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《Eimei「みちしるべ」》

(11月14日から11月18日の週)
日曜日経では「上場企業2年ぶりに増益」の見出し。
商社・建設などがけん引がサブタイトル。
商社の増益が1兆806億円とトップ。
前期に大きな特損を出しており、これは今期初からわかっていたこと。
発射台が引くかったということもできよう。
石油も5071億円の増益だが、自助努力が感じられる増益ではないところが残念さ。
化学やサービスの方が増益額は少ないが、頑張っている印象だ。
ただ2週間前は「上半期25%減益」の見出し。
日曜は「増益」の見出し。
同じ数字を扱っていてもマインドは異なっているようだ。
因みに全体の95.4%が通過した上期決算。
上半期の売上高は6.4%減、経常利益は12.5%減、純利益は10.8%減。
通期売上高は3.8%減、経常利益は2.3%減、純利益は7.4%増。

内閣府が発表した7カ〜9月期実質GDPは年率換算2.2%増で着地した。
市場予想の平均値は同0.9%増。
前期比は0.5%増で市場予想0.2%増を上回った。
企業業績とGDPが悪くなければ株は自然に上昇するもの。
まずは幻のSQ値となった17596円がターゲットだろう。

トランプ政権誕生で思い浮かんだのはキッシンジャー元国務長官。
日曜日経でタイミング良く登場していた。
興味深かったコメント。
「ある国と我々が同盟関係に入ったとする。
それは我々が彼らの長いを聞きいれた訳でもなく、彼らが我々のそれを聞きいれた訳でもない。
ただ双方の国の国益を反映しただけなのだ」。
国ではなく「我々」というのが奇異に感じるが国家は理念でなく国益で動くということ。
最終的には理ではなく利ということになろう。
つまりその意味では市場至上主義もあながち間違っていないことになる。
もう一つは「米国新政権がまず取り組むこと。
それは、中国ロシアが何を成し遂げようとしているか。
彼らは何を妨害しようとしているか。
それを誰とするのか。
その目的の達成のために誰が我々に懸念を与えるか。
これを自問することだ」。
ここにアメリカの政治的・地政学的存在がある。
そして「日本は独自の国益に則って、物事を決められなければならない。
我々の課題は我々の国益を日本の国益に関係づけることであり日本の外交政策に関係づけることではない」。
この一言を聞けば当然日本株高は連想される。


日経平均想定レンジ

下限16905円(11月4日安値)〜上限17906円(25日線17054円の5%上方かい離)

最近聞かれ始めたニューノーマルとは・・・。
ビジネスや経済学の分野でリーマンショックや景気後退の後における金融上の状態を意味する表現。
かつては異常とされていたような事態がありふれた当然のものとなっていることを意味する。
危機の前後で生じた構造的な変化を経て「新たな常態・常識」が生じているという認識に立った表現。
もともとはITバブル崩壊後の2003年頃にアメリカの経済学者たちが言い始めたという。
中国では最近「新常態」というらしい。
言い換えれば・・・。
「リーマンショックから立ち直った後の国際経済は、以前の経済とは別物になっている」。
「世界経済は元通りにはならない」=ニューノーマル。
アングロサクソンモデルの資本主義からの脱却→金融経済から実体経済への回帰
→経済に対する政府の大きな関与→レバレッジの縮小→米国は国際経済での主導権を喪失。
これがニューノーマルという言葉の行く末だとすると結構面白い状態に映る。


この時期に考えておきたいのは業績修正のクセ。
毎年決算発表の前にいつ発表するかは銘柄によってクセがある。
それは役員会が開催されたあとで発表されるからだろう。
過去の発表の曜日を学んでおけば決算とは違ったスケジュールが見えてくるかもしれない。
このリズムは結構重要である。

歴史を振り返ることは結構大切な気がする。
例えばレーガノミクス。
ウィキペディアではこうなっている。

1980年代に米大統領のロナルド・レーガンが採用した一連の自由主義経済政策。
前民主党政権の政策が企業の活動を阻害し労働者の勤労意欲を奪ったとの主張が背景。
市場原理と民間活力を重視した。

(1)社会保障支出と軍事支出の拡大により、経済を発展させ、「強いアメリカ」を復活させる。
(2)減税により、労働意欲の向上と貯蓄の増加を促し投資を促進する。
(3)規制を緩和し投資を促進する。
(4)金融政策によりマネーサプライの伸びを抑制。
   「通貨高」を誘導してインフレ率を低下させる。

理想的展開は「富裕層の減税による貯蓄の増加と労働意欲の向上。
企業減税と規制緩和により投資が促され供給力が向上。
経済成長の回復で歳入が増加し税率低下による歳入低下を補い歳入を増加させる。
同時に福祉予算を抑制して歳出を削減。
インフレ金融政策により抑制されるので歳出への制約は低下。
結果、歳出配分を軍事支出に転換し『強いアメリカ』が復活する」というもの。

この結果起こったことは・・・。
社会保障支出と軍事支出の拡大と減税をセットにした大型の財政政策が発動。
金利が上昇継続。
高金利は民間投資を停滞させると同時に日本などの外国資金のアメリカへの流入を促進。
為替レートをドル高に導いた。
ドル高は輸出減退と輸入増大をもたらしインフレ率の低下へつながった。
最終的にはプラザ合意となった訳だが、この再来の可能性って結構あるのかも知れない。
保安官やガンマンにできたことは不動産王にも出来る筈。
ロンの参謀は占星術でサポートしてくれた妻ナンシー氏。
ヘイグとかシュルツなんて名前も登場していた。
パパブッシュとかグリーンスパンという名もあった。
「軍産複合体」とかロックフェラーなんて言葉もそのうち聞かれるようになるのだろうか。
軍需産業を中心とした私企業と軍隊、および政府機関が形成する政治的・経済的・軍事的な勢力の連合体。
相場も結構興味深い展開となってくるのかも知れない。
「アメリカの国益を第一に」というのは共和党だけにトランプの選挙戦でも一緒だった。
リーマンショックからの脱却のために登場したオバマ。
そのマンネリ化からの脱却のために登場したのはトランプ。
「人権派弁護士の継続」ではなく「人権派弁護士→実業家」を選択したアメリカの真意を探る100日になろうか。
ニューノーマルはアゲインノーマル、あるいはリターンノーマルなのかも知れない。

(兜町カタリスト 櫻井英明)
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