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《Eimei「みちしるべ」》
(6月18日から6月22日の週)

株式市場に長年棲息してきて思うこと。
どうしてFXとか仮想通貨にのめり込む投資家さんは多いのだろうか。
株でもそうだが「投資」と思い込んだ「投機」が好まれる国民性なのかも知れない。
金銭に対する欲望とか夢中にしてくれる娯楽性などは株式市場も一緒だろう。
しかし株式市場は「投資市場論」とか「資産形成論」とか「企業統治論」などで脚色されて欲望とう鷹の爪は隠匿された。
しかしFAや仮想通貨は、そのまま欲望ガッツリの世界。
売りや買いという単純作業は株も一緒だが、その手軽さは株よりもFXなどだろう。
これを助長したのがパソコンや携帯の進化。
手元でいくらでも取引できるから一気に損得が決まる。
ここは株も一緒だが、24時間の縛りはない。
ところがFXなどは四六時中取引ができる。
「FXの必勝策は24時間パソコンの前に座って取引をすること」なんていう愚かしい法則まで登場してきた。
「やり過ぎないという事が重要。
時間を定めておく事で心の切り替えがスムーズにする。
金額を定めておく事が大切」。
当たり前のことをあえてまた言われるほど遊戯。
のめり込む習慣になる危険な遊戯と言っても良いのかも知れない。
上か下かしかないのは株も一緒だが、たとえばドル円ならそれしかない。
株も225とTOPIXなど指数だと銘柄数は少ないが、個別銘柄は東京市場でも4000近い。
FXはせいぜいドル円、ユーロ円、ドルユーロ。
気を利かしてトルコだメキシコだと言っても所詮ローカル通貨だしドルの派生商品みたいなもの。
ほとんど何も考えなくても罫線だけを見て上か下かを予測はできる。
しかも実は複雑な要因からの値動きをするのだが、要因が多すぎて逆に罫線だけが頼りの世界。
「衝動的なトレーディングはやめてせめてテクニカル分析はしましょう」なんて言葉が出てくるから興味深い。
せめて?
罫線と経済スケジュールしかないように思えるのは気の所為だろうか。
「短期投資でのレバリッジは、ギャンブル性が強いもの。
レバリッジの掛け過ぎには注意が必要です」。
そういう警告もある。
しかし業界はレバレッジが低下することに反対してきたのも歴史。
警戒感満載の商品を提供することの投資家リスクというのは考慮されていなかったのだろうか。
知識は少なくても簡単だから参加できる。
資金が少なくともレバレッジが補ってくれる。
胴元にとっては素晴らしい仕組みだ。
「うまく負けることが勝つ秘訣」なんて言われれば「負けても大丈夫」なんて錯覚も生じよう。
投資でなく投機を行っているという自覚がないとおそらくのめり込んで打ちのめされる代物。
そもそも自分の身の丈の25倍とかいう投資を実生活でするものだろうか。
年収1000万円の人が2億5000万円の借金をすることがあるだろうか。
フツーに考えれば実にリスクの多いことになるだろう。
それも対象は目に見えない通貨という代物。
住宅ローンは年収の25倍も貸してくれない。
これが現実だ。
何故貸してくれるかといえば貸し倒れがあってもそれ以上に胴元が儲かるからだろう。
「マーチンゲール法(勝つまで倍掛けを続けるギャンブル戦略)はやめましょう。
ナンピン(投資対象の価格が思惑と反対に動いた時に買い増す戦略)もやめましょう」。
親切にリスク回避を説いてくれているように見えても、本質はリスク満載なのだから、あまり役には立たないだろう。
本質は「通貨とか金利とか経済政策とかチャート分析」などの言葉で修飾された投機なのだ。
それでもFXや仮想通貨への参加者は増えこそすれあまり減らない。
これって国民金融資産の健全な育成と考えるべきなのだろうか。
簡単に言えば、単にFXとか仮想通貨は個人的に肌が合わないだけの話。
市場参加者にとっては余計なおせっかいでしかなかろう。


日経平均想定レンジ

下限は22171円(6月月足陽線基準値)〜上限23211円(1月31日安値窓開け水準)

前々週は金曜安、前週は木曜安。
そして水曜は今年初の2週連続高。
リズムは下半期を迎える時期に変わったのかも知れない。
昨年も上期と下期で物色セクターが反転していたことは記憶に新しい所。
上期上昇セクターの下落、上期下落セクターの上昇というシナリオを描くことも大切だ。
そろそろ6月末。
アンワインド(巻き戻し)の時期となった。
東証33業種で年初来騰落率を調べてみると(6月18日前場)・・・。

★上昇率
電気ガス(9.71%)
陸運(7.35%)
小売(6.90%)
精密(5.28%)
水産(5.22%)
サービス(4.66%)
不動産(4.20%)
医薬品(3.15%)

★下落率
海運(▲22.29%)
鉱業(▲19.39%)
非鉄(▲18.25%)
鉄鋼(▲17.12%)
ゴム(▲17.12%)
金属(▲15.44%)
機械(▲13.88%)
銀行(▲13.10%)
繊維(▲10.19%)
倉庫(▲8.62%)
証券(▲8.25%)
建設(▲7.81%)
ガラス(▲7.01%)
電気(▲6.51%)
石油・石炭(▲6.13%)
空運(▲5.20%)
輸送用機器(▲4.63%)
TOPIX(▲3.63%)
保険(▲3.50%)
紙パ(▲2.56%)
食料品(▲2.32%)
化学(▲1.90%)
その他製品(▲1.55%)
卸売(▲1.15%)
その他金融(▲0.74%)
情報・通信(▲0.22%)

2019年の干支はイノシシ

亥年=猪年=豚=鹿
「亥固まる」
猪=ぼたん鍋=ボタン
2007年上昇銘柄
木村化工機、乾汽船、デジアド、田淵電機、オンコセラピー、
Vコマース、アプリックス、富士通ゼネ、島精機、フォスター、
農薬、ジオマテック、日医工など。

(兜町カタリスト 櫻井英明)
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