[8508]Jトラスト
[02月26日更新]

Jトラストは調整一巡、24年12月期減益予想だが保守的

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業を展開し、成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大を推進している。23年12月期の営業収益は各事業が伸長し、大幅増収で過去最高と順調だった。営業利益は韓国およびモンゴル事業において22年12月期に計上した負ののれん発生益の剥落により減益だが、当期利益は繰延税金資産取崩により増益だった。24年12月期は不動産事業において23年12月期に計上した負ののれん発生益の剥落により減益予想としているが、保守的な印象が強い。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価はモミ合いから下放れの形となってやや軟調だが、指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大戦略を推進している。

 23年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は日本金融事業が46億56百万円、韓国およびモンゴル金融事業が33億34百万円の損失、東南アジア金融事業が10億19百万円の損失、不動産事業が108億10百万円、投資事業が20億72百万円の損失、その他は55百万円の損失だった。韓国およびモンゴル金融事業では前期のJT親愛貯蓄銀行の取得に伴って計上した負ののれん発生益の剥落が影響、不動産事業では吸収合併したミライノベートの取得に係る負ののれん発生益計上が寄与した。収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業基盤拡大

 日本金融事業は日本保証が保証事業、パルティール債権回収が債権回収事業、Frontier Capitalがファクタリング事業を展開している。なお、20年11月にNexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。そして、SAMURAI TECHNOLOGYについては22年4月に全株式を譲渡して連結除外、Nexus Bankについては23年4月に吸収合併した。また23年10月には西京カードを子会社化した。

 Jトラストグローバル証券(JTG証券、22年3月に子会社化したエイチ・エス証券が22年10月に商号変更)については、22年12月に主幹事を担当したアップコン<5075>が名証ネクストに上場した。TOKYO PRO Market上場支援と、一般市場へのステップアップ上場支援を1社完結で実現させた実績を持つ国内唯一の証券会社である。23年7月にはIFA事業者の事業拡大支援サービスを本格的に開始した。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。なお23年12月にはJT貯蓄銀行が、大韓民国障害者体育発展への貢献が認められて大韓障害者体育会の会長賞を受賞した。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。

 23年6月には第4回インドネシアトップバンクアワード2023において、コンベンショナル−KBMI 1カテゴリーでの「2023年度トップバンクアワード」を受賞した。23年9月にはBJIがJKT48を運営するIDN MEDIAと、JKT48のブランドアンバサダー契約を締結した。23年10月にはBJIが西京銀行と業務提携した。インドネシアに進出している、又は進出を予定している西京銀行の取引先事業者をBJIへ紹介する。23年12月には第2回シモーネアジアパシフィックカップ2023(インドネシア)にスポンサーとして参加した。

 なお23年6月に、Jトラストアジアが保有するJトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)の株式を譲渡(譲渡実行日はインドネシア金融庁の承認後)する株式売買契約を締結した。これによりJTOは連結除外となる。

 不動産事業は同社およびJグランドが展開している。23年2月には同社が、不動産事業や再生可能エネルギー事業を展開するミライノベートを吸収合併した。23年5月にはJグランドが、東京の城西地区を中心に不動産業を展開するライブレントを子会社化した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。なおGLが同社に対して提起していた損害賠償を求める訴訟については、2月13日にタイの民事裁判所による判決の言い渡しがあり、GLの請求が全て却下された。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 シンガポールにおいては、控訴裁判所判決(20年10月)では、総額210百万米ドルの転換社債の引受等によって生じた損賠賠償請求のうち、その時点で償還期限が未到来であった130百万米ドルの損賠賠償請求が認められなかったため、償還期間経過後の21年8月に改めて訴訟を提起していたが、23年4月にシンガポー高等法院が被告らに対して連帯で約165億55百万円(1米ドル=133円で換算)および21年8月1日からの利息の支払い等を命じる判決(第1審判決)を言い渡し、さらに控訴審においてシンガポー高等法院上訴部が23年11月22日付で第1審判決を維持する判決を言い渡した。さらに24年1月11日付で控訴裁判所が控訴を棄却し、23年4月の第1審判決が確定した。

 その他事業は主にJ Sync(旧Robotシステム)がグループのシステム開発・運用・管理業務を展開している。J Syncは22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始した。23年3月には電子決済等代行業の登録が完了した。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社となっている。

 なお遊戯場運営のガイア(23年10月30日付で民事再生手続きの開始申立)については、23年10月にガイアグループの再建支援を目的とする基本合意書を締結した。24年1月にはKeyHolderがガイアの子会社であるトポスエンタープライズに対して民事再生支援(スポンサー支援)を行うと表明した。なお2月8日には、ガイアグループの民事再生手続に係る再生計画案の提出期限が3ヶ月延長されたため、ガイアグループの再建支援を目的とする基本合意書の締結期限を延長した。同社の業績への影響はない。

■24年12月期減益予想だが保守的

 23年12月期の連結業績(IFRS)は営業収益が22年12月期比39.3%増の1142億79百万円、営業利益が44.8%減の80億59百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が26.3%増の159億51百万円だった。配当は22年12月期比4円増配の14円(第2四半期末1円、期末13円)とした。連続大幅増配予想で配当性向は11.9%となる。

 営業収益は各事業が伸長し、大幅増収で過去最高と順調だった。営業利益は韓国およびモンゴル事業において22年12月期に計上した負ののれん発生益の反動により減益だが、当期利益は繰延税金資産取崩により増益だった。

 日本金融事業の営業利益は18.4%増の46億56百万円だった。営業収益はJTG証券およびNexus Cardの連結、割賦取扱高増加などにより大幅増収となり、利益面は債権回収や保証事業の好調推移、証券業務における外国為替売買・換算損の減少などにより、販管費の増加、前期のJTG証券の取得に伴う負ののれん発生益の反動影響などを吸収した。

 韓国およびモンゴル金融事業の営業利益は33億34百万円の損失(22年12月期は144億37百万円の利益)だった。JT親愛貯蓄銀行の連結も寄与して大幅増収だが、前期のJT親愛貯蓄銀行の取得に伴って計上した負ののれん発生益(97億円)の剥落、貯蓄銀行業における預金利息費用の増加、景気悪化および債権不良化による貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額の増加などにより大幅減益だった。

 東南アジア金融事業の営業利益は10億19百万円の損失(同2億48百万円の利益)だった。銀行業における貸出金増加や保有有価証券増加に伴う利息収支増加などで大幅増収だが、預金残高の増加や基準金利の上昇に伴う預金利息費用の増加で減益だった。

 不動産事業の営業利益は108億10百万円(同94百万円)だった。Jグランドの不動産販売収益の増加、グローベルスの連結に加えて、吸収合併したミライノベートの取得に係る負ののれん発生益計上が寄与した。

 投資事業の営業利益は20億72百万円の損失(同22億05百万円の損失)で、その他事業の営業利益は55百万円の損失(同1億08百万円の利益)だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が261億36百万円、営業利益が92億93百万円、純利益が91億24百万円、第2四半期は営業収益が275億13百万円、営業利益が6億88百万円の損失、純利益が69億07百万円、第3四半期は営業収益が309億28百万円、営業利益が25億29百万円、純利益が23億09百万円、第4四半期は営業収益が297億02百万円、営業利益が30億75百万円の損失、純利益が23億89百万円の損失だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

 24年12月期の連結業績予想は営業収益が23年12月期比12.0%増の1280億円、営業利益が8.2%減の74億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が59.9%減の64億円としている。配当予想は23年12月期と同額の14円(期末一括)としている。予想配当性向は30.0%となる。

 セグメント別営業利益計画は、日本金融事業が22.9%増の57億22百万円、韓国およびモンゴル金融事業が8億37百万円(23年12月期は33億34百万円の損失)、東南アジア金融事業が17億32百万円(同10億19百万円の損失)、不動産事業が89.5%減の11億33百万円、投資事業が1億53百万円(同20億72百万円の損失)、その他事業が50百万円(同55百万円の損失)としている。

 日本金融事業は信用保証業務、債権回収業務、証券業務が順調に伸長して大幅増益を見込む。韓国およびモンゴル金融事業は質の成長を目指し、貯蓄銀行業務と債権回収業務による安定的な利息収益計上を見込む。東南アジア金融事業は、インドネシアでは銀行業務の積極的な貸出残高の増強など、債権回収業務の買取債権増加による収益機会の拡大、カンボジアでは富裕者層顧客のニーズを汲み取った商品開発などを推進する。不動産事業では総合不動産会社として商品ブランド認知に注力する。投資事業では裁判費用等の回収コストを抑制しつつ、GL社に対する債権回収強化を図る。

 24年12月期は不動産事業において23年12月期に計上した負ののれん発生益の剥落により減益予想としているが、保守的な印象が強い。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は年1回(毎年6月末日対象)に変更

 株主優待制度については23年3月末対象から再開した。そして24年3月末日権利確定分より変更する。変更後は毎年6月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象にDSクリニック(メンズ・レディース痩身、AGA、美肌施術など)で使用可能な3万円の金券1枚を贈呈する。

■株価は調整一巡

 2月13日付で自己株式取得を発表した。上限は400万株・20億円、取得期間は24年3月27日〜24年11月30日)としている。また2月29日付で自己株式938万株(上限)を消却する。

 株価はモミ合いから下放れの形となってやや軟調だが、指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。2月22日の終値は409円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS46円61銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1104円10銭で算出)は約0.4倍、そして時価総額は約601億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月29日更新]

Jトラストは下値切り上げ、24年12月期も収益拡大基調

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業を展開し、成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大を推進している。23年12月期は最終大幅増益予想としている。日本金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業の収益改善に加えて、不動産事業における負ののれん発生益計上も寄与する見込みだ。24年12月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上値が重く小幅レンジでモミ合う形だが、一方では下値を徐々に切り上げている。指標面の割安感も支援材料であり、調整一巡してモミ合いから上放れの展開を期待したい。なお2月13日に23年12月期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大戦略を推進している。

 22年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は、日本金融事業が販管費増加などで21年12月期比14.3%減の39億31百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取込や負ののれん発生益の計上などで349.9%増の144億37百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金積み上げや預金金利低下による資金調達コスト減少などで58百万円の黒字(21年12月期は63億72百万円の赤字)だった。投資事業は前期のシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)の剥落で22億05百万円の赤字(同54億45百万円の黒字)だった。その他事業は52.9%減の2億02百万円だった。収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業基盤拡大

 日本金融事業は日本保証が保証事業、パルティール債権回収が債権回収事業、Frontier Capitalがファクタリング事業を展開している。また、20年11月にNexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。SAMURAI TECHNOLOGYは22年4月に全株式を譲渡して連結除外、Nexus Bankは23年4月に吸収合併した。

 23年10月には西京カードを子会社化した。割賦事業を日本金融事業の新たな成長ドライバーと位置付けて、Nexus Cardとの経営資源の共有・最適配分などグループシナジーを推進する。

 Jトラストグローバル証券(JTG証券)(22年3月に子会社化したエイチ・エス証券が22年10月に商号変更)については、22年12月に主幹事を担当したアップコン<5075>が名証ネクストに上場した。TOKYO PRO Market上場支援と、一般市場へのステップアップ上場支援を1社完結で実現させた実績を持つ国内唯一の証券会社である。23年7月にはIFA事業者の事業拡大支援サービスを本格的に開始した。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。なお23年12月にはJT貯蓄銀行が、大韓民国障害者体育発展への貢献が認められて大韓障害者体育会の会長賞を受賞した。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。

 23年6月には第4回インドネシアトップバンクアワード2023において、コンベンショナル−KBMI 1カテゴリーでの「2023年度トップバンクアワード」を受賞した。23年9月にはBJIがJKT48を運営するIDN MEDIAと、JKT48のブランドアンバサダー契約を締結した。23年10月にはBJIが西京銀行と業務提携した。インドネシアに進出している、又は進出を予定している西京銀行の取引先事業者をBJIへ紹介する。

 なお23年6月に、Jトラストアジアが保有するJトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)の株式を譲渡(譲渡実行日はインドネシア金融庁の承認後)する株式売買契約を締結した。これによりJTOは連結除外となる。また23年12月には第2回シモーネアジアパシフィックカップ2023(インドネシア)にスポンサーとして参加した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 シンガポールにおいては、控訴裁判所判決(20年10月)では、総額210百万米ドルの転換社債の引受等によって生じた損賠賠償請求のうち、その時点で償還期限が未到来であった130百万米ドルの損賠賠償請求が認められなかったため、償還期間経過後の21年8月に改めて訴訟を提起していたが、23年4月にシンガポー高等法院が被告らに対して連帯で約165億55百万円(1米ドル=133円で換算)および21年8月1日からの利息の支払い等を命じる判決(第1審判決)を言い渡し、さらに控訴審においてシンガポー高等法院上訴部が23年11月22日付で第1審判決を維持する判決を言い渡した。さらに24年1月11日付で控訴裁判所が控訴を棄却し、23年4月の第1審判決が確定した。

 その他事業は主にJ Sync(旧Robotシステム)がグループのシステム開発・運用・管理業務、Jグランドが不動産事業を展開している。J Syncは22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始した。23年2月には不動産事業や再生可能エネルギー事業を展開するミライノベートを吸収合併した。23年3月には電子決済等代行業の登録が完了した。23年5月には子会社のJグランドが、東京の城西地区を中心に不動産業を展開するライブレントの全株式を取得して子会社化した。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社となっている。

 23年10月には、遊戯場運営のガイア(23年10月30日付で民事再生手続きの開始申立)との間で、ガイアグループの再建支援を目的とする基本合意書を締結した。そして1月26日にはKeyHolderが、ガイアの子会社であるトポスエンタープライズに対して民事再生支援(スポンサー支援)を行うと表明した。

■23年12月期は再上振れの可能性、24年12月期も収益拡大基調

 23年12月期連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず、8月8日付で上方修正)は、営業収益が22年12月期比43.2%増の1180億円、営業利益が27.1%減の105億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が30.6%増の165億円としている。配当予想は22年12月期比4円増配の14円(第2四半期末1円、期末13円)としている。連続大幅増配予想で予想配当性向は11.7%となる。

 前回予想(2月14日公表)に対して営業収益を30億円、営業利益を20億円、親会社の所有者に帰属する当期利益を35億円、それぞれ上方修正した。日本金融事業ではNexus Cardの割賦売掛金残高が拡大していることに加えて、債権回収が想定以上に進捗している。韓国およびモンゴル金融事業では、貯蓄銀行において預金金利上昇による収益悪化を想定していたが、韓国銀行による基準金利引き上げが一段落して懸念したほどの損失とならず、底打ちが期待できる状況となっている。東南アジア金融事業では利息収支が想定を上回って推移している。親会社の所有者に帰属する当期利益は18年3月期のIFRS移行後の最高を2期連続で更新する見込みとなっている。

 第3四半期累計は、営業収益が前年同期比48.4%増の845億77百万円、営業利益が25.5%減の111億34百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が28.6%増の183億40百万円だった。

 韓国およびモンゴル事業における前期の負ののれん発生益の反動で営業減益(四半期純利益は法人所得税費用の減少で増益)だが、日本金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業の収益改善、不動産事業における負ののれん発生益計上などにより、各利益は通期予想を超過達成して着地した。

 日本金融事業の営業利益は5.0%増の34億69百万円だった。営業収益はJTG証券およびNexus Cardの連結、債権回収や保証事業の好調推移などにより大幅増収となり、利益面は増収効果に加えて、証券業務における外国為替売買・換算損の減少などにより、販管費の増加、前期のJTG証券の取得に伴う負ののれん発生益の反動影響などを吸収した。

 韓国およびモンゴル金融事業の営業利益は、16億52百万円の損失(前年同期は141億27百万円の利益)だった。JT親愛貯蓄銀行の連結も寄与して大幅増収だが、前期の負ののれん発生益(JT親愛貯蓄銀行の取得に伴う負ののれん発生益)の反動、貯蓄銀行業における預金利息費用の増加、景気悪化および債権不良化による貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額の増加などにより大幅減益だった。

 東南アジア金融事業の営業利益は65.9%増の12億25百万円だった。銀行業における貸出金増加や保有有価証券増加に伴う利息収支増加などで大幅増収となり、貸出債権のリスク低下なども寄与して大幅増益だった。

 不動産事業(セグメント新設)の営業利益は100億96百万円(前年同期は66百万円の損失)だった。Jグランドの不動産販売収益の増加、グローベルスの連結、吸収合併したミライノベートの取得に係る負ののれん発生益計上が寄与した。

 投資事業の営業利益は15億83百万円の損失(同15億75百万円の損失)で、その他事業の営業利益は22百万円の損失(同1億31百万円の利益)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が261億36百万円、営業利益が92億93百万円、純利益が91億24百万円、第2四半期は営業収益が275億13百万円、営業利益が6億88百万円の損失、純利益が69億07百万円、第3四半期は営業収益が309億28百万円、営業利益が25億29百万円、純利益が23億09百万円だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

 通期連結業績予想については8月8日付の修正値を据え置いている。セグメント別営業利益計画は、日本金融事業が57億64百万円、韓国およびモンゴル金融事業が2億40百万円の損失、東南アジア金融事業が10億78百万円、不動産事業が99億76百万円、投資事業が20億66百万円の損失、その他事業が20百万円としている。

 第3四半期累計の各利益が通期予想を超過達成していることを勘案すれば、通期会社予想に再上振れの可能性があり、さらに24年12月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度を再開、配当と合わせて株主還元を強化

 株主優待制度(23年3月末対象から再開、詳細は会社HP参照)は、毎年3月末および9月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数および継続保有期間に応じて、オリーブスパが運営するリラクゼーションサロンで利用できるチケット、またはクリアグループが運営する各施設の金券を贈呈する。配当と合わせて株主還元を一段と強化する方針としている。

■株価は下値切り上げ

 株価は上値が重く小幅レンジでモミ合う形だが、一方では下値を徐々に切り上げている。指標面の割安感も支援材料であり、調整一巡してモミ合いから上放れの展開を期待したい。1月26日の終値は483円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS120円17銭で算出)は約4倍、前期推定配当利回り(会社予想の14円で算出)は約2.9%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1004円59銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約710億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月05日更新]

Jトラストは反発の動き、24年12月期も収益拡大基調

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業を展開し、成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大を推進している。23年12月期は最終大幅増益予想としている。日本金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業の着実な収益改善に加えて、不動産事業における負ののれん発生益計上も寄与する見込みだ。第3四半期累計の各利益が通期予想を超過達成していることを勘案すれば、通期会社予想に再上振れの可能性があり、さらに24年12月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は調整一巡してモミ合いレンジ下限から反発の動きを強めている。出直りを期待したい。なお2月13日に23年12月期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大戦略を推進している。なお7月13日には一般社団法人金融ISACに正会員として入会したと発表している。

 22年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は、日本金融事業が販管費増加などで21年12月期比14.3%減の39億31百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取込や負ののれん発生益の計上などで349.9%増の144億37百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金積み上げや預金金利低下による資金調達コスト減少などで58百万円の黒字(21年12月期は63億72百万円の赤字)だった。投資事業は前期のシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)の剥落で22億05百万円の赤字(同54億45百万円の黒字)だった。その他事業は52.9%減の2億02百万円だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業基盤拡大

 日本金融事業は日本保証が保証事業、パルティール債権回収が債権回収事業、Frontier Capitalがファクタリング事業を展開している。また、20年11月にNexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。SAMURAI TECHNOLOGYは22年4月に全株式を譲渡して連結除外、Nexus Bankは23年4月に吸収合併した。

 23年10月には西京カードを子会社化した。割賦事業を日本金融事業の新たな成長ドライバーと位置付けて、Nexus Cardとの経営資源の共有・最適配分などグループシナジーを推進する。

 Jトラストグローバル証券(JTG証券)(22年3月に子会社化したエイチ・エス証券が22年10月に商号変更)については、22年12月に主幹事を担当したアップコン<5075>が名証ネクストに上場した。TOKYO PRO Market上場支援と、一般市場へのステップアップ上場支援を1社完結で実現させた実績を持つ国内唯一の証券会社である。23年7月にはIFA事業者の事業拡大支援サービスを本格的に開始した。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。なお23年12月にはJT貯蓄銀行が、大韓民国障害者体育発展への貢献が認められて大韓障害者体育会の会長賞を受賞した。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。

 23年6月には第4回インドネシアトップバンクアワード2023において、コンベンショナル−KBMI 1カテゴリーでの「2023年度トップバンクアワード」を受賞した。23年9月にはBJIがJKT48を運営するIDN MEDIAと、JKT48のブランドアンバサダー契約を締結した。23年10月にはBJIが西京銀行と業務提携した。インドネシアに進出している、又は進出を予定している西京銀行の取引先事業者をBJIへ紹介する。

 なお23年6月に、Jトラストアジアが保有するJトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)の株式を譲渡(譲渡実行日はインドネシア金融庁の承認後)する株式売買契約を締結した。これによりJTOは連結除外となる。また23年12月には第2回シモーネアジアパシフィックカップ2023(インドネシア)にスポンサーとして参加した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 シンガポールにおいては、控訴裁判所判決(20年10月)では、総額210百万米ドルの転換社債の引受等によって生じた損賠賠償請求のうち、その時点で償還期限が未到来であった130百万米ドルの損賠賠償請求が認められなかったため、償還期間経過後の21年8月に改めて訴訟を提起していたが、23年4月のシンガポー高等法院が被告らに対して連帯で約165億55百万円(1米ドル=133円で換算)および21年8月1日からの利息の支払い等を命じる判決(第1審判決)を言い渡し、さらに上訴審においてシンガポー高等法院上訴部が23年11月22日付で第1審判決を維持する判決を言い渡した。

 その他事業は主にJ Sync(旧Robotシステム)がグループのシステム開発・運用・管理業務、Jグランドが不動産事業を展開している。J Syncは22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始した。23年2月には不動産事業や再生可能エネルギー事業を展開するミライノベートを吸収合併した。23年3月には電子決済等代行業の登録が完了した。23年5月には子会社のJグランドが、東京の城西地区を中心に不動産業を展開するライブレントの全株式を取得して子会社化した。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社となっている。

 23年10月には、遊戯場運営のガイア(10月30日付で民事再生手続きの開始申立)との間で、ガイアグループの再建支援を目的とする基本合意書を締結した。

■23年12月期は再上振れの可能性、24年12月期も収益拡大基調

 23年12月期連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず、8月8日付で上方修正)は、営業収益が22年12月期比43.2%増の1180億円、営業利益が27.1%減の105億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が30.6%増の165億円としている。配当予想は22年12月期比4円増配の14円(第2四半期末1円、期末13円)としている。連続大幅増配予想で予想配当性向は11.7%となる。

 前回予想(2月14日公表)に対して営業収益を30億円、営業利益を20億円、親会社の所有者に帰属する当期利益を35億円、それぞれ上方修正した。日本金融事業ではNexus Cardの割賦売掛金残高が拡大していることに加えて、債権回収が想定以上に進捗している。韓国およびモンゴル金融事業では、貯蓄銀行において預金金利上昇による収益悪化を想定していたが、韓国銀行による基準金利引き上げが一段落して懸念したほどの損失とならず、底打ちが期待できる状況となっている。東南アジア金融事業では利息収支が想定を上回って推移している。親会社の所有者に帰属する当期利益は18年3月期のIFRS移行後の最高を2期連続で更新する見込みとなっている。

 第3四半期累計は、営業収益が前年同期比48.4%増の845億77百万円、営業利益が25.5%減の111億34百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が28.6%増の183億40百万円だった。

 韓国およびモンゴル事業における前期の負ののれん発生益の反動で営業減益(四半期純利益は法人所得税費用の減少で増益)だが、日本金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業の収益改善、不動産事業における負ののれん発生益計上などにより、各利益は通期予想を超過達成して着地した。

 日本金融事業の営業利益は5.0%増の34億69百万円だった。営業収益はJTG証券およびNexus Cardの連結、債権回収や保証事業の好調推移などにより大幅増収となり、利益面は増収効果に加えて、証券業務における外国為替売買・換算損の減少などにより、販管費の増加、前期のJTG証券の取得に伴う負ののれん発生益の反動影響などを吸収した。

 韓国およびモンゴル金融事業の営業利益は、16億52百万円の損失(前年同期は141億27百万円の利益)だった。JT親愛貯蓄銀行の連結も寄与して大幅増収だが、前期の負ののれん発生益(JT親愛貯蓄銀行の取得に伴う負ののれん発生益)の反動、貯蓄銀行業における預金利息費用の増加、景気悪化および債権不良化による貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額の増加などにより大幅減益だった。

 東南アジア金融事業の営業利益は65.9%増の12億25百万円だった。銀行業における貸出金増加や保有有価証券増加に伴う利息収支増加などで大幅増収となり、貸出債権のリスク低下なども寄与して大幅増益だった。

 不動産事業(セグメント新設)の営業利益は100億96百万円(前年同期は66百万円の損失)だった。Jグランドの不動産販売収益の増加、グローベルスの連結、吸収合併したミライノベートの取得に係る負ののれん発生益計上が寄与した。

 投資事業の営業利益は15億83百万円の損失(同15億75百万円の損失)で、その他事業の営業利益は22百万円の損失(同1億31百万円の利益)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が261億36百万円、営業利益が92億93百万円、純利益が91億24百万円、第2四半期は営業収益が275億13百万円、営業利益が6億88百万円の損失、純利益が69億07百万円、第3四半期は営業収益が309億28百万円、営業利益が25億29百万円、純利益が23億09百万円だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

 通期連結業績予想については8月8日付の修正値を据え置いている。セグメント別営業利益計画は、日本金融事業が57億64百万円、韓国およびモンゴル金融事業が2億40百万円の損失、東南アジア金融事業が10億78百万円、不動産事業が99億76百万円、投資事業が20億66百万円の損失、その他事業が20百万円としている。

 第3四半期累計の各利益が通期予想を超過達成していることを勘案すれば、通期会社予想に再上振れの可能性があり、さらに24年12月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度を再開、配当と合わせて株主還元を一段と強化

 株主優待制度(23年3月末対象から再開、詳細は会社HP参照)は、毎年3月末および9月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数および継続保有期間に応じて、オリーブスパが運営するリラクゼーションサロンで利用できるチケット、またはクリアグループが運営する各施設の金券を贈呈する。配当と合わせて株主還元を一段と強化する方針としている。

■株価は反発の動き

 株価は調整一巡してモミ合いレンジ下限から反発の動きを強めている。出直りを期待したい。1月4日の終値は463円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS120円17銭で算出)は約4倍、前期推定配当利回り(会社予想の14円で算出)は約3.0%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1004円59銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約681億円である。情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[12月21日更新]

Jトラストは調整一巡、23年12月期は再上振れの可能性、24年12月期も収益拡大基調

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業を展開し、成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大を推進している。23年12月期は最終大幅増益予想(8月8日付で上方修正)としている。日本金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業の着実な収益改善などに加えて、不動産事業における負ののれん発生益計上なども寄与する見込みだ。第3四半期累計の各利益が通期予想を超過達成していることを勘案すれば、通期会社予想に再上振れの可能性があるだろう。さらに24年12月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上値が重く小幅レンジでモミ合う形だが、調整一巡してモミ合いから上放れの展開を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大戦略を推進している。なお7月13日には一般社団法人金融ISACに正会員として入会したと発表している。

 22年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は、日本金融事業が販管費増加などで21年12月期比14.3%減の39億31百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取込や負ののれん発生益の計上などで349.9%増の144億37百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金積み上げや預金金利低下による資金調達コスト減少などで58百万円の黒字(21年12月期は63億72百万円の赤字)だった。投資事業は前期のシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)の剥落で22億05百万円の赤字(同54億45百万円の黒字)だった。その他事業は52.9%減の2億02百万円だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業基盤拡大

 日本金融事業は日本保証が保証事業、パルティール債権回収が債権回収事業、Frontier Capitalがファクタリング事業を展開している。また、20年11月にNexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。SAMURAI TECHNOLOGYは22年4月に全株式を譲渡して連結除外、Nexus Bankは23年4月に吸収合併した。

 23年10月には西京カードを子会社化した。割賦事業を日本金融事業の新たな成長ドライバーと位置付けて、Nexus Cardとの経営資源の共有・最適配分などグループシナジーを推進する。

 Jトラストグローバル証券(JTG証券)(22年3月に子会社化したエイチ・エス証券が22年10月に商号変更)については、22年12月に主幹事を担当したアップコン<5075>が名証ネクストに上場した。TOKYO PRO Market上場支援と、一般市場へのステップアップ上場支援を1社完結で実現させた実績を持つ国内唯一の証券会社である。23年7月にはIFA事業者の事業拡大支援サービスを本格的に開始した。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。23年6月には、第4回インドネシアトップバンクアワード2023において、コンベンショナル−KBMI 1カテゴリーでの「2023年度トップバンクアワード」を受賞した。23年9月にはBJIが、JKT48を運営するIDN MEDIAと、JKT48のブランドアンバサダー契約を締結した。23年10月にはBJIが西京銀行と業務提携した。インドネシアに進出している、又は進出を予定している西京銀行の取引先事業者をBJIへ紹介する。

 なお23年6月に、Jトラストアジアが保有するJトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)の株式を譲渡(譲渡実行日はインドネシア金融庁の承認後)する株式売買契約締結を発表した。これによりJTOは連結除外となる。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 シンガポールにおいては、控訴裁判所判決(20年10月)では、総額210百万米ドルの転換社債の引受等によって生じた損賠賠償請求のうち、その時点で償還期限が未到来であった130百万米ドルの損賠賠償請求が認められなかったため、償還期間経過後の21年8月に改めて訴訟を提起していたが、23年4月のシンガポー高等法院が被告らに対して連帯で約165億55百万円(1米ドル=133円で換算)および21年8月1日からの利息の支払い等を命じる判決(第1審判決)を言い渡し、さらに上訴審においてシンガポー高等法院上訴部が23年11月22日付で第1審判決を維持する判決を言い渡した。

 その他事業は主にJ Sync(旧Robotシステム)がグループのシステム開発・運用・管理業務、Jグランドが不動産事業を展開している。J Syncは22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。23年2月には不動産事業や再生可能エネルギー事業を展開するミライノベートを吸収合併した。23年3月には電子決済等代行業の登録が完了した。23年5月には子会社のJグランドが、東京の城西地区を中心に不動産業を展開するライブレントの全株式を取得して子会社化した。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社となっている。

 23年10月には、遊戯場運営のガイア(10月30日付で民事再生手続きの開始申立)との間で、ガイアグループの再建支援を目的とする基本合意書を締結した。

■23年12月期は再上振れの可能性、24年12月期も収益拡大基調

 23年12月期連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず、8月8日付で上方修正)は、営業収益が22年12月期比43.2%増の1180億円、営業利益が27.1%減の105億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が30.6%増の165億円としている。配当予想は22年12月期比4円増配の14円(第2四半期末1円、期末13円)としている。連続大幅増配予想で予想配当性向は11.7%となる。

 前回予想(2月14日公表)に対して営業収益を30億円、営業利益を20億円、親会社の所有者に帰属する当期利益を35億円、それぞれ上方修正した。日本金融事業ではNexus Cardの割賦売掛金残高が拡大していることに加えて、債権回収が想定以上に進捗している。韓国およびモンゴル金融事業では、貯蓄銀行において預金金利上昇による収益悪化を想定していたが、韓国銀行による基準金利引き上げが一段落して懸念したほどの損失とならず、底打ちが期待できる状況となっている。東南アジア金融事業では利息収支が想定を上回って推移している。親会社の所有者に帰属する当期利益は18年3月期のIFRS移行後の最高を2期連続で更新する見込みとなっている。

 第3四半期累計は、営業収益が前年同期比48.4%増の845億77百万円、営業利益が25.5%減の111億34百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が28.6%増の183億40百万円だった。

 韓国およびモンゴル事業における前期の負ののれん発生益の反動で営業減益(四半期純利益は法人所得税費用の減少で増益)だが、日本金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業の収益改善、不動産事業における負ののれん発生益計上などにより、各利益は通期予想を超過達成して着地した。

 日本金融事業の営業利益は5.0%増の34億69百万円だった。営業収益はJTG証券およびNexus Cardの連結、債権回収や保証事業の好調推移などにより大幅増収となり、利益面は増収効果に加えて、証券業務における外国為替売買・換算損の減少などにより、販管費の増加、前期のJTG証券の取得に伴う負ののれん発生益の反動影響などを吸収した。

 韓国およびモンゴル金融事業の営業利益は、16億52百万円の損失(前年同期は141億27百万円の利益)だった。JT親愛貯蓄銀行の連結も寄与して大幅増収だが、前期の負ののれん発生益(JT親愛貯蓄銀行の取得に伴う負ののれん発生益)の反動、貯蓄銀行業における預金利息費用の増加、景気悪化および債権不良化による貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額の増加などにより大幅減益だった。

 東南アジア金融事業の営業利益は65.9%増の12億25百万円だった。銀行業における貸出金増加や保有有価証券増加に伴う利息収支増加などで大幅増収となり、貸出債権のリスク低下なども寄与して大幅増益だった。

 不動産事業(セグメント新設)の営業利益は100億96百万円(前年同期は66百万円の損失)だった。Jグランドの不動産販売収益の増加、グローベルスの連結、吸収合併したミライノベートの取得に係る負ののれん発生益計上が寄与した。

 投資事業の営業利益は15億83百万円の損失(同15億75百万円の損失)で、その他事業の営業利益は22百万円の損失(同1億31百万円の利益)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が261億36百万円、営業利益が92億93百万円、純利益が91億24百万円、第2四半期は営業収益が275億13百万円、営業利益が6億88百万円の損失、純利益が69億07百万円、第3四半期は営業収益が309億28百万円、営業利益が25億29百万円、純利益が23億09百万円だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

 通期連結業績予想については、8月8日付の修正値を据え置いている。セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が57億64百万円、韓国およびモンゴル金融事業が2億40百万円の損失、東南アジア金融事業が10億78百万円、不動産事業が99億76百万円、投資事業が20億66百万円の損失、その他事業が20百万円としている。

 ただし第3四半期累計の各利益が通期予想を超過達成していることを勘案すれば、通期会社予想に再上振れの可能性があるだろう。さらに24年12月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度を再開、配当と合わせて株主還元を一段と強化

 株主優待制度(23年3月末対象から再開、詳細は会社HP参照)は、毎年3月末および9月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数および継続保有期間に応じて、オリーブスパが運営するリラクゼーションサロンで利用できるチケット、またはクリアグループが運営する各施設の金券を贈呈する。配当と合わせて株主還元を一段と強化する方針としている。

■株価は調整一巡

 株価は上値が重く小幅レンジでモミ合う形だが、調整一巡してモミ合いから上放れの展開を期待したい。12月20日の終値は453円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS120円17銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1004円59銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約666億円である。情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月28日更新]

Jトラストは下値切り上げ、23年12月期3Q累計は通期予想を超過達成、通期は再上振れの可能性

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業を展開し、成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大を推進している。23年12月期は最終大幅増益予想(8月8日付で上方修正)としている。日本金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業の着実な収益改善などに加えて、不動産事業における負ののれん発生益計上なども寄与する見込みだ。第3四半期累計は韓国およびモンゴル事業における前期の負ののれん発生益の反動で営業減益だが、日本金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業の収益改善、不動産事業における負ののれん発生益計上などにより、各利益は通期予想を超過達成して着地した。通期会社予想を据え置いたが、再上振れの可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上値の重い形だが、一方では下値を切り上げている。上放れの展開を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大戦略を推進している。なお7月13日には一般社団法人金融ISACに正会員として入会したと発表している。

 22年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は、日本金融事業が販管費増加などで21年12月期比14.3%減の39億31百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取込や負ののれん発生益の計上などで349.9%増の144億37百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金積み上げや預金金利低下による資金調達コスト減少などで58百万円の黒字(21年12月期は63億72百万円の赤字)だった。投資事業は前期のシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)の剥落で22億05百万円の赤字(同54億45百万円の黒字)だった。その他事業は52.9%減の2億02百万円だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業基盤拡大

 日本金融事業は日本保証が保証事業、パルティール債権回収が債権回収事業、Frontier Capitalがファクタリング事業を展開している。また、20年11月にNexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。SAMURAI TECHNOLOGYは22年4月に全株式を譲渡して連結除外、Nexus Bankは23年4月に吸収合併した。

 23年10月には西京カードを子会社化した。割賦事業を日本金融事業の新たな成長ドライバーと位置付けて、Nexus Cardとの経営資源の共有・最適配分などグループシナジーを推進する。

 Jトラストグローバル証券(JTG証券)(22年3月に子会社化したエイチ・エス証券が22年10月に商号変更)については、22年12月に主幹事を担当したアップコン<5075>が名証ネクストに上場した。TOKYO PRO Market上場支援と、一般市場へのステップアップ上場支援を1社完結で実現させた実績を持つ国内唯一の証券会社である。23年7月にはIFA事業者の事業拡大支援サービスを本格的に開始した。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。23年6月には、第4回インドネシアトップバンクアワード2023において、コンベンショナル−KBMI 1カテゴリーでの「2023年度トップバンクアワード」を受賞した。23年9月にはBJIが、JKT48を運営するIDN MEDIAと、JKT48のブランドアンバサダー契約を締結した。23年10月にはBJIが西京銀行と業務提携した。インドネシアに進出している、又は進出を予定している西京銀行の取引先事業者をBJIへ紹介する。

 なお23年6月に、Jトラストアジアが保有するJトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)の株式を譲渡(譲渡実行日はインドネシア金融庁の承認後)する株式売買契約締結を発表した。これによりJTOは連結除外となる。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 なお11月22日には経過をリリースした。シンガポールにおける控訴裁判所判決(20年10月)では、総額210百万米ドルの転換社債の引受等によって生じた損賠賠償請求のうち、その時点で償還期限が未到来であった130百万米ドルの損賠賠償請求が認められなかったため、償還期間経過後の21年8月に改めて訴訟を提起していたが、23年4月のシンガポー高等法院が被告らに対して連帯で約165億55百万円(1米ドル=133円で換算)および21年8月1日からの利息の支払い等を命じる判決(第1審判決)を言い渡し、さらに上訴審においてシンガポー高等法院上訴部が11月22日付で第1審判決を維持する判決を言い渡した。

 その他事業は主にJ Sync(旧Robotシステム)がグループのシステム開発・運用・管理業務、Jグランドが不動産事業を展開している。J Syncは22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。23年2月には不動産事業や再生可能エネルギー事業を展開するミライノベートを吸収合併した。23年3月には電子決済等代行業の登録が完了した。23年5月には子会社のJグランドが、東京の城西地区を中心に不動産業を展開するライブレントの全株式を取得して子会社化した。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社となっている。

 10月30日には、遊戯場運営のガイア(10月30日付で民事再生手続きの開始申立)との間で、ガイアグループの再建支援を目的とする基本合意書を締結した。

■23年12月期3Q累計は通期予想を超過達成、通期は再上振れの可能性

 23年12月期連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず、8月8日付で上方修正)は、営業収益が22年12月期比43.2%増の1180億円、営業利益が27.1%減の105億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が30.6%増の165億円としている。配当予想は22年12月期比4円増配の14円(第2四半期末1円、期末13円)としている。連続大幅増配予想で予想配当性向は11.7%となる。

 前回予想(2月14日公表)に対して営業収益を30億円、営業利益を20億円、親会社の所有者に帰属する当期利益を35億円、それぞれ上方修正した。日本金融事業ではNexus Cardの割賦売掛金残高が拡大していることに加えて、債権回収が想定以上に進捗している。韓国およびモンゴル金融事業では、貯蓄銀行において預金金利上昇による収益悪化を想定していたが、韓国銀行による基準金利引き上げが一段落して懸念したほどの損失とならず、底打ちが期待できる状況となっている。東南アジア金融事業では利息収支が想定を上回って推移している。親会社の所有者に帰属する当期利益は18年3月期のIFRS移行後の最高を2期連続で更新する見込みとなっている。

 第3四半期累計は、営業収益が前年同期比48.4%増の845億77百万円、営業利益が25.5%減の111億34百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が28.6%増の183億40百万円だった。

 韓国およびモンゴル事業における前期の負ののれん発生益の反動で営業減益(四半期純利益は法人所得税費用の減少で増益)だが、日本金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業の収益改善、不動産事業における負ののれん発生益計上などにより、各利益は通期予想を超過達成して着地した。

 日本金融事業の営業利益は5.0%増の34億69百万円だった。営業収益はJTG証券およびNexus Cardの連結、債権回収や保証事業の好調推移などにより大幅増収となり、利益面は増収効果に加えて、証券業務における外国為替売買・換算損の減少などにより、販管費の増加、前期のJTG証券の取得に伴う負ののれん発生益の反動影響などを吸収した。

 韓国およびモンゴル金融事業の営業利益は、16億52百万円の損失(前年同期は141億27百万円の利益)だった。JT親愛貯蓄銀行の連結も寄与して大幅増収だが、前期の負ののれん発生益(JT親愛貯蓄銀行の取得に伴う負ののれん発生益)の反動、貯蓄銀行業における預金利息費用の増加、景気悪化および債権不良化による貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額の増加などにより大幅減益だった。

 東南アジア金融事業の営業利益は65.9%増の12億25百万円だった。銀行業における貸出金増加や保有有価証券増加に伴う利息収支増加などで大幅増収となり、貸出債権のリスク低下なども寄与して大幅増益だった。

 不動産事業(セグメント新設)の営業利益は100億96百万円(前年同期は66百万円の損失)だった。Jグランドの不動産販売収益の増加、グローベルスの連結、吸収合併したミライノベートの取得に係る負ののれん発生益計上が寄与した。

 投資事業の営業利益は15億83百万円の損失(同15億75百万円の損失)で、その他事業の営業利益は22百万円の損失(同1億31百万円の利益)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が261億36百万円、営業利益が92億93百万円、純利益が91億24百万円、第2四半期は営業収益が275億13百万円、営業利益が6億88百万円の損失、純利益が69億07百万円、第3四半期は営業収益が309億28百万円、営業利益が25億29百万円、純利益が23億09百万円だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

 通期連結業績予想については、8月8日付の修正値を据え置いている。セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が57億64百万円、韓国およびモンゴル金融事業が2億40百万円の損失、東南アジア金融事業が10億78百万円、不動産事業が99億76百万円、投資事業が20億66百万円の損失、その他事業が20百万円としている。

 ただし第3四半期累計の各利益は通期予想を超過達成している。通期会社予想は再上振れの可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度を再開、配当と合わせて株主還元を一段と強化

 23年2月14日に株主優待制度を再開すると発表した。毎年3月末および9月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数および継続保有期間に応じて、オリーブスパが運営するリラクゼーションサロンで利用できるチケット、またはクリアグループが運営する各施設の金券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。23年3月末対象から開始した。配当(23年12月期連続増配予想)と合わせて株主還元を一段と強化する方針としている。

■株価は下値切り上げ

 株価は上値の重い形だが、一方では下値を切り上げている。上放れの展開を期待したい。11月27日の終値は477円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS120円17銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1004円59銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約701億円である。情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月31日更新]

Jトラストは調整一巡、23年12月期は再上振れの可能性

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業を展開し、成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大を推進している。10月30日には、遊戯場運営のガイア(10月30日付で民事再生手続きの開始申立)との間で、ガイアグループの再建支援を目的とする基本合意書を締結した。23年12月期は最終大幅増益予想(8月8日付で上方修正)としている。日本金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業の着実な収益改善などに加えて、不動産事業における負ののれん発生益計上なども寄与する見込みだ。通期会社予想は再上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で上値を切り下げる形となったが大きく下押す動きも見られない。調整一巡して出直りを期待したい。なお11月13日に23年12月期第3四半期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大戦略を推進している。なお7月13日には一般社団法人金融ISACに正会員として入会したと発表している。

 22年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は、日本金融事業が販管費増加などで21年12月期比14.3%減の39億31百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取込や負ののれん発生益の計上などで349.9%増の144億37百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金積み上げや預金金利低下による資金調達コスト減少などで58百万円の黒字(21年12月期は63億72百万円の赤字)だった。投資事業は前期のシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)の剥落で22億05百万円の赤字(同54億45百万円の黒字)だった。その他事業は52.9%減の2億02百万円だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業基盤拡大

 日本金融事業は日本保証が保証事業、パルティール債権回収が債権回収事業、Frontier Capitalがファクタリング事業を展開している。また、20年11月にNexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。SAMURAI TECHNOLOGYは22年4月に全株式を譲渡して連結除外、Nexus Bankは23年4月に吸収合併した。

 23年10月には西京カードを子会社化した。割賦事業を日本金融事業の新たな成長ドライバーと位置付けて、Nexus Cardとの経営資源の共有・最適配分などグループシナジーを推進する。

 Jトラストグローバル証券(JTG証券)(22年3月に子会社化したエイチ・エス証券が22年10月に商号変更)については、22年12月に主幹事を担当したアップコン<5075>が名証ネクストに上場した。TOKYO PRO Market上場支援と、一般市場へのステップアップ上場支援を1社完結で実現させた実績を持つ国内唯一の証券会社である。23年7月にはIFA事業者の事業拡大支援サービスを本格的に開始した。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。23年6月には、第4回インドネシアトップバンクアワード2023において、コンベンショナル−KBMI 1カテゴリーでの「2023年度トップバンクアワード」を受賞した。23年9月にはBJIが、JKT48を運営するIDN MEDIAと、JKT48のブランドアンバサダー契約を締結した。23年10月にはBJIが西京銀行と業務提携した。インドネシアに進出している、又は進出を予定している西京銀行の取引先事業者をBJIへ紹介する。

 なお23年6月に、Jトラストアジアが保有するJトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)の株式を譲渡(譲渡実行日はインドネシア金融庁の承認後)する株式売買契約締結を発表した。これによりJTOは連結除外となる。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。なお23年4月には、シンガポール高等法院がJトラストアジアの請求を認容し、被告らに対して連帯で約165億55百万円(1米ドル=133円で換算)および21年8月1日からの利息の支払い等を命じる判決を言い渡した。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 その他事業は主にJ Sync(旧Robotシステム)がグループのシステム開発・運用・管理業務、Jグランドが不動産事業を展開している。J Syncは22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。23年2月には不動産事業や再生可能エネルギー事業を展開するミライノベートを吸収合併した。23年3月には電子決済等代行業の登録が完了した。23年5月には子会社のJグランドが、東京の城西地区を中心に不動産業を展開するライブレントの全株式を取得して子会社化した。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社となっている。

 10月30日には、遊戯場運営のガイア(10月30日付で民事再生手続きの開始申立)との間で、ガイアグループの再建支援を目的とする基本合意書を締結した。

■23年12月期最終増益幅拡大予想、さらに再上振れの可能性

 23年12月期連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず、8月8日付で上方修正)は、営業収益が22年12月期比43.2%増の1180億円、営業利益が27.1%減の105億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が30.6%増の165億円としている。配当予想は22年12月期比4円増配の14円(第2四半期末1円、期末13円)としている。連続大幅増配予想で予想配当性向は11.7%となる。

 前回予想(2月14日公表)に対して営業収益を30億円、営業利益を20億円、親会社の所有者に帰属する当期利益を35億円、それぞれ上方修正した。日本金融事業ではNexus Cardの割賦売掛金残高が拡大していることに加えて、債権回収が想定以上に進捗している。韓国およびモンゴル金融事業では、貯蓄銀行において預金金利上昇による収益悪化を想定していたが、韓国銀行による基準金利引き上げが一段落して懸念したほどの損失とならず、底打ちが期待できる状況となっている。東南アジア金融事業では利息収支が想定を上回って推移している。親会社の所有者に帰属する当期利益は18年3月期のIFRS移行後の最高を2期連続で更新する見込みとなっている。

 第2四半期累計は、営業収益が前年同期比59.3%増の536億49百万円、営業利益が34.7%減の86億05百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が22.7%増の160億31百万円だった。韓国およびモンゴル事業における前期の負ののれん発生益(JTG証券の株式取得に伴う負ののれん発生益)の反動があったが、日本金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業の着実な収益改善、さらに不動産事業における負ののれん発生益計上などによって計画を上回り、最終大幅増益で着地した。

 日本金融事業の営業利益は8.3%増の22億71百万円だった。前期第2四半期に損益上の連結対象となったJTG証券およびNexus Cardの業績が期初から寄与して30.9%増収となり、販管費の増加やJTG証券の取得に伴う負ののれん発生益の反動影響などを吸収した。

 韓国およびモンゴル金融事業の営業利益は、11億96百万円の損失(前年同期は124億67百万円)だった。前期第2四半期に損益上の連結対象となったJT親愛貯蓄銀行の業績が寄与から寄与して48.1%増収だったが、前期の負ののれん発生益(JTG証券の株式取得に伴う負ののれん発生益)の反動に加えて、貯蓄銀行業における預金利息費用の増加、景気悪化および債権不良化による貸倒引当金(損失評価引当金)などもマイナス要因だった。

 東南アジア金融事業の営業利益は160.3%増の6億20百万円だった。銀行業における貸出金増加や保有有価証券増加に伴う利息収支増加などで40.5%増収となり、貸出債権のリスク低下なども寄与して大幅増益だった。

 不動産事業(セグメント新設)の営業利益は、93億08百万円(前年同期は45百万円の損失)だった。Jグランドの不動産販売収益の増加、グローベルスの連結取込、吸収合併したミライノベートの取得に係る負ののれん発生益計上が寄与した。

 投資事業の営業利益は9億60百万円の損失(同6億55百万円の赤字)だった。訴訟費用が増加した。その他事業の営業利益は215.7%増の65百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が261億36百万円、営業利益が92億93百万円、純利益が91億24百万円、第2四半期は営業収益が275億13百万円、営業利益が6億88百万円の損失、純利益が69億07百万円だった。収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

 通期(修正後)セグメント別営業利益計画は、日本金融事業が46.6%増の57億64百万円(前回予想を据え置き)、韓国およびモンゴル金融事業が2億40百万円の損失(前回予想に対して11億92百万円上方修正)、東南アジア金融事業が10億78百万円(同15億44百万円上方修正)、不動産事業が99億76百万円(同11億30百万円上方修正)、投資事業が20億66百万円の損失(同1億47百万円上方修正)、その他事業が20百万円(同20百万円下方修正)としている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は営業収益が45.5%、営業利益が82.0%、親会社の所有者に帰属する当期利益が97.2%となる。なお9月20日には、固定資産(遊休不動産)売却益14億21百万円を、第3四半期のその他収益に計上すると発表している。通期会社予想は再上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度を再開、配当と合わせて株主還元を一段と強化

 23年2月14日に株主優待制度を再開すると発表した。毎年3月末および9月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数および継続保有期間に応じて、オリーブスパが運営するリラクゼーションサロンで利用できるチケット、またはクリアグループが運営する各施設の金券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。23年3月末対象から開始した。配当(23年12月期連続増配予想)と合わせて株主還元を一段と強化する方針としている。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化の影響で上値を切り下げる形となったが大きく下押す動きも見られない。調整一巡して出直りを期待したい。10月30日の終値は435円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS120円17銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1004円59銭で算出)は約0.4倍、そして時価総額は約640億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月17日更新]

Jトラストは戻り試す、23年12月期は再上振れの可能性

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業を展開し、成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大を推進している。23年12月期は最終大幅増益予想(8月8日付で上方修正)としている。日本金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業の着実な収益改善などに加えて、不動産事業における負ののれん発生益計上なども寄与する見込みだ。通期会社予想は再上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で上げ一服の形となったが、大きく下押すことなく調整一巡感を強めている。戻りを試す展開を期待したい。なお11月13日に23年12月期第3四半期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大戦略を推進している。なお7月13日には一般社団法人金融ISACに正会員として入会したと発表している。

 22年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は、日本金融事業が販管費増加などで21年12月期比14.3%減の39億31百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取込や負ののれん発生益の計上などで349.9%増の144億37百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金積み上げや預金金利低下による資金調達コスト減少などで58百万円の黒字(21年12月期は63億72百万円の赤字)だった。投資事業は前期のシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)の剥落で22億05百万円の赤字(同54億45百万円の黒字)だった。その他事業は52.9%減の2億02百万円だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業基盤拡大

 日本金融事業は日本保証が保証事業、パルティール債権回収が債権回収事業、Frontier Capitalがファクタリング事業を展開している。また、20年11月にNexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。SAMURAI TECHNOLOGYは22年4月に全株式を譲渡して連結除外、Nexus Bankは23年4月に吸収合併した。

 23年10月には西京カードを子会社化した。割賦事業を日本金融事業の新たな成長ドライバーと位置付けて、Nexus Cardとの経営資源の共有・最適配分などグループシナジーを推進する。

 Jトラストグローバル証券(JTG証券)(22年3月に子会社化したエイチ・エス証券が22年10月に商号変更)については、22年12月に主幹事を担当したアップコン<5075>が名証ネクストに上場した。TOKYO PRO Market上場支援と、一般市場へのステップアップ上場支援を1社完結で実現させた実績を持つ国内唯一の証券会社である。23年7月にはIFA事業者の事業拡大支援サービスを本格的に開始した。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。

 23年1月にはJT親愛貯蓄銀行が「2023大韓民国ファーストブランド賞」で8年連続貯蓄銀行部門大賞を受賞した。顧客優遇金融商品発売および社会貢献活動により地域社会に持続的に尽くしてきた功労が認められた。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。23年6月には、第4回インドネシアトップバンクアワード2023において、コンベンショナル−KBMI 1カテゴリーでの「2023年度トップバンクアワード」を受賞した。23年9月にはBJIが、JKT48を運営するIDN MEDIAと、JKT48のブランドアンバサダー契約を締結した。23年10月にはBJIが西京銀行と業務提携した。インドネシアに進出している、又は進出を予定している西京銀行の取引先事業者をBJIへ紹介する。

 なお23年6月に、Jトラストアジアが保有するJトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)の株式を譲渡(譲渡実行日はインドネシア金融庁の承認後)する株式売買契約締結を発表した。これによりJTOは連結除外となる。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。なお4月10日には、シンガポール高等法院がJトラストアジアの請求を認容し、被告らに対して連帯で約165億55百万円(1米ドル=133円で換算)および21年8月1日からの利息の支払い等を命じる判決を言い渡したと発表している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 その他事業は主にJ Sync(旧Robotシステム)がグループのシステム開発・運用・管理業務、Jグランドが不動産事業を展開している。J Syncは22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。23年2月には不動産事業や再生可能エネルギー事業を展開するミライノベートを吸収合併した。23年3月には電子決済等代行業の登録が完了した。23年5月には子会社のJグランドが、東京の城西地区を中心に不動産業を展開するライブレントの全株式を取得して子会社化した。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社となっている。

■23年12月期最終増益幅拡大予想、さらに再上振れの可能性

 23年12月期連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず、8月8日付で上方修正)は、営業収益が22年12月期比43.2%増の1180億円、営業利益が27.1%減の105億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が30.6%増の165億円としている。配当予想は22年12月期比4円増配の14円(第2四半期末1円、期末13円)としている。連続大幅増配予想で予想配当性向は11.7%となる。

 前回予想(2月14日公表)に対して営業収益を30億円、営業利益を20億円、親会社の所有者に帰属する当期利益を35億円、それぞれ上方修正した。日本金融事業ではNexus Cardの割賦売掛金残高が拡大していることに加えて、債権回収が想定以上に進捗している。韓国およびモンゴル金融事業では、貯蓄銀行において預金金利上昇による収益悪化を想定していたが、韓国銀行による基準金利引き上げが一段落して懸念したほどの損失とならず、底打ちが期待できる状況となっている。東南アジア金融事業では利息収支が想定を上回って推移している。親会社の所有者に帰属する当期利益は18年3月期のIFRS移行後の最高を2期連続で更新する見込みとなっている。

 第2四半期累計は、営業収益が前年同期比59.3%増の536億49百万円、営業利益が34.7%減の86億05百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が22.7%増の160億31百万円だった。韓国およびモンゴル事業における前期の負ののれん発生益(JTG証券の株式取得に伴う負ののれん発生益)の反動があったが、日本金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業の着実な収益改善、さらに不動産事業における負ののれん発生益計上などによって計画を上回り、最終大幅増益で着地した。

 日本金融事業の営業利益は8.3%増の22億71百万円だった。前期第2四半期に損益上の連結対象となったJTG証券およびNexus Cardの業績が期初から寄与して30.9%増収となり、販管費の増加やJTG証券の取得に伴う負ののれん発生益の反動影響などを吸収した。

 韓国およびモンゴル金融事業の営業利益は、11億96百万円の損失(前年同期は124億67百万円)だった。前期第2四半期に損益上の連結対象となったJT親愛貯蓄銀行の業績が寄与から寄与して48.1%増収だったが、前期の負ののれん発生益(JTG証券の株式取得に伴う負ののれん発生益)の反動に加えて、貯蓄銀行業における預金利息費用の増加、景気悪化および債権不良化による貸倒引当金(損失評価引当金)などもマイナス要因だった。

 東南アジア金融事業の営業利益は160.3%増の6億20百万円だった。銀行業における貸出金増加や保有有価証券増加に伴う利息収支増加などで40.5%増収となり、貸出債権のリスク低下なども寄与して大幅増益だった。

 不動産事業(セグメント新設)の営業利益は、93億08百万円(前年同期は45百万円の損失)だった。Jグランドの不動産販売収益の増加、グローベルスの連結取込、吸収合併したミライノベートの取得に係る負ののれん発生益計上が寄与した。

 投資事業の営業利益は9億60百万円の損失(同6億55百万円の赤字)だった。訴訟費用が増加した。その他事業の営業利益は215.7%増の65百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が261億36百万円、営業利益が92億93百万円、純利益が91億24百万円、第2四半期は営業収益が275億13百万円、営業利益が6億88百万円の損失、純利益が69億07百万円だった。収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

 通期(修正後)セグメント別営業利益計画は、日本金融事業が46.6%増の57億64百万円(前回予想を据え置き)、韓国およびモンゴル金融事業が2億40百万円の損失(前回予想に対して11億92百万円上方修正)、東南アジア金融事業が10億78百万円(同15億44百万円上方修正)、不動産事業が99億76百万円(同11億30百万円上方修正)、投資事業が20億66百万円の損失(同1億47百万円上方修正)、その他事業が20百万円(同20百万円下方修正)としている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は営業収益が45.5%、営業利益が82.0%、親会社の所有者に帰属する当期利益が97.2%となる。なお9月20日には、固定資産(遊休不動産)売却益14億21百万円を、第3四半期のその他収益に計上すると発表している。通期会社予想は再上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度を再開、配当と合わせて株主還元を一段と強化

 23年2月14日に株主優待制度を再開すると発表した。毎年3月末および9月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数および継続保有期間に応じて、オリーブスパが運営するリラクゼーションサロンで利用できるチケット、またはクリアグループが運営する各施設の金券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。23年3月末対象から開始した。配当(23年12月期連続増配予想)と合わせて株主還元を一段と強化する方針としている。

■株価は戻り試す

 株価は地合い悪化の影響で上げ一服の形となったが、大きく下押すことなく調整一巡感を強めている。戻りを試す展開を期待したい。10月16日の終値は455円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS120円17銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1004円59銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約669億円である。情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月22日更新]

Jトラストは下値切り上げ、23年12月期最終大幅増益予想、さらに再上振れの可能性

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業を展開し、成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大を推進している。23年12月期は最終大幅増益予想(8月8日付で上方修正)としている。日本金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業の着実な収益改善、不動産事業における負ののれん発生益計上などにより、前回予想に対して最終増益幅が拡大する見込みだ。なお9月20日に固定資産売却益の計上を発表している。通期会社予想は再上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上げ一服の形となったが下値を切り上げている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大戦略を推進している。なお7月13日には一般社団法人金融ISACに正会員として入会したと発表している。

 22年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は、日本金融事業が販管費増加などで21年12月期比14.3%減の39億31百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取込や負ののれん発生益の計上などで349.9%増の144億37百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金積み上げや預金金利低下による資金調達コスト減少などで58百万円の黒字(21年12月期は63億72百万円の赤字)だった。投資事業は前期のシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)の剥落で22億05百万円の赤字(同54億45百万円の黒字)だった。その他事業は52.9%減の2億02百万円だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業基盤拡大

 日本金融事業は日本保証が保証事業、パルティール債権回収が債権回収事業、Frontier Capitalがファクタリング事業を展開している。また、20年11月にNexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。SAMURAI TECHNOLOGYは22年4月に全株式を譲渡して連結除外、Nexus Bankは23年4月に吸収合併した。

 23年10月には西京カードを子会社化(株式譲渡実行日10月2日予定)する。割賦事業を日本金融事業の新たな成長ドライバーと位置付けて、Nexus Cardとの経営資源の共有・最適配分などグループシナジーを推進する。

 Jトラストグローバル証券(JTG証券)(22年3月に子会社化したエイチ・エス証券が22年10月に商号変更)については、22年12月に主幹事を担当したアップコン<5075>が名証ネクストに上場した。TOKYO PRO Market上場支援と、一般市場へのステップアップ上場支援を1社完結で実現させた実績を持つ国内唯一の証券会社である。23年7月にはIFA事業者の事業拡大支援サービスを本格的に開始した。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。

 23年1月にはJT親愛貯蓄銀行が「2023大韓民国ファーストブランド賞」で8年連続貯蓄銀行部門大賞を受賞した。顧客優遇金融商品発売および社会貢献活動により地域社会に持続的に尽くしてきた功労が認められた。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。23年6月には、第4回インドネシアトップバンクアワード2023において、コンベンショナル−KBMI 1カテゴリーでの「2023年度トップバンクアワード」を受賞した。23年9月にはBJIが、JKT48を運営するIDN MEDIAと、JKT48のブランドアンバサダー契約を締結した。

 なお23年6月に、Jトラストアジアが保有するJトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)の株式を譲渡(譲渡実行日はインドネシア金融庁の承認後)する株式売買契約締結を発表した。これによりJTOは連結除外となる。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。なお4月10日には、シンガポール高等法院がJトラストアジアの請求を認容し、被告らに対して連帯で約165億55百万円(1米ドル=133円で換算)および21年8月1日からの利息の支払い等を命じる判決を言い渡したと発表している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 その他事業は主にJ Sync(旧Robotシステム)がグループのシステム開発・運用・管理業務、Jグランドが不動産事業を展開している。J Syncは22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。23年2月には不動産事業や再生可能エネルギー事業を展開するミライノベートを吸収合併した。23年3月には電子決済等代行業の登録が完了した。23年5月には子会社のJグランドが、東京の城西地区を中心に不動産業を展開するライブレントの全株式を取得して子会社化した。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

■23年12月期最終増益幅拡大予想、さらに再上振れの可能性

 23年12月期連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず、8月8日付で上方修正)は、営業収益が22年12月期比43.2%増の1180億円、営業利益が27.1%減の105億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が30.6%増の165億円としている。配当予想は22年12月期比4円増配の14円(第2四半期末1円、期末13円)としている。連続大幅増配予想で予想配当性向は11.7%となる。

 前回予想(2月14日公表)に対して営業収益を30億円、営業利益を20億円、親会社の所有者に帰属する当期利益を35億円、それぞれ上方修正した。日本金融事業ではNexus Cardの割賦売掛金残高が拡大していることに加えて、債権回収が想定以上に進捗している。韓国およびモンゴル金融事業では、貯蓄銀行において預金金利上昇による収益悪化を想定していたが、韓国銀行による基準金利引き上げが一段落して懸念したほどの損失とならず、底打ちが期待できる状況となっている。東南アジア金融事業では利息収支が想定を上回って推移している。親会社の所有者に帰属する当期利益は18年3月期のIFRS移行後の最高を2期連続で更新する見込みとなっている。

 第2四半期累計は、営業収益が前年同期比59.3%増の536億49百万円、営業利益が34.7%減の86億05百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が22.7%増の160億31百万円だった。韓国およびモンゴル事業における前期の負ののれん発生益(JTG証券の株式取得に伴う負ののれん発生益)の反動があったが、日本金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業の着実な収益改善、さらに不動産事業における負ののれん発生益計上などによって計画を上回り、最終大幅増益で着地した。

 日本金融事業の営業利益は8.3%増の22億71百万円だった。前期第2四半期に損益上の連結対象となったJTG証券およびNexus Cardの業績が期初から寄与して30.9%増収となり、販管費の増加やJTG証券の取得に伴う負ののれん発生益の反動影響などを吸収した。

 韓国およびモンゴル金融事業の営業利益は、11億96百万円の損失(前年同期は124億67百万円)だった。前期第2四半期に損益上の連結対象となったJT親愛貯蓄銀行の業績が寄与から寄与して48.1%増収だったが、前期の負ののれん発生益(JTG証券の株式取得に伴う負ののれん発生益)の反動に加えて、貯蓄銀行業における預金利息費用の増加、景気悪化および債権不良化による貸倒引当金(損失評価引当金)などもマイナス要因だった。

 東南アジア金融事業の営業利益は160.3%増の6億20百万円だった。銀行業における貸出金増加や保有有価証券増加に伴う利息収支増加などで40.5%増収となり、貸出債権のリスク低下なども寄与して大幅増益だった。

 不動産事業(セグメント新設)の営業利益は、93億08百万円(前年同期は45百万円の損失)だった。Jグランドの不動産販売収益の増加、グローベルスの連結取込、吸収合併したミライノベートの取得に係る負ののれん発生益計上が寄与した。

 投資事業の営業利益は9億60百万円の損失(同6億55百万円の赤字)だった。訴訟費用が増加した。その他事業の営業利益は215.7%増の65百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が261億36百万円、営業利益が92億93百万円、純利益が91億24百万円、第2四半期は営業収益が275億13百万円、営業利益が6億88百万円の損失、純利益が69億07百万円だった。収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

 通期(修正後)セグメント別営業利益計画は、日本金融事業が46.6%増の57億64百万円(前回予想を据え置き)、韓国およびモンゴル金融事業が2億40百万円の損失(前回予想に対して11億92百万円上方修正)、東南アジア金融事業が10億78百万円(同15億44百万円上方修正)、不動産事業が99億76百万円(同11億30百万円上方修正)、投資事業が20億66百万円の損失(同1億47百万円上方修正)、その他事業が20百万円(同20百万円下方修正)としている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は営業収益が45.5%、営業利益が82.0%、親会社の所有者に帰属する当期利益が97.2%となる。なお9月20日には、固定資産(遊休不動産)売却益14億21百万円を、第3四半期のその他収益に計上すると発表している。通期会社予想は再上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度を再開、配当と合わせて株主還元を一段と強化

 23年2月14日に株主優待制度を再開すると発表した。毎年3月末および9月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数および継続保有期間に応じて、オリーブスパが運営するリラクゼーションサロンで利用できるチケット、またはクリアグループが運営する各施設の金券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。23年3月末対象から開始した。配当(23年12月期連続増配予想)と合わせて株主還元を一段と強化する方針としている。

■株価は下値切り上げ

 株価は上げ一服の形となったが下値を切り上げている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。9月21日の終値は462円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS120円17銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1004円59銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約679億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月28日更新]

Jトラストは調整一巡、23年12月期最終大幅増益予想、さらに再上振れの可能性

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業を展開し、成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大を推進している。8月25日には西京カードを子会社化すると発表した。割賦事業を日本金融事業の新たな成長ドライバーと位置付けてグループシナジーを推進する。23年12月期は最終大幅増益予想(8月8日付で上方修正)としている。日本金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業の着実な収益改善、不動産事業における負ののれん発生益計上などにより、前回予想に対して最終増益幅が拡大する見込みだ。通期会社予想には再上振れの可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は第2四半期決算発表を機に反落して戻り一服の形となったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大戦略を推進している。なお7月13日には一般社団法人金融ISACに正会員として入会したと発表している。

 22年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は、日本金融事業が販管費増加などで21年12月期比14.3%減の39億31百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取込や負ののれん発生益の計上などで349.9%増の144億37百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金積み上げや預金金利低下による資金調達コスト減少などで58百万円の黒字(21年12月期は63億72百万円の赤字)だった。投資事業は前期のシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)の剥落で22億05百万円の赤字(同54億45百万円の黒字)だった。その他事業は52.9%減の2億02百万円だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業基盤拡大

 日本金融事業は日本保証が保証事業、パルティール債権回収が債権回収事業、Frontier Capitalがファクタリング事業を展開している。また、20年11月にNexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。SAMURAI TECHNOLOGYは22年4月に全株式を譲渡して連結除外、Nexus Bankは23年4月に吸収合併した。

 8月25日には西京カードの全株式を取得して子会社化(株式譲渡実行日10月2日予定)すると発表した。割賦事業を日本金融事業の新たな成長ドライバーと位置付けて、Nexus Cardとの経営資源の共有・最適配分などグループシナジーを推進する。

 Jトラストグローバル証券(JTG証券)(22年3月に子会社化したエイチ・エス証券が22年10月に商号変更)については、22年12月に主幹事を担当したアップコン<5075>が名証ネクストに上場した。TOKYO PRO Market上場支援と、一般市場へのステップアップ上場支援を1社完結で実現させた実績を持つ国内唯一の証券会社である。また23年7月にはIFA事業者の事業拡大支援サービスを本格的に開始した。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。

 22年6月にはJT親愛貯蓄銀行が未婚・片親家庭のための寄付金を福祉施設エランウォンに贈呈した。23年1月にはJT親愛貯蓄銀行が「2023大韓民国ファーストブランド賞」で8年連続貯蓄銀行部門大賞を受賞した。顧客優遇金融商品発売および社会貢献活動により地域社会に持続的に尽くしてきた功労が認められた。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。23年6月には、第4回インドネシアトップバンクアワード2023において、コンベンショナル−KBMI 1カテゴリーでの「2023年度トップバンクアワード」を受賞した。

 なお23年6月に、Jトラストアジアが保有するJトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)の株式を譲渡(譲渡実行日はインドネシア金融庁の承認後)する株式売買契約締結を発表した。これによりJTOは連結除外となる。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。なお4月10日には、シンガポール高等法院がJトラストアジアの請求を認容し、被告らに対して連帯で約165億55百万円(1米ドル=133円で換算)および21年8月1日からの利息の支払い等を命じる判決を言い渡したと発表している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 その他事業は主にJ Sync(旧Robotシステム)がグループのシステム開発・運用・管理業務、Jグランドが不動産事業を展開している。J Syncは22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。23年2月には不動産事業や再生可能エネルギー事業を展開するミライノベートを吸収合併した。23年3月には電子決済等代行業の登録が完了した。23年5月には子会社のJグランドが、東京の城西地区を中心に不動産業を展開するライブレントの全株式を取得して子会社化した。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

■23年12月期2Q累計最終増益、通期上方修正して最終増益幅拡大予想

 23年12月期の連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず、8月8日付で上方修正)は、営業収益が22年12月期比43.2%増の1180億円、営業利益が27.1%減の105億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が30.6%増の165億円としている。配当予想は据え置いて22年12月期比4円増配の14円(第2四半期末1円、期末13円)としている。連続大幅増配予想で予想配当性向は11.7%となる。

 前回予想(2月14日公表)に対して営業収益を30億円、営業利益を20億円、親会社の所有者に帰属する当期利益を35億円、それぞれ上方修正した。日本金融事業ではNexus Cardの割賦売掛金残高が拡大していることに加えて、債権回収が想定以上に進捗している。韓国およびモンゴル金融事業では、貯蓄銀行において預金金利上昇による収益悪化を想定していたが、韓国銀行による基準金利引き上げが一段落して懸念したほどの損失とならず、底打ちが期待できる状況となっている。東南アジア金融事業では利息収支が想定を上回って推移している。親会社の所有者に帰属する当期利益は18年3月期のIFRS移行後の最高を2期連続で更新する見込みとなっている。

 第2四半期累計は、営業収益が前年同期比59.3%増の536億49百万円、営業利益が34.7%減の86億05百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が22.7%増の160億31百万円だった。韓国およびモンゴル事業における前期の負ののれん発生益(JTG証券の株式取得に伴う負ののれん発生益)の反動があったが、日本金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業の着実な収益改善、さらに不動産事業における負ののれん発生益計上などによって計画を上回り、最終大幅増益で着地した。

 日本金融事業の営業利益は8.3%増の22億71百万円だった。前期第2四半期に損益上の連結対象となったJTG証券およびNexus Cardの業績が期初から寄与して30.9%増収となり、販管費の増加やJTG証券の取得に伴う負ののれん発生益の反動影響などを吸収した。

 韓国およびモンゴル金融事業の営業利益は、11億96百万円の損失(前年同期は124億67百万円)だった。前期第2四半期に損益上の連結対象となったJT親愛貯蓄銀行の業績が寄与から寄与して48.1%増収だったが、前期の負ののれん発生益(JTG証券の株式取得に伴う負ののれん発生益)の反動に加えて、貯蓄銀行業における預金利息費用の増加、景気悪化および債権不良化による貸倒引当金(損失評価引当金)などもマイナス要因だった。

 東南アジア金融事業の営業利益は160.3%増の6億20百万円だった。銀行業における貸出金増加や保有有価証券増加に伴う利息収支増加などで40.5%増収となり、貸出債権のリスク低下なども寄与して大幅増益だった。

 不動産事業(セグメント新設)の営業利益は、93億08百万円(前年同期は45百万円の損失)だった。Jグランドの不動産販売収益の増加、グローベルスの連結取込、吸収合併したミライノベートの取得に係る負ののれん発生益計上が寄与した。

 投資事業の営業利益は9億60百万円の損失(同6億55百万円の赤字)だった。訴訟費用が増加した。その他事業の営業利益は215.7%増の65百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が261億36百万円、営業利益が92億93百万円、純利益が91億24百万円、第2四半期は営業収益が275億13百万円、営業利益が6億88百万円の損失、純利益が69億07百万円だった。収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

 通期(修正後)セグメント別営業利益計画は、日本金融事業が46.6%増の57億64百万円(前回予想を据え置き)、韓国およびモンゴル金融事業が2億40百万円の損失(前回予想に対して11億92百万円上方修正)、東南アジア金融事業が10億78百万円(同15億44百万円上方修正)、不動産事業が99億76百万円(同11億30百万円上方修正)、投資事業が20億66百万円の損失(同1億47百万円上方修正)、その他事業が20百万円(同20百万円下方修正)としている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は営業収益が45.5%、営業利益が82.0%、親会社の所有者に帰属する当期利益が97.2%となる。通期会社予想には再上振れの可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度を再開、配当と合わせて株主還元を一段と強化

 23年2月14日に株主優待制度を再開すると発表した。毎年3月末および9月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数および継続保有期間に応じて、オリーブスパが運営するリラクゼーションサロンで利用できるチケット、またはクリアグループが運営する各施設の金券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。23年3月末対象から開始した。配当(23年12月期連続増配予想)と合わせて株主還元を一段と強化する方針としている。

■株価は調整一巡

 株価は第2四半期決算発表を機に反落して戻り一服の形となったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。8月25日の終値は437円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS120円17銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1004円59銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約643億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月24日更新]

Jトラストは戻り試す、23年12月期は上振れの可能性

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大を推進している。23年12月期は韓国における金利上昇影響などを考慮して営業減益予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)としている。ただし第1四半期が大幅増益で通期利益予想を超過達成していることなどを勘案すれば、通期予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は3月の年初来安値圏から徐々に下値を切り上げている。週足チャートで見ると26週移動平均線を突破した。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価して戻りを試す展開を期待したい。なお8月10日に23年12月期第2四半期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大戦略を推進している。なお7月13日には一般社団法人金融ISACに正会員として入会したと発表している。

 22年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は、日本金融事業が販管費増加などで21年12月期比14.3%減の39億31百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取込や負ののれん発生益の計上などで349.9%増の144億37百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金積み上げや預金金利低下による資金調達コスト減少などで58百万円の黒字(21年12月期は63億72百万円の赤字)だった。投資事業は前期のシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)の剥落で22億05百万円の赤字(同54億45百万円の黒字)だった。その他事業は52.9%減の2億02百万円だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業基盤拡大

 日本金融事業は子会社の日本保証が保証事業、パルティール債権回収が債権回収事業、Frontier Capitalがファクタリング事業を展開している。なお20年11月にNexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。SAMURAI TECHNOLOGYは22年4月に全株式を譲渡して連結除外、Nexus Bankは23年4月に吸収合併した。

 Jトラストグローバル証券(JTG証券)(22年3月に子会社化したエイチ・エス証券が22年10月に商号変更)については、22年12月に主幹事を担当したアップコン<5075>が名証ネクストに上場した。TOKYO PRO Market上場支援と、一般市場へのステップアップ上場支援を1社完結で実現させた実績を持つ国内唯一の証券会社である。また7月18日にはIFA事業者の事業拡大支援サービスを本格的に開始した。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。

 22年6月にはJT親愛貯蓄銀行が未婚・片親家庭のための寄付金を福祉施設エランウォンに贈呈した。23年1月にはJT親愛貯蓄銀行が「2023大韓民国ファーストブランド賞」で8年連続貯蓄銀行部門大賞を受賞した。顧客優遇金融商品発売および社会貢献活動により地域社会に持続的に尽くしてきた功労が認められた。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する。21年12月にはAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。また23年6月には、第4回インドネシアトップバンクアワード2023において、コンベンショナル−KBMI 1カテゴリーでの「2023年度トップバンクアワード」を受賞した。

 なお23年6月に、Jトラストアジアが保有するJトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)の株式を譲渡(譲渡実行日はインドネシア金融庁の承認後)する株式売買契約締結を発表した。これによりJTOは連結除外となる。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。なお4月10日には、シンガポール高等法院がJトラストアジアの請求を認容し、被告らに対して連帯で約165億55百万円(1米ドル=133円で換算)および21年8月1日からの利息の支払い等を命じる判決を言い渡したと発表している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 その他事業は主にJ Sync(旧Robotシステム)がグループのシステム開発・運用・管理業務、Jグランドが不動産事業を展開している。J Syncは22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。23年2月には不動産事業や再生可能エネルギー事業を展開するミライノベートを吸収合併した。23年3月には電子決済等代行業の登録が完了した。23年5月には子会社のJグランドが、東京の城西地区を中心に不動産業を展開するライブレントの全株式を取得して子会社化した。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

■23年12月期1Q大幅増益で通期利益予想を超過達成

 23年12月期連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)は、営業収益が22年12月期比39.5%増の1150億円、営業利益が41.0%減の85億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が2.9%増の130億円としている。配当予想は22年12月期比4円増配の14円(第2四半期末1円、期末13円)としている。連続大幅増配予想で中間配当も再開する。

 セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が46.6%増の57億64百万円、韓国およびモンゴル金融事業が14億32百万円の赤字(22年12月期は144億37百万円の黒字)、東南アジア金融事業が4億66百万円の赤字(同58百万円の黒字)、投資事業が22億13百万円の赤字(同22億05百万円の赤字)、その他事業が88億86百万円(同2億02百万円)としている。なお23年12月期から不動産セグメントを新設する。不動産事業のさらなる拡大によって日本保証の信用保証残高の積み上げを目指す方針だ。またJグランドについては事業拡大に伴ってIPO(新規株式公開)を計画している。

 第1四半期は、営業収益が前年同期比111.6%増の261億36百万円、営業利益が365.2%増の92億93百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が147.7%増の91億24百万円だった。

 大幅増収増益で通期利益予想を超過達成した。日本金融事業、韓国およびモンゴル事業、東南アジア金融事業とも概ね計画を上回る水準で推移し、不動産・再生可能エネルギー事業(23年12月期よりセグメント新設)における新規連結取込や負ののれん発生益計上も寄与した。なお、その他の収益・費用(93億47百万円増の94億82百万円)では、前期のJTG証券の株式取得に伴う負ののれん発生益が一巡したが、吸収合併したミライノベートに係る負ののれん発生益を計上した。金融収益・費用(14億63百万円減の3億70百万円)では投資有価証券売却益が減少した。

 セグメント別に見ると、日本金融事業は営業収益が41.5%増の30億53百万円で、営業利益が25.7%減の8億79百万円だった。JTG証券およびNexus Cardの連結取込も寄与して大幅増収だが、同時に販管費も増加し、前期のJTG証券の取得に伴う負ののれん発生益の反動も影響して減益だった。

 韓国およびモンゴル金融事業は営業収益が166.8%増の112億61百万円、営業利益が5億78百万円の赤字(前年同期は11億75百万円の黒字)だった。JT親愛貯蓄銀行の連結取込や、貯蓄銀行業における貸出金の増加に伴う利息収支の増加などで大幅増収だが、貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額の増加で減益だった。

 東南アジア金融事業は、営業収益が43.6%増82億93百万円で、営業利益が41.5%増の7億19百万円だった。銀行業における貸出金増加や保有有価証券増加に伴う利息収支増加などで大幅増収となり、貸出債権のリスク低下や資金調達コスト減少などで増益だった。

 不動産・再生可能エネルギー事業(23年12月期よりセグメント新設)は、営業収益が34億24百万円(前年同期は1億54百万円)で、営業利益が92億70百万円(同37百万円の赤字)だった。グローベルスの連結取込、吸収合併したミライノベートに係る負ののれん発生益が寄与した。

 投資事業は、営業収益が23.0%増の92億26百万円、営業利益が2億04百万円の赤字(同4億22百万円の赤字)だった。訴訟費用が減少して赤字縮小した。その他事業は営業収益が4.6%減の1億36百万円、営業利益が436.8%増の56百万円だった。

 通期連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)は据え置いている。日本金融事業は、保証事業における既存の信用保証残高からの安定的な保証料収益や、債権回収事業における大型債権購入による収益計上を見込んでいる。韓国およびモンゴル金融事業は、韓国の市中金利高騰による調達金利上昇、韓国全体における延滞増加、引当金積み増しを見込んでいる。対策として量の成長から質の成長への転換、徹底した延滞管理などを推進する。東南アジア金融事業は、金利上昇等に伴う調達コスト上昇などを見込んでいる。不動産・再生可能エネルギー事業では、ミライノベート吸収合併に伴う負ののれん発生益を第1四半期に計上した。今後はJグランドとグローベルスとのシナジー効果で収益拡大を目指す。

 23年12月期は韓国における金利上昇影響などを考慮して営業減益予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)としている。ただし第1四半期は新規連結や負ののれん発生益も寄与して大幅増益となり、通期利益予想を超過達成している。日本金融事業、韓国およびモンゴル事業、東南アジア金融事業とも、概ね計画を上回る水準で推移している。さらに連結除外となるJTOの累積赤字が営業利益から除外されることもプラス要因となる見込みだ。通期予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度を再開、配当と合わせて株主還元を一段と強化

 23年2月14日に株主優待制度を再開すると発表した。毎年3月末および9月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数および継続保有期間に応じて、オリーブスパが運営するリラクゼーションサロンで利用できるチケット、またはクリアグループが運営する各施設の金券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。23年3月末対象から開始した。配当(23年12月期連続増配予想)と合わせて株主還元を一段と強化する方針としている。

■株価は戻り試す

 株価は3月の年初来安値圏から徐々に下値を切り上げている。週足チャートで見ると26週移動平均線を突破した。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価して戻りを試す展開を期待したい。7月21日の終値は459円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS97円01銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1004円59銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約675億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[06月26日更新]

Jトラストは下値固め完了、23年12月期営業減益予想だが上振れの可能性

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大戦略を推進している。23年12月期は韓国における金利上昇影響などを考慮して営業減益予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)としている。ただし第1四半期は大幅増益となり、通期利益予想を超過達成している。通期予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は3月の年初来安値圏から徐々に下値を切り上げている。1倍割れのPBRなど指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。
 
■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開
 
 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大戦略を推進している。なお23年5月には、同社代表取締役社長藤澤信義氏が代表理事を務める藤澤記念財団が、内閣総理大臣より公益法人に認定され、一般社団法人から公益財団法人へ移行したと発表している。
 
 22年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は、日本金融事業が販管費増加などで21年12月期比14.3%減の39億31百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取込や負ののれん発生益の計上などで349.9%増の144億37百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金積み上げや預金金利低下による資金調達コスト減少などで58百万円の黒字(21年12月期は63億72百万円の赤字)だった。投資事業は前期のシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)の剥落で22億05百万円の赤字(同54億45百万円の黒字)だった。その他事業は52.9%減の2億02百万円だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。
 
■成長加速に向けて事業基盤拡大
 
 日本金融事業は日本保証が保証業務、パルティール債権回収が債権回収業務を展開している。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。23年1月には日本保証が博多不動産販売と、不動産投資型クラウドファンディングサイト「ライフフィールドファンド」を通じて、博多不動産販売が所有する対象不動産への買取保証業務を開始すると発表した。
 
 なお20年11月に、Nexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。SAMURAI TECHNOLOGYは22年4月に全株式を譲渡して連結除外、Nexus Bankは23年4月に吸収合併した。
 
 22年3月に子会社化したエイチ・エス証券については、22年10月1日付で商号をJトラストグローバル証券(JTG証券)に変更した。22年12月にはJTG証券が主幹事を担当したアップコン<5075>が名証ネクストに上場した。TOKYO PRO Market上場支援と、一般市場へのステップアップ上場支援を1社完結で実現させた実績を持つ国内唯一の証券会社である。
 
 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。
 
 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。
 
 22年6月にはJT親愛貯蓄銀行が未婚・片親家庭のための寄付金を福祉施設エランウォンに贈呈した。23年1月にはJT親愛貯蓄銀行が「2023大韓民国ファーストブランド賞」で8年連続貯蓄銀行部門大賞を受賞した。顧客優遇金融商品発売および社会貢献活動により地域社会に持続的に尽くしてきた功労が認められた。
 
 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。
 
 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する。21年12月にはAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。
 
 なお6月16日に、Jトラストアジアが保有するJトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)の株式を譲渡(譲渡実行日はインドネシア金融庁の承認後)する株式売買契約締結を発表した。これによりJTOは連結除外となる。
 
 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。
 
 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。なお4月10日には、シンガポール高等法院がJトラストアジアの請求を認容し、被告らに対して連帯で約165億55百万円(1米ドル=133円で換算)および21年8月1日からの利息の支払い等を命じる判決を言い渡したと発表している。
 
 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。
 
 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。
 
 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。
 
 その他事業は主にJ Sync(旧Robotシステム)がグループのシステム開発・運用・管理業務、Jグランドが不動産事業を展開している。J Syncは22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。23年2月には不動産事業や再生可能エネルギー事業を展開するミライノベートを吸収合併した。シナジー効果で不動産事業を拡大する方針だ。23年3月には電子決済等代行業の登録が完了した。
 
 また23年5月には子会社のJグランドが、東京の城西地区を中心に不動産業を展開するライブレントの全株式を取得して子会社化した。なお、実質的に休眠会社となっているメディア事業の特定子会社ジャパンギャランティーについては、清算予定(清算決了予定6月30日)としている。
 
 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。
 
■23年12月期1Q大幅増益で通期利益予想を超過達成
 
 23年12月期連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)は、営業収益が22年12月期比39.5%増の1150億円、営業利益が41.0%減の85億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が2.9%増の130億円としている。配当予想は22年12月期比4円増配の14円(第2四半期末1円、期末13円)としている。連続大幅増配予想で中間配当も再開する。
 
 セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が46.6%増の57億64百万円、韓国およびモンゴル金融事業が14億32百万円の赤字(22年12月期は144億37百万円の黒字)、東南アジア金融事業が4億66百万円の赤字(同58百万円の黒字)、投資事業が22億13百万円の赤字(同22億05百万円の赤字)、その他事業が88億86百万円(同2億02百万円)としている。なお23年12月期から不動産セグメントを新設する。不動産事業のさらなる拡大によって日本保証の信用保証残高の積み上げを目指す方針だ。またJグランドについては事業拡大に伴ってIPO(新規株式公開)を計画している。
 
 第1四半期は営業収益が前年同期比111.6%増の261億36百万円、営業利益が365.2%増の92億93百万円、税引前利益が146.1%増の99億66百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が147.7%増の91億24百万円だった。
 
 大幅増収増益で通期利益予想を超過達成した。日本金融事業、韓国およびモンゴル事業、東南アジア金融事業とも概ね計画を上回る水準で推移し、不動産・再生可能エネルギー事業(23年12月期よりセグメント新設)における新規連結取込や負ののれん発生益計上も寄与した。なお、その他の収益・費用(93億47百万円増の94億82百万円)では、前期のJTG証券の株式取得に伴う負ののれん発生益が一巡したが、吸収合併したミライノベートに係る負ののれん発生益を計上した。金融収益・費用(14億63百万円減の3億70百万円)では投資有価証券売却益が減少した。
 
 セグメント別に見ると、日本金融事業は営業収益が41.5%増の30億53百万円で、営業利益が25.7%減の8億79百万円だった。JTG証券およびNexus Cardの連結取込も寄与して大幅増収だが、同時に販管費も増加し、前期のJTG証券の取得に伴う負ののれん発生益の反動も影響して減益だった。
 
 韓国およびモンゴル金融事業は営業収益が166.8%増の112億61百万円、営業利益が5億78百万円の赤字(前年同期は11億75百万円の黒字)だった。JT親愛貯蓄銀行の連結取込や、貯蓄銀行業における貸出金の増加に伴う利息収支の増加などで大幅増収だが、貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額の増加で減益だった。
 
 東南アジア金融事業は、営業収益が43.6%増82億93百万円で、営業利益が41.5%増の7億19百万円だった。銀行業における貸出金増加や保有有価証券増加に伴う利息収支増加などで大幅増収となり、貸出債権のリスク低下や資金調達コスト減少などで増益だった。
 
 不動産・再生可能エネルギー事業(23年12月期よりセグメント新設)は、営業収益が34億24百万円(前年同期は1億54百万円)で、営業利益が92億70百万円(同37百万円の赤字)だった。グローベルスの連結取込、吸収合併したミライノベートに係る負ののれん発生益が寄与した。
 
