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《Eimei「みちしるべ」》

(01月21日から01月25日の週)

日経平均株価は263円高の22666円07銭と3日ぶりに大幅反発。
終値で25日線(20576円)を上抜けた。
プラスかい離は12日4日以来。終値は12月19日以来、約1カ月ぶりの高値水準となった。
「業績予想を下方修正した日本電産の株価が急落後、下げ渋る動きをみせたことも投資家心理の回復に寄与した」という声も聞こえる。
週足は2週連続陽線。
1月11日時点の裁定買い残は1981億円増の7822億円。裁定売り残は2434億円減の3840億円。
SQまたぎとはいえ強烈な増減でマトモな格好となった。

数値というのは断片的でなく複合的に見なくては行けない。
お医者さんだって、予断と偏見を持たずに診察するから病気を発見できるのである。
水曜日経朝刊のマーケット面の見出しは「空売り比率が26日連続40%超」。
上昇した相場の反面記事なのだろう。
「短期的には株安が進むと見ている投資家が多いことを示す」。
これは理解できる。
気になった部分。
「空売りは買い戻して利益を確定させるためいずれ買いが発生する」。
東証発表の日時の数字で昨日の空売りは1兆2827億円。
1月4日時点の信用売残は前週比1260億円減の6539億円6539億円。
16年8月以来の低水準だ。
借株による空売りは考慮しなければならないが辻褄は合わない。
つまり日ばかりが多く、将来の買い戻し要因にはならない可能性は高い。
教科書だけで相場を図ると実務では間違うこともある。
これはお医者さんもたぶん一緒。
生身の人間や生身の相場を相手にしている以上、あらゆる可能性は排除すべきではない。
思い込みと錯覚は大きな見落としに繋がってくるから注意が必要だ。
相場にも丁寧な診察が必要なのである。
極論すれば「市場全体を見回しあらゆる可能性を排除せず総合的な判断をしなければならない。
そのためには市場の息吹を感じ、市場参加者の息遣いと眼差しを感じること」。
結構難しいが・・・。

同じ銘柄を買って儲かる人と損する人がいる。
この差はなんなのかといえばひとえにタイミングの差。
早いか遅いかの時間軸もある。
あるいは売り損ないという時間軸もある。
不即不離で間を図るのが極意というと剣法みたいだが、実際そうだろう。
執着してはいけないし、さりとてしらけていてもいけない。
適度な温度差の変化を微妙に感じるなんて神業だが、でもそれがタイミングだ。
孤高を保った「人の裏」ではないが「みんなで渡れば間違える」のが相場だ。
「何を買うか、いつ買い、いつ売るかは投資家の仕事」と市場関係者岡本さん。
この言葉の意味は深い。

日経平均想定レンジ

下限20485円(5日線)〜上限21699円(25日線の5%プラスかい離水準)

日経ヴェリタスのびっくり予想2019。
ちなみに昨年の的中率は3割だった。

消費増税延期
衆参ダブル選挙で自民大敗、小泉進次郎氏が連立政権首班に
日銀が金融緩和の解除に舵を切る
トランプ大統領電撃辞任、ペンス副大統領昇格
トランプ大統領の執拗な利下げ要求に抗議しFRBパウエル議長辞任
中国景気の悪化で中国共産党に反発激化、政変勃発
韓国と北朝鮮が統合
WTI原油がバレル30ドル前後に急落、中東産油国のソブリンファンドが保有株を大量売却
米、サウジ、イスラエルによるイラン攻撃
英国が再度国民投票実施、EU残留を決定
ソフトバンクGの信用リスクが急速に高まる
国内完成車メーカーが米テスラを買収

1月30日に実施されるTOPIXの浮動株比率の定期見直しによるリバランス。
通信子会社のソフトバンク(9434)に対しては売買代金で2219億円。
2.9日分の買いインパクトが見込まれるという。
次が武田(4502)の1965億円、4.76日。
オラクル(4716)が58億、アサヒインテック(7747)54億円、
ペプチド(4587)31億円、未来工業(7931)27億円、クスリのアオキ(3549)25億円、
ベイカレント(6532)24億円、アルテリア(4423)20億円。
業績などには全く関係ない需給だけの株価変動要因だ。

新興市場で海外投資家のシェアが拡大している。
18年のマザーズ市場の金額ベースの個人投資家のシェアは58.6%。
17年の65.4%から低下した。
海外投資家のシェアは17年29.8%、18年36.4%と拡大。
マザーズ指数先物の個人投資家のシェアは45%。
17年の53%から低下。
海外投資家のシェアは42%だ。
2016年には約33%だったから海外投資家の新興市場侵食は目に着く。
牙城を奪われる日が来るのかも知れない。

(兜町カタリスト 櫻井英明)

過去のレポート
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