[9179]川崎近海汽船
[03月03日更新]

川崎近海汽船は上値試す、22年3月期大幅増収増益予想

 川崎近海汽船<9179>(東2、新市場区分スタンダード)は近海輸送と内航輸送を主力として、再生可能エネルギー分野の洋上風力発電向け作業船やバイオマス関連輸送の取り組みも強化している。22年3月期は近海部門の市況上昇効果などで大幅増収増益予想(2月9日に親会社株主帰属当期純利益予想および期末配当予想を上方修正)としている。更なる上振れの可能性もありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は急反発して1月の昨年来高値に接近している。指標面は依然として割安感が強い。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 21年3月期売上高構成比は近海部門が26%、内航部門が71%、OSV部門が4%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲72%、内航部門が283%、OSV部門が▲111%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

 なお20年12月には全社的なDX推進に向けてDX委員会を設置、21年1月には環境への対応に向けて次世代環境対応ワーキンググループを設置、21年4月には安全運航推進員会を環境・安全運航推進委員会に改称した。

■24年3月期経常利益36億円目指す

 21年12月に策定した2021年度中期経営計画(コロナ禍や市況の動向を考慮し、20年10月策定の2020年度中期経営計画を更新して策定)では、目標値に24年3月期売上高416億円(近海部門128億円、その他含む内航部門270億円、OSV部門18億円)、営業利益36億50百万円(近海部門9億円、その他含む内航部門27億円、OSV部門50百万円)、経常利益36億円、親会社株主帰属当期純利益25億円を掲げている。

 前提は為替が1米ドル=110円、燃料油価格が7万5000円/KLで、投資計画は、24年4月以降竣工予定の新造船建造資金を含めて、21年度から23年度の3年間で合計88億18百万円(22年3月期41億53百万円、23年3月期33億53百万円、24年3月期12億67百万円)としている。

 近海部門は前回予想を上回る運賃や貸船料の水準となっている。計画の最終年度に向けて徐々に市況が軟化するが、ここ暫くは現行市況が継続すると想定し、市況にあった船隊整備の継続、商権の維持、コストの削減をなどで収支の安定を目指す。

 内航部門のフェリー輸送では、22年2月1日付で宮古(八戸)〜室蘭航路を休止して八戸〜苫小牧航路に集中し、効率的な航路運営に取り組む。定期船輸送では、紙製品などの太宗貨物が減少するなか、新規貨物の獲得やコストの削減に取り組む。不定期船輸送では、石灰石および石炭の各専用船の安全運航によって商権の維持に努めるとともに、新規案件の獲得にも取り組む。

 OSV部門は、これまでのSEP船(自己昇降式作業台船)支援および資源探査などに取り組むとともに、23年度から本格化する洋上風力事業の支援についても積極的に参画する。21年6月には川崎汽船と共同で設立した洋上風力発電向け作業船事業会社ケイライン・ウインド・サービスが営業開始した。

 さらに再生可能エネルギー産業を重要な事業分野の一つに位置付けて、バイオマス関連輸送などへの取り組みも強化している。21年9月には山口県下関市における長府バイオマス発電所プロジェクトに参画(石油資源開発、MOT総合研究所、東京エネシス、長府製作所、および同社の5社)すると発表した。本発電所向け燃料輸送を受託する。22年6月着工、25年1月運転開始予定である。

 22年1月には川崎汽船との合弁会社であるケイライン・ウインド・サービスが、ジャパンマリンユナイテッド、日本シップヤード、東亜建設工業の3社とともに、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募したグリーンイノベーション基金事業「洋上風力発電の低コスト化プロジェクト」に共同で応募して採択された。

■22年3月期大幅増収増益予想

 22年3月期の連結業績予想(21年7月30日に上方修正、21年10月29日に2回目の上方修正、21年12月24日に3回目の上方修正、22年1月31日に4回目の上方修正)は、2月9日に特別利益計上に伴って親会社株主帰属当期純利益を5億円上方修正して、売上高が21年3月期比15.8%増の429億円、営業利益が6.8倍の27億50百万円、経常利益が14.4倍の27億円、親会社株主帰属当期純利益が24億円(21年3月期は1億12百万円の赤字)としている。特別利益に固定資産譲渡益(旅客フェリー船1隻売却)7億20百万円を計上する。

 配当予想(21年12月24日に期末50円上方修正)も、2月9日に期末50円上方修正して、21年3月期比100円増配の200円(第2四半期末50円、期末150円)とした。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比15.5%増の321億24百万円、営業利益が2.5倍の24億46百万円、経常利益が3.3倍の24億60百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2.5倍の17億06百万円だった。特別利益では前年計上の固定資産売却益4億06百万円と違約金収入1億30百万円が剥落し、特別損失では前期計上の用船契約解約金3億83百万円と投資有価証券評価損43百万円が剥落している。

 近海部門の市況上昇などで大幅増収増益だった。収益認識基準適用の影響額として売上高が1億42百万円減少、売上原価が55百万円減少、営業利益、経常利益、税金等調整前四半期純利益がそれぞれ87百万円減少している。影響は軽微である。

 近海部門は売上高が37.4%増の91億95百万円で営業利益が10億78百万円(前年同期は1億円の赤字)、内航部門は売上高が9.2%増の217億24百万円で営業利益が14.1%増の15億26百万円、OSV部門は売上高が1.9%減の12億01百万円で営業利益が1億58百万円の赤字(同2億71百万円の赤字)だった。

 近海部門は、バルク輸送がロシアにおける滞船の影響を受けたため全体としても貨物輸送量が減少したが、市況上昇が継続して運賃収入や貸船料が大幅に増加した。内航部門は輸送量が増加し、入渠費や減価償却費の減少も寄与した。コロナ禍でも定期船輸送・不定期船輸送とも荷動きが堅調に推移し、フェリー輸送の旅客数や乗用車数も増加した。OSV部門は海洋調査業務が減少したため減収だが、運航費の減少などで赤字縮小した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が95億15百万円で営業利益が1億24百万円の赤字、第2四半期は売上高が106億15百万円で営業利益が8億52百万円、第3四半期は売上高が119億94百万円で営業利益が17億18百万円だった。季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

 通期の売上高、営業利益、経常利益は前回予想(22年1月31日に4回目の上方修正)を据え置き、近海部門の市況上昇などで大幅増収増益予想としている。第4四半期以降の前提は、為替が1ドル=115円、燃料油価格が7万8200円K/Lとしている。通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75%、営業利益が89%、経常利益が91%であり、通期予想は更なる上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は急反発して1月の昨年来高値に接近している。指標面は依然として割安感が強い。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。3月2日の終値は4135円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS817円58銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の200円で算出)は約4.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8987円27銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約122億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[02月09日更新]

川崎近海汽船は上値試す、22年3月期は4回目の上方修正で大幅増益予想

 川崎近海汽船<9179>(東2、新市場区分スタンダード)は近海輸送と内航輸送を主力として、再生可能エネルギー分野の洋上風力発電向け作業船やバイオマス関連輸送の取り組みも強化している。22年3月期第3四半期累計は近海部門の市況上昇などで大幅増益だった。そして通期予想を上方修正(12月24日に続いて4回目の上方修正)した。更なる上振れの可能性もありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は1月の昨年来高値圏から反落したが、好業績を評価して素早く反発の動きを強めている。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 21年3月期売上高構成比は近海部門が26%、内航部門が71%、OSV部門が4%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲72%、内航部門が283%、OSV部門が▲111%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

 なお20年12月には全社的なDX推進に向けてDX委員会を設置、21年1月には環境への対応に向けて次世代環境対応ワーキンググループを設置、21年4月には安全運航推進員会を環境・安全運航推進委員会に改称した。

■新たな中期経営計画策定、24年3月期経常利益36億円目指す

 21年12月に策定した2021年度中期経営計画(コロナ禍や市況の動向を考慮し、20年10月策定の2020年度中期経営計画を更新して策定)では、目標値に24年3月期売上高416億円(近海部門128億円、その他含む内航部門270億円、OSV部門18億円)、営業利益36億50百万円(近海部門9億円、その他含む内航部門27億円、OSV部門50百万円)、経常利益36億円、親会社株主帰属当期純利益25億円を掲げた。

 前提は為替が1米ドル=110円、燃料油価格が7万5000円/KLで、投資計画は、24年4月以降竣工予定の新造船建造資金を含めて、21年度から23年度の3年間で合計88億18百万円(22年3月期41億53百万円、23年3月期33億53百万円、24年3月期12億67百万円)としている。

 近海部門は前回予想を上回る運賃や貸船料の水準となっている。計画の最終年度に向けて徐々に市況が軟化するが、ここ暫くは現行市況が継続すると想定し、市況にあった船隊整備の継続、商権の維持、コストの削減をなどで収支の安定を目指す。

 内航部門のフェリー輸送では、22年2月1日付で宮古(八戸)〜室蘭航路を休止して八戸〜苫小牧航路に集中し、効率的な航路運営に取り組む。定期船輸送では、紙製品などの太宗貨物が減少するなか、新規貨物の獲得やコストの削減に取り組む。不定期船輸送では、石灰石および石炭の各専用船の安全運航によって商権の維持に努めるとともに、新規案件の獲得にも取り組む。

 OSV部門は、これまでのSEP船(自己昇降式作業台船)支援および資源探査などに取り組むとともに、23年度から本格化する洋上風力事業の支援についても積極的に参画する。21年6月には川崎汽船と共同で設立した洋上風力発電向け作業船事業会社ケイライン・ウインド・サービスが営業開始した。

 さらに再生可能エネルギー産業を重要な事業分野の一つに位置付けて、バイオマス関連輸送などへの取り組みも強化している。21年9月には山口県下関市における長府バイオマス発電所プロジェクトに参画(石油資源開発、MOT総合研究所、東京エネシス、長府製作所、および同社の5社)すると発表した。本発電所向け燃料輸送を受託する。22年6月着工、25年1月運転開始予定である。

 22年1月には川崎汽船との合弁会社であるケイライン・ウインド・サービスが、ジャパンマリンユナイテッド、日本シップヤード、東亜建設工業の3社とともに、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募したグリーンイノベーション基金事業「洋上風力発電の低コスト化プロジェクト」に共同で応募して採択された。

■22年3月期3Q累計大幅増益、通期予想は4回目の上方修正

 22年3月期の連結業績予想(21年7月30日に上方修正、21年10月29日に2回目の上方修正、21年12月24日に3回目の上方修正、22年1月31日に4回目の上方修正)は、売上高が21年3月期比15.8%増の429億円、営業利益が6.8倍の27億50百万円、経常利益が14.4倍の27億円、親会社株主帰属当期純利益が19億円(21年3月期は1億12百万円の赤字)としている。配当予想(21年12月24日に期末50円上方修正)は、21年3月期比50円増配の150円(第2四半期末50円、期末100円)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比15.5%増の321億24百万円、営業利益が2.5倍の24億46百万円、経常利益が3.3倍の24億60百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2.5倍の17億06百万円だった。なお特別利益では前年計上の固定資産売却益4億06百万円と違約金収入1億30百万円が剥落し、特別損失では前期計上の用船契約解約金3億83百万円と投資有価証券評価損43百万円が剥落している。

 近海部門の市況上昇などで大幅増収増益だった。収益認識基準適用の影響額として売上高が1億42百万円減少、売上原価が55百万円減少、営業利益、経常利益、税金等調整前四半期純利益がそれぞれ87百万円減少している。影響は軽微である。

 近海部門は売上高が37.4%増の91億95百万円で営業利益が10億78百万円(前年同期は1億円の赤字)、内航部門は売上高が9.2%増の217億24百万円で営業利益が14.1%増の15億26百万円、OSV部門は売上高が1.9%減の12億01百万円で営業利益が1億58百万円の赤字(同2億71百万円の赤字)だった。

 近海部門は、バルク輸送がロシアにおける滞船の影響を受けたため全体としても貨物輸送量が減少したが、市況上昇が継続して運賃収入や貸船料が大幅に増加した。内航部門は輸送量が増加し、入渠費や減価償却費の減少も寄与した。コロナ禍でも定期船輸送・不定期船輸送とも荷動きが堅調に推移し、フェリー輸送の旅客数や乗用車数も増加した。OSV部門は海洋調査業務が減少したため減収だが、運航費の減少などで赤字縮小した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が95億15百万円で営業利益が1億24百万円の赤字、第2四半期は売上高が106億15百万円で営業利益が8億52百万円、第3四半期は売上高が119億94百万円で営業利益が17億18百万円だった。季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

 通期予想は前回予想に対して、売上高を4億円、営業利益を4億円、経常利益を4億円、親会社株主帰属当期純利益を2億70百万円、それぞれ上方修正した。第4四半期以降の前提は、為替が1ドル=115円(前回予想時は1ドル=110円)、燃料油価格が7万8200円K/L(同7万5000円K/L)としている。

 近海部門は市況上昇の継続、内航部門は堅調な荷動きで、いずれも前回予想を上回る見込みとしている。修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75%、営業利益が89%、経常利益が91%、親会社株主帰属当期純利益が90%となる。通期予想は更なる上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は1月の昨年来高値圏から反落したが、好業績を評価して素早く反発の動きを強めている。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。2月8日の終値は3720円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS647円25銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の150円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8987円27銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約110億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[01月17日更新]

川崎近海汽船は上値試す、22年3月期大幅増収増益・増配予想

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力として、再生可能エネルギー分野の洋上風力発電向け作業船やバイオマス関連輸送の取り組みも強化している。22年3月期は市況上昇などで大幅増収増益・増配予想(21年12月24日付で上方修正)としている。市況動向などを勘案すれば通期業績予想はさらに4回目の上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は上方修正を評価して急伸し、昨年来高値更新の展開だ。15年1月の高値を突破すれば08年以来の高値圏となる。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 21年3月期売上高構成比は近海部門が26%、内航部門が71%、OSV部門が4%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲72%、内航部門が283%、OSV部門が▲111%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

 なお20年12月には全社的なDX推進に向けてDX委員会を設置、21年1月には環境への対応に向けて次世代環境対応ワーキンググループを設置、21年4月には安全運航推進員会を環境・安全運航推進委員会に改称した。

■新たな中期経営計画策定、24年3月期経常利益36億円目指す

 21年12月に策定した2021年度中期経営計画(コロナ禍や市況の動向を考慮し、20年10月策定の2020年度中期経営計画を更新して策定)では、目標値に24年3月期売上高416億円(近海部門128億円、その他含む内航部門270億円、OSV部門18億円)、営業利益36億50百万円(近海部門9億円、その他含む内航部門27億円、OSV部門50百万円)、経常利益36億円、親会社株主帰属当期純利益25億円を掲げた。

 前提は為替が1米ドル=110円、燃料油価格が7万5000円/KLで、投資計画は、24年4月以降竣工予定の新造船建造資金を含めて、21年度から23年度の3年間で合計88億18百万円(22年3月期41億53百万円、23年3月期33億53百万円、24年3月期12億67百万円)としている。

 近海部門は前回予想を上回る運賃や貸船料の水準となっている。計画の最終年度に向けて徐々に市況が軟化するが、ここ暫くは現行市況が継続すると想定し、市況にあった船隊整備の継続、商権の維持、コストの削減をなどで収支の安定を目指す。

 内航部門のフェリー輸送では、22年2月1日付で宮古(八戸)〜室蘭航路を休止して八戸〜苫小牧航路に集中し、効率的な航路運営に取り組む。定期船輸送では、紙製品などの太宗貨物が減少するなか、新規貨物の獲得やコストの削減に取り組む。不定期船輸送では、石灰石および石炭の各専用船の安全運航によって商権の維持に努めるとともに、新規案件の獲得にも取り組む。

 OSV部門は、これまでのSEP船(自己昇降式作業台船)支援および資源探査などに取り組むとともに、23年度から本格化する洋上風力事業の支援についても積極的に参画する。21年6月には川崎汽船と共同で設立した洋上風力発電向け作業船事業会社ケイライン・ウインド・サービスが営業開始した。

 さらに再生可能エネルギー産業を重要な事業分野の一つに位置付けて、バイオマス関連輸送などへの取り組みも強化している。21年9月には山口県下関市における長府バイオマス発電所プロジェクトに参画(石油資源開発、MOT総合研究所、東京エネシス、長府製作所、および同社の5社)すると発表した。本発電所向け燃料輸送を受託する。22年6月着工、25年1月運転開始予定である。

■22年3月期大幅増収増益・増配予想

 22年3月期の連結業績予想(21年7月30日に1回目の上方修正、10月29日に2回目の上方修正、12月24日に3回目の上方修正)は、売上高が21年3月期比14.7%増の425億円、営業利益が5.8倍の23億50百万円、経常利益が12.3倍の23億円、親会社株主帰属当期純利益が16億30百万円(21年3月期は1億12百万円の赤字)としている。配当予想(12月24日に期末50円上方修正)は21年3月期比50円増配の150円(第2四半期末50円、期末100円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比10.9%増の201億30百万円、営業利益が3.1倍の7億28百万円、経常利益が5.5倍の7億27百万円、親会社株主帰属四半期純利益が16.6%増の5億39百万円だった。なお特別利益では前年計上の固定資産売却益3億69百万円が剥落した。

 近海部門の市況上昇などで従来予想を上回る大幅増収増益だった。従来予想(7月30日の上方修正値)に対して、売上高は3億30百万円、営業利益は5億78百万円、経常利益は5億77百万円、親会社株主帰属四半期純利益は3億99百万円、それぞれ上回った。

 近海部門は売上高が33.7%増の57億75百万円で、営業利益が5億81百万円(前年同期は89百万円の赤字)だった。市況上昇で運賃収入や貸船料が想定以上に増加したことに加えて、ロシア炭輸送の積地のロシアにおける滞船影響で船隊稼働率が低下して燃料消費量が減少したことも寄与した。

 内航部門は売上高が5.8%増の138億35百万円で、営業利益が9.5%減の5億01百万円だった。入渠費が減少したが燃料油価格高騰の影響で減益だった。ただし売上面は、コロナ禍でも定期船輸送・不定期船輸送とも荷動きが堅調に推移し、フェリー輸送の旅客数や乗用車数も増加した。

 OSV部門は売上高が31.5%減の5億17百万円で、営業利益が3億54百万円の赤字(同2億29百万円の赤字)だった。海洋調査業務が大幅に減少した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が95億15百万円で営業利益が1億24百万円の赤字、第2四半期は売上高が106億15百万円で営業利益が8億52百万円だった。季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

 通期予想は前回予想(10月29日付の上方修正値)に対して、売上高を5億円、営業利益を9億50百万円、経常利益を9億50百万円、親会社株主帰属当期純利益を6億80百万円、それぞれ上方修正した。

 近海部門は好調な市況が継続して運賃収入や貸船料収入が増加するとともに、売上原価も前回予想を下回る見込みだ。内航部門はコロナ禍でも荷動きが堅調に推移し、宮古(八戸)〜室蘭航路の休止(22年2月1日付)の効果も寄与する。OSV部門は概ね前回予想の水準としている。市況動向などを勘案すれば通期予想はさらに4回目の上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は上方修正を評価して急伸し、昨年来高値更新の展開となった。15年1月の高値4400円を突破すれば08年以来の高値圏となる。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。1月14日の終値は4145円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS555円28銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の150円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8987円27銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約122億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[12月23日更新]

川崎近海汽船は上値試す、22年3月期大幅増益予想

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。再生可能エネルギー産業を重要な事業分野の一つに位置付けて、バイオマス関連輸送への取り組みも強化している。22年3月期は市況上昇などで大幅増収増益予想としている。市況動向などを勘案すれば通期予想はさらに上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は11月の直近安値圏から急反発して戻り高値圏だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 21年3月期売上高構成比は近海部門が26%、内航部門が71%、OSV部門が4%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲72%、内航部門が283%、OSV部門が▲111%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

 なお20年12月には全社的なDX推進に向けてDX委員会を設置、21年1月には環境への対応に向けて次世代環境対応ワーキンググループを設置、21年4月には安全運航推進員会を環境・安全運航推進委員会に改称した。

■モーダルシフトも背景として収益力向上目指す

 2020年度中期経営計画では、目標値に23年3月期売上高388億円(近海部門101億円、その他含む内航部門268億円、OSV部門19億円)、営業利益6億円(近海部門2億円の赤字、その他含む内航部門6億円、OSV部門2億円)、経常利益4億50百万円、親会社株主帰属当期純利益3億円を掲げている。

 海上輸送を通じて社会への貢献に努めるとともに、収益力の向上とコスト削減を進めつつ、安定配当の継続を目指す。

 近海部門(21年3月期末18隻、23年3月期末計画15隻)は、中期的に厳しい状況が予想されるため、効率配船や高コスト傭船の早期返却返船などによって船隊規模の適正化を図り、市況にあった船隊整備の継続、商圏の維持、コスト削減などで終始安定を目指す。バイオマス発電所用燃料の輸送は長期契約の獲得を目指す。

 内航部門(21年3月期末20隻、23年3月期末計画21隻)では、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの拡大を念頭に置いて、顧客ニーズに沿った輸送サービスの提供で収益力向上を目指す。定期船輸送では新規貨物の獲得とコスト削減、不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船の安全運航、商圏の維持、新規案件の獲得を推進する。フェリー輸送では、大型新造船の積載能力を活かした貨物の開拓や効率的運営を推進する。

 OSV部門(21年3月期末5隻、23年3月期末計画5隻)は、海洋資源開発への期待が高まる中、オフショア支援船事業の充実、洋上風力関連事業への参入で収益拡大を図るとともに、CCS(二酸化炭素回収・海底貯蔵)調査や資源探査などにも取り組む。

 20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。21年6月には川崎汽船と共同で設立した洋上風力発電向け作業船事業会社ケイライン・ウインド・サービスが営業開始した。

 さらに再生可能エネルギー産業を重要な事業分野の一つに位置付けて、バイオマス関連輸送などへの取り組みも強化している。21年9月には山口県下関市における長府バイオマス発電所プロジェクトに参画(石油資源開発、MOT総合研究所、東京エネシス、長府製作所、および同社の5社)すると発表した。本発電所向け燃料輸送を受託する。22年6月着工、25年1月運転開始予定である。

■22年3月期大幅増収増益予想

 22年3月期の連結業績予想(7月30日に上方修正、10月29日に2回目の上方修正)は、売上高が21年3月期比13.3%増の420億円、営業利益が3.5倍の14億円、経常利益が7.2倍の13億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が9億50百万円の黒字(21年3月期は1億12百万円の赤字)としている。配当予想は21年3月期と同額の100円(第2四半期末50円、期末50円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比10.9%増の201億30百万円、営業利益が3.1倍の7億28百万円、経常利益が5.5倍の7億27百万円、親会社株主帰属四半期純利益が16.6%増の5億39百万円だった。なお特別利益では前年計上の固定資産売却益3億69百万円が剥落した。

 近海部門の市況上昇などで従来予想を上回る大幅増収増益だった。従来予想(7月30日の上方修正値)に対して、売上高は3億30百万円、営業利益は5億78百万円、経常利益は5億77百万円、親会社株主帰属四半期純利益は3億99百万円、それぞれ上回った。

 近海部門は売上高が33.7%増の57億75百万円で、営業利益が5億81百万円(前年同期は89百万円の赤字)だった。市況上昇で運賃収入や貸船料が想定以上に増加したことに加えて、ロシア炭輸送の積地のロシアにおける滞船影響で船隊稼働率が低下して燃料消費量が減少したことも寄与した。

 内航部門は売上高が5.8%増の138億35百万円で、営業利益が9.5%減の5億01百万円だった。入渠費が減少したが燃料油価格高騰の影響で減益だった。ただし売上面は、コロナ禍でも定期船輸送・不定期船輸送とも荷動きが堅調に推移し、フェリー輸送の旅客数や乗用車数も増加した。

 OSV部門は売上高が31.5%減の5億17百万円で、営業利益が3億54百万円の赤字(同2億29百万円の赤字)だった。海洋調査業務が大幅に減少した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が95億15百万円で営業利益が1億24百万円の赤字、第2四半期は売上高が106億15百万円で営業利益が8億52百万円だった。季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

 通期予想は従来予想(7月30日の上方修正値)に対して、売上高を15億50百万円、営業利益を5億50百万円、経常利益を5億円、親会社株主帰属当期純利益を3億40百万円、それぞれ上方修正している。

 OSV部門は海洋調査業務の遅れで稼働率が低下するため従来予想を下回るが、近海部門の市況上昇が第3四半期以降も継続し、内航部門も荷動きが堅調に推移して収支が従来予想を上回る見込みとしている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.9%、営業利益が52.0%、経常利益が53.9%、純利益が56.7%となる。単純計算すると各利益の通期の上方修正幅は上期の超過分を上乗せした形であり、市況動向などを勘案すれば通期予想はさらに3回目の上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は11月の直近安値圏から急反発して戻り高値圏だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。12月22日の終値は3225円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS323円63銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8987円27銭で算出)は約0.4倍、そして時価総額は約95億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[12月02日更新]

川崎近海汽船は反発の動き、22年3月期大幅増益予想

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。再生可能エネルギー産業を重要な事業分野の一つに位置付けて、バイオマス関連輸送への取り組みも強化している。22年3月期は市況上昇などで大幅増収増益予想(10月29日に2回目の上方修正)としている。市況動向などを勘案すれば通期予想はさらに3回目の上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は9月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形だったが、12月1日は急反発の動きとなった。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 21年3月期売上高構成比は近海部門が26%、内航部門が71%、OSV部門が4%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲72%、内航部門が283%、OSV部門が▲111%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

 なお20年12月には全社的なDX推進に向けてDX委員会を設置、21年1月には環境への対応に向けて次世代環境対応ワーキンググループを設置、21年4月には安全運航推進員会を環境・安全運航推進委員会に改称した。

■モーダルシフトも背景として収益力向上目指す

 2020年度中期経営計画では、目標値に23年3月期売上高388億円(近海部門101億円、その他含む内航部門268億円、OSV部門19億円)、営業利益6億円(近海部門2億円の赤字、その他含む内航部門6億円、OSV部門2億円)、経常利益4億50百万円、親会社株主帰属当期純利益3億円を掲げている。

 海上輸送を通じて社会への貢献に努めるとともに、収益力の向上とコスト削減を進めつつ、安定配当の継続を目指す。

 近海部門(21年3月期末18隻、23年3月期末計画15隻)は、中期的に厳しい状況が予想されるため、効率配船や高コスト傭船の早期返却返船などによって船隊規模の適正化を図り、市況にあった船隊整備の継続、商圏の維持、コスト削減などで終始安定を目指す。バイオマス発電所用燃料の輸送は長期契約の獲得を目指す。

 内航部門(21年3月期末20隻、23年3月期末計画21隻)では、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの拡大を念頭に置いて、顧客ニーズに沿った輸送サービスの提供で収益力向上を目指す。定期船輸送では新規貨物の獲得とコスト削減、不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船の安全運航、商圏の維持、新規案件の獲得を推進する。フェリー輸送では、大型新造船の積載能力を活かした貨物の開拓や効率的運営を推進する。

 OSV部門(21年3月期末5隻、23年3月期末計画5隻)は、海洋資源開発への期待が高まる中、オフショア支援船事業の充実、洋上風力関連事業への参入で収益拡大を図るとともに、CCS(二酸化炭素回収・海底貯蔵)調査や資源探査などにも取り組む。

 20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。21年6月には川崎汽船と共同で設立した洋上風力発電向け作業船事業会社ケイライン・ウインド・サービスが営業開始した。

 さらに再生可能エネルギー産業を重要な事業分野の一つに位置付けて、バイオマス関連輸送などへの取り組みも強化している。21年9月には山口県下関市における長府バイオマス発電所プロジェクトに参画(石油資源開発、MOT総合研究所、東京エネシス、長府製作所、および同社の5社)すると発表した。本発電所向け燃料輸送を受託する。22年6月着工、25年1月運転開始予定である。

■22年3月期大幅増収増益予想

 22年3月期の連結業績予想(7月30日に上方修正、10月29日に2回目の上方修正)は、売上高が21年3月期比13.3%増の420億円、営業利益が3.5倍の14億円、経常利益が7.2倍の13億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が9億50百万円の黒字(21年3月期は1億12百万円の赤字)としている。配当予想は21年3月期と同額の100円(第2四半期末50円、期末50円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比10.9%増の201億30百万円、営業利益が3.1倍の7億28百万円、経常利益が5.5倍の7億27百万円、親会社株主帰属四半期純利益が16.6%増の5億39百万円だった。なお特別利益では前年計上の固定資産売却益3億69百万円が剥落した。

 近海部門の市況上昇などで従来予想を上回る大幅増収増益だった。従来予想(7月30日の上方修正値)に対して、売上高は3億30百万円、営業利益は5億78百万円、経常利益は5億77百万円、親会社株主帰属四半期純利益は3億99百万円、それぞれ上回った。

 近海部門は売上高が33.7%増の57億75百万円で、営業利益が5億81百万円(前年同期は89百万円の赤字)だった。市況上昇で運賃収入や貸船料が想定以上に増加したことに加えて、ロシア炭輸送の積地のロシアにおける滞船影響で船隊稼働率が低下して燃料消費量が減少したことも寄与した。

 内航部門は売上高が5.8%増の138億35百万円で、営業利益が9.5%減の5億01百万円だった。入渠費が減少したが燃料油価格高騰の影響で減益だった。ただし売上面は、コロナ禍でも定期船輸送・不定期船輸送とも荷動きが堅調に推移し、フェリー輸送の旅客数や乗用車数も増加した。

 OSV部門は売上高が31.5%減の5億17百万円で、営業利益が3億54百万円の赤字(同2億29百万円の赤字)だった。海洋調査業務が大幅に減少した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が95億15百万円で営業利益が1億24百万円の赤字、第2四半期は売上高が106億15百万円で営業利益が8億52百万円だった。季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

 通期予想は従来予想(7月30日の上方修正値)に対して、売上高を15億50百万円、営業利益を5億50百万円、経常利益を5億円、親会社株主帰属当期純利益を3億40百万円、それぞれ上方修正した。

 OSV部門は海洋調査業務の遅れで稼働率が低下するため従来予想を下回るが、近海部門の市況上昇が第3四半期以降も継続し、内航部門も荷動きが堅調に推移して収支が従来予想を上回る見込みとしている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.9%、営業利益が52.0%、経常利益が53.9%、純利益が56.7%となる。単純計算すると各利益の通期の上方修正幅は上期の超過分を上乗せした形であり、市況動向などを勘案すれば通期予想はさらに3回目の上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は9月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形だったが、12月1日は急反発の動きとなった。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。12月1日の終値は2991円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS323円63銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8987円27銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約88億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[11月10日更新]

川崎近海汽船は戻り試す、22年3月期2Q累計大幅増益で通期2回目の上方修正

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。さらに再生可能エネルギー産業を重要な事業分野の一つに位置付けて、バイオマス関連輸送への取り組みも強化している。22年3月期は市況上昇などで第2四半期累計が従来予想を上回る大幅増収増益となり、通期予想を上方修正(7月30日に続いて2回目)した。市況動向などを勘案すれば通期予想はさらに3回目の上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は9月の年初来高値圏から反落してモミ合う形だが、利益確定売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 21年3月期売上高構成比は近海部門が26%、内航部門が71%、OSV部門が4%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲72%、内航部門が283%、OSV部門が▲111%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

 なお20年12月には全社的なDX推進に向けてDX委員会を設置、21年1月には環境への対応に向けて次世代環境対応ワーキンググループを設置、21年4月には安全運航推進員会を環境・安全運航推進委員会に改称した。

■モーダルシフトも背景として収益力向上目指す

 2020年度中期経営計画では、目標値に23年3月期売上高388億円(近海部門101億円、その他含む内航部門268億円、OSV部門19億円)、営業利益6億円(近海部門2億円の赤字、その他含む内航部門6億円、OSV部門2億円)、経常利益4億50百万円、親会社株主帰属当期純利益3億円を掲げている。

 海上輸送を通じて社会への貢献に努めるとともに、収益力の向上とコスト削減を進めつつ、安定配当の継続を目指す。

 近海部門(21年3月期末18隻、23年3月期末計画15隻)は、中期的に厳しい状況が予想されるため、効率配船や高コスト傭船の早期返却返船などによって船隊規模の適正化を図り、市況にあった船隊整備の継続、商圏の維持、コスト削減などで終始安定を目指す。バイオマス発電所用燃料の輸送は長期契約の獲得を目指す。

 内航部門(21年3月期末20隻、23年3月期末計画21隻)では、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの拡大を念頭に置いて、顧客ニーズに沿った輸送サービスの提供で収益力向上を目指す。定期船輸送では新規貨物の獲得とコスト削減、不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船の安全運航、商圏の維持、新規案件の獲得を推進する。フェリー輸送では、大型新造船の積載能力を活かした貨物の開拓や効率的運営を推進する。

 OSV部門(21年3月期末5隻、23年3月期末計画5隻)は、海洋資源開発への期待が高まる中、オフショア支援船事業の充実、洋上風力関連事業への参入で収益拡大を図るとともに、CCS(二酸化炭素回収・海底貯蔵)調査や資源探査などにも取り組む。

 20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。21年6月には川崎汽船と共同で設立した洋上風力発電向け作業船事業会社ケイライン・ウインド・サービスが営業開始した。

 さらに再生可能エネルギー産業を重要な事業分野の一つに位置付けて、バイオマス関連輸送などへの取り組みも強化している。21年9月には山口県下関市における長府バイオマス発電所プロジェクトに参画(石油資源開発、MOT総合研究所、東京エネシス、長府製作所、および同社の5社)すると発表した。本発電所向け燃料輸送を受託する。22年6月着工、25年1月運転開始予定である。

■22年3月期2Q累計大幅増収増益で通期2回目の上方修正

 22年3月期の連結業績予想(7月30日に上方修正、10月29日に2回目の上方修正)は、売上高が21年3月期比13.3%増の420億円、営業利益が3.5倍の14億円、経常利益が7.2倍の13億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が9億50百万円の黒字(21年3月期は1億12百万円の赤字)としている。配当予想は21年3月期と同額の100円(第2四半期末50円、期末50円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比10.9%増の201億30百万円、営業利益が3.1倍の7億28百万円、経常利益が5.5倍の7億27百万円、親会社株主帰属四半期純利益が16.6%増の5億39百万円だった。なお特別利益で前年計上の固定資産売却益3億69百万円が剥落した。

 近海部門の市況上昇などで従来予想を上回る大幅増収増益だった。従来予想(7月30日の上方修正値)に対して、売上高は3億30百万円、営業利益は5億78百万円、経常利益は5億77百万円、親会社株主帰属四半期純利益は3億99百万円、それぞれ上回った。

 近海部門は売上高が33.7%増の57億75百万円で、営業利益が5億81百万円(前年同期は89百万円の赤字)だった。市況上昇で運賃収入や貸船料が想定以上に増加したことに加えて、ロシア炭輸送の積地のロシアにおける滞船影響で船隊稼働率が低下して燃料消費量が減少したことも寄与した。

 内航部門は売上高が5.8%増の138億35百万円で、営業利益が9.5%減の5億01百万円だった。入渠費が減少したが燃料油価格高騰の影響で減益だった。ただし売上面は、コロナ禍でも定期船輸送・不定期船輸送とも荷動きが堅調に推移し、フェリー輸送の旅客数や乗用車数も増加した。

 OSV部門は売上高が31.5%減の5億17百万円で、営業利益が3億54百万円の赤字(同2億29百万円の赤字)だった。海洋調査業務が大幅に減少した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が95億15百万円で営業利益が1億24百万円の赤字、第2四半期は売上高が106億15百万円で営業利益が8億52百万円だった。季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

 通期予想は従来予想(7月30日の上方修正値)に対して、売上高を15億50百万円、営業利益を5億50百万円、経常利益を5億円、親会社株主帰属当期純利益を3億40百万円、それぞれ上方修正した。

 OSV部門は海洋調査業務の遅れで稼働率が低下するため従来予想を下回るが、近海部門の市況上昇が第3四半期以降も継続し、内航部門も荷動きが堅調に推移して収支が従来予想を上回る見込みとしている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.9%、営業利益が52.0%、経常利益が53.9%、純利益が56.7%となる。単純計算すると各利益の通期の上方修正幅は上期の超過分を上乗せした形であり、市況動向などを勘案すれば通期予想はさらに3回目の上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は9月の年初来高値圏から反落してモミ合う形だが、利益確定売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。11月9日の終値は2951円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS323円63銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想100円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS8987円27銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約87億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[10月13日更新]

川崎近海汽船は戻り試す、22年3月期は市況回復で再上振れの可能性

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。さらに再生可能エネルギー産業を重要な事業分野の一つに位置付けて、バイオマス関連輸送などへの取り組みも強化している。22年3月期は近海部門の市況回復効果で大幅増益予想としている。さらに再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。株価は地合い悪化も影響して9月の年初来高値圏から急反落の形となったが、利益確定売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 21年3月期売上高構成比は近海部門が26%、内航部門が71%、OSV部門が4%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲72%、内航部門が283%、OSV部門が▲111%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

 なお20年12月には全社的なDX推進に向けてDX委員会を設置、21年1月には環境への対応に向けて次世代環境対応ワーキンググループを設置、21年4月には安全運航推進員会を環境・安全運航推進委員会に改称した。

■モーダルシフトも背景として収益力向上目指す

 2020年度中期経営計画では、目標値に23年3月期売上高388億円(近海部門101億円、その他含む内航部門268億円、OSV部門19億円)、営業利益6億円(近海部門2億円の赤字、その他含む内航部門6億円、OSV部門2億円)、経常利益4億50百万円、親会社株主帰属当期純利益3億円を掲げている。

 海上輸送を通じて社会への貢献に努めるとともに、収益力の向上とコスト削減を進めつつ、安定配当の継続を目指す。

 近海部門(21年3月期末18隻、23年3月期末計画15隻)は、中期的に厳しい状況が予想されるため、効率配船や高コスト傭船の早期返却返船などによって船隊規模の適正化を図り、市況にあった船隊整備の継続、商圏の維持、コスト削減などで終始安定を目指す。バイオマス発電所用燃料の輸送は長期契約の獲得を目指す。

 内航部門(21年3月期末20隻、23年3月期末計画21隻)は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの拡大を念頭に置いて、顧客ニーズに沿った輸送サービスの提供で収益力向上を目指す。定期船輸送では新規貨物の獲得とコスト削減、不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船の安全運航、商圏の維持、新規案件の獲得を推進する。フェリー輸送では、大型新造船の積載能力を活かした貨物の開拓、2つのフェリー航路の効率的運営を推進する。

 OSV部門(21年3月期末5隻、23年3月期末計画5隻)は、海洋資源開発への期待が高まる中、オフショア支援船事業の充実、洋上風力関連事業への参入で収益拡大を図るとともに、CCS(二酸化炭素回収・海底貯蔵)調査や資源探査などにも取り組む。

 20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。21年6月には川崎汽船と共同で設立した洋上風力発電向け作業船事業会社ケイライン・ウインド・サービスが営業開始した。

 さらに再生可能エネルギー産業を重要な事業分野の一つに位置付けて、バイオマス関連輸送などへの取り組みも強化している。21年9月には山口県下関市における長府バイオマス発電所プロジェクトに参画(石油資源開発、MOT総合研究所、東京エネシス、長府製作所、および同社の5社)すると発表した。本発電所向け燃料輸送を受託する。22年6月着工、25年1月運転開始予定である。

■22年3月期大幅増益予想、さらに再上振れの可能性

 22年3月期の連結業績予想(7月30日に上方修正)は、売上高が21年3月期比9.1%増の404億50百万円、営業利益が2.1倍の8億50百万円、経常利益が4.5倍の8億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が6億10百万円の黒字(21年3月期は1億12百万円の赤字)としている。第1四半期の状況を受けて第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正した。配当予想は21年3月期と同額の100円(第2四半期末50円、期末50円)としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比4.8%増の95億15百万円、営業利益が1億24百万円の赤字(前年同期は3億16百万円の赤字)、経常利益が1億10百万円の赤字(同3億31百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が52百万円の赤字(同1億27百万円の赤字)だった。

 全体として赤字縮小した。内航部門は新型コロナ影響で0.6%増収にとどまり、燃料油価格高騰の影響で赤字化したが、近海部門が市況回復効果で25.7%増収となって黒字化した。OSV部門は42.3%減収で赤字拡大した。

 修正後の通期予想は近海部門の収益改善が牽引し、従来の営業減益・小幅経常増益予想から一転して大幅営業・経常増益予想としている。当期純利益は前期計上の特別損失の剥落も寄与する。

 近海部門は市況回復に伴う運賃や貸船料の増加で従来予想(売上高が5.3%増の100億円、営業利益が2億円の赤字)を大きく上回り、大幅に収益改善する見込みだ。内航部門は荷動きが堅調だが、燃料油価格高騰の影響で従来予想並み(売上高が3.3%増の270億円、営業利益が47.5%減の6億円)としている。OSV部門の従来予想は売上高が5.5%増の15億円、営業利益が1億50百万円の赤字の計画である。船隊整備や稼働率向上で赤字縮小の見込みとしている。

 市況が回復基調であり、近海部門の収益改善で、さらに再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は地合い悪化も影響して9月の年初来高値圏から急反落の形となったが、利益確定売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。10月12日の終値は3125円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS207円80銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8987円27銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約92億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[09月24日更新]

川崎近海汽船は上値試す、22年3月期は再上振れの可能性で収益拡大基調

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。再生可能エネルギー産業を重要な事業分野の一つに位置付けて、バイオマス関連輸送などへの取り組みも強化している。そして山口県下関市における長府バイオマス発電所プロジェクトに参画する。22年3月期は近海部門の市況回復効果で大幅増益予想(7月30日に上方修正)としている。さらに再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。株価は好業績を評価して年初来高値更新の展開となった。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 21年3月期売上高構成比は近海部門が26%、内航部門が71%、OSV部門が4%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲72%、内航部門が283%、OSV部門が▲111%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

 なお20年12月には全社的なDX推進に向けてDX委員会を設置、21年1月には環境への対応に向けて次世代環境対応ワーキンググループを設置、21年4月には安全運航推進員会を環境・安全運航推進委員会に改称した。

■モーダルシフトも背景として収益力向上目指す

 2020年度中期経営計画では、目標値に23年3月期売上高388億円(近海部門101億円、その他含む内航部門268億円、OSV部門19億円)、営業利益6億円(近海部門2億円の赤字、その他含む内航部門6億円、OSV部門2億円)、経常利益4億50百万円、親会社株主帰属当期純利益3億円を掲げている。

 海上輸送を通じて社会への貢献に努めるとともに、収益力の向上とコスト削減を進めつつ、安定配当の継続を目指す。

 近海部門(21年3月期末18隻、23年3月期末計画15隻)は、中期的に厳しい状況が予想されるため、効率配船や高コスト傭船の早期返却返船などによって船隊規模の適正化を図り、市況にあった船隊整備の継続、商圏の維持、コスト削減などで終始安定を目指す。バイオマス発電所用燃料の輸送は長期契約の獲得を目指す。

 内航部門(21年3月期末20隻、23年3月期末計画21隻)は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの拡大を念頭に置いて、顧客ニーズに沿った輸送サービスの提供で収益力向上を目指す。定期船輸送では新規貨物の獲得とコスト削減、不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船の安全運航、商圏の維持、新規案件の獲得を推進する。フェリー輸送では、大型新造船の積載能力を活かした貨物の開拓、2つのフェリー航路の効率的運営を推進する。

 OSV部門(21年3月期末5隻、23年3月期末計画5隻)は、海洋資源開発への期待が高まる中、オフショア支援船事業の充実、洋上風力関連事業への参入で収益拡大を図るとともに、CCS(二酸化炭素回収・海底貯蔵)調査や資源探査などにも取り組む。

 20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。21年6月には川崎汽船と共同で設立した洋上風力発電向け作業船事業会社ケイライン・ウインド・サービスが営業開始した。

 さらに再生可能エネルギー産業を重要な事業分野の一つに位置付けて、16年9月にバイオマス関連輸送ワーキンググループを発足するなど、バイオマス関連輸送などへの取り組みも強化している。9月8日には山口県下関市における長府バイオマス発電所プロジェクトに参画(石油資源開発、MOT総合研究所、東京エネシス、長府製作所、および同社の5社)すると発表した。本発電所向け燃料輸送を受託する。22年6月着工、25年1月運転開始予定である。

■22年3月期大幅増益予想、さらに再上振れの可能性

 22年3月期の連結業績予想(7月30日に上方修正)は、売上高が21年3月期比9.1%増の404億50百万円、営業利益が2.1倍の8億50百万円、経常利益が4.5倍の8億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が6億10百万円の黒字(21年3月期は1億12百万円の赤字)としている。第1四半期の状況を受けて第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正した。配当予想は21年3月期と同額の100円(第2四半期末50円、期末50円)としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比4.8%増の95億15百万円、営業利益が1億24百万円の赤字(前年同期は3億16百万円の赤字)、経常利益が1億10百万円の赤字(同3億31百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が52百万円の赤字(同1億27百万円の赤字)だった。

 全体として赤字縮小した。内航部門は新型コロナ影響で0.6%増収にとどまり、燃料油価格高騰の影響で赤字化したが、近海部門が市況回復効果で25.7%増収となって黒字化した。OSV部門は42.3%減収で赤字拡大した。

 修正後の通期予想は近海部門の収益改善が牽引し、従来の営業減益・小幅経常増益予想から一転して大幅営業・経常増益予想としている。当期純利益は前期計上の特別損失の剥落も寄与する。

 近海部門は市況回復に伴う運賃や貸船料の増加で従来予想(売上高が5.3%増の100億円、営業利益が2億円の赤字)を大きく上回り、大幅に収益改善する見込みだ。内航部門は荷動きが堅調だが、燃料油価格高騰の影響で従来予想並み(売上高が3.3%増の270億円、営業利益が47.5%減の6億円)としている。OSV部門の従来予想は売上高が5.5%増の15億円、営業利益が1億50百万円の赤字の計画である。船隊整備や稼働率向上で赤字縮小の見込みとしている。

 新型コロナ感染再拡大で不透明感が強いが、市況が回復基調であり、近海部門の収益改善で、さらに再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は好業績を評価して年初来高値更新の展開となった。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。9月22日の終値は3395円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS207円80銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8987円27銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約100億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月01日更新]

川崎近海汽船は上値試す、22年3月期大幅増益予想、さらに再上振れの可能性

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。22年3月期は近海部門の市況回復効果で大幅増益予想(7月30日に第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正)としている。さらに再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は年初来高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 21年3月期売上高構成比は近海部門が26%、内航部門が71%、OSV部門が4%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲72%、内航部門が283%、OSV部門が▲111%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

 なお20年12月には全社的なDX推進に向けてDX委員会を設置、21年1月には環境への対応に向けて次世代環境対応ワーキンググループを設置、21年4月には安全運航推進員会を環境・安全運航推進委員会に改称した。

■モーダルシフトも背景として収益力向上目指す

 2020年度中期経営計画では、目標値に23年3月期売上高388億円(近海部門101億円、その他含む内航部門268億円、OSV部門19億円)、営業利益6億円(近海部門2億円の赤字、その他含む内航部門6億円、OSV部門2億円)、経常利益4億50百万円、親会社株主帰属当期純利益3億円を掲げている。

 海上輸送を通じて社会への貢献に努めるとともに、収益力の向上とコスト削減を進めつつ、安定配当の継続を目指す。

 近海部門(21年3月期末18隻、23年3月期末計画15隻)は、中期的に厳しい状況が予想されるため、効率配船や高コスト傭船の早期返却返船などによって船隊規模の適正化を図り、市況にあった船隊整備の継続、商圏の維持、コスト削減などで終始安定を目指す。バイオマス発電所用燃料の輸送は長期契約の獲得を目指す。

 内航部門(21年3月期末20隻、23年3月期末計画21隻)は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの拡大を念頭に置いて、顧客ニーズに沿った輸送サービスの提供で収益力向上を目指す。定期船輸送では新規貨物の獲得とコスト削減、不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船の安全運航、商圏の維持、新規案件の獲得を推進する。フェリー輸送では、大型新造船の積載能力を活かした貨物の開拓、2つのフェリー航路の効率的運営を推進する。

 OSV部門(21年3月期末5隻、23年3月期末計画5隻)は、海洋資源開発への期待が高まる中、オフショア支援船事業の充実、洋上風力関連事業への参入で収益拡大を図るとともに、CCS(二酸化炭素回収・海底貯蔵)調査や資源探査などにも取り組む。

 20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。21年4月には川崎汽船と共同で、洋上風力発電向け作業船事業会社としてケイライン・ウインド・サービスを設立(21年6月1日営業開始)で合意した。

■22年3月期大幅増益予想、さらに再上振れの可能性

 22年3月期の連結業績予想(7月30日に上方修正)は、売上高が21年3月期比9.1%増の404億50百万円、営業利益が2.1倍の8億50百万円、経常利益が4.5倍の8億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が6億10百万円の黒字(21年3月期は1億12百万円の赤字)としている。第1四半期の状況を受けて第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正した。配当予想は21年3月期と同額の100円(第2四半期末50円、期末50円)としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比4.8%増の95億15百万円、営業利益が1億24百万円の赤字(前年同期は3億16百万円の赤字)、経常利益が1億10百万円の赤字(同3億31百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が52百万円の赤字(同1億27百万円の赤字)だった。

 内航部門は新型コロナ影響で0.6%増収にとどまり、燃料油価格高騰の影響で赤字化したが、近海部門が市況回復効果で25.7%増収となって黒字化した。OSV部門は42.3%減収で赤字拡大した。

 修正後の通期予想は近海部門の収益改善が牽引し、従来の営業減益・小幅経常増益予想から一転して大幅営業・経常増益予想としている。当期純利益は前期計上の特別損失の剥落も寄与する。

 近海部門は市況回復に伴う運賃や貸船料の増加で従来予想(売上高が5.3%増の100億円、営業利益が2億円の赤字)を大きく上回り、大幅に収益改善する見込みだ。内航部門は荷動きが堅調だが、燃料油価格高騰の影響で従来予想並み(売上高が3.3%増の270億円、営業利益が47.5%減の6億円)としている。OSV部門の従来予想は売上高が5.5%増の15億円、営業利益が1億50百万円の赤字の計画である。船隊整備や稼働率向上で赤字縮小の見込みとしている。

 新型コロナ感染再拡大で不透明感が強いが、市況が回復基調であり、近海部門の収益改善で、さらに再上振れの可能性がありそうだ。

■株価は上値試す

 株価は13週移動平均線がサポートラインとなって年初来高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。8月31日の終値は3140円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS207円80銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8987円27銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約93億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR
[08月06日更新]

川崎近海汽船は上値試す、22年3月期は再上振れの可能性

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。22年3月期第1四半期は近海部門の市況回復などで赤字縮小した。そして第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正した。通期は従来の営業減益・小幅経常増益予想から一転して大幅営業・経常増益予想とした。さらに再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は上方修正を好感して年初来高値を更新する場面があった。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 21年3月期売上高構成比は近海部門が26%、内航部門が71%、OSV部門が4%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲72%、内航部門が283%、OSV部門が▲111%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

 なお20年12月には全社的なDX推進に向けてDX委員会を設置、21年1月には環境への対応に向けて次世代環境対応ワーキンググループを設置、21年4月には安全運航推進員会を環境・安全運航推進委員会に改称した。

■モーダルシフトも背景として収益力向上目指す

 2020年度中期経営計画では、目標値に23年3月期売上高388億円(近海部門101億円、その他含む内航部門268億円、OSV部門19億円)、営業利益6億円(近海部門2億円の赤字、その他含む内航部門6億円、OSV部門2億円)、経常利益4億50百万円、親会社株主帰属当期純利益3億円を掲げている。

 海上輸送を通じて社会への貢献に努めるとともに、収益力の向上とコスト削減を進めつつ、安定配当の継続を目指す。

 近海部門(21年3月期末18隻、23年3月期末計画15隻)は、中期的に厳しい状況が予想されるため、効率配船や高コスト傭船の早期返却返船などによって船隊規模の適正化を図り、市況にあった船隊整備の継続、商圏の維持、コスト削減などで終始安定を目指す。バイオマス発電所用燃料の輸送は長期契約の獲得を目指す。