 投資事業は、営業収益が23.0%増の92億26百万円、営業利益が2億04百万円の赤字(同4億22百万円の赤字)だった。訴訟費用が減少して赤字縮小した。その他事業は営業収益が4.6%減の1億36百万円、営業利益が436.8%増の56百万円だった。
 
 通期連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)は据え置いている。日本金融事業は、保証事業における既存の信用保証残高からの安定的な保証料収益や、債権回収事業における大型債権購入による収益計上を見込んでいる。韓国およびモンゴル金融事業は、韓国の市中金利の高騰による調達金利の上昇、韓国全体における延滞増加、引当金積み増しを見込んでいる。対策として量の成長から質の成長への転換、徹底した延滞管理などを推進する。東南アジア金融事業は、金利上昇等に伴う調達コスト上昇などを見込んでいる。不動産・再生可能エネルギー事業では、ミライノベート吸収合併に伴う負ののれん発生益を第1四半期に計上した。今後はJグランドとグローベルスとのシナジー効果で収益拡大を目指す。
 
 23年12月期は韓国における金利上昇影響などを考慮して営業減益予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)としている。ただし第1四半期は新規連結や負ののれん発生益も寄与して大幅増益となり、通期利益予想を超過達成している。日本金融事業、韓国およびモンゴル事業、東南アジア金融事業とも、概ね計画を上回る水準で推移している。さらに連結除外となるJTOの累積赤字が営業利益から除外されることもプラス要因となる見込みだ。通期予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
 
■株主優待制度を再開、配当と合わせて株主還元を一段と強化
 
 23年2月14日に株主優待制度を再開すると発表した。毎年3月末および9月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数および継続保有期間に応じて、オリーブスパが運営するリラクゼーションサロンで利用できるチケット、またはクリアグループが運営する各施設の金券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。23年3月末対象から開始した。配当(23年12月期連続増配予想)と合わせて株主還元を一段と強化する方針としている。
 
■株価は下値切り上げ
 
 株価は3月の年初来安値圏から徐々に下値を切り上げている。1倍割れのPBRなど指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。6月23日の終値は417円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS97円01銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1004円59銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約613億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[05月30日更新]

Jトラストは下値固め完了、23年12月期1Q大幅増益で通期上振れの可能性

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大戦略を推進している。23年12月期は韓国における金利上昇影響などを考慮して営業減益予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)としている。ただし第1四半期は大幅増益で通期利益予想を超過達成した。新規連結取込や負ののれん発生益計上が寄与した形だが、日本金融事業、韓国およびモンゴル事業、東南アジア金融事業とも概ね計画を上回る水準だった。通期予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は年初来安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大戦略を推進している。なお5月19日には、同社代表取締役社長藤澤信義氏が代表理事を務める藤澤記念財団が、内閣総理大臣より公益法人に認定され、一般社団法人から公益財団法人へ移行したと発表している。

 22年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は、日本金融事業が販管費増加などで21年12月期比14.3%減の39億31百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取込や負ののれん発生益の計上などで349.9%増の144億37百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金積み上げや預金金利低下による資金調達コスト減少などで58百万円の黒字(21年12月期は63億72百万円の赤字)だった。投資事業は前期のシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)の剥落で22億05百万円の赤字(同54億45百万円の黒字)だった。その他事業は52.9%減の2億02百万円だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業基盤拡大

 日本金融事業は日本保証が保証業務、パルティール債権回収が債権回収業務を展開している。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。23年1月には日本保証が博多不動産販売と、不動産投資型クラウドファンディングサイト「ライフフィールドファンド」を通じて、博多不動産販売が所有する対象不動産への買取保証業務を開始すると発表した。

 なお20年11月に、Nexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。SAMURAI TECHNOLOGYは22年4月に全株式を譲渡して連結除外、Nexus Bankは23年4月に吸収合併した。

 22年3月に子会社化したエイチ・エス証券については、22年10月1日付で商号をJトラストグローバル証券(JTG証券)に変更した。22年12月にはJTG証券が主幹事を担当したアップコン<5075>が名証ネクストに上場した。TOKYO PRO Market上場支援と、一般市場へのステップアップ上場支援を1社完結で実現させた実績を持つ国内唯一の証券会社である。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。

 22年6月にはJT親愛貯蓄銀行が未婚・片親家庭のための寄付金を福祉施設エランウォンに贈呈した。23年1月にはJT親愛貯蓄銀行が「2023大韓民国ファーストブランド賞」で8年連続貯蓄銀行部門大賞を受賞した。顧客優遇金融商品発売および社会貢献活動により地域社会に持続的に尽くしてきた功労が認められた。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する。21年12月にはAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。なお4月10日には、シンガポール高等法院がJトラストアジアの請求を認容し、被告らに対して連帯で約165億55百万円(1米ドル=133円で換算)および21年8月1日からの利息の支払い等を命じる判決を言い渡したと発表している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 その他事業は主にJ Sync(旧Robotシステム)がグループのシステム開発・運用・管理業務、Jグランドが不動産事業を展開している。J Syncは22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。23年2月には不動産事業や再生可能エネルギー事業を展開するミライノベートを吸収合併した。シナジー効果で不動産事業を拡大する方針だ。23年3月には電子決済等代行業の登録が完了した。

 また23年5月には子会社のJグランドが、東京の城西地区を中心に不動産業を展開するライブレントの全株式を取得して子会社化した。なお、実質的に休眠会社となっているメディア事業の特定子会社ジャパンギャランティーについては、清算予定(清算決了予定6月30日)としている。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

■23年12月期1Q大幅増益で通期利益予想を超過達成

 23年12月期連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)は、営業収益が22年12月期比39.5%増の1150億円、営業利益が41.0%減の85億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が2.9%増の130億円としている。配当予想は22年12月期比4円増配の14円(第2四半期末1円、期末13円)としている。連続大幅増配予想で中間配当も再開する。

 セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が46.6%増の57億64百万円、韓国およびモンゴル金融事業が14億32百万円の赤字(22年12月期は144億37百万円の黒字)、東南アジア金融事業が4億66百万円の赤字(同58百万円の黒字)、投資事業が22億13百万円の赤字(同22億05百万円の赤字)、その他事業が88億86百万円(同2億02百万円)としている。なお23年12月期から不動産セグメントを新設する。不動産事業のさらなる拡大によって日本保証の信用保証残高の積み上げを目指す方針だ。またJグランドについては事業拡大に伴ってIPO(新規株式公開)を計画している。

 第1四半期は営業収益が前年同期比111.6%増の261億36百万円、営業利益が365.2%増の92億93百万円、税引前利益が146.1%増の99億66百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が147.7%増の91億24百万円だった。

 大幅増収増益で通期利益予想を超過達成した。日本金融事業、韓国およびモンゴル事業、東南アジア金融事業とも概ね計画を上回る水準で推移し、不動産・再生可能エネルギー事業(23年12月期よりセグメント新設)における新規連結取込や負ののれん発生益計上も寄与した。なお、その他の収益・費用(93億47百万円増の94億82百万円)では、前期のJTG証券の株式取得に伴う負ののれん発生益が一巡したが、吸収合併したミライノベートに係る負ののれん発生益を計上した。金融収益・費用(14億63百万円減の3億70百万円)では投資有価証券売却益が減少した。

 セグメント別に見ると、日本金融事業は営業収益が41.5%増の30億53百万円で、営業利益が25.7%減の8億79百万円だった。JTG証券およびNexus Cardの連結取込も寄与して大幅増収だが、同時に販管費も増加し、前期のJTG証券の取得に伴う負ののれん発生益の反動も影響して減益だった。

 韓国およびモンゴル金融事業は営業収益が166.8%増の112億61百万円、営業利益が5億78百万円の赤字(前年同期は11億75百万円の黒字)だった。JT親愛貯蓄銀行の連結取込や、貯蓄銀行業における貸出金の増加に伴う利息収支の増加などで大幅増収だが、貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額の増加で減益だった。

 東南アジア金融事業は、営業収益が43.6%増82億93百万円で、営業利益が41.5%増の7億19百万円だった。銀行業における貸出金増加や保有有価証券増加に伴う利息収支増加などで大幅増収となり、貸出債権のリスク低下や資金調達コスト減少などで増益だった。

 不動産・再生可能エネルギー事業(23年12月期よりセグメント新設)は、営業収益が34億24百万円(前年同期は1億54百万円)で、営業利益が92億70百万円(同37百万円の赤字)だった。グローベルスの連結取込、吸収合併したミライノベートに係る負ののれん発生益が寄与した。

 投資事業は、営業収益が23.0%増の92億26百万円、営業利益が2億04百万円の赤字(同4億22百万円の赤字)だった。訴訟費用が減少して赤字縮小した。その他事業は営業収益が4.6%減の1億36百万円、営業利益が436.8%増の56百万円だった。

 通期連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)は据え置いている。日本金融事業は、保証事業における既存の信用保証残高からの安定的な保証料収益や、債権回収事業における大型債権購入による収益計上を見込んでいる。韓国およびモンゴル金融事業は、韓国の市中金利の高騰による調達金利の上昇、韓国全体における延滞増加、引当金積み増しを見込んでいる。対策として量の成長から質の成長への転換、徹底した延滞管理などを推進する。東南アジア金融事業は、金利上昇等に伴う調達コスト上昇などを見込んでいる。不動産・再生可能エネルギー事業では、ミライノベート吸収合併に伴う負ののれん発生益を第1四半期に計上した。今後はJグランドとグローベルスとのシナジー効果で収益拡大を目指す。

 23年12月期は韓国における金利上昇影響などを考慮して営業減益予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)としている。ただし第1四半期は大幅増益で通期利益予想を超過達成した。新規連結取込や負ののれん発生益計上が寄与した形だが、日本金融事業、韓国およびモンゴル事業、東南アジア金融事業とも、概ね計画を上回る水準で推移している。通期予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度を再開、配当と合わせて株主還元を一段と強化

 23年2月14日に株主優待制度を再開すると発表した。毎年3月末および9月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数および継続保有期間に応じて、オリーブスパが運営するリラクゼーションサロンで利用できるチケット、またはクリアグループが運営する各施設の金券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。23年3月末対象から開始した。配当(23年12月期連続増配予想)と合わせて株主還元を一段と強化する方針としている。

■株価は下値固め完了

 株価は年初来安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。5月29日の終値は409円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS97円01銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1004円59銭で算出)は約0.4倍、そして時価総額は約601億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[05月15日更新]

Jトラストは23年12月期1Q大幅増益で通期利益予想を超過達成

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は、5月12日の取引時間終了後に23年12月期第1四半期連結業績を発表した。大幅増収増益で通期利益予想を超過達成した。新規連結取込や負ののれん発生益計上が寄与した。日本金融事業、韓国およびモンゴル事業、東南アジア金融事業とも、概ね計画を上回る水準で推移した。通期予想は上振れが濃厚であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は下値固め完了感を強めている。好業績や株主還元強化を評価して出直りを期待したい。

■23年12月期1Q大幅増益で通期利益予想を超過達成

 5月12日に発表した23年12月期第1四半期の連結業績(IFRS)は、営業収益が前年同期比111.6%増の261億36百万円、営業利益が365.2%増の92億93百万円、税引前利益が146.1%増の99億66百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が147.7%増の91億24百万円だった。

 大幅増益で通期利益予想を超過達成した。営業費用や販管費が増加したものの、新規連結取込や負ののれん発生益計上が寄与した。日本金融事業、韓国およびモンゴル事業、東南アジア金融事業とも、概ね計画を上回る水準で推移した。なお、その他の収益・費用(93億47百万円増の94億82百万円)では、前期のJTG証券の株式取得に伴う負ののれん発生益が一巡したが、吸収合併したミライノベートに係る負ののれん発生益を計上した。金融収益・費用(14億63百万円減の3億70百万円)では投資有価証券売却益が減少した。

 セグメント別に見ると、日本金融事業は営業収益が41.5%増の30億53百万円で、営業利益が25.7%減の8億79百万円だった。JTG証券およびNexus Cardの連結取込も寄与して大幅増収だが、同時に販管費も増加し、前期のJTG証券の取得に伴う負ののれん発生益の反動も影響して減益だった。

 韓国およびモンゴル金融事業は営業収益が166.8%増の112億61百万円、営業利益が5億78百万円の赤字(前年同期は11億75百万円の黒字)だった。JT親愛貯蓄銀行の連結取込や、貯蓄銀行業における貸出金の増加に伴う利息収支の増加などで大幅増収だが、貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額の増加で減益だった。

 東南アジア金融事業は、営業収益が43.6%増82億93百万円で、営業利益が41.5%増の7億19百万円だった。銀行業における貸出金増加や保有有価証券増加に伴う利息収支増加などで大幅増収となり、貸出債権のリスク低下や資金調達コスト減少などで増益だった。

 不動産・再生可能エネルギー事業(23年12月期よりセグメント新設)は、営業収益が34億24百万円(前年同期は1億54百万円)で、営業利益が92億70百万円(同37百万円の赤字)だった。グローベルスの連結取込、吸収合併したミライノベートに係る負ののれん発生益が寄与した。

 投資事業は、営業収益が23.0%増の92億26百万円、営業利益が2億04百万円の赤字(同4億22百万円の赤字)だった。訴訟費用が減少して赤字縮小した。その他事業は営業収益が4.6%減の1億36百万円、営業利益が436.8%増の56百万円だった。

 通期連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)は据え置いて、営業収益が22年12月期比39.5%増の1150億円、営業利益が41.0%減の85億円、税引前利益が47.0%減の90億円、そして親会社の所有者に帰属する当期利益が2.9%増の130億円としている。配当予想は22年12月期比4円増配の14円(第2四半期末1円、期末13円)としている。連続大幅増配予想で、予想配当性向は14.4%となる。

 セグメント別(不動産・再生可能エネルギーを新設)営業利益計画は、日本金融事業が46.6%増の57億64百万円、韓国およびモンゴル金融事業が14億32百万円の赤字(22年12月期は144億37百万円の黒字)、東南アジア金融事業が4億66百万円の赤字(同58百万円の黒字)、不動産・再生可能エネルギー事業が88億46百万円、投資事業が22億13百万円の赤字(同22億05百万円の赤字)、その他事業が40百万円としている。

 日本金融事業は、保証事業における既存の信用保証残高からの安定的な保証料収益や、債権回収事業における大型債権購入による収益計上を見込んでいる。韓国およびモンゴル金融事業は、韓国の市中金利の高騰による調達金利の上昇、韓国全体における延滞増加、引当金積み増しを見込んでいる。対策として量の成長から質の成長への転換、徹底した延滞管理などを推進する。東南アジア金融事業は、金利上昇等に伴う調達コスト上昇などを見込んでいる。不動産・再生可能エネルギー事業では、ミライノベート吸収合併に伴う負ののれん発生益を第1四半期に計上した。今後はJグランドとグローベルスとのシナジー効果で収益拡大を目指す。

 23年12月期は韓国における金利上昇影響などを考慮して営業減益予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)としている。ただし第1四半期は大幅増益で通期利益予想を超過達成した。新規連結取込や負ののれん発生益計上が寄与した形だが、日本金融事業、韓国およびモンゴル事業、東南アジア金融事業とも、概ね計画を上回る水準で推移している。通期予想は上振れが濃厚であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は出直り期待

 株価は下値固め完了感を強めている。好業績や株主還元強化を評価して出直りを期待したい。5月12日の終値は391円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS97円01銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1004円59銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約575億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[05月10日更新]

Jトラストは調整一巡、23年12月期営業減益予想だが保守的

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大を推進している。23年12月期は前期計上の負ののれん発生益剥落などを考慮して営業減益予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)としている。ただし保守的な印象が強い。Jトラスト銀行インドネシアの業績拡大ペース加速、JTG証券および不動産事業における富裕層ビジネスの拡大、Nexus Cardの割賦事業の本格寄与などにより、24年12月期以降は営業利益の大幅拡大を計画している。積極的な事業展開で中長期的に収益拡大基調だろう。株価は年初来安値圏だが調整一巡して下値固め完了感を強めている。指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。なお5月12日に23年12月期第1四半期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大を推進している。

 22年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は、日本金融事業が販管費増加などで21年12月期比14.3%減の39億31百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取込や負ののれん発生益の計上などで349.9%増の144億37百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金積み上げや預金金利低下による資金調達コスト減少などで58百万円の黒字(21年12月期は63億72百万円の赤字)だった。投資事業は前期のシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)の剥落で22億05百万円の赤字(同54億45百万円の黒字)だった。その他事業は52.9%減の2億02百万円だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業基盤拡大

 日本金融事業は日本保証が保証業務、パルティール債権回収が債権回収業務を展開している。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。23年1月には日本保証が博多不動産販売と、不動産投資型クラウドファンディングサイト「ライフフィールドファンド」を通じて、博多不動産販売が所有する対象不動産への買取保証業務を開始すると発表した。

 なお20年11月に、Nexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。SAMURAI TECHNOLOGYは22年4月に全株式を譲渡して連結除外、Nexus Bankは23年4月に吸収合併した。

 22年3月に子会社化したエイチ・エス証券については、22年10月1日付で商号をJトラストグローバル証券(JTG証券)に変更した。22年12月にはJTG証券が主幹事を担当したアップコン<5075>が名証ネクストに上場した。TOKYO PRO Market上場支援と、一般市場へのステップアップ上場支援を1社完結で実現させた実績を持つ国内唯一の証券会社である。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。

 22年6月にはJT親愛貯蓄銀行が未婚・片親家庭のための寄付金を福祉施設エランウォンに贈呈した。23年1月にはJT親愛貯蓄銀行が「2023大韓民国ファーストブランド賞」で8年連続貯蓄銀行部門大賞を受賞した。顧客優遇金融商品発売および社会貢献活動により地域社会に持続的に尽くしてきた功労が認められた。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する。21年12月にはAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。なお4月10日には、シンガポール高等法院がJトラストアジアの請求を認容し、被告らに対して連帯で約165億55百万円(1米ドル=133円で換算)および21年8月1日からの利息の支払い等を命じる判決を言い渡したと発表している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 その他事業は主にJ Sync(旧Robotシステム)がグループのシステム開発・運用・管理業務、Jグランドが不動産事業を展開している。J Syncは22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。23年2月には不動産事業や再生可能エネルギー事業を展開するミライノベートを吸収合併した。シナジー効果で不動産事業を拡大する方針だ。23年3月には電子決済等代行業の登録が完了した。

 また23年5月には子会社のJグランドが、東京の城西地区を中心に不動産業を展開するライブレントの全株式を取得(株式譲渡実行日23年5月1日)して子会社化した。なお、実質的に休眠会社となっているメディア事業の特定子会社ジャパンギャランティーについては、清算予定(清算決了予定6月30日)としている。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

■23年12月期営業減益予想だが保守的

 23年12月期連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)は、営業収益が22年12月期比39.5%増の1150億円、営業利益が41.0%減の85億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が2.9%増の130億円としている。配当予想は22年12月期比4円増配の14円(第2四半期末1円、期末13円)としている。連続大幅増配予想で中間配当も再開する。

 セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が46.6%増の57億64百万円、韓国およびモンゴル金融事業が14億32百万円の赤字(22年12月期は144億37百万円の黒字)、東南アジア金融事業が4億66百万円の赤字(同58百万円の黒字)、投資事業が22億13百万円の赤字(同22億05百万円の赤字)、その他事業が88億86百万円(同2億02百万円)としている。

 日本金融事業では、保証事業における既存の信用保証残高からの安定的な保証料収益や、債権回収事業における大型債権購入による収益計上を見込んでいる。韓国およびモンゴル金融事業では、前期計上の負ののれん発生益が剥落することに加えて、韓国の市中金利の高騰による調達金利の上昇、韓国全体における延滞増加、引当金積み増しを見込んでいる。対策として量の成長から質の成長への転換、徹底した延滞管理などを推進する。東南アジア金融事業では、金利上昇等に伴う調達コスト上昇などを見込んでいる。その他事業では、ミライノベート吸収合併(23年2月)に伴う負ののれん発生益を見込んでいる。

 なお23年12月期から不動産セグメントを新設予定である。不動産事業のさらなる拡大によって日本保証の信用保証残高の積み上げを目指す方針だ。またJグランドについては事業拡大に伴ってIPO(新規株式公開)を計画している。

 23年12月期は、韓国およびモンゴル金融事業において前期計上した負ののれん発生益の剥落や、韓国における金利上昇影響などを考慮して、営業減益予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)としている。ただし保守的な印象が強く上振れの可能性ありそうだ。Jトラスト銀行インドネシア(BJI)の業績拡大ペース加速、JTG証券および不動産事業における富裕層ビジネスの拡大、Nexus Cardの割賦事業の本格寄与などにより、24年12月期以降は営業利益の大幅拡大(24年12月期110億円、25年12月期191億円)を計画している。積極的な事業展開で中長期的に収益拡大基調だろう。

■株主優待制度を再開、配当と合わせて株主還元を一段と強化

 23年2月14日に株主優待制度を再開すると発表した。毎年3月末および9月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数および継続保有期間に応じて、オリーブスパが運営するリラクゼーションサロンで利用できるチケット、またはクリアグループが運営する各施設の金券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。23年3月末対象から開始した。配当(23年12月期連続増配予想)と合わせて株主還元を一段と強化する方針としている。

■株価は調整一巡

 株価は年初来安値圏だが調整一巡して下値固め完了感を強めている。指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。5月9日の終値は399円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS97円01銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約3.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1004円59銭で算出)は約0.4倍、そして時価総額は約587億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[04月17日更新]

Jトラストは下値固め完了、23年12月期営業減益予想だが保守的

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大を推進している。23年12月期は前期計上の負ののれん発生益の剥落や、韓国における金利上昇影響などを考慮して営業減益予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)としている。ただし保守的な印象が強く上振れの可能性ありそうだ。Jトラスト銀行インドネシアの業績拡大ペース加速、JTG証券および不動産事業における富裕層ビジネスの拡大、Nexus Cardの割賦事業の本格寄与などにより、24年12月期以降は営業利益の大幅拡大を計画している。積極的な事業展開で中長期的に収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で水準を切り下げたが下値固め完了感を強めている。指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。なお5月12日に23年12月期第1四半期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大を推進している。

 22年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は、日本金融事業が販管費増加などで21年12月期比14.3%減の39億31百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取込や負ののれん発生益の計上などで349.9%増の144億37百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金積み上げや預金金利低下による資金調達コスト減少などで58百万円の黒字(21年12月期は63億72百万円の赤字)だった。投資事業は前期のシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)の剥落で22億05百万円の赤字(同54億45百万円の黒字)だった。その他事業は52.9%減の2億02百万円だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業基盤拡大

 日本金融事業は日本保証が保証業務、パルティール債権回収が債権回収業務を展開している。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。23年1月には日本保証が博多不動産販売と、不動産投資型クラウドファンディングサイト「ライフフィールドファンド」を通じて、博多不動産販売が所有する対象不動産への買取保証業務を開始すると発表した。

 なお20年11月に、Nexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。なおSAMURAI TECHNOLOGYについては22年4月に全株式を譲渡して連結除外した。Nexus Bankについては23年4月1日付で吸収合併した。

 22年3月に子会社化したエイチ・エス証券については、22年10月1日付で商号をJトラストグローバル証券(JTG証券)に変更した。22年12月にはJTG証券が主幹事を担当したアップコン<5075>が名証ネクストに上場した。TOKYO PRO Market上場支援と、一般市場へのステップアップ上場支援を1社完結で実現させた実績を持つ国内唯一の証券会社である。なお4月10日より、フリーアナウンサー高島彩さんを起用した新TVCMシリーズ「やっぱりJTG証券」第1弾会社紹介篇を放映している。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。

 22年6月にはJT親愛貯蓄銀行が未婚・片親家庭のための寄付金を福祉施設エランウォンに贈呈した。23年1月にはJT親愛貯蓄銀行が「2023大韓民国ファーストブランド賞」で8年連続貯蓄銀行部門大賞を受賞した。顧客優遇金融商品発売および社会貢献活動により地域社会に持続的に尽くしてきた功労が認められた。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する。21年12月にはAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。

 なおBJIは、21年12月に取締役社長が「2021年度のインドネシアベストリーダー賞」を受賞、22年3月に2022年度トップCSRアワードで2つの賞を受賞、22年5月にインドネシア・インスティチュート・コーポレートディレクターズ(IICD)による「第13回IICDコーポレート・ガバナンス賞」において2つの賞を受賞している。

 JTRBは、21年1月に人事評価機関であるHR Asiaの2020HR ASIA AWARDにおいて「2020 Best Companies to work for in ASIA」(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)を受賞した。21年11月には、英国の著名な国際ビジネス誌であるGlobal Business Outlook(GBO)から「MOST CUSTOMER CENTRIC BANK―CAMBODIA2021」を受賞した。顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、社会的責任等の基準で評価された。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。なお4月10日には、シンガポール高等法院がJトラストアジアの請求を認容し、被告らに対して連帯で約165億55百万円(1米ドル=133円で換算)および21年8月1日からの利息の支払い等を命じる判決を言い渡したと発表している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 その他事業は主にJ Sync(旧Robotシステム)がグループのシステム開発・運用・管理業務、Jグランドが不動産事業を展開している。J Syncは22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。23年2月には不動産事業や再生可能エネルギー事業を展開するミライノベートを吸収合併した。シナジー効果で不動産事業を拡大する方針だ。23年3月には電子決済等代行業の登録が完了した。なお、実質的に休眠会社となっているメディア事業の特定子会社ジャパンギャランティーについては、清算予定(清算決了予定6月30日)としている。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

■23年12月期営業減益予想だが保守的

 23年12月期連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)は、営業収益が22年12月期比39.5%増の1150億円、営業利益が41.0%減の85億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が2.9%増の130億円としている。配当予想は22年12月期比4円増配の14円(第2四半期末1円、期末13円)としている。連続大幅増配予想で中間配当も再開する。

 セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が46.6%増の57億64百万円、韓国およびモンゴル金融事業が14億32百万円の赤字(22年12月期は144億37百万円の黒字)、東南アジア金融事業が4億66百万円の赤字(同58百万円の黒字)、投資事業が22億13百万円の赤字(同22億05百万円の赤字)、その他事業が88億86百万円(同2億02百万円)としている。

 日本金融事業では、保証事業における既存の信用保証残高からの安定的な保証料収益や、債権回収事業における大型債権購入による収益計上を見込んでいる。韓国およびモンゴル金融事業では、前期計上の負ののれん発生益が剥落することに加えて、韓国の市中金利の高騰による調達金利の上昇、韓国全体における延滞増加、引当金積み増しを見込んでいる。対策として量の成長から質の成長への転換、徹底した延滞管理などを推進する。東南アジア金融事業では、金利上昇等に伴う調達コスト上昇などを見込んでいる。その他事業では、ミライノベート吸収合併(23年2月)に伴う負ののれん発生益を見込んでいる。

 なお23年12月期から不動産セグメントを新設予定である。不動産事業のさらなる拡大によって日本保証の信用保証残高の積み上げを目指す方針だ。またJグランドについては事業拡大に伴ってIPO(新規株式公開)を計画している。

 23年12月期は、韓国およびモンゴル金融事業において前期計上した負ののれん発生益の剥落や、韓国における金利上昇影響などを考慮して、営業減益予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)としている。ただし保守的な印象が強く上振れの可能性ありそうだ。Jトラスト銀行インドネシア(BJI)の業績拡大ペース加速、JTG証券および不動産事業における富裕層ビジネスの拡大、Nexus Cardの割賦事業の本格寄与などにより、24年12月期以降は営業利益の大幅拡大(24年12月期110億円、25年12月期191億円)を計画している。積極的な事業展開で中長期的に収益拡大基調だろう。

■株主優待制度を再開、配当と合わせて株主還元を一段と強化

 23年2月14日に株主優待制度を再開すると発表した。毎年3月末および9月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数および継続保有期間に応じて、オリーブスパが運営するリラクゼーションサロンで利用できるチケット、またはクリアグループが運営する各施設の金券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。23年3月末対象から開始した。配当(23年12月期連続増配予想)と合わせて株主還元を一段と強化する方針としている。

■株価は下値固め完了

 株価は地合い悪化の影響で水準を切り下げたが下値固め完了感を強めている。指標面の割安感も強化して出直りを期待したい。4月14日の終値は405円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS97円01銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約3.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1004円59銭で算出)は約0.4倍、そして時価総額は約596億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[03月20日更新]

Jトラストは売られ過ぎ感、23年12月期営業減益予想だが保守的

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大を推進している。23年12月期は前期計上の負ののれん発生益の剥落や、韓国における金利上昇影響などを考慮して営業減益予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)としている。ただし保守的な印象が強く上振れの可能性ありそうだ。Jトラスト銀行インドネシアの業績拡大ペース加速、JTG証券および不動産事業における富裕層ビジネスの拡大、Nexus Cardの割賦事業の本格寄与などにより、24年12月期以降は営業利益の大幅拡大を計画している。中長期的に収益拡大基調が期待されるだろう。株価は地合い悪化の影響で急落する形となったが、売られ過ぎ感を強めている。目先的な売りが一巡して出直りを期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大を推進している。

 22年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は、日本金融事業が販管費増加などで21年12月期比14.3%減の39億31百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取込や負ののれん発生益の計上などで349.9%増の144億37百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金積み上げや預金金利低下による資金調達コスト減少などで58百万円の黒字(21年12月期は63億72百万円の赤字)だった。投資事業は前期のシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)の剥落で22億05百万円の赤字(同54億45百万円の黒字)だった。その他事業は52.9%減の2億02百万円だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業基盤拡大

 日本金融事業は日本保証が保証業務、パルティール債権回収が債権回収業務を展開している。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。23年1月には日本保証が博多不動産販売と、不動産投資型クラウドファンディングサイト「ライフフィールドファンド」を通じて、博多不動産販売が所有する対象不動産への買取保証業務を開始すると発表した。

 なお20年11月に、Nexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。なおSAMURAI TECHNOLOGYについては22年4月に全株式を譲渡して連結除外した。Nexus Bankについては23年4月1日付で吸収合併予定としている。

 22年3月に子会社化したエイチ・エス証券については、22年10月1日付で商号をJトラストグローバル証券(JTG証券)に変更した。22年12月にはJTG証券が主幹事を担当したアップコン<5075>が名証ネクストに上場した。TOKYO PRO Market上場支援と、一般市場へのステップアップ上場支援を1社完結で実現させた実績を持つ国内唯一の証券会社である。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。

 22年6月にはJT親愛貯蓄銀行が未婚・片親家庭のための寄付金を福祉施設エランウォンに贈呈した。23年1月にはJT親愛貯蓄銀行が「2023大韓民国ファーストブランド賞」で8年連続貯蓄銀行部門大賞を受賞した。顧客優遇金融商品発売および社会貢献活動により地域社会に持続的に尽くしてきた功労が認められた。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する。21年12月にはAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。

 なおBJIは、21年12月に取締役社長が「2021年度のインドネシアベストリーダー賞」を受賞、22年3月に2022年度トップCSRアワードで2つの賞を受賞、22年5月にインドネシア・インスティチュート・コーポレートディレクターズ(IICD)による「第13回IICDコーポレート・ガバナンス賞」において2つの賞を受賞している。

 JTRBは、21年1月に人事評価機関であるHR Asiaの2020HR ASIA AWARDにおいて「2020 Best Companies to work for in ASIA」(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)を受賞した。21年11月には、英国の著名な国際ビジネス誌であるGlobal Business Outlook(GBO)から「MOST CUSTOMER CENTRIC BANK―CAMBODIA2021」を受賞した。顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、社会的責任等の基準で評価された。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 その他事業は主にJ Sync(旧Robotシステム)がグループのシステム開発・運用・管理業務、Jグランドが不動産事業を展開している。J Syncは22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。また23年2月1日付で、不動産事業や再生可能エネルギー事業を展開するミライノベートを吸収合併した。シナジー効果で不動産事業を拡大する方針だ。なお、実質的に休眠会社となっているメディア事業の特定子会社ジャパンギャランティーについては、3月15日付で解散および清算するとことを決議(清算決了予定6月30日)した。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

■23年12月期営業減益予想だが保守的

 23年12月期連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)は、営業収益が22年12月期比39.5%増の1150億円、営業利益が41.0%減の85億円、税引前利益が47.0%減の90億円、そして親会社の所有者に帰属する当期利益が2.9%増の130億円としている。配当予想は22年12月期比4円増配の14円(第2四半期末1円、期末13円)としている。連続大幅増配予想で中間配当も再開する。

 セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が46.6%増の57億64百万円、韓国およびモンゴル金融事業が14億32百万円の赤字(22年12月期は144億37百万円の黒字)、東南アジア金融事業が4億66百万円の赤字(同58百万円の黒字)、投資事業が22億13百万円の赤字(同22億05百万円の赤字)、その他事業が88億86百万円(同2億02百万円)としている。

 日本金融事業では、保証事業における既存の信用保証残高からの安定的な保証料収益や、債権回収事業における大型債権購入による収益計上を見込んでいる。韓国およびモンゴル金融事業では、前期計上の負ののれん発生益が剥落することに加えて、韓国の市中金利の高騰による調達金利の上昇、韓国全体における延滞増加、引当金積み増しを見込んでいる。対策として量の成長から質の成長への転換、徹底した延滞管理などを推進する。東南アジア金融事業では、金利上昇等に伴う調達コスト上昇などを見込んでいる。その他事業では、ミライノベート吸収合併(23年2月)に伴う負ののれん発生益を見込んでいる。

 なお23年12月期から不動産セグメントを新設予定である。不動産事業のさらなる拡大によって日本保証の信用保証残高の積み上げを目指す方針だ。またJグランドについては事業拡大に伴ってIPO(新規株式公開)を計画している。

 23年12月期は、韓国およびモンゴル金融事業において前期計上した負ののれん発生益の剥落や、韓国における金利上昇影響などを考慮して、営業減益予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)としている。ただし保守的な印象が強く上振れの可能性ありそうだ。Jトラスト銀行インドネシア(BJI)の業績拡大ペース加速、JTG証券および不動産事業における富裕層ビジネスの拡大、Nexus Cardの割賦事業の本格寄与などにより、24年12月期以降は営業利益の大幅拡大(24年12月期110億円、25年12月期191億円)を計画している。中長期的に収益拡大基調が期待されるだろう。

■株主優待制度を再開、株主還元を一段と強化

 2月14日に株主優待制度を再開すると発表した。毎年3月末および9月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数および継続保有期間に応じて、オリーブスパが運営するリラクゼーションサロンで利用できるチケット、またはクリアグループが運営する各施設の金券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。23年3月末対象から開始する。

 連続大幅増配予想と株主優待制度再開によって、株主還元を一段と強化する方針としている。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化の影響で急落する形となったが売られ過ぎ感を強めている。目先的な売りが一巡して出直りを期待したい。3月17日の終値は392円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS97円01銭で算出)は約4倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1004円59銭で算出)は約0.4倍、そして時価総額は約576億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[02月27日更新]

Jトラストは調整一巡、23年12月期営業減益予想だが保守的

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。22年12月期は金融事業の成長と事業ポートフォリオ再構築の成果で大幅増収増益だった。23年12月期は前期計上の負ののれん発生益の剥落や、韓国における金利上昇影響などを考慮して営業減益予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)としている。ただし保守的な印象が強く上振れの可能性ありそうだ。さらにJトラスト銀行インドネシア(BJI)の業績拡大ペース加速、JTG証券および不動産事業における富裕層ビジネスの拡大、Nexus Cardの割賦事業の本格寄与が見込まれ、24年12月期以降は営業利益の大幅拡大を計画している。中長期的に収益拡大基調が期待されるだろう。なお23年12月期は連続大幅増配予想としている。そして株主優待制度も再開して株主還元を一段と強化する方針としている。株価は23年12月期営業減益予想を嫌気して上値を切り下げる形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。グループビジョンには「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 22年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は、日本金融事業が販管費増加などで21年12月期比14.3%減の39億31百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取込や負ののれん発生益の計上などで349.9%増の144億37百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金積み上げや預金金利低下による資金調達コスト減少などで58百万円の黒字(21年12月期は63億72百万円の赤字)だった。投資事業は前期のシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)の剥落で22億05百万円の赤字(同54億45百万円の黒字)だった。その他事業は52.9%減の2億02百万円だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は日本保証が保証業務、パルティール債権回収が債権回収業務を展開している。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。23年1月には日本保証が博多不動産販売と、不動産投資型クラウドファンディングサイト「ライフフィールドファンド」を通じて、博多不動産販売が所有する対象不動産への買取保証業務を開始すると発表した。

 なお20年11月に、Nexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。なおSAMURAI TECHNOLOGYについては22年4月に全株式を譲渡して連結除外した。Nexus Bankについては23年4月1日付で吸収合併予定としている。

 22年3月に子会社化したエイチ・エス証券については、22年10月1日付で商号をJトラストグローバル証券(JTG証券)に変更した。22年12月にはJTG証券が主幹事を担当したアップコン<5075>が名証ネクストに上場した。TOKYO PRO Market上場支援と、一般市場へのステップアップ上場支援を1社完結で実現させた実績を持つ国内唯一の証券会社である。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。

 22年6月にはJT親愛貯蓄銀行が未婚・片親家庭のための寄付金を福祉施設エランウォンに贈呈した。23年1月にはJT親愛貯蓄銀行が「2023大韓民国ファーストブランド賞」で8年連続貯蓄銀行部門大賞を受賞した。顧客優遇金融商品発売および社会貢献活動により地域社会に持続的に尽くしてきた功労が認められた。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する。21年12月にはAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。

 なおBJIは、21年12月に取締役社長が「2021年度のインドネシアベストリーダー賞」を受賞、22年3月に2022年度トップCSRアワードで2つの賞を受賞、22年5月にインドネシア・インスティチュート・コーポレートディレクターズ(IICD)による「第13回IICDコーポレート・ガバナンス賞」において2つの賞を受賞している。

 JTRBは、21年1月に人事評価機関であるHR Asiaの2020HR ASIA AWARDにおいて「2020 Best Companies to work for in ASIA」(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)を受賞した。21年11月には、英国の著名な国際ビジネス誌であるGlobal Business Outlook(GBO)から「MOST CUSTOMER CENTRIC BANK―CAMBODIA2021」を受賞した。顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、社会的責任等の基準で評価された。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 その他事業は主にJ Sync(旧Robotシステム)がグループのシステム開発・運用・管理業務、Jグランドが不動産事業を展開している。J Syncは22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。また23年2月1日付で、不動産事業や再生可能エネルギー事業を展開するミライノベートを吸収合併した。シナジー効果で不動産事業を拡大する方針だ。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

■22年12月期大幅増益着地、23年12月期営業減益予想だが保守的

 22年12月期の連結業績(IFRS)は、営業収益が前年同期比94.7%増の824億19百万円、営業利益が173.7%増の143億99百万円、税引前利益が188.1%増の169億95百万円、そして親会社の所有者に帰属する当期利益が11.2倍の126億32百万円だった。営業利益は過去最高だった。

 投資事業において21年12月期のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動があり、第4四半期に韓国の金利上昇の影響を受けたが、通期ベースでは金融事業の成長と事業ポートフォリオ再構築の成果により、前回予想(22年8月12日付で上方修正して営業収益790億円、営業利益130億円、税引前利益160億円、親会社の所有者に帰属する当期利益120億円、JDG証券の金融商品取引業を含まず)を上回る大幅増収増益だった。特に東南アジア金融事業が黒字転換し、韓国およびモンゴル金融事業の負ののれん発生益も寄与した。

 セグメント別に見ると、日本金融事業は営業収益が20.4%増の117億74百万円、営業利益が14.3%減の39億31百万円だった。連結取込(JTG証券、Nexus Card)も寄与して大幅増収だが、同時に販管費も増加したため減益だった。

 韓国およびモンゴル金融事業は、営業収益が159.7%増の384億51百万円で、営業利益が349.9%増の144億37百万円だった。JT親愛貯蓄銀行の連結取込や貯蓄銀行業における貸出金増加などで大幅増収となり、負ののれん発生益の計上(約97億円)も寄与した。

 東南アジア金融事業は、営業収益が73.7%増の291億73百万円で、営業利益が58百万円の黒字(21年12月期は63億72百万円の赤字)だった。銀行業における貸出金増加や保有有価証券増加に伴う利息収支増加などで大幅増収となり、銀行業における優良な貸出金の積み上げによる営業収益増加や、審査体制の見直しによる貸出債権のリスク低下、預金金利低下による資金調達コストの減少などで黒字転換した。

 投資事業は営業収益が貸付金利息の減少で64.8%減の2億26百万円、営業利益が前期のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動で22億05百万円の赤字(同54億45百万円の黒字)だった。その他事業は営業収益がJグランドの不動産事業の販売増で294.3%増の34億63百万円だが、営業利益が52.9%減の2億02百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が123億51百万円で営業利益が19億42百万円、第2四半期は営業収益が210億80百万円で営業利益が89億85百万円、第3四半期は営業収益が230億49百万円で営業利益が17億22百万円、第4四半期は営業収益が259億39百万円で営業利益が17億50百万円だった。

 23年12月期連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)は、営業収益が22年12月期比39.5%増の1150億円、営業利益が41.0%減の85億円、税引前利益が47.0%減の90億円、そして親会社の所有者に帰属する当期利益が2.9%増の130億円としている。配当予想は22年12月期比4円増配の14円(第2四半期末1円、期末13円)としている。連続大幅増配予想で中間配当も再開する。

 セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が46.6%増の57億64百万円、韓国およびモンゴル金融事業が14億32百万円の赤字(22年12月期は144億37百万円の黒字)、東南アジア金融事業が4億66百万円の赤字(同58百万円の黒字)、投資事業が22億13百万円の赤字(同22億05百万円の赤字)、その他事業が88億86百万円(同2億02百万円)としている。

 日本金融事業では、保証事業における既存の信用保証残高からの安定的な保証料収益や、債権回収事業における大型債権購入による収益計上を見込んでいる。韓国およびモンゴル金融事業では、前期計上の負ののれん発生益が剥落することに加えて、韓国の市中金利の高騰による調達金利の上昇、韓国全体における延滞増加、引当金積み増しを見込んでいる。対策として量の成長から質の成長への転換、徹底した延滞管理などを推進する。東南アジア金融事業では、金利上昇等に伴う調達コスト上昇などを見込んでいる。その他事業では、ミライノベート吸収合併(23年2月)に伴う負ののれん発生益を見込んでいる。

 なお23年12月期から不動産セグメントを新設予定である。不動産事業のさらなる拡大によって日本保証の信用保証残高の積み上げを目指す方針だ。またJグランドについては事業拡大に伴ってIPO(新規株式公開)を計画している。

 23年12月期は、韓国およびモンゴル金融事業において前期計上した負ののれん発生益の剥落や、韓国における金利上昇影響などを考慮して、営業減益予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)としている。ただし保守的な印象が強く上振れの可能性ありそうだ。さらにJトラスト銀行インドネシア(BJI)の業績拡大ペース加速、JTG証券および不動産事業における富裕層ビジネスの拡大、Nexus Cardの割賦事業の本格寄与が見込まれ、24年12月期以降は営業利益の大幅拡大を計画(24年12月期110億円、25年12月期191億円)している。中長期的に収益拡大基調が期待されるだろう。

■株主優待制度を再開、株主還元を一段と強化

 2月14日に株主優待制度を再開すると発表した。毎年3月末および9月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数および継続保有期間に応じて、オリーブスパが運営するリラクゼーションサロンで利用できるチケット、またはクリアグループが運営する各施設の金券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。23年3月末対象から開始する。

 連続大幅増配予想と株主優待制度再開によって、株主還元を一段と強化する方針としている。

■株価は調整一巡

 株価は23年12月期営業減益予想を嫌気して上値を切り下げる形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。2月24日の終値は518円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS97円01銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1004円59銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約762億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月17日更新]

Jトラストは23年12月期営業減益予想だが保守的、配当は連続大幅増配予想

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は2月14日に22年12月期連結業績を発表した。金融事業の成長と事業ポートフォリオ再構築の成果で前回予想を上回る大幅増収増益だった。23年12月期は韓国における金利上昇影響などを考慮して営業減益予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)としている。ただし保守的な印象が強く上振れの可能性ありそうだ。さらに24年12月期以降は営業利益再拡大を計画しており、中長期的に収益拡大基調が期待されるだろう。なお23年12月期の配当は連続大幅増配予想で、株主優待制度も再開する。株主還元をより一層強化する方針だ。株価は23年12月期営業減益予想を嫌気して急落の形となったが、目先的な売りが一巡し、積極的な株主還元策も評価して出直りを期待したい。

■22年12月期大幅増益着地、23年12月期営業減益予想だが保守的

 22年12月期の連結業績(IFRS)は、営業収益が前年同期比94.7%増の824億19百万円、営業利益が2.7の143億99百万円、税引前利益が2.9倍の169億95百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が11.2倍の126億32百万円だった。

 投資事業において21年12月期のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動があったが、金融事業の成長と事業ポートフォリオ再構築の成果により、前回予想(22年8月12日付で上方修正して営業収益790億円、営業利益130億円、税引前利益160億円、親会社の所有者に帰属する当期利益120億円、JDG証券の金融商品取引業を含まず)を上回る大幅増収増益だった。特に東南アジア金融事業が黒字転換し、韓国およびモンゴル金融事業の負ののれん発生益も寄与した。

 セグメント別に見ると、日本金融事業は営業収益が20.4%増の117億74百万円で、営業利益が14.3%減39億31百万円だった。連結取込(JTG証券、Nexus Card)も寄与して増収だが、同時に販管費も増加したため減益だった。

 韓国およびモンゴル金融事業は、営業収益が2.6倍の384億51百万円で、営業利益が4.5倍の144億37百万円だった。JT親愛貯蓄銀行の連結取込などで大幅増収となり、負ののれん発生益の計上(約97億円)も寄与した。

 東南アジア金融事業は、営業収益が73.7%増の291億73百万円で、営業利益が58百万円の黒字(21年12月期は63億72百万円の赤字)だった。銀行業における貸出金増加や保有有価証券増加に伴う利息収支増加などで大幅増収となり、銀行業における優良な貸出金の積み上げによる営業収益増加や、審査体制の見直しによる貸出債権のリスク低下、預金金利低下による資金調達コストの減少などで黒字転換した。

 投資事業は、営業収益が貸付金利息の減少で64.8%減の2億26百万円、営業利益が前期のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動で22億05百万円の赤字(同54億45百万円の黒字)だった。その他事業は、営業収益がJグランドの不動産事業の販売増で3.9倍の34億63百万円だが、営業利益が52.9%減の2億02百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が123億51百万円で営業利益が19億42百万円、第2四半期は営業収益が210億80百万円で営業利益が89億85百万円、第3四半期は営業収益が230億49百万円で営業利益が17億22百万円、第4四半期は営業収益が259億39百万円で営業利益が17億50百万円だった。

 23年12月期連結業績予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)は、営業収益が22年12月期比39.5%増の1150億円、営業利益が41.0%減の85億円、税引前利益が47.0%減の90億円、そして親会社の所有者に帰属する当期利益が2.9%増の130億円としている。配当予想は22年12月期比4円増配の14円(第2四半期末1円、期末13円)としている。連続大幅増配予想である。

 セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が46.6%増の57億64百万円、韓国およびモンゴル金融事業が14億32百万円の赤字(22年12月期は144億37百万円の黒字)、東南アジア金融事業が4億66百万円の赤字(同58百万円の黒字)、投資事業が22億13百万円の赤字(同22億05百万円の赤字)、その他事業が88億86百万円(同2億02百万円)としている。

 日本金融事業は、保証事業における既存の信用保証残高からの安定的な保証料収益や、債権回収事業における大型債権購入による収益計上を見込んでいる。韓国およびモンゴル金融事業は、韓国の市中金利の高騰による調達金利の上昇、韓国全体における延滞増加、引当金積み増しを見込んでいる。対策として量の成長から質の成長への転換、徹底した延滞管理などを推進する。東南アジア金融事業は、金利上昇等に伴う調達コスト上昇などを見込んでいる。その他事業はミライノベート吸収合併(23年2月)に伴う負ののれん発生益を見込んでいる。なお23年12月期から不動産セグメントを新設予定である。不動産事業のさらなる拡大によって日本保証の信用保証残高の積み上げを目指す方針だ。

 23年12月期は韓国における金利上昇影響などを考慮して営業減益予想(JTG証券の金融商品取引業を含まず)としている。ただし保守的な印象が強く上振れの可能性ありそうだ。さらに24年12月期以降は営業利益再拡大を計画(24年12月期110億円、25年12月期191億円)しており、中長期的に収益拡大基調が期待されるだろう。

■株価は目先的な売り一巡

 株価は23年12月期営業減益予想を嫌気して急落の形となったが、目先的な売りが一巡し、積極的な株主還元策も評価して出直りを期待したい。2月16日の終値は506円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS97円01銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1004円59銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約744億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[02月09日更新]

Jトラストは戻り試す、23年12月期も収益拡大基調

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。22年12月期は金融事業の成長や事業ポートフォリオ再構築の成果で、前期の一過性要因を除いたベース営業利益に対して大幅増益予想としている。さらに事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。23年12月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上値を切り下げる形だったが調整一巡して切り返しの動きを強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。なお2月14日に22年12月期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。グループビジョンには「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 21年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益、20年12月期の数値は継続事業・非継続事業の分類変更を考慮した遡及修正後数値)は、日本金融事業がパルティール債権回収における貸倒引当金繰入額増加などで20年12月期比5.6%減の45億88百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出資産増加に伴う利息収益増加などで58.9%増の32億08百万円、東南アジア金融事業がコロナ禍に伴う貸倒引当金繰入額増加やのれん減損損失計上などで63億72百万円の赤字(20年12月期は55億41百万円の赤字)だった。投資事業はシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)で54億45百万円の黒字(同16億51百万円の赤字)だった。その他事業は4億30百万円の黒字(同3億10百万円の赤字)だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は日本保証が保証業務、パルティール債権回収が債権回収業務を展開している。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。23年1月には日本保証が博多不動産販売と、不動産投資型クラウドファンディングサイト「ライフフィールドファンド」を通じて、博多不動産販売が所有する対象不動産への買取保証業務を開始すると発表した。

 なお20年11月に、Nexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。SAMURAI TECHNOLOGYについては22年4月に全株式を譲渡して連結除外した。

 日本保証の子会社であるRobotシステムは、22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。そして22年6月にはRobotシステムが、経済産業省が推進する「IT導入補助金」においてIT導入支援事業者として採択され、対象ITツールとして「fundingtool」が認定された。

 22年3月に子会社化したエイチ・エス証券については、22年10月1日付で商号をJトラストグローバル証券(JTG証券)に変更した。22年12月にはJTG証券が主幹事を担当したアップコン<5075>が名証ネクストに上場した。TOKYO PRO Market上場支援と、一般市場へのステップアップ上場支援を1社完結で実現させた実績を持つ国内唯一の証券会社である。さらに23年2月1日付でミライノベート<3528>を吸収合併した。シナジー効果で不動産事業を拡大する方針だ。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。

 22年6月にはJT親愛貯蓄銀行が未婚・片親家庭のための寄付金を福祉施設エランウォンに贈呈した。23年1月にはJT親愛貯蓄銀行が「2023大韓民国ファーストブランド賞」で8年連続貯蓄銀行部門大賞を受賞した。顧客優遇金融商品発売および社会貢献活動により地域社会に持続的に尽くしてきた功労が認められた。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。

 JTRBは、21年1月に人事評価機関であるHR Asiaの2020HR ASIA AWARDにおいて「2020 Best Companies to work for in ASIA」(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)を受賞した。21年11月には、英国の著名な国際ビジネス誌であるGlobal Business Outlook(GBO)から「MOST CUSTOMER CENTRIC BANK―CAMBODIA2021」を受賞した。顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、社会的責任等の基準で評価された。22年7月にはコベルコインドネシアと重機のファイナンス投資商品販売で提携した。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する。21年12月にはAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。

 なおBJIは、21年12月に取締役社長が「2021年度のインドネシアベストリーダー賞」を受賞、22年3月に2022年度トップCSRアワードで2つの賞を受賞、22年5月にインドネシア・インスティチュート・コーポレートディレクターズ(IICD)による「第13回IICDコーポレート・ガバナンス賞」において2つの賞を受賞している。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 非金融事業でITシステム事業を展開している特定子会社Jトラストシステムについては解散を決定している。必要な清算手続が完了次第、清算結了となる。

■22年12月期大幅増益予想、23年12月期も収益拡大基調

 22年12月期の連結業績予想(IFRS、22年8月12日付で営業収益と各利益を上方修正、各利益は22年5月13日に続いて2回目の上方修正)は、営業収益が21年12月期比86.7%増の790億円、営業利益が147.1%増の130億円、税引前利益が171.2%増の160億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が968.4%増の120億円としている。配当予想は21年12月期比9円増配の10円(期末一括)としている。

 東南アジア金融事業の収益改善に加えて、Nexus Bankの株式取得に伴う負ののれん発生益の計上も寄与する。なおJTG証券の業績は市場環境の変動の影響を大きく受けるため連結業績予想に含めていない。セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が37億39百万円、韓国およびモンゴル金融事業が130億39百万円、東南アジア金融事業が2億68百万円の赤字、投資事業が15億41百万円の赤字、その他事業が37百万円としている。

 第3四半期累計は、営業収益が前年同期比84.4%増の564億80百万円、営業利益が61.6%増の126億49百万円、税引前利益が88.3%増の157億38百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が398.2%増の119億85百万円だった。

 金融事業の成長と事業ポートフォリオ再構築の成果で大幅増収増益だった。特に東南アジア金融事業が黒字転換し、韓国およびモンゴル金融事業の負ののれん発生益が寄与した。

 セグメント別営業利益は、日本金融事業が営業費用や販管費の増加で10.4%減の32億53百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取り込みや負ののれん発生益の計上などで4.2倍の118億79百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金の積み上げによる営業収益増加(70.0%増収)や、審査体制見直しによる貸出債権のリスク低下、預金金利低下による資金調達コストの減少などで7億38百万円の黒字(前年同期は29億81百万円の赤字)と黒字転換、投資事業は前年のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動で15億75百万円の赤字(同60億28百万円の黒字)だった。その他事業は1百万円の赤字(同22百万円の赤字)だった。日本ファンディングの不動産事業における販売収益で赤字縮小した。

 四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が123億51百万円で営業利益が19億42百万円、第2四半期は営業収益が210億80百万円で営業利益が89億85百万円、第3四半期は営業収益が230億49百万円で営業利益が17億22百万円だった。

 通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は営業収益が71%、営業利益が97%、税引前利益が98%、親会社の所有者に帰属する当期利益が100%と利益は通期予想をほぼ達成している。通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。

 さらに事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。23年12月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は戻り試す

 株価は上値を切り下げる形だったが調整一巡して切り返しの動きを強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。2月8日の終値は569円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS105円24銭で算出)は約5倍、前期推定配当利回り(会社予想の10円で算出)は約1.8%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分903円66銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約837億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月16日更新]

Jトラストは調整一巡、22年12月期大幅増益予想、23年12月期も収益拡大基調

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。なお23年2月1日付(予定)でミライノベート<3528>を吸収合併する。22年12月期は前期の一過性要因を除いたベース営業利益に対して大幅増益予想としている。金融事業の成長や事業ポートフォリオ再構築の成果で第3四半期累計の利益が通期予想をほぼ達成していることを勘案すれば、通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。さらに事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形となったが調整一巡感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。なお2月14日に22年12月期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。グループビジョンには「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 21年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益、20年12月期の数値は継続事業・非継続事業の分類変更を考慮した遡及修正後数値)は、日本金融事業がパルティール債権回収における貸倒引当金繰入額増加などで20年12月期比5.6%減の45億88百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出資産増加に伴う利息収益増加などで58.9%増の32億08百万円、東南アジア金融事業がコロナ禍に伴う貸倒引当金繰入額増加やのれん減損損失計上などで63億72百万円の赤字(20年12月期は55億41百万円の赤字)だった。投資事業はシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)で54億45百万円の黒字(同16億51百万円の赤字)だった。その他事業は4億30百万円の黒字(同3億10百万円の赤字)だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は日本保証が保証業務、パルティール債権回収が債権回収業務を展開している。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。1月6日には日本保証が博多不動産販売と、不動産投資型クラウドファンディングサイト「ライフフィールドファンド」を通じて、博多不動産販売が所有する対象不動産への買取保証業務を開始すると発表した。

 なお20年11月に、Nexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。SAMURAI TECHNOLOGYについては22年4月に全株式を譲渡して連結除外した。

 日本保証の子会社であるRobotシステムは、22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。そして22年6月にはRobotシステムが、経済産業省が推進する「IT導入補助金」においてIT導入支援事業者として採択され、対象ITツールとして「fundingtool」が認定された。

 22年3月にはエイチ・エス証券を子会社化し、22年10月1日付で商号をJトラストグローバル証券(JTG証券)に変更した。22年12月にはJTG証券が主幹事を担当したアップコン<5075>が名証ネクストに上場した。TOKYO PRO Market上場支援と、一般市場へのステップアップ上場支援を1社完結で実現させた実績を持つ国内唯一の証券会社である。

 さらに23年2月1日付(予定)でミライノベート<3528>を吸収合併する。シナジー効果で不動産事業を拡大する方針だ。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。なお22年6月には、JT親愛貯蓄銀行が未婚・片親家庭のための寄付金を福祉施設エランウォンに贈呈した。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。

 JTRBは、21年1月に人事評価機関であるHR Asiaの2020HR ASIA AWARDにおいて「2020 Best Companies to work for in ASIA」(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)を受賞した。21年11月には、英国の著名な国際ビジネス誌であるGlobal Business Outlook(GBO)から「MOST CUSTOMER CENTRIC BANK―CAMBODIA2021」を受賞した。顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、社会的責任等の基準で評価された。22年7月にはコベルコインドネシアと重機のファイナンス投資商品販売で提携した。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する。21年12月にはAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。

 なおBJIは、21年12月に取締役社長が「2021年度のインドネシアベストリーダー賞」を受賞、22年3月に2022年度トップCSRアワードで2つの賞を受賞、22年5月にインドネシア・インスティチュート・コーポレートディレクターズ(IICD)による「第13回IICDコーポレート・ガバナンス賞」において2つの賞を受賞している。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 非金融事業でITシステム事業を展開している特定子会社Jトラストシステムについては解散を決定している。必要な清算手続が完了次第、清算結了となる。

■22年12月期利益予想は3回目の上振れの可能性

 22年12月期の連結業績予想(IFRS、22年8月12日付で営業収益と各利益を上方修正、各利益は22年5月13日に続いて2回目の上方修正)は、営業収益が21年12月期比86.7%増の790億円、営業利益が147.1%増の130億円、税引前利益が171.2%増の160億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が968.4%増の120億円としている。配当予想は21年12月期比9円増配の10円(期末一括)としている。

 東南アジア金融事業の収益改善に加えて、Nexus Bankの株式取得に伴う負ののれん発生益の計上も寄与する。なおJTG証券の業績は市場環境の変動の影響を大きく受けるため連結業績予想に含めていない。セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が37億39百万円、韓国およびモンゴル金融事業が130億39百万円、東南アジア金融事業が2億68百万円の赤字、投資事業が15億41百万円の赤字、その他事業が37百万円としている。

 第3四半期累計は、営業収益が前年同期比84.4%増の564億80百万円、営業利益が61.6%増の126億49百万円、税引前利益が88.3%増の157億38百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が398.2%増の119億85百万円だった。

 金融事業の成長と事業ポートフォリオ再構築の成果で大幅増収増益だった。特に東南アジア金融事業が黒字転換し、韓国およびモンゴル金融事業の負ののれん発生益が寄与した。

 セグメント別営業利益は、日本金融事業が営業費用や販管費の増加で10.4%減の32億53百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取り込みや負ののれん発生益の計上などで4.2倍の118億79百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金の積み上げによる営業収益増加(70.0%増収)や、審査体制見直しによる貸出債権のリスク低下、預金金利低下による資金調達コストの減少などで7億38百万円の黒字(前年同期は29億81百万円の赤字)と黒字転換、投資事業は前年のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動で15億75百万円の赤字(同60億28百万円の黒字)だった。その他事業は1百万円の赤字(同22百万円の赤字)だった。日本ファンディングの不動産事業における販売収益で赤字縮小した。

 四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が123億51百万円で営業利益が19億42百万円、第2四半期は営業収益が210億80百万円で営業利益が89億85百万円、第3四半期は営業収益が230億49百万円で営業利益が17億22百万円だった。

 通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は営業収益が71%、営業利益が97%、税引前利益が98%、親会社の所有者に帰属する当期利益が100%と利益は通期予想をほぼ達成している。通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。

 さらに事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形となったが調整一巡感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。1月13日の終値は525円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS105円24銭で算出)は約5倍、前期推定配当利回り(会社予想の10円で算出)は約1.9%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分903円66銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約663億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月22日更新]

Jトラストは戻り試す、22年12月期利益予想は3回目の上振れの可能性

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。なお23年2月1日付(予定)でミライノベート<3528>を吸収合併する。22年12月期は前期の一過性要因を除いたベース営業利益に対して大幅増益予想としている。金融事業の成長や事業ポートフォリオ再構築の成果で第3四半期累計の利益が通期予想をほぼ達成していることを勘案すれば、通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。さらに事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は10月の戻り高値圏から反落して水準を切り下げる形となったが調整一巡感を強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。グループビジョンには「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 21年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益、20年12月期の数値は継続事業・非継続事業の分類変更を考慮した遡及修正後数値)は、日本金融事業がパルティール債権回収における貸倒引当金繰入額増加などで20年12月期比5.6%減の45億88百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出資産増加に伴う利息収益増加などで58.9%増の32億08百万円、東南アジア金融事業がコロナ禍に伴う貸倒引当金繰入額増加やのれん減損損失計上などで63億72百万円の赤字(20年12月期は55億41百万円の赤字)だった。投資事業はシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)で54億45百万円の黒字(同16億51百万円の赤字)だった。その他事業は4億30百万円の黒字(同3億10百万円の赤字)だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪としている。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。

 なお20年11月に、Nexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。SAMURAI TECHNOLOGYについては22年4月に全株式を譲渡して連結除外した。

 日本保証の子会社であるRobotシステムは、22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。そして22年6月にはRobotシステムが、経済産業省が推進する「IT導入補助金」においてIT導入支援事業者として採択され、対象ITツールとして「fundingtool」が認定された。

 22年3月にはエイチ・エス証券を子会社化し、22年10月1日付で商号をJトラストグローバル証券(JTG証券)に変更した。さらに23年2月1日付(予定)でミライノベート<3528>を吸収合併する。シナジー効果で不動産事業を拡大する方針だ。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。なお22年6月には、JT親愛貯蓄銀行が未婚・片親家庭のための寄付金を福祉施設エランウォンに贈呈した。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。

 JTRBは、21年1月に人事評価機関であるHR Asiaの2020HR ASIA AWARDにおいて「2020 Best Companies to work for in ASIA」(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)を受賞した。21年11月には、英国の著名な国際ビジネス誌であるGlobal Business Outlook(GBO)から「MOST CUSTOMER CENTRIC BANK―CAMBODIA2021」を受賞した。顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、社会的責任等の基準で評価された。22年7月にはコベルコインドネシアと重機のファイナンス投資商品販売で提携した。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する。21年12月にはAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。

 なおBJIは、21年12月に取締役社長が「2021年度のインドネシアベストリーダー賞」を受賞、22年3月に2022年度トップCSRアワードで2つの賞を受賞、22年5月にインドネシア・インスティチュート・コーポレートディレクターズ(IICD)による「第13回IICDコーポレート・ガバナンス賞」において2つの賞を受賞している。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 非金融事業でITシステム事業を展開している特定子会社Jトラストシステムについては解散を決定している。必要な清算手続が完了次第、清算結了となる。

■22年12月期利益予想は3回目の上振れの可能性

 22年12月期の連結業績予想(IFRS、22年8月12日付で営業収益と各利益を上方修正、各利益は22年5月13日に続いて2回目の上方修正)は、営業収益が21年12月期比86.7%増の790億円、営業利益が147.1%増の130億円、税引前利益が171.2%増の160億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が968.4%増の120億円としている。配当予想は21年12月期比9円増配の10円(期末一括)としている。

 東南アジア金融事業の収益改善に加えて、Nexus Bankの株式取得に伴う負ののれん発生益の計上も寄与する。なおJTG証券の業績は市場環境の変動の影響を大きく受けるため連結業績予想に含めていない。セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が37億39百万円、韓国およびモンゴル金融事業が130億39百万円、東南アジア金融事業が2億68百万円の赤字、投資事業が15億41百万円の赤字、その他事業が37百万円としている。

 第3四半期累計は、営業収益が前年同期比84.4%増の564億80百万円、営業利益が61.6%増の126億49百万円、税引前利益が88.3%増の157億38百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が398.2%増の119億85百万円だった。

 金融事業の成長と事業ポートフォリオ再構築の成果で大幅増収増益だった。特に東南アジア金融事業が黒字転換し、韓国およびモンゴル金融事業の負ののれん発生益が寄与した。

 セグメント別営業利益は、日本金融事業が営業費用や販管費の増加で10.4%減の32億53百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取り込みや負ののれん発生益の計上などで4.2倍の118億79百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金の積み上げによる営業収益増加(70.0%増収)や、審査体制見直しによる貸出債権のリスク低下、預金金利低下による資金調達コストの減少などで7億38百万円の黒字(前年同期は29億81百万円の赤字)と黒字転換、投資事業は前年のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動で15億75百万円の赤字(同60億28百万円の黒字)だった。その他事業は1百万円の赤字(同22百万円の赤字)だった。日本ファンディングの不動産事業における販売収益で赤字縮小した。

 四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が123億51百万円で営業利益が19億42百万円、第2四半期は営業収益が210億80百万円で営業利益が89億85百万円、第3四半期は営業収益が230億49百万円で営業利益が17億22百万円だった。

 通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は営業収益が71%、営業利益が97%、税引前利益が98%、親会社の所有者に帰属する当期利益が100%と利益は通期予想をほぼ達成している。通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。さらに事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は戻り試す

 株価は10月の戻り高値圏から反落して水準を切り下げる形となったが調整一巡感を強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。12月21日の終値は527円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS105円24銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分903円66銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約666億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月30日更新]

Jトラストは調整一巡、22年12月期3Q累計大幅増益で通期利益は3回目の上振れの可能性

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。22年12月期は前期の一過性要因を除いたベース営業利益に対して大幅増益予想としている。第3四半期累計は金融事業の成長と事業ポートフォリオ再構築の成果で大幅増収増益だった。東南アジア金融事業が黒字転換し、韓国およびモンゴル金融事業の負ののれん発生益も寄与した。通期予想を据え置いたが各利益は通期予想をほぼ達成している。通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。さらに事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は8月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形となったが、調整一巡し、好業績を再評価して出直りを期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。グループビジョンには「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 21年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益、20年12月期の数値は継続事業・非継続事業の分類変更を考慮した遡及修正後数値)は、日本金融事業がパルティール債権回収における貸倒引当金繰入額増加などで20年12月期比5.6%減の45億88百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出資産増加に伴う利息収益増加などで58.9%増の32億08百万円、東南アジア金融事業がコロナ禍に伴う貸倒引当金繰入額増加やのれん減損損失計上などで63億72百万円の赤字(20年12月期は55億41百万円の赤字)だった。投資事業はシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)で54億45百万円の黒字(同16億51百万円の赤字)だった。その他事業は4億30百万円の黒字(同3億10百万円の赤字)だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪としている。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。

 なお20年11月に、Nexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。SAMURAI TECHNOLOGYについては22年4月に全株式を譲渡して連結除外した。

 日本保証の子会社であるRobotシステムは、22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。そして22年6月にはRobotシステムが、経済産業省が推進する「IT導入補助金」においてIT導入支援事業者として採択され、対象ITツールとして「fundingtool」が認定された。

 22年3月にはエイチ・エス証券を子会社化し、22年10月1日付で商号をJトラストグローバル証券(JTG証券)に変更した。さらに23年2月1日付(予定)でミライノベート<3528>を吸収合併する。シナジー効果で不動産事業を拡大する方針だ。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。なお22年6月には、JT親愛貯蓄銀行が未婚・片親家庭のための寄付金を福祉施設エランウォンに贈呈した。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。

 JTRBは、21年1月に人事評価機関であるHR Asiaの2020HR ASIA AWARDにおいて「2020 Best Companies to work for in ASIA」(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)を受賞した。21年11月には、英国の著名な国際ビジネス誌であるGlobal Business Outlook(GBO)から「MOST CUSTOMER CENTRIC BANK―CAMBODIA2021」を受賞した。顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、社会的責任等の基準で評価された。22年7月にはコベルコインドネシアと重機のファイナンス投資商品販売で提携した。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する。21年12月にはAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。

 なおBJIは、21年12月に取締役社長が「2021年度のインドネシアベストリーダー賞」を受賞、22年3月に2022年度トップCSRアワードで2つの賞を受賞、22年5月にインドネシア・インスティチュート・コーポレートディレクターズ(IICD)による「第13回IICDコーポレート・ガバナンス賞」において2つの賞を受賞している。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 非金融事業でITシステム事業を展開している特定子会社Jトラストシステムについては解散を決定している。必要な清算手続が完了次第、清算結了となる。

■22年12月期3Q累計大幅増益で通期利益は3回目の上振れの可能性

 22年12月期の連結業績予想(IFRS、22年8月12日付で営業収益と各利益を上方修正、各利益は22年5月13日に続いて2回目の上方修正)は、営業収益が21年12月期比86.7%増の790億円、営業利益が147.1%増の130億円、税引前利益が171.2%増の160億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が968.4%増の120億円としている。配当予想は21年12月期比9円増配の10円(期末一括)としている。

 東南アジア金融事業の収益改善に加えて、Nexus Bankの株式取得に伴う負ののれん発生益の計上も寄与する。なおJTG証券の業績は市場環境の変動の影響を大きく受けるため連結業績予想に含めていない。セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が37億39百万円、韓国およびモンゴル金融事業が130億39百万円、東南アジア金融事業が2億68百万円の赤字、投資事業が15億41百万円の赤字、その他事業が37百万円としている。

 第3四半期累計は、営業収益が前年同期比84.4%増の564億80百万円、営業利益が61.6%増の126億49百万円、税引前利益が88.3%増の157億38百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が398.2%増の119億85百万円だった。

 金融事業の成長と事業ポートフォリオ再構築の成果で大幅増収増益だった。特に東南アジア金融事業が黒字転換し、韓国およびモンゴル金融事業の負ののれん発生益が寄与した。

 セグメント別営業利益は、日本金融事業が営業費用や販管費の増加で10.4%減の32億53百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取り込みや負ののれん発生益の計上などで4.2倍の118億79百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金の積み上げによる営業収益増加(70.0%増収)や、審査体制見直しによる貸出債権のリスク低下、預金金利低下による資金調達コストの減少などで7億38百万円の黒字(前年同期は29億81百万円の赤字)と黒字転換、投資事業は前年のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動で15億75百万円の赤字(同60億28百万円の黒字)だった。その他事業は1百万円の赤字(同22百万円の赤字)だった。日本ファンディングの不動産事業における販売収益で赤字縮小した。

 四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が123億51百万円で営業利益が19億42百万円、第2四半期は営業収益が210億80百万円で営業利益が89億85百万円、第3四半期は営業収益が230億49百万円で営業利益が17億22百万円だった。

 通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は営業収益が71%、営業利益が97%、税引前利益が98%、親会社の所有者に帰属する当期利益が100%と各利益は通期予想をほぼ達成している。通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。さらに事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価は8月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形となったが、調整一巡し、好業績を再評価して出直りを期待したい。11月29日の終値は546円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS105円24銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分903円66銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約690億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月17日更新]

Jトラストは22年12月期3Q累計大幅増益で通期利益予想をほぼ達成

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は11月14日に22年12月期第3四半期累計連結業績を発表した。金融事業の成長と事業ポートフォリオ再構築の成果で大幅増収増益だった。東南アジア金融事業が黒字転換し、韓国およびモンゴル金融事業の負ののれん発生益も寄与した。通期予想を据え置いたが各利益は通期予想をほぼ達成している。通期ベースでも好業績が期待される。なお23年2月1日付(予定)でミライノベート<3528>を吸収合併して不動産事業を拡大する。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は決算発表に対してネガティブ反応の形となったが、目先的な利益確定売りが一巡して上値を試す展開を期待したい。

■22年12月期3Q累計大幅増益で通期利益予想をほぼ達成

 22年12月期第3四半期累計の連結業績(IFRS)は、営業収益が前年同期比84.4%増の564億80百万円で、営業利益が61.6%増の126億49百万円、税引前利益が88.3%増の157億38百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が398.2%増の119億85百万円だった。

 金融事業の成長と事業ポートフォリオ再構築の成果で大幅増収増益だった。特に東南アジア金融事業が黒字転換し、韓国およびモンゴル金融事業の負ののれん発生益が寄与した。

 セグメント別営業利益は、日本金融事業が営業費用や販管費の増加で10.4%減の32億53百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取り込みや負ののれん発生益の計上などで4.2倍の118億79百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金の積み上げによる営業収益増加(70.0%増収)や、審査体制見直しによる貸出債権のリスク低下、預金金利低下による資金調達コストの減少などで7億38百万円の黒字(前年同期は29億81百万円の赤字)と黒字転換、投資事業は前年のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動で15億75百万円の赤字(同60億28百万円の黒字)だった。その他事業は1百万円の赤字(同22百万円の赤字)だった。日本ファンディングの不動産事業における販売収益で赤字縮小した。

 四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が123億51百万円で営業利益が19億42百万円、第2四半期は営業収益が210億80百万円で営業利益が89億85百万円、第3四半期は営業収益が230億49百万円で営業利益が17億22百万円だった。

 通期の連結業績予想(22年5月13日付で営業収益を小幅下方修正、各利益を上方修正、22年8月12日付で売上高・利益とも上方修正)は据え置いて、営業収益が21年12月期比86.7%増の790億円、営業利益が147.1%増の130億円、税引前利益が171.2%増の160億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が968.4%増の120億円としている。なおJトラストグローバル証券(子会社化したエイチ・エス証券の商号を22年10月1日付で変更)の金融商品取引業の業績は、市場環境の変動の影響を大きく受けるため連結業績予想に含めていない。配当予想も据え置いて21年12月期比9円増配の10円(期末一括)としている。

 セグメント別営業利益の計画には、日本金融事業が37億39百万円、韓国およびモンゴル金融事業が130億39百万円、東南アジア金融事業が2億68百万円の赤字、投資事業が15億41百万円の赤字、その他事業が37百万円としている。

 通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は営業収益が71%、営業利益が97%、税引前利益が98%、親会社の所有者に帰属する当期利益が100%であり、各利益は通期予想をほぼ達成している。通期ベースでも好業績が期待される。

 事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、東南アジア金融事業の黒字化などで23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。さらに23年2月1日付(予定)でミライノベート<3528>を吸収合併して不動産事業を拡大する。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は決算発表に対してネガティブ反応の形となったが、目先的な利益確定売りが一巡して上値を試す展開を期待したい。11月16日の終値は563円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS105円24銭で算出)は約5.3倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分903円66銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約711億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月10日更新]

Jトラストは上値試す、22年12月期通期利益予想は3回目の上振れの可能性

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。22年12月期は前期の一過性要因を除いたベース営業利益に対して大幅増益予想としている。第2四半期累計の利益進捗率が高水準であり、通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。さらに事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は8月の年初来高値圏から一旦反落したが、調整一巡して反発の動きを強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。なお11月14日に22年12月期第3四半期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。グループビジョンには「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 21年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益、20年12月期の数値は継続事業・非継続事業の分類変更を考慮した遡及修正後数値)は、日本金融事業がパルティール債権回収における貸倒引当金繰入額増加などで20年12月期比5.6%減の45億88百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出資産増加に伴う利息収益増加などで58.9%増の32億08百万円、東南アジア金融事業がコロナ禍に伴う貸倒引当金繰入額増加やのれん減損損失計上などで63億72百万円の赤字(20年12月期は55億41百万円の赤字)だった。投資事業はシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)で54億45百万円の黒字(同16億51百万円の赤字)だった。その他事業は4億30百万円の黒字(同3億10百万円の赤字)だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪としている。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。

 なお20年11月に、Nexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社となった。SAMURAI TECHNOLOGYについては22年4月に全株式を譲渡して連結除外した。

 日本保証の子会社であるRobotシステムは、22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。そして22年6月にはRobotシステムが、経済産業省が推進する「IT導入補助金」においてIT導入支援事業者として採択され、対象ITツールとして「fundingtool」が認定された。

 さらに22年3月にはエイチ・エス証券を子会社化し、22年10月1日付で商号をJトラストグローバル証券(JTG証券)に変更した。新社名やJトラストグループを周知する一連のコミュニケーション活動を行うため、広告キャラクターとしてフリーアナウンサーの高島彩さんを起用し、新TVCMをテレビ東京のワールドビジネスサテライトにて放映している。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。なお22年6月には、JT親愛貯蓄銀行が未婚・片親家庭のための寄付金を福祉施設エランウォンに贈呈した。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。

 JTRBは、21年1月に人事評価機関であるHR Asiaの2020HR ASIA AWARDにおいて「2020 Best Companies to work for in ASIA」(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)を受賞した。21年11月には、英国の著名な国際ビジネス誌であるGlobal Business Outlook(GBO)から「MOST CUSTOMER CENTRIC BANK―CAMBODIA2021」を受賞した。顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、社会的責任等の基準で評価された。22年7月にはコベルコインドネシアと重機のファイナンス投資商品販売で提携した。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する。21年12月にはAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。

 なおBJIは、21年12月に取締役社長が「2021年度のインドネシアベストリーダー賞」を受賞、22年3月に2022年度トップCSRアワードで2つの賞を受賞、22年5月にインドネシア・インスティチュート・コーポレートディレクターズ(IICD)による「第13回IICDコーポレート・ガバナンス賞」において2つの賞を受賞している。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 非金融事業でITシステム事業を展開している特定子会社Jトラストシステムについては解散を決定している。必要な清算手続が完了次第、清算結了となる。

■22年12月期大幅増益予想で利益は3回目の上振れの可能性

 22年12月期の連結業績予想(IFRS、22年8月12日付で営業収益と各利益を上方修正、各利益は22年5月13日に続いて2回目の上方修正)は、営業収益が21年12月期比86.7%増の790億円、営業利益が147.1%増の130億円、税引前利益が171.2%増の160億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が968.4%増の120億円としている。配当予想は21年12月期比9円増配の10円(期末一括)としている。

 前回予想(22年5月13日付で営業収益を小幅に下方修正、各利益を上方修正)に対して、営業収益を77億円、営業利益を75億円、税引前利益を90億円、親会社の所有者に帰属する当期利益を74億円それぞれ上方修正した。東南アジア金融事業の収益改善に加えて、Nexus Bankの株式取得に伴う負ののれん発生益の計上も寄与する。なおJTG証券の業績は市場環境の変動の影響を大きく受けるため連結業績予想に含めていない。

 修正後のセグメント別営業利益の計画については、日本金融事業が76百万円上方修正して37億39百万円、韓国およびモンゴル金融事業が66億87百万円上方修正して130億39百万円、東南アジア金融事業が14億06百万円上方修正して2億68百万円の赤字、投資事業が1億03百万円下方修正して15億41百万円の赤字、その他事業が21百万円下方修正して37百万円としている。

 第2四半期累計(21年12月期第3四半期にJTキャピタルを非継続事業に分類したため、21年12月期第2四半期累計の営業収益、営業利益、税引前利益を組み替えて表示)は、営業収益が前年同期比63.8%増の334億31百万円、営業利益が54.8%増の109億27百万円、税引前利益が83.5%増の137億07百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が178.0%増の108億27百万円だった。

 金融事業の成長と事業ポートフォリオ再構築の成果で大幅増収増益だった。Nexus Bankの株式取得に伴う負ののれん発生益75億76百万円を計上したが、この要因を除いても、日本金融事業、韓国およびモンゴル金融事業、東南アジア金融事業を合計した金融3事業の営業利益が48億円となり、前年同期比倍増した。総資産は第2四半期末時点で1兆円を突破した。

 セグメント別営業利益は、日本金融事業が営業費用や販管費の増加で15.9%減の20億45百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取り込みによる営業収益増加や負ののれん発生益の計上などで4.9倍の102億71百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金の積み上げによる営業収益増加(61.3%増収)や、審査体制見直しによる貸出債権のリスク低下、預金金利低下による資金調達コストの減少、経費削減効果などで2億38百万円の黒字(前年同期は20億84百万円の赤字)と黒字転換した。投資事業は前年のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動で6億55百万円の赤字(同53億90百万円の黒字)だった。その他事業は42百万円の赤字(同40百万円の赤字)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が123億51百万円で営業利益が19億42百万円、第2四半期は営業収益が210億80百万円で営業利益が89億85百万円だった。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は営業収益が42.3%、営業利益が84.1%、税引前利益が85.7%、親会社の所有者に帰属する当期利益が90.2%と高水準である。通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。

 22年12月期は重点方針として金融事業にける安定的な収益・利益基盤の再構築を推進する方針だ。そして事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、東南アジア金融事業も黒字化して23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は8月の年初来高値圏から一旦反落したが、調整一巡して反発の動きを強めている。週足チャートで見ると13週移動平均線が支持線の形だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。11月9日の終値は644円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS105円24銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分903円66銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約814億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月18日更新]

Jトラストは上値試す、22年12月期大幅増益予想で利益は3回目の上方修正の可能性

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築を推進している。22年12月期は前期の一過性要因を除いたベース営業利益に対して大幅増益予想としている。第2四半期累計の利益進捗率が高水準であり、通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。さらに事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は急伸した反動や地合い悪化の影響で一旦反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。なお11月14日に22年12月期第3四半期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。グループビジョンには「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 21年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益、20年12月期の数値は継続事業・非継続事業の分類変更を考慮した遡及修正後数値)は、日本金融事業がパルティール債権回収における貸倒引当金繰入額増加などで20年12月期比5.6%減の45億88百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出資産増加に伴う利息収益増加などで58.9%増の32億08百万円、東南アジア金融事業がコロナ禍に伴う貸倒引当金繰入額増加やのれん減損損失計上などで63億72百万円の赤字(20年12月期は55億41百万円の赤字)だった。投資事業はシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)で54億45百万円の黒字(同16億51百万円の赤字)だった。その他事業は4億30百万円の黒字(同3億10百万円の赤字)だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪としている。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。

 なお20年11月に、Nexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社化となった。なおSAMURAI TECHNOLOGYについては22年4月に全株式を譲渡して連結除外した。

 日本保証の子会社であるRobotシステムは、22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。そして22年6月にはRobotシステムが、経済産業省が推進する「IT導入補助金」においてIT導入支援事業者として採択され、対象ITツールとして「fundingtool」が認定された。

 22年3月に子会社化したエイチ・エス証券については、22年10月1日付で商号をJトラストグローバル証券(JTG証券)に変更し、金融商品取引法に基づく金融商品取引業を展開している。また、新社名やJトラストグループを周知する一連のコミュニケーション活動を行うため、広告キャラクターとしてフリーアナウンサーの高島彩さんを起用し、新TVCM(社名変更編)をテレビ東京のワールドビジネスサテライトにて放映している。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。なお22年6月には、JT親愛貯蓄銀行が未婚・片親家庭のための寄付金を福祉施設エランウォンに贈呈した。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。

 JTRBは、21年1月に人事評価機関であるHR Asiaの2020HR ASIA AWARDにおいて「2020 Best Companies to work for in ASIA」(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)を受賞した。21年11月には、英国の著名な国際ビジネス誌であるGlobal Business Outlook(GBO)から「MOST CUSTOMER CENTRIC BANK―CAMBODIA2021」を受賞した。顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、社会的責任等の基準で評価された。22年7月にはコベルコインドネシアと重機のファイナンス投資商品販売で提携した。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する。21年12月にはAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。

 なおBJIは、21年12月に取締役社長が「2021年度のインドネシアベストリーダー賞」を受賞、22年3月に2022年度トップCSRアワードで2つの賞を受賞、22年5月にインドネシア・インスティチュート・コーポレートディレクターズ(IICD)による「第13回IICDコーポレート・ガバナンス賞」において2つの賞を受賞している。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 非金融事業でITシステム事業を展開している特定子会社Jトラストシステムについては解散を決定している。必要な清算手続が完了次第、清算結了となる。

■22年12月期大幅増益予想で利益は3回目の上方修正の可能性

 22年12月期の連結業績予想(IFRS、22年8月12日付で営業収益と各利益を上方修正、各利益は22年5月13日に続いて2回目の上方修正)は、営業収益が21年12月期比86.7%増の790億円、営業利益が147.1%増の130億円、税引前利益が171.2%増の160億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が968.4%増の120億円としている。配当予想は21年12月期比9円増配の10円(期末一括)としている。

 前回予想(22年5月13日付で営業収益を小幅に下方修正、各利益を上方修正)に対して、営業収益を77億円、営業利益を75億円、税引前利益を90億円、親会社の所有者に帰属する当期利益を74億円それぞれ上方修正した。東南アジア金融事業の収益改善に加えて、Nexus Bankの株式取得に伴う負ののれん発生益の計上も寄与する。なおJTG証券の業績は市場環境の変動の影響を大きく受けるため連結業績予想に含めていない。

 修正後のセグメント別営業利益の計画については、日本金融事業が76百万円上方修正して37億39百万円、韓国およびモンゴル金融事業が66億87百万円上方修正して130億39百万円、東南アジア金融事業が14億06百万円上方修正して2億68百万円の赤字、投資事業が1億03百万円下方修正して15億41百万円の赤字、その他事業が21百万円下方修正して37百万円としている。

 第2四半期累計(21年12月期第3四半期にJTキャピタルを非継続事業に分類したため、21年12月期第2四半期累計の営業収益、営業利益、税引前利益を組み替えて表示)は、営業収益が前年同期比63.8%増の334億31百万円、営業利益が54.8%増の109億27百万円、税引前利益が83.5%増の137億07百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が178.0%増の108億27百万円だった。

 金融事業の成長と事業ポートフォリオ再構築の成果で大幅増収増益だった。Nexus Bankの株式取得に伴う負ののれん発生益75億76百万円を計上したが、この要因を除いても、日本金融事業、韓国およびモンゴル金融事業、東南アジア金融事業を合計した金融3事業の営業利益が48億円となり、前年同期比倍増した。総資産は第2四半期末時点で1兆円を突破した。

 セグメント別営業利益は、日本金融事業が営業費用や販管費の増加で15.9%減の20億45百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取り込みによる営業収益増加や負ののれん発生益の計上などで4.9倍の102億71百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金の積み上げによる営業収益増加(61.3%増収)や、審査体制見直しによる貸出債権のリスク低下、預金金利低下による資金調達コストの減少、経費削減効果などで2億38百万円の黒字(前年同期は20億84百万円の赤字)と黒字転換した。投資事業は前年のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動で6億55百万円の赤字(同53億90百万円の黒字)だった。その他事業は42百万円の赤字(同40百万円の赤字)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が123億51百万円で営業利益が19億42百万円、第2四半期は営業収益が210億80百万円で営業利益が89億85百万円だった。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は営業収益が42.3%、営業利益が84.1%、税引前利益が85.7%、親会社の所有者に帰属する当期利益が90.2%と高水準である。通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。

 22年12月期は重点方針として金融事業にける安定的な収益・利益基盤の再構築を推進する方針だ。そして事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、東南アジア金融事業も黒字化して23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は急伸した反動や地合い悪化の影響で一旦反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。10月17日の終値は629円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS105円24銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分903円66銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約795億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月27日更新]

Jトラストは上値試す、22年12月期大幅増益予想、利益は3回目の上方修正の可能性

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築を推進している。22年12月期は前期の一過性要因を除いたベース営業利益に対して大幅増益予想としている。第2四半期累計の利益進捗率が高水準であり、通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。さらに事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、東南アジア金融事業も黒字化して23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は急伸した反動で上げ一服の形だが、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。なお11月14日に22年12月期第3四半期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。グループビジョンには「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 21年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益、20年12月期の数値は継続事業・非継続事業の分類変更を考慮した遡及修正後数値)は、日本金融事業がパルティール債権回収における貸倒引当金繰入額増加などで20年12月期比5.6%減の45億88百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出資産増加に伴う利息収益増加などで58.9%増の32億08百万円、東南アジア金融事業がコロナ禍に伴う貸倒引当金繰入額増加やのれん減損損失計上などで63億72百万円の赤字(20年12月期は55億41百万円の赤字)だった。投資事業はシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)で54億45百万円の黒字(同16億51百万円の赤字)だった。その他事業は4億30百万円の黒字(同3億10百万円の赤字)だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪としている。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。

 なお20年11月に、Nexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社化となった。なおSAMURAI TECHNOLOGYについては22年4月に全株式を譲渡して連結除外した。

 日本保証の子会社であるRobotシステムは、22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。そして22年6月にはRobotシステムが、経済産業省が推進する「IT導入補助金」においてIT導入支援事業者として採択され、対象ITツールとして「fundingtool」が認定された。

 22年3月にはHSホールディングス<8699>からエイチ・エス証券の全株式を取得して子会社化した。22年10月1日付(予定)で商号をJトラストグローバル証券に変更し、金融商品取引法に基づく金融商品取引業を展開する。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。なお22年6月には、JT親愛貯蓄銀行が未婚・片親家庭のための寄付金を福祉施設エランウォンに贈呈した。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。

