したが、固定資産売却益4億29百万円を計上した。また投資有価証券売却益が増加(前年同期は77百万円、今期は1億15百万円)した。なお親会社株主帰属四半期純利益の増益率は、税負担が増加したため、営業利益および経常利益の増益率に比べて小幅だった。

 セグメント別利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は13.0%増の27億88百万円だった。半導体不足の影響を受けた自動車向けを中心に取扱量は減少したが、鋼板製品や特殊鋼製品の価格上昇効果が寄与した。鉄鋼原料は7億30百万円(前年同期は7百万円)だった。神戸製鋼所向けの主原料やチタン原料の取扱量が増加し、原料価格上昇効果も寄与した。非鉄金属は12.7%減の14億78百万円だった。自動車向けアルミ板条の取扱量が増加し、中国の半導体・イオン注入装置ユニット製造会社の受注も好調だったが、伸銅品や非鉄スクラップの取扱量が減少した。機械・情報は98.1%増の6億41百万円だった。国内外で建設機械部品が好調に推移し、大型圧縮機・汎用コンプレッサのメンテナンスも増加した。溶材は226.4%増の3億50百万円だった。溶接材料価格上昇に加えて、溶接ロボットの増加も寄与した。その他(不動産賃貸事業等)が3億97百万円(同34百万円の損失)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1409億39百万円で経常利益が40億09百万円、第2四半期は売上高が1376億79百万円で経常利益が23億78百万円だった。

 第2四半期累計が計画以上に好調に推移したため、通期の連結業績予想を上方修正した。過去最高の取扱高で過去最高の経常利益となる見込みだ。なお通期の経常利益増減計画(前回予想時)は、鉄鋼が鋼材価格上昇などで11億円増加の52億円、鉄鋼原料が主原料価格上昇などで4億円増加の11億円、非鉄金属が運賃等の販管費増加などで5億円減少の25億円、機械・情報が連結範囲変更の影響などで3億円減少の13億円、溶材が事業譲受による溶接材料取扱数量増加などで2億円増加の5億円としている。そして今回は上振れ要因として、為替影響・他で合計14億円を上乗せした。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が48.3%、営業利益が53.9%、経常利益が53.2%、親会社株主帰属当期純利益が50.4%である。通期会社予想に再上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は地合いが悪化するなかでも年初来高値更新の展開と堅調だ。そして07年の高値に接近している。依然として指標面の割安感は強い。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。12月26日の終値は4760円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1000円00銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の300円で算出)は約6.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7107円83銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約422億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月05日更新]

神鋼商事は07年高値に接近、23年3月期大幅増益予想、さらに再上振れ余地

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器を扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、EV・自動車軽量化関連や資源循環型ビジネス関連を推進するとともに、サステナビリティ経営も推進している。23年3月期は鉄鋼や鉄鋼原料を中心とする価格上昇効果や為替影響などで大幅増益予想としている。さらに再上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は好業績を評価して07年の高値に接近している。依然として指標面の割安感は強い。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 22年3月期のセグメント別(その他を除く5セグメント)の経常利益構成比は鉄鋼が42%、鉄鋼原料が7%、非鉄金属が31%、機械・情報が17%、溶材が3%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。

 22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光パネルによる発電を開始すると発表した。

 22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光パネルによる発言を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月には初刊となる統合報告書2022を発行した。またダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。

■23年3月期大幅増益予想、さらに再上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想(11月2日付で上方修正)は、売上高が22年3月期比16.7%増の5770億円、営業利益が18.4%増の119億円、経常利益が23.4%増の120億円、親会社株主帰属当期純利益が23.3%増の88億円としている。配当予想(11月2日付で第2四半期末30円上方修正、期末30円上方修正、合計60円上方修正)は、22年3月期比55円増配の300円(第2四半期末150円、期末150円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比24.3%増の2786億18百万円、営業利益が57.1%増の64億19百万円、経常利益が40.0%増の63億87百万円、親会社株主帰属四半期純利益が14.9%増の44億32百万円だった。

 経常利益は鉄鋼や鉄鋼原料を中心とする価格上昇効果や為替影響などにより、前回予想(8月3日付で上方修正して53億円)を上回る大幅経常増益だった。上期として過去最高だった。

 なお営業外収益では持分法投資利益が1億56百万円増加(前年同期は3億68百万円、今期は5億24百万円)した。営業外費用では売掛債権譲渡損が拡大(前年同期は2億79百万円、今期は5億17百万円)した。また為替差損益が改善(前年同期は差損1億10百万円、今期は差益2億34百万円)したが、デリバティブ評価損益が悪化(前年同期は評価益1億30百万円、今期は評価損6億67百万円)した。

 特別利益では前年同期に計上した負ののれん発生益1億83百万円が剥落したが、固定資産売却益4億29百万円を計上した。また投資有価証券売却益が増加(前年同期は77百万円、今期は1億15百万円)した。なお親会社株主帰属四半期純利益の増益率は、税負担が増加したため、営業利益および経常利益の増益率に比べて小幅だった。

 セグメント別利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は13.0%増の27億88百万円だった。半導体不足の影響を受けた自動車向けを中心に取扱量は減少したが、鋼板製品や特殊鋼製品の価格上昇効果が寄与した。鉄鋼原料は7億30百万円(前年同期は7百万円)だった。神戸製鋼所向けの主原料やチタン原料の取扱量が増加し、原料価格上昇効果も寄与した。非鉄金属は12.7%減の14億78百万円だった。自動車向けアルミ板条の取扱量が増加し、中国の半導体・イオン注入装置ユニット製造会社の受注も好調だったが、伸銅品や非鉄スクラップの取扱量が減少した。機械・情報は98.1%増の6億41百万円だった。国内外で建設機械部品が好調に推移し、大型圧縮機・汎用コンプレッサのメンテナンスも増加した。溶材は226.4%増の3億50百万円だった。溶接材料価格上昇に加えて、溶接ロボットの増加も寄与した。その他(不動産賃貸事業等)が3億97百万円(同34百万円の損失)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1409億39百万円で経常利益が40億09百万円、第2四半期は売上高が1376億79百万円で経常利益が23億78百万円だった。

 第2四半期累計が計画以上に好調に推移したため、通期の連結業績予想を上方修正した。過去最高の取扱高で過去最高の経常利益となる見込みだ。なお通期の経常利益増減計画(前回予想時)は、鉄鋼が鋼材価格上昇などで11億円増加の52億円、鉄鋼原料が主原料価格上昇などで4億円増加の11億円、非鉄金属が運賃等の販管費増加などで5億円減少の25億円、機械・情報が連結範囲変更の影響などで3億円減少の13億円、溶材が事業譲受による溶接材料取扱数量増加などで2億円増加の5億円としている。そして今回は上振れ要因として、為替影響・他で合計14億円を上乗せした。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が48.3%、営業利益が53.9%、経常利益が53.2%、親会社株主帰属当期純利益が50.4%である。通期会社予想に再上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は07年高値に接近

 株価は好業績を評価して07年の高値に接近している。依然として指標面の割安感は強い。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。12月2日の終値は4340円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1000円00銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の300円で算出)は約6.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7107円83銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約385億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月21日更新]

神鋼商事は上値試す、23年3月期通期は上方修正して大幅増益予想

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器を扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、EV・自動車軽量化関連や資源循環型ビジネス関連を推進するとともに、サステナビリティ経営も推進している。23年3月期第2四半期累計の経常利益は、鉄鋼や鉄鋼原料を中心とする価格上昇効果や為替影響などにより、前回予想(8月3日付で上方修正)を上回る大幅増益だった。そして通期の業績・配当予想を上方修正した。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は好業績を評価して年初来高値圏だ。そして07年の高値に接近している。指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 22年3月期のセグメント別(その他を除く5セグメント)の経常利益構成比は鉄鋼が42%、鉄鋼原料が7%、非鉄金属が31%、機械・情報が17%、溶材が3%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。

 22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光パネルによる発電を開始すると発表した。

 22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光パネルによる発言を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月には初刊となる統合報告書2022を発行した。またダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。

■23年3月期2Q累計大幅経常増益、通期業績・配当予想を上方修正

 23年3月期の連結業績予想(11月2日付で上方修正)は、売上高が22年3月期比16.7%増の5770億円、営業利益が18.4%増の119億円、経常利益が23.4%増の120億円、親会社株主帰属当期純利益が23.3%増の88億円としている。配当予想(11月2日付で第2四半期末30円上方修正、期末30円上方修正、合計60円上方修正)は、22年3月期比55円増配の300円(第2四半期末150円、期末150円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比24.3%増の2786億18百万円、営業利益が57.1%増の64億19百万円、経常利益が40.0%増の63億87百万円、親会社株主帰属四半期純利益が14.9%増の44億32百万円だった。

 経常利益は鉄鋼や鉄鋼原料を中心とする価格上昇効果や為替影響などにより、前回予想(8月3日付で上方修正して53億円)を上回る大幅経常増益だった。上期として過去最高だった。

 なお営業外収益では持分法投資利益が1億56百万円増加(前年同期は3億68百万円、今期は5億24百万円)した。営業外費用では売掛債権譲渡損が拡大(前年同期は2億79百万円、今期は5億17百万円)した。また為替差損益が改善(前年同期は差損1億10百万円、今期は差益2億34百万円)したが、デリバティブ評価損益が悪化(前年同期は評価益1億30百万円、今期は評価損6億67百万円)した。

 特別利益では前年同期に計上した負ののれん発生益1億83百万円が剥落したが、固定資産売却益4億29百万円を計上した。また投資有価証券売却益が増加(前年同期は77百万円、今期は1億15百万円)した。なお親会社株主帰属四半期純利益の増益率は、税負担が増加したため、営業利益および経常利益の増益率に比べて小幅だった。

 セグメント別利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は13.0%増の27億88百万円だった。半導体不足の影響を受けた自動車向けを中心に取扱量は減少したが、鋼板製品や特殊鋼製品の価格上昇効果が寄与した。鉄鋼原料は7億30百万円(前年同期は7百万円)だった。神戸製鋼所向けの主原料やチタン原料の取扱量が増加し、原料価格上昇効果も寄与した。非鉄金属は12.7%減の14億78百万円だった。自動車向けアルミ板条の取扱量が増加し、中国の半導体・イオン注入装置ユニット製造会社の受注も好調だったが、伸銅品や非鉄スクラップの取扱量が減少した。機械・情報は98.1%増の6億41百万円だった。国内外で建設機械部品が好調に推移し、大型圧縮機・汎用コンプレッサのメンテナンスも増加した。溶材は226.4%増の3億50百万円だった。溶接材料価格上昇に加えて、溶接ロボットの増加も寄与した。その他(不動産賃貸事業等)が3億97百万円(同34百万円の損失)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1409億39百万円で経常利益が40億09百万円、第2四半期は売上高が1376億79百万円で経常利益が23億78百万円だった。

 第2四半期累計が計画以上に好調に推移したため、通期の連結業績予想を上方修正した。過去最高の取扱高で過去最高の経常利益となる見込みだ。なお通期の経常利益増減計画(前回予想時)は、鉄鋼が鋼材価格上昇などで11億円増加の52億円、鉄鋼原料が主原料価格上昇などで4億円増加の11億円、非鉄金属が運賃等の販管費増加などで5億円減少の25億円、機械・情報が連結範囲変更の影響などで3億円減少の13億円、溶材が事業譲受による溶接材料取扱数量増加などで2億円増加の5億円としている。そして今回は上振れ要因として、為替影響・他で合計14億円を上乗せした。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は好業績を評価して年初来高値圏だ。そして07年の高値に接近している。指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。11月18日の終値は4255円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1000円00銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の300円で算出)は約7.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7107円83銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約377億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月04日更新]

神鋼商事は23年3月期2Q累計大幅経常増益、通期業績・配当予想を上方修正

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は、11月2日の取引時間中に23年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。経常利益は鉄鋼や鉄鋼原料を中心とする価格上昇効果や為替影響などにより、前回予想(8月3日付で上方修正)を上回る大幅増益だった。そして通期の業績・配当予想を上方修正した。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上方修正を好感して年初来高値を更新し、07年の高値に接近している。引き続き指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■23年3月期2Q累計大幅経常増益、通期業績・配当予想を上方修正

 11月2日に発表した23年3月期第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比24.3%増の2786億18百万円、営業利益が57.1%増の64億19百万円、経常利益が40.0%増の63億87百万円、親会社株主帰属四半期純利益が14.9%増の44億32百万円だった。

 経常利益は鉄鋼や鉄鋼原料を中心とする価格上昇効果や為替影響などにより、前回予想(8月3日付で上方修正して53億円)を上回る大幅経常増益だった。上期として過去最高だった。

 なお営業外収益では持分法投資利益が1億56百万円増加(前年同期は3億68百万円、今期は5億24百万円)した。営業外費用では売掛債権譲渡損が拡大(前年同期は2億79百万円、今期は5億17百万円)した。また為替差損益が改善(前年同期は差損1億10百万円、今期は差益2億34百万円)したが、デリバティブ評価損益が悪化(前年同期は評価益1億30百万円、今期は評価損6億67百万円)した。

 特別利益では前年同期に計上した負ののれん発生益1億83百万円が剥落したが、固定資産売却益4億29百万円を計上した。また投資有価証券売却益が増加(前年同期は77百万円、今期は1億15百万円)した。なお親会社株主帰属四半期純利益の増益率は、税負担が増加したため、営業利益および経常利益の増益率に比べて小幅だった。

 セグメント別利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は13.0%増の27億88百万円だった。半導体不足の影響を受けた自動車向けを中心に取扱量は減少したが、鋼板製品や特殊鋼製品の価格上昇効果が寄与した。鉄鋼原料は7億30百万円(前年同期は7百万円)だった。神戸製鋼所向けの主原料やチタン原料の取扱量が増加し、原料価格上昇効果も寄与した。非鉄金属は12.7%減の14億78百万円だった。自動車向けアルミ板条の取扱量が増加し、中国の半導体・イオン注入装置ユニット製造会社の受注も好調だったが、伸銅品や非鉄スクラップの取扱量が減少した。機械・情報は98.1%増の6億41百万円だった。国内外で建設機械部品が好調に推移し、大型圧縮機・汎用コンプレッサのメンテナンスも増加した。溶材は226.4%増の3億50百万円だった。溶接材料価格上昇に加えて、溶接ロボットの増加も寄与した。その他(不動産賃貸事業等)が3億97百万円(同34百万円の損失)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1409億39百万円で経常利益が40億09百万円、第2四半期は売上高が1376億79百万円で経常利益が23億78百万円だった。

 第2四半期累計が計画以上に好調に推移したため、11月2日付で通期の連結業績予想を上方修正し、売上高が22年3月期比16.7%増の5770億円、営業利益が18.4%増の119億円、経常利益が23.4%増の120億円、親会社株主帰属当期純利益が23.3%増の88億円としている。配当予想も11月2日付で上方修正(第2四半期末30円上方修正、期末30円上方修正、合計60円上方修正)して、22年3月期比55円増配の300円(第2四半期末150円、期末150円)としている。

 通期連結業績予想は、前回予想(売上高5400億円、営業利益97億円、経常利益106億円、親会社株主帰属当期純利益70億円)に対して売上高を370億円、営業利益を22億円、経常利益を14億円、親会社株主帰属当期純利益を18億円それぞれ上方修正した。過去最高の取扱高で過去最高の経常利益となる見込みだ。

 なお通期の経常利益増減計画(前回予想時)は、鉄鋼が鋼材価格上昇などで11億円増益、鉄鋼原料が主原料価格上昇などで4億円増益、非鉄金属が取扱量減少などで5億円減益、機械・情報が連結範囲変更の影響などで3億円減益、溶材が事業譲受による溶接材料取扱数量増加などで2億円増益としている。そして今回は上振れ要因として、為替影響・他で合計14億円を上乗せした。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は上方修正を好感して年初来高値を更新した。そして07年の高値に接近している。引き続き指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。11月2日の終値は4330円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1000円00銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の300円で算出)は約6.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7107円83銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約384億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月18日更新]

神鋼商事は切り返しの動き、23年3月期経常増益予想、さらに上振れの可能性

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器を扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、EV・自動車軽量化関連や資源循環型ビジネス関連を推進するとともに、サステナビリティ経営も推進している。22年10月にはダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。23年3月期は取扱高増加(過去最高)などで経常増益(過去最高)予想としている。第1四半期の大幅増益を勘案すれば通期予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して年初来高値圏から一旦反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。好業績や指標面の割安感を評価して上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 22年3月期のセグメント別(その他を除く5セグメント)の経常利益構成比は鉄鋼が42%、鉄鋼原料が7%、非鉄金属が31%、機械・情報が17%、溶材が3%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。

 22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光パネルによる発電を開始すると発表した。

 22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

 22年9月には、アルミ圧延材のスリット・シャーリング加工および販売を行う蘇州神商金属有限公司が太陽光パネルによる発言を開始した。約1000枚のパネルを向上屋根に敷設し、所内で使用するほぼ全ての電力を太陽光パネルによる再生可能エネルギーによってまかなうことが可能になった。また、蘇州神商金属有限公司における生産活動高度化に向けた工場DXの取り組みも紹介している。

 22年10月には初刊となる統合報告書2022を発行した。またダイバーシティ推進プロジェクトチームを発足し、女性およびグローバル人材活躍に向けて30年までの目標を設定した。

■23年3月期経常増益予想、さらに上振れの可能性

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比9.2%増の5400億円、営業利益が3.5%減の97億円、経常利益が9.0%増の106億円、親会社株主帰属当期純利益が1.4%減の70億円としている。配当予想は22年3月期比5円減配の240円(第2四半期末120円、期末120円)としている。

 運賃増加や連結範囲変更などで小幅営業減益だが、全体として22年3月期の事業環境が継続し、取扱高増加(過去最高)や北米エネルギー市場回復も見込んで経常増益(過去最高)予想としている。

 セグメント別利益(経常利益)計画は、鉄鋼が鋼材価格上昇(10億円増益)などで11億円増加の52億円、鉄鋼原料が原料炭価格上昇による子会社の利益増加(5億円増益)などで4億円増加の11億円、非鉄金属が取扱数量増加(6億円増益)だが運賃等の販管費増加(10億円減益)などで5億円減少の25億円、機械・情報が連結範囲変更の影響(2億円減益)などで3億円減少の13億円、溶材が事業譲受による溶接材料取扱数量増加(1億円増益)などで2億円増加の5億円としている。

 第1四半期は売上高が前年同期比23.7%増の1409億39百万円、営業利益が65.0%増の34億37百万円、経常利益が72.3%増の40億09百万円、親会社株主帰属四半期純利益が72.9%増の31億05百万円だった。

 鉄鋼セグメントにおいて半導体不足による自動車減産の影響があったが、全体として市況上昇効果で大幅増収増益だった。営業外収益では持分法投資利益が3億48百万円増加(前年同期は1億90百万円、今期は5億38百万円)し、営業外費用ではデリバティブ評価損3億19百万円を計上した。また為替差損益が改善(前年同期は差損1億30百万円、今期は差益2億56百万円)した。特別利益では固定資産売却益4億11百万円、投資有価証券売却益1億15百万円を計上した。

 セグメント別利益(経常利益)は、鉄鋼が価格上昇で40.6%増の16億80百万円、鉄鋼原料が神戸製鋼所向け取扱量増加や価格上昇で348.3%増の3億27百万円、非鉄金属が中国のアルミコイルセンターや新たに子会社化した半導体・イオン注入装置ユニット製造会社の好調で4.3%増の11億46百万円、機械・情報が建設機械部品などの好調で3億15百万円(前年同期は64百万円の損失)、溶材が価格上昇や連結子会社における前年度の事業譲受などで197.0%増の1億37百万円、その他(不動産賃貸事業等)が4億02百万円(同22百万円の損失)だった。

 第1四半期の好調を受けて8月3日付で第2四半期累計連結業績予想を上方修正した。修正後の第2四半期累計予想は、売上高が前年同期比23.6%増の2770億円、営業利益が29.7%増の53億円、経常利益が31.5%増の60億円、親会社株主帰属四半期純利益が16.6%増の45億円としている。前回予想に比べて売上高は140億円、営業利益は8億円、経常利益は7億円、親会社株主帰属四半期純利益は10億円、それぞれ上回る見込みだ。

 通期の連結業績予想は不透明感を考慮して据え置いているが、第1四半期の進捗率は売上高が26.1%、営業利益が35.4%、経常利益が37.8%、親会社株主帰属当期純利益が44.4%と高水準である。第1四半期の大幅増益を勘案すれば通期予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は切り返しの動き

 株価は地合い悪化も影響して年初来高値圏から一旦反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。好業績や指標面の割安感を評価して上値を試す展開を期待したい。10月17日の終値は3855円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS790円00銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の240円で算出)は約6.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7107円83銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約342億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月06日更新]

神鋼商事は上値試す、23年3月期は上振れの可能性

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器を扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、EV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を推進するとともに、サステナビリティ経営も推進している。23年3月期の連結業績は第2四半期累計予想を上方修正している。通期予想は不透明感を考慮して据え置いているが上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は年初来高値圏で堅調だ。依然として指標面の割安感は強い。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 22年3月期のセグメント別(その他を除く5セグメント)の経常利益構成比は鉄鋼が42%、鉄鋼原料が7%、非鉄金属が31%、機械・情報が17%、溶材が3%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。

 22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光パネルによる発電を開始すると発表した。

 22年8月には、環境省が推奨する地球温暖化対策のための「COOL CHOICE(賢い選択)」に賛同登録した。

■23年3月期2Q累計予想を上方修正、通期も上振れの可能性

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比9.2%増の5400億円、営業利益が3.5%減の97億円、経常利益が9.0%増の106億円、親会社株主帰属当期純利益が1.4%減の70億円としている。配当予想は22年3月期比5円減配の240円(第2四半期末120円、期末120円)としている。

 運賃増加や連結範囲変更などで小幅営業減益だが、全体として22年3月期の事業環境が継続し、取扱高増加(過去最高)や北米エネルギー市場回復も見込んで経常増益(過去最高)予想としている。

 セグメント別利益(経常利益)計画は、鉄鋼が鋼材価格上昇(10億円増益)などで11億円増加の52億円、鉄鋼原料が原料炭価格上昇による子会社の利益増加(5億円増益)などで4億円増加の11億円、非鉄金属が取扱数量増加(6億円増益)だが運賃等の販管費増加(10億円減益)などで5億円減少の25億円、機械・情報が連結範囲変更の影響(2億円減益)などで3億円減少の13億円、溶材が事業譲受による溶接材料取扱数量増加(1億円増益)などで2億円増加の5億円としている。

 第1四半期は売上高が前年同期比23.7%増の1409億39百万円、営業利益が65.0%増の34億37百万円、経常利益が72.3%増の40億09百万円、親会社株主帰属四半期純利益が72.9%増の31億05百万円だった。

 鉄鋼セグメントにおいて半導体不足による自動車減産の影響があったが、全体として市況上昇効果で大幅増収増益だった。営業外収益では持分法投資利益が3億48百万円増加(前年同期は1億90百万円、今期は5億38百万円)し、営業外費用ではデリバティブ評価損3億19百万円を計上した。また為替差損益が改善(前年同期は差損1億30百万円、今期は差益2億56百万円)した。特別利益では固定資産売却益4億11百万円、投資有価証券売却益1億15百万円を計上した。

 セグメント別利益(経常利益)は、鉄鋼が価格上昇で40.6%増の16億80百万円、鉄鋼原料が神戸製鋼所向け取扱量増加や価格上昇で348.3%増の3億27百万円、非鉄金属が中国のアルミコイルセンターや新たに子会社化した半導体・イオン注入装置ユニット製造会社の好調で4.3%増の11億46百万円、機械・情報が建設機械部品などの好調で3億15百万円(前年同期は64百万円の損失)、溶材が価格上昇や連結子会社における前年度の事業譲受などで197.0%増の1億37百万円、その他(不動産賃貸事業等)が4億02百万円(同22百万円の損失)だった。

 第1四半期の好調を受けて8月3日付で第2四半期累計連結業績予想を上方修正した。修正後の第2四半期累計予想は、売上高が前年同期比23.6%増の2770億円、営業利益が29.7%増の53億円、経常利益が31.5%増の60億円、親会社株主帰属四半期純利益が16.6%増の45億円としている。前回予想に比べて売上高は140億円、営業利益は8億円、経常利益は7億円、親会社株主帰属四半期純利益は10億円、それぞれ上回る見込みだ。

 通期の連結業績予想は不透明感を考慮して据え置いているが、第1四半期の進捗率は売上高が26.1%、営業利益が35.4%、経常利益が37.8%、親会社株主帰属当期純利益が44.4%と高水準である。通期予想も上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は年初来高値圏で堅調だ。依然として指標面の割安感は強い。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。9月5日の終値は4125円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS790円00銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の240円で算出)は約5.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7107円83銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約365億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月18日更新]

神鋼商事は年初来高値更新、23年3月期は通期も上振れの可能性

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器を扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてサステナビリティ経営も推進している。23年3月期第1四半期は半導体不足による自動車減産の影響があったが、市況上昇効果で大幅増収増益だった。そして第2四半期累計予想を上方修正した。通期予想は不透明感を考慮して据え置いたが上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は高値圏でのモミ合いから上放れて年初来高値更新の展開となった。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 22年3月期のセグメント別(その他を除く5セグメント)の経常利益構成比は鉄鋼が42%、鉄鋼原料が7%、非鉄金属が31%、機械・情報が17%、溶材が3%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。

 22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光パネルによる発電を開始すると発表した。

■23年3月期2Q累計予想を上方修正、通期も上振れの可能性

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比9.2%増の5400億円、営業利益が3.5%減の97億円、経常利益が9.0%増の106億円、親会社株主帰属当期純利益が1.4%減の70億円としている。配当予想は22年3月期比5円減配の240円(第2四半期末120円、期末120円)としている。

 運賃増加や連結範囲変更などで小幅営業減益だが、全体として22年3月期の事業環境が継続し、取扱高増加(過去最高)や北米エネルギー市場回復も見込んで経常増益(過去最高)予想としている。

 セグメント別利益(経常利益)計画は、鉄鋼が鋼材価格上昇(10億円増益)などで11億円増加の52億円、鉄鋼原料が原料炭価格上昇による子会社の利益増加(5億円増益)などで4億円増加の11億円、非鉄金属が取扱数量増加(6億円増益)だが運賃等の販管費増加(10億円減益)などで5億円減少の25億円、機械・情報が連結範囲変更の影響(2億円減益)などで3億円減少の13億円、溶材が事業譲受による溶接材料取扱数量増加(1億円増益)などで2億円増加の5億円としている。

 第1四半期は売上高が前年同期比23.7%増の1409億39百万円、営業利益が65.0%増の34億37百万円、経常利益が72.3%増の40億09百万円、親会社株主帰属四半期純利益が72.9%増の31億05百万円だった。

 鉄鋼セグメントにおいて半導体不足による自動車減産の影響があったが、全体として市況上昇効果で大幅増収増益だった。営業外収益では持分法投資利益が3億48百万円増加(前年同期は1億90百万円、今期は5億38百万円)し、営業外費用ではデリバティブ評価損3億19百万円を計上した。また為替差損益が改善(前年同期は差損1億30百万円、今期は差益2億56百万円)した。特別利益では固定資産売却益4億11百万円、投資有価証券売却益1億15百万円を計上した。

 セグメント別利益(経常利益)は、鉄鋼が価格上昇で40.6%増の16億80百万円、鉄鋼原料が神戸製鋼所向け取扱量増加や価格上昇で348.3%増の3億27百万円、非鉄金属が中国のアルミコイルセンターや新たに子会社化した半導体・イオン注入装置ユニット製造会社の好調で4.3%増の11億46百万円、機械・情報が建設機械部品などの好調で3億15百万円(前年同期は64百万円の損失)、溶材が価格上昇や連結子会社における前年度の事業譲受などで197.0%増の1億37百万円、その他(不動産賃貸事業等)が4億02百万円(同22百万円の損失)だった。

 第1四半期の好調を受けて8月3日付で第2四半期累計連結業績予想を上方修正した。修正後の第2四半期累計予想は、売上高が前年同期比23.6%増の2770億円、営業利益が29.7%増の53億円、経常利益が31.5%増の60億円、親会社株主帰属四半期純利益が16.6%増の45億円としている。前回予想に比べて売上高は140億円、営業利益は8億円、経常利益は7億円、親会社株主帰属四半期純利益は10億円、それぞれ上回る見込みだ。

 通期の連結業績予想は不透明感を考慮して据え置いているが、第1四半期の進捗率は売上高が26.1%、営業利益が35.4%、経常利益が37.8%、親会社株主帰属当期純利益が44.4%と高水準である。通期予想も上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は年初来高値更新

 株価は高値圏でのモミ合いから上放れて年初来高値更新の展開だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。8月17日の終値は4205円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS790円00銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の240円で算出)は約5.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7107円83銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約373億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月22日更新]

神鋼商事は上値試す、23年3月期は上振れの可能性

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器を扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてサステナビリティ経営も推進している。23年3月期は経常増益(過去最高)予想としている。不透明感を考慮して小幅経常増益予想にとどめているが、保守的な印象が強い。さらに上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻り高値圏で堅調だ。指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には、子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立した。21年12月には子会社のSCWが、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 22年3月期のセグメント別(その他を除く5セグメント)の経常利益構成比は鉄鋼が42%、鉄鋼原料が9%、非鉄金属が31%、機械・情報が17%、溶材が3%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。

 22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 22年6月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。また、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光パネルによる発電を開始すると発表した。なお7月4日には、バイオマス燃料の安定供給、供給事業化取り組みをHP上で紹介している。

■23年3月期経常増益予想、さらに上振れの可能性

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比9.2%増の5400億円、営業利益が3.5%減の97億円、経常利益が9.0%増の106億円、親会社株主帰属当期純利益が1.4%減の70億円としている。配当予想は22年3月期比5円減配の240円(第2四半期末120円、期末120円)としている。

 運賃増加や連結範囲変更などで小幅営業減益だが、全体として22年3月期の事業環境が継続し、取扱高増加(過去最高)や北米エネルギー市場回復も見込んで経常増益(過去最高)予想としている。

 セグメント別利益(経常利益)計画は、鉄鋼が鋼材価格上昇(10億円増益)などで11億円増加の52億円、鉄鋼原料が原料炭価格上昇による子会社の利益増加(5億円増益)などで4億円増加の11億円、非鉄金属が取扱数量増加(6億円増益)だが運賃等の販管費増加(10億円減益)などで5億円減少の25億円、機械・情報が連結範囲変更の影響(2億円減益)などで3億円減少の13億円、溶材が事業譲受による溶接材料取扱数量増加(1億円増益)などで2億円増加の5億円としている。

 23年3月期は不透明感を考慮して小幅経常増益予想にとどめているが、保守的な印象が強い。さらに上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は戻り高値圏で堅調だ。指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。7月21日の終値は3835円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS790円00銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の240円で算出)は約6.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7107円83銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約340億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[06月30日更新]

神鋼商事は上値試す、23年3月期経常増益予想、さらに上振れ余地

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器を扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてサステナビリティ経営も推進し、6月24日にはTCFD提言に基づく情報をWEBサイトにて開示した。23年3月期は経常増益(過去最高)予想としている。不透明感を考慮して小幅経常増益予想にとどめているが、さらに上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻り高値圏だ。指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には、子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立(22年4月稼働予定)すると発表した。21年12月には子会社のSCWが日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 22年3月期のセグメント別(その他を除く5セグメント)の経常利益構成比は鉄鋼が42%、鉄鋼原料が9%、非鉄金属が31%、機械・情報が17%、溶材が3%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。なお22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定している。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。

 22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 さらに6月7日付で、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。6月22日には、グループのCO2削減についての取り組みの一環として、グループ会社の蘇州神商金属有限公司が22年9月から太陽光パネルによる発電を開始すると発表した。6月24日にはTCFD提言に基づく情報をWEBサイトにて開示した。

■23年3月期経常増益予想、さらに上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比9.2%増の5400億円、営業利益が3.5%減の97億円、経常利益が9.0%増の106億円、親会社株主帰属当期純利益が1.4%減の70億円としている。配当予想は22年3月期比5円減配の240円(第2四半期末120円、期末120円)としている。

 運賃増加や連結範囲変更などで小幅営業減益だが、全体として22年3月期の事業環境が継続し、取扱高増加(過去最高)や北米エネルギー市場回復も見込んで経常増益(過去最高)予想としている。

 セグメント別利益(経常利益)計画は、鉄鋼が鋼材価格上昇(10億円増益)などで11億円増加の52億円、鉄鋼原料が原料炭価格上昇による子会社の利益増加(5億円増益)などで4億円増加の11億円、非鉄金属が取扱数量増加(6億円増益)だが運賃等の販管費増加(10億円減益)などで5億円減少の25億円、機械・情報が連結範囲変更の影響(2億円減益)などで3億円減少の13億円、溶材が事業譲受による溶接材料取扱数量増加(1億円増益)などで2億円増加の5億円としている。

 不透明感を考慮して小幅経常増益予想にとどめているが、さらに上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は戻り高値圏だ。指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。6月29日の終値は3870円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS790円00銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の240円で算出)は約6.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7107円83銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約343億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[06月10日更新]

神鋼商事は上値試す、23年3月期経常増益予想、さらに上振れ余地

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器を扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてサステナビリティ経営も推進している。6月8日にはTCFD提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画したと発表している。23年3月期経常増益(過去最高)予想としている。不透明感を考慮して小幅経常増益予想にとどめているが、さらに上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は水準を切り上げて3月の年初来高値に接近している。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には、子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立(22年4月稼働予定)すると発表した。21年12月には子会社のSCWが日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 22年3月期のセグメント別(その他を除く5セグメント)の経常利益構成比は鉄鋼が42%、鉄鋼原料が9%、非鉄金属が31%、機械・情報が17%、溶材が3%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

 なお22年4月にはDX推進の方向性を示す「DXビジョン」を策定した。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 22年4月には、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。

 22年5月には、水素社会を早期に構築することを目的とする一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会に入会した。また、低炭素社会に向けてCO2フリーアンモニア利用のバリューチェーン構築および社会実装を目的とする一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会に入会した。

 さらに6月8日には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに参画したと発表している。

■23年3月期経常増益予想、さらに上振れ余地

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比9.2%増の5400億円、営業利益が3.5%減の97億円、経常利益が9.0%増の106億円、親会社株主帰属当期純利益が1.4%減の70億円としている。配当予想は22年3月期比5円減配の240円(第2四半期末120円、期末120円)としている。

 運賃増加や連結範囲変更などで小幅営業減益だが、全体として22年3月期の事業環境が継続し、取扱高増加(過去最高)や北米エネルギー市場回復も見込んで経常増益(過去最高)予想としている。

 セグメント別利益(経常利益)計画は、鉄鋼が鋼材価格上昇(10億円増益)などで11億円増加の52億円、鉄鋼原料が原料炭価格上昇による子会社の利益増加(5億円増益)などで4億円増加の11億円、非鉄金属が取扱数量増加(6億円増益)だが運賃等の販管費増加(10億円減益)などで5億円減少の25億円、機械・情報が連結範囲変更の影響(2億円減益)などで3億円減少の13億円、溶材が事業譲受による溶接材料取扱数量増加(1億円増益)などで2億円増加の5億円としている。

 不透明感を考慮して小幅経常増益予想にとどめているが、さらに上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は水準を切り上げて3月の年初来高値に接近している。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。6月9日の終値は3930円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS790円00銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の240円で算出)は約6.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7107円83銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約348億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[05月23日更新]

神鋼商事は上値試す、23年3月期経常増益予想、さらに上振れ余地

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器を扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、グループビジネスの深化やSDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大などを追求している。22年3月期は取扱数量増加や価格上昇などで前回予想を上回る大幅増益で着地した。そして23年3月期も経常増益(過去最高)予想としている。不透明感を考慮して小幅経常増益予想にとどめているが、さらに上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は3月の年初来高値圏から利益確定売りで一旦反落したが、決算発表を機に反発している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には、子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立(22年4月稼働予定)すると発表した。21年12月には子会社のSCWが日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 22年3月期のセグメント別(その他を除く5セグメント)の経常利益構成比は鉄鋼が42%、鉄鋼原料が9%、非鉄金属が31%、機械・情報が17%、溶材が3%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■収益力・商社機能の強化および投資の促進を推進

 中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値に最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上、ROA3%以上、自己資本比率20%以上、D/Eレシオ1.0倍程度を掲げている。

 基本戦略としてM&Aも積極活用し、収益力の強化(関係会社の機能最適化と戦略的活用、事業ポートフォリオ見直し)、商社機能の強化(グループビジネスの深化の追求、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、新事業開発の強化、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案)、投資の促進(北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資)などの戦略を推進している。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

■サステナビリティ戦略も推進

 重点分野としてはEV・自動車軽量化関連と資源循環型ビジネス関連を掲げ、サステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 さらに22年4月1日付で、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。

■22年3月期大幅増益、23年3月期経常増益予想、さらに上振れ余地

 22年3月期の連結業績(収益認識会計基準適用のため売上高の前期比増減率は非記載、利益への影響なし)は、売上高が4943億51百万円、営業利益が21年3月期比2.3倍の100億54百万円、経常利益が2.4倍の97億26百万円、親会社株主帰属当期純利益が3.2倍の71億36百万円だった。配当は195円増配の245円(第2四半期末85円、期末160円)とした。

 なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高と売上原価がそれぞれ7268億67百万円減少している。また工事契約について原価回収基準に変更した影響で、従来方法に比べて売上高と売上原価がそれぞれ2億75百万円増加している。

 自動車向けを中心とする需要回復に伴い、鉄鋼や非鉄金属における取扱数量増加や価格上昇などが牽引し、前回予想を上回る大幅増益だった。経常利益は過去最高を更新して着地した。営業外収益では持分法投資利益が2億03百万円増加、営業外費用では売掛債権譲渡損が3億14百万円増加、特別利益では負ののれん発生益1億83百万円を計上、債務免除益7億29百万円を計上、投資有価証券売却益が6億52百万円減少、特別損失では減損損失が9億39百万円減少、投資有価証券評価損が5億22百万円減少した。

 セグメント別利益(経常利益)は、鉄鋼が需要回復による取扱数量増加・鋼材市況価格上昇や北米子会社の業績回復で6.7倍の41億32百万円、鉄鋼原料が神戸製鋼所向け取扱数量増加や価格上昇で2.3倍の7億18百万円、非鉄金属が銅製品・アルミ製品・非鉄原料の取扱数量増加で63.6%増の30億33百万円、機械・情報が建機部品・電池関連材料・半導体検査装置・工事の増加で29.2%増の15億82百万円、溶材が建築鉄骨・建機・造船・自動車向けの好調に事業譲受効果も寄与して2.3倍の3億24百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1139億44百万円で経常利益が23億26百万円、第2四半期は売上高が1102億32百万円で経常利益が24億80百万円、第3四半期は売上高が1270億88百万円で経常利益が26億58百万円、第4四半期は売上高が1430億87百万円で経常利益が25億05百万円だった。

 23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比9.2%増の5400億円、営業利益が3.5%減の97億円、経常利益が9.0%増の106億円、親会社株主帰属当期純利益が1.4%減の70億円としている。配当予想は22年3月期比5円減配の240円(第2四半期末120円、期末120円)としている。

 運賃増加や連結範囲変更などで小幅営業減益だが、全体として22年3月期の事業環境が継続し、さらに北米エネルギー市場回復も見込んで経常増益予想としている。

 セグメント別利益(経常利益)計画は、鉄鋼が鋼材価格上昇(10億円増益)などで11億円増加の52億円、鉄鋼原料が原料炭価格上昇による子会社の利益増加(5億円増益)などで4億円増加の11億円、非鉄金属が取扱数量増加(6億円増益)だが運賃等の販管費増加(10億円減益)などで5億円減少の25億円、機械・情報が連結範囲変更の影響(2億円減益)などで3億円減少の13億円、溶材が事業譲受による溶接材料取扱数量増加(1億円増益)などで2億円増加の5億円としている。

 23年3月期も取扱高増加(過去最高)で経常増益(過去最高)予想としている。不透明感を考慮して小幅経常増益予想にとどめているが、さらに上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は3月の年初来高値圏から利益確定売りで一旦反落したが、決算発表を機に反発している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。5月20日の終値は3730円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS790円00銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の240円で算出)は約6.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7107円83銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約330億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月19日更新]

神鋼商事は調整一巡、23年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調

 神鋼商事<8075>(東証プライム)は鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器を扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、グローバルビジネスの深化やSDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大を追求している。22年3月期は取扱数量増加や価格上昇などで大幅増益予想としている。さらに23年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は3月の年初来高値圏から利益確定売りで一旦反落したが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、グローバルビジネスの深化、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案、北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資などの戦略を推進している。

 21年3月期のセグメント別経常利益構成比は鉄鋼が15%、鉄鋼原料が8%、非鉄金属が46%、機械・情報が30%、溶材が4%、その他が▲2%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■重点分野はEV・自動車軽量化と資源循環型ビジネス

 新中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では、EV・自動車軽量化と資源循環型ビジネスを重点分野として「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値には最終年度24年3月期の経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上を掲げている。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には、子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立(22年4月稼働予定)すると発表した。21年12月には子会社のSCWが日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

 またサステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 さらに22年4月1日付で、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置した。サステナビリティへの取り組みをより一層強化するため推進体制を構築した。

■22年3月期大幅増益予想、23年3月期も収益拡大基調

 22年3月期連結業績予想(収益認識会計基準適用のため売上高の前期比増減率は非記載、利益への影響なし、21年7月30日に売上高、利益とも上方修正、21年10月29日に売上高を下方修正、利益を2回目の上方修正)は、売上高が4590億円で、営業利益が21年3月期比93.1%増の86億円、経常利益が2.0倍の82億円、親会社株主帰属当期純利益が2.9倍の64億円としている。

 配当予想(21年7月30日に第2四半期末35円、期末35円、合計70円上方修正)は、1月28日に期末50円上方修正(2回目)して、21年3月期比170円増配の220円(第2四半期末85円、期末135円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が3512億64百万円、営業利益が前年同期比2.6倍の73億53百万円、経常利益が3.1倍の72億21百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3.8倍の56億09百万円だった。需要回復に伴う取扱数量増加や価格上昇などで大幅増益だった。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高と売上原価がそれぞれ5億79百万円増加している。利益への影響はない。

 営業外収益では持分法投資利益が3億50百万円増加、営業外費用では売掛債権譲渡損が2億41百万円増加、為替差損が1億49百万円減少、特別利益では負ののれん発生益1億83百万円を計上、投資有価証券売却益が6億54百万円減少、特別損失では投資有価証券評価損が4億57百万円減少した。

 セグメント別利益(経常利益)は、鉄鋼が国内需要回復による取扱数量増加や価格上昇で11.1倍の29億59百万円、鉄鋼原料が神戸製鋼所向けの取扱数量増加や価格上昇で81.7%増の3億47百万円、非鉄金属が銅製品・アルミ製品の取扱い数量増加で2.9倍の27億89百万円、機械・情報が建機部品・電子機材用部材や工事の増加で5.4%増の9億80百万円、溶材が建築・建機・造船・自動車向けの好調で4.7倍の1億97百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1139億44百万円で経常利益が23億26百万円、第2四半期は売上高が1102億32百万円で経常利益が24億80百万円、第3四半期は売上高が1270億88百万円で経常利益が26億58百万円だった。

 通期のセグメント別利益(経常利益)の計画は、鉄鋼が30億円増加の36億円、鉄鋼原料が1億円増加の4億円、非鉄金属が9億円増加の28億円、機械・情報が1億円減少の11億円、溶材が2億円増加の3億円としている。

 新型コロナウイルス感染症再拡大や半導体不足などによる不透明感を考慮して通期連結業績予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は売上高が76.5%、営業利益が85.5%、経常利益が88.1%、親会社株主帰属当期純利益が87.6%と高水準だった。さらに23年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価は3月の年初来高値圏から利益確定売りで一旦反落したが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。4月18日の終値は3345円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS722円77銭で算出)は約5倍、前期推定配当利回り(会社予想の220円で算出)は約6.6%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS6295円46銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約296億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[03月24日更新]

神鋼商事は上値試す、22年3月期大幅増益予想で収益拡大基調

 神鋼商事<8075>(東1、新市場区分プライム)は鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器を扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、グローバルビジネスの深化やSDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大を追求している。22年3月期は取扱数量増加や価格上昇などで大幅増益予想としている。利益予想は3回目の上振れの可能性が高く、収益拡大基調だろう。株価は地合いが悪化する中でも昨年来高値圏で堅調だ。3月4日に付けた昨年来高値から一旦反落したが、素早く切り返しの動きを強めている。指標面は依然として割安感の強い水準であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、グローバルビジネスの深化、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案、北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資などの戦略を推進している。

 21年3月期のセグメント別経常利益構成比は鉄鋼が15%、鉄鋼原料が8%、非鉄金属が46%、機械・情報が30%、溶材が4%、その他が▲2%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■重点分野はEV・自動車軽量化と資源循環型ビジネス

 新中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では、EV・自動車軽量化と資源循環型ビジネスを重点分野として「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値には最終年度24年3月期の経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上を掲げている。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には、子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立(22年4月稼働予定)すると発表した。21年12月には子会社のSCWが日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

 またサステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年12月にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

■22年3月期利益予想は3回目の上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(収益認識会計基準適用のため売上高の前期比増減率は非記載、利益への影響なし、21年7月30日に売上高、利益とも上方修正、21年10月29日に売上高を下方修正、利益を2回目の上方修正)は、売上高が4590億円で、営業利益が21年3月期比93.1%増の86億円、経常利益が2.0倍の82億円、親会社株主帰属当期純利益が2.9倍の64億円としている。

 配当予想(21年7月30日に第2四半期末35円、期末35円、合計70円上方修正)は、1月28日に期末50円上方修正(2回目)して、21年3月期比170円増配の220円(第2四半期末85円、期末135円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が3512億64百万円、営業利益が前年同期比2.6倍の73億53百万円、経常利益が3.1倍の72億21百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3.8倍の56億09百万円だった。需要回復に伴う取扱数量増加や価格上昇などで大幅増益だった。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高と売上原価がそれぞれ5億79百万円増加している。利益への影響はない。

 営業外収益では持分法投資利益が3億50百万円増加、営業外費用では売掛債権譲渡損が2億41百万円増加、為替差損が1億49百万円減少、特別利益では負ののれん発生益1億83百万円を計上、投資有価証券売却益が6億54百万円減少、特別損失では投資有価証券評価損が4億57百万円減少した。

 セグメント別利益(経常利益)は、鉄鋼が国内需要回復による取扱数量増加や価格上昇で11.1倍の29億59百万円、鉄鋼原料が神戸製鋼所向けの取扱数量増加や価格上昇で81.7%増の3億47百万円、非鉄金属が銅製品・アルミ製品の取扱い数量増加で2.9倍の27億89百万円、機械・情報が建機部品・電子機材用部材や工事の増加で5.4%増の9億80百万円、溶材が建築・建機・造船・自動車向けの好調で4.7倍の1億97百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1139億44百万円で経常利益が23億26百万円、第2四半期は売上高が1102億32百万円で経常利益が24億80百万円、第3四半期は売上高が1270億88百万円で経常利益が26億58百万円だった。

 通期のセグメント別利益(経常利益)の計画は、鉄鋼が30億円増加の36億円、鉄鋼原料が1億円増加の4億円、非鉄金属が9億円増加の28億円、機械・情報が1億円減少の11億円、溶材が2億円増加の3億円としている。

 新型コロナウイルス感染症再拡大や半導体不足などによる不透明感を考慮して通期連結業績予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は売上高が76.5%、営業利益が85.5%、経常利益が88.1%、親会社株主帰属当期純利益が87.6%と高水準である。通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高く、収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は地合いが悪化する中でも昨年来高値圏で堅調だ。3月4日に付けた昨年来高値から一旦反落したが、素早く切り返しの動きを強めている。指標面は依然として割安感の強い水準であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。3月23日の終値は3850円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS722円77銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の220円で算出)は約5.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS6295円46銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約341億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月25日更新]

神鋼商事は上値試す、22年3月期利益予想は3回目の上振れの可能性

 神鋼商事<8075>(東1、新市場区分プライム)は鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器を扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、グローバルビジネスの深化やSDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大を追求している。2月4日にはバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得したと発表している。22年3月期は取扱数量増加や価格上昇などで大幅増益予想としている。通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高く、収益拡大基調だろう。株価は地合いが悪化する中でも昨年来高値圏で堅調だ。指標面は依然として割安感の強い水準であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、グローバルビジネスの深化、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案、北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資などの戦略を推進している。

