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【どうみるこの相場】


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【どうみるこの相場】12月米利上げ微妙、月末からのイベント控えて引き続き材料難・薄商い


10月7日発表の米9月雇用統計が市場予想を下回る結果となった。これを受けて米国市場では為替がドル安・円高方向に傾いた。日本株は全体として引き続き材料難・薄商いの中で、一段と膠着感の強い展開となりそうだ。

 前週は米FRB(連邦準備制度理事会)の12月利上げを織り込む形で米10年債利回りが1.7%台に上昇し、為替は1ドル=104円近辺までドル高・円安方向に傾いた。これを受けて日本株は堅調な展開だった。ただしドル高・円安進行でも日経平均株価1万7000円台を回復するに至らず、投資家の様子見姿勢の強さを印象付ける展開だった。

 そして前週末10月7日発表の米9月雇用統計で、非農業部門雇用者増加数が前月比15.6万人増加にとどまった。失業率も同0.1ポイント悪化の5.0%で、いずれも市場予想を下回る結果となり、米FRBの年内12月利上げが微妙な状況となった。このため米国市場では為替が一旦ドル安・円高方向に傾いた。今後も12月利上げを巡る思惑が交錯しそうだ。

 これを受けて、日本株は全体として引き続き材料難・薄商いの中で、10月末から始まる主要企業の7〜9月期業績発表、そして11月8日の米大統領選挙というイベントを控えて、日銀のETF買いで下値は限定的でも、当面は一段と膠着感の強い展開となりそうだ。そして日経平均株価が1万7000円台にタッチできずに反落すれば、1万6300円〜1万7000円近辺でのレンジ相場感を一段と強めることになり、レンジ上放れは11月8日の米大統領選挙後ということになりそうだ。

 こうした状況だけに、AI関連、自動運転関連、フィンテック関連、バイオ関連といったテーマ株、高水準の設備投資が予想される半導体・液晶製造装置関連株、為替影響を受けにくい内需好業績株などに引き続き注目したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)

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《Eimei「みちしるべ」》

(10月11日から10月14日の週)

NYダウは週間で4週ぶりの下落となった。
英ポンドが対ドルで1.4%下落。
市場心理が悪化したとの解釈。
雇用統計での非農業部門雇用者数は15.6万人増と市場予想を下回った。
だが市場への影響へ限定的。
年内利上げ観測を変えるようなものではなかった。

英半導体アーム社のCEOサイモン・シガース氏が日経朝刊に登場した。
ソフトバンクの孫さんが3.3兆円も使って買いにいった企業のトップである。
結論は「ポストスマホの事業の柱はIoT」。
スマホ→自動車関連の図式となる。
確かに車はタイヤの上にコンピュータが乗っている。
この方向性にブレはないだろう。
「完成車や部品メーカー、ソフトウェア会社との対話している」。
その行方は「コネクテッドカー(つながる車)」。
「インフォテイメント」という音楽・映像・ナビゲーションなどがまずはとっかかり。
トヨタと7年先を見据えた技術開発」は当然自動運転に向かおう。
「アームの競争力は技術そのものでなく、生態系を作り上げる力。
アームの半導体設計が世界標準になるようにしてきた」。
2020年の車載用半導体市場は15年比34%拡大見通し。
フォーカスはここにある。
そういえば・・・。
今週2回取材したPCI(3918)。
自動車産業向け組込み系(エンベデッド)ソフトウェア開発に強みを持っている。
「複数年にわたり研究開発を行ってまいりました自動車関連通信制御技術分野が開花しました。
具体的には『V-Lowマルチメディア放送i-dio』の放送開始。
神戸市『市バスを情報通信基地とする実証実験』への実証事業主体としての参画。
総務省主催『非常時のアドホック通信ネットワークの活用に関する研究会』への構成員としての参画です。
将来的な成長戦略の一つとなる橋頭堡が築けたと実感しております」。
小さな一歩も大きな一歩と一緒の一歩。
因みに総務省の「非常時のアドホック通信ネットワークの活用に関する研究会」。
メンバー企業はトヨタ、ホンダ、ドコモ、ソフトバンク、KDDI、NEC、OKI。
そしてPCIとなっている。
キーワードは「エンデベッテッド」。
半導体等への組み込みソフトだ。
「特定の機能を実現するために機械や機器に組み込まれるコンピュータシステム」と定義される。
携帯、デジタル家電、自動車など多機能なシステムで複数のハード・ソフトを組み合わせたもの。
もうひとつ重要なのはサイバーセキュリティになる。
ここでLynx社のIoT機器向けセキュリティ・ソリューション「LynxSECURE」が登場する。
組み込みレベルでのセキュリティ分野で20年来の協業先がアドソル日進(3837)。
日経朝刊広告の「IoT時代のセキュリティ・フォーラム2016」。
21日にイイノホールで開催されるがその特別協賛社だ。
この2社は今年東証1部に上場。
市場は意外と時代を先取りしている。