 JTRBは、21年1月に人事評価機関であるHR Asiaの2020HR ASIA AWARDにおいて「2020 Best Companies to work for in ASIA」(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)を受賞した。21年11月には、英国の著名な国際ビジネス誌であるGlobal Business Outlook(GBO)から「MOST CUSTOMER CENTRIC BANK―CAMBODIA2021」を受賞した。顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、社会的責任等の基準で評価された。22年7月にはコベルコインドネシアと重機のファイナンス投資商品販売で提携した。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する。21年12月にはAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。

 なおBJIは、21年12月に取締役社長が「2021年度のインドネシアベストリーダー賞」を受賞、22年3月に2022年度トップCSRアワードで2つの賞を受賞、22年5月にインドネシア・インスティチュート・コーポレートディレクターズ(IICD)による「第13回IICDコーポレート・ガバナンス賞」において2つの賞を受賞している。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。

 タイにおいては、21年3月の控訴審判決でJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を全面的に棄却したが、この控訴審判決を不服とするGLの上告受理の申し立てが最高裁判所において22年8月31日付で受理の決定がなされた。ただし最高裁判所における審理においても、引き続き主張が認められるよう尽力するとしている。また、GLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 なお、非金融事業でITシステム事業を展開している特定子会社Jトラストシステムについては解散を決定している。必要な清算手続が完了次第、清算結了となる。

■22年12月期大幅増益予想、利益は3回目の上方修正の可能性

 22年12月期の連結業績予想(IFRS、22年8月12日付で営業収益と各利益を上方修正、各利益は5月13日に続いて2回目の上方修正)は、営業収益が21年12月期比86.7%増の790億円、営業利益が147.1%増の130億円、税引前利益が171.2%増の160億円、そして親会社の所有者に帰属する当期利益が968.4%増の120億円としている。配当予想は21年12月期比9円増配の10円(期末一括)としている。

 前回予想(22年5月13日付で営業収益を小幅に下方修正、各利益を上方修正)に対して、営業収益を77億円、営業利益を75億円、税引前利益を90億円、親会社の所有者に帰属する当期利益を74億円それぞれ上方修正した。東南アジア金融事業の収益改善に加えて、Nexus Bankの株式取得に伴う負ののれん発生益の計上も寄与する。なおエイチ・エス証券(22年10月1日付でJトラストグローバル証券に商号変更予定)の金融商品取引業の業績は、市場環境の変動の影響を大きく受けるため連結業績予想に含めていない。

 修正後のセグメント別営業利益の計画については、日本金融事業が76百万円上方修正して37億39百万円、韓国およびモンゴル金融事業が66億87百万円上方修正して130億39百万円、東南アジア金融事業が14億06百万円上方修正して2億68百万円の赤字、投資事業が1億03百万円下方修正して15億41百万円の赤字、その他事業が21百万円下方修正して37百万円としている。

 第2四半期累計(21年12月期第3四半期にJTキャピタルを非継続事業に分類したため、21年12月期第2四半期累計の営業収益、営業利益、税引前利益を組み替えて表示)は、営業収益が前年同期比63.8%増の334億31百万円、営業利益が54.8%増の109億27百万円、税引前利益が83.5%増の137億07百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が178.0%増の108億27百万円だった。

 金融事業の成長と事業ポートフォリオ再構築の成果で大幅増収増益だった。Nexus Bankの株式取得に伴う負ののれん発生益75億76百万円を計上したが、この要因を除いても、日本金融事業、韓国およびモンゴル金融事業、東南アジア金融事業を合計した金融3事業の営業利益が48億円となり、前年同期比倍増した。総資産は第2四半期末時点で1兆円を突破した。

 セグメント別営業利益は、日本金融事業が営業費用や販管費の増加で15.9%減の20億45百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取り込みによる営業収益増加や負ののれん発生益の計上などで4.9倍の102億71百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金の積み上げによる営業収益増加(61.3%増収)や、審査体制見直しによる貸出債権のリスク低下、預金金利低下による資金調達コストの減少、経費削減効果などで2億38百万円の黒字(前年同期は20億84百万円の赤字)と黒字転換した。投資事業は前年のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動で6億55百万円の赤字(同53億90百万円の黒字)だった。その他事業は42百万円の赤字(同40百万円の赤字)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が123億51百万円で営業利益が19億42百万円、第2四半期は営業収益が210億80百万円で営業利益が89億85百万円だった。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は営業収益が42.3%、営業利益が84.1%、税引前利益が85.7%、親会社の所有者に帰属する当期利益が90.2%と高水準である。通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。

 22年12月期は重点方針として金融事業にける安定的な収益・利益基盤の再構築を推進する方針だ。そして事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、東南アジア金融事業も黒字化して23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は急伸した反動で上げ一服の形だが、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。9月26日の終値は603円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS105円24銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分903円66銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約762億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月31日更新]

Jトラストは上値試す、22年12月期2回目の上方修正で大幅増益予想、さらに3回目の上方修正の可能性

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築を推進している。22年12月期は前期の一過性要因を除いたベース営業利益に対して大幅増益予想(8月12日に利益を2回目の上方修正)としている。通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高く、さらに事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、東南アジア金融事業も黒字化して23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は急伸して年初来高値を更新した。そして18年以来の高値圏だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。グループビジョンには「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 21年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益、20年12月期の数値は継続事業・非継続事業の分類変更を考慮した遡及修正後数値)は、日本金融事業がパルティール債権回収における貸倒引当金繰入額増加などで20年12月期比5.6%減の45億88百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出資産増加に伴う利息収益増加などで58.9%増の32億08百万円、東南アジア金融事業がコロナ禍に伴う貸倒引当金繰入額増加やのれん減損損失計上などで63億72百万円の赤字(20年12月期は55億41百万円の赤字)だった。投資事業はシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)で54億45百万円の黒字(同16億51百万円の赤字)だった。その他事業は4億30百万円の黒字(同3億10百万円の赤字)だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再構築を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪としている。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。

 なお20年11月に、Nexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も連結子会社化となった。なおSAMURAI TECHNOLOGYについては22年4月に全株式を譲渡して連結除外した。

 日本保証の子会社であるRobotシステムは、22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。そして22年6月にはRobotシステムが、経済産業省が推進する「IT導入補助金」においてIT導入支援事業者として採択され、対象ITツールとして「fundingtool」が認定された。

 22年3月にはHSホールディングス<8699>からエイチ・エス証券の全株式を取得して子会社化した。22年10月1日付(予定)で商号をJトラストグローバル証券に変更し、金融商品取引法に基づく金融商品取引業を展開する。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却したが、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってグループに復帰した。韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。なお22年6月には、JT親愛貯蓄銀行が未婚・片親家庭のための寄付金を福祉施設エランウォンに贈呈した。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。

 JTRBは、21年1月に人事評価機関であるHR Asiaの2020HR ASIA AWARDにおいて「2020 Best Companies to work for in ASIA」(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)を受賞した。21年11月には、英国の著名な国際ビジネス誌であるGlobal Business Outlook(GBO)から「MOST CUSTOMER CENTRIC BANK―CAMBODIA2021」を受賞した。顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、社会的責任等の基準で評価された。22年7月にはコベルコインドネシアと重機のファイナンス投資商品販売で提携した。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する。21年12月にはAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。

 なおBJIは、21年12月に取締役社長が「2021年度のインドネシアベストリーダー賞」を受賞、22年3月に2022年度トップCSRアワードで2つの賞を受賞、22年5月にインドネシア・インスティチュート・コーポレートディレクターズ(IICD)による「第13回IICDコーポレート・ガバナンス賞」において2つの賞を受賞している。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。

 タイにおける控訴審判決では21年3月にJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を棄却するとともに、GLに対して訴訟費用および弁護士費用の支払いを命じている。なおGLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 なお、非金融事業でITシステム事業を展開している特定子会社Jトラストシステムについては解散を決定している。必要な清算手続が完了次第、清算結了となる。

■22年12月期2Q累計大幅増益、通期利益予想を2回目の上方修正

 22年12月期の連結業績予想(IFRS、8月12日に営業収益と利益を上方修正、利益は5月13日に続いて2回目の上方修正)は、営業収益が21年12月期比86.7%増の790億円、営業利益が147.1%増の130億円、税引前利益が171.2%増の160億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が968.4%増の120億円としている。配当予想は据え置いて21年12月期比9円増配の10円(期末一括)としている。

 前回予想(5月13日に営業収益を小幅に下方修正、利益を上方修正)に対して、営業収益を77億円、営業利益を75億円、税引前利益を90億円、親会社の所有者に帰属する当期利益を74億円それぞれ上方修正した。東南アジア金融事業の収益改善に加えて、Nexus Bankの株式取得に伴う負ののれん発生益の計上も寄与する。なおエイチ・エス証券(22年10月1日付でJトラストグローバル証券に商号変更予定)の金融商品取引業の業績は、市場環境の変動の影響を大きく受けるため連結業績予想に含めていない。

 修正後のセグメント別営業利益の計画については、日本金融事業が76百万円上方修正して37億39百万円、韓国およびモンゴル金融事業が66億87百万円上方修正して130億39百万円、東南アジア金融事業が14億06百万円上方修正して2億68百万円の赤字、投資事業が1億03百万円下方修正して15億41百万円の赤字、その他事業が21百万円下方修正して37百万円としている。

 第2四半期累計(21年12月期第3四半期にJTキャピタルを非継続事業に分類したため、21年12月期第2四半期累計の営業収益、営業利益、税引前利益を組み替えて表示)は、営業収益が前年同期比63.8%増の334億31百万円、営業利益が54.8%増の109億27百万円、税引前利益が83.5%増の137億07百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が178.0%増の108億27百万円だった。

 金融事業の成長と事業ポートフォリオ再構築の成果で大幅増収増益だった。Nexus Bankの株式取得に伴う負ののれん発生益75億76百万円を計上したが、この要因を除いても、日本金融事業、韓国およびモンゴル金融事業、東南アジア金融事業を合計した金融3事業の営業利益が48億円となり、前年同期比倍増した。総資産は第2四半期末時点で1兆円を突破した。

 セグメント別営業利益は、日本金融事業が営業費用や販管費の増加で15.9%減の20億45百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取り込みによる営業収益増加や負ののれん発生益の計上などで4.9倍の102億71百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金の積み上げによる営業収益増加(61.3%増収)や、審査体制見直しによる貸出債権のリスク低下、預金金利低下による資金調達コストの減少、経費削減効果などで2億38百万円の黒字(前年同期は20億84百万円の赤字)と黒字転換した。投資事業は前年のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動で6億55百万円の赤字(同53億90百万円の黒字)だった。その他事業は42百万円の赤字(同40百万円の赤字)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が123億51百万円で営業利益が19億42百万円、第2四半期は営業収益が210億80百万円で営業利益が89億85百万円だった。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は営業収益が42.3%、営業利益が84.1%、税引前利益が85.7%、親会社の所有者に帰属する当期利益が90.2%と高水準である。通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。

 22年12月期は重点方針として金融事業にける安定的な収益・利益基盤の再構築を推進する。事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、東南アジア金融事業も黒字化して23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は急伸して年初来高値を更新した。そして18年以来の高値圏だ。週足チャートで見ると26週移動平均線も上向きに転じた。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。8月30日の終値は638円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS105円24銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分903円66銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約806億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月15日更新]

Jトラストは22年12月期2Q累計大幅増収増益、通期利益予想を2回目の上方修正

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は、8月12日の取引時間終了後に22年12月期第2四半期累計連結業績を発表した。金融事業の成長と事業ポートフォリオ再構築の成果で大幅増収増益だった。負ののれん発生益を計上したが、この要因を除いても金融3事業の営業利益が前年同期比倍増した。通期予想は上方修正(利益は2回目の上方修正)して大幅増益予想としている。さらに通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻り高値圏だ。利益確定売りが一巡して切り返しの動きを強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■22年12月期2Q累計大幅増益、通期利益予想を2回目の上方修正

 22年12月期第2四半期累計の連結業績(IFRS、21年12月期第3四半期にJTキャピタル(現Aキャピタル)を非継続事業に分類したため、21年12月期第2四半期累計の営業収益、営業利益、税引前利益を組み替えて表示)は、営業収益が前年同期比63.8%増の334億31百万円、営業利益が54.8%増の109億27百万円、税引前利益が83.5%増の137億07百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が178.0%増の108億27百万円だった。

 金融事業の成長と事業ポートフォリオ再構築の成果で大幅増収増益だった。Nexus Bankの株式取得に伴う負ののれん発生益75億76百万円を計上したが、この要因を除いても、日本金融事業、韓国およびモンゴル金融事業、東南アジア金融事業を合計した金融3事業の営業利益が48億円となり、前年同期比倍増した。総資産は第2四半期末時点で1兆円を突破した。

 セグメント別営業利益は、日本金融事業が営業費用や販管費の増加で15.9%減の20億45百万円、韓国およびモンゴル金融事業がJT親愛貯蓄銀行の連結取り込みによる営業収益増加や負ののれん発生益の計上などで4.9倍の102億71百万円、東南アジア金融事業が優良な貸出金の積み上げによる営業収益増加(61.3%増収)や、審査体制見直しによる貸出債権のリスク低下、預金金利低下による資金調達コストの減少、経費削減効果などで2億38百万円の黒字(前年同期は20億84百万円の赤字)と黒字転換した。投資事業は前年のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動で6億55百万円の赤字(同53億90百万円の黒字)だった。その他事業は42百万円の赤字(同40百万円の赤字)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が123億51百万円で営業利益が19億42百万円、第2四半期は営業収益が210億80百万円で営業利益が89億85百万円だった。

 通期の連結業績予想は上方修正して、営業収益が21年12月期比86.7%増の790億円、営業利益が147.1%増の130億円、税引前利益が171.2%増の160億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が968.4%増の120億円としている。配当予想は据え置いて21年12月期比9円増配の10円(期末一括)としている。

 前回予想(22年5月13日付で営業収益を小幅に下方修正、各利益を上方修正)に対して営業収益を77億円、営業利益を75億円、税引前利益を90億円、親会社の所有者に帰属する当期利益を74億円それぞれ上方修正した。東南アジア金融事業の収益改善に加えて、Nexus Bankの株式取得に伴う負ののれん発生益の計上も寄与する。なおエイチ・エス証券(22年10月1日付でJトラストグローバル証券に商号変更予定)の金融商品取引業の業績は、市場環境の変動の影響を大きく受けるため、連結業績予想に含めていない。

 修正後のセグメント別営業利益の計画については、日本金融事業が76百万円上方修正して37億39百万円、韓国およびモンゴル金融事業が66億87百万円上方修正して130億39百万円、東南アジア金融事業が14億06百万円上方修正して2億68百万円の赤字、投資事業が1億03百万円下方修正して15億41百万円の赤字、その他事業が21百万円下方修正して37百万円としている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は営業収益が42.3%、営業利益が84.1%、税引前利益が85.7%、親会社の所有者に帰属する当期利益が90.2%と高水準であり、通期利益予想は3回目の上振れの可能性が高いだろう。

 22年12月期は重点方針として金融事業にける安定的な収益・利益基盤の再構築を推進する。そして事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、東南アジア金融事業の黒字化などで23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は戻り高値圏だ。利益確定売りが一巡して切り返しの動きを強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。8月12日の終値は558円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS105円24銭で算出)は約5.3倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分903円66銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約705億円である。 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[07月22日更新]

Jトラストは切り返しの動き、22年12月期大幅増益予想で収益拡大基調

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編も推進している。22年12月期は前期の一過性要因を除いたベース営業利益に対して大幅営業増益予想としている。そして事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、東南アジア金融事業の黒字化などで23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は6月の年初来高値圏から反落して上げ一服の形となったが、利益確定売り一巡して切り返しの動きを強めている。上値を試す展開を期待したい。なお8月12日に22年12月期第2四半期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。

 グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 21年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益、20年12月期の数値は継続事業・非継続事業の分類変更を考慮した遡及修正後数値)は、日本金融事業がパルティール債権回収における貸倒引当金繰入額増加などで20年12月期比5.6%減の45億88百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出資産増加に伴う利息収益増加などで58.9%増の32億08百万円、東南アジア金融事業がコロナ禍に伴う貸倒引当金繰入額増加やのれん減損損失計上などで63億72百万円の赤字(20年12月期は55億41百万円の赤字)だった。投資事業はシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)で54億45百万円の黒字(同16億51百万円の赤字)だった。その他事業は4億30百万円の黒字(同3億10百万円の赤字)だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編も推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪としている。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。

 なお20年11月に、Nexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も特定子会社となった。そして22年4月にSAMURAI TECHNOLOGYの全株式を譲渡して連結除外した。

 日本保証の子会社であるRobotシステムは、22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。そして22年6月にはRobotシステムが、経済産業省が推進する「IT導入補助金」においてIT導入支援事業者として採択され、対象ITツールとして「fundingtool」が認定された。

 なお22年3月には、HSホールディングス<8699>からエイチ・エス証券の全株式を取得して子会社化した。22年10月1日付(予定)で商号をJトラストグローバル証券に変更し、金融商品取引法に基づく金融商品取引業を展開する。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却した。韓国・JTキャピタルについては、21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。その後、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってJT親愛貯蓄銀行がグループに復帰した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。なお22年6月には、JT親愛貯蓄銀行が未婚・片親家庭のための寄付金を福祉施設エランウォンに贈呈した。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB)が銀行業務を展開している。

 JTRBは、21年1月に人事評価機関であるHR Asiaの2020HR ASIA AWARDにおいて「2020 Best Companies to work for in ASIA」(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)を受賞した。21年11月には、英国の著名な国際ビジネス誌であるGlobal Business Outlook(GBO)から「MOST CUSTOMER CENTRIC BANK―CAMBODIA2021」を受賞した。顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、社会的責任等の基準で評価された。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する。21年12月にはAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。

 なおBJIは、21年12月に取締役社長が「2021年度のインドネシアベストリーダー賞」を受賞、22年3月に2022年度トップCSRアワードで2つの賞を受賞、22年5月にインドネシア・インスティチュート・コーポレートディレクターズ(IICD)による「第13回IICDコーポレート・ガバナンス賞」において2つの賞を受賞している。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。

 タイにおける控訴審判決では21年3月にJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を棄却するとともに、GLに対して訴訟費用および弁護士費用の支払いを命じている。なおGLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月に、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして22年5月には、民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定した。キプロスにおいては21年8月に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主だが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 なお、非金融事業でITシステム事業を展開している特定子会社Jトラストシステムについては解散を決定している。必要な清算手続が完了次第、清算結了となる。

■22年12月期大幅増益予想で収益拡大基調

 22年12月期の連結業績予想(IFRS、22年5月13日に上方修正)は、営業収益が21年12月期比68.5%増の713億円、営業利益が4.5%増の55億円、税引前利益が18.7%増の70億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が4.1倍の46億円としている。営業利益は小幅増益予想の形だが、前期の投資事業利益や一過性要因を除いたベース営業利益(参考値で約12億円)に対しては大幅増益予想となる。配当予想は21年12月期比9円増配の10円(期末一括)としている。

 第1四半期(21年12月期第3四半期にJTキャピタル(現Aキャピタル)を非継続事業に分類したため、21年12月期第1四半期の営業収益、営業利益、税引前利益を組み替えて表示)は、営業収益が前年同期比25.2%増の123億51百万円、営業利益が54.5%減の19億42百万円、税引前利益が34.3%減の39億95百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が28.2%増の36億28百万円だった。

 前年のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動で営業減益の形だが、東南アジア金融事業の黒字化などで営業利益が計画を上回って着地した。さらに、エイチ・エス証券に係る負ののれん発生益計上、Nexus Bankに係る投資有価証券評価益計上なども寄与して、親会社の所有者に帰属する四半期利益は大幅増益で着地した。

 セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は、日本金融事業が利息収益の減少などで5.1%減の11億28百万円と小幅減益だが、韓国およびモンゴル金融事業が貯蓄銀行業における貸出金や預金の増加などで12.5%増の11億75百万円と伸長、東南アジア金融事業が営業収益の増加(51.2%増収)や貸倒引当金繰入額の減少などで5億08百万円の黒字(前年同期は5億21百万円の赤字)と黒字転換した。投資事業は前年のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動で4億22百万円の赤字(同30億38百万円の黒字)だった。その他事業は27百万円の赤字(同1億38百万円の赤字)だった。日本ファンディングの販売収益が貢献して赤字縮小した。

 通期ベースでは前回予想に対して、売上高が24百万円下回るが、営業利益は6億77百万円、税引前利益は23億17百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は31億70百万円それぞれ上回る見込みだ。営業利益段階では東南アジア金融事業の収益改善が寄与する。さらに親会社の所有者に帰属する当期利益では、第1四半期に計上したエイチ・エス証券に係る負ののれん発生益、Nexus Bankに係る投資有価証券評価益計上なども寄与する。なおNexus Bankとの株式交換で負ののれん益が発生する見込みだが、金額を算定中のため連結業績予想に織り込んでいない。また、金融商品取引業(エイチ・エス証券、第2四半期からPL連結予定)の業績は市場環境の変動の影響を大きく受けるため連結業績予想に含めていない。これを勘案すれば、さらに再上振れの可能性がありそうだ。

 修正後のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)の計画は、日本金融事業が93百万円上方修正して36億63百万円(21年12月期比20.2%減益)、韓国およびモンゴル金融事業が前回予想を据え置いて63億52百万円(21年12月期比98.0%増益)、東南アジア金融事業が4億99百万円上方修正して16億74百万円の赤字(21年12月期は63億72百万円の赤字のため46億98百万円赤字縮小)、投資事業が前回予想を据え置いて14億38百万円の赤字(21年12月期は54億45百万円のため68億83百万円減少)、その他が据え置いて58百万円(21年12月期は4億30百万円で3億72百万円減少)としている。

 日本金融事業は安定的推移、韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行のグループ復帰も寄与して利益基盤の一層強化、東南アジア金融事業は債権積み上げや回収金の最大化などによる一段の収益改善を目指す。投資事業は前期の勝訴判決履行の反動減を見込むが、引き続き裁判費用等の回収コストを抑制しつつ回収強化を図る方針だ。

 22年12月期は重点方針として、金融事業における安定的な収益・利益基盤の再構築を推進する。そして事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、東南アジア金融事業の黒字化などで23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。ポートフォリオ再編や積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は切り返しの動き

 株価は6月の年初来高値圏から反落して上げ一服の形となったが、利益確定売り一巡して切り返しの動きを強めている。上値を試す展開を期待したい。7月21日の終値は473円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS40円34銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想10円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS903円66銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約598億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[06月28日更新]

Jトラストは上値試す、22年12月期大幅増益予想で収益拡大基調

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編も推進している。22年12月期は前期の一過性要因を除いたベース営業利益に対して大幅営業増益予想としている。そして第1四半期が計画を上回って着地したため上方修正して当期利益も大幅増益予想としている。さらに再上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻り一服の形となったが、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。

 グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 21年12月期セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益、20年12月期の数値は継続事業・非継続事業の分類変更を考慮した遡及修正後数値)は、日本金融事業がパルティール債権回収における貸倒引当金繰入額増加などで5.6%減の45億88百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出資産増加に伴う利息収益増加などで58.9%増の32億08百万円、東南アジア金融事業がコロナ禍に伴う貸倒引当金繰入額増加やのれん減損損失などで63億72百万円の赤字(20年12月期は55億41百万円の赤字)だった。投資事業はシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)で54億45百万円の黒字(同16億51百万円の赤字)だった。その他事業は4億30百万円の黒字(同3億10百万円の赤字)だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編も推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪としている。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。

 なお20年11月に、Nexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も特定子会社となった。そして22年4月にSAMURAI TECHNOLOGYの全株式を譲渡して連結除外した。

 日本保証の子会社であるRobotシステムは、22年3月に不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始し、22年4月のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。6月21日にはRobotシステムが、経済産業省が推進する「IT導入補助金」においてIT導入支援事業者として採択され、対象ITツールとして「fundingtool」が認定されたと発表している。

 また22年3月には、HSホールディングス<8699>からエイチ・エス証券の全株式を取得して子会社化した。22年10月1日付(予定)で商号をJトラストグローバル証券に変更し、金融商品取引法に基づく金融商品取引業を展開する。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却した。韓国・JTキャピタルについては、21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。その後、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってJT親愛貯蓄銀行がグループに復帰した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開している。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。なお6月14日には、JT親愛貯蓄銀行が未婚・片親家庭のための寄付金を福祉施設エランウォンに贈呈したと発表している。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB、19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開している。

 JTRBは、21年1月に人事評価機関であるHR Asiaの2020HR ASIA AWARDにおいて「2020 Best Companies to work for in ASIA」(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)を受賞した。21年11月には、英国の著名な国際ビジネス誌であるGlobal Business Outlook(GBO)から「MOST CUSTOMER CENTRIC BANK―CAMBODIA2021」を受賞した。顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、社会的責任等の基準で評価された。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する予定である。21年12月にはAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。

 なおBJIは、21年12月に取締役社長が「2021年度のインドネシアベストリーダー賞」を受賞、22年3月に2022年度トップCSRアワードで2つの賞を受賞、22年5月にインドネシア・インスティチュート・コーポレートディレクターズ(IICD)による「第13回IICDコーポレート・ガバナンス賞」において2つの賞を受賞した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。

 タイにおける控訴審判決では21年3月にJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を棄却するとともに、GLに対して訴訟費用および弁護士費用の支払いを命じている。なおGLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして5月26日には民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定したと発表している。キプロスにおいては21年8月、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 なお、非金融事業でITシステム事業を展開している特定子会社Jトラストシステムについては解散を決定している。必要な清算手続が完了次第、清算結了となる。

■22年12月期は最終大幅増益予想

 22年12月期の連結業績予想(IFRS、5月13日に上方修正)は、営業収益が21年12月期比68.5%増の713億円、営業利益が4.5%増の55億円、税引前利益が18.7%増の70億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が4.1倍の46億円としている。営業利益は、前期の投資事業利益や一過性要因を除いたベース営業利益(参考値で約12億円)に対しては大幅増益予想となる。配当予想は据え置いて21年12月期比9円増配の10円(期末一括)としている。

 前回予想に対して売上高が24百万円下回るが、営業利益は6億77百万円、税引前利益は23億17百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は31億70百万円それぞれ上回る見込みとした。営業利益段階では東南アジア金融事業の収益改善が寄与する。さらに親会社の所有者に帰属する当期利益では、第1四半期に計上したエイチ・エス証券に係る負ののれん発生益、Nexus Bankに係る投資有価証券評価益計上なども寄与する。なおNexus Bankとの株式交換で負ののれん益が発生する見込みだが、金額を算定中のため連結業績予想に織り込んでいない。また、金融商品取引業(エイチ・エス証券、第2四半期からPL連結予定)の業績は市場環境の変動の影響を大きく受けるため連結業績予想に含めていない。さらに再上振れの可能性がありそうだ。

 修正後のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)の計画は、日本金融事業が93百万円上方修正して36億63百万円(21年12月期比20.2%減益)、韓国およびモンゴル金融事業が前回予想を据え置いて63億52百万円(21年12月期比98.0%増益)、東南アジア金融事業が4億99百万円上方修正して16億74百万円の赤字(21年12月期は63億72百万円の赤字のため46億98百万円赤字縮小)、投資事業が前回予想を据え置いて14億38百万円の赤字(21年12月期は54億45百万円のため68億83百万円減少)、その他が据え置いて58百万円(21年12月期は4億30百万円で3億72百万円減少)としている。

 日本金融事業は安定的推移、韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行のグループ復帰も寄与して利益基盤の一層強化、東南アジア金融事業は債権積み上げや回収金の最大化などによる一段の収益改善を目指す。投資事業は前期の勝訴判決履行の反動減を見込むが、引き続き裁判費用等の回収コストを抑制しつつ回収強化を図る方針だ。

 第1四半期(21年12月期第3四半期にJTキャピタル(現Aキャピタル)を非継続事業に分類したため、21年12月期第1四半期の営業収益、営業利益、税引前利益を組み替えて表示)は、営業収益が前年同期比25.2%増の123億51百万円、営業利益が54.5%減の19億42百万円、税引前利益が34.3%減の39億95百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が28.2%増の36億28百万円だった。

 前年のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動で営業減益の形だが、東南アジア金融事業の黒字化などで営業利益が計画を上回って着地した。さらに、エイチ・エス証券に係る負ののれん発生益計上、Nexus Bankに係る投資有価証券評価益計上なども寄与して、親会社の所有者に帰属する四半期利益は大幅増益で着地した。

 セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は、日本金融事業が利息収益の減少などで5.1%減の11億28百万円と小幅減益だが、韓国およびモンゴル金融事業が貯蓄銀行業における貸出金や預金の増加などで12.5%増の11億75百万円と伸長、東南アジア金融事業が営業収益の増加(51.2%増収)や貸倒引当金繰入額の減少などで5億08百万円の黒字(前年同期は5億21百万円の赤字)と黒字転換した。投資事業は前年のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動で4億22百万円の赤字(同30億38百万円の黒字)だった。その他事業は27百万円の赤字(同1億38百万円の赤字)だった。日本ファンディングの販売収益が貢献して赤字縮小した。

 22年12月期は重点方針として、金融事業における安定的な収益・利益基盤の再構築を推進する。そして事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、東南アジア金融事業の黒字化などで23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。ポートフォリオ再編や積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 なお5月13日発表の自己株式取得(上限40万株・3億円、取得期間22年5月16日〜22年9月30日)については、22年6月6日時点で累計取得株式数40万株となって終了した。

 株価は戻り一服の形となったが、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。6月27日の終値は463円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS40円34銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想10円で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS903円66銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約585億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[05月31日更新]

Jトラストは上値試す、22年12月期1Qが計画超で通期利益予想を上方修正

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。22年12月期第1四半期は前年のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動があったが、東南アジア金融事業の黒字化、エイチ・エス証券に係る負ののれん発生益計上、Nexus Bankに係る投資有価証券評価益計上などで計画を上回って着地した。そして通期の利益予想を上方修正し、最終大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上方修正を好感して急反発している。上値を試す展開を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。

 グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 21年12月期セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益、20年12月期の数値は継続事業・非継続事業の分類変更を考慮した遡及修正後数値)は、日本金融事業がパルティール債権回収における貸倒引当金繰入額増加などで5.6%減の45億88百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出資産増加に伴う利息収益増加などで58.9%増の32億08百万円、東南アジア金融事業がコロナ禍に伴う貸倒引当金繰入額増加やのれん減損損失などで63億72百万円の赤字(20年12月期は55億41百万円の赤字)だった。投資事業はシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)で54億45百万円の黒字(同16億51百万円の赤字)だった。その他事業は4億30百万円の黒字(同3億10百万円の赤字)だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪としている。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。クラウドファンディング事業を展開するLCレンディングについては22年5月31日付で解散予定である。既存ファンドに関する投資家への償還が完了したため当該事業を終了する。

 なお20年11月に、Nexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も特定子会社となった。そして22年4月SAMURAI TECHNOLOGYの全株式を譲渡して連結除外した。

 22年3月にはHSホールディングス<8699>からエイチ・エス証券の全株式を取得して子会社化した。金融商品取引法に基づく金融商品取引業を新たな事業として展開する。

 また22年3月には日本保証の子会社であるRobotシステムが、不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始した。22年4月には「fundingtool」のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却した。韓国・JTキャピタルについては、21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。その後、Nexus Bankを完全子会社化したことに伴ってJT親愛貯蓄銀行がグループに復帰した。

 この結果、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国・JT貯蓄銀行、韓国・JT親愛貯蓄銀行、および債権回収業務の韓国・TA Asset、割賦業務のモンゴル・JトラストクレジットNBFIが展開する。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB、19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開している。

 JTRBは、21年1月に人事評価機関であるHR Asiaの2020HR ASIA AWARDにおいて「2020 Best Companies to work for in ASIA」(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)を受賞した。21年11月には、英国の著名な国際ビジネス誌であるGlobal Business Outlook(GBO)から「MOST CUSTOMER CENTRIC BANK―CAMBODIA2021」を受賞した。顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、社会的責任等の基準で評価された。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する予定である。

 またBJIは21年12月にAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。インドネシア当局の認可を踏まえて22年1月からの販売開始を計画している。21年12月にはBJIの取締役社長が「2021年度のインドネシアベストリーダー賞」を受賞した。22年3月には2022年度トップCSRアワードでBJIが2つの賞を受賞した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。

 タイにおける控訴審判決では21年3月にJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を棄却するとともに、GLに対して訴訟費用および弁護士費用の支払いを命じている。なおGLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。そして5月26日には民事訴訟における支払命令(約95百万米ドル、1ドル=127円換算で約121億円)判決が確定したと発表している。キプロスにおいては21年8月、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本では21年6月、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、約24百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 なお、非金融事業でITシステム事業を展開している特定子会社Jトラストシステムについては解散を決定している。必要な清算手続が完了次第、清算結了となる。

■22年12月期は1Qが計画超で通期利益予想を上方修正

 22年12月期連結業績予想(IFRS)は5月13日に上方修正して、営業収益が21年12月期比68.5%増の713億円、営業利益が4.5%増の55億円、税引前利益が18.7%増の70億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が4.1倍の46億円としている。なお前期の投資事業利益や一過性要因を除いたベース営業利益(参考値で約12億円)に対して実質的に大幅営業増益予想となる。配当予想は据え置いて21年12月期比9円増配の10円(期末一括)としている。

 前回予想に対して売上高が24百万円下回るが、営業利益は6億77百万円、税引前利益は23億17百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は31億70百万円それぞれ上回る見込みとした。営業利益段階では東南アジア金融事業の収益改善が寄与する。さらに親会社の所有者に帰属する当期利益では、第1四半期に計上したエイチ・エス証券に係る負ののれん発生益、Nexus Bankに係る投資有価証券評価益計上なども寄与する。なおNexus Bankとの株式交換で負ののれん益が発生する見込みだが、金額を算定中のため連結業績予想に織り込んでいない。また、金融商品取引業(エイチ・エス証券、第2四半期からPL連結予定)の業績は市場環境の変動の影響を大きく受けるため連結業績予想に含めていない。

 修正後のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)の計画は、日本金融事業が93百万円上方修正して36億63百万円(21年12月期比20.2%減益)、韓国およびモンゴル金融事業が前回予想を据え置いて63億52百万円(21年12月期比98.0%増益)、東南アジア金融事業が4億99百万円上方修正して16億74百万円の赤字(21年12月期は63億72百万円の赤字のため46億98百万円赤字縮小)、投資事業が前回予想を据え置いて14億38百万円の赤字(21年12月期は54億45百万円のため68億83百万円減少)、その他が据え置いて58百万円(21年12月期は4億30百万円で3億72百万円減少)としている。

 日本金融事業は安定的推移、韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行のグループ復帰も寄与して利益基盤の一層強化、東南アジア金融事業は債権積み上げや回収金の最大化などによる一段の収益改善を目指す。投資事業は前期の勝訴判決履行の反動減を見込むが、引き続き裁判費用等の回収コストを抑制しつつ回収強化を図る方針だ。

 第1四半期(21年12月期第3四半期にJTキャピタル(現Aキャピタル)を非継続事業に分類したため、21年12月期第1四半期の営業収益、営業利益、税引前利益を組み替えて表示)は、営業収益が前年同期比25.2%増の123億51百万円、営業利益が54.5%減の19億42百万円、税引前利益が34.3%減の39億95百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が28.2%増の36億28百万円だった。

 前年のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動で営業減益だが、東南アジア金融事業の黒字化などで営業利益が計画を上回って着地した。さらに、エイチ・エス証券に係る負ののれん発生益計上、Nexus Bankに係る投資有価証券評価益計上なども寄与して、親会社の所有者に帰属する四半期利益は大幅増益で着地した。

 セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は、日本金融事業が利息収益の減少などで5.1%減の11億28百万円と小幅減益だが、韓国およびモンゴル金融事業が貯蓄銀行業における貸出金や預金の増加などで12.5%増の11億75百万円と伸長、東南アジア金融事業が営業収益の増加(51.2%増収)や貸倒引当金繰入額の減少などで5億08百万円の黒字(前年同期は5億21百万円の赤字)と黒字転換した。投資事業は前年のシンガポールでの勝訴判決に伴う履行金受領の反動で4億22百万円の赤字(同30億38百万円の黒字)だった。その他事業は27百万円の赤字(同1億38百万円の赤字)だった。日本ファンディングの販売収益が貢献して赤字縮小した。

 22年12月期は重点方針として、金融事業における安定的な収益・利益基盤の再構築を推進する。そして事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、東南アジア金融事業の黒字化などで23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。ポートフォリオ再編や積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は上方修正を好感して急反発している。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。5月30日の終値は445円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS40円34銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想10円で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS903円66銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約562億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[04月27日更新]

Jトラストは売られ過ぎ感、22年12月期は実質大幅営業増益予想で収益拡大基調

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。22年12月期は前期の投資事業利益や一過性要因を除いたベース営業利益に対して実質大幅営業増益予想としている。そして配当も大幅増配予想としている。さらに23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。ポートフォリオ再編や積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏で軟調だ。ただし売られ過ぎ感を強めている。売り一巡して出直りを期待したい。なお5月13日に22年12月期第1四半期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。

 グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 21年12月期セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益、20年12月期の数値は継続事業・非継続事業の分類変更を考慮した遡及修正後数値)は、日本金融事業がパルティール債権回収における貸倒引当金繰入額増加などで5.6%減の45億88百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出資産増加に伴う利息収益増加などで58.9%増の32億08百万円、東南アジア金融事業がコロナ禍に伴う貸倒引当金繰入額増加やのれん減損損失などで63億72百万円の赤字(20年12月期は55億41百万円の赤字)だった。投資事業はシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)で54億45百万円の黒字(同16億51百万円の赤字)だった。その他事業は4億30百万円の黒字(同3億10百万円の赤字)だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪としている。日本保証は保証商品拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて業務提携している。パルティール債権回収は信販系大手カード会社等からの債権買取回収を推進する。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。

 なお20年11月にNexus Bank(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によってJトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外としたが、その後22年4月1日付でNexus Bankを株式交換によって完全子会社化(Nexus Bankは22年3月30日付で上場廃止)し、Nexus Bank傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)も特定子会社となった。そして4月21日付でSAMURAI TECHNOLOGYの全株式を譲渡して連結除外した。

 22年3月末にはHSホールディングス<8699>からエイチ・エス証券の全株式を取得して子会社化(株式取得後に商号変更を検討)した。金融商品取引法に基づく金融商品取引業を新たな事業として開始し、22年12月期第1四半期から新規連結する。

 また22年3月には日本保証の子会社であるRobotシステムが、不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始した。22年4月には「fundingtool」のバージョンアップによって小規模不動産特定共同事業にも対応可能となった。

 なお22年5月31日付でクラウドファンディング事業を展開する特定子会社のLCレンディングを解散予定である。既存ファンドに関する投資家への償還が完了したため当該事業を終了する。業績への影響は軽微としている。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却した。また、韓国・JTキャピタルの全株式を韓国・VI金融投資に譲渡(CK株式譲渡)、および韓国・JT貯蓄銀行の全株式を韓国・VI金融投資もしくは許容された譲受人に譲渡(SB株式譲渡)する基本合意書を締結し、韓国およびモンゴル金融事業は、韓国のTA Assetが債権回収業務、モンゴルのJトラストクレジットNBFIが割賦業務を展開する方針とした。

 その後、韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了して連結除外した。韓国・JT貯蓄銀行については株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため株式譲渡を中止した。またNexus Bankを完全子会社化したことに伴ってJT親愛貯蓄銀行がグループに復帰した。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位規模(21年9月現在)となる。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB、19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開している。

 JTRBは、21年1月に人事評価機関であるHR Asiaの2020HR ASIA AWARDにおいて「2020 Best Companies to work for in ASIA」(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)を受賞した。21年11月には、英国の著名な国際ビジネス誌であるGlobal Business Outlook(GBO)から「MOST CUSTOMER CENTRIC BANK―CAMBODIA2021」を受賞した。顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、社会的責任等の基準で評価された。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する予定である。

 またBJIは21年12月にAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。インドネシア当局の認可を踏まえて22年1月からの販売開始を計画している。21年12月にはBJIの取締役社長が「2021年度のインドネシアベストリーダー賞」を受賞した。22年3月には2022年度トップCSRアワードでBJIが2つの賞を受賞した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。

 タイにおける控訴審判決では21年3月にJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を棄却するとともに、GLに対して訴訟費用および弁護士費用の支払いを命じている。なおGLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月に申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。日本では21年6月、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、24.3百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。キプロスにおいては21年8月、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 非金融事業でITシステム事業を展開している特定子会社Jトラストシステムについては解散を決定した。必要な清算手続が完了次第、清算結了となる。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

■22年12月期は実質大幅営業増益・大幅増配予想

 22年12月期連結業績予想(IFRS)については、営業収益が21年12月期比68.5%増の713億24百万円、営業利益が8.3%減の48億23百万円、税引前利益が20.6%減の46億83百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が27.3%増の14億30百万円としている。なお配当予想は21年12月期比9円増配の10円(期末一括)としている。

 表面上は営業減益予想の形だが、前期の投資事業利益や一過性要因を除いたベース営業利益(参考値で約12億円)に対しては、約36億円の実質大幅営業増益予想としている。そして営業黒字拡大に合わせて大幅増配とする方針だ。Nexus Bankについては22年3月30日付で上場廃止予定のため同社株式評価損は一巡する見込みとしている。

 セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)の計画は、日本金融事業が10億18百万円減少の35億70百万円、韓国およびモンゴル金融事業が31億44百万円増加の63億52百万円、東南アジア金融事業が赤字幅41億99百万円縮小して21億73百万円の赤字、投資事業が68億83百万円減少して14億38百万円の赤字、その他事業が3億72百万円減少して58百万円としている。

 韓国およびモンゴル金融事業ではJT親愛貯蓄銀行のグループ復帰も寄与する。東南アジア金融事業では債権積み上げや回収金の最大化などによる収益改善を目指す。投資事業は前期の勝訴判決全額履行の反動減だが、引き続き裁判費用等の回収コストを抑制しつつ、改修強化を図る。

 22年12月期は重点方針として、金融事業における安定的な収益・利益基盤の再構築を推進する。そして事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、東南アジア金融事業の黒字化などで23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。ポートフォリオ再編や積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏で軟調だ。ただし売られ過ぎ感を強めている。売り一巡して出直りを期待したい。4月26日の終値は321円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS12円54銭で算出)は約26倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS903円66銭で算出)は約0.4倍、そして時価総額は約406億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[03月23日更新]

Jトラストは売られ過ぎ感、22年12月期は実質大幅営業増益予想

 Jトラスト<8508>(東2、新市場区分スタンダード)は日本、韓国・モンゴルおよびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオを再編している。22年12月期は前期の投資事業利益や一過性要因を除いたベース営業利益に対して実質大幅営業増益予想としている。そして配当も大幅増配予想としている。ポートフォリオ再編や積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げる展開だが、売られ過ぎ感を強めている。売り一巡して出直りを期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴルおよびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。

 グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 21年12月期セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益、20年12月期の数値は継続事業・非継続事業の分類変更を考慮した遡及修正後数値)は、日本金融事業がパルティール債権回収における貸倒引当金繰入額増加などで5.6%減の45億88百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出資産増加に伴う利息収益増加などで58.9%増の32億08百万円、東南アジア金融事業がコロナ禍に伴う貸倒引当金繰入額増加やのれん減損損失などで63億72百万円の赤字(20年12月期は55億41百万円の赤字)だった。投資事業はシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)で54億45百万円の黒字(同16億51百万円の赤字)だった。その他事業は4億30百万円の黒字(同3億10百万円の赤字)だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪としている。日本保証は保証商品拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて業務提携している。パルティール債権回収は信販系大手カード会社等からの債権買取回収を推進する。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。

 20年11月にはNexus Bank<4764>(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によって、JトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外とした。またNexus BankのA種優先株式を引き受けた。Jトラストカードの連結除外によって日本国内でのカード事業から撤退した。

 なお22年4月1日付でNexus Bankを株式交換によって完全子会社化予定である。Nexus Bankおよび傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)が特定子会社となる。Nexus Bankは22年3月30日付で上場廃止予定である。

 また22年5月31日付で、クラウドファンディング事業を展開する特定子会社のLCレンディングを解散予定である。既存ファンドに関する投資家への償還が完了したため当該事業を終了する。業績への影響は軽微としている。

 さらに、HSホールディングス<8699>からエイチ・エス証券の全株式を取得して子会社化(株式取得後に商号変更を検討)する。金融商品取引法に基づく金融商品取引業を新たな事業として開始する。株式取得日については22年4月1日付から22年3月31日付に変更した。22年12月期第1四半期から新規連結する。

 また3月7日には、日本保証の子会社であるRobotシステムが、不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始したと発表している。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却した。その後、韓国・JTキャピタルの全株式を韓国・VI金融投資に譲渡(CK株式譲渡)、および韓国・JT貯蓄銀行の全株式を韓国・VI金融投資もしくは許容された譲受人に譲渡(SB株式譲渡)する基本合意書を締結し、今後の韓国およびモンゴル金融事業は、韓国のTA Assetが債権回収業務、モンゴルのJトラストクレジットNBFIが割賦業務を展開する方針とした。

 韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了し、韓国・JTキャピタルおよびその子会社が連結子会社から除外された。韓国・JT貯蓄銀行については株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため、21年11月に株式譲渡中止を発表した。

 また、Nexus Bankを株式交換によって完全子会社化(22年4月1日予定)することに伴い、22年4月以降はJT親愛貯蓄銀行(JT Chinae Savings Bank)がグループに復帰する。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位(21年9月現在)となる。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB、19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開している。

 JTRBは、21年1月に人事評価機関であるHR Asiaの2020HR ASIA AWARDにおいて「2020 Best Companies to work for in ASIA」(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)を受賞した。21年11月には、英国の著名な国際ビジネス誌であるGlobal Business Outlook(GBO)から「MOST CUSTOMER CENTRIC BANK―CAMBODIA2021」を受賞した。顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、社会的責任等の基準で評価された。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する予定である。

 またBJIは21年12月にAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。インドネシア当局の認可を踏まえて22年1月からの販売開始を計画している。なお21年12月にはBJIの取締役社長が「2021年度のインドネシアベストリーダー賞」を受賞したと発表している。22年2月にはJトラスト銀行をはじめとするグループ5社共同で、スメル火山噴火で被災した地域住民に対して生活物資を寄付した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。

 タイにおける控訴審判決では21年3月にJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を棄却するとともに、GLに対して訴訟費用および弁護士費用の支払いを命じている。なおGLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月22日付で申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。日本では21年6月、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、24.3百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。キプロスにおいては21年8月、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 日本における損害賠償請求訴訟については、22年3月11日付の東京地方裁判所による第一審判決で損害賠償請求が認められなかったが、判決内容を十分に精査し、弁護士とも協議のうえ今後の対応を検討するとしている。

 非金融事業でITシステム事業を展開している特定子会社Jトラストシステムについては解散を決定した。必要な清算手続が完了次第、清算結了となる。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

■22年12月期は実質大幅営業増益・大幅増配予想

 22年12月期連結業績(IFRS)は、営業収益が21年12月期比68.5%増の713億24百万円、営業利益が8.3%減の48億23百万円、税引前利益が20.6%減の46億83百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が27.3%増の14億30百万円としている。なお配当予想は21年12月期比9円増配の10円(期末一括)としている。

 表面上は営業減益予想の形だが、前期の投資事業利益や一過性要因を除いたベース営業利益(参考値で約12億円)に対しては、約36億円の実質大幅営業増益予想としている。そして営業黒字拡大に合わせて大幅増配とする方針だ。Nexus Bankについては22年3月30日付で上場廃止予定のため、同社株式評価損は一巡する見込みとしている。

 セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)の計画は、日本金融事業が10億18百万円減少の35億70百万円、韓国およびモンゴル金融事業が31億44百万円増加の63億52百万円、東南アジア金融事業が赤字幅41億99百万円縮小して21億73百万円の赤字、投資事業が68億83百万円減少して14億38百万円の赤字、その他事業が3億72百万円減少して58百万円としている。

 韓国およびモンゴル金融事業ではJT親愛貯蓄銀行のグループ復帰も寄与する。東南アジア金融事業では債権積み上げや回収金の最大化などによる収益改善を目指す。投資事業は前期の勝訴判決全額履行の反動減だが、引き続き裁判費用等の回収コストを抑制しつつ、改修強化を図る。

 22年12月期は重点方針として、金融事業における安定的な収益・利益基盤の再構築を推進する。そして事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、東南アジア金融事業の黒字化などで23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。ポートフォリオ再編や積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げる展開だが、売られ過ぎ感を強めている。売り一巡して出直りを期待したい。3月22日の終値は342円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS12円54銭で算出)は約27倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS903円66銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約395億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月28日更新]

Jトラストは売られ過ぎ感、22年12月期は実質大幅営業増益予想で収益拡大基調

 Jトラスト<8508>(東2、新市場区分スタンダード)は日本、韓国・モンゴルおよびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオを再編している。21年12月期は投資事業利益なども寄与して営業利益が大幅黒字に転換した。22年12月期は、表面上は営業減益予想の形だが、前期の投資事業利益や一過性要因を除いたベース営業利益に対しては実質大幅営業増益予想としている。営業黒字拡大に合わせて配当も大幅増配予想としている。ポートフォリオ再編や積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して下げ足を速める形となったが売られ過ぎ感を強めている。大幅増配も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴルおよびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。

 グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 21年12月期セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益、20年12月期の数値は継続事業・非継続事業の分類変更を考慮した遡及修正後数値)は、日本金融事業がパルティール債権回収における貸倒引当金繰入額増加などで5.6%減の45億88百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出資産増加に伴う利息収益増加などで58.9%増の32億08百万円、東南アジア金融事業がコロナ禍に伴う貸倒引当金繰入額増加やのれん減損損失などで63億72百万円の赤字(20年12月期は55億41百万円の赤字)だった。投資事業はシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)で54億45百万円の黒字(同16億51百万円の赤字)だった。その他事業は4億30百万円の黒字(同3億10百万円の赤字)だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。セグメント別の営業利益は、

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業では、20年11月にNexus Bank<4764>(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によって、JトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外とした。またNexus BankのA種優先株式を引き受けた。Jトラストカードの連結除外によって日本国内でのカード事業から撤退した。

 今後の日本金融事業は、日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪として展開する。日本保証は保証商品拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて業務提携している。パルティール債権回収は信販系大手カード会社等からの債権買取回収を推進する。21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。

 なお22年1月にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化(22年4月1日予定)すると発表した。Nexus Bankおよび傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)が特定子会社となり、Nexus Bankは22年3月30日付で上場廃止予定である。

 また22年1月には、特定子会社でクラウドファンディング事業のLCレンディングを解散(22年5月31日予定)すると発表した。既存ファンドに関する投資家への償還が完了したため当該事業を終了する。業績への影響は軽微としている。

 2月9日には、HSホールディングス<8699>からエイチ・エス証券の全株式を取得して子会社化(22年4月1日付予定、株式取得後に商号変更を検討)すると発表した。金融商品取引法に基づく金融商品取引業を新たな事業として開始する。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却した。その後、韓国・JTキャピタルの全株式を韓国・VI金融投資に譲渡(CK株式譲渡)、および韓国・JT貯蓄銀行の全株式を韓国・VI金融投資もしくは許容された譲受人に譲渡(SB株式譲渡)する基本合意書を締結し、今後の韓国およびモンゴル金融事業は、韓国のTA Assetが債権回収業務、モンゴルのJトラストクレジットNBFIが割賦業務を展開する方針とした。

 韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了し、韓国・JTキャピタルおよびその子会社が連結子会社から除外された。韓国・JT貯蓄銀行については株式売買契約締結期限までに契約内容の合意に至らなかったため、21年11月に株式譲渡中止を発表した。

 また、Nexus Bankを株式交換によって完全子会社化(22年4月1日予定)することに伴い、22年4月以降はJT親愛貯蓄銀行(JT Chinae Savings Bank)がグループに復帰する。JT貯蓄銀行とJT親愛貯蓄銀行を合計すると、総資産および貸出金で韓国の貯蓄銀行79行のうち7位(21年9月現在)となる。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB、19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開している。

 JTRBは、21年1月に人事評価機関であるHR Asiaの2020HR ASIA AWARDにおいて「2020 Best Companies to work for in ASIA」(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)を受賞した。21年11月には、英国の著名な国際ビジネス誌であるGlobal Business Outlook(GBO)から「MOST CUSTOMER CENTRIC BANK―CAMBODIA2021」を受賞した。顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、社会的責任等の基準で評価された。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する予定である。

 またBJIは21年12月にAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。インドネシア当局の認可を踏まえて22年1月からの販売開始を計画している。なお21年12月にはBJIの取締役社長が「2021年度のインドネシアベストリーダー賞」を受賞したと発表している。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。

 タイにおける控訴審判決では21年3月にJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を棄却するとともに、GLに対して訴訟費用および弁護士費用の支払いを命じている。なおGLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月22日付で申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。日本では21年6月、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、24.3百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。キプロスにおいては21年8月、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 非金融のその他事業ではJトラストシステムがITシステム事業を展開している。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

■22年12月期は実質大幅営業増益・大幅増配予想

 21年12月期の連結業績(IFRS)は営業収益が20年12月期比7.5%増の423億25百万円、営業利益が52億60百万円(20年12月期は24億03百万円の赤字)、税引前利益が58億99百万円(同6億19百万円の赤字)、親会社の所有者に帰属する当期利益が11億23百万円(同53億42百万円の赤字)だった。配当は復配の1円(期末一括)とした。

 Nexus Bank株式の売却益が計画を下回り、Nexus Bank株式評価損を計上した影響で、税引前利益と親会社の所有者に帰属する当期利益が計画を下回ったが、営業収益と営業利益は概ね計画水準で着地した。前期比では、韓国およびモンゴル金融事業と投資事業の損益が大幅に改善し、大幅営業黒字に転換した。

 セグメント別の営業利益は、日本金融事業がパルティール債権回収における貸倒引当金繰入額増加などで5.6%減の45億88百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出資産増加に伴う利息収益増加などで58.9%増の32億08百万円、東南アジア金融事業がコロナ禍に伴う貸倒引当金繰入額増加やのれん減損損失などで63億72百万円の赤字(20年12月期は55億41百万円の赤字)、投資事業がシンガポール控訴裁判所における勝訴判決全額履行(受領額78億47百万円)で54億45百万円の黒字(同16億51百万円の赤字)だった。その他事業は4億30百万円の黒字(同3億10百万円の赤字)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が108億67百万円で営業利益が44億円、第2四半期は営業収益が114億73百万円で営業利益が27億60百万円、第3四半期は営業収益が82億84百万円で営業利益が6億67百万円、第4四半期は営業収益が117億01百万円で営業利益が25億67百万円の赤字だった。

 22年12月期連結業績(IFRS)は、営業収益が21年12月期比68.5%増の713億24百万円、営業利益が8.3%減の48億23百万円、税引前利益が20.6%減の46億83百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が27.3%増の14億30百万円としている。なお配当予想は21年12月期比9円増配の10円(期末一括)としている。

 表面上は営業減益予想の形だが、前期の投資事業利益や一過性要因を除いたベース営業利益(参考値で約12億円)に対しては、約36億円の実質大幅営業増益予想としている。そして営業黒字拡大に合わせて大幅増配とする方針だ。Nexus Bankについては22年3月30日付で上場廃止予定のため、同社株式評価損は一巡する見込みとしている。

 セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)の計画は、日本金融事業が10億18百万円減少の35億70百万円、韓国およびモンゴル金融事業が31億44百万円増加の63億52百万円、東南アジア金融事業が赤字幅41億99百万円縮小して21億73百万円の赤字、投資事業が68億83百万円減少して14億38百万円の赤字、その他事業が3億72百万円減少して58百万円としている。

 韓国およびモンゴル金融事業ではJT親愛貯蓄銀行のグループ復帰も寄与する。東南アジア金融事業では債権積み上げや回収金の最大化などによる収益改善を目指す。投資事業は前期の勝訴判決全額履行の反動減だが、引き続き裁判費用等の回収コストを抑制しつつ、改修強化を図る。

 2022年12月期は重点方針として、金融事業にける安定的な収益・利益基盤の再構築を推進する。そして事業ポートフォリオ再構築に伴って新たな成長フェーズに入り、東南アジア金融事業の黒字化などで23年12月期以降の営業利益率は飛躍的に向上する見込みとしている。ポートフォリオ再編や積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化も影響して下げ足を速める形となったが売られ過ぎ感を強めている。大幅増配も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。2月25日の終値は418円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS12円54銭で算出)は約33倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS903円66銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約483億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月26日更新]

Jトラストは調整一巡、21年12月期黒字転換予想で22年12月期も収益拡大基調

 Jトラスト<8508>(東2、新市場区分スタンダード)は日本、韓国・モンゴルおよびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオを再編している。21年12月期は黒字転換予想としている。さらに22年12月期もポートフォリオ再編で収益拡大基調を期待したい。4月4日移行予定の新市場区分についてはスタンダード市場に移行する。株価は地合い悪化の影響で上値を切り下げる形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。なお2月14日に21年12月期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴルおよびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。

 グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 20年12月期のセグメント別営業利益は、日本金融事業が48億60百万円(決算期変更で9ヶ月決算の19年12月期は30億82百万円)、韓国・モンゴル金融事業が3億30百万円の赤字(同21億60百万円の黒字)、東南アジア金融事業が55億41百万円の赤字(同46億67百万円の赤字)、投資事業が16億51百万円の赤字(同17億68百万円の赤字)、その他事業が1億61百万円の赤字(同4億07百万円の赤字)だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業では、20年11月にNexus Bank<4764>(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によって、JトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外とした。またNexus BankのA種優先株式を引き受けた。Jトラストカードの連結除外によって日本国内でのカード事業から撤退した。

 今後の日本金融事業は、日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪として展開する。日本保証は保証商品拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて業務提携している。パルティール債権回収は信販系大手カード会社等からの債権買取回収を推進する。また21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。

 なお1月12日にNexus Bankを株式交換によって完全子会社化(22年4月1日予定)すると発表した。Nexus Bankおよび傘下の子会社3社(SAMURAI TECHNOLOGY、Nexus Card、JT親愛貯蓄銀行)が特定子会社となり、Nexus Bankは22年3月30日付で上場廃止予定である。

 また1月19日には、特定子会社でクラウドファンディング事業のLCレンディングを解散(22年5月31日予定)すると発表した。既存ファンドに関する投資家への償還が完了したため当該事業を終了する。業績への影響は軽微としている。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却した。その後、韓国・JTキャピタルの全株式を韓国・VI金融投資に譲渡(CK株式譲渡)、および韓国・JT貯蓄銀行の全株式を韓国・VI金融投資もしくは許容された譲受人に譲渡(SB株式譲渡)する基本合意書を締結し、今後の韓国およびモンゴル金融事業は、韓国のTA Assetが債権回収業務、モンゴルのJトラストクレジットNBFIが割賦業務を展開する方針とした。

 韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了し、韓国・JTキャピタルおよびその子会社が連結子会社から除外された。なお韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限(21年11月30日)までに契約内容の合意に至らなかったため、11月30日に株式譲渡中止を発表した。連結業績への影響は精査中としている。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB、19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開している。

 JTRBは、21年1月に人事評価機関であるHR Asiaの2020HR ASIA AWARDにおいて「2020 Best Companies to work for in ASIA」(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)を受賞した。21年11月には、英国の著名な国際ビジネス誌であるGlobal Business Outlook(GBO)から「MOST CUSTOMER CENTRIC BANK―CAMBODIA2021」を受賞した。顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、社会的責任等の基準で評価された。

 BJIは21年11月に飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する予定である。

 またBJIは21年12月にAsuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。インドネシア当局の認可を踏まえて22年1月からの販売開始を計画している。なお21年12月にはBJIの取締役社長が「2021年度のインドネシアベストリーダー賞」を受賞したと発表している。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 GL社に対する訴訟の解決・債権回収が課題となっていたが、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。

 タイにおける控訴審判決では21年3月にJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を棄却するとともに、GLに対して訴訟費用および弁護士費用の支払いを命じている。なおGLに対する会社更生の申し立てについては、最高裁判所において21年12月22日付で申し立てが却下されたが、民事訴訟については第1審の審理が継続している。

 英領バージン諸島においては21年5月、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。日本では21年6月、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、24.3百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。キプロスにおいては21年8月、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 非金融のその他事業ではJトラストシステムがITシステム事業を展開している。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

■21年12月期は再上振れの可能性、22年12月期も収益拡大基調

 21年12月期の連結業績(IFRS)予想(5月13日に上方修正)は、営業収益が20年12月期比6.9%増の421億01百万円、営業利益が55億03百万円の黒字(20年12月期は19億53百万円の赤字)、税引前利益が82億55百万円の黒字(同1億84百万円の赤字)、親会社所有者帰属当期純利益が20億円の黒字(同53億42百万円の赤字)としている。配当予想は復配の1円(期末一括)である。

 第3四半期累計は、営業収益が前年同期比5.5%増の306億24百万円、営業利益が78億27百万円の黒字(前年同期は13億01百万円の赤字)、税引前利益が83億60百万円の黒字(同15億48百万円の赤字)だった。

 日本金融事業の堅調推移、韓国およびモンゴル金融事業の貸出残高増加、東南アジア金融事業の収益改善(営業赤字縮小)、GL社に対する訴訟の勝訴判決に伴う投資回収(その他収益に受領額78億47百万円を計上)などで、営業・税引前利益が黒字転換した。なお韓国およびモンゴル金融事業ではJT貯蓄銀行を継続事業として取り扱っている。

 セグメント別営業利益は、日本金融事業が日本保証における貸倒引当金繰入額の減少などで5.9%増の36億29百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出残高の増加などで41.7%増の28億04百万円、東南アジア金融事業が前期計上の有価証券売却損一巡や訴訟損失引当金の取り崩しなどで赤字縮小(前年同期43億22百万円の赤字、今期29億81百万円の赤字)、投資事業が勝訴判決の履行で60億28百万円の黒字(同12億23百万円の赤字)、その他事業が22百万円の赤字(同1億64百万円の赤字)だった。

 なお親会社所有者帰属四半期純利益については、投資有価証券に対する売却損益や評価損益の計上、売却を予定しているJT貯蓄銀行に対する税効果、JTキャピタル株式譲渡に係る株式売却損(25億42百万円、通期予想に織り込み済み)計上などで0.3%減の24億05百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上収益が108億67百万円で営業利益が44億円、第2四半期は売上収益が114億73百万円で営業利益が27億60百万円、第3四半期は売上収益が82億84百万円で営業利益が6億67百万円だった。

 通期のセグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が36億円、韓国およびモンゴル金融事業が26億円、東南アジア金融事業が43億円の赤字、投資事業が53億円、その他が2億円の赤字としている。

 事業ポートフォリオ再編を進めているため通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は営業収益が73%、営業利益が142%、税引前利益が101%、親会社所有者帰属当期純利益が120%である。

 第3四半期累計で各利益とも通期予想を超過達成していることに加えて、第4四半期に持分法投資利益1億70百万円を計上予定(持分法適用関連会社のKeyHolderが21年12月24日付で保有株式譲渡に伴う金融収益7億49百万円計上を発表)であることも勘案すれば、通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。さらに22年12月期もポートフォリオ再編で収益拡大基調を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化の影響で上値を切り下げる形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。1月25日の終値は503円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS18円89銭で算出)は約27倍、前期推定配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.2%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS865円20銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約581億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[12月21日更新]

Jトラストは上値試す、21年12月期は再上振れの可能性

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長の加速に向けて事業ポートフォリオを再編している。21年12月期は黒字転換予想(5月13日に上方修正)としている。第3四半期累計で各利益とも通期予想を超過達成したことを勘案すれば、通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。ポートフォリオ再編で収益拡大基調を期待したい。株価は11月の年初来高値圏から利益確定売りや地合い悪化の影響で反落の形となったが、大きく下押す動きは見られない。短期的な調整が一巡して上値を試す展開を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。

 グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 20年12月期のセグメント別営業利益は、日本金融事業が48億60百万円(決算期変更で9ヶ月決算の19年12月期は30億82百万円)、韓国・モンゴル金融事業が3億30百万円の赤字(同21億60百万円の黒字)、東南アジア金融事業が55億41百万円の赤字(同46億67百万円の赤字)、投資事業が16億51百万円の赤字(同17億68百万円の赤字)、その他事業が1億61百万円の赤字(同4億07百万円の赤字)だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 成長の加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業では、20年11月にNexus Bank<4764>(旧SAMURAI&J PARTNERS)と株式交換によって、JトラストカードおよびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外とした。またNexus BankのA種優先株式を引き受けた。Jトラストカードの連結除外によって日本国内でのカード事業から撤退した。

 今後の日本金融事業は、日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪として展開する。日本保証は保証商品拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて業務提携している。パルティール債権回収は信販系大手カード会社等からの債権買取回収を推進する。また21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却した。その後、韓国・JTキャピタルの全株式を韓国・VI金融投資に譲渡(CK株式譲渡)、および韓国・JT貯蓄銀行の全株式を韓国・VI金融投資もしくは許容された譲受人に譲渡(SB株式譲渡)する基本合意書を締結し、今後の韓国およびモンゴル金融事業は、韓国のTA Assetが債権回収業務、モンゴルのJトラストクレジットNBFIが割賦業務を展開する方針とした。

 韓国・JTキャピタルについては21年8月に全株式の譲渡を完了し、韓国・JTキャピタルおよびその子会社が連結子会社から除外された。なお韓国・JT貯蓄銀行については、株式売買契約締結期限(21年11月30日)までに契約内容の合意に至らなかったため、11月30日に株式譲渡中止を発表した。連結業績への影響は精査中としている。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB、19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開している。

 JTRBは、21年1月に人事評価機関であるHR Asiaの2020HR ASIA AWARDにおいて「2020 Best Companies to work for in ASIA」(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)を受賞した。21年11月には、英国の著名な国際ビジネス誌であるGlobal Business Outlook(GBO)から「MOST CUSTOMER CENTRIC BANK―CAMBODIA2021」を受賞した。顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、社会的責任等の基準で評価された。

 BJIは21年11月に、飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する予定である。

 またBJIは12月15日に、Asuransi Jiwa Sequis Financialと、生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。インドネシア当局の認可を踏まえて22年1月からの販売開始を計画している。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 課題となっていたGL社に対する訴訟も、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。タイにおける控訴審判決では21年3月にJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を棄却するとともに、GLに対して訴訟費用および弁護士費用の支払いを命じている。

 英領バージン諸島においては21年5月、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。日本では21年6月、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、24.3百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。キプロスにおいては21年8月、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 非金融のその他事業ではJトラストシステムがITシステム事業を展開している。

 KeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

■21年12月期は再上振れの可能性

 21年12月期の連結業績(IFRS)予想(5月13日に上方修正)は、営業収益が20年12月期比6.9%増の421億01百万円、営業利益が55億03百万円の黒字(20年12月期は19億53百万円の赤字)、税引前利益が82億55百万円の黒字(同1億84百万円の赤字)、親会社所有者帰属当期純利益が20億円の黒字(同53億42百万円の赤字)としている。配当予想は復配の1円(期末一括)である。

 第3四半期累計は、営業収益が前年同期比5.5%増の306億24百万円、営業利益が78億27百万円の黒字(前年同期は13億01百万円の赤字)、税引前利益が83億60百万円の黒字(同15億48百万円の赤字)だった。

 日本金融事業の堅調推移、韓国およびモンゴル金融事業の貸出残高増加、東南アジア金融事業の収益改善(営業赤字縮小)、GL社に対する訴訟の勝訴判決に伴う投資回収(その他収益に受領額78億47百万円を計上)などで、営業・税引前利益が黒字転換した。なお韓国およびモンゴル金融事業ではJT貯蓄銀行を継続事業として取り扱っている。

 セグメント別営業利益は、日本金融事業が日本保証における貸倒引当金繰入額の減少などで5.9%増の36億29百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出残高の増加などで41.7%増の28億04百万円、東南アジア金融事業が前期計上の有価証券売却損一巡や訴訟損失引当金の取り崩しなどで赤字縮小(前年同期43億22百万円の赤字、今期29億81百万円の赤字)、投資事業が勝訴判決の履行で60億28百万円の黒字(同12億23百万円の赤字)、その他事業が22百万円の赤字(同1億64百万円の赤字)だった。

 なお親会社所有者帰属四半期純利益については、投資有価証券に対する売却損益や評価損益の計上、売却を予定しているJT貯蓄銀行に対する税効果、JTキャピタル株式譲渡に係る株式売却損(25億42百万円、通期予想に織り込み済み)計上などで0.3%減の24億05百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上収益が108億67百万円で営業利益が44億円、第2四半期は売上収益が114億73百万円で営業利益が27億60百万円、第3四半期は売上収益が82億84百万円で営業利益が6億67百万円だった。

 通期のセグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が36億円、韓国およびモンゴル金融事業が26億円、東南アジア金融事業が43億円の赤字、投資事業が53億円、その他が2億円の赤字としている。

 事業ポートフォリオ再編を進めているため通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は営業収益が73%、営業利益が142%、税引前利益が101%、親会社所有者帰属当期純利益が120%である。第3四半期累計で各利益とも通期予想を超過達成したことを勘案すれば、通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。ポートフォリオ再編で収益拡大基調を期待したい。

■株価は上値試す

 22年4月4日移行予定の新市場区分については、上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果としてスタンダード市場適合を確認し、21年11月12日開催の取締役会においてスタンダード市場選択申請を決議した。所定のスケジュールに従って手続を進める。

 株価は11月の年初来高値圏から利益確定売りや地合い悪化の影響で反落の形となったが、大きく下押す動きは見られない。月足チャートで見ると9ヶ月移動平均線が24ヶ月移動平均線を上抜いて基調転換を確認した形だ。短期的な調整が一巡して上値を試す展開を期待したい。12月20日の終値は556円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円89銭で算出)は約29倍、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS865円20銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約642億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月29日更新]

Jトラストは上値試す、21年12月期は再上振れの可能性

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオを再編している。21年12月期は黒字転換予想としている。第3四半期累計は営業・税引前利益が黒字転換し、各利益とも通期予想を超過達成している。通期予想を据え置いたが再上振れの可能性が高いだろう。ポートフォリオ再編で収益拡大基調を期待したい。株価は年初来高値圏だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。

 グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 20年12月期のセグメント別営業利益は、日本金融事業が48億60百万円(決算期変更で9ヶ月決算の19年12月期は30億82百万円)、韓国・モンゴル金融事業が3億30百万円の赤字(同21億60百万円の黒字)、東南アジア金融事業が55億41百万円の赤字(同46億67百万円の赤字)、投資事業が16億51百万円の赤字(同17億68百万円の赤字)、その他事業が1億61百万円の赤字(同4億07百万円の赤字)だった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業では、20年11月にNexus Bank<4764>(旧SAMURAI&J PARTNERS)と、株式交換によってJトラストカード、およびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外とした。またNexus BankのA種優先株式を引き受けた。Jトラストカードの連結除外によって、日本国内でのカード事業から撤退した。

 今後の日本金融事業は、日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪として展開する。日本保証は保証商品拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて業務提携している。20年12月には日本保証が財全グループと業務提携した。パルティール債権回収は信販系大手カード会社等からの債権買取回収を推進する。また21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却した。また、韓国・JTキャピタルの全株式を韓国・VI金融投資に譲渡(CK株式譲渡)、および韓国・JT貯蓄銀行の全株式を韓国・VI金融投資もしくは許容された譲受人に譲渡(SB株式譲渡)する基本合意書を締結している。このうち韓国・JTキャピタルについて、21年に全株式の譲渡を完了した。これによって韓国・JTキャピタルおよびその子会社が連結子会社から除外となる。韓国・JT貯蓄銀行の株式譲渡についても手続きを進めている。

 今後の韓国およびモンゴル金融事業は、韓国のTA Assetが債権回収業務、モンゴルのJトラストクレジットNBFIが割賦業務を展開する。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB、19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開している。

 JTRBはカンボジアの大手資金移動業者であるWing社との連携を強化し、金融インフラが十分に行き渡っていないカンボジアにおいて金融サービスの裾野拡大に貢献している。21年1月には、人事評価機関であるHR Asiaが選出する2020HR ASIA AWARDにおいて、JTRBが「2020 Best Companies to work for in ASIA(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)」を受賞した。

 BJIは11月2日と11月25日に、飯田グループのインドネシアの住宅開発・販売会社と住宅販売に係る業務提携契約を締結した。今後も、インドネシア各地に事業展開している飯田グループ各社と業務提携を順次締結し、飯田グループが提供する住宅を購入する顧客を対象に住宅ローン商品を提供する予定である。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 課題となっていたGL社に対する訴訟も、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。タイにおける控訴審判決では21年3月にJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を棄却するとともに、GLに対して訴訟費用および弁護士費用の支払いを命じている。

 英領バージン諸島においては21年5月、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。日本では21年6月、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、24.3百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。キプロスにおいては21年8月、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 投資事業の最近の動きとしては、子会社の日本ファンディング(20年11月子会社化したプロスペクト・エナジー・マネジメントが20年12月商号変更)が、20年12月にグローム・ホールディングス<8938>の子会社LCレンディング(LCL社)の株式を100%取得した。投資関連事業の拡大に向けてLCL社のクラウドファンディング事業とのシナジーを創出する。

 非金融のその他事業ではJトラストシステムがITシステム事業を展開している。

 総合エンターテインメント事業のKeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

■21年12月期3Q累計利益は通期予想を超過達成、通期再上振れの可能性

 21年12月期連結業績(IFRS)予想(5月13日に上方修正)は、営業収益が20年12月期比6.9%増の421億01百万円、営業利益が55億03百万円の黒字(20年12月期は19億53百万円の赤字)、税引前利益が82億55百万円の黒字(同1億84百万円の赤字)、そして親会社所有者帰属当期純利益が20億円の黒字(同53億42百万円の赤字)としている。配当予想は復配の1円(期末一括)である。

 第3四半期累計は、営業収益が前年同期比5.5%増の306億24百万円、営業利益が78億27百万円の黒字(前年同期は13億01百万円の赤字)、税引前利益が83億60百万円の黒字(同15億48百万円の赤字)だった。

 日本金融事業の堅調推移、韓国およびモンゴル金融事業の貸出残高増加、東南アジア金融事業の収益改善(営業赤字縮小)、GL社に対する訴訟の勝訴判決に伴う投資回収(その他収益に受領額78億47百万円を計上)などで、営業・税引前利益が黒字転換した。なお韓国およびモンゴル金融事業では、株式譲渡を延期したJT貯蓄銀行を継続事業として取り扱っている。

 セグメント別営業利益は、日本金融事業が日本保証における貸倒引当金繰入額の減少などで5.9%増の36億29百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出残高の増加などで41.7%増の28億04百万円、東南アジア金融事業が前期計上の有価証券売却損一巡や訴訟損失引当金の取り崩しなどで赤字縮小(前年同期43億22百万円の赤字、今期29億81百万円の赤字)、投資事業が勝訴判決の履行で60億28百万円の黒字(同12億23百万円の赤字)、その他事業が22百万円の赤字(同1億64百万円の赤字)だった。

 なお親会社所有者帰属四半期純利益については、投資有価証券に対する売却損益や評価損益の計上、売却を予定しているJT貯蓄銀行に対する税効果、JTキャピタル株式譲渡に係る株式売却損(25億42百万円、通期予想に織り込み済み)計上などで0.3%減の24億05百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上収益が108億67百万円で営業利益が44億円、第2四半期は売上収益が114億73百万円で営業利益が27億60百万円、第3四半期は売上収益が82億84百万円で営業利益が6億67百万円だった。

 通期予想は前回予想を据え置いた。セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が36億円、韓国およびモンゴル金融事業が26億円、東南アジア金融事業が43億円の赤字、投資事業が53億円、その他が2億円の赤字としている。

 通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は営業収益73%、営業利益142%、税引前利益101%、親会社所有者帰属当期純利益120%である。各利益とも通期予想を超過達成している。事業ポートフォリオ再編を進めているため通期予想を据え置いたが再上振れの可能性が高いだろう。ポートフォリオ再編で収益拡大基調を期待したい。

■株価は上値試す

 22年4月4日移行予定の新市場区分については、上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果としてスタンダード市場適合を確認し、21年11月12日開催の取締役会においてスタンダード市場選択申請を決議した。所定のスケジュールに従って手続を進める。

 株価は年初来高値圏だ。急伸したため一旦は日柄調整だが、月足チャートで見ると60ヶ月移動平均線を突破して基調転換を確認した形であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。11月26日の終値は589円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円89銭で算出)は約31倍、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS865円20銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約680億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月15日更新]

Jトラストは21年12月期3Q累計の利益が通期予想を超過達成

 Jトラスト<8508>(東2)は11月12日の取引時間終了後に21年12月期第3四半期累計連結業績を発表した。各金融事業が順調に推移し、GL社に対する訴訟の勝訴判決に伴う投資回収も寄与して営業・税引前利益が黒字転換した。そして各利益とも通期予想を超過達成した。事業ポートフォリオ再編を進めているため通期予想を据え置いたが再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。なお新市場区分に関してスタンダード市場選択を決議した。株価は急伸して年初来高値更新の展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■21年12月期3Q累計の利益が通期予想を超過達成

 21年12月期第3四半期累計の連結業績(IFRS)は、営業収益が前年同期比5.5%増の306億24百万円、営業利益が78億27百万円(前年同期は13億01百万円の赤字)、税引前利益が83億60百万円(同15億48百万円の赤字)だった。

 日本金融事業の堅調推移、韓国およびモンゴル金融事業の貸出残高増加、東南アジア金融事業の収益改善(営業赤字縮小)、GL社に対する訴訟の勝訴判決に伴う投資回収(その他収益に受領額78億47百万円を計上)などで、営業・税引前利益が黒字転換した。なお韓国およびモンゴル金融事業では、株式譲渡を延期したJT貯蓄銀行を継続事業として取り扱っている。

 セグメント別営業利益は、日本金融事業が日本保証における貸倒引当金繰入額の減少などで5.9%増の36億29百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出残高の増加などで41.7%増の28億04百万円、東南アジア金融事業が前期計上の有価証券売却損一巡や訴訟損失引当金の取り崩しなどで赤字縮小(前年同期43億22百万円の赤字、今期29億81百万円の赤字)、投資事業が勝訴判決の履行で60億28百万円の黒字(同12億23百万円の赤字)、その他事業が22百万円の赤字(同1億64百万円の赤字)だった。

 なお親会社所有者帰属四半期純利益については、投資有価証券に対する売却損益や評価損益の計上、売却を予定しているJT貯蓄銀行に対する税効果、JTキャピタル株式譲渡に係る株式売却損(25億42百万円、通期予想に織り込み済み)計上などで0.3%減の24億05百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上収益が108億67百万円で営業利益が44億円、第2四半期は売上収益が114億73百万円で営業利益が27億60百万円、第3四半期は売上収益が82億84百万円で営業利益が6億67百万円だった。

 通期の連結業績(IFRS)予想(5月13日に上方修正)は据え置いて、営業収益が20年12月期比6.9%増の421億01百万円、営業利益が55億03百万円の黒字(20年12月期は19億53百万円の赤字)、税引前利益が82億55百万円の黒字(同1億84百万円の赤字)、親会社所有者帰属当期純利益が20億円の黒字(同53億42百万円の赤字)としている。

 セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が36億円、韓国およびモンゴル金融事業が26億円、東南アジア金融事業が43億円の赤字、投資事業が53億円、その他が2億円の赤字としている。

 通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は営業収益73%、営業利益142%、税引前利益101%、親会社所有者帰属当期純利益120%である。事業ポートフォリオ再編を進めているため通期予想を据え置いたが再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は急伸して

 株価は急伸して年初来高値更新の展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。11月12日の終値は575円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円89銭で算出)は約30倍、時価総額は約664億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月27日更新]

Jトラストは年初来高値更新の展開、ポートフォリオ再編で収益拡大基調

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオを再編している。21年12月期は黒字転換予想としている。東南アジア金融事業の収益改善やGL社に対する訴訟の勝訴判決に伴う投資回収進展も寄与して、通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。ポートフォリオ再編で収益拡大基調を期待したい。株価は年初来高値更新の展開だ。目先的には利益確定売りが優勢になる可能性もあるが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。なお11月12日に21年12月期第3四半期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。

 グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業では、20年11月にNexus Bank<4764>(旧SAMURAI&J PARTNERS)と、株式交換によってJトラストカード、およびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外とした。またNexus BankのA種優先株式を引き受けた。Jトラストカードの連結除外によって、日本国内でのカード事業から撤退した。

 今後の日本金融事業は、日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪として展開する。日本保証は保証商品拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて業務提携している。20年12月には日本保証が財全グループと業務提携した。パルティール債権回収は信販系大手カード会社等からの債権買取回収を推進する。また21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却した。また、韓国・JTキャピタルの全株式を韓国・VI金融投資に譲渡(CK株式譲渡)、および韓国・JT貯蓄銀行の全株式を韓国・VI金融投資もしくは許容された譲受人に譲渡(SB株式譲渡)する基本合意書を締結している。このうち韓国・JTキャピタルについて、21年に全株式の譲渡を完了した。これによって韓国・JTキャピタルおよびその子会社が連結子会社から除外となる。韓国・JT貯蓄銀行の株式譲渡についても手続きを進めている。

 今後の韓国およびモンゴル金融事業は、韓国のTA Assetが債権回収業務、モンゴルのJトラストクレジットNBFIが割賦業務を展開する。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB、19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開している。

 JTRBはカンボジアの大手資金移動業者であるWing社との連携を強化し、金融インフラが十分に行き渡っていないカンボジアにおいて金融サービスの裾野拡大に貢献している。21年1月には、人事評価機関であるHR Asiaが選出する2020HR ASIA AWARDにおいて、JTRBが「2020 Best Companies to work for in ASIA(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)」を受賞した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 課題となっていたGL社に対する訴訟も、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。タイにおける控訴審判決では21年3月にJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を棄却するとともに、GLに対して訴訟費用および弁護士費用の支払いを命じている。

 英領バージン諸島においては21年5月、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。日本では21年6月、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、24.3百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。キプロスにおいては21年8月、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 投資事業の最近の動きとしては、子会社の日本ファンディング(20年11月子会社化したプロスペクト・エナジー・マネジメントが20年12月商号変更)が、20年12月にグローム・ホールディングス<8938>の子会社LCレンディング(LCL社)の株式を100%取得した。投資関連事業の拡大に向けてLCL社のクラウドファンディング事業とのシナジーを創出する。

 非金融のその他事業ではJトラストシステムがITシステム事業を展開している。

 総合エンターテインメント事業のKeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 この結果、20年12月期のセグメント別営業利益は、日本金融事業が48億60百万円(決算期変更で9ヶ月決算の19年12月期は30億82百万円)、韓国・モンゴル金融事業が3億30百万円の赤字(同21億60百万円の黒字)、東南アジア金融事業が55億41百万円の赤字(同46億67百万円の赤字)、投資事業が16億51百万円の赤字(同17億68百万円の赤字)、その他事業が1億61百万円の赤字(同4億07百万円の赤字)となった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■21年12月期黒字転換予想、さらに再上振れの可能性

 21年12月期連結業績(IFRS)予想(5月13日に上方修正)は、営業収益が20年12月期比5.0%減の421億01百万円、営業利益が55億03百万円の黒字(20年12月期は19億53百万円の赤字)、税引前利益が82億55百万円の黒字(同1億84百万円の赤字)、親会社所有者帰属当期利益が20億円の黒字(同53億42百万円の赤字)としている。配当予想は復配の1円(期末一括)である。

 第2四半期累計は、営業収益が前年同期比3.3%増の223億40百万円、営業利益が71億60百万円の黒字(前年同期は10億40百万円の赤字)、税引前利益が75億65百万円の黒字(同10億45百万円の赤字)、親会社所有者帰属四半期純利益が8.8倍の38億94百万円だった。

 日本金融事業が安定的に推移したことに加えて、韓国およびモンゴル金融事業の伸長、東南アジア金融事業の収益改善、投資事業におけるGL社に対する訴訟の勝訴判決に伴う投資回収進展などで黒字転換した。なお韓国およびモンゴル金融事業では、株式譲渡を延期したJTキャピタルおよびJT貯蓄銀行を継続事業として取り扱っている。

 セグメント別営業利益は日本金融事業が8.6%増の24億30百万円、韓国およびモンゴル金融事業が61.5%増の21億89百万円、東南アジア金融事業が20億84百万円の赤字(前年同期は28億94百万円の赤字)、投資事業が53億90百万円の黒字(同8億22百万円の赤字)、その他事業が41百万円の赤字(同2億74百万円の赤字)だった。

 四半期別に見ると第1四半期は売上収益108億67百万円で営業利益44億円、第2四半期は売上収益114億73百万円で営業利益27億60百万円だった。

 通期のセグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が36億円、韓国およびモンゴル金融事業が26億円、東南アジア金融事業が43億円の赤字、投資事業が53億円、その他が2億円の赤字としている。通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は営業収益53%、営業利益130%、税引前利益92%、当期純利益195%と高水準だった。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。ポートフォリオ再編で収益拡大基調を期待したい。

■株価は年初来高値更新の展開

 株価は年初来高値更新の展開だ。目先的には利益確定売りが優勢になる可能性もあるが、月足チャートで見ると24ヶ月移動平均線に続いて60ヶ月移動平均線を突破した。また9ヶ月移動平均線が24ヶ月移動平均線を上抜いて基調転換を確認した形であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。10月26日の終値は600円で、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円89銭で算出)は約32倍、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS865円20銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約693億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月06日更新]

Jトラストは上値試す、ポートフォリオを再編して収益拡大基調

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。21年12月期は黒字転換予想としている。東南アジア金融事業の収益改善やGL社に対する訴訟の勝訴判決に伴う投資回収進展などで、通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。ポートフォリオを再編して収益拡大基調を期待したい。株価は急伸して年初来高値を更新した。その後、地合いが悪化する中でも高値圏で堅調に推移している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。

 グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業では、20年11月にNexus Bank<4764>(旧SAMURAI&J PARTNERS)と、株式交換によってJトラストカード、およびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外とした。またNexus BankのA種優先株式を引き受けた。Jトラストカードの連結除外によって、日本国内でのカード事業から撤退した。

 今後の日本金融事業は、日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪として展開する。日本保証は保証商品拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて業務提携している。20年12月には日本保証が財全グループと業務提携した。パルティール債権回収は信販系大手カード会社等からの債権買取回収を推進する。また21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却した。また、韓国・JTキャピタルの全株式を韓国・VI金融投資に譲渡(CK株式譲渡)、および韓国・JT貯蓄銀行の全株式を韓国・VI金融投資もしくは許容された譲受人に譲渡(SB株式譲渡)する基本合意書を締結している。このうち韓国・JTキャピタルについて、21年に全株式の譲渡を完了した。これによって韓国・JTキャピタルおよびその子会社が連結子会社から除外となる。韓国・JT貯蓄銀行の株式譲渡についても手続きを進めている。

 今後の韓国およびモンゴル金融事業は、韓国のTA Assetが債権回収業務、モンゴルのJトラストクレジットNBFIが割賦業務を展開する。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB、19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開している。

 JTRBはカンボジアの大手資金移動業者であるWing社との連携を強化し、金融インフラが十分に行き渡っていないカンボジアにおいて金融サービスの裾野拡大に貢献している。21年1月には、人事評価機関であるHR Asiaが選出する2020HR ASIA AWARDにおいて、JTRBが「2020 Best Companies to work for in ASIA(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)」を受賞した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 課題となっていたGL社に対する訴訟も、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。タイにおける控訴審判決では21年3月にJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を棄却するとともに、GLに対して訴訟費用および弁護士費用の支払いを命じている。

 英領バージン諸島においては21年5月、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。日本では21年6月、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、24.3百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。キプロスにおいては21年8月、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 投資事業の最近の動きとしては、子会社の日本ファンディング(20年11月子会社化したプロスペクト・エナジー・マネジメントが20年12月商号変更)が、20年12月にグローム・ホールディングス<8938>の子会社LCレンディング(LCL社)の株式を100%取得した。投資関連事業の拡大に向けてLCL社のクラウドファンディング事業とのシナジーを創出する。

 非金融のその他事業ではJトラストシステムがITシステム事業を展開している。

 総合エンターテインメント事業のKeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 この結果、20年12月期のセグメント別営業利益は、日本金融事業が48億60百万円(決算期変更で9ヶ月決算の19年12月期は30億82百万円)、韓国・モンゴル金融事業が3億30百万円の赤字(同21億60百万円の黒字)、東南アジア金融事業が55億41百万円の赤字(同46億67百万円の赤字)、投資事業が16億51百万円の赤字(同17億68百万円の赤字)、その他事業が1億61百万円の赤字(同4億07百万円の赤字)となった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■21年12月期黒字転換予想、さらに再上振れの可能性

 21年12月期連結業績(IFRS)予想(5月13日に上方修正)は、営業収益が20年12月期比5.0%減の421億01百万円、営業利益が55億03百万円の黒字(20年12月期は19億53百万円の赤字)、税引前利益が82億55百万円の黒字(同1億84百万円の赤字)、親会社所有者帰属当期利益が20億円の黒字(同53億42百万円の赤字)としている。配当予想は復配の1円(期末一括)である。