 21年3月期のセグメント別経常利益構成比は鉄鋼が15%、鉄鋼原料が8%、非鉄金属が46%、機械・情報が30%、溶材が4%、その他が▲2%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■重点分野はEV・自動車軽量化と資源循環型ビジネス

 新中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では、EV・自動車軽量化と資源循環型ビジネスを重点分野として「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値には最終年度24年3月期の経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上を掲げている。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には、子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立(22年4月稼働予定)すると発表した。21年12月には子会社のSCWが日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

 またサステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 22年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

 また2月4日には、21年12月3日付でバイオマス燃料(PKS)のGGL認証を取得したと発表している。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化し、更なるバイオマス燃料の取り扱い拡大を図ることで低炭素社会の実現に寄与する。

■22年3月期利益予想は3回目の上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(収益認識会計基準適用のため売上高の前期比増減率は非記載、利益への影響なし、21年7月30日に売上高、利益とも上方修正、21年10月29日に売上高を下方修正、利益を2回目の上方修正)は、売上高が4590億円で、営業利益が21年3月期比93.1%増の86億円、経常利益が2.0倍の82億円、親会社株主帰属当期純利益が2.9倍の64億円としている。

 配当予想(21年7月30日に第2四半期末35円、期末35円、合計70円上方修正)は、1月28日に期末50円上方修正(2回目)して、21年3月期比170円増配の220円(第2四半期末85円、期末135円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が3512億64百万円、営業利益が前年同期比2.6倍の73億53百万円、経常利益が3.1倍の72億21百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3.8倍の56億09百万円だった。需要回復に伴う取扱数量増加や価格上昇などで大幅増益だった。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高と売上原価がそれぞれ5億79百万円増加している。利益への影響はない。

 営業外収益では持分法投資利益が3億50百万円増加、営業外費用では売掛債権譲渡損が2億41百万円増加、為替差損が1億49百万円減少、特別利益では負ののれん発生益1億83百万円を計上、投資有価証券売却益が6億54百万円減少、特別損失では投資有価証券評価損が4億57百万円減少した。

 セグメント別利益(経常利益)は、鉄鋼が国内需要回復による取扱数量増加や価格上昇で11.1倍の29億59百万円、鉄鋼原料が神戸製鋼所向けの取扱数量増加や価格上昇で81.7%増の3億47百万円、非鉄金属が銅製品・アルミ製品の取扱い数量増加で2.9倍の27億89百万円、機械・情報が建機部品・電子機材用部材や工事の増加で5.4%増の9億80百万円、溶材が建築・建機・造船・自動車向けの好調で4.7倍の1億97百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1139億44百万円で経常利益が23億26百万円、第2四半期は売上高が1102億32百万円で経常利益が24億80百万円、第3四半期は売上高が1270億88百万円で経常利益が26億58百万円だった。

 通期のセグメント別利益(経常利益)の計画は、鉄鋼が30億円増加の36億円、鉄鋼原料が1億円増加の4億円、非鉄金属が9億円増加の28億円、機械・情報が1億円減少の11億円、溶材が2億円増加の3億円としている。

 新型コロナウイルス感染症再拡大や半導体不足などによる不透明感を考慮して通期連結業績予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は売上高が76.5%、営業利益が85.5%、経常利益が88.1%、親会社株主帰属当期純利益が87.6%と高水準である。通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高く、収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は地合いが悪化する中でも昨年来高値圏で堅調に推移している。指標面は依然として割安感の強い水準であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。2月24日の終値は3770円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS722円77銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の220円で算出)は約5.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS6295円46銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約334億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月03日更新]

神鋼商事は昨年来高値更新、22年3月期3Q累計大幅増益で通期利益は3回目の上振れの可能性

 神鋼商事<8075>(東1、新市場区分プライム)は鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器を扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、グローバルビジネスの深化やSDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大を追求している。22年3月期第3四半期累計は取扱数量増加や価格上昇などで大幅増益だった。通期予想を据え置いたが利益は3回目の上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。なお配当予想は上方修正(2回目)している。4月4日移行予定の新市場区分についてはプライム市場に移行する。株価は配当予想の上方修正を好感して急伸し、昨年来高値を更新した。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、グローバルビジネスの深化、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案、北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資などの戦略を推進している。

 21年3月期のセグメント別経常利益構成比は鉄鋼が15%、鉄鋼原料が8%、非鉄金属が46%、機械・情報が30%、溶材が4%、その他が▲2%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■重点分野はEV・自動車軽量化と資源循環型ビジネス

 新中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では、EV・自動車軽量化と資源循環型ビジネスを重点分野として「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値には最終年度24年3月期の経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上を掲げている。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 21年9月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更して子会社化した。21年11月には、子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立(22年4月稼働予定)すると発表した。21年12月には子会社のSCWが日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

 またサステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

 21年1月には、内閣府や経済産業省などが推進する取引先を含めたすべてのサプライチェーンの共存共栄と新たな連携を目的とした「パートナーシップ構築宣言」に賛同し、全国中小企業振興機関が運営するポータルサイトに公表した。取引事業者全体の共存共栄と新たな連携を目指すとしている。

■22年3月期3Q累計大幅増益、通期利益予想は3回目の上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(収益認識基準適用のため売上高の前期比増減率は非記載、利益への影響なし、7月30日に売上高、利益とも上方修正、10月29日に売上高を下方修正、利益を2回目の上方修正)は、売上高が4590億円、営業利益が21年3月期比93.1%増の86億円、経常利益が2.0倍の82億円、親会社株主帰属当期純利益が2.9倍の64億円としている。

 配当予想(7月30日に第2四半期末35円、期末35円、合計70円上方修正)は、1月28日に期末50円上方修正(2回目)して、21年3月期比170円増配の220円(第2四半期末85円、期末135円)とした。

 第3四半期累計は、売上高が3512億64百万円、営業利益が前年同期比2.6倍の73億53百万円、経常利益が3.1倍の72億21百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3.8倍の56億09百万円だった。需要回復に伴う取扱数量増加や価格上昇などで大幅増益だった。収益認識基準適用の影響額として、売上高と売上原価がそれぞれ5億79百万円増加している。

 営業外収益では持分法投資利益が3億50百万円増加、営業外費用では売掛債権譲渡損が2億41百万円増加、為替差損が1億49百万円減少、特別利益では負ののれん発生益1億83百万円を計上、投資有価証券売却益が6億54百万円減少、特別損失では投資有価証券評価損が4億57百万円減少した。

 セグメント別利益(経常利益)は、鉄鋼が国内需要回復による取扱数量増加や価格上昇で11.1倍の29億59百万円、鉄鋼原料が神戸製鋼所向けの取扱数量増加や価格上昇で81.7%増の3億47百万円、非鉄金属が銅製品・アルミ製品の取扱い数量増加で2.9倍の27億89百万円、機械・情報が建機部品・電子機材用部材や工事の増加で5.4%増の9億80百万円、溶材が建築・建機・造船・自動車向けの好調で4.7倍の1億97百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1139億44百万円で経常利益が23億26百万円、第2四半期は売上高が1102億32百万円で経常利益が24億80百万円、第3四半期は売上高が1270億88百万円で経常利益が26億58百万円だった。

 通期のセグメント別利益(経常利益)の計画は、鉄鋼が30億円増加の36億円、鉄鋼原料が1億円増加の4億円、非鉄金属が9億円増加の28億円、機械・情報が1億円減少の11億円、溶材が2億円増加の3億円としている。

 新型コロナウイルス感染症再拡大や半導体不足などによる不透明感を考慮して通期連結業績予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は売上高が76.5%、営業利益が85.5%、経常利益が88.1%、親会社株主帰属当期純利益が87.6%と高水準である。通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は昨年来高値更新

 株価は配当予想の上方修正を好感して急伸し、昨年来高値を更新した。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。2月2日の終値は3720円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS722円77銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の220円で算出)は約5.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS6295円46銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約330億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月21日更新]

神鋼商事は上値試す、22年3月期大幅増益予想

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼製品・原料や非鉄金属関連などを扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、グローバルビジネスの深化やSDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大を追求している。22年3月期は需要が回復基調で大幅増益予想としている。さらに3回目の上振れの可能性がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。株価は21年10月の昨年来高値圏から一旦反落したが、大きく下押すことなく調整一巡して切り返しの動きを強めている。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社として、グローバルビジネスの深化、SDGsを意識した環境リサイクルビジネスの拡大、海外拠点主導のビジネス開拓、DX時代に適したビジネスモデルの創出・提案、北米・アジアでのサプライチェーンの深化と創造、事業投融資の加速、製造拠点の設備投資などの戦略を推進している。

 21年3月期のセグメント別経常利益構成比は鉄鋼が15%、鉄鋼原料が8%、非鉄金属が46%、機械・情報が30%、溶材が4%、その他が▲2%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■重点分野はEV・自動車軽量化と資源循環型ビジネス

 新中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では、EV・自動車軽量化と資源循環型ビジネスを重点分野として「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」を目指し、目標数値には最終年度24年3月期の経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上を掲げている。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は自動車向け鋼材加工事業(中国、北米)に20億円、環境リサイクル事業(日本、東南アジア)に30億円、アルミ加工事業(北米、中国、東南アジア)に80億円、M&Aによる流通再編(日本、東南アジア)に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 なお日新イオン機器(NIC)から、半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更(社名登録21年9月)して子会社化した。

 21年11月には、子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立(22年4月稼働予定)すると発表した。また子会社のSCWが21年12月31日付で、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けた。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。

 またサステナビリティ戦略として、リサイクル事業(鉄スクラップのグローバル拡販)、バイオマス事業(バイオマス燃料の安定供給、供給事業化)、雑電線屑の再資源化などを推進している。

■22年3月期大幅増益予想、さらに3回目の上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(収益認識基準適用のため売上高の前期比増減率は非記載、利益への影響なし、7月30日に売上高、利益とも上方修正、10月29日に売上高を下方修正、利益を2回目の上方修正)は、売上高が4590億円、営業利益が21年3月期比93.1%増の86億円、経常利益が2.0倍の82億円、親会社株主帰属当期純利益が2.9倍の64億円としている。配当予想(7月30日に第2四半期末35円および期末35円の合計70円上方修正)は、21年3月期比120円増配の170円(第2四半期末85円、期末85円)としている。

 第2四半期累計は売上高が2241億76百万円、営業利益が前年同期比3.0倍の40億86百万円、経常利益が2.8倍の45億63百万円、親会社株主帰属四半期純利益が7.9倍の38億58百万円だった。特別利益には負ののれん発生益1億83百万円を計上し、特別損失では投資有価証券評価損が4億57百万円減少した。

 取扱量増加や価格上昇などで従来予想を上回る大幅増益だった。従来予想に対して売上高は138億23百万円下回ったが、営業利益は1億86百万円、経常利益は4億63百万円、親会社株主帰属四半期純利益は9億58百万円、それぞれ上回った。

 セグメント別の経常利益は、鉄鋼が鋼板製品および線材製品の国内向けの取扱量増加や価格上昇などで5.8倍の24億67百万円、鉄鋼原料が海外子会社の収益悪化などで92.9%減の7百万円、非鉄金属が銅製品・アルミ製品・非鉄原料の数量増加で3.5倍の16億92百万円、機械・情報が圧延設備や半導体関連装置などの減少で47.4%減の3億24百万円、溶材が自動車・建設機械向け溶接材料の取扱量増加などで3.5倍の1億07百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1139億44百万円で経常利益が23億26百万円、第2四半期は売上高が1102億32百万円で経常利益が24億80百万円だった。

 第2四半期累計の利益が従来予想を上回ったことを受けて、通期利益予想を上方修正(売上高を240億円下方修正、営業利益を8億円、経常利益を9億円、親会社株主帰属当期純利益を13億円それぞれ上方修正)し、修正後のセグメント別経常利益計画は、鉄鋼が21年3月期比30億円増加の36億円、鉄鋼原料が1億円増加の4億円、非鉄金属が9億円増加の28億円、機械・情報が1億円減少の11億円、溶材が2億円増加の3億円としている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.8%、営業利益が47.5%、経常利益が55.6%、純利益が60.3%である。世界的に経済活動再開に伴って需要が回復基調であり、価格上昇なども勘案すれば、通期利益予想は3回目の上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 22年4月4日移行予定の新市場区分については、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果でプライム市場への適合を確認し、21年10月29日開催の取締役会においてプライム市場選択申請を決議した。

 株価は21年10月の昨年来高値圏から一旦反落したが、大きく下押すことなく調整一巡して切り返しの動きを強めている。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。1月20日の終値は3275円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS722円77銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想170円で算出)は約5.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS6295円46銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約290億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[12月29日更新]

神鋼商事は上値試す、22年3月期は3回目の上振れの可能性

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼製品・原料や非鉄金属関連などを扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてグローバルビジネスの深化を追求している。22年3月期は需要が回復基調で大幅増益予想(10月29日に利益を2回目の上方修正)としている。さらに3回目の上振れの可能性がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。株価は調整一巡して反発の動きを強めている。地合い悪化の影響は限定的だった。10月の年初来高値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。M&Aも積極活用して、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてグローバルビジネスの深化を追求している。

 21年3月期のセグメント別経常利益構成比は鉄鋼が15%、鉄鋼原料が8%、非鉄金属が46%、機械・情報が30%、溶材が4%、その他が▲2%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■重点分野はEV・自動車軽量化と資源循環型ビジネス

 新中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では、EV・自動車軽量化と資源循環型ビジネスを重点分野として、目標数値には最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上を掲げている。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は、自動車向け鋼材加工事業に20億円、環境リサイクル事業に30億円、アルミ加工事業に80億円、M&Aによる流通再編に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 なお日新イオン機器(NIC)から、半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更(社名登録21年9月)して子会社化した。

 21年11月には、子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立(22年4月稼働予定)すると発表した。また子会社のSCWが21年12月31日付で、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けると発表した。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。またSDGsへの取り組みでは、鉄スクラップ、バイオマス燃料、雑電線屑などの取り扱い拡大や再資源化の推進を目指している。

■22年3月期大幅増益予想、さらに3回目の上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(収益認識基準適用で売上高の前期比増減率は非記載だが利益への影響はなし、7月30日に売上高、利益とも上方修正、10月29日に売上高を下方修正、利益を2回目の上方修正)は、売上高が4590億円、営業利益が21年3月期比93.1%増の86億円、経常利益が2.0倍の82億円、親会社株主帰属当期純利益が2.9倍の64億円としている。配当予想(7月30日に第2四半期末35円および期末35円の合計70円上方修正)は、21年3月期比120円増配の170円(第2四半期末85円、期末85円)としている。

 第2四半期累計は売上高が2241億76百万円、営業利益が前年同期比3.0倍の40億86百万円、経常利益が2.8倍の45億63百万円、親会社株主帰属四半期純利益が7.9倍の38億58百万円だった。特別利益には負ののれん発生益1億83百万円を計上し、特別損失では投資有価証券評価損が4億57百万円減少した。

 取扱量増加や価格上昇などで従来予想を上回る大幅増益だった。従来予想に対して売上高は138億23百万円下回ったが、営業利益は1億86百万円、経常利益は4億63百万円、親会社株主帰属四半期純利益は9億58百万円、それぞれ上回った。

 セグメント別の経常利益は、鉄鋼が鋼板製品および線材製品の国内向けの取扱量増加や価格上昇などで5.8倍の24億67百万円、鉄鋼原料が海外子会社の収益悪化などで92.9%減の7百万円、非鉄金属が銅製品・アルミ製品・非鉄原料の数量増加で3.5倍の16億92百万円、機械・情報が圧延設備や半導体関連装置などの減少で47.4%減の3億24百万円、溶材が自動車・建設機械向け溶接材料の取扱量増加などで3.5倍の1億07百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1139億44百万円で経常利益が23億26百万円、第2四半期は売上高が1102億32百万円で経常利益が24億80百万円だった。

 第2四半期累計の利益が従来予想を上回ったことを受けて、通期利益予想を上方修正(売上高を240億円下方修正、営業利益を8億円、経常利益を9億円、親会社株主帰属当期純利益を13億円それぞれ上方修正)した。

 修正後のセグメント別経常利益計画は、鉄鋼が21年3月期比30億円増加の36億円、鉄鋼原料が1億円増加の4億円、非鉄金属が9億円増加の28億円、機械・情報が1億円減少の11億円、溶材が2億円増加の3億円としている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.8%、営業利益が47.5%、経常利益が55.6%、純利益が60.3%である。世界的に経済活動再開に伴って需要が回復基調であり、価格上昇なども勘案すれば、通期利益予想は3回目の上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 22年4月4日移行予定の新市場区分については、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果でプライム市場への適合を確認し、21年10月29日開催の取締役会においてプライム市場選択申請を決議した。東京証券取引所が定めるスケジュールに基づいて所定の手続を進める。

 株価は調整一巡して反発の動きを強めている。地合い悪化の影響は限定的だった。10月の年初来高値を試す展開を期待したい。12月28日の終値は3380円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS722円77銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の170円で算出)は約5.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS6295円46銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約299億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[12月07日更新]

神鋼商事は調整一巡、22年3月期大幅増益予想、さらに3回目の上振れの可能性

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼製品・原料や非鉄金属関連などを扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてグローバルビジネスの深化を追求している。22年3月期大幅増益予想(10月29日に利益を2回目の上方修正)としている。さらに3回目の上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は10月の年初来高値圏から反落し、さらに地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。M&Aも積極活用して、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてグローバルビジネスの深化を追求している。

 21年3月期のセグメント別経常利益構成比は鉄鋼が15%、鉄鋼原料が8%、非鉄金属が46%、機械・情報が30%、溶材が4%、その他が▲2%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■重点分野はEV・自動車軽量化と資源循環型ビジネス

 新中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では、EV・自動車軽量化と資源循環型ビジネスを重点分野として、目標数値には最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上を掲げている。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は、自動車向け鋼材加工事業に20億円、環境リサイクル事業に30億円、アルミ加工事業に80億円、M&Aによる流通再編に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 なお日新イオン機器(NIC)から、半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取り、社名を神商精密器材(揚州)に変更(社名登録21年9月)して子会社化した。

 21年11月には、子会社の神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立(22年4月稼働予定)すると発表した。また子会社のSCWが21年12月31日付で、日本エア・リキード合同会社から大半の溶接関連資機材事業を譲り受けると発表した。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。またSDGsへの取り組みでは、鉄スクラップ、バイオマス燃料、雑電線屑などの取り扱い拡大や再資源化の推進を目指している。

■22年3月期大幅増益予想、さらに3回目の上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(収益認識基準適用で売上高の前期比増減率は非記載だが利益への影響はなし、7月30日に売上高、利益とも上方修正、10月29日に売上高を下方修正、利益を2回目の上方修正)は、売上高が4590億円、営業利益が21年3月期比93.1%増の86億円、経常利益が2.0倍の82億円、親会社株主帰属当期純利益が2.9倍の64億円としている。配当予想(7月30日に第2四半期末35円および期末35円の合計70円上方修正)は、21年3月期比120円増配の170円(第2四半期末85円、期末85円)としている。

 第2四半期累計は売上高が2241億76百万円、営業利益が前年同期比3.0倍の40億86百万円、経常利益が2.8倍の45億63百万円、親会社株主帰属四半期純利益が7.9倍の38億58百万円だった。特別利益には負ののれん発生益1億83百万円を計上し、特別損失では投資有価証券評価損が4億57百万円減少した。

 取扱量増加や価格上昇などで従来予想を上回る大幅増益だった。従来予想に対して売上高は138億23百万円下回ったが、営業利益は1億86百万円、経常利益は4億63百万円、親会社株主帰属四半期純利益は9億58百万円、それぞれ上回った。

 セグメント別の経常利益は、鉄鋼が鋼板製品および線材製品の国内向けの取扱量増加や価格上昇などで5.8倍の24億67百万円、鉄鋼原料が海外子会社の収益悪化などで92.9%減の7百万円、非鉄金属が銅製品・アルミ製品・非鉄原料の数量増加で3.5倍の16億92百万円、機械・情報が圧延設備や半導体関連装置などの減少で47.4%減の3億24百万円、溶材が自動車・建設機械向け溶接材料の取扱量増加などで3.5倍の1億07百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1139億44百万円で経常利益が23億26百万円、第2四半期は売上高が1102億32百万円で経常利益が24億80百万円だった。

 第2四半期累計の利益が従来予想を上回ったことを受けて、通期利益予想を上方修正(売上高を240億円下方修正、営業利益を8億円、経常利益を9億円、親会社株主帰属当期純利益を13億円それぞれ上方修正)した。

 修正後のセグメント別経常利益計画は、鉄鋼が21年3月期比30億円増加の36億円、鉄鋼原料が1億円増加の4億円、非鉄金属が9億円増加の28億円、機械・情報が1億円減少の11億円、溶材が2億円増加の3億円としている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.8%、営業利益が47.5%、経常利益が55.6%、純利益が60.3%である。世界的に経済活動再開に伴って需要が回復基調であり、価格上昇なども勘案すれば、通期利益予想は3回目の上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 22年4月4日移行予定の新市場区分については、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果でプライム市場への適合を確認し、21年10月29日開催の取締役会においてプライム市場選択申請を決議した。東京証券取引所が定めるスケジュールに基づいて所定の手続を進める。

 株価は10月の年初来高値圏から反落し、さらに地合い悪化も影響する形で水準を切り下げたが、指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。12月6日の終値は3135円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS722円77銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の170円で算出)は約5.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS6295円46銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約278億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月17日更新]

神鋼商事は上値試す、22年3月期利益予想を2回目の上方修正、さらに3回目の上方修正の可能性

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼製品・原料や非鉄金属関連などを扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてグローバルビジネスの深化を追求している。22年3月期第2四半期累計が取扱量増加や価格上昇などで従来予想を上回る大幅増益となり、通期利益予想を上方修正(7月30日に続いて2回目)した。需要が回復基調であり、通期利益予想は3回目の上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は年初来高値圏で堅調だ。指標面の割安感も評価材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。M&Aも積極活用して、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてグローバルビジネスの深化を追求している。

 21年3月期のセグメント別経常利益構成比は鉄鋼が15%、鉄鋼原料が8%、非鉄金属が46%、機械・情報が30%、溶材が4%、その他が▲2%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■重点分野はEV・自動車軽量化と資源循環型ビジネス

 新中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では、EV・自動車軽量化と資源循環型ビジネスを重点分野として、目標数値には最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上を掲げている。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は、自動車向け鋼材加工事業に20億円、環境リサイクル事業に30億円、アルミ加工事業に80億円、M&Aによる流通再編に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 21年10月には、日新イオン機器(NIC)から半導体・FPD用イオン注入装置の製造を手掛ける中国・NIHY(揚州)の株式を買い取って子会社化し、社名を神商精密器材(揚州)に変更したと発表している。また11月5日には、100%子会社である神鋼商事メタルズがベトナムにアルミ切断加工販売会社を設立(22年4月稼働予定)すると発表した。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。またSDGsへの取り組みでは、鉄スクラップ、バイオマス燃料、雑電線屑などの取り扱い拡大や再資源化の推進を目指している。

■22年3月期2Q累計が大幅増益で通期利益予想を2回目の上方修正

 22年3月期連結業績予想(7月30日に売上高、利益とも上方修正、10月29日に売上高を下方修正、利益を2回目の上方修正)は、売上高(収益認識基準適用で前期比増減率は非記載)が4590億円、営業利益が21年3月期比93.1%増の86億円、経常利益が2.0倍の82億円、親会社株主帰属当期純利益が2.9倍の64億円としている。配当予想(7月30日に第2四半期末35円および期末35円の合計70円上方修正)は、21年3月期比120円増配の170円(第2四半期末85円、期末85円)としている。

 第2四半期累計は売上高が2241億76百万円、営業利益が前年同期比3.0倍の40億86百万円、経常利益が2.8倍の45億63百万円、親会社株主帰属四半期純利益が7.9倍の38億58百万円だった。特別利益には負ののれん発生益1億83百万円を計上し、特別損失では投資有価証券評価損が4億57百万円減少した。

 取扱量増加や価格上昇などで従来予想を上回る大幅増益だった。従来予想に対して売上高は138億23百万円下回ったが、営業利益は1億86百万円、経常利益は4億63百万円、親会社株主帰属四半期純利益は9億58百万円、それぞれ上回った。

 セグメント別の経常利益は、鉄鋼が鋼板製品および線材製品の国内向けの取扱量増加や価格上昇などで5.8倍の24億67百万円、鉄鋼原料が海外子会社の収益悪化などで92.9%減の7百万円、非鉄金属が銅製品・アルミ製品・非鉄原料の数量増加で3.5倍の16億92百万円、機械・情報が圧延設備や半導体関連装置などの減少で47.4%減の3億24百万円、溶材が自動車・建設機械向け溶接材料の取扱量増加などで3.5倍の1億07百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1139億44百万円で経常利益が23億26百万円、第2四半期は売上高が1102億32百万円で経常利益が24億80百万円だった。

 第2四半期累計の利益が従来予想を上回ったことを受けて、通期利益予想を上方修正(売上高を240億円下方修正、営業利益を8億円、経常利益を9億円、親会社株主帰属当期純利益を13億円それぞれ上方修正)した。

 セグメント別経常利益の計画は鉄鋼が30億円増加の36億円、鉄鋼原料が1億円増加の4億円、非鉄金属が9億円増加の28億円、機械・情報が1億円減少の11億円、溶材が2億円増加の3億円としている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.8%、営業利益が47.5%、経常利益が55.6%、純利益が60.3%となる。世界的に経済活動再開に伴って需要が回復基調であり、価格上昇なども勘案すれば、通期利益予想は3回目の上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 22年4月4日移行予定の新市場区分については、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果でプライム市場への適合を確認し、21年10月29日開催の取締役会においてプライム市場選択申請を決議した。東京証券取引所が定めるスケジュールに基づいて所定の手続を進める。

 株価は年初来高値圏で堅調だ。指標面の割安感も評価材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。11月16日の終値は3385円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS722円77銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の170円で算出)は約5.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS6295円46銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約300億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月18日更新]

神鋼商事は上値試す、22年3月期は再上振れの可能性

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼製品・原料や非鉄金属関連などを扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてグローバルビジネスの深化を追求している。22年3月期(7月30日に上方修正)は大幅増収増益・増配予想としている。需要回復で取扱量が増加し、価格も高値圏で推移する見込みだ。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は利益確定売りで上げ一服の形となったが、年初来高値圏で堅調に推移している。指標面の割安感も評価材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。M&Aも積極活用して、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてグローバルビジネスの深化を追求している。

 21年3月期のセグメント別経常利益構成比は鉄鋼が15%、鉄鋼原料が8%、非鉄金属が46%、機械・情報が30%、溶材が4%、その他が▲2%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■重点分野はEV・自動車軽量化と資源循環型ビジネス

 新中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では、EV・自動車軽量化と資源循環型ビジネスを重点分野として、目標数値には最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上を掲げている。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は、自動車向け鋼材加工事業に20億円、環境リサイクル事業に30億円、アルミ加工事業に80億円、M&Aによる流通再編に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。またSDGsへの取り組みでは、鉄スクラップ、バイオマス燃料、雑電線屑などの取り扱い拡大や再資源化の推進を目指している。

■22年3月期大幅増益予想、さらに再上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(7月30日に上方修正)は、売上高(収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため前期比増減率は非記載)が4830億円、営業利益が21年3月期比75.1%増の78億円、経常利益が79.5%増の73億円、親会社株主帰属当期純利益が2.3倍の51億円としている。配当予想(7月30日に第2四半期末35円および期末35円の合計70円上方修正)は、21年3月期比120円増配の170円(第2四半期末85円、期末85円)としている。

 第1四半期は売上高が1139億44百万円で、営業利益が前年同期比3.7倍の20億83百万円、経常利益が3.3倍の23億26百万円、親会社株主帰属四半期純利益が28.5倍の17億96百万円だった。自動車関連や半導体関連の取り扱いが好調に推移して大幅増益だった。

 セグメント別利益(経常利益)は、鉄鋼が鋼板製品および線材製品の国内向け取扱量増加や価格上昇などで3.4倍の11億95百万円、鉄鋼原料が市況低迷による海外子会社の収益悪化などで45.5%減の73百万円、非鉄金属が銅製品・アルミ製品・非鉄原料の取扱量増加などで6.3倍の10億98百万円、機械・情報が圧延設備や大型圧縮機などの減少で64百万円の赤字(前年同期は1億円の黒字)、溶材が建築・自動車・建設機械向け溶接材料の取扱量増加などで46百万円の黒字(同39百万円の赤字)だった。

 第1四半期の好調を受けて第2四半期累計・通期の連結業績予想、および配当予想を上方修正している。なお第2四半期累計予想は売上高が2380億円、営業利益が前年同期比2.8倍の39億円、経常利益が2.5倍の41億円、親会社株主帰属四半期純利益が5.9倍の29億円としている。

 第2四半期以降も、需要回復で自動車関連や半導体関連を中心に取扱量が増加し、価格も高値圏で推移する見込みとしている。さらに販管費が当初想定よりも大幅に縮小する見込みとなったことも寄与する。修正後の通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が23.6%、経常利益が31.9%と高水準である。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は利益確定売りで上げ一服の形となったが、年初来高値圏で堅調に推移している。指標面の割安感も評価材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。10月15日の終値は3375円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS575円96銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の170円で算出)は約5.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS6295円46銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約299億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月28日更新]

神鋼商事は上値試す、22年3月期は再上振れの可能性

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連などを扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてグローバルビジネスの深化を追求している。22年3月期(7月30日に上方修正)は大幅増収増益・増配予想としている。需要が回復基調であり、価格も高値圏で推移する見込みだ。コロナ禍からの経済再開本格化で通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は順調に水準を切り上げて年初来高値更新の展開だ。指標面の割安感も評価材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。M&Aも積極活用して、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてグローバルビジネスの深化を追求している。

 21年3月期のセグメント別経常利益構成比は鉄鋼が15%、鉄鋼原料が8%、非鉄金属が46%、機械・情報が30%、溶材が4%、その他が▲2%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■重点分野はEV・自動車軽量化と資源循環型ビジネス

 新中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では、EV・自動車軽量化と資源循環型ビジネスを重点分野として、目標数値には最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上を掲げている。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は、自動車向け鋼材加工事業に20億円、環境リサイクル事業に30億円、アルミ加工事業に80億円、M&Aによる流通再編に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。またSDGsへの取り組みでは、鉄スクラップ、バイオマス燃料、雑電線屑などの取り扱い拡大や再資源化の推進を目指している。

■22年3月期大幅増益予想、さらに再上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(7月30日に上方修正)は、売上高(収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため前期比増減率は非記載)が4830億円、営業利益が21年3月期比75.1%増の78億円、経常利益が79.5%増の73億円、親会社株主帰属当期純利益が2.3倍の51億円としている。配当予想(7月30日に第2四半期末35円および期末35円の合計70円上方修正)は、21年3月期比120円増配の170円(第2四半期末85円、期末85円)としている。

 第1四半期は売上高が1139億44百万円で、営業利益が前年同期比3.7倍の20億83百万円、経常利益が3.3倍の23億26百万円、親会社株主帰属四半期純利益が28.5倍の17億96百万円だった。自動車関連や半導体関連の取り扱いが好調に推移して大幅増益だった。

 セグメント別利益(経常利益)は、鉄鋼が鋼板製品および線材製品の国内向け取扱量増加や価格上昇などで3.4倍の11億95百万円、鉄鋼原料が市況低迷による海外子会社の収益悪化などで45.5%減の73百万円、非鉄金属が銅製品・アルミ製品・非鉄原料の取扱量増加などで6.3倍の10億98百万円、機械・情報が圧延設備や大型圧縮機などの減少で64百万円の赤字(前年同期は1億円の黒字)、溶材が建築・自動車・建設機械向け溶接材料の取扱量増加などで46百万円の黒字(同39百万円の赤字)だった。

 第1四半期の好調を受けて第2四半期累計・通期の連結業績予想、および配当予想を上方修正した。なお第2四半期累計予想は売上高が2380億円で、営業利益が前年同期比2.8倍の39億円、経常利益が2.5倍の41億円、親会社株主帰属四半期純利益が5.9倍の29億円としている。

 第2四半期以降も自動車関連や半導体関連の取扱量が好調に推移し、価格も高値圏で推移する見込みとしている。さらに販管費が当初想定よりも大幅に縮小する見込みとなったことも寄与する。修正後の通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が23.6%、経常利益が31.9%と高水準である。コロナ禍からの経済再開本格化で通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は順調に水準を切り上げて年初来高値更新の展開だ。指標面の割安感も評価材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。9月27日の終値は3505円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS575円96銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の170円で算出)は約4.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS6295円46銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約311億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月02日更新]

神鋼商事は年初来高値更新、22年3月期大幅増益・増配予想、さらに再上振れの可能性

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連などを扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてグローバルビジネスの深化を追求している。22年3月期は上方修正して大幅増収増益・増配予想としている。需要が回復基調であり、さらに再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は年初来高値更新の展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。M&Aも積極活用して、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてグローバルビジネスの深化を追求している。

 21年3月期のセグメント別経常利益構成比は鉄鋼が15%、鉄鋼原料が8%、非鉄金属が46%、機械・情報が30%、溶材が4%、その他が▲2%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■重点分野はEV・自動車軽量化と資源循環型ビジネス

 新中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では、EV・自動車軽量化と資源循環型ビジネスを重点分野として、目標数値には最終年度24年3月期経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上を掲げている。

 投資額は3年合計200億円としている。内訳は、自動車向け鋼材加工事業に20億円、環境リサイクル事業に30億円、アルミ加工事業に80億円、M&Aによる流通再編に20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化に50億円としている。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に安定的な配当を維持するとしている。またSDGsへの取り組みでは、鉄スクラップ、バイオマス燃料、雑電線屑などの取り扱い拡大や再資源化の推進を目指している。

■22年3月期は上方修正して大幅増益予想、さらに再上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(7月30日に上方修正)は、売上高(収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため前期比増減率は非記載)が4830億円、営業利益が21年3月期比75.1%増の78億円、経常利益が79.5%増の73億円、親会社株主帰属当期純利益が2.3倍の51億円としている。配当予想(7月30日に第2四半期末35円および期末35円の合計70円上方修正)は、21年3月期比120円増配の170円(第2四半期末85円、期末85円)としている。

 第1四半期は売上高が1139億44百万円で、営業利益が前年同期比3.7倍の20億83百万円、経常利益が3.3倍の23億26百万円、親会社株主帰属四半期純利益が28.5倍の17億96百万円だった。自動車関連や半導体関連の取り扱いが好調に推移して大幅増益だった。

 セグメント別利益(経常利益)は、鉄鋼が鋼板製品および線材製品の国内向け取扱量増加や価格上昇などで3.4倍の11億95百万円、鉄鋼原料が市況低迷による海外子会社の収益悪化などで45.5%減の73百万円、非鉄金属が銅製品・アルミ製品・非鉄原料の取扱量増加などで6.3倍の10億98百万円、機械・情報が圧延設備や大型圧縮機などの減少で64百万円の赤字(前年同期は1億円の黒字)、溶材が建築・自動車・建設機械向け溶接材料の取扱量増加などで46百万円の黒字(同39百万円の赤字)だった。

 第1四半期の好調を受けて第2四半期累計・通期の連結業績予想、および配当予想を上方修正した。なお第2四半期累計予想は売上高が2380億円で、営業利益が前年同期比2.8倍の39億円、経常利益が2.5倍の41億円、親会社株主帰属四半期純利益が5.9倍の29億円としている。

 第2四半期以降も自動車関連や半導体関連の取扱量が好調に推移し、価格も高値圏で推移する見込みとしている。さらに販管費が当初想定よりも大幅に縮小する見込みとなったことも寄与する。修正後の通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が23.6%、経常利益が31.9%である。需要が回復基調であり、さらに再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は年初来高値更新

 株価は年初来高値更新の展開だ。目先的にはやや過熱感だが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。9月1日の終値は3260円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS575円96銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の170円で算出)は約5.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS6295円46銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約289億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月12日更新]

神鋼商事は上値試す、22年3月期は上方修正して大幅増益・増配予想

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連などを扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてグローバルビジネスの深化を追求している。22年3月期は第1四半期が大幅増益となり、第2四半期累計・通期連結業績予想および配当予想を上方修正した。さらに再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は急伸して年初来高値を更新した。目先的にはやや過熱感だが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。M&Aも積極活用して、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてグローバルビジネスの深化を追求している。

 21年3月期のセグメント別経常利益構成比は鉄鋼が15%、鉄鋼原料が8%、非鉄金属が46%、機械・情報が30%、溶材が4%、その他が▲2%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■重点分野はEV・自動車軽量化と資源循環型ビジネス

 新中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では、EV・自動車軽量化と資源循環型ビジネスを重点分野と定めた。そして目標数値に、最終年度24年3月期の経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上を掲げた。

 投資額は3年合計200億円とした。内訳は自動車向け鋼材加工事業20億円、環境リサイクル事業30億円、アルミ加工事業80億円、M&Aによる流通再編20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化50億円である。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に、安定的な配当を維持するとした。SDGsへの取り組みでは、鉄スクラップ、バイオマス燃料、雑電線屑などの取り扱い拡大や再資源化の推進を目指している。

■22年3月期1Q大幅増益で通期予想上方修正、さらに再上振れの可能性

 22年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が1139億44百万円(収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため前期比増減率は非記載)で、営業利益が前年同期比3.7倍の20億83百万円、経常利益が3.3倍の23億26百万円、親会社株主帰属四半期純利益が28.5倍の17億96百万円だった。

 自動車関連や半導体関連の取り扱いが好調に推移して大幅増益だった。セグメント別利益(経常利益)は、鉄鋼が鋼板製品および線材製品の国内向け取扱量増加や価格上昇などで3.4倍の11億95百万円、鉄鋼原料が市況低迷による海外子会社の収益悪化などで45.5%減の73百万円、非鉄金属が銅製品・アルミ製品・非鉄原料の取扱量増加などで6.3倍の10億98百万円、機械・情報が圧延設備や大型圧縮機などの減少で64百万円の赤字(前年同期は1億円の黒字)、溶材が建築・自動車・建設機械向け溶接材料の取扱量増加などで46百万円の黒字(同39百万円の赤字)だった。

 第1四半期の好調を受けて第2四半期累計・通期の連結業績予想、および配当予想を上方修正した。修正後の通期連結業績予想は、売上高が4830億円(収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため前期比増減率は非記載)で、営業利益が21年3月期比75.1%増の78億円、経常利益が79.5%増の73億円、親会社株主帰属当期純利益が2.3倍の51億円としている。配当予想は70円上方修正(第2四半期末35円上方修正、期末35円上方修正)して、21年3月期比120円増配の170円(第2四半期末85円、期末85円)とした。

 第2四半期以降も自動車関連や半導体関連の取扱量が概ね好調に推移し、価格も高値圏で推移する見込みとしている。さらに販管費が当初想定よりも大幅に縮小する見込みとなったことも寄与する。修正後の通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が23.6%、経常利益が31.9%である。需要が回復基調であり、さらに再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は急伸して年初来高値を更新した。18年以来の高値圏だ。目先的にはやや過熱感だが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。8月11日の終値は3135円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS575円96銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の170円で算出)は約5.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS6295円46銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約278億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[07月20日更新]

神鋼商事は調整一巡、22年3月期大幅増益予想

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連などを扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてグローバルビジネスの深化を追求している。22年3月期は需要が回復基調で大幅増益予想としている。収益拡大を期待したい。株価は5月の年初来高値圏から一旦反落したが、指標面の割安感も見直し材料であり、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。M&Aも積極活用して、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてグローバルビジネスの深化を追求している。

 21年3月期のセグメント別経常利益構成比は鉄鋼が15%、鉄鋼原料が8%、非鉄金属が46%、機械・情報が30%、溶材が4%、その他が▲2%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■重点分野はEV・自動車軽量化と資源循環型ビジネス

 新中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では、EV・自動車軽量化と資源循環型ビジネスを重点分野と定めた。そして目標数値に、最終年度24年3月期の経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上を掲げた。

 投資額は3年合計200億円とした。内訳は自動車向け鋼材加工事業20億円、環境リサイクル事業30億円、アルミ加工事業80億円、M&Aによる流通再編20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化50億円である。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に、安定的な配当を維持するとした。

 SDGsへの取り組みでは、鉄スクラップ、バイオマス燃料、雑電線屑などの取り扱い拡大や再資源化の推進を目指している。

■22年3月期は需要回復で増益予想

 22年3月期の連結業績予想は、売上高(収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため21年3月期との比較は非記載)が4080億円、営業利益が21年3月期比14.5%増の51億円、経常利益が27.9%増の52億円、親会社株主帰属当期純利益が36.5%増の30億円としている。配当予想は50円増配の100円(第2四半期末50円、期末50円)である。

 セグメント別の経常利益の計画は、鉄鋼が18億円増の24億円、鉄鋼原料が1億円増の4億円、非鉄金属が2億円減の17億円、機械・情報が5億円減の7億円、溶材が2億円増の3億円としている。需要が回復基調であり、収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は5月の年初来高値圏から一旦反落したが、指標面の割安感も見直し材料であり、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。7月19日の終値は2289円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS338円80銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約4.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS6295円46銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約203億円である。
(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
http://media-ir.com/news/
[06月25日更新]

神鋼商事は上値試す、22年3月期大幅増益予想

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連などを扱う商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてグローバルビジネスの深化を追求している。22年3月期は需要が回復基調で大幅増益予想としている。収益拡大を期待したい。株価は反発して5月の年初来高値に接近している。上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。M&Aも積極活用して、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社としてグローバルビジネスの深化を追求している。

 21年3月期のセグメント別経常利益構成比は鉄鋼が15%、鉄鋼原料が8%、非鉄金属が46%、機械・情報が30%、溶材が4%、その他が▲2%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■重点分野はEV・自動車軽量化と資源循環型ビジネス

 新中期経営計画(22年3月期〜24年3月期)では、EV・自動車軽量化と資源循環型ビジネスを重点分野と定めた。そして目標数値に、最終年度24年3月期の経常利益95億円(鉄鋼41億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属23億円、機械・情報13億円、溶材5億円)以上、ROE9%以上を掲げた。

 投資額は3年合計200億円とした。内訳は自動車向け鋼材加工事業20億円、環境リサイクル事業30億円、アルミ加工事業80億円、M&Aによる流通再編20億円、その他・海外チャンネル拡大・サプライチェーン強化50億円である。

 鉄鋼は海外(中国、米国など)拡販や海外現地需要取り込み、鉄鋼原料は鉄スクラップとバイオマス燃料の取り扱い拡大、非鉄金属は半導体・自動車向け部材やエアコン用銅管の取り扱い拡大、機械・情報は建設機械部品の海外取り扱い拡大、溶材はM&Aによる流通再編や販売機能の強化を推進する。

 株主還元の基本方針は、財務体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、連結配当性向30%を目標に、安定的な配当を維持するとした。

 SDGsへの取り組みでは、鉄スクラップ、バイオマス燃料、雑電線屑などの取り扱い拡大や再資源化の推進を目指している。

■22年3月期は需要回復で増益予想

 22年3月期の連結業績予想は、売上高(収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため21年3月期との比較は非記載)が4080億円、営業利益が21年3月期比14.5%増の51億円、経常利益が27.9%増の52億円、親会社株主帰属当期純利益が36.5%増の30億円としている。配当予想は50円増配の100円(第2四半期末50円、期末50円)である。

 セグメント別の経常利益の計画は、鉄鋼が18億円増の24億円、鉄鋼原料が1億円増の4億円、非鉄金属が2億円減の17億円、機械・情報が5億円減の7億円、溶材が2億円増の3億円としている。需要が回復基調であり、収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は反発して5月の年初来高値に接近している。上値を試す展開を期待したい。6月24日の終値は2444円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS338円80銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約4.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS6295円46銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約217億円である。
(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
http://media-ir.com/news/
[05月18日更新]

神鋼商事は年初来高値更新の展開、22年3月期大幅増益予想

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連などを扱う商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。21年3月期は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けたが、経常・最終増益で着地した。22年3月期は需要が回復基調で大幅増益予想としている。収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化の状況でも年初来高値更新の展開と強い動きだ。引き続き指標面の割安感も見直し材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 M&Aも積極活用してグローバルビジネスを加速し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 21年3月期のセグメント別経常利益構成比は鉄鋼が15%、鉄鋼原料が8%、非鉄金属が46%、機械・情報が30%、溶材が4%、その他が▲2%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■21年3月期は経常・最終増益、22年3月期は需要回復で増益予想

 21年3月期連結業績は、売上高が20年3月期比16.2%減の7841億60百万円、営業利益が7.8%減の44億54百万円、経常利益が3.1%増の40億67百万円、親会社株主帰属当期純利益が34.9%増の21億98百万円だった。特別利益に投資有価証券売却益7億29百万円、特別損失に減損損失10億24百万円、投資有価証券評価損6億円を計上した。配当は40円減配の50円(第2四半期末15円、期末35円)とした。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収・営業減益だった。ただし第2四半期以降は需要が回復傾向となり、利益は従来予想(2月26日の上方修正値)を上回り、経常・最終増益で着地した。セグメント別経常利益は鉄鋼が2.4倍増益、鉄鋼原料が52.5%減益、非鉄金属が32.8%増益、機械・情報が5.1%減益、溶材が61.8%減益だった。

 四半期別の経常利益は、第1四半期が7億09百万円、第2四半期が9億09百万円、第3四半期が7億36百万円、第4四半期が17億13百万円だった。期後半に需要が回復基調となった。

 22年3月期の連結業績予想は、売上高(収益認識に関する企業会計基準第29号を適用するため21年3月期との比較は非記載)が4080億円、営業利益が21年3月期比14.5%増の51億円、経常利益が27.9%増の52億円、親会社株主帰属当期純利益が36.5%増の30億円としている。なお配当予想は50円増配の100円(第2四半期末50円、期末50円)である。

 セグメント別の経常利益の計画は、鉄鋼が18億円増の24億円、鉄鋼原料が1億円増の4億円、非鉄金属が2億円減の17億円、機械・情報が5億円減の7億円、溶材が2億円増の3億円としている。需要が回復基調であり、収益拡大を期待したい。

■株価は年初来高値更新の展開

 株価は地合い悪化の状況でも年初来高値更新の展開と強い動きだ。引き続き指標面の割安感も見直し材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。5月17日の終値は2467円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS338円80銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約4.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS6295円46銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約219億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月20日更新]

神鋼商事は調整一巡感、需要回復基調で22年3月期収益拡大期待

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連などを扱う商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。21年3月期は従来予想に比べて営業・経常減益幅が縮小、当期純利益が一転して増益見込みとしている。さらに需要回復基調で22年3月期の収益拡大を期待したい。株価は3月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡感を強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 M&Aも積極活用してグローバルビジネスを加速し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 20年3月期のセグメント別経常利益構成比は、鉄鋼が7%、鉄鋼原料が17%、非鉄金属が35%、機械・情報が33%、溶材が10%、その他が▲1%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■21年3月期最終増益予想、需要回復基調で22年3月期収益拡大期待

 21年3月期の連結業績予想(期初時点では未定、9月18日に公表、2月26日に上方修正)は、売上高が20年3月期比16.2%減の7844億円、営業利益が13.0%減の42億円、経常利益が11.2%減の35億円、親会社株主帰属当期純利益が22.8%増の20億円としている。配当予想(2月26日に期末20円上方修正)は20年3月期比40円減配の50円(第2四半期末15円、期末35円)としている。

 自動車関連を中心に需要回復ペースが想定以上となっている。さらに経費削減効果も寄与して営業利益と経常利益は従来予想に比べて減益幅が縮小する見込みだ。第4四半期に特別損失約11億円(投資有価証券評価損約2億円、メキシコで鉄鋼線材二次加工を展開する子会社に係る固定資産減損約9億円)を計上する見込みだが、第3四半期に特別利益7億31百万円を計上しているため、結果として当期純利益は従来の減益予想から一転して増益見込みとしている。

 なお第3四半期累計は売上高が前年同期比22.8%減の5531億62百万円、営業利益が52.4%減の27億98百万円、経常利益が56.1%減の23億54百万円、四半期純利益が52.7%減の14億76百万円だった。特別利益に投資有価証券売却益7億31百万円、特別損失に投資有価証券評価損4億70百万円を計上した。

 なお四半期別の経常利益は第1四半期が7億09百万円、第2四半期が9億09百万円、第3四半期が7億36百万円だった。

 21年3月期は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けたが、需要回復基調で22年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡感

