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《Eimei「みちしるべ」》
(5月21日から5月25日の週)

土曜日経朝刊の見出しは「上場企業、純利益35%増」。
前期の決算集計が出揃っての解釈。
「上場企業の稼ぐ力の高まりが鮮明だ」となっている。
しかし前期は過去のこと。
「企業が予想した純利益の増加率は期末に近づくにつれて大幅に高まった。
期初は9%の増益見通しだったが第3四半期末で30%に上昇。
結果はさらに上振れて着地した。
最高益を更新した企業は全体の3割を占める。
特に改善幅が大きいのは電機と自動車だ。
この2業種合計で全企業の増益幅の半分強を占める。
前期大幅増益の要因として収益力改善も見逃せない。
2000年以降で初めて売上高純利益率は5%に乗せ過去最高を更新した。

もっとも重要なのは今期の見通しだ。
前期よりも今期の伸び率が大きい業種を見てみると・・・。
《売上高》 造船、建設、不動産。
《経常利益》繊維、紙パ、造船、陸運、海運。
《純利益》 紙パ、造船、小売、陸運、海運、ガス。

日経平均想定レンジ

下限は22508円(5月月足陽線基準値)〜上限23445円(25日線の5%プラスかい離水準)

バフェット指標というのがある。
「その国の名目GDPと上場株式の時価総額の総和を比べるもの」だ。
日本のバフェット指数は1989年のバブルの頃は140%を超えていた。
リーマンショック前の2006年から2007年かけてが100%超。
2015年のチャイナショック前も100%を超えていた。
今年の2月も東証1部の時価総額は700兆円を超えバフェット指標は100%を超えていた。
ココが一部の警戒感と上昇への疑念の背景だったことは記憶に新しいところ。
直近の2018年1〜3月の名目GDPは547.9兆円。
東証1部の時価総額は682兆5198億円。
バフェット指標は124.57%だ。
2017年10〜12月の名目GDPは550兆円。
1月末の東証1部時価総額は690.68兆円。
バフェット指標は125.57%とほぼ今と一緒だ。
ココを超えてバブルの頃の140%まで行ければ767兆円までは行けると計算はできる。
因みに767兆円になった時の日経平均は25770円。
150%ならば27610円。
ココを限界と見るか、限界の先に期待するかは自由だ。
因みにGDPが600兆円になればバフェット指標の150%は時価総額900兆円。
日経平均は37665円。
アベノミクスの「未来戦略」が見えてくれば日経平均はバブル最高値(終値ベース38915円)に接近する。
そういう計算は可能だ。

「空売り比率のバッケンレコードが底打ちサイン」というのも良く言ってきた。
因みに今年3月23日(金)に空売り比率は50.3%。
昨年6月9日の47.0%、3月2日の48.8%を超えた。
当時のコメント。
「急落の週末。
値上がり29銘柄、値下がり2042銘柄。
新高値3銘柄(前日40)、新安値184銘柄(前日29)。
日経平均採用225採用銘柄のうち、JT、関西電を除く全銘柄が下落。
マイナス寄与上位はファストリが98円、東京エレクが45円だった。
トランプ大統領が中国からの輸入品に6兆円超の関税を課すと発表。
米中貿易戦争懸念でNYダウが724ドルの急落。
ドル売り・円買いが加速。
ドル円が1年4ヶ月ぶりに105円を割れ込んだことも悪材料。
下落幅は一時1000円を超えた場面もあった。
『200日線(21301円)を割り込んだことから、これまでとは相場つきが変わる可能性もある。
日米で政治リスクがくすぶる中での先行き不透明感。
方向感が定まらない中で指数の荒い動きが続き、上値は重い』という見方もある。
日経平均は週間では約1058円の下落。
週足は2週連続陰線。
3月第2週の海外投資家は10週連続の売り越し。
売越額は1728億円。
10週累計の売越額は2兆6532億円。
25日線(21663円)からは4.8%のマイナスかい離で第一次限界水準。
200日線からは3.2%のマイナスかい離。
騰落レシオは97.23%。
日経平均採用銘柄のEPSは1687円でPERは12.22倍だ。
昨年3月の月中平均は19340円でこれは最終的防波堤だ。
気学では『強象日、押し目買い』となっている。
空売り比率は50%超。
50%という数字が独り歩きしているが、金額では2兆円レベル。
この中に3000億円程度のETFの空売りも入っている。
しかし、信用売り残は1兆円程度。
ということは日ばかりの空売りが多いということになる。
記事などでは将来の買い戻し要因などと解説されるが本当だろうか。
どうも違うような気がする。
もっとも裁定売りも現物売りはほぼ空売りの筈。
数字は原典に当たらなくてはいけない」。

そして迎えた3月26日(月)の寄り付きの日経平均株価は20427円。
直近5月19日(金)の終値は22930円。
上昇率は約2ヶ月で12.2%。
「小さなざわめき」や阿鼻叫喚の警戒感は「大きなうねり」に変身したことになる。
定点観測の重要性ということになろう。

(兜町カタリスト 櫻井英明)
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