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《Eimei「みちしるべ」》

(10月3日から10月7日の週)

日銀短観で始まり米雇用統計で閉じる10月第1週は3日新甫。
ノーベル賞の発表もスケジュールされており話題には事欠かない週。
上海は国慶節で休場。
イスラムのヒジュラ暦では新年度。
一応プラス転換に期待の週。

日本株が世界の主要な株式市場の中で「一人負け」と日経。
日経平均株価は4〜9月の半期ベースで3期連続のマイナス。
「円高が日本株の足を引っ張り、出遅れが続く」との解釈だ。
4〜9月期の日経平均は前下期から2%下落。
同期間米国株は4%上昇、ドイツ株は5%、新興国ではブラジル株も上昇。
「下半期の日経平均占ううえで、カギは米利上げの動向」と。
土曜に大手町日経ホールで行われたストボフォーラム。
キャスタ─座談会の中で「米利上げは株上昇?」と質問してみた。
会場の答えは半分半分。
もう一つ「マイナス金利の廃止は株高?」。
これは圧倒的に賛成多数。
投資家心理の方が市場関係者よりも正しいに違いない。

株式投資という行為はもともと不健康なもの。
最近ではスマホでも投資はできるが大体は家に閉じこもって行わる。
しかも罫線収支の短期デイトレなどはほぼ間違いなく家の中。
FXに携われば昼夜逆転の寝不足が常態化。
体にも精神的にも不健康であること極まりない。
そういう意味ではポケモンGOのような位置取りゲ─ムの流行はアウトドアとフィールド調査につながり悪くはない。
結論の出ない不毛の世界経済談議に組するよりはよほど健康的だろう。
株式投資に必要なものの一つはマメさ。
あちこちに気配りしてそれぞれ確認することの大切さ。
他人の意見を鵜呑みにしての投資はそれこそ予想屋さんの紙に従って勝ち馬投票券を買うようなもの。
自分の目で見て自分で感じてひらめくこと。
たぶん先行きに対する自信のレベルは市場関係者も専門家も投資家さんも一緒。
だったら間違うのは人も自分も一緒。
だったら自分に自信をもって自分を信じることの方が良いに決まっている。
結構難しいが・・・。

1〜9月の外国人投資家は約6兆円の売り越し。
87年1〜9月の4.1兆円を抜いた。
その1987年はブラックマンデーがあり年間7.9兆円の売り越し。
年間でこれを抜く可能性がある。
これを吉兆とみるか凶兆とみるかで相場観は別れる。
対多数は否定的に「だから日本株はダメ」になるのだろう。
しかし少数意見としては「売った後に売り物はない」。
あるいは「売ったらいずれ買い戻す」。
もっともアベノミクス以降20兆円買って株価をあげてくれたのも事実。
無視はできないが、既にその4割は売っている。
株価は2割しか下げていない。
悪くはない数字だろう。
さらに異端意見は「市場を荒らすアライグマみたいな存在が消える」。
短期視点の外部勢力に踏み荒らされなくなる日本株にとって吉兆に映る。
「企業業績不安とか円高懸念」とかよりは邪魔者が消える効果の方がよほど心理的好転に寄与しよう。
そもそも・・・。
MBSの不正販売で詰め腹を切らされそうなドイツ銀。
無断での口座開設問題で追及されているウェルスファーゴ。
カタカナやアルファベットではさも優秀賞に見える海外金融機関も所詮そんなもの。
相場倫理でもやらずぶったくり観がなくはなかろう。
そしていずれの問題もリーマンショックの集大成みたいなもの。
これで幕引きになるかどうかが課題となっている。
秋になると「ムーディーズの格下げ」なんて記憶も甦ってくる。

DRAM価格が11か月ぶり高値と報じられている。
背景はゲーム専用パソコン向けの需要拡大。
スマホ向けも高性能化で急拡大しているという。
国慶節・ブラックフライデーそしてクリスマス。
気候は蒸し暑いが視点は時差を越えて冬を向かなくてはならない。
一方でLPG輸入は米国産シェアが首位。
位カタールを抜いて初めて米国がトップになったという。
因みに1〜7月のシェアは米国35%、カタール20.1%。
中東依存度は2011年88.7%→56.6%まで低下したという。
パナマ運河の拡幅と相まって米国は輸出拡大に拍車がかかる。
その受け皿が日本。
この構図を見れば、ドル安を望む米国のいうがままにLPGを輸入する日本。
自動車や家電などの稼ぎは資源で略奪され、為替の円高でダブルパンチ。
購買力だけはついているのだろうが、海の向こうの虎視眈々には叶わない。
ロシアの資源と米国の資源。
ある意味国家の先鋒の大手総合商社はどうしようと考えているのか興味深い。

相手のフィールドで戦わず自分の陣地で戦う。
これがある意味相場の戦いの要諦だろう。
アルゴを含めたコンピュータ取引、経済指標などのイベントドリブン。
どれも外国人投資家や機関投資家が得意なフィールド。
ここで戦うには個人は武装は軽すぎる。
とはいえ、戦場で戦えないことはない。
同じ武器でなく、同じ戦法でなく、同じフィールドでなく。
二本の足で立って戦えば、少しは勝てるような気がする。
ハナから武器は竹槍なのだとしたら、竹槍で勝てる戦術を使うべきであろう。
原油や為替、株価指数のフィールドから離れることも重要だと思う。
火曜日経朝刊1面左肩に登場していたシオズミアセットの塩住氏。
あるいはスパークスアセットの藤村氏。
「投資の世界では人手を介さない超高速取引やAIが急拡大。
運用の世界で、AIは人間に勝てない」。
AIは過去のデータをもとに将来を予測する。
しかし「超小型株は情報が乏しく、AIが計算に必要とする判断材料がない」。
別の言葉。
「物理の法則で設計できるロケットと違い、人間の心理が複雑に絡み合うのが株式運用」。
いつまでも尻尾を巻いた負け犬でいる必要はない。



日経平均想定レンジ

下限16359円(75日線)〜上限17251円(5月30日高値)

土曜日経1面では「日銀国債買い入れ減額」の見出し。
足元で進む長期金利の低下を抑える狙いだという。
今回は長期金利の指標となる新発10年国債が入る「5年超〜10以下」。
ここの国債の購入額を1回あたり200億円減額。
「10年超〜25年以下、25年超」も100億円ずつ減額。
日銀が購入金額を減らせば国債価格は下落し利回りは上昇する。
これが日銀の本心なのだろう。
というか金利で景気を左右する限界なのかも知れない。
いずれにしても、インフレ志向に変身した日銀。
インフレでは買い手の論理が相場を支配する株式市場にとっての光明でもある。
デフレ脱却のためにはマネーストックの増加と金利の上昇という対立命題の解を求めざるを得ない。
25日移動平均が16720円。75日線が16359円。
200日線16773円も近づいてきた。

(兜町カタリスト 櫻井英明)
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