 株価は利益確定売りで3月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡感を強めている。低PBRも見直し材料であり、戻りを試す展開を期待したい。4月19日の終値は2190円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS225円86銭で算出)は約10倍、前期推定配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.3%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS5920円30銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約194億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月10日更新]

神鋼商事は上値試す、21年3月期は需要回復が想定以上で最終増益予想

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連などを扱う商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。21年3月期(2月26日に業績・配当予想を上方修正)は、需要回復ペースが想定以上となり、従来予想に比べて営業・経常減益幅が縮小、当期純利益が一転して増益見込みとしている。さらに22年3月期の収益拡大を期待したい。株価は安値圏でのモミ合いから上放れて戻り足を速めている。低PBRも見直し材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 M&Aも積極活用してグローバルビジネスを加速し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。20年3月期のセグメント別経常利益構成比は、鉄鋼が7%、鉄鋼原料が17%、非鉄金属が35%、機械・情報が33%、溶材が10%、その他が▲1%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■21年3月期需要回復が想定以上で最終増益予想

 21年3月期の連結業績予想(期初時点では未定、9月18日に公表、2月26日に上方修正)は、売上高が20年3月期比16.2%減の7844億円、営業利益が13.0%減の42億円、経常利益が11.2%減の35億円、そして当期純利益が22.8%増の20億円としている。配当予想(2月26日に期末20円上方修正)は20年3月期比40円減配の50円(第2四半期末15円、期末35円)としている。

 自動車関連を中心に需要回復ペースが想定以上となっている。さらに経費削減効果も寄与して営業利益と経常利益は従来予想に比べて減益幅が縮小する見込みだ。第4四半期に特別損失約11億円(投資有価証券評価損約2億円、メキシコで鉄鋼線材二次加工を展開する子会社に係る固定資産減損約9億円)を計上する見込みだが、第3四半期に特別利益7億31百万円を計上しているため、結果として当期純利益は従来の減益予想から一転して増益見込みとしている。

 なお第3四半期累計は売上高が前年同期比22.8%減の5531億62百万円、営業利益が52.4%減の27億98百万円、経常利益が56.1%減の23億54百万円、四半期純利益が52.7%減の14億76百万円だった。特別利益に投資有価証券売却益7億31百万円、特別損失に投資有価証券評価損4億70百万円を計上した。四半期別の経常利益は第1四半期が7億09百万円、第2四半期が9億09百万円、第3四半期が7億36百万円だった。

 21年3月期は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けたが、需要が想定以上に回復基調である。さらに22年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は安値圏でのモミ合いから上放れの形となって戻り足を速めている。週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線も上向きに転じた。低PBRも見直し材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

 3月9日の終値は2166円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS225円86銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5920円30銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約192億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月05日更新]

神鋼商事はモミ合い上放れ、21年3月期は新型コロナ影響だが上振れ余地

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連などを扱う商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。21年3月期は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響で減収減益予想だが、第3四半期累計の営業利益と純利益は通期予想を超過達成した。通期も上振れ余地がありそうだ。株価は安値圏でモミ合う形だったが、第3四半期決算発表を機に反発してモミ合い上放れの動きを強めている。低PBRも評価して出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 M&Aも積極活用してグローバルビジネスを加速し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。19年7月には非鉄金属セグメントにおいて、連結子会社のコベルコ筒中トレーディングと中山金属が合併し、神鋼商事メタルズとして営業開始した。

 20年3月期のセグメント別経常利益構成比は、鉄鋼が7%、鉄鋼原料が17%、非鉄金属が35%、機械・情報が33%、溶材が10%、その他が▲1%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■21年3月期減収減益予想だが3Q累計高進捗率で通期上振れ余地

 21年3月期連結業績予想(期初時点では未定、9月18日に公表)は、売上高が20年3月期比19.9%減の7500億円、営業利益が44.1%減の27億円、経常利益が31.5%減の27億円、純利益が50.9%減の8億円としている。配当予想は60円減配の30円(第2四半期末15円、期末15円)である。

 セグメント別経常利益の計画は、鉄鋼が2.0億円の赤字(20年3月期比4.6億円減益)、鉄鋼原料が5.0億円(同1.7億円減益)、非鉄金属が9.0億円(同5.0億円減益)、機械・情報が13.0億円(同0.1億円増益)、溶材が2.0億円(同1.8億円減益)としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比22.8%減の5531億62百万円、営業利益が52.4%減の27億98百万円、経常利益が56.1%減の23億54百万円、純利益が52.7%減の14億76百万円だった。新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響で減収減益だった。なお特別利益に投資有価証券売却益7億31百万円、特別損失に投資有価証券評価損4億70百万円を計上した。

 機械・情報が圧延設備や電池材料の増加などで2.4%増益だったが、鉄鋼が需要減少や米国エネルギー業界低迷に伴う貸倒引当金計上などで89.8%減益、鉄鋼原料が市況低迷による海外子会社の収益悪化などで65.6%減益、非鉄金属が空調向け銅管や自動車向け銅板条の減少などで4.9%減益、溶材が溶接材料の数量減少などで85.3%減益だった。

 なお四半期別の経常利益は、第1四半期が7億09百万円、第2四半期が9億09百万円、第3四半期が7億36百万円だった。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が73.8%、営業利益が103.6%、経常利益が87.2%、純利益が184.5%で、営業利益と純利益は通期予想を超過達成した。新型コロナウイルスによる経済収縮の影響、米国エネルギー業界低迷に伴う海外関係会社の事業見直し、資産の減損などが見通せない状況として通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の高進捗率を勘案すれば、通期も上振れ余地がありそうだ。

■株価はモミ合い上放れの動き

 株価は安値圏でモミ合う形だったが、第3四半期決算発表を機に反発してモミ合い上放れの動きを強めている。低PBRも評価して出直りを期待したい。2月4日の終値は1931円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS90円35銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の30円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5920円30銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約171億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月07日更新]

神鋼商事は下値固め完了感、21年3月期は新型コロナ影響だが緩やかな回復期待

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連などを扱う商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。21年3月期は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響で減収減益予想としている。感染再拡大も懸念材料となるが、需要が緩やかに回復に向かうことを期待したい。株価は安値圏でモミ合う形だが、下値固め完了感を強めている。低PBRも評価して出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 M&Aも積極活用してグローバルビジネスを加速し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。19年7月には非鉄金属セグメントにおいて、連結子会社のコベルコ筒中トレーディングと中山金属が合併し、神鋼商事メタルズとして営業開始した。

 20年3月期のセグメント別経常利益構成比は、鉄鋼が7%、鉄鋼原料が17%、非鉄金属が35%、機械・情報が33%、溶材が10%、その他が▲1%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■21年3月期減収減益予想、後半需要回復期待

 21年3月期連結業績予想(期初時点では未定、9月18日に公表)は、売上高が20年3月期比19.9%減の7500億円、営業利益が44.1%減の27億円、経常利益が31.5%減の27億円、純利益が50.9%減の8億円としている。配当予想は60円減配の30円(第2四半期末15円、期末15円)である。

 セグメント別経常利益の計画は、鉄鋼が2.0億円の赤字(20年3月期比4.6億円減益)、鉄鋼原料が5.0億円(同1.7億円減益)、非鉄金属が9.0億円(同5.0億円減益)、機械・情報が13.0億円(同0.1億円増益)、溶材が2.0億円(同1.8億円減益)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比28.4%減の3470億70百万円、営業利益が61.5%減の13億80百万円、経常利益が52.2%減の16億18百万円、純利益が71.7%減の4億88百万円だった。新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響で大幅減収減益だった。特別損失には投資有価証券評価損を計上した。

 鉄鋼は28.4%減収で73.4%減益だった。国内向けは鋼板製品、線材製品の数量が減少し、海外子会社の自動車向け数量も減少した。鉄鋼原料は38.3%減収で80.8%減益だった。輸入鉄鋼原料、チタン原料の数量が減少し、市況低迷で海外子会社の収益が悪化した。非鉄金属は23.8%減収で25.9%減益だった。銅製品で端子コネクター向け板条、空調向け銅管、アルミ製品で自動車向けアルミ板・押出材が減少した。

 機械・情報は0.6%減収だが27.0%増益だった。建設機械部品や液晶用材料が減少したが、圧延設備、電池材料、HD関連機器が増加した。溶材は21.2%減収で79.3%減益だった。溶接材料は造船・鉄骨・自動車・建設機械向けが減少し、関連機器の鉄骨溶接ロボットも減少した。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が46.3%、経常利益が59.9%と概ね順調だったが、通期ベースでも新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響で主要商品の需要が大幅に減少する見込みとしている。また原油価格低迷に伴って米国エネルギー事業の環境が悪化しているため、北米子会社が保有する関連商品の在庫減損を見込み、一部の海外事業の不振に伴って投資有価証券の減損も見込んでいる。感染再拡大も懸念材料となるが、需要が緩やかに回復に向かうことを期待したい。

■株価は下値固め完了感

 株価は安値圏でモミ合う形だが、下値固め完了感を強めている。低PBRも評価して出直りを期待したい。1月6日の終値は1807円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS90円35銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の30円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5920円30銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約160億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月03日更新]

神鋼商事は下値切り上げ、21年3月期は後半需要回復期待

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連などを扱う商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。21年3月期は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響で減収減益予想としている。感染再拡大も懸念材料となるが、後半に需要が回復に向かうことを期待したい。株価は安値圏でモミ合う形だが徐々に下値を切り上げている。低PBRも評価して出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 M&Aも積極活用してグローバルビジネスを加速し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。19年7月には非鉄金属セグメントにおいて、連結子会社のコベルコ筒中トレーディングと中山金属が合併し、神鋼商事メタルズとして営業開始した。

 20年3月期のセグメント別経常利益構成比は、鉄鋼が7%、鉄鋼原料が17%、非鉄金属が35%、機械・情報が33%、溶材が10%、その他が▲1%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■21年3月期減収減益予想、後半需要回復期待

 21年3月期連結業績予想(期初時点では未定、9月18日に公表)は、売上高が20年3月期比19.9%減の7500億円、営業利益が44.1%減の27億円、経常利益が31.5%減の27億円、純利益が50.9%減の8億円としている。配当予想は60円減配の30円(第2四半期末15円、期末15円)である。

 セグメント別経常利益の計画は、鉄鋼が2.0億円の赤字(20年3月期比4.6億円減益)、鉄鋼原料が5.0億円(同1.7億円減益)、非鉄金属が9.0億円(同5.0億円減益)、機械・情報が13.0億円(同0.1億円増益)、溶材が2.0億円(同1.8億円減益)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比28.4%減の3470億70百万円、営業利益が61.5%減の13億80百万円、経常利益が52.2%減の16億18百万円、純利益が71.7%減の4億88百万円だった。新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響で大幅減収減益だった。特別損失には投資有価証券評価損を計上した。

 鉄鋼は28.4%減収で73.4%減益だった。国内向けは鋼板製品、線材製品の数量が減少し、海外子会社の自動車向け数量も減少した。鉄鋼原料は38.3%減収で80.8%減益だった。輸入鉄鋼原料、チタン原料の数量が減少し、市況低迷で海外子会社の収益が悪化した。非鉄金属は23.8%減収で25.9%減益だった。銅製品で端子コネクター向け板条、空調向け銅管、アルミ製品で自動車向けアルミ板・押出材が減少した。

 機械・情報は0.6%減収だが27.0%増益だった。建設機械部品や液晶用材料が減少したが、圧延設備、電池材料、HD関連機器が増加した。溶材は21.2%減収で79.3%減益だった。溶接材料は造船・鉄骨・自動車・建設機械向けが減少し、関連機器の鉄骨溶接ロボットも減少した。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が46.3%、経常利益が59.9%と順調だったが、通期ベースでも新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響で主要商品の需要が大幅に減少する見込みだ。また原油価格低迷に伴って米国エネルギー事業の環境が悪化しているため、北米子会社が保有する関連商品の在庫減損を見込み、一部の海外事業の不振に伴って投資有価証券の減損も見込んでいる。感染再拡大も懸念材料となるが、後半に需要が回復に向かうことを期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は安値圏でモミ合う形だが徐々に下値を切り上げている。低PBRも評価して出直りを期待したい。12月2日の終値は1882円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS90円35銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の30円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5920円30銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約167億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月10日更新]

神鋼商事は調整一巡、21年3月期は新型コロナ影響だが後半の需要回復期待

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連などを扱う商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響で、21年3月期第2四半期累計は大幅減収減益だった。通期も減収減益で減配予想としている。欧米における感染再拡大が当面の懸念材料となるが、後半は需要が回復に向かうことを期待したい。株価は安値圏でモミ合う形だが業績悪化を織り込み済みだろう。低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 M&Aも積極活用してグローバルビジネスを加速し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。19年7月には非鉄金属セグメントにおいて、連結子会社のコベルコ筒中トレーディングと中山金属が合併し、神鋼商事メタルズとして営業開始した。

 20年3月期のセグメント別経常利益構成比は、鉄鋼が7%、鉄鋼原料が17%、非鉄金属が35%、機械・情報が33%、溶材が10%、その他が▲1%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■21年3月期2Q累計は大幅減収減益、後半の需要回復期待

 21年3月期連結業績予想(期初時点では未定、9月18日に公表)は、売上高が20年3月期比19.9%減の7500億円、営業利益が44.1%減の27億円、経常利益が31.5%減の27億円、純利益が50.9%減の8億円としている。配当予想は60円減配の30円(第2四半期末15円、期末15円)である。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比28.4%減の3470億70百万円、営業利益が61.5%減の13億80百万円、経常利益が52.2%減の16億18百万円、純利益が71.7%減の4億88百万円だった。新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響で大幅減収減益だった。特別損失には投資有価証券評価損を計上した。

 鉄鋼は28.4%減収で73.4%減益だった。国内向けは鋼板製品、線材製品の数量が減少し、海外子会社の自動車向け数量も減少した。鉄鋼原料は38.3%減収で80.8%減益だった。輸入鉄鋼原料、チタン原料の数量が減少し、市況低迷で海外子会社の収益が悪化した。非鉄金属は23.8%減収で25.9%減益だった。銅製品で端子コネクター向け板条、空調向け銅管、アルミ製品で自動車向けアルミ板・押出材が減少した。

 機械・情報は0.6%減収だが27.0%増益だった。建設機械部品や液晶用材料が減少したが、圧延設備、電池材料、HD関連機器が増加した。溶材は21.2%減収で79.3%減益だった。溶接材料は造船・鉄骨・自動車・建設機械向けが減少し、関連機器の鉄骨溶接ロボットも減少した。

 通期ベースでも、新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響で、主要商品の需要が大幅に減少する見込みだ。また原油価格低迷に伴って米国エネルギー事業の環境が悪化しているため、北米子会社が保有する関連商品の在庫減損を見込み、一部の海外事業の不振に伴って投資有価証券の減損も見込んでいる。

 セグメント別経常利益の計画は、鉄鋼が2.0億円の赤字(20年3月期比4.6億円減益)、鉄鋼原料が5.0億円(同1.7億円減益)、非鉄金属が9.0億円(同5.0億円減益)、機械・情報が13.0億円(同0.1億円増益)、溶材が2.0億円(同1.8億円減益)としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が46.3%、経常利益が59.9%だった。欧米における新型コロナウイルス感染再拡大の影響が当面の懸念材料となるが、後半は需要が回復に向かうことを期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は安値圏でモミ合う形だが業績悪化を織り込み済みだろう。低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。11月9日の終値は1853円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS90円35銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の30円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5920円30銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約164億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月13日更新]

神鋼商事は反発の動き、21年3月期は後半の需要回復期待

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連などを扱う商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。21年3月期減収減益・減配予想としている。当面は新型コロナウイルスによる経済活動停滞の影響を受けるが、後半からの緩やかな需要回復を期待したい。株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。低PBRも評価して出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 M&Aも積極活用してグローバルビジネスを加速し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。19年7月には非鉄金属セグメントにおいて、連結子会社のコベルコ筒中トレーディングと中山金属が合併し、神鋼商事メタルズとして営業開始した。

 20年3月期のセグメント別経常利益構成比は、鉄鋼が7%、鉄鋼原料が17%、非鉄金属が35%、機械・情報が33%、溶材が10%、その他が▲1%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■21年3月期は新型コロナ影響だが後半の需要回復期待

 21年3月期連結業績予想(期初時点では未定、9月18日に公表)は、売上高が20年3月期比19.9%減の7500億円、営業利益が44.1%減の27億円、経常利益が31.5%減の27億円、純利益が50.9%減の8億円としている。配当予想は60円減配の30円(第2四半期末15円、期末15円)である。

 新型コロナウイルスによる国内外の経済活動停滞の影響で、主要商品の需要が大幅に減少する。また原油価格低迷に伴って米国エネルギー事業の環境が悪化しているため、北米子会社が保有する関連商品の在庫減損を見込み、一部の海外事業の不振に伴って投資有価証券の減損も見込んでいる。

 第1四半期は、売上高が前年同期比26.2%減の1803億42百万円、営業利益が75.8%減の5億66百万円、経常利益が68.1%減の7億09百万円、純利益が94.4%減の63百万円だった。全体として新型コロナウイルスによる経済活動停滞の影響を受けて大幅減収減益だった。特別損失には投資有価証券評価損4億54百万円を計上した。

 鉄鋼は26.5%減収で69.6%減益だった。鋼板製品は国内が数量減少して価格下落、輸出は数量増加だが価格下落、線材製品は国内が数量減少して価格横ばい、輸出が数量減少して価格下落した。

 鉄鋼原料は33.1%減収で59.3%減益だった。冷鉄源は増加したが、輸入鉄鋼原料、チタン原料が減少した。

 非鉄金属は24.9%減収で56.6%減益だった。銅製品は端子コネクター向け板条および空調向け銅管が減少、アルミ製品は自動車向けアルミ押出材および軽圧板状が減少、非鉄原料は再生塊アルミや鉄スクラップの数量が減少した。

 機械・情報は1.0%増収だが55.4%減益だった。機械製品で圧延設備や電池材料、情報関連商品で半導体関連機器が増加したが、機械製品で熱処理炉や建設機械部品、情報関連商品で液晶用材料やHD関連機器が減少した。

 溶材は17.6%減収で赤字化した。溶接材料は建築・自動車・建設機械向けが減少、溶接関連機器は鉄骨溶接ロボットが堅調だが汎用溶接機が減少、生産材料は溶剤原料が堅調だが鋼材・ステンレス材が減少した。

 当面は新型コロナウイルスによる経済活動停滞の影響を受けるが、後半からの緩やかな需要回復を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。週足チャートで見ると抵抗線となっていた26週移動平均線を突破した。低PBRも評価して出直りを期待したい。10月12日の終値は1854円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS90円35銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の30円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5920円30銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約164億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月24日更新]

神鋼商事は下値固め完了、21年3月期は後半の需要回復期待

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連などを扱う商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。未定としていた21年3月期予想を9月18日に公表し、減収減益・減配予想とした。当面は新型コロナウイルスによる経済活動停滞の影響を受けるが、後半からの緩やかな需要回復を期待したい。株価は安値圏だが、新型コロナウイルスの影響懸念を織り込み済みだろう。減収減益・減配予想に対してもネガティブ反応は限定的だ。下値固め完了して出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。

 M&Aも積極活用してグローバルビジネスを加速し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。19年7月には非鉄金属セグメントにおいて、連結子会社のコベルコ筒中トレーディングと中山金属が合併し、神鋼商事メタルズとして営業開始した。

 20年3月期のセグメント別経常利益構成比は、鉄鋼が7%、鉄鋼原料が17%、非鉄金属が35%、機械・情報が33%、溶材が10%、その他が▲1%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■21年3月期は新型コロナ影響だが後半の需要回復期待

 21年3月期連結業績予想(期初時点では未定)を9月18日に公表し、売上高が20年3月期比19.9%減の7500億円、営業利益が44.1%減の27億円、経常利益が31.5%減の27億円、純利益が50.9%減の8億円としている。配当予想も公表し、60円減配の30円(第2四半期末15円、期末15円)とした。

 新型コロナウイルスによる国内外の経済活動停滞の影響で、主要商品の需要が大幅に減少する見込みだ。また原油価格低迷に伴って米国エネルギー事業の環境が悪化しているため、北米子会社が保有する関連商品の在庫減損を見込み、一部の海外事業の不振に伴って投資有価証券の減損も見込んでいる。

 なお第1四半期は、売上高が前年同期比26.2%減の1803億42百万円、営業利益が75.8%減の5億66百万円、経常利益が68.1%減の7億09百万円、純利益が94.4%減の63百万円だった。全体として新型コロナウイルスによる経済活動停滞の影響を受けて大幅減収減益だった。特別損失には投資有価証券評価損4億54百万円を計上した。

 鉄鋼は26.5%減収で69.6%減益だった。鋼板製品は国内が数量減少して価格下落、輸出は数量増加だが価格下落、線材製品は国内が数量減少して価格横ばい、輸出が数量減少して価格下落した。

 鉄鋼原料は33.1%減収で59.3%減益だった。冷鉄源は増加したが、輸入鉄鋼原料、チタン原料が減少した。

 非鉄金属は24.9%減収で56.6%減益だった。銅製品は端子コネクター向け板条および空調向け銅管が減少、アルミ製品は自動車向けアルミ押出材および軽圧板状が減少、非鉄原料は再生塊アルミや鉄スクラップの数量が減少した。

 機械・情報は1.0%増収だが55.4%減益だった。機械製品で圧延設備や電池材料、情報関連商品で半導体関連機器が増加したが、機械製品で熱処理炉や建設機械部品、情報関連商品で液晶用材料やHD関連機器が減少した。

 溶材は17.6%減収で赤字化した。溶接材料は建築・自動車・建設機械向けが減少、溶接関連機器は鉄骨溶接ロボットが堅調だが汎用溶接機が減少、生産材料は溶剤原料が堅調だが鋼材・ステンレス材が減少した。

 当面は新型コロナウイルスによる経済活動停滞の影響を受けるが、後半からの緩やかな需要回復を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は安値圏だが、新型コロナウイルスの影響懸念を織り込み済みだろう。減収減益・減配予想に対してもネガティブ反応は限定的だ。低PBRも注目点であり、下値固め完了して出直りを期待したい。9月23日の終値は1738円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS90円35銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の30円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5920円30銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約154億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月21日更新]

神鋼商事は低PBRに注目、21年3月期は新型コロナ影響だが期後半の需要回復期待

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連などを扱う商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。21年3月期第1四半期は大幅減収減益だった。通期予想は引き続き未定としている。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けるが、期後半からの緩やかな需要回復を期待したい。株価は第1四半期業績を嫌気する場面があったが、下値は限定的だった。新型コロナウイルス影響懸念は織り込み済みだろう。低PBRも注目点であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。M&Aも積極活用してグローバルビジネスを加速し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 19年7月には非鉄金属セグメントにおいて、連結子会社のコベルコ筒中トレーディングと中山金属が合併し、神鋼商事メタルズとして営業開始した。

 20年3月期のセグメント別経常利益構成比は、鉄鋼が7%、鉄鋼原料が17%、非鉄金属が35%、機械・情報が33%、溶材が10%、その他が▲1%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■21年3月期予想は新型コロナ影響で未定、期後半の緩やかな需要回復期待

 21年3月期第1四半期連結業績は、売上高が前年同期比26.2%減の1803億42百万円、営業利益が75.8%減の5億66百万円、経常利益が68.1%減の7億09百万円、純利益が94.4%減の63百万円だった。全体として新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けて大幅減収減益だった。なお特別損失に投資有価証券評価損4億54百万円を計上した。

 鉄鋼は26.5%減収で69.6%減益だった。鋼板製品は国内が数量減少して価格下落、輸出は数量増加だが価格下落、線材製品は国内が数量減少して価格横ばい、輸出が数量減少して価格下落した。

 鉄鋼原料は33.1%減収で59.3%減益だった。冷鉄源は増加したが、輸入鉄鋼原料、チタン原料が減少した。

 非鉄金属は24.9%減収で56.6%減益だった。銅製品は端子コネクター向け板条および空調向け銅管が減少、アルミ製品は自動車向けアルミ押出材および軽圧板状が減少、非鉄原料は再生塊アルミや鉄スクラップの数量が減少した。

 機械・情報は1.0%増収だが55.4%減益だった。機械製品で圧延設備や電池材料、情報関連商品で半導体関連機器が増加したが、機械製品で熱処理炉や建設機械部品、情報関連商品で液晶用材料やHD関連機器が減少した。

 溶材は17.6%減収で赤字化した。溶接材料は建築・自動車・建設機械向けが減少、溶接関連機器は鉄骨溶接ロボットが堅調だが汎用溶接機が減少、生産材料は溶剤原料が堅調だが鋼材・ステンレス材が減少した。

 通期予想は引き続き未定としている。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けるが、期後半からの緩やかな需要回復を期待したい。

■株価は低PBRに注目

 株価は第1四半期業績を嫌気する場面があったが、下値は限定的だった。新型コロナウイルス影響懸念は織り込み済みだろう。低PBRも注目点であり、調整一巡して出直りを期待したい。8月20日の終値は1750円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5920円30銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約155億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月09日更新]

神鋼商事は調整一巡

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連などを扱う商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。21年3月期予想は未定としている。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響が意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は反発力が鈍く戻り一服の形だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品(鋼板製品、線材製品など)、鉄鋼原料(輸入鉄鋼原料、合金鉄、コークスブリーズなど)、非鉄金属(銅製品、アルミ製品、非鉄金属地金・スクラップなど)、機械・情報(ゴム・タイヤ機械、製鉄・非鉄機械、化学機械、環境関連機器、電池用材料、液晶用材料、PC部品など)、溶接材料・機器(溶接材料、溶接関連機器、溶接ロボットシステムなど)を扱う商社である。M&Aも積極活用してグローバルビジネスを加速し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 19年7月には非鉄金属セグメントにおいて、連結子会社のコベルコ筒中トレーディングと中山金属が合併し、神鋼商事メタルズとして営業開始した。

 20年3月期のセグメント別経常利益構成比は、鉄鋼が7%、鉄鋼原料が17%、非鉄金属が35%、機械・情報が33%、溶材が10%、その他が▲1%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■21年3月期予想は新型コロナウイルス影響で未定

 21年3月期連結業績・配当予想は未定としている。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響が意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は反発力が鈍く戻り一服の形だが、調整一巡して出直りを期待したい。低PBRも注目材料だろう。7月8日の終値は1841円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5920円30銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約163億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月19日更新]

神鋼商事は戻り試す

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。21年3月期連結業績・配当予想は未定としている。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響が意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は4月の安値圏から着実に下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用してグローバルビジネスを加速し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 19年7月には非鉄金属セグメントにおいて、連結子会社のコベルコ筒中トレーディングと中山金属が合併し、神鋼商事メタルズとして営業開始した。

 20年3月期のセグメント別経常利益構成比は、鉄鋼が7%、鉄鋼原料が17%、非鉄金属が35%、機械・情報が33%、溶材が10%、その他が▲1%だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属は、取扱数量と市況の影響を受けて収益が変動しやすい特性がある。

■21年3月期予想は新型コロナウイルス影響で未定

 21年3月期連結業績・配当予想は未定としている。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響が意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価はやや小動きだが、4月の安値圏から反発して着実に下値を切り上げている。低PBRにも着目して、戻りを試す展開を期待したい。6月18日の終値は1967円、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5920円30銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約174億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月26日更新]

神鋼商事は下値切り上げ

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。21年3月期連結業績・配当予想は未定としている。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は調整一巡して下値を切り上げる動きだ。出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 19年7月には非鉄金属セグメントにおいて、連結子会社のコベルコ筒中トレーディングと中山金属が合併し、神鋼商事メタルズとして営業開始した。

 20年3月期のセグメント別経常利益構成比は、鉄鋼7%、鉄鋼原料17%、非鉄金属35%、機械・情報33%、溶材10%、その他▲1%だった。

■21年3月期予想は新型コロナウイルス影響で未定

 20年3月期連結業績は、売上高が19年3月期比1.7%減の9360億31百万円、営業利益が39.0%減の48億29百万円、経常利益が50.8%減の39億43百万円、純利益が67.5%減の16億29百万円だった。配当は20円減配の90円(第2四半期末55円、期末35円)とした。

 全体として、米中貿易摩擦長期化による世界経済停滞に加えて、第4四半期には新型コロナウイルスの影響を受けた。鉄鋼は93.1%減益、鉄鋼原料は45.4%減益、非鉄金属は17.9%減益、機械・情報は0.4%増益、溶材は17.1%増益だった。鋼板は北米エネルギー業界低迷に伴い、米国子会社で在庫評価損を計上したことも影響した。

 21年3月期連結業績・配当予想は未定としている。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響を受けるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は調整一巡して下値を切り上げる動きだ。出直りを期待したい。5月25日の終値は1908円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5920円30銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約169億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月14日更新]

神鋼商事は売り一巡

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。20年3月期は3月31日に下方修正して減益・減配予想とした。当面は新型コロナウイルス感染症拡大による世界経済収縮の影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は安値圏だが売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 19年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼51%、鉄鋼原料14%、非鉄金属20%、機械・情報15%、溶材4%、その他マイナス4%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

■20年3月期減益予想

 20年3月期連結業績予想(3月31日に売上高、利益とも下方修正)は、売上高が19年3月期比1.7%減の9360億円、営業利益が31.8%減の54億円、経常利益が40.1%減の48億円、純利益が50.2%減の25億円としている。配当予想(3月31日に期末20円下方修正)は、20円減配の90円(第2四半期末55円、期末35円)である。

 北米エネルギー業界の低迷により、米国子会社において在庫評価損約11億円および貸倒引当金約11億円を計上する。また特別損失で投資有価証券評価損を約6億円計上する。

 当面は新型コロナウイルス感染症拡大による世界経済収縮の影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は安値圏だが売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。4月13日の終値は1650円、前期推定連結PER(会社予想連結EPS282円33銭で算出)は約6倍、前期推定配当利回り(会社予想90円で算出)は約5.5%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS5946円33銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約146億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月09日更新]

神鋼商事は売り一巡、21年3月期収益拡大期待

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。20年3月期減益予想である。第3四半期累計の進捗率は順調だったが、第4四半期は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けそうだ。21年3月期の収益拡大を期待したい。株価は地合い悪で昨年来安値を更新したが、売り一巡して反発を期待したい。


■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 19年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼51%、鉄鋼原料14%、非鉄金属20%、機械・情報15%、溶材4%、その他マイナス4%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

■20年3月期減益予想、21年3月期収益拡大期待

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比2.9%増の9800億円、営業利益が12.9%減の69億円、経常利益が12.7%減の70億円、純利益が8.3%減の46億円としている。配当は19年3月期と同額の110円(第2四半期末55円、期末55円)である。セグメント別の経常利益計画は、鉄鋼が36億円、鉄鋼原料が11億円、非鉄金属が16億円、機械・情報が10億円、溶材が4億円としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比0.5%増の7163億27百万円、営業利益が8.1%減の58億73百万円、経常利益が18.7%減の53億68百万円、純利益が23.1%減の31億22百万円だった。

 鉄鋼は1.0%増収だが海外子会社等の減益影響で25.3%経常減益、鉄鋼原料は4.5%増収だが海外子会社の数量減少で35.6%経常減益、非鉄金属は銅板条やアルミ製品の需要減少などで8.1%減収・23.1%経常減益、機械・情報は大型圧縮機や電池用材料などの増加で8.0%増収・11.7%経常増益、溶材は建築鉄骨向け数量増加などで4.1%増収・2.3倍経常増益だった。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が73.1%、経常利益が76.7%と順調だったが、第4四半期は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けそうだ。21年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は地合い悪で昨年来安値を更新したが、売り一巡して反発を期待したい。3月6日の終値は2052円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS519円48銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想110円で算出)は約5.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5946円33銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約182億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月06日更新]

神鋼商事は調整一巡、20年3月期3Q累計減益だが進捗率順調

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。20年3月期第3四半期累計は減益だった。通期も不透明感が強いとして減益予想だが、第3四半期累計の進捗率が順調であり、通期上振れ余地がありそうだ。株価は昨年来高値圏から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 19年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼51%、鉄鋼原料14%、非鉄金属20%、機械・情報15%、溶材4%、その他マイナス4%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

■20年3月期3Q累計減益だが進捗率順調

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比2.9%増の9800億円、営業利益が12.9%減の69億円、経常利益が12.7%減の70億円、純利益が8.3%減の46億円としている。配当は19年3月期と同額の110円(第2四半期末55円、期末55円)である。セグメント別の経常利益計画は、鉄鋼が36億円、鉄鋼原料が11億円、非鉄金属が16億円、機械・情報が10億円、溶材が4億円としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比0.5%増の7163億27百万円、営業利益が8.1%減の58億73百万円、経常利益が18.7%減の53億68百万円、純利益が23.1%減の31億22百万円だった。

 鉄鋼は1.0%増収だが海外子会社等の減益影響で25.3%経常減益、鉄鋼原料は4.5%増収だが海外子会社の数量減少で35.6%経常減益、非鉄金属は銅板条やアルミ製品の需要減少などで8.1%減収・23.1%経常減益、機械・情報は大型圧縮機や電池用材料などの増加で8.0%増収・11.7%経常増益、溶材は建築鉄骨向け数量増加などで4.1%増収・2.3倍経常増益だった。

 第3四半期累計の進捗率は売上高73.1%、経常利益76.7%と順調である。通期は不透明感が強いとして減益予想だが、上振れ余地がありそうだ。

■株価は調整一巡

 株価は昨年来高値圏から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。2月5日の終値は2493円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS519円48銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想110円で算出)は約4.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5946円33銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約221億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月08日更新]

神鋼商事は戻り歩調、20年3月期減益予想だが保守的

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。20年3月期は不透明感が強いとして減益予想だが、やや保守的だろう。株価は下値を切り上げて戻り歩調だ。出直り本格化を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 19年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼51%、鉄鋼原料14%、非鉄金属20%、機械・情報15%、溶材4%、その他マイナス4%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

■20年3月期減益予想だが保守的

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比2.9%増の9800億円、営業利益が12.9%減の69億円、経常利益が12.7%減の70億円、純利益が8.3%減の46億円としている。配当は19年3月期と同額の110円(第2四半期末55円、期末55円)である。セグメント別の経常利益計画は、鉄鋼が36億円、鉄鋼原料が11億円、非鉄金属が16億円、機械・情報が10億円、溶材が4億円である。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比4.9%増の4847億74百万円、営業利益が0.5%増の35億84百万円、経常利益が13.5%減の33億88百万円、純利益が41.2%減の17億24百万円だった。

 鉄鋼は6.7%増収だが海外子会社等の減益影響で32.5%経常減益、鉄鋼原料は11.3%増収だが海外子会社の数量減少で0.6%経常減益、非鉄金属は銅板条やアルミ押出材の数量減少などで7.8%減収・30.4%経常減益、機械・情報は大型圧縮機や電池用材料の増加で10.3%増収・13.1倍経常増益、溶材は数量増加で8.2%増収・77.1%経常増益だった。

 第2四半期累計の進捗率は売上高49.5%、経常利益48.4%と順調である。通期は不透明感が強いとして減益予想だが、やや保守的だろう。

■株価は戻り歩調

 株価は下値を切り上げて戻り歩調だ。出直り本格化を期待したい。1月7日の終値は2745円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS519円48銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想110円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5946円33銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約243億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月03日更新]

神鋼商事は戻り試す、20年3月期減益予想だが保守的

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。20年3月期は不透明感が強いとして減益予想だが、やや保守的だろう。株価は9月の年初来安値から下値を切り上げている。基調転換して戻りを試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 19年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼51%、鉄鋼原料14%、非鉄金属20%、機械・情報15%、溶材4%、その他マイナス4%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

■20年3月期減益予想だが保守的

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比2.9%増の9800億円、営業利益が12.9%減の69億円、経常利益が12.7%減の70億円、純利益が8.3%減の46億円としている。配当は19年3月期と同額の110円(第2四半期末55円、期末55円)である。セグメント別の経常利益計画は、鉄鋼が36億円、鉄鋼原料が11億円、非鉄金属が16億円、機械・情報が10億円、溶材が4億円である。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比4.9%増の4847億74百万円、営業利益が0.5%増の35億84百万円、経常利益が13.5%減の33億88百万円、純利益が41.2%減の17億24百万円だった。

 鉄鋼は6.7%増収だが海外子会社等の減益影響で32.5%経常減益、鉄鋼原料は11.3%増収だが海外子会社の数量減少で0.6%経常減益、非鉄金属は銅板条やアルミ押出材の数量減少などで7.8%減収・30.4%経常減益、機械・情報は大型圧縮機や電池用材料の増加で10.3%増収・13.1倍経常増益、溶材は数量増加で8.2%増収・77.1%経常増益だった。

 第2四半期累計の進捗率は売上高49.5%、経常利益48.4%と順調である。通期は不透明感が強いとして減益予想だが、やや保守的だろう。

■株価は戻り試す

 株価は9月の年初来安値から下値を切り上げている。基調転換して戻りを試す展開を期待したい。12月2日の終値は2654円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS519円48銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想110円で算出)は約4.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5946円33銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約235億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月06日更新]

神鋼商事は戻り試す、20年3月期2Q累計経常減益だが進捗率順調

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。20年3月期第2四半期累計は経常減益だったが、進捗率は順調である。通期は不透明感が強いとして減益予想だが、やや保守的だろう。株価は9月の年初来安値から反発して下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 19年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼51%、鉄鋼原料14%、非鉄金属20%、機械・情報15%、溶材4%、その他マイナス4%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

■20年3月期2Q累計経常減益だが進捗率順調

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比2.9%増の9800億円、営業利益が12.9%減の69億円、経常利益が12.7%減の70億円、純利益が8.3%減の46億円としている。配当は19年3月期と同額の110円(第2四半期末55円、期末55円)としている。セグメント別の経常利益計画は、鉄鋼が36億円、鉄鋼原料が11億円、非鉄金属が16億円、機械・情報が10億円、溶材が4億円である。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比4.9%増の4847億74百万円、営業利益が0.5%増の35億84百万円、経常利益が13.5%減の33億88百万円、純利益が41.2%減の17億24百万円だった。

 鉄鋼は6.7%増収だが海外子会社等の減益影響で32.5%経常減益、鉄鋼原料は11.3%増収だが海外子会社の数量減少で0.6%経常減益、非鉄金属は銅板条やアルミ押出材の数量減少などで7.8%減収・30.4%経常減益、機械・情報は大型圧縮機や電池用材料の増加で10.3%増収・13.1倍経常増益、溶材は数量増加で8.2%増収・77.1%経常増益だった。

 第2四半期累計の進捗率は売上高49.5%、経常利益48.4%と順調である。通期は不透明感が強いとして減益予想だが、やや保守的だろう。

■株価は戻り試す

 株価は9月の年初来安値から反発して下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。11月5日の終値は2591円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS519円48銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の110円で算出)は約4.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5946円33銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約230億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月07日更新]

神鋼商事は戻り試す、20年3月期減益予想だが上振れ余地

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。20年3月期は不透明感が強いとして減益予想だが、上振れ余地がありそうだ。株価は9月の年初来安値から反発した。下値固め完了して戻りを試す展開を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 19年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼51%、鉄鋼原料14%、非鉄金属20%、機械・情報15%、溶材4%、その他マイナス4%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

■20年3月期減益予想だが上振れ余地

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比2.9%増の9800億円、営業利益が12.9%減の69億円、経常利益が12.7%減の70億円、純利益が8.3%減の46億円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)で、予想配当性向は21.2%となる。セグメント別の経常利益計画は、鉄鋼が36億円、鉄鋼原料が11億円、非鉄金属が16億円、機械・情報が10億円、溶材が4億円としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比6.4%増の2442億79百万円、営業利益が16.8%増の23億42百万円、経常利益が9.5%減の22億23百万円、純利益が41.2%減の11億38百万円だった。

 鉄鋼は価格上昇などで8.4%増収だが海外子会社・投資先の利益減少で13.9%経常減益、鉄鋼原料は数量増加・価格上昇などで16.3%増収だが海外子会社の利益減少で19.2%経常減益、非鉄金属はアルミ地金数量減少などで6.7%減収・35.3%経常減益、機械・情報は1.0%減収だが大型圧縮機や電池用材料などの増加で3.5倍経常増益、溶材は数量増加などで11.1%増収・6.8倍経常増益だった。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.9%、営業利益33.9%、経常利益31.8%、純利益24.7%と順調である。通期は不透明感が強いとして減益予想だが、やや保守的だろう。上振れ余地がありそうだ。

■株価は戻り試す

 株価は9月の年初来安値から反発した。下値固め完了して戻りを試す展開を期待したい。10月4日の終値は2324円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS519円48銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間110円で算出)は約4.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5946円33銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約206億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月06日更新]

神鋼商事は反発の動き、20年3月期減益予想だが上振れ余地

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。20年3月期は不透明感が強いとして減益予想だが、第1四半期は2桁営業増益だった。通期上振れ余地がありそうだ。株価は年初来安値圏から反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 19年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼51%、鉄鋼原料14%、非鉄金属20%、機械・情報15%、溶材4%、その他マイナス4%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

■20年3月期減益予想だが上振れ余地

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比2.9%増の9800億円、営業利益が12.9%減の69億円、経常利益が12.7%減の70億円、純利益が8.3%減の46億円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)で、予想配当性向は21.2%となる。

 セグメント別経常利益予想は、鉄鋼が36億円、鉄鋼原料が11億円、非鉄金属が16億円、機械・情報が10億円、溶材が4億円としている。不透明感が強いとして減益予想だが、やや保守的だろう。

 第1四半期は、売上高が前年同期比6.4%増の2442億79百万円、営業利益が16.8%増の23億42百万円、経常利益が9.5%減の22億23百万円、純利益が41.2%減の11億38百万円だった。

 鉄鋼は価格上昇などで8.4%増収だが海外子会社・投資先の利益減少で13.9%経常減益、鉄鋼原料は数量増加・価格上昇などで16.3%増収だが海外子会社の利益減少で19.2%経常減益、非鉄金属はアルミ地金数量減少などで6.7%減収・35.3%経常減益、機械・情報は1.0%減収だが大型圧縮機や電池用材料などの増加で3.5倍経常増益、溶材は数量増加などで11.1%増収・6.8倍経常増益だった。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.9%、営業利益33.9%、経常利益31.8%、純利益24.7%と順調である。通期予想に上振れ余地がありそうだ。

■株価は反発の動き

 株価は年初来安値圏から反発の動きを強めている。出直りを期待したい。9月5日の終値は2227円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS519円48銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想年間110円で算出)は約4.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5946円33銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約197億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月05日更新]

神鋼商事は下値固め完了、20年3月期減益予想だが1Qが2桁営業増益で通期上振れ余地

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。20年3月期は不透明感が強いとして減益予想だが、第1四半期は2桁営業増益だった。通期予想に上振れ余地がありそうだ。株価は下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 19年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼51%、鉄鋼原料14%、非鉄金属20%、機械・情報15%、溶材4%、その他マイナス4%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

■20年3月期減益予想だが1Qが2桁営業増益で通期上振れ余地

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比2.9%増の9800億円、営業利益が12.9%減の69億円、経常利益が12.7%減の70億円、純利益が8.3%減の46億円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)で、予想配当性向は21.2%となる。

 セグメント別経常利益予想は、鉄鋼が36億円、鉄鋼原料が11億円、非鉄金属が16億円、機械・情報が10億円、溶材が4億円としている。不透明感が強いとして減益予想だが、やや保守的だろう。

 第1四半期は、売上高が前年同期比6.4%増の2442億79百万円、営業利益が16.8%増の23億42百万円、経常利益が9.5%減の22億23百万円、純利益が41.2%減の11億38百万円だった。

 鉄鋼は価格上昇などで8.4%増収だが海外子会社・投資先の利益減少で13.9%経常減益、鉄鋼原料は数量増加・価格上昇などで16.3%増収だが海外子会社の利益減少で19.2%経常減益、非鉄金属はアルミ地金数量減少などで6.7%減収・35.3%経常減益、機械・情報は1.0%減収だが大型圧縮機や電池用材料などの増加で3.5倍経常増益、溶材は数量増加などで11.1%増収・6.8倍経常増益だった。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.9%、営業利益33.9%、経常利益31.8%、純利益24.7%と順調である。通期予想に上振れ余地がありそうだ。

■株価は下値固め完了

 株価は反発力の鈍い展開だが下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。8月2日の終値は2333円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS519円48銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間110円で算出)は約4.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5946円33銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約207億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月04日更新]

神鋼商事は調整一巡、20年3月期減益予想だが保守的

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。20年3月期は不透明感が強いとして減益予想だが、やや保守的だろう。株価は反発力が鈍く安値圏だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 18年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼51%、鉄鋼原料14%、非鉄金属20%、機械・情報15%、溶材4%、その他マイナス4%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

 なお連結子会社のコベルコ筒中トレーディングを完全子会社化(19年5月)し、さらに中山金属と合併予定(19年7月予定、商号未定)である。非鉄金属セグメントにおける営業体制の最適化を図る。

■20年3月期減益予想だが保守的

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比2.9%増の9800億円、営業利益が12.9%減の69億円、経常利益が12.7%減の70億円、純利益が8.3%減の46億円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)で、予想配当性向は21.2%となる。

 セグメント別経常利益予想は、鉄鋼が36億円、鉄鋼原料が11億円、非鉄金属が16億円、機械・情報が10億円、溶材が4億円としている。不透明感が強いとして減益予想だが、やや保守的だろう。

■株価は調整一巡

 株価は反発力が鈍く安値圏だが、調整一巡して出直りを期待したい。7月3日の終値は2350円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS519円48銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間110円で算出)は約4.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5946円33銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約208億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月13日更新]

神鋼商事は反発の動き、20年3月期減益予想だが保守的

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。20年3月期は不透明感が強いとして減益予想だが、やや保守的だろう。株価は年初来安値圏から反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 18年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼51%、鉄鋼原料14%、非鉄金属20%、機械・情報15%、溶材4%、その他マイナス4%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

 なお連結子会社のコベルコ筒中トレーディングを完全子会社化(19年5月)し、さらに中山金属と合併予定(19年7月予定、商号未定)である。非鉄金属セグメントにおける営業体制の最適化を図る。

■20年3月期減益予想だが保守的

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比2.9%増の9800億円、営業利益が12.9%減の69億円、経常利益が12.7%減の70億円、純利益が8.3%減の46億円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)で、予想配当性向は21.2%となる。

 セグメント別経常利益予想は、鉄鋼が36億円、鉄鋼原料が11億円、非鉄金属が16億円、機械・情報が10億円、溶材が4億円としている。不透明感が強いとして減益予想だが、やや保守的だろう。

■株価は反発の動き

 株価は6月6日の年初来安値2191円まで下押したが、その後は反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。6月12日の終値は2398円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS519円48銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間110円で算出)は約4.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5946円33銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約212億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月13日更新]

神鋼商事は売られ過ぎ感、20年3月期減益予想だが保守的

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。19年3月期は減益だった。20年3月期も不透明感が強いとして減益予想だが、やや保守的だろう。株価は決算発表に対してネガティブ反応となったが売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して反発を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 18年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼51%、鉄鋼原料14%、非鉄金属20%、機械・情報15%、溶材4%、その他マイナス4%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

 なお連結子会社のコベルコ筒中トレーディングを完全子会社化(19年5月予定)し、さらに中山金属と合併予定(19年7月予定、商号未定)である。非鉄金属セグメントにおける営業体制の最適化を図る。

■19年3月期減益、20年3月期も減益予想だが保守的

 19年3月期の連結業績は、売上高が18年3月期比2.5%増の9525億07百万円、営業利益が2.4%減の79億22百万円、経常利益が7.1%減の80億16百万円、純利益が7.9%減の50億19百万円だった。配当は18年3月期と同額の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)で、配当性向は19.4%となる。

 経常利益は概ね計画水準の減益で着地した。鉄鋼が堅調に推移し、機械・情報と溶材の損益が改善したが、鉄鋼原料が粗鋼生産量減少の影響、非鉄金属が液晶・半導体需要調整局面の影響を受けた。セグメント別経常利益は、鉄鋼が6.8%増の43億25百万円、鉄鋼原料が11.2%減の12億37百万円、非鉄金属が22.1%減の16億94百万円、機械・情報が31.4%増の12億71百万円、溶材が2.6倍の3億42百万円だった。

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比2.9%増の9800億円、営業利益が12.9%減の69億円、経常利益が12.7%減の70億円、純利益が8.3%減の46億円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)で、予想配当性向は21.2%となる。

