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《Eimei「みちしるべ」》

(4月3日から4月7日の週)

3月期末は午後2時過ぎの欧州やアジアからの売り物観測で続落。
1万9000円を割り込んでの終値となった。
2月末が19118円、3月始値が19393円。
前月比マイナス、月足陰線。
日足も週足も陰線で1〜3月足も陰線。
「これだけ陰線が重なれば、かえって怖くない。
陰極まれば陽つ通ずだろう」という楽観論も聞こえる。
「3月の最終売買日はこれで12年連続の陰線。
12年連続の前日比マイナス」。
アノマリーは成立すると登場することも多い。

何だかんだとアレコレと材料や背景を探してはみるものの、結局日経平均は18750円と19600円のレンジ。
この範囲で動いているに過ぎない。
微分した日々の動きにとらわれると、ココが見えなくなる。
だったら下げたら買って上げたら売ればいいのだろうが、コレが難しい。
下げたら弱気、上げたら強気という投資心理学の定石が邪魔をするのだろう。
日経ジャスダック平均が21連騰したことなどすぐ忘却の彼方。
必ずしも中小型株指数の誕生だけで上がった訳ではなくいずれは効いてくる指標だろう。
勝手雲が4月4日に黒くねじれているのなら底までは我慢という手もある。
他人の意見に付和雷同して自分の見通しを持たないと、それこそ株式投資は宇宙人のようなもの。
相場空間を漂流しかねない。

JPモルガンのレポートは「2013年以降の米経済と日本株」。

ISM製造業景況指数が52を下回るとTOPIXの1株利益の3か月前比はマイナスになる傾向。
つまりISM製造業景況指数が52を上回っていることが米国経済堅調悪化の分岐点。
直近は57.7となっている。
そしてISM製造業景況指数が52を上回っている場合、日本株の調整時間は平均2週間。
調整率は7%と試算されている。

昨日権利配当落ちだったが機関投資家の配当の再投資に関する計算。
225連動が846億円。
TOPIX連動が3344億円。
JPX400連動が366億円。
MSCIJAPANが1525億円。
合計で6081億円。
毎年増えている。

前場のTOPIXの下落率と日銀のETF買い。

★TOPIX下落率マイナス0.1%以下の場合
16年8〜12月:8回中2回
17年1月〜3月:3回中1回

★TOPIX下落率マイナス0.1%台の場合
16年8〜12月:8回中4回
17年1月〜3月:7回中2回

★TOPIX下落率マイナス0.2%台の場合
16年8〜12月:11回中7回
17年1月〜3月:4回中1回

★TOPIX下落率マイナス0.3%台の場合
16年8〜12月:9回中7回
17年1月〜3月:7回中6回

★TOPIX下落率マイナス0.4%台の場合
16年8〜12月:4回中3回
17年1月〜3月:3回中3回

★TOPIX下落率マイナス0.5%以上の場合
16年8〜12月:21回中20回
17年1月〜3月:9回中9回

今年は0.3%以下の下落率でもETFを買ってきたと読める。


日経平均想定レンジ

下限19434円(3月メジャーSQ値)〜上限20000円(心理的節目)

2016年度の売買代金トップは任天堂だった。
昨年夏のポケモンGO人気は記憶に新しいところ。
売買代金で12.6兆円だった。
2位はトヨタの13.9兆円。
3位は三菱UFJの13.2兆円。
以下、ソフトバンク12.4兆円、三井住友UFJ8.5兆円、みずほ7.3兆円、
ファーストリテ6兆円、ソニー5.7兆円、東芝5.5兆円、KDDI4.9兆円、
NTT4.5兆円、ファナック4.4兆円、JT4兆円、富士重工3.9兆円、
日産3.8兆円、ホンダ3.7兆円、野村3.7兆円、村田3.5兆円、
キーエンス3.2兆円、ドコモ3.2兆円。
これがベスト20となる。
時価総額上位、225寄与度上位に偏るのは事の性質上致し方ないがこれが現実。
どちらかというと個人というよりも機関投資家の売買に左右されている様子がうかがわれえる。
だからといって日曜日経朝刊で1面トップのような「株主優待バブル」というのもうなずけない。
株主優待導入企業は1375社で全体の3分の1にもなった。
金券・ギフト券が27%、食品が24%、生活用品が18%、レジャー優待券が14%、食事券が8%。
自社のサービスの優待は理解できるし、悪くはない存在。
しかし、クオカードやお米の優待はやはいり疑問が残る。
優待狙いの優待クロスなんて言葉まで登場するようでは本来長期株主を獲得する筈の意味は薄れよう。
そもそも株主優待は株価が低迷していた頃の名残りみたいなもの。
コストばかりかかって株主獲得に役立つほどでもないならやめるべきだろう。
ココスジャパンの1000円の食事券と5%割引カードの獲得費用は10560円。
中央魚類の3500円の水産物セット獲得コストは23400円。
裏返せば「株主優待」をありがたがるのは株式投資が下手な投資家の象徴みたいなものではなかろうか。
そこに付和雷同するのは「自分も株式投資は下手」と証明しているようなものに映る。
米国の株主優待実施企業は10社、英国が30社程度。
優待バブルなんて言われるのは日本特有のものでまったくグローバルスタンダードではない。
ふるさと納税と株式投資は違うもの。
ここはハッキリしておきたいところだ。
優待が欲しいのか、利益が欲しいのか。
優待に目がくらむと投資の焦点はボケてくる。
だから儲からない。
その儲からない言い訳が優待だとしたら本末転倒であろう。
自社の事業にからんだ優待はあってしかるべきだと思う。
しかしそれ以外は発行企業にしてもコスト増だし不必要。
優待総額は1000億円で純利益の2%程度だという。
しかし、総額は1000億円でも配送コストなどもろもろ考えればコスト倒れになる可能性もある。
配当で還元してくれる方がどれほどよいだろうか。
株が売れない時代の遺物なんか忘れて市場は前を見るべきではなかろうか。
「株式投資は優待ではなく配当と値上がりで利益を得るもの」。
この原理原則を忘れてはいけない。

(兜町カタリスト 櫻井英明)

過去のレポート
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