《Eimei「みちしるべ」》
(7月9日から7月13日の週)
7月2日新甫の日経平均株価は月初から4日続落。
振り返ってみると2月までは2016年7月以来20ヶ月連続の月初高だった。
月初からの4日続落は2016年4月以来のこと。
その先は2016年1月の6日続落からだから約2年半ぶりの経験となる。
意外と記録チックだ。
しかし数え始めると途絶えるのも記録。
今回もこの法則の面目躍如だった。
相場で重要なことの一つは定点観測。
意外と面倒くさいことだが、これなくしては、相場観はなかなか育成されない。
一見豪放磊落に見えるギャンブラーのような投資家だってこれは行っているに違いない。
かつての「仕手筋」だったきっとそうだったと思う。
小さなうねりから大きな動きの予兆を肌で感じることができる唯一の方法だろう。
日足の動き、時間帯、移動平均線、雲やボリンジャーなんかは機械的な観測。
そしてPERやPBR。
信用残や裁定残の動向。
日々の評価損率だって見ておくことだ。
見ることで肌が感じてくる。
「アレ?」という違和感こそが重要なのだ。
定点観測で追わない限り「アレ?」は来ない。
大げさな修辞で相場を表現したり、逆に「今日は何もない」と通過しては行けない。
大きな活字の見出しだけでなく、小さな活字の数字の羅列の中にこそ真実と未来はある。
多少の労苦を厭わずに、追いかけ続けること。
スポーツのプロだって日々道具に触れていないと第一線からは退かなければならないだろう。
ちょっとしたルーティンワークこそが大きな変化を見つける土台であることは間違いない。
そこに相場に対する敬虔さと謙虚さが加わればさらに良いのだろう。
昔の相場師というのは大半が敬虔で謙虚だったような気がする。
「かねて申し上げていたように」はまだ良いとして・・。
「私の言ったとおりに」とか「聞いてくれればよかったのに」。
そんな傍若無人な言葉は使っていなかった。
というか、沈黙寡黙こそ相場人の真骨頂でもあった。
「騒ぐ鳥は餌を見つけられない」なんて格言はないが、騒がず踊らす淡々と数字を追う姿勢。
これは難しいが必要なこと。
日経平均想定レンジ
下限は21811円(7月月足陽線基準値)〜上限23011円(6月12日高値水準)
PBR1倍割れの銘柄が841社。
東証1部の40%にあたる銘柄が1倍割れ。
1年1ヶ月ぶりの多さとなったとの活字。
この間の日経平均は1割近く上昇。
「一部の銘柄が大きく上げる中で買いの対象とならない銘柄が増加」との解釈だ。
一方でPBRが2倍以上の銘柄も3割近くある。
買い物は「安心感のある一部の銘柄に集中」しているということだ。
2015年にも中国人民元の切り下げでPBR1倍割れは4割を超えた。
2016年2月には6割へと増加した。
「本来PBRが1倍を割り込むと割安感から買いが入りやすくなる。
現在の市場環境では下値で入る買いは限定的だ」という指摘。
考えておきたいのはPBR1倍割れ銘柄のリバウンドと1倍以上の銘柄の上昇加速のスピード感。
本来はリバウンドに期待なのだろうが経験則では加速に軍配があがる。
「いいものはいい。駄目なものはだめ」なのだ。
「安物買いの銭失い」という格言はこういう場面で該当するような気がする。
因みに、リーマンショックや東日本大震災の頃のPBRは0.8倍だった記憶がある。
PERは無限大だった。
「偉大な栄光とは失敗しないことではない。
失敗するたびに立ち上がることにある」。
「一粒の木の実はいくつもの森を生む」。
「敷かれた道を進むより道なきところに自ら道を築いて進め」。
「雑草とは何か?
その美点がまだ発見されていない植物である」。
「自分に自信を失うと世界中が自分に敵対する」(エマーソン)。
以下当面のアノマリー。
↓
ETFの決算での好受給は七夕あたりに天井打つ傾向。
7月はドル高になりやすい。
サマーラリーは幻想。
七夕天井天神底(7月25日頃)も最近は違ってきた。
4月上昇→8月下落、4月下落→8月上昇(4月と8月は逆相関)。
7月上昇→12月上昇、7月下落→10月下落(7月と12月は正相関)。
小暑の頃にTOPIXは高値をつけやすい。
イスラム暦10月上旬(6月下旬)は日米株とも共通して下落しやすい。
米国株はイスラム暦8月上旬(5月上旬)は上昇しやすい。
断食月であるラマダーン(イスラム暦9月)は日米株とも無関係。
(兜町カタリスト 櫻井英明)
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