 内航部門(21年3月期末20隻、23年3月期末計画21隻)は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの拡大を念頭に置いて、顧客ニーズに沿った輸送サービスの提供で収益力向上を目指す。定期船輸送では新規貨物の獲得とコスト削減、不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船の安全運航、商圏の維持、新規案件の獲得を推進する。フェリー輸送では、大型新造船の積載能力を活かした貨物の開拓、2つのフェリー航路の効率的運営を推進する。

 OSV部門(21年3月期末5隻、23年3月期末計画5隻)は、海洋資源開発への期待が高まる中、オフショア支援船事業の充実、洋上風力関連事業への参入で収益拡大を図るとともに、CCS(二酸化炭素回収・海底貯蔵)調査や資源探査などにも取り組む。

 20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。21年4月には川崎汽船と共同で、洋上風力発電向け作業船事業会社としてケイライン・ウインド・サービスを設立(21年6月1日営業開始)で合意した。

■22年3月期2Q累計・通期予想を上方修正、さらに再上振れの可能性

 22年3月期の連結業績予想(7月30日に上方修正)は、売上高が21年3月期比9.1%増の404億50百万円、営業利益が2.1倍の8億50百万円、経常利益が4.5倍の8億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が6億10百万円の黒字(21年3月期は1億12百万円の赤字)としている。第1四半期の状況を受けて第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正した。配当予想は据え置いて21年3月期と同額の100円(第2四半期末50円、期末50円)である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比4.8%増の95億15百万円、営業利益が1億24百万円の赤字(前年同期は3億16百万円の赤字)、経常利益が1億10百万円の赤字(同3億31百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が52百万円の赤字(同1億27百万円の赤字)だった。

 内航部門は新型コロナ影響で0.6%増収にとどまり、燃料油価格高騰の影響で赤字化したが、近海部門が市況改善効果で25.7%増収となって黒字化した。OSV部門は42.3%減収で赤字拡大した。

 修正後の通期予想は近海部門の収益改善が牽引し、従来の営業減益・小幅経常増益予想から一転して大幅営業・経常増益予想とした。当期純利益は前期計上の特別損失の剥落も寄与する。

 近海部門は市況回復に伴う運賃や貸船料の増加で従来予想(売上高が5.3%増の100億円、営業利益が2億円の赤字)を大きく上回り、大幅に収益改善する見込みだ。内航部門は荷動きが堅調だが、燃料油価格高騰の影響で従来予想並み(売上高が3.3%増の270億円、営業利益が47.5%減の6億円)としている。OSV部門の従来予想は売上高が5.5%増の15億円、営業利益が1億50百万円の赤字の計画である。船隊整備や稼働率向上で赤字縮小の見込みとしている。

 新型コロナ感染再拡大で不透明感が強いが、市況が回復基調であり、近海部門の収益改善で、さらに再上振れの可能性がありそうだ。

■株価は上値試す

 株価は上方修正を好感して年初来高値を更新する場面があった。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。8月5日の終値は2988円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS207円80銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8987円27銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約88億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月01日更新]

川崎近海汽船は年初来高値更新の展開、22年3月期営業減益予想だが上振れ余地

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。22年3月期は燃料油価格上昇などで営業減益予想としているが保守的だろう。市況改善も寄与して上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は急伸して年初来高値更新の展開となった。低PBRも評価材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 21年3月期売上高構成比は近海部門が26%、内航部門が71%、OSV部門が4%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲72%、内航部門が283%、OSV部門が▲111%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

 なお20年12月には全社的なDX推進に向けてDX委員会を設置、21年1月には環境への対応に向けて次世代環境対応ワーキンググループを設置、21年4月には安全運航推進員会を環境・安全運航推進委員会に改称した。

■モーダルシフトも背景として収益力向上目指す

 2020年度中期経営計画では、目標値に23年3月期売上高388億円(近海部門101億円、その他含む内航部門268億円、OSV部門19億円)、営業利益6億円(近海部門2億円の赤字、その他含む内航部門6億円、OSV部門2億円)、経常利益4億50百万円、親会社株主帰属当期純利益3億円を掲げている。

 海上輸送を通じて社会への貢献に努めるとともに、収益力の向上とコスト削減を進めつつ、安定配当の継続を目指す。

 近海部門(21年3月期末18隻、23年3月期末計画15隻)は、中期的に厳しい状況が予想されるため、効率配船や高コスト傭船の早期返却返船などによって船隊規模の適正化を図り、市況にあった船隊整備の継続、商圏の維持、コスト削減などで終始安定を目指す。バイオマス発電所用燃料の輸送は長期契約の獲得を目指す。

 内航部門(21年3月期末20隻、23年3月期末計画21隻)は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの拡大を念頭に置いて、顧客ニーズに沿った輸送サービスの提供で収益力向上を目指す。定期船輸送では新規貨物の獲得とコスト削減、不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船の安全運航、商圏の維持、新規案件の獲得を推進する。フェリー輸送では、大型新造船の積載能力を活かした貨物の開拓、2つのフェリー航路の効率的運営を推進する。

 OSV部門(21年3月期末5隻、23年3月期末計画5隻)は、海洋資源開発への期待が高まる中、オフショア支援船事業の充実、洋上風力関連事業への参入で収益拡大を図るとともに、CCS(二酸化炭素回収・海底貯蔵)調査や資源探査などにも取り組む。

 20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。21年4月には川崎汽船と共同で、洋上風力発電向け作業船事業会社としてケイライン・ウインド・サービスを設立(21年6月1日営業開始)で合意した。

■22年3月期営業減益予想だが上振れ余地

 22年3月期連結業績予想は、売上高が21年3月期比3.9%増の385億円、営業利益が38.2%減の2億50百万円、経常利益が6.5%増の2億円、そして親会社株主帰属当期純利益が1億50百万円の黒字(21年3月期は1億12百万円の赤字)としている。配当予想は21年3月期と同額の100円(第2四半期末50円、期末50円)である。

 外航海運の市況は回復基調だが、内航海運の荷動きについては新型コロナウイルスの影響が継続することを想定し、さらに燃料油価格上昇なども考慮して営業減益予想としている。経常利益は営業外収益の改善で増益、当期純利益は特別損失の一巡で黒字化予想としている。

 近海部門は、売上高が5.3%増の100億円で、営業利益が2億円の赤字(21年3月期は2億91百万円の赤字)の計画である。市況回復基調や新造船を中心とする配船効率化で増収、赤字縮小の見込みとしている。

 内航部門は、売上高が3.3%増の270億円で、営業利益が47.5%減の6億円の計画である。新規案件獲得などで増収を目指すが、コロナ禍継続や燃料油価格上昇の影響(特に上期)で大幅減益の見込みとしている。

 OSV部門は、売上高が5.5%増の15億円で、営業利益が1億50百万円の赤字(21年3月期は4億48百万円の赤字)の計画である。船隊整備や稼働率向上で赤字縮小の見込みとしている。

 新型コロナ影響で不透明感が強いが、全体として保守的な印象が強い。市況改善も寄与して上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は年初来高値更新の展開

 株価は急伸して年初来高値更新の展開となった。低PBRも評価材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。6月30日の終値は3000円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円10銭で算出)は約59倍、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8987円27銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約89億円である。
(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
http://media-ir.com/news/
[06月08日更新]

川崎近海汽船は反発の動き、22年3月期営業減益予想だが保守的

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。22年3月期は燃料油価格上昇などで営業減益だが、経常増益、最終黒字化予想としている。全体として保守的な印象が強いため上振れ余地がありそうだ。収益改善を期待したい。株価は3月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 21年3月期売上高構成比は近海部門が26%、内航部門が71%、OSV部門が4%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲72%、内航部門が283%、OSV部門が▲111%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

 なお20年12月には全社的なDX推進に向けてDX委員会を設置、21年1月には環境への対応に向けて次世代環境対応ワーキンググループを設置、21年4月には安全運航推進員会を環境・安全運航推進委員会に改称した。

■モーダルシフトも背景として収益力向上目指す

 2020年度中期経営計画では、目標値に23年3月期売上高388億円(近海部門101億円、その他含む内航部門268億円、OSV部門19億円)、営業利益6億円(近海部門2億円の赤字、その他含む内航部門6億円、OSV部門2億円)、経常利益4億50百万円、親会社株主帰属当期純利益3億円を掲げている。

 海上輸送を通じて社会への貢献に努めるとともに、収益力の向上とコスト削減を進めつつ、安定配当の継続を目指す。

 近海部門(21年3月期末18隻、23年3月期末計画15隻)は、中期的に厳しい状況が予想されるため、効率配船や高コスト傭船の早期返却返船などによって船隊規模の適正化を図り、市況にあった船隊整備の継続、商圏の維持、コスト削減などで終始安定を目指す。バイオマス発電所用燃料の輸送は長期契約の獲得を目指す。

 内航部門(21年3月期末20隻、23年3月期末計画21隻)は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの拡大を念頭に置いて、顧客ニーズに沿った輸送サービスの提供で収益力向上を目指す。定期船輸送では新規貨物の獲得とコスト削減、不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船の安全運航、商圏の維持、新規案件の獲得を推進する。フェリー輸送では、大型新造船の積載能力を活かした貨物の開拓、2つのフェリー航路の効率的運営を推進する。

 OSV部門(21年3月期末5隻、23年3月期末計画5隻)は、海洋資源開発への期待が高まる中、オフショア支援船事業の充実、洋上風力関連事業への参入で収益拡大を図るとともに、CCS(二酸化炭素回収・海底貯蔵)調査や資源探査などにも取り組む。

 20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。21年4月には川崎汽船と共同で、洋上風力発電向け作業船事業会社としてケイライン・ウインド・サービスを設立(21年6月1日営業開始)で合意した。

■22年3月期営業減益だが最終黒字化予想、上振れ余地

 22年3月期連結業績予想は、売上高が21年3月期比3.9%増の385億円、営業利益が38.2%減の2億50百万円、経常利益が6.5%増の2億円、そして親会社株主帰属当期純利益が1億50百万円の黒字(21年3月期は1億12百万円の赤字)としている。配当予想は21年3月期と同額の100円(第2四半期末50円、期末50円)である。

 外航海運の市況は回復基調だが、内航海運の荷動きについては新型コロナウイルスの影響が継続することを想定し、さらに燃料油価格上昇なども考慮して営業減益予想としている。経常利益は営業外収益の改善で増益、当期純利益は特別損失の一巡で黒字化予想としている。

 近海部門は、売上高が5.3%増の100億円で、営業利益が2億円の赤字(21年3月期は2億91百万円の赤字)の計画である。市況回復基調や新造船を中心とする配船効率化で増収、赤字縮小の見込みとしている。

 内航部門は、売上高が3.3%増の270億円で、営業利益が47.5%減の6億円の計画である。新規案件獲得などで増収を目指すが、コロナ禍継続や燃料油価格上昇の影響(特に上期)で大幅減益の見込みとしている。

 OSV部門は、売上高が5.5%増の15億円で、営業利益が1億50百万円の赤字(21年3月期は4億48百万円の赤字)の計画である。船隊整備や稼働率向上で赤字縮小の見込みとしている。

 コロナ禍の影響で不透明感が強いが、全体として保守的な印象が強いため上振れ余地がありそうだ。収益改善を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は3月の年初来高値圏から一旦反落したが、調整一巡して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。6月7日の終値は2735円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円10銭で算出)は約54倍、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8987円27銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約81億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月20日更新]

川崎近海汽船は調整一巡、22年3月期営業減益予想だが上振れ余地

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。21年3月期は新型コロナウイルスの影響など減収減益だが、市況好転などで営業・経常利益は従来予想を上回って着地した。22年3月期は燃料油価格上昇などで営業減益だが、経常増益、最終黒字化予想としている。全体として保守的な印象が強いため上振れ余地がありそうだ。収益改善を期待したい。株価は決算発表に対してややネガティブ反応となったが、調整一巡して出直りを期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 21年3月期売上高構成比は近海部門が26%、内航部門が71%、OSV部門が4%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲72%、内航部門が283%、OSV部門が▲111%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

 なお20年12月には全社的なDX推進に向けてDX委員会を設置、21年1月には環境への対応に向けて次世代環境対応ワーキンググループを設置、21年4月には安全運航推進員会を環境・安全運航推進委員会に改称した。

■モーダルシフトも背景として収益力向上目指す

 2020年度中期経営計画では、目標値に23年3月期売上高388億円(近海部門101億円、その他含む内航部門268億円、OSV部門19億円)、営業利益6億円(近海部門2億円の赤字、その他含む内航部門6億円、OSV部門2億円)、経常利益4億50百万円、親会社株主帰属当期純利益3億円を掲げている。

 海上輸送を通じて社会への貢献に努めるとともに、収益力の向上とコスト削減を進めつつ、安定配当の継続を目指す。

 近海部門(21年3月期末18隻、23年3月期末計画15隻)は、中期的に厳しい状況が予想されるため、効率配船や高コスト傭船の早期返却返船などによって船隊規模の適正化を図り、市況にあった船隊整備の継続、商圏の維持、コスト削減などで終始安定を目指す。バイオマス発電所用燃料の輸送は長期契約の獲得を目指す。

 内航部門(21年3月期末20隻、23年3月期末計画21隻)は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの拡大を念頭に置いて、顧客ニーズに沿った輸送サービスの提供で収益力向上を目指す。定期船輸送では新規貨物の獲得とコスト削減、不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船の安全運航、商圏の維持、新規案件の獲得を推進する。フェリー輸送では、大型新造船の積載能力を活かした貨物の開拓、2つのフェリー航路の効率的運営を推進する。

 OSV部門(21年3月期末5隻、23年3月期末計画5隻)は、海洋資源開発への期待が高まる中、オフショア支援船事業の充実、洋上風力関連事業への参入で収益拡大を図るとともに、CCS(二酸化炭素回収・海底貯蔵)調査や資源探査などにも取り組む。

 20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。21年4月には川崎汽船と共同で、洋上風力発電向け作業船事業会社としてケイライン・ウインド・サービスを設立(21年6月1日営業開始予定)で合意した。

■22年3月期営業減益だが最終黒字化予想、上振れ余地

 21年3月期の連結業績は、売上高が20年3月期比16.4%減の370億59百万円、営業利益が78.9%減の4億04百万円、経常利益が90.2%減の1億87百万円だった。親会社株主帰属当期純利益は1億12百万円の赤字(20年3月期は13億70百万円の黒字)だった。配当は20円減配の100円(第2四半期末50円、期末50円)とした。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で荷動きが低迷して減収減益だった。ただし第4四半期に近海部門では市況が想定以上に好転し、内航部門でも荷動きが想定以上となったため、売上高と営業・経常利益は従来予想を上回って着地した。近海部門は20.5%減収だが赤字縮小、内航部門は13.8%減収で45.2%減益、OSV部門は31.0%減収で赤字化した。

 なお特別利益に固定資産売却益4億55百万円、投資有価証券売却益1億01百万円、特別損失に一部の船舶に係る減損損失7億27百万円、用船契約解約金3億76百万円を計上した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高90億80百万円で営業利益3億16百万円の赤字、第2四半期は売上高90億74百万円で営業利益5億51百万円の黒字、第3四半期は売上高が96億66百万円で営業利益7億31百万円の黒字、第4四半期は売上高92億39百万円で営業利益5億62百万円の赤字だった。第4四半期は季節要因で荷動きが落ち込む傾向がある。

 22年3月期連結業績予想は、売上高が21年3月期比3.9%増の385億円、営業利益が38.2%減の2億50百万円、経常利益が6.5%増の2億円、そして親会社株主帰属当期純利益が1億50百万円の黒字(21年3月期は1億12百万円の赤字)としている。配当予想は21年3月期と同額の100円(第2四半期末50円、期末50円)である。

 外航海運の市況は回復基調だが、内航海運の荷動きについては新型コロナウイルスの影響が継続することを想定し、さらに燃料油価格上昇なども考慮して営業減益予想としている。経常利益は営業外収益の改善で増益、当期純利益は特別損失の一巡で黒字化予想としている。

 近海部門は、売上高が5.3%増の100億円で、営業利益が2億円の赤字(21年3月期は2億91百万円の赤字)の計画である。市況回復基調や新造船を中心とする配船効率化で増収、赤字縮小の見込みとしている。

 内航部門は、売上高が3.3%増の270億円で、営業利益が47.5%減の6億円の計画である。新規案件獲得などで増収を目指すが、コロナ禍継続や燃料油価格上昇の影響(特に上期)で大幅減益の見込みとしている。

 OSV部門は、売上高が5.5%増の15億円で、営業利益が1億50百万円の赤字(21年3月期は4億48百万円の赤字)の計画である。船隊整備や稼働率向上で赤字縮小の見込みとしている。

 コロナ禍の影響に不透明感が強いが、全体として保守的な印象が強いため上振れ余地がありそうだ。収益改善を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は決算発表に対してややネガティブ反応となったが、調整一巡して出直りを期待したい。5月19日の終値は2624円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円10銭で算出)は約51倍、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8987円27銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約77億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月06日更新]

川崎近海汽船は22年3月期営業減益だが最終黒字化予想、上振れ余地

(決算速報)
 川崎近海汽船<9179>(東2)は4月30日の取引時間中に21年3月期連結業績を発表した。新型コロナウイルスの影響で減収減益、特別損失計上で最終赤字だったが、市況好転などで営業・経常利益は従来予想を上回って着地した。22年3月期は新型コロナウイルスで厳しい状況が続くとして営業減益だが、経常増益、最終黒字化予想としている。全体として保守的な印象が強いため上振れ余地がありそうだ。収益改善を期待したい。株価は営業減益予想に対してネガティブ反応となったが、目先的な売り一巡して出直りを期待したい。

■21年3月期減収減益、22年3月期営業減益だが最終黒字化予想

 21年3月期の連結業績は、売上高が20年3月期比16.4%減の370億59百万円、営業利益が78.9%減の4億04百万円、経常利益が90.2%減の1億87百万円だった。親会社株主帰属当期純利益は一部の船舶に係る固定資産減損損失7億27百万円を計上して1億12百万円の赤字(20年3月期は13億70百万円の黒字)だった。配当は20円減配の100円(第2四半期末50円、期末50円)とした。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で荷動きが低迷し、運航隻数減少、フェリー客数減少なども影響して減収減益だった。ただし第4四半期に近海部門では市況が想定以上に好転し、内航部門でも荷動きが想定以上となったため、売上高と営業・経常利益は従来予想を上回って着地した。近海部門は20.5%減収だが赤字縮小、内航部門は13.8%減収で45.2%減益、OSV部門は31.0%減収で赤字化した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高90億80百万円で営業利益3億16百万円の赤字、第2四半期は売上高90億74百万円で営業利益5億51百万円の黒字、第3四半期は売上高が96億66百万円で営業利益7億31百万円の黒字、第4四半期は売上高92億39百万円で営業利益5億62百万円の赤字だった。第4四半期は季節要因で荷動きが落ち込む傾向がある。

 22年3月期連結業績予想は、売上高が21年3月期比3.9%増の385億円、営業利益が38.2%減の2億50百万円、経常利益が6.5%増の2億円、そして親会社株主帰属当期純利益が1億50百万円の黒字(21年3月期は1億12百万円の赤字)としている。配当予想は21年3月期と同額の100円(第2四半期末50円、期末50円)である。

 近海部門は市況回復や配船効率化で5.3%増収・赤字縮小、内航部門は新型コロナウイルスの影響継続や燃料油価格上昇で3.3%増収だが47.5%減益、OSV部門は稼働率向上で5.5%増収・赤字縮小の見込みとしている。新型コロナウイルスで厳しい状況が続くことを想定し、全体として営業減益だが、営業外収益改善で経常増益、特別損失一巡で最終黒字化予想としている。全体として保守的な印象が強いため上振れ余地がありそうだ。収益改善を期待したい。

■株価は出直り期待

 株価は営業減益予想に対してネガティブ反応となったが、目先的な売り一巡して出直りを期待したい。4月30日の終値は2634円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円10銭で算出)は約52倍、時価総額は約78億円である。
[04月14日更新]

川崎近海汽船は上値試す、22年3月期収益改善期待

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。21年3月期は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益予想だが、荷動き・市況が回復傾向であり、営業黒字予想としている。さらに22年3月期の収益改善も期待したい。株価は上げ一服の形となったが素早く切り返しの動きを強めている。低PBRも見直し材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 20年3月期売上高構成比は近海部門が27%、内航部門が68%、OSV部門が5%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲18%、内航部門が109%、OSV部門が9%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■モーダルシフトも背景として収益力向上目指す

 2020年度中期経営計画では、目標値に23年3月期売上高388億円(近海部門101億円、その他含む内航部門268億円、OSV部門19億円)、営業利益6億円(近海部門2億円の赤字、その他含む内航部門6億円、OSV部門2億円)、経常利益4億50百万円、純利益3億円を掲げている。新造船建造等に対する投資規模は3年間で総額78億円の計画である。

 海上輸送を通じて社会への貢献に努めるとともに、収益力の向上とコスト削減を進めつつ、安定配当の継続を目指す。

 近海部門は、中期的に厳しい状況が予想さえるため、効率配船や高コスト傭船の早期返却返船などによって船隊規模の適正化を図り、市況にあった船隊整備の継続、商圏の維持、コスト削減などで終始安定を目指す。バイオマス発電所用燃料の輸送は長期契約の獲得を目指す。

 内航部門は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの拡大を念頭に置いて、顧客ニーズに沿った輸送サービスの提供で収益力向上を目指す。定期船輸送では新規貨物の獲得と更なるコスト削減、不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船の安全運航、商圏の維持、新規案件の獲得を推進する。フェリー輸送では、大型新造船の積載能力を活かした貨物の開拓、2つのフェリー航路の効率的運営を推進する。

 OSV部門は、海洋資源開発への期待が高まる中、オフショア支援船事業の充実、洋上風力関連事業への参入で収益拡大を図るとともに、CCS(二酸化炭素回収・海底貯蔵)調査や資源探査などにも取り組む。

 また20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)について適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

■21年3月期営業黒字予想、22年3月期収益改善期待

 21年3月期の連結業績予想(期初時点は未定、7月31日公表、10月30日に売上高を下方、利益を上方修正、1月29日に売上高・営業利益・経常利益を上方修正)は、売上高が20年3月期比17.2%減の367億円、営業利益が86.9%減の2億50百万円、経常利益が0百万円(20年3月期は19億07百万円)、そして親会社株主帰属当期純利益が0百万円(同13億70百万円)としている。配当予想は20円減配の100円(第2四半期末50円、期末50円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比18.3%減の278億20百万円、営業利益が53.5%減の9億66百万円、経常利益が64.5%減の7億42百万円、四半期純利益が57.3%減の6億95百万円だった。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で荷動きが低迷し、運送契約終了による運航隻数減少や燃料価格下落に伴う運賃下落も影響して減収減益だった。近海部門は29.1%減収で赤字拡大、内航部門は13.1%減収で28.3%減益、OSV部門は27.7%減収で赤字化した。特別利益には固定資産売却益(外航船売船)と違約金収入、特別損失には用船契約解約金を計上した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が90億80百万円で営業利益が3億16百万円の赤字、第2四半期は売上高が90億74百万円で営業利益が5億51百万円の黒字、第3四半期は売上高が96億66百万円で営業利益が7億31百万円の黒字だった。

 累計ベースでは大幅減収減益だが、四半期別に見ると荷動き・市況が緩やかに回復して収益回復基調だ。利益面では燃料費が想定よりも廉価に推移していることや、コスト削減効果なども寄与した。

 第4四半期も新型コロナウイルスによる厳しい事業環境が継続し、季節要因による荷動きの落ち込みも想定されるとして通期減収減益予想だが、第3四半期の荷動きが想定を上回ったことに加えて、燃料価格が想定を下回っていることも寄与して、営業利益は黒字予想としている。さらに22年3月期の収益改善も期待したい。

■株価は上値試す

 株価は上げ一服の形となったが素早く切り返しの動きを強めている。低PBRも見直し材料であり、上値を試す展開を期待したい。4月13日の終値は2740円、前期推定配当利回り(会社予想の100円で算出)は約3.6%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS9058円06銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約81億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月19日更新]

川崎近海汽船は戻り足を速める動き、荷動き・市況回復傾向で22年3月期収益改善期待

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。21年3月期は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けたが、荷動き・市況が回復傾向であり、営業黒字予想としている。さらに22年3月期の収益改善も期待したい。株価は戻り足を速める動きとなって水準を切り上げている。低PBRも見直し材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 20年3月期売上高構成比は近海部門が27%、内航部門が68%、OSV部門が5%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲18%、内航部門が109%、OSV部門が9%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■モーダルシフトも背景として収益力向上目指す

 2020年度中期経営計画では、目標値に23年3月期売上高388億円(近海部門101億円、その他含む内航部門268億円、OSV部門19億円)、営業利益6億円(近海部門2億円の赤字、その他含む内航部門6億円、OSV部門2億円)、経常利益4億50百万円、純利益3億円を掲げている。新造船建造等に対する投資規模は3年間で総額78億円の計画である。

 海上輸送を通じて社会への貢献に努めるとともに、収益力の向上とコスト削減を進めつつ、安定配当の継続を目指す。

 近海部門は、中期的に厳しい状況が予想さえるため、効率配船や高コスト傭船の早期返却返船などによって船隊規模の適正化を図り、市況にあった船隊整備の継続、商圏の維持、コスト削減などで終始安定を目指す。バイオマス発電所用燃料の輸送は長期契約の獲得を目指す。

 内航部門は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの拡大を念頭に置いて、顧客ニーズに沿った輸送サービスの提供で収益力向上を目指す。定期船輸送では新規貨物の獲得と更なるコスト削減、不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船の安全運航、商圏の維持、新規案件の獲得を推進する。フェリー輸送では、大型新造船の積載能力を活かした貨物の開拓、2つのフェリー航路の効率的運営を推進する。

 OSV部門は、海洋資源開発への期待が高まる中、オフショア支援船事業の充実、洋上風力関連事業への参入で収益拡大を図るとともに、CCS(二酸化炭素回収・海底貯蔵)調査や資源探査などにも取り組む。

 また20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)について適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

■21年3月期営業黒字予想、22年3月期収益改善期待

 21年3月期の連結業績予想(期初時点は未定、7月31日公表、10月30日に売上高を下方、利益を上方修正、1月29日に売上高・営業利益・経常利益を上方修正)は、売上高が20年3月期比17.2%減の367億円、営業利益が86.9%減の2億50百万円、経常利益が0百万円(20年3月期は19億07百万円)、そして当期純利益が0百万円(同13億70百万円)としている。配当予想は20円減配の100円(第2四半期末50円、期末50円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比18.3%減の278億20百万円、営業利益が53.5%減の9億66百万円、経常利益が64.5%減の7億42百万円、四半期純利益が57.3%減の6億95百万円だった。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で荷動きが低迷し、運送契約終了による運航隻数減少や燃料価格下落に伴う運賃下落も影響して減収減益だった。近海部門は29.1%減収で赤字拡大、内航部門は13.1%減収で28.3%減益、OSV部門は27.7%減収で赤字化した。特別利益には固定資産売却益(外航船売船)と違約金収入、特別損失には用船契約解約金を計上した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が90億80百万円で営業利益が3億16百万円の赤字、第2四半期は売上高が90億74百万円で営業利益が5億51百万円の黒字、第3四半期は売上高が96億66百万円で営業利益が7億31百万円の黒字だった。

 累計ベースでは大幅減収減益だが、四半期別に見ると荷動き・市況が緩やかに回復して収益回復基調だ。利益面では燃料費が想定よりも廉価に推移していることや、コスト削減効果なども寄与した。

 通期の連結業績予想については、従来予想に対して売上高を11億円上方修正、営業利益を4億50百万円上方修正、経常利益を5億50百万円上方修正している。営業利益と経常利益は2回目の上方修正で、営業利益は従来の赤字予想から黒字予想に転換している。

 第4四半期も新型コロナウイルスによる厳しい事業環境が継続し、季節要因による荷動きの落ち込みも想定されるとしているが、第3四半期の荷動きが想定を上回ったことに加えて、燃料価格が想定を下回っていることも寄与する見込みだ。さらに22年3月期の収益改善も期待したい。

■株価は戻り足を速める動き

 株価は戻り足を速める動きとなって水準を切り上げている。低PBRも見直し材料であり、上値を試す展開を期待したい。3月18日の終値は2850円、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約3.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS9058円06銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約84億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月02日更新]

川崎近海汽船は戻り試す、荷動き・市況回復傾向で21年3月期営業黒字予想

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。21年3月期は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けるが、荷動き・市況が緩やかに回復傾向であり、営業利益黒字予想(1月29日に2回目の上方修正)としている。さらに22年3月期の収益改善も期待したい。株価は20年8月の昨年来安値圏をボトムとして、やや小動きながらも徐々に水準を切り上げている。低PBRも見直し材料であり、戻りを試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 20年3月期売上高構成比は近海部門が27%、内航部門が68%、OSV部門が5%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲18%、内航部門が109%、OSV部門が9%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■モーダルシフトも背景として収益力向上目指す

 2020年度中期経営計画では、目標値に23年3月期売上高388億円(近海部門101億円、その他含む内航部門268億円、OSV部門19億円)、営業利益6億円(近海部門2億円の赤字、その他含む内航部門6億円、OSV部門2億円)、経常利益4億50百万円、純利益3億円を掲げている。新造船建造等に対する投資規模は3年間で総額78億円の計画である。

 海上輸送を通じて社会への貢献に努めるとともに、収益力の向上とコスト削減を進めつつ、安定配当の継続を目指す。

 近海部門は、中期的に厳しい状況が予想さえるため、効率配船や高コスト傭船の早期返却返船などによって船隊規模の適正化を図り、市況にあった船隊整備の継続、商圏の維持、コスト削減などで終始安定を目指す。バイオマス発電所用燃料の輸送は長期契約の獲得を目指す。

 内航部門は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの拡大を念頭に置いて、顧客ニーズに沿った輸送サービスの提供で収益力向上を目指す。定期船輸送では新規貨物の獲得と更なるコスト削減、不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船の安全運航、商圏の維持、新規案件の獲得を推進する。フェリー輸送では、大型新造船の積載能力を活かした貨物の開拓、2つのフェリー航路の効率的運営を推進する。

 OSV部門は、海洋資源開発への期待が高まる中、オフショア支援船事業の充実、洋上風力関連事業への参入で収益拡大を図るとともに、CCS(二酸化炭素回収・海底貯蔵)調査や資源探査などにも取り組む。

 また20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)について適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

■21年3月期は営業黒字予想

 21年3月期の連結業績予想(期初時点は未定、7月31日公表、10月30日に売上高を下方、利益を上方修正、1月29日に売上高・営業利益・経常利益を上方修正)は、売上高が20年3月期比17.2%減の367億円、営業利益が86.9%減の2億50百万円、経常利益が0百万円(20年3月期は19億07百万円)、そして当期純利益が0百万円(同13億70百万円)としている。配当予想は20円減配の100円(第2四半期末50円、期末50円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比18.3%減の278億20百万円、営業利益が53.5%減の9億66百万円、経常利益が64.5%減の7億42百万円、四半期純利益が57.3%減の6億95百万円だった。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で荷動きが低迷し、運送契約終了による運航隻数減少や燃料価格下落に伴う運賃下落も影響して減収減益だった。近海部門は29.1%減収で赤字拡大、内航部門は13.1%減収で28.3%減益、OSV部門は27.7%減収で赤字化した。特別利益には固定資産売却益(外航船売船)と違約金収入、特別損失には用船契約解約金を計上した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が90億80百万円で営業利益が3億16百万円の赤字、第2四半期は売上高が90億74百万円で営業利益が5億51百万円の黒字、第3四半期は売上高が96億66百万円で営業利益が7億31百万円の黒字だった。

 累計ベースでは大幅減収減益だが、四半期別に見ると荷動き・市況が緩やかに回復して収益回復基調だ。利益面では燃料費が想定よりも廉価に推移していることや、コスト削減効果なども寄与した。

 通期の連結業績予想については、従来予想に対して売上高を11億円上方修正、営業利益を4億50百万円上方修正、経常利益を5億50百万円上方修正した。営業利益と経常利益は2回目の上方修正で、営業利益は従来の赤字予想から黒字予想に転換した。

 第4四半期も新型コロナウイルスによる厳しい事業環境が継続し、季節要因による荷動きの落ち込みも想定されるが、第3四半期の荷動きが想定を上回ったことに加えて、燃料価格が想定を下回っていることも寄与する。当面は新型コロナウイルスの影響で厳しい状況だが、22年3月期の収益改善も期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は20年8月の昨年来安値圏をボトムとして、やや小動きながらも徐々に水準を切り上げている。週足チャートで見ると、26週移動平均線も上向きに転じて基調転換を確認した形だ。低PBRも見直し材料であり、戻りを試す展開を期待したい。3月1日の終値は2646円、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS9058円06銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約78億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月04日更新]

川崎近海汽船はモミ合い上放れて戻り試す、21年3月期営業利益は赤字予想から黒字予想に転換

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。1月29日に21年3月期第3四半期累計業績を発表し、通期の売上高および営業・経常利益予想を上方修正した。営業・経常利益は2回目の上方修正で、営業利益は従来の赤字予想から黒字予想に転換した。収益回復基調を期待したい。株価は戻り一服となってモミ合う形だったが、上方修正を好感する動きを強めている。低PBRも見直し材料であり、モミ合いから上放れて戻りを試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 20年3月期売上高構成比は近海部門が27%、内航部門が68%、OSV部門が5%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲18%、内航部門が109%、OSV部門が9%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■モーダルシフトも背景として収益力向上目指す

 2020年度中期経営計画では、目標値に23年3月期売上高388億円(近海部門101億円、その他含む内航部門268億円、OSV部門19億円)、営業利益6億円(近海部門2億円の赤字、その他含む内航部門6億円、OSV部門2億円)、経常利益4億50百万円、純利益3億円を掲げている。新造船建造等に対する投資規模は3年間で総額78億円の計画である。

 海上輸送を通じて社会への貢献に努めるとともに、収益力の向上とコスト削減を進めつつ、安定配当の継続を目指す。

 近海部門は、中期的に厳しい状況が予想さえるため、効率配船や高コスト傭船の早期返却返船などによって船隊規模の適正化を図り、市況にあった船隊整備の継続、商圏の維持、コスト削減などで終始安定を目指す。バイオマス発電所用燃料の輸送は長期契約の獲得を目指す。

 内航部門は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの拡大を念頭に置いて、顧客ニーズに沿った輸送サービスの提供で収益力向上を目指す。定期船輸送では新規貨物の獲得と更なるコスト削減、不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船の安全運航、商圏の維持、新規案件の獲得を推進する。フェリー輸送では、大型新造船の積載能力を活かした貨物の開拓、2つのフェリー航路の効率的運営を推進する。

 OSV部門は、海洋資源開発への期待が高まる中、オフショア支援船事業の充実、洋上風力関連事業への参入で収益拡大を図るとともに、CCS(二酸化炭素回収・海底貯蔵)調査や資源探査などにも取り組む。

 また20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)について適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

■21年3月期は営業利益と経常利益を2回目の上方修正

 21年3月期の連結業績予想(期初時点は未定、7月31日公表、10月30日に売上高を下方、利益を上方修正、1月29日に売上高・営業利益・経常利益を上方修正)は、売上高が20年3月期比17.2%減の367億円、営業利益が86.9%減の2億50百万円、経常利益が0百万円(20年3月期は19億07百万円)、純利益が0百万円(同13億70百万円)としている。配当予想は20円減配の100円(第2四半期末50円、期末50円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比18.3%減の278億20百万円、営業利益が53.5%減の9億66百万円、経常利益が64.5%減の7億42百万円、純利益が57.3%減の6億95百万円だった。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で荷動きが低迷し、運送契約終了による運航席数減少や燃料価格下落に伴う運賃下落も影響して減収減益だった。近海部門は29.1%減収で赤字拡大、内航部門は13.1%減収で28.3%減益、OSV部門は27.7%減収で赤字化した。特別利益には固定資産売却益(外航船売船)と違約金収入、特別損失には用船契約解約金を計上した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が90億80百万円で営業利益が3億16百万円の赤字、第2四半期は売上高が90億74百万円で営業利益が5億51百万円の黒字、第3四半期は売上高が96億66百万円で営業利益が7億31百万円の黒字だった。

 累計ベースでは大幅減収減益だが、四半期別に見ると荷動き・市況が緩やかに回復して収益回復基調だ。利益面では燃料費が想定よりも廉価に推移していることや、コスト削減効果なども寄与した。

 通期の連結業績予想については、従来予想に対して売上高を11億円上方修正、営業利益を4億50百万円上方修正、経常利益を5億50百万円上方修正した。営業利益と経常利益は2回目の上方修正で、営業利益は従来の赤字予想から黒字予想に転換した。

 第4四半期も新型コロナウイルスによる厳しい事業環境が継続し、季節要因による荷動きの落ち込みも想定されるが、第3四半期の荷動きが想定を上回ったことに加えて、燃料価格が想定を下回っていることも寄与する。当面は新型コロナウイルスの影響で厳しい状況だが、収益回復基調を期待したい。

■株価はモミ合い上放れて戻り試す

 株価は戻り一服となってモミ合う形だったが、上方修正を好感する動きを強めている。週足チャートで見ると26週移動平均線が13週移動平均線に続いて上向きに転じてきた。低PBRも見直し材料であり、モミ合いから上放れて戻りを試す展開を期待したい。2月3日の終値は2550円、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS9058円06銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約75億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月06日更新]

川崎近海汽船は戻り試す、21年3月期通期利益は再上振れ余地

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。21年3月期は新型コロナ影響で赤字予想だが、第2四半期決算時に利益を上方修正し、従来予想に比べて赤字が大幅に縮小する見込みとしている。後半の緩やかな需要回復も勘案すれば、通期利益予想に再上振れ余地がありそうだ。株価は徐々に下値を切り上げている。低PBRも見直し材料であり、戻りを試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 20年3月期売上高構成比は近海部門が27%、内航部門が68%、OSV部門が5%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲18%、内航部門が109%、OSV部門が9%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■モーダルシフトも背景として収益力向上目指す

 2020年度中期経営計画では、目標値に23年3月期売上高388億円(近海部門101億円、その他含む内航部門268億円、OSV部門19億円)、営業利益6億円(近海部門2億円の赤字、その他含む内航部門6億円、OSV部門2億円)、経常利益4億50百万円、純利益3億円を掲げている。新造船建造等に対する投資規模は3年間で総額78億円の計画である。

 海上輸送を通じて社会への貢献に努めるとともに、収益力の向上とコスト削減を進めつつ、安定配当の継続を目指す。

 近海部門は、中期的に厳しい状況が予想さえるため、効率配船や高コスト傭船の早期返却返船などによって船隊規模の適正化を図り、市況にあった船隊整備の継続、商圏の維持、コスト削減などで終始安定を目指す。バイオマス発電所用燃料の輸送は長期契約の獲得を目指す。

 内航部門は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの拡大を念頭に置いて、顧客ニーズに沿った輸送サービスの提供で収益力向上を目指す。定期船輸送では新規貨物の獲得と更なるコスト削減、不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船の安全運航、商圏の維持、新規案件の獲得を推進する。フェリー輸送では、大型新造船の積載能力を活かした貨物の開拓、2つのフェリー航路の効率的運営を推進する。

 OSV部門は、海洋資源開発への期待が高まる中、オフショア支援船事業の充実、洋上風力関連事業への参入で収益拡大を図るとともに、CCS(二酸化炭素回収・海底貯蔵)調査や資源探査などにも取り組む。

 また20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)について適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

■21年3月期は新型コロナ影響だが利益再上振れ余地

 21年3月期の連結業績予想(期初時点は未定、7月31日公表、10月30日に売上高を下方、利益を上方修正)は、売上高が20年3月期比19.7%減の356億円で、営業利益が2億円の赤字(20年3月期は19億13百万円の黒字)、経常利益が5億50百万円の赤字(同19億07百万円の黒字)、純利益が0百万円(同13億70百万円の黒字)としている。配当予想は20円減配の100円(第2四半期末50円、期末50円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比19.3%減の181億54百万円、営業利益が83.7%減の2億35百万円、経常利益が90.5%減の1億32百万円、純利益が57.5%減の4億62百万円だった。特別利益には固定資産売却益(外航船1隻売船)を計上した。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で貨物輸送が減少し、大幅減収減益だった。近海部門は29.7%減収で赤字拡大、内航部門は15.5%減収で59.6%減益、OSV部門は14.9%減収で赤字化した。

 ただし従来の赤字予想から一転して、営業利益、経常利益、純利益とも黒字で着地した。燃料費が想定よりも廉価に推移したこと、近海部門の市況が徐々に回復したこと、フェリー輸送で旅客や乗用車が想定を上回ったことに加えて、コスト削減も寄与した。

 通期予想については、新型コロナウイルスによる厳しい事業環境が継続し、下期は例年どおり季節要因で荷動きが落ち込む見込みとして売上高を下方修正したが、上期が計画超だったことを勘案して利益を上方修正し、従来予想に対して赤字が大幅に縮小する見込みとしている。

 当面は新型コロナウイルス感染再拡大の影響が警戒されるが、後半の緩やかな需要回復も勘案すれば、通期利益予想に再上振れ余地がありそうだ。

■株価は戻り試す

 株価は徐々に下値を切り上げている。そして週足チャートで見ると、13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いて基調転換を確認した形だ。さらに低PBRも見直し材料だろう。戻りを試す展開を期待したい。1月5日の終値は2524円、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS9058円06銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約75億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月07日更新]

川崎近海汽船は反発の動き、21年3月期通期利益は再上振れ余地

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。21年3月期は利益を上方修正し、従来予想に比べて赤字が大幅に縮小する見込みとしている。後半の需要回復も勘案すれば、通期利益予想は再上振れ余地がありそうだ。株価は反発の動きを強めている。低PBRも評価材料であり、基調転換して出直りを期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 20年3月期売上高構成比は近海部門が27%、内航部門が68%、OSV部門が5%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲18%、内航部門が109%、OSV部門が9%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■モーダルシフトも背景として収益力向上目指す

 2020年度中期経営計画では、目標値に23年3月期売上高388億円(近海部門101億円、その他含む内航部門268億円、OSV部門19億円)、営業利益6億円(近海部門2億円の赤字、その他含む内航部門6億円、OSV部門2億円)、経常利益4億50百万円、純利益3億円を掲げている。新造船建造等に対する投資規模は3年間で総額78億円の計画である。

 海上輸送を通じて社会への貢献に努めるとともに、収益力の向上とコスト削減を進めつつ、安定配当の継続を目指す。

 近海部門は、中期的に厳しい状況が予想さえるため、効率配船や高コスト傭船の早期返却返船などによって船隊規模の適正化を図り、市況にあった船隊整備の継続、商圏の維持、コスト削減などで終始安定を目指す。バイオマス発電所用燃料の輸送は長期契約の獲得を目指す。

 内航部門は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの拡大を念頭に置いて、顧客ニーズに沿った輸送サービスの提供で収益力向上を目指す。定期船輸送では新規貨物の獲得と更なるコスト削減、不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船の安全運航、商圏の維持、新規案件の獲得を推進する。フェリー輸送では、大型新造船の積載能力を活かした貨物の開拓、2つのフェリー航路の効率的運営を推進する。

 OSV部門は、海洋資源開発への期待が高まる中、オフショア支援船事業の充実、洋上風力関連事業への参入で収益拡大を図るとともに、CCS(二酸化炭素回収・海底貯蔵)調査や資源探査などにも取り組む。

 また20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)について適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

■21年3月期は利益上方修正して赤字縮小見込み、さらに再上振れ余地

 21年3月期の連結業績予想(期初時点は未定、7月31日公表、10月30日に売上高を下方、利益を上方修正)は、売上高が20年3月期比19.7%減の356億円、営業利益が2億円の赤字(20年3月期は19億13百万円の黒字)、経常利益が5億50百万円の赤字(同19億07百万円の黒字)、純利益が0百万円(同13億70百万円の黒字)としている。配当予想は据え置いて20円減配の100円(第2四半期末50円、期末50円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比19.3%減の181億54百万円、営業利益が83.7%減の2億35百万円、経常利益が90.5%減の1億32百万円、純利益が57.5%減の4億62百万円だった。特別利益には固定資産売却益(外航船1隻売船)を計上した。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で貨物輸送が減少し、大幅減収減益だった。近海部門は29.7%減収で赤字拡大、内航部門は15.5%減収で59.6%減益、OSV部門は14.9%減収で赤字化した。

 ただし従来の赤字予想から一転して、営業利益、経常利益、純利益とも黒字で着地した。燃料費が想定よりも廉価に推移したこと、近海部門の市況が徐々に回復したこと、フェリー輸送で旅客や乗用車が想定を上回ったことに加えて、コスト削減も寄与した。

 通期予想については、新型コロナウイルスによる厳しい事業環境が継続し、下期は例年どおり季節要因で荷動きが落ち込む見込みとして売上高を下方修正したが、上期が計画超だったことを勘案して利益を上方修正し、従来予想に対して赤字が大幅に縮小する見込みとしている。

 当面は新型コロナウイルス感染再拡大の影響が警戒されるが、後半の需要回復も勘案すれば、通期利益予想は再上振れ余地がありそうだ。

■株価は反発の動き

 株価は反発の動きを強めている。週足チャートで見ると抵抗線となっていた26週移動平均線を突破した。低PBRも評価材料であり、基調転換して出直りを期待したい。12月4日の終値は2488円、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS9058円06銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約73億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月17日更新]

川崎近海汽船は下値固め完了、21年3月期は利益を上方修正して赤字縮小

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。21年3月期第2四半期累計は新型コロナウイルスの影響で大幅減収減益だったが、計画超となって各利益とも黒字で着地した。通期は利益予想を上方修正し、従来予想に比べて赤字が大幅縮小する見込みとしている。後半も需要回復基調を期待したい。株価は反発力の鈍い展開だが下値固め完了感を強めている。低PBRも評価して出直りを期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 20年3月期売上高構成比は近海部門が27%、内航部門が68%、OSV部門が5%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲18%、内航部門が109%、OSV部門が9%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■フェリー輸送の航路拡大推進

 2020年度中期経営計画を公表し、目標値に23年3月期売上高388億円(近海部門101億円、その他含む内航部門268億円、OSV部門19億円)、営業利益6億円(近海部門2億円の赤字、その他含む内航部門6億円、OSV部門2億円)、経常利益4億50百万円、純利益3億円を掲げた。新造船建造等に対する投資規模は3年間で総額78億円の計画である。

 海上輸送を通じて社会への貢献に努めるとともに、収益力の向上とコスト削減を進めつつ、安定配当の継続を目指す。

 近海部門は、中期的に厳しい状況が予想さえるため、効率配船や高コスト傭船の早期返却返船などによって船隊規模の適正化を図り、市況にあった船隊整備の継続、商圏の維持、コスト削減などで終始安定を目指す。バイオマス発電所用燃料の輸送は長期契約の獲得を目指す。

 内航部門は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの拡大を念頭に置いて、顧客ニーズに沿った輸送サービスの提供で収益力向上を目指す。定期船輸送では新規貨物の獲得と更なるコスト削減、不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船の安全運航、商圏の維持、新規案件の獲得を推進する。フェリー輸送では、大型新造船の積載能力を活かした貨物の開拓、2つのフェリー航路の効率的運営を推進する。

 OSV部門は、海洋資源開発への期待が高まる中、オフショア支援船事業の充実、洋上風力関連事業への参入で収益拡大を図るとともに、CCS(二酸化炭素回収・海底貯蔵)調査や資源探査などにも取り組む。

 また20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)について適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

■21年3月期2Q累計は計画超、通期利益上方修正して赤字縮小見込み

 21年3月期の連結業績予想(期初時点は未定、7月31日公表、10月30日に売上高を下方、利益を上方修正)は、売上高が20年3月期比19.7%減の356億円、営業利益が2億円の赤字(20年3月期は19億13百万円の黒字)、経常利益が5億50百万円の赤字(同19億07百万円の黒字)、純利益が0百万円(同13億70百万円の黒字)としている。配当予想は据え置いて20円減配の100円(第2四半期末50円、期末50円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比19.3%減の181億54百万円、営業利益が83.7%減の2億35百万円、経常利益が90.5%減の1億32百万円、純利益が57.5%減の4億62百万円だった。特別利益には固定資産売却益(外航船1隻売船)を計上した。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で、貨物輸送が減少して大幅減収減益だった。近海部門は29.7%減収で赤字拡大、内航部門は15.5%減収で59.6%減益、OSV部門は14.9%減収で赤字化した。

 ただし従来の赤字予想から一転して、営業利益、経常利益、純利益とも黒字で着地した。燃料費が想定よりも廉価に推移したこと、近海部門の市況が徐々に回復したこと、フェリー輸送で旅客や乗用車が想定を上回ったことに加えて、様々なコスト削減策も寄与した。

 通期予想については、新型コロナウイルスによる厳しい事業環境が継続し、下期は例年どおり季節要因で荷動きが落ち込む見込みとして売上高を下方修正したが、上期が計画超だったことを勘案して利益を上方修正し、従来予想に対して赤字が大幅縮小する見込みとしている。当面は欧米における新型コロナウイルス感染再拡大の影響が警戒されるが、後半も需要回復基調を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は安値圏で反発力の鈍い展開だが下値固め完了感を強めている。低PBRも評価して出直りを期待したい。11月16日の終値は2396円、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約4.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS9058円06銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約71億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月05日更新]

川崎近海汽船は下値切り上げ、21年3月期は経済活動再開で後半回復期待

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。21年3月期は赤字予想としている。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で厳しい事業環境だが、経済活動再開に伴って後半からの緩やかな需要回復を期待したい。株価は8月の安値で底打ちして徐々に下値を切り上げている。業績悪化を織り込んだ形だ。出直りを期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 20年3月期売上高構成比は近海部門が27%、内航部門が68%、OSV部門が5%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲18%、内航部門が109%、OSV部門が9%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■フェリー輸送の航路拡大推進

 新・中期経営計画については、新型コロナウイルスによる影響を現時点で合理的に算定することが困難として公表を延期しているが、基本的な事業戦略として、近海部門は船隊整備や商圏維持・拡大によって長期的な収支安定を目指す。内航部門は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの受け皿となるべく、新鋭船投入によってフェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門はオフショア支援船事業の充実化で収益拡大を図る。

 また20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)について適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

■21年3月期は新型コロナ影響で赤字予想だが後半回復期待

 21年3月期の連結業績予想(期初時点では未定、7月31日公表)は、売上高が20年3月期比18.8%減の360億円、営業利益が14億円の赤字(20年3月期は19億13百万円の黒字)、経常利益が14億50百万円の赤字(同19億07百万円の黒字)、純利益が8億円の赤字(同13億70百万円の黒字)としている。配当予想は20円減配の100円(第2四半期末50円、期末50円)である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比18.1%減の90億80百万円、営業利益が3億16百万円の赤字(前年同期は43百万円の赤字)、経常利益が3億31百万円の赤字(同68百万円の赤字)、純利益が1億27百万円の赤字(同13百万円の赤字)だった。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けた。近海部門は33.8%減収で赤字化した。鋼材輸送、木材輸送、バルク輸送とも貨物輸送需要が大幅に減退し、市況も低迷した。内航部門は12.7%減収だが黒字化した。定期船輸送、フェリー輸送、不定期船輸送とも輸送量が減少したが、コスト面で入渠費、借船料、燃料費の減少が寄与した。OSV部門はCCS(二酸化炭素の回収・海底貯蔵)関連の調査業務などが寄与して17.1%増収だが、入渠費の増加で赤字拡大した。

 通期予想については、厳しい事業環境が継続し、本格的な景気回復には、かなりの時間を要すると想定した。セグメント別売上予想は近海部門が27.9%減収、内航部門が14.3%減収、OSV部門が32.0%減収としている。