 第2四半期累計は、営業収益が前年同期比3.3%増の223億40百万円、営業利益が71億60百万円の黒字(前年同期は10億40百万円の赤字)、税引前利益が75億65百万円の黒字(同10億45百万円の赤字)、親会社所有者帰属四半期純利益が8.8倍の38億94百万円だった。

 日本金融事業が安定的に推移したことに加えて、韓国およびモンゴル金融事業の伸長、東南アジア金融事業の収益改善、投資事業におけるGL社に対する訴訟の勝訴判決に伴う投資回収進展などで黒字転換した。なお韓国およびモンゴル金融事業では、株式譲渡を延期したJTキャピタルおよびJT貯蓄銀行を継続事業として取り扱っている。

 セグメント別営業利益は日本金融事業が8.6%増の24億30百万円、韓国およびモンゴル金融事業が61.5%増の21億89百万円、東南アジア金融事業が20億84百万円の赤字(前年同期は28億94百万円の赤字)、投資事業が53億90百万円の黒字(同8億22百万円の赤字)、その他事業が41百万円の赤字(同2億74百万円の赤字)だった。

 四半期別に見ると第1四半期は売上収益108億67百万円で営業利益44億円、第2四半期は売上収益114億73百万円で営業利益27億60百万円だった。

 通期のセグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が36億円、韓国およびモンゴル金融事業が26億円、東南アジア金融事業が43億円の赤字、投資事業が53億円、その他が2億円の赤字としている。通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は営業収益53%、営業利益130%、税引前利益92%、当期純利益195%と高水準だった。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。ポートフォリオ再編で収益拡大基調を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は急伸して年初来高値を更新した。その後、地合いが悪化する中でも高値圏で堅調に推移している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。10月5日の終値は520円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円89銭で算出)は約28倍、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS865円20銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約600億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月22日更新]

Jトラストは年初来高値に接近、ポートフォリオ再編で収益拡大基調

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。21年12月期は黒字転換予想としている。東南アジア金融事業の収益改善やGL社に対する訴訟の勝訴判決に伴う投資回収進展などで、通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。ポートフォリオ再編で収益拡大基調を期待したい。株価は水準を切り上げて6月の年初来高値に接近している。上値を試す展開を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。

 グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業では、20年11月にNexus Bank<4764>(旧SAMURAI&J PARTNERS)と、株式交換によってJトラストカード、およびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外とした。またNexus BankのA種優先株式を引き受けた。Jトラストカードの連結除外によって、日本国内でのカード事業から撤退した。

 今後の日本金融事業は、日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪として展開する。日本保証は保証商品拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて業務提携している。20年12月には日本保証が財全グループと業務提携した。パルティール債権回収は信販系大手カード会社等からの債権買取回収を推進する。また21年8月には子会社Frontier Capitalを設立してファクタリング事業を開始した。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却した。また、韓国・JTキャピタルの全株式を韓国・VI金融投資に譲渡(CK株式譲渡)、および韓国・JT貯蓄銀行の全株式を韓国・VI金融投資もしくは許容された譲受人に譲渡(SB株式譲渡)する基本合意書を締結している。このうち韓国・JTキャピタルについて、21年8月31日付で全株式の譲渡を完了した。これによって韓国・JTキャピタルおよびその子会社が連結子会社から除外となる。韓国・JT貯蓄銀行の株式譲渡についても手続きを進めている。

 今後の韓国およびモンゴル金融事業は、韓国のTA Assetが債権回収業務、モンゴルのJトラストクレジットNBFIが割賦業務を展開する。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB、19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開している。

 JTRBはカンボジアの大手資金移動業者であるWing社との連携を強化し、金融インフラが十分に行き渡っていないカンボジアにおいて金融サービスの裾野拡大に貢献している。21年1月には、人事評価機関であるHR Asiaが選出する2020HR ASIA AWARDにおいて、JTRBが「2020 Best Companies to work for in ASIA(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)」を受賞した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 課題となっていたGL社に対する訴訟も、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。タイにおける控訴審判決では21年3月にJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を棄却するとともに、GLに対して訴訟費用および弁護士費用の支払いを命じている。

 英領バージン諸島においては21年5月、控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。日本では21年6月、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに対して、24.3百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。キプロスにおいては21年8月、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起し、裁判所が被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 投資事業の最近の動きとしては、子会社の日本ファンディング(20年11月子会社化したプロスペクト・エナジー・マネジメントが20年12月商号変更)が、20年12月にグローム・ホールディングス<8938>の子会社LCレンディング(LCL社)の株式を100%取得した。投資関連事業の拡大に向けてLCL社のクラウドファンディング事業とのシナジーを創出する。

 非金融のその他事業ではJトラストシステムがITシステム事業を展開している。

 総合エンターテインメント事業のKeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 この結果、20年12月期のセグメント別営業利益は、日本金融事業が48億60百万円(決算期変更で9ヶ月決算の19年12月期は30億82百万円)、韓国・モンゴル金融事業が3億30百万円の赤字(同21億60百万円の黒字)、東南アジア金融事業が55億41百万円の赤字(同46億67百万円の赤字)、投資事業が16億51百万円の赤字(同17億68百万円の赤字)、その他事業が1億61百万円の赤字(同4億07百万円の赤字)となった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■21年12月期黒字転換予想、さらに再上振れの可能性

 21年12月期連結業績(IFRS)予想(5月13日に上方修正)は、営業収益が20年12月期比5.0%減の421億01百万円、営業利益が55億03百万円の黒字(20年12月期は19億53百万円の赤字)、税引前利益が82億55百万円の黒字(同1億84百万円の赤字)、親会社所有者帰属当期利益が20億円の黒字(同53億42百万円の赤字)としている。配当予想は復配の1円(期末一括)である。

 第2四半期累計は、営業収益が前年同期比3.3%増の223億40百万円、営業利益が71億60百万円の黒字(前年同期は10億40百万円の赤字)、税引前利益が75億65百万円の黒字(同10億45百万円の赤字)、親会社所有者帰属四半期純利益が8.8倍の38億94百万円だった。

 日本金融事業が安定的に推移したことに加えて、韓国およびモンゴル金融事業の伸長、東南アジア金融事業の収益改善、投資事業におけるGL社に対する訴訟の勝訴判決に伴う投資回収進展などで黒字転換した。なお韓国およびモンゴル金融事業では、株式譲渡を延期したJTキャピタルおよびJT貯蓄銀行を継続事業として取り扱っている。

 セグメント別営業利益は日本金融事業が8.6%増の24億30百万円、韓国およびモンゴル金融事業が61.5%増の21億89百万円、東南アジア金融事業が20億84百万円の赤字(前年同期は28億94百万円の赤字)、投資事業が53億90百万円の黒字(同8億22百万円の赤字)、その他事業が41百万円の赤字(同2億74百万円の赤字)だった。

 四半期別に見ると第1四半期は売上収益108億67百万円で営業利益44億円、第2四半期は売上収益114億73百万円で営業利益27億60百万円だった。

 通期のセグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が36億円、韓国およびモンゴル金融事業が26億円、東南アジア金融事業が43億円の赤字、投資事業が53億円、その他が2億円の赤字としている。通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は営業収益53%、営業利益130%、税引前利益92%、当期純利益195%と高水準だった。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。ポートフォリオ再編で収益拡大基調を期待したい。

■株価は年初来高値に接近

 株価は水準を切り上げて6月の年初来高値に接近している。上値を試す展開を期待したい。9月21日の終値は400円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円89銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS865円20銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約462億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月31日更新]

Jトラストは戻り試す、21年12月期予想は再上振れの可能性

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。21年12月期は黒字転換予想としている。第2四半期累計は東南アジア金融事業の収益改善、GL社に対する訴訟の勝訴判決に伴う投資回収進展などで黒字転換した。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。ポートフォリオ再編で収益拡大基調を期待したい。株価は利益確定売りが一巡して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。

 グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業では、20年11月にNexus Bank<4764>(旧SAMURAI&J PARTNERS)と、株式交換によってJトラストカード、およびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外とした。またNexus BankのA種優先株式を引き受けた。Jトラストカードの連結除外によって、日本国内でのカード事業から撤退した。

 今後の日本金融事業は、日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪として展開する。日本保証は保証商品拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて業務提携している。20年12月には日本保証が財全グループと業務提携した。パルティール債権回収は信販系大手カード会社等からの債権買取回収を推進する。さらに7月21日には、子会社Frontier Capitalを設立(8月2日予定)してファクタリング事業を開始すると発表した。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却した。なお韓国・JTキャピタルの全株式を韓国・VI金融投資に譲渡(CK株式譲渡)および韓国・JT貯蓄銀行の全株式を韓国・VI金融投資もしくは許容された譲受人に譲渡(SB株式譲渡)する基本合意書を締結し、取引集結予定日を21年6月15日としていたが、全体的なデューデリジェンスの遅れや売買スキーム変更の検討などで取引終結日を延期し、8月末頃の取引終結見込みとしている。

 今後の韓国およびモンゴル金融事業は、韓国のTA Assetが債権回収業務、モンゴルのJトラストクレジットNBFIが割賦業務を展開する。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB、19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開している。

 JTRBはカンボジアの大手資金移動業者であるWing社との連携を強化し、金融インフラが十分に行き渡っていないカンボジアにおいて金融サービスの裾野拡大に貢献している。21年1月には、人事評価機関であるHR Asiaが選出する2020HR ASIA AWARDにおいて、JTRBが「2020 Best Companies to work for in ASIA(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)」を受賞した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 課題となっていたGL社に対する訴訟も、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。タイにおける控訴審判決では21年3月にJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を棄却するとともに、GLに対して訴訟費用および弁護士費用の支払いを命じている。

 また英領バージン諸島においては21年5月に控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。日本では21年6月にA.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに24.3百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。キプロスにおいては8月5日に、此下益司氏ならびにキプロス所在4社に対して、約130百万米ドルの賠償を求める訴訟を提起した。かかる訴えに関連して裁判所は8月9日に、被告らに対する全世界的資産凍結命令を発令した。

 投資事業の最近の動きとしては、子会社の日本ファンディング(20年11月子会社化したプロスペクト・エナジー・マネジメントが20年12月商号変更)が、20年12月にグローム・ホールディングス<8938>の子会社LCレンディング(LCL社)の株式を100%取得した。投資関連事業の拡大に向けてLCL社のクラウドファンディング事業とのシナジーを創出する。

 非金融のその他事業ではJトラストシステムがITシステム事業を展開している。

 総合エンターテインメント事業のKeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 この結果、20年12月期のセグメント別営業利益は、日本金融事業が48億60百万円(決算期変更で9ヶ月決算の19年12月期は30億82百万円)、韓国・モンゴル金融事業が3億30百万円の赤字(同21億60百万円の黒字)、東南アジア金融事業が55億41百万円の赤字(同46億67百万円の赤字)、投資事業が16億51百万円の赤字(同17億68百万円の赤字)、その他事業が1億61百万円の赤字(同4億07百万円の赤字)となった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■21年12月期2Q累計黒字転換、通期黒字転換予想で再上振れの可能性

 21年12月期連結業績(IFRS)予想(5月13日に上方修正)は、営業収益が20年12月期比5.0%減の421億01百万円、営業利益が55億03百万円の黒字(20年12月期は19億53百万円の赤字)、税引前利益が82億55百万円の黒字(同1億84百万円の赤字)、親会社所有者帰属当期利益が20億円の黒字(同53億42百万円の赤字)としている。配当予想は復配の1円(期末一括)である。

 第2四半期累計は、営業収益が前年同期比3.3%増の223億40百万円、営業利益が71億60百万円の黒字(前年同期は10億40百万円の赤字)、税引前利益が75億65百万円の黒字(同10億45百万円の赤字)、親会社所有者帰属四半期純利益が8.8倍の38億94百万円だった。

 日本金融事業が安定的に推移したことに加えて、韓国およびモンゴル金融事業の伸長、東南アジア金融事業の収益改善、投資事業におけるGL社に対する訴訟の勝訴判決に伴う投資回収進展などで黒字転換した。なお韓国およびモンゴル金融事業では、株式譲渡を延期したJTキャピタルおよびJT貯蓄銀行を継続事業として取り扱っている。

 セグメント別営業利益は日本金融事業が8.6%増の24億30百万円、韓国およびモンゴル金融事業が61.5%増の21億89百万円、東南アジア金融事業が20億84百万円の赤字(前年同期は28億94百万円の赤字)、投資事業が53億90百万円の黒字(同8億22百万円の赤字)、その他事業が41百万円の赤字(同2億74百万円の赤字)だった。

 四半期別に見ると第1四半期は売上収益108億67百万円で営業利益44億円、第2四半期は売上収益114億73百万円で営業利益27億60百万円だった。

 通期のセグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が36億円、韓国およびモンゴル金融事業が26億円、東南アジア金融事業が43億円の赤字、投資事業が53億円、その他が2億円の赤字としている。通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は営業収益53%、営業利益130%、税引前利益92%、当期純利益195%と高水準だった。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。ポートフォリオ再編で収益拡大基調を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は利益確定売りが一巡して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。8月30日の終値は352円で、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円89銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS865円20銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約406億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[07月28日更新]

Jトラストは戻り試す、事業ポートフォリオ再編で収益改善基調

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。21年12月期は黒字転換予想としている。ポートフォリオ再編で収益改善基調を期待したい。株価は6月の年初来高値圏から一旦反落したが、利益確定売りが一巡して切り返しの動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。なお8月12日に21年12月期第2四半期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。

 グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業では、20年11月にNexus Bank<4764>(旧SAMURAI&J PARTNERS)と、株式交換によってJトラストカード、およびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外とした。またNexus BankのA種優先株式を引き受けた。Jトラストカードの連結除外によって、日本国内でのカード事業から撤退した。

 今後の日本金融事業は、日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪として展開する。日本保証は保証商品拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて業務提携している。20年12月には日本保証が財全グループと業務提携した。パルティール債権回収は信販系大手カード会社等からの債権買取回収を推進する。さらに7月21日には、子会社Frontier Capitalを設立(8月2日予定)してファクタリング事業を開始すると発表した。

 韓国およびモンゴル金融事業では、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却した。なお韓国・JTキャピタルの全株式を韓国・VI金融投資に譲渡(CK株式譲渡)および韓国・JT貯蓄銀行の全株式を韓国・VI金融投資もしくは許容された譲受人に譲渡(SB株式譲渡)する基本合意書を締結し、取引集結予定日を21年6月15にとしていたが、全体的なデューデリジェンスの遅れや売買スキーム変更の検討などで取引終結日を延期し、8月末頃の取引終結見込みとしている。

 今後の韓国およびモンゴル金融事業は、韓国のTA Assetが債権回収業務、モンゴルのJトラストクレジットNBFIが割賦業務を展開する。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB、19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開している。

 JTRBはカンボジアの大手資金移動業者であるWing社との連携を強化し、金融インフラが十分に行き渡っていないカンボジアにおいて金融サービスの裾野拡大に貢献している。21年1月には、人事評価機関であるHR Asiaが選出する2020HR ASIA AWARDにおいて、JTRBが「2020 Best Companies to work for in ASIA(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)」を受賞した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 課題となっていたGL社に対する訴訟も、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポールにおいては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。タイにおける控訴審判決では21年3月にJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を棄却するとともに、GLに対して訴訟費用および弁護士費用の支払いを命じている。

 また英領バージン諸島においては21年5月に控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。日本では21年6月にA.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに24.3百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。

 投資事業の最近の動きとしては、子会社の日本ファンディング(20年11月子会社化したプロスペクト・エナジー・マネジメントが20年12月商号変更)が、20年12月にグローム・ホールディングス<8938>の子会社LCレンディング(LCL社)の株式を100%取得した。投資関連事業の拡大に向けてLCL社のクラウドファンディング事業とのシナジーを創出する。

 非金融のその他事業ではJトラストシステムがITシステム事業を展開している。

 総合エンターテインメント事業のKeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 この結果、20年12月期のセグメント別営業利益は、日本金融事業が48億60百万円(決算期変更で9ヶ月決算の19年12月期は30億82百万円)、韓国・モンゴル金融事業が3億30百万円の赤字(同21億60百万円の黒字)、東南アジア金融事業が55億41百万円の赤字(同46億67百万円の赤字)、投資事業が16億51百万円の赤字(同17億68百万円の赤字)、その他事業が1億61百万円の赤字(同4億07百万円の赤字)となった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■21年12月期黒字転換予想

 21年12月期連結業績(IFRS)予想(5月13日に上方修正)は、営業収益が20年12月期比5.0%減の421億01百万円、営業利益が55億03百万円の黒字(20年12月期は19億53百万円の赤字)、税引前利益が82億55百万円の黒字(同1億84百万円の赤字)、親会社所有者帰属当期利益が20億円の黒字(同53億42百万円の赤字)としている。配当予想は復配の1円(期末一括)である。

 第1四半期は営業収益が前年同期比1.3%減の108億67百万円、営業利益が44億円(前年同期は3億20百万円)、税引前利益が62億13百万円(同2億19百万円)、親会社株主帰属四半期利益が83.6%増の28億29百万円だった。

 東南アジア金融事業の収益が改善し、さらにGL社に対する訴訟の勝訴判決で一部履行を受けた。セグメント別利益は日本金融事業が0.9%増の11億82百万円、韓国およびモンゴル金融事業が55.4%増の11億79百万円、東南アジア金融事業が5億21百万円(前年同期は12億04百万円の赤字)、投資事業が30億38百万円(同4億73百万円の赤字)だった。

 通期のセグメント別利益計画は、日本金融事業が36億円、韓国およびモンゴル金融事業が26億円(29億円上方修正)、東南アジア金融事業が43億円の赤字、投資事業が53億円(27億円上方修正)、その他が2億円の赤字としている。なおGL社に対する訴訟勝訴判決で一部履行として4月7日に受領した1700万米ドル、および4月29日に受領した720万米ドルを第2四半期のその他収益として計上する。ポートフォリオ再編で収益改善基調を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は6月の年初来高値圏から一旦反落したが、利益確定売りが一巡して切り返しの動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。7月27日の終値は370円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円89銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS865円20銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約427億円である。
(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
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[06月29日更新]

Jトラストは上値試す、21年12月期黒字転換予想で収益改善基調

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。課題となっていたGL社に対する訴訟も、勝訴判決に基づいて一部履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。21年12月期は黒字転換予想としている。ポートフォリオ再編で収益改善基調を期待したい。株価は年初来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。

 グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は、日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪として展開する。日本保証は保証商品拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて業務提携している。20年12月には日本保証が財全グループと業務提携した。パルティール債権回収は信販系大手カード会社等からの債権買取回収を推進する。

 20年11月にNexus Bank<4764>(旧SAMURAI&J PARTNERS)と、株式交換によってJトラストカード、およびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外とした。またNexus BankのA種優先株式を引き受けた。Jトラストカードの連結除外によって、日本国内でのカード事業から撤退した。

 韓国およびモンゴル金融事業は、韓国のTA Assetが債権回収業務、モンゴルのJトラストクレジットNBFIが割賦業務を展開する。

 韓国・JT親愛貯蓄銀行は、直接親会社のJトラストカードと一緒に売却した。

 なお韓国・JTキャピタルは韓国・VI金融投資に売却、韓国・JT貯蓄銀行は韓国・VI金融投資もしくは許容された譲受人に売却(SB株式譲渡、韓国金融委員会の承認取得後ただちに)して連結除外する。なおJTキャピタルの株式譲渡を21年6月15日予定としていたが、デューデリジェンスの遅れや売買スキームの変更などで取引終結日を変更した。8月末頃の取引終結見込みとしている。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB、19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開している。

 JTRBはカンボジアの大手資金移動業者であるWing社との連携を強化し、金融インフラが十分に行き渡っていないカンボジアにおいて金融サービスの裾野拡大に貢献している。21年1月には、人事評価機関であるHR Asiaが選出する2020HR ASIA AWARDにおいて、JTRBが「2020 Best Companies to work for in ASIA(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)」を受賞した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 課題となっていたGL社に対する訴訟も、勝訴判決に基づいて一部履行を受けるなど解消に向けた動きが進展している。シンガポール共和国においては控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。タイにおける控訴審判決では、21年3月にJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を棄却するとともに、GLに対して訴訟費用および弁護士費用の支払いを命じている。

 また英領バージン諸島においては、21年5月31日に控訴裁判所が昭和ホールディングスによる上訴を棄却した。日本では6月21日に、A.P.F.GROUP、昭和ホールディングス、ウェッジホールディングスに24.3百万米ドルの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。

 投資事業の最近の動きとしては、子会社の日本ファンディング(20年11月子会社化したプロスペクト・エナジー・マネジメントが20年12月商号変更)が、20年12月にグローム・ホールディングス<8938>の子会社LCレンディング(LCL社)の株式を100%取得した。投資関連事業の拡大に向けてLCL社のクラウドファンディング事業とのシナジーを創出する。

 非金融のその他事業ではJトラストシステムがITシステム事業を展開している。

 総合エンターテインメント事業のKeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 この結果、20年12月期のセグメント別営業利益は、日本金融事業が48億60百万円(決算期変更で9ヶ月決算の19年12月期は30億82百万円)、韓国・モンゴル金融事業が3億30百万円の赤字(同21億60百万円の黒字)、東南アジア金融事業が55億41百万円の赤字(同46億67百万円の赤字)、投資事業が16億51百万円の赤字(同17億68百万円の赤字)、その他事業が1億61百万円の赤字(同4億07百万円の赤字)となった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■21年12月期黒字転換予想

 21年12月期連結業績(IFRS)予想は5月13日に大幅上方修正して、営業収益が20年12月期比5.0%減の421億01百万円、営業利益が55億03百万円の黒字(20年12月期は19億53百万円の赤字)、税引前利益が82億55百万円の黒字(同1億84百万円の赤字)、親会社所有者帰属当期利益が20億円の黒字(同53億42百万円の赤字)としている。配当予想は復配の1円(期末一括)である。

 第1四半期は営業収益が前年同期比1.3%減の108億67百万円、営業利益が44億円(前年同期は3億20百万円)、税引前利益が62億13百万円(同2億19百万円)、四半期利益が83.6%増の28億29百万円だった。

 東南アジア金融事業の収益が改善し、さらにGL社に対する訴訟の勝訴判決で一部履行を受けた。セグメント別利益は日本金融事業が0.9%増の11億82百万円、韓国およびモンゴル金融事業が55.4%増の11億79百万円、東南アジア金融事業が5億21百万円(前年同期は12億04百万円の赤字)、投資事業が30億38百万円(同4億73百万円の赤字)だった。


 通期のセグメント別利益計画は、日本金融事業が36億円、韓国およびモンゴル金融事業が26億円(29億円上方修正)、東南アジア金融事業が43億円の赤字、投資事業が53億円(27億円上方修正)、その他が2億円の赤字としている。GL社に対する訴訟の勝訴判決で一部履行として4月7日に受領した1700万米ドル、および4月29日に受領した720万米ドルを第2四半期のその他収益として計上する。なお株式譲渡を中止した韓国・JT貯蓄銀行を継続事業に組み込む。一方で株式譲渡を決定した韓国・JTキャピタルを非継続事業とする。ポートフォリオ再編で収益改善基調を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は年初来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。6月28日の終値は377円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円89銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS865円20銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約435億円である。
(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
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[05月31日更新]

Jトラストは上値試す、21年12月期予想を上方修正して収益改善基調

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。21年12月期黒字転換予想としている。第1四半期は大幅増益だった。またGL社に対する訴訟の勝訴判決で一部履行を受けたため、通期予想を大幅に上方修正している。ポートフォリオ再編で収益改善基調を期待したい。株価は急伸して年初来高値を更新している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。

 グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は、日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪として展開する。日本保証は保証商品拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて業務提携している。20年12月には日本保証が財全グループと業務提携した。パルティール債権回収は信販系大手カード会社等からの債権買取回収を推進する。

 20年11月にNexus Bank<4764>(旧SAMURAI&J PARTNERS)と、株式交換によってJトラストカード、およびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外とした。またNexus BankのA種優先株式を引き受けた。Jトラストカードの連結除外によって、日本国内でのカード事業から撤退した。

 韓国およびモンゴル金融事業は、韓国のTA Assetが債権回収業務、モンゴルのJトラストクレジットNBFIが割賦業務を展開する。

 韓国・JT親愛貯蓄銀行は、直接親会社のJトラストカードと一緒に売却した。

 なお韓国・JTキャピタルは韓国・VI金融投資に売却(CK株式譲渡、21年6月15日予定)、韓国・JT貯蓄銀行は韓国・VI金融投資もしくは許容された譲受人に売却(SB株式譲渡、韓国金融委員会の承認取得後ただちに)して連結除外する。20年10月29日発表時点では韓国・JT貯蓄銀行を韓国・VI金融投資に売却予定(21年3月予定)としていたが、韓国・VI金融投資が期日までに韓国金融委員会の承認を取り付けることができなかったため一旦中止とした。そして4月5日に新たなスキーム(CK株式譲渡、SB株式譲渡)を発表した。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB、19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開している。

 JTRBはカンボジアの大手資金移動業者であるWing社との連携を強化し、金融インフラが十分に行き渡っていないカンボジアにおいて金融サービスの裾野拡大に貢献している。21年1月には、人事評価機関であるHR Asiaが選出する2020HR ASIA AWARDにおいて、JTRBが「2020 Best Companies to work for in ASIA(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)」を受賞した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 訴訟問題解決に向けた動きも進展している。シンガポール共和国の控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいて債権回収が進展している。タイにおける控訴審判決では、21年3月にJトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を棄却するとともに、GLに対して訴訟費用および弁護士費用の支払いを命じている。

 投資事業の最近の動きとしては、子会社の日本ファンディング(20年11月子会社化したプロスペクト・エナジー・マネジメントが20年12月商号変更)が、20年12月にグローム・ホールディングス<8938>の子会社LCレンディング(LCL社)の株式を100%取得した。投資関連事業の拡大に向けてLCL社のクラウドファンディング事業とのシナジーを創出する。

 非金融のその他事業ではJトラストシステムがITシステム事業を展開している。

 総合エンターテインメント事業のKeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 この結果、20年12月期のセグメント別営業利益は、日本金融事業が48億60百万円(決算期変更で9ヶ月決算の19年12月期は30億82百万円)、韓国・モンゴル金融事業が3億30百万円の赤字(同21億60百万円の黒字)、東南アジア金融事業が55億41百万円の赤字(同46億67百万円の赤字)、投資事業が16億51百万円の赤字(同17億68百万円の赤字)、その他事業が1億61百万円の赤字(同4億07百万円の赤字)となった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■21年12月期1Q大幅増益、通期予想を大幅に上方修正

 21年12月期連結業績(IFRS)予想は、5月13日に大幅上方修正して、営業収益が20年12月期比5.0%減の421億01百万円、営業利益が55億03百万円の黒字(20年12月期は19億53百万円の赤字)、税引前利益が82億55百万円の黒字(同1億84百万円の赤字)、親会社所有者帰属当期利益が20億円の黒字(同53億42百万円の赤字)としている。配当予想は復配の1円(期末一括)である。

 第1四半期は営業収益が前年同期比1.3%減の108億67百万円、営業利益が44億円(前年同期は3億20百万円)、税引前利益が62億13百万円(同2億19百万円)、四半期利益が83.6%増の28億29百万円だった。

 東南アジア金融事業の収益が改善し、さらにGL社に対する訴訟の勝訴判決で一部履行を受けた。セグメント別利益は日本金融事業が0.9%増の11億82百万円、韓国およびモンゴル金融事業が55.4%増の11億79百万円、東南アジア金融事業が5億21百万円(前年同期は12億04百万円の赤字)、投資事業が30億38百万円(同4億73百万円の赤字)だった。

 通期予想は大幅に上方修正した。第2四半期に、GL社に対する訴訟の勝訴判決で一部履行として4月7日に受領した1700万米ドル、および4月29日に受領した720万米ドルを、その他収益として計上する。なお株式譲渡を中止した韓国・JT貯蓄銀行を継続事業に組み込む。一方で株式譲渡を決定した韓国・JTキャピタルを非継続事業とする。

 修正後のセグメント別利益計画は、日本金融事業が36億円、韓国およびモンゴル金融事業が26億円(29億円上方修正)、東南アジア金融事業が43億円の赤字、投資事業が53億円(27億円上方修正)、その他が2億円の赤字としている。ポートフォリオ再編で収益改善基調を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は急伸して年初来高値を更新している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。5月28日の終値は371円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円89銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS865円20銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約428億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月26日更新]

Jトラストは反発の動き、成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。21年12月期黒字転換予想としている。東南アジア金融事業の赤字が縮小し、投資事業も寄与する見込みだ。タイGL社関連の訴訟問題に関しても投資資金回収に向けた動きが進展している。収益改善基調を期待したい。株価は安値圏だが調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。なお5月13日に21年12月期第1四半期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。

 グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は、日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪として展開する。日本保証は保証商品拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて業務提携している。20年12月には日本保証が財全グループと業務提携した。パルティール債権回収は信販系大手カード会社等からの債権買取回収を推進する。

 20年11月にNexus Bank<4764>(旧SAMURAI&J PARTNERS)と、株式交換によってJトラストカード、およびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行を連結除外とした。またNexus BankのA種優先株式を引き受けた。Jトラストカードの連結除外によって、日本国内でのカード事業から撤退した。

 韓国およびモンゴル金融事業は、韓国のTA Assetが債権回収業務、モンゴルのJトラストクレジットNBFIが割賦業務を展開する。

 韓国・JT親愛貯蓄銀行は、直接親会社のJトラストカードと一緒に売却した。

 なお韓国・JTキャピタルは韓国・VI金融投資に売却(CK株式譲渡、21年6月15日予定)、韓国・JT貯蓄銀行は韓国・VI金融投資もしくは許容された譲受人に売却(SB株式譲渡、韓国金融委員会の承認取得後ただちに)して連結除外する。20年10月29日発表時点では韓国・JT貯蓄銀行を韓国・VI金融投資に売却予定(21年3月予定)としていたが、韓国・VI金融投資が期日までに韓国金融委員会の承認を取り付けることができなかったため一旦中止とした。そして4月5日に新たなスキーム(CK株式譲渡、SB株式譲渡)を発表した。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB、19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開している。

 JTRBはカンボジアの大手資金移動業者であるWing社との連携を強化し、金融インフラが十分に行き渡っていないカンボジアにおいて金融サービスの裾野拡大に貢献している。21年1月には、人事評価機関であるHR Asiaが選出する2020HR ASIA AWARDにおいて、JTRBが「2020 Best Companies to work for in ASIA(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)」を受賞した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 訴訟問題解決に向けた動きも進展している。21年1月にはシンガポール共和国の控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいた債権の一部回収を発表した。21年3月にはタイにおける控訴審判決で、Jトラストアジアによる権利行使は適法であるとしてGLの請求を棄却するとともに、GLに対して訴訟費用および弁護士費用の支払いを命じた。また4月7日にはシンガポール共和国の控訴裁判所の判決(20年10月)に基づいた債権の一部回収を発表した。

 投資事業の最近の動きとしては、子会社の日本ファンディング(20年11月子会社化したプロスペクト・エナジー・マネジメントが20年12月商号変更)が、20年12月にグローム・ホールディングス<8938>の子会社LCレンディング(LCL社)の株式を100%取得した。投資関連事業の拡大に向けてLCL社のクラウドファンディング事業とのシナジーを創出する。

 非金融のその他事業ではJトラストシステムがITシステム事業を展開している。

 総合エンターテインメント事業のKeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 この結果、20年12月期のセグメント別営業利益は、日本金融事業が48億60百万円(決算期変更で9ヶ月決算の19年12月期は30億82百万円)、韓国・モンゴル金融事業が3億30百万円の赤字(同21億60百万円の黒字)、東南アジア金融事業が55億41百万円の赤字(同46億67百万円の赤字)、投資事業が16億51百万円の赤字(同17億68百万円の赤字)、その他事業が1億61百万円の赤字(同4億07百万円の赤字)となった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■21年12月期黒字転換予想、事業ポートフォリオ再編で収益改善期待

 21年12月期連結業績(IFRS)予想は営業収益が326億70百万円(20年12月期は326億52百万円)、営業利益が1億06百万円の黒字(同47億52百万円の赤字)、親会社所有者帰属当期利益が5億27百万円の黒字(同53億42百万円の赤字)としている。配当予想は1円(期末一括)である。

 営業収益は横ばいだが、営業利益、当期純利益とも黒字転換予想としている。日本金融事業が堅調に推移し、東南アジア金融事業の赤字が縮小する。投資事業も寄与する見込みだ。ななおタイGL社との訴訟でシンガポール控訴裁判所判決の一部履行として受領した3700万米ドルについて、38億65百万円(概算)を第1四半期のその他収益として計上し、営業利益に反映させる予定だ。

 セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が36億74百万円の黒字、韓国およびモンゴル金融事業が3億68百万円の赤字、東南アジア金融事業が43億89百万円の赤字、投資事業が26億34百万円の黒字、その他事業が2億円の赤字としている。なお21年3月には、19年3月に取得したNexus Bankの新株予約権の一部をオータスに譲渡した。発生する譲渡益総額約1.9億円を21年12月期第1四半期の金融収益に計上予定である。事業ポートフォリオ再編で収益改善基調を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は安値圏だが調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。4月23日の終値は248円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS4円98銭で算出)は約50倍、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS865円20銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約286億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月29日更新]

Jトラストは成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編、21年12月期黒字転換予想

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。21年12月期は黒字転換予想としている。東南アジア金融事業の赤字が縮小し、投資事業も寄与する見込みだ。なおタイGL社関連の訴訟問題に関しても、投資資金回収に向けた動きが進展している。収益改善基調を期待したい。株価は戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。

 グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は、日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪として展開する。日本保証は保証商品拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて業務提携している。20年12月には日本保証が財全グループと業務提携した。パルティール債権回収は信販系大手カード会社等からの債権買取回収を推進する。

 Jトラストカードについては、20年11月1日付でNexus Bank<4764>(旧SAMURAI&J PARTNERS)を株式交換完全親会社、Jトラストカードを株式交換完全子会社として株式交換を実施した。これによってJトラストカード、およびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行が連結除外となり、日本国内でのカード事業から撤退した。またNexus BankのA種優先株式を引き受けた。なお3月5日には、保有(19年3月取得)しているNexus Bankの新株予約権の一部をオータスに譲渡すると発表した。発生する譲渡益総額約1.9億円を21年12月期第1四半期の金融収益に計上予定である。

 韓国およびモンゴル金融事業は、韓国のJTキャピタルがリース・割賦業務、韓国のTA Assetが債権回収業務、モンゴルのJトラストクレジットNBFIが割賦業務を展開する。

 韓国・JT親愛貯蓄銀行については、直接親会社のJトラストカードと一緒に売却した。韓国・JT貯蓄銀行については、全株式を韓国・VI金融投資に売却(21年3月末予定)した。2行の売却によって韓国の貯蓄銀行業から撤退した。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB、19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開している。

 JTRBはカンボジアの大手資金移動業者であるWing社との連携を強化し、金融インフラが十分に行き渡っていないカンボジアにおいて金融サービスの裾野拡大に貢献している。21年1月には、人事評価機関であるHR Asiaが選出する2020HR ASIA AWARDにおいて、JTRBが「2020 Best Companies to work for in ASIA(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)」を受賞した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 21年1月には、シンガポール共和国の控訴裁判所の判決に基づいた債権の一部回収を発表した。3月9日にはタイにおける控訴審判決で、Jトラストアジアによる権利行使は適法であるとして、原審判決を取り消してGLの請求を棄却するとともに、GLに対して訴訟費用および弁護士費用の支払いを命じた。訴訟問題解決に向けた動きと言えるだろう。

 また投資事業の最近の動きとしては、20年12月に子会社の日本ファンディング(20年11月子会社化したプロスペクト・エナジー・マネジメントが20年12月商号変更)が、グローム・ホールディングス<8938>の子会社LCレンディング(LCL社)の株式を100%取得した。投資関連事業の拡大に向けてLCL社のクラウドファンディング事業とのシナジーを創出する。

 非金融のその他事業ではJトラストシステムがITシステム事業を展開している。

 総合エンターテインメント事業のKeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 この結果、20年12月期のセグメント別営業利益は、日本金融事業が48億60百万円(決算期変更で9ヶ月決算の19年12月期は30億82百万円)、韓国・モンゴル金融事業が3億30百万円の赤字(同21億60百万円の黒字)、東南アジア金融事業が55億41百万円の赤字(同46億67百万円の赤字)、投資事業が16億51百万円の赤字(同17億68百万円の赤字)、その他事業が1億61百万円の赤字(同4億07百万円の赤字)となった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■21年12月期黒字転換予想、事業ポートフォリオ再編で収益改善期待

 21年12月期連結業績(IFRS)予想は営業収益が326億70百万円(20年12月期は326億52百万円)、営業利益が1億06百万円の黒字(同47億52百万円の赤字)、親会社所有者帰属当期利益が5億27百万円の黒字(同53億42百万円の赤字)としている。配当予想は1円(期末一括)である。

 営業収益は横ばいだが、営業利益、当期純利益とも黒字転換予想としている。日本金融事業が堅調に推移し、東南アジア金融事業の赤字が縮小する。投資事業も寄与する見込みだ。ななおタイGL社との訴訟でシンガポール控訴裁判所判決の一部履行として受領した3700万米ドルについて、38億65百万円(概算)を第1四半期のその他収益として計上し、営業利益に反映させる予定だ。

 セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が36億74百万円の黒字、韓国およびモンゴル金融事業が3億68百万円の赤字、東南アジア金融事業が43億89百万円の赤字、投資事業が26億34百万円の黒字、その他事業が2億円の赤字としている。事業ポートフォリオ再編で収益改善基調を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。3月26日の終値は253円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS4円98銭で算出)は約51倍、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS865円20銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約292億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月24日更新]

Jトラストは反発の動き、21年12月期黒字転換予想、成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。経済環境変化に対応して成長を加速させるため、子会社売却など事業ポートフォリオ再編を推進している。20年12月期は東南アジア金融事業が新型コロナウイルスの影響を受け、全体として赤字だった。ただし21年12月期は黒字転換予想としている。東南アジア金融事業の赤字が縮小し、投資事業も寄与する見込みだ。事業ポートフォリオ再編で収益改善基調を期待したい。株価は底打ちして反発の動きを強めている。基調転換して出直りを期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。

 グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 新型コロナウイルスも含めた経済環境変化に対応して成長を加速させるため、事業ポートフォリオ再編を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は、日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪として展開する。日本保証は保証商品拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて業務提携している。また20年12月には日本保証が財全グループと業務提携した。パルティール債権回収は信販系大手カード会社等からの債権買取回収を推進する。

 Jトラストカードについては、20年11月1日付でNexus Bank<4764>(旧SAMURAI&J PARTNERS)を株式交換完全親会社、Jトラストカードを株式交換完全子会社として株式交換を実施した。これによってJトラストカード、およびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行が連結除外となり、日本国内でのカード事業から撤退した。またNexus BankのA種優先株式を引き受けた。

 韓国およびモンゴル金融事業は、韓国のJTキャピタルがリース・割賦業務、韓国のTA Assetが債権回収業務、モンゴルのJトラストクレジットNBFIが割賦業務を展開する。

 韓国・JT親愛貯蓄銀行については、直接親会社のJトラストカードと一緒に売却した。韓国・JT貯蓄銀行については、全株式を韓国・VI金融投資に売却(21年3月末予定)した。2行の売却によって韓国の貯蓄銀行業から撤退した。

 東南アジア金融事業は、Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が銀行業務、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(JTO)がマルチファイナンス業務、Jトラストインベストメンツインドネシア(JTII)が債権回収業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(JTRB、19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開している。

 JTRBはカンボジアの大手資金移動業者であるWing社との連携を強化し、金融インフラが十分に行き渡っていないカンボジアにおいて金融サービスの裾野拡大に貢献している。21年1月には、人事評価機関であるHR Asiaが選出する2020HR ASIA AWARDにおいて、JTRBが「2020 Best Companies to work for in ASIA(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)」を受賞した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 ただし21年1月にはシンガポール共和国の控訴裁判所の判決に基づいた債権の一部回収、およびシンガポール共和国高等法院による当社および当社子会社に対する訴訟の却下を発表している。訴訟問題解決に向けた動きと言えるだろう。

 また20年12月に、子会社の日本ファンディング(20年11月子会社化したプロスペクト・エナジー・マネジメントが20年12月商号変更)が、グローム・ホールディングス<8938>の子会社LCレンディング(LCL社)の株式を100%取得した。投資関連事業の拡大に向けてLCL社のクラウドファンディング事業とのシナジーを創出する。

 非金融のその他事業ではJトラストシステムがITシステム事業を展開している。

 総合エンターテインメント事業のKeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡(20年12月)した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

 この結果、20年12月期のセグメント別営業利益は、日本金融事業が48億60百万円(決算期変更で9ヶ月決算の19年12月期は30億82百万円)、韓国・モンゴル金融事業が3億30百万円の赤字(同21億60百万円の黒字)、東南アジア金融事業が55億41百万円の赤字(同46億67百万円の赤字)、投資事業が16億51百万円の赤字(同17億68百万円の赤字)、その他事業が1億61百万円の赤字(同4億07百万円の赤字)となった。なお収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■21年12月期黒字転換予想、事業ポートフォリオ再編で収益改善期待

 20年12月期の連結業績(IFRS)(19年12月期は決算期変更で9ヶ月決算のため比較なし)は、営業収益が326億52百万円、営業利益が47億52百万円の赤字、親会社所有者帰属当期利益が53億42百万円の赤字だった。

 なお子会社異動で、キーノート(現グローベルス)、Jトラストカード、JT親愛貯蓄銀行(韓国)、JT貯蓄銀行(韓国)、KeyHolder<4712>および同社子会社並びに同社関連会社を非継続事業に分類した。

 営業利益は、日本金融事業が保証業務と債権回収業務の好調推移で48億60百万円の黒字、韓国およびモンゴル金融事業が前期債券売却益計上の反動で3億30百万円の赤字、東南アジア金融事業が新型コロナウイルス影響によるインドネシア景気悪化や前期計上の負ののれん益の反動などで55億41百万円の赤字、投資事業が16億51百万円の赤字、その他事業が1億61百万円の赤字だった。

 21年12月期連結業績(IFRS)予想は営業収益が326億70百万円(20年12月期は326億52百万円)、営業利益が1億06百万円の黒字(同47億52百万円の赤字)、親会社所有者帰属当期利益が5億27百万円の黒字(同53億42百万円の赤字)としている。配当予想は1円(期末一括)である。

 営業収益は横ばいだが、営業利益、当期純利益とも黒字転換予想としている。日本金融事業が堅調に推移し、東南アジア金融事業の赤字が縮小する。投資事業も寄与する見込みだ。ななおタイGL社との訴訟でシンガポール控訴裁判所判決の一部履行として受領した3700万米ドルについて、38億65百万円(概算)を第1四半期のその他収益として計上し、営業利益に反映させる予定だ。

 セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が36億74百万円の黒字、韓国およびモンゴル金融事業が3億68百万円の赤字、東南アジア金融事業が43億89百万円の赤字、投資事業が26億34百万円の黒字、その他事業が2億円の赤字としている。事業ポートフォリオ再編で収益改善基調を期待したい。

■株価は底打ちして反発の動き

 株価は底打ちして反発の動きを強めている。週足チャートで見ると13週線に続いて、26週線と52週線を一気に突破した。基調転換して出直りを期待したい。2月22日の終値は281円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS4円98銭で算出)は約56倍、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS865円20銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約324億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月26日更新]

Jトラストは底打ち、成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。経済環境変化に対応して成長を加速させるため、子会社売却など事業ポートフォリオ再編を推進している。タイGL社との訴訟問題に関しては、シンガポール共和国の控訴裁判所の判決に基づいて債権の一部を回収したと1月12日に発表し、シンガポールにおいて当社および当社子会社に対して提起された訴訟でシンガポール共和国高等法院が原告による訴えを全て却下したと1月22日に発表している。株価は軟調展開だったが、訴訟問題解決に向けた動きも好感する形で反発して底打ち感を強めている。出直りを期待したい。なお2月15日に20年12月期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開している。グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)のセグメント別営業利益は、日本金融事業30億85百万円、韓国・モンゴル金融事業75億円、東南アジア金融事業46億47百万円の赤字、総合エンターテインメント事業1億59百万円の赤字、不動産事業8億29百万円、投資事業17億68百万円の赤字、その他事業4億72百万円の赤字だった。収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 新型コロナウイルスも含めた経済環境変化に対応して成長を加速させるため、事業ポートフォリオ再編を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は、日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪として展開する。日本保証は保証商品拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて業務提携している。また20年12月には日本保証が財全グループと業務提携した。パルティール債権回収は信販系大手カード会社等からの債権買取回収を推進する。

 Jトラストカードについては、20年11月1日付でNexus Bank<4764>(旧SAMURAI&J PARTNERS)を株式交換完全親会社、Jトラストカードを株式交換完全子会社として株式交換を実施した。これによってJトラストカード、およびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行が連結除外となり、日本国内でのカード事業から撤退した。またNexus BankのA種優先株式を引き受けた。

 韓国およびモンゴル金融事業は、韓国のJTキャピタルがリース・割賦業務、韓国のTA Assetが債権回収業務、モンゴルのJトラストクレジットNBFIが割賦業務を展開する。韓国の貯蓄銀行2行については、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却、韓国・JT貯蓄銀行の全株式を韓国・VI金融投資に譲渡(21年3月末予定)して、韓国の貯蓄銀行業から撤退した。

 東南アジア金融事業は、インドネシアのJトラスト銀行が銀行業務、JトラストINVESTMENTSが債権回収業務、JトラストOLYMPINDOがマルチファイナンス業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開する。

 Jトラストロイヤル銀行はカンボジアの大手資金移動業者であるWing社との連携を強化し、金融インフラが十分に行き渡っていないカンボジアにおいて金融サービスの裾野拡大に貢献している。1月21日には、人事評価機関であるHR Asiaが選出する2020HR ASIA AWARDにおいて、Jトラストロイヤル銀行が「2020 Best Companies to work for in ASIA(アジアを代表する働き方のベストカンパニー)」を受賞したと発表している。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このため現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 ただし1月12日にシンガポール共和国の控訴裁判所の判決に基づいて債権の一部を回収したと発表し、1月22日にシンガポールにおいて当社および当社子会社に対して提起された訴訟でシンガポール共和国高等法院が原告による訴えを全て却下したと発表している。訴訟問題解決に向けた動きと言えるだろう。

 また20年12月に子会社の日本ファンディング(20年11月子会社化したプロスペクト・エナジー・マネジメントが20年12月商号変更)が、グローム・ホールディングス<8938>の子会社LCレンディング(LCL社)の株式を100%取得した。投資関連事業の拡大に向けてLCL社のクラウドファンディング事業とのシナジーを創出する。

 非金融事業ではJトラストシステムがITシステム事業を展開している。

 総合エンターテインメント事業のKeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を20年12月に、ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社に譲渡した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動した。

■20年12月期予想は未定、事業ポートフォリオ再編で収益拡大基調期待

 20年12月期第3四半期累計連結業績(IFRS)は、営業収益が388億45百万円で、営業利益が12億24百万円の赤字、税引前利益が17億50百万円の赤字、親会社所有者帰属四半期利益が12億26百万円の黒字だった。

 子会社異動でキーノート(現グローベルス)、Jトラストカード、韓国・JT親愛貯蓄銀行を非継続事業に分類した。9ヶ月決算だった19年12月期の4月〜12月実績(非継続事業組み替え後)との比較で見ると、日本金融事業の保証業務と債権回収業務の堅調推移、本社費用削減、キーノート売却益などで営業赤字縮小し、最終黒字転換した。東南アジア金融事業は前期計上の負ののれん発生益が剥落したが、前期大幅に計上した貸倒引当金繰入額が減少して赤字縮小した。

 通期の連結業績(IFRS)予想は、子会社異動の影響(Jトラストカードおよび韓国・JT親愛貯蓄銀行、韓国・JT貯蓄銀行、KeyHolder)で未定としている。配当予想は19年12月期と同額の1円(期末一括)としている。

 新型コロナウイルスも含めた経済環境変化に対応して成長を加速させるため、事業ポートフォリオ再編を推進し、子会社売却に伴って増加する手元資金は有利子負債圧縮とともに、日本金融事業の更なる拡大など積極的なポートフォリオ再編に有効活用する方針だ。事業ポートフォリオ再編推進で中期的に収益拡大基調を期待したい。

■株価は底打ち

 株価は軟調展開だったが、訴訟問題解決に向けた動きも好感する形で反発して底打ち感を強めている。出直りを期待したい。1月25日の終値は222円、前期推定配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.5%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS944円61銭で算出)は約0.2倍、時価総額は約256億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月23日更新]

Jトラストは成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。新型コロナウイルスも含めた経済環境変化に対応して成長を加速させるため、Jトラストカードおよび韓国・JT親愛貯蓄銀行の譲渡など事業ポートフォリオ再編を推進している。20年12月期は子会社異動の影響で未定としているが、中期的に収益拡大基調を期待したい。株価は水準を切り下げて軟調展開だが、ほぼ底値圏だろう。売り一巡して反発を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aも積極活用して、銀行業および債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスの提供を目指している。

 19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)のセグメント別営業利益は、日本金融事業30億85百万円、韓国・モンゴル金融事業75億円、東南アジア金融事業46億47百万円の赤字、総合エンターテインメント事業1億59百万円の赤字、不動産事業8億29百万円、投資事業17億68百万円の赤字、その他事業4億72百万円の赤字だった。収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業ポートフォリオ再編

 新型コロナウイルスも含めた経済環境変化に対応して成長を加速させるため、事業ポートフォリオ再編を推進している。子会社売却に伴って増加する換価性の高い資産は、積極的なポートフォリオ再編に活用する。

 日本金融事業は、日本保証の保証業務、パルティール債権回収の債権回収業務を両輪として展開する。日本保証は保証商品拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて業務提携している。また12月21日には日本保証と財全グループの業務提携を発表した。パルティール債権回収は信販系大手カード会社等からの債権買取回収を推進する。

 Jトラストカードについては、20年11月1日付でNexus Bank<4764>(旧SAMURAI&J PARTNERS)を株式交換完全親会社、Jトラストカードを株式交換完全子会社として株式交換を実施した。これによってJトラストカード、およびJトラストカードの子会社である韓国・JT親愛貯蓄銀行が連結除外となり、日本国内でのカード事業から撤退した。またNexus BankのA種優先株式を引き受けた。

 韓国およびモンゴル金融事業は、韓国のJTキャピタルがリース・割賦業務、韓国のTA Assetが債権回収業務、モンゴルのJトラストクレジットNBFIが割賦業務を展開する。韓国の貯蓄銀行2行については、韓国・JT親愛貯蓄銀行を直接親会社のJトラストカードと一緒に売却、韓国・JT貯蓄銀行の全株式を韓国・VI金融投資に譲渡(21年3月末予定)して韓国の貯蓄銀行業から撤退した。

 東南アジア金融事業は、インドネシアのJトラスト銀行が銀行業務、JトラストINVESTMENTSが債権回収業務、JトラストOLYMPINDOがマルチファイナンス業務、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)が銀行業務を展開する。Jトラストロイヤル銀行はカンボジアの大手資金移動業者であるWing社との連携を強化し、金融インフラが十分に行き渡っていないカンボジアにおいて金融サービスの裾野拡大に貢献している。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 また20年12月に子会社の日本ファンディング(20年11月子会社化したプロスペクト・エナジー・マネジメントが20年12月商号変更)が、グローム・ホールディングス<8938>の子会社LCレンディング(LCL社)の株式を100%取得した。投資関連事業の拡大に向けてLCL社のクラウドファンディング事業とのシナジーを創出する。

 非金融事業ではJトラストシステムがITシステム事業を展開している。

 連結子会社のKeyHolder<4712>については、保有する同社株式の一部を、第三者(ミクシィ<2121>が設立したミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合など5社)に譲渡(受渡期日12月23日)した。引き続き当社が筆頭株主となるが、KeyHolderおよび同社の連結子会社は持分法適用関連会社に異動する。

■20年12月期予想は未定、事業ポートフォリオ再編で収益拡大基調期待

 20年12月期第3四半期累計連結業績(IFRS)は、営業収益が388億45百万円で、営業利益が12億24百万円の赤字、税引前利益が17億50百万円の赤字、親会社所有者帰属四半期利益が12億26百万円の黒字だった。

 子会社異動でキーノート(現グローベルス)、Jトラストカード、韓国・JT親愛貯蓄銀行を非継続事業に分類した。9ヶ月決算だった19年12月期の4月〜12月実績(非継続事業組み替え後)との比較で見ると、日本金融事業で保証業務と債権回収業務が堅調に推移し、本社費用削減やキーノート売却益なども寄与して営業赤字縮小し、最終黒字転換した。東南アジア金融事業は前期計上の負ののれん発生益が剥落したが、前期大幅に計上した貸倒引当金繰入額が減少して赤字縮小した。

 通期の連結業績(IFRS)予想は、子会社異動の影響(Jトラストカードおよび韓国・JT親愛貯蓄銀行、韓国・JT貯蓄銀行、KeyHolder)で、9月23日に未定に修正している。なお配当予想は19年12月期と同額の1円(期末一括)としている。

 新型コロナウイルスも含めた経済環境変化に対応して成長を加速させるため、事業ポートフォリオ再編を推進する。子会社売却に伴って増加する手元資金は、有利子負債の圧縮とともに、日本金融事業の更なる拡大など、積極的なポートフォリオ再編に有効活用する方針だ。事業ポートフォリオ再編推進で中期的に収益拡大基調を期待したい。

■株価は底値圏

 株価は水準を切り下げて軟調展開だが、ほぼ底値圏だろう。売り一巡して反発を期待したい。12月22日の終値は197円、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS944円61銭で算出)は約0.2倍、時価総額は約227億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月30日更新]

Jトラストは底値圏、事業ポートフォリオ再編で収益改善基調期待

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。20年12月期第3四半期累計は日本金融事業の堅調推移などで最終黒字だった。通期予想は子会社の異動(Jトラストカードおよび韓国・JT親愛貯蓄銀行を譲渡)で未定としているが、新型コロナウイルスも含めた経済環境変化に対応して成長を加速させるため、事業ポートフォリオ再編を推進する。中期的に収益改善基調を期待したい。株価は軟調展開で4月の安値に接近しているが、ほぼ底値圏だろう。反発を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aや債権承継なども積極活用して企業価値向上や事業基盤強化に取り組んでいる。

 19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)のセグメント別営業利益は、日本金融事業30億85百万円、韓国・モンゴル金融事業75億円、東南アジア金融事業46億47百万円の赤字、総合エンターテインメント事業1億59百万円の赤字、不動産事業8億29百万円、投資事業17億68百万円の赤字、その他事業4億72百万円の赤字だった。収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収などが展開している。日本保証は保証商品の拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて保証業務の提携を行い、20年7月に提携第一弾となる「日本保証による保証つき、世田谷区土地活用ファンド」を発売し、全枠完売した。今後もCAMPFIREのブランド力を活用して魅力的な新ファンドの開発を推進する。パルティール債権回収は今後も信販系大手カード会社等からの買取を推進する。

 韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理、JトラストクレジットNBFI(モンゴル)などが展開している。JT親愛貯蓄銀行とJT貯蓄銀行を合算した総資産額は、韓国において第3位グループとなる。良質なアセットを長期的に構築する戦略を推進し、90日以上延滞率が低下傾向となっている。なおJT親愛貯蓄銀行はJTグループ入りによって経営再建が進み、グループ入り後の初配当(円換算で約16億円)を実施した。

 東南アジアは、金融事業をJトラスト銀行インドネシア、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)、投資事業をJトラストアジアが展開している。Jトラストロイヤル銀行はカンボジアの大手資金移動業者であるWing社との連携を強化し、金融インフラが十分に行き渡っていないカンボジアにおいて金融サービスの裾野拡大に貢献している。

 総合エンターテインメント事業は連結子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。また20年8月には、不動産事業および商業施設建築事業を展開するキーノートの全株式をプロスペクト<3528>に株式交換で譲渡し、キーノートを連結から除外すると発表した。

 なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

■経済環境変化に対応して事業ポートフォリオ再編

 新型コロナウイルスも含めた経済環境変化に対応して成長を加速させるため、事業ポートフォリオ再編を推進する。

 20年10月には韓国・JT貯蓄銀行の全株式を韓国・VI金融投資に譲渡(21年3月末予定)すると発表した。

 20年11月にはNexus Bank<4764>(SAMURAI&J PARTNERSが20年11月1日付で社名変更)を株式交換完全親会社、連結子会社のJトラストカードを株式交換完全子会社として株式交換を実施した。本株式交換によってJトラストカード、および同社の100%子会社である韓国のJT親愛貯蓄銀行が連結除外となる。またNexus BankのA種優先株式を引き受ける。

 また11月20日には、子会社のプロスペクト・エナジー・マネジメント(PEM社、20年11月19日子会社化、20年12月1日付けで日本ファンディングに商号変更予定)が、グローム・ホールディングス<8938>の子会社LCレンディング(LCL社)の株式100%取得(20年12月1日予定)すると発表した。国内金融事業で保証事業だけに頼らない事業基盤構築に向けて、クラウドファンディング事業を強化・拡大する。

■20年12月期予想は未定、事業ポートフォリオ再編で収益改善基調期待

 20年12月期第3四半期累計連結業績(IFRS)は、営業収益が388億45百万円で、営業利益が12億24百万円の赤字、税引前利益が17億50百万円の赤字、親会社所有者帰属四半期利益が12億26百万円の黒字だった。

 子会社異動でキーノート(現グローベルス)、Jトラストカード、韓国・JT親愛貯蓄銀行を非継続事業に分類した。9ヶ月決算だった19年12月期の4月〜12月実績(非継続事業組み替え後)との比較で見ると、日本金融事業で保証事業と債権回収事業が堅調に推移し、本社費用削減やキーノート売却益なども寄与して営業赤字縮小し、最終黒字転換した。東南アジア金融事業は前期計上の負ののれん発生益が剥落したが、前期大幅に計上した貸倒引当金繰入額が減少して赤字縮小した。

 通期連結業績(IFRS)予想は、子会社異動(Jトラストカードおよび韓国・JT親愛貯蓄銀行、韓国・JT貯蓄銀行)で9月23日に未定に修正している。

 新型コロナウイルスも含めた経済環境変化に対応して成長を加速させるため、事業ポートフォリオ再編を推進し、日本ではカード事業、韓国では貯蓄銀行業から撤退する。売却に伴って増加する手元資金については、手元流動性の増強と有利子負債圧縮を進めるとともに、日本金融事業の更なる拡大などポートフォリオ再編に有効活用する方針だ。事業ポートフォリオ再編で中期的に収益改善基調を期待したい。

■株価は底値圏

 株価は軟調展開で4月の安値に接近しているが、ほぼ底値圏だろう。反発を期待したい。11月27日の終値は210円、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS944円61銭で算出)は約0.2倍、時価総額は約242億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月26日更新]

Jトラストは底値圏、事業ポートフォリオを見直して成長加速

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。20年12月期業績予想は未定としている。新型コロナウイルスも含めた経済環境変化に対応して成長を加速させるため、事業ポートフォリオを見直して子会社Jトラストカードおよび韓国のJT親愛貯蓄銀行が連結除外となる。中期的に収益拡大を期待したい。株価は軟調展開だが、ほぼ底値圏だろう。売り一巡して反発を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aや債権承継なども積極活用して企業価値向上や事業基盤強化に取り組んでいる。

 19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)のセグメント別営業利益は、日本金融事業30億85百万円、韓国・モンゴル金融事業75億円、東南アジア金融事業46億47百万円の赤字、総合エンターテインメント事業1億59百万円の赤字、不動産事業8億29百万円、投資事業17億68百万円の赤字、その他事業4億72百万円の赤字だった。収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収などが展開している。日本保証は保証商品の拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて保証業務の提携を行い、20年7月に提携第一弾となる「日本保証による保証つき、世田谷区土地活用ファンド」を発売し、全枠完売した。今後もCAMPFIREのブランド力を活用して魅力的な新ファンドの開発を推進する。パルティール債権回収は今後も信販系大手カード会社等からの買取を推進する。

 韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理、JトラストクレジットNBFI(モンゴル)などが展開している。JT親愛貯蓄銀行とJT貯蓄銀行を合算した総資産額は、韓国において第3位グループとなる。良質なアセットを長期的に構築する戦略を推進し、90日以上延滞率が低下傾向となっている。なおJT親愛貯蓄銀行はJTグループ入りによって経営再建が進み、グループ入り後の初配当(円換算で約16億円)を実施した。

 東南アジアは、金融事業をJトラスト銀行インドネシア、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)、投資事業をJトラストアジアが展開している。Jトラストロイヤル銀行はカンボジアの大手資金移動業者であるWing社との連携を強化し、金融インフラが十分に行き渡っていないカンボジアにおいて金融サービスの裾野拡大に貢献している。

 総合エンターテインメント事業は連結子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。また20年8月には、不動産事業および商業施設建築事業を展開するキーノートの全株式をプロスペクト<3528>に株式交換で譲渡し、キーノートを連結から除外すると発表した。

 なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

■事業ポートフォリオ見直しで一部の子会社を連結除外

 20年9月に事業ポートフォリオ見直しを発表した。19年4月に新株予約権を引き受けて業務提携したSAMURAI&J PARTNERS(SAJP)<4764>を株式交換完全親会社、連結子会社のJトラストカードを株式交換完全子会社として株式交換を実施(効力発生日20年11月1日予定)する。本株式交換によってJトラストカード、および同社の100%子会社である韓国のJT親愛貯蓄銀行が連結除外となる。またSAJPのA種優先株式を取得する。

 また代表取締役の異動も発表した。筆頭株主である藤澤信義・現取締役会長が20年10月30日付で代表取締役社長最高執行役員に就任予定である。江口譲二・現代表取締役社長最高執行役員は辞任し、SAJPの代表取締役会長に就任予定である。

■20年12月期予想は未定、中期収益拡大期待

 20年12月期の連結業績(IFRS)予想については、子会社Jトラストカードおよび韓国のJT親愛貯蓄銀行が連結除外となるため9月23日に未定に修正した。IFRS第5号に基づき、異動する子会社の業績を非継続事業に組替表示する見込みである。

 なお第2四半期累計(前期の19年12月期が9ヶ月決算で第2四半期累計の対象期間が異なるため前年同期との比較なし)は、営業収益が368億09百万円、営業利益が6億89百万円、親会社所有者帰属四半期利益が4億42百万円だった。

 東南アジア金融事業における負ののれん益一巡に加えて、新型コロナウイルス影響による総合エンターテインメント事業や不動産事業の損益悪化などのマイナス要因があったが、金融事業が概ね順調に推移して営業・最終黒字だった。

 東南アジア金融事業では新型コロナウイルス影響を考慮して慎重姿勢にシフトしたが、日本金融事業では債権回収が好調に推移し、韓国・モンゴル金融事業では債権の小口分散などを図り、新型コロナウイルス影響を最小限に抑制して利益を確保した。なお新型コロナウイルス影響として、日本金融事業においては海外不動産担保ローンの新規実行が減少したが、コロナ過の資金需要で法人向け不動産担保ローンの残高が伸長したとしている。

 通期予想は未定としたが、今後は新型コロナウイルスも含めた経済環境変化に対応して成長を加速させるため、事業ポートフォリオを見直し、株主価値の最大化に努めるとしている。中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は底値圏

 株価は上値を切り下げる形で軟調展開だが、ほぼ底値圏だろう。売り一巡して反発を期待したい。10月23日の終値は234円、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS944円61銭で算出)は約0.2倍、時価総額は約270億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月28日更新]

Jトラストは事業ポートフォリオを見直して成長加速目指す

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。9月23日に21年3月期予想を未定に修正した。事業ポートフォリオを見直し、子会社Jトラストカードおよび韓国のJT親愛貯蓄銀行が連結除外となる。新型コロナウイルスも含めた経済環境変化に対応し、事業ポートフォリオを見直して成長加速を目指す方針だ。中期的に収益拡大を期待したい。株価は安値圏だが調整一巡して出直りを期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。グループビジョンに「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、国内外におけるM&Aや債権承継なども積極活用して企業価値向上や事業基盤強化に取り組んでいる。

 19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)のセグメント別営業利益は、日本金融事業30億85百万円、韓国・モンゴル金融事業75億円、東南アジア金融事業46億47百万円の赤字、総合エンターテインメント事業1億59百万円の赤字、不動産事業8億29百万円、投資事業17億68百万円の赤字、その他事業4億72百万円の赤字だった。収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収などが展開している。日本保証は保証商品の拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて保証業務の提携を行い、20年7月に提携第一弾となる「日本保証による保証つき、世田谷区土地活用ファンド」を発売し、全枠完売した。今後もCAMPFIREのブランド力を活用して魅力的な新ファンドの開発を推進する。パルティール債権回収は今後も信販系大手カード会社等からの買取を推進する。

 韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理、JトラストクレジットNBFI(モンゴル)などが展開している。JT親愛貯蓄銀行とJT貯蓄銀行を合算した総資産額は、韓国において第3位グループとなる。良質なアセットを長期的に構築する戦略を推進し、90日以上延滞率が低下傾向となっている。なおJT親愛貯蓄銀行はJTグループ入りによって経営再建が進み、グループ入り後の初配当(円換算で約16億円)を実施した。

 東南アジアは、金融事業をJトラスト銀行インドネシア、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)、投資事業をJトラストアジアが展開している。Jトラストロイヤル銀行はカンボジアの大手資金移動業者であるWing社との連携を強化し、金融インフラが十分に行き渡っていないカンボジアにおいて金融サービスの裾野拡大に貢献している。

 総合エンターテインメント事業は連結子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。また20年8月には、不動産事業および商業施設建築事業を展開するキーノートの全株式をプロスペクト<3528>に株式交換で譲渡し、キーノートを連結から除外すると発表している。

 なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

■事業ポートフォリオを見直して成長加速目指す

 9月23日に事業ポートフォリオの見直しを発表した。19年4月に新株予約権を引き受けて業務提携したSAMURAI&J PARTNERS(SAJP)<4764>を株式交換完全親会社、連結子会社のJトラストカードを株式交換完全子会社として株式交換を実施(効力発生日20年11月1日予定)する。本株式交換によってJトラストカード、および同社の100%子会社である韓国のJT親愛貯蓄銀行が連結除外となる。またSAJPのA種優先株式を取得する。

 9月23日には代表取締役の異動も発表した。筆頭株主である藤澤信義・現取締役会長が、20年10月30日付で代表取締役社長最高執行役員に就任予定である。江口譲二・現代表取締役社長最高執行役員は辞任し、SAJPの代表取締役会長に就任予定である。

■20年12月期予想は未定に修正

 20年12月期連結業績(IFRS)予想については、子会社Jトラストカードおよび韓国のJT親愛貯蓄銀行が連結除外となるため9月23日に未定に修正した。IFRS第5号に基づき、異動する子会社の業績は非継続事業に組替表示する見込みである。

 なお第2四半期累計(前期の19年12月期が9ヶ月決算で第2四半期累計の対象期間が異なるため前年同期との比較なし)は、営業収益が368億09百万円、営業利益が6億89百万円、親会社所有者帰属四半期利益が4億42百万円だった。

 東南アジア金融事業における負ののれん益一巡に加えて、新型コロナウイルス影響による総合エンターテインメント事業や不動産事業の損益悪化などのマイナス要因があったが、金融事業が概ね順調に推移して営業・最終黒字だった。

 東南アジア金融事業では新型コロナウイルス影響を考慮して慎重姿勢にシフトしたが、日本金融事業では債権回収が好調に推移し、韓国・モンゴル金融事業では債権の小口分散などを図り、新型コロナウイルス影響を最小限に抑制して利益を確保した。なお新型コロナウイルス影響として、日本金融事業においては海外不動産担保ローンの新規実行が減少したが、コロナ過の資金需要で法人向け不動産担保ローンの残高が伸長したとしている。

 通期予想は未定としたが、今後は事業ポートフォリオの価値の見直しを加速させ、株主価値の最大化に努めるとしている。新型コロナウイルスも含めた経済環境変化に対応し、事業ポートフォリオを見直して成長加速を目指す方針だ。中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は安値圏でやや軟調だが、調整一巡して出直りを期待したい。9月25日の終値は249円、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS944円61銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約288億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月26日更新]

Jトラストは反発の動き、20年12月期営業黒字予想で2Q累計順調

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、持続的成長企業の実現を目指して事業基盤拡充を推進している。20年12月期営業黒字予想で、第2四半期累計は概ね順調だった。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響が意識されるが、経済環境急変に対応してポートフォリオの最適化も検討中としている。中期的に収益拡大を期待したい。株価はやや軟調な展開だったが、4月の年初来安値を割り込まずに反発の動きを強めてきた。調整一巡して出直りを期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。グループビジョンには「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、アジアの銀行業を中心とする持続的成長企業の実現を目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)のセグメント別営業利益は、日本金融事業30億85百万円、韓国・モンゴル金融事業75億円、東南アジア金融事業46億47百万円の赤字、総合エンターテインメント事業1億59百万円の赤字、不動産事業8億29百万円、投資事業17億68百万円の赤字、その他事業4億72百万円の赤字だった。

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■事業基盤拡充を推進

 持続的成長企業の実現を目指して事業基盤拡充を推進している。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収などが展開している。日本保証は保証商品の拡充に向けて、寄付型クラウドファンディング大手のCAMPFIREと融資型クラウドファンディングにおいて保証業務の提携を行い、20年7月に提携第一弾となる「日本保証による保証つき、世田谷区土地活用ファンド」を発売し、全枠完売した。今後もCAMPFIREのブランド力を活用して魅力的な新ファンドの開発を推進する。パルティール債権回収は今後も信販系大手カード会社等からの買取を推進する。

 韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理、モンゴルのファイナンス事業会社CCIなどが展開している。JT親愛貯蓄銀行とJT貯蓄銀行を合算した総資産額は、韓国において第3位グループとなる。良質なアセットを長期的に構築する戦略を推進し、90日以上延滞率が低下傾向となっている。なおJT親愛貯蓄銀行はグループ入りにによって経営再建が進み、グループ入り後の初配当(円換算で約16億円)を実施した。

 東南アジアは、金融事業をJトラスト銀行インドネシア、カンボジアのJトラストロイヤル銀行(19年8月に商業銀行ANZRoyalBankを子会社化して商号変更)、投資事業をJトラストアジアが展開している。Jトラストロイヤル銀行はカンボジアの大手資金移動業者であるWing社との連携を強化し、金融インフラが十分に行き渡っていないカンボジアにおいて、金融サービスの裾野拡大に貢献している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は連結子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

 また19年4月にはSAMURAI&JPARTNERS<4764>が発行する新株予約権を引き受けて業務提携している。

 なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に出資したが、17年10月にタイGL社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏、およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

■20年12月期営業黒字予想、2Q累計順調

 20年12月期の連結業績(IFRS)予想は、営業収益が785億11百万円、営業利益が17億31百万円、税引前利益が14億36百万円、親会社所有者帰属当期利益が15億31百万円の赤字としている。配当予想は19年12月期と同額の1円(期末一括)としている。

 第2四半期累計(前期の19年12月期が9ヶ月決算で第2四半期累計の対象期間が異なるため前年同期との比較なし)は、営業収益が368億09百万円、営業利益が6億89百万円、税引前利益が5億58百万円、親会社所有者帰属四半期利益が4億42百万円だった。

 東南アジア金融事業における負ののれん益一巡に加えて、新型コロナウイルス影響による総合エンターテインメント事業や不動産事業の損益悪化などのマイナス要因があったが、金融事業が概ね順調に推移して営業・最終黒字と概ね順調だった。

 東南アジア金融事業では新型コロナウイルス影響を考慮して慎重姿勢にシフトしたが、日本金融事業では債権回収が好調に推移し、韓国・モンゴル金融事業では債権の小口分散などを図り、新型コロナウイルス影響を最小限に抑制して利益を確保した。なお新型コロナウイルス影響として、日本金融事業においては海外不動産担保ローンの新規実行が減少したが、コロナ過の資金需要で法人向け不動産担保ローンの残高が伸長したとしている。

 通期は営業黒字・最終赤字予想としている。子会社KeyHolderにおいて、不動産事業および商業施設建築事業を譲渡して非継続事業となることに伴って、8月12日に連結業績予想を修正したが、親会社所有者帰属当期利益予想は据え置いた。

 東南アジア金融事業では新型コロナウイルスの影響を注視し、営業活動停滞などで業績回復に時間を要する見込みだが、日本金融事業では保証商品の拡充や債権買取の強化を推進して収益積み上げを推進する。また韓国およびモンゴル金融事業では安定的な収益が見込まれるとしている。なお訴訟費用など一時的費用の増加を見込んでいる。

 当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響が意識されるが、経済環境急変に対応してポートフォリオの最適化も検討中としている。中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価はやや軟調な展開だったが、4月の年初来安値を割り込まずに反発の動きを強めてきた。調整一巡して出直りを期待したい。8月25日の終値は279円、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS944円61銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約322億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月21日更新]

Jトラストは持続的成長企業の実現を目指す

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、持続的成長企業の実現を目指している。20年12月期営業黒字予想である。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響が意識されるが、収益回復を期待したい。株価は戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。グループビジョンには「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」を掲げ、アジアの銀行業を中心とする持続的成長企業の実現を目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)のセグメント別営業利益は、日本金融事業30億85百万円、韓国・モンゴル金融事業75億円、東南アジア金融事業46億47百万円の赤字、総合エンターテインメント事業1億59百万円の赤字、不動産事業8億29百万円、投資事業17億68百万円の赤字、その他事業4億72百万円の赤字だった。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理、モンゴルのファイナンス事業会社CCIなど、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 19年4月にはSAMURAI&JPARTNERS<4764>が発行する新株予約権を引き受けて業務提携、19年8月にはカンボジアの商業銀行ANZRoyalBankを子会社化(商号変更してJトラストロイヤル銀行)した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■20年12月期営業黒字予想、1Qは黒字化と順調

 20年12月期連結業績(IFRS)予想(子会社KeyHolderの業績予想修正に伴って20年6月30日に営業収益を下方修正、営業利益と親会社所有者帰属当期利益を上方修正)は、営業収益が845億11百万円、営業利益が19億31百万円、親会社所有者帰属当期利益が15億31百万円の赤字としている。配当予想は19年12月期と同額の1円(期末一括)としている。

 営業黒字・最終赤字予想である。日本金融事業や韓国およびモンゴル金融事業は安定的な収益が見込まれるが、東南アジア金融事業の業績回復に時間を要することや、訴訟費用など一時的費用の増加も見込まれるとしている。

 なお第1四半期は営業収益が195億円、営業利益が15億55百万円、親会社所有者帰属当期利益が15億41百万円だった。日本金融事業が堅調に推移した。東南アジア金融事業ではJトラストロイヤル銀行の連結子会社化で営業収益が増加し、予想信用損失見直しで貸倒引当金繰入額が減少した。

 セグメント別営業利益は、日本金融事業が11億51百万円、韓国・モンゴル金融事業が21億88百万円、東南アジア金融事業が12億04百万円の赤字、総合エンターテインメント事業が1億62百万円の赤字、不動産事業が40百万円、投資事業が4億73百万円の赤字だった。

 当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響が意識されるが、第1四半期時点では大きな影響がなく、計画に対して上振れた。また第1四半期の進捗率は営業収益22.5%、営業利益92.5%と順調だった。通期ベースでも収益回復を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。7月20日の終値は273円、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS944円61銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約315億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月11日更新]

Jトラストは戻り試す

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。20年12月期営業黒字予想である。当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響が意識されるが、第1四半期の進捗率は順調だった。通期も収益回復を期待したい。株価は反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心とする持続的な利益拡大を目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)のセグメント別営業利益は、日本金融事業30億85百万円、韓国・モンゴル金融事業75億円、東南アジア金融事業46億47百万円の赤字、総合エンターテインメント事業1億59百万円の赤字、不動産事業8億29百万円、投資事業17億68百万円の赤字、その他事業4億72百万円の赤字だった。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理、モンゴルのファイナンス事業会社CCIなど、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 19年4月にはSAMURAI&JPARTNERS<4764>が発行する新株予約権を引き受けて業務提携、19年8月にはカンボジアの商業銀行ANZRoyalBankを子会社化(商号変更してJトラストロイヤル銀行)した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■20年12月期営業黒字予想、1Qは黒字化と順調

 20年12月期連結業績(IFRS)予想は、営業収益が865億11百万円、営業利益が16億81百万円、親会社所有者帰属当期利益が16億57百万円の赤字としている。配当予想は19年12月期と同額の1円(期末一括)としている。

 営業黒字・最終赤字予想である。日本金融事業や韓国およびモンゴル金融事業は安定的な収益が見込まれるが、東南アジア金融事業の業績回復に時間を要することや、訴訟費用など一時的費用の増加も見込まれるとしている。

 セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業29億30百万円、韓国・モンゴル金融事業58億35百万円、東南アジア金融事業34億23百万円の赤字、総合エンターテインメント事業7億20百万円、不動産事業2億98百万円、投資事業18億53百万円の赤字、その他事業1億54百万円の赤字としている。

 第1四半期は営業収益が195億円、営業利益が15億55百万円、親会社所有者帰属当期利益が15億41百万円だった。日本金融事業が堅調に推移した。東南アジア金融事業ではJトラストロイヤル銀行の連結子会社化で営業収益が増加し、予想信用損失見直しで貸倒引当金繰入額が減少した。

 セグメント別営業利益は、日本金融事業が11億51百万円、韓国・モンゴル金融事業が21億88百万円、東南アジア金融事業が12億04百万円の赤字、総合エンターテインメント事業が1億62百万円の赤字、不動産事業が40百万円、投資事業が4億73百万円の赤字だった。

 当面は新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響が意識されるが、第1四半期時点では大きな影響がなく、計画に対して上振れた。また第1四半期の進捗率は営業収益22.5%、営業利益92.5%と順調だった。通期も収益回復を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。6月10日の終値は346円、今期予想配当利回り(会社予想1円で算出)は約0.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS944円61銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約400億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月13日更新]

Jトラストは反発期待、20年12月期1Q黒字

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。20年12月期第1四半期は黒字だった。当面は新型コロナウイルスによる世界的な経済収縮の影響が懸念材料となるが、第1四半期時点では大きな影響がなく、計画に対して上振れて着地した。通期も収益回復を期待したい。株価は底固め完了感を強めている。反発を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心とする持続的な利益拡大を目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)のセグメント別営業利益は、日本金融事業30億85百万円、韓国・モンゴル金融事業75億円、東南アジア金融事業46億47百万円の赤字、総合エンターテインメント事業1億59百万円の赤字、不動産事業8億29百万円、投資事業17億68百万円の赤字、その他事業4億72百万円の赤字だった。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理、モンゴルのファイナンス事業会社CCIなど、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 19年4月にはSAMURAI&JPARTNERS<4764>が発行する新株予約権を引き受けて業務提携、19年8月にはカンボジアの商業銀行ANZRoyalBankを子会社化(商号変更してJトラストロイヤル銀行)した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■20年12月期営業黒字予想、1Qは黒字化と順調

 20年12月期連結業績(IFRS)予想は、営業収益が865億11百万円、営業利益が16億81百万円、親会社所有者帰属当期利益が16億57百万円の赤字としている。配当予想は19年12月期と同額の1円(期末一括)としている。

 営業黒字・最終赤字予想である。日本金融事業や韓国およびモンゴル金融事業は安定的な収益が見込まれるが、東南アジア金融事業の業績回復に時間を要することや、訴訟費用など一時的費用の増加も見込まれるとしている。

 セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業29億30百万円、韓国・モンゴル金融事業58億35百万円、東南アジア金融事業34億23百万円の赤字、総合エンターテインメント事業7億20百万円、不動産事業2億98百万円、投資事業18億53百万円の赤字、その他事業1億54百万円の赤字としている。

 第1四半期は営業収益が195億円、営業利益が15億55百万円、親会社所有者帰属当期利益が15億41百万円だった。日本金融事業が堅調に推移した。東南アジア金融事業ではJトラストロイヤル銀行の連結子会社化で営業収益が増加し、予想信用損失見直しで貸倒引当金繰入額が減少した。

 セグメント別営業利益は、日本金融事業が11億51百万円、韓国・モンゴル金融事業が21億88百万円、東南アジア金融事業が12億04百万円の赤字、総合エンターテインメント事業が1億62百万円の赤字、不動産事業が40百万円、投資事業が4億73百万円の赤字だった。

 当面は新型コロナウイルスによる世界的な経済収縮の影響が懸念材料となるが、第1四半期時点では大きな影響がなく、計画に対して上振れて着地したとしている。第1四半期の進捗率は営業収益22.5%、営業利益92.5%である。通期も収益回復を期待したい。

■株価は反発期待

 株価は底固め完了感を強めている。反発を期待したい。5月12日の終値は229円、今期予想配当利回り(会社予想1円で算出)は約0.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS944円61銭で算出)は約0.2倍、時価総額は約264億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月22日更新]

Jトラストは底値圏

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。20年12月期営業黒字予想である。当面は新型コロナウイルス感染症拡大による世界的な経済収縮の影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は軟調展開が続いたが、売り一巡感を強めている。底値圏だろう。反発を期待したい。なお5月12日に第1四半期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心とする持続的な利益拡大を目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)のセグメント別営業利益は、日本金融事業30億85百万円、韓国・モンゴル金融事業75億円、東南アジア金融事業46億47百万円の赤字、総合エンターテインメント事業1億59百万円の赤字、不動産事業8億29百万円、投資事業17億68百万円の赤字、その他事業4億72百万円の赤字だった。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理、モンゴルのファイナンス事業会社CCIなど、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 19年4月にはSAMURAI&JPARTNERS<4764>が発行する新株予約権を引き受けて業務提携、19年8月にはカンボジアの商業銀行ANZRoyalBankを子会社化(商号変更してJTRB)した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■20年12月期営業黒字予想

 20年12月期連結業績(IFRS)予想は、営業収益が865億11百万円、営業利益が16億81百万円、親会社所有者帰属当期利益が16億57百万円の赤字としている。配当予想は19年12月期と同額の1円(期末一括)としている。

 営業黒字・最終赤字予想である。日本金融事業や韓国およびモンゴル金融事業は安定的な収益が見込まれるが、東南アジア金融事業の業績回復に時間を要することや、訴訟費用など一時的費用の増加も見込まれるとしている。

 セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業29億30百万円、韓国・モンゴル金融事業58億35百万円、東南アジア金融事業34億23百万円の赤字、総合エンターテインメント事業7億20百万円、不動産事業2億98百万円、投資事業18億53百万円の赤字、その他事業1億54百万円の赤字としている。

 当面は新型コロナウイルス感染症拡大による世界的な経済収縮の影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は底値圏

 株価は軟調展開が続いたが、売り一巡感を強めている。底値圏だろう。反発を期待したい。4月21日の終値は206円、今期予想配当利回り(会社予想1円で算出)は約0.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS944円61銭で算出)は約0.2倍、時価総額は約238億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月27日更新]

Jトラストは売り一巡、20年12月期営業黒字予想

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。20年12月期営業黒字予想である。収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化で安値を更新したが売り一巡感を強めている。底値圏だろう。反発を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心とする持続的な利益拡大を目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)のセグメント別営業利益は、日本金融事業30億85百万円、韓国・モンゴル金融事業75億円、東南アジア金融事業46億47百万円の赤字、総合エンターテインメント事業1億59百万円の赤字、不動産事業8億29百万円、投資事業17億68百万円の赤字、その他事業4億72百万円の赤字だった。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理、モンゴルのファイナンス事業会社CCIなど、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 19年4月にはSAMURAI&JPARTNERS<4764>が発行する新株予約権を引き受けて業務提携、19年8月にはカンボジアの商業銀行ANZRoyalBankを子会社化(商号変更してJTRB)した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■20年12月期営業黒字予想

 20年12月期連結業績(IFRS)予想は、営業収益が865億11百万円、営業利益が16億81百万円、親会社所有者帰属当期利益が16億57百万円の赤字としている。配当予想は19年12月期と同額の1円(期末一括)としている。

 営業黒字・最終赤字予想である。日本金融事業や韓国およびモンゴル金融事業は安定的な収益が見込まれるが、東南アジア金融事業の業績回復に時間を要することや、訴訟費用など一時的費用の増加も見込まれるとしている。

 セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業29億30百万円、韓国・モンゴル金融事業58億35百万円、東南アジア金融事業34億23百万円の赤字、総合エンターテインメント事業7億20百万円、不動産事業2億98百万円、投資事業18億53百万円の赤字、その他事業1億54百万円の赤字としている。収益拡大を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は地合い悪化で安値を更新したが売り一巡感を強めている。底値圏だろう。反発を期待したい。3月26日の終値は227円、今期予想配当利回り(会社予想1円で算出)は約0.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS944円61銭で算出)は約0.2倍、時価総額は約262億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月26日更新]

Jトラストは底値圏、20年12月期営業黒字予想

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)は営業黒字化した。20年12月期も営業黒字予想である。株価は軟調展開で19年4月安値に接近する形だが、ほぼ底値圏だろう。反発を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心とする持続的な利益拡大を目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)のセグメント別営業利益は、日本金融事業30億85百万円、韓国・モンゴル金融事業75億円、東南アジア金融事業46億47百万円の赤字、総合エンターテインメント事業1億59百万円の赤字、不動産事業8億29百万円、投資事業17億68百万円の赤字、その他事業4億72百万円の赤字だった。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理、モンゴルのファイナンス事業会社CCIなど、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 19年4月にはSAMURAI&JPARTNERS<4764>が発行する新株予約権を引き受けて業務提携、19年8月にはカンボジアの商業銀行ANZRoyalBankを子会社化(商号変更してJTRB)した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■20年12月期営業黒字予想

 19年12月期の連結業績(IFRS、決算期変更で9ヶ月決算)は、営業収益が581億05百万円、営業利益が2億87百万円の黒字(19年3月期は326億円の赤字)、親会社所有者帰属当期利益が32億49百万円の赤字(同361億07百万円の赤字)だった。配当は6円減配の1円(期末一括)とした。

 売上収益は、日本金融事業や韓国およびモンゴル金融事業が堅調だが、東南アジア金融事業における貸出金減少、JTRB株式取得遅れに伴う利息収益の減少、総合エンターテインメント事業でのIFRS基準による収益認識の変更で計画を下回った。営業利益は減収に加えて、東南アジア金融事業における貸倒引当金繰入額の増加、東南アジア金融事業と投資事業における訴訟関連費用の増加もマイナス要因だったが、韓国およびモンゴル金融事業における貸倒引当金繰入額の減少や債券売却益の増加が寄与して計画を上回り、黒字化した。当期利益は為替差損計上、繰延税金資産取崩に伴う法事所得税費用の増加で、計画に対して赤字拡大した。

 20年12月期連結業績(IFRS)予想は、営業収益が865億11百万円、営業利益が16億81百万円、親会社所有者帰属当期利益が16億57百万円の赤字としている。配当予想は19年12月期と同額の1円(期末一括)としている。

 営業黒字・最終赤字予想である。日本金融事業や韓国およびモンゴル金融事業は安定的な収益が見込まれるが、東南アジア金融事業の業績回復に時間を要することや、訴訟費用など一時的費用の増加も見込まれるとしている。

 セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業29億30百万円、韓国・モンゴル金融事業58億35百万円、東南アジア金融事業34億23百万円の赤字、総合エンターテインメント事業7億20百万円、不動産事業2億98百万円、投資事業18億53百万円の赤字、その他事業1億54百万円の赤字としている。

■株価は底値圏

 株価は軟調展開で19年4月安値に接近する形だが、ほぼ底値圏だろう。反発を期待したい。2月25日の終値は366円、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS944円61銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約423億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月20日更新]

Jトラストは反発の動き、19年12月期(決算期変更)営業黒字予想

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)営業黒字予想である。20年12月期も収益改善を期待したい。株価は直近安値圏から反発の動きを強めている。下値固め完了して出直りを期待したい。なお2月13日に19年12月期決算発表を予定している。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心とする持続的な利益拡大を目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 19年3月期のセグメント別営業収益構成比は、日本金融事業が14%、韓国・モンゴル金融事業が53%、東南アジア金融事業が17%、総合エンターテインメント事業が2%、不動産事業が9%、投資事業が1%、その他事業が4%だった。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理、モンゴルのファイナンス事業会社CCIなど、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 19年4月にはSAMURAI&JPARTNERS<4764>が発行する新株予約権を引き受けて業務提携、19年8月にはカンボジアの商業銀行ANZRoyalBankを子会社化(商号変更してJTRB)した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)営業黒字予想

 19年12月期連結業績(IFRS、決算期変更で9ヶ月決算)予想は、営業収益が643億97百万円、営業利益が61百万円の黒字(19年3月期は326億円の赤字)、親会社所有者帰属純利益が11億18百万円の赤字(同361億07百万円の赤字)としている。投資事業における通常発生する損益以外の影響額は織り込んでいない。配当予想は6円減配の1円(期末一括)である。

 第2四半期累計(4〜9月)は、営業収益が363億07百万円、営業利益が1億18百万円の黒字、親会社所有者帰属純利益が12億79百万円の赤字だった。M&A費用や訴訟関連費用などが増加したが、負ののれん発生益などでカバーして営業利益は黒字だった。純利益は為替差損益の悪化などで赤字(前年同期比では赤字縮小)だった。