 セグメント別経常利益予想は、鉄鋼が36億円、鉄鋼原料が11億円、非鉄金属が16億円、機械・情報が10億円、溶材が4億円としている。不透明感が強いとして減益予想だが、やや保守的だろう。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は決算発表に対してネガティブ反応となったが売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して反発を期待したい。5月10日の終値は2403円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS519円48銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間110円で算出)は約4.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5946円33銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約213億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月01日更新]

神鋼商事は戻り歩調、19年3月期経常減益予想だが20年3月期収益拡大期待

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。19年3月期は営業・経常減益予想だが、第3四半期累計が順調だった。通期予想に再上振れ余地がありそうだ。そして20年3月期の収益拡大を期待したい。株価は下値を切り上げて戻り歩調だ。出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 18年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼47%、鉄鋼原料16%、非鉄金属25%、機械・情報11%、溶材1%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

 なお連結子会社のコベルコ筒中トレーディングを完全子会社化(19年5月予定)し、さらに中山金属と合併予定(19年7月予定、商号未定)である。非鉄金属セグメントにおける営業体制の最適化を図る。

■19年3月期経常減益予想だが20年3月期収益拡大期待

 19年3月期連結業績予想(7月31日に増額修正)は、売上高が18年3月期比1.7%増の9450億円、営業利益が7.6%減の75億円、経常利益が7.2%減の80億円、純利益が0.9%増の55億円としている。配当予想(7月31日に増額修正)は、18年3月期と同額の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)としている。予想配当性向は17.7%である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比2.8%増の7126億50百万円、営業利益が8.0%増の63億91百万円、経常利益が0.9%増の66億01百万円、純利益が11.1%減の40億59百万円だった。特別損失に投資有価証券評価損10億80百万円を計上したため最終減益だが、鉄鋼セグメントにおける鋼板製品の価格上昇、米国を中心とした連結子会社の堅調推移、機械・情報セグメントの大幅増益などで営業・経常増益だった。

 セグメント別の経常利益は、鉄鋼が13.9%増の34億69百万円、鉄鋼原料が2.8%減の8億75百万円、非鉄金属が25.7%減の13億68百万円、機械・情報が62.2%増の7億78百万円、溶材が2.5倍の1億21百万円だった。

 通期の経常利益は鉄鋼、機械・情報、溶材が増益、鉄鋼原料、非鉄金属が減益、全体として減益見込みとしている。第3四半期累計の進捗率は売上高75.4%、経常利益82.5%と順調である。通期予想に再上振れ余地がありそうだ。そして20年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は戻り歩調

 株価は12月安値2221円から下値を切り上げている。小動きだが戻り歩調だ。出直りを期待したい。3月29日の終値は2582円、前期推定連結PER(会社予想連結EPS621円12銭で算出)は約4倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間110円で算出)は約4.3%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS5741円27銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約229億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月05日更新]

神鋼商事は下値を切り上げて戻り歩調、19年3月期経常減益予想だが再上振れ余地

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。19年3月期は営業・経常減益予想だが、第3四半期累計が順調だった。通期予想に再上振れ余地がありそうだ。株価は12月安値から下値を切り上げて戻り歩調だ。出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 18年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼47%、鉄鋼原料16%、非鉄金属25%、機械・情報11%、溶材1%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

 なお連結子会社のコベルコ筒中トレーディングを完全子会社化(19年5月予定)し、さらに中山金属と合併予定(19年7月予定、商号未定)である。非鉄金属セグメントにおける営業体制の最適化を図る。

■19年3月期経常減益予想だが再上振れ余地

 19年3月期連結業績予想(7月31日に増額修正)は、売上高が18年3月期比1.7%増の9450億円、営業利益が7.6%減の75億円、経常利益が7.2%減の80億円、純利益が0.9%増の55億円としている。配当予想(7月31日に増額修正)は、18年3月期と同額の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)としている。予想配当性向は17.7%である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比2.8%増の7126億50百万円、営業利益が8.0%増の63億91百万円、経常利益が0.9%増の66億01百万円、純利益が11.1%減の40億59百万円だった。特別損失に投資有価証券評価損10億80百万円を計上したため最終減益だが、鉄鋼セグメントにおける鋼板製品の価格上昇、米国を中心とした連結子会社の堅調推移、機械・情報セグメントの大幅増益などで営業・経常増益だった。

 セグメント別の経常利益は、鉄鋼が13.9%増の34億69百万円、鉄鋼原料が2.8%減の8億75百万円、非鉄金属が25.7%減の13億68百万円、機械・情報が62.2%増の7億78百万円、溶材が2.5倍の1億21百万円だった。

 通期の経常利益は鉄鋼、機械・情報、溶材が増益、鉄鋼原料、非鉄金属が減益、全体として減益見込みとしている。第3四半期累計の進捗率は売上高75.4%、経常利益82.5%と順調である。通期予想に再上振れ余地がありそうだ。

■株価は下値を切り上げて戻り歩調

 株価は12月安値2221円から下値を切り上げて戻り歩調だ。出直りを期待したい。3月4日の終値は2563円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS621円12銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間110円で算出)は約4.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5741円27銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約227億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月05日更新]

神鋼商事は戻り歩調、19年3月期経常減益予想だが3Q累計順調で通期再上振れ余地

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。19年3月期は営業・経常減益予想だが、第3四半期累計が順調であり、通期予想に再上振れ余地がありそうだ。株価は地合い悪が影響した12月の安値から切り返して戻り歩調だ。出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 18年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼47%、鉄鋼原料16%、非鉄金属25%、機械・情報11%、溶材1%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

 なお連結子会社のコベルコ筒中トレーディングを完全子会社化(19年5月予定)し、さらに中山金属と合併予定(19年7月予定、商号未定)である。非鉄金属セグメントにおける営業体制の最適化を図る。

■19年3月期経常減益予想だが3Q累計順調で通期再上振れ余地

 19年3月期連結業績予想(7月31日に増額修正)は、売上高が18年3月期比1.7%増の9450億円、営業利益が7.6%減の75億円、経常利益が7.2%減の80億円、純利益が0.9%増の55億円としている。配当予想(7月31日に増額修正)は、18年3月期と同額の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)で、予想配当性向は17.7%である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比2.8%増の7126億50百万円、営業利益が8.0%増の63億91百万円、経常利益が0.9%増の66億01百万円、純利益が11.1%減の40億59百万円だった。特別損失に投資有価証券評価損10億80百万円を計上したため最終減益だが、鉄鋼セグメントにおける鋼板製品の価格上昇、米国を中心とした連結子会社の堅調推移、機械・情報セグメントの大幅増益などで営業・経常増益だった。

 セグメント別の経常利益は、鉄鋼が13.9%増の34億69百万円、鉄鋼原料が2.8%減の8億75百万円、非鉄金属が25.7%減の13億68百万円、機械・情報が62.2%増の7億78百万円、溶材が2.5倍の1億21百万円だった。

 通期の経常利益は鉄鋼、機械・情報、溶材が増益、鉄鋼原料、非鉄金属が減益、全体として減益見込みとしている。第3四半期累計の進捗率は売上高75.4%、経常利益82.5%と順調である。通期予想に再上振れ余地がありそうだ。

■株価は戻り歩調

 株価は地合い悪が影響した12月安値2221円から切り返して戻り歩調だ。2月4日には2623円まで上伸した。出直りを期待したい。2月4日の終値は2612円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS621円12銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間110円で算出)は約4.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5741円27銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約231億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月11日更新]

神鋼商事は出直り期待、19年3月期経常減益予想だが20年3月期収益改善期待

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。19年3月期は営業・経常減益予想だが、20年3月期の収益改善を期待したい。株価は地合い悪の影響で昨年来安値圏だが、売り一巡して出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 18年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼47%、鉄鋼原料16%、非鉄金属25%、機械・情報11%、溶材1%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

■19年3月期経常減益予想、20年3月期収益改善期待

 19年3月期連結業績予想(7月31日に増額修正)は、売上高が18年3月期比1.7%増の9450億円、営業利益が7.6%減の75億円、経常利益が7.2%減の80億円、純利益が0.9%増の55億円としている。経常減益予想だが、期初計画との比較で円安や鉄鋼原料価格の高値推移が寄与して減益幅が縮小する。配当予想(7月31日に増額修正)は、18年3月期と同額の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)で、予想配当性向は17.7%である。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比0.1%増の4622億27百万円、営業利益が1.6%減の35億67百万円、経常利益が5.0%減の39億15百万円、純利益が2.8%増の29億34百万円だった。鋼材価格の上昇、北米における鋼材や自動車向けアルミ・銅製品の数量増加などで増収だが、販管費の増加で営業・経常減益だった。

 セグメント別の経常利益は、鉄鋼が19.7%増の23億54百万円、鉄鋼原料が0.1%減の5億58百万円、非鉄金属が21.7%減の9億14百万円、機械・情報が2百万円の赤字(前年同期は1億57百万円の黒字)、溶材が43.0%増の81百万円だった。

 第2四半期累計の進捗率は売上高48.9%、経常利益48.9%と概ね順調だったが、通期ベースでは鉄鋼、機械・情報、溶材が増益見込み、鉄鋼原料、非鉄金属が減益見込みとしている。20年3月期の収益改善を期待したい。

■株価は売り一巡して出直り期待

 株価は地合い悪の影響で昨年来安値圏だが、12月26日の2221円から切り返している。売り一巡して出直りを期待したい。1月10日の終値は2482円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS621円12銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間110円で算出)は約4.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5741円27銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約220億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月06日更新]

神鋼商事は19年3月期営業・経常減益予想を織り込んで下値固め完了感

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。19年3月期営業・経常減益予想だが、これを織り込んで株価は下値固め完了感を強めている。指標面の割安感も強い。出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 18年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼47%、鉄鋼原料16%、非鉄金属25%、機械・情報11%、溶材1%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

■19年3月期営業・経常減益予想だが2Q累計概ね順調

 19年3月期連結業績予想(7月31日に増額修正)は、売上高が18年3月期比1.7%増の9450億円、営業利益が7.6%減の75億円、経常利益が7.2%減の80億円、そして純利益が0.9%増の55億円としている。営業・経常減益予想だが、期初計画との比較で円安や鉄鋼原料価格の高値推移が寄与して減益幅が縮小する。配当予想(7月31日に増額修正)は18年3月期と同額の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)で、予想配当性向は17.7%である。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比0.1%増の4622億27百万円、営業利益が1.6%減の35億67百万円、経常利益が5.0%減の39億15百万円、純利益が2.8%増の29億34百万円だった。鋼材価格の上昇、北米における鋼材や自動車向けアルミ・銅製品の数量増加などで増収だが、販管費の増加で営業・経常減益だった。

 セグメント別の経常利益は、鉄鋼が19.7%増の23億54百万円、鉄鋼原料が0.1%減の5億58百万円、非鉄金属が21.7%減の9億14百万円、機械・情報が2百万円の赤字(前年同期は1億57百万円の黒字)、溶材が43.0%増の81百万円だった。

 通期では鉄鋼、機械・情報、溶材が増益見込み、鉄鋼原料、非鉄金属が減益見込みとしている。第2四半期累計の進捗率は売上高48.9%、経常利益48.9%と概ね順調だった。

■株価は下値固め完了感

 株価は年初来安値圏だが、概ね2700円近辺で推移し、19年3月期営業・経常減益予想を織り込んで下値固め完了感を強めている。指標面の割安感は強い。出直りを期待したい。

 12月5日の終値は2724円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS621円12銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間110円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5741円27銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約241億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月09日更新]

神鋼商事は反発の動き、19年3月期経常減益予想だが2Q累計概ね順調

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。19年3月期は経常減益予想だが、第2四半期累計は概ね順調だった。株価は地合い悪化の影響で年初来安値を更新したが、その後は反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 18年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼47%、鉄鋼原料16%、非鉄金属25%、機械・情報11%、溶材1%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

■19年3月期経常減益予想だが2Q累計概ね順調

 19年3月期連結業績予想(7月31日に増額修正)は、売上高が18年3月期比1.7%増の9450億円、営業利益が7.6%減の75億円、経常利益が7.2%減の80億円、純利益が0.9%増の55億円としている。期初計画との比較では円安や鉄鋼原料価格の高値推移が寄与する。配当予想(7月31日に増額修正)は18年3月期と同額の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)で、予想配当性向は17.7%である。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比0.1%増の4622億27百万円、営業利益が1.6%減の35億67百万円、経常利益が5.0%減の39億15百万円、純利益が2.8%増の29億34百万円だった。鋼材価格の上昇、北米における鋼材や自動車向けアルミ・銅製品の数量増加などで増収だが、販管費の増加で営業・経常減益だった。

 セグメント別の経常利益は、鉄鋼が19.7%増の23億54百万円、鉄鋼原料が0.1%減の5億58百万円、非鉄金属が21.7%減の9億14百万円、機械・情報が2百万円の赤字(前年同期は1億57百万円の黒字)、溶材が43.0%増の81百万円だった。

 通期では鉄鋼、機械・情報、溶材が増益見込み、鉄鋼原料、非鉄金属が減益見込みとしている。第2四半期累計の進捗率は売上高48.9%、経常利益48.9%と概ね順調である。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪化の影響で年初来安値を更新し、10月26日と29日に2687円まで下押す場面があったが、その後は反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

 11月8日の終値は2879円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS621円12銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間110円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5741円27銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約255億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月12日更新]

神鋼商事は調整一巡期待、19年3月期経常減益予想だが再増額余地

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。19年3月期は経常減益予想だが、再増額余地がありそうだ。株価は上値の重い展開で地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、調整一巡を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 18年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼47%、鉄鋼原料16%、非鉄金属25%、機械・情報11%、溶材1%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

■19年3月期経常減益予想だが再増額余地

 19年3月期連結業績予想(7月31日に増額修正)は、売上高が18年3月期比1.7%増の9450億円、営業利益が7.6%減の75億円、経常利益が7.2%減の80億円、純利益が0.9%増の55億円としている。期初計画に対して、円安や鉄鋼原料価格の高値推移が寄与して経常減益幅が縮小する見込みだ。配当予想(7月31日に増額修正)は18年3月期と同額の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)で、予想配当性向は17.7%である。

 第1四半期は売上高が前年同期比3.2%減の2296億82百万円、営業利益が1.7%増の20億05百万円、経常利益が3.5%増の24億58百万円、純利益が6.5%増の19億36百万円だった。鉄鋼や鉄鋼原料が堅調だった。セグメント別経常利益は、鉄鋼が21.8%増の13億05百万円、鉄鋼原料が1.3%増の4億24百万円、非鉄金属が10.2%減の6億16百万円、機械・情報が67.1%減の56百万円、溶材が20百万円(前年同期は36百万円の赤字)だった。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.3%、経常利益30.7%と順調である。通期減益予想だが再増額余地がありそうだ。

■株価は調整一巡期待

 株価は3300円近辺で上値が重くなり、直近では地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、売られ過ぎ感を強めている。

 10月11日の終値は3085円で、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS621円12銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間110円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5741円27銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約273億円である。調整一巡を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月03日更新]

神鋼商事は戻り歩調、19年3月期経常減益予想だが再増額余地

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。19年3月期は経常減益予想だが、第1四半期が順調であり、再増額余地がありそうだ。株価は戻り歩調だ。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 18年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼47%、鉄鋼原料16%、非鉄金属25%、機械・情報11%、溶材1%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。
■19年3月期経常減益予想だが再増額余地

 19年3月期連結業績予想(7月31日に増額修正)は、売上高が18年3月期比1.7%増の9450億円、営業利益が7.6%減の75億円、経常利益が7.2%減の80億円、純利益が0.9%増の55億円としている。期初計画に対して、円安や鉄鋼原料価格の高値推移が寄与して経常減益幅が縮小する見込みだ。配当予想(7月31日に増額修正)は18年3月期と同額の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)で、予想配当性向は17.7%である。

 第1四半期は売上高が前年同期比3.2%減の2296億82百万円、営業利益が1.7%増の20億05百万円、経常利益が3.5%増の24億58百万円、純利益が6.5%増の19億36百万円だった。鉄鋼や鉄鋼原料が堅調だった。セグメント別経常利益は、鉄鋼が21.8%増の13億05百万円、鉄鋼原料が1.3%増の4億24百万円、非鉄金属が10.2%減の6億16百万円、機械・情報が67.1%減の56百万円、溶材が20百万円(前年同期は36百万円の赤字)だった。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.3%、経常利益30.7%と順調である。通期予想に再増額余地がありそうだ。

■株価は戻り歩調

 株価は7月6日の年初来安値2703円から反発して水準を切り上げている。戻り歩調だ。

 8月31日の終値は3250円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS621円12銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間110円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5741円27銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約288億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。出直りを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月02日更新]

神鋼商事は急反発して戻り歩調、19年3月期業績・配当予想を増額修正

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。7月31日に19年3月期業績・配当予想を増額修正した。さらに再増額の可能性もありそうだ。株価は急反発して戻り歩調だ。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 18年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼47%、鉄鋼原料16%、非鉄金属25%、機械・情報11%、溶材1%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。
■19年3月期業績・配当予想を増額修正

 19年3月期の連結業績予想および配当予想を7月31日に増額修正した。売上高は250億円増額して18年3月期比1.7%増の9450億円、営業利益は11億円増額して7.6%減の75億円、経常利益は13億円増額して7.2%減の80億円、純利益は11億円増額して0.9%増の55億円とした。期初計画に対して、円安や鉄鋼原料価格の高値推移が寄与して経常減益幅が縮小する見込みだ。配当予想は10円増額して18年3月期と同額の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)とした。予想配当性向は17.7%となる。

 第1四半期は売上高が前年同期比3.2%減の2296億82百万円、営業利益が1.7%増の20億05百万円、経常利益が3.5%増の24億58百万円、純利益が6.5%増の19億36百万円だった。鉄鋼や鉄鋼原料が堅調だった。セグメント別経常利益は、鉄鋼が21.8%増の13億05百万円、鉄鋼原料が1.3%増の4億24百万円、非鉄金属が10.2%減の6億16百万円、機械・情報が67.1%減の56百万円、溶材が20百万円(前年同期は36百万円の赤字)だった。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高24.3%、経常利益30.7%と順調である。そして通期予想には再増額の可能性もありそうだ。

■株価は急反発して戻り歩調

 株価は7月6日の年初来安値2703円から急反発している。そして19年3月期業績・配当予想の増額修正も好感して戻り歩調だ。8月1日には3420円まで上伸した。

 8月1日の終値は3340円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS621円12銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間110円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5741円27銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約296億円である。

 日足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。続いて26週移動平均線突破の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[7月05日更新]

神鋼商事は地合い悪化で売られ過ぎ感、19年3月期減益・減配予想だが保守的

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。19年3月期は不透明感が強いとして減益・減配予想だが保守的だろう。株価は地合い悪化で年初来安値更新の展開だが売られ過ぎ感を強めている。指標面の割安感も見直して反発を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 18年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼47%、鉄鋼原料16%、非鉄金属25%、機械・情報11%、溶材1%である。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

■19年3月期減益・減配予想だが保守的

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比1.0%減の9200億円、営業利益が21.2%減の64億円、経常利益が22.3%減の67億円、純利益が19.3%減の44億円としている。セグメント別経常利益の計画は鉄鋼が34億円、鉄鋼原料が8億円、非鉄金属が19億円、機械・情報が10億円、溶材が3億円である。

 不透明感が強いとして減益予想だが保守的だろう。また配当予想は18年3月期比10円減配の年間100円(第2四半期末45円、期末65円)としている。予想配当性向は20.1%となる。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化の影響で水準を切り下げている。7月4日には年初来安値となる2751円まで下押した。ただし売られ過ぎ感を強めている。

 7月4日の終値2751円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS496円92銭で算出)は約6倍で、今期予想配当利回り(会社予想の年間100円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5741円27銭で算出)は約0.5倍である。時価総額は約244億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が拡大して売られ過ぎ感を強めている。指標面の割安感も見直して反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月05日更新]

神鋼商事は売り一巡感、19年3月期減益・減配予想だが保守的

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。19年3月期は不透明感が強いとして減益・減配予想だが保守的だろう。株価は戻り高値圏から反落して水準を切り下げたが、売り一巡感を強めている。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 18年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼47%、鉄鋼原料16%、非鉄金属25%、機械・情報11%、溶材1%だった。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

■19年3月期減益・減配予想だが保守的

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比1.0%減の9200億円、営業利益が21.2%減の64億円、経常利益が22.3%減の67億円、純利益が19.3%減の44億円としている。セグメント別経常利益の計画は鉄鋼が34億円、鉄鋼原料が8億円、非鉄金属が19億円、機械・情報が10億円、溶材が3億円である。

 不透明感が強いとして減益予想だが保守的だろう。また19年3月期の配当予想は18年3月期比10円減配の年間100円(第2四半期末45円、期末65円)としている。予想配当性向は20.1%となる。

■株価は売り一巡感

 株価は戻り高値圏3900円近辺から反落して水準を切り下げたが、3000円近辺で売り一巡感を強めている。

 6月4日の終値3045円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS496円92銭で算出)は約6倍で、今期予想配当利回り(会社予想の年間100円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5741円27銭で算出)は約0.5倍である。時価総額は約270億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が拡大して売られ過ぎ感を強めている。売り一巡して反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[5月02日更新]

神鋼商事は目先的な売り一巡して反発期待、19年3月期減益・減配予想だが保守的

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。市場環境が良好に推移して18年3月期は大幅増益だった。配当は増額して増配となった。19年3月期は不透明感が強いとして減益・減配予想だが保守的だろう。株価は決算発表を機に戻り高値圏から急落したが、目先的な売り一巡して反発を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 18年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼47%、鉄鋼原料16%、非鉄金属25%、機械・情報11%、溶材1%だった。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

■18年3月期大幅増収増益、19年3月期減益・減配予想だが保守的

 18年3月期の連結業績は売上高が17年3月期比20.8%増の9294億67百万円で、営業利益が68.5%増の81億19百万円、経常利益が64.3%増の86億24百万円、純利益が83.5%増の54億49百万円だった。

 取り扱い数量増加や価格上昇などで大幅増収増益だった。セグメント別の経常利益は、鉄鋼が53.1%増の40億48百万円、鉄鋼原料が33.8%増の13億94百万円、非鉄金属が52.6%増の21億75百万円、機械・情報が8.6倍の9億67百万円、溶材は65.3%減の94百万円だった。

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比1.0%減の9200億円、営業利益が21.2%減の64億円、経常利益が22.3%減の67億円、純利益が19.3%減の44億円としている。セグメント別経常利益の計画は鉄鋼が34億円、鉄鋼原料が8億円、非鉄金属が19億円、機械・情報が10億円、溶材が3億円である。不透明感が強いとして減益予想だが保守的だろう。

 18年3月期の配当予想は4月27日に期末10円増額して年間110円(第2四半期末45円、期末65円)とした。16年10月1日付株式併合(10株を1株に併合)を考慮して17年3月期を年間100円に換算すると、17年3月期との比較でも10円増配となる。また19年3月期の配当予想は18年3月期比10円減配の年間100円(第2四半期末45円、期末65円)で、予想配当性向は20.1%となる。

■株価は目先的な売り一巡して反発期待

 株価は決算発表を機に戻り高値圏3900円近辺から急落したが、売られ過ぎ感を強めている。

 5月1日の終値3290円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS496円92銭で算出)は約7倍で、今期予想配当利回り(会社予想の年間100円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5741円27銭で算出)は約0.6倍である。時価総額は約292億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだ。しかし日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えて売られ過ぎ感を強めている。目先的な売り一巡して反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月03日更新]

神鋼商事は自律調整一巡感、18年3月期大幅増収増益予想で19年3月期も収益拡大期待

  神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。市場環境が良好に推移して18年3月期大幅増収増益予想である。19年3月期も収益拡大を期待したい。株価は07年来高値圏から反落したが自律調整一巡感を強めている。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 17年3月期セグメント別(連結調整前)の売上高構成比は鉄鋼35%、鉄鋼原料28%、非鉄金属25%、機械・情報8%、溶材5%、経常利益構成比は鉄鋼52%、鉄鋼原料13%、非鉄金属19%、機械・情報12%、溶材4%だった。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

■18年3月期大幅増収増益予想、19年3月期も収益拡大期待

 18年3月期の連結業績予想(1月31日に増額修正)は、売上高が17年3月期比20.9%増の9300億円で、営業利益が68.1%増の81億円、経常利益が60.0%増の84億円、純利益が68.3%増の50億円としている。市場環境が良好に推移して大幅増収増益予想である。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比25.5%増の6933億26百万円、営業利益が80.5%増の59億17百万円、経常利益が68.3%増の65億44百万円、純利益が66.3%増の45億66百万円だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属における取扱数量増加や価格上昇効果で大幅増収増益だった。

 セグメント別の経常利益は、鉄鋼が48.2%増の30億47百万円、鉄鋼原料が38.4%増の9億円、非鉄金属が66.9%増の18億42百万円だった。機械・情報は熱処理炉やリチウム電池包材などが増加して3.5倍の4億80百万円、溶材は国内造船向け大型設備案件が減少して72.9%減の48百万円だった。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.6%、営業利益が73.0%、経常利益が77.9%、純利益が91.3%である。通期ベースでも好業績が期待される。そして19年3月期も収益拡大を期待したい。

 なお配当予想(1月31日に期末10円増額修正)は、年間100円(第2四半期末45円、期末55円)としている。16年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して17年3月期を年間100円に換算すると、17年3月期と同額になる。予想配当性向は17.7%となる。

■株価は自律調整一巡感

 株価は07年来となる2月高値4260円から反落したが、その後は3600円〜3800円近辺で推移して自律調整一巡感を強めている。

 4月2日の終値3785円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS564円68銭で算出)は6〜7倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間100円で算出)は2.6%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS5112円18銭で算出)は0.7倍近辺である。時価総額は約335億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月12日更新]

神鋼商事は07年来の高値圏、18年3月期大幅増益・増配予想
 
 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。18年3月期は市場環境が良好に推移して大幅増益・増配予想である。神戸製鋼グループの品質問題も大きな影響が出ていない。株価は07年来の高値圏だ。自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。
 
■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社
 
 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。
 
 17年3月期セグメント別(連結調整前)の売上高構成比は鉄鋼35%、鉄鋼原料28%、非鉄金属25%、機械・情報8%、溶材5%、経常利益構成比は鉄鋼52%、鉄鋼原料13%、非鉄金属19%、機械・情報12%、溶材4%だった。なお16年1月子会社化した中山金属を18年2月28日付で完全子会社化した。
 
 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。
 
■18年3月期増額して大幅増益・増配予想
 
 18年3月期の連結業績予想(1月31日に増額修正)は、売上高が17年3月期比20.9%増の9300億円で、営業利益が68.1%増の81億円、経常利益が60.0%増の84億円、純利益が68.3%増の50億円としている。市場環境が良好に推移し、神戸製鋼グループの品質問題も大きな影響が出ていない。
 
 第3四半期累計は、売上高が前年同期比25.5%増の6933億26百万円、営業利益が80.5%増の59億17百万円、経常利益が68.3%増の65億44百万円、純利益が66.3%増の45億66百万円だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属における取扱数量増加や価格上昇効果で大幅増収増益だった。
 
 セグメント別の経常利益は、鉄鋼が48.2%増の30億47百万円、鉄鋼原料が38.4%増の9億円、非鉄金属が66.9%増の18億42百万円だった。機械・情報は熱処理炉やリチウム電池包材などが増加して3.5倍の4億80百万円、溶材は国内造船向け大型設備案件が減少して72.9%減の48百万円だった。
 
 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.6%、営業利益が73.0%、経常利益が77.9%、純利益が91.3%である。通期ベースでも好業績が期待される。
 
 なお配当予想(1月31日に期末10円増額修正)は、年間100円(第2四半期末45円、期末55円)としている。16年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して17年3月期を年間100円に換算すると、17年3月期と同額になる。予想配当性向は17.7%となる。
 
■株価は07年来の高値圏
 
 株価は07年来となる2月2日高値4260円から地合い悪化も影響して反落する場面があったが、その後は3600円〜3800円近辺で堅調に推移している。
 
 3月9日の終値3675円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS564円68銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間100円で算出)は2.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5112円18銭で算出)は0.7倍近辺である。時価総額は約326億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いて先高観を強めている。自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
 [2月19日更新]

神鋼商事は地合い悪化の売り一巡、18年3月期増額して大幅増益・増配予想
 
 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。18年3月期は増額修正して大幅増益・増配予想である。市場環境が良好に推移し、神戸製鋼グループの品質問題も大きな影響が出ていない。株価は地合い悪化の売りが一巡して上値を試す展開が期待される。
 
■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社
 
 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。
 
 17年3月期セグメント別(連結調整前)の売上高構成比は鉄鋼35%、鉄鋼原料28%、非鉄金属25%、機械・情報8%、溶材5%、経常利益構成比は鉄鋼52%、鉄鋼原料13%、非鉄金属19%、機械・情報12%、溶材4%だった。
 
 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。
 
■18年3月期増額して大幅増益・増配予想
 
 18年3月期の連結業績予想は、1月31日に売上高を800億円増額、営業利益を28億円増額、経常利益を26億円増額、純利益を13億円増額修正した。市場環境が良好に推移し、神戸製鋼グループの品質問題も大きな影響が出ていない。
 
 修正後の連結業績予想は、売上高が17年3月期比20.9%増の9300億円、営業利益が68.1%増の81億円、経常利益が60.0%増の84億円、純利益が68.3%増の50億円とした。
 
 第3四半期累計は、売上高が前年同期比25.5%増の6933億26百万円、営業利益が80.5%増の59億17百万円、経常利益が68.3%増の65億44百万円、純利益が66.3%増の45億66百万円だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属における取扱数量増加や価格上昇効果で大幅増収増益だった。
 
 セグメント別の経常利益は、鉄鋼が48.2%増の30億47百万円、鉄鋼原料が38.4%増の9億円、非鉄金属が66.9%増の18億42百万円だった。機械・情報は熱処理炉やリチウム電池包材などが増加して3.5倍の4億80百万円、溶材は国内造船向け大型設備案件が減少して72.9%減の48百万円だった。
 
 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.6%、営業利益が73.0%、経常利益が77.9%、純利益が91.3%である。通期ベースでも好業績が期待される。
 
 なお配当予想は期末10円増額して年間100円(第2四半期末45円、期末55円)とした。16年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して17年3月期を年間100円に換算すると、17年3月期と同額になる。また予想配当性向は17.7%となる。
 
■株価は地合い悪化の売り一巡して上値試す
 
 株価は業績・配当増額修正を好感し、07年来となる2月2日高値4260円まで上伸した。その直後に地合い悪化の影響で急反落した。ただし3500円近辺で推移し、地合い悪化の売り一巡感を強めている。
 
 2月16日の終値3500円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS564円68銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間90円で算出)は2.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5112円18銭で算出)は0.7倍近辺である。時価総額は約310億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋り、サポートラインを確認した形だ。地合い悪化の売りが一巡して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[1月15日更新]

神鋼商事は調整一巡して戻り歩調、18年3月期2桁増収増益予想
 
 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。18年3月期は2桁増収増益予想である。なお神戸製鋼所の製品データ改ざん問題の影響は見通すことが難しいとしている。株価は調整一巡して戻り歩調だ。
 
■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社
 
 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。
 
 17年3月期セグメント別(連結調整前)の売上高構成比は鉄鋼35%、鉄鋼原料28%、非鉄金属25%、機械・情報8%、溶材5%、経常利益構成比は鉄鋼52%、鉄鋼原料13%、非鉄金属19%、機械・情報12%、溶材4%だった。
 
 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。
 
■18年3月期2桁増収増益予想
 
 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比10.5%増の8500億円、営業利益が10.0%増の53億円、経常利益が10.5%増の58億円、純利益が24.6%増の37億円としている。神戸製鋼所の製品データ改ざん問題の影響を見通すことが難しいとして、従来予想を据え置いた。ただし当社顧客との関係において、特に商品回収要求など取引への大きな影響は出ていないとしている。
 
 第2四半期累計は、売上高が前年同期比28.9%増の4616億29百万円、営業利益が94.2%増の36億25百万円、経常利益が88.8%増の41億21百万円、純利益が87.7%増の28億54百万円だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属における主力製品の取扱数量増加や価格上昇効果で、計画超の大幅増収増益だった。
 
 セグメント別経常利益(連結調整前)は鉄鋼が51.2%増の19億67百万円、鉄鋼原料が61.4%増の5億59百万円、非鉄金属が66.4%増の11億66百万円、機械・情報が1億57百万円の黒字(前年同期は48百万円の赤字)だった。溶材は71.0%減の57百万円だった。そして通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が54.3%、営業利益が68.4%、経常利益が71.1%、純利益が77.1%と高水準である。
 
 なお配当予想は年間90円(第2四半期末45円、期末45円)としている。16年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して前期を年間100円に換算すると10円減配となる。また予想配当性向は21.5%である。
 
■株価は調整一巡して戻り歩調
 
 株価は12月の直近安値圏2900円近辺から切り返し、1月12日には3555円まで上伸した。調整一巡して戻り歩調だ。
 
 1月12日の終値3505円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS417円85銭で算出)は8〜9倍近辺で、今期予想配当利回り(会社予想の年間90円で算出)は2.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5112円18銭で算出)は0.7倍近辺である。時価総額は約311億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線を回復した。また13週移動平均線が上向きに転じて先高感を強めている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月19日更新]

神鋼商事は調整一巡感、18年3月期2桁増収増益予想
 
 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。18年3月期は神戸製鋼所の製品データ改ざん問題の影響を見通すことが難しいとして、従来予想(2桁増収増益予想)を据え置いたが、第2四半期累計の進捗率は高水準である。株価は調整一巡感を強めている。
 
■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社
 
 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。
 
 17年3月期セグメント別(連結調整前)の売上高構成比は鉄鋼35%、鉄鋼原料28%、非鉄金属25%、機械・情報8%、溶材5%、経常利益構成比は鉄鋼52%、鉄鋼原料13%、非鉄金属19%、機械・情報12%、溶材4%だった。
 
 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。
 
■18年3月期2桁増収増益予想
 
 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比10.5%増の8500億円、営業利益が10.0%増の53億円、経常利益が10.5%増の58億円、純利益が24.6%増の37億円としている。神戸製鋼所の製品データ改ざん問題の影響を見通すことが難しいとして、従来予想を据え置いた。ただし当社顧客との関係において、特に商品回収要求など取引への大きな影響は出ていないとしている。
 
 第2四半期累計は、売上高が前年同期比28.9%増の4616億29百万円、営業利益が94.2%増の36億25百万円、経常利益が88.8%増の41億21百万円、純利益が87.7%増の28億54百万円だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属における主力製品の取扱数量増加や価格上昇効果で、計画超の大幅増収増益だった。
 
 セグメント別経常利益(連結調整前)は鉄鋼が51.2%増の19億67百万円、鉄鋼原料が61.4%増の5億59百万円、非鉄金属が66.4%増の11億66百万円、機械・情報が1億57百万円の黒字(前年同期は48百万円の赤字)だった。溶材は71.0%減の57百万円だった。そして通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が54.3%、営業利益が68.4%、経常利益が71.1%、純利益が77.1%と高水準である。
 
 なお配当予想も据え置いて年間90円(第2四半期末45円、期末45円)としている。16年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して前期を年間100円に換算すると10円減配となる。また予想配当性向は21.5%である。
 
■株価は調整一巡感
 
 株価は11月9日の戻り高値3550円から反落した。ただし10月安値2756円まで下押すことなく、3000円近辺で推移して調整一巡感を強めている。
 
 12月18日の終値3010円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS417円85銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間90円で算出)は3.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5112円18銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約267億円である。
 
 週足チャートで見ると52週移動平均線が下値を支える形だ。調整一巡して反発が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月09日更新]

神鋼商事は売り一巡して戻り歩調、18年3月期通期予想据え置き
 
 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。18年3月期第2四半期累計は7月の増額修正値を上回る大幅増収増益だった。通期予想は神戸製鋼所の製品データ改ざん問題の影響を見通すことが難しいとして、従来予想(2桁増収増益予想)を据え置いた。ただし第2四半期累計の進捗率は高水準である。株価は売り一巡して戻り歩調だ。
 
■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社
 
 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。
 
 17年3月期セグメント別(連結調整前)の売上高構成比は鉄鋼35%、鉄鋼原料28%、非鉄金属25%、機械・情報8%、溶材5%、経常利益構成比は鉄鋼52%、鉄鋼原料13%、非鉄金属19%、機械・情報12%、溶材4%だった。
 
 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。
 
■18年3月期2Q累計は計画超の大幅増収増益
 
 10月31日発表した今期(18年3月期)第2四半期累計(4〜9月)連結業績(7月31日に増額修正)は、売上高が前年同期比28.9%増の4616億29百万円、営業利益が94.2%増の36億25百万円、経常利益が88.8%増の41億21百万円、純利益が87.7%増の28億54百万円だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属における主力製品の取扱数量増加や価格上昇効果で、7月31日の増額修正値を上回る大幅増収増益だった。
 
 セグメント別経常利益(連結調整前)は鉄鋼が51.2%増の19億67百万円、鉄鋼原料が61.4%増の5億59百万円、非鉄金属が66.4%増の11億66百万円、機械・情報が1億57百万円の黒字(前年同期は48百万円の赤字)だった。溶材は71.0%減の57百万円だった。
 
■18年3月期通期予想は据え置き
 
 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比10.5%増の8500億円、営業利益が10.0%増の53億円、経常利益が10.5%増の58億円、純利益が24.6%増の37億円としている。
 
 神戸製鋼所の製品データ改ざん問題の影響を見通すことが難しいとして、従来予想を据え置いた。ただし当社顧客との関係においては、現時点では、商品回収要求など取引への大きな影響は出ていないとしている。通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が54.3%、営業利益が68.4%、経常利益が71.1%、純利益が77.1%と高水準である。
 
 なお配当予想も据え置いて、年間90円(第2四半期末45円、期末45円)としている。16年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して前期を年間100円に換算すると10円減配となる。また予想配当性向は21.5%である。
 
■株価は売り一巡して戻り歩調
 
 株価は神戸製鋼所の製品データ改ざん問題を嫌気して07年来高値圏3900円近辺から急反落した。ただし10月19日の直近安値2756円から切り返し、11月8日には3440円まで上伸した。売り一巡して戻り歩調だ。
 
 11月9日の終値3415円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS417円85銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間90円で算出)は2.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5112円18銭で算出)は0.7倍近辺である。時価総額は約303億円である。
 
 週足チャートで見ると52週移動平均線近辺から切り返し、素早く26週移動平均線を回復した。サポートラインを確認した形だ。戻りを試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月03日更新]

神鋼商事は07年来高値圏、18年3月期2桁増収増益予想で増額の可能性

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。18年3月期2桁増収増益予想である。第2四半期累計予想を増額修正しており、通期予想も増額の可能性が高いだろう。株価は07年来高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。
 
■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社
 
 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。
 
 17年3月期セグメント別(連結調整前)の売上高構成比は鉄鋼35%、鉄鋼原料28%、非鉄金属25%、機械・情報8%、溶材5%、経常利益構成比は鉄鋼52%、鉄鋼原料13%、非鉄金属19%、機械・情報12%、溶材4%だった。
 
 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。
 
■18年3月期2桁増収増益予想で増額の可能性
 
 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比10.5%増の8500億円、営業利益が10.0%増の53億円、経常利益が10.5%増の58億円、純利益が24.6%増の37億円としている。主要需要家である鉄鋼、自動車、半導体、空調などの業界向けが堅調に推移し、円安、市況回復、機械・情報における一時的コストアップ要因の一巡などで2桁増収増益予想としている。
 
 第1四半期(4〜6月)の連結業績は売上高が前年同期比33.5%増収、営業利益が2.5倍増益、経常利益が95.1%増益、純利益が28倍増益だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属を中心に主力製品の取扱数量が増加し、価格上昇効果も寄与して大幅営業増益だった。営業外では為替差損益が改善し、持分法投資利益が増加した。特別損失では投資有価証券評価損が一巡した。
 
 そして7月31日に第2四半期累計(4〜9月)連結業績予想を増額修正した。売上高は300億円増額して前年同期比25.7%増の4500億円、営業利益は12億円増額して76.7%増の33億円、経常利益は13億円増額して69.5%増の37億円、純利益は11億円増額して64.3%増の25億円とした。
 
 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高27.9%、営業利益37.2%、経常利益41.0%、純利益49.1%と高水準である。通期予想も増額の可能性が高いだろう。
 
■株価は07年来高値圏、好業績評価して上値試す
 
 株価は9月20日に4085円まで上伸した。07年来の高値圏だ。その後も高値圏で堅調に推移している。
 
 9月29日の終値3950円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS417円85銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間90円で算出)は2.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5112円18銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約350億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月07日更新]

神鋼商事は08年来高値圏、18年3月期通期も増額の可能性

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。18年3月期第1四半期が大幅増収増益となり、第2四半期累計予想を増額修正している。通期予想も増額の可能性が高いだろう。株価は08年来高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。
 
■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社
 
 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。
 
 17年3月期セグメント別(連結調整前)の売上高構成比は鉄鋼35%、鉄鋼原料28%、非鉄金属25%、機械・情報8%、溶材5%、経常利益構成比は鉄鋼52%、鉄鋼原料13%、非鉄金属19%、機械・情報12%、溶材4%だった。
 
 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。
 
■18年3月期1Q大幅増収増益で2Q累計を増額修正、通期も増額の可能性
 
 今期(18年3月期)第1四半期(4〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比33.5%増収、営業利益が2.5倍増益、経常利益が95.1%増益、そして純利益が28倍増益だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属を中心に主力製品の取扱数量が増加し、価格上昇効果も寄与した。海外現地法人も米国、中国、東南アジアの各地域が堅調だった。営業外では為替差損益が改善し、持分法投資利益が増加した。特別損失では投資有価証券評価損が一巡した。
 
 7月31日に第2四半期累計(4〜9月)の連結業績予想を増額修正した。売上高は300億円増額して前年同期比25.7%増の4500億円、営業利益は12億円増額して76.7%増の33億円、経常利益は13億円増額して69.5%増の37億円、純利益は11億円増額して64.3%増の25億円とした。
 
 通期連結業績予想は前回予想(4月28日公表)を据え置いて売上高が前期(17年3月期)比10.5%増の8500億円、営業利益が10.0%増の53億円、経常利益が10.5%増の58億円、純利益が24.6%増の37億円としている。
 
 主要需要家である鉄鋼、自動車、半導体、空調などの業界向けが堅調に推移し、円安、市況回復、機械・情報における一時的コストアップ要因の一巡などで2桁増収増益予想としている。
 
 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高27.9%、営業利益37.2%、経常利益41.0%、純利益49.1%と高水準である。通期予想も増額の可能性が高いだろう。
 
■株価は08年来高値圏、好業績評価して上値試す
 
 株価は8月31日に3855円まで上伸した。08年来の高値圏だ。
 
 9月6日の終値3660円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS417円85銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間90円で算出)は2.5%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5112円18銭で算出)は0.7倍近辺である。時価総額は約324億円である。
 
 週足チャートで見ると2500円近辺でのモミ合いから上放れた。13週移動平均線がサポートラインとなり、好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR) 
[08月07日更新]

神鋼商事は08年来の高値圏、18年3月期第1四半期大幅増益で第2四半期累計予想を増額修正

神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。18年3月期第1四半期が大幅増収増益となり、第2四半期累計予想を増額修正した。通期予想も増額の可能性が高いだろう。株価は08年来の高値圏だ。依然として指標面に割安感があり、好業績を評価して上値を試す展開が期待される。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。17年3月期セグメント別(連結調整前)の売上高構成比は鉄鋼35%、鉄鋼原料28%、非鉄金属25%、機械・情報8%、溶材5%、経常利益構成比は鉄鋼52%、鉄鋼原料13%、非鉄金属19%、機械・情報12%、溶材4%だった。

■M&Aも活用してグローバル商社目指す

 M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 14年7月筒中金属産業の国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)を子会社化、15年5月コベルコ筒中トレーディングがアルミ高精度厚板切断加工・卸売の韓国筒中滑川アルミニウム(現ケーティーエヌ)を子会社化、15年8月ミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。

 16年1月非鉄金属材料販売の中山金属の国内外卸売事業会社(新設の中山金属)および海外子会社3社を子会社化、16年4月神戸製鋼所の子会社で溶接材料、溶接機器、産業用機械などを扱う商社エヌアイウエル(現エスシーウエル)を子会社化、17年3月森本興産の株式40%を取得した。

 海外はメキシコの合弁会社KCHM(出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%)で線材二次加工を展開している。

■18年3月期第1四半期は数量増や価格上昇で大幅増収増益

 7月31日発表した今期(18年3月期)第1四半期(4月〜6月)連結業績は、売上高が前年同期比33.5%増の2373億17百万円で、営業利益が2.5倍の19億72百万円、経常利益が95.1%増の23億76百万円、純利益が28倍の18億18百万円だった。

 鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属を中心に主力製品の取扱数量が増加し、価格上昇効果も寄与した。海外現地法人も米国、中国、東南アジアの各地域が堅調だった。売上総利益は23.4%増加したが、売上総利益率は3.2%で0.2ポイント低下した。販管費は4.7%増加したが、販管費比率は2.3%で0.7ポイント低下した。営業外では為替差損益が改善し、持分法投資利益が増加した。特別損失では投資有価証券評価損が一巡した。

 セグメント別経常利益(連結調整前)を見ると、鉄鋼は54.6%増の10億71百万円だった。鋼板製品は国内向けで数量が増加して価格も上昇した。輸出は数量が減少したが価格が上昇した。線材製品は国内外とも数量が横ばいだったが、自動車向け価格が上振れた。鉄鋼原料は2.3倍の4億19百万円だった。輸入鉄鋼原料の数量が増加して価格も上昇した。

 非鉄金属は2.4倍の6億86百万円だった。銅製品では自動車向け端子材用銅板条、空調用銅管、半導体向け銅板条、アルミ製品では自動車用アルミ部材、液晶製造装置用アルミ加工品、非鉄原料では銅スクラップ、アルミ地金の数量が増加した。機械・情報は1億70百万円(前年同期は41百万円の赤字)だった。熱処理炉、真空成膜装置、電磁ブレーキなどの数量が増加した。溶材は36百万円の赤字(同33百万円の黒字)だった。鉄骨溶接ロボットシステムは堅調だったが、造船向け大型設備関連が減少した。

■18年3月期第2四半期累計を増額修正、通期も増額の可能性

 第1四半期の大幅増収増益を受けて7月31日、今期(18年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績予想を増額修正した。売上高は300億円増額して前年同期比25.7%増の4500億円、営業利益は12億円増額して76.7%増の33億円、経常利益は13億円増額して69.5%増の37億円、純利益は11億円増額して64.3%増の25億円とした。
 
 通期連結業績予想は前回予想(4月28日公表)を据え置いて売上高が前期(17年3月期)比10.5%増の8500億円、営業利益が10.0%増の53億円、経常利益が10.5%増の58億円、純利益が24.6%増の37億円としている。

 主要需要家である鉄鋼、自動車、半導体、空調などの業界向けが堅調に推移し、円安、市況回復、機械・情報における一時的コストアップ要因の一巡などで2桁増収増益予想としている。

 通期セグメント別経常利益(連結調整前)の計画は、鉄鋼が2億60百万円増益の29億円、鉄鋼原料が1億90百万円減益の8億50百万円、非鉄金属が30百万円減益の14億円、機械・情報が8億40百万円増益の9億50百万円、溶材が30百万円増益の3億円としている。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高27.9%、営業利益37.2%、経常利益41.0%、純利益49.1%と高水準である。通期予想も増額の可能性が高いだろう。

 配当予想は16年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して換算すると実質的に同10円減配の年間90円としている。予想配当性向は29.8%となる。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

■中期経営計画で21年3月期経常利益80億円目標

 中期経営計画(16年度〜20年度)では、10年後の姿をイメージした長期経営ビジョン(10年度発表)のもと、3つの全体戦略(グローバルビジネス加速、商社機能強化、経営基盤充実)を柱に諸施策を推進するとしている。

 そして経営目標数値には、21年3月期の売上高8900億円、経常利益80億円(鉄鋼35億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属24億円、機械・情報14億円、溶材6億円)、純利益52億円、海外取引比率50%(16年3月期実績40.5%)、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、期末人員1840人(16年3月期末1508人)を掲げている。

