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【株式・為替相場展望】
円安・株高に変化はなく堅調展開だが、目先的には目標達成感に注意

4月13日〜17日の株式・為替相場は全体として堅調な展開だろう。株式市場では利益確定売りも出やすい水準だが、特段の日本株売り要因が見当たらず堅調な展開となりそうだ。日本企業の変貌や日本経済の再生をテーマとして先高基調に変化はなく、日銀によるETF買いや年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による日本株買いも引き続き安心感に繋がる。


ただし、10日の取引時間中に日経平均株価が2万円台に乗せたことで、目先的には目標達成感が広がる可能性があるだろう。騰落レシオや移動平均線からのプラス乖離率に過熱感は見られないが、NT倍率は10日終値で12.5倍まで上昇した。10日の日経平均株価2万円台乗せも先物が主導し、指数寄与度の高い銘柄の大幅上昇が牽引した形であり、やや歪な印象も否めない。物色が広がらず、市場・セクター・銘柄間での二極化が進んでいる状況だ。


日経平均株価が2万円台を固めて上値を追うにはやはり循環物色が欠かせないだろう。4月下旬〜GW前後に本格化する3月期決算発表を控えて期待が先行するのか、様子見ムードを強めるのかも注目点だ。


4月30日の日銀金融政策決定会合での追加金融緩和「黒田バズーカ3」に対する期待感や、16年3月期企業業績に対する期待感が先行した場合には「5月に売れ」が現実味を帯びてくる。

為替のドル・円相場に関しても、大勢としてドル高・円安方向の流れに変化はないが、当面は米国の主要経済指標や企業業績を睨みながら米FRB(連邦準備制度理事会)の利上げ開始時期を巡る思惑が交錯する。4月30日の日銀金融政策決定会合での追加金融緩和「黒田バズーカ3」に対する期待感でドル買い・円売りが優勢になる場面もありそうだが、一方では米10年債利回りが上昇してこないだけに当面は膠着感を強めそうだ。


その他の注目スケジュールとしては、13日の日本2月機械受注、日本3月マネーストック、日本3月企業物価指数、中国3月貿易収支、14日の米3月小売売上高、15日の中国3月鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資、中国1〜3月期GDP、ECB(欧州中央銀行)理事会とドラギ総裁の会見、米3月鉱工業生産・設備稼働率、米4月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米地区連銀経済報告、16日の米3月住宅着工件数、米4月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、16日〜17日のG20財務相・中央銀行総裁会議、17日のユーロ圏3月消費者物価指数、米3月消費者物価指数、米3月コンファレンス・ボード景気先行指数、17日〜19日のIMF・世銀総会などがあるだろう。

その後は4月28日〜29日の米FOMC(連邦公開市場委員会)、30日の日銀金融政策決定会合などが予定されている。

(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR 、アナリスト 水田雅展)

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【相場展望】
日経平均は15年ぶりの水準だがTOPIXは約8年前の水準に留まる,TOPIX見直しを予想


(4月13日〜4月17日)


 海外投資家の買いが復活してきた。4月第1週の投資家別売買状況によると、海外投資家は現物で4453億円の買い越しとなった。ただ、先物では海外投資家は107億円の小幅売り越し。先物市場での売り仕掛けによる波乱の要素は残っている。


 一方、日経平均は10日午前の東京株式市場で、一時2万円の節目を上回った。取引時間中の2万円台乗せはITブームのピークだった2000年4月以来、約15年ぶりのこと。順調な値上がりである。


 しかし、TOPIXは日経平均に対し大幅なディスカウントの状態にある。日経平均は15年ぶりの水準に達したが、TOPIXはまだ約8年前の水準を回復したにすぎない。日経平均とTOPIXの比率であるNT倍率も低い状態にとどまっている。


 こうした事態はいずれ解消される。日経平均の調整かTOPIXの上げによる解消だ。願わくはTOPIXの上昇で解消して欲しい。14日の3月米小売売上高、15日の3月米鉱工業生産などの米経済指標には注意が必要となりそうだ。米国では2015年第1・四半期決算発表が本格化する。小幅の減益は織り込み済みだが、内容次第では米国株調整の要因になる可能性もある。

(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR 株式評論家 木村隆、元日本証券新聞編集長)
michi.jpg 《Eimei「みちしるべ」》


(4月13日から4月17日の週)

以下は先週金曜のラジオNIKKEI「投資知識研究所」のコメント。

日経平均は一時およそ15年ぶりに2万円台を回復。
3月23日から1回目のトライ。
例えれば・・・。
少しお休みしていたウサギにカメが追いついた、と櫻井所長。
超大先輩の浦上邦雄氏の『相場サイクルの見分け方』復刻版での言葉。
「株価は高値に近づけば割安に見えて、底値に近づくと割高に見える」
「相場の光と影を見た上で、でも株式市場にはロマンがある」
「企業収益であれ、金利の動向であれ、その水準や投資価値の問題よりもその方向性が重要」
つまり「方向性」を見間違えないことが大切。
そして、買いはカメ、売りはウサギで。

アレコレと言われている中で海外動向と国内企業収益が大きな材料だろう。
その企業収益だが始まったばかりのアメリカの第1四半期決算は2.4%の減益予想。
一方で前期基準の日経平均採用銘柄のEPSは1124円。
これは第3四半期基準だが9%増益の見通し。
しかし、実際の着地はおそらく10%増益を超えよう。
そして今期について調査機関は15%程度の増益見通し。
1030円×1.1×1.15×16=20847円。
今期10%増益、来期15%増益でPER16倍なら20847円という計算になる。
これは今期15%、来期20%、PER17倍なら24163円。
1万円10%は1000円、2万円の10%は2000円。
率は一緒でも幅は大きくなるのが数字でもある。

以前「ヘルシーな調整」という訳のわからない解釈もあったが、今回は「ヘルシーなバブル」。
その象徴が騰落レシオだろう。
週末段階で106%台。
過熱感の120%まではまだ遠い。
そしてほとんど語られないのが東証1部の売買単価。
土曜現在で1342円。
ところが東証1部の単純平均株価は331円。
まだ買われていない株が多いということに他ならない。
そろそろ逆転を目指して動き出して欲しいところでもある。
JASDAQ平均が9年ぶりの高値を取ってきたところを見ると胎動はあろうか。

日経平均想定レンジ

下限19389円(25日線)〜上限20434円(2000年4月14日、日経平均30銘柄入れ替え前水準)

(兜町カタリスト 櫻井英明)

過去のレポート

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