 第2四半期累計の進捗率は営業収益56.4%、営業利益194.6%と順調だった。通期は日本および韓国・モンゴルの金融事業がアセットの積み上げや良質化などで順調に推移する。東南アジア金融事業では、18年10月子会社化したJTOとのジョイントファイナンスを中心とした業容拡大を目指すとしている。20年12月期も収益改善を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は直近安値圏から反発の動きを強めている。下値固め完了して出直りを期待したい。1月17日の終値は452円、前期推定配当利回り(会社予想1円で算出)は約0.2%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS983円96銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約522億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月24日更新]

Jトラストは下値固め完了、19年12月期(決算期変更)営業黒字予想

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)営業黒字予想である。収益改善を期待したい。株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心とする持続的な利益拡大を目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 19年3月期のセグメント別営業収益構成比は、日本金融事業が14%、韓国・モンゴル金融事業が53%、東南アジア金融事業が17%、総合エンターテインメント事業が2%、不動産事業が9%、投資事業が1%、その他事業が4%だった。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理、モンゴルのファイナンス事業会社CCIなど、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。
 
19年4月にはSAMURAI&PARTNERS<4764>が発行する新株予約権を引き受けて業務提携、19年8月にはカンボジアの商業銀行ANZRを子会社化(商号変更してJTRB)した。19年11月にはクラウドファンディングによる東南アジア金融事業に対する資金調達を発表した。東南アジア金融事業のインドネシア部門においてスピーディに事業成長するための資金として活用する。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。19年8月、破産裁判所がタイGL社に対する会社更生申し立てを却下したが、控訴の準備を進めている。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)営業黒字予想

 19年12月期連結業績(IFRS、決算期変更で9ヶ月決算)予想は、営業収益が643億97百万円、営業利益が61百万円の黒字(19年3月期は326億円の赤字)、親会社所有者帰属純利益が11億18百万円の赤字(同361億07百万円の赤字)としている。投資事業における通常発生する損益以外の影響額は織り込んでいない。配当予想は6円減配の1円(期末一括)である。

 第2四半期累計(4〜9月)は営業収益が前年同期比0.7%減の363億07百万円、営業利益が4.7倍の1億18百万円、親会社所有者帰属純利益が12億79百万円の赤字(前年同期は21億82百万円の赤字)だった。

 M&A費用や訴訟関連費用などが増加したが、負ののれん発生益などでカバーして営業利益は大幅増益だった。純利益は為替差損益の悪化などで赤字(前年同期比では赤字縮小)だった。

 第2四半期累計の進捗率は営業収益56.4%、営業利益194.6%と順調である。通期は、日本および韓国・モンゴルの金融事業がアセットの積み上げや良質化などで順調に推移する。また東南アジア金融事業では、18年10月子会社化したJTOとのジョイントファイナンスを中心とした業容拡大を目指すとしている。収益改善を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は11月末に急伸する場面があった。下値固め完了して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。12月23日の終値は436円、今期予想配当利回り(会社予想1円で算出)は約0.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS983円96銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約503億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月27日更新]

Jトラストは調整一巡、19年12月期(決算期変更)営業黒字予想

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)営業黒字予想である。収益改善を期待したい。株価は反発力が鈍く安値圏でモミ合う形だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心に持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 19年3月期のセグメント別営業収益構成比は、日本金融事業が14%、韓国・モンゴル金融事業が53%、東南アジア金融事業が17%、総合エンターテインメント事業が2%、不動産事業が9%、投資事業が1%、その他事業が4%だった。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理、モンゴルのファイナンス事業会社CCIなど、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 18年10月Jトラストアジアがインドネシアの中古車ローン会社JTOを子会社化、Jトラストアジアがインドネシアのファイナンス会社OMFを子会社化(商号変更して略称JTO)した。19年4月SAMURAI&PARTNERS<4764>が発行する新株予約権を引き受けて業務提携した。19年8月Jトラストアジアがカンボジアの商業銀行ANZRを子会社化(商号変更してJTRB)した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。19年8月、破産裁判所がタイGL社に対する会社更生申し立てを却下したが、控訴の準備を進めている。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)営業黒字予想

 19年12月期連結業績(IFRS、決算期変更で9ヶ月決算)予想は、営業収益が643億97百万円、営業利益が61百万円の黒字(19年3月期は326億円の赤字)、親会社所有者帰属純利益が11億18百万円の赤字(同361億07百万円の赤字)としている。投資事業における通常発生する損益以外の影響額は織り込んでいない。配当予想は6円減配の1円(期末一括)である。

 日本および韓国・モンゴルの金融事業はアセットの積み上げや良質化などで順調に推移し、東南アジア金融事業は18年10月子会社化したJTOとのジョイントファイナンスを中心とした業容拡大を目指すとしている。

 第2四半期累計(4〜9月)は営業収益が前年同期比0.7%減の363億07百万円、営業利益が4.7倍の1億18百万円、親会社所有者帰属純利益が12億79百万円の赤字(前年同期は21億82百万円の赤字)だった。

 販管費でM&A費用や訴訟関連費用などが増加したが、その他の収益における負ののれん発生益などでカバーして、営業利益は大幅増益だった。ただし金融収益・費用における為替差損益の悪化などで純利益は赤字(前年同期比では赤字縮小)だった。

 第2四半期累計の進捗率は営業収益56.4%、営業利益194.6%である。通期ベースで収益改善を期待したい。

 なお11月26日には、クラウドファンディングによる東南アジア金融事業に対する資金調達を発表している。東南アジア金融事業のインドネシア部門において、スピーディに事業成長するための資金として活用する。

■株価は調整一巡

 株価は反発力が鈍く安値圏でモミ合う形だが、調整一巡して出直りを期待したい。11月26日の終値は404円、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS983円96銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約466億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月21日更新]

Jトラストは調整一巡、19年12月期(決算期変更)営業黒字予想

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)営業黒字予想である。収益改善を期待したい。株価は反発力の鈍い展開だが、4月の年初来安値まで下押す動きは見られない。調整一巡して出直りを期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心に持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 19年3月期のセグメント別営業収益構成比は、日本金融事業が14%、韓国・モンゴル金融事業が53%、東南アジア金融事業が17%、総合エンターテインメント事業が2%、不動産事業が9%、投資事業が1%、その他事業が4%だった。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理、モンゴルのファイナンス事業会社CCIなど、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 18年5月Jトラストアジアがカンボジアの商業銀行ANZR株式譲渡契約(19年5月取得予定を19年7月〜9月取得予定に変更)締結、18年10月Jトラストアジアがインドネシアの中古車ローン会社JTOを子会社化、Jトラストアジアがインドネシアのファイナンス会社OMFを子会社化(商号変更して略称JTO)した。19年4月にはSAMURAI&PARTNERS<4764>が発行する新株予約権を引き受けて業務提携した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。19年8月、破産裁判所がタイGL社に対する会社更生申し立てを却下したが、控訴の準備を進めている。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)営業黒字予想

 19年12月期連結業績(IFRS、決算期変更で9ヶ月決算)予想は、営業収益が643億97百万円、営業利益が61百万円の黒字(19年3月期は326億円の赤字)、親会社所有者帰属当期利益が11億18百万円の赤字(同361億07百万円の赤字)としている。投資事業における通常発生する損益以外の影響額は織り込んでいない。配当予想は6円減配の年間1円(期末一括)としている。なお株主優待制度は19年6月末対象から休止する。

 日本および韓国・モンゴルの金融事業はアセットの積み上げや良質化などで順調に推移し、東南アジア金融事業は18年10月子会社化したJTOとのジョイントファイナンスを中心とした業容拡大を目指すとしている。

 第1四半期(4〜6月)は、営業収益が前年同期比5.1%増の182億79百万円、営業利益が40.4%減の4億81百万円、純利益が1億60百万円の赤字(前年同期は14億92百万円の黒字)だった。

 東南アジア金融事業における貸出金減少に伴う利息収支の減少、フォークローズアセット評価損(差し押さえ担保資産の評価損)の計上で、営業利益は前年同期比減益だが、日本金融事業における信用保証業務と債権買取回収業務の堅調推移、韓国・モンゴル金融事業における貸倒引当金繰入額の減少などでカバーし、営業利益の進捗率は順調である。通期ベースで収益改善を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は反発力の鈍い展開だが、4月の年初来安値まで下押す動きは見られない。調整一巡して出直りを期待したい。10月18日の終値は406円、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は約0.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS983円96銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約469億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月18日更新]

Jトラストは反発の動き、19年12月期(決算期変更)営業黒字予想

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)営業黒字予想である。収益改善を期待したい。株価は8月の直近安値圏から反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心に持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 19年3月期のセグメント別営業収益構成比は、日本金融事業が14%、韓国・モンゴル金融事業が53%、東南アジア金融事業が17%、総合エンターテインメント事業が2%、不動産事業が9%、投資事業が1%、その他事業が4%だった。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理、モンゴルのファイナンス事業会社CCIなど、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 18年5月Jトラストアジアがカンボジアの商業銀行ANZR株式譲渡契約(19年5月取得予定を19年7月〜9月取得予定に変更)締結、18年10月Jトラストアジアがインドネシアの中古車ローン会社JTOを子会社化、Jトラストアジアがインドネシアのファイナンス会社OMFを子会社化(商号変更して略称JTO)した。19年4月にはSAMURAI&PARTNERS<4764>が発行する新株予約権を引き受けて業務提携した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。19年8月、破産裁判所がタイGL社に対する会社更生申し立てを却下したが、控訴の準備を進めている。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)営業黒字予想

 19年12月期連結業績(IFRS、決算期変更で9ヶ月決算)予想は、営業収益が643億97百万円、営業利益が61百万円の黒字(19年3月期は326億円の赤字)、親会社所有者帰属当期利益が11億18百万円の赤字(同361億07百万円の赤字)としている。投資事業における通常発生する損益以外の影響額は織り込んでいない。配当予想は6円減配の年間1円(期末一括)としている。なお株主優待制度は19年6月末対象から休止する。

 日本および韓国・モンゴルの金融事業はアセットの積み上げや良質化などで順調に推移し、東南アジア金融事業は18年10月子会社化したJTOとのジョイントファイナンスを中心とした業容拡大を目指すとしている。

 第1四半期(4〜6月)は、営業収益が前年同期比5.1%増の182億79百万円、営業利益が40.4%減の4億81百万円、純利益が1億60百万円の赤字(前年同期は14億92百万円の黒字)だった。

 東南アジア金融事業における貸出金減少に伴う利息収支の減少、フォークローズアセット評価損(差し押さえ担保資産の評価損)の計上で、営業利益は前年同期比減益だが、日本金融事業における信用保証業務と債権買取回収業務の堅調推移、韓国・モンゴル金融事業における貸倒引当金繰入額の減少などでカバーし、営業利益の進捗率は順調である。通期ベースで収益改善を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は8月の直近安値圏から反発の動きを強めている。調整一巡して出直りを期待したい。9月17日の終値は425円、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は約0.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS983円96銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約491億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月27日更新]

Jトラストは底値圏、19年12月期(決算期変更)営業黒字予想

 Jトラスト<8508>(東2)は日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開している。19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)営業黒字予想である。第1四半期(4〜6月)の進捗率は順調だった。収益改善を期待したい。株価は軟調展開で水準を切り下げたが、ほぼ底値圏だろう。反発を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心に持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 19年3月期のセグメント別営業収益構成比は、日本金融事業が14%、韓国・モンゴル金融事業が53%、東南アジア金融事業が17%、総合エンターテインメント事業が2%、不動産事業が9%、投資事業が1%、その他事業が4%だった。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理、モンゴルのファイナンス事業会社CCIなど、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 18年5月Jトラストアジアがカンボジアの商業銀行ANZR株式譲渡契約(19年5月取得予定を19年7月〜9月取得予定に変更)締結、18年10月Jトラストアジアがインドネシアの中古車ローン会社JTOを子会社化、Jトラストアジアがインドネシアのファイナンス会社OMFを子会社化(商号変更して略称JTO)した。19年4月にはSAMURAI&PARTNERS<4764>が発行する新株予約権を引き受けて業務提携した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。19年8月、破産裁判所がタイGL社に対する会社更生申し立てを却下したが、控訴の準備を進めている。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)営業黒字予想

 19年12月期連結業績(IFRS、決算期変更で9ヶ月決算)予想は、営業収益が643億97百万円、営業利益が61百万円の黒字(19年3月期は326億円の赤字)、親会社所有者帰属当期利益が11億18百万円の赤字(同361億07百万円の赤字)としている。投資事業における通常発生する損益以外の影響額は織り込んでいない。配当予想は6円減配の年間1円(期末一括)としている。なお株主優待制度は19年6月末対象から休止する。

 日本および韓国・モンゴルの金融事業はアセットの積み上げや良質化などで順調に推移し、東南アジア金融事業は18年10月子会社化したJTOとのジョイントファイナンスを中心とした業容拡大を目指すとしている。

 第1四半期(4〜6月)は、営業収益が前年同期比5.1%増の182億79百万円、営業利益が40.4%減の4億81百万円、純利益が1億60百万円の赤字(前年同期は14億92百万円の黒字)だった。

 東南アジア金融事業における貸出金減少に伴う利息収支の減少、フォークローズアセット評価損(差し押さえ担保資産の評価損)の計上で、営業利益は前年同期比減益だが、日本金融事業における信用保証業務と債権買取回収業務の堅調推移、韓国・モンゴル金融事業における貸倒引当金繰入額の減少などでカバーし、営業利益の進捗率は順調である。通期ベースで収益改善を期待したい。

■株価は底値圏

 株価は軟調展開で水準を切り下げたが、ほぼ底値圏だろう。反発を期待したい。8月26日の終値は371円、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は約0.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS983円96銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約428億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月09日更新]

Jトラストは下値切り上げ、19年12月期(決算期変更)営業黒字予想

 Jトラスト<8508>(東2)は、日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、銀行業を中心とする持続的な利益拡大を目指している。19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)は営業黒字予想としている。収益改善を期待したい。株価は戻り一服の形だが下値を切り上げている。出直り本格化を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心に持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 19年3月期のセグメント別営業収益構成比は、日本金融事業が14%、韓国・モンゴル金融事業が53%、東南アジア金融事業が17%、総合エンターテインメント事業が2%、不動産事業が9%、投資事業が1%、その他事業が4%だった。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理、モンゴルのファイナンス事業会社CCIなど、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 18年5月Jトラストアジアがカンボジアの商業銀行ANZR株式譲渡契約(19年5月取得予定を19年7月〜9月取得予定に変更)締結、18年10月Jトラストアジアがインドネシアの中古車ローン会社JTOを子会社化、Jトラストアジアがインドネシアのファイナンス会社OMFを子会社化(商号変更して略称JTO)した。19年4月にはSAMURAI&PARTNERS<4764>が発行する新株予約権を引き受けて業務提携した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)営業黒字予想

 19年12月期連結業績(IFRS、決算期変更で9ヶ月決算)予想は、営業収益が643億97百万円、営業利益が61百万円の黒字(19年3月期は326億円の赤字)、親会社所有者帰属当期利益が11億18百万円の赤字(同361億07百万円の赤字)としている。投資事業における通常発生する損益以外の影響額は織り込んでいない。配当予想は6円減配の年間1円(期末一括)としている。なお株主優待制度は19年6月末対象から休止する。

 日本および韓国・モンゴルの金融事業はアセットの積み上げや良質化などで順調に推移し、東南アジア金融事業は18年10月子会社化したJTOとのジョイントファイナンスを中心とした業容拡大を目指すとしている。19年3月期に不良債権処理完了し、19年12月期からの収益改善を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は戻り一服の形だが、4月安値344円で底打ちして下値を切り上げている。出直り本格化を期待したい。7月8日の終値は497円、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は約0.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS983円96銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約574億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月21日更新]

Jトラストは戻り歩調、19年12月期(決算期変更)営業黒字予想

 Jトラスト<8508>(東2)は、日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、銀行業を中心とする持続的な利益拡大を目指している。19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)は営業黒字予想としている。収益改善を期待したい。株価は底打ちして戻り歩調だ。出直り本格化を期待したい。

■日本、韓国・モンゴル、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心に持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 19年3月期のセグメント別営業収益構成比は、日本金融事業が14%、韓国・モンゴル金融事業が53%、東南アジア金融事業が17%、総合エンターテインメント事業が2%、不動産事業が9%、投資事業が1%、その他事業が4%だった。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理、モンゴルのファイナンス事業会社CCIなど、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 18年5月Jトラストアジアがカンボジアの商業銀行ANZR株式譲渡契約(19年5月までに取得予定だったが19年7月9月予定に変更)締結、18年10月Jトラストアジアがインドネシアの中古車ローン会社JTOを子会社化、Jトラストアジアがインドネシアのファイナンス会社OMFを子会社化(商号変更して略称JTO)した。19年4月にはSAMURAI&PARTNERS<4764>が発行する新株予約権を引き受けて業務提携した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)営業黒字予想

 19年12月期連結業績(IFRS、決算期変更で9ヶ月決算)予想は、営業収益が643億97百万円、営業利益が61百万円の黒字(19年3月期は326億円の赤字)、親会社所有者帰属当期利益が11億18百万円の赤字(同361億07百万円の赤字)としている。投資事業における通常発生する損益以外の影響額は織り込んでいない。配当予想は6円減配の年間1円(期末一括)としている。なお株主優待制度は19年6月末対象から休止する。

 日本および韓国・モンゴルの金融事業はアセットの積み上げや良質化などで順調に推移し、東南アジア金融事業は18年10月子会社化したJTOとのジョイントファイナンスを中心とした業容拡大を目指すとしている。19年3月期に不良債権処理完了し、19年12月期からの収益改善を期待したい。

■株価は戻り歩調

 株価は4月安値344円で底打ちして戻り歩調だ。6月13日には547円まで上伸した。出直り本格化を期待したい。6月20日の終値は515円、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は約0.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS983円96銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約595億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月29日更新]

Jトラストは底打ちして出直り、19年12月期(決算期変更)営業黒字予想

 Jトラスト<8508>(東2)は、日本、韓国・モンゴル、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指している。19年3月期はリスクを前倒して貸倒引当金を計上したため赤字だったが、19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)は営業黒字予想としている。収益改善を期待したい。株価は急反発の動きだ。底打ちして出直りを期待したい。

■日本、韓国、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心に持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 19年3月期のセグメント別営業収益構成比は、日本金融事業が14%、韓国・モンゴル金融事業が53%、東南アジア金融事業が17%、総合エンターテインメント事業が2%、不動産事業が9%、投資事業が1%、その他事業が4%だった。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国およびモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理、モンゴルのファイナンス事業会社CCIなど、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 18年5月Jトラストアジアがカンボジアの商業銀行ANZR株式譲渡契約(19年5月までに取得予定だったが19年7月9月予定に変更)締結、18年10月Jトラストアジアがインドネシアの中古車ローン会社JTOを子会社化、Jトラストアジアがインドネシアのファイナンス会社OMFを子会社化(商号変更して略称JTO)した。19年4月にはSAMURAI&PARTNERS<4764>が発行する新株予約権を引き受けて業務提携した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)営業黒字予想

 19年3月期連結業績予想(IFRS)は、営業収益が18年3月期比0.8%増の749億35百万円、営業利益が326億円の赤字(18年3月期は47億59百万円の黒字)、親会社所有者帰属当期利益が361億07百万円の赤字(同7億31百万円の赤字)だった。配当は5円減配の年間7円(第2四半期末6円、期末1円)とした。

 日本金融事業は利息収益の減少を保証料収入の増加でカバーし、韓国・モンゴル金融事業は貯蓄銀行をはじめとした利息収入が順調に増加し、いずれも安定的な利益を創出したが、東南アジア金融事業での不良債権処理による倒引当金計上、投資事業でのGL社に対する貸倒引当金計上で赤字だった。

 19年12月期連結業績(IFRS、決算期変更で9ヶ月決算)予想は、営業収益が643億97百万円、営業利益が61百万円の黒字(19年3月期は326億円の赤字)、親会社所有者帰属当期利益が11億18百万円の赤字(同361億07百万円の赤字)としている。投資事業における通常発生する損益以外の影響額は織り込んでいない。配当予想は6円減配の年間1円(期末一括)としている。なお株主優待制度は19年6月末対象から休止する。

 日本および韓国・モンゴルの金融事業はアセットの積み上げや良質化などで順調に推移し、東南アジア金融事業は18年10月子会社化したJTOとのジョイントファイナンスを中心とした業容拡大を目指すとしている。19年3月期に不良債権処理完了し、19年12月期からの収益改善を期待したい。

■株価は底値圏

 株価は急反発の動きだ。4月24日の安値344円から5月27日には518円まで上伸した。底打ちして出直りを期待したい。5月28日の終値は510円、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は約0.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS983円96銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約589億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月19日更新]

Jトラストは底値圏、19年3月期赤字予想だが20年3月期V字回復見込む

 Jトラスト<8508>(東2)は、日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指している。19年3月期はリスクを前倒して貸倒引当金を計上したため赤字・減配予想だが、20年3月期のV字回復を見込んでいる。株価は軟調展開だがほぼ底値圏だろう。反発を期待したい。なお5月13日に19年3月期決算発表を予定している。

■日本、韓国、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心に持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 18年3月期のセグメント別営業収益構成比は、国内金融事業12%、韓国金融事業47%、東南アジア金融事業18%、総合エンターテインメント事業3%、不動産事業9%、投資事業10%、その他事業3%だった。

 19年3月期から事業セグメントを変更し、日本金融事業、韓国およびモンゴル金融事業、東南アジア金融事業、投資事業、総合エンターテインメント事業、不動産事業、その他事業とした。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 18年5月にはJトラストアジアがモンゴルのファイナンス事業会社CCIを子会社化、Jトラストアジアがカンボジアの商業銀行ANZRの株式譲渡契約(19年5月までに取得予定)を締結、18年10月にはJトラストアジアがインドネシアの中古車ローン会社JTOを子会社化、Jトラストアジアがインドネシアのファイナンス会社OMFを子会社化(JトラストOMFに商号変更)した。18年12月にはモンゴルのCCIがビィ・フォアード(東京都)と、モンゴルにおける自動車ローン商品販売事業および中古車販売事業者向け資金融資で業務提携した。

 またSAMURAI&PARTNERS<4764>が発行する新株予約権を引き受けて業務提携(19年4月24日予定)した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■19年3月期赤字予想だが20年3月期V字回復見込む

 19年3月期の連結業績予想(IFRS、2月13日に下方修正)は、営業収益が18年3月期比1.5%増の754億41百万円、営業利益が327億45百万円の赤字(18年3月期は47億59百万円の黒字)、親会社所有者帰属当期利益が363億50百万円の赤字(同7億31百万円の赤字)としている。配当予想(2月13日に期末5円下方修正)は年間7円(第2四半期末6円、期末1円)としている。18年3月期比5円減配となる。

 営業収益は、日本・韓国・モンゴルの金融事業が好調だが、遊戯機器開発・製造・販売のハイライツ・エンタテインメント(HE)の株式を譲渡して非継続事業としたことや、東南アジア金融事業の貸付金残高減少に伴って利息収益が減少したため計画を下回る。さらに第3四半期に東南アジア金融事業と投資事業で貸倒引当金を計上したため、ため各利益は赤字予想となった。

 今後の見通しとして、日本・韓国・モンゴルの金融事業は好調に推移し、東南アジア金融事業も体制のスリム化・効率化を図るとともに、18年10月子会社化したJトラストOMFとのシナジー効果や不良債権回収の強化などで業績改善を図る。そして19年3月期の貸倒引当金の計上で、20年3月期からの業績V字回復を目指すための準備が完了したとしている。

■中期的に銀行業の収益拡大期待

 中期ビジョンとして、国内金融事業では不良債権の買取回収と信用保証事業の拡大を推進する。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行のアセット拡大と、不良債権回収による収益強化に取り組むとともに、インドネシア以外の東南アジア地域においても、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、一時的利益・費用で収益が変動する可能性もあるが、中期的に韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は6月末と12月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年6月末または12月末時点の3単元(300株)以上保有株主を対象として、2500ポイント分の楽天ポイントギフトコードを贈呈する。18年6月末対象の株主から導入した。

■株価は底値圏

 株価は軟調展開で4月12日に363円まで下押したが、ほぼ底値圏だろう。反発を期待したい。4月18日の終値は373円、前期推定配当利回り(会社予想の年間7円で算出)は約1.9%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS1401円64銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約420億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月26日更新]

Jトラストは底値圏、19年3月期赤字予想だが20年3月期V字回復見込む

 Jトラスト<8508>(東2)は、日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指している。19年3月期はリスクを前倒して貸倒引当金を計上したため赤字・減配予想だが、20年3月期のV字回復を見込んでいる。株価は反発力の鈍い展開で2月安値に接近しているが、ほぼ底値圏だろう。反発を期待したい。

■日本、韓国、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心に持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 18年3月期のセグメント別営業収益構成比は、国内金融事業12%、韓国金融事業47%、東南アジア金融事業18%、総合エンターテインメント事業3%、不動産事業9%、投資事業10%、その他事業3%だった。

 19年3月期から事業セグメントを変更し、日本金融事業、韓国およびモンゴル金融事業、東南アジア金融事業、投資事業、総合エンターテインメント事業、不動産事業、その他事業とした。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 18年5月にはJトラストアジアがモンゴルのファイナンス事業会社CCIを子会社化、Jトラストアジアがカンボジアの商業銀行ANZRの株式譲渡契約(19年5月までに取得予定)を締結、18年10月にはJトラストアジアがインドネシアの中古車ローン会社JTOを子会社化、Jトラストアジアがインドネシアのファイナンス会社OMFを子会社化(JトラストOMFに商号変更)した。18年12月にはモンゴルのCCIがビィ・フォアード(東京都)と、モンゴルにおける自動車ローン商品販売事業および中古車販売事業者向け資金融資で業務提携した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■19年3月期赤字予想だが20年3月期V字回復見込む

 19年3月期の連結業績予想(IFRS、2月13日に下方修正)は、営業収益が18年3月期比1.5%増の754億41百万円、営業利益が327億45百万円の赤字(18年3月期は47億59百万円の黒字)、親会社所有者帰属当期利益が363億50百万円の赤字(同7億31百万円の赤字)としている。配当予想(2月13日に期末5円下方修正)は年間7円(第2四半期末6円、期末1円)としている。18年3月期比5円減配となる。

 営業収益は、日本・韓国・モンゴルの金融事業が好調だが、遊戯機器開発・製造・販売のハイライツ・エンタテインメント(HE)の株式を譲渡して非継続事業としたことや、東南アジア金融事業の貸付金残高減少に伴って利息収益が減少したため計画を下回る。さらに第3四半期に東南アジア金融事業と投資事業で貸倒引当金を計上したため、ため各利益は赤字予想となった。

 第3四半期累計は、営業収益が前年同期比3.1%減の551億73百万円、営業利益が297億70百万円の赤字(前年同期は35億04百万円の黒字)、親会社所有者帰属当期利益が327億70百万円の赤字(同20百万円の赤字)だった。貸倒引当金の計上に加えて、M&A費用や訴訟関連費用の増加も影響した。金融収益には為替差益11億13百万円を計上した。またHEの全株式およびHEに対して保有する貸付債権の全額を譲渡したことに伴って非継続事業で損失27億87百万円を計上した。

 今後の見通しとして、日本・韓国・モンゴルの金融事業は好調に推移し、東南アジア金融事業も体制のスリム化・効率化を図るとともに、18年10月子会社化したJトラストOMFとのシナジー効果や不良債権回収の強化などで業績改善を図る。そして19年3月期の貸倒引当金の計上で、20年3月期からの業績V字回復を目指すための準備が完了したとしている。

■中期的に銀行業の収益拡大期待

 中期ビジョンとして、国内金融事業では不良債権の買取回収と信用保証事業の拡大を推進する。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行のアセット拡大と、不良債権回収による収益強化に取り組むとともに、インドネシア以外の東南アジア地域においても、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、一時的利益・費用で収益が変動する可能性もあるが、中期的に韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は6月末と12月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年6月末または12月末時点の3単元(300株)以上保有株主を対象として、2500ポイント分の楽天ポイントギフトコードを贈呈する。18年6月末対象の株主から導入した。

■株価は底値圏

 株価は反発力の鈍い展開で2月14日安値366円に接近しているが、ほぼ底値圏だろう。反発を期待したい。3月25日の終値は380円、今期予想配当利回り(会社予想の年間7円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1401円64銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約428億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月25日更新]

Jトラストは反発の動き、19年3月期下方修正して赤字予想だが、20年3月期のV字回復見込む

 Jトラスト<8508>(東2)は、日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指している。19年3月期は第3四半期にリスクを前倒して貸倒引当金を計上したため、通期を下方修正して赤字・減配予想となった。ただし20年3月期のV字回復を見込んでいる。株価は悪材料出尽くしで反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■日本、韓国、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心に持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 18年3月期のセグメント別営業収益構成比は、国内金融事業12%、韓国金融事業47%、東南アジア金融事業18%、総合エンターテインメント事業3%、不動産事業9%、投資事業10%、その他事業3%だった。

 なお19年3月期から事業セグメントを変更し、日本金融事業、韓国およびモンゴル金融事業、東南アジア金融事業、投資事業、総合エンターテインメント事業、不動産事業、その他事業とした。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 18年5月にはJトラストアジアがモンゴルのファイナンス事業会社CCIを子会社化、Jトラストアジアがカンボジアの商業銀行ANZRの株式譲渡契約(19年5月までに取得予定)を締結、18年10月にはJトラストアジアがインドネシアの中古車ローン会社JTOを子会社化、Jトラストアジアがインドネシアのファイナンス会社OMFを子会社化(JトラストOMFに商号変更)した。18年12月にはモンゴルのCCIがビィ・フォアード(東京都)と、モンゴルにおける自動車ローン商品販売事業および中古車販売事業者向け資金融資で業務提携した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■19年3月期下方修正して赤字・減配予想、20年3月期V字回復見込む

 19年3月期連結業績(IFRS)予想は2月13日に下方修正して、営業収益が18年3月期比1.5%増の754億41百万円、営業利益が327億45百万円の赤字(18年3月期は47億59百万円の黒字)、親会社所有者帰属当期利益が363億50百万円の赤字(同7億31百万円の赤字)としている。配当予想も期末5円下方修正し、18年3月期比でも5円減配の年間7円(第2四半期末6円、期末1円)としている。

 営業収益は、日本・韓国・モンゴルの金融事業が好調だが、遊戯機器開発・製造・販売のハイライツ・エンタテインメント(HE)の株式を譲渡して非継続事業としたことや、東南アジア金融事業の貸付金残高減少に伴って利息収益が減少したため計画を下回る。さらに第3四半期に東南アジア金融事業と投資事業で貸倒引当金を計上したため、ため各利益は赤字予想となった。

 第3四半期累計は、営業収益が前年同期比3.1%減の551億73百万円、営業利益が297億70百万円の赤字(前年同期は35億04百万円の黒字)、親会社所有者帰属当期利益が327億70百万円の赤字(同20百万円の赤字)だった。貸倒引当金の計上に加えて、M&A費用や訴訟関連費用の増加も影響した。金融収益には為替差益11億13百万円を計上した。またHEの全株式およびHEに対して保有する貸付債権の全額を譲渡したことに伴って非継続事業で損失27億87百万円を計上した。

 今後の見通しとして、日本・韓国・モンゴルの金融事業は好調に推移し、東南アジア金融事業も体制のスリム化・効率化を図るとともに、18年10月子会社化したJトラストOMFとのシナジー効果や不良債権回収の強化などで業績改善を図る。そして19年3月期の貸倒引当金の計上で、20年3月期からの業績V字回復を目指すための準備が完了したとしている。

■中期的に銀行業の収益拡大期待

 中期ビジョンとして、国内金融事業では不良債権の買取回収と信用保証事業の拡大を推進する。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行のアセット拡大と、不良債権回収による収益強化に取り組むとともに、インドネシア以外の東南アジア地域においても、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、一時的利益・費用で収益が変動する可能性もあるが、中期的に韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は6月末と12月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年6月末または12月末時点の3単元(300株)以上保有株主を対象として、2500ポイント分の楽天ポイントギフトコードを贈呈する。18年6月末対象の株主から導入した。

■株価は悪材料出尽くしで反発の動き

 株価は2月14日安値366円から反発の動きを強めている。2月20日と21日には483円まで上伸した。19年3月期予想下方修正で悪材料出尽くしとなったようだ。出直りを期待したい。2月22日の終値は470円、今期予想配当利回り(会社予想の年間7円で算出)は約1.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1401円64銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約529億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月15日更新]

Jトラストは売り一巡して反発期待、19年3月期大幅増益予想

 Jトラスト<8508>(東2)は、日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指している。19年3月期大幅増益予想である。株価は地合い悪も影響して安値圏だが、売り一巡して反発を期待したい。
 
■日本、韓国、インドネシア中心に金融事業を展開
 
 日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心に持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。
 
 18年3月期のセグメント別営業収益構成比は、国内金融事業12%、韓国金融事業47%、東南アジア金融事業18%、総合エンターテインメント事業3%、不動産事業9%、投資事業10%、その他事業3%だった。
 
 なお19年3月期から事業セグメントを変更し、日本金融事業、韓国およびモンゴル金融事業、東南アジア金融事業、投資事業、総合エンターテインメント事業、不動産事業、その他事業とした。
 
 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。
 
 18年5月にはJトラストアジアがモンゴルのファイナンス事業会社CCIを子会社化、Jトラストアジアがカンボジアの商業銀行ANZRの株式譲渡契約(19年5月までに取得予定)を締結、18年10月にはJトラストアジアがインドネシアの中古車ローン会社JTOを子会社化、Jトラストアジアがインドネシアのファイナンス会社OMFを子会社化(JトラストOMFに商号変更)した。18年12月にはモンゴルのCCIがビィ・フォアード(東京都)と、モンゴルにおける自動車ローン商品販売事業および中古車販売事業者向け資金融資で業務提携した。
 
 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。
 
 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。
 
■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動
 
 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。
 
■19年3月期大幅増益予想
 
 19年3月期連結業績(IFRS)予想は、営業収益が18年3月期比9.3%増の833億78百万円、営業利益が3.0倍の70億73百万円、親会社所有者帰属当期利益が53億18百万円(18年3月期は7億31百万円の赤字)としている。配当予想は18年3月期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は23.2%となる。
 
 第2四半期累計は営業収益が前年同期比5.6%増の365億75百万円、営業利益が99.4%減の25百万円、親会社所有者帰属当期利益が21億82百万円の赤字(前年同期は22億69百万円の黒字)だった。
 
 営業収益は韓国金融事業が貸出資産残高の増加で好調に推移し、日本金融事業も保証残高の増加で順調だったが、利益面ではJトラスト銀行インドネシアにおける貸倒引当金繰入額の増加、Jトラストアジアにおける利息収益の減少と訴訟関連費用の増加、JトラストにおけるM&A関連費用の増加などで減益だった。なお金融収益に為替差益11億56百万円を計上している。
 
 通期ベースでは、韓国金融事業がIFRS第9号適用に伴う貸倒引当金繰り入れや韓国当局の規制強化等の影響を受ける見込みだが、国内金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業における回収強化と収益改善、JトラストアジアにおけるタイGL社関連の損失計上一巡などで大幅増益予想としている。
 
 なお遊戯機器開発・製造・販売のハイライツ・エンタテインメント(HE)の全株式およびHEに対して保有する貸付債権の全額を譲渡する。これに伴って非継続事業に損失24億28百万円を計上する。
 
■中期的に銀行業の収益拡大期待
 
 中期ビジョンとして、国内金融事業では不良債権の買取回収と信用保証事業の拡大を推進する。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行のアセット拡大と、不良債権回収事業の収益強化に取り組むとともに、インドネシア以外の東南アジア地域においても、さらなるM&Aを推進する方針だ。
 
 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、一時的利益・費用で収益が変動する可能性もあるが、中期的に韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。
 
■株主優待制度は6月末と12月末の株主対象
 
 株主優待制度は、毎年6月末または12月末時点の3単元(300株)以上保有株主を対象として、2500ポイント分の楽天ポイントギフトコードを贈呈する。18年6月末対象の株主から導入した。
 
■株価は売り一巡して反発期待
 
 株価は地合い悪も影響して安値圏だが、12月25日安値387円から切り返している。売り一巡して反発を期待したい。1月11日の終値は422円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円64銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1401円64銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約475億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月18日更新]

Jトラストは売られ過ぎ感、19年3月期大幅増益予想

 Jトラスト<8508>(東2)は、日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指している。19年3月期大幅増益予想である。株価は年初来安値を更新して軟調展開だが、売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。

■日本、韓国、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心に持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 18年3月期のセグメント別営業収益構成比は、国内金融事業12%、韓国金融事業47%、東南アジア金融事業18%、総合エンターテインメント事業3%、不動産事業9%、投資事業10%、その他事業3%だった。

 なお19年3月期から事業セグメントを変更し、日本金融事業、韓国およびモンゴル金融事業、東南アジア金融事業、投資事業、総合エンターテインメント事業、不動産事業、その他事業とした。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 18年5月にはJトラストアジアがモンゴルのファイナンス事業会社CCIを子会社化、Jトラストアジアがカンボジアの商業銀行ANZRの株式譲渡契約(19年5月までに取得予定)を締結、18年10月にはJトラストアジアがインドネシアの中古車ローン会社JTOを子会社化、Jトラストアジアがインドネシアのファイナンス会社OMFを子会社化(JトラストOMFに商号変更)した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 12月14日にはモンゴルのCCIが、越境ECサイト運営や中古自動車販売のビィ・フォアード(東京都)と、モンゴルにおける自動車ローン商品販売事業および中古車販売事業者向け資金融資で業務提携したと発表している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■19年3月期大幅増益予想

 19年3月期連結業績(IFRS)予想は、営業収益が18年3月期比9.3%増の833億78百万円、営業利益が3.0倍の70億73百万円、親会社所有者帰属当期利益が53億18百万円(18年3月期は7億31百万円の赤字)としている。配当予想は18年3月期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は23.2%となる。

 第2四半期累計は営業収益が前年同期比5.6%増の365億75百万円、営業利益が99.4%減の25百万円、親会社所有者帰属当期利益が21億82百万円の赤字(前年同期は22億69百万円の黒字)だった。

 営業収益は韓国金融事業が貸出資産残高の増加で好調に推移し、日本金融事業も保証残高の増加で順調だったが、利益面ではJトラスト銀行インドネシアにおける貸倒引当金繰入額の増加、Jトラストアジアにおける利息収益の減少と訴訟関連費用の増加、JトラストにおけるM&A関連費用の増加などで減益だった。なお金融収益に為替差益11億56百万円を計上している。

 通期ベースでは、韓国金融事業がIFRS第9号適用に伴う貸倒引当金繰り入れや韓国当局の規制強化等の影響を受ける見込みだが、国内金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業における回収強化と収益改善、JトラストアジアにおけるタイGL社関連の損失計上一巡などで大幅増益予想としている。

 なお遊戯機器開発・製造・販売のハイライツ・エンタテインメント(HE)の全株式およびHEに対して保有する貸付債権の全額を譲渡する。これに伴って非継続事業に損失24億28百万円を計上する。

■中期的に銀行業の収益拡大期待

 中期ビジョンとして、国内金融事業では不良債権の買取回収と信用保証事業の拡大を推進する。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行のアセット拡大と、不良債権回収事業の収益強化に取り組むとともに、インドネシア以外の東南アジア地域においても、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、中期的に韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。

■株主優待制度は6月末と12月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年6月末または12月末時点の3単元(300株)以上保有株主を対象として、2500ポイント分の楽天ポイントギフトコードを贈呈する。18年6月末対象の株主から導入した。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は12月17日に年初来安値448円まで下押して軟調展開だが、売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。12月17日の終値は461円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円64銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1401円64銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約519億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月27日更新]

Jトラストは売り一巡して出直り期待、19年3月期2Q累計減益だが通期大幅増益予想

 Jトラスト<8508>(東2)は、日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指している。19年3月期第2四半期累計は減益だったが、通期は大幅増益予想である。株価は安値圏だが、売り一巡して出直りを期待したい。

■日本、韓国、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心に持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 18年3月期のセグメント別営業収益構成比は、国内金融事業12%、韓国金融事業47%、東南アジア金融事業18%、総合エンターテインメント事業3%、不動産事業9%、投資事業10%、その他事業3%だった。

 なお19年3月期から事業セグメントを変更し、日本金融事業、韓国およびモンゴル金融事業、東南アジア金融事業、投資事業、総合エンターテインメント事業、不動産事業、その他事業とした。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 18年5月にはJトラストアジアがモンゴルのファイナンス事業会社CCIを子会社化、Jトラストアジアがカンボジアの商業銀行ANZRの株式譲渡契約(19年5月までに取得予定)を締結、18年10月にはJトラストアジアがインドネシアの中古車ローン会社JTOを子会社化、Jトラストアジアがインドネシアのファイナンス会社OMFを子会社化(JトラストOMFに商号変更)した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式を譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■19年3月期2Q累計減益だが通期大幅増益予想

 19年3月期連結業績(IFRS)予想は、営業収益が18年3月期比9.3%増の833億78百万円、営業利益が3.0倍の70億73百万円、親会社所有者帰属当期利益が53億18百万円(18年3月期は7億31百万円の赤字)としている。配当予想は18年3月期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は23.2%となる。

 第2四半期累計は営業収益が前年同期比5.6%増の365億75百万円、営業利益が99.4%減の25百万円、親会社所有者帰属当期利益が21億82百万円の赤字(前年同期は22億69百万円の黒字)だった。

 営業収益は韓国金融事業が貸出資産残高の増加で好調に推移し、日本金融事業も保証残高の増加で順調だったが、利益面ではJトラスト銀行インドネシアにおける貸倒引当金繰入額の増加、Jトラストアジアにおける利息収益の減少と訴訟関連費用の増加、JトラストにおけるM&A関連費用の増加などで減益だった。なお金融収益に為替差益11億56百万円を計上している。

 通期ベースでは、韓国金融事業がIFRS第9号適用に伴う貸倒引当金繰り入れや韓国当局の規制強化等の影響を受ける見込みだが、国内金融事業の堅調推移、東南アジア金融事業における回収強化と収益改善、JトラストアジアにおけるタイGL社関連の損失計上一巡などで大幅増益予想としている。

 なお遊戯機器開発・製造・販売のハイライツ・エンタテインメント(HE)の全株式およびHEに対して保有する貸付債権の全額を譲渡する。これに伴って非継続事業に損失24億28百万円を計上する。

■中期的に銀行業の収益拡大期待

 中期ビジョンとして、国内金融事業では不良債権の買取回収と信用保証事業の拡大を推進する。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行のアセット拡大と、不良債権回収事業の収益強化に取り組むとともに、インドネシア以外の東南アジア地域においても、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、中期的に韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。

■株主優待制度は6月末と12月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年6月末または12月末時点の3単元(300株)以上保有株主を対象として、2500ポイント分の楽天ポイントギフトコードを贈呈する。18年6月末対象の株主から導入した。

■株価は売り一巡して出直り期待

 株価は11月15日の年初来安値516円まで水準を切り下げたが、その後は売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。11月26日の終値は549円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS51円64銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1401円64銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約618億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月24日更新]

Jトラストは底値圏、19年3月期大幅増益予想

 Jトラスト<8508>(東2)は、日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアで金融事業を展開し、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指している。19年3月期は国内および東南アジアの金融事業が伸長して大幅増益予想である。株価は地合い悪化も影響して軟調だが、ほぼ底値圏だろう。反発を期待したい。なお11月13日に第2四半期決算発表を予定している。

■日本、韓国、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心に持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 18年3月期のセグメント別営業収益構成比は、国内金融事業12%、韓国金融事業47%、東南アジア金融事業18%、総合エンターテインメント事業3%、不動産事業9%、投資事業10%、その他事業3%だった。

 なお19年3月期から事業セグメントを変更し、日本金融事業、韓国およびモンゴル金融事業、東南アジア金融事業、投資事業、総合エンターテインメント事業、不動産事業、その他事業とした。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 18年5月にはJトラストアジアによるCCI社(モンゴル)の子会社化完了、およびANZR社(カンボジア)の株式取得(出資比率55.0%)を発表した。また10月4日にはJトラストアジアによるOMF社(インドネシア)の株式取得・第三者割当増資引き受け(合計出資比率60.0%)の完了・子会社化(JトラストOMFに商号変更予定)を発表した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式をワイドレジャーに譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■19年3月期大幅増益予想

 19年3月期連結業績(IFRS)予想は、営業収益が18年3月期比9.3%増の833億78百万円、営業利益が3.0倍の70億73百万円、親会社所有者帰属当期利益が53億18百万円(18年3月期は7億31百万円の赤字)としている。配当予想は18年3月期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は23.2%となる。

 第1四半期は、営業収益が前年同期比1.0%増の178億34百万円、営業利益が75.9%減の5億93百万円、親会社所有者帰属当期利益が16.1%減の14億92百万円だった。日本および韓国が牽引して増収だが、貸倒引当金繰入額の増加や支払手数料の増加などで減益だった。

 通期は国内や東南アジアの金融事業が伸長して大幅増益予想である。韓国金融事業はIFRS第9号適用に伴う貸倒引当金繰り入れや韓国当局の規制強化等の影響で減益見込みだが、国内金融事業が堅調に推移し、東南アジア金融事業の収益も一段と改善する。投資事業におけるタイGL社関連の損失計上一巡も寄与する。

 なおアパート施工・管理を手掛ける不動産会社における預金データ改ざん問題に関して、連結子会社の日本保証が展開する信用保証事業に、報道されている不動産会社の取扱物件に対する保証が含まれているが、これまでアパートローン保証の貸倒実績は皆無であり、実際に保証を履行した実績はなく、現時点で業績への影響はないとしている。

 また遊戯機器開発・製造・販売のハイライツ・エンタテインメント(HE)の全株式およびHEに対して保有する貸付債権の全額を、スハマ・マネジメントに譲渡(9月27日に譲渡先変更をリリース)する。これに伴って非継続事業に損失24億28百万円を計上する。

■中期的に銀行業の収益拡大期待

 中期ビジョンとして、国内金融事業では不良債権の買取回収と信用保証事業の拡大を推進する。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行のアセット拡大と、不良債権回収事業の収益強化に取り組むとともに、インドネシア以外の東南アジア地域においても、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、中期的に韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。

■株主優待制度は6月末と12月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年6月末または12月末時点の3単元(300株)以上保有株主を対象として、2500ポイント分の楽天ポイントギフトコードを贈呈する。18年6月末対象の株主から導入した。

■株価は底値圏

 株価は10月16日に602円まで下押した。地合い悪化も影響して軟調だが、ほぼ底値圏だろう。反発を期待したい。

 10月23日の終値は619円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS51円64銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1401円64銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約697億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月26日更新]

Jトラストは売り一巡して反発の動き、19年3月期大幅増益予想

 Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤を強化している。19年3月期は国内および東南アジアの金融事業が伸長して大幅増益予想である。株価は水準を切り下げる展開だったが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■日本、韓国、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心に持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 18年3月期のセグメント別営業収益構成比は、国内金融事業12%、韓国金融事業47%、東南アジア金融事業18%、総合エンターテインメント事業3%、不動産事業9%、投資事業10%、その他事業3%だった。

 なお19年3月期から事業セグメントを変更し、日本金融事業、韓国およびモンゴル金融事業、東南アジア金融事業、投資事業、総合エンターテインメント事業、不動産事業、その他事業とした。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 18年4月JトラストアジアによるOMF社(インドネシア)の株式取得および第三者割当増資引き受け(合計出資比率60.0%)を発表、18年5月JトラストアジアによるCCI社(モンゴルのファイナンス事業会社CCI)の子会社化完了、ANZR社(カンボジア)の株式取得(出資比率55.0%)を発表した。

 OMF社(インドネシア)の株式取得に関しては18年7月、インドネシア金融庁の承認取得に時間を要しているため、当事者間で新たに締結する期限延長合意書に基づき、早期に株式取得を目指すとリリースした。また18年8月には、インドネシア金融当局による承認プロセスにおいて、既にJトラストアジアのOMF社の株主としての資格にかかる承認を取得したので、本件株式譲渡にかかる承認を残すのみとなっているとリリースした。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式をワイドレジャーに譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■19年3月期大幅増益予想

 19年3月期連結業績(IFRS)予想は、営業収益が18年3月期比9.3%増の833億78百万円、営業利益が3.0倍の70億73百万円、親会社所有者帰属当期利益が53億18百万円(18年3月期は7億31百万円の赤字)としている。配当予想は18年3月期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は23.2%となる。

 第1四半期は、営業収益が前年同期比1.0%増の178億34百万円、営業利益が75.9%減の5億93百万円、親会社所有者帰属当期利益が16.1%減の14億92百万円だった。日本および韓国が牽引して増収だが、貸倒引当金繰入額の増加や支払手数料の増加などで減益だった。

 通期は国内や東南アジアの金融事業が伸長して大幅増益予想である。韓国金融事業はIFRS第9号適用に伴う貸倒引当金繰り入れや韓国当局の規制強化等の影響で減益見込みだが、国内金融事業が堅調に推移し、東南アジア金融事業の収益も一段と改善する。投資事業におけるタイGL社関連の損失計上一巡も寄与する。

 なお9月3日には、アパート施工・管理を手掛ける不動産会社における預金データ改ざん問題の一部報道に関して、連結子会社の日本保証が展開する信用保証事業に、報道されている不動産会社の取扱物件に対する保証が含まれているが、これまでアパートローン保証の貸倒実績は皆無であり、実際に保証を履行した実績はなく、現時点で業績への影響はないとリリースしている。

 また9月25日には、事業の選択と集中の観点から、遊戯機器等の開発・製造・販売を展開する連結子会社(孫会社)ハイライツ・エンタテインメント(HE)の全株式、およびHEに対して保有する貸付債権の全額を、サイ・パートナーズに譲渡すると発表した。これに伴って非継続事業に損失24億28百万円を計上する。

■中期的に銀行業の収益拡大期待

 中期ビジョンとして、国内金融事業では不良債権の買取回収と信用保証事業の拡大を推進する。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行のアセット拡大と、不良債権回収事業の収益強化に取り組むとともに、インドネシア以外の東南アジア地域においても、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、中期的に韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。

■株主優待制度は6月末と12月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年6月末または12月末時点の3単元(300株)以上保有株主を対象として、2500ポイント分の楽天ポイントギフトコードを贈呈する。18年6月末対象の株主から導入した。

■株価は売り一巡して反発の動き

 株価は6月の戻り高値1006円から反落して水準を切り下げる展開だったが、売り一巡して反発の動きを強めている。9月12日の直近安値645円から切り返して9月21日と25日には718円まで上伸した。

 9月25日の終値は708円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円64銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1401円64銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約798億円である。出直りを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月29日更新]

Jトラストは売り一巡して出直り期待、19年3月期1Q減益だが通期大幅増益予想

 Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤を強化している。19年3月期第1四半期は減益だったが、通期は国内および東南アジアの金融事業が伸長して大幅増益予想である。株価は第1四半期業績を嫌気する形で急落したが、売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■日本、韓国、インドネシア中心に金融事業を展開

 日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアで、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)を展開している。銀行業を中心に持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、M&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤を強化している。

 18年3月期のセグメント別営業収益構成比は、国内金融事業12%、韓国金融事業47%、東南アジア金融事業18%、総合エンターテインメント事業3%、不動産事業9%、投資事業10%、その他事業3%だった。

 なお19年3月期から事業セグメントを変更し、日本金融事業、韓国およびモンゴル金融事業、東南アジア金融事業、投資事業、総合エンターテインメント事業、不動産事業、その他事業とした。

 日本金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 18年4月JトラストアジアによるOMF社(インドネシア)の株式取得および第三者割当増資引き受け(合計出資比率60.0%)を発表、18年5月JトラストアジアによるCCI社(モンゴルのファイナンス事業会社CCI)の子会社化完了、ANZR社(カンボジア)の株式取得(出資比率55.0%)を発表した。

 18年7月にはOMF社(インドネシア)の株式取得に関して、インドネシア金融庁の承認取得に時間を要しているため、当事者間で新たに締結する期限延長合意書に基づき、早期に株式取得を目指すとリリースしている。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式をワイドレジャーに譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■19年3月期1Q減益だが通期大幅増益予想

 19年3月期連結業績(IFRS)予想は、営業収益が18年3月期比9.3%増の833億78百万円、営業利益が3.0倍の70億73百万円、親会社所有者帰属当期利益が53億18百万円(18年3月期は7億31百万円の赤字)としている。配当予想は18年3月期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は23.2%となる。

 第1四半期は、営業収益が前年同期比1.0%増の178億34百万円、営業利益が75.9%減の5億93百万円、親会社所有者帰属当期利益が16.1%減の14億92百万円だった。日本および韓国が牽引して増収だが、貸倒引当金繰入額の増加や支払手数料の増加などで減益だった。

 通期は国内や東南アジアの金融事業が伸長して大幅増益予想である。韓国金融事業は、IFRS第9号適用に伴う貸倒引当金繰り入れや韓国当局の規制強化等の影響で減益見込みだが、国内金融事業が堅調に推移し、東南アジア金融事業の収益も一段と改善する。投資事業におけるタイGL社関連の損失計上一巡も寄与する。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は営業収益21.4%、営業利益8.4%、親会社所有者帰属当期利益28.1%である。通期ベースで好業績を期待したい。

■中期的に銀行業の収益拡大期待

 中期ビジョンとして、国内金融事業では不良債権の買取回収と信用保証事業の拡大を推進する。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行のアセット拡大と、不良債権回収事業の収益強化に取り組むとともに、インドネシア以外の東南アジア地域においても、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、中期的に韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。

■株主優待制度は6月末と12月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年6月末または12月末時点の3単元(300株)以上保有株主を対象として、2500ポイント分の楽天ポイントギフトコードを贈呈する。18年6月末対象の株主から導入した。

■株価は売り一巡して出直り期待

 株価は第1四半期業績を嫌気する形で900円近辺から急落したが、750円近辺から切り返して売り一巡感を強めている。

 8月28日の終値は781円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円64銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は約1.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1401円64銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約879億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、売り一巡して出直りを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月12日更新]

Jトラストは自律調整一巡して出直り期待、19年3月期大幅増益予想

 Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤を強化している。19年3月期は国内および東南アジアの金融事業が伸長して大幅増益予想である。株価は6月の年初来高値から地合い悪化も影響して反落したが自律調整の範囲だろう。出直りを期待したい。

■国内外で金融事業拡大

 銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での金融事業拡大を推進している。

 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)、韓国金融事業(貯蓄銀行、債権回収、キャピタル)、東南アジア金融事業(銀行、債権回収、販売金融)、総合エンターテインメント事業、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業としている。

 18年3月期のセグメント別営業収益構成比は国内金融事業12%、韓国金融事業47%、東南アジア金融事業18%、総合エンターテインメント事業3%、不動産事業9%、投資事業10%、その他事業3%だった。
 国内金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 18年4月JトラストアジアによるOMF社(インドネシア)の株式取得および第三者割当増資引き受け(合計出資比率60.0%)を発表、18年5月JトラストアジアによるCCI社(モンゴルのファイナンス事業会社CCI)の子会社化完了、またANZR社(カンボジア)の株式取得(出資比率55.0%)を発表した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業と不動産事業は子会社のKeyHolder<4712>が展開している。KeyHolderは18年3月、子会社アドアーズの全株式をワイドレジャーに譲渡してアミューズメント施設運営から撤退し、ライブ・エンターテインメント事業で新たな収益柱の構築を目指している。

■収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。なお18年3月期から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用した。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■19年3月期は金融事業が伸長して大幅増益予想

 19年3月期連結業績(IFRS)予想は、営業収益が18年3月期比9.3%増の833億78百万円、営業利益が3.0倍の70億73百万円、親会社所有者帰属当期利益が53億18百万円(18年3月期は7億31百万円の赤字)としている。国内および東南アジアの金融事業が伸長して大幅増益予想である。

 韓国金融事業は、IFRS第9号の適用を見据えた貸倒引当金繰り入れや、韓国当局の規制強化等の影響で減益見込みだが、国内金融事業が堅調に推移し、東南アジア金融事業の収益も一段と改善する。投資事業におけるタイGL社関連の損失計上一巡も寄与する。配当予想は18年3月期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は23.2%となる。

■中期的に銀行業の収益拡大期待

 中期ビジョンとして、国内金融事業では不良債権の買取回収と信用保証事業の拡大を推進する。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行のアセット拡大と、不良債権回収事業の収益強化に取り組むとともに、インドネシア以外の東南アジア地域においても、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、中期的に韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。

■株主優待制度は18年6月末から導入

 株主優待制度は、毎年6月末または12月末時点の3単元(300株)以上保有株主を対象として、2500ポイント分の楽天ポイントギフトコードを贈呈する。18年6月末対象の株主から実施する。

■株価は自律調整一巡して出直り期待

 株価は6月の年初来高値1006円から地合い悪化も影響して反落したが、7月6日の815円から切り返しの動きを強めている。自律調整の範囲だろう。

 7月11日の終値860円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS51円64銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は約1.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1401円64銭で算出)は約0.6倍である。時価総額は約968億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。自律調整一巡して出直りを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[6月19日更新]

Jトラストは年初来高値更新の展開、19年3月期大幅増益予想で18年6月末から株主優待制度導入

 Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤を強化している。19年3月期は国内および東南アジアの金融事業が伸長して大幅増益予想である。また18年6月末から株主優待制度を導入する。株価は年初来高値更新の展開だ。

■国内外で金融事業を中心に業容拡大

 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での金融事業拡大を推進している。

 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)、韓国金融事業(貯蓄銀行、債権回収、キャピタル)、東南アジア金融事業(銀行、債権回収、販売金融)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営など)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業としている。

 18年3月期のセグメント別営業収益構成比は国内金融事業12%、韓国金融事業47%、東南アジア金融事業18%、総合エンターテインメント事業3%、不動産事業9%、投資事業10%、その他事業3%だった。

 国内金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 18年4月JトラストアジアによるOMF社(インドネシア)の株式取得および第三者割当増資引き受け(合計出資比率60.0%)を発表、18年5月JトラストアジアによるCCI社(モンゴルのファイナンス事業会社CCI)の子会社化完了、またANZR社(カンボジア)の株式取得(出資比率55.0%)を発表した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業および不動産事業は、子会社のKeyHolder(アドアーズが17年10月1日付で持株会社に移行して商号変更)<4712>が展開している。なおKeyHolderは18年3月、100%子会社アドアーズの全株式をワイドレジャーに譲渡してアミューズメント施設運営から撤退した。

■収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。18年3月期から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用した。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■19年3月期は金融事業が伸長して大幅増益予想

 19年3月期連結業績(IFRS)予想は、営業収益が18年3月期比9.3%増の833億78百万円、営業利益が3.0倍の70億73百万円、親会社所有者帰属当期利益が53億18百万円(18年3月期は7億31百万円の赤字)としている。国内および東南アジアの金融事業が伸長して大幅増益予想である。

 韓国金融事業は、IFRS第9号の適用を見据えた貸倒引当金繰り入れや、韓国当局の規制強化等の影響で減益見込みだが、国内金融事業が堅調に推移し、東南アジア金融事業の収益も一段と改善する。投資事業におけるタイGL社関連の損失計上一巡も寄与する。19年3月期の配当予想は18年3月期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は23.2%となる。

■中期的に銀行業の収益拡大期待

 中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げている。事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに、3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業から撤退し、不良債権の買取回収と信用保証事業を推進する。特に信用保証事業は地方銀行や電鉄会社と提携し、国内の不動産関連の保証事業を強化する。ハワイやテキサスなど海外の不動産担保ローンの保証も積極的に行い、事業を拡大する。韓国金融事業ではJトラストブランドの積極的なマーケティング活動により、グループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行のアセット拡大と、不良債権回収事業の収益強化に取り組むとともに、インドネシア以外の東南アジア地域においても、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、中期的に韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。

■株主優待制度を18年6月末から導入

 株主優待制度は、毎年6月末または12月末時点の3単元(300株)以上保有株主を対象として、2500ポイント分の楽天ポイントギフトコードを贈呈する。18年6月末対象の株主から実施する。

■株価は年初来高値更新の展開

 株価は3月安値616円から切り返して年初来高値更新の展開だ。6月15日には985円まで上伸した。

 6月18日の終値966円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS51円64銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は約1.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1401円64銭で算出)は約0.7倍である。時価総額は約1088億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜き、さらに52週移動平均線も上抜いて先高観を強めている。上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[5月23日更新]

Jトラストは年初来高値更新、19年3月期大幅増益予想、18年6月末から株主優待制度導入

 Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤を強化している。18年3月期は投資関連損失を計上したが、金融事業が大幅改善した。そして19年3月期も大幅増益予想である。また18年6月末から株主優待制度を導入する。株価は年初来高値更新の展開だ。

■国内外で金融事業を中心に業容拡大

 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での金融事業拡大を推進している。

 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)、韓国金融事業(貯蓄銀行、債権回収、キャピタル)、東南アジア金融事業(銀行、債権回収、販売金融)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営など)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業としている。

 18年3月期のセグメント別営業収益構成比は国内金融事業12%、韓国金融事業47%、東南アジア金融事業18%、総合エンターテインメント事業3%、不動産事業9%、投資事業10%、その他事業3%だった。

 国内金融事業は日本保証、Jトラストカード、パルティール債権回収など、韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など、東南アジアは金融事業をJトラスト銀行インドネシア、投資事業をJトラストアジアが展開している。

 4月19日にはJトラストアジアによるOMF社(インドネシア)の株式取得および第三者割当増資引き受け(合計出資比率60.0%)の決議を発表した。5月14日にはJトラストアジアによるCCI社(モンゴルのファイナンス事業会社CCI)の子会社化完了を発表した。さらに5月17日にはANZR社(カンボジア)の株式取得(出資比率55.0%)の決議を発表した。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおけるリテール分野への進出を企図して販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業および不動産事業は、子会社のKeyHolder(アドアーズが17年10月1日付で持株会社に移行して商号変更)<4712>が展開している。なおKeyHolderは18年3月、100%子会社アドアーズの全株式をワイドレジャーに譲渡してアミューズメント施設運営から撤退した。

■収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。18年3月期から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用した。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■18年3月期は金融3事業が好調で営業増益、19年3月期も大幅増益予想

 18年3月期連結業績(IFRS)は、営業収益が17年3月期比14.8%増の762億66百万円、営業利益が3.9倍の23億55百万円、親会社所有者帰属当期利益が7億31百万円の赤字(17年3月期は12億70百万円の赤字)だった。Jトラストアジアにおいて、前期のマヤパダ銀行株式売却益計上の反動や、タイGL社関連の投資関連損失約64億円計上があったが、金融事業の好調が牽引した。特に東南アジア金融事業の営業利益が大幅改善した。

 18年3月期連結業績(IFRS)予想は、営業収益が18年3月期比9.3%増の833億78百万円、営業利益が3.0倍の70億73百万円、親会社所有者帰属当期利益が53億18百万円(18年3月期は7億31百万円の赤字)としている。

 韓国金融事業は、IFRS第9号の適用を見据えた貸倒引当金繰り入れや、韓国当局の規制強化等の影響で減益見込みだが、国内金融事業が堅調に推移し、東南アジア金融事業の収益も一段と改善する。投資事業におけるタイGL社関連の損失計上一巡も寄与する。

 18年3月期の配当は17年3月期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)とした。19年3月期の配当予想は18年3月期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で、予想配当性向は23.2%となる。

■中期的に銀行業の収益拡大期待

 中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げている。事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに、3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業から撤退し、不良債権の買取回収と信用保証事業を推進する。特に信用保証事業は地方銀行や電鉄会社と提携し、国内の不動産関連の保証事業を強化する。ハワイやテキサスなど海外の不動産担保ローンの保証も積極的に行い、事業を拡大する。韓国金融事業ではJトラストブランドの積極的なマーケティング活動により、グループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行のアセット拡大と、不良債権回収事業の収益強化に取り組むとともに、インドネシア以外の東南アジア地域においても、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、中期的に韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。

■株主優待制度を18年6月末から導入

 5月14日に株主優待制度の導入を発表した。毎年6月末または12月末時点の3単元(300株)以上保有株主を対象として、2500ポイント分の楽天ポイントギフトコードを贈呈する。18年6月末か対象の株主から実施する。

■株価は年初来高値更新

 株価は3月安値616円から切り返して年初来高値更新の展開だ。5月21日には927円まで上伸した。

 5月22日の終値899円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS51円64銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は約1.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1401円64銭で算出)は約0.6倍である。時価総額は約1012億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスで先高観を強めている。上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月11日更新]

Jトラストは反発して底打ち感、18年3月期は最終赤字縮小予想、19年3月期は一段の収益改善期待

 Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤を強化している。18年3月期は投資事業におけるタイGL社関連の影響などで最終赤字予想だが、17年3月期との比較では最終赤字が大幅に縮小する見込みだ。そして19年3月期は一段の収益改善が期待される。株価は反発して底打ち感を強めている。

■国内外で金融事業を中心に業容拡大

 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での金融事業拡大を推進している。

 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)、韓国金融事業(貯蓄銀行、債権回収、キャピタル)、東南アジア金融事業(銀行、債権回収、販売金融)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営など)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業としている。

 17年3月期のセグメント別営業収益構成比は国内金融事業13%、韓国金融事業34%、東南アジア金融事業21%、総合エンターテインメント事業18%、不動産事業8%、投資事業3%、その他事業3%だった。

 国内金融事業は日本保証、Jトラストカードなどが展開している。韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など総合金融サービスを展開するための事業基盤整備が完了している。東南アジアでは、金融事業はJトラスト銀行インドネシア、投資事業はJトラストアジアを中心に展開している。

 なおJトラストアジアは、東南アジアにおける戦略的パートナーとして販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、および会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。

 総合エンターテインメント事業および不動産事業は、KeyHolder(アドアーズが17年10月1日付で持株会社に移行して商号変更)<4712>が展開している。なおKeyHolderは18年1月、100%子会社アドアーズの全株式をワイドレジャーに譲渡し、特別利益に関係会社売却益12憶11百万円を計上すると発表した。

■収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。18年3月期から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用した。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■18年3月期(IFRS)最終赤字縮小予想、19年3月期収益改善期待

 18年3月期の連結業績(IFRS)予想(2月13日に営業収益、営業利益、純利益を各々減額修正、3月26日に営業収益と営業利益を減額、純利益を増額修正)は、営業収益が17年3月期(IFRSに組み替え後)比3.2%減の775億74百万円、営業利益が88.8%増の24億86百万円、純利益が1億87百万円の赤字(17年3月期は12億70百万円の赤字)としている。配当予想は17年3月期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。

 JトラストアジアがタイGL社の転換社債取消に伴う債権分類変更によって、その他営業収益に53億86百万円を計上する一方で、転換社債取消に伴って新株予約権部分に対する評価損を計上し、保有株式についてもその他営業費用で減損損失82億30百万円計上する。

 なお3月26日の修正は、アドアーズの株式譲渡が実行されたため、アドアーズの経営成績ならびに譲渡に伴う損益を非継続事業として開示する場合の予想に変更したものである。

 18年3月期は投資事業におけるタイGL社関連の影響などで最終赤字予想だが、17年3月期との比較で最終赤字が縮小する。主力の金融事業の好調が牽引して19年3月期は一段の収益改善が期待される。

■中期的に銀行業の収益拡大期待

 中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げている。事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大する。またM&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、中期的に韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。

■株価は反発して底打ち感

 株価は安値圏から反発して底打ち感を強めている。3月26日安値616円から切り返して4月4日の716円まで上伸した。

 4月10日の終値704円を指標面で見ると、前期推定配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1455円90銭で算出)は約0.5倍である。時価総額は約793億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。底打ちして出直りが期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月23日更新]

Jトラストは売り一巡して反発期待、18年3月期最終赤字予想だが19年3月期収益改善期待

Jトラストは売り一巡して反発期待、18年3月期最終赤字予想だが19年3月期収益改善期待
 Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤を強化している。18年3月期は投資事業におけるタイGL社関連の影響などで最終赤字予想だが、17年3月期比では実質増益予想である。また主力の金融事業の好調が牽引して19年3月期の収益改善が期待される。株価は売り一巡して反発が期待される。
 
■国内外で金融事業を中心に業容拡大
 
 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での金融事業拡大を推進している。
 
 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)、韓国金融事業(貯蓄銀行、債権回収、キャピタル)、東南アジア金融事業(銀行、債権回収、販売金融)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営など)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業としている。
 
 17年3月期のセグメント別営業収益構成比は国内金融事業13%、韓国金融事業34%、東南アジア金融事業21%、総合エンターテインメント事業18%、不動産事業8%、投資事業3%、その他事業3%だった。
 
 国内金融事業は日本保証、Jトラストカードなどが展開している。韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など総合金融サービスを展開するための事業基盤整備が完了している。東南アジアでは、金融事業はJトラスト銀行インドネシア、投資事業はJトラストアジアを中心に展開している。
 
 なおJトラストアジアは、東南アジアにおける戦略的パートナーとして販売金融事業のタイGL社に出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発されたため、現在はタイGL社、此下益司氏およびGLの関連取締役に対して、刑事告発手続き、および会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起している。
 
 総合エンターテインメント事業および不動産事業は、KeyHolder(アドアーズが17年10月1日付で持株会社に移行して商号変更)<4712>が展開している。なおKeyHolderは18年1月、100%子会社アドアーズの全株式をワイドレジャーに譲渡し、特別利益に関係会社売却益12憶11百万円を計上すると発表した。
 
■収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで変動
 
 収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。18年3月期から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用した。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。
 
■18年3月期(IFRS)減額修正して最終赤字予想だが実質増益
 
 18年3月期の連結業績(IFRS)予想(2月13日に、営業収益を9億13百万円減額、営業利益を72億14百万円減額、親会社所有者帰属当期純利益を85億85百万円減額修正)は、営業収益が885億77百万円、営業利益が28億44百万円、親会社所有者帰属当期純利益が4億48百万円の赤字としている。継続事業としてのアドアーズの数値は含んでいない。アドアーズの売却が実行された場合、同社の経営成績ならびに譲渡に伴う損益を非継続事業として開示する。
 
 JトラストアジアがタイGL社の転換社債取消に伴う債権分類変更によって、その他営業収益に53億86百万円を計上する一方で、転換社債取消に伴って新株予約権部分に対する評価損を計上し、保有株式についてもその他営業費用で減損損失82億30百万円計上する。総合エンターテインメント事業の既存ゲーム店舗における集客伸び悩みや、東南アジア金融事業における貸出ポートフォリオ入れ替えに伴う貸出金残高伸び悩みなども影響する。
 
 なお17年3月期実績をIFRS表示すると、営業収益は791億円、営業利益は9億円、純利益は22億円の赤字となる。この数値との比較で見ると、18年3月期は営業収益が約95億円増収、営業利益が約19億円増益、親会社所有者帰属当期純利益が約17億円増益となり、実質的に増収増益予想である。
 
 第3四半期累計連結業績は、営業収益が前年同期比5.0%増の668億95百万円、営業利益が64.7%減の26億91百万円、親会社の所有者に帰属する純利益が20百万円の赤字(前年同期は61億87百万円の黒字)だった。投資事業における株式評価の影響で大幅営業減益だったが、主力の金融事業が牽引して営業黒字を確保した。投資事業を控除すれば50億円超の営業増益だった。
 
 なお配当予想は据え置いて17年3月期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。
 
 18年3月期は投資事業におけるタイGL社関連の影響などで最終赤字予想だが、17年3月期比では実質増益予想である。また主力の金融事業の好調が牽引して19年3月期の収益改善が期待される。
 
■中期的に銀行業の収益拡大期待
 
 中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げている。事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。
 
 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大する。またM&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。
 
 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、中期的に韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。
 
■株価は売り一巡して反発期待
 
 株価は3月7日に昨年来安値となる620円まで下押す場面があったが、その後は切り返して売り一巡感を強めている。
 
 3月20日の終値657円を指標面で見ると、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.8%近辺で、前期実績の連結PBR(前期実績の連結BPS1455円90銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約740億円である。
 
 週足チャートで見ると安値圏で下ヒゲを付けて売り一巡感を強めている。反発が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月01日更新]

Jトラストはほぼ底値圏、18年3月期減額して最終赤字予想だが19年3月期の収益改善期待
 
 Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤を強化している。18年3月期は投資事業におけるタイGL社関連の影響などで減額修正して最終赤字予想となったが、前期比では実質増益予想である。また主力の金融事業の好調が牽引して19年3月期の収益改善を期待したい。株価は水準を切り下げたが売り一巡感を強めている。
 
■国内外で金融事業を中心に業容拡大
 
 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での金融事業拡大を推進している。
 
 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)、韓国金融事業(貯蓄銀行、債権回収、キャピタル)、東南アジア金融事業(銀行、債権回収、販売金融)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営など)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業としている。
 
 17年3月期のセグメント別営業収益構成比は国内金融事業13%、韓国金融事業34%、東南アジア金融事業21%、総合エンターテインメント事業18%、不動産事業8%、投資事業3%、その他事業3%だった。
 
 国内金融事業は日本保証、Jトラストカードなどが展開している。韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など総合金融サービスを展開するための事業基盤整備が完了している。東南アジアでは、金融事業はJトラスト銀行インドネシア、投資事業はJトラストアジアを中心に展開している。
 
 なおJトラストアジアは、東南アジアにおける戦略的パートナーとして販売金融事業のタイGL社に順次出資するとともに、タイGL社と共同でインドネシアに割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%)を設立したが、17年10月タイGL社CEOである此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発され、現在は補償請求・賠償請求の訴訟を提起している。
 
 総合エンターテインメント事業および不動産事業は、KeyHolder(アドアーズが17年10月1日付で持株会社に移行して商号変更)<4712>が展開している。なおKeyHolderは1月23日、100%子会社アドアーズの全株式をワイドレジャーに譲渡し、特別利益に関係会社売却益12憶11百万円を計上すると発表している。
 
■収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで変動
 
 収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。18年3月期から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用した。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。
 
■18年3月期(IFRS)減額修正して最終赤字予想だが実質増益
 
 18年3月期連結業績(IFRS)予想は2月13日に、営業収益を9億13百万円、営業利益を72億14百万円、親会社の所有者に帰属する純利益を85億85百万円、それぞれ減額修正した。
 
 JトラストアジアがタイGL社の転換社債取消に伴う債権分類変更によってその他営業収益に53億86百万円計上する一方で、転換社債取消に伴って新株予約権部分に対する評価損を計上し、保有株式についてもその他営業費用で減損損失82億30百万円計上する。また総合エンターテインメント事業の既存ゲーム店舗における集客伸び悩みや、東南アジア金融事業における貸出ポートフォリオ入れ替えに伴う貸出金残高伸び悩みなども影響する。
 
 修正後の18年3月期連結業績(IFRS)予想は、営業収益が885億77百万円、営業利益が28億44百万円、親会社の所有者に帰属する純利益が4億48百万円の赤字とした。なお継続事業としてのアドアーズの数値は含んでいない。アドアーズの売却が実行された場合、同社の経営成績ならびに譲渡に伴う損益を非継続事業として開示する。
 
 前期の実績をIFRS表示した場合の営業収益791億円、営業利益9億円、純利益22億円の赤字との比較で見ると、営業収益は約95億円増収、営業利益は約19億円増益、親会社の所有者に帰属する純利益は約17億円増益となる。実質的に増収増益予想である。
 
 なお第3四半期累計連結業績は、営業収益が前年同期比5.0%増の668億95百万円、営業利益が64.7%減の26億91百万円、親会社の所有者に帰属する純利益が20百万円の赤字(前年同期は61億87百万円の黒字)だった。投資事業における株式評価の影響で大幅営業減益だったが、主力の金融事業が牽引して営業黒字を確保した。投資事業を控除すれば50億円超の営業増益だった。
 
 なお配当予想は据え置いて前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。
 
 18年3月期は投資事業におけるタイGL社関連の影響などで減額修正して最終赤字予想となったが、前期比では実質増益予想である。また主力の金融事業の好調が牽引して19年3月期の収益改善を期待したい。
 
■中期的に銀行業の収益拡大期待
 
 中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げている。事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。
 
 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大する。またM&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。
 
 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、中期的に韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。
 
■株価はほぼ底値圏
 
 株価は出資先のタイGL社を巡る不透明感に対する売りが一巡し、700円台でモミ合う形だったが、地合い悪化の影響で水準を切り下げ、2月16日の653円まで調整した。
 
 2月28日の終値684円を指標面で見ると、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.8%近辺で、前期実績の連結PBR(前期実績の連結BPS1455円90銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約770億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形となったが、ほぼ底値圏だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[1月30日更新]

Jトラストは下値固め完了感、18年3月期大幅増収増益予想

 Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤を強化し、18年3月期大幅増収増益予想である。株価は出資先のタイGL社を巡る不透明感に対する売りが一巡し、下値固め完了感を強めている。なお2月13日に第3四半期決算発表を予定している。
 
■国内外で金融事業を中心に業容拡大
 
 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での金融事業拡大を推進している。
 
 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)、韓国金融事業(貯蓄銀行、債権回収、キャピタル)、東南アジア金融事業(銀行、債権回収、販売金融)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営など)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業としている。
 
 17年3月期のセグメント別営業収益構成比は国内金融事業13%、韓国金融事業34%、東南アジア金融事業21%、総合エンターテインメント事業18%、不動産事業8%、投資事業3%、その他事業3%だった。
 
 国内金融事業は日本保証、Jトラストカードなどが展開している。韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など総合金融サービスを展開するための事業基盤整備が完了している。東南アジアでは、金融事業はJトラスト銀行インドネシア、投資事業はJトラストアジアを中心に展開している。
 
 Jトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に順次出資し、東南アジアにおける戦略的パートナーとしている。JトラストアジアがタイGL社と共同でインドネシアに設立した割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%で持分法適用関連会社)は16年7月営業開始した。
 
 なお17年11月に「当社のGL社に対する現状の認識と今後の予想される方向性について」をリリースし、GL社に関係の円満な解消を提案し、その中でJトラストアジアが保有する転換社債180百万USドルの契約を解消して直ちに返済を求めたとしている。インドネシアにおける事業に関しては当社による引き取りを提案している。また1月12日に経過状況をリリースしている。
 
 総合エンターテインメント事業および不動産事業は、KeyHolder(アドアーズが17年10月1日付で持株会社に移行して商号変更)<4712>が展開している。なおKeyHolderは1月23日、100%子会社アドアーズの全株式をワイドレジャーに譲渡し、特別利益に関係会社売却益12憶11百万円を計上すると発表している。
 
■収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで変動
 
 収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。18年3月期から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用した。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。
 
■18年3月期(IFRS)は実質大幅増収増益予想
 
 今期(18年3月期、IFRS)連結業績予想(5月12日公表)は、営業収益が894億90百万円、営業利益が100億58百万円、親会社の所有者に帰属する純利益が81億37百万円としている。前期の実績をIFRS表示した場合の営業収益791億円、営業利益9億円、純利益22億円の赤字に対して、営業収益は103億円増収、営業利益は91億円増益、純利益は103億円増益となる。実質的に大幅増収増益予想である。
 
 第2四半期累計は、営業収益が前年同期比6.3%増の414億11百万円、営業利益が41億87百万円(前年同期は2億66百万円)、親会社の所有者に帰属する純利益が22億69百万円(同21億72百万円の赤字)だった。前期にJトラストアジアでマヤパダ銀行の株式売却益を計上した反動減がマイナス要因となり、総合エンターテインメント事業も低調だったが、韓国銀行業における貸出金の増加、Jトラスト銀行における純金利収入の増加なども寄与して大幅営業増益となり、最終黒字化した。
 
 セグメント別営業利益は、国内金融事業が7.0%減の24億88百万円、韓国金融事業が93.8%増の24億49百万円、東南アジア金融事業が2億56百万円の赤字(同28億15百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が3億57百万円の赤字(同2億52百万円の黒字)、不動産事業が21.1%増の1億56百万円、投資事業が75.6%増の10億73百万円、その他が53百万円の黒字(同26百万円の赤字)だった。
 
 通期のセグメント別営業利益の計画は、国内金融が46億48百万円、韓国金融が32億60百万円、東南アジア金融が24億57百万円、総合エンターテインメントが3億51百万円、不動産が4億82百万円、投資が25億41百万円、その他が5百万円としている。国内金融事業は安定した営業収益を確保する。韓国金融事業は貸出ポートフォリオの調整で収益基盤安定を推進する。東南アジア金融事業はリスク管理徹底による貸倒費用の減少や経費削減を推進する。
 
 通期営業利益予想に対する第2四半期累計の進捗率は、連結ベース41.6%(国内金融事業が53.5%、韓国金融事業が75.1%など)である。国内金融事業は安定した営業収益の確保が期待される。韓国金融事業の進捗率は高水準であり、通期上振れが期待される。東南アジア金融事業は営業損益改善基調である。通期ベースでも好業績が期待される。
 
 なお配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は15.2%となる。
 
■18年3月期ROE10.0%目標
 
 中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げている。事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。
 
 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大する。またM&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。
 
 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。
 
■株価は下値固め完了感
 
 株価は出資先のタイGL社を巡る不透明感に対する売りが一巡し、700円台で調整一巡感を強めている。
 
 1月29日の終値774円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円05銭で算出)は9〜10倍近辺で、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1455円90銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約871億円である。
 
 週足チャートで見ると700円近辺が下値支持線の形だ。そして13週移動平均線突破の動きを強めている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月28日更新]

Jトラストは売り一巡して下値固め完了感、18年3月期大幅増収増益予想

 Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤を強化し、18年3月期大幅増収増益予想である。株価は出資先のタイGL社を巡る不透明感で急反落したが、売り一巡して下値固め完了感を強めている。
 
■国内外で金融事業を中心に業容拡大
 
 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での金融事業拡大を推進している。
 
 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)、韓国金融事業(貯蓄銀行、債権回収、キャピタル)、東南アジア金融事業(銀行、債権回収、販売金融)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営など)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業としている。
 
 17年3月期のセグメント別営業収益構成比は国内金融事業13%、韓国金融事業34%、東南アジア金融事業21%、総合エンターテインメント事業18%、不動産事業8%、投資事業3%、その他事業3%だった。
 
 国内金融事業は日本保証、Jトラストカードなどが展開している。韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など総合金融サービスを展開するための事業基盤整備が完了している。東南アジアでは、金融事業はJトラスト銀行インドネシア、投資事業はJトラストアジアを中心に展開している。
 
 Jトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に順次出資し、東南アジアにおける戦略的パートナーとしている。JトラストアジアがタイGL社と共同でインドネシアに設立した割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%で持分法適用関連会社)は16年7月営業開始した。
 
 なお11月30日に「当社のGL社に対する現状の認識と今後の予想される方向性について」をリリースし、GL社に関係の円満な解消を提案し、その中でJトラストアジアが保有する転換社債180百万USドルの契約を解消して直ちに返済を求めたとしている。インドネシアにおける事業に関しては当社による引き取りを提案している。
 
 総合エンターテインメント事業および不動産事業は、KeyHolder(アドアーズが17年10月1日付で持株会社に移行して商号変更)<4712>が展開している。
 
■収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで変動
 
 収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。18年3月期から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用した。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。
 
■18年3月期(IFRS)は実質大幅増収増益予想
 
 今期(18年3月期、IFRS)連結業績予想(5月12日公表)は、営業収益が894億90百万円、営業利益が100億58百万円、親会社の所有者に帰属する純利益が81億37百万円としている。前期の実績をIFRS表示した場合の営業収益791億円、営業利益9億円、純利益22億円の赤字に対して、営業収益は103億円増収、営業利益は91億円増益、純利益は103億円増益となる。実質的に大幅増収増益予想である。
 
 第2四半期累計は、営業収益が前年同期比6.3%増の414億11百万円、営業利益が41億87百万円(前年同期は2億66百万円)、親会社の所有者に帰属する純利益が22億69百万円(同21億72百万円の赤字)だった。前期にJトラストアジアでマヤパダ銀行の株式売却益を計上した反動減がマイナス要因となり、総合エンターテインメント事業も低調だったが、韓国銀行業における貸出金の増加、Jトラスト銀行における純金利収入の増加なども寄与して大幅営業増益となり、最終黒字化した。
 
 セグメント別営業利益は、国内金融事業が7.0%減の24億88百万円、韓国金融事業が93.8%増の24億49百万円、東南アジア金融事業が2億56百万円の赤字(同28億15百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が3億57百万円の赤字(同2億52百万円の黒字)、不動産事業が21.1%増の1億56百万円、投資事業が75.6%増の10億73百万円、その他が53百万円の黒字(同26百万円の赤字)だった。
 
 通期のセグメント別営業利益の計画は、国内金融が46億48百万円、韓国金融が32億60百万円、東南アジア金融が24億57百万円、総合エンターテインメントが3億51百万円、不動産が4億82百万円、投資が25億41百万円、その他が5百万円としている。国内金融事業は安定した営業収益を確保する。韓国金融事業は貸出ポートフォリオの調整で収益基盤安定を推進する。東南アジア金融事業はリスク管理徹底による貸倒費用の減少や経費削減を推進する。
 
 通期営業利益予想に対する第2四半期累計の進捗率は、連結ベース41.6%(国内金融事業が53.5%、韓国金融事業が75.1%など)である。国内金融事業は安定した営業収益の確保が期待される。韓国金融事業の進捗率は高水準であり、通期上振れが期待される。東南アジア金融事業は営業損益改善基調である。通期ベースでも好業績が期待される。
 
 なお配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は15.2%となる。
 
■18年3月期ROE10.0%目標
 
 中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げている。事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。
 
 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大する。またM&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。
 
 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。
 
■株価は売り一巡して下値固め完了感
 
 株価はタイGL社を巡る不透明感で10月13日の戻り高値1048円から急反落した。そして12月4日には年初来安値となる710円まで調整した。その後は売り一巡して750円近辺で推移し、下値固め完了感を強めている。
 
 12月27日の終値743円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円05銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1455円90銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約836億円である。
 
 週足チャートで見ると700円近辺が下値支持線の形だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月29日更新]

Jトラストは売り一巡感、タイGLに関して具体的な対応を確定すべく努力

 Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤を強化している。18年3月期は第2四半期累計が大幅営業増益・最終黒字となり、通期も大幅増収増益予想である。株価は出資先のタイGL社を巡る不透明感で急反落したが売り一巡感を強めている。なお11月13日に「当社のGLに対する現状の認識と今後の予想される方向性について」をリリースしている。今後の考えられる方向性として三つのシナリオを想定し、関係当局とも密接に協議しつつ、11月末までに具体的な対応を確定すべく努力するとしている。
 
■国内外で金融事業を中心に業容拡大
 
 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での金融事業拡大を推進している。
 
 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)、韓国金融事業(貯蓄銀行、債権回収、キャピタル)、東南アジア金融事業(銀行、債権回収、販売金融)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営など)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業としている。
 
 17年3月期のセグメント別営業収益構成比は国内金融事業13%、韓国金融事業34%、東南アジア金融事業21%、総合エンターテインメント事業18%、不動産事業8%、投資事業3%、その他事業3%だった。
 
 国内金融事業は日本保証、Jトラストカードなどが展開している。韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など総合金融サービスを展開するための事業基盤整備が完了している。東南アジアでは、金融事業はJトラスト銀行インドネシア、投資事業はJトラストアジアを中心に展開している。
 
 Jトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に順次出資し、東南アジアにおける戦略的パートナーとしている。JトラストアジアがタイGL社と共同でインドネシアに設立した割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%で持分法適用関連会社)は16年7月営業開始した。
 
 総合エンターテインメント事業および不動産事業は、KeyHolder(アドアーズが17年10月1日付で持株会社に移行して商号変更)<4712>が展開している。
 
■収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで変動
 
 収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。18年3月期から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用した。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。
 
■18年3月期(IFRS)2Q累計は大幅営業増益・最終黒字化
 
 11月13日発表した今期(18年3月期)第2四半期累計の連結業績は、営業収益が前年同期比6.3%増の414億11百万円、営業利益が41億87百万円(前年同期は2億66百万円)、そして親会社の所有者に帰属する純利益が22億69百万円(同21億72百万円の赤字)だった。
 
 前期にJトラストアジアでマヤパダ銀行の株式売却益を計上した反動減がマイナス要因となり、総合エンターテインメント事業も低調だったが、韓国銀行業における貸出金の増加、Jトラスト銀行における純金利収入の増加なども寄与して大幅営業増益となり、最終黒字化した。
 
 セグメント別営業利益は、国内金融事業が7.0%減の24億88百万円、韓国金融事業が93.8%増の24億49百万円、東南アジア金融事業が2億56百万円の赤字(同28億15百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が3億57百万円の赤字(同2億52百万円の黒字)、不動産事業が21.1%増の1億56百万円、投資事業が75.6%増の10億73百万円、その他が53百万円の黒字(同26百万円の赤字)だった。
 
■18年3月期(IFRS)は実質大幅増収増益予想
 
 今期(18年3月期、IFRS)連結業績予想(5月12日公表)は、営業収益が894億90百万円、営業利益が100億58百万円、親会社の所有者に帰属する純利益が81億37百万円としている。前期の実績をIFRS表示した場合の営業収益791億円、営業利益9億円、純利益22億円の赤字に対して、営業収益は103億円増収、営業利益は91億円増益、純利益は103億円増益となる。実質的に大幅増収増益予想である。
 
 セグメント別営業利益の計画は、国内金融が46億48百万円、韓国金融が32億60百万円、東南アジア金融が24億57百万円、総合エンターテインメントが3億51百万円、不動産が4億82百万円、投資が25億41百万円、その他が5百万円としている。国内金融事業は安定した営業収益を確保する。韓国金融事業は貸出ポートフォリオの調整で収益基盤安定を推進する。東南アジア金融事業はリスク管理徹底による貸倒費用の減少や経費削減を推進する。
 