 なお業績改善に向けた姿勢を役員が率先して示すために、役員報酬を減額(対象期間20年7月から20年12月まで6ヶ月間)している。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で厳しい事業環境だが、経済活動再開に伴って後半からの緩やかな需要回復を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は8月の安値で底打ちして徐々に下値を切り上げている。業績悪化を織り込んだ形だ。出直りを期待したい。10月2日の終値は2449円、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約4.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS9058円06銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約72億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月01日更新]

川崎近海汽船は底固め完了、21年3月期は新型コロナ影響だが後半回復期待

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。21年3月期は赤字予想としている。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で厳しい事業環境だが、期後半からの緩やかな需要回復を期待したい。株価は通期の業績予想を嫌気する形で年初来安値を更新したが、業績悪化を織り込んで底固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。

 20年3月期売上高構成比は近海部門が27%、内航部門が68%、OSV部門が5%、その他が0%、営業利益構成比は近海部門が▲18%、内航部門が109%、OSV部門が9%、その他が0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■フェリー輸送の航路拡大推進

 新・中期経営計画については、新型コロナウイルスによる影響を現時点で合理的に算定することが困難として公表を延期しているが、基本的な事業戦略として、近海部門は船隊整備や商圏維持・拡大によって長期的な収支安定を目指す。内航部門は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの受け皿となるべく、新鋭船投入によってフェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門はオフショア支援船事業の充実化で収益拡大を図る。

 また20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)について適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

■21年3月期は新型コロナ影響で赤字予想だが後半回復期待

 21年3月期の連結業績予想(期初時点では未定としていたが7月31日に公表)は、売上高が20年3月期比18.8%減の360億円、営業利益が14億円の赤字(20年3月期は19億13百万円の黒字)、経常利益が14億50百万円の赤字(同19億07百万円の黒字)、純利益が8億円の赤字(同13億70百万円の黒字)としている。配当予想は20円減配の100円(第2四半期末50円、期末50円)である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比18.1%減の90億80百万円、営業利益が3億16百万円の赤字(前年同期は43百万円の赤字)、経常利益が3億31百万円の赤字(同68百万円の赤字)、純利益が1億27百万円の赤字(同13百万円の赤字)だった。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けた。近海部門は33.8%減収で赤字化した。鋼材輸送、木材輸送、バルク輸送とも貨物輸送需要が大幅に減退し、市況も低迷した。内航部門は12.7%減収だが黒字化した。定期船輸送、フェリー輸送、不定期船輸送とも輸送量が減少したが、コスト面で入渠費、借船料、燃料費の減少が寄与した。OSV部門はCCS(二酸化炭素の回収・海底貯蔵)関連の調査業務などが寄与して17.1%増収だが、入渠費の増加で赤字拡大した。


 通期予想については、厳しい事業環境が継続し、本格的な景気回復には、かなりの時間を要すると想定した。セグメント別売上予想は近海部門が27.9%減収、内航部門が14.3%減収、OSV部門が32.0%減収としている。

 なお業績改善に向けた姿勢を役員が率先して示すために、役員報酬を減額(対象期間20年7月から20年12月まで6ヶ月間)する。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で厳しい事業環境だが、期後半からの緩やかな需要回復を期待したい。

■株価は底固め完了

 株価は通期の業績予想を嫌気する形で年初来安値を更新したが、業績悪化を織り込んで底固め完了感を強めている。出直りを期待したい。8月31日の終値は2400円、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約4.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS9058円06銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約71億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月11日更新]

川崎近海汽船は新型コロナで21年3月期赤字予想だが、下期緩やかな回復期待

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。21年3月期第1四半期は新型コロナウイルスの影響で赤字だった。そして通期も赤字予想とした。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で厳しい事業環境だが、期後半からの緩やかな需要回復を期待したい。株価は年初来安値を更新したが、売り一巡感を強めている。業績悪化の織り込み完了して出直りを期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。20年3月期の売上高構成比は近海部門27%、内航部門68%、OSV部門5%、その他0%、営業利益構成比は近海部門▲18%、内航部門109%、OSV部門9%、その他0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■フェリー輸送の航路拡大推進

 新・中期経営計画については、新型コロナウイルスによる影響を現時点で合理的に算定することが困難として公表を延期しているが、基本的な事業戦略として、近海部門は船隊整備や商圏維持・拡大によって長期的な収支安定を目指す。内航部門は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの受け皿となるべく、新鋭船投入によってフェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門はオフショア支援船事業の充実化で収益拡大を図る。

 また20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)について適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

■21年3月期1Q赤字で通期も赤字予想、下期緩やかな回復期待

 21年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比18.1%減の90億80百万円、営業利益が3億16百万円の赤字(前年同期は43百万円の赤字)、経常利益が3億31百万円の赤字(同68百万円の赤字)、純利益が1億27百万円の赤字(同13百万円の赤字)だった。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けた。近海部門は33.8%減収で利益は赤字化した。鋼材輸送、木材輸送、バルク輸送とも貨物輸送需要が大幅に減退し、市況も低迷した。内航部門は12.7%減収だが、利益は黒字化した。定期船輸送、フェリー輸送、不定期船輸送とも輸送量が減少したが、コスト面で入渠費、借船料、燃料費の減少が寄与した。OSV部門はCCS(二酸化炭素の回収・海底貯蔵)関連の調査業務などが寄与して17.1%増収だが、入渠費の増加で利益は赤字拡大した。

 未定としていた第2四半期累計と通期の連結業績予想、および配当予想を7月31日に開示した。通期連結業績予想は売上高が20年3月期比18.8%減の360億円、営業利益が14億円の赤字(20年3月期は19億13百万円の黒字)、経常利益が14億50百万円の赤字(同19億07百万円の黒字)、純利益が8億円の赤字(同13億70百万円の黒字)とした。

 厳しい事業環境が継続し、本格的な景気回復には、かなりの時間を要すると想定した。配当予想は20円減配の100円(第2四半期末50円、期末50円)とした。なお6月19日には、新型コロナウイルス拡大の影響で厳しい経営環境が続くことが想定されるとして、業績改善に向けた姿勢を役員が率先して示すために役員報酬を減額(対象期間20年7月から20年12月まで6ヶ月間)すると発表している。

 当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で厳しい事業環境だが、期後半からの緩やかな需要回復を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は年初来安値を更新したが、売り一巡感を強めている。業績悪化の織り込み完了して出直りを期待したい。8月7日の終値は2347円、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約4.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS9058円06銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約69億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月06日更新]

川崎近海汽船は下値切り上げ

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。21年3月期の連結業績予想および配当予想は未定としている。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮の影響が意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は小動きだが着実に下値を切り上げている。出直りを期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。20年3月期の売上高構成比は近海部門27%、内航部門68%、OSV部門5%、その他0%、営業利益構成比は近海部門▲18%、内航部門109%、OSV部門9%、その他0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■フェリー輸送の航路拡大

 新・中期経営計画については、新型コロナウイルスによる影響を現時点で合理的に算定することが困難なため公表を延期している。

 従来の中期経営計画では目標値に、22年3月期の売上高532億円(内訳は近海184億円、内航326億円、OSV22億円)、営業利益32億円(近海3億50百万円、内航26億50百万円、OSV2億円)、経常利益32億円、純利益21億円、ROE7.0%、DER0.45倍を掲げていた。前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が7万1300円/KL、新造船等に対する投資額が3年総額143億円である。

 近海部門は船隊整備や商圏維持・拡大によって長期的な収支安定を目指す。内航部門は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの受け皿となるべく、新鋭船投入によってフェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門はオフショア支援船事業の充実化で収益拡大を図る。

 また20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)について適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

■21年3月期予想は未定

 21年3月期の連結業績予想および配当予想は未定としている。なお6月19日には、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で厳しい経営環境が続くことが想定されるとして、業績改善に向けた姿勢を役員が率先して示すために役員報酬を減額(対象期間20年7月から20年12月まで6ヶ月間)すると発表している。

 当面は新型コロナウイルスによる経済収縮で、荷動きや市況への影響が意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は小動きだが着実に下値を切り上げている。出直りを期待したい。7月3日の終値は2648円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS9058円06銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約78億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月03日更新]

川崎近海汽船は反発の動き

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。21年3月期連結業績予想および配当予想は未定としている。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮で荷動きや市況への影響が意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は下値を切り上げて反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。20年3月期の売上高構成比は近海部門27%、内航部門68%、OSV部門5%、その他0%、営業利益構成比は近海部門▲18%、内航部門109%、OSV部門9%、その他0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■フェリー輸送の航路拡大

 新・中期経営計画については、新型コロナウイルスによる影響を現時点で合理的に算定することが困難なため公表を延期している。

 従来の中期経営計画では目標値に、22年3月期の売上高532億円(内訳は近海184億円、内航326億円、OSV22億円)、営業利益32億円(近海3億50百万円、内航26億50百万円、OSV2億円)、経常利益32億円、純利益21億円、ROE7.0%、DER0.45倍を掲げていた。前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が7万1300円/KL、新造船等に対する投資額が3年総額143億円である。

 近海部門は船隊整備や商圏維持・拡大によって長期的な収支安定を目指す。内航部門は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの受け皿となるべく、新鋭船投入によってフェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門はオフショア支援船事業の充実化で収益拡大を図る。

 また20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)について適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

■21年3月期予想は未定

 21年3月期連結業績予想および配当予想は未定としている。当面は新型コロナウイルスによる経済収縮で荷動きや市況への影響が意識されるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は3月の安値圏から下値を切り上げて反発の動きを強めている。出直りを期待したい。6月2日の終値は2642円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS9058円06銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約78億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月11日更新]

川崎近海汽船は下値切り上げ

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。21年3月期連結業績予想および配当予想は未定としている。当面は新型コロナウイルス感染症による経済収縮で、荷動きや市況への影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は徐々に下値を切り上げている。出直りを期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。20年3月期の売上高構成比は近海部門27%、内航部門68%、OSV部門5%、その他0%、営業利益構成比は近海部門▲18%、内航部門109%、OSV部門9%、その他0%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■フェリー輸送の航路拡大

 なお4月30日に公表を予定していた新・中期経営計画については、新型コロナウイルス感染症による影響を現時点で合理的に算定することが困難なため、公表を延期した。

 従来の中期経営計画では目標値として、22年3月期売上高532億円(内訳は近海184億円、内航326億円、OSV22億円)、営業利益32億円(近海3億50百万円、内航26億50百万円、OSV2億円)、経常利益32億円、純利益21億円、ROE7.0%、DER0.45倍を掲げていた。前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が7万1300円/KL、新造船等に対する投資額が3年総額143億円である。

 近海部門は船隊整備や商圏維持・拡大によって長期的な収支安定を目指す。内航部門は、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの受け皿となるべく、新鋭船投入によってフェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門はオフショア支援船事業の充実化で収益拡大を図る。

 また20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)について適切な対応に取り組んでいる。日本初のLNG燃料フェリー就航に向けては、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

■21年3月期予想は未定

 20年3月期の連結業績は売上高が19年3月期比3.1%減の443億37百万円、営業利益が4.6%減の19億13百万円、経常利益が6.8%減の19億07百万円、純利益が19.2%減の13億70百万円だった。配当は19年3月期と同額の120円(第2四半期末60円、期末60円)とした。

 全体として第3四半期までは堅調だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で第4四半期に市況や荷動きが悪化した。

 近海部門は売上高が8.0%減の119億35百万円で営業利益が3億50百万円の赤字(19年3月期は41百万円の黒字)だった。輸送量が減少し、市況も下落した。内航部門は売上高が1.2%減の303億39百万円で営業利益が14.8%増の20億85百万円だった。利益面では一部船舶に係る耐用年数変更に伴う減価償却費の減少、入渠費用の減少などが寄与した。OSV部門は売上高が0.8%増の20億59百万円で営業利益が20.1%増の1億77百万円だった。各船とも高稼働を維持した。

 21年3月期連結業績予想および配当予想は未定としている。当面は新型コロナウイルス感染症による経済収縮で、荷動きや市況への影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は3月の安値から徐々に下値を切り上げている。出直りを期待したい。5月8日の終値は2544円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS9058円06銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約75億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月03日更新]

川崎近海汽船は売り一巡、21年3月期収益拡大期待

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。4月1日にはフェリー輸送で八戸〜室蘭航路の営業を開始した。新型コロナウイルス感染拡大による輸送量への影響が懸念されるが、21年3月期の収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化で急落したが売り一巡感を強めている。反発を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。19年3月期の売上高構成比は近海部門28%、内航部門67%、OSV部門5%、その他0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■中期経営計画で22年3月期営業利益32億円目標

 中期経営計画の目標値は、22年3月期売上高532億円(近海184億円、内航326億円、OSV22億円)、営業利益32億円(近海3億50百万円、内航26億50百万円、OSV2億円)、経常利益32億円、純利益21億円、ROE7.0%、DER0.45倍としている。前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が7万1300円/KLで、新造船等に対する投資額は3年総額143億円予定としている。

 近海部門では船隊整備や商圏維持・拡大によって、長期的な収支安定を目指す。内航部門では新鋭船の投入、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの促進によって、海上輸送の掘り起こしおよび収益力の向上に取り組む。OSV部門ではオフショア支援船事業の充実化で収益拡大を図る。20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については適切な対応に取り組む。

■20年3月期減益予想、21年3月期収益拡大期待

 20年3月期連結業績予想(10月31日に売上高を下方、利益を上方修正)は、売上高が19年3月期比1.6%減の450億円、営業利益が5.3%減の19億円、経常利益が9.6%減の18億50百万円、純利益が14.6%減の14億50百万円としている。配当予想は19年3月期と同額の120円(第2四半期末60円、期末60円)である。

 セグメント別の計画は、近海部門の売上高が126億円で営業利益が50百万円の赤字、内航部門(その他含む)の売上高が304億円で営業利益が19億円、OSV部門の売上高が20億円で営業利益が50百万円としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比1.8%減の340億47百万円、営業利益が36.0%増の20億77百万円、経常利益が30.4%増の20億90百万円、純利益が16.2%増の16億28百万円だった。

 外航部門の稼働減少や燃料油価格下落に伴う調整金収入の減少などで、全体として微減収だったが、利益面は一部船舶の耐用年数変更に伴う減価償却費の減少、燃料油価格の下落などが寄与して大幅増益だった。近海部門は4.3%減収で赤字化、内航部門は1.3%減収だが36.5%増益、OSVは6.8%増収で3.3倍増益だった。なお船隊整備の一環で内航船1隻を売却し、特別利益に固定資産売却益を計上している。

 通期は20年1月適用開始のSOx規制の影響、燃料油価格に連動する燃料調整金収入の減少などを織り込んで減益予想である。新型コロナウイルス感染拡大による輸送量への影響が懸念されるが、21年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は地合い悪化で急落したが売り一巡感を強めている。反発を期待したい。4月2日の終値は2474円、前期推定連結PER(会社予想連結EPS493円94銭で算出)は約5倍、前期推定配当利回り(会社予想120円で算出)は約4.9%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS8762円35銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約73億円である。(情報提供:日 本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月04日更新]

川崎近海汽船は売り一巡、20年3月期再上振れ余地

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。20年3月期減益予想だが、第3四半期累計は大幅増益だった。第4四半期は新型肺炎感染拡大による輸送量への影響が懸念されるが、通期再上振れ余地がありそうだ。株価は地合い悪が影響して急落したが、売り一巡して反発を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。19年3月期の売上高構成比は近海部門28%、内航部門67%、OSV部門5%、その他0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■中期経営計画で22年3月期営業利益32億円目標

 中期経営計画の目標値は、22年3月期売上高532億円(近海184億円、内航326億円、OSV22億円)、営業利益32億円(近海3億50百万円、内航26億50百万円、OSV2億円)、経常利益32億円、純利益21億円、ROE7.0%、DER0.45倍としている。前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が7万1300円/KLで、新造船等に対する投資額は3年総額143億円予定としている。

 近海部門では船隊整備や商圏維持・拡大によって、長期的な収支安定を目指す。内航部門では新鋭船の投入、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの促進によって、海上輸送の掘り起こしおよび収益力の向上に取り組む。OSV部門ではオフショア支援船事業の充実化で収益拡大を図る。20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については適切な対応に取り組む。

■20年3月期減益予想だが再上振れ余地

 20年3月期連結業績予想(10月31日に売上高を下方、利益を上方修正)は、売上高が19年3月期比1.6%減の450億円、営業利益が5.3%減の19億円、経常利益が9.6%減の18億50百万円、純利益が14.6%減の14億50百万円としている。配当予想は19年3月期と同額の120円(第2四半期末60円、期末60円)である。

 セグメント別の計画は、近海部門の売上高が126億円で営業利益が50百万円の赤字、内航部門(その他含む)の売上高が304億円で営業利益が19億円、OSV部門の売上高が20億円で営業利益が50百万円としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比1.8%減の340億47百万円、営業利益が36.0%増の20億77百万円、経常利益が30.4%増の20億90百万円、純利益が16.2%増の16億28百万円だった。

 外航部門の稼働減少や燃料油価格下落に伴う調整金収入の減少などで、全体として微減収だったが、利益面は一部船舶の耐用年数変更に伴う減価償却費の減少、燃料油価格の下落などが寄与して大幅増益だった。近海部門は4.3%減収で赤字化、内航部門は1.3%減収だが36.5%増益、OSVは6.8%増収で3.3倍増益だった。なお船隊整備の一環で内航船1隻を売却し、特別利益に固定資産売却益を計上している。

 通期は20年1月適用開始のSOx規制の影響、燃料油価格に連動する燃料調整金収入の減少などを織り込んで減益予想だが、第3四半期累計の利益は通期予想を超過達成した。第4四半期は新型肺炎感染拡大による輸送量への影響が懸念されるが、通期再上振れ余地がありそうだ。

■株価は売り一巡

 株価は地合い悪が影響して急落したが、売り一巡を期待したい。3月3日の終値は3010円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS493円94銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想120円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS8762円35銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約89億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月05日更新]

川崎近海汽船は上値試す、20年3月期3Q累計大幅増益で通期再上振れ余地

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。20年3月期減益予想だが、第3四半期累計は大幅増益となり、通期利益予想を超過達成している。新型肺炎感染拡大による輸送量への影響も懸念されるが、通期再上振れ余地がありそうだ。株価は1月の昨年来高値圏から反落したが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。19年3月期の売上高構成比は近海部門28%、内航部門67%、OSV部門5%、その他0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■中期経営計画で22年3月期営業利益32億円目標

 中期経営計画の目標値は、22年3月期売上高532億円(近海184億円、内航326億円、OSV22億円)、営業利益32億円(近海3億50百万円、内航26億50百万円、OSV2億円)、経常利益32億円、純利益21億円、ROE7.0%、DER0.45倍としている。前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が7万1300円/KLで、新造船等に対する投資額は3年総額143億円予定としている。

 近海部門では船隊整備や商圏維持・拡大によって、長期的な収支安定を目指す。内航部門では新鋭船の投入、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの促進によって、海上輸送の掘り起こしおよび収益力の向上に取り組む。OSV部門ではオフショア支援船事業の充実化で収益拡大を図る。20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については適切な対応に取り組む。

■20年3月期3Q累計大幅増益で通期再上振れ余地

 20年3月期連結業績予想(10月31日に売上高を下方、利益を上方修正)は、売上高が19年3月期比1.6%減の450億円、営業利益が5.3%減の19億円、経常利益が9.6%減の18億50百万円、純利益が14.6%減の14億50百万円としている。配当予想は19年3月期と同額の120円(第2四半期末60円、期末60円)である。

 セグメント別の計画は、近海部門の売上高が126億円で営業利益が50百万円の赤字、内航部門(その他含む)の売上高が304億円で営業利益が19億円、OSV部門の売上高が20億円で営業利益が50百万円としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比1.8%減の340億47百万円、営業利益が36.0%増の20億77百万円、経常利益が30.4%増の20億90百万円、純利益が16.2%増の16億28百万円だった。

 外航部門の稼働減少や燃料油価格下落に伴う調整金収入の減少などで、全体として微減収だったが、利益面は一部船舶の耐用年数変更に伴う減価償却費の減少、燃料油価格の下落などが寄与して大幅増益だった。近海部門は4.3%減収で赤字化、内航部門は1.3%減収だが36.5%増益、OSVは6.8%増収で3.3倍増益だった。なお船隊整備の一環で内航船1隻を売却し、特別利益に固定資産売却益を計上している。

 通期は20年1月適用開始のSOx規制の影響、燃料油価格に連動する燃料調整金収入の減少などを織り込んで減益予想だが、第3四半期累計の利益は通期予想を超過達成している。新型肺炎感染拡大による輸送量への影響も懸念されるが、通期再上振れ余地がありそうだ。

■株価は上値試す

 株価は1月の昨年来高値圏から反落したが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。2月4日の終値は3205円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS493円94銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想120円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS8762円35銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約95億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月06日更新]

川崎近海汽船は上値試す、20年3月期減益予想だが再上振れ余地

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。20年3月期減益予想(利益予想を上方修正して減益幅縮小)だが、再上振れ余地がありそうだ。株価は水準を切り上げて昨年来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。19年3月期の売上高構成比は近海部門28%、内航部門67%、OSV部門5%、その他0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門では、子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月吸収合併した。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■中期経営計画で22年3月期営業利益32億円目標

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期)では、経営目標値に22年3月期売上高532億円(近海184億円、内航326億円、OSV22億円)、営業利益32億円(近海3億50百万円、内航26億50百万円、OSV2億円)、経常利益32億円、純利益21億円、ROE7.0%、DER0.45倍などを掲げている。前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が7万1300円/KLで、新造船等に対する投資額は3年総額143億円予定としている。

 近海部門では船隊整備や商圏維持・拡大によって、長期的な収支安定を目指す。内航部門では新鋭船の投入、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの促進によって、海上輸送の掘り起こしおよび収益力の向上に取り組む。OSV部門ではオフショア支援船事業の充実化で収益拡大を図る。20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については適切な対応に取り組む。

■20年3月期減益予想だが再上振れ余地

 20年3月期連結業績予想(10月31日に売上高を下方、利益を上方修正して減益幅縮小)は、売上高が19年3月期比1.6%減の450億円、営業利益が5.3%減の19億円、経常利益が9.6%減の18億50百万円、純利益が14.6%減の14億50百万円としている。配当予想は19年3月期と同額の120円(第2四半期末60円、期末60円)である。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比1.4%増の225億05百万円、営業利益が2.1倍の14億44百万円、経常利益が83.8%増の13億98百万円、純利益が21.2%増の10億86百万円だった。

 近海部門の運賃市況が想定を下回ったことなどで売上高は計画未達だが、内航部門のフェリー輸送で乗船が想定を上回ったこと、定期船輸送で運航船の入れ替えが各航路で奏功したこと、燃料油価格が想定を下回ったことなどで、各利益は計画超の大幅増益だった。近海部門は3.5%減収で赤字化、内航部門は3.0%増収で2.5倍増益、子会社で展開するOSVは9.5%増収で黒字化した。また船隊整備の一環で内航船1隻を売却し、特別利益に固定資産売却益を計上した。

 通期のセグメント別計画は、近海部門の売上高が126億円で営業利益が50百万円の赤字、内航部門(その他含む)の売上高が304億円で営業利益が19億円、OSV部門の売上高が20億円で営業利益が50百万円としている。

 通期は20年1月適用開始のSOx規制の影響、燃料油価格に連動する燃料調整金収入の減少などを織り込んで減益予想(期初計画に対して減益幅縮小見込み)だが、第2四半期累計の進捗率は売上高50.0%、営業利益76.0%と順調である。通期再上振れ余地がありそうだ。なお下期の前提条件は為替が1ドル=106円(前回想定108円)、燃料油価格が5万9100円/KL(同7万1300円/KL)としている。

■株価は上値試す

 株価は水準を切り上げて昨年来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。12月30日の終値は3300円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS493円94銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想120円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS8762円35銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約97億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月02日更新]

川崎近海汽船は戻り試す、20年3月期減益予想だが再上振れ余地

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。20年3月期減益予想(利益予想を上方修正して減益幅縮小)だが、再上振れ余地がありそうだ。株価は安値圏モミ合いから上放れて水準を切り上げている。基調転換して戻りを試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。19年3月期の売上高構成比は近海部門28%、内航部門67%、OSV部門5%、その他0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門では、子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月吸収合併した。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■中期経営計画で22年3月期営業利益32億円目標

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期)では、経営目標値に22年3月期売上高532億円(近海184億円、内航326億円、OSV22億円)、営業利益32億円(近海3億50百万円、内航26億50百万円、OSV2億円)、経常利益32億円、純利益21億円、ROE7.0%、DER0.45倍などを掲げている。前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が7万1300円/KLで、新造船等に対する投資額は3年総額143億円予定としている。

 近海部門では船隊整備や商圏維持・拡大によって、長期的な収支安定を目指す。内航部門では新鋭船の投入、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの促進によって、海上輸送の掘り起こしおよび収益力の向上に取り組む。OSV部門ではオフショア支援船事業の充実化で収益拡大を図る。20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については適切な対応に取り組む。

■20年3月期減益予想だが再上振れ余地

 20年3月期連結業績予想(10月31日に売上高を下方、利益を上方修正して減益幅縮小)は、売上高が19年3月期比1.6%減の450億円、営業利益が5.3%減の19億円、経常利益が9.6%減の18億50百万円、純利益が14.6%減の14億50百万円としている。配当予想は19年3月期と同額の120円(第2四半期末60円、期末60円)である。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比1.4%増の225億05百万円、営業利益が2.1倍の14億44百万円、経常利益が83.8%増の13億98百万円、純利益が21.2%増の10億86百万円だった。

 近海部門の運賃市況が想定を下回ったことなどで売上高は計画未達だが、内航部門のフェリー輸送で乗船が想定を上回ったこと、定期船輸送で運航船の入れ替えが各航路で奏功したこと、燃料油価格が想定を下回ったことなどで、各利益は計画超の大幅増益だった。近海部門は3.5%減収で赤字化、内航部門は3.0%増収で2.5倍増益、子会社で展開するOSVは9.5%増収で黒字化した。また船隊整備の一環で内航船1隻を売却し、特別利益に固定資産売却益を計上した。

 通期のセグメント別計画は、近海部門の売上高が126億円で営業利益が50百万円の赤字、内航部門(その他含む)の売上高が304億円で営業利益が19億円、OSV部門の売上高が20億円で営業利益が50百万円としている。

 通期は20年1月適用開始のSOx規制の影響、燃料油価格に連動する燃料調整金収入の減少などを織り込んで減益予想(期初計画に対して減益幅縮小見込み)だが、第2四半期累計の進捗率は売上高50.0%、営業利益76.0%と順調である。通期再上振れ余地がありそうだ。なお下期の前提条件は為替が1ドル=106円(前回想定108円)、燃料油価格が5万9100円/KL(同7万1300円/KL)としている。

■株価は戻り試す

 株価は安値圏モミ合いから上放れて水準を切り上げている。基調転換して戻りを試す展開を期待したい。11月29日の終値は3110円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS493円94銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の120円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS8762円35銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約92億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月01日更新]

川崎近海汽船は戻り試す、20年3月期2Q累計が計画超の大幅増益で通期利益予想を上方修正

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。20年3月期第2四半期累計は計画超の大幅増益だった。そして通期利益予想を上方修正し、減益幅が縮小する見込みとなった。通期再上振れにも期待したい。株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。19年3月期の売上高構成比は近海部門28%、内航部門67%、OSV部門5%、その他0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門では、子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月吸収合併した。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■中期経営計画で22年3月期営業利益32億円目標

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期)では、経営目標値に22年3月期売上高532億円(近海184億円、内航326億円、OSV22億円)、営業利益32億円(近海3億50百万円、内航26億50百万円、OSV2億円)、経常利益32億円、純利益21億円、ROE7.0%、DER0.45倍などを掲げている。前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が7万1300円/KLで、新造船等に対する投資額は3年総額143億円予定としている。

 近海部門では船隊整備や商圏維持・拡大によって、長期的な収支安定を目指す。内航部門では新鋭船の投入、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの促進によって、海上輸送の掘り起こしおよび収益力の向上に取り組む。OSV部門ではオフショア支援船事業の充実化で収益拡大を図る。20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については適切な対応に取り組む。

■20年3月期2Q累計が計画超の大幅増益で通期利益予想を上方修正

 20年3月期連結業績予想(10月31日に売上高を下方、利益を上方修正)は、売上高が19年3月期比1.6%減の450億円、営業利益が5.3%減の19億円、経常利益が9.6%減の18億50百万円、純利益が14.6%減の14億50百万円としている。配当予想は19年3月期と同額の120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は24.3%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比1.4%増の225億05百万円、営業利益が2.1倍の14億44百万円、経常利益が83.8%増の13億98百万円、純利益が21.2%増の10億86百万円だった。

 近海部門の運賃市況が想定を下回ったことなどで売上高は計画未達だが、内航部門のフェリー輸送で乗船が想定を上回ったこと、定期船輸送で運航船の入れ替えが各航路で奏功したこと、燃料油価格が想定を下回ったことなどで、各利益は計画超の大幅増益だった。近海部門は3.5%減収で赤字化、内航部門は3.0%増収で2.5倍増益、子会社で展開するOSVは9.5%増収で黒字化した。また船隊整備の一環で内航船1隻を売却し、特別利益に固定資産売却益を計上した。

 通期は売上高を下方修正、各利益を上方修正した。上期の上振れ幅に比べて下期は下振れの形になるが、通期ベースで各利益は期初計画に対して減益幅が縮小する見込みだ。20年1月適用開始のSOx規制の影響、燃料油価格に連動する燃料調整金収入の減少などを織り込んだ。なお下期の前提条件は為替が1ドル=106円(前回想定108円)、燃料油価格が5万9100円/KL(同7万1300円/KL)としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高50.0%、営業利益76.0%である。通期再上振れにも期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。10月31日の終値は2890円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS493円94銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の120円で算出)は約4.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8762円35銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約85億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月02日更新]

川崎近海汽船は下値固め完了、20年3月期減益予想だが保守的

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。20年3月期減益予想だが、やや保守的だろう。株価は6月の年初来安値を割り込まずに推移している。下値固め完了して出直りを期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。19年3月期の売上高構成比は近海部門28%、内航部門67%、OSV部門5%、その他0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門では、子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月吸収合併した。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■中期経営計画で22年3月期営業利益32億円目標

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期)では、経営目標値に22年3月期売上高532億円(近海184億円、内航326億円、OSV22億円)、営業利益32億円(近海3億50百万円、内航26億50百万円、OSV2億円)、経常利益32億円、純利益21億円、ROE7.0%、DER0.45倍などを掲げている。前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が7万1300円/KLで、新造船等に対する投資額は3年総額143億円予定としている。

 近海部門では船隊整備や商圏維持・拡大によって、長期的な収支安定を目指す。内航部門では新鋭船の投入、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの促進によって、海上輸送の掘り起こしおよび収益力の向上に取り組む。OSV部門ではオフショア支援船事業の充実化で収益拡大を図る。なお20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については、適切な対応に取り組む。

■20年3月期減益予想だが保守的

 20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比4.7%増の479億円、営業利益が22.7%減の15億50百万円、経常利益が24.3%減の15億50百万円、純利益が41.1%減の10億円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は35.2%である。

 前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が6万4200円/KL(上期5万7100円/KL、下期7万1300円/KL)としている。20年1月適用開始のSOx規制への対応としては、19年10月以降適合油に切り替える前提である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比5.5%増の110億86百万円、営業利益が43百万円の赤字(前年同期は1億65百万円の赤字)、経常利益が68百万円の赤字(同1億04百万円の赤字)、純利益が13百万円の赤字(同68百万円の赤字)だった。

 全体として市況改善などで増収となり、減価償却費の減少などで赤字が縮小した。近海部門は市況改善などで6.8%増収だが用船料の増加などで30.2%減益だった。内航部門はフェリー輸送の増加などで5.2%増収、減価償却費の減少などで黒字化した。子会社で展開するOSV(連結対象期間は1〜3月)は、冬場の閑散期のため売上高が横ばいだったが、利益は赤字が縮小した。

 通期ベースでは、輸送量の増加で増収(近海8.0%増収、内航3.5%増収、OSV2.8%増収の計画)だが、米中貿易摩擦による海外経済の下振れリスク、20年1月適用開始のSOx規制や19年10月予定の消費税率引き上げによる荷動きへの影響など、不透明感が強いため減益予想としている。ただし保守的だろう。

■株価は下値固め完了

 株価は6月の年初来安値を割り込まずに推移している。下値固め完了して出直りを期待したい。10月1日の終値は2775円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS340円65銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間120円で算出)は約4.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS8762円35銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約82億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月05日更新]

川崎近海汽船は下値固め完了

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。20年3月期減益予想だが、第1四半期は赤字が縮小した。通期予想は保守的だろう。株価は6月安値を割り込まずに推移している。下値固め完了して出直りを期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。19年3月期の売上高構成比は近海部門28%、内航部門67%、OSV部門5%、その他0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門では、子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月吸収合併した。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■中期経営計画で22年3月期営業利益32億円目標

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期)では、経営目標値に22年3月期売上高532億円(近海184億円、内航326億円、OSV22億円)、営業利益32億円(近海3億50百万円、内航26億50百万円、OSV2億円)、経常利益32億円、純利益21億円、ROE7.0%、DER0.45倍などを掲げている。前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が7万1300円/KLで、新造船等に対する投資額は3年総額143億円予定としている。

 近海部門では船隊整備や商圏維持・拡大によって、長期的な収支安定を目指す。内航部門では新鋭船の投入、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの促進によって、海上輸送の掘り起こしおよび収益力の向上に取り組む。OSV部門ではオフショア支援船事業の充実化で収益拡大を図る。なお20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については、適切な対応に取り組む。

■20年3月期減益予想だが1Q赤字縮小

 20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比4.7%増の479億円、営業利益が22.7%減の15億50百万円、経常利益が24.3%減の15億50百万円、純利益が41.1%減の10億円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は35.2%である。

 前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が6万4200円/KL(上期5万7100円/KL、下期7万1300円/KL)としている。20年1月適用開始のSOx規制への対応としては、19年10月以降適合油に切り替える前提である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比5.5%増の110億86百万円、営業利益が43百万円の赤字(前年同期は1億65百万円の赤字)、経常利益が68百万円の赤字(同1億04百万円の赤字)、純利益が13百万円の赤字(同68百万円の赤字)だった。

 全体として市況改善などで増収となり、減価償却費の減少などで赤字が縮小した。近海部門は市況改善などで6.8%増収だが用船料の増加などで30.2%減益だった。内航部門はフェリー輸送の増加などで5.2%増収、減価償却費の減少などで黒字化した。子会社で展開するOSV(連結対象期間は1〜3月)は、冬場の閑散期のため売上高が横ばいだったが、利益は赤字が縮小した。

 通期ベースでは、輸送量の増加で増収(近海8.0%増収、内航3.5%増収、OSV2.8%増収の計画)だが、米中貿易摩擦による海外経済の下振れリスク、20年1月適用開始のSOx規制や19年10月予定の消費税率引き上げによる荷動きへの影響など、不透明感が強いため減益予想としている。ただし保守的だろう。

■株価は下値固め完了

 株価は6月安値を割り込まずに推移している。下値固め完了して出直りを期待したい。9月4日の終値は2720円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS340円65銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間120円で算出)は約4.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS8762円35銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約80億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月07日更新]

川崎近海汽船は調整一巡、20年3月期減益予想だが1Q赤字縮小

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。20年3月期減益予想だが、第1四半期は赤字が縮小した。通期予想は保守的だろう。株価は地合い悪も影響して戻り一服の形だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■近海輸送と内航輸送が主力

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。19年3月期の売上高構成比は近海部門28.4%、内航部門67.2%、OSV部門4.5%、その他0.0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門では、子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月吸収合併した。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。また季節要因として第1四半期は入渠費用が増える傾向がある。

■中期経営計画で22年3月期営業利益32億円目標

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期)では、経営目標値に22年3月期売上高532億円(近海184億円、内航326億円、OSV22億円)、営業利益32億円(近海3億50百万円、内航26億50百万円、OSV2億円)、経常利益32億円、純利益21億円、ROE7.0%、DER0.45倍などを掲げている。前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が7万1300円/KLで、新造船等に対する投資額は3年総額143億円予定としている。

 近海部門では船隊整備や商圏維持・拡大によって、長期的な収支安定を目指す。内航部門では新鋭船の投入、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの促進によって、海上輸送の掘り起こしおよび収益力の向上に取り組む。OSV部門ではオフショア支援船事業の充実化で収益拡大を図る。なお20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については、適切な対応に取り組む。

■20年3月期減益予想だが1Q赤字縮小

 20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比4.7%増の479億円、営業利益が22.7%減の15億50百万円、経常利益が24.3%減の15億50百万円、純利益が41.1%減の10億円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は35.2%である。

 前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が6万4200円/KL(上期5万7100円/KL、下期7万1300円/KL)としている。20年1月適用開始のSOx規制への対応としては、19年10月以降適合油に切り替える前提である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比5.5%増の110億86百万円、営業利益が43百万円の赤字(前年同期は1億65百万円の赤字)、経常利益が68百万円の赤字(同1億04百万円の赤字)、純利益が13百万円の赤字(同68百万円の赤字)だった。

 全体として市況改善などで増収となり、減価償却費の減少などで赤字が縮小した。近海部門は市況改善などで6.8%増収だが用船料の増加などで30.2%減益だった。内航部門はフェリー輸送の増加などで5.2%増収、減価償却費の減少などで黒字化した。子会社で展開するOSV(連結対象期間は1〜3月)は、冬場の閑散期のため売上高が横ばいだったが、利益は赤字が縮小した。

 通期ベースでは、輸送量の増加で増収(近海8.0%増収、内航3.5%増収、OSV2.8%増収の計画)だが、米中貿易摩擦による海外経済の下振れリスク、20年1月適用開始のSOx規制や19年10月予定の消費税率引き上げによる荷動きへの影響など、不透明感が強いため減益予想としている。ただし保守的だろう。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪も影響して戻り一服の形だが、調整一巡して出直りを期待したい。8月6日の終値は2758円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS340円65銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間120円で算出)は約4.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8762円35銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約81億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月02日更新]

川崎近海汽船は調整一巡、20年3月期減益予想だが保守的

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。20年3月期減益予想だが、やや保守的だろう。株価は16年以来の安値圏だが、調整一巡して反発を期待したい。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。19年3月期の売上高構成比は近海部門28.4%、内航部門67.2%、OSV部門4.5%、その他0.0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門では、子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月吸収合併した。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。

■中期経営計画で22年3月期営業利益32億円目標

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期)では、経営目標値に22年3月期売上高532億円(近海184億円、内航326億円、OSV22億円)、営業利益32億円(近海3億50百万円、内航26億50百万円、OSV2億円)、経常利益32億円、純利益21億円、ROE7.0%、DER0.45倍などを掲げている。前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が7万1300円/KLで、新造船等に対する投資額は3年総額143億円予定としている。

 近海部門では船隊整備や商圏維持・拡大によって、長期的な収支安定を目指す。内航部門では新鋭船の投入、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの促進によって、海上輸送の掘り起こしおよび収益力の向上に取り組む。OSV部門ではオフショア支援船事業の充実化で収益拡大を図る。なお20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については、適切な対応に取り組む。

■20年3月期減益予想だが保守的

 20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比4.7%増の479億円、営業利益が22.7%減の15億50百万円、経常利益が24.3%減の15億50百万円、純利益が41.1%減の10億円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は35.2%である。

 前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が6万4200円/KL(上期5万7100円/KL、下期7万1300円/KL)としている。20年1月適用開始のSOx規制への対応としては、19年10月以降適合油に切り替える前提である。

 輸送量の増加で増収(近海8.0%増収、内航3.5%増収、OSV2.8%増収の計画)だが、米中貿易摩擦による海外経済の下振れリスク、20年1月適用開始のSOx規制や19年10月予定の消費税率引き上げによる荷動きへの影響など、不透明感が強いため減益予想としている。ただし保守的だろう。

■株価は調整一巡

 株価は16年以来の安値圏だが、調整一巡して反発を期待したい。7月1日の終値は2710円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS340円65銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想年間120円で算出)は約4.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS8762円35銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約80億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月11日更新]

川崎近海汽船は売られ過ぎ感、20年3月期減益予想だが保守的

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。20年3月期減益予想だが、やや保守的だろう。株価は軟調展開で16年以来の安値圏だが、売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。19年3月期の売上高構成比は近海部門28.4%、内航部門67.2%、OSV部門4.5%、その他0.0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門では、子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月吸収合併した。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。

■中期経営計画で22年3月期営業利益32億円目標

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期)では、経営目標値に22年3月期売上高532億円(近海184億円、内航326億円、OSV22億円)、営業利益32億円(近海3億50百万円、内航26億50百万円、OSV2億円)、経常利益32億円、純利益21億円、ROE7.0%、DER0.45倍などを掲げている。前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が7万1300円/KLで、新造船等に対する投資額は3年総額143億円予定としている。

 近海部門では船隊整備や商圏維持・拡大によって、長期的な収支安定を目指す。内航部門では新鋭船の投入、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの促進によって、海上輸送の掘り起こしおよび収益力の向上に取り組む。OSV部門ではオフショア支援船事業の充実化で収益拡大を図る。なお20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については、適切な対応に取り組む。

■20年3月期減益予想だが保守的

 20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比4.7%増の479億円、営業利益が22.7%減の15億50百万円、経常利益が24.3%減の15億50百万円、純利益が41.1%減の10億円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は35.2%である。

 前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が6万4200円/KL(上期5万7100円/KL、下期7万1300円/KL)としている。なお20年1月適用開始のSOx規制への対応として、19年10月以降適合油に切り替える前提である。

 輸送量の増加で増収(近海8.0%増収、内航3.5%増収、OSV2.8%増収の計画)だが、米中貿易摩擦による海外経済の下振れリスク、20年1月適用開始のSOx規制や19年10月予定の消費税率引き上げによる荷動きへの影響など、不透明感が強いため減益予想としている。ただし保守的だろう。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は軟調展開で16年以来の安値圏だが売られ過ぎ感を強めている。6月10日の終値は2685円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS340円65銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想年間120円で算出)は約4.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS8762円35銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約79億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月09日更新]

川崎近海汽船は20年3月期減益予想だが株価のネガティブ反応限定的

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。19年3月期は減価償却費の増加などで営業・経常減益(純利益は特別利益計上で増益)だった。20年3月期も減益予想としているが、やや保守的だろう。株価のネガティブ反応は限定的だ。調整一巡して出直りを期待したい。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。19年3月期の売上高構成比は近海部門28.4%、内航部門67.2%、OSV部門4.5%、その他0.0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門では、子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月吸収合併した。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。

■中期経営計画で22年3月期営業利益32億円目標

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期)では、経営目標値に22年3月期売上高532億円(近海184億円、内航326億円、OSV22億円)、営業利益32億円(近海3億50百万円、内航26億50百万円、OSV2億円)、経常利益32億円、純利益21億円、ROE7.0%、DER0.45倍などを掲げている。前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が7万1300円/KLで、新造船等に対する投資額は3年総額143億円予定としている。

 近海部門では船隊整備や商圏維持・拡大によって、長期的な収支安定を目指す。内航部門では新鋭船の投入、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトの促進によって、海上輸送の掘り起こしおよび収益力の向上に取り組む。OSV部門ではオフショア支援船事業の充実化で収益拡大を図る。なお20年1月適用開始のSOx規制(船舶用燃料油の低硫黄化環境規制)については、適切な対応に取り組む。

■19年3月期営業・経常減益、20年3月期も減益予想

 19年3月期連結業績は、売上高が18年3月期比10.8%増の457億34百万円、営業利益が20.9%減の20億05百万円、経常利益が21.4%減の20億47百万円、純利益が35.2%増の16億97百万円だった。営業・経常減益だが計画を上回った。純利益は特別利益(固定資産売却益)が寄与して増益だった。配当は18年3月期と同額(17年10月1日付株式併合換算後)の年間120円(第2四半期末60円、期末60円)とした。配当性向は20.8%である。

 近海部門は10.2%増収で営業黒字化した。バルク輸送における日本向け石炭輸送の増加、市況の改善が寄与した。内航部門はフェリー輸送における新造船投入、燃料油価格上昇に伴う燃料調整金収入の増加などで10.2%増収だが、新造船竣工に伴う減価償却費の増加、修繕費の増加、夏場に頻発した台風による欠航の影響などで44.6%減益だった。OSV部門は26.0%増収で2.7倍増益だった。通常の支援作業に加えて、自力航行不能に陥った超巨大タンカー(VLCC)の台風回避、原油揚港経由修繕ドックへの曳航も寄与した。

 20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比4.7%増の479億円、営業利益が22.7%減の15億50百万円、経常利益が24.3%減の15億50百万円、純利益が41.1%減の10億円としている。配当予想は19年3月期と同額の年間120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は35.2%である。

 前提条件は為替が1ドル=108円、燃料油価格(国内)が6万4200円/KLとしている。近海部門および内航部門における輸送量の増加で増収だが、米中貿易摩擦による海外経済の下振れリスク、20年1月適用開始のSOx規制や19年10月予定の消費税率引き上げによる荷動きへの影響など、不透明感が強いため減益予想としている。ただし保守的だろう。

■株価は調整一巡期待

 株価は反発力の鈍い展開だが、20年3月期減益予想に対するネガティブ反応は限定的だ。調整一巡して出直りを期待したい。5月8日の終値は3115円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS340円65銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間120円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8762円35銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約92億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月02日更新]

川崎近海汽船は戻り歩調、19年3月期営業・経常減益予想だが20年3月期収益改善期待

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。19年3月期は燃料油価格上昇などで営業・経常減益(純利益は特別利益計上で増益)予想だが、20年3月期の収益改善を期待したい。株価は2月の直近安値圏から切り返して戻り歩調だ。出直りを期待したい。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。18年3月期の売上高構成比は近海部門28.5%、内航部門67.6%、OSV部門3.9%、その他0.0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門では、子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月吸収合併した。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。

■中期経営計画で21年3月期営業利益34億円目標

 中期経営計画(19年3月期〜21年3月期)では、有利貨物の取り込みや船隊整備による近海部門の収支改善、新鋭船投入や新規航路開設による内航部門のサービスの充実、OSV部門の収益拡大、20年適用開始予定のSOx規制への適切な対応を推進している。

 経営目標値には、21年3月期の売上高495億50百万円(近海144億円、内航330億円、OSV21億50百万円)、営業利益34億円(近海50百万円、内航32億50百万円、OSV1億円)、経常利益33億50百万円、純利益21億50百万円、ROE7.8%などを掲げている。前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が6万9200円/KLである。新造船等に対する投資額は3年総額168億円の予定としている。

■19年3月期営業・経常減益予想だが20年3月期収益改善期待

 19年3月期連結業績予想(10月31日に売上高を上方、営業利益と経常利益を下方、純利益を上方修正)は、売上高が18年3月期比12.2%増の463億円、営業利益が33.0%減の17億円、経常利益が32.8%減の17億50百万円、純利益が23.5%増の15億50百万円としている。配当予想は18年3月期と同額(17年10月1日付株式併合換算後)の年間120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は22.7%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比11.4%増の346億61百万円、営業利益が33.1%減の15億28百万円、経常利益が31.7%減の16億03百万円、純利益が32.0%増の14億01百万円だった。燃料油価格上昇に伴う燃料調整金収入の増加も寄与して2桁増収だが、減価償却費の増加、修繕費の増加、夏場に頻発した台風による欠航の影響などで営業・経常減益だった。純利益は特別利益に計上した固定資産売却益5億79百万円が寄与して大幅増益だった。

 近海部門は輸送量の増加、市況の改善、効率配船などで10.7%増収となり、営業黒字化した。内航部門は輸送量の増加、フェリー輸送における新造船の投入、燃料油価格上昇に伴う燃料調整金収入の増加などで10.4%増収だが、新造船シルバーティアラ竣工に伴う原価償却費の増加、修繕費の増加、台風・豪雨・地震など自然災害の影響などで50.7%営業減益だった。OSV部門は季節要因で第1四半期の稼働率が低下したため56.8%営業減益だが、通常の支援作業に加えて、自力航行不能に陥った超巨大タンカー(VLCC)の台風回避・曳航も寄与して35.5%増収だった。

 通期ベースでは、近海部門が市況改善を背景に8期ぶりの営業黒字を見込み、OSV部門も受注増加を見込むが、内航部門が燃料油価格上昇、減価償却費増加、修繕費増加、台風等の荒天による運航費増加、事務所開設等による販管費増加、宮古〜室蘭航路での定期貨物定着遅れの影響を見込み、全体として営業・経常減益予想である。純利益は特別利益計上で増益予想である。

 なお第3四半期累計の進捗率は売上高が74.9%、営業利益が89.9%、経常利益が91.6%、純利益が90.4%だった。利益が高進捗率であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。そして20年3月期の収益改善を期待したい。

■株価は戻り歩調

 株価は2月の直近安値2983円から下値を切り上げて戻り歩調だ。3月26日には3285円まで伸長した。出直りを期待したい。4月1日の終値は3215円、前期推定連結PER(会社予想連結EPS528円00銭で算出)は約6倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間120円で算出)は約3.7%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS8323円69銭で算出)は約9.4倍、時価総額は約95億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月05日更新]

川崎近海汽船は戻り歩調、19年3月期営業・経常減益予想だが上振れ余地

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。19年3月期は燃料油価格上昇などで営業・経常減益(純利益は特別利益計上で増益)予想だが、第3四半期累計の利益は高進捗率だった。通期予想に上振れ余地がありそうだ。株価は2月の直近安値圏から切り返して戻り歩調だ。出直りを期待したい。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。18年3月期の売上高構成比は近海部門28.5%、内航部門67.6%、OSV部門3.9%、その他0.0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門では、子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月吸収合併した。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。

■中期経営計画で21年3月期営業利益34億円目標

 中期経営計画(19年3月期〜21年3月期)では、有利貨物の取り込みや船隊整備による近海部門の収支改善、新鋭船投入や新規航路開設による内航部門のサービスの充実、OSV部門の収益拡大、20年適用開始予定のSOx規制への適切な対応を推進している。

 経営目標値には、21年3月期の売上高495億50百万円(近海144億円、内航330億円、OSV21億50百万円)、営業利益34億円(近海50百万円、内航32億50百万円、OSV1億円)、経常利益33億50百万円、純利益21億50百万円、ROE7.8%などを掲げている。前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が6万9200円/KLである。新造船等に対する投資額は3年総額168億円の予定としている。

■19年3月期営業・経常減益予想だが上振れ余地

 19年3月期連結業績予想(10月31日に売上高を上方、営業利益と経常利益を下方、純利益を上方修正)は、売上高が18年3月期比12.2%増の463億円、営業利益が33.0%減の17億円、経常利益が32.8%減の17億50百万円、純利益が23.5%増の15億50百万円としている。配当予想は18年3月期と同額(17年10月1日付株式併合換算後)の年間120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は22.7%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比11.4%増の346億61百万円、営業利益が33.1%減の15億28百万円、経常利益が31.7%減の16億03百万円、純利益が32.0%増の14億01百万円だった。燃料油価格上昇に伴う燃料調整金収入の増加も寄与して2桁増収だが、減価償却費の増加、修繕費の増加、夏場に頻発した台風による欠航の影響などで営業・経常減益だった。純利益は特別利益に計上した固定資産売却益5億79百万円が寄与して大幅増益だった。

 近海部門は輸送量の増加、市況の改善、効率配船などで10.7%増収となり、営業黒字化した。内航部門は輸送量の増加、フェリー輸送における新造船の投入、燃料油価格上昇に伴う燃料調整金収入の増加などで10.4%増収だが、新造船シルバーティアラ竣工に伴う原価償却費の増加、修繕費の増加、台風・豪雨・地震など自然災害の影響などで50.7%営業減益だった。OSV部門は季節要因で第1四半期の稼働率が低下したため56.8%営業減益だが、通常の支援作業に加えて、自力航行不能に陥った超巨大タンカー(VLCC)の台風回避・曳航も寄与して35.5%増収だった。