 投資計画は4年間合計で300億円としている。鉄鋼(80億円)は北米・メキシコ・インドにおける線材二次加工設備増強、厚板溶断設備増強、鉄鋼原料(100億円)は北米・豪州等における原料権益への投資、非鉄金属(50億円)はメキシコ・中国・韓国・ASEANなど海外事業拠点の増強、新規事業拠点の設立、機械・情報(20億円)は国内外における機械メーカー、エンジニアリング、サービス会社への出資、溶材(10億円)は流通取引先への出資、本社(IT投資他)(40億円)はM&Aの検討、業務システム改善などを推進する。

■株価は08年来高値圏、好業績評価して上値試す

 株価は第1四半期業績を好感して7月31日に2987円まで急伸した。15年6月高値2880円を突破して08年来の高値圏だ。

 8月4日の終値2952円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS417円85銭で算出)は7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間90円で算出)は3.0%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5112円18銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約262億円である。

 週足チャートで見ると上向きに転じた13週移動平均線近辺がサポートラインの形だ。依然として指標面に割安感があり、好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月15日更新]

神鋼商事は年初来高値圏で堅調、18年3月期2桁増収増益予想で指標面の割安感も見直し

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。18年3月期は一時的コストアップ要因一巡も寄与して2桁増収増益予想である。株価は年初来高値圏で堅調だ。指標面の割安感も見直して上値を試す展開が期待される。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。17年3月期セグメント別(連結調整前)の売上高構成比は鉄鋼35%、鉄鋼原料28%、非鉄金属25%、機械・情報8%、溶材5%、経常利益構成比は鉄鋼52%、鉄鋼原料13%、非鉄金属19%、機械・情報12%、溶材4%である。

■M&Aも活用してグローバル商社目指す

 M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 14年7月筒中金属産業の国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)を子会社化、15年5月コベルコ筒中トレーディングがアルミ高精度厚板切断加工・卸売の韓国筒中滑川アルミニウム(現ケーティーエヌ)を子会社化、15年8月ミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。

 16年1月非鉄金属材料販売の中山金属の国内外卸売事業会社(新設の中山金属)および海外子会社3社を子会社化、16年4月神戸製鋼所の子会社で溶接材料、溶接機器、産業用機械などを扱う商社エヌアイウエル(現エスシーウエル)を子会社化、17年3月森本興産の株式40%を取得した。

 海外は14年9月メキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社KCHM(出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%)を設立し、16年10月開所式を開催した。

■17年3月期は円高影響や鋼材市況低迷などで減収減益

 前期(17年3月期)連結業績は売上高が前々期(16年3月期)比2.8%減の7694億81百万円、営業利益が同17.3%減の48億19百万円、経常利益が同11.3%減の52億48百万円、純利益が同14.7%減の29億70百万円だった。

 円高影響や鋼材市況低迷などで減収減益だった。売上総利益は同1.6%減少したが、売上総利益率は3.4%で同横ばいだった。販管費は同2.9%増加し、販管費比率は2.8%で同0.2ポイント上昇した。

 営業外では持分法投資利益が増加(前々期3億41百万円、前期9億45百万円)し、為替差損が減少(前々期9億44百万円、前期1億81百万円)したが、一方で受取配当金が減少(前々期8億25百万円、前期6億24百万円)し、デリバティブ評価損益が悪化(前々期は評価益6億37百万円、前期は評価損3億58百万円)した。

 特別損失では減損損失10億68百万円を計上した。ROEは6.8%で同1.4ポイント低下、自己資本比率は17.6%で同0.5ポイント上昇した。配当は16年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して換算すると、実質的に同20円増配の年間100円で、配当性向は29.8%だった。

 セグメント別経常利益(連結調整前)を見ると、鉄鋼は鋼板・線材製品とも円高や市況低迷の影響を受けて同15.5%減の26億44百万円だった。鉄鋼原料は取扱数量が減少したが、価格が横ばいで33.6%増の10億42百万円だった。

 非鉄金属はハードディスク用アルミ板条などが減少したが、空調用銅管、自動車向け端子材用銅板条、半導体向け銅板条、半導体製造装置用アルミ加工品などが増加して同23.3%増の14億25百万円だった。機械・情報は国内子会社における追加原価の発生などで同83.6%減の1億12百万円だった。溶材は国内建築鉄骨向けが堅調で同28.0%増の2億71百万円だった。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期1777億78百万円、第2四半期1802億45百万円、第3四半期1942億60百万円、第4四半期2171億98百万円、営業利益は7億93百万円、10億74百万円、14億10百万円、15億42百万円だった。

■18年3月期は2桁増収増益予想

 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は売上高が前期(17年3月期)比10.5%増の8500億円、営業利益が同10.0%増の53億円、経常利益が同10.5%増の58億円、純利益が同24.6%増の37億円としている。

 主要需要家である鉄鋼、自動車、半導体、空調などの業界向けが堅調に推移し、円安、市況回復、機械・情報における一時的コストアップ要因の一巡などで2桁増収増益予想としている。

 セグメント別経常利益(連結調整前)の計画は、鉄鋼が29億円(前期比2億60百万円増益)、鉄鋼原料が8億50百万円(1億90百万円減益)、非鉄金属が14億円(30百万円減益)、機械・情報が9億50百万円(8億40百万円増益)、溶材が3億円(30百万円増益)としている。

 配当予想は16年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して換算すると実質的に同10円減配の年間90円としている。予想配当性向は29.8%となる。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

■中期経営計画で21年3月期経常利益80億円目標

 中期経営計画(16年度〜20年度)では、10年後の姿をイメージした長期経営ビジョン(10年度発表)のもと、3つの全体戦略(グローバルビジネス加速、商社機能強化、経営基盤充実)を柱に諸施策を推進するとしている。

 そして経営目標数値には、21年3月期の売上高8900億円、経常利益80億円(鉄鋼35億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属24億円、機械・情報14億円、溶材6億円)、純利益52億円、海外取引比率50%(16年3月期実績40.5%)、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、期末人員1840人(16年3月期末1508人)を掲げている。

 投資計画は4年間合計で300億円としている。鉄鋼(80億円)は北米・メキシコ・インドにおける線材二次加工設備増強、厚板溶断設備増強、鉄鋼原料(100億円)は北米・豪州等における原料権益への投資、非鉄金属(50億円)はメキシコ・中国・韓国・ASEANなど海外事業拠点の増強、新規事業拠点の設立、機械・情報(20億円)は国内外における機械メーカー、エンジニアリング、サービス会社への出資、溶材(10億円)は流通取引先への出資、本社(IT投資他)(40億円)はM&Aの検討、業務システム改善などを推進する。

■株価は年初来高値圏で堅調、指標面の割安感も見直し

 株価の動きを見ると年初来高値圏で堅調だ。5月10日に年初来高値2645円まで上伸し、その後も2500円台で堅調に推移している。

 6月9日の終値2570円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS417円85銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想年間90円で算出)は3.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5112円18銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約228億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺がサポートラインの形だ。指標面の割安感も見直して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月08日更新]

神鋼商事は18年3月期2桁増収増益予想、指標面の割安感も見直し

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・鉄鋼原料・非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。17年3月期は円高影響などで減収減益だったが、18年3月期は一時的コストアップ要因一巡も寄与して2桁増収増益予想である。株価は短期調整が一巡して年初来高値圏だ。指標面の割安感も見直して上値を試す展開が期待される。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。

 17年3月期のセグメント別(連結調整前)の売上高構成比は鉄鋼35%、鉄鋼原料28%、非鉄金属25%、機械・情報8%、溶材5%で、経常利益構成比は鉄鋼52%、鉄鋼原料13%、非鉄金属19%、機械・情報12%、溶材4%である。

■M&Aも活用してグローバル商社目指す

 M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 14年7月筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)を子会社化、15年5月コベルコ筒中トレーディングが韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウム(現ケーティーエヌ)を子会社化、15年8月ミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。

 16年1月非鉄金属材料の素材・加工品を販売する中山金属が新設分割で設立した国内外卸売事業会社の株式80%を取得し、国内外卸売事業会社および海外子会社を子会社化した。株式取得対象の国内外卸売事業会社の商号は中山金属(新)で、海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。16年4月神戸製鋼所の子会社で溶接材料、溶接機器、産業用機械などを扱う商社エヌアイウエル(現エスシーウエル)の株式80%を取得して子会社化した。

 17年3月には森本興産(大阪市)の株式40%取得を発表した。森本興産は鉄鋼製品の販売および鋼板製品の加工を展開し、建材分野に多くの優良顧客を有している。2016〜2020年度中期経営計画で掲げた商社機能の強化への取り組みの一環として実行する。

 海外は14年9月メキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社KCHM(出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%)を設立し、16年10月開所式を開催した。

■売上総利益率は改善傾向

 四半期別推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期2140億42百万円、第2四半期2124億16百万円、第3四半期2140億78百万円、第4四半期2298億71百万円、経常利益が16億38百万円、13億59百万円、17億44百万円、18億34百万円で、16年3月期は売上高が2163億60百万円、2031億23百万円、1893億35百万円、1825億24百万円、経常利益が20億49百万円、12億46百万円、13億33百万円、12億80百万円だった。

 16年3月期は、資源価格下落や期末にかけてのドル安・円高などの影響で、鉄鋼・半導体・電機業界向け取扱数量が減少し、鋼板製品の市況低迷、輸入鉄鋼原料の販売価格下落、国内人員増加による人件費増加なども影響して15年3月期比減収減益だった。売上総利益は同2.4%増加し、売上総利益率は3.4%で同0.4ポイント上昇した。販管費は同8.3%増加し、販管費比率は2.6%で同0.4ポイント上昇した。売上総利益率は改善傾向だ。

 営業外では為替差損益が悪化したが、デリバティブ評価損益が改善した。営業外収益では受取配当金が増加し、持分投資利益も増加した。特別利益では固定資産売却益が減少した。ROEは8.2%で同2.0ポイント低下、自己資本比率は17.1%で同0.7ポイント低下した。配当性向は20.4%だった。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別の経常利益(連結調整前)は鉄鋼が同11.5%減益、鉄鋼原料が同53.8%増益、非鉄金属が同16.3%減益、機械・情報が同6.9%減益、溶材が同55.6%減益だった。

■17年3月期は円高影響や鋼材市況低迷などで減収減益

 4月28日発表した前期(17年3月期)の連結業績(3月31日に増額修正)は、売上高が前々期(16年3月期)比2.8%減の7694億81百万円、営業利益が同17.3%減の48億19百万円、経常利益が同11.3%減の52億48百万円、純利益が同14.7%減の29億70百万円だった。

 需要は堅調だったが、円高影響や鋼材市況低迷などで減収減益だった。売上総利益は同1.6%減少したが、売上総利益率は3.4%で同横ばいだった。販管費は同2.9%増加し、販管費比率は2.8%で同0.2ポイント上昇した。営業外では持分法投資利益が増加(前々期3億41百万円、前期9億45百万円)し、為替差損が減少(前々期9億44百万円、前期1億81百万円)したが、一方で受取配当金が減少(前々期8億25百万円、前期6億24百万円)し、デリバティブ評価損益が悪化(前々期は評価益6億37百万円、前期は評価損3億58百万円)した。

 また特別損失では減損損失10億68百万円を計上した。ROEは6.8%で同1.4ポイント低下、自己資本比率は17.6%で同0.5ポイント上昇した。配当は16年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して換算すると、実質的に同20円増配の年間100円とした。配当性向は29.8%となる。

 セグメント別経常利益(連結調整前)を見ると、鉄鋼は鋼板・線材製品とも円高や市況低迷の影響を受けて同15.5%減の26億44百万円だった。鉄鋼原料は取扱数量が減少したが、価格が横ばいで33.6%増の10億42百万円だった。

 非鉄金属はハードディスク用アルミ板条などが減少したが、空調用銅管、自動車向け端子材用銅板条、半導体向け銅板条、半導体製造装置用アルミ加工品などが増加して同23.3%増の14億25百万円だった。機械・情報は国内子会社における追加原価の発生などで同83.6%減の1億12百万円だった。溶材は国内建築鉄骨向けが堅調で同28.0%増の2億71百万円だった。

 四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期1777億78百万円、第2四半期1802億45百万円、第3四半期1942億60百万円、第4四半期2171億98百万円、営業利益は7億93百万円、10億74百万円、14億10百万円、15億42百万円だった。

■18年3月期は2桁増収増益予想

 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比10.5%増の8500億円、営業利益が同10.0%増の53億円、経常利益が同10.5%増の58億円、純利益が同24.6%増の37億円としている。

 主要需要家である鉄鋼、自動車、半導体、空調などの業界向けが堅調に推移し、円安、市況回復、機械・情報における一時的コストアップ要因の一巡などで2桁増収増益予想としている。配当予想は16年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して換算すると、実質的に同10円減配の年間90円としている。予想配当性向は29.8%となる。

 なおセグメント別経常利益(連結調整前)の計画は、鉄鋼が29億円(前期比2億60百万円増益)、鉄鋼原料が8億50百万円(1億90百万円減益)、非鉄金属が14億円(30百万円減益)、機械・情報が9億50百万円(8億40百万円増益)、溶材が3億円(30百万円増益)としている。

■中期経営計画で21年3月期経常利益80億円目標

 中期経営計画(16年度〜20年度)では、10年後の姿をイメージした長期経営ビジョン(10年度発表)のもと、3つの全体戦略(グローバルビジネス加速、商社機能強化、経営基盤充実)を柱に諸施策を推進するとしている。

 そして経営目標数値には、21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円(鉄鋼35億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属24億円、機械・情報14億円、溶材6億円)、純利益52億円、海外取引比率50%(16年3月期実績40.5%)、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、期末人員1840人(16年3月期末1508人)を掲げている。

 投資計画は4年間合計300億円で、鉄鋼(80億円)は北米・メキシコ・インドにおける線材二次加工設備増強、厚板溶断設備増強、鉄鋼原料(100億円)は北米・豪州・他における原料権益への投資、非鉄金属(50億円)はメキシコ・中国・韓国・ASEANなど海外事業拠点の増強、新事業拠点の設立、機械・情報(20億円)は国内外における機械メーカー、エンジニアリング、サービス会社への出資、溶材(10億円)は流通取引先への出資、本社(IT投資他)(40億円)はM&Aの検討、業務システム改善などを推進する。

■株価は調整一巡して上値試す、指標面の割安感も見直し

 株価の動きを見ると、地合い悪化が影響した4月14日の直近安値2285円から切り返し、5月2日には年初来高値となる2550円まで上伸した。短期調整が一巡したようだ。

 5月2日の終値2547円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS417円85銭で算出)は6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間90円で算出)は3.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5112円18銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約226億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返してサポートラインを確認した形だ。短期調整が一巡し、指標面の割安感も見直して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月03日更新]

神鋼商事は17年3月期業績予想を増額修正、18年3月期は市況回復で好業績期待

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・鉄鋼原料・非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。3月31日、17年3月期業績予想の増額修正を発表した。減収減益幅が縮小する見込みだ。そして18年3月期は円安や市況回復で好業績が期待される。株価は戻り高値圏でモミ合う形だが、日柄調整が完了し、増額修正を評価して上値を試す展開が期待される。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。

 なおNPO法人ヒーローズが運営する小学5〜6年生対象の少年少女ラグビー全国大会「第9回HEROES CUP」をオフィシャルスポンサーとして協賛した。今後も地域貢献の観点からCSR活動を推進するとしている。

 また17年2月には、日興アイ・アールが発表した「2016年度全上場企業ホームページ充実度ランキング」において、当社ホームページが優秀企業ホームページに選定された。

■M&Aも活用してグローバル商社目指す

 M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 14年7月筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)を子会社化、15年5月コベルコ筒中トレーディングが韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウム(現ケーティーエヌ)を子会社化、15年8月ミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。

 16年1月非鉄金属材料の素材・加工品を販売する中山金属が新設分割で設立した国内外卸売事業会社の株式80%を取得し、国内外卸売事業会社および海外子会社を子会社化した。株式取得対象の国内外卸売事業会社の商号は中山金属(新)で、海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。16年4月神戸製鋼所の子会社で溶接材料、溶接機器、産業用機械などを扱う商社エヌアイウエル(現エスシーウエル)の株式80%を取得して子会社化した。

 3月27日には森本興産(大阪市)の株式40%取得を発表した。森本興産は鉄鋼製品の販売および鋼板製品の加工を展開し、建材分野に多くの優良顧客を有している。2016〜2020年度中期経営計画で掲げた商社機能の強化への取り組みの一環として実行する。

 海外は14年9月メキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社KCHM(出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%)を設立し、16年10月開所式を開催した。

■売上総利益率は改善傾向

 四半期別推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期2140億42百万円、第2四半期2124億16百万円、第3四半期2140億78百万円、第4四半期2298億71百万円、経常利益が16億38百万円、13億59百万円、17億44百万円、18億34百万円で、16年3月期は売上高が2163億60百万円、2031億23百万円、1893億35百万円、1825億24百万円、経常利益が20億49百万円、12億46百万円、13億33百万円、12億80百万円だった。

 16年3月期は、資源価格下落や期末にかけてのドル安・円高などの影響で、鉄鋼・半導体・電機業界向け取扱数量が減少し、鋼板製品の市況低迷、輸入鉄鋼原料の販売価格下落、国内人員増加による人件費増加なども影響して減収減益だった。売上総利益は同2.4%増加し、売上総利益率は3.4%で同0.4ポイント上昇した。販管費は同8.3%増加し、販管費比率は2.6%で同0.4ポイント上昇した。売上総利益率は改善傾向だ。

 営業外では為替差損益が悪化したが、デリバティブ評価損益が改善した。営業外収益では受取配当金が増加し、持分投資利益も増加した。特別利益では固定資産売却益が減少した。ROEは8.2%で同2.0ポイント低下、自己資本比率は17.1%で同0.7ポイント低下した。配当性向は20.4%だった。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同1.1%減収で同11.5%減益、鉄鋼原料は同21.3%減収だが同53.8%増益、非鉄金属は同0.8%減収で同16.3%減益、機械・情報は同6.2%減収で同6.9%減益、溶材は同3.9%減収で同55.6%減益だった。

■17年3月期第3四半期累計は減収減益だが売上総利益率上昇

 前期(17年3月期)第3四半期累計(4〜12月)連結業績は、売上高が前年同期比9.3%減の5522億83百万円、営業利益が同25.8%減の32億77百万円、経常利益が同16.0%減の38億88百万円、そして純利益が同7.5%減の27億45百万円だった。鉄鋼、自動車、半導体、空調関連は堅調だったが、資源価格や地金価格の下落、円高影響などで減収減益だった。

 売上総利益は同4.0%減少したが、売上総利益率は3.5%で同0.2ポイント上昇した。販管費は同2.2%増加し、販管費比率は2.9%で同0.4ポイント上昇した。営業外では持分法投資利益が増加(前期2億53百万円、今期6億47百万円)し、為替差損益が改善(前期は差損5億69百万円、今期は差益5億94百万円)したが、受取配当金が減少(前期8億02百万円、今期6億円)し、デリバティブ評価損益が悪化(前期は評価益3億18百万円、今期は評価損7億77百万円)した。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)に見ると、鉄鋼は市況低迷や円高の影響で7.0%減収・26.2%減益、鉄鋼原料は取扱数量減少や価格下落で17.6%減収・2.0%減益、非鉄金属はアルミ・銅地金価格下落の影響で10.1%減収だが空調用銅管や自動車向け端子材用銅板条の数量増加で18.2%増益、機械・情報は建設機械用部品の減少などで0.4%増収・18.7%減益、溶材は建築鉄骨向けや韓国LNG案件向けの増加で11.3%増収・61.5%増益だった。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期1777億78百万円、第2四半期1802億45百万円、第3四半期1942億60百万円、営業利益は7億93百万円、10億74百万円、14億10百万円だった。

■17年3月期通期予想を増額修正して減収減益幅縮小

 前期(17年3月期)通期の連結業績予想について、3月31日に増額修正を発表した。前回予想(9月30日に売上高と営業利益を減額、経常利益と純利益を増額修正)に対して、売上高を600億円増額して前々期(16年3月期)比3.1%減の7670億円、営業利益を7億円増額して同21.1%減の46億円、経常利益を7億円増額して同10.3%減の53億円、純利益を1億円増額して同13.8%減の30億円とした。

 主要需要家である鉄鋼、自動車、半導体、空調などの業界向けが堅調に推移し、原料炭価格の上昇や円安進行のメリットで売上高、利益とも前回計画を上回り、減収減益幅が縮小する見込みだ。なお特別損失として、インドの子会社における減損損失約11億円、インドネシアの投資先向け債務保証損失や投資有価証券評価損で減損損失約1億円を計上する。

 前期(17年3月期)の減収減益幅が縮小し、さらに今期(18年3月期)は円安や市況回復で好業績が期待される。

 配当予想は、16年10月1日付で10株を1株に株式併合し、第2四半期末4円、期末60円(普通配当40円+創立70周年記念配当20円)としている。株式併合後に換算すると年間100円で、16年3月期の換算後80円に対して実質的に20円増配となる。修正後の純利益で算出すると予想配当性向は29.5%となる。

■新中期経営計画で21年3月期経常利益80億円目標

 新中期経営計画(16年度〜20年度)では、10年後の姿をイメージした長期経営ビジョン(10年度発表)のもと、3つの全体戦略(グローバルビジネス加速、商社機能強化、経営基盤充実)を柱に諸施策を推進するとした。

 そして経営目標数値には、21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円(鉄鋼35億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属24億円、機械・情報14億円、溶材6億円)、純利益52億円、海外取引比率50%(16年3月期実績40.5%)、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、期末人員1840人(16年3月期末1508人)を掲げている。

 投資計画は4年間合計300億円で、鉄鋼(80億円)は北米・メキシコ・インドにおける線材二次加工設備増強、厚板溶断設備増強、鉄鋼原料(100億円)は北米・豪州・他における原料権益への投資、非鉄金属(50億円)はメキシコ・中国・韓国・ASEANなど海外事業拠点の増強、新事業拠点の設立、機械・情報(20億円)は国内外における機械メーカー、エンジニアリング、サービス会社への出資、溶材(10億円)は流通取引先への出資、本社(IT投資他)(40億円)はM&Aの検討、業務システム改善などを推進する。

■株価は日柄調整完了、増額修正評価して上値試す

 株価の動き(16年10月1日付で10株を1株に併合、単元株式数を1000株から100株に変更)を見ると、戻り高値圏2400円〜2500円近辺でモミ合う展開だ。安値圏1600円近辺から急伸後の日柄調整局面のようだ。

 3月31日の終値2396円を指標面で見ると、前期推定連結PER(修正後の会社予想連結EPS338円80銭で算出)は7倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想に株式併合を考慮した年間100円で算出)は4.2%近辺、そして前々期実績連結PBR(前々期実績に株式併合を考慮した連結BPS4753円60銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約212億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が接近してきた。日柄調整が完了し、増額修正を評価して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月02日更新]

神鋼商事は日柄調整完了して上値試す、4%近辺の予想配当利回りも注目点

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・鉄鋼原料・非鉄金属関連の専門商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。17年3月期減収減益予想だが、円安進行もプラス要因となって減益幅が縮小する可能性がありそうだ。株価は日柄調整完了感を強めている。4%近辺の予想配当利回りなど指標面の割安感も注目点であり、上値を試す展開が期待される。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。

 なおNPO法人ヒーローズが運営する小学5〜6年生対象の少年少女ラグビー全国大会「第9回HEROES CUP」をオフィシャルスポンサーとして協賛した。今後も地域貢献の観点からCSR活動を推進するとしている。

 また17年2月には、日興アイ・アールが発表した「2016年度全上場企業ホームページ充実度ランキング」において、当社ホームページが優秀企業ホームページに選定された。

■M&Aも活用してグローバル商社目指す

 M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 14年7月筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)を子会社化、15年5月コベルコ筒中トレーディングが韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウム(現ケーティーエヌ)を子会社化、15年8月ミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。

 16年1月非鉄金属材料の素材・加工品を販売する中山金属が新設分割で設立した国内外卸売事業会社の株式80%を取得し、国内外卸売事業会社および海外子会社を子会社化した。株式取得対象の国内外卸売事業会社の商号は中山金属(新)で、海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。16年4月神戸製鋼所の子会社で溶接材料、溶接機器、産業用機械などを扱う商社エヌアイウエル(現エスシーウエル)の株式80%を取得して子会社化した。

 海外は14年9月メキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社KCHM(出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%)を設立し、16年10月開所式を開催した。

■売上総利益率は改善傾向

 四半期別推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期2140億42百万円、第2四半期2124億16百万円、第3四半期2140億78百万円、第4四半期2298億71百万円、経常利益が16億38百万円、13億59百万円、17億44百万円、18億34百万円で、16年3月期は売上高が2163億60百万円、2031億23百万円、1893億35百万円、1825億24百万円、経常利益が20億49百万円、12億46百万円、13億33百万円、12億80百万円だった。

 16年3月期は、資源価格下落や期末にかけてのドル安・円高などの影響で、鉄鋼・半導体・電機業界向け取扱数量が減少し、鋼板製品の市況低迷、輸入鉄鋼原料の販売価格下落、国内人員増加による人件費増加なども影響して減収減益だった。売上総利益は同2.4%増加し、売上総利益率は3.4%で同0.4ポイント上昇した。販管費は同8.3%増加し、販管費比率は2.6%で同0.4ポイント上昇した。売上総利益率は改善傾向だ。

 営業外では為替差損益が悪化したが、デリバティブ評価損益が改善した。営業外収益では受取配当金が増加し、持分投資利益も増加した。特別利益では固定資産売却益が減少した。ROEは8.2%で同2.0ポイント低下、自己資本比率は17.1%で同0.7ポイント低下した。配当性向は20.4%だった。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同1.1%減収で同11.5%減益、鉄鋼原料は同21.3%減収だが同53.8%増益、非鉄金属は同0.8%減収で同16.3%減益、機械・情報は同6.2%減収で同6.9%減益、溶材は同3.9%減収で同55.6%減益だった。

■17年3月期第3四半期累計は減収減益だが売上総利益率上昇

 今期(17年3月期)第3四半期累計(4〜12月)連結業績は、売上高が前年同期比9.3%減の5522億83百万円、営業利益が同25.8%減の32億77百万円、経常利益が同16.0%減の38億88百万円、そして純利益が同7.5%減の27億45百万円だった。鉄鋼、自動車、半導体、空調関連は堅調だったが、資源価格や地金価格の下落、円高影響などで減収減益だった。

 売上総利益は同4.0%減少したが、売上総利益率は3.5%で同0.2ポイント上昇した。販管費は同2.2%増加し、販管費比率は2.9%で同0.4ポイント上昇した。営業外では持分法投資利益が増加(前期2億53百万円、今期6億47百万円)し、為替差損益が改善(前期は差損5億69百万円、今期は差益5億94百万円)したが、受取配当金が減少(前期8億02百万円、今期6億円)し、デリバティブ評価損益が悪化(前期は評価益3億18百万円、今期は評価損7億77百万円)した。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)に見ると、鉄鋼は市況低迷や円高の影響で7.0%減収・26.2%減益、鉄鋼原料は取扱数量減少や価格下落で17.6%減収・2.0%減益、非鉄金属はアルミ・銅地金価格下落の影響で10.1%減収だが空調用銅管や自動車向け端子材用銅板条の数量増加で18.2%増益、機械・情報は建設機械用部品の減少などで0.4%増収・18.7%減益、溶材は建築鉄骨向けや韓国LNG案件向けの増加で11.3%増収・61.5%増益だった。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期1777億78百万円、第2四半期1802億45百万円、第3四半期1942億60百万円、営業利益は7億93百万円、10億74百万円、14億10百万円だった。

■17年3月期通期も減収減益予想だが減益幅縮小の可能性

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想(9月30日に売上高と営業利益を減額、経常利益と純利益を増額修正)は、売上高が前期(16年3月期)比10.7%減の7070億円、営業利益が同33.1%減の39億円、経常利益が同22.1%減の46億円、純利益が同16.7%減の29億円としている。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)の計画は、鉄鋼の売上高が2750億円で経常利益が20億円、鉄鋼原料の売上高が1750億円で経常利益が5億円、非鉄金属の売上高が1920億円で経常利益が11.5億円、機械・情報の売上高が710億円で経常利益が7億円、溶材の売上高が430億円で経常利益が3.5億円としている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が78.1%、営業利益が84.0%、経常利益が84.5%、純利益が94.7%と高水準である。円安進行もプラス要因となり、会社予想に対して減益幅が縮小する可能性がありそうだ。

 配当予想(10月28日に増額修正)は、期末に創立70周年記念配当20円を実施し、前回予想に対して期末20円増額した。なお修正後の配当予想は10月1日付で10株を1株に株式併合しているため、第2四半期末4円、期末60円(普通配当40円、記念配当20円)となる。株式併合後に換算すると年間100円で、前期の換算後80円に対して実質的に20円増配となる。予想配当性向は30.5%となる。

■新中期経営計画で21年3月期経常利益80億円目標

 新中期経営計画(16年度〜20年度)では、10年後の姿をイメージした長期経営ビジョン(10年度発表)のもと、3つの全体戦略(グローバルビジネス加速、商社機能強化、経営基盤充実)を柱に諸施策を推進するとした。

 そして経営目標数値には、21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円(鉄鋼35億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属24億円、機械・情報14億円、溶材6億円)、純利益52億円、海外取引比率50%(16年3月期実績40.5%)、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、期末人員1840人(16年3月期末1508人)を掲げている。

 投資計画は4年間合計300億円で、鉄鋼(80億円)は北米・メキシコ・インドにおける線材二次加工設備増強、厚板溶断設備増強、鉄鋼原料(100億円)は北米・豪州・他における原料権益への投資、非鉄金属(50億円)はメキシコ・中国・韓国・ASEANなど海外事業拠点の増強、新事業拠点の設立、機械・情報(20億円)は国内外における機械メーカー、エンジニアリング、サービス会社への出資、溶材(10億円)は流通取引先への出資、本社(IT投資他)(40億円)はM&Aの検討、業務システム改善などを推進する。

■株価は日柄調整完了して上値試す、4%近辺の予想配当利回りも注目点

 株価の動き(16年10月1日付で10株を1株に併合、単元株式数を1000株から100株に変更)を見ると、昨年来高値圏2400円〜2500円近辺でモミ合う展開だ。17年3月期減収減益予想は織り込み済みのようだ。

 3月1日の終値2486円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS327円50銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想に株式併合を考慮した年間100円で算出)は4.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績に株式併合を考慮した連結BPS4753円60銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約220億円である。

 週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線が接近して日柄調整完了感を強めている。4%近辺の予想配当利回りなど指標面の割安感も注目点であり、上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月03日更新]

神鋼商事は17年3月期第3四半期累計減益、通期は減益幅縮小の可能性

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・鉄鋼原料・非鉄金属関連の専門商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。1月31日発表した17年3月期第3四半期累計連結業績が減収減益となり、通期も減収減益予想である。ただし円安進行もプラス要因となって減益幅が縮小する可能性がありそうだ。株価のネガティブ反応は限定的だ。減収減益予想は織り込み済みであり、指標面の割安感も見直し材料となる。自律調整一巡して15年6月高値を目指す展開が期待される。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 14年7月筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)を子会社化、15年5月コベルコ筒中トレーディングが韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウム(現ケーティーエヌ)を子会社化、15年8月ミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。

 16年1月非鉄金属材料の素材・加工品を販売する中山金属が新設分割で設立した国内外卸売事業会社の株式80%を取得し、国内外卸売事業会社および海外子会社を子会社化した。株式取得対象の国内外卸売事業会社の商号は中山金属(新)で、海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。16年4月神戸製鋼所の子会社で溶接材料、溶接機器、産業用機械などを扱う商社エヌアイウエル(現エスシーウエル)の株式80%を取得して子会社化した。

 また14年9月メキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社KCHM(出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%)を設立し、16年10月開所式を開催した。

■売上総利益率は改善傾向

 四半期別推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期2140億42百万円、第2四半期2124億16百万円、第3四半期2140億78百万円、第4四半期2298億71百万円、経常利益が16億38百万円、13億59百万円、17億44百万円、18億34百万円で、16年3月期は売上高が2163億60百万円、2031億23百万円、1893億35百万円、1825億24百万円、経常利益が20億49百万円、12億46百万円、13億33百万円、12億80百万円だった。

 16年3月期は、資源価格下落や期末にかけてのドル安・円高などの影響で、鉄鋼・半導体・電機業界向け取扱数量が減少し、鋼板製品の市況低迷、輸入鉄鋼原料の販売価格下落、国内人員増加による人件費増加なども影響して減収減益だった。売上総利益は同2.4%増加し、売上総利益率は3.4%で同0.4ポイント上昇した。販管費は同8.3%増加し、販管費比率は2.6%で同0.4ポイント上昇した。売上総利益率は改善傾向だ。

 営業外では為替差損益が悪化したが、デリバティブ評価損益が改善した。営業外収益では受取配当金が増加し、持分投資利益も増加した。特別利益では固定資産売却益が減少した。ROEは8.2%で同2.0ポイント低下、自己資本比率は17.1%で同0.7ポイント低下した。配当性向は20.4%だった。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同1.1%減収で同11.5%減益、鉄鋼原料は同21.3%減収だが同53.8%増益、非鉄金属は同0.8%減収で同16.3%減益、機械・情報は同6.2%減収で同6.9%減益、溶材は同3.9%減収で同55.6%減益だった。

■17年3月期第3四半期累計は減収減益だが売上総利益率上昇

 1月31日発表した今期(17年3月期)第3四半期累計(4〜12月)連結業績は、売上高が前年同期比9.3%減の5522億83百万円となり、営業利益が同25.8%減の32億77百万円、経常利益が同16.0%減の38億88百万円、純利益が同7.5%減の27億45百万円だった。鉄鋼、自動車、半導体、空調関連は堅調だったが、資源価格や地金価格の下落、円高影響などで減収減益だった。

 売上総利益は同4.0%減少したが、売上総利益率は3.5%で同0.2ポイント上昇した。販管費は同2.2%増加し、販管費比率は2.9%で同0.4ポイント上昇した。営業外では持分法投資利益が増加(前期2億53百万円、今期6億47百万円)し、為替差損益が改善(前期は差損5億69百万円、今期は差益5億94百万円)したが、受取配当金が減少(前期8億02百万円、今期6億円)し、デリバティブ評価損益が悪化(前期は評価益3億18百万円、今期は評価損7億77百万円)した。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)に見ると、鉄鋼は市況低迷や円高の影響で7.0%減収・26.2%減益、鉄鋼原料は取扱数量減少や価格下落で17.6%減収・2.0%減益、非鉄金属はアルミ・銅地金価格下落の影響で10.1%減収だが空調用銅管や自動車向け端子材用銅板条の数量増加で18.2%増益、機械・情報は建設機械用部品の減少などで0.4%増収・18.7%減益、溶材は建築鉄骨向けや韓国LNG案件向けの増加で11.3%増収・61.5%増益だった。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期1777億78百万円、第2四半期1802億45百万円、第3四半期1942億60百万円、営業利益は7億93百万円、10億74百万円、14億10百万円だった。

■17年3月期通期も減収減益予想

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想は前回予想(9月30日に売上高と営業利益を減額、経常利益と純利益を増額修正)を据え置いて、売上高が前期(16年3月期)比10.7%減の7070億円、営業利益が同33.1%減の39億円、経常利益が同22.1%減の46億円、純利益が同16.7%減の29億円としている。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)の計画は、鉄鋼の売上高が2750億円で経常利益が20億円、鉄鋼原料の売上高が1750億円で経常利益が5億円、非鉄金属の売上高が1920億円で経常利益が11.5億円、機械・情報の売上高が710億円で経常利益が7億円、溶材の売上高が430億円で経常利益が3.5億円としている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が78.1%、営業利益が84.0%、経常利益が84.5%、純利益が94.7%と高水準である。円安進行もプラス要因となり、会社予想に対して減益幅が縮小する可能性がありそうだ。

 配当予想(10月28日に増額修正)は、期末に創立70周年記念配当20円を実施し、前回予想に対して期末20円増額した。なお修正後の配当予想は10月1日付で10株を1株に株式併合しているため、第2四半期末4円、期末60円(普通配当40円、記念配当20円)となる。株式併合後に換算すると年間100円で、前期の換算後80円に対して実質的に20円増配となる。予想配当性向は30.5%となる。

■新中期経営計画で21年3月期経常利益80億円目標

 新中期経営計画(16年度〜20年度)では、10年後の姿をイメージした長期経営ビジョン(10年度発表)のもと、3つの全体戦略(グローバルビジネス加速、商社機能強化、経営基盤充実)を柱に諸施策を推進するとした。

 そして経営目標数値には、21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円(鉄鋼35億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属24億円、機械・情報14億円、溶材6億円)、純利益52億円、海外取引比率50%(16年3月期実績40.5%)、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、期末人員1840人(16年3月期末1508人)を掲げている。

 投資計画は4年間合計300億円で、鉄鋼(80億円)は北米・メキシコ・インドにおける線材二次加工設備増強、厚板溶断設備増強、鉄鋼原料(100億円)は北米・豪州・他における原料権益への投資、非鉄金属(50億円)はメキシコ・中国・韓国・ASEANなど海外事業拠点の増強、新事業拠点の設立、機械・情報(20億円)は国内外における機械メーカー、エンジニアリング、サービス会社への出資、溶材(10億円)は流通取引先への出資、本社(IT投資他)(40億円)はM&Aの検討、業務システム改善などを推進する。

■株価は自律調整一巡して15年6月高値目指す

 株価の動き(16年10月1日付で10株を1株に併合、単元株式数を1000株から100株に変更)を見ると、16年12月の昨年来高値2543円まで上伸した。その後も高値圏2400円〜2500円近辺で堅調に推移している。第3四半期累計の減収減益に対するネガティブ反応は限定的だ。減収減益予想は織り込み済みのようだ。

 2月2日の終値2451円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS327円50銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想に株式併合を考慮した年間100円で算出)は4.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績に株式併合を考慮した連結BPS4753円60銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約218億円である。

 週足チャートで見るとサポートライン13週移動平均線が接近してきた。指標面の割安感も見直し材料であり、自律調整一巡して15年6月高値を目指す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月06日更新]

神鋼商事は割安感強く15年6月高値目指す、KOBELCOの中核商社

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・鉄鋼原料・非鉄金属関連の専門商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。17年3月期は減収減益予想だが、第2四半期累計が計画超となり、通期も減益幅縮小が期待される。株価は昨年来高値更新の展開だ。依然として指標面の割安感が強く、15年6月高値を目指す展開が期待される。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 14年7月筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)を子会社化、15年5月コベルコ筒中トレーディングが韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウム(現ケーティーエヌ)を子会社化、15年8月ミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。

 16年1月非鉄金属材料の素材・加工品を販売する中山金属が新設分割で設立した国内外卸売事業会社の株式80%を取得し、国内外卸売事業会社および海外子会社を子会社化した。株式取得対象の国内外卸売事業会社の商号は中山金属(新)で、海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。16年4月神戸製鋼所の子会社で溶接材料、溶接機器、産業用機械などを扱う商社エヌアイウエル(現エスシーウエル)の株式80%を取得して子会社化した。

 また14年9月メキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社KCHM(出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%)を設立し、16年10月開所式を開催した。

■売上総利益率は改善傾向

 四半期別推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期2140億42百万円、第2四半期2124億16百万円、第3四半期2140億78百万円、第4四半期2298億71百万円、経常利益が16億38百万円、13億59百万円、17億44百万円、18億34百万円で、16年3月期は売上高が2163億60百万円、2031億23百万円、1893億35百万円、1825億24百万円、経常利益が20億49百万円、12億46百万円、13億33百万円、12億80百万円だった。

 16年3月期は、資源価格下落や期末にかけてのドル安・円高などの影響で、鉄鋼・半導体・電機業界向け取扱数量が減少し、鋼板製品の市況低迷、輸入鉄鋼原料の販売価格下落、国内人員増加による人件費増加なども影響して減収減益だった。売上総利益は同2.4%増加し、売上総利益率は3.4%で同0.4ポイント上昇した。販管費は同8.3%増加し、販管費比率は2.6%で同0.4ポイント上昇した。売上総利益率は改善傾向だ。

 営業外では為替差損益が悪化したが、デリバティブ評価損益が改善した。営業外収益では受取配当金が増加し、持分投資利益も増加した。特別利益では固定資産売却益が減少した。ROEは8.2%で同2.0ポイント低下、自己資本比率は17.1%で同0.7ポイント低下した。配当性向は20.4%だった。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同1.1%減収で同11.5%減益、鉄鋼原料は同21.3%減収だが同53.8%増益、非鉄金属は同0.8%減収で同16.3%減益、機械・情報は同6.2%減収で同6.9%減益、溶材は同3.9%減収で同55.6%減益だった。

■17年3月期第2四半期累計は減収減益だが売上総利益率上昇

 今期(17年3月期)第2四半期累計(4〜9月)連結業績は、売上高が前年同期比14.7%減の3580億23百万円、営業利益が同38.0%減の18億67百万円、経常利益が同33.7%減の21億83百万円、純利益が同28.6%減の15億21百万円だった。円高進行や市況低迷による鋼材・資源価格下落などで減収減益だが、売上総利益率が上昇し、計画に対して減益幅が縮小した。

 売上総利益は同6.3%減少したが、売上総利益率は3.5%で同0.3ポイント上昇した。販管費は同2.9%増加し、販管費比率は3.0%で同0.5ポイント上昇した。また営業外では受取配当金が減少(前期5億82百万円、今期3億74百万円)し、デリバティブ評価損益が悪化(前期評価益3億66百万円、今期評価損1億34百万円)したが、持分法投資利益が増加(前期1億76百万円、今期3億86百万円)し、為替差損が減少(前期4億60百万円、今期0百万円)した。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同9.3%減収で同31.6%減益、鉄鋼原料は同27.3%減収で同15.7%減益、非鉄金属は同13.5%減収だが同17.2%増益、機械・情報は同9.2%減収で赤字、溶材は同12.9%増収で同99.0%増益だった。

 鉄鋼では、国内鋼板製品数量が在庫調整進展で増加したが、市況低迷と円高進行で価格が下落した。線材製品は国内外とも数量が横ばいで推移したが、自動車向けの下振れと円高進行で国内外とも価格が下落した。鉄鋼原料では、輸入鉄鋼原料の数量が減少し、価格も下落した。合金鉄、チタン原料は数量が横ばいだった。非鉄金属では、銅製品は地金価格下落の影響を受けたが、自動車向け端子材料用銅板条の数量が増加した。アルミ製品はハードディスク用ブランク材などが減少した。非鉄原料はアルミスクラップなどの数量が減少した。機械・情報ではタイヤ機械や金属成膜装置などが減少した。溶材では、溶接材料は韓国LNG案件の数量が増加し、溶接関連機器は鉄骨溶接ロボットなどが堅調だった。

 四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期1777億78百万円、第2四半期1802億45百万円、営業利益は7億93百万円、10億74百万円だった。

■17年3月期通期は最終減益幅縮小、期末配当を増額

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想(9月30日に売上高と営業利益を減額、経常利益と純利益を増額修正)は、売上高が前期(16年3月期)比10.7%減の7070億円、営業利益が同33.1%減の39億円、経常利益が同22.1%減の46億円、純利益が同16.7%減の29億円としている。円高影響などで売上高と営業利益が計画を下回るが、第2四半期累計の増額で経常利益と純利益は計画を上回る。

 なおセグメント別(連結調整前、経常利益)の計画は、鉄鋼の売上高が2750億円で経常利益が20億円、鉄鋼原料の売上高が1750億円で経常利益が5億円、非鉄金属の売上高が1920億円で経常利益が11.5億円、機械・情報の売上高が710億円で経常利益が7億円、溶材の売上高が430億円で経常利益が3.5億円としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.6%、営業利益が47.9%、経常利益が47.5%、純利益が52.5%である。概ね順調な水準だろう。

 配当予想(10月28日に増額修正)は、期末に創立70周年記念配当20円を実施し、前回予想に対して期末20円増額した。なお修正後の配当予想は10月1日付で10株を1株に株式併合しているため、第2四半期末4円、期末60円(普通配当40円、記念配当20円)となる。株式併合後に換算すると年間100円で、前期の換算後80円に対して実質的に20円増配となる。予想配当性向は30.5%となる。

■新中期経営計画で21年3月期経常利益80億円目標

 新中期経営計画(16年度〜20年度)では、10年後の姿をイメージした長期経営ビジョン(10年度発表)のもと、3つの全体戦略(グローバルビジネス加速、商社機能強化、経営基盤充実)を柱に諸施策を推進するとした。

 そして経営目標数値には、21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円(鉄鋼35億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属24億円、機械・情報14億円、溶材6億円)、純利益52億円、海外取引比率50%(16年3月期実績40.5%)、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、期末人員1840人(16年3月期末1508人)を掲げている。

 投資計画は4年間合計300億円で、鉄鋼(80億円)は北米・メキシコ・インドにおける線材二次加工設備増強、厚板溶断設備増強、鉄鋼原料(100億円)は北米・豪州・他における原料権益への投資、非鉄金属(50億円)はメキシコ・中国・韓国・ASEANなど海外事業拠点の増強、新事業拠点の設立、機械・情報(20億円)は国内外における機械メーカー、エンジニアリング、サービス会社への出資、溶材(10億円)は流通取引先への出資、本社(IT投資他)(40億円)はM&Aの検討、業務システム改善などを推進する。

■株価は昨年来高値更新の展開、

 株価の動き(16年10月1日付で10株を1株に併合、単元株式数を1000株から100株に変更)を見ると、昨年来高値更新の展開で12月16日の2543円まで上伸した。その後は一旦利益確定売りが優勢になる場面があったが、素早く切り返しの動きを強めている。

 1月5日の終値2498円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS327円50銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の株式併合を考慮した年間100円で算出)は4.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績に株式併合を考慮した連結BPS4753円60銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約221億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して切り返す動きだ。また週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドの形だ。依然として指標面の割安感が強く、15年6月高値2880円を目指す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月13日更新]

神鋼商事は戻り歩調で年初来高値更新、17年3月期減収減益予想だが減益幅縮小期待

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・鉄鋼原料・非鉄金属関連の専門商社である。KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。17年3月期は減収減益予想だが、第2四半期累計が計画超となり、通期も減益幅縮小が期待される。株価は戻り歩調で年初来高値を更新した。依然として指標面の割安感が強く、上値を試す展開が期待される。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 14年7月筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)を子会社化、15年5月コベルコ筒中トレーディングが韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウム(現ケーティーエヌ)を子会社化、15年8月ミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。

 16年1月非鉄金属材料の素材・加工品を販売する中山金属が新設分割で設立した国内外卸売事業会社の株式80%を取得し、国内外卸売事業会社および海外子会社を子会社化した。株式取得対象の国内外卸売事業会社の商号は中山金属(新)で、海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。16年4月神戸製鋼所の子会社で溶接材料、溶接機器、産業用機械などを扱う商社エヌアイウエル(現エスシーウエル)の株式80%を取得して子会社化した。

■メキシコ線材二次加工拠点でグローバル展開加速

 14年9月メキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社KCHM(出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%)を設立した。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。そして16年10月開所式を開催した。

■売上総利益率は改善傾向

 四半期別推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期2140億42百万円、第2四半期2124億16百万円、第3四半期2140億78百万円、第4四半期2298億71百万円、経常利益が16億38百万円、13億59百万円、17億44百万円、18億34百万円で、16年3月期は売上高が2163億60百万円、2031億23百万円、1893億35百万円、1825億24百万円、経常利益が20億49百万円、12億46百万円、13億33百万円、12億80百万円だった。

 16年3月期は、資源価格下落や期末にかけてのドル安・円高などの影響で、鉄鋼・半導体・電機業界向け取扱数量が減少し、鋼板製品の市況低迷、輸入鉄鋼原料の販売価格下落、国内人員増加による人件費増加なども影響して減収減益だった。売上総利益は同2.4%増加し、売上総利益率は3.4%で同0.4ポイント上昇した。販管費は同8.3%増加し、販管費比率は2.6%で同0.4ポイント上昇した。売上総利益率は改善傾向だ。

 営業外では為替差損益が悪化したが、デリバティブ評価損益が改善した。営業外収益では受取配当金が増加し、持分投資利益も増加した。特別利益では固定資産売却益が減少した。ROEは8.2%で同2.0ポイント低下、自己資本比率は17.1%で同0.7ポイント低下した。配当性向は20.4%だった。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同1.1%減収で同11.5%減益、鉄鋼原料は同21.3%減収だが同53.8%増益、非鉄金属は同0.8%減収で同16.3%減益、機械・情報は同6.2%減収で同6.9%減益、溶材は同3.9%減収で同55.6%減益だった。