 通期営業利益予想に対する第2四半期の進捗率は、連結ベース41.6%(国内金融事業が53.5%、韓国金融事業が75.1%など)である。国内金融事業は安定した営業収益の確保が期待されル。韓国金融事業の進捗率は高水準であり、通期上振れが期待される。東南アジア金融事業は営業損益改善基調である。通期ベースでも好業績が期待される。
 
 なお配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は15.2%となる。
 
■18年3月期ROE10.0%目標
 
 中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げている。事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。
 
 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大する。またM&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。
 
 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。
 
■株価は売り一巡感
 
 株価は出資先のタイGL社を巡る不透明感で10月13日の戻り高値1048円から急反落したが、11月15日の直近安値730円から切り返して売り一巡感を強めている。
 
 11月28日の終値760円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円05銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1455円90銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約856億円である。月足チャートで見ると700円近辺はほぼ底値圏の形だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
 [10月30日更新]

Jトラストは売り一巡して反発期待、18年3月期大幅増収増益

 Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤を強化し、18年3月期大幅増収増益予想である。株価は出資先であるタイGL社を巡る不透明感で戻り高値圏から急反落したが、年初来安値を割り込むことなく売り一巡感を強めている。反発が期待される。なお11月13日に第2四半期決算発表を予定している。
 
■国内外で金融事業を中心に業容拡大
 
 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での金融事業拡大を推進している。
 
 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)、韓国金融事業(貯蓄銀行、債権回収、キャピタル)、東南アジア金融事業(銀行、債権回収、販売金融)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営など)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業としている。
 
 17年3月期のセグメント別営業収益構成比は国内金融事業13%、韓国金融事業34%、東南アジア金融事業21%、総合エンターテインメント事業18%、不動産事業8%、投資事業3%、その他事業3%だった。
 
 国内金融事業は日本保証、Jトラストカードなどが展開している。韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など総合金融サービスを展開するための事業基盤整備が完了している。東南アジアでは、金融事業はJトラスト銀行インドネシア、投資事業はJトラストアジアを中心に展開している。
 
 総合エンターテインメント事業および不動産事業は、KeyHolder(アドアーズが17年10月1日付で持株会社に移行して商号変更)<4712>が展開している。
 
■収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで変動
 
 収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。18年3月期から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用した。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。
 
■18年3月期(IFRS)は実質大幅増収増益予想
 
 今期(18年3月期、IFRS)連結業績予想(5月12日公表)は、営業収益が894億90百万円、営業利益が100億58百万円、親会社の所有者に帰属する純利益が81億37百万円としている。前期の実績をIFRS表示した場合の営業収益791億円、営業利益9億円、純利益22億円の赤字に対して、営業収益は103億円増収、営業利益は91億円増益、純利益は103億円増益となる。実質的に大幅増収増益予想である。
 
 セグメント別営業利益(連結調整前)の計画は、国内金融が46億48百万円、韓国金融が32億60百万円、東南アジア金融が24億57百万円、総合エンターテインメントが3億51百万円、不動産が4億82百万円、投資が25億41百万円、その他が5百万円としている。国内金融事業は安定した営業収益を確保する。韓国金融事業は貸出ポートフォリオの調整で収益基盤安定を推進する。東南アジア金融事業はリスク管理徹底による貸倒費用の減少や経費削減を推進する。
 
 第1四半期(4〜6月)の連結業績は営業収益が前年同期比3.8%増収、営業利益が2.9倍増益、税引前利益と親会社の所有者に帰属する純利益が黒字化した。非金融事業が減収で、投資事業におけるマヤパダ銀行の株式売却益も一巡したが、国内金融事業、韓国金融事業、東南アジア金融事業が順調に成長して増収となり、韓国金融事業と東南アジア金融事業の損益が大幅改善して大幅営業増益だった。
 
 韓国金融事業は貯蓄銀行における営業収益が増加し、経費削減も寄与した。東南アジア金融事業はJトラストインドネシアにおいて純金利収入など営業収益が増加し、貸倒引当金の減少、事業構造改革に伴う人件費・経費の減少も寄与した。
 
 通期予想に対する第1四半期進捗率は国内金融25.6%、韓国金融50.5%、東南アジア金融6.3%とばらついているが、その他事業を含む合計では25.6%と順調である。通期ベースでも好業績が期待される。
 
 配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は15.2%となる。
 
■18年3月期ROE10.0%目標
 
 中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げている。事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。
 
 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大する。またM&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。
 
 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。
 
■株価は売り一巡して反発期待
 
 株価は10月13日の戻り高値1048円まで上伸したが、タイ証券取引所によるタイGL社の取引停止発表を嫌気して急反落した。ただし6月の年初来安値786円を割り込むことなく、800円台前半で推移して売り一巡感を強めている。
 
 10月26日の終値826円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS79円05銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1455円90銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約930億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、800円近辺が下値支持線の形だ。売り一巡して反発が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月27日更新]

Jトラストは下値を切り上げて戻り歩調、18年3月期大幅増収増益予想
 
 Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤を強化している。18年3月期大幅増収増益予想である。株価は下値を切り上げて戻り歩調だ。低PBRも見直し材料だろう。
 
■国内外で金融事業を中心に業容拡大
 
 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での金融事業拡大を推進している。
 
 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)、韓国金融事業(貯蓄銀行、債権回収、キャピタル)、東南アジア金融事業(銀行、債権回収、販売金融)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営など)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業としている。
 
 17年3月期のセグメント別営業収益構成比は国内金融事業13%、韓国金融事業34%、東南アジア金融事業21%、総合エンターテインメント事業18%、不動産事業8%、投資事業3%、その他事業3%だった。
 
 国内金融事業は日本保証、Jトラストカードなどが展開している。韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など総合金融サービスを展開するための事業基盤整備が完了している。東南アジアでは、金融事業はJトラスト銀行インドネシア、投資事業はJトラストアジアを中心に展開している。
 
 Jトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に順次出資し、東南アジアにおける戦略的パートナーとしている。JトラストアジアがタイGL社と共同でインドネシアに設立した割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%で持分法適用関連会社)は16年7月営業開始した。なお17年3月のタイGL社の株価急落以降、株価は割安であるとの判断のもと市場でタイGL社の株式の買い付けを行っている。
 
 総合エンターテインメント事業および不動産事業はアドアーズ<4712>が展開している。なおアドアーズは17年10月1日付で持株会社に移行して商号をKeyHolderに変更する。
 
■収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで変動
 
 収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。18年3月期から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用した。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。
 
■18年3月期(IFRS)は実質大幅増収増益予想
 
 今期(18年3月期、IFRS)連結業績予想(5月12日公表)は、営業収益が894億90百万円、営業利益が100億58百万円、親会社の所有者に帰属する純利益が81億37百万円としている。前期の実績をIFRS表示した場合の営業収益791億円、営業利益9億円、純利益22億円の赤字に対して、営業収益は103億円増収、営業利益は91億円増益、純利益は103億円増益となる。実質的に大幅増収増益予想である。
 
 セグメント別営業利益(連結調整前)の計画は、国内金融が46億48百万円、韓国金融が32億60百万円、東南アジア金融が24億57百万円、総合エンターテインメントが3億51百万円、不動産が4億82百万円、投資が25億41百万円、その他が5百万円としている。国内金融事業は安定した営業収益を確保する。韓国金融事業は貸出ポートフォリオの調整で収益基盤安定を推進する。東南アジア金融事業はリスク管理徹底による貸倒費用の減少や経費削減を推進する。
 
 第1四半期(4〜6月)の連結業績は営業収益が前年同期比3.8%増収、営業利益が2.9倍増益、税引前利益と親会社の所有者に帰属する純利益が黒字化した。非金融事業が減収で、投資事業におけるマヤパダ銀行の株式売却益も一巡したが、国内金融事業、韓国金融事業、東南アジア金融事業が順調に成長して増収となり、韓国金融事業と東南アジア金融事業の損益が大幅改善して大幅営業増益だった。
 
 韓国金融事業は貯蓄銀行における営業収益が増加し、経費削減も寄与した。東南アジア金融事業はJトラストインドネシアにおいて純金利収入など営業収益が増加し、貸倒引当金の減少、事業構造改革に伴う人件費・経費の減少も寄与した。
 
 通期予想に対する第1四半期進捗率は国内金融25.6%、韓国金融50.5%、東南アジア金融6.3%とばらついているが、その他事業を含む合計では25.6%と順調である。通期ベースでも好業績が期待される。
 
 なお配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は15.2%となる。
 
■18年3月期ROE10.0%目標
 
 中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げている。事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。
 
 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大する。またM&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。
 
 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。
 
■株価は下値切り上げて戻り歩調
 
 株価は6〜7月の800円近辺で下値固めが完了した。そして徐々に下値を切り上げて戻り歩調だ。
 
 9月26日の終値934円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円05銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1455円90銭で算出)は0.6倍近辺である。なお時価総額は約1051億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形となった。低PBRも見直し材料だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月30日更新]
  Jトラストは18年3月期1Q大幅増益で通期も大幅増収増益予想

 Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤を強化している。18年3月期第1四半期は大幅増益だった。通期も大幅増収増益予想である。株価は下値固めが完了し、低PBRも見直して戻りを試す展開が期待される。
 
■国内外で金融事業を中心に業容拡大
 
 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での金融事業拡大を推進している。
 
 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)、韓国金融事業(貯蓄銀行、債権回収、キャピタル)、東南アジア金融事業(銀行、債権回収、販売金融)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営など)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業としている。
 
 17年3月期のセグメント別営業収益構成比は国内金融事業13%、韓国金融事業34%、東南アジア金融事業21%、総合エンターテインメント事業18%、不動産事業8%、投資事業3%、その他事業3%だった。
 
 国内金融事業は日本保証、Jトラストカードなどが展開している。韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理など、総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤整備が完了している。
 
 東南アジアでは、金融事業はJトラスト銀行インドネシア、投資事業はJトラストアジアを中心に展開している。
 
 Jトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に対して順次出資し、東南アジアにおける戦略的パートナーとしている。JトラストアジアがタイGL社と共同でインドネシアに設立した割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%で持分法適用関連会社)は、16年7月営業開始した。なお17年3月のGL社の株価急落以降、株価は割安であるとの判断のもと、市場でGL社の株式の買い付けを行っている。
 
 また16年10月にはJトラストアジアが、モンゴル国金融規制委員会の許可が得られることを前提として、モンゴルのファイナンス事業会社であるCCI社の全株式を取得して子会社化すると発表している。
 
 総合エンターテインメント事業および不動産事業はアドアーズ<4712>が展開している。なおアドアーズは17年10月1日付で持株会社に移行して商号をKeyHolderに変更する。
 
■収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで変動
 
 収益は、M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。なお18年3月期から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用した。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。
 
■18年3月期1Qは大幅増益
 
 今期(18年3月期、IFRS)第1四半期(4〜6月)の連結業績は、営業収益が前年同期比3.8%増の203億52百万円、営業利益が2.9倍の25億74百万円、税引前利益が22億52百万円(前年同期は4億71百万円の赤字)、親会社の所有者に帰属する純利益が17億79百万円(同9億68百万円の赤字)だった。
 
 非金融事業が減収で、投資事業におけるマヤパダ銀行の株式売却益も一巡したが、国内金融事業、韓国金融事業、東南アジア金融事業が順調に成長して増収となり、韓国金融事業と東南アジア金融事業の損益が大幅改善して大幅営業増益だった。
 
 セグメント別営業利益(連結調整前、前年同期はIFRSに組み替え)は、国内金融が2.4%減の11億21百万円、韓国金融が4.4倍の16億47百万円、東南アジア金融が1億54百万円の黒字(前年同期は11億71百万円の赤字)、総合エンターテインメントが1億64百万円の赤字(同72百万円の黒字)、不動産が3.7倍の97百万円、投資が77.5%減の2億95百万円、その他が3.5倍の10百万円だった。
 
 国内金融は概ね前年並みで推移した。韓国金融は貯蓄銀行における営業収益が増加し、経費削減も寄与した。東南アジア金融はJトラストインドネシアにおいて純金利収入など営業収益が増加し、貸倒引当金の減少、事業構造改革に伴う人件費・経費の減少も寄与した。投資はマヤパダ銀行の株式売却益が一巡した。
 
■18年3月期(IFRS)は実質大幅増収増益予想
 
 今期(18年3月期、IFRS)連結業績予想(5月12日公表)は、営業収益が894億90百万円、営業利益が100億58百万円、親会社の所有者に帰属する純利益が81億37百万円としている。前期の実績をIFRS表示した場合の営業収益791億円、営業利益9億円、純利益22億円の赤字に対して、営業収益は103億円増収、営業利益は91億円増益、純利益は103億円増益となる。実質的に大幅増収増益予想である。
 
 セグメント別営業利益(連結調整前)の計画は、国内金融が46億48百万円、韓国金融が32億60百万円、東南アジア金融が24億57百万円、総合エンターテインメントが3億51百万円、不動産が4億82百万円、投資が25億41百万円、その他が5百万円としている。
 
 国内金融は安定した営業収益を確保する。韓国金融は貸出ポートフォリオの調整で収益基盤安定を推進する。東南アジア金融はリスク管理徹底による貸倒費用の減少や経費削減を推進する。通期予想に対する第1四半期進捗率は国内金融25.6%、韓国金融50.5%、東南アジア金融6.3%とばらついているが、その他事業を含む合計では25.6%と順調である。通期ベースでも好業績が期待される。
 
 配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は15.2%となる。
 
■18年3月期ROE10.0%目標
 
 15年5月策定の中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げている。事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。
 
 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大する。またM&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。
 
 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国金融事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。
 
■株価は下値固め完了して出直り期待
 
 株価は安値圏800円〜900円近辺でモミ合う形だが、徐々に水準を切り上げている。下値固めが完了したようだ。
 
 8月29日の終値903円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円05銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1455円90銭で算出)は0.6倍近辺である。なお時価総額は約1016億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。下値固めが完了し、低PBRも見直して戻りを試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月30日更新]

Jトラストは下値固め完了して基調転換の動き、18年3月期実質大幅増収増益予想で低PBRも見直し

 Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤強化に取り組んでいる。18年3月期(IFRS任意適用)は実質的に大幅増収増益予想である。株価は下値固め完了して基調転換の動きを強めている。0.6倍近辺の低PBRも見直して戻りを試す展開が期待される。

■国内外で金融事業を中心に業容拡大

 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での金融事業拡大を推進している。

 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)、韓国金融事業(貯蓄銀行、債権回収、キャピタル)、東南アジア金融事業(銀行、債権回収、販売金融)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営など)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業としている。
 17年3月期のセグメント別営業収益構成比は国内金融事業13%、韓国金融事業34%、東南アジア金融事業21%、総合エンターテインメント事業18%、不動産事業8%、投資事業3%、その他事業3%である。

 なお6月28日には、7月1日付で石坂匡身氏を顧問として招聘すると発表した。大蔵省(現財務省)出身で、みずほフィナンシャルグループやイオン等で要職を歴任している。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業はJT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理を傘下においている。事業承継・貸付債権承継・M&A・売却などを経て、韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤整備が完了したとしている。

■東南アジア金融事業と投資事業はインドネシアに積極展開

 東南アジアでは、金融事業はJトラスト銀行インドネシア、投資事業はJトラストアジアを中心に展開している。Jトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に対して順次出資し、東南アジアにおける戦略的パートナーとしている。

 16年7月には、JトラストアジアがタイGL社と共同でインドネシアに設立した割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%で持分法適用関連会社)が、所要の免許を取得して業務開始した。16年10月にはJトラストアジアが、モンゴル国金融規制委員会の許可が得られることを前提として、モンゴルのファイナンス事業会社であるCCI社の全株式を取得して子会社化すると発表している。

■総合エンターテインメント事業と不動産事業はアドアーズが展開

 総合エンターテインメント事業および不動産事業はアドアーズ<4712>が展開している。なおアドアーズは17年10月1日付で持株会社に移行して商号をKeyHolderに変更する。

■収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで変動

 収益は、M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。なお18年3月期から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用する。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■17年3月期(日本基準)は赤字拡大

 前期(17年3月期)連結業績(日本基準)は営業収益が前々期(16年3月期)比12.7%増収だったが、営業利益が57億69百万円の赤字、経常利益が67億47百万円の赤字、純利益が98億76百万円の赤字だった。

 国内金融事業、韓国金融事業、東南アジア金融事業が増収で、国内金融事業と韓国金融事業が営業増益だったが、タイGL社の転換社債の新株予約権部分の評価損計上34億円、Jトラスト銀行の過去の負の遺産に対する一過性の貸倒引当金計上46億円、およびIFRS導入に向けた東南アジア金融事業の期ズレ解消(16年1月1日から17年3月31日までの15ヶ月業績を反映)の影響11億円などで、全体として営業赤字が拡大した。

 ただし営業損益(57億円の赤字)から評価性の引当等の影響を控除し、投資事業損益を差し引いた事業利益は同2.8倍の138億円となり、キャッシュフローに影響しない会計上の評価性部分を除くと事業利益は90億円増加したことになる。

 セグメント別営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同22.0%増の46億36百万円、韓国金融事業が同6.3倍の16億33百万円、東南アジア金融事業が86億42百万円の赤字(同78億98百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が2億19百万円の赤字(同4億75百万円の赤字)、不動産事業が同7.2%増の5億36百万円、投資事業が1億75百万円の赤字(同25億62百万円の黒字)、その他事業が73百万円の赤字(同1億93百万円の赤字)だった。

 国内金融事業は販管費圧縮が寄与した。韓国金融事業はアセット増加で純金利収入が増加した。東南アジア金融事業は一過性の貸倒引当金計上やIFRS導入に向けた期ズレ解消が影響した。ただし債権ポートフォリオ入れ替えが進展して純金利収入が増加し、不良債権比率も低位安定している。投資事業はタイGL社の転換社債の新株予約権部分の評価損計上が影響した。なおJトラストアジアが保有するGL社の株式(保有比率6.43%)については、17年3月時点では約16億円の含み益となった。

 自己資本比率は23.9%で同8.2ポイント低下した。ネットキャッシュ(=現預金および有価証券−有利子負債総額−銀行業ネットキャッシュ)は同61億円増加の595億円となった。配当は前々期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)とした。

 四半期別業績推移を見ると、営業収益は第1四半期205億07百万円、第2四半期196億28百万円、第3四半期251億34百万円、第4四半期197億62百万円、営業利益は11億89百万円、51億29百万円の赤字、73億02百万円、91億31百万円の赤字だった。

■18年3月期(IFRS任意適用)は実質大幅増収増益予想

 今期(18年3月期、IFRS任意適用)連結業績予想(5月12日公表)は、営業収益が894億90百万円、営業利益が100億58百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が81億37百万円としている。

 今期からIFRS任意適用のため前期(17年3月期)との比較はできないが、前期実績をIFRS表示(未監査)した場合の営業収益791億円、営業利益9億円、当期利益22億円の赤字に対して、営業収益は103億円増加、営業利益は91億円増加、当期利益は103億円増加となる。実質的に大幅増収増益予想である。

 セグメント別営業利益(連結調整前)の計画は、国内金融事業が46億円、韓国金融事業が32億円、東南アジア金融事業が24億円、総合エンターテインメント事業が3億円、不動産事業が4億円、投資事業が25億円、その他事業が0億円としている。

 国内金融事業は継続して安定的に利益を計上する。韓国金融事業はのれん影響がほぼ解消される。東南アジア金融事業は負の遺産に対する一過性の貸倒引当金が一巡する。投資事業はGL社の転換社債の新株予約権部分の評価損が一巡し、株価が上昇すれば利益寄与する。

 配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は15.2%となる。

■18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月策定の中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げている。事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大する。またM&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。

■株価は下値固め完了して基調転換の動き、低PBRも見直し

 株価の動きを見ると、800円近辺での下値固めが完了して基調転換の動きを強めている。6月1日の年初来安値786円から切り返して6月28日には876円まで上伸した。出直り展開が期待される。

 6月28日の終値872円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円05銭で算出)は11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1455円90銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約981億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。基調転換の動きだ。0.6倍近辺の低PBRも見直して戻りを試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月02日更新]

Jトラストは調整一巡して反発期待、18年3月期は実質大幅増収増益予想

 Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤強化に取り組んでいる。18年3月期(IFRS任意適用)は実質的に大幅増収増益予想である。株価は水準を大きく切り下げたが、調整一巡して反発が期待される。

■国内外でM&Aを積極活用して金融事業を中心に業容拡大

 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での事業拡大を推進している。

 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)、韓国金融事業(貯蓄銀行、債権回収、キャピタル)、東南アジア金融事業(銀行、債権回収、販売金融)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営など)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業(遊技場中心の各種商業施設設計・施工、システム開発など)としている。
 17年3月期セグメント別の営業収益構成比は国内金融事業13%、韓国金融事業34%、東南アジア金融事業21%、総合エンターテインメント事業18%、不動産事業8%、投資事業3%、その他事業3%である。

■国内金融事業は新規ビジネスとしてビットコインサービスも開始

 国内金融事業は日本保証、Jトラストカード、Jトラストフィンテックなどが展開している。15年3月にはJトラストベンチャーキャピタル合同会社が、SmartEbook<2330>の無担保転換社債型新株予約権付社債および新株予約権を引き受けている。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業は、JT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理を傘下においている。事業承継・貸付債権承継・M&A・売却などを経て、韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤整備が完了したとしている。

■東南アジア金融事業と投資事業はインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業はJトラスト銀行インドネシア、投資事業はJトラストアジアを中心に展開している。Jトラストアジアは販売金融事業のタイGL社に対して順次出資し、東南アジアにおける戦略的パートナーとしている。

 16年7月には、JトラストアジアがGL社と共同でインドネシアに設立した割賦販売金融事業のGLFI社(出資比率20%で持分法適用関連会社)が、所要の免許を取得して業務開始した。また16年10月にはJトラストアジアが、モンゴル国金融規制委員会の許可が得られることを前提として、モンゴルのファイナンス事業会社であるCCI社の全株式を取得して子会社化すると発表している。

■総合エンターテインメント事業と不動産事業はアドアーズが展開

 総合エンターテインメント事業および不動産事業はアドアーズ<4712>が展開している。なおアドアーズは17年10月1日付で持株会社に移行して商号をKeyHolderに変更する。

■M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益変動

 収益は、M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。なお18年3月期から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用する。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

■17年3月期(日本基準)は赤字拡大

 前期(17年3月期)連結業績(日本基準)は営業収益が前々期(16年3月期)比12.7%増の850億31百万円、営業利益が57億69百万円の赤字(前々期は41億14百万円の赤字)、経常利益が67億47百万円の赤字(同46億78百万円の赤字)、そして純利益が98億76百万円の赤字(同57億12百万円の赤字)だった。

 国内金融事業、韓国金融事業、東南アジア金融事業が増収で、国内金融事業と韓国金融事業が営業増益だったが、GL社の転換社債の新株予約権部分の評価損計上34億円、Jトラスト銀行の過去の負の遺産に対する一過性の貸倒引当金計上46億円、IFRS導入に向けた東南アジア金融事業の期ズレ解消(16年1月1日から17年3月31日までの15ヶ月業績を反映)の影響11億円などで、全体として営業赤字が拡大した。

 ただし営業損益(57億円の赤字)から評価性の引当等の影響を控除し、投資事業損益を差し引いた事業利益は同2.8倍の138億円となり、キャッシュフローに影響しない会計上の評価性部分を除くと事業利益は90億円増加したことになる。

 セグメント別営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同22.0%増の46億36百万円、韓国金融事業が同6.3倍の16億33百万円、東南アジア金融事業が86億42百万円の赤字(同78億98百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が2億19百万円の赤字(同4億75百万円の赤字)、不動産事業が同7.2%増の5億36百万円、投資事業が1億75百万円の赤字(同25億62百万円の黒字)、その他事業が73百万円の赤字(同1億93百万円の赤字)だった。

 国内金融事業は販管費圧縮が寄与した。韓国金融事業はアセット増加で純金利収入が増加している。東南アジア金融事業は一過性の貸倒引当金計上やIFRS導入に向けた期ズレ解消が影響した。ただし債権ポートフォリオ入れ替えが進展して純金利収入が増加し、不良債権比率も低位安定している。投資事業はGL社の転換社債の新株予約権部分の評価損計上が影響した。なおJトラストアジアが保有するGL社の株式(保有比率6.43%)については、17年3月時点では約16億円の含み益となっている。

 自己資本比率は23.9%で同8.2ポイント低下した。ネットキャッシュ(=現預金および有価証券−有利子負債総額−銀行業ネットキャッシュ)は同61億円増加の595億円となった。配当は前々期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)とした。

 四半期別業績推移を見ると、営業収益は第1四半期205億07百万円、第2四半期196億28百万円、第3四半期251億34百万円、第4四半期197億62百万円、営業利益は11億89百万円、51億29百万円の赤字、73億02百万円、91億31百万円の赤字だった。

■18年3月期(IFRS任意適用)は実質大幅増収増益予想

 今期(18年3月期、IFRS任意適用)連結業績予想(5月12日公表)は、営業収益が894億90百万円、営業利益が100億58百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が81億37百万円としている。

 今期からIFRS任意適用のため前期(17年3月期)との比較はできないが、前期実績をIFRS表示(未監査)した場合の営業収益791億円、営業利益9億円、当期利益22億円の赤字に対して、営業収益は103億円増加、営業利益は91億円増加、当期利益は103億円増加となる。実質的に大幅増収増益予想である。

 セグメント別営業利益(連結調整前)の計画は、国内金融事業が46億円、韓国金融事業が32億円、東南アジア金融事業が24億円、総合エンターテインメント事業が3億円、不動産事業が4億円、投資事業が25億円、その他事業が0億円としている。

 国内金融事業は継続して安定的に利益を計上する。韓国金融事業はのれん影響がほぼ解消される。東南アジア金融事業は負の遺産に対する一過性の貸倒引当金が一巡する。投資事業はGL社の転換社債の新株予約権部分の評価損が一巡し、株価が上昇すれば利益寄与する。

 配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。予想配当性向は15.2%となる。

■18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月策定の中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げている。事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大するとともに、M&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。なお16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。

■株価は調整一巡して反発期待

 株価の動きを見ると、GL社の株価急落を悪材料視して2月高値1400円から急反落し、水準を大きく切り下げた。ただし800円近辺で下げ渋る動きとなり、調整一巡感を強めている。

 6月1日の終値799円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円05銭で算出)は10〜11倍近辺で、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1455円90銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約899億円である。

 週足チャートで見ると52週移動平均線まで割り込んだが、800円近辺が下値支持線となりそうだ。調整が一巡し、18年3月期実質大幅増収増益予想を見直して反発が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月21日更新]

Jトラストは売られ過ぎ感強めて反発期待、18年3月期収益改善期待

 Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤強化に取り組んでいる。17年3月期は評価損計上で利益予想を減額修正して赤字見込みとなったが、18年3月期は特殊要因が一巡して収益改善が期待される。株価は減額修正も嫌気して水準を切り下げたが、売られ過ぎ感を強めている。反発展開が期待される。なお5月12日に17年3月期決算発表を予定している。

■金融事業を中心に国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での事業拡大を推進している。

 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証業務、債権回収業務、クレジット・信販業務、その他の金融業務)、韓国金融事業(貯蓄銀行業務、債権回収業務、キャピタル業務)、東南アジア金融事業(銀行業務、債権回収業務、販売金融業務)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営、アミューズメント機器用景品販売、遊戯機周辺機器に関するコンピュータシステム等の開発・製造・販売)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業(遊技場中心の各種商業施設設計・施工、システム開発など)としている。

 16年3月期のセグメント別(連結調整前)営業収益構成比は、国内金融事業が15%、韓国金融事業が33%、東南アジア金融事業が16%、総合エンターテインメント事業が22%、不動産事業が8%、投資事業が4%、その他事業が2%だった。なお非金融分野の総合エンターテインメント事業および不動産事業は、連結子会社のアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)が展開している。

■国内金融事業は新規ビジネスとしてビットコインサービスも開始

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月Jトラストベンチャーキャピタル合同会社がSmartEbook<2330>の無担保転換社債型新株予約権付社債および新株予約権を引き受け、15年4月子会社クレディアの全株式を売却した。

 16年6月子会社Jトラストフィンテックがビットコイン取引サービス「J−Bits」を提供開始した。Jトラストフィンテックは第1弾として15年8月からブロックチェーン情報サイト「コインポータル」を運営し、第2弾として「J−Bits」を開始した。

 16年9月には、15年4月に持分法適用関連会社化した日本最大ビットコイン取引所を営むBTCボックスの全株式(当社保有割合15.97%)を、夢真ホールディングス<2362>に売却した。経営資源の効率化や厳格なガバナンス・コンプライアンス体制確立の観点から、フィンテック事業を子会社Jトラストフィンテックに集約する。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業は、12年10月に貯蓄銀行認可を受けたJT親愛貯蓄銀行(15年7月親愛貯蓄銀行から商号変更)が13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。さらに14年3月韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付の貸付事業を韓国・JT親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 また15年1月韓国・JT貯蓄銀行(スタンダードチャータード貯蓄銀行から商号変更)の全株式を取得、15年3月韓国・JTキャピタル(スタンダードチャータードキャピタルから商号変更)の全株式を取得した。15年10月ネオラインクレジット貸付およびハイキャピタル貸付の全株式を譲渡して連結子会社から除外した。韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤整備が完了した。

 なお16年10月に発表したDH貯蓄銀行100%子会社化については、韓国金融委員会への承認申請が受理されないまま、株式譲渡契約書の締結から6ヶ月経過したため、4月14日に契約を解除し、株式取得を中止すると発表した。

■東南アジア金融事業は成長市場のインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業は13年12月シンガポールの子会社Jトラストアジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのJトラストインドネシア銀行(15年6月ムティアラ銀行から商号変更)を連結子会社化、15年5月Jトラストアジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立、16年5月インドネシアのマヤパダ銀行の全株式を売却した。

 Jトラストアジアは、販売金融事業のタイGLに対して15年5月転換社債引き受け、15年12月株式転換権行使、16年8月転換社債引受を実行し、17年3月14日にはGLが発行する新株予約権の買い付け、3月21日には転換社債引受完了を発表している。GLを東南アジアにおける戦略的パートナーとする。

 16年7月、JトラストアジアがGLと共同でインドネシアに設立した割賦販売金融事業のGLFI社(16年2月設立、出資比率20%で持分法適用関連会社)が、所要の免許を取得して業務開始した。

 16年10月Jトラストアジアが、モンゴル国金融規制委員会の許可が得られることを前提として、モンゴルのファイナンス事業会社であるCCI社の全株式を取得して子会社化すると発表した。

 16年11月Jトラスト銀行インドネシアの株式をGLに譲渡すると発表した。戦略的パートナーであるGLの事業提携に関するコミットメントを深め、さらなるパートナーシップの強化を図る。

■M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益変動

 四半期別の推移を見ると、15年3月期は営業収益が第1四半期159億28百万円、第2四半期160億51百万円、第3四半期161億41百万円、第4四半期151億61百万円、営業利益が3億58百万円の赤字、22億74百万円の赤字、6億89百万円の赤字、18億96百万円の赤字、16年3月期は営業収益が194億90百万円、182億88百万円、201億69百万円、175億31百万円、営業利益が19億51百万円の赤字、3億84百万円の赤字、2億27百万円の黒字、20億06百万円の赤字だった。

 M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性がある。なお国際財務報告基準(IFRS)は任意適用時期を延期した。新たな公認会計士(優成監査法人)のもとでIFRS開示体制の整備を行うとしている。

 16年3月期(日本基準)の営業収益は過去最高を更新した。JT貯蓄銀行およびJトラストインドネシア銀行の通期連結も寄与して、銀行業における営業収益が増加した。営業利益は赤字が縮小した。事業規模拡大に伴って人件費、のれん償却、銀行業における営業費用が増加したが、貸倒引当金繰入額や利息返還損失引当金繰入額など貸倒関係費が減少した。経常利益、純利益は為替差損益悪化、負ののれん発生益一巡などで赤字だった。

 営業総利益は15年3月期比7.4%増加したが、営業総利益率は48.4%で同5.3ポイント低下した。販管費は同3.6%増加したが、販管費比率は53.8%で同8.2ポイント低下した。営業外では為替差損益が悪化(15年3月期差益28億14百万円、16年3月期差損8億71百万円)し、特別利益では負ののれん発生益145億73百万円が一巡した。ROEはマイナス3.3%で同8.9ポイント低下、自己資本比率は32.1%で同2.7ポイント低下した。

 配当は同2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)だった。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

 セグメント別の営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同2.1倍の37億99百万円、韓国金融事業が2億60百万円の黒字(同62億96百万円の赤字)、東南アジア金融事業が78億98百万円の赤字(同1億57百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が4億75百万円の赤字(同3億85百万円の黒字)、不動産事業が同24.3%増の5億円、投資事業が同4.1倍の25億62百万円、その他事業が1億93百万円の赤字(同45百万円の黒字)だった。

 なお16年3月期連結業績をIFRSベースで推計すると営業収益747億円、営業利益21億円で営業黒字化を達成したとしている。日本基準と比べて、減損損失振替の影響がマイナス17億円、Jトラストインドネシア銀行の期ずれの影響がプラス12億円、のれん償却額の影響がプラス30億円、貸倒引当金の計算における差異の影響がプラス34億円、国内金融事業における買取債権の公正価値の増加の影響がプラス3億円になるとしている。さらに韓国金融事業において債権評価を実効金利法に変更した影響や負ののれんの影響を考慮すると、事業利益の水準は64億円相当としている。

■17年3月期第3四半期累計(日本基準)は黒字化

 前期(17年3月期)第3四半期累計(4〜12月)の連結業績(日本基準)は営業収益が前年同期比12.6%増の652億69百万円、営業利益が33億62百万円(前年同期は21億08百万円の赤字)、経常利益が30億07百万円(同15億25百万円の赤字)、そして純利益が3億22百万円(同10億45百万円の赤字)だった。国内金融事業が安定した収益を計上し、Jトラストアジアの投資事業におけるGLの転換社債が寄与して収益が大幅改善した。韓国金融事業の収益も改善した。

 セグメント別営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同23.7%増の35億54百万円、韓国金融事業が同21倍の11億37百万円、東南アジア金融事業が65億13百万円の赤字(同57億73百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が2億45百万円の赤字(同1億18百万円の赤字)、不動産事業が同19.7%減の2億94百万円、投資事業が同3.1倍の77億61百万円、その他事業が92百万円の赤字(同1億40百万円の赤字)だった。

 四半期別の業績推移を見ると、営業収益は第1四半期205億07百万円、第2四半期196億28百万円、第3四半期251億34百万円、営業利益は11億89百万円、51億29百万円の赤字、73億02百万円だった。第3四半期の営業収益は四半期ベースで過去最高となった。

■17年3月期通期は利益減額して赤字、18年3月期は収益改善期待

 前期(17年3月期)通期連結業績予想(日本基準)は4月14日に営業収益を増額、利益を減額修正した。前回予想(11月11日に減額修正)に対して、営業収益は5億97百万円増額して前々期(16年3月期)比18.7%増の895億70百万円、営業利益は100億87百万円減額して58億85百万円の赤字(前々期は41億14百万円の赤字)、経常利益は97億55百万円減額して70億64百万円の赤字(同46億78百万円の赤字)、純利益は96億15百万円減額して94億83百万円の赤字(同57億12百万円の赤字)とした。

 インドネシアの子会社2社の連結収益取り込みについて、従来は3ヶ月の期ズレで取り込んでいたが、将来のIFRS適用に備えて期ズレを解消するため17年3月期は15ヶ月分を取り込むこととしたため、期ズレの解消で営業収益を増額した。利益については、タイ・GL社の転換社債の新株予約権部分について、株価急落に伴って営業費用に評価損31億11百万円を計上する。第3四半期末時点では営業収益に評価益46億03百万円を計上していたため、営業収益の減少と営業費用の増加で結果的に77億14百万円の差損が発生する。また総合エンターテインメント事業において遊戯機の販売が計画を下回っていることも影響する。

 配当予想は据え置いて、前々期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。

 前期(17年3月期)の利益予想を減額して赤字見込みとなったが、タイ・GL社の株価下落に伴う転換社債の新株予約権部分の評価額変動という一過性の特殊要因であり、今後のタイ・GL社の株価が堅調に推移した場合は評価額が上昇する。したがって今期(18年3月期)は評価損一巡も寄与して収益改善が期待される。

■18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月策定の中期経営計画では中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、経営目標数値は最終18年3月期営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%としている。セグメント別営業利益(連結調整前)の計画は国内金融事業44億円、韓国金融事業83億円、東南アジア金融事業53億円、総合エンターテインメント事業11億円、不動産事業7億円、その他非金融事業5億円である。

 事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大するとともに、M&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。

 なお16年5月に東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表し、17年3月末を目途に申請を行いたいとしている。

■株価は売られ過ぎ感強めて反発期待

 株価の動きを見ると、タイ・GL社の株価急落を悪材料視し、さらに17年3月期利益予想減額修正も嫌気して、1300円台から急反落し、4月20日には813円まで調整した。ただし売られ過ぎ感を強めている。

 なお3月10日には「GLの親会社であるウェッジホールディングス<2388>が3月8日にWeb上で公表したプレスリリースによれば、GLの財務諸表が適正である旨の記載がされた監査報告書を受領している説明があり、GL株の急落は一部報道機関による誤報によるものと思われます」とリリースしている。

 4月20日の終値822円を指標面で見ると、前期推定配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.5%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS1455円90銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約925億円である。

 週足チャートで見ると一気に52週移動平均線まで割り込んだが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えて売られ過ぎ感を強めている。反発展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月27日更新]

Jトラストは出資先(タイGL)の株価急落を懸念した売り一巡して戻り試す

 Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤強化に取り組んでいる。17年3月期黒字化予想である。なお17年3月期末に設立40周年記念株主優待を実施する。株価は出資先のタイGLの株価急落を懸念する形で戻り高値圏から急反落したが、要因となったタイGLの株価急落は一部報道機関による誤報が原因とのリリースを発表している。売り一巡して戻りを試す展開が期待される。

■金融事業を中心に国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での事業拡大を推進している。

 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証業務、債権回収業務、クレジット・信販業務、その他の金融業務)、韓国金融事業(貯蓄銀行業務、債権回収業務、キャピタル業務)、東南アジア金融事業(銀行業務、債権回収業務、販売金融業務)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営、アミューズメント機器用景品販売、遊戯機周辺機器に関するコンピュータシステム等の開発・製造・販売)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業(遊技場中心の各種商業施設設計・施工、システム開発など)としている。

 16年3月期のセグメント別(連結調整前)営業収益構成比は、国内金融事業が15%、韓国金融事業が33%、東南アジア金融事業が16%、総合エンターテインメント事業が22%、不動産事業が8%、投資事業が4%、その他事業が2%だった。なお非金融分野の総合エンターテインメント事業および不動産事業は、連結子会社のアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)が展開している。

■国内金融事業は新規ビジネスとしてビットコインサービスも開始

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月Jトラストベンチャーキャピタル合同会社がSmartEbook<2330>の無担保転換社債型新株予約権付社債および新株予約権を引き受け、15年4月子会社クレディアの全株式を売却した。

 16年6月子会社Jトラストフィンテックがビットコイン取引サービス「J−Bits」を提供開始した。Jトラストフィンテックは第1弾として15年8月からブロックチェーン情報サイト「コインポータル」を運営し、第2弾として「J−Bits」を開始した。

 16年9月には、15年4月に持分法適用関連会社化した日本最大ビットコイン取引所を営むBTCボックスの全株式(当社保有割合15.97%)を、夢真ホールディングス<2362>に売却した。経営資源の効率化や厳格なガバナンス・コンプライアンス体制確立の観点から、フィンテック事業を子会社Jトラストフィンテックに集約する。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業は、12年10月に貯蓄銀行認可を受けたJT親愛貯蓄銀行(15年7月親愛貯蓄銀行から商号変更)が13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。さらに14年3月韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付の貸付事業を韓国・JT親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 また15年1月韓国・JT貯蓄銀行(スタンダードチャータード貯蓄銀行から商号変更)の全株式を取得、15年3月韓国・JTキャピタル(スタンダードチャータードキャピタルから商号変更)の全株式を取得した。15年10月ネオラインクレジット貸付およびハイキャピタル貸付の全株式を譲渡して連結子会社から除外した。韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤整備が完了した。

 16年10月には韓国金融委員会の承認等が得られることを条件としてDH貯蓄銀行を100%子会社化(株式譲渡日は6ヶ月以内)すると発表した。これにより、JT親愛貯蓄銀行およびJT貯蓄銀行と併せて、韓国における貯蓄銀行部門の営業エリア計6エリアのうち5エリアをカバーすることになり、これまで以上に韓国全土における営業強化が可能となる。

■東南アジア金融事業は成長市場のインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業は13年12月シンガポールの子会社Jトラストアジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのJトラストインドネシア銀行(15年6月ムティアラ銀行から商号変更)を連結子会社化、15年5月Jトラストアジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立、16年5月インドネシアのマヤパダ銀行の全株式を売却した。

 Jトラストアジアは、販売金融事業のタイGLに対して15年5月転換社債引き受け、15年12月株式転換権行使、16年8月転換社債引受を実行した。そして3月14日にはGLが発行する新株予約権の買い付け、3月21日には転換社債引受完了を発表している。GLを東南アジアにおける戦略的パートナーとする。

 16年7月、JトラストアジアがGLと共同でインドネシアに設立した割賦販売金融事業のGLFI社(16年2月設立、出資比率20%で持分法適用関連会社)が、所要の免許を取得して業務開始した。

 16年10月Jトラストアジアが、モンゴル国金融規制委員会の許可が得られることを前提として、モンゴルのファイナンス事業会社であるCCI社の全株式を取得して子会社化すると発表した。

 16年11月Jトラスト銀行インドネシアの株式をGLに譲渡すると発表した。戦略的パートナーであるGLの事業提携に関するコミットメントを深め、さらなるパートナーシップの強化を図る。

■M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益変動

 四半期別の推移を見ると、15年3月期は営業収益が第1四半期159億28百万円、第2四半期160億51百万円、第3四半期161億41百万円、第4四半期151億61百万円、営業利益が3億58百万円の赤字、22億74百万円の赤字、6億89百万円の赤字、18億96百万円の赤字、16年3月期は営業収益が194億90百万円、182億88百万円、201億69百万円、175億31百万円、営業利益が19億51百万円の赤字、3億84百万円の赤字、2億27百万円の黒字、20億06百万円の赤字だった。

 M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性がある。なお国際財務報告基準(IFRS)は任意適用時期を延期した。新たな公認会計士(優成監査法人)のもとでIFRS開示体制の整備を行うとしている。

 16年3月期(日本基準)の営業収益は過去最高を更新した。JT貯蓄銀行およびJトラストインドネシア銀行の通期連結も寄与して、銀行業における営業収益が増加した。営業利益は赤字が縮小した。事業規模拡大に伴って人件費、のれん償却、銀行業における営業費用が増加したが、貸倒引当金繰入額や利息返還損失引当金繰入額など貸倒関係費が減少した。経常利益、純利益は為替差損益悪化、負ののれん発生益一巡などで赤字だった。

 営業総利益は15年3月期比7.4%増加したが、営業総利益率は48.4%で同5.3ポイント低下した。販管費は同3.6%増加したが、販管費比率は53.8%で同8.2ポイント低下した。営業外では為替差損益が悪化(15年3月期差益28億14百万円、16年3月期差損8億71百万円)し、特別利益では負ののれん発生益145億73百万円が一巡した。ROEはマイナス3.3%で同8.9ポイント低下、自己資本比率は32.1%で同2.7ポイント低下した。

 配当は同2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)だった。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

 セグメント別の営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同2.1倍の37億99百万円、韓国金融事業が2億60百万円の黒字(同62億96百万円の赤字)、東南アジア金融事業が78億98百万円の赤字(同1億57百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が4億75百万円の赤字(同3億85百万円の黒字)、不動産事業が同24.3%増の5億円、投資事業が同4.1倍の25億62百万円、その他事業が1億93百万円の赤字(同45百万円の黒字)だった。

 なお16年3月期連結業績をIFRSベースで推計すると営業収益747億円、営業利益21億円で営業黒字化を達成したとしている。日本基準と比べて、減損損失振替の影響がマイナス17億円、Jトラストインドネシア銀行の期ずれの影響がプラス12億円、のれん償却額の影響がプラス30億円、貸倒引当金の計算における差異の影響がプラス34億円、国内金融事業における買取債権の公正価値の増加の影響がプラス3億円になるとしている。さらに韓国金融事業において債権評価を実効金利法に変更した影響や負ののれんの影響を考慮すると、事業利益の水準は64億円相当としている。

■17年3月期第3四半期累計(日本基準)は黒字化

 今期(17年3月期)第3四半期累計(4〜12月)の連結業績(日本基準)は営業収益が前年同期比12.6%増の652億69百万円、営業利益が33億62百万円(前年同期は21億08百万円の赤字)、経常利益が30億07百万円(同15億25百万円の赤字)、そして純利益が3億22百万円(同10億45百万円の赤字)だった。国内金融事業が安定した収益を計上し、Jトラストアジアの投資事業におけるGLの転換社債が寄与して収益が大幅改善した。韓国金融事業の収益も改善した。

 セグメント別営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同23.7%増の35億54百万円、韓国金融事業が同21倍の11億37百万円、東南アジア金融事業が65億13百万円の赤字(同57億73百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が2億45百万円の赤字(同1億18百万円の赤字)、不動産事業が同19.7%減の2億94百万円、投資事業が同3.1倍の77億61百万円、その他事業が92百万円の赤字(同1億40百万円の赤字)だった。

 四半期別の業績推移を見ると、営業収益は第1四半期205億07百万円、第2四半期196億28百万円、第3四半期251億34百万円、営業利益は11億89百万円、51億29百万円の赤字、73億02百万円だった。第3四半期の営業収益は四半期ベースで過去最高となった。

■17年3月期通期(日本基準)は黒字予想

 今期(17年3月期)通期連結業績予想(日本基準)は(11月11日に減額修正)は、営業収益が前期(16年3月期)比17.9%増の889億73百万円、営業利益が42億02百万円の黒字(前期は41億14百万円の赤字)、経常利益が26億91百万円の黒字(同46億78百万円の赤字)、そして純利益が1億32百万円の黒字(同57億12百万円の赤字)としている。

 国内金融事業が安定的に成長し、Jトラストアジアの投資事業の利益も寄与する見込みだ。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。

 セグメント別営業利益(連結調整前)計画は国内金融事業が41億92百万円、韓国金融事業が31億19百万円、東南アジア金融事業が65億14百万円の赤字、総合エンターテインメント事業が68百万円、不動産事業が4億27百万円、投資事業が54億55百万円、その他事業が1億05百万円の赤字としている。投資事業はインドネシア・マヤパダ銀行の株式売却益を計上する。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が73.4%、営業利益が80.0%、経常利益が111.7%、純利益が243.9%である。通期ベースでも好業績が期待される。

■18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月策定の中期経営計画では中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、経営目標数値は最終18年3月期営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%としている。セグメント別営業利益(連結調整前)の計画は国内金融事業44億円、韓国金融事業83億円、東南アジア金融事業53億円、総合エンターテインメント事業11億円、不動産事業7億円、その他非金融事業5億円である。

 事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大するとともに、M&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。

 なお16年5月に東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表し、17年3月末を目途に申請を行いたいとしている。

■株価は収益拡大を評価して14年6月の戻り高値試す

 2月13日に設立40周年記念株主優待を実施すると発表した。17年3月末日現在の300株(3単元)以上保有株主を対象として、5000ポイント分の楽天ポイントギフトコードを贈呈する。

 株価の動きを見ると、タイGLの株価急落を悪材料視して戻り高値圏1300円台から1000円近辺まで急反落した。ただし1000円近辺で下げ渋る動きだ。

 3月10日には「GLの親会社であるウェッジホールディングス<2388>が3月8日にWeb上で公表したプレスリリースによれば、GLの財務諸表が適正である旨の記載がされた監査報告書を受領している説明があり、GL株の急落は一部報道機関による誤報によるものと思われます」とリリースしている。

 3月24日の終値1035円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS1円25銭で算出)は828倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1455円90銭で算出)は0.7倍近辺である。時価総額は約1165億円である。

 週足チャートで見ると急反落して大陰線を引いたが、26週移動平均線近辺で下げ渋る形だ。出資先の株価急落を嫌気した売りが一巡して戻りを試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月28日更新]

Jトラストは17年3月期黒字化予想、期末に設立40周年記念株主優待を実施

 Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤強化に取り組んでいる。17年3月期第3四半期累計が黒字化し、通期も黒字化予想である。なお17年3月期末に設立40周年記念株主優待を実施する。株価は15年5月の戻り高値を突破した。収益拡大を評価して14年6月の戻り高値を試す展開が期待される。

■金融事業を中心に国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での事業拡大を推進している。

 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証業務、債権回収業務、クレジット・信販業務、その他の金融業務)、韓国金融事業(貯蓄銀行業務、債権回収業務、キャピタル業務)、東南アジア金融事業(銀行業務、債権回収業務、販売金融業務)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営、アミューズメント機器用景品販売、遊戯機周辺機器に関するコンピュータシステム等の開発・製造・販売)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業(遊技場中心の各種商業施設設計・施工、システム開発など)としている。

 16年3月期のセグメント別(連結調整前)営業収益構成比は、国内金融事業が15%、韓国金融事業が33%、東南アジア金融事業が16%、総合エンターテインメント事業が22%、不動産事業が8%、投資事業が4%、その他事業が2%だった。なお非金融分野の総合エンターテインメント事業および不動産事業は、連結子会社のアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)が展開している。

■国内金融事業は新規ビジネスとしてビットコインサービスも開始

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月Jトラストベンチャーキャピタル合同会社がSmartEbook<2330>の無担保転換社債型新株予約権付社債および新株予約権を引き受け、15年4月子会社クレディアの全株式を売却した。

 16年6月子会社Jトラストフィンテックがビットコイン取引サービス「J−Bits」を提供開始した。Jトラストフィンテックは第1弾として15年8月からブロックチェーン情報サイト「コインポータル」を運営し、第2弾として「J−Bits」を開始した。

 16年9月には、15年4月に持分法適用関連会社化した日本最大ビットコイン取引所を営むBTCボックスの全株式(当社保有割合15.97%)を、夢真ホールディングス<2362>に売却した。経営資源の効率化や厳格なガバナンス・コンプライアンス体制確立の観点から、フィンテック事業を子会社Jトラストフィンテックに集約する。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業は、12年10月に貯蓄銀行認可を受けたJT親愛貯蓄銀行(15年7月親愛貯蓄銀行から商号変更)が13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。さらに14年3月韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付の貸付事業を韓国・JT親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 また15年1月韓国・JT貯蓄銀行(スタンダードチャータード貯蓄銀行から商号変更)の全株式を取得、15年3月韓国・JTキャピタル(スタンダードチャータードキャピタルから商号変更)の全株式を取得した。15年10月ネオラインクレジット貸付およびハイキャピタル貸付の全株式を譲渡して連結子会社から除外した。韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤整備が完了した。

 16年10月には韓国金融委員会の承認等が得られることを条件としてDH貯蓄銀行を100%子会社化(株式譲渡日は6ヶ月以内)すると発表した。これにより、JT親愛貯蓄銀行およびJT貯蓄銀行と併せて、韓国における貯蓄銀行部門の営業エリア計6エリアのうち5エリアをカバーすることになり、これまで以上に韓国全土における営業強化が可能となる。

■東南アジア金融事業は成長市場のインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業は13年12月シンガポールの子会社Jトラストアジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのJトラストインドネシア銀行(15年6月ムティアラ銀行から商号変更)を連結子会社化、15年5月Jトラストアジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立、16年5月インドネシアのマヤパダ銀行の全株式を売却した。

 Jトラストアジアはオートバイ販売金融事業のタイ・GL社に対して15年5月転換社債引き受け、15年12月株式転換権行使、16年8月転換社債引受、さらに16年10月転換社債引受(GL取締役会承認、タイ証券取引委員会承認、GL株主総会承認を前提)を発表した。全額転換後の持株比率は14.3%となる予定だ。タイ・GL社をインドネシアにおける戦略的パートナーとした。

 16年7月、Jトラストアジアがタイ・GL社と共同でインドネシアに設立した割賦販売金融事業のGLFI社(16年2月設立、出資比率20%で持分法適用関連会社)が、所要の免許を取得して業務開始した。

 16年10月Jトラストアジアが、モンゴル国金融規制委員会の許可が得られることを前提として、モンゴルのファイナンス事業会社であるCCI社の全株式を取得して子会社化すると発表した。

 16年11月Jトラスト銀行インドネシアの株式をタイ・GL社に譲渡(GL社株主総会承認前提)すると発表した。戦略的パートナーであるGLグループの事業提携に関するコミットメントを深め、さらなるパートナーシップの強化を図る。

■M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益変動

 四半期別の推移を見ると、15年3月期は営業収益が第1四半期159億28百万円、第2四半期160億51百万円、第3四半期161億41百万円、第4四半期151億61百万円、営業利益が3億58百万円の赤字、22億74百万円の赤字、6億89百万円の赤字、18億96百万円の赤字、16年3月期は営業収益が194億90百万円、182億88百万円、201億69百万円、175億31百万円、営業利益が19億51百万円の赤字、3億84百万円の赤字、2億27百万円の黒字、20億06百万円の赤字だった。

 M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性がある。なお国際財務報告基準(IFRS)は任意適用時期を延期した。新たな公認会計士(優成監査法人)のもとでIFRS開示体制の整備を行うとしている。

 16年3月期(日本基準)の営業収益は過去最高を更新した。JT貯蓄銀行およびJトラストインドネシア銀行の通期連結も寄与して、銀行業における営業収益が増加した。営業利益は赤字が縮小した。事業規模拡大に伴って人件費、のれん償却、銀行業における営業費用が増加したが、貸倒引当金繰入額や利息返還損失引当金繰入額など貸倒関係費が減少した。経常利益、純利益は為替差損益悪化、負ののれん発生益一巡などで赤字だった。

 営業総利益は15年3月期比7.4%増加したが、営業総利益率は48.4%で同5.3ポイント低下した。販管費は同3.6%増加したが、販管費比率は53.8%で同8.2ポイント低下した。営業外では為替差損益が悪化(15年3月期差益28億14百万円、16年3月期差損8億71百万円)し、特別利益では負ののれん発生益145億73百万円が一巡した。ROEはマイナス3.3%で同8.9ポイント低下、自己資本比率は32.1%で同2.7ポイント低下した。

 配当は同2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)だった。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

 セグメント別の営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同2.1倍の37億99百万円、韓国金融事業が2億60百万円の黒字(同62億96百万円の赤字)、東南アジア金融事業が78億98百万円の赤字(同1億57百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が4億75百万円の赤字(同3億85百万円の黒字)、不動産事業が同24.3%増の5億円、投資事業が同4.1倍の25億62百万円、その他事業が1億93百万円の赤字(同45百万円の黒字)だった。

 なお16年3月期連結業績をIFRSベースで推計すると営業収益747億円、営業利益21億円で営業黒字化を達成したとしている。日本基準と比べて、減損損失振替の影響がマイナス17億円、Jトラストインドネシア銀行の期ずれの影響がプラス12億円、のれん償却額の影響がプラス30億円、貸倒引当金の計算における差異の影響がプラス34億円、国内金融事業における買取債権の公正価値の増加の影響がプラス3億円になるとしている。さらに韓国金融事業において債権評価を実効金利法に変更した影響や負ののれんの影響を考慮すると、事業利益の水準は64億円相当としている。

■17年3月期第3四半期累計(日本基準)は黒字化

 2月13日発表した今期(17年3月期)第3四半期累計(4〜12月)の連結業績(日本基準)は、営業収益が前年同期比12.6%増の652億69百万円、営業利益が33億62百万円(前年同期は21億08百万円の赤字)、経常利益が30億07百万円(同15億25百万円の赤字)、純利益が3億22百万円(同10億45百万円の赤字)だった。国内金融事業が安定した収益を計上し、Jトラストアジアの投資事業におけるタイ・GL社の転換社債が寄与して収益が大幅改善した。韓国金融事業の収益も改善した。

 セグメント別営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同23.7%増の35億54百万円、韓国金融事業が同21倍の11億37百万円、東南アジア金融事業が65億13百万円の赤字(同57億73百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が2億45百万円の赤字(同1億18百万円の赤字)、不動産事業が同19.7%減の2億94百万円、投資事業が同3.1倍の77億61百万円、その他事業が92百万円の赤字(同1億40百万円の赤字)だった。

 四半期別の業績推移を見ると、営業収益は第1四半期205億07百万円、第2四半期196億28百万円、第3四半期251億34百万円、営業利益は11億89百万円、51億29百万円の赤字、73億02百万円だった。第3四半期の営業収益は四半期ベースで過去最高となった。

■17年3月期通期(日本基準)は黒字予想

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想(日本基準)は前回予想(11月11日に減額修正)を据え置いて、営業収益が前期(16年3月期)比17.9%増の889億73百万円、営業利益が42億02百万円の黒字(前期は41億14百万円の赤字)、経常利益が26億91百万円の黒字(同46億78百万円の赤字)、純利益が1億32百万円の黒字(同57億12百万円の赤字)としている。国内金融事業が安定的に成長し、Jトラストアジアの投資事業の利益も寄与する。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。

 セグメント別営業利益(連結調整前)計画は国内金融事業が41億92百万円、韓国金融事業が31億19百万円、東南アジア金融事業が65億14百万円の赤字、総合エンターテインメント事業が68百万円、不動産事業が4億27百万円、投資事業が54億55百万円、その他事業が1億05百万円の赤字としている。投資事業はインドネシア・マヤパダ銀行の株式売却益を計上する。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が73.4%、営業利益が80.0%、経常利益が111.7%、純利益が243.9%である。通期ベースでも好業績が期待される。

■18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月策定の中期経営計画では中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、経営目標数値は最終18年3月期営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%としている。セグメント別営業利益(連結調整前)の計画は国内金融事業44億円、韓国金融事業83億円、東南アジア金融事業53億円、総合エンターテインメント事業11億円、不動産事業7億円、その他非金融事業5億円である。

 事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大するとともに、M&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。

 なお16年5月に東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表し、17年3月末を目途に申請を行いたいとしている。

■株価は収益拡大を評価して14年6月の戻り高値試す

 なお2月13日に設立40周年記念株主優待を実施すると発表した。17年3月末日現在の300株(3単元)以上保有株主を対象として、5000ポイント分の楽天ポイントギフトコードを贈呈する。

 株価の動きを見ると、15年5月の戻り高値1335円を突破し、2月16日に1400円まで上伸した。そして14年6月の戻り高値1615円に接近してきた。

 2月24日の終値1344円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1円25銭で算出)は1075倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は0.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1455円90銭で算出)は0.9倍近辺である。なお時価総額は約1512億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの上昇トレンドだ。収益拡大を評価して14年6月の戻り高値1615円を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月19日更新]

Jトラストは15年の戻り高値に接近、銀行業を中心とする利益拡大へステージアップ

 Jトラスト<8508>(東2)は銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤強化に取り組んでいる。17年3月期は収益基盤強化に向けた貸倒引当金大幅追加繰入が影響するが黒字予想に変化はない。株価は昨年来高値を更新して15年5月の戻り高値に接近している。上値を試す展開が期待される。なお2月13日に第3四半期累計業績発表を予定している。

■金融事業を中心に国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での事業拡大を推進している。

 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証業務、債権回収業務、クレジット・信販業務、その他の金融業務)、韓国金融事業(貯蓄銀行業務、債権回収業務、キャピタル業務)、東南アジア金融事業(銀行業務、債権回収業務、販売金融業務)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営、アミューズメント機器用景品販売、遊戯機周辺機器に関するコンピュータシステム等の開発・製造・販売)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業(遊技場中心の各種商業施設設計・施工、システム開発など)としている。

 16年3月期のセグメント別(連結調整前)営業収益構成比は、国内金融事業が15%、韓国金融事業が33%、東南アジア金融事業が16%、総合エンターテインメント事業が22%、不動産事業が8%、投資事業が4%、その他事業が2%だった。なお非金融分野の総合エンターテインメント事業および不動産事業は、連結子会社のアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)が展開している。

■国内金融事業は新規ビジネスとしてビットコインサービスも開始

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月Jトラストベンチャーキャピタル合同会社がSmartEbook<2330>の無担保転換社債型新株予約権付社債および新株予約権を引き受け、15年4月子会社クレディアの全株式を売却した。

 16年6月子会社Jトラストフィンテックがビットコイン取引サービス「J−Bits」を提供開始した。Jトラストフィンテックは第1弾として15年8月からブロックチェーン情報サイト「コインポータル」を運営し、第2弾として「J−Bits」を開始した。

 16年9月には、15年4月に持分法適用関連会社化した日本最大ビットコイン取引所を営むBTCボックスの全株式(当社保有割合15.97%)を、夢真ホールディングス<2362>に売却した。経営資源の効率化や厳格なガバナンス・コンプライアンス体制確立の観点から、フィンテック事業を子会社Jトラストフィンテックに集約する。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業は、12年10月に貯蓄銀行認可を受けたJT親愛貯蓄銀行(15年7月親愛貯蓄銀行から商号変更)が13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。さらに14年3月韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付の貸付事業を韓国・JT親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 また15年1月韓国・JT貯蓄銀行(スタンダードチャータード貯蓄銀行から商号変更)の全株式を取得、15年3月韓国・JTキャピタル(スタンダードチャータードキャピタルから商号変更)の全株式を取得した。15年10月ネオラインクレジット貸付およびハイキャピタル貸付の全株式を譲渡して連結子会社から除外した。韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤整備が完了した。

 16年10月には韓国金融委員会の承認等が得られることを条件としてDH貯蓄銀行を100%子会社化(株式譲渡日は6ヶ月以内)すると発表した。これにより、JT親愛貯蓄銀行およびJT貯蓄銀行と併せて、韓国における貯蓄銀行部門の営業エリア計6エリアのうち5エリアをカバーすることになり、これまで以上に韓国全土における営業強化が可能となる。

■東南アジア金融事業は成長市場のインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業は13年12月シンガポールの子会社Jトラストアジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのJトラストインドネシア銀行(15年6月ムティアラ銀行から商号変更)を連結子会社化、15年5月Jトラストアジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立、16年5月インドネシアのマヤパダ銀行の全株式を売却した。

 またJトラストアジアは、オートバイ販売金融事業のタイ・GL社に対して15年5月転換社債引き受け、15年12月株式転換権行使、16年8月転換社債引受、さらに16年10月転換社債引受(GL取締役会承認、タイ証券取引委員会承認、GL株主総会承認を前提)を発表した。全額転換後の持株比率は14.3%となる予定だ。タイ・GL社をインドネシアにおける戦略的パートナーとした。

 16年7月には、Jトラストアジアがタイ・GL社と共同でインドネシアに設立した割賦販売金融事業のGLFI社(16年2月設立、出資比率20%で持分法適用関連会社)が所要の免許を取得して業務開始した。

 16年10月にはJトラストアジアが、モンゴル国金融規制委員会の許可が得られることを前提として、モンゴルのファイナンス事業会社であるCCI社の全株式を取得して子会社化すると発表した。

 16年11月にはJトラスト銀行インドネシアの株式をタイ・GL社に譲渡(GL社株主総会承認前提)すると発表した。戦略的パートナーであるGLグループの事業提携に関するコミットメントを深め、さらなるパートナーシップの強化を図る。

■M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益変動

 四半期別の推移を見ると、15年3月期は営業収益が第1四半期159億28百万円、第2四半期160億51百万円、第3四半期161億41百万円、第4四半期151億61百万円、営業利益が3億58百万円の赤字、22億74百万円の赤字、6億89百万円の赤字、18億96百万円の赤字、16年3月期は営業収益が194億90百万円、182億88百万円、201億69百万円、175億31百万円、営業利益が19億51百万円の赤字、3億84百万円の赤字、2億27百万円の黒字、20億06百万円の赤字だった。

 M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性がある。なお国際財務報告基準(IFRS)は任意適用時期を延期した。新たな公認会計士(優成監査法人)のもとでIFRS開示体制の整備を行うとしている。

 16年3月期(日本基準)の営業収益は過去最高を更新した。JT貯蓄銀行およびJトラストインドネシア銀行の通期連結も寄与して、銀行業における営業収益が増加した。営業利益は赤字が縮小した。事業規模拡大に伴って人件費、のれん償却、銀行業における営業費用が増加したが、貸倒引当金繰入額や利息返還損失引当金繰入額など貸倒関係費が減少した。経常利益、純利益は為替差損益悪化、負ののれん発生益一巡などで赤字だった。

 営業総利益は15年3月期比7.4%増加したが、営業総利益率は48.4%で同5.3ポイント低下した。販管費は同3.6%増加したが、販管費比率は53.8%で同8.2ポイント低下した。営業外では為替差損益が悪化(15年3月期差益28億14百万円、16年3月期差損8億71百万円)し、特別利益では負ののれん発生益145億73百万円が一巡した。ROEはマイナス3.3%で同8.9ポイント低下、自己資本比率は32.1%で同2.7ポイント低下した。

 配当は同2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)だった。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

 セグメント別の営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同2.1倍の37億99百万円、韓国金融事業が2億60百万円の黒字(同62億96百万円の赤字)、東南アジア金融事業が78億98百万円の赤字(同1億57百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が4億75百万円の赤字(同3億85百万円の黒字)、不動産事業が同24.3%増の5億円、投資事業が同4.1倍の25億62百万円、その他事業が1億93百万円の赤字(同45百万円の黒字)だった。

 なお16年3月期連結業績をIFRSベースで推計すると営業収益747億円、営業利益21億円で営業黒字化を達成したとしている。日本基準と比べて、減損損失振替の影響がマイナス17億円、Jトラストインドネシア銀行の期ずれの影響がプラス12億円、のれん償却額の影響がプラス30億円、貸倒引当金の計算における差異の影響がプラス34億円、国内金融事業における買取債権の公正価値の増加の影響がプラス3億円になるとしている。さらに韓国金融事業において債権評価を実効金利法に変更した影響や負ののれんの影響を考慮すると、事業利益の水準は64億円相当としている。

■17年3月期第2四半期累計(日本基準)は赤字拡大

 今期(17年3月期)第2四半期累計(4〜9月)の連結業績(日本基準)は、営業収益が前年同期比6.2%増の401億35百万円だが、営業利益が39億40百万円の赤字(前年同期は23億35百万円の赤字)、経常利益が54億04百万円の赤字(同22億円の赤字)、純利益が76億65百万円の赤字(同23億20百万円の赤字)だった。

 国内金融事業は安定した成長で営業利益22億円を計上し、韓国金融事業も営業費用が減少して営業損益が改善したが、東南アジア金融事業のJトラスト銀行インドネシアにおいて貸倒引当金46億円を計上し、タイGL社転換社債評価損14億円計上も影響して営業赤字が拡大した。またJトラスト銀行インドネシアにおいて事業構造改革費用を特別損失に計上した。

 セグメント別営業利益(連結調整前)は国内金融事業が同42.1%増の22億19百万円、韓国金融事業が8億58百万円の黒字(同1億26百万円の赤字)、東南アジア金融事業が60億98百万円の赤字(同34億71百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が同79.9%減の11百万円、不動産事業が同37.7%減の1億62百万円、投資事業が同9.7%減の6億34百万円、その他事業が41百万円の赤字(同1億72百万円の赤字)だった。

 四半期別の業績推移を見ると、営業収益は第1四半期205億07百万円、第2四半期196億28百万円、営業利益は11億89百万円、51億29百万円の赤字だった。

■17年3月期通期(日本基準)は黒字予想

 今期(17年3月期)連結業績予想(日本基準)(11月11日に減額修正)は、営業収益が前期(16年3月期)比17.9%増の889億73百万円、営業利益が42億02百万円の黒字(前期は41億14百万円の赤字)、経常利益が26億91百万円の黒字(同46億78百万円の赤字)、純利益が1億32百万円の黒字(同57億12百万円の赤字)としている。

 営業収益については韓国金融事業と東南アジア金融事業が想定を下回る。営業利益については営業収益の減少に加えて、Jトラスト銀行インドネシアにおける収益基盤強化に向けた貸倒引当金大幅追加繰入によって販管費が増加する。経常利益については営業利益の減少に加えて、円高に伴う為替差損計上が影響する。純利益については経常利益の減少に加えて、Jトラスト銀行インドネシアの特別損失(事業構造改革費用)計上が影響する。

 配当予想は据え置いて前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。

 セグメント別営業利益(連結調整前)計画は国内金融事業が41億92百万円、韓国金融事業が31億19百万円、東南アジア金融事業が65億14百万円の赤字、総合エンターテインメント事業が68百万円、不動産事業が4億27百万円、投資事業が54億55百万円、その他事業が1億05百万円の赤字としている。投資事業はインドネシア・マヤパダ銀行の株式売却益を計上する。

■18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月策定の中期経営計画では中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、経営目標数値は最終18年3月期営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%としている。セグメント別営業利益(連結調整前)の計画は国内金融事業44億円、韓国金融事業83億円、東南アジア金融事業53億円、総合エンターテインメント事業11億円、不動産事業7億円、その他非金融事業5億円である。

 事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大するとともに、M&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。

 なお16年5月に東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表し、17年3月末を目途に申請を行いたいとしている。

■株価は15年5月の戻り高値に接近

 株価の動きを見ると、昨年来高値更新の展開となって1月18日には1276円まで上伸した。そして15年5月の戻り高値1335円に接近している。

 1月18日の終値1262円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1円25銭で算出)は1010倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1455円90銭で算出)は0.9倍近辺である。なお時価総額は約1420億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が接近して再動意となり、サポートラインを確認した形だ。15年5月の戻り高値1335円を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月28日更新]

Jトラストは15年の戻り高値目指す、銀行業を中心とする利益拡大へステージアップ

 Jトラスト<8508>(東2)は銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤強化に取り組んでいる。17年3月期は東南アジア金融事業における収益基盤強化に向けた貸倒引当金大幅追加繰入が影響するが黒字予想に変化はない。株価は急伸して年初来高値更新の展開となった。15年5月の戻り高値を目指す展開だろう。

■金融事業を中心に国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での事業拡大を推進している。

 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証業務、債権回収業務、クレジット・信販業務、その他の金融業務)、韓国金融事業(貯蓄銀行業務、債権回収業務、キャピタル業務)、東南アジア金融事業(銀行業務、債権回収業務、販売金融業務)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営、アミューズメント機器用景品販売、遊戯機周辺機器に関するコンピュータシステム等の開発・製造・販売)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業(遊技場中心の各種商業施設設計・施工、システム開発など)としている。

 16年3月期のセグメント別(連結調整前)営業収益構成比は、国内金融事業が15%、韓国金融事業が33%、東南アジア金融事業が16%、総合エンターテインメント事業が22%、不動産事業が8%、投資事業が4%、その他事業が2%だった。なお非金融分野の総合エンターテインメント事業および不動産事業は、連結子会社のアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)が展開している。

■国内金融事業は新規ビジネスとしてビットコインサービスも開始

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月Jトラストベンチャーキャピタル合同会社がSmartEbook<2330>の無担保転換社債型新株予約権付社債および新株予約権を引き受け、15年4月子会社クレディアの全株式を売却した。

 16年6月子会社Jトラストフィンテックがビットコイン取引サービス「J−Bits」を提供開始した。Jトラストフィンテックは第1弾として15年8月からブロックチェーン情報サイト「コインポータル」を運営し、第2弾として「J−Bits」を開始した。

 なお16年9月には、15年4月に持分法適用関連会社化した日本最大ビットコイン取引所を営むBTCボックスの全株式(当社保有割合15.97%)を、夢真ホールディングス<2362>に売却した。経営資源の効率化や厳格なガバナンス・コンプライアンス体制確立の観点から、フィンテック事業を子会社Jトラストフィンテックに集約する。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業は、12年10月に貯蓄銀行認可を受けたJT親愛貯蓄銀行(15年7月親愛貯蓄銀行から商号変更)が13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。さらに14年3月韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付の貸付事業を韓国・JT親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 また15年1月韓国・JT貯蓄銀行(スタンダードチャータード貯蓄銀行から商号変更)の全株式を取得、15年3月韓国・JTキャピタル(スタンダードチャータードキャピタルから商号変更)の全株式を取得した。15年10月ネオラインクレジット貸付およびハイキャピタル貸付の全株式を譲渡して連結子会社から除外した。韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤整備が完了した。

 16年10月には韓国金融委員会の承認等が得られることを条件としてDH貯蓄銀行を100%子会社化(株式譲渡日は6ヶ月以内)すると発表した。これにより、JT親愛貯蓄銀行およびJT貯蓄銀行と併せて、韓国における貯蓄銀行部門の営業エリア計6エリアのうち5エリアをカバーすることになり、これまで以上に韓国全土における営業強化が可能となる。

■東南アジア金融事業は成長市場のインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業は13年12月シンガポールの子会社Jトラストアジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのJトラストインドネシア銀行(15年6月ムティアラ銀行から商号変更)を連結子会社化、15年5月Jトラストアジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立、16年5月インドネシアのマヤパダ銀行の全株式を売却した。

 またJトラストアジアは、オートバイ販売金融事業のタイ・GL社に対して15年5月転換社債引き受け、15年12月株式転換権行使、16年8月転換社債引受、さらに16年10月転換社債引受(GL取締役会承認、タイ証券取引委員会承認、GL株主総会承認を前提)を発表した。全額転換後の持株比率は14.3%となる予定だ。タイ・GL社をインドネシアにおける戦略的パートナーとした。

 16年7月には、Jトラストアジアがタイ・GL社と共同でインドネシアに設立した割賦販売金融事業のGLFI社(16年2月設立、出資比率20%で持分法適用関連会社)が所要の免許を取得して業務開始した。

 16年10月にはJトラストアジアが、モンゴル国金融規制委員会の許可が得られることを前提として、モンゴルのファイナンス事業会社であるCCI社の全株式を取得して子会社化すると発表した。

 16年11月にはJトラスト銀行インドネシアの株式をタイ・GL社に譲渡(GL社株主総会承認前提)すると発表した。戦略的パートナーであるGLグループの事業提携に関するコミットメントを深め、さらなるパートナーシップの強化を図る。

■M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益変動

 四半期別の推移を見ると、15年3月期は営業収益が第1四半期159億28百万円、第2四半期160億51百万円、第3四半期161億41百万円、第4四半期151億61百万円、営業利益が3億58百万円の赤字、22億74百万円の赤字、6億89百万円の赤字、18億96百万円の赤字、16年3月期は営業収益が194億90百万円、182億88百万円、201億69百万円、175億31百万円、営業利益が19億51百万円の赤字、3億84百万円の赤字、2億27百万円の黒字、20億06百万円の赤字だった。

 M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性がある。なお国際財務報告基準(IFRS)は任意適用時期を延期した。新たな公認会計士(優成監査法人)のもとでIFRS開示体制の整備を行うとしている。

 16年3月期(日本基準)の営業収益は過去最高を更新した。JT貯蓄銀行およびJトラストインドネシア銀行の通期連結も寄与して、銀行業における営業収益が増加した。営業利益は赤字が縮小した。事業規模拡大に伴って人件費、のれん償却、銀行業における営業費用が増加したが、貸倒引当金繰入額や利息返還損失引当金繰入額など貸倒関係費が減少した。経常利益、純利益は為替差損益悪化、負ののれん発生益一巡などで赤字だった。

 営業総利益は15年3月期比7.4%増加したが、営業総利益率は48.4%で同5.3ポイント低下した。販管費は同3.6%増加したが、販管費比率は53.8%で同8.2ポイント低下した。営業外では為替差損益が悪化(15年3月期差益28億14百万円、16年3月期差損8億71百万円)し、特別利益では負ののれん発生益145億73百万円が一巡した。ROEはマイナス3.3%で同8.9ポイント低下、自己資本比率は32.1%で同2.7ポイント低下した。

 配当は同2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)だった。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

 セグメント別の営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同2.1倍の37億99百万円、韓国金融事業が2億60百万円の黒字(同62億96百万円の赤字)、東南アジア金融事業が78億98百万円の赤字(同1億57百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が4億75百万円の赤字(同3億85百万円の黒字)、不動産事業が同24.3%増の5億円、投資事業が同4.1倍の25億62百万円、その他事業が1億93百万円の赤字(同45百万円の黒字)だった。

 なお16年3月期連結業績をIFRSベースで推計すると営業収益747億円、営業利益21億円で営業黒字化を達成したとしている。日本基準と比べて、減損損失振替の影響がマイナス17億円、Jトラストインドネシア銀行の期ずれの影響がプラス12億円、のれん償却額の影響がプラス30億円、貸倒引当金の計算における差異の影響がプラス34億円、国内金融事業における買取債権の公正価値の増加の影響がプラス3億円になるとしている。さらに韓国金融事業において債権評価を実効金利法に変更した影響や負ののれんの影響を考慮すると、事業利益の水準は64億円相当としている。

■17年3月期第2四半期累計(日本基準)は赤字拡大

 今期(17年3月期)第2四半期累計(4〜9月)の連結業績(日本基準)は、営業収益が前年同期比6.2%増の401億35百万円だが、営業利益が39億40百万円の赤字(前年同期は23億35百万円の赤字)、経常利益が54億04百万円の赤字(同22億円の赤字)、純利益が76億65百万円の赤字(同23億20百万円の赤字)だった。

 国内金融事業は安定した成長で営業利益22億円を計上し、韓国金融事業も営業費用が減少して営業損益が改善したが、東南アジア金融事業のJトラスト銀行インドネシアにおいて貸倒引当金46億円を計上し、タイGL社転換社債評価損14億円計上も影響して営業赤字が拡大した。またJトラスト銀行インドネシアにおいて事業構造改革費用を特別損失に計上した。

 セグメント別営業利益(連結調整前)は国内金融事業が同42.1%増の22億19百万円、韓国金融事業が8億58百万円の黒字(同1億26百万円の赤字)、東南アジア金融事業が60億98百万円の赤字(同34億71百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が同79.9%減の11百万円、不動産事業が同37.7%減の1億62百万円、投資事業が同9.7%減の6億34百万円、その他事業が41百万円の赤字(同1億72百万円の赤字)だった。

 四半期別の業績推移を見ると、営業収益は第1四半期205億07百万円、第2四半期196億28百万円、営業利益は11億89百万円、51億29百万円の赤字だった。

■17年3月期通期(日本基準)は黒字予想

 今期(17年3月期)の連結業績予想(日本基準)は11月11日に減額修正した。前回予想(5月13日公表)に対して営業収益を92億44百万円減額、営業利益を70億63百万円減額、経常利益を87億21百万円減額、純利益を94億53百万円減額した。

 営業収益については韓国金融事業と東南アジア金融事業が想定を下回る。営業利益については営業収益の減少に加えて、Jトラスト銀行インドネシアにおける収益基盤強化に向けた貸倒引当金大幅追加繰入によって販管費が増加する。経常利益については営業利益の減少に加えて、円高に伴う為替差損計上が影響する。純利益については経常利益の減少に加えて、Jトラスト銀行インドネシアの特別損失(事業構造改革費用)計上が影響する。

 修正後の通期連結業績予想は営業収益が前期(16年3月期)比17.9%増の889億73百万円、営業利益が42億02百万円の黒字(前期は41億14百万円の赤字)、経常利益が26億91百万円の黒字(同46億78百万円の赤字)、純利益が1億32百万円の黒字(同57億12百万円の赤字)としている。配当予想は据え置いて前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。

 なお修正後のセグメント別営業利益(連結調整前)の計画は国内金融事業が41億92百万円、韓国金融事業が31億19百万円、東南アジア金融事業が65億14百万円の赤字、総合エンターテインメント事業が68百万円、不動産事業が4億27百万円、投資事業が54億55百万円、その他事業が1億05百万円の赤字としている。投資事業はインドネシア・マヤパダ銀行の株式売却益を計上する。

■18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月策定の中期経営計画では中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、経営目標数値は最終18年3月期営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%としている。セグメント別営業利益(連結調整前)の計画は国内金融事業44億円、韓国金融事業83億円、東南アジア金融事業53億円、総合エンターテインメント事業11億円、不動産事業7億円、その他非金融事業5億円である。

 事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大するとともに、M&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。

 なお16年5月に東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表し、17年3月末を目途に申請を行いたいとしている。

■株価は年初来高値更新、15年5月の戻り高値目指す

 株価の動きを見ると、11月中旬に動意づいて一気に年初来高値更新の展開となり、12月21日の1246円まで上伸した。

 12月27日の終値1172円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1円25銭で算出)は938倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1455円90銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約1319億円である。

 目先的にはやや過熱感を残しているが、週足チャートで見ると基調転換を確認した形であり、15年5月の戻り高値1335円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月30日更新]

Jトラストは急伸して年初来高値に接近、銀行業を中心とする利益拡大へステージアップ

 Jトラスト<8508>(東2)は銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤強化に取り組んでいる。17年3月期業績予想は、東南アジア金融事業における収益基盤強化に向けた貸倒引当金大幅追加繰入などで大幅減額したが、黒字予想に変化はない。株価は11月中旬に動意づき、安値圏モミ合いから上放れて一気に1月の年初来高値に接近した。基調転換して上値を試す展開だろう。

■金融事業を中心に国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での事業拡大を推進している。

 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証業務、債権回収業務、クレジット・信販業務、その他の金融業務)、韓国金融事業(貯蓄銀行業務、債権回収業務、キャピタル業務)、東南アジア金融事業(銀行業務、債権回収業務、販売金融業務)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営、アミューズメント機器用景品販売、遊戯機周辺機器に関するコンピュータシステム等の開発・製造・販売)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業(遊技場中心の各種商業施設設計・施工、システム開発など)としている。

 16年3月期のセグメント別(連結調整前)営業収益構成比は、国内金融事業が15%、韓国金融事業が33%、東南アジア金融事業が16%、総合エンターテインメント事業が22%、不動産事業が8%、投資事業が4%、その他事業が2%だった。なお非金融分野の総合エンターテインメント事業および不動産事業は、連結子会社のアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)が展開している。

■国内金融事業は新規ビジネスとしてビットコインサービスも開始

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月Jトラストベンチャーキャピタル合同会社がSmartEbook<2330>の無担保転換社債型新株予約権付社債および新株予約権を引き受け、15年4月子会社クレディアの全株式を売却した。

 16年6月子会社Jトラストフィンテックがビットコイン取引サービス「J−Bits」を提供開始した。Jトラストフィンテックは第1弾として15年8月からブロックチェーン情報サイト「コインポータル」を運営し、第2弾として「J−Bits」を開始した。

 なお16年9月には、15年4月に持分法適用関連会社化した日本最大ビットコイン取引所を営むBTCボックスの全株式(当社保有割合15.97%)を、夢真ホールディングス<2362>に売却した。経営資源の効率化や厳格なガバナンス・コンプライアンス体制確立の観点から、フィンテック事業を子会社Jトラストフィンテックに集約する。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業は、12年10月に貯蓄銀行認可を受けたJT親愛貯蓄銀行(15年7月親愛貯蓄銀行から商号変更)が13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。さらに14年3月韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付の貸付事業を韓国・JT親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 また15年1月韓国・JT貯蓄銀行(スタンダードチャータード貯蓄銀行から商号変更)の全株式を取得、15年3月韓国・JTキャピタル(スタンダードチャータードキャピタルから商号変更)の全株式を取得した。15年10月ネオラインクレジット貸付およびハイキャピタル貸付の全株式を譲渡して連結子会社から除外した。韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤整備が完了した。

 16年10月には韓国金融委員会の承認等が得られることを条件としてDH貯蓄銀行を100%子会社化(株式譲渡日は6ヶ月以内)すると発表した。これにより、JT親愛貯蓄銀行およびJT貯蓄銀行と併せて、韓国における貯蓄銀行部門の営業エリア計6エリアのうち5エリアをカバーすることになり、これまで以上に韓国全土における営業強化が可能となる。

■東南アジア金融事業は成長市場のインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業は13年12月シンガポールの子会社Jトラストアジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのJトラストインドネシア銀行(15年6月ムティアラ銀行から商号変更)を連結子会社化、15年5月Jトラストアジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立、16年5月インドネシアのマヤパダ銀行の全株式を売却した。

 またJトラストアジアは、オートバイ販売金融事業のタイ・GL社に対して15年5月転換社債引き受け、15年12月株式転換権行使、16年8月転換社債引受、さらに16年10月転換社債引受(GL取締役会承認、タイ証券取引委員会承認、GL株主総会承認を前提)を発表した。全額転換後の持株比率は14.3%となる予定だ。タイ・GL社をインドネシアにおける戦略的パートナーとした。

 16年7月には、Jトラストアジアがタイ・GL社と共同でインドネシアに設立した割賦販売金融事業のGLFI社(16年2月設立、出資比率20%で持分法適用関連会社)が所要の免許を取得して業務開始した。

 16年10月にはJトラストアジアが、モンゴル国金融規制委員会の許可が得られることを前提として、モンゴルのファイナンス事業会社であるCCI社の全株式を取得して子会社化すると発表した。

 11月11日にはJトラスト銀行インドネシアの株式をタイ・GL社に譲渡(GL社株主総会承認前提)すると発表した。戦略的パートナーであるGLグループの事業提携に関するコミットメントを深め、さらなるパートナーシップの強化を図る。

■M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益変動

 四半期別の推移を見ると、15年3月期は営業収益が第1四半期159億28百万円、第2四半期160億51百万円、第3四半期161億41百万円、第4四半期151億61百万円、営業利益が3億58百万円の赤字、22億74百万円の赤字、6億89百万円の赤字、18億96百万円の赤字、16年3月期は営業収益が194億90百万円、182億88百万円、201億69百万円、175億31百万円、営業利益が19億51百万円の赤字、3億84百万円の赤字、2億27百万円の黒字、20億06百万円の赤字だった。

 M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性がある。なお国際財務報告基準(IFRS)は任意適用時期を延期した。新たな公認会計士(優成監査法人)のもとでIFRS開示体制の整備を行うとしている。

 16年3月期(日本基準)の営業収益は過去最高を更新した。JT貯蓄銀行およびJトラストインドネシア銀行の通期連結も寄与して、銀行業における営業収益が増加した。営業利益は赤字が縮小した。事業規模拡大に伴って人件費、のれん償却、銀行業における営業費用が増加したが、貸倒引当金繰入額や利息返還損失引当金繰入額など貸倒関係費が減少した。経常利益、純利益は為替差損益悪化、負ののれん発生益一巡などで赤字だった。

 営業総利益は15年3月期比7.4%増加したが、営業総利益率は48.4%で同5.3ポイント低下した。販管費は同3.6%増加したが、販管費比率は53.8%で同8.2ポイント低下した。営業外では為替差損益が悪化(15年3月期差益28億14百万円、16年3月期差損8億71百万円)し、特別利益では負ののれん発生益145億73百万円が一巡した。ROEはマイナス3.3%で同8.9ポイント低下、自己資本比率は32.1%で同2.7ポイント低下した。

 配当は同2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)だった。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

 セグメント別の営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同2.1倍の37億99百万円、韓国金融事業が2億60百万円の黒字(同62億96百万円の赤字)、東南アジア金融事業が78億98百万円の赤字(同1億57百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が4億75百万円の赤字(同3億85百万円の黒字)、不動産事業が同24.3%増の5億円、投資事業が同4.1倍の25億62百万円、その他事業が1億93百万円の赤字(同45百万円の黒字)だった。

 なお16年3月期連結業績をIFRSベースで推計すると営業収益747億円、営業利益21億円で営業黒字化を達成したとしている。日本基準と比べて、減損損失振替の影響がマイナス17億円、Jトラストインドネシア銀行の期ずれの影響がプラス12億円、のれん償却額の影響がプラス30億円、貸倒引当金の計算における差異の影響がプラス34億円、国内金融事業における買取債権の公正価値の増加の影響がプラス3億円になるとしている。さらに韓国金融事業において債権評価を実効金利法に変更した影響や負ののれんの影響を考慮すると、事業利益の水準は64億円相当としている。

■17年3月期第2四半期累計(日本基準)は赤字拡大

 今期(17年3月期)第2四半期累計(4〜9月)の連結業績(日本基準)は、営業収益が前年同期比6.2%増の401億35百万円だが、営業利益が39億40百万円の赤字(前年同期は23億35百万円の赤字)、経常利益が54億04百万円の赤字(同22億円の赤字)、純利益が76億65百万円の赤字(同23億20百万円の赤字)だった。

 国内金融事業は安定した成長で営業利益22億円を計上し、韓国金融事業も営業費用が減少して営業損益が改善したが、東南アジア金融事業のJトラスト銀行インドネシアにおいて貸倒引当金46億円を計上し、タイGL社転換社債評価損14億円計上も影響して営業赤字が拡大した。またJトラスト銀行インドネシアにおいて事業構造改革費用を特別損失に計上した。

 セグメント別営業利益(連結調整前)は国内金融事業が同42.1%増の22億19百万円、韓国金融事業が8億58百万円の黒字(同1億26百万円の赤字)、東南アジア金融事業が60億98百万円の赤字(同34億71百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が同79.9%減の11百万円、不動産事業が同37.7%減の1億62百万円、投資事業が同9.7%減の6億34百万円、その他事業が41百万円の赤字(同1億72百万円の赤字)だった。

 四半期別の業績推移を見ると、営業収益は第1四半期205億07百万円、第2四半期196億28百万円、営業利益は11億89百万円、51億29百万円の赤字だった。

■17年3月期通期(日本基準)予想を大幅減額修正

 今期(17年3月期)の連結業績予想(日本基準)は11月11日に減額修正した。前回予想(5月13日公表)に対して営業収益を92億44百万円減額、営業利益を70億63百万円減額、経常利益を87億21百万円減額、純利益を94億53百万円減額した。

