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《Eimei「みちしるべ」》
(5月28日から6月1日の週)

大小のクマが「いやいやえん」を演じた週末。
GDPが1.8兆円の国が2000兆円を超える国に歯向かったところで勝ち目はないだろう。
背水の陣は大きなクマでなく小さいクマということだ。
しかも原油が上がってロシアが一息ついたら、今度は原油が少し下がって中国が一服という感じ。
米中ロの三国志が朝鮮半島で演じられている裏側では世界の派遣闘争が継続している印象だ。


日経平均想定レンジ

下限は22508円(5月月足陽線基準値)〜上限23445円(25日線の5%プラスかい離水準)

マーケットは「狐狸の同床異夢」。
時折そんな思考法に陥ることがある。
市場参加者の欲望のベクトルは同一方向で「儲けたい」。
しかしその思いと戦略・戦法などは多種多様だ。
「買いたい強気」と「買いたい弱気」。
「売りたい強気」と「売りたい弱気」。
大きく分けるとこのマトリックスになろうか。
もっとも「買いたい強気」と「売りたい弱気」は当然の心理。
当たり前のことだからそう不自然ではない。
むしろ「強気だから買いたい」あるいは「弱気だから売りたい」ということが多いだろう。
この心理はヒトの摂理に思える。
しかし、ややこしいのは「売りたい強気」と「買いたい弱気」。
既に保有している株を売りたい向きの強気の見方やコメントが登場することもある。
あるいはまだ保有していない株を安く買いたいから存在する弱気の見方やコメント。
これが散りばめられて集約されたのが「株価」ということになる。
市場はそういう百鬼夜行の世界だと言ってもいいのかも知れない。
しかしそう考えると・・・。
本来ポジションを持っている向きや持とうとしている向きは市場コメントは出さない方が良いも言える。
自分のために自分のポジションを有利に動かすためのコメントというのは良くないと考える。
投資家さんは「自分がポジションを持っているから信頼できるコメント」と考えることもあろう。
「自分たちと一緒でオウンリスクを抱えている人の方が信頼できる」というのもわからないではない。
しかし「もっと上がる」と言って売っている人が絶無とは言えないだろう。
あるいは「もっと下がる」と言いながら買っている人もあるだろう。
まさに狐狸の世界だ。
「ポジションを持っていない岡目八目のようなコメントに信頼感はない」。
そういう声もある。
確かに無責任なコメントと思えるものもある。
しかし、フツーの常識では、多少の無責任はあるかも知れないが、ノンポジのニュートラルコメントの方が好ましく思えてならない。
ポジショントークは卑怯、ノンポジトークは公明正大。
そこまで言うつもりはない。
しかしポジショントークというものの悩ましさというのは常に感じるところでもある。
因みに金融の世界でのポジショントークとは・・・。
「株式・為替・金利先物市場において買い持ちや売り持ちのポジションを保有している著名な市場関係者が
自分のポジションに有利な方向に相場が動くように、市場心理を揺さぶる発言をマスメディア・媒体などを通して行うこと」。
リーガルやコンプラでは差し支えないのかも知れないが、道義面では接触するように思えてならない。
時には売名行為的ポジション獲得トークというのもあるかも知れない。
人それぞれ考え方や感じ方は百人百様で違うだろうが・・・。

興味深かったのは水曜日経マーケット面の「スクランブル」。

経験則では保守的な業績予想を出してくる企業の株価は決算発表直後に売られるが、
その後は1年近くにわたって株価が上昇していく傾向がある。
保守的予想を出す企業の過去10年間の株価パフォーマンスを平均すると、
5月末から6月中旬をそこに株価は上昇に転じ、
翌年3月には市場平均を約15%も上回っていた。
米利上げが継続して日米金利差がさらに広がればこの円安トレンドは大きくは変わらないだろう。
そうなった場合の有効な投資行動は6月に日本株を買うことだ。

(兜町カタリスト 櫻井英明)
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