《Eimei「みちしるべ」》
(8月20日から8月24日の週)
「何を買うのか」そして「いつ買うのか」と「どう買うのか」。
それぞれのテーマは重要だ。
重視しがちなのは「何を買うのか」という銘柄選択の問題。
しかし「いつ買うのか」のタイミングの問題の方がより重視されるべきだろう。
それが相場勘というものに他ならない。
ようやく9月11日のヒジュラ歴が近づいてきた。
盆明け上昇で9月堅調の読みが当たるかどうか。
その時期になってきた。
日経平均想定レンジ
下限は22233円(7月12日窓埋め水準)〜上限23011円(6月12日高値水準)
「能」の世界では全体でのリハーサルというのはないという。
申し合わせと言う打ち合わせはあるときくが通しでリハをすることはないらしい。
茶道で言う一期一会の世界だから、同じ物は二度ない。
歌舞伎と違って同じ演目を連日上演する事はない。
舞台は役者にとっても「一期一会」。
これが最初で最後の演目になるつもりで演じるという。
中には何十年に一回しか上演されない演目もあるともされる。
だからリハはないというのはなんとなく納得できる。
すべての演目の訓練・稽古は常に終わっているということ。
相場も一緒だろう。
シミュレーションという稽古はできる。
しかし実戦は一期一会。
一度として同じことが起こる日はない。
となると実戦に登場するまでの稽古をどれだけしたのかが試されることになる。
もっとも・・・。
ビギナーズラックというのもあるから面白いものだ。
「高債務国利上げの試練」という論調は債務の多い新興国が通貨防衛を迫られている」という課題だ。
アルゼンチンの政策金利は年40%→45%に引き上げ。
背景はアルゼンチンペソの急落。
今年のインフレ率が23%というのもあるが、通貨が売られ防衛のための利上げ。
「新興国」という定義だからこうなるのかも知れないが、一般的にはこの姿は間違ってはいない。
日本だってこうなる可能性があるということ。
それでも、「円高でなく円安の方が望ましい」と言えるのかどうか。
ここは結構な課題だ。
日経ヴェリタス今週号の特集は「おじさんの逆襲」。
サブタイトルは「波乱相場で際立つ存在感」だ。
代表は2014年3月期まで3期連続で最終赤字だった三井化学(4183)。
今3月期連結純利益は800億円(前期比12%増)。
3期連続最高益の見込み。
会社設立は1955年、ルーツは1912年の旧三井鉱山の化学事業だった。
リストラと成長事業を明確にし「景気変動受けにくい分野」に経営資源を集中投下。
収益の構造転換に成功した。
東証1部上場企業のうち今3月期に純利益が最高になると予想する企業は385社。
その6割が社歴50年以上。
日経ヴェリタスは社歴50年以上の企業を「おじさん企業」と定義している。
3月期の上場企業を「社歴50年未満」と「同50年以上=おじさん企業」にしての分析。
過去5年のROEを算出している。
「50年未満」の企業のROEは9.1%(12年度)から10.1%(17年度)に改善。
「おじさん企業」は4.9%→10.3%へ大幅改善。
「おじさん企業と日経平均株価の推移比較(13年末を100として指数化)。
「おじさん企業」が147と日経平均株価を10ポイント上回る。
「おじさん企業」の復活・躍進のキーワード。
(1)体質改善、
(2)高級化路線
(3)新需要開拓
共通項は半世紀以上の歴史。
数々の経営危機を乗り越えてきた。
安定した経営基盤だ。
【体質改善】体質改善したおじさん企業
☆昭和電工(4004):黒鉛電極が高騰、コスト削減で5事業とも収益改善
☆三井化(4183):汎用品プラントを構造改革、重点分野に経営資源集中
☆東海カーボン(5301):黒鉛電極の値上げ浸透、不採算製品の整理も
☆王子(3861):アジア事業拡大、営業利益の6割を海外で稼ぐ
☆協和エクシオ(1951):通信工事の採算改善、M&A駆使
☆五洋建設(1893):工事採算が改善・海外港湾工事も堅調
【高級化路線】
☆日本空港(9706):伊勢丹などと組み羽田空港の収益拡大
☆マルハニチロ(1333):海外で高級白身魚「メロ」が人気
☆リログループ (8876):福利厚生代行サービスの会員数が増加
☆寿スピリッツ(2222):チーズケーキなどの洋菓子販売が訪日外国人向けに伸びる
☆永谷園(2899):フリーズドライの味噌汁や総菜商品が人気
☆井村屋(2209):「あずきバー」などで高品質シリーズ展開
【新需要開拓】
☆ミネベアミツミ(6479):円高・タイ洪水被害で一時苦しむも、スマホ部品や軸受け拡大
☆ダイフク(6383):ネット通販拡大で倉庫システム好調、半導体向け搬送機器も大幅増
☆レンゴー(3941):ネット通販拡大で段ボール好調、開梱・陳列しやすい高付加価値品伸びる
☆三和HD(5929):シャッター需要が物流施設などの建設増で回復
☆日本ユニシス(8056):企業のIT投資拡大が追い風、キャッシュレス決済など課金ビジネスも
☆能美防災(6744):物流施設などの建設増加で防災システムの納入が拡大
☆京三製作所(6742):半導体製造装置用の電源設備好調、鉄道信号システム伸びる
(兜町カタリスト 櫻井英明)
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