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【どうみるこの相場】NYダウの行方


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【どうみるこの相場】NYダウの行方

■6月利上げなら次は12月まで利上問題開放、夏相場で強い景気を見直す展開も

<Q>アメリカの6月利上げが言われている。つい最近までは6月の利上げはないと受け止められてきたと思うが。

<A>4月の雇用増が20万人を切って16万人にとどまったことで6月の追加利上げはないだろうというのがほぼ一致した見方だった。ところが、4月のFOMC議事録が公開され理事の多くは6月利上げが妥当ということだったことから6月利上げ観測が急速に高まった。

<Q>仮に、6月利上げ実施だった場合、NYダウはどう動くか。

<A>利上げ実施確実として、相場に絡めてみれば2つのことがあると思う。(1)利上げができるほど米国景気は堅調である、(2)6月に利上げすれば次は12月頃までは利上げ問題から開放される。既に、NYダウは足元ではかなり下げているので6月14日、15日のFOMCで利上げが決まったとしても一時的には下げてもさらに大きく下げることはないだろう。しばらくは次の利上げ問題が消えることから景気の強さを手掛かりとする相場が予想されるのではなかろうか。オバマ政権最後を飾る相場で最高値1万8351ドル(2015年5月)に突っかけるか、あるいは更新する可能性もありそうだ。

<Q>NYダウは夏相場が期待できるということか。

<A>可能性はあるのではないか。11月に近づくにつれて大統領選挙が控えているだけに動き難くなるように思われる。夏から秋口にかけて手掛けやすいように思われる。いずれにしても利上げが可能なほど米国景気堅調ということが相場を下支えすると思われる。相場が崩れるときは、米国景気に赤信号が点滅したときだろう。


(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)


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《Eimei「みちしるべ」》


(5月23日から5月27日の週)

株式市場の材料は永田町と霞が関から発掘されることが多い。
例えば先週の動き。

第63回規制改革会議。
特に目新しいものは見当たらない。
民泊関連の規制改革くらいだろうか。
「例えば、食卓にバターが十分に届くように、
売り惜しみが疑われる場合には国が輸入したバターを売り渡さないこととします。
さらに、どうすれば酪農家の経営意欲が高まるか、抜本的な改革を考えていきたいと思います。
規制改革に終わりはありません。
世界はどんどん変化していきます。
その中から新しい要請が出てくる。
それに答えていかなければ日本は成長していくことができないわけであります。
今後更にギアを上げて
規制改革課題を発掘・解決していくことで経済成長につなげていきたいと思います」と安部首相。

産業競争力会議も開催。「日本再興戦略2016」(素案)について議論。
「成長戦略第2ステージの鍵は、第4次産業革命の実現であります。
IoTやロボットを活用して、一人一人の状況に応じた個別化サービスや新しいビジネスが生まれます。
全ての工場や店舗がIoTでつながり、在庫ゼロ、即時オーダーメイド生産が可能となります。
あらゆる産業が一変する可能性があります。
大きなチャンスである反面、乗り遅れれば日本の主要企業が世界の先行企業の下請となり、
日本経済全体にとってピンチとなるおそれがあります。
スピード勝負で改革に取り組むため、司令塔として『第4次産業革命官民会議』を設置します。
まずは、3つの重点課題に取り組みます。
第1に、健康医療など有望な分野を特定し。
企業や組織の垣根を越えて、データを共有・活用するプラットフォームの形成を促します。
第2に、技術革新の動向を踏まえ、先手先手で規制・制度を改革します。
第3に、第4次産業革命の時代を勝ち抜ける人材を育成します。
初等中等教育でのプログラミング教育を必修化し、ITを活用した習熟度別学習を導入します。
第4次産業革命を新たな成長のエンジンとして、『GDP600兆円』を実現するために、
更に全力を尽くしてまいります」。
「IoT推進コンソーシアム」、「ロボット革命イニシアティブ協議会」。
「Iot推進ラボ」などは既に登場している。
面白そうなのは「キャッシュレス化等によるビッグデータの利活用促進」。
そしてITタグを利用した実証事業。
高齢者の移動手段などは自動走行運転につながっている。
目新しい言葉は「2020年のショーケース化」。
意味不明ながら何かありそうな言葉。