■17年3月期第2四半期累計は減収減益だが売上総利益率上昇

 今期(17年3月期)第2四半期累計(4〜9月)連結業績(9月30日に売上高を減額、各利益を増額)は、売上高が前年同期比14.7%減の3580億23百万円、営業利益が同38.0%減の18億67百万円、経常利益が同33.7%減の21億83百万円、純利益が同28.6%減の15億21百万円だった。円高進行や市況低迷による鋼材・資源価格下落などで減収減益だが、売上総利益率が上昇し、計画に対して減益幅が縮小した。

 売上総利益は同6.3%減少したが、売上総利益率は3.5%で同0.3ポイント上昇した。販管費は同2.9%増加し、販管費比率は3.0%で同0.5ポイント上昇した。また営業外では受取配当金が減少(前期5億82百万円、今期3億74百万円)し、デリバティブ評価損益が悪化(前期評価益3億66百万円、今期評価損1億34百万円)したが、持分法投資利益が増加(前期1億76百万円、今期3億86百万円)し、為替差損が減少(前期4億60百万円、今期0百万円)した。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同9.3%減収で同31.6%減益、鉄鋼原料は同27.3%減収で同15.7%減益、非鉄金属は同13.5%減収だが同17.2%増益、機械・情報は同9.2%減収で赤字、溶材は同12.9%増収で同99.0%増益だった。

 鉄鋼では、国内鋼板製品数量が在庫調整進展で増加したが、市況低迷と円高進行で価格が下落した。線材製品は国内外とも数量が横ばいで推移したが、自動車向けの下振れと円高進行で国内外とも価格が下落した。鉄鋼原料では、輸入鉄鋼原料の数量が減少し、価格も下落した。合金鉄、チタン原料は数量が横ばいだった。非鉄金属では、銅製品は地金価格下落の影響を受けたが、自動車向け端子材料用銅板条の数量が増加した。アルミ製品はハードディスク用ブランク材などが減少した。非鉄原料はアルミスクラップなどの数量が減少した。機械・情報ではタイヤ機械や金属成膜装置などが減少した。溶材では、溶接材料は韓国LNG案件の数量が増加し、溶接関連機器は鉄骨溶接ロボットなどが堅調だった。

 なお四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期1777億78百万円、第2四半期1802億45百万円、営業利益は7億93百万円、10億74百万円だった。

■17年3月期通期は最終減益幅縮小、期末配当を増額

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想(9月30日に売上高と営業利益を減額、経常利益と純利益を増額修正)は、売上高が前期(16年3月期)比10.7%減の7070億円、営業利益が同33.1%減の39億円、経常利益が同22.1%減の46億円、純利益が同16.7%減の29億円としている。円高影響などで売上高と営業利益が計画を下回るが、第2四半期累計の増額で経常利益と純利益は計画を上回る。

 なおセグメント別(連結調整前、経常利益)の計画は、鉄鋼の売上高が2750億円で経常利益が20億円、鉄鋼原料の売上高が1750億円で経常利益が5億円、非鉄金属の売上高が1920億円で経常利益が11.5億円、機械・情報の売上高が710億円で経常利益が7億円、溶材の売上高が430億円で経常利益が3.5億円としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.6%、営業利益が47.9%、経常利益が47.5%、純利益が52.5%である。概ね順調な水準だろう。

 配当予想(10月28日に増額修正)は、期末に創立70周年記念配当20円を実施し、前回予想に対して期末20円増額した。なお修正後の配当予想は10月1日付で10株を1株に株式併合しているため、第2四半期末4円、期末60円(普通配当40円、記念配当20円)となる。株式併合後に換算すると年間100円で、前期の換算後80円に対して実質的に20円増配となる。予想配当性向は30.5%となる。

■新中期経営計画で21年3月期経常利益80億円目標

 新中期経営計画(16年度〜20年度)では、10年後の姿をイメージした長期経営ビジョン(10年度発表)のもと、3つの全体戦略(グローバルビジネス加速、商社機能強化、経営基盤充実)を柱に諸施策を推進するとした。

 そして経営目標数値には、21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円(鉄鋼35億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属24億円、機械・情報14億円、溶材6億円)、純利益52億円、海外取引比率50%(16年3月期実績40.5%)、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、期末人員1840人(16年3月期末1508人)を掲げている。

 投資計画は4年間合計300億円で、鉄鋼(80億円)は北米・メキシコ・インドにおける線材二次加工設備増強、厚板溶断設備増強、鉄鋼原料(100億円)は北米・豪州・他における原料権益への投資、非鉄金属(50億円)はメキシコ・中国・韓国・ASEANなど海外事業拠点の増強、新事業拠点の設立、機械・情報(20億円)は国内外における機械メーカー、エンジニアリング、サービス会社への出資、溶材(10億円)は流通取引先への出資、本社(IT投資他)(40億円)はM&Aの検討、業務システム改善などを推進する。

■株価は戻り歩調で年初来高値更新

 株価の動き(16年10月1日付で10株を1株に併合、単元株式数を1000株から100株に変更のため、株式併合遡及修正後)を見ると、基調転換して戻り歩調の展開だ。そして12月12日には2480円まで上伸し、1月高値2420円を突破して年初来高値を更新した。

 12月12日の終値2438円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS327円50銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の株式併合を考慮した年間100円で算出)は4.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績に株式併合を考慮した連結BPS4753円60銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約216億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドだ。目先的にはやや過熱感もあるが、一方では依然として指標面の割安感が強く、上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月07日更新]

神鋼商事は17年3月期第2四半期累計が計画に対して減益幅縮小、期末配当増額も好感して出直り本格化

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・鉄鋼原料・非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。17年3月期第2四半期累計は減益だが期初計画に対して減益幅が縮小した。また期末配当増額(記念配当実施)も好感し、株価(16年10月1日付で10株を1株に併合)は出直りの動きが本格化している。依然として指標面の割安感が強く、戻りを試す展開だろう。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 14年7月筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)を子会社化、15年5月コベルコ筒中トレーディングが韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウム(現ケーティーエヌ)を子会社化、15年8月ミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。

 16年1月非鉄金属材料の素材・加工品を販売する中山金属が新設分割で設立した国内外卸売事業会社の株式80%を取得し、国内外卸売事業会社および海外子会社を子会社化した。株式取得対象の国内外卸売事業会社の商号は中山金属(新)で、海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。16年4月神戸製鋼所の子会社で溶接材料、溶接機器、産業用機械などを扱う商社エヌアイウエル(現エスシーウエル)の株式80%を取得して子会社化した。

■メキシコ線材二次加工拠点でグローバル展開加速

 14年9月メキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社KCHM(出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%)を設立した。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。そして16年10月開所式を開催した。

■売上総利益率は改善傾向

 四半期別推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期2140億42百万円、第2四半期2124億16百万円、第3四半期2140億78百万円、第4四半期2298億71百万円、経常利益が16億38百万円、13億59百万円、17億44百万円、18億34百万円で、16年3月期は売上高が2163億60百万円、2031億23百万円、1893億35百万円、1825億24百万円、経常利益が20億49百万円、12億46百万円、13億33百万円、12億80百万円だった。

 16年3月期は、資源価格下落や期末にかけてのドル安・円高などの影響で、鉄鋼・半導体・電機業界向け取扱数量が減少し、鋼板製品の市況低迷、輸入鉄鋼原料の販売価格下落、国内人員増加による人件費増加なども影響して減収減益だった。売上総利益は同2.4%増加し、売上総利益率は3.4%で同0.4ポイント上昇した。販管費は同8.3%増加し、販管費比率は2.6%で同0.4ポイント上昇した。売上総利益率は改善傾向だ。

 営業外では為替差損益が悪化したが、デリバティブ評価損益が改善した。営業外収益では受取配当金が増加し、持分投資利益も増加した。特別利益では固定資産売却益が減少した。ROEは8.2%で同2.0ポイント低下、自己資本比率は17.1%で同0.7ポイント低下した。配当性向は20.4%だった。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同1.1%減収で同11.5%減益、鉄鋼原料は同21.3%減収だが同53.8%増益、非鉄金属は同0.8%減収で同16.3%減益、機械・情報は同6.2%減収で同6.9%減益、溶材は同3.9%減収で同55.6%減益だった。

■17年3月期第2四半期累計は大幅減益だが売上総利益率上昇

 10月28日発表した今期(17年3月期)第2四半期累計(4〜9月)連結業績(9月30日に売上高を減額、各利益を増額)は、売上高が前年同期比14.7%減の3580億23百万円、営業利益が同38.0%減の18億67百万円、経常利益が同33.7%減の21億83百万円、純利益が同28.6%減の15億21百万円だった。円高進行や市況低迷による鋼材・資源価格下落などで減収・減益だった。

 売上総利益は同6.3%減少したが、売上総利益率は3.5%で同0.3ポイント上昇した。販管費は同2.9%増加し、販管費比率は3.0%で同0.5ポイント上昇した。また営業外では受取配当金が減少(前期5億82百万円、今期3億74百万円)し、デリバティブ評価損益が悪化(前期評価益3億66百万円、今期評価損1億34百万円)したが、持分法投資利益が増加(前期1億76百万円、今期3億86百万円)し、為替差損が減少(前期4億60百万円、今期0百万円)した。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同9.3%減収で同31.6%減益、鉄鋼原料は同27.3%減収で同15.7%減益、非鉄金属は同13.5%減収だが同17.2%増益、機械・情報は同9.2%減収で赤字、溶材は同12.9%増収で同99.0%増益だった。

 鉄鋼では、国内鋼板製品数量が在庫調整進展で増加したが、市況低迷と円高進行で価格が下落した。線材製品は国内外とも数量が横ばいで推移したが、自動車向けの下振れと円高進行で国内外とも価格が下落した。鉄鋼原料では、輸入鉄鋼原料の数量が減少し、価格も下落した。合金鉄、チタン原料は数量が横ばいだった。非鉄金属では、銅製品は地金価格下落の影響を受けたが、自動車向け端子材料用銅板条の数量が増加した。アルミ製品はハードディスク用ブランク材などが減少した。非鉄原料はアルミスクラップなどの数量が減少した。機械・情報ではタイヤ機械や金属成膜装置などが減少した。溶材では、溶接材料は韓国LNG案件の数量が増加し、溶接関連機器は鉄骨溶接ロボットなどが堅調だった。

 なお四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期1777億78百万円、第2四半期1802億45百万円、営業利益は7億93百万円、10億74百万円だった。

■17年3月期通期は最終減益幅縮小、期末配当を増額

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想は、前回予想(9月30日に売上高と営業利益を減額、経常利益と純利益を増額修正)を据え置いて、売上高が前期(16年3月期)比10.7%減の7070億円、営業利益が同33.1%減の39億円、経常利益が同22.1%減の46億円、純利益が同16.7%減の29億円としている。円高影響などで売上高と営業利益が計画を下回るが、第2四半期累計の増額で経常利益と純利益は計画を上回る。

 なおセグメント別(連結調整前、経常利益)の計画は、鉄鋼の売上高が2750億円で経常利益が20億円、鉄鋼原料の売上高が1750億円で経常利益が5億円、非鉄金属の売上高が1920億円で経常利益が11.5億円、機械・情報の売上高が710億円で経常利益が7億円、溶材の売上高が430億円で経常利益が3.5億円としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.6%、営業利益が47.9%、経常利益が47.5%、純利益が52.5%である。概ね順調な水準だろう。

 配当予想については10月28日に増額修正した。期末に創立70周年記念配当20円を実施し、前回予想に対して期末20円増額した。修正後の配当予想は10月1日付で10株を1株に株式併合しているため、第2四半期末4円、期末60円(普通配当40円、記念配当20円)となる。株式併合後に換算すると年間100円で、前期の換算後80円に対して実質的に20円増配となる。予想配当性向は30.5%となる。

■新中期経営計画で21年3月期経常利益80億円目標

 新中期経営計画(16年度〜20年度)では、10年後の姿をイメージした長期経営ビジョン(10年度発表)のもと、3つの全体戦略(グローバルビジネス加速、商社機能強化、経営基盤充実)を柱に諸施策を推進するとした。

 そして経営目標数値には、21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円(鉄鋼35億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属24億円、機械・情報14億円、溶材6億円)、純利益52億円、海外取引比率50%(16年3月期実績40.5%)、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、期末人員1840人(16年3月期末1508人)を掲げている。

 投資計画は4年間合計300億円で、鉄鋼(80億円)は北米・メキシコ・インドにおける線材二次加工設備増強、厚板溶断設備増強、鉄鋼原料(100億円)は北米・豪州・他における原料権益への投資、非鉄金属(50億円)はメキシコ・中国・韓国・ASEANなど海外事業拠点の増強、新事業拠点の設立、機械・情報(20億円)は国内外における機械メーカー、エンジニアリング、サービス会社への出資、溶材(10億円)は流通取引先への出資、本社(IT投資他)(40億円)はM&Aの検討、業務システム改善などを推進する。

■株価は配当予想増額も好感して出直り本格化

 株価の動き(16年10月1日付で10株を1株に併合、単元株式数を1000株から100株に変更のため、株式併合遡及修正後)を見ると、6月中旬〜8月下旬の安値圏1600円近辺で下値固めが完了して戻り歩調だ。そして17年3月期減益予想の織り込みが完了した形であり、配当予想の増額修正を好感して11月1日には1946円まで上伸した。

 11月4日の終値1904円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS327円50銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の株式併合を考慮した年間100円で算出)は5.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績に株式併合を考慮した連結BPS4753円60銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約169億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形となった。さらに13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いて先高感を強めている。依然として指標面の割安感が強く、戻りを試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月12日更新]

神鋼商事は指標面の割安感に注目して出直り本格化

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・鉄鋼原料・非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。株価(16年10月1日付で10株を1株に併合)は17年3月期通期経常利益・純利益の増額修正も好感して戻り歩調だ。指標面の割安感にも注目して出直りの動きが本格化しそうだ。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所 <5406> 系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 14年7月筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)を子会社化、15年5月コベルコ筒中トレーディングが韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウム(現ケーティーエヌ)を子会社化、15年8月ミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。

 16年1月非鉄金属材料の素材・加工品を販売する中山金属が新設分割で設立した国内外卸売事業会社の株式80%を取得し、国内外卸売事業会社および海外子会社を子会社化した。株式取得対象の国内外卸売事業会社の商号は中山金属(新)で、海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。16年4月神戸製鋼所の子会社で溶接材料、溶接機器、産業用機械などを扱う商社エヌアイウエル(現エスシーウエル)の株式80%を取得して子会社化した。

■メキシコ線材二次加工拠点でグローバル展開加速

 14年9月メキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。

■売上総利益率は改善傾向

 四半期別推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期2140億42百万円、第2四半期2124億16百万円、第3四半期2140億78百万円、第4四半期2298億71百万円、経常利益が16億38百万円、13億59百万円、17億44百万円、18億34百万円で、16年3月期は売上高が2163億60百万円、2031億23百万円、1893億35百万円、1825億24百万円、経常利益が20億49百万円、12億46百万円、13億33百万円、12億80百万円だった。

 16年3月期は、資源価格下落や期末にかけてのドル安・円高などの影響で、鉄鋼・半導体・電機業界向け取扱数量が減少し、鋼板製品の市況低迷、輸入鉄鋼原料の販売価格下落、国内人員増加による人件費増加なども影響して減収減益だった。売上総利益は同2.4%増加し、売上総利益率は3.4%で同0.4ポイント上昇した。販管費は同8.3%増加し、販管費比率は2.6%で同0.4ポイント上昇した。売上総利益率は改善傾向だ。

 営業外では為替差損益が悪化したが、デリバティブ評価損益が改善した。営業外収益では受取配当金が増加し、持分投資利益も増加した。特別利益では固定資産売却益が減少した。ROEは8.2%で同2.0ポイント低下、自己資本比率は17.1%で同0.7ポイント低下した。配当性向は20.4%だった。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同1.1%減収で同11.5%減益、鉄鋼原料は同21.3%減収だが同53.8%増益、非鉄金属は同0.8%減収で同16.3%減益、機械・情報は同6.2%減収で同6.9%減益、溶材は同3.9%減収で同55.6%減益だった。

■17年3月期第1四半期は大幅減益だが売上総利益率上昇

 今期(17年3月期)第1四半期(4〜6月)連結業績は前年同期比17.8%減収、53.3%営業減益、40.6%経常減益、95.1%最終減益だった。鉄鋼、半導体、電機業界向けの取り扱いが減少して大幅減収・減益だった。

 売上総利益は同10.5%減少したが、売上総利益率は3.4%で同0.2ポイント上昇した。販管費は同3.7%増加し、販管費比率は3.0%で同0.6ポイント上昇した。営業外収益では受取配当金が減少(前期5億円、今期3億04百万円)したが、デリバティブ評価益が増加(前期72百万円、今期1億26百万円)し、持分法投資利益も増加(前期66百万円、今期1億91百万円)した。特別損失では投資有価証券評価損10億11百万円を計上した。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同11.3%減収で同33.0%減益、鉄鋼原料は同30.6%減収で同35.4%減益、非鉄金属は同15.9%減収で同32.5%減益、機械・情報は同15.3%減収で41百万円の赤字(前年同期は1億25百万円の黒字)、溶材は同9.8%増収で同19.3%増益だった。

 鉄鋼では、国内鋼板数量が在庫調整進展で増加したが、市況低迷と円高進行で価格が下落した。線材製品は国内外とも数量が減少し、市況低迷と円高進行で価格が下落した。鉄鋼原料では、輸入鉄鋼原料の数量が減少し、価格も下落した。合金鉄、チタン原料は数量が増加したが、価格が下落した。非鉄金属では、空調用銅管、ハードディスク用ブランク材、銅・アルミスクラップなどの数量が減少した。機械・情報では、タイヤ機械、金属成膜装置などが減少した。溶材では、溶接材料は韓国LNG案件の数量が増加し、溶接関連機器は鉄骨溶接ロボットなどが堅調だった。

■17年3月期第2四半期累計および通期の純利益を増額修正

 9月30日に今期(17年3月期)第2四半期累計(4〜9月)および通期の連結業績予想の修正を発表した。

 第2四半期累計の連結業績予想は前回予想(4月28日公表)に対して、売上高を160億円減額して前年同期比15.6%減の3540億円、営業利益を3億円増額して同43.6%減の17億円、経常利益を6億円増額して同36.3%減の21億円、純利益を5億円増額して同43.7%減の12億円とした。円高進行、鋼材価格や資源価格の下落で売上高は計画を下回るが、販管費の圧縮、海外子会社の創業費用の改善、受取配当金の増加などで利益は計画を上回る。

 通期連結業績予想は前回予想(4月28日公表)に対して、売上高を530億円減額して前期(16年3月期)比10.6%減の7070億円、営業利益を4億円減額して同33.1%減の39億円、経常利益を2億円増額して同22.1%減の46億円、純利益を2億円増額して同16.7%減の29億円とした。円高影響などで売上高と営業利益が計画を下回るが、第2四半期累計の増額で経常利益と純利益は計画を上回る。

 配当予想は、16年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)により、併合前の第2四半期末が4円、併合後の期末が40円としている。株式併合を考慮すると年間80円となり、実質的には前期の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)と同額である。予想配当性向は24.4%となる。

■新中期経営計画で21年3月期経常利益80億円目標

 新中期経営計画(16年度〜20年度)では、10年後の姿をイメージした長期経営ビジョン(10年度発表)のもと、3つの全体戦略(グローバルビジネス加速、商社機能強化、経営基盤充実)を柱に諸施策を推進するとした。

 そして経営目標数値には、21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円(鉄鋼35億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属24億円、機械・情報14億円、溶材6億円)、純利益52億円、海外取引比率50%(16年3月期実績40.5%)、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、期末人員1840人(16年3月期末1508人)を掲げている。

 投資計画は4年間合計300億円で、鉄鋼(80億円)は北米・メキシコ・インドにおける線材二次加工設備増強、厚板溶断設備増強、鉄鋼原料(100億円)は北米・豪州・他における原料権益への投資、非鉄金属(50億円)はメキシコ・中国・韓国・ASEANなど海外事業拠点の増強、新事業拠点の設立、機械・情報(20億円)は国内外における機械メーカー、エンジニアリング、サービス会社への出資、溶材(10億円)は流通取引先への出資、本社(IT投資他)(40億円)はM&Aの検討、業務システム改善などを推進する。

■株価は基調転換を確認、指標面の割安感にも注目して出直り本格化

 株価の動き(16年10月1日付で10株を1株に併合、単元株式数を1000株から100株に変更のため、株式併合遡及修正後)を見ると、安値圏1600円近辺で下値固めが完了して戻り歩調だ。17年3月期通期経常利益・純利益の増額修正も好感して10月11日には1859円まで上伸した。

 10月11日の終値1830円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS327円50銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の株式併合を考慮した年間80円で算出)は4.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績に株式併合を考慮した連結BPS4753円60銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約162億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインの形となった。また週足チャートで見ると、上向きに転じた13週移動平均線がサポートラインとなり26週移動平均線を突破した。基調転換を確認した形だ。指標面の割安感にも注目して出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[9月20日更新]

神鋼商事は指標面の割安感に注目して出直り本格化、10月1日付で株式併合

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・鉄鋼原料・非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。株価は17年3月期減益予想の織り込みが完了し、指標面の割安感に注目して出直りの動きが本格化しそうだ。なお16年10月1日付で10株を1株に併合し、単元株式数を1000株から100株に変更する。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 14年7月筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)を子会社化、15年5月コベルコ筒中トレーディングが韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウム(現ケーティーエヌ)を子会社化、15年8月ミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。

 16年1月非鉄金属材料の素材・加工品を販売する中山金属が新設分割で設立した国内外卸売事業会社の株式80%を取得し、国内外卸売事業会社および海外子会社を子会社化した。株式取得対象の国内外卸売事業会社の商号は中山金属(新)で、海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。16年4月神戸製鋼所の子会社で溶接材料、溶接機器、産業用機械などを扱う商社エヌアイウエル(現エスシーウエル)の株式80%を取得して子会社化した。

■メキシコ線材二次加工拠点でグローバル展開加速

 14年9月メキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。

■売上総利益率は改善傾向

 四半期別推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期2140億42百万円、第2四半期2124億16百万円、第3四半期2140億78百万円、第4四半期2298億71百万円、経常利益が16億38百万円、13億59百万円、17億44百万円、18億34百万円で、16年3月期は売上高が2163億60百万円、2031億23百万円、1893億35百万円、1825億24百万円、経常利益が20億49百万円、12億46百万円、13億33百万円、12億80百万円だった。

 16年3月期は、資源価格下落や期末にかけてのドル安・円高などの影響で、鉄鋼・半導体・電機業界向け取扱数量が減少し、鋼板製品の市況低迷、輸入鉄鋼原料の販売価格下落、国内人員増加による人件費増加なども影響して減収減益だった。売上総利益は同2.4%増加し、売上総利益率は3.4%で同0.4ポイント上昇した。販管費は同8.3%増加し、販管費比率は2.6%で同0.4ポイント上昇した。売上総利益率は改善傾向だ。

 営業外では為替差損益が悪化したが、デリバティブ評価損益が改善した。営業外収益では受取配当金が増加し、持分投資利益も増加した。特別利益では固定資産売却益が減少した。ROEは8.2%で同2.0ポイント低下、自己資本比率は17.1%で同0.7ポイント低下した。配当性向は20.4%だった。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同1.1%減収で同11.5%減益、鉄鋼原料は同21.3%減収だが同53.8%増益、非鉄金属は同0.8%減収で同16.3%減益、機械・情報は同6.2%減収で同6.9%減益、溶材は同3.9%減収で同55.6%減益だった。

 鉄鋼は国内の数量減少や鋼板製品の市況低迷が影響した。鉄鋼原料は輸入鉄鋼原料の取扱数量が減少し、価格も下落したが、チタン原料の取扱量が増加した。非鉄金属は半導体向け銅板条、空調用銅管、輸出用缶材、銅・アルミスクラップなどの取扱量が減少した。機械・情報はタイヤ機械、小型蒸気発電機、太陽電池関連機材などが減少した。溶材は建設機械向け溶接材料、中国の化工機向け溶接材料などが減少した。

■17年3月期第1四半期は大幅減益だが売上総利益率上昇

 今期(17年3月期)第1四半期(4〜6月)連結業績は前年同期比17.8%減収、53.3%営業減益、40.6%経常減益、95.1%最終減益だった。鉄鋼、半導体、電機業界向けの取り扱いが減少して大幅減収・減益だった。

 売上総利益は同10.5%減少したが、売上総利益率は3.4%で同0.2ポイント上昇した。販管費は同3.7%増加し、販管費比率は3.0%で同0.6ポイント上昇した。営業外収益では受取配当金が減少(前期5億円、今期3億04百万円)したが、デリバティブ評価益が増加(前期72百万円、今期1億26百万円)し、持分法投資利益も増加(前期66百万円、今期1億91百万円)した。特別損失では投資有価証券評価損10億11百万円を計上した。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同11.3%減収で同33.0%減益、鉄鋼原料は同30.6%減収で同35.4%減益、非鉄金属は同15.9%減収で同32.5%減益、機械・情報は同15.3%減収で41百万円の赤字(前年同期は1億25百万円の黒字)、溶材は同9.8%増収で同19.3%増益だった。

 鉄鋼では、国内鋼板数量が在庫調整進展で増加したが、市況低迷と円高進行で価格が下落した。線材製品は国内外とも数量が減少し、市況低迷と円高進行で価格が下落した。鉄鋼原料では、輸入鉄鋼原料の数量が減少し、価格も下落した。合金鉄、チタン原料は数量が増加したが、価格が下落した。非鉄金属では、空調用銅管、ハードディスク用ブランク材、銅・アルミスクラップなどの数量が減少した。機械・情報では、タイヤ機械、金属成膜装置などが減少した。溶材では、溶接材料は韓国LNG案件の数量が増加し、溶接関連機器は鉄骨溶接ロボットなどが堅調だった。

■17年3月期減収減益予想

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(16年3月期)比4.0%減の7600億円、営業利益が同26.3%減の43億円、経常利益が同25.5%減の44億円、純利益が同22.4%減の27億円としている。国内人員増加やメキシコ新工場立ち上げ費用などで減益予想だ。

 配当予想は、16年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)により、併合前の第2四半期末が4円、併合後の期末が40円としている。実質的には前期の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)と同額である。予想配当性向は26.2%となる。

 セグメント別計画(連結調整前)を見ると、鉄鋼は売上高が2940億円で経常利益が21億円、鉄鋼原料は売上高が1890億円で経常利益が5億50百万円、非鉄金属は売上高が2160億円で経常利益が12億円、情報・機械は売上高が780億円で経常利益が9億円、溶材は売上高が460億円で経常利益が3億50百万円としている。機械・情報の損益が改善するが、鉄鋼および鉄鋼原料が大幅減益予想の見込みとしている。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が23.4%、営業利益が18.5%、経常利益が27.7%、純利益が2.5%である。営業利益と純利益が低水準の形のため通期下振れに注意が必要となるが、第2四半期以降の挽回に期待したい。

■新中期経営計画で21年3月期経常利益80億円目標

 新中期経営計画(16年度〜20年度)では、10年後の姿をイメージした長期経営ビジョン(10年度発表)のもと、3つの全体戦略(グローバルビジネス加速、商社機能強化、経営基盤充実)を柱に諸施策を推進するとした。

 そして経営目標数値には、21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円(鉄鋼35億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属24億円、機械・情報14億円、溶材6億円)、純利益52億円、海外取引比率50%(16年3月期実績40.5%)、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、期末人員1840人(16年3月期末1508人)を掲げた。

 投資計画は4年間合計300億円で、鉄鋼(80億円)は北米・メキシコ・インドにおける線材二次加工設備増強、厚板溶断設備増強、鉄鋼原料(100億円)は北米・豪州・他における原料権益への投資、非鉄金属(50億円)はメキシコ・中国・韓国・ASEANなど海外事業拠点の増強、新事業拠点の設立、機械・情報(20億円)は国内外における機械メーカー、エンジニアリング、サービス会社への出資、溶材(10億円)は流通取引先への出資、本社(IT投資他)(40億円)はM&Aの検討、業務システム改善などを推進する。

■株価は指標面の割安感に注目して出直り本格化

 5月19日に単元株式数の変更および株式併合を発表した。16年10月1日付で単元株式数を1000株から100株に変更するとともに、10株を1株に併合する。

 株価の動きを見ると6月の年初来安値156円から切り返し、9月6日と12日には179円まで上伸した。17年3月期減益予想の織り込みが完了して出直る動きだ。

 9月16日の終値178円を指標面(16年10月1日付の株式併合前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS30円49銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は4.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS475円36銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約158億円である。

 週足チャートで見ると、戻りを押さえていた13週移動平均線を突破し、続いて26週移動平均線突破の動きを強めている。基調転換を確認した形だろう。指標面の割安感に注目して出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[9月01日更新]

神鋼商事は基調転換の動き、17年3月期減益予想の織り込み完了

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・鉄鋼原料・非鉄金属関連の専門商社である。そしてKOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。株価は基調転換の動きを強めている。17年3月期減益予想の織り込みが完了したようだ。指標面の割安感は強い。上げ足を速める可能性があるだろう。なお16年10月1日付で10株を1株に併合し、単元株式数を1000株から100株に変更する。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 14年7月筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)を子会社化、15年5月コベルコ筒中トレーディングが韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウム(現ケーティーエヌ)を子会社化、15年8月ミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。

 16年1月非鉄金属材料の素材・加工品を販売する中山金属が新設分割で設立した国内外卸売事業会社の株式80%を取得し、国内外卸売事業会社および海外子会社を子会社化した。株式取得対象の国内外卸売事業会社の商号は中山金属(新)で、海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。16年4月神戸製鋼所の子会社で溶接材料、溶接機器、産業用機械などを扱う商社エヌアイウエル(現エスシーウエル)の株式80%を取得して子会社化した。

■メキシコ線材二次加工拠点でグローバル展開加速

 14年9月メキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。

■売上総利益率は改善傾向

 四半期別推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期2140億42百万円、第2四半期2124億16百万円、第3四半期2140億78百万円、第4四半期2298億71百万円、経常利益が16億38百万円、13億59百万円、17億44百万円、18億34百万円で、16年3月期は売上高が2163億60百万円、2031億23百万円、1893億35百万円、1825億24百万円、経常利益が20億49百万円、12億46百万円、13億33百万円、12億80百万円だった。

 16年3月期は、資源価格下落や期末にかけてのドル安・円高などの影響で、鉄鋼・半導体・電機業界向け取扱数量が減少し、鋼板製品の市況低迷、輸入鉄鋼原料の販売価格下落、国内人員増加による人件費増加なども影響して減収減益だった。売上総利益は同2.4%増加し、売上総利益率は3.4%で同0.4ポイント上昇した。販管費は同8.3%増加し、販管費比率は2.6%で同0.4ポイント上昇した。売上総利益率は改善傾向だ。

 営業外では為替差損益が悪化したが、デリバティブ評価損益が改善した。営業外収益では受取配当金が増加し、持分投資利益も増加した。特別利益では固定資産売却益が減少した。ROEは8.2%で同2.0ポイント低下、自己資本比率は17.1%で同0.7ポイント低下した。配当性向は20.4%だった。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同1.1%減収で同11.5%減益、鉄鋼原料は同21.3%減収だが同53.8%増益、非鉄金属は同0.8%減収で同16.3%減益、機械・情報は同6.2%減収で同6.9%減益、溶材は同3.9%減収で同55.6%減益だった。

 鉄鋼は国内の数量減少や鋼板製品の市況低迷が影響した。鉄鋼原料は輸入鉄鋼原料の取扱数量が減少し、価格も下落したが、チタン原料の取扱量が増加した。非鉄金属は半導体向け銅板条、空調用銅管、輸出用缶材、銅・アルミスクラップなどの取扱量が減少した。機械・情報はタイヤ機械、小型蒸気発電機、太陽電池関連機材などが減少した。溶材は建設機械向け溶接材料、中国の化工機向け溶接材料などが減少した。

■17年3月期第1四半期は大幅減益だが売上総利益率上昇

 今期(17年3月期)第1四半期(4〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比17.8%減の1777億78百万円、営業利益が同53.3%減の7億93百万円、経常利益が同40.6%減の12億17百万円、純利益が同95.1%減の66百万円だった。鉄鋼、半導体、電機業界向けの取り扱いが減少して大幅減収・減益だった。

 売上総利益は同10.5%減少したが、売上総利益率は3.4%で同0.2ポイント上昇した。販管費は同3.7%増加し、販管費比率は3.0%で同0.6ポイント上昇した。営業外収益では受取配当金が減少(前期5億円、今期3億04百万円)したが、デリバティブ評価益が増加(前期72百万円、今期1億26百万円)し、持分法投資利益も増加(前期66百万円、今期1億91百万円)した。特別損失では投資有価証券評価損10億11百万円を計上した。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同11.3%減収で同33.0%減益、鉄鋼原料は同30.6%減収で同35.4%減益、非鉄金属は同15.9%減収で同32.5%減益、機械・情報は同15.3%減収で41百万円の赤字(前年同期は1億25百万円の黒字)、溶材は同9.8%増収で同19.3%増益だった。

 鉄鋼では、国内鋼板数量が在庫調整進展で増加したが、市況低迷と円高進行で価格が下落した。線材製品は国内外とも数量が減少し、市況低迷と円高進行で価格が下落した。鉄鋼原料では、輸入鉄鋼原料の数量が減少し、価格も下落した。合金鉄、チタン原料は数量が増加したが、価格が下落した。非鉄金属では、空調用銅管、ハードディスク用ブランク材、銅・アルミスクラップなどの数量が減少した。機械・情報では、タイヤ機械、金属成膜装置などが減少した。溶材では、溶接材料は韓国LNG案件の数量が増加し、溶接関連機器は鉄骨溶接ロボットなどが堅調だった。

■17年3月期減収減益予想

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(16年3月期)比4.0%減の7600億円、営業利益が同26.3%減の43億円、経常利益が同25.5%減の44億円、純利益が同22.4%減の27億円としている。国内人員増加やメキシコ新工場立ち上げ費用などで減益予想だ。

 配当予想は、16年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)により、併合前の第2四半期末が4円、併合後の期末が40円としているが、実質的には前期の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)と同額である。予想配当性向は26.2%となる。

 セグメント別計画(連結調整前)を見ると、鉄鋼は売上高が2940億円で経常利益が21億円、鉄鋼原料は売上高が1890億円で経常利益が5億50百万円、非鉄金属は売上高が2160億円で経常利益が12億円、情報・機械は売上高が780億円で経常利益が9億円、溶材は売上高が460億円で経常利益が3億50百万円としている。機械・情報の損益が改善するが、鉄鋼および鉄鋼原料が大幅減益予想の見込みとしている。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が23.4%、営業利益が18.5%、経常利益が27.7%、純利益が2.5%である。営業利益と純利益が低水準の形のため通期下振れに注意が必要となるが、第2四半期以降の挽回に期待したい。

■新中期経営計画で21年3月期経常利益80億円目標

 新中期経営計画(16年度〜20年度)では、10年後の姿をイメージした長期経営ビジョン(10年度発表)のもと、3つの全体戦略(グローバルビジネス加速、商社機能強化、経営基盤充実)を柱に諸施策を推進するとした。

 そして経営目標数値には、21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円(鉄鋼35億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属24億円、機械・情報14億円、溶材6億円)、純利益52億円、海外取引比率50%(16年3月期実績40.5%)、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、期末人員1840人(16年3月期末1508人)を掲げた。

 投資計画は4年間合計300億円で、鉄鋼(80億円)は北米・メキシコ・インドにおける線材二次加工設備増強、厚板溶断設備増強、鉄鋼原料(100億円)は北米・豪州・他における原料権益への投資、非鉄金属(50億円)はメキシコ・中国・韓国・ASEANなど海外事業拠点の増強、新事業拠点の設立、機械・情報(20億円)は国内外における機械メーカー、エンジニアリング、サービス会社への出資、溶材(10億円)は流通取引先への出資、本社(IT投資他)(40億円)はM&Aの検討、業務システム改善などを推進する。

■株価は基調転換の動き、17年3月期減益予想の織り込み完了

 5月19日に単元株式数の変更および株式併合を発表した。16年10月1日付で単元株式数を1000株から100株に変更するとともに、10株を1株に併合する。

 株価の動きを見ると、6月の年初来安値156円から徐々に水準を切り上げている。そして8月31日には176円まで上伸した。

 8月31日の終値175円を指標面(16年10月1日付の株式併合前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS30円49銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は4.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS475円36銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約155億円である。

 週足チャートで見ると戻りを押さえていた13週移動平均線を突破した。基調転換の動きだ。指標面の割安感は強い。26週移動平均線を突破すれば上げ足を速める可能性があるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[8月08日更新]

神鋼商事は17年3月期第1四半期大幅減益、通期予想は据え置き

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・鉄鋼原料・非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。17年3月期第1四半期は大幅減益だった。通期予想は据え置いた。株価は年初来安値圏だが下値固めが完了して反発が期待される。なお16年10月1日付で10株を1株に併合し、単元株式数を1000株から100株に変更する。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 14年7月筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)を子会社化、15年5月コベルコ筒中トレーディングが韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウム(現ケーティーエヌ)を子会社化、15年8月ミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。

 16年1月非鉄金属材料の素材・加工品を販売する中山金属が新設分割で設立した国内外卸売事業会社の株式80%を取得し、国内外卸売事業会社および海外子会社を子会社化した。株式取得対象の国内外卸売事業会社の商号は中山金属(新)で、海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。16年4月神戸製鋼所の子会社で溶接材料、溶接機器、産業用機械などを扱う商社エヌアイウエル(現エスシーウエル)の株式80%を取得して子会社化した。

■メキシコ線材二次加工拠点でグローバル展開加速

 14年9月メキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。

■売上総利益率は改善傾向

 四半期別推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期2140億42百万円、第2四半期2124億16百万円、第3四半期2140億78百万円、第4四半期2298億71百万円、経常利益が16億38百万円、13億59百万円、17億44百万円、18億34百万円で、16年3月期は売上高が2163億60百万円、2031億23百万円、1893億35百万円、1825億24百万円、経常利益が20億49百万円、12億46百万円、13億33百万円、12億80百万円だった。

 16年3月期は、資源価格下落や期末にかけてのドル安・円高などの影響で、鉄鋼・半導体・電機業界向け取扱数量が減少し、鋼板製品の市況低迷、輸入鉄鋼原料の販売価格下落、国内人員増加による人件費増加なども影響して減収減益だった。売上総利益は同2.4%増加し、売上総利益率は3.4%で同0.4ポイント上昇した。販管費は同8.3%増加し、販管費比率は2.6%で同0.4ポイント上昇した。

 営業外では為替差損益が悪化したが、デリバティブ評価損益が改善した。営業外収益では受取配当金が増加し、持分投資利益も増加した。特別利益では固定資産売却益が減少した。ROEは8.2%で同2.0ポイント低下、自己資本比率は17.1%で同0.7ポイント低下した。配当性向は20.4%だった。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同1.1%減収で同11.5%減益、鉄鋼原料は同21.3%減収だが同53.8%増益、非鉄金属は同0.8%減収で同16.3%減益、機械・情報は同6.2%減収で同6.9%減益、溶材は同3.9%減収で同55.6%減益だった。

 鉄鋼は国内の数量減少や鋼板製品の市況低迷が影響した。鉄鋼原料は輸入鉄鋼原料の取扱数量が減少し、価格も下落したが、チタン原料の取扱量が増加した。非鉄金属は半導体向け銅板条、空調用銅管、輸出用缶材、銅・アルミスクラップなどの取扱量が減少した。機械・情報はタイヤ機械、小型蒸気発電機、太陽電池関連機材などが減少した。溶材は建設機械向け溶接材料、中国の化工機向け溶接材料などが減少した。

■17年3月期第1四半期は大幅減益

 7月29日発表した今期(17年3月期)第1四半期(4〜6月)の連結業績は売上高が前年同期比17.8%減の1777億78百万円、営業利益が同53.3%減の7億93百万円、経常利益が同40.6%減の12億17百万円、そして純利益が同95.1%減の66百万円だった。鉄鋼、半導体、電機業界向けの取り扱いが減少して大幅減収・減益だった。

 売上総利益は同10.5%減少したが、売上総利益率は3.4%で同0.2ポイント上昇した。販管費は同3.7%増加し、販管費比率は3.0%で同0.6ポイント上昇した。営業外収益では受取配当金が減少(前期5億円、今期3億04百万円)したが、デリバティブ評価益が増加(前期72百万円、今期1億26百万円)し、持分法投資利益も増加(前期66百万円、今期1億91百万円)した。特別損失では投資有価証券評価損10億11百万円を計上した。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同11.3%減収で同33.0%減益、鉄鋼原料は同30.6%減収で同35.4%減益、非鉄金属は同15.9%減収で同32.5%減益、機械・情報は同15.3%減収で41百万円の赤字(前年同期は1億25百万円の黒字)、溶材は同9.8%増収で同19.3%増益だった。

 鉄鋼では、国内鋼板数量が在庫調整進展で増加したが、市況低迷と円高進行で価格が下落した。線材製品は国内外とも数量が減少し、市況低迷と円高進行で価格が下落した。鉄鋼原料では、輸入鉄鋼原料の数量が減少し、価格も下落した。合金鉄、チタン原料は数量が増加したが、価格が下落した。非鉄金属では、空調用銅管、ハードディスク用ブランク材、銅・アルミスクラップなどの数量が減少した。機械・情報では、タイヤ機械、金属成膜装置などが減少した。溶材では、溶接材料は韓国LNG案件の数量が増加し、溶接関連機器は鉄骨溶接ロボットなどが堅調だった。

■17年3月期減収減益予想

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想については、前回予想(4月28日公表)を据え置いて、売上高が前期(16年3月期)比4.0%減の7600億円、営業利益が同26.3%減の43億円、経常利益が同25.5%減の44億円、純利益が同22.4%減の27億円としている。国内人員増加やメキシコ新工場立ち上げ費用などで減益予想だ。

 配当予想は前期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で予想配当性向は26.2%となる。なお16年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)により、併合前の第2四半期末は4円、併合後の17年3月期末は40円となる。

 セグメント別計画(連結調整前)を見ると、鉄鋼は売上高が2940億円で経常利益が21億円、鉄鋼原料は売上高が1890億円で経常利益が5億50百万円、非鉄金属は売上高が2160億円で経常利益が12億円、情報・機械は売上高が780億円で経常利益が9億円、溶材は売上高が460億円で経常利益が3億50百万円としている。機械・情報の損益が改善するが、鉄鋼および鉄鋼原料が大幅減益予想の見込みとしている。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が23.4%、営業利益が18.5%、経常利益が27.7%、純利益が2.5%である。営業利益と純利益が低水準の形のため通期下振れに注意が必要となるが、第2四半期以降の挽回に期待したい。

■新中期経営計画で21年3月期経常利益80億円目標

 新中期経営計画(16年度〜20年度)では、10年後の姿をイメージした長期経営ビジョン(10年度発表)のもと、3つの全体戦略(グローバルビジネス加速、商社機能強化、経営基盤充実)を柱に諸施策を推進するとした。

 そして経営目標数値には、21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円(鉄鋼35億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属24億円、機械・情報14億円、溶材6億円)、純利益52億円、海外取引比率50%(16年3月期実績40.5%)、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、期末人員1840人(16年3月期末1508人)を掲げた。

 投資計画は4年間合計300億円で、鉄鋼(80億円)は北米・メキシコ・インドにおける線材二次加工設備増強、厚板溶断設備増強、鉄鋼原料(100億円)は北米・豪州・他における原料権益への投資、非鉄金属(50億円)はメキシコ・中国・韓国・ASEANなど海外事業拠点の増強、新事業拠点の設立、機械・情報(20億円)は国内外における機械メーカー、エンジニアリング、サービス会社への出資、溶材(10億円)は流通取引先への出資、本社(IT投資他)(40億円)はM&Aの検討、業務システム改善などを推進する。

■株価は下値固め完了感、割安感を見直して反発期待

 なお5月19日に単元株式数の変更および株式併合を発表した。16年10月1日付で単元株式数を1000株から100株に変更するとともに、10株を1株に併合する。

 株価の動きを見ると、年初来安値圏でモミ合う展開だ。ただし6月の年初来安値156円を割り込むことなく下値固め完了感を強めている。

 8月5日の終値165円を指標面(16年10月1日付株式併合前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS30円49銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は5.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS475円36銭で算出)は0.3倍近辺である。時価総額は約146億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、160円近辺が下値支持線となりそうだ。下値固めが完了し、指標面の割安感を見直して反発が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[7月13日更新]

神鋼商事は指標面の割安感を見直して反発期待

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・鉄鋼原料・非鉄金属関連の専門商社である。17年3月期減益予想だが、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏だが、指標面の割安感を見直して反発が期待される。なお16年10月1日付で10株を1株に併合し、単元株式数を1000株から100株に変更する。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 14年7月筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)を子会社化、15年5月コベルコ筒中トレーディングが韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウム(現ケーティーエヌ)を子会社化、15年8月ミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。

 16年1月非鉄金属材料の素材・加工品を販売する中山金属が新設分割で設立した国内外卸売事業会社の株式80%を取得し、国内外卸売事業会社および海外子会社を子会社化した。株式取得対象の国内外卸売事業会社の商号は中山金属(新)で、海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。16年4月神戸製鋼所の子会社で溶接材料、溶接機器、産業用機械などを扱う商社エヌアイウエル(現エスシーウエル)の株式80%を取得して子会社化した。

■メキシコ線材二次加工拠点でグローバル展開加速

 14年9月メキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。

■売上総利益率は改善傾向

 四半期別推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期2140億42百万円、第2四半期2124億16百万円、第3四半期2140億78百万円、第4四半期2298億71百万円、経常利益が16億38百万円、13億59百万円、17億44百万円、18億34百万円で、16年3月期は売上高が2163億60百万円、2031億23百万円、1893億35百万円、1825億24百万円、経常利益が20億49百万円、12億46百万円、13億33百万円、12億80百万円だった。

 16年3月期は、資源価格下落や期末にかけてのドル安・円高などの影響で、鉄鋼・半導体・電機業界向け取扱数量が減少し、鋼板製品の市況低迷、輸入鉄鋼原料の販売価格下落、国内人員増加による人件費増加なども影響して減収減益だった。売上総利益は同2.4%増加し、売上総利益率は3.35%で同0.37ポイント上昇した。販管費は同8.3%増加し、販管費比率は2.62%で同0.42ポイント上昇した。

 営業外では為替差損益が悪化したが、デリバティブ評価損益が改善した。営業外収益では受取配当金が増加し、持分投資利益も増加した。特別利益では固定資産売却益が減少した。ROEは8.2%で同2.0ポイント低下、自己資本比率は17.1%で同0.7ポイント低下した。配当性向は20.4%だった。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同1.1%減収で同11.5%減益、鉄鋼原料は同21.3%減収だが同53.8%増益、非鉄金属は同0.8%減収で同16.3%減益、機械・情報は同6.2%減収で同6.9%減益、溶材は同3.9%減収で同55.6%減益だった。

 鉄鋼は国内の数量減少や鋼板製品の市況低迷が影響した。鉄鋼原料は輸入鉄鋼原料の取扱数量が減少し、価格も下落したが、チタン原料の取扱量が増加した。非鉄金属は半導体向け銅板条、空調用銅管、輸出用缶材、銅・アルミスクラップなどの取扱量が減少した。機械・情報はタイヤ機械、小型蒸気発電機、太陽電池関連機材などが減少した。溶材は建設機械向け溶接材料、中国の化工機向け溶接材料などが減少した。

■17年3月期減収減益予想

 今期(17年3月期)の連結業績予想(4月28日公表)については、売上高が前期(16年3月期)比4.0%減の7600億円で、営業利益が同26.3%減の43億円、経常利益が同25.5%減の44億円、純利益が同22.4%減の27億円としている。国内人員増加やメキシコ新工場立ち上げ費用などで減益予想だ。配当予想は前期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)としている。予想配当性向は26.2%となる。

 セグメント別計画(連結調整前)を見ると、鉄鋼は売上高が2940億円で経常利益が21億円、鉄鋼原料は売上高が1890億円で経常利益が5億50百万円、非鉄金属は売上高が2160億円で経常利益が12億円、情報・機械は売上高が780億円で経常利益が9億円、溶材は売上高が460億円で経常利益が3億50百万円としている。機械・情報の損益が改善するが、鉄鋼および鉄鋼原料が大幅減益予想の見込みとしている。

