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【どう見るこの相場】


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■トランプ就任演説控えて様子見ムード、仕掛け的な動きに注意

 今週1月16日〜20日の日本株は特に個別の注目材料がなく、週末1月20日のトランプ米次期大統領の就任演説を控えて様子見ムードとなりそうだ。日本株は基本的には米国株と為替次第の展開であり、トランプノミクスの負の影響が強く意識され始めていることも考慮すれば、為替を含めて仕掛け的な動きにも注意が必要となりそうだ。

 前週は1月11日のトランプ米次期大統領の記者会見で財政支出などの具体的な経済政策に言及しなかったとして、失望感が広がりトランプ・ラリーが一服感を強めた。為替が一時1ドル=113円台まで急速にドル安・円高方向に進んだことで、日本株も調整色を強めた。またトランプ米次期大統領がトヨタ自動車のメキシコ新工場建設に圧力を加えたこともあり、トランプノミクスの負の影響が強く意識され始めている。

 そして今週は、週末1月20日のトランプ米次期大統領の就任演説を控えて、一段と様子見ムードを強めそうだ。この他の材料として、米国主要企業の10〜12月期の決算発表、1月19日のイエレン米FRB議長の講演、1月20日の中国10〜12月期GDPの発表、そして国内では1月20日召集の通常国会などが注目材料となるが、トランプ米次期大統領の就任演説に比べて大きな影響は想定し難い。

 日銀のETF買いへの期待感で日本株の下値は限定的と考えられるが、全体的にリスクオフムードを強める可能性があり、為替を含めて仕掛け的な動きに注意が必要となりそうだ。

 物色面では主力株の上値が重くなることが予想されるため、AI関連やフィンテック関連などテーマ関連を中心に、中小型株への資金シフトが継続するかが注目点となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)

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《Eimei「みちしるべ」》

(1月16日から1月20日の週)

東洋経済の見出しは「トランプ相場に乗れ」。
そして「日本株2万円秒読み」。
加えて「急成長・優良銘柄350」。
週刊誌の見出しが強気になると株価下落のアノマリーということからすると良くない。
もっとも「目標2万円」ならば志が低過ぎて何の影響もないのかも知れない。
月曜恒例の「景気指標」で目についたのは生産指数集積回路が前年比21.6%増となったこと。
9月の12.3%以来マイナスだったが11月からまた回復してきている。

ロンドンFT100株価指数は14日続伸となり過去最高値を更新。
東京では「12月21日の高値19592円と、1月5日の高値19615円でダブルトップ」という形になってきた。
「12月30大納会安値18991円がポイント」という声も聞かれる。
金曜の終値ベースでSQ値(19182.28円)を超えたのは好材料。
25日移動平均線(19233円)もわずか0.3%とはいえ上回った。
25日線割れは12日一日だけのこととなり「トランプラリーはまだ継続中」と見る向きも多い。
先週の裁定買い残は1712億円の減少で1兆8900億円。
減少は4週ぶりのこと。
気になるのは空売り比率が39.8%まで上昇したこと。
一方で日経VIは18.01まで低下。
「ジブリの法則」は関係なし。

日経平均想定レンジ

下限19114円(大納会終値)〜上限20138円(12月SQ値プラス1271円=前回SQ値からの上昇幅)

切ったり張ったり、売ったり買ったり。
そんな修羅場でもある証券市場の宿命なんて青臭いことを考えてみると・・・。
「産業資本の長期安定的調達と国民金融資産の健全な育成」。
これは証券取引法の精神。
「投資家を保護して、国民経済の健全な発展に資することをターゲット」。
これは金融商品取引法の精神。
「利用者保護ルールの徹底と利用者利便の向上
貯蓄から投資に向けての市場機能の確保
及び金融・資本市場の国際化への対応を図る」。
つまり視点は産業資本というよりも投資家保護と国際化。
ここに市場の違和感があるような気がしないでもない。
証券市場の宿命みたいなものを考えれば当然「株価の上昇」がすべての問題を解決してくれる。
しかし、株価の上昇なんて視点でなく投資家保護あるいはグローバリズムへの迎合が法の論点。
企業が資金を調達できて投資家は資産の増加で潤うのが理想の姿勢。
あくまで理想だが、このウィンウィンの関係を築くような仕組みが求められている。
ただ実態はディスクロに汲々とし、日々の株価動向に一喜一憂。
本来、株式投資は時間と成長を買うもの。
もっとも売りと買いは両輪だから、一方的ではないのは当然。
しかし少なくとも退場と衰退を売る場所ではなかろう。
「今日の下げを見ると心配です」。
「今日の上げを見るといつ下がるのかと心配です」。
挙句の果ては「気をつけましょう。注意しましょう」。
だったら最初から株式市場に近づかなければ良いだろう。
不安と懸念を増長するような相場観測ばかりで市場が成長する訳はない。

業界紙チックに掲載された水曜日経1面の「航空機に日本の新素材」。
「日本初の新素材」はテーマとしては期待感がある。
課題は実用化までの時間軸と高コスト。
この時間軸を市場が許容できるのかどうかが問われる日となろうか。
大引けまで株価的に評価されるならば東京市場の成長の証と考えてみたいもの。
「知ったら終い」と言うが、「知ってから始まる」こともある。
この「人よりも早い知りたい」という切迫観念が投資パフォーマンスを悪くしている気がしないでもない。
スピードを競えば機械には負ける。
記憶力も判断力も負けるかもしれない。
でも時間をかけた勝負ではまだヒトは優位に立っていよう。
「知ったら終い」は逃げの投資。
「知ってから始まる」は知恵の投資に他ならない。

見習いたいのはNYSE。
米国市場で取引されている全ての株式について、年末までに同取引所の立会取引所で売買可能にすると発表した。
NASDAQ上場銘柄やETFなど速度がさほど重要ではない手段を提供するのが狙い。
現在NYSEでは3166銘柄の立会取引が可能となっている。
取引所は、立ち会いブローカーを通じて取引できる銘柄数を8600に拡大するという。
過去数十年で株取引は電子化の方向に進行。
大半の立会取引所が閉鎖され、完全電子取引に移行している。
一方でこの速度重視の姿勢が不公平な取引環境の創出につながっているとの指摘もある。
背景はともあれ、やはりスピードを競うのではなく相場観を競う市場の方が望ましい気がする。
兜町だって、インバウンドの一環としての立ち会い復活を考えても良い筈。
人が集まってこその市場である以上、目に見える形での人の集まりが求められている。

(兜町カタリスト 櫻井英明)

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