 通期ベースでは、近海部門が市況改善を背景に8期ぶりの営業黒字を見込み、OSV部門も受注増加を見込むが、内航部門が燃料油価格上昇、減価償却費増加、修繕費増加、台風等の荒天による運航費増加、事務所開設等による販管費増加、宮古〜室蘭航路での定期貨物定着遅れの影響を見込み、全体として営業・経常減益予想である。純利益は特別利益計上で増益予想である。
 
 なお第3四半期累計の進捗率は売上高が74.9%、営業利益が89.9%、経常利益が91.6%、純利益が90.4%だった。利益が高進捗率であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。

■株価は戻り歩調

 株価は12月安値2822円まで下押すことなく、2月12日の直近安値2983円から切り返して戻り歩調だ。出直りを期待したい。3月4日の終値は3190円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS528円00銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間120円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS8323円69銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約94億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月06日更新]

川崎近海汽船は出直り期待、19年3月期営業減益予想だが3Q累計の利益が高進捗率で通期上振れ余地

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。19年3月期は燃料油価格上昇などで営業・経常減益(純利益は特別利益計上で増益)予想だが、第3四半期累計の利益が高進捗率であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。株価は12月の安値から切り返している。調整一巡して出直りを期待したい。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。18年3月期の売上高構成比は近海部門28.5%、内航部門67.6%、OSV部門3.9%、その他0.0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門では、子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月吸収合併した。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。

■中期経営計画で21年3月期営業利益34億円目標

 中期経営計画(19年3月期〜21年3月期)では、有利貨物の取り込みや船隊整備による近海部門の収支改善、新鋭船投入や新規航路開設による内航部門のサービスの充実、OSV部門の収益拡大、20年適用開始予定のSOx規制への適切な対応を推進している。

 経営目標値には、21年3月期の売上高495億50百万円(近海144億円、内航330億円、OSV21億50百万円)、営業利益34億円(近海50百万円、内航32億50百万円、OSV1億円)、経常利益33億50百万円、純利益21億50百万円、ROE7.8%などを掲げている。前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が6万9200円/KLである。新造船等に対する投資額は3年総額168億円の予定としている。

■19年3月期営業減益予想だが3Q累計が高進捗率で通期上振れ余地

 19年3月期連結業績予想(10月31日に売上高を上方、営業利益と経常利益を下方、純利益を上方修正)は、売上高が18年3月期比12.2%増の463億円、営業利益が33.0%減の17億円、経常利益が32.8%減の17億50百万円、純利益が23.5%増の15億50百万円としている。配当予想は18年3月期と同額(17年10月1日付株式併合換算後)の年間120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は22.7%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比11.4%増の346億61百万円、営業利益が33.1%減の15億28百万円、経常利益が31.7%減の16億03百万円、純利益が32.0%増の14億01百万円だった。燃料油価格上昇に伴う燃料調整金収入の増加も寄与して2桁増収だが、減価償却費の増加、修繕費の増加、夏場に頻発した台風による欠航の影響などで営業・経常減益だった。純利益は特別利益に計上した固定資産売却益5億79百万円が寄与して大幅増益だった。

 近海部門は輸送量の増加、市況の改善、効率配船などで10.7%増収となり、営業黒字化した。内航部門は輸送量の増加、フェリー輸送における新造船の投入、燃料油価格上昇に伴う燃料調整金収入の増加などで10.4%増収だが、新造船シルバーティアラ竣工に伴う原価償却費の増加、修繕費の増加、台風・豪雨・地震など自然災害の影響などで50.7%営業減益だった。OSV部門は季節要因で第1四半期の稼働率が低下したため56.8%営業減益だが、通常の支援作業に加えて、自力航行不能に陥った超巨大タンカー(VLCC)の台風回避・曳航も寄与して35.5%増収だった。

 通期ベースでは、近海部門が市況改善を背景に8期ぶりの営業黒字を見込み、OSV部門も受注増加を見込むが、内航部門が燃料油価格上昇、減価償却費増加、修繕費増加、台風等の荒天による運航費増加、事務所開設等による販管費増加、宮古〜室蘭航路での定期貨物定着遅れの影響を見込み、全体として営業・経常減益予想である。純利益は特別利益計上で増益予想である。
 
 なお第3四半期累計の進捗率は売上高74.9%、営業利益89.9%、経常利益91.6%、純利益90.4%である。利益が高進捗率であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。

■株価は出直り期待

 株価は12月安値2822円から切り返している。第3四半期累計業績には反応薄だ。調整一巡して出直りを期待したい。2月5日の終値は3065円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS528円00銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間120円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS8323円69銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約90億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月07日更新]

川崎近海汽船は反発して戻り試す、19年3月期営業・経常減益予想だが20年3月期収益改善期待

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。19年3月期は燃料油価格上昇などで営業・経常減益(純利益は特別利益計上で増益)予想だが、20年3月期の収益改善を期待したい。株価は地合い悪の影響も受けたが、12月の昨年来安値から反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。18年3月期の売上高構成比は近海部門28.5%、内航部門67.6%、OSV部門3.9%、その他0.0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門では、子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月吸収合併した。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。

■中期経営計画で21年3月期営業利益34億円目標

 中期経営計画(19年3月期〜21年3月期)では、有利貨物の取り込みや船隊整備による近海部門の収支改善、新鋭船投入や新規航路開設による内航部門のサービスの充実、OSV部門の収益拡大、20年適用開始予定のSOx規制への適切な対応を推進している。

 経営目標値には、21年3月期の売上高495億50百万円(近海144億円、内航330億円、OSV21億50百万円)、営業利益34億円(近海50百万円、内航32億50百万円、OSV1億円)、経常利益33億50百万円、純利益21億50百万円、ROE7.8%などを掲げている。前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が6万9200円/KLである。新造船等に対する投資額は3年総額168億円の予定としている。

■19年3月期営業・経常減益予想だが20年3月期収益改善期待

 19年3月期連結業績予想(10月31日に売上高を上方、営業利益と経常利益を下方、純利益を上方修正)は、売上高が18年3月期比12.2%増の463億円、営業利益が33.0%減の17億円、経常利益が32.8%減の17億50百万円、純利益が23.5%増の15億50百万円としている。配当予想は18年3月期と同額(17年10月1日付株式併合換算後)の年間120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は22.7%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比10.9%増の221億97百万円、営業利益が47.6%減の6億81百万円、経常利益が42.5%減の7億60百万円、純利益が0.1%増の8億96百万円だった。特別利益に固定資産売却益5億79百万円を計上した。

 近海部門は輸送量の増加、市況の改善、効率配船への取り組みなどで13.5%増収となり、営業黒字化した。内航部門は輸送量の増加や燃料油価格上昇に伴う燃料調整金収入の増加で8.0%増収だが、修繕費の増加、新造船竣工に伴う減価償却費増加、台風・豪雨・地震など自然災害影響、新航路開設費用増加などで70.2%営業減益だった。OSV部門は大幅増収だった。

 通期ベースでは、近海部門が市況改善を背景に8期ぶりの営業黒字を見込み、OSV部門も受注増加を見込むが、内航部門が燃料油価格上昇、修繕費増加、減価償却費増加、台風等の荒天による運航費増加、事務所開設等による販管費増加、宮古〜室蘭航路での定期貨物定着遅れの影響を見込み、全体として営業・経常減益予想である。純利益は特別利益計上で増益予想である。なお第3四半期以降の前提は為替1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)6万5500円/KL(前回は5万4500円/KL)の想定としている。

■株価は反発して戻り試す

 株価は地合い悪も影響して12月25日に昨年来安値2822円まで下押したが、その後は反発の動きを強めている。1月4日には3170円まで上伸した。戻りを試す展開を期待したい。1月4日の終値は3160円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS528円00銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間120円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS8323円69銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約93億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月04日更新]

川崎近海汽船は反発の動き、19年3月期営業・経常減益予想の織り込み完了

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。19年3月期は燃料油価格上昇などで営業・経常減益(純利益は特別利益計上で増益)予想だが、この織り込みが完了して株価は反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。18年3月期の売上高構成比は近海部門28.5%、内航部門67.6%、OSV部門3.9%、その他0.0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。OSV部門では、子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月吸収合併した。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。

■中期経営計画で21年3月期営業利益34億円目標

 中期経営計画(19年3月期〜21年3月期)では、有利貨物の取り込みや船隊整備による近海部門の収支改善、新鋭船投入や新規航路開設による内航部門のサービスの充実、OSV部門の収益拡大、20年適用開始予定のSOx規制への適切な対応を推進している。

 経営目標値には、21年3月期の売上高495億50百万円(近海144億円、内航330億円、OSV21億50百万円)、営業利益34億円(近海50百万円、内航32億50百万円、OSV1億円)、経常利益33億50百万円、純利益21億50百万円、ROE7.8%などを掲げている。前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が6万9200円/KLである。新造船等に対する投資額は3年総額168億円の予定としている。

■19年3月期営業・経常減益予想、純利益は増益予想

 19年3月期連結業績予想(10月31日に売上高を上方、営業利益と経常利益を下方、純利益を上方修正)は、売上高が18年3月期比12.2%増の463億円、営業利益が33.0%減の17億円、経常利益が32.8%減の17億50百万円、純利益が23.5%増の15億50百万円としている。配当予想は18年3月期と同額(17年10月1日付株式併合換算後)の年間120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は22.7%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比10.9%増の221億97百万円、営業利益が47.6%減の6億81百万円、経常利益が42.5%減の7億60百万円、純利益が0.1%増の8億96百万円だった。特別利益に固定資産売却益5億79百万円を計上した。

 近海部門は輸送量の増加、市況の改善、効率配船への取り組みなどで13.5%増収となり、営業黒字化した。内航部門は輸送量の増加や燃料油価格上昇に伴う燃料調整金収入の増加で8.0%増収だが、修繕費の増加、新造船竣工に伴う減価償却費増加、台風・豪雨・地震など自然災害影響、新航路開設費用増加などで70.2%営業減益だった。OSV部門は大幅増収だった。

 通期ベースでは、近海部門が市況改善を背景に8期ぶりの営業黒字を見込み、OSV部門も受注増加を見込むが、内航部門が燃料油価格上昇、修繕費増加、減価償却費増加、台風等の荒天による運航費増加、事務所開設等による販管費増加、宮古〜室蘭航路での定期貨物定着遅れの影響を見込み、全体として営業・経常減益予想である。純利益は特別利益計上で増益予想である。なお第3四半期以降の前提は為替1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)6万5500円/KL(前回は5万4500円/KL)の想定としている。

■株価は反発の動き

 株価は11月19日の年初来安値3070円から反発の動きを強めている。12月3日には3280円まで上伸した。19年3月期営業・経常減益予想の織り込みが完了したようだ。

 12月3日の終値は3280円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS528円00銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想年間120円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS8323円69銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約97億円である。出直りを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月08日更新]

川崎近海汽船は19年3月期営業・経常利益予想下方修正だが、株価のネガティブ反応限定的

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。19年3月期は、内航部門における燃料油価格上昇の影響などで、営業利益と経常利益予想を下方修正(純利益は特別利益計上で上方修正)したが、株価のネガティブ反応は限定的のようだ。売り一巡して反発を期待したい。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、新規分野として日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。18年3月期の売上高構成比は近海部門が28.5%、内航部門が67.6%、OSV部門3.9%、その他0.0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。新規分野のOSV部門では、子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月吸収合併した。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。

■中期経営計画で21年3月期営業利益34億円目標

 2018年度中期経営計画(19年3月期〜21年3月期)では、有利貨物の取り込みや船隊整備による近海部門の収支改善、新鋭船投入や新規航路開設による内航部門のサービスの充実、OSV部門の収益拡大、20年適用開始予定のSOx規制への適切な対応を推進している。

 経営目標値には、21年3月期の売上高495億50百万円(近海144億円、内航330億円、OSV21億50百万円)、営業利益34億円(近海50百万円、内航32億50百万円、OSV1億円)、経常利益33億50百万円、純利益21億50百万円、ROE7.8%などを掲げている。前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が6万9200円/KLである。新造船等に対する投資額は3年総額168億円の予定としている。

■19年3月期2Q累計減益、通期利益予想を下方修正

 19年3月期の連結業績予想は、10月31日に売上高を上方修正、営業利益と経常利益を下方修正、純利益を上方修正して、売上高が18年3月期比12.2%増の463億円、営業利益が33.0%減の17億円、経常利益が32.8%減の17億50百万円、純利益が23.5%増の15億50百万円としている。

 配当予想は据え置いて、17年10月1日付株式併合(10株を1株に併合)換算後の18年3月期と同額の年間120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は22.7%となる。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比10.9%増の221億97百万円、営業利益が47.6%減の6億81百万円、経常利益が42.5%減の7億60百万円、純利益が0.1%増の8億96百万円だった。特別利益に固定資産売却益5億79百万円を計上した。

 近海部門は輸送量の増加、市況の改善、効率配船への取り組みなどで13.5%増収となり、営業黒字化した。内航部門は輸送量の増加や燃料油価格上昇に伴う燃料調整金収入の増加で8.0%増収だが、修繕費の増加、新造船竣工に伴う減価償却費の増加、台風・豪雨・地震など自然災害の影響、新航路開設費用の増加などで70.2%営業減益だった。OSV部門は大幅増収だった。

 通期は近海部門が市況改善を背景に堅調で、OSV部門も受注増加を見込むが、内航部門における燃料油価格の上昇や宮古〜室蘭航路での定期貨物定着遅れの影響で、営業利益と経常利益を下方修正した。第3四半期以降は為替1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)6万5500円/KL(前回は5万4500円/KL)の想定としている。なお純利益は特別利益計上で上方修正した。

■株価は売り一巡して反発期待

 株価は地合い悪化の影響で10月30日に年初来安値3155円まで下押したが、その後は下げ渋る動きだ。19年3月期営業利益・経常利益予想下方修正に対するネガティブ反応は限定的のようだ。

 11月7日の終値は3255円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS528円00銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想年間120円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS8323円69銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約96億円である。売り一巡して反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月12日更新]

川崎近海汽船は売り一巡して反発期待

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。19年3月期は燃料油価格上昇など不透明感が強いとして減益予想である。株価は地合い悪化の影響で年初来安値を更新する展開だが、売られ過ぎ感を強めている。19年3月期減益予想の織り込みは完了しているだろう。売り一巡して反発を期待したい。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、新規分野として日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。18年3月期の売上高構成比は近海部門が28.5%、内航部門が67.6%、OSV部門3.9%、その他0.0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。新規分野のOSV部門では、子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月吸収合併した。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。

■中期経営計画で21年3月期営業利益34億円目標

 2018年度中期経営計画(19年3月期〜21年3月期)では、有利貨物の取り込みや船隊整備による近海部門の収支改善、新鋭船投入や新規航路開設による内航部門のサービスの充実、OSV部門の収益拡大、20年適用開始予定のSOx規制への適切な対応を推進している。

 経営目標値には、21年3月期の売上高495億50百万円(近海144億円、内航330億円、OSV21億50百万円)、営業利益34億円(近海50百万円、内航32億50百万円、OSV1億円)、経常利益33億50百万円、純利益21億50百万円、ROE7.8%などを掲げている。前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が6万9200円/KLである。新造船等に対する投資額は3年総額168億円の予定としている。

■19年3月期は不透明感が強いとして減益予想

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比10.0%増の454億円だが、営業利益が21.2%減の20億円、経常利益が25.1%減の19億50百万円、純利益が0.4%減の12億50百万円としている。

 配当予想は、17年10月1日付株式併合(10株を1株に併合)を考慮した換算後の18年3月期と同額の年間120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は28.2%となる。

 第1四半期は売上高が前年同期比10.9%増の105億07百万円だが、営業利益が1億65百万円の赤字(前年同期は2億06百万円の黒字)、経常利益が1億04百万円の赤字(同2億12百万円の黒字)、純利益が68百万円の赤字(同6億25百万円の黒字)だった。

 近海部門は輸送量の増加、市況の回復基調、効率配船への取り組みで10.2%増収となり、営業黒字化した。内航部門は輸送量の増加や燃料油価格上昇に伴う燃料調整金収入の増加で6.3%増収だが、新造船竣工に伴う減価償却費の増加や新航路開設費用の増加などで営業赤字となった。OSVは稼働率低下で営業赤字だった。

 通期ベースでは前提条件を為替1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)5万3700円/KLとしている。輸送量は堅調だが、減価償却費の増加に加えて、燃料油価格上昇など不透明感が強いとして減益予想である。なお6月26日には固定資産(船舶)譲渡と特別利益発生(譲渡益約5億80百万円)を発表している。第2四半期以降の挽回を期待したい。

■株価は売り一巡して反発期待

 株価は年初来安値を更新する展開となり、10月11日には地合い悪化が影響して3325円まで急落する場面があった。ただし売られ過ぎ感を強めている。売り一巡して反発を期待したい。

 10月11日の終値は3350円で、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS425円81銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想年間120円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8323円69銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約99億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月12日更新]

川崎近海汽船は19年3月期減益予想の織り込み完了して反発期待

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。19年3月期は燃料油価格上昇など不透明感が強いとして減益予想である。株価は年初来安値圏だが、19年3月期減益予想の織り込み完了して反発を期待したい。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、新規分野として日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。18年3月期の売上高構成比は近海部門が28.5%、内航部門が67.6%、OSV部門3.9%、その他0.0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。新規分野のOSV部門では、子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月吸収合併した。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。

■中期経営計画で21年3月期営業利益34億円目標

 2018年度中期経営計画(19年3月期〜21年3月期)では、有利貨物の取り込みや船隊整備による近海部門の収支改善、新鋭船投入や新規航路開設による内航部門のサービスの充実、OSV部門の収益拡大、20年適用開始予定のSOx規制への適切な対応を推進している。

 経営目標値には、21年3月期の売上高495億50百万円(近海144億円、内航330億円、OSV21億50百万円)、営業利益34億円(近海50百万円、内航32億50百万円、OSV1億円)、経常利益33億50百万円、純利益21億50百万円、ROE7.8%などを掲げている。前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が6万9200円/KLである。新造船等に対する投資額は3年総額168億円の予定としている。

■19年3月期は不透明感が強いとして減益予想

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比10.0%増の454億円、営業利益が21.2%減の20億円、経常利益が25.1%減の19億50百万円、純利益が0.4%減の12億50百万円としている。

 配当予想は、17年10月1日付株式併合(10株を1株に併合)を考慮した換算後の18年3月期と同額の年間120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は28.2%となる。

 第1四半期は、売上高が前年同期比10.9%増の105億07百万円、営業利益が1億65百万円の赤字(前年同期は2億06百万円の黒字)、経常利益が1億04百万円の赤字(同2億12百万円の黒字)、純利益が68百万円の赤字(同6億25百万円の黒字)だった。

 近海部門は輸送量の増加、市況の回復基調、効率配船への取り組みで10.2%増収となり、営業黒字化した。内航部門は輸送量の増加や燃料油価格上昇に伴う燃料調整金収入の増加で6.3%増収だが、新造船竣工に伴う減価償却費の増加や新航路開設費用の増加などで営業赤字となった。OSVは稼働率低下で営業赤字だった。

 通期ベースでは前提条件を為替1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)5万3700円/KLとしている。輸送量は堅調だが、減価償却費の増加に加えて、燃料油価格上昇など不透明感が強いとして減益予想である。なお6月26日には固定資産(船舶)譲渡と特別利益発生(譲渡益約5億80百万円)を発表している。第2四半期以降の挽回を期待したい。

■株価は19年3月期減益予想の織り込み完了して反発期待

 株価は9月7日と10日に年初来安値3515円まで下押す場面があったが、その後は切り返しの動きを強めている。

 9月11日の終値は3645円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS425円81銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想年間120円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS8323円69銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約108億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、19年3月期減益予想の織り込み完了して反発を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月07日更新]

川崎近海汽船は19年3月期1Q赤字だが株価のネガティブ反応限定的

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。19年3月期は燃料油価格上昇など不透明感が強いとして減益予想である。そして第1四半期は2桁増収だが、減価償却費の増加などで各利益は赤字だった。ただし株価のネガティブ反応は限定的だ。調整一巡を期待したい。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、新規分野として日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。18年3月期の売上高構成比は近海部門が28.5%、内航部門が67.6%、OSV部門3.9%、その他0.0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。新規分野のOSV部門では、子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月1日付で吸収合併した。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。
 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。

■19年3月期1Qは赤字、通期も不透明感が強いとして減益予想

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比10.0%増の454億円、営業利益が21.2%減の20億円、経常利益が25.1%減の19億50百万円、純利益が0.4%減の12億50百万円としている。

 前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が5万3700円/KLである。輸送量は堅調だが、減価償却費の増加に加えて、燃料油価格上昇など不透明感が強いとして減益予想である。なお6月26日には固定資産(船舶)譲渡と特別利益発生(譲渡益約580百万円)を発表している。

 第1四半期は、売上高が前年同期比10.9%増の105億07百万円、営業利益が1億65百万円の赤字(前年同期は2億06百万円の黒字)、経常利益が1億04百万円の赤字(同2億12百万円の黒字)、純利益が68百万円の赤字(同6億25百万円の黒字)だった。

 近海部門は輸送量の増加、市況の回復基調、効率配船への取り組みで10.2%増収となり、営業黒字化した。内航部門は輸送量の増加や燃料油価格上昇に伴う燃料調整金収入の増加で6.3%増収だが、新造船竣工に伴う減価償却費の増加や新航路開設費用の増加などで営業赤字となった。OSVは稼働率低下で営業赤字だった。

 なお配当予想は、17年10月1日付株式併合(10株を1株に併合)を考慮した換算後の18年3月期と同額の年間120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は28.2%となる。

■中期経営計画で21年3月期営業利益34億円目標

 2018年度中期経営計画(19年3月期〜21年3月期)では、有利貨物の取り込みや船隊整備による近海部門の収支改善、新鋭船投入や新規航路開設による内航部門のサービスの充実、OSV部門の収益拡大、20年適用開始予定のSOx規制への適切な対応を推進する。

 経営目標値には、21年3月期の売上高495億50百万円(近海144億円、内航330億円、OSV21億50百万円)、営業利益34億円(近海50百万円、内航32億50百万円、OSV1億円)、経常利益33億50百万円、純利益21億50百万円、ROE7.8%などを掲げている。前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が6万9200円/KLである。新造船等に対する投資額は3年総額168億円の予定としている。

■株価は1Q赤字のネガティブ反応限定的

 株価は戻りが鈍く上値を切り下げる形だが、一方では3月安値3530円を割り込むことなく下値も切り上げている。また第1四半期赤字に対するネガティブ反応も限定的のようだ。

 8月6日の終値は3670円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS425円81銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想年間120円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS8323円69銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約108億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、調整一巡を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[07月04日更新]

川崎近海汽船は戻り歩調、19年3月期減益予想だが保守的

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。19年3月期減益予想だが保守的だろう。6月26日には固定資産(船舶)譲渡と特別利益発生を発表した。7月3日にはRORO船を利用した静岡〜九州間のモーダルシフトが物流環境特別賞を受賞したと発表している。株価は調整一巡して戻り歩調だ。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、新規分野として日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。18年3月期の売上高構成比は近海部門が28.5%、内航部門が67.6%、OSV部門3.9%、その他0.0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。18年6月には岩手県宮古港〜北海道室蘭港の新たなフェリー航路を開設予定である。7月3日にはRORO船を利用した静岡〜九州間のモーダルシフトが物流環境特別賞を受賞したと発表している。

 なお日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。また新規分野のOSV部門では子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月1日付で吸収合併する。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。

■19年3月期減益予想だが保守的

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比10.0%増の454億円、営業利益が21.2%減の20億円、経常利益が25.1%減の19億50百万円、純利益が0.4%減の12億50百万円としている。

 前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が5万3700円/KLである。不透明感が強いとして減益予想だが保守的だろう。6月26日には固定資産(船舶)譲渡と特別利益発生(譲渡益約580百万円)を発表した。

 なお19年3月期の配当予想は、17年10月1日付株式併合(10株を1株に併合)を考慮した換算後の18年3月期と同額の年間120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は28.2%となる。

■中期経営計画で21年3月期営業利益34億円目標

 2018年度中期経営計画(19年3月期〜21年3月期)では、有利貨物の取り込みや船隊整備による近海部門の収支改善、新鋭船投入や新規航路開設による内航部門のサービスの充実、OSV部門の収益拡大、20年適用開始予定のSOx規制への適切な対応を推進する。

 経営目標値には、21年3月期の売上高495億50百万円(近海144億円、内航330億円、OSV21億50百万円)、営業利益34億円(近海50百万円、内航32億50百万円、OSV1億円)、経常利益33億50百万円、純利益21億50百万円、ROE7.8%などを掲げている。前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が6万9200円/KLである。新造船等に対する投資額は3年総額168億円の予定としている。

■株価は調整一巡して戻り歩調

 株価は3月安値3530円を割り込むことなく、6月22日の直近安値3600円から切り返している。調整一巡して戻り歩調だ。

 7月3日の終値3740円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS425円81銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想年間120円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS8323円69銭で算出)は約0.4倍である。時価総額は約110億円である。

 週足チャートで見ると52週移動平均線がサポートラインの形だ。出直りを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月05日更新]

川崎近海汽船は調整一巡感、19年3月期減益予想だが保守的

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。19年3月期は減益予想だが保守的だろう。株価は戻り高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、新規分野として日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。18年3月期の売上高構成比は近海部門が28.5%、内航部門が67.6%、OSV部門3.9%、その他0.0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。18年6月には岩手県宮古港〜北海道室蘭港の新たなフェリー航路を開設予定である。

 なお日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。また新規分野のOSV部門では子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月1日付で吸収合併する。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。

■19年3月期減益予想だが保守的

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比10.0%増の454億円、営業利益が21.2%減の20億円、経常利益が25.1%減の19億50百万円、純利益が0.4%減の12億50百万円としている。

 前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が5万3700円/KLである。不透明感が強いとして減益予想だが保守的だろう。

 なお19年3月期の配当予想は、17年10月1日付株式併合(10株を1株に併合)を考慮した換算後の18年3月期と同額の年間120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は28.2%となる。

■中期経営計画(19年3月期〜21年3月期)策定

 2018年度中期経営計画(19年3月期〜21年3月期)を策定した。有利貨物の取り込みや船隊整備による近海部門の収支改善、新鋭船投入や新規航路開設による内航部門のサービスの充実、OSV部門の収益拡大、20年適用開始予定のSOx規制への適切な対応を推進する。

 経営目標値には、21年3月期の売上高495億50百万円(近海144億円、内航330億円、OSV21億50百万円)、営業利益34億円(近海50百万円、内航32億50百万円、OSV1億円)、経常利益33億50百万円、純利益21億50百万円、ROE7.8%などを掲げた。前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が6万9200円/KLである。新造船等に対する投資額は3年総額168億円の予定としている。

■株価は調整一巡感

 株価は戻り高値圏4000円近辺から反落したが、3700円近辺で調整一巡感を強めている。

 6月4日の終値3760円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS425円81銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想年間120円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS8323円69銭で算出)は約0.5倍である。時価総額は約111億円である。

 週足チャートで見ると52週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。出直りを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[5月01日更新]

川崎近海汽船は戻り歩調で1月高値に接近、19年3月期減益予想だが保守的

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。18年3月期は市況改善などが追い風となって大幅増益だった。19年3月期は減益予想だが保守的だろう。株価は戻り歩調で1月高値に接近している。19年3月期減益予想に対してもポジティブ反応だ。上値を試す展開が期待される。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、新規分野として日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)を展開している。18年3月期の売上高構成比は近海部門が28.5%、内航部門が67.6%、OSV部門3.9%、その他0.0%だった。

 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。18年6月には岩手県宮古港〜北海道室蘭港の新たなフェリー航路を開設予定である。

 なお日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。また新規分野のOSV部門では子会社のオフショア・オペレーション(OOC)がオフショア・ジャパン(OJC)を18年7月1日付で吸収合併する。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。

■18年3月期大幅増益・増配、19年3月期減益予想だが保守的

 18年3月期連結業績は、売上高が17年3月期比10.1%増の412億62百万円、営業利益が79.6%増の25億36百万円、経常利益が92.2%増の26億04百万円、純利益が2.1倍の12億55百万円だった。為替は1ドル=111円55銭、国内燃料油価格(C重油)は4万7925円/KLだった。

 近海部門での市況改善などで計画超の大幅増益だった。売上総利益率は15.9%で1.8ポイント上昇、販管費比率は9.8%で0.5ポイント低下した。特別利益では負ののれん発生益4億89百万円を計上した。特別損失では用船契約解約金が8億57百万円増加した。

 近海部門は売上高が3.4%増の117億62百万円で営業利益が7億96百万円の赤字(17年3月期は17億50百万円の赤字)だった。バイオマス燃料PKSの輸送量が大幅増加し、市況改善なども寄与して営業赤字が縮小した。内航部門は売上高が6.8%増の278億75百万円で営業利益が3.1%増の32億77百万円だった。荷動きが堅調に推移した。オフショア支援のOSV部門は売上高が16億21百万円で営業利益が54百万円だった。

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比10.0%増の454億円、営業利益が21.2%減の20億円、経常利益が25.1%減の19億50百万円、純利益が0.4%減の12億50百万円としている。前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が5万3700円/KLである。不透明感が強いとして減益予想だが保守的だろう。

 18年3月期の配当は第2四半期末5円、期末70円とした。17年10月1日付株式併合(10株を1株に併合)を考慮して株式併合後に換算すると年間120円となり、17年3月期の換算後の年間80円との比較で40円増配とした。また19年3月期の配当予想は換算後の18年3月期と同額の年間120円(第2四半期末60円、期末60円)としている。予想配当性向は28.2%となる。

■中期経営計画(19年3月期〜21年3月期)策定

 2018年度中期経営計画(19年3月期〜21年3月期)を策定した。有利貨物の取り込みや船隊整備による近海部門の収支改善、新鋭船投入や新規航路開設による内航部門のサービスの充実、OSV部門の収益拡大、20年適用開始予定のSOx規制への適切な対応を推進する。

 経営目標値には、21年3月期の売上高495億50百万円(近海144億円、内航330億円、OSV21億50百万円)、営業利益34億円(近海50百万円、内航32億50百万円、OSV1億円)、経常利益33億50百万円、純利益21億50百万円、ROE7.8%などを掲げた。前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が6万9200円/KLである。新造船等に対する投資額は3年総額168億円の予定としている。

■株価は戻り歩調で1月高値に接近

 株価は戻り歩調だ。4月27日は19年3月期減益予想に対してポジティブ反応となって4010円まで上昇した。そして1月高値4175円に接近している。

 4月27日の終値3980円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS425円81銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間120円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS8323円69銭で算出)は約0.5倍である。時価総額は約118億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線と13週移動平均線を一気に回復した。上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月02日更新]

川崎近海汽船は目先的な売り一巡感、18年3月期大幅増益予想

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。18年3月期は市況改善などが追い風となって大幅増益予想である。株価は世界貿易停滞への警戒感などで戻り高値圏から急反落したが、目先的な売り一巡感を強めている。
 
■近海輸送と内航輸送を展開
 
 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。17年3月期の売上高構成比は近海部門が30%、内航部門が70%だった。新規分野として日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)に進出している。
 
 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。清水〜大分航路は18年3月から2隻体制によるデイリー運航(日曜除く)を開始した。18年4月には新造船「シルバーティアラ」が八戸〜苫小牧航路で就航予定、18年6月には岩手県宮古港〜北海道室蘭港の新たなフェリー航路を開設予定である。
 
 なお日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。
 
 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。
 
■18年3月期大幅増益予想、3回目の増額余地
 
 18年3月期連結業績予想(1月31日に上方修正、営業利益と経常利益は10月に続いて2回目)は、売上高が17年3月期比10.7%増の415億円、営業利益が62.8%増の23億円、経常利益が73.4%増の23億50百万円、純利益が85.6%増の11億円としている。前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が5万3700円/KLである。
 
 第3四半期累計は、売上高が前年同期比11.1%増の311億02百万円、営業利益が95.4%増の22億83百万円、経常利益が2.1倍の23億48百万円、純利益が2.4倍の10億61百万円だった。
 
 近海部門での市況改善や、内航部門での堅調な荷動きなどで大幅増収増益だった。売上総利益率は16.9%で2.4ポイント上昇、販管費比率は9.6%で0.8ポイント低下した。営業外では持分法投資損益が悪化したが、為替差損益が改善した。特別利益では負ののれん発生益4億89百万円、特別損失では用船契約解約金13億22百万円を計上した。
 
 近海部門は、売上高が4.6%増の89億15百万円で、営業利益が6億73百万円の赤字(前年同期は14億15百万円の赤字)だった。バイオマス燃料PKSの輸送量が大幅増加し、市況改善も寄与して営業赤字が縮小した。内航部門は、売上高が7.9%増の210億14百万円で、営業利益が7.2%増の27億70百万円だった。荷動きが堅調に推移した。オフショア支援のOSV部門は売上高が11億69百万円で営業利益が1億85百万円だった。
 
 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.9%、営業利益が99.3%、経常利益が99.9%、純利益が96.5%である。通期利益予想には3回目の増額余地がありそうだ。
 
 配当予想は第2四半期末が5円、期末が50円としている。17年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して株式併合後に換算すると年間100円となり、17年3月期の換算後の年間80円との比較で実質的に20円増配となる。
 
■株価は目先的な売り一巡感
 
 株価(17年10月1日付で10株を1株に併合)は、世界貿易停滞への警戒感などで4000円近辺の戻り高値圏から急反落したが、3500円近辺で目先的な売り一巡感を強めている。
 
 3月30日の終値3625円を指標面(1株当たり数値は17年10月1日付株式併合後に換算)で見ると、前期推定連結PER(会社予想連結EPS374円69銭で算出)は9〜10倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間100円で算出)は2.8%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS7972円40銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約107億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線近辺から切り返している。低PBRも支援材料に戻りを試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月07日更新]

川崎近海汽船は1月高値に接近、18年3月期大幅増益予想で低PBR

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。18年3月期は市況改善などが追い風となって大幅増益予想である。第3四半期累計の利益進捗率が高水準であり、利益予想には3回目の増額余地がありそうだ。株価は地合い悪化の影響が一巡して戻り高値圏だ。低PBRも支援材料に上値を試す展開が期待される。
 
■近海輸送と内航輸送を展開
 
 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。17年3月期の売上高構成比は近海部門が30%、内航部門が70%だった。新規分野として日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)に進出している。
 
 内航部門では、トラックドライバー不足に対応した長距離幹線輸送のモーダルシフトの受け皿となるべく、フェリー輸送の航路拡大を推進している。清水〜大分航路は3月5日から2隻体制によるデイリー運航(日曜除く)を開始した。18年4月には新造船「シルバーティアラ」が八戸〜苫小牧航路で就航予定である。18年6月には岩手県宮古港〜北海道室蘭港の新たなフェリー航路を開設予定である。
 
 なお日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて、川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化している。
 
 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。
 
■18年3月期大幅増益予想、3回目の増額余地
 
 18年3月期の連結業績予想(1月31日に上方修正、営業利益と経常利益は10月に続いて2回目)は、売上高が17年3月期比10.7%増の415億円、営業利益が62.8%増の23億円、経常利益が73.4%増の23億50百万円、純利益が85.6%増の11億円としている。前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が5万3700円/KLである。
 
 第3四半期累計は、売上高が前年同期比11.1%増の311億02百万円、営業利益が95.4%増の22億83百万円、経常利益が2.1倍の23億48百万円、純利益が2.4倍の10億61百万円だった。
 
 近海部門での市況改善や、内航部門での堅調な荷動きなどで大幅増収増益だった。売上総利益率は16.9%で2.4ポイント上昇、販管費比率は9.6%で0.8ポイント低下した。営業外では持分法投資損益が悪化したが、為替差損益が改善した。特別利益では負ののれん発生益4億89百万円、特別損失では用船契約解約金13億22百万円を計上した。
 
 近海部門は、売上高が4.6%増の89億15百万円で、営業利益が6億73百万円の赤字(前年同期は14億15百万円の赤字)だった。バイオマス燃料PKSの輸送量が大幅増加し、市況改善も寄与して営業赤字が縮小した。内航部門は、売上高が7.9%増の210億14百万円で、営業利益が7.2%増の27億70百万円だった。荷動きが堅調に推移した。オフショア支援のOSV部門は売上高が11億69百万円で営業利益が1億85百万円だった。
 
 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.9%、営業利益が99.3%、経常利益が99.9%、純利益が96.5%である。通期利益予想には3回目の増額余地がありそうだ。
 
 配当予想は第2四半期末が5円、期末が50円としている。17年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して株式併合後に換算すると年間100円となり、17年3月期の換算後の年間80円との比較で実質的に20円増配となる。
 
■株価は1月高値に接近
 
 株価(17年10月1日付で10株を1株に併合)は地合い悪化の影響が一巡して戻り高値圏だ。2月6日の直近安値3680円から切り返し、3月6日には4065円まで上伸して1月31日の昨年来高値4175円に接近している。
 
 3月6日の終値4005円を指標面(1株当たり数値は17年10月1日付株式併合後に換算)で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS374円69銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間100円で算出)は2.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7972円40銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約118億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線を素早く回復した。低PBRも支援材料に上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[2月08日更新]

川崎近海汽船は地合い悪化の影響が一巡して上値試す、18年3月期大幅増益予想で3回目の増額余地
 
 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。18年3月期予想を1月31日に上方修正した。営業利益と経常利益は10月に続いて2回目の上方修正である。市況改善などが追い風となって大幅増益予想である。さらにさらに3回目の増額余地がありそうだ。株価は昨年来高値圏から反落したが切り返しの動きを強めている。地合い悪化の影響が一巡して上値を試す展開が期待される。
 
■近海輸送と内航輸送を展開
 
 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。17年3月期の売上高構成比は近海部門が30%、内航部門が70%だった。新規分野として日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)に進出している。
 
 16年10月開設した清水〜大分航路について、18年3月から2隻体制によるデイリー運航(日曜除く)に変更し、九州航路も再編する。18年6月には岩手県宮古港〜北海道室蘭港の新たなフェリー航路を開設予定である。17年12月には新造船「シルバーティアラ」が進水した。18年4月25日に八戸〜苫小牧航路への就航を予定している。
 
 また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化する。
 
 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。
 
■18年3月期3Q累計大幅増益
 
 今期(18年3月期)第2四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比11.1%増の311億02百万円、営業利益が95.4%増の22億83百万円、経常利益が2.1倍の23億48百万円、純利益が2.4倍の10億61百万円だった。
 
 近海部門での市況改善や、内航部門での堅調な荷動きなどで大幅増収増益だった。売上総利益率は16.9%で2.4ポイント上昇、販管費比率は9.6%で0.8ポイント低下した。営業外では持分法投資損益が悪化したが、為替差損益が改善した。特別利益では負ののれん発生益4億89百万円、特別損失では用船契約解約金13億22百万円を計上した。
 
 近海部門は、売上高が4.6%増の89億15百万円で、営業利益が6億73百万円の赤字(前年同期は14億15百万円の赤字)だった。バイオマス燃料PKSの輸送量が大幅増加し、市況改善も寄与して営業赤字が縮小した。内航部門は、売上高が7.9%増の210億14百万円で、営業利益が7.2%増の27億70百万円だった。荷動きが堅調に推移した。オフショア支援のOSV部門は売上高が11億69百万円で営業利益が1億85百万円だった。
 
■18年3月期2回目の上方修正で大幅増益予想、3回目増額余地
 
 今期(18年3月期)の連結業績予想は、1月31日に上方修正した。営業利益と経常利益は10月に続いて2回目の上方修正である。売上高は10億円増額して前期(17年3月期)比%増の415億円、営業利益は1憶円増額して%増の23億円、経常利益は1億50百万円増額して%増の23億50百万円、純利益は1憶円増額して%増の11億円とした。
 
 前提条件は為替が1ドル=110円(前回予想と同じ)、内航燃料油価格(C重油)が5万3700円(前回予想は4万7100円/KL)である。
 
 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.9%、営業利益が99.3%、経常利益が99.9%、純利益が96.5%である。通期予想に3回目の増額余地がありそうだ。
 
 配当予想は第2四半期末が5円、期末が50円としている。17年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して株式併合後に換算すると年間100円となり、17年3月期の換算後の年間80円との比較で実質的に20円増配となる。
 
■株価は地合い悪化の影響が一巡して上値試す
 
 株価(17年10月1日付で10株を1株に併合)は、水準を切り上げて1月31日の昨年来高値4175円まで上伸した。その後の地合い悪化の影響で反落したが、2月6日の取引時間中の安値3680円から切り返しの動きを強めている。
 
 2月7日の終値3920円を指標面(1株当たり数値は17年10月1日付株式併合後に換算)で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS374円69銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間100円で算出)は2.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7972円40銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約116億円である。
 
 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返して長い下ヒゲを付けた。地合い悪化の影響が一巡して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月04日更新]

川崎近海汽船は日柄調整完了して上値試す、18年3月期大幅増益予想で再増額の可能性

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。18年3月期は円安や市況改善が追い風となって大幅増益予想である。さらに再増額の可能性があるだろう。株価は年初来高値圏で堅調だ。日柄調整完了し、収益改善や低PBRを評価して上値を試す展開が期待される。なお17年10月1日付で10株を1株に併合し、単元株式数を1000株から100株に変更している。
 
■近海輸送と内航輸送を展開
 
 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。17年3月期の売上高構成比は近海部門が30%、内航部門が70%だった。新規分野として日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)に進出している。
 
 16年10月開設した清水〜大分航路について、18年3月から2隻体制によるデイリー運航(日曜除く)に変更し、九州航路も再編する。18年6月には岩手県宮古港〜北海道室蘭港の新たなフェリー航路を開設予定である。17年12月には新造船「シルバーティアラ」が進水した。18年4月25日に八戸〜苫小牧航路への就航を予定している。
 
 また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化する。
 
 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。
 
■18年3月期大幅増益予想で再増額の可能性
 
 今期(18年3月期)連結業績予想(10月31日に売上高を減額、営業利益と経常利益を増額修正)は、売上高が前期(17年3月期)比8.0%増の405億円、営業利益が55.7%増の22億円、経常利益が62.4%増の22億円、純利益が68.7%増の10億円としている。
 
 前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が4万7100円/KLである。なお定期用船契約の期限前解約に伴って第3四半期に特別損失約6億46百万円を計上する予定だ。
 
 第2四半期累計は、売上高が前年同期比11.2%増の200億14百万円、営業利益が90.4%増の13億円、経常利益が2.3倍の13億23百万円、純利益が8.8倍の8億95百万円だった。
 
 計画超の大幅増益だった。燃料価格下落に伴う運航費用の減少などが寄与した。売上総利益率は16.4%で1.7ポイント上昇、販管費比率は9.9%で1.0ポイント低下した。営業外では為替差損益が改善した。特別利益では負ののれん発生益4億89百万円、特別損失では用船契約解約金6億61百万円を計上した。
 
 近海部門ではバイオマス燃料PKS輸送量が大幅増加し、市況改善も寄与して売上高が3.8%増収となり、営業赤字が縮小した。内航部門は荷動きが堅調に推移して10.4%増収となり、営業利益は13.7%増益だった。オフショア支援のOSV部門は売上高が4億97百万円で営業利益が54百万円だった。
 
 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.4%、営業利益が59.1%、経常利益が60.1%、純利益が89.5%である。円安や市況改善が追い風となって通期予想に再増額の可能性があるだろう。
 
 配当予想は第2四半期末が5円、期末が50円としている。17年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して株式併合後に換算すると年間100円となり、17年3月期の換算後の年間80円との比較で実質的に20円増配となる。
 
■株価は日柄調整完了して上値試す
 
 株価(17年10月1日付で10株を1株に併合)は11月29日に4040円まで上伸し、その後も年初来高値圏で堅調に推移している。
 
 12月29日の終値3920円を指標面(1株当たり数値は17年10月1日付株式併合後に換算)で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS340円62銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間100円で算出)は2.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7972円40銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約116億円である。
 
 週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線が接近して日柄調整完了感を強めている。収益改善や低PBRを評価して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月01日更新]

川崎近海汽船は年初来高値更新の展開、18年3月期増額して大幅増益予想、さらに再増額の可能性
 
 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。18年3月期は増額修正して大幅増益予想である。円安や市況改善が追い風となって再増額の可能性があるだろう。株価は年初来高値更新の展開だ。収益改善や低PBRを評価して上値を試す展開が期待される。なお17年10月1日付で10株を1株に併合し、単元株式数を1000株から100株に変更している。
 
■近海輸送と内航輸送を展開
 
 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。17年3月期の売上高構成比は近海部門が30%、内航部門が70%だった。新規分野として日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)に進出している。
 
 16年10月開設した清水〜大分航路について、18年3月から2隻体制によるデイリー運航(日曜除く)に変更し、九州航路も再編する。18年6月には岩手県宮古港〜北海道室蘭港の新たなフェリー航路を開設予定である。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化する。
 
 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。
 
■18年3月期2Q累計は計画超の大幅増益
 
 今期(18年3月期)第2四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比11.2%増の200億14百万円、営業利益が90.4%増の13億円、経常利益が2.3倍の13億23百万円、純利益が8.8倍の8億95百万円だった。
 
 計画超の大幅増益だった。燃料価格下落に伴う運航費用の減少などが寄与した。売上総利益率は16.4%で1.7ポイント上昇、販管費比率は9.9%で1.0ポイント低下した。営業外では為替差損益が改善した。特別利益では負ののれん発生益4億89百万円、特別損失では用船契約解約金6億61百万円を計上した。
 
 近海部門ではバイオマス燃料PKS輸送量が大幅増加し、市況改善も寄与して売上高が3.8%増収となり、営業赤字が縮小した。内航部門は荷動きが堅調に推移して10.4%増収となり、営業利益は13.7%増益だった。オフショア支援のOSV部門は売上高が4億97百万円で営業利益が54百万円だった。
 
■18年3月期増額して大幅増益予想、さらに再増額の可能性
 
 今期(18年3月期)連結業績予想(10月31日に売上高を減額、営業利益と経常利益を増額修正)は、売上高が前期(17年3月期)比8.0%増の405億円、営業利益が55.7%増の22億円、経常利益が62.4%増の22億円、純利益が68.7%増の10億円としている。
 
 前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が4万7100円/KLである。なお定期用船契約の期限前解約に伴って第3四半期に特別損失約6億46百万円を計上する予定だ。
 
 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.4%、営業利益が59.1%、経常利益が60.1%、純利益が89.5%である。円安や市況改善が追い風となって通期予想に再増額の可能性があるだろう。
 
 配当予想は第2四半期末が5円、期末が50円としている。17年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して株式併合後に換算すると年間100円となり、17年3月期の換算後の年間80円との比較で実質的に20円増配となる。
 
■株価は年初来高値更新の展開
 
 株価(17年10月1日付で10株を1株に併合)は、年初来高値更新の展開となって11月29日には4040円まで上伸した。
 
 11月30日の終値3885円を指標面(1株当たり数値は17年10月1日付株式併合後に換算)で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS340円62銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間100円で算出)は2.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7972円40銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約115億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。収益改善や低PBRを評価して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月02日更新]

川崎近海汽船は日柄調整完了して上値試す、18年3月期2Q累計が計画超の大幅増益で通期営業・経常利益予想を増額修正

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。18年3月期第2四半期累計が計画超の大幅増益となり、通期の営業利益・経常利益予想を増額修正した。円安や市況改善も追い風となって再増額の可能性があるだろう。株価は7〜8月急伸後の日柄調整が完了し、収益改善や低PBRを見直して上値を試す展開が期待される。なお17年10月1日付で10株を1株に併合し、単元株式数を1000株から100株に変更している。
 
■近海輸送と内航輸送を展開
 
 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。17年3月期の売上高構成比は近海部門が30%、内航部門が70%だった。新規分野として日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船事業(OSV部門)に進出している。
 
 16年10月開設した清水〜大分航路について、18年3月から2隻体制によるデイリー運航(日曜除く)に変更し、九州航路も再編する。18年6月には岩手県宮古港〜北海道室蘭港の新たなフェリー航路を開設予定である。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化する。
 
 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。
 
■18年3月期2Q累計は計画超の大幅増益
 
 10月31日発表した今期(18年3月期)第2四半期累計(4〜9月)連結業績は、売上高が前年同期比11.2%増の200億14百万円、営業利益が90.4%増の13億円、経常利益が2.3倍の13億23百万円、そして純利益が8.8倍の8億95百万円だった。
 
 計画に対して売上高は3億85百万円下回ったが、営業利益は5億円、経常利益は5億23百万円、純利益は3億95百万円それぞれ上回り、計画超の大幅増益となった。燃料価格下落に伴う運航費用の減少などが寄与した。
 
 売上総利益は24.3%増加し、売上総利益率は16.4%で1.7ポイント上昇した。販管費は1.3%増加したが、販管費比率は9.9%で1.0ポイント低下した。営業外では為替差損益が改善した。特別利益では負ののれん発生益4億89百万円、特別損失では用船契約解約金6億61百万円を計上した。
 
 近海部門ではバイオマス燃料PKS輸送量が大幅増加し、市況改善も寄与して売上高が3.8%増収となり、営業赤字が縮小した。内航部門は荷動きが堅調に推移して10.4%増収となり、営業利益は13.7%増益だった。オフショア支援のOSV部門は売上高が4億97百万円で営業利益が54百万円だった。
 
■18年3月期営業利益・経常利益予想を増額修正、さらに再増額の可能性
 
 今期(18年3月期)通期の連結業績予想は10月31日に修正し、前回予想(4月28日公表)に対して売上高を6億円減額、営業利益を5億50百万円増額、経常利益を6億円増額した。なお定期用船契約の期限前解約に伴い、約6億46百万円を第3四半期の特別損失に計上する予定(10月27日公表)のため、純利益予想は据え置いた。
 
 修正後の通期連結業績予想は売上高が前期(17年3月期)比8.0%増の405億円、営業利益が55.7%増の22億円、経常利益が62.4%増の22億円、純利益が68.7%増の10億円としている。前提条件は為替が1ドル=110円、内航燃料油価格(C重油)が4万7100円/KLである。
 
 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.4%、営業利益が59.1%、経常利益が60.1%、純利益が89.5%と順調である。円安や市況改善も追い風となって、通期の営業利益・経常利益予想には再増額の可能性があるだろう。
 
 配当予想は第2四半期末が5円、期末が50円としている。17年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して株式併合後に換算すると年間100円となり、17年3月期の換算後の年間80円との比較で実質的に20円増配となる。
 
■株価は日柄調整完了して上値試す
 
 株価(17年10月1日付で10株を1株に併合)は、8月の年初来高値3580円まで急伸し、その後も高値圏3400円近辺で堅調に推移している。そして10月31日には増額修正を好感して3570円まで上伸した。
 
 11月1日の終値3525円を指標面(1株当たり数値は17年10月1日付株式併合後に換算)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS340円62銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間100円で算出)は2.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7972円40銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約104億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなってモミ合いから上放れる動きだ。7〜8月急伸後の日柄調整が完了し、収益改善や低PBRを見直して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
 [10月03日更新]

川崎近海汽船は日柄調整完了して上値試す、18年3月期2桁増益予想で低PBRも見直し

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。内航部門における輸送量増加などで18年3月期2桁増益予想である。株価は8月の年初来高値圏から一旦反落したが、日柄調整完了して上値を試す展開が期待される。低PBRも見直し材料だ。なお17年10月1日付で10株を1株に併合し、単元株式数を1000株から100株に変更した。
 
■近海輸送と内航輸送を展開
 
 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。17年3月期の売上高構成比は近海部門が30%、内航部門が70%だった。新規分野として日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出している。
 