 営業収益については韓国金融事業と東南アジア金融事業が想定を下回る。営業利益については営業収益の減少に加えて、Jトラスト銀行インドネシアにおける収益基盤強化に向けた貸倒引当金大幅追加繰入によって販管費が増加する。経常利益については営業利益の減少に加えて、円高に伴う為替差損計上が影響する。純利益については経常利益の減少に加えて、Jトラスト銀行インドネシアの特別損失(事業構造改革費用)計上が影響する。

 修正後の通期連結業績予想は営業収益が前期(16年3月期)比17.9%増の889億73百万円、営業利益が42億02百万円の黒字(前期は41億14百万円の赤字)、経常利益が26億91百万円の黒字(同46億78百万円の赤字)、純利益が1億32百万円の黒字(同57億12百万円の赤字)としている。配当予想は据え置いて前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)としている。

 なお修正後のセグメント別営業利益(連結調整前)の計画は国内金融事業が41億92百万円、韓国金融事業が31億19百万円、東南アジア金融事業が65億14百万円の赤字、総合エンターテインメント事業が68百万円、不動産事業が4億27百万円、投資事業が54億55百万円、その他事業が1億05百万円の赤字としている。投資事業はインドネシア・マヤパダ銀行の株式売却益を計上する。

■18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月策定の中期経営計画では中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、経営目標数値は最終18年3月期営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%としている。セグメント別営業利益(連結調整前)の計画は国内金融事業44億円、韓国金融事業83億円、東南アジア金融事業53億円、総合エンターテインメント事業11億円、不動産事業7億円、その他非金融事業5億円である。

 事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大するとともに、M&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。

 なお16年5月に東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表し、17年3月末を目途に申請を行いたいとしている。

■株価は動意づいて年初来高値に接近

 株価の動きを見ると、11月中旬に動意づき、安値圏800円台でのモミ合いから上放れて11月21日の戻り高値1038円まで急伸した。そして一気に1月の年初来高値1097円に接近した。トランプ相場で銀行株が買われる流れに乗ったようだ。

 11月29日の終値993円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1円25銭で算出)は794倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.2%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1455円90銭で算出)は0.7倍近辺である。時価総額は約1117億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から急伸した。目先的にはやや過熱感もあるが、基調転換を確認した形であり、上値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月31日更新]

Jトラストは基調転換して戻り試す、銀行業を中心とする利益拡大へステージアップ

 Jトラスト<8508>(東2)は銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して事業基盤強化に取り組んでいる。特に韓国やインドネシアなどアジア地域での事業拡大を推進し、10月13日には韓国DH貯蓄銀行およびモンゴルCCI社の子会社化を発表している。17年3月期は銀行業の収益化が牽引して黒字予想である。株価は下値固めが完了して基調転換の動きを強めている。戻りを試す展開だろう。

■金融事業を中心に国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での事業拡大を推進している。

 事業セグメントは、国内金融事業(信用保証業務、債権回収業務、クレジット・信販業務、その他の金融業務)、韓国金融事業(貯蓄銀行業務、債権回収業務、キャピタル業務)、東南アジア金融事業(銀行業務、債権回収業務、販売金融業務)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営、アミューズメント機器用景品販売、遊戯機周辺機器に関するコンピュータシステム等の開発・製造・販売)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業(遊技場中心の各種商業施設設計・施工、システム開発など)としている。

 16年3月期のセグメント別(連結調整前)営業収益構成比は、国内金融事業が15%、韓国金融事業が33%、東南アジア金融事業が16%、総合エンターテインメント事業が22%、不動産事業が8%、投資事業が4%、その他事業が2%だった。

■国内金融事業は新規ビジネスとしてビットコインサービスも開始

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月Jトラストベンチャーキャピタル合同会社がSmartEbook<2330>の無担保転換社債型新株予約権付社債および新株予約権を引き受け、15年4月子会社クレディアの全株式を売却した。

 16年6月子会社Jトラストフィンテックがビットコイン取引サービス「J−Bits」を提供開始した。Jトラストフィンテックは第1弾として15年8月からブロックチェーン情報サイト「コインポータル」を運営し、第2弾として「J−Bits」を開始した。

 なお16年9月には、15年4月に持分法適用関連会社化した日本最大ビットコイン取引所を営むBTCボックスの全株式(当社保有割合15.97%)を、夢真ホールディングス<2362>に売却した。経営資源の効率化や厳格なガバナンス・コンプライアンス体制確立の観点から、フィンテック事業を子会社Jトラストフィンテックに集約する。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業は、12年10月に貯蓄銀行認可を受けたJT親愛貯蓄銀行(15年7月親愛貯蓄銀行から商号変更)が13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。さらに14年3月韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付の貸付事業を韓国・JT親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 また15年1月韓国・JT貯蓄銀行(スタンダードチャータード貯蓄銀行から商号変更)の全株式を取得、15年3月韓国・JTキャピタル(スタンダードチャータードキャピタルから商号変更)の全株式を取得した。15年10月ネオラインクレジット貸付およびハイキャピタル貸付の全株式を譲渡して連結子会社から除外した。韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤整備が完了した。

 10月13日には韓国金融委員会の承認等が得られることを条件としてDH貯蓄銀行を100%子会社化(株式譲渡日は6ヶ月以内)すると発表した。これにより、JT親愛貯蓄銀行およびJT貯蓄銀行と併せて、韓国における貯蓄銀行部門の営業エリア計6エリアのうち5エリアをカバーすることになり、これまで以上に韓国全土における営業強化が可能となる。

■東南アジア金融事業は成長市場のインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業は13年12月シンガポールの子会社Jトラストアジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのJトラストインドネシア銀行(15年6月ムティアラ銀行から商号変更)を連結子会社化、15年5月Jトラストアジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立、16年5月インドネシアのマヤパダ銀行の全株式を売却した。

 また15年5月Jトラストアジアがオートバイ販売金融事業のタイ・GL社の転換社債を引き受け、15年12月株式転換権を行使して発行済普通株式の6.43%を取得した。さらに16年5月Jトラストアジアがタイ・GL社に転換社債引受契約を締結する旨の申し入れを行い、8月1日に引受を完了した。全額転換後の持株比率は12.99%となる見込みだ。タイ・GL社との提携を強化し、ASEAN地域における販売金融事業の拡大を図る。なお本件が連結収益に与える影響は、受取利息分で8億円程度となる見込みだ。またタイ・GL社の株価が堅調に推移した場合、Jトラストアジアが現地で採用している会計基準(IFRS)に基づく当該転換社債の評価額の上昇や株式への転換による影響が見込まれるとしている。

 16年7月には、Jトラストアジアがタイ・GL社と共同でインドネシアに設立した割賦販売金融事業のGLFI社(16年2月設立、出資比率20%で持分法適用関連会社)が、所要の免許を取得して業務開始したと発表している。

 10月13日にはJトラストアジアが、モンゴル国金融規制委員会の許可が得られることを前提として、モンゴルのファイナンス事業会社であるCCI社の全株式を取得して子会社化すると発表した。

■非金融分野は連結子会社アドアーズが展開

 非金融分野の総合エンターテインメント事業および不動産事業は、連結子会社のアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)が展開している。

 16年8月にはアドアーズがグリー<3632>との業務提携を発表した。双方のバーチャルリアリティ(VR)に関する事業の進展を目的とし、VR関連技術を活用したアミューズメント施設、アミューズメント施設向け遊戯機器および付帯するソフトウェアの開発に関して業務提携を行う。

■M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益変動

 四半期別の推移を見ると、15年3月期は営業収益が第1四半期159億28百万円、第2四半期160億51百万円、第3四半期161億41百万円、第4四半期151億61百万円、営業利益が3億58百万円の赤字、22億74百万円の赤字、6億89百万円の赤字、18億96百万円の赤字、16年3月期は営業収益が194億90百万円、182億88百万円、201億69百万円、175億31百万円、営業利益が19億51百万円の赤字、3億84百万円の赤字、2億27百万円の黒字、20億06百万円の赤字だった。

 M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性がある。なお国際財務報告基準(IFRS)は任意適用時期を延期した。新たな公認会計士(優成監査法人)のもとでIFRS開示体制の整備を行うとしている。

 16年3月期(日本基準)の営業収益は過去最高を更新した。JT貯蓄銀行およびJトラストインドネシア銀行の通期連結も寄与して、銀行業における営業収益が増加した。営業利益は赤字が縮小した。事業規模拡大に伴って人件費、のれん償却、銀行業における営業費用が増加したが、貸倒引当金繰入額や利息返還損失引当金繰入額など貸倒関係費が減少した。経常利益、純利益は為替差損益悪化、負ののれん発生益一巡などで赤字だった。

 営業総利益は15年3月期比7.4%増加したが、営業総利益率は48.4%で同5.3ポイント低下した。販管費は同3.6%増加したが、販管費比率は53.8%で同8.2ポイント低下した。営業外では為替差損益が悪化(15年3月期差益28億14百万円、16年3月期差損8億71百万円)し、特別利益では負ののれん発生益145億73百万円が一巡した。ROEはマイナス3.3%で同8.9ポイント低下、自己資本比率は32.1%で同2.7ポイント低下した。

 配当は同2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)だった。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

 セグメント別の営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同2.1倍の37億99百万円、韓国金融事業が2億60百万円の黒字(同62億96百万円の赤字)、東南アジア金融事業が78億98百万円の赤字(同1億57百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が4億75百万円の赤字(同3億85百万円の黒字)、不動産事業が同24.3%増の5億円、投資事業が同4.1倍の25億62百万円、その他事業が1億93百万円の赤字(同45百万円の黒字)だった。

 国内金融事業は同41.3%減収だが、KCカード譲渡や日本保証の構造改革などで人件費や利息返還損失引当金繰入額が減少した。韓国金融事業は同35.5%増収で、債権売却損や貸倒引当金繰入額も減少した。東南アジア金融事業はJトラストインドネシア銀行を連結化して大幅増収だが、財務健全化に向けた貸倒引当金積み増し、のれん償却計上で赤字だった。投資事業はJトラストアジアにおけるタイ・GL社転換社債の評価益や転換時実現利益が寄与した。

 なお16年3月期連結業績をIFRSベースで推計すると営業収益747億円、営業利益21億円で営業黒字化を達成したとしている。日本基準と比べて、減損損失振替の影響がマイナス17億円、Jトラストインドネシア銀行の期ずれの影響がプラス12億円、のれん償却額の影響がプラス30億円、貸倒引当金の計算における差異の影響がプラス34億円、国内金融事業における買取債権の公正価値の増加の影響がプラス3億円になるとしている。さらに韓国金融事業において債権評価を実効金利法に変更した影響や負ののれんの影響を考慮すると、事業利益の水準は64億円相当としている。

■17年3月期第1四半期(日本基準)は営業黒字化

 今期(17年3月期)第1四半期(4〜6月)の連結業績(日本基準)は営業収益が前年同期比5.2%増の205億07百万円、営業利益が11億89百万円の黒字(前年同期は19億51百万円の赤字)、経常利益が3億08百万円の赤字(同15億85百万円の赤字)、純利益が7億10百万円の赤字(同27億89百万円の赤字)だった。

 営業収益が四半期ベースで過去最高となり、営業利益は黒字化、経常利益と純利益は赤字が縮小した。調整後EBITDAは22億円で同29億円増加した。国内金融事業が好調に推移し、韓国金融事業と東南アジア金融事業の収益が改善した。投資事業の大幅増益も寄与した。なお15年3月期に韓国金融事業で計上した負ののれんの影響が営業利益6億円押し下げ要因のため、営業利益実力推計値は17億円程度としている。

 セグメント別営業利益(連結調整前)は国内金融事業が同21.9%増の11億円、韓国金融事業が2億16百万円の黒字(同15百万円の黒字)、東南アジア金融事業が6億77百万円の赤字(同25億19百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が65百万円の赤字(同44百万円の黒字)、不動産事業が同57.9%減の30百万円、投資事業が同5.0倍の13億37百万円、その他事業が3百万円の赤字(同1億53百万円の赤字)だった。

■17年3月期通期(日本基準)は各利益とも黒字化予想

 今期(17年3月期)の連結業績予想(日本基準、5月13日公表)は、営業収益が前期(16年3月期)比30.1%増の982億18百万円、営業利益が112億66百万円の黒字(前期は41億14百万円の赤字)、経常利益が114億13百万円の黒字(同46億78百万円の赤字)、純利益が95億86百万円の黒字(同57億12百万円の赤字)としている。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は14.0%となる。

 セグメント別営業利益(日本基準)の計画は、国内金融事業が39億円、韓国金融事業が51億円、東南アジア金融事業が3億円、非金融事業(総合エンターテインメント事業、不動産事業、その他事業)が15億円、投資事業が30億円としている。国内金融事業は信用保証、債権回収とも利益拡大を目指す。韓国金融事業は営業資産拡大を目指す。東南アジア金融事業は下期偏重の計画で、経常的な黒字化が射程圏に入ったとしている。投資事業は30億円以上の利益を確保して本社費用の増加分をカバーする。

 なおIFRSベースでの予想は営業収益1068億円、営業利益151億円、純利益131億円としている。IFRSベースに対して日本基準は、営業収益で期ずれの影響がマイナス86億円、営業利益で正のれんによる影響がマイナス30億円、期ずれの影響がマイナス8億円、純利益で正のれんによる影響がマイナス30億円、期ずれの影響がマイナス5億円としている。

 IFRSベースでのセグメント別営業利益の計画は、国内金融事業40億円、韓国金融事業55億円、東南アジア金融事業32億円、非金融事業(総合エンターテインメント事業、不動産事業、その他事業)18億円、投資事業30億円としている。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は低水準の形だが、韓国金融事業、東南アジア金融事業、および総合エンターテイメント事業の収益が下期に大幅改善する見込みだ。またタイ・GL社の株価が堅調に推移した場合、Jトラストアジアが現地で採用している会計基準(IFRS)に基づく当該転換社債の評価額の上昇や株式への転換による影響が見込まれる。

■18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月策定の中期経営計画では中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、経営目標数値は最終18年3月期営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%としている。セグメント別営業利益(連結調整前)の計画は国内金融事業44億円、韓国金融事業83億円、東南アジア金融事業53億円、総合エンターテインメント事業11億円、不動産事業7億円、その他非金融事業5億円である。

 事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大するとともに、M&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。

 なお16年5月に東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表し、17年3月末を目途に申請を行いたいとしている。

■株価は基調転換して戻り試す

 株価の動きを見ると、700円台での下値固めが完了し、モミ合いから上放れて基調転換の動きを強めている。10月28日には885円まで上伸した。

 10月28日の終値877円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS85円56銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1455円90銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約987億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が上向きに転じてサポートラインの形となり、戻りを押さえていた26週移動平均線と52週移動平均線を一気に突破した。基調転換して戻りを試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[9月05日更新]

Jトラストは出直り本格化期待、銀行業の収益が本格化して17年3月期黒字予想

 Jトラスト<8508>(東2)は銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指している。銀行業の収益が本格化して17年3月期第1四半期は営業黒字化した。そして通期は各利益とも黒字予想である。株価は6月の直近安値から徐々に下値を切り上げている。収益拡大基調を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。

■金融事業を中心に国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして従来の短期的なM&A型の事業拡大から、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での事業拡大を推進している。

 16年3月期から事業セグメントを再構成し、国内金融事業(信用保証業務、債権回収業務、クレジット・信販業務、その他の金融業務)、韓国金融事業(貯蓄銀行業務、債権回収業務、キャピタル業務)、東南アジア金融事業(銀行業務、債権回収業務、販売金融業務)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営、アミューズメント機器用景品販売、遊戯機周辺機器に関するコンピュータシステム等の開発・製造・販売)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業(遊技場中心の各種商業施設設計・施工、システム開発など)とした。

 16年3月期のセグメント別(連結調整前)営業収益構成比は、国内金融事業が15%、韓国金融事業が33%、東南アジア金融事業が16%、総合エンターテインメント事業が22%、不動産事業が8%、投資事業が4%、その他事業が2%だった。

■国内金融事業は新規ビジネスとしてビットコインサービスも開始

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月Jトラストベンチャーキャピタル合同会社がSmartEbook<2330>の無担保転換社債型新株予約権付社債および新株予約権を引き受け、15年4月子会社クレディアの全株式を売却した。また日本最大のビットコイン取引所を営むBTCボックスの第三者割当増資を引き受けて持分法適用会社化した。日本国内のビットコイン決済圏の確立、海外取引所の創設、新興国における新たな決済手段の構築、ビットコインを活用した新規ビジネスの創出を目指す。

 16年6月子会社Jトラストフィンテックがビットコイン取引サービス「J−Bits」を提供開始した。Jトラストフィンテックは第1弾として15年8月からブロックチェーン情報サイト「コインポータル」を運営し、第2弾として「J−Bits」を開始した。

 なお9月2日、BTCボックスの全株式(当社保有割合15.97%)を夢真ホールディングス<2362>に売却したと発表した。経営資源の効率化や厳格なガバナンス・コンプライアンス体制確立の観点から、フィンテック事業を100%子会社Jトラストフィンテックに集約する。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業は、12年10月に貯蓄銀行認可を受けたJT親愛貯蓄銀行(15年7月親愛貯蓄銀行から商号変更)が13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。さらに14年3月韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付の貸付事業を韓国・JT親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 また15年1月韓国・JT貯蓄銀行(スタンダードチャータード貯蓄銀行から商号変更)の全株式を取得、15年3月韓国・JTキャピタル(スタンダードチャータードキャピタルから商号変更)の全株式を取得した。15年10月ネオラインクレジット貸付およびハイキャピタル貸付の全株式を譲渡して連結子会社から除外した。韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤整備が完了した。

■東南アジア金融事業は成長市場のインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業は13年12月シンガポールの子会社Jトラストアジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのJトラストインドネシア銀行(15年6月ムティアラ銀行から商号変更)を連結子会社化、15年5月Jトラストアジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立、16年5月インドネシアのマヤパダ銀行の全株式を売却した。

 また15年5月Jトラストアジアがオートバイ販売金融事業のタイ・GL社の転換社債を引き受け、15年12月株式転換権を行使して発行済普通株式の6.43%を取得した。さらに16年5月Jトラストアジアがタイ・GL社に転換社債引受契約を締結する旨の申し入れを行い、8月1日に引受を完了した。全額転換後の持株比率は12.99%となる見込みだ。タイ・GL社との提携を強化し、ASEAN地域における販売金融事業の拡大を図る。なお本件が連結収益に与える影響は、受取利息分で8億円程度となる見込みだ。またタイ・GL社の株価が堅調に推移した場合、Jトラストアジアが現地で採用している会計基準(IFRS)に基づく当該転換社債の評価額の上昇や株式への転換による影響が見込まれるとしている。

 16年7月には、Jトラストアジアがタイ・GL社と共同でインドネシアに設立した割賦販売金融事業のGLFI社(16年2月設立、出資比率20%で持分法適用関連会社)が、所要の免許を取得して業務開始したと発表している。

■非金融分野は連結子会社アドアーズが展開

 非金融分野の総合エンターテインメント事業および不動産事業は、連結子会社のアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)が展開している。

 8月26日には、アドアーズがグリー<3632>との業務提携を発表した。双方のバーチャルリアリティ(VR)に関する事業の進展を目的とし、VR関連技術を活用したアミューズメント施設、アミューズメント施設向け遊戯機器および付帯するソフトウェアの開発に関して業務提携を行う。

■M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益変動

 四半期別の推移を見ると、15年3月期は営業収益が第1四半期159億28百万円、第2四半期160億51百万円、第3四半期161億41百万円、第4四半期151億61百万円、営業利益が3億58百万円の赤字、22億74百万円の赤字、6億89百万円の赤字、18億96百万円の赤字、16年3月期は営業収益が194億90百万円、182億88百万円、201億69百万円、175億31百万円、営業利益が19億51百万円の赤字、3億84百万円の赤字、2億27百万円の黒字、20億06百万円の赤字だった。

 M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性がある。なお国際財務報告基準(IFRS)は任意適用時期を延期した。新たな公認会計士(優成監査法人)のもとでIFRS開示体制の整備を行うとしている。

 16年3月期(日本基準)の営業収益は過去最高を更新した。割賦立替手数料や貸付金利息が減少したが、JT貯蓄銀行およびJトラストインドネシア銀行の通期連結も寄与して銀行業における営業収益が増加した。営業利益は赤字が縮小した。事業規模拡大に伴って人件費、のれん償却、銀行業における営業費用が増加したが、貸倒引当金繰入額や利息返還損失引当金繰入額など貸倒関係費が減少した。経常利益、純利益は為替差損益悪化、負ののれん発生益一巡などで赤字だった。

 営業総利益は15年3月期比7.4%増加したが、営業総利益率は48.4%で同5.3ポイント低下した。販管費は同3.6%増加したが、販管費比率は53.8%で同8.2ポイント低下した。営業外では為替差損益が悪化(15年3月期差益28億14百万円、16年3月期差損8億71百万円)し、特別利益では負ののれん発生益145億73百万円が一巡した。ROEはマイナス3.3%で同8.9ポイント低下、自己資本比率は32.1%で同2.7ポイント低下した。

 配当は同2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)だった。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

 セグメント別の営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同2.1倍の37億99百万円、韓国金融事業が2億60百万円の黒字(同62億96百万円の赤字)、東南アジア金融事業が78億98百万円の赤字(同1億57百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が4億75百万円の赤字(同3億85百万円の黒字)、不動産事業が同24.3%増の5億円、投資事業が同4.1倍の25億62百万円、その他事業が1億93百万円の赤字(同45百万円の黒字)だった。

 国内金融事業は同41.3%減収だが、KCカード譲渡や日本保証の構造改革などで人件費や利息返還損失引当金繰入額が減少した。韓国金融事業は同35.5%増収で、債権売却損や貸倒引当金繰入額も減少した。東南アジア金融事業はJトラストインドネシア銀行を連結化して大幅増収だが、財務健全化に向けた貸倒引当金積み増し、のれん償却計上で赤字だった。投資事業はJトラストアジアにおけるタイ・GL社転換社債の評価益や転換時実現利益が寄与した。

 なお16年3月期連結業績をIFRSベースで推計すると営業収益747億円、営業利益21億円で営業黒字化を達成したとしている。日本基準と比べて、減損損失振替の影響がマイナス17億円、Jトラストインドネシア銀行の期ずれの影響がプラス12億円、のれん償却額の影響がプラス30億円、貸倒引当金の計算における差異の影響がプラス34億円、国内金融事業における買取債権の公正価値の増加の影響がプラス3億円になるとしている。さらに韓国金融事業において債権評価を実効金利法に変更した影響や負ののれんの影響を考慮すると、事業利益の水準は64億円相当としている。

■17年3月期第1四半期(日本基準)は営業黒字化

 今期(17年3月期)第1四半期(4〜6月)の連結業績(日本基準)は営業収益が前年同期比5.2%増の205億07百万円、営業利益が11億89百万円の黒字(前年同期は19億51百万円の赤字)、経常利益が3億08百万円の赤字(同15億85百万円の赤字)、純利益が7億10百万円の赤字(同27億89百万円の赤字)だった。

 営業収益が四半期ベースで過去最高となり、営業利益は黒字化、経常利益と純利益は赤字が縮小した。調整後EBITDAは22億円で同29億円増加した。国内金融事業が好調に推移し、韓国金融事業と東南アジア金融事業の収益が改善した。投資事業の大幅増益も寄与した。なお15年3月期に韓国金融事業で計上した負ののれんの影響が営業利益6億円押し下げ要因のため、営業利益実力推計値は17億円程度としている。

 セグメント別営業利益(連結調整前)は国内金融事業が同21.9%増の11億円、韓国金融事業が2億16百万円の黒字(同15百万円の黒字)、東南アジア金融事業が6億77百万円の赤字(同25億19百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が65百万円の赤字(同44百万円の黒字)、不動産事業が同57.9%減の30百万円、投資事業が同5.0倍の13億37百万円、その他事業が3百万円の赤字(同1億53百万円の赤字)だった。

■17年3月期通期(日本基準)は各利益とも黒字化予想

 今期(17年3月期)の連結業績予想(日本基準、5月13日公表)は、営業収益が前期(16年3月期)比30.1%増の982億18百万円、営業利益が112億66百万円の黒字(前期は41億14百万円の赤字)、経常利益が114億13百万円の黒字(同46億78百万円の赤字)、純利益が95億86百万円の黒字(同57億12百万円の赤字)としている。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は14.0%となる。

 セグメント別営業利益(日本基準)の計画は、国内金融事業が39億円、韓国金融事業が51億円、東南アジア金融事業が3億円、非金融事業(総合エンターテインメント事業、不動産事業、その他事業)が15億円、投資事業が30億円としている。国内金融事業は信用保証、債権回収とも利益拡大を目指す。韓国金融事業は営業資産拡大を目指す。東南アジア金融事業は下期偏重の計画で、経常的な黒字化が射程圏に入ったとしている。投資事業は30億円以上の利益を確保して本社費用の増加分をカバーする。

 なおIFRSベースでの予想は営業収益1068億円、営業利益151億円、純利益131億円としている。IFRSベースに対して日本基準は、営業収益で期ずれの影響がマイナス86億円、営業利益で正のれんによる影響がマイナス30億円、期ずれの影響がマイナス8億円、純利益で正のれんによる影響がマイナス30億円、期ずれの影響がマイナス5億円としている。

 IFRSベースでのセグメント別営業利益の計画は、国内金融事業40億円、韓国金融事業55億円、東南アジア金融事業32億円、非金融事業(総合エンターテインメント事業、不動産事業、その他事業)18億円、投資事業30億円としている。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は低水準の形だが、韓国金融事業、東南アジア金融事業、および総合エンターテイメント事業の収益が下期に大幅改善する見込みだ。またタイ・GL社の株価が堅調に推移した場合、Jトラストアジアが現地で採用している会計基準(IFRS)に基づく当該転換社債の評価額の上昇や株式への転換による影響が見込まれる。

■18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月策定の中期経営計画では中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、経営目標数値は最終18年3月期営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%としている。セグメント別営業利益(連結調整前)の計画は国内金融事業44億円、韓国金融事業83億円、東南アジア金融事業53億円、総合エンターテインメント事業11億円、不動産事業7億円、その他非金融事業5億円である。

 事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大するとともに、M&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。

■17年3月末を目途に東証1部へ市場変更申請方針

 16年5月に東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。17年3月末を目途に申請を行いたいとしている。

 また6月30日に主要株主の異動を発表した。当社代表取締役社長であり筆頭株主である藤澤信義氏の資産管理会社FUJISAWA PTE.LTD.が第2位株主(総株主の議決権の数に対する割合14.02%)となった。

 なお8月15日および16日に自己株式立会外買付取引(ToSTNeT−3)による自己株式取得を実施した。取得株式総数は15日が600万株(自己株式除く発行済株式総数に対する割合5.35%)で、16日が318万8300株(自己株式除く発行済株式総数に対する割合3.01%)だった。

■株価は下値切り上げて出直り本格化期待

 株価の動きを見ると、8月19日の戻り高値850円から反落したが、6月の直近安値688円から反発して徐々に下値を切り上げている。

 9月2日の終値788円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS85円56銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.5%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1455円90銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約886億円である。

 週足チャートで見ると戻りを押さえていた26週移動平均線突破の動きを強めている。収益拡大基調を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[7月28日更新]

Jトラストは調整一巡して出直り、銀行業の収益が本格化して17年3月期黒字予想

 Jトラスト<8508>(東2)は銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指している。そして17年3月期は銀行業の収益が本格化して黒字予想である。株価は6月の直近安値から切り返している。調整一巡して出直り展開だろう。なお8月12日に第1四半期業績発表を予定している。

■金融事業を中心に国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大してきた。そして従来の短期的なM&A型の事業拡大から、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での事業拡大を推進している。

 16年3月期から事業セグメントを再構成し、国内金融事業(信用保証業務、債権回収業務、クレジット・信販業務、その他の金融業務)、韓国金融事業(貯蓄銀行業務、債権回収業務、キャピタル業務)、東南アジア金融事業(銀行業務、債権回収業務、販売金融業務)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営、アミューズメント機器用景品販売、遊戯機周辺機器に関するコンピュータシステム等の開発・製造・販売)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業(遊技場中心の各種商業施設設計・施工、システム開発など)としている。

 16年3月期のセグメント別(連結調整前)営業収益構成比は、国内金融事業が15%、韓国金融事業が33%、東南アジア金融事業が16%、総合エンターテインメント事業が22%、不動産事業が8%、投資事業が4%、その他事業が2%だった。なお非金融分野の総合エンターテインメント事業および不動産事業は、連結子会社のアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)が展開している。

■国内金融事業は新規ビジネスとしてビットコインサービスも開始

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月Jトラストベンチャーキャピタル合同会社がSmartEbook<2330>の無担保転換社債型新株予約権付社債および新株予約権を引き受け、15年4月子会社クレディアの全株式を売却した。また日本最大のビットコイン取引所を営むBTCボックスの第三者割当増資を引き受けて持分法適用会社化した。日本国内のビットコイン決済圏の確立、海外取引所の創設、新興国における新たな決済手段の構築、ビットコインを活用した新規ビジネスの創出を目指す。

 16年6月子会社Jトラストフィンテックがビットコイン取引サービス「J−Bits」を提供開始した。Jトラストフィンテックは第1弾として15年8月からブロックチェーン情報サイト「コインポータル」を運営し、第2弾として「J−Bits」を開始した。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業は、12年10月に貯蓄銀行認可を受けたJT親愛貯蓄銀行(15年7月親愛貯蓄銀行から商号変更)が13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。さらに14年3月韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付の貸付事業を韓国・JT親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 また15年1月韓国・JT貯蓄銀行(スタンダードチャータード貯蓄銀行から商号変更)の全株式を取得、15年3月韓国・JTキャピタル(スタンダードチャータードキャピタルから商号変更)の全株式を取得した。15年10月ネオラインクレジット貸付およびハイキャピタル貸付の全株式を譲渡して連結子会社から除外した。韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤整備が完了した。

■東南アジア金融事業は成長市場のインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業は13年12月シンガポールの子会社Jトラストアジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのJトラストインドネシア銀行(15年6月ムティアラ銀行から商号変更)を連結子会社化、15年5月Jトラストアジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立、16年5月インドネシアのマヤパダ銀行の全株式を売却した。

 また15年5月Jトラストアジアがオートバイ販売金融事業のタイ・GL社の転換社債を引き受け、15年12月株式転換権を行使して発行済普通株式の6.43%を取得した。さらに16年5月Jトラストアジアがタイ・GL社に転換社債引受契約を締結する旨の申し入れを行った。タイ・GL社との提携を強化し、ASEAN地域における販売金融事業の拡大を図る。

 7月11日には、Jトラストアジアがタイ・GL社と共同でインドネシアに設立した割賦販売金融事業のGLFI社(16年2月設立、出資比率20%で持分法適用関連会社)が、所要の免許を取得して業務開始したと発表している。

■M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益変動

 四半期別の推移を見ると、15年3月期は営業収益が第1四半期159億28百万円、第2四半期160億51百万円、第3四半期161億41百万円、第4四半期151億61百万円、営業利益が3億58百万円の赤字、22億74百万円の赤字、6億89百万円の赤字、18億96百万円の赤字、16年3月期は営業収益が194億90百万円、182億88百万円、201億69百万円、175億31百万円、営業利益が19億51百万円の赤字、3億84百万円の赤字、2億27百万円の黒字、20億06百万円の赤字だった。

 M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性がある。なお国際財務報告基準(IFRS)は任意適用時期を延期した。新たな公認会計士(優成監査法人)のもとでIFRS開示体制の整備を行うとしている。

 16年3月期(日本基準)の営業収益は過去最高を更新した。割賦立替手数料や貸付金利息が減少したが、JT貯蓄銀行およびJトラストインドネシア銀行の通期連結も寄与して銀行業における営業収益が増加した。営業利益は赤字が縮小した。事業規模拡大に伴って人件費、のれん償却、銀行業における営業費用が増加したが、貸倒引当金繰入額や利息返還損失引当金繰入額など貸倒関係費が減少した。経常利益、純利益は為替差損益悪化、負ののれん発生益一巡などで赤字だった。

 営業総利益は15年3月期比7.4%増加したが、営業総利益率は48.4%で同5.3ポイント低下した。販管費は同3.6%増加したが、販管費比率は53.8%で同8.2ポイント低下した。営業外では為替差損益が悪化(15年3月期差益28億14百万円、16年3月期差損8億71百万円)し、特別利益では負ののれん発生益145億73百万円が一巡した。ROEはマイナス3.3%で同8.9ポイント低下、自己資本比率は32.1%で同2.7ポイント低下した。

 配当は同2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)だった。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

 セグメント別の営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同2.1倍の37億99百万円、韓国金融事業が2億60百万円の黒字(同62億96百万円の赤字)、東南アジア金融事業が78億98百万円の赤字(同1億57百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が4億75百万円の赤字(同3億85百万円の黒字)、不動産事業が同24.3%増の5億円、投資事業が同4.1倍の25億62百万円、その他事業が1億93百万円の赤字(同45百万円の黒字)だった。

 国内金融事業は同41.3%減収だが、KCカード譲渡や日本保証の構造改革などで人件費や利息返還損失引当金繰入額が減少した。韓国金融事業は同35.5%増収で、債権売却損や貸倒引当金繰入額も減少した。東南アジア金融事業はJトラストインドネシア銀行を連結化して大幅増収だが、財務健全化に向けた貸倒引当金積み増し、のれん償却計上で赤字だった。投資事業はJトラストアジアにおけるタイ・GL社転換社債の評価益や転換時実現利益が寄与した。

 なお16年3月期連結業績をIFRSベースで推計すると営業収益747億円、営業利益21億円で営業黒字化を達成したとしている。日本基準と比べて、減損損失振替の影響がマイナス17億円、Jトラストインドネシア銀行の期ずれの影響がプラス12億円、のれん償却額の影響がプラス30億円、貸倒引当金の計算における差異の影響がプラス34億円、国内金融事業における買取債権の公正価値の増加の影響がプラス3億円になるとしている。さらに韓国金融事業において債権評価を実効金利法に変更した影響や負ののれんの影響を考慮すると、事業利益の水準は64億円相当としている。

■17年3月期(日本基準)は黒字予想

 今期(17年3月期)の連結業績予想(日本基準、5月13日公表)は、営業収益が前期(16年3月期)比30.1%増の982億18百万円、営業利益が112億66百万円の黒字(前期は41億14百万円の赤字)、経常利益が114億13百万円の黒字(同46億78百万円の赤字)、純利益が95億86百万円の黒字(同57億12百万円の赤字)としている。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で、予想配当性向は14.0%となる。

 セグメント別営業利益(日本基準)の計画は、国内金融事業が39億円、韓国金融事業が51億円、東南アジア金融事業が3億円、非金融事業(総合エンターテインメント事業、不動産事業、その他事業)が15億円、投資事業が30億円としている。国内金融事業は信用保証、債権回収とも利益拡大を目指す。韓国金融事業は営業資産拡大を目指す。東南アジア金融事業は下期偏重の計画で、経常的な黒字化が射程圏に入ったとしている。投資事業は30億円以上の利益を確保して本社費用の増加分をカバーする。

 なおIFRSベースでの予想は営業収益1068億円、営業利益151億円、純利益131億円としている。IFRSベースに対して日本基準は、営業収益で期ずれの影響がマイナス86億円、営業利益で正のれんによる影響がマイナス30億円、期ずれの影響がマイナス8億円、純利益で正のれんによる影響がマイナス30億円、期ずれの影響がマイナス5億円としている。

 IFRSベースでのセグメント別営業利益の計画は、国内金融事業40億円、韓国金融事業55億円、東南アジア金融事業32億円、非金融事業(総合エンターテインメント事業、不動産事業、その他事業)18億円、投資事業30億円としている。

■18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月策定の中期経営計画では中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、経営目標数値は最終18年3月期営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%としている。セグメント別営業利益(連結調整前)の計画は国内金融事業44億円、韓国金融事業83億円、東南アジア金融事業53億円、総合エンターテインメント事業11億円、不動産事業7億円、その他非金融事業5億円である。

 事業拡大が望めるアジア銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大するとともに、M&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。

■17年3月末を目途に東証1部へ市場変更申請方針

 16年5月に東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。17年3月末を目途に申請を行いたいとしている。

 また6月30日に主要株主の異動を発表した。当社代表取締役社長であり筆頭株主である藤澤信義氏の資産管理会社FUJISAWA PTE.LTD.が第2位株主(総株主の議決権の数に対する割合14.02%)となった。

■株価は調整一巡して出直り

 株価の動きを見ると、6月の直近安値688円から反発して下値を切り上げている。7月21日には798円まで上伸した。

 7月27日の終値771円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS85円56銭で算出)は9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1455円90銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約867億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。調整一巡して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[7月15日更新]

Jトラストは銀行業の収益が本格化して17年3月期黒字予想

 Jトラスト<8508>(東2)は金融事業を主力として、国内外におけるM&Aや事業再編で業容を拡大させている。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指している。17年3月期は銀行業の収益が本格化して黒字予想である。株価は地合い悪化の影響を受けたが調整一巡して出直り展開だろう。なお8月12日に第1四半期業績発表を予定している。

■金融事業を中心に国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大してきた。そして従来の短期的なM&A型の事業拡大から、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での事業拡大を推進している。

 16年3月期から事業セグメントを再構成し、国内金融事業(信用保証業務、債権回収業務、クレジット・信販業務、その他の金融業務)、韓国金融事業(貯蓄銀行業務、債権回収業務、キャピタル業務)、東南アジア金融事業(銀行業務、債権回収業務、販売金融業務)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営、アミューズメント機器用景品の販売、遊戯機の周辺機器に関するコンピュータシステム等の開発・製造・販売)、不動産事業(戸建分譲を中心とした不動産売買、流動化不動産を中心とした収益物件の仕入・販売)、投資事業、その他事業(遊技場を中心とした各種商業施設の設計・施工、システム開発など)としている。

 16年3月期のセグメント別(連結調整前)営業収益構成比は、国内金融事業が15%、韓国金融事業が33%、東南アジア金融事業が16%、総合エンターテインメント事業が22%、不動産事業が8%、投資事業が4%、その他事業が2%だった。なお非金融分野の総合エンターテインメント事業および不動産事業は、連結子会社のアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)が展開している。

■国内金融事業は新規ビジネスとしてビットコインサービスも開始

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月Jトラストベンチャーキャピタル合同会社がSmartEbook<2330>の第1回無担保転換社債型新株予約権付社債および第6回新株予約権を引き受けた。15年4月子会社クレディアの全株式を売却した。また日本最大のビットコイン取引所を営むBTCボックスの第三者割当増資を引き受けて持分法適用会社化した。日本国内のビットコイン決済圏の確立、海外取引所の創設、新興国における新たな決済手段の構築、ビットコインを活用した新規ビジネスの創出を目指す。

 16年6月子会社Jトラストフィンテックがビットコイン取引サービス「J−Bits」を提供開始した。Jトラストフィンテックは第1弾として15年8月からブロックチェーン情報サイト「コインポータル」を運営し、第2弾として「J−Bits」の提供を開始した。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業は、12年10月に貯蓄銀行認可を受けたJT親愛貯蓄銀行(15年7月親愛貯蓄銀行から商号変更)が13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。さらに14年3月韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付の貸付事業を韓国・JT親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 また15年1月韓国・JT貯蓄銀行(スタンダードチャータード貯蓄銀行から商号変更)の全株式を取得、15年3月韓国・JTキャピタル(スタンダードチャータードキャピタルから商号変更)の全株式を取得した。15年10月ネオラインクレジット貸付およびハイキャピタル貸付の全株式を譲渡して連結子会社から除外した。韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤整備が完了した。

■東南アジア金融事業は成長市場のインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業は13年12月シンガポールの子会社Jトラストアジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのJトラストインドネシア銀行(15年6月ムティアラ銀行から商号変更)を連結子会社化、15年5月Jトラストアジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立、16年5月インドネシアのマヤパダ銀行の全株式を売却した。

 また15年5月Jトラストアジアがオートバイ販売金融事業のタイ・GL社の転換社債を引き受け、15年12月株式転換権を行使して発行済普通株式の6.43%を取得した。さらに16年5月Jトラストアジアがタイ・GL社に転換社債引受契約を締結する旨の申し入れを行った。タイ・GL社との提携を強化し、ASEAN地域における販売金融事業の拡大を図る。

 7月11日には、Jトラストアジアがタイ・GL社と共同でインドネシアに設立した割賦販売金融事業のGLFI社(16年2月設立、出資比率20%で持分法適用関連会社)が、所要の免許を取得して業務開始したと発表している。

■M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益変動

 四半期別の推移を見ると、15年3月期は営業収益が第1四半期159億28百万円、第2四半期160億51百万円、第3四半期161億41百万円、第4四半期151億61百万円、営業利益が3億58百万円の赤字、22億74百万円の赤字、6億89百万円の赤字、18億96百万円の赤字、16年3月期は営業収益が194億90百万円、182億88百万円、201億69百万円、175億31百万円、営業利益が19億51百万円の赤字、3億84百万円の赤字、2億27百万円の黒字、20億06百万円の赤字だった。

 M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性がある。なお16年3月期を目途に任意適用予定としていた国際財務報告基準(IFRS)は任意適用時期を延期した。新たな公認会計士(優成監査法人)のもとで再度IFRS開示体制の整備を行うとしている。

 16年3月期(日本基準)の営業収益は過去最高を更新した。割賦立替手数料や貸付金利息が減少したが、JT貯蓄銀行およびJトラストインドネシア銀行の通期連結も寄与して銀行業における営業収益が増加した。営業利益は赤字が縮小した。事業規模拡大に伴って人件費、のれん償却、銀行業における営業費用が増加したが、貸倒引当金繰入額や利息返還損失引当金繰入額など貸倒関係費が減少した。経常利益、純利益は為替差損益悪化、負ののれん発生益一巡なども影響して赤字だった。

 営業総利益は15年3月期比7.4%増加したが、営業総利益率は48.4%で同5.3ポイント低下した。販管費は同3.6%増加したが、販管費比率は53.8%で同8.2ポイント低下した。営業外では為替差損益が悪化(15年3月期差益28億14百万円、16年3月期差損8億71百万円)し、特別利益では負ののれん発生益145億73百万円が一巡した。ROEはマイナス3.3%で同8.9ポイント低下、自己資本比率は32.1%で同2.7ポイント低下した。

 配当は同2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)だった。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。

 セグメント別の営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同2.1倍の37億99百万円、韓国金融事業が2億60百万円の黒字(同62億96百万円の赤字)、東南アジア金融事業が78億98百万円の赤字(同1億57百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が4億75百万円の赤字(同3億85百万円の黒字)、不動産事業が同24.3%増の5億円、投資事業が同4.1倍の25億62百万円、その他事業が1億93百万円の赤字(同45百万円の黒字)だった。

 国内金融事業は同41.3%減収だが、KCカード譲渡や日本保証の構造改革などで人件費や利息返還損失引当金繰入額が減少した。韓国金融事業は同35.5%増収で、債権売却損や貸倒引当金繰入額も減少した。東南アジア金融事業はJトラストインドネシア銀行を連結化して大幅増収だが、財務健全化に向けた貸倒引当金積み増し、のれん償却計上で赤字だった。投資事業はJトラストアジアにおけるタイ・GL社転換社債の評価益や転換時実現利益が寄与した。

 なお16年3月期連結業績をIFRSベースで推計すると営業収益747億円、営業利益21億円で営業黒字化を達成したとしている。日本基準と比べて、減損損失振替の影響がマイナス17億円、Jトラストインドネシア銀行の期ずれの影響がプラス12億円、のれん償却額の影響がプラス30億円、貸倒引当金の計算における差異の影響がプラス34億円、国内金融事業における買取債権の公正価値の増加の影響がプラス3億円になるとしている。さらに韓国金融事業において債権評価を実効金利法に変更した影響や負ののれんの影響を考慮すると、事業利益の水準は64億円相当としている。

■17年3月期(日本基準)は黒字予想

 今期(17年3月期)の連結業績予想(日本基準、5月13日公表)は、営業収益が前期(16年3月期)比30.1%増の982億18百万円、営業利益が112億66百万円の黒字(前期は41億14百万円の赤字)、経常利益が114億13百万円の黒字(同46億78百万円の赤字)、純利益が95億86百万円の黒字(同57億12百万円の赤字)としている。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で、予想配当性向は14.0%となる。

 セグメント別営業利益(日本基準)の計画は、国内金融事業が39億円、韓国金融事業が51億円、東南アジア金融事業が3億円、非金融事業(総合エンターテインメント事業、不動産事業、その他事業)が15億円、投資事業が30億円としている。

 国内金融事業では信用保証、債権回収とも利益拡大を目指す。韓国金融事業では営業資産拡大を目指す。東南アジア金融事業は下期偏重の計画で、経常的な黒字化が射程圏に入ったとしている。投資事業では30億円以上の利益を確保して本社費用の増加分をカバーする。

 なおIFRSベースでの予想は営業収益1068億円、営業利益151億円、純利益131億円としている。IFRSベースに対して日本基準は、営業収益で期ずれの影響がマイナス86億円、営業利益で正のれんによる影響がマイナス30億円、期ずれの影響がマイナス8億円、純利益で正のれんによる影響がマイナス30億円、期ずれの影響がマイナス5億円としている。

 IFRSベースでのセグメント別営業利益の計画は、国内金融事業40億円、韓国金融事業55億円、東南アジア金融事業32億円、非金融事業(総合エンターテインメント事業、不動産事業、その他事業)18億円、投資事業30億円としている。

■18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月策定の中期経営計画では中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、経営目標数値は最終18年3月期営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%としている。セグメント別営業利益(連結調整前)の計画は国内金融事業44億円、韓国金融事業83億円、東南アジア金融事業53億円、総合エンターテインメント事業11億円、不動産事業7億円、その他非金融事業5億円である。

 事業拡大が望めるアジアでの銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大するとともに、M&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラストインドネシア銀行の不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。

■17年3月末を目途に東証1部へ市場変更申請方針

 16年5月に東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。17年3月末を目途に申請を行いたいとしている。

 また6月30日に主要株主の異動を発表した。当社代表取締役社長であり筆頭株主である藤澤信義氏の資産管理会社FUJISAWA PTE.LTD.が第2位株主(総株主の議決権の数に対する割合14.02%)となった。

■株価は調整一巡して出直り

 株価の動きを見ると、地合い悪化の影響で6月24日に688円まで調整する場面があった。ただし2月の年初来安値668円を割り込むことなく切り返しの動きを強めている。

 7月14日の終値770円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS85円56銭で算出)は9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1455円90銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約866億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、安値圏の下ヒゲで調整一巡感を強めている。出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[6月14日更新]

Jトラストは17年3月期黒字予想、銀行業の収益が本格化

 Jトラスト<8508>(東2)は金融事業を主力として、国内外におけるM&Aや事業再編で業容を拡大させている。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での事業拡大を推進している。M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益が変動する可能性もあるが、17年3月期は銀行業の収益が本格化して黒字予想である。株価は調整が一巡して戻りを試す展開だろう。

■金融事業を中心に国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大してきた。そして16年3月期から事業セグメントを再構成し、国内金融事業(信用保証業務、債権回収業務、クレジット・信販業務、その他の金融業務)、韓国金融事業(貯蓄銀行業務、債権回収業務、キャピタル業務)、東南アジア金融事業(銀行業務、債権回収業務、販売金融業務)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営、アミューズメント機器用景品の販売、遊戯機の周辺機器に関するコンピュータシステム等の開発・製造・販売)、不動産事業(戸建分譲を中心とした不動産売買、流動化不動産を中心とした収益物件の仕入・販売)、投資事業、その他事業(遊技場を中心とした各種商業施設の設計・施工、システム開発など)とした。

 16年3月期におけるセグメント別(連結調整前)営業収益構成比は国内金融事業14.5%、韓国金融事業33.4%、東南アジア金融事業16.1%、総合エンターテインメント事業21.7%、不動産事業8.2%、投資事業3.7%、その他事業2.4%だった。

 従来の短期的なM&A型の事業拡大から、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して、国内外において事業基盤の強化に取り組み、特に韓国やインドネシアなどアジア地域での事業拡大を推進している。

■国内金融事業は新規ビジネスも推進

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月に子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月にはJトラストベンチャーキャピタル合同会社が、SmartEbook<2330>の第1回無担保転換社債型新株予約権付社債および第6回新株予約権を引き受けた。企業ニーズに応えるファイナンス支援や事業支援などを通じて支援先企業の企業価値向上を追求し、グループ成長に繋げる方針だ。

 15年4月には選択と集中の観点から子会社クレディアの全株式を売却した。また15年4月には、日本最大のビットコイン取引所を営むBTCボックスの第三者割当増資を引き受けて同社を持分法適用会社化した。日本国内のビットコイン決済圏の確立、海外取引所の創設、新興国における新たな決済手段の構築、ビットコインを活用した新規ビジネスの創出を目指すとしている。

 5月13日には子会社Jトラストフィンテックが、16年6月中を目途としてビットコイン取引の新サービス「J−Bits」の提供を開始すると発表した。Jトラストフィンテックは日本国内における仮想通貨関連の情報基盤確立とコミュニティの醸成を進め、第1弾として15年8月からブロックチェーン情報サイト「コインポータル」を運営している。そして第2弾として新サービス「J−Bits」の提供を開始する。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業については、12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行(15年7月JT親愛貯蓄銀行に商号変更)が、未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。

 14年3月には韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月には韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付(11年4月子会社化)の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 15年1月には韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行の全株式を取得(JT貯蓄銀行に商号変更)し、15年3月には韓国スタンダードチャータードキャピタルの全株式を取得(JTキャピタルに商号変更)した。これによって、韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤の整備が図れたとしている。

 なおJTキャピタルは15年7月、住宅割賦金融債権の流動化(MBS)による資金調達(2000億ウォン=約214億円)を実施した。企業価値が韓国市場で認められ、従来のJトラストグループ依存から脱却し、今後の成長エンジンとなる資金調達方法の多様化が可能となった。

 15年10月には連結子会社のネオラインクレジット貸付およびハイキャピタル貸付の全株式を譲渡した。上記2社の正常債権は各貯蓄銀行に、不良債権はTA資産管理貸付有限会社に集中し、体制整備が完了したため株式譲渡を実施した。これによって上記2社は連結子会社から除外された。

■東南アジア金融事業は成長市場のインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業については、13年12月シンガポールの子会社Jトラストアジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのムティアラ銀行を連結子会社化(15年6月Jトラスト銀行に商号変更)した。

 15年5月には、Jトラストアジアがオートバイ販売金融事業を展開するGL社(タイ)の転換社債を引き受けた。またJトラストアジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立した。

 15年10月にはJトラスト銀行(インドネシア)の不良債権(約220億円)をJトラスト・インベストメント・インドネシアに譲渡するとともに、当社によるJトラスト銀行(インドネシア)が実施する増資の引き受け、およびJトラストアジアによるJトラスト銀行(インドネシア)が発行する劣後債の引き受けを行った。

 なおJトラスト銀行(インドネシア)に関して、ウェストン関連法人によりシンガポール裁判所に15年10月16日付で訴訟が提起された件について、15年12月に状況をリリースした。モーリシャス判決に基づく債務および利息債務の支払いを求める内容だが、東京地方裁判所においてモーリシャス判決に基づく債務不存在確認訴訟を提起しており、当社の見解に変更はないとしている。

 15年12月には、15年5月に引き受けたGL社(タイ)の転換社債の株式転換権を行使して、発行済普通株式の6.43%を取得した。GL社(タイ)はタイおよびカンボジアでオートバイ販売金融事業を展開し、インドネシアへの事業拡大を目指している。GL社(タイ)を戦略的パートナーとして、インドネシアおよびASEAN市場でリース業およびコンシューマーファイナンス事業の成長を推進する。

 16年1月にはJトラストアジアがGL社(タイ)と共同でインドネシアにマルチファイナンス会社GLFIを設立(出資比率20%で持分法適用関連会社)し、インドネシアの消費者をターゲットとして割賦販売金融事業を展開すると発表した。

 5月2日にはJトラストアジアが保有するインドネシアのマヤパダ銀行の全株式を売却したと発表している。13年12月に資本・業務提携したが、15年1月のKCカードブランド売却によってグループ内のクレジットカード事業を大幅に縮小し、同事業における業務提携が事実上終了していること、14年11月にインドネシアのムティアラ銀行を連結子会社化(15年6月Jトラスト銀行に商号変更)し、グループ内においてインドネシアでの銀行業が可能になったこと、さらに十分に利益が出る購入価格の提示を受けたため、キャピタルゲインを得たうえで手元流動性を確保し、次なる戦略投資に備えることを目的として本件株式売却を行った。なお17年3月期第1四半期に約14億円を営業収益に計上する予定としている。

 また5月13日には子会社JトラストアジアがGL社(タイ)との間で、転換社債引受契約を締結する旨の申し入れを行ったと発表している。本件引受を通じたGL社(タイ)との提携強化により、今後のASEAN地域における販売金融事業への投資を大幅に拡大してさらなる事業拡大を図る。

 なおアジアの不動産分野では、14年9月にシンガポールの不動産開発会社LCDの株式29.5%を取得して筆頭株主となったが、15年2月にLCDの大株主グループの1社であるAFグローバルが実施するTOBに応募して所有する全株式を譲渡した。

■非金融事業も強化

 非金融事業の国内不動産分野・アミューズメント分野では、アドアーズ<4712>(12年6月子会社化)を傘下に置いている。

 アドアーズは14年9月に韓国でカジノ事業を展開するJBアミューズメント(JBA)の第三者割当増資を引き受けて第2位株主となった。また14年11月に日本介護福祉グループを子会社化して介護事業に進出したが、15年8月に日本介護福祉グループの全株式を譲渡して介護事業を休止した。

 またアドアーズは16年3月、首都圏中心にリラクゼーションサロン「OLIVE SPA」を展開するオリーブスパ社と業務提携し、店舗サブリース事業に参入した。

■M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益変動

 なお15年3月期の四半期別の業績推移を見ると、営業収益は第1四半期(4月〜6月)159億28百万円、第2四半期(7月〜9月)160億51百万円、第3四半期(10月〜12月)161億41百万円、第4四半期(1月〜3月)151億61百万円、営業利益は第1四半期3億58百万円の赤字、第2四半期22億74百万円の赤字、第3四半期6億89百万円の赤字、第4四半期18億96百万円の赤字だった。

 韓国・親愛貯蓄銀行で事業基盤強化に向けて積極的に不良債権処理を進め、韓国JT貯蓄銀行および韓国JTキャピタルの株式取得が遅れたことなどで営業赤字、経常赤字だった。純利益は負ののれん発生益計上で黒字だった。M&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性がある。

■国際財務報告基準(IFRS)の任意適用時期を延期

 なお5月12日のリリースで、16年3月期を目途に任意適用予定としていた国際財務報告基準(IFRS)について、任意適用時期を延期すると発表した。同時に公認会計士の異動を発表し、新たな公認会計士(優成監査法人)のもとで再度IFRS開示体制の整備を行うとしている。

■16年3月期は日本基準で営業赤字、IFRS(推計)では営業黒字

 前期(16年3月期)の連結業績(日本基準)は、営業収益が前々期(15年3月期)比19.3%増の754億78百万円だが、営業利益が41億14百万円の赤字(前々期は52億17百万円の赤字)、経常利益が46億78百万円の赤字(同23億85百万円の赤字)、純利益が57億12百万円の赤字(同101億43百万円の黒字)だった。

 営業収益は計画を下回ったが過去最高を更新した。割賦立替手数料や貸付金利息が減少したが、JT貯蓄銀行およびJトラストインドネシア銀行の通期連結も寄与して銀行業における営業収益が増加した。営業利益は計画を下回ったが、前々期との比較では赤字が縮小した。貸倒引当金繰入額や利息返還損失引当金繰入額など貸倒関係費が減少したが、グループ事業規模拡大に伴って人件費、のれん償却、銀行業における営業費用が増加(JT貯蓄銀行およびJトラストインドネシア銀行の営業費用を加算)した。経常利益、純利益については為替差損の計上、負ののれん発生益の一巡なども影響した。

 営業総利益は同7.4%増加したが、営業総利益率は48.4%で同5.3ポイント低下した。販管費は同3.6%増加したが、販管費比率は53.8%で同8.2ポイント低下した。営業外では為替差損益が悪化(前々期は差益28億14百万円計上、前期は差損8億71百万円計上)した。また特別利益では関係会社株式売却益6億01百万円、為替換算調整勘定取崩益8億30百万円を計上したが、前々期計上の負ののれん発生益145億73百万円、事業譲渡益8億48百万円が一巡した。特別損失では事業構造改革費用9億08百万円が一巡したが、減損損失が拡大(前々期7億82百万円計上、前期17億11百万円計上)し、関係会社株式売却損2億85百万円を計上した。

 配当は同2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)とした。利益配分については、将来の経営環境や業界動向を総合的に勘案しながら、積極的な利益還元を図ることを基本方針としている。ROEはマイナス3.3%で同8.9ポイント低下、自己資本比率は32.1%で同2.7ポイント低下した。

 セグメント別の営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同2.1倍の37億99百万円、韓国金融事業が2億60百万円の黒字(同62億96百万円の赤字)、東南アジア金融事業が78億98百万円の赤字(同1億57百万円の赤字)、総合エンターテインメント事業が4億75百万円の赤字(同3億85百万円の黒字)、不動産事業が同24.3%増の5億円、投資事業が同4.1倍の25億62百万円、その他事業が1億93百万円の赤字(同45百万円の黒字)だった。

 国内金融事業は営業収益が同41.3%減収だったが、KCカード譲渡や日本保証における構造改革などで人件費や利息返還損失引当金繰入額が減少した。韓国金融事業は営業収益が同35.5%増収で、前々期までに不良債権処理を促進したことで債権売却損や貸倒引当金繰入額が減少したことも寄与した。東南アジア金融事業はJトラストインドネシア銀行の営業収益を連結化して大幅増収だが、銀行再生に向けて財務健全化を図るため貸倒引当金を積み増したことや、Jトラストインドネシア銀行取得に係るのれん償却額を計上したことで赤字だった。総合エンターテインメント事業はハイライツ・エンタテインメントの営業費用加算が影響した。不動産事業は戸建分譲が堅調に推移した。投資事業はJトラストアジアにおけるGL社(タイ)転換社債の評価益や転換時実現利益の計上が寄与した。

 四半期別業績推移を見ると、営業収益は第1四半期(4月〜6月)194億90百万円、第2四半期(7月〜9月)182億88百万円、第3四半期(10月〜12月)201億69百万円、第4四半期(1月〜3月)175億31百万円、営業利益は第1四半期19億51百万円の赤字、第2四半期3億84百万円の赤字、第3四半期2億27百万円の黒字、第4四半期20億06百万円の赤字だった。

 なお前期(16年3月期)連結業績を、国際財務報告基準(IFRS)ベースで推計すると、営業収益は747億円、営業利益は21億円で、営業黒字化を達成したとしている。日本基準に比べて、減損損失振替の影響がマイナス17億円、Jトラストインドネシア銀行の期ずれの影響がプラス12億円、のれん償却額の影響がプラス30億円、貸倒引当金の計算における差異の影響がプラス34億円、国内金融事業における買取債権の公正価値の増加の影響がプラス3億円になるとしている。さらに韓国金融事業において債権評価を実効金利法に変更した影響や負ののれんの影響を考慮すると、事業利益の水準は64億円相当としている。

■17年3月期(日本基準)は黒字予想

 今期(17年3月期)の連結業績予想(日本基準、5月13日公表)は、営業収益が前期(16年3月期)比30.1%増の982億18百万円、営業利益が112億66百万円の黒字(前期は41億14百万円の赤字)、経常利益が114億13百万円の黒字(同46億78百万円の赤字)、純利益が95億86百万円の黒字(同57億12百万円の赤字)としている。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で、予想配当性向は14.0%となる。

 セグメント別営業利益(日本基準)の計画は、国内金融事業が39億円、韓国金融事業が51億円、東南アジア金融事業が3億円、非金融事業(総合エンターテインメント事業、不動産事業、その他事業)が15億円、投資事業が30億円としている。

 国内金融事業では信用保証、債権回収とも中期計画以上の利益を目指す。韓国金融事業では負ののれんによる影響の大半を16年3月期末に消化したため、M&Aおよび債権買取によりさらなる営業資産の拡大を目指す。東南アジア金融事業は下期偏重の計画で、経常的な黒字化が射程圏に入ったとしている。投資事業では30億円以上の利益を確保して本社費用の増加分をカバーするとしている。

 なお国際財務報告基準(IFRS)ベースでの予想は営業収益が1068億円、営業利益が151億円、純利益が131億円としている。国際財務報告基準(IFRS)ベースに対して日本基準は、営業収益で期ずれの影響がマイナス86億円、営業利益で正のれんによる影響がマイナス30億円、期ずれの影響がマイナス8億円、純利益で正のれんによる影響がマイナス30億円、期ずれの影響がマイナス5億円としている。

 国際財務報告基準(IFRS)ベースでのセグメント別営業利益の計画は、国内金融事業が40億円、韓国金融事業が55億円、東南アジア金融事業が32億円、非金融事業(総合エンターテインメント事業、不動産事業、その他事業)が18億円、投資事業が30億円としている。

■中期経営計画で18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月策定の中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、経営目標数値は最終18年3月期の営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%としている。セグメント別営業利益(連結調整前)の計画は国内金融事業44億円、韓国金融事業83億円、東南アジア金融事業53億円、総合エンターテインメント事業11億円、不動産事業7億円、その他非金融事業5億円としている。

 事業拡大が望めるアジアでの銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大するとともに、M&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラスト銀行インドネシアの不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。

■自己株式消却して株主還元

 なお株主への利益還元として15年12月29日付で自己株式消却を実施した。15年5月26日〜11月11日に取得した自己株式625万株全てを消却した。

■東証1部への申請を検討開始

 5月12日のリリースにおいて、東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。17年3月末を目途に申請を行いたいとしている。

■株価は調整一巡して戻り試す

 なお5月25日に、当社代表取締役社長である藤澤信義氏が100%出資する会社が当社株式を市場取引によって買い付け、藤澤氏およびその共同保有者の株券所有割合が34.26%となったことを確認したと発表している。本買い付けに関して藤澤氏から、当社経営へのコミットメントをより強めることを企図して行っているとの説明を受けている。

 株価の動きを見ると、3月以降は戻り一服の形となり、概ね800円〜950円近辺のレンジで推移している。ただし調整一巡感も強めている。

 6月10日の終値885円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS85円56銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1455円90銭で算出)は0.6倍近辺である。なお時価総額は約995億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。また13週移動平均線が上向きに転じた。調整が一巡して戻りを試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月20日更新]

Jトラストは16年3月期黒字・増配予想、17年3月期も収益拡大期待

 Jトラスト<8508>(東2)は金融事業を主力として、国内外におけるM&Aや事業再編で業容を拡大させている。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、特にインドネシアなどアジア地域での事業拡大を推進している。M&A・事業再編・不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性があるが、16年3月期黒字・増配予想である。そして17年3月期も収益拡大が期待される。株価は3月の戻り高値圏から一旦反落したが下値固め完了感を強めている。出直り展開だろう。なお5月13日に16年3月期決算発表を予定している。

■金融事業を中心に国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内金融事業(事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取)を主力に、国内外でM&Aや債権承継などを積極活用し、不動産事業、アミューズメント事業、海外金融事業などに業容を拡大させた。

 16年3月期から事業セグメントを再構成し、国内金融事業(保証および債権回収業)、韓国金融事業(銀行業、リース・割賦業、債権買取・回収業)、東南アジア金融事業(銀行業、販売金融業)からなる金融事業と、アミューズメント事業(アミューズメント施設運営、娯楽機器製造)、不動産事業(注文住宅建設、収益物件の仕入・販売)、その他非金融事業(ITシステム事業など)からなる非金融事業とした。

 従来の短期的なM&A型の事業拡大から、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して、国内外において事業基盤の強化に取り組む方針だ。特にインドネシアなどアジア地域での事業拡大を推進している。

■国内金融事業は新規ビジネスも推進

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月に子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月にはJトラストベンチャーキャピタル合同会社が、SmartEbook<2330>の第1回無担保転換社債型新株予約権付社債および第6回新株予約権を引き受けた。企業ニーズに応えるファイナンス支援や事業支援などを通じて支援先企業の企業価値向上を追求し、グループ成長に繋げる方針だ。

 15年4月には選択と集中の観点から子会社クレディアの全株式を売却した。また15年4月には、日本最大のビットコイン取引所を営むBTCボックスの第三者割当増資を引き受けて同社を持分法適用会社化した。日本国内のビットコイン決済圏の確立、海外取引所の創設、新興国における新たな決済手段の構築、ビットコインを活用した新規ビジネスの創出を目指すとしている。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業では12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行(15年7月JT親愛貯蓄銀行に商号変更)が、未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。

 14年3月には韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月には韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付(11年4月子会社化)の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 15年1月には韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行の全株式を取得(JT貯蓄銀行に商号変更)し、15年3月には韓国スタンダードチャータードキャピタルの全株式を取得(JTキャピタルに商号変更)した。これによって、韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤の整備が図れたとしている。

 なおJTキャピタルは15年7月、住宅割賦金融債権の流動化(MBS)による資金調達(2000億ウォン=約214億円)を実施した。企業価値が韓国市場で認められ、従来のJトラストグループ依存から脱却し、今後の成長エンジンとなる資金調達方法の多様化が可能となった。

 15年10月には連結子会社のネオラインクレジット貸付およびハイキャピタル貸付の全株式を譲渡した。上記2社の正常債権は各貯蓄銀行に、不良債権はTA資産管理貸付有限会社に集中し、体制整備が完了したため株式譲渡を実施した。これによって上記2社は連結子会社から除外される。

■東南アジア金融事業はインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業では、13年12月シンガポールの子会社Jトラストアジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのムティアラ銀行を連結子会社化(15年6月Jトラスト銀行に商号変更)した。

 15年5月にはJトラストアジアがオートバイ販売金融事業を展開するタイのGLの転換社債を引き受けた。またJトラストアジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立した。

 15年10月にはJトラスト銀行(インドネシア)の不良債権(約220億円)をJトラスト・インベストメント・インドネシアに譲渡するとともに、当社によるJトラスト銀行(インドネシア)が実施する増資の引き受け、およびJトラストアジアによるJトラスト銀行(インドネシア)が発行する劣後債の引き受けを行った。本件債権譲渡は当社子会社間の債権譲渡であるため連結業績への影響は軽微としている。

 なおJトラスト銀行(インドネシア)に関して、ウェストン関連法人によりシンガポール裁判所に15年10月16日付で訴訟が提起された件について、15年12月に状況をリリースした。モーリシャス判決に基づく債務および利息債務の支払いを求める内容だが、東京地方裁判所においてモーリシャス判決に基づく債務不存在確認訴訟を提起しており、当社の見解に変更はないとしている。

 15年12月には、15年5月に引き受けたタイGL社の転換社債の株式転換権を行使して発行済普通株式の6.43%を取得した。タイGL社はタイおよびカンボジアでオートバイ販売金融事業を展開し、インドネシアへの事業拡大を目指している。タイGL社を戦略的パートナーとして、インドネシアおよびASEAN市場でリース業およびコンシューマーファイナンス事業の成長を推進する。

 そして16年1月にはJトラストアジアが、タイGL社と共同でインドネシアにマルチファイナンス会社GLFIを設立(出資比率20%で持分法適用関連会社)し、インドネシアの消費者をターゲットとして割賦販売金融事業を展開すると発表した。

 なおアジアの不動産分野では、14年9月にシンガポールの不動産開発会社LCDの株式29.5%を取得して筆頭株主となったが、15年2月にLCDの大株主グループの1社であるAFグローバルが実施するTOBに応募して所有する全株式を譲渡した。

■非金融事業も強化

 非金融事業の国内不動産分野・アミューズメント分野では、アドアーズ<4712>(12年6月子会社化)を傘下に置いている。アドアーズは14年9月に韓国でカジノ事業を展開するJBアミューズメント(JBA)の第三者割当増資を引き受けて第2位株主となった。

 なおアドアーズは、14年11月に日本介護福祉グループを子会社化して介護事業に進出したが、15年8月に日本介護福祉グループの全株式を譲渡して介護事業を休止した。

■M&A・事業再編や不良債権処理などで収益変動

 15年3月期(日本基準)の四半期別推移を見ると、営業収益は第1四半期(4月〜6月)159億28百万円、第2四半期(7月〜9月)160億51百万円、第3四半期(10月〜12月)161億41百万円、第4四半期(1月〜3月)151億61百万円、営業利益は第1四半期3億58百万円の赤字、第2四半期22億74百万円の赤字、第3四半期6億89百万円の赤字、第4四半期18億96百万円の赤字だった。

 韓国・親愛貯蓄銀行で事業基盤強化に向けて積極的に不良債権処理を進め、韓国JT貯蓄銀行および韓国JTキャピタルの株式取得が遅れたことなどで営業赤字、経常赤字だった。純利益は負ののれん発生益計上で黒字だった。M&A・事業再編・不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性がある。

■16年3月期第3四半期累計は営業赤字が縮小

 前期(16年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)の連結業績は、営業収益が前年同期比20.4%増の579億47百万円、営業利益が21億08百万円の赤字(前年同期は33億21百万円の赤字)、経常利益が15億25百万円の赤字(同3億16百万円の赤字)、純利益が10億45百万円の赤字(同11億42百万円の赤字)だった。

 国内金融事業、韓国金融事業、投資事業の改善などで営業赤字が縮小した。営業総利益率は50.0%で同5.3ポイント低下、販管費比率は53.6%で同8.6ポイント低下した。営業外収益では為替差益が減少(前期30億14百万円計上、今期5億34百万円計上)した。特別利益では前期計上の負ののれん発生益10億42百万円が一巡したが、関係会社株式売却益6億01百万円、為替換算調整勘定取崩益8億30百万円を計上した。特別損失では減損損失が拡大(前期7億04百万円計上、今期11億02百万円計上)し、関係会社株式売却損2億85百万円を計上した。

 セグメント別営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同2.0倍の28億74百万円、韓国金融事業が55百万円の黒字(前年同期は42億30百万円の赤字)、東南アジア金融事業が57億73百万円の赤字(前年同期はなし)、総合エンターテインメント事業が1億18百万円の赤字(前年同期は4億21百万円の黒字)、不動産事業が同11.6%減の3億66百万円、投資事業が25億24百万円の黒字(前年同期は80百万円の赤字)、その他事業が1億40百万円の赤字(同1億41百万円の黒字)だった。

 国内金融事業はKCカード譲渡や構造改革などで人件費や利息返還損失引当金繰入額が減少した。韓国金融事業は営業収益の増加や前期に一時的要因として計上した債権売却損や貸倒引当金繰入額が減少した。東南アジア金融事業は財務健全化を図るため一時的要因として貸倒引当金を積み増したことや、Jトラストインドネシア銀行取得に係るのれん償却額が増加したことが影響した。総合エンターテインメント事業は前期取得したハイライツ・エンタテインメントの営業費用加算が影響した。不動産事業は前期大口売却の反動減となった。投資事業はJトラストアジアにおいて転換社債の評価益や転換時実現利益の計上が寄与した。

 四半期別の業績推移を見ると、営業収益は第1四半期(4月〜6月)194億90百万円、第2四半期(7月〜9月)182億88百万円、第3四半期(10月〜12月)201億69百万円、営業利益は第1四半期19億51百万円の赤字、第2四半期3億84百万円の赤字、第3四半期2億27百万円だった。

■16年3月期通期(IFRS任意適用)は黒字・増配予想

 前期(16年3月期)通期の連結業績予想(IFRS任意適用、5月25日公表)は、営業収益が819億円、営業利益が75億円、純利益が47億円の黒字予想としている。なお日本基準の前期(15年3月期)実績は、営業収益が632億81百万円、営業利益が52億17百万円の赤字、経常利益が23億85百万円の赤字、純利益が101億43百万円の黒字だった。配当予想(5月14日公表)は前々期比2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)で、予想配当性向は29.4%となる。

 なおセグメント別営業利益(IFRS基準、連結調整前)の計画は、国内金融事業が32億円、韓国金融事業が25億円、東南アジア金融事業が15億円、非金融・投資事業が6億円としている。東南アジア金融事業の不足分を国内金融事業および投資事業でカバーし、通期会社予想の達成を目指すとしている。

■中期経営計画で18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月策定の中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、目標数値は最終18年3月期の営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%としている。

 事業拡大が望めるアジアでの銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大するとともに、M&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラスト銀行インドネシアの不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けてM&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、当面はM&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性がありそうだ。ただし韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で、中期的に収益拡大が期待される。

■自己株式消却して株主還元

 なお15年12月29日付で自己株式消却を実施した。株主への利益還元として、15年5月26日〜11月11日に取得した自己株式625万株全てを消却した。

■株価は下値固め完了感

 株価の動きを見ると、3月の戻り高値圏950円近辺から一旦反落したが、2月安値668円まで下押すことなく下値固め完了感を強めている。

 4月19日の終値847円を指標面で見ると、前期推定連結PER(今期会社予想の連結EPS40円85銭で算出)は20〜21倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.4%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS1591円09銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約952億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、下値は13週移動平均線が支えている。調整が一巡して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月25日更新]

Jトラストは調整一巡して戻り歩調、16年3月期黒字・増配予想

 Jトラスト<8508>(東2)は金融事業を主力としている。国内外におけるM&Aや事業再編で業容を拡大させた。そして銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指し、特にインドネシアなどアジア地域での事業拡大を推進している。M&A・事業再編・不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性があるが、16年3月期黒字・増配予想である。金利低下もプラス要因だ。株価は調整が一巡して戻り歩調の展開だろう。

■金融事業を中心に国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内金融事業(事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取)を主力に、国内外でM&Aや債権承継などを積極活用し、不動産事業、アミューズメント事業、海外金融事業などに業容を拡大させた。

 なお16年3月期から事業セグメントを再構成し、国内金融事業(保証および債権回収業)、韓国金融事業(銀行業、リース・割賦業、債権買取・回収業)、東南アジア金融事業(銀行業、販売金融業)からなる金融事業と、アミューズメント事業(アミューズメント施設運営、娯楽機器製造)、不動産事業(注文住宅建設、収益物件の仕入・販売)、その他非金融事業(ITシステム事業など)からなる非金融事業とした。

 従来の短期的なM&A型の事業拡大から、銀行業を中心とする持続的な利益拡大へのステージアップを目指して、国内外において事業基盤の強化に取り組む方針だ。特にインドネシアなどアジア地域での事業拡大を推進している。

■国内金融事業は新規ビジネスも推進

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月に子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月にはJトラストベンチャーキャピタル合同会社が、SmartEbook<2330>の第1回無担保転換社債型新株予約権付社債および第6回新株予約権を引き受けた。企業ニーズに応えるファイナンス支援や事業支援などを通じて支援先企業の企業価値向上を追求し、グループ成長に繋げる方針だ。

 15年4月には選択と集中の観点から子会社クレディアの全株式を売却した。また15年4月には、日本最大のビットコイン取引所を営むBTCボックスの第三者割当増資を引き受けて同社を持分法適用会社化した。日本国内のビットコイン決済圏の確立、海外取引所の創設、新興国における新たな決済手段の構築、ビットコインを活用した新規ビジネスの創出を目指すとしている。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業では12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行(15年7月JT親愛貯蓄銀行に商号変更)が、未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。

 14年3月には韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月には韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付(11年4月子会社化)の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 15年1月には韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行の全株式を取得(JT貯蓄銀行に商号変更)し、15年3月には韓国スタンダードチャータードキャピタルの全株式を取得(JTキャピタルに商号変更)した。これによって、韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤の整備が図れたとしている。

 なおJTキャピタルは15年7月、住宅割賦金融債権の流動化(MBS)による資金調達(2000億ウォン=約214億円)を実施した。企業価値が韓国市場で認められ、従来のJトラストグループ依存から脱却し、今後の成長エンジンとなる資金調達方法の多様化が可能となった。

 15年10月には連結子会社のネオラインクレジット貸付およびハイキャピタル貸付の全株式を譲渡した。上記2社の正常債権は各貯蓄銀行に、不良債権はTA資産管理貸付有限会社に集中し、体制整備が完了したため株式譲渡を実施した。これによって上記2社は連結子会社から除外される。

■東南アジア金融事業はインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業では、13年12月シンガポールの子会社Jトラストアジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのムティアラ銀行を連結子会社化(15年6月Jトラスト銀行に商号変更)した。

 15年5月にはJトラストアジアがオートバイ販売金融事業を展開するタイのGLの転換社債を引き受けた。またJトラストアジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立した。

 15年10月にはJトラスト銀行(インドネシア)の不良債権(約220億円)をJトラスト・インベストメント・インドネシアに譲渡するとともに、当社によるJトラスト銀行(インドネシア)が実施する増資の引き受け、およびJトラストアジアによるJトラスト銀行(インドネシア)が発行する劣後債の引き受けを行った。本件債権譲渡は当社子会社間の債権譲渡であるため連結業績への影響は軽微としている。

 なおJトラスト銀行(インドネシア)に関して、ウェストン関連法人によりシンガポール裁判所に15年10月16日付で訴訟が提起された件について、12月4日に状況をリリースした。モーリシャス判決に基づく債務および利息債務の支払いを求める内容だが、8月10日付で開示したように、東京地方裁判所においてモーリシャス判決に基づく債務不存在確認訴訟を提起しており、当社の見解に変更はないとしている。

 15年12月には、15年5月に引き受けたタイGL社の転換社債の株式転換権を行使して発行済普通株式の6.43%を取得すると発表した。タイGL社はタイおよびカンボジアでオートバイ販売金融事業を展開し、インドネシアへの事業拡大を目指している。タイGL社を戦略的パートナーとして、インドネシアおよびASEAN市場でリース業およびコンシューマーファイナンス事業の成長を推進する。

 そして16年1月にはJトラストアジアが、タイGL社と共同でインドネシアにマルチファイナンス会社GLFIを設立(出資比率20%で持分法適用関連会社)し、インドネシアの消費者をターゲットとして割賦販売金融事業を展開すると発表した。

 なおアジアの不動産分野では、14年9月にシンガポールの不動産開発会社LCDの株式29.5%を取得して筆頭株主となったが、15年2月にLCDの大株主グループの1社であるAFグローバルが実施するTOBに応募して所有する全株式を譲渡した。

■非金融事業も強化

 非金融事業の国内不動産分野・アミューズメント分野では、アドアーズ<4712>(12年6月子会社化)を傘下に置いている。アドアーズは14年9月に韓国でカジノ事業を展開するJBアミューズメント(JBA)の第三者割当増資を引き受けて第2位株主となった。

 なおアドアーズは、14年11月に日本介護福祉グループを子会社化して介護事業に進出したが、15年8月に日本介護福祉グループの全株式を譲渡して介護事業を休止した。

■M&A・事業再編や不良債権処理などで収益変動

 15年3月期(日本基準)の四半期別推移を見ると、営業収益は第1四半期(4月〜6月)159億28百万円、第2四半期(7月〜9月)160億51百万円、第3四半期(10月〜12月)161億41百万円、第4四半期(1月〜3月)151億61百万円、営業利益は第1四半期3億58百万円の赤字、第2四半期22億74百万円の赤字、第3四半期6億89百万円の赤字、第4四半期18億96百万円の赤字だった。

 韓国・親愛貯蓄銀行で事業基盤強化に向けて積極的に不良債権処理を進め、韓国JT貯蓄銀行および韓国JTキャピタルの株式取得が遅れたことなどで営業赤字、経常赤字だった。純利益は負ののれん発生益計上で黒字だった。M&A・事業再編・不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性がある。

■16年3月期第3四半期累計は営業赤字が縮小

 今期(16年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)の連結業績は、営業収益が前年同期比20.4%増の579億47百万円、営業利益が21億08百万円の赤字(前年同期は33億21百万円の赤字)、経常利益が15億25百万円の赤字(同3億16百万円の赤字)、純利益が10億45百万円の赤字(同11億42百万円の赤字)だった。

 国内金融事業、韓国金融事業、投資事業の改善などで営業赤字が縮小した。営業総利益率は50.0%で同5.3ポイント低下、販管費比率は53.6%で同8.6ポイント低下した。営業外収益では為替差益が減少(前期30億14百万円計上、今期5億34百万円計上)した。特別利益では前期計上の負ののれん発生益10億42百万円が一巡したが、関係会社株式売却益6億01百万円、為替換算調整勘定取崩益8億30百万円を計上した。特別損失では減損損失が拡大(前期7億04百万円計上、今期11億02百万円計上)し、関係会社株式売却損2億85百万円を計上した。

 セグメント別営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同2.0倍の28億74百万円、韓国金融事業が55百万円の黒字(前年同期は42億30百万円の赤字)、東南アジア金融事業が57億73百万円の赤字(前年同期はなし)、総合エンターテインメント事業が1億18百万円の赤字(前年同期は4億21百万円の黒字)、不動産事業が同11.6%減の3億66百万円、投資事業が25億24百万円の黒字(前年同期は80百万円の赤字)、その他事業が1億40百万円の赤字(同1億41百万円の黒字)だった。

 国内金融事業はKCカード譲渡や構造改革などで人件費や利息返還損失引当金繰入額が減少した。韓国金融事業は営業収益の増加や前期に一時的要因として計上した債権売却損や貸倒引当金繰入額が減少した。東南アジア金融事業は財務健全化を図るため一時的要因として貸倒引当金を積み増したことや、Jトラストインドネシア銀行取得に係るのれん償却額が増加したことが影響した。総合エンターテインメント事業は前期取得したハイライツ・エンタテインメントの営業費用加算が影響した。不動産事業は前期大口売却の反動減となった。投資事業はJトラストアジアにおいて転換社債の評価益や転換時実現利益の計上が寄与した。

 四半期別の業績推移を見ると、営業収益は第1四半期(4月〜6月)194億90百万円、第2四半期(7月〜9月)182億88百万円、第3四半期(10月〜12月)201億69百万円、営業利益は第1四半期19億51百万円の赤字、第2四半期3億84百万円の赤字、第3四半期2億27百万円だった。

■16年3月期通期(IFRS任意適用)は黒字・増配予想

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想(IFRS任意適用、5月25日公表)は、営業収益が819億円、営業利益が75億円、純利益が47億円の黒字予想としている。なお日本基準の前期(15年3月期)実績は、営業収益が632億81百万円、営業利益が52億17百万円の赤字、経常利益が23億85百万円の赤字、純利益が101億43百万円の黒字だった。配当予想(5月14日公表)は前期比2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)で、予想配当性向は29.4%となる。

 なおセグメント別営業利益(IFRS基準、連結調整前)の計画は、国内金融事業が32億円、韓国金融事業が25億円、東南アジア金融事業が15億円、非金融・投資事業が6億円としている。東南アジア金融事業の不足分を国内金融事業および投資事業でカバーし、通期会社予想の達成を目指すとしている。

■中期経営計画で18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月策定の中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、目標数値は最終18年3月期の営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%としている。

 事業拡大が望めるアジアでの銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大するとともに、M&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラスト銀行インドネシアの不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けてM&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、当面はM&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性がありそうだ。ただし韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で、中期的に収益拡大が期待される。

■自己株式取得・消却して株主還元

 なお15年5月14日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限625万株、取得価額総額の上限75億円、取得期間15年5月26日〜16年3月31日)については、15年11月11日時点で累計取得株式総数が625万株、累計取得価額総額が62億6421万500円となって終了した。

 そして15年12月29日付で自己株式消却を実施した。株主への利益還元として15年5月26日〜11月11日に取得した自己株式625万株全てを消却した。

■株価は調整一巡して戻り歩調

 株価の動きを見ると、2月12日の昨年来安値668円から切り返して戻り歩調の展開だ。3月7日に942円、そして23日には949円まで上伸した。調整が一巡したようだ。

 3月24日の終値912円を指標面で見ると、今期予想連結PER(今期会社予想の連結EPS40円85銭で算出)は22〜23倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1591円09銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約1025億円である。

 日足チャートで見ると上向きに転じた25日移動平均線がサポートラインの形となった。また週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線突破の動きを強めている。強基調に転換して戻り歩調の展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月22日更新]

Jトラストは16年3月期黒字で増配予想、株主還元も積極姿勢

 Jトラスト<8508>(東2)は金融事業を主力として、国内外におけるM&Aや事業再編で業容を拡大させている。M&A・事業再編・不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性があるが、16年3月期は黒字・増配予想である。自己株式取得・消却も実施して株主還元も積極姿勢だ。株価は地合い悪化も影響して軟調展開だが売られ過ぎ感を強めている。反発のタイミングだろう。なお2月12日に第3四半期累計(4月〜12月)の業績発表を予定している。

■金融事業を中心に国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内金融事業(事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取)を主力に、国内外でM&Aや債権承継などを積極活用し、不動産事業、アミューズメント事業、海外金融事業などに業容拡大戦略を推進している。

 なお16年3月期から事業セグメントを再構成し、国内金融事業(保証および債権回収業)、韓国金融事業(銀行業、リース・割賦業、債権買取・回収業)、東南アジア金融事業(銀行業、販売金融業)からなる金融事業と、アミューズメント事業(アミューズメント施設運営、娯楽機器製造)、不動産事業(注文住宅建設、収益物件の仕入・販売)、その他非金融事業(ITシステム事業など)からなる非金融事業とした。

 従来の短期的なM&A型の事業拡大から、銀行業を中心とした持続的な利益拡大へのステージアップを目指して、国内外において事業基盤の強化に取り組む方針だ。

■国内金融事業は新規ビジネスも推進

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月に子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月にはJトラストベンチャーキャピタル合同会社が、SmartEbook<2330>の第1回無担保転換社債型新株予約権付社債および第6回新株予約権を引き受けた。企業ニーズに応えるファイナンス支援や事業支援などを通じて支援先企業の企業価値向上を追求し、グループ成長に繋げる方針だ。

 15年4月には選択と集中の観点から子会社クレディアの全株式を売却した。また15年4月には、日本最大のビットコイン取引所を営むBTCボックスの第三者割当増資を引き受けて同社を持分法適用会社化した。日本国内のビットコイン決済圏の確立、海外取引所の創設、新興国における新たな決済手段の構築、ビットコインを活用した新規ビジネスの創出を目指すとしている。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業では12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行(15年7月JT親愛貯蓄銀行に商号変更)が、未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。

 14年3月には韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月には韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付(11年4月子会社化)の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 15年1月には韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行の全株式を取得(JT貯蓄銀行に商号変更)し、15年3月には韓国スタンダードチャータードキャピタルの全株式を取得(JTキャピタルに商号変更)した。これによって、韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤の整備が図れたとしている。

 なおJTキャピタルは15年7月、住宅割賦金融債権の流動化(MBS)による資金調達(2000億ウォン=約214億円)を実施した。企業価値が韓国市場で認められ、従来のJトラストグループ依存から脱却し、今後の成長エンジンとなる資金調達方法の多様化が可能となった。

 15年10月には連結子会社のネオラインクレジット貸付およびハイキャピタル貸付の全株式を譲渡した。上記2社の正常債権は各貯蓄銀行に、不良債権はTA資産管理貸付有限会社に集中し、体制整備が完了したため株式譲渡を実施した。これによって上記2社は連結子会社から除外される。

■東南アジア金融事業はインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業では、13年12月シンガポールの子会社Jトラストアジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのムティアラ銀行を連結子会社化(15年6月Jトラスト銀行に商号変更)した。

 15年5月にはJトラストアジアがオートバイ販売金融事業を展開するタイのGLの転換社債を引き受けた。またJトラストアジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立した。

 15年10月にはJトラスト銀行(インドネシア)の不良債権(約220億円)をJトラスト・インベストメント・インドネシアに譲渡するとともに、当社によるJトラスト銀行(インドネシア)が実施する増資の引き受け、およびJトラストアジアによるJトラスト銀行(インドネシア)が発行する劣後債の引き受けを行った。本件債権譲渡は当社子会社間の債権譲渡であるため連結業績への影響は軽微としている。

 なおJトラスト銀行(インドネシア)に関して、ウェストン関連法人によりシンガポール裁判所に15年10月16日付で訴訟が提起された件について、12月4日に状況をリリースした。モーリシャス判決に基づく債務および利息債務の支払いを求める内容だが、8月10日付で開示したように、東京地方裁判所においてモーリシャス判決に基づく債務不存在確認訴訟を提起しており、当社の見解に変更はないとしている。

 12月28日には、15年5月に引き受けたタイGL社の転換社債の株式転換権を行使して発行済普通株式の6.43%を取得すると発表した。タイGL社はタイおよびカンボジアでオートバイ販売金融事業を展開し、インドネシアへの事業拡大を目指している。タイGL社を戦略的パートナーとして、インドネシアおよびASEAN市場でリース業およびコンシューマーファイナンス事業の成長を推進する。

 そして1月14日にはJトラストアジアが、タイGL社と共同でインドネシアにマルチファイナンス会社GLFIを設立(出資比率20%で持分法適用関連会社)し、インドネシアの消費者をターゲットとして割賦販売金融事業を展開すると発表した。

 なおアジアの不動産分野では、14年9月にシンガポールの不動産開発会社LCDの株式29.5%を取得して筆頭株主となったが、15年2月にLCDの大株主グループの1社であるAFグローバルが実施するTOBに応募して所有する全株式を譲渡した。