日経平均想定レンジ

下限16632円(25日線)〜上限17613円(4月25日高値)

日経平均株価は先週約324円の上昇。
週足では2週連続で陽線。
先週は4勝1敗、先々週も4勝1敗。
この2週間では8勝2敗とGW明け以降の日経平均は実はしっかりした動き。
25日線(16705円)と不即不離の動きの継続で一目均衡表の雲を抜けてきた。
気になってくるのが機関投資家の株価値洗いの基準ともいえる3月月中平均の16897円。
そして3月28日の終値は17134円。
これは3月期末権利落ち前の終値。
ここを抜けて権利配当落ちを埋めたことになるスタートラインである。
売買代金は2兆円割れ水準と低迷。
だがもうそろそろ三角もちあいから脱却する雰囲気になってこよう。
週末に控えた伊勢志摩サミットを待つモードとその後への期待感のせめぎ合いの時間帯になろうか。
シカゴ225先物終値は16725円。
高値16810円だからシカゴでもまだ膠着感だった流れは引き継ぐのだろう。
5月SQ値16845円が上値を抑えている構図に変わりはない。
仙台でのG7では何も決まらなかったが、何も決まらないのがG7とすれば別に問題はなかろう。
為替に翻弄されなくなりそうな気配は好感。
売買代金の低下は次のステップへのすくみとみたい。

多くの市場参加者は証券コードと銘柄名だけで投資することも事実。
しかし、どの銘柄もその歴史の重みと未来の行方は深いもの。
例えば・・・。
先週末に行われたナノキャリア(4571)の企業研究会。
テーマは「ドラッグデリバリーシステムから創出される革新的ナノメディシン」。
進化を感じたものがいくつかあった。
例えば次世代ADCM。
抗腫瘍効果を発揮する細胞内の必要な場所に薬物を大量に運ぶシステムだ。
これは多様ながんの増殖を阻害。
効果の増大と副作用の軽減が見込まれている。
従来は効きにくいとされていた薬でも、患部に直接運ぶことで再利用できる可能性が出てくる。
当然治療領域の拡大が見込めることになろう。
興味深かったのは「iCONM(ナノ医療イノベーションセンター」。
すべての医療機能が人体内に集約される「体内病院」の実現を目指している。
ウィルスサイズのスマートナノシステムが体内の微小環境を自律巡回。
24時間の治療・診断を行うシステム。
検出・診断・治療の機能が人体内に集約化されるという研究。
まさにSFの世界の現実化につながる研究と映った。
いずれは脳疾患など難治がんへの応用が期待される。
私立文系にはわかりにくい話でもあるが、少なくともこういう研究が進んでいることは現実。

バイオからITの世界に目を移せば・・・。
日曜に品川で行われたラジオNikkeiとプロネクサス主催IRセミナー。
登場したのはインフォテリア(3853)の平野社長。
新しく登場したのはこれから起こることとした「3つのD」。
(1)Data(Big Data&AI)
データのみがIT資産になる。
(2)Device(Smart&IoT)
デバイスが不可欠なインフラになる。
(3)Decentralized
分散して協調できるようになる。
これだけではなかなか理解できないかも知れないが来るべきITの世界を集約している。
そして従来はまだ見えていなかった新製品グラビティ。
徐々にその骨格が現れてきた。
アプリ系のホーキングも進んでいる印象。
課題はバイオにしてもITにしても未来の技術。
足元の収益との整合性の一致は未来に託されることになる。
しかし、このギャップもむしろマーケット的には心地よいのかも知れない。

(兜町カタリスト 櫻井英明)
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