興味深かったのは三井住友銀行の高橋誠一郎副頭取。
安部首相の会食に良く登場する御仁だ。
「日本は国債残高の多さを理由に株・債券・為替が軒並み売られるトリプル安に陥るリスクが指摘される。
ただこうしたパニック的な展開を今すぐ懸念する必要はないだろう。
過去にも金利の急上昇を見込んで外国人投資家が円債売りを仕掛けたがことごとく失敗した」。
裏返して読めば「株安・金利上昇・円安」はパニックの原因だということ。
円安がパニックになるのが常識だが、今は刹那的に円安を望むマーケット。
デフレ脱却を唱える市場だが、本来はインフレよりも悪くないとう現実。
これらが正確に首相に伝わっているならば東京市場の未来は明るい筈。


日経平均想定レンジ

下限16712円(200日線)〜上限17251円(5月30日高値)

「10月相場の騰落は下半期の相場への影響が大きい」と大和のレポート。
1949年以降の年度下半期のパフォーマンス。
10月に株価が上昇した年度は、下半期通じての株価の上昇確率も8割以上と高い。
その場合の10月〜翌年3月の株価平均騰落率も+14%以上と高い。
10月の株価が下落した年度と比べて差が大きい。
19月相場と翌年3月相場の株価騰落の方向は一致しやすいということもある。
最近10年間で、16回で両者の騰落の方向が一致している
外国人投資家の売りが出やすい10月に株価が上昇→国内勢の強気姿勢を反映。
その動きが同じ下半期末の3月にも繰り返されている可能性があるという。
★10月の騰落率がプラス→下期は30勝6敗。
上昇確率83.3%
平均騰落率プラス14.17%。
★10月の騰落率がマイナス→下期は17勝14敗。
上昇確率54.8%。
平均騰落率マイナス1.48%。
★10月と翌年3月のパフォーマンス
2015年10月プラス9.7%→3月プラス4.6%
2014年10月+1.5%→3月プラス2.2%
2013年10月マイナス0.9%→3月マイナス0.1%
2012年10月プラス0.7%→3月プラス7.3%
2011年10月プラス3.3%→3月プラス3.7%
2010年10月マイナス1.8%→3月マイナス8.2%
2009年10月マイナス1.0%→3月プラス9.5%
2008年10月マイナス23.8%→3月プラス7.2%
2007年10月マイナス0.3%→3月マイナス7.9%
2006年10月プラス1.7%→3月マイナス1.8%

イスラムのヒジュラ暦が10月3日に新年を迎えたことは結構知られている。
だが今年はほぼ同時にユダヤ暦の新年も10月2日に迎えた。
新年(ユダヤ暦5777年)は日没後に始まり翌日没に終了。
今年は10月2日の日没に始まり10月3日の日没に終了した。
イスラムのヒジュラ暦の新年株高アノマリー。
ユダヤ暦では新年10日後のアノマリーになる。
ユダヤ系の人の多いウォールストリートの相場格言。
「株は新年(ローシュ・ハッシャーナ)に売り、贖罪の日(ヨム・キプール)に買い戻せ」。
新年から贖罪の日までの10日間はユダヤ教では最も神聖な時とされるという。
だから商いが少ないと言われるが昨日のNY3市場の売買高は70億株超。
あまり感じられない。
因みにユダヤの新年10日間は「畏れの日々」と呼ばれるという。
畏れの日々が明けるのは10月13日。
アルコアを皮切りに米決算発表時期と重なる。

(兜町カタリスト 櫻井英明)
過去のレポート
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