■新中期経営計画で21年3月期経常利益80億円目標

 新中期経営計画(16年度〜20年度)では、10年後の姿をイメージした長期経営ビジョン(10年度発表)のもと、3つの全体戦略(グローバルビジネス加速、商社機能強化、経営基盤充実)を柱に諸施策を推進するとした。

 そして経営目標数値には、21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円(鉄鋼35億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属24億円、機械・情報14億円、溶材6億円)、純利益52億円、海外取引比率50%(16年3月期実績40.5%)、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、期末人員1840人(16年3月期末1508人)を掲げた。

 投資計画は4年間合計300億円で、鉄鋼(80億円)は北米・メキシコ・インドにおける線材二次加工設備増強、厚板溶断設備増強、鉄鋼原料(100億円)は北米・豪州・他における原料権益への投資、非鉄金属(50億円)はメキシコ・中国・韓国・ASEANなど海外事業拠点の増強、新事業拠点の設立、機械・情報(20億円)は国内外における機械メーカー、エンジニアリング、サービス会社への出資、溶材(10億円)は流通取引先への出資、本社(IT投資他)(40億円)はM&Aの検討、業務システム改善などを推進する。

■株価は指標面の割安感を見直して反発期待

 なお5月19日に単元株式数の変更および株式併合を発表した。16年10月1日付で単元株式数を1000株から100株に変更するとともに、10株を1株に併合する。

 株価の動きを見ると、地合い悪化も影響して年初来安値圏で推移している。ただし6月16日の156円を割り込まず調整一巡感を強めている。

 7月8日の終値160円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS30円49銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は5.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS475円36銭で算出)は0.3倍近辺である。時価総額は約142億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、5〜6倍近辺の低PER、5%近辺の高配当利回り、0.3倍近辺の低PBRという指標面の割安感は見直して反発が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[6月22日更新]

神鋼商事は17年3月期減益予想だが指標面に割安感

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・鉄鋼原料・非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。17年3月期減益予想が嫌気され、地合い悪化も影響して株価は年初来安値圏だが指標面の割安感は強い。調整一巡して反発が期待される。16年10月1日付で10株を1株に併合し、単元株式数を1000株から100株に変更する。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 14年7月筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)を子会社化、15年5月コベルコ筒中トレーディングが韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウムを子会社化(現ケーティーエヌ)した。

 15年8月にはミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。同支店を市場調査・情報収集の拠点として、鋼材・非鉄製品・溶接材料などの拡販や、神戸製鋼グループの進出支援を図る。

 16年1月には非鉄金属材料の素材・加工品を販売する中山金属が新設分割で設立した国内外卸売事業会社の株式80%を取得し、国内外卸売事業会社および海外子会社を子会社化した。株式取得対象の国内外卸売事業会社の商号は中山金属(新)で、海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。

 16年4月には、神戸製鋼所の子会社で溶接材料、溶接機器、産業用機械などを扱う商社エヌアイウエル(16年4月1日付で社名をエスシーウエルに変更)の株式80%を取得して子会社化した。

■メキシコ線材二次加工拠点でグローバル展開加速

 14年9月にはメキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。

■売上総利益率は改善傾向

 15年3月期の四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2140億42百万円、第2四半期(7月〜9月)2124億16百万円、第3四半期(10月〜12月)2140億78百万円、第4四半期(1月〜3月)2298億71百万円だった。経常利益は第1四半期16億38百万円、第2四半期13億59百万円、第3四半期17億44百万円、第4四半期18億34百万円だった。

 15年3月期の売上総利益率は2.98%で14年3月期比0.17ポイント上昇、販管費比率は2.20%で同0.07ポイント上昇した。ROEは10.2%で同0.5ポイント上昇、自己資本比率は10.2%で同1.2ポイント上昇した。配当性向は17.8%だった。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

■16年3月期は減収減益

 前期(16年3月期)の連結業績は売上高が前々期(15年3月期)比9.1%減の7913億42百万円、営業利益が同14.1%減の58億31百万円、経常利益が同10.1%減の59億08百万円、純利益が同12.4%減の34億80百万円だった。

 資源価格下落の長期化や期末にかけての急速なドル安・円高進行などの影響で、主要需要家である鉄鋼・半導体・電機業界向けの取扱数量が減少し、鋼板製品の市況低迷、輸入鉄鋼原料の販売価格下落、国内人員増加による人件費増加なども影響して減収減益だった。なお売上総利益は同2.4%増加し、売上総利益率は3.35%で同0.37ポイント上昇したが、販管費は同8.3%増加し、販管費比率は2.62%で同0.42ポイント上昇した。

 営業外では為替差損益が悪化(前々期は差益1億51百万円計上、前期は差損9億44百万円計上)したが、デリバティブ評価損益が改善(前々期は評価損1億51百万円計上、前期は評価益6億37百万円計上)した。営業外収益で受取配当金が増加(前々期5億85百万円計上、前期8億25百万円計上)し、持分投資利益も増加(前々期3億25百万円計上、前期3億41百万円計上)した。特別利益では固定資産売却益が減少(前々期4億14百万円計上、前期5百万円計上)した。

 配当は前々期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で、配当性向は20.4%だった。またROEは8.2%で同2.0ポイント低下、自己資本比率は17.1%で同0.7ポイント低下した。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同1.1%減収で同11.5%減益、鉄鋼原料は同21.3%減収だが同53.8%増益、非鉄金属は同0.8%減収で同16.3%減益、機械・情報は同6.2%減収で同6.9%減益、溶材は同3.9%減収で同55.6%減益だった。

 鉄鋼は円安効果で鋼板製品や線材製品の輸出が増加したが、国内の数量減少や鋼板製品の市況低迷が影響した。鉄鋼原料は輸入鉄鋼原料の取扱数量が減少し、価格も下落したが、チタン原料の取扱量が増加した。非鉄金属は自動車用アルミ部材や液晶製造装置用アルミ加工品の取扱量が増加したが、半導体向け銅板条、空調用銅管、輸出用缶材、銅・アルミスクラップなどの取扱量が減少した。機械・情報は大型圧縮機、金属成膜装置、液晶用電子材料などが増加したが、タイヤ機械、小型蒸気発電機、太陽電池関連機材などが減少した。溶材は建築鉄骨向け溶接材料、汎用溶接機、鉄骨溶接ロボットシステムなどが増加したが、建設機械向け溶接材料、中国の化工機向け溶接材料などが減少した。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2163億60百万円、第2四半期(7月〜9月)2031億23百万円、第3四半期(10月〜12月)1893億35百万円、第4四半期(1月〜3月)1825億24百万円、経常利益は第1四半期20億49百万円、第2四半期12億46百万円、第3四半期13億33百万円、第4四半期12億80百万円だった。

■17年3月期減収減益予想

 今期(17年3月期)の連結業績予想(4月28日公表)については、売上高が前期(16年3月期)比4.0%減の7600億円で、営業利益が同26.3%減の43億円、経常利益が同25.5%減の44億円、純利益が同22.4%減の27億円としている。国内人員増加やメキシコ新工場立ち上げ費用などで減益予想だ。配当予想は前期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)としている。予想配当性向は26.2%となる。

 セグメント別計画(連結調整前)を見ると、鉄鋼は売上高が2940億円で経常利益が21億円、鉄鋼原料は売上高が1890億円で経常利益が5億50百万円、非鉄金属は売上高が2160億円で経常利益が12億円、情報・機械は売上高が780億円で経常利益が9億円、溶材は売上高が460億円で経常利益が3億50百万円としている。機械・情報の損益が改善するが、鉄鋼および鉄鋼原料が大幅減益予想の見込みとしている。

■新中期経営計画を策定

 新中期経営計画(16年度〜20年度)では、10年後の姿をイメージした長期経営ビジョン(10年度発表)のもと、3つの全体戦略(グローバルビジネス加速、商社機能強化、経営基盤充実)を柱に諸施策を推進するとした。

 そして経営目標数値には、21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円(鉄鋼35億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属24億円、機械・情報14億円、溶材6億円)、純利益52億円、海外取引比率50%(16年3月期実績40.5%)、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、期末人員1840人(16年3月期末1508人)を掲げた。

 投資計画は4年間合計300億円で、鉄鋼(80億円)は北米・メキシコ・インドにおける線材二次加工設備増強、厚板溶断設備増強、鉄鋼原料(100億円)は北米・豪州・他における原料権益への投資、非鉄金属(50億円)はメキシコ・中国・韓国・ASEANなど海外事業拠点の増強、新事業拠点の設立、機械・情報(20億円)は国内外における機械メーカー、エンジニアリング、サービス会社への出資、溶材(10億円)は流通取引先への出資、本社(IT投資他)(40億円)はM&Aの検討、業務システム改善などを推進する。

■株価は指標面の割安感を見直し

 5月19日に単元株式数の変更および株式併合を発表した。16年10月1日付で単元株式数を1000株から100株に変更するとともに、10株を1株に併合する。

 株価の動きを見ると、17年3月期減収減益予想を嫌気し、地合い悪化も影響して年初来安値を更新した。6月16日には156円まで調整した。

 6月21日の終値171円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS30円49銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は4.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS475円36銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約152億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、5〜6倍近辺の低PER、4%台の高配当利回り、0.4倍近辺の低PBRと指標面の割安感は強い。調整が一巡して反発が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[5月23日更新]

神鋼商事は17年3月期減益予想だが指標面に割安感

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・鉄鋼原料・非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。5月19日に単元株式数変更と株式併合を発表した。16年10月1日付で単元株式数を1000株から100株に変更するとともに、10株を1株に併合する。株価は17年3月期減収減益予想を嫌気して年初来安値圏だが、失望売りが一巡してほぼ底値圏だろう。5〜6倍近辺の低PER、4%台の高配当利回り、0.4倍近辺の低PBRという指標面の割安感を見直す動きが強まりそうだ。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で、鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 14年7月には筒中金属産業が新設分割によって設立した国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)の株式70%を取得して子会社化した。15年5月にはコベルコ筒中トレーディングが筒中金属産業から、韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウムの株式88.89%を取得して子会社化(現ケーティーエヌ)した。

 15年8月にはミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。同支店を市場調査・情報収集の拠点として、鋼材・非鉄製品・溶接材料など取り扱い製品の拡販や、神戸製鋼グループの進出支援を図るとしている。

 16年1月には、非鉄金属材料の素材・加工品を販売する中山金属が新設分割によって設立した国内外卸売事業会社の株式80%を取得し、国内外卸売事業会社および海外子会社を子会社化した。株式取得対象の国内外卸売事業会社の商号は中山金属(新)で、海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。

 16年4月には、神戸製鋼所の子会社で溶接材料、溶接機器、産業用機械などを扱う商社エヌアイウエル(16年4月1日付で社名をエスシーウエルに変更)の株式80%を取得して子会社化した。神戸製鋼グループとして溶接事業におけるメーカーと商社の機能を明確化し、商社としての事業領域でシナジーを追求する。

■メキシコ線材二次加工拠点でグローバル展開加速

 14年9月にはメキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。

■売上総利益率は改善傾向

 15年3月期の四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2140億42百万円、第2四半期(7月〜9月)2124億16百万円、第3四半期(10月〜12月)2140億78百万円、第4四半期(1月〜3月)2298億71百万円だった。経常利益は第1四半期16億38百万円、第2四半期13億59百万円、第3四半期17億44百万円、第4四半期18億34百万円だった。

 15年3月期の売上総利益率は2.98%で14年3月期比0.17ポイント上昇、販管費比率は2.20%で同0.07ポイント上昇した。ROEは10.2%で同0.5ポイント上昇、自己資本比率は10.2%で同1.2ポイント上昇した。配当性向は17.8%だった。

■16年3月期は減収減益

 前期(16年3月期)連結業績は、売上高が前々期(15年3月期)比9.1%減の7913億42百万円、営業利益が同14.1%減の58億31百万円、経常利益が同10.1%減の59億08百万円、純利益が同12.4%減の34億80百万円だった。

 資源価格下落の長期化や期末にかけての急速なドル安・円高進行などの影響で、主要需要家である鉄鋼・半導体・電機業界向けの取扱数量が減少し、鋼板製品の市況低迷、輸入鉄鋼原料の販売価格下落、国内人員増加による人件費増加なども影響して計画を下回る減収減益だった。なお売上総利益は同2.4%増加し、売上総利益率は3.35%で同0.37ポイント上昇したが、販管費は同8.3%増加し、販管費比率は2.62%で同0.42ポイント上昇した。

 営業外では為替差損益が悪化(前々期は差益1億51百万円計上、前期は差損9億44百万円計上)したが、デリバティブ評価損益が改善(前々期は評価損1億51百万円計上、前期は評価益6億37百万円計上)した。営業外収益で受取配当金が増加(前々期5億85百万円計上、前期8億25百万円計上)し、持分投資利益も増加(前々期3億25百万円計上、前期3億41百万円計上)した。営業外費用では売掛債権剰余損が減少(前々期5億66百万円計上、前期3億88百万円計上)した。特別利益では固定資産売却益が減少(前々期4億14百万円計上、前期5百万円計上)した。特別損失では減損損失1億92百万円が一巡したが、投資有価証券評価損2億31百万円を計上した。

 配当は前々期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で、配当性向は20.4%だった。またROEは8.2%で同2.0ポイント低下、自己資本比率は17.1%で同0.7ポイント低下した。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)動向を見ると、鉄鋼は同1.1%減収で同11.5%減益、鉄鋼原料は同21.3%減収だが同53.8%増益、非鉄金属は同0.8%減収で同16.3%減益、機械・情報は同6.2%減収で同6.9%減益、溶材は同3.9%減収で同55.6%減益だった。

 鉄鋼は円安効果で鋼板製品や線材製品の輸出が増加したが、国内の数量減少や鋼板製品の市況低迷が影響した。鉄鋼原料は輸入鉄鋼原料の取扱数量が減少し、価格も下落したが、チタン原料の取扱量が増加した。非鉄金属は自動車用アルミ部材や液晶製造装置用アルミ加工品の取扱量が増加したが、半導体向け銅板条、空調用銅管、輸出用缶材、銅・アルミスクラップなどの取扱量が減少した。機械・情報は大型圧縮機、金属成膜装置、液晶用電子材料などが増加したが、タイヤ機械、小型蒸気発電機、太陽電池関連機材などが減少した。溶材は建築鉄骨向け溶接材料、汎用溶接機、鉄骨溶接ロボットシステムなどが増加したが、建設機械向け溶接材料、中国の化工機向け溶接材料などが減少した。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2163億60百万円、第2四半期(7月〜9月)2031億23百万円、第3四半期(10月〜12月)1893億35百万円、第4四半期(1月〜3月)1825億24百万円、経常利益は第1四半期20億49百万円、第2四半期12億46百万円、第3四半期13億33百万円、第4四半期12億80百万円だった。

■17年3月期減収減益予想

 今期(17年3月期)の連結業績予想(4月28日公表)については、売上高が前期(16年3月期)比4.0%減の7600億円で、営業利益が同26.3%減の43億円、経常利益が同25.5%減の44億円、純利益が同22.4%減の27億円としている。国内人員増加やメキシコ新工場立ち上げ費用などで減益予想だ。

 配当予想は前期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で、予想配当性向は26.2%となる。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別計画(連結調整前)を見ると、鉄鋼は売上高が2940億円で経常利益が21億円、鉄鋼原料は売上高が1890億円で経常利益が5億50百万円、非鉄金属は売上高が2160億円で経常利益が12億円、情報・機械は売上高が780億円で経常利益が9億円、溶材は売上高が460億円で経常利益が3億50百万円としている。機械・情報の損益が改善するが、鉄鋼および鉄鋼原料が大幅減益予想の見込みとしている。

■新中期経営計画を策定

 新中期経営計画(16年度〜20年度)では、10年後の姿をイメージした長期経営ビジョン(10年度発表)のもと、3つの全体戦略(グローバルビジネス加速、商社機能強化、経営基盤充実)を柱に諸施策を推進するとした。

 そして経営目標数値には、21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円(鉄鋼35億円、鉄鋼原料13億円、非鉄金属24億円、機械・情報14億円、溶材6億円)、純利益52億円、海外取引比率50%(16年3月期実績40.5%)、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、期末人員1840人(16年3月期末1508人)を掲げた。

 投資計画は4年間合計300億円で、鉄鋼(80億円)は北米・メキシコ・インドにおける線材二次加工設備増強、厚板溶断設備増強、鉄鋼原料(100億円)は北米・豪州・他における原料権益への投資、非鉄金属(50億円)はメキシコ・中国・韓国・ASEANなど海外事業拠点の増強、新事業拠点の設立、機械・情報(20億円)は国内外における機械メーカー、エンジニアリング、サービス会社への出資、溶材(10億円)は流通取引先への出資、本社(IT投資他)(40億円)はM&Aの検討、業務システム改善などを推進する。

■株価は失望売り一巡感、指標面の割安感を見直し

 5月19日に単元株式数の変更および株式併合を発表した。16年10月1日付で単元株式数を1000株から100株に変更するとともに、10株を1株に併合する。併合後の発行済株式総数は886万562株となる。

 株価の動きを見ると、17年3月期減収減益予想を嫌気して水準を切り下げ、5月13日には年初来安値となる176円まで調整した。その後は180円近辺で推移している。失望売りがほぼ一巡したようだ。

 5月20日の終値180円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS30円49銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は4.5%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績連結BPS475円36銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約159億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、失望売りが一巡してほぼ底値圏だろう。5〜6倍近辺の低PER、4%台の高配当利回り、0.4倍近辺の低PBRという指標面の割安感を見直す動きが強まりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月13日更新]

神鋼商事は調整一巡して出直り、指標面の割安感に注目

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・非鉄金属関連の専門商社である。神戸製鋼所<5406>グループの中核商社としてグローバル展開を加速している。16年3月期は減益予想だが17年3月期は増収増益基調が期待される。株価は3月の戻り高値圏から反落したが、2月安値を割り込まずに切り返す動きだ。調整が一巡して出直り展開だろう。4〜5倍近辺の低PER、4%台の高配当利回り、0.4倍近辺の低PBRという指標面の割安感も注目点だ。なお4月28日に16年3月期決算発表を予定している。

■神戸製鋼所グループの中核商社

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、数値目標として16年3月期売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。

■M&Aも積極活用

 14年7月には筒中金属産業が新設分割によって設立した国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)の株式70%を取得して子会社化した。

 15年5月には子会社のコベルコ筒中トレーディングが筒中金属産業から、韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウムの株式88.89%を取得して子会社化(現ケーティーエヌ)した。

 15年8月にはミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。同支店を市場調査・情報収集の拠点として、鋼材・非鉄製品・溶接材料など取り扱い製品の拡販や、神戸製鋼グループの進出支援を図るとしている。

 15年9月には、非鉄金属材料の素材および加工品を販売する中山金属が新設分割によって設立する国内外卸売事業会社の株式80%を取得(16年1月)し、国内外卸売事業会社および海外子会社を子会社化すると発表した。株式取得対象の国内外卸売事業会社の商号は中山金属(新)とする。海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。

 16年2月には神戸製鋼所の子会社エヌアイウエルの株式80%を16年4月1日付で神鋼商事に譲渡すると発表した。エヌアイウエルは溶接材料、溶接機器、産業用機械などを扱う商社で、06年に神戸製鋼所が100%子会社化した。今回の株式譲渡によって、神戸製鋼グループとして溶接事業におけるメーカーと商社の機能を明確化し、神鋼商事の商社としての事業領域でシナジーを追求する方針だ。なおエヌアイウエルは16年4月1日付で社名をエスシーウエルに変更する。

■メキシコ線材二次加工拠点でグローバル展開加速

 14年9月にはメキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。

■売上総利益率改善

 15年3月期の四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2140億42百万円、第2四半期(7月〜9月)2124億16百万円、第3四半期(10月〜12月)2140億78百万円、第4四半期(1月〜3月)2298億71百万円だった。経常利益は第1四半期16億38百万円、第2四半期13億59百万円、第3四半期17億44百万円、第4四半期18億34百万円だった。

 なお15年3月期の売上総利益率は2.98%で14年3月期比0.17ポイント上昇、販管費比率は2.20%で同0.07ポイント上昇、ROEは10.2%で同0.5ポイント上昇、自己資本比率は10.2%で同1.2ポイント上昇した。配当性向は17.8%だった。

■16年3月期第3四半期累計は減収減益

 前期(16年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比5.0%減の6088億18百万円、営業利益が同9.4%減の44億18百万円、経常利益が同2.4%減の46億28百万円、純利益が同3.4%減の29億68百万円だった。

 主要需要家である鉄鋼・半導体・電機業界向けの取り扱い減少、鋼板製品の市況低迷、輸入鉄鋼原料の販売価格下落、国内人員増加などで減収減益だった。なお売上総利益率は3.27%で同0.28ポイント上昇したが、販管費比率は2.54%で同0.31ポイント上昇した。

 営業外では、為替差損益が悪化(前期は差益6億20百万円計上、今期は差損5億69百万円計上)したが、デリバティブ評価損益が改善(前期は評価損7億58百万円計上、今期は評価益3億18百万円計上)した。また営業外収益で受取配当金が増加(前期は5億61百万円計上、今期は8億02百万円計上)した。持分投資損益は前期並み(前期は利益2億48百万円計上、今期は2億53百万円計上)だった。特別利益では固定資産売却益が一巡(前期は4億05百万円計上)した。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)の動向を見ると、鉄鋼は同1.7%増収で同8.1%増益、鉄鋼原料は同15.3%減収だが同69.0%増益、非鉄金属は同3.7%増収だが同15.2%減益、機械・情報は同3.5%減収で同67.6%減益、溶材は同0.9%減収で同63.8%減益だった。

 鉄鋼は鋼板製品の市況が低迷したが、円安や米国子会社の好調が寄与した。鉄鋼原料は輸入鉄鋼原料の価格が大幅下落したが、取扱量は増加した。非鉄金属は自動車用アルミ部材などが好調だったが、半導体向け銅板条などの取扱量が減少した。機械・情報は連結子会社における特定案件の追加原価計上が影響した。溶材は中国の造船向けなどが減少し、海外現地法人における先行投資も影響した。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2163億60百万円、第2四半期(7月〜9月)2031億23百万円、第3四半期(10月〜12月)1893億35百万円、経常利益は第1四半期20億49百万円、第2四半期12億46百万円、第3四半期13億33百万円だった。

■16年3月期通期減益見込みだが、17年3月期は増収増益期待

 前期(16年3月期)通期の連結業績予想(7月29日に利益を増額修正)は、売上高が前々期(15年3月期)比1.1%増の8800億円、営業利益が同8.7%減の62億円、経常利益が同4.2%減の63億円、純利益が同1.9%減の39億円としている。国内人員増加やメキシコ新工場立ち上げ費用などで減益予想だ。

 配当予想(4月28日公表)は前期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)としている。予想配当性向は18.2%となる。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別の計画(連結調整前)を見ると、鉄鋼は売上高が3090億円で経常利益が28億円、鉄鋼原料は売上高が2530億円で経常利益が8億円、非鉄金属は売上高が2420億円で経常利益が13億50百万円、情報・機械は売上高が760億円で経常利益が10億50百万円、溶材は売上高が430億円で経常利益が4億円としている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が69.2%、営業利益が71.3%、経常利益が73.5%、純利益が76.1%と概ね順調な水準である。前期(16年3月期)は国内人員増加やメキシコ新工場立ち上げ費用などで減益予想だが、今期(17年3月期)は増収増益が期待される。M&A戦略やグローバル展開が加速し、メキシコ新工場も寄与して中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡して出直り

 株価の動きを見ると、3月25日の戻り高値215円から反落して4月7日、8日そして11日に186円まで調整したが、2月安値184円を割り込まずに切り返す動きだ。

 4月12日の終値192円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS44円04銭で算出)は4〜5倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は4.2%近辺、そして前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS479円84銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約170億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、2月安値を割り込まず調整一巡感を強めている。ほぼ底値圏で調整が一巡して出直り展開だろう。4〜5倍近辺の低PER、4%台の高配当利回り、0.4倍近辺の低PBRという指標面の割安感も注目点だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月25日更新]

神鋼商事は下値切り上げて戻り歩調、指標面の割安感を見直し

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・非鉄金属関連の専門商社である。神戸製鋼所<5406>グループの中核商社としてグローバル展開を加速している。16年3月期は減益予想だが17年3月期は収益改善基調が期待される。株価は地合い悪化の影響を受けた2月安値から下値を切り上げている。4〜5倍近辺の低PER、3%台後半の高配当利回り、0.4倍近辺の低PBRという指標面の割安感を見直して戻り歩調の展開だろう。

■神戸製鋼所グループの中核商社

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、数値目標として16年3月期売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。

■M&Aも積極活用

 14年7月には筒中金属産業が新設分割によって設立した国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)の株式70%を取得して子会社化した。

 15年5月には子会社のコベルコ筒中トレーディングが筒中金属産業から、韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウムの株式88.89%を取得して子会社化(現ケーティーエヌ)した。

 15年8月にはミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。同支店を市場調査・情報収集の拠点として、鋼材・非鉄製品・溶接材料など取り扱い製品の拡販や、神戸製鋼グループの進出支援を図るとしている。

 15年9月には、非鉄金属材料の素材および加工品を販売する中山金属が新設分割によって設立する国内外卸売事業会社の株式80%を取得(16年1月)し、国内外卸売事業会社および海外子会社を子会社化すると発表した。株式取得対象の国内外卸売事業会社の商号は中山金属(新)とする。海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。

 16年2月には神戸製鋼所の子会社エヌアイウエルの株式80%を16年4月1日付で神鋼商事に譲渡すると発表した。エヌアイウエルは溶接材料、溶接機器、産業用機械などを扱う商社で、06年に神戸製鋼所が100%子会社化した。今回の株式譲渡によって、神戸製鋼グループとして溶接事業におけるメーカーと商社の機能を明確化し、神鋼商事の商社としての事業領域でシナジーを追求する方針だ。なおエヌアイウエルは16年4月1日付で社名をエスシーウエルに変更する。

■メキシコ線材二次加工拠点でグローバル展開加速

 14年9月にはメキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。

■経常利益拡大基調

 15年3月期の四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2140億42百万円、第2四半期(7月〜9月)2124億16百万円、第3四半期(10月〜12月)2140億78百万円、第4四半期(1月〜3月)2298億71百万円だった。経常利益は第1四半期16億38百万円、第2四半期13億59百万円、第3四半期17億44百万円、第4四半期18億34百万円だった。経常利益は拡大基調だ。

 なお15年3月期の売上総利益率は2.98%で14年3月期比0.17ポイント上昇、販管費比率は2.20%で同0.07ポイント上昇、ROEは10.2%で同0.5ポイント上昇、自己資本比率は10.2%で同1.2ポイント上昇した。配当性向は17.8%だった。

■16年3月期第3四半期累計は減収減益

 今期(16年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比5.0%減の6088億18百万円、営業利益が同9.4%減の44億18百万円、経常利益が同2.4%減の46億28百万円、純利益が同3.4%減の29億68百万円だった。

 主要需要家である鉄鋼・半導体・電機業界向けの取り扱い減少、鋼板製品の市況低迷、輸入鉄鋼原料の販売価格下落、国内人員増加などで減収減益だった。なお売上総利益率は3.27%で同0.28ポイント上昇したが、販管費比率は2.54%で同0.31ポイント上昇した。

 営業外では、為替差損益が悪化(前期は差益6億20百万円計上、今期は差損5億69百万円計上)したが、デリバティブ評価損益が改善(前期は評価損7億58百万円計上、今期は評価益3億18百万円計上)した。また営業外収益で受取配当金が増加(前期は5億61百万円計上、今期は8億02百万円計上)した。持分投資損益は前期並み(前期は利益2億48百万円計上、今期は2億53百万円計上)だった。特別利益では固定資産売却益が一巡(前期は4億05百万円計上)した。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)の動向を見ると、鉄鋼は同1.7%増収で同8.1%増益、鉄鋼原料は同15.3%減収だが同69.0%増益、非鉄金属は同3.7%増収だが同15.2%減益、機械・情報は同3.5%減収で同67.6%減益、溶材は同0.9%減収で同63.8%減益だった。

 鉄鋼は鋼板製品の市況が低迷したが、円安や米国子会社の好調が寄与した。鉄鋼原料は輸入鉄鋼原料の価格が大幅下落したが、取扱量は増加した。非鉄金属は自動車用アルミ部材などが好調だったが、半導体向け銅板条などの取扱量が減少した。機械・情報は連結子会社における特定案件の追加原価計上が影響した。溶材は中国の造船向けなどが減少し、海外現地法人における先行投資も影響した。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2163億60百万円、第2四半期(7月〜9月)2031億23百万円、第3四半期(10月〜12月)1893億35百万円、経常利益は第1四半期20億49百万円、第2四半期12億46百万円、第3四半期13億33百万円だった。

■16年3月期通期減益見込みだが、17年3月期の収益改善期待

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想(7月29日に利益を増額修正)は、売上高が前期(15年3月期)比1.1%増の8800億円、営業利益が同8.7%減の62億円、経常利益が同4.2%減の63億円、純利益が同1.9%減の39億円としている。

 国内人員増加やメキシコ新工場立ち上げ費用などで減益予想だが、円安による収益改善、受取配当金の増加に加えて、海外子会社の初期投資費用の発生時期を見直した結果、期初計画に比べて減益幅が縮小する見込みだ。

 配当予想(4月28日公表)は前期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)としている。予想配当性向は18.2%となる。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別の計画(連結調整前)を見ると、鉄鋼は売上高が3090億円で経常利益が28億円、鉄鋼原料は売上高が2530億円で経常利益が8億円、非鉄金属は売上高が2420億円で経常利益が13億50百万円、情報・機械は売上高が760億円で経常利益が10億50百万円、溶材は売上高が430億円で経常利益が4億円としている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が69.2%、営業利益が71.3%、経常利益が73.5%、純利益が76.1%である。今期(16年3月期)は減益予想だが、来期(17年3月期)は収益改善が期待される。M&A戦略やグローバル展開が加速し、キシコ新工場も寄与して中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は2月安値から下値切り上げて戻り歩調

 株価の動きを見ると、地合い悪化の影響を受けて急落した2月12日の昨年来安値184円から下値を切り上げている。そして3月24日には211円まで上伸した。調整が一巡したようだ。

 3月24日の終値211円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円04銭で算出)は4〜5倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は3.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS479円84銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約187億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を突破し、25日移動平均線が上向きに転じた。また週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。4〜5倍近辺の低PER、3%台後半の高配当利回り、0.4倍近辺の低PBRという指標面の割安感を見直して戻り歩調の展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[2月18日更新]

神鋼商事は17年3月期の収益改善期待、指標面の割安感を見直し

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・非鉄金属関連の専門商社である。神戸製鋼所<5406>グループの中核商社としてグローバル展開を加速している。2月9日には神戸製鋼所の子会社エヌアイウエルの株式80%を16年4月1日付で神鋼商事に譲渡すると発表した。16年3月期は減益予想だが17年3月期は収益改善基調が期待される。株価は地合い悪化の影響で急落したが、4〜5倍近辺の低PER、4%台の高配当利回り、0.4倍近辺の低PBRという指標面の割安感を見直して反発展開だろう。

■神戸製鋼所グループの中核商社

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、数値目標として16年3月期売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。

■M&Aも積極活用

 14年7月には筒中金属産業が新設分割によって設立した国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)の株式70%を取得して子会社化した。

 15年5月には子会社のコベルコ筒中トレーディングが筒中金属産業から、韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウムの株式88.89%を取得して子会社化(現ケーティーエヌ)した。

 15年8にはミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。同支店を市場調査・情報収集の拠点として、鋼材・非鉄製品・溶接材料など取り扱い製品の拡販や、神戸製鋼グループの進出支援を図るとしている。

 15年9月には、非鉄金属材料の素材および加工品を販売する中山金属が新設分割によって設立する国内外卸売事業会社の株式80%を取得(16年1月)し、国内外卸売事業会社および海外子会社を子会社化すると発表した。株式取得対象の国内外卸売事業会社の商号は中山金属(新)とする。海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。

 また2月9日には、神戸製鋼所の子会社エヌアイウエルの株式80%を16年4月1日付で神鋼商事に譲渡すると発表した。エヌアイウエルは溶接材料、溶接機器、産業用機械などを扱う商社で、06年に神戸製鋼所が100%子会社化した。今回の株式譲渡によって、神戸製鋼グループとして溶接事業におけるメーカーと商社の機能を明確化し、神鋼商事の商社としての事業領域でシナジーを追求する方針だ。なおエヌアイウエルは16年4月1日付で社名をエスシーウエルに変更する。

■メキシコ線材二次加工拠点が稼働予定でグローバル展開加速

 14年9月にはメキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。15年9月に建屋完成、10月に設備搬入、12月に稼働を予定している。

■営業利益拡大基調

 なお15年3月期の四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2140億42百万円、第2四半期(7月〜9月)2124億16百万円、第3四半期(10月〜12月)2140億78百万円、第4四半期(1月〜3月)2298億71百万円だった。経常利益は第1四半期16億38百万円、第2四半期13億59百万円、第3四半期17億44百万円、第4四半期18億34百万円だった。

 なお15年3月期の売上総利益率は2.98%で14年3月期比0.17ポイント上昇、販管費比率は2.20%で同0.07ポイント上昇、ROEは10.2%で同0.5ポイント上昇、自己資本比率は10.2%で同1.2ポイント上昇した。配当性向は17.8%だった。

■16年3月期第3四半期累計は減収減益

 今期(16年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比5.0%減の6088億18百万円、営業利益が同9.4%減の44億18百万円、経常利益が同2.4%減の46億28百万円、純利益が同3.4%減の29億68百万円だった。

 主要需要家である鉄鋼・半導体・電機業界向けの取り扱い減少、鋼板製品の市況低迷、輸入鉄鋼原料の販売価格下落、国内人員増加などで減収減益だった。なお売上総利益率は3.27%で同0.28ポイント上昇したが、販管費比率は2.54%で同0.31ポイント上昇した。

 営業外では、為替差損益が悪化(前期は差益6億20百万円計上、今期は差損5億69百万円計上)したが、デリバティブ評価損益が改善(前期は評価損7億58百万円計上、今期は評価益3億18百万円計上)した。また営業外収益で受取配当金が増加(前期は5億61百万円計上、今期は8億02百万円計上)した。持分投資損益は前期並み(前期は利益2億48百万円計上、今期は2億53百万円計上)だった。特別利益では固定資産売却益が一巡(前期は4億05百万円計上)した。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)の動向を見ると、鉄鋼は同1.7%増収で同8.1%増益、鉄鋼原料は同15.3%減収だが同69.0%増益、非鉄金属は同3.7%増収だが同15.2%減益、機械・情報は同3.5%減収で同67.6%減益、溶材は同0.9%減収で同63.8%減益だった。

 鉄鋼は鋼板製品の市況が低迷したが、円安や米国子会社の好調が寄与した。鉄鋼原料は輸入鉄鋼原料の価格が大幅下落したが、取扱量は増加した。非鉄金属は自動車用アルミ部材などが好調だったが、半導体向け銅板条などの取扱量が減少した。機械・情報は連結子会社における特定案件の追加原価計上が影響した。溶材は中国の造船向けなどが減少し、海外現地法人における先行投資も影響した。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2163億60百万円、第2四半期(7月〜9月)2031億23百万円、第3四半期(10月〜12月)1893億35百万円、経常利益は第1四半期20億49百万円、第2四半期12億46百万円、第3四半期13億33百万円だった。

■16年3月期通期減益見込みだが、17年3月期の収益改善期待

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想は前回予想(7月29日に利益を増額修正)を据え置いて、売上高が前期比1.1%増の8800億円、営業利益が同8.7%減の62億円、経常利益が同4.2%減の63億円、純利益が同1.9%減の39億円としている。

 国内人員増加やメキシコ新工場立ち上げ費用などで減益予想だが、円安による収益改善、受取配当金の増加に加えて、海外子会社の初期投資費用の発生時期を見直した結果、期初計画に比べて減益幅が縮小する見込みだ。

 配当予想(4月28日公表)は前期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)としている。予想配当性向は18.2%となる。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別の計画(連結調整前)を見ると、鉄鋼は売上高が3090億円で経常利益が28億円、鉄鋼原料は売上高が2530億円で経常利益が8億円、非鉄金属は売上高が2420億円で経常利益が13億50百万円、情報・機械は売上高が760億円で経常利益が10億50百万円、溶材は売上高が430億円で経常利益が4億円としている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が69.2%、営業利益が71.3%、経常利益が73.5%、純利益が76.1%である。今期(16年3月期)は減益予想だが、来期(17年3月期)は収益改善が期待される。M&A戦略やグローバル展開が加速し、キシコ新工場も寄与して中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は地合い悪化の影響を受けたが指標面の割安感を見直し

 株価の動きを見ると、地合い悪化の影響を受けて急落し、2月12日には13年7月183円以来の安値水準となる184円まで調整した。ただし売られ過ぎ感を強めている。

 2月17日の終値195円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円04銭で算出)は4〜5倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は4.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS479円84銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約173億円である。

 週足チャートで見ると大陰線を引いて急落したが、マイナス乖離率が拡大して売られ過ぎ感の強い水準だ。4〜5倍近辺の低PER、4%台の高配当利回り、0.4倍近辺の低PBRという指標面の割安感を見直して反発展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月14日更新]

神鋼商事はグローバル展開の加速や指標面の割安感を見直し

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・非鉄金属関連の専門商社である。グローバル展開を加速してメキシコの線材二次加工拠点が稼働予定である。株価は全般地合い悪化も影響して昨年来安値圏だが調整の最終局面のようだ。5倍近辺の予想PER、3%台の予想配当利回り、0.5倍近辺の実績PBRという指標面の割安感も見直して反発のタイミングだろう。

■神戸製鋼所グループの中核商社

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、数値目標として16年3月期売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。

■M&Aも積極活用

 14年7月には筒中金属産業が新設分割によって設立した国内卸売事業会社(現コベルコ筒中トレーディング)の株式70%を取得して子会社化した。

 15年5月には子会社のコベルコ筒中トレーディングが筒中金属産業から、韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウムの株式88.89%を取得して子会社化(現ケーティーエヌ)した。

 15年8にはミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。同支店を市場調査・情報収集の拠点として、鋼材・非鉄製品・溶接材料など取り扱い製品の拡販や、神戸製鋼グループの進出支援を図るとしている。

 15年9月には、非鉄金属材料の素材および加工品を販売する中山金属が新設分割によって設立する国内外卸売事業会社の株式80%を取得(16年1月)し、国内外卸売事業会社および海外子会社を子会社化すると発表した。株式取得対象の国内外卸売事業会社の商号は中山金属(新)とする。海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。

■メキシコ線材二次加工拠点が稼働予定でグローバル展開加速

 14年9月にはメキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。15年9月に建屋完成、10月に設備搬入、12月に稼働を予定している。

■営業利益拡大基調

 なお15年3月期の四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2140億42百万円、第2四半期(7月〜9月)2124億16百万円、第3四半期(10月〜12月)2140億78百万円、第4四半期(1月〜3月)2298億71百万円だった。経常利益は第1四半期16億38百万円、第2四半期13億59百万円、第3四半期17億44百万円、第4四半期18億34百万円だった。収益拡大基調だ。

 15年3月期のROEは10.2%で14年3月期比0.5ポイント上昇、自己資本比率は10.2%で同1.2ポイント上昇した。配当性向は17.8%だった。

■16年3月期第2四半期累計は最終増益

 今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.6%減の4194億83百万円、営業利益が同1.1%減の30億13百万円だが、経常利益が同10.0%増の32億95百万円、純利益が同7.3%増の21億30百万円だった。

 輸入鉄鋼原料の価格下落や国内の人員増加などで減収、営業減益だったが、受取配当金の増加などが寄与して経常増益、最終増益だった。売上総利益率は3.18%で同0.26ポイント上昇、販管費比率は2.47%で同0.26ポイント上昇した。

 営業外では、為替差損益がマイナスサイド(前期は差益3億73百万円計上、今期は差損4億60百万円計上)に転じたが、デリバティブ評価損益がプラスサイド(前期は評価損4億08百万円計上、今期は評価益3億66百万円計上)に転じたまた受取配当金が増加(前期は3億86百万円計上、今期は5億82百万円計上)した。特別損益では固定資産売却益が一巡(前期は4億05百万円計上)した。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)の動向を見ると、鉄鋼は同5.9%増収で同21.2%増益、鉄鋼原料は同13.4%減収だが同1.9%増益、非鉄金属は同10.2%増収だが同2.4%減益、機械・情報は同1.7%増収だが同52.4%減益、溶材は同2.3%増収だが同48.7%減益だった。

 鉄鋼は鋼板、線材とも円安に伴って輸出数量が増加し、線材の輸出価格上昇が寄与した。鉄鋼原料は神戸製鋼所向け輸入鉄鋼原料の価格が下落して減収だったが、取扱量は増加した。非鉄金属は空調用銅管やアルミ地金の取扱量が増加した。機械・情報はアルミ加工機械が減少したが金属成膜装置が増加した。溶材では国内造船向け溶接材料、鉄骨溶接ロボットシステムなどが増加した。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2163億60百万円、第2四半期(7月〜9月)2031億23百万円、経常利益は第1四半期20億49百万円、第2四半期12億46百万円だった。

■16年3月期は期初計画に比べて減益幅縮小見込み

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想(7月29日に利益を増額修正)は、売上高が前期比1.1%増の8800億円、営業利益が同8.7%減の62億円、経常利益が同4.2%減の63億円、純利益が同1.9%減の39億円としている。

 国内人員増加やメキシコ新工場立ち上げ費用などで減益予想だが、円安による収益改善、受取配当金の増加に加えて、海外子会社の初期投資費用の発生時期を見直した結果、第2四半期累計の利益が計画を上回り、通期ベースでも期初計画に比べて減益幅が縮小する見込みだ。

 配当予想(4月28日公表)は前期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)としている。予想配当性向は18.2%となる。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別の計画(連結調整前)を見ると、鉄鋼は売上高が3090億円で経常利益が28億円、鉄鋼原料は売上高が2530億円で経常利益が8億円、非鉄金属は売上高が2420億円で経常利益が13億50百万円、情報・機械は売上高が760億円で経常利益が10億50百万円、溶材は売上高が430億円で経常利益が4億円としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.7%、営業利益が48.6%、経常利益が52.3%、純利益が54.6%と概ね順調な水準である。

 なおメキシコ新工場に関しては16年3月期には立ち上げ費用負担が先行するが、17年3月期以降の収益寄与が期待される。M&A戦略やグローバル展開の加速で中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は調整の最終局面、指標面に割安感

 株価の動きを見ると、戻り高値圏260円台から反落し、1月12日には昨年来安値となる218円まで下押した。全般地合い悪化が影響したようだ。ただし売られ過ぎ感を強めている。

 1月13日の終値224円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円04銭で算出)は5倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は3.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS479円84銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約198億円である。

 週足チャートで見ると安値圏の下ヒゲで底打ち感を強めている。調整の最終局面のようだ。5倍近辺の予想PER、3%台の予想配当利回り、0.5倍近辺の実績PBRという指標面の割安感を見直して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月21日更新]

神鋼商事は16年3月期利益予想に再増額余地、指標面に割安感
 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・非鉄金属関連の専門商社である。M&Aも活用してグローバル展開を加速し、15年12月にはメキシコの線材二次加工拠点が稼働予定である。株価は全般地合い悪化も影響して戻り高値圏から反落したが、16年3月期利益予想に再増額余地があり、5〜6倍近辺の予想PER、3%台の予想配当利回り、0.5倍近辺の実績PBRという指標面の割安感を評価して反発のタイミングだろう。

■神戸製鋼所グループの中核商社

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、数値目標として16年3月期売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。

■M&Aも積極活用

 14年7月には筒中金属産業が新設分割によって設立した国内卸売事業会社(コベルコ筒中トレーディング)の株式70%を取得して子会社化した。

 15年5月には子会社のコベルコ筒中トレーディングが筒中金属産業から、韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウムの株式88.89%を取得して子会社化(ケーティーエヌに商号変更)した。

 15年8にはミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。同支店を市場調査・情報収集の拠点として、鋼材・非鉄製品・溶接材料など取り扱い製品の拡販や、神戸製鋼グループの進出支援を図るとしている。

 15年9月には、非鉄金属材料の素材および加工品を販売する中山金属が新設分割によって設立する国内外卸売事業会社の株式80%を取得し、同社および同社の海外子会社を子会社化すると発表した。株式取得は16年1月の予定で、株式取得対象会社の商号は中山金属とする。海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。

■メキシコ線材二次加工拠点は15年12月稼働予定、グローバル展開加速

 14年9月にはメキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。15年9月に建屋完成、10月に設備搬入、12月に稼働を予定している。

■営業利益拡大基調

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2140億42百万円、第2四半期(7月〜9月)2124億16百万円、第3四半期(10月〜12月)2140億78百万円、そして第4四半期(1月〜3月)2298億71百万円だった。経常利益は第1四半期16億38百万円、第2四半期13億59百万円、第3四半期17億44百万円、第4四半期18億34百万円だった。収益拡大基調だ。

 また15年3月期の配当性向は17.8%だった。ROEは14年3月期比0.5ポイント上昇して10.2%、自己資本比率は同1.2ポイント上昇して10.2%だった。

■16年3月期第2四半期累計は最終増益

 今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.6%減の4194億83百万円、営業利益が同1.1%減の30億13百万円だが、経常利益が同10.0%増の32億95百万円、純利益が同7.3%増の21億30百万円だった。

 輸入鉄鋼原料の価格下落や国内の人員増加などで減収、営業減益だったが、受取配当金の増加などが寄与して経常増益、最終増益だった。売上総利益率は3.18%で同0.26ポイント上昇、販管費比率は2.47%で同0.26ポイント上昇した。営業外では為替差損益がマイナスサイドに転じたが、デリバティブ評価損益がプラスサイドに転じ、受取配当金が増加した。特別損益では固定資産売却益が一巡した。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)に見ると、鉄鋼は同5.9%増収で同21.2%増益、鉄鋼原料は同13.4%減収だが同1.9%増益、非鉄金属は同10.2%増収だが同2.4%減益、機械・情報は同1.7%増収だが同52.4%減益、溶材は同2.3%増収だが同48.7%減益だった。

 鉄鋼は鋼板、線材とも円安に伴って輸出数量が増加し、線材の輸出価格上昇が寄与した。鉄鋼原料は神戸製鋼所向け輸入鉄鋼原料の価格が下落して減収だったが、取扱量は増加した。非鉄金属は空調用銅管やアルミ地金の取扱量が増加した。機械・情報はアルミ加工機械が減少したが金属成膜装置が増加した。溶材では国内造船向け溶接材料、鉄骨溶接ロボットシステムなどが増加した。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2163億60百万円、第2四半期(7月〜9月)2031億23百万円、経常利益は第1四半期20億49百万円、第2四半期12億46百万円だった。

■16年3月期通期利益は再増額余地

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想(7月29日に利益を増額修正)は売上高が前期比1.1%増の8800億円、営業利益が同8.7%減の62億円、経常利益が同4.2%減の63億円、純利益が同1.9%減の39億円としている。

 国内人員増加やメキシコ新工場立ち上げ費用などで減益予想だが、円安による収益改善、受取配当金の増加に加えて、海外子会社の初期投資費用の発生時期を見直した結果、第2四半期累計の利益が計画を上回り、通期ベースでも期初計画に比べて減益幅が縮小する見込みだ。

 配当予想(4月28日公表)は前期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)としている。予想配当性向は18.2%となる。配当については企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別計画(連結調整前)を見ると、鉄鋼は売上高が3090億円、経常利益が28億円、鉄鋼原料は売上高が2530億円、経常利益が8億円、非鉄金属は売上高が2420億円、経常利益が13億50百万円、情報・機械は売上高が760億円、経常利益が10億50百万円、溶材は売上高が430億円、経常利益が4億円としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.7%、営業利益が48.6%、経常利益が52.3%、純利益が54.6%と概ね順調な水準である。自動車関連やエレクトロニクス関連が好調に推移して再増額の余地があるだろう。

 なおメキシコ新工場に関しては、16年3月期には立ち上げ費用負担が先行するが、17年3月期以降の収益寄与が期待される。M&A戦略やグローバル展開の強化で中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は自律調整局面、指標面に割安感