 16年10月開設した清水〜大分航路について、18年3月から2隻体制によるデイリー運航(日曜除く)に変更し、九州航路も再編する。また18年6月には岩手県宮古港〜北海道室蘭港の新たなフェリー航路を開設予定である。また日本初のLNG燃料フェリー就航に向けて川崎汽船<9107>と共同で技術的検証を本格化する。
 
 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。
 
■18年3月期2桁増益予想、円安と市況改善がプラス要因
 
 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比9.6%増の411億円、営業利益が16.8%増の16億50百万円、経常利益が18.1%増の16億円、純利益が68.7%増の10億円としている。想定為替レートは1ドル=110円(前期実績1ドル=108円44銭)である。
 
 近海部門は市況動向を慎重に見極めながら貨物獲得や船体整備を実行する。内航部門は不定期船輸送で各専用船の安定した輸送量を見込み、定期船輸送では16年10月開設した清水〜大分の新規航路の集荷に注力する。
 
 特別利益では第1四半期に、OOCを子会社化したことに伴う負ののれん発生益4億89百万円を計上した。また定期用船契約期限前解約に伴い特別損失約6億60百万円を第2四半期に計上する。
 
 第1四半期(4〜6月)は近海部門での船隊整備への取り組み、内航部門での輸送量増加などで前年同期比8.5%増収となり、各利益とも黒字化した。通期予想に対する進捗率は売上高23.1%、営業利益12.5%、経常利益13.3%、純利益62.5%である。円高影響が一巡し、市況改善も追い風となって通期ベースでも収益改善が期待される。
 
 配当予想は第2四半期末が5円、期末が50円としている。17年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して株式併合後に換算すると年間100円となり、17年3月期の換算後の年間80円との比較で実質的に20円増配となる。
 
■株価は日柄調整完了して上値試す、低PBRも見直し
 
 株価(17年10月1日付で10株を1株に併合)は、8月の年初来高値3580円から利益確定売りで一旦反落したが、直近安値圏3300円近辺から切り返している。日柄調整が完了したようだ。
 
 10月2日の終値3450円を指標面(1株当たり数値は17年10月1日付株式併合後に換算)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS340円60銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間100円で算出)は2.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS7972円40銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約102億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。日柄調整完了し、低PBRも見直して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月01日更新]

川崎近海汽船は年初来高値圏で堅調、18年3月期2桁増益予想 
 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。内航部門における輸送量増加などで18年3月期2桁増益予想である。株価は年初来高値圏で堅調だ。低PBRも見直して上値を試す展開が期待される。17年10月1日付で10株を1株に併合し、単元株式数を1000株から100株に変更する。
 
■近海輸送と内航輸送を展開
 
 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。17年3月期の売上高構成比は近海部門が30%、内航部門が70%だった。
 
 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。
 
 新規分野として日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出している。また18年6月には岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路を開設予定である。
 
■18年3月期2桁増益予想、円安と市況改善がプラス要因
 
 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比9.6%増の411億円、営業利益が16.8%増の16億50百万円、経常利益が18.1%増の16億円、純利益が68.7%増の10億円としている。想定為替レートは1ドル=110円(前期実績1ドル=108円44銭)である。
 
 近海部門は市況動向を慎重に見極めながら貨物獲得や船体整備を実行する。内航部門は不定期船輸送で各専用船の安定した輸送量を見込み、定期船輸送では16年10月開設した清水〜大分の新規航路の集荷に注力する。
 
 なお特別利益では第1四半期に、OOCを子会社化したことに伴う負ののれん発生益4億89百万円を計上している。また8月31日には定期用船契約期限前解約に伴い、特設損失(約6億60百万円)を第2四半期に計上すると発表した。
 
 第1四半期(4〜6月)は近海部門での船隊整備への取り組み、内航部門での輸送量増加などで前年同期比8.5%増収となり、各利益とも黒字化した。通期予想に対する進捗率は売上高23.1%、営業利益12.5%、経常利益13.3%、純利益62.5%である。円高影響が一巡し、市況改善も追い風となって通期ベースでも収益改善が期待される。
 
 配当予想は第2四半期末が5円、期末が50円としている。17年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して株式併合後に換算すると年間100円となり、17年3月期の換算後の年間80円との比較で実質的に20円増配となる。
 
■株価は年初来高値圏で堅調、低PBRも見直して上値試す
 
 株価は8月9日の年初来高値358円まで上伸し、その後も年初来高値圏で堅調に推移している。
 
 8月31日の終値347円を指標面(17年10月1日付株式併合前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS34円06銭で算出)は10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS797円24銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約102億円である。
 
 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。自律調整が一巡し、低PBRも見直して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[08月02日更新]

川崎近海汽船は年初来高値更新の展開、18年3月期第1四半期黒字化、通期も2桁増益予想

川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。内航部門における輸送量増加などで18年3月期第1四半期は黒字化した。そして通期も増収・2桁増益予想である。株価は年初来高値更新の展開だ。0.4倍近辺の低PBRも見直して上値を試す展開が期待される。なお17年10月1日付で10株を1株に併合して単元株式数を1000株から100株に変更する。

■近海輸送と内航輸送を展開

石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。17年3月期の売上高構成比は近海部門が30%、内航部門が70%だった。

収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。

新規分野として13年10月オフショア・オペレーション(OOC)と均等出資で合弁会社オフショア・ジャパン(OJC)を設立し、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出した。さらに17年4月OOCの株式の過半を取得して子会社化した。

■内航部門の新規航路開設を推進

16年10月には静岡県清水港と大分県大分港を結ぶ新規航路を開設した。九州と首都圏・東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。16年10月にはバイオマス燃料用貨物(PKS、木質パレット等)輸送への取り組みを強化するべく、専任機関としてバイオマス関連輸送ワーキンググループを設置した。18年6月には岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路(宮古〜室蘭326km)を開設予定である。

■18年3月期第1四半期は黒字化

7月31日発表した今期(18年3月期)第1四半期(4月〜6月)連結業績は、売上高が前年同期比8.5%増の94億77百万円、営業利益が2億06百万円(前年同期は1億72百万円の赤字)、経常利益が2億12百万円(同2億64百万円の赤字)、純利益が6億25百万円(同5億42百万円の赤字)だった。近海部門における船隊整備への取り組み、内航部門における輸送量の増加などで黒字化した。純利益は特別損益の改善も寄与した。

売上総利益は42.5%増加し、売上総利益率は12.3%で2.9ポイント上昇した。販管費は3.1%減少し、販管費比率は10.1%で1.3ポイント低下した。営業外収益では為替差損益が改善(前期差損87百万円、今期差益6百万円)した。特別利益ではOOCを子会社化したことに伴う負ののれん発生益4億89百万円を計上し、特別損失では用船契約解約金4億64百万円が一巡した。

セグメント別に見ると、近海部門は売上高が3.2%減の27億95百万円で営業利益が2億77百万円の赤字(前年同期は4億04百万円の赤字)だった。木材輸送でバイオマス発電用PKS輸送が増加したが、バルク輸送全体の輸送量は減少し、市況回復に力強さを欠く状況だった。ただし輸送需要と市況に見合った船隊整備への取り組みの成果で赤字が縮小した。

内航部門は売上高が14.2%増の66億81百万円で営業利益が2.2倍の5億円だった。不定期船輸送で石灰石専用船および電力向け石炭専用船が安定した輸送量を確保し、定期船輸送およびフェリー輸送の輸送量増加も寄与した。

■18年3月期通期増収・2桁増益予想、円安と市況改善がプラス要因

今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は売上高が前期(17年3月期)比9.6%増の411億円、営業利益が16.8%増の16億50百万円、経常利益が18.1%増の16億円、純利益が68.7%増の10億円としている。想定為替レートは1ドル=110円(前期実績1ドル=108円44銭)である。また想定燃料油価格(国内価格)は4万7700円/KL(同4万38円/KL)としている。

近海部門では市況が底を打ったという認識に立ち、市況動向を慎重に見極めながら貨物獲得や船体整備を実行する。内航部門は不定期船輸送で各専用船の安定した輸送量を見込み、定期船輸送では16年10月開設した清水〜大分の新規航路の集荷に注力する。

通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高23.1%、営業利益12.5%、経常利益13.3%、純利益62.5%である。円高影響が一巡し、市況改善傾向も追い風となり、通期ベースでも収益改善が期待される。

配当予想は第2四半期末が5円、期末が50円としている。17年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して株式併合後に換算すると年間100円となり、17年3月期の換算後の年間80円との比較で実質的に20円増配となる。予想配当性向は29.4%である。

■中期経営計画で20年3月期ROE8.1%目指す

17年4月策定した中期経営計画では、目標値として20年3月期売上高467億円(近海部門126億円、その他含む内航部門318億円、OSV部門23億円)、営業利益33億50百万円(近海部門6億50百万円の赤字、その他含む内航部門38億円、OSV部門2億円)、経常利益33億円、純利益22億円、そして自己資本比率56.5%、ROE8.1%、DER0.5倍を掲げている。前提は為替レートが1ドル=110円、燃料油価格が5万1100円/KLである。

全体的課題として、近海部門の収支改善に注力して収益力の向上と安定配当の継続を目指す、内航部門の新鋭船投入と新規航路開設でサービス充実を図る、OSV部門はオフショア支援船事業の充実化に取り組むとしている。

新造船建造等に対する3年間合計投資額(20年4月以降竣工の新造船建造資金含む)は154億円の計画としている。期間中の新造は近海部門の一般貨物船2隻(用船)、内航部門のRORO船1隻(社船または用船)1隻、旅客フェリー1隻(社船)、およびOSV部門のオフショア支援船1隻(社船)の予定である。

陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的には近海部門における船隊規模適正化、内航部門における新規航路開設、日本近海におけるオフショア支援船業務、コスト削減効果などで収益改善が期待される。

■株価は年初来高値更新の展開、0.4倍近辺の低PBRも見直して上値試す

なお17年10月1日付で、10株を1株に併合して単元株式数を1000株から100株に変更する。

株価は300円近辺でのモミ合いから上放れて年初来高値更新の展開となった。7月28日には346円まで上伸した。

8月1日の終値340円を指標面(EPS・配当・BPSは17年10月1日付株式併合前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS34円06銭で算出)は10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS797円24銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約100億円である。

週足チャートで見ると上向きに転じた13週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。0.4倍近辺の低PBRも見直して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[06月15日更新]

川崎近海汽船は低PBR見直して戻り試す、18年3月期は市況改善傾向で2桁増益予想

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。18年3月期は市況改善傾向で増収・2桁増益予想である。中期経営計画では20年3月期純利益22億円、ROE8.1%を目指すとしている。株価はやや上値の重い展開だが、0.4倍近辺の低PBRも見直して戻りを試す展開が期待される。なお17年10月1日付で10株を1株に併合して単元株式数を1000株から100株に変更する。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。17年3月期の売上高構成比は近海部門が30%、内航部門が70%だった。

 収益面では輸送量、運賃市況、為替、燃料油価格、および燃料油価格変動に伴う燃料調整金などが影響する特性がある。

 新規分野として13年10月オフショア・オペレーション(OOC)と均等出資で合弁会社オフショア・ジャパン(OJC)を設立し、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出した。16年3月OJCが国内最強牽引力を持つ最新鋭アンカー・ハンドリング・タグ・サプライ船「あかつき」を就航し、17年4月OOCの株式の過半を取得して子会社化した。
■内航部門の新規航路開設を推進

 16年10月静岡県清水港と大分県大分港を結ぶ新規航路を開設した。九州と首都圏・東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。また16年10月バイオマス燃料用貨物(PKS、木質パレット等)輸送への取り組みを強化するべく、専任機関としてバイオマス関連輸送ワーキンググループを設置した。さらに18年6月には岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路(宮古〜室蘭326km)を開設予定である。

■17年3月期は減収減益

 前期(17年3月期)の連結業績は売上高が前々期(16年3月期)比11.8%減の374億91百万円、営業利益が同57.1%減の14億12百万円、経常利益が同57.4%減の13億55百万円、純利益が同23.2%減の5億92百万円だった。

 近海部門における市況低迷や円高影響、内航部門における燃料油価格下落に伴う燃料調整金収入減少などで減収減益だった。売上総利益は同25.1%減少し、売上総利益率は14.1%で同2.5ポイント低下した。販管費は同2.9%増加し、販管費比率は10.0%で同1.2ポイント上昇した。

 なお特別利益では固定資産売却益が減少(前々期2億40百万円、前期1億14百万円)した。特別損失では用船契約解約金4億64百万円を計上したが、前々期計上の減損損失22億03百万円が一巡した。ROEは2.6%で同0.8ポイント低下した。自己資本比率は60.2%で同1.7ポイント低下した。配当は同5円減配の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で配当性向は39.6%だった。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同26.3%減の113億80百万円で営業利益が17億50百万円の赤字(前々期は10億67百万円の赤字)だった。市況低迷や円高などが影響した。木材輸送ではバイオマス発電用PKS輸送が増加した。バルク輸送では高コスト船の期限前用船解約を実施した。

 内航部門は、不定期船輸送で石灰石および石炭の各専用船が安定した輸送量を確保したが、定期船輸送が夏場に連続した台風の影響を受け、さらに燃料油価格下落に伴う燃料調整金収入減少も影響して売上高が同3.5%減の261億08百万円、営業利益が新規航路開設に係る費用増加も影響して同27.1%減の31億80百万円だった。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期87億35百万円、第2四半期92億61百万円、第3四半期100億05百万円、第4四半期94億90百万円、営業利益は1億72百万円の赤字、8億54百万円、4億86百万円、2億44百万円だった。

■18年3月期は増収・2桁増益予想、円安と市況改善がプラス要因

 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は売上高が前期(17年3月期)比9.6%増の411億円、営業利益が同16.8%増の16億50百万円、経常利益が同18.1%増の16億円、純利益が同68.7%増の10億円としている。想定為替レートは1ドル=110円(前期実績は1ドル=108円44銭)としている。また想定燃料油価格(国内価格)は4万7700円/KL(同4万38円/KL)としている。

 近海部門では市況が底を打ったという認識に立ち、市況動向を慎重に見極めながら貨物獲得や船体整備を実行する。内航部門は不定期船輸送で各専用船の安定した輸送量を見込み、定期船輸送では16年10月開設した清水〜大分の新規航路の集荷に注力する。円高影響が一巡し、市況改善傾向も追い風となって収益改善が期待される。

 配当予想は第2四半期末が5円、期末が50円としている。17年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して株式併合後に換算すると年間100円となり、17年3月期の換算後の年間80円との比較で実質的に20円増配となる。予想配当性向は29.4%である。

■中期経営計画で20年3月期ROE8.1%目指す

 17年4月策定した中期経営計画では、目標値として20年3月期売上高467億円(近海部門126億円、その他含む内航部門318億円、OSV部門23億円)、営業利益33億50百万円(近海部門6億50百万円の赤字、その他含む内航部門38億円、OSV部門2億円)、経常利益33億円、純利益22億円、そして自己資本比率56.5%、ROE8.1%、DER0.5倍を掲げている。前提は為替レートが1ドル=110円、燃料油価格が5万1100円/KLである。

 全体的課題として、近海部門の収支改善に注力して収益力の向上と安定配当の継続を目指す、内航部門の新鋭船投入と新規航路開設でサービス充実を図る、OSV部門はオフショア支援船事業の充実化に取り組むとしている。

 新造船建造等に対する3年間合計投資額(20年4月以降竣工の新造船建造資金含む)は154億円の計画としている。期間中の新造は近海部門の一般貨物船2隻(用船)、内航部門のRORO船1隻(社船または用船)1隻、旅客フェリー1隻(社船)、およびOSV部門のオフショア支援船1隻(社船)の予定である。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的には近海部門における船隊規模適正化、内航部門における新規航路開設、日本近海におけるオフショア支援船業務、コスト削減効果などで収益改善が期待される。

■株価は調整一巡感、0.4倍近辺の低PBRも見直して戻り試す

 なお4月21日に単元株式数変更と株式併合を発表している。17年10月1日付で10株を1株に併合して単元株式数を1000株から100株に変更する。

 株価はやや上値の重い展開だが、大きく下押す動きも見られず調整一巡感を強めている。

 6月12日の終値300円を指標面(なおEPS・配当・BPSは17年10月1日付株式併合前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS34円06銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は3.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS797円24銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約89億円である。

 週足チャートで見ると52週移動平均線が下値を支える形だ。0.4倍近辺の低PBRも見直して戻りを試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[05月08日更新]

川崎近海汽船の18年3月期は市況改善傾向で2桁増益予想

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送が主力である。17年3月期は円高や市況低迷で減収減益だったが、18年3月期は市況改善傾向で増収・2桁増益予想である。また17年度中期経営計画では20年3月期純利益22億円、ROE8.1%を目指すとしている。株価は地合い悪化が影響した4月の直近安値圏から切り返している。低PBRも見直して上値を試す展開が期待される。なお17年10月1日付で10株を1株に併合して単元株式数を1000株から100株に変更する。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。17年3月期の売上高構成比は近海部門が30%、内航部門が70%だった。

 13年10月には新規分野として、オフショア・オペレーション(OOC)と均等出資で合弁会社オフショア・ジャパン(OJC)を設立し、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出した。16年3月にはOJCが国内最強牽引力を持つ最新鋭アンカー・ハンドリング・タグ・サプライ船「あかつき」を就航させた。17年4月にはOOCの株式の過半を取得して子会社化した。

■内航部門の新規航路開設を推進

 16年3月には岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路(宮古〜室蘭326km)開設を発表した。18年6月開設予定である。

 16年10月には静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新規航路を開設した。九州と首都圏、東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。

 また16年10月には、需要増大が期待されているバイオマス燃料用貨物(PKS、木質パレット等)輸送への取り組みを強化するべく、専任機関としてバイオマス関連輸送ワーキンググループを設置した。

 なお4月25日には、シルバーフェリー八戸〜苫小牧航路に18年4月目途に就航予定で建造中の新造船の船名を「シルバーティアラ」に決定したと発表している。

■輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期111億91百万円、第2四半期122億87百万円、第3四半期119億83百万円、第4四半期104億85百万円、営業利益が56百万円の赤字、8億59百万円、9億60百万円、5億98百万円、16年3月期は売上高が107億16百万円、114億84百万円、108億54百万円、94億44百万円、営業利益が3億円、11億87百万円、9億93百万円、8億15百万円だった。

 輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造である。16年3月期は安定した輸送量を確保したが、燃料油価格下落に伴う燃料調整金等の減少幅が大きく減収、営業利益と経常利益は円安やコスト削減効果が寄与して増益、純利益は近海部門の一部船舶に関する減損損失を計上したが増益だった。

 なお16年3月期の売上総利益は15年3月期比19.0%増加し、売上総利益率は16.6%で同3.7ポイント上昇した。販管費は同5.4%増加し、販管費比率は8.9%で同1.1ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化したが金融収支が改善した。特別損失では減損損失が増加した。ROEは3.4%で同1.2ポイント上昇、自己資本比率は61.9%で同5.6ポイント上昇した。また配当性向は49.5%だった。

 近海部門は売上高が同7.3%減の154億44百万円だが、営業利益が10億67百万円の赤字(前々期は13億72百万円の赤字)だった。内航部門は売上高が同7.6%減の270億51百万円だが、営業利益が同16.8%増の43億63百万円だった。

■17年3月期は減収減益

  4月28日発表した前期(17年3月期)連結業績は、売上高が前々期(16年3月期)比11.8%減の374億91百万円、営業利益が同57.1%減の14億12百万円、経常利益が同57.4%減の13億55百万円、純利益が同23.2%減の5億92百万円だった。

 近海部門における市況低迷や円高影響、内航部門における燃料油価格下落に伴う燃料調整金収入減少などで減収減益だった。売上総利益は同25.1%減少し、売上総利益率は14.1%で同2.5ポイント低下した。販管費は同2.9%増加し、販管費比率は10.0%で同1.2ポイント上昇した。

 営業外では持分法投資利益が増加(前々期1百万円、前期49百万円)した。為替差損は横ばい(前々期73百万円、前期75百万円)だった。特別利益では固定資産売却益が減少(前々期2億40百万円、前期1億14百万円)した。特別損失では用船契約解約金4億64百万円を計上したが、前々期計上の減損損失22億03百万円が一巡した。

 ROEは2.6%で同0.8ポイント低下した。自己資本比率は60.2%で同1.7ポイント低下した。配当は同5円減配の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で、配当性向は39.6%となる。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同26.3%減の113億80百万円で、営業利益が17億50百万円の赤字(前々期は10億67百万円の赤字)だった。市況低迷や円高などが影響した。木材輸送ではバイオマス発電用PKS輸送が増加した。バルク輸送では高コスト船の期限前用船解約を実施した。

 内航部門は、不定期船輸送で石灰石および石炭の各専用船が安定した輸送量を確保したが、定期船輸送が夏場に連続した台風の影響を受け、さらに燃料油価格下落に伴う燃料調整金収入減少も影響して売上高が同3.5%減の261億08百万円、営業利益が新規航路開設に係る費用増加も影響して同27.1%減の31億80百万円だった。

 四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期87億35百万円、第2四半期92億61百万円、第3四半期100億05百万円、第4四半期94億90百万円、営業利益は1億72百万円の赤字、8億54百万円、4億86百万円、2億44百万円だった。

■17年3月期通期も減収減益予想だが、円安と市況改善がプラス要因

 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比9.6%増の411億円、営業利益が同16.8%増の16億50百万円、経常利益が同18.1%増の16億円、純利益が同68.7%増の10億円としている。想定為替レートは1ドル=110円(前期実績は1ドル=108円44銭)で、燃料油価格(国内価格)は4万7700円/KL(同4万38円/KL)としている。

 近海部門では市況が底を打ったという認識に立ち、市況動向を慎重に見極めながら貨物獲得や船体整備を実行する。内航部門は、不定期船輸送での各専用船の安定した輸送量を見込み、定期船輸送では16年10月開設した清水〜大分の新規航路の集荷に注力する。円高影響が一巡し、市況改善傾向も追い風となって収益改善が期待される。

 配当予想は第2四半期末5円、期末50円としている。17年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して株式併合後に換算すると年間100円となり、17年3月期の換算後の年間80円との比較で実質的に20円増配となる。予想配当性向は29.4%となる。

■中期経営計画で20年3月期ROE8.1%目指す

 17年4月策定した17年度中期経営計画では、経営目標値として20年3月期の売上高467億円(近海部門126億円、その他含む内航部門318億円、OSV部門23億円)、営業利益33億50百万円(近海部門6億50百万円の赤字、その他含む内航部門38億円、OSV部門2億円)、経常利益33億円、純利益22億円、自己資本比率56.5%、ROE8.1%、DER0.5倍を掲げた。前提は為替レートが1ドル=110円、燃料油価格が5万1100円/KLである。

 全体的課題として、近海部門の収支改善に注力して収益力の向上と安定配当の継続を目指す、内航部門の新鋭船投入と新規航路開設でサービス充実を図る、OSV部門はオフショア支援船事業の充実化に取り組むとしている。

 新造船建造等に対する3年間合計投資額(20年4月以降竣工の新造船建造資金含む)は154億円の計画としている。期間中の新造予定船は近海部門の一般貨物船2隻(用船)、内航部門のRORO船1隻(社船または用船)1隻、旅客フェリー1隻(社船)、およびOSV部門のオフショア支援船1隻(社船)の予定である。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的には近海部門における船隊規模適正化、内航部門における新規航路開設、日本近海におけるオフショア支援船業務、さらにコスト削減効果などで収益改善が期待される。

■株価は短期調整一巡、低PBRも見直して上値試す

 4月21日に単元株式数変更と株式併合を発表した。17年10月1日付で10株を1株に併合して単元株式数を1000株から100株に変更する。

 株価の動きを見ると、地合い悪化が影響した4月の直近安値圏280円台から切り返している。5月2日には304円まで上伸し、3月の年初来高値314円に接近している。

 5月2日の終値302円を指標面(なおEPS・配当・BPSは17年10月1日付株式併合前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS34円06銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は3.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS797円24銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約89億円である。

 週足チャートで見ると52週移動平均線近辺から切り返して26週移動平均線と13週移動平均線を回復した。短期調整が一巡し、0.4倍近辺の低PBRも見直して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[04月04日更新]

川崎近海汽船は低PBRも見直して上値試す、市況上昇して18年3月期収益改善期待

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送が主力である。17年3月期減収減益予想だが、海運市況が上昇傾向であり18年3月期は収益改善が期待される。中期的にも近海部門の船隊規模適正化、内航部門の新規航路開設、オフショア支援事業の本格化、コスト削減効果などで収益改善基調が期待される。株価は低PBRも見直して上値を試す展開が期待される。なお4月28日に17年3月期決算発表を予定している。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。16年3月期の売上高構成比は近海部門が36%、内航部門が64%だった。

 13年10月には新規分野として、オフショア・オペレーション(OOC)と均等出資で合弁会社オフショア・ジャパン(OJC)を設立し、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出した。16年3月にはOJCが国内最強牽引力を持つ最新鋭アンカー・ハンドリング・タグ・サプライ船「あかつき」を就航させた。

 そして17年2月にはオフショア支援船業務の合弁相手であるOOCの株式の過半を取得(17年4月予定)して子会社化すると発表した。オフショア支援船事業分野の充実を図る方針だ。

■内航部門の新規航路開設を推進

 15年12月には当社、ネスレ日本、一般財団法人日本気象協会の3社が、気象予報を活用した海運により、日本のモーダルシフトを推進することで合意した。

 16年3月には岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路(宮古〜室蘭326km)開設を発表した。18年6月開設予定である。

 16年10月には静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新規航路を開設した。九州と首都圏、東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。

 また16年10月には、需要増大が期待されているバイオマス燃料用貨物(PKS、木質パレット等)輸送への取り組みを強化するべく、専任機関としてバイオマス関連輸送ワーキンググループを設置した。

■輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期111億91百万円、第2四半期122億87百万円、第3四半期119億83百万円、第4四半期104億85百万円、営業利益が56百万円の赤字、8億59百万円、9億60百万円、5億98百万円、16年3月期は売上高が107億16百万円、114億84百万円、108億54百万円、94億44百万円、営業利益が3億円、11億87百万円、9億93百万円、8億15百万円だった。

 輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造である。16年3月期は安定した輸送量を確保したが、燃料油価格下落に伴う燃料調整金等の減少幅が大きく減収、営業利益と経常利益は円安やコスト削減効果が寄与して増益、純利益は近海部門の一部船舶に関する減損損失を計上したが増益だった。

 なお16年3月期の売上総利益は15年3月期比19.0%増加し、売上総利益率は16.6%で同3.7ポイント上昇した。販管費は同5.4%増加し、販管費比率は8.9%で同1.1ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化したが金融収支が改善した。特別損失では減損損失が増加した。ROEは3.4%で同1.2ポイント上昇、自己資本比率は61.9%で同5.6ポイント上昇した。また配当性向は49.5%だった。

 近海部門は売上高が同7.3%減の154億44百万円だが、営業利益が10億67百万円の赤字(前々期は13億72百万円の赤字)だった。内航部門は売上高が同7.6%減の270億51百万円だが、営業利益が同16.8%増の43億63百万円だった。

■17年3月期第3四半期累計は減収減益

 前期(17年3月期)第3四半期累計(4〜12月)連結業績は、売上高が前年同期比15.3%減の280億01百万円、営業利益が同52.9%減の11億68百万円、経常利益が同54.5%減の11億11百万円、純利益が同72.0%減の4億48百万円だった。

 近海部門における市況低迷や円高影響、内航部門における燃料油価格下落に伴う燃料調整金収入減少などで減収減益だった。売上総利益は同22.6%減少し、売上総利益率は14.5%で同1.4ポイント低下した。販管費は同4.4%増加し、販管費比率は10.4%で同2.0ポイント上昇した。

 営業外収益では持分法投資利益が増加(前期1百万円、今期53百万円)した。営業外費用では為替差損が増加(前期14百万円、今期92百万円)した。特別利益では固定資産売却益1億14百万円を計上したが、船隊規模適正化の一環として高コスト用船の期限前解約での返船を行い、特別損失に用船契約解約金4億64百万円を計上した。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同30.7%減の85億19百万円で営業利益が14億15百万円の赤字(前年同期は7億42百万円の赤字)だった。市況低迷や円高などが影響した。木材輸送でバイオマス発電用PKS輸送が増加し、バルク輸送で石炭・セメント・穀物輸送が増加したが、鋼材・雑貨輸送では日本出しの鋼材が伸び悩み、バルク輸送ではロシア炭輸送が減少した。

 内航部門は、不定期船輸送で石灰石および石炭の各専用船が安定した輸送量を確保したが、定期船輸送が夏場に連続した台風の影響を受け、燃料油価格下落に伴う燃料調整金収入減少も影響して売上高が同6.2%減の194億80百万円、営業利益が新規航路開設に係る費用増加などで同19.8%減の25億84百万円だった。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期87億35百万円、第2四半期92億61百万円、第3四半期100億05百万円、営業利益は1億72百万円の赤字、8億54百万円、4億86百万円だった。

■17年3月期通期も減収減益予想だが、円安と市況改善がプラス要因

 前期(17年3月期)通期連結業績予想(10月31日に売上高を減額、営業利益と経常利益を増額、純利益を減額)については、売上高が前々期(16年3月期)比13.4%減の368億円、営業利益が同59.0%減の13億50百万円、経常利益が同62.2%減の12億円、純利益が同22.2%減の6億円としている。

 燃料油価格の動向や6月に実施した船腹調整の状況などを踏まえ、下期の想定為替レートは1ドル=110円から1ドル=100円に、燃料油価格(C重油)は4万円/KLから3万9800円/KLに見直した。その後の円安や海運市況改善がプラス要因となりそうだ。配当予想は同5円減配の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で、予想配当性向は39.1%となる。

 今期の取り組みとして近海部門では、バルク輸送の高コスト船の早期返船を進めて船隊規模の適正化を図り、木材輸送や鋼材・雑貨輸送では運航効率の向上を図る。内航部門では不定期船輸送で石灰石専用船のリプレースを行い、定期船輸送では新規航路開設を推進する方針だ。

■中期経営計画で19年3月期ROE7.2%目指す

 16年4月策定した16年度中期経営計画では、経営目標値に19年3月期売上高433億円(近海部門122億円、内航部門311億円)、営業利益28億円(近海部門11億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益27億50百万円、純利益18億50百万円、ROE7.2%、自己資本比率58.1%、DER0.50倍を掲げた。前提の為替レートは1米ドル=110円、燃料油価格は4万3400円である。

 新造船建造等に対する3年間の合計投資額は130億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船2隻(社船と傭船)、内航部門の石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、旅客フェリー1隻(社船)の予定である。

 近海部門は極めて厳しい事業環境の中、喫緊の課題である収益改善に向けて船隊規模の適正化と積極的な貨物獲得を目指す。内航部門は不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規顧客獲得、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路開設による事業拡大を目指す。

 新規事業では、16年3月竣工した国内最高性能を誇る新造AHTSV(アンカー・ハンドリング・タグ・サプライ船)の「あかつき」の運航(オフショア・ジャパン)によって、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務を開始する。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的には、近海部門における船隊規模適正化、内航部門における新規航路開設、日本近海におけるオフショア支援船業務、さらにコスト削減効果などで収益改善が期待される。

■株価は低PBRも見直して上値試す

 株価の動きを見ると、3月13日と14日に年初来高値となる314円まで上伸した。その後は利益確定売りで一旦反落したが300円近辺で下げ渋る動きだ。自律調整の範囲で戻り歩調に変化はないだろう。

 4月3日の終値302円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS20円44銭で算出)は14〜15倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.6%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS783円16銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約89億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋り、サポートラインを確認した形だ。0.4倍近辺の低PBRも見直して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[03月03日更新]

川崎近海汽船は低PBRも見直して戻り試す、円安や市況改善で中期的に収益改善期待

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送が主力である。17年3月期減収減益予想だが円安や海運市況改善がプラス要因となりそうだ。2月24日にはオフショア支援船業務の合弁相手であるオフショア・オペレーションを子会社化すると発表した。中期的には近海部門の船隊規模適正化、内航部門の新規航路開設、オフショア支援事業の本格化、コスト削減効果などで収益改善が期待される。株価は低PBRも見直して戻りを試す展開が期待される。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。16年3月期の売上高構成比は近海部門が36%、内航部門が64%だった。

 13年10月には新規分野として、オフショア・オペレーション(OOC)と均等出資で合弁会社オフショア・ジャパン(OJC)を設立し、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出した。16年3月にはOJCが国内最強牽引力を持つ最新鋭アンカー・ハンドリング・タグ・サプライ船「あかつき」を就航させた。

 2月24日にはオフショア支援船業務の合弁相手であるOOCの株式の過半を取得(17年4月予定)して子会社化すると発表した。オフショア支援船事業分野の充実を図る方針だ。

■内航部門の新規航路開設を推進

 15年12月には当社、ネスレ日本、一般財団法人日本気象協会の3社が、気象予報を活用した海運により、日本のモーダルシフトを推進することで合意した。

 16年3月には、岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路(宮古〜室蘭326km)開設を発表した。航路開設時期は18年3月予定で1日1往復、毎日運航する。

 16年10月には静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新規航路を開設した。九州と首都圏、東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。

 また16年10月には、需要増大が期待されているバイオマス燃料用貨物(PKS、木質パレット等)輸送への取り組みを強化するべく、専任機関としてバイオマス関連輸送ワーキンググループを設置した。

■輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期111億91百万円、第2四半期122億87百万円、第3四半期119億83百万円、第4四半期104億85百万円、営業利益が56百万円の赤字、8億59百万円、9億60百万円、5億98百万円、16年3月期は売上高が107億16百万円、114億84百万円、108億54百万円、94億44百万円、営業利益が3億円、11億87百万円、9億93百万円、8億15百万円だった。

 輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造である。16年3月期は安定した輸送量を確保したが、燃料油価格下落に伴う燃料調整金等の減少幅が大きく減収、営業利益と経常利益は円安やコスト削減効果が寄与して増益、純利益は近海部門の一部船舶に関する減損損失を計上したが増益だった。

 なお16年3月期の売上総利益は15年3月期比19.0%増加し、売上総利益率は16.6%で同3.7ポイント上昇した。販管費は同5.4%増加し、販管費比率は8.9%で同1.1ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化したが金融収支が改善した。特別損失では減損損失が増加した。ROEは3.4%で同1.2ポイント上昇、自己資本比率は61.9%で同5.6ポイント上昇した。また配当性向は49.5%だった。

 近海部門は売上高が同7.3%減の154億44百万円だが、営業利益が10億67百万円の赤字(前々期は13億72百万円の赤字)だった。内航部門は売上高が同7.6%減の270億51百万円だが、営業利益が同16.8%増の43億63百万円だった。

■17年3月期第3四半期累計は減収減益

 今期(17年3月期)第3四半期累計(4〜12月)連結業績は、売上高が前年同期比15.3%減の280億01百万円、営業利益が同52.9%減の11億68百万円、経常利益が同54.5%減の11億11百万円、純利益が同72.0%減の4億48百万円だった。

 近海部門における市況低迷や円高影響、内航部門における燃料油価格下落に伴う燃料調整金収入減少などで減収減益だった。売上総利益は同22.6%減少し、売上総利益率は14.5%で同1.4ポイント低下した。販管費は同4.4%増加し、販管費比率は10.4%で同2.0ポイント上昇した。

 営業外収益では持分法投資利益が増加(前期1百万円、今期53百万円)した。営業外費用では為替差損が増加(前期14百万円、今期92百万円)した。特別利益では固定資産売却益1億14百万円を計上したが、船隊規模適正化の一環として高コスト用船の期限前解約での返船を行い、特別損失に用船契約解約金4億64百万円を計上した。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同30.7%減の85億19百万円で営業利益が14億15百万円の赤字(前年同期は7億42百万円の赤字)だった。市況低迷や円高などが影響した。木材輸送でバイオマス発電用PKS輸送が増加し、バルク輸送で石炭・セメント・穀物輸送が増加したが、鋼材・雑貨輸送では日本出しの鋼材が伸び悩み、バルク輸送ではロシア炭輸送が減少した。

 内航部門は、不定期船輸送で石灰石および石炭の各専用船が安定した輸送量を確保したが、定期船輸送が夏場に連続した台風の影響を受け、燃料油価格下落に伴う燃料調整金収入減少も影響して売上高が同6.2%減の194億80百万円、営業利益が新規航路開設に係る費用増加などで同19.8%減の25億84百万円だった。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期87億35百万円、第2四半期92億61百万円、第3四半期100億05百万円、営業利益は1億72百万円の赤字、8億54百万円、4億86百万円だった。

■17年3月期通期も減収減益予想だが、円安と市況改善がプラス要因

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想(10月31日に売上高を減額、営業利益と経常利益を増額、純利益を減額)については、売上高が前期(16年3月期)比13.4%減の368億円、営業利益が同59.0%減の13億50百万円、経常利益が同62.2%減の12億円、純利益が同22.2%減の6億円としている。

 燃料油価格の動向や6月に実施した船腹調整の状況などを踏まえ、下期の想定為替レートは1ドル=110円から1ドル=100円に、燃料油価格(C重油)は4万円/KLから3万9800円/KLに見直した。その後の円安や海運市況改善がプラス要因となりそうだ。配当予想は同5円減配の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で、予想配当性向は39.1%となる。

 今期の取り組みとして近海部門では、バルク輸送の高コスト船の早期返船を進めて船隊規模の適正化を図り、木材輸送や鋼材・雑貨輸送では運航効率の向上を図る。内航部門では不定期船輸送で石灰石専用船のリプレースを行い、定期船輸送では新規航路開設を推進する方針だ。

■中期経営計画で19年3月期ROE7.2%目指す

 16年4月策定した16年度中期経営計画では、経営目標値に19年3月期売上高433億円(近海部門122億円、内航部門311億円)、営業利益28億円(近海部門11億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益27億50百万円、純利益18億50百万円、ROE7.2%、自己資本比率58.1%、DER0.50倍を掲げた。前提の為替レートは1米ドル=110円、燃料油価格は4万3400円である。

 新造船建造等に対する3年間の合計投資額は130億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船2隻(社船と傭船)、内航部門の石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、旅客フェリー1隻(社船)の予定である。

 近海部門は極めて厳しい事業環境の中、喫緊の課題である収益改善に向けて船隊規模の適正化と積極的な貨物獲得を目指す。内航部門は不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規顧客獲得、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路開設による事業拡大を目指す。

 新規事業では、16年3月竣工した国内最高性能を誇る新造AHTSV(アンカー・ハンドリング・タグ・サプライ船)の「あかつき」の運航(オフショア・ジャパン)によって、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務を開始する。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的には、近海部門における船隊規模適正化、内航部門における新規航路開設、日本近海におけるオフショア支援船業務、さらにコスト削減効果などで収益改善が期待される。

■株価は0.4倍近辺の低PBRも見直して戻り試す

 株価の動きを見ると、16年12月の戻り高値313円から一旦反落したが、その後も着実に下値を切り上げている。戻り歩調に変化はないようだ。

 3月2日の終値306円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS20円44銭で算出)は15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS783円16銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約90億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって下値を着実に切り上げている。そして26週移動平均線も上向きに転じている。0.4倍近辺の低PBRも見直して戻りを試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月03日更新]

川崎近海汽船は17年3月期第3四半期累計減収減益だが、船隊規模適正化や市況改善で中期的に収益改善期待

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。1月31日発表した17年3月期第3四半期累計連結業績が減収減益となり、通期も減収減益予想だが、円安や海運市況改善がプラス要因となりそうだ。中期的には近海部門の船隊規模適正化、内航部門の新規航路開設、さらにコスト削減効果などで収益改善が期待される。株価は第3四半期累計の減収減益に対するネガティブ反応が限定的であり戻り歩調に変化はないようだ。0.4倍近辺の低PBRも見直し材料だろう。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。16年3月期の売上高構成比は近海部門が36%、内航部門が64%だった。

 13年10月には新規分野として、オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立し、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出した。

■内航部門の新規航路開設を推進

 15年12月には当社、ネスレ日本、一般財団法人日本気象協会の3社が、気象予報を活用した海運により、日本のモーダルシフトを推進することで合意した。

 16年3月には、岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路(宮古〜室蘭326km)開設を発表した。航路開設時期は18年3月予定で1日1往復、毎日運航する。

 16年10月には静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新規航路を開設した。九州と首都圏、東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。

 また16年10月には、需要増大が期待されているバイオマス燃料用貨物(PKS、木質パレット等)輸送への取り組みを強化するべく、専任機関としてバイオマス関連輸送ワーキンググループを設置した。

■輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期111億91百万円、第2四半期122億87百万円、第3四半期119億83百万円、第4四半期104億85百万円、営業利益が56百万円の赤字、8億59百万円、9億60百万円、5億98百万円、16年3月期は売上高が107億16百万円、114億84百万円、108億54百万円、94億44百万円、営業利益が3億円、11億87百万円、9億93百万円、8億15百万円だった。

 輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造である。16年3月期は安定した輸送量を確保したが、燃料油価格下落に伴う燃料調整金等の減少幅が大きく減収、営業利益と経常利益は円安やコスト削減効果が寄与して増益、純利益は近海部門の一部船舶に関する減損損失を計上したが増益だった。

 なお16年3月期の売上総利益は15年3月期比19.0%増加し、売上総利益率は16.6%で同3.7ポイント上昇した。販管費は同5.4%増加し、販管費比率は8.9%で同1.1ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化したが金融収支が改善した。特別損失では減損損失が増加した。ROEは3.4%で同1.2ポイント上昇、自己資本比率は61.9%で同5.6ポイント上昇した。また配当性向は49.5%だった。

 近海部門は売上高が同7.3%減の154億44百万円だが、営業利益が10億67百万円の赤字(前々期は13億72百万円の赤字)だった。内航部門は売上高が同7.6%減の270億51百万円だが、営業利益が同16.8%増の43億63百万円だった。

■17年3月期第3四半期累計は減収減益

 1月31日発表した今期(17年3月期)第3四半期累計(4〜12月)連結業績は、売上高が前年同期比15.3%減の280億01百万円となり、営業利益が同52.9%減の11億68百万円、経常利益が同54.5%減の11億11百万円、純利益が同72.0%減の4億48百万円だった。

 近海部門における市況低迷や円高影響、内航部門における燃料油価格下落に伴う燃料調整金収入減少などで減収減益だった。売上総利益は同22.6%減少し、売上総利益率は14.5%で同1.4ポイント低下した。販管費は同4.4%増加し、販管費比率は10.4%で同2.0ポイント上昇した。営業外収益では持分法投資利益が増加(前期1百万円、今期53百万円)した。営業外費用では為替差損が増加(前期14百万円、今期92百万円)した。特別利益では固定資産売却益1億14百万円を計上したが、船隊規模適正化の一環として高コスト用船の期限前解約での返船を行い、特別損失に用船契約解約金4億64百万円を計上した。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同30.7%減の85億19百万円で営業利益が14億15百万円の赤字(前年同期は7億42百万円の赤字)だった。市況低迷や円高などが影響した。木材輸送でバイオマス発電用PKS輸送が増加し、バルク輸送で石炭・セメント・穀物輸送が増加したが、鋼材・雑貨輸送では日本出しの鋼材が伸び悩み、バルク輸送ではロシア炭輸送が減少した。

 内航部門は、不定期船輸送で石灰石および石炭の各専用船が安定した輸送量を確保したが、定期船輸送が夏場に連続した台風の影響を受け、燃料油価格下落に伴う燃料調整金収入減少も影響して売上高が同6.2%減の194億80百万円、営業利益が新規航路開設に係る費用増加などで同19.8%減の25億84百万円だった。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期87億35百万円、第2四半期92億61百万円、第3四半期100億05百万円、営業利益は1億72百万円の赤字、8億54百万円、4億86百万円だった。

■17年3月期通期も減収減益予想だが、円安と市況改善がプラス要因

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想は前回予想(10月31日に売上高を減額、営業利益と経常利益を増額、純利益を減額修正)を据え置いて、売上高が前期(16年3月期)比13.4%減の368億円、営業利益が同59.0%減の13億50百万円、経常利益が同62.2%減の12億円、純利益が同22.2%減の6億円としている。

 燃料油価格の動向や6月に実施した船腹調整の状況などを踏まえ、下期の想定為替レートは1ドル=110円から1ドル=100円、燃料油価格(C重油)は4万円/KLから3万9800円/KLとしている。その後の円安や海運市況改善がプラス要因となりそうだ。なお配当予想は同5円減配の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で予想配当性向は39.1%となる。

 今期の取り組みとして近海部門では、バルク輸送の高コスト船の早期返船を進めて船隊規模の適正化を図り、木材輸送や鋼材・雑貨輸送では運航効率の向上を図る。内航部門では不定期船輸送で石灰石専用船のリプレースを行い、定期船輸送では新規航路開設を推進する方針だ。

■中期経営計画で19年3月期ROE7.2%目指す

 16年4月策定した16年度中期経営計画では、経営目標値に19年3月期売上高433億円(近海部門122億円、内航部門311億円)、営業利益28億円(近海部門11億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益27億50百万円、純利益18億50百万円、ROE7.2%、自己資本比率58.1%、DER0.50倍を掲げた。前提の為替レートは1米ドル=110円、燃料油価格は4万3400円である。

 新造船建造等に対する3年間の合計投資額は130億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船2隻(社船と傭船)、内航部門の石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、旅客フェリー1隻(社船)の予定である。

 近海部門は極めて厳しい事業環境の中、喫緊の課題である収益改善に向けて船隊規模の適正化と積極的な貨物獲得を目指す。内航部門は不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規顧客獲得、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路開設による事業拡大を目指す。

 新規事業では、16年3月竣工した国内最高性能を誇る新造AHTSV(アンカー・ハンドリング・タグ・サプライ船)の「あかつき」の運航(オフショア・ジャパン)によって、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務を開始する。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的には、近海部門における船隊規模適正化、内航部門における新規航路開設、日本近海におけるオフショア支援船業務、さらにコスト削減効果などで収益改善が期待される。

■株価は戻り歩調に変化なし、0.4倍近辺の低PBRも見直し材料

 株価の動きを見ると、16年12月の戻り高値313円から一旦反落したが、下値を切り上げている。第3四半期累計の減収減益に対するネガティブ反応は限定的であり、戻り歩調に変化はないようだ。

 2月2日の終値299円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS20円44銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.7%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS783円16銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約88億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。そして26週移動平均線も上向きに転じて先高感を強めている。戻り歩調に変化はなく、0.4倍近辺の低PBRも見直し材料だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月13日更新]

川崎近海汽船は基調転換して戻り試す、船隊規模適正化や市況改善で収益改善期待

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送が主力である。17年3月期減収減益予想だが、円安や海運市況改善がプラス要因となりそうだ。中期的には近海部門の船隊規模適正化、内航部門の新規航路開設、日本近海のオフショア支援船業務、コスト削減効果などで収益改善が期待される。株価は安値圏モミ合いから上放れて基調転換した形だ。0.4倍近辺の低PBRも見直して戻りを試す展開が期待される。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。16年3月期の売上高構成比は近海部門が36%、内航部門が64%だった。

 13年10月には新規分野として、オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立し、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出した。

■内航部門の新規航路開設を推進

 15年12月には当社、ネスレ日本、一般財団法人日本気象協会の3社が、気象予報を活用した海運により、日本のモーダルシフトを推進することで合意した。

16年3月には、岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路(宮古〜室蘭326km)開設を発表した。航路開設時期は18年3月予定で1日1往復、毎日運航する。

 16年10月には静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新規航路を開設した。九州と首都圏、東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。

 また16年10月には、需要増大が期待されているバイオマス燃料用貨物(PKS、木質パレット等)輸送への取り組みを強化するべく、専任機関としてバイオマス関連輸送ワーキンググループを設置した。

■輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期111億91百万円、第2四半期122億87百万円、第3四半期119億83百万円、第4四半期104億85百万円、営業利益が56百万円の赤字、8億59百万円、9億60百万円、5億98百万円、16年3月期は売上高が107億16百万円、114億84百万円、108億54百万円、94億44百万円、営業利益が3億円、11億87百万円、9億93百万円、8億15百万円だった。

 輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造である。16年3月期は安定した輸送量を確保したが、燃料油価格下落に伴う燃料調整金等の減少幅が大きく減収、営業利益と経常利益は円安やコスト削減効果が寄与して増益、純利益は近海部門の一部船舶に関する減損損失を計上したが増益だった。

 なお16年3月期の売上総利益は15年3月期比19.0%増加し、売上総利益率は16.6%で同3.7ポイント上昇した。販管費は同5.4%増加し、販管費比率は8.9%で同1.1ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化したが金融収支が改善した。特別損失では減損損失が増加した。ROEは3.4%で同1.2ポイント上昇、自己資本比率は61.9%で同5.6ポイント上昇した。また配当性向は49.5%だった。

 近海部門は売上高が同7.3%減の154億44百万円だが、営業利益が10億67百万円の赤字(前々期は13億72百万円の赤字)だった。内航部門は売上高が同7.6%減の270億51百万円だが、営業利益が同16.8%増の43億63百万円だった。

■17年3月期第2四半期累計は市況低迷や円高などで大幅減収減益

 今期(17年3月期)第2四半期累計(4〜9月)連結業績は、売上高が前年同期比18.9%減の179億96百万円、営業利益が同54.1%減の6億82百万円、経常利益が同59.9%減の5億85百万円、そして純利益が同89.4%減の1億01百万円だった。

 近海部門における市況低迷や円高影響、内航部門における燃料油価格下落に伴う運賃収入減少などで大幅減収減益だった。売上総利益は同21.0%減少し、売上総利益率は14.7%で同0.3ポイント低下した。販管費は同5.6%増加し、販管費比率は10.9%で同2.6ポイント上昇した。営業外では為替差損が増加(前期5百万円、今期1億09百万円)した。特別利益では固定資産売却益1億14百万円を計上したが、船隊規模適正化の一環として高コスト用船の期限前解約での返船を行い、特別損失に用船契約解約金4億64百万円を計上した。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同36.5%減の54億08百万円で営業利益が9億22百万円の赤字(前年同期は3億66百万円の赤字)だった。市況低迷や円高などが影響した。木材輸送で輸入合板やバイオマス発電用PKSの輸送が増加したが、鋼材・雑貨輸送では東南アジア向けパイプや製缶用鋼材の需要が低迷して輸送量が減少した。バルク輸送は日本向け石炭輸送が減少したが、セメントや穀物輸送が増加し、バルク輸送全体では前年並みの輸送量を確保した。

 内航部門は、燃料油価格下落に伴う運賃収入減少や新規航路開設に係る費用増加などで、売上高が同8.0%減の125億86百万円、営業利益が同13.5%減の16億04百万円だった。不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船が安定した輸送量を確保した。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期87億35百万円、第2四半期92億61百万円、営業利益は1億72百万円の赤字、8億54百万円だった。

■17年3月期通期減収減益予想だが、円安と市況改善がプラス要因

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想(10月31日に売上高を減額、営業利益と経常利益を増額、純利益を減額修正)については、売上高が前期(16年3月期)比13.4%減の368億円、営業利益が同59.0%減の13億50百万円、経常利益が同62.2%減の12億円、そして純利益が同22.2%減の6億円としている。

 燃料油価格の動向や6月に実施した船腹調整の状況などを踏まえて修正した。第3四半期(10〜12月)以降の前提として、為替レートは1ドル=110円から1ドル=100円、燃料油価格(C重油)は4万円/KLから3万9800円/KLに見直した。円安や海運市況改善がプラス要因となりそうだ。なお配当予想は同5円減配の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で予想配当性向は39.1%となる。

 今期の取り組みとして近海部門では、バルク輸送の高コスト船の早期返船を進めて船隊規模の適正化を図り、木材輸送や鋼材・雑貨輸送では運航効率の向上を図る。内航部門では不定期船輸送で石灰石専用船のリプレースを行い、定期船輸送では新規航路開設を推進する方針だ。