■非金融事業も強化

 非金融事業の国内不動産分野・アミューズメント分野では、アドアーズ<4712>(12年6月子会社化)を傘下に置いている。アドアーズは14年9月に韓国でカジノ事業を展開するJBアミューズメント(JBA)の第三者割当増資を引き受けて第2位株主となった。

 なおアドアーズは、14年11月に日本介護福祉グループを子会社化して介護事業に進出したが、15年8月に日本介護福祉グループの全株式を譲渡して介護事業を休止した。

■M&A・事業再編や不良債権処理などで収益変動

 15年3月期(日本基準)の四半期別推移を見ると、営業収益は第1四半期(4月〜6月)159億28百万円、第2四半期(7月〜9月)160億51百万円、第3四半期(10月〜12月)161億41百万円、第4四半期(1月〜3月)151億61百万円、営業利益は第1四半期3億58百万円の赤字、第2四半期22億74百万円の赤字、第3四半期6億89百万円の赤字、第4四半期18億96百万円の赤字だった。

 韓国・親愛貯蓄銀行で事業基盤強化に向けて積極的に不良債権処理を進め、韓国JT貯蓄銀行および韓国JTキャピタルの株式取得が遅れたことなどで営業赤字、経常赤字だった。純利益は負ののれん発生益計上で黒字だった。M&A・事業再編・不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性がある。

■16年3月期第2四半期累計は赤字縮小

 今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、営業収益が前年同期比18.1%増の377億78百万円で、営業利益が23億35百万円の赤字(前年同期は26億32百万円の赤字)、経常利益が22億円の赤字(同24億59百万円の赤字)、そして純利益が23億20百万円の赤字(同37億54百万円の赤字)だった。国内金融事業や韓国金融事業の収益改善が寄与して赤字が縮小した。

 セグメント別営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同92.6%増の15億61百万円、韓国金融事業が1億26百万円の赤字(前年同期は32億79百万円の赤字)、東南アジア金融事業が34億71百万円の赤字(前年同期はなし)、総合エンターテインメント事業が同86.3%減の54百万円、不動産事業が同27.4%減の2億60百万円、投資事業が7億02百万円(前年同期は39百万円の赤字)、その他事業が1億72百万円の赤字(同35百万円の黒字)だった。

 国内金融事業では利息返還損失引当金繰入額が減少した。韓国金融事業では営業収益の増加や前期に一時的要因として計上した債権売却損や貸倒引当金繰入額が減少した。東南アジア金融事業では、財務健全化を図るため一時的要因として貸倒引当金を積み増したことや、Jトラストインドネシア銀行取得に係るのれん償却額が増加したことが影響した。投資事業ではJトラストアジアにおいて営業有価証券の評価益を計上した。

 なお四半期別の推移を見ると、営業収益は第1四半期(4月〜6月)194億90百万円、第2四半期(7月〜9月)182億88百万円、営業利益は第1四半期19億51百万円の赤字、第2四半期3億84百万円の赤字だった。

■16年3月期(IFRS任意適用)は黒字予想

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想(IFRS任意適用、5月25日公表)は、営業収益が819億円、営業利益が75億円、純利益が47億円の黒字予想としている。日本基準の前期(15年3月期)実績は、営業収益が632億81百万円、営業利益が52億17百万円の赤字、経常利益が23億85百万円の赤字、純利益が101億43百万円の黒字だった。

 配当予想(5月14日公表)は前期比2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)としている。予想配当性向は29.4%となる。

■中期経営計画で18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月発表の中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、目標数値は最終18年3月期の営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%としている。

 事業拡大が望めるアジアでの銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大するとともに、M&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラスト銀行インドネシアの不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けてM&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、当面はM&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性がありそうだ。ただし韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で、中期的に収益拡大が期待される。

■自己株式取得・消却して株主還元

 15年5月14日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限625万株、取得価額総額の上限75億円、取得期間15年5月26日〜16年3月31日)については、15年11月11日時点で累計取得株式総数が625万株、累計取得価額総額が62億6421万500円となって終了した。

 また15年5月14日には当社筆頭株主である当社代表取締役藤澤信義氏より、今後の株価動向やその他の市場環境如何によっては、市場内立会取引によって当社株式を買い増す意向があることについて説明を受けたとしている。当然のことではあるが同氏は、金融商品取引法その他関連法令の規制を遵守するとしている。

 15年12月29日で自己株式消却を実施した。株主への利益還元として、15年5月26日〜11月11日に取得した自己株式625万株全てを消却した。

■株価は軟調展開だが売られ過ぎ感

 株価の動きを見ると、地合い悪化も影響して軟調展開だ。15年8月安値890円を割り込んで、1月21日には808円まで下押した。ただし売られ過ぎ感を強めている。調整の最終局面だろう。

 1月21日の終値808円を指標面で見ると、今期予想連結PER(今期会社予想の連結EPS40円85銭で算出)は19〜20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1591円09銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約908億円である。

 週足チャートで見ると900円台の下値支持線を割り込んだ形だが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が15%程度に拡大して売られ過ぎ感を強めている。反発のタイミングだろう。

(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月30日更新]

Jトラストは積極的な業容拡大戦略を評価

 Jトラスト<8508>(東2)は金融事業を主力として、国内外におけるM&Aや事業再編で業容を拡大させている。16年3月期第2四半期累計の業績は赤字幅が縮小した。株価は安値圏でモミ合う展開だが下値は限定的のようだ。積極的な業容拡大戦略を評価して出直り展開だろう。

■金融事業を中心に国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内金融事業(事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取)を主力に、国内外でM&Aや債権承継などを積極活用し、不動産事業、アミューズメント事業、海外金融事業などに業容拡大戦略を推進している。

 なお16年3月期から事業セグメントを再構成し、国内金融事業(保証および債権回収業)、韓国金融事業(銀行業、リース・割賦業、債権買取・回収業)、東南アジア金融事業(銀行業、販売金融業)からなる金融事業と、アミューズメント事業(アミューズメント施設運営、娯楽機器製造)、不動産事業(注文住宅建設、収益物件の仕入・販売)、その他非金融事業(ITシステム事業など)からなる非金融事業とした。

 従来の短期的なM&A型の事業拡大から、銀行業を中心とした持続的な利益拡大へのステージアップを目指して、国内外において事業基盤の強化に取り組む方針だ。

■国内金融事業は新規ビジネスも推進

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月に子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月にはJトラストベンチャーキャピタル合同会社が、SmartEbook<2330>の第1回無担保転換社債型新株予約権付社債および第6回新株予約権を引き受けた。企業ニーズに応えるファイナンス支援や事業支援などを通じて支援先企業の企業価値向上を追求し、グループ成長に繋げる方針だ。

 15年4月には選択と集中の観点から、子会社クレディアの全株式を売却した。16年3月期第1四半期の個別決算で関係会社売却益を計上するが、連結業績への影響は軽微としている。

 また15年4月には、日本最大のビットコイン取引所を営むBTCボックスの第三者割当増資を引き受けて同社を持分法適用会社化した。日本国内のビットコイン決済圏の確立、海外取引所の創設、新興国における新たな決済手段の構築、ビットコインを活用した新規ビジネスの創出を目指すとしている。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業では、12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行(15年7月JT親愛貯蓄銀行に商号変更)が、未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。

 また14年3月韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付(11年4月子会社化)の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 さらに15年1月には韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行の全株式を取得(JT貯蓄銀行に商号変更)し、15年3月には韓国スタンダードチャータードキャピタルの全株式を取得(JTキャピタルに商号変更)した。これによって、韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤の整備が図れたとしている。

 なおJTキャピタルは15年7月、住宅割賦金融債権の流動化(MBS)による資金調達(2000億ウォン=約214億円)を実施した。企業価値が韓国市場で認められ、従来のJトラストグループ依存から脱却し、今後の成長エンジンとなる資金調達方法の多様化が可能となった。

 15年10月には連結子会社のネオラインクレジット貸付およびハイキャピタル貸付の全株式を譲渡した。上記2社の正常債権は各貯蓄銀行に、不良債権はTA資産管理貸付有限会社に集中し、体制整備が完了したため株式譲渡を実施した。これによって上記2社は連結子会社から除外される。連結業績への影響は軽微としている。

■東南アジア金融事業はインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業では、13年12月シンガポールの子会社Jトラストアジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのムティアラ銀行を連結子会社化(15年6月Jトラストインドネシア銀行に商号変更)した。

 15年5月にはJトラストアジアがオートバイ販売金融事業を展開するタイのGLの転換社債を引き受けた。またJトラストアジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立した。

 また15年10月にはJトラストインドネシア銀行の不良債権(約220億円)をJトラスト・インベストメント・インドネシアに譲渡するとともに、当社によるJトラストインドネシア銀行が実施する増資の引き受け、およびJトラストアジアによるJトラストインドネシア銀行が発行する劣後債の引き受けを行った。本件債権譲渡は当社子会社間の債権譲渡であるため連結業績への影響は軽微としている。

 なおアジアの不動産分野では、14年9月にシンガポールの不動産開発会社LCDの株式29.5%を取得して筆頭株主となったが、15年2月にLCDの大株主グループの1社であるAFグローバルが実施するTOBに応募して所有する全株式を譲渡した。

■非金融事業も強化

 非金融事業の国内不動産分野・アミューズメント分野では、アドアーズ<4712>(12年6月子会社化)を傘下に置いている。アドアーズは14年9月に韓国でカジノ事業を展開するJBアミューズメント(JBA)の第三者割当増資を引き受けて第2位株主となった。

 なおアドアーズは、14年11月に日本介護福祉グループを子会社化して介護事業に進出したが、8月11日に日本介護福祉グループの全株式を譲渡して介護事業を休止すると発表している。

■M&A・事業再編や不良債権処理などで収益変動

 15年3月期(日本基準)の四半期別推移を見ると、営業収益は第1四半期(4月〜6月)159億28百万円、第2四半期(7月〜9月)160億51百万円、第3四半期(10月〜12月)161億41百万円、第4四半期(1月〜3月)151億61百万円で、営業利益は第1四半期3億58百万円の赤字、第2四半期22億74百万円の赤字、第3四半期6億89百万円の赤字、第4四半期18億96百万円の赤字だった。

 韓国・親愛貯蓄銀行で事業基盤強化に向けて積極的に不良債権処理を進めたことや、韓国JT貯蓄銀行および韓国JTキャピタルの株式取得が遅れたことなどで営業赤字、経常赤字だった。純利益は負ののれん発生益計上で黒字だった。M&A・事業再編や不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性がある。

■16年3月期(IFRS任意適用)は黒字予想

 11月13日発表の今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、営業収益が前年同期比18.1%増の377億78百万円、営業利益が23億35百万円の赤字(前年同期は26億32百万円の赤字)、経常利益が22億円の赤字(同24億59百万円の赤字)、純利益が23億20百万円の赤字(同37億54百万円の赤字)だった。国内金融事業や韓国金融事業の収益改善が寄与して赤字が縮小した。

 セグメント別営業利益(連結調整前)は、国内金融事業が同92.6%増の15億61百万円、韓国金融事業が1億26百万円の赤字(前年同期は32億79百万円の赤字)、東南アジア金融事業が34億71百万円の赤字(前年同期はなし)、総合エンターテインメント事業が同86.3%減の54百万円、不動産事業が同27.4%減の2億60百万円、投資事業が7億02百万円(前年同期は39百万円の赤字)、その他事業が1億72百万円の赤字(同35百万円の黒字)だった。

 国内金融事業では利息返還損失引当金繰入額が減少した。韓国金融事業では営業収益の増加や前期に一時的要因として計上した債権売却損や貸倒引当金繰入額が減少した。東南アジア金融事業では、財務健全化を図るため一時的要因として貸倒引当金を積み増したことや、Jトラストインドネシア銀行取得に係るのれん償却額が増加したことが影響した。投資事業ではJトラストアジアにおいて営業有価証券の評価益を計上した。

 なお四半期別の推移を見ると、営業収益は第1四半期(4月〜6月)194億90百万円、第2四半期(7月〜9月)182億88百万円、営業利益は第1四半期19億51百万円の赤字、第2四半期3億84百万円の赤字だった。

 通期の連結業績予想は、前回予想(IFRSを任意適用、5月25日公表)を据え置いて営業収益が819億円、営業利益が75億円、純利益が47億円の黒字予想としている。なお日本基準の前期(15年3月期)実績は営業収益が632億81百万円、営業利益が52億17百万円の赤字、経常利益が23億85百万円の赤字、純利益が101億43百万円の黒字だった。

 配当予想(5月14日公表)は前期比2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)としている。予想配当性向は29.4%となる。

 なお11月9日に連結子会社Jトラストカードからの剰余金の配当を受領したと発表した。16年3月期個別決算の営業収益に受取配当金123億05百万円を計上するが、連結子会社からの配当のため連結業績に与える影響はないとしている。

■中期経営計画で18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月発表の中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、目標数値は最終18年3月期の営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%とした。

 持続的に事業拡大が望めるアジアでの銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大するとともに、M&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラスト銀行インドネシアの不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けてM&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、当面はM&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性がありそうだ。ただし韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で、中期的に収益拡大が期待される。

■株価は安値圏でモミ合う展開だが下値限定的

 なお5月14日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限625万株、取得価額総額の上限75億円、取得期間15年5月26日〜16年3月31日)については、11月11日時点で累計取得株式総数625万株、累計取得価額総額62億6421万500円となって終了した。

 また5月14日には、当社筆頭株主である当社代表取締役藤澤信義氏より、今後の株価動向やその他の市場環境如何によっては、市場内立会取引によって当社株式を買い増す意向があることについて説明を受けたとしている。当然のことではあるが同氏は、金融商品取引法その他関連法令の規制を遵守するとしている。

 株価の動きを見ると、9月の戻り高値圏1100円台から反落し、安値圏の1000円近辺でモミ合う展開だ。ただし8月の年初来安値水準まで下押す動きは見られない。下値は限定的のようだ。

 11月27日の終値952円を指標面で見ると、今期予想連結PER(今期会社予想の連結EPS40円85銭で算出)は23〜24倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1591円09銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約1130億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、8月の年初来安値水準まで下押す動きは見られない。積極的な業容拡大戦略を評価して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月29日更新]

Jトラストは積極的な業容拡大戦略や自己株式取得を評価

Jトラストは積極的な業容拡大戦略や自己株式取得を評価

 Jトラスト<8508>(東2)は金融事業を主力として、国内外におけるM&Aや事業再編で業容を拡大させている。株価は9月の戻り高値から反落して調整局面だが、8月の年初来安値まで下押すことなく調整一巡感を強めている。積極的な業容拡大戦略や自己株式取得を評価して出直り展開だろう。なお11月12日に第2四半期累計(4月〜9月)の業績発表を予定している。

■金融事業を中心に国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内金融事業(事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取)を主力に、国内外でM&Aや債権承継などを積極活用し、不動産事業、アミューズメント事業、海外金融事業などに業容拡大戦略を推進している。

 なお16年3月期から事業セグメントを再構成し、国内金融事業(保証および債権回収業)、韓国金融事業(銀行業、リース・割賦業、債権買取・回収業)、東南アジア金融事業(銀行業、販売金融業)からなる金融事業と、アミューズメント事業(アミューズメント施設運営、娯楽機器製造)、不動産事業(注文住宅建設、収益物件の仕入・販売)、その他非金融事業(ITシステム事業など)からなる非金融事業とした。

 従来の短期的なM&A型の事業拡大から、銀行業を中心とした持続的な利益拡大へのステージアップを目指して、国内外において事業基盤の強化に取り組む方針だ。

■国内金融事業は新規ビジネスも推進

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月に子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月にはJトラストベンチャーキャピタル合同会社が、SmartEbook<2330>の第1回無担保転換社債型新株予約権付社債および第6回新株予約権を引き受けた。企業ニーズに応えるファイナンス支援や事業支援などを通じて支援先企業の企業価値向上を追求し、グループ成長に繋げる方針だ。

 15年4月には選択と集中の観点から、子会社クレディアの全株式を売却した。16年3月期第1四半期の個別決算で関係会社売却益を計上するが、連結業績への影響は軽微としている。

 また15年4月には、日本最大のビットコイン取引所を営むBTCボックスの第三者割当増資を引き受けて同社を持分法適用会社化した。日本国内のビットコイン決済圏の確立、海外取引所の創設、新興国における新たな決済手段の構築、ビットコインを活用した新規ビジネスの創出を目指すとしている。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業では、12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行(15年7月JT親愛貯蓄銀行に商号変更)が、未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。

 また14年3月韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付(11年4月子会社化)の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 さらに15年1月には韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行の全株式を取得(JT貯蓄銀行に商号変更)し、15年3月には韓国スタンダードチャータードキャピタルの全株式を取得(JTキャピタルに商号変更)した。これによって、韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤の整備が図れたとしている。

 なおJTキャピタルは15年7月、住宅割賦金融債権の流動化(MBS)による資金調達(2000億ウォン=約214億円)を実施した。企業価値が韓国市場で認められ、従来のJトラストグループ依存から脱却し、今後の成長エンジンとなる資金調達方法の多様化が可能となった。

 また10月15日には、連結子会社のネオラインクレジット貸付およびハイキャピタル貸付の全株式を譲渡したと発表している。上記2社の正常債権は各貯蓄銀行に、不良債権はTA資産管理貸付有限会社に集中し、体制整備が完了したため株式譲渡を実施した。これによって上記2社は連結子会社から除外される。連結業績への影響は軽微としている。

■東南アジア金融事業はインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業では、13年12月シンガポールの子会社Jトラストアジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのムティアラ銀行を連結子会社化(15年6月Jトラストインドネシア銀行に商号変更)した。

 15年5月にはJトラストアジアがオートバイ販売金融事業を展開するタイのGLの転換社債を引き受けた。またJトラストアジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立した。

 また10月23日には、Jトラストインドネシア銀行の不良債権(約220億円)をJトラスト・インベストメント・インドネシアに譲渡するとともに、当社によるJトラストインドネシア銀行が実施する増資の引き受け、およびJトラストアジアによるJトラストインドネシア銀行が発行する劣後債の引き受けを行ったと発表している。本件債権譲渡は当社子会社間の債権譲渡であるため連結業績への影響は軽微としている。

 なおアジアの不動産分野では、14年9月にシンガポールの不動産開発会社LCDの株式29.5%を取得して筆頭株主となったが、15年2月にLCDの大株主グループの1社であるAFグローバルが実施するTOBに応募して所有する全株式を譲渡した。

■非金融事業も強化

 非金融事業の国内不動産分野・アミューズメント分野では、アドアーズ<4712>(12年6月子会社化)を傘下に置いている。アドアーズは14年9月に韓国でカジノ事業を展開するJBアミューズメント(JBA)の第三者割当増資を引き受けて第2位株主となった。

 なおアドアーズは、14年11月に日本介護福祉グループを子会社化して介護事業に進出したが、8月11日に日本介護福祉グループの全株式を譲渡して介護事業を休止すると発表している。

■M&A・事業再編や不良債権処理などで収益変動

 15年3月期(日本基準)の四半期別推移を見ると、営業収益は第1四半期(4月〜6月)159億28百万円、第2四半期(7月〜9月)160億51百万円、第3四半期(10月〜12月)161億41百万円、第4四半期(1月〜3月)151億61百万円で、営業利益は第1四半期3億58百万円の赤字、第2四半期22億74百万円の赤字、第3四半期6億89百万円の赤字、第4四半期18億96百万円の赤字だった。

 韓国・親愛貯蓄銀行で事業基盤強化に向けて積極的に不良債権処理を進めたことや、韓国JT貯蓄銀行および韓国JTキャピタルの株式取得が遅れたことなどで営業赤字、経常赤字だった。純利益は負ののれん発生益計上で黒字だった。M&A・事業再編や不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性がある。

■16年3月期(IFRS任意適用)は黒字予想

 今期(16年3月期)の連結業績予想(IFRSを任意適用、5月25日公表)は営業収益が819億円、営業利益が75億円、純利益が47億円の黒字予想としている。日本基準の前期(15年3月期)実績は営業収益が632億81百万円、営業利益が52億17百万円の赤字、経常利益が23億85百万円の赤字、純利益が101億43百万円の黒字だった。

 配当予想(5月14日公表)は前期比2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)としている。予想配当性向は30.2%となる。

 第1四半期(4月〜6月)は営業収益が前年同期比22.4%増の194億90百万円、営業利益が19億51百万円の赤字(前年同期は3億58百万円の赤字)、経常利益が15億85百万円の赤字(同2億94百万円の赤字)、純利益が27億89百万円の赤字(同3億95百万円の赤字)だった。営業収益は概ね計画水準だったが、Jトラストインドネシア銀行の収益改善遅れなどで営業利益は計画を下回ったようだ。

 営業収益は、国内金融事業でKCカードやクレディアなどが連結除外となったため減収だが、一方で韓国や東南アジアにおいて連結子会社が増加し、JT親愛貯蓄銀行の収益増加なども寄与して大幅増収だった。

 利益面では、韓国金融事業が営業黒字化したが、Jトラストインドネシア銀行の新規連結、および貸倒引当金追加繰入、のれん償却などで全体として営業赤字が拡大した。

■中期経営計画で18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月発表の中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、目標数値は最終18年3月期の営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%とした。

 持続的に事業拡大が望めるアジアでの銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大するとともに、M&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラスト銀行インドネシアの不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けてM&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、当面はM&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性がありそうだ。ただし韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で、中期的に収益拡大が期待される。

■株価は9月の戻り高値から反落したが調整一巡感

 なお5月14日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限625万株、取得価額総額の上限75億円、取得期間15年5月26日〜16年3月31日)については、9月30日時点で累計取得株式総数361万3300株、累計取得価額総額36億4615万6500円となっている。

 また5月14日には、当社筆頭株主である当社代表取締役藤澤信義氏より、今後の株価動向やその他の市場環境如何によっては、市場内立会取引によって当社株式を買い増す意向があることについて説明を受けたとしている。当然のことではあるが同氏は、金融商品取引法その他関連法令の規制を遵守するとしている。

 株価の動きを見ると、株価は9月の戻り高値1135円から反落して調整局面だが、8月の年初来安値890円まで下押すことなく、1000円近辺で推移して調整一巡感を強めている。

 10月28日の終値984円を指標面で見ると、今期予想連結PER(今期会社予想の連結EPS39円77銭で算出)は24〜25倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1591円09銭で算出)は0.6倍近辺である。なお時価総額は約1168億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形となった。そして再び13週移動平均線を割り込んだ。ただし8月の年初来安値水準まで下押す動きは見られない。1000円近辺が下値支持線のようだ。積極的な業容拡大戦略や自己株式取得を評価して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月25日更新]

Jトラストは8月安値で底打ち、業容拡大戦略や自己株式取得を評価

 Jトラスト[8508](東2)は金融事業を主力として、国内外におけるM&Aや事業再編で業容を拡大させている。株価は8月の年初来安値で底打ちして強基調に転換する動きのようだ。積極的な業容拡大戦略や自己株式取得を評価して出直り展開だろう。

■金融事業を中心に国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内金融事業(事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取)を主力に、国内外でM&Aや債権承継などを積極活用し、不動産事業、アミューズメント事業、海外金融事業などに業容拡大戦略を推進している。

 なお16年3月期から事業セグメントを再構成し、国内金融事業(保証および債権回収業)、韓国金融事業(銀行業、リース・割賦業、債権買取・回収業)、東南アジア金融事業(銀行業、販売金融業)からなる金融事業と、アミューズメント事業(アミューズメント施設運営、娯楽機器製造)、不動産事業(注文住宅建設、収益物件の仕入・販売)、その他非金融事業(ITシステム事業など)からなる非金融事業とした。

 従来の短期的なM&A型の事業拡大から、銀行業を中心とした持続的な利益拡大へのステージアップを目指して、国内外において事業基盤の強化に取り組む方針だ。

■国内金融事業は新規ビジネスも推進

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月に子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月にはJトラストベンチャーキャピタル合同会社が、SmartEbook<2330>の第1回無担保転換社債型新株予約権付社債および第6回新株予約権を引き受けた。企業ニーズに応えるファイナンス支援や事業支援などを通じて支援先企業の企業価値向上を追求し、グループ成長に繋げる方針だ。

 15年4月には選択と集中の観点から、子会社クレディアの全株式を売却した。16年3月期第1四半期の個別決算で関係会社売却益を計上するが、連結業績への影響は軽微としている。

 また15年4月には、日本最大のビットコイン取引所を営むBTCボックスの第三者割当増資を引き受けて同社を持分法適用会社化した。日本国内のビットコイン決済圏の確立、海外取引所の創設、新興国における新たな決済手段の構築、ビットコインを活用した新規ビジネスの創出を目指すとしている。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業では、12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行(15年7月JT親愛貯蓄銀行に商号変更)が、未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。

 また14年3月韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付(11年4月子会社化)の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 さらに15年1月には韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行の全株式を取得(JT貯蓄銀行に商号変更)し、15年3月には韓国スタンダードチャータードキャピタルの全株式を取得(JTキャピタルに商号変更)した。これによって、韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤の整備が図れたとしている。

 なおJTキャピタルは7月24日、住宅割賦金融債権の流動化(MBS)による資金調達(2000億ウォン=約214億円)を実施した。企業価値が韓国市場で認められ、従来のJトラストグループ依存から脱却し、今後の成長エンジンとなる資金調達方法の多様化が可能となった。

■東南アジア金融事業はインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業では、13年12月シンガポールの子会社Jトラスト・アジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのムティアラ銀行を連結子会社化(15年6月Jトラスト銀行インドネシアに商号変更)した。

 15年5月にはJトラスト・アジアがオートバイ販売金融事業を展開するタイのGLの転換社債を引き受けた。またJトラスト・アジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立した。

 なおアジアの不動産分野では、14年9月にシンガポールの不動産開発会社LCDの株式29.5%を取得して筆頭株主となったが、15年2月にLCDの大株主グループの1社であるAFグローバルが実施するTOBに応募して所有する全株式を譲渡した。

■非金融事業も強化

 非金融事業の国内不動産分野・アミューズメント分野では、アドアーズ<4712>(12年6月子会社化)を傘下に置いている。アドアーズは14年9月に韓国でカジノ事業を展開するJBアミューズメント(JBA)の第三者割当増資を引き受けて第2位株主となった。

 なおアドアーズは、14年11月に日本介護福祉グループを子会社化して介護事業に進出したが、8月11日に日本介護福祉グループの全株式を譲渡して介護事業を休止すると発表している。

■16年3月期(IFRS任意適用)は黒字予想

 15年3月期(日本基準)の四半期別推移を見ると、営業収益は第1四半期(4月〜6月)159億28百万円、第2四半期(7月〜9月)160億51百万円、第3四半期(10月〜12月)161億41百万円、第4四半期(1月〜3月)151億61百万円で、営業利益は第1四半期3億58百万円の赤字、第2四半期22億74百万円の赤字、第3四半期6億89百万円の赤字、第4四半期18億96百万円の赤字だった。

 韓国・親愛貯蓄銀行で事業基盤強化に向けて積極的に不良債権処理を進めたことや、韓国JT貯蓄銀行および韓国JTキャピタルの株式取得が遅れたことなどで営業赤字、経常赤字だった。純利益は負ののれん発生益計上で黒字だった。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(IFRSを任意適用、5月25日公表)は営業収益が819億円、営業利益が75億円、純利益が47億円の黒字予想としている。日本基準の前期(15年3月期)実績は営業収益が632億81百万円、営業利益が52億17百万円の赤字、経常利益が23億85百万円の赤字、純利益が101億43百万円の黒字だった。

 配当予想(5月14日公表)は前期比2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)としている。予想配当性向は30.2%となる。

 第1四半期(4月〜6月)は営業収益が前年同期比22.4%増の194億90百万円、営業利益が19億51百万円の赤字(前年同期は3億58百万円の赤字)、経常利益が15億85百万円の赤字(同2億94百万円の赤字)、純利益が27億89百万円の赤字(同3億95百万円の赤字)だった。営業収益は概ね計画水準だったが、Jトラスト銀行インドネシアの収益改善遅れなどで営業利益は計画を下回ったようだ。

 営業収益は、国内金融事業でKCカードやクレディアなどが連結除外となったため減収だが、一方で韓国や東南アジアにおいて連結子会社が増加し、JT親愛貯蓄銀行の収益増加なども寄与して大幅増収だった。

 利益面では、韓国金融事業が営業黒字化したが、Jトラスト銀行インドネシアの新規連結、および貸倒引当金追加繰入、のれん償却などで全体として営業赤字が拡大した。

■中期経営計画で18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月発表の中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、目標数値は最終18年3月期の営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%とした。

 持続的に事業拡大が望めるアジアでの銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大するとともに、M&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラスト銀行インドネシアの不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けてM&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、当面はM&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性がありそうだ。ただし韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で、中期的に収益拡大が期待される。

■株価は調整一巡して強基調に転換の可能性

 なお5月14日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限625万株、取得価額総額の上限75億円、取得期間15年5月26日〜16年3月31日)については、8月31日時点で累計取得株式総数199万1800株、累計取得価額総額19億1676万300円となっている。

 また5月14日には、当社筆頭株主である当社代表取締役藤澤信義氏より、今後の株価動向やその他の市場環境如何によっては、市場内立会取引によって当社株式を買い増す意向があることについて説明を受けたとしている。当然のことではあるが同氏は、金融商品取引法その他関連法令の規制を遵守するとしている。

 株価の動きを見ると、5月の年初来高値1335円から反落して調整局面だったが、悪地合いも影響した8月25日の年初来安値890円から切り返す展開となった。9月11日には1141円まで上伸した。9月以降は悪地合いの影響が限定的であり、8月の年初来安値で底打ちしたようだ。

 9月24日の終値1013円を指標面で見ると、今期予想連結PER(今期会社予想の連結EPS39円77銭で算出)は25〜26倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1591円09銭で算出)は0.6倍近辺である。なお時価総額は約1202億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を突破した。また週足チャートで見ると13週移動平均線、さらに26週移動平均線突破の動きも強めている。8月の年初来安値で底打ちして強基調に転換する動きのようだ。積極的な業容拡大戦略や自己株式取得を評価して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月01日更新]

Jトラストは調整一巡して強基調に転換の動き、自己株式取得も評価材料

 Jトラスト[8508](東2)は金融事業を主力として、国内外におけるM&Aや事業再編で業容を拡大させている。株価は地合い悪化も影響して8月25日に年初来安値890円まで調整したが、28日には1022円まで戻した。調整が一巡して強基調に転換する動きのようだ。自己株式取得も評価材料として出直り展開だろう。

■金融事業が主力、国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内金融事業(事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取)を主力に、国内外でM&Aや債権承継などを積極活用し、不動産事業、アミューズメント事業、海外金融事業などに業容拡大戦略を推進している。

 なお16年3月期から事業セグメントを再構成し、国内金融事業(保証および債権回収業)、韓国金融事業(銀行業、リース・割賦業、債権買取・回収業)、東南アジア金融事業(銀行業、販売金融業)からなる金融事業と、アミューズメント事業(アミューズメント施設運営、娯楽機器製造)、不動産事業(注文住宅建設、収益物件の仕入・販売)、その他非金融事業(ITシステム事業など)からなる非金融事業とする。

■国内金融事業は新規ビジネスも推進

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月に子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月にはJトラストベンチャーキャピタル合同会社が、SmartEbook<2330>の第1回無担保転換社債型新株予約権付社債および第6回新株予約権を引き受けた。企業ニーズに応えるファイナンス支援や事業支援などを通じて支援先企業の企業価値向上を追求し、グループ成長に繋げる方針だ。

 15年4月には選択と集中の観点から、子会社クレディアの全株式を売却した。16年3月期第1四半期の個別決算で関係会社売却益を計上するが、連結業績への影響は軽微としている。

 また15年4月には、日本最大のビットコイン取引所を営むBTCボックスの第三者割当増資を引き受けて同社を持分法適用会社化した。日本国内のビットコイン決済圏の確立、海外取引所の創設、新興国における新たな決済手段の構築、ビットコインを活用した新規ビジネスの創出を目指すとしている。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が概ね完了

 韓国金融事業では、12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行(15年7月JT親愛貯蓄銀行に商号変更)が、未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。

 また14年3月韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付(11年4月子会社化)の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 さらに15年1月には韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行の全株式を取得(JT貯蓄銀行に商号変更)し、15年3月には韓国スタンダードチャータードキャピタルの全株式を取得(JTキャピタルに商号変更)した。これによって、韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤の整備が図れたとしている。

 なおJTキャピタルは7月24日、住宅割賦金融債権の流動化(MBS)による資金調達(2000億ウォン=約214億円)を実施した。企業価値が韓国市場で認められ、従来のJトラストグループ依存から脱却し、今後の成長エンジンとなる資金調達方法の多様化が可能となった。

■東南アジア金融事業はインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業では、13年12月シンガポールの子会社Jトラスト・アジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのムティアラ銀行を連結子会社化(15年6月Jトラスト銀行インドネシアに商号変更)した。

 15年5月にはJトラスト・アジアがオートバイ販売金融事業を展開するタイのGLの転換社債を引き受けた。またJトラスト・アジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立した。

 なおアジアの不動産分野では、14年9月にシンガポールの不動産開発会社LCDの株式29.5%を取得して筆頭株主となったが、15年2月にLCDの大株主グループの1社であるAFグローバルが実施するTOBに応募して所有する全株式を譲渡した。

■非金融事業も強化

 非金融事業の国内不動産分野・アミューズメント分野では、アドアーズ<4712>(12年6月子会社化)を傘下に置いている。アドアーズは14年9月に韓国でカジノ事業を展開するJBアミューズメント(JBA)の第三者割当増資を引き受けて第2位株主となった。

 なおアドアーズは、14年11月に日本介護福祉グループを子会社化して介護事業に進出したが、8月11日に日本介護福祉グループの全株式を譲渡して介護事業を休止すると発表している。

■16年3月期(IFRS任意適用)は黒字予想

 15年3月期(日本基準)の四半期別推移を見ると、営業収益は第1四半期(4月〜6月)159億28百万円、第2四半期(7月〜9月)160億51百万円、第3四半期(10月〜12月)161億41百万円、第4四半期(1月〜3月)151億61百万円で、営業利益は第1四半期3億58百万円の赤字、第2四半期22億74百万円の赤字、第3四半期6億89百万円の赤字、第4四半期18億96百万円の赤字だった。

 韓国・親愛貯蓄銀行で事業基盤強化に向けて積極的に不良債権処理を進めたことや、韓国JT貯蓄銀行および韓国JTキャピタルの株式取得が遅れたことなどで営業赤字、経常赤字だった。純利益は負ののれん発生益計上で黒字だった。

 8月12日に発表した今期(16年3月期)第1四半期(4月〜6月)の連結業績は、営業収益が前年同期比22.4%増の194億90百万円、営業利益が19億51百万円の赤字(前年同期は3億58百万円の赤字)、経常利益が15億85百万円の赤字(同2億94百万円の赤字)、純利益が27億89百万円の赤字(同3億95百万円の赤字)だった。営業収益は概ね計画水準だったが、Jトラスト銀行インドネシアの収益改善遅れなどで営業利益は計画を下回ったようだ。

 営業収益は、国内金融事業でKCカードやクレディアなどが連結除外となって減収だが、一方で韓国や東南アジアで連結子会社が増加し、JT親愛貯蓄銀行の収益増加なども寄与して大幅増収だった。

 利益面では、韓国金融事業が営業黒字化したが、Jトラスト銀行インドネシアの新規連結、および貸倒引当金追加繰入、のれん償却などで全体として営業赤字が拡大した。

 通期の連結業績予想は前回予想(IFRSを任意適用、5月25日公表)を据え置いて、売上高が819億円、営業利益が75億円、純利益が47億円の黒字予想としている。配当予想も前回予想(5月14日公表)を据え置いて、前期比2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)としている。予想配当性向は30.2%となる。

■中期経営計画で18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月発表の中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、目標数値は最終18年3月期の営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%とした。

 成長を遂げるアジアにおいて持続的に事業拡大が望める銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大し、M&A活用による新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラスト銀行インドネシアの不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けてM&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、当面はM&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性がありそうだ。ただし韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で、中期的に収益拡大が期待される。

■株価は調整一巡して強基調に転換の可能性

 5月14日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限625万株、取得価額総額の上限75億円、取得期間15年5月26日〜16年3月31日)については、7月31日時点で取得株式数0株となっている。

 また5月14日には、当社筆頭株主である当社代表取締役藤澤信義氏より、今後の株価動向やその他の市場環境如何によっては、市場内立会取引によって当社株式を買い増す意向があることについて説明を受けたとしている。当然のことではあるが同氏は、金融商品取引法その他関連法令の規制を遵守するとしている。

 7月30日には、アプロファイナンシャル貸付(旧商号A&Pフィナンシャル貸付)から提起された損倍賠償請求訴訟について、東京高等裁判所から本件控訴を棄却するとの控訴審判決の言い渡しがあったと発表している。当社の主張が全面的に認められた。

 また8月10日には債務不存在確認訴訟の訴状を東京地方裁判所に提出したと発表している。本件訴訟を通じて、Jトラスト銀行インドネシアに関して、ウェストン関連法人に対して債務を負っていないことの確認を求めていく予定としている。

 株価の動きを見ると、5月の年初来高値1335円から反落後は調整局面が続き、地合い悪化も影響して8月25日には年初来安値890円まで調整する場面があった。ただし28日には1022円まで戻して調整一巡感を強めている。

 8月28日の終値1019円を指標面で見ると、今期予想連結PER(今期会社予想の連結EPS39円77銭で算出)は25〜26倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1591円09銭で算出)は0.6倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を突破した。調整が一巡して強基調に転換する動きのようだ。自己株式取得も評価材料として出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[7月29日更新]

Jトラストは下値支持線に到達して反発のタイミング、自己株式取得も評価材料

 Jトラスト[8508](東2)は金融事業を主力として、国内外におけるM&Aや事業再編で業容を拡大させている。株価は5月の年初来高値1335円から反落し、地合い悪化も影響して7月9日に994円、28日に998円まで調整する場面があった。ただし1000円近辺の下値支持線に到達して反発のタイミングだろう。自己株式取得も評価材料だ。なお8月12日に第1四半期(4月〜6月)の業績発表を予定している。

■国内金融事業を主力に、国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内金融事業(事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取)を主力に、国内外でM&Aや債権承継などを積極活用し、不動産事業、アミューズメント事業、海外事業などに業容拡大戦略を推進している。

 なお16年3月期から事業セグメントを再構成し、国内金融事業(保証および債権回収業)、韓国金融事業(銀行業、リース・割賦業、債権買取・回収業)、東南アジア金融事業(銀行業、販売金融業)からなる金融事業と、アミューズメント事業(アミューズメント施設運営、娯楽機器製造)、不動産事業(注文住宅建設、収益物件の仕入・販売)、その他非金融事業(介護事業、ITシステム事業)からなる非金融事業とする。

■国内金融事業は新規ビジネスも推進

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月に子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月にはJトラストベンチャーキャピタル合同会社が、SmartEbook[2330]の第1回無担保転換社債型新株予約権付社債および第6回新株予約権を引き受けた。企業ニーズに応えるファイナンス支援や事業支援などを通じて支援先企業の企業価値向上を追求し、グループ成長に繋げる方針だ。

 15年4月には選択と集中の観点から、子会社クレディアの全株式を売却した。16年3月期第1四半期の個別決算で関係会社売却益を計上するが、連結業績への影響は軽微としている。

 また15年4月には、日本最大のビットコイン取引所を営むBTCボックスの第三者割当増資を引き受けて同社を持分法適用会社化した。日本国内のビットコイン決済圏の確立、海外取引所の創設、新興国における新たな決済手段の構築、ビットコインを活用した新規ビジネスの創出を目指すとしている。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が概ね完了

 韓国金融事業では、12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行(15年7月JT親愛貯蓄銀行に商号変更)が、未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。

 また14年3月韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付(11年4月子会社化)の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 さらに15年1月には韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行の全株式を取得(JT貯蓄銀行に商号変更)し、15年3月には韓国スタンダードチャータードキャピタルの全株式を取得(JTキャピタルに商号変更)した。これによって、韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤の整備が図れたとしている。

 なおJTキャピタルは7月24日、住宅割賦金融債権の流動化(MBS)による資金調達(2000億ウォン=約214億円)を実施した。企業価値が韓国市場で認められ、従来のJトラストグループ依存から脱却し、今後の成長エンジンとなる資金調達方法の多様化が可能となった、

■東南アジア金融事業はインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業では、13年12月シンガポールの子会社Jトラスト・アジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのムティアラ銀行を連結子会社化(15年6月Jトラスト銀行インドネシアに商号変更)した。

 15年5月にはJトラスト・アジアがオートバイ販売金融事業を展開するタイのGLの転換社債を引き受けた。またJトラスト・アジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立した。

 なおアジアの不動産分野では、14年9月にシンガポールの不動産開発会社LCDの株式29.5%を取得して筆頭株主となったが、15年2月にLCDの大株主グループの1社であるAFグローバルが実施するTOBに応募して所有する全株式を譲渡した。

■非金融事業では介護事業にも進出

 非金融事業の国内不動産分野・アミューズメント分野では、アドアーズ[4712](12年6月子会社化)を傘下に置いている。

 アドアーズは14年9月に韓国でカジノ事業を展開するJBアミューズメント(JBA)の第三者割当増資を引き受けて第2位株主となった。また14年11月に日本介護福祉グループを子会社化して介護事業に進出した。

■16年3月期(IFRS任意適用)は黒字予想

 なお15年3月期(日本基準)の四半期別推移を見ると、営業収益は第1四半期(4月〜6月)159億28百万円、第2四半期(7月〜9月)160億51百万円、第3四半期(10月〜12月)161億41百万円、第4四半期(1月〜3月)151億61百万円で、営業利益は第1四半期3億58百万円の赤字、第2四半期22億74百万円の赤字、第3四半期6億89百万円の赤字、第4四半期18億96百万円の赤字だった。

 韓国・親愛貯蓄銀行で事業基盤強化に向けて積極的に不良債権処理を進めたことや、韓国JT貯蓄銀行および韓国JTキャピタルの株式取得が遅れたことなどで営業赤字、経常赤字だった。純利益は負ののれん発生益計上で黒字だった。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(IFRSを任意適用、5月25日公表)は、売上高が819億円、営業利益が75億円、純利益が47億円の黒字予想としている。

 東南アジア金融事業においては、Jトラスト銀行インドネシアの再生に向けて、不良債権比率を低下させて財務健全性を高めるとしている。

 なお配当予想(5月14日公表)は前期比2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)としている。予想配当性向は30.2%となる。

■中期経営計画で18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月発表の中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、目標数値は最終18年3月期の営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%とした。

 成長を遂げるアジアにおいて持続的に事業拡大が望める銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を大幅縮小し、不動産関連の保証事業、債権回収事業の拡大、M&A活用による新分野への進出を目指す。韓国金融事業では各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラスト銀行インドネシアの財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けてM&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、当面はM&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性がありそうだ。ただし韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で、中期的に収益拡大が期待される。

■株価は下値支持線から反発のタイミング、自己株式取得も評価

 なお5月14日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限625万株、取得価額総額の上限75億円、取得期間15年5月26日〜16年3月31日)については、6月30日時点で取得株式数0株となっている。

 また5月14日には、当社筆頭株主である当社代表取締役藤澤信義氏より、今後の株価動向やその他の市場環境如何によっては、市場内立会取引によって当社株式を買い増す意向があることについて説明を受けたとしている。当然のことではあるが同氏は、金融商品取引法その他関連法令の規制を遵守するとしている。

 株価の動きを見ると、5月の年初来高値1335円から反落して水準を切り下げ、全般地合い悪化も影響して7月9日に994円まで調整する場面があった。その後もやや反発力の鈍い展開で、28日には998円まで調整する場面があった。

 7月28日の終値1023円を指標面で見ると、今期予想連結PER(今期会社予想の連結EPS39円77銭で算出)は25〜26倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1591円09銭で算出)は0.6倍近辺である。

 年初来高値圏からほぼ一本調子に水準を切り下げたが、週足チャートで見ると1000円近辺の下値支持線に到達して反発のタイミングのようだ。自己株式取得も評価材料として出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月30日更新]

Jトラストは下値固め完了して切り返し、中期経営計画も評価
 Jトラスト<8508>(東2)は金融事業を主力として、国内外におけるM&Aや事業再編で業容を拡大させている。株価は1000円近辺での下値固めが完了して切り返し、5月の年初来高値1335円まで上伸した。その後は利益確定売りなどで一旦反落したが、中期経営計画も評価して出直りの流れに変化はないだろう。

■金融事業が主力、国内外でM&A活用して東南アジアへも積極展開

 M&Aや債権承継などを積極活用して業容拡大戦略を推進し、国内金融事業(事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取)、不動産事業、アミューズメント事業、海外事業(消費者金融業、貯蓄銀行業)、その他の事業(システム開発など)を展開している。

 国内金融分野では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、商号をJトラストカードに変更、15年5月完全子会社化)など、国内不動産分野・アミューズメント分野ではアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)を傘下に置いている。

 海外金融分野では韓国での事業基盤確立を推進している。12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行(15年7月JT親愛貯蓄銀行に商号変更)は、未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。

 14年3月に韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月に韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付、および韓国・ネオラインクレジット貸付(11年4月子会社化)の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 15年1月には韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行の全株式を取得(JT貯蓄銀行に商号変更)し、15年3月には韓国スタンダードチャータードキャピタルの全株式を取得(JTキャピタルに商号変更)した。これによって、韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤の整備が図れたとしている。

 アジアへの展開については、13年12月子会社Jトラスト・アジア(シンガポール)がマヤパダ銀行(インドネシア)と資本業務提携し、14年11月ムティアラ銀行(インドネシア)(15年6月Jトラスト銀行インドネシアに商号変更)を連結子会社化した。

 15年5月にはJトラスト・アジアを通じてオートバイ販売金融事業のGL(タイ)の転換社債を引き受け、Jトラスト・アジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアの設立が完了した。

 なおアジアの不動産分野では、14年9月にシンガポールの不動産開発会社LCDの株式29.5%を取得して筆頭株主となったが、15年2月にLCDの大株主グループの1社であるAFグローバルが実施するTOBに応募して所有する全株式を譲渡した。

 アミューズメント分野では14年9月、子会社アドアーズが韓国でカジノ事業を展開するJBアミューズメント(JBA)の第三者割当増資を引き受けて第2位株主となった。またアドアーズは14年11月に日本介護福祉グループを子会社化して介護事業に進出した。

 連結子会社のJトラストベンチャーキャピタル合同会社は、15年3月にSmartEbook<2330>が発行する第1回無担保転換社債型新株予約権付社債および第6回新株予約権を引き受けた。企業ニーズに応えるファイナンス支援や事業支援などを通じて支援先企業の企業価値向上を追求し、グループ成長に繋げる方針だ。

 なお15年4月には選択と集中の観点から子会社化クレディアの全株式を売却した。16年3月期第1四半期の個別決算で関係会社売却益を計上するが、連結業績への影響は軽微としている。

 15年4月には、日本最大のビットコイン取引所を営むBTCボックスが第三者割当により発行する普通株式を引き受け、同社を持分法適用会社化した。日本国内のビットコイン決済圏の確立、海外取引所の創設、新興国における新たな決済手段の構築、ビットコインを活用した新規ビジネスの創出を目指すとしている。

■16年3月期(IFRS任意適用)は黒字予想

 なお15年3月期(日本基準)の四半期別推移を見ると、営業収益は第1四半期(4月〜6月)159億28百万円、第2四半期(7月〜9月)160億51百万円、第3四半期(10月〜12月)161億41百万円、第4四半期(1月〜3月)151億61百万円で、営業利益は第1四半期3億58百万円の赤字、第2四半期22億74百万円の赤字、第3四半期6億89百万円の赤字、第4四半期18億96百万円の赤字だった。

 韓国・親愛貯蓄銀行で事業基盤強化に向けて積極的に不良債権処理を進めたことや、韓国JT貯蓄銀行および韓国JTキャピタルの株式取得が遅れたことなどで営業赤字、経常赤字だった。純利益は負ののれん発生益計上で黒字だった。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(IFRSを任意適用)(5月25日公表)は、売上高が819億円、営業利益が75億円、純利益が47億円としている。Jトラスト銀行インドネシアの再生に向けて、不良債権比率を低下させて財務健全性を高めるとしている。配当予想(5月14日公表)は前期比2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)としている。

■中期経営計画を発表

 5月25日に中期経営計画を発表した。中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、目標数値は最終18年3月期の営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%とした。

 成長を遂げるアジアにおいて持続的に事業拡大が望める銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットとして3年間で500億円〜1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 なお16年3月期から事業セグメントを再構成し、国内金融事業(保証および債権回収業)、韓国金融事業(銀行業、リース・割賦業、債権買取・回収業)、東南アジア金融事業(銀行業、販売金融業)からなる金融事業、アミューズメント事業(アミューズメント施設運営、娯楽機器製造)、不動産事業(注文住宅建設、収益物件の仕入・販売)、その他非金融事業(介護事業、ITシステム事業)からなる非金融事業とする。

 国内金融事業では消費者金融事業を大幅縮小し、不動産関連の保証事業、債権回収事業の拡大、M&A活用による新分野への進出を目指す。韓国金融事業では各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラスト銀行インドネシアの財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けてM&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、当面はM&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性がありそうだ。ただし韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で、中期的に収益拡大が期待される。

■株価は下値固め完了して出直り、自己株式取得も評価

 なお5月14日に自己株式取得を発表した。取得株式総数の上限625万株(自己株式を除く発行済株式総数に対する割合5.29%)、取得価額総額の上限75億円、取得期間15年5月26日〜16年3月31日としている。

 また5月14日には、当社筆頭株主である当社代表取締役藤澤信義氏より、今後の株価動向やその他の市場環境如何によっては、市場内立会取引によって当社株式を買い増す意向があることについて説明を受けたとしている。当然のことではあるが同氏は、金融商品取引法その他関連法令の規制を遵守するとしている。

 株価の動きを見ると、1000円近辺での下値固めが完了して切り返し、5月の年初来高値1335円まで上伸した。その後は利益確定売りなどで一旦反落したが、出直りの流れに変化はないだろう。

 6月29日の終値1168円を指標面で見ると、今期予想連結PER(今期会社予想の連結EPS39円77銭で算出)は29〜30倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1591円09銭で算出)は0.7倍近辺である。

 週足チャートで見ると上向きに転じた26週移動平均線が52週移動平均線を上抜いた。トレンド好転を確認した形だ。5月の年初来高値から一旦反落したが、13週移動平均線および26週移動平均線がサポートラインとなって出直りの流れに変化はないだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[5月25日更新]

Jトラストは戻り歩調、自己株式取得や25日公表予定の中期経営計画も注目

 Jトラスト[8508](東2)は金融サービス事業を主力として、国内外におけるM&Aや事業再編で業容を拡大させている。株価は下値固めが完了して戻り歩調の展開だろう。自己株式取得や5月25日公表予定の中期経営計画も注目される。

 M&Aや債権承継などを積極活用して業容拡大戦略を推進し、国内金融事業(事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取)、不動産事業、アミューズメント事業、海外事業(消費者金融業、貯蓄銀行業)、その他の事業(システム開発など)を展開している。

 国内金融分野では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、商号をJトラストカードに変更)など、国内不動産分野・アミューズメント分野ではアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)を傘下に置いている。

 海外金融分野では韓国での事業基盤確立を推進している。12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行は、未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。

 14年3月に韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月に韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付、および韓国・ネオラインクレジット貸付(11年4月子会社化)の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡した。韓国・親愛貯蓄銀行の相対的に低金利の預金を原資として事業を運営し、グループ全体として収益構造改善を進める。

 15年1月には韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行の全株式を取得(JT貯蓄銀行に名称変更)した。今後は親愛貯蓄銀行とJT貯蓄銀行の合併を進める。15年3月には韓国スタンダードチャータードキャピタルの全株式を取得(JTキャピタルに名称変更)した。

 アジアへの展開については、13年12月子会社Jトラスト・アジア(シンガポール)がマヤパダ銀行(インドネシア)と資本業務提携し、14年11月ムティアラ銀行(インドネシア)を連結子会社化した。15年3月にはJトラスト・アジアを通じてオートバイ販売金融事業のGL(タイ)の転換社債引き受け(5月末予定)契約を締結した。さらに5月7日にはJトラスト・アジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアの設立が完了した。

 なおアジアの不動産分野では、14年9月にシンガポールの不動産開発会社LCDの株式29.5%を取得して筆頭株主となったが、15年2月にLCDの大株主グループの1社であるAFグローバルが実施するTOBに応募して所有する全株式を譲渡した。

 アミューズメント分野では14年9月、子会社アドアーズが韓国でカジノ事業を展開するJBアミューズメント(JBA)の第三者割当増資を引き受けて第2位株主となった。またアドアーズは14年11月に日本介護福祉グループを子会社化して介護事業に進出した。

 連結子会社のJトラストベンチャーキャピタル合同会社は、15年3月にSmartEbook<2330>が発行する第1回無担保転換社債型新株予約権付社債および第6回新株予約権を引き受け、SmartEbookの株式借入を行った。企業ニーズに応えるファイナンス支援や事業支援などを通じて支援先企業の企業価値向上を追求し、グループ成長に繋げる方針だ。

 なお15年4月には選択と集中の観点から子会社化クレディアの全株式を売却した。16年3月期第1四半期の個別決算で関係会社売却益を計上するが、連結業績への影響は軽微としている。

 4月27日には、日本最大のビットコイン取引所を営むBTCボックスが第三者割当により発行する普通株式を引き受け、同社を持分法適用会社化すると発表した。日本国内のビットコイン決済圏の確立、海外取引所の創設、新興国における新たな決済手段の構築、ビットコインを活用した新規ビジネスの創出を目指すとしている。

 5月14日に発表した前期(15年3月期)連結業績(5月12日に減額修正)は営業収益が前々期比2.2%増の632億81百万円、営業利益が52億17百万円の赤字(前々期は137億45百万円の黒字)、経常利益が23億85百万円の赤字(同133億51百万円の黒字)、そして純利益が同9.0%減の101億43百万円だった。

 配当予想は前々期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)で、配当性向は11.6%となる。ROEは同3.7ポイント低下して5.6%、自己資本比率は同18.2ポイント低下して34.8%となった。

 韓国JT貯蓄銀行および韓国JTキャピタルの株式取得によって営業収益が拡大したが、その取得時期が遅れたため15年3月期中に見込んでいた営業収益が後ズレとなり、アミューズメント事業の収益低迷も影響して全体の営業収益が計画を下回った。

 営業損益については、韓国・親愛貯蓄銀行で事業基盤強化に向けて積極的に不良債権処理を進めたため貸倒費用が増加(42億円)したこと、韓国JT貯蓄銀行および韓国JTキャピタルの株式取得が遅れて営業収益が想定を下回った(34億円)こと、KCカードの株式譲渡前に利息返還損失引当金を積み増した(7億円)こと、国内連結子会社の営業利益が想定を下回った(7億円)こと、さらに新規連結3社の初期費用(3億円)などが影響して営業赤字となった。

 セグメント別営業利益(全社費用等調整前)は国内金融事業が同83.8%減の18億52百万円、不動産事業が同18.9%減の4億02百万円、アミューズメント事業が同49.2%減の4億83百万円、海外事業が58億11百万円の赤字(同30億46百万円の黒字)、その他の事業が69百万円の赤字(同70百万円の黒字)だった。

 経常損益については、営業外収益での為替差益計上(28億円)や営業外費用でのライツ・オファリングに係る株式給付費減少(11億円)が寄与したが、営業利益が想定を下回ったことで経常利益も赤字となった。

 純利益については、負ののれん発生益計上(145億円)が想定より増加したが、営業利益と経常利益が計画を下回ったことに加えて、子会社の日本保証において業構造改革の一環で希望退職を募集(応募320名、退職予定日5月31日)して特別損失(9億円)を計上したため計画を下回った。なおこの希望退職によって16年3月期には年間約15億円の人件費が削減できる見込みとしている。

 四半期別推移を見ると、営業収益は第1四半期(4月〜6月)159億28百万円、第2四半期(7月〜9月)160億51百万円、第3四半期(10月〜12月)161億41百万円、第4四半期(1月〜3月)151億61百万円、営業利益は第1四半期3億58百万円の赤字、第2四半期22億74百万円の赤字、第3四半期6億89百万円の赤字、第4四半期18億96百万円の赤字だった。

 なお今期(16年3月期)の連結業績予想については、5月25日開示予定の中期経営計画と併せて公表するとしている。配当予想については前期比2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)としている。

 中期成長向けてM&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、当面はM&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性がありそうだ。

 ただしクレジットカード事業の再構築、韓国事業の収益改善、アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で、中期的に収益拡大が期待され、5月25日公表予定の中期経営計画が注目される。

 なお5月14日に自己株式取得を発表した。取得株式総数の上限625万株(自己株式を除く発行済株式総数に対する割合5.29%)、取得価額総額の上限75億円、取得期間15年5月26日〜16年3月31日としている。

 また5月14日には、当社筆頭株主である当社代表取締役藤澤信義氏より、今後の株価動向やその他の市場環境如何によっては、市場内立会取引によって当社株式を買い増す意向があることについて説明を受けたとしている。当然のことではあるが同氏は、金融商品取引法その他関連法令の規制を遵守するとしている。

 株価の動きを見ると、13年5月高値から反落後の調整局面が続いたが、安値圏1000円近辺での下値固めが完了して出直りの動きが本格化している。5月15日には年初来高値となる1324円まで上伸する場面があった。

 5月22日の終値1299円を指標面で見ると、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は0.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1591円09銭で算出)は0.8倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインの形となった。また週足チャートで見ると、13週移動平均線が52週移動平均線を上抜くゴールデンクロスが接近し、26週移動平均線も上向きに転じた。トレンド好転を確認した形であり戻り歩調の展開だろう。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月23日更新]

Jトラスト出直り本格化、16年3月期の収益改善期待

 Jトラスト[8508](東2)の株価は下値固めが完了して出直りの動きが本格化している。4月22日は前日比79円高の1276円まで急伸する場面があった。トレンド好転を確認した形であり、16年3月期の収益改善期待で水準切り上げの展開だろう。なお5月14日に15年3月期決算発表を予定している。

 M&Aや債権承継などを積極活用して業容拡大戦略を推進し、金融サービス事業(事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取)、不動産事業、アミューズメント事業、海外金融事業(消費者金融業、貯蓄銀行業)、その他事業(システム開発など)を展開している。

 国内金融分野では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、商号をJトラストカードに変更)など、国内不動産分野・アミューズメント分野ではアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)を傘下に置いている。

 海外金融分野では韓国での事業基盤確立を推進している。12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行は、未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。

 14年3月に韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月に韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付、および韓国・ネオラインクレジット貸付(11年4月子会社化)の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡した。韓国・親愛貯蓄銀行の相対的に低金利の預金を原資として事業を運営し、グループ全体として収益構造改善を進める。

 14年6月に発表した韓国スタンダードチャータードキャピタル(SCキャピタル)および韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行(SC貯蓄銀行)の買収については、15年1月にSC貯蓄銀行の全株式を取得(JT貯蓄銀行に名称変更)した。今後は親愛貯蓄銀行とJT貯蓄銀行の合併を進める。また3月30日にはSCキャピタルの全株式を取得(JTキャピタルに名称変更)した。

 アジアへの展開については、13年12月に子会社Jトラスト・アジア(シンガポール)がマヤパダ銀行(インドネシア)と資本業務提携し、14年11月にはムティアラ銀行(インドネシア)を連結子会社化(出資比率99%)した。15年3月にはJトラスト・アジアを通じてオートバイ販売金融事業のGL(タイ)の転換社債引き受け契約を締結した。さらに4月9日にはJトラスト・アジアがJTインベストメント・インドネシアを設立すると発表した。ムティアラ銀行の残りの1%を取得する。

 なおアジアの不動産分野では、14年9月にシンガポールの不動産開発会社LCDの株式29.5%を取得して筆頭株主となったが、15年2月にLCDの大株主グループの1社であるAFグローバルが実施するTOBに応募して所有する全株式を譲渡した。投資有価証券売却益約10億円計上する見込みだ。

 アミューズメント分野では14年9月、子会社アドアーズが韓国でカジノ事業を展開するJBアミューズメント(JBA)の第三者割当増資を引き受けて第2位株主となった。またアドアーズは14年11月に日本介護福祉グループを子会社化して介護事業に進出した。

 連結子会社のJトラストベンチャーキャピタル合同会社は、15年3月にSmartEbook<2330>が発行する第1回無担保転換社債型新株予約権付社債および第6回新株予約権を引き受け、SmartEbookの株式借入を行った。企業ニーズに応えるファイナンス支援や事業支援などを通じて支援先企業の企業価値向上を追求し、グループ成長に繋げる方針だ。

 なお3月30日には子会社の日本保証において、スリムで筋肉質の経営体質への転換を目指す事業構造改革の一環として希望退職を募集すると発表した。特別退職金や再就職支援に伴う一時的費用約9億円を15年3月期の特別損失に計上する予定としている。

 また3月30日には、選択と集中の観点から子会社化クレディアの全株式を4月1日付で売却すると発表した。16年3月期第1四半期の個別決算で特別利益として関係会社売却益約7億円を計上するが、連結業績への影響は軽微としている。

 前期(15年3月期)連結業績見通し(8月13日公表)は営業収益が前々期比11.9%増の692億91百万円、営業利益が同80.7%減の26億56百万円、経常利益が同79.5%減の27億38百万円、そして純利益が同0.8%増の112億39百万円としている。配当予想(5月14日公表)は前々期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。

 事業基盤強化に向けた一時的営業費用の増加などで営業減益、経常減益の見通しだ。純利益については韓国JT貯蓄銀行および韓国JTキャピタルの株式取得に伴う負ののれん発生益が寄与する。

 なお第3四半期累計(4月〜12月)を四半期別に見ると、営業収益は第1四半期(4月〜6月)159億28百万円、第2四半期(7月〜9月)160億51百万円、第3四半期(10月〜12月)161億41百万円、営業利益は第1四半期3億58百万円の赤字、第2四半期22億74百万円の赤字、第3四半期6億89百万円の赤字である。

 中期成長向けてM&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、当面はM&A・事業再編、一時的利益・費用の計上などに伴って収益が大幅に変動するようだ。ただしクレジットカード事業の再構築、韓国事業の収益改善、アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で、今期(16年3月期)の収益改善と中期的な収益拡大が期待される。

 株価の動きを見ると、1000円近辺での下値固めが完了して出直りの動きが本格化している。4月22日は前日比79円(6.60%)高の1276円まで急伸する場面があった。

 4月22日の終値1246円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS95円24銭で算出)は13倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は0.8%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS1502円54銭で算出)は0.8倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が10%強に拡大して目先的な過熱感を強めているが、週足チャートで見ると52週移動平均線を突破し、13週移動平均線と26週移動平均線が上向きに転じた。トレンド好転を確認した形であり、16年3月期の収益改善期待で水準切り上げの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月30日更新]

Jトラストは調整一巡、16年3月期の収益改善期待で出直り

 Jトラスト[8508](東2)の株価は安値圏でモミ合う展開だが、足元では水準切り上げの動きを強めている。調整がほぼ一巡したようだ。16年3月期の収益改善期待で出直り展開だろう。

 M&Aや債権承継などを積極活用して業容拡大戦略を推進し、金融サービス事業(事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取)、不動産事業、アミューズメント事業、海外金融事業(消費者金融業、貯蓄銀行業)、その他事業(システム開発など)を展開している。

 国内金融分野では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月に子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、商号をJトラストカードに変更)、クレディア(12年7月子会社化)など、国内不動産分野・アミューズメント分野ではアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)を傘下に置いている。

 海外金融分野では韓国での事業基盤確立を推進している。12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行は、未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。

 14年3月には韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月には韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付、および韓国・ネオラインクレジット貸付(11年4月子会社化)の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡した。韓国・親愛貯蓄銀行の相対的に低金利の預金を原資として事業を運営し、グループ全体として収益構造改善を進める方針だ。

 14年6月に発表した韓国スタンダードチャータードキャピタル(SCキャピタル)および韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行(SC貯蓄銀行)の買収については、15年1月韓国スタンダードチャータード金融持株会社が保有するSC貯蓄銀行の全株式を取得し、SC貯蓄銀行はJT貯蓄銀行に名称変更した。今後は親愛貯蓄銀行とJT貯蓄銀行の合併を進めるとともに、SCキャピタルの株式取得に向けての作業を行うとしている。

 なお14年11月に自動車割賦金融業の韓国・亜州キャピタルの株式売却に係る優先交渉権を取得したが、条件合意に至らなかったとして2月13日に交渉終結を発表している。

 アジアへの展開については、13年12月に子会社Jトラスト・アジア(シンガポール)がインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携し、14年11月にはインドネシアの商業銀行であるムティアラ銀行を連結子会社化した。また3月9日にはJトラストアジアを通じて、オートバイの販売金融事業を展開しているタイのGL(証券取引所一部上場)の転換社債引き受け契約を締結すると発表した。

 なおアジアの不動産分野では、14年9月にシンガポールの不動産開発会社LCDの株式29.5%を取得して筆頭株主となったが、2月3日にLCDの大株主グループの1社であるAFグローバルが実施するTOBに応募して、所有する全株式を譲渡すると発表した。本件取引により投資有価証券売却益を約10億円計上する見込みだ。

 アミューズメント分野では14年9月、子会社アドアーズが韓国でカジノ事業を展開するJBアミューズメント(JBA)の第三者割当増資を引き受けて第2位株主となった。またアドアーズは14年11月に日本介護福祉グループを子会社化して介護事業に進出した。

 また連結子会社のJトラストベンチャーキャピタル合同会社は、3月9日にSmartEbook<2330>が発行する第1回無担保転換社債型新株予約権付社債および第6回新株予約権の引き受けを行うと発表し、3月13日にはSmartEbookの株式借入を行ったと発表している。事業再生や海外展開に係るグループの各種ノウハウを活用し、企業ニーズに応えるファイナンス支援や事業支援などを通じて支援先企業の企業価値向上を追求し、自社グループの成長に繋げる方針だ。

 今期(15年3月期)の連結業績見通し(8月13日公表)は営業収益が前期比11.9%増の692億91百万円、営業利益が同80.7%減の26億56百万円、経常利益が同79.5%減の27億38百万円、そして純利益が同0.8%増の112億39百万円としている。配当予想(5月14日公表)は前期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。

 中期成長向けてM&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、今期は一時的に営業費用が増加して営業減益、経常減益の見通しだ。純利益については韓国SCキャピタルおよび韓国JT貯蓄銀行の株式取得に伴う負ののれん発生益が寄与する見通しだ。

 第3四半期累計(4月〜12月)は不良債権売却による債権売却損計上、不良資産整理に備えた貸倒引当金積み増しなどで営業利益、経常利益、純利益とも赤字だった。ただし将来の黒字化を見据えた一時的な損失計上であり、第3四半期(10月〜12月)には海外事業の損失減少や為替差益の計上などで収益改善が進み、今後は収益構造の着実な改善が見込めるとしている。

 四半期別推移を見ると、営業収益は第1四半期(4月〜6月)159億28百万円、第2四半期(7月〜9月)160億51百万円、第3四半期(10月〜12月)161億41百万円で、営業利益は第1四半期3億58百万円の赤字、第2四半期22億74百万円の赤字、第3四半期6億89百万円の赤字である。

 当面はM&A・事業再編、一時的利益・費用の計上などに伴って収益が大幅に変動するが、クレジットカード事業の再構築、韓国事業の収益改善、アジアへの積極的な業容拡大戦略などで、来期(16年3月期)の収益改善と中期的な収益拡大が期待される。

 株価の動きを見ると安値圏でのモミ合い展開が続いている。ただし2月4日に直近安値となる930円まで調整したが、その後は1000円台に戻して水準切り上げの動きを強めている。調整がほぼ一巡したようだ。

 3月27日の終値1029円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円24銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1502円54銭で算出)は0.7倍近辺である。

 週足チャートで見ると戻りを押さえていた26週移動平均線突破の動きを強めている。16年3月期の収益改善期待で出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[2月26日更新]

Jトラストは調整の最終局面、16年3月期の収益改善期待で切り返しのタイミング

 Jトラスト[8508](東2)の株価は安値圏でのモミ合い展開が続いていますが、14年2月安値まで下押すことなく反発して調整の最終局面のようです。第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は将来の黒字化を見据えた一時的営業費用の発生で赤字となりましたが、来期(16年3月期)の収益改善期待で切り返しのタイミングと考えられます。

 M&Aや債権承継などを積極活用して業容拡大戦略を推進し、金融サービス事業(事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取)、不動産事業、アミューズメント事業、海外金融事業(消費者金融業、貯蓄銀行業)、その他事業(システム開発など)を展開しています。

 国内金融分野では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月に子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、商号をJトラストカードに変更)、クレディア(12年7月子会社化)、国内不動産分野・アミューズメント分野ではアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)を傘下に置いています。

 海外金融分野では韓国での事業基盤確立を推進しています。12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行は、未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けました。

 14年3月には韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化し、14年8月には韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付、および韓国・ネオラインクレジット貸付(11年4月子会社化)の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡しました。韓国・親愛貯蓄銀行の相対的に低金利の預金を原資として事業を運営し、グループ全体として収益構造改善を進める方針です。

 14年6月に発表した韓国スタンダードチャータードキャピタル(SCキャピタル)および韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行(SC貯蓄銀行)の買収については、15年1月韓国スタンダードチャータード金融持株会社が保有するSC貯蓄銀行の全株式を取得し、SC貯蓄銀行はJT貯蓄銀行に名称変更しました。今後は親愛貯蓄銀行とJT貯蓄銀行の合併を進めるとともに、SCキャピタルの株式取得に向けての作業を行うとしています。

 なお14年11月に自動車割賦金融業の韓国・亜州キャピタルの株式売却に係る優先交渉権を取得しましたが、条件合意に至らなかったとして2月13日に交渉終結を発表しました。

 アジアへの展開については、13年12月に子会社Jトラスト・アジア(シンガポール)がインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携し、14年11月にはインドネシアの商業銀行であるムティアラ銀行を連結子会社化しました。

 アミューズメント分野では14年9月、子会社アドアーズが韓国でカジノ事業を展開するJBアミューズメント(JBA)の第三者割当増資を引き受けて第2位株主となりました。韓国・済州新羅ホテルでカジノ事業を行うマジェスターを含むJBAグループと協力関係を構築します。またアドアーズは14年11月に日本介護福祉グループを子会社化して介護事業に進出しました。

 なおアジアの不動産分野では2月3日、14年9月に株式29.5%を取得して筆頭株主となったシンガポールの不動産開発会社LCDについて、LCDの大株主グループの1社であるAFグローバルが実施するTOBに応募して、所有する全株式を譲渡すると発表しました。本件取引により投資有価証券売却益を約10億円計上する見込みとしています。

 2月12日発表の今期(15年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)の連結業績は、営業収益が前年同期比9.3%増の481億20百万円、営業利益が33億21百万円の赤字(前年同期は60億79百万円の黒字)、経常利益が3億16百万円の赤字(同56億08百万円の黒字)、純利益が11億42百万円の赤字(同25億85百万円の黒字)となりました。

 新規連結や新規貸付債権の増加などで増収となりましたが、第1四半期(4月〜6月)に親愛貯蓄銀行において債権売却損を計上したことで営業費用が増加し、販管費での貸倒関係費用の増加も影響して営業赤字となりました。営業外では株式交付費の減少や為替差益の計上が寄与しましたが、経常利益、純利益とも赤字となりました。

 通期の連結業績見通しは前回予想(8月13日公表)を据え置いて、営業収益が前期比11.9%増の692億91百万円、営業利益が同80.7%減の26億56百万円、経常利益が同79.5%減の27億38百万円、純利益が同0.8%増の112億39百万円、配当予想(5月14日公表)が前期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としています。

 中期成長向けてM&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、今期は一時的に営業費用が増加して営業減益、経常減益の見通しとしています。純利益については韓国SCキャピタルおよび韓国JT貯蓄銀行の株式取得に伴う負ののれん発生益が寄与する見通しです。

 第3四半期累計は不良債権売却による債権売却損計上や、不良資産整理に備えた貸倒引当金積み増しを行ったため赤字となりましたが、将来の黒字化を見据えた一時的な損失計上であり、第3四半期(10月〜12月)には海外事業の損失減少や為替差益の計上などで収益改善が進み、今後は収益構造の着実な改善が見込めるとしています。

 当面はM&A・事業再編、一時的利益・費用の計上などに伴って収益が大幅に変動する可能性がありますが、クレジットカード事業の再構築、韓国事業の収益改善、アジアへの積極的な業容拡大戦略などで、来期(16年3月期)の収益改善と中期的な収益拡大が期待されます。

 株価の動きを見ると安値圏でのモミ合い展開が続いています。2月4日には930円まで調整する場面がありました。ただし14年2月安値905円まで下押すことなく反発して1000円台に戻しています。900円台が下値支持線となって調整の最終局面と考えられます。

 2月25日の終値1031円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円24銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1502円54銭で算出)は0.7倍近辺です。

 週足チャートで見ると900円台の下値支持線から反発し、戻りを押さえていた26週移動平均線突破の動きを強めています。来期の収益改善期待で切り返しのタイミングと考えられます。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[1月29日更新]

Jトラストは調整の最終局面、積極的な業容拡大戦略を評価して切り返し

 Jトラスト[8508](東2)の株価は、再び1000円台を割り込んで上値を切り下げる展開が続いている。1月26日には965円まで調整した。ただし900円台の下値支持線に接近して調整の最終局面のようだ。積極的な業容拡大戦略を評価して切り返しのタイミングだろう。なお2月12日に第3四半期累計(4月〜12月)の業績発表を予定している。

 M&Aや債権承継などを積極活用して業容拡大戦略を推進し、金融サービス事業(事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取)、不動産事業、アミューズメント事業、海外金融事業(消費者金融業、貯蓄銀行業)、その他事業(システム開発など)を展開している。

 国内金融分野では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、KCカード(11年8月楽天KCを子会社化)、クレディア(12年7月子会社化)、個品割賦事業のNUCS(14年3月子会社化)、国内不動産分野・アミューズメント分野ではアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)を傘下に置いている。

 なおKCカードは15年1月に「KCブランド」事業をヤフー<4689>とソフトバンク・ペイメント・サービスに譲渡した。これに伴ってNUCSの「NUCSブランド」事業をKCカードに承継させた。グループのクレジットカード事業を「NUCSブランド」として継続し、KCカードは15年1月にJトラストカードに商号変更した。また14年12月には、連結子会社エーエーディを健康コーポレーション<2928>に譲渡し、連結子会社JTインベストメントは清算が結了した。

 海外金融分野では韓国での事業基盤確立を推進している。11年4月に消費者金融の韓国・ネオラインクレジット貸付を子会社化した。12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行は、未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。

 14年3月には韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化し、14年8月には韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡した。今後は韓国・親愛貯蓄銀行の相対的に低金利の預金を原資として事業を運営し、グループ全体として収益構造の改善を進める。

 14年6月に発表した韓国スタンダードチャータードキャピタルおよび韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行(SC貯蓄銀行)の買収については、1月19日に韓国スタンダードチャータード金融持株会社が保有するSC貯蓄銀行の株式全てを取得し、SC貯蓄銀行はJT貯蓄銀行に名称変更した。今後は親愛貯蓄銀行とJT貯蓄銀行の合併を進めるとともに、韓国スタンダードチャータードキャピタルの株式取得に向けての作業を行うとしている。

 また14年11月には、自動車割賦金融業を展開する韓国・亜州キャピタルの株式売却に係る優先交渉権を取得している。売渡人と諸条件について協議を行い、公表すべき詳細が判明しだい速やかに公表するとしている。

 アジアへの展開については、13年12月に子会社Jトラスト・アジア(シンガポール)がインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携し、14年11月にはインドネシアの商業銀行であるムティアラ銀行を連結子会社化した。

 アミューズメント分野では14年9月、子会社アドアーズが韓国でカジノ事業を展開するJBアミューズメント(JBA、韓国KOSDAQ市場上場)の第三者割当増資を引き受けて第2位株主となった。韓国・済州新羅ホテルでカジノ事業を行うマジェスターを含むJBAグループと協力関係を構築し、アミューズメント事業におけるシナジー創出や事業拡大を目指すとしている。

 不動産分野では14年9月、子会社Jトラストアジアを通じて、シンガポールの不動産開発会社LCD(シンガポール証券取引所上場)の株式29.5%を取得して筆頭株主となった。LCDはタイ、イギリス、ベトナムなどに著名なホテルやサービスアパートメントを保有している。LCDと戦略的協業関係を構築するとともに、シンガポールを拠点として東南アジアに総合的な不動産業を展開する方針だ。なおLCDの商号をJトラスト・インターナショナルに変更予定としている。

 今期(15年3月期)の連結業績見通し(8月13日公表)は営業収益(売上高)が前期比11.9%増の692億91百万円、営業利益が同80.7%減の26億56百万円、経常利益が同79.5%減の27億38百万円、純利益が同0.8%増の112億39百万円、配当予想(5月14日公表)が前期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。

 中期成長向けてM&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、今期は一時的に営業費用が増加して営業減益、経常減益の見通しとしている。純利益については、韓国スタンダードチャータードキャピタルおよび韓国JT貯蓄銀行の株式取得に伴う負ののれん発生益が寄与する。

 第2四半期累計(4月〜9月)は不良債権売却による債権売却損計上や、不良資産整理に備えた貸倒引当金積み増しを行ったため赤字だったが、黒字化を見据えた一時的な損失計上であり、今後は収益構造の着実な改善が見込めるとしている。当面はM&A・事業再編、一時的利益・費用の計上などに伴って収益が大幅に変動する可能性があるが、積極的な業容拡大戦略で中期的には収益拡大基調だろう。

 なおA&Pフィナンシャル貸付および同社代表取締役である崔潤氏から提起されていた損害賠償請求訴訟について1月21日、東京地方裁判所より両訴訟とも原告らの請求を全て棄却する判決が言い渡されたと発表している。

 また日興アイ・アールが実施した「2014年度 全上場企業ホームページ充実度ランキング調査」の総合ランキング部門において、全上場企業3586社中38位(前回69位)となり、最優秀サイトに選ばれた。

 株価の動きを見ると、再び1000円台を割り込んで上値を切り下げる展開が続いている。1月26日には965円まで調整した。ただし14年10月の安値950円を割り込むことなく下げ渋り感を強めている。調整の最終局面だろう。

 1月28日の終値970円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円24銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1502円54銭で算出)は0.6倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、900円台の下値支持線に接近して調整の最終局面のようだ。積極的な業容拡大戦略を評価して切り返しのタイミングだろう。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月17日更新]

Jトラストは調整の最終局面、積極的な業容拡大戦略を評価して切り返し

 Jトラスト[8508](東2)の株価は、11月28日の1163円から12月16日の978円まで調整した。全般地合い悪化も影響したようだ。ただし10月と11月の直近安値圏950円近辺に接近して調整の最終局面であり、積極的な業容拡大戦略を評価して切り返しのタイミングだろう。

 M&Aや債権承継などを積極活用して業容拡大戦略を推進し、金融サービス事業(事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取)、不動産事業、アミューズメント事業、海外金融事業(消費者金融業、貯蓄銀行業)、その他事業(システム開発など)を展開している。

 国内金融分野では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、KCカード(11年8月楽天KCを子会社化)、クレディア(12年7月子会社化)、個品割賦事業のNUCS(14年3月子会社化)、国内不動産分野・アミューズメント分野ではアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)を傘下に置いている。

 なおKCカードは15年1月5日付で「KCブランド」事業をヤフー<4689>とソフトバンク・ペイメント・サービスに譲渡する。これに伴ってNUCSの「NUCSブランド」事業をKCカードに承継させ、グループのクレジットカード事業を「NUCSブランド」として継続し、KCカードは15年1月5日付でJトラストカードに商号変更する。

 海外金融分野では韓国での事業基盤確立を推進している。11年4月に消費者金融の韓国・ネオラインクレジット貸付を子会社化した。12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行は未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。

 14年3月には韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化し、14年8月には韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡した。今後は韓国・親愛貯蓄銀行の相対的に低金利の預金を原資として事業を運営し、グループ全体として収益構造の改善を進める。

 なお14年6月に韓国スタンダードチャータードキャピタルおよび韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行の買収を発表し、株式取得を9月下旬予定としていたが、10月28日に未だ株式取得を行っていないと発表した。株式譲渡契約に基づいて引き続き検討するが、詳細が判明しだい速やかに公表するとしている。

 また11月6日には、自動車割賦金融業を展開する韓国・亜州キャピタルの株式売却に係る優先交渉権を取得したと発表している。売渡人と諸条件について協議を行い、公表すべき詳細が判明しだい速やかに公表するとしている。

 アジアへの展開は13年12月子会社Jトラスト・アジア(シンガポール)がインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携した。そして14年11月にはインドネシアの商業銀行であるムティアラ銀行の株式99.0%を取得して連結子会社化した。残りの1%も一定の条件が満たされた後に取得する。

 アミューズメント分野では14年9月、子会社アドアーズが韓国でカジノ事業を展開するJBアミューズメント(JBA、韓国KOSDAQ市場上場)の第三者割当増資を引き受けて第2位株主(出資比率9.49%)となった。韓国・済州新羅ホテルでカジノ事業を行うマジェスターを含むJBAグループと協力関係を構築し、アミューズメント事業におけるシナジー創出や事業拡大を目指す。

 不動産分野では14年9月、子会社Jトラストアジアを通じて、シンガポールの不動産開発会社LCD(シンガポール証券取引所上場)の株式29.5%を取得して筆頭株主となった。LCDはタイ、イギリス、ベトナムなどに著名なホテルやサービスアパートメントを保有している。LCDと戦略的協業関係を構築するとともに、シンガポールを拠点として東南アジアに総合的な不動産業を展開する方針だ。なおLCDの商号をJトラスト・インターナショナルに変更予定としている。

 今期(15年3月期)の連結業績見通しは前回予想(8月13日公表)を据え置いて、営業収益(売上高)が前期比11.9%増の692億91百万円、営業利益が同80.7%減の26億56百万円、経常利益が同79.5%減の27億38百万円、純利益が同0.8%増の112億39百万円、そして配当予想(5月14日公表)が前期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。なお韓国スタンダードチャータードキャピタルおよび韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行の株式取得に伴う負ののれん発生益を見込んでいる。

 第2四半期累計(4月〜9月)は、国内不動産事業の好調、海外事業での新規連結や事業譲受などが寄与して前年同期比10.9%増収だったが、不良債権売却に伴う債権売却損計上などで営業費用が増加し、さらに販管費でKCカードにおける利息返還損失引当金繰入額の増加、海外事業における貸倒引当金繰入額の増加なども影響して営業利益、経常利益、純利益は赤字だった。

 中期成長向けてM&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、今期は一時的に営業費用が増加して営業減益、経常減益の見通しとしている。第2四半期累計は不良債権売却による債権売却損計上や不良資産整理に備えた貸倒引当金積み増しを行ったため赤字だったが、黒字化を見据えた一時的な損失計上であり、今後は収益構造の着実な改善が見込めるとしている。当面はM&A、事業再編、一時的利益・費用の計上などに伴って収益が大幅に変動する可能性があるが、積極的な業容拡大戦略で中期的には収益拡大基調だろう。

 なお11月26日に、子会社クレディアに対する訴訟について和解が成立したと発表している。クレディアが和解金28億50百万円を支払うが、第一審判の言い渡しがあったことに伴い、14年3月期第3四半期連結決算において訴訟損失引当金29億51百万円を計上済みのため、本件訴訟に関して新たな負担が生じることはないとしている。

 株価の動きを見ると、11月28日の直近高値1163円から反落して12月16日の978円まで調整し、上値を切り下げる形となった。全般地合い悪化も影響したようだ。ただし10月と11月の直近安値圏950円近辺に接近して調整の最終局面だろう。

 12月16日の終値987円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円24銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1502円54銭で算出)は0.7倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んだが、10月と11月の直近安値圏950円近辺が下値支持線だ。また週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、2月の年初来安値905円水準まで下押す動きは見られず、下値固め完了感も強めている。調整のほぼ最終局面であり、積極的な業容拡大戦略を評価して切り返しのタイミングだろう。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月06日更新]

Jトラストは下値支持線達し調整最終局面、業容拡大戦略評価で切り返しのタイミングJトラストは下値支持線達し調整最終局面、業容拡大戦略評価で切り返しのタイミング

Jトラスト<8508>(東2)の株価は、9月11日1051円から9月17日1310円まで急伸する場面があったが、買いが続かず反落し、全般地合い悪化も影響して10月16日960円まで調整した。ただし足元では下げ渋り感を強めている。1000円近辺の下値支持線に到達して調整の最終局面のようだ。積極的な業容拡大戦略を評価して切り返しのタイミングだろう。なお11月13日に第2四半期累計(4月〜9月)の業績発表を予定している。

 M&Aや債権承継などを積極活用して業容拡大戦略を推進し、金融サービス事業(事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取)、不動産事業、アミューズメント事業、海外金融事業(消費者金融業、貯蓄銀行業)、その他事業(システム開発など)を展開している。

 国内金融分野では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、KCカード(11年8月楽天KCを子会社化)、クレディア(12年7月子会社化)、個品割賦事業のNUCS(14年3月子会社化)、国内不動産分野・アミューズメント分野ではアドアーズ<4712>(12年6月子会社化)を傘下に置いている。

 なおKCカードは15年1月5日付で設立する子会社に「KCブランド」事業を承継させ、同日付で承継会社の全株式をヤフー<4689>とソフトバンク・ペイメント・サービスに譲渡する。またNUCSの「NUCSブランド」事業をKCカードに承継させ、グループのクレジットカード事業を「NUCSブランド」として継続する。本件取引によって発生する約404億円(株式譲渡対価約350億円、KCカードに対する貸付金の返済金54億円)の資金を、クレジットカード事業への再投資、グループ事業の強化、新規事業のための資金に充当する。

 海外金融分野では韓国での事業基盤確立を推進している。11年4月に消費者金融の韓国・ネオラインクレジット貸付を子会社化した。12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行は未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。

 14年3月には韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化し、14年8月には韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡した。今後は韓国・親愛貯蓄銀行の相対的に低金利の預金を原資として事業を運営し、グループ全体として収益構造の改善を進める。

 なお14年6月に韓国スタンダードチャータードキャピタルおよび韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行の買収を発表し、株式取得を9月下旬予定としていたが、10月28日に未だ株式取得を行っていないと発表した。株式譲渡契約に基づいて引き続き検討するが、詳細が判明しだい速やかに公表するとしている。

 アジアへの展開は13年12月子会社Jトラスト・アジア(シンガポール)がインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携した。そして14年9月、インドネシア預金保険機構(LPS)が所有するインドネシアのムティアラ銀行の株式取得に関する公開入札で落札候補者に選定され、LPSと条件付株式売買契約を締結した。インドネシア金融庁による審査を通過した後に必要な手続きを進める。ムティアラ銀行はインドネシア全土に62支店の営業網を持つ総資産13兆インドネシアルピア(約1200億円、14年3月現在)の商業銀行である。インドネシアの商業銀行に対する外国人持株比率は最大40%という規制があるが、本件は特例として100%取得することが可能となっている。

 アミューズメント分野では14年9月、子会社アドアーズが韓国でカジノ事業を展開するJBアミューズメント(JBA、韓国KOSDAQ市場上場)の第三者割当増資を引き受けて第2位株主(出資比率9.49%)となった。韓国・済州新羅ホテルでカジノ事業を行うマジェスターを含むJBAグループと協力関係を構築し、アミューズメント事業におけるシナジー創出や事業拡大を目指す。

 不動産分野では14年9月、子会社Jトラストアジアを通じて、シンガポールの不動産開発会社LCD(シンガポール証券取引所上場)の株式29.5%を取得して筆頭株主となった。LCDはタイ、イギリス、ベトナムなどに著名なホテルやサービスアパートメントを保有している。LCDと戦略的協業関係を構築するとともに、シンガポールを拠点として東南アジアに総合的な不動産業を展開する方針だ。なおLCDの商号をJトラスト・インターナショナルに変更予定としている。

 今期(15年3月期)の連結業績見通し(8月13日公表)は営業収益(売上高)が前期比11.9%増の692億91百万円、営業利益が同80.7%減の26億56百万円、経常利益が同79.5%減の27億38百万円、純利益が同0.8%増の112億39百万円、配当予想(5月14日公表)が前期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。

 中期成長向けてM&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、今期は一時的に営業費用が増加して営業減益、経常減益の見通しとしている。なお韓国スタンダードチャータードキャピタルおよび韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行の買収で負ののれん発生益を見込んでいるが、9月下旬予定としていた株式取得を行っていない。当面はM&Aや事業再編に伴って収益が大幅に変動する可能性があるが、積極的な業容拡大戦略で中期的には収益拡大基調だろう。

 株価の動きを見ると、9月11日の1051円から9月17日の1310円まで急伸する場面があったが、買いが続かず反落し、全般地合い悪化も影響して10月16日の960円まで調整した。ただし足元は1000円近辺で推移して下げ渋り感を強めている。2月の年初来安値905円水準まで下押す動きは見られず、下値支持線に到達して調整のほぼ最終局面だろう。

 10月29日の終値989円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円24銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1502円54銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形になったが、1000円近辺が下値支持線のようだ。積極的な業容拡大戦略を評価して切り返しのタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)

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