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《Eimei「みちしるべ」》


(6月27日から7月1日の週)

英国のEU離脱は世界株の下落を巻き起こした。
不意打ちの影響はたしかに大きかった。ただ4%近く下落したNYからは「FRBは今年の利上げを見送る可能性が高まり、マーケットにとって悪くはない」という声も聞かれる。アベノミクスによる大型補正予算や景気対策G7財務相中央銀行総裁会議なとの結束などから影響は減少していこう。日経平均株価は25日移動平均から8.73%のマイナス乖離。PER12.62倍。2月12日の水準であり相場の行方に怯えるよりもリバウンド期待だろう。

日経平均想定レンジ

下限14800円〜上限15500円

興味深いのは、裁定買い残の減少の凄さ。
前週比3281億円減少し1兆351億円。
2012年6月22日以来だから裁定買い残的にはアベノミクス以前に故郷帰りしたことになる。
前々週は4799億円の減少だったから2週間で約9000億円減少。
メジャーSQを挟んだとはいえ5月末の1兆9179億円から一気に減少した。
逃げ足の速いマネーとはいえ、いくらなんでも減りすぎ。
これでは英国のEU離脱となっても売り玉はなかろう。
最近の現物先物の逆ザヤは、6〜8月の配当落ち分だけでなく、この解消売りの影響も結構大きいだろう。
そのうち裁定買い残の積み増しが来ると読んだ方が良いだろう。

過去を振り返れば6月16日15393円を付けた日。
ボリンジャーのマイナス3σ15411円でタッチ。
1σ=68.3%の確率、2σ=95.5%の確率、3σ=99.7%の確率というのが通説。
マイナス4σはないから完全に底打ちだったと振り返られる。
ストキャスは6.39、RSIは26.52だった。
MACDは下にいてそろそろシグナルがMACDを上抜いてゴールデンクロスの気配。
一目均衡の雲は24日に白くねじれ。
勝手雲は下限15926円、上限16354円となる。

金融工学の言葉の一つに「ベータ値」というのがある。
株価と市場の連動性を示すリスク指標で、市場平均よりも価格変動が大きいか小さいかを見る。
要は感応度の問題でもある。
ベータ値1は市場平均と同じ動き。
ベータ値が1以上であればハイベータ。
1以下であればローベータとなる。
株価の変動が大きく激しいほどハイベータ。
逆がローベータ。
一般的には株価が低い銘柄の方がベータ値は高くなる傾向がある。
ところで、アノマリーの一つにローベータというものがある。
NYダウ構成30銘柄を低ベータから高ベータまで5銘柄ずつ6グループに分ける。
1931年〜2013年のパフォーマンスは最も低いベータ値のグループがリターンが最も高かった。
価格変動は最も低かったがリスクに対するリターンの度合いが高かったことになる。
解釈としては・・・。
ベンチマークを上回ろうとする思惑を持ったファンドマネージャーや投資家。
「あわよくば」という思いや成長企業志向、あるいは自信過剰からハイベータ銘柄を好む傾向。
それゆえローベータ銘柄に目が届かなくなり、ローベータ銘柄が割安になるという。
これは教訓として覚えておきたいところ。


(兜町カタリスト 櫻井英明)
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