 株価の動きを見ると、全般地合い悪化も影響して戻り高値圏260円台から一旦反落したが、9月の年初来安値222円まで下押すことなく240円近辺から切り返す動きだ。自律調整の範囲だろう。

 12月18日の終値246円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円04銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は3.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS479円84銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約218億円である。

 週足チャートで見ると、26週移動平均線が戻りを押さえる形となったが、16年3月期利益予想に再増額余地があり、5〜6倍近辺の予想PER、3%台の予想配当利回り、0.5倍近辺の実績PBRという指標面の割安感を評価して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月18日更新]

神鋼商事は調整一巡して戻り歩調、指標面に割安感

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・非鉄金属関連の専門商社である。M&Aも活用してグローバル展開を加速し、15年12月にはメキシコの線材二次加工拠点が稼働予定である。株価は調整が一巡して戻り歩調だ。16年3月期利益予想に再増額余地があり、5〜6倍近辺の予想PER、3%台の予想配当利回り、0.5倍近辺の実績PBRという指標面の割安感を評価する動きを強めそうだ。

■神戸製鋼所グループの中核商社

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、数値目標として16年3月期売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。

■M&Aも積極活用

 14年7月には筒中金属産業が新設分割によって設立した国内卸売事業会社(コベルコ筒中トレーディング)の株式70%を取得して子会社化した。

 15年5月には子会社のコベルコ筒中トレーディングが筒中金属産業から、韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウムの株式88.89%を取得して子会社化(ケーティーエヌに商号変更)した。

 15年8にはミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。同支店を市場調査・情報収集の拠点として、鋼材・非鉄製品・溶接材料など取り扱い製品の拡販や、神戸製鋼グループの進出支援を図るとしている。

 15年9月には、非鉄金属材料の素材および加工品を販売する中山金属が新設分割によって設立する国内外卸売事業会社の株式80%を取得し、同社および同社の海外子会社を子会社化すると発表した。株式取得は16年1月の予定で、株式取得対象会社の商号は中山金属とする。海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。

■メキシコ線材二次加工拠点は15年12月稼働予定、グローバル展開加速

 14年9月にはメキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。15年9月に建屋完成、10月に設備搬入、12月に稼働を予定している。

■営業利益拡大基調

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2140億42百万円、第2四半期(7月〜9月)2124億16百万円、第3四半期(10月〜12月)2140億78百万円、そして第4四半期(1月〜3月)2298億71百万円だった。経常利益は第1四半期16億38百万円、第2四半期13億59百万円、第3四半期17億44百万円、第4四半期18億34百万円だった。収益拡大基調だ。

 また15年3月期の配当性向は17.8%だった。ROEは14年3月期比0.5ポイント上昇して10.2%、自己資本比率は同1.2ポイント上昇して10.2%だった。

■16年3月期第2四半期累計は最終増益、通期利益は再増額余地

 10月30日発表の今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績(7月29日に利益を増額修正)は、売上高が前年同期比1.6%減の4194億83百万円、営業利益が同1.1%減の30億13百万円だが、経常利益が同10.0%増の32億95百万円、純利益が同7.3%増の21億30百万円だった。

 輸入鉄鋼原料の価格下落や国内の人員増加などで減収、営業減益だったが、受取配当金の増加などが寄与して経常増益、最終増益だった。売上総利益率は3.18%で同0.26ポイント上昇、販管費比率は2.47%で同0.26ポイント上昇した。営業外では為替差損益がマイナスサイドに転じたが、デリバティブ評価損益がプラスサイドに転じ、受取配当金が増加した。特別損益では固定資産売却益が一巡した。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)に見ると、鉄鋼は同5.9%増収で同21.2%増益、鉄鋼原料は同13.4%減収だが同1.9%増益、非鉄金属は同10.2%増収だが同2.4%減益、機械・情報は同1.7%増収だが同52.4%減益、溶材は同2.3%増収だが同48.7%減益だった。

 鉄鋼は鋼板、線材とも円安に伴って輸出数量が増加し、線材の輸出価格上昇が寄与した。鉄鋼原料は神戸製鋼所向け輸入鉄鋼原料の価格が下落して減収だったが、取扱量は増加した。非鉄金属は空調用銅管やアルミ地金の取扱量が増加した。機械・情報はアルミ加工機械が減少したが金属成膜装置が増加した。溶材では国内造船向け溶接材料、鉄骨溶接ロボットシステムなどが増加した。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2163億60百万円、第2四半期(7月〜9月)2031億23百万円、経常利益は第1四半期20億49百万円、第2四半期12億46百万円だった。

 通期の連結業績予想は、前回予想(7月29日に利益を増額修正)を据え置いて、売上高が前期比1.1%増の8800億円、営業利益が同8.7%減の62億円、経常利益が同4.2%減の63億円、純利益が同1.9%減の39億円としている。

 国内人員増加やメキシコ新工場立ち上げ費用などで減益予想だが、円安による収益改善、受取配当金の増加に加えて、海外子会社の初期投資費用の発生時期を見直した結果、第2四半期累計の利益が計画を上回り、通期ベースでも期初計画に比べて減益幅が縮小する見込みだ。

 配当予想は前回予想(4月28日公表)を据え置いて前期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)としている。予想配当性向は18.2%となる。配当については、企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別計画(連結調整前)を見ると、鉄鋼は売上高が3090億円、経常利益が28億円、鉄鋼原料は売上高が2530億円、経常利益が8億円、非鉄金属は売上高が2420億円、経常利益が13億50百万円、情報・機械は売上高が760億円、経常利益が10億50百万円、溶材は売上高が430億円、経常利益が4億円としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.7%、営業利益が48.6%、経常利益が52.3%、純利益が54.6%と概ね順調な水準である。自動車関連やエレクトロニクス関連が好調に推移して再増額の余地があるだろう。

 なおメキシコ新工場に関しては、16年3月期には立ち上げ費用負担が先行するが、17年3月期以降の収益寄与が期待される。M&A戦略やグローバル展開の強化で中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡して戻り歩調、指標面に割安感

 株価の動きを見ると、9月の年初来安値222円から切り返し、250円〜260円近辺まで上伸している。調整が一巡して戻り歩調の展開だ。

 11月17日の終値257円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円04銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は3.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS479円84銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約228億円である。

 日足チャートで見ると上向きに転じた25日移動平均線がサポートラインの形となった。また週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線突破の動きを強めている。16年3月期利益予想に再増額余地があり、5〜6倍近辺の予想PER、3%台の予想配当利回り、0.5倍近辺の実績PBRという指標面の割安感を評価する動きを強めそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月08日更新]

神鋼商事は調整一巡、16年3月期利益予想に再増額余地で割安感も見直し

 神鋼商事[8075](東1)は鉄鋼・非鉄金属関連の専門商社である。M&Aも活用してグローバル展開を加速している。株価は調整一巡して切り返す動きだ。16年3月期利益予想に再増額余地があり、5〜6倍近辺の予想PER、3%台の予想配当利回り、そして0.5倍近辺の実績PBRという指標面の割安感も見直して反発展開だろう。

■神戸製鋼所グループの中核商社

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、数値目標として16年3月期売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。

 14年7月には筒中金属産業が新設分割によって設立した国内卸売事業会社(コベルコ筒中トレーディング)の株式70%を取得して子会社化した。

 また9月30日には、非鉄金属材料の素材および加工品を販売する中山金属が新設分割によって設立する国内外卸売事業会社の株式80%を取得し、同社および同社の海外子会社を子会社化すると発表した。株式取得は16年1月の予定で、株式取得対象会社の商号は中山金属とする予定だ。また海外子会社は中国(上海)、タイ、インドネシアの3社である。

■グローバル展開加速、メキシコの線材二次加工拠点は15年12月稼働予定

 14年9月にはメキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。15年9月に建屋完成、10月に設備搬入、12月に稼働を予定している。

 15年5月には子会社のコベルコ筒中トレーディングが筒中金属産業から、韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウムの株式88.89%を取得して子会社化(ケーティーエヌに商号変更)した。

 15年8にはミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。同支店を市場調査・情報収集の拠点として、鋼材・非鉄製品・溶接材料など取り扱い製品の拡販や、神戸製鋼グループの進出支援を図るとしている。

■営業利益拡大基調

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2140億42百万円、第2四半期(7月〜9月)2124億16百万円、第3四半期(10月〜12月)2140億78百万円、そして第4四半期(1月〜3月)2298億71百万円だった。営業利益は第1四半期14億90百万円、第2四半期15億55百万円、第3四半期18億28百万円、第4四半期19億15百万円だった。営業利益拡大基調だ。

 また15年3月期の配当性向は17.8%だった。ROEは14年3月期比0.5ポイント上昇して10.2%、自己資本比率は同1.2ポイント上昇して10.2%だった。

■16年3月期減益予想だが利益を増額修正、さらに再増額余地

 7月29日に今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)および通期利益予想の増額修正を発表した。円安による収益改善、受取配当金の増加に加えて、海外子会社の初期投資費用の発生時期を見直した結果、第2四半期累計の各利益が増加する見込みとなった。また第2四半期累計の修正に伴って通期の利益予想についても見直したとしている。

 第2四半期累計の連結業績予想は前回予想(4月28日公表)に対して、売上高は据え置いて前年同期比0.8%増の4300億円、営業利益は8億円増額して同4.8%減の29億円、経常利益は12億円増額して同6.8%増の32億円、純利益は10億円増額して同5.8%増の21億円とした。

 通期の連結業績予想は前回予想(4月28日公表)に対して、売上高は据え置いて前期比1.1%増の8800億円、営業利益は3億円増額して同8.7%減の62億円、経常利益は6億円増額して同4.2%減の63億円、純利益は4億円増額して同1.9%減の39億円とした。

 配当予想は前回予想(4月28日公表)を据え置いて前期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)としている。予想配当性向は18.2%となる。配当については、企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別の売上計画(連結調整前)は、鉄鋼が取扱数量の増加で前期比3.3%増収、鉄鋼原料が同17.3%減収、非鉄金属が自動車関連などの好調で同15.4%増収、情報・機械が大型圧縮機や建設機械用輸入部材などの好調で同9.7%増収、溶材が同7.0%増収としている。

 なお第1四半期(4月〜6月)は売上高が前年同期比1.1%増の2163億60百万円、営業利益が同14.0%増の16億99百万円、経常利益が同25.0%増の20億49百万円、純利益が同13.8%増の13億48百万円だった。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)に見ると、鉄鋼は同7.5%増収、同9.0%増益、鉄鋼原料は同10.8%減収、同8.5%減益、非鉄金属は同15.6%増収、同23.0%増益、機械・情報は同11.2%増収、経常黒字化、溶材は同2.9%減収、同63.4%減益だった。

 鉄鋼は線材製品の数量増加や海外向け価格上昇などが寄与した。鉄鋼原料は輸入鉄鋼原料や鉄スクラップの価格下落が影響した。非鉄金属は自動車向けアルミ部材の数量増加などが寄与した。機械・情報は圧縮機やアルミ加工機械が減少したが、金属成膜装置、製鉄関連資機材、液晶用電子材料、ハードディスク関連装置が増加した。溶材は国内の造船向けが増加したが、中国の造船向けや韓国のプラント向けなどが減少した。

 修正後の通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が24.6%、営業利益が27.4%、経常利益が32.5%、純利益が34.6%と高水準である。16年3月期については国内人員増やメキシコ新工場立ち上げ費用などで減益予想としているが、7月29日の利益増額修正で減益幅が縮小する見込みとなった。さらに自動車関連やエレクトロニクス関連が好調に推移して再増額の余地がありそうだ。

 なおメキシコ新工場に関しては、16年3月期には立ち上げ費用負担が先行するが、17年3月期以降の収益寄与が期待される。M&A戦略やグローバル展開の強化で中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡、指標面の割安感も見直し

 株価の動きを見ると、9月29日に年初来安値となる222円まで下押す場面があったが、素早く切り返しの動きを強めている。10月7日は240円まで上伸した。調整が一巡したようだ。

 10月7日の終値239円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円04銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は3.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS479円84銭で算出)は0.5倍近辺である。なお時価総額は約212億円である。

 日足チャートで見ると戻りを押さえていた25日移動平均線突破の動きを強めている。16年3月期利益予想に再増額余地があり、5〜6倍近辺の予想PER、3%台の予想配当利回り、そして0.5倍近辺の実績PBRという指標面の割安感も見直して反発展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月15日更新]

神鋼商事の16年3月期利益予想に再増額余地、3%台の配当利回りも見直し

 神鋼商事[8075](東1)は鉄鋼・非鉄金属関連の専門商社である。株価は悪地合いの影響で高値圏270円台から230円台まで急反落したが、売り一巡感を強めている。16年3月期利益予想に再増額余地があり、3%台の予想配当利回りなど指標面の割安感を見直して切り返し展開だろう。

■神戸製鋼所グループの中核商社でグローバル展開を強化

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、数値目標として16年3月期売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。

 14年7月には筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社(コベルコ筒中トレーディング)の株式70%を取得して子会社化した。

 14年9月にはメキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。15年9月に建屋完成、10月に設備搬入、12月に稼働を予定している。

 15年5月には子会社のコベルコ筒中トレーディングが筒中金属産業から、韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウムの株式88.89%を取得して子会社化(ケーティーエヌに商号変更)した。

 15年8にはミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を開設した。同支店を市場調査・情報収集の拠点として、鋼材・非鉄製品・溶接材料など取り扱い製品の拡販や、神戸製鋼グループの進出支援を図るとしている。

■16年3月期減益予想だが利益を増額修正、さらに増額余地

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2140億42百万円、第2四半期(7月〜9月)2124億16百万円、第3四半期(10月〜12月)2140億78百万円、そして第4四半期(1月〜3月)2298億71百万円だった。営業利益は第1四半期14億90百万円、第2四半期15億55百万円、第3四半期18億28百万円、第4四半期19億15百万円だった。概ね順調に推移した。

 また15年3月期の配当性向は17.8%だった。ROEは14年3月期比0.5ポイント上昇して10.2%、自己資本比率は同1.2ポイント上昇して10.2%だった。

 7月29日に今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)および通期利益予想の増額修正を発表した。円安による収益改善、受取配当金の増加に加えて、海外子会社の初期投資費用の発生時期を見直した結果、第2四半期累計の各利益が増加する見込みとなった。また第2四半期累計の修正に伴って通期の利益予想についても見直したとしている。

 第2四半期累計の連結業績予想は前回予想(4月28日公表)に対して、売上高は据え置いて前年同期比0.8%増の4300億円、営業利益は8億円増額して同4.8%減の29億円、経常利益は12億円増額して同6.8%増の32億円、純利益は10億円増額して同5.8%増の21億円とした。

 通期の連結業績予想は前回予想(4月28日公表)に対して、売上高は据え置いて前期比1.1%増の8800億円、営業利益は3億円増額して同8.7%減の62億円、経常利益は6億円増額して同4.2%減の63億円、純利益は4億円増額して同1.9%減の39億円とした。

 配当予想は前回予想(4月28日公表)を据え置いて前期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)としている。予想配当性向は18.2%となる。配当については、企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別の売上計画(連結調整前)は、鉄鋼が取扱数量の増加で前期比3.3%増収、鉄鋼原料が同17.3%減収、非鉄金属が自動車関連などの好調で同15.4%増収、情報・機械が大型圧縮機や建設機械用輸入部材などの好調で同9.7%増収、溶材が同7.0%増収としている。

 なお第1四半期(4月〜6月)は売上高が前年同期比1.1%増の2163億60百万円、営業利益が同14.0%増の16億99百万円、経常利益が同25.0%増の20億49百万円、純利益が同13.8%増の13億48百万円だった。

 セグメント別(連結調整前、経常利益)に見ると、鉄鋼は同7.5%増収、同9.0%増益、鉄鋼原料は同10.8%減収、同8.5%減益、非鉄金属は同15.6%増収、同23.0%増益、機械・情報は同11.2%増収、経常黒字化、溶材は同2.9%減収、同63.4%減益だった。

 鉄鋼は線材製品の数量増加や海外向け価格上昇などが寄与した。鉄鋼原料は輸入鉄鋼原料や鉄スクラップの価格下落が影響した。非鉄金属は自動車向けアルミ部材の数量増加などが寄与した。機械・情報は圧縮機やアルミ加工機械が減少したが、金属成膜装置、製鉄関連資機材、液晶用電子材料、ハードディスク関連装置が増加した。溶材は国内の造船向けが増加したが、中国の造船向けや韓国のプラント向けなどが減少した。

 修正後の通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が24.6%、営業利益が27.4%、経常利益が32.5%、純利益が34.6%と高水準である。16年3月期については国内人員増やメキシコ新工場立ち上げ費用などで減益予想としているが、7月29日の利益増額修正で減益幅が縮小する見込みとなった。さらに自動車関連やエレクトロニクス関連が好調に推移して再増額の余地がありそうだ。

 メキシコ新工場に関しては、16年3月期には立ち上げ費用負担が先行するが、17年3月期以降の収益寄与が期待される。M&A戦略やグローバル展開の強化で中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は売り一巡して切り返し、指標面の割安感を見直し

 株価の動きを見ると、悪地合いの影響で年初来高値圏270円台でのモミ合いから急反落した。8月25日に230円、そして9月8日に231円まで調整した。ただし売られ過ぎ感を強めている。

 9月14日の終値245円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円04銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は3.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS479円84銭で算出)は0.5倍近辺と割安感の強い水準だ。なお時価総額は約217億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線、そして52週移動平均線を一気に割り込んで調整局面だが、230円近辺で下げ渋る動きだ。悪地合いの売りがほぼ一巡したようだ。1桁台の予想連結PER、3%台の予想配当利回り、そして0.5倍近辺の実績連結PBRと指標面の割安感は強い。割安感を見直して切り返し展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月04日更新]

神鋼商事は16年3月期利益予想の増額修正を好感して急反発、6月高値試す

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・非鉄金属関連の専門商社である。株価は地合い悪化の影響で一旦調整したが、16年3月期利益予想の増額修正を好感して急反発した。依然として1桁台の予想連結PER、2%台後半の予想配当利回り、0.6倍近辺の実績連結PBRと指標面の割安感は強い。6月の年初来高値288円を試す展開だろう。

■神戸製鋼所グループの中核商社でグローバル展開を強化

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、数値目標として16年3月期売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。

 14年7月には筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社(コベルコ筒中トレーディング)の株式70%を取得して子会社化した。

 14年9月にはメキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。15年9月に建屋完成、10月に設備搬入、12月に稼働を予定している。

 15年5月には子会社のコベルコ筒中トレーディングが筒中金属産業から、韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウムの株式88.89%を取得して子会社化(ケーティーエヌに商号変更)した。

 また8月3日には、ミャンマー・ヤンゴン市に神鋼商事ヤンゴン支店を8月1日付で開設したと発表した。同支店を市場調査・情報収集の拠点として、鋼材・非鉄製品・溶接材料など取り扱い製品の拡販や、神戸製鋼グループの進出支援を図るとしている。

■16年3月期第1四半期は増収増益

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2140億42百万円、第2四半期(7月〜9月)2124億16百万円、第3四半期(10月〜12月)2140億78百万円、そして第4四半期(1月〜3月)2298億71百万円だった。営業利益は第1四半期14億90百万円、第2四半期15億55百万円、第3四半期18億28百万円、第4四半期19億15百万円だった。概ね順調に推移した。

 また15年3月期の配当性向は17.8%だった。ROEは14年3月期比0.5ポイント上昇して10.2%、自己資本比率は同1.2ポイント上昇して10.2%だった。

 7月29日に発表した今期(16年3月期)第1四半期(4月〜6月)の連結業績は売上高が前年同期比1.1%増の2163億60百万円、営業利益が同14.0%増の16億99百万円、経常利益が同25.0%増の20億49百万円、純利益が同13.8%増の13億48百万円だった。

 セグメント別(内部取引・全社費用等調整前、経常利益)に見ると、鉄鋼は7.5%増収、9.0%増益、鉄鋼原料は10.8%減収、8.5%減益、非鉄金属は15.6%増収、23.0%増益、機械・情報は11.2%増収、経常黒字化、溶材は2.9%減収、63.4%減益だった。

 鉄鋼では線材製品の数量増加や海外向け価格上昇などが寄与した。鉄鋼原料では輸入鉄鋼原料や鉄スクラップの価格下落が影響した。非鉄金属では自動車向けアルミ部材の数量増加などが寄与した。機械・情報では圧縮機やアルミ加工機械が減少したが、金属成膜装置、製鉄関連資機材、液晶用電子材料、ハードディスク関連装置が増加した。溶材では国内の造船向けが増加したが、中国の造船向けや韓国のプラント向けなどが減少した。

■16年3月期の利益予想を増額修正、さらに再増額余地

 そして7月29日に、今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)および通期利益予想の増額修正を発表した。円安による収益改善、受取配当金の増加に加えて、海外子会社の初期投資費用の発生時期を見直した結果、第2四半期累計の各利益が増加する見込みとなった。また第2四半期累計の修正に伴って、通期の利益予想についても見直したとしている。

 第2四半期累計は前回予想(4月28日公表)に対して、売上高は据え置いて前年同期比0.8%増の4300億円、営業利益が8億円増額して同4.8%減の29億円、経常利益が12億円増額して同6.8%増の32億円、純利益が10億円増額して同5.8%増の21億円とした。

 通期連結業績予想は前回予想(4月28日公表)に対して、売上高は据え置いて前期比1.1%増の8800億円、営業利益が3億円増額して同8.7%減の62億円、経常利益が6億円増額して同4.2%減の63億円、純利益が4億円増額して同1.9%減の39億円とした。

 配当予想は前回予想(4月28日公表)を据え置いて前期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)としている。予想配当性向は18.2%となる。配当については、企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別の売上計画(内部取引等調整前)は、鉄鋼が取扱数量の増加で前期比3.3%増収、鉄鋼原料が同17.3%減収、非鉄金属が自動車関連などの好調で同15.4%増収、情報・機械が大型圧縮機や建設機械用輸入部材などの好調で同9.7%増収、溶材が同7.0%増収としている。

 16年3月期は国内の人員増やメキシコ新工場の立ち上げ費用などで減益予想だが、7月24日の利益増額修正で減益幅が縮小する見込みとなった。さらに自動車関連やエレクトロニクス関連が好調に推移して再増額の余地がありそうだ。

 現中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)における16年3月期目標数値の達成はやや難しくなったが、世界的に自動車産業やエレクトロニクス産業の生産が高水準であり、関連商材が好調に推移しそうだ。メキシコ新工場に関しては、16年3月期は立ち上げ費用が先行するが、17年3月期以降の収益寄与が期待される。M&A戦略やグローバル展開の強化で中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は利益増額修正を好感して急反発、6月高値試す

 株価の動きを見ると、全般地合い悪化の影響で年初来高値圏から反落し、7月9日と28日の253円まで調整したが、7月29日発表の16年3月期利益予想増額修正を好感して急反発した。8月3日には280円をつけて6月の年初来高値288円に接近した。

 8月3日の終値277円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円04銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS479円84銭で算出)は0.6倍近辺である。

 週足チャートで見ると、一旦割り込んだ13週移動平均線、26週移動平均線、そして52週移動平均線を一気に突破した。強基調に回帰した形だ。依然として1桁台の予想連結PER、2%台後半の予想配当利回り、0.6倍近辺の実績連結PBRと指標面の割安感は強い。6月の年初来高値288円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月14日更新]

神鋼商事は指標面の割安感を評価してボックスレンジ下限から反発
 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼・非鉄金属関連の専門商社である。株価は地合い悪化の影響を受け、年初来高値圏から急反落して9日の年初来安値まで調整したが、1桁台の予想PER、3%台の予想配当利回り、1倍割れの実績PBRと指標面の割安感は強い。250円〜280円近辺のボックスレンジ下限から反発展開だろう。

■神戸製鋼所グループの中核商社でグローバル展開を強化

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、数値目標として16年3月期売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。

 14年7月には筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社(コベルコ筒中トレーディング)の株式70%を取得して子会社化した。

 14年9月にはメキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。15年9月に建屋完成、10月に設備搬入、12月に稼働を予定している。

 15年5月には子会社のコベルコ筒中トレーディングが筒中金属産業から、韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウムの株式88.89%を取得して子会社化(ケーティーエヌに商号変更)した。

■16年3月期はメキシコ立ち上げ費用などで減益予想だが増額含み

 前期(15年3月期)の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2140億42百万円、第2四半期(7月〜9月)2124億16百万円、第3四半期(10月〜12月)2140億78百万円、第4四半期(1月〜3月)2298億71百万円、営業利益は第1四半期14億90百万円、第2四半期15億55百万円、第3四半期18億28百万円、第4四半期19億15百万円だった。概ね順調に推移した。

 また15年3月期の配当性向は17.8%だった。ROEは14年3月期比0.5ポイント上昇して10.2%、自己資本比率は同1.2ポイント上昇して10.2%だった。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期比1.1%増の8800億円、営業利益が同13.1%減の59億円、経常利益が同13.3%減の57億円、そして純利益が同11.9%減の35億円としている。

 配当予想(4月28日公表)は前期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で、予想配当性向は20.2%となる。配当については、企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別の計画(内部取引・全社費用等調整前、経常利益)を見ると、鉄鋼は取扱数量の増加で前期比3.3%増収だが、国内の人員増やメキシコ新工場の立ち上げ費用で同25.0%減益、鉄鋼原料は同17.3%減収だが在庫評価減戻り益などで同57.8%増益、非鉄金属は自動車関連などの好調で同15.4%増収だが、販管費の増加や配当収入の減少で同5.9%減益、情報・機械は大型圧縮機や建設機械用輸入部材などの好調で同9.7%増収、同28.4%増益、そして溶材は同7.0%増収、同4.6%増益としている。

 世界的に自動車産業やエレクトロニクス産業の生産が高水準であり、関連商材が好調に推移しそうだ。メキシコ新工場に関しては、16年3月期は立ち上げ費用が先行するが、17年3月期以降の収益寄与本格化が期待される。

 16年3月期は国内の人員増やメキシコ新工場の立ち上げ費用などで減益予想だが、自動車関連やエレクトロニクス関連の好調などで増額含みだろう。また現中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)における16年3月期目標数値の達成はやや難しくなったが、M&A戦略やグローバル展開の強化で中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は地合い悪化の影響を受けたがレンジ下限から反発期待

 株価の動きを見ると、6月8日に288円まで上伸して14年9月285円を突破したが、全般地合い悪化の影響を受けて年初来高値圏から急反落し、7月9日の年初来安値253円まで調整した。ただし概ね250円〜280円近辺のボックスレンジ下限に到達した形だ。

 7月13日の終値258円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS39円53銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は3.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS479円84銭で算出)は0.5倍近辺である。

 地合い悪化の影響で7月9日の年初来安値まで一気に調整したが、週足チャートで見ると250円〜280円近辺のボックスレンジ下限に到達した形だ。1桁台の予想PER、3%台の予想配当利回り、1倍割れの実績PBRと指標面の割安感は強い。ボックスレンジ下限から反発展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[6月03日更新]

神鋼商事は14年9月高値に接近、指標面の割安感を評価して一段高

 神鋼商事[8075](東1)は鉄鋼・非鉄金属関連の専門商社である。6月2日の株価は284円まで上伸して年初来高値を更新するとともに、14年9月高値285円に接近した。250円〜280円近辺のボックス展開から上放れの動きであり、指標面の割安感を評価して一段高の可能性があるだろう。

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、数値目標として16年3月期売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。

 14年7月には筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社(コベルコ筒中トレーディング)の株式70%を取得して子会社化した。

 14年9月にはメキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。15年9月に建屋完成、10月に設備搬入、12月に稼働を予定している。

 15年5月には子会社のコベルコ筒中トレーディングが筒中金属産業から、韓国でアルミ高精度厚板の切断加工・卸売事業を展開している韓国筒中滑川アルミニウムの株式88.89%を取得して子会社化(ケーティーエヌに商号変更)した。

 前期(15年3月期)の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2140億42百万円、第2四半期(7月〜9月)2124億16百万円、第3四半期(10月〜12月)2140億78百万円、第4四半期(1月〜3月)2298億71百万円、営業利益は第1四半期14億90百万円、第2四半期15億55百万円、第3四半期18億28百万円、第4四半期19億15百万円だった。概ね順調に推移した。

 なおROEは14年3月期比0.5ポイント上昇して10.2%、自己資本比率は同1.2ポイント上昇して10.2%だった。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期比1.1%増の8800億円、営業利益が同13.1%減の59億円、経常利益が同13.3%減の57億円、そして純利益が同11.9%減の35億円としている。

 配当予想(4月28日公表)は前期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)としている。配当については、企業体質の強化と将来の事業展開に必要な内部留保等を考慮しつつ、各期の業績に応じた配当を継続していくことを基本方針としている。

 セグメント別の計画(内部取引・全社費用等調整前、経常利益)を見ると、鉄鋼は取扱数量の増加で前期比3.3%増収だが、国内の人員増やメキシコ新工場の立ち上げ費用で同25.0%減益、鉄鋼原料は同17.3%減収だが在庫評価減戻り益などで同57.8%増益、非鉄金属は自動車関連などの好調で同15.4%増収だが、販管費の増加や配当収入の減少で同5.9%減益、情報・機械は大型圧縮機や建設機械用輸入部材などの好調で同9.7%増収、同28.4%増益、そして溶材は同7.0%増収、同4.6%増益としている。

 世界的に自動車産業やエレクトロニクス産業の生産が高水準であり、関連商材が好調に推移しそうだ。メキシコ新工場に関しては、16年3月期は創業費用が先行するが、17年3月期以降の収益寄与本格化が期待される。

 現中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)における16年3月期目標の達成はやや難しくなったが、M&A戦略やグローバル展開の強化で中期的に収益拡大基調だろう。

 株価の動きを見ると、5月1日の直近安値255円から切り返しの展開となった。そして6月2日には284円まで上伸して、年初来高値を更新するとともに、14年9月高値285円に接近した。

 6月2日の終値284円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS39円53銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS479円84銭で算出)は0.6倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を突破して上伸した。そして250円〜280円近辺のボックス展開から上放れの動きを強めている。指標面の割安感が強く、14年9月高値285円を突破すれば一段高の可能性があるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[5月08日更新]

神鋼商事は16年3月期減益予想の売りが一巡、レンジ下限から切り返し

 神鋼商事[8075](東1)は鉄鋼・非鉄金属関連の専門商社である。4月28日に15年3月期決算を発表した。株価は16年3月期の減益予想で28日に付けた年初来高値280円から一転して急反落したが、7日は小幅反発して売り一巡感を強めている。指標面の割安感が強く、255円近辺のボックスレンジ下限から切り返し展開だろう。

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う商社である。13年6月発表の中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、数値目標として16年3月期売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。14年7月には筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社の株式70%を取得して子会社化した。

 14年9月にはメキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%である。

 メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。15年9月に建屋完成、10月に設備搬入、12月に稼働を予定している。

 4月28日に発表した前期(15年3月期)の連結業績は売上高が前々期比3.5%増の8704億07百万円、営業利益が同18.3%増の67億88百万円、経常利益が同23.6%増の65億75百万円、純利益が同25.8%増の39億74百万円だった。鉄鋼や非鉄金属の好調が牽引して鉄鋼原料の価格下落などを吸収した。

 配当予想は4月28日に2円増額修正して年間8円(第2四半期末3円、期末5円)とした。前々期との比較では2円増配となる。なおROE(自己資本当期純利益率)は前々期比0.5ポイント上昇して10.2%、自己資本比率は同1.2ポイント上昇して10.2%となった。

 セグメント別(内部取引・全社費用等調整前、経常利益)に見ると、鉄鋼は取扱数量が減少したが価格上昇が寄与して5.2%増収、27.2%増益、鉄鋼原料は取扱数量が増加したが価格下落が影響して6.9%減収、38.7%減益、非鉄金属は自動車関連や半導体関連の好調が牽引して17.7%増収、51.9%増益、情報・機械は大型圧縮機や建設機械用輸入部材などが好調で16.2%増収、83.4%増益、溶材は造船向けや鉄骨溶接ロボットシステムなどが増加して8.8%増収、2.1倍増益だった。

 四半期別推移を見ると売上高は第1四半期(4月〜6月)2140億42百万円、第2四半期(7月〜9月)2124億16百万円、第3四半期(10月〜12月)2140億78百万円、第4四半期(1月〜3月)2298億71百万円、営業利益は第1四半期14億90百万円、第2四半期15億55百万円、第3四半期18億28百万円、第4四半期19億15百万円と好調に推移した。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(4月28日公表)は売上高が前期比1.1%増の8800億円、営業利益が同13.1%減の59億円、経常利益が同13.3%減の57億円、純利益が同11.9%減の35億円、配当予想が前期と同額の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)としている。

 セグメント別の計画(内部取引・全社費用等調整前、経常利益)を見ると、鉄鋼は取扱数量増加で3.3%増収だが国内の人員増やメキシコ新工場の創業費用で25.0%減益、鉄鋼原料は17.3%減収だが在庫評価減戻り益などで57.8%増益、非鉄金属は自動車関連などの好調で15.4%増収だが販管費増加や配当収入減少で5.9%減益、情報・機械は大型圧縮機や建設機械用輸入部材などの好調で9.7%増収、28.4%増益、そして溶材は7.0%増収、4.6%増益としている。

 世界的に自動車産業やエレクトロニクス産業の生産が高水準である。メキシコ新工場に関しては、16年3月期は創業費用が先行するが、17年3月期以降の収益寄与本格化が期待される。現中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)の目標達成は難しくなったが、グローバル展開の強化で中期的に収益拡大基調だろう。

 株価の動きを見ると、4月28日の取引時間中に年初来高値280円を付けたが、16年3月期の減益予想で一転して急反落し、5月1日の255円まで調整した。ただし7日は終値で前日比2円高と小幅反発して売り一巡感を強めている。

 5月7日の終値259円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS39円53銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は3.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS479円84銭で算出)は0.5倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線がサポートラインとなって下げ渋る動きだ。指標面の割安感が強く、255円〜275円近辺のボックスレンジ下限から切り返し展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月06日更新]

神鋼商事はレンジ下限から切り返し、好業績見通しや指標面の割安感を評価

 鉄鋼・非鉄金属関連商社の神鋼商事[8075](東1)の株価は、3月期末の配当権利落ちも影響して戻り高値圏270円台から反落したが、ボックスレンジ下限の255円近辺から切り返す動きだ。好業績見通し、低PERや低PBRといった指標面の割安感を評価して、14年9月高値285円を試す展開だろう。

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う商社である。13年6月発表の中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、数値目標として16年3月期売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。14年7月には筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社の株式70%を取得して子会社化した。

 また14年9月にはメキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%で15年末稼働を予定している。メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。

 前期(15年3月期)の連結業績見通し(1月30日に売上高を減額修正、利益を据え置き)は、売上高が前々期比2.6%増の8630億円、営業利益が同22.0%増の70億円、経常利益が同20.3%増の64億円、純利益が同26.6%増の40億円、配当予想(4月28日公表)が前々期と同額の年間6円(第2四半期末3円、期末3円)としている。

 第3四半期累計(4〜12月)は前年同期比2.3%増収、同20.3%営業増益、同27.5%経常増益、同67.0%最終増益だった。鉄鋼原料セグメントは同9.6%減収だが、鉄鋼セグメントが同5.7%増収、非鉄金属セグメントが同16.8%増収、機械・情報セグメントが同13.9%増収、溶材セグメントが同8.1%増収と好調に推移した。純利益は固定資産売却益も寄与した。

 四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2140億42百万円、第2四半期(7月〜9月)2124億16百万円、第3四半期(10月〜12月)2140億78百万円で、営業利益は第1四半期14億90百万円、第2四半期15億55百万円、第3四半期18億28百万円と好調に推移している。

 通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高74.2%、営業利益69.6%、経常利益74.1%、純利益76.8%である。設備投資関連は第4四半期(1月〜3月)の構成比が高く、ドル高・円安が進行していることなども考慮すれば、通期利益に上振れの可能性があるだろう。

 今期(16年3月期)についても、世界的に自動車生産が高水準であることに加えて、半導体などエレクトロニクス産業の生産回復や、国内の建設需要拡大なども追い風となり、鉄鋼セグメントや非鉄金属セグメントを中心として好調に推移するだろう。グローバル展開の強化で中期的にも収益拡大基調が期待される。

 株価の動きを見ると、3月期末の配当権利落ちも影響して戻り高値圏270円台から反落したが、ボックスレンジ下限の255円近辺から切り返しの動きを強めている。

 4月3日の終値264円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS45円17銭で算出)は5〜6倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は2.3%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS399円53銭で算出)は0.7倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線がサポートラインの形だ。好業績見通しに加えて、低PERや低PBRといった指標面の割安感を評価して、14年9月高値285円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月05日更新]

神鋼商事は調整一巡、今期利益増額の可能性や指標面の割安感を評価して14年9月高値試す

 鉄鋼・非鉄金属関連商社の神鋼商事[8075](東1)の株価は、直近安値圏250円〜260円近辺での調整が一巡して切り返す動きだ。今期(15年3月期)利益見通し増額の可能性、低PERや低PBRといった指標面の割安感を評価して14年9月高値285円を試す展開だろう。

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う商社である。13年6月発表の中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、数値目標として16年3月期売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。14年7月には筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社の株式70%を取得して子会社化した。

 また14年9月には、メキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立した。出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%で15年末稼働を予定している。メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。

 今期(15年3月期)の連結業績見通し(1月30日に売上高を減額修正、利益を据え置き)は、売上高が前期比2.6%増の8630億円、営業利益が同22.0%増の70億円、経常利益が同20.3%増の64億円、純利益が同26.6%増の40億円、そして配当予想(4月28日公表)が前期と同額の年間6円(第2四半期末3円、期末3円)としている。

 第3四半期累計(4〜12月)は前年同期比2.3%増収、同20.3%営業増益、同27.5%経常増益、同67.0%最終増益と好調に推移した。純利益は固定資産売却益も寄与した。四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)2140億42百万円、第2四半期(7月〜9月)2124億16百万円、第3四半期(10月〜12月)2140億78百万円で、営業利益は第1四半期14億90百万円、第2四半期15億55百万円、第3四半期18億28百万円と好調に推移している。

 そして通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高74.2%、営業利益69.6%、経常利益74.1%、純利益76.8%と概ね順調な水準である。通期ベースでも、世界的に自動車生産が高水準であることに加えて、半導体などエレクトロニクス産業の生産回復や、国内の建設需要拡大なども追い風となり、鉄鋼セグメントや非鉄金属セグメントを中心として好調に推移するだろう。

 また設備投資関連は第4四半期(1月〜3月)の構成比が高いことや、ドル高・円安が進行していることなどを考慮すれば、通期の利益見通しに増額の可能性があるだろう。グローバル展開の強化で中期的にも収益拡大基調が期待される。

 株価の動きを見ると、14年9月高値285円から一旦反落してモミ合う展開だったが、直近安値圏250円〜260円近辺での調整が一巡して切り返しの動きを強めている。

 3月4日の終値271円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS45円17銭で算出)は6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は2.2%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS399円53銭で算出)は0.7倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線を一気に突破した。調整が一巡して強基調に転換した形だ。今期利益見通し増額の可能性、低PERや低PBRといった指標面の割安感を評価して、14年9月高値285円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[2月3日更新]

神鋼商事は三角保ち合いに煮詰まり感、今期利益増額の可能性や割安感を評価して上放れ


 鉄鋼・非鉄金属関連商社の神鋼商事[8075](東1)は1月30日、今期(15年3月期)第3四半期累計(4〜12月)の連結業績、および通期見通しの修正(売上高を減額、利益は据え置き)を発表した。株価は三角保ち合いの形だが煮詰まり感も強めている。売上高見通し減額修正に対する反応は限定的であり、今期利益見通し増額の可能性や指標面の割安感を評価して上放れの展開だろう。

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う商社である。13年6月発表の中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、数値目標として16年3月期売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。14年7月には筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社の株式70%を取得して子会社化した。

 また14年9月には、メキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立(出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%)し、15年末稼働を予定している。メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。

 1月30日に今期(15年3月期)第3四半期累計(4〜12月)の連結業績、および通期連結業績見通しの修正(売上高を減額、利益は据え置き)を発表した。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比2.3%増の6405億36百万円、営業利益が同20.3%増の48億73百万円、経常利益が同27.5%増の47億41百万円、純利益が同67.0%増の30億72百万円だった。増収効果に加えて、純利益は固定資産売却益4億05百万円の計上も寄与した。

 セグメント別の売上状況は、鉄鋼セグメントが鋼板製品の価格上昇や棒鋼製品の堅調推移などで同5.7%増収、鉄鋼原料セグメントが輸入鉄鋼原料の価格下落や取扱量減少などで同9.6%減収、非鉄金属セグメントが自動車用や半導体用の好調などで同16.8%増収、機械・情報セグメントが製鉄関連資機材や太陽電池関連資材の増加などで同13.9%増収、溶材セグメントが造船・建築鉄骨向けの取扱量増加などで同8.1%増収だった。

 通期の連結業績見通しは、売上高を前回予想(4月28日公表)から770億円減額して前期比2.6%増の8630億円としたが、利益は前回予想を据え置いて営業利益が同22.0%増の70億円、経常利益が同20.3%増の64億円、純利益が同26.6%増の40億円としている。配当予想も前回予想(4月28日公表)を据え置いて、前期と同額の年間6円(第2四半期末3円、期末3円)としている。

 鉄鋼原料セグメントにおける輸入鉄鋼原料の価格下落および取扱量減少を主因として通期の売上高見通しを減額したが、世界的に自動車生産が高水準であることに加えて、エレクトロニクス産業の生産回復や国内の建設需要拡大なども追い風となり、鉄鋼セグメントや非鉄金属セグメントを中心として好調に推移するため、通期の利益見通しを据え置いた。

 通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.2%、営業利益が69.6%、経常利益が74.1%、純利益が76.8%と概ね順調な水準である。設備投資関連は第4四半期(1月〜3月)の構成比が高いことや、ドル高・円安が進行していることなどを考慮すれば通期の利益見通しに増額の可能性があるだろう。グローバル展開の強化で中期的にも収益拡大基調が期待される。

 株価の動きを見ると、14年9月高値285円から上値を切り下げたが、一方では10月安値243円から下値を切り上げている。三角保ち合いの形で、足元は260円〜270円近辺で推移している。2月2日は地合い悪化も影響して前日比4円安だったが、通期売上高見通しの減額修正に対する反応は限定的だろう。

 2月2日の終値262円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS45円17銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は2.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS399円53銭で算出)は0.7倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を挟むレンジでモミ合う形だが、下値は限定的であり三角保ち合いに煮詰まり感も強めている。今期利益見通し増額の可能性、さらに低PERや低PBRといった指標面の割安感を評価して上放れの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[1月7日更新]
神鋼商事は調整一巡して切り返し、今期大幅増益見通しを評価して14年9月高値試す

 鉄鋼・非鉄金属関連商社の神鋼商事[8075](東1)の株価は、11月の戻り高値284円から反落したが、12月16日の直近安値253円から切り返しの動きを強めている。調整が一巡したようだ。今期(15年3月期)大幅増益見通し、そして低PERや低PBRといった指標面の割安感を評価して14年9月高値285円を試す展開だろう。

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う商社である。13年6月発表の中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指し、数値目標として16年3月期売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。14年7月には筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社の株式70%を取得して子会社化した。

 また14年9月には、メキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社を設立(出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%)した。15年末稼働予定である。メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの相次ぐ進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造する。

 今期(15年3月期)の連結業績見通し(4月28日公表)は売上高が前期比11.8%増の9400億円、営業利益が同22.0%増の70億円、経常利益が同20.3%増の64億円、純利益が同26.6%増の40億円、配当予想が前期と同額の年間6円(第2四半期末3円、期末3円)としている。

 世界的に自動車生産が高水準であることに加えて、エレクトロニクス産業の生産回復や国内の建設需要拡大なども追い風となり、鉄鋼セグメントや非鉄金属セグメントを中心として好調に推移する。前期は大型案件一巡の影響を受けた機械・情報セグメントも、製鉄関連資機材、太陽電池関連資材、液晶用電子材料などが増加する見通しだ。

 第2四半期累計(4月〜9月)は前年同期比3.5%増収、同22.1%営業増益、同35.3%経常増益、同97.3%最終増益となり、通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が45.4%、営業利益が43.5%、経常利益が46.8%、純利益が49.6%と概ね順調な水準である。

 設備投資関連は第4四半期(1月〜3月)の構成比が高いことや、ドル高・円安が進行していることなどを考慮すれば通期増額の可能性があるだろう。グローバル展開の強化で中期的にも収益拡大基調が期待される。

 株価の動きを見ると、11月5日の戻り高値284円から一旦反落したが、12月16日の直近安値253円から切り返しの動きを強めている。調整が一巡して今期大幅増益見通しを再評価する動きだろう。

 1月6日の終値265円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS45円17銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は2.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS399円53銭で算出)は0.7倍近辺である。

 週足チャートで見ると、26週移動平均線近辺で下ヒゲを付けて反発した。サポートラインを確認した形であり、強基調に変化はないだろう。今期業績見通し増額の可能性、さらに低PERや低PBRといった指標面の割安感を評価して14年9月高値285円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月02日更新]

神鋼商事は強基調に変化なく9月高値目指す

 鉄鋼・非鉄金属関連商社の神鋼商事[8075](東1)の株価は、10月17日の直近安値243円からほぼ一本調子に11月5日の284円まで戻した。その後は上げ一服の形だが自律調整の範囲だろう。強基調に変化はなく、今期(15年3月期)業績上ブレの可能性や指標面の割安感を評価して9月高値285円を目指す展開だろう。

 鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う商社である。13年6月発表の中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、神戸製鋼所 <5406> グループの中核となるグローバル商社を目指し、数値目標として16年3月期売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。14年7月には筒中金属産業が新設分割で設立した国内卸売事業会社の株式70%を取得して子会社化した。非鉄金属部門の収益力を強化する方針だ。

 14年9月にはメキシコにおける線材二次加工拠点となる合弁会社(出資比率は当社40%、メタルワン25%、神戸製鋼所10%、大阪精工10%、メキシコGrupo Simec10%、米O&k American5%)設立を発表した。15年末稼働予定である。メキシコは世界の自動車・自動車部品メーカーの相次ぐ進出で自動車関連産業の成長が期待されており、自動車用ファスナーや冷間鍛造部品などの素材となる冷間圧造用鋼線を製造し、現地の自動車部品メーカー向けに販売する。

 今期(15年3月期)の連結業績見通しは前回予想(4月28日公表)を据え置いて売上高が前期比11.8%増の9400億円、営業利益が同22.0%増の70億円、経常利益が同20.3%増の64億円、純利益が同26.6%増の40億円、配当予想が前期と同額の年間6円(第2四半期末3円、期末3円)としている。

 世界的に自動車生産が高水準であり、エレクトロニクス産業の生産回復、国内の建設需要拡大も追い風となり、鉄鋼セグメントや非鉄金属セグメントを中心として好調に推移する。前期は大型案件一巡の影響を受けた機械・情報セグメントも、製鉄関連資機材および建設機械用輸入部材、太陽電池関連資材、液晶用電子材料などが増加する見通しだ。

 第2四半期累計(4月〜9月)は前年同期比3.5%増収、同22.1%営業増益、同35.3%経常増益、同97.3%最終増益と好調に推移した。輸入鉄鋼原料の価格が下落したが、海外向け鋼板・線材製品の価格上昇、非鉄金属セグメントの取扱量増加、機械・情報セグメントの損益改善、溶接材料の取扱量増加などが寄与した。

 通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が45.4%、営業利益が43.5%、経常利益が46.8%、純利益が49.6%と概ね順調な水準だった。設備投資関連は下期の構成比が高いことを考慮すれば通期上ブレの可能性があるだろう。ドル高・円安進行も寄与する。グローバルビジネス展開の強化で中期的にも収益拡大基調が期待される。

 株価の動きを見ると、10月17日の直近安値243円からほぼ一本調子に11月5日の284円まで戻した。その後は上げ一服の形だが、大きく下押す動きは見られない。自律調整の範囲だろう。

 12月1日の終値267円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS45円17銭で算出)は6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は2.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS399円53銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると、26週移動平均線近辺から反発してサポートラインを確認した形であり、強基調に変化はないだろう。今期業績上ブレの可能性や指標面の割安感を評価して9月高値285円を目指す展開だろう。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
 

株式投資は全て自己責任でお願いします。このサイトの情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。当サイトの掲載事項において損失をされた場合も当方は一切の責任を負いかねます。