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《Eimei「みちしるべ」》

(11月05日から11月09日の週)

商売というのは「臆病」あるいはその反対の「豪胆・勇敢」につけこみがちなもの。
市場では心理があるベクトルを持ったときに悪魔の囁きが聞こえ出す。
「もっと下がるよ。どんどん下がるよ。早く売らないと損が増えるよ」。
市場関係者の声ではなく、自分の心の中での悪魔の声だ。
株価が上がってくれば「早く買わないと儲けそこなうよ。早く早く」。

しかし「損が増えるよ」と「儲け損なうよ」ではその影響力に差がある。
人間心理は基本的に「臆病」にできているからだ。
古来、寺社仏閣に参拝参詣する人は多い。
これだって多くは漠とした将来への不安が芽生えているからこその行動だろう。
悪魔の囁きが勇敢心理を相手にするとバブルが起こり、逆に臆病心理を相手にすると暴落が起こる。
この繰り返しが相場なのだろう。


木曜日経1面トップの見出しは「日用品、国産を対中輸出」。
背景はインバウンド人気や越境ECが拡大した結果の「メイドインジャパン人気」。
「メイドインジャパン」へのニーズが高まり、海外での消費が国内の投資や雇用を生む好循環という解釈だ。
これまで輸出を牽引してきたのは自動車(12兆円)、半導体・電子部品(4兆円)など。
しかし化粧品・おむつ・文具などで既に8000億円超。
この動きは見逃すことはできないだろう。
昨日、取材した白鳩(3192)の池上社長。
「アパレルは中国製などが多かったが、今は衣料でも日本製にこだわるアジアとなってきた」。
ウォッシュレットは必需品となったように、それぞれの分野で日本製品が求められる時代。
けっして悪くない。
円高で外へ出ていった企業が国内生産回帰をするから従業員は不足するというのも現実。
設備投資も雇用も日本が生むということ。
製品の現場感覚が国内回帰なのだから市場も自信を持つべきとき。
相場が滑った転んだなんてことは目先のこと。
大きな時間軸でみれば「日はまた昇る」だ。
大きな時間軸での変化を捉えることが必要だろう。
象徴的だったのは同じ日経朝刊のワコールの広告。
キャッチコピーは「絆づくりは人づくり」。
「インターネットでなんでも買えるこの時代。
それでも求められる接客とは、機能を伝えるよりも、お客様の気持に寄り添うこと。
カラダに一番近い商品だからこそ、内側から美しさを引き出すお手伝いをしたい。
そして、心から快適な日常をお届けしたい」。
欧米企業、あるいは中国企業などにこの発想は希薄。
「今だけ、金だけ、自分だけ」でない企業の強さがここにある。
無料でソフトを提供し、やらずぶったくりで個人情報を取得しデータ帝国をつくるような企業の対極に位置していよう。
そう考えると、もっと大きな変化の波は来ているのかも知れない。
必要なのは「黒船至上主義の排除と自信」。
明治以来の「脱亜入欧」からの脱却だ。


日経平均想定レンジ

下限22313円(10月SQ値)〜上限23373円(10月10日窓開け水準)

日銀のETF買いが10月は12回で着地。
かつて2016年6月に12回買ったこともあったが今とはレベルが違い買い入れ額は4198億円。
現行の買い入れ耐性なってからの3月の11回を抜いてバッケンレコードを記録した。
その3月の買い入れ額が8081億円。
10月は8436億円となった。
となると、累計買い入れ額は4兆9446億円。
年6兆円ペースだと、買い入れ余地は残り7338億円。
1回703億円として11回しか買えない。

そろそろ2019年投資アノマリーと「平成三十一年、称元の年の相場予見」を作らなくてはならない時期。
NHK大河ドラマは第58作。
「いだてん 〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」は宮藤官九郎脚本、主演は中村勘九郎、阿部サダヲ。
朝の連ドラは第100回で「なつぞら」。主演は広瀬ずず。
その他のイベントでは・・・。
1月6日部分日食
1月21日皆既月食(日本からは見えない)
2月24日天皇陛下在位30周年記念式典。
3月16日埼玉県に「ムーミンバレーパーク」が開業。
3月29日英国がEU離脱予定
4月19日〜帝劇で「レ・ミゼラブル」が再演。
GWは10連休。
5月5日〜イスラムのラマダン(〜6月3日)
6月28〜29日G20首脳会議が大阪で開催。
7月3日皆既日食(日本からは見えない)
7月7日サッカー女子ワールドカップ決勝(フランス)
7月17日部分月食
7月参議院選挙
9月1日ヒジュラ暦の新年
9月13日中秋の名月
9月20日ラグビーワールドカップが日本で開催
10月消費増税
10月新天皇即位の礼
10月26日- オーストラリア、エアーズロックへの登頂を全面禁止
11月2日ラグビーワールドカップ決勝戦
11月11日〜12日水星の太陽面通過(日本では見えず。次回2032年11月13日は日本から一部見える)
11月新国立競技場竣工
12月26日部分日食、インドなどでは金環食
小惑星リュウグウに着陸している小惑星探査機「はやぶさ2」の滞在終了、帰還は2020年

(兜町カタリスト 櫻井英明)

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