■中期経営計画で19年3月期ROE7.2%目指す

 16年4月策定した16年度中期経営計画では、経営目標値に19年3月期売上高433億円(近海部門122億円、内航部門311億円)、営業利益28億円(近海部門11億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益27億50百万円、純利益18億50百万円、ROE7.2%、自己資本比率58.1%、DER0.50倍を掲げた。前提の為替レートは1米ドル=110円、燃料油価格は4万3400円である。

 新造船建造等に対する3年間の合計投資額は130億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船2隻(社船と傭船)、内航部門の石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、旅客フェリー1隻(社船)の予定である。

 近海部門は極めて厳しい事業環境の中、喫緊の課題である収益改善に向けて船隊規模の適正化と積極的な貨物獲得を目指す。内航部門は不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規顧客獲得、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路開設による事業拡大を目指す。

 新規事業では、16年3月竣工した国内最高性能を誇る新造AHTSV(アンカー・ハンドリング・タグ・サプライ船)の「あかつき」の運航(オフショア・ジャパン)によって、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務を開始する。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的には、近海部門における船隊規模適正化、内航部門における新規航路開設、日本近海におけるオフショア支援船業務、さらにコスト削減効果などで収益改善が期待される。

■株価は基調転換して戻り試す

 株価の動きを見ると、安値圏モミ合いから上放れて水準切り上げの動きを強めている。12月13日の戻り高値313円から反落したが、280円近辺から切り返して1月12日には303円まで上伸した。

 1月12日の終値303円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS20円44銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS783円16銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約89億円である。

 週足チャートで見ると上向きに転じた13週移動平均線がサポートラインの形となった。基調転換を確認した形だ。0.4倍近辺の低PBRも見直して戻りを試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月15日更新]

川崎近海汽船は安値圏モミ合いから上放れ、船隊規模適正化などで収益改善期待

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送が主力である。17年3月期は市況低迷や円高などで減収減益予想だが、円安進行や海運市況改善が追い風となりそうだ。中期的には近海部門における船隊規模適正化、内航部門における新規航路開設、日本近海におけるオフショア支援船業務、さらにコスト削減効果などで収益改善が期待される。株価は安値圏モミ合いから上放れの動きとなった。0.4倍近辺の低PBRも見直して戻り歩調が期待される。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。16年3月期の売上高構成比は近海部門が36%、内航部門が64%だった。

 中期成長に向けた新規分野として13年10月、オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。

■内航部門の新規航路開設を推進

 15年12月には、静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新規航路を16年10月に開設すると発表した。清水〜大分間を20時間で結ぶ週3便運航を予定している。トレーラーでの海陸一貫輸送によって九州と首都圏、東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。なお16年7月、清水〜大分航路にRORO船「北王丸」を投入し、現在「北王丸」を配船している常陸那珂〜苫小牧航路に現在建造中の「冨王丸」を投入すると発表した。

 15年12月には当社、ネスレ日本、一般財団法人日本気象協会の3社が、気象予報を活用した海運により、日本のモーダルシフトを推進することで合意した。

 16年3月には、岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路(宮古〜室蘭326km)開設を発表した。航路開設時期は18年3月予定で1日1往復、毎日運航する。

 16年10月には、需要増大が期待されているバイオマス燃料用貨物(PKS、木質パレット等)輸送への取り組みを強化するべく、専任機関としてバイオマス関連輸送ワーキンググループを設置した。

■輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期111億91百万円、第2四半期122億87百万円、第3四半期119億83百万円、第4四半期104億85百万円、営業利益が56百万円の赤字、8億59百万円、9億60百万円、5億98百万円、16年3月期は売上高が107億16百万円、114億84百万円、108億54百万円、94億44百万円、営業利益が3億円、11億87百万円、9億93百万円、8億15百万円だった。

 輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造である。16年3月期は安定した輸送量を確保したが、燃料油価格下落に伴う燃料調整金等の減少幅が大きく減収、営業利益と経常利益は円安やコスト削減効果が寄与して増益、純利益は近海部門の一部船舶に関する減損損失を計上したが増益だった。

 なお16年3月期の売上総利益は15年3月期比19.0%増加し、売上総利益率は16.6%で同3.7ポイント上昇した。販管費は同5.4%増加し、販管費比率は8.9%で同1.1ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化したが金融収支が改善した。特別損失では減損損失が増加した。ROEは3.4%で同1.2ポイント上昇、自己資本比率は61.9%で同5.6ポイント上昇した。また配当性向は49.5%だった。

 近海部門は売上高が同7.3%減の154億44百万円だが、営業利益が10億67百万円の赤字(前々期は13億72百万円の赤字)だった。内航部門は売上高が同7.6%減の270億51百万円だが、営業利益が同16.8%増の43億63百万円だった。

■17年3月期第2四半期累計は市況低迷や円高などで大幅減収減益

 今期(17年3月期)第2四半期累計(4〜9月)連結業績は、売上高が前年同期比18.9%減の179億96百万円、営業利益が同54.1%減の6億82百万円、経常利益が同59.9%減の5億85百万円、そして純利益が同89.4%減の1億01百万円だった。

 近海部門における市況低迷や円高影響、内航部門における燃料油価格下落に伴う運賃収入減少などで大幅減収減益だった。売上総利益は同21.0%減少し、売上総利益率は14.7%で同0.3ポイント低下した。販管費は同5.6%増加し、販管費比率は10.9%で同2.6ポイント上昇した。営業外では為替差損が増加(前期5百万円、今期1億09百万円)した。特別利益では固定資産売却益1億14百万円を計上したが、船隊規模適正化の一環として高コスト用船の期限前解約での返船を行い、特別損失に用船契約解約金4億64百万円を計上した。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同36.5%減の54億08百万円で営業利益が9億22百万円の赤字(前年同期は3億66百万円の赤字)だった。市況低迷や円高などが影響した。木材輸送で輸入合板やバイオマス発電用PKSの輸送が増加したが、鋼材・雑貨輸送では東南アジア向けパイプや製缶用鋼材の需要が低迷して輸送量が減少した。バルク輸送は日本向け石炭輸送が減少したが、セメントや穀物輸送が増加し、バルク輸送全体では前年並みの輸送量を確保した。

 内航部門は、燃料油価格下落に伴う運賃収入減少や新規航路開設に係る費用増加などで、売上高が同8.0%減の125億86百万円、営業利益が同13.5%減の16億04百万円だった。不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船が安定した輸送量を確保した。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期87億35百万円、第2四半期92億61百万円、営業利益は1億72百万円の赤字、8億54百万円だった。

■17年3月期通期減収減益予想だが、営業利益と経常利益を増額

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想については、10月31日に売上高を減額、営業利益と経常利益を増額、純利益を減額し、売上高が前期(16年3月期)比13.4%減の368億円、営業利益が同59.0%減の13億50百万円、経常利益が同62.2%減の12億円、純利益が同22.2%減の6億円としている。

 燃料油価格の動向や6月に実施した船腹調整の状況などを踏まえて修正した。第3四半期(10〜12月)以降の前提として、為替レートは1ドル=110円から1ドル=100円、燃料油価格(C重油)は4万円/KLから3万9800円/KLに見直した。円安進行や海運市況改善が追い風となりそうだ。配当予想は同5円減配の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で、予想配当性向は39.1%となる。

 今期の取り組みとして近海部門では、バルク輸送の高コスト船の早期返船を進めて船隊規模の適正化を図り、木材輸送や鋼材・雑貨輸送では運航効率の向上を図る。内航部門では不定期船輸送で石灰石専用船のリプレースを行い、定期船輸送では新規航路開設を推進する方針だ。

■中期経営計画で19年3月期ROE7.2%目指す

 16年4月策定した16年度中期経営計画では、経営目標値に19年3月期売上高433億円(近海部門122億円、内航部門311億円)、営業利益28億円(近海部門11億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益27億50百万円、純利益18億50百万円、ROE7.2%、自己資本比率58.1%、DER0.50倍を掲げた。前提の為替レートは1米ドル=110円、燃料油価格は4万3400円である。

 新造船建造等に対する3年間の合計投資額は130億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船2隻(社船と傭船)、内航部門の石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、旅客フェリー1隻(社船)の予定である。

 近海部門は極めて厳しい事業環境の中、喫緊の課題である収益改善に向けて船隊規模の適正化と積極的な貨物獲得を目指す。内航部門は不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規顧客獲得、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路開設による事業拡大を目指す。

 新規事業では、16年3月竣工した国内最高性能を誇る新造AHTSV(アンカー・ハンドリング・タグ・サプライ船)の「あかつき」の運航(オフショア・ジャパン)によって、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務を開始する。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的には、近海部門における船隊規模適正化、内航部門における新規航路開設、日本近海におけるオフショア支援船業務、さらにコスト削減効果などで収益改善が期待される。

■株価は安値圏モミ合いから上放れて戻り歩調期待

 株価の動きを見ると、下値固めが完了して安値圏270円〜290円近辺でのモミ合いから上放れる動きだ。12月13日には313円まで上伸した。

 12月14日の終値306円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS20円44銭で算出)は15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.6%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS783円16銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約90億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線に続いて52週移動平均線を突破した。そして13週移動平均線が上向きに転じてきた。基調転換を確認した形だ。0.4倍近辺の低PBRも見直して戻り歩調が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月22日更新]

川崎近海汽船は市況低迷や円高で17年3月期減益予想、船隊規模適正化などで収益改善期待

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送が主力である。17年3月期は市況低迷や円高などで第2四半期累計が大幅減収減益となり、通期も減収減益予想である。中期的には近海部門における船隊規模適正化、内航部門における新規航路開設、日本近海におけるオフショア支援船業務、さらにコスト削減効果などで収益改善が期待される。海運市況が改善傾向であることも追い風だ。株価は安値圏だが下値固め完了感を強めている。0.4倍近辺の低PBRなども見直して反発が期待される。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。16年3月期の売上高構成比は近海部門が36%、内航部門が64%だった。

 中期成長に向けた新規分野として13年10月、オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。

■内航部門の新規航路開設を推進

 15年12月には、静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新規航路を16年10月に開設すると発表した。清水〜大分間を20時間で結ぶ週3便運航を予定している。トレーラーでの海陸一貫輸送によって九州と首都圏、東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。なお16年7月、清水〜大分航路にRORO船「北王丸」を投入し、現在「北王丸」を配船している常陸那珂〜苫小牧航路に現在建造中の「冨王丸」を投入すると発表した。

 15年12月には当社、ネスレ日本、一般財団法人日本気象協会の3社が、気象予報を活用した海運により、日本のモーダルシフトを推進することで合意した。

 16年3月には、岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路(宮古〜室蘭326km)開設を発表した。航路開設時期は18年3月予定で1日1往復、毎日運航する。

 16年10月には、需要増大が期待されているバイオマス燃料用貨物(PKS、木質パレット等)輸送への取り組みを強化するべく、専任機関としてバイオマス関連輸送ワーキンググループを設置した。

■輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期111億91百万円、第2四半期122億87百万円、第3四半期119億83百万円、第4四半期104億85百万円、営業利益が56百万円の赤字、8億59百万円、9億60百万円、5億98百万円、16年3月期は売上高が107億16百万円、114億84百万円、108億54百万円、94億44百万円、営業利益が3億円、11億87百万円、9億93百万円、8億15百万円だった。

 輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造である。16年3月期は安定した輸送量を確保したが、燃料油価格下落に伴う燃料調整金等の減少幅が大きく減収、営業利益と経常利益は円安やコスト削減効果が寄与して増益、純利益は近海部門の一部船舶に関する減損損失を計上したが増益だった。

 なお16年3月期の売上総利益は15年3月期比19.0%増加し、売上総利益率は16.6%で同3.7ポイント上昇した。販管費は同5.4%増加し、販管費比率は8.9%で同1.1ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化したが金融収支が改善した。特別損失では減損損失が増加した。ROEは3.4%で同1.2ポイント上昇、自己資本比率は61.9%で同5.6ポイント上昇した。また配当性向は49.5%だった。

 近海部門は売上高が同7.3%減の154億44百万円だが、営業利益が10億67百万円の赤字(前々期は13億72百万円の赤字)だった。内航部門は売上高が同7.6%減の270億51百万円だが、営業利益が同16.8%増の43億63百万円だった。

■17年3月期第2四半期累計は市況低迷や円高などで大幅減収減益

 今期(17年3月期)第2四半期累計(4〜9月)連結業績(7月29日に売上高を増額、営業利益を据え置き、経常利益を減額、純利益を減額)は、売上高が前年同期比18.9%減の179億96百万円、営業利益が同54.1%減の6億82百万円、経常利益が同59.9%減の5億85百万円、純利益が同89.4%減の1億01百万円だった。

 近海部門における市況低迷や円高影響、内航部門における燃料油価格下落に伴う運賃収入減少などで大幅減収減益だった。売上総利益は同21.0%減少し、売上総利益率は14.7%で同0.3ポイント低下した。販管費は同5.6%増加し、販管費比率は10.9%で同2.6ポイント上昇した。営業外では為替差損が増加(前期5百万円、今期1億09百万円)した。特別利益では固定資産売却益1億14百万円を計上したが、船隊規模適正化の一環として高コスト用船の期限前解約での返船を行い、特別損失に用船契約解約金4億64百万円を計上した。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同36.5%減の54億08百万円で営業利益が9億22百万円の赤字(前年同期は3億66百万円の赤字)だった。市況低迷や円高などが影響した。木材輸送で輸入合板やバイオマス発電用PKSの輸送が増加したが、鋼材・雑貨輸送では東南アジア向けパイプや製缶用鋼材の需要が低迷して輸送量が減少した。バルク輸送は日本向け石炭輸送が減少したが、セメントや穀物輸送が増加し、バルク輸送全体では前年並みの輸送量を確保した。

 内航部門は、燃料油価格下落に伴う運賃収入減少や新規航路開設に係る費用増加などで、売上高が同8.0%減の125億86百万円、営業利益が同13.5%減の16億04百万円だった。不定期船輸送では石灰石および石炭の各専用船が安定した輸送量を確保した。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期87億35百万円、第2四半期92億61百万円、営業利益は1億72百万円の赤字、8億54百万円だった。

■17年3月期通期予想を修正、営業・経常利益増額だが純利益減額

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想については10月31日に修正した。前回予想(4月28日公表)に対して、売上高は10億円減額して前期(16年3月期)比13.4%減の368億円、営業利益は1億50百万円増額して同59.0%減の13億50百万円、経常利益は50百万円増額して同62.2%減の12億円、純利益は2億円減額して同22.2%減の6億円とした。

 燃料油価格の動向や6月に実施した船腹調整の状況などを踏まえて修正した。第3四半期(10〜12月)以降の前提として、為替レートは1ドル=110円から1ドル=100円、燃料油価格(C重油)は4万円/KLから3万9800円/KLに見直した。配当予想は据え置いて同5円減配の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)としている。予想配当性向は39.1%となる。

 今期の取り組みとして近海部門では、バルク輸送の高コスト船の早期返船を進めて船隊規模の適正化を図り、木材輸送や鋼材・雑貨輸送では運航効率の向上を図る。内航部門では不定期船輸送で石灰石専用船のリプレースを行い、定期船輸送では新規航路開設を推進する方針だ。

■中期経営計画で19年3月期ROE7.2%目指す

 16年4月策定した16年度中期経営計画では、経営目標値に19年3月期売上高433億円(近海部門122億円、内航部門311億円)、営業利益28億円(近海部門11億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益27億50百万円、純利益18億50百万円、ROE7.2%、自己資本比率58.1%、DER0.50倍を掲げた。前提の為替レートは1米ドル=110円、燃料油価格は4万3400円である。

 新造船建造等に対する3年間の合計投資額は130億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船2隻(社船と傭船)、内航部門の石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、旅客フェリー1隻(社船)の予定である。

 近海部門は極めて厳しい事業環境の中、喫緊の課題である収益改善に向けて船隊規模の適正化と積極的な貨物獲得を目指す。内航部門は不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規顧客獲得、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路開設による事業拡大を目指す。

 新規事業では、16年3月竣工した国内最高性能を誇る新造AHTSV(アンカー・ハンドリング・タグ・サプライ船)の「あかつき」の運航(オフショア・ジャパン)によって、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務を開始する。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的には、近海部門における船隊規模適正化、内航部門における新規航路開設、日本近海におけるオフショア支援船業務、さらにコスト削減効果などで収益改善が期待される。

■株価は割安感を見直して反発期待

 株価の動きを見ると、安値圏270円〜290円近辺でもみ合う展開だ。ただし6月の年初来安値262円まで下押すことなく、下値固め完了感を強めている。

 11月18日の終値280円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS20円44銭で算出)は13〜14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS783円16銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約83億円である。

 週足チャートで見ると戻りを押さえていた26週移動平均線突破の動きを強めている。海運市況が改善傾向であることも追い風であり、0.4倍近辺の低PBRなど割安感を見直して反発が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月21日更新]

川崎近海汽船は下値固め完了して割安感を見直し、船隊規模適正化や新規航路開設で収益改善期待

川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送が主力である。17年3月期は減収減益予想だが、中期的には近海部門における船隊規模適正化、内航部門における新規航路開設、日本近海におけるオフショア支援船業務、さらにコスト削減効果などで収益改善が期待される。株価は下値固め完了感を強めている。0.4倍近辺の低PBRなど割安感を見直して反発のタイミングだろう。なお10月31日に第2四半期累計業績発表を予定している。

■近海輸送と内航輸送を展開

石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。16年3月期の売上高構成比は近海部門が36%、内航部門が64%だった。

中期成長に向けた新規分野として13年10月、オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。

■内航部門の新規航路開設を推進

 15年12月には、静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新規航路を16年10月に開設すると発表した。清水〜大分間を20時間で結ぶ週3便運航を予定している。トレーラーでの海陸一貫輸送によって九州と首都圏、東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。なお16年7月、清水〜大分航路にRORO船「北王丸」を投入し、現在「北王丸」を配船している常陸那珂〜苫小牧航路に現在建造中の「冨王丸」を投入すると発表した。

 15年12月には当社、ネスレ日本、一般財団法人日本気象協会の3社が、気象予報を活用した海運により、日本のモーダルシフトを推進することで合意した。

 16年3月には、岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路(宮古〜室蘭326km)開設を発表した。航路開設時期は18年3月予定で1日1往復、毎日運航する。

 16年10月には、需要増大が期待されているバイオマス燃料用貨物(PKS、木質パレット等)輸送への取り組みを強化するべく、専任機関としてバイオマス関連輸送ワーキンググループを設置した。

■輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期111億91百万円、第2四半期122億87百万円、第3四半期119億83百万円、第4四半期104億85百万円、営業利益が56百万円の赤字、8億59百万円、9億60百万円、5億98百万円、16年3月期は売上高が107億16百万円、114億84百万円、108億54百万円、94億44百万円、営業利益が3億円、11億87百万円、9億93百万円、8億15百万円だった。

 輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造である。16年3月期は安定した輸送量を確保したが、燃料油価格下落に伴う燃料調整金等の減少幅が大きく減収、営業利益と経常利益は円安やコスト削減効果が寄与して増益、純利益は近海部門の一部船舶に関する減損損失を計上したが増益だった。

 なお16年3月期の売上総利益は15年3月期比19.0%増加し、売上総利益率は16.6%で同3.7ポイント上昇した。販管費は同5.4%増加し、販管費比率は8.9%で同1.1ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化したが金融収支が改善した。特別損失では減損損失が増加した。ROEは3.4%で同1.2ポイント上昇、自己資本比率は61.9%で同5.6ポイント上昇した。また配当性向は49.5%だった。

 近海部門は売上高が同7.3%減の154億44百万円だが、営業利益が10億67百万円の赤字(前々期は13億72百万円の赤字)だった。内航部門は売上高が同7.6%減の270億51百万円だが、営業利益が同16.8%増の43億63百万円だった。

■17年3月期第1四半期は大幅減収で赤字

 今期(17年3月期)第1四半期(4〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比18.5%減の87億35百万円、営業利益が1億72百万円の赤字(前年同期は3億円の黒字)、経常利益が2億64百万円の赤字(同3億09百万円の黒字)、純利益が5億42百万円の赤字(同2億01百万円の黒字)だった。

 近海部門における輸出鋼材輸送量の減少、バルク輸送の市況低迷、内航部門のフェリー輸送におけるトラック輸送量の減少などで大幅減収となり、各利益は赤字だった。売上総利益は同33.0%減少し、売上総利益率は9.4%で同2.0ポイント低下した。販管費は同7.6%増加し、販管費比率は11.4%で同2.8ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化(前期は差益11百万円、今期は差損87百万円)した。また船隊規模適正化の一環として高コスト用船の期限前解約での返船を行い、用船契約解約金4億64百万円を特別損失に計上した。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同32.9%減の28億86百万円で営業利益が4億04百万円の赤字(前年同期は1億21百万円の赤字)だった。内航部門は売上高が同8.8%減の58億48百万円で営業利益が同45.2%減の2億31百万円だった。

■17年3月期第2四半期累計を修正、通期は据え置き

 第1四半期業績および第2四半期に予想される外部環境を考慮して、7月29日に今期(17年3月期)第2四半期累計(4〜9月)の連結業績予想を修正した。前回予想(4月28日公表)に対して売上高を1億円増額、営業利益を据え置き、経常利益を50百万円減額、純利益を3億50百万円減額した。修正後の売上高は前年同期比17.6%減の183億円、営業利益は同59.7%減の6億円、経常利益は同65.8%減の5億円、純利益は同89.6%減の1億円とした。前提は、為替レートが1ドル=105円(前回前提は1ドル=110円)で、燃料油価格がC重油3万9000円/KL(同4万円/KL)である。

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想は前回予想(4月28日公表)を据え置いて、売上高が前期(15年3月期)比11.8%減の378億円、営業利益が同63.6%減の12億円、経常利益が同63.8%減の11億50百万円、純利益が同3.7%増の8億円としている。配当予想は同5円減配の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で予想配当性向は29.4%となる。

 近海部門における市況低迷継続、内航部門における新規航路開設(16年10月清水〜大分)費用および新造船竣工に伴う償却費増加などで減収、営業減益・経常減益予想だ。純利益は減損損失が一巡して増益予想である、なお通期予想については、今後の市況動向を考慮のうえ精査を行い、必要が生じた場合には速やかに開示するとしている。

 今期の取り組みとして近海部門では、バルク輸送の高コスト船の早期返船を進めて船隊規模の適正化を図る。木材輸送や鋼材・雑貨輸送では運航効率の向上を図る。内航部門では不定期船輸送で石灰石専用船のリプレースを行い、定期船輸送では16年10月に清水〜大分の新規航路を開設する。

■中期経営計画で19年3月期ROE7.2%目指す

 16年4月策定した16年度中期経営計画では、経営目標値に19年3月期売上高433億円(近海部門122億円、内航部門311億円)、営業利益28億円(近海部門11億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益27億50百万円、純利益18億50百万円、ROE7.2%、自己資本比率58.1%、DER0.50倍を掲げた。前提の為替レートは1米ドル=110円、燃料油価格は4万3400円である。

 新造船建造等に対する3年間の合計投資額は130億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船2隻(社船と傭船)、内航部門の石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、旅客フェリー1隻(社船)の予定である。

 近海部門は極めて厳しい事業環境の中、喫緊の課題である収益改善に向けて船隊規模の適正化と積極的な貨物獲得を目指す。内航部門は不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規顧客獲得、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路開設による事業拡大を目指す。

 新規事業では、16年3月竣工した国内最高性能を誇る新造AHTSV(アンカー・ハンドリング・タグ・サプライ船)の「あかつき」の運航(オフショア・ジャパン)によって、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務を開始する。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的には、近海部門における船隊規模適正化、内航部門における新規航路開設、日本近海におけるオフショア支援船業務、さらにコスト削減効果などで収益改善が期待される。

■株価は下値固め完了して割安感を見直し

 株価の動きを見ると、安値圏280円近辺でもみ合う展開だ。ただし6月の年初来安値262円まで下押すことなく推移し、下値固め完了感を強めている。

 10月20日の終値282円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS27円25銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS783円16銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約83億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が下値を支える形となり、戻りを押さえていた26週移動平均線突破の動きを強めている。下値固めが完了し、0.4倍近辺の低PBRなど指標面の割安感を見直して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[9月28日更新]

川崎近海汽船は底打ちして基調転換の動き、船隊規模適正化や新規航路開設で収益改善期待

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送が主力である。中期的には、近海部門における船隊規模適正化、内航部門における新規航路開設、日本近海におけるオフショア支援船業務、さらにコスト削減効果などで収益改善が期待される。株価は底打ちして基調転換の動きを強めている。0.4倍近辺の低PBRなど指標面の割安感も見直して戻り歩調が期待される。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。16年3月期の売上高構成比は近海部門が36%、内航部門が64%だった。

 中期成長に向けた新規分野として13年10月、オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。

■内航部門の新規航路開設を推進

 15年12月には、静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新規航路を16年10月に開設すると発表した。清水〜大分間を20時間で結ぶ週3便運航を予定している。トレーラーでの海陸一貫輸送によって九州と首都圏、東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。

 15年12月には当社、ネスレ日本、一般財団法人日本気象協会の3社が、気象予報を活用した海運により、日本のモーダルシフトを推進することで合意した。

 16年3月には、岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路(宮古〜室蘭326km)開設を発表した。航路開設時期は18年3月予定で1日1往復、毎日運航する。

 16年7月には、16年10月開設する清水〜大分航路にRORO船「北王丸」を投入し、現在「北王丸」を配船している常陸那珂〜苫小牧航路に現在建造中の「冨王丸」を投入すると発表した。

 また9月1日には、需要増大が期待されているバイオマス燃料用貨物(PKS、木質パレット等)輸送への取り組みを強化するべく、専任機関としてバイオマス関連輸送ワーキンググループを設置(10月3日付)すると発表した。

■輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期111億91百万円、第2四半期122億87百万円、第3四半期119億83百万円、第4四半期104億85百万円、営業利益が56百万円の赤字、8億59百万円、9億60百万円、5億98百万円、16年3月期は売上高が107億16百万円、114億84百万円、108億54百万円、94億44百万円、営業利益が3億円、11億87百万円、9億93百万円、8億15百万円だった。

 輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造である。16年3月期は安定した輸送量を確保したが、燃料油価格下落に伴う燃料調整金等の減少幅が大きく減収、営業利益と経常利益は円安やコスト削減効果が寄与して増益、純利益は近海部門の一部船舶に関する減損損失を計上したが増益だった。

 なお16年3月期の売上総利益は15年3月期比19.0%増加し、売上総利益率は16.6%で同3.7ポイント上昇した。販管費は同5.4%増加し、販管費比率は8.9%で同1.1ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化したが金融収支が改善した。特別損失では減損損失が増加した。ROEは3.4%で同1.2ポイント上昇、自己資本比率は61.9%で同5.6ポイント上昇した。また配当性向は49.5%だった。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同7.3%減の154億44百万円だが、営業利益が10億67百万円の赤字(前々期は13億72百万円の赤字)だった。市況低迷で減収だが、コスト削減効果などで営業赤字が縮小した。内航部門は売上高が同7.6%減の270億51百万円だが、営業利益が同16.8%増の43億63百万円だった。不定期船輸送では鉄鋼・セメントメーカー向け石灰石専用船、電力向け石炭専用船が順調だった。定期船輸送は大型船投入によるスペース拡大などで輸送量が増加した。利益面では燃料油価格下落も寄与した。

■17年3月期第1四半期は大幅減収で赤字

 今期(17年3月期)第1四半期(4〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比18.5%減の87億35百万円、営業利益が1億72百万円の赤字(前年同期は3億円の黒字)、経常利益が2億64百万円の赤字(同3億09百万円の黒字)、純利益が5億42百万円の赤字(同2億01百万円の黒字)だった。

 近海部門における輸出鋼材輸送量の減少、バルク輸送の市況低迷、内航部門のフェリー輸送におけるトラック輸送量の減少などで大幅減収となり、各利益は赤字だった。売上総利益は同33.0%減少し、売上総利益率は9.4%で同2.0ポイント低下した。販管費は同7.6%増加し、販管費比率は11.4%で同2.8ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化(前期は差益11百万円、今期は差損87百万円)した。また船隊規模適正化の一環として高コスト用船の期限前解約での返船を行い、用船契約解約金4億64百万円を特別損失に計上した。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同32.9%減の28億86百万円で営業利益が4億04百万円の赤字(前年同期は1億21百万円の赤字)だった。内航部門は売上高が同8.8%減の58億48百万円で営業利益が同45.2%減の2億31百万円だった。

■17年3月期第2四半期累計を修正、通期は据え置き

 第1四半期業績および第2四半期に予想される外部環境を考慮して、7月29日に今期(17年3月期)第2四半期累計(4〜9月)の連結業績予想を修正した。前回予想(4月28日公表)に対して売上高を1億円増額、営業利益を据え置き、経常利益を50百万円減額、純利益を3億50百万円減額した。修正後の売上高は前年同期比17.6%減の183億円、営業利益は同59.7%減の6億円、経常利益は同65.8%減の5億円、純利益は同89.6%減の1億円とした。前提は、為替レートが1ドル=105円(前回前提は1ドル=110円)で、燃料油価格がC重油3万9000円/KL(同4万円/KL)である。

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想は前回予想(4月28日公表)を据え置いて、売上高が前期(15年3月期)比11.8%減の378億円、営業利益が同63.6%減の12億円、経常利益が同63.8%減の11億50百万円、純利益が同3.7%増の8億円としている。配当予想は同5円減配の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で予想配当性向は29.4%となる。

 近海部門における市況低迷継続、内航部門における新規航路開設(16年10月清水〜大分)費用および新造船竣工に伴う償却費増加などで減収、営業減益・経常減益予想だ。純利益は減損損失が一巡して増益予想である、なお通期予想については、今後の市況動向を考慮のうえ精査を行い、必要が生じた場合には速やかに開示するとしている。

 今期の取り組みとして近海部門では、バルク輸送の高コスト船の早期返船を進めて船隊規模の適正化を図る。木材輸送や鋼材・雑貨輸送では運航効率の向上を図る。内航部門では不定期船輸送で石灰石専用船のリプレースを行い、定期船輸送では16年10月に清水〜大分の新規航路を開設する。

■中期経営計画で19年3月期ROE7.2%目指す

 16年4月策定した16年度中期経営計画では、経営目標値に19年3月期売上高433億円(近海部門122億円、内航部門311億円)、営業利益28億円(近海部門11億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益27億50百万円、純利益18億50百万円、ROE7.2%、自己資本比率58.1%、DER0.50倍を掲げた。前提の為替レートは1米ドル=110円、燃料油価格は4万3400円である。

 新造船建造等に対する3年間の合計投資額は130億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船2隻(社船と傭船)、内航部門の石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、旅客フェリー1隻(社船)の予定である。

 近海部門は極めて厳しい事業環境の中、喫緊の課題である収益改善に向けて船隊規模の適正化と積極的な貨物獲得を目指す。内航部門は不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規顧客獲得、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路開設による事業拡大を目指す。

 新規事業では、16年3月竣工した国内最高性能を誇る新造AHTSV(アンカー・ハンドリング・タグ・サプライ船)の「あかつき」の運航(オフショア・ジャパン)によって、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務を開始する。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的には、近海部門における船隊規模適正化、内航部門における新規航路開設、日本近海におけるオフショア支援船業務、さらにコスト削減効果などで収益改善が期待される。

■株価は底打ちして基調転換の動き

 株価の動きを見ると、6月の年初来安値262円から下値を切り上げている。そして9月26日には291円まで上伸した。

 9月26日の終値291円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS27円25銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS783円16銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約86億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて、戻りを押さえていた26週移動平均線を突破した。6月安値での底打ちを確認して基調転換する動きだ。0.4倍近辺の低PBRなど指標面の割安感も見直して戻り歩調が期待される。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[9月02日更新]

川崎近海汽船は船隊規模適正化や新規航路開設を推進、バイオマス燃料貨物輸送にも取り組み

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送が主力である。近海部門の船腹調整に伴う特別損失計上で17年3月期第2四半期累計の純利益を減額修正したが、中期的には近海部門の船隊規模適正化、内航部門の新規航路開設、コスト削減などで収益改善が期待される。なお9月1日、需要増大が期待されているバイオマス燃料用貨物輸送への取り組みを強化するべく専任機関を設置すると発表した。株価は6月の年初来安値から徐々に下値を切り上げている。戻り歩調が期待される。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。16年3月期の売上高構成比は近海部門が36%、内航部門が64%だった。

 中期成長に向けた新規分野として13年10月、オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。

■内航部門の新規航路開設を推進

 15年12月には、静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新規航路を16年10月に開設すると発表した。清水〜大分間を20時間で結ぶ週3便運航を予定している。トレーラーでの海陸一貫輸送によって九州と首都圏、東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。

 15年12月には当社、ネスレ日本、一般財団法人日本気象協会の3社が、気象予報を活用した海運により、日本のモーダルシフトを推進することで合意した。

 16年3月には、岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路(宮古〜室蘭326km)開設を発表した。航路開設時期は18年3月予定で1日1往復、毎日運航する。

 16年7月には、16年10月開設する清水〜大分航路にRORO船「北王丸」を投入し、現在「北王丸」を配船している常陸那珂〜苫小牧航路に現在建造中の「冨王丸」を投入すると発表した。

 また9月1日には、需要増大が期待されているバイオマス燃料用貨物(PKS、木質パレット等)輸送への取り組みを強化するべく、専任機関としてバイオマス関連輸送ワーキンググループを設置(10月3日付)すると発表した。

■輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期111億91百万円、第2四半期122億87百万円、第3四半期119億83百万円、第4四半期104億85百万円、営業利益が56百万円の赤字、8億59百万円、9億60百万円、5億98百万円、16年3月期は売上高が107億16百万円、114億84百万円、108億54百万円、94億44百万円、営業利益が3億円、11億87百万円、9億93百万円、8億15百万円だった。

 輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造である。16年3月期は安定した輸送量を確保したが、燃料油価格下落に伴う燃料調整金等の減少幅が大きく減収、営業利益と経常利益は円安やコスト削減効果が寄与して増益、純利益は近海部門の一部船舶に関する減損損失を計上したが増益だった。

 なお16年3月期の売上総利益は15年3月期比19.0%増加し、売上総利益率は16.6%で同3.7ポイント上昇した。販管費は同5.4%増加し、販管費比率は8.9%で同1.1ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化したが金融収支が改善した。特別損失では減損損失が増加した。ROEは3.4%で同1.2ポイント上昇、自己資本比率は61.9%で同5.6ポイント上昇した。また配当性向は49.5%だった。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同7.3%減の154億44百万円だが、営業利益が10億67百万円の赤字(前々期は13億72百万円の赤字)だった。市況低迷で減収だが、コスト削減効果などで営業赤字が縮小した。内航部門は売上高が同7.6%減の270億51百万円だが、営業利益が同16.8%増の43億63百万円だった。不定期船輸送では鉄鋼・セメントメーカー向け石灰石専用船、電力向け石炭専用船が順調だった。定期船輸送は大型船投入によるスペース拡大などで輸送量が増加した。利益面では燃料油価格下落も寄与した。

■17年3月期第1四半期は大幅減収で赤字

 今期(17年3月期)第1四半期(4〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比18.5%減の87億35百万円、営業利益が1億72百万円の赤字(前年同期は3億円の黒字)、経常利益が2億64百万円の赤字(同3億09百万円の黒字)、純利益が5億42百万円の赤字(同2億01百万円の黒字)だった。

 近海部門における輸出鋼材輸送量の減少、バルク輸送の市況低迷、内航部門のフェリー輸送におけるトラック輸送量の減少などで大幅減収となり、各利益は赤字だった。売上総利益は同33.0%減少し、売上総利益率は9.4%で同2.0ポイント低下した。販管費は同7.6%増加し、販管費比率は11.4%で同2.8ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化(前期は差益11百万円、今期は差損87百万円)した。また船隊規模適正化の一環として高コスト用船の期限前解約での返船を行い、用船契約解約金4億64百万円を特別損失に計上した。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同32.9%減の28億86百万円で営業利益が4億04百万円の赤字(前年同期は1億21百万円の赤字)だった。内航部門は売上高が同8.8%減の58億48百万円で営業利益が同45.2%減の2億31百万円だった。

■17年3月期第2四半期累計を修正、通期は据え置き

 第1四半期業績および第2四半期に予想される外部環境を考慮して、7月29日に今期(17年3月期)第2四半期累計(4〜9月)の連結業績予想を修正した。前回予想(4月28日公表)に対して売上高を1億円増額、営業利益を据え置き、経常利益を50百万円減額、純利益を3億50百万円減額した。修正後の売上高は前年同期比17.6%減の183億円、営業利益は同59.7%減の6億円、経常利益は同65.8%減の5億円、純利益は同89.6%減の1億円とした。前提は、為替レートが1ドル=105円(前回前提は1ドル=110円)で、燃料油価格がC重油3万9000円/KL(同4万円/KL)である。

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想については、前回予想(4月28日公表)を据え置いて売上高が前期(15年3月期)比11.8%減の378億円、営業利益が同63.6%減の12億円、経常利益が同63.8%減の11億50百万円、純利益が同3.7%増の8億円としている。配当予想は同5円減配の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で予想配当性向は29.4%となる。

 近海部門における市況低迷継続、内航部門における新規航路開設(16年10月清水〜大分)費用および新造船竣工に伴う償却費増加などで減収、営業減益・経常減益予想だ。純利益は減損損失が一巡して増益予想である、なお通期予想については、今後の市況動向を考慮のうえ精査を行い、必要が生じた場合には速やかに開示するとしている。

 今期の取り組みとして近海部門では、バルク輸送の高コスト船の早期返船を進めて船隊規模の適正化を図る。木材輸送や鋼材・雑貨輸送では運航効率の向上を図る。内航部門では不定期船輸送で石灰石専用船のリプレースを行い、定期船輸送では16年10月に清水〜大分の新規航路を開設する。

■中期経営計画で19年3月期ROE7.2%目指す

 16年4月策定した16年度中期経営計画では、経営目標値に19年3月期売上高433億円(近海部門122億円、内航部門311億円)、営業利益28億円(近海部門11億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益27億50百万円、純利益18億50百万円、ROE7.2%、自己資本比率58.1%、DER0.50倍を掲げた。前提の為替レートは1米ドル=110円、燃料油価格は4万3400円である。

 新造船建造等に対する3年間の合計投資額は130億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船2隻(社船と傭船)、内航部門の石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、旅客フェリー1隻(社船)の予定である。

 近海部門は極めて厳しい事業環境の中、喫緊の課題である収益改善に向けて船隊規模の適正化と積極的な貨物獲得を目指す。内航部門は不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規顧客獲得、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路開設による事業拡大を目指す。

 新規事業では、16年3月竣工した国内最高性能を誇る新造AHTSV(アンカー・ハンドリング・タグ・サプライ船)の「あかつき」の運航(オフショア・ジャパン)によって、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務を開始する。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的にはオフショア支援船業務や新航路開設も寄与して収益拡大が期待される。

■株価は下値切り上げて戻り歩調期待

 株価の動きを見ると、6月27日の年初来安値262円から徐々に下値を切り上げて調整一巡感を強めている。

 9月1日の終値282円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS27円25銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS783円16銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約83億円である。

 週足チャートで見ると戻りを押さえていた13週移動平均線突破の動きを強めている。調整一巡して戻り歩調が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[8月08日更新]

川崎近海汽船は17年3月期第1四半期は赤字だが船隊規模適正化や新規航路開設を推進

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送が主力である。17年3月期第1四半期は近海部門の市況低迷などで赤字だった。また近海部門の船腹調整に伴う特別損失計上で第2四半期累計の純利益を減額修正した。ただし中期的には近海部門の船隊規模適正化、内航部門の新規航路開設、コスト削減などで収益改善が期待される。株価は第1四半期業績を嫌気して年初来安値圏だが、売り一巡して反発のタイミングだろう。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。16年3月期の売上高構成比は近海部門が36%、内航部門が64%だった。

 中期成長に向けた新規分野として13年10月、オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。

■内航部門の新規航路開設を推進

 15年12月には、静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新規航路を16年10月に開設すると発表した。清水〜大分間を20時間で結ぶ週3便運航を予定している。トレーラーでの海陸一貫輸送によって九州と首都圏、東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。

 15年12月には当社、ネスレ日本、一般財団法人日本気象協会の3社が、気象予報を活用した海運により、日本のモーダルシフトを推進することで合意した。

 16年3月には、岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路(宮古〜室蘭326km)開設を発表した。航路開設時期は18年3月予定で1日1往復、毎日運航する。

 なお7月29日、16年10月開設する清水〜大分航路にRORO船「北王丸」を投入し、現在「北王丸」を配船している常陸那珂〜苫小牧航路に現在建造中の「冨王丸」を投入すると発表した。

■輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期111億91百万円、第2四半期122億87百万円、第3四半期119億83百万円、第4四半期104億85百万円、営業利益が56百万円の赤字、8億59百万円、9億60百万円、5億98百万円、16年3月期は売上高が107億16百万円、114億84百万円、108億54百万円、94億44百万円、営業利益が3億円、11億87百万円、9億93百万円、8億15百万円だった。

 輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造である。16年3月期は安定した輸送量を確保したが、燃料油価格下落に伴う燃料調整金等の減少幅が大きく減収、営業利益と経常利益は円安やコスト削減効果が寄与して増益、純利益は近海部門の一部船舶に関する減損損失を計上したが増益だった。

 なお16年3月期の売上総利益は15年3月期比19.0%増加し、売上総利益率は16.6%で同3.7ポイント上昇した。販管費は同5.4%増加し、販管費比率は8.9%で同1.1ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化したが金融収支が改善した。特別損失では減損損失が増加した。ROEは3.4%で同1.2ポイント上昇、自己資本比率は61.9%で同5.6ポイント上昇した。また配当性向は49.5%だった。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同7.3%減の154億44百万円だが、営業利益が10億67百万円の赤字(前々期は13億72百万円の赤字)だった。市況低迷で減収だが、コスト削減効果などで営業赤字が縮小した。内航部門は売上高が同7.6%減の270億51百万円だが、営業利益が同16.8%増の43億63百万円だった。不定期船輸送では鉄鋼・セメントメーカー向け石灰石専用船、電力向け石炭専用船が順調だった。定期船輸送は大型船投入によるスペース拡大などで輸送量が増加した。利益面では燃料油価格下落も寄与した。

■17年3月期第1四半期は大幅減収で赤字

 7月29日発表した今期(17年3月期)第1四半期(4〜6月)の連結業績は売上高が前年同期比18.5%減の87億35百万円、営業利益が1億72百万円の赤字(前年同期は3億円の黒字)、経常利益が2億64百万円の赤字(同3億09百万円の黒字)、純利益が5億42百万円の赤字(同2億01百万円の黒字)だった。

 近海部門における輸出鋼材輸送量の減少、バルク輸送の市況低迷、内航部門のフェリー輸送におけるトラック輸送量の減少などで大幅減収となり、各利益は赤字だった。売上総利益は同33.0%減少し、売上総利益率は9.4%で同2.0ポイント低下した。販管費は同7.6%増加し、販管費比率は11.4%で同2.8ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化(前期は差益11百万円、今期は差損87百万円)した。また船隊規模適正化の一環として高コスト用船の期限前解約での返船を行い、用船契約解約金4億64百万円を特別損失に計上した。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同32.9%減の28億86百万円で営業利益が4億04百万円の赤字(前年同期は1億21百万円の赤字)だった。内航部門は売上高が同8.8%減の58億48百万円で営業利益が同45.2%減の2億31百万円だった。

■17年3月期第2四半期累計を修正、通期は据え置き

 第1四半期業績および第2四半期に予想される外部環境を考慮して、7月29日に今期(17年3月期)第2四半期累計(4〜9月)の連結業績予想を修正した。前回予想(4月28日公表)に対して売上高を1億円増額、営業利益を据え置き、経常利益を50百万円減額、純利益を3億50百万円減額した。修正後の売上高は前年同期比17.6%減の183億円、営業利益は同59.7%減の6億円、経常利益は同65.8%減の5億円、純利益は同89.6%減の1億円とした。前提は、為替レートが1ドル=105円(前回前提は1ドル=110円)で、燃料油価格がC重油3万9000円/KL(同4万円/KL)である。

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想については、前回予想(4月28日公表)を据え置いて売上高が前期(15年3月期)比11.8%減の378億円、営業利益が同63.6%減の12億円、経常利益が同63.8%減の11億50百万円、純利益が同3.7%増の8億円としている。配当予想は同5円減配の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で予想配当性向は29.4%となる。

 近海部門における市況低迷継続、内航部門における新規航路開設(16年10月清水〜大分)費用および新造船竣工に伴う償却費増加などで減収、営業減益・経常減益予想だ。純利益は減損損失が一巡して増益予想である、なお通期予想ににつては、今後の市況動向を考慮のうえ精査を行い、必要が生じた場合には速やかに開示するとしている。

 今期の取り組みとして近海部門では、バルク輸送の高コスト船の早期返船を進めて船隊規模の適正化を図る。木材輸送や鋼材・雑貨輸送では運航効率の向上を図る。内航部門では不定期船輸送で石灰石専用船のリプレースを行い、定期船輸送では16年10月に清水〜大分の新規航路を開設する。

■中期経営計画で19年3月期ROE7.2%目指す

 16年4月策定した16年度中期経営計画では、経営目標値に19年3月期売上高433億円(近海部門122億円、内航部門311億円)、営業利益28億円(近海部門11億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益27億50百万円、純利益18億50百万円、ROE7.2%、自己資本比率58.1%、DER0.50倍を掲げた。前提の為替レートは1米ドル=110円、燃料油価格は4万3400円である。

 新造船建造等に対する3年間の合計投資額は130億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船2隻(社船と傭船)、内航部門の石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、旅客フェリー1隻(社船)の予定である。

 近海部門は極めて厳しい事業環境の中、喫緊の課題である収益改善に向けて船隊規模の適正化と積極的な貨物獲得を目指す。内航部門は不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規顧客獲得、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路開設による事業拡大を目指す。

 新規事業では、16年3月竣工した国内最高性能を誇る新造AHTSV(アンカー・ハンドリング・タグ・サプライ船)の「あかつき」の運航(オフショア・ジャパン)によって、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務を開始する。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的にはオフショア支援船業務や新航路開設も寄与して収益拡大が期待される。

■株価は売り一巡して反発のタイミング

 株価の動きを見ると、6月27日の年初来安値262円から一旦は反発したが、第1四半期業績を嫌気する形で反落した。

 8月5日の終値275円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS27円25銭で算出)は10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS783円16銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約81億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形になったが、売り一巡して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[7月14日更新]

川崎近海汽船は近海部門の船隊規模適正化や内航部門の新規航路開設を推進

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送が主力である。17年3月期は近海部門の市況低迷、内航部門の新規航路開設費用、定期用船契約期限前解約に伴う特別損失計上予想だが、中期的には近海部門の船隊規模適正化、内航部門の新規航路開設、コスト削減などで収益改善が期待される。株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏だが、指標面の割安感を見直して反発が期待される。なお7月29日に第1四半期業績の発表を予定している。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。16年3月期の売上高構成比は近海部門が36.3%、内航部門が63.7%だった。

 中期成長に向けた新規分野として13年10月、オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。

■内航部門の新規航路開設を推進

 15年12月には、静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新規航路を16年10月に開設すると発表した。清水〜大分間を20時間で結ぶ週3便運航を予定している。トレーラーでの海陸一貫輸送によって九州と首都圏、東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。

 15年12月には当社、ネスレ日本、一般財団法人日本気象協会の3社が、気象予報を活用した海運により、日本のモーダルシフトを推進することで合意した。

 16年3月には、岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路(宮古〜室蘭326km)開設を発表した。航路開設時期は18年3月予定で1日1往復、毎日運航する。

■営業損益は15年3月期第1四半期がボトム

 四半期別業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期111億91百万円、第2四半期122億87百万円、第3四半期119億83百万円、第4四半期104億85百万円、営業利益が56百万円の赤字、8億59百万円、9億60百万円、5億98百万円、16年3月期は売上高が107億16百万円、114億84百万円、108億54百万円、94億44百万円、営業利益が3億円、11億87百万円、9億93百万円、8億15百万円だった。

 輸送量、運賃市況、燃料油価格などが影響する収益構造である。営業損益は所有船のドック入りが集中して修繕費が増加した15年3月期第1四半期がボトムとなった。16年3月期は安定した輸送量を確保したが、燃料油価格下落に伴う燃料調整金等の減少幅が大きく減収、円安やコスト削減効果が寄与して営業増益・経常増益、純利益は近海部門の一部船舶に関する減損損失を計上したが増益だった。

 なお16年3月期の売上総利益は19.0%増加し、売上総利益率は16.6%で同3.7ポイント上昇した。販管費は5.4%増加し、販管費比率は8.9%で同1.1ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化したが金融収支が改善した。特別損失では減損損失が増加した。ROEは3.4%で同1.2ポイント上昇、自己資本比率は61.9%で同5.6ポイント上昇した。配当性向は49.5%だった。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同7.3%減の154億44百万円だが、営業利益が10億67百万円の赤字(前々期は13億72百万円の赤字)だった。市況低迷で減収だが、コスト削減効果などで営業赤字が縮小した。

 内航部門は売上高が同7.6%減の270億51百万円だったが、営業利益が同16.8%増の43億63百万円だった。不定期船輸送では鉄鋼・セメントメーカー向け石灰石専用船、電力向け石炭専用船が順調だった。定期船輸送は大型船投入によるスペース拡大などで輸送量が増加した。利益面では燃料油価格下落も寄与した。

■17年3月期は営業減益・減益予想、特別損失も計上予定

 今期(17年3月期)連結業績予想(4月28日公表)については、売上高が前期(15年3月期)比11.8%減の378億円、営業利益が同63.6%減の12億円、経常利益が同63.8%減の11億50百万円、純利益が同3.7%増の8億円としている。配当予想は同5円減配の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で予想配当性向は29.4%となる。

 近海部門における市況低迷継続、内航部門における新規航路開設(16年10月清水〜大分)費用および新造船竣工に伴う償却費増加などで減収、営業減益・経常減益予想だ。純利益は減損損失が一巡して増益予想である、前提条件は為替レートが1米ドル=110円(前期実績1米ドル=120円80銭)、燃料油価格(国内価格)が4万円(前期実績4万4738円)としている。

 今期の取り組みとして近海部門では、バルク輸送の高コスト船の早期返船を進めて船隊規模の適正化を図る。木材輸送や鋼材・雑貨輸送では運航効率の向上を図る。内航部門では不定期船輸送で石灰石専用船のリプレースを行い、定期船輸送では16年10月に清水〜大分の新規航路を開設する。

 6月3日に定期用船契約期限前解約および特別損失計上を発表した。船隊規模適正化の一環として高コスト用船の期限前解約での返船を行い、解約金額の約432万米ドル(約4億75百万円)を17年3月期第1四半期の特別損失に計上する。17年3月期業績予想については、今後の市況動向も考慮のうえ精査を行い、必要が生じた場合、速やかに開示するとしている。

■中期経営計画で19年3月期ROE7.2%目指す

 16年4月策定した16年度中期経営計画では、経営目標値に19年3月期売上高433億円(近海部門122億円、内航部門311億円)、営業利益28億円(近海部門11億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益27億50百万円、純利益18億50百万円、ROE7.2%、自己資本比率58.1%、DER0.50倍を掲げた。前提の為替レートは1米ドル=110円、燃料油価格は4万3400円である。

 新造船建造等に対する3年間の合計投資額は130億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船2隻(社船と傭船)、内航部門の石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、旅客フェリー1隻(社船)の予定である。

 近海部門は極めて厳しい事業環境の中、喫緊の課題である収益改善に向けて船隊規模の適正化と積極的な貨物獲得を目指す。内航部門は不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規顧客獲得、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路開設による事業拡大を目指す。

 新規事業では、16年3月竣工した国内最高性能を誇る新造AHTSV(アンカー・ハンドリング・タグ・サプライ船)の「あかつき」の運航(オフショア・ジャパン)によって、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務を開始する。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的にはオフショア支援船業務や新航路開設も寄与して収益拡大が期待される。

