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《Eimei「みちしるべ」》
(6月4日から6月8日の週)

6月は好受給相場。
12月決算の権利取り、4月決算の配当の再投資。
そしてボーナスだ。
月末には株主総会があり、3月決算の配当の再投資が7月初旬まで続く。
7日の日米首脳会談、12日の米朝会談、そして貿易摩擦満載のG7。
政治に翻弄される状況は続こうか。
SQのそれもメジャーSQの荒れる週。

日経平均想定レンジ

下限は22171円(6月月足陽線基準値)〜上限22621円(6月SQ値)

人類の叡智、英知というのはやはり地球規模では発揮されるものらしい。
北朝鮮もイタリアも、そして諸々の地政学的リスクは悪材料視されたが決定的局面の寸前で回避された。
個別案件では別かもしれないが、地球規模であるいは世界資本市場規模で考えれば寸前の回避ばかり。
リーマンショックだって決定的悪材料にはならずその後株価は回復した。
むしろ資本の世代間等の移動を当然のように促進したという解釈が可能だろう。
つまり、下げたときは買い場というのはお題目ではなく歴史が証明しているということになる。
それも局地戦ではなく総力戦の時にこそ威力を発揮するものだ。
2000年、2003年、2008年などの動きが良い例だろう。

本来、時間の経過とともに市場は拡大するもの。
そのスピードの速さ遅さが微分的に暴落とバブルの交錯となる。
しかし、いずれにしても過去の安値を下回り続けることなく、過去の上値を更新してきたのが市場の歴史だ。
この滔々たる時間と価格の流れを見誤るのは切に時間軸とタイミングの個人差の集積なのだろう。
「あらゆる市場で人類は叡智を発揮するもの」。
アダム・スミスの国富論の「神の見えざる手」の市場原理とは違った意味で結構重要なポイントである。

株価は需給で決まる。
売りと買いが共存している以上これは間違ってはいない。
しかし100%ではない。
株価は業績で決まる。
将来の増配や株価上昇を期待している以上、これは間違っていない。
しかし100%ではない。
株価は罫線で決まる。
株価は過去の延長線上にある異常、これも間違っていない。
しかし絶対に100%ではない。

つまり絶対的な株価決定要素というのはない。
常にその時々のファッションに彩られているに過ぎないとも言えよう。
「買う人が多いから高い。売る人が多いから安い」。
原理原則はココに尽きるのだか、その理由付けと解釈が千差万別だからややこしい。

「そうだろう」と思ったのは日経朝刊政治面の「海外投資家、政治を注視」の記事。
「マーケットは世の中の全ての事象や現象を映し出す鏡だ、と言われる。
イタリア政局の混迷が世界の金融市場を揺らし、米朝首脳会談をめぐるニュースが飛び交い、
日本の政治動向、特に首相の進退に直結する自民党総裁選に関心が集まる」。
格調は高く「経済新聞」らしい分析だ。
登場したのは先週話題になったジェフェリーズのレポート。
「安倍首相の自民党総裁選での3選が難しくなるものの自民党政治は続く」。
このレポートが日本株売りの材料になった可能性があると指摘している。
分析された海外投資家の論法。
内閣支持率急落→解散・総選挙で自民党が負け安倍首相退陣もしくは自民党総裁でなくなる
→アベノミクスの終焉→日銀黒田総裁による異次元緩和終了。

これは海外投資家ならずとも最悪のシナリオだ。
TOPIXの8日続落はアベノミクス初のこと。
だから「イタリアの問題は蒸し返しでもあり下落の主役ではない」と昨日も言った。
「一番の悪材料は骨太の方針原案に来年の消費税10%が明記されたこと」と推理した。
そして、不思議なことに一夜明ければNY株は急反発。
何もなかったかのように市場は展開するに違いない。
材料は炙り出して透かして見なければ本質が見えないものだ。

(兜町カタリスト 櫻井英明)
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