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《Eimei「みちしるべ」》

(7月25日から7月29日の週)

日経平均は16500円超での推移。
週間では約129円の上昇、週足では2週連続で陽線。
7月最終週は日米共に金融政策のスケジュールの週。
先にあるFOMCでは今年の利上げの可能性が焦点。
その後の日銀金融政策決定会合では、追加金融緩和への期待感というのが市場の解釈。
マイナス金利幅の拡大やETF・REITの購入枠拡大への期待感がいつものように満ちている。
しかしG20終了後の会見で黒田日銀総裁。
「金融政策決定会合では物価2%目標の早期達成の観点から金融政策を適切に判断する。
G20ではヘリコプターマネーの議論はまったくなかった」とコメント。
過大な期待感を持つ市場への警鐘ともなった。
今週や金融政策に加え欧州銀行のストレステストやGPIFの運用報告、国内企業決算の発表集中の週。
シカゴ225先物終値は16610円。
高値は16690円。
「17000円は累積売買代金の多い抵抗地帯」という指摘がある。
しかしこれは時間軸の設定でいかようにも変わるもの。
あまり気にしない方が良いかも知れない。
ただ25日線からのかい離がまだプラス4%水準。
そして騰落レシオは131%水準。
この過熱感が上値を重くしている。
もっとも裁定買い残が増加したとはいえ、まだ7841億円。
信用買い残は2兆1000億円台。
需給面は悪くない。
26日下げの特異日。29日上げの特異日の週となる。

IR関係の話を聞いていて感じること。
「逃げない、ブレない、ごまかさない」ということ。
円高や政策推移など周囲の情勢や外部環境などのせいにする話は良く聞く。
しかし、業績の低下を他人のせいにしても仕方がないこと。
大切なのは自助努力。
円高が脅威ならば外へ出ていけばいいこと。
受注が減れば営業力を強化すればいいこと。
製品競争力を上げればいいこと。
難しいかもしれないがその努力をすること。
単にあれがダメ、これがダメでは「いやいやえん」と変わらない。
もしそんなIRしかできないなら、投資する価値はどうなのだろうか。
トップダウンで「当社はここへ進む」。
このスピード感が企業のIRには必要だとつくづく思う。

日経平均想定レンジ

下限16639円(6月メジャーSQ値)〜上限17328円(200日線)

「望ましいのは円安ではない」というのが先週木曜の日経「大機小機」の隅田川氏。
「円安は企業の持続的な成長基盤の強化にはつながらない。
これが今回の125円までの円安トレンドの経験則。
円安による物価引き上げや企業収益増大効果の継続は、円安が進み続けなければならない。
当然これは不可能。
円安の効果は短期的なものに過ぎない。
労働生産性を高め、民活等が発揮できるような成長戦略が効果を発揮すれば為替は円高方向へ動く。
円高は輸入価格の下落を通じて交易条件を好転させ、国民の実質所得を高める。
国民の生活や福祉水準も上昇する。
これが円高のトリクルダウン効果だ。
長期的には、企業の実力に応じて円高への動きが生まれるような経済を目指すのが正しい道だ」。
因みにトリクルダウン効果とは富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透するという考え方。
トリクルダウン効果(仮説)ともいう。
大企業や富裕層への税の優遇、大型の公共投資などが経済活動を活性化させ、
めぐりめぐって低所得層も豊かになり、社会全体の利益になるという政治的な主張。
アメリカのレーガノミクスの時代に登場した。

同じ紙面にあったのは「追加緩和→円安は限定的か」の見出し。
市場関係者のコメントは「追加緩和を実施しても円安に触れるのは数分だけ」。
「追加緩和で円安になる。でも1分くらいでしょう」。
この程度の時間軸でしかない相場関係者がきっと多いのだろう。
一生懸命天下国家の行く末を考えて出された結論の賞味期間がわずか1分。
これではFX亡国論が登場してもおかしくはない気がする。
というか、何か空しささえ感じる時間軸でもある。

もうひとつの見出しは「ポンド安、英に海外マネー」。
ポンド下落で英国の企業や不動産などに海外投資家の資金が流入する兆しはあるという。
ソフトバンクのアーム社買収だってその一部。
あるいは中国マネーのロンドン不動産買いまくりも同様かも知れない。
英国の企業や不動産に価値があり続ければ外資の買収も続くのだろう。
しかし一時的にポンド安で買い物が入ってもその先はどうなるのか。
あるいは英国民が守ってきたものがいとも容易く買われてしまいそうな現実。
壮大な通貨安のもたらす実証実験はまだ始まったばかりである。

(兜町カタリスト 櫻井英明)
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