■株価は年初来安値圏だが割安感を見直し

 株価の動きを見ると、地合い悪化も影響して6月27日に年初来安値262円まで調整したが、その後は切り返す動きだ。

 7月12日の終値282円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS27円25銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS783円16銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約83億円である。

 週足チャートで見ると6月安値の下ヒゲで調整一巡感を強めている。指標面の割安感を見直して反発が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[6月21日更新]

川崎近海汽船は年初来安値更新だがほぼ底値圏

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送が主力である。17年3月期は近海部門の市況低迷継続や内航部門の新規航路開設費用などで営業減益・減配予想だ。定期用船契約期限前解約に伴う特別損失計上も発表した。株価は年初来安値を更新する展開だが、指標面の割安感も強くほぼ底値面だろう。失望売り一巡や悪材料出尽くしで反発が期待される。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。16年3月期の売上構成比は近海部門が36.3%、内航部門が63.7%だった。

 中期成長に向けた新規分野として13年10月、オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。

■新規航路開設も積極化

 15年12月には、静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新規航路を16年10月に開設すると発表した。清水〜大分間を20時間で結ぶ週3便運航を予定している。トレーラーでの海陸一貫輸送によって九州と首都圏、東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。

 15年12月には、当社、ネスレ日本、一般財団法人日本気象協会の3社が、気象予報を活用した海運により、日本のモーダルシフトを推進することで合意した。

 16年3月には、岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路(宮古〜室蘭326km)開設を発表した。航路開設時期は18年3月予定で1日1往復、毎日運航する。

■15年3月期第1四半期をボトムに営業損益改善基調

 15年3月期の四半期別推移を見ると売上高は第1四半期(4〜6月)111億91百万円、第2四半期(7〜9月)122億87百万円、第3四半期(10〜12月)119億83百万円、第4四半期(1〜3月)104億85百万円、営業利益は第1四半期56百万円の赤字、第2四半期8億59百万円、第3四半期9億60百万円、第4四半期5億98百万円だった。

 所有船のドック入りが集中して修繕費が増加した第1四半期をボトムとして、営業損益は改善基調である。また15年3月期の売上総利益率は12.9%で14年3月期比0.7ポイント上昇、販管費比率は7.8%で同横ばい、ROEは2.2%で同0.2ポイント低下、自己資本比率は56.3%で同3.6ポイント上昇した。配当性向は57.8%だった。

■16年3月期は計画超の大幅営業増益

 前期(16年3月期)連結業績は売上高が前々期(15年3月期)比7.5%減の424億98百万円、営業利益が同39.5%増の32億95百万円、経常利益が同30.3%増の31億78百万円、純利益が同52.0%増の7億71百万円だった。

 安定した輸送量を確保したが、燃料油価格下落に伴う燃料調整金等の減少幅が大きく減収となった。ただし円安やコスト削減効果も寄与して営業利益と経常利益は計画超の大幅増益だった。純利益は近海船の一部船舶に関して減損損失22億03百万円計上したため計画を下回ったが大幅増益だった。

 売上総利益は19.0%増加し、売上総利益率は16.6%で同3.7ポイント上昇した。販管費は5.4%増加し、販管費比率は8.9%で同1.1ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化(前々期は差益1億21百万円計上、前期は差損73百万円計上)したが、金融収支が改善(前々期81百万円の赤字、前期44百万円の赤字)した。特別利益では固定資産売却益が減少(前々期2億99百万円計上、前期2億40百万円計上)した。特別損失では減損損失が増加(前々期17億71百万円計上、前期22億03百万円計上)した。ROEは3.4%で同1.2ポイント上昇、自己資本比率は61.9%で同5.6ポイント上昇した。配当は同3円増配の年間13円(第2四半期末6円、期末7円=普通配当5円+創立50周年記念配当2円)で配当性向は49.5%だった。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同7.3%減の154億44百万円だが、営業利益が10億67百万円の赤字(前々期は13億72百万円の赤字)で赤字が縮小した。バルク輸送で石炭・スラグ等の年度契約、木材輸送でバイオマス発電関連、鋼材・雑貨輸送で合い積み貨物取り込みなど安定した輸送量を確保したが、市況低迷継続で減収だった。利益面では高コスト船が収支を圧迫したが、コスト削減効果などで営業赤字が縮小した。

 内航部門は売上高が同7.6%減の270億51百万円だったが、営業利益が同16.8%増の43億63百万円だった。不定期船輸送では鉄鋼・セメントメーカー向け石灰石専用船、電力向け石炭専用船が順調だった。定期船輸送は大型船投入によるスペース拡大や、苫小牧航路における休日臨時運航などで輸送量が増加した。フェリー輸送は宅配貨物や食料工業品を中心に輸送量が増加した。旅客および乗用車も増加した。利益面では燃料油価格下落も寄与した。

 四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4〜6月)107億16百万円、第2四半期(7〜9月)114億84百万円、第3四半期(10〜12月)108億54百万円、第4四半期(1〜3月)94億44百万円、営業利益は第1四半期3億円、第2四半期11億87百万円、第3四半期9億93百万円、第4四半期8億15百万円だった。

■17年3月期は営業減益・減益予想

 今期(17年3月期)連結業績予想(4月28日公表)については、売上高が前期(15年3月期)比11.8%減の378億円、営業利益が同63.6%減の12億円、経常利益が同63.8%減の11億50百万円、純利益が同3.7%増の8億円としている。配当予想は同5円減配の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で予想配当性向は29.4%となる。

 近海部門における市況低迷継続、内航部門における新規航路開設(16年10月清水〜大分)費用および新造船竣工に伴う償却費増加などで減収、営業減益・経常減益予想だ。純利益は減損損失が一巡して増益予想である、前提条件は為替レートが1米ドル=110円(前期実績1米ドル=120円80銭)、燃料油価格(国内価格)が4万円(前期実績4万4738円)としている。

 今期の取り組みとして近海部門では、バルク輸送で高コスト船が収支を押し下げる要因となっているため、高コスト船の早期返船を進めて船隊規模の適正化を図る。木材輸送や鋼材・雑貨輸送では運航効率の向上を図る。内航部門では、不定期船輸送で石灰石専用船のリプレースを行い、定期船輸送では16年10月に清水〜大分の新規航路を開設する。

 なお6月3日に定期用船契約期限前解約および特別損失計上を発表した。船隊規模適正化の一環として、高コスト用船の期限前解約での返船で船主と合意した。解約金額の約432万米ドル(約4億75百万円)を17年3月期第1四半期の特別損失に計上する。17年3月期業績予想については、今後の市況動向も考慮のうえ精査を行い、必要が生じた場合、速やかに開示するとしている。

■中期経営計画で19年3月期ROE7.2%目指す

 16年4月策定した16年度中期経営計画では、経営目標値に19年3月期売上高433億円(近海部門122億円、内航部門311億円)、営業利益28億円(近海部門11億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益27億50百万円、純利益18億50百万円、ROE7.2%、自己資本比率58.1%、DER0.50倍を掲げた。前提の為替レートは1米ドル=110円、燃料油価格は4万3400円である。

 新造船建造等に対する3年間の合計投資額は130億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船2隻(社船と傭船)、内航部門の石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、旅客フェリー1隻(社船)の予定である。

 近海部門は極めて厳しい事業環境の中、喫緊の課題である収益改善に向けて船隊規模の適正化と積極的な貨物獲得を目指す。内航部門は、不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規顧客獲得、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路開設による事業拡大を目指す。

 新規事業では、16年3月竣工した国内最高性能を誇る新造AHTSV(アンカー・ハンドリング・タグ・サプライ船)の「あかつき」の運航(オフショア・ジャパン)によって、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務を開始する。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的にはオフショア支援船業務や新航路開設も寄与して収益拡大が期待される。

■株価は年初来安値更新だがほぼ底値圏、指標面に割安感

 株価の動きを見ると、地合い悪化も影響して年初来安値を更新する展開だ。6月16日と17日には268円まで調整した。13年9月以来の安値水準である。

 6月20日の終値273円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS27円25銭で算出)は10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS783円16銭で算出)は0.3倍近辺である。時価総額は約81億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線に対するマイナス乖離率が拡大した。指標面の割安感も強くほぼ底値圏だろう。失望売り一巡や悪材料出尽くしで反発が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[5月18日更新]

川崎近海汽船は17年3月期大幅営業減益・減配予想だが、やや保守的で上振れ余地

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力として、新規航路の開設や新規分野への進出を積極化している。17年3月期は近海部門の市況低迷継続や内航部門の新規航路開設費用などで大幅営業減益・減配予想だが、やや保守的な印象が強く上振れ余地があるだろう。株価は年初来安値を更新する展開だが、指標面の割安感は強くほぼ底値面と考えられる。売り一巡して反発のタイミングだろう。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。16年3月期の売上構成比は近海部門が36.3%、内航部門が63.7%だった。

 中期成長に向けた新規分野として13年10月、オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。

■新規航路開設も積極化

 15年12月には、静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新規航路を16年10月に開設すると発表した。清水〜大分間を20時間で結ぶ週3便運航を予定している。トレーラーでの海陸一貫輸送によって九州と首都圏、東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。

 15年12月には、当社、ネスレ日本、一般財団法人日本気象協会の3社が、気象予報を活用した海運により、日本のモーダルシフトを推進することで合意した。

 16年3月には、岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路(宮古〜室蘭326km)開設を発表した。航路開設時期は18年3月予定で1日1往復、毎日運航する。宮古港、室蘭港とも近隣に国立公園など観光資源が豊富なため旅客需要も期待できるとしている。

■15年3月期第1四半期をボトムに営業損益改善基調

 なお15年3月期の四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)111億91百万円、第2四半期(7月〜9月)122億87百万円、第3四半期(10月〜12月)119億83百万円、第4四半期(1月〜3月)104億85百万円、営業利益は第1四半期56百万円の赤字、第2四半期8億59百万円、第3四半期9億60百万円、第4四半期5億98百万円だった。

 所有船のドック入りが集中して修繕費が増加した第1四半期をボトムとして、営業損益は改善基調である。また15年3月期の売上総利益率は12.9%で14年3月期比0.7ポイント上昇、販管費比率は7.8%で同横ばい、ROEは2.2%で同0.2ポイント低下、自己資本比率は56.3%で同3.6ポイント上昇した。配当性向は57.8%だった。

■16年3月期は計画超の大幅営業増益

 4月28日発表した前期(16年3月期)の連結業績(4月25日に特別損失計上発表)は、売上高が前々期(15年3月期)比7.5%減の424億98百万円、営業利益が同39.5%増の32億95百万円、経常利益が同30.3%増の31億78百万円、純利益が同52.0%増の7億71百万円だった。

 計画(10月30日に売上高を減額、利益を増額)に対して、売上高は5億02百万円下回った。安定した輸送量を確保したが、燃料油価格下落に伴う燃料調整金等の減少幅が大きく減収となった。ただし円安やコスト削減効果も寄与して営業利益は6億45百万円、経常利益は5億78百万円それぞれ上回り、大幅増益だった。純利益は、ドライバルク市況低迷により、近海船の一部船舶に関して減損損失22億03百万円計上したため、計画を9億79百万円下回った。ただし大幅増益だった。

 売上総利益は19.0%増加し、売上総利益率は16.6%で同3.7ポイント上昇した。販管費は5.4%増加し、販管費比率は8.9%で同1.1ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化(前々期は差益1億21百万円計上、前期は差損73百万円計上)したが、金融収支が改善(前々期81百万円の赤字、前期44百万円の赤字)した。特別利益では固定資産売却益が減少(前々期2億99百万円計上、前期2億40百万円計上)した。特別損失では減損損失が増加(前々期17億71百万円計上、前期22億03百万円計上)した。

 セグメント別動向を見ると、近海部門は売上高が同7.3%減の154億44百万円だったが、営業利益が10億67百万円の赤字(前々期は13億72百万円の赤字)で赤字が縮小した。売上面は、バルク輸送で石炭・スラグ等の年度契約、木材輸送でバイオマス発電関連、鋼材・雑貨輸送で合い積み貨物取り込みなど安定した輸送量を確保したが、市況低迷継続で減収だった。利益面では高コスト船が収支を圧迫したが、コスト削減効果などで営業赤字が縮小した。

 内航部門は売上高が同7.6%減の270億51百万円だったが、営業利益が同16.8%増の43億63百万円だった。不定期船輸送では鉄鋼・セメントメーカー向け石灰石専用船、電力向け石炭専用船が順調だった。定期船輸送は大型船投入によるスペース拡大や、苫小牧航路における休日臨時運航などで輸送量が増加した。フェリー輸送は宅配貨物や食料工業品を中心に輸送量が増加した。旅客および乗用車も増加した。利益面では燃料油価格下落も寄与した。

 配当については、4月25日に創立50周年記念配当2円を実施すると発表し、同3円増配の年間13円(第2四半期末6円、期末7円=普通配当5円+危難配当2円)とした。配当性向は49.5%となる。ROEは3.4%で同1.2ポイント上昇、自己資本比率は61.9%で同5.6ポイント上昇した。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)107億16百万円、第2四半期(7月〜9月)114億84百万円、第3四半期(10月〜12月)108億54百万円、第4四半期(1月〜3月)94億44百万円、営業利益は第1四半期3億円、第2四半期11億87百万円、第3四半期9億93百万円、第4四半期8億15百万円だった。

■17年3月期は大幅営業減益・減益予想だが上振れ余地

 今期(17年3月期)連結業績予想(4月28日公表)については、売上高が前期(15年3月期)比11.8%減の378億円、営業利益が同63.6%減の12億円、経常利益が同63.8%減の11億50百万円、純利益が同3.7%増の8億円としている。配当予想は同5円減配の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)で、予想配当性向は29.4%となる。

 近海部門における市況低迷継続、内航部門における新規航路開設(16年10月清水〜大分)費用および新造船竣工に伴う償却費増加などで減収、大幅営業減益・経常減益予想だ。純利益は減損損失が一巡して増益予想である、なお前提条件は、為替レートが1米ドル=110円(前期実績1米ドル=120円80銭)、燃料油価格(国内価格)が4万円(前期実績4万4738円)としている。

 今期の取り組みとして近海部門では、バルク輸送で高コスト船が収支を押し下げる要因となっているため、高コスト船の早期返船を進めて船隊規模の適正化を図る。木材輸送や鋼材・雑貨輸送では運航効率の向上を図る。内航部門では、不定期船輸送で石灰石専用船のリプレースを行い、定期船輸送では16年10月に清水〜大分の新規航路を開設する。

 大幅営業減益予想だが、全体としてやや保守的な印象が強いため、上振れ余地があるだろう。

■中期経営計画で19年3月期ROE7.2%目指す

 16年4月策定した16年度中期経営計画では、経営目標値に19年3月期売上高433億円(近海部門122億円、内航部門311億円)、営業利益28億円(近海部門11億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益27億50百万円、純利益18億50百万円、ROE7.2%、自己資本比率58.1%、DER0.50倍を掲げた。前提の為替レートは1米ドル=110円、燃料油価格は4万3400円である。

 新造船建造等に対する3年間の合計投資額は130億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船2隻(社船と傭船)、内航部門の石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、旅客フェリー1隻(社船)の予定である。

 近海部門は極めて厳しい事業環境の中、喫緊の課題である収益改善に向けて船隊規模の適正化と積極的な貨物獲得を目指す。内航部門は、不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規顧客獲得、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路開設による事業拡大を目指す。

 新規事業では、16年3月竣工した国内最高性能を誇る新造AHTSV(アンカー・ハンドリング・タグ・サプライ船)の「あかつき」の運航(オフショア・ジャパン)によって、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務を開始する。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的にはオフショア支援船業務や新航路開設も寄与して収益拡大が期待される。

■株価は年初来安値更新だが売られ過ぎ感

 株価の動きを見ると、17年3月期の大幅減益・減配予想を嫌気して急落し、年初来安値を更新する展開だ。5月17日には286円まで調整した。ただし上振れ余地があることを考慮すれば売られ過ぎ感が強い。

 5月17日の終値286円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS27円25銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS783円16銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約84億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえ、再び13週移動平均線を割り込んだ。ただし指標面の割安感は強くほぼ底値面と考えられる。売り一巡して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月13日更新]

川崎近海汽船は調整一巡して出直り、17年3月期も増益基調期待

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力として、新航路の開設や新規分野への進出を積極化している。原油価格下落メリットなどで17年3月期も増益基調が期待される。株価は3月の戻り高値圏から反落したが、5〜6倍近辺の低PER、3%台の高配当利回り、0.4倍近辺の低PBRと指標面の割安感は強い。調整が一巡して出直り展開だろう。なお4月29日に16年3月期決算発表を予定している。

■近海輸送と内航輸送を展開、新規分野のオフショア支援船は16年竣工予定

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。

 中期成長に向けた新規分野として13年10月オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。

■新規航路開設も積極化

 15年12月、静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新規航路を16年10月に開設すると発表した。清水〜大分間を20時間で結ぶ週3便運航を予定している。トレーラーでの海陸一貫輸送によって九州と首都圏、東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。

 また15年12月には当社、ネスレ日本、一般財団法人日本気象協会の3社が、気象予報を活用した海運により、日本のモーダルシフトを推進することで合意した。

 16年3月には岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路(宮古〜室蘭326km)の開設を発表した。航路開設時期は18年3月予定で1日1往復、毎日運航する。宮古港、室蘭港とも近隣に国立公園など観光資源が豊富なため旅客需要も期待できるとしている。

■修繕費が増加した15年3月期第1四半期をボトムに営業損益改善基調

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)111億91百万円、第2四半期(7月〜9月)122億87百万円、第3四半期(10月〜12月)119億83百万円、第4四半期(1月〜3月)104億85百万円、営業利益は第1四半期56百万円の赤字、第2四半期8億59百万円、第3四半期9億60百万円、第4四半期5億98百万円だった。

 所有船のドック入りが集中して修繕費が増加した第1四半期をボトムとして、営業損益は改善基調である。また15年3月期の売上総利益率は12.9%で14年3月期比0.7ポイント上昇、販管費比率は7.8%で同横ばい、ROEは2.2%で同0.2ポイント低下、自己資本比率は56.3%で同3.6ポイント上昇した。配当性向は57.8%だった。

■16年3月期第3四半期累計は大幅増益

 前期(16年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比6.8%減の330億54百万円、営業利益が同40.7%増の24億80百万円、経常利益が同32.6%増の24億40百万円、純利益が同22.8%増の16億円だった。

 ドライバルク市況の低迷が続く外航海運は厳しい事業環境で、燃料油価格下落に伴う燃料調整金の減少などで減収だったが、全体として安定した輸送量を確保し、為替の円安、燃料油価格の下落、積極的な営業展開、コスト削減効果などが寄与して大幅増益だった。

 なお売上総利益率は15.9%で同3.4ポイント上昇、販管費比率は8.4%で同0.9ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化(前期は差益1億30百万円計上、今期は差損14百万円計上)したが、金融収支が改善(前期は60百万円の赤字、今期は29百万円の赤字)した。特別利益では固定資産売却益2億99百万円が一巡したが、特別損失では減損損失14百万円、用船契約解約金38百万円が一巡した。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同4.8%減の122億89百万円、営業利益が7億42百万円の赤字(前年同期は9億92百万円の赤字)だった。バルク輸送の荷動き低迷や市況低迷の継続などで減収だったが、コスト削減効果などで営業赤字が縮小した。

 内航部門は売上高が同7.9%減の207億62百万円、営業利益が同17.0%増の32億23百万円だった。不定期船輸送では小型貨物船の市況低迷が続いたが、鉄鋼やセメント向け専用船が順調だった。定期船輸送で大型船投入によるスペース拡大を活用した営業展開や繁忙期の休日臨時運航などが奏功した。フェリー輸送では宅配貨物などの活発な荷動きでトラック輸送が好調だった。

 四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)107億16百万円、第2四半期(7月〜9月)114億84百万円、第3四半期(10月〜12月)108億54百万円、営業利益は第1四半期3億円、第2四半期11億87百万円、第3四半期9億93百万円だった。

■16年3月期通期は再増額の可能性、17年3月期も増益基調期待

 前期(16年3月期)通期の連結業績予想(10月30日に売上高を減額、利益を増額)は、売上高が前期比6.4%減の430億円で、営業利益が同12.2%増の26億50百万円、経常利益が同6.6%増の26億円、純利益が同3.4倍の17億50百万円としている。配当予想(10月30日に増額)は同1円増配の年間11円(第2四半期末6円、期末5円)で、予想配当性向は18.5%となる。

 前提条件は、為替レートが1米ドル=120円(前期実績1米ドル=108円13銭)、燃料油価格がC重油4万6300円(前期実績6万8175円)としている。

 なお3月8日に固定資産譲渡と特別利益発生を発表した。船隊整備計画の一環として老齢船を処分し、連結子会社TROPICAL LINEが保有する固定資産(船舶一隻)を売却する。譲渡価格約3億51百万円、譲渡益約2億42百万円で、16年3月期の特別利益に計上する。16年3月期業績に与える影響については、修正が必要と判断される場合は速やかに開示するとしている。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が76.9%、営業利益が93.6%、経常利益が93.9%、純利益が91.4%と高水準である。第4四半期における季節波動や近海航路での市況低迷などを勘案して通期会社予想を据え置いたが、円安や原油価格下落メリットなどに加えて、特別利益の発生も考慮すれば通期会社予想は再増額の可能性が高いだろう。そして17年3月期も増益基調が期待される。

■中期経営計画で18年3月期ROE8.9%を目指す

 15年4月に策定した15年度中期経営計画では、経営目標値として18年3月期の売上高495億円(近海部門175億円、内航部門320億円)、営業利益34億円(近海部門5億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益35億円、純利益24億円、ROE8.9%、自己資本比率61.1%、DER0.45倍を掲げている。前提の為替レートは1米ドル=120円、燃料油価格は7万1500円である。

 新造船建造等に対する3年間の合計投資額は133億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船1隻(社船または傭船)、内航部門の石炭船一隻(傭船)、一般貨物船1隻(傭船)、石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、新規事業のオフショア船1隻(共有船)の予定である。

 近海部門では、喫緊の課題である収益改善に向けて、適正な船隊規模による効率配船と新規顧客の獲得を目指す。内航部門では、不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規貨物開拓、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路の開設を進める方針だ。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的にはオフショア支援船業務や新航路開設も寄与して収益拡大が期待される。

■株価は調整一巡して出直り

 株価の動きを見ると、3月28日の戻り高値336円から反落して4月8日と11日の305円まで調整したが、2月安値293円まで下押す動きは見られない。調整が一巡したようだ。

 4月12日の終値311円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS59円61銭で算出)は5〜6倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間11円で算出)は3.5%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS784円66銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約92億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形で反落したが、5〜6倍近辺の低PER、3%台の高配当利回り、0.4倍近辺の低PBRと指標面の割安感は強い。調整が一巡して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月22日更新]

川崎近海汽船は調整一巡して出直り、16年3月期業績予想は再増額の可能性

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。3月7日には宮古〜室蘭航路の開設、8日には特別利益(船舶譲渡益)発生を発表している。16年3月期業績予想は原油価格下落メリットなどで再増額の可能性が高いだろう。株価は2月の昨年来安値から切り返している。5〜6倍近辺の低PER、3%台の高配当利回り、0.4倍近辺の低PBRと指標面の割安感は強い。調整が一巡して出直り展開だろう。

■近海輸送と内航輸送を展開、新規分野のオフショア支援船は16年竣工予定

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。

 中期成長に向けた新規分野として、13年10月オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。オフショア支援船は16年2月竣工予定だ。

■新規航路開設も積極化

 15年12月には静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新規航路を16年10月に開設すると発表した。清水〜大分間を20時間で結ぶ週3便運航を予定している。トレーラーでの海陸一貫輸送によって九州と首都圏、東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。

 また15年12月には当社、ネスレ日本、一般財団法人日本気象協会の3社が、気象予報を活用した海運により、日本のモーダルシフトを推進することで合意したと発表している。

 3月7日には宮古〜室蘭(326km)航路開設を発表した。岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路を開設するべく15年3月から検討を続けてきたが、正式決定した。航路開設時期は18年3月予定で1日1往復、毎日運航する。宮古港、室蘭港とも近隣に国立公園など観光資源が豊富なため旅客需要も期待できるとしている。

■修繕費が増加した15年3月期第1四半期をボトムに営業損益改善基調

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)111億91百万円、第2四半期(7月〜9月)122億87百万円、第3四半期(10月〜12月)119億83百万円、第4四半期(1月〜3月)104億85百万円、営業利益は第1四半期56百万円の赤字、第2四半期8億59百万円、第3四半期9億60百万円、第4四半期5億98百万円だった。

 所有船のドック入りが集中して修繕費が増加した第1四半期をボトムとして、営業損益は改善基調である。また15年3月期の売上総利益率は12.9%で14年3月期比0.7ポイント上昇、販管費比率は7.8%で同横ばい、ROEは2.2%で同0.2ポイント低下、自己資本比率は56.3%で同3.6ポイント上昇した。配当性向は57.8%だった。

■16年3月期第2四半期累計は大幅増益

 今期(16年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比6.8%減の330億54百万円、営業利益が同40.7%増の24億80百万円、経常利益が同32.6%増の24億40百万円、純利益が同22.8%増の16億円だった。

 ドライバルク市況の低迷が続く外航海運は厳しい事業環境で、燃料油価格下落に伴う燃料調整金の減少などで減収だったが、全体として安定した輸送量を確保し、為替の円安、燃料油価格の下落、積極的な営業展開、コスト削減効果などが寄与して大幅増益だった。

 なお売上総利益率は15.9%で同3.4ポイント上昇、販管費比率は8.4%で同0.9ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化(前期は差益1億30百万円計上、今期は差損14百万円計上)したが、金融収支が改善(前期は60百万円の赤字、今期は29百万円の赤字)した。特別利益では固定資産売却益2億99百万円が一巡したが、特別損失では減損損失14百万円、用船契約解約金38百万円が一巡した。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同4.8%減の122億89百万円、営業利益が7億42百万円の赤字(前年同期は9億92百万円の赤字)だった。バルク輸送の荷動き低迷や市況低迷の継続などで減収だったが、コスト削減効果などで営業赤字が縮小した。

 内航部門は売上高が同7.9%減の207億62百万円、営業利益が同17.0%増の32億23百万円だった。不定期船輸送では小型貨物船の市況低迷が続いたが、鉄鋼やセメント向け専用船が順調だった。定期船輸送で大型船投入によるスペース拡大を活用した営業展開や繁忙期の休日臨時運航などが奏功した。フェリー輸送では宅配貨物などの活発な荷動きでトラック輸送が好調だった。

 四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)107億16百万円、第2四半期(7月〜9月)114億84百万円、第3四半期(10月〜12月)108億54百万円、営業利益は第1四半期3億円、第2四半期11億87百万円、第3四半期9億93百万円だった。

■16年3月期業績予想は原油価格下落メリットなどで再増額の可能性

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想(10月30日に売上高を減額、利益を増額)は、売上高が前期比6.4%減の430億円で、営業利益が同12.2%増の26億50百万円、経常利益が同6.6%増の26億円、純利益が同3.4倍の17億50百万円としている。配当予想(10月30日に増額)は同1円増配の年間11円(第2四半期末6円、期末5円)で、予想配当性向は18.5%となる。

 なお第3四半期以降の前提条件については、為替レートが1米ドル=120円(前期実績1米ドル=108円13銭)、燃料油価格がC重油4万6300円(前期実績6万8175円)としている。

 また3月8日に固定資産譲渡と特別利益発生を発表した。船隊整備計画の一環として老齢船を処分し、連結子会社TROPICAL LINEが保有する固定資産(船舶一隻)を売却する。譲渡価格約3億51百万円、譲渡益約2億42百万円で、16年3月期の特別利益に計上する。16年3月期業績に与える影響については、修正が必要と判断される場合は速やかに開示するとしている。

 なお通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が76.9%、営業利益が93.6%、経常利益が93.9%、純利益が91.4%と高水準である。第4四半期における季節波動や近海航路での市況低迷などを勘案して通期会社予想を据え置いたが、円安や原油価格下落メリットなどに加えて、特別利益の発生も考慮すれば通期会社予想は再増額の可能性が高いだろう。

■中期経営計画で18年3月期ROE8.9%を目指す

 15年4月に策定した15年度中期経営計画では、経営目標値として18年3月期の売上高495億円(近海部門175億円、内航部門320億円)、営業利益34億円(近海部門5億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益35億円、純利益24億円、ROE8.9%、自己資本比率61.1%、DER0.45倍を掲げている。前提の為替レートは1米ドル=120円、燃料油価格は7万1500円である。

 新造船建造等に対する3年間の合計投資額は133億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船1隻(社船または傭船)、内航部門の石炭船一隻(傭船)、一般貨物船1隻(傭船)、石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、新規事業のオフショア船1隻(共有船)の予定である。

 近海部門では、喫緊の課題である収益改善に向けて、適正な船隊規模による効率配船と新規顧客の獲得を目指す。内航部門では、不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規貨物開拓、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路の開設を進める方針だ。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的にはオフショア支援船業務や新航路開設も寄与して収益拡大が期待される。

■株価は調整一巡して切り返し

 株価の動きを見ると、2月12日の昨年来安値293円から切り返しの動きを強めている。3月16日には327円まで上伸した。調整が一巡したようだ。

 3月18日の終値321円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円61銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間11円で算出)は3.4%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS784円66銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約95億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を突破し、25日移動平均線が上向きに転じた。また週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。5〜6倍近辺の低PER、3%台の高配当利回り、0.4倍近辺の低PBRと指標面の割安感は強い。調整が一巡して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[02月01日更新]

川崎近海汽船の16年3月期第3四半期累計は大幅増益、原油価格下落で通期再増額の可能性

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。1月29日に発表した16年3月期第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は大幅増益だった。原油価格下落メリットなどで通期業績予想は再増額の可能性が高いだろう。株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、5〜6倍近辺の低PER、3%台の高配当利回り、0.4倍近辺の低PBRと指標面の割安感も強い。調整が一巡して出直り展開だろう。

■近海輸送と内航輸送を展開、新規分野のオフショア支援船は16年竣工予定

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。

 中期成長に向けた新規分野として、13年10月オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。オフショア支援船は16年2月竣工予定だ。

■新規航路開設も積極化

 15年3月には、18年春予定で岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路を開設するべく検討を開始した。宮古港、室蘭港とも近隣に国立公園など観光資源が豊富なため旅客需要も期待できるとしている。

 15年12月には静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新規航路を16年10月に開設すると発表した。清水〜大分間を20時間で結ぶ週3便運航を予定している。トレーラーでの海陸一貫輸送によって九州と首都圏、東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。

 また15年12月には当社、ネスレ日本、一般財団法人日本気象協会の3社が、気象予報を活用した海運により、日本のモーダルシフトを推進することで合意したと発表している。

■修繕費が増加した15年3月期第1四半期をボトムに営業損益改善基調

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)111億91百万円、第2四半期(7月〜9月)122億87百万円、第3四半期(10月〜12月)119億83百万円、第4四半期(1月〜3月)104億85百万円、営業利益は第1四半期56百万円の赤字、第2四半期8億59百万円、第3四半期9億60百万円、第4四半期5億98百万円だった。

 所有船のドック入りが集中して修繕費が増加した第1四半期をボトムとして、営業損益は改善基調である。また15年3月期の売上総利益率は12.9%で14年3月期比0.7ポイント上昇、販管費比率は7.8%で同横ばい、ROEは2.2%で同0.2ポイント低下、自己資本比率は56.3%で同3.6ポイント上昇した。配当性向は57.8%だった。

■16年3月期第2四半期累計は大幅増益

 1月29日に発表した今期(16年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比6.8%減の330億54百万円だったが、営業利益が同40.7%増の24億80百万円、経常利益が同32.6%増の24億40百万円、純利益が同22.8%増の16億円だった。

 ドライバルク市況の低迷が続く外航海運は厳しい事業環境で、燃料油価格下落に伴う燃料調整金の減少などで減収だったが、全体として安定した輸送量を確保し、為替の円安、燃料油価格の下落、積極的な営業展開、コスト削減効果などが寄与して大幅増益だった。

 なお売上総利益率は15.9%で同3.4ポイント上昇、販管費比率は8.4%で同0.9ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化(前期は差益1億30百万円計上、今期は差損14百万円計上)したが、金融収支が改善(前期は60百万円の赤字、今期は29百万円の赤字)した。特別利益では固定資産売却益2億99百万円が一巡したが、特別損失では減損損失14百万円、用船契約解約金38百万円が一巡した。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同4.8%減の122億89百万円、営業利益が7億42百万円の赤字(前年同期は9億92百万円の赤字)だった。バルク輸送の荷動き低迷や市況低迷の継続などで減収だったが、コスト削減効果などで営業赤字が縮小した。

 内航部門は売上高が同7.9%減の207億62百万円、営業利益が同17.0%増の32億23百万円だった。不定期船輸送では小型貨物船の市況低迷が続いたが、鉄鋼やセメント向け専用船が順調だった。定期船輸送で大型船投入によるスペース拡大を活用した営業展開や繁忙期の休日臨時運航などが奏功した。フェリー輸送では宅配貨物などの活発な荷動きでトラック輸送が好調だった。

 四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)107億16百万円、第2四半期(7月〜9月)114億84百万円、第3四半期(10月〜12月)108億54百万円、営業利益は第1四半期3億円、第2四半期11億87百万円、第3四半期9億93百万円だった。

■16年3月期業績予想は原油価格下落メリットなどで再増額の可能性

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想については、前回予想(10月30日に売上高を減額、利益を増額)を据え置いて、売上高が前期比6.4%減の430億円で、営業利益が同12.2%増の26億50百万円、経常利益が同6.6%増の26億円、純利益が同3.4倍の17億50百万円としている。

 なお第3四半期以降の前提条件については、為替レートが1米ドル=120円(前期実績1米ドル=108円13銭)、燃料油価格がC重油4万6300円(前期実績6万8175円)としている。

 配当予想も前回予想(10月30日に増額)を据え置いて、同1円増配の年間11円(第2四半期末6円、期末5円)としている。予想配当性向は18.5%となる。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が76.9%、営業利益が93.6%、経常利益が93.9%、純利益が91.4%と高水準である。第4四半期における季節波動や近海航路での市況低迷などを勘案して通期会社予想を据え置いたが、円安や原油価格下落メリットなどで通期会社予想は再増額の可能性が高いだろう。

■中期経営計画で18年3月期ROE8.9%を目指す

 15年4月に発表した15年度中期経営計画では、経営目標値として18年3月期の売上高495億円(近海部門175億円、内航部門320億円)、営業利益34億円(近海部門5億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益35億円、純利益24億円、ROE8.9%、自己資本比率61.1%、DER0.45倍を掲げている。前提の為替レートは1米ドル=120円、燃料油価格は7万1500円である。

 新造船建造等に対する3年間の合計投資額は133億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船1隻(社船または傭船)、内航部門の石炭船一隻(傭船)、一般貨物船1隻(傭船)、石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、新規事業のオフショア船1隻(共有船)の予定である。

 近海部門では、喫緊の課題である収益改善に向けて、適正な船隊規模による効率配船と新規顧客の獲得を目指す。内航部門では、不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規貨物開拓、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路の開設を進める方針だ。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的にはオフショア支援船業務や新航路開設も寄与して収益拡大が期待される。

■株価は調整一巡して出直り

 株価の動きを見ると、地合い悪化の影響を受ける場面があったが、1月18日の直近安値332円から切り返して29日には349円まで上伸した。調整が一巡したようだ。

 1月29日の終値348円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円61銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間11円で算出)は3.2%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS784円66銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約103億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。5〜6倍近辺の低PER、3%台の高配当利回り、0.4倍近辺の低PBRと指標面の割安感も強い。調整が一巡して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[01月05日更新]

川崎近海汽船は原油価格下落メリットなどで16年3月期業績予想は再増額含み

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を展開している。原油価格下落メリットなどで16年3月期業績予想は再増額含みである。5〜6倍近辺の低PER、3%近辺の高配当利回り、0.4倍近辺の低PBRと指標面の割安感も強い。株価は11月の戻り高値圏から反落したが自律調整が一巡して出直り展開だろう。

■近海輸送と内航輸送を展開、新規分野のオフショア支援船は16年竣工予定

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。

 中期成長に向けた新規分野として、13年10月オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。オフショア支援船は16年2月竣工予定だ。

■新規航路開設も積極化

 15年3月には、18年春予定で岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路を開設するべく検討を開始した。宮古港、室蘭港とも近隣に国立公園など観光資源が豊富なため旅客需要も期待できるとしている。

 また15年12月には、静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新規航路を16年10月に開設すると発表した。清水〜大分間を20時間で結ぶ週3便運航を予定している。トレーラーでの海陸一貫輸送によって九州と首都圏、東海甲信地域を結ぶ物流のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待されている。

■修繕費が増加した15年3月期第1四半期をボトムに営業損益改善基調

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)111億91百万円、第2四半期(7月〜9月)122億87百万円、第3四半期(10月〜12月)119億83百万円、第4四半期(1月〜3月)104億85百万円、営業利益は第1四半期56百万円の赤字、第2四半期8億59百万円、第3四半期9億60百万円、第4四半期5億98百万円だった。

 所有船のドック入りが集中して修繕費が増加した第1四半期をボトムとして、営業損益は改善基調である。また15年3月期の売上総利益率は12.9%で14年3月期比0.7ポイント上昇、販管費比率は7.8%で同横ばい、ROEは2.2%で同0.2ポイント低下、自己資本比率は56.3%で同3.6ポイント上昇した。配当性向は57.8%だった。

■16年3月期第2四半期累計は大幅増益

 今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比5.4%減の222億円だったが、営業利益が同85.2%増の14億87百万円、経常利益が同81.3%増の14億60百万円、純利益が同87.9%増の9億60百万円だった。

 為替の円安継続や燃料油価格の下落などに加えて、積極的な営業展開やコスト削減効果が寄与して売上高、利益とも期初計画を上回った。売上総利益率は15.1%で同4.2ポイント上昇、販管費比率は8.4%で同0.9ポイント上昇した。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同2.6%減の85億13百万円、営業利益が3億66百万円の赤字(前年同期は5億86百万円の赤字)だった。バルク輸送の荷動き低迷や市況低迷の継続などで減収だったが、コスト削減効果で営業赤字が大幅に縮小した。

 内航部門は売上高が同7.1%減の136億85百万円、営業利益が同33.4%増の18億54百万円だった。不定期船輸送で小型貨物船の市況が低迷したが、定期船輸送で大型船投入によるスペース拡大を活用した営業展開や繁忙期の休日臨時運航などが奏功し、フェリー輸送では宅配貨物などの活発な荷動きでトラック輸送が好調だった。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)107億16百万円、第2四半期(7月〜9月)114億84百万円、営業利益は第1四半期3億円、第2四半期11億87百万円だった。

■16年3月期業績予想は再増額含み

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想(10月30日に売上高を減額、利益を増額)は、売上高が前期比6.4%減の430億円で、営業利益が同12.2%増の26億50百万円、経常利益が同6.6%増の26億円、純利益が同3.4倍の17億50百万円としている。

 前回予想(4月30日公表)に対して売上高を8億円減額したが、営業利益を4億円増額、経常利益を4億円増額、純利益を2億50百万円増額した。営業減益予想から一転して営業増益予想となった。第2四半期累計が計画を上回ったことに加えて、第3四半期(10月〜12月)以降に予想される外部環境を考慮したとしている。原油価格下落メリットも寄与する。純利益は前期計上した保有船舶減損損失の一巡も寄与する。

 なお第3四半期以降の前提条件は、為替レート1ドル=120円(前回予想時1米ドル=120円)(前期実績1米ドル=108円13銭)、燃料油価格C重油4万6300円(前回予想時5万6600円)(前期実績6万8175円)としている。

 配当予想も前回予想(4月30日公表)の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)から1円増額して年間11円(第2四半期末6円、期末5円)とした。前期との比較でも1円増配となり、予想配当性向は18.5%となる。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が51.6%、営業利益が56.1%、経常利益が56.2%、純利益が54.9%と高水準である。通期会社予想の利益増額は概ね第2四半期累計の超過達成分を上乗せした形であり、通期会社予想は再増額含みだろう。

■中期経営計画で18年3月期ROE8.9%を目指す

 15年4月に発表した15年度中期経営計画では、経営目標値として18年3月期の売上高495億円(近海部門175億円、内航部門320億円)、営業利益34億円(近海部門5億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益35億円、純利益24億円、ROE8.9%、自己資本比率61.1%、DER0.45倍を掲げている。前提の為替レートは1米ドル=120円、燃料油価格は7万1500円である。

 新造船建造等に対する3年間の合計投資額は133億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船1隻(社船または傭船)、内航部門の石炭船一隻(傭船)、一般貨物船1隻(傭船)、石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、新規事業のオフショア船1隻(共有船)の予定である。

 近海部門では、喫緊の課題である収益改善に向けて、適正な船隊規模による効率配船と新規顧客の獲得を目指す。内航部門では、不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規貨物開拓、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路の開設を進める方針だ。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目され、中期的にはオフショア支援船業務や新航路開設も寄与して収益拡大が期待される。

■株価は自律調整一巡

 株価の動きを見ると、11月26日の戻り高値392円から利益確定売りで反落したが、350円近辺で下げ渋る動きだ。自律調整が一巡したようだ。

 1月4日の終値351円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円61銭で算出)は5〜6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間11円で算出)は3.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS784円66銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約104億円である。

 週足チャートで見ると再び26週移動平均線を割り込んで調整局面の形だが、9月上旬〜10月中旬の安値圏まで下押す動きは見られない。原油価格下落メリットなどで16年3月期業績予想は再増額含みである。そして5〜6倍近辺の低PER、3%近辺の高配当利回り、0.4倍近辺の低PBRと指標面の割安感も強い。自律調整が一巡して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月09日更新]

川崎近海汽船の16年3月期業績予想は再増額含み、原油価格下落メリットも期待

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を展開している。12月1日には清水〜大分の新規航路開設を正式発表した。株価は戻り高値圏から利益確定売りで一旦反落したが、原油価格下落メリットも期待されて16年3月期業績予想は再増額含みであり、6倍近辺の低PER、3%近辺の高配当利回り、0.5倍近辺の低PBRという指標面の割安感も強い。高値圏を目指す展開だろう。

■近海輸送と内航輸送を展開、新規のオフショア支援船は16年竣工予定

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。

 中期成長に向けた新規分野として、13年10月オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。オフショア支援船は16年2月竣工予定だ。なお15年5月1日付でオフショア支援船事業推進室を新設している。

■新規航路開設も積極化

 15年3月には、18年春予定で岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路を開設するべく検討を開始した。宮古港、室蘭港とも近隣に国立公園など観光資源が豊富なため旅客需要も期待できるとしている。

 12月1日には、静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新規航路を16年10月に開設すると正式発表した。15年7月から検討していた案件で、清水〜大分間を20時間で結ぶ週3便運航を予定している。トレーラーでの海陸一貫輸送によって首都圏・甲信〜九州間のモーダルシフトが加速し、ドライバー不足問題の解決策の一つとして期待される。

■修繕費増加した15年3月期第1四半期をボトムに営業損益改善基調

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)111億91百万円、第2四半期(7月〜9月)122億87百万円、第3四半期(10月〜12月)119億83百万円、第4四半期(1月〜3月)104億85百万円だった。営業利益は第1四半期56百万円の赤字、第2四半期8億59百万円、第3四半期9億60百万円、第4四半期5億98百万円だった。

 第1四半期は所有船のドック入りが集中して修繕費が増加したが、第1四半期をボトムとして営業損益は改善基調だ。また15年3月期のROEは14年3月期比0.2ポイント低下して2.2%、自己資本比率は同3.6ポイント上昇して56.3%、配当性向は57.8%だった。

■16年3月期第2四半期累計は大幅増益

 今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比5.4%減の222億円だったが、営業利益が同85.2%増の14億87百万円、経常利益が同81.3%増の14億60百万円、純利益が同87.9%増の9億60百万円だった。

 為替の円安継続や燃料油価格の下落などに加えて、積極的な営業展開やコスト削減効果が寄与して売上高、利益とも期初計画を上回った。売上総利益率は同4.2ポイント上昇して15.1%、販管費比率は同0.9ポイント上昇して8.4%だった。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同2.6%減の85億13百万円で、営業利益が3億66百万円の赤字(前年同期は5億86百万円の赤字)だった。バルク輸送の荷動き低迷や市況低迷の継続などで減収だったが、コスト削減効果で営業赤字が大幅に縮小した。

 内航部門は売上高が同7.1%減の136億85百万円だったが、営業利益が同33.4%増の18億54百万円だった。不定期船輸送で小型貨物船の市況が低迷したが、定期船輸送で大型船投入によるスペース拡大を活用した営業展開や繁忙期の休日臨時運航などが奏功し、フェリー輸送では宅配貨物などの活発な荷動きでトラック輸送が好調だった。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)107億16百万円、第2四半期(7月〜9月)114億84百万円、営業利益は第1四半期3億円、第2四半期11億87百万円だった。

■16年3月期業績予想は再増額含み

 今期(16年3月期)通期の連結業績予想については10月30日に修正(売上高を減額、利益を増額)を発表した。修正後の連結業績予想は前回予想(4月30日公表)に対して、売上高が8億円減額して前期比6.4%減の430億円、営業利益が4億円増額して同12.2%増の26億50百万円、経常利益が4億円増額して同6.6%増の26億円、純利益が2億50百万円増額して同3.4倍の17億50百万円とした。

 営業減益予想から一転して営業増益予想となった。第2四半期累計が計画を上回ったことに加えて、第3四半期(10月〜12月)以降に予想される外部環境を考慮したとしている。原油価格下落メリットも寄与する。純利益は前期計上した保有船舶減損損失の一巡も寄与する。

 なお第3四半期以降の前提条件は、為替レート1ドル=120円(前回予想時1米ドル=120円)(前期実績1米ドル=108円13銭)、燃料油価格C重油4万6300円(前回予想時5万6600円)(前期実績6万8175円)としている。

 配当予想も前回予想(4月30日公表)の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)から1円増額して年間11円(第2四半期末6円、期末5円)とした。前期との比較でも1円増配となり、予想配当性向は18.5%となる。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が51.6%、営業利益が56.1%、経常利益が56.2%、純利益が54.9%と高水準である。10月30日の通期連結業績予想の利益増額は概ね第2四半期累計の超過達成分を上乗せした形であり、通期会社予想は再増額含みだろう。

■中期経営計画で18年3月期ROE8.9%を目指す

 15年4月に発表した15年度中期経営計画では、目標値を18年3月期売上高495億円(近海部門175億円、内航部門320億円)、営業利益34億円(近海部門5億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益35億円、純利益24億円、ROE8.9%、自己資本比率61.1%、DER0.45倍とした。前提の為替レートは1米ドル=120円、燃料油価格は7万1500円である。

 また新造船建造等に対する3年間の合計投資額は133億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船1隻(社船または傭船)、内航部門の石炭船一隻(傭船)、一般貨物船1隻(傭船)、石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、新規事業のオフショア船1隻(共有船)の予定である。

 近海部門では、喫緊の課題である収益改善に向けて、適正な船隊規模による効率配船と新規顧客の獲得を目指す。内航部門では、不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規貨物開拓、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路の開設を進める方針だ。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目されており、中期的にはオフショア支援船業務や新航路開設も寄与して収益拡大が期待される。

■株価は戻り高値圏から一旦反落したが、戻り歩調に変化なし

 株価の動きを見ると、11月26日の戻り高値392円から利益確定売りで一旦反落したが、9月上旬〜10月中旬の安値圏320円〜340円近辺で下値固めは完了している。戻り歩調に変化はないだろう。

 12月8日の終値354円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円61銭で算出)は6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間11円で算出)は3.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS784円66銭で算出)は0.5倍近辺である。なお時価総額は約105億円である。

 週足チャートで見ると、52週移動平均線が戻りを押さえる形となって反落し、再び26週移動平均線を割り込んだが、上向きに転じた13週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。原油価格下落メリットも期待されて16年3月期業績予想は再増額含みであり、6倍近辺の低PER、3%近辺の高配当利回り、0.5倍近辺の低PBRという指標面の割安感も強い。高値圏を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月05日更新]

川崎近海汽船は下値固め完了して戻り歩調、16年3月期利益・配当予想増額や割安感を評価

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を展開している。株価は下値固めが完了して戻り歩調だ。16年3月期利益・配当予想の増額、さらに6倍近辺の低PER、3%近辺の高配当利回り、0.5倍近辺の低PBRという指標面の割安感も評価して高値圏を目指す展開だろう。

■近海輸送と内航輸送を展開、新規のオフショア支援船は16年竣工予定

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。

 中期成長に向けた新規分野として、13年10月オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。オフショア支援船は16年2月竣工予定だ。なお15年5月1日付でオフショア支援船事業推進室を新設している。

 15年3月には、18年春予定で岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路を開設するべく検討を開始した。宮古港、室蘭港とも近隣に国立公園など観光資源が豊富なため旅客需要も期待できるとしている。

 また15年7月には、16年秋に静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新たな航路を開設するべく検討を開始したと発表している。深刻なドライバー不足で関東・甲信〜九州間の陸上長距離輸送が困難となっている実情を踏まえ、海上輸送へのモーダルシフトを推進する。清水〜大分間を20時間で結ぶことで、関東・甲信〜九州間をトレーラーでの海陸一貫輸送により、集荷から3日目の早朝までの配送が可能になる。

■修繕費増加した15年3月期第1四半期をボトムに営業損益改善基調

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)111億91百万円、第2四半期(7月〜9月)122億87百万円、第3四半期(10月〜12月)119億83百万円、第4四半期(1月〜3月)104億85百万円だった。営業利益は第1四半期56百万円の赤字、第2四半期8億59百万円、第3四半期9億60百万円、第4四半期5億98百万円だった。

 第1四半期は所有船のドック入りが集中して修繕費が増加したが、第1四半期をボトムとして営業損益は改善基調だ。また15年3月期のROEは14年3月期比0.2ポイント低下して2.2%、自己資本比率は同3.6ポイント上昇して56.3%、配当性向は57.8%だった。

■16年3月期第2四半期累計は大幅増益、通期利益・配当予想を増額

 10月30日発表の今期(16年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)連結業績は、売上高が前年同期比5.4%減の222億円だったが、営業利益が同85.2%増の14億87百万円、経常利益が同81.3%増の14億60百万円、純利益が同87.9%増の9億60百万円だった。

 為替の円安継続や燃料油価格の下落などに加えて、積極的な営業展開やコスト削減効果が寄与して売上高、利益とも期初計画を上回った。売上総利益率は同4.2ポイント上昇して15.1%、販管費比率は同0.9ポイント上昇して8.4%だった。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同2.6%減の85億13百万円で、営業利益が3億66百万円の赤字(前年同期は5億86百万円の赤字)だった。バルク輸送の荷動き低迷や市況低迷の継続などで減収だったが、コスト削減効果で営業赤字が大幅に縮小した。

 内航部門は売上高が同7.1%減の136億85百万円だったが、営業利益が同33.4%増の18億54百万円だった。不定期船輸送で小型貨物船の市況が低迷したが、定期船輸送で大型船投入によるスペース拡大を活用した営業展開や繁忙期の休日臨時運航などが奏功し、フェリー輸送では宅配貨物などの活発な荷動きでトラック輸送が好調だった。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)107億16百万円、第2四半期(7月〜9月)114億84百万円、営業利益は第1四半期3億円、第2四半期11億87百万円だった。

 通期の連結業績予想については10月30日に修正(売上高を減額、利益を増額)を発表した。修正後の連結業績予想は前回予想(4月30日公表)に対して、売上高が8億円減額して前期比6.4%減の430億円、営業利益が4億円増額して同12.2%増の26億50百万円、経常利益が4億円増額して同6.6%増の26億円、純利益が2億50百万円増額して同3.4倍の17億50百万円とした。

 営業減益予想から一転して営業増益予想となった。第2四半期累計が計画を上回ったことに加えて、第3四半期(10月〜12月)以降に予想される外部環境を考慮したとしている。原油価格下落メリットも寄与する。純利益は前期計上した保有船舶減損損失の一巡も寄与する。

 なお第3四半期以降の前提条件は、為替レート1ドル=120円(前回予想時1米ドル=120円)(前期実績1米ドル=108円13銭)、燃料油価格C重油4万6300円(前回予想時5万6600円)(前期実績6万8175円)としている。

 配当予想も前回予想(4月30日公表)の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)から1円増額して年間11円(第2四半期末6円、期末5円)とした。前期との比較でも1円増配となり、予想配当性向は18.5%となる。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が51.6%、営業利益が56.1%、経常利益が56.2%、純利益が54.9%と高水準である。10月30日の通期連結業績予想の利益増額は概ね第2四半期累計の超過達成分を上乗せした形であり、通期会社予想に再増額の可能性があるだろう。

■中期経営計画で18年3月期ROE8.9%を目指す

 15年4月に発表した15年度中期経営計画では、目標値を18年3月期売上高495億円(近海部門175億円、内航部門320億円)、営業利益34億円(近海部門5億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益35億円、純利益24億円、ROE8.9%、自己資本比率61.1%、DER0.45倍とした。前提の為替レートは1米ドル=120円、燃料油価格は7万1500円である。

 また新造船建造等に対する3年間の合計投資額は133億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船1隻(社船または傭船)、内航部門の石炭船一隻(傭船)、一般貨物船1隻(傭船)、石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、新規事業のオフショア船1隻(共有船)の予定である。

 近海部門では、喫緊の課題である収益改善に向けて、適正な船隊規模による効率配船と新規顧客の獲得を目指す。内航部門では、不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規貨物開拓、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路の開設を進める方針だ。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目されており、中期的にはオフショア支援船業務や新航路開設も寄与して収益拡大が期待される。

■株価は下値固め完了して戻り歩調

 株価の動きを見ると、9月上旬〜10月中旬の安値圏320円〜340円近辺でのモミ合いから上放れの形となり、10月30日には第2四半期累計の大幅増益と16年3月期利益・配当増額修正を好感して372円まで急伸する場面があった。下値固めが完了して戻り歩調の展開だ。

 11月4日の終値354円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円61銭で算出)は6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間11円で算出)は3.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS784円66銭で算出)は0.5倍近辺である。なお時価総額は約105億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線が上向きに転じた。また週足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。さらに26週移動平均線突破の動きを強めている。下値固めが完了して強基調に転換したようだ。16年3月期利益・配当予想の増額、さらに6倍近辺の低PER、3%近辺の高配当利回り、0.5倍近辺の低PBRという指標面の割安感も評価して高値圏を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[10月08日更新]

川崎近海汽船は9月安値で底打ちして下値固め、指標面の割安感を見直し

 川崎近海汽船[9179](東2)は近海輸送と内航輸送を展開している。株価は9月の年初来安値で底打ちして下値を固める動きだ。6〜7倍近辺の予想PER、3%近辺の予想配当利回り、そして0.4倍近辺の実績PBRという指標面の割安感を見直して反発展開だろう。なお10月30日に第2四半期累計(4月〜9月)の業績発表を予定している。

■近海輸送と内航輸送を展開、新規のオフショア支援船は16年竣工予定

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。

 中期成長に向けた新規分野として、13年10月オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。オフショア支援船は16年2月竣工予定だ。なお15年5月1日付でオフショア支援船事業推進室を新設している。

 15年3月には、18年春予定で岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路を開設するべく検討を開始した。宮古港、室蘭港とも近隣に国立公園など観光資源が豊富なため旅客需要も期待できるとしている。

 また15年7月には、16年秋に静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新たな航路を開設するべく検討を開始したと発表している。深刻なドライバー不足で関東・甲信〜九州間の陸上長距離輸送が困難となっている実情を踏まえ、海上輸送へのモーダルシフトを推進する。清水〜大分間を20時間で結ぶことで、関東・甲信〜九州間をトレーラーでの海陸一貫輸送により、集荷から3日目の早朝までの配送が可能になる。

■修繕費増加した15年3月期第1四半期をボトムに営業損益改善基調

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)111億91百万円、第2四半期(7月〜9月)122億87百万円、第3四半期(10月〜12月)119億83百万円、第4四半期(1月〜3月)104億85百万円だった。営業利益は第1四半期56百万円の赤字、第2四半期8億59百万円、第3四半期9億60百万円、第4四半期5億98百万円だった。第1四半期は所有船のドック入りが集中して修繕費が増加したが、第1四半期をボトムとして営業損益は改善基調だろう。

 また15年3月期の配当性向は57.8%だった。ROEは14年3月期比0.2ポイント低下して2.2%、自己資本比率は同3.6ポイント上昇して56.3%となった。

■16年3月期営業減益予想だが、原油価格下落メリット

 今期(16年3月期)の連結業績予想(4月30日公表)は売上高が前期比4.7%減の438億円、営業利益が同4.7%減の22億50百万円、経常利益が同9.8%減の22億円、純利益が同3.0倍の15億円としている。配当予想は前期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)で予想配当性向は19.6%となる。

 近海部門は市況低迷が長期化しているが、バルク輸送では効率配船、木材輸送や鋼材・雑貨輸送では運航効率の向上を図る。内航部門は総じて安定した荷動きを見込んでいる。純利益は前期計上した保有船舶減損損失の一巡が寄与して大幅増益予想だ。なお前提は為替レートが1米ドル=120円(前期は1米ドル=108円13銭)、燃料油価格(国内価格)が5万6600円(前期は6万8175円)としている。

 第1四半期(4月〜6月)は売上高が前年同期比4.2%減の107億16百万円と減収だが、営業利益が3億円(前年同期は56百万円の赤字)、経常利益が3億09百万円(同70百万円の赤字)、純利益が2億01百万円(同64百万円の赤字)だった。為替のドル高・円安効果、修繕費の減少、燃料油価格の下落などで営業損益が大幅に改善した。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同0.3%増の43億04百万円、営業利益(全社費用等調整前)が1億21百万円の赤字(同3億02百万円の赤字)だった。バルク輸送では石炭・スラグなどの年度契約で安定輸送量を確保し、円安も寄与した。利益面では効率配船の取り組み強化なども寄与して赤字幅が縮小した。内航部門は売上高が同7.0%減の64億11百万円だが、燃料油価格下落も寄与して営業利益が同71.5%増の4億22百万円だった。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が24.5%、営業利益が13.3%、経常利益が14.1%、純利益が13.4%である。利益進捗率が低水準だが、原油価格下落メリットも寄与して第2四半期以降の挽回が期待される。

■中期経営計画で18年3月期ROE8.9%を目指す

 15年4月に発表した15年度中期経営計画では、目標値を18年3月期売上高495億円(近海部門175億円、内航部門320億円)、営業利益34億円(近海部門5億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益35億円、純利益24億円、ROE8.9%、自己資本比率61.1%、DER0.45倍とした。前提の為替レートは1米ドル=120円、燃料油価格は7万1500円である。

 また新造船建造等に対する3年間の合計投資額は133億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船1隻(社船または傭船)、内航部門の石炭船一隻(傭船)、一般貨物船1隻(傭船)、石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、新規事業のオフショア船1隻(共有船)の予定である。

 近海部門では、喫緊の課題である収益改善に向けて、適正な船隊規模による効率配船と新規顧客の獲得を目指す。内航部門では、不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規貨物開拓、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路の開設を進める方針だ。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目されており、中期的にはオフショア支援船業務や新航路開設も寄与して収益拡大が期待される。

■株価は9月安値で底打ちして下値固め

 株価の動きを見ると、年初来安値圏330円〜340円近辺でモミ合う展開だが、8月25日の322円、9月7日の年初来安値314円を割り込む動きは見られない。9月7日の年初来安値で底打ちして下値を固める動きだ。

 10月7日の終値337円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円09銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は3.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS784円66銭で算出)は0.4倍近辺である。なお時価総額は約99億円である。

 週足チャートで見ると9月の年初来安値圏での長い下ヒゲで底打ちし、その後は下値を固める動きだ。また日足チャートで見ると25日移動平均線突破の動きを強めている。6〜7倍近辺の予想PER、3%近辺の予想配当利回り、そして0.4倍近辺の実績PBRという指標面の割安感を見直して反発展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[09月24日更新]

川崎近海汽船は16年3月期業績予想に増額余地、指標面の割安感を見直し

 川崎近海汽船[9179](東2)は近海輸送と内航輸送を展開している。原油価格下落などで16年3月期業績予想に増額余地があり、1桁台の予想PER、3%近辺の予想配当利回り、0.4倍近辺の実績PBRは割安感の強い水準だ。株価は9月7日の年初来安値で底打ちした可能性があり、割安感を見直して反発のタイミングだろう。なお10月30日に第2四半期累計(4月〜9月)の業績発表を予定している。

■近海輸送と内航輸送を展開、新規のオフショア支援船は16年竣工予定

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。

 中期成長に向けた新規分野として、13年10月オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。オフショア支援船は16年2月竣工予定だ。なお15年5月1日付でオフショア支援船事業推進室を新設した。

 15年3月には、18年春予定で岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路を開設するべく検討を開始した。宮古港、室蘭港とも近隣に国立公園など観光資源が豊富なため旅客需要も期待できるとしている。

 また15年7月には、16年秋に静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新たな航路を開設するべく検討を開始したと発表している。深刻なドライバー不足で関東・甲信〜九州間の陸上長距離輸送が困難となっている実情を踏まえ、海上輸送へのモーダルシフトを推進する。清水〜大分間を20時間で結ぶことで、関東・甲信〜九州間をトレーラーでの海陸一貫輸送により、集荷から3日目の早朝までの配送が可能になる。

■16年3月期営業減益予想だが、原油価格下落で増額余地

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)111億91百万円、第2四半期(7月〜9月)122億87百万円、第3四半期(10月〜12月)119億83百万円、第4四半期(1月〜3月)104億85百万円で、営業利益は第1四半期56百万円の赤字、第2四半期8億59百万円、第3四半期9億60百万円、第4四半期5億98百万円だった。第1四半期は所有船のドック入りが集中して修繕費が増加した。

 また15年3月期の配当性向は57.8%だった。ROEは14年3月期比0.2ポイント低下して2.2%、自己資本比率は同3.6ポイント上昇して56.3%となった。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(4月30日公表)は売上高が前期比4.7%減の438億円、営業利益が同4.7%減の22億50百万円、経常利益が同9.8%減の22億円、純利益が同3.0倍の15億円としている。配当予想は前期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)で予想配当性向は19.6%となる。

 近海部門は市況低迷が長期化しているが、バルク輸送では効率配船、木材輸送や鋼材・雑貨輸送では運航効率の向上を図る。内航部門は総じて安定した荷動きを見込んでいる。純利益は前期計上した保有船舶減損損失の一巡が寄与して大幅増益予想だ。なお前提は為替レートが1米ドル=120円(前期は1米ドル=108円13銭)、燃料油価格(国内価格)が5万6600円(前期は6万8175円)としている。

 第1四半期(4月〜6月)は売上高が前年同期比4.2%減の107億16百万円と減収だが、営業利益が3億円(前年同期は56百万円の赤字)、経常利益が3億09百万円(同70百万円の赤字)、純利益が2億01百万円(同64百万円の赤字)だった。為替のドル高・円安効果、修繕費の減少、燃料油価格の下落などで営業損益が大幅に改善した。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同0.3%増の43億04百万円、営業利益(全社費用等調整前)が1億21百万円の赤字(同3億02百万円の赤字)だった。バルク輸送では石炭・スラグなどの年度契約で安定輸送量を確保し、円安も寄与した。利益面では効率配船の取り組み強化なども寄与して赤字幅が縮小した。内航部門は売上高が同7.0%減の64億11百万円だが、燃料油価格下落も寄与して営業利益が同71.5%増の4億22百万円だった。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が24.5%、営業利益が13.3%、経常利益が14.1%、純利益が13.4%である。利益進捗率が低水準だが、原油価格が再び下落傾向を強めていることも寄与して会社予想に増額余地があるだろう。

■中期経営計画で18年3月期ROE8.9%を目指す

 15年4月に発表した15年度中期経営計画では、目標値を18年3月期売上高495億円(近海部門175億円、内航部門320億円)、営業利益34億円(近海部門5億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益35億円、純利益24億円、ROE8.9%、自己資本比率61.1%、DER0.45倍とした。前提の為替レートは1米ドル=120円、燃料油価格は7万1500円である。

 また新造船建造等に対する3年間の合計投資額は133億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船1隻(社船または傭船)、内航部門の石炭船一隻(傭船)、一般貨物船1隻(傭船)、石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、新規事業のオフショア船1隻(共有船)の予定である。

 近海部門では、喫緊の課題である収益改善に向けて、適正な船隊規模による効率配船と新規顧客の獲得を目指す。内航部門では、不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規貨物開拓、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路の開設を進める方針だ。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目されており、中期的にはオフショア支援船業務や新航路開設も寄与して収益拡大が期待される。

■株価は売り一巡して底打ちの可能性、指標面の割安感も見直し

 株価の動きを見ると悪地合いも影響して水準を切り下げた。8月25日には322円、そして9月7日には年初来安値となる314円まで下押す場面があった。その後は330円〜340円近辺で推移して売り一巡感を強めている。9月7日の安値で底打ちした可能性がありそうだ。

 9月18日の終値334円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円09銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は3.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS784円66銭で算出)は0.4倍近辺である。なお時価総額は約99億円である。

 週足チャートで見ると8月安値と9月安値の長い下ヒゲで売り一巡感を強めている。調整局面が続いたが底打ちした可能性がありそうだ。16年3月期業績予想に増額余地があり、1桁台の予想PER、3%近辺の予想配当利回り、0.4倍近辺の実績PBRは割安感の強い水準だ。割安感を見直して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[8月13日更新]

川崎近海汽船は指標面の割安感見直して反発期待、原油価格下落もプラス要因

 川崎近海汽船[9179](東2)は近海輸送と内航輸送を展開している。第1四半期(4月〜6月)は営業損益が大幅改善し、原油価格下落もプラス要因となって16年3月期業績は増額含みだ。株価は高値圏から反落して水準を切り下げたが、1桁台の予想PERや0.5倍近辺の実績PBRなど指標面の割安感も見直して反発展開だろう。

■近海輸送と内航輸送を展開、新規のオフショア支援船は16年竣工予定

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。

 中期成長に向けた新規分野として、13年10月オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。オフショア支援船は16年2月竣工予定だ。なお15年5月1日付でオフショア支援船事業推進室を新設した。

 15年3月には、18年春予定で岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路を開設するべく検討を開始した。宮古港、室蘭港とも近隣に国立公園など観光資源が豊富なため旅客需要も期待できるとしている。

 15年7月には、16年秋に静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新たな航路を開設するべく検討を開始したと発表している。深刻なドライバー不足により、関東・甲信〜九州間の陸上長距離輸送が困難となっている実情を踏まえ、海上輸送へのモーダルシフトを推進する。清水〜大分間を20時間で結ぶことで、関東・甲信〜九州間をトレーラーでの海陸一貫輸送により、集荷から3日目の早朝までの配送が可能になる。

■第1四半期は黒字化、16年3月期は営業減益予想だが増額含み

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)111億91百万円、第2四半期(7月〜9月)122億87百万円、第3四半期(10月〜12月)119億83百万円、第4四半期(1月〜3月)104億85百万円で、営業利益は第1四半期56百万円の赤字、第2四半期8億59百万円、第3四半期9億60百万円、第4四半期5億98百万円だった。第1四半期は所有船のドック入りが集中して修繕費が増加した。

 また15年3月期の配当性向は57.8%だった。ROEは14年3月期比0.2ポイント低下して2.2%、自己資本比率は同3.6ポイント上昇して56.3%となった。

 7月31日に発表した今期(16年3月期)第1四半期(4月〜6月)連結業績は、売上高が前年同期比4.2%減の107億16百万円だが、営業利益が3億円(前年同期は56百万円の赤字)、経常利益が3億09百万円(同70百万円の赤字)、純利益が2億01百万円(同64百万円の赤字)だった。円安効果、修繕費減少、燃料油価格下落などで黒字化した。

 セグメント別に見ると、近海部門は売上高が同0.3%増の43億04百万円、営業利益(全社費用等調整前)が1億21百万円の赤字(同3億02百万円の赤字)だった。バルク輸送では石炭・スラグなどの年度契約で安定輸送量を確保し、円安も寄与した。利益面では効率配船の取り組み強化なども寄与して赤字幅が縮小した。内航部門は売上高が同7.0%減の64億11百万円だが、燃料油価格下落も寄与して営業利益が同71.5%増の4億22百万円だった。

 通期の連結業績予想は前回予想(4月30日公表)を据え置いて売上高が前期比4.7%減の438億円、営業利益が同4.7%減の22億50百万円、経常利益が同9.8%減の22億円、純利益が同3.0倍の15億円としている。配当予想は前期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)で予想配当性向は19.6%となる。

 近海部門は市況低迷が長期化しているが、バルク輸送では効率配船、木材輸送や鋼材・雑貨輸送では運航効率の向上を図る。内航部門は総じて安定した荷動きを見込んでいる。純利益は前期計上した保有船舶減損損失の一巡が寄与する。前提は為替レートが1米ドル=120円(前期は1米ドル=108円13銭)、燃料油価格(国内価格)が5万6600円(前期は6万8175円)としている。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が24.5%、営業利益が13.3%、経常利益が14.1%、純利益が13.4%である。利益進捗率が低水準だが、原油価格が再び下落傾向を強めていることも寄与して会社予想は増額含みだろう。

■中期経営計画で18年3月期ROE8.9%を目指す

 15年4月に発表した15年度中期経営計画では、目標値を18年3月期売上高495億円(近海部門175億円、内航部門320億円)、営業利益34億円(近海部門5億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益35億円、純利益24億円、ROE8.9%、自己資本比率61.1%、DER0.45倍とした。前提の為替レートは1米ドル=120円、燃料油価格は7万1500円である。

 また新造船建造等に対する3年間の合計投資額は133億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船1隻(社船または傭船)、内航部門の石炭船一隻(傭船)、一般貨物船1隻(傭船)、石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、新規事業のオフショア船1隻(共有船)の予定である。

 近海部門では、喫緊の課題である収益改善に向けて、適正な船隊規模による効率配船と新規顧客の獲得を目指す。内航部門では、不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規貨物開拓、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路の開設を進める方針だ。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目されており、中期的にはオフショア支援船業務や新航路開設も寄与して収益拡大が期待される。

■株価は調整局面だが、指標面の割安感も見直して反発期待

 株価の動きを見ると、1月の年初来高値440円から徐々に水準を切り下げて調整局面だ。7月9日には全般地合い悪化も影響して361円まで調整する場面があり、その後も反発力の鈍い展開だ。ただし1月高値から半年が経過して調整のほぼ最終局面だろう。

 8月12日の終値379円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円09銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS784円66銭で算出)は0.5倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だ。ただし1桁台の予想PER、2%台後半の予想配当利回り、0.5倍近辺の実績PBRと指標面の割安感は強い。16年3月期業績の増額含みも評価して反発展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[7月24日更新]

川崎近海汽船は指標面の割安感強く日柄調整一巡して反発期待、16年3月期業績は増額含み

 川崎近海汽船[9179](東2)は近海輸送と内航輸送を展開している。株価は高値圏からやや水準を切り下げたが、1月の年初来高値から半年が経過して日柄調整一巡のタイミングのようだ。指標面の割安感は強く、16年3月期業績の増額含みも評価して反発展開が期待される。なお7月31日に第1四半期(4月〜6月)の業績発表を予定している。

■近海輸送と内航輸送を展開、新規のオフショア支援船は16年竣工予定

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。

 中期成長に向けた新規分野として、13年10月オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。オフショア支援船は16年2月竣工予定だ。なお15年5月1日付でオフショア支援船事業推進室を新設した。

 15年3月には、18年春予定で岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路を開設するべく検討を開始した。宮古港、室蘭港とも近隣に国立公園など観光資源が豊富なため旅客需要も期待できるとしている。

 7月21日には、16年秋に静岡県清水港と大分県大分港をRORO船で結ぶ新たな航路を開設するべく検討を開始したと発表している。深刻なドライバー不足により、関東・甲信〜九州間の陸上長距離輸送が困難となっている実情を踏まえ、海上輸送へのモーダルシフトを推進する。清水〜大分間を20時間で結ぶことで、関東・甲信〜九州間をトレーラーでの海陸一貫輸送により、集荷から3日目の早朝までの配送が可能になる。

■16年3月期は営業減益予想だが増額含み

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)111億91百万円、第2四半期(7月〜9月)122億87百万円、第3四半期(10月〜12月)119億83百万円、第4四半期(1月〜3月)104億85百万円で、営業利益は第1四半期56百万円の赤字、第2四半期8億59百万円、第3四半期9億60百万円、第4四半期5億98百万円だった。第1四半期は所有船のドック入りが集中して修繕費が増加した。

 また15年3月期の配当性向は57.8%だった。ROEは14年3月期比0.2ポイント低下して2.2%、自己資本比率は同3.6ポイント上昇して56.3%となった。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(4月30日公表)は売上高が前期比4.7%減の438億円、営業利益が同4.7%減の22億50百万円、経常利益が同9.8%減の22億円、純利益が同3.0倍の15億円としている。配当予想は前期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)で、予想配当性向は19.6%となる。

 近海部門は市況低迷が長期化しているが、バルク輸送では効率配船、木材輸送や鋼材・雑貨輸送では運航効率の向上を図る。内航部門は総じて安定した荷動きを見込んでいる。純利益は前期計上した保有船舶減損損失の一巡が寄与する。

 なお前提は、為替レートが1米ドル=120円(前期は1米ドル=108円13銭)、燃料油価格(国内価格)が5万6600円(前期は6万8175円)としている。会社予想は営業減益だが保守的な印象も強い。原油価格が再び下落傾向を強めていることも寄与して会社予想は増額含みだろう。

■中期経営計画で18年3月期ROE8.9%を目指す

 15年4月に発表した15年度中期経営計画では、目標値を18年3月期売上高495億円(近海部門175億円、内航部門320億円)、営業利益34億円(近海部門5億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益35億円、純利益24億円、ROE8.9%、自己資本比率61.1%、DER0.45倍とした。前提の為替レートは1米ドル=120円、燃料油価格は7万1500円である。

 また新造船建造等に対する3年間の合計投資額は133億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船1隻(社船または傭船)、内航部門の石炭船一隻(傭船)、一般貨物船1隻(傭船)、石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、新規事業のオフショア船1隻(共有船)の予定である。

 近海部門では、喫緊の課題である収益改善に向けて、適正な船隊規模による効率配船と新規顧客の獲得を目指す。内航部門では、不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規貨物開拓、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路の開設を進める方針だ。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目されており、中期的にはオフショア支援船業務や新航路開設も寄与して収益拡大が期待される。

■株価は日柄調整一巡のタイミング

 株価の動きを見ると、1月の年初来高値440円から徐々に水準を切り下げた。7月9日には全般地合い悪化も影響して361円まで調整する場面があった。ただし素早く切り返して400円近辺まで戻している。1月の年初来高値から半年が経過して日柄調整一巡のタイミングのようだ。

 7月23日の終値393円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円09銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS784円66銭で算出)は0.5倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、52週移動平均線がサポートラインとなって調整一巡感を強めている。1桁台の予想PER、2%台の予想配当利回り、0.5倍近辺の実績PBRと指標面の割安感は強い。16年3月期業績の増額含みも評価して反発展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[6月25日更新]

川崎近海汽船は16年3月期増額含み、割安感を見直して反発

 川崎近海汽船[9179](東2)は近海輸送と内航輸送を展開している。株価は高値圏からやや水準を切り下げたが、1月8日の年初来高値から約半年が経過して日柄調整一巡が期待される。16年3月期業績は増額含みであり、指標面の割安感を見直して反発展開だろう。

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。

 中期成長に向けた新規分野として、13年10月オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。オフショア支援船は16年2月竣工予定だ。なお15年5月1日付でオフショア支援船事業推進室を新設した。

 15年3月には、18年春予定で岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路を開設するべく検討を開始した。宮古港、室蘭港とも近隣に国立公園など観光資源が豊富なため旅客需要も期待できるとしている。

 なお15年3月期の四半期の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)111億91百万円、第2四半期(7月〜9月)122億87百万円、第3四半期(10月〜12月)119億83百万円、第4四半期(1月〜3月)104億85百万円で、営業利益は第1四半期56百万円の赤字、第2四半期8億59百万円、第3四半期9億60百万円、第4四半期5億98百万円だった。第1四半期は所有船のドック入りが集中して修繕費が増加した。

 15年3月期の配当性向は57.8%、ROEは14年3月期比0.2ポイント低下して2.2%、自己資本比率は同3.6ポイント上昇して56.3%となった。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(4月30日公表)は売上高が前期比4.7%減の438億円、営業利益が同4.7%減の22億50百万円、経常利益が同9.8%減の22億円、純利益が同3.0倍の15億円としている。配当予想は前期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)で、予想配当性向は19.6%となる。

 近海部門は市況低迷が長期化しているが、バルク輸送では効率配船、木材輸送や鋼材・雑貨輸送では運航効率の向上を図る。内航部門は総じて安定した荷動きを見込んでいる。純利益は前期計上した保有船舶減損損失の一巡が寄与する。

 なお前提は、為替レートが1米ドル=120円(前期は1米ドル=108円13銭)、燃料油価格(国内価格)が5万6600円(前期は6万8175円)としている。会社予想は営業減益だが保守的な印象も強く、円安や燃料油価格下落メリットも寄与して増額含みだろう。

 4月30日に発表した15年度中期経営計画では、目標値を18年3月期売上高495億円(近海部門175億円、内航部門320億円)、営業利益34億円(近海部門5億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益35億円、純利益24億円、ROE8.9%、自己資本比率61.1%、DER0.45倍とした。前提の為替レートは1米ドル=120円、燃料油価格は7万1500円である。

 また新造船建造等に対する3年間の合計投資額は133億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船1隻(社船または傭船)、内航部門の石炭船一隻(傭船)、一般貨物船1隻(傭船)、石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、新規事業のオフショア船1隻(共有船)の予定である。

 近海部門では、喫緊の課題である収益改善に向けて、適正な船隊規模による効率配船と新規顧客の獲得を目指す。内航部門では、不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規貨物開拓、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路の開設を進める方針だ。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目されている。中期的にはオフショア支援船業務も寄与して収益拡大が期待される。

 株価の動きを見ると、高値圏410円〜420円でのモミ合いから水準を切り下げて、6月19日には390円まで調整する場面があった。日柄調整局面のようだ。

 6月24日の終値395円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円09銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS784円66銭で算出)は0.5倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、1月8日の年初来高値440円から約半年が経過して日柄調整一巡が期待される。16年3月期業績は増額含みであり、指標面の割安感を見直して反発展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[5月19日更新]

川崎近海汽船は16年3月期営業減益予想だが増額含み、割安感を見直し

 川崎近海汽船[9179](東2)は近海輸送と内航輸送を展開している。株価は16年3月期営業減益予想を嫌気して高値圏モミ合いからやや水準を切り下げる形となったが、調整幅は限定的のようだ。16年3月期業績は増額含みであり、指標面の割安感を見直して反発展開が期待される。

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。

 中期成長に向けた新規分野として、13年10月オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。オフショア支援船は16年2月竣工予定だ。なお15年5月1日付でオフショア支援船事業推進室を新設した。

 また15年3月には、18年春予定で岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路を開設するべく検討を開始した。宮古港、室蘭港とも近隣に国立公園など観光資源が豊富なため旅客需要も期待できるとしている。

 4月30日に発表した前期(15年3月期)の連結業績は売上高が前々期比0.7%増の459億46百万円、営業利益が同18.4%増の23億61百万円、経常利益が同22.5%増の24億39百万円、純利益が同4.4%減の5億07百万円だった。

 前回予想(10月31日に売上高を減額)に対して、売上高は11億53百万円下回ったが、営業利益は2億61百万円、経常利益は4億39百万円、それぞれ上回った。効率的な配船、円安の進行、原油価格の下落も寄与した。純利益は一部保有船舶の減損関連損失を特別損失に計上したため計画を大幅に下回った。

 配当予想は同1円増配して年間10円(第2四半期末5円、期末5円)とした。配当性向は57.8%となる。なおROE(自己資本当期純利益率)は同0.2ポイント低下して2.2%、自己資本比率は同3.6ポイント上昇して56.3%となった。

 セグメント別の動向(全社費用等調整前)を見ると、近海部門は円安も寄与して売上高が同1.8%増の166億63百万円だったが、市況低迷の長期化で営業利益が13億72百万円の赤字(前々期は12億66百万円の赤字)だった。内航部門は売上高が同0.2%増の292億78百万円、燃料油価格の下落も寄与して営業利益が同15.0%増の37億35百万円だった。

 なお四半期推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)111億91百万円、第2四半期(7月〜9月)122億87百万円、第3四半期(10月〜12月)119億83百万円、第4四半期(1月〜3月)104億85百万円、営業利益は第1四半期56百万円の赤字、第2四半期8億59百万円、第3四半期9億60百万円、第4四半期5億98百万円だった。第1四半期は所有船のドック入りが集中して修繕費が増加した。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(4月30日公表)は売上高が前期比4.7%減の438億円、営業利益が同4.7%減の22億50百万円、経常利益が同9.8%減の22億円、純利益が同3.0倍の15億円、配当予想が前期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。

 近海部門は市況低迷が長期化しているが、バルク輸送では効率配船、木材輸送や鋼材・雑貨輸送では運航効率の向上を図る。内航部門は総じて安定した荷動きを見込んでいる。純利益は前期計上した保有船舶減損損失の一巡も寄与する。

 なお前提は、為替レートが1米ドル=120円(前期は1米ドル=108円13銭)、燃料油価格(国内価格)が5万6600円(前期は6万8175円)としている。会社予想は営業減益だが保守的な印象も強く、円安や燃料油価格下落メリットも寄与して増額含みだろう。

 4月30日に発表した15年度中期経営計画では、目標値を18年3月期売上高495億円(近海部門175億円、内航部門320億円)、営業利益34億円(近海部門5億円の赤字、内航部門39億円の利益)、経常利益35億円、純利益24億円、ROE8.9%、自己資本比率61.1%、DER0.45倍とした。前提の為替レートは1米ドル=120円、燃料油価格は7万1500円である。

 また新造船建造等に対する3年間の合計投資額は133億円とした。期間中の新造船は近海部門の一般貨物船1隻(社船または傭船)、内航部門の石炭船一隻(傭船)、一般貨物船1隻(傭船)、石灰石専用船1隻(社船)、RORO船1隻(社船)、新規事業のオフショア船1隻(共有船)の予定である。

 近海部門では、喫緊の課題である収益改善に向けて、適正な船隊規模による効率配船と新規顧客の獲得を目指す。内航部門では、不定期船輸送における各専用船の安定輸送確保と新規貨物開拓、定期船輸送とフェリー輸送における新規航路の開設を進める方針だ。

 中期的には陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目されている。さらにオフショア支援船業務も寄与して収益拡大が期待される。

 株価の動きを見ると、高値圏でのモミ合いからやや水準を切り下げる形となった。16年3月期の営業減益見通しが嫌気されたようだ。ただし調整幅は限定的のようだ。

 5月18日の終値402円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円09銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS784円66銭で算出)は0.5倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、日柄調整完了感も強めている。16年3月期業績は増額含みであり、指標面の割安感を見直して反発展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[4月13日更新]

川崎近海汽船はモミ合い上放れ接近、16年3月期増収増益期待

 川崎近海汽船[9179](東2)の株価は、高値圏でのモミ合いに煮詰まり感を強めている。16年3月期も増収増益が期待され、指標面の割安感が強くモミ合い上放れの展開だろう。1月高値の440円を突破すれば07年12月以来の500円台も視野に入る。

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。

 14年4月に発表した中期経営計画では、目標値として17年3月期売上高490億円(近海部門180億円、内航部門310億円)、営業利益37億50百万円(近海部門4億円の赤字、内航部門41億50百万円の利益)、経常利益37億円、純利益24億円、新造船建造等に対する3年間合計投資額135億円を掲げている。

 また中期成長に向けた新規分野として、13年10月オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。オフショア支援船は16年2月竣工予定で、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。

 なお15年3月には、18年春予定で岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路を開設するべく検討を開始した。宮古港、室蘭港とも近隣に国立公園など観光資源が豊富なため旅客需要も期待できるとしている。

 前期(15年3月期)の連結業績見通し(10月31日に売上高を減額)は売上高が前々期比3.2%増の471億円、営業利益が同5.2%増の21億円、経常利益が同0.4%増の20億円、純利益が同2.4倍の13億円、配当予想(4月30日公表)が同1円増配の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。

 近海部門は市況低迷が長期化しているが、内航部門は石灰石・石炭の各専用船が好調だ。コスト面では船舶量適正化や運航コスト削減の効果、原油価格下落メリットに加えて、14年8月に就航した最新型省エネ船の新造RORO船「北王丸」も寄与する。純利益については前期計上した船舶売却損失や保有船舶減損損失といった特別損失の一巡も寄与する。想定為替レートは1米ドル=105円としている。

 第3四半期累計(4月〜12月)は前年同期比3.3%増収、同4.0%営業増益、同9.9%経常増益、同20.5%最終増益で、通期見通しに対する進捗率は売上高が75.3%、営業利益が84.0%、経常利益が92.0%、純利益が100.2%と高水準だった。

 なお四半期推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)111億91百万円、第2四半期(7月〜9月)122億87百万円、第3四半期(10月〜12月)119億83百万円、営業利益は第1四半期56百万円の赤字、第2四半期8億59百万円、第3四半期9億60百万円だった。営業利益は所有船のドック入りが集中した第1四半期をボトムとして改善基調だ。通期利益は増額の可能性が高いだろう。

 今期(16年3月期)も近海部門で日本向け石炭輸送、内航部門で石灰石・石炭の各専用船が高稼働に推移するだろう。そして原油価格下落メリットの本格化、円安の進行、船舶量適正化や運航コスト削減の効果も追い風となって増収増益基調だろう。

 中期的にも陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目されている。さらに日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務も寄与して、中期的に収益拡大基調が期待される。

 株価の動きを見ると、原油価格下落を好感した1月高値440円後は、高値圏410円〜420円近辺の小幅レンジでモミ合う展開が続いている。ただし煮詰まり感を強めている。

 4月10日の終値415円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS44円28銭で算出)は9〜10倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.4%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS759円73銭で算出)は0.5倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線近辺でモミ合う展開だが、日柄調整が完了してモミ合い上放れのタイミングが接近しているようだ。16年3月期も増収増益が期待されて指標面の割安感が強い。1月高値の440円を突破すれば07年12月以来の500円台も視野に入るだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[3月16日更新]

川崎近海汽船は高値圏モミ合い煮詰まり感、割安感強く1月高値試す

 川崎近海汽船[9179](東2)の株価は、高値圏410円〜420円近辺で堅調に推移してモミ合い煮詰まり感を強めている。自律調整が一巡して動意のタイミングのようだ。指標面の割安感が強く、今期(15年3月期)利益増額の可能性を評価して1月高値440円を試す展開だろう。07年12月以来の500円台も視野に入る。

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。

 14年4月に発表した中期経営計画では、目標値として17年3月期売上高490億円(近海部門180億円、内航部門310億円)、営業利益37億50百万円(近海部門4億円の赤字、内航部門41億50百万円の利益)、経常利益37億円、純利益24億円、新造船建造等に対する3年間合計投資額135億円を掲げている。

 中期成長に向けた新規分野として、13年10月オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。オフショア支援船は16年2月竣工予定で、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。

 なお3月9日には、子会社の春徳汽船の商号を15年4月1日付で川近シップマネージメントに変更すると発表した。また3月10日には、18年春予定で岩手県宮古港と北海道室蘭港を結ぶ新たなフェリー航路を開設するべく検討を開始したと発表している。宮古港、室蘭港とも近隣に国立公園など観光資源が非常に豊富なため旅客需要も期待できるとしている。

 今期(15年3月期)の連結業績見通し(10月31日に売上高を減額)については、売上高が前期比3.2%増の471億円、営業利益が同5.2%増の21億円、経常利益が同0.4%増の20億円、純利益が同2.4倍の13億円、配当予想(4月30日公表)が同1円増配の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。

 近海部門は市況低迷が長期化しているが、日本向け石炭輸送などが好調に推移する。内航部門は石灰石・石炭の各専用船が好調に推移する。コスト面では船舶量適正化や運航コスト削減の効果、原油価格下落メリットに加えて、14年8月就航した最新型省エネ船の新造RORO船「北王丸」も寄与する。純利益については前期計上した船舶売却損失や保有船舶減損損失といった特別損失の一巡も寄与する。想定為替レートは1米ドル=105円としている。

 第3四半期累計(4月〜12月)は、近海部門で日本向け石炭輸送、内航部門で石灰石・石炭の各専用船が高稼働に推移して前年同期比3.3%増収、同4.0%営業増益、同9.9%経常増益、同20.5%最終増益だった。

 四半期の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)111億91百万円、第2四半期(7月〜9月)122億87百万円、第3四半期(10月〜12月)119億83百万円、営業利益は第1四半期56百万円の赤字、第2四半期8億59百万円、第3四半期9億60百万円である。売上高は堅調に推移し、営業利益は所有船のドック入りが集中してイレギュラーな形となった第1四半期をボトムに改善基調だ。

 そして通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.3%、営業利益が84.0%、経常利益が92.0%、純利益が100.2%と高水準である。第4四半期(1月〜3月)以降における季節波動や近海航路での市況低迷などを勘案して通期会社見通しを据え置いているが、原油価格下落メリットの本格化や円安の進行も追い風であり、通期利益は増額の可能性が高いだろう。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目されていることに加えて、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務も寄与して、中期的に収益拡大基調が期待される。

 株価の動きを見ると、原油価格下落を好感した1月高値440円後の自律調整局面でやや小動きだが、高値圏410円〜420円近辺で堅調に推移してモミ合い煮詰まり感を強めている。

 3月13日の終値416円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円28銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS759円73銭で算出)は0.5倍近辺である。

 週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線が接近して徐々に下値を切り上げている。自律調整が一巡して動意のタイミングのようだ。指標面には依然として割安感が強く、今期利益増額の可能性を評価して1月の高値440円を試す展開だろう。07年12月以来の500円台も視野に入る。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[2月12日更新]

川崎近海汽船は1月高値後の自律調整一巡、15年3月期利益増額の可能性で上値追い

 川崎近海汽船[9179](東2)の第3四半期累計(4月〜12月)業績は増収増益で、通期見通しに対する利益進捗率は高水準だった。株価は原油価格下落を好感した1月8日高値440円後の自律調整が一巡して再動意のタイミングだ。依然として指標面の割安感が強く、今期(15年3月期)利益増額の可能性を評価して上値追いの展開だろう。海洋資源関連などのテーマ性も注目点であり、07年12月以来の500円台が視野に入る。

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、その他事業を展開している。

 14年4月に発表した中期経営計画では、目標値として17年3月期売上高490億円(近海部門180億円、内航部門310億円)、営業利益37億50百万円(近海部門4億円の赤字、内航部門41億50百万円の利益)、経常利益37億円、純利益24億円、新造船建造等に対する3年間合計投資額135億円を掲げている。

 中期成長に向けた新規分野として、13年10月オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。オフショア支援船は16年2月竣工予定で、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。

 1月30日発表の今期(15年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)の連結業績は売上高が前年同期比3.3%増の354億61百万円、営業利益が同4.0%増の17億63百万円、経常利益が同9.9%増の18億40百万円、純利益が同20.5%増の13億02百万円だった。

 近海部門の日本向け石炭輸送、内航部門の石灰石・石炭の各専用船などが高稼働だった。セグメント別売上動向は、近海部門が円安も寄与して同6.0%増収、内航部門が2.0%増収だった。

 通期の連結業績見通しは前回予想(10月31日に売上高を減額修正)を据え置いて、売上高が前期比3.2%増の471億円、営業利益が同5.2%増の21億円、経常利益が同0.4%増の20億円、純利益が同2.4倍の13億円としている。配当予想(4月30日公表)は同1円増配の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。

 近海部門は市況低迷が長期化しているが、日本向け石炭輸送などが好調に推移する。内航部門は石灰石・石炭の各専用船が好調に推移する。コスト面では船舶量適正化や運航コスト削減の効果、原油価格下落メリットに加えて、14年8月に就航した最新型省エネ船の新造RORO船「北王丸」も寄与する。純利益については前期計上した船舶売却損失や保有船舶減損損失といった特別損失の一巡も寄与する。想定為替レートは1米ドル=105円としている。

 通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.3%、営業利益が84.0%、経常利益が92.0%、純利益が100.2%と高水準である。そして四半期別営業利益を見ると、所有船のドック入りが集中した第1四半期(4月〜6月)が56百万円の赤字だったのに対して、第2四半期(7月〜9月)は8億59百万円、第3四半期(10月〜12月)は9億60百万円と大幅改善している。

 第4四半期(1月〜3月)以降における季節波動や近海航路での市況低迷などを勘案して通期会社見通しを据え置いているが、原油価格下落メリットの本格化や円安の進行も追い風であり、通期利益は増額の可能性が高いだろう。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目されていることに加えて、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務も寄与して、中期的に収益拡大基調が期待される。

 株価の動きを見ると、14年秋の340円近辺でのモミ合いから上放れ、原油価格下落を好感する形で水準を切り上げ、1月8日の440円まで上値を伸ばした。08年7月以来の高値水準だ。その後は上げ一服の形だが、410円〜420円近辺で堅調に推移している。

 2月10日の終値412円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円28銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS759円73銭で算出)は0.5倍近辺である。

 週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線が接近してきた。自律調整が一巡して再動意のタイミングのようだ。依然として指標面の割安感が強く、今期利益増額の可能性を評価して上値追いの展開だろう。07年12月以来の500円台が視野に入る。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[1月23日更新]

川崎近海汽船は高値圏で堅調、原油価格下落が追い風、依然として割安感強く上値追い

 川崎近海汽船[9179](東2)の株価は、原油価格下落を好感して1月8日に440円まで上値を伸ばした。08年7月以来の高値水準だ。その後も高値圏で堅調に推移している。依然として指標面の割安感が強く上値追いの展開だろう。07年12月以来の500円台が視野に入る。海洋資源関連などのテーマ性にも注目したい。なお1月30日に第3四半期累計(4月〜12月)の業績発表を予定している。

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門と、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、その他事業(北海道地区における不動産賃貸事業など)を展開している。

 14年4月に発表した中期経営計画では、目標値として17年3月期売上高490億円(近海部門180億円、内航部門310億円)、営業利益37億50百万円(近海部門4億円の赤字、内航部門41億50百万円の利益)、経常利益37億円、純利益24億円、新造船建造等に対する3年間合計投資額135億円を掲げている。近海部門では船隊大型化、バルク輸送の船隊整備、内航部門では不定期船輸送の船隊整備などを推進する方針だ。

 中期成長に向けた新規分野として、13年10月オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立し、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出した。

 今期(15年3月期)の連結業績見通し(10月31日に売上高を減額)については、売上高が前期比3.2%増の471億円、営業利益が同5.2%増の21億円、経常利益が同0.4%増の20億円、純利益が同2.4倍の13億円、配当予想(4月30日公表)が同1円増配の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。純利益については前期計上した船舶売却損失や保有船舶減損損失といった特別損失の一巡も寄与する。想定為替レートは1米ドル=105円としている。

 第2四半期累計(4月〜9月)は近海部門の市況低迷長期化や、所有船のドック入りに伴う修繕費の増加で減益となり、通期見通しに対する進捗率は売上高49.9%、営業利益38.2%、経常利益40.2%、純利益39.3%で利益進捗率が低水準だった。

 しかし、近海部門は石炭・セメントなどのバルク輸送、内航部門は石灰石・石炭などの専用船輸送が通期ベースでも好調に推移する見通しだ。コスト面では船舶量適正化や運航コスト削減の効果に加えて、14年8月に就航した最新型省エネ船の新造RORO船「北王丸」も寄与する。

 四半期別営業利益を見ると、所有船のドック入りが集中した第1四半期(4月〜6月)が56百万円の赤字だったのに対して、第2四半期(7月〜9月)は8億59百万円に大幅改善している。修繕費が増加した影響は一時的だ。原油価格の下落や円安の進行が追い風であり、通期ベースでは営業利益増額の可能性もあるだろう。

 陸上輸送におけるドライバー不足で海上輸送へのモーダルシフトが注目されていることに加えて、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務も寄与して、中期的に収益拡大が期待される。

 株価の動きを見ると、原油価格下落を好感して水準切り上げの展開となり、1月8日には440円まで上値を伸ばした。08年7月以来の高値水準だ。その後も高値圏で堅調に推移している。

 1月21日の終値413円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円28銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS759円73銭で算出)は0.5倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの上昇トレンドであり、日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消した。依然として指標面の割安感が強く上値追いの展開だろう。07年12月以来の500円台が視野に入る。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[12月24日更新]
川崎近海汽船はモミ合い上放れて08年8月以来の400円台乗せ、原油価格下落が追い風

 川崎近海汽船<9179>(東2)の株価は、330円〜340円近辺のモミ合いから上放れて急伸し、12月22日に407円まで上伸して08年8月以来の400円台に乗せた。原油価格下落も好感して今期(15年3月期)好業績見通しを評価する流れだ。指標面には依然として割安感が強く上値追いの展開だろう。洋上風力発電や海洋資源関連などのテーマ性にも注目したい。

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門と、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、その他事業(北海道地区における不動産賃貸事業など)を展開している。

 14年4月に発表した中期経営計画では、目標値として17年3月期売上高490億円(近海部門180億円、内航部門310億円)、営業利益37億50百万円(近海部門4億円の赤字、内航部門41億50百万円の利益)、経常利益37億円、純利益24億円、新造船建造等に対する3年間総額の投資額135億円を掲げている。近海部門では船隊大型化、バルク輸送の船隊整備、内航部門では不定期船輸送の船隊整備などを推進する方針だ。

 中期成長に向けた新規分野として、13年10月オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立し、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出した。さらにLNG(液化天然ガス)輸送分野への参入も検討している。

 今期(15年3月期)の連結業績見通し(10月31日に売上高を減額)については、売上高が前期比3.2%増の471億円、営業利益が同5.2%増の21億円、経常利益が同0.4%増の20億円、純利益が同2.4倍の13億円としている。配当予想は前回予想(4月30日公表)を据え置いて同1円増配の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。

 第2四半期累計(4月〜9月)は前年同期比3.7%増収、同36.3%営業減益、同35.5%経常減益、同39.2%最終減益だった。近海部門は石炭輸送の高稼働や円安進行が寄与して同8.5%増収、内航部門は不定期船輸送、定期船輸送とも堅調に推移して同1.2%増収だったが、近海部門の市況低迷の長期化や、所有船のドック入りに伴う修繕費の増加で減益だった。

 通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.9%、営業利益が38.2%、経常利益が40.2%、純利益が39.3%である。利益進捗率がやや低水準だが、四半期別の営業利益を見ると、所有船のドック入りが集中した第1四半期(4月〜6月)が56百万円の赤字だったのに対して、第2四半期(7月〜9月)は8億59百万円に大幅改善している。

 売上面では通期ベースでも近海部門で石炭・セメントなどのバルク輸送、内航部門で石灰石・石炭などの専用船輸送が堅調に推移する見通しだ。コスト面では船舶量適正化や運航コスト削減の効果に加えて、8月に就航した最新型省エネ船の新造RORO船「北王丸」も寄与する。さらに原油価格の下落も追い風となる。

 所有船のドック入りが集中して修繕費が増加した影響は一時的で、通期ベースでは営業増益が期待される。純利益については前期計上した船舶売却損失や保有船舶減損損失といった特別損失の一巡も寄与する。なお想定為替レートは1米ドル=105円(前期実績は1米ドル=99円52銭)としている。

 株価の動きを見ると、330円〜340円近辺でのモミ合いから上放れて急伸し、11月28日に375円を付けて6月高値363円を突破した。さらに12月22日に407円まで上伸して08年8月以来の400円台に乗せた。原油価格下落も好感して今期好業績見通しを評価する流れだろう。

 12月22日の終値406円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円28銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS759円73銭で算出)は0.5倍近辺である。

 日足チャートで見ると目先的にはやや過熱感もあるが、週足チャートで見ると6月高値363円を突破して13週移動平均線がサポートラインの強基調となった。低PER、低PBR、高配当利回りで依然として割安感が強く、上値追いの展開だろう。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
[11月27日更新]
川崎近海汽船は調整一巡してモミ合い上放れの動き、6月高値目指す
 川崎近海汽船[9179](東2)の株価は、10月中旬以降は330円〜340円近辺の小幅レンジでモミ合う展開だったが、11月26日は343円まで上伸してモミ合い上放れの動きを強めてきた。低PER、低PBR、高配当利回りも支援材料であり、短期調整が一巡して6月高値363円を目指す展開だろう。

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門と、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、その他事業(北海道地区における不動産賃貸事業など)を展開している。

 14年4月に発表した中期経営計画では、目標値として17年3月期売上高490億円(近海部門180億円、内航部門310億円)、営業利益37億50百万円(近海部門4億円の赤字、内航部門41億50百万円の利益)、経常利益37億円、純利益24億円、新造船建造等に対する3年間総額の投資額135億円を掲げている。近海部門では船隊大型化、バルク輸送の船隊整備、内航部門では不定期船輸送の船隊整備などを推進する方針だ。

 また中期成長に向けた新規分野として、13年10月オフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立し、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出した。さらにLNG(液化天然ガス)輸送分野への参入も検討している。

 今期(15年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.7%増の234億78百万円、営業利益が同36.3%減の8億03百万円、経常利益が同35.5%減の8億05百万円、そして純利益が同39.2%減の5億11百万円だった。

 セグメント別に見ると、近海部門は石炭輸送の高稼働や円安進行が寄与して売上高が同8.5%増の87億37百万円だったが、市況低迷の長期化で営業利益(全社費用等調整前)は5億86百万円の赤字(前年同期は4億29百万円の赤字)だった。内航部門は不定期船輸送、定期船輸送とも堅調に推移して売上高が同1.2%増の147億38百万円だったが、所有船のドック入りが集中して修繕費が増加したため営業利益は同17.1%減の13億89百万円だった。

 通期の連結業績見通しは売上高が前期比3.2%増の471億円、営業利益が同5.2%増の21億円、経常利益が同0.4%増の20億円、純利益が同2.4倍の13億円、想定為替レートが1米ドル=105円(前期実績は1米ドル=99円52銭)としている。前回予想(4月30日公表)に対して10月31日に売上高を4億円減額修正した。なお配当予想は前回予想を据え置いて同1円増配の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。

 通期ベースでも、近海部門では石炭・セメントなどのバルク輸送、内航部門では石灰石・石炭などの専用船輸送が堅調に推移する見通しだ。コスト面では船舶量適正化や運航コスト削減の効果に加えて、8月に就航した最新型省エネ船の新造RORO船「北王丸」も寄与する。さらに足元で原油価格が下落傾向を強めていることも追い風となりそうだ。所有船のドック入りが集中して修繕費が増加した影響は一時的で、通期ベースでは営業増益が期待される。純利益については前期計上した船舶売却損失や保有船舶減損損失といった特別損失の一巡も寄与する。

 株価の動きを見ると、10月中旬以降は330円〜340円近辺の小幅レンジでモミ合う展開だったが、11月26日は343円まで上伸してモミ合い上放れの動きを強めてきた。短期調整が一巡したようだ。

 11月26日の終値343円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円28銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.9%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS759円73銭で算出)は0.5倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げている。低PER、低PBR、高配当利回りも支援材料であり、短期調整が一巡して6月高値363円を目指す展開だろう。(
情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)

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