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《Eimei「みちしるべ」》

(11月12日から11月16日の週)

マーケット追随型市場関係者を悩ませてくれる展開。
「今泣いたカラスがもう笑った」みたいな状態だ。
今泣いたカラスがもう笑うとは・・・。
欲しいものを買ってもらえなくて泣きわめいていた子どもが、それが手に入ったとたん泣きやんで笑顔を見せているといった生態。
ずるがしこそうなカラスに例えた慣用表現だ。

しかし、面白い解釈もある。
「そんなふうに子供を甘やかしているから泣きわめく子供が出来上がるのである」。
東京株式市場もそうなのかも知れない。
相場は「運否天賦」と考えることも重要だろう。

日経平均想定レンジ

下限22469円(11月SQ値)〜上限23057円(9月SQ値)

9日までに決算発表した1364者の決算集計。
時価総額では上場企業全体の93%、社数で85%に相当する。
4~9月期(上期)の純利益は約15.6兆円と19%増で過去最高更新。
ただ「下期は中国景気の減速のほか、原材料価格の高騰、国内の人手不足などが重荷になりそう」との解釈。
上場企業の純利益は下期に約12.9兆円と15減の可能性もあるという。
19年3月期通期の純利益は1%増にとどまる見通しと渋い。
通期で増益を維持できれば3期連続での最高益。
海外企業は18年主要企業ベースで米国は24%、欧州で8%増の見通し。
どこか数字が食い違っている

市場は機械が席巻しているように見えるが底流は人の心理と欲望の集合体なのだ。
「選挙結果を巡る思惑や懸念だけで投資方針を変更するのは避けるべきだ。
投資家としては、当初の方針を堅持し、長期的な投資計画に従った上で実際に新議会がどう動くのかを見定める方が大事だ」。
昨日言ったのは「他国の選挙の結果を海の向こうで解釈することの虚しさ。
自国市場での評価こそ本物」ということだった。

それにしてもトランプ氏は大統領になって919円も下がった日経平均。
今回は共和党善戦で上げ、ねじれで60円下げた日経平均。
2年という時間軸が相場観を変えたのだろう。
しかし、市場はしばしば間違うという歴史的格言は間違わなかった。

火曜の日経朝刊での国内投資家見通しは「日経平均11月末22410円」だった。
1ヶ月前よりも約1800円切り下がった。
切り下がったのは4ヶ月ぶりだという。

それにしても機関投資家ら市場関係者225人を対象にし140人が回答したアンケート結果。
2019年1月末が22888円。
6ヶ月後の4月末は23164円。
因みに1ヶ月前のアンケートで10月末予想は24245円。
要するに市場関係者の相場観というのはトレンド追随型の典型ということ。
「専門家はしばしば理路整然と間違う」という歴史的格言も間違わなかった。

(兜町カタリスト 